(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-05
(54)【発明の名称】外科用電動回転式ハンマーインパクトツール
(51)【国際特許分類】
A61B 17/92 20060101AFI20240129BHJP
A61B 17/16 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
A61B17/92
A61B17/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546135
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 US2022014368
(87)【国際公開番号】W WO2022165215
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502427840
【氏名又は名称】ジンマー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー スローカム
(72)【発明者】
【氏名】ニティン ゴヤル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL04
4C160LL09
4C160LL27
4C160LL70
(57)【要約】
本明細書においては、外科用電動回転式ハンマーインパクトツール及びその使用方法を開示する。外科用電動回転式ハンマーインパクトツールは、ツール本体と、ツール本体内に配置されたモーターと、モーターに作動上結合されたシャフトと、ディスクハンマー要素と、ツールホルダ―要素と、を含むことができる。ディスクハンマー要素は、シャフトに接続され、半径方向インパクト突出部を含むことができる。ツールホルダ要素は、一方の端に器具を支持するように構成されたシャフトと、ディスクハンマー要素にまたがるC字形構造体とを含むことができる。ツール本体内の軸方向の移動によって、半径方向インパクト突出部はツールホルダ要素にインパクトを与えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用電動回転式ハンマーインパクトツールであって、
ツール本体と、
前記ツール本体内に配置されたモーターと、
前記モーターに作動上結合されたシャフトと、
前記シャフトに接続されたディスクハンマー要素であって、前記ディスクハンマー要素が半径方向インパクト突出部を含む、ディスクハンマー要素と、
一方の端で器具を支持するように構成されたシャフトを備えるツールホルダ―要素であって、前記ツールホルダ要素の前記シャフトが、前記ディスクハンマー要素にまたがり、離間して対向する前方インパクト面及び後方インパクト面を含むC字形構造体を備える、ツールホルダ要素と、
を備え、
前記ツールホルダ要素が、前記ツールホルダ要素に前方インパクトを加えるために前記前方インパクト面を整列させて前記半径方向インパクト突出部と係合させるために前記器具が作業面に押圧されるとき、前記ツール本体内で軸方向に移動するように構成され、
前記ツールホルダ要素が、前記ツールホルダ要素に後方インパクトを加えるために前記後方インパクト面を整列させて前記半径方向インパクト突出部と係合させるために前記ツールが前記作業面から引き離されるとき、前記ツール本体内で軸方向に移動するように構成される、
外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項2】
前記モーターに接続された前記シャフトの回転方向が、前方インパクトを与えるための第1方向から後方インパクトを与えるための第2方向に変更される、請求項1に記載の外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項3】
更に前記ツールホルダ要素の前記シャフトを支持するベアリングを備える、請求項1又は2のいずれか1項又は組合せに記載の外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項4】
前記モーターが、前記インパクトを与えるために前記ディスクハンマー要素を部分回転させるように構成される、請求項1~3のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項5】
前記ディスクハンマー要素の前記半径方向インパクト突出部が金属製インパクト面を有する、請求項1~4のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項6】
前記ディスクハンマー要素の前記半径方向インパクト突出部が、ポリマー材料インパクト面を有する、請求項1~5のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項7】
更に、
前記ツールホルダ要素に対するインパクトを検出するように配列されたセンサと、
前記ディスクハンマー要素の回転を反転させるためにモーターの回転を反転させるように構成されたコントローラと、
を備える、請求項1~6のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項8】
更に、制御電子機器と、前記制御電子機器と電気的に通信するバッテリとを備え、前記制御電子機器及び前記バッテリが前記ツール本体内に配置される、請求項1~7のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項9】
前記ツールホルダ要素の前記シャフトが、前記モーターの回転軸線に対して概ね直角に配列される、請求項1~8のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項10】
更に、前記ツール本体に対して直角に延びるハンドルを備える、請求項1~9のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項11】
更に、前記ツール本体の中に配置されコントローラと電気的に通信するマイクロフォンを備え、前記コントローラが音声コマンドに応じて前記モーターを起動するように構成される、請求項1~10のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項12】
前記ディスクハンマー要素が、これに取り付けられた複数のスイングハンマー要素を含む、請求項1~11のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項13】
更に、
骨質の推定値を測定することと、
前記骨質の前記推定値に基づいて前記外科用電動線形ハンマーインパクトツールによって生成されるインパクト力を増大又は減少することと、
を含む作業を実施するために作動するコントローラを備える、
請求項1~12のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項14】
更に、
前記ツールホルダに取り付けられたツールの変位を測定することと、
前記ツールの前記変位に基づいて前記外科用電動線形ハンマーインパクトツールによって生成されるインパクト力を増大又は減少することと、
を含む作業を実行するために作動するコントローラを備える、
請求項1~12のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項15】
出力シャフトに回転インパクトを与えるように構成された衝撃機構を有するインパクトレンチと、
前記出力シャフトに取り付けられ、前記出力シャフトの軸線に対して直角に延びる細長ツールアームと、
前記細長ツールアームの端部に取り付けられたツール器具であって、前記ツール器具が前記細長ツールアームの前記端部に対して概ね直角に延びるツール器具と、
を備える、外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項16】
前記ツール器具がピンによって前記細長ツールアームに接続される、請求項15に記載の外科用電動回転式ハンマーインパクトツール。
【請求項17】
プロテーゼを受け入れるために骨を準備するための外科用電動回転式ハンマーインパクトツールを制御する方法であって、方法が、
推定された骨質に基づいて前記外科用電動回転式ハンマーインパクトツールの初期インパクト力レベルを設定することと、
設定された初期インパクトレベルで前記外科用電動回転式ハンマーインパクトツールを作動することと、
前記骨の中へのツール前進量を監視することと、
前記骨の中への前記ツールの検出された前進量に基づいて、予設定量だけ前記インパクト力レベルを増大又は減少することと、
を含む、方法。
【請求項18】
更に、前記骨の中へのツール前進量を監視することと、前記骨の中への前記ツールの検出前進量に基づいて、予設定された量だけ前記インパクト力レベルを減少することと、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記骨質が、少なくとも3つの骨質レベルを含む骨質スコアに基づく、請求項17又は18のいずれか1項又は組合せに記載の方法。
【請求項20】
前記骨質スコアが、前記インパクトツールの初期作動における骨内でのブローチツールの位置変化を検出することによって測定され、前記ブローチツールの最大移動が低い骨質を示し、前記ブローチツールの中程度の移動が中程度の骨質を意味し、前記骨内での前記ブローチツールの最小移動量が高い骨質を意味する、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月29日に提出された「電動回転式ハンマーインパクトツール」と題する米国仮特許出願第63/143514号(その内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される)に対する優先権を請求する。
【0002】
本開示は、概略的に外科用器具及びその使用に関する。より具体的には、本開示は、外科用回転式インパクトツール及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
整形外科医は、一般に、ツールに衝撃力を伝達するためのハンマー又はマレットを必要とする骨を切断する又は削るためのツールを使用する。一例は、人工股関節のステムを受け入れるために大腿骨の近位端を準備するために使用されるブローチツールである。このようなブローチは、医師が使用するハンマー又は空圧「ジャックハンマー」と一緒に使用できる。しかし、ハンマーでブローチツールを打つことは、厄介であり、医師自身の肩関節などの関節に大きなストレスを生じる可能性がある。更に、空圧インパクトツールは、エアホースに接続する必要があり、これは、不便であり、医師が所望通りにツールの向きを定める能力を制限する可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
以下の非限定的な例は、特に課題を解決し本明細書において論じる利点を与えるために本開示の内容の特定の形態を詳述する。
【0005】
実施例1は、ツール本体と、ツール本体内に配置されたオーターと、モーターに作動上結合されたシャフトと、シャフトに結合されたディスクハンマー要素であって、ディスクハンマー要素が半径方向インパクト突出部を含む、ディスクハンマー要素と、一端で器具を支持するように構成されたシャフトを備えるツールホルダ要素であって、ツールホルダ要素のシャフトがディスクハンマー要素にまたがりかつ離間して対向する前方及び後方インパクト面を含むC字形構造体を備える、ツールホルダ要素と、を備える外科用電動回転式ハンマーインパクトツールである。ツールホルダ要素は、ツールホルダ要素に前方インパクトを与えるために前方インパクト面を整列させて半径方向インパクト突出部と係合させるために、器具が作業面に押し付けられるときツール本体内で軸方向に移動するように構成され、又、ツールホルダ要素は、ツールホルダ要素に後方インパクトを与えるために後方インパクト面を整列させて半径方向インパクト突出部と係合させるために、ツールが作業面から引き離されるときツール本体内で軸方向に移動するように構成される。
【0006】
実施例2において、実施例1の内容は、任意に、モーターに接続されたシャフトの回転方向が、前方インパクトを与えるための第1方向から後方インパクトを与えるための第2方向に変更されることを含む。
【0007】
実施例3において、実施例1又は2のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、ツールホルダ要素のシャフトを支持するベアリングを含む。
【0008】
実施例4において、実施例1~3のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、モーターがインパクトを与えるためにディスクハンマー要素を部分回転で回転するように構成されることを含む。
【0009】
実施例5において、実施例1~4のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、ディスクハンマー要素の半径方向インパクト突出部は、金属製インパクト面を有することを含む。
【0010】
実施例6において、実施例1~5のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、ディスクハンマー要素の半径方向インパクト突出部は、ポリマー材料インパクト面を有することを含む。
【0011】
実施例7において、実施例1~6のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、ツールホルダ要素へのインパクトを検出量に配列されたセンサと、ディスクハンマー要素の回転を逆転させるためにモーターの回転を逆転させるように構成されたコントローラとを含む。
【0012】
実施例8において、実施例1~7のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、制御電子機器と、制御電子機器と電気的に通信するバッテリとを含み、制御電子機器及びバッテリはツール本体内に配置される。
【0013】
実施例9において、実施例1~8のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、ツールホルダ要素のシャフトが、モーターの回転軸線に対して概ね直角に配列される。
【0014】
実施例10において、実施例1~9のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、ツール本体に対して直角に延びるハンドルを含む。
【0015】
実施例11において、実施例1~10のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、ツール本体の中に配置されコントローラと電気的に通信するマイクロフォンを含み、コントローラは、音声コマンドに基づいてモーターを起動するように構成される。
【0016】
実施例12において、実施例1~11のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意は、ディスクハンマー要素が、これに取り付けられた複数のスイングハンマー要素を含むことを含む。
【0017】
実施例13において、実施例1~12のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、骨質の推定値を測定することと、骨質の推定値に基づいて外科用電動線形ハンマーインパクトツールによって生成されるインパクト力を増減することと、を含む作業を実施するために作動するコントローラを含む。
【0018】
実施例14において、実施例1~13のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、ツールホルダに取り付けられたツールの変位を測定すること及びツールの変位に基づいて外科用電動線形ハンマーインパクトツールによって生じたインパクト力を増減することを含む作業を実施するために作動するコントローラを含む。
【0019】
実施例15は、出力シャフトに回転インパクトを与えるように構成された衝撃機構を有するインパクトレンチと、出力シャフトに取り付けられ出力シャフトの軸線に対して直角に延びる細長ツールアームと、細長ツールアームの端部に取り付けられたツール器具であって、ツール器具が細長ツールアームの端部に対して概ね直角に延びる、ツール器具と、を備える外科用電動回転式ハンマーインパクトツールである。
【0020】
実施例16において、実施例15の内容は、任意に、ツール器具がピンによって細長ツールアームに接続されることを含む。
【0021】
実施例17は、プロテーゼを受け入れるために骨を準備するための外科用電動回転式ハンマーインパクトツールを制御する方法である。方法は、推定される骨質に基づいて外科用電動回転式ハンマーインパクトツールの初期インパクト力レベルを設定することと、初期インパクトレベルで外科用電動回転式ハンマーインパクトツールを作動することと、骨の中へのツールの前進量を監視することと、検出された骨の中へのツールの前進量に基づいて予設定された量だけインパクト力レベルを増減することと、を含む。
【0022】
実施例18において、実施例17の内容は、任意に、骨の中へのツールの前進量を監視することと、検出された骨の中へのツールの前進量に基づいて予設定された量だけインパクト力レベルを減少することと、を含む。
【0023】
実施例19において、実施例17又は18のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、骨質が少なくとも3つの骨質レベルを含む骨質スコアに基づくことを含む。
【0024】
実施例20において、実施例17~19のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、骨質スコアが、インパクトツールの初期作動における骨内でのブローチツールの位置変化を検出することによって測定されることを含み、ブローチツールの最大移動は低い骨質を示し、ブローチツールの中程度の移動は中程度の骨質を意味し、骨内でのブローチツールの移動の最小量は高い骨質を意味する。
【0025】
実施例21において、実施例1~20のいずれか1つ又は任意の組合せの外科用インパクトツール、システム及び/又は方法は、任意に、言及される全ての要素又は選択肢を使用又は選択できるように構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図面(必ずしも縮尺通りではない)において、同様の数字は、異なる図面において同様のコンポーネントを示すことができる。異なる接尾辞を持つ同様の数字は、同様のコンポーネントの異なる例を表すことができる。図面は、限定的ではなく例として概略的に、本文献において論じる様々な実施形態を図解する。
【0027】
【
図1】
図1は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動回転式ハンマーインパクトツールの斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動回転式ハンマーインパクトツールの側面斜視切取り図である。
【
図3】
図3は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動回転式ハンマーインパクトツールの内部要素の側面斜視図である。
【
図4】
図4は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動回転式ハンマーインパクトツールの内部要素の別の側面斜視図である。
【
図5】
図5は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動回転式ハンマーインパクトツールの前面斜視切取り図である。
【
図6】
図6は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動回転式ハンマーインパクトツールの前面切取り図である。
【
図7】
図7は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動回転式ハンマーインパクトツールの前面切取り図である。
【
図8】
図8は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動回転式ハンマーインパクトツールの前面切取り図である。
【
図9】
図9は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動回転式ハンマーインパクトツールの前面切取り図である。
【
図10A】
図10Aは、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったポリマートルクインターフェイス要素の斜視図である。
【
図10B】
図10Bは、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったポリマートルクインターフェイス要素の斜視図である。
【
図11】
図11は、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったディスクハンマー要素の斜視図である。
【
図12】
図12は、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったディスクハンマー要素の斜視図である。
【
図13A】
図13Aは、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったツールホルダ要素の斜視図である。
【
図13B】
図13Bは、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったツールホルダ要素の斜視図である。
【
図14】
図14は、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったディスクハンマー要素の斜視図である。
【
図15A】
図15Aは、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったディスクハンマー要素の斜視図である。
【
図15B】
図15Bは、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったディスクハンマー要素の側面切取り図である。
【
図15C】
図15Cは、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったディスクハンマー要素の切取り斜視図である。
【
図16A】
図16Aは、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったパーカッション中心アーム回転システムを示す。
【
図16B】
図16Bは、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったパーカッション中心アーム回転システムを示す。
【
図17A】
図17Aは、本開示の少なくとも1つの実施例に従った骨質査定のための選択肢を示す。
【
図17B】
図17Bは、本開示の少なくとも1つの実施例に従った骨質査定のための選択肢を示す。
【
図17C】
図17Cは、本開示の少なくとも1つの実施例に従った骨質査定のための選択肢を示す。
【
図18】
図18は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動線形ハンマーインパクトツールを制御するために使用可能なロジックのフローチャートである。
【
図19】
図19は、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったコントローラの概略図である。
【0028】
対応する参照符号は、図面全体を通じて対応する部品を示す。本明細書において示す例証は、本開示の好ましい実施形態を示すものであり、このような例証は、決して、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0029】
空圧ピストン駆動システムの代替品として、本明細書においては、電気駆動システムを開示する。具体的には、本明細書において開示する外科用電動回転式インパクトツールは、ツール本体と、モーターによって駆動されるシャフトと、ハンマー要素と、インパクト力を生成するために使用されるツールホルダと、を含むことができる。
【0030】
本明細書において開示するように、外科用電動回転式ハンマーインパクトツールは、ツール本体と、シャフトと、ディスク要素と、ツールホルダ要素とを含むことができる。モーターは、ツール本体内に配置できる。シャフトはモーターによって駆動できる。ディスク要素(時には、ディスクハンマー要素と呼ぶ)は、シャフトに接続でき、半径方向インパクト突出部を含むことができる。ツールホルダ要素は、一端で器具を支持するシャフトを含むことができる。シャフトは、更に、ディスクハンマー要素にまたがるC字形構造体などの構造体を含むことができる。構造体は、ブローチなどの器具が作業面(例えば骨)に押し付けられるとき、ツールホルダ要素が、ツールホルダ要素に前方インパクトを加えるために前方インパクト面を整列させて半径方向インパクト突出部と係合させるためにツール本体内で軸方向に移動できるように、離間して対向する前方及び後方インパクト面を含むことができる。外科用電動回転式インパクトツールが作業面から引き離されるとき、ツールホルダ要素は、ツールホルダ要素に後方インパクトを加えるために後方インパクト面を整列させて半径方向インパクト突出部と係合させるためにツール本体内で軸方向に移動できる。
【0031】
上記論証は、本出願の内容の概要を示すことを意図する。論証は、本発明の排他的又は網羅的説明を意図しない。下の説明は、本特許出願に関する更なる情報を提供するためのものである。
【0032】
図面を見ると、
図1は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動回転式ハンマーインパクトツール100の斜視図である。
図1及び2を見ると、外科用電動回転式ハンマーインパクトツール100は、ハンドルハウジング102を含むことができ、ハンドルハウジングは、内部にバッテリパック202及び制御電子機器204を収納できる。本明細書において開示するように、ユーザーインターフェイスは下で
図3に関連して説明するように機械的スイッチ又は音声起動制御装置とすることができる。モーターハウジング104は、電動モーター固定子206(ハウジング104内部に取り付けられたコイルを持つフレームレスモーターとすることができる)及びシャフト210に取り付けられた回転子208を収納でき、シャフトはハンマーヘッドハウジング106(時にはHHHと略す)を貫通して延び、ハンマーヘッドハウジングの中で、主ベアリング212(個別に212A及び212Bの符号を付ける)が支持され、ディスクハンマー要素214(時にはDHEと略す)が配置される。ディスクハンマー要素214の接線上にツールホルダ要素108(時にはTHEと略す)が取り付けられ、ツールホルダ要素は、下側ポスト112及びその端部にブローチ(図示せず)などのツールを保持するためのツールホルダ114を持つツールポスト110を含むことができる。
【0033】
サイドハンドル116は、ボス118の中にネジ入れることができ、ユーザーが握って外科用電動回転式ハンマーインパクトツール100を制御できるようにする。同様のボスをハウジング120の反対側に配置できるので、左利きのユーザーは、その右手でサイドハンドル116を握ることができる。
【0034】
図2は、外科用電動回転式インパクトツール100の側面斜視切取り図であり、
図3及び4は、外側の構造ハウジングが取り除かれた外科用電動回転式ハンマーインパクトツール100の内部要素の側面斜視図である。ハンドルハウジング102は、バッテリパック202を収容する外側構造体122を持つことができ、バッテリパックは、
図3に示すように、チップ216によって回路板204に保持できる。回路板204は、又、チップ218によって、構造体122の内面に保持できる。エンドキャップ220は、外側構造体122の端部に取り付けるためにネジ式に接続できる。マイクロフォンカバー222は、塞がれる可能性が無くユーザーからの音声コマンドを送ってマイクロフォン/スピーカ302によって受信されるために良い場所と思われるエンドキャップの中央に配置できる。
【0035】
図4は、モーター固定子206から回路板204の遠位端付近のコネクタ404まで通じるので、組立中に所定の場所により容易にスナップ式に嵌め込むことができるモーターケーブル402を示す。バッテリパック202は、数千rpmまでモーターを回転させることができるようにするために必要な全エネルギー及び電圧(約40ボルトDC)を持つハウジング内のボタン電池のスタックとすることができる。
【0036】
多様なユーザーは、多様な手のタイプを持ち、手術室において手袋をはめて電動ツールを操作することは、面倒である可能性があるので、従来のスイッチ又はパワーアジャストノブは望ましくない可能性がある。したがって、音声制御を本明細書において開示するように使用できる。外科用電動回転式ハンマーインパクトツール100は、回路板204に接続されるマイクロフォン302を持つことができ、回路板はコイル206への電流を制御するために使用できる。マイクロフォン204は、外科用電動回転式ハンマーインパクトツール100を使用しているとき「もっと小さい力に」、「もっと大きい力に」、「もっと早く」、「もっと遅く」などのコマンドをユーザーが伝えることができるようにし、外科用電動回転式ハンマーインパクトツール100は、ユーザーのニーズ及び使用スタイルに合わせてユーザーによって訓練できることが分かるだろう。
【0037】
モーターハウジング104は、ハンドル構造体122と一体的とすることができる外側構造体124を持つことができるが、ハンドル構造体122は、別の場所に配置でき、Dハンドル構成を持つことができる。モーター固定子206及びコイル208は、フレームレスモーターとすることができるので、固定子206は、確実性及び良好な熱伝達のために外側構造体124内の所定の場所に接着できる。モーター固定子206が熱くなり過ぎる可能性がある場合には、構造体122及び124の外面は、ゴムでコーティングしかつ/又は人間工学的グリップで絶縁できる。DCブラシレスモーターのための磁気回転子などのモーターコイル208は、シャフト210のシャフト部分1002(
図10B)に接着できる。
図2及び11Aに示すように、磁気エンコーダディスク224は、シャフト210の端部1005に取り付けでき、回路板204上のセンサは、シャフト210の回転を感知できる。
【0038】
図10A及び10Bは、ローターシステム1000の細部を示す。ローターシステムは、ハウジング104及び106の中へ挿入するために正確に均衡を取り用意されたサブアセンブリとして構成できる。
図10Bに示すように、中心の主シャフト210は、単一要素として製造でき、精密コレットの中に保持された六角ストックから始まりその後旋削又は研磨できる。ハンドルハウジング102に最も近い端部である遠位端から始まり、端部1004は、コントローラ204へコイル208の位置に関してフィードバックするために取り付けられた磁気エンコーダなどのエンコーダ224を持つことができる。スナップリング溝1006(別個にスナップリング溝1006A及び1006Bの符号を付ける)は、アウトリガー支持ベアリング226を軸方向に拘束するためにスナップリング1008(個別にスナップリング1008A及び1008Bの符号を付ける)を受け入れるサイズにでき、アウトリガー支持ベアリングは、エンドフランジ228によってハウジング120の中で半径方向に拘束できる。シャフト部分1002は、モーター回転子208用とすることができ、モーター回転子は、接着剤、溶接などでシャフト部分1002に接着できる。
【0039】
モーター回転子208用のシャフト部分1002は、例えば僅か1/4”の直径のMOOG DB-1500-Rモーターを利用でき、トルク及び慣性荷重を処理できる一方で、応力集中を最小限に抑えることができるので、シャフトの完全半径1010からシャフトの0.750”の直径1012への移行部は主支持ベアリング1014(個別にベアリング1014A及び1014Bの符号)によって支持される。主支持ベアリングは、インパクトの力を吸収できる。スナップリング溝1016は、0.750”孔を持つスペーサフランジハブワッシャ1018が設置された後にベアリングが設置されたときシャフト上のベアリングを軸方向に拘束するためにスナップリングを受けるサイズを持つことができる。このワッシャ1018は、ベアリング1014Aに面する側面に、ベアリングの内側リング外径以下の外径を持つことができ、六角トルクインターフェイス要素230の軸面1102(
図11)を支持するために必要なもっと大きい直径へのステップを持つことができる。主シャフト210のシャフト区分1020は、モーター206、208からのトルクを弾性ポリマー六角トルクインターフェイス要素230(時にTIEと略す)の中央区画1106の六角孔1104(
図11)を通じて移行するために六角とすることができる。トルクインターフェイス要素は、ベアリングの非腐朽外輪上で擦れるのを防止できるスペーサフランジワッシャ1018によって軸方向に拘束できる。トルクインターフェイス要素230は、BUNA Nゴム又は鋳造ポリウレタンなどの低損失ポリマーで作られる場合、エネルギー損失なしにある程度の捩れコンプライアンスでトルクを伝達できる。これは、ツールホルダ要素108へのインパルス力の期間を延長しながらローターシステム208に対する衝撃を減じるのに役立つ。
【0040】
続けて近位端まで進むと、シャフトは第2スペーサフランジハブワッシャ1024がトルクインターフェイス要素230の近位面1102を押圧するために0.750”の直径1022にステップダウンできる。次のベアリング1014Aは、スナップリング1026によって溝1028において所定の場所に軸方向に保持できる。
【0041】
外側構造体120は、主ベアリング212Bを受けるための精密孔及び主ベアリング212A用の精密孔を持つエンドキャップ232を持つことができる。同心性及び直角性は、テーパー状インターフェイス234によって得ることができる。エンドキャップ232は、ディスクハンマー要素214を挿入できるように使用できる。
図5から分かるように、外側ハウジング120は、ツールホルダ要素108の外側ハウジング126用の接線孔502を持つことができる。
【0042】
図5及び7は、インパクトツール駆動位置にある外科用電動回転式ハンマーインパクトツール100の切取り図であり、
図6は、インパクトを生じるためにディスクハンマー要素214を右回りに(図示するように)加速する用意ができた外科用電動回転式ハンマーインパクトツール100を示す。外側ハウジング120の中において、ディスクハンマー要素214は、
図11に示すように六角トルクインターフェイス要素230によってシャフト210に保持でき、外科用電動回転式ハンマーインパクトツールが作業を加える予定の部分(例えば骨)と係合するためにユーザーが外科用電動回転式ハンマーインパクトツール100を前方に押したとき、半径方向インパクト面516が、ツールホルダ要素110のシャフト112の遠位端の面504にインパクトを与えて、これに保持されたツールが有益に作業できるようにする。
【0043】
インパクト面516の軸方向の位置は、キャップ236内面に接触するツールホルダ要素110の遠位シャフト端部によって設定するか、又は近位シャフト112のフランジは、近位端フランジ128の外側近位面に接触できる。ツールポスト110は、鍛造して、その後最終形状に機械仕上げでき、この場合、エンドシャフト領域406及びシャフト112は、ベアリングの寿命をより長くするために、精密な嵌合い及び円滑さのために研摩できる。
【0044】
シャフト112は、外側ハウジング126にネジ式に接続できる近位端フランジ128の溝の中の単純なOリング又はリング506などのクワッドリングによってシールできる。本明細書において開示する実施形態に従って、効果的に拘束されない軸方向運動を可能にするベローズシールを使用するか、又は金属ベローズは、気密シールを与えながら多少のバネバイアスを与えることができる。
【0045】
滅菌のためのベローズは、外科用電動回転式ハンマーインパクトツール100内部のガスを膨張させて必要に応じてベローズを撓ませることによって押し出すことができる。シャフト112は、ベアリングブッシング508を通過して滑動でき、ブッシングは、ルーロンなどのドライラン低摩擦ポリマーとすることができる。近位端フランジ128は、ハウジング510の中に保持でき、ブッシング508のフランジに押圧してこれを拘束できる。又は、単純な円筒形ブッシングを、スナップリングで所定の場所に保持できる。
【0046】
図5に示すように、遠位シャフト512は、ツールを駆動するための面504にインパクトを与えるために半径方向インパクト面516が通り抜けられるようにできる、又はユーザーが外科用電動回転式ハンマーインパクトツール100を引き戻す場合にツールホルダ要素108が滑り下りて、スナップリング408が構造体410の遠位端に接触することによって停止できるC字形構造体514によってシャフト112の近位端に接続される。ディスクハンマー要素214が左回りに回転するとき、半径方向インパクト面516は、面518に突き当たってツールホルダ要素108を後退させることができる。
【0047】
図13Bに示すように、遠位シャフト1302は、ツールポスト1304の回転を拘束するために六角断面を持つことができる。遠位シャフト1302は、インパクト力を伝達せず、ベアリング520及び508がツールホルダ要素108にモーメント剛性を与えることができるようにツールホルダ108の遠位端を支持できる。シャフト515のコアを、ドリルで開けて、N極及びS極522を生成するために棒磁石を挿入できる。両極は、ホール効果センサ524によって感知されて、回路板204上のマイクロコントローラが、ツールホルダ要素108がインパクト駆動のために近位位置にあるか又は後退ストライクのために遠位にあるかを知ることができるようにする。N極及びS極522及びホール効果センサ524は、協働して、その位置が間違っている場合、ディスクハンマー要素214が回転してツールホルダ要素108に当たるのを防止できる。
【0048】
図8及び9は、ディスクハンマー要素214がまず右回りに回転する後退プロセスの切取り図であり、半径方向インパクト面516が後退インパクト面518に突き当たるように、その後左回りに加速される。ユーザーは、スナップリング408が遠位端フランジ410の裏面と接触するまでツールホルダ要素108がそのベアリングの中で滑動できるように、外科用電動回転式ハンマーインパクトツール100を遠位方向に引き戻しておくことができる。これによって、左回転モードで半径方向インパクト面516が突き当たるように適切に後退インパクト面518を位置付ける。
【0049】
図10Aは、回転子システム要素組立体1000の斜視図を示し、要素は全て組み立てることができ、支持ベアリング212A、212B及び226がすべて同心であるようにするために必要なシャフト直線化を含めて、支持ベアリング212A、212B及び226を使用して動的に均衡化できる。
図10Bは、要素が取り付けられるシャフト210の斜視図である。モーターの回転子208は、高精度で回転子シャフト区分1002に取り付けでき、モーターの全トルクを伝達する能力を持つことができる。又、捩じれインパクト荷重に抵抗できる。このような取付けは、焼嵌めによって又は回転子208をシャフト1002に接着するために使用できる薄膜接着剤を介して可能である。
【0050】
ディスクハンマー要素214の回転慣性は、最大とすることができるが、モーター回転子208及びシャフト1002の回転慣性も大きい可能性がある。これらの組合せで、インパクトへエネルギーを送ることができる。ディスクハンマー要素214と回転子シャフト1002の六角端部との間の低損失の硬質ゴム要素1030を設置して、インパクトが生じたときモーター回転子208がよりゆっくりと減速でき、磁石への及びモーター回転子208を取り付けできる回転子シャフト210の小さい方の直径部分への応力を小さくできる。これも、ツールホルダ要素108が高い牽引力の初期ブローを受けると言う利点を持つことができる。初期スパイクは、カッティング動作を開始させて、更にツールを前進させてカットを完了するための持続的力の期間がこれに続くことができる。
【0051】
図11は、ディスクハンマー要素214の六角孔1204の中に嵌まる弾性トルクインターフェイス要素230を示す。トルクインターフェイス要素230は、ポリウレタンなどの弾性低損失ポリマーから作ることができる。ポリウレタンは、衝撃荷重を弾性的に許容でき熱などのエネルギーを散逸せず(即ち低損失率を持つことができる)、この種の結合負荷において耐摩耗性を持つので、これを使用できる。トルクインターフェイス要素230の使用は、モーター回転子208及びこれに接着された永久磁石への衝撃荷重を減じるのに役立つ可能性がある。衝撃荷重を減じることによって、エネルギー伝達期間を延長し、カッティング作業のためにより効果的に外科用電動回転式ハンマーインパクトツール100を作動するために望ましいデッドブローハンマーアフェクトを生成する助けにもなる。
【0052】
図12に示すように、ディスクハンマー要素214は、外側フランジ1206(個別に外側フランジ1206A及び1206Bの符号を付ける)及びフランジ1206と一体的な内側接合構造体1208を持つことができる。六角開口1204を、トルクインターフェイス要素230を受け入れるためにディスクハンマー要素214に与えることができる。ディスクハンマー要素214は、半円外径を持つことができ、これから半径方向インパクト面1202が半径方向に突出する。半径方向インパクト面は、ツールホルダ要素108のインパクト面に突き当たってツールを駆動する又はこれを後退させる構造体である。半径方向インパクト面1202は、外側フランジ1206及び内側接合構造体1208と一体的に形成でき、3面で完全に支持できる。回転速度は数千RPMにすることができるので、ディスクハンマー要素214は、動的に均衡させることができ、バランス区分1210(個別にバランス区分1210A及び1210Bの符号を付ける)は、ディスクハンマー要素214構造と一体的に機械仕上げできる。
【0053】
図13Aは、ツールホルダ要素108のツールポスト110の斜視図であり、その上側(遠位)シャフト1306は図において丸みを持つ。回転を防止するために、シャフト1302は、
図13Bに示すように六角形とし、エンドフランジ410の対応する六角線形ベアリングブッシングの中で移動できる。上側シャフトは、収納できるので、外部から密封する必要はない。但し、高速でハードで明快なブローのために、ディスクハンマー要素214のために重ねた硬鋼を使用できる。
【0054】
図14は、インパクトを軟化し延長するためのディスクハンマー要素214を示す。
図14は、半径方向インパクト面1202にデッドブローインターフェイス要素1402を持つディスクハンマー要素214の斜視図である。デッドブローインターフェイス要素1402は、モジュラー式で交換可能とすることができ、ここでは、その表面のポケットに押し入れられるボタンの形式で示し、非常に強く鋭く短時間のインパクトを与えるために硬鋼から、又はデッドブローハンマー又はリグナムバイタ木製ハンマーによって与えられるのと同種のより弱くより長い期間の力を加えるためにポリマーなどのもっと軟質の材料から、構成できるように、様々な材料又は複合材料から作ることができる。ポリマーは、ホットキャストポリウレタンなどの硬質ポリウレタンとすることができる。デッドブローインターフェイス要素1402のために選択される特定のサイズ(例えば直径及び長さ)及び材料は、ユーザーにとって良い「感じ」になるまで実験によって決定でき、外科用電動回転式インパクトツール100を使用しながら行われる加速度計計測及び記録されるユーザーフィードバックで量化できる。
【0055】
図15A、15B及び15Cに示すように、ディスクハンマー要素1502は、側面プレート1508(個別に側面プレート1508A及び1508Bの符号を付ける)の間の接続部1506(個別に接続部1506A、1506B及び1506Cの符号を付ける)を形成するために内側接合構造体1504にカットアウトを持つことができる。側面プレートは、六角中央孔1510を持つことができる。
【0056】
側面プレートは、対のブッシングベアリング1512(個別にブッシングベアリング1512A、1512B及び1512Cの符号を付ける)のための孔を含むことができ、ブッシングベアリングは、ルーロンなどのドライラン低摩擦滅菌可能プラスチックで作ることができる。シャフト1514(個別にシャフト1514A、1514B及び1514Cの符号を付ける)は、それぞれのブッシングセットによって支持されて、スイングハンマー1516(個別にスイングハンマー1516A、1516B及び1516Cの符号を付ける)を支持できる。ディスクハンマー要素1502は、ツールホルダ要素108を駆動するときには連続的に右回りに又はツールホルダ要素108を後退させるときには左回りに回転できる。このディスクハンマー要素1502は、弾性トルクインターフェイス要素1030によってシャフト210に結合できる。
【0057】
図15B及び15Cに示すように、スイングハンマー1516Cなどの1つのスイングハンマーは、ツールホルダ要素110に衝突した後に生じるようにスイングバックできる。スイングハンマー1516は、面1518(個別に面1518A及び1518Bの符号を付ける)などの弧状面を持つことができ、外科用電動回転式ハンマーインパクトツール100をそれぞれ駆動及び後退させるためにツールホルダ要素110のインパクト面504及び518に対してローリング運動を与えることができる。ツールホルダ要素110に衝突し、スイングバックし、これから離れた後、スイングハンマー1516は、トルクインターフェイス要素230の一部分の露出した自由面に衝突でき、トルクインターフェイス要素は、遠心力によって次のインパクトのために用意できた半径方向を目指してスイングバックするのを助けることができる。ハンマーの質量及び慣性は、ディスクハンマー要素1502に比べて小さくできるが、これより高い振動数を持ち、ハンマー1516はこのための構成に役立つことができる。更に、スイングハンマー1516は、スチールの約2倍の密度を持つ炭化タングステンなどの高密度材料から作ることができる。
【0058】
本明細書において開示するように、パーカッション中心アーム回転システムは、回転式インパクトの原理を使用して、ツールの質量を含めてアームのパーカッション中心のピボットによって接続されたツールを駆動するために、レバーアームの遠位端付近に小さい回転運動運動を与えることによって線形駆動力を生成でき、使用者がインパクト力を感じることなく事実上ツールの線形インパクト運動を得ることができる。これは、
図16Aに示すように、電池式インパクトレンチを含むことができるシステム1600によって得ることができる。この機構は、30°を超えて回転しないように四角形駆動出力シャフト1602の回転を監視する本明細書において開示するコントローラなどの制御システムを持つことができる。システム1600には、パーカッション中心ツールアーム1604を取り付けることができる。このアームは、遠位端1606及び近位端1608を持つことができ、その長さ及び質量は、ツール1610取り付け位置及び質量に比例できる。ツール1610は、スロット1216の中に嵌め入れることができ、アーム1604の孔1616の中を滑動できるクイックリリースピン1614によってアーム1604に保持できる。ツール1610は、ピン1614を受けるためにその軸部に対応する孔を持つことができる。スロット1612は、ツール1610がピン1614の周りで回動できるようにできる。
【0059】
ツール1610に比例するアーム区分1606及び1608の寸法及び質量は、ユーザーが、通路を彫るために骨の中へツール1610を推し進めるとき機器1600を作動できるようにできる。例えば、ユーザーは、インパクトトルクに抵抗でき、そのほとんどは、通常のインパクトレンチと同様に機器1600自体の慣性によって吸収される。ユーザーは、アームの比率がアーム1604のパーカッション中心にインパクト力を置くので、骨の中へ押し進むツール1610の線形インパクト力を感じない。例えばインパクトレンチとして使用される場合ナットを緩める代わりにスクエアドライブ403を介したトルクを、ピン1614を介してツール1610への軸方向の力へ変えることができる。
【0060】
図16Bは、もっと短いアーム1652を持つパーカッション中心アーム回転システム1650を示し、スクエアドライブに1654に対して同じ位置にパーカッション中心を維持するために必要な質量及び慣性バランスを得るために、遠位端1656は、ハンマーヘッド形を持つことができ、近位端1658は、単純なビーム形とすることができる。ツール1660は、孔1666の中に嵌まるピン1664でスロット1662の中に保持できる。
【0061】
本明細書において開示する実施形態のいずれも、使用されるツール及び患者及び作業の状態について、システムが自動的にインパクトエネルギー及び振動数を調節できる先端的制御を可能にできる。作業を進めながらツールのインテリジェント制御を可能にするために、外科用電動回転式ハンマーインパクトツールに対するツール保持要素の位置を監視するために、センサ524などのセンサを使用するか、又はチューブモータに含まれる位置センサを使用できる。更に、ツールの中の加速計(又はツールホルダ要素に対して適切に位置決めできるようにするアダプタ要素)も、骨の中へのツールの進行を確認できるようにするために付加的フィードバックを与えることができる。カメラは、同様にインパクトごとに骨への進行を監視するために作業を眺めることができ、カメラ及び加速度計からの情報は、配線又は無線リンクによって制御電子機器204などの制御電子機器へ送信できる。センサからの位置情報から、ツールホルダ要素へ与えられるインパクト量及びその振動数をインテリジェント制御できるようにするために、速度及び加速情報を得ることができる。
【0062】
図17A、17B及び17Cは、本発明の少なくとも1つの実施形態にしたがった骨質査定の選択肢を示す。医師による骨質の初期査定のコントローラへの入力(例えば、医師はツールへ又はユーザーインターフェイスへ骨質を入力するか、X線又はCTを介して骨質の外部査定を入力する)を、医師はツールへ音声で話すことができ、マイクロフォンは、この言葉を受信する。無線リンクを使用して、ツールのコントローラは、外部コンピュータにアクセスでき、外部コンピュータは、情報を処理して、制御プランをツールにダウンロードして、手近の作業のためのツールをより良く制御するために使用できる。
【0063】
図17Aに示すように、本明細書において開示する様々な外科用電動線形ハンマーインパクトツールは、ツール変位に関するフィードバックを与えることができる(1702)。変位に基づいて、骨質を測定できる。例えば、大きな変位は、ツールが容易に骨を変位させるので質の低さを意味できる。小さい変位は、ツールが所与の状況の場合それほど骨を変位させることができないので、より高い骨質を意味できる。骨質の推定が行われたら、値を医師に表示できる(1704)。
【0064】
図17Bに示すように、断層スキャン、x線又はその他のスキャンデータを、骨質の推定値を形成するために使用できる(1706)。例えば、x線が不鮮明な場合、骨密度が低い可能性があり、低い骨密度は、骨質の悪さに等しい可能性がある。濃くかつ/又はクリアなx線は、より高い骨質を持つ密な骨を示すことができる。骨質の推定が行われたら、値を医師に表示できる(1708)。
【0065】
図17Cに示すように、医師は、年齢、性別、人種、術前スキャンからのデータなどの患者に関する様々なファクタを入力できる(1710)。各種データを使用して、コンピューティングシステムは、ルックアップテーブル、記録表、他の患者からの匿名データなどを使用して、骨質の推定値を公式化できる。各種ファクタに基づいて推定された骨質を測定して、医師に表示できる(1712)。
【0066】
図18は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動線形ハンマーインパクトツールを制御する方法を示す。骨質が査定され、コントローラに入力されたら(1802)、作業を開始できる(1804)。例えば、骨質スコアは、1(低い骨質)から5(高い骨質)までの範囲とすることができる。骨質に応じて、ツールは、予設定されたインパクト力を与えるように設定できる。例えば、低い骨質の場合、低いインパクト力を設定できる。高い骨質の場合には、これより高いインパクト力を設定できる。
【0067】
手術中、骨質は、最初の数ブローチで骨の中へツールがどの程度速やかに移動するかに基づいて、ツール/位置センサを使用して更新できる(1806)。例えば、ブローチが弱い海綿状骨(例えば骨粗しょう症)のせいで予想されたより速く滑動する場合、骨質を更新できる。初期骨質査定の目的は、開始時の力(初期インパクト)を調整し、ツールが骨の中へ進行するにつれてその後のインパクト量を調節することである(1808)。例えばブローチのサイズを増大するときツールのインパクトを続けながら、エネルギーを監視し、例えば大腿管へ「最大」ブローチ移動するとき(位置センサによって計測)エネルギーは不変のままである。
【0068】
骨質の更新は、連続プロセスとすることができる。例えば、ブローチ又はインパクトがそれほど前進していない(中程度の前進)と位置センサが示すと、これは、行程の終了を示す可能性がある。より強く骨にインパクトを与え続けると、骨を傷つける可能性があるので、ツールは、自動的に固有の比率で力を下げるように調整できる(例えば、より弱い骨にはより大きい減少で、より強い骨にはより小さい減少で)。
【0069】
図19は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った電子機器204などのコントローラ1900の概略図である。
図19に示すように、コントローラ1900は、プロセッサ1902とメモリ1904とを含むことができる。メモリユニット1904は、ソフトウェアモジュール1906と骨データ1908とを含むことができる。プロセッサ1902において実行するとき、例えば
図17及び18に関連して説明する方法に含まれる1つ又は複数のステージを含めて、ソフトウェアモジュール1906は、変位データを受け取り、骨質を測定する、ツールのインパクト力を調節するなどのプロセスを実行できる。本明細書において開示するように、骨データ1908は、本明細書において開示するように骨質を測定するために使用できる公式、ルックアップテーブル、記録表、患者データなどを含むことができる。骨データ1908は、所与の骨質に望ましいインパクト力を相関させ、やすり及び/又はブローチなどのツールの様々なサイズを決定するためのデータも含むことができる。コントローラ1900は、又、ユーザーインターフェイス1910、通信ポート1912及び入力/出力(I/O)機器1914も含むことができる。
【0070】
ユーザーインターフェイス1910は、ユーザーがコントローラ1900と対話できるようにする任意の数の機器を含むことができる。ユーザーインターフェイス1910の非限定的例は、外科用電動線形ハンマーインパクトツールのハウジングに配置されたボタンなどのキーパッド、マイクロフォン、ディスプレイ(配線又は無線接続でコントローラ1900に接続されたタッチスクリーンなど)を含むことができる。
【0071】
通信ポート1912は、コントローラ1900がサーバー又はその他の遠隔コンピュータなどの遠隔コンピューティング機器を含めて(但しこれに限定されない)様々な情報源及び機器と通信できるようにする。例えば、遠隔コンピューティング機器は、通信ポート1912を使用してコントローラ1900が検索できる患者スキャンデータなどのデータを保管できる。通信ポート1912の非限定的例は、イーサネットカード(無線又は配線)、Bluethooth(登録商標)送信機及び受信機、近距離無線通信モジュールなどを含むことができる。
【0072】
I/O機器1914は、コントローラ1900が、情報を受信し出力できるようにする。I/O機器1914の非限定的例は、ホール効果センサなどのセンサ、カメラ(静止又はビデオ)、マイクロフォンなどを含むことができる。例えば、I/O機器1914は、コントローラ1900がCTスキャン機器、x線機械などから患者データを直接受信できるようにする。別の例として、I/O機器1914は、プロセッサ1902が受信した1つ又は複数の信号を送るホール効果センサを含むことができる。プロセッサ1902は、その後、回転要素の位置及び/又はスライダの位置に基づいてスライダによって生成されるインパクト力を測定できる。
【0073】
[注記]
上の詳細な説明は、詳細な説明の一部を成す添付図面の参照を含む。図面は、本発明を実施できる具体的実施形態を例として示す。これらの実施形態を、本明細書においては「実施例」とも呼ぶ。これらの実施例は、図示する又は説明する要素の他の要素を含むことができる。しかし、当該発明者は、図示又は説明する要素のみが提示される実施例も想定する。更に、当該発明者は、特定の実施例(又はその1つ又は複数の形態)に関してあるいは本明細書において示す又は説明する他の実施例(又はその1つ又は複数の形態)に関して、図示又は説明する要素(又はその1つ又は複数の形態)の任意の組合せ又は置換を使用する実施例も想定する。
【0074】
本文献と参照により援用される文献との間に矛盾する使用がある場合、本文献の使用が支配する。
【0075】
本文献において、単数冠詞は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」の他の事例又は使用とは別に、1つ又は複数を含むものとして使用する。本文献において、「又は」は、特に指示されない限り、非排他的を意味するため又は「A又はB」が「BではなくA」、「AではなくB」及び「A及びB」を含むように使用される。本文献において、「含む(including)」及び「そこで(in which)」は、それぞれ「備える(comprising)」及び「そこにおいて(in which)」の平易な英語として使用する。又、以下の請求項において、「含む」及び「備える」は、制限がない、即ち、請求項においてこの用語に列記される要素に加えて他の要素を含むシステム、機器、品目、組成、公式又はプロセスも、その請求項の範囲内にあると見なされる。更に、以下の請求項において、「第1」、「第2」及び「第3」は、単なる符号として使用しており、その対象に数値的要件を課すことを意図しない。
【0076】
上記の説明は、制約的ではなく例示的であることを意図する。例えば、上述の実施例(又はその1つ又は複数の形態)は、相互に組み合わせて使用できる。他の実施形態は、上記の説明を読めば当業者などが使用できる。要約は、読み手が技術的開示の性質を速やかに確認できるようにするために連邦規則集37巻§1.72(b)に準拠して提出する。要約は、請求の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないと言う了解のもとに提供する。又、上記の「詳細な説明(発明を実施するための形態)」において、様々な特徴は、開示を簡潔化するためにグループ化する場合がある。これが、請求せず開示する特徴が請求にとって本質的であることを意図するものとしては、解釈されるべきではない。むしろ、発明の内容は、特定の開示される実施形態の特徴の全てに満たないものに存在し得る。したがって、以下の請求項は、実施例又は実施形態として「詳細な説明」に援用され、各請求項は、別個の実施形態として独立し、このような実施形態は、様々な組合せ又は置換で相互に組み合わせることができるものと想定する。本発明の範囲は、請求が権利を有する同等物の全範囲と一緒に請求項を参照して決定すべきである。
【国際調査報告】