(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-05
(54)【発明の名称】複数の支持部を有するイヤホン
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20240129BHJP
【FI】
H04R1/10 104A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547055
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 CN2021103890
(87)【国際公開番号】W WO2022166094
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】202110147858.0
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522361364
【氏名又は名称】深▲せん▼市大十未来科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】何 慶
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BE01
(57)【要約】
本願は、主キャビティと、耳掛けと、副キャビティとを含む、複数の支持部を有するイヤホンを開示し、前記主キャビティは、前記耳掛けを介して前記副キャビティに接続され、スピーカを取り付けるために使用され、耳の前側に位置し、耳道に近い箇所には、音声出力孔が設けられ、前記耳掛けは、耳の上側及び後側を囲むために使用され、前記副キャビティは、耳の後側と接触するために使用される。本願では、イヤホンの支持領域を設計することで、イヤホンと耳がよりよく一致し、力がより均一になり、イヤホンの脱落及び緩みが回避され、長時間の装着による耳の疲労が軽減され、装着の快適感が向上する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の支持部を有するイヤホンであって、主キャビティと、耳掛けと、副キャビティとを含み、
前記主キャビティは、前記耳掛けを介して前記副キャビティに接続され、スピーカを取り付けるために使用され、耳の前側に位置し、耳道に近い箇所には、音声出力孔が設けられ、
前記耳掛けは、耳の上側及び後側を囲むために使用され、
前記副キャビティは、耳の後側と接触するために使用されることを特徴とする、複数の支持部を有するイヤホン。
【請求項2】
前記主キャビティには、対耳輪に当止するための第1支持部が設けられ、
前記第1支持部は、耳介と面接触又は点接触することを特徴とする、請求項1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【請求項3】
前記主キャビティには、第2支持部が設けられ、
前記第2支持部は、耳輪の前側皮膚、耳輪前部、耳珠上切痕、及び耳珠上部に当止するために使用され、面接触であることを特徴とする、請求項1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【請求項4】
前記耳掛けには、第3支持部が設けられ、
前記第3支持部は、上耳元、対耳輪上脚溝、及び三角窩隆起に当止するために使用され、面接触であることを特徴とする、請求項1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【請求項5】
前記副キャビティには、第4支持部が設けられ、
前記第4支持部は、耳甲介舟隆起、耳輪脚溝、対耳輪溝、及び耳甲介腔隆起に当止するために使用され、面接触であることを特徴とする、請求項1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【請求項6】
前記耳掛けは、形状記憶材料の製品であることを特徴とする、請求項1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【請求項7】
前記副キャビティには、電子部材を取り付けるための取り付けキャビティが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【請求項8】
前記主キャビティ、前記耳掛け、及び前記副キャビティの外側にいずれもソフトゴム層が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【請求項9】
前記耳掛けは、管状構造であることを特徴とする、請求項1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【請求項10】
耳道の方向とは反対側の前記主キャビティの片側には、後音声出力孔が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2021年2月3日に出願された中国特許出願第202110147858.0号に基づくものであり、上記の中国特許出願の優先権を主張し、該出願のあらゆる内容は、参照により本願に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本願は、イヤホンの技術分野に関し、具体的には、複数の支持部を有するイヤホンに関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来の通常の耳掛け型イヤホンの装着及び固定方法は、主に、2つである。
【0004】
1.耳掛け部分の湾曲形状だけよってヒトの耳に固定するため、体又は頭が動くと緩みやすくなり、しっかりと装着できない。
【0005】
2.耳掛け部分とインイヤ/セミインイヤ本体との接続により、耳甲介腔及び耳道の入口箇所の固定点を増やし、この方法は、しっかりと装着するという目的を達成できるが、長時間装着すると耳が腫れたり疲れたりすることがある。
【0006】
それら2つの方法はいずれも、ユーザに長時間快適でしっかりとした装着感を提供できない。
【0007】
ここで、ヒトの耳の各部分の構成を理解すると、イヤホンの装着の研究は容易になる。ヒトの耳の構成は、具体的には、
図1~3に示される。ここで、耳は、対耳輪40、耳珠上部41、耳珠上切痕42、耳輪の前側皮膚43、耳輪前部44、上耳元45、対耳輪上脚溝46、三角窩隆起47、耳甲介腔隆起48、耳輪脚溝49、耳甲介舟隆起50、及び対耳輪溝51を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願の目的は、従来技術の不足を克服するために、複数の支持部を有するイヤホンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本願は、以下の技術的解決手段を用いる。
【0010】
複数の支持部を有するイヤホンであって、主キャビティと、耳掛けと、副キャビティとを含み、
前記主キャビティは、前記耳掛けを介して前記副キャビティに接続され、スピーカを取り付けるために使用され、耳の前側に位置し、耳道に近い箇所には、音声出力孔が設けられ、
前記耳掛けは、耳の上側及び後側を囲むために使用され、
前記副キャビティは、耳の後側と接触するために使用される。
【0011】
更なる技術的解決手段では、前記主キャビティには、対耳輪に当止するための第1支持部が設けられ、
前記第1支持部は、耳介と面接触又は点接触する。
【0012】
更なる技術的解決手段では、前記主キャビティには、第2支持部が設けられ、
前記第2支持部は、耳輪の前側皮膚、耳輪前部、耳珠上切痕、及び耳珠上部に当止するために使用され、面接触である。
【0013】
更なる技術的解決手段では、前記耳掛けには、第3支持部が設けられ、
前記第3支持部は、上耳元、対耳輪上脚溝、及び三角窩隆起に当止するために使用され、面接触である。
【0014】
更なる技術的解決手段では、前記副キャビティには、第4支持部が設けられ、
前記第4支持部は、耳甲介舟隆起、耳輪脚溝、対耳輪溝、及び耳甲介腔隆起に当止するために使用され、面接触である。
【0015】
更なる技術的解決手段では、前記耳掛けは、形状記憶材料の製品である。
【0016】
更なる技術的解決手段では、前記副キャビティには、電子部材を取り付けるための取り付けキャビティが設けられる。
【0017】
更なる技術的解決手段では、前記主キャビティ、前記耳掛け、及び前記副キャビティの外側にいずれもソフトゴム層が設けられる。
【0018】
更なる技術的解決手段では、前記耳掛けは、管状構造である。
【0019】
更なる技術的解決手段では、耳道の方向と反対側の前記主キャビティの片側には、後音声出力孔が設けられる。
【発明の効果】
【0020】
従来技術に比べて、本願の有益な効果は、以下のとおりである。イヤホンの支持領域を設計することで、イヤホンと耳がよりよく一致し、力がより均一になり、イヤホンの脱落及び緩みが回避され、長時間の装着による耳の疲労が軽減され、装着の快適感が向上する。
【0021】
上記の説明は、本願の技術的解決手段の概要に過ぎず、本願の技術的解決手段を明確に理解し、明細書の内容に応じて実施でき、本願の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明白且つ理解しやすくするために、以下、特に、好ましい実施例を挙げ、その詳細な説明は、以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図4】本願による複数の支持部を有するイヤホンの斜視図である。
【
図5】本願による複数の支持部を有するイヤホンの各支持部の位置の概略図である。
【
図6】本願による複数の支持部を有するイヤホンの別の視点からの各支持部の位置の概略図である。
【
図7】本願による複数の支持部を有するイヤホンの支持部と耳との接触の概略図である。
【
図8】本願による複数の支持部を有するイヤホンの第4支持部の位置の概略図である。
【
図9】本願による複数の支持部を有するイヤホンの代表的な応力分布図である。
【
図10】本願による複数の支持部を有するイヤホンの別の代表的な応力分布図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、図面及び特定の実施形態を参照して本願をより詳細に説明する。
【0024】
以下、本願の実施例における図面を参照し、本願の実施例における技術的解決手段を明確、完全に説明し、明らかに、説明された実施例は、本願の全てではないが一部の実施例に過ぎない。本願における実施例に基づき、創造的な作業なしに当業者によって得られる他の全ての実施例は、本願の保護範囲に属する。
【0025】
本願の説明では、理解に必要なものとして、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などの用語で示される配向又は位置関係は、添付の図面に示される配向又は位置関係に基づいており、本願を説明し、説明を簡略化するためにのみ使用され、言及される装置又は要素が特定の配向を有し、特定の方向で構築及び動作しなければならないことを示したり暗示したりするものではなく、従って、それらは本願への限定として解釈されるべきではない。
【0026】
また、「第1」、「第2」という用語は、説明のみを目的として使用されており、相対的な重要性を示したり暗示したりし又は技術的特徴の数量を暗示したり示したりすると解釈されるべきではない。そのため、「第1」及び「第2」で区切られた特徴には、その特徴の1つ以上が明示的又は暗示的に含まれる場合がある。本願の説明では、特に明記されない限り、「複数」の意味は、2つ以上を指す。
【0027】
本願では、特に明記されない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」という用語は、広い意味で理解する必要があり、例えば、それらは、接続、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であり得、機械的接続又は電気的接続であり得、直接接続又は中間媒体を介した間接的接続であり得、2つの素子内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であり得る。当業者は、本願における上記の用語の特定の意味を特定の状況に応じて理解することができる。
【0028】
本願では、特に明記されない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴が直接接触することを含み得、また、第1特徴と第2特徴が直接接触せずにそれらの間の他の特徴を介して接触することも含み得る。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上側」にあることは、第1特徴が第2特徴の直上又は斜め上にあることを含み、又は第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことのみを示す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下側」にあることは、第1特徴が第2特徴の直下又は斜め下にあることを含み、又は第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことのみを示す。
【0029】
本明細書では、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」などの用語は、該実施例又は例を参照して説明した具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記の用語の概略的説明は、必ずしも同じ実施例又は例を指すわけではない。また、説明した具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例では、任意の適切な方法で組み合わせることができる。なお、当業者は、本明細書に説明した異なる実施例又は例を関連して組み合わせることができる。
【0030】
【0031】
図4~8に示すように、本実施例は、主キャビティ10と、耳掛け20と、副キャビティ30とを含む、複数の支持ポイントを有するイヤホンを提供する。主キャビティ10は、耳掛け20を介して副キャビティ30に接続される。主キャビティ10は、スピーカを取り付けるために使用され、耳32の前側に位置する。主キャビティ10には、耳道に近い箇所に、音声出力孔11が設けられる。耳掛け20は、耳32の上側及び後側を囲むために使用される。副キャビティ30は、耳32の後側と接触するために使用される。耳掛け20は、耳32の上側及び後側と接触し、そして主キャビティ10は、耳32の前側と接触し、副キャビティ30は、耳32の後側と接触し、それによってイヤホン構造は、耳32の前側上側及び後側を囲み、しっかりして装着される。
【0032】
ここで、主キャビティ10は、耳32の前側から耳道の位置まで延在し、そして、主キャビティ10と耳32は、接触面を有し、それによってしっかりして装着することができる。本実施例では、主キャビティ10は、耳32の前上方から耳道の入口箇所まで傾斜して延在し、傾斜した配置は、ユーザが主キャビティ10を制御することに役立つ。
【0033】
具体的には、主キャビティ10には、耳介に当止するための第1支持部12が設けられる。第1支持部12は、対耳輪40と面接触又は点接触する。第1支持部12が主キャビティ10の端部に設けられるため、主キャビティ10は、力で支持される。主キャビティ10の音声出力孔11に近い位置には、第1支持部12が設けられるため、主キャビティ10は、スピーカが動作する場合、安定した状態を保ち、スピーカの振動による干渉を回避することができる。
【0034】
主キャビティ10には、第2支持部13が設けられる。第2支持部13は、耳輪の前側皮膚43、耳輪前部44、耳珠上切痕42、及び耳珠上部41に当止するために使用される。第2支持部13は、ヒトの頭に近い側の主キャビティ10の側面である。第2支持部13が面接触するため、主キャビティ10と耳32との接触面積が向上し、点接触が回避され、接触力が分散され、装着の快適感が向上する。
【0035】
耳掛け20には、第3支持部21が設けられる。前記第3支持部21は、上耳元45、対耳輪上脚溝46、及び三角窩隆起47に当止するために使用される。耳掛け20は、湾曲構造であり、ここで、湾曲の程度は、ヒトの耳32のつけ根の湾曲の程度と同じである。第3支持部21が面接触であるため、その接触面積が向上し、イヤホンによる耳32への圧迫が軽減され、快適感が向上する。耳掛け20の横断面は、円形、楕円形、及びレーストラック形などの形状であり、また、他の形状の円形移行部を有する異形体であり得、それによって装着時の接触面が増大し、装着時の快適感も向上する。耳掛け20は、湾曲構造で、複数の円弧状構造の接合によって形成されるものであり、円弧の移り変わりによって耳32の輪郭とほぼ同じである。
【0036】
第3支持部21がイヤホンの重量の大部分を負荷するため、第3支持部21の接触面の増大は、装着時の快適感の向上に役立つ。第3支持部21は、上耳元45、対耳輪上脚溝46、及び三角窩隆起47と接触するだけでなく、頭の側面とも接触する。
【0037】
副キャビティ30には、第4支持部31が設けられる。第4支持部31は、耳甲介舟隆起50、耳輪脚溝49、対耳輪溝51、及び耳甲介腔隆起48に当止するために使用される。第4支持部31は、耳32の後側に向かう側面である。第4支持部31が面接触であるため、装着時の快適感が向上する。第4支持部31は、耳甲介舟隆起50、耳輪脚溝49、対耳輪溝51、及び耳甲介腔隆起48と接触するだけでなく、後頭部の側面と接触する。
【0038】
副キャビティ30には、電子部材を取り付けるためのキャビティが設けられ、ここで、電子部材は、電池、回路基板などであり得る。イヤホンの電池寿命を延長するために、副キャビティ30の体積は、より大きな体積の電池を収容できるように、できるだけ大きくなるように設計される。ここで、イヤホンが装着される場合、副キャビティ30は、耳たぶに向かって延在し、その延在方向が、副キャビティ30の長手方向となる。副キャビティ30と耳掛け20を接続するための接線は、副キャビティ30の長手方向に沿った軸線と120~150°の角度を形成し、それによって副キャビティ30は耳32の下側に掛けることができ、装着時にイヤホンが脱落しにくい。
【0039】
好ましくは、耳掛け20は形状記憶材料の製品であり、主キャビティ10、耳掛け20及び副キャビティ30の相対的な位置を調整し、その後、調整済みの形状を維持することができる。
【0040】
好ましくは、耳掛け20は、管状構造であり、電池、スピーカなどの電子部材を電気的に接続するためのリード線を通すために使用される。
【0041】
好ましくは、主キャビティ10、耳掛け20及び副キャビティ30の外側には、ソフトゴム層が被覆され、それによって装着時に肌に優しい。
【0042】
イヤホンの音響効果を向上させることができるように、耳道の方向と反対側の主キャビティ10の片側には、後音声出力孔が設けられる。ここで、主キャビティ10の外側には、マイクのピックアップ孔も設けられる。
【0043】
具体的な装着過程では、様々な装着状態があり、異なる装着状態のイヤホンは、各支持部の応力状況も異なる。
図9に示すように、最も代表的には、第3支持部21、第4支持部31、第2支持部13が、支持領域としてイヤホンを支持することである。より良く説明するために、座標系を導入して更に説明する。耳32の外側方向をX軸の順方向として、耳32の後側方向をY軸の順方向として、耳32の上側方向をZ軸の順方向として使用する。そのように、イヤホンの重力Gは、鉛直下向きであり、第3支持部21が受けた力は、F21a=F21z+F21y+F21zであり、第2支持部13が受けた力は、F13a=F13xであり、第4支持部31の応力は、F31a=F31z+F31y+F31zであり、従って、重力は、G=F21a+F13a+F31aである。
【0044】
図10に示すように、別の代表的な応力状況は、第1支持部12、第3支持部21、第4支持部31が、支持領域としてイヤホンを支持することである。同様に、座標系を導入して更に説明する。耳32の外側方向をX軸の順方向として、耳32の後側方向をY軸の順方向として、耳32の上側方向をZ軸の順方向として使用する。そのように、イヤホンの重力Gは、鉛直下向きであり、第1支持部12が受けた力は、F12b=F12x+F12y+F12zであり、第3支持部21が受けた力は、F21b=F21z+F21y+F21zであり、第4支持部31が受けた力は、F31b=F31z+F31y+F31zであり、従って、重力は、G=F12b+F21b+F31bである。
【0045】
従来技術に比べて、本願では、イヤホンの支持領域を設計することで、イヤホンと耳32がよりよく一致し、力がより均一になり、イヤホンの脱落及び緩みが回避され、長時間の装着による耳32の疲労が軽減され、装着の快適感が向上する。
【0046】
上記の内容は、読者がより簡単に理解できるように、本願の技術的内容を更に説明するために例を使用するだけであるが、願の実施形態がそれらに限定されることを意味するものではなく、本願に従ってなされた技術的拡張又は再作成は、本願によって保護される。本願の保護範囲は、特許請求の範囲を基準とする。
【0047】
[付記1]
複数の支持部を有するイヤホンであって、主キャビティと、耳掛けと、副キャビティとを含み、
前記主キャビティは、前記耳掛けを介して前記副キャビティに接続され、スピーカを取り付けるために使用され、耳の前側に位置し、耳道に近い箇所には、音声出力孔が設けられ、
前記耳掛けは、耳の上側及び後側を囲むために使用され、
前記副キャビティは、耳の後側と接触するために使用されることを特徴とする、複数の支持部を有するイヤホン。
【0048】
[付記2]
前記主キャビティには、対耳輪に当止するための第1支持部が設けられ、
前記第1支持部は、耳介と面接触又は点接触することを特徴とする、付記1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【0049】
[付記3]
前記主キャビティには、第2支持部が設けられ、
前記第2支持部は、耳輪の前側皮膚、耳輪前部、耳珠上切痕、及び耳珠上部に当止するために使用され、面接触であることを特徴とする、付記1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【0050】
[付記4]
前記耳掛けには、第3支持部が設けられ、
前記第3支持部は、上耳元、対耳輪上脚溝、及び三角窩隆起に当止するために使用され、面接触であることを特徴とする、付記1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【0051】
[付記5]
前記副キャビティには、第4支持部が設けられ、
前記第4支持部は、耳甲介舟隆起、耳輪脚溝、対耳輪溝、及び耳甲介腔隆起に当止するために使用され、面接触であることを特徴とする、付記1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【0052】
[付記6]
前記耳掛けは、形状記憶材料の製品であることを特徴とする、付記1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【0053】
[付記7]
前記副キャビティには、電子部材を取り付けるための取り付けキャビティが設けられることを特徴とする、付記1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【0054】
[付記8]
前記主キャビティ、前記耳掛け、及び前記副キャビティの外側にいずれもソフトゴム層が設けられることを特徴とする、付記1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【0055】
[付記9]
前記耳掛けは、管状構造であることを特徴とする、付記1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【0056】
[付記10]
耳道の方向とは反対側の前記主キャビティの片側には、後音声出力孔が設けられることを特徴とする、付記1に記載の複数の支持部を有するイヤホン。
【国際調査報告】