(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-05
(54)【発明の名称】新規な結合分子およびその用途
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20240129BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20240129BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240129BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240129BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240129BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240129BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240129BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20240129BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240129BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240129BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240129BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20240129BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20240129BHJP
A61P 21/02 20060101ALI20240129BHJP
A61P 5/38 20060101ALI20240129BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20240129BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20240129BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240129BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/46 ZNA
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C07K19/00
A61P25/00
A61P29/00
A61P25/28
A61P25/16
A61P25/14
A61P21/02
A61P5/38
A61P37/06
A61P25/04
A61K39/395 N
G01N33/53 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545187
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 KR2022001498
(87)【国際公開番号】W WO2022164231
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0011845
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518426066
【氏名又は名称】グッド ティー セルズ、 インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、チュン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ポム ソク
【テーマコード(参考)】
4B065
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA83X
4B065AA87X
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
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4H045AA10
4H045AA11
4H045AA20
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4H045CA40
4H045DA75
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
4H045GA21
4H045GA26
(57)【要約】
本発明は、脳神経系疾患の予防、改善または治療効果に優れた新規な結合分子およびその用途に関する。本発明で提供する結合分子は、脳神経系疾患、特に神経退行性疾患または神経炎症性疾患を効果的に予防または治療することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1;配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2;配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および
配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1;配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2;配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域を含む結合分子。
【請求項2】
前記結合分子は、配列番号13で表される塩基配列によりコードされる重鎖CDR1;配列番号14で表される塩基配列によりコードされる重鎖CDR2;配列番号15で表される塩基配列によりコードされる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および
配列番号16で表される塩基配列によりコードされる軽鎖CDR1;配列番号17で表される塩基配列によりコードされる軽鎖CDR2;配列番号18で表される塩基配列によりコードされる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域;を含むものである、請求項1に記載の結合分子。
【請求項3】
前記結合分子は、配列番号11で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域;および
配列番号12で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;を含む、請求項1に記載の結合分子。
【請求項4】
前記結合分子は、配列番号19で表される塩基配列によりコードされる重鎖可変領域;および
配列番号20で表される塩基配列によりコードされる軽鎖可変領域;を含む、請求項1に記載の結合分子。
【請求項5】
前記結合分子は、Fc領域(Fragment crystallization region)または不変領域(constant region)をさらに含む、請求項1に記載の結合分子。
【請求項6】
前記Fc領域は、IgA、IgD、IgE、IgM、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4抗体のFc領域、またはハイブリッドFc(hybrid Fc)領域である、請求項5に記載の結合分子。
【請求項7】
前記結合分子は、配列番号21、23、24、27、28、29、30および32からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる重鎖不変領域をさらに含む、請求項5に記載の結合分子。
【請求項8】
前記結合分子は、配列番号22、25、26および31からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる軽鎖不変領域をさらに含む、請求項5に記載の結合分子。
【請求項9】
前記結合分子は、
配列番号33または35で表される塩基配列でコードされる重鎖不変領域;および
配列番号34または36で表される塩基配列でコードされる軽鎖不変領域;をさらに含む、請求項5に記載の結合分子。
【請求項10】
前記結合分子は、
配列番号37または38で表されるアミノ酸配列からなる重鎖;および
配列番号39または40で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖;を含む、請求項1に記載の結合分子。
【請求項11】
前記結合分子は、配列番号37で表されるアミノ酸配列からなる重鎖;および配列番号39で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖;を含む、請求項10に記載の結合分子。
【請求項12】
前記結合分子は、配列番号38で表されるアミノ酸配列からなる重鎖;および配列番号40で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖;を含む、請求項10に記載の結合分子。
【請求項13】
前記結合分子は、
配列番号41または43で表される塩基配列によりコードされる重鎖;および
配列番号42または44で表される塩基配列によりコードされる軽鎖;を含む、請求項10に記載の結合分子。
【請求項14】
前記結合分子は、配列番号41で表される塩基配列によりコードされる重鎖;および配列番号42で表される塩基配列によりコードされる軽鎖;を含む、請求項1に記載の結合分子。
【請求項15】
前記結合分子は、配列番号43で表される塩基配列によりコードされる重鎖;および配列番号44で表される塩基配列によりコードされる軽鎖;を含む、請求項1に記載の結合分子。
【請求項16】
前記結合分子は、抗体またはその断片である、請求項1に記載の結合分子。
【請求項17】
前記抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体(humanized antibody)、二価(bivalent)、両特異性分子、ミニボディ(minibody)、ドメイン抗体、二重特異的抗体(bispecific antibody)、抗体模倣体、ユニボディ(unibody)、ダイアボディ(diabody)、トリアボディ(triabody)、テトラボディ(tetrabody)またはその断片である、請求項16に記載の結合分子。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の結合分子をコードする核酸分子。
【請求項19】
請求項18に記載の核酸分子が挿入された発現ベクター。
【請求項20】
請求項19に記載の発現ベクターが形質感染した宿主細胞株。
【請求項21】
配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1;配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2;配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および
配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1;配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2;配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域を含む抗体;および薬物を含む抗体-薬物結合体(Antibody-Drug Conjugate、ADC)。
【請求項22】
請求項1~17または21に記載のいずれか1項に記載の結合分子を有効成分として含む脳神経系疾患の予防または治療用薬学組成物。
【請求項23】
前記脳神経系疾患は、神経退行性疾患または神経炎症性疾患である、請求項22に記載の薬学組成物。
【請求項24】
前記神経退行性疾患または神経炎症性疾患は、脳卒中、認知性、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease)、パーキンソン病(Parkinson’s disease)、ハンチントン病(Huntington’s disease)、ニーマン・ピック病(Niemann-Pick disease)、多発性硬化症、プリオン病(prion disease)、クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、筋萎縮性側索硬化症(AlzAmyotrophic lateral sclerosis)、副腎生物症候群(Paraneoplastic syndrome)、皮質基底核変性症、多系統萎縮症、進行性核上麻痺、神経系自己免疫疾患、脊髄小脳変性症(spinocerebellar ataxia)、炎症性および神経病症性痛症、脳血管疾患、脊髄損傷(spinal cord injury)およびタウオパチー(tauopathy)からなる群より選択される、請求項23に記載の薬学組成物。
【請求項25】
抗原特異的結合ドメイン、連結ドメインおよびCD3ゼータ(ζ)シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)において、
前記特異的な結合ドメインは、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1;配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2;配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および
配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1;配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2;配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域であるキメラ抗原受容体。
【請求項26】
請求項25に記載のキメラ抗原受容体を有効成分として含む脳神経系疾患の予防または治療用薬学組成物。
【請求項27】
請求項1に記載の結合分子を含む脳神経系疾患の診断用組成物。
【請求項28】
請求項27に記載の組成物を含む脳神経系疾患の診断用キット。
【請求項29】
請求項1に記載の結合分子で目的とする個体から分離された生物学的試料においてT細胞の表面に存在するLrig-1タンパク質の発現レベルを測定するステップを含む脳神経系疾患を診断するための情報提供方法。
【請求項30】
配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1;配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2;配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および
配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1;配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2;配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域を含む結合分子を特徴とする脳神経系疾患の予防または治療方法。
【請求項31】
前記結合分子は、抗体またはその断片であり、
前記抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体(humanized antibody)、二価(bivalent)、両特異性分子、ミニボディ(minibody)、ドメイン抗体、二重特異的抗体(bispecific antibody)、抗体模倣体、ユニボディ(unibody)、ダイアボディ(diabody)、トリアボディ(triabody)、テトラボディ(tetrabody)またはその断片を特徴とする請求項30に記載の脳神経系疾患の予防または治療方法。
【請求項32】
配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1;配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2;配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および
配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1;配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2;配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域を含む抗体;および薬物を含む抗体-薬物結合体を特徴とする脳神経系疾患の予防または治療方法。
【請求項33】
抗原特異的結合ドメイン、連結ドメインおよびCD3ゼータ(ζ)シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)において、
前記特異的な結合ドメインは、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1;配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2;配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および
配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1;配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2;配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域であるキメラ抗原受容体を
特徴とする脳神経系疾患の予防または治療方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脳神経系疾患の予防、改善または治療効果に優れた新規な結合分子およびその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
脳卒中、認知性、アルツハイマー病などの退行性脳神経疾患において記憶力、注意力、認知能力、感情調節などの低下が観察され、これは神経細胞の死滅および神経分枝の萎縮による結果である。神経細胞の神経分枝の伸長は神経可塑性を増大することにより、神経回路の記憶、学習機能に重要な役割を果たしている。このため、神経細胞の神経分枝の伸長と神経再生を促進する有効成分は、退行性脳神経疾患の新たな治療剤として開発の可能性があると予測される。
【0003】
高齢化人口の急増に伴い退行性脳神経系疾患の発病も増加する傾向にあり、医学の革新的な発展にもかかわらず、未だに退行性脳神経系疾患に対する予防法と治療法が明らかでなく、決定的な効果を有する薬剤を見出せないのが現状である。現在、退行性脳神経系疾患治療剤と治療法が開発されているものの、長期服用による副作用および毒性を示す場合が多く、治療よりは症状を軽減させる効果しかないため、副作用および毒性を減少し治療できる素材の開発が急がれるのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一つの目的は、制御性T細胞(Regulatory T cell;Treg)の表面に存在するLrig-1タンパク質に対する結合能に優れ、脳神経系疾患の予防、改善または治療効果に優れた結合分子を提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、本発明による前記結合分子をコードする核酸分子を提供することである。
【0006】
本発明のさらに他の目的は、本発明による前記核酸分子が挿入された発現ベクターを提供することである。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、本発明による前記発現ベクターが形質感染した宿主細胞株を提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、本発明による抗体-薬物結合体を提供することである。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、本発明による結合分子を含む脳神経系疾患の予防、改善または治療用組成物を提供することである。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、本発明による抗体-薬物結合体を有効成分として含む脳神経系疾患の予防または治療用薬学組成物を提供することである。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、本発明によるキメラ抗原受容体(CAR)を有効成分として含む脳神経系疾患の予防または治療用薬学組成物を提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、本発明による結合分子を含む脳神経系疾患の診断用組成物と診断用キット、そして脳神経系疾患を診断するための情報提供方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、本発明による結合分子、抗体またはその断片、抗体-薬物結合体(ADC)、キメラ抗原受容体(CAR)を特徴とする脳神経系疾患の予防または治療方法を提供することである。
【0014】
しかし、本発明が解決しようとする技術的課題は以上に言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は以下の記載から当業界における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施形態によれば、制御性T細胞(regulatory T cells、Treg cells)に存在するLrig-1(leucine-rich and immunoglobulin-like domains 1)タンパク質に特異的に結合する結合分子に関する。
【0016】
本発明で使用される「結合分子」は、キメラ、ヒト化またはヒト単クローン抗体のような単クローン抗体を含む完全な(intact)イムノグロブリン(immunoglobulin)、または抗原に結合するイムノグロブリン、例えば、インフルエンザAウイルスの単量体HAまたは三量体HAとの結合のために完全な(intact)イムノグロブリンと競争するイムノグロブリン断片を含む可変性ドメインを意味する。構造とは関係なく、抗原-結合断片は、完全な(intact)イムノグロブリンによって認識された同一の抗原と結合する。抗原-結合断片は、結合分子のアミノ酸配列の2個以上の連続基、20個以上の連続アミノ酸残基、25個以上の連続アミノ酸残基、30個以上の連続アミノ酸残基、35個以上の連続アミノ酸残基、40個以上の連続アミノ酸残基、50個以上の連続アミノ酸残基、60個以上の連続アミノ酸残基、70個以上の連続アミノ酸残基、80個以上の連続アミノ酸残基、90個以上の連続アミノ酸残基、100個以上の連続アミノ酸残基、125個以上の連続アミノ酸残基、150個以上の連続アミノ酸残基、175個以上の連続アミノ酸残基、200個以上の連続アミノ酸残基、または250個以上の連続アミノ酸残基のアミノ酸配列を含むペプチドまたはポリペプチドを含むことができる。「抗原-結合断片」は、特に、Fab、F(ab’)、F(ab’)2、Fv、dAb、Fd、相補性決定領域(CDR)断片、単鎖抗体(scFv)、二価(bivalent)単鎖抗体、単鎖ファージ抗体、ダイアボディ(diabody)、トリアボディ、テトラボディ、ポリペプチドへの特定の抗原に結合するのに十分なイムノグロブリンの1つ以上の断片を含むポリペプチドなどを含む。前記断片は、合成でまたは完全なイムノグロブリンの酵素的または化学的分解によって生成されるか、組換えDNA技術によって遺伝工学的に生成される。生成方法は当業界にてよく知られている。
【0017】
本発明において、前記「Lrig-1(leucine-rich and immunoglobulin-like domains 1)タンパク質」は、制御性T細胞の表面に存在する1091個のアミノ酸からなる膜貫通タンパク質であって、細胞外あるいはルーメン側のロイシン反復配列(leucine-rich repeat(LRR))と3つの免疫体様ドメイン(immunoglobulin-like domains)、細胞膜貫通配列および細胞質尾部から構成されている。LRIG遺伝子ファミリーはLRIG1、LRIG2とLRIG3が存在し、これらの間のアミノ酸は非常に保全的に構成されている。前記LRIG1遺伝子は正常皮膚で高く発現しており、基底と毛包細胞に発現して上皮幹細胞の増殖を調節することができる。したがって、表皮の恒常性の維持に重要な役割をし、不存在の場合、乾癬や皮膚癌に発展しうる。LRIG1が位置した染色体3p14.3部分が切断される場合には、癌細胞に発展する可能性があることが報告されており、実際に腎臓癌(renal cell carcinoma)と扁平上皮癌(cutaneous squamous cell carcinoma)ではLRIG1の発現が非常に減少していることが確認された。ところが、最近は、前記Lrig-1を発現する癌は20~30%程度に過ぎないことが究明されたりした。一方、本発明の目的上、前記Lrig-1タンパク質は、ヒトまたはマウスに存在するタンパク質であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0018】
本発明において、前記Lrig-1タンパク質は、ヒト由来の配列番号1で表されるポリペプチドであるか、マウス由来の配列番号3で表されるポリペプチドであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0019】
また、本発明において、前記配列番号1で表されるLrig-1タンパク質は、配列番号2で表されるポリヌクレオチドによりコードされるものであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0020】
さらに、本発明において、前記配列番号3で表されるLrig-1タンパク質は、配列番号4で表されるポリヌクレオチドによりコードされるものであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0021】
本発明において、前記結合分子は、
【0022】
配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1;配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2;配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域、および
【0023】
配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1;配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2;配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域を含む結合分子であってもよい。
【0024】
本発明において、前記結合分子は、配列番号11で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域;および
【0025】
配列番号12で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;を含む結合分子であってもよい。
【0026】
本発明において、前記結合分子は、
【0027】
配列番号13で表される塩基配列によりコードされる重鎖CDR1;配列番号14で表される塩基配列によりコードされる重鎖CDR2;配列番号15で表される塩基配列によりコードされる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域、および
【0028】
配列番号16で表される塩基配列によりコードされる軽鎖CDR1;配列番号17で表される塩基配列によりコードされる軽鎖CDR2;配列番号18で表される塩基配列によりコードされる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域を含む結合分子であってもよい。
【0029】
本発明において、前記結合分子は、配列番号19で表される塩基配列によりコードされる重鎖可変領域;および
【0030】
配列番号20で表される塩基配列によりコードされる軽鎖可変領域;を含む結合分子であってもよい。
【0031】
本発明において、前記結合分子は、Fc領域(Fragment crystallization region)または不変領域(constant region)をさらに含むことができる。この時、前記Fc領域は、IgA、IgD、IgE、IgM、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4抗体のFc領域であるか、それに由来するものであってもよく、あるいはハイブリッドFc(hybrid Fc)領域であってもよい。
【0032】
本発明において、前記Fc領域は、哺乳動物由来IgA、IgD、IgE、IgM、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4抗体のFc領域であってもよく、好ましくは、ヒト由来IgA、IgD、IgE、IgM、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4抗体のFc領域であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0033】
本発明の一例として、前記不変領域は、配列番号21で表されるマウス由来IgG2a不変領域であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0034】
本発明の一例として、前記不変領域は、配列番号22で表されるマウス由来免疫グロブリンカッパ(kappa)不変領域であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0035】
本発明の一例として、前記不変領域は、配列番号23または24で表されるヒト由来IgG1不変領域であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0036】
本発明の一例として、前記不変領域は、配列番号25または26で表されるヒト由来免疫グロブリンカッパ(kappa)不変領域であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0037】
本発明の一例として、前記不変領域は、配列番号27で表されるヒト由来IgG2不変領域であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0038】
本発明の一例として、前記不変領域は、配列番号28で表されるヒト由来IgG3不変領域であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0039】
本発明の一例として、前記不変領域は、配列番号29で表されるヒト由来IgG4不変領域であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0040】
本発明の一例として、前記不変領域は、配列番号30で表される不変領域であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0041】
本発明の一例として、前記不変領域は、配列番号31で表される不変領域であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0042】
本発明の一例として、前記Fc領域は、ヒト由来免疫グロブリンラムダ(lambda)不変領域であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0043】
本発明において、前記「ハイブリッドFc」は、ヒトIgGサブクラスの組み合わせまたはヒトIgDおよびIgGの組み合わせから誘導される。前記ハイブリッドFcは、生物学的活性分子、ポリペプチドなどに結合する場合、生物学的活性分子の血清半減期を増加させるだけでなく、Fc-ポリペプチド融合タンパク質をコードするヌクレオチドが発現する時、ポリペプチドの発現レベルを高める効果がある。
【0044】
本発明の一例として、前記ハイブリッドFc領域は、配列番号32で表されるハイブリッドFcであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0045】
本発明の前記結合分子において、前記Fcまたは不変領域は、前記可変領域にリンカー(linker)で連結できる。この時、前記Fcまたは不変領域のC-末端にリンカーが連結され、前記リンカーに本発明の結合分子のN-末端が連結されるが、これに限定されるものではない。
【0046】
本発明において、前記「リンカー(linker)」は、目的とする疾患の組織または細胞内で過発現する酵素によって切断可能な配列を含むことができる。前記のように過発現する酵素によって切断可能な場合には、Fcまたは不変領域によってポリペプチドの活性が低下するのを効果的に防止することができる。本発明では、リンカーの好ましい例として、血液中に最も多く存在するヒトアルブミンの282番目~314番目の部分に位置した33個のアミノ酸からなるペプチドリンカー、より好ましくは、292番目~304番目の部分に位置した13個のアミノ酸からなるペプチドリンカーであってもよいし、このような部分は、3次元的な構造上、大部分外部に露出した部分であって、体内で免疫反応を誘導する可能性が最小化された部分である。ただし、これに限定されるものではない。
【0047】
本発明の結合分子は、配列番号21、23、24、27、28、29、30および32からなる群より選択されるアミノ酸配列で表される重鎖不変領域をさらに含むことができる。
【0048】
本発明の結合分子は、配列番号22、25、26および31からなる群より選択されるアミノ酸配列で表される軽鎖不変領域をさらに含むことができる。
【0049】
本発明の結合分子は、
配列番号21で表されるアミノ酸配列からなる重鎖不変領域;および
配列番号22で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖不変領域をさらに含むことができる。
【0050】
本発明の結合分子は、
配列番号23、24、27、28、29および30からなる群より選択されるアミノ酸配列で表される重鎖不変領域;および
配列番号25、26および31からなる群より選択されるアミノ酸配列で表される軽鎖不変領域をさらに含むことができる。
【0051】
本発明の結合分子は、
配列番号24で表されるアミノ酸配列からなる重鎖不変領域;および
配列番号26で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖不変領域をさらに含むことができる。
【0052】
本発明の結合分子は、
配列番号30で表されるアミノ酸配列からなる重鎖不変領域;および
配列番号31で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖不変領域をさらに含むことができる。
【0053】
本発明の結合分子は、
配列番号32で表されるアミノ酸配列からなる重鎖不変領域をさらに含むことができる。
【0054】
本発明の結合分子は、
配列番号33または35で表される塩基配列でコードされる重鎖不変領域;および
配列番号34または36で表される塩基配列でコードされる軽鎖不変領域をさらに含むことができる。
【0055】
本発明の結合分子は、配列番号37または38で表されるアミノ酸配列からなる重鎖、および配列番号39または40で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む結合分子であってもよい。
【0056】
本発明の結合分子は、配列番号37で表されるアミノ酸配列からなる重鎖、および配列番号39で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む結合分子であってもよい。
【0057】
本発明の結合分子は、配列番号38で表されるアミノ酸配列からなる重鎖、および配列番号40で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む結合分子であってもよい。
【0058】
本発明の結合分子は、配列番号41または43で表される塩基配列によりコードされる重鎖、および配列番号42または44で表される塩基配列によりコードされる軽鎖を含む結合分子であってもよい。
【0059】
本発明の結合分子は、配列番号41で表される塩基配列によりコードされる重鎖、および配列番号42で表される塩基配列によりコードされる軽鎖を含む結合分子であってもよい。
【0060】
本発明の結合分子は、配列番号43で表される塩基配列によりコードされる重鎖、および配列番号44で表される塩基配列によりコードされる軽鎖を含む結合分子であってもよい。
【0061】
本発明の結合分子は、抗体またはその断片であることを特徴とするが、これに限定されるものではない。前記抗体は、単クローン抗体(monoclonal antibody)、全長抗体(full-length antibody)または抗体の一部分としてLrig-1タンパク質に結合する能力を有し、本発明の結合分子と競争的にLrig-1抗原決定部位に結合できる抗体断片のすべてを含む。
【0062】
本発明において、前記「抗体」は、免疫学的に特定の抗原と反応性を有する免疫グロブリン分子を含む、抗原を特異的に認識する受容体の役割を果たすタンパク質分子を意味する。本発明の目的上、前記抗原は、制御性T細胞(regulatory T cell)の表面に存在するLrig-1タンパク質であってもよい。好ましくは、前記Lrig-1タンパク質のロイシンリッチ区域(Leucine Rich Region)または免疫グロブリン様ドメインを特異的に認識するものであってもよいが、これに限定されない。
【0063】
本発明において、前記「免疫グロブリン」は、重鎖および軽鎖を有し、それぞれの重鎖および軽鎖は、不変領域および可変領域を含む。軽鎖および重鎖の可変領域は、相補性決定領域(complementarity determining region、以下、「CDR」という)と呼ばれる3つの多変可能な領域および4つの構造領域(Framework region)を含む。前記CDRは、主に抗原の抗原決定基(Epitope)に結合する役割を果たす。それぞれの鎖のCDRは、典型的にN-末端からはじまって、順次に、CDR1、CDR2およびCDR3と称し、また、特定のCDRが位置している鎖によって識別される。
【0064】
また、本発明において、前記「単クローン抗体」は、実質的に同一の抗体集団から得た単一分子組成の抗体分子を指す用語で、特定の抗原決定基(Epitope)に対して単一結合特異性および親和度を示す。
【0065】
本発明において、前記「全長抗体」は、2個の全長の軽鎖および2個の全長の重鎖を有する構造であり、それぞれの軽鎖は、重鎖とジスルフィド(Disulfide)結合で連結されており、IgA、IgD、IgE、IgM、およびIgGを含む。前記IgGは、その亜型(subtype)として、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含む。
【0066】
また、本発明において、前記「抗体の断片」は、抗原結合機能を保有している断片を意味し、Fab、Fab’、F(ab’)2およびFvなどを含む。前記Fabは、軽鎖および重鎖の可変領域と軽鎖の不変領域および重鎖の1番目の不変領域(CH1ドメイン)を有する構造で1つの抗原結合部位を有する。また、Fab’は、重鎖CH1ドメインのC末端に1つ以上のシステイン残基を含むヒンジ領域(hinge region)を有するという点でFabと差異がある。F(ab’)2抗体は、Fab’のヒンジ領域のシステイン残基がジスルフィド結合をなして生成される。Fv(Variable fragment)は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域のみを有している最小の抗体片を意味する。二本鎖Fv(dsFv)は、ジスルフィド結合で重鎖可変領域と軽鎖可変領域とが連結されており、単鎖Fv(scFv)は、一般的にペプチドリンカーを介して重鎖の可変領域と軽鎖の可変領域とが共有結合で連結されている。前記抗体断片は、タンパク質加水分解酵素、例えば、パパインまたはペプシンを用いる場合、FabまたはF(ab’)2の断片を得ることができ、遺伝子組換え技術により作製することができる。
【0067】
また、本発明において、前記抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体(humanized antibody)、二価(bivalent)、両特異性分子、ミニボディ(minibody)、ドメイン抗体、二重特異的抗体(bispecific antibody)、抗体模倣体、ユニボディ(unibody)、ダイアボディ(diabody)、トリアボディ(triabody)、テトラボディ(tetrabody)またはその断片であってもよいが、これに限定されるものではない。本発明において、前記「キメラ抗体」は、マウス抗体の可変領域およびヒト抗体の不変領域を組換えた抗体であって、マウス抗体に比べて免疫反応が大きく改善された抗体である。
【0068】
また、本発明において、前記「ヒト化抗体」は、ヒトでない種に由来する抗体のタンパク質配列をヒトから自然的に生産された抗体変異体と類似するように変形させた抗体を意味する。その例として、前記ヒト化抗体は、マウス由来のCDRをヒト抗体由来のFRと組換えてヒト化可変領域を製造し、これを好ましいヒト抗体の不変領域と組換えてヒト化抗体を製造することができる。
【0069】
本発明において、前記結合分子は、Lrig-1タンパク質に結合でき、それ以外の他のタンパク質にも結合できる二重特異的抗体または二重特異的抗原結合断片としても提供可能である。
【0070】
本発明において、前記二重特異的抗体および二重特異的抗原結合断片は、本発明による結合分子を含むことができる。本発明において、一例として、前記二重特異的抗体および二重特異的抗原結合断片は、Lrig-1タンパク質に結合できる抗原結合ドメインを含み、ここで、Lrig-1タンパク質に結合できる抗原結合ドメインは、本発明による結合分子を含むか、これにより構成されてもよい。
【0071】
本発明で提供する二重特異的抗体および二重特異的抗原結合断片は、本発明によるLrig-1タンパク質に結合できる結合分子である抗原結合ドメイン、および他の標的タンパク質に結合できる抗原結合ドメインを含む。ここで、他の標的タンパク質に結合できる抗原結合ドメインは、Lrig-1タンパク質以外の他のタンパク質で、これに限定されるものではないが、例えば、PD-1または細胞表面受容体に結合できる抗原結合ドメインであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0072】
本発明による二重特異的抗体および二重特異的抗原結合断片は、任意の好適なフォーマットとして提供可能である。例えば、二重特異的抗体または二重特異的抗原結合断片は、二重特異的抗体接合体(例:IgG2、F(ab’)2またはCovX-ボディ)、二重特異的IgGまたはIgG-型分子(例:IgG、scFv4-Ig、IgG-scFv、scFv-IgG、DVD-Ig、IgG-sVD、sVD-IgG、または2イン(in)1-IgG、mAb2、またはTandemab common LC)、非対称性二重特異的IgGまたはIgG-型分子(例:kih IgG、kih IgG common LC、CrossMab、kih IgG-scFab、mAb-Fv、電荷対またはSEED-ボディ)、小型二重特異的抗体分子(例:ダイアボディ(Db)、dsDb、DART、scDb、tandAbs、タンデムscFv(taFv)、タンデムdAb/VHH、トリプルボディ、トリプルヘッド、Fab-scFv、またはF(ab’)2-scFv2)、二重特異的FcおよびCH3融合タンパク質(例:taFv-Fc、ジ-ダイアボディ、scDb-CH3、scFv-Fc-scFv、HCAb-VHH、scFv-kih-Fc、またはscFv-kih-CH3)、または二重特異的融合タンパク質(例:scFv2-アルブミン、scDb-アルブミン、taFv-毒素、DNL-Fab3、DNL-Fab4-IgG、DNL-Fab4-IgG-サイトカイン2)であってもよい。当業者は本発明による二重特異的抗体および二重特異的抗原結合断片を設計して製造することができる。
【0073】
本発明において、前記二重特異的抗体を生産する方法は、還元性ジスルフィドまたは非還元性チオエーテル結合と抗体または抗体断片の化学的架橋結合を含む。例えば、N-スクシンイミジル-3-(-2-ピリジルジチオ)-プロピオネート(SPDP)は、ジスルフィド連結された二重特異的F(ab)2ヘテロダイマーを生成するために、例えば、ヒンジ領域SH-グループを介してFab断片を化学的に架橋結合させるのに使用できる。
【0074】
また、本発明において、前記二重特異的抗体を生産するための他の方法は、二重特異的抗体を分泌可能なクアドローマ細胞を生成するために、抗体-生産ハイブリドーマを、例えば、ポリエチレングリコールと融合させることを含む。
【0075】
本発明による二重特異的抗体および二重特異的抗原結合断片はさらに、例えば、抗原結合分子のためのポリペプチドをコードする核酸作製物から発現によって組換え生産できる。
【0076】
例えば、2つの抗原結合ドメイン(すなわち、PD-1などに結合できる抗原結合ドメインのための軽鎖および重鎖可変ドメイン、および他の標的タンパク質に結合できる抗原結合ドメインのための軽鎖および重鎖可変ドメイン)のための軽鎖および重鎖可変ドメインをコードし、抗原結合ドメイン間の好適なリンカーまたは二量体化ドメインをコードする配列を含むDNA作製物は、分子クローニング技術によって製造できる。組換え二重特異的抗体は、後に好適な宿主細胞(例:哺乳類宿主細胞)中での作製物の発現(例:試験管内)によって生産可能であり、次に、発現した組換え二重特異的抗体は、任意に精製可能である。
【0077】
抗体は、非変形の親抗体と比較して抗原に対する抗体の親和度が改善された変形抗体が生成される親和度成熟工程によって生成できる。親和度成熟抗体は、当該技術分野にて公知の手順で生産できる。
【0078】
これと共に、本発明で提供する結合分子は、Lrig-1タンパク質に特異的に結合できる限り、前記アミノ酸配列の変異体を含むことができる。例えば、抗体の結合親和度および/またはその他の生物学的特性を改善させるために抗体のアミノ酸配列に変化を与えることができる。このような変形は、例えば、抗体のアミノ酸配列残基の欠失、挿入および/または置換を含む。
【0079】
このようなアミノ酸変異は、アミノ酸側鎖置換体の相対的類似性、例えば、疎水性、親水性、電荷、大きさなどに基づいて行われる。アミノ酸側鎖置換体の大きさ、形状および種類に対する分析によって、アルギニン、リジンとヒスチジンはすべて正電荷を帯びた残基であり;アラニン、グリシンとセリンは類似の大きさを有し;フェニルアラニン、トリプトファンとチロシンは類似の形状を有することが分かる。したがって、このような考慮事項に基づいて、アルギニン、リジンおよびヒスチジン;アラニン、グリシンおよびセリン;そしてフェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンは生物学的に機能均等物といえる。
【0080】
変異を導入するにあたり、アミノ酸の疎水性インデックス(hydropathic index)が考えられる。それぞれのアミノ酸は、疎水性と電荷に応じて疎水性インデックスが付与されている:イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(-0.4);スレオニン(-0.7);セリン(-0.8);トリプトファン(-0.9);チロシン(-1.3);プロリン(-1.6);ヒスチジン(-3.2);グルタメート(-3.5);グルタミン(-3.5);アスパルテート(-3.5);アスパラギン(-3.5);リジン(-3.9);およびアルギニン(-4.5)。タンパク質の相互的な生物学的機能(interactive biological function)を付与するにあたり、疎水性アミノ酸インデックスは非常に重要である。類似の疎水性インデックスを有するアミノ酸で置換してこそ類似の生物学的活性を保有できることは公知の事実である。疎水性インデックスを参照して変異を導入させる場合、好ましくは±2以内、より好ましくは±1以内、さらにより好ましくは±0.5以内の疎水性インデックス差を示すアミノ酸間で置換をする。
【0081】
一方、類似の親水性値(hydrophilicity value)を有するアミノ酸間の置換が均等な生物学的活性を有するタンパク質をもたらすこともよく知られている。米国特許第4,554,101号に開示されているように、次の親水性値がそれぞれのアミノ酸残基に付与されている:アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパルテート(+3.0±1);グルタメート(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(-0.4);プロリン(-0.5±1);アラニン(-0.5);ヒスチジン(-0.5);システイン(-1.0);メチオニン(-1.3);バリン(-1.5);ロイシン(-1.8);イソロイシン(-1.8);チロシン(-2.3);フェニルアラニン(-2.5);トリプトファン(-3.4)。親水性値を参照して変異を導入させる場合、好ましくは±2以内、より好ましくは±1以内、さらにより好ましくは±0.5以内の親水性値差を示すアミノ酸間で置換を行うことができる。
【0082】
分子の活性を全体的に変更させないタンパク質におけるアミノ酸交換は、当該分野にて公知である。最も通常起こる交換は、アミノ酸残基Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Gln/Glu間の交換である。
【0083】
上述した生物学的均等活性を有する変異を考慮すれば、本発明の結合分子は、配列リストに記載の配列と実質的な同一性(substantial identity)を示す配列も含むと解釈される。
【0084】
本発明において、用語「実質的な同一性」とは、本発明の配列と任意の他の配列を最大限に対応するように並列し、当業界にて通常利用されるアルゴリズムを用いて並列された配列を分析した場合に、最小61%の相同性、より好ましくは70%の相同性、さらにより好ましくは80%の相同性、最も好ましくは90%の相同性を示す配列を意味する。配列比較のためのアラインメント方法は、当業界にて公知である。NCBI Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)は、NBCI(National Center for Biological Information)などでアクセス可能であり、インターネット上でblastp、blasm、blastx、tblastn and tblastxのような配列分析プログラムと連動して用いることができる。BLSATはこのリンクで接続可能である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)。このプログラムを用いた配列相同性の比較方法は、オンライン(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/blast_help.html)を通して確認可能である。
【0085】
本発明において、前記結合分子、好ましくは、前記抗体は、抗体を生産する通常の方法によって生成できるが、親和度成熟(Affinity maturation)によって生成可能である。
【0086】
本発明において、前記「親和度成熟(Affinity maturation)」は、活性化されたB細胞が免疫反応過程で抗原に対する親和度が増加した抗体を生産する過程を意味する。本発明の目的上、前記親和度成熟は、自然で起こる過程と同様に、突然変異と選択の原理に基づいて親和度成熟によって生成された抗体または抗体断片を生成することができる。
【0087】
本発明で提供する結合分子、好ましくは、抗体は、脳神経系疾患で、特に神経退行性疾患または神経炎症性疾患を効果的に予防、改善または治療することができる。
【0088】
本発明の他の実施形態によれば、本発明で提供する前記結合分子をコードする核酸分子を提供する。
【0089】
本発明の核酸分子は、本発明で提供する結合分子のアミノ酸配列を、当業者に知られているように、ポリヌクレオチド配列に翻訳された核酸分子のすべてを含む。そのため、ORF(open reading frame)による多様なポリヌクレオチド配列が製造可能であり、これもすべて本発明の核酸分子に含まれる。
【0090】
本発明の核酸分子は、配列番号41または43で表される塩基配列によりコードされる重鎖、および配列番号42または44で表される塩基配列によりコードされる軽鎖を含むことができる。
【0091】
本発明の核酸分子は、配列番号41で表される塩基配列によりコードされる重鎖、および配列番号42で表される塩基配列によりコードされる軽鎖を含むことができる。
【0092】
本発明の核酸分子は、配列番号43で表される塩基配列によりコードされる重鎖、および配列番号44で表される塩基配列によりコードされる軽鎖を含むことができる。
【0093】
本発明のさらに他の実施形態によれば、本発明で提供する前記単離された核酸分子が挿入された発現ベクターを提供する。
【0094】
本発明において、前記「ベクター」は、ある核酸分子が連結された他の核酸を輸送できる前記核酸分子である。ベクターの一類型は、追加的なDNAセグメントが結紮できる円形二本鎖DNAを指す「プラスミド」である。他の類型のベクターは、ファージベクターである。さらに他の類型のベクターはウイルス性ベクターで、追加的なDNAセグメントがウイルスゲノムに結紮できる。あるベクターは、それらが流入した宿主細胞で自律的な複製が可能である(例えば、バクテリア性ベクターはバクテリア性複製起源を有するエピソーム哺乳類ベクター)。その他のベクター(例えば、非-エピソーム哺乳類ベクター)は、宿主細胞に流入しながら宿主細胞のゲノムに統合され、それによって、宿主ゲノムと共に複製される。それだけでなく、あるベクターは、これらが作動レベルで連結された遺伝子の発現を指示することができる。このようなベクターは、本願において、「組換え発現ベクター」または単に「発現ベクター」と名付けられる。一般的に、組換えDNA手法で有用な発現ベクターは、たびたびプラスミドの形態で存在する。本明細書において、「プラスミド」と「ベクター」は、プラスミドがベクターのうち最も通常使用される形態であるため、相互交換して使用可能である。
【0095】
本発明において、前記発現ベクターの具体例としては、商業的に広く使用されるpCDNAベクター、F、R1、RP1、Col、pBR322、ToL、Tiベクター;コスミド;ラムダ、ラムダ状(lambdoid)、M13、Mu、p1 P22、Qμμ、T-even、T2、T3、T7などのファージ;植物ウイルスからなる群より選択できるが、これに限定されるものではなく、当業者に発現ベクターとして知られたすべての発現ベクターは本発明に使用可能であり、発現ベクターを選択する時には、目的とする宿主細胞の性質による。宿主細胞へのベクターの導入時、リン酸カルシウムトランスフェクション、ウイルス感染、DEAE-デキストラン調節トランスフェクション、リポフェクタミントランスフェクションまたは電気穿孔法によって行われるが、これに限定されるものではなく、当業者は使用する発現ベクターおよび宿主細胞に適した導入方法を選択して用いることができる。好ましくは、ベクターは、1つ以上の選別マーカーを含むが、これに限定されず、選別マーカーを含まないベクターを用いて生産物を生産するか否かによって選別可能である。選別マーカーの選択は、目的とする宿主細胞によって選別され、これはすでに当業者に知られた方法を利用するので、本発明はこれに制限を設けない。
【0096】
本発明の核酸分子を、精製を容易にするために、タグ配列を発現ベクター上に挿入して融合させることができる。前記タグとしては、ヘキサ-ヒスチジンタグ、ヘマグルチニンタグ、mycタグまたはflagタグを含むが、これに限定されるものではなく、当業者に知られた精製を容易にするタグはすべて本発明で利用可能である。
【0097】
本発明のさらに他の実施形態によれば、本発明で提供する発現ベクターが形質転換された宿主細胞株を提供する。
【0098】
本発明において、前記「宿主細胞」には、ポリペプチド挿入物の組込みのためのベクターのレシピエント(recipient)であり得るか、またはレシピエントであった個別的な細胞または細胞培養物が含まれる。宿主細胞には単一宿主細胞の子孫が含まれ、前記子孫は自然的な、偶発的なまたは故意の突然変異のため、必ずしも元の母細胞と完全に同一(形態学上またはゲノムDNA補完体において)でなくてもよい。宿主細胞には本願のポリペプチドとして体内で形質注入された細胞が含まれる。
【0099】
本発明において、前記宿主細胞としては、哺乳動物、植物、昆虫、菌類または細胞性起源の細胞を含むことができ、例えば、大膓菌、ストレプトミセス、サルモネラティフィムリウムなどのバクテリア細胞;酵母細胞、ピキアパストリスなどの菌類細胞;ドロソフィラ、スポドプテラSf9細胞などの昆虫細胞;CHO(チャイニーズハムスター卵巣細胞、Chinese hamster ovary cells)、SP2/0(マウス骨髄腫)、ヒトリンパ芽球(Human lymphoblastoid)、COS、NSO(マウス骨髄腫)、293T、ボウズメラノーマ細胞、HT-1080、BHK(ベビーハムスター腎細胞、Baby Hamster Kidney cells)、HEK(ヒト胚腎細胞、Human Embryonic Kidney cells)またはPERC.6(ヒト網膜細胞)の動物細胞;または植物細胞であってもよいが、これに限定されるものではなく、当業者に知られた宿主細胞株として使用可能な細胞はすべて利用可能である。
【0100】
本発明のさらに他の実施形態によれば、本発明で提供する抗体および薬物を含む抗体-薬物結合体(Antibody-Drug Conjugate、ADC)を提供する。
【0101】
本発明において、前記「抗体-薬物結合体(Antibody-Drug Conjugate、ADC)」とは、抗体と薬物の生物学的活性を低下させることなく薬物と抗体とを化学的に連結した形態を指す。本発明において、前記抗体-薬物結合体は、抗体の重鎖および/または軽鎖のN-末端のアミノ酸残基に薬物が結合した形態、具体的には、抗体の重鎖および/または軽鎖のN-末端、α-アミン基に薬物が結合した形態をいう。
【0102】
本発明において、前記α-アミン基と反応して架橋できる反応基の例としては、抗体の重鎖または軽鎖のN-末端のα-アミン基と反応して架橋できれば、その種類は特に限定されず、当業界にて公知のアミン基と反応する種類をすべて含む。その例として、イソチオシアネート(Isothiocyanate)、イソシアネート(Isocyanates)、アシルアジド(Acyl azide)、NHSエステル(NHS ester)、スルホニルクロライド(Sulfonyl chloride)、アルデヒド(Aldehyde)、グリオキサール(Glyoxal)、エポキシド(Epoxide)、オキシラン(Oxirane)、カーボネート(Carbonate)、アリールハライド(Aryl halide)、イミドエステル(Imidoester)、カルボイミド(Carbodiimide)、アンハイドライド(Anhydride)およびフルオロフェニルエステル(Fluorophenyl ester)のいずれか1つであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0103】
本発明において、前記「薬物」は、細胞に特定の生物学的活性を有する任意の物質を意味することができ、これはDNA、RNAまたはペプチド(Peptide)を含む概念である。前記薬物は、α-アミン基と反応して架橋できる反応基を含む形態であってもよいし、α-アミン基と反応して架橋できる反応基を含むリンカーが連結されている形態も含む。
【0104】
本発明のさらに他の実施形態によれば、抗原特異的結合ドメイン、連結ドメインおよびCD3ゼータ(ζ)シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体(Chimeric Antigen Receptor:CAR)を有効成分として含む脳神経系疾患の予防または治療用薬学組成物を提供する。
【0105】
本発明において、用語「キメラ抗原受容体」または「CAR」とは、細胞外抗原結合ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインを含む操作された受容体を意味する。CARの最もありふれた類型がCD3ゼータ(ζ)鎖のようなT細胞同時受容体の膜通過および細胞内ドメインに融合された単クローン抗体に由来する単鎖可変断片(scFv)を含むが、本明細書に記載の本発明はこれらのドメインに限定されない。むしろ、本明細書に使用されているような「キメラ抗原受容体」または「CAR」は、任意の細胞内シグナル伝達分子を発現するように操作された任意の受容体およびこれらに融合または連結された細胞外抗原結合ドメインを意味する。本発明において、前記結合ドメインは、Lrig-1タンパク質を特異的に認識できる単鎖可変断片(scFv)を含むことができる。本発明において、前記「単鎖可変断片」または「scFv」とは、VLとVHとの間のペプチドリンカーによる、抗体の可変重鎖(VH)および可変軽鎖(VL)の融合タンパク質を意味する。
【0106】
また、本発明において、前記VHドメインとVLドメインは、可撓性リンカーを介して連結可能である。本発明において、前記可撓性リンカーは、約10個~30個のアミノ酸(例えば、30個、25個、20個、19個、18個、17個、16個、15個、14個、13個、12個、11個、10個、9個、8個、7個、6個または5個のアミノ酸)のグリシン/セリンリンカーであってもよく、好ましくは、15個のアミノ酸長であってもよい。本発明において、前記リンカー長は、キメラ抗原受容体の重要な決定部位として作用可能で、前記範囲よりも短いリンカーは親和度を増大させることができるが、また、細胞内多量体の形成を発生させてCARの発現を損傷させうるのに対し、前記範囲よりも長いリンカーはVLおよびVH CDRを空間上より遠く移動させることにより、抗原親和度を減少させることがある。
【0107】
本発明のキメラ抗原受容体は、ヒンジ領域(またはスペーサ)およびシグナル伝達ドメインの少なくとも1つをさらに含むことができる。本発明において、前記ヒンジ領域は、抗原結合ドメインと膜通過ドメインとを連結する部分で「スペーサ」とも呼ばれるが、T細胞膜またはNK細胞膜から抗原結合ドメインを拡張するための目的を有する。本発明において、前記ヒンジ領域は、例えば、ヒトまたはその一部を含む任意の属からの任意の好適な配列から得られ、あるいは本技術分野にて通常使用するCD8、CD28、4-1BB、OX40、CD3ゼータ(ζ)鎖の全部または一部、T細胞受容体αまたはβ鎖、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、ICOS、CD154、これらの機能的誘導体、またはこれらの組み合わせを含むヒトタンパク質のヒンジ領域を含むことができるが、これに限定されるものではない。また、本発明において、前記ヒンジ領域は、免疫グロブリンに制限することなく免疫グロブリン(例:IgG1、IgG2、IgG3、IgG4およびIgD)から選択される1つを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0108】
本発明において、前記シグナル伝達ドメインは、T細胞の内部で発見されたり、発見されるように操作されたキメラ抗原受容体の部分を意味する。本発明において、前記シグナル伝達ドメインは、T細胞の血漿膜でキメラ抗原受容体を固定する役割を果たす膜通過ドメインを含むか、含まなくてもよい。本発明において、前記膜通過ドメインと前記シグナル伝達ドメインは、同一のタンパク質(例えば、CD3ゼータ(ζ)分子)に由来することができ、あるいは前記膜通過ドメインと前記シグナル伝達ドメインは、異なるタンパク質(例えば、CD28の膜貫通ドメインおよびCD3ゼータ(ζ)分子の細胞内シグナル伝達ドメイン、またはその反対)に由来することができる。
【0109】
本発明において、前記膜通過ドメインとしては、例えば、T細胞受容体αまたはβ鎖、CD3ゼータ(ζ)鎖の全部または一部、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、ICOS、CD154、これらの機能的誘導体、またはこれらの組み合わせを含むことができるが、これに限定されるものではない。本発明において、前記補助刺激ドメインは、4-1BB(CD137);OX40;CD27;CD28;CD30;CD40;PD-1;CD2;CD7;CD258;ナチュラルキラーグループ2メンバーC(NKG2C);ナチュラルキラーグループ2メンバー(NKG2D);B7-H3;CD83;ICAM-1;LFA-1(CD11a/CD18)またはICOSに結合するリガンド;これらの活性断片;これらの機能誘導体;またはこれらの組み合わせを含むポリペプチドに由来する機能シグナル伝達ドメインを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0110】
本発明において、前記シグナル伝達ドメインは、CD3ゼータ(ζ)の全部または一部、共通FcRガンマ(FcER1G)、FcガンマRIIIa、FcRベータ(Fcイプシロンリップ)、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD79a、CD79b、DNAX-活性化タンパク質10(DAP10)、DNAX-活性化タンパク質12(DAP12)、その活性断片、その機能的誘導体、またはこれらの組み合わせを含むポリペプチドに由来する機能シグナル伝達ドメインを含むことができるが、これに限定されるものではなく、このようなシグナル伝達ドメインは、当業界にて公知である。
【0111】
本発明の一具体例によれば、抗原特異的結合ドメイン、連結ドメインおよびCD3ゼータ(ζ)シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)において、前記特異的な結合ドメインは、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1;配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2;配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1;配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2;配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域であるキメラ抗原受容体を提供する。
【0112】
本発明において、前記薬物は、脳神経系疾患で、特に神経退行性疾患または神経炎症性疾患を治療できる薬物であればその種類に関係なく含まれる。
【0113】
本発明のさらに他の実施形態によれば、本発明の結合分子;核酸分子;発現ベクター;宿主細胞株;または抗体-薬物結合体(ADC);を有効成分として含む脳神経系疾患の予防、改善または治療用組成物に関する。
【0114】
本発明で提供する組成物が予防、改善または治療するための脳神経系疾患は、神経退行性疾患または神経炎症性疾患であってもよい。
【0115】
本発明において、前記「神経退行性疾患」は、神経細胞の機能減少または消失によって発生する疾患を意味することができ、前記「神経炎症性疾患」としては、神経系の過度の炎症反応によって発生する疾患を意味することができる。本発明において、前記神経退行性疾患または神経炎症性疾患の具体例としては、脳卒中、認知性、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease)、パーキンソン病(Parkinson’s disease)、ハンチントン病(Huntington’s disease)、ニーマン・ピック病(Niemann-Pick disease)、多発性硬化症、プリオン病(prion disease)、クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、筋萎縮性側索硬化症(AlzAmyotrophic lateral sclerosis)、副腎生物症候群(Paraneoplastic syndrome)、皮質基底核変性症、多系統萎縮症、進行性核上麻痺、神経系自己免疫疾患、脊髄小脳変性症(spinocerebellar ataxia)、炎症性および神経病症性痛症、脳血管疾患、脊髄損傷(spinal cord injury)およびタウオパチー(tauopathy)からなる群より選択できるが、これに限定されるものではない。
【0116】
また、本発明で提供する組成物は、薬学組成物または食品組成物として使用できるが、これに限定されるものではない。
【0117】
本発明の前記「予防」は、本発明の前記組成物を用いて神経退行性疾患または神経炎症性疾患によって起因した症状を遮断したり、その症状を抑制または遅延させることができるすべての行為であれば制限なく含まれる。
【0118】
本発明の前記「治療」および「改善」は、本発明の前記組成物を用いて神経退行性疾患または神経炎症性疾患によって起因した症状を好転させたり、有利にするすべての行為であれば制限なく含まれる。
【0119】
本発明において、前記薬学組成物は、カプセル、錠剤、顆粒、注射剤、軟膏剤、粉末または飲料形態であることを特徴とし、前記薬学組成物は、ヒトを対象にすることを特徴とする。
【0120】
本発明の薬学組成物はこれらに限定されるものではないが、それぞれ通常の方法によって、散剤、顆粒剤、カプセル、錠剤、水性懸濁液などの経口型剤形、外用剤、坐剤および滅菌注射溶液の形態に剤形化して使用できる。本発明の薬学組成物は、薬剤的に許容可能な担体を含むことができる。薬剤学的に許容される担体は、経口投与時には、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、賦形剤、可溶化剤、分散剤、安定化剤、懸濁化剤、色素、香料などを使用することができ、注射剤の場合には、緩衝剤、保存剤、無痛化剤、可溶化剤、等張剤、安定化剤などを混合して使用することができ、局所投与用の場合には、基剤、賦形剤、潤滑剤、保存剤などを使用することができる。本発明の薬剤学的組成物の剤形は、上述のような薬剤学的に許容される担体と混合して多様に製造可能である。例えば、経口投与時には、錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル(elixir)、サスペンション、シロップ、ウエハなどの形態に製造することができ、注射剤の場合には、単位投薬アンプルまたは複数回投薬形態に製造することができる。その他、溶液、懸濁液、錠剤、カプセル、徐放型製剤などに剤形化することができる。
【0121】
一方、製剤化に適した担体、賦形剤および希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアガム、アルギネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレートまたは鉱物油などが使用できる。また、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、防腐剤などを追加的に含むことができる。
【0122】
本発明による薬学組成物の投与経路はこれらに限定されるものではないが、口腔、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、硬膜内、心臓内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管、局所、舌下または直腸が含まれる。経口または非経口投下が好ましい。
【0123】
本発明において、「非経口」は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、滑液包内、胸骨内、硬膜内、病巣内および頭蓋骨内注射または注入技術を含む。本発明の薬学組成物はさらに、直腸投与のための坐剤の形態で投与可能である。
【0124】
本発明の薬学組成物は、使用された特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与時間、投与経路、排出率、薬物配合および予防または治療される特定疾患の重症を含んだ様々な要因によって多様に変化可能であり、前記薬学組成物の投与量は、患者の状態、体重、疾病の程度、薬物形態、投与経路および期間によって異なるが、当業者によって適宜選択可能であり、1日0.0001~50mg/kgまたは0.001~50mg/kg投与することができる。前記投与は、1日に1回または数回分けて投与してもよい。前記投与量は、いかなる面でも本発明の範囲を限定するものではない。本発明による医薬組成物は、丸剤、糖衣錠、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁剤に剤形化可能である。
【0125】
本発明の組成物を有効成分として含む食品組成物は、各種食品類、例えば、飲料、ガム、お茶、ビタミン複合剤、粉末、顆粒、錠剤、カプセル、お菓子、餠、パンなどの形態に製造可能である。本発明の食品組成物は、毒性および副作用がほとんどない植物抽出物から構成されたものであるので、予防の目的で長期間服用時にも安心して使用することができる。
【0126】
本発明の組成物が食品組成物に含まれる時、その量は、全体重量の0.1~50%の比率で添加することができる。
【0127】
ここで、前記食品組成物が飲料形態に製造される場合、指示された比率で前記食品組成物を含有する以外に特別な制限はなく、通常の飲料のように様々な香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含有することができる。すなわち、天然炭水化物として、ブドウ糖などのモノサッカライド、果糖などのジサッカライド、スクロースなどのポリサッカライド、デキストリン、シクロデキストリンなどのような通常の糖、およびキシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどの糖アルコールなどを含むことができる。前記香味剤としては、天然香味剤(タウマチン、ステビア抽出物(例えば、レバウジオシドA、グリチルリチンなど)および合成香味剤(サッカリン、アスパルテームなど)などが挙げられる。
【0128】
その他、本発明の食品組成物は、様々な営養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤および天然風味剤などの風味剤、着色剤、ペクチン酸およびその塩、アルギン酸およびその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含有することができる。
【0129】
このような成分は、独立してまたは組み合わせて使用可能である。このような添加剤の比率は大して重要ではないが、本発明の組成物100重量部あたり0.1~約50重量部の範囲で選択されることが一般的である。
【0130】
本発明のさらに他の実施形態によれば、投与が必要な個体に、本発明で提供する結合分子;前記結合分子をコードする核酸分子;前記核酸分子が挿入された発現ベクター;前記発現ベクターが形質感染した宿主細胞株;または本発明で提供する抗体-薬物結合体(ADC)を投与するステップを含む脳神経系疾患の予防、改善または治療方法を提供する。
【0131】
本発明において、前記「個体」は、脳神経系疾患の発病が疑われる個体であって、前記疾患発病の疑われる個体は、当該疾患が発病したか発病しうるヒトを含むマウス、家畜などを含む哺乳動物を意味するが、本発明で提供する有効物質で治療可能な個体は制限なく含まれる。
【0132】
本発明の方法により治療される脳神経系疾患は、神経退行性疾患または神経炎症性疾患であってもよく、その具体例としては、脳卒中、認知性、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease)、パーキンソン病(Parkinson’s disease)、ハンチントン病(Huntington’s disease)、ニーマン・ピック病(Niemann-Pick disease)、多発性硬化症、プリオン病(prion disease)、クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、筋萎縮性側索硬化症(AlzAmyotrophic lateral sclerosis)、副腎生物症候群(Paraneoplastic syndrome)、皮質基底核変性症、多系統萎縮症、進行性核上麻痺、神経系自己免疫疾患、脊髄小脳変性症(spinocerebellar ataxia)、炎症性および神経病症性痛症、脳血管疾患、脊髄損傷(spinal cord injury)およびタウオパチー(tauopathy)からなる群より選択できるが、これに限定されるものではない。
【0133】
本発明の前記方法は、本発明で提供する結合分子;前記結合分子をコードする核酸分子;前記核酸分子が挿入された発現ベクター;前記発現ベクターが形質感染した宿主細胞株;または本発明で提供する抗体-薬物結合体(ADC)を薬学的有効量で投与することを含むことができる。
【0134】
好適な1日の総使用量は、正しい医学的判断範囲内で処置医によって決定可能であり、1回または数回に分けて投与することができる。しかし、本発明の目的上、特定の患者に対する具体的な治療的有効量は、達成しようとする反応の種類と程度、場合によっては他の製剤が使用されるか否かをはじめとする具体的な前記有効成分を含む組成物、患者の年齢、体重、一般の健康状態、性別および食事、投与時間、投与経路および前記有効成分を含む組成物の分泌率、治療期間、具体的な組成物と共に使用されるか、同時使用される薬物をはじめとする多様な因子と医薬分野にてよく知られた類似因子に応じて異なって適用することが好ましい。
【0135】
一方、これに限定されないが、前記脳神経系疾患の予防または治療方法は、1つ以上の疾患に対する治療的活性を有する化合物または物質を投与することをさらに含む併用療法であってもよい。
【0136】
本発明において、前記「併用」は、同時、個別または順次投与を示すことが理解されなければならない。前記投与が順次または個別的な場合、2次成分投与の間隔は、前記併用の有利な効果を失わないようにするものでなければならない。
【0137】
本発明において、前記結合分子;または抗体-薬物結合体の投与用量は、患者の体重1kgあたり約0.0001μg~500mgであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0138】
本発明のさらに他の実施形態によれば、前記結合分子を用いてT細胞の表面に存在するLrig-1タンパク質またはその細胞外ドメイン;またはこれをコードする遺伝子の発現レベルを測定する製剤を含む免疫関連疾患の診断用組成物を提供する。
【0139】
本発明の前記T細胞は、制御性T細胞であってもよい。
【0140】
本発明の前記診断用組成物は、制御性T細胞は、例えば、活性化された制御性T細胞すなわち、エフェクターT細胞の抑制能が活性化された制御性T細胞の表面に存在するLrig-1タンパク質またはその細胞外ドメイン;またはこれをコードする遺伝子の発現レベルを測定する製剤を含むものであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0141】
本発明の前記診断用組成物は、T細胞の表面に存在するCD25、TIGIT、LAG3、CTLA-4、GITR、OX40、ICOS、PD-1、TIM-3、CCR4、FR4、CD15s、PI-16およびLrig-1タンパク質からなる群より選択された1種以上のタンパク質;またはこれをコードする遺伝子の発現レベルを測定する製剤をさらに含むことができる。このように、T細胞の表面に存在する多様なタンパク質;またはこれをコードする遺伝子の発現レベルをさらに測定する場合には、前記Lrig-1タンパク質またはその細胞外ドメイン;またはこれをコードする遺伝子を単独で測定した場合と比較して、目的とする疾患を診断するのに著しいシナジー効果を発揮させることができる。
【0142】
本発明の前記Lrig-1タンパク質またはその細胞外ドメインの発現レベルと、CD25、TIGIT、LAG3、CTLA-4、GITR、OX40、ICOS、PD-1、TIM-3、CCR4、FR4、CD15s、PI-16およびLrig-1タンパク質からなる群より選択された1種以上のタンパク質の発現レベルを測定する製剤は特に限定しないが、例えば、前記タンパク質に特異的に結合する抗体、オリゴペプチド、リガンド、PNA(peptide nucleic acid)およびアプタマー(aptamer)からなる群より選択された1種以上を含むことができる。
【0143】
本発明の前記Lrig-1タンパク質をコードする遺伝子(すなわち、LAIR1)またはLrig-1タンパク質の細胞外ドメインをコードする遺伝子と、CCD25、TIGIT、LAG3、CTLA-4、GITR、OX40、ICOS、PD-1、TIM-3、CCR4、FR4、CD15s、PI-16およびLrig-1タンパク質からなる群より選択された1種以上のタンパク質をコードする遺伝子の発現レベルを測定する製剤は、前記遺伝子に特異的に結合するプライマー、プローブ、LNAおよびアンチセンスヌクレオチドからなる群より選択された1種以上を含むことができる。
【0144】
本発明の前記「プライマー」は、標的遺伝子配列を認知する断片であって、正方向および逆方向のプライマー対を含むが、好ましくは、特異性および敏感性を有する分析結果を提供するプライマー対である。プライマーの核酸配列が試料中に存在する非-標的配列と不一致する配列であるので、相補的なプライマー結合部位を含む標的遺伝子配列のみ増幅し、非特異的増幅を誘発しないプライマーの時、高い特異性が付与できる。
【0145】
本発明の前記「プローブ」は、試料中の検出しようとする標的物質と特異的に結合できる物質を意味し、前記結合により特異的に試料中の標的物質の存在を確認できる物質を意味する。プローブの種類は、当業界にて通常使用される物質として制限はないが、好ましくは、PNA(peptide nucleic acid)、LNA(locked nucleic acid)、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、RNAまたはDNAであってもよいし、最も好ましくは、PNAである。より具体的には、前記プローブは、バイオ物質として生物に由来するか、これと類似のものまたは生体外で製造されたものを含むもので、例えば、酵素、タンパク質、抗体、微生物、動植物細胞および器官、神経細胞、DNA、およびRNAであってもよいし、DNAは、cDNA、ゲノムDNA、オリゴヌクレオチドを含み、RNAは、ゲノムRNA、mRNA、オリゴヌクレオチドを含み、タンパク質の例としては、抗体、抗原、酵素、ペプチドなどを含むことができる。
【0146】
本発明のさらに他の実施形態によれば、本発明で提供する前記結合分子を含む脳神経系疾患の診断用キットに関する。
【0147】
本発明の前記キットは、RT-PCRキット、DNAチップキット、ELISAキット、タンパク質チップキット、ラピッド(rapid)キットまたはMRM(Multiple reaction monitoring)キットであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0148】
本発明の前記キットは、分析方法に適した1種類またはそれ以上の他の構成成分組成物、溶液または装置をさらに含むことができる。
【0149】
本発明のキットは、例えば、逆転写重合酵素反応を行うために必要な必須要素をさらに含むことができる。逆転写重合酵素反応キットは、マーカータンパク質をコードする遺伝子に対して特異的なプライマー対を含む。プライマー対は、前記遺伝子の核酸配列に特異的な配列を有するヌクレオチドであって、例えば、約7bp~50bpの長さ、または約10bp~30bpの長さを有することができる。また、対照群遺伝子の核酸配列に特異的なプライマー対を含むことができる。その他の逆転写重合酵素反応キットは、テストチューブまたは他の適切な容器、反応緩衝液(pHおよびマグネシウムの濃度は多様)、デオキシヌクレオチド(dNTPs)、Taq-ポリメラーゼおよび逆転写酵素のような酵素、DNase、RNase抑制剤、DEPC水(DEPC-water)、滅菌水などをさらに含むことができる。
【0150】
本発明の前記キットは、DNAチップを行うために必要な必須要素を含むことができる。DNAチップキットは、遺伝子またはその断片に相当するcDNAまたはオリゴヌクレオチド(oligonucleotide)が付着している基板、および蛍光標識プローブを作製するための試薬、製剤、酵素などを含むことができる。また、基板は、対照群遺伝子またはその断片に相当するcDNAまたはオリゴヌクレオチドを含むことができる。
【0151】
本発明の前記キットは、ELISAを行うために必要な必須要素を含むことができる。ELISAキットは、前記タンパク質に対して特異的な抗体を含む。抗体は、マーカータンパク質に対する特異性および親和性が高く、他のタンパク質に対する交差反応性がほとんどない抗体で、単クローン抗体、多クローン抗体または組換え抗体である。また、ELISAキットは、対照群タンパク質に特異的な抗体を含むことができる。その他のELISAキットは、結合した抗体を検出できる試薬、例えば、標識された二次抗体、発色団(chromophores)、酵素(例:抗体とコンジュゲートされる)およびその基質または抗体と結合できる他の物質などを含むことができる。
【0152】
本発明のさらに他の実施形態によれば、前記結合分子を用いて、目的とする個体から分離された生物学的試料においてT細胞の表面に存在するLrig-1タンパク質またはその細胞外ドメイン;またはこれをコードする遺伝子の発現レベルを測定するステップを含む免疫関連疾患を診断するための情報提供方法に関する。
【0153】
本発明の前記T細胞は、制御性T細胞であってもよい。
【0154】
本発明の前記発現レベルを測定するステップは、T細胞の表面に存在するCD25、TIGIT、LAG3、CTLA-4、GITR、OX40、ICOS、PD-1、TIM-3、CCR4、FR4、CD15s、PI-16およびLrig-1タンパク質からなる群より選択された1種以上のタンパク質;またはこれをコードする遺伝子の発現レベルをさらに測定するものであってもよい。このように、T細胞の表面に存在する多様なタンパク質;またはこれをコードする遺伝子の発現レベルをさらに測定する場合には、前記Lrig-1タンパク質;またはこれをコードする遺伝子を単独で測定した場合と比較して、目的とする疾患を診断する上で著しいシナジー効果を発揮させることができる。
【0155】
本発明の前記「目的とする個体」は、当該疾患の発病の有無が不確実な個体で、疾患の発病の可能性が高い個体を意味する。
【0156】
本発明の前記「生物学的試料」は、個体から得られるか、個体に由来する任意の物質、生物学的体液、組織または細胞を意味するもので、例えば、全血(whole blood)、白血球(leukocytes)、末梢血液単核細胞(peripheral blood mononuclear cells)、白血球軟膜(buffy coat)、血漿(plasma)、血清(serum)、喀痰(sputum)、涙(tears)、粘液(mucus)、洗鼻液(nasal washes)、鼻腔吸引物(nasal aspirate)、呼吸(breath)、尿(urine)、精液(semen)、唾(saliva)、腹腔洗浄液(peritoneal washings)、骨盤内流体液(pelvic fluids)、嚢胞液(cystic fluid)、脳髄膜液(meningeal fluid)、羊水(amniotic fluid)、腺液(glandular fluid)、膵臓液(pancreatic fluid)、リンパ液(lymph fluid)、胸水(pleural fluid)、乳頭吸引物(nipple aspirate)、気管支吸引物(bronchial aspirate)、滑液(synovial fluid)、関節吸引物(joint aspirate)、器官分泌物(organ secretions)、細胞(cell)、細胞抽出物(cell extract)または脳脊髄液(cerebrospinal fluid)を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0157】
本発明の前記Lrig-1タンパク質;またはその細胞外ドメインは、T細胞においても、特に制御性T細胞、例えば、活性化された制御性T細胞すなわち、エフェクターT細胞の抑制能が活性化された制御性T細胞の細胞表面で発現するものであってもよい。
【0158】
本発明の前記Lrig-1タンパク質またはその細胞外ドメインと、CD25、TIGIT、LAG3、CTLA-4、GITR、OX40、ICOS、PD-1、TIM-3、CCR4、FR4、CD15s、PI-16およびLrig-1タンパク質からなる群より選択された1種以上のタンパク質の発現レベルの測定または比較分析方法としては、タンパク質チップ分析、免疫測定法、リガンドバインディングアッセイ、MALDI-TOF(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization Time of Flight Mass Spectrometry)分析、SELDI-TOF(Surface Enhanced Laser Desorption/Ionization Time of Flight Mass Spectrometry)分析、放射線免疫分析、放射免疫拡散法、オクタロニー免疫拡散法、ロケット免疫電気泳動、組織免疫染色、補体固定分析法、2次元電気泳動分析、液相クロマトグラフィー-質量分析(Liquid chromatography-Mass Spectrometry、LC-MS)、LC-MS/MS(Liquid chromatography-Mass Spectrometry/Mass Spectrometry)、ウェスタンブロッティング(Western blotting)またはELISA(Enzyme linked immunosorbent assay)などがあるが、これに限定されるものではない。
【0159】
本発明の前記Lrig-1タンパク質またはその細胞外ドメインをコードする遺伝子と、CD25、TIGIT、LAG3、CTLA-4、GITR、OX40、ICOS、PD-1、TIM-3、CCR4、FR4、CD15s、PI-16およびLrig-1タンパク質からなる群より選択された1種以上のタンパク質をコードする遺伝子の存在の有無と発現程度を確認するために、前記遺伝子の発現レベルを測定する分析方法は、逆転写重合酵素反応(RT-PCR)、競争的逆転写重合酵素反応(Competitive RT-PCR)、リアルタイム逆転写重合酵素反応(Real-time RT-PCR)、RNase保護分析法(RPA;RNase protection assay)、ノーザンブロッティング(Northern blotting)またはDNAチップなどがあるが、これに限定されるものではない。
【0160】
本発明の前記目的とする個体の生物学的試料に対して測定された前記Lrig-1タンパク質またはその細胞外ドメイン;またはこれをコードする遺伝子の発現レベルが正常対照群に比べて減少した場合、免疫関連疾患の発病の可能性が高いと予測するステップを含むことができる。
【0161】
本発明の前記T細胞の表面に存在するCD25、TIGIT、LAG3、CTLA-4、GITR、OX40、ICOS、PD-1、TIM-3、CCR4、FR4、CD15s、PI-16およびLrig-1タンパク質からなる群より選択された1種以上のタンパク質;またはこれをコードする遺伝子の発現レベルが正常対照群に比べて発現が変化(増加または減少)した場合、免疫関連疾患の発病の可能性が高いと予測するステップをさらに含むことができる。
【0162】
本発明の他の具体例において、前記Lrig-1タンパク質;またはこれをコードする遺伝子の発現レベルが正常対照群に比べて減少した場合、免疫関連疾患の発病の可能性が高いと予測するステップを含むことができる。
【0163】
さらに、本発明において、前記のように目的とする個体の生物学的試料に対して測定された前記Lrig-1タンパク質またはその細胞外ドメイン;またはこれをコードする遺伝子の発現レベルを測定して免疫関連疾患の発病の可能性が高いと予測または診断する場合、前記目的とする個体に対してその疾患に対する薬剤投与を行うステップを追加的に含むことができる。
【0164】
本発明の一実施形態によれば、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1;配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2;配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1;配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2;配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域を含む結合分子を提供する。
【0165】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子は、配列番号13で表される塩基配列によりコードされる重鎖CDR1;配列番号14で表される塩基配列によりコードされる重鎖CDR2;配列番号15で表される塩基配列によりコードされる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および配列番号16で表される塩基配列によりコードされる軽鎖CDR1;配列番号17で表される塩基配列によりコードされる軽鎖CDR2;配列番号18で表される塩基配列によりコードされる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域;を含むものである、結合分子を提供する。
【0166】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子は、配列番号11で表されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域;および配列番号12で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;を含む、結合分子を提供する。
【0167】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子は、配列番号19で表される塩基配列によりコードされる重鎖可変領域;および配列番号20で表される塩基配列によりコードされる軽鎖可変領域;を含む、結合分子を提供する。
【0168】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子は、Fc領域(Fragment crystallization region)または不変領域(constant region)をさらに含む、結合分子を提供する。
【0169】
本発明の一実施形態によれば、前記Fc領域は、IgA、IgD、IgE、IgM、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4抗体のFc領域、またはハイブリッドFc(hybrid Fc)領域である、結合分子を提供する。
【0170】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子は、配列番号21、23、24、27、28、29、30および32からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる重鎖不変領域をさらに含む、結合分子を提供する。
【0171】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子は、配列番号22、25、26および31からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる軽鎖不変領域をさらに含む、結合分子を提供する。
【0172】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子は、配列番号33または35で表される塩基配列でコードされる重鎖不変領域;および配列番号34または36で表される塩基配列でコードされる軽鎖不変領域;をさらに含む、結合分子を提供する。
【0173】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子は、配列番号37または38で表されるアミノ酸配列からなる重鎖;および配列番号39または40で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖;を含む、結合分子を提供する。
【0174】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子は、配列番号37で表されるアミノ酸配列からなる重鎖;および配列番号39で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖;を含む、結合分子を提供する。
【0175】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子は、配列番号38で表されるアミノ酸配列からなる重鎖;および配列番号40で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖;を含む、結合分子を提供する。
【0176】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子は、配列番号41または43で表される塩基配列によりコードされる重鎖;および配列番号42または44で表される塩基配列によりコードされる軽鎖;を含む、結合分子を提供する。
【0177】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子は、配列番号41で表される塩基配列によりコードされる重鎖;および配列番号42で表される塩基配列によりコードされる軽鎖;を含む、結合分子を提供する。
【0178】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子は、配列番号43で表される塩基配列によりコードされる重鎖;および配列番号44で表される塩基配列によりコードされる軽鎖;を含む、結合分子を提供する。
【0179】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子は、抗体またはその断片である、結合分子を提供する。
【0180】
本発明の一実施形態によれば、前記抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体(humanized antibody)、二価(bivalent)、両特異性分子、ミニボディ(minibody)、ドメイン抗体、二重特異的抗体(bispecific antibody)、抗体模倣体、ユニボディ(unibody)、ダイアボディ(diabody)、トリアボディ(triabody)、テトラボディ(tetrabody)またはその断片である、結合分子を提供する。
【0181】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子をコードする核酸分子を提供する。
【0182】
本発明の一実施形態によれば、前記核酸分子が挿入された発現ベクターを提供する。
【0183】
本発明の一実施形態によれば、前記発現ベクターが形質感染した宿主細胞株を提供する。
【0184】
本発明の他の実施形態によれば、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1;配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2;配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1;配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2;配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域を含む抗体;および薬物を含む抗体-薬物結合体(Antibody-Drug Conjugate、ADC)を提供する。
【0185】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子を有効成分として含む脳神経系疾患の予防または治療用薬学組成物を提供する。
【0186】
本発明の一実施形態によれば、前記脳神経系疾患は、神経退行性疾患または神経炎症性疾患である、薬学組成物を提供する。
【0187】
本発明の一実施形態によれば、前記神経退行性疾患または神経炎症性疾患は、脳卒中、認知性、アルツハイマー病(Alzheimer’s disease)、パーキンソン病(Parkinson’s disease)、ハンチントン病(Huntington’s disease)、ニーマン・ピック病(Niemann-Pick disease)、多発性硬化症、プリオン病(prion disease)、クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、筋萎縮性側索硬化症(AlzAmyotrophic lateral sclerosis)、副腎生物症候群(Paraneoplastic syndrome)、皮質基底核変性症、多系統萎縮症、進行性核上麻痺、神経系自己免疫疾患、脊髄小脳変性症(spinocerebellar ataxia)、炎症性および神経病症性痛症、脳血管疾患、脊髄損傷(spinal cord injury)およびタウオパチー(tauopathy)からなる群より選択される、薬学組成物を提供する。
【0188】
本発明のさらに他の実施形態によれば、抗原特異的結合ドメイン、連結ドメインおよびCD3ゼータ(ζ)シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)において、前記特異的な結合ドメインは、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1;配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2;配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1;配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2;配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域であるキメラ抗原受容体を提供する。
【0189】
本発明の一実施形態によれば、前記キメラ抗原受容体を有効成分として含む脳神経系疾患の予防または治療用薬学組成物を提供する。
【0190】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子を含む脳神経系疾患の診断用組成物を提供する。
【0191】
本発明の一実施形態によれば、前記組成物を含む脳神経系疾患の診断用キットを提供する。
【0192】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子で目的とする個体から分離された生物学的試料においてT細胞の表面に存在するLrig-1タンパク質の発現レベルを測定するステップを含む脳神経系疾患を診断するための情報提供方法を提供する。
【0193】
本発明の他の実施形態によれば、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1;配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2;配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1;配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2;配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域を含む結合分子を特徴とする脳神経系疾患の予防または治療方法を提供する。
【0194】
本発明の一実施形態によれば、前記結合分子は、抗体またはその断片であり、前記抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体(humanized antibody)、二価(bivalent)、両特異性分子、ミニボディ(minibody)、ドメイン抗体、二重特異的抗体(bispecific antibody)、抗体模倣体、ユニボディ(unibody)、ダイアボディ(diabody)、トリアボディ(triabody)、テトラボディ(tetrabody)またはその断片を特徴とする脳神経系疾患の予防または治療方法を提供する。
【0195】
本発明の他の実施形態によれば、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1;配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2;配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1;配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2;配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域を含む抗体;および薬物を含む抗体-薬物結合体を特徴とする脳神経系疾患の予防または治療方法を提供する。
【0196】
本発明の他の実施形態によれば、抗原特異的結合ドメイン、連結ドメインおよびCD3ゼータ(ζ)シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)において、前記特異的な結合ドメインは、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1;配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2;配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1;配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2;配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域であるキメラ抗原受容体を特徴とする脳神経系疾患の予防または治療方法を提供する。
【発明の効果】
【0197】
本発明で提供する結合分子は、多様な神経退行性または神経炎症性疾患などの脳神経系疾患を特異的に予防、改善または治療することができる。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【
図1】本発明の一実施例によるLrig-1タンパク質の構造を示す図である。
【
図2】本発明の一実施例によるLrig-1タンパク質の構造を示す図である。
【
図3】本発明の一実施例によるLrig-1 mRNAの発現程度を示す図である。
【
図4】本発明の一実施例によるLrig-1 mRNAの発現程度を示す図である。
【
図5】本発明の一実施例によるLrig-1 mRNAの発現程度を示す図である。
【
図6】本発明の一実施例によるLrig-1、Lrig-2およびLrig-3 mRNAの発現程度を示す図である。
【
図7】本発明の一実施例による制御性T細胞と非制御性T細胞内Lrig-1タンパク質の発現量の比較結果を示す図である。
【
図8】本発明の一実施例による制御性T細胞の表面にLrig-1タンパク質の発現を示す図である。
【
図9】本発明の一実施例による単クローン抗体のアルツハイマー治療効果を確認するための実験設計図である。
【
図10】アルツハイマー誘導マウスに本発明の一実施例による単クローン抗体を含む各処理後に得られたマウスの脳皮質および海馬組織をチオフラビンS(ThS)で染色させて、その結果を蛍光顕微鏡で撮影した写真を示す図である。
【
図11】アルツハイマー誘導マウスに本発明の一実施例による単クローン抗体を含む各処理後に得られたマウスの脳皮質および海馬組織をチオフラビンS(ThS)で染色させた後、正常マウスに対するThS+面積の比率(%)を計算した結果をグラフに示す図である。
【
図12】アルツハイマー誘導マウスに本発明の一実施例による単クローン抗体を含む各処理後、Y字迷路実験の結果、自発的交替(spontaneous alteration)(%)値の変化をグラフに示す図である。
【
図13】アルツハイマー誘導マウスに本発明の一実施例による単クローン抗体を含む各処理後、新規物体認識実験の結果、選好度数値の変化をグラフに示す図である。
【
図14】アルツハイマー誘導マウスに本発明の一実施例による単クローン抗体を含む各処理後、水中迷路実験の結果、プラットフォームのあった位置に到達するのにかかる時間の変化をグラフに示す図である。
【
図15】アルツハイマー誘導マウスに本発明の一実施例による単クローン抗体を含む各処理後、水中迷路実験の結果、標的を通り過ぎた回数の変化をグラフに示す図である。
【
図16】アルツハイマー誘導マウスに本発明の一実施例による単クローン抗体を含む各処理後、水中迷路実験中、プラットフォームのあった位置に到達するのにかかる時間の変化を測定して、その結果をグラフに示す図である。
【
図17】本発明の一実施例による単クローン抗体のアルツハイマー治療効果を確認するためのアルツハイマー誘導マウスである5xFADマウスと6xTgマウスの実験設計図である。
【
図18】アルツハイマー誘導マウスである5xFADマウスと6xTgマウスに本発明の一実施例による単クローン抗体を含む各処理後、Y字迷路実験の結果、自発的交替(spontaneous alteration)(%)値の変化をグラフに示す図である。
【
図19】アルツハイマー誘導マウスである6xTgマウスに本発明の一実施例による単クローン抗体を含む各処理後、新規物体認識実験の結果、選好度数値の変化をグラフに示す図である。
【
図20】アルツハイマー誘導マウスである5xFADマウスと6xTgマウスに本発明の一実施例による単クローン抗体を含む各処理後、受動回避実験の結果、滞在時間の変化をグラフに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0199】
本発明の一実施形態によれば、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1;配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2;配列番号7で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3;を含む重鎖可変領域;および配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1;配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2;配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3;を含む軽鎖可変領域を含む結合分子を提供する。
【実施例】
【0200】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は単に本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の要旨により本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されないことは当業界における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【0201】
実施例
[準備例1]T細胞の亜型細胞の培養
制御性T細胞(Treg)でのみLrig-1タンパク質が発現するかを確認するために、T細胞の亜型(subset)であるTh0、Th1、Th2、Th17およびiTregを用意した。前記iTregは、自然的に分離したnTregとは異なり、下記の組成を含む培地で分化を人工的に誘導した細胞を意味する。
【0202】
T細胞の亜型はまず、マウスの脾臓から得たナイーブ(naive)T細胞を分離した後、ウシ胎児血清(FBS;hyclone、logan、UT)10%を含むRPMI1640(Invitrogen Gibco、Grand Island、NY)栄養培地に下記表1の成分をそれぞれさらに含むようにして、37℃、5%CO2培養器内で72時間培養によりそれぞれの細胞に分化誘導した。
【0203】
【0204】
[実施例1]Lrig-1構造分析
制御性T細胞の表面タンパク質であるLrig-1タンパク質に特異的な抗体を作製するために、Lrig-1タンパク質の細胞外ドメインの3次元立体構造を予測した。
【0205】
まず、抗原決定基(Epitope)の塩基配列予測のためにLrig-1タンパク質の細胞外ドメイン(Extracellular domain;ECD)の構造を確認するために、Uniprot(http://www.unipro.org)とRCSB Protein Data Bank(http://www.rcsb.org/pdb)ツールを用いて3次元立体構造を予測した後、その結果を
図1および
図2に示した。
【0206】
図1に示すように、Lrig-1タンパク質の細胞外ドメインのうち、Lrig-LRRドメイン(アミノ酸配列41~494番)内にはLRR1~LRR15の計15個のロイシンリッチ部位(Leucine rich region)が存在した。前記LRRドメインそれぞれは23~27個のアミノ酸からなり、ロイシンは3~5個が存在した。
【0207】
また、
図2に示すように、Lrig-1タンパク質の細胞外ドメインのうち、Lrig-1タンパク質のアミノ酸配列494~781番には免疫グロブリン様ドメイン(Immunoglobulin-like domain)が3個存在した。
【0208】
[実施例2]Lrig-1抗原決定基(epitope)のアミノ酸配列の予測
前記塩基配列の予測は、Lrig-1タンパク質の構造をベースとする抗原決定基予測ソフトウェア(epitope prediction software)であるElliproサーバ(http://tools.iedb.org/ellipro/)を用いた。前記Ellipro検索エンジンは、現存する抗原決定基を予測するアルゴリズムの中で最も信頼度が高いと知られた検索エンジンに相当してこれを用いた。
【0209】
抗原決定基予測ソフトウェアに前記実施例1で分析された細胞外ドメインを入力した後、予測された抗原決定基の予測された連続または不連続アミノ酸配列は計22個が予測され、不連続した抗原決定基のアミノ酸配列は計8個が予測された。
【0210】
[製造例1および2]Lrig-1タンパク質に特異的な単クローン抗体の作製
本発明によるLrig-1タンパク質に特異的な抗体を作製した。本抗体は、特定の抗原決定基を定めて生産せず、Lrig-1タンパク質にどの部位でも結合できる抗体を生産した。
【0211】
前記抗体を作製するために、Lrig-1タンパク質が発現する細胞を作製した。より詳しくは、配列番号2に相当するDNA断片およびpcDNA(hygro)を切断酵素で切断した後、37℃で培養してライゲーション(Lrigation)して、Lrig-1タンパク質のDNA配列が挿入(insert)されているpcDNAを作製した。前記作製された配列番号2が挿入されたpcDNAはL細胞に形質注入(transfection)により導入されて、L細胞の表面にLrig-1タンパク質が発現できるようにした。
【0212】
前記細胞表面に発現するLrig-1に結合できる軽鎖(Lright chain)および重鎖(heavy chain)アミノ酸の配列をHuman scFv libraryから選別した。
【0213】
前記選別された重鎖および軽鎖アミノ酸配列をそれぞれ配列番号24または30の重鎖不変領域と配列番号26または31の軽鎖不変領域と融合して単クローン抗体(monoclonal antibody)を作製した。前記単クローン抗体の配列は下記表2の通りである。
【0214】
【0215】
[実施例3]Lrig-1 mRNAの制御性T細胞での特異的発現の確認
Lrig-1タンパク質が制御性T細胞に特異的なバイオマーカー(biomarker)として作用できるかを検証した。
【0216】
前記検証のために、マウスの脾臓からCD4ビーズを通して磁石活性細胞分類機(magnet-activated cell sorting;MACS)を用いてCD4+ T細胞を分離した。以後、CD25抗体を用いて、蛍光活性細胞分類機(FACS)を用いて制御性T(CD4+CD25+ T)細胞および非制御性T(CD4+CD25- T)細胞を分離した。それぞれの細胞および前記準備例1で分化された細胞はトリゾール(Trizol)を用いてmRNAを抽出した後、ゲノミックRNAは、gDNA抽出キット(Qiagen)を用いて、会社で提供したプロトコルによって、gDNAを除去した。gDNAの除去されたmRNAは、BDsprint cDNA合成キット(Clonetech)によりcDNAに合成した。
【0217】
前記cDNAでLrig-1 mRNAの発現量を定量的に確認するために、リアルタイム重合酵素連鎖反応(real time PCR)を行った。
【0218】
前記リアルタイム重合酵素連鎖反応は、SYBR Green(Molecular Probes)を用いて、会社で提供したプロトコルによって、95℃で3分、61℃で15秒、72℃で30秒ずつ、40サイクルの条件で、下記表3のプライマーを用いて行い、相対的な遺伝子発現量はΔCT方法を用いて計算し、HPRTを用いて一般化(normalization)して、その結果を
図3~
図6に示した。
【0219】
【0220】
図3に示すように、非制御性T(CD4+CD25- T)細胞に比べて、制御性T(CD4+CD25+ T)細胞でLrig-1の発現が18.1倍高いことが分かる。これは、従来知られている制御性T細胞のマーカーであるLag3およびIkzf4と比較した時、約10倍程度発現量が高い水準であった。また、
図4および
図5に示すように、他の種類の免疫細胞に比べて、制御性T細胞、特に誘導された制御性T細胞(iTreg)に比べて、自然的に分離した制御性T細胞(nTreg)でLrig-1 mRNAの発現が著しく高かった。さらに、
図6に示すように、Lrigファミリーに相当するLrig-1、Lrig-2およびLrig-3のうち、Lrig-1の発現が最も高かった。
【0221】
前記結果を通して、本発明によるLrig-1タンパク質は、制御性T細胞、特に自然的に存在する制御性T細胞で特異的に発現することが分かる。
【0222】
[実施例4]Lrig-1タンパク質の制御性T細胞での特異的発現の確認
Lrig-1 mRNAから発現したLrig-1タンパク質が制御性T細胞でのみ特異的に発現するかを確認した。
【0223】
制御性T細胞特異的な転写因子であるFOXP3プロモーターにRFP(Red fluorescence protein)が結合したFOXP3-RFP注入(Knock-in)マウスを用いて、前記マウスの脾臓からCD4ビーズで磁石活性細胞分類機(magnet-activated cell sorting;MACS)を用いてCD4+ T細胞を分離した。以後、RFPタンパク質を用いて、蛍光活性細胞分類機(FACS)により制御性T(CD4+RFP+ T)細胞および非制御性T(CD4+RFP- T)細胞を分離して得た。それぞれの前記細胞は、購入したLrig-1抗体および陰性対照群はアイソタイプ(isotype)により染色して蛍光活性細胞分類機でLrig-1の発現量を測定して、その結果を
図7に示した。
【0224】
図7に示すように、点線で表示される非-制御性T細胞の場合、陰性対照群とほぼ同じLrig-1の発現レベルを見せたが、制御性T細胞の場合、Lrig-1の発現レベルの高い細胞が多数存在した。
【0225】
前記結果を通して、本発明によるLrig-1タンパク質は、制御性T細胞で特異的に発現することが分かる。
【0226】
[実施例5]制御性T細胞表面でのLrig-1タンパク質特異的発現の確認
Lrig-1タンパク質が細胞治療のターゲットになるためには、制御性T細胞の表面に発現してこそより効果的にターゲット治療が可能なため、Lrig-1タンパク質が表面で発現するか否かを確認した。
【0227】
前記準備例1のそれぞれの分化されたT細胞の亜型を抗-CD4-APCおよび抗Lrig-1-PE抗体で染色し、蛍光活性細胞分類機(Fluorescence-Activated Cell Sorter;FACS)を用いてそれぞれの細胞表面でLrig-1の発現量を測定して、その結果を
図8に示した。
【0228】
図8に示すように、活性化されたT細胞(activated T cell)、Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞およびナイーブ(Naive)T細胞ではLrig-1の発現が0.77~15.3の量で発現するのに対し、分化が誘導されたT細胞(iTreg)では83.9と高く発現した。
【0229】
前記結果を通して、本発明によるLrig-1タンパク質は、制御性T細胞(Treg)で特異的に発現するだけでなく、特にTreg細胞の表面でより高く発現することが分かる。
【0230】
[実施例6]本発明による抗体のアルツハイマー治療能評価-5xFADマウス
本発明による抗体のアルツハイマー治療能を評価するために、
図9のように、群を設計した。具体的には、5~6ヶ月齢雄のアルツハイマー誘導5xFADマウスに、前記製造例1のGTC310-01マウス抗体を10mpkの量で3週間静脈注射した。ただし、比較のために、陽性対照群としてグラチラマーアセテート(glatiramer acetate、GA、Copaxone
(R))を100ugの量で3週間皮下注射するか、下記表4で表されるH6抗体を10mpkの量で4週間静脈注射した。
【0231】
【0232】
1.アミロイド-βプラーク減少効果
免疫組織学的分析のために、前記各処理されたマウスを安楽死させた後、脳の皮質(cortex)と海馬(hippocampus)組織を得た後、4%パラホルムアルデヒド(pH7.4)で16時間固定させた。固定された皮質および海馬の脳組織を凍結保護(Cryoprotection)のために30%スクロースに浸し、Cryostat(Microm HM 525、Thermo Scientific、Waltham、MA、USA)を用いて35μmの厚さにスライスした。Aβプラークを視覚化するために、スライシングされた脳切片をチオフラビンS(thioflavin S、ThS)で7分間染色した。チオフラビンSはSigma-Aldrich(カタログ番号T-1892)から購入した。500μMのチオフラビンS(ThS)を50%エタノールに溶解させた。100%、95%および70%エタノールで連続洗浄した後、切片をPBSに移した。免疫蛍光のために、相対的に厚い自由浮動脳切片をヤギ抗-GFAP抗体と共に、4℃で7日間インキュベーションした。次に、切片をAlexa Fluor594-接合ロバ抗-ヤギIgG(1:200、Abcam、ab150132)と共に、一晩4℃でインキュベーションした。4’6’-ジアミノ-2-フェニルインドール二塩酸塩水和物(DAPI、1mg/mL、1:2000、Sigma)を用いて核対照染色を行った。イメージはLeica DM2500蛍光顕微鏡で撮影して、その結果を
図10に示した。また、ImageJソフトウェアプログラムを用いて正常マウスに対するThS+面積の比率(%)を計算して、その結果を
図11に示した。
【0233】
図10および
図11に示すように、アルツハイマー誘導マウスにおいてThS+面積が著しく増加したが、本発明によるGTC310-01抗体を投与した場合、特に皮質においてThS+面積が著しく減少し、すなわちアミロイド-βプラーク(plaques)減少効果が非常に優れていることが分かった。
【0234】
2.Y字迷路実験(Y-maze test)
Y字迷路実験は40cmの長さ(壁の高さ15cm)の同じ3つのアーム(arm)を120度の角度に配置して作った迷路フレームを用いた。この実験は齧歯類の本能的な探索習性を利用した行動実験であり、新しい領域を探索する可能性が高いことに着目した方法であった。直前に探索したアーム(arm)を記憶して同じアーム(arm)に入らないほど高い記憶力の数値を示した。個体あたり8分の探索時間を提供し、最終結果は
図12に自発的交替(spontaneous alteration)(%)値で表現した。自発的交替(spontaneous alteration)(%)値は次の式1で計算した。ここで、行動パターンの分析はSMART VIDEO TRACKING Software(Panlab、USA)を用いて実施した。
【0235】
【0236】
図12に示すように、実験動物が周辺の手がかりを把握して順次に迷路に入る相対的頻度を測定した本実験において、アルツハイマー誘導マウスに本発明によるGTC310-01抗体を投与した場合、正常対照群と類似の水準に自発的交替値を有することを確認することができた。
【0237】
3.新規物体認識実験(Novel Object Recognition)
新規物体認識実験は40cm×40cmのアクリルケージに異なる2つの物体を用いて記憶力を評価した。アクリルケージ内に慣れさせた後、2つの物体を一定の位置に位置して自由に認知させた後、各物体を探索した時間を測定した。24時間の遅延時間を個体別に与え、再度同じ位置に1つの物体のみ他の物体に変更した。この時、変更した物体を新規物体として認識して探索時間が長いほど記憶力が良いと判断することができる。24時間前の物体を記憶できなければ、新規物体と既存の物体とを区分できず、両物体とも均一に探索する可能性がある。計10分間自由に探索させ、結果は選好度数値(preference index=Novel object exploring time/total exploring time)として
図13に示した。この時、分析はSMART VIDEO TRACKING Software(Panlab、USA)を用いて実施した。
【0238】
図13に示すように、新しい物体に対する選好度数値(Preference Index)において正常対照群に比べてアルツハイマー誘導群で選好度数値が低く観察された。ところが、本発明によるGTC310-01抗体を投与した場合、正常対照群以上に選好度数値が増加したことを確認することができた。
【0239】
4.水中迷路試験(Water maze test)
水中迷路試験はMorrisによって考案された方法に基づいて実施した。ステンレスプール(直径90cm、高さ50cm)に水(22±1℃)を満たして、水面の高さを30cmとなるようにした。隠されたプラットフォーム(platform)(直径5cm)は水面下1cmの地点に位置させた。評価初日、3回~4回の訓練を実施した。1個体あたり全体の水泳時間は60秒に設定し、60秒以内にプラットフォーム(platform)を見つけた個体は10秒間プラットフォーム(platform)上でとどまるようにして記憶を誘導した。60秒経過してもプラットフォーム(platform)を見つけられなかった個体は人為的にプラットフォーム(platform)に案内して、プラットフォーム(platform)上で10秒間とどまるようにし、この時の脱出時間(escape time)は60秒にした。水泳練習させた後、6日目にプローブ実験(probe test)を実施して空間知覚能力(プラットフォームのあった位置に到達するのにかかる時間(Latency to target、sec)および標的を通り過ぎた回数(target crossing numbers、数))を測定して、その結果を
図14および
図15に示し、習得実験(acquisition test)を実施して、実験中にプラットフォームのあった位置に到達するのにかかる時間(time to platform、sec)を測定して、その結果を
図16に示した。分析はSMART VIDEO TRACKING Software(Panlab、USA)を用いて実施した。結果の解析から除外させる基準は、水泳による探索をせず、特定部位のみ旋回する個体に設定した。
【0240】
図14~
図16に示すように、本発明によるGTC310-01抗体を投与した場合、標的を通り過ぎた回数は著しく増加し、プラットフォームのあった位置に到達するのにかかる時間は著しく減少することを確認することができた。
【0241】
このような実験により、本発明による抗体は、脳神経系疾患の予防、改善または治療効果があることを確認することができた。
【0242】
[実施例7]本発明による抗体のアルツハイマー治療能評価-6xTgマウス
本発明による抗体のアルツハイマー治療能を評価するために、
図17のように、群を設計して実験を進行させた。具体的には、4.5ヶ月間の適応期間を経た雌のアルツハイマー誘導5xFADマウスと雌の6xTgマウスに、前記製造例1のGTC310-01抗体を10mpkの量で2ヶ月間隔週で静脈注射した。ただし、比較のために、陽性対照群としてグラチラマーアセテート(glatiramer acetate、GA、Copaxone
(R))を100ugの量で2ヶ月間隔週で静脈注射した。2ヶ月後、Y字迷路実験、新規物体認識実験、受動回避実験を進行させた。
【0243】
1.6xTgマウスの特徴
5xFADマウスはアルツハイマー誘導モデルとして多く使用されているが、下記の実験に使用された6xTgマウスは、アミロイド-β(Aβ42)だけでなく、tauタンパク質(MAPT)が突然変異して蓄積されたマウスモデルであって、5xFADマウスよりヒト疾病モデルにより近いモデルであるので、アルツハイマーを含む脳神経系疾患モデルとして理想的な動物モデルに相当する。
【0244】
2.Y字迷路実験(Y-maze test)
Y字迷路実験は40cmの長さ(壁の高さ15cm)の同じ3つのアーム(arm)を120度の角度に配置して作った迷路フレームを用いた。この実験は齧歯類の本能的な探索習性を利用した行動実験であり、新しい領域を探索する可能性が高いことに着目した方法であった。直前に探索したアーム(arm)を記憶して同じアーム(arm)に入らないほど高い記憶力の数値を示した。個体あたり8分の探索時間を提供し、最終結果は
図20に自発的交替(spontaneous alteration)(%)値で表現した。自発的交替(spontaneous alteration)(%)値は次の式1で計算した。ここで、行動パターンの分析はSMART VIDEO TRACKING Software(Panlab、USA)を用いて実施した。
【0245】
【0246】
図18に示すように、実験動物が周辺の手がかりを把握して順次に迷路に入る相対的頻度を測定した本実験において、アルツハイマー誘導マウスに本発明によるGTC310-01抗体を投与した場合、正常対照群と類似の水準に自発的交替値を有することを確認することができた。さらに、ヒト疾病モデルにより近い6xTgモデルマウスにおいて5xFADマウスより正常対照群と類似の水準に自発的交替値を有することを確認することができた。
【0247】
3.新規物体認識実験(Novel Object Recognition)
新規物体認識実験は40cm×40cmのアクリルケージに異なる2つの物体を用いて記憶力を評価した。アクリルケージ内に慣れさせた後、2つの物体を一定の位置に位置して自由に認知させた後、各物体を探索した時間を測定した。24時間の遅延時間を個体別に与えて再度同じ位置に1つの物体のみ他の物体に変更した。この時、変更した物体を新規物体として認識して探索時間が長いほど記憶力が良いと判断することができる。24時間前の物体を記憶できなければ、新規物体と既存の物体とを区分できず、両物体とも均一に探索する可能性がある。計10分間自由に探索させ、結果は選好度数値(preference index=Novel object exploring time/total exploring time)として
図19に示した。この時、分析はSMART VIDEO TRACKING Software(Panlab、USA)を用いて実施した。
【0248】
図19に示すように、新しい物体に対する選好度数値(Preference Index)において正常対照群に比べてアルツハイマー誘導群で選好度数値が低く観察された。ところが、本発明によるGTC310-01抗体を投与した場合、ヒト疾病モデルとより近い6xTgモデルにおいて正常対照群以上に選好度数値が増加したことを確認することができた。
【0249】
4.受動回避実験(Passive Avoidance Test)
Passive avoidance test実験器具は、照明のある明るいチャンバと暗いチャンバ、の2つの区域に区分されており、底は金網からなっている。まず、1日目にはマウスを自由に移動させて適応させた。翌日、それぞれの5xFADマウスと6xTgマウスは照明のあるチャンバで照明をつけないまま1分間適応させた後、照明をつけて、2分間適応させた後、マウスが暗いチャンバに移動するやいなや、電気衝撃を0.5mA、1秒間加えて学習試験を実施した。このように学習試験をさせた翌日、各マウスを対象に記憶試験(teat trial)を実施した。照明をつけたチャンバに5xFADマウスと6xTgマウスをおいて、5xFADマウスと6xTgマウスの四つの足が全部入っていくのにかかる時間(latency time:滞在時間)を300秒以内に指定して実行した。その結果、
図20に示すように、5xFADマウスだけでなく、6xTgマウスにおいてもGTC310-01抗体を投与した場合、正常対照群に近接する程度に回復することが分かった。
【0250】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な修正および変形が可能であることは当技術分野における通常の知識を有する者にとっては自明であろう。
【0251】
[産業上の利用可能性]
本発明は、脳神経系疾患の予防、改善または治療効果に優れた新規な結合分子およびその用途で脳神経系疾患、特に神経退行性疾患または神経炎症性疾患の予防または治療に関する。
【0252】
[配列リストフリーテキスト]
<110> Good T Cells, Inc.
<120> Novel binding molecule and use thereof
<130> POPB214473PCT
<160> 54
<170> KoPatentIn 3.0
<210> 1
<211> 759
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 1
Gly Pro Arg Ala Pro Cys Ala Ala Ala Cys Thr Cys Ala Gly Asp Ser
1 5 10 15
Leu Asp Cys Gly Gly Arg Gly Leu Ala Ala Leu Pro Gly Asp Leu Pro
20 25 30
Ser Trp Thr Arg Ser Leu Asn Leu Ser Tyr Asn Lys Leu Ser Glu Ile
35 40 45
Asp Pro Ala Gly Phe Glu Asp Leu Pro Asn Leu Gln Glu Val Tyr Leu
50 55 60
Asn Asn Asn Glu Leu Thr Ala Val Pro Ser Leu Gly Ala Ala Ser Ser
65 70 75 80
His Val Val Ser Leu Phe Leu Gln His Asn Lys Ile Arg Ser Val Glu
85 90 95
Gly Ser Gln Leu Lys Ala Tyr Leu Ser Leu Glu Val Leu Asp Leu Ser
100 105 110
Leu Asn Asn Ile Thr Glu Val Arg Asn Thr Cys Phe Pro His Gly Pro
115 120 125
Pro Ile Lys Glu Leu Asn Leu Ala Gly Asn Arg Ile Gly Thr Leu Glu
130 135 140
Leu Gly Ala Phe Asp Gly Leu Ser Arg Ser Leu Leu Thr Leu Arg Leu
145 150 155 160
Ser Lys Asn Arg Ile Thr Gln Leu Pro Val Arg Ala Phe Lys Leu Pro
165 170 175
Arg Leu Thr Gln Leu Asp Leu Asn Arg Asn Arg Ile Arg Leu Ile Glu
180 185 190
Gly Leu Thr Phe Gln Gly Leu Asn Ser Leu Glu Val Leu Lys Leu Gln
195 200 205
Arg Asn Asn Ile Ser Lys Leu Thr Asp Gly Ala Phe Trp Gly Leu Ser
210 215 220
Lys Met His Val Leu His Leu Glu Tyr Asn Ser Leu Val Glu Val Asn
225 230 235 240
Ser Gly Ser Leu Tyr Gly Leu Thr Ala Leu His Gln Leu His Leu Ser
245 250 255
Asn Asn Ser Ile Ala Arg Ile His Arg Lys Gly Trp Ser Phe Cys Gln
260 265 270
Lys Leu His Glu Leu Val Leu Ser Phe Asn Asn Leu Thr Arg Leu Asp
275 280 285
Glu Glu Ser Leu Ala Glu Leu Ser Ser Leu Ser Val Leu Arg Leu Ser
290 295 300
His Asn Ser Ile Ser His Ile Ala Glu Gly Ala Phe Lys Gly Leu Arg
305 310 315 320
Ser Leu Arg Val Leu Asp Leu Asp His Asn Glu Ile Ser Gly Thr Ile
325 330 335
Glu Asp Thr Ser Gly Ala Phe Ser Gly Leu Asp Ser Leu Ser Lys Leu
340 345 350
Thr Leu Phe Gly Asn Lys Ile Lys Ser Val Ala Lys Arg Ala Phe Ser
355 360 365
Gly Leu Glu Gly Leu Glu His Leu Asn Leu Gly Gly Asn Ala Ile Arg
370 375 380
Ser Val Gln Phe Asp Ala Phe Val Lys Met Lys Asn Leu Lys Glu Leu
385 390 395 400
His Ile Ser Ser Asp Ser Phe Leu Cys Asp Cys Gln Leu Lys Trp Leu
405 410 415
Pro Pro Trp Leu Ile Gly Arg Met Leu Gln Ala Phe Val Thr Ala Thr
420 425 430
Cys Ala His Pro Glu Ser Leu Lys Gly Gln Ser Ile Phe Ser Val Pro
435 440 445
Pro Glu Ser Phe Val Cys Asp Asp Phe Leu Lys Pro Gln Ile Ile Thr
450 455 460
Gln Pro Glu Thr Thr Met Ala Met Val Gly Lys Asp Ile Arg Phe Thr
465 470 475 480
Cys Ser Ala Ala Ser Ser Ser Ser Ser Pro Met Thr Phe Ala Trp Lys
485 490 495
Lys Asp Asn Glu Val Leu Thr Asn Ala Asp Met Glu Asn Phe Val His
500 505 510
Val His Ala Gln Asp Gly Glu Val Met Glu Tyr Thr Thr Ile Leu His
515 520 525
Leu Arg Gln Val Thr Phe Gly His Glu Gly Arg Tyr Gln Cys Val Ile
530 535 540
Thr Asn His Phe Gly Ser Thr Tyr Ser His Lys Ala Arg Leu Thr Val
545 550 555 560
Asn Val Leu Pro Ser Phe Thr Lys Thr Pro His Asp Ile Thr Ile Arg
565 570 575
Thr Thr Thr Val Ala Arg Leu Glu Cys Ala Ala Thr Gly His Pro Asn
580 585 590
Pro Gln Ile Ala Trp Gln Lys Asp Gly Gly Thr Asp Phe Pro Ala Ala
595 600 605
Arg Glu Arg Arg Met His Val Met Pro Asp Asp Asp Val Phe Phe Ile
610 615 620
Thr Asp Val Lys Ile Asp Asp Ala Gly Val Tyr Ser Cys Thr Ala Gln
625 630 635 640
Asn Ser Ala Gly Ser Ile Ser Ala Asn Ala Thr Leu Thr Val Leu Glu
645 650 655
Thr Pro Ser Leu Val Val Pro Leu Glu Asp Arg Val Val Ser Val Gly
660 665 670
Glu Thr Val Ala Leu Gln Cys Lys Ala Thr Gly Asn Pro Pro Pro Arg
675 680 685
Ile Thr Trp Phe Lys Gly Asp Arg Pro Leu Ser Leu Thr Glu Arg His
690 695 700
His Leu Thr Pro Asp Asn Gln Leu Leu Val Val Gln Asn Val Val Ala
705 710 715 720
Glu Asp Ala Gly Arg Tyr Thr Cys Glu Met Ser Asn Thr Leu Gly Thr
725 730 735
Glu Arg Ala His Ser Gln Leu Ser Val Leu Pro Ala Ala Gly Cys Arg
740 745 750
Lys Asp Gly Thr Thr Val Gly
755
<210> 2
<211> 2397
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 2
ggcccgcggg cgccctgcgc ggccgcctgc acttgcgctg gggactcgct ggactgcggt 60
gggcgcgggc tggctgcgtt gcccggggac ctgccctcct ggacgcggag cctaaacctg 120
agttacaaca aactctctga gattgaccct gctggttttg aggacttgcc gaacctacag 180
gaagtgtacc tcaataataa tgagttgaca gcggtaccat ccctgggcgc tgcttcatca 240
catgtcgtct ctctctttct gcagcacaac aagattcgca gcgtggaggg gagccagctg 300
aaggcctacc tttccttaga agtgttagat ctgagtttga acaacatcac ggaagtgcgg 360
aacacctgct ttccacacgg accgcctata aaggagctca acctggcagg caatcggatt 420
ggcaccctgg agttgggagc atttgatggt ctgtcacggt cgctgctaac tcttcgcctg 480
agcaaaaaca ggatcaccca gcttcctgta agagcattca agctacccag gctgacacaa 540
ctggacctca atcggaacag gattcggctg atagagggcc tcaccttcca ggggctcaac 600
agcttggagg tgctgaagct tcagcgaaac aacatcagca aactgacaga tggggccttc 660
tggggactgt ccaagatgca tgtgctgcac ctggagtaca acagcctggt agaagtgaac 720
agcggctcgc tctacggcct cacggccctg catcagctcc acctcagcaa caattccatc 780
gctcgcattc accgcaaggg ctggagcttc tgccagaagc tgcatgagtt ggtcctgtcc 840
ttcaacaacc tgacacggct ggacgaggag agcctggccg agctgagcag cctgagtgtc 900
ctgcgtctca gccacaattc catcagccac attgcggagg gtgccttcaa gggactcagg 960
agcctgcgag tcttggatct ggaccataac gagatttcgg gcacaataga ggacacgagc 1020
ggcgccttct cagggctcga cagcctcagc aagctgactc tgtttggaaa caagatcaag 1080
tctgtggcta agagagcatt ctcggggctg gaaggcctgg agcacctgaa ccttggaggg 1140
aatgcgatca gatctgtcca gtttgatgcc tttgtgaaga tgaagaatct taaagagctc 1200
catatcagca gcgacagctt cctgtgtgac tgccagctga agtggctgcc cccgtggcta 1260
attggcagga tgctgcaggc ctttgtgaca gccacctgtg cccacccaga atcactgaag 1320
ggtcagagca ttttctctgt gccaccagag agtttcgtgt gcgatgactt cctgaagcca 1380
cagatcatca cccagccaga aaccaccatg gctatggtgg gcaaggacat ccggtttaca 1440
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gtcctgacca atgcagacat ggagaacttt gtccacgtcc acgcgcagga cggggaagtg 1560
atggagtaca ccaccatcct gcacctccgt caggtcactt tcgggcacga gggccgctac 1620
caatgtgtca tcaccaacca ctttggctcc acctattcac ataaggccag gctcaccgtg 1680
aatgtgttgc catcattcac caaaacgccc cacgacataa ccatccggac caccaccgtg 1740
gcccgcctcg aatgtgctgc cacaggtcac ccaaaccctc agattgcctg gcagaaggat 1800
ggaggcacgg atttccccgc tgcccgtgag cgacgcatgc atgtcatgcc ggatgacgac 1860
gtgtttttca tcactgatgt gaaaatagat gacgcagggg tttacagctg tactgctcag 1920
aactcagccg gttctatttc agctaatgcc accctgactg tcctagagac cccatccttg 1980
gtggtcccct tggaagaccg tgtggtatct gtgggagaaa cagtggccct ccaatgcaaa 2040
gccacgggga accctccgcc ccgcatcacc tggttcaagg gggaccgccc gctgagcctc 2100
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<210> 3
<211> 761
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 3
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1 5 10 15
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20 25 30
Leu Pro Ser Trp Thr Arg Ser Leu Asn Leu Ser Tyr Asn Arg Leu Ser
35 40 45
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Leu Ser Ser Asn Asn Ile Thr Glu Ile Arg Ser Ser Cys Phe Pro Asn
115 120 125
Gly Leu Arg Ile Arg Glu Leu Asn Leu Ala Ser Asn Arg Ile Ser Ile
130 135 140
Leu Glu Ser Gly Ala Phe Asp Gly Leu Ser Arg Ser Leu Leu Thr Leu
145 150 155 160
Arg Leu Ser Lys Asn Arg Ile Thr Gln Leu Pro Val Lys Ala Phe Lys
165 170 175
Leu Pro Arg Leu Thr Gln Leu Asp Leu Asn Arg Asn Arg Ile Arg Leu
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Ile Glu Gly Leu Thr Phe Gln Gly Leu Asp Ser Leu Glu Val Leu Arg
195 200 205
Leu Gln Arg Asn Asn Ile Ser Arg Leu Thr Asp Gly Ala Phe Trp Gly
210 215 220
Leu Ser Lys Met His Val Leu His Leu Glu Tyr Asn Ser Leu Val Glu
225 230 235 240
Val Asn Ser Gly Ser Leu Tyr Gly Leu Thr Ala Leu His Gln Leu His
245 250 255
Leu Ser Asn Asn Ser Ile Ser Arg Ile Gln Arg Asp Gly Trp Ser Phe
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Cys Gln Lys Leu His Glu Leu Ile Leu Ser Phe Asn Asn Leu Thr Arg
275 280 285
Leu Asp Glu Glu Ser Leu Ala Glu Leu Ser Ser Leu Ser Ile Leu Arg
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Leu Ser His Asn Ala Ile Ser His Ile Ala Glu Gly Ala Phe Lys Gly
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<400> 4
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gaagtgatgg agtataccac tatcctgcac ctccgtcacg tcacctttgg gcacgagggc 1620
cgctaccagt gtatcatcac aaaccacttt ggctccacat actcccacaa agccaggctc 1680
actgtgaatg tgttgccatc attcactaaa ataccccatg acattgccat ccggactggc 1740
accacagccc gcctcgagtg tgctgccacg ggccacccta accctcagat tgcctggcag 1800
aaggatggag gcaccgattt cccggcagct cgtgagcgac gcatgcatgt tatgccagac 1860
gatgatgtgt tcttcatcac tgatgtgaaa atagacgaca tgggggtcta cagctgcact 1920
gcccagaact cggcaggctc ggtttcagcc aacgctaccc tcacagtctt agaaactcca 1980
tccttggcag tgcctctgga agaccgtgtg gtaactgtgg gagaaacagt ggccttccag 2040
tgcaaagcaa ccgggagccc cacaccacgc atcacctggc ttaagggagg tcgcccattg 2100
agcctcacag agcgccacca tttcactcca ggcaaccagc tgctggttgt tcagaatgtg 2160
atgatagacg atgcagggcg gtatacctgt gagatgtcta atcccctggg cactgagcga 2220
gcacatagcc agctgagcat tttacctacc cctggctgcc ggaaggatgg gaccaccgta 2280
ggc 2283
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Gly
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Glu Val Gln Leu Leu Glu Ser Gly Gly Gly Leu Val Gln Pro Gly Gly
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Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser Asn Tyr
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Ala Met Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val
35 40 45
Ser Val Ile Ser His Gly Gly Gly Ser Thr Tyr Tyr Ala Asp Ser Val
50 55 60
Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ser Lys Asn Thr Leu Tyr
65 70 75 80
Leu Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg Val Ile Ser Asn Cys His Leu Gly Val Cys Tyr Tyr Ser Asn
100 105 110
Gly Met Asp Val Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ser
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Gln Leu Val Leu Thr Gln Pro Pro Ser Val Ser Ala Ala Pro Gly Gln
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Arg Val Ser Ile Ser Cys Ser Gly Ser Ser Ser Asn Ile Gly Asp Asn
20 25 30
Tyr Val Ser Trp Tyr Gln Gln Val Pro Gly Ser Ala Pro Lys Leu Leu
35 40 45
Ile Tyr Asp Asn Asn Lys Arg Pro Ser Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser
50 55 60
Ala Ser Lys Ser Gly Thr Ser Ala Thr Leu Gly Ile Thr Gly Leu Gln
65 70 75 80
Thr Gly Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Ala Thr Trp Asp Gly Ser Leu
85 90 95
Ser Ala Gly Arg Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu
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<213> Mus musculus
<400> 21
Thr Thr Ala Pro Ser Val Tyr Pro Leu Ala Pro Val Cys Gly Asp Thr
1 5 10 15
Thr Gly Ser Ser Val Thr Leu Gly Cys Leu Val Lys Gly Tyr Phe Pro
20 25 30
Glu Pro Val Thr Leu Thr Trp Asn Ser Gly Ser Leu Ser Ser Gly Val
35 40 45
His Thr Phe Pro Ala Val Leu Gln Ser Asp Leu Tyr Thr Leu Ser Ser
50 55 60
Ser Val Thr Val Thr Ser Ser Thr Trp Pro Ser Gln Ser Ile Thr Cys
65 70 75 80
Asn Val Ala His Pro Ala Ser Ser Thr Lys Val Asp Lys Lys Ile Glu
85 90 95
Pro Arg Gly Pro Thr Ile Lys Pro Cys Pro Pro Cys Lys Cys Pro Ala
100 105 110
Pro Asn Leu Leu Gly Gly Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Lys Ile
115 120 125
Lys Asp Val Leu Met Ile Ser Leu Ser Pro Ile Val Thr Cys Val Val
130 135 140
Val Asp Val Ser Glu Asp Asp Pro Asp Val Gln Ile Ser Trp Phe Val
145 150 155 160
Asn Asn Val Glu Val His Thr Ala Gln Thr Gln Thr His Arg Glu Asp
165 170 175
Tyr Asn Ser Thr Leu Arg Val Val Ser Ala Leu Pro Ile Gln His Gln
180 185 190
Asp Trp Met Ser Gly Lys Glu Phe Lys Cys Lys Val Asn Asn Lys Asp
195 200 205
Leu Pro Ala Pro Ile Glu Arg Thr Ile Ser Lys Pro Lys Gly Ser Val
210 215 220
Arg Ala Pro Gln Val Tyr Val Leu Pro Pro Pro Glu Glu Glu Met Thr
225 230 235 240
Lys Lys Gln Val Thr Leu Thr Cys Met Val Thr Asp Phe Met Pro Glu
245 250 255
Asp Ile Tyr Val Glu Trp Thr Asn Asn Gly Lys Thr Glu Leu Asn Tyr
260 265 270
Lys Asn Thr Glu Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Tyr Phe Met Tyr
275 280 285
Ser Lys Leu Arg Val Glu Lys Lys Asn Trp Val Glu Arg Asn Ser Tyr
290 295 300
Ser Cys Ser Val Val His Glu Gly Leu His Asn His His Thr Thr Lys
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Ser Phe Ser Arg Thr Pro Gly Lys
325
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<212> PRT
<213> Mus musculus
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Arg Thr Val Ala Ala Pro Thr Val Ser Ile Phe Pro Pro Ser Ser Glu
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Gln Leu Thr Ser Gly Gly Ala Ser Val Val Cys Phe Leu Asn Asn Phe
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Tyr Pro Lys Asp Ile Asn Val Lys Trp Lys Ile Asp Gly Ser Glu Arg
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Gln Asn Gly Val Leu Asn Ser Trp Thr Asp Gln Asp Ser Lys Asp Ser
50 55 60
Thr Tyr Ser Met Ser Ser Thr Leu Thr Leu Thr Lys Asp Glu Tyr Glu
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Arg His Asn Ser Tyr Thr Cys Glu Ala Thr His Lys Thr Ser Thr Ser
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Pro Ile Val Lys Ser Phe Asn Arg Asn Glu Cys
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<213> Homo sapiens
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Ala Ser Thr Lys Gly Pro Ser Val Phe Pro Leu Ala Pro Ser Ser Lys
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Ser Thr Ser Gly Gly Thr Ala Ala Leu Gly Cys Leu Val Lys Asp Tyr
20 25 30
Phe Pro Glu Pro Val Thr Val Ser Trp Asn Ser Gly Ala Leu Thr Ser
35 40 45
Gly Val His Thr Phe Pro Ala Val Leu Gln Ser Ser Gly Leu Tyr Ser
50 55 60
Leu Ser Ser Val Val Thr Val Pro Ser Ser Ser Leu Gly Thr Gln Thr
65 70 75 80
Tyr Ile Cys Asn Val Asn His Lys Pro Ser Asn Thr Lys Val Asp Lys
85 90 95
Lys Val Glu Pro Lys Ser Cys Asp Lys Thr His Thr Cys Pro Pro Cys
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Pro Ala Pro Glu Leu Leu Gly Gly Pro Ser Val Phe Leu Phe Pro Pro
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Lys Pro Lys Asp Thr Leu Met Ile Ser Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys
130 135 140
Val Val Val Asp Val Ser His Glu Asp Pro Glu Val Lys Phe Asn Trp
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Tyr Val Asp Gly Val Glu Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu
165 170 175
Glu Gln Tyr Asn Ser Thr Tyr Arg Val Val Ser Val Leu Thr Val Leu
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His Gln Asp Trp Leu Asn Gly Lys Glu Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn
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Lys Ala Leu Pro Ala Pro Ile Glu Lys Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly
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225 230 235 240
Leu Thr Lys Asn Gln Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr
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Asn Tyr Lys Thr Thr Pro Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe
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Leu Tyr Ser Lys Leu Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Gln Gly Asn
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Val Phe Ser Cys Ser Val Met His Glu Ala Leu His Asn His Tyr Thr
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Gln Lys Ser Leu Ser Leu Ser Pro Gly Lys
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<213> Homo sapiens
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Ala Ser Thr Lys Gly Pro Ser Val Phe Pro Leu Ala Pro Ser Ser Lys
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Ser Thr Ser Gly Gly Thr Ala Ala Leu Gly Cys Leu Val Lys Asp Tyr
20 25 30
Phe Pro Glu Pro Val Thr Val Ser Trp Asn Ser Gly Ala Leu Thr Ser
35 40 45
Gly Val His Thr Phe Pro Ala Val Leu Gln Ser Ser Gly Leu Tyr Ser
50 55 60
Leu Ser Ser Val Val Thr Val Pro Ser Ser Ser Leu Gly Thr Gln Thr
65 70 75 80
Tyr Ile Cys Asn Val Asn His Lys Pro Ser Asn Thr Lys Val Asp Lys
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100 105 110
Pro Ala Pro Glu Leu Leu Gly Gly Pro Ser Val Phe Leu Phe Pro Pro
115 120 125
Lys Pro Lys Asp Thr Leu Met Ile Ser Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys
130 135 140
Val Val Val Asp Val Ser His Glu Asp Pro Glu Val Lys Phe Asn Trp
145 150 155 160
Tyr Val Asp Gly Val Glu Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu
165 170 175
Glu Gln Tyr Asn Ser Thr Tyr Arg Val Val Ser Val Leu Thr Val Leu
180 185 190
His Gln Asp Trp Leu Asn Gly Lys Glu Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn
195 200 205
Lys Ala Leu Pro Ala Pro Ile Glu Lys Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly
210 215 220
Gln Pro Arg Glu Pro Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Arg Glu Glu
225 230 235 240
Met Thr Lys Asn Gln Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr
245 250 255
Pro Ser Asp Ile Ala Val Glu Trp Glu Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn
260 265 270
Asn Tyr Lys Thr Thr Pro Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe
275 280 285
Leu Tyr Ser Lys Leu Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Gln Gly Asn
290 295 300
Val Phe Ser Cys Ser Val Met His Glu Ala Leu His Asn His Tyr Thr
305 310 315 320
Gln Lys Ser Leu Ser Leu Ser Pro Gly Lys
325 330
<210> 25
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<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 25
Arg Thr Val Ala Ala Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Ser Asp Glu
1 5 10 15
Gln Leu Lys Ser Gly Thr Ala Ser Val Val Cys Leu Leu Asn Asn Phe
20 25 30
Tyr Pro Arg Glu Ala Lys Val Gln Trp Lys Val Asp Asn Ala Leu Gln
35 40 45
Ser Gly Asn Ser Gln Glu Ser Val Thr Glu Gln Asp Ser Lys Asp Ser
50 55 60
Thr Tyr Ser Leu Ser Ser Thr Leu Thr Leu Ser Lys Ala Asp Tyr Glu
65 70 75 80
Lys His Lys Val Tyr Ala Cys Glu Val Thr His Gln Gly Leu Ser Ser
85 90 95
Pro Val Thr Lys Ser Phe Asn Arg Gly Glu Cys
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<211> 107
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 26
Arg Ser Val Ala Ala Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Ser Asp Glu
1 5 10 15
Gln Leu Lys Ser Gly Thr Ala Ser Val Val Cys Leu Leu Asn Asn Phe
20 25 30
Tyr Pro Arg Glu Ala Lys Val Gln Trp Lys Val Asp Asn Ala Leu Gln
35 40 45
Ser Gly Asn Ser Gln Glu Ser Val Thr Glu Gln Asp Ser Lys Asp Ser
50 55 60
Thr Tyr Ser Leu Ser Ser Thr Leu Thr Leu Ser Lys Ala Asp Tyr Glu
65 70 75 80
Lys His Lys Val Tyr Ala Cys Glu Val Thr His Gln Gly Leu Ser Ser
85 90 95
Pro Val Thr Lys Ser Phe Asn Arg Gly Glu Cys
100 105
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<211> 326
<212> PRT
<213> Homo sapiens
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Ala Ser Thr Lys Gly Pro Ser Val Phe Pro Leu Ala Pro Cys Ser Arg
1 5 10 15
Ser Thr Ser Glu Ser Thr Ala Ala Leu Gly Cys Leu Val Lys Asp Tyr
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Phe Pro Glu Pro Val Thr Val Ser Trp Asn Ser Gly Ala Leu Thr Ser
35 40 45
Gly Val His Thr Phe Pro Ala Val Leu Gln Ser Ser Gly Leu Tyr Ser
50 55 60
Leu Ser Ser Val Val Thr Val Pro Ser Ser Asn Phe Gly Thr Gln Thr
65 70 75 80
Tyr Thr Cys Asn Val Asp His Lys Pro Ser Asn Thr Lys Val Asp Lys
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Thr Val Glu Arg Lys Cys Cys Val Glu Cys Pro Pro Cys Pro Ala Pro
100 105 110
Pro Val Ala Gly Pro Ser Val Phe Leu Phe Pro Pro Lys Pro Lys Asp
115 120 125
Thr Leu Met Ile Ser Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys Val Val Val Asp
130 135 140
Val Ser His Glu Asp Pro Glu Val Gln Phe Asn Trp Tyr Val Asp Gly
145 150 155 160
Val Glu Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu Glu Gln Phe Asn
165 170 175
Ser Thr Phe Arg Val Val Ser Val Leu Thr Val Val His Gln Asp Trp
180 185 190
Leu Asn Gly Lys Glu Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn Lys Gly Leu Pro
195 200 205
Ala Pro Ile Glu Lys Thr Ile Ser Lys Thr Lys Gly Gln Pro Arg Glu
210 215 220
Pro Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Arg Glu Glu Met Thr Lys Asn
225 230 235 240
Gln Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr Pro Ser Asp Ile
245 250 255
Ser Val Glu Trp Glu Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn Asn Tyr Lys Thr
260 265 270
Thr Pro Pro Met Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe Leu Tyr Ser Lys
275 280 285
Leu Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Gln Gly Asn Val Phe Ser Cys
290 295 300
Ser Val Met His Glu Ala Leu His Asn His Tyr Thr Gln Lys Ser Leu
305 310 315 320
Ser Leu Ser Pro Gly Lys
325
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<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 28
Ala Ser Thr Lys Gly Pro Ser Val Phe Pro Leu Ala Pro Cys Ser Arg
1 5 10 15
Ser Thr Ser Gly Gly Thr Ala Ala Leu Gly Cys Leu Val Lys Asp Tyr
20 25 30
Phe Pro Glu Pro Val Thr Val Ser Trp Asn Ser Gly Ala Leu Thr Ser
35 40 45
Gly Val His Thr Phe Pro Ala Val Leu Gln Ser Ser Gly Leu Tyr Ser
50 55 60
Leu Ser Ser Val Val Thr Val Pro Ser Ser Ser Leu Gly Thr Gln Thr
65 70 75 80
Tyr Thr Cys Asn Val Asn His Lys Pro Ser Asn Thr Lys Val Asp Lys
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Arg Val Glu Leu Lys Thr Pro Leu Gly Asp Thr Thr His Thr Cys Pro
100 105 110
Arg Cys Pro Glu Pro Lys Ser Cys Asp Thr Pro Pro Pro Cys Pro Arg
115 120 125
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Pro Glu Pro Lys Ser Cys Asp Thr Pro Pro Pro Cys Pro Arg Cys Pro
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Ala Pro Glu Leu Leu Gly Gly Pro Ser Val Phe Leu Phe Pro Pro Lys
165 170 175
Pro Lys Asp Thr Leu Met Ile Ser Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys Val
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Val Val Asp Val Ser His Glu Asp Pro Glu Val Gln Phe Lys Trp Tyr
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Val Asp Gly Val Glu Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu Glu
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Pro Arg Glu Pro Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Arg Glu Glu Met
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Thr Lys Asn Gln Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr Pro
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Ser Asp Ile Ala Val Glu Trp Glu Ser Ser Gly Gln Pro Glu Asn Asn
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Tyr Asn Thr Thr Pro Pro Met Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe Leu
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Tyr Ser Lys Leu Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Gln Gly Asn Ile
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Phe Ser Cys Ser Val Met His Glu Ala Leu His Asn Arg Phe Thr Gln
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Lys Ser Leu Ser Leu Ser Pro Gly Lys
370 375
<210> 29
<211> 327
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 29
Ala Ser Thr Lys Gly Pro Ser Val Phe Pro Leu Ala Pro Cys Ser Arg
1 5 10 15
Ser Thr Ser Glu Ser Thr Ala Ala Leu Gly Cys Leu Val Lys Asp Tyr
20 25 30
Phe Pro Glu Pro Val Thr Val Ser Trp Asn Ser Gly Ala Leu Thr Ser
35 40 45
Gly Val His Thr Phe Pro Ala Val Leu Gln Ser Ser Gly Leu Tyr Ser
50 55 60
Leu Ser Ser Val Val Thr Val Pro Ser Ser Ser Leu Gly Thr Lys Thr
65 70 75 80
Tyr Thr Cys Asn Val Asp His Lys Pro Ser Asn Thr Lys Val Asp Lys
85 90 95
Arg Val Glu Ser Lys Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Ser Cys Pro Ala Pro
100 105 110
Glu Phe Leu Gly Gly Pro Ser Val Phe Leu Phe Pro Pro Lys Pro Lys
115 120 125
Asp Thr Leu Met Ile Ser Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys Val Val Val
130 135 140
Asp Val Ser Gln Glu Asp Pro Glu Val Gln Phe Asn Trp Tyr Val Asp
145 150 155 160
Gly Val Glu Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu Glu Gln Phe
165 170 175
Asn Ser Thr Tyr Arg Val Val Ser Val Leu Thr Val Leu His Gln Asp
180 185 190
Trp Leu Asn Gly Lys Glu Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn Lys Gly Leu
195 200 205
Pro Ser Ser Ile Glu Lys Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly Gln Pro Arg
210 215 220
Glu Pro Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Gln Glu Glu Met Thr Lys
225 230 235 240
Asn Gln Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr Pro Ser Asp
245 250 255
Ile Ala Val Glu Trp Glu Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn Asn Tyr Lys
260 265 270
Thr Thr Pro Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe Leu Tyr Ser
275 280 285
Arg Leu Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Glu Gly Asn Val Phe Ser
290 295 300
Cys Ser Val Met His Glu Ala Leu His Asn His Tyr Thr Gln Lys Ser
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Leu Ser Leu Ser Leu Gly Lys
325
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Heavy chain constant region
<400> 30
Ala Ser Ala Lys Thr Thr Ala Pro Ser Val Tyr Pro Leu Ala Pro Val
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Cys Gly Asp Thr Thr Gly Ser Ser Val Thr Leu Gly Cys Leu Val Lys
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Gly Tyr Phe Pro Glu Pro Val Thr Leu Thr Trp Asn Ser Gly Ser Leu
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Ser Ser Gly Val His Thr Phe Pro Ala Val Leu Gln Ser Asp Leu Tyr
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Ser Ile Thr Cys Asn Val Ala His Pro Ala Ser Ser Thr Lys Val Asp
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Lys Lys Ile Glu Pro Arg Gly Pro Thr Ile Lys Pro Cys Pro Pro Cys
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Lys Cys Pro Ala Pro Asn Leu Leu Gly Gly Pro Ser Val Phe Ile Phe
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Pro Pro Lys Ile Lys Asp Val Leu Met Ile Ser Leu Ser Pro Ile Val
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Thr Cys Val Val Val Asp Val Ser Glu Asp Asp Pro Asp Val Gln Ile
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Ser Trp Phe Val Asn Asn Val Glu Val His Thr Ala Gln Thr Gln Thr
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Ile Gln His Gln Asp Trp Met Ser Gly Lys Glu Phe Lys Cys Lys Val
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Asn Asn Lys Asp Leu Pro Ala Pro Ile Glu Arg Thr Ile Ser Lys Pro
210 215 220
Lys Gly Ser Val Arg Ala Pro Gln Val Tyr Val Leu Pro Pro Pro Glu
225 230 235 240
Glu Glu Met Thr Lys Lys Gln Val Thr Leu Thr Cys Met Val Thr Asp
245 250 255
Phe Met Pro Glu Asp Ile Tyr Val Glu Trp Thr Asn Asn Gly Lys Thr
260 265 270
Glu Leu Asn Tyr Lys Asn Thr Glu Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser
275 280 285
Tyr Phe Met Tyr Ser Lys Leu Arg Val Glu Lys Lys Asn Trp Val Glu
290 295 300
Arg Asn Ser Tyr Ser Cys Ser Val Val His Glu Gly Leu His Asn His
305 310 315 320
His Thr Thr Lys Ser Phe Ser Arg Thr Pro Gly Lys
325 330
<210> 31
<211> 107
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Light chain constant region
<400> 31
Arg Thr Asp Ala Ala Pro Thr Val Ser Ile Phe Pro Pro Ser Ser Glu
1 5 10 15
Gln Leu Thr Ser Gly Gly Ala Ser Val Val Cys Phe Leu Asn Asn Phe
20 25 30
Tyr Pro Lys Asp Ile Asn Val Lys Trp Lys Ile Asp Gly Ser Glu Arg
35 40 45
Gln Asn Gly Val Leu Asn Ser Trp Thr Asp Gln Asp Ser Lys Asp Ser
50 55 60
Thr Tyr Ser Met Ser Ser Thr Leu Thr Leu Thr Lys Asp Glu Tyr Glu
65 70 75 80
Arg His Asn Ser Tyr Thr Cys Glu Ala Thr His Lys Thr Ser Thr Ser
85 90 95
Pro Ile Val Lys Ser Phe Asn Arg Asn Glu Cys
100 105
<210> 32
<211> 245
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Hybrid Fc Heavy region
<400> 32
Arg Asn Thr Gly Arg Gly Gly Glu Glu Lys Lys Lys Glu Lys Glu Lys
1 5 10 15
Glu Glu Gln Glu Glu Arg Glu Thr Lys Thr Pro Glu Cys Pro Ser His
20 25 30
Thr Gln Pro Leu Gly Val Phe Leu Phe Pro Pro Lys Pro Lys Asp Thr
35 40 45
Leu Met Ile Ser Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys Val Val Val Asp Val
50 55 60
Ser Gln Glu Asp Pro Glu Val Gln Phe Asn Trp Tyr Val Asp Gly Val
65 70 75 80
Glu Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu Glu Gln Phe Asn Ser
85 90 95
Thr Tyr Arg Val Val Ser Val Leu Thr Val Leu His Gln Asp Trp Leu
100 105 110
Asn Gly Lys Glu Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn Lys Gly Leu Pro Ser
115 120 125
Ser Ile Glu Lys Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly Gln Pro Arg Glu Pro
130 135 140
Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Gln Glu Glu Met Thr Lys Asn Gln
145 150 155 160
Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr Pro Ser Asp Ile Ala
165 170 175
Val Glu Trp Glu Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn Asn Tyr Lys Thr Thr
180 185 190
Pro Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe Leu Tyr Ser Arg Leu
195 200 205
Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Glu Gly Asn Val Phe Ser Cys Ser
210 215 220
Val Met His Glu Ala Leu His Asn His Tyr Thr Gln Lys Ser Leu Ser
225 230 235 240
Leu Ser Leu Gly Lys
245
<210> 33
<211> 990
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 33
gctagcacca agggcccatc ggtcttcccc ctggcgccct cctccaagag cacctctggg 60
ggcacagcgg ccctgggctg cctggtcaag gactacttcc ccgaaccggt gacggtgtcg 120
tggaactcag gggccctgac cagcggcgtg cacaccttcc cggctgtcct acagtcctca 180
ggactctact ccctcagcag cgtggtgacc gtgccctcca gcagcctggg cacccagacc 240
tacatctgca acgtgaatca caagcccagc aacaccaagg tggacaagaa agttgagccc 300
aaatcttgtg acaaaactca cacatgccca ccgtgcccag cacctgaact cctgggggga 360
ccgtcagtct tcctcttccc cccaaaaccc aaggacaccc tcatgatctc ccggacccct 420
gaggtcacat gcgtggtggt ggacgtgagc cacgaagacc ctgaggtcaa gttcaactgg 480
tacgtggacg gcgtggaggt gcataatgcc aagacaaagc cgcgggagga gcagtacaac 540
agcacgtacc gtgtggtcag cgtcctcacc gtcctgcacc aggactggct gaatggcaag 600
gagtacaagt gcaaggtctc caacaaagcc ctcccagccc ccatcgagaa aaccatctcc 660
aaagccaaag ggcagccccg agaaccacag gtgtacaccc tgcccccatc ccgggaggag 720
atgaccaaga accaggtcag cctgacctgc ctggtcaaag gcttctatcc cagcgacatc 780
gccgtggagt gggagagcaa tgggcagccg gagaacaact acaagaccac gcctcccgtg 840
ctggactccg acggctcctt cttcctctac agcaagctca ccgtggacaa gagcaggtgg 900
cagcagggga acgtcttctc atgctccgtg atgcatgagg ctctgcacaa ccactacacg 960
cagaagagcc tctccctgtc tccgggtaaa 990
<210> 34
<211> 321
<212> DNA
<213> Homo sapiens
<400> 34
agatctgtgg ctgcaccatc tgtcttcatc ttcccgccat ctgatgagca gttgaaatct 60
ggaactgcct ctgttgtgtg cctgctgaat aacttctatc ccagagaggc caaagtacag 120
tggaaggtgg ataacgccct ccaatcgggt aactcccagg agagtgtcac agagcaggac 180
agcaaggaca gcacctacag cctcagcagc accctgacgc tgagcaaagc agactacgag 240
aaacacaaag tctacgcctg cgaagtcacc catcagggcc tgagctcgcc cgtcacaaag 300
agcttcaaca ggggagagtg t 321
<210> 35
<211> 999
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Heavy chain constant region
<400> 35
gctagcgcca aaacaacagc cccctccgta taccccctag cccccgtatg cggcgacacc 60
accggctcct ccgtaaccct aggctgccta gtaaaaggct acttccccga acccgtaacc 120
ctaacctgga actccggctc cctatcctcc ggcgtacaca ccttccccgc cgtactacaa 180
tccgacctat acaccctatc ctcctccgta accgtaacct cctccacctg gccctcccaa 240
tccatcacct gcaacgtagc ccaccccgcc tcctccacca aagtagacaa aaaaatcgag 300
ccaaggggcc ccaccatcaa gccttgccct ccctgcaagt gccctgcccc caacctgctg 360
ggcggcccct ccgtgttcat cttccctcca aagatcaagg acgtgctgat gatctccctg 420
agccccatcg tgacctgcgt ggtggtggac gtgtccgagg acgaccctga cgtgcagatc 480
agctggttcg tgaacaacgt ggaggtgcac accgcccaga cccagaccca cagagaggac 540
tacaactcca ccctgagggt ggtgagcgcc ctgccaatcc agcaccagga ctggatgtcc 600
ggcaaggagt tcaagtgcaa ggtgaacaac aaggacctgc cagccccaat cgagaggacc 660
atcagcaagc ctaagggctc cgtgagggcc ccccaggtgt acgtgctgcc ccctcctgag 720
gaggagatga ccaagaagca ggtgaccctg acctgcatgg tgaccgactt catgcctgag 780
gacatctacg tggagtggac caacaacggc aagaccgagc tgaactacaa gaacaccgag 840
cctgtgctgg acagcgacgg cagctacttc atgtacagca agctgagggt ggagaagaag 900
aactgggtgg agagaaactc ctactcctgc tccgtggtgc acgagggcct gcacaaccac 960
cacaccacca agagcttctc cagaaccccc gggaagtga 999
<210> 36
<211> 321
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Light chain constant region
<400> 36
cgtacggatg ctgcaccaac tgtatccatc ttcccaccat ccagtgagca gttaacatct 60
ggaggtgcct cagtcgtgtg cttcttgaac aacttctacc ccaaagacat caatgtcaag 120
tggaagattg atggcagtga acgacaaaat ggcgtcctga acagttggac tgatcaggac 180
agcaaagaca gcacctacag catgagcagc accctcacgt tgaccaagga cgagtatgaa 240
cgacataaca gctatacctg tgaggccact cacaagacat caacttcacc cattgtcaag 300
agcttcaaca ggaatgagtg t 321
<210> 37
<211> 457
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Heavy chain
<400> 37
Glu Val Gln Leu Leu Glu Ser Gly Gly Gly Leu Val Gln Pro Gly Gly
1 5 10 15
Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser Asn Tyr
20 25 30
Ala Met Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val
35 40 45
Ser Val Ile Ser His Gly Gly Gly Ser Thr Tyr Tyr Ala Asp Ser Val
50 55 60
Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ser Lys Asn Thr Leu Tyr
65 70 75 80
Leu Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg Val Ile Ser Asn Cys His Leu Gly Val Cys Tyr Tyr Ser Asn
100 105 110
Gly Met Asp Val Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ser Ala
115 120 125
Lys Thr Thr Ala Pro Ser Val Tyr Pro Leu Ala Pro Val Cys Gly Asp
130 135 140
Thr Thr Gly Ser Ser Val Thr Leu Gly Cys Leu Val Lys Gly Tyr Phe
145 150 155 160
Pro Glu Pro Val Thr Leu Thr Trp Asn Ser Gly Ser Leu Ser Ser Gly
165 170 175
Val His Thr Phe Pro Ala Val Leu Gln Ser Asp Leu Tyr Thr Leu Ser
180 185 190
Ser Ser Val Thr Val Thr Ser Ser Thr Trp Pro Ser Gln Ser Ile Thr
195 200 205
Cys Asn Val Ala His Pro Ala Ser Ser Thr Lys Val Asp Lys Lys Ile
210 215 220
Glu Pro Arg Gly Pro Thr Ile Lys Pro Cys Pro Pro Cys Lys Cys Pro
225 230 235 240
Ala Pro Asn Leu Leu Gly Gly Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Lys
245 250 255
Ile Lys Asp Val Leu Met Ile Ser Leu Ser Pro Ile Val Thr Cys Val
260 265 270
Val Val Asp Val Ser Glu Asp Asp Pro Asp Val Gln Ile Ser Trp Phe
275 280 285
Val Asn Asn Val Glu Val His Thr Ala Gln Thr Gln Thr His Arg Glu
290 295 300
Asp Tyr Asn Ser Thr Leu Arg Val Val Ser Ala Leu Pro Ile Gln His
305 310 315 320
Gln Asp Trp Met Ser Gly Lys Glu Phe Lys Cys Lys Val Asn Asn Lys
325 330 335
Asp Leu Pro Ala Pro Ile Glu Arg Thr Ile Ser Lys Pro Lys Gly Ser
340 345 350
Val Arg Ala Pro Gln Val Tyr Val Leu Pro Pro Pro Glu Glu Glu Met
355 360 365
Thr Lys Lys Gln Val Thr Leu Thr Cys Met Val Thr Asp Phe Met Pro
370 375 380
Glu Asp Ile Tyr Val Glu Trp Thr Asn Asn Gly Lys Thr Glu Leu Asn
385 390 395 400
Tyr Lys Asn Thr Glu Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Tyr Phe Met
405 410 415
Tyr Ser Lys Leu Arg Val Glu Lys Lys Asn Trp Val Glu Arg Asn Ser
420 425 430
Tyr Ser Cys Ser Val Val His Glu Gly Leu His Asn His His Thr Thr
435 440 445
Lys Ser Phe Ser Arg Thr Pro Gly Lys
450 455
<210> 38
<211> 457
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Heavy chain
<400> 38
Glu Val Gln Leu Leu Glu Ser Gly Gly Gly Leu Val Gln Pro Gly Gly
1 5 10 15
Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Phe Thr Phe Ser Asn Tyr
20 25 30
Ala Met Ser Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val
35 40 45
Ser Val Ile Ser His Gly Gly Gly Ser Thr Tyr Tyr Ala Asp Ser Val
50 55 60
Lys Gly Arg Phe Thr Ile Ser Arg Asp Asn Ser Lys Asn Thr Leu Tyr
65 70 75 80
Leu Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg Val Ile Ser Asn Cys His Leu Gly Val Cys Tyr Tyr Ser Asn
100 105 110
Gly Met Asp Val Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ser Ala
115 120 125
Ser Thr Lys Gly Pro Ser Val Phe Pro Leu Ala Pro Ser Ser Lys Ser
130 135 140
Thr Ser Gly Gly Thr Ala Ala Leu Gly Cys Leu Val Lys Asp Tyr Phe
145 150 155 160
Pro Glu Pro Val Thr Val Ser Trp Asn Ser Gly Ala Leu Thr Ser Gly
165 170 175
Val His Thr Phe Pro Ala Val Leu Gln Ser Ser Gly Leu Tyr Ser Leu
180 185 190
Ser Ser Val Val Thr Val Pro Ser Ser Ser Leu Gly Thr Gln Thr Tyr
195 200 205
Ile Cys Asn Val Asn His Lys Pro Ser Asn Thr Lys Val Asp Lys Lys
210 215 220
Val Glu Pro Lys Ser Cys Asp Lys Thr His Thr Cys Pro Pro Cys Pro
225 230 235 240
Ala Pro Glu Leu Leu Gly Gly Pro Ser Val Phe Leu Phe Pro Pro Lys
245 250 255
Pro Lys Asp Thr Leu Met Ile Ser Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys Val
260 265 270
Val Val Asp Val Ser His Glu Asp Pro Glu Val Lys Phe Asn Trp Tyr
275 280 285
Val Asp Gly Val Glu Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu Glu
290 295 300
Gln Tyr Asn Ser Thr Tyr Arg Val Val Ser Val Leu Thr Val Leu His
305 310 315 320
Gln Asp Trp Leu Asn Gly Lys Glu Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn Lys
325 330 335
Ala Leu Pro Ala Pro Ile Glu Lys Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly Gln
340 345 350
Pro Arg Glu Pro Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Arg Glu Glu Met
355 360 365
Thr Lys Asn Gln Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr Pro
370 375 380
Ser Asp Ile Ala Val Glu Trp Glu Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn Asn
385 390 395 400
Tyr Lys Thr Thr Pro Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe Leu
405 410 415
Tyr Ser Lys Leu Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Gln Gly Asn Val
420 425 430
Phe Ser Cys Ser Val Met His Glu Ala Leu His Asn His Tyr Thr Gln
435 440 445
Lys Ser Leu Ser Leu Ser Pro Gly Lys
450 455
<210> 39
<211> 218
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Light chain
<400> 39
Gln Leu Val Leu Thr Gln Pro Pro Ser Val Ser Ala Ala Pro Gly Gln
1 5 10 15
Arg Val Ser Ile Ser Cys Ser Gly Ser Ser Ser Asn Ile Gly Asp Asn
20 25 30
Tyr Val Ser Trp Tyr Gln Gln Val Pro Gly Ser Ala Pro Lys Leu Leu
35 40 45
Ile Tyr Asp Asn Asn Lys Arg Pro Ser Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser
50 55 60
Ala Ser Lys Ser Gly Thr Ser Ala Thr Leu Gly Ile Thr Gly Leu Gln
65 70 75 80
Thr Gly Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Ala Thr Trp Asp Gly Ser Leu
85 90 95
Ser Ala Gly Arg Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Arg
100 105 110
Ala Asp Ala Ala Pro Thr Val Ser Ile Phe Pro Pro Ser Ser Glu Gln
115 120 125
Leu Thr Ser Gly Gly Ala Ser Val Val Cys Phe Leu Asn Asn Phe Tyr
130 135 140
Pro Lys Asp Ile Asn Val Lys Trp Lys Ile Asp Gly Ser Glu Arg Gln
145 150 155 160
Asn Gly Val Leu Asn Ser Trp Thr Asp Gln Asp Ser Lys Asp Ser Thr
165 170 175
Tyr Ser Met Ser Ser Thr Leu Thr Leu Thr Lys Asp Glu Tyr Glu Arg
180 185 190
His Asn Ser Tyr Thr Cys Glu Ala Thr His Lys Thr Ser Thr Ser Pro
195 200 205
Ile Val Lys Ser Phe Asn Arg Asn Glu Cys
210 215
<210> 40
<211> 218
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Light chain
<400> 40
Gln Leu Val Leu Thr Gln Pro Pro Ser Val Ser Ala Ala Pro Gly Gln
1 5 10 15
Arg Val Ser Ile Ser Cys Ser Gly Ser Ser Ser Asn Ile Gly Asp Asn
20 25 30
Tyr Val Ser Trp Tyr Gln Gln Val Pro Gly Ser Ala Pro Lys Leu Leu
35 40 45
Ile Tyr Asp Asn Asn Lys Arg Pro Ser Gly Ile Pro Asp Arg Phe Ser
50 55 60
Ala Ser Lys Ser Gly Thr Ser Ala Thr Leu Gly Ile Thr Gly Leu Gln
65 70 75 80
Thr Gly Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Ala Thr Trp Asp Gly Ser Leu
85 90 95
Ser Ala Gly Arg Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Arg
100 105 110
Thr Val Ala Ala Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Ser Asp Glu Gln
115 120 125
Leu Lys Ser Gly Thr Ala Ser Val Val Cys Leu Leu Asn Asn Phe Tyr
130 135 140
Pro Arg Glu Ala Lys Val Gln Trp Lys Val Asp Asn Ala Leu Gln Ser
145 150 155 160
Gly Asn Ser Gln Glu Ser Val Thr Glu Gln Asp Ser Lys Asp Ser Thr
165 170 175
Tyr Ser Leu Ser Ser Thr Leu Thr Leu Ser Lys Ala Asp Tyr Glu Lys
180 185 190
His Lys Val Tyr Ala Cys Glu Val Thr His Gln Gly Leu Ser Ser Pro
195 200 205
Val Thr Lys Ser Phe Asn Arg Gly Glu Cys
210 215
<210> 41
<211> 1380
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Heavy chain
<400> 41
gaagttcagc tgcttgagtc tggcggagga ctggttcaac ctggcggaag cctgagactg 60
tcttgtgccg ccagcggctt caccttcagc aactacgcca tgagctgggt ccgacaggcc 120
cctggaaaag gccttgaatg ggtgtccgtg atctctcacg gcggaggcag cacctactac 180
gccgattctg tgaagggcag attcaccatc agccgggaca acagcaagaa caccctgtac 240
ctgcagatga acagcctgag agccgaggac accgccgtgt actattgcgc cagagtgatc 300
agcaactgcc acctgggcgt gtgctactac agcaacggca tggatgtgtg gggccagggc 360
acactggtta ccgttagttc tgctagcgcc aaaacaacag ccccctccgt atacccccta 420
gcccccgtat gcggcgacac caccggctcc tccgtaaccc taggctgcct agtaaaaggc 480
tacttccccg aacccgtaac cctaacctgg aactccggct ccctatcctc cggcgtacac 540
accttccccg ccgtactaca atccgaccta tacaccctat cctcctccgt aaccgtaacc 600
tcctccacct ggccctccca atccatcacc tgcaacgtag cccaccccgc ctcctccacc 660
aaagtagaca aaaaaatcga gccaaggggc cccaccatca agccttgccc tccctgcaag 720
tgccctgccc ccaacctgct gggcggcccc tccgtgttca tcttccctcc aaagatcaag 780
gacgtgctga tgatctccct gagccccatc gtgacctgcg tggtggtgga cgtgtccgag 840
gacgaccctg acgtgcagat cagctggttc gtgaacaacg tggaggtgca caccgcccag 900
acccagaccc acagagagga ctacaactcc accctgaggg tggtgagcgc cctgccaatc 960
cagcaccagg actggatgtc cggcaaggag ttcaagtgca aggtgaacaa caaggacctg 1020
ccagccccaa tcgagaggac catcagcaag cctaagggct ccgtgagggc cccccaggtg 1080
tacgtgctgc cccctcctga ggaggagatg accaagaagc aggtgaccct gacctgcatg 1140
gtgaccgact tcatgcctga ggacatctac gtggagtgga ccaacaacgg caagaccgag 1200
ctgaactaca agaacaccga gcctgtgctg gacagcgacg gcagctactt catgtacagc 1260
aagctgaggg tggagaagaa gaactgggtg gagagaaact cctactcctg ctccgtggtg 1320
cacgagggcc tgcacaacca ccacaccacc aagagcttct ccagaacccc cgggaagtga 1380
1380
<210> 42
<211> 1371
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Heavy chain
<400> 42
gaagttcagc tgcttgagtc tggcggagga ctggttcaac ctggcggaag cctgagactg 60
tcttgtgccg ccagcggctt caccttcagc aactacgcca tgagctgggt ccgacaggcc 120
cctggaaaag gccttgaatg ggtgtccgtg atctctcacg gcggaggcag cacctactac 180
gccgattctg tgaagggcag attcaccatc agccgggaca acagcaagaa caccctgtac 240
ctgcagatga acagcctgag agccgaggac accgccgtgt actattgcgc cagagtgatc 300
agcaactgcc acctgggcgt gtgctactac agcaacggca tggatgtgtg gggccagggc 360
acactggtta ccgttagttc tgctagcacc aagggcccat cggtcttccc cctggcgccc 420
tcctccaaga gcacctctgg gggcacagcg gccctgggct gcctggtcaa ggactacttc 480
cccgaaccgg tgacggtgtc gtggaactca ggggccctga ccagcggcgt gcacaccttc 540
ccggctgtcc tacagtcctc aggactctac tccctcagca gcgtggtgac cgtgccctcc 600
agcagcctgg gcacccagac ctacatctgc aacgtgaatc acaagcccag caacaccaag 660
gtggacaaga aagttgagcc caaatcttgt gacaaaactc acacatgccc accgtgccca 720
gcacctgaac tcctgggggg accgtcagtc ttcctcttcc ccccaaaacc caaggacacc 780
ctcatgatct cccggacccc tgaggtcaca tgcgtggtgg tggacgtgag ccacgaagac 840
cctgaggtca agttcaactg gtacgtggac ggcgtggagg tgcataatgc caagacaaag 900
ccgcgggagg agcagtacaa cagcacgtac cgtgtggtca gcgtcctcac cgtcctgcac 960
caggactggc tgaatggcaa ggagtacaag tgcaaggtct ccaacaaagc cctcccagcc 1020
cccatcgaga aaaccatctc caaagccaaa gggcagcccc gagaaccaca ggtgtacacc 1080
ctgcccccat cccgggagga gatgaccaag aaccaggtca gcctgacctg cctggtcaaa 1140
ggcttctatc ccagcgacat cgccgtggag tgggagagca atgggcagcc ggagaacaac 1200
tacaagacca cgcctcccgt gctggactcc gacggctcct tcttcctcta cagcaagctc 1260
accgtggaca agagcaggtg gcagcagggg aacgtcttct catgctccgt gatgcatgag 1320
gctctgcaca accactacac gcagaagagc ctctccctgt ctccgggtaa a 1371
<210> 43
<211> 654
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Light chain
<400> 43
caactggttc tgacacagcc tccaagcgtg tcagctgccc ctggacagag agtgtccatc 60
agctgtagcg gcagcagcag caacatcggc gacaactacg tgtcctggta tcagcaggtc 120
ccaggctctg cccctaagct gctgatctac gacaacaaca agcggcccag cggcatcccc 180
gatagatttt ctgccagcaa gagcggcacc agcgccacac tgggaattac aggactgcag 240
acaggcgacg aggccgacta ctattgtgcc acatgggatg gctccctgag cgccggaaga 300
gtttttggcg gaggcaccaa gctgaccgtg cttcgtacgg atgctgcacc aactgtatcc 360
atcttcccac catccagtga gcagttaaca tctggaggtg cctcagtcgt gtgcttcttg 420
aacaacttct accccaaaga catcaatgtc aagtggaaga ttgatggcag tgaacgacaa 480
aatggcgtcc tgaacagttg gactgatcag gacagcaaag acagcaccta cagcatgagc 540
agcaccctca cgttgaccaa ggacgagtat gaacgacata acagctatac ctgtgaggcc 600
actcacaaga catcaacttc acccattgtc aagagcttca acaggaatga gtgt 654
<210> 44
<211> 654
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Light chain
<400> 44
caactggttc tgacacagcc tccaagcgtg tcagctgccc ctggacagag agtgtccatc 60
agctgtagcg gcagcagcag caacatcggc gacaactacg tgtcctggta tcagcaggtc 120
ccaggctctg cccctaagct gctgatctac gacaacaaca agcggcccag cggcatcccc 180
gatagatttt ctgccagcaa gagcggcacc agcgccacac tgggaattac aggactgcag 240
acaggcgacg aggccgacta ctattgtgcc acatgggatg gctccctgag cgccggaaga 300
gtttttggcg gaggcaccaa gctgaccgtg cttagatctg tggctgcacc atctgtcttc 360
atcttcccgc catctgatga gcagttgaaa tctggaactg cctctgttgt gtgcctgctg 420
aataacttct atcccagaga ggccaaagta cagtggaagg tggataacgc cctccaatcg 480
ggtaactccc aggagagtgt cacagagcag gacagcaagg acagcaccta cagcctcagc 540
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acccatcagg gcctgagctc gcccgtcaca aagagcttca acaggggaga gtgt 654
<210> 45
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<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> mouse Lrig-1 forward primer
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gacggaattc agtgaggaga acct 24
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<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
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<223> mouse Lrig-1 reverse primer
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caactggtag tggcagcttg tagg 24
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<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
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<223> mouse Lrig-2 forward primer
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tcacaaggaa cattgtctga acca 24
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<212> DNA
<213> Artificial Sequence
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<223> mouse Lrig-2 reverse primer
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gcctgatcta acacatcctc ctca 24
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<212> DNA
<213> Artificial Sequence
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<223> mouse Lrig-3 forward primer
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cagcaccttg agctgaacag aaac 24
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<212> DNA
<213> Artificial Sequence
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<223> mouse Lrig-3 reverse primer
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ccagcctttg gtaatctcgg ttag 24
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<212> DNA
<213> Artificial Sequence
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<223> mouse FOXP3 forward primer
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ctttcaccta tcccaccctt atcc 24
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<211> 24
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
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<223> mouse FOXP3 reverse primer
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attcatctac ggtccacact gctc 24
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<212> DNA
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ggcgtcatgg tgggcatggg 20
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<211> 20
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<213> Artificial Sequence
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atggcgtggg gaagggcgta 20
【配列表】
【国際調査報告】