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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-05
(54)【発明の名称】溶接物試験システム
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/28 20060101AFI20240129BHJP
   G01M 3/22 20060101ALI20240129BHJP
   G01N 3/12 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
G01M3/28 B
G01M3/22
G01N3/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546545
(86)(22)【出願日】2022-01-31
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 US2022070443
(87)【国際公開番号】W WO2022165531
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】63/144,008
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506342637
【氏名又は名称】ウルトラ クリーン ホールディングス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヒルベルト, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】カイザー, ロス
(72)【発明者】
【氏名】ミルバーン, マシュー
【テーマコード(参考)】
2G061
2G067
【Fターム(参考)】
2G061AA05
2G061AB01
2G061BA15
2G061CB04
2G061CB19
2G061DA01
2G061EA05
2G067AA11
2G067BB02
2G067BB03
2G067CC02
2G067CC13
2G067DD02
2G067DD17
(57)【要約】
流体構成要素内の接続部と溶接部の完全性をチェックするための流体試験システムは、第1のイソプロパノールタンクおよび第2のイソプロパノールタンクに選択的に接続される第1の窒素源と、流体ライン循環回路と、流体循環ラインに選択的に接続されるドレンと、第1のIPAラインを介して流体ライン循環回路に接続された第1のIPAタンクおよび第2のIPAラインを介して流体ライン循環回路に接続された第2のIPAタンクと、第1のIPAタンクおよび第2のIPAタンクに選択的に接続される第2のドレンと、脱イオン水源および流体ライン循環回路に選択的に接続可能な第1の脱イオン水ラインと、真空選択弁を介して流体ライン循環回路に選択的に接続可能な真空ポンプとを含み、流体ライン循環回路は、水、窒素およびIPAを被試験ユニットに流すように選択的に構成可能である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス管類の第1の対合接続部に接続するように構成された第1のコネクタと、
前記プロセス管類上の第2の対合接続部に接続するように構成された第2のコネクタと、
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタの一方に動作可能に接続可能な第1の流体試験装置と、
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタの一方に動作可能に接続可能な第1の流体源と、
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタの一方に動作可能に接続可能な第2の流体源と、
複数の試験パイプ類および弁を備える試験回路であって、前記弁が、前記第1の流体試験装置、前記第1の流体源または前記第2の流体源のうちの1つを前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタの一方と流体連通して選択的に配置するように選択的に位置付け可能である、試験回路と
を備える、統合型洗浄および試験システムであって、
前記第1の流体試験装置、前記第1の流体源または前記第2の流体源のそれぞれは、ユーザが選択可能な順序で前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタの一方と流体連通して、前記システムがプロセスパイプ類を試験し、洗浄し、乾燥させることを、前記プロセスパイプ類が前記試験するステップ、前記洗浄するステップ、または前記乾燥させるステップのいずれかの間に前記システムから除去されることを必要とせずに可能にする、統合型洗浄および試験システム。
【請求項2】
被試験ユニットを接続するように配置された第1のパイプ開口部および第2のパイプ開口部を有する流体試験回路であって、それの対向する第1の端部および第2の端部上にそれを横切ってそれぞれ第1の接続部および第2の接続部を有する管を備え、
第1のIPAタンク内のイソプロパノールに窒素圧を選択的にかけるために、窒素切換弁を介して前記第1のIPAタンクに選択的に接続される第1の窒素源ラインと、
第2のIPAタンク内のイソプロパノールに窒素圧を選択的にかけるために、第2の窒素切換弁を介して前記第2のIPAタンクに選択的に接続される第2の窒素源ラインと、
第1のサブラインおよび第2のサブラインをさらに含む前記窒素源と、
流体ライン循環回路を備える流体回路と、
第1のドレン弁を介して前記流体循環ラインに選択的に接続される第1のドレンと、
第1のIPAラインおよび第1のIPA弁を介して前記流体ライン循環回路に接続された第1のIPAタンク、および、第2のIPAラインおよび第2のIPA弁を介して前記流体ライン循環回路に接続された第2のIPAタンクと、
第1のIPAドレン弁を介して前記第1のIPAタンクに、第2のIPAドレン弁を介して前記第2のIPAタンクに接続された第2のドレンと、
第1のIPAベント弁を介して前記第1のIPAタンクに接続された第1のIPAベントと、
第2のIPAベント弁を介して前記第2のIPAタンクに接続された第2のIPAベントと、
水弁を介して水源および前記流体ライン循環回路に選択的に接続可能な第1の水ラインと、
真空選択弁を介して前記流体ライン循環回路に選択的に接続可能な真空ポンプと
を備え、
前記流体ライン循環回路が、水、窒素およびIPAを被試験ユニットに流すように選択的に構成可能である、流体試験回路。
【請求項3】
前記流体ライン循環回路が、
第1の端部および第2の端部を含む第1の循環流体ラインであって、前記第1の循環流体ラインの前記第1の端部が被試験ユニットに流体接続するための第1のパイプ開口部を提供する、第1の循環流体ラインと、
第1の端部および第2の端部を含む第1の循環分岐ラインであって、前記第1の循環分岐ラインの前記第1の端部が前記第1の循環流体ラインの前記第2の端部に流体接続される、第1の循環分岐ラインと、
第1の端部および第2の端部を有する第2の循環流体ラインであって、前記第2の循環流体ラインの前記第1の端部が前記第1の循環分岐ラインの前記第2の端部に流体接続される、第2の循環流体ラインと、
第1の端部および第2の端部を有する第3の循環流体ラインであって、前記第3の循環流体ラインの前記第1の端部が前記第2の循環流体ラインの前記第2の端部に流体接続される、第3の循環流体ラインと、
第1の端部および第2の端部を有する第4の流体循環ラインであって、前記第1の端部が前記第3の循環流体ラインの前記第2の端部に流体接続され、前記第4の流体循環ラインの前記第2の端部が被試験ユニットに接続可能な第2のパイプ開口部を提供する、第4の流体循環ラインと
を備える、請求項2に記載の流体試験回路。
【請求項4】
第1の流体サブ回路が、ヘリウム漏れチェック制御弁を介して前記第3の流体循環ラインに選択的に接続可能なヘリウム漏れチェック源、前記第4の流体循環ライン、前記第1の流体循環ライン、前記第1の循環分岐ライン、および前記第1の循環分岐ラインに選択的に流体連結される流体出口を備える、請求項3に記載の流体試験回路。
【請求項5】
前記流体出口がヘリウム漏れチェックポートを備える、請求項4に記載の流体試験回路。
【請求項6】
第2の流体サブ回路が、前記水ライン、前記第3の循環流体ライン、第4の循環流体ライン、前記第1の循環流体ライン、前記第1の循環分岐ライン、および前記ドレンを備える、請求項3に記載の流体試験回路。
【請求項7】
第3の流体サブ回路が、
前記水源に接続された第2の水ラインと、
前記第2の水ラインにそれの第1の側面で接続され、前記第4の循環流体ラインにそれの第2の端部で接続された高圧水圧試験システムと、
前記第1の循環流体ラインと、
前記第1の循環流体ラインの前記第2の端部と前記第1の循環分岐ラインの前記第1の端部との間に配置され、前記第1の循環流体ラインの前記第2の端部と前記第1の循環分岐ラインの前記第1の端部との間の流体連通を選択的に開放または阻止するように構成された第1の循環流体弁と
を備える、請求項3に記載の流体試験回路。
【請求項8】
第4の流体サブ回路が、
第1の窒素サブライン、
前記第3の循環流体ライン、
前記第4の循環流体ライン、
前記第1の循環流体ライン、および
前記第1の循環分岐ライン
を備える、請求項3に記載の流体試験回路。
【請求項9】
第5の流体サブ回路が、
前記第3の循環流体ライン、
前記第4の循環流体ライン、
前記第1の循環流体ライン、
前記第1の循環分岐ライン、
前記第1のイソプロパノールタンク、
前記第1のイソプロパノールタンクから前記第1の循環分岐ラインまで延びる第1のIPAフラッシュライン、
前記第2のイソプロパノールタンク、および
前記第1のイソプロパノールタンクから前記第1の循環分岐ラインまで延びる第2のIPAフラッシュライン
を備える、請求項3に記載の流体回路。
【請求項10】
パイプ類を含む被試験ユニットと前記被試験ユニット上の対向継手との流体完全性を試験するための試験システムであって、
内部棚、前記棚の第1の側面上の流体試験回路領域、および前記棚の第2の側面上の試験領域を有するキャビネットと、
前記棚の第1の側面から前記棚の第2の側面まで延びる第1のパイプおよび第2のパイプを有する流体試験回路であって、前記棚の前記第2の側面より遠位の前記パイプの開放端部が、前記開放端部を横切って被試験ユニットを接続するように配置され、前記被試験ユニットが、前記被試験ユニットを横切って接続された、前記被試験ユニットの対向する第1の端部および第2の端部上にそれぞれ第1の接続部分および第2の接続部分を有する管を備える、流体試験回路と
を備え、前記流体試験回路が、
第1のIPAタンク内のイソプロパノールに窒素圧を選択的にかけるために、窒素切換弁を介して前記第1のIPAタンクに選択的に接続される第1の窒素源ラインと、
第2のIPAタンク内のイソプロパノールに窒素圧を選択的にかけるために、第2の窒素切換弁を介して前記第2のIPAタンクに選択的に接続される第2の窒素源ラインと、
第1のサブラインおよび第2のサブラインをさらに含む前記窒素源と、
流体ライン循環回路を備える流体回路と、
第1のドレン弁を介して前記流体循環ラインに選択的に接続される第1のドレンと、
第1のIPAラインおよび第1のIPA弁を介して前記流体ライン循環回路に接続された第1のIPAタンク、および、第2のIPAラインおよび第2のIPA弁を介して前記流体ライン循環回路に接続された第2のIPAタンクと、
第1のIPAドレン弁を介して前記第1のIPAタンクに接続され、第2のIPAドレン弁を介して前記第2のIPAタンクに接続された第2のドレンと、
第1のIPAベント弁を介して前記第1のIPAタンクに接続された第1のIPAベントと、
第2のIPAベント弁を介して前記第2のIPAタンクに接続された第2のIPAベントと、
水源に、かつ水弁を介して前記流体ライン循環回路に選択的に接続可能な第1の水ラインと、
ドレン弁を介して前記流体ライン循環回路に選択的に接続可能なドレンと
を備え、
前記流体ライン循環回路が、水、窒素およびIPAを被試験ユニットに流すように選択的に構成可能である、試験システム。
【請求項11】
前記流体ライン循環回路が、
第1の端部および第2の端部を含む第1の循環流体ラインであって、前記第1の循環流体ラインの前記第1の端部が被試験ユニットに流体接続するための第1のパイプ開口部を提供する、第1の循環流体ラインと、
第1の端部および第2の端部を含む第1の循環分岐ラインであって、前記第1の循環分岐ラインの前記第1の端部が、前記第1の循環流体ラインの前記第2の端部に流体接続される、第1の循環分岐ラインと、
第1の端部および第2の端部を有する第2の循環流体ラインであって、前記第2の循環流体ラインの前記第1の端部が前記第1の循環分岐ラインの前記第2の端部に流体接続される、第2の循環流体ラインと、
第1の端部および第2の端部を有する第3の循環流体ラインであって、前記第3の循環流体ラインの前記第1の端部が前記第2の循環流体ラインの前記第2の端部に流体接続される、第3の循環流体ラインと、
第1の端部および第2の端部を有する第4の流体循環ラインであって、前記第1の端部が前記第3の循環流体ラインの前記第2の端部に流体接続され、前記第4の流体循環ラインの前記第2の端部が被試験ユニットに接続可能な第2のパイプ開口部を提供する、第4の流体循環ラインと
を備える、請求項10に記載の流体試験回路。
【請求項12】
第1の流体サブ回路が、窒素制御弁を介して前記第3の流体循環ラインに選択的に接続可能な窒素源、前記第4の流体循環ライン、前記第1の流体循環ライン、前記第1の循環分岐ライン、および前記第1の循環分岐ラインに選択的に流体連結される流体出口を備える、請求項11に記載の流体試験回路。
【請求項13】
前記流体出口が前記第1のドレンからなる、請求項12に記載の流体試験回路。
【請求項14】
第2の流体サブ回路が、前記水ライン、前記第3の循環流体ライン、前記第4の循環流体ライン、前記第1の循環流体ライン、前記第1の循環分岐ライン、および前記ドレンを備える、請求項11に記載の流体試験回路。
【請求項15】
第3の流体サブ回路が、
前記水源に接続された第2の水ラインと、
前記第2の水ラインにそれの第1の側面で接続され、前記第4の循環流体ラインにそれの第2の端部で接続された高圧水圧試験システムと、
前記第1の循環流体ラインと、
前記第1の循環流体ラインの前記第2の端部と前記第1の循環分岐ラインの前記第1の端部との間に配置され、前記第1の循環流体ラインの前記第2の端部と前記第1の循環分岐ラインの前記第1の端部との間の流体連通を選択的に開放または阻止するように構成された第1の循環流体弁と
を備える、請求項11に記載の流体試験回路。
【請求項16】
第4の流体サブ回路が、
第1の窒素サブライン、
前記第3の循環流体ライン、
前記第4の循環流体ライン、
前記第1の循環流体ライン、
前記第1の循環分岐ライン、および
前記ドレン
を備える、請求項11に記載の流体試験回路。
【請求項17】
第5の流体サブ回路が、
前記第3の循環流体ライン、
前記第4の循環流体ライン、
前記第1の循環流体ライン、
前記第1の循環分岐ライン、
前記第1のイソプロパノールタンク、
前記第1のイソプロパノールタンクから前記第1の循環分岐ラインまで延びる第1のIPAフラッシュライン、
前記第2のイソプロパノールタンク、および
前記第1のイソプロパノールタンクから前記第1の循環分岐ラインまで延びる第2のIPAフラッシュライン
を備える、請求項11に記載の流体回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2021年2月1日に出願された米国仮特許出願第63/144008号の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、プロセスパイプ類(process piping)に用いられる溶接物(weldments)、例えば、ねじ付きコネクタを一定長さの管類(tubing)に接続するために使用される溶接物の分野に関し、より詳細には、圧力と真空の完全性のために溶接物および接続部を洗浄および試験することに関する。
【背景技術】
【0003】
プロセスパイプ類またはプロセス管類は、プロセス機器、例えば、半導体および他の材料の表面上にフィルム層を形成するか、あるいはこの材料の表面から材料層またはフィルム層を除去するために使用される機器にプロセス流体を送達するために、多くの産業で使用される。そのようなプロセスパイプ類は、マスクを通過する電磁エネルギーを使用してフィルム層を露光するために使用される機器にも用いられ、パターン化材料除去に使用される機器にも用いられる。化学気相成長法を使用してフィルム層を堆積させるために、または材料フィルム層もしくは下にある基板表面をエッチングするために使用されるプロセスガスは、腐食性、自然発火性、爆発性、または毒性のうちの少なくとも1つであることが多い。これらのガスは、所望の長さに切断および/または屈曲され、カスタマイズされた方法で経路を定められた管類を経由してプロセス装置に供給され、管類は、個々の管類端部において、継手接続部(fitting connection)の雄半体(male half)または雌半体(female half)のうちの1つに溶接されるか、またはその他の方法で相互接続される。次いで、これらの雄継手半体および雌継手半体は、追加の管類端部上の継手の対応する対合雄半体または雌半体に接続するために、あるいは、プロセス機器、ガスパネル、工場ガス供給ライン、ガス容器、バブラもしくは蒸発器、または他のそのような接続部上の継手の対応する対合雄半体または雌半体に接続するために使用される。1つのそのような継手構成が、Swagelok(登録商標)から入手可能なVCR接続部であり、継手の雌半体はねじ付き穴を含み、継手の雄半体は対合するねじ付きボスおよび貫通孔を含む。1対の管類スタブ(tubing stabs)も提供され、1対の管類スタブはそれぞれ、スタブの一端ではプロセス管類の一部に、スタブの反対端では拡大した環状シール面に溶接されるかそうでなければ流体密封態様で接続されるように構成された管状部分を含む。管類スタブの管状部分は、雄部分および雌部分の開口部を貫通して延長され、したがって、雄部分および雌部分が一体に螺合されると、環状シール面は継手内で互いに隣接しかつ向かい合う。密封接続部を形成するために環状シール面相互間に密封ガスケットが設けられてもよい。別のそのような継手構成は、フランジタイプの場合、KF型接続部もしくはボルト締めフランジ型接続部を有する管が対称であり、ボルトまたはクランプで予め負荷を加えられたガスケットを利用するものである。継手または相互接続する接続部分が管に接続され、管が、流体回路を構成するために他の管類の各部分に溶接される、追加の接続部または継手が知られている。
【0004】
一定長さのプロセス管類および雄半体もしくは雌半体、あるいはそれの少なくとも一端上に接続された対称フランジ型継手を備えるプロセスパイプ類は、腐食性、自然発火性、爆発性、または毒性であり得る流体を運ぶので、プロセスパイプ類は、プロセスパイプ類が漏れ止めであることを確実にするために試験されなければならない。これは、管類スタブまたは他の継手要素がプロセスパイプ類を構成する一定長さの管類に溶接されている場所に漏れが生じていないことを確実にするために、プロセスパイプ類をスタンドアローン状態で試験することを含む。言い換えると、プロセスパイプ類は、プロセスパイプ類内で運ばれる流体がプロセスパイプ類の外方にかつ工場環境中へ、またはプロセスパイプ類が設置されている工場内の機器内で漏れることができないことを確実にするために試験されなければならない。同様に、プロセスパイプ類が、比較的高い圧力で保持される流体をプロセスパイプ類内でまたはプロセスパイプ類を通って流すために高圧印加で使用されるべき場所では、高圧印加は、継手の雄半体および雌半体の管類スタブまたは他の要素と管類および/または任意の溶接継手との接続部が高圧にさらされたときに漏れたり故障したりしないことを確実にするために試験される圧力でなければならない。これらのプロセスパイプ類の、プロセスパイプ類の洗浄または試験中の取扱いは損傷の原因と考えられており、損傷は、継手半体の管類スタブまたは他の要素と、これらが溶接や他の密封機構などによって接続される対象の管類端部と、の機械的密封接続部の漏れまたは故障をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
統合型洗浄および試験システムは、プロセス管類の第1の対合接続部に接続するように構成された第1のコネクタと、プロセス管類上の第2の対合接続部に接続するように構成された第2のコネクタと、第1のコネクタおよび第2のコネクタの一方に動作可能に接続可能な第1の流体試験装置と、第1のコネクタおよび第2のコネクタの一方に動作可能に接続可能な第1の流体源と、第1のコネクタおよび第2のコネクタの一方に動作可能に接続可能な第2の流体源と、複数の試験パイプ類および弁を備える試験回路であって、弁が、第1の流体試験装置、第1の流体源、または第2の流体源のうちの1つを第1のコネクタおよび第2のコネクタの一方と流体連通して選択的に配置するように選択的に位置付け可能である、試験回路とを備え、第1の流体試験装置、第1の流体源または第2の流体源のそれぞれは、ユーザが選択可能な順序で第1のコネクタおよび第2のコネクタの一方と流体連通して、システムがプロセス管類を試験し、洗浄し、乾燥させることを、プロセスパイプ類が試験するステップ、洗浄するステップ、または乾燥させるステップのいずれかの間にシステムから除去されることを必要とせずに可能にする。
【0006】
本開示の上に列挙した特徴を詳細に理解することができるように、上に簡潔に要約された、本開示のより詳細な説明は、そのうちのいくつかが添付の図面に示されている実施形態を参照することにより、得ることができる。しかしながら、添付の図面は、例示的な実施形態のみを示し、したがって本開示の範囲を限定すると見なされるべきでなく、他の同等に有効な実施形態を認め得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】溶接物を圧力と真空の完全性、すなわち漏れない完全性について試験するために提供されるパイプ類試験装置またはキャビネットの例の等角図である。
図2A図1のパイプ類試験装置の一部の拡大等角図であり、ここではキャビネットの上方部分の下ベースを貫通して上方に延びるパイプ開口部を示す。
図2B図1のパイプ類試験装置の一部の拡大等角図であり、ここでは複数のプロセスパイプ類を試験するために含められた1対のマニホルドを示し、それぞれパイプ開口部の一方に接続されている。
図2C図1のパイプ類試験装置の一部の背面図である。
図3図1のパイプ類試験装置の一部の拡大等角図であり、ここではパイプ開口部の一方に接続された溶接物の静水圧試験を行うための高圧隔離弁を示す。
図4図1の試験キャビネットの構成可能なパイプ類流体試験回路、ならびに被試験パイプ類のユニット、本明細書では被試験ユニット(unit under test)の溶接物の真空漏れ試験を行うためのパイプ類流体試験回路の構成を示す図である。
図5】高圧水または別の高圧流体を使用して被試験ユニットの自動化静水圧試験を行うための流路を形成するための、図4のパイプ類流体試験回路の構成を示す図である。
図6】被試験ユニットから水を押し、被試験ユニットを加熱窒素で洗い流す/乾燥させるための流路を形成するための、図4のパイプ類流体試験回路の構成を示す図である。
図7】イソプロパノール(IPA)を使用して被試験ユニットを洗い流すための流路を形成するための、図4のパイプ類流体試験回路の構成を示す図であり、IPAは、IPA貯蔵タンク内のIPAの上の窒素ガスの圧力により、流体試験回路の一部における流れに加圧される。
図8】被試験ユニットをイソプロパノールが流れたのに続いて被試験ユニットを窒素で洗い流すための流路を形成するための、図4のパイプ類流体試験回路の構成を示す図である。
図9】被試験ユニットを脱イオン水で洗い流すための流路を形成するための、図4のパイプ類流体試験回路の構成を示す図である。
図10】被試験ユニットから水を押し、被試験ユニットを窒素で洗い流すための流路を形成するための、図4のパイプ類流体試験回路の構成を示す図である。
図11】被試験ユニットを真空乾燥させるための流路を形成するための、図4の管類流体試験回路の構成を示す図である。
図12】被試験ユニットの双方向の窒素洗い流しまたは窒素パージを可能にするための、図4のパイプ類流体試験回路の構成を、この構成を修正して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
理解を容易にするために、同一の参照番号が、可能であれば各図に共通している同一要素を示すために使用されている。一実施形態の要素および特徴は、さらに列挙することなく他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが考えられる。
【0009】
継手に、パイプ類の端部を継手の対応する部分に溶接することなどによって接続された一定長さの管類を含むプロセスパイプ類を試験し、洗浄し、そして乾燥させるためのパイプ類流体試験装置が本明細書で提供される。図1に示すパイプ類流体試験装置の態様では、装置は試験キャビネット100として構成され、試験キャビネットには1つまたは複数のプロセスパイプ類が接続可能であり、プロセスパイプ類はそれぞれ、溶接物真空完全性を含む真空完全性に対して、所望であれば高圧流体完全性に対して評価される、すなわち、溶接物は、プロセスパイプ類の内部が高圧下にあるときに漏れない。キャビネット内の少なくとも一部分に試験流体回路が設けられ、試験流体回路は、プロセスパイプ類、本明細書では「被試験ユニット」の内部を真空に、所望であれば高流体圧に、および、イソプロピルアルコールなどの洗浄剤、乾燥加熱ガスなどの乾燥剤、例えば乾燥加熱窒素すなわちNにさらすように選択的に構成可能である。被試験ユニットの内部が真空にさらされると、漏れチェックガスを被試験ユニットの溶接継手の外部に導入することができ、試験流体回路は、漏れチェックガスが溶接継手を通過して被試験ユニットの内部に入ると、ヘリウム検出器まで行くのを可能にするように構成される。試験流体回路は、コンピュータまたは他のユーザアドレス可能な論理装置を使用して、試験流体回路内の弁類を選択的に開閉して流体試験回路のサブ回路を形成し、それによって被試験ユニットの内部を真空、高圧、洗浄流体、および乾燥流体にユーザの所望の順序で選択的にさらさせるように、ユーザが構成可能である。
【0010】
最初に図1を参照すると、プロセスパイプ類、以下「被試験ユニット」(図2Aおよび図2B)を試験し、その後洗浄することができる統合型溶接物試験キャビネット100の等角図が示されている。統合型溶接物試験キャビネット100は、ここでは、キャビネットに接続されるべき被試験ユニットの両端上の継手半体の接続を可能にするように、かつ被試験ユニット1066に対して1つまたは複数の評価または試験を実行するように構成される。例えば、キャビネット100は、ヘリウムを使用して被試験ユニット1066の自動化漏れ試験を行い、その後、被試験ユニット1066の漏れ試験の前に、後で、または前後に被試験ユニット1066の内表面の洗い流しまたは乾燥を行うために使用することができる。さらに、被試験ユニットの真空試験に加えて、またはこの真空試験の代わりに、周囲環境よりも高い圧力で被試験ユニット1066の圧力試験をすることも、キャビネット100を使用して可能である。
【0011】
この場合、キャビネット100は、鋼または他の金属の枠70を備えるキャビネットシェル116を含み、ねじ付き締結具または他の固定要素によって枠70に接続された外板72によって境界を画された下部筐体80を有する直方体として構成される。キャビネット100は、外板72を貫通して延びる、それぞれスクリーン74で覆われ、キャビネット100の対向側面上にそれぞれ1つある、少なくとも2つの通気口117と、上部キャビネット表面84と、下部筐体80内の下機器ベース76とを含む。ユーザインタフェース区画室121が、枠70の内側境界内の上部キャビネット表面84の上に広がる。下部筐体80は、リヤパネル86(図2C)を形成する外板によってさらに境界を画され、この設備を通して、脱イオン(DI)水、イソプロピルアルコール(IPA)、ヘリウム、窒素などの試験用流体を下部筐体80内に供給して、キャビネット100を使用して被試験ユニット1066を試験するために使用することができる。設備ライン、独立した容器、または両方を組み合わせたものがこれらの設備を供給することができる。キャビネット100は、キャビネット100の移動を可能にするとともに、キャビネット100を所望の場所でキャビネットの移動に対してロックまたは固定するために、枠70の下端部78にあるキャビネットの4つの角のそれぞれにおいて、キャスタまたはロック可能な車輪114(3つだけ図示されている)に接続されている。
【0012】
キャビネット100の下部筐体80は、被試験ユニットの試験に使用されるレンチ、ユニットアダプタ201(図2)および他の用具などのツールを収容するために、下部筐体80の外部からアクセス可能な複数の、この場合は2つの引出し118を含み、それぞれ引出しハンドル119およびロック120を有する。下部筐体80の残り部分内には、それぞれがイソプロピルアルコール(液体状態で貯蔵されるIPA)などの洗浄剤を受容、貯蔵、および分注することができる、複数の、この場合は2つの流体タンク103、ならびに、真空ポンプ107と1対のパイプ類の端部、この場合はCシール表面実装弁またはマニホルド端部にある1対のパイプ開口部115とがあり、これらはすべて、複数の試験パイプ類110、この場合は、試験中にそれに流されるべき流体に不活性である清浄で滑らかな内部表面を有する一定面積もしくは一定長さのステンレス鋼または他のパイプ類に流体的に相互接続可能である。本明細書で後述するように、追加の流体構成要素が下部筐体内に存在し、試験パイプ類110の選択済みのものに接続される。本明細書で後述するように、複数の弁もまた下部筐体80内に配置され、試験パイプ類110の選択済みのものと真空ポンプ107、流体タンク103およびオプションの高圧試験システム1063(図3および図4)とを相互接続してパイプ類流体試験回路を形成する。パイプ類流体試験回路は、キャビネット100を使用して評価されている被試験ユニット1066に対して1つまたは複数の試験運転または手順を行うための個々の構成可能な流体回路を形成するように構成可能である。
【0013】
パイプ類試験回路は、被試験ユニット1066が装着されることになる試験パイプ類110を含む。これらの試験パイプ類110は、下部筐体80の外方にかつ上部キャビネット表面84を貫通して延びる1対のパイプの端部に1対のパイプ開口部115を含み、1対のパイプ開口部の間には、被試験ユニット1066が、図2aおよび図2bに示すように2つのパイプ開口部115の間にかつこれらを横切って接続されることを可能にするのに十分な空間を有する。パイプ開口部115を有するパイプ類の末端部は、キャビネット100のユーザインタフェース区画室121内の上部キャビネット表面84の約2~10cm上方に配置される。キャビネット100の、上部キャビネット表面84の上方の領域は、キャビネット100のユーザがパイプ開口部115を横切って被試験ユニット1066を装着するためにアクセスすることができるユーザインタフェース区画室121を形成する。被試験ユニット1066が1対のパイプ開口部115の間に密閉流体経路を提供するようにパイプ開口部115に接続するために、被試験ユニット1066の対向端部上の対向継手半体にアダプタが接続され得る。さらに、高圧隔離弁301がキャビネット100に接続され、被試験ユニット1066が図3に示すように高圧隔離弁に接続されるときに、被試験ユニット1066の流路内の高圧流体を供給するための別個の高圧試験ユニットがパイプ開口部115に別に接続され得る。
【0014】
グラフィカルユーザインタフェース(GUI)が、リヤパネル86上方のキャビネットの枠70の一部に接続される。グラフィカルユーザインタフェース113は、グラフィカルユーザインタフェース113に試験の構成およびプロパティを表示するよう指示し、試験の構成、プロパティまたはレシピに関する取扱説明書を受け取り、そして出力するとともに、特定の被試験ユニットに関連する試験結果を保存し、使用される場所で、被試験ユニット1066に試験を実行するためにキャビネットの下部筐体80および任意の高圧試験ユニット内の構成要素および弁の動作を制御することができるコンピュータおよび/またはプログラマブル論理コントローラ(PLC)の上部に接続しかつ、またはこの上に存在する。例えば、各被試験ユニット1066は、コードやその上のバーコードなどの固有の識別子を含むことができ、このコードは、スキャナ(図示せず)を介して、またはキャビネット100のユーザによってGUIを介して手でコンピュータに入力され、コンピュータは、被試験ユニットのコードに基づいてキャビネット100のユーザまたは所有者によって前もってプログラムされるか、あるいは特定の被試験ユニット1066のためにグラフィカルユーザインタフェースを介して明確に異なって入力される一連の手順を実行するように、下部筐体80内の弁または他の構成要素の動作を制御する。
【0015】
図2Aおよび図2Bを参照すると、パイプ開口部115と被試験ユニット1066を一体に流体接続することができる複数のユニットアダプタ201を有するユーザインタフェース区画室121の一部の等角図が示されている。一態様では、ユニットアダプタは、ユニットアダプタの対向端部上に形成され、被試験ユニット1066の水圧試験が行われる圧力に耐えるように定格された一体型継手半体を有する高圧ステンレス鋼管類である。この場合、ユニットアダプタは可撓性であり、異なる管類長さを有するが、同じサイズの継手半体を有するいくつかの異なる種類の被試験ユニットに再利用可能であり得る。
【0016】
別の態様では、ユニットアダプタ201は、ユニットアダプタ上に対向する継手半体を有するステンレス鋼管を備え、一方の継手半体は、パイプ開口部115の一方に連結するための雌継手半体として構成され、他方の継手半体は、被試験ユニット1066の両端の一方の上の対合継手半体に連結するための雄半体または雌半体であり、両連結部は、パイプ開口部115の間にかつパイプ開口部115を横切って被試験ユニット1066に接続して、被試験ユニットを通るまたは被試験ユニット内への液体またはガスの流体流れをコンピュータの制御下でまたは手動制御下で可能にするために、液密態様で接続される。この態様では、ユニットアダプタ201は、ユニットアダプタ201が特定の被試験ユニット1066に合わせてカスタマイズされるように、パイプ開口部115相互間の空間と被試験ユニット1066の特定の構成上の継手の場所およびタイプとに基づいてカスタム製造され、各被試験ユニット1066は、同じタイプの別の被試験ユニット1066をパイプ開口部115に接続するために再利用され得るユニットアダプタ201の特定のセットを必要とする。この態様では、ユニットアダプタ201の継手半体は、最初に、被試験ユニット1066の対向端部上の継手半体に接続され、そこから、ユニットアダプタの他の端部上の雌継手半体は、パイプ開口部115の間にかつその向こう側に被試験ユニット1066を接続するための雄継手半体として構成されたパイプ開口部115に接続される。この場合、図2Aおよび図2Bに示す被試験ユニット1066に関して、ユニットアダプタ201はそれぞれ、パイプ開口部115に接続された一定長さの管類の一端が上部キャビネット表面84から延びパイプ開口部115内で終端するパイプの部分と略平行にかつ同一線上に延び、被試験ユニット1066上の継手に接続された管類の第2の端部が上部キャビネット表面84と略平行に延びるように、ユニットアダプタに90°の屈曲部を有する一定長さの管類を備える。さらに、被試験ユニット1066は、被試験ユニットに3つ以上の継手を含むことができる。例えば、被試験ユニットは、追加の管類および関連する継手半体を有する1つまたは複数の接続場所から出る1つまたは複数の分岐部を含むことができる。これらの被試験ユニット1066を試験するために、2つを超える継手半体は、隠れた対合継手半体、すなわち、流体が隠れた継手半体の下流側の任意の長さのパイプ類に入ることができるが、これに流れることができないように、被試験ユニットの閉じた穴または隠れた穴にのみ流体接続する継手半体に接続される。
【0017】
異なる継手構成が被試験ユニット上に存在する場合、ユニットアダプタ201の継手半体は、被試験ユニット1066上の継手半体の適切なサイズに合わせて選択される。図2Aに示す一実施形態では、ユニットアダプタ201は、開口部115においてパイプ類に、そして被試験ユニット1066に直接締結され、キャビネット100は、1つの被試験ユニット1066を一度に試験するように構成される。第2の実施形態では、2番目以上の数の対のパイプ開口部115、および対応するユニットアダプタ201が設けられる。図2Bでは、これは、1対のアダプタマニホルド202によって提供され、アダプタマニホルドはそれぞれ、中央共通マニホルドに接続されたアダプタマニホルドパイプ開口部115aを介して複数の、この場合は3つのパイプ開口部115に接続され、各アダプタマニホルドの中央共通マニホルドはパイプ開口部115の一方に接続する。アダプタマニホルド202は、複数の被試験ユニット1066がキャビネット上またはキャビネット内で同時に試験されることを可能にする。
【0018】
キャビネット100は、本明細書では、被試験ユニット1066を通る流体を自動循環させるために構成される。しかしながら、手動運転も考えられる。具体的には、被試験ユニット1066の一部のみが高圧溶接物完全性のために試験される必要がある場合、高圧試験機器は、キャビネット100の下部筐体80内に配置されなくてもよく、パイプ開口部115の上に設けられる。図3を参照すると、外部高圧試験装置に接続するための1対の水圧試験弁301を有するユーザインタフェース区画室121の等角図が示されている。各水圧試験弁は、パイプ開口部115の対応する一方に螺合される接続端部306を有する弁本体302と、弁本体302を通る流路の開閉を可能にするために弁本体302に動作可能に接続された手動操作レバー304と、被試験ユニット1066に接続されたユニットコネクタを弁本体に接続するための二次パイプ開口部115とを含む。水圧試験弁301の一方は、これに高圧流体ラインを接続するための高圧流体入口308も含む。被試験ユニットの高圧試験中、流体は回送される、すなわち、高圧流体、この場合は水が、水圧試験に使用される試験パイプ類110の各部分を充填するように流され、次いでドレンへの弁が閉鎖されると、流体圧力がプロセスパイプ類110および被試験ユニット内で所望の試験圧力まで上昇することが可能になる。被試験ユニット1066が、被試験ユニット1066に適合することができる対応するユニットアダプタ201とともに示されており、ユニットアダプタ201の雌端部は二次パイプ開口部115’に接続される。さらに、各水圧試験弁301は、水圧試験弁をコンピュータの制御下で完全開位置と完全閉位置との間で自動的に循環させるために、水圧試験弁上の手動操作レバー304に取って代わるソレノイドオペレータを含むことができる。手動操作中、高圧下の水圧試験流体が高圧流体入口308に存在する。手動操作レバー304が第1の位置に配置されると、被試験ユニットは、被試験ユニット1066の溶接物の高圧試験のために、パイプ開口部115から流体分離され、高圧流体入口308に存在する高圧に流体連結される。手動操作レバー304が第2の位置に配置されると、被試験ユニット1066は、被試験ユニット1066の溶接物の漏れ試験のために、高圧流体入口308から流体分離され、パイプ開口部115に流体連結される。
【0019】
一実施形態では、被試験ユニット1066(例えば、高圧ガスライン)用の試験および処理手順は、被試験ユニットを通る流体の流れを可能にし、この流れへの被試験ユニットの応答を測定する一連の行動からなる。高圧ガスライン用の1つの試験および処理手順は、ユーザが被試験ユニット1066を対応するユニットアダプタ201に接続し、次いでユニットアダプタをパイプ開口部115、115aまたは115’にあるパイプ類に接続することによって始まる。ユーザは、手作業で、雌継手半体を対応する雄継手半体の上にまたはこれに対して取り付けて回し、継手半体を、加えられたトルクを検出するか、所望のトルクが達成されていることを示す可聴信号を表示するかもしくは音調に変えるか、両方をするか、のいずれかをすることができるトルクレンチを使用して指定のトルクに締め付けることにより、継手半体を一体に固定しなければならない、あるいは、手動トルクレンチで、または継手の適切な組立てを確実にするメーカ所定の方法に従うことにより、継手半体を一体に締め付けなければならない。あるいは、継手半体は一体に螺合して「ハンドタイト」状態にすることができ、その後、雄継手半体に対する雌継手半体の一定数の部分ターンまたはフルターンが実行される。
【0020】
被試験ユニット1066がパイプ開口部115(または115’、115a)に適切に接続されると、ユーザは、一態様では、最初に、グラフィカルユーザインタフェース113上に表示された仮想キーボード上のタッチペンを使用して被試験ユニット1066用の適切なコードをグラフィカルユーザインタフェース113に入力することにより、仮想キーボードに手で触れることにより、またはコンピュータの自動化ユーザインタフェース表面のグラフィカルユーザインタフェース113から遠隔の操作により手順を選択することにより、自動化試験および処理手順を始める。手順の開始前に、システム内の弁はすべて、弁に閉位置を達成または維持するよう指示する、またはEVブロック1053に、本明細書で使用される空気圧操作弁に関する機能を実行するよう指示するコンピュータからの信号により、開始され閉位置に設定される。
【0021】
図4を参照すると、試験パイプ類110は、弁の使用により、被試験ユニット1066用の様々な試験体制を可能にするために複数の異なる流体回路を構成するように構成可能である。具体的には、試験パイプ類110は、複数の個々のパイプ類および弁を含むものであり、被試験ユニット1066の内部流路に少なくとも真空圧(サブ大気圧)、窒素などのガス、IPA、および脱イオン水を供給するように構成可能である。
【0022】
個々の回路は窒素供給回路を含む。流体タンク103を加圧するとともに、他の流体を試験パイプ類のパイプ類および被試験ユニット1066から外へパージするかまたは押し出すのに有用な窒素を供給するために、工場の窒素供給部が、窒素供給部1055のポート1055a(図2Cの上部中央にある)においてキャビネット100内に接続可能である。第1の構成可能な主窒素圧ラインが、キャビネット内を窒素供給部1055から分岐部まで延び、第1の窒素圧サブラインが第1の切換弁1019を経由して流体タンク103の一方、この場合は第1のIPAタンク1078まで延びる。第1の切換弁1019は空気弁であり、空気弁の開閉は、空気弁の運転切換要素に選択的に加えられるガス圧力によって制御され、ガス圧力は、キャビネットのコンピュータまたはコントローラの制御下でEVブロック1053によって空気弁に選択的に方向付けられる。第1の切換弁1019が開位置にあるとき、窒素は、第1の窒素圧サブライン1106から切換弁を経由して第1のIPAタンク1078内へ流れて、第1のIPAタンク1078内の液体IPAの上に加圧窒素ブランケットを形成する。第2の窒素圧サブライン1104は、第2のIPAタンク1050内の液体IPAの上に圧力下の窒素を選択的に供給するために、分岐部から第2の切換弁1003を経由して第2のタンク103、この場合は第2のIPAタンク1050内へ延びる。第1のIPAタンク1078および第2のIPAタンク1050内の圧力下の窒素は、被試験ユニットがキャビネット100内の試験パイプ類110の構成によってIPAで洗い流されているときに、液体IPAをタンク(第1のタンク1078または第2のIPAタンク1050)の一方から被試験ユニット1066を通って押し出すのに十分なエネルギーが存在していることを確実にする。本明細書で説明するように、試験パイプ類110は、本明細書では、被試験ユニットを通過するIPAが第1のIPAタンク1078および第2のIPAタンク1050の一方から被試験ユニット1066を通り、そこから第1のIPAタンク1078および第2のIPAタンク1050の他方の中へ流されるように構成される。IPAを第1のIPAタンク1078から被試験ユニット1066を経由して第2のIPAタンク1050まで流すには、第1のIPAタンク1078は加圧され、第2のIPAタンク1050は局所大気圧に減圧またはガス抜きされ、第1のIPAタンク1078から第2のIPAタンク1050までの流れが可能になる。IPAが第2のIPAタンク1050から第1のIPAタンク1078まで移動しているときに、第2のIPAタンク1050は加圧され、第1のIPAタンク1078は局所大気圧に減圧またはガス抜きされ、IPA洗い流しが行われるときに第2のIPAタンク1050から被試験ユニット1066経由の第1のIPAタンク1078までの流れが可能になる。第1のIPAタンク1078内の圧力を下げるために、窒素供給回路は、第1の切換弁1019と第1のIPAタンク1078内への第1の窒素圧サブラインの開口部との間で第1の窒素圧サブライン1106に接続された第1のベント弁1020を含んでおり、窒素が窒素源から第1のIPAタンク1078内に流れ込むのを妨げるために閉位置にある第1の切換弁1019で、第1の窒素圧ベントライン1110を第1のIPAタンク1078に選択的に接続して、第1のIPAタンク1078内のIPAの上の圧力を大気または周囲環境のベント1069に、例えば、キャビネットのバックパネルを貫通する接続部を経由して施設中央排気システムに逃がす。第2のIPAタンク1050内の圧力を下げるために、窒素供給回路は、第2の切換弁1003と第2のIPAタンク1050内への第2の窒素圧サブライン1104の開口部との間で第2の窒素圧サブライン1104に接続された第2のベント弁1002を含んでおり、窒素が窒素源から第2のIPAタンク1050内に流れ込むのを妨げるために閉位置にある第2の切換弁1003で、第2の窒素圧ベントライン1108を第2のIPAタンク1050に選択的に接続して、第2のIPAタンク1050内のIPAの上の圧力を、キャビネット100を取り囲む環境に開放している大気または周囲のベント1051に逃がす。IPAは、第2のベント/ファンネル1069から第1のIPAタンク1078内に導入または付加することができる。代替的に、または付加的に、同様の充填ファンネルが第1のIPAタンク1050に流体接続されてもよい。
【0023】
窒素供給回路は、第1の窒素分岐ライン1140および第2の窒素分岐ライン1142も含む。第1の窒素分岐ライン1140は、圧力調整器1022を介してEVブロックに接続され、圧力調整器はブロック圧力計1054にも接続される。圧力調整器は、窒素を調整済み圧力でEVブロックに供給し、この窒素は、EVブロックから空気圧制御管類(図示せず)を経由して試験回路の空気弁に選択的に供給される。第2の窒素分岐ライン1142は、窒素源1055からの窒素を、キャビネット内の試験パイプ類110で構成された流体ライン循環回路1116内の被試験ユニット1066につなげるように構成され、これについては本明細書でより詳細に説明する。第2の窒素分岐ライン1142は、このライン内の窒素圧を選択された圧力範囲内に調整する調整器1017と、窒素流中の微粒子を除去するフィルタ1059と、非窒素ガスを除去するゲッタとして働く清浄器1058と、ヒータ1060とを含む。
【0024】
IPA流体回路は、IPAフラッシュ回路(flush circuit)を含む。この回路は、第1のIPAタンク1078内のIPAの液体体積内から第1のIPAフラッシュ弁(flush valve)1016まで延びる第1のIPAフラッシュライン(flush line)1114を含み、第1のIPAフラッシュ弁は、EVブロック1053によって選択的に供給された空気圧によって制御される空気弁である。第1のIPAフラッシュライン1114は、第1のIPAフラッシュ弁1016から流体ライン循環回路1116内に流体接続し、被試験ユニット1066は、本明細書で後述するように流体ライン循環回路内に流路を形成する。参照目的のためにのみ、第1のIPAフラッシュライン1114は、ここでは、流体ライン循環回路1116の第1の側および被試験ユニット1066に流体接続されるものと見なされる。第2のIPAフラッシュライン1112は、第2のIPAタンク1050内のIPAの流体体積内から第2のIPAタンク1050の外方に、第2のIPAフラッシュ弁1004内にまで延びる。第2のIPAフラッシュ弁1004は、EVブロック1053の制御下での流体作動式弁である。第2のIPAフラッシュライン1112は、第2のIPAフラッシュ弁1004を介して、流体ライン循環回路1116の第2の側の流体ライン循環回路1116および被試験ユニット1066に流体接続される。
【0025】
IPA回路はフラッシュ回路も含む。このフラッシュ回路1118では、第1のIPAドレンライン1120が第2のIPAタンク1050から分岐ラインに向かって下方に延びる。第1のIPAドレンラインは、第1のIPAタンク1078の下部から下方に延びる。第1のIPAドレンライン1122および第2のIPAドレンライン1120は共通ドレンライン1124に接続し、共通ドレンラインの開閉は、ドレン弁1001によって制御され、ドレン弁1001は、IPAが別個の廃棄ラインに排出されること、またはIPAを再利用することを可能にするために開閉することができる。
【0026】
流体ライン循環回路1116は、被試験ユニット1066の試験に使用された異なる流体成分が被試験ユニット1066に選択的に接続されることを可能にする。流体ライン循環回路1116は、被試験ユニット1160の第2の側面の場所と、高圧(HP)ボール弁1015との接続部と、の間を接続する第1の循環流体ライン1126を含み、接続部は、HPボール弁1015を介して第2の循環流体ライン1128に接続し、第2の循環流体ライン1128は、第2のIPAフラッシュ弁1004を介して第2のIPAフラッシュライン1112に接続される。第2の循環流体ライン1128は、空気弁、この場合は第2のドレン弁1005に接続された第2のドレンライン1130にも接続され、第2のドレン弁は、EVブロック1053の制御下で第2のドレンラインをドレン1067に選択的に流体連通する。第2の循環流体ライン1128は、真空制御制御ライン弁1006に接続された第3の分岐ライン1132との接続部に続いており、真空制御制御ライン弁1006は、第3の分岐ラインを低真空ポンプ1068に選択的に連通する。第1の循環流体ラインは、HPボール弁1015より遠位の第1の循環流体ラインの端部で、EVブロック1053によって制御される第1の循環空気弁1007に流体接続される。
【0027】
第3の循環流体ライン1134は、第1の循環空気弁1007との流体接続部から循環T字形部まで延び、T字形部には、流体ライン循環回路1116の第3の循環流体ライン1138、および第2の窒素分岐ライン1142が流体接続される。第3の循環流体ライン1134および第2の窒素分岐ライン1142の第4の循環流体ライン1138内への流体接続は、第2の空気循環ライン弁1008によって制御される。第4の循環流体ライン1138は、第2の空気循環ライン弁1008から三方切換ボール弁1014まで延びる。三方切換ボール弁1014と第2の空気循環ライン弁1008との間に、第4の循環流体ライン1138は複数の流体ラインに接続される。したがって、キャビネット100のバックパネル上の接続部から供給された屋内脱イオン水源1062に接続された第1の脱イオン水ライン1144は、EVブロック1053の制御下で脱イオン水空気弁1010を介して第4の循環流体ラインに接続される。加えて、第1のIPAフラッシュライン1114は、三方切換ボール弁1014と第1の脱イオン水ライン1144の接続部との間の第4の循環流体ライン1138内に接続する。ヘリウム漏れチェック制御ライン弁1009に接続されたヘリウム漏れチェックポートライン1152は、外部ヘリウム漏れテスタなどのヘリウム漏れチェック1070が第4の循環流体ライン1138上で真空を引くことを可能にするように選択的に動作する。第5の循環流体ライン1146は、三方切換ボール弁1014から被試験ユニット1066の試験位置の第1の側面まで延びる。
【0028】
収容された脱イオン水源1062から得られた脱イオン水を加圧することができる統合型高圧試験システム1063が、図2Cの高圧弁類の代わりに設けられてもよい。この統合型高圧試験システム1063は、被試験ユニットの圧力試験のために流体を被試験ユニット1066に高圧下で供給できるようにするために、三方切換ボール弁1014への第3の入口に接続される。
【0029】
水圧試験回路は、高圧試験システム1063、例えばMaxpro Hydrostatic試験ユニットを被試験ユニット1066の第2の側面に接続することによって設けられる。第2の脱イオン水ライン1148は、屋内DI水源1062から高圧試験システム1063への入口まで延びる。加圧脱イオン水ライン1150は、高圧試験システム1063から三方切換ボール弁1014への第3の入口まで延びる。圧力計1064、および脱イオン水ライン1150内の不所望の圧力より低い噴出圧力に設定された逃し弁1011は、脱イオン水ライン1150に接続される。高流体圧下で動作することができるニードル弁1012は、高圧試験システム1063と三方切換ボール弁1014との間の加圧脱イオン水ライン1150内に存在する。ニードル弁は、この弁に流れる高圧脱イオン水の流量を制御するように操作することができる。試験パイプ類内の弁位置を適切に選択することにより、異なる流体を被試験ユニット1066の内部に流すことができ、したがって被試験ユニット1066に異なる試験を行うことができる。
【0030】
さらに、残留ガス分析(RGA)、水分レベル検出、全有機組成物(TOC)の浮遊微小粒子測定もしくはサンプル採集容器、または任意の他の所要サンプリングもしくは検出を含むことができるセンサに選択的に接続可能であり得る試験ポートが提供され得る。例えば、このポートは、被試験ユニットの下流側に配置することができる。
【0031】
一態様では、被試験ユニットが、静水圧試験、すなわち高圧試験される必要がない場合、被試験ユニットは、以下の手順で処理することができる。
ステップ1 ヘリウム漏れチェック
ステップ2 圧力試験から残留DI水を除去するN2パージ
ステップ3 溶剤(IPA)リンス
ステップ4 残留溶剤を除去するN2パージ
ステップ5 DI水フラッシュ
ステップ6 残留DI水を除去する加熱N2パージおよび乾燥
ステップ7 内部真空ポンプ1068を用いた真空乾燥
【0032】
別の態様では、被試験ユニットが圧力容量、すなわち高圧を保持する能力に対して評価されるべき場合、一連の試験は以下の通りである。被試験ユニット1066が試験システム内に接続されてから、以下の試験手順が実行される。
ステップ1 ヘリウム漏れチェック
ステップ2 静水圧試験
ステップ3 圧力試験から残留DI水を除去するN2パージ
ステップ4 溶剤(IPA)リンス
ステップ5 残留溶剤を除去するN2パージ
ステップ6 DI水フラッシュ
ステップ7 残留DI水を除去する加熱N2パージおよび乾燥
ステップ8 内部真空ポンプ1068を用いた真空乾燥
【0033】
以後、被試験ユニットの8ステップの試験、洗浄および乾燥を実行する作業の手順が本明細書に記載される。しかしながら、本明細書に記載の作業手順は、各ステップで、一般に、被試験ユニット1066に対してヘリウム漏れ試験および高圧試験を実行するためにキャビネット100内の試験パイプ類110および弁を構成する方法、ならびに被試験ユニット1066を洗浄し乾燥させる方法に関する。これらの作業手順は、水圧試験が行われない場所で上に概説した7ステップ試験を実行するために、または他の数もしくは順序のステップを実行するために、単純に作業手順のタイミングを変更してパイプ類110および弁の異なる構成を作り、それによって本明細書に開示される試験、洗浄および乾燥を実行することにより、変更することができる。したがって、キャビネットは、キャビネットのユーザに、窒素、ヘリウムなどの漏れ試験流体、高圧力源、窒素源、およびIPAなどの溶剤を使用して、所望される試験作業、洗浄作業および乾燥作業の任意手順をプログラムする、すなわち引き起こす能力を提供する。さらに、本明細書で使用される溶剤およびガスは、実行されるプロセスを適合させるためにユーザによって所望されれば、他のガスおよび溶剤で代用することができる。
【0034】
8ステップ試験プロセスの第1のステップでは、被試験ユニット1066のヘリウム漏れチェックが行われる。このヘリウム漏れチェックを行うには、外部のヘリウム漏れ試験装置が、キャビネット100のリヤ外板を貫通するヘリウム漏れ試験ポート1070に接続されるか、あるいは、試験パイプ類110、弁および被試験ユニットの内部容積を真空排気し、ヘリウムの存在を決定することができる専用のヘリウム漏れチェック装置が、キャビネットに組み込まれてもよい。ヘリウム漏れチェック装置1174がポート1070を介してヘリウム漏れチェックポートライン1152に接続されると、コンピュータは、真空制御ライン弁1006、第1の空気循環ライン弁1008、第2の空気循環ライン弁1007、脱イオン水空気弁1010、第2のドレン弁1005、第1のIPAフラッシュ弁1016、および第2のIPAフラッシュ弁1004を閉鎖してこれらの弁に流体が流れるのを阻止すること、ヘリウム供給制御ライン弁1009およびHPボール弁1015を開放してこれらの弁に流体が流れるのを可能にすること、および、三方切換ボール弁1014を位置付けて、第4の循環流体ライン1138を第5の循環流体ライン1146に流体接続し、脱イオン水ライン1150を第5の循環流体ライン1146から分離し、それによって被試験ユニット1066から真空引きされるようにヘリウム漏れチェック真空装置1174を接続することにより、真空漏れ試験を始める。ヘリウム漏れチェック真空装置1174は、好ましくは、試験パイプ類110および被試験ユニット1160内の圧力を10-9トールオーダ以下で得ることができる。被試験ユニット1066内で被試験ユニット1066の個々の試験仕様に基づいて漏れ試験に求められる真空圧力レベルに達すると、ヘリウム(容器は図示せず)は、被試験ユニット1066の接続部および溶接部もしくは溶接物領域にヘリウムの放出を集中させて、ヘリウムを被試験ユニット1066の外表面上にまたは外表面において噴霧するなどによって放出される。真空は、試験パイプ類110、弁および被試験ユニット1066内の流体を、図4に示すように矢印A~Eの方向に流れさせるように引かれ、その結果、第1の循環流体ライン1126、第5の流体循環ライン1146、被試験ユニット1066、第4の流体循環ライン1138、三方切換ボール弁1014、およびヘリウム漏れチェックポートライン1152内の残留流体は、ヘリウム漏れチェック真空装置1174のポンプ作用によってそれら部分の外方に引かれる。したがって、この残留流体は、ヘリウム漏れチェック真空装置1174によってポンピングされることにより、ヘリウムチェックライン弁1009を矢印Aの方向に、三方切換ボール弁1014に至る第4の循環流体ライン1138を矢印Bの方向に、三方切換ボール弁1014を矢印Cの方向に、そして被試験ユニット1066内へ矢印Dの方向に流される。次いで、真空は、HPボール弁1015を矢印Eの方向に引かれる。被試験ユニット1066から十分な流体が引かれていて試験用の所望の真空圧力を確立すると、真空漏れ試験は、被試験ユニット1066においてヘリウムを放出または噴霧することにより始まることができる。
【0035】
細長いパイプまたはワンド1105などの形をしたヘリウム源または噴霧器が、被試験ユニット1066内で所望の真空圧レベルに達してからヘリウムを放出するように、被試験ユニット1066の溶接物の外部に連続的に配置される。溶接物にあるパイプ類または管類の外側から内側まで溶接物を貫通して延びる、ヘリウム原子オーダのサイズより大きい開口部があれば、ヘリウムは、開口部を通って吸い込まれ、ヘリウム漏れチェック真空装置1174にある検出器によって検出されることになる。ヘリウムがヘリウム漏れチェック真空装置1174によって検出されれば、被試験ユニット1066は不合格にされ、廃棄されるか再加工されるかのどちらかである。ヘリウムは、ヘリウムが最小の不活性ガス分子であるので、漏れ試験ガスとして使用され、溶接物の溶接部内の極めて小さい原子サイズの隙間に浸透する。
【0036】
真空漏れ試験の終結に続いて、またはそうでなければユーザの要件に基づいて、被試験ユニット1066は、上述した8ステッププロセスの第2の試験として静水圧試験を受けることができる。図5を参照すると、コンピュータは、すべてのオンオフ弁、すなわち、開閉状態だけを有する、2つの試験パイプ類110の間に接続された弁を閉めることにより、または、各オンオフ弁をこの弁の閉状態に対して評価し、以前のアクションシーケンスから開放しているかもしれない弁を閉めることにより、この手順を始める。次いで、弁は、選択的に開放されるか、または、三方弁の場合は、流体がDI水源1062から第1の回路流体循環ライン1126まで流れることを可能にするように選択的に位置付けられ、第1の回路流体循環ラインは回送される、すなわち、高圧ボール弁1015を閉めるか、または閉めたままにすることにより、被試験ユニット1066より遠位の第1の循環流体ラインの端部で遮断される。このように流体ライン循環回路1116を構成するために、コンピュータは、EVブロックに、加圧脱イオン水ライン1150を第5の循環流体ライン1146と連通し、第4の循環流体ライン1138を第5の循環ライン1146から分離するように三方切換ボール弁1014を位置付けるよう指示する。コンピュータは、HPボール弁1015を開放し、第2のドレン弁1005も開放する。図5に示すように、高圧試験システム1063は、脱イオン水を脱イオン水源1062から第2の脱イオン水ライン1148を経由して矢印Aの方向の流れで受け取り、この水をさらに高い圧力に圧縮し、この水は、高圧試験システムから加圧脱イオン水ライン1150を経由して矢印BおよびCの方向に出力される。この水は、最初は低圧で、第5の循環流体ライン1146に流れ、被試験ユニット1166に流れ、第1の循環流体ライン1126、HPボール弁1015、および第2の循環流体ライン1128に流れ、次いで第2のドレン弁1005に流れ、ドレン1067に流れ込む。上記ラインが脱イオン水で充填されると、HPボール弁1015は閉鎖され、高圧試験システム1063は、脱イオン水の圧力を上昇させ続け、この圧力は、圧力試験の圧力が達成され、所定の期間にわたって保持されるまで、各ラインおよび被試験ユニット1066内の静止水柱で伝えられる。あるいは、HPボール弁1015は、脱イオン水が最初に高圧試験システム1063によって加圧されているときに閉位置に保持することができる。この構成体では、真空圧が以前に試験パイプ類110および被試験ユニット1066内に存在していた場合、脱イオン水は、被試験ユニット1066の内部容積を充填することになる。ガスがこれらの試験パイプ類110および被試験ユニット1066内に存在する場合、ガスは脱イオン水よりもはるかに圧縮可能であるので、ガスは、脱イオン水が圧縮されるにつれて圧縮し、高圧水は、被試験ユニット1066の内部容積全体に及ぶことになる。
【0037】
脱イオン水の加圧中、脱イオン水の全圧が達成された後のユーザが選択した期間に、水は、被試験ユニット1066からの漏れが検出された場合、被試験ユニット1066は廃棄または再加工される。圧力試験を完了した後、各ラインおよび被試験ユニット1066内の水圧は、第2のドレン弁1005を開放し、次いでHPボール弁1015を開放することにより、非常に急速に低下して、第2のドレン弁1005およびドレン1067を経由してその水圧を軽減する(あるいは、高圧試験システム1063内の別個のドレンまたはベントライン1011が水圧を逃がすために開放される)。同様に、高圧試験システム1063自体は、圧力が達成された時点で水を圧縮するのを停止する。被試験ユニットから回収された廃棄物はドレン1067内に集まり、そこで廃棄物は適切に処分するために除去することができる。
【0038】
高圧試験中、被試験ユニット1066内の圧力は、圧力変換器1065で測定され、被試験ユニット1066の同一性と対照してコンピュータメモリに記録され得る。被試験ユニット1066から水が漏れ出るのを可能にする漏れがある場合、流れ圧力は、維持されることができず、被試験ユニット1066の適切な試験圧力に決して達することはない、または、単位時間にわたる圧力上昇として測定される圧力ランプ速度は、低ランプ速度の許容差範囲外であり得る。圧力変換器1065を使用すると、コンピュータは、これらの圧力読取値を維持し、圧力ランプを計算し、圧力ランプを特定の被試験ユニットの特定のランプ速度と比較し、被試験ユニットが試験に合格してない場合にGUI上の可視警報または可聴警報を提供することができる。加えて、流れを妨げるまたは適切な流れを遅らせる妨害物が被試験ユニット1066内にある場合、高い流れ圧力が変換器によって検出され、再び被試験ユニット1066内での欠陥を示す。さらに、ユーザは、被試験ユニット1066からの水の浸出または漏出の観察に基づいて被試験ユニット1066の合否に関する情報を手で入力することができる。望ましくないほど高い圧力が加圧脱イオン水ライン1150内に生じた場合、逃し弁1011は、逃し弁1011の噴出設定値または開口圧力設定値に基づいて自動的に開放する。高圧試験に続いて、被試験ユニット1066の同一性と最大圧力および最大圧力にさらされた期間との相関関係がコンピュータもしくはコントローラメモリ、または別個のメモリ装置に保持される。逃し弁1011の開放は、コンピュータまたはコントローラが第2のドレン弁1005を即座に開放するのをトリガすることもできる。
【0039】
これに関する一態様では、圧力試験の終結に続いて、被試験ユニット1066は、8ステッププロセスの第3のステップで、加熱N2(窒素)で洗い流される。コンピュータは、すべてのオンオフ弁を閉めることにより、または、各オンオフ弁をそのオフ状態もしくは閉状態に対して評価し、以前のアクションシーケンスから開放しているかもしれない弁を閉めることにより、この手順を始める。次いで、コンピュータは、EVブロックに、第1の空気循環ライン弁1008および第2のドレン弁1005を開放するよう指示する。コンピュータはまた、加圧脱イオン水ラインを分離するとともに、第3の循環流体ライン1038を第5の循環流体ライン1146に流体接続するように三方切換弁1014を位置付ける。コンピュータは、HPボール弁1015も開放する。これにより、NはN源供給部1055から流れることが可能になる。図6に示すように、弁位置がこのように設定されると、N2は、第2の窒素分岐ライン1142内を矢印Aの方向に調整器1017およびパスト圧力変換器(past pressure transducer)1057を経由して流れ、矢印Bの方向に清浄器1058、フィルタ1059、N2ヒータ1060を経由して流れ、そして第2の空気循環ライン弁1008を経由して矢印Cの方向に流れる。次いで、ヒータ1060によって加熱された窒素は、第4の循環流体ライン1138および第5の循環流体ライン1146を経由して被試験ユニット1066内へ矢印Dの方向に流れる。窒素は、第2の循環流体ライン1128を経由して矢印Eの方向に流れ、次いで第2のドレン弁1005を経由して矢印Fの方向に流れる。
【0040】
被試験ユニットの内部、ならびに試験パイプ類110および各弁から水をパージする窒素の流れは、圧力試験中に脱イオン水と接触していた、被試験ユニット1066、試験パイプ類および各弁の内表面内に吸収されるか、または内表面上に吸着された水分を除去するのに十分な期間にわたって継続する。Nは、Nの乾燥能力を高めるために、ヒータ1060においてNがヒータを通過するときに加熱することができる。
【0041】
本明細書の一態様では、Nパージの終結に続いて、被試験ユニットは、上記の8ステッププロセスの第4のステップで、溶剤(IPA)で洗浄またはリンスされる。この場合も、このステップを実行するために、コンピュータは、すべてのオンオフ弁を閉めることにより、または、各オンオフ弁をその状態に対して評価し、以前のアクションシーケンスから開放しているかもしれないオンオフ弁を閉めることにより、この手順を始める。コンピュータは、EVブロックの制御下で第1のIPAフラッシュ弁1016および第2のIPAフラッシュ弁1004を開放し、HPボール弁1015を開放し、三方切換ボール弁1014を、高圧試験システム1063を第5の循環流体ラインから分離し、第4の循環流体ライン1138と第5の循環流体ライン1146との間の連通を可能にするように設定する。本明細書で論じるように、IPAの流れは第1のIPAタンク1078と第2のIPAタンク1050との間に維持されて、被試験ユニット1066に対して試験を実行するためのキャビネット100の運転中に、窒素ガスの加圧ブランケットが第1のIPAタンク1078および第2のIPAタンク1050の一方内の液体IPAの上に存在し、第1のIPAタンク1078および第2のIPAタンク1050の他方内の液体IPAの上の圧力は局所環境(キャビネットの外部)の大気圧オーダであることを確実にする。したがって、第1のIPAタンク1078内のIPAの体積が第2のIPAタンク1050内のIPAの体積より大きい場合、IPAは、図7に示すように、第1のIPAタンク1078から被試験ユニット1066を経由し、そこから第2のIPAタンク1050内へ流れる。具体的には、第1のIPAタンク1078および第2のIPAタンク1050内のIPAの上の、環境大気より高い陽窒素圧が、第2のベント弁1002を開放することにより大気に逃がされると、IPAは、第1のIPAタンク1178から第1のIPAフラッシュライン1114を経由して矢印Aで示すように流れ、第4の循環流体ライン1138を経由して矢印Bの方向に流れ、第5の循環流れライン1146を経由して矢印CおよびDの方向に流れ、被試験ユニット1066を経由し、そこから第1の循環ライン1026(第1の循環分岐ライン1028を含む)内を矢印Eの方向に流れ、そこから第1のIPAフラッシュライン1112内へ矢印Fの方向に流れ、そして第2のIPAタンク1050に流れ込む。第2のIPAタンク1050内のIPAの上の大気圧の存在は、第1のIPAタンク1078内のより高い圧力の加圧窒素と比べると、コンピュータがEVブロックに第2のベント弁1002を開放するよう指示することによって確保することができ、したがって、第2のIPAタンク1050内のIPAの体積または量が増大するにつれて、第2のタンク1050内のIPAの上に一定の周囲の環境大気圧が維持される。同様に、コンピュータは、第1のIPAタンク1078内のIPAの上の窒素圧を上げるために、EVブロックに第2の切換弁1003が閉鎖されたままである間に第1の切換弁1019を開放するよう指示することができる。第2のタンク内のIPAの体積は第1のIPAタンク1178内のIPAの体積よりも実質的に大きい体積に増大するので、被試験ユニット1066を通るIPAの流れは逆になる。これは、EVブロックの制御下で第1のIPAフラッシュ弁1016および第2のIPAフラッシュ弁1004を開放し、HPボール弁1015を開放すること、および、高圧試験システム1063を分離し、第4の循環流体ライン1138と第5の循環流体ライン1146との間の連通を可能にするように三方切換ボール弁1014を設定することによって達成される。第2のIPAタンク1050内の窒素圧が、第1のIPAタンク1078内のIPAの上の圧力よりも、両タンクの間のいかなる最小摩擦流動損失にも打ち勝つくらい高い限り、このとき、IPAは第2のIPAタンク1050から第1のIPAタンク1078へ流れる。同様に、第1のIPAタンク1078内の窒素圧が、第2のIPAタンク1050内のIPAの上の圧力よりも、両タンクの間のいかなる最小摩擦流動損失にも打ち勝つくらい高い限り、このとき、IPAは第1のIPAタンク1078から第2のIPAタンク1050へ流れる。この場合も、この圧力差が第2のIPAタンク1050内で確実に高くなるのを助けるために、第1のベント弁1020は、第1のIPAタンク1078内のIPAの上の周囲の環境大気圧を維持するために開放することができ、第2の切換弁1003は、第2のベント弁1002が閉位置で、第2のIPAタンク1050内のIPAの上の圧力下の窒素を供給するために開放することができる。あるいは、第2のベント弁1002または第1のベント弁1020は、第1のIPAタンク1078および第2のIPAタンク1050内のIPAの上の窒素の圧力を下げるために、または、両タンク間のIPAの流れ方向に応じて必要とされるように、両タンク間のIPAの所望の流量および流れ方向のための適切な窒素圧差を維持するために、定期的に開放することができる。付加的に、または代替的に、第1の切換弁1019および第2の切換弁1003の一方は、第1のIPAタンク1078および第2のIPAタンク1050の所望の一方内の窒素圧を選択的に上げるために、または、両タンク間のIPAの流れ方向に応じて必要とされるように、両タンク間のIPAの所望の流量および流れ方向のための適切な窒素圧差を維持するために、選択的に開放することができる。
【0042】
被試験ユニットのIPAフラッシュ中のIPAの流れ方向は、第1のIPAタンク1078および第2のIPAタンク1050の一方がIPAでほぼ充填され、第1のIPAタンク1078および第2のIPAタンク1050の他方がほぼ空になったときに、例えば、1つまたは複数の被試験ユニット1066が同じ方向に流れるIPAで洗い流された後でのみ、逆にすることができる。あるいは、個々の被試験ユニット1066を洗い流す間のIPAの流れ方向は、単一の被試験ユニット1066内で1回または複数回逆にすることができる。これは、特にDI水試験中に被試験ユニット内に積もっていたかもしれない微粒子が被試験ユニット1066から外へ確実に洗い流されているのを助けることができる。IPAフラッシュの終わりに、コンピュータはすべての開放オンオフ弁を閉鎖する。
【0043】
上に概説した8ステッププロセスの第5の手順は、被試験ユニット内の残留溶剤を除去するための、被試験ユニットのNパージまたはフラッシュである。これはまた、ガスがヒータを通過するときにヒータ1060内で加熱されたNガスで実行することができる。被試験ユニット1066のNフラッシュを実行するには、コンピュータは、最初にすべてのオンオフ弁を閉めるか、または各オンオフ弁をその閉状態に対して評価し、以前のアクションシーケンスから開放しているかもしれないオンオフ弁を閉める。次いで、コンピュータは、EVブロックに、第2のドレン弁1005および第2の空気循環ライン弁1008を開放し、HPボール弁1015を開放し、そして三方切換ボール弁を、高圧試験システム1063を分離し、第3の循環流体ライン1138と第5の循環流体ライン1146との間に流体連通路を確立して図8の強調された流路を作るように設定するよう指示する。窒素圧は大気圧よりも高い圧力に調整されるので、この構成では、窒素は高圧供給部1055から低圧ドレンへ流れて、その前の試験パイプ類110および被試験ユニット内に存在する流体、例えば、水、IPA、または両方を押す。一態様では、図8に示すように、これは、Nを第2の窒素分岐ライン1142に矢印Aの方向に流し、次いで調整器1017およびパスト圧力変換器1057に矢印Bの方向に流し、清浄器1058、フィルタ1059、N2ヒータ1060、および第2の空気循環ライン弁1008を経由して第4の循環流体ライン1138内へ矢印Cの方向に流すことによって達成される。次いで、窒素は、三方切換ボール弁1014を経由して第5の循環流体ライン1146内へ矢印Eの方向に流れて、被試験ユニット1066に流れる。次いで、窒素は、矢印Fの方向に第1の循環流体ライン1126および第2の循環流体ライン1128を経由して流れ、次いで第2のドレン弁1005を経由してドレン1067まで矢印Gの方向に流れて、試験パイプ類内のIPAをドレン1067に押し込む。
【0044】
N2の流れは、被試験ユニット1066において双方向に1回または複数回供給することもできる、すなわち、第1の側面から被試験ユニットに入り、次いで第2の側面から被試験ユニットに入ることができ、その逆も同様である。
【0045】
N2洗浄作業の終結に続いて、被試験ユニットは、上述した8ステッププロセスの第6のステップとしてDI水で再び洗い流すことができるが、この場合は圧力下の脱イオン水ではない。コンピュータは、すべてのオンオフ弁を閉めることにより、または、各オンオフ弁をその閉状態に対して評価し、以前のアクションシーケンスから開放しているかもしれないオンオフ弁を閉めることにより、このDI水フラッシュ手順を始める。コンピュータは、水空気圧弁1010および第2のドレン弁をEVブロック1053で開放し、HPボール弁1015を開放して、三方切換ボール弁1014を、高圧試験システム1063を分離し、第3の循環流体ライン1038を第5の循環流体ライン1146に流体接続するように位置付ける。この構成では、DI水源1062が周囲の環境大気圧よりも高い圧力であり、第2のドレン弁1005が開放されて、第2のドレンライン1130の内部が周囲の環境大気圧にさらされるようにすると、DI水は、図9に示すように、DI水源1062から矢印Aの方向に第1の脱イオン水ライン1133および脱イオン水空気弁1010を経由して流れ、第4の循環流体ライン1138を経由して矢印Bの方向に三方切換ボール弁1014まで流れる。三方切換ボール弁1014を通過してから、脱イオン水は、第5の循環流体ライン1146を矢印の方向に流れて被試験ユニット1066を通過し、第1の循環流体ライン1126内に入り、HPボール弁1015まで流れる。次いで、脱イオン水は、矢印Eの方向に第2のドレンライン1130まで流れ、そこから矢印Fの方向にドレン1067まで流れる。
【0046】
DI水フラッシュの終結に続いて、試験ユニットは、上述した8ステッププロセスの第7のステップで、試験パイプ類110から残留DI水および残留IPAを一掃するために再びN2でパージされる。この場合も、コンピュータは、すべてのオンオフ弁を閉めることにより、または、各オンオフ弁をその閉状態に対して評価し、以前のアクションシーケンスから開放しているかもしれないオンオフ弁を閉めることにより、この手順を始める。コンピュータは、EVブロックに、第2のドレン弁1005および第2の空気循環ライン弁1008を開放し、HPボール弁1015を開放し、そして三方切換ボール弁を、高圧試験システム1063を分離し、第4の循環流体ライン1138と第5の循環流体ライン1146との間に流体連通路を確立するように設定するよう指示する。窒素圧は大気圧よりも高い圧力に調整されるので、この構成では、窒素は、高圧供給部1055から低圧ドレン1067へ流れて、その前の試験パイプ類内に存在する水を押す。一態様では、図10に示すように、この流れは、第2の窒素分岐ライン1142を矢印Aの方向に通り、次いで調整器1017およびパスト圧力変換器1057を矢印Bの方向に通り、清浄器1058、フィルタ1059、N2ヒータ1060、および第2の空気循環ライン弁1008を経由して第4の循環流体ライン1138内へ矢印Cの方向に入る。次いで、窒素は、三方切換ボール弁1014を経由して第5の循環流体ライン1146内へ矢印Eの方向に流れて、被試験ユニット1066に流れる。次いで、窒素は、矢印Fの方向に第1の循環流体ライン1126および第2の循環流体ライン1128を経由して流れ、次いで第2のドレン弁1005を経由してドレン1067まで矢印Gの方向に流れる。
【0047】
N2パージの終わりに、コンピュータはすべての開放弁を閉鎖する。DI水フラッシュの終結に続いて、被試験ユニットは、真空乾燥され脱気されなければならない必要がある、すなわち、上述した8ステッププロセスの第8のステップとして、被試験ユニット上に吸着されるかまたは被試験ユニット内に吸収された水または水蒸気が除去される。この作業では、被試験ユニット1066は低真空ポンプ1068に接続される。コンピュータは、すべてのオンオフ弁を閉めることにより、または、各オンオフ弁をその閉状態に対して評価し、以前のアクションシーケンスから開放しているかもしれないオンオフ弁を閉めることにより、この手順を始める。コンピュータは、EVブロックに真空制御ライン弁1006を開放させ、HPボール弁1015も開放させる。試験パイプ類のこの構成では、第5の循環流体ライン1146、被試験ユニット1066の内表面、第1の循環流体ライン1126、第1の循環分岐ライン、および第2のドレンライン1130のみの内部容積が真空にさらされる。低真空ポンプ1068は、この内部容積をポンピングして減圧し、これらの構成要素内の水蒸気、またはこれらの構成要素の内表面上もしくは内表面内の水蒸気を被試験ユニット1066の内側の減圧条件下で内部容積内へ蒸発またはボイルオフさせ、この構成要素からポンピングさせられて、内部表面を乾燥させる。乾燥後、低真空ポンプ1068を止め、第2のドレン弁1005を開放して被試験ユニット1066の内部の圧力を大気圧に上げることができる。この時点で、被試験ユニットは試験され洗浄されたところであり、キャビネットからいつでも除去される状態にあり、さらに検査されるか、ガス回路に加工されるか、別々に梱包され、ユーザに発送されるか、在庫に入れられるか、そうでなければ保持または廃棄されるか、のいずれかである。
【0048】
これに関する一態様では、圧力試験の終結に続いて、被試験ユニット1066は、8ステッププロセスの第3のステップにおいて加熱N2(窒素)で洗い流され、加熱N2(窒素)フラッシュは双方向に実行される、言い換えると、試験パイプ類は、加熱N2を第1の方向に被試験ユニット1066内に流し、次いで第1の方向とは逆の第2の方向に被試験ユニット1066内に流すように構成される。この双方向の洗い流しは、部分的な第2の双方向フラッシュまたは第3の双方向フラッシュを含めて複数回実行することができ、洗い流しは、双方向の一方に他方よりも、もう一度行われる。例えば、洗い流しは、第1の方向、第2の方向、第1の方向、第2の方向とすることができ、この順序で、整数単位の2回の双方向フラッシュが実行される。あるいは、洗い流しは、非整数増分単位(non-integer incremental units)で行われてもよい、例えば、1.5整数単位の双方向フラッシュの場合、第1の方向のフラッシュ、第2の方向のフラッシュ、次いで第1の方向のフラッシュで行われてもよく、または、1.5整数単位の双方向フラッシュの場合、第1の方向のフラッシュ、第2の方向のフラッシュ、第1の方向のフラッシュ、第2の方向のフラッシュ、次いで第1の方向のフラッシュで行われてもよい。ユーザによって所望されるように、任意整数の単位のフラッシュが本明細書で考えられる。前述したように、第1の方向のNフラッシュを始めるには、コンピュータは、すべてのオンオフ弁を閉じることにより、または、各オンオフ弁をそのオフ状態もしくは閉状態に対して評価し、以前のアクションシーケンスから開放しているかもしれない弁を閉めることにより、この手順を始める。次いで、コンピュータは、EVブロックに第1の空気循環ライン弁1008および第2のドレン弁1005を開放するよう指示する。コンピュータはまた、加圧脱イオン水ラインを分離し、第3の循環流体ライン1038を第5の循環流体ライン1146に流体接続するように三方切換弁1014を位置付ける。コンピュータはまた、HPボール弁1015を開放する。これにより、NはN源供給部1055から流れることが可能になる。図6に示すように、弁位置がこのように設定されると、N2は、第2の窒素分岐ライン1142内を矢印Aの方向に調整器1017およびパスト圧力変換器1057を経由して流れ、矢印Bの方向に清浄器1058、フィルタ1059、N2ヒータ1060を経由して流れ、そして第2の空気循環ライン弁1008を経由して矢印Cの方向に流れる。次いで、ヒータ1060によって加熱された窒素は、第4の循環流体ライン1138および第5の循環流体ライン1146を経由して被試験ユニット1066内へ矢印Dの方向に流れる。窒素は、第2の循環流体ライン1128を経由して矢印Eの方向に流れ、次いで第2のドレン弁1005を通って矢印Fの方向に流れる。
【0049】
第2の方向のNフラッシュを始めるには、コンンピュータは、EVブロックに第2の空気循環ライン弁1008を閉鎖させ、第1の循環空気ライン弁1007を開放させ、そして第2のドレン弁1005を閉鎖させる。さらに、この場合は、流体マニホルド1178内に開放しているマニホルドライン1176が、第2の空気循環ライン弁1008から流体マニホルドへの接続部と第1のIPAフラッシュライン1114から流体マニホルドへの接続部との間の流体マニホルドの場所で第3の循環流体ライン1138に流体接続される。この場合、ヘリウム漏れチェックポート1152は、ヘリウム漏れチェック制御ライン弁1009を介してマニホルド1178に、したがって第3の流体循環流体ライン1138に接続される。さらに、二次ベント/ドレンライン1184がマニホルド1178から二次ベント/ドレン弁1180まで延び、二次ベント/ドレンは、開放されると、マニホルド1178の内部容積を周囲大気、または屋内排気管またはドレン1182にさらす。加熱Nが第1の方向に流れる間、二次ベント/ドレン弁1180およびヘリウム漏れチェック制御ライン弁1009は、これらの弁を通る流体流れを阻止するために閉鎖される。加熱Nが第2の方向に流れるのを可能にするには、コンピュータは、EVブロック1053に二次ベント/ドレン弁1180を開放するよう、したがってマニホルド1178の内部容積を周囲大気、または屋内排気管もしくはドレン1182にさらすよう指示する。この弁類構成の結果として、N2ヒータを方向Bに流れる加熱Nは、図12の矢印Cの方向に第1の循環空気ライン弁1007に向かってかつこの弁を経由して流れ、次いで第2の循環流体ライン1128および第1の循環流体ライン1126を経由して矢印Dの方向(第2の方向)に流れ、次いで被試験ユニット1066、第5の循環流体ライン1146、および三方切換ボール弁1014を経由して矢印Eの方向に流れるように進路を転換される。加熱Nは、矢印Fの方向に、第3の流体循環ライン1138を経由してマニホルド1178内へ流れ、そこから第2のベント/ドレン弁1180を経由して流れて、システムの外へ排出し続ける。弁類を、被試験ユニットを通るNの第1の方向または第2の方向の流れを選択するように選択的に設定することにより、双方向の洗い流しが達成される。
【0050】
本明細書に記載されているように、試験ステップ、洗浄手順および乾燥手順の間にまたは合間に被試験ユニットを物理的処理することなく、被試験ユニットを試験し、続いて洗浄し、乾燥させるためのシステムが提供される。これにより、応力が減少し、溶接物がパイプ類または管類を接続することになり、部品の全体的信頼性が高まる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】