IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フューチュラ エス ピー エーの特許一覧

特表2024-505281紙材料のログを横切断するための切断機
<>
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図1
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図2
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図3
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図4
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図5
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図6
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図7A
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図7B
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図8
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図9
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図10
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図11
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図12
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図13
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図14
  • 特表-紙材料のログを横切断するための切断機 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-05
(54)【発明の名称】紙材料のログを横切断するための切断機
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/12 20060101AFI20240129BHJP
   B26D 3/16 20060101ALI20240129BHJP
   B26D 1/14 20060101ALI20240129BHJP
   B24B 49/12 20060101ALI20240129BHJP
   B24B 3/36 20060101ALI20240129BHJP
【FI】
B26D7/12
B26D3/16 E
B26D3/16 D
B26D1/14 C
B24B49/12
B24B3/36 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547054
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-10-02
(86)【国際出願番号】 IT2022050002
(87)【国際公開番号】W WO2022168132
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】102021000002093
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506180062
【氏名又は名称】フューチュラ エス ピー エー
(74)【代理人】
【識別番号】100147935
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100080230
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 詔二
(72)【発明者】
【氏名】ベッティ、ガブリエレ
(72)【発明者】
【氏名】メニケッティ、マッシモ
【テーマコード(参考)】
3C034
3C158
【Fターム(参考)】
3C034AA19
3C034BB93
3C034CA11
3C034CA22
3C034CB03
3C034DD20
3C158AA03
3C158AA12
3C158AA14
3C158AB01
3C158AB04
3C158CA01
3C158CB01
3C158DB07
(57)【要約】
紙材料のログを横切断するための切断機であって、-ログを移動させる構造体(SC);-ブレード(2)を備えた切断ユニット(CU);-ブレードを鋭利化するための研削ユニット;-前記ブレード(2)に対して研削ホイールを位置決めするための装置;を有し、-前記位置決め装置は、それぞれのアクチュエータによって駆動される第一キャリッジ(4)及び2つの第二キャリッジ(42,43)を備え;-前記ブレード(2)の切断エッジ(200)を検出する光学センサ(100)が設けられ;-前記研削ホイールと前記ブレードとの接触に続いて前記ブレードを鋭利化することを含む前記研削ホイールの動作位置決めの段階において、前記研削ホイールの研削面は、所定の値を有する推力でブレードに押し付けられる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙材料のログを横切断するための切断機であって、
-より短い長さのロールを得るために、横方向に切断されるべきログを移動させる構造体(SC)と;
-前記構造体(SC)の所定の位置に配置され、かつ支持プレート(1)の一端に配置されたそれぞれのロータリアクチュエータ(20)に取り外し可能に接続することができ、かつ所定の速度で自らの回転軸(x-x)を中心としたブレードの回転を制御するように適合されたブレード(2)用の支持プレート(1)を備える切断ユニット(CU)であって、前記ブレード(2)が、当該切断ユニット(CU)内の所定の位置で前記回転軸(x-x)に直交する平面(P2)に沿って配置される、切断ユニット(CU)と;
-前記平面(P2)に対して対向する両側で前記ブレード(2)を鋭利化処理するために取り付けられ、かつ研削面(31)を備えた2つの研削ホイール(3)を有する鋭利化ユニットと;
-前記研削ホイール(3)を前記ブレード(2)に対して位置決めする位置決め装置であって、当該位置決め装置によって、最初の非動作位置から始まる前記ブレード(2)を鋭利化する段階において、それぞれの研削ホイール(3)が前記ブレード(2)と接触する位置に配置される位置決め装置と;
を有し、
前記切断機において、
-前記位置決め装置は、1つ以上の第一アクチュエータ(M0,M1)によって、最初の待機位置から始まり前記ブレード(2)に対して半径方向に第一移動方向(PD)に沿って移動可能とされている第一キャリッジ(4)と、前記第一キャリッジ(4)によってそれぞれ支持されかつ対応する第二アクチュエータ(M2,A2;M3,A3)によって前記ブレード(2)の回転軸に並行する第二移動方向(SD)に沿って移動可能とされている2つの第二キャリッジ(42,43)と、を備え;
-前記研削ホイール(3)の動作位置決めの第1段階において、前記第一キャリッジ(4)を移動させるために使用される前記1つ以上のアクチュエータ(M0,M1)は、前記ブレード(2)の切断エッジ(200)を検出しかつこの検出後に前記第一移動方向(PD)に沿った前記第一キャリッジの走行を中断する光学センサ(100)によって、前記第一移動方向(PD)に沿った前記第一キャリッジ(4)の走行が前記ブレード(2)の実際の径に相関するように制御され;そして
-前記研削ホイール(3)を前記ブレード(2)と接触させた後に前記ブレード(2)を研削することを含む前記研削ホイール(3)の動作位置決めの第2段階において、制御ユニット(MC)によって、前記第二アクチュエータは所定の推力で前記研削ホイール(3)の研削面を前記ブレード(2)に押し付けるように制御される、切断機。
【請求項2】
前記センサ(100)は、前記第一キャリッジ(4)に拘束されている、請求項1に記載の切断機。
【請求項3】
前記第一キャリッジは、2つの独立ユニット(40,41)によって形成されている、請求項1に記載の切断機。
【請求項4】
前記研削ホイール(3)によって前記ブレード(2)に加えられる推力は、前記ブレード(2)の直径が減少することにつれて増加する、請求項1に記載の切断機。
【請求項5】
前記第二アクチュエータは、それぞれ対応する電動モータによって駆動され、そして前記研削ホイール(3)の動作位置決めの第2段階において、前記電動モータは所定のトルクを提供する、請求項1に記載の切断機。
【請求項6】
前記電動モータによって提供されるトルクは、前記ブレード(2)の直径が減少するにつれて増加する、請求項5に記載の切断機。
【請求項7】
前記ブレードの鋭利化段階と前記ブレードのその後の鋭利化段階との間で、前記ブレードの回転速度が、所定の公称値と比較して95%~105%の間で変化する、請求項1~6のいずれかに記載の切断機。
【請求項8】
前記第一キャリッジは前記プレート(1)の内側(F1)に、前記第一移動方向(PD)に沿って摺動することを可能にするリニアガイド(LG)の手段によって拘束されている、請求項1に記載の切断機。
【請求項9】
前記独立ユニット(40,41)の各々が、前記プレート(1)の内側(F1)に平行な第1の側部(4P)と、前記第1の側部(4P)に直交し、かつその下にある第2の側部(4H)とを有し、前記第1の側部(4P)が、それぞれのガイド(LG)に沿って摺動し、前記第2の側部(4H)がブラケット構造を構成する、請求項3に記載の切断機。
【請求項10】
前記第二キャリッジ(42,43)は、それぞれ、前記第一キャリッジ(4)のそれぞれのブラケット構造(4H)の下に配置され、前記第二アクチュエータは、前記ブラケット構造(4H)の上に配置される、請求項9に記載の切断機。
【請求項11】
前記研削ホイール(3)の研削面(31)と前記ブレード(2)との接触が、前記ブレード(2)の減速を検出することによって検出される、請求項1に記載の切断機。
【請求項12】
前記研削ホイール(3)の研削面(31)と前記ブレード(2)との間の接触が、前記電動モータの停止を検出することによって検出される、請求項5に記載の切断機。
【請求項13】
前記センサ(100)は、光学センサ又は誘導性センサ又は超音波センサである、請求項1に記載の切断機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙材料製のログを横切断するための切断機に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレットペーパー、キッチンペーパー及び同様の用途のためのペーパーのロールは、一般に「ログ」と呼ばれ、そして「巻き返し機」と呼ばれる機械によって製造され、より長い長さのロールの横切断から得られることが知られている。上記ログにおいては、1つ又は複数の重なり合うペーパープライからなる所定量の紙材料がそれ自体の周りに、又は「コア」と呼ばれる厚紙管の周りに巻き付けられている。一般に、巻き返し機によって製造されたログはバッファマガジンに搬送され、そしてここから前述の横切断を行う「切断機」と呼ばれる機械に搬送される。
【0003】
一般に、前記切断機は、前記ログのための案内チャネルが画定されるプラットフォームと、前記チャネルの下流に設けられた切断ユニットとを有し、この切断ユニットは、前記ログから得られるロールの長さに応じてプログラムされた速度で前記ログの横切断を決定するために適切に作動及び移動する円板状ブレードを含む。前記ブレードは、通常、研削ホイールと関連付けられており、この研削ホイールは前記ブレード自体の切断プロファイルを回復するために周期的に介在する。前記切断機の前記ブレードは、直径及び切断性能の両方を徐々に減少させる摩耗のために定期的に交換されなければならない。摩耗したブレードを新しいブレードと交換する場合はいつでも、前記ブレードに対する研削ホイールの位置を調整する必要がある。
【0004】
特許文献1は、紙材料のログの横切断機を開示している。この横切断機は、切断されるべきログのための進行経路と、前記ログを切断するための周期的移動を実施しかつ前記進行経路に沿ったログの進行を行なう間、それ自体の軸の周りを回転することができるように支持された交換可能な円板状ブレードを備えた切断ユニットと、及び前記円板状ブレードが鋭利化される場合に前記円板状ブレードに介在するように構成されかつ制御される2つの研削ホイールを有する鋭利化ユニットとを備えている。
【0005】
前記研削ホイールは支持システム上に取り付けられている。この支持システムは、前記ブレードへの前記研削ホイールの制御されたアプローチのための機構を備えている。このアプローチ機構は、各研削ホイールをそれ自体の回転軸に実質的に平行な方向に移動させるように構成されている。前記機構は、各研削ホイールの支持スライド部材を前記ブレードに対して公称位置に移動させそして前記研削ホイールを前記公称位置に保持された前記関連するスライド部材に対して移動させることによって、制御された態様で前記研削ホイールを前記ブレードに接近させるように作用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP3194128B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、時々鋭利化される前記ブレードに対する鋭利化ホイールの位置決めが自動化され、そしてこの位置決めが前記ブレードの直径とは実質的に無関係である、ログを切断するための機械を提案することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、紙材料のログの横切断のための切断機に使用され、前記ブレード自体の所謂「多角形化」、即ち、前記ブレードは通常それらが受ける反復研削操作に起因してそれらの元の円形形状を失い前記ログの横切断の不正確な実行を決定する実質的に多角形の形状をとる現象を排除するか又は少なくとも大幅に低減することを可能にする、前記ブレードのための鋭利化機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、本発明によれば、請求項1に示す特徴を有する機械を製造するという考えを採用することによって達成された。本発明の他の特徴は、従属請求項の対象である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、この操作は、オペレータが前記ブレードを収容する前記機械の領域に接近することを必要としないので、手動で行われる位置決めよりも短時間でかつより大きな操作上の安全を伴って、研削ホイールの位置決めを自動的に行うことができる。さらに、本発明による機械において前記研削ホイールを位置決めするための装置は比較的単純な構造を有しかつ前記研削ホイールの所望の位置を認識するための有効な機構を合体している。さらに、本発明による機械は、第一キャリッジによって決定される研削ホイールの位置決めが特に正確でない場合であっても、前記ブレードの所謂多角形化を排除するか、又は少なくとも大幅に低減する。
【0011】
本発明のこれらの及びさらなる利点及び特徴は、例として提供されるが限定的な意味で考慮されるべきではない以下の説明及び添付の図面によって、当業者にはより一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による切断ユニットにより紙材料のログを横切断するための切断機の切断ステーションの概略垂直断面図を表す。
図2】本発明による切断機用の切断ユニットの概略正面図を表す。
図3図2の切断ユニットの第1の概略側面図を表す。
図4図2の切断ユニットの第2の概略側面図を表す。
図5図2に示される切断ユニットの第1の概略斜視図を表す。
図6図2に示される切断ユニットの第2の概略斜視図を表す。
図7A図2のA-A線に沿った断面図を表す。
図7B】それぞれの移動手段を備えた第二キャリッジの斜視図である。
図8】ブレード(2)の平面(P2)に対する研削ホイールの可能な方向付けを示す図である。
図9】ブレードの多角形化を表す図である。
図10】先の図に示された切断ユニットにおける研削ホイールの駆動モータによって提供されるトルクの可能な変化を鋭利化されるブレードの直径の変化とともに表す定性的グラフである。
図11】切断されたログが参照符号「L」で示されている、本発明のさらなる実施形態を概略的に表す。
図12】切断ユニットのブレードに対する研削ホイールの位置に関する幾何学的パラメータを表す図である。
図13】本発明による機械における切断ユニットのアクチュエータのための可能な制御システムの簡略化されたブロック図を表す。
図14】第二キャリッジの行程中に第二アクチュエータのモータによって提供されるトルクの定数値を表す定性的グラフである。
図15】鋭利化段階におけるブレードの回転速度を制御するための可能な方法を表す定性的グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
その本質的な構造に変形され、添付図面を参照して、切断ユニットが適用可能な本発明による切断機は下記構成を有する:
-より短い長さのロールを得るために、横方向に切断されるべきログを移動させる構造体(SC);
-前記構造体(SC)の所定の位置に配置されかつブレード(2)用の支持プレート(1)を備えた切断ユニット(CU)であって、前記ブレード(2)は前記プレート(1)の一端に配置されたそれぞれのロータリアクチュエータ(20)に取り外し可能に接続することができ、かつ所定の速度で自らの軸(x-x)を中心とした前記ブレード自体の回転を決定することができ、前記プレート(1)は前記ブレード(2)の前記回転軸(x-x)に平行な軸の周りを所定の角速度で当該プレートを回転させる、さらなるアクチュエータに同様に拘束される切断ユニット(CU);
-前記ブレード(2)を鋭利化するために適切に設けられた2つのホイール(3)を有する鋭利化ユニット;
-研削ホイール(3)を前記ブレード(2)に対して位置決めするための装置。
【0014】
図1は本発明による切断ユニットを取り付けることができる切断機(CM)の主要な構成要素を概略的に示しており、この図面は、前記切断ユニットの位置を前記ログの前記経路に関して識別することを可能にするためにのみ提供されていることが理解される。また、前記切断機の構成は、前記ログに対して横方向に作用するブレードを備える切断ユニットによって、より短い長さのロールを得るために、紙材料のログの横方向切断を目的とする限り、任意の好適な方法で製造することができることも理解される。
【0015】
図1の例では、それ自体既知の構造スキームに従って、前記ロータリアクチュエータ(20)はベルト(21)によって前記ブレード(2)に接続されており、当該ベルト(21)は軸(23)の自由端に配置されたプーリを介して前記ブレードの中央ピン(22)を前記アクチュエータ(20)の前記軸(23)に接続している。さらに、前記プレート(1)は、前記ブレード(2)の回転を制御する前記アクチュエータ(20)の軸(23)と平行である軸(B1)を備えた対応するロータリアクチュエータ(A1)によって、ブレード(2)の回転軸と平行な軸の周りに回転させられる。
【0016】
前記アクチュエータ(20)、例えば、電動モータは、前記構造体(SC)の上方に配置されかつ内部に前記ベルト(21)及び前記軸(23)及び(B1)が配置される箱形本体(BB)と一体となっている。前記本体(BB)は、対応するアクチュエータ(BA)に接続され、当該アクチュエータ(BA)は前記本体(BB)の上側に配置されたナットブッシングに作用するネジ(VA)を介して、その垂直位置、即ち、下にある構造体(SC)に対するその位置決めを制御する。従って、前記本体(BB)の位置を制御することによって、前記ブレード(2)は前記構造体(SC)に対して所望の高さに位置決めされることができる。例えば、電動モータからなる前記アクチュエータ(A1)も、前記本体(BB)と一体である。
【0017】
実際には、前記ブレード(2)は前記プレート(1)の回転軸に平行なそれぞれの軸(x-x)の周りを回転する。
【0018】
本発明の可能な実施形態による切断ユニット(CU)は、上側(10)と、下側(11)と、前側(F1)と、後側(R1)とを有するプレート(1)を備える。前記円形ブレード(2)の前記中央ピン(22)は前記プレート(1)の前記下側(11)に取り付けられ、そして必要なときに前記ブレードを交換できるように、このピンに取り外し可能に取り付けられる。前記ブレード(2)は、前記プレート(1)と平行に配向されそして前記プレート(1)の前記前側(F1)から所定の距離に配置される。また、前記プレート(1)には、前記ブレード(2)を研削するための2つの研削ホイール(3)と、該研削ホイール(3)を前記ブレード(2)に対して位置決めするための装置とが取り付けられている。
【0019】
各研削ホイール(3)は、それぞれの支持軸(30)の軸(A30)が前記プレート(1)の前記前側(F1)に対して、そして従って、前記ブレード(2)の対応する面に対して所定の値の傾斜を有する、当該支持軸(30)に適用される。図8には、前記研削ホイール(3)を支持する軸(30)と、それぞれの軸(A30)と、前記ブレード(2)の面(A2)に対する研削位置におけるこの研削ホイール(3)の傾斜と、及び前記ブレードの平面(P2)とが示されている。
【0020】
本発明によれば、前記研削ホイール(3)の位置決め装置は下記構成を有する:
‐第一移動方向(PD)に従って前記プレート(1)に対して平行に移動可能な第一キャリッジ(4);
‐前記第一キャリッジ(4)に拘束され、前記第一移動方向(PD)に直交する第二移動方向(SD)に従って個々に移動可能な2つの第二キャリッジ(42,43)であって、各第二キャリッジ(42,43)は、それぞれの研削ホイール(3)の軸(30)を支持するための座部を有する、第二キャリッジ(42,43)。
【0021】
実際には前記第一移動方向(PD)は、前記ブレード(2)が位置する前記平面(P2)に平行な方向、即ち、前記ブレード(2)に対する半径方向であり、一方、前記第二移動方向(SD)は前記ブレード(2)の前記回転軸(x-x)に平行な方向である。
【0022】
図面に示される実施形態によれば、前記第一キャリッジ(4)は2つの独立ユニット(40,41)からなり、それらの各々に対応する第二キャリッジ(42,43)が拘束される。あるいは、第一キャリッジは単一のユニットからなり、両方の第二キャリッジ(42,43)が拘束される構成とすることもできる。
【0023】
図2~7に示される実施形態に関して、前記第一キャリッジ(4)は2つの独立したユニットからなり、それぞれのユニットは前記プレート(1)の内側(F1)に、前記第一移動方向(PD)に沿うガイド摺動を可能にするリニアガイド(LG)によって拘束された本体(40,41)からなる。前記第一移動方向(PD)に沿った各本体(40,41)の摺動は、対応する電動モータ(M0、M1)によって制御される。各モータ(M0、M1)は、前記プレート(1)の前記内側(F1)に固定され、各本体(40,41)に形成された対応するナットブッシュ(MV)と係合するネジ付き軸(TS)を駆動する。従って、各本体(40,41)は、それぞれのモータ(M0、M1)によって前記第一移動方向(PD)に沿って移動することができる。
【0024】
前記本体(40,41)の各々は前記プレート(1)の前記内側(F1)に平行な第1の側部(4P)と、前記第1の側部(4P)に直交しかつ下方に位置する第2の側部(4H)と、を有する。前記第1の側部(4P)は、それぞれのガイド(LG)に沿って摺動する。前記第2の側部(4H)はカンチレバー構造を構成し、その機能は以下に示される。実際には、前記本体(40,41)のそれぞれは、横方向に見て、前記プレート(1)の前記内側(F1)に平行な部分(4P)と、前記プレート(1)の前記内側(F1)に直交する部分(4H)と、を備えた構造を有し、前記ブレード(2)の上方にブラケットを画定する。上述の例では、前記本体(40,41)の移動、即ち、前記第一キャリッジ(4)を構成する前記2つのユニットの移動は、前記本体(40,41)を前記プレート(1)の前記内側(F1)に拘束する前記ガイド(LG)の存在によってガイドされる移動である。
【0025】
添付図面に示される実施形態によれば、各第二キャリッジ(42,43)は、それぞれのブラケット(4H)の下方に配置され、そして前記ブラケット上に作られた長手方向スロット(4C)を通過する上部垂直付属物(U4)を有する。前記モータ(M2、M3)は前記ブラケット(4H)の上方に配置され、各モータ(M2、M3)は、前記モータ(M2、M3)によって駆動されるそれぞれのリニアアクチュエータ(A2、A3)の外側ケーシングを介して対応するブラケット(4H)の上面に固定される。各アクチュエータ(A2、A3)は、例えば、それ自体公知のネジアクチュエータ、即ち、それぞれのモータ(M2、M3)によって操作されるネジ(図示せず)によって動かされるステム(SA)を備えるアクチュエータである。前記ステム(SA)は、後側でアクチュエータケーシングの上面に取り付けられたスライド部材(CA)に固定されるフランジ(FA)に取り付けられ、一方、前側でそれぞれのキャリッジ(42,43)の垂直付属物(U4)に固定される。
【0026】
前記研削ホイール(3)の前記軸(30)は、それぞれの第二キャリッジ(42,43)に固定される。このように、各モータ(M2,M3)は、ブラケット(4H)の下側に沿って、各第二キャリッジ(42,43)を前記第二移動方向(SD)に移動させる。そして、前記第二キャリッジは前記第一キャリッジに連結されているので、各第二キャリッジ、そして必然的に、それぞれの研削ホイールは、前記第一移動方向(PD)及び前記第二移動方向(SD)の両方に沿って移動することができる。
【0027】
換言すれば、各研削ホイール(3)は前記第一移動方向(PD)及び前記第二移動方向(SD)の両方に従って移動することができるように、前記切断ユニット(CU)によって支持されている。実際、前記第一キャリッジ(4)を構成する前記本体(40,41)は前記モータ(M0、M1)によって前記方向(PD)に従って移動することができ、一方、前記第二キャリッジ(42,43)は、前記モータ(M2、M3)によって前記方向(SD)に沿って前記第一キャリッジ上を移動することができる。
【0028】
前記研削ホイール(3)は、前記ブレード(2)が位置する前記平面(P2)に向かって、それぞれの研削面(31)を有して配向される。
【0029】
前記第一キャリッジは、その下側、即ち、前記ブレード(2)に面する側に対応して、後述する機能を有する光学センサ(100)を備えることができる。例えば、前記光学センサ(100)は、前述した本体(40,41)のいずれかの前記ブラケット(4H)の下に取り付けることができる。例えば、前記センサ(100)の光軸は基準線(所謂、前記研削ホイール(3)の「沈み込み線」(L3)とすることができる)から所定の値(b)だけ離間され、前記研削ホイール(3)が前記ブレード上の鋭利化位置に配置される前に、前記第一キャリッジが前記ブレード(2)に近づくと、前記ブレード(2)の切断エッジ(200)をインターセプトする。
【0030】
前記沈み込み線は、各研削ホイール(3)の基準線であり、これは製造業者によって供給される既知の幾何学的パラメータである。このパラメータは、鋭利化目的のために前記ブレードに対する前記研削ホイールの正しい位置を特定する。実際には、前記ブレードを正確に鋭利化するために、前記研削ホイールの前記沈み込み線は、図12に示されるように、前記ブレードの前記切断エッジに対して接線の位置になければならない。この状態では、研削ホイールの研削面が鋭利化されるべき前記ブレードの領域と正確に干渉し、即ち、鋭利化段階中に前記研削ホイールと前記ブレードとの間に最適な接触状態が生成される。
【0031】
上述の実施形態によれば、前記第一キャリッジ(4)の前記第一移動方向(PD)に沿った移動は、前記ブレード(2)の実際の直径を検出する前記センサ(100)によって制御され、その結果、前記ブレード(2)の実際の直径にかかわらず、前記研削ホイール(3)は、前記研削ホイールの前記沈み込み線が前記ブレードの前記切断エッジに接する正確な鋭利化位置に導かれる。
【0032】
図12に関連して、前記研削ホイール(3)の動作位置決めの第1段階において、前記第一キャリッジ(4)の移動は前記センサ(100)によって制御される。当該センサ(100)は、前記ブレード(2)の半径を検出し、そして前記研削ホイールが前記ブレードの軸に対して、前記ホイールの半径(r3)だけ増加されかつ所定の値(b)だけ減少された前記ブレードの半径(r2)に等しい距離(h)において、それぞれの軸と共に配置される場合、前記第一移動方向(PD)に沿った前記第一キャリッジの行程の中断を制御する。なお、前記研削ホイール(3)の前記半径(r3)は既知の値である。
【0033】
同様に、前記値(b)は前記研削ホイールの製造業者によって提供される既知の値である。この値(b)は、前記研削ホイールの前記エッジに対する、又は同等に、その軸に対する前記基準線(L3)の位置を規定する。実際には、上述の値(b)は、前記ブレード(2)の前記平面(P2)上に投影された前記光学センサ(100)の位置と、前記同一平面(P2)上に投影された前記研削ホイール(3)の前記沈み込み線(L3)の位置との間の、前記第一キャリッジの移動の第一移動方向(PD)に沿った差を示している。
【0034】
本発明によれば、前記研削ホイール(3)を前記ブレード(2)と接触させるため前記方向(SD)に沿って第二キャリッジ(42,43)を移動させる間に、従って、鋭利化段階において、前記それぞれのモータ(M2,M3)は、所定のトルクを提供するように制御される。換言すれば、前記モータ(M2,M3)は、鋭利化段階中に前記各研削ホイール(3)が前記ブレード(2)に所定量の推力を及ぼすように制御される。さらに言い換えれば、前記研削ホイール(3)を動作可能に位置決めする第2段階では、鋭利化段階中に維持される所定量の推力を加えることによって、前記研削ホイールが前記ブレード(2)に向かって押圧される。
【0035】
本明細書において、前記研削ホイール(3)の動作位置決めの第1段階は前記第一移動方向(PD)に沿って前記ブレード(2)に向かう前記研削ホイールの行程に対応し、一方、前記研削ホイール(3)の動作位置決めの第2段階は、前記第二移動方向(SD)に沿って前記ブレード(2)に向かう前記研削ホイールの行程に対応する。
【0036】
図13に一例として示す図では、前記電動モータ(M2,M3)は、前記モータ(M0)及び(M1)、前記センサ(100)、前記モータ(20)及び前記ロータリアクチュエータ(A1)も接続されるプログラマブル制御ユニット(MC)によって制御される。この図では、前記ブレード(2)の回転速度を検出するセンサ(20S)も前記制御ユニット(MC)に接続されている。
【0037】
上述の装置の可能な動作モードは、以下の通りである。
【0038】
前記切断ユニットに取り付けられた前記ブレードを鋭利化するために、前記第一キャリッジは前記第一移動方向(PD)に沿って移動し、前記研削ホイール(3)の動作位置決めの第1段階を実行する。次いで、前記光学センサ(100)は前記ブレード(2)の前記エッジ(200)を検出し、前記第一キャリッジの行程は、例えば、前記センサ(100)が前述の値(b)に対応する値だけ前記エッジ(200)を通過したときに停止する。この目的のために、前記光センサ(100)は、前記プログラマブル制御ユニット(MC)を介して前記モータ(M0、M1)に接続される。このようにして、前記研削ホイール(3)は後続の鋭利化段階のために、前記ブレード(2)の2つの側部から離間して、所望のように位置決めされる。
【0039】
この時点で、前記研削ホイールの第2の動作位置決め段階を実行するために、前記第二キャリッジ(42,43)は前記モータ(M2,M3)によって前記第二移動方向(SD)に沿って移動させられ、その結果、前記各研削ホイール(3)は、自らの軸(x-x)を中心とした回転させられる前記ブレード(2)の対応する側と接触状態で前記それぞれの研削面(31)とともに移送される。この接触(専門用語では、「ホーム」位置識別)は前記ブレード(2)を介して検出され、実際には、当該ブレードは接触自体の結果として減速を受ける。
【0040】
通常、前記ブレードを駆動する前記モータ(20)は、制御機能(FC)を備えたシステムによって制御され、このシステムは前記ログの横切断中に、前記軸(x-x)の周りの前記ブレードの一定の回転速度を保証する。研削ホイール位置決め装置が作動中に、前記研削ホイールが前述のように方向(SD)に沿って動かされると、前述のモータ(20)の制御機能が一時的に停止される。前記研削ホイール(3)と前記ブレード(2)との接触は前記ブレード(2)を減速させ、この状態は前記研削ホイールと前記ブレードとの間の接触の指標として仮定される。この状態が検出されると、前記研削ホイール(3)に加えられる推力は中断されず、即ち、この推力は鋭利化段階全体にわたって維持される。
【0041】
この目的のために、前記モータ(M2,M3)のトルクは、前記ブレード(2)の鋭利化段階全体にわたって所定の値に維持されるように制御される。鋭利化段階中、前記研削ホイール(3)は、前記ブレード(2)に向かって積極的に制御された態様で押圧されるので、前記研削ホイールと前記回転ブレードとの接触によって通常引き起こされる振動が低減され、従って、前記ブレードと前記研削ホイールとの間の接触が改善される。これは、前記ブレードの前記切断エッジの所謂「多角形化」を回避し、そして前記ログのより正確な横切断を得ること及び前記切断ユニットの高価な構成要素である前記ブレードの摩耗を最適化することを可能にする。
【0042】
前述のように、「多角形化」とは、前記ブレードが、通常、交換される前に受ける研削動作の繰り返しに従い、元の円形形状を失い、実質的に多角形の形状を呈するような現象を意味する。図9の概略図において、実線(PC)は前記ブレード(2)の理想的な円形の外形を表し、点線(PP)は、多角形化された前記ブレードの外形を表す。図9において、前記ブレード(2)の点線の外形(PP)は、その非円形形状を強調するために意図的に拡大されている。図9において、参照符号「VP」は、多角形化効果のために前記ブレードによって想定される多角形形状のいくつかの頂点を示す。
【0043】
別の実施形態では、「ホーム」位置の識別、即ち、前記ブレードと前記研削ホイールの接触位置の識別は異なるように操作され、前記研削ホイールが前記ブレードに接近する段階では、前記モータ(M2,M3)は研削中に所定の制限されたトルクを提供するように制御され、そして前記ブレードを移動させる前記モータ(20)の制御機能(FC)は停止されず、その結果、前記研削ホイールと前記ブレードとの間の接触は、前記研削ホイールと前記ブレードとの間の接触から生じる前記モータ(M2,M3)停止によって識別される。いずれにせよ、鋭利化段階の間、前記研削ホイールは、一定の推力で前記ブレードに向かって押圧される。
【0044】
好ましくは、前記モータ(M2,M3)は機械的トランスミッション、特に、上述の例のようなネジトランスミッションの手段によって前記第二キャリッジ(42,43)を移動させ、それによって鋭利化処理中に前記研削ホイールが跳ね返る可能性を回避するか、又はいずれにしても大幅に低減する。言い換えれば、電動モータによって駆動されるネジを介して前記第二キャリッジの移動を決定する機械的なリニアアクチュエータ、例えば上述のタイプのアクチュエータの使用は、前記ブレードに対する前記研削ホイールの跳ね返りがより起こりやすい空気式のリニアアクチュエータよりも好ましい。
【0045】
前記ブレード(2)に向かう前記第一キャリッジの行程は、前記ブレードの前記切断エッジ(200)を検出する前記光学センサ(100)によって制御されるので、この行程の終わりにおける前記第一キャリッジの停止点は事前に定義されていないが直径に依存しており、従って、前記切断ユニットに取り付けられた前記ブレードの摩耗の程度に依存する。
【0046】
実際には、前記研削ホイール(3)の動作位置決めの第1段階において、前記第一キャリッジ(4)の動きは前記ブレード(2)の前記切断エッジ(200)を検出する前記光学センサ(100)によって制御されており、その結果、前記研削ホイール(3)の第1動作位置決め段階は、その長さが前記ブレード(2)の実際の直径に相関する前記第一キャリッジ(4)の行程を意味する。そして、前記研削ホイール(3)の位置決めの第2段階では、前記第二キャリッジ(42,43)を制御して、前記研削ホイール(3)の研削面を前記ブレード(2)に接触させる。
【0047】
本発明によれば、前記研削ホイール(3)の動作位置決めの第2段階の間、前記モータ(M2,M3)は、固定された所定のトルクを提供するように制御される。実際、出願人は、前記研削ホイール(3)の位置決めの第2段階の間の前記モータ(M2、M3)のこの制御モードが前記ブレード(2)のより正確な鋭利化を決定し、そしてこれは前記第一キャリッジによって行われる動作位置決めの第1段階が誤差(例えば、センサ100によって制御される前記第一キャリッジの作動によって決定される位置決めが、0.5mmの誤差、より一般的には0mmと3mmとの間の誤差によって影響を受けた場合)によって影響を受けた場合でも、前記ブレードの所謂多角形化を回避することを観察した。
【0048】
より一般的には、前述のように、本発明によれば、前記ブレード(2)の鋭利化処理中、前記研削ホイール(3)は当該研削ホイールが取り付けられるキャリッジを動かすアクチュエータによって、所定の制御された数値の推力で前記ブレードに向かって押圧される。上述の例では、前記第二キャリッジを移動させるアクチュエータは前記電動モータ(M2,M3)によって駆動されるが、より一般的にはこれらのアクチュエータは、鋭利化処理中に所定の制御された値の推力を及ぼす前記第二移動方向(SD)に沿って前記ブレード(3)に向かって前記研削ホイール(2)を押圧すことができるような方法で制御され得る限り、任意の適切なタイプのものとすることができる。
【0049】
本出願人は、また、鋭利化処理段階の間、前記研削ホイール(3)が前記ブレード(2)の直径が減少することにつれて当該ブレード(2)に及ぼす推力を一定に維持しながら修正することが好ましいことにも注目した。より具体的には、前記ブレードの直径が小さくなるにつれて、前記研削ホイールが前記ブレードに及ぼす推力を増大することが好ましい。実験テストは初期直径が600mmであり、使用中に摩耗のために最終値が480mmに徐々に減少したタイプのブレードを用いて行った。テスト中に使用されたモータ(M2,M3)は、0.31Nmの公称トルクを提供するモータであった。
【0050】
テストの間、前記モータ(M2,M3)のトルクは各鋭利化処理段階の間、一定に保たれたが、その後の鋭利化処理段階のそれぞれにおいて、所定の値の増加を伴った(摩耗していないブレードに対する最初の鋭利化処理が実行されたときの公称値の10%から、完全に摩耗したブレードに対する最後の鋭利化処理が実行されたときの公称値の90%まで)。本出願人は、各鋭利化処理中に研削ホイールによってブレードに及ぼされる一定の制御された推力がブレード自体を安定させ、その振動を低減し、本発明によって低減される多角形化の傾向を低減することに寄与すると確信している。言い換えれば、一定の推力は、鋭利化処理中に前記研削ホイールが常に前記ブレードと正確に接触することを確実にしている。
【0051】
図10には、前記ブレード(2)の直径が、実施された試験に従って変化する時に、前記モータ(M2,M3)によって提供されるトルクの変動の可能なモード(M)を示す定性的グラフが提供されている。このグラフにおいて、使用される記号は以下の意味を有する:
-C:カップル
-CN:前記モータ(M2,M3)の公称トルク、0.31Nmに等しい;
-Cm:前記モータ(M2,M3)によって提供される最小トルク、公称トルクCNの10%に等しい;
-CM:前記モータ(M2,M3)によって提供される最大トルク、公称トルクCNの90%に等しい;
-D:直径
-Dm:前記ブレード(2)の最小直径、480mmに等しい;
-DM:前記ブレード(2)の最大直径、600mmに等しい。
【0052】
図10のグラフは、前記ブレード(2)の直径が変化するにつれて、前記モータ(M1,M2)によって提供されるトルクの実質的に線形の変化(M)を示すが、この変化はまた非線形の変化でもあり得ると考えられる。
【0053】
好ましくは、1つの鋭利化処理と次の鋭利化処理との間で、前記ブレードの回転速度は公称回転速度よりも低い値(例えば、95%)と公称回転速度よりも大きい値(例えば、105%)との間で変化する。実際、本出願人は、ブレード上の研削ホイールの所定の制御された推力と、ブレードの回転速度を所定の限界内で変化させることとを組み合わせることによって、多角化現象がさらに引き立たされることを観察した。
【0054】
前記実験テストは、商品名Chromalit IKS Φ610で市販されているブレードと、International Knife & Saw, Inc.によって市販されているタイプK10R 150グリットの研削ホイールを使用して、本出願人によって実施された。
【0055】
図14の図において、水平線分(CSD)は、XSD軸上の線分0~Xcによって表される、前記ブレードと接触するまでの第二キャリッジの全行程に沿って前記モータ(M1,M2)によって提供されるトルク(Cc)の一定値を表す。縦軸C上の値CN、CM、Cmは、図10のグラフを参照して既に上で示されたものである。「Cc」値は、前述の事項に従って、前記ブレードの実際の直径に対応する前記モータ(M1、M2)によって提供される前記トルクの値を表す。
【0056】
図15において、傾斜線(VV2)は、ブレード回転速度が公称速度(V2n)よりも低い値(V2m)を有する時間t=0と、ブレード回転速度が公称速度(V2n)よりも大きい値(V2M)を有する時間(ta)との間で実行される一連の鋭利化処理におけるブレード回転速度(V2)の可能な変化を表す。上記の例では、V2m=0.95V2n及びV2M=1.05V2nである。図15はブレード回転速度の線形速度変化を示すが、この変化は非線形であってもよいと考えられる。
【0057】
上記の説明に関連して、本発明に係る切断機は、
-より短い長さのロールを得るために、横方向に切断されるべきログを移動させる構造体(SC)と;
-前記構造体(SC)の所定の位置に配置され、かつ支持プレート(1)の一端に配置されたそれぞれのロータリアクチュエータ(20)に取り外し可能に接続することができ、かつ所定の速度で自らの軸(x-x)を中心としたブレードの回転を制御するように適合されたブレード(2)用の支持プレート(1)を備える切断ユニット(CU)であって、前記ブレード(2)が、当該切断ユニット(CU)内の予め確立された位置で前記回転軸(x-x)に直交する平面(P2)に沿って配置される切断ユニット(CU)と;
-前記平面(P2)に対して対向する両側で前記ブレード(2)を鋭利化処理するために取り付けられ、かつ研削面(31)を備えた2つの研削ホイール(3)を有する鋭利化ユニットと;
-前記研削ホイール(3)を前記ブレード(2)に対して位置決めする位置決め装置であって、当該位置決め装置によって、最初の非動作位置から始まる前記ブレード(2)を鋭利化する段階において、それぞれの研削ホイール(3)が前記ブレード(2)と接触する位置に配置される位置決め装置と;
を有し、
上記切断機において、
-前記位置決め装置は、1つ以上の第一アクチュエータ(M0、M1)によって、最初の待機位置から始まり前記ブレード(2)に対して半径方向に第一移動方向(PD)に沿って移動可能とされている第一キャリッジ(4)と、前記第一キャリッジ(4)によってそれぞれ支持されかつ対応する第二アクチュエータ(M2、A2;M3、A3)によって前記ブレード(2)の回動軸に並行する第二移動方向(SD)に沿って移動可能とされている2つの第二キャリッジ(42,43)とを備え;
-前記研削ホイール(3)の動作位置決めの第1段階において、前記第一キャリッジ(4)を移動させるために使用される前記1つ以上のアクチュエータ(M0、M1)は、前記ブレード(2)の切断エッジ(200)を検出しかつこの検出後に前記第一方向(PD)に沿った前記第一キャリッジの走行を中断する光学センサ(100)によって、前記第一移動方向(PD)に沿った前記第一キャリッジ(4)の走行が前記ブレード(2)の実際の径に相関するように制御され;及び
-前記研削ホイール(3)を前記ブレード(2)と接触させた後に前記ブレード(2)を研削することを含む前記研削ホイール(3)の動作位置決めの第2段階において、制御ユニット(MC)によって、前記第二アクチュエータは所定の推力で前記研削ホイール(3)の研削面を前記ブレード(2)に押し付けるように制御される。
【0058】
前記研削ホイールの第2の動作位置決め段階を実行するために、2つの電動モータ(M2,M3)を備える第二アクチュエータの使用を提供する本発明の一実施形態では、好ましくは前記モータが所定の値のトルクを提供するように制御される。
【0059】
さらに、本発明によれば、前記研削ホイール(3)によって前記ブレード(2)に加えられる推力は好ましくは前記ブレードの直径に関連し、特に、前記ブレードの直径が減少するにつれて前記推力が増加する。実際、前記ブレードは、その使用中に、摩耗を受けやすく、従って、その直径が減少する。本発明は、好ましくは、前記センサ(100)によって実行される検出により既知の値を構成する前記ブレードの直径の関数として、鋭利化処理段階中に前記研削ホイールによって前記ブレードに及ぼされる推力を修正することを提供する。
【0060】
従って、本発明によれば、前記ブレードへの前記研削ホイールの可変推力値は、前記第二キャリッジ(42,43)を駆動する前記アクチュエータの制御に対応してプログラムすることによって、前記ブレードの直径が変化するのに対応してプログラムすることができる。前記第二キャリッジを移動させるための電動モータ(M2,M3)を備えるアクチュエータの使用を提供する本発明の一実施形態では、前記ブレード(3)への前記研削ホイール(2)の可変推力値が電動モータ(M2,M3)によって提供される駆動部の制御に対応してプログラムすることによって、前記ブレードの直径が変化するのに対応してプログラムすることができる。
【0061】
さらに、好ましくは、1つの鋭利化段階と次の鋭利化段階との間で、前記ブレードの回転速度はその公称回転速度の95%と105%との間で変化する。
【0062】
光学センサ(100)は、別のタイプのセンサ、例えば誘導性センサ又は超音波センサに置き換えることができる。
【0063】
また、前記切断機は、上述のタイプの2つの鋭利化ユニットを備えることができる。この場合、2つの鋭利化ユニットは、前記ブレード(2)に対して異なる位置に配置され、前記ブレードの異なる領域にそれぞれ作用する。これは、大径の円形ブレード、又は半径に沿って異なる形状の斜面を有する円形ブレードの場合、各鋭利化ユニットが前記ブレードの対応する領域に作用することが可能となり有益である。好ましくは、2つの鋭利化ユニットが互いに同一である。
【0064】
図11に示される例を参照すると、前記センサ(100)はガイド(G10)上に取り付けられるスライド部材(S10)に関連付けられており、上記ガイド(G10)は前記プレート(1)が取り付けられる更なるスライド部材(S1)の移動方向(DS)に対して斜めに配向されている。それ自体公知の方法で、前記プレート(1)は、前記センサ(100)によって検出される前記ブレード(2)の直径の作用として、構造体(SC)の方向に下降される。前述のように、前記ブレード(2)のカレント直径は、図11には不図示であるが、前記ブレードを鋭利化するために前記第一キャリッジ(4)の行程を前記ブレードに向かって制御するために使用される。
【0065】
前記センサ(100)は、前記ブレード(2)のカレント直径を検出する。実際、前記プレート(1)に対する前記ブレードの中心の位置は既知でありかつ不変であり、そのため前記ブレードの前記切断エッジの検出は、前記ブレードの直径の検出に対応する。
【0066】
本明細書において、前記第一アクチュエータは前記第一移動方向に沿った前記第一キャリッジの移動を制御するアクチュエータであり、一方前記第二アクチュエータは前記第二移動方向に沿った前記第二キャリッジの移動を制御するアクチュエータである。
【0067】
実際には、前記実施の詳細は、いずれの場合にも、採用される解決策の考え方から逸脱することなく記載されかつ例示されおり、従って、以下の特許請求の範囲に従って本特許によって付与される保護の範囲内に留まる個々の要素に関して均等の態様で変更し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】