(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-05
(54)【発明の名称】感染性が改善されたAAVウイルス粒子のAAV産生システム
(51)【国際特許分類】
C12N 15/864 20060101AFI20240129BHJP
C12N 7/01 20060101ALI20240129BHJP
C12P 21/02 20060101ALI20240129BHJP
C12N 1/00 20060101ALN20240129BHJP
【FI】
C12N15/864 100Z
C12N7/01 ZNA
C12P21/02 Z
C12N1/00 U
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546235
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-08-30
(86)【国際出願番号】 US2022014058
(87)【国際公開番号】W WO2022165004
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506136483
【氏名又は名称】バイオマリン ファーマシューティカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アグラワル,ヴィシャル
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャンソン,テレサ
(72)【発明者】
【氏名】フェメニア,フランシスコ ハビエル
(72)【発明者】
【氏名】パンデ,サントッシュ ジー.
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
【Fターム(参考)】
4B064AG01
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA95X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA01
4B065BB02
4B065BB40
4B065BC50
4B065CA44
(57)【要約】
本発明は、特に遺伝子療法及び/又は遺伝子診断における使用のための、特にキャプシドでシュードタイプ化されたAAVウイルス粒子を調製及び使用するための改変アルファウイルス並びに組成物、方法、及びキットを提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を調製するための方法であって、
有効量の遷移金属を有する培地で、rAAVキャプシドを産生することができる宿主細胞を培養するステップを含み、
有効量の前記遷移金属が、VP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質の前記rAAVキャプシドへの取り込みを増加させる、方法。
【請求項2】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を調製するための方法であって、
ナノモル濃度の遷移金属を有する培地で宿主細胞を培養するステップを含み、前記宿主細胞が、rAAVキャプシドを産生することができる、方法。
【請求項3】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を調製するための方法であって、
マイクロモル濃度の遷移金属を有する培地で宿主細胞を培養するステップを含み、前記宿主細胞が、rAAVキャプシドを産生することができる、方法。
【請求項4】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を調製するための方法であって、
有効量の遷移金属を有する培地で、rAAVキャプシドを産生することができる宿主細胞を培養するステップを含み、
有効量の前記遷移金属が、VP1タンパク質及びVP3タンパク質の前記rAAVキャプシドへの取り込みを増加させ、
前記rAAVキャプシドが、同じ条件下であるが、前記有効量の前記遷移金属を欠いて産生されるrAAVキャプシドのVP1タンパク質及びVP3タンパク質の濃度よりも高いVP1タンパク質及びVP3タンパク質の濃度を有する、方法。
【請求項5】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を調製するための方法であって、
有効量の遷移金属を有する培地で、rAAVキャプシドを産生することができる宿主細胞を培養するステップを含み、
有効量の前記遷移金属が、VP1タンパク質の前記rAAVキャプシドへの取り込みを増加させる、方法。
【請求項6】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を調製するための方法であって、
有効量のシステインプロテアーゼ阻害剤を有する培地で宿主細胞を培養するステップを含み、前記宿主細胞が、rAAVキャプシドを産生することができ、
前記有効量のシステインプロテアーゼ阻害剤が、VP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質の前記rAAVキャプシドへの取り込みを増加させる、方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法によって調製されるrAAVキャプシドであって、同じ条件下であるが、前記有効量の前記遷移金属を欠いて産生されるrAAVキャプシドのVP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質の濃度よりも高いVP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質の濃度を有する、rAAVキャプシド。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法によって調製されるrAAVキャプシドであって、増強された感染性を示す、rAAVキャプシド。
【請求項9】
前記宿主細胞が、非哺乳動物宿主細胞である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記宿主細胞が、昆虫細胞である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記遷移金属が、銅、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、ラザホージウム、ドブニウム、シーボーギウム、ボーリウム、ハッシウム、マイトネリウム、ウンウンニリウム、ウンウンウニウム、及びウンウンビウムのうちの1つ以上から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記遷移金属が、遷移金属塩である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記遷移金属が、硫酸銅、硝酸銅、セレン化銅、水酸化銅、酸化銅、リン酸銅、ケイ酸銅、ホウ酸銅、炭酸銅、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、セレン化リチウム、炭酸ナトリウム、塩化リチウム、リン酸水素二ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、水酸化ストロンチウム、リン酸三ナトリウム、フッ化カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、四ホウ酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、臭化マグネシウム、硫酸アルミニウムルビジウム、水酸化バリウム、硫酸アルミニウムカリウム、硝酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸ベリリウム、硝酸リチウム、塩化ストロンチウム、硝酸亜鉛、ピロリン酸ナトリウム、臭化カルシウム、硝酸銅、硝酸アルミニウム、四ホウ酸ナトリウム、フッ化銀、ヨウ化カルシウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、臭化ストロンチウム、硝酸カルシウム、ヨウ化ストロンチウム、臭化ナトリウム及び硝酸ストロンチウム、乳酸アルミニウムナトリウム、酢酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ブトキシエトキシ酢酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ジヒドロキシグリシンナトリウム、グルコン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、又はシュウ酸ナトリウムのうちの1つ以上から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記有効量が、約1nM~約1mMの範囲である、請求項1、4、及び5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記有効量が、約10nM~約100μMの範囲である、請求項1、4、及び5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記有効量が、約20μM~約25μMの範囲である、請求項1、4、及び5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記遷移金属の前記ナノモル濃度が、約1nM~1μM未満の範囲である、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
前記遷移金属の前記ナノモル濃度が、約10nM~1μM未満の範囲である、請求項2に記載の方法。
【請求項19】
前記遷移金属の前記マイクロモル濃度が、約1μM~1mM未満の範囲である、請求項3に記載の方法。
【請求項20】
前記遷移金属の前記マイクロモル濃度が、約1μM~約100μMの範囲である、請求項3に記載の方法。
【請求項21】
前記遷移金属の前記マイクロモル濃度が、約20μM~約25μMの範囲である、請求項3に記載の方法。
【請求項22】
前記有効量が、VP1タンパク質の前記rAAVキャプシドへの取り込みを増加させるのに十分である、請求項1、4、5、及び6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記有効量が、VP3タンパク質の前記rAAVキャプシドへの取り込みを増加させるのに十分である、請求項1、4、及び6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記有効量が、VP2タンパク質の前記rAAVキャプシドへの取り込みを増加させるのに十分である、請求項1又は6に記載の方法。
【請求項25】
前記遷移金属の前記ナノモル濃度が、VP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質の前記rAAVキャプシドへの取り込みを増加させるのに十分である、請求項2に記載の方法。
【請求項26】
前記遷移金属の前記マイクロモル濃度が、VP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質の前記rAAVキャプシドへの取り込みを増加させるのに十分である、請求項3に記載の方法。
【請求項27】
前記宿主細胞によって前記rAAVキャプシドを単離するステップを更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
rAAVキャプシドを産生することができる宿主細胞を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
ある濃度のrAAVキャプシドを産生することができる宿主細胞を更に含み、前記有効量が、前記rAAVキャプシドの濃度を低減する、請求項1、4、5及び6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
ある濃度のrAAVキャプシドを産生することができる宿主細胞を更に含み、前記rAAVキャプシドの濃度が、同じ条件下であるが、前記有効量を欠いて産生されるrAAVキャプシドの濃度よりも低い、請求項1、4、5、及び6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
ある濃度のrAAVキャプシドを産生することができる宿主細胞を更に含み、前記ナノモル濃度の前記遷移金属が、前記rAAVキャプシドの濃度を低減する、請求項2に記載の方法。
【請求項32】
ある濃度のrAAVキャプシドを産生することができる宿主細胞を更に含み更に含み、前記rAAVキャプシドの濃度が、同じ条件下であるが、前記ナノモル濃度の前記遷移金属を欠いて産生されるrAAVキャプシドの濃度よりも低い、請求項2に記載の方法。
【請求項33】
ある濃度のrAAVキャプシドを産生することができる宿主細胞を更に含み、前記マイクロモル濃度の前記遷移金属が、前記rAAVキャプシドの濃度を低減する、請求項3に記載の方法。
【請求項34】
ある濃度のrAAVキャプシドを産生することができる宿主細胞を更に含み、前記rAAVキャプシドの濃度が、同じ条件下であるが、前記マイクロモル濃度の前記遷移金属を欠いて産生されるrAAVキャプシドの濃度よりも低い、請求項3に記載の方法。
【請求項35】
前記培養ステップが、25ミリリットル以上の体積で行われる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記培養ステップが、100ミリリットル以上の体積で行われる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記培養ステップが、1リットル以上の体積で行われる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記培養ステップが、10リットル以上の体積で行われる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記培養ステップが、100リットル以上の体積で行われる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記培養ステップが、500リットル以上の体積で行われる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表の参照
2021年2月1日に作成され、475キロバイト(486,939バイト)のサイズを有する「2021-02-01_Sequence-Listing_6439-0114PUS1_ST25」という名前のテキストファイルとして本明細書と同時に提出される配列表は、37C.F.R.§1.52(e)(5)に従って参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、アデノ随伴ウイルス(AAV)ウイルス粒子を調製するための方法に関する。本発明はまた、本明細書に記載のAAVウイルス粒子並びにそれに関連する組成物、方法、使用、及びキットに関する。
【背景技術】
【0003】
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、小さい非病原性サテライトウイルスであり、複製のためにヘルパーアデノウイルスを必要とすると考えられている。AAVは、構造がアデノウイルスに類似しているが、より小さい正二十面体型のヌクレオキャプシドを有する。AAVは、末端に少なくとも1つの逆位末端反復(ITR)を有する一本鎖DNAゲノムを有する非エンベロープウイルスである。例えば、AAV2血清型は、末端に2つの145ヌクレオチド長のITRを有する、約4.7キロ塩基(kb)の一本鎖DNAゲノムを有し得る。ウイルスは、ポリメラーゼをコードせず、したがって、ゲノム複製のために細胞のポリメラーゼに依存する。ITRは、2つのウイルス遺伝子(それぞれ非構造タンパク質及び構造タンパク質をコードするrep(複製)及びcap(キャプシド))に隣接している。Rep遺伝子は、2つのプロモーター及び選択的スプライシングの使用によって、Rep78、Rep68、Rep52、及びRep40と呼ばれる4つの調節タンパク質をコードする。これらのタンパク質は、AAVゲノムの複製及びパッケージングに関与している。Cap遺伝子は、選択的スプライシング及び翻訳の開始によって、3つのキャプシドタンパク質、VP1(ビリオンタンパク質1)、VP2及びVP3を生じる。AAV2のVP1、VP2、及びVP3の分子量は、それぞれ87、72、及び62kDaである。これらのキャプシドタンパク質は、60サブユニットのほぼ球状のタンパク質シェルに組み立てられる。AAVの構造的単純性及び非病原性の性質は、組換えAAV(rAAV)を有用な遺伝子療法ベクターにする。AAV遺伝子療法ベクターは、複製細胞及び非複製細胞の両方に感染し、宿主細胞のゲノムに組み込まれることなく導入遺伝子を導入することができる。rAAVベクターは、その高い力価、広範な細胞に感染する能力、軽度の免疫応答、及び全体的な安全性のためにしばしば好ましい。rAAV遺伝子療法ベクターは、糖尿病及び他の膵臓疾患を含むいくつかの疾患に非常に有用であることが見出されている。
【0004】
新規かつ有効なAAVウイルス粒子、並びにそれに関連する組成物、方法、及びキットの必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0005】
様々な態様では、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を調製するための方法が開示される。
【0006】
一態様では、rAAVを調製するための方法が開示され、有効量の遷移金属を有する培地で培養するステップを含む。宿主細胞は、rAAVキャプシドを産生することができる。有効量の遷移金属は、VP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質のrAAVキャプシドへの取り込みを増加させる。あるいは、遷移金属は、VP2の取り込みを減少させ、rAAVキャプシドへのVP1又はVP3の取り込みを増加させる。遷移金属はまた、VP3の取り込みを減少させ、rAAVキャプシドへのVP1の取り込みを増加させることができる。
【0007】
一態様では、rAAVを調製するための方法が開示され、ナノモル濃度の遷移金属を有する培地で宿主細胞を培養するステップを含む。宿主細胞は、rAAVキャプシドを産生することができる。
【0008】
一態様では、rAAVを調製するための方法が開示され、マイクロモル濃度の遷移金属を有する培地で宿主細胞を培養するステップを含む。宿主細胞は、rAAVキャプシドを産生することができる。
【0009】
一態様では、rAAVを調製するための方法が開示され、有効量の遷移金属を有する培地で培養するステップを含む。宿主細胞は、rAAVキャプシドを産生することができる。有効量の遷移金属は、rAAVキャプシドへのVP1タンパク質及びVP3タンパク質の取り込みを増加させる。rAAVキャプシドは、同じ条件下であるが、有効量の遷移金属を欠いて産生されるrAAVキャプシドのVP1タンパク質及びVP3タンパク質の濃度よりも高いVP1タンパク質及びVP3タンパク質の濃度を有する。
【0010】
一態様では、rAAVを調製するための方法が開示され、有効量の遷移金属を有する培地で培養するステップを含む。宿主細胞は、rAAVキャプシドを産生することができる。有効量の遷移金属は、rAAVキャプシドへのVP1タンパク質の取り込みを増加させる。
【0011】
一態様では、rAAVを調製する方法が開示され、有効量のシステインプロテアーゼ阻害剤を有する培地で培養するステップを含む。宿主細胞は、rAAVキャプシドを産生することができる。有効量のシステインプロテアーゼ阻害剤は、rAAVキャプシドへのVP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質の取り込みを増加させる。あるいは、有効量のシステインプロテアーゼ阻害剤は、rAAVキャプシドへのVP2の取り込みを減少させ、VP1又はVP3の取り込みを増加させる。有効量のシステインプロテアーゼ阻害剤はまた、rAAVキャプシドへのVP3の取り込みを減少させ、VP1の取り込みを増加させることができる。
【0012】
一態様では、任意の態様又は実施形態に記載の任意の方法によって産生されたrAAVキャプシドが開示される。rAAVキャプシドは、同じ条件下であるが、有効量の遷移金属を欠いて産生されるrAAVキャプシドのVP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質の濃度よりも高いVP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質の濃度を有する。
【0013】
一態様では、任意の態様又は実施形態に記載の任意の方法によって産生されたrAAVキャプシドが開示される。rAAVキャプシドは、同じ条件下であるが、有効量の遷移金属を欠いて産生されるrAAVキャプシドのVP2タンパク質又はVP3タンパク質の濃度よりも低いVP2タンパク質又はVP3タンパク質の濃度を有する。
【0014】
一態様では、任意の態様又は実施形態に記載の任意の方法によって産生されたrAAVキャプシドが開示される。rAAVキャプシドは、増強された感染性を示す。
【0015】
一態様では、任意の態様又は実施形態に記載の任意の方法によって産生されたrAAVキャプシドは、治療上有効なrAAVである。
【0016】
一実施形態では、宿主細胞は、非哺乳動物宿主細胞である。別の実施形態では、宿主細胞は、昆虫細胞である。
【0017】
一実施形態では、遷移金属は、遷移金属塩である。遷移金属の例としては、酢酸銅、酸化第一銅、酸化第二銅、塩化第二銅、オキシ塩化銅、塩化第一銅、硝酸第二銅、シアン化銅、銅石鹸、ナフテン酸銅、又は硫酸銅が挙げられる。
【0018】
様々な実施形態では、遷移金属は、銅、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、ラザホージウム、ドブニウム、シーボーギウム、ボーリウム、ハッシウム、マイトネリウム、ウンウンニリウム、ウンウンウニウム、及びウンウンビウムのうちの1つ以上から選択される。
【0019】
様々な実施形態では、有効量の遷移金属は、約1ナノモル濃度(nM)~約1ミリモル濃度(mM)の範囲である。様々な実施形態では、有効量の遷移金属は、約10nM~約100マイクロモル濃度(μM)の範囲である。様々な実施形態では、有効量の遷移金属は、約20μM~約25μMの範囲である。様々な実施形態では、遷移金属のナノモル濃度は、約1nM~1μM未満の範囲である。
【0020】
様々な実施形態では、遷移金属のナノモル濃度は、約10nM~1μM未満の範囲である。
【0021】
様々な実施形態では、遷移金属のマイクロモル濃度は、約1μM~1mM未満の範囲である。様々な実施形態では、遷移金属のマイクロモル濃度は、約1μM~約100μMの範囲である。様々な実施形態では、遷移金属のマイクロモル濃度は、約20μM~約25μMの範囲である。
【0022】
様々な実施形態では、有効量の遷移金属は、rAAVキャプシドへのVP1タンパク質の取り込みを増加させるのに十分である。様々な実施形態では、有効量の遷移金属は、rAAVキャプシドへのVP3タンパク質の取り込みを増加又は減少させるのに十分である。様々な実施形態では、有効量の遷移金属は、rAAVキャプシドへのVP2タンパク質の取り込みを増加又は減少させるのに十分である。様々な実施形態では、有効量の遷移金属は、rAAVキャプシドへのVP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質の取り込みを増加させるのに十分である。他の実施形態では、有効量の遷移金属は、rAAVキャプシドへのVP2タンパク質又はVP3タンパク質の取り込みを減少させるのに十分である。
【0023】
様々な実施形態では、任意の態様又は実施形態に記載の方法は、宿主細胞からrAAVキャプシドを単離するステップを更に含む。
【0024】
様々な実施形態では、任意の態様又は実施形態に記載の方法は、rAAVキャプシドを産生することができる宿主細胞を更に含む。
【0025】
様々な実施形態では、任意の態様又は実施形態に記載の培養ステップは、少なくとも1リットル(L)、少なくとも10L、少なくとも50L、少なくとも100L、少なくとも250L、少なくとも500L、少なくとも1000L、少なくとも1500L、少なくとも2000L、又は少なくとも2500Lの体積で行われる。
【0026】
一態様では、本発明は、AAVウイルス粒子を調製するための方法を提供する。本方法は、有効量の塩を含む培地で、AAVウイルス粒子を産生することができる宿主細胞を培養することを含む。AAVウイルス粒子は、AAVキャプシドを含む。AAVキャプシドは、VP1タンパク質を含む。塩は、遷移金属を含む。
【0027】
別の態様では、本発明は、AAVウイルス粒子を調製するための方法を提供する。本方法は、有効量のシステインプロテアーゼの阻害剤を有する培地で、AAVウイルス粒子を産生することができる宿主細胞を培養することを含み、AAVウイルス粒子が、AAVキャプシドを含み、AAVキャプシドが、VP1タンパク質を含む。
【0028】
他の態様では、本発明は、治療上有効なrAAVを提供する。治療上有効なrAAVは、任意の態様又は任意の実施形態に記載の任意の方法によって産生される。治療上有効なrAAVは、AAVキャプシドでシュードタイプ化される。
【0029】
いくつかの態様では、本発明は、有効量の塩を含む培地で、AAVウイルス粒子を産生することができる宿主細胞を培養することを含む方法によって調製されたrAAV粒子を提供する。AAVウイルス粒子は、AAVキャプシドを含む。AAVキャプシドは、VP1タンパク質を含む。塩は、銅塩などの遷移金属を含む。
【0030】
一態様では、本発明は、有効量のシステインプロテアーゼの阻害剤を有する培地で、rAAV粒子を産生することができる宿主細胞を培養することを含む方法によって調製されたrAAV粒子を提供する。rAAV粒子は、AAVキャプシドを含む。AAVキャプシドは、VP1タンパク質を含む。
【0031】
別の態様では、本発明は、本発明のrAAV粒子の薬学的製剤を提供する。
【0032】
いくつかの態様では、本発明は、細胞、組織、及び/又は目的の臓器の効率的な形質導入、及び/又は遺伝子療法における使用のための本発明のrAAV粒子の使用を提供する。
【0033】
他の態様では、本発明は、本明細書に記載の方法及び組成物とともに使用するためのキットを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】Bba41キャプシドでシュードタイプ化されたrAAV粒子を産生するSf9昆虫細胞培養物への硫酸銅の添加の用量依存的効果を示すグラフである。Sf9昆虫細胞培養物を、0マイクロモル濃度(μM)、5μM、及び50μM濃度の硫酸銅とともに培養し、Bba41キャプシド産生のためのベクターを有する組換えバキュロウイルス(rBV)で感染させた。感染後の所定時間後、Bba41キャプシドを昆虫細胞培養物から単離し、Bba41キャプシドの感染性を評価した。
図1は、増加する濃度の硫酸銅を補充したSf9昆虫細胞で産生されるBba41キャプシドでシュードタイプ化されたrAAV粒子の増加する形質導入活性を示す。
【
図2】Bba41キャプシドでシュードタイプ化されたrAAV粒子を産生するSf9昆虫細胞培養物への硫酸銅の添加の用量依存的効果を示す、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)である。
図2は、ヒト胎児腎臓293(HEK293)細胞で産生されたBba41キャプシドからのVP1と同様のバンドパターンを有する、硫酸銅を補充したSf9昆虫細胞で産生されたBba41キャプシドからのVP1を示す。HEK293培養物を、0μM、5μM、及び50μM濃度の硫酸銅とともに培養し、Bba41キャプシド産生のためにプラスミドでトランスフェクトした。トランスフェクション後の所定の時間後、Bba41キャプシドを、HEK293培養物から単離した。
【
図3】Bba41キャプシドでシュードタイプ化されたrAAV粒子を産生するSf9昆虫細胞培養物及びHEK293細胞培養物への硫酸銅の添加の用量依存的効果を示すグラフである。昆虫細胞培養物はシェイクフラスコ産生であり、HEK293培養物はシェイクフラスコ培養物及びバイオリアクター培養物であった。Bba41キャプシドを細胞培養物から単離し、Bba41キャプシドの感染性をインビトロで評価した。
図3は、増加する濃度の硫酸銅を補充したSf9昆虫細胞で産生されるBba41キャプシドでシュードタイプ化されたrAAV粒子の増加する形質導入活性を示す。増加した形質導入活性は、HEK293細胞で産生されるBba41キャプシドでシュードタイプ化されたrAAV粒子に匹敵する。
【
図4】Sf9昆虫細胞及びHEK293細胞で産生されたrAAV由来のAAVベクターゲノムを示すアガロースゲルである。
【
図5】Sf9細胞で産生されたrAAVキャプシドのVP1濃度を示すグラフである。昆虫細胞のシェイクフラスコ培養物を、0μM、25μM、及び45μMの濃度の硫酸銅とともに培養し、AAV5キャプシド産生のためのベクターを有するrBVで感染させた。感染後の所定時間後、AAV5キャプシドを昆虫細胞培養物から単離し、AAV5キャプシドのVP1濃度を定量した。異なる濃度の硫酸銅は、産生されたAAV5キャプシドのVP1濃度を増加させた。
【
図6】Sf9細胞で産生されたrAAVキャプシドの形質導入活性を示すグラフである。昆虫細胞のシェイクフラスコ培養物を、0μM及び25μM濃度の硫酸銅とともに培養し、AAV5キャプシド産生のためのベクターを有するrBVで感染させた。感染後の所定時間後、AAV5キャプシドを昆虫細胞培養物から単離し、AAV5キャプシドの感染性をインビトロで評価した。25μMの硫酸銅は、産生されたAAV5キャプシドの感染性を改善した。
【
図7】銅の有無で培養したSf9細胞で産生されたrAAVキャプシドのVP1濃度を示すグラフである。昆虫細胞のバイオリアクター培養物を、0μM及び30μM濃度の硫酸銅とともに培養し、AAV5キャプシド産生のためのベクターを有するrBVで感染させた。感染後の所定時間後、AAV5キャプシドを昆虫細胞培養物から単離し、AAV5キャプシドのVP1濃度を定量した。30μMの硫酸銅は、バイオリアクタースケールで産生されたAAV5キャプシドのVP1濃度を増加させた。
【
図8】Sf9細胞で産生されたrAAVキャプシドに感染した細胞における導入遺伝子発現を示すグラフである。昆虫細胞のバイオリアクター培養物を、0μM及び30μM濃度の硫酸銅とともに培養し、AAV5キャプシド産生のためのベクターを有する組換えバキュロウイルス(rBV)で感染させた。感染後の所定時間後、AAV5キャプシドを昆虫細胞培養物から単離し、AAV5キャプシドの感染性をインビトロで評価した。30μMの硫酸銅は、バイオリアクタースケールで産生されたAAV5キャプシドの感染性を改善した。
【
図9】Sf9細胞で産生されたrAAVキャプシドのVP1濃度を示すグラフである。2000リットル(L)及び3Lのバイオリアクター培養物及び昆虫細胞のシェイクフラスコ培養物を、0μM及び30μM濃度の硫酸銅とともに培養し、AAV5キャプシド産生のためのベクターを有する組換えバキュロウイルス(rBV)で感染させた。感染後の所定時間後、AAV5キャプシドを昆虫細胞培養物から単離し、AAV5キャプシドのVP1濃度を定量した。銅を補充したバイオリアクター及びシェイクフラスコ培養物で産生されたAAV5キャプシドのVP1濃度を、銅なしのシェイクフラスコ培養物で産生されたAAV5キャプシドのVP1濃度と比較した。30μMの硫酸銅は、異なる産生タイプ及びスケールを使用して製造されたAAV5キャプシドのVP1濃度を増加させた。
【
図10】Sf9細胞で産生されたrAAVキャプシドのVP1濃度を示すグラフである。昆虫細胞の100ミリリットル(mL)シェイクフラスコ培養物を、0μM及び30μM濃度の硫酸銅とともに培養し、AAV9キャプシド産生のためのベクターを有するrBVで感染させた。感染後の所定時間後、AAV9キャプシドを昆虫細胞培養物から単離し、AAV9キャプシドのVP1濃度を定量した。30μMの硫酸銅は、産生されたAAV9キャプシドのVP1濃度を増加させた。
【
図11】Sf9細胞で産生されたrAAVキャプシドの形質導入活性を示すグラフである。昆虫細胞のシェイクフラスコ培養物を、0μM、10μM、20μM、及び30μMの濃度の硫酸銅とともに培養し、異なる感染多重度(MOI)でのAAV9キャプシド産生のためのベクターを有するrBVで感染させた。感染後の所定時間後、AAV9キャプシドを昆虫細胞培養物から単離し、AAV9キャプシドの感染性をインビトロで評価した。異なるMOIでの異なる濃度の硫酸銅は、産生されたAAV9キャプシドの感染性を改善した。
【発明を実施するための形態】
【0035】
必要に応じて、本開示の詳細な態様及び実施形態が本明細書に開示されるが、開示された態様及び実施形態は単なる例示であり、様々な及び代替の形式で具現化され得ることが理解されるべきである。
【0036】
実施例を除いて、又は別途明示的に示されている場合を除いて、材料の量又は反応及び/若しくは使用の条件を示す本明細書中の全ての数値は、「約」という言葉によって修飾されるものとして理解されるべきである。例えば、「約X」を参照する説明は、「X」の説明を含む。一例では、「約」という用語は、当該技術分野における通常の許容範囲内、例えば、平均値の2標準偏差以内として理解される。異なる例では、「約」は、±0.0001%、±0.0005%、±0.001%、±0.005%、±0.01%、±0.05%、±0.01%、±0.01%、±0.1%、±0.5%、±1%、±5%、又は±10%の変動を指す。更なる例では、「約」は、±9%、±8%、±7%、±6%、±5%、±4%、±3%、又は±2%以内と理解することができる。
【0037】
文脈から別途明確でない限り、本明細書に提供される全ての数値は、約という用語によって修正される。全ての範囲には、範囲のエンドポイントが含まれる。頭字語又は他の略語の第1の定義は、同じ略語の本明細書におけるその後の全ての使用に適用され、最初に定義された略語の通常の文法的バリエーションに準用され、反対に明示的に示されない限り、特性の測定は、以前に又は後で同じ特性について参照されたのと同じ技術によって決定される。
【0038】
別途示されない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本開示が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0039】
また、本開示は、特定の構成要素及び/又は条件がもちろん変化し得るため、以下に記載される特定の態様及び実施形態に限定されないことが理解されるべきである。更に、本明細書で使用される用語は、特定の態様及び実施形態を説明するためにのみ使用され、決して限定することを意図するものではない。
【0040】
本出願全体を通して、刊行物が参照される場合、本発明が関連する技術水準をより完全に説明するために、これらの刊行物の開示全体は、参照により本出願に援用される。
【0041】
また、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、複数の指示対象を含むことにも留意されたい。例えば、単数形の構成要素への言及は、複数の構成要素を含むことが意図されている。
【0042】
「又は」及び「及び」という用語は、互換的に使用することができ、「及び/又は」を意味すると理解することができる。
【0043】
「comprising(含む)」という用語は、「including(含む)」、「having(有する)」、「containing(含有する)」、又は「characterized by(によって特徴付けられる)」と同義である。これらの用語は、包含的かつオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素又は方法のステップを排除するものではない。
【0044】
「~からなる」という語句は、特許請求の範囲で特定されていない任意の要素、ステップ、又は成分を除外するものである。この語句がプリアンブルの直後ではなく、特許請求の範囲の本文の条項に出現する場合、その条項に示されている要素のみを制限し、他の要素は全体として特許請求の範囲から除外されない。
【0045】
「~から本質的になる」という語句は、特許請求の範囲を、特許請求される主題の特定の材料又はステップに加えて、本質的かつ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。
【0046】
「含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」という用語は、代替的に使用することができる。これらの3つの用語のうちの1つが使用される場合、本開示の特許請求される主題は、他の2つの用語のいずれかの使用を含むことができる。
【0047】
本発明によれば、本発明者らは、有効量の遷移金属又は塩を含む培地で、rAAVを産生することができる宿主細胞を培養することによって、宿主細胞によって産生されたrAAV粒子の感染性が改善されるという驚くべき発見をした。特に、本発明者らは、培地中の有効量の塩が、キャプシドに取り込まれる少なくともVP1タンパク質の量を増加させ、それによって、産生されたAAVウイルス粒子の感染性を高めることを発見した。したがって、本発明者らは、治療上有効なrAAVを産生する方法及びプロセスを発見した。
【0048】
本明細書に記載の方法は、ステップとして開示及び説明され得るが、いくつかのステップは、これらの方法に従って、異なる順序で、並びに/又は本明細書に記載の及び/若しくは当該技術分野で既知の他のステップと同時に発生し得るため、本方法は必ずしもステップの順序によって制限されるものではないことを理解されたい。
【0049】
アデノ随伴ウイルス
一態様では、任意の態様又は実施形態に記載の方法によって産生されたrAAVキャプシドが開示される。rAAVキャプシドは、同じ条件下であるが、有効量の遷移金属を欠いて産生されるrAAVキャプシドのVP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質の濃度よりも高いVP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質の濃度を有する。
【0050】
一態様では、任意の態様又は実施形態に記載の任意の方法によって産生されたrAAVキャプシドが開示される。rAAVキャプシドは、増強された感染性を示す。
【0051】
rAAV及びrAAVキャプシドは、例えば、US9,504,762、WO2018/022608、WO2019/222136、及びUS2019/0376081に教示されているように(これらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に援用される)、既知の方法に開示されているrAAV粒子を含むか、又はそれに従って作製され得る。
【0052】
「AAV」は、アデノ随伴ウイルスの標準的な略語である。アデノ随伴ウイルスは、一本鎖DNAパルボウイルスであり、キャプシドによって封入されたゲノムを有する。現在、特徴付けられているAAVの血清型には13種類がある。AAVの一般的な情報及び概説は、例えば、Carter,1989,Handbook of Parvoviruses,Vol.1,pp.169-228、及びBerns,1990,Virology,pp.1743-1764,Raven Press,(New York)に見出すことができる。しかしながら、様々な血清型が、遺伝子レベルにおいても、構造的及び機能的の両方で非常に密接に関連していることが周知であるため、これらの同じ原理が、追加のAAV血清型に適用可能であることが十分予想される。(例えば、Blacklowe,1988,pp.165-174 of Parvoviruses and Human Disease,J.R.Pattison,ed.;and Rose,Comprehensive Virology3:1-61(1974)を参照されたい)。例えば、全てのAAV血清型が、相同rep遺伝子によって媒介される非常に類似した複製特性を明白に示し、全てが、3つの関連するキャプシドタンパク質を有する。関連性の程度は、ゲノムの長さに沿った遺伝子型間の広範な交差ハイブリダイゼーション、及び「逆位末端反復」(ITR)に対応する末端における類似の自己アニーリングセグメントの存在を明らかにするヘテロ二本鎖分析によって更に示唆される。類似の感染性パターンは、各血清型における複製機能が類似の調節制御下にあることも示唆する。
【0053】
本明細書で使用される「AAVウイルス粒子」は、少なくとも1つのAAVキャプシドタンパク質及びキャプシド化AAVゲノムからなる感染性ウイルス粒子を指す。「組換えAAV」、又は「rAAV」、「rAAVビリオン」、又は「rAAVウイルス粒子」、又は「rAAVベクター粒子」は、本明細書に記載される少なくとも1つのキャプシド又はCapタンパク質及びキャプシド化AAVベクターゲノムから構成されるウイルス粒子を指す。粒子が異種ポリヌクレオチド(すなわち、哺乳類細胞に送達される導入遺伝子などの野生型AAVゲノム以外のポリヌクレオチド)を含む場合、それは、典型的には、「rAAVベクター粒子」又は単に「rAAVベクター」と称される。したがって、かかるベクターがAAVベクター粒子内に含有されるため、AAVベクター粒子の産生には、必然的にrAAVベクターの産生が含まれる。
【0054】
本明細書中で使用される場合、「異種遺伝子」、「異種配列」、「異種」、「異種調節配列」、「異種導入遺伝子」、又は「導入遺伝子」という用語は、参照される遺伝子又は調節配列が、天然にはAAVベクター又は粒子中に存在せず、その中に人工的に導入されていることを意味する。例えば、これらの用語は、異種遺伝子と、宿主細胞でその遺伝子の発現を制御する異種遺伝子に作動可能に連結された異種調節配列との両方を含む核酸を指す。本明細書における導入遺伝子は、タンパク質(例えば、酵素)、ポリペプチド、ペプチド、RNA(例えば、tRNA、dsRNA、リボソームRNA、触媒RNA、siRNA、miRNA、プレmiRNA、lncRNA、snoRNA、低分子ヘアピンRNA、トランススプライシングRNA、及びアンチセンスRNA)、遺伝子又は塩基編集システム(例えば、CRISPR遺伝子編集システム)のうちの1つ以上のコンポーネント、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)媒介性エクソンスキッピング、ナンセンス媒介性分解(NMD)を誘発する毒エクソン、又はドミナントネガティブ変異体などの生体分子(例えば、治療用生体分子)をコードできることが企図される。
【0055】
「組換え」という用語は、組換えDNA技術を使用することによって形成される核酸分子又はタンパク質を指す。例えば、組換え核酸分子は、核酸配列及び配列エレメントを組み合わせることによって形成することができる。組換えタンパク質は、組換え核酸分子を受容した細胞によって産生されるタンパク質であり得る。
【0056】
「コードする(encodes)」、「コードされた(encoded)」、及び「コードする(encoding)」という用語は、遺伝子、相補DNA(cDNA)、又はメッセンジャーRNA(mRNA)などの核酸分子におけるヌクレオチドの特定の配列の固有の特性を指し、生物学的プロセスにおける他のポリマー及び巨大分子の合成のための鋳型として機能する。したがって、遺伝子は、その遺伝子によって産生されるmRNAの転写及び翻訳が、細胞又は他の生物学的システムにおいてタンパク質を産生する場合、タンパク質をコードする。ヌクレオチド配列がmRNA配列と同一であり、通常は配列表に提供されるコード鎖と、遺伝子又はcDNAの転写のための鋳型として使用される非コード鎖との両方は、その遺伝子又はcDNAのタンパク質又は他の産物をコードしていると呼ぶことができる。
【0057】
「キャプシド」は、rAAVベクターゲノムがパッケージングされている構造を指す。キャプシドは、VP1タンパク質又はVP3タンパク質を含むが、より典型的には、天然AAVに見られるように、VP1タンパク質、VP2タンパク質、及びVP3タンパク質の3つ全てを含む。キャプシドタンパク質の配列によって、rAAVビリオンの血清型が決まる。rAAVビリオンには、AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-rh.10(AAVrh10)、AAV-DJ(AAVDJ)、AAV-DJ8(AAVDJ8)、AAV-1、AAV-2、AAV-2G9、AAV-3、AAV3a、AAV3b、AAV3-3、AAV4、AAV4-4、AAV-5、AAV-6、AAV6.1、AAV6.2、AAV6.1.2、AAV-7、AAV7.2、AAV8、AAV9、AAV9.11、AAV9.13、AAV9.16、AAV9.24、AAV9.45、AAV9.47、AAV9.61、AAV9.68、AAV9.84、AAV9.9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV16.3、AAV24.1、AAV27.3、AAV42.12、AAV42-1b、AAV42-2、AAV42-3a、AAV42-3b、AAV42-4、AAV42-5a、AAV42-5b、AAV42-6b、AAV42-8、AAV42-10、AAV42-11、AAV42-12、AAV42-13、AAV42-15、AAV42-aa、AAV43-1、AAV43-12、AAV43-20、AAV43-21、AAV43-23、AAV43-25、AAV43-5、AAV44.1、AAV44.2、AAV44.5、AAV223.1、AAV223.2、AAV223.4、AAV223.5、AAV223.6、AAV223.7、AAV1-7/rh.48、AAV1-8/rh.49、AAV2-15/rh.62、AAV2-3/rh.61、AAV2-4/rh.50、AAV2-5/rh.51、AAV3.1/hu.6、AAV3.1/hu.9、AAV3-9/rh.52、AAV3-11/rh.53、AAV4-8/r11.64、AAV4-9/rh.54、AAV4-19/rh.55、AAV5-3/rh.57、AAV5-22/rh.58、AAV7.3/hu.7、AAV16.8/hu.10、AAV16.12/hu.11、AAV29.3/bb.1、AAV29.5/bb.2、AAV106.1/hu.37、AAV114.3/hu.40、AAV127.2/hu.41、AAV127.5/hu.42、AAV128.3/hu.44、AAV130.4/hu.48、AAV145.1/hu.53、AAV145.5/hu.54、AAV145.6/hu.55、AAV161.10/hu.60、AAV161.6/hu.61、AAV33.12/hu.17、
AAV33.4/hu.15、AAV33.8/hu.16、AAV52/hu.19、AAV52.1/hu.20、AAV58.2/hu.25、AAVA3.3、AAVA3.4、AAVA3.5、AAVA3.7、AAVC1、AAVC2、AAVC5、AAVF3、AAVF5、AAVH2、AAVrh.72、AAVhu.8、AAVrh.68、AAVrh.70、AAVpi.1、AAVpi.3、AAVpi.2、AAVrh.60、AAVrh.44、AAVrh.65、AAVrh.55、AAVrh.47、AAVrh.69、AAVrh.45、AAVrh.59、AAVhu.12、AAVH6、AAVLK03、AAVH-1/hu.1、AAVH-5/hu.3、AAVLG-10/rh.40、AAVLG-4/rh.38、AAVLG-9/hu.39、AAVN721-8/rh.43、AAVCh.5、AAVCh.5R1、AAVcy.2、AAVcy.3、AAVcy.4、AAVcy.5、AAVCy.5R1、AAVCy.5R2、AAVCy.5R3、AAVCy.5R4、AAVcy.6、AAVhu.1、AAVhu.2、AAVhu.3、AAVhu.4、AAVhu.5、AAVhu.6、AAVhu.7、AAVhu.9、AAVhu.10、AAVhu.11、AAVhu.13、AAVhu.15、AAVhu.16、AAVhu.17、AAVhu.18、AAVhu.20、AAVhu.21、AAVhu.22、AAVhu.23.2、AAVhu.24、AAVhu.25、AAVhu.27、AAVhu.28、AAVhu.29、AAVhu.29R、AAVhu.31、AAVhu.32、AAVhu.34、AAVhu.35、AAVhu.37、AAVhu.39、AAVhu.40、AAVhu.41、AAVhu.42、AAVhu.43、AAVhu.44、AAVhu.44R1、AAVhu.44R2、AAVhu.44R3、AAVhu.45、AAVhu.46、AAVhu.47、AAVhu.48、AAVhu.48R1、AAVhu.48R2、AAVhu.48R3、AAVhu.49、AAVhu.51、AAVhu.52、AAVhu.54、AAVhu.55、AAVhu.56、AAVhu.57、AAVhu.58、AAVhu.60、AAVhu.61、AAVhu.63、AAVhu.64、AAVhu.66、AAVhu.67、AAVhu.14/9、AAVhu.t19、AAVrh.2、AAVrh.2R、AAVrh.8、AAVrh.8R、AAVrh.12、AAVrh.13、AAVrh.13R、AAVrh.14、AAVrh.17、AAVrh.18、AAVrh.19、AAVrh.20、AAVrh.21、AAVrh.22、AAVrh.23、AAVrh.24、AAVrh.25、AAVrh.31、AAVrh.32、AAVrh.33、AAVrh.34、AAVrh.35、AAVrh.36、AAVrh.37、AAVrh.37R2、AAVrh.38、AAVrh.39、AAVrh.40、AAVrh.46、AAVrh.48、AAVrh.48.1、AAVrh.48.1.2、AAVrh.48.2、AAVrh.49、AAVrh.51、AAVrh.52、AAVrh.53、AAVrh.54、AAVrh.56、AAVrh.57、AAVrh.58、AAVrh.61、AAVrh.64、AAVrh.64R1、AAVrh.64R2、AAVrh.67、AAVrh.73、AAVrh.74、AAVrh8R、AAVrh8RA586R変異体、
AAVrh8RR533A変異体、AAAV、BAAV、ヤギAAV、ウシAAV、AAVhE1.1、AAVhEr1.5、AAVhER1.14、AAVhEr1.8、AAVhEr1.16、AAVhEr1.18、AAVhEr1.35、AAVhEr1.7、AAVhEr1.36、AAVhEr2.29、AAVhEr2.4、AAVhEr2.16、AAVhEr2.30、AAVhEr2.31、AAVhEr2.36、AAVhER1.23、AAVhEr3.1、AAV2.5T、AAV-PAEC、AAV-LK01、AAV-LK02、AAV-LK03、AAV-LK04、AAV-LK05、AAV-LK06、AAV-LK07、AAV-LK08、AAV-LK09、AAV-LK10、AAV-LK11、AAV-LK12、AAV-LK13、AAV-LK14、AAV-LK15、AAV-LK16、AAV-LK17、AAV-LK18、AAV-LK19、AAV-PAEC2、AAV-PAEC4、AAV-PAEC6、AAV-PAEC7、AAV-PAEC8、AAV-PAEC11、AAV-PAEC12、AAV-2-プレmiRNA-101、AAV-8h、AAV-8b、AAV-h、AAV-b、AAVSM10-2、AAVシャフル100-1、AAVシャフル100-3、AAVシャフル100-7、AAVシャフル10-2、AAVシャフル10-6、AAVシャフル10-8、AAVシャフル100-2、AAVSM10-1、AAVSM10-8、AAVSM100-3、AAVSM100-10、BNP61AAV、BNP62AAV、BNP63AAV、AAVrh.50、AAVrh.43、AAVrh.62、AAVrh.48、AAVhu.19、AAVhu.11、AAVhu.53、AAV4-8/rh.64、AAVLG-9/hu.39、AAV54.5/hu.23、AAV54.2/hu.22、AAV54.7/hu.24、AAV54.1/hu.21、AAV54.4R/hu.27、AAV46.2/hu.28、AAV46.6/hu.29、AAV128.1/hu.43、トゥルータイプAAV(ttAAV)、UPENNAAV10、若しくは日本AAV10血清型、
AAV_po.6、AAV_po.、AAV_po.5、AAV_LK03、AAV_ra.1、AAV_bat_YNM、AAV_bat_Brazil、AAV_mo.1、AAV_トリ_DA-1、若しくはAAV_マウス_NY1、Bba21、Bba26、Bba27、Bba29、Bba30、Bba31、Bba32、Bba33、Bba34、Bba35、Bba36、Bba37、Bba38、Bba41、Bba42、Bba43、Bba44、Bce14、Bce15、Bce16、Bce17、Bce18、Bce20、Bce35、Bce36、Bce39、Bce40、Bce41、Bce42、Bce43、Bce44、Bce45、Bce46、Bey20、Bey22、Bey23、Bma42、Bma43、Bpo1、Bpo2、Bpo3、Bpo4、Bpo6、Bpo8、Bpo13、Bpo18、Bpo20、Bpo23、Bpo24、Bpo27、Bpo28、Bpo29、Bpo33、Bpo35、Bpo36、Bpo37、Brh26、Brh27、Brh28、Brh29、Brh30、Brh31、Brh32、Brh33、Bfm17、Bfm18、Bfm20、Bfm21、Bfm24、Bfm25、Bfm27、Bfm32、Bfm33、Bfm34、Bfm35、AAV-rh10、AAV-rh39、AAV-rh43、AAVanc80L65、又はそれらの任意のバリアントを含むいくつかのAAV血清型に由来するものが含まれる(例えば、非天然混合血清型の開示については米国特許第8,318,480号を参照されたい)。例示的なキャプシドは、国際出願公開第2018/022608号及び同第2019/222136号(その全体が本明細書に援用される)にも提供されている。キャプシドタンパク質はまた、変異タンパク質、キメラタンパク質、又はシャフルタンパク質を含む、天然のVP1、VP2、及びVP3のバリアントであり得る。キャプシドタンパク質は、AAVの様々なクレード内のrh.10又は他のサブタイプのものであり得る。様々なクレード及びサブタイプは、例えば、米国特許第7,906,111号に開示されている。様々な実施形態では、AAVウイルス粒子のキャプシドは、AAV-1(Genbank受入番号AAD27757.1)、AAV-2(NCBI参照配列番号YP_680426.1)、AAV-3(NCBI参照配列番号NP_043941.1)、AAV-3B(Genbank受入番号AAB95452.1)、AAV-4(NCBI参照配列番号NP_044927.1)、AAV-5(NCBI参照配列番号YP_068409.1)、AAV-6(Genbank受入番号AAB95450.1)、AAV-7(NCBI参照配列番号YP_077178.1)、AAV-8(NCBI参照配列番号YP_077179.1)、
AAV-9(Genbank受入番号AAS99264.1)、AAV-10(Genbank受入番号AAT46337.1)、AAV-11(Genbank受入番号AAT46339.1)、AAV-12(Genbank受入番号ABI16639.1)、AAV-13(Genbank受入番号ABZ10812.1)、又はWO2018/022608及びWO2019/222136に開示されている任意のアミノ酸配列からのアミノ酸配列の一部と、少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を有するVP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質を有する。異なる血清型のAAVタンパク質の構築及び使用は、Chao et al.,Mol.Ther.2:619-623,2000、Davidson et al.,PNAS97:3428-3432,2000、Xiao et al.,J.Virol.72:2224-2232,1998、Halbert et al.,J.Virol.74:1524-1532,2000、Halbert et al.,J.Virol.75:6615-6624,2001、及びAuricchio et al.,Hum.Molec.Genet.10:3075-3081,2001で考察されている。
【0058】
一実施形態では、rAAV粒子は、AAVキャプシドでシュードタイプ化され、VP1タンパク質は、配列番号2~76のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、又は配列番号2~76のうちのいずれか1つの全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0059】
AAVウイルス粒子は、「シュードタイプ」又は「ハイブリッド」AAVウイルス粒子であり得る。AAVウイルス粒子に関連する「ハイブリッド」及び「シュードタイプ」という用語は、本明細書で互換的に使用され、Repタンパク質、逆位末端反復配列(ITR)、及び/又はキャプシドタンパク質が異なる血清型であることを示すことを意図している。例えば、米国特許第9,737,618号、及びGao,G.et al.,Clades of Adeno-associated viruses are widely disseminated in human tissues,J.Virol.,78(12):6381-8(2004)(これらの各々は、その全体が参照により本明細書に援用される)に開示されているように、多数の代替キャプシドバリアントが、例えば、ヒト、ヒヒ、ブタ、マーモセット、チンパンジー、及びアカゲザル、ブタオザル、カニクイザルなどから同定されている。シュードタイプAAVウイルス粒子の産生は、例えば、WO2018/022608及びWO2001/83692に開示されている(これらの各々は、その全体が参照により本明細書に援用される)。他のタイプのAAVウイルス粒子バリアント、例えば、キャプシド変異を有するAAVウイルス粒子も企図される。例えば、Marsic et al.,Molecular Therapy,22(11):1900-1909(2014)を参照されたい(その全体が参照により本明細書に援用される)。例えば、限定されないが、ITR及び/又はRepタンパク質は、例えば、キャプシドタンパク質は、哺乳動物に見出されるAAVの配列に由来するもの、例えば、Bba21、Bba26、Bba27、Bba29、Bba30、Bba31、Bba32、Bba33、Bba34、Bba35、Bba36、Bba37、Bba38、Bba41、Bba42、Bba43、Bba44、Bce14、Bce15、Bce16、Bce17、Bce18、Bce20、Bce35、Bce36、Bce39、Bce40、Bce41、Bce42、Bce43、Bce44、Bce45、Bce46、Bey20、Bey22、Bey23、Bma42、Bma43、Bpo1、Bpo2、Bpo3、Bpo4、Bpo6、Bpo8、Bpo13、Bpo18、Bpo20、Bpo23、Bpo24、Bpo27、Bpo28、Bpo29、Bpo33、Bpo35、Bpo36、Bpo37、Brh26、Brh27、Brh28、Brh29、Brh30、Brh31、Brh32、Brh33、Bfm17、Bfm18、Bfm20、Bfm21、Bfm24、Bfm25、Bfm27、Bfm32、Bfm33、Bfm34、若しくはBfm35、又はそのバリアントとして本明細書に開示及び指定されているキャプシド配列であり得る。
【0060】
本明細書で使用される場合、「AAVベクターゲノム」、「ベクターゲノム」、又は「rAAVベクターゲノム」は、一本鎖核酸を指す。rAAVウイルス粒子は、キャプシド内にキャプシド化されたrAAVベクターゲノムを有する。rAAVベクターゲノムは、AAVウイルスゲノムに対して異種である転写調節エレメント(例えば、1つ以上のプロモーター及び/又はエンハンサー、並びに任意選択的に、ポリアデニル化配列、及び/又は調節エレメント内、若しくは調節エレメントとタンパク質コード配列との間、若しくはタンパク質コード配列のエクソン間に挿入された1つ以上のイントロン)に作動可能に連結されたタンパク質コード配列(好ましくは、機能的な治療用タンパク質コード配列;例えば、FVIII、FIX、及びPAH)に隣接するAAV5’逆位末端反復(ITR)配列及びAAV 3’ITRを有する。rAAVベクターゲノムは、rAAVウイルス粒子中に存在する核酸を指し、本明細書に開示される核酸配列のセンス鎖又はアンチセンス鎖のいずれかであり得る。そのような一本鎖核酸のサイズは、塩基で提供される。「逆位末端反復」及び「ITR」という用語は、本明細書で使用される場合、ウイルスDNA複製の開始点として、及びウイルスゲノムのパッケージングシグナルとしてシスで機能する、rAAVゲノムの5’末端及び3’末端に見出される、当該技術分野で認識されている領域を指す。AAV ITRは、Repタンパク質とともに、宿主細胞ゲノムからの効率的な除去及びレスキュー、並びに宿主細胞ゲノムへの2つの隣接するITR間に挿入されたヌクレオチド配列の組み込みを提供する。特定のAAV関連ITRの配列は、Yan et al.,J.Virol.79(1):364-379(2005)に開示されている。ITRはまた、(ヘアピンのアームを形成する)AA’逆位反復間の配列が逆相補体に存在する「フリップ」又は「フロップ」構成でも見出される(Wilmott,Patrick,et al.Human gene therapy methods 30.6(2019):206-213)。異なる血清型のAAVベクターゲノムの構築及び使用は、Chao et al.,Mol.Ther.2:619-623,2000、Davidson et al.,PNAS97:3428-3432,2000、Xiao et al.,J.Virol.72:2224-2232,1998、Halbert et al.,J.Virol.74:1524-1532,2000、Halbert et al.,J.Virol.75:6615-6624,2001、及びAuricchio et al.,Hum.Molec.Genet.10:3075-3081,2001で考察されている。広範な構築物の利用可能性及び広範な特性評価のために、以下に開示される例示的なAAVベクターゲノムは、血清型2に由来する。
【0061】
「治療上有効なAAV」、「治療上有効なAAV粒子」、「治療用AAV」、「治療上有効なrAAV」、「治療上有効なrAAV粒子」、「治療用rAAV」、及び「治療上有効なrAAV」という用語は、感染した細胞が目的のエレメント(例えば、ヌクレオチド配列、タンパク質など)を(例えば、転写及び/又は翻訳によって)発現するように、細胞に感染することができる組換えAAVを指す。この程度まで、治療上有効なrAAV粒子は、異なる特性を有するキャプシド又はベクターゲノム(vg)を有するAAV粒子を含むことができる。例えば、治療上有効なrAAV粒子は、異なる翻訳後修飾を有するキャプシドを有することができる。他の例では、治療上有効なAAV粒子は、異なるサイズ/長さ、プラス又はマイナス鎖配列、異なるフリップ/フロップITR構成(フリップ/フロップ、フロップ/フリップ、フリップ/フリップ、フロップ/フロップなど)、異なる数(1、2、3など)のITR又は切断を有するvgを含有し得る。例えば、大きいタンパク質をコードする「完全」な核酸が生成され、それによって、機能的で完全長の遺伝子が再構築されるように、5’末端切断及び3’末端切断を有する核酸間で、rAAV感染細胞において重複する相同組換えが生じる。他の例では、第2鎖合成中に「完全」な核酸が形成されるように、5’末端切断及び3’末端切断を有する相補核酸配列は、各々と相互作用する。「完全」な核酸は、大きいタンパク質をコードし、それによって、機能的で完全長の遺伝子を再構築する。治療上有効なrAAV粒子は、重いキャプシド、完全なキャプシド、又は部分的に完全なキャプシドとも呼ばれる。
【0062】
「形質導入」及び「形質導入する」という用語は、rAAVからレシピエント細胞への遺伝物質(例えば、ベクターゲノム)の伝達、及びレシピエント細胞におけるrAAV遺伝物質からの導入遺伝子の発現を指す。遺伝物質の伝達は、レシピエント細胞に感染するrAAV粒子を介して媒介される。この目的のために、「効力」という用語は、rAAV粒子に感染したレシピエント細胞又はレシピエント細胞における導入遺伝子の発現のレベルを指す。したがって、より大きな効力を有するrAAVは、rAAVに感染したレシピエント細胞がより大きな導入遺伝子発現を有することを強調する。
【0063】
「治療有効量」という用語は、疾患、障害、又は状態に罹患している又は罹患しやすい対象に投与された場合、疾患、障害、又は状態を、治療、診断、予防、又はその症状の発症を遅延させるのに十分な量の治療剤を意味する。治療上有効な量が、典型的には、少なくとも1つの単位用量を含む投薬レジメンを介して投与されることが当業者には理解されるであろう。「治療的に有効な」という用語は、治療有効量の治療剤が、疾患、障害、及び/又は状態に罹患している又は罹患しやすい対象に投与された場合、疾患、障害、及び/又は状態を治療、診断、予防、及び/又はその症状の発症を遅延させるのに十分であるように十分に作用する治療剤の任意の要素又は組成物を指す。例えば、前述のように、治療上有効なrAAVは、感染した細胞が(例えば、転写及び/又は翻訳によって)目的のエレメント(例えば、ヌクレオチド配列、タンパク質など)を発現するように、細胞に感染することができる。治療上有効なrAAVは、治療上有効なrAAVによって感染された細胞によって使用されるベクターゲノムを有し、複製、転写、又は翻訳などの様々な方法によって目的のエレメント(例えば、ヌクレオチド配列、タンパク質など)を生成するために感染された細胞によって使用される治療上有効なヌクレオチド配列を生成する。「治療剤」には、治療上有効なrAAV又は治療用rAAVウイルスが含まれることにも留意されたい。
【0064】
一例として、治療用タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含むrAAVビリオン、rAAVウイルス粒子、rAAVベクター粒子、又はrAAVウイルスを指す「治療用rAAVウイルス」を使用して、インビボでタンパク質を置換又は補完することができる。「治療用タンパク質」は、対応する内因性タンパク質を置換するか、又はその活性の喪失若しくは低減を補完する生物活性を有するポリペプチドを指す。例えば、機能的フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)は、フェニルケトン尿症(PKU)のための治療用タンパク質である。したがって、例えば、組換えrAAV PAHウイルスを、PKUに罹患した対象の治療のための薬剤に使用することができる。薬剤は、静脈内(IV)投与によって投与され得、薬剤の投与は、対象における神経伝達物質の代謝産物又は神経伝達物質のレベルを変更するのに十分な、対象の血流中のPAHタンパク質の発現をもたらす。任意選択的に、薬剤はまた、rAAV PAHウイルスの投与に関連する任意の肝毒性の予防及び/又は治療のための、予防的又は治療的コルチコステロイドも含み得る。予防的又は治療的コルチコステロイドの処置は、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60mg/日、又はそれ以上のコルチコステロイドを含み得る。特定の実施形態では、薬剤は、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10週間、又はそれ以上の連続的な期間にわたって投与され得る。PKU療法は、任意選択的に、チロシンサプリメントを含んでもよい。
【0065】
AAVキャプシドに取り込まれた導入遺伝子は、限定されないが、治療目的の任意の異種遺伝子であり得る。導入遺伝子は、目的のポリペプチド、タンパク質、又は他の産物をコードする導入遺伝子に隣接するベクター配列に対して異種の核酸配列である。核酸コード配列は、宿主細胞中でトランス遺伝子の転写、翻訳、及び/又は発現を可能にする様式で調節エレメントに作動可能に連結される。
【0066】
導入遺伝子配列の組成は、得られたベクターが用いられる使用に依存する。例えば、あるタイプの導入遺伝子配列は、発現時に検出可能なシグナルを生成するレポーター配列を含む。そのようなレポーター配列には、限定するものではないが、b-ラクタマーゼ、b-ガラクトシダーゼ(LacZ)、アルカリホスファターゼ、チミジンキナーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、ルシフェラーゼ、膜結合タンパク質、例えば、CD2、CD4、CD8を含む、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質、及び当該技術分野で周知の他のものであって、それらに対する高親和性抗体が存在するか又は従来の手段によって生成することができるもの、並びに特にヘマグルチニン又はMyc由来の抗原タグドメインに適切に融合した膜結合タンパク質を含む融合タンパク質をコードするDNA配列が含まれる。
【0067】
これらのコード配列は、それらの発現を駆動する調節エレメントに関連する場合、酵素、放射線、比色、蛍光又は他の分光学的アッセイ、蛍光活性化細胞選別アッセイ、並びに免疫学的アッセイ(酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、及び免疫組織化学を含む)を含む従来の手段によって検出可能なシグナルを提供する。例えば、マーカー配列がLacZ遺伝子である場合、シグナルを有するベクターの存在は、b-ガラクトシダーゼ活性についてのアッセイによって検出される。導入遺伝子が緑色蛍光タンパク質又はルシフェラーゼである場合、シグナルを有するベクターは、ルミノメーターで色又は光生成によって視覚的に測定することができる。
【0068】
しかしながら、導入遺伝子は、タンパク質、ペプチド、RNA、酵素、ドミナントネガティブ変異体、又は触媒RNAなどの、生物学及び医学において有用な産物をコードする非マーカー配列であることが望ましい。望ましいRNA分子は、tRNA、dsRNA、リボソームRNA、触媒RNA、siRNA、低分子ヘアピンRNA、トランススプライシングRNA、及びアンチセンスRNAを含む。有用なRNA配列の一例は、処置される動物において標的の核酸配列の発現を阻害するか又は消失させる配列である。典型的には、好適な標的配列には、腫瘍学的標的及びウイルス性疾患が含まれる。そのような標的の例については、免疫原に関連するセクションで後述する腫瘍標的及びウイルスを参照されたい。
【0069】
導入遺伝子は、遺伝子欠損を修正又は改善するために使用され得る。遺伝子欠損は、正常な遺伝子が正常レベルよりも低く発現する欠損、又は機能的な遺伝子産物が発現しない欠損を含み得る。好ましいタイプの導入遺伝子配列は、宿主細胞で発現される治療用タンパク質又はポリペプチドをコードする。ベクターは、例えば、マルチサブユニットタンパク質によって引き起こされる遺伝子欠損を修正又は改善するために、複数の導入遺伝子を更に含む。特定の状況では、異なる導入遺伝子は、タンパク質の各サブユニットをコードするために、又は異なるペプチド若しくはタンパク質をコードするために使用することができる。これは、タンパク質サブユニットをコードするDNAのサイズが大きい場合(例えば、免疫グロブリン、血小板由来成長因子、又はジストロフィンタンパク質)に望ましい。細胞がマルチサブユニットタンパク質を産生するために、異なるサブユニットの各々を含む組換えウイルスを細胞に感染させる。あるいは、タンパク質の異なるサブユニットは、同じ導入遺伝子によってコードされていてもよい。この場合、単一の導入遺伝子は、各サブユニットのDNAが内部リボザイム進入部位(IRES)によって分離された、各サブユニットをコードするDNAを含む。これは、サブユニットの各々をコードするDNAのサイズが小さい場合(例えば、サブユニットをコードするDNA及びIRESの総サイズが5キロベース未満)に望ましい。また、より長いゲノム(すなわち、>5(Kb))は、標的細胞における部分的なゲノムの組換えのために、実行可能であり得ることに留意されたい。IRESの代替物として、翻訳後事象において自己切断する2Aペプチドをコードする配列によってDNAを分離することができる。例えば、Donnelly et al,J.Gen.Virol.,78(Pt 1):13-21(January1997)、Furler,et al,Gene Ther.,8(1 1):864-873(June2001)、Klump et al,Gene Ther.,8(lO):8 11-817(May2001)を参照されたい。この2AペプチドはIRESよりもかなり小さいため、スペースが制限要因である場合の使用に適したものとなる。より多くの場合、導入遺伝子が大きい場合、マルチサブユニットからなる場合、又は2つの導入遺伝子が同時送達される場合、所望の導入遺伝子又はサブユニットを有するrAAVを同時投与することで、インビボでそれらをコンカテマー化して、単一のベクターゲノムを形成することが可能になる。そのような実施形態では、宿主細胞での同時発現のために、第1のAAVは、単一の導入遺伝子を発現する発現カセットを有し得、第2のAAVは、異なる導入遺伝子を発現する発現カセットを有し得る。しかし、選択される導入遺伝子は、任意の生物学的に活性な産物又は他の産物(例えば、研究に望ましい産物)をコードすることができる。
【0070】
好適なトランス遺伝子は、当業者によって容易に選択することができる。トランス遺伝子の選択は、本発明を限定するとみなすものではない。導入遺伝子は異種タンパク質であってもよく、この異種タンパク質が、治療用タンパク質であってもよい。典型的な治療用タンパク質には、限定されないが、血液因子、例えば、b-グロビン、ヘモグロビン、組織プラスミノーゲン活性化因子、及び凝固因子;コロニー刺激因子(CSF);インターロイキン、例えば、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9など;増殖因子、例えば、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、幹細胞因子(SCF)、線維芽細胞増殖因子(FGF、例えば塩基性FGF及び酸性FGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、骨形成タンパク質(BMP)、上皮増殖因子(EGF)、増殖分化因子9(GDF-9)、肝癌由来増殖因子(HDGF)、ミオスタチン(GDF-8)、神経成長因子(NGF)、神経栄養因子、血小板由来成長因子(PDGF)、トロンボポエチン(TPO)、トランスフォーミング増殖因子アルファ(TGF-a)、トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGF-b)など;可溶性受容体、例えば、可溶性TNF-a受容体、可溶性VEGF受容体、可溶性インターロイキン受容体(例えば、可溶性IL-1受容体及び可溶性II型IL-1受容体)、可溶性g/dT細胞受容体、可溶性受容体のリガンド結合断片など;酵素、例えば、a-グルコシダーゼ、イミグルカナーゼ、b-グルコセレブロシダーゼ、及びアルグルセラーゼ;酵素活性化剤、例えば、組織プラスミノーゲン活性化因子;ケモカイン、例えば、1P-10、インターフェロン-ガンマによって誘導されるモノカイン(Mig)、Groa/IL-8、RANTES、MIP-1a、MIR-1b、MCP-1、PF-4など;
血管新生剤、例えば、血管内皮増殖因子(VEGF、例えばVEGF121、VEGF165、VEGF-C、VEGF-2)、神経膠腫由来増殖因子、アンギオゲニン、アンギオゲニン-2など;抗血管新生剤、例えば可溶性VEGF受容体;タンパク質ワクチン;神経活性ペプチド、例えば、神経成長因子(NGF)、ブラジキニン、コレシストキニン、ガストリン、セクレチン、オキシトシン、ゴナドトロピン放出ホルモン、ベータエンドルフィン、エンケファリン、サブスタンスP、ソマトスタチン、プロラクチン、ガラニン、成長ホルモン放出ホルモン、ボンベシン、ダイノルフィン、ワーファリン,ニューロテンシン、モチリン、甲状腺刺激ホルモン、ニューロペプチドY、黄体形成ホルモン、カルシトニン、インスリン、グルカゴン、バソプレシン、アンジオテンシンII、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、血管作動性腸管ペプチド、睡眠ペプチドなど;血栓溶解剤;心房性ナトリウム利尿ペプチド;リラキシン;グリア線維性酸性タンパク質;卵胞刺激ホルモン(FSH);ヒトアルファ-1アンチトリプシン;白血病抑制因子(LIF);組織因子、黄体形成ホルモン;マクロファージ活性化因子;腫瘍壊死因子(TNF);好中球走化性因子(NCF);メタロプロテイナーゼの組織阻害剤;血管作用性腸管ペプチド;アンギオゲニン;アンギオトロピン;フィブリン;ヒルディン;IF-1受容体アンタゴニストなどが含まれる。いくつかの他の非限定的な目的のタンパク質の例には、毛様体神経栄養因子(CNTF);脳由来神経栄養因子(BDNF);ニューロトロフィン3及び4/5(NT-3及び4/5);グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF);芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC);血友病関連凝固タンパク質、例えば、第VIII因子、第IX因子、第X因子;遺伝性血管浮腫関連タンパク質、例えば、C1阻害剤;ジストロフィン、ミニジストロフィン、又はマイクロジストロフィン;リソソーム酸性リパーゼ;フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH);グリコーゲン蓄積疾患関連酵素、例えば、グルコース-6-ホスファターゼ、酸性マルターゼ、グリコーゲン脱分枝酵素、筋グリコーゲンホスホリラーゼ、肝グリコーゲンホスホリラーゼ、筋ホスホフルクトキナーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ(例えばPHKA2)、グルコーストランスポーター(例えばGFUT2)、アルドラーゼA、b-エノラーゼ、及びグリコーゲンシンターゼ;及び(例えば、ベータ-N-アセチルヘキソサミニダーゼA);並びにそれらの任意のバリアントが含まれるが、これらに限定されない。他の導入遺伝子としては、心筋ミオシン結合タンパク質C、β-ミオシン重鎖、心筋トロポニンT、心筋トロポニンI、ミオシン心室必須軽鎖1、ミオシン心室調節軽鎖2、
心筋αアクチン(ACTC)、α-トロポミオシン、タイチン、4.5LIMタンパク質1、及び国際出願公開第WO2014/170470号に開示されている他の導入遺伝子が挙げられる。AAVベクターはまた、プラスミドベクターでトランスフェクトされた細胞で又はウイルスに感染した細胞でその転写、翻訳、及び/又は発現を可能にするような様式で導入遺伝子に作動可能に連結された従来の制御エレメント又は配列を含む。本明細書で使用される場合、「作動可能に連結された」配列には、目的の遺伝子(GOI)と連続する発現制御配列、及び目的の遺伝子を制御するためにトランスで、又は離れて作用する発現制御配列の両方が含まれる。好適な遺伝子としては、Anguela et al.“Entering the Modern Era of Gene Therapy”,Annual Rev.of Med.Vol.70,pages272-288(2019)及びDunbar et al.,“Gene Comes of Age”,Science,Vol.359,Issue6372,eaan4672(2018)で考察されている遺伝子が挙げられる。
【0071】
発現制御配列は、適切な転写開始、終結、プロモーター、及びエンハンサーの配列、スプライシング及びポリアデニル化(ポリA)のシグナルなどの効率的なRNAプロセシングシグナル、細胞質mRNAを安定化させる配列、翻訳効率を高める配列(例えば、コザックコンセンサス配列)、タンパク質の安定性を増強させる配列、及び必要に応じて、コードされた産物の分泌を増強させる配列を含み得る。天然の、構成的、誘導性、及び/又は組織特異的プロモーターを含む多くの発現制御配列が当該分野で既知であり、利用することができる。
【0072】
構成的プロモーターの例としては、限定されないが、レトロウイルスラウス肉腫ウイルス(RSV)LTRプロモーター(任意選択的にRSVエンハンサーを有する)、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(任意選択的にCMVエンハンサーを有する)(例えば、Boshart et al,Cell,41:521-530(1985)を参照)、SV40プロモーター、ジヒドロ葉酸レダクターゼプロモーター、b-アクチンプロモーター、ホスホグリセロールキナーゼ(PGK)プロモーター、及びEF1プロモーター[Invitrogen]が挙げられる。誘導性プロモーターは、遺伝子発現の調節を可能にし、外来的に供給される化合物、温度などの環境因子、又は特定の生理学的状態(例えば、急性期、細胞の特定の分化状態、若しくは複製細胞中のみ)の存在によって調節することができる。誘導性プロモーター及び誘導系は、Invitrogen、Clontech、及びAriadを含むが限定するものではない、様々な商業的供給者から入手可能である。多くの他の系が記載されており、当業者によって容易に選択することができる。外来的に供給される化合物によって調節される誘導性プロモーターの例としては、亜鉛誘導性ヒツジメタロチオニン(MT)プロモーター、デキサメタゾン(Dex)誘導性マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター、T7ポリメラーゼプロモーター系[WO98/10088]、エクジソン昆虫プロモーター[No et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93:3346-3351(1996)]、テトラサイクリン抑制系[Gossen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:5547-5551(1992)],テトラサイクリン誘導系[Gossen et al.,Science,268:1766-1769(1995)、Harvey et al.,Curr.Opin.Chem.Biol.,2:512-518(1998)]、RU486誘導系[Wang et al.、Nat.Biotech.、15:239-243(1997)及びWang et al.,Gene Ther.,4:432-441(1997)]、及びラパマイシン誘導系[Magari et al.,J.Clin.Invest.,100:2865-2872(1997)]が挙げられる。この文脈において有用であり得る他のタイプの誘導性プロモーターは、特定の生理学的状態、例えば温度、急性期、細胞の特定の分化状態、又は複製細胞中のみにより調節されるものである。
【0073】
任意選択的に、導入遺伝子の天然のプロモーターを使用してもよい。トランス遺伝子の発現が天然の発現を模倣すべきである場合、天然のプロモーターが好ましいものであり得る。導入遺伝子の発現を、時間的若しくは発生的に、若しくは組織特異的な様式で、又は特異的な転写刺激に応答して調節しなければならない場合、天然プロモーターを使用することができる。更なる実施形態において、エンハンサーエレメント、ポリアデニル化部位、又はコザックコンセンサス配列などの他の天然発現制御エレメントはまた、天然の発現を模倣するために使用することができる。
【0074】
導入遺伝子はまた、組織特異的プロモーターに作動可能に連結された遺伝子を含み得る。例えば、骨格筋での発現が所望される場合、筋肉で活性なプロモーターが使用される必要がある。これらには、骨格bアクチン、ミオシン軽鎖2A、ジストロフィン、筋クレアチンキナーゼをコードする遺伝子由来のプロモーター、及び天然に存在するプロモーターよりも高い活性を有する合成筋肉プロモーターが含まれる(Li et al.,Nat.Biotech.,17:241-245(1999)を参照されたい)。組織特異的であるプロモーターの例は、とりわけ、肝臓(アルブミン、Miyatake et al.,J.Virol.,71:5124-32(1997)、B型肝炎ウイルスコアプロモーター(Sandig et al.,Gene Ther.,3:1002-9(1996)、アルファ-フェトプロテイン(AFP,Arbuthnot et al.,Hum.Gene Ther.,7:1503-14(1996))、骨オステオカルシン(Stein et al.,Mol.Biol.Rep.,24:185-96(1997))、骨シアロタンパク質(Chen et al.,J.Bone Miner.Res.,11:654-64(1996))、リンパ球(CD2、Hansal et al.,J.Immunol.,161:1063-8(1998)、免疫グロブリン重鎖、T細胞受容体鎖)、神経特異的エノラーゼ(NSE)プロモーターなどのニューロンプロモーター(Andersen et al.,Cell.Mol.Neurobiol.,13:503-15(1993))、神経フィラメント軽鎖遺伝子(Piccioli et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:5611-5(1991))、及びニューロン特異的vgf遺伝子(Piccioli et al.,Neuron,15:373-84(1995))について知られている。
【0075】
組換えAAVを使用して、例えば、細胞培養で目的のタンパク質をインビトロで産生することができる。例えば、AAVは、インビトロで目的のタンパク質を産生するための方法において使用することができ、本方法は、異種タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む組換えAAVを提供することと、組換えAAVを細胞培養中の細胞と接触させることと、を含み、それによって、組換えAAVが細胞において目的のタンパク質を発現する。目的のタンパク質をコードするヌクレオチド配列のサイズは変動し得る。例えば、ヌクレオチド配列は、少なくとも約0.1キロ塩基(kb)長、少なくとも約0.2kb長、少なくとも約0.3kb長長、少なくとも約0.4kb長、少なくとも約0.5kb長、少なくとも約0.6kb長、少なくとも約0.7kb長、少なくとも約0.8kb長、少なくとも約0.9kb長、少なくとも約1kb長、少なくとも約1.1kb長、少なくとも約1.2kb長、少なくとも約1.3kb長、少なくとも約1.4kb長、少なくとも約1.5kb長、少なくとも約1.6kb長、少なくとも約1.7kb長、少なくとも約1.8kb長、少なくとも約2.0kb長、少なくとも約2.2kb長、少なくとも約2.4kb長、少なくとも約2.6kb長、少なくとも約2.8kb長、少なくとも約3.0kb長、少なくとも約3.2kb長、少なくとも約3.4kb長、少なくとも約3.5kb長、少なくとも約4.0kb長、少なくとも約5.0kb長、少なくとも約6.0kb長、少なくとも約7.0kb長、少なくとも約8.0kb長、少なくとも約9.0kb長、又は少なくとも約10.0kb長であり得る。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドは少なくとも約1.4kbの長さである。
【0076】
組換えAAVを使用して、動物(例えば、哺乳動物)において目的のタンパク質をインビボで産生することができる。いくつかの実施形態は、目的のタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む組換えAAVを提供することと、組換えAAVを対象に投与し、それにより組換えAAVは対象において目的のタンパク質を発現することとを含む、目的のタンパク質をインビボで産生する方法を提供する。いくつかの実施形態において、対象は、非ヒト哺乳動物、例えば、サル、イヌ、ネコ、マウス、又はウシであることができる。目的のタンパク質をコードするヌクレオチド配列のサイズは変動し得る。例えば、ヌクレオチド配列は、少なくとも約0.1kb長、少なくとも約0.2kb長、少なくとも約0.3kb長、少なくとも約0.4kb長、少なくとも約0.5kb長、少なくとも約0.6kb長、少なくとも約0.7kb長、少なくとも約0.8kb長、少なくとも約0.9kb長、少なくとも約1kb長、少なくとも約1.1kb長、少なくとも約1.2kb長、少なくとも約1.3kb長、少なくとも約1.4kb長、少なくとも約1.5kb長、少なくとも約1.6kb長、少なくとも約1.7kb長、少なくとも約1.8kb長、少なくとも約2.0kb長、少なくとも約2.2kb長、少なくとも約2.4kb長、少なくとも約2.6kb長、少なくとも約2.8kb長、少なくとも約3.0kb長、少なくとも約3.2kb長、少なくとも約3.4kb長、少なくとも約3.5kb長、少なくとも約4.0kb長、少なくとも約5.0kb長、少なくとも約6.0kb長、少なくとも約7.0kb長、少なくとも約8.0kb長、少なくとも約9.0kb長、又は少なくとも約10.0kb長であり得る。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドは少なくとも約1.4kbの長さである。
【0077】
特に興味深いのは、様々な疾患又は障害を治療するための1つ以上の治療用タンパク質を発現するための組換えAAVの使用である。疾患の非限定的な例には、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫などの癌;並びに多発性硬化症などの自己免疫疾患が含まれる。癌腫の非限定的な例には、食道癌;肝細胞癌;基底細胞癌、扁平上皮癌(種々の組織);移行上皮癌を含む膀胱癌;気管支原性癌;結腸癌;大腸癌;胃癌;肺の小細胞癌及び非小細胞癌を含む肺癌;副腎皮質癌;甲状腺癌;膵臓癌;乳癌;卵巣癌;前立腺癌;腺癌;汗腺癌;脂腺癌;乳頭癌;乳頭腺癌;嚢胞腺癌;髄様癌;腎細胞癌;非浸潤性乳管癌又は胆管癌;絨毛癌;セミノーマ;胎児性癌;ウィルムス腫瘍;子宮頸癌;子宮癌;精巣癌;骨形成癌;上皮癌;並びに鼻咽頭癌が含まれる。肉腫の非限定的な例としては、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、脊索腫、骨原性肉腫、骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫(synovioma)、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、及び他の軟部組織肉腫が挙げられる。固形腫瘍の非限定的な例には、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、メラノーマ、神経芽細胞腫、及び網膜芽細胞腫が含まれる。白血病の非限定的な例には、慢性骨髄増殖性症候群;急性骨髄性白血病;B細胞CLL、T細胞CLL前リンパ球性白血病及び有毛細胞白血病を含む、慢性リンパ球性白血病;並びに急性リンパ芽球性白血病が含まれる。リンパ腫の例には、B細胞リンパ腫、例えば、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫などが含まれるが、これらに限定されない。
【0078】
本明細書に開示されるrAAV及び方法を使用して治療することができる疾患の他の非限定的な例としては、鎌状赤血球症、嚢胞性線維症、リソソーム酸性リパーゼ(LAL)欠損1、テイ=サックス病、フェニルケトン尿症、ムコ多糖症、糖原病(GSD、例えば、GSD I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、XI、XII、XIII、及びXIV型)、ガラクトース血症、筋ジストロフィー(例えば、デュシェンヌ筋ジストロフィー)、心筋症(例えば、肥大型心筋症、拡張型心筋症、不整脈原性右室心筋症など)、及び血友病(例えば、血友病A(古典的血友病)及び血友病B(クリスマス病))、ウィルソン病、ファブリー病、ゴーシェ病、遺伝性血管浮腫(HAE)、並びにアルファ1アンチトリプシン欠損症が挙げられる。加えて、本明細書に開示されるrAAV及び方法は、肝臓における導入遺伝子の局所発現によって、又は肝臓若しくは肝細胞からの分泌タンパク質の発現によって治療され得る他の障害を治療するために使用することができる。
【0079】
対象(例えば、対象の血清)において発現される異種タンパク質の量は変動し得る。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質は、対象の血清中に、少なくとも約9ミリグラム(mg)/mL、少なくとも約10mg/mL、少なくとも約11mg/mL、少なくとも約12mg/mL、少なくとも約13mg/mL、少なくとも約14mg/mL、少なくとも約15mg/mL、少なくとも約16mg/mL、少なくとも約17mg/mL、少なくとも約18mg/mL、少なくとも約19mg/mL、少なくとも約20mg/mL、少なくとも約21mg/mL、少なくとも約22mg/mL、少なくとも約23mg/mL、少なくとも約24mg/mL、少なくとも約25mg/mL、少なくとも約26mg/mL、少なくとも約27mg/mL、少なくとも約28mg/mL、少なくとも約29mg/mL、少なくとも約30mg/mL、少なくとも約31mg/mL、少なくとも約32mg/mL、少なくとも約33mg/mL、少なくとも約34mg/mL、少なくとも約35mg/mL、少なくとも約36mg/mL、少なくとも約37mg/mL、少なくとも約38mg/mL、少なくとも約39mg/mL、少なくとも約40mg/mL、少なくとも約41mg/mL、少なくとも約42mg/mL、少なくとも約43mg/mL、少なくとも約44mg/mL、少なくとも約45mg/mL、少なくとも約46mg/mL、少なくとも約47mg/mL、少なくとも約48mg/mL、少なくとも約49mg/mL、又は少なくとも約50mg/mLの量で発現され得る。目的のタンパク質は、対象の血清中に、約9pg/mL、約10pg/mL、約50pg/mL、約100pg/mL、約200pg/mL、約300pg/mL、約400pg/mL、約500pg/mL、約600pg/mL、約700pg/mL、約800pg/mL、約900pg/mL、約1000pg/mL、約1500pg/mL、約2000pg/mL、約2500pg/mL、又はこれらの値のうちの任意の2つの間の範囲の量で発現され得る。当業者は、目的のタンパク質が治療有効性に必要な発現レベルは、目的の特定のタンパク質及び治療を受けている対象などの非限定的な因子によって変動し得るものであり、有効量のタンパク質は、過度の実験をすることなく当該分野で既知の従来の方法を使用して当業者によって容易に決定され得ることを理解するであろう。
【0080】
アデノ随伴ウイルスの産生方法
一態様では、rAAVを調製するための方法が開示され、有効量の遷移金属を有する培地で培養するステップを含む。宿主細胞は、rAAVキャプシドを産生することができる。有効量の遷移金属は、VP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質のrAAVキャプシドへの取り込みを増加させる。あるいは、有効量の遷移金属は、rAAVキャプシドへのVP2タンパク質又はVP3タンパク質の取り込みを減少させる。
【0081】
一態様では、rAAVを調製するための方法が開示され、ナノモル濃度の遷移金属を有する培地で宿主細胞を培養するステップを含む。宿主細胞は、rAAVキャプシドを産生することができる。
【0082】
一態様では、rAAVを調製するための方法が開示され、マイクロモル濃度の遷移金属を有する培地で宿主細胞を培養するステップを含む。宿主細胞は、rAAVキャプシドを産生することができる。
【0083】
一態様では、rAAVを調製するための方法が開示され、有効量の遷移金属を有する培地で培養するステップを含む。宿主細胞は、rAAVキャプシドを産生することができる。有効量の遷移金属は、rAAVキャプシドへのVP1タンパク質及びVP3タンパク質の取り込みを増加させる。rAAVキャプシドは、同じ条件下であるが、有効量の遷移金属を欠いて産生されるrAAVキャプシドのVP1タンパク質及びVP3タンパク質の濃度よりも高いVP1タンパク質及びVP3タンパク質の濃度を有する。
【0084】
一態様では、rAAVを調製するための方法が開示され、有効量の遷移金属を有する培地で培養するステップを含む。宿主細胞は、rAAVキャプシドを産生することができる。有効量の遷移金属は、rAAVキャプシドへのVP1タンパク質の取り込みを増加させる。
【0085】
一態様では、rAAVを調製する方法が開示され、有効量のシステインプロテアーゼ阻害剤を有する培地で培養するステップを含む。宿主細胞は、rAAVキャプシドを産生することができる。有効量のシステインプロテアーゼ阻害剤は、rAAVキャプシドへのVP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質の取り込みを増加させる。あるいは、有効量のシステインプロテアーゼ阻害剤は、rAAVキャプシドへのVP2タンパク質又はVP3タンパク質の取り込みを減少させる。
【0086】
一態様では、本発明は、rAAV粒子を調製するための方法を提供し、本方法は、有効量の塩を含む培地で、AAVウイルス粒子を産生することができる宿主細胞を培養するステップを含み、AAVウイルス粒子が、VP1タンパク質を含むAAVキャプシドを含む。有効量の塩は、rAAVキャプシドへのVP1タンパク質、VP2タンパク質、又はVP3タンパク質の取り込みを増加させる。あるいは、有効量の塩は、rAAVキャプシドへのVP2タンパク質又はVP3タンパク質の取り込みを減少させる。
【0087】
様々な実施形態では、任意の態様又は実施形態に記載の方法は、rAAV産生のための1つ以上のベクターを有する宿主細胞を培養するステップを含む。他の実施形態では、rAAV産生のための1つ以上のベクターは、AAVヘルパー機能を提供する少なくとも1つの核酸分子、又は非AAVヘルパー機能を提供する少なくとも1つの核酸分子、又はAAVゲノムベクターを生成する少なくとも1つの核酸分子、又はそれらの任意の組み合わせを含む。任意の態様又は実施形態に記載の方法は、rAAVの産生を可能にする条件下で細胞を培養することを更に含む。本方法は、任意選択的に、rAAVを回収することを含む。例えば、AAVウイルス粒子は、同時形質移入の約12時間後、約24時間後、約36時間後、約48時間後、約72時間後、約96時間後、約120時間後、又はこれらいずれか2つの時点の間の時間後に、回収され得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、AAVウイルス粒子の産生のための培養物は、以下のうちの1つ以上を含む:宿主細胞、野生型若しくは変異型アデノウイルス(温度感受性アデノウイルスなど)によって提供される好適なヘルパーウイルス機能、ヘルペスウイルス、バキュロウイルス、又はヘルパー機能を提供するプラスミド構築物、AAV rep及びcap遺伝子及び遺伝子産物、AAV ITR配列に隣接する導入遺伝子(例えば、診断用及び/又は治療用導入遺伝子など)、並びにAAVウイルス粒子の産生をサポートする好適な培地及び培地成分。
【0089】
いくつかの実施形態では、昆虫細胞又は哺乳類細胞に、ヘルパープラスミド又はヘルパーウイルス、AAVcap遺伝子をコードするウイルス構築物、及びプラスミドをトランスフェクトすることができ、同時トランスフェクション後の様々な時点で、rAAV粒子を回収することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、新規のrAAVウイルス粒子は、昆虫細胞(例えば、Sf9)で産生される。いくつかの実施形態では、AAVウイルス粒子は、Rep及びCap遺伝子とともに導入遺伝子を含むAAVゲノムベクターを宿主細胞に提供することによって調製される。いくつかの実施形態では、AAVゲノムベクターは、導入遺伝子、AAV Rep遺伝子、及びAAV Cap遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、rAAVウイルス粒子は、2つ以上のベクターを宿主細胞に提供することによって調製される。例えば、いくつかの実施形態では、導入遺伝子を含むAAVゲノムベクターを、AAV Rep遺伝子及びAAV Cap遺伝子を含むベクター(例えば、プラスミド又はバキュロウイルス)とともに、細胞に導入(例えば、トランスフェクト又は形質導入)する。いくつかの実施形態では、細胞は、導入遺伝子を含むAAVゲノムベクター、AAV Rep遺伝子を含むベクター(例えば、プラスミド又はバキュロウイルス)、及びAAV Cap遺伝子を含むベクター(例えば、プラスミド又はバキュロウイルス)で、トランスフェクト又は形質導入される。
【0091】
様々な実施形態では、任意の態様又は実施形態に記載の方法は、宿主細胞をrBVで感染させるステップを含む。rBVは、Repタンパク質をコードする1つ以上の核酸分子、キャプシドタンパク質をコードする1つ以上の核酸分子、及びAAVゲノムベクターを生成する少なくとも1つの核酸分子を含む。任意の態様又は実施形態に記載の方法は、rAAVの産生を可能にする条件下で細胞を培養することを更に含む。本方法は、任意選択的に、rAAVを回収することを含む。
【0092】
AAVウイルス粒子を生成するにはいくつかの方法がある:例えば、ベクター及びAAVヘルパー配列を使用したトランスフェクションと併せて、AAVヘルパーウイルス(例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、又はワクシニアウイルス)のうちの1つによる同時感染、又は組換えAAVベクター、AAVヘルパーベクター、及びアクセサリー機能ベクターによるトランスフェクションがあるが、これらに限定されない。AAVウイルス粒子を作製する方法は、例えば、米国特許第US6204059号、同第US5756283号、同第US6258595号、同第US6261551号、同第US6270996号、同第US6281010号、同第US6365394号、同第US6475769号、同第US6482634号、同第US6485966号、同第US6943019号、同第US6953690号、同第US7022519号、同第US7238526号、同第US7291498号、及び同第US7491508号、同第US5064764号、同第US6194191号、同第US6566118号、同第US8137948、又は国際公開第WO1996/039530号、同第WO1998010088号、同第WO1999/014354号、同第WO1999/015685号、同第WO1999/047691号、同第WO2000/055342号、同第WO2000/075353号、同第WO2001/023597号、同第WO2015/191508号、同第WO2019/217513号、同第WO2018/022608号、同第WO2019/222136号、同第WO2020/232044号、同第WO2019/222132号、
Methods In Molecular Biology,ed.Richard,Humana Press,NJ(1995)、O’Reilly et al.,Baculovirus Expression Vectors,A Laboratory Manual,Oxford Univ.Press(1994)、Samulski et al.,J.Vir.63:3822-8(1989)、Kajigaya et al.,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA88:4646-50(1991)、Ruffing et al.,J.Vir.66:6922-30(1992)、Kimbauer et al.,Vir.,219:37-44(1996)、Zhao et al.,Vir.272:382-93(2000)に記載されている(これらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に援用される)。AAVウイルス粒子を生成するための方法の詳細な説明については、例えば、米国特許第6,001,650号、同第6,004,797号、及び同第9,504,762号を参照されたい(各々は、その全体が参照により本明細書に援用される)。一実施形態では、三重トランスフェクション法(例えば、米国特許第6,001,650号を参照(参照によりその全体が本明細書に援用される))を使用して、AAVウイルス粒子を産生する。この方法は、感染性ヘルパーウイルスの使用を必要とせず、検出可能なヘルパーウイルスが存在することなく、AAVウイルス粒子を産生することを可能にする。これは、AAVウイルス粒子産生のための3つのベクター(すなわち、AAVヘルパー機能ベクター、アクセサリー機能ベクター、及びAAVウイルス粒子発現ベクター)の使用によって達成される。しかしながら、当業者は、これらのベクターによってコードされる核酸配列が様々な組み合わせで2つ以上のベクター上に提供され得ることを理解するであろう。他の実施形態では、宿主細胞が、ヘルパープラスミド又はヘルパーウイルス、AAV cap遺伝子をコードするウイルス構築物及びプラスミドを形質移入され得;同時形質移入後に組換えAAVウイルス粒子が様々な時点において回収され得る。
【0093】
例えば、野生型AAV及びヘルパーウイルスを使用して、AAVウイルス粒子を産生するために必要な複製機能を提供することができる(例えば、米国特許第5,139,941号(その全体が参照により本明細書に援用される)を参照されたい。あるいは、ヘルパー機能遺伝子を含有するプラスミドを、周知のヘルパーウイルスのうちの1つによる感染と組み合わせて、複製機能の供給源として使用することができる(例えば、米国特許第5,622,856号及び同第5,139,941号を参照されたい)。同様に、アクセサリー機能遺伝子を含有するプラスミドを、野生型AAVによる感染と組み合わせて使用して、必要な複製機能を提供することができる。本明細書に記載の及び/又は当該技術分野で周知の他のアプローチはまた、AAVウイルス粒子を産生するために当業者によって用いられ得る。
【0094】
様々な実施形態では、任意の態様又は実施形態に記載の培養ステップは、少なくとも20ミリリットル(mL)、少なくとも50mL、少なくとも100mL、少なくとも500mL、少なくとも1リットル(L)、少なくとも10L、少なくとも50L、少なくとも100L、少なくとも250L、少なくとも500L、少なくとも1000L、少なくとも1500L、少なくとも2000L、又は少なくとも2500Lの体積で行われる。
【0095】
実施例では、培養ステップは、1つ又は複数のシェイクフラスコで行われ得る。様々な実施形態では、任意の態様又は実施形態に記載の培養ステップは、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mL、1L、2L、3L、4L、又は5Lの体積で行われる。他の実施形態では、培養ステップの体積は、上で提供された任意の2つの体積間の範囲である。
【0096】
他の例では、培養ステップは、1つ又は複数のバイオリアクターで行われ得る。様々な実施形態では、任意の態様又は実施形態に記載の培養ステップは、1L、2L、3L、4L、5L、6L、7L、8L、9L、10L、11L、12L、13L、14L、15L、16L、17L、18L、19L、20L、21L、22L、23L、24L、25L、26L、27L、28L、29L、30L、31L、32L、33L、34L、35L、36L、37L、38L、39L、40L、41L、42L、43L、44L、45L、46L、47L、48L、49L、50L、51L、52L、53L、54L、55L、56L、57L、58L、59L、60L、61L、62L、63L、64L、65L、66L、67L、68L、69L、70L、71L、72L、73L、74L、75L、76L、77L、78L、79L、80L、81L、82L、83L、84L、85L、86L、87L、88L、89L、90L、91L、92L、93L、94L、95L、96L、97L、98L、99L、100L、110L、120L、130L、140L、150L、160L、170L、180L、190L、200L、210L、220L、230L、240L、250L、260L、270L、280L、290L、300L、310L、320L、330L、340L、350L、360L、370L、380L、390L、400L、410L、420L、430L、440L、450L、460L、470L、480L、490L、500L、510L、520L、530L、540L、550L、560L、570L、580L、590L、600L、610L、620L、630L、640L、650L、660L、670L、680L、690L、700L、710L、720L、730L、740L、750L、760L、770L、780L、790L、800L、810L、820L、830L、840L、850L、860L、870L、880L、890L、900L、910L、920L、930L、940L、950L、960L、970L、980L、990L、1000L、
1010L、1020L、1030L、1040L、1050L、1060L、1070L、1080L、1090L、1100L、1110L、1120L、1130L、1140L、1150L、1160L、1170L、1180L、1190L、1200L、1210L、1220L、1230L、1240L、1250L、1260L、1270L、1280L、1290L、1300L、1310L、1320L、1330L、1340L、1350L、1360L、1370L、1380L、1390L、1400L、1410L、1420L、1430L、1440L、1450L、1460L、1470L、1480L、1490L、1500L、1510L、1520L、1530L、1540L、1550L、1560L、1570L、1580L、1590L、1600L、1610L、1620L、1630L、1640L、1650L、1660L、1670L、1680L、1690L、1700L、1710L、1720L、1730L、1740L、1750L、1760L、1770L、1780L、1790L、1800L、1810L、1820L、1830L、1840L、1850L、1860L、1870L、1880L、1890L、1900L、1910L、1920L、1930L、1940L、1950L、1960L、1970L、1980L、1990L、2000L、2010L、2020L、2030L、2040L、2050L、2060L、2070L、2080L、2090L、2100L、2110L、2120L、2130L、2140L、2150L、2160L、2170L、2180L、2190L、2200L、2210L、2220L、2230L、2240L、2250L、2260L、2270L、2280L、2290L、2300L、2310L、2320L、2330L、2340L、2350L、2360L、2370L、2380L、2390L、2400L、2410L、2420L、2430L、2440L、2450L、2460L、2470L、2480L、2490L、2500L、2510L、2520L、2530L、2540L、2550L、2560L、2570L、2580L、2590L、2600L、2610L、2620L、2630L、2640L、2650L、2660L、2670L、2680L、2690L、2700L、2710L、2720L、2730L、2740L、2750L、2760L、2770L、2780L、2790L、2800L、2810L、2820L、2830L、2840L、2850L、2860L、2870L、2880L、2890L、2900L、2910L、2920L、2930L、2940L、2950L、2960L、2970L、2980L、2990L、又は3000Lの量で行われる。他の実施形態では、培養ステップの量は、上で提供された任意の2つの体積間の範囲である。
【0097】
「ベクター」という用語は、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、バクミド、ミニプラスミド(例えば、細菌エレメントを含まないプラスミド)、ドギーボーンDNA(例えば、最小の閉じた線形構築物)、染色体、ウイルス、ビリオン(例えば、バキュロウイルス)などの、適切な制御エレメントを伴う場合に複製することができ、かつ細胞間で遺伝子配列を伝達することができる、任意の遺伝子エレメントを指すと理解される。本明細書で使用される場合、「昆虫細胞適合性ベクター」又は「ベクター」は、昆虫又は昆虫細胞の産生的形質転換又はトランスフェクションが可能な核酸分子を指す。例示的な生物学的ベクターとしては、プラスミド、直鎖核酸分子、及び組換えウイルスが挙げられる。任意のベクターが、昆虫細胞適合性である限り用いられ得る。ベクターは、昆虫細胞ゲノムに組み込まれ得るが、昆虫細胞中のベクターの存在は、永久的である必要はなく、一過性のエピソームベクターも含まれる。ベクターは、既知の任意の手段、例えば、細胞の化学処理、エレクトロポレーション、又は感染によって導入され得る。バキュロウイルスベクター及びその使用方法は、昆虫細胞の分子工学に関する上記引用文献に記載されている。
【0098】
細胞がrAAVベクターゲノムを生成するベクターは、プロモーターと、1つ以上の目的のタンパク質をコードするポリヌクレオチドの挿入を可能にするためのプロモーターの下流の制限部位と、を含み、プロモーター及び制限部位は、5’AAV ITRの下流及び3’AAV ITRの上流に位置する。ベクターはまた、制限部位の下流及び3’AAV ITRの上流の転写後調節エレメントを含む。ウイルス構築物は、制限部位に挿入され、プロモーターと作動可能に連結されたポリヌクレオチドを更に含み、ポリヌクレオチドが、対象となるタンパク質のコード領域を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス構築物は、対象となる1つ以上のタンパク質をコードするポリヌクレオチドの挿入を可能にするために、プロモーター及びプロモーターの制限酵素認識部位下流を更に含み、プロモーター及び制限酵素認識部位は、5’AAV ITRの下流及び3’AAV ITRの上流に位置している。いくつかの実施形態では、ウイルス構築物は、制限酵素認識部位の転写後の調節エレメント下流及び3’AAV ITRの上流を更に含む。いくつかの実施形態では、ウイルス構築物は、制限酵素認識部位で挿入され、プロモーターで動作に連結されたポリヌクレオチドを更に含み、ポリヌクレオチドは、対象となるタンパク質のコード領域を含む。当業者が認識するように、本出願に開示されているAAVベクターのうちの任意の1つは、rAAVビリオンを産生するためのウイルス構築物として、本方法において使用することができる。
【0099】
「AAVヘルパー」という語句は、増殖性AAV複製のために今度はトランスで機能するAAV遺伝子産物を提供するために発現され得るAAV由来コード配列を指す。したがって、AAVヘルパー機能には、主要なAAVオープンリーディングフレーム(ORF)であるrep及びcapの両方が含まれる。Rep発現産物は、特に以下のものを含む、多くの機能を有することが示されている:DNA複製のAAV起点の認識、結合、及びニッキング;DNAヘリカーゼ活性;並びにAAV(又は他の異種)プロモーターからの転写の調節を含む。キャプシド(Cap)発現産物は、必要なパッケージング機能を供給する。AAVヘルパー機能は、本明細書では、AAVベクターゲノムから失われたAAV機能をトランスで補完するために使用される。
【0100】
産生のために、AAVヘルパー機能を有する細胞は、キャプシドを形成するのに十分な組換えキャプシドタンパク質を産生する。これには、少なくともVP1タンパク質及びVP3タンパク質が含まれるが、より典型的には、天然AAVに見出されるVP1タンパク質、VP2タンパク質、及びVP3タンパク質の3つ全てが含まれる。キャプシドタンパク質の配列は、宿主細胞によって産生されるAAVビリオンの血清型を決定する。本発明で有用なキャプシドとしては、1、2、3、3B、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は混合血清型を含むいくつかのAAV血清型に由来するものが挙げられる(非天然混合血清型の開示については、例えば、米国特許第8318480号を参照されたい)。キャプシドタンパク質はまた、変異タンパク質、キメラタンパク質、又はシャフルタンパク質を含む、天然のVP1、VP2、及びVP3のバリアントであり得る。キャプシドタンパク質は、AAVの様々なクレード内のrh.10又は他のサブタイプのものであり得る。様々なクレード及びサブタイプは、例えば、米国特許第7,906,111号に開示されている。広範な構築物の利用可能性及び広範な特徴付けのために、以下に開示される例示的なAAVベクターは、血清型2に由来する。異なる血清型のAAVベクター及びAAVタンパク質の構築及び使用は、Chao et al.,Mol.Ther.2:619-623,2000、Davidson et al.,PNAS97:3428-3432,2000、Xiao et al.,J.Virol.72:2224-2232,1998、Halbert et al.,J.Virol.74:1524-1532,2000、Halbert et al.,J.Virol.75:6615-6624,2001、及びAuricchio et al.,Hum.Molec.Genet.10:3075-3081,2001で考察されている。
【0101】
様々な実施形態では、VPタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、好適な発現制御配列に作動可能に連結され得る。様々な実施形態では、Repタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、真核生物プロモーターなどの好適な発現制御配列に作動可能に連結され得る。例えば、ヌクレオチド配列は、真核生物プロモーターに作動可能に連結され得る。別の例では、ヌクレオチド配列は、ポリヘドリン(Polh)プロモーター、ΔIE1プロモーター、p5プロモーター、p10プロモーター、p40プロモーター、メタロチオネインプロモーター、39Kプロモーター、p6.9プロモーター、及びorf46プロモーターなどのバキュロウイルスプロモーターに作動可能に連結され得る。
【0102】
産生のために、AAVヘルパー機能を有する細胞は、rAAVの産生を促進するためのRepタンパク質を産生する。感染性粒子は、少なくとも1つの大きなRepタンパク質(Rep78又はRep68)及び少なくとも1つの小さなRepタンパク質(Rep52及びRep40)が細胞で発現される場合に産生され得ることが見出されている。特定の実施形態では、Rep78、Rep68、Rep52、及びRep40の4つ全てが発現される。あるいは、Rep78及びRep52、Rep78及びRep40、Rep68及びRep52、又はRep68及びRep40が発現される。以下の例は、Rep78/Rep52の組み合わせの使用を示す。Repタンパク質は、AAV-2又は他の血清型に由来し得る。様々な実施形態では、Repタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、好適な発現制御配列に作動可能に連結され得る。様々な実施形態では、Repタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、真核生物プロモーターなどの好適な発現制御配列に作動可能に連結され得る。例えば、ヌクレオチド配列は、真核生物プロモーターに作動可能に連結され得る。他の例では、ヌクレオチド配列は、ポリヘドリン(Polh)プロモーター、ΔIE1プロモーター、p5プロモーター、p10プロモーター、p40プロモーター、メタロチオネインプロモーター、39Kプロモーター、p6.9プロモーター、及びorf46プロモーターなどのバキュロウイルスプロモーターに作動可能に連結され得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、AAV cap遺伝子は、プラスミド又はバクミドに存在する。プラスミドは、AAV rep遺伝子を更に含み得、これは、cap遺伝子と同一の血清型に対応してもよく、又は対応していなくてもよい。任意のAAV血清型由来のcap遺伝子及び/又はrep遺伝子。
【0104】
AAVヘルパー機能を有する細胞はまた、キャプシドのアセンブリを助けるアセンブリ活性化タンパク質(AAP)を産生することができる。様々な実施形態では、AAPをコードするヌクレオチド配列は、好適な発現制御配列に作動可能に連結され得る。例えば、ヌクレオチド配列は、真核生物プロモーターに作動可能に連結され得る。他の例では、ヌクレオチド配列は、ポリヘドリン(Polh)プロモーター、ΔIE1プロモーター、p5プロモーター、p10プロモーター、p40プロモーター、メタロチオネインプロモーター、39Kプロモーター、p6.9プロモーター、及びorf46プロモーターなどのバキュロウイルスプロモーターに作動可能に連結され得る。
【0105】
「非AAVヘルパー機能」という用語は、AAVがその複製に依存する非AAV由来のウイルス機能及び/又は細胞機能を指す。したがって、この用語は、AAV遺伝子転写の活性化、ステージ特異的AAV mRNAスプライシング、AAV DNA複製、Cap発現産物の合成、及びAAVキャプシドアセンブリに関与する部分を含む、AAVの複製に必要なタンパク質及びRNAを捕捉する。ウイルスベースのアクセサリー機能は、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルス1型を除く)、及びワクシニアウイルスなどの既知のヘルパーウイルスのいずれかに由来し得る。
【0106】
「非AAVヘルパー機能ベクター」という用語は、一般に、アクセサリー機能を提供するヌクレオチド配列を含む核酸分子を指す。アクセサリー機能ベクターを、好適な宿主細胞にトランスフェクトすることができ、ベクターは、次いで、宿主細胞におけるAAVビリオンの産生をサポートすることができる。アデノウイルス、ヘルペスウイルス、又はワクシニアウイルス粒子など、自然界に存在する感染性ウイルス粒子は、この用語から明示的に除外される。したがって、アクセサリー機能ベクターは、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、又はコスミドの形態であってもよい。特に、アデノウイルス遺伝子の完全相補体は、アクセサリヘルパー機能に必要ではないことが実証されている。例えば、DNA複製及び後期遺伝子合成が不可能なアデノウイルス変異体は、AAV複製を許容することが示されている。Ito et al.,(1970)J.Gen.Virol.9:243;Ishibashi et al,(1971)Virology 45:317を参照されたい。同様に、E2B及びE3領域内の変異体は、AAV複製をサポートすることが示されており、E2B及びE3領域がアクセサリー機能の提供におそらく関与していないことが示されている。Carter et al.,(1983)Virology126:505。しかしながら、E1領域に欠陥がある、又はE4領域が欠失しているアデノウイルスは、AAV複製をサポートすることができない。したがって、E1A及びE4領域は、直接的に又は間接的にいずれかで、AAV複製に必要とされる可能性が高い。Laughlin et al.,(1982).J.Virol.41:868、Janik et al.,(1981)Proc.Natl.Acad.Sci.USA78:1925、Carter et al.,(1983)Virology126:505。その他の特徴付けられたAd変異体には、以下のものが含まれる:
E1B(Laughlin et al.(1982),上記、Janik et al.(1981),上記、Ostrove et al.、(1980)Virology104:502)、E2A(Handa et al.、(1975)J.Gen.Virol.29:239、Strauss et al.,(1976)J.Virol.17:140、Myers et al.,(1980)J.Virol.35:665、Jay et al.,(1981)Proc.Natl.Acad.Sci.USA78:2927、Myers et al.,(1981)J.Biol.Chem.256:567)、E2B(Carter,Adeno-Associated Virus Helper Functions,in I CRC Handbook of Parvoviruses(P.Tijssen ed.,1990))、E3(Carter et al.(1983),上記)、及びE4(Carter et al.(1983),上記、Carter(1995))。E1Bコード領域に変異を有するアデノウイルスによって提供されるアクセサリー機能の研究は、矛盾する結果が得られているが(Samulski et al.,(1988)J.Virol.62:206-210)、最近、E1B55kはAAVビリオン産生に必要であるが、E1B19kはそうではないことが報告された。加えて、国際公開第WO97/17458号及びMatshushita et al.,(1998)Gene Therapy5:938-945には、様々なAd遺伝子をコードするアクセサリー機能ベクターが記載されている。特に好ましいアクセサリー機能ベクターは、アデノウイルスVA RNAコード領域、アデノウイルスE4 ORF6コード領域、アデノウイルスE2A 72kDコード領域、アデノウイルスE1Aコード領域、及びインタクトのE1B55kコード領域を欠くアデノウイルスE1B領域を含む。かかるベクターは、国際公開第WO01/83797号に記載されている。
【0107】
異種タンパク質の発現のための昆虫細胞の使用は、文書により十分に裏付けられており、核酸、例えばベクター、例えば昆虫細胞適合ベクターをそのような細胞に導入する方法、及びそのような細胞を培養液中で維持する方法などである。(例えば、METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY,ed.Richard,Humana Press,N J(1995);O’Reilly et al.,BACULOVIRUS EXPRESSION VECTORS,A LABORATORY MANUAL,Oxford Univ.Press(1994)、Samulski et al.,J.Vir.(1989)vol.63,pp.3822-3828、Kajigaya et al.,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA(1991) vol.88,pp.4646-4650、Ruffing et al.,J.Vir.(1992)vol.66,pp.6922-6930、Kirnbauer et al.,Vir.(1996)vol.219,pp.37-44、Zhao et al.,Vir.(2000)vol.272,pp.382-393、及び米国特許第6,204,059号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、昆虫細胞においてAAVをコードする核酸構築物は、昆虫細胞適合性ベクターである。「発現ベクター」は、発現されるヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を含む組換えポリヌクレオチドを含むベクターを指す。発現ベクターは、発現のための十分なシス作用エレメントを含み、発現のための他のエレメントは、宿主細胞又はインビトロ発現系によって供給され得る。発現ベクターには、コスミド、プラスミド(例えば、ネイキッドであるか又はリポソームに含まれる)、人工染色体、及び組換えポリヌクレオチドを取り込むウイルスなど、当該技術分野で既知の全てのベクターが含まれる。本明細書で使用される場合、「昆虫細胞適合性ベクター」又は「ベクター」は、昆虫又は昆虫細胞の産生的形質転換又はトランスフェクションが可能な核酸分子を指す。例示的な生物学的ベクターとしては、プラスミド、直鎖核酸分子、及び組換えウイルスが挙げられる。任意のベクターが、昆虫細胞適合性である限り用いられ得る。ベクターは、昆虫細胞ゲノムに組み込まれ得るが、昆虫細胞中のベクターの存在は、永久的である必要はなく、一過性のエピソームベクターも含まれる。ベクターは、既知の任意の手段、例えば、細胞の化学処理、エレクトロポレーション、又は感染によって導入され得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、バキュロウイルス、ウイルスベクター、又はプラスミドである。より好ましい実施形態において、ベクターはバキュロウイルスであり、すなわち構築物はバキュロウイルスベクターである。バキュロウイルスベクター及びその使用方法は、昆虫細胞の分子工学に関する上記引用文献に記載されている。
【0108】
バキュロウイルスシャトルベクター又はバクミドは、バキュロウイルスを生成するために使用される。バクミドは、Escherichia coli(大腸菌)などの細菌で大きなプラスミドとして増殖する。バクミドは、昆虫細胞にトランスフェクトされた場合、バキュロウイルスを生成する。
【0109】
いくつかの実施形態では、培地は、感染又はトランスフェクション培地(例えば、AAVウイルス粒子を産生する宿主細胞が遺伝子(感染又はトランスフェクション培地)で感染又はトランスフェクトされる培地)である。
【0110】
別の実施形態では、培地は、産生培地(producer medium)(例えば、宿主細胞がAAVウイルス粒子を産生する培地)である。これらの培地には、改変イーグル培地(MEM)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を含むLife Technologiesによって製造された培地、米国特許第6,566,118号に記載されているようなカスタム組成、及び米国特許第6,723,551号に記載されているようなSf-900II SFM培地が含まれるが、これらに限定されない(これらの各々は、特に、AAVウイルス粒子の産生に使用するためのカスタム培地組成に関して、その全体が参照により本明細書に援用される)。使用することができる細胞培地の他の例としては、Sf-900III SFM(Life Technologies)、ExpiSf CD培地(Life Technologies)、Express Five SFM(Life Technologies)、IS Sf Insect(Fujifilm)、TheraPEAK(Lonza)、及びEX-CELL(登録商標)CD昆虫細胞培地(Millipore Sigma)が挙げられる。
【0111】
rAAV粒子はまた、様々な実施形態で開示される方法を使用して産生され得る。場合によっては、rAAV粒子の産生に必要な成分の一部を安定的に発現する昆虫又は哺乳動物細胞を使用することによって、rAAVが産生され得る。例えば、AAV rep及びcap遺伝子、並びにネオマイシン耐性遺伝子などの選択可能マーカーを含むプラスミド(又は複数のプラスミド)が、細胞のゲノムに組み込まれ得る。別の例では、ネオマイシン耐性遺伝子などの選択可能マーカーを含むプラスミド(又は複数のプラスミド)が、細胞のゲノムに組み込まれ得る。次いで、昆虫、真菌、又は哺乳動物細胞を、ヘルパーウイルス(例えば、ヘルパー機能を提供するアデノウイルス又はバキュロウイルス)及び5’及び3’AAV ITR(及び所望する場合、異種タンパク質をコードするヌクレオチド配列)を含むウイルスベクターに共感染させることができる。この方法の利点は、細胞が選択可能であること、及びrAAVの大量産生に適していることである。別の非限定的な例として、プラスミドではなくアデノウイルス又はバキュロウイルスを使用して、rep遺伝子及びcap遺伝子をパッケージング細胞に導入することができる。
【0112】
宿主細胞
宿主細胞は、AAVウイルス粒子の産生を可能にし、培養で維持することができる、任意の無脊椎動物又は脊椎動物の細胞型であり得る。
【0113】
一実施形態では、宿主細胞は、昆虫細胞又は哺乳動物細胞である。
【0114】
別の実施形態では、宿主細胞は、昆虫細胞である。
【0115】
いくつかの実施形態では、昆虫細胞は、Spodoptera frugiperda(例えば、Sf9、Sf21、Sf900+)、ショウジョウバエ細胞株、蚊細胞株(例えば、Aedes albopictus由来細胞株)、家蚕細胞株(例えば、Bombyxmori細胞株)、Trichoplusia ni細胞株(例えば、High Five細胞株)、又は鱗翅類細胞株(例えば、Ascalapha odorata細胞株由来)由来の細胞である。好ましい昆虫細胞は、バキュロウイルス感染に感受性の昆虫種由来の細胞であり、High Five、Sf9、Se301、SeIZD2109、SeUCR1、Sf900+、Sf21、BTI-TN-5B 1-4,MG-1、Tn368、HzAm1、BM-N、Ha2302、Hz2E5、及びAo38が含まれる。
【0116】
他の実施形態では、宿主細胞は、Sf9細胞である。
【0117】
一実施形態では、宿主細胞は、哺乳動物細胞である。
【0118】
別の実施形態では、哺乳動物細胞は、HEK293、HeLa、CHO、NSO、SP2/0、PER.C6、Vera、RD、BHK、HT1080、A549、Cos-7、ARPE-19、又はMRC-5細胞である。
【0119】
AAV血清型
表1に示されるように、特徴付けられている少なくとも13のAAV血清型がある。本発明は、これらの特定のAAV血清型を包含するが、これに限定されない。
【表1】
【0120】
AAVの一般的な情報及び概説は、例えば、Carter,1989,Handbook of Parvoviruses,Vol.1,pp.169-228、及びBerns,1990,Virology,pp.1743-1764,Raven Press,(New York)に見出すことができる。しかしながら、様々な血清型が、遺伝子レベルにおいても、構造的及び機能的の両方で非常に密接に関連していることが周知であるため、これらの同じ原理が、追加のAAV血清型に適用可能であることが十分予想される。(例えば、Blacklowe,1988,pp.165-174 of Parvoviruses and Human Disease,J.R.Pattison,ed.;and Rose,Comprehensive Virology3:1-61(1974)を参照されたい)。例えば、全てのAAV血清型は、相同rep遺伝子によって媒介される非常に類似した複製特性を明らかに呈し、これらは全て、AAV-6で発現されたものなどの3つの関連キャプシドタンパク質を有する。関連性の程度は、ゲノムの長さに沿った遺伝子型間の広範な交差ハイブリダイゼーション、及びITRに対応する末端における類似の自己アニーリングセグメントの存在を明らかにするヘテロ二本鎖分析によって更に示唆される。類似の感染性パターンは、各血清型における複製機能が類似の調節制御下にあることも示唆する。
【0121】
AAVの「rep」及び「cap」遺伝子は、それぞれ複製タンパク質及びキャプシド形成タンパク質をコードする遺伝子である。AAV rep及びcap遺伝子は、調査された全てのAAV血清型で見出されており、本明細書及び引用文献に記載されている。野生型AAVでは、rep及びcap遺伝子は概して、ウイルスゲノム内で互いに隣接して見られ(すなわち、それらは、隣接又は重複した転写単位として一緒に「結合され」ている)、それらは概して、AAV血清型間で保存される。AAV rep及びcap遺伝子はまた、個別に及び集合的に「AAVパッケージング遺伝子」と称される。本発明によるAAV cap遺伝子は、rep及びアデノヘルパー機能の存在下でAAVベクターをパッケージングすることができ、及び標的細胞受容体に結合することができるCapタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、AAV cap遺伝子は、特定のAAV血清型、例えば、表1に示される血清型に由来するか、又は哺乳類(例えば、ヒト、ヒヒ、ブタ、マーモセット、チンパンジー、若しくはマカク(例えば、アカゲザル(rhesus)(Macaca mulatta)、カニクイザル(cynomolgus)(「カニクイザル(long-tailed)」)(M.fascicularis)、若しくはブタオザル(pigtailed)(M.nemestrina))に見出されるAAVの代替キャプシドバリアント配列に由来する、アミノ酸配列を有するキャプシドタンパク質をコードする。
【0122】
AAVの産生に使用されるAAV配列は、任意のAAV血清型のゲノムに由来され得る。AAV血清型は、アミノ酸及び核酸レベルで有意な相同性のゲノム配列を有し得、類似の遺伝機能のセットを提供し、本質的に物理的及び機能的に同等であるビリオンを産生し、実質的に同一の機構によって複製及び集合する。例えば、GenBank受入番号U89790、GenBank受入番号J01901、GenBank受入番号AF043303、GenBank受入番号AF085716、Chlorini et al.,J.Vir.71:6823-33(1997)、Srivastava et al.,J.Vir.45:555-64(1983)、Chlorini et al.,J.Vir.73:1309-1319(1999)、Rutledge et al.,J.Vir.72:309-319(1998)、及びWu et al.,J.Vir.74:8635-47(2000)を参照されたい(これらは、AAV血清型のゲノム配列及び/又はゲノム類似性の考察について参照により本明細書に援用される)。
【0123】
多くの既知のAAV血清型のゲノム機構は非常に類似している。AAVのゲノムは、約5,000ヌクレオチド(nt)長未満である直鎖一本鎖DNA分子である。反転末端反復(ITR)は、非構造複製(Rep)タンパク質及び構造(VP)タンパク質に対する固有のコードヌクレオチド配列に隣接している。VPタンパク質は、キャプシドを形成する。末端の145ntは、自己相補的であり、T字形のヘアピンを形成するエネルギー的に安定した分子内二本鎖が形成され得るように組織化される。これらのヘアピン構造は、ウイルスDNA複製の起源として機能し、細胞DNAポリメラーゼ複合体のプライマーとしての役割を果たす。Rep遺伝子は、Repタンパク質であるRep78、Rep68、Rep52、及びRep40をコードする。Rep78及びRep68は、p5プロモーターから転写され、Rep52及びRep40は、p19プロモーターから転写される。cap遺伝子は、VPタンパク質であるVP1、VP2、及びVP3をコードする。cap遺伝子は、p40プロモーターから転写される。
【0124】
様々な実施形態では、AAVヘルパー機能を提供するベクターは、キャプシドタンパク質、Repタンパク質、又はAAPタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。任意のAAV血清型由来のcap遺伝子、rep遺伝子、及び/又はAAP遺伝子(AAV1(NCBI参照配列番号/Genbank受入番号NC_002077.1)、AAV2(NCBI参照配列番号/Genbank受入番号NC_001401.2)、AAV3(NCBI参照配列番号/Genbank受入番号NC_001729.1、AAV3B(NCBI参照配列番号/Genbank受入番号AF028705.1)、AAV4(NCBI参照配列番号/Genbank受入番号NC_001829.1)、AAV5(NCBI参照配列番号/Genbank受入番号NC_006152.1)、AAV6(NCBI参照配列番号/Genbank受入番号AF028704.1))、AAV7(NCBI参照配列番号/Genbank受入番号NC_006260.1)、AAV8(NCBI参照配列番号/Genbank受入番号NC_006261.1)、AAV9(NCBI参照配列番号/Genbank受入番号AX753250.1)、AAV10(NCBI参照配列番号/Genbank受入番号AY6319655.1)、AAV11(NCBI参照配列番号/Genbank受入番号AY631966.1)、AAV12(NCBI参照配列番号/Genbank受入番号DQ813647.1)、AAV13(NCBI参照配列番号/Genbank受入番号EU285562.1を含むが、これらに限定されない)は、
AAV11、AAV12、AAV13、AAV-rh.10(AAVrh10)、AAV-DJ(AAVDJ)、AAV-DJ8(AAVDJ8)、AAV-1、AAV-2、AAV-2G9、AAV-3、AAV3a、AAV3b、AAV3-3、AAV4、AAV4-4、AAV-5、AAV-6、AAV6.1、AAV6.2、AAV6.1.2、AAV-7、AAV7.2、AAV8、AAV9、AAV9.11、AAV9.13、AAV9.16、AAV9.24、AAV9.45、AAV9.47、AAV9.61、AAV9.68、AAV9.84、AAV9.9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV16.3、AAV24.1、AAV27.3、AAV42.12、AAV42-1b、AAV42-2、AAV42-3a、AAV42-3b、AAV42-4、AAV42-5a、AAV42-5b、AAV42-6b、AAV42-8、AAV42-10、AAV42-11、AAV42-12、AAV42-13、AAV42-15、AAV42-aa、AAV43-1、AAV43-12、AAV43-20、AAV43-21、AAV43-23、AAV43-25、AAV43-5、AAV44.1、AAV44.2、AAV44.5、AAV223.1、AAV223.2、AAV223.4、AAV223.5、AAV223.6、AAV223.7、AAV1-7/rh.48、AAV1-8/rh.49、AAV2-15/rh.62、AAV2-3/rh.61、AAV2-4/rh.50、AAV2-5/rh.51、AAV3.1/hu.6、AAV3.1/hu.9、AAV3-9/rh.52、AAV3-11/rh.53、AAV4-8/r11.64、AAV4-9/rh.54、AAV4-19/rh.55、AAV5-3/rh.57、AAV5-22/rh.58、AAV7.3/hu.7、AAV16.8/hu.10、AAV16.12/hu.11、AAV29.3/bb.1、AAV29.5/bb.2、AAV106.1/hu.37、AAV114.3/hu.40、AAV127.2/hu.41、AAV127.5/hu.42、AAV128.3/hu.44、AAV130.4/hu.48、AAV145.1/hu.53、AAV145.5/hu.54、AAV145.6/hu.55、AAV161.10/hu.60、AAV161.6/hu.61、AAV33.12/hu.17、AAV33.4/hu.15、AAV33.8/hu.16、AAV52/hu.19、AAV52.1/hu.20、AAV58.2/hu.25、AAVA3.3、AAVA3.4、AAVA3.5、
AAVA3.7、AAVC1、AAVC2、AAVC5、AAVF3、AAVF5、AAVH2、AAVrh.72、AAVhu.8、AAVrh.68、AAVrh.70、AAVpi.1、AAVpi.3、AAVpi.2、AAVrh.60、AAVrh.44、AAVrh.65、AAVrh.55、AAVrh.47、AAVrh.69、AAVrh.45、AAVrh.59、AAVhu.12、AAVH6、AAVLK03、AAVH-1/hu.1、AAVH-5/hu.3、AAVLG-10/rh.40、AAVLG-4/rh.38、AAVLG-9/hu.39、AAVN721-8/rh.43、AAVCh.5、AAVCh.5R1、AAVcy.2、AAVcy.3、AAVcy.4、AAVcy.5、AAVCy.5R1、AAVCy.5R2、AAVCy.5R3、AAVCy.5R4、AAVcy.6、AAVhu.1、AAVhu.2、AAVhu.3、AAVhu.4、AAVhu.5、AAVhu.6、AAVhu.7、AAVhu.9、AAVhu.10、AAVhu.11、AAVhu.13、AAVhu.15、AAVhu.16、AAVhu.17、AAVhu.18、AAVhu.20、AAVhu.21、AAVhu.22、AAVhu.23.2、AAVhu.24、AAVhu.25、AAVhu.27、AAVhu.28、AAVhu.29、AAVhu.29R、AAVhu.31、AAVhu.32、AAVhu.34、AAVhu.35、AAVhu.37、AAVhu.39、AAVhu.40、AAVhu.41、AAVhu.42、AAVhu.43、AAVhu.44、AAVhu.44R1、AAVhu.44R2、AAVhu.44R3、AAVhu.45、AAVhu.46、AAVhu.47、AAVhu.48、AAVhu.48R1、AAVhu.48R2、AAVhu.48R3、AAVhu.49、AAVhu.51、AAVhu.52、AAVhu.54、AAVhu.55、AAVhu.56、AAVhu.57、AAVhu.58、AAVhu.60、AAVhu.61、AAVhu.63、AAVhu.64、AAVhu.66、AAVhu.67、AAVhu.14/9、AAVhu.t19、AAVrh.2、AAVrh.2R、AAVrh.8、AAVrh.8R、AAVrh.12、AAVrh.13、
AAVrh.13R、AAVrh.14、AAVrh.17、AAVrh.18、AAVrh.19、AAVrh.20、AAVrh.21、AAVrh.22、AAVrh.23、AAVrh.24、AAVrh.25、AAVrh.31、AAVrh.32、AAVrh.33、AAVrh.34、AAVrh.35、AAVrh.36、AAVrh.37、AAVrh.37R2、AAVrh.38、AAVrh.39、AAVrh.40、AAVrh.46、AAVrh.48、AAVrh.48.1、AAVrh.48.1.2、AAVrh.48.2、AAVrh.49、AAVrh.51、AAVrh.52、AAVrh.53、AAVrh.54、AAVrh.56、AAVrh.57、AAVrh.58、AAVrh.61、AAVrh.64、AAVrh.64R1、AAVrh.64R2、AAVrh.67、AAVrh.73、AAVrh.74、AAVrh8R、AAVrh8RA586R変異体、AAVrh8RR533A変異体、
AAAV、BAAV、ヤギAAV、ウシAAV、AAVhE1.1、AAVhEr1.5、AAVhER1.14、AAVhEr1.8、AAVhEr1.16、AAVhEr1.18、AAVhEr1.35、AAVhEr1.7、AAVhEr1.36、AAVhEr2.29、AAVhEr2.4、AAVhEr2.16、AAVhEr2.30、AAVhEr2.31、AAVhEr2.36、AAVhER1.23、AAVhEr3.1、AAV2.5T、AAV-PAEC、AAV-LK01、AAV-LK02、AAV-LK03、AAV-LK04、AAV-LK05、AAV-LK06、AAV-LK07、AAV-LK08、AAV-LK09、AAV-LK10、AAV-LK11、AAV-LK12、AAV-LK13、AAV-LK14、AAV-LK15、AAV-LK16、AAV-LK17、AAV-LK18、AAV-LK19、AAV-PAEC2、AAV-PAEC4、AAV-PAEC6、AAV-PAEC7、AAV-PAEC8、AAV-PAEC11、AAV-PAEC12、AAV-2-プレmiRNA-101、AAV-8h、AAV-8b、AAV-h、AAV-b、AAVSM10-2、AAVシャフル100-1、AAVシャフル100-3、AAVシャフル100-7、AAVシャフル10-2、AAVシャフル10-6、AAVシャフル10-8、AAVシャフル100-2、AAVSM10-1、AAVSM10-8、AAVSM100-3、AAVSM100-10、BNP61AAV、BNP62AAV、BNP63AAV、AAVrh.50、AAVrh.43、AAVrh.62、AAVrh.48、AAVhu.19、AAVhu.11、AAVhu.53、AAV4-8/rh.64、AAVLG-9/hu.39、AAV54.5/hu.23、AAV54.2/hu.22、AAV54.7/hu.24、AAV54.1/hu.21、AAV54.4R/hu.27、AAV46.2/hu.28、AAV46.6/hu.29、AAV128.1/hu.43、トゥルータイプAAV(ttAAV)、UPENNAAV10、若しくは日本AAV10血清型、
AAV_po.6、AAV_po.、AAV_po.5、AAV_LK03、AAV_ra.1、AAV_bat_YNM、AAV_bat_Brazil、AAV_mo.1、AAV_トリ_DA-1、若しくはAAV_マウス_NY1、Bba21、Bba26、Bba27、Bba29、Bba30、Bba31、Bba32、Bba33、Bba34、Bba35、Bba36、Bba37、Bba38、Bba41、Bba42、Bba43、Bba44、Bce14、Bce15、Bce16、Bce17、Bce18、Bce20、Bce35、Bce36、Bce39、Bce40、Bce41、Bce42、Bce43、Bce44、Bce45、Bce46、Bey20、Bey22、Bey23、Bma42、Bma43、Bpo1、Bpo2、Bpo3、Bpo4、Bpo6、Bpo8、Bpo13、Bpo18、Bpo20、Bpo23、Bpo24、Bpo27、Bpo28、Bpo29、Bpo33、Bpo35、Bpo36、Bpo37、Brh26、Brh27、Brh28、Brh29、Brh30、Brh31、Brh32、Brh33、Bfm17、Bfm18、Bfm20、Bfm21、Bfm24、Bfm25、Bfm27、Bfm32、Bfm33、Bfm34、Bfm35、AAV-rh10、AAV-rh39、AAV-rh43、AAVanc80L65、又はそれらの任意のバリアントは、組換えAAVを産生するために本明細書で使用することができる。例示的なキャプシドは、国際出願第WO2018/022608号及び同第WO2019/222136号にも提供されている(これらは、その全体が本明細書に援用される)。上で提供された各NCBI参照配列番号又はGenbank受託番号も、参照により本明細書に援用される。いくつかの実施形態では、AAV cap遺伝子は、血清型1、血清型2、血清型3,血清型3B、血清型4、血清型5、血清型6、血清型7、血清型8、血清型9、血清型10、血清型11、血清型12、血清型13、又はこれらのバリアントからのキャプシドをコードする。
【0125】
キャプシド、Rep、及びAAP遺伝子に加えて、実施形態は、ヘルパータンパク質を発現する外因性ポリヌクレオチドを含む。限定されないが、様々な組み合わせで宿主細胞で発現され得るヘルパー遺伝子産物としては、Spodoptera frugiperda FKBP46、ヒトFKBP52、アデノウイルスE1A、E1B、E2A、E4、及びVA、単純ヘルペスウイルスUL29、UL30、UL42、Ul5、UL8、UL52、及びUL9が挙げられる。一実施形態では、細胞は、少なくとも1つのイムノフィリン類似体(すなわち、イムノフィリン又は類似のタンパク質)及び少なくとも1つのヘルパーウイルス遺伝子産物を発現する。
【0126】
いくつかの実施形態では、3つのAAVキャプシドタンパク質(すなわち、VP1、VP2、及びVP3)は、転写産物の選択的mRNAスプライシング及び選択的翻訳開始コドン使用頻度を使用して、capオープンリーディングフレーム(ORF)から重複した様式で産生される。例えば、VP1は、mRNA上のATG開始コドン(アミノ酸M1)から翻訳され得るが、VP2及びVP3は、より短いmRNAから生じ得、例えば、VP2の産生については異なる開始コドンを使用して、VP3の産生については次の利用可能な開始コドンまでリードスルー翻訳を使用することができる。
【0127】
Capタンパク質は、VP1及びVP3、又はVP1、VP2、及びVP3であり得る。VP1遺伝子、VP2遺伝子、又はVP3遺伝子は、AAV血清型AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、AAV-rh.10(AAVrh10)、AAV-DJ(AAVDJ)、AAV-DJ8(AAVDJ8)、AAV-1、AAV-2、AAV-2G9、AAV-3、AAV3a、AAV3b、AAV3-3、AAV4、AAV4-4、AAV-5、AAV-6、AAV6.1、AAV6.2、AAV6.1.2、AAV-7、AAV7.2、AAV8、AAV9、AAV9.11、AAV9.13、AAV9.16、AAV9.24、AAV9.45、AAV9.47、AAV9.61、AAV9.68、AAV9.84、AAV9.9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV16.3、AAV24.1、AAV27.3、AAV42.12、AAV42-1b、AAV42-2、AAV42-3a、AAV42-3b、AAV42-4、AAV42-5a、AAV42-5b、AAV42-6b、AAV42-8、AAV42-10、AAV42-11、AAV42-12、AAV42-13、AAV42-15、AAV42-aa、AAV43-1、AAV43-12、AAV43-20、AAV43-21、AAV43-23、AAV43-25、AAV43-5、AAV44.1、AAV44.2、AAV44.5、AAV223.1、AAV223.2、AAV223.4、AAV223.5、AAV223.6、AAV223.7、AAV1-7/rh.48、AAV1-8/rh.49、AAV2-15/rh.62、AAV2-3/rh.61、AAV2-4/rh.50、AAV2-5/rh.51、AAV3.1/hu.6、AAV3.1/hu.9、AAV3-9/rh.52、AAV3-11/rh.53、AAV4-8/r11.64、AAV4-9/rh.54、AAV4-19/rh.55、
AAV5-3/rh.57、AAV5-22/rh.58、AAV7.3/hu.7、AAV16.8/hu.10、AAV16.12/hu.11、AAV29.3/bb.1、AAV29.5/bb.2、AAV106.1/hu.37、AAV114.3/hu.40、AAV127.2/hu.41、AAV127.5/hu.42、AAV128.3/hu.44、AAV130.4/hu.48、AAV145.1/hu.53、AAV145.5/hu.54、AAV145.6/hu.55、AAV161.10/hu.60、AAV161.6/hu.61、AAV33.12/hu.17、AAV33.4/hu.15、AAV33.8/hu.16、AAV52/hu.19、AAV52.1/hu.20、AAV58.2/hu.25、AAVA3.3、AAVA3.4、AAVA3.5、AAVA3.7、AAVC1、AAVC2、AAVC5、AAVF3、AAVF5、AAVH2、AAVrh.72、AAVhu.8、AAVrh.68、AAVrh.70、AAVpi.1、AAVpi.3、AAVpi.2、AAVrh.60、AAVrh.44、AAVrh.65、AAVrh.55、AAVrh.47、AAVrh.69、AAVrh.45、AAVrh.59、AAVhu.12、AAVH6、AAVLK03、AAVH-1/hu.1、AAVH-5/hu.3、AAVLG-10/rh.40、AAVLG-4/rh.38、AAVLG-9/hu.39、AAVN721-8/rh.43、AAVCh.5、AAVCh.5R1、AAVcy.2、AAVcy.3、AAVcy.4、AAVcy.5、AAVCy.5R1、AAVCy.5R2、AAVCy.5R3、AAVCy.5R4、AAVcy.6、AAVhu.1、AAVhu.2、AAVhu.3、AAVhu.4、AAVhu.5、AAVhu.6、AAVhu.7、AAVhu.9、AAVhu.10、AAVhu.11、AAVhu.13、AAVhu.15、AAVhu.16、AAVhu.17、AAVhu.18、AAVhu.20、AAVhu.21、AAVhu.22、AAVhu.23.2、AAVhu.24、
AAVhu.25、AAVhu.27、AAVhu.28、AAVhu.29、AAVhu.29R、AAVhu.31、AAVhu.32、AAVhu.34、AAVhu.35、AAVhu.37、AAVhu.39、AAVhu.40、AAVhu.41、AAVhu.42、AAVhu.43、AAVhu.44、AAVhu.44R1、AAVhu.44R2、AAVhu.44R3、AAVhu.45、AAVhu.46、AAVhu.47、AAVhu.48、AAVhu.48R1、AAVhu.48R2、AAVhu.48R3、AAVhu.49、AAVhu.51、AAVhu.52、AAVhu.54、AAVhu.55、AAVhu.56、AAVhu.57、AAVhu.58、AAVhu.60、AAVhu.61、AAVhu.63、AAVhu.64、AAVhu.66、AAVhu.67、AAVhu.14/9、AAVhu.t19、AAVrh.2、AAVrh.2R、AAVrh.8、AAVrh.8R、AAVrh.12、AAVrh.13、AAVrh.13R、AAVrh.14、AAVrh.17、AAVrh.18、AAVrh.19、AAVrh.20、AAVrh.21、AAVrh.22、AAVrh.23、AAVrh.24、AAVrh.25、AAVrh.31、AAVrh.32、AAVrh.33、AAVrh.34、AAVrh.35、AAVrh.36、AAVrh.37、AAVrh.37R2、AAVrh.38、AAVrh.39、AAVrh.40、AAVrh.46、AAVrh.48、AAVrh.48.1、AAVrh.48.1.2、AAVrh.48.2、AAVrh.49、AAVrh.51、AAVrh.52、AAVrh.53、AAVrh.54、AAVrh.56、AAVrh.57、AAVrh.58、AAVrh.61、AAVrh.64、AAVrh.64R1、AAVrh.64R2、AAVrh.67、AAVrh.73、AAVrh.74、AAVrh8R、AAVrh8RA586R変異体、AAVrh8RR533A変異体、
AAAV、BAAV、ヤギAAV、ウシAAV、AAVhE1.1、AAVhEr1.5、AAVhER1.14、AAVhEr1.8、AAVhEr1.16、AAVhEr1.18、AAVhEr1.35、AAVhEr1.7、AAVhEr1.36、AAVhEr2.29、AAVhEr2.4、AAVhEr2.16、AAVhEr2.30、AAVhEr2.31、AAVhEr2.36、AAVhER1.23、AAVhEr3.1、AAV2.5T、AAV-PAEC、AAV-LK01、AAV-LK02、AAV-LK03、AAV-LK04、AAV-LK05、AAV-LK06、AAV-LK07、AAV-LK08、AAV-LK09、AAV-LK10、AAV-LK11、AAV-LK12、AAV-LK13、AAV-LK14、AAV-LK15、AAV-LK16、AAV-LK17、AAV-LK18、AAV-LK19、AAV-PAEC2、AAV-PAEC4、AAV-PAEC6、AAV-PAEC7、AAV-PAEC8、AAV-PAEC11、AAV-PAEC12、AAV-2-プレmiRNA-101、AAV-8h、AAV-8b、AAV-h、AAV-b、AAVSM10-2、AAVシャフル100-1、AAVシャフル100-3、AAVシャフル100-7、AAVシャフル10-2、AAVシャフル10-6、AAVシャフル10-8、AAVシャフル100-2、AAVSM10-1、AAVSM10-8、AAVSM100-3、AAVSM100-10、BNP61AAV、BNP62AAV、BNP63AAV、AAVrh.50、AAVrh.43、AAVrh.62、AAVrh.48、AAVhu.19、AAVhu.11、AAVhu.53、AAV4-8/rh.64、AAVLG-9/hu.39、AAV54.5/hu.23、AAV54.2/hu.22、AAV54.7/hu.24、AAV54.1/hu.21、AAV54.4R/hu.27、AAV46.2/hu.28、AAV46.6/hu.29、AAV128.1/hu.43、トゥルータイプAAV(ttAAV)、UPENNAAV10、若しくは日本AAV10血清型、
AAV_po.6、AAV_po.、AAV_po.5、AAV_LK03、AAV_ra.1、AAV_bat_YNM、AAV_bat_Brazil、AAV_mo.1、AAV_トリ_DA-1、若しくはAAV_マウス_NY1、Bba21、Bba26、Bba27、Bba29、Bba30、Bba31、Bba32、Bba33、Bba34、Bba35、Bba36、Bba37、Bba38、Bba41、Bba42、Bba43、Bba44、Bce14、Bce15、Bce16、Bce17、Bce18、Bce20、Bce35、Bce36、Bce39、Bce40、Bce41、Bce42、Bce43、Bce44、Bce45、Bce46、Bey20、Bey22、Bey23、Bma42、Bma43、Bpo1、Bpo2、Bpo3、Bpo4、Bpo6、Bpo8、Bpo13、Bpo18、Bpo20、Bpo23、Bpo24、Bpo27、Bpo28、Bpo29、Bpo33、Bpo35、Bpo36、Bpo37、Brh26、Brh27、Brh28、Brh29、Brh30、Brh31、Brh32、Brh33、Bfm17、Bfm18、Bfm20、Bfm21、Bfm24、Bfm25、Bfm27、Bfm32、Bfm33、Bfm34、Bfm35、AAV-rh10、AAV-rh39、AAV-rh43、又はAAVanc80L65のキャプシドタンパク質を発現することができる。別の実施形態では、VP1遺伝子、VP2遺伝子、又はVP3遺伝子は、混合血清型のキャプシドを発現するが、VP1遺伝子、VP2遺伝子、及びVP3遺伝子が全て同じ血清型に由来するわけではない。例示的なキャプシドは、国際出願第WO2018/022608号(その全体が本明細書に援用される)に提供される。
【0128】
例えば、野生型AAV血清型5(AAV-5)のVP1タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号1に示されている(開始メチオニンなしで示されている)。
【0129】
SFVDHPPDWGLREFLGLEALEEVGPPKGEPKPNQQHQDQARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLEAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEGAKTAPTGKRIDDHFPKRKKARTEEDSKPSTSSDAEAGPSGSQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGGPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVVTKSTRTWVLPSYNNHQYREIKSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLINNYWGFRPRSLRVKIFNIQVKEVTVQDSTTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVVGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRDNTENPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNNFEFTYNFEEVPFHSSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTNNTGGVQFNKNLAGRYANTYKNWFPGPMGRTQGWNLGSGVNRASVSAFATTNRMELEGASYQVPPQPNGMTNNLQGSNTYALENTMIFNSQPANPGTTATYLEGNMLITSESETQPVNRVAYNVGGQMATNNQSSTTAPATGTYNLQEIVPGSVWMERDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPGNITSFSDVPVSSFITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNDPQFVDFAPDSTGEYRTTRPIGTRYLTRPL(配列番号1)。
【0130】
いくつかの実施形態では、(AAVウイルス粒子のキャプシドの)VP1タンパク質、VP2タンパク質、及び/又はVP3タンパク質は、WO2018/022608又は米国特許第9,737,618号によって開示されているアミノ酸配列を有する。
【0131】
他の実施形態では、(AAVウイルス粒子のキャプシドの)VP1タンパク質、VP2タンパク質、及び/又はVP3タンパク質は、例えば、ヒヒ、ブタ、マーモセット、チンパンジー、又はマカクに見出されるAAVのキャプシドタンパク質のアミノ酸配列を有し、AAVウイルス粒子は、VP1タンパク質、VP2タンパク質、及び/又はVP3タンパク質でシュードタイプ化される。
【0132】
一実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba21として示される)は、配列番号2のアミノ酸配列(アミノ酸1~742)を含むか、又は配列番号2のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号2のアミノ酸138~742に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号2のアミノ酸206~742に及ぶ。
【0133】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQDNARGLVLPGYKYLGPGNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKSGDNPYLKYNHADAEFQQRLATDTSFGGNLGKAVFQAKKRILEPLGLVEEGVKTAPGKKRPLEKTPNRPTNPDSGKAPAKKKQKDGETADSARRTLDFEDSGAGDGPPEGSSSGEMSHDAEMRAAPGGNAVEAGQGADGVGNASGDWHCDSTWSEGRVTTTSTRTWVLPTYNNHLYLRIGTTANSNTYNGFSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGLRPKSMRVKIFNIQVKEVTTSNGETTVANNLTSTVQIFADSTYELPYVMDAGQEGSLPPFPNDVFMVPQYGYCGVVTGENQNQTDRNAFYCLEYFPSQMLRTGNNFEVSYQFEKVPFHSMYAHSQSLDRMMNPLLDQYLWHPQSTTTGNSLNQGTATTTYGKITTGDFAYYRKNWLPGACIKQQKFSKNASQNYKIPASGGDALLKYDTHTTSNGRWSNMAPGPPMATAGAGDSDFSNSQLIFAGPNQSGNTTTSSNNLLFTSEEEIATTNPRDTDMFGQIADNNQNATTAPHIANLDAMGIVPGMVWQNRDIYYLGPIWAKVPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQIFIKNTPVPANPNTTFSAARINSFLTQYSTGQVAVQIDWEIQKEHSKRWDPEVQFTSNYGTQNSMLWAPDNAGNYHEPRAIGSRFLTHHL(配列番号2)。
【0134】
別の実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba26として示される)は、配列番号3のアミノ酸配列(アミノ酸1~739)を含むか、又は配列番号3のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号3のアミノ酸138~739に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号3のアミノ酸206~739に及ぶ。
【0135】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQGNSRGLVLPGYKYLGLFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDKQLEQGDDPYLKYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRILEPLGLVEEAAKTAPGKKRPLEKTPNQPTDTQAAGQTPAKKRPQGEQSGDSARRQLDFGPQPAAPIGQPPAAPPPVGSNTMASGGGGPMADDNQGADGVGNASGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWVLPTYNNHIYKQISSESGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKIFNVQVKEVTQIEGGSTIANNLTSTIQVFADSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFESVPFHSSYAHSQSLDRIMNPLVDQYLYYLARTQTGTGSTTSNTRQLQFYQAGPSNMADQSRNWLPGPMYRQQRVSKTLDQNSNTNFAWTAASKYNLNGRKSLANPGIAMATHKDDEERFFPQHGVLVFGQTNATNKTTLDNVLVTSEEEIKATNPVATEEYGTVSSNLQASNTNPTTETVNNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTTSKFASYITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYAKSNNVEFSVDAAGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号3)。
【0136】
いくつかの実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba27として示される)は、配列番号4のアミノ酸配列(アミノ酸1~739)を含むか、又は配列番号4のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号4のアミノ酸138~739に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号4のアミノ酸206~739に及ぶ。
【0137】
VAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQDNSRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDKQLEQGDNPYLKYNHADAELQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRILEPLGLVEEAAKTAPGKKRPLEKTPNQPTDTQAAGQTPAKKRPQGEQSGDSARRQLDFDPQPAAPIGQPPAAPPPVGSNTMASGGGGPMADDNQGADGVGNASGNWHRDSTWLGDRVITTSTRTWVLPTYNNHIYKQISSESGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKIFNIQVKEVTQIEGGSTIANNLTSTIQVFADSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFESVPFHSSYAHSQSLDRIMNPLVDQYLYYLARTQTGTGSTTSNTRQLQFYQAGPSNMADQSRNWLPGPMYRQQRVSKTLDQNSNTNFAWTAASKYNLNGRKSLANPGIAMATHKDDEERFFPQHGVLVFGQTNATNKTTLDNVLITSEEEIKATNPVATEEYGTVSSNLQASNTNPTTETVNSQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTTSKFASYITQYSTGQVSVEIEWELQKENGKRWNPEIQYTSNYAKSNNVEFSVDAAGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号4)。
【0138】
他の実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba29として示される)は、配列番号5のアミノ酸配列(アミノ酸1~739)を含むか、又は配列番号5のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号5のアミノ酸138~739に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号5のアミノ酸206~739に及ぶ。
【0139】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQDNSRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDKQLEQGDNPYLKYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRILEPLGLVEEAAKTAPGKRRPLEKTPNQPTDTQAAGQTPAKKRPQGEQSGDSARRQLDFDPQPAAPIGQPPAAPSPVGSNTMASGGGGPMADDNQGADGVGNASGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWVLPTYNNHIYKQISSESGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKIFNIQVKEVTQIEGGSTIANNLTSTIQVFADSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFESVPFHSSYAHSQSLDRIMNPLVDQCLYYLARTQTGTGSTTSNTRQLQFYQAGPSNMADQSRNWLPGPMYRQQRVSKTLDQNSNTNFAWTAASKYNLNGRKSLANPGIAMATHKDDEERFFPQHGVLVFGQTNATNKTTLDNVLITSEEEIKATNPVATEEYGTVSSNLQASNTNPTTETVNNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTTSKFASYITQYSTGQVSVEIEWELQKEDSKRWNPEIQYTSNYAKSNNVEFSVDAAGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号5)。
【0140】
他の実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba30として示される)は、配列番号6のアミノ酸配列(アミノ酸1~739)を含むか、又は配列番号6のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号6のアミノ酸138~739に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号6のアミノ酸206~739に及ぶ。
【0141】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQDNSRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDKQLEQGDNPYLKYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRILEPLGLVEEAAKTAPGKKRPLEKTPNQPTDTQAAGQTPAKKRPQGGQSGDSARRQLDFDPQPAAPIGQPPAAPSPVGSNTMASGGGGPMADDNQGADGVGNASGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWVLPTYNNHIYKQISSESGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKIFNIQVKEVTQIEGGSTIANNLTSTIQVFADSEYLLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFESVPFHSSYAHSQSLDRIMNPLVDQYLYYLARTQTGTGSTTSNTRQLQFYQAGPSNMADQSRNWLPGPMYRQQRVSKTLDQNSNTNFAWTAASKYNLNGRKSLANPGIAMATHKDDEERFFPQHGVLVFGQTNATNKTTLDNVLITSEEEIKATNPVATEEYGTVSSNLQASNTNPTTETVNNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTTSKFASYITQYSTGQVSVEIEWELQKEDSKRWNPEIQYTSNYAKSNNVEFSVDAAGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号6)。
【0142】
一実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba31として示される)は、配列番号7のアミノ酸配列(アミノ酸1~742)を含むか、又は配列番号7のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号7のアミノ酸138~742に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号7のアミノ酸206~742に及ぶ。
【0143】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQDNARGLVLPGYKYLGPGNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKSGDNPYLKYNHADAEFQQRLATDTSFGGNLGKAVFQAKKRILEPLGLVEEGVKTAPGKKHPLEKTPNRPTNPDSGKAPAKKKQKDGETADSARRTLDFEDSGAGDGPPEGSSSGEMSHDAEMRAAPGGNAVEAGQGADGVGNASGDWHCGSTWSEGRVTTTSTRTWVLPTYNNHLYLRIGTTANSNTYNGFSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGLRPKSMRVKIFNIQVKEVTTSNGETTVANNLTSTVQIFADSTYELPYVMDAGQEGSLPPFPNDVFMVPQYGYCGVVTGENQNQTDRNAFYCLECFPSQMLRTGNNFEISYQFEKVPFHSMYAHSQSLDRMMNPLLDQYLWHLQSTTTGNSLNQGTATTTYGKITTGDFAYYRKNWLPGACIKQQKFSKNASQNYKIPASGGDALLKYDTHTTLNGRWSNMAPGPPMATAGAGDSDFSNSQLIFAGPNQSGNTTTSSNNLLFTSEEEIAATNPRDTDMFGQIADNNQNATTAPHIANLDAMGIVPGMVWQNRDIYYQGPIWAKVPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQIFIKNTPVPANPNTTFSAARINSFLTQYSTGQVAVQIDWEIQKEHSKRWNPEVQFTSNYGTQNSMLWAPDNAGNYHEPRAIGSRFLTHHL(配列番号7)。
【0144】
別の実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba32として示される)は、配列番号8のアミノ酸配列(アミノ酸1~742)を含むか、又は配列番号8のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号8のアミノ酸138~742に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号8のアミノ酸206~742に及ぶ。
【0145】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQDNARGLVLPGYKYLGPGNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKSGDNPYLKYNHADAEFQQRLATDTSFGGNLGKAVFQAKKRILEPLGLVEEGVKTAPGKKRPLEKTPNRPTNPDSGKAPAKKKQKDGETADSARRTLDFEDSGAGDGPPEGSSSGEMSHDAEMRAAPGGNAVEAGQGADGVGNASGGWHCDSTWSEGRVTTTSTRTWVLPTYNNHLYLRIGTTANSNTYNGFSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGLRPKSMRVKIFNIQVKEVTTSNGETTVANNLTSTVQIFADSTYELPYVMDAGQEGSLPPFPNDVFMVPQYGYCGVVTGENQNQTDRNAFYCLEYFPSQMLRTGNNFEISYQFEKVPFHSMYAHSQSLDRMMNPLLDQYLWHLQSTTTGNSLNQGTATTTYGKITTGDFAYYRKNWLPGACIKQQKFSKNASQNYKIPASGGDALLKYDTHTTLNGRWSSMAPGPPMATAGAGDSDFSNSQLIFAGPNQSGNTTTSSNNLLFTSEEEIATTNPRDTDMFGQIADNNQNATTAPHIANLDAMGIVPGMVWQNRDIYYQGPIWAKVPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQIFIKNTPVPANPNTTFSAARINSFLTQYSTGQVAVQIDWEIQKEHSKRWNPEVQFTSNYGTQNSMLWAPGNAGNHHEPRAIGSRFLTHHL(配列番号8)。
【0146】
いくつかの実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba33として示される)は、配列番号9のアミノ酸配列(アミノ酸1~742)を含むか、又は配列番号9のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号9のアミノ酸138~742に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号9のアミノ酸206~742に及ぶ。
【0147】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQDNARGLVLPGYKYLGPGNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKSGDNPYLKYNHADAEFQQRLATDTSFGGNLGKAVFQAKKRILEPLGLVEEGVKTAPGKKRPLEKTPNRPTNPDSGRAPAKKKQKDGETADSARRTLDFEDSGAGDGPPEGSSSGEMSHDAEMRAAPGGNAVEAGQGADGVGNASGDWHCDSTWSEGRVTTTSTRTWVLPTYNNHLYLRIGTTANSNTYNGFSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGLRPKSMRVKIFNIQVKEVTTSNGETTVANNLTSTVQIFADSTYELPYVMDAGQEGSLPPFPNDVFMVPQYGYCGVVTGENQNQTDRNAFYCLEYFPSQMLRTGNNFEISYQFEKVPFHSMYAHSQSLDRMMNPLLDQYLWHLQSTTTGNSLNQGTATTTYGKITTGDFAYYRKNWLPGACIKQQKFSKNASQNYKIPASGGDALLKYDTHTTLNGRWSNMAPGPPMATAGAGDSDFSNSQLIFAGPNQSGNTTTSSNNLLLTSEEEIATTNPRDTDMFGQIADNNQNATTAPHIANLDAMGIVPGMVWQNRDIYYQGPIWAKVPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQIFIKNTPVPANPNTTFSAARINSFLTQYSTGQVAVQIDWEIQKEHSKRWNPEVQFTSNYGTQNSMLWAPGNAGNYHEPRAIGSRFLTHHL(配列番号9)。
【0148】
他の実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba34として示される)は、配列番号10のアミノ酸配列(アミノ酸1~739)を含むか、又は配列番号10のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号10のアミノ酸138~739に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号10のアミノ酸206~739に及ぶ。
【0149】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQDNSRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDKQLEQGDNPYLKYNHADAEFQERLQEDTSFGGILGRAVFQAKKRILEPLGLVEEAAKTAPGKKRPLEKTPNQPTDTQAAGQTPAKKRPQGEQSGDSARRQLDFDPQPAAPIGQPPAAPSPVGSNTMASGGGGPMADDNQGADGVGNASGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWVLPTYNNHIYKQISSESGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKIFNIQVKEVTQIEGGSTIANNLTSTIQVFADSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFESVPFHSSYAHSQSLDRIMNPLVDQYLYYLARTQTGTGSTTSNTRQLQFYQAGPSNMADQSRNWLPGPMYRQQRVSKTLDQNSNTNFAWTAASKYNLNGRKSLVNPGIAMATHKDDEERFFPQHGVLVFGKTNATNKTTLENVLVTDEEEVKATNPVATEEYGTVSSNLQSNTTNPTTETVNNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTTSKFASYITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYAKSNNVEFSADAAGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号10)。
【0150】
一実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba35として示される)は、配列番号11のアミノ酸配列(アミノ酸1~739)を含むか、又は配列番号11のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号11のアミノ酸138~739に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号11のアミノ酸206~739に及ぶ。
【0151】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQDNSRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDKQLEQGDNPYLKYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRILEPLGLVEEVAKTAPGKKRPLEKTPNQPTDTQAAGQTPAKKRPQGEQSGDSARRQLDFDPQPAAPIGQPPAAPSPVGSNTMASGGGGPMADDNQGADGVGNASGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWVLPTYNNHIYKQISSESGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKIFNIQVKEVTQIEGGSTIANNLTSTIQVFADSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFESVPFHSSYAHSQSLDRIMNPLVDQYLYYLARTQTGTGSTTSNTRQLQFYQAGPSNMADQSRNWLPGPMYRQQRVSKTLDQNSNTNFAWTAASKYNLNGRKSLANPGIAMATHKDDEERFFPQHRVLVFGQTNATNKTTLDNVLITSEEEIKATNPVATEEYGTVSSNLQASNTDPTTETVNNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWVKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTTSKFASYTTQYSTGQVSVEIEWGLQKENSKRWNPEIQYTSNYAKSNNVEFSVDAAGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号11)。
【0152】
別の実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba36として示される)は、配列番号12のアミノ酸配列(アミノ酸1~739)を含むか、又は配列番号12のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号12のアミノ酸138~739に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号12のアミノ酸206~739に及ぶ。
【0153】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQDNSRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEAYAAALEHDKAYDKQLEQGDNPYLKYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRIPEPLGLVEEAAKTAPGKKRPLEKTPNQPTDTQAAGQTPAKKRPQGEQSGDSARRQLDFDPQPAAPIGQPPAAPSPVGSNTMASGGGGPMADDNQGADGVGNASGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWVLPTYNNHIYKQISSESGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKIFNIQVKEVTQIEGGSTIANNLTSTIQVFADSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRPSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFESVPFHSSYAHSQSLDRIMNPLVDQYLYYLARTQTGTGSTTSNTRQLQFYQAGPSNMADQSRNWLPGPMYRQQRVSKTLDQNSNTNFAWTAASKYNLNGRKSLANPGIAMATHKDDEERFFPQHGVLVFGQTNATNKTTLDNVLITSEEEIKATNPVATEEYGTVSSNLQASNTNPTTETVNNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTTSKFASYITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYAKSNNVEFSVDAAGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号12)。
【0154】
いくつかの実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba37として示される)は、配列番号13のアミノ酸配列(アミノ酸1~739)を含むか、又は配列番号13のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号13のアミノ酸138~739に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号13のアミノ酸206~739に及ぶ。
【0155】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQDNSRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDKQLEQGDNPYLKYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRILEPLGLVEEAAETAPGKKRPLEKTPNQPTDTQAAGQTPAKKRPQGEQSGDSARRQLDFDPQPAAPIGQPPAAPSPVGSNTMASGGGGPMADDNQGADGVGNASGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWVLPTYNNHIYKQISSESGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKIFNIQVKEVTQTEGGSTIANNLTSTIQVFADSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFESVPFHSSYAHSQSLDRIINPLVDQYLYYLARTQTGTGSTTSNTRQLQFYQAGPSNMADQSRNWLPGPMYRQQRVSKTLDQNSNTNFAWTAASKYNLNGRKSLANPGIAMATHKDDEERFFPQHGVLVFGQTNATNKTTLDNVLITSEEEIKATNPVATEEYGTVSSNLQASNTNPTTETVNNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTTSKFASYITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYAKSNNVEFSVDAAGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号13)。
【0156】
他の実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba38として示される)は、配列番号14のアミノ酸配列(アミノ酸1~739)を含むか、又は配列番号14のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号14のアミノ酸138~739に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号14のアミノ酸206~739に及ぶ。
【0157】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIRGWWALKPGAPQPKANQQHQDNSRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDKQLEQGDNPCLKYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRILEPLGLVEEAAKTAPGKKRPLEKTPNQPTDTQAAGQTPAKKRPQGEQSGDSARRQLDFDPQPAAPIGQPPAAPSPVGSNTMASGGGGPMADDNQGADGVGNASGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWVLPTYNNHIYKQISSESGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKIFNIQVKEVTQIEGGSTIANNLTSTIQVFADSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFESVPFHSSYAHSQSLDRIMNPLVDQYLYYLARTQTGTGSTTSNTRQLQFYQAGPSNMADQSRNWLPGPMYRQQRVSKTLDQNSNTNFAWTAASKYNLNGRKSLANPGIAMATHKDDEERFFPQHGVLVFGQTNATNKTTLDNVLITSEEEIKATNPVATEEYGTVSSNLQASNTNPTTETVNNQGILPGMVWQDRDVYLQGPTWAKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTTSKFASYITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYAKSNNVEFSVDAAGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号14)。
【0158】
一実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba41として示される)は、配列番号15のアミノ酸配列(アミノ酸1~739)を含むか、又は配列番号15のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号15のアミノ酸138~739に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号15のアミノ酸206~739に及ぶ。
【0159】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQDNSRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDKQLEQGDNPYLKYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRILEPLGLVEEAAKTAPGKKRPLEKTPNQPTDTQAAGQTPAKKRPQGEQSGDSARRQLDFDPQPAAPIGQPPAAPSPVGSNTMASGGGGPMADDNQGADGVGNASGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWVLPTYNNHIYKQISSESGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKIFNIQVKEVTQIEGGSTIANNLTSTIQVFADSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNSFQFSYTFESVPFHSSYAHSQSLDRIMNPLVDQYLYYLARTQTGTGSTTSNTRQLQFYQAGPSNMADQSRNWLPGPMYRQQRVSKTLDQNSNTNFAWTAASKYNLNGRKSLANPGIAMATHKDDEERFFPQHGVLVFGQTNATNKTTLDNVLITSEEEIKATNPVATEEYGTVSSNLQASNTNPTTETVNNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTTSKFASYITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYAKSNNVEFSVDAAGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号15)。
【0160】
別の実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba42として示される)は、配列番号16のアミノ酸配列(アミノ酸1~739)を含むか、又は配列番号16のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号16のアミノ酸138~739に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号16のアミノ酸206~739に及ぶ。
【0161】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQDNSRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNGADAAALEHDKAYDKQLEQGDNPYLKYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRILEPLGLVEEAAKTAPGKKRPLEKTPNQPTDTQAAGQTPAKKRPQGEQSGDSARRQLDFDPQPAAPIGQPPAAPSPVGSNTMASGGGGPMADDNQGADGVGNASGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWVLPTYNNHIYKQISSESGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKIFNIQVKEVTQIEGGSTIANNLTSTIQVFADSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFESVPFHSSYAHSQSLDRIMNPLVDQYLYYLARTQTGTGSTTSNTRQLQFYQAGPSNMADQSRNWLPGPMYRQQRVSKTLDQNSNTNFAWTAASKYNLNGRKSLVNPGIAMATHKDDEERFFPQHGVLVFGKTNATNKTTLENVLVTDEEEVKATNPVATEEYGTVSSNLQSNTTNPTTETVNNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTTSKFASYITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYAKSNNVEFSVDAAGVYSEPRLIGTRYLTRNL(配列番号16)。
【0162】
いくつかの実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba43として示される)は、配列番号17のアミノ酸配列(アミノ酸1~739)を含むか、又は配列番号17のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号17のアミノ酸138~739に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号17のアミノ酸206~739に及ぶ。
【0163】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQDNSRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDKQLEQGDNPYLKYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRILEPLGLVEEAAKTAPGKKRPLEKTPNQPTDTQAAGQTPAKKRPQGEQSGDSARRQLDFDPQPAAPIGQPPAAPSPVGSNTMASGGGGPMADDNQGADGVGNASGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWVLPTYNNHIYKQISSESGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKIFNIQVKEVTQIEGGSTIANNLTSTIQVFADSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFESVPFHSSYAHSQSLDRIMNPLVDQYLYYLARTQTGTGSTTSNTRQLQFYQAGPSNMADQSRNWLPGPMYRQQRVSKTLDQNSNTNFAWTAASKYNLNGRKSLVNPGIAMATHKDDEERFFPQHGVLVFGKTNATNKTTLENVLVTDEEEVKATNPVATEEYGTVSSNLQSNTTNPTTETVNNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTTSKFASYITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYAKSNNVEFSVDAAGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号17)。
【0164】
他の実施形態では、VP1配列(ヒヒに由来し、Bba44として示される)は、配列番号18のアミノ酸配列(アミノ酸1~739)を含むか、又は配列番号18のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号18のアミノ酸138~739に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号18のアミノ酸206~739に及ぶ。
【0165】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQHQDNSRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDKQLEQGDNPYLKYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRILEPLGLVEEAAKTAPGKKRPLEKTPNQPTDTQAAGQTPAKKRPQGEQSGDSARRQLDFDPQPAAPIGQPPAAPSPVGSNTMASGGGGPMADDNQGADGVGNASGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWVLPTYNNHIYKQISSESGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKIFNIQVKEVTQIEGGSTIANNLTSTIQVFADSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFESVPFHSSYAHSQSLDRIMNPLVDQYLYYLARTQTGTGSTTSNTRQLQFYQAGPSNMADQSRNWLPGPMYRQQRVSKTLDQDSNTNFAWTAASKYNLNGRKSLVNPGIAMATHKDDEERFFPQHGVLVFGKTNATNKTTLENVLVTDEEEVKATNPVATEEYGTVSSNLQSNTTNPTTETVNNQGILPGMAWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTTSKFASYITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYAKSNNVEFSVDAAGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号18)。
【0166】
一実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来;Bce14として示される)は、配列番号19のアミノ酸配列(アミノ酸1~736)を含むか、又は配列番号19のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号19のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号19のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0167】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSAGIGKSGAQPAKKRLNFGQTGDTESVPDPQPIGEPPAAPSGVGSLTMASGGGAPVADNNEGADGVGSSSGNWHCDSQWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNSTSGGSSNDNAYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTDNNGVKTIANNLTSTVQVFTDSDYQLPYVLGSAHEGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNDGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFTFSYEFENVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSKTINGSGQNQQALKFSVAGPSNMAVQGRNYIPGPSYRQQRVSTTVTQNNNSEFAWPGASSWALNGRNSLMNPGPAMASHKEGEDRFFPLSGSLIFGKQGTGRDNVDADKVMITNEEEIKTTNPVATESYGQVATNHQSAQAQAQTGWVQNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLVGGFGMKHPPPQILIKNTPVPADPPTAFNKDKLNSFITQYSTGQVRVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSNNVEFAVNTEGVYSEPRP IGTRYLTRNL(配列番号19)。
【0168】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来;Bce15として示される)は、配列番号20のアミノ酸配列(アミノ酸1~736)を含むか、又は配列番号20のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号20のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号20のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0169】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSAGIGKSGAQPAKKRLNFGQTGDTESVPDPQPIGEPPAAPSGVGSLTMASGGGAPVADNNEGADGVGSSSGNWHCDSQWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNSTSGGSSNDNAYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTDNNGVKTIANNLTSTVQVFTDSDYQLPYVLGSAHEGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNDGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMPRTGNNFTFSYEFENVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSKTINGSGQNQQTLKFSVAGPSNMAVQGRNYIPGPSYRQQRVSTTVTQNNNSEFAWPGASSWALNGRNSLMNPGPAMASHKEGEDRFFPLSGSLIFGKQGTGRDNVDADKVMITNEEEIKTTNPVATESYGQVATNHQSAQAQAQTGWVQNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGMKHPPPQILIKNTPVPADPPTAFNKDKLNSFITQYSTGQVSVAIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSNNVEFAVNTEGVYSEPRP IGTRYLTRNL(配列番号20)。
【0170】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bce16として示される))は、配列番号21のアミノ酸配列(アミノ酸1~736)を含むか、又は配列番号21のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号21のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号21のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0171】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSAGIGKSGAQPAKKRLNFGQTGDTESVPDPQPIGEPPAAPSGVGSLTMASGGGAPVADNNEGADGVGSSSGNWHCDSQWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNSTSGGSSNDNAYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTDNNGVKTIANNLTSTVQVFTDSDYQLPYVLGSAHEGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNDGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFTFSYEFENVPFHSSYAHSQSLDRPMNPLIDQYLYYLSKTINGSGQNQQTLKFSVAGPSNMAVQGRNYIPGPSYRQQRVSTTVTQNNNSEFAWPGASSWALNGRNSLMNPGPAMASHKEGEDRFFPLSGSLIFGKQGTGRDNVDADKVMITNEEEIKTTNPVATESYGQVATNHQSAQAQAQTGWVQNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGMKHPPPQILIKNTPVPADPPTAFNKDKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSNNVEFAVNTEGVYSEPRP IGTRYLTRNL(配列番号21)。
【0172】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bce17として示される))は、配列番号22のアミノ酸配列(アミノ酸1~736)を含むか、又は配列番号22のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号22のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号22のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0173】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSAGIGKSGAQPAIKRLNFGQTGDTESVPDPQPIGEPPAAPSGVGSLTMASGGGAPVADNNEGADGVGSSSGNWHCDSQWLGDRVITTSIRTWALPTYNNHLYKQISNSTSGGSSNDNAYFGYSTPWGYFDFSRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTDNNGVKTIANNLTSTVQVFTDSDYQLPYVLGSAHEGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNDGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFTFSYEFENVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSKTINGSGQNQQTLKFSVAGPSNMAVQGRNYIPGPSYRQQRVSTTVTQNNNSEFAWPGASSWALNGRNSLMNPGPAMASHKEGEDRFFPLSGSLIFGKQGTGRDNVDADKVMITNEEEIKTTNPVATESYGQVATNHQSAQAQAQTGWVQNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGMKHPPPQILIKNTPVPADPPTAFNKDKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSNNVEFAVNTEGVYSEPRP IGTRYLTRNL(配列番号22)。
【0174】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bce18として示される))は、配列番号23のアミノ酸配列(アミノ酸1~736)を含むか、又は配列番号23のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号23のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号23のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0175】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSAGIGKSGAQPAKKRLNFGQTGDTESVPDPQPIGEPPAAPSGVGSLTMASGGGAPVADNNEGADGVGSSSGNWHCDSQWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNSTSGGSSNDNAYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTDNNGVKTIANNLTSTVQVFTDSDYQLPYVLGSAHEGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNDGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFTFSYEFENVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSKTINGSGQNQQTLKFSVAGPSNMAVQGRNYIPGPSYRQQRVSTTVTQNNNSEFAWPGASSWALNGRNSLMNPGPAMASHKEGEDRFFPLSGSLIFGKQGTGRDNVDADKVMITNEEEIKTTNPVATESYGQVATNHQSAQAQAQTGWVQNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGMKHPPPQILIKNTPVPADPPTAFNKDKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSNNVEFAVNTEGVYSEPRP IGTRYLTRNL(配列番号23)。
【0176】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bce20として示される))は、配列番号24のアミノ酸配列(アミノ酸1~733)を含むか、又は配列番号24のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号24のアミノ酸138~733に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号24のアミノ酸203~733に及ぶ。
【0177】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSAGIGKSGAQPAKKRLNFGQTGDTESVPDPQPIGEPPAAPSGVGSLTMASGGGAPVADNNEGADGVGSSSGNWHCDSRWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNSTSGGSSNDNAYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTDNNGAKTIANNLTSTVQVFTDSDYQLPYVLGSAHEGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNDGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFTFSYEFENVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSKTINGSGQNQQTLKFSVAGPSNMAVQGRNYIPGPSYRQQRVSTTVTQNNNSEFAWPGASSWALNGRNSLMNPGPAMASHKEGEDRFFPLSGSLIFGKQGTGRDNVDADKVMITNEEEIKTTNPVATESYGQVATNHQSAQAQAQTGWVQNQGILPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGMKHPPPQILIKNTPVPADPPTAFNKDKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSNNVEFAVNTEGVYSEPRP IGTRYLT(配列番号24)。
【0178】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bce35として示される))は、配列番号25のアミノ酸配列(アミノ酸1~730)を含むか、又は配列番号25のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号25のアミノ酸138~730に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号25のアミノ酸199~730に及ぶ。
【0179】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVLQAKKRVLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVDSPDSTSGIGKKGQQPARKRLNFGQTGDAESVPDPQPIGEPPAAPSGLGSGTMAAGGGAPMADNNEGADGVGNASGNWHCDSTWLGNRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISSSSSGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLRFKLFNIQVKEVTTNDGVTTIANNLTSTVQVFSDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFEFSYEFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLARTQSSTGTSTRELQFHQAGPATMAEQSKNWLPGPCFRQQRISKTTDNNNNSNFAWTGATKYHLNGRSSLTNPGVPMATHKDDESVFFPINGVLVFGKTGASNKTTLENVLMTDEEEIKATNPVATEEYGVVSSNIQSQNSNPTTQTVNNQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTPAKFASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYDKQTGVGFAVDTQGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号25)。
【0180】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bce36として示される))は、配列番号26のアミノ酸配列(アミノ酸1~730)を含むか、又は配列番号26のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号26のアミノ酸138~730に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号26のアミノ酸199~730に及ぶ。
【0181】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVDSPDSTSGIGKKGQQPARKRLNFGQTGDAESVPDPQPIGEPPAAPSGLGSGTMAAGGGAPMADNNEGADGVGNASGNWHCDSTWLGNRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISSSSSGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLRFKLFNIQVKEVTTNDGVTTIANNLTSTVQVFSDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFEFSYEFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLARTQSSTGTSTRELQFHQAGPATMAEQSKNWLPGPCFRQQRISKTTDNNNNSNFAWTGATKYHLNGRNSLTNPGVPMATHKDDESVFFPINGVLVFGKTGASNKTTLENVLMTDEEEIKATNPVATEEYGVVSSNIQSQNSNPTTQTVNNQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTPAKFASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYDKQTGVDFAVDTQGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号26)。
【0182】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bce39として示される))は、配列番号27のアミノ酸配列(アミノ酸1~736)を含むか、又は配列番号27のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号27のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号27のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0183】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYPGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVFEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKTGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSGLGPNTMASGGGAPMADNNEGADGVGNSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNSTSGGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTTNEGTKTIANNLTSTVQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMVPQYGYLTLNNGSQALGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLVRTQTTGTGGTQTLAFSQAGPSSMANQARNWVPGPSYRQQRVSTTKNQNNNSNFAWTGAAKFKLNGRNSLMNPGVAMASHKDDEDRFFPSSGVLIFGKQGAGNDGVDYSQVLITDEEEIKATNPVATEEYGEVAINDQAANTQAQTGLVHNQGVIPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLMHPPPQILIKNTPVPADPPLTFNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNSDGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号27)。
【0184】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bce40として示される))は、配列番号28のアミノ酸配列(アミノ酸1~736)を含むか、又は配列番号28のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号28のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号28のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0185】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQGRLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKTGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSGLGPNTMASGGGAPMADNNEGADGVGNSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNSTSGGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRPNFKLFNIQVKEVTTNEGTKTIANNLTSTVQAFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMVPQYGYLTLNNGSQALGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLVRTQTTGTGGTQTLAFSQAGPSSMANQARNWVPGPSYRQQRVSTTKNQNNNSNFAWTGAAKFKLNGRNSLMNPGVAMASHKDDEDRFSPSSGVLIFGKQGAGNDGVDYSQVLITDEEEIKATNPVATEEYGEVAINDQAANTQAQTGLVHNQGVIPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPLTFNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNSDGVYSEPRP IGTRYLTRNL(配列番号28)。
【0186】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bce41として示される))は、配列番号29のアミノ酸配列(アミノ酸1~736)を含むか、又は配列番号29のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号29のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号29のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0187】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQGRLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKTGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSGLGPNTMASGGGAPMADNNEGADGVGNSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNSTSGGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTTNEGTKTIANNLTSTVQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMVPQYGYLTLNNGSQALGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLVRTQTTGTGGTQILAFSQAGPSSMANQARNWVPGPSYRQQRVSTTKNQNNNSNFAWTGAAKFKLNGRNSLMNPGVAMASHKDDEDRFFPSSGVLIFGKQGAGNDGMDYSQVLITDEEEIKATNPVATEEYGEVAINDQAANTQAQTGLVHNQGVIPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPLTFNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNSDGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号29)。
【0188】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bce42として示される))は、配列番号30のアミノ酸配列(アミノ酸1~736)を含むか、又は配列番号30のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号30のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号30のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0189】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKTGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSGLGPNTMASGGGAPMADNNEGADGVGNSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNSTSGGGTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTTNEGTKTIANNLTSTVQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMVPQYGHLTLNNGSQALGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLVRTQTTGTGGTQTLAFSQAGPSSMANQARNWVPGPSYRQQRVSTTKDQNNNSNFAWTGAAKFKLNGRNSLMNPGVAMASHKDDEDRFFPSSGVLIFGKQGAGNDGVDYSQVLITDEEEIKATNPVATEEYGEVAVNDQAANTQAQTGLVHNQGVIPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPLTLNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNSDGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号30)。
【0190】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bce43として示される))は、配列番号31のアミノ酸配列(アミノ酸1~730)を含むか、又は配列番号31のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号31のアミノ酸138~730に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号31のアミノ酸199~730に及ぶ。
【0191】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVDSPDSTSGIGKKGQQPARKRLNFGQTGDAESVPDPQPIGEPPAAPSGLGSGTMAAGGGAPMADNNEGADGVGNAPGNWHCDSTWLGNRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISSSSSGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWPRLINNNWGFRPKRLRFKLFNIQVKEVTTNDGVTTIANNLTSTVQVFSDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFEFSYEFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYPYYLARTQSSTGTSTRELQFHQAGPATMAEQSKNWLPGPCFRQQRISKTTDNNNNSNFAWTGATKYHLNGRNSLTNPGVPMATHKDDESVFFPINGVLVFGKTGASNKTTLENVLMTDEEEIKATNPVATEEYGVVSSNIQSQNSNPATQTVNNQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTPAKFASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYDKQTGVDFAVDTQGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号31)。
【0192】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bce44として示される))は、配列番号32のアミノ酸配列(アミノ酸1~730)を含むか、又は配列番号32のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号32のアミノ酸138~730に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号32のアミノ酸199~730に及ぶ。
【0193】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQKQDDGRGLMLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVDSPDSTSGIGKKGQQPARKRLNFGQTGDAESVPDPQPIGEPPAAPSGLGSGTMAAGGGAPMADNNEGADGVGNASGSWHCDSTWLGNRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISSSSSGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLRFKLFNIQVKEVTTNDGVTTIANNLTSTVQVFSDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGRQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFEFSYEFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYPYYLARTQSSTGTSTRELQFHQAGPATMAEQSKNWLPGPCFRQQRISKTTDNNNNSNFAWTGATKYHLNGRNSLTNPGVPMATHKDDESVFFPINGVLVFGKTGASNKTTLENVPMTDEEEIKATNPVATEEYGVVSSNIQSQNSNPTTQTVNNQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTPAKFASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENNKRWNPEIQYTSNYDKQTGVDFAVDTQGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号32)。
【0194】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bce45として示される))は、配列番号33のアミノ酸配列(アミノ酸1~730)を含むか、又は配列番号33のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号33のアミノ酸138~730に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号33のアミノ酸199~730に及ぶ。
【0195】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFSGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVDSPDSTSGIGKKGQQPARKRLNFGQTGDAESVPDPQPIGEPPAAPSGLGSGTMAAGGGAPMADNNEGADGVGNASGNWHCDSTWLGNRVITTSTRTWALPTYNDHLYKQISSSSSGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLRFKLFNIQVKEVTTNDGVTTIANNLTSTVQVFSDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFEFSYEFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLARTQSSTGTSTRELQFHQAGPATMAEQSKNWLPGPCFRQQRISKTTDNNNNSNFAWTGATKYHLNGRNSLTNPGVPMATHKDDESVFFPINGVLVFGKTGASNKTTLENVLMTDEEEIKATNPVATEEYGVVSSNIQSQNSNPTTQTVNNQGALPGMVWRNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTPAKFASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYDKQTGVDFAVDTQGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号33)。
【0196】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bce46として示される))は、配列番号34のアミノ酸配列(アミノ酸1~730)を含むか、又は配列番号34のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号34のアミノ酸138~730に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号34のアミノ酸199~730に及ぶ。
【0197】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVDSPDSTSGIGKKGQQPARKRLNFGQTGDAESVPDPQPIGEPPAAPSGLGSGTMAAGGGAPMADNNEGADGVGNASGNWHCDSTWLGNRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISSSSSGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLRFKLFNIQVKEVTTNDGVTTIANNLTSTVQVFSDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFEFSYEFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYMARTQSSTGTSTREPQFHQAGPATMAEQSKNWLPGPCFRQQRISKTTDNNNNSNFAWTGATKYHLNGRNSLTNPGVPMATHKDDESVFFPINGVLVFGKTGASNKTTLENVLMTDEEEIKATNPVATEEYGVVSSNIQSQNSNPTTQTVNNQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGDFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTPAKFASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYDKQTGVDFAVDTQGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号34)。
【0198】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bey20として示される))は、配列番号35のアミノ酸配列(アミノ酸1~730)を含むか、又は配列番号35のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号35のアミノ酸138~730に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号35のアミノ酸199~730に及ぶ。
【0199】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVDSPDSTSGIGKKGQQPARKRLNFGQTGDAESVPDPQPIGEPPAAPSGLGSGTMAAGGGAPMADNNEGADGVGNASGNWHCDSTWLGNRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISSGSSGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLRFKLFNIQVKEVTTNDGVTTIANNLTSTVQVFSDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQVLRTGNNFEFSYEFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLARTQSSTGTSTRELQFHQAGPATMAEQSKNWLPGPCFRQQRISKTSDNNNNSNFAWTGATKYHLNGRNSLTNPGVPMATHKDDESVFFPINGVLVFGKTGASNKTTLENVLMTDEEEIKATNPVATEEYGVVSSNIQSQNSNPTTQTVNNQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTPAKFASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYDKQTGVDFAVDTQGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号35)。
【0200】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bey22として示される))は、配列番号36のアミノ酸配列(アミノ酸1~730)を含むか、又は配列番号36のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号36のアミノ酸138~730に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号36のアミノ酸199~730に及ぶ。
【0201】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPQPKANQQKQDDGRGLVLPGYRYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRILEPLGLVEEAAKTAPGKERPVDSPDSTSGIGKKGQQPARKRLNFGQTGDAESVPDPQPIGEPPAAPSGLGSGTMAAGGGAPMADNNEGADGVGNASGNWHCDSTWLGNRVITTSTRTWALPTYDNHLYKQISSSSSGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLRFKLFNIQVKEVTTNDGVTTIANNLTSTVQVFSDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFEFSYEFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLARTQSSTGTSTRELQFHQAGPATMAEQSKNWLPGPCFRQQRISKTTDNNNNSNFAWTGATKYHLNGRNSLTNPGVPMATHKDDESVFFPINGVLVLGKTGASNKTTLENVLMTDEEEIKATNPVATEEYGVVSSNIQSQNSNPTTQTVNNQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTPAKFASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYDKQTGVDFAVDTQGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号36)。
【0202】
別の実施形態では、VP1配列(カニクイザル由来(Bey23として示される))は、配列番号37のアミノ酸配列(アミノ酸1~730)を含むか、又は配列番号37のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号37のアミノ酸138~730に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号37のアミノ酸199~730に及ぶ。
【0203】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPRPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEAAKTAPGKKRPVDSPDSTSGIGKKGQQPARKRLNFGQTGDAESVPDPQPIGEPPAAPSGLGSGTMAAGGGAPMADNNEGADGVGNASGNWHCDSTWLGNRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISSSSSGATNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLRFKLFNIQVKEVTTNDGVTTIANNLTSTVQVFSDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQSVGRSSFYRLEYFPSQMLRTGNNFEFSYEFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLARTQSSTGTSTRELQFHQAGPATMAEQSKNWLPGPCFRQQRISKTTDNNNNSNFAWTGATKYHLNGRNSLTNPGVPMATHRDDESVFFPINGVLVFGKTGASNKTTLENVLMTDEEEIKATNPVATEEYGVVSSNIQSQNSNPTTQTVNNQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPPETFTPAKFASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYDKQTGVDFAVDTQGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号37)。
【0204】
別の実施形態では、VP1配列(マーモセット由来(Bma42として示される))は、配列番号38のアミノ酸配列(アミノ酸1~736)を含むか、又は配列番号38のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号38のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号38のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0205】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKTGQQPAKKRLNFGQTGDTESVPDPQPLREPPAAPSGLGPNTMASGGGAPMADNNEGADGVGNSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKPFNIQVKEVTTNEGTKTIANNPTSTVQVFTDSEYQLPYVLGSARQGCLPPFPADVFMVPQYGYLTLNNGSQALGRSSFYCLEYFPSQMLRTGDNFQFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLVRTQTTGTGGTQTLAFSQAGPSSMANQARNWVPGPCYRQQRVSTTTNQNNNSNFAWTGAAKFKLNGRDSLMNPGVAMASHKDDEDRFFPSSGVLIFGKQGAGNDGVDYSQVLITDEEEIKATNPVATEEYGAVAINNQAANTLAQTGLVHNQGVIPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPLTFNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号38)。
【0206】
別の実施形態では、VP1配列(マーモセット由来(Bma43として示される))は、配列番号39のアミノ酸配列(アミノ酸1~736)を含むか、又は配列番号39のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号39のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号39のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0207】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEGANTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKTGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLREPPAAPSGLGPNTMASGGGAPMADNNEGADGVGNSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINSNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTTNEGTKTIANNLTSTVQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMVPQYGYLTLNNGSQALGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLVRTQTTGTGGTQTLAFSQAGPSSMANQARNWVPGPCYRQQRVSTTTNQNNNSNFAWTGAAKFKLNGRDSLMNPGVAMASHKDDEDRFFPSSGVLIFGKQGAGNDGVDYSQVLITDEEEIKATNPVATEEYGAVAINNQAANTQAQTGLVHNQGVIPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPLTFNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGVYSEPRP IGTRYLTRNL(配列番号39)。
【0208】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpolとして示される))は、配列番号40のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号40のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号40のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号40のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0209】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKQDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFITQYSTGQVTVEMEWELKKEDSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号40)。
【0210】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo2として示される))は、配列番号41のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号41のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号41のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号41のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0211】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKQDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRALEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVGTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号41)。
【0212】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo3として示される))は、配列番号42のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号42のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号42のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号42のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0213】
MSFVDHPPDWFEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKQDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPANRADEVAREHDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFGEVPLHCSFAPSQNLFKLANPLVDQHLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRPGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLTKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号42)。
【0214】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo4として示される))は、配列番号43のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号43のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号43のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号43のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0215】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKQDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号43)。
【0216】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo6として示される))は、配列番号44のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号44のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号44のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号44のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0217】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKQDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRADEVAREHGISYNEQLQAGDDPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTGGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSLEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号44)。
【0218】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo8として示される))は、配列番号45のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号45のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号45のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号45のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0219】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLKPGPPKPKPNQQKQDNARGLVLPGYNYLGPGNGLGRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQANPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSLITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号45)。
【0220】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo13として示される))は、配列番号46のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号46のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号46のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号46のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0221】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKQDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLASTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号46)。
【0222】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo18として示される))は、配列番号47のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号47のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号47のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号47のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0223】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKQDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLQAGDDPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMRRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号47)。
【0224】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo20として示される))は、配列番号48のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号48のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号48のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号48のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0225】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKQDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWGPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFEGVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号48)。
【0226】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo23として示される))は、配列番号49のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号49のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号49のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号49のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0227】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKRDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRVDEVARERDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPLQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号49)。
【0228】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo24として示される))は、配列番号50のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号50のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号50のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号50のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0229】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKQDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGECRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号50)。
【0230】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo27として示される))は、配列番号51のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号51のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号51のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号51のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0231】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKQDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVDNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMVFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYNTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号51)。
【0232】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo28として示される))は、配列番号52のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号52のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号52のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号52のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0233】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKRDNARGLVLPGYNYLGPGNGLGRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGLRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLADQYLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMISNSQNAEPGTTSLYRENNLLITSESETQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号52)。
【0234】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo29として示される))は、配列番号53のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号53のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号53のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号53のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0235】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKQDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESGTQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRGVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFVTQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号53)。
【0236】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo33として示される))は、配列番号54のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号54のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号54のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号54のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0237】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKQDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNAHAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号54)。
【0238】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo35として示される))は、配列番号55のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号55のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号55のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号55のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0239】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKRDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVGFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号55)。
【0240】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo36として示される))は、配列番号56のアミノ酸配列(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号56のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号56のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号56のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0241】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLEPGPPKPKPNQQKQDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIGDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQPQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYLPSKMLRTGNSFEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTDTSGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQVNPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYNTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSFITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号56)。
【0242】
別の実施形態では、VP1配列(ブタ由来(Bpo37として示される))は、配列番号57のアミノ酸配列及び(アミノ酸1~716)を含むか、又は配列番号57のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号57のアミノ酸137~716に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号57のアミノ酸184~716に及ぶ。
【0243】
MSFVDHPPDWLEEIGEGLKEFLGLKPGPLKPKPNQQKQDNARGLVLPGYNYLGPGNGLDRGEPVNRADEVAREHDISYNEQLQAGDNPYLKYNHADAEFQEKLADDTSFGGNLGKAVFQAKKRVLEPFGLVEEPAKTAAKGERIDDHYPKKKKARVEETEAGTSGGQQLQIPAQPASSLGADTMSAGGGSPLGDNNQGADGVGNASGDWHCDSTWMGDRVITKSTRTWVLPSYNNHLYKEIHSGSVDGSNANAYFGYSTPWGYFDFNRFHSHWSPRDWQRLVNNYWGFRPRSLKVKIFNIQVKEVTVQDATTTIANNLTSTVQVFTDDDYQLPYVIGNGTEGCLPAFPPQVFTLPQYGYATLNRNNTDDPTERSSFFCLEYFPSKMLRTGNSFEFTYSFEEVPFHCSFAPSQNLFKLANPLVDQYLYRFVSTDTPGNIQFQKNLKARYANTYKNWFPGPMCRTQGWYTGSGTYNRSGVTNFATSNRMDLEGASYQANPQPNGMTNTLQDSNKYALENTMIFNSQNAEPGTTSLYQENNLLITSESETQPVNRVAYDTGGQMATNAQSTNLAPTVGTYNHQEMLPGSVWMDRDVYLQGPIWAKIPETGAHFHPSPAMGGFGLKHPPPMMLIKNTPVPSNVTAFSEIPVKSLITQYSTGQVTVEMEWELKKENSKRWNPEIQYTNNYNNPEFVDFAPDTSGEYRTTRAIGTRYLTRPL(配列番号57)。
【0244】
別の実施形態では、VP1配列(アカゲザル由来(Brh26として示される))は、配列番号58及び(アミノ酸1~736)のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号58のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号58のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号58のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0245】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPANAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAIFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKGPVEQSPQEPDSSSGIGKTGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSGLGPNTMASGGGAPMADNNEGADGVGNSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTTNEGTKTIANNLTSTVQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMVPQYGYLTLNNGSQALGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLVRTQTTGTGGTQTLAFSQAGPSSMANQARNWVPGPCYRQQRVSTTTNQNNNSNFAWTGAAKFKLNGRDSLMNPGVAMASHKDDDDRFFPSSGVLIFGKQGTGNDGVDYSQVLITDEEEIKATNPVATEEYGAVAINNQAANTQAQTGLVHNQGVIPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPLTFNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGVYSEPRP IGTRYLTRNL(配列番号58)。
【0246】
別の実施形態では、VP1配列(アカゲザル由来(Brh27として示される))は、配列番号59及び(アミノ酸1~736)のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号59のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号59のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号59のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0247】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAIFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKTGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSGLGPNTMASGGGAPMADNNEGADGVGNPSGNWHCDSTRLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTTNEGTKTIANNLTSTVQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMVPQYGYLTLNNGSQALGRSSFYCLEYFPSQMLRTSNNFQFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLVRTQTTGTGGTQTLAFSQAGPSSMANQARNWVPGPCYRQQRVSTTTNQNNNSNFAWTGAAKFKLNGRDSLMNPGVAMASHKDDDDRFFPSSGVLIFGKQGTGNDGVDYSQVLITDEEEIKATNPVATEEYGAVAINNQAANTQAQTGLVHNQGVIPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKLPPPQILIKNTPVPADPPLTFNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号59)。
【0248】
別の実施形態では、VP1配列(アカゲザル由来(Brh28として示される))は、配列番号60及び(アミノ酸1~736)のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号60のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号60のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号60のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0249】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAIFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSPSGIGKTGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSGLGPNTMASGGGAPMADNNEGADGVGNSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTTNEGTKTIANNLTSTVQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMVPQYGYLTLNNGSQALGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLVRTQTTGTGGTQTLAFSQAGPSSMANQARNWVPGPCYRQQRVSTTTNQNNNSNFAWTGAAKFKLNGRDSLMNPGVAMASHKDDDDRFFPSSGVLIFGKQGTGNDGVDYSQVLITDEEEIKATNPVATEEYGAVAINNQAANTQAQTGLVHNQGVIPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPLTFNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGVYSEPRP IGTRYLTRNL(配列番号60)。
【0250】
別の実施形態では、VP1配列(アカゲザル由来(Brh29として示される))は、配列番号61及び(アミノ酸1~736)のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号61のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号61のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号61のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0251】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAIFQAKRRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKTGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSGLGPNTMASGGGAPMADNNEGADGVGNSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTTNEGTKTIANNLTSTVQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMVPQYGYLTLNNGSQALGRSSFYCLEYFPSQMLRTSNNFQFSYTFEDVPFHSSCAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLVRTQTTGTGGTQTLAFSQAGPGSMANQARNWVPGPCYRQQRVSTTTNQNNNSNFAWTGAAKFKLNGRDSLMNPGVAMASHKDDDDRFFPSSGVLIFGKQGTGNDGVDYSQVLITDEEEIKATNPVATEEYGAVAINNQAANTQAQTGLVHNQGVIPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPPPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPLTFNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号61)。
【0252】
別の実施形態では、VP1配列(アカゲザル由来(Brh30として示される))は、配列番号62及び(アミノ酸1~736)のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号62のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号62のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号62のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0253】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVFPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAIFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKTGRQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSGLGPNTMASGGGAPMADNNEGADGVGNSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTPGGSTNDNTYFGYSAPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTTNEGTKTIANNLTSTVQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMVPQYGYLTLNNGSQALGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLVRTQTTGTGGTQTLAFSQAGPSSMANQARNWVPGPCYRQQRVSTTTNQNNNSNFAWTGAAKFKLNGRDSLMNPGVAMASHKDDDDRFFPSSGVLIFGKQGTGNDGVDYSQVLITDEEEIKATNPVATEEYGAVAINNQAANTQAQTGLVHNQGVIPGMVWQNRDVYQQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPLTFNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGVYSEPRP IGTRYLTRNL(配列番号62)。
【0254】
別の実施形態では、VP1配列(アカゲザル由来(Brh31として示される))は、配列番号63及び(アミノ酸1~736)のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号63のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号63のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号63のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0255】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLKAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAIFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKTGQQPAKKRLNSGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSGLGPNTMASGGGAPMADNNEGADGVGNSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTTNEGTKTIANNLTSTVQVFTDSEYQLPYVLGSAYQGCLPPFPADVFMVPQYGYLTLNNGSQALGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFQSSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLVRTQTTGTGGTQTLAFSQAGPSSMANQARNWVPGPCYRQQRVSTTTNQNNNSNFAWTGAAKFKLNGRDSLMNPGVAMASHKDDDDRFFPSSGVLIFGKQGTGNDGVDYSQVLITDEEEIKATNPVATEEYGAVAINNQAANTQAQTGLVHNQGVIPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPLTFNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号63)。
【0256】
別の実施形態では、VP1配列(アカゲザル由来(Brh32として示される))は、配列番号64及び(アミノ酸1~736)のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号64のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号64のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号64のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0257】
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【0258】
別の実施形態では、VP1配列(アカゲザル由来(Brh33として示される))は、配列番号65及び(アミノ酸1~736)のアミノ酸配列を含むか、又は配列番号65のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号65のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号65のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0259】
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【0260】
別の実施形態では、VP1配列(タイワンザル由来(Bfm17として示される))は、配列番号66のアミノ酸配列及び(アミノ酸1~737)を含むか、又は配列番号66のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号66のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号66のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0261】
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【0262】
別の実施形態では、VP1配列(タイワンザル由来(Bfm18として示される))は、配列番号67のアミノ酸配列及び(アミノ酸1~737)を含むか、又は配列番号67のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号67のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号67のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0263】
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【0264】
別の実施形態では、VP1配列(タイワンザル由来(Bfm.20として示される))は、配列番号68のアミノ酸配列及び(アミノ酸1~737)を含むか、又は配列番号68のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号68のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号68のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0265】
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【0266】
別の実施形態では、VP1配列(タイワンザル由来(Bfm21として示される))は、配列番号69のアミノ酸配列及び(アミノ酸1~737)を含むか、又は配列番号69のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号69のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号69のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0267】
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【0268】
別の実施形態では、VP1配列(タイワンザル由来(Bfm24として示される))は、配列番号70のアミノ酸配列及び(アミノ酸1~737)を含むか、又は配列番号70のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号70のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号70のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0269】
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【0270】
別の実施形態では、VP1配列(タイワンザル由来(Bfm25として示される))は、配列番号71のアミノ酸配列及び(アミノ酸1~737)を含むか、又は配列番号71のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号71のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号71のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0271】
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【0272】
別の実施形態では、VP1配列(タイワンザル由来(Bfm27として示される))は、配列番号72のアミノ酸配列及び(アミノ酸1~737)を含むか、又は配列番号72のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号72のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号72のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0273】
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【0274】
別の実施形態では、VP1配列(タイワンザル由来(Bfm32として示される))は、配列番号73のアミノ酸配列及び(アミノ酸1~737)を含むか、又は配列番号73のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号73のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号73のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0275】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLQAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKKGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSSLGLNTMAAGGGAPMADNNEGADGVGSSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKKLSFKLFDIQVKEVTQNEGTKTIANNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFSFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQSTGGTAGTQQLLFSQAGPNNMSAQAKNWLPGPMYRQQRVSTTLSQNNNSNFAWTGGTKYHLNGRDSLVNPGVAMATNKDDEDRFFPSSGVLMFGKQGAGKDNVDYSSVMLTSEEEIKTTNPVATEQYGVVADNLQQQNTAPIVGAVNSQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPTAFNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号73)。
【0276】
別の実施形態では、VP1配列(タイワンザル由来(Bfm33として示される))は、配列番号74のアミノ酸配列及び(アミノ酸1~737)を含むか、又は配列番号74のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号74のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号74のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0277】
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【0278】
別の実施形態では、VP1配列(タイワンザル由来(Bfm34として示される))は、配列番号75のアミノ酸配列及び(アミノ酸1~737)を含むか、又は配列番号75のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号75のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号75のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0279】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLQAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKKGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSSLGLNTMAAGGGAPMADNNEGADGVGSSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKKLSFKLFNIQVKEVTQNEGTKTIANNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFSFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQSTGGTAGTQQLLFSQAGPNNMSAQAKNWLPGPMYRQQRVSTTLSQNNNSNFAWTGGTKYHLNGRDSLVYPGVAMATNKDDEDRFFPSSGVLMFGKQGAGKDNVDYSSVMLTSEEEIKTTNPVATEQYGVVADNLQQQNTAPIVGAVNSQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPTAFNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号75)。
【0280】
別の実施形態では、VP1配列(タイワンザル由来(Bfm35として示される))は、配列番号76のアミノ酸配列及び(アミノ酸1~737)を含むか、又は配列番号76のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。VP2キャプシドタンパク質は配列番号76のアミノ酸138~736に及び、VP3キャプシドタンパク質は配列番号76のアミノ酸203~736に及ぶ。
【0281】
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWALKPGAPKPKANQQKQDDGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGGPVNAADAAALEHDKAYDQQLQAGDNPYLRYNHADAEFRERLQEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEGAKTAPGKKRPVEQSPQEPDSSSGIGKKGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPLGEPPAAPSSLGLNTMAAGGGAPMADNNEGADGVGSSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGSTNDSTYFGYSTPWGYFDFNRSHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKKLSFKLFNIQVKEVTQNEGTKTIANNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGGQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFSFSYIFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQSTGGTAGTQQLLFSQAGPNNMSAQAKNWLPGPMYRQQRVSTTLSQNNNSNFAWTGGTKYHLNGRDSLVNPGVAMATNKDDEDRFFPSSGVLMFGKQGAGKDNVDYSSVMLTSEEEIKTTNPVATEQYGVVADNLQQQNTAPIVGAVNSQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPPTAFNQAKLNSFITQYSTGQVSVEIEWELLKESSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGVYSEPRPIGTRYLTRNL(配列番号76)。
【0282】
一実施形態では、AAVウイルス粒子は、血清型1(AAV-1)、血清型2(AAV-2)、血清型3(AAV-3)、血清型3B(AAV-3B)、血清型4(AAV-4)、血清型5(AAV-5)、血清型6(AAV-6)、血清型7(AAV-7)、血清型8(AAV-8)、血清型9(AAV-9)、血清型10(AAV-10)、血清型11(AAV-11)、血清型12(AAV-12)、又は血清型13(AAV-13)である。
【0283】
別の実施形態では、AAVウイルス粒子は、ヒト、ヒヒ、マーモセット、ブタ、チンパンジー、又はマカクのAAV粒子に由来するキャプシドタンパク質でシュードタイプ化される。
【0284】
いくつかの実施形態では、AAVウイルス粒子は、ヒヒからのAAV粒子に由来するキャプシドタンパク質でシュードタイプ化される。
【0285】
他の実施形態では、AAVウイルス粒子は、Bba.21、Bba.26、Bba.27、Bba.29、Bba.30、Bba.31、Bba.32、Bba.33、Bba.34、Bba.35、Bba.36、Bba.37、Bba.38、Bba.41、Bba.42、Bba.43、Bba.44、Bce.14、Bce.15、Bce.16、Bce.17、Bce.18、Bce.20、Bce.35、Bce.36、Bce.39、Bce.40、Bce.41、Bce.42、Bce.43、Bce.44、Bce.45、Bce.46、Bey.20、Bey.22、Bey.23、Bma.42、Bma.43、Bpo.1、Bpo.2、Bpo.3、Bpo.4、Bpo.6、Bpo.8、Bpo.13、Bpo.18、Bpo.20、Bpo.23、Bpo.24、Bpo.27、Bpo.28、Bpo.29、Bpo.33、Bpo.35、Bpo.36、Bpo.37、Brh.26、Brh.27、Brh.28、Brh.29、Brh.30、Brh.31、Brh.32、Brh.33、Bfm.17、Bfm.18、Bfm.20、Bfm.21、Bfm.24、Bfm.25、Bfm.27、Bfm.32、Bfm.33、Bfm.34、又はBfm.35キャプシドでシュードタイプ化される。
【0286】
一実施形態では、AAVウイルス粒子は、血清型1(AAV-1)、血清型2(AAV-2)、血清型3(AAV-3)、血清型3B(AAV-3B)、血清型4(AAV-4)、血清型5(AAV-5)、血清型6(AAV-6)、血清型7(AAV-7)、血清型8(AAV-8)、血清型9(AAV-9)、血清型10(AAV-10)、血清型11(AAV-11)、血清型12(AAV-12)、又は血清型13(AAV-13)であり、AAV粒子が、ヒト、マーモセット、ヒヒ、チンパンジー、又はマカクに由来するキャプシドタンパク質でシュードタイプ化される。
【0287】
別の実施形態では、AAVウイルス粒子は、血清型1(AAV-1)であり、血清型2(AAV-2)、血清型3(AAV-3)、血清型3B(AAV-3B)、血清型4(AAV-4)、血清型5(AAV-5)、血清型6(AAV-6)、血清型7(AAV-7)、血清型8(AAV-8)、血清型9(AAV-9)、血清型10(AAV-10)、血清型11(AAV-11)、血清型12(AAV-12)、又は血清型13(AAV-13)であり、AAV粒子が、Bba.21、Bba.26、Bba.27、Bba.29、Bba.30、Bba.31、Bba.32、Bba.33、Bba.34、Bba.35、Bba.36、Bba.37、Bba.38、Bba.41、Bba.42、Bba.43、Bba.44、Bce.14、Bce.15、Bce.16、Bce.17、Bce.18、Bce.20、Bce.35、Bce.36、Bce.39、Bce.40、Bce.41、Bce.42、Bce.43、Bce.44、Bce.45、Bce.46、Bey.20、Bey.22、Bey.23、Bma.42、Bma.43、Bpo.1、Bpo.2、Bpo.3、Bpo.4、Bpo.6、Bpo.8、Bpo.13、Bpo.18、Bpo.20、Bpo.23、Bpo.24、Bpo.27、Bpo.28、Bpo.29、Bpo.33、Bpo.35、Bpo.36、Bpo.37、Brh.26、Brh.27、Brh.28、Brh.29、Brh.30、Brh.31、Brh.32、Brh.33、Bfm.17、Bfm.18、Bfm.20、Bfm.21、Bfm.24、Bfm.25、Bfm.27、Bfm.32、Bfm.33、Bfm.34、又はBfm.35キャプシドタンパク質、又はそのバリアントでシュードタイプ化される。
【0288】
他の実施形態では、AAVウイルス粒子は、配列番号2~76のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むVP1タンパク質を有するか、又は配列番号2~76のうちのいずれか1つの全長にわたって少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むキャプシドでシュードタイプ化される。
【0289】
任意の態様又は実施形態では、VP1、VP2、又はVP3の任意の配列は、キャプシドに取り込まれる前に翻訳後に修飾される。例えば、任意の配列VP1、VP2、又はVP3は、アセチル化され、配列の1位のメチオニンが除去され、アセチル基に置き換えられる。
【0290】
遷移金属又は塩
塩は、有機塩又は無機塩であり得る。いくつかの実施形態では、塩は、金属塩である。
【0291】
他の実施形態では、塩は、遷移金属を含む。塩は、遷移金属の任意のイオン(例えば、銅(I)、銅(II)、鉄(II)、鉄(III))を含む。
【0292】
様々な実施形態では、遷移金属は、銅、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、ラザホージウム、ドブニウム、シーボーギウム、ボーリウム、ハッシウム、マイトネリウム、ウンウンニリウム、ウンウンウニウム、及びウンウンビウムである。
【0293】
別の実施形態では、遷移金属は、銅である。
【0294】
様々な実施形態では、遷移金属又は塩は、硫酸銅、硝酸銅、セレン化銅、水酸化銅、酸化銅、リン酸銅、ケイ酸銅、ホウ酸銅、炭酸銅、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、セレン化リチウム、炭酸ナトリウム、塩化リチウム、リン酸水素二ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、水酸化ストロンチウム、リン酸三ナトリウム、フッ化カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、四ホウ酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、臭化マグネシウム、硫酸アルミニウムルビジウム、水酸化バリウム、硫酸アルミニウムカリウム、硝酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸ベリリウム、硝酸リチウム、塩化ストロンチウム、硝酸亜鉛、ピロリン酸ナトリウム、臭化カルシウム、硝酸銅、硝酸アルミニウム、四ホウ酸ナトリウム、フッ化銀、ヨウ化カルシウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、臭化ストロンチウム、硝酸カルシウム、ヨウ化ストロンチウム、臭化ナトリウム及び硝酸ストロンチウム、乳酸アルミニウムナトリウム、酢酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ブトキシエトキシ酢酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ジヒドロキシグリシンナトリウム、グルコン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、又はシュウ酸ナトリウムである。塩は、塩の水和物及び無水塩を含む。
【0295】
他の実施形態では、塩は、銅塩である。
【0296】
いくつかの実施形態では、銅は、銅塩、銅キレート、又はそれらの組み合わせの形態で、培地に添加することができる。
【0297】
一実施形態では、銅塩は、硫酸銅、硝酸銅、セレン化銅、水酸化銅、酸化銅、リン酸銅、ケイ酸銅、ホウ酸銅、又は炭酸銅である。
【0298】
別の実施形態では、銅塩は、硫酸銅である。
【0299】
有効量
いくつかの実施形態では、培地中の有効量の塩は、培地中に有効量の銅がないことを除いて同様又は実質的に同様の培養条件で培養した宿主細胞によって産生されたAAVウイルス粒子のキャプシドに取り込まれるVP1の量と比較して、宿主細胞によって産生されたAAVウイルス粒子のキャプシドにおけるVP1の取り込みを増加させるのに十分である。
【0300】
キャプシドに取り込まれるVP1の量は、当業者に既知の1つ以上の方法によって検出及び定量することができる。これらには、電気泳動、キャピラリー電気泳動、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、超拡散クロマトグラフィーなどの分析生化学的方法、又は流体又はゲル沈殿反応、免疫拡散、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイ、ウエスタンブロットなどの様々な免疫学的方法が含まれ得る。
【0301】
一実施形態では、培地中の塩の総濃度は、約1nM~約1mM、例示的には、約5nM~約900μM、約10nM~約800μM、約20nM~約700μM、約30nM~約600μM、約40nM~約500μM、約50nM~約400μM、約60nM~約300μM、約70nM~約200μM、約80nM~約100μM、及び約90nM~約95nMである。
【0302】
様々な実施形態では、培地中の遷移金属又は塩の総濃度は、1nM、2nM、3nM、4nM、5nM、6nM、7nM、8nM、9nM、10nM、11nM、12nM、13nM、14nM、15nM、16nM、17nM、18nM、19nM、20nM、21nM、22nM、23nM、24nM、25nM、26nM、27nM、28nM、29nM、30nM、31nM、32nM、33nM、34nM、35nM、36nM、37nM、38nM、39nM、40nM、41nM、42nM、43nM、44nM、45nM、46nM、47nM、48nM、49nM、50nM、51nM、52nM、53nM、54nM、55nM、56nM、57nM、58nM、59nM、60nM、61nM、62nM、63nM、64nM、65nM、66nM、67nM、68nM、69nM、70nM、71nM、72nM、73nM、74nM、75nM、76nM、77nM、78nM、79nM、80nM、81nM、82nM、83nM、84nM、85nM、86nM、87nM、88nM、89nM、90nM、91nM、92nM、93nM、94nM、95nM、96nM、97nM、98nM、99nM、100nM、101nM、102nM、103nM、104nM、105nM、106nM、107nM、108nM、109nM、110nM、111nM、112nM、113nM、114nM、115nM、116nM、117nM、118nM、119nM、120nM、121nM、122nM、123nM、124nM、125nM、126nM、127nM、128nM、129nM、130nM、131nM、132nM、133nM、134nM、135nM、136nM、137nM、138nM、139nM、140nM、141nM、142nM、143nM、144nM、145nM、146nM、147nM、148nM、149nM、150nM、151nM、152nM、153nM、154nM、155nM、156nM、157nM、158nM、159nM、160nM、161nM、162nM、163nM、164nM、165nM、166nM、167nM、168nM、169nM、170nM、171nM、172nM、173nM、174nM、175nM、176nM、177nM、178nM、179nM、180nM、181nM、182nM、183nM、184nM、185nM、186nM、187nM、188nM、189nM、190nM、191nM、192nM、193nM、194nM、195nM、196nM、197nM、198nM、199nM、200nM、
201nM、202nM、203nM、204nM、205nM、206nM、207nM、208nM、209nM、210nM、211nM、212nM、213nM、214nM、215nM、216nM、217nM、218nM、219nM、220nM、221nM、222nM、223nM、224nM、225nM、226nM、227nM、228nM、229nM、230nM、231nM、232nM、233nM、234nM、235nM、236nM、237nM、238nM、239nM、240nM、241nM、242nM、243nM、244nM、245nM、246nM、247nM、248nM、249nM、250nM、251nM、252nM、253nM、254nM、255nM、256nM、257nM、258nM、259nM、260nM、261nM、262nM、263nM、264nM、265nM、266nM、267nM、268nM、269nM、270nM、271nM、272nM、273nM、274nM、275nM、276nM、277nM、278nM、279nM、280nM、281nM、282nM、283nM、284nM、285nM、286nM、287nM、288nM、289nM、290nM、291nM、292nM、293nM、294nM、295nM、296nM、297nM、298nM、299nM、300nM、
301nM、302nM、303nM、304nM、305nM、306nM、307nM、308nM、309nM、310nM、311nM、312nM、313nM、314nM、315nM、316nM、317nM、318nM、319nM、320nM、321nM、322nM、323nM、324nM、325nM、326nM、327nM、328nM、329nM、330nM、331nM、332nM、333nM、334nM、335nM、336nM、337nM、338nM、339nM、340nM、341nM、342nM、343nM、344nM、345nM、346nM、347nM、348nM、349nM、350nM、351nM、352nM、353nM、354nM、355nM、356nM、357nM、358nM、359nM、360nM、361nM、362nM、363nM、364nM、365nM、366nM、367nM、368nM、369nM、370nM、371nM、372nM、373nM、374nM、375nM、376nM、377nM、378nM、379nM、380nM、381nM、382nM、383nM、384nM、385nM、386nM、387nM、388nM、389nM、390nM、391nM、392nM、393nM、394nM、395nM、396nM、397nM、398nM、399nM、400nM、
401nM、402nM、403nM、404nM、405nM、406nM、407nM、408nM、409nM、410nM、411nM、412nM、413nM、414nM、415nM、416nM、417nM、418nM、419nM、420nM、421nM、422nM、423nM、424nM、425nM、426nM、427nM、428nM、429nM、430nM、431nM、432nM、433nM、434nM、435nM、436nM、437nM、438nM、439nM、440nM、441nM、442nM、443nM、444nM、445nM、446nM、447nM、448nM、449nM、450nM、451nM、452nM、453nM、454nM、455nM、456nM、457nM、458nM、459nM、460nM、461nM、462nM、463nM、464nM、465nM、466nM、467nM、468nM、469nM、470nM、471nM、472nM、473nM、474nM、475nM、476nM、477nM、478nM、479nM、480nM、481nM、482nM、483nM、484nM、485nM、486nM、487nM、488nM、489nM、490nM、491nM、492nM、493nM、494nM、495nM、496nM、497nM、498nM、499nM、500nM、
501nM、502nM、503nM、504nM、505nM、506nM、507nM、508nM、509nM、510nM、511nM、512nM、513nM、514nM、515nM、516nM、517nM、518nM、519nM、520nM、521nM、522nM、523nM、524nM、525nM、526nM、527nM、528nM、529nM、530nM、531nM、532nM、533nM、534nM、535nM、536nM、537nM、538nM、539nM、540nM、541nM、542nM、543nM、544nM、545nM、546nM、547nM、548nM、549nM、550nM、551nM、552nM、553nM、554nM、555nM、556nM、557nM、558nM、559nM、560nM、561nM、562nM、563nM、564nM、565nM、566nM、567nM、568nM、569nM、570nM、571nM、572nM、573nM、574nM、575nM、576nM、577nM、578nM、579nM、580nM、581nM、582nM、583nM、584nM、585nM、586nM、587nM、588nM、589nM、590nM、591nM、592nM、593nM、594nM、595nM、596nM、597nM、598nM、599nM、600nM、
601nM、602nM、603nM、604nM、605nM、606nM、607nM、608nM、609nM、610nM、611nM、612nM、613nM、614nM、615nM、616nM、617nM、618nM、619nM、620nM、621nM、622nM、623nM、624nM、625nM、626nM、627nM、628nM、629nM、630nM、631nM、632nM、633nM、634nM、635nM、636nM、637nM、638nM、639nM、640nM、641nM、642nM、643nM、644nM、645nM、646nM、647nM、648nM、649nM、650nM、651nM、652nM、653nM、654nM、655nM、656nM、657nM、658nM、659nM、660nM、661nM、662nM、663nM、664nM、665nM、666nM、667nM、668nM、669nM、670nM、671nM、672nM、673nM、674nM、675nM、676nM、677nM、678nM、679nM、680nM、681nM、682nM、683nM、684nM、685nM、686nM、687nM、688nM、689nM、690nM、691nM、692nM、693nM、694nM、695nM、696nM、697nM、698nM、699nM、700nM、
701nM、702nM、703nM、704nM、705nM、706nM、707nM、708nM、709nM、710nM、711nM、712nM、713nM、714nM、715nM、716nM、717nM、718nM、719nM、720nM、721nM、722nM、723nM、724nM、725nM、726nM、727nM、728nM、729nM、730nM、731nM、732nM、733nM、734nM、735nM、736nM、737nM、738nM、739nM、740nM、741nM、742nM、743nM、744nM、745nM、746nM、747nM、748nM、749nM、750nM、751nM、752nM、753nM、754nM、755nM、756nM、757nM、758nM、759nM、760nM、761nM、762nM、763nM、764nM、765nM、766nM、767nM、768nM、769nM、770nM、771nM、772nM、773nM、774nM、775nM、776nM、777nM、778nM、779nM、780nM、781nM、782nM、783nM、784nM、785nM、786nM、787nM、788nM、789nM、790nM、791nM、792nM、793nM、794nM、795nM、796nM、797nM、798nM、799nM、800nM、
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901nM、902nM、903nM、904nM、905nM、906nM、907nM、908nM、909nM、910nM、911nM、912nM、913nM、914nM、915nM、916nM、917nM、918nM、919nM、920nM、921nM、922nM、923nM、924nM、925nM、926nM、927nM、928nM、929nM、930nM、931nM、932nM、933nM、934nM、935nM、936nM、937nM、938nM、939nM、940nM、941nM、942nM、943nM、944nM、945nM、946nM、947nM、948nM、949nM、950nM、951nM、952nM、953nM、954nM、955nM、956nM、957nM、958nM、959nM、960nM、961nM、962nM、963nM、964nM、965nM、966nM、967nM、968nM、969nM、970nM、971nM、972nM、973nM、974nM、975nM、976nM、977nM、978nM、979nM、980nM、981nM、982nM、983nM、984nM、985nM、986nM、987nM、988nM、989nM、990nM、991nM、992nM、993nM、994nM、995nM、996nM、997nM、998nM、999nM、1000nM/1μM、
2μM、3μM、4μM、5μM、6μM、7μM、8μM、9μM、10μM、11μM、12μM、13μM、14μM、15μM、16μM、17μM、18μM、19μM、20μM、21μM、22μM、23μM、24μM、25μM、26μM、27μM、28μM、29μM、30μM、31μM、32μM、33μM、34μM、35μM、36μM、37μM、38μM、39μM、40μM、41μM、42μM、43μM、44μM、45μM、46μM、47μM、48μM、49μM、50μM、51μM、52μM、53μM、54μM、55μM、56μM、57μM、58μM、59μM、60μM、61μM、62μM、63μM、64μM、65μM、66μM、67μM、68μM、69μM、70μM、71μM、72μM、73μM、74μM、75μM、76μM、77μM、78μM、79μM、80μM、81μM、82μM、83μM、84μM、85μM、86μM、87μM、88μM、89μM、90μM、91μM、92μM、93μM、94μM、95μM、96μM、97μM、98μM、99μM、100μM、
101μM、102μM、103μM、104μM、105μM、106μM、107μM、108μM、109μM、110μM、111μM、112μM、113μM、114μM、115μM、116μM、117μM、118μM、119μM、120μM、121μM、122μM、123μM、124μM、125μM、126μM、127μM、128μM、129μM、130μM、131μM、132μM、133μM、134μM、135μM、136μM、137μM、138μM、139μM、140μM、141μM、142μM、143μM、144μM、145μM、146μM、147μM、148μM、149μM、150μM、151μM、152μM、153μM、154μM、155μM、156μM、157μM、158μM、159μM、160μM、161μM、162μM、163μM、164μM、165μM、166μM、167μM、168μM、169μM、170μM、171μM、172μM、173μM、174μM、175μM、176μM、177μM、178μM、179μM、180μM、181μM、182μM、183μM、184μM、185μM、186μM、187μM、188μM、189μM、190μM、191μM、192μM、193μM、194μM、195μM、196μM、197μM、198μM、199μM、200μM、
201μM、202μM、203μM、204μM、205μM、206μM、207μM、208μM、209μM、210μM、211μM、212μM、213μM、214μM、215μM、216μM、217μM、218μM、219μM、220μM、221μM、222μM、223μM、224μM、225μM、226μM、227μM、228μM、229μM、230μM、231μM、232μM、233μM、234μM、235μM、236μM、237μM、238μM、239μM、240μM、241μM、242μM、243μM、244μM、245μM、246μM、247μM、248μM、249μM、250μM、251μM、252μM、253μM、254μM、255μM、256μM、257μM、258μM、259μM、260μM、261μM、262μM、263μM、264μM、265μM、266μM、267μM、268μM、269μM、270μM、271μM、272μM、273μM、274μM、275μM、276μM、277μM、278μM、279μM、280μM、281μM、282μM、283μM、284μM、285μM、286μM、287μM、288μM、289μM、290μM、291μM、292μM、293μM、294μM、295μM、296μM、297μM、298μM、299μM、300μM、
301μM、302μM、303μM、304μM、305μM、306μM、307μM、308μM、309μM、310μM、311μM、312μM、313μM、314μM、315μM、316μM、317μM、318μM、319μM、320μM、321μM、322μM、323μM、324μM、325μM、326μM、327μM、328μM、329μM、330μM、331μM、332μM、333μM、334μM、335μM、336μM、337μM、338μM、339μM、340μM、341μM、342μM、343μM、344μM、345μM、346μM、347μM、348μM、349μM、350μM、351μM、352μM、353μM、354μM、355μM、356μM、357μM、358μM、359μM、360μM、361μM、362μM、363μM、364μM、365μM、366μM、367μM、368μM、369μM、370μM、371μM、372μM、373μM、374μM、375μM、376μM、377μM、378μM、379μM、380μM、381μM、382μM、383μM、384μM、385μM、386μM、387μM、388μM、389μM、390μM、391μM、392μM、393μM、394μM、395μM、396μM、397μM、398μM、399μM、400μM、
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501μM、502μM、503μM、504μM、505μM、506μM、507μM、508μM、509μM、510μM、511μM、512μM、513μM、514μM、515μM、516μM、517μM、518μM、519μM、520μM、521μM、522μM、523μM、524μM、525μM、526μM、527μM、528μM、529μM、530μM、531μM、532μM、533μM、534μM、535μM、536μM、537μM、538μM、539μM、540μM、541μM、542μM、543μM、544μM、545μM、546μM、547μM、548μM、549μM、550μM、551μM、552μM、553μM、554μM、555μM、556μM、557μM、558μM、559μM、560μM、561μM、562μM、563μM、564μM、565μM、566μM、567μM、568μM、569μM、570μM、571μM、572μM、573μM、574μM、575μM、576μM、577μM、578μM、579μM、580μM、581μM、582μM、583μM、584μM、585μM、586μM、587μM、588μM、589μM、590μM、591μM、592μM、593μM、594μM、595μM、596μM、597μM、598μM、599μM、600μM、
601μM、602μM、603μM、604μM、605μM、606μM、607μM、608μM、609μM、610μM、611μM、612μM、613μM、614μM、615μM、616μM、617μM、618μM、619μM、620μM、621μM、622μM、623μM、624μM、625μM、626μM、627μM、628μM、629μM、630μM、631μM、632μM、633μM、634μM、635μM、636μM、637μM、638μM、639μM、640μM、641μM、642μM、643μM、644μM、645μM、646μM、647μM、648μM、649μM、650μM、651μM、652μM、653μM、654μM、655μM、656μM、657μM、658μM、659μM、660μM、661μM、662μM、663μM、664μM、665μM、666μM、667μM、668μM、669μM、670μM、671μM、672μM、673μM、674μM、675μM、676μM、677μM、678μM、679μM、680μM、681μM、682μM、683μM、684μM、685μM、686μM、687μM、688μM、689μM、690μM、691μM、692μM、693μM、694μM、695μM、696μM、697μM、698μM、699μM、700μM、
701μM、702μM、703μM、704μM、705μM、706μM、707μM、708μM、709μM、710μM、711μM、712μM、713μM、714μM、715μM、716μM、717μM、718μM、719μM、720μM、721μM、722μM、723μM、724μM、725μM、726μM、727μM、728μM、729μM、730μM、731μM、732μM、733μM、734μM、735μM、736μM、737μM、738μM、739μM、740μM、741μM、742μM、743μM、744μM、745μM、746μM、747μM、748μM、749μM、750μM、751μM、752μM、753μM、754μM、755μM、756μM、757μM、758μM、759μM、760μM、761μM、762μM、763μM、764μM、765μM、766μM、767μM、768μM、769μM、770μM、771μM、772μM、773μM、774μM、775μM、776μM、777μM、778μM、779μM、780μM、781μM、782μM、783μM、784μM、785μM、786μM、787μM、788μM、789μM、790μM、791μM、792μM、793μM、794μM、795μM、796μM、797μM、798μM、799μM、800μM、
801μM、802μM、803μM、804μM、805μM、806μM、807μM、808μM、809μM、810μM、811μM、812μM、813μM、814μM、815μM、816μM、817μM、818μM、819μM、820μM、821μM、822μM、823μM、824μM、825μM、826μM、827μM、828μM、829μM、830μM、831μM、832μM、833μM、834μM、835μM、836μM、837μM、838μM、839μM、840μM、841μM、842μM、843μM、844μM、845μM、846μM、847μM、848μM、849μM、850μM、851μM、852μM、853μM、854μM、855μM、856μM、857μM、858μM、859μM、860μM、861μM、862μM、863μM、864μM、865μM、866μM、867μM、868μM、869μM、870μM、871μM、872μM、873μM、874μM、875μM、876μM、877μM、878μM、879μM、880μM、881μM、882μM、883μM、884μM、885μM、886μM、887μM、888μM、889μM、890μM、891μM、892μM、893μM、894μM、895μM、896μM、897μM、898μM、899μM、900μM、
901μM、902μM、903μM、904μM、905μM、906μM、907μM、908μM、909μM、910μM、911μM、912μM、913μM、914μM、915μM、916μM、917μM、918μM、919μM、920μM、921μM、922μM、923μM、924μM、925μM、926μM、927μM、928μM、929μM、930μM、931μM、932μM、933μM、934μM、935μM、936μM、937μM、938μM、939μM、940μM、941μM、942μM、943μM、944μM、945μM、946μM、947μM、948μM、949μM、950μM、951μM、952μM、953μM、954μM、955μM、956μM、957μM、958μM、959μM、960μM、961μM、962μM、963μM、964μM、965μM、966μM、967μM、968μM、969μM、970μM、971μM、972μM、973μM、974μM、975μM、976μM、977μM、978μM、979μM、980μM、981μM、982μM、983μM、984μM、985μM、986μM、987μM、988μM、989μM、990μM、991μM、992μM、993μM、994μM、995μM、996μM、997μM、998μM、999μM、又は<1000μMである。様々な実施形態では、培地中の遷移又は塩の総濃度は、上で提供された任意の2つの濃度間の範囲である。
【0303】
様々な実施形態では、培地中の塩の総濃度は、約10nM~約100μMである。
【0304】
様々な実施形態では、培地中の塩の総濃度は、約5nM~約50μMである。
【0305】
様々な実施形態では、培地中の塩の総濃度は、約20μM~約25μMである。
【0306】
他の実施形態では、培地は、培地中の塩の総濃度を提供するのに十分な量の塩が補充される。
【0307】
一実施形態では、塩は、硫酸銅であり、宿主細胞は、昆虫細胞であり、培地中の塩の総濃度が、約10nM~約100μMである。
【0308】
様々な実施形態では、有効量の遷移金属又は塩は、VP1タンパク質の取り込みを増加させ、VP1タンパク質が、キャプシドタンパク質の2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、又は50%である。他の実施形態では、VP1タンパク質の割合(%)は、上で提供された任意の2%の範囲である。
【0309】
様々な実施形態では、有効量の遷移金属又は塩は、取り込みを増加させ、キャプシド中のVP1タンパク質の平均数は、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、31.5、32、32.5、33、33.5、34、34.5、35、35.5、36、36.5、37、37.5、38、38.5、39、39.5、又は40である。他の実施形態では、キャプシド中のVP1タンパク質の平均数は、上で提供された2つの値間の範囲である。他の実施形態では、rAAVキャプシド当たりのVP1タンパク質は、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、5~10、6~9、5、6、7、8、9、又は10である。
【0310】
他の実施形態では、本方法は、宿主細胞によって産生されたAAVウイルス粒子を、例えば、培地から単離することを更に含む。
【0311】
システインプロテアーゼの阻害及びシステインプロテアーゼ阻害剤
理論に束縛されることを望むものではないが、システインプロテアーゼの阻害は、培地で培養された宿主によって産生されたAAVウイルス粒子のキャプシドにおけるVP1の取り込みを増加させると考えられている。
【0312】
したがって、他の態様では、本発明は、アデノ随伴ウイルス(AAV)ウイルス粒子を調製するための方法を提供し、本方法は、有効量のシステインプロテアーゼの阻害剤を含む培地で、AAVウイルス粒子を産生することができる宿主細胞を培養するステップを含み、AAVウイルス粒子が、VP1タンパク質を含むAAVキャプシドを含む。
【0313】
いくつかの実施形態では、宿主細胞及びAAVウイルス粒子は、本明細書に開示されるとおりである。
【0314】
一実施形態では、本方法は、阻害剤の発現又は活性を調節するタンパク質又は因子の調節を通して、宿主細胞における阻害剤の発現又は活性を直接的又は間接的に調節し、それによって、システインプロテアーゼの活性を阻害又は低減するのに十分な有効量の阻害剤を提供し、それによって、有効量の阻害剤がないことを除いて同様又は実質的に同様の培養条件で培養された宿主細胞によって産生されたAAVウイルス粒子のキャプシドに取り込まれるVP1の量と比較して、宿主細胞によって産生されたAAVウイルス粒子のキャプシドにおけるVP1の取り込みを増加させることを含む。
【0315】
別の実施形態では、宿主細胞における阻害剤の発現又は活性を調節することは、阻害剤を培地に添加することを含む。
【0316】
いくつかの実施形態では、阻害剤は、ブロメライン、カルパイン、カスパーゼ、カテプシン(例えば、B、H、及び/又はL)、キモパパイン、フィシン、又はパパインのシステインプロテアーゼ活性を阻害することができる。
【0317】
他の実施形態では、阻害剤は、ロイペプチン(Ac-Leu-Leu-Arg-CHO)、E-64(L-trans-3-カルボキシオキシラン-2-カルボニル-L-ロイシルアグマチン)、L-trans-エポキシスクシニル-L-ロイシルアミド-3-メチル-ブタイン、アンチパイン二塩酸塩、微生物キモスタチン、N-エチルマレイミド、α2-マクログロブリン、又はフッ化フェニルメタンスルホニルを含む。
【0318】
様々な実施形態では、有効量のシステインプロテアーゼ阻害剤は、VP1タンパク質の取り込みを増加させ、VP1タンパク質が、キャプシドタンパク質の2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、又は50%である。他の実施形態では、VP1タンパク質の割合(%)は、上で提供された任意の2%の範囲である。
【0319】
様々な実施形態では、有効量のシステインプロテアーゼ阻害剤は、取り込みを増加させ、キャプシド中のVP1タンパク質の平均数は、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、31.5、32、32.5、33、33.5、34、34.5、35、35.5、36、36.5、37、37.5、38、38.5、39、39.5、又は40である。他の実施形態では、キャプシド中のVP1タンパク質の平均数は、上で提供された2つの値間の範囲である。他の実施形態では、rAAVキャプシド当たりのVP1タンパク質は、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、5~10、6~9、5、6、7、8、9、又は10である。
【0320】
バキュロウイルスビリオン
いくつかの実施形態では、バキュロウイルス系が用いられる。
【0321】
バキュロウイルスは、節足動物のエンベロープDNAウイルスであり、そのうち2つのメンバーは、細胞培養で組換えタンパク質を産生するための周知の発現ベクターである。バキュロウイルスは、環状二本鎖ゲノム(80~200kbp)を有し、これを操作して、特定の細胞に大量のゲノム内容物の送達を可能にすることができる。ベクターとして使用されるウイルスは、一般に、Autographa californicaマルチキャプシド核多角体病ウイルス(AcMNPV)又はBombyx mori(Bm)NPV)である。
【0322】
バキュロウイルスは、一般に、組換えタンパク質の発現のための昆虫細胞の感染に使用される。特に、昆虫における異種遺伝子の発現は、例えば、米国特許第4,745,051号、Friesen et al(1986)、EP127,839、及びEP155,476に記載されているように達成することができる。多数のバキュロウイルス株及びバリアント、並びにタンパク質の産生に使用することができる対応する許容昆虫宿主細胞は、当該技術分野で既知である。
【0323】
例えば、市販のBac-to-Bac(登録商標)システム(Thermo Fisher Scientific,Rockford,IL)(カタログ番号10359016)は、組換えタンパク質発現のための発現ベクターを含む。pFastBac(商標)1ベクター(Thermo Fisher Scientific,Rockford,IL)は、高レベルのタンパク質発現のための強力なポリヘドリンプロモーター及び簡略化クローニングのための大きなマルチクローニング部位を有する。pFastBac(商標)デュアル(Thermo Fisher Scientific,Rockford,IL)は、昆虫細胞における2つのタンパク質の同時発現のための単一のベクターにおける2つの強力なプロモーターであるポリヘドリンプロモーター及びp10プロモーターを特徴とする単一のベクターである。
【0324】
簡潔には、例示として、Bac-to-Bac(登録商標)などのバキュロウイルス系は、昆虫細胞における相同組換えではなく、大腸菌(E.coli)における部位特異的転位による組換えバキュロウイルスの生成に依存する。例えば、目的の遺伝子をpFastBac(商標)ベクターにクローニングし、DH10Bac(商標)コンピテントE.coli(Thermo Fisher Scientific,Rockford,IL)に形質転換することができる。DH10Bac(商標)には、lacZ-mini-attTn7融合物を含む親バクミドが含まれる。ヘルパープラスミドによって提供される転位タンパク質の存在下で、pFastBac(商標)ベクターのエレメントと親バクミドとの間に転位が生じる。転位が成功すると、発現カセットはlacZ遺伝子を破壊し、新しい発現bacmidは白色細菌コロニーとして視覚化され得る。新しい発現バクミドを単離し、適切なトランスフェクション試薬を使用して、例えば、Sf9又はSf21細胞をトランスフェクションするために使用することができる。トランスフェクション試薬の例としては、リポソーム、カチオン性ポリマー(例えば、ポリ(エチレンイミン))、カチオン性ペプチド(例えば、ポリ-L-リジン)、Lipofectin(Thermo Fisher Scientific)、Cellfectin(Thermo Fisher Scientific)、Cellfectin II(Thermo Fisher Scientific)、Expifectamine Sf(Thermo Fisher Scientific)、TransIT(登録商標)(Mirus Bio)、Inscect GeneJuice(登録商標)(Biontex)、並びに米国特許第5,674,908号、同第5,834,439号、及び同第6,110,916号に開示されているトランスフェクション試薬が挙げられる(これらの全ては、その全体が参照により本明細書に援用される)。適切な時間の培養後、組換えバキュロウイルスを単離することができる。組換えバキュロウイルスを使用して、細胞を感染させて、AAVウイルス粒子を産生し、かつ/又は目的の遺伝子を発現させることができる。
【0325】
一実施形態では、本発明のバキュロウイルス系は、バキュロウイルスビリオン(BV)が産生されるような条件下で維持された、バキュロウイルスでトランスフェクトされた細胞を含む。次いで、これらの産生されたバキュロウイルスビリオンは、その後の宿主細胞の感染に使用するために回収される。
【0326】
いくつかの実施形態では、アデノ随伴ウイルス(AAV)ウイルス粒子を調製するための方法は、
有効量の塩を含む培地で、AAVウイルス粒子を産生することができる宿主細胞を培養することを含み、AAVウイルス粒子が、VP1タンパク質を含むAAVキャプシドを含み、
宿主細胞が、宿主細胞において1つ以上の異種遺伝子の発現を制御する調節配列に作動可能に連結された1つ以上の異種遺伝子を含む1つ以上の導入遺伝子に隣接する5’及び3’のAAV逆位末端反復配列を含む第1の核酸ベクターと、AAV rep及びcap核酸配列を含む第2の核酸ベクターと、を含み、
cap核酸配列が、AAVキャプシドをコードし、
AAV粒子が、AAVキャプシドでシュードタイプ化され、
第1の核酸ベクターを含むバキュロウイルスによる宿主細胞の感染によって、第1の核酸ベクターが宿主細胞に導入される。
【0327】
他の実施形態では、第1の核酸ベクターを含む第1のバキュロウイルス及び第2の核酸ベクターを含む第2のバキュロウイルスによる宿主細胞の感染によって、第1及び第2の核酸ベクターが、宿主細胞に導入される。
【0328】
いくつかの実施形態では、トランスフェクション又は感染培地及び産生培地中の塩の濃度は、トランスフェクション又は感染培地及び産生培地中の塩の濃度が、産生前培地中の塩の濃度よりも高くなるように増加される。
【0329】
別の実施形態では、本方法は、宿主細胞及び/又は宿主細胞の上清からAAVウイルス粒子を単離、精製、又はそれ以外の場合は回収することを更に含む。
【0330】
AAVウイルス粒子の精製
他の実施形態では、AAVウイルス粒子は、カラムクロマトグラフィー、CsCl勾配などの様々な従来の精製方法を使用して、宿主細胞から精製することができる。例えば、アニオン交換カラム、親和性カラム、及び/又は陽イオン交換カラムを介した精製など、複数のカラム精製ステップが使用され得る。例えば、国際公開第WO02/12455号を参照されたい。更に、感染を用いて、アクセサリー機能を発現する場合、既知の方法を使用して、残留ヘルパーウイルスを不活性化することができる。例えば、アデノウイルスは、約60℃の温度で、例えば、20分間以上加熱することによって不活性化され得る。この処理は、ヘルパーアデノウイルスが熱に不安定である一方、AAVが非常に熱安定であるため、ヘルパーウイルスのみが効果的に不活性化される。
【0331】
一実施形態では、次いで、AAVウイルス粒子ストックは、例えば、カラムクロマトグラフィー技術を使用して、空のキャプシドを除去するように処理される。
【0332】
別の実施形態では、AAVウイルス粒子調製物は、トランスフェクトした細胞を溶解させて粗細胞溶解物を得ることによって得られる。次いで、濾過、遠心分離などの当該技術分野で周知の技術によって細胞デブリを除去するために、粗細胞溶解物を清澄化して、清澄化された細胞溶解物を得ることができる。次いで、AAVウイルス粒子及びAAV空キャプシドの両方を含んでいる可能性がある粗細胞溶解物又は清澄化された細胞溶解物を、非分離条件下で第1の陽イオン交換マトリックスに適用することができ、第1の陽イオン交換カラムは、AAVウイルス粒子及びAAV空キャプシドを細胞及び細胞溶解物調製物に存在する他の成分から更に分離するように機能する。細胞溶解物の初期精製を行うための方法は既知である。1つの代表的な方法は、米国特許第6,593,123号に記載されている(その全体が参照により本明細書に援用される)。
【0333】
薬学的製剤
他の態様では、本発明は、対象への投与に有用な本発明のAAVウイルス粒子の薬学的製剤に関する。
【0334】
一実施形態では、本発明の薬学的製剤は、本明細書に開示されるAAVウイルス粒子を含む液体製剤であり、製剤中のAAVウイルス粒子の濃度は、大きく変化し得る。AAVウイルス粒子は、投与の容易さ及び投薬量の均一性のために、単位剤形で製剤化され得る。「単位剤形(dosage unit form)」という用語は、治療される対象のための単位投薬量として好適な物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされる薬学的担体と会合して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含む。単位剤形は、所望の効果を生じるのに必要なAAVウイルス粒子の量に依存する。必要な量は、単一の用量で製剤化することができ、又は複数の投薬単位で製剤化することができる。用量は、好適なAAVウイルス粒子濃度に調整され、任意選択的に、1つ以上の他の薬剤と組み合わせられ、使用のために包装され得る。
【0335】
別の実施形態では、薬学的組成物は、予防的又は治療的に有効な量、すなわち、問題の疾患状態の症状を予防、軽減、又は改善するのに十分な量、又は所望の利益を付与するのに十分な量を提供するのに十分な遺伝物質を含む。
【0336】
他の実施形態では、本発明の薬学的製剤を含有するAAVウイルス粒子は、保存及び/又は対象への投与のための有利な特性を有する製剤を提供するために、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む。特定の実施形態では、本明細書に提供される薬学的製剤は、少なくとも2週間、好ましくは少なくとも4週間、より好ましくは少なくとも6週間、及び更により好ましくは少なくとも約8週間、安定性の検出可能な変化なしに、65℃未満で保存することができる。これに関して、用語「安定した」は、製剤中に存在するAAVウイルス粒子が、保存中にその物理的安定性、化学的安定性、及び/又は生物活性を本質的に保持することを意味する。本発明の他の実施形態では、薬学的製剤中に存在するAAVウイルス粒子は、-65℃で決められた期間にわたる保存中、対象におけるその生物活性の少なくとも約80%、より好ましくは、対象におけるその生物活性の少なくとも約85%、90%、95%、98%、又は99%を保持する。
【0337】
いくつかの実施形態では、約0.1mg/ml~約3mg/ml、約0.5mg/ml~約2.5mg/ml、約1mg/ml~約2mg/ml、又は約1.4mg/ml~約1.6mg/mlの濃度のリン酸二ナトリウム。特に好ましい実施形態では、本発明のAAVウイルス粒子製剤は、約1.42mg/mlのリン酸二ナトリウム(乾燥)を含む。
【0338】
他の実施形態では、本発明のAAVウイルス粒子製剤に使用することができる別の緩衝剤は、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物であり、これは、いくつかの実施形態では、約0.1mg/ml~約3mg/ml、約0.5mg/ml~約2.5mg/ml、約1mg/ml~約2mg/ml、又は約1.3mg/ml~約1.5mg/mlの濃度で使用することができる。一実施形態では、本発明のAAVウイルス粒子製剤は、約1.38mg/mlの一塩基性リン酸ナトリウム一水和物を含む。別の実施形態では、本発明のAAVウイルス粒子製剤は、約1.42mg/mlの二塩基性リン酸ナトリウム、及び約1.38mg/mlの一塩基性リン酸ナトリウム一水和物を含む。
【0339】
一実施形態では、本発明のAAVウイルス粒子製剤は、好ましくは、約1mg/ml~約20mg/ml、例えば、約1mg/ml~約10mg/ml、約5mg/ml~約15mg/ml、又は約8mg/ml~約20mg/mlの濃度の塩化ナトリウムなどの1つ以上の等張剤を含んでもよい。別の実施形態では、本発明の製剤は、約8.18mg/mlの塩化ナトリウムを含む。当技術分野で知られている他の緩衝剤及び等張性剤が適切であり、本開示の製剤で使用するために日常的に使用することができる。
【0340】
別の実施形態では、本発明のAAVウイルス粒子製剤は、1つ以上の充填剤を含んでもよい。例示的な充填剤としては、マンニトール、スクロース、デキストラン、ラクトース、トレハロース、及びポビドン(PVP K24)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本発明の製剤は、マンニトールを含み、これは、約5mg/ml~約40mg/ml、又は約10mg/ml~約30mg/ml、又は約15mg/ml~約25mg/mlの量で存在し得る。特に好ましい実施形態では、マンニトールは、約20mg/mlの濃度で存在する。
【0341】
いくつかの実施形態では、本発明のAAVウイルス粒子製剤は、非イオン性界面活性剤であり得る1つ以上の界面活性剤を含んでもよい。
【0342】
例示的な界面活性剤としては、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、界面活性剤は、TWEEN(登録商標) 80(ポリソルベート80、又はその化学名モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンとしても知られる)、ドデシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、TRITON(登録商標) AG 98(Rhone-Poulenc)、ポロキサマー407、ポロキサマー188など、及びそれらの組み合わせであり得るが、これらに限定されない。
【0343】
いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、ポロキサマー188を含み、これは、約0.1mg/ml~約4mg/ml、又は約0.5mg/ml~約3mg/ml、約1mg/ml~約3mg/ml、約1.5mg/ml~約2.5mg/ml、又は約1.8mg/ml~約2.2mg/mlの濃度で存在し得る。特に好ましい実施形態では、ポロキサマー188は、約2.0mg/mlの濃度で存在する。
【0344】
他の実施形態では、本発明の薬学的製剤は、約1.42mg/mlの二塩基性リン酸ナトリウム、約1.38mg/mlの一塩基性リン酸ナトリウム、約8.18mg/mlの塩化ナトリウム、約20mg/mlのマンニトール、及び約2mg/mlのポロキサマー188を含む液体溶液中に製剤化されたAAVウイルス粒子を含む。
【0345】
いくつかの実施形態では、本開示のAAVウイルス含有製剤は安定しており、品質、効力、又は純度の許容できない変化なしに長期間保存することができる。
【0346】
一実施形態では、製剤は、約5℃(例えば、2℃~8℃)の温度で、少なくとも1か月間、例えば、少なくとも1か月間、少なくとも3か月間、少なくとも6か月間、少なくとも12か月間、少なくとも18か月間、少なくとも24か月間、又はそれ以上安定している。
【0347】
別の実施形態では、製剤は、約-20℃以下の温度で、少なくとも6か月間、例えば、少なくとも6か月間、少なくとも12か月間、少なくとも18か月間、少なくとも24か月間、少なくとも36か月間、又はそれ以上安定している。
【0348】
いくつかの実施形態では、製剤は、約-40℃以下の温度で、少なくとも6か月間、例えば、少なくとも6か月間、少なくとも12か月間、少なくとも18か月間、少なくとも24か月間、少なくとも36か月間、又はそれ以上安定している。
【0349】
他の実施形態では、製剤は、約-60℃以下の温度で、少なくとも6か月間、例えば、少なくとも6か月間、少なくとも12か月間、少なくとも18か月間、少なくとも24か月間、少なくとも36か月間、又はそれ以上安定している。
【0350】
形質導入/治療
一態様では、本発明は、細胞、組織、及び/又は対象の臓器の効率的な形質導入のための、及び/又は遺伝子療法における使用のための本発明のAAVウイルス粒子の使用を提供する。
【0351】
一実施形態では、本発明は、細胞に、有効量の本発明のAAVウイルス粒子を含む組成物を導入することを含む、細胞、組織、及び/又は目的の臓器の形質導入のための方法を提供する。
【0352】
いくつかの実施形態では、本発明のAAVウイルス粒子は、対象の細胞、組織、及び/又は目的の臓器の形質導入のために使用される。
【0353】
他の実施形態では、細胞、組織、及び/又は目的の臓器の形質導入のための方法が提供され、この方法は、有効量の本発明のAAVウイルス粒子を含む組成物を含む。
【0354】
一実施形態では、対象の予防的又は治療的処置のための方法が提供される。
【0355】
別の実施形態では、対象は、その予防的又は治療的処置を必要とする。
【0356】
いくつかの実施形態では、対象は、状態又は疾患を含み、対象は、状態又は疾患の治療を必要とする。
【0357】
他の実施形態では、対象は、哺乳動物である。
【0358】
一実施形態では、対象は、非げっ歯類哺乳動物である。
【0359】
別の実施形態では、対象は、霊長類である。
【0360】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0361】
他の実施形態では、対象は、家畜である。
【0362】
一実施形態では、対象は、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、イヌ、又はネコである。
【0363】
別の実施形態では、本発明のAAVウイルス粒子は、様々な既知の投与技術を介して対象に投与され得る。
【0364】
いくつかの実施形態では、AAVウイルス粒子は、単回ボーラス投与として、又は長期間にわたってのいずれかで静脈内注射によって投与され、この長期間は、少なくとも約1、5、10、15、30、45、60、75、90、120、150、180、210、又は240分間以上であってもよい。
【0365】
一実施形態では、対象の脳脊髄液(CSF)を含む細胞(例えば、上皮細胞)は、AAVウイルス粒子によって形質導入される。いくつかの実施形態では、AAVウイルス粒子で形質導入された細胞(例えば、上皮細胞)は、形質導入遺伝子を発現し、当該哺乳動物のCSF中に分泌する。
【0366】
別の実施形態では、AAVウイルス粒子の投与は、対象の大槽、脳室内腔、脳室、くも膜下腔、髄腔内腔、及び/又は上衣への投与を含む。
【0367】
他の実施形態では、AAVウイルス粒子の投与は、当該対象の脳脊髄液(CSF)への投与を含む。
【0368】
いくつかの実施形態では、AAVウイルス粒子の投与は、当該対象の上皮細胞をAAVウイルス粒子と接触させることを含む。
【0369】
一実施形態では、AAVウイルス粒子の投与は、当該対象の軟膜細胞、内皮細胞、又は髄膜細胞を当該AAVウイルス粒子と接触させることを含む。
【0370】
別の実施形態では、AAVウイルス粒子の投与は、AAVウイルス粒子を、当該対象の脳又は脊髄の組織又は流体に注射することを含む。
【0371】
いくつかの実施形態では、AAVウイルス粒子の投与は、AAVウイルス粒子を当該対象の脳脊髄液に注射することを含む。
【0372】
キット
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の方法及び組成物とともに使用するためのキットを提供する。組成物及びウイルス製剤は、キットに提供され得る。キットはまた、好適な容器及び任意選択的に1つ以上の追加の薬剤を含み得る。いくつかの実施形態では、容器は、バイアル、試験管、フラスコ、ボトル、注射器、及び/又は他の容器である。他の実施形態では、キットは、例えば、AAVウイルス粒子の投与を指示するための、AAVウイルス粒子、薬学的に許容される担体、及びその使用のための説明書を含む。
【0373】
本発明について、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定しない以下の実施例に更に記載する。
【実施例】
【0374】
実施例1
培地に硫酸銅を補充すると、Bba41キャプシドのVP1の発現を増加させ、Bba41キャプシドでシュードタイプ化されたAAV粒子の感染性を改善した
概要
昆虫細胞ベースのrAAV産生プラットフォームを使用して、rAAVキャプシドを産生した。このキャプシドの産物の品質及び効力の分析は、HEK293系で産生されたrAAVのVP1の割合(VP1%)と比較して、はるかに低いVP1の割合のキャプシドタンパク質を示した。その結果、昆虫細胞で産生されたrAAVキャプシドは、パッケージングされたAAV導入遺伝子によるルシフェラーゼの発現を定量化する形質導入アッセイによって測定した場合、HEK293細胞で産生されたrAAVキャプシドと比較して、有意に低い効力を示した。
【0375】
昆虫細胞ベースのrAAV産生プラットフォームで産生されるキャプシドの効力を改善するために、本発明者らは、昆虫細胞培養物への硫酸銅(CuSO4)補充の効果を評価した。AAV産生に対する影響を調べるために、様々な銅の濃度(0μM~50μM)を試験した。銅の存在下又は不在下で産生されたrAAVのバッチを精製し、分析した。本発明者らは、AAVキャプシドを産生する昆虫細胞における銅の補充が、銅の補充なしで産生されたAAVキャプシドと比較して、キャプシドの効力を有意に改善することを確認した。例えば、銅の補充なしで昆虫細胞系で産生された対照AAVキャプシドと比較して、AAVキャプシドの効力が約10倍増加した。AAVキャプシドタンパク質の分析は、銅なしの対照産生バッチのVP1の割合と比較して、銅を補充したAAV産生バッチで産生されたAAVのVP1の割合の有意な増加を示した。一実施例では、銅の補充なしで産生された対照AAVキャプシドと比較して、AAVキャプシドのVP1の割合のほぼ2倍の増加が観察された。銅を補充した昆虫細胞産生プラットフォームで産生されたAAVキャプシドの比較は、HEK293産生プラットフォームで産生されたAAVキャプシドと同様の効力を示した。
【0376】
材料及び方法
細胞培養:Sf9昆虫細胞(Thermo Fisher Scientific)を28℃で培養した。
【0377】
懸濁液Expi293細胞(Thermo Fisher Scientific)を37℃に設定したシェーカーインキュベーター内で増殖させた。
【0378】
形質導入アッセイに使用した接着性HEK293T細胞を、静的インキュベーターで、37℃で増殖させた。
【0379】
Vi-細胞カウンター(Beckman Coulter)を使用して、細胞密度、生存率、及び平均細胞径を測定した。Nova Flex自動細胞計数器(Nova Medical)を使用して、昆虫及びExpi293細胞におけるAAV産生中の細胞培地中の代謝産物及びガスの細胞培養濃度を測定した。
【0380】
AAVの産生及び精製:Bba41キャプシド(配列番号15)でシュードタイプ化されたrAAVを産生するために、昆虫細胞ベースの産生プロセスを使用して、Sf9由来細胞株において緑色蛍光タンパク質-ルシフェラーゼ(GFP-Luc)rAAVを産生した。GFP-Luc rAAV粒子を、緑色蛍光タンパク質(GFP)及びルシフェラーゼ(Luc)導入遺伝子を担持するvgを担持し、かつAAV Rep及びCap(Bba41)遺伝子を提供する組換えバキュロウイルス(rBV)で、Sf9由来細胞に共感染させることによって産生した。rBVは、昆虫細胞にトランスフェクトした場合、rBVを増殖させることができるシャトルベクターであるバクミドから産生された。
【0381】
昆虫細胞におけるAAVの産生の場合、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcNPV)に由来するrBVを、Bac-to-Bacバキュロウイルス発現システム(Thermo Fisher Scientific)を使用して産生した。AAV産生プロセスには、バッチ細胞培養及びrBVに感染した昆虫細胞の回収が含まれた。
【0382】
HEK293細胞におけるAAV産生の場合、rAAVの産生に必要なRep、Cap、Adヘルパー、及び目的の遺伝子(GOI)エレメントを含有するプラスミドを、expifectamineトランスフェクション試薬を使用してトランスフェクトした。次いで、rAAVを回収物から精製した。
【0383】
組換えAAVキャプシドのVP1の割合の分析:組換えAAVキャプシドのVP1の割合を、2段階精製AAV試料を1レーン当たり2E+11個のキャプシドに等しい量でロードすることによってSDS-PAGE上で分析した。simply blueクーマシー(Thermo Fisher Scientific)染色ゲルをChemidocイメージャーを介して可視化し、分離されたバンドの濃度測定分析を、lab imageソフトウェアスイートを使用して行った。
【0384】
インビトロ形質導入アッセイ:96ウェルプレートにプレーティングした接着性HEK293T細胞(ATCC)を、標的感染多重度で、精製したAAVで感染させた。精製したrAAVを、最終体積に達するように、プレーティング培地に希釈した。ウイルス懸濁液を、96ウェルプレートにプレーティングしたプレーティングされたHEK293T細胞に添加し、インキュベートした。One-Gloルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega)を細胞に添加し、プレートをGloMaxリーダー(Promgea)で読み取った。形質導入効率は、GloMaxプレートリーダーからの出力データによって計算された相対発光単位(RLU)の関数として測定した。
【0385】
AAVキャプシドによるDNAのパッケージングの分析:0.8%アルカリ性アガロースゲルを使用して、標準的なプロトコルに従ってパッケージングされたDNAを分離した。ドロップレットデジタルポリメラーゼ連鎖反応法によって測定された1E+11vgを全ての試料に使用した。SYBR Gold色素(Thermo Fisher Scientific)を使用して、ゲルを染色した。染色したゲルを、ChemidocのEpiblueトランスイルミネーター設定で画像化した。
【0386】
結果及び考察
AAVを産生する銅を補充した昆虫細胞培養物は、AAVキャプシドの形質導入活性の有意な改善をもたらした:銅を、0μM、5μM、又は50μMのいずれかの濃度で、AAVキャプシドを産生する昆虫細胞培養物に添加した。様々な銅を補充した昆虫培養物から産生されたrAAVを単離し、精製し、分析した。精製したAAVの効力を、形質導入アッセイを使用して測定した。0μMの硫酸銅を補充した昆虫細胞培養物は、3.4×10E11vg/mlの力価でrAAVを産生した。5μMの硫酸銅を補充した昆虫細胞培養物は、2.5×10E11vg/mlの力価でrAAVを産生した。50μMの硫酸銅を補充した昆虫細胞培養物は、1.6×10E11vg/mlの力価でrAAVを産生した。銅の濃度の増加は、力価が増加しなかったが、許容されるrAAV力価を生成したことが注目された。
図1に示されるように、形質導入アッセイは、新規のAAVキャプシドの効力に対する銅の用量依存的な効果を示す。50μMの銅を補充した昆虫細胞培養物で産生されたAAVキャプシドは、形質導入アッセイで発光単位(LU)によって測定した場合、銅なしで産生されたAAVよりもほぼ10倍高い力価を示した。同様に、5μMの銅を補充した昆虫細胞培養物で産生されたAAVキャプシドは、銅なしで産生されたAAVよりもほぼ4倍高い力価を示した。
【0387】
銅を補充した昆虫細胞培養によって産生されたAAVキャプシドは、VP1の割合を有意に改善する:銅の存在下又は不在下で昆虫細胞産生プロセス又はHEK293産生プロセスを使用して産生されたrAAVを単離し、精製し、分析した。
図2は、様々な銅を補充した条件について、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)ゲル(4~12%のbis Trisゲル、MOPS泳動緩衝液)で分離した、最終量が1レーン当たり2×10E+11キャプシドの精製キャプシドのSDS-PAGEである。SDS-PAGEゲルで使用された分子量標準は、Seeblue plusであった。ゲルのレーン1は、0μMの銅を補充したSf9細胞で産生されたキャプシドであり、VP1タンパク質は、キャプシドの総VP1~3タンパク質濃度の2.3%を占めた。ゲルのレーン2は、5μMの銅を補充したSf9細胞で産生されたキャプシドであり、VP1タンパク質は、キャプシドの総VP1~3タンパク質濃度の2.9%を占めた。ゲルのレーン3は、50μMの銅を補充したSf9細胞で産生されたキャプシドであり、VP1タンパク質はキャプシドの総VP1~3タンパク質濃度の4.5%を占めた。ゲルのレーン4は、0μMの銅を補充したHEK293細胞で産生されたキャプシドであり、VP1タンパク質は、キャプシドの総VP1~3タンパク質濃度の6%を占めた。ゲルのレーン5は、5μMの銅を補充したHEK293細胞で産生されたキャプシドであり、VP1タンパク質は、キャプシドの総VP1~3タンパク質濃度の5.9%を占めた。ゲルのレーン6は、50μMの銅を補充したHEK293細胞で産生されたキャプシドであり、VP1タンパク質はキャプシドの総VP1~3タンパク質濃度の5.7%を占めた。VP1キャプシドタンパク質、VP2キャプシドタンパク質、及びVP3キャプシドタンパク質を、クーマシーブルー染色によってゲルを染色することによって視覚化した。濃度測定分析によって測定した場合、Sf9細胞培養に50μMの銅を補充することによって産生されたキャプシドのVP1の割合は、銅を補充せずに産生されたキャプシドよりもほぼ2倍高い。別の実験では、293産生プロセスで銅を補充することによって産生されたrAAVもSDS-PAGEゲルで分離した。しかしながら、50μMの銅を補充したHEK293細胞で産生されたrAAVでは、VP1の割合の有意な改善は観察されない。銅を補充すると、昆虫細胞で産生されたrAAVのVP1の割合が増加し、銅を補充せずにrAAVを産生する昆虫細胞と同様の力価が維持されることは予想外であった。VP1の割合は、AAVキャプシドの形質導入効率に直接的な役割を果たすことが知られており、したがって、AAVキャプシドのより高い効力は、昆虫細胞培養における銅の補充の結果として、これらのキャプシドにおける改善されたVP1の割合に起因する。レーン2及び3は、レーン4~6と同様のバンドパターンを有することが注目された。これは、銅の補充がVP1タンパク質のバンドパターンに影響を与えるようには見えなかったことを示す。理論に束縛されることを望むものではないが、銅の補充は、昆虫細胞で産生されたキャプシドのVPタンパク質の組成を変化させ、それにより、VPタンパク質のプロファイルがHEK293細胞で産生されたキャプシドと類似するようになると考えられる。
【0388】
銅を補充した昆虫細胞培養によって産生されたAAVキャプシドは、HEK293産生プラットフォームによって産生されたAAVキャプシドと比較して、同様の効力を示す。形質導入アッセイを、昆虫細胞又はHEK293細胞で産生された精製されたAAVキャプシドに対して実施した。
図3に示されるように、50μMの銅を補充した昆虫細胞培養によって産生されたAAVキャプシドは、シェーカーフラスコ又はバイオリアクターのいずれかでHEK293細胞によって産生されたAAVキャプシドと同様の強度を有する。銅を補充した昆虫細胞培養で産生されたキャプシドの効力は低かったが、昆虫細胞培養の銅の補充は、HEK293細胞で産生されたAAVキャプシドと同様の効力を有するAAVキャプシドを生成した。銅の補充により、昆虫細胞で産生されたrAAVの効力が増加し、銅を補充せずにrAAVを産生する昆虫細胞の力価と同様の力価が維持されたことは予想外であった。したがって、銅の補充は、rAAV粒子の治療有効性を増加させる。
【0389】
アルカリ性アガロースゲルによって示される、銅を補充した昆虫細胞産生プラットフォーム及び293産生プラットフォームによる、AAVキャプシドにパッケージングされた導入遺伝子DNAのプロファイル:昆虫細胞産生プラットフォーム又は293産生プラットフォームによって産生された精製AAVキャプシドのいずれかを、前述のようにアルカリ性アガロースゲルで分離した。
図4は、SYBR Goldを含む0.8%アルカリ性アガロースゲルである。1×10E11vgをゲルにロードした。
図4のレーン1及び12は、ラダー(Promega G5711)分子量標準である。レーン2は、Sf細胞の2×1Lシェイクフラスコから産生された力価1.74×10E14のrAAVであり、rAAVが、>4キロ塩基対(Kb)のvgサイズを有していた。レーン3は、Sf細胞の2×1Lシェイクフラスコから産生された力価4.2×10E14のrAAVであり、rAAVが、>4Kbのvgサイズを有していた。レーン4は、HEK293細胞の3Lバイオリアクターから産生された力価6.5×10E13のrAAVであり、rAAVが、>4Kbのvgサイズを有していた。レーン5は、0μMの硫酸銅を補充したSf9細胞から産生された力価7.8×10E13のrAAVであり、rAAVが、>4Kbのvgサイズを有していた。レーン6は、5μMの硫酸銅を補充したSf9細胞から産生された力価2.2×10E13のrAAVであり、rAAVが、>4Kbのvgサイズを有していた。レーン7は、50μMの硫酸銅を補充したSf9細胞から産生された力価1.5×10E13のrAAVであり、rAAVが、>4Kbのvgサイズを有していた。レーン8は、0μMの硫酸銅を補充したHEK293細胞から産生された力価1.0×10E13のrAAVであり、rAAVが、>4Kbのvgサイズを有していた。レーン9は、50μMの硫酸銅を補充したHEK293細胞から産生された力価1.0×10E13のrAAVであり、rAAVが、>4Kbのvgサイズを有していた。レーン10は、50μMの硫酸銅を補充したHEK293細胞から産生された力価6.6×10E12のrAAVであり、rAAVが、>4Kbのvgサイズを有していた。レーン10は、力価6.5×10E14のrAAVであり、rAAVが、>4Kbのvgサイズを有していた。
図4に示されるように、パッケージングされたDNAのDNAプロファイルは、銅を補充した(レーン6及び7)及び銅を補充していない(レーン5)昆虫細胞が産生したAAVキャプシドの両方において非常に類似している。
【0390】
実施例2
培地に硫酸銅を補充すると、AAV5キャプシドのVP1の発現を増加させ、AAV5キャプシドでシュードタイプ化されたAAV粒子の感染性を改善した
シェイクフラスコでのAAV5の産生:昆虫細胞におけるAAVの産生については、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcNPV)に由来する組換えバキュロウイルス(rBV)を、製造者のプロトコル(Thermo Fisher Scientific)に従ってBac-to-Bacバキュロウイルス発現システムを使用して産生した。AAV産生プロセスは、シェイクフラスコ中のバッチ細胞培養、及び導入遺伝子のポリヌクレオチド配列(GOI)を有するrBV並びにRep及びCap(ウイルスベクター複製及びキャプシドタンパク質)をコードする配列を有するrBVで共感染した昆虫細胞の回収、続いて、AVBセファロース親和性捕捉を使用した精製を含む。この実施例では、Capをコードする配列は、特に、AAV5血清型キャプシドをコードする(NCBI参照配列番号YP_068409.1)。産生プロセス中に、硫酸銅(CuSO4)を細胞培養物に添加した。異なる濃度(5μM、25μM、及び45μM)の硫酸銅を試験した。対照(0μMの硫酸銅)としての2つのフラスコを含めた。
【0391】
逆相高性能液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)を使用して、異なる濃度の硫酸銅で産生されたrAAV粒子のキャプシドのVP1レベルを評価した。RP-HPLC法は、C3カラムを用い、イオン対形成剤であるトリフルオロ酢酸の存在下でアセトニトリル勾配を用いる。rAAV粒子をカラムに注入し、rAAV粒子を解離させ、3種類のキャプシドタンパク質(VP1、VP2、及びVP3)を分離した。3つのウイルスコートタンパク質の相対ピーク面積(%)を、UV214nmピーク下の面積を使用して定量化し、VP1の割合を報告する。
【0392】
図5に示されるように、細胞培養物への銅の添加は、rAAV粒子のキャプシドへのVP1の取り込みを増加させた。特に、5μM、25μM、及び45μMの硫酸銅を細胞培養物に添加した場合、キャプシドにおけるVP1の増加が見られた。5μMの硫酸銅で産生されたAAV5キャプシドのVP1の割合は、約4.25%~>4.5%の範囲であった。25μMの硫酸銅で産生されたAAV5キャプシドのVP1の割合は、≧5%であった。45μMの硫酸銅で産生されたAAV5キャプシドのVP1の割合は、≧4.5%であった。硫酸銅なしで産生されたAAV5キャプシドのVP1の割合は、4%であった。したがって、異なる銅濃度が、AAVキャプシドのVP1含有量(%)を増加させた。
図5はまた、約30μMの濃度の硫酸銅が、rAAV粒子の対照産生と比較して、キャプシド中のVP1含有量を改善することができることを示す。
【0393】
rAAV粒子の感染性に対する影響を試験するために、HepG2細胞(ATCC)にrAAV粒子を感染させた。感染したHepG2細胞における目的の遺伝子のタンパク質発現を定量化するために、細胞培養物から上清を採取し、感染したHepG2細胞を溶解した。タンパク質試料を、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって分析した。タンパク質試料を、ウェルの表面に固定化された捕捉抗体とともにインキュベートした。捕捉抗体は、GOIによってコードされるタンパク質に特異的に結合する。GOIによってコードされるタンパク質を捕捉抗体に結合させた後、捕捉抗体、GOIによってコードされるタンパク質を捕捉抗体に標的化する検出抗体をウェルに添加した。捕捉抗体を、捕捉タンパク質の定量化のために、セイヨウワサビペルオキシダーゼなどの検出エレメントとコンジュゲートした。タンパク質標準曲線を使用して、GOIによってコードされるタンパク質を定量化した。
【0394】
図6に示されるように、細胞培養への銅の添加は、rAAV粒子の感染性を増強した。特に、25μMの硫酸銅で産生されたAAV5キャプシドは、銅なしで産生されたAAV5キャプシドの感染性と比較して、124%、106%、及び117%の感染性/相対効力を有した。したがって、銅の補充は、rAAV粒子の治療有効性を増加させる。
【0395】
バイオリアクターで産生されたAAV5:より大規模なrAAV産生に対する銅の効果を示すために、rAAV産生をバイオリアクターで行った。特に、AAVの産生プロセスは、3L及び2000Lのバイオリアクターにおけるバッチ細胞培養、並びに導入遺伝子ポリヌクレオチド配列(目的の遺伝子(GOI))を有するrBV及びRep及びCap(ウイルスベクター複製及びキャプシドタンパク質)をコードする配列を有するrBVで共感染させた昆虫細胞の回収、続いて、AVBセファロース親和性捕捉及び/又はイオン交換クロマトグラフィーを使用した精製を含む。この例では、Capをコードする配列はまた、AAV5血清型キャプシドをコードする。産生プロセス中、30μMの硫酸銅を細胞培養物に添加した。RP-HPLCを使用して、rAAV粒子のキャプシドのVP1レベルを評価した。
【0396】
図7は、rAAV粒子のRP-HPLC分析を示し、スケールアップされたrAAV産生における硫酸銅の添加は、rAAV粒子のキャプシドのVP1レベルを増加させた。30μMの硫酸銅で産生されたAAV5キャプシドのVP1の割合は6.16%であったが、硫酸銅なしで産生されたAAV5キャプシドのVP1の割合は5.25%であった。
図8はまた、スケールアップされたrAAV産生における硫酸銅の添加がrAAV粒子の効力を増加させたことを示す。特に、30μMの硫酸銅で産生されたAAV5キャプシドは、銅なしで産生されたAAV5キャプシドの感染性と比較して、147%の感染性/相対効力を有した。
図7及び
図8では、rAAV粒子を、AVBセファロース親和性捕捉及びイオン交換クロマトグラフィーによって精製した。
【0397】
図9は、シェイクフラスコ、3Lバイオリアクター、及び2000Lバイオリアクターで産生されたrAAV粒子のRP-HPLC分析を示す。産生#1では、30μMの硫酸銅を補充した3L及び2000Lのバイオリアクターで産生されたrAAV粒子は、銅を含まないシェイクフラスコ培養物で産生されたrAAV粒子と比較して、VP1レベルが増加した。製造#2では、30μMの硫酸銅は、シェイクフラスコ、3Lバイオリアクター、及び2000Lバイオリアクター産生において、VP1レベルを増加させた。産生#1及び#2のrAAV粒子を、AVBセファロース親和性捕捉によって精製した。特に
図9に示されるように、30μMの硫酸銅を添加は、3Lバイオリアクター産生では、VP1の割合が4.2%、2000Lバイオリアクター産生では、4.1%、シェイクフラスコ産生では、4.6%、2回目の3Lバイオリアクター産生では、4.8%、2回目の2000Lバイオリアクター産生では、4.6%に増加した。これらのVP1の割合は、銅なしで産生されたAAV5キャプシドのVP1の割合よりも高かった(シェイクフラスコ産生の場合は、3.3%及び3.2%)。
【0398】
図7~9に示されるように、銅の補充は、キャプシド中のVP1含有量を改善し、rAAV粒子の治療有効性を増加させた。
【0399】
実施例3
培地に硫酸銅を補充すると、AAV9キャプシドのVP1の発現を増加させ、AAV9キャプシドでシュードタイプ化されたAAV粒子の感染性を改善した
昆虫細胞におけるAAV産生については、AcNPVに由来するrBVを、製造業者のプロトコル(Thermo Fisher Scientific)に従ってBac-to-Bacバキュロウイルス発現システムを使用して産生した。AAV産生プロセスは、シェイクフラスコ中のバッチ細胞培養、及び導入遺伝子のポリヌクレオチド配列(GOI)を有するrBV並びにRep及びCap(ウイルスベクター複製及びキャプシドタンパク質)をコードする配列を有するrBVで共感染した昆虫細胞の回収、続いて、免疫クロマトグラフィー捕捉を使用した精製を含む。この実施例では、Capをコードする配列は、特に、AAV9血清型キャプシドをコードする(Genbank受託番号AAS99264.1)。産生プロセス中に、硫酸銅(CuSO4)を細胞培養物に添加した。異なる濃度(0μM、10μM、20μM、及び30μM)の硫酸銅を試験した。
【0400】
キャピラリー電気泳動(UV214nm)を使用して、異なる濃度の硫酸銅で産生されたrAAV粒子のキャプシドのVP1レベルを評価した。
【0401】
図10は、30μMの濃度の硫酸銅が、rAAV粒子の対照産生と比較して、キャプシド中のVP1含有量を改善することを示す。特に、30μMの硫酸銅は、VP1の割合をAAV9キャプシドの6%超に増加させたが、銅なしで産生されたAAV9キャプシドのVP1の割合は5%未満であった。
【0402】
rAAV粒子の感染性を試験するために、HEK293細胞を、異なる感染多重度(MOI;ウイルスと細胞の比率)で、rAAV粒子で感染させた。感染したHEK293細胞における目的の遺伝子(例えば、ルシフェラーゼ)のタンパク質発現を定量化するために、細胞培養物から上清を採取し、感染したHEK293細胞を溶解した。ルシフェリンを、タンパク質試料に添加し、相対発光単位(RLU)を定量化した。
図11に示されるように、細胞培養物に10μM、20μM、及び30μMの硫酸銅を添加すると、銅なしの対照産生培養物と比較して、rAAV粒子の感染性を増強した。銅の補充を使用して産生されたAAV9キャプシドに感染したHEK293細胞は、銅なしで産生されたAAV9キャプシドと比較して(<5E06~約1E07RLU)、より高いRLU(>7E06~>3.5E07RLU)を示した。したがって、30μMの硫酸銅は、10μM及び20μMの銅濃度よりも感染性を改善した。
【0403】
図10及び11に示されるように、銅の補充は、産生されたAAV9キャプシドのVP1含有量を増加させ、AAV9キャプシドの治療有効性を改善する。
【0404】
実施例4
硫酸銅を補充した培地で産生されたAAV5キャプシドの形質導入/感染性のインビボ分析
AAV5キャプシドでシュードタイプ化されたrAAVを、硫酸銅(30μMの硫酸銅;実施例2からの産物#1及び#2)を補充したバキュロウイルス/Sf9発現系を使用して産生した。rAAVのベクターゲノムには、タンパク質(GOIタンパク質)をコードする目的の遺伝子(GOI)が含まれていた。精製したベクターを、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)によって定量化し、ビヒクル対照群(5匹のRag2-/-マウス)とともに、30匹のRag2-/-マウスに、2e14~2e12ベクターゲノム/kg(vg/kg)の範囲の異なる用量で静脈内投与した。
【0405】
投与の52週後、ベクター由来DNA及びRNAのその後の定量化のために、肝臓組織試料を抽出した。DNA及びRNAを、製造業者のプロトコル(Qiagen)に従って、DNeasy血液及び組織キット並びにRNeasy Plusミニキットを使用して、肝臓組織試料から抽出した。抽出したDNA及びRNAの濃度、デジタルドロップレットポリメラーゼ連鎖反応(ddPCR)分析の前に希釈した。ddPCRの例は、Pasi,K.John,et al.“Multiyear Follow-Up of AAV5-hFVIII-SQ Gene Therapy for Hemophilia A.”New England Journal of Medicine 382.1(2020):29-40、Regan,John F.,et al.“A Rapid Molecular Approach for Chromosomal Phasing.”PloS one 10.3(2015):e0118270、及びFuruta-Hanawa,Birei,Teruhide Yamaguchi,and Eriko Uchida.“Two-Dimensional Droplet Digital PCR as a Tool for Titration and Integrity Evaluation of Recombinant Adeno-Associated Viral Vectors”Human gene therapy methods 30.4(2019):127-136に記載されている。投与の52週後に採取した肝臓組織から抽出したベクター由来DNA及びmRNAの測定は、ベクターDNA及び得られた転写産物の両方において用量依存的な増加を示し、これは、1マイクログラム(μg)のDNA当たり約1e7~約2e4コピー、及び1μgのRNA当たり約2.3e9~約8e6コピーの範囲であった。ビヒクル対照は、アッセイの定量下限を下回るDNAレベル及び検出不能なmRNAレベルを示した。
【0406】
例示的な実施形態は上に説明されているが、これらの実施形態が本発明の全ての可能な形態を説明することは意図されていない。むしろ、本明細書で使用される単語は、限定ではなく説明の単語であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更がなされ得ることが理解される。更に、様々な実施形態の特徴を組み合わせて、本発明の更なる実施形態を形成し得る。
【配列表】
【国際調査報告】