(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-05
(54)【発明の名称】ボールボンドインピーダンス整合
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20240129BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20240129BHJP
H01P 1/04 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
H01L21/60 301A
H05K1/18 J
H01P1/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547038
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(85)【翻訳文提出日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 US2021056533
(87)【国際公開番号】W WO2022169492
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ボイル,パトリック,イー.
(72)【発明者】
【氏名】ベネディクト,ジェイムズ,イー.
(72)【発明者】
【氏名】クレック,エリカ
(72)【発明者】
【氏名】ペヴズネル,ミハエル
【テーマコード(参考)】
5E336
5F044
5J011
【Fターム(参考)】
5E336AA04
5E336CC31
5E336CC55
5E336EE05
5E336GG30
5F044AA01
5F044AA14
5F044BB09
5F044CC05
5F044CC07
5F044DD03
5J011DA01
5J011DA11
(57)【要約】
選択されたインピーダンスを有するワイヤボンドボールのスタックを含む相互接続を提供するための方法及び装置が開示される。ワイヤボンドボールは、選択されたインピーダンスのために構成された寸法を有することができ、寸法は、半径を含み得る。スタックは、選択されたインピーダンスのために構成された数のワイヤボンドボールを含むことができ、及び/または選択されたインピーダンスのために選択された材料を含み得る。実施形態では、選択されたインピーダンスは主に抵抗性(例えば50オーム)であり、よって全体的なリアクタンスが最小化される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択されたインピーダンスを有するワイヤボンドボールのスタックを含む相互接続
を備える、アセンブリ。
【請求項2】
前記相互接続は、ワイヤボンドを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記ワイヤボンドボールは、前記選択されたインピーダンスのために構成された寸法を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記寸法は、半径を含む、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記スタックは、前記選択されたインピーダンスのために構成された数のワイヤボンドボールを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記ワイヤボンドボールは、前記選択されたインピーダンスのために選択された材料を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記ワイヤボンドボールは、機械的特性のために選択された材料を含む、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記選択されたインピーダンスは主に抵抗性であり、よって前記選択されたインピーダンスはリアクタンスを最小化する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記相互接続はさらに、ワイヤボンドと、集積回路に接続するように構成された第1の端部と、を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記相互接続はさらに、回路カードに接続するように構成された第2の端部を含む、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記相互接続は、RF同軸接続を含み、ワイヤボンドを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項12】
選択されたインピーダンスのために第1の導電点と第2の導電点を相互接続するための手段
を備える、アセンブリ。
【請求項13】
選択されたインピーダンスを有するワイヤボンドボールのスタックを含む相互接続を使用すること
を含む、方法。
【請求項14】
前記相互接続はさらに、ワイヤボンドを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ワイヤボンドボールは、前記選択されたインピーダンスのために構成された寸法を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記寸法は、半径を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記スタックは、前記選択されたインピーダンスのために構成された数のワイヤボンドボールを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記選択されたインピーダンスは主に抵抗性であり、よって前記選択されたインピーダンスはリアクタンスを最小化する、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記相互接続はさらに、ワイヤボンドと、集積回路に接続するように構成された第1の端部とを含み、前記相互接続はさらに、回路カードに接続するように構成された第2の端部を含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
当技術分野では知られているように、回路基板、コンポーネント、コネクタ、及び他の構造は、共に接続される必要があることがある。回路基板を接続することは、1つの回路基板から別の回路基板への接続を必要とし得る。通常、製造前に、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)と回路カードアセンブリ(CCA)との間の回路トレースをシミュレーションして、ボールボンドがシステムに適合することを確実にする。周波数が増加すると、インピーダンス不整合の影響も増加する。CCAに多くの遷移がある場合、ワイヤボンディングされたMMIC/CCAに各トレースを合わせることは、時間がかかり得る。さらに、すべてのインターフェースをモデル化することは現実的ではあり得ない。また、シミュレーションが正確ではない、または物理的接続がシミュレーションと一致しない場合、CCAをリスピンする必要があり、時間がかかり得る。
【発明の概要】
【0002】
本開示の実施形態では、プリント配線板、回路カード、MMICなどの表面に、ワイヤボンディング器具を使用して、スタッドバンプと称され得る一連の積層ボールを形成して、相互接続をアディティブ形成するための方法及び装置が提供され、スタッドバンプは、選択されたインピーダンスを有し得る。例えば、インピーダンスが実質的に抵抗性になるように、積層ボールの数及び/または寸法を選択して、誘導性成分を有し得るものである接続のキャパシタンスを調整することができる。
【0003】
例示的なワイヤボンディング器具により、特定のパラメータを高度に制御することで、正確なインピーダンス整合及びインピーダンス調整を行うことが可能となる。例えば、トレース上のボールの直径を大きくすることで、キャパシタンスを増やすことができる。所望のインピーダンスを得るために、積層ボールの数を選択することもできる。いくつかの実施形態では、ボールスタックを使用して、同軸インターフェースにインピーダンス整合がもたらされ得る。別の実施形態では、ボールスタックを使用して、MMICへの接続にインピーダンス整合がもたらされ得る。さらに、仕様外の接続インピーダンスが生じるという製造問題がある場合、製造誤差を補うようにボールボンドパラメータが調整され、コンプライアンスが達成され得る。
【0004】
一態様では、アセンブリは、選択されたインピーダンスを有するワイヤボンドボールのスタックを含む相互接続を備える。アセンブリは、さらに、以下の特徴のうちの1つ以上、すなわち、相互接続は、ワイヤボンドを含むこと、ワイヤボンドボールは、選択されたインピーダンスのために構成された寸法を有すること、寸法は、半径を含むこと、スタックは、選択されたインピーダンスのために構成された数のワイヤボンドボールを含むこと、ワイヤボンドボールは、選択されたインピーダンスのために選択された材料を含むこと、ワイヤボンドボールは、機械的特性のために選択された材料を含むこと、選択されたインピーダンスは主に抵抗性であり、よって選択されたインピーダンスはリアクタンスを最小化すること、相互接続はさらに、ワイヤボンドと、集積回路に接続するように構成された第1の端部とを含むこと、相互接続はさらに、回路カードに接続するように構成された第2の端部を含むこと、及び/または、接続は、RF同軸接続を含み、ワイヤボンドを含むこと、のうちの1つ以上を含み得る。
【0005】
別の態様では、方法は、選択されたインピーダンスを有するワイヤボンドボールのスタックを含む相互接続を使用することを含む。方法は、さらに、以下の特徴のうちの1つ以上、すなわち、相互接続は、ワイヤボンドを含むこと、ワイヤボンドボールは、選択されたインピーダンスのために構成された寸法を有すること、寸法は、半径を含むこと、スタックは、選択されたインピーダンスのために構成された数のワイヤボンドボールを含むこと、ワイヤボンドボールは、選択されたインピーダンスのために選択された材料を含むこと、ワイヤボンドボールは、機械的特性のために選択された材料を含むこと、選択されたインピーダンスは主に抵抗性であり、よって選択されたインピーダンスはリアクタンスを最小化すること、相互接続はさらに、ワイヤボンドと、集積回路に接続するように構成された第1の端部とを含むこと、相互接続はさらに、回路カードに接続するように構成された第2の端部を含むこと、及び/または、接続は、RF同軸接続を含み、ワイヤボンドを含むこと、のうちの1つ以上を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の前述の特徴、ならびに本発明そのものは、以下の図面の説明から、より詳しく理解することができる。
【0007】
【
図1A】本開示の例示的な実施形態による、ワイヤボンドボールスタックインピーダンス整合を有する例示的なRF相互接続の断面図である。
【
図1B】本開示の例示的な実施形態による、ワイヤボンドボールスタックインピーダンス整合を有する例示的なRF相互接続の上面図である。
【
図2C】ワイヤボンド器具により形成された例示的なボールスタックの写真表示である。
【
図3A】
図3A-
図3Fは、本開示の例示的な実施形態による、様々なボールボンド構成を有する、MMICと回路基板トレースとのワイヤボンド接続を示す。
【
図3B】
図3A-
図3Fは、本開示の例示的な実施形態による、様々なボールボンド構成を有する、MMICと回路基板トレースとのワイヤボンド接続を示す。
【
図3C】
図3A-
図3Fは、本開示の例示的な実施形態による、様々なボールボンド構成を有する、MMICと回路基板トレースとのワイヤボンド接続を示す。
【
図3D】
図3A-
図3Fは、本開示の例示的な実施形態による、様々なボールボンド構成を有する、MMICと回路基板トレースとのワイヤボンド接続を示す。
【
図3E】
図3A-
図3Fは、本開示の例示的な実施形態による、様々なボールボンド構成を有する、MMICと回路基板トレースとのワイヤボンド接続を示す。
【
図3F】
図3A-
図3Fは、本開示の例示的な実施形態による、様々なボールボンド構成を有する、MMICと回路基板トレースとのワイヤボンド接続を示す。様々な半径を有するワイヤボンドボールのインピーダンスのグラフ表示である。
【
図4】様々な半径を有するワイヤボンドボールのインピーダンスのグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1A及び
図1Bは、本開示の例示的な実施形態による、例えばワイヤボンディング器具により形成されたボールスタックを使用した例示的な相互接続を示し、ボールスタックは、インピーダンス整合を有する。例示的な相互接続は、DCプリント回路基板(PCB)、RF基板、デジタルPCB、MMIC、及び同軸接続などのために形成され得る。本明細書で使用される用語「回路カード」は、IC、ラジエーター、PWB、アルミナ基板といった基板、及びマイクロエレクトロニクス/超小型回路などを備えたまたは備えていない基板を含むように、広く解釈されるべきである。
【0009】
特定用途のニーズを満たすために、任意の実用的な数のボールスタック、スルーホール、及びワイヤボンドなどが使用され得ることが、理解されよう。選択された幾何学的形状のボールを有するオフセットボールスタックを、所望の数だけ使用して、所与の接続にインピーダンス整合をもたらすことができる。
【0010】
図1Aは、本開示の例示的な実施形態による、インピーダンス整合を有する薄型RF相互接続システム100の断面図を示し、
図1Bは、本開示の例示的な実施形態による、インピーダンス整合を有する薄型RF相互接続システム100の上面図を示す。図示される実施形態では、同軸接続が形成される。プリント配線板(PWB)102は、第1の誘電体層106と第2の誘電体層108との間に導電層104を含む。第1のボールスタック110は、第1の誘電体層106の第1の穴112内に形成され、導電層104への接続を形成する。第1のワイヤボンド114は、第1のボールスタック110の上部と、PWBの上面118上のトレース116とに接続される。実施形態では、トレース116は、同軸相互接続のRF信号用の信号経路を提供する。
【0011】
図1Aに示されるように、第2のボールスタック120は、第1の誘電体層106の第2の穴122内に形成され得る。第2の誘電体層108のメッキされたスルーホール124、例えばビアは、第2の誘電体層108の下のグランドプレーン125への接続を提供し得る。第2のワイヤボンド126は、第2のボールスタック120の上部からグランドパッド128に接続され得る。
【0012】
図1Bに最も良く示されるように、グランドパッド128は円弧を形成し得、第1のボールスタック110は、この円弧のほぼ中央に配置され、この円弧は、信号を伝達する第1のボールスタック110を部分的に取り囲む。図示される実施形態では、第2のボールスタック120に類似するさらなるボールスタック130、及び第2のワイヤボンド126に類似するさらなるワイヤボンド132が、円弧状グランドパッド128に接続される。
図1Bのアーチ形は概念的なものであり、アーチ形ではないパッドを使用して同じグランド効果を生み出せることが、理解されよう。
【0013】
実施形態では、図示される薄型RF相互接続などの相互接続の接続を効率的かつ正確に形成するために、ボールスタック110、120、130は、説明通りに形成され得る。本明細書で使用される用語「ボールスタック」は、互いの上に積み重ねられ、相互接合された少なくとも2つのボールの積層を指し、ボールは、下記でより詳細に説明されるワイヤボンディング器具によりワイヤを溶融してボールを形成することで、生成される。
【0014】
実施形態では、ボールスタック110、120、130のボールの幾何学的形状、及びボールスタックのボールの数は、下記でより詳細に説明されるように、所望のインピーダンスを得るために選択される。ボールスタックの高さは、ボールスタックのボールの数に対応し得る。
【0015】
ワイヤボンド器具がボールスタックのボールを形成するために使用するワイヤには、任意の適切な材料が使用され得ることが、理解されよう。金は、ボールスタックを形成するために使用できる例示的材料である。いくつかの実施形態では、ワイヤは、パラジウムなどでドープされてもよい。特定のインピーダンス及び/または機械的特性を得るために、ボールスタックに特定の材料が選択されてもよい。例示的な機械的特性には、引張強度/弾性が挙げられ、例えば、より大きな積層では、より高い引張強度を有する材料が必要になり得る。
【0016】
図2A及び
図2Bは、ボールスタックすなわちスタッドバンプを形成できる例示的なワイヤボンド器具の一部を示し、
図2Cは、所与の相互接続で特定のインピーダンス特性を有する、ワイヤボンディングシステムにより形成された例示的なボールスタックを示す。ワイヤ200は、キャピラリと称され得る針状ツール202を通して、供給される。高電圧の電荷がワイヤ200に印加され、キャピラリ202の先端でワイヤが溶融する。ワイヤ200の先端は、溶融金属の表面張力により、ボール204を形成する。ボール204は急速に凝固し、キャピラリ202は、通常少なくとも125℃に加熱されたチップ表面まで降下される。次に、機械はキャピラリ202を押し下げ、取り付けられたトランスデューサにより超音波エネルギーを印加する。熱、圧力、超音波エネルギーの組み合わせにより、金属ボールとチップ表面との間に溶接が形成される。ボールスタック210またはスタッドバンプと称され得る一連のボールは、
図2Cに示されるように、互いの上に積み重ねられ得る。スタッドバンプは、特定用途の要件を満たすために任意の実用的な寸法で形成され得る。
【0017】
図3Aは、コンポーネント300の概略図を示し、コンポーネント300は、図示される実施形態ではMMICとして示され、回路基板302上のトレースへのワイヤボンド接続を有する。図示される実施形態では、回路基板トレース304は、導電性材料をマイクロストリップの形態で備える。
【0018】
図3B及び
図3Cは、ワイヤボンドボールを使用しない、MMIC300上のパッド308から回路基板302上のマイクロストリップトレース304のうちの1つへのワイヤボンド接続306を示す。
【0019】
図3Dは、MMIC300上のパッド308からマイクロストリップトレース304へのワイヤボンド接続306を示し、MMIC300のパッド308における接続は、ワイヤボンドボールスタック350を含む。
図3Eは、MMIC300上のパッド308からマイクロストリップトレース304へのワイヤボンド接続を示し、トレースへの接続は、ワイヤボンドボールスタック352を含む。
図3Fは、MMIC300上のパッドからマイクロストリップトレース304へのワイヤボンド接続を示し、MMIC300のパッドにおける接続及びマイクロストリップトレースへの接続は、それぞれのワイヤボンドボールスタック350、352を含む。
【0020】
実施形態では、選択されたインピーダンスを得るために、例えば350、352などのスタックのボールの数及び/またはボールの幾何学的形状は、変更することができる。相互接続のインピーダンス整合をもたらすために、予想動作周波数が考慮され得ることが、理解されよう。
【0021】
図4は、様々な半径を有するワイヤボンドボールのインピーダンス特性のグラフ表示400を示す。チャートでは、ワイヤボンドインターフェースの複雑な反射が、例示的なスミスチャートにより示される。ワイヤボンド接続は長くて細いワイヤであるため、ワイヤボンド接続のインピーダンスは、主に誘導性リアクタンスを有する。ワイヤボンドのキャパシタンスを増加させることにより、主に抵抗性インピーダンスに向かうようにインピーダンスを変更することが望ましい。これは、トレースに対してワイヤボンドが取り付けられる面積を追加することにより、達成され得る。金属面積を増加させることによりインダクタンスが打ち消されるため、キャパシタンスを増加させる別の方法として、ワイヤボンドのボールボンド直径を大きくすることが挙げられる。特定の一実施形態では、純粋な抵抗である50オーム、すなわち50Ω+j0に対しインピーダンス整合を達成することが望ましい。実際のあらゆるインピーダンスに対して整合が行われ得ることが、理解されよう。
【0022】
第1の曲線402は、約5ミルの半径を有するワイヤボンドボールのインピーダンスを示す。見てわかるように、第1の曲線402は、最小のボール半径、及び最大のインダクタンスを有する。第2の曲線404は、約10ミルの半径を有するワイヤボンドボールのインピーダンスを示し、第3の曲線406は、約15ミルの半径を有するワイヤボンドボールのインピーダンスを示す。第4の曲線408は、約20ミルの半径を有するワイヤボンドボールのインピーダンスを示す。見てわかるように、第4の曲線は、最大のボール半径、及び最小の誘導性インピーダンス、例えば最も抵抗性のインピーダンスを有する。通常、ワイヤボンドボールは、機械の能力に合わせて増やすことができる。
【0023】
実施形態では、ワイヤボンドボールの直径は、約1ミル~約30ミルの範囲であり得る。例示的な実施形態では、積層されるボールは、およそ20ミルの平均直径を有する。実施形態では、例示的なボールスタックの高さは、約2ミル~約90ミルの範囲であり得る。
【0024】
例示的な実施形態では、ボールスタックは、金属性であり、基板の金属被覆に直接接着される。ボールスタックは、導電性材料を使用して作られるため、ボールスタックが取り付けられた構造の電気性能または熱性能に悪影響を与えることはない。ボールスタックは、大きな力を加えないと外れにくい強力な冶金的接合を形成するために、熱超音波溶接が施され得る。一般に、ボールスタックは、従来の代替品と比べて比較的安価に製造され、比較的高速で形成することができる。さらに、ボールスタックは、従来の代替品では必要となり得るワッシャ、スタンドオフ、物理コネクタコンポーネントなどの別個のコンポーネントを必要としない。さらに、ボールスタックの幾何学的形状は、ワイヤ寸法、プロセスパラメータ、及びボールボンディングツールを変えることにより、制御することができる。一度開発されると、ボール特性の再現性は非常に高い。
【0025】
「垂直」、「上」、「下」、「下方」、「上方」、「左」、及び「右」などの相対的用語は、例示的な実施形態の理解を促進するために使用され得るが、このような用語は、特許請求される本発明の範囲を決して限定するものではない。これらの用語及びいずれの同様の相対的用語も、決して限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ本発明の実施形態を説明する際の便宜上の用語として解釈されるべきである。
【0026】
本発明の例示的な実施形態が説明されたが、これらの概念を組み込んだ他の実施形態も使用されてもよいことが、ここで当業者には明らかになるであろう。本明細書に含まれる実施形態は、開示された実施形態に限定されるべきではなく、むしろ添付の特許請求項の趣旨及び範囲によってのみ限定されるべきである。本明細書で引用されるすべての公表文献及び参照文献は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれるものとする。
【0027】
本明細書で説明される異なる実施形態の要素は、上記では具体的に記載されていない他の実施形態を形成するために、組み合わされてもよい。単一の実施形態の文脈で説明される様々な要素は、別個に、または任意の適切な部分的組み合わせで、提供されてもよい。本明細書に具体的に説明されていない他の実施形態も、下記の特許請求の範囲内に含まれる。
【国際調査報告】