(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】入出力経路を共有する光コヒーレントイメージャおよびコヒーレント光の感知方法
(51)【国際特許分類】
H04B 10/64 20130101AFI20240130BHJP
G02F 2/00 20060101ALI20240130BHJP
H04B 10/43 20130101ALI20240130BHJP
H01L 27/15 20060101ALI20240130BHJP
H04J 14/06 20060101ALI20240130BHJP
G01S 7/481 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
H04B10/64
G02F2/00
H04B10/43
H01L27/15 D
H01L27/15 C
H04J14/06
G01S7/481 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540146
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 US2021042533
(87)【国際公開番号】W WO2023003550
(87)【国際公開日】2023-01-26
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522062117
【氏名又は名称】オーエーエム・フォトニックス・リミテッド・ライアビリティー・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】OAM PHOTONICS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000268
【氏名又は名称】オリジネイト弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン・カム・ワイ・クリフォード
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・チュン・キ
【テーマコード(参考)】
2K102
5J084
5K102
【Fターム(参考)】
2K102BA40
2K102BC01
2K102BD09
5J084BA03
5J084BA23
5J084BA36
5J084BA51
5J084BB01
5J084BB15
5K102AA15
5K102AH12
5K102AH14
5K102PD02
5K102PD13
5K102PH22
5K102PH25
5K102PH37
5K102PH38
5K102PH41
5K102PH49
5K102PH50
(57)【要約】
本開示は、偏光ダイバーシティを利用することによって光信号を送信および受信するための共有パスを可能にする光集積回路(PIC)上に実装される光コヒーレントイメージャを提供する。また、本開示は、イメージャの設計および校正を簡素化するための光コヒーレント感知ユニットのアレイを含む光コヒーレントイメージャ、および光コヒーレントイメージャによるコヒーレント感知のための方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコヒーレント感知ユニットと、前記コヒーレント感知ユニット上に配置された偏光変換器とを備える光コヒーレントセンサーであって、
前記コヒーレント感知ユニットのそれぞれは、
自由空間と第1の導波路との間で第1の偏光状態を有する光信号を導くことができ、自由空間と第2の導波路との間で第2の偏光状態を有する光信号を導くことができる偏光多様化光カプラーと、
前記第1および第2の導波路のうちの少なくとも1つを介して前記偏光多様化光カプラーに光学的に結合された1つ以上の2×2光カプラーと、
前記2×2光カプラーに光学的に結合された1つ以上の光検出器と、
を有することを特徴とする光コヒーレントセンサー。
【請求項2】
前記偏光多様化光カプラーは、第1のサブカプラーと第2のサブカプラーとを有することを特徴とする請求項1に記載の光コヒーレントセンサー。
【請求項3】
前記第1および第2のサブカプラーのうちの一方は、所定の偏光状態の光信号と適正に結合する偏光依存性があり、前記第1および第2のサブカプラーのうちの他方は、任意の偏光状態の光信号と適正に結合する偏波独立性があることを特徴とする請求項2に記載の光コヒーレントセンサー。
【請求項4】
前記第2のサブカプラーは、前記第1のサブカプラー上に垂直に分離されて配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光コヒーレントセンサー。
【請求項5】
前記第1および第2のサブカプラーはフォトニック基板上に配置され、互いに横方向に分離されていることを特徴とする請求項2に記載の光コヒーレントセンサー。
【請求項6】
前記偏波変換器は、第1および第2のサブカプラーのうちの1つから出力する光信号を自由空間内の光路に導き、前記光路から入力される光信号を前記第1の偏光状態を有する第1の光信号と前記第2の偏光状態を有する第2の光信号に分離し、
前記第1および第2の光信号の一方または両方は、前記第1および第2の光信号がそれぞれ前記第1および第2のサブカプラーに入力されるように、前記偏光変換器によって空間的に変位されることを特徴とする請求項5に記載の光コヒーレントセンサー。
【請求項7】
前記偏光変換器は、少なくとも1つの偏光依存性ビームセパレータを有することを特徴とする請求項2に記載の光コヒーレントセンサー。
【請求項8】
前記偏光変換器は、直線偏光された光信号を所定の角度によって回転させる1つ以上の偏光コンバータを有することを特徴とする請求項1に記載の光コヒーレントセンサー。
【請求項9】
前記偏光コンバータの少なくとも1つはファラデー回転子であることを特徴とする請求項8に記載の光コヒーレントセンサー。
【請求項10】
前記偏光変換器が1つ以上の1/4波長板を有することを特徴とする請求項1に記載の光コヒーレントセンサー。
【請求項11】
前記偏光多様化光カプラーが第3のサブカプラーをさらに有することを特徴とする請求項2に記載の光コヒーレントセンサー。
【請求項12】
前記第1、第2、および第3のサブカプラーはフォトニック基板上に配置され、互いに横方向に分離されていることを特徴とする請求項11に記載の光コヒーレントセンサー。
【請求項13】
前記偏光変換器は、前記第1、第2、および第3のサブカプラーのうちの1つから出力する光信号を自由空間内の光路に導き、前記光路から入力される光信号を前記第1の偏光状態を有する第1の光信号と前記第2の偏光状態を有する第2の光信号とに分離し、
前記第1および第2の光信号の一方または両方が、前記第1および第2の光信号がそれぞれ前記第1、第2および第3のサブカプラーのうちの2つに入力されるように、前記偏光変換器によって空間的に変位されることを特徴とする請求項11に記載の光コヒーレントセンサー。
【請求項14】
前記偏光多様化光カプラーが第4のサブカプラーをさらに有することを特徴とする請求項11に記載の光コヒーレントセンサー。
【請求項15】
前記偏光変換器は、第1、第2、第3、第4のサブカプラーのうちの2つから出力される光信号を自由空間の光路に導き、前記光路から入力される光信号を前記第1の偏光状態を有する第1の光信号と前記第2の偏光状態を有する第2の光信号とに分離し、
前記第1および第2の光信号の一方または両方が、前記第1、第2、第3、および第4のサブカプラーのうちの2つにそれぞれ入射するように、前記偏光変換器によって空間的に変位されることを特徴とする請求項14に記載の光コヒーレントセンサー。
【請求項16】
請求項1に記載の光コヒーレントセンサーと、複数のレンズを含む結像光学系とを有する光コヒーレントイメージャであって、
前記結像光学系は、前記光コヒーレントセンサーが前記結像光学系の像面に近接して位置されるように配置されることを特徴とする光コヒーレントイメージャ。
【請求項17】
光コヒーレントイメージャから、前記光コヒーレントイメージャの1つ以上の視野位置にそれぞれ対応する1つ以上の光路に沿って、1つ以上の出力光信号を1つ以上のターゲットにそれぞれ放射するステップと、
前記出力光信号によって放射された前記ターゲットから反射された1つ以上の入力光信号を、前記光路に沿った前記光コヒーレントイメージャによって受信するステップと、
前記光コヒーレントイメージャの前記偏光変換器によって、前記入力光信号のそれぞれを、第1の偏光状態を有する第1の光成分と、前記第1の偏光状態と直交する第2の偏光状態を有する第2の光成分とに変換するステップと、
前記光コヒーレントイメージャの各視野位置で局発光によるヘテロダイン検波を行い、それにより視野位置におけるターゲットの情報を求めるために、前記光コヒーレントイメージャの光コヒーレントセンサー上の1つ以上の偏光多様化光カプラーによって、前記入力光信号の前記第1および第2の光成分を前記光コヒーレントセンサーの1つ以上のフォト検出器に導くステップと、
を有することを特徴とする光コヒーレントイメージング方法。
【請求項18】
前記出力光信号を放射するステップは、
前記光源から1つ以上の光源光信号を生成するステップと、
前記偏光多様化光カプラーによって、前記ソース光信号を第1の放射偏光状態を有する各々の出力光信号に変換するステップと、
前記偏光多様化光カプラーから前記出力光信号を放射するステップと、
を有することを特徴とする請求項17に記載の光コヒーレントイメージング方法。
【請求項19】
前記偏光多様化光カプラーから出力光信号を出力した後、前記光コヒーレントイメージャの前記偏光変換器によって前記出力光信号のそれぞれを第1の出力偏光状態から第2の出力偏光状態に変換するステップをさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の光コヒーレントイメージング方法。
【請求項20】
前記入力光信号を変換するステップは、前記入力光信号のそれぞれの前記第1の偏光状態を第1の所定の偏光角により回転させ、前記入力光信号のそれぞれの第2の偏光状態を第2の所定の偏光角により回転させることを含むことを特徴とする請求項17に記載の光コヒーレントイメージング方法。
【請求項21】
前記入力光信号を変換するステップは、前記第1および第2の成分の各々が前記偏光多様化光カプラーのそれぞれの第1および第2のサブカプラーに入力するように、前記第1および第2の偏光状態に従って前記入力光信号のそれぞれの第1および第2の成分の少なくとも1つを空間的に変位させることを含むことを特徴とする請求項19に記載の光コヒーレントイメージング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2021年2月9日に出願された米国仮出願第63/147,733号に対する優先権の利益を主張し、その全内容はあらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
[連邦政府の後援による研究または開発に関する陳述]
本発明は、国立科学財団から授与された助成金番号 2015160 に基づく米国政府の支援により行われました。米国政府は本発明に対して一定の権利を有します。
[技術分野]
本発明は、共通の入出力経路を有する光コヒーレントイメージャおよびコヒーレント光を感知する方法に関する。より具体的には、本発明は、偏光ダイバーシティに基づく共有入出力経路を有する光集積回路及びコヒーレント光の感知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光コヒーレントイメージャは、光検出器のアレイ(本明細書では「センサー」と呼ぶ。)と光源(通常はレーザーなどのコヒーレント光源)を含むアクティブイメージングシステムである。光源はターゲットの照明の目的を果たすだけでなく、光コヒーレント検出 (「光ヘテロダイン検出」とも呼ばれる) のための局部発振器 (LO) を提供する。このような光コヒーレントイメージャは、3D周波数変調連続波(FMCW) LIDARや光コヒーレンストモグラフィー(OCT) などの用途に使用できる。 ターゲットによって反射(または散乱)され、イメージャによって受信される照明光は、ここでは、受信された光ターゲット信号、または単にターゲット信号と呼ばれる。
【0003】
従来、光コヒーレント検出を実行するために、光コヒーレントイメージャは、イメージャのセンサーによる検出を実行する前に、バルク光学系を使用して自由空間内のLOとターゲット信号をコヒーレントに結合することによって動作する。対照的に、フォトニック集積回路(PIC)技術に基づく検出センサーを備えた光コヒーレントイメージャは、フォトニックチップ(本明細書では「PICチップ」とも呼ばれる)上でLOとターゲット信号とを混合することを可能にする。より具体的には、PICベースのセンサーは、CCDまたはCMOSイメージセンサなどの従来の検出アレイのアクティブ検出ピクセルの役割を果たすコヒーレント感知ユニットのアレイを備える。従来の検出アレイのようにピクセルで光検出を直接実行する代わりに、PICベースのセンサーのコヒーレント感知ユニットは、自由空間から導波路結合器を介して自由空間からターゲット信号をPICチップ上の複数の導波路に結合する。導波路内の導波路モードとして現れるターゲット信号は、PICチップ上に実装された様々なフォトニックコンポーネントを使用して操作および処理できる。これには、2×2光カプラーを使用したLOとのコヒーレント混合や光検出器による検出が含まれる。ここで、LOは、カプラーを介してPICチップにLO光を導入することにより、導波路モードとして現れる可能性がある。PICチップ上でのレーザーのモノリシックおよびヘテロジニアス統合の最近の開発により、光源がPICベースのセンサーの同じPICチップ上に統合されることさえある可能性がある。
【0004】
ターゲット照明の場合、アクティブイメージャでは、(1)全視野照明と(2)走査ビームによる有限視野照明の2つのアプローチが一般的に使用される。
【0005】
全視野照明の場合、ターゲットシーンは照明光で満たされ、センサーの瞬間視野(FOV)全体がシーンから反射または散乱された光信号を受信する。全視野アプローチの利点には、センサーが通常のカメラのように画像を取得できるため、高いフレームレートと簡素化されたデータ後処理の出力フォーマットが含まれる。全視野アプローチの重大な欠点は、照射レーザーパワーが広い領域に広がり、その結果、イメージャセンサーの各感知ユニットに反射または散乱される光子が少なくなるということである。その結果、全視野アプローチではイメージャ センサーの感度が高くなることが要求され、通常はセンサーの製造に珍しい高価な材料を使用する必要がある。また、全視野アプローチは、目の安全性などの実際的な要因により、最大照射レーザー出力によって制約される距離で操作するアクティブイメージャを制限する可能性がある。
【0006】
走査ビームによる有限視野照明の場合、何らかの走査機構を使用してレーザー ビームを操作することにより、照明レーザー ビームによってターゲット シーンが走査される。各スキャン位置では、イメージャ センサーの有限の FOV のみがターゲット信号を受信する。この有限のFOVは、照射レーザー ビームのスポットサイズとイメージャの結像光学系に依存する。有限視野照明アプローチで使用される FOVが小さいため、レーザー出力がより小さい領域に集中し、その結果、対応する FOVでイメージャセンサーによって受け取られる光子が多くなる。したがって、有限フィールド照明アプローチは、通常、同じ照明レーザー出力が与えられた全視野照明アプローチよりも長距離でアクティブイメージャを動作させることができる。
【0007】
PICベースのセンサーを利用し、有限視野照明アプローチで動作する光コヒーレントイメージャの場合、イメージャの製造コストを下げるために、ビーム走査機構がセンサーの同じPICチップ上に実装されるとよい。PICチップ上で実装可能な一般的なビーム走査機構は、光フェーズドアレイ(OPA)を含む。それにもかかわらず、ビーム走査機構用のフォトニックコンポーネント(ここでは「送信機」という)は、通常、PICベースのセンサーの自由空間対導波路結合器(ここでは「受信機」という)を含む検出領域から離れたPICチップの領域に実装される。このような分離により、照明光ビームをそれぞれターゲットに向け、受信機へのターゲット信号の結合を最大化するために、別個の光学システムが送信機と受信機のために必要とされる場合がある。
【0008】
有限視野照明を利用する光コヒーレントイメージャでは、送信機と受信機が、それぞれターゲットを照明し、ターゲット信号を受信するために同じ光学システムを共有することが望ましい場合がある。さらに望ましくは、出力プローブビームと入射ターゲット信号の光路は同じである。このような入出力パス共有イメージャの利点には、光学システムが簡素化され、送信機と受信機間の校正が簡素化されることが含まれる。簡素化された光学システムは、より具体的にはイメージャがビーム走査プロセス中にターゲットから信号を受信するコヒーレント感知ユニットにのみLO光を供給できるようにすることで、レーザーパワーのより効率的な使用につながる可能性がある。
【0009】
[参考文献]
1. Lawrence C. Gunn, III、Thierry J. Pinguet、Maxime J. Rattier、および Jeremy Witzens、「POLARIZATION SPLITTING GRATING COUPLERS」、米国特許第7,006,732 B2、2003年12月12日出願。
2. Bing Shen、Peng Wang、Randy Polson、および Rajesh Menon、「効率的かつコンパクトな自由空間と導波路の結合のための統合メタマテリアル」、Optics Express、Vol.22、27175-27182ページ(2014年)。
3. Xia ChenおよびHon K. Tsang、「シリコン・オン・インシュレーター・ナノフォトニック導波路用の偏光独立格子結合器」、Optics Letters、Vol. 36、No.6、796-798ページ(2011年)。
4. Junming Zhao、Lianhong Zhang、Jensen Li、Yijun Feng、Any Dyke、Sajad Haq、Yang Hao、「フィールド変換アプローチに基づく広角マルチオクターブ広帯域波長板」、Scientific Reports、5、17532 (2015年) 。
5. Paolo Pintus、Duanni Huang、Paul Adrian Morton、Yuya Shoji、Tetsuya Mizumoto、John E. Bowers、「Ce:YIG 結合によるシリコンフォトニクスにおけるブロードバンドTE光アイソレータおよびサーキュレータ」、Journal of Lightwave Technology、Vol.37、No.5、p.1463(2019年)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本開示は、偏光ダイバーシティを利用することによって光信号を送信および受信するための共有パスを可能にする光集積回路(PIC)上に実装される光コヒーレントイメージャを提供する。また、本開示は、イメージャの設計および校正を簡素化するための光コヒーレント感知ユニットのアレイを含む光コヒーレントイメージャ、および光コヒーレントイメージャによるコヒーレント感知のための方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一態様では、本開示は、複数のコヒーレント感知ユニットと、コヒーレント感知ユニット上に配置された偏光変換器とを備える光コヒーレントセンサーを提供する。コヒーレント感知ユニットのそれぞれは、第1の偏光状態を有する光信号を自由空間と第1の導波路との間で方向付けることができ、第2の偏光状態を有する光信号を自由空間と第1の導波路との間で方向付けることができる偏光多様化光カプラーと、第1および第2の導波路のうちの少なくとも1つを介して偏光多様化光カプラーに光学的に結合された1つまたは複数の2×2光カプラーと、2×2光カプラーに光学的に結合された1つまたは複数の光検出器とを含む。
【0012】
一実施形態では、偏光多様化光カプラーは、第1のサブカプラーと第2のサブカプラーを備える。
【0013】
一実施形態では、第1および第2のサブカプラーのうちの1つは、所定の偏光状態の光信号と最適に結合する偏光依存性であり、第1および第2のサブカプラーのうちの他方は、あらゆる偏光状態の光信号と最適に結合する偏光独立性である。
【0014】
一実施形態では、第2のサブカプラーは、第1のサブカプラー上に配置され、第1のサブカプラーから垂直に分離されている。
【0015】
一実施形態では、第1および第2のサブカプラーはフォトニック基板上に配置され、互いに横方向に分離されている。
【0016】
一実施形態では、偏光変換器は、第1および第2のサブカプラーのうちの1つから出力光信号を自由空間内の光路に導き、光路からの入力光信号を第1の偏光状態を有する第1の光信号と、第2の偏光状態を有する第2の光信号とに分離し、第1および第2の光信号の一方または両方は、第1および第2の光信号がそれぞれ第1および第2のサブカプラーに入射するように、偏光変換器によって空間的に変位される。
【0017】
一実施形態では、偏光変換器は、少なくとも1つの偏光依存ビームセパレータを備える。
【0018】
一実施形態では、偏光変換器は、直線偏光された光信号を所定の角度だけ回転させる1つまたは複数の偏光変換器を備える。
【0019】
一実施形態では、偏光変換器のうちの少なくとも1つはファラデー回転子である。
【0020】
一実施形態では、偏光変換器は1つ以上の1/4波長板を備える。
【0021】
一実施形態では、偏光多様化光カプラーはさらに第3のサブカプラーを備える。 一実施形態では、第1、第2、および第3のサブカプラーはフォトニック基板上に配置され、互いに横方向に分離されている。
【0022】
一実施形態では、偏光変換器は、第1、第2、および第3のサブカプラーのうちの1つから出力する光信号を自由空間内の光路に導き、入力光信号を第1の偏光状態を有する第1の光信号と第2の偏光状態を有する第2の光信号とに光路から分離し、第1および第2の光信号の一方または両方は、第1および第2の光信号がそれぞれ第1、第2および第3のサブカプラーのうちの2つに入射するように、偏光変換器によって空間的に変位される。
【0023】
一実施形態では、偏光多様化光カプラーはさらに第4のサブカプラーを備える。
【0024】
一実施形態では、偏光変換器は、第1、第2、第3、および第4のサブカプラーのうちの2つから出力光信号を自由空間内の光路に導き、入力光信号を光路から第1の偏光状態を有する第1の光信号と、第2の偏光状態を有する第2の光信号に分離する。第1および第2の光信号の一方または両方が、第1、第2、第3、および第4のサブカプラーのうちの2つにそれぞれ入射するように、偏光変換器によって空間的に変位される。
【0025】
別の態様では、本開示は、上述の光コヒーレントセンサーと、複数のレンズを含む結像光学系とを備える光コヒーレントイメージャを提供する。結像光学系は、光コヒーレントセンサーが結像光学系の像面に近接して配置されるように配置される。
【0026】
さらに別の態様では、本開示は、光コヒーレントイメージャから、光コヒーレントイメージャの1つ以上の視野位置にそれぞれ対応する1つ以上の光路に沿って、1つ以上の出力光信号を1つ以上のターゲットにそれぞれ放射するステップと、
出力光信号によって照射されたターゲットから反射された1つまたは複数の入力光信号を、光路に沿った光コヒーレントイメージャによって受信するステップと、
光コヒーレントイメージャの偏光変換器によって、入力光信号のそれぞれを、第1の偏光状態を有する第1の光学コンポーネントと、第1の偏光状態と直交する第2の偏光状態を有する第2の光学コンポーネントとに変換するステップと、
光コヒーレントイメージャの光コヒーレントセンサー上の1つまたは複数の偏光多様化光カプラーによって、入力光信号の第1および第2の光成分を光コヒーレントセンサーの1つまたは複数の光検出器に導くステップと、
光コヒーレントイメージャの各視野位置で局発光によるヘテロダイン検波を行うことで、視野位置におけるターゲットの情報を決定するために、光コヒーレントイメージャの光コヒーレントセンサー上の1つまたは複数の偏光多様化光カプラーによって、入力光信号の第1および第2の光成分を光コヒーレントセンサーの1つまたは複数の光検出器に導くステップと、
を含む光コヒーレントイメージングのための方法を提供する。
【0027】
一実施形態では、出力光信号を放射することは、光源から1つ以上の光源光信号を生成するステップと、偏光多様化光カプラーによって、ソース光信号を第1の放射偏光状態を有する各々の出力光信号に変換するステップと、偏光多様化光カプラーから出力光信号を放射するステップとを含む。
【0028】
一実施形態では、偏光多様化光カプラーから出力光信号を出力した後、本方法は、光コヒーレントイメージャの偏光変換器によって出力光信号のそれぞれを第1の出力偏光状態から第2の出力偏光状態に変換するステップをさらに含む。
【0029】
一実施形態では、入力光信号を変換することは、入力光信号のそれぞれの第1の偏光状態を第1の所定の偏光角だけ回転させ、入力光信号のそれぞれの第2の偏光状態を第2の所定の偏光角だけ回転させることを含む。
【0030】
一実施形態では、入力光信号を変換することは、第1および第2の偏光状態に従って、入力光信号のそれぞれの第1および第2の成分の少なくとも1つを空間的に変位させ、その結果、第1および第2の成分は、それぞれ、偏光多様化光カプラーのそれぞれの第1および第2のサブカプラーに入射することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0031】
当業者は、図面が主に例示を目的としており、開示された主題の範囲を限定することを意図していないことを理解する。図面は必ずしも縮尺どおりではない。場合によっては、開示された主題の様々な態様が、異なる特徴の理解を容易にするために、図面において誇張または拡大されて示される場合がある。
【
図1A】本開示の一実施形態による偏光ダイバーシティに基づいて光信号を送受信するためのコヒーレント感知ユニットを示す平面図である。
【
図1B】本開示の一実施形態による偏光多様化自由空間対導波路結合器を示す斜視図である。
【
図2】本開示の別の実施形態による偏光多様化自由空間対導波路結合器を示す斜視図である。
【
図3】本開示のさらなる実施形態による偏光多様化自由空間対導波路結合器を示す斜視図である。
【
図4A】本開示の一実施形態による光信号を内部結合するための偏光分離構成を示す側面図である。
【
図4B】
図4Aで光信号を出力結合するための偏光分離構成を示す側面図である。
【
図4C】光信号を入力結合および出力結合するための
図4Aの偏光分離構成を示す側面図である。
【
図5A】本開示の一実施形態によるファラデー効果によって実現される偏光変換構成を示す斜視図である。
【
図5B】
図5Aにおける光信号の偏光状態を示す上面図である。
【
図5C】本開示の一実施形態による
図5Aの偏光変換構成および
図4Cの偏光分離構成を組み込んだ偏光変換分離構成を示す側面図である。
【
図6A】本開示の別の実施形態による1/4波長板によって実現される偏光変換構成を示す斜視図である。
【
図6B】
図6Aにおける光信号の偏光状態を示す上面図である。
【
図6C】本開示の別の実施形態による
図6Aの偏光変換構成および
図4Cの偏光分離構成を組み込んだ偏光変換分離構成を示す側面図である。
【
図7A】本開示の別の実施形態による偏光ダイバーシティに基づいて光信号を送受信するためのコヒーレント感知ユニットを示す平面図である。
【
図7B】本開示のさらに別の実施形態による偏光ダイバーシティに基づいて光信号を送受信するためのコヒーレント感知ユニットを示す平面図である。
【
図8】本開示のさらなる実施形態による偏光ダイバーシティに基づいて光信号を送受信するためのコヒーレント感知ユニットを示す平面図である。
【
図9】本開示のさらに別の実施形態による偏光ダイバーシティに基づいて光信号を送受信するためのコヒーレント感知ユニットを示す平面図である。
【
図10A】本開示の一実施形態による3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器を示す上面図である。
【
図10C】本開示の一実施形態による光信号を結合するための3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器とともに使用するための偏光変換分離構成を示す側面図である。
【
図10D】光信号を内部結合するために使用される
図10Cに示される構成を示す側面図である。
【
図11A】本開示の別の実施形態による3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器を示す斜視図である。
【
図11B】本開示の別の実施形態による光信号を結合するための3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器とともに使用するための偏光変換分離構成を示す側面図である。
【
図11C】光信号を内部結合するために使用される
図11Bに示される構成の側面図である。
【
図12A】本開示のさらなる実施形態による光信号を結合するための3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器とともに使用するための偏光変換分離構成を示す側面図である。
【
図12B】光信号を内部結合するために使用される
図12Aに示される構成を示す側面図である。
【
図13A】本開示のさらなる実施形態による3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器を示す上面図である。
【
図13C】本開示のさらなる実施形態による光信号を結合するための3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器とともに使用するための偏光変換分離構成を示す側面図である。
【
図13E】光信号を内部結合するために使用される
図13Cに示されるような構成を示す側面図である。
【
図14】本開示の一実施形態による偏光ダイバーシティに基づいて光信号を送受信するためのコヒーレント感知ユニットの平面図を示し、送信される光信号の偏光は調整可能である。
【
図15A】本開示の一実施形態による4つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器を示す上面図である。
【
図15C】本開示の一実施形態による光信号を結合するための4つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器とともに使用するための偏光変換分離構成を示す側面図である。
【
図15F】光信号を内部結合するために使用される
図15Cに示されるような構成を示す側面図である。
【
図16A】本開示の別の実施形態による4つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器を示す上面図である。
【
図16C】本開示の別の実施形態による光信号を結合するための4つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器とともに使用するための偏光変換分離構成を示す側面図である。
【
図16D】光信号を内部結合するために使用される
図16Cに示される構成を示す側面図である。
【
図17A】本開示のさらなる実施形態による4つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器を示す斜視図である。
【
図17B】本開示のさらなる実施形態による光信号を結合するための4つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器とともに使用するための偏光変換分離構成を示す側面図である。
【
図17C】光信号を内部結合するために使用される
図17Bに示される構成を示す側面図である。
【
図18A】本開示の一実施形態によるコヒーレント光センサーを示す平面図である。
【
図18B】本開示の一実施形態によるコヒーレント感知アレイのコヒーレント感知ユニットの行を示す図である。
【
図19A】本開示の別の実施形態によるコヒーレント光センサーを示す平面図である。
【
図19B】本開示の一実施形態によるコヒーレント感知ユニットグループを示す平面図である。
【
図20A】本開示のさらなる実施形態によるコヒーレント光センサーの平面図を示す。
【
図20B】本開示の別の実施形態によるコヒーレント感知ユニットグループを示す平面図である。
【
図20C】本開示の一実施形態によるマッハツェンダー干渉計ベースの光スイッチを示す平面図である。
【
図21A】本開示の一実施形態による光コヒーレントイメージャを示す側面図である。
【
図21C】
図21Bの光コヒーレントイメージャの視野にわたる最終像面上の通常光線および異常光線の例の偏光マップを示す図である。
【
図22A】本開示の別の実施形態による光コヒーレントイメージャを示す側面図である。
【
図22B】本開示の実施形態による角度変位をもたらす偏光依存ビームセパレータを通って伝播する光線と、横変位をもたらす偏光依存ビームセパレータを通って伝播する光線を示す側面図である。
【
図23】本開示の一実施形態による光信号を送信および受信するための共有パスを可能にする偏光多様化を使用する光コヒーレントイメージングの方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の詳細な説明には、本開示の実施形態を示すシステム、方法、技術、および指示シーケンスが含まれる。以下の説明では、説明の目的で、本発明の主題のさまざまな実施形態の理解を提供するために、多くの特定の詳細が記載される。しかしながら、本発明の主題の実施形態は、これらの特定の詳細の有無に関わらず実施できることが当業者には明らかである。一般に、当業者によく知られている指示インスタンス、プロトコル、構造、および技術は、必ずしも詳細に示されているわけではない。
【0033】
図1Aは、本開示の一実施形態による偏光ダイバーシティに基づいて光信号を送受信するためのコヒーレント感知ユニット100を示す平面図である。複数のコヒーレント感知ユニット100を使用して、光コヒーレントイメージャのコヒーレントセンサアレイを形成することができる。
図1Bは、本開示の一実施形態によるコヒーレント感知ユニット100の偏光波多様化自由空間対導波路結合器101を示す斜視図である。コヒーレント感知ユニット100は、フォトニック基板上にフォトニック集積回路(PIC)技術を使用して実装されるとよい。フォトニック基板の表面は、
図1Aおよび
図1Bに示される座標系のx軸およびy軸によって広がる平面によって表すことができる。フォトニック基板上に実装されたコヒーレント感知ユニット100のフォトニックコンポーネントは、クラッディングで覆われていても覆われていなくてもよい。このようなコンポーネントは、クラッディングに埋め込まれてもよいし、埋め込まれなくてもよい。簡単にするために、フォトニック基板およびクラッディングは
図1Aおよび
図1Bには示されてなく、それは本開示の他の図においても同様である。さらに、本開示の以下の説明では、光コヒーレントイメージャによって検出されるターゲットは、基板表面、及び該当する場合は基板表面の上の任意の光学部品から離れた正のz方向に沿った位置に位置するとみなされる。簡略化のため、ターゲットは図面には明示的に示されていない。
【0034】
PICチップ上のフォトニック導波路には、リッジ導波路、リブ導波路、埋め込み導波路、スロット導波路などのさまざまな一般的な設計があるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態によれば、本開示のコヒーレント感知ユニット100の導波路は、
図1Aおよび
図1Bに示す実施形態の座標系に従って、x-y平面上の寸法よりも小さいz方向に沿った寸法で製造され、横電気(TE)モード、横磁気(TM)モード、TEおよびTMモードが含まれる様々な導波路モードをサポートするように作られるとよいが、これらに限定されない。ここで、TEモードは、モードの伝播方向および導波路が存在するフォトニック基板の表面に対して横方向の支配的な電場成分を有する導波路モードを指す場合があり、一方、TMモードは、モードの伝播方向および導波路が存在するフォトニック基板の表面に対して横方向の支配的な磁場成分を有する導波路モードを指す場合がある。当業者は、導波路のそのような一般的な設計およびこれらの導波路によってサポートされる様々なモードに精通しているはずである。
【0035】
図1Aに示すように、光源信号E
Sは、導波路121を通してコヒーレント感知ユニット100に供給されるとよい。一方、局部発振器(LO)E
LOは、導波管123を通してコヒーレント感知ユニット100に供給されるとよい。光源信号 E
SとLO E
LOは、同じ光源から来ている場合とそうでない場合があり、ここで、光源は、コヒーレント感知ユニット100を備えた同じPICチップ上に実装されてもよいし、実装されなくてもよい。いくつかの実施形態によれば、コヒーレント感知ユニット100を備えたPICチップの導波路内で光源信号E
SおよびE
LOを生じさせる光源(または複数の光源)を結合するためのシステムおよび方法の適切な設計によって、光源信号E
Sは、導波路121内で基本TEモードとして現れるようにすることができ、L
O E
LOは、導波路123内で基本TEモードとして現れるようにすることができる。このような設計は当業者にはよく知られている。 他の実施形態によれば、光源信号E
Sは、導波路121内で基本TEモード以外のTMモードまたはTEモードとして意図的に現れるようにすることができる。
同様に、いくつかの実施形態によれば、LO E
LOは、導波路123内の基本TEモード以外のTMモードまたはTEモードとして意図的に現れるようにすることができる。
【0036】
図1Aに示すように、偏光多様化自由空間対導波路結合器101(以下、簡単にするために「結合器101」と呼ぶ)は、送信機および受信機の両方として機能するとよい。それは導波路121および122に接続された2つの導波路結合器であり、導波路121の主な役割は信号光を結合器101に導くことであり、導波路122の主な役割は結合器101からの内部結合光を受信することである。ただし、いくつかの実施形態によれば、結合器101からの内部結合光も導波路121に向けることができる。したがって、結合器101に関して、導波路121は出力結合導波路と見なされ、導波路122は入力結合導波路と見なされるとよい。
偏光多様化自由空間対導波路結合器101の顕著な特徴は、結合器101に到着する入力光信号(
図1AのE
in)の偏光状態が、結合器101から出力される出力光信号(
図1AのE
out)の偏光状態と直交する場合、入力光信号は、出力結合導波路(
図1Aの導波路121)とは異なる入力結合導波路(
図1Aの導波路122)に内部結合され、向けられることである。ここおよび今後、自由空間とは、真空、空気、結合器の表面上の領域、またはその中を伝播する光信号の波長よりもはるかに長い長さスケール(たとえば、少なくとも10倍)を持つ境界を持つ任意の均質媒体を指す場合がある。
【0037】
送信機として、結合器101は、導波路121からの光源信号E
Sを出力光信号E
outとして自由空間に結合し、光コヒーレントイメージャによるターゲット照明に使用することができる。結合器101によって出力される出力光信号E
outは、x-y平面外の方向に伝播し(すなわち、E
outの伝播方向はゼロ以外のz成分を有する)、結合器101の設計によって決定される偏光とともに偏光される。いくつかの実施形態によれば、偏光は、結合器101の設計によって定義される座標系に従って、一対の直交直線偏光のうちの1つであるとよい。ここで、座標系は、
図1Aおよび
図1Bに示すx軸、y軸、およびz軸によって定義される座標系と同じであっても、異なっていてもよい。他の実施形態によれば、偏光は、限定されないが、右円偏光および左円偏光、および2つの直交楕円偏光など、一対の直線偏光以外の一対の直交偏光のうちの1つであってもよい。
【0038】
受信機として、結合器101は、入力光信号E
inをコヒーレント感知ユニット100に結合することができる。入力光信号E
inは、本質的に、前述したターゲット(またはターゲット信号)からの光信号である。結合器101によって結合された入力光信号E
inは、入力光信号E
inの偏光状態に応じて、導波路121および122のいずれかまたは両方に向けることができる。導波路121および122に結合される入力光信号E
inの偏光成分は、結合器101の設計に依存する。いくつかの実施形態によれば、出力光信号E
outの偏光に直交する入力光信号E
inの第1の偏光成分は、内部結合光信号E
in(wg)1として導波路122に導かれるとよい。入力光信号E
inの第1の偏光と直交する入力光信号E
inの第2の偏光成分は、内部結合光信号E
in(wg)2として導波路121に導かれるとよい。結合器101に内部結合される2つの偏光成分についてのさらなる詳細は、
図1Bを参照して以下で説明される。内部結合された光信号E
in(wg)1は、コヒーレント感知ユニット100の残りの回路によって処理されるとよい。
図1Aに示すように、内部結合光信号E
in(wg)2は、光源信号E
Sの伝播方向と反対の方向に伝播する。いくつかの実施形態によれば、内部結合光信号E
in(wg)2は、感知ユニット100を備えるPICチップの他の部分に影響を与えることなく放置されるとよい。いくつかの実施形態によれば、例えば
図7Aに示される実施形態などであるが、これに限定されない。
図7Aに示されるように、内部結合された光信号E
in(wg)2は、感知ユニット700を備えるPICチップの他のいくつかの部分によって処理されるとよい。
【0039】
図1Aでは、結合器101は単一の実体として描かれているが、結合器101は単一のフォトニックコンポーネントまたは複数のフォトニックコンポーネントを含んでもよい。いくつかの態様では、結合器101は、偏光分割自由空間対導波路結合器によって実現されるとよい。偏光分割自由空間対導波路結合器の例としては、米国特許第7,006,732号「偏光分割格子結合器」、および「効率的でコンパクトな自由空間と導波路の結合のための統合メタマテリアル」Optics Express 22、27175-27182 (2014) に記載されているメタマテリアルベースの偏光分割自由空間と導波路の結合器に記載されているような偏光分割格子結合器が挙げられるが、これに限定されない。偏光分割自由空間対導波路結合器の他の例としては、プラズモニック効果、フォトニックマイクロ/ナノ構造、あるいはその両方を通じて実現されるものが挙げられるが、これらに限定されない。結合器101の他の実施形態は、以下に
図2および
図3を参照して説明する。また、いくつかの実施形態によれば、結合器101は、TE-TMモードコンバータ、スプリッタ、およびコンバイナのいずれかを備えるとよい。いくつかの態様では、結合器101は、フォトニック材料の単一層を含んでもよい。他の態様では、結合器101は複数のフォトニック材料層を含んでもよく、異なる層のフォトニック材料は同じであっても異なっていてもよい。
【0040】
図1Bを参照すると、いくつかの実施形態によれば、結合器101に向かって伝播する光源信号E
Sは、導波路121内で横電気(TE)モードとして現れるとよい。一例として、
図1Bに示す光源信号ESは、x方向に沿った支配的な電界成分を伴って、負のy方向に向かって伝播する。次に、結合器101は、光源信号ESを自由空間に結合して、結合器101の設計によって決定された偏光に従って偏光された出力光信号E
outを生じさせることができる。例えば、出力光信号E
outは、
図1Bのx方向に沿って直線偏光することができる。いくつかの場合では、出力光信号E
outは基板表面に対して垂直な方向に伝播するとよい。たとえば、
図1Bに示すE
out はz方向に伝播する。また、出力光信号E
outが基板表面に対して垂直でない方向、すなわち基板表面に対して斜めの方向に伝播する場合もある。
【0041】
図1Bに示すように、入力光信号E
inは、2つの直交偏光成分、すなわち第1の偏光成分E
in1および第2の偏光成分E
in2のうちの一方または両方を含むとよい。入力光信号E
inが第1の偏光成分E
in1のみを含む場合、第2の偏光成分E
in2の振幅はゼロであり、その逆も同様であることが理解される。結合器101は、第1の偏光成分E
in1が内部結合され、内部結合された光信号E
in(wg)1として導波路122に導かれるように設計されるとよい。ここで、第1の偏光成分E
in1は、出力光信号E
outの偏光と直交する。同様に、結合器101は、第2の偏光成分E
in2が内部結合され、内部結合された光信号E
in(wg)2として導波路121に導かれるように設計されるとよい。これは、光源信号E
Sの伝播方向と反対の方向に伝播する。内部結合され導波路122に導かれる第1の偏光成分E
in1は、出力光信号E
outの偏光に直交する一方、内部結合され導波路121に導かれる第2の偏光成分E
in2は、第1の偏光波E
in1に直交する。出力光信号E
outおよび入力光信号E
inは同じ方向または異なる方向に沿って伝播する可能性があるため、第2の偏光E
in2は出力光信号E
outの偏光と(比例係数まで)同じであっても異なっていてもよい。導波路121および122に結合される入力光信号E
inの特定の偏光成分は、結合器101の設計に依存する。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、結合器101は、結合偏光基準と呼ばれる好ましい偏光基準に従って光信号を最適に内部結合するように設計されるとよい。いくつかの実施形態によれば、結合偏光基準の成分の1つは、結合器101によって出力される出力光信号E
outの偏光と同じであってもよい。例えば、
図1Bに示すように、結合偏光基準は直線偏光基準(例えば、x偏光およびy偏光)であってもよい。そして、結合器101は、入力光信号E
inの第1の直線偏光成分E
in1(例えば、y方向に沿って偏光された)を内部結合し、それを導波路122に導くことができる。ここで、第1の直線偏光成分E
in1は、直線偏光の出力光信号E
outの偏光(例えば、x方向)に直交し、結合偏光基準の第1の成分(つまり、y方向)に平行な平面(例えば、y-z平面)上に位置する。同様に、直線偏光基準に従って、結合器101は、入力光信号E
inの第2の直線偏光成分E
in2(例えば、
図1Bのx-z平面上の方向に沿った)を内部結合し、それを導波路121に向けることができる。ここで、第2の直線偏光成分E
in2は、直線偏光の出力光信号E
outの偏光(すなわち、x方向)および結合偏光基準の第2の成分(すなわち、x方向)に平行な平面(すなわち、x-z平面)上にあり、第2の偏光E
in2は第1の偏光E
in1と直交する。
【0043】
結合器101は、自由空間からの入力光信号成分E
in1を結合して、導波路122内に内部結合光信号E
in(wg)1を生じさせることができる。いくつかの実施形態によれば、内部結合された光信号E
in(wg)1は、導波路122内でTEモードとして現れることができる。一例として、内部結合された光信号 E
in(wg)1 は、y方向に沿った支配的な電界成分とともに
図1Bの正のx方向に向かって伝播する。同様に、結合器101は、自由空間からの入力光信号成分E
in2を結合して、導波路121内に内部結合光信号E
in(wg)2を生じさせることができる。いくつかの実施形態によれば、内部結合された光信号E
in(wg)2は、導波路121内でTEモードとして現れることができる。一例として、内部結合された光信号E
in(wg)2は、x方向に沿った支配的な電界成分とともに
図1Bの正のy方向に向かって伝播する。
【0044】
いくつかの態様では、導波路122内に内部結合された光信号Ein(wg)1が存在する場合、それは単一導波路モードとして現れるとよい。いくつかの実施形態によれば、単一導波路モードは基本TEモードであってもよい。他の実施形態によれば、単一導波路モードは基本TMモードであってもよい。さらなる実施形態によれば、単一導波路モードは、基本TEモードまたは基本TMモード以外のモードであってもよい。他の態様では、導波路122内に内部結合された光信号Ein(wg)1が存在する場合、それは複数の導波路モードの組み合わせとして現れる可能性がある。
【0045】
同様に、いくつかの態様では、導波路121内に内部結合された光信号Ein(wg)2が存在する場合、それは単一導波路モードとして現れるとよい。いくつかの実施形態によれば、単一導波路モードは基本TEモードであってもよい。他の実施形態によれば、単一導波路モードは基本TMモードであってもよい。さらなる実施形態によれば、単一導波路モードは、基本TEモードまたは基本TMモード以外のモードであってもよい。他の態様では、導波路121内に内部結合された光信号Ein(wg)2が存在する場合、それは複数の導波路モードの組み合わせとして現れる可能性がある。
【0046】
結合器101は、光信号の直交偏光成分を2つの別個の導波路121および122に分離することを目的としているが、結合器101のいくつかの実施形態ではクロスカップリングが発生する可能性があることは珍しいことではない。例えば、
図1Bを参照すると、たとえ入力光信号E
inが、E
outの偏光に直交する方向に沿って直線偏光され、直線偏光基準の第1成分 (例:入力光信号はE
in1)に平行な平面上にあるとしても、導波路122に導かれるE
inの一部に加えて、ゼロ以外のE
inの一部が導波路121に導かれることがある。同様に、いくつかの実施形態では、入力光信号E
inが、E
outの偏光および直線偏光基準の第2の成分(例えば、入力光信号はE
in2である)に平行な平面上にある方向に沿って直線偏光され得るとしても、導波路121に導かれるE
inの一部に加えて、ゼロ以外のE
inの一部が導波路122に導かれることがある。さらに、いくつかの実施形態では、結合器101によって出力光信号E
outとして自由空間に結合されたE
Sの一部に加えて、導波路121内のE
Sのゼロ以外の少量が、結合器101を介して直接導波路122に伝播してもよい。このようなクロスカップリングは、結合器101の設計の不完全性とみなされる場合がある。いくつかの実施形態によれば、結合器101は、クロスカップリングを最小化しながら、それぞれの偏光成分とそれらの意図された導波路との結合を最大化するように設計されるとよい。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、たとえ、
図1Bでは、E
outとE
inが結合器101の表面上の異なる空間位置に描かれているとしても、入力光信号E
inは、結合器101から放射される出力光信号E
outの空間的位置と同じ結合器101の表面上の空間的位置で結合器101に結合されるとよい。他の実施形態によれば、入力光信号E
inは、結合器101から放射される出力光信号E
outの空間的位置とは異なる、結合器101の表面上の空間的位置で結合器101に結合されるとよい。
【0048】
いくつかの態様では、結合器101は、出力光信号E
outを自由空間に放射し、同時に入力光信号E
inを感知ユニット100に結合することができる。他の態様では、結合器101は、異なる時点で出力光信号E
outを自由空間に放射し、入力光信号E
inを感知ユニット100に結合することができる。一般に、光信号E
inおよびE
outは、同じ方向に沿って伝播してもよいし、異なる方向に沿って伝播してもよいが、
図1Bでは、光信号E
inおよびE
outは異なる方向に沿って伝播するように描かれている。
【0049】
図1Aに戻って参照すると、コンポーネント102は、導波路122からの内部結合光信号E
in(wg)1と導波路123からのLO E
LOとを混合し、混合された信号を分割して導波路124および125に向ける2×2光カプラーである。2×2光カプラー102の実施形態には、方向性結合器およびマルチモード干渉計(MMI)が含まれるが、これらに限定されない。2×2光カプラー102の混合比および分岐比は、カプラー102の設計に依存する。いくつかの態様では、2×2光カプラー102は、50/50の分割比を有してもよい。他の態様では、2×2光カプラー102は、50/50以外の分割比を有してもよい。
【0050】
いくつかの態様では、導波路122内を伝播する内部結合光信号Ein(wg)1および導波路123内を伝播するLO ELOは、同じ導波路モードとして現れるとよい。他の態様では、導波路122内を伝播する内部結合光信号Ein(wg)1および導波路123内を伝播するLO ELOは、異なる導波路モードとして現れるとよい。導波路122内を伝播する内部結合光信号Ein(wg)1と導波路123内を伝播するLO ELOが異なる導波路モードとして現れるとき、いくつかの実施形態によれば、2×2光カプラー102は、その入力ポート(すなわち、導波路122および123)の一方または両方に1つまたは複数のモード変換器をさらに含むことができる。これにより、導波路122内を伝播する内部結合光信号Ein(wg)1と導波路123内を伝播するLO ELOの一方または両方を変換して、同じ導波路モードとして現れる。他の実施形態によれば、2×2光カプラー102は、そのようなモード変換器を含まなくてもよく、導波路122内を伝播する内部結合光信号Ein(wg)1と、異なる導波路モードとして現れる導波路123内を伝播するLO ELOとを依然として混合し、分割し、方向付けることができる。
【0051】
図1Aでは、コンポーネント103は、導波路124から光信号を受信して検出する二乗則光検出器(電界の二乗に比例する光信号のパワーに応答する)である。同様に、
図1Aでは、コンポーネント104は、導波路125からの光信号を受信して検出する二乗光検出器である。いくつかの実施形態によれば、2×2光カプラー102は50/50の2×2光カプラーであってもよく、カプラー102は光検出器103および104とともに平衡光ヘテロダイン検出装置を形成してもよい。いくつかの実施形態によれば、光検出器103および104のうちの1つは、コヒーレント感知ユニット100から省略されてもよい。ここで、残りの他の光検出器は、50/50カプラーであってもそうでなくてもよいカプラー102とともに、単一検出器光ヘテロダイン検出装置を形成することができる。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、光検出器103および104は、導波路124および125に接続される2つの光入力を有する単一の複合光検出器として現れるとよい。2つの光入力を備えた結合光検出器は、2つの入力からの光信号の強度、強度の合計、および強度の差のうちの任意の1つまたは複数を測定することができる。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、光検出器103および104は、トランスインピーダンス増幅器(TIA)、トランジスタ、ダイオード、抵抗器、コンデンサ、および電気スイッチのうちの任意の1つまたは複数などの電子部品を備える出力電子回路に接続されるとよいが、電子部品はこれらに限定されない。出力電子回路は光検出器103および104の電気出力を処理するために使用される。この出力電子回路は
図1Aには示されていない。
【0054】
図1Aでは、コヒーレント感知ユニット100は、位相、振幅、周波数、波長、時間制御のいずれか 1 つ以上のために、電気光学コンポーネントおよび熱光学コンポーネントのうちの任意の1つまたは複数を含む、明示的に示されていないコンポーネントを備えるとよい。電気光学コンポーネントおよび熱光学コンポーネントはこれらに限定されない。
【0055】
図2は、本開示の別の実施形態による偏光多様化自由空間対導波路結合器200を示す斜視図である。結合器200は、PICチップの異なる層上に実装された2つのサブカプラー201および202を備える。いくつかの実施形態によれば、2つのサブカプラー201または202のうちの1つは、光信号を特定の偏光状態と最適に結合するように設計されるとよく、他方のサブカプラーは、光信号を対応する直交偏光状態と最適に結合するように設計されるとよい。例えば、サブカプラー201は、特定の方向(例えば、x方向に沿って)に沿って直線偏光された入出力光信号E
1を最適に結合するように設計されるとよい。一方、サブカプラー202は、E
1の偏光に直交する方向に沿って(例えば、y方向に沿って)直線偏光された入出力光信号E
2を最適に結合するように設計されるとよい。サブカプラー201および202は、同じx-y位置に位置合わせされてもよいし、位置合わせされなくてもよい。
【0056】
図2を参照すると、サブカプラー201は、格子結合器などの自由空間対導波路結合器であってもよいが、格子結合器には限定されない。これは、ある偏光(例えば、x方向に沿った直線偏光)に従って偏光された光信号E
1と最適に結合し、そのE
1の偏光に直交する偏光(例えば、y方向に沿った直線偏光)に従って偏光された光信号E
2と最小限に結合してもよい。同様に、サブカプラー202は、格子結合器などの自由空間対導波路結合器であってもよいが、格子結合器には限定されない。これは、ある偏光(例えば、y方向に沿った直線偏光)に従って偏光された光信号E2と最適に結合し、そのE
2の偏光に直交する偏光(例えば、x方向に沿った直線偏光)に従って偏光された光信号E
1と最小限に結合し得る。サブカプラー201および202は、同じ設計であっても、そうでなくてもよい。一般に、サブカプラー201および202の一方に最適に結合され、他方に最小限に結合される一対の直交偏光光信号E
1およびE
2は、一対の直交直線偏光、右円偏光および左円偏光並びに一対の直交する楕円偏光のいずれであってもよい。
【0057】
図2では、直交光信号E
1およびE
2が、例示の目的で、サブカプラー201および202の表面上の異なる空間位置に描かれている。 一般に、サブカプラー201は、サブカプラー201の表面上の同じ空間位置または異なる空間位置で光信号E
1と最適に結合し、E
2と最小限に結合することができる。同様に、一般に、サブカプラー202は、サブカプラー202の表面上の同じ空間位置または異なる空間位置で光信号E
2と最適に結合し、E
1と最小限に結合することができる。
【0058】
図2では、光信号E
1およびE
2は、基板表面の平面に垂直な方向、すなわち、z方向に沿って伝播するように描かれている。一般に、光信号E
1およびE
2は、基板表面の平面に対して垂直であっても垂直でなくてもよい方向に沿って伝播することができる。さらに、光信号E
1とE
2は異なる方向に沿って伝播する可能性があるが、
図2では光信号E
1とE
2は同じ方向に沿って伝播するように描かれている。
【0059】
図2では、サブカプラー201と202の間の適切な垂直分離299を選択することによって、サブカプラー201と202の間の相互結合を最小限に抑えることができる。垂直分離299は、50ナノメートルから5ミリメートルの厚さを有するフォトニック材料層(またはエアギャップ)をサブカプラー201と202の間に配置することによって形成されるとよい。一般に、分離299の選択は、さまざまな要因の組み合わせに依存する。この要因には、PIC技術、製造プロセス、サブカプラー201と202の間で使用されるフォトニック材料、信号E
1の波長、信号E
2の波長、サブカプラー201の設計、およびサブカプラー202の設計が含まれるが、これらに限定されない。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、サブカプラー201は、フォトニック材料の単一層を含んでもよい。他の実施形態によれば、サブカプラー201は複数のフォトニック材料層を備えてもよく、異なる層のフォトニック材料は同じであっても異なっていてもよい。同様に、いくつかの実施形態によれば、サブカプラー202はフォトニック材料の単一層を含んでもよい。他の実施形態によれば、サブカプラー202は複数のフォトニック材料層を備えてもよく、異なる層のフォトニック材料は同じであっても異なっていてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、
図1Aのコヒーレント感知ユニット100で使用するために、
図2のサブカプラー201は送信機として使用され得る一方、
図2のサブカプラー202は受信機として使用されるとよい。ここで、送信機としてのサブカプラー201はターゲットからより遠くにあり、受信機としてのサブカプラー202はターゲットに近い。このような状況では、
図2の導波管221は、出力結合導波管として
図1Aの導波管121と同じ(または同等に接続)であってもよい。一方、
図2の導波路222は、内部結合導波路として
図1Aの導波路122と同じ(または同等に接続)であってもよい。他の実施形態によれば、
図1Aのコヒーレント感知ユニット100で使用するために、
図2のサブカプラー201を受信機として使用することができ、
図2のサブカプラー202を送信機として使用することができる。ここで、受信機としてのサブカプラー201はターゲットからより遠くにあり、送信機としてのサブカプラー202はターゲットに近い。このような状況では、
図2の導波管221は、内部結合導波管として
図1Aの導波管122と同じ(または等価的に接続)であってもよく、一方、
図2の導波管222は、出力結合導波路として
図1Aの導波管121と同じ(または等価的に接続)されていてもよい。
【0062】
図3は、本開示のさらなる実施形態による偏光多様化自由空間対導波路結合器300を示す斜視図である。結合器300は、PICチップの同じ層上の2つの別個のカプラーとして実装された2つのサブカプラー301および302を備える。いくつかの実施形態によれば、2つのサブカプラーのうちの1つは、ある偏光状態を有する光信号と最適に結合するように設計されるとよく、他のサブカプラーは、別の偏光状態を有する光信号と最適に結合するように設計されるとよい。いくつかの実施形態によれば、2つの偏光状態は互いに直交することができる。他の実施形態によれば、2つの偏光状態は互いに直交していなくてもよい。例えば、サブカプラー301は、x方向に沿って直線偏光された光信号E
1と最適に結合するように設計されるとよく、その一方、サブカプラー302は、y方向に沿って直線偏光された光信号E
2と最適に結合するように設計されるとよい。
【0063】
図3を参照すると、サブカプラー301は、格子結合器のような自由空間対導波路結合器であってもよい。自由空間対導波路結合器は、特定の偏光(例えば、x方向に沿った直線偏光)に従って偏光された光信号E
1と最適に結合してもよく、E
1の偏光と直交する偏光 (たとえば、y方向に沿った直線偏光)を有する光信号と最小限に結合してもよいが、自由空間対導波路結合器は格子結合器に限定されない。同様に、サブカプラー302は、格子結合器のような自由空間対導波管結合器であってもよい。自由空間対導波路結合器は、特定の偏光(例えば、y方向に沿った直線偏光)に従って偏光された光信号E
2と最適に結合してもよく、E
2の偏光と直交する偏光(例えば、x方向に沿った直線偏光)を有する光信号と最小限に結合してもよいが、自由空間対導波路結合器は格子結合器に限定されない。サブカプラー301および302は、同じ設計であっても、そうでなくてもよい。
【0064】
他の実施形態によれば、サブカプラー301および302のうちの一方は、偏光状態を有する光信号と最適に結合するように設計されてもよく、他方のサブカプラーは、任意の偏光状態の光信号と最適に結合するように設計された、偏光に依存しない自由空間対導波路結合器であってもよい。偏光に依存しない自由空間対導波路結合器の例は、「絶縁体上シリコンナノフォトニック導波路用の偏光無依存格子結合器」、Optics Letters Vol. 36、No.6、p. 796 (2011)に記載されている。
図3を参照すると、一方では、サブカプラー301は、格子結合器のような自由空間対導波路結合器であってもよい。格子結合器は、1つの偏光(例えば、x方向に沿った直線偏光)に従って偏光された光信号E
1と最適に結合してもよく、E
1の偏光と直交する偏光(例えば、y方向に沿った直線偏光)を有する光信号と最小限に結合してもより。一方、サブカプラー302は、任意の偏光を有する光信号E
2と最適に結合する偏光に依存しない自由空間対導波路結合器であってもよい。ここで、光信号E
2は光信号E
1に対して直交していてもよく、そうでなくてもよい。
【0065】
図3では、サブカプラー301と302の間のクロスカップリングは、サブカプラー間の適切な横方向分離399を選択することによって最小限に抑えることができる。横方向分離399は、サブカプラー301および302を同じ基板表面上に50ナノメートルから5ミリメートルの距離だけ離して配置することによって形成することができる。一般に、横方向の間隔399の選択は、要因の組み合わせに依存する。この要因には、PIC技術、製造プロセス、サブカプラー301と302の間の媒体に使用されるフォトニック材料、信号E
1の波長、信号E
2の波長、カプラー301の設計、およびカプラー301の設計が含まれるが、これらに限定されない。
【0066】
いくつかの実施形態によれば、サブカプラー301は、フォトニック材料の単一層を含んでもよい。他の実施形態によれば、サブカプラー301は、フォトニック材料の複数の層を含んでもよく、異なる層のフォトニック材料は同じであっても異なっていてもよい。同様に、いくつかの実施形態によれば、サブカプラー302はフォトニック材料の単一層を含んでもよい。他の実施形態によれば、サブカプラ302は、フォトニック材料の複数の層を備えることができ、異なる層のフォトニック材料は同じであっても異なっていてもよい。
【0067】
図3では、光信号E
1およびE
2は、基板表面の平面に垂直な方向、すなわち、z方向に沿って伝播するように描かれている。一般に、光信号E
1およびE
2は、基板表面の平面に対して垂直であっても垂直でなくてもよい方向に沿って伝播することができる。さらに、光信号E
1およびE
2は異なる方向に沿って伝播する可能性があるが、光信号E
1およびE
2は
図3では同じ方向に沿って伝播するように描かれている。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、
図1Aのコヒーレント感知ユニット100で使用するために、
図3のサブカプラー301を送信機として使用し、
図3のサブカプラー302を受信機として使用するとよい。このような状況では、
図3の導波路321は、出力結合導波路として
図1Aの導波路121と同じ(または同等に接続)であってもよい。一方、
図3の導波路322は、内部結合導波路として
図1Aの導波路122と同じ(または同等に接続)であってもよい。
【0069】
図4Aは、本開示の一実施形態による光信号を内部結合するための偏光分離構成を示す側面図である。
図4Bは、光信号を結合するための
図4Aの偏光分離構成を示す側面図である。
図4Cは、光信号を入力結合および出力結合するための
図4Aの偏光分離構成を示す側面図である。
図4A、
図4B、および
図4Cに示す偏光分離構成は、自由空間内の共通の光路に沿って伝播させるために、
図3の偏光多様化自由空間対導波路結合器300とともに使用して、光信号E
1(サブカプラー301と結合される)および光信号E
2(サブカプラー302と結合して)を方向付けることができる。ここで、共通の光路は光学部品401とターゲットとの間にある。
【0070】
偏光分離構成は、
図4Aに示すように、偏光依存ビームセパレータ401を備える。いくつかの実施形態によれば、偏光依存ビームセパレータ401は複屈折ビームディスプレーサであってもよい。いくつかの実施形態によれば、複屈折ビームディスプレーサは、限定されないが、方解石結晶、アルファバリウムボレート結晶、バナジン酸イットリウム結晶、またはルチル結晶などの1つまたは複数の材料で作製され得る。複屈折ビームディスプレーサは当技術分野ではよく知られている。他の実施形態によれば、偏光依存ビームセパレータ401は、複屈折ビームディスプレーサ以外の偏光依存ビームセパレータであってもよい。これには複屈折ウェッジ、偏光ビームスプリッタ、偏光依存性回折格子、偏光依存性メタレンズなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
いくつかの実施形態によれば、偏光依存ビームセパレータ401は、
図4Aに示されるような偏光多様化自由空間対導波路結合器300を備えるPICチップとは別のコンポーネントであってもよい。他の実施形態によれば、偏光依存ビームセパレータ401は、結合器300を備えるPICチップの表面に取り付けられてもよい。さらなる実施形態によれば、偏光依存ビームセパレータ401は、結合器300を構成するPICチップ内にあってもよいし、その一部であってもよい。
【0072】
光信号受信の場合、
図4Aの実施形態によれば、入力光信号E
inは、ターゲットから偏光依存ビームセパレータ401に到達するとよい。偏光依存ビームセパレータ401は、入力光信号E
inを2つの光信号E
1およびE
2に分割することができ、光信号E
1およびE
2の偏光は互いに直交する。光信号の分割は、入力光信号の偏光に依存する場合がある。光信号E
1、E
2の一方は通常光線(o線)であり、他方は異常光線(e線)である。例えば、光信号E
1はo線であり、光信号E
2はe線であるとよい。複屈折ビームセパレータの場合の一般的な使用法に加えて、ここで使用される用語「o線」と「e線」は、一般に、偏光依存ビームセパレータ401によって分割された2つの直交する偏光線を指す。ここで、分割は、偏光依存ビームセパレータの特性によって定義される。
【0073】
光信号E1およびE2の偏光は、偏光依存ビームセパレータ401の材料の誘電率、光軸498の向き、および入力光信号Einの入射角に依存する。この実施形態では、入力光信号Einの入射角は、偏光依存性ビームセパレータ401の表面の法線に近い。したがって、偏光依存性ビームセパレータ401を製造することができ、光軸498は、偏光依存性ビームセパレータ401から出力する際に、o線(E1)がx方向に沿って偏光され、e線(E2)がy方向に沿って偏光される方法で配向されるとよい。
【0074】
いくつかの実施形態によれば、o線およびe線(例えば、
図4Aの光信号E
1およびE
2)は、偏光依存性ビームセパレータ401からの出現時に横方向に変位されるとよい。横方向の変位は、1つまたは複数の要因に依存してもよく、これには、幾何学形状(例えば、形状および厚さ)、材料の誘電率、および偏光依存性ビームセパレータ401の光軸498の向き、並びに入力光信号E
inの波長および入射角が含まれるが、これらに限定されない。入力光信号E
inの垂直に近い入射の場合、o線E
1は、第1の横方向変位を伴って第1の光路に沿って伝播することができる(例えば、
図4Aに示すように、E
1は、ゼロの横方向変位を伴って入力光信号E
inの経路を継続する)。一方、e線E
2は、
図4Aに示すように、入力光信号E
inの経路に対して第2の横方向変位499を伴って第2の光路に沿って伝播してもよい。ここで、e線E
2の第2の光路は、o線E
1の第1の光路とは異なり、e線E
2の第2の横方向変位は、o線E
1の第1の横方向変位とは異なる。
【0075】
いくつかの実施形態によれば、光信号E
1およびE
2は、
図4Aに示すように、垂直入射に近い角度でサブカプラー301および302に入射することができる。他の実施形態によれば、光信号E
1およびE
2は、垂直入射以外の角度でサブカプラー301および302に入射することができる。入力光信号E
inの任意の入射角と、偏光依存性ビームセパレータ401の特性(幾何学的形状、誘電率、光軸の向きなど)により、o線E
1とe線E
2の偏光と伝播方向は、マクスウェル方程式によって決定されるとよい。
【0076】
いくつかの実施形態によれば、サブカプラー301は、その偏光および伝播方向に基づいてo線E1と最適に結合するように構成されるとよい。ここで、o線E
1の偏光および伝播方向は、事前に決定されるとよい。同様に、いくつかの実施形態によれば、サブカプラー302は、e線E
2の偏光および伝播方向に基づいてe線E
2と最適に結合するように構成されるとよい。ここで、e線E
2の偏光および伝播方向は、事前に決定されるとよい。例えば、
図4Aに示すように、入力光信号E
inの入射角は、偏光依存性ビームセパレータ401の表面の法線に近くてもよく、光軸498は、y-z平面上である角度を向いていてもよい。したがって、サブカプラー301は、z方向に沿って伝播し、x方向に沿って偏光されたo線E
1と最適に結合するように構成されるとよい。一方、サブカプラー302は、z方向に沿って伝播し、y方向に沿って偏光されたe線E
2と最適に結合するように構成されるとよい。サブカプラー301と302の間の横方向の間隔399は、o線E
1とe線E
2の間の横方向の間隔499の情報を組み込むことによって決定されるとよい。
【0077】
他の実施形態によれば、サブカプラー301は、その偏光に基づいてo線E1と最適に結合するように構成されていない可能性がある。つまり、サブカプラー301との結合に最適な偏光は、o線E1の偏光と同じではない可能性がある。同様に、他の実施形態によれば、サブカプラー302は、その偏光に基づいてe線E2と最適に結合するように構成されていない可能性がある。すなわち、サブカプラー302との結合に最適な偏光は、e線E2の偏光と同じではない可能性がある。さらなる実施形態によれば、サブカプラー301は、o線E1の伝播方向に基づいて、o線E1と最適に結合するように構成されていない場合がある。同様に、さらなる実施形態によれば、サブカプラー302は、e線E2の伝播方向に基づいてe線E2と最適に結合するように構成されていない場合がある。
【0078】
いくつかの実施形態によれば、サブカプラー301は偏光独立カプラーであってもよく、o線E1の伝播方向のみに基づいてo線E1と最適に結合するように構成されるとよい。同様に、いくつかの実施形態によれば、サブカプラー302は偏光独立カプラーであってもよく、e線E2の伝播方向のみに基づいてe線E2と最適に結合するように構成されるとよい。
【0079】
光信号伝送の場合、
図4Bに示すように、サブカプラー301から出力する光信号E
1は、偏光依存性ビームセパレータ401によって規定されるo線の偏光に従って偏光されてもよい(例:
図4Bに示すように、x方向に沿った直線偏光)。また、サブカプラー302から出る光信号E
2は、偏光依存性ビームセパレータ401によって規定されるe線の偏光に従って偏光されてもよい(例えば、
図4Bに示されるようなy方向に沿った直線偏光)。偏光依存ビームセパレータ401を通る光信号の伝播は可逆的である。したがって、偏光依存性ビームセパレータ401を通過した後、光信号E
1およびE
2は結合されて、偏光依存性ビームセパレータ401の上面から離れる光路に沿って伝播する出力光信号E
outを生じさせることができる(例えば、
図4Bに示すように、ゼロの横方向変位を伴う光信号E
1の経路を継続する経路)。ここで、光信号E
1およびE
2は互いにコヒーレントであり、出力光信号E
outは、光信号E
1およびE
2の偏光、振幅、および相対位相に従って偏光される。
【0080】
いくつかの実施形態によれば、偏光依存性ビームセパレータ401から出力する光信号E1およびE2は、空間的に完全に重なり合わないことがある。 これにより、出力光信号Eoutの偏光が空間的に変化する可能性がある。いくつかの実施形態によれば、偏光依存ビームセパレータ401およびサブカプラー301および302は、光信号E1およびE2との間の空間的重なりが、支配的な偏光状態(つまり、50% を超える)を有する出力光信号Eoutを生じさせることができるように構成されるとよい。
【0081】
偏光依存性ビームセパレータ401は、光信号を送信および受信するために結合器300とともに使用することができ、サブカプラー301および302のうちの1つは、出力光信号E
outを送信するために使用することができる。一方、サブカプラー301および302の他方は、入力光信号E
inを受信するために使用することができる。光信号E
outおよびE
inは、光コンポーネント401とターゲットとの間にある共通の光路に沿って伝播することができる。
図4Cに示されるように、一方では、サブカプラー301から出力される光信号E
1は、偏光依存性ビームセパレータ401によって規定されるo線の偏光に従って偏光されるとよい。偏光依存ビームセパレータ401を通過した後、光信号E
1は出力光信号E
outを生じさせることができ、光信号E
1とE
outの偏光は同じである。例えば、サブカプラー301から出力された光信号E1が、偏光依存性ビームセパレータ401のo線の偏光に沿って偏光される場合(つまり、x方向に沿って直線偏光)、出力光信号E
outは、光信号E
1の偏光と同じ偏光(すなわち、x方向に沿った)で偏光依存ビームセパレータ401から出力し、偏光依存ビームセパレータ401から離れる光路に沿って伝播することができる(例えば、
図4Cに示すように、横方向の変位なしに光信号E
1の経路を継続する経路)。
【0082】
一方、いくつかの実施形態によれば、入力光信号E
inは、偏光依存性ビーム分離器401によって規定されるe線の偏光に従って偏光され、出力光信号E
outと同じ光路に沿って逆方向に伝播するとよい。偏光依存ビームセパレータ401を通過した後、入力光信号E
inは、サブカプラー302に結合される光信号E
2を生じさせることができ、光信号E
inとE
2の偏光は同じである。例えば、
図4Cに示すように、偏光依存性ビームセパレータ401の上面に垂直な方向に入射するy方向に沿って直線偏光された入力光信号E
inは、y方向に沿って直線偏光され、サブカプラー302と結合する光信号E
2を生じさせることができる。ここで、光信号E
2は、偏光依存ビームセパレータ401によって横方向に変位される。
図4Cに示すように、出力光信号E
outと入力光信号E
inの偏光は互いに直交し、光信号E
1とE
2の偏光は互いに直交する。一実施形態では、入力光信号E
inの偏光が出力光信号E
outの偏光と直交していない場合、入力光信号E
inはo線とe線に分割されるとよい。ここで、
図4Aの実施形態に示すように、o線はサブカプラー301と結合し、e線はサブカプラー302と結合することができる。
【0083】
いくつかの実施形態によれば、サブカプラー301および302の役割は交換されてもよく、その結果、出力光信号は、
図4Cに示されるようなo線E
1の代わりにe線E
2となってもよい。
【0084】
図4Cに示すように、結合偏光基準は、サブカプラー301および302と最適に結合する光信号の一対の偏光によって形成さてもよい。 いくつかの実施形態によれば、結合偏光基準は、偏光依存ビームセパレータ401に対応するo線およびe線の偏光と同じであってもよい。他の実施形態によれば、結合偏光基準は、偏光依存ビームセパレータ401に対応するo線およびe線の偏光とは異なっていてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態によれば、結合偏光基準と、偏光依存ビームセパレータ401に対応するo線およびe線の偏光との間の差は、光コヒーレントイメージャの適切な設計によって最小化されるとよい。このような適切な設計は、入力光信号および出力光信号が、偏光依存性ビームセパレータ401の表面上で垂直に近い入射を維持する方向に沿って伝播することを保証する光学コンポーネント(1つまたは複数のレンズなど)を備え得るとよい。このような適切な設計は、入力光信号および出力光信号がサブカプラー301および302の最適な結合方向に近い入射角でサブカプラー301および302に結合することを保証するための光学部品(1つまたは複数のレンズなど)も備えることができる。
【0086】
図4Cを参照すると、結合偏光基準が、偏光依存性ビームセパレータ401に対応するo線およびe線の偏光と異なってもよい場合、結合器300によって出力結合された光信号は、偏光依存ビームセパレータ401から現れる2つの出力光信号を生じさせることができる。ここで、2つの出力光信号は、o線およびe線に対応する光信号である。このような状況下では、サブカプラー301によって放射される光信号E
1は、出力光信号E
outと同じ出力o線と、出力光信号E
out(図示せず)の光路とは異なる光路に沿って伝播する出力e線とを生じさせてもよい。偏光ダイバーシティを使用して光信号の送受信の共有パスを可能にする光コヒーレントイメージャの場合、出力e線と同じ光路を共有する入力光信号は、
図4Cに例示されるように内部結合サブカプラー302と結合できない可能性があるため、この状況における出力e線は無視することができる。
【0087】
いくつかの実施形態によれば、4
図Cのサブカプラー301および302のいずれか一方または両方は、偏光に依存しない自由空間対導波路結合器であってもよい。偏光独立自由空間対導波路結合器を使用すると、偏光依存ビームセパレータ401に対応するo線およびe線の偏光に関係なく、入力光信号E
inを最適に結合することができる可能性がある。
【0088】
光コヒーレントセンシングの状況によっては、ターゲットによって反射された光信号は、ターゲットを照明する光信号と同じ主偏光成分を持つ。このような状況には、鏡面反射や光沢のあるターゲット表面からの光の反射が含まれるが、これらに限定されない。したがって、受信信号を最適化するには、入出力光信号に偏光ダイバーシティを利用するコヒーレント感知ユニットとともに偏光変換機構を使用することが望ましい場合がある。
【0089】
図5Aは、本開示の一実施形態によるファラデー効果によって実現される偏光変換構成510を示す斜視図である。偏光変換構成510は、結合器101と光信号を入力結合および出力結合するように構成され、ファラデー回転子501およびオプションの偏光回転子502を備える。
図5Bは、
図5Aにおける光信号の偏光状態を示す上面図である。
【0090】
図5Aにおいて、ファラデー回転子501は、ターゲットと偏光多様化自由空間対導波路結合器101との間に配置された光学部品である。ファラデー回転子501は、直線偏光された光信号をある角度(例えば、45度)回転させるように構成されるとよい。例えば、
図5Aに示すように、結合器101は、x方向に沿って直線偏光された光信号E
1を放射することができる。 次に、ファラデー回転子501は、光信号E
1の偏光を45度回転して、x方向に対して45度の角度をなす方向に沿って直線偏光された光信号E
2を生じさせることができる。
【0091】
図5Aでは、任意の偏光回転子502(本明細書では簡単にするために「偏光回転子」と呼ぶ)がターゲットとファラデー回転子501との間に配置される。偏光回転子502の例には、水晶回転子が含まれるが、これに限定されない。
図5Aでは、偏光回転子502は、光信号E
2の偏光をある角度だけさらに回転させるように構成されるとよい。例えば、
図5Aに示すように、偏光回転子502は、x方向に対して45度の角度をなす方向に沿って直線偏光されている光信号E
2の偏光を45度回転させて、y方向に沿って直線偏光された光信号E
3を生じさせる。
【0092】
偏光回転子502は相反光学部品である、すなわち、偏光回転子502による偏光回転は光信号の伝播方向に依存しない。
図5Aによれば、偏光回転子502は、E
3と同じ直線偏光を有する入力光信号E
4の偏光を角度(例えば、45度)だけ回転させて、E
2と同じ偏光を有する光信号E
5を生じさせることができる。対照的に、ファラデー回転子501は非相反光学部品である。E
5の伝播方向がE
2に対して逆であるため、ファラデー回転子501は、光信号E
5の偏光をある角度(例えば、45度)だけ回転させて、光信号E
1の偏光に直交する方向(すなわち、
図5Aによればy方向)に沿って直線偏光された光信号E
6を生じさせることができる。いくつかの実施形態によれば、ファラデー回転子501によってもたらされる角回転は、ファラデー回転子501内の光信号の伝播経路の長さの影響として、ファラデー回転子501への光信号の入射角に影響されない可能性がある。また偏光回転時の伝播経路に沿った磁界強度は相互に補償する可能性がある。ファラデー回転子の動作原理は当業者にはよく知られている。
【0093】
いくつかの実施形態によれば、オプションの偏光回転子502を使用して、E
3の偏光を結合器101によって定義される偏光基準成分のうちの1つに変換することができる。一例として、
図5Aの結合器101によって定義される偏光基準は、x方向およびy方向に沿った直線偏光である。他の実施形態によれば、石英回転子であってもよい任意の偏光回転子502を使用して、ファラデー回転子501と一緒に使用するときに広帯域偏光回転を可能にすることができる。石英回転子などの従来の偏光回転子は、入力光信号の入射角に敏感である。いくつかの実施形態によれば、偏光回転子502は、意図された位相シフトを維持しながら、広い角度範囲で入力光信号を受け入れることができる偏光回転子であるとよい。
このような広角偏光回転子の例には、「フィールド変換アプローチに基づく広角マルチオクターブ広帯域波長板」Scientific Reports、5、17532 (2015) に記載されているとおり、フィールド変換アプローチで設計された人工フォトニック構造が含まれるが、これに限定されない。
【0094】
いくつかの実施形態によれば、偏光変換構成510の構成要素は、
図5Aに示されるように別個の構成要素として示されてもよい。他の実施形態によれば、偏光変換構成510の一部またはすべての構成要素は、単一の結合構成要素として現れるとよい。さらに、いくつかの実施形態によれば、偏光変換構成510は、
図5Aに示すように、偏光多様化自由空間対導波路結合器101を備えるPICチップとは別個の光学アセンブリであってもよい。他の実施形態によれば、偏光変換構成510の一部またはすべての構成要素は、結合器101を備えるPICチップの表面に取り付けられてもよい。さらなる実施形態によれば、偏光変換構成510の一部またはすべての構成要素は、結合器101を構成するPICチップ内にあってもよいし、その一部であってもよい。
【0095】
図5Aでは、説明の目的で、入力結合光信号E
1、E
2、E
3の伝搬経路と出力結合光信号E
4、E
5、E
6の伝搬経路とを区別して描いている。 一般に、入力結合信号と出力結合信号の伝播経路は、空間的に異なる場合もあれば、異ならない場合もある。さらに、
図5Aでは、例示の目的で、光信号E
1、E
2、E
3、E
4、E
5、およびE
6が、z方向に沿って伝播するように示されており、結合器101、ファラデー回転子501、および偏光回転子502に対して垂直に入射する。一般に、光信号の伝播方向は、これらの構成要素に対して垂直入射であってもよく、垂直入射以外の入射角であってもよい。
【0096】
図5Cは、本開示の一実施形態による結合器300とともに使用するための偏光変換分離構成を示す側面図である。ここで、
図5Aの偏光変換構成510は、
図4Cの偏光分離構成に組み込まれている。
図5Cに示すように、偏光依存ビームセパレータ401は、結合器300(サブカプラー301および302を含む)と偏光変換構成510(ファラデー回転子501および偏光回転子502を含む)との間に配置される。
図5Cの偏光依存ビームセパレータ401は、サブカプラー301および302に結合された光信号が共通の光路に沿って伝播できるようにするために使用されてもよい。ここで、共通の光路は、偏光依存性ビームセパレータ401とターゲットとの間にある。例えば、
図5Cに示されるように、サブカプラー301は、光信号E
1を自由空間に出力することができ、E
1は、サブカプラー301によって規定される方向(例えば、
図5Cのx方向)に沿って直線偏光される。
図5Cによれば、また
図4Cおよび
図5Aを参照すると、一方で、光信号E
1は、E
1の方向と直交する方向(例えば、y方向)に沿って直線偏光された光信号E
3を生じさせることができる。一方、入力光信号E
4はE
3と同じ偏光を持ち、出力光信号 E
3と共通の光路に沿って伝播する。しかし、逆方向では、偏光回転子502、ファラデー回転子501、および偏光依存ビームセパレータ401を介して、E
1の偏光に直交する方向(すなわち、y方向)に沿って直線偏光された光信号E
6を生じさせることができる。また、光信号E
6がサブカプラー302と結合できるように、E
1の経路から空間的に分離されている。
【0097】
いくつかの実施形態によれば、偏光変換構成510および偏光依存ビームセパレータ401の構成要素は、
図5Cに示すように別個の構成要素として示されてもよい。他の実施形態によれば、偏光変換構成510および偏光依存ビームセパレータ401の一部またはすべての構成要素は、単一の結合構成要素として現れてもよい。さらに、いくつかの実施形態によれば、偏光変換構成510および偏光依存ビームセパレータ401は、
図5Cに示すように、偏光多様化自由空間対導波路結合器300を備えるPICチップとは別個の光学アセンブリであってもよい。他の実施形態によれば、偏光変換構成510および偏光依存性ビームセパレータ401の一部またはすべての構成要素は、結合器300を含むPICチップの表面に取り付けられてもよい。さらなる実施形態によれば、偏光変換構成510の一部またはすべての構成要素は、PICチップの表面に取り付けられてもよい。そして、偏光依存ビームセパレータ401は、結合器300を構成するPICチップ内にあってもよいし、その一部であってもよい。
【0098】
図5Cでは、例示の目的で、光信号E
1、E
3、E
4、およびE
6が、z方向に沿って伝播するように示されており、結合器300、偏光依存性ビーム分離器401、ファラデー回転子501、および偏光回転子502に垂直に入射する。 一般に、光信号の伝播方向は、これらの構成要素に対して垂直入射であってもよく、垂直入射以外の入射角であってもよい。
【0099】
図6Aは、本開示の別の実施形態による、1/4波長板601によって実現される偏光変換構成を示す斜視図である。この実施形態では、偏光変換は、1/4波長板による位相遅延によって実現される。
図6Aにおいて、1/4波長板601は、ターゲットと偏光多様化自由空間対導波路結合器101との間に配置された光学部品である。4分の1波長板601は、その光軸の適切な配向を通じて、直線偏光の光信号を円偏光の光信号に変換するように構成されてもよい。
例えば、
図6Aに示すように、4分の1波長板601は、 x方向に沿って直線偏光している光信号E1を、E
2の伝播方向(zの正の方向) に対して右円偏光である光信号E
2に変換することができる。
図6Bは、
図6Aにおける光信号の偏光状態を示す上面図である。
【0100】
図6Aに示すように、光信号E
3は、E
2の偏光回転方向と同じ円回転方向を有する偏光を有するが、E
2の伝播方向とは反対の方向に伝播する(すなわち、E
2およびE
3は事実上、逆の利き手を有する)。4分の1波長板601は、光信号E
3を変換して、E
1の偏光と直交する方向に沿って直線偏光された光信号E
4を生じさせるために使用されてもよい。例えば、
図6Aに示すように、4分の1波長板601は、伝播方向(負のz方向)に関して左円偏光の光信号E
3を、y方向に沿って直線偏光の光信号E
4に変換する。
【0101】
いくつかの実施形態によれば、4分の1波長板601は、
図6Aに示すように、偏光多様化自由空間対導波路結合器101を備えるPICチップとは別のコンポーネントであってもよい。他の実施形態によれば、四分の一波長板601は、結合器101を構成するPICチップの表面に取り付けられてもよい。さらなる実施形態によれば、四分の一波長板601は、結合器101を構成するPICチップ内にあってもよいし、その一部であってもよい。
【0102】
図6Aでは、説明の目的で、入力結合光信号E
1およびE
2の伝播経路と、出力結合光信号E
3およびE
4の伝搬経路とが区別して描かれている。一般に、入力結合信号と出力結合信号の伝播経路は、空間的に異なる場合もあれば、異ならない場合もある。さらに、
図6Aでは、例示の目的で、光信号E
1、E
2、E
3、およびE
4が、z方向に沿って伝播し、結合器101および4分の1波長板601に垂直に入射するように示されている。一般に、光信号の伝播方向は、これらの構成要素に対して垂直入射であってもよく、垂直入射以外の入射角であってもよい。
【0103】
図6Cは、本開示の別の実施形態による、結合器300とともに使用するための偏光変換分離構成を示す側面図である。ここで、
図6Aの偏光変換構成は、
図4Cの偏光分離構成に組み込まれている。
図6Cに示されるように、偏光依存性ビームセパレータ401は、結合器300(サブカプラー301および302を含む)と1/4波長板601との間に配置される。
図6Cの偏光依存ビームセパレータ401は、サブカプラー301および302に結合された光信号が共通の光路に沿って伝播できるようにするために使用されてもよい。ここで、共通の光路は、偏光依存性ビームセパレータ401とターゲットとの間にある。例えば、
図6Cに示されるように、サブカプラー301は、光信号E
1を自由空間に出力することができ、E
1は、サブカプラー301の設計によって規定される方向(例えば、
図6Cのx方向)に沿って直線偏光される。
図6Cによれば、また
図4Cおよび
図6Aを参照すると、一方では、光信号E
1は、E
2の伝播方向に関して(例えば、正のz方向に沿って)右円偏光された光信号E
2を生じさせることができる。一方、入力光信号E
3は、E
2の偏光回転方向と同じ円回転方向の偏光を有し、出力光信号E
2と共通の光路に沿って伝播する。ただし、方向は逆である(つまり、E
3は伝播方向に対して左円偏光である)。入力光信号E
3は4分の1波長板601および偏光依存性ビームセパレータ401を通って、光信号E
4を生じるとよい。光信号E
4は、E
1の偏光に直交する方向(例えば、
図6Cのy方向)に沿って直線偏光され、E
1の経路から空間的に分離されており、その結果、光信号E
4はサブカプラー302と結合することができる。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、4分の1波長板601および偏光依存ビームセパレータ401は、
図6Cに示すように別個の構成要素として現れてもよい。他の実施形態によれば、四分の一波長板601および偏光依存性ビームセパレータ401は、単一の組み合わされた構成要素として現れてもよい。さらに、いくつかの実施形態によれば、4分の1波長板601および偏光依存ビームセパレータ401は、
図6Cに示すように、偏光多様化自由空間対導波路結合器300を備えるPICチップとは別個の光学アセンブリであってもよい。他の実施形態によれば、四分の一波長板601および偏光依存性ビームセパレータ401のいずれか一方または両方が、結合器300を備えるPICチップの表面に取り付けられてもよい。さらなる実施形態によれば、四分の一波長板601および偏光依存ビームセパレータ401のいずれか一方または両方は、結合器300を構成するPICチップ内にあってもよいし、その一部であってもよい。
【0105】
図6Cでは、例示の目的で、光信号E
1、E
2、E
3、およびE
4は、z方向に沿って伝播するように示され、結合器300、偏光依存ビームセパレータ401、および1/4波長板601に垂直に入射する。一般に、光信号の伝播方向は、これらの構成要素に対して垂直入射であってもよく、垂直入射以外の入射角であってもよい。
【0106】
光コヒーレントセンシングの一部の用途では、ターゲットは、戻ってくる光信号が照射光信号の偏光とは実質的に異なる偏光になるように、ターゲットを照射する光信号を反射または散乱する可能性がある。受信信号を最適化するには、コヒーレント感知ユニットがあらゆる偏光状態の入力光信号を検出できることが望ましい場合がある。
【0107】
図7Aは、本開示の別の実施形態による、偏光ダイバーシティに基づいて光信号を送受信するためのコヒーレント感知ユニット700を示す平面図である。
図7Aのコヒーレント感知ユニット700は、
図1Aのコヒーレント感知ユニット100と同様である。コヒーレント感知ユニット700とコヒーレント感知ユニット100との間の主な違いは、
図1Aに示すコヒーレント感知ユニット100の実施形態に従って、コヒーレント感知ユニット700が、結合器101によって結合され導波路121に導かれる入力光信号E
inの成分も処理できることである。
【0108】
より具体的には、
図7Aを参照すると、光源信号E
Sは導波路731を通じてコヒーレント感知ユニット700に供給され、局部発振器(LO)E
LOは導波路734を通じてコヒーレント感知ユニット700に供給される。
図7Aでは、構成要素705は2×2光カプラーである。導波路733からの信号入力がないため、2×2光カプラー705は、導波路731からの光源信号E
Sを分割し、E
Sの一部を光信号E
1として導波路721を介して偏光多様化自由空間対導波路結合器701に導く分割カプラーとして機能することができる。導波管732に通されたE
Sの一部は、他の目的に使用されてもよいし(例えば、
図7Bのコヒーレント感知ユニット710のように)、あるいは単に損失としてみなされてもよい。後者の状況では、後方反射を避けるために、導波管732に通過するE
Sの一部を適切に減衰させる必要があるかもしれない。導波路721および732に通過するE
Sの割合は、それぞれ、2×2光カプラー705の分割比および損失に依存する。いくつかの実施形態によれば、2×2光カプラー705は、50/50の2×2光カプラーであってもよい。 他の実施形態によれば、2×2光カプラー705は、50/50以外の分割比を有してもよい。
【0109】
図7Aでは、偏光多様化自由空間対導波路結合器701(ここでは簡単にするために「結合器701」と呼ぶ)は、送信機および受信機の両方として機能する
図1Aのコヒーレント感知ユニット100の結合器101と同様である。導波管721 と722に接続された2つの導波管カプラーである。
【0110】
送信機として、
図7Aを参照すると、結合器701は、導波路721からの光信号E
1を、光コヒーレントイメージャによるターゲット照明に使用できる出力光信号E
outとして自由空間に結合することができる。 結合器701によって出力される出力光信号E
outは、x-y平面外の方向に伝播し(すなわち、E
outの伝播方向はゼロ以外のz成分を有する)、結合器701の設計によって定義された偏光で偏光される。
【0111】
受信機として、
図7Aを参照すると、結合器701は、入力光信号E
inをコヒーレント感知ユニット700に結合することができる。結合器701によって結合された入力光信号E
inは、入力光信号E
inの偏光状態に応じて、導波路721および722のいずれかまたは両方に向けることができる。導波路721および722に結合される入力光信号E
inの偏光成分は、結合器701の設計に依存する。いくつかの実施形態によれば、出力光信号E
outの偏光と直交する入力光信号E
inの偏光成分は、内部結合光信号E
2として導波路722に導かれるとよい。導波路722に導かれる入力光信号E
inの偏光成分と直交する入力光信号E
inの偏光成分は、内部結合光信号E
3として導波路721に導かれることができる。内部結合された光信号E
3は、光信号E
1の伝播方向とは反対の方向に伝播する。導波路732からの信号入力がないため、2×2光カプラー705は、導波路721から内部結合された光信号E
3を分割し、E
3の一部を光信号E
4として導波路733を通して2×2光カプラー712に導く分割カプラーとして機能することができる。E
3の一部は、導波路731を通過し、光源信号E
Sの伝播方向と反対の方向に伝播することもできる。いくつかの実施形態によれば、導波管731内のE
3の構成要素は、感知ユニット700を備えるPICチップの他の部分に影響を与えることなく放置されてもよい。導波路731および733にそれぞれ通過するE
3の部分は、2×2光カプラー705の分割比および損失に依存する。
【0112】
図7Aでは、結合器701は単一の実体として描かれているが、結合器701は一般に、単一の光コンポーネントまたは複数の光コンポーネントを備えることができる。いくつかの実施形態によれば、
図1Aおよび
図1Bに示される結合器101と同様に、結合器701は、偏光分割自由空間対導波路結合器によって実現され得る。他の実施形態によれば、結合器701は、2の結合器200によって実現されてもよい。ここで、導波管221および222は、導波管721および722と同じであってもよい(すなわち、導波管721が導波管221であり、導波管722が導波管222である、または導波管721が導波管222であり、導波管722が導波管221である)。さらなる実施形態によれば、結合器701は、
図3の結合器300によって実現されてもよい。ここで、導波管321および322は、導波管721および722と同じであってもよい(すなわち、導波管721が導波管321であり、導波管722が導波管322である、または導波管721が導波管322であり、導波管722が導波管321である)。さらに別の実施形態によれば、結合器701は結合器300によって実現され、
図4Cの偏光依存ビームセパレータ401はコヒーレント感知ユニット700とともに使用され、出力光信号E
outおよび入力光信号E
inが共通の光路に沿って伝播できるようにすることができ、また、共通の光路は、偏光依存性ビームセパレータ401とターゲットとの間にある。いくつかの実施形態によれば、
図1Aおよび
図1Bの結合器101と同様に、結合器701は、TE-TMモードコンバータ、スプリッタ、およびコンバイナのいずれかを備えることもできる。
【0113】
さらに、いくつかの実施形態によれば、
図5Aおよび
図5Cに示すファラデー回転子501およびオプションの偏光回転子502を結合器701とともに使用して、出力光信号および入力光信号の偏光を回転させることができる。
いくつかの実施形態によれば、
図6Aおよび6Cに示される1/4波長板601は、出力光信号を、出力光信号の偏光に応じて、直線偏光、円偏光、または楕円偏光光信号に変換するために結合器701とともに使用されるとよい。
【0114】
図7Aでは、構成要素706は、LOを導波路734から分割し、LOの一部をLO E
LO,1 として導波路723に導き、LOの一部をLO E
LO,2として導波路735に導く分割カプラーである。導波路723および735にそれぞれ通過するLOの部分は、分割比および分割カプラー706の損失に依存する。いくつかの実施形態によれば、分割カプラー706は50/50分割カプラーであってもよい。他の実施形態によれば、分割カプラー706は50/50以外の分割比を有してもよい。
【0115】
図7Aでは、構成要素702は、導波路722からの内部結合光信号E
2と導波路723からのLO E
LO,1を混合し、混合された信号を分割して導波路724および725に向ける2×2光カプラーである。いくつかの実施形態によれば、2×2光カプラー702は、
図1のコヒーレント感知ユニット100の2×2光カプラー102と同様であるとよい。
【0116】
図7Aでは、構成要素703は、導波路724からの光信号を受信して検出する二乗法則光検出器である。同様に、
図7Aでは、構成要素704は、導波路725からの光信号を受信して検出する二乗法則光検出器である。いくつかの実施形態によれば、光検出器703および704は、
図1のコヒーレント感知ユニット100の光検出器103および104と同様であるとよい。
【0117】
いくつかの実施形態によれば、光検出器703および704は、これらに限定されないが、トランスインピーダンス増幅器(TIA)、トランジスタ、ダイオード、抵抗器、コンデンサ、および電気スイッチのうちの任意の1つ以上などの電子部品を含む出力電子回路に接続されるとよい。これらは、光検出器703および704の電気出力を処理するために使用されるものである。この出力電子回路は
図7Aには示されていない。
【0118】
図7Aでは、構成要素712は、導波路733からの内部結合信号E
4と導波路735からのLO E
LO,2を混合し、混合された信号を分割して導波路736および737に向ける2×2光カプラーである。
【0119】
図7Aでは、構成要素713は、導波路736からの光信号を受信して検出する二乗則光検出器である。同様に、
図7Aでは、構成要素714は、導波路737からの光信号を受信して検出する二乗法則光検出器である。いくつかの実施形態によれば、光検出器713および714は、光検出器703および704と同様であってもよい。
【0120】
いくつかの実施形態によれば、光検出器713および714は、これらに限定されないが、トランスインピーダンス増幅器(TIA)、トランジスタ、ダイオード、抵抗器、コンデンサ、および電気スイッチのうちの任意の1つ以上の電子部品を備える出力電子回路に接続されるとよい。これらは、光検出器713および714の電気出力を処理するために使用されるものである。この出力電子回路は
図7Aには示されていない。いくつかの実施形態によれば、光検出器713および714に接続された出力電子回路は、光検出器703および704に接続された出力電子回路とともに単一の電子回路を形成することができる。他の実施形態によれば、光検出器713および714に接続された出力電子回路は、光検出器703および704に接続された出力電子回路とは別個であってもよい。
【0121】
いくつかの実施形態によれば、コヒーレント感知ユニット700は、明示的に示されていないコンポーネントを備えることができる。これには、位相、振幅、周波数、波長、および時間的制御のいずれか1つまたは複数について、電気光学コンポーネントおよび熱光学コンポーネントのいずれか1つまたは複数が含まれるが、これらに限定されない。
【0122】
図7Bは、本開示のさらに別の実施形態による、偏光ダイバーシティに基づいて光信号を送受信するためのコヒーレント感知ユニット710を示す平面図である。
図7Bのコヒーレント感知ユニット710は、
図7Aのコヒーレント感知ユニット700と同様である。コヒーレント感知ユニット700とコヒーレント感知ユニット710との間の主な違いは、コヒーレント感知ユニット710では、LO E
LOが導波路732に渡される光源信号E
Sの一部から生じるように、導波路734が導波路732に接続されることである。
【0123】
図8は、本開示のさらなる実施形態による、偏光ダイバーシティに基づいて光信号を送受信するためのコヒーレント感知ユニット800を示す平面図である。
図8のコヒーレント感知ユニット800は、
図7Aのコヒーレント感知ユニット700と同様である。コヒーレント感知ユニット800とコヒーレント感知ユニット700との主な違いは、コヒーレント感知ユニット800では光サーキュレータ805が、光信号の流れを導くためにコヒーレント感知ユニット700の2×2光カプラー705を置き換えるために使用されることである。光サーキュレータ805の例としては、「Broadband TE Optical Isolators and Circulators in Silicon Photonics Through Ce:YIG Bonding」、Journal of Lightwave Technology、Vol. 37、No.5、p. 1463(2019)に記載されているように、マッハツェンダー干渉計(MZI)構成の異種Ce:YIG/シリコン導波路に基づく光サーキュレータが挙げられるが、これに限定されない。
【0124】
図8の実施形態によれば、光サーキュレータ805は、光信号を円形方向にルーティングする3ポート光サーキュレータである。より具体的には、光サーキュレータ805は、光信号を時計回りの方向にルーティングすることができる。導波路731から入力された光信号は導波路721に導かれ、導波路721から入力された光信号は導波路733に導かれ、導波路733から入力された光信号は導波路731に導かれる。
【0125】
図8では、光サーキュレータ805は、導波路721、731、および733と結合する。その後、
図7のコヒーレント感知ユニット700の導波路732は、
図8のコヒーレント感知ユニット800から省略されてもよい。光サーキュレータ805は、導波路731内で光源信号E
Sをルーティングして、導波路721内に光信号E
1を生じさせることができる。結合器701によって受信された内部結合光信号E
3は、導波路721を通って光サーキュレータ805に導かれることができる。ここで、光サーキュレータ805は、内部結合された光信号E
3を導波路733にルーティングして、光信号E
4を生じさせることができる。
【0126】
いくつかの実施形態によれば、光サーキュレータ805には、3ポート光サーキュレータの代わりに、4ポートMZIベースの光サーキュレータによって実現されるような4ポート光サーキュレータが使用されてもよい。
図7のコヒーレント感知ユニット700の導波路732は、
図8のコヒーレント感知ユニット800内に保持されるとよい。このような状況では、4ポート光サーキュレータは導波路721、731、732、および733に結合されるとよい。ここで、4ポート光サーキュレータは、導波路731から導波路721へ、導波路721から導波路733へ、導波路733から導波路732へ、そして導波路732から導波路731へ光信号をルーティングする。
【0127】
図8では、コヒーレント感知ユニット700内の2×2光カプラー705を置き換えるためにコヒーレント感知ユニット800内で光サーキュレータ805を使用することは、理想的には、導波路732内を通過する光源信号E
Sの一部の損失を回避するという利点を有するとよい。それにもかかわらず、現在の最先端のオンチップ光サーキュレータには挿入損失(>10dB)がある。これは、コヒーレント感知ユニット700の構成において2×2光カプラー705を使用することよりも利点をもたらすには依然として高すぎる可能性がある。
【0128】
図9は、本開示のさらに別の実施形態による、偏光ダイバーシティに基づいて光信号を送受信するためのコヒーレント感知ユニット900を示す平面図である。コヒーレント感知ユニット900は、任意の偏光状態の入力光信号を検出するコヒーレント感知ユニット700、710、および800と同様である。コヒーレント感知ユニット900とコヒーレント感知ユニット100、700、710、および800との主な違いは、コヒーレント感知ユニット900は、任意の偏光状態を有する内部結合光信号を、出力光信号を搬送する導波路とは異なる導波路に導く偏光多様化自由空間対導波路結合器を備えることである。
【0129】
より具体的には、
図9を参照すると、光源信号E
Sは導波路921を通じてコヒーレント感知ユニット900に供給され、局部発振器(LO)E
LOは導波路934を通じてコヒーレント感知ユニット900に供給される。
【0130】
図9では、偏光多様化自由空間対導波路結合器901(本明細書では簡単にするために「結合器901」と呼ぶ)は、導波路921、922、および933に接続された3つの導波路結合器である。結合器901は、送信機および受信機の両方として機能することができる。
【0131】
送信機として、
図9を参照すると、結合器901は、導波路921からの出力光信号E
1(光源信号E
Sと本質的に同じ)を出力光信号E
outとして自由空間に結合することができる。これは、光コヒーレントイメージャによるターゲット照明に使用できる。結合器901によって出力される出力光信号E
outは、x-y平面外の方向に伝播し(すなわち、E
outの伝播方向はゼロ以外のz成分を有する)、結合器901の設計によって定義される偏光状態で偏光される。
【0132】
受信機として、結合器901は、入力光信号Einをコヒーレント感知ユニット900に結合することができる。結合器901によって結合された入力光信号Einは、入力光信号Einの偏光状態に応じて、導波路922および933のいずれかまたは両方に向けることができる。導波路922および933に結合される入力光信号Einの偏光成分は、結合器901の設計に依存する。いくつかの実施形態によれば、出力光信号Eoutの偏光と直交する入力光信号Einの偏光成分は、内部結合光信号E2として導波路922に導かれるとよく、導波路922に導かれる入力光信号Einの偏光成分と直交する入力光信号Einの偏光成分は、内部結合光信号E3として導波路933に導かれるとよい。
【0133】
図9では、結合器901は単一の実体として描かれているが、結合器901は一般に、単一の光コンポーネントまたは複数の光コンポーネントを備えることができる。結合器901の実施形態は、以下にさらに詳細に説明する
図10A、
図11A、および
図13Aに示されている。いくつかの実施形態によれば、
図1Aおよび
図1Bの結合器101と同様に、結合器901は、TE-TMモードコンバータ、スプリッタ、およびコンバイナのいずれかを備えることもできる。
【0134】
図9において、分割カプラー906は、LO E
LOを導波路934から分割し、LOの一部をLO E
LO,1として導波路923に導き、LOの一部をLO E
LO,2として導波路935に導く。導波路923および935にそれぞれ通過するLOの部分は、分割カプラー906の分割比および損失に依存する。いくつかの実施形態によれば、分割カプラー906は50/50分割カプラーであってもよい。他の実施形態によれば、分割カプラー906は、50/50以外の分割比を有していてもよい。
【0135】
図9では、構成要素902は、導波路922からの内部結合光信号E
2と導波路923からのLO E
LO,1を混合し、混合された信号を分割して導波路924および925に向ける2×2光カプラーである。いくつかの実施形態によれば、2×2光カプラー902は、
図7Aのコヒーレント感知ユニット700の2×2光カプラー702と同様であるとよい。
【0136】
図9では、構成要素903は、導波路924からの光信号を受信して検出する二乗法則光検出器である。同様に、
図9では、構成要素904は、導波路925からの光信号を受信して検出する二乗則光検出器である。いくつかの実施形態によれば、光検出器903および904は、
図7Aのコヒーレント感知ユニット700の光検出器703および704と同様であるとよい。
【0137】
図9では、
図7Aのコヒーレント感知ユニット700の2×2光カプラー712と同様に、コンポーネント912は、導波路933からの内部結合光信号E
3と導波路935からのLO E
LO,2とを混合する2×2光カプラーである。そして、混合された信号を分割して導波路936および937に導く。
【0138】
図9では、構成要素913は、導波路936からの光信号を受信して検出する二乗法則光検出器である。同様に、
図9では、コンポーネント914は、導波路937からの光信号を受信して検出する二乗光検出器である。いくつかの実施形態によれば、光検出器913および914は、
図7Aのコヒーレント感知ユニット700の光検出器713および714と同様であるとよい。
【0139】
図10Aは、本開示の一実施形態による3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器1000を示す上面図である。
図10Bは、
図10Aに示された結合器1000を示す斜視図である。
図10Bはさらに、サブカプラー1001および1002と結合する偏光された出力および入力光信号E
10、E
23、およびE
33を示す。結合器1000は、
図10Aの破線で示されるように、2つのサブカプラー1001および1002を備える。いくつかの実施形態によれば、サブカプラー1001は、
図1Bに示すような偏光多様化自由空間対導波路結合器101、または
図2に示すような偏光多様化自由空間対導波路結合器200のいずれかによって実現されるとよい。一方、サブカプラー1002は、単一の導波路に結合される、格子結合器を含むがこれに限定されない自由空間対導波路結合器によって実現されるとよい。他の実施形態によれば、サブカプラー1002は、偏光に依存しない自由空間対導波路結合器によって実現されるとよい。
【0140】
図10Aを参照すると、一方で、導波管921は出力結合導波管としてサブカプラー1001に接続され、導波管922は第1の入力結合導波管としてサブカプラー1001に接続される。一方、導波路933は、第2の内部結合導波路としてサブカプラー1002に接続されている。ここで、導波路921、922、および933は、
図9に示すコヒーレント感知ユニット900の導波路921、922、および933と同じである。
【0141】
図10Aおよび
図10Bに示すように、サブカプラー1001の主な機能の1つは、ターゲット照明用の光信号を出力結合するための送信機として機能することである。導波路921内の光信号E
1は、サブカプラー1001によって出力光信号E
10として自由空間に出力結合されるとよい。
図1Bの結合器101と同様に、出力光信号E
10はサブカプラー1001の設計に従って偏光される。例えば、
図10Bに示すように、光信号E
10はx方向に沿って直線偏光される。
【0142】
図10Aおよび
図10Bに示すように、サブカプラー1001の別の主な機能は、入力光信号をコヒーレント感知ユニット900に入力結合する受信機として機能することである。ここで、入力光信号の偏光状態は、出力光信号の偏光と直交する。出力光信号E
10と直交する偏光を有する入力光信号E
23は、サブカプラー1001によって内部結合され、導波路922内に内部結合光信号E
2を生じさせる。
図1の結合器101と同様に、サブカプラー1001によって最適に入力結合される入力光信号E
23の偏光は、サブカプラー1001の設計に従って決定される。例えば、
図10Bに示すように、最適に内部結合された光信号E
23は、y方向に沿って直線偏光される。
【0143】
図10Aおよび
図10Bに示すように、サブカプラー1002の主な機能は、入力光信号をコヒーレント感知ユニット900に入力結合する受信機として機能することである。ここで、入力光信号の偏光状態は、サブカプラー1001によって導波路922に結合された入力光信号の偏光と直交する。光信号E
23の偏光と直交する偏光を有する入力光信号E
33は、サブカプラー1002によって内部結合され、導波路933内に内部結合光信号E
3が生じる。サブカプラー1001と同様に、サブカプラー1002によって最適に結合される入力光信号E
33の偏光は、サブカプラー1002の設計に従って決定される。例えば、
図10Bに示すように、最適に内部結合された光信号E
33は、x方向に沿って直線偏光しており、出力光信号E
10の偏光と同じである。
【0144】
図10Cは、本開示の一実施形態による、光信号を結合するための3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器とともに使用するための偏光変換分離構成1010を示す側面図である。
図10Dは、光信号を内部結合するために使用される
図10Cに示される構成1010を示す側面図である。偏光変換分離構成1010は、結合器1000に到着する入力光信号E
23およびE
33と、結合器1000によって放射される出力光信号E
10が共通の光路に沿って伝播することを可能にし、共通の光路は構成1010とターゲットとの間に位置する。偏光変換分離構成1010は、
図10Cおよび
図10Dに示すように、ファラデー回転子1051、オプションの偏光回転子1052、および偏光依存ビームセパレータ1041を備える。例示の目的で、
図10Eは、
図10Cにおける光信号の偏光状態を示す上面図である。 同様に、
図10Fは、
図10Dにおける光信号の偏光状態を示す上面図である。
【0145】
光信号伝送の場合、
図10Bおよび
図10Cに示すように、結合器1000のサブカプラー1001は、導波路921から光信号E
1を出力結合して、光信号E
10を生じさせることができる。これは、サブカプラー1001の設計に従って直線偏光され(例えば、x方向に沿って直線偏光)、サブカプラー1001から(例えば、正のz方向に向かって)自由空間に伝播する。
図10Cおよび
図10Eに示すように、ファラデー回転子1051は、光信号E
10の偏光をある角度(例えば、45度)回転させて、光信号E
11を生じさせることができる。 (例えば、E
11 はx方向に対して45度の角度の方向に沿って直線偏光する)。オプションの偏光回転子1052は、
図5Cの偏光回転子502と同様であり、E
11の偏光をある角度(例えば、45度)だけ回転させて光信号E
12を生じさせることができる(例えば、E
12はy方向に沿った直線偏光である)。偏光依存ビームセパレータ1041は、
図4Cの偏光依存ビームセパレータ401と同様であり、(偏光依存性ビームセパレータ1041の構成に応じて、o線として現れる可能性がある)光信号E
12がそれを通って意図された光路に沿って(例えば、横方向の変位なしでE
12と同じ光路に沿って)伝播する光信号E
13を生じさせることができるように構成されるとよい。いくつかの実施形態によれば、光信号E
13は、E
12と同じ偏光で偏光されてもよい(すなわち、y方向に沿って直線偏光されてもよい)。次いで、光信号E
13をターゲット照明に使用することができる。
図5Aおよび
図5Cの偏光回転子502と同様に、いくつかの実施形態によれば、オプションの偏光回転子1052の機能は、ターゲット照明用の偏光依存ビームセパレータ1041から出力される光信号を、結合器1000によって定義される偏光基準成分の1つとして同じ方向に沿って偏光できるようにするとよい。(例えば、
図10Cの実施形態による光信号E
10の偏光に直交する)。
【0146】
いくつかの実施形態によれば、偏光変換分離構成1010における任意の偏光回転子1052は省略されてもよく、その結果、光信号E11と同じ偏光状態を有する出力光信号がターゲット照明に使用されるとよい。このような状況では、偏光依存性ビームセパレータ1041は、光信号E11の偏光方向に従って偏光依存性ビームセパレータ1041の光軸を配向することによって、光学的に 信号E11は、意図された光路に沿って伝播する単一の光信号として偏光依存性ビームセパレータ1041から出力することができる。(例: 横方向の変位なしでE11のパスを継続する)。いくつかの実施形態によれば、偏光依存性ビームセパレータ1041は、光信号E11が偏光依存性ビームセパレータ1041の構成に従ってo線として現れ得るように、サブカプラー1001に関して構成されるとよい。
【0147】
光信号受信の場合、ターゲットからの入力光信号は、光路と同じであるが反対方向に伝播する。
図10Cの光信号E
13は、
図10Dに示される入力光信号E
20およびE
30の偏光と同じ偏光を有する2つの入力光信号成分の一方または両方を含むとよい。ここで、光信号E
20は光信号E
13の偏光と同じ方向に沿って直線偏光され、光信号E
30は光信号E
20の偏光と直交する方向に沿って直線偏光される。例えば、
図10Dに示すように、E
20はy方向に沿って直線偏光され、E
30はx方向に沿って直線偏光される。
【0148】
図10Dおよび
図10Fを参照すると、入力光信号E
20は、偏光依存ビームセパレータ1041を通過して、
図10CのE
12と同じ偏光(すなわち、y方向に沿って直線偏光)を有する光信号E
21を生じさせることができる。ここで、光信号E
21は、偏光依存性ビームセパレータ1041に関してo線として現れるとよい。光伝播の相反性を考慮して、偏光回転子1052は、E
21の偏光をある角度(例えば、45度)回転させて、
図10Cの光信号E
11の偏光と同じ方向に沿って直線偏光された光信号E
22を生じさせることができる。しかしながら、光信号E
22の伝播方向は光信号E
11の伝播方向と逆であるため、光伝播の相反性を破るファラデー回転子1051は、光信号E
22の偏光をある角度(例えば45度)回転させて、光信号E
23は、光信号E
10の偏光に対して直交する(すなわち、y方向に沿った)直線偏光を有する。次に、光信号E
23は、サブカプラー1001によって内部結合されて、
図10Bに示されるように、導波路922に向けられる内部結合光信号E
2を生じさせることができる。
【0149】
図10Dおよび
図10Fを参照すると、光信号E
30は、偏光依存性ビームセパレータ1041を介して、E
20の偏光と直交する方向に沿って直線偏光されているので、光信号E
30は、光信号E
21の光路とは空間的に異なる光路に沿って伝播し、E
21の偏光と直交する偏光を有する光信号E
31を生じさせることができる。
図10Dの実施形態によれば、入力光信号E
31はx方向に沿って直線偏光され、光信号E
21と同じ方向に光路に沿って伝播するが、負のx方向に向かって横に変位する。
図10Dに示されるように、光信号E
31は、偏光依存ビームセパレータ1041に関してe線として現れるとよい。次に、偏光回転子1052は、E
31の偏光をある角度(例えば、45度)回転させて、光信号E
22の偏光と直交する方向に沿って直線偏光された光信号E
32を生じさせることができる。ファラデー回転子1051は、光信号E
32の偏光をある角度(例えば、45度)回転させて、光信号E
23の偏光に直交する(すなわち、x方向に沿った)直線偏光を有する光信号E
33を生じさせることができる。次に、光信号E
33はサブカプラー1002によって内部結合されて、
図10Bに示すように導波路933に向けられる内部結合光信号E
3を生じさせることができる。
【0150】
前述したいくつかの実施形態によれば、オプションの偏光回転子1052は省略され、E
11と同じ偏光を有する光信号がターゲット照明に使用されるとよい。したがって、
図10Cの光信号E
11と同じ光路に沿って反対方向に伝播するターゲットからの入力光信号は、同じ偏光を有する2つの入力光信号成分の一方または両方を含むことができる。光信号E
22およびE
32は、
図10Dに示されており、光信号E
22は、光信号E
11の偏光と同じ方向に沿って直線偏光され、光信号E
32は、光信号E
22の偏光と直交する方向に沿って直線偏光されている。このような状況では、光信号E
11の偏光方向に従って構成された偏光依存性ビームセパレータ1041は、光信号E
22に対して、光信号E
22の光路と同じであるがE
11の光路とは逆方向の光路を生じさせることができる。一方、光信号E
32は、偏光回転子1052の状況とは異なるように変位された別の空間的に別個の光路に沿って伝播することができる。例えば、入力光信号E32は、光信号E22と同じ方向に光路に沿って伝播するが、
図10Dのような負のx方向ではないx-y平面上の方向に向かって横に変位する。横方向の変位の異なる方向を補償するには、それに応じてサブカプラー1002の位置を基板表面上で調整する必要があるかもしれない。
【0151】
いくつかの実施形態によれば、偏光変換分離構成1010の構成要素は、
図10Cに示されるように別個の構成要素として示されてもよい。他の実施形態によれば、偏光変換分離構成1010の一部またはすべての構成要素は、単一の結合構成要素として現れるとよい。さらに、いくつかの実施形態によれば、偏光変換分離構成1010は、
図10Cに示すように、偏光多様化自由空間対導波路結合器1000を備えるPICチップとは別個の光学アセンブリであってもよい。他の実施形態によれば、偏光変換分離構成1010の一部またはすべての構成要素は、結合器1000を含むPICチップの表面に取り付けられてもよい。さらなる実施形態によれば、偏光変換分離構成1010の一部またはすべての構成要素は、結合器1000を構成するPICチップ内にあってもよいし、その一部であってもよい。
【0152】
図10B、
図10C、および
図10Dでは、例示の目的で、光信号は、z方向に沿って伝播し、結合器1000、偏光依存ビームセパレータ1041、ファラデー回転子1051、および偏光回転子1052に垂直に入射するように描かれている。一般に、光信号の伝播方向は、これらの構成要素に対して垂直入射であってもよく、垂直入射以外の入射角であってもよい。
【0153】
図11Aは、本開示の別の実施形態による3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器1100を示す斜視図である。3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器1100(本明細書では簡単にするために「結合器1100」と呼ぶ)は、
図11Aの破線で示すように、3つのサブカプラー1101、1102、および1103を備える。いくつかの実施形態によれば、サブカプラー1101、1102、および1103のそれぞれは、単一の導波路に結合される格子結合器を含むが、これに限定されない自由空間対導波路結合器によって実現されてもよい。他の実施形態によれば、サブカプラー1102および1103のそれぞれは、偏光独立自由空間対導波路結合器によって実現されるとよい。
【0154】
図11Aを参照すると、導波管921は出力結合導波管としてサブカプラー1101に接続され、導波管922は第1の入力結合導波管としてサブカプラー1102に接続され、導波路933は、第2の入力結合導波路としてサブカプラー1103に接続されている。ここで、
図11Aの導波路921、922、933は、
図9のコヒーレント感知ユニット900の導波路921、922、933と同じである。
【0155】
図11Aに示すように、サブカプラー1101の主な機能は、ターゲット照明用の光信号を出力結合するための送信機として機能することである。導波路921内の光信号E
1は、サブカプラー1101によって出力光信号E
01として自由空間に出力結合される。発信光信号E
01は、サブカプラー1101の設計に従って偏光される。例えば、光信号E
01は、
図11Aに示すように、x方向に沿って直線偏光される。
【0156】
図11Aに示すように、サブカプラー1102の主な機能は、
図9のコヒーレント感知ユニット900に入力光信号を入力結合する受信機として機能することである。ここで、入力光信号の偏光状態は、出力光信号の偏光と直交する。
図11Aを参照すると、発信光信号E
01に対して直交する偏光を有する入力光信号E
24は、サブカプラー1102によって内部結合されて、導波路922内に内部結合光信号E
2を生じさせることができる。サブカプラー1102によって最適に内部結合される入力光信号E
24の偏光は、サブカプラー1102の設計に従って決定される。一例として、最適に内部結合された光信号E
24は、
図11Aに示すようにy方向に沿って直線偏光される。
【0157】
図11Aに示すように、サブカプラー1103の主な機能は、
図9のコヒーレント感知ユニット900に入力光信号を入力結合する受信機として機能することである。ここで、入力光信号の偏光状態は、サブカプラー1102によって導波路922に結合された入力光信号の偏光と直交する。
図11Aを参照すると、光信号E
24と直交する偏光を有する入力光信号E
34は、サブカプラー1103によって内部結合され、導波路933内に内部結合光信号E
3が生じる。サブカプラー1103によって最適に内部結合される入力光信号E
34の偏光は、サブカプラー1103の設計に従って決定される。例えば、最適に内部結合された光信号E
34は、
図11Aに示すようにx方向に沿って直線偏光される。
【0158】
図11Bは、本開示の別の実施形態による光信号を結合するための3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器1100とともに使用するための偏光変換分離構成1110を示す側面図である。
図11Cは、光信号を内部結合するために使用される
図11Bに示される構成1110を示す側面図である。
図11Bおよび
図11Cに示されるように、構成1110は、結合器1100に到着する入力光信号E
24およびE
34と、結合器1100によって放射される出力光信号E
01が共通の光路に沿って伝播することを可能にし、共通の光路は構成1110とターゲットとの間に位置する。偏光変換分離構成1110は、
図11Bおよび
図11Cに示すように、ファラデー回転子1151、オプションの偏光回転子1152、および偏光依存ビームセパレータ1141および1142を備える。例示の目的で、
図11Dは、
図11Bにおける光信号の偏光状態を示す上面図である。同様に、
図11Eは、
図11Cにおける光信号の偏光状態を示す上面図である。
【0159】
図11Bおよび
図11Cの偏光変換分離構成1110は、
図10Cおよび
図10Dの偏光変換分離構成1010と同様である。構成1110と構成1010との間の主な違いは、
図11Bおよび
図11Cに示されるような構成1110が、ファラデー回転子1151と偏光多様化自由空間対導波路結合器1100との間に配置される追加の偏光依存ビームセパレータ1142を有することである。より具体的には、
図11Bおよび
図11Cの構成要素1141は、
図10Cおよび
図10Dの偏光依存ビームセパレータ1041と同様の偏光依存ビームセパレータである。
図11Bおよび
図11Cの構成要素1152は、
図10Cおよび
図10Dの偏光回転子1052と同様のオプションの偏光回転子である。
図11Bおよび
図11Cの構成要素1151は、
図10Cおよび
図10Dのファラデー回転子1051と同様のファラデー回転子である。
【0160】
図11Aおよび
図11Bを参照すると、結合器1100のサブカプラー1101は、出力光信号E
01を自由空間に出力することができる。いくつかの実施形態によれば、構成1110における追加の偏光依存性ビームセパレータ1142は、光信号E01がx-y平面上で横に変位されて、光信号E
01として同じ偏光を有する光信号E10を生じ得るように構成されるとよい。ここで、光信号E
01は、偏光依存ビームセパレータ1142に関してe線として現れるとよい。
図11Bに示すように、光信号E
01はx方向に沿って直線偏光されており、出力光信号は正のx方向に向かって変位している。
図10Cの偏光変換分離構成1010と同様に、偏光変換分離構成1110のファラデー回転子1151、偏光回転子1152、および偏光依存ビームセパレータ1141は、11Bの光信号E
10を変換して、光信号E
13を生じさせることができる。
図11Bに示すように、光信号E
13は、光信号E
01の方向と直交する方向(すなわち、y方向)に沿って直線偏光している。
【0161】
光信号受信の場合、
図11Bの光信号E
13と同じであるが反対方向の光路に沿って伝播するターゲットからの入力光信号は、偏光を有する2つの入力光信号成分の一方または両方を含むことができる。これらは、
図11Cに示すように、入力光信号E
20およびE
30の信号と同じである。ここで、光信号E
20は光信号E
13の偏光と同じ方向に沿って直線偏光され、光信号E
30は光信号E
20の偏光と直交する方向に沿って直線偏光される。例えば、
図11Cに示すように、E
20はy方向に沿って直線偏光され、E
30はx方向に沿って直線偏光される。偏光変換分離構成1010と同様に、偏光変換分離構成1110の偏光依存ビームセパレータ1141、偏光回転子1152、およびファラデー回転子1151は、
図11Cの光信号E
20を変換して、
図11Bの光信号E
10の偏光と直交する偏光を有する光信号E
23を生じさせることができる。
図11Bおよび
図11Cに示すように、構成1110の追加の偏光依存ビームセパレータ1142は、光信号E
23が、
図11Bの光信号E
01の偏光と直交する偏光を有する光信号E24を生じさせることができるように構成される。そして光路に沿って伝播してサブカプラー1102に到達する。すなわち、光信号E
24は、偏光依存ビームセパレータ1142に関してo光線として現れる可能性がある。次に、光信号E
24は、サブカプラー1102によって内部結合されて、
図11Aに示すように導波路922に向けられる内部結合光信号E
2を生じさせることができる。
【0162】
同様に、偏光変換分離構成1110の偏光依存ビームセパレータ1141、偏光回転子1152、およびファラデー回転子1151は、
図11Cの光信号E
30を変換して、
図11Cの光信号E
23の偏光と直交する偏光を有する光信号E
33を生じさせることができる。追加の偏光依存ビームセパレータ1142の構成により、光信号E
33は、x-y平面上で横に変位して、光信号E
24の偏光と直交する偏光を有する光信号E
34を生じさせることができる。これは、光信号E
10を生じさせる光信号E
01と同じ方法であるが、方向は反対である。
図11Cに示されるように、光信号E
33はx方向に沿って直線偏光され、負のx方向に向かって変位されて、同様にx方向に沿って直線偏光された光信号E
34が生じる。光信号E
01と同様に、光信号E
33は、偏光依存ビームセパレータ1142に関してe線として現れるとよい。次に、光信号E
34は、サブカプラー1103によって内部結合されて、
図11Aに示すように導波路933に向けられる内部結合光信号E
3を生じさせることができる。
【0163】
いくつかの実施形態によれば、偏光変換分離構成1110における任意の偏光回転子1152は省略されるとよく、その結果、光信号E11と同じ偏光状態を有する出力光信号がターゲット照明に使用されるとよい。偏光変換分離構成1010からの任意の偏光回転子1052の省略と同様に、偏光分離構成1110における偏光回転子1152の省略は、偏光依存ビームセパレータ1141を再構成する必要がある場合がある。例えば、光信号E11の偏光方向に従って、偏光依存ビームセパレータ1141の光軸を配向することによって行われる。偏光依存性ビームセパレータ1141の光軸の異なる配向を補償するために、サブカプラー1102および1103の位置のいずれかまたは両方も、それに応じて基板表面上で調整する必要がある場合がある。
【0164】
偏光変換分離構成1010と同様に、いくつかの実施形態によれば、偏光変換分離構成1110の構成要素は、
図11Bに示すように別個の構成要素として示されてもよい。他の実施形態によれば、偏光変換分離構成1110の一部またはすべての構成要素は、単一の結合構成要素として現れるとよい。さらに、いくつかの実施形態によれば、偏光変換分離構成1110は、
図11Bに示すように、偏光多様化自由空間対導波路結合器1100を備えるPICチップとは別個の光学アセンブリであってもよい。他の実施形態によれば、偏光変換分離構成1110の一部またはすべての構成要素は、結合器1100を備えるPICチップの表面に取り付けられてもよい。さらなる実施形態によれば、偏光変換分離構成1110の一部またはすべての構成要素は、結合器1100を構成するPICチップ内にあってもよいし、その一部であってもよい。
【0165】
図11A、
図11B、および
図11Cでは、例示の目的で、光信号は、z方向に沿って伝播し、結合器1100、偏光依存ビームセパレータ1141および1142、ファラデー回転子1151、および偏光回転子1152に垂直に入射するように示されている。一般に、光信号の伝播方向は、これらの構成要素に対して垂直入射であってもよく、垂直入射以外の入射角であってもよい。
【0166】
図12Aは、本開示のさらなる実施形態による光信号を結合するための3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器1100とともに使用するための偏光変換分離構成1210を示す側面図である。
図12Bは、光信号を内部結合するために使用される
図12Aに示される構成1210を示す側面図である。構成1210は、結合器1100に到着する入力光信号E
24およびE
34と、結合器1100によって放射される出力光信号E
01が共通の光路に沿って伝播することを可能にし、共通の光路は構成1210とターゲットとの間に位置する。
図12Aおよび
図12Bに示すように、偏光変換分離構成1210は、ファラデー回転子1251、任意選択の偏光回転子1252、偏光依存性ビームセパレータ1241および1242、および任意選択の四分の一波長板1261を備える。例示の目的で、
図12Cは、
図12Aにおける光信号の偏光状態を示す上面図である。同様に、
図12Dは、
図12Bの光信号の偏光状態を示す上面図である。
【0167】
図12Aおよび
図12Bの偏光変換分離構成1210は、
図11Bおよび
図11Cの偏光変換分離構成1110の修正実施形態である。構成1110からの構成 1210の主な変更点は次のとおりである。(1)構成1210の偏光回転子1252は、存在する場合、構成1110の偏光回転子1152によってもたらされる回転方向とは反対の方向に偏光回転をもたらすように構成される。(2)構成1210の偏光依存性ビームセパレータ1241は、オプションの偏光回転子1252が存在する場合に、偏光依存ビームセパレータ1242によってもたらされる横方向の変位とは反対の方向に、横方向の変位があれば、それをもたらすような方法で、例えば、偏光依存性ビームセパレータ1241の光軸を配向させることによって構成される。(3)構成1210は、偏光依存性ビームセパレータ1241とターゲットとの間に配置される追加の1/4波長板1261を備える。したがって、構成1210の偏光依存ビームセパレータ1242は、構成1110の偏光依存ビームセパレータ1142と同様であり、構成1210のファラデー回転子1251は、構成1110のファラデー回転子1151と同様である。
【0168】
一方では、
図12Bを参照すると、上述の構成1210の修正(1)および(2)により、経路長を有する光信号E
20、E
21、E
22、E
23、およびE
24の光経路が得られる可能性がある。この光経路は、
図11Cに示す構成1110の対応する光路と比較して、光信号E
30、E
31、E
32、E
33、およびE
34の光路の路長と同様である。したがって、変形例(1)および(2)は、サブカプラー1102および1103にそれぞれ到着する光信号E
24およびE
34の間の位相差を最小化するという利点を有するとよい。
図12Aを参照すると、上述の修正(1)および(2)は、オプションの偏光回転子1252が存在する場合、サブカプラー1101の表面上の光信号E
01の放射位置および方向に類似する偏光依存ビームセパレータ1241の表面上の位置および方向に光信号E
13を放射することも可能にすることができる。したがって、変形例(1)および(2)は、結合器1100のサブカプラー1101からの出力光信号を使用することによって、結合器1100を備えた偏光変換分離構成1210の設置のための簡略化された光学的位置合わせを可能にするという別の利点を有するとよい。
【0169】
一方、
図12Aおよび
図12Cを参照すると、上述の変形例(3)により、円偏光光信号E
1Cをターゲット照明に使用することが可能になる。より具体的には、4分の1波長板1261は、直線偏光光信号E
13を変換して、ターゲット照明用の円偏光光信号E
1Cを生じさせることができる。
図12Aおよび
図12Cに示されるように、光信号E
13はx方向に沿って直線偏光され、光信号E
1Cはその伝播方向に関して右円偏光される。光信号受信の場合、ターゲットから入ってくる光信号は、任意の2つの直交偏光に従って分解できる。
図12Bおよび
図12Dに示すように、負のz方向に向かって伝播するターゲットからの入力光信号は、2つの偏光成分E
2CおよびE
3Cのいずれかまたは両方を含むとよい。ここで、それらの一方は伝播方向に関して右円偏光であり、他方は左円偏光である。
図12Bおよび
図12Dに示すように、負のz方向に関して、E
2Cは右円偏光であり、E
3Cは左円偏光である。
図12Bに示すように、4分の1波長板1261は、光信号E
2Cを変換して直線偏光の光信号E
20を生じさせ、光信号E
3Cを変換してE
20と直交する偏光を有する光信号E
30を生じさせることができる。
図12Bおよび
図12Dに示すように、E
20はx方向に沿って直線偏光され、E
30はy方向に沿って直線偏光される。いくつかの態様では、修正(3)によって可能になるターゲット照明に直線偏光光信号の代わりに円偏光光信号を使用することは、ターゲットまたはターゲット表面の特定の特性に起因する重大な信号損失の可能性を最小限に抑えるという利点を有する可能性がある。このような重大な信号損失は、ターゲット表面が直線偏光の照明光信号に偶然直交する直線偏光の光を優先的に反射する場合などの状況で発生する可能性があるが、これに限定されない。円偏光の照明光信号は常に、そのような状況下での反射光信号の消失を回避できる一対の直交する直線偏光成分を含んでいる。
【0170】
いくつかの実施形態によれば、偏光変換分離構成1210における任意の偏光回転子1252は省略されてもよい。偏光変換分離構成1110からの任意の偏光回転子1152の省略と同様に、偏光変換分離構成1210における偏光回転子1252の省略は、偏光依存ビームセパレータ1241および四分の一波長板1261を再構成する必要がある場合がある。それは、例えば、光信号E11の偏光方向に従って、偏光依存ビームセパレータ1241および4分の1波長板1261の光軸を配向することによって行われる。サブカプラー1102および1103の位置のいずれかまたは両方も、偏光依存性ビームセパレータ1241および1/4波長板1261の光軸の異なる配向を補償するために、それに応じて基板表面上で調整する必要がある場合がある。
【0171】
偏光変換分離構成1110と同様に、いくつかの実施形態によれば、偏光変換分離構成1210の構成要素は、
図12Aに示されるように別個の構成要素として示されてもよい。他の実施形態によれば、偏光変換分離構成1210の一部またはすべての構成要素は、単一の結合構成要素として現れるとよい。さらに、いくつかの実施形態によれば、偏光変換分離構成1210は、
図12Aに示す偏光多様化自由空間対導波路結合器1100を備えるPICチップとは別個の光学アセンブリであってもよい。他の実施形態によれば、偏光変換分離構成1210の一部またはすべての構成要素は、結合器1100を備えるPICチップの表面に取り付けられてもよい。さらなる実施形態によれば、偏光変換分離構成1210の一部またはすべての構成要素は、結合器1100を構成するPICチップ内にあってもよいし、その一部であってもよい。
【0172】
図12Aおよび
図12Bでは、例示の目的で、光信号は、z方向に沿って伝播し、結合器1100、偏光依存ビームセパレータ1241および1242、ファラデー回転子1251、偏光回転子1252、および四分の一波長板1261に垂直に入射するように示されている。一般に、光信号の伝播方向は、これらの構成要素に対して垂直入射であってもよく、垂直入射以外の入射角であってもよい。
【0173】
図13Aは、本開示のさらなる実施形態による3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器1300を示す上面図である。
図13Bは、
図13Aに示された結合器1300を示す斜視図である。さらに、
図13Bは、サブカプラー1301、1302、および1303とそれぞれ結合する偏光された出力および入力光信号E
01、E
24、およびE
34を示す図である。3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器1300(本明細書では簡単にするために「結合器1300」と呼ぶ)は、
図13Aおよび
図13Bの破線で示すように、3つのサブカプラー1301、1302、および1303を備える。いくつかの実施形態によれば、サブカプラー1301、1302、および1303のそれぞれは、単一の導波路に結合される、格子結合器を含むが、これに限定されない自由空間対導波路結合器によって実現されてもよい。他の実施形態によれば、サブカプラー1302および1303のそれぞれは、偏光独立自由空間対導波路結合器によって実現されてもよい。結合器1300は、
図11Aに示す結合器1100の変形実施形態である。
図13Aおよび
図13Bの結合器1300のサブカプラー1301は、
図11Aの結合器1100のサブカプラー1101と同様である。
図13Aおよび
図13Bの結合器1300のサブカプラー1302は、
図11Aの結合器1100のサブカプラー1102と同様である。
図13Aおよび
図13Bの結合器1300のサブカプラー1303は、
図11Aの結合器1100のサブカプラー1103と同様である。結合器1300と結合器1100を比較すると、結合器1300のサブカプラーの空間的配置は、
図9のコヒーレント感知ユニット900のいくつかの実施形態にとって有利である可能性がある(例えば、よりコンパクトである)。
【0174】
図13Cは、本開示のさらなる実施形態による光信号を結合するための3つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器1300とともに使用するための偏光変換分離構成1310を示す側面図である。
図13Dは、
図13Cに示された構成1310の別を示す側面図である。
図13Eは、光信号を内部結合するために使用される
図13Cに示されるような構成1310を示す側面図である。
図13Fは、
図13Eに示された構成1310の別を示す側面図である。
図13Cおよび
図13Eに示されるように、構成1310は、結合器1300に到着する入力光信号E
24およびE
34と、結合器1300によって放出される出力光信号E
01が共通の光路に沿って伝播することを可能にし、共通の光路は構成1310とターゲットとの間に位置する。
【0175】
例示の目的で、
図13Gは、
図13Cおよび
図13Dにおける光信号のx-y平面上の偏光状態および経路位置を示す上面図である。また、
図13Gには、
図13Gにおける光信号の経路位置の基準としてx-y平面上のサブカプラー1301、1302、および1303の位置を示す結合器1300の上面図を示す挿入図が示されている。同様に、
図13Hは、
図13Eおよび
図13Fの光信号のx-y平面上の偏光状態および経路位置を示す上面図である。
図13Hのx-y平面上の経路位置は、
図13Gの挿入図に示されるサブカプラー1301、1302、および1303の位置を参照することができる。
【0176】
図13C、
図13D、
図13E、および
図13Fによれば、偏光変換分離構成1310は、ファラデー回転子1351、オプションの偏光回転子1352、偏光依存ビームセパレータ1341および1342、ならびにオプションの四分の一波長板1361を備える。
【0177】
図13C、
図13D、
図13E、および
図13Fに示される偏光変換分離構成1310は、
図11Bおよび
図11Cの偏光変換分離構成1110の修正実施形態である。構成1110からの構成1310の主な変更点は次のとおりである。(1)構成1310の偏光依存性ビームセパレータ1341は、これに限定されないが、横方向の変位が存在する場合にその影響を与えるような方法で偏光依存性ビームセパレータ1341の光軸を配向することによって構成され、オプションの偏光回転子1352が存在する場合、偏光依存ビームセパレータ1342によってもたらされる横方向変位に垂直なx-y平面上の方向に偏光依存性ビームセパレータ1341の光軸を配向することによって構成される。(2)構成1310は、偏光依存性ビームセパレータ1341とターゲットとの間に配置された追加の1/4波長板1361を備える。したがって、構成1310の偏光依存ビームセパレータ1342は、構成1110の偏光依存ビームセパレータ1142と同様であり、構成1310のファラデー回転子1351は、構成1110のファラデー回転子1151と同様であり、構成1310の偏光回転子1352は、構成1110の偏光回転子1152と同様である。
【0178】
より具体的には、偏光変換分離構成1310では、偏光依存ビームセパレータ1342は、
図13Cおよび
図13Eに示すように、x方向に沿った横方向の変位(存在する場合)を生じさせる。一方、偏光依存ビームセパレータ1341は、
図13Dおよび
図13Fに示すように、y方向に沿った横方向の変位があれば、それを生じさせる。これは、偏光変換分離構成1110および1210とは対照的であり、いずれの構成でも偏光依存ビームセパレータは、もしあれば、x方向に沿った横方向の変位をもたらす。
【0179】
図12Aおよび
図12Bの偏光変換分離構成1210と同様に、
図13Eおよび
図13Fを参照すると、上述の構成1310の修正(1)により、
図11Cに示す構成1110の対応する光路と比較して、光信号E
30、E
31、E
32、E
33、およびE
34の光路の路長と同様である光路長を有する光信号E
20、E
21、E
22、E
23、およびE
24の光路が得られるとよい。
図13Eおよび
図13Fに示す光信号E
2CおよびE
3Cのそれぞれは、四分の一波長板1361から結合器1300へ偏光依存性ビームセパレータ1341、偏光回転子1352、ファラデー回転子1351、および偏光依存性ビームセパレータ1342を通って伝播するときに、1つの横方向の変位を受ける。したがって、変形例(1)は、サブカプラー1302および1303にそれぞれ到達する光信号E
2CおよびE
3Cの間の位相差を最小化するという利点を有するとよい。
【0180】
一方、
図12Aおよび
図12Bの構成1210と同様に、
図13Cおよび
図13Dの構成1310を参照すると、上述の修正(2)によって、ターゲット照明に円偏光光信号E
1Cを使用することも可能になるとよい。
【0181】
いくつかの実施形態によれば、偏光変換分離構成1310における任意の偏光回転子1352は省略されてもよい。偏光変換分離構成1210からの任意の偏光回転子1252の省略と同様に、偏光分離構成1310における偏光回転子1352の省略は、偏光依存ビームセパレータ1341および四分の一波長板1361を再構成する必要がある場合がある。例えば、それは、光信号E11の偏光方向に従って、偏光依存ビームセパレータ1341および1/4波長板1361の光軸を配向する。サブカプラー1302および1303の位置のいずれかまたは両方も、偏光依存ビームセパレータ1341および1/4波長板1361の光軸の異なる配向を補償するために、それに応じて基板表面上で調整する必要がある場合がある。
【0182】
偏光変換分離構成1110と同様に、いくつかの実施形態によれば、偏光変換分離構成1310の構成要素は、
図13Cに示すように別個の構成要素として示されてもよい。他の実施形態によれば、偏光変換分離構成1310の一部またはすべての構成要素は、単一の結合構成要素として現れるとよい。さらに、いくつかの実施形態によれば、偏光変換分離構成1310は、
図13Cに示すように、偏光多様化自由空間対導波路結合器1300を備えるPICチップとは別個の光学アセンブリであってもよい。他の実施形態によれば、偏光変換分離構成1310の一部またはすべての構成要素は、結合器1300を備えるPICチップの表面に取り付けられてもよい。さらなる実施形態によれば、偏光変換分離構成1310の一部またはすべての構成要素は、結合器1300を構成するPICチップ内にあってもよいし、その一部であってもよい。
【0183】
図13B、
図13C、
図13D、
図13E、および
図13Fでは、説明の目的で、光信号は、z方向に沿って伝播し、結合器1300、偏光依存ビームセパレータ1341および1342、ファラデー回転子1351、偏光回転子1352、および1/4波長板1361に垂直に入射するように示されている。一般に、光信号の伝播方向は、これらの構成要素に対して垂直入射であってもよく、垂直入射以外の入射角であってもよい。
【0184】
それぞれ
図1A、
図7A、
図7B、
図8、
図9に示されるコヒーレント感知ユニット100、700、710、800、900は、ターゲット照明に対して固定偏光を有する出力光信号を生じさせることができる。光コヒーレントセンシングの一部のアプリケーションでは、照明光信号の偏光状態を動的に調整できることが望ましい場合がある。
【0185】
図14は、本開示の一実施形態による、偏光ダイバーシティに基づいて光信号を送受信するコヒーレント感知ユニット1400の平面図を示し、送信される光信号の偏光は調整可能である。コヒーレント感知ユニット1400は、任意の偏光状態の入力光信号を検出するコヒーレント感知ユニット700、710、800、および900と同様である。コヒーレント感知ユニット1400とコヒーレント感知ユニット900との間の主な違いは、コヒーレント感知ユニット1400が、任意の偏光状態を有する出力光信号を出力結合するために使用され得る偏光多様化自由空間対導波路結合器を備えることである。さらに、任意の偏光状態の内部結合された光信号を、出力される光信号を搬送する導波路とは異なる導波路に導くことができる。
【0186】
より具体的には、
図14を参照すると、光源信号E
S1およびE
S2のうちの少なくとも1つがコヒーレント感知ユニット1400に供給される。光源信号E
S1およびE
S2はそれぞれ、導波路1421および1431を通じてコヒーレント感知ユニット1400に導かれる。いくつかの実施形態によれば、光源信号E
S1およびE
S2は同じ光源から来てもよい。このような状況では、E
S1およびE
S2から生じる出力光信号はコヒーレントに結合されて単一の光信号を形成する可能性がある。他の実施形態によれば、光源信号E
S1およびE
S2は、異なる光源から来てもよい。導波路1421および1431のいずれか一方または両方は、導波路1421および1431内の光信号間の相対位相を調整するために使用されるオプションの位相器に接続されてもよい。一例として、
図14では、導波路1431は、位相シフトされた光源信号E
S2を光信号E
4として導波路1432に向ける位相器1451に接続されてもよい。いくつかの実施形態によれば、位相器1451は、電気光学位相器または熱光学位相器であってもよいが、これらに限定されない。局部発振器(LO)E
LOは、導波管1434を介してコヒーレント感知ユニット1400に供給される。
【0187】
図14では、偏光多様化自由空間対導波路結合器1401(本明細書では簡単にするために「結合器1401」と呼ぶ)は、導波路1421、1422、1432、および1433に接続される4つの導波路結合器である。結合器1401は、送信機および受信機の両方として機能することができる。
【0188】
送信機として、
図14を参照すると、結合器1401は、導波路1421からの光信号E
1(光源信号E
S1と本質的に同じ)および導波路1432からの光信号E
4を、1つまたは複数の出力光信号として自由空間に結合することができる。それは、光コヒーレントイメージャによるターゲット照明に使用されてもよい。結合器1401によって出力される出力光信号は、x-y平面外の方向に伝播する(すなわち、E
outの伝播方向はゼロ以外のz成分を有する)。出力光信号は、結合器1401の設計によって定義される偏光状態で偏光される。いくつかの実施形態によれば、光信号E
1から生じる出力光信号は、光信号E
4から生じる出力光信号に対して直交偏光されるとよい。光信号E
1およびE
4がコヒーレントであるいくつかの実施形態によれば、出力光信号は、結合器1401の設計によって規定される偏光状態、ならびに光信号E
1およびE
4の振幅および相対位相を有する単一の出力光信号E
outとして現れることができる。
【0189】
受信機として、結合器1401は、入力光信号Einをコヒーレント感知ユニット1400に結合することができる。結合器1401によって結合された入力光信号Einは、入力光信号Einの偏光状態に応じて、導波路1422および1433のいずれかまたは両方に向けることができる。導波路1422および1433に結合される入力光信号Einの偏光成分は、結合器1401の設計に依存する。光信号E1がゼロ以外であるいくつかの実施形態によれば、光信号E1から生じる出力光信号Eoutの偏光成分と直交する入力光信号Einの偏光成分は、内部結合光信号E2として導波路1422に導かれるとよい。そして、導波路1422に導かれる入力光信号Einの偏光成分と直交する入力光信号Einの偏光成分は、内部結合光信号E3として導波路1433に導かれるとよい。光信号E4がゼロ以外である他の実施形態によれば、光信号E4から生じる出光信号Eoutの偏光成分と直交する入力光信号Einの偏光成分は、内部結合光信号E3として導波路1433に導かれるとよい。そして、導波路1433に導かれる入力光信号Einの偏光成分と直交する入力光信号Einの偏光成分は、内部結合光信号E2として導波路1422に導かれるとよい。
【0190】
図14では、結合器1401は単一の実体として描かれているが、結合器1401は一般に、単一のフォトニックコンポーネントまたは複数のフォトニックコンポーネントを備えることができる。結合器1401の実施形態は、以下に説明する
図15A、
図16A、および
図17Aに示されている。いくつかの実施形態によれば、
図1Aおよび
図1Bの結合器101と同様に、結合器1401は、TE-TMモードコンバータ、スプリッタ、およびコンバイナのいずれかを備えることもできる。
【0191】
図14では、分割カプラー1406は導波路1434からLO E
LOを分割し、LOの一部をLO E
LO,1として導波路1423に導き、LOの一部をLO E
LO,2として導波路1435に導く。導波路1423および1435にそれぞれ通過するLOの部分は、分割カプラー1406の分割比および損失に依存する。いくつかの実施形態によれば、分割カプラー1406は50/50分割カプラーであってもよい。他の実施形態によれば、分割カプラー1406は、50/50以外の分割比を有してもよい。
【0192】
図14では、構成要素1402は、導波路1422からの内部結合光信号E
2と導波路1423からのLO E
LO,1 を混合し、混合された信号を分割して導波路1424および1425に向ける2×2光カプラーである。いくつかの実施形態によれば、2×2光カプラー1402は、
図9のコヒーレント感知ユニット900の2×2光カプラー902と同様であるとよい。
【0193】
図14では、コンポーネント1403は、導波路1424からの光信号を受信して検出する二乗光検出器である。同様に、
図14では、コンポーネント1404は、導波路1425からの光信号を受信して検出する二乗光検出器である。いくつかの実施形態によれば、光検出器1403および1404は、
図9のコヒーレント感知ユニット900の光検出器903および904と同様であるとよい。
【0194】
図14では、
図9のコヒーレント感知ユニット900の2×2光カプラー912と同様に、コンポーネント1412は、導波路1433からの内部結合光信号E
3と導波路1435からのLO E
LO,2とを混合する2×2光カプラーであり、 混合信号を分割し、導波路1436と1437に送る。
【0195】
図14では、コンポーネント1413は、導波路1436からの光信号を受信して検出する二乗光検出器である。同様に、
図14では、構成要素1414は、導波路1437から光信号を受信して検出する二乗則光検出器である。いくつかの実施形態によれば、光検出器1413および1414は、
図9のコヒーレント感知ユニット900の光検出器913および914と同様であるとよい。
【0196】
図15Aは、本開示の一実施形態による、4つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器1500(本明細書では簡単にするために「結合器1500」と呼ぶ)を示す上面図である。
図15Bは、
図15Aに示された結合器1500を示す斜視図である。
図15Bはさらに、サブカプラー1501、1502、1503、および1504とそれぞれ結合する、偏光された出力および入力光信号E
01、E
24、E
34、およびE
04を示す。結合器1500は、
図15Aの破線で示すように、4つのサブカプラー1501、1502、1503、および1504を備える。いくつかの実施形態によれば、サブカプラー1501、1502、1503、および1504のそれぞれは、単一の導波路に結合される、格子結合器を含むがこれに限定されない自由空間対導波路結合器によって実現されてもよい。いくつかの実施形態によれば、サブカプラー1502および1503のそれぞれは、偏光独立自由空間対導波路結合器によって実現されてもよい。結合器1500は、
図13Aに示されるような結合器1300の修正実施形態であり、
図14のコヒーレント感知ユニット1400の導波路1432に接続されるサブカプラー1504が追加されている。
【0197】
図15Cは、本開示の一実施形態による光信号を結合するための4つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器1500とともに使用するための偏光変換分離構成1510を示す側面図である。
図15Fは、光信号を内部結合するために使用される
図15Cに示されるような構成1510を示す側面図である。構成1510は、結合器1500に到着する入力光信号E
24およびE
34と、結合器1500によって放出される出力光信号E
01およびE
04が共通の光路に沿って伝播することを可能にし、共通の光路は構成1510とターゲットとの間に位置する。
図15Dは、
図15Cに示された構成1510を示す別の側面図である。
図15Gは、
図15Fに示される構成1510を示す別の側面図である。光信号E
1およびE
4から生じる出力光信号、およびE
2およびE
3を生じる入力光信号の光路および偏光状態の実施形態が、
図15C、
図15D、
図15F、および
図15Gに示されている。簡単にするために、導波路1421、1422、1432、および1433は、
図15C、
図15D、
図15F、および
図15Gでは明示的に示されていない。
【0198】
例示の目的で、
図15Eは、
図15Cおよび
図15Dの光信号のx-y平面上の偏光状態および経路位置を示す上面図である。
図15Eはさらに、
図15Eにおける光信号の経路位置の基準としてx-y平面上のサブカプラー1501、1502、1503、および1504の位置を示す結合器1500の上面図の挿入図を示す。同様に、
図15Hは、
図15Fおよび
図15Gにおける光信号のx-y平面上の偏光状態および経路位置を示す上面図である。
図15Hの挿入図は、
図15Hの光信号の経路位置の基準としてx-y平面上のサブカプラー1501、1502、1503、および1504の位置を示す結合器1500を示す上面図である。
【0199】
図15C、
図15D、
図15F、および
図15Gに示される偏光変換分離構成1510は、1/4波長板1361が省略されていることを除いて、
図13C、
図13D、
図13E、および
図13Fに示される偏光変換分離構成1310と本質的に同じである。それは、ターゲット照明用の円偏光された出力光信号を生成するために使用される。結合器1500および偏光変換分離構成1510とともに動作するコヒーレント感知ユニット1400は、導波路1421および1432内の光信号E
1およびE
4の振幅および相対位相を調整することによって、直線偏光、円偏光または楕円偏光を含む任意の偏光状態を有する出力光信号をターゲット照明用に生成することができる。いくつかの実施形態によれば、偏光変換分離構成1510を使用して特定の偏光状態を有する出力光信号を生成するには、結合器1500のサブカプラー1501、1502、1503、および1504は、以下のような方法で設計および構成する必要がある場合がある。光信号E
13およびE
43から結合された出力光信号の偏光の空間変動を最小化するために、
図15C、
図15Dおよび
図15Eに示すように出力光信号E
13およびE
43の空間的重なりを最大化する。
【0200】
図15B、
図15C、
図15D、
図15F、および
図15Gでは、説明の目的で、光信号は、z方向に沿って伝播し、結合器1500、偏光依存ビームセパレータ1541および1542、ファラデー回転子1551に垂直に入射するように示されている。一般に、光信号の伝播方向は、これらの構成要素に対して垂直入射であってもよく、垂直入射以外の入射角であってもよい。
【0201】
図16Aは、本開示の別の実施形態による、4つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器1600(本明細書では簡単にするために「結合器1600」と呼ぶ)を示す上面図である。
図16Bは、
図16Aに示された結合器1600を示す斜視図である。
図16Bはさらに、サブカプラー1601および1602と結合する偏光された出力および入力光信号E
10、E
40、E
23、およびE
33を示す。結合器1600は、
図16Aの破線で示すように、2つのサブカプラー1601および1602を備える。いくつかの実施形態によれば、サブカプラー1601および1602のそれぞれは、
図1Bに示される偏光多様化自由空間対導波路結合器101、または
図2に示すような偏光多様化自由空間対導波路結合器200のいずれかによって実現されるとよい。結合器1600は、
図10Aに示す結合器1000の変形実施形態であり、光信号E
4を出力結合するために、
図16Aのコヒーレント感知ユニット1600のサブカプラー1602に接続する追加の導波路1432を有する。
【0202】
図16Bでは、例示の目的で、出力光信号E
10および入力光信号E
23が、異なる空間位置でサブカプラー1601と結合するように描かれている。一般に、出力光信号E
10および入力光信号E
23は、いくつかの実施形態によれば同じ空間位置で、または他の実施形態によれば異なる空間位置でサブカプラー1601と結合することができる。同様に、出力光信号E
40および入力光信号E
33は、いくつかの実施形態によれば同じ空間位置で、または他の実施形態によれば異なる空間位置でサブカプラー1602と結合することができる。
【0203】
図16Cは、本開示の別の実施形態による光信号を結合するための4つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器1600とともに使用するための偏光変換分離構成1610を示す側面図である。
図16Dは、光信号を内部結合するために使用される
図16Cに示される構成1610を示す側面図である。例示の目的で、
図16Eは、
図16Cにおける光信号の偏光状態を示す上面図である。一方、
図16Fは、
図16Dにおける光信号の偏光状態を示す上面図である。偏光変換分離構成1610は、
図10Cおよび
図10Dに示される偏光変換分離構成1010と本質的に同じである。光信号E
1およびE
4から生じる出力光信号、および光信号E
2およびE
3を生じる入力光信号の光路および偏光状態の実施形態を、
図16C、
図16D、
図16E、および
図16Fに示す。簡単にするために、導波路1421、1422、1432、および1433は、
図16Cおよび
図16Dでは明示的に示されていない。
【0204】
図16B、
図16C、および
図16Dでは、例示の目的で、光信号は、z方向に沿って伝播するように示されており、結合器1600、偏光依存性ビームセパレータ1641、ファラデー回転子1651、および偏光回転子1652に垂直に入射する。一般に、光信号の伝播方向は、これらの構成要素に対して垂直入射であってもよく、垂直入射以外の入射角であってもよい。
【0205】
図17Aは、本開示のさらなる実施形態による4つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器1700(本明細書では簡単にするために「結合器1700」と呼ぶ)を示す斜視図である。
図17Aはさらに、サブカプラー1701、1702、および1703と結合する偏光された出力および入力光信号E
01、E
04、E
24、およびE
34を示し、
図17Aの破線で示されるように、3つのサブカプラー1701、1702、および1703を備えている。いくつかの実施形態によれば、サブカプラー1701は、
図1Bに示されるような偏光多様化自由空間対導波路結合器101、または
図2に示されるような偏光多様化自由空間対導波路結合器200のいずれかによって実現されるとよい。一方、サブカプラー1702および1703のそれぞれは、単一の導波路に結合される格子結合器を含むがこれに限定されない自由空間対導波路結合器によって実現されてもよい。他の実施形態によれば、サブカプラー1702および1703のそれぞれは、偏光独立自由空間対導波路結合器によって実現されるとよい。結合器1700は、
図11Aに示す結合器1100の変形実施形態であり、導波路1421からの光信号E
1の出力結合に加えて、光信号E
4を出力結合するために、
図17Aのコヒーレント感知ユニット1700のサブカプラー1701に接続する追加の導波路1432を備える。
【0206】
図17Aでは、例示の目的で、出力光信号E
01および出力光信号E
04が、異なる空間位置でサブカプラー1701と結合するように描かれている。いくつかの実施形態によれば、出力光信号E
01および出力光信号E
04は、2つの出力光信号の空間的重なりを最大限にするために、同じ空間位置でサブカプラー1701と結合することができる。他の実施形態によれば、出力光信号E
01および出力光信号E
04は、異なる空間位置でサブカプラー1701と結合することができる。
【0207】
図17Bは、本開示のさらなる実施形態による、光信号を結合するための4つの導波路偏光多様化自由空間対導波路結合器1700とともに使用するための偏光変換分離構成1710を示す側面図である。
図17Cは、光信号を内部結合するために使用される、
図17Bに示される構成1710を示す側面図である。例示の目的で、
図17Dは、
図17Bの光信号の偏光状態を示す上面図である。一方、
図17Eは、
図17Cにおける光信号の偏光状態を示す上面図である。偏光変換分離構成1710は、
図11Bおよび
図11Cに示される偏光変換分離構成1110と本質的に同じである。光信号E
1およびE
4から生じる出力光信号、および光信号E
2およびE
3を生じる入力光信号の光路および偏光状態の実施形態を、
図17B、
図17C、
図17D、および
図17Eに示す。結合器1700とともに偏光変換分離構成1710を使用することにより、次のことが保証されるとよい。光信号E
13およびE
43からのコヒーレント結合光信号の偏光は、光信号E
01およびE
04からのコヒーレント結合光信号の偏光と本質的に同じであるために、信号E
01、E
10、E
11、E
12、およびE
13の光路長は、信号E
04、E
40、E
41、E
42、およびE
43の光路長と本質的に同じである。簡単にするために、導波管1421、1422、1432、および1433は、
図17Bおよび
図17Cでは明示的に示されていない。
【0208】
図17A、
図17B、および
図17Cでは、例示の目的で、光信号は、z方向に沿って伝播し、結合器1700、偏光依存ビームセパレータ1741および1742、ファラデー回転子1751、および偏光回転子1752に垂直に入射するように描かれている。一般に、光信号の伝播方向は、これらの構成要素に対して垂直入射であってもよく、垂直入射以外の入射角であってもよい。
【0209】
図18Aは、本開示の一実施形態によるコヒーレント光センサー1800を示す平面図である。コヒーレント光センサー1800は、コヒーレント感知アレイ1810と、PICチップ上に実装された光ルーティング回路1820および1830とを備える。
【0210】
図18Aでは、光ルーティング回路1820は、LO E
LOをコヒーレント感知アレイ1810にルーティングするために使用される。例えば、
図18Aの光ルーティング回路1820は、LO E
LOをコヒーレント感知アレイ1810の異なる行にルーティングする。光ルーティング回路1820は光導波路のネットワークを備え、LO E
LOの流れはネットワーク内の複数の光スイッチによって制御される。一例として、
図18Aでは、光ルーティング回路1820は、光スイッチ1821、1822、および1823を備え、これらは、マッハツェンダー干渉計(MZI)ベースの光スイッチ、またはMEMSベースの光スイッチであってもよいが、これらに限定されない。
【0211】
光ルーティング回路1820の他の実装も可能であることが理解される。例えば、
図18Aの光ルーティング回路1820は二分木の形態であってもよい。光スイッチは、LO E
LOを入力からスイッチの1つ以上の出力ポートに送る。いくつかの実施形態によれば、
図18Aの光スイッチ1821は、導波路1824内のLO E
LOを導波路1825および1826の一方または両方に向けることができる。
【0212】
光ルーティング回路1830は、光源信号ESをコヒーレント感知アレイ1810にルーティングするために使用される。いくつかの実施形態によれば、光ルーティング回路1830は、光ルーティング回路1820と同様の構造を示してもよい。一実施形態では、光ルーティング回路1830は、光スイッチ1831、1832、および1833を備えるバイナリツリーの形態であってもよい。他の実施形態によれば、光ルーティング回路1830は、光ルーティング回路1820とは異なる構造を示してもよい。
【0213】
図18Aでは、コヒーレント感知アレイ1810は、コヒーレント感知ユニット1801のアレイを備える。一実施形態では、コヒーレント感知アレイ1810は、4×6の長方形フォーマット(すなわち、4行6列)に配置された24個のコヒーレント感知ユニット1801を備える。
図18Bは、本開示の一実施形態によるコヒーレント感知アレイ1810の6つのコヒーレント感知ユニットの行を示す。
【0214】
図18Aでは、コヒーレント感知アレイ1810の各コヒーレント感知ユニット1801は、コヒーレント感知ユニットの光入力ポートとして機能する2つの導波路に接続されている。いくつかの実施形態によれば、コヒーレント感知ユニット1801は、
図1Aに示されるようなコヒーレント感知ユニット100であってもよい。他の実施形態によれば、コヒーレント感知ユニット1801は、
図7Aに示されるようなコヒーレント感知ユニット700であってもよい。さらに他の実施形態によれば、コヒーレント感知ユニット1801は、
図8に示すようなコヒーレント感知ユニット800であってもよい。さらなる実施形態によれば、コヒーレント感知ユニット1801は、
図9に示されるようなコヒーレント感知ユニット900であってもよい。
【0215】
図18Aでは、コヒーレント感知ユニット1801に接続された2つの導波路を使用して、光源信号E
SおよびLO E
LOをその感知ユニット1801に導くことができる。例えば、
図18Bを参照すると、導波路1843は、光源信号E
Sを、
図18Bの導波路1843および1844に接続されたコヒーレント感知ユニット1801に導くために使用されるとよい。一方、導波管1844は、LO E
LOを同じコヒーレント感知ユニットに導くために使用されるとよい。分割カプラーは、光源信号E
SおよびLO E
LOを異なるコヒーレント感知ユニット1801に分配するために、コヒーレント感知アレイ1810内で使用されるとよい。
図18Bに示すように、分割カプラー1811、1812、1813、1814、および1815を使用して、光源信号E
Sを6つのコヒーレント感知ユニット1801に分配することができる。分割カプラー1811、1812、1813、1814、および1815は、同じまたは異なる分割比を有してもよい。光源信号E
Sを6つのコヒーレント感知ユニット1801に均等に分配するいくつかの実施形態によれば、分割カプラー1811は5:1の分割比を有し、分割カプラー1812は4:1の分割比を有し、分割カプラー1813は3:1の分割比を有し、分割カプラー1814は2:1の分割比を有し、分割カプラー1815は1:1の分割比を有するとよい。同様に、
図18Bの実施形態によれば、分割カプラー1851、1852、1853、1854、および1855を使用して、LO E
LOを6つのコヒーレント感知ユニット1801に分配することができる。ここで、分割カプラー1851、1852、1853、1854、および1855は、LO E
LOを6つのコヒーレント感知ユニット1801に均等に分配してもよいし、均等に分配しなくてもよい分割カプラー1811、1812、1813、1814、および1815と同様である。
【0216】
図18Aのコヒーレント光センサー1800は、図には明示的に示されていないレーザー源、電気制御回路、および電気読み出し回路を備えることもできる。
【0217】
図19Aは、本開示の別の実施形態によるコヒーレント光センサー1900を示す平面図である。コヒーレント光センサー1900は、Hツリーのトポロジーにおける光ルーティング回路を介して光源信号E
Sに結合されるコヒーレント感知ユニット1901のアレイを備える。例えば、
図19Aに示されるようなコヒーレント光センサー1900は、8つのコヒーレント感知ユニット1901を有する3レベルのHツリーとして現れる。コヒーレント光センサー1900内のHツリー光ルーティング回路は、複数の光スイッチ1902に結合された導波路のネットワークによって構築される。
図19Aの光スイッチ1902は、
図18Aのコヒーレント光センサー1800の光スイッチ1821、1822、1823、1831、1832、および1833と同様であるとよい。
【0218】
図19Aに示されるように、コヒーレント感知ユニット1901のそれぞれは、光源信号E
Sをコヒーレント感知ユニットに供給する単一の導波路に結合されるとよい。光源信号E
Sは、ターゲット照明用の光源信号と、コヒーレント感知ユニット1901におけるヘテロダイン検波用のLOの両方として使用されるとよい。いくつかの実施形態によれば、コヒーレント感知ユニット1901のそれぞれは、
図7Bに示されるようなコヒーレント感知ユニット710であってもよい。他の実施形態によれば、コヒーレント感知ユニット1901のそれぞれは、
図1Aに示されるようなコヒーレント感知ユニット100、
図7Aに示されるようなコヒーレント感知ユニット700、
図8に示されるようなコヒーレント感知ユニット800、または
図9に示されるようなコヒーレント感知ユニット900であってもよい。ここで、分割カプラーを使用して、各コヒーレント感知ユニット1901に供給される光源信号E
Sを、光源信号として使用される光源信号E
Sの一部と、コヒーレント感知ユニットのためにLO E
LOとして使用されるE
Sの一部とに分割することができる。さらなる実施形態によれば、コヒーレント感知ユニット1901のそれぞれは、
図19Bに示されるようなコヒーレント感知ユニットグループ1910であってもよい。
図19Aのコヒーレント光センサー1900は、図には明示的に示されていないレーザー源、電気制御回路、および電気読み出し回路を備えることもできる。
【0219】
図19Bは、本開示の一実施形態によるコヒーレント感知ユニットグループ1910を示す平面図である。一実施形態では、コヒーレント感知ユニットグループ1910は、Hツリートポロジに配置された複数のコヒーレント感知ユニット1911を備える。例えば、
図19Bのコヒーレント光センサー1910は、4つのコヒーレント感知ユニット1911を有する2レベルのHツリーとして現れる。
図19Bでは、構成要素1913は、光源信号E
Sの一部をコヒーレント感知ユニットグループ1910のコヒーレント感知ユニット1911のそれぞれに供給するように光源信号ESを分割するために使用されるとよい分割カプラーである。いくつかの実施形態によれば、コヒーレント感知ユニットグループ1910のすべてのコヒーレント感知ユニット1911にソース信号を均等に分配するために、分割カプラー1913の分割比は50/50であってもよい。
図19Bでは、構成要素1912は、各コヒーレント感知ユニット1911に供給される光源信号E
Sを、光源信号としての光源信号E
Sの一部と、コヒーレント感知ユニットのLOとしての光源信号E
Sの一部とに分割するために使用されるとよい分割カプラーである。分割カプラー1912の分割比は、50/50であってもよく、そうでなくてもよい。
【0220】
図19Bでは、コヒーレント感知ユニット1911のそれぞれは、
図1Aに示されるようなコヒーレント感知ユニット100、
図7Aに示されるようなコヒーレント感知ユニット700、
図8に示されるようなコヒーレント感知ユニット800、または
図9に示されるようなコヒーレント感知ユニット900であってもよい。
【0221】
図20Aは、本開示のさらなる実施形態によるコヒーレント光センサー2000を示す平面図である。コヒーレント光センサー2000は、感知領域2010と、PICチップ上に実装された光ルーティング回路2020および2030とを備える。いくつかの実施形態によれば、感知領域2010は、複数のコヒーレント感知ユニットグループ2001を備える。各コヒーレント感知ユニットグループ2001は、ターゲット照明用の出力光信号を発する複数のコヒーレント感知ユニットを備え、出力光信号の偏光は調整可能である。
【0222】
図20Aでは、光ルーティング回路2020は、局部発振器E
LOを感知領域2010内のコヒーレント感知ユニットグループ2001にルーティングするために使用されるとよい。いくつかの実施形態によれば、光ルーティング回路2020は、コヒーレント光センサー1800の光ルーティング回路1820と同様であるとよい。
図20Aでは、光ルーティング回路2030は、光源光E
Sを感知領域2010内のコヒーレント感知ユニットグループ2001にルーティングするために使用されるとよい。いくつかの実施形態によれば、光ルーティング回路2030は、コヒーレント光センサー1800の光ルーティング回路1830と同様であるとよい。
【0223】
図20Bは、本開示の別の実施形態によるコヒーレント感知ユニットグループ2001を示す平面図である。コヒーレント感知ユニットグループ2001は、ターゲット照明用に調整可能な偏光を有する出力光信号を放射する複数のコヒーレント感知ユニット2002を備える。例示の目的で、
図20Bではコヒーレント感知ユニットグループ2001が4つのコヒーレント感知ユニット2002を含むように描かれている。各コヒーレント感知ユニット2002は、LO E
LOを内部結合するための1つの入力導波路と、光源光を内部結合するための2つの入力導波路を備える。ここで、2つの導波路における光源光の振幅および相対位相は、コヒーレント感知ユニット2002から放射される出力光信号の偏光状態を決定する。いくつかの実施形態によれば、コヒーレント感知ユニット2002は、
図14に図示されているようにコヒーレント感知ユニット1400によって実現されるとよい。
【0224】
図20Bに示されるように、各コヒーレント感知ユニットグループ2001は、LO E
LOをコヒーレント感知ユニットグループ2001のコヒーレント感知ユニット2002のそれぞれに分配するために、複数の分割カプラー2051、2052、および2053を備える。いくつかの実施形態によれば、分割カプラー2051、2052、および2053は、コヒーレント感知ユニットグループ2001の各コヒーレント感知ユニット2002にLO E
LOを均等に分配してもよいし、分配しなくてもよい分割カプラー1851、1852、1853、1854、および1855と同様であってもよい。
【0225】
図20Bに示すように、各コヒーレント感知ユニットグループ2001は、光源光E
Sを2つの部分に分割する光スイッチ2021を備えることができる。次いで、光源光E
Sの2つの部分は、分割カプラーを介して各コヒーレント感知ユニット2002に分配されるとよい。例えば、光源光E
Sの一部は、分割カプラー2011、2012、および2013を介してコヒーレント感知ユニット2002に分配されるとよい。いくつかの実施形態によれば、分割カプラー2011、2012、および2013は、コヒーレント感知ユニットグループ2001の各コヒーレント感知ユニット2002に光源光E
Sを均等に分配してもよくしなくてもよい分割カプラー1811、1812、1813、1814、および1815と同様であってもよい。同様に、光源光E
Sの一部は、分割カプラー2011、2012、および2013と同様の分割カプラー2014、2015、および2016を介して各コヒーレント感知ユニット2002に分配されるとよい。いくつかの実施形態によれば、コヒーレント感知ユニットグループ2001は、コンパクトなPICレイアウトにおいて最小の損失およびクロストークで光信号が互いに交差できるようにする導波路交差2022を備えるとよい。
【0226】
図20Cは、本開示の一実施形態による、マッハツェンダー干渉計ベースの光スイッチ2021を示す平面図である。マッハツェンダー干渉計である光スイッチ2021は、光スイッチ2021の出力部分を制御する位相器2031を含む。いくつかの実施形態によれば、位相器2031は、電気光学位相器または熱光学位相器であってもよい。
【0227】
図20Aのコヒーレント光センサー2000は、明示的に示されていないレーザー源、電気制御回路、および電気読み出し回路を備えてもよい。また、
図20Bのコヒーレント感知ユニットグループ2001は、明示的に示されていない電気制御回路および電気読み出し回路を備えるとよい。
【0228】
図21Aは、本開示の一実施形態による光コヒーレントイメージャ2100を示す側面図である。光コヒーレントイメージャ2100は、コヒーレント光センサー2101、偏光変換分離アセンブリ2102、および結像光学系2103を備える。また、光コヒーレントイメージャ2100は簡略化のために
図21Aには明示的に示されていないレーザー源、電子コントローラ、電子インターフェース、およびデジタル信号プロセッサのうちの任意の1つまたは複数を含むが、これらに限定されない他の構成要素を含んでもよい。
【0229】
図21Aのコヒーレント光センサー2101は、本開示の複数のコヒーレント感知ユニットを備えるセンサーである。いくつかの実施形態によれば、コヒーレント光センサー2101は、それぞれ
図18A、
図19A、および
図20Aに示されるコヒーレント光センサー1800、1900、および2000のうちの1つであるとよい。出力光信号は、ターゲット照明のためにコヒーレント光センサー2101から発せられる。コヒーレント光センサー2101の異なるコヒーレント感知ユニットから結像光学系2103を介して放射される出力光信号は、異なる視野位置の照明ビームを生じさせることができ、その結果、各視野位置は、コヒーレント光センサーのコヒーレント感知ユニットに対応する。
図21Aの結像光学系2103の詳細は、例示のみを目的として示されている。他の光学セットアップが結像光学系2103に使用されてもよい。コヒーレント光センサー2101で使用されるコヒーレント感知ユニットの特定の設計に応じて、いくつかの実施形態によれば、偏光変換分離アセンブリ2102は、
図4C、
図5A、
図5C、
図6A、
図6C、
図10C、
図11B、
図12A、
図13C、
図15C、
図16C、
図17Bに示される構成のうちの1つであってもよい。偏光変換分離アセンブリ2102は、ターゲット照明のためにコヒーレント光センサー2101から放射される出力光信号、およびコヒーレント光センサー2101によって受信される入力光信号(すなわち、ターゲット信号)が共通の光路に沿って伝播できるようにするために使用されるとよい。ここで、共通の光路はアセンブリ2102とターゲット2104との間にある。
【0230】
図21Aでは、光線2171は、光コヒーレントイメージャ2100の視野位置の光路例を示し、光線2172は、光コヒーレントイメージャ2100の別の視野位置の光路例を示す。結像光学系2103は、少なくとも1つの像面を有することができる。偏光変換分離アセンブリ2102は、結像光学系2103の像面に近接した位置に配置され得る。例えば、
図21Aでは、偏光変換分離アセンブリ2102は、結像光学系2103の最終像面2161に配置されるコヒーレント光センサー2101に近接した位置に配置される。
【0231】
図21Bは、最終像面2161付近における
図21Aのイメージャ2100を示す拡大図である。例示の目的で、
図21Bでは、偏光変換分離アセンブリ2102は、
図6Cに示される偏光変換分離構成として示されてもよい。
図21Bに示されるように、光コヒーレントイメージャ2100の視野位置のそれぞれについて、出力光信号に関して共通の光路を共有するターゲットからの入力光信号は、偏光依存ビームセパレータ401によって最終像面上で空間的に分離されるとよい。
図21Bでは、空間分離2198は、偏光依存ビームセパレータ401によってもたらされる入力光線2171と出力光線2171の空間分離である。空間分離2199は、偏光依存ビームセパレータ401によってもたらされる入力光線2172と出力光線2172の空間分離である。いくつかの実施形態によれば、結像光学系2103は、偏光依存ビームセパレータ401による空間分離が光コヒーレントイメージャ2100の視野全体にわたって均一になることを可能にする像空間テレセントリック性を有し得る。したがって、光線2171の空間分離2198は、光線2172の空間分離2199と同様であるとよい。さらに、光線2171の角度範囲2188も、光線2172の角度範囲2189と同様であるとよい。このような状況では、コヒーレント光センサー2101内のコヒーレント感知ユニットの偏光多様化自由空間対導波路結合器は、共通の入射角(例えば垂直入射)共通の角度範囲、および該当する場合はサブカプラー間の共通の間隔に従って光信号と最適に結合するように設計されるとよい。結像光学系2103が像空間テレセントリック性を持たない他の実施形態によれば、コヒーレント光センサー2101内のコヒーレント感知ユニットの偏光多様化自由空間対導波路結合器のそれぞれは、偏光変換分離アセンブリ2102および結像光学系2103の仕様に従って光信号と最適に結合するように個別に設計されるとよい。
【0232】
図21Cは、
図21Bの光コヒーレントイメージャの視野にわたるコヒーレント光センサー2101上の偏光依存ビームセパレータ401に関する通常光線(o線)および異常光線(e線)の例を示す偏光マップである。
図21Cにおいて、偏光2191はo線偏光の例を示し、偏光2192はe線偏光の例を示す。一例として、
図21Bのx-z平面上にある光軸498の向きによれば、o線偏光は、y方向に沿った主要な成分を有する直線偏光である。一方、e線偏光は、x方向に沿った主要な成分を持つ直線偏光である。結像光学系2103が正確に像空間テレセントリックであるいくつかの実施形態によれば、o線偏光とe線偏光の両方が光コヒーレントイメージャの視野にわたって不均一であってもよい。
図21Cに示す実施形態などの他の実施形態によれば、結像光学系2103が正確に像空間テレセントリックではない場合、o線およびe線の偏光は均一性から逸脱する可能性がある。いくつかの実施形態によれば、コヒーレント光センサー2101内のコヒーレント感知ユニットの偏光多様化自由空間対導波路結合器は、不均一性が無視されるように設計されてもよい。他の実施形態によれば、コヒーレント光センサー2101内のコヒーレント感知ユニットの偏光多様化自由空間対導波路結合器のそれぞれは、結像光学系2103の視野にわたって、o線およびe線の偏光の変化に従って光信号と最適に結合するように個別に設計されるとよい。
【0233】
図22Aは、本開示の別の実施形態による光コヒーレントイメージャ2200を示す側面図である。光コヒーレントイメージャ2200は、コヒーレント光センサー2201、結像光学系2203、および結像光学系2203の光学部品とともに配置された部品を備えた偏光変換分離アセンブリを備える。一例として、偏光変換分離アセンブリは、偏光依存ビームセパレータ2241および2242、ファラデー回転子2251、偏光回転子2252、および1/4波長板2261を備える。この偏光変換分離アセンブリは、構成1210における偏光依存ビームセパレータ1241によってもたらされる横方向変位の代わりに角度変位をもたらす偏光依存ビームセパレータ2241の使用を除いて、
図12Aおよび
図12Bの偏光変換分離構成1210と同様である。いくつかの実施形態によれば、偏光依存ビームセパレータ2241は複屈折ウェッジであってもよい。
図22Aでは、光線2271は、光コヒーレントイメージャ2200の視野位置の光路例を示し、光線2272は、光コヒーレントイメージャ2200の別の視野位置の光路例を示す。
【0234】
図22Bは、本開示の実施形態による、角度変位をもたらす偏光依存ビームセパレータ2241を通って伝播する光線と、横変位をもたらす偏光依存ビームセパレータ2242を通って伝播する光線を示す側面図である。
図22Bを参照すると、偏光依存ビームセパレータ2242は、入力光線に横方向の変位を生じさせることができ、その横方向の変位は光線の偏光に依存する。例えば、
図22Bでは、光線が偏光依存ビームセパレータ2242を通過するときに、光線のx偏光成分とy偏光成分は、異なる変位で横方向に変位される。対照的に、偏光依存ビームセパレータ2241は、入力光線に角変位を生じさせ、その角変位は光線の偏光に依存する。例えば、
図22Bでは、光線が偏光依存ビームセパレータ2241を通過するときに、光線のx偏光成分とy偏光成分は異なる角度で角変位する。
【0235】
図22Aに戻って参照すると、偏光依存性ビームセパレータ2242は、結像光学系2203の像面に近接した位置に配置され、一方、偏光依存性ビームセパレータ2241は、結像光学系2203の焦点面に近接した位置に配置されている。焦点面上の偏光依存ビームセパレータ2241による角度変位は、像面上で横方向変位を効果的に生じさせる可能性がある。偏光依存性ビームセパレータ2241の使用は、結像光学系2203内の偏光依存ビームセパレータ2241および2242、ファラデー回転子2251、偏光回転子2252、および四分の一波長板2261を含むが、これらに限定されない光学コンポーネントを配置するための様々な場所でのより大きな柔軟性を可能にするという利点を有するとよい。
【0236】
図22Aに示すように、ファラデー回転子2251、偏光回転子2252、および四分の一波長板2261は、光線の入射角が比較的小さい(すなわち、垂直入射に近い)結像光学系2203内の位置に配置されるとよい。いくつかの実施形態によれば、いくつかの偏光依存コンポーネントは、光コヒーレントイメージングの特定の用途に関して、他のコンポーネントよりも大きな性能許容差を有するとよい。例えば、光線の入射角に対して耐性のあるファラデー回転子2251は、偏光回転子2252と偏光依存性ビームセパレータ2242との間の任意の位置に配置されるとよい。別の例として、四分の一波長板2261は、異なる視野位置における光線の入射角の変化がより大きい位置に配置されてもよい。4分の1波長板2261は、法線入射における直線偏光の出力光信号を円偏光光信号に変換し、垂直入射以外の入射角における直線偏光の出力光信号を楕円偏光光信号に変換することができる。したがって、異なる視野位置における四分の一波長板2261上の入射角の変化の結果は、本質的に、ターゲットシーンの異なる位置の照明に対して異なる楕円偏光をもたらす可能性がある。これは、光コヒーレントイメージングの関連アプリケーションにとって重大な問題を引き起こすことはないかもしれない。さらに、
図20Aに示されるコヒーレント光センサー2000などのコヒーレント光センサー2201のいくつかの実施形態は、動的偏光調整を可能にすることができ、これにより、ターゲットシーンの異なる位置の照明に対する異なる楕円偏光の問題を軽減することができる。
【0237】
図22Aでは、偏光変換・分離アセンブリの構成要素は、結像光学系2203の光学構成要素とともに個別に配置される。いくつかの実施形態によれば、偏光変換分離アセンブリの構成要素のうちの1つまたは複数は、結像光学系2203の光学構成要素とともに集合的に配置されるとよい。
【0238】
図23は、本開示の一実施形態による、光信号を送受信するための共有パスを可能にする偏光多様化を使用する光コヒーレントイメージングの方法のフローチャートを示している。
【0239】
ステップ2301では、光源光は光源から生成される。
【0240】
ステップ2303において、光源光は、導波路回路を通って、光コヒーレントイメージャのコヒーレント光センサー内の1つまたは複数の偏光多様化自由空間対導波路結合器に導かれる。いくつかの実施形態によれば、導波路回路を通る光源光の導波は、制御システムを使用して導波路回路内の電気光学スイッチまたは熱光学スイッチを制御することによって達成されとよい。より具体的には、各ターゲットシーン位置は光コヒーレントイメージャの視野位置に対応し、それは光コヒーレントイメージャのコヒーレント光センサー内の偏光多様化自由空間対導波路結合器に対応する。
【0241】
ステップ2305では、光源光が導かれる選択された偏光多様化自由空間対導波路結合器(ここでは簡単にするために「カプラー」と呼ぶ)のそれぞれについて、光源光はカプラーから自由空間へ出力結合され、第1の偏光を有する出力光を生じさせる。ここで、自由空間とは、真空、空気、カプラーの表面上の領域、またはその中を伝播する光信号の波長よりもはるかに長い長さ(例えば、少なくとも10倍)スケールを持つ境界を持つ任意の均質な媒体を指す。いくつかの実施形態によれば、偏光多様化自由空間対導波路結合器は、
図1Bに関して図示および説明された結合器101によって実現されてもよく、
図2に関して図示され説明された結合器200によって実現されてもよく、
図3に関して図示され説明された結合器300よって実現されてもよく、
図10Aに関して図示され説明された結合器1000よって実現されてもよく、
図11Aに関して図示され説明された結合器1100よって実現されてもよく、
図13Aに関して図示され説明された結合器1300よって実現されてもよく、
図15Aに関して図示され説明された結合器1500よって実現されてもよく、
図16Aに関して図示され説明された結合器1600よって実現されてもよく、または
図17Aに関して図示され説明された結合器1700よって実現されてもよい。
【0242】
ステップ2307において、選択された偏光多様化自由空間対導波路結合器のそれぞれによって放射される出力光について、出力光の第1の偏光は、偏光変換構造によって第2の偏光に変換されるとよい。第2の偏光は、第1の偏光と同じであってもよく異なっていてもよい。第2の偏光は、直線偏光、円偏光、楕円偏光のいずれであってもよい。いくつかの実施形態によれば、偏光変換は、ファラデー回転子、偏光回転子、および1/4波長板を含むが、これらに限定されない光学部品の1つまたは組み合わせによって実現されてもよい。
【0243】
ステップ2307において、いくつかの実施形態によれば、さらに出力光の光路は、横方向もしくは角度方向に変位されるとよく、または横方向および角度方向の両方に変位されるとよい。この変位は、偏光依存性ビームセパレータなどの光路変位コンポーネントのうちの少なくとも1つによって実現されるとよいが、これに限定されない。いくつかの実施形態によれば、偏光変換および光路変位の動作は、ファラデー回転子、偏光回転子、1/4波長板、および偏光依存性ビームセパレータを含むが、これらに限定されない光学部品の組み合わせによって実現されてもよい。いくつかの実施形態によれば、そのような動作は、限定されないが、
図4C、
図5A、
図5C、
図6A、
図6C、
図10C、
図11B、
図12A、
図13C、
図15C、
図16C、および
図17Bに示される構成のうちの少なくとも1つによって実現されるとよい。いくつかの実施形態によれば、そのような動作のための構成は、結像光学系の他の光学部品とともに配置されてもよいし、配置されなくてもよい。例えば、
図22Aを参照すると、光路変位を伴う偏光変換構成は、結像光学系2203の光学部品(レンズ)とともに配置される部品2241、2242、2251、2252、および2261を含む。
【0244】
ステップ2309では、変換された出力光は、ステップ2303に従って選択された偏光多様化自由空間対導波路結合器に対応する光コヒーレントイメージャの視野位置に位置する1つまたは複数のターゲットに向けられる。いくつかの実施形態によれば、変換された出力光は、選択された結合器とターゲットとの間に配置された追加の結像光学系を用いてターゲットに向けることができる。
【0245】
ステップ2311では、ターゲットは、それらを照明する変換された出力光を反射または散乱するとよい。ターゲットからの反射光または散乱光は、ステップ2309で説明した選択された偏光多様化自由空間対導波路結合器に対応する撮像装置の視野位置で光コヒーレントイメージャによって受信されとよい。いくつかの実施形態によれば、反射光または散乱光は、選択された結合器とターゲットとの間に配置された追加の結像光学系で受信されてもよい。いくつかの実施形態によれば、光学結像システムは、ステップ2309の結像光学システムと同じであってもよい。
【0246】
ステップ2313では、ターゲットから反射または散乱された受信光は、ステップ2307で説明したように同じ偏光変換構造によって変換されるとよい。ステップ2311で説明した撮像装置の視野位置のそれぞれにおいて、受信光は、変換された出力光の第2の偏光と同じである第3の偏光を有する成分と、第3の偏光成分と直交する第4の偏光を有する成分の一方または両方を含むとよい。視野位置のそれぞれにおいて、偏光変換構成は、受信光の第3の偏光を、その位置における出力光の第1の偏光に直交する第5の偏光に変換することができる。同様に、偏光変換構成は、受信光の第4の偏光を、変換された受信光の第5の偏光に直交する第6の偏光に変換することができる。いくつかの実施形態によれば、視野位置のそれぞれにおいて、受信光の少なくとも1つの偏光成分の光路は、ステップ2307で説明したのと同じ光路変位成分によってさらに変位されてもよい。いくつかの実施形態によれば、変位される受信光の偏光成分は、第3および第4の偏光の一方または両方であってもよい。
【0247】
ステップ2315において、変換された受信光は、1つ以上の偏光多様化自由空間対導波路結合器を使用して、自由空間から内部結合導波路に結合されるとよい。いくつかの実施形態によれば、これらの偏光多様化自由空間対導波路結合器は、ステップ2305において出力偏光を放射するために使用される偏光多様化自由空間対導波路結合器の同じセットであってもよい。偏光多様化自由空間導波路結合器のそれぞれについて、偏光多様化自由空間対導波路結合器を介して変換された受信光の一部またはすべてを受け取る内部結合導波路の少なくとも1つは、ステップ2303に従って光源光をカプラーに導く導波路(つまり、出力結合導波路)とは異なる。
【0248】
一方で、より具体的には、いくつかの実施形態によれば、偏光多様化自由空間対導波路結合器は、結合器から放出される出力光の第1の偏光に直交する、変換された受信光の第5の偏光を、出力結合導波路とは異なる少なくとも1つの導波路に入力結合することができる。これは、変換された受信光の第5の偏光を出力結合導波路とは異なる入力結合導波路に結合する偏光多様化自由空間対導波路結合器の設計によって達成されるとよい。いくつかの実施形態によれば、これは、受信光の第3の偏光の光路変位によって達成されるとよい。その結果、変換された受信光の第5の偏光は、出力光が結合器から放射される空間的位置とは異なる空間的位置にある結合器に到達することができる。
【0249】
一方、いくつかの実施形態によれば、偏光多様化自由空間対導波路結合器は、変換された受信光の第5の偏光と直交し、変換された受信光の第6の偏光を、出力結合導波路とは異なる少なくとも1つの導波路に入力結合するとよい。これは、受信光の第4の偏光の光路変位によって達成されてもよい。その結果、変換された受信光の第6の偏光は、出力光が結合器から放射される空間的位置とは異なる空間的位置にある結合器に到達してもよい。いくつかの実施形態によれば、受信光の第3および第4の偏光の光路変位は、ステップ2313で説明したのと同じ光路変位コンポーネントを通じて実現することができる。
【0250】
ステップ2317において、内部結合導波路内で内部結合された受信光は、変換された受信光を内部結合する偏光多様化自由空間対導波路結合器に近接して配置された検出器によって検出されるとよい。その検出器は、ヘテロダイン検出装置に供給される局部発振器光を用いてヘテロダイン検出を実行するために、ヘテロダイン検出装置として配置されるとよい。
【0251】
ステップ2319では、検出された信号を処理して、ターゲットに関する情報を抽出することができる。信号の処理は、光コヒーレントイメージャの一部であってもよいし、光コヒーレントイメージャの一部でなくてもよい信号処理ユニットによって実行されるとよい。いくつかの実施形態によれば、ターゲットの情報には、ターゲットの座標およびターゲット表面の反射率が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態によれば、ターゲットの情報は、光コヒーレントイメージャからターゲットまでの距離を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、ターゲットの情報は、ターゲットの速度情報を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、距離および速度情報は、FMCW LIDARの手法に従ってステップ2301で光源を変調することによって取得され、検出信号のフーリエ変換によって抽出されるとよい。
【0252】
本開示を説明および定義する目的で、程度という用語(例:「実質的に」、「わずかに」、「約」、「同等の」など)が、定量的な比較、値、測定、または他の表現に起因する可能性がある固有の不確実性の程度を表すために本明細書で利用され得ることに留意されたい。このような程度の用語は、本明細書において、問題となっている主題の基本的な機能に変化をもたらすことなく、量的表現が記載された基準(例えば、約10%以下)から変化し得る程度を表すために利用されてもよい。本明細書に別段の記載がない限り、本開示に記載される数値は、程度の用語(例えば、「約」)によって修飾されているとみなされ、それによってその本質的な不確実性が反映される。本開示の様々な実施形態が本明細書で詳細に説明されているが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に記載されている本開示の精神および範囲から逸脱することなく、修正および他の実施形態を容易に理解するであろう。
【国際調査報告】