(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】不揮発性メモリ・セルを含む半導体論理回路
(51)【国際特許分類】
H10B 63/10 20230101AFI20240130BHJP
H10N 70/20 20230101ALI20240130BHJP
G11C 11/56 20060101ALI20240130BHJP
H03K 19/21 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
H10B63/10
H10N70/20
G11C11/56 450
H03K19/21
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540038
(86)(22)【出願日】2022-01-04
(85)【翻訳文提出日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 CN2022070025
(87)【国際公開番号】W WO2022148334
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ゴン、ナンボ
(72)【発明者】
【氏名】安藤 崇志
(72)【発明者】
【氏名】コーエン、ガイ、エム
【テーマコード(参考)】
5F083
5J042
【Fターム(参考)】
5F083FZ10
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA60
5F083PR21
5F083PR22
5J042BA14
5J042BA15
5J042CA20
5J042DA01
5J042DA06
(57)【要約】
相変化メモリ(PCM)デバイスが、下部電極と、下部電極の上の下部ヒータと、下部ヒータの上の下部緩衝層と、下部緩衝層の上のPCM領域と、PCM領域の上の上部緩衝層と、上部緩衝層の上の上部ヒータと、上部ヒータの上の上部電極とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相変化メモリ(PCM)デバイスであって、
下部電極と、
前記下部電極の上の下部ヒータと、
前記下部ヒータの上の下部緩衝層と、
前記下部緩衝層の上のPCM領域と、
前記PCM領域の上の上部緩衝層と、
前記上部緩衝層の上の上部ヒータと、
前記上部ヒータの上の上部電極と
を含む、PCMデバイス。
【請求項2】
前記下部緩衝層が、C、TiN、TaN、TiC、TaC、TiAlN、TaAlN、TiAlC、TaAlC、HfNおよびWNからなるグループから選択された材料を含む、請求項1に記載のPCMデバイス。
【請求項3】
前記下部ヒータが、窒化チタンまたは窒化タンタルを含む、請求項1に記載のPCMデバイス。
【請求項4】
前記PCM領域が、Sb(x)Te(y)、Ge(x)Sb(y)Te(z)およびIn(x)Se(y)からなるグループから選択された材料を含み、x、yおよびzは整数である、請求項1に記載のPCMデバイス。
【請求項5】
前記PCM領域が100nm未満の厚さを含む、請求項1に記載のPCMデバイス。
【請求項6】
前記PCM領域が20nm未満の厚さを含む、請求項1に記載のPCMデバイス。
【請求項7】
前記PCM領域が1nmと100nmの間の厚さを含み、
前記PCM領域が、Sb(x)Te(y)、Ge(x)Sb(y)Te(z)およびIn(x)Se(y)からなるグループから選択された材料を含み、x、yおよびzは整数である、請求項1に記載のPCMデバイス。
【請求項8】
半導体デバイスを製作する方法であって、
基板上に下部電極を形成することと、
前記下部電極の上に下部ヒータを形成することと、
前記下部ヒータの上に下部緩衝層を形成することと、
前記下部緩衝層の上にPCM領域を形成することと、
前記PCM領域の上に上部緩衝層を形成することと、
前記上部緩衝層の上に上部ヒータを形成することと、
前記上部ヒータの上に上部電極を形成することと
を含む、方法。
【請求項9】
前記下部緩衝層が、C、TiN、TaN、TiC、TaC、TiAlN、TaAlN、TiAlC、TaAlC、HfNおよびWNからなるグループから選択された材料を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記緩衝層がテルル化ゲルマニウムを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記下部ヒータが窒化タンタルを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記PCM領域が、Sb(x)Te(y)、Ge(x)Sb(y)Te(z)およびIn(x)Se(y)からなるグループから選択された材料を含み、x、yおよびzは整数である、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記PCM領域が100nm未満の厚さを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記PCM領域が20nm未満の厚さを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
相変化メモリ(PCM)半導体論理回路を使用する方法であって、前記回路が、第1のノードと第2のノードとの間に直列に配置されたPCMセルを含み、前記第1のノードが第1の書き込みパルスを受け取るように構成され、前記第2のノードが第2の書き込みパルスを受け取るように構成され、前記回路が前記第1のノードと前記第2のノードとにわたって読み出しパルスを受け取るように構成され、
前記方法が、
前記第1の書き込みパルスの電圧振幅と前記第2の書き込みパルスの電圧振幅とが結合して前記PCMセルのリセット電圧振幅を超える、前記第1の書き込みパルスと前記第2の書き込みパルスとを、論理書き込み動作の前に前記PCMセルに同時に印加することと、
同時に、前記PCMセルに前記第1のノードの第1の論理状態を書き込むことと、不揮発性メモリに前記第2のノードの第2の論理状態を書き込むことと、
前記第1のノードと前記第2のノードとにわたって読み出しパルスを印加することと、
前記読み出しパルスに関連付けられた電流に従って前記回路の論理状態を解釈することと
を含む、方法。
【請求項16】
前記第2の書き込みパルスの電圧振幅が前記PCMセルのセット電圧を超え、前記PCMセルのリセット電圧未満である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の書き込みパルスと前記第2の書き込みパルスとが互いに異なる極性を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の書き込みパルスの電圧振幅が前記PCMセルのセット閾値を超え、前記PCMセルのリセット電圧未満である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記読み出しパルスの電圧振幅が前記PCMセルのセット閾値未満である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記回路がXOR論理回路を含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般には半導体論理回路に関する。本開示は、具体的には、単一の不揮発性メモリ・セルを含む排他的論理和(XOR)回路および否定排他的論理和(XNOR)回路に関する。
【背景技術】
【0002】
相変化メモリ(PCM)デバイスは、電力消費せずに数日から数十年にわたり記憶素子の状態を維持することができる不揮発性メモリ・デバイスである。揮発性メモリ・デバイスの例には、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)とスタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)が含まれ、DRAMは記憶素子が絶えずリフレッシュされることを必要とし、一方、SRAMは記憶素子の状態を維持するためにエネルギーの不断の供給を必要とする。
【0003】
相変化メモリでは、異なる相になるように操作可能な材料に情報が記憶される。これらの相のそれぞれが、情報を記憶するために使用することができる異なる電気特性を示す。アモルファス相と結晶相とは検出可能な電気抵抗差を有するため、典型的にはこれらの相がビット記憶(0と1)に使用される2つの相である。具体的には、アモルファス相が結晶相より高い電気抵抗を有する。
【0004】
カルコゲナイドは、相変化材料として一般的に使用される材料のグループである。この材料のグループには、カルコゲン(周期表第16族/VIA)と他の元素を含む。セレン(Se)とテルル(Te)が、相変化メモリ・セルを作製する際にカルコゲナイドを生成するために使用されるグループにおける2つの最も一般的な半導体である。これの一例は、Ge2Sb2Te5(GST-225)、SbTe、およびIn2Se3であろう。
【0005】
相変化メモリ・セル設計は、メモリ・セル・アレイの密度を最大限にし、それによって関連する回路の全体的なダイ占有面積を縮小するために、各セルの面積を最小にすることも試みている。論理デバイスに必要な回路構成要素の数の削減は、全体的な論理回路ダイ占有面積を縮小する手段を提供する。
【発明の概要】
【0006】
本開示の1つまたは複数の実施形態の基本的理解を与えるために、以下に概要を示す。この概要は、主要または重要な要素を特定すること、または特定の実施形態のいかなる範囲、または特許請求のいかなる範囲も規定することを意図していない。本概要の唯一の目的は、以下で示すより詳細な説明の導入として、本概念を簡略化された形態で示すことである。本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態において、デバイス、システム、コンピュータ実装方法、装置、またはコンピュータ・プログラム製品あるいはこれらの組合せは、削減された数の構成要素と縮小されたダイ占有面積とを有するコンピュータ論理回路を可能にする。
【0007】
本発明の態様は、下部電極と、下部電極の上の下部ヒータと、下部ヒータの上の下部緩衝層と、下部緩衝層の上のPCM領域と、PCM領域の上の上部緩衝層と、上部緩衝層の上の上部ヒータと、上部ヒータの上の上部電極とを有する半導体デバイスを含む。
【0008】
本発明の態様は、第1のノードが第1の書き込みパルスを受け取るように構成され、第2のノードが第2の書き込みパルスを受け取るように構成され、回路が第1のノードと第2のノードにわたる読み出しパルスを受け取るように構成された、第1のノードと第2のノードとの間に直列に配置された不揮発性メモリ・セルを含む半導体論理回路に関連する、方法、システムおよびコンピュータ論理回路を開示する。方法は、論理書き込み動作の前に、不揮発性メモリ・セルに第1の書き込みパルスと第2の書き込みパルスとを同時に印加することと、不揮発性メモリに、同時に、第1のノードの第1の論理状態を書き込み、第2のノードの第2の論理状態を書き込むことと、第1のノードと第2のノードとにわたって読み出しパルスを印加することと、読み出しパルスに関連付けられた応答に従って回路の論理状態を解釈することとを含む。
【0009】
同じ参照符号が一般に本開示の実施形態における同じ構成要素を指す、添付図面における本開示のいくつかの実施形態のより詳細な説明により、本開示の上記およびその他の目的、特徴および利点がより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による、製作中の半導体デバイスの断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、製作中の半導体デバイスの断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、製作中の半導体デバイスの断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、製作中の半導体デバイスの断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、入力電圧とデバイスの状態のグラフ図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、論理回路構成要素の概略図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、論理回路制御書き込み信号と読み出し信号の概略図である。
【
図8】本発明の一実施形態による、
図7に示す信号を受け取るデバイスのデバイス論理状態変化を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態による、動作シーケンスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書では本発明の様々な実施形態について関連する図面を参照しながら説明する。本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態も考案することができる。以下の説明および図面では、要素間の様々な接続および位置関係(たとえば、上、下、隣接など)が記載されていることに留意されたい。これらの接続または位置関係あるいはその両方は、特に明記されていない限り、直接的または間接的とすることができ、本発明はこの点に関して限定的であることが意図されていない。したがって、実体の結合は、直接結合または間接結合を指す場合があり、実体間の位置関係は、直接的位置関係または間接的位置関係であり得る。間接的位置関係の一例として、本説明で層「B」の上に層「A」を形成すると言う場合、層「A」と層「B」の関連特性および機能が介在層によって実質的に変更されない限り、層「A」と層「B」との間に1つまたは複数の介在層(たとえば層「C」)がある状況を含む。
【0012】
特許請求の範囲および明細書の解釈のために以下の定義および略語を使用するものとする。本明細書で使用する「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含有する(contains)」、または「含有している(containing)」という用語またはこれらのあらゆるその他の変形は、非排他的包含を含むものと意図されている。たとえば、列挙されている要素を含む組成物、混合物、プロセス、方法、物、または装置は、必ずしもそれらの要素のみには限定されず、明示的に記載されていないかまたはそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物、または装置に固有の他の要素を含み得る。
【0013】
さらに、本明細書では「例示の」という用語を使用して、「例、事例または例示となる」ことを意味する。「例示の」として本明細書に記載されているいずれの実施形態または設計も、必ずしも他の実施形態または設計よりも好ましいかまたは有利であるものと解釈されるべきではない。「少なくとも1つの」および「1つまたは複数の」という用語は、1以上の任意の整数、すなわち1、2、3、4などを含むものと理解される。「複数の」という用語は、2以上の任意の整数、すなわち、2、3、4、5などを含むものと理解される。「接続」という用語は、間接的な「接続」と直接的な「接続」とを含み得る。
【0014】
本明細書で「一実施形態」「ある実施形態」、「例示の実施形態」などと言う場合、それは、記載されているその実施形態が、特定の特徴、構造または特性を含み得るが、すべての実施形態がその特定の特徴、構造または特性を含んでいてもいなくてもよいことを示している。また、そのような語句は必ずしも同じ実施形態を指していない。さらに、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造または特性が記載されている場合、明示的に記載されているか否かを問わず、そのような特徴、構造または特性を他の実施形態に関連して用いることは当業者の知識の範囲内にあるものと認められる。
【0015】
以下の説明において、「上部」、「下部」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「最上部」、「最下部」という用語およびこれらの派生語は、記載されている構造および方法に対して、図面における向きの通りの関係にあるものする。「重なっている」、「~の上に(atop)」、「~上に(on top)」、「~上に位置する(positioned on)」または「~の上に位置する(positioned atop)」という用語は、第1の構造などの第1の要素が、第2の構造などの第2の要素の上に存在することを意味し、その際、第1の要素と第2の要素との間に境界面構造などの介在要素が存在し得る。「直接接触」という用語は、第1の構造などの第1の要素と、第2の構造などの第2の要素とが、それら2つの要素の境界面にいかなる中間の導電層、絶縁層または半導体層もなしに接続されることを意味する。たとえば「第2の要素に対して選択的な第1の要素」などの、「~に対して選択的」という用語は、第1の要素がエッチング可能であり、第2の要素がエッチ・ストップとして機能することができることを意味することに留意されたい。
【0016】
簡潔にするために、半導体デバイスおよび集積回路(IC)製造に関連する従来の技術については、本明細書で詳細に記載する場合もしない場合もある。また、本明細書に記載の様々な作業およびプロセス・ステップは、本明細書で詳細に記載していない追加のステップまたは機能を有する、より包括的な手順またはプロセスに組み込み可能である。具体的には、半導体デバイスおよび半導体ベースのICの製造における様々なステップがよく知られており、したがって、簡潔にするために、本明細書では、多くの従来のステップについては、周知のプロセスの詳細を示さずに簡単に言及するにとどめるかまたは完全に省略する。
【0017】
しかし、背景技術として、本発明の1つまたは複数の実施形態を実装する際に使用可能な半導体デバイス製造プロセスのより一般的な説明を以下に示す。本発明の1つまたは複数の実施形態を実装する際に使用される特定の製造作業は、個々には知られている場合があるが、本発明の作業またはその結果の構造あるいはその両方の、記載されている組合せは固有のものである。したがって、本発明による半導体デバイスの製造に関連して説明する作業の固有の組合せは、半導体(たとえばシリコン)基板上で行われる個々に知られている様々な物理的および化学的プロセスを使用しており、それらの一部について以下の各段落で説明する。
【0018】
PCM材料は、アモルファス状態と結晶状態との大きな抵抗差を利用する。アモルファス相は高い電気抵抗率を有し、結晶相は低い抵抗率を有する。抵抗率の差は、3桁から4桁であることが多い。したがって、読み出し電流の変化はきわめて大きく、マルチレベル・セル技術動作に必要な複数のアナログ・レベルの可能性をもたらす。
【0019】
PCM材料は、PCM材料の温度をアモルファス相を結晶化させるのに必要な閾値温度より上に上昇させるのに十分な電流を印加することによって、高抵抗アモルファス相から低抵抗結晶相にセットすることができる。PCM材料は、次に、PCM材料の温度を材料の融解温度より上に上昇させて結晶を融解させるのに十分な電流を印加することによって、リセットすることができる。融解した材料は、次に、電流の急速な除去によって急冷される。PCM材料を急冷すると、材料はアモルファス・ガラス相に戻る。
【0020】
コンピュータ・プロセッサを小型化する取り組みは、個々の回路構成要素の縮小と、必要な回路構成要素の数の削減とに焦点を合わせている。開示の実施形態は、必要な回路構成要素の数を削減することによって、排他的論理和(XOR)回路と否定排他的論理和(XNOR)回路の縮小されたダイ占有面積を可能にする。開示の回路は、XOR型とXNOR型のそれぞれについて単一の不揮発性相変化メモリ・セルを含む。
【0021】
本実施形態は、グラフィカル・コンピュータ・プログラミング言語で作成可能であり、コンピュータ記憶媒体(ディスク、テープ、物理ハード・ドライブ、または、ストレージ・アクセス・ネットワークにおけるものなどの仮想ハード・ドライブ)に記憶可能な、集積回路チップの設計を含み得る。設計者がチップ、またはチップを製作するために使用されるフォトリソグラフィ・マスクを製作しない場合、設計者は、結果の設計を物理的手段によって(たとえば設計を記憶した記憶媒体のコピーを提供することによって)または電子的に(たとえばインターネットを介して)そのような実体に直接または間接的に渡すことができる。記憶された設計は次に、典型的にはウエハ上に形成される対象チップ設計の複数のコピーを含む、フォトリソグラフィ・マスクの製作のために適切な形式(たとえばGDSII)に変換される。フォトリソグラフィ・マスクは、エッチングまたはその他により加工されるウエハ(またはその上の層あるいはその両方)の領域を確定するために使用される。
【0022】
本明細書に記載の方法は、集積回路チップの製作において使用可能である。結果の集積回路チップは、生ウエハの形態で(すなわち、複数のパッケージ化されていないチップを有する単一のウエハとして)、ベア・ダイとして、またはパッケージ化された形態で、製造者によって配布可能である。後者の場合、チップはシングル・チップ・パッケージ(マザーボードまたはその他のより上位のキャリアに取り付けられるリードを備えたプラスチック・キャリアなど)またはマルチチップ・パッケージ(片面もしくは両面相互接続または埋め込み相互接続を有するセラミック・キャリアなど)に実装される。いずれの場合も、チップは次に、他のチップ、ディスクリート回路要素、またはその他の信号処理デバイスあるいはこれらの組合せとともに、(a)マザーボードなどの中間製品、または(b)最終製品の一部として集積される。最終製品は、玩具およびその他のローエンド用途から、ディスプレイ、キーボードまたはその他の入力デバイスと中央プロセッサとを有する高度なコンピュータ製品に至るまでの集積回路チップを含む任意の製品とすることができる。
【0023】
図1に、本発明の一実施形態による製作中の半導体デバイス100を示す。図に示すように、デバイス100は、SiO
2層120などの誘電体層上に配置された下部電極130を含み、誘電体層は基板110上に配置されている。それぞれの層は、たとえば、典型的にはタングステンまたは窒化チタンである、下部電極130を形成する金属を使用したスパッタリングまたは化学気相堆積(CVD)によって形成可能である。
【0024】
半導体基板110は、たとえばシリコンを含む任意の半導体材料を含み得る。基板は、本発明によって教示されるデバイスに接続可能な論理回路およびメモリ回路などの回路を含み得る。「半導体材料」という用語は、本出願全体を通して、半導体特性を有する材料を指すために使用される。シリコンに加えて、半導体材料は、ひずみSi、SiC(炭化シリコン)、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコン・ゲルマニウム)、SiGeC(シリコン-ゲルマニウム-炭素)、Si合金、Ge合金、III-V族半導体材料(たとえばGaAs(ガリウム・ヒ素)、InAs(インジウム・ヒ素)、InP(リン化インジウム)、またはアルミニウム・ヒ素(AlAs))、II-VI族材料(たとえばCaSe(セレン化カドミウム)、CaS(硫化カドミウム)、CaTe(テルル化カドミウム)、ZnO(酸化亜鉛)、ZnSe(セレン化亜鉛)、ZnS(硫化亜鉛)、またはZnTe(テルル化亜鉛))、あるいはこれらの任意の組合せであってもよい。「III-V族半導体材料」とは、半導体材料が、元素周期表のIIIA族(すなわち第13族)の少なくとも1つの元素と、元素周期表のVA族(すなわち第15族)の少なくとも1つの元素とを含むことを意味する。
【0025】
図1に、さらに、下部ヒータ層140の形成後のデバイス100を示し、下部ヒータ140材料の例は、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、タングステン(W)、および電気的に類似した材料を含む。典型的には、下部ヒータ140材料の選択肢は、後述するように上昇した動作温度で上部緩衝層150と反応も混合もしない材料である。
【0026】
図1に、さらに、下部緩衝層150とPCM領域層160と上部緩衝層170と上部ヒータ層180の堆積後のデバイスを示す。上部および下部緩衝層材料の例には、炭素(C)、TiN、TaN、TiC、TaC、TiAlN、TaAlN、TiAlC、TaAlC、HfNおよびWNが含まれる。PCM領域160材料には、テルル化ゲルマニウム(GeTe)、テルル化アンチモン(Sb
2Te
3)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、ゲルマニウム・アンチモン・テルル(Ge
2Sb
2Te
5)またはGSTが含まれる。Ge(x)Sb(y)Te(z)の他の組成も使用可能であり、ここでx、yおよびzは化学組成を規定する整数である。たとえば、Ge
2Sb
2Te
5の場合、x=2、y=2およびz=5である。上部ヒータ180材料の例には、下部ヒータ140について記載した材料が含まれる。各層の堆積後、次の層の堆積の前に、CMPが行われてもよい。
【0027】
一実施形態では、PCM領域160は、約100nmの厚さを有する。一実施形態では、PCM領域は約20nmの厚さを有する。一実施形態では、PCM領域160は、約20nmと約100nmの間の厚さを有する。PCMデバイスの切り換え速度はPCM領域の厚さに関係する。PCM領域へのエネルギー印加が一定の固定した率である場合、層が厚いほど、相を変化させ、論理状態を切り換えるのに長い加熱時間を要する。PCM領域の厚さが薄いほど、必要とする全般的なエネルギーが少なくなり、相を変化させ、論理状態を切り換えるのに要する時間が短くなる。
【0028】
図2に、反応性イオンエッチングまたはその他の適切なエッチング方法を使用して層140、150、160、170および180からPCMピラーが形成された後のデバイスを示す。PCMピラーの形成後、分離層誘電体(ILD)材料の層310が堆積される。ILD材料の例はSiNおよび低誘電率誘電体である。ILDは、
図3に示すようなPCMピラー構造体を支持、保護およびパッシベーションする。構造体を平坦化し、上部ヒータ180を露出させるためにCMPが使用される。
【0029】
図4に、ILD材料420の追加、上部電極430のためのビアのエッチング、および、下部電極130について説明したものと類似した上部電極材料の堆積の後のデバイスを示す。図は、ILD材料310を貫通する下部電極130の上部のためのビアのエッチングと、下部電極130材料の堆積とをさらに示す。
【0030】
一実施形態では、システムの1つまたは複数の構成要素が、きわめて技術的な性質の問題(たとえば、不揮発性メモリ・セルに同時書き込みパルスを印加する、不揮発性メモリ・セルの状態を読み出す、回路の論理状態を解釈するなど)を解決するために、ハードウェアまたはソフトウェアあるいはその両方を採用することができる。これらの解決策は抽象的ではなく、たとえばコンピュータ論理解釈を容易にするために必要な処理能力の理由で、人間による一連の知能行為としては行うことができない。また、行われるプロセスの中には、論理回路動作に関する定義されたタスクを実施するために専用コンピュータによって行われる場合があるものがある。たとえば、コンピュータ論理などに関するタスクを実施するために専用コンピュータが採用される場合がある。
【0031】
一実施形態では、開示の論理回路は、XOR回路を使用するために必要な処理サイクルを減らす。この実施形態では、方法は、PCMメモリ・セルに第1の書き込みパルスと第2の書き込みパルスとを同時に印加することによって、第1のクロック・サイクルでXOR回路をリセットする。第2のクロック・サイクル時に、方法は、XOR回路メモリ・セルに2つのノードX1およびX2のそれぞれの論理状態を書き込む。第3のクロック・サイクルで、方法は、PCMメモリ・セルに読み出し電圧を印加することによってXOR回路の状態を読み出す。
【0032】
表1に、XOR回路の論理真理値表を示す。表に示すように、X1およびX2の入力とYの出力を有するXOR回路は、両方の入力値が論理「0」または論理「1」である、一致する入力値の場合には論理「0」出力を出力し、一方の入力が論理「0」で他方が論理「1」である不一致入力値の場合には論理「1」出力を出力する。
【0033】
【0034】
表2に、XNOR回路の論理真理値表を示す。表に示すように、X1およびX2の入力とYの出力を有するXNOR回路は、両方の入力値が論理「0」または論理「1」である、一致する入力値の場合には論理「1」出力を出力し、一方の入力が論理「0」で他方の入力が論理「1」である、不一致入力値の場合には論理「0」出力を出力する。
【0035】
【0036】
カルコゲナイド材料を使用したPCMなどの相変化メモリ(PCM)セルは、構成カルコゲナイド材料の材料相を、相対的に高い抵抗を有するアモルファス・ガラスと相対的に低い抵抗を有する結晶格子との間で変化させることによって、論理「0」と論理「1」との間で遷移する。
図5のグラフ500に示すように、PCMの初期論理「0」状態を論理「1」状態に書き込みまたはセットするには、材料を流れる関連付けられた電流が材料の温度をガラス-結晶遷移温度515を超えて上昇させる、十分に高いPCM材料への電圧セット・パルス510の印加を必要とする。材料を十分な電圧-温度-長さに保持することによって、材料を結晶化することができる。PCMを論理「1」から論理「0」にリセットするには、材料により高いリセット電圧パルス520および関連付けられたより高い電流を印加する必要がある。このより高い電圧/電流は、材料の結晶融解温度525を超え、結晶を融解させるより高い温度を生じさせる。この電圧を急速に除去すると、材料の融解状態から論理「0」状態のアモルファス・ガラス相へのリセットを生じさせる。PCMの論理状態を読み出すには、PCM材料への読み出し電圧パルス530の印加と、その既知の読み出し電圧に関連付けられた抵抗または電流あるいはその両方の測定とを必要とする。
図5に示すように、読み出し電圧530はガラス-結晶遷移閾値515より下方にある。PCMセルの論理状態の読み出しは、PCMセルの状態を読み出すためにPCMセルに印加される電気信号がPCMセルの温度をPCM材料を結晶化または融解させるのに十分に上昇させないため、PCMセル材料をセットもリセットもしない。
【0037】
図6の概略
図600に、半導体論理回路の構成要素を示す。図に示すように、例示の回路部分は、第1のノードX1および第2のノードX2と直列になったPCMセル610を含む。一実施形態では、第1のノードX1はワード線および1つまたは複数の電圧パルス発生器と、X1およびPCMセル610を通る信号に対する制御を可能にする周辺スイッチング素子とに接続する。同様に、第2のノードX2は、ビット線と少なくとも1つの電圧パルス発生器とに接続する。ビット線はさらに、第2のノードX2を、X2とPCMセル610とを通る信号に対する制御を可能にするスイッチング素子に接続する。この実施形態では、X1に接続された電圧パルス発生器とX2に接続された電圧パルス発生器とは、互いに異なる極性を有する。この実施形態では、読み出し回路がX1とX2とに接続し、X1、PCMセル610、X2、一連の構成要素への低レベル読み出し電圧の印加と、既知の読み出し電圧を使用して発生した電流によるPCMの抵抗の測定とを可能にする。
【0038】
図7に、一連のクロック・パルス710に対して相対的に、本発明の一実施形態のXORゲートに印加される信号を示す1組の時系列
図700を示す。一実施形態では、論理書き込みおよび論理オペランド読み出しサイクルの前ごとに、
図6の本開示の論理回路を含む親デバイスが、X1およびX2ノードのそれぞれからPCMセル610に書き込みパルスを同時に印加する。
図7に示すように、高クロック・パルス時に、方法はPCMに2つの書き込みパルス720を印加する。2つのパルスは、PCMセル610に印加されるときに完全にまたは部分的にのみ重なり合ってもよい。2つのパルスは、互いに異なる極性を有する電圧パルス発生器からのものであり、結合して2つの個別の電圧振幅の和に等しい電圧振幅を有する単一のパルス(図示せず)となる。この実施形態では、2つの書き込みパルス電圧の和はPCMセル610材料融解電圧閾値を超え、対応する電流の通過がPCMセル610の温度を上昇させる。上昇した温度は材料を融解させる。電圧/電流の急速な除去が材料をアモルファス・ガラス相まで冷却し、それによってPCMセル610を高抵抗アモルファス・ガラス状態にリセットする。介在する低クロック・パルスの後、次の高クロック・パルス時に、方法は、X1およびX2のそれぞれに、2つの基礎にある論理レジスタのそれぞれの論理状態をそれぞれ書き込む。図に示すように、シナリオ7Aは、X1=0およびX2=0の論理状態に関連付けられたX1およびX2においてパルスがないことを示している。シナリオ7Bは、X1=1、X2=0の場合の単一のX1書き込みパルスを示している。シナリオ7Cは、X1=0、X2=1の場合の単一のX2書き込みパルスを示している。シナリオ7Dは、X1=1、X2=1の場合の同時X1 X2書き込みパルスを示している。各シナリオにおいて、方法は、XORまたはXNOR論理ゲートの現在の論理状態の解釈に使用するためのPCMセル610の現在の物理状態(電流レベルと抵抗レベル)を判定するために、PCMセル610に読み出しパルス330を印加する。
【0039】
X1またはX2からPCMセル610に印加される書き込みパルスのそれぞれは、PCMセル610の温度をPCMセル610のガラス-結晶閾値より上に上昇させるような十分に高い電圧振幅を有するが、PCMセル610の融解閾値より上に温度を上昇させるには十分に高くない。各パルスは単独でPCMの状態をガラスから結晶に変化させる。組み合わさると、2つの信号はPCM温度を融解閾値より上に上昇させ、それによってPCMをガラス状態にリセットする。
【0040】
図8に、
図7の信号が印加されるときにPCMセル610の論理状態に加えられる変更を示す。図に示すように、各シナリオについて、方法はPCMの論理状態810を初期論理状態値「1」から論理値「0」にリセットする。方法が結合された前論理演算パルス720を
図6のPCMセル610に印加すると、論理状態は「0」にリセットする。図示されていない他の場合には、初期論理値「0」が、PCM材料に結合書き込みパルスが印加されたときとその後に「0」のままである。不揮発性PCMセルは、「セット」パルスの印加が行われるまでこの状態を維持する。回路の初期論理状態にかかわりなく、同時パルス720の印加後、論理状態は「0」にリセットする。
【0041】
シナリオ7Aの信号に対応するシナリオ8Aの場合、X1およびX2のそれぞれが現在の論理状態「0」を有するため、パルスは印加されない。PCMの状態は同じままであり、方法は、PCMの論理状態を高抵抗、低電流、または論理「0」として読み出す。
【0042】
シナリオ8Bの場合、方法は、X1においてX1=1に対応する単一の「セット」電圧パルスを印加する。方法は、X2=0であるためX2においてパルスを印加しない。単一のX1「セット」パルスの印加は、PCMセル610をアモルファス・ガラスから低抵抗結晶格子に変化させる。方法は次に、PCMセル610の論理状態を低抵抗、高電流または論理「1」として読み出す。
【0043】
同様に、シナリオ8Cの場合、方法は、X2=1であるためノードX2からPCMセル610に単一の書き込みパルスを印加する。方法は、X1=0であるためX1にパルスを印加しない。単一のX2「セット」パルスの印加は、再びPCMセル610をアモルファス・ガラスから結晶格子に変化させ、方法は再び低抵抗、高電流または論理「1」の現在の論理状態を読み出す。
【0044】
シナリオ8Dでは、方法は、X1とX2のそれぞれから、X1=1、X2=1に対応する書き込みパルスを同時に印加する。2つの書き込みパルスの同時印加は、PCMセル610温度を結晶融解点より上に上昇させ、PCMセル610の状態を高抵抗アモルファス状態に変化させる。方法は、PCMセル610の論理状態を高抵抗、低電流または論理「0」として読み出す。
【0045】
例示の実施形態では、逆極性電圧パルスの印加の結果として、PCMの融解電流閾値を超える過渡PCMセル610電流が生じ得る。この実施形態では、PCMセル610とノードX2、またはノードX2書き込みパルスの電圧パルス発生器との間に直列に適切なサイズの抵抗器を追加することにより、X2書き込みパルスからの過剰な書き込みパルス電流のリスクが少ない状態でノードX2における書き込みパルスが可能になる。実施形態によっては、X1からの書き込みパルス時にPCMセル610に印加される電流を同様に制限するために、X1とPCMセル610との間に抵抗器が直列に配置されてもよい。
【0046】
一実施形態では、方法は、測定された電流で表された論理読み出し結果を解釈する。高電流は論理「1」に対応し、低電流は論理「0」に対応する。この実施形態の場合、論理読み出し結果は、上記の表1に記載されている入力および対応する出力を有するXORゲートに対応する。一実施形態では、方法は、PCMセル610抵抗で表された論理読み出し結果を解釈する。この実施形態では、高抵抗が論理「1」に対応し、低抵抗が論理「0」に対応する。一実施形態では、方法は、X1ノードとX2ノードの互いに異なる極性を利用し、電圧センサの振幅を0>1スケールから-1>0スケールにシフトする。このような実施形態の場合、方法は、回路を上記の表2に記載されている入力と出力を有する論理XNORゲートとみなす。
【0047】
一実施形態では、方法は、回路をXOR回路としてではなくXNOR回路として解釈するためにX1ノードとX2ノードの互いに異なる極性を使用する。
【0048】
図9に、本開示の実施形態の実施に関連する例示の活動を示すフローチャート900を示す。プログラム開始後、ブロック910で、論理回路制御プログラムの方法は、上記の
図8から参照されるように、ノードX1およびX2のそれぞれからPCMセル610に同時書き込みパルスを印加する。2つのパルスはPCMへの印加の時間が重なり合う。パルスは、印加が同時であってもよく、または単に少なくとも部分的に重なり合ってもよい。互いに異なる極性を有する電圧パルス発生器からの2つの書き込み電圧パルスの同時印加の結果、2つの基礎となる電圧パルスの電圧の振幅の和に等しい振幅を有する結合電圧パルスとなる。この単一の書き込みパルスは、PCMセル610の温度をその融解温度を超えて上昇させ、PCMセル610を高抵抗を有するアモルファス状態にリセットするように、PCMセル610の融解電圧閾値を超えるのに十分に高い電圧振幅を有する。
【0049】
ブロック920で、論理回路制御プログラムの方法は、X1およびX2に関連付けられたレジスタの現在の論理状態に従って、ノードX1およびX2を介してPCMセル610に書き込みパルスを印加する。書き込みパルスは、論理状態「1」の場合に送られ、論理状態「0」の場合にはパルスは送られない。各個別書き込みパルスは、PCMセル610をガラスから結晶に遷移させてPCMセル610の論理値を「0」から「1」にセットするのに十分に高い電圧振幅を有するが、PCM材料をアモルファス状態に遷移させるには十分に高くはない。組み合わさると、2つの書き込みパルス電圧振幅は結合してPCM材料の融解電圧閾値を超える。結合パルスは、PCMを融解させ、リセット高抵抗アモルファス状態に遷移させる。
【0050】
この実施形態では、X1=0、X2=0の論理状態の場合、パルスは印加されず、PCMは論理書き込みの前の2つの同時書き込みパルスの印加によってもたらされたガラス状態を維持する。X1=1、X2=0またはX1=0、X2=1の論理状態の場合、PCMセル610に単一の書き込みパルスが印加される。この単一のパルスは、PCMをリセット・ガラス状態からセット結晶状態に遷移させるのに十分な電圧振幅を有する。X1=1、X2=1の論理条件の場合、PCMに再び2つの書き込みパルスが印加される。PCMセル610は、リセット・ガラス状態から融解状態に遷移し、次に高抵抗ガラス状態に戻る。
【0051】
ブロック930で、論理回路制御プログラムの方法は、X1、PCMセル610、X2、一連の回路要素に低読み出し電圧パルスを印加する。方法は、これらの要素にわたる電流および関連付けられた抵抗レベルを読み出し、高電流が低抵抗を示し、低電流が高抵抗を示す。読み出しパルス電圧は、PCM材料のセット電圧閾値より小さい振幅を有する。
【0052】
ブロック940で、論理回路制御プログラムの方法は、ブロック930で実施された論理読み出し動作の結果を解釈する。XORゲート動作の場合、方法は高電流を論理「1」と解釈し、低電流を論理「0」と解釈する。XNOR演算の場合、方法は高電流-低抵抗を論理「0」と解釈し、低電流-高抵抗を論理「0」と解釈する。
【0053】
開示の回路実施形態は、標準の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)製造技術を使用して製造可能である。相変化メモリ・セル構造体は、マッシュルーム型セル、密封型セル、ピラー型セル、ポア型セル、構造体などを含み得る。
【0054】
本発明は、統合の任意の可能な技術的詳細レベルのシステム、方法またはコンピュータ・プログラム製品あるいはこれらの組合せとすることができる。本発明は、命令ストリームを処理する単一または並列の任意のシステムで有利に実施可能である。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実施させるコンピュータ可読プログラム命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体(または複数の媒体)を含み得る。
【0055】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用される命令を保持し、記憶することができる有形デバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光学式ストレージ・デバイス、電磁ストレージ・デバイス、半導体ストレージ・デバイス、またはこれらの任意の適切な組合せであってよいが、これらには限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには以下のものも含まれる。すなわち、可搬コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、可搬コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピィ・ディスク、パンチカードまたは命令が記録された溝内の隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、およびこれらの任意の適切な組合せが含まれる。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体またはコンピュータ可読ストレージ・デバイスとは、電波またはその他の自由に伝播する電磁波、導波路またはその他の伝送媒体を伝播する電磁波(たとえば光ファイバ・ケーブルを通る光パルス)、または配線を介して伝送される電気信号などの、一過性の信号自体であると解釈されるべきではない。
【0056】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、または、ネットワーク、たとえばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、または無線ネットワークあるいはこれらの組合せを介して外部コンピュータまたは外部ストレージ・デバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバあるいはこれらの組合せを含み得る。各コンピューティング/処理デバイスにおけるネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースが、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それらのコンピュータ可読プログラム命令を、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体への記憶のために転送する。
【0057】
本発明の動作を実施するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、インストラクション・セット・アーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、または、Smalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語、または同様のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれたソース・コードまたはオブジェクト・コードであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、スタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとして全体がユーザのコンピュータ上でまたは一部がユーザのコンピュータ上で、または一部がユーザのコンピュータ上で一部がリモート・コンピュータ上で、または全体がリモート・コンピュータまたはサーバ上で実行されてもよい。後者の場合、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む、任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、または接続は(たとえば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに対して行ってもよい。実施形態によっては、本発明の態様を実行するために、たとえばプログラマブル・ロジック回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)を含む電子回路が、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を使用して電子回路をパーソナライズすることにより、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0058】
本発明の態様について、本明細書では本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品を示すフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照しながら説明している。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロックおよび、フローチャート図またはブロック図あるいはその両方のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装可能であることを理解されたい。
【0059】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサにより実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで規定されている機能/動作を実装する手段を形成するようなマシンを作り出すように、汎用コンピュータ、専用コンピュータまたはその他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに供給することができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、命令がまとめて記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで規定されている機能/動作の態様を実装する命令を含む製造品を含むように、コンピュータ、プログラマブル・データ処理装置、またはその他の装置あるいはこれらの組合せに対して特定の方式で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。
【0060】
コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、その他のプログラマブル装置またはその他のデバイス上で実行される命令がフローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで規定されている機能/動作を実装するように、コンピュータ、その他のプログラマブル装置、またはその他のデバイス上で一連の動作ステップが実行されてコンピュータ実装プロセスを作り出すようにするために、コンピュータ、その他のプログラマブル・データ処理装置、またはその他のデバイスにロードされてもよい。
【0061】
空間的相対語、たとえば「下」、「下方」、「下部」、「上」、「上部」などは、本明細書では、図面に示されているような1つの要素または機構の別の要素または機構との関係を説明するために、説明の便宜上、使用されていることがある。空間的相対語は、図面に図示されている向きに加えて、使用時または動作時のデバイスの異なる向きも包含することが意図されていることを理解されたい。たとえば、図中のデバイスが反転された場合、他の要素または機構の「下方」または「下」にあるものとして記載されている要素は、他の要素または機構の「上」の向きに置かれることになる。したがって、「下方」という用語は、上方と下方の両方を包含する。デバイスは、他の向きとされる(90度回転またはその他の向きとされる)ことも可能であり、本明細書で使用されている空間的相対語はそれに応じて解釈される。
【0062】
「約」、「実質的に」、「おおよそ」という用語およびこれらの変形は、本出願の出願時点で利用可能な装置に基づく特定の数量の測定に付随する誤差を含むことが意図されている。たとえば、「約」は、記載されている値の±8%または5%、または2%の範囲を含み得る。
【0063】
たとえば「第2の要素に対して選択的な第1の要素」などの、「~に対して選択的」という用語は、第1の要素がエッチング可能であり、第2の要素がエッチ・ストップとして機能することができることを意味する。
【0064】
「コンフォーマル」という用語(たとえばコンフォーマル層)は、その層の厚さがすべての表面で実質的に同じであること、または厚さのばらつきがその層の名目の厚さの15%未満であることを意味する。
【0065】
本明細書で前述したように、簡潔にするために、半導体デバイスおよび集積回路(IC)製造に関する従来の技術については本明細書では詳細に説明している場合もしていない場合もある。しかし、背景技術として、本発明の1つまたは複数の実施形態を実装する際に使用可能な半導体デバイス製造プロセスのより一般的な説明を以下に示す。本発明の1つまたは複数の実施形態を実装する際に使用される特定の製造作業は、個々には知られている場合があるが、本発明の作業またはその結果の構造あるいはその両方の、記載されている組合せは固有のものである。したがって、本発明による半導体デバイスの製造に関連して説明する作業の固有の組合せは、半導体(たとえばシリコン)基板上で行われる、個々に知られている様々な物理的および化学的プロセスを使用しており、それらの一部について以下の各段落で説明する。
【0066】
一般に、ICにパッケージ化されるマイクロチップを形成するために使用される様々なプロセスは、4つの大まかなカテゴリ、すなわち、膜堆積と、除去/エッチングと、半導体ドーピングと、パターン形成/リソグラフィとに分類される。堆積は、ウエハ上に材料を成長、コーティング、またはその他の方法で移す任意のプロセスである。利用可能な技術としては、物理気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、電気化学堆積(ECD)、分子線エピタキシ(MBE)、および最近では原子層堆積(ALD)などがある。除去/エッチングは、ウエハから材料を除去する任意のプロセスである。例としては、エッチング・プロセス(ウェットまたはドライ)、化学機械平坦化(CMP)などがある。たとえば、反応性イオン・エッチング(RIE)は、化学反応性プラズマを使用して、露出表面から材料の一部を取り除くイオンの衝撃に材料をさらすことにより、半導体材料のマスクされたパターンなどの材料を除去するドライ・エッチングの一種である。プラズマは、典型的には、電磁界によって低圧(真空)下で生成される。半導体ドーピングは、たとえば、一般には、拡散またはイオン注入あるいはその両方によってトランジスタのソースおよびドレインをドープすることによる電気特性の改変である。これらのドーピング・プロセスの後に、炉アニールまたは高速熱アニール(RTA)が行われる。アニールは、注入されたドーパントを活性化する役割を果たす。導体(たとえばポリシリコン、アルミニウム、銅など)と絶縁体(たとえば様々な形態の二酸化シリコン、シリコン窒化物など)の両方の膜を使用して、トランジスタとその構成要素を接続および分離する。半導体基板の様々な領域の選択的ドーピングによって、電圧の印加により基板の伝導率を変化させることができる。これらの様々な構成要素からなる構造を形成することによって、数百万個のトランジスタを作製し、互いに配線して最新のマイクロエレクトロニクス・デバイスの複雑な回路を形成することができる。半導体リソグラフィは、後でパターンを基板に転写するための、半導体基板上での3次元レリーフ・イメージまたはパターンの形成である。半導体リソグラフィでは、フォトレジストと呼ばれる感光性ポリマーによってパターンが形成される。トランジスタを構成する複雑な構造と、回路の数百万個のトランジスタを接続する多くの配線とを作製するために、リソグラフィ・ステップとエッチ・パターン転写ステップとが複数回繰り返される。ウエハ上にプリントされる各パターンは、その前に形成されたパターンと位置合わせされ、導体、絶縁体および選択的ドープ領域が徐々に構築されて最終的なデバイスを形成する。
【0067】
図面中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態による製造または作業方法あるいはその両方の可能な実装形態を示す。方法の様々な機能/作業が流れ図にブロックで表されている。代替実装形態によっては、ブロックに記載されている機能は、図に記載されている順序とは異なる順序で行われてもよい。たとえば、連続して示されている2つのブロックは、関与する機能に応じて、実際には実質的に並行して実行されてよく、またはそれらのブロックは場合によっては逆の順序で実行されてもよい。
【0068】
例示のために本発明の様々な実施形態に関する説明を示したが、網羅的であること、または本明細書に記載の実施形態に限定することを意図したものではない。本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には多くの変更および変形が明らかであろう。本明細書で使用されている用語は、実施形態の原理、実際の適用、または市場にある技術に対する技術的改良を最もよく説明するため、または当業者が本明細書に記載の実施形態を理解することができるようにするために選択されている。
【国際調査報告】