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特表2024-505341バルーンカテーテルの非接触圧力測定システム、及びこれを用いたバルーンカテーテル非接触圧力測定方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】バルーンカテーテルの非接触圧力測定システム、及びこれを用いたバルーンカテーテル非接触圧力測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01L 9/00 20060101AFI20240130BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20240130BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20240130BHJP
   G01L 7/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
G01L9/00 B
A61B10/00 N
A61M25/10 540
G01L7/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537934
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 KR2021015623
(87)【国際公開番号】W WO2022139158
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0180472
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519361461
【氏名又は名称】オソン メディカル イノベーション ファウンデーション
(71)【出願人】
【識別番号】510273880
【氏名又は名称】コリア ユニバーシティ リサーチ アンド ビジネス ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】KOREA UNIVERSITY RESEARCH AND BUSINESS FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ カンム
(72)【発明者】
【氏名】ユ ウンジュ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ミンチョル
(72)【発明者】
【氏名】チェ チャンジュン
(72)【発明者】
【氏名】アン ジンウ
(72)【発明者】
【氏名】チョ クムジュン
【テーマコード(参考)】
2F055
4C267
【Fターム(参考)】
2F055AA11
2F055BB20
2F055CC14
2F055DD20
2F055EE31
2F055FF49
2F055GG25
4C267AA07
4C267BB05
4C267BB12
4C267BB26
4C267BB28
4C267BB40
4C267BB62
4C267CC25
4C267EE13
4C267HH08
(57)【要約】
バルーンカテーテルの非接触圧力測定システム、及びこれを用いたバルーンカテーテル非接触圧力測定方法において、チャンバ部と、バルーンと、チューブ部と、ポンプ部と、変位センサ部とを含む。前記チャンバ部は、食塩水が貯留される。前記バルーンは、体内に位置し、前記食塩水の提供により膨張する。前記チューブ部は、前記チャンバ部と前記バルーンの間を連結する。前記ポンプ部は、前記チューブ部により、前記食塩水の供給を制御する。前記変位センサ部は、前記チューブ部の所定の区間で、前記食塩水の供給により膨張する前記チューブ部の膨張程度を測定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食塩水が貯留されるチャンバ部と、
体内に位置し、前記食塩水の提供により膨張するバルーンと、
前記チャンバ部と前記バルーンの間を連結するチューブ部と、
前記チューブ部により、前記食塩水の供給を制御するポンプ部と、
前記チューブ部の所定の区間で、前記食塩水の供給により膨張する前記チューブ部の膨張程度を測定する変位センサ部と、
を含むことを特徴とする非接触圧力測定システム。
【請求項2】
前記チャンバ部は、前記チャンバ部の下方に位置し、前記チャンバ部に貯留される前記食塩水の重量を測定する重量センサ部を含むことを特徴とする請求項1に記載の非接触圧力測定システム。
【請求項3】
前記ポンプ部は、前記食塩水と非接触状態で、前記チューブ部により、前記食塩水をパルス供給することを特徴とする請求項2に記載の非接触圧力測定システム。
【請求項4】
更に、前記重量センサ部により測定される前記食塩水の重量と、前記ポンプ部で動作される前記パルス情報を基に、前記チューブ部により前記バルーンに注入される食塩水の量を測定する注入量測定部を含むことを特徴とする請求項3に記載の非接触圧力測定システム。
【請求項5】
前記変位センサ部は、
前記チューブ部の所定の区間で、一端を固定する第1の固定部と、
前記チューブ部の所定の区間で、他端を固定する第2の固定部と、
前記第1及び第2の固定部の間で、前記食塩水の供給による前記チューブ部の膨張程度を測定するセンサユニットと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の非接触圧力測定システム。
【請求項6】
前記センサユニットは、レーザを用いて、前記チューブ部の膨張程度を測定する変位センサであることを特徴とする請求項5に記載の非接触圧力測定システム。
【請求項7】
前記センサユニットは、前記チューブ部の一側に位置し、レーザを照射する発光部と、
前記チューブ部の他側に位置し、レーザを受光する受光部と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の非接触圧力測定システム。
【請求項8】
前記変位センサ部は、更に、
前記第1及び第2の固定部が所定の間隔離隔して固定されるベースプレートと、
前記チューブ部の一端に連結され、前記第1の固定部上に固定される第1のコネクタと、
前記チューブ部の他端に連結され、前記第2の固定部上に固定される第2のコネクタと、
を含むことを特徴とする請求項5に記載の非接触圧力測定システム。
【請求項9】
前記第1及び第2の固定部の離隔間隔は、前記ベースプレート上で可変し、
前記ベースプレートには、前記第1及び第2の固定部が互いに異なる離隔間隔で固定されるように、複数の固定溝が形成されることを特徴とする請求項8に記載の非接触圧力測定システム。
【請求項10】
前記センサユニットは、前記チューブ部の所定の区間上で、複数個が配列されてセンサアレイを形成し、
前記センサアレイは、前記チューブ部の複数の位置で、前記チューブ部の膨張程度を測定することを特徴とする請求項5に記載の非接触圧力測定システム。
【請求項11】
更に、チューブ部の種類別に、チューブ部に与えられる圧力とチューブ部の膨張程度の関係が予め格納されるデータベース部と、
前記データベース部に格納された情報と、前記変位センサ部で測定される前記チューブ部の膨張程度を基に、前記チューブ部に与えられる圧力を測定する圧力測定部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の非接触圧力測定システム。
【請求項12】
チューブ部の種類別に、チューブ部に与えられる圧力とチューブ部の膨張程度の関係が予め格納されるステップと、
チャンバ部に格納された食塩水をチューブ部に注入して、バルーンに提供するステップと、
前記チューブ部に注入される前記食塩水の量を測定するステップと、
前記チューブ部の所定の区間で、前記食塩水の供給により膨張する前記チューブ部の膨張程度を測定するステップと、
前記予め格納された情報及び、前記チューブ部の膨張程度を基に、前記チューブ部に与えられる圧力を測定するステップと、
を含むことを特徴とする非接触圧力測定方法。
【請求項13】
前記食塩水をチューブ部に注入する過程で緊急状況が発生する場合、
前記バルーンに提供された食塩水を前記チャンバ部に全て排出するステップと、
前記食塩水を前記チューブ部に注入することを中断するステップと、
を含むことを特徴とする請求項12に記載の非接触圧力測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルーンカテーテルの非接触圧力測定システム、及びこれを用いたバルーンカテーテルの非接触圧力測定システムに関し、より詳しくは、産後出血を処置する方法のうち、子宮バルーンタンポナーデ(uterine balloon tamponade)又は子宮用バルーンカテーテル(uterine balloon catheter)に与えられる圧力及び食塩水の注入量を非接触で測定することができる、バルーンカテーテルの非接触圧力測定システム、及びこれを用いたバルーンカテーテル非接触圧力測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産後出血は、出産後24時間内の過多な出血で、適切に治療しないと、致命的な問題を引き起こすことになり、このような産後出血の処置のための方法として、子宮バルーンタンポナーデ又は子宮用バルーンカテーテルを用いた止血方法が主に使われている。
【0003】
従来、このような子宮バルーンタンポナーデ又は子宮用バルーンカテーテルを用いた止血方法では、医療スタッフが直接、手作業で食塩水を注入するので、患者に必要なだけ定量的に注入することが難しく、さらには、注入している食塩水の注入圧力も、定量的に測定することが難しい。すなわち、医療スタッフの施術経験に依存して施術が行われてきたところ、必要以上の圧力や量が注入されるか、又は、少ない圧力や量が注入されるなどの問題が多く発生してきた。
【0004】
一方、このような子宮内出血を処置するための機構として、大韓民国公開特許第10-2019-0111294号などの先行技術が開示されているが、単に、出血を処置するための機構的な構造や設計的特徴について開示しており、実カテーテルの使用において注入される食塩水の量や圧力を測定する技術は、開発されていない状況である。
【0005】
特に、子宮用バルーンカテーテルを通じて食塩水を注入するためには、人体内に引き込まれるチューブを使用しなければならず、食塩水による人体内の感染などを防止するために、前記チューブ上に、前記注入量や圧力を測定するための別の装置や構造体を付加することは、非常に制限的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国公開特許第10-2019-0111294号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このようなことに着眼してなされたものであって、本発明の目的は、産後出血を処置する方法のうち、子宮バルーンタンポナーデ又は子宮用バルーンカテーテルに与えられる圧力及び食塩水の注入量を非接触で測定することで、汚染や感染を防止し、且つ、正確な測定が可能であり、施術を効果的に補助することができるバルーンカテーテルの非接触圧力測定システムを提供することである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、前記非接触圧力測定システムを用いたバルーンカテーテル非接触圧力測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した本発明の目的を実現するための一実施形態による非接触圧力測定システムは、チャンバ部と、バルーンと、チューブ部と、ポンプ部と、変位センサ部とを含む。前記チャンバ部は、食塩水が貯留される。前記バルーンは、体内に位置し、前記食塩水の提供により膨張する。前記チューブ部は、前記チャンバ部と前記バルーンの間を連結する。前記ポンプ部は、前記チューブ部により、前記食塩水の供給を制御する。前記変位センサ部は、前記チューブ部の所定の区間で、前記食塩水の供給により膨張する前記チューブ部の膨張程度を測定する。
【0010】
前記チャンバ部は、前記チャンバ部の下方に位置し、前記チャンバ部に貯留される前記食塩水の重量を測定する重量センサ部を含む。
【0011】
前記ポンプ部は、前記食塩水と非接触状態で、前記チューブ部により、前記食塩水をパルス供給する。
【0012】
更に、前記重量センサ部により測定される前記食塩水の重量と、前記ポンプ部で動作される前記パルス情報を基に、前記チューブ部により前記バルーンに注入される食塩水の量を測定する注入量測定部を含む。
【0013】
前記変位センサ部は、前記チューブ部の所定の区間で、一端を固定する第1の固定部と、前記チューブ部の所定の区間で、他端を固定する第2の固定部と、前記第1及び第2の固定部の間で、前記食塩水の供給による前記チューブ部の膨張程度を測定するセンサユニットとを含む。
【0014】
前記センサユニットは、レーザを用いて、前記チューブ部の膨張程度を測定する変位センサである。
【0015】
前記センサユニットは、前記チューブ部の一側に位置し、レーザを照射する発光部と、前記チューブ部の他側に位置し、レーザを受光する受光部とを含む。
【0016】
前記変位センサ部は、更に、前記第1及び第2の固定部が所定の間隔離隔して固定されるベースプレートと、前記チューブ部の一端に連結され、前記第1の固定部上に固定される第1のコネクタと、前記チューブ部の他端に連結され、前記第2の固定部上に固定される第2のコネクタとを含む。
【0017】
前記第1及び第2の固定部の離隔間隔は、前記ベースプレート上で可変し、前記ベースプレートには、前記第1及び第2の固定部が互いに異なる離隔間隔で固定されるように、複数の固定溝が形成される。
【0018】
前記センサユニットは、前記チューブ部の所定の区間上で、複数個が配列されてセンサアレイを形成し、前記センサアレイは、前記チューブ部の複数の位置で、前記チューブ部の膨張程度を測定する。
【0019】
更に、チューブ部の種類別に、チューブ部に与えられる圧力とチューブ部の膨張程度の関係が予め格納されるデータベース部と、前記データベース部に格納された情報と、前記変位センサ部で測定される前記チューブ部の膨張程度を基に、前記チューブ部に与えられる圧力を測定する圧力測定部とを含む。
【0020】
前記した本発明の他の目的を実現するための一実施形態による非接触圧力測定方法において、チューブ部の種類別に、チューブ部に与えられる圧力とチューブ部の膨張程度の関係が予め格納される。チャンバ部に格納された食塩水をチューブ部に注入して、バルーンに提供する。前記チューブ部に注入される前記食塩水の量を測定する。前記チューブ部の所定の区間で、前記食塩水の供給により膨張する前記チューブ部の膨張程度を測定する。前記予め格納された情報及び、前記チューブ部の膨張程度を基に、前記チューブ部に与えられる圧力を測定する。
【0021】
前記食塩水をチューブ部に注入する過程で緊急状況が発生する場合、前記バルーンに提供された食塩水を前記チャンバ部に全て排出するステップと、前記食塩水を前記チューブ部に注入することを中断するステップとを含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、食塩水やチューブとの直接的な接触なく、すなわち、非接触システムにより、体内に位置したバルーンに供給される食塩水の圧力や供給量を測定することができるので、感染などの問題を防止し、医療スタッフの経験や主観的な判断による施術を避け、より正確な測定結果を基に客観的な施術を行うことができる。
【0023】
すなわち、チャンバ部に設けられた重量センサ部と、パルス供給で食塩水を供給するポンプ部のパルス情報を基に、供給される食塩水の量を非接触で正確に測定することができ、変位センサにより、チューブ部の膨張程度を測定して、食塩水がチューブ部に与える圧力を正確に測定することができる。
【0024】
この場合、変位センサにより測定されるチューブ部の膨張程度を、所定のチューブ部の膨張程度と圧力との関係を用いて、圧力を導出することができるので、様々なチューブの種類、又は様々な食塩水の供給環境に対しても、正確に食塩水が供給される圧力を導出することができる。
【0025】
特に、変位センサによりチューブ部の膨張程度を測定するために、チューブ部上の所定の区間でチューブ部が膨張するように、一対の固定部による固定を行い、レーザを用いて、チューブ部の膨張変位を直接測定するので、相対的に正確な膨張程度の測定が可能である。
【0026】
この場合、チューブ部上の所定の区間の長さを可変するか、前記所定の区間内に複数のセンサユニットを整列したセンサアレイを適用することで、チューブ部の種類や、食塩水の種類、又は、食塩水が与えられる圧力や量のような様々な環境変数によっても、正確なチューブ部の膨張程度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る非接触圧力測定システムを示す模式図である。
【0028】
図2図2a~cは、図1における変位センサ部の感知状態を示す平面図である。
図3図3a~cは、図1の変位センサ部の感知状態における図2aのI-I’線に沿う断面図である。
【0029】
図4図4aは、図1における変位センサ部を詳しく示す平面図であり、図4b及びcは、図4aにおいて、チューブ部の長さが延びた例を示す平面図である。
【0030】
図5図5a及び図bは、図1における変位センサ部の他の例を示す平面図である。
【0031】
図6図6は、図4aにおける第1及び第2の固定部を示す斜視図である。
【0032】
図7図7は、図4aにおいて、第1及び第2の固定部上に、第1及び第2のコネクタ及びチューブ部が固定した状態を示す斜視図である。
【0033】
図8図8は、図1を用いた非接触圧力測定方法を示すフローチャートである。
【0034】
<符号の説明>
【0035】
10: 非接触圧力測定システム
50: チューブ部
【0036】
100: チャンバ部
110: 重量センサ部
【0037】
200: ポンプ部
300: 注入量測定部
【0038】
400: 変位センサ部
410: ベースプレート
【0039】
420: センサユニット
425、426: センサアレイ
【0040】
430、440: 固定部
450、460: コネクタ
【0041】
500: 圧力測定部
600: バルーン
【0042】
700: 制御部
800: データベース部
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができ、特定の実施形態を本文に詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態について限定しようとすることではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解されるべきである。添付の図面において、同一又は類似した図面符号は、同一又は類似した構成要素を示す。第1、第2のなどの用語は、様々な構成要素を説明することに用いられるが、前記構成要素は、前記用語により限定されることではない。
【0044】
前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。本出願で使用した用語は、単に、特定の実施形態を説明するために使われており、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。
【0045】
本出願において、「含む」又は「からなる」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせるものが存在することを指定しようとすることであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解すべきである。
【0046】
異なって定義しない限り、技術的や科学的な用語を含めて、ここで使われる全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、一般に理解されることと同様な意味を有している。 一般に使われる辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解析されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解析されない。
【0047】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好適な実施形態をより詳しく説明する。
【0048】
図1は、本発明の一実施形態に係る非接触圧力測定システムを示す模式図である。
【0049】
図1に示しているように、本実施形態による前記非接触圧力測定システム10(以下、圧力測定システムという)は、チャンバ部100と、ポンプ部200と、注入量測定部300と、変位センサ部400と、圧力測定部500と、バルーン600と、制御部700と、データベース部800と、チューブ部50とを含む。
【0050】
前記チャンバ部100は、内部に所定の空間を形成するチャンバであって、前記チャンバ部100の内部空間には、食塩水120が貯留される。前記食塩水120は、前記チューブ部50の内部を通過し、前記バルーン600に提供される生理食塩水であり、その種類は問わない。
【0051】
前記バルーン600は、体内、例えば、子宮内側に位置し、前記バルーン600内に提供される前記食塩水120によって膨張する。以上のように、前記バルーン600が膨張することになると、産後出血が発生する箇所に対して、止血を行うことができ、いわゆる子宮バルーンタンポナーデ又は子宮用バルーンカテーテルの役割を果たす。
【0052】
本実施形態の場合、このような前記バルーン600内に提供される前記食塩水120の量と注入される圧力を測定することで、このような量と圧力に対する客観的な情報を提供することにより、産後出血の止血に必要な食塩水の量及び注入圧力を一定に維持することができる。
【0053】
前記チューブ部50は、前記チャンバ部100から前記バルーン600まで延びており、特に、前記バルーン600に隣接して体内に引き込まれる部分は、感染を予防するために、汚染しないように管理しなければならない。
【0054】
この場合、前記チューブ部50の材質や長さは、様々に選択可能であり、特に限定していない。 本実施形態の場合、前記チューブ部50の材質が変わる場合でも、後述する圧力測定システム10により、正確な食塩水の供給量及び供給圧力を測定することができるので、様々な種類のチューブ部に対して、前記圧力測定システム10が適用できるというメリットがある。
【0055】
一方、前記チャンバ部100の下部には、重量センサ部110が設けられる。前記重量センサ部110は、前記チャンバ部100及び前記食塩水120の重量を感知することができ、これにより、前記食塩水120の重量、すなわち、前記チューブ部50により提供される前記食塩水120の重量情報を取得することができる。
【0056】
この場合、前記重量センサ部110により取得される前記食塩水120の重量情報は、前記注入量測定部300に提供される。
【0057】
前記ポンプ部200は、前記チューブ部50内に前記食塩水120が流動するように、前記食塩水120をポンピング(pumping)する。
【0058】
この場合、前記ポンプ部200は、前記制御部700の動作制御信号を基に動作され、前記制御部700の制御指令により、前記バルーン600に向かって前記食塩水120を提供し、これとは異なり、前記バルーン600に満たされた前記食塩水120を、前記チャンバ部100に向けて排出させることもできる。
【0059】
前記ポンプ部200は、前記食塩水120と接触せず、前記食塩水120のポンピングを行い、例えば、パルス駆動を行ってポンピングし、前記食塩水120を、前記チューブ部50内で一定量ずつ提供するように駆動される。
【0060】
一方、前記ポンプ部200で駆動される前記パルス駆動に対する情報は、前記注入量測定部300に提供される。
【0061】
前記注入量測定部300では、前記重量センサ部110で測定された前記食塩水120の重量変化に対する情報、及び前記ポンプ部200のパルス駆動でのパルス情報を基に、前記チューブ部50により提供される前記食塩水120の量を測定することができる。
【0062】
すなわち、前記重量変化情報を基に、前記チューブ部50に供給される食塩水120の量に対する情報を取得することができ、同様に、前記ポンプ部200での1つのパルス毎に提供される食塩水120の量に対する情報は、既に知られた情報であるので、前記パルスの回数を基に、前記供給される食塩水120の量に対する情報を取得することができる。
【0063】
かくして、前記注入量測定部300では、前記重量変化に対する情報及び前記パルス情報を基に、前記チューブ部50に提供される前記食塩水120の量に対する情報を、より正確に取得することができる。
【0064】
一方、このように取得された前記食塩水120の量に対する情報は、前記制御部700に提供されて、前記制御部700では、後述する前記食塩水120の提供圧力に対する情報と共に、所定の容量及び圧力の範囲に属するか否かを判断し、これにより、前記ポンプ部200の駆動を制御することになる。
【0065】
前記変位センサ部400は、前記チューブ部50を通過する前記食塩水120の圧力を測定し、前記チューブ部50の所定の区間に対して、前記食塩水120が通過することにつれ、前記チューブ部50が膨張するように設計し、前記チューブ部50の膨張程度を感知することで、前記食塩水120の圧力を測定する。
【0066】
前記変位センサ部400に関する具体的な説明は、後述する。
【0067】
前記圧力測定部500は、前記変位センサ部400で測定される前記チューブ部50の膨張程度に対する情報を基に、前記食塩水120が前記チューブ部50に与える圧力を測定する。
【0068】
但し、前記変位センサ部400では、前記チューブ部50の膨張程度に対する情報だけ、前記圧力測定部500に提供し、これを基に、前記チューブ部50に与えられる圧力、すなわち、前記食塩水120の圧力情報を取得するために、前記データベース部800に格納された情報を活用する。
【0069】
前記データベース部800には、チューブ部の膨張程度と食塩水の圧力との関係が保存される。この場合、前記チューブ部も、様々な種類のチューブ部に対して、膨張程度と圧力との関係が保存される。
【0070】
すなわち、図1における前記非接触圧力測定システム10と同様な環境(同様環境)で、様々なチューブ部に対して食塩水を供給し、与えられる圧力を、別の圧力センサを用いて測定し、該当圧力におけるチューブ部の膨張程度を測定して、前記データベース部800に保存する。
【0071】
このように、別の同様環境により、チューブ部の膨張程度と該当場合の圧力情報を保存することで、実際に施術が行われる過程で、前記食塩水120が外部、例えば、圧力センサなどと直接接触して汚染することを防止することができ、また、前記食塩水120と非接触で導出可能な前記チューブ部50の膨張程度に対する情報だけで、実際の前記圧力情報を導出することができるようになる。
【0072】
一方、前記圧力測定部500で前記のように測定された前記食塩水120に対する圧力情報は、前記制御部700に提供され、前記制御部700では、所定の範囲内の圧力であるか否かを判断し、所定の範囲をずれる場合、前記ポンプ部200の動作を中断するなどの制御を行う。
【0073】
図2a乃至cは、図1における変位センサ部の感知状態を示す平面図であり、図3a乃至図cは、図1の変位センサ部の感知状態における図2aのI-I’線に沿う断面図である。
【0074】
まず、図2a及び図3aに示しているように、前記変位センサ部400は、発光部421、受光部422、及びベースフレーム423を含むセンサユニット420と、第1の固定部430と、第2の固定部440とを含む。
【0075】
かくして、前記チューブ部50上の所定の領域において、前記チューブ部50の一端は、第1の固定部430により固定され、他端は、第2の固定部440により固定された状態で、前記食塩水120が通過することで膨張する前記チューブ部50の変位を、前記センサユニット420が測定する。
【0076】
ここで、図2a及び図3aの場合、前記チューブ部50内に前記食塩水120が通過しない状態であり、これにより、前記センサユニット420で測定される前記チューブ部50の変位は、初期状態に該当する。
【0077】
この後、図2b及び図3bに示しているように、前記チューブ部50内に前記食塩水120が通過することで、前記チューブ部50は、前記第1及び第2の固定部430、440により固定される所定の領域で膨張することになり、前記センサユニット420は、前記チューブ部50の膨張程度を測定することになる。
【0078】
さらには、図2c及び図3cに示しているように、前記チューブ部50内に通過する前記食塩水120の量が増えることで、前記所定の領域で膨張する前記チューブ部50の膨張程度は増加し、前記センサユニット420は、前記チューブ部50の膨張程度を測定することになる。
【0079】
かくして、前記食塩水120の供給により前記チューブ部50の膨張程度に対する情報は、リアルタイムで前記センサユニット420により取得され、このように取得される情報は、前記圧力測定部500に提供される。
【0080】
図4aは、図1における変位センサ部を詳しく示す平面図であり、図4b及び図4cは、図4aにおけるチューブ部の長さが延びた例を示す平面図である。
【0081】
まず、図4aに示しているように、前記変位センサ部400は、更に、ベースプレート410と、第1のコネクタ450と、第2のコネクタ460とを含む。
【0082】
前記ベースプレート410は、所定の面積に延びるプレートであり、前記ベースプレート410上に、前記第1及び第2の固定部430、440と前記センサユニット420が位置する。
【0083】
この場合、前記ベースプレート410上には、所定の間隔で複数の固定溝411が形成され、前記固定溝411には、所定の間隔離隔される前記第1及び第2の固定部430、440が、固定ユニット(図示せず)により固定される。
【0084】
すなわち、図4b及び図4cに示しているように、前記第1及び第2の固定部430、440は、互いの離隔間隔を様々に変えることができる。一方、前記第1及び第2の固定部430、440の離隔間隔が変わることで、前記第1及び第2の固定部430、440の間で延びる前記チューブ部50の長さも変わる。
【0085】
前記チューブ部50が相対的に柔軟な材料で、膨張程度が大きい場合であると、前記チューブ部50が、前記第1及び第2の固定部430、440により固定される長さがあまりにも短い場合、前記チューブ部50の膨張量が大きいため、前記センサユニット420による前記チューブ部50の膨張程度の測定が難しい。
【0086】
これとは異なり、前記チューブ部50が相対的に剛性が高い材料で、膨張程度が小さい場合であると、前記チューブ部50が、前記第1及び第2の固定部430、440により固定される長さがあまりにも長い場合、前記チューブ部50の膨張量が小さいため、前記センサユニット420による前記チューブ部50の膨張程度の測定が難しい。
【0087】
そこで、図4a乃至図cでのように、前記チューブ部50の材質、すなわち、膨張程度や前記チューブ部50を貫通する前記食塩水120の種類などを考えて、前記第1及び第2の固定部430、440の間の間隔を様々に制御することができる。
【0088】
一方、前記センサユニット420は、前述したように、前記チューブ部50の膨張程度、すなわち、膨張される変位(displacement)を測定し、レーザを用いて、前記変位を測定する変位センサである。
【0089】
この場合、前記ベースフレーム423は、前記ベースプレート410上に、前記チューブ部50の延在方向に交差する方向に固定される。
【0090】
また、前記発光部421は、前記チューブ部50の一側に位置し、レーザを照射し、前記受光部422は、前記チューブ部50の他側に位置し、前記発光部421より照射されて前記チューブ部50を通過し、前記受光部422に到達するレーザを受光する。すなわち、前記チューブ部50は、前記発光部421及び前記受光部422の間で延在する。
【0091】
かくして、前記受光部422では、前記発光部421より照射されたレーザが、前記チューブ部50により遮蔽され、到達されるレーザを基に、前記チューブ部50の膨張程度を測定することになる。
【0092】
前記第1及び第2のコネクタ450、460については、後述する。
【0093】
図5a及び図5bは、図1における変位センサ部の他の例を示す平面図である。
【0094】
図5aにおける変位センサ部401では、前記第1及び第2の固定部430、440の間の間隔が増えることで、前記第1及び第2の固定部430、440の間に、3つのセンサユニット420が互いに並列に配列されて、センサアレイ425を形成する。
【0095】
この場合、前記センサユニット420は、前記チューブ部50の延在方向に垂直な方向に、同一構造のセンサユニット420が、一定の間隔で隣接し並列に配列される。
【0096】
これと同様に、図5bにおける変位センサ部402では、前記第1及び第2の固定部430、440の間の間隔が増えることにつれ、前記第1及び第2の固定部430、440の間に、5つのセンサユニット420が互いに並列に配列されて、センサアレイ425を形成する。
【0097】
この場合、前記センサユニット420は、前記チューブ部50の延在方向に垂直な方向に、同一構造のセンサユニット420が、一定の間隔で隣接し並列に配列されることは、図5aと同様である。
【0098】
以上のように、前記第1及び第2の固定部430、440の間に、複数のセンサユニットが配列されて、センサアレイ425、426を形成することで、前記第1及び第2の固定部430、440の間で延在する前記チューブ部50の様々な位置で、前記チューブ部50の膨張程度を測定することができる。
【0099】
かくして、前記センサアレイ425、426により感知される様々な位置での前記チューブ部50の膨張程度に対する情報を基に、前記チューブ部50の測定領域での長さが増加する場合でも、より正確な前記チューブ部50の膨張程度に対する情報を取得することができる。
【0100】
図6は、図4aにおける第1及び第2の固定部を示す斜視図である。図7は、図4aにおいて、第1及び第2の固定部上に、第1及び第2のコネクタ及びチューブ部が固定した状態を示す斜視図である。
【0101】
図6に示しているように、前記第1及び第2の固定部430、440は、互いに対向して配置され、互いに対称構造を有するので、第1の固定部430についてのみ説明する。
【0102】
すなわち、前記第1の固定部430は、ベース部431と、延在部433と、クランプ部434とを含む。
【0103】
前記ベース部431は、前記第1の固定部430のベースを形成し、前記ベースプレート410上に位置する。この場合、前記ベース部431には、一対の固定ライン溝432が形成され、前記ベースプレート410上の固定溝411と整列され、別の固定ユニット(図示せず)により、前記ベースプレート410上に固定される。
【0104】
前記延在部433は、前記ベース部431の一端の前記一対の固定ライン溝432の間から上方向に延在し、所定の高さ延在する。
【0105】
前記クランプ部434は、前記延在部433の端に形成され、一対のクランプ部434が固定突起の形状に突出し、一対のクランプ部434の間には、所定の空間に該当する挿入部435が形成される。
【0106】
かくして、前記挿入部435上には、前記第1のコネクタ450が挿入して固定され、前記第1のコネクタ450及び前記第2のコネクタ460により、前記チューブ部50が固定される。
【0107】
この場合、前記延在部433は、所定の高さだけ上昇して延在するので、前記第1及び第2のコネクタ450、460の間で固定される前記チューブ部50も、所定の高さに、すなわち、前記ベースプレート410から所定高さだけ、上部に延在する。
【0108】
特に、前記クランプ部434は、一対が環状に前記挿入部435に向かって突設するので、これにより、前記挿入部435に位置する前記第1のコネクタ450が安定して固定される。
【0109】
一方、図7に示しているように、前記第1の固定部430の挿入部435上には、前記第1のコネクタ450が固定され、前記第2の固定部440の挿入部上には、前記第2のコネクタ460が固定される。
【0110】
この場合、前記第1のコネクタ450は、本体部451と、前記本体部451から延在し、前記第1の固定部430の挿入部435上に固定される支持部452と、前記支持部452から延在し、前記チューブ部50に連結される連結部453とを含む。
【0111】
同様に、前記第2のコネクタ460も、前記第1のコネクタ450と同一の機能をする本体部461と、支持部462と、連結部463とを含む。
【0112】
かくして、前記所定の区間で、前記チューブ部50の一端は、前記第1のコネクタ450により、前記第1の固定部430に固定され、前記チューブ部50の他端は、前記第2のコネクタ460により、前記第2の固定部440に固定される。
【0113】
その結果、前記チューブ部50の所定の区間で、前記チューブ部50の膨張程度が、前記センサユニット420により測定される。
【0114】
一方、図7では、前記チューブ部50が前記所定の区間、すなわち、前記第1及び第2の固定部430、440の間にだけ位置することを例示しているが、前記チューブ部50は、前記第1及び第2のコネクタ450、460の本体部451、461を貫通して延在することは、図1から予想することができる。
【0115】
以上のように、前記チューブ部50の所定の区間に、前記変位センサ部400を位置することで、前記チューブ部50の該当区間における膨張程度を測定することができ、これにより、前記チューブ部50を通過する前記食塩水120の圧力情報を取得することができる。
【0116】
特に、前記圧力情報の取得が、前記食塩水120に対する非接触方式の計測で行うことにより、前記食塩水120に対する汚染や感染を最小化することができる。
【0117】
図8は、図1を用いた非接触圧力測定方法を示すフローチャートである。
【0118】
図8に示しているように、本実施形態による前記非接触圧力測定システム10を用いた非接触圧力測定方法では、まず、チューブ部の種類別に、チューブ部に与えられる圧力とチューブ部の膨張程度の関係に対する情報を、予め、前記データベース部800に格納する(ステップS10)。
【0119】
これは、図1における前記非接触圧力測定システム10と同様環境で行えることは、前述した通りである。
【0120】
この後、前記チャンバ部100に貯留された前記食塩水120を前記チューブ部50に注入して、前記バルーン600に提供する(ステップS20)。
【0121】
この場合、前記チャンバ部100に設けられる前記重量センサ部110により、前記チャンバ部100に貯留される前記食塩水120の重量に対する情報、すなわち、食塩水の供給による食塩水重量の変化量を感知して、前記注入量測定部300に提供する。
【0122】
また、前記ポンプ部200から前記チューブ部50に前記食塩水120を供給する場合、供給パルス情報も、前記注入量測定部300に提供する。
【0123】
かくして、前記注入量測定部300では、前記重量センサ部110により測定された前記食塩水120の重量(変化)情報と、前記ポンプ部200のパルス情報を基に、前記チューブ部50内に提供される食塩水120の量を測定する(ステップS30)。
【0124】
一方、前記測定された食塩水120の量に対する情報は、前記制御部700に提供される。
【0125】
この後、前記チューブ部50の所定の空間に設けられる前記変位センサ部400により、前記チューブ部50の膨張程度を測定する(ステップS40)。
【0126】
この場合、前記変位センサ部400における前記チューブ部50の膨張程度を測定する内容は、前述した通りである。
【0127】
一方、前記チューブ部50の膨張程度の測定結果は、前記圧力測定部500に提供され、前記圧力測定部500では、前記データベース部800に格納された、チューブ部に与えられる圧力とチューブ部の膨張程度の関係を基に、前記チューブ部50に与えられる圧力を導出する(ステップS50)。
【0128】
また、このように導出された前記チューブ部50の圧力測定結果は、前記制御部700に提供される。
【0129】
かくして、前記制御部700では、前記チューブ部50の圧力測定結果と、前記チューブ部50に提供される前記食塩水120の量に対する情報を基に、現在提供される前記食塩水120の量と圧力が、所定の注入量及び圧力の範囲内に該当するか否かを判断する(ステップS60)。
【0130】
かくして、前記注入量及び圧力が所定の範囲をずれる場合(ステップS60)、前記制御部700は、前記ポンプ部200を制御して、前記食塩水120の追加供給を中断させる(ステップS90)。
【0131】
この場合、前記食塩水120の追加供給だけを中断しても、前記注入量及び前記圧力が所定の範囲を依然としてずれる状況と判断されると、前記バルーン600内に提供された前記食塩水120を、前記チャンバ部100に排出し(ステップS80)、このような排出のために、前記制御部700は、前記ポンプ部200を逆方向にポンピングするように制御する。
【0132】
一方、前記注入量及び圧力が所定の範囲に該当する場合でも(ステップS60)、緊急状況が発生したと判断される場合(ステップS70)、前記制御部700は、非常動作を行う(ステップS80及びS90)。
【0133】
前記緊急状況とは、医療スタッフや施術者などから動作中断の外部指令が入力されるか、患者が危急な状況に置かれるなどの状況をいう。
【0134】
すなわち、以上のような緊急状況が発生する場合、前記制御部700は、前記ポンプ部200を制御して、前記バルーン600内に提供された前記食塩水120を、前記チャンバ部100に排出し(ステップS80)、前記制御部700は、前記ポンプ部200を制御して、前記食塩水120の追加供給を中断させる(ステップS90)。
【0135】
本発明の実施形態によると、食塩水やチューブとの直接的な接触なく、すなわち、非接触システムにより、体内に位置したバルーンに供給される食塩水の圧力や供給量を測定することができるので、感染などの問題を防止し、且つ、従来、医療スタッフの経験や主観的な判断による施術を避けて、より正確な測定結果を基に、客観的な施術を行うことができる。
【0136】
すなわち、チャンバ部に設けられた重量センサ部と、パルス供給で食塩水を供給するポンプ部のパルス情報を基に、供給される食塩水の量を非接触で正確に測定することができ、変位センサにより、チューブ部の膨張程度を測定して、食塩水がチューブ部に与える圧力を正確に測定することができる。
【0137】
この場合、変位センサにより測定されるチューブ部の膨張程度を、予め格納されたチューブ部の膨張程度と圧力との関係を用いて、圧力を導出することができるので、様々なチューブの種類、又は様々な食塩水供給環境に対しても、正確に食塩水が供給される圧力を導出することができる。
【0138】
特に、変位センサによりチューブ部の膨張程度を測定するために、チューブ部上の所定の区間で、チューブ部が膨張できるように一対の固定部による固定を行い、レーザを用いて、チューブ部の膨張変位を直接測定するので、相対的に正確な膨張程度の測定が可能である。
【0139】
この場合、チューブ部上の所定の区間の長さを可変するか、前記所定の区間内に複数のセンサユニットを整列したセンサアレイを適用することで、チューブ部の種類や、食塩水の種類、又は食塩水が与えられる圧力や量のような様々な環境変数によっても、正確なチューブ部の膨張程度を測定することができる。
【0140】
前記では、本発明の好適な実施形態を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できることを理解するだろう。
図1
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図6
図7
図8
【国際調査報告】