(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】モジュール出力極構造
(51)【国際特許分類】
H01R 4/30 20060101AFI20240130BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20240130BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20240130BHJP
H01M 50/567 20210101ALI20240130BHJP
H01R 4/70 20060101ALI20240130BHJP
H01R 11/01 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
H01R4/30
H01M50/296
H01M50/50 101
H01M50/567
H01R4/70 Z
H01R11/01 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540208
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(85)【翻訳文提出日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 CN2021141284
(87)【国際公開番号】W WO2022143470
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011610441.5
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522288153
【氏名又は名称】蜂巣能源科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SVOLT ENERGY TECHNOLOGY COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】No.8899,Xincheng Avenue,Jintan District,Changzhou,Jiangsu 213200,China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】單小林
(72)【発明者】
【氏名】徐冬
(72)【発明者】
【氏名】唐麗娟
(72)【発明者】
【氏名】張佳佳
【テーマコード(参考)】
5E012
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5E012BA49
5H040AA18
5H040AA20
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY08
5H043AA04
5H043AA05
5H043BA11
5H043DA01
5H043HA09D
5H043JA26D
(57)【要約】
モジュール出力極構造であって、互いに固定接続された出力極台座(1)と出力極挿入部材(2)を含み、前記出力極台座(1)内に台座バスバー(100)が設けられ、前記出力極挿入部材(2)内に前記台座バスバー(100)に電気的に接続される挿入部材バスバー(200)が設けられ、且つ前記台座バスバー(100)の一端は前記出力極台座(1)の外へ延在するアダプタ端(50)を構成し、前記挿入部材バスバー(200)の一端は前記出力極挿入部材(2)の外へ延在し、前記アダプタ端(50)と前記出力極挿入部材(2)は前記出力極台座(1)の両側にずらして設けられる。本開示のモジュール出力極構造は、良好な電気接続効果及び使用安全性を有するだけでなく、出力極サイズを減少することができ、高圧押圧時の安全性を向上させることもできる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール出力極構造であって、互いに固定接続された出力極台座(1)と出力極挿入部材(2)を含み、前記出力極台座(1)内に台座バスバー(100)が設けられ、前記出力極挿入部材(2)内に前記台座バスバー(100)に電気的に接続される挿入部材バスバー(200)が設けられ、且つ前記台座バスバー(100)の一端は前記出力極台座(1)の外へ延在するアダプタ端(50)を構成し、前記挿入部材バスバー(200)の一端は前記出力極挿入部材(2)の外へ延在し、前記アダプタ端(50)と前記出力極挿入部材(2)は前記出力極台座(1)の両側にずらして設けられる、ことを特徴とするモジュール出力極構造。
【請求項2】
前記出力極台座(1)は絶縁性の台座本体(101)と、前記台座本体(101)に設置された台座挿入接続部を含み、前記台座バスバー(100)は前記台座本体(101)内に位置し、前記アダプタ端(50)は前記台座本体(101)の外側へ延在し、且つ前記台座バスバー(100)の他端は前記台座挿入接続部に位置し、前記アダプタ端(50)と前記台座挿入接続部は前記台座本体(101)の両側にずらして設けられ、前記台座挿入接続部に締結嵌合部材が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール出力極構造。
【請求項3】
前記出力極挿入部材(2)は絶縁性の筐体と、前記筐体に設置された挿入部材挿入接続部とを含み、前記挿入部材バスバー(200)は前記筐体内に位置するとともに、一端が前記筐体の外へ延在し、前記挿入部材バスバー(200)の他端が前記挿入部材挿入接続部に位置し、前記挿入部材挿入接続部に締結部材が設けられ、且つ前記挿入部材挿入接続部は前記台座挿入接続部に挿入接続され、該両者の挿入接続に従い、前記挿入部材バスバー(200)は前記台座バスバー(100)に電気的に接続され、前記締結部材は前記締結嵌合部材に接続可能であり、前記出力極挿入部材(2)と前記出力極台座(1)を一体に固定接続する、ことを特徴とする請求項2に記載のモジュール出力極構造。
【請求項4】
前記台座挿入接続部は前記台座本体(101)に設置された挿入穴(10)であり、前記挿入部材挿入接続部は前記筐体に設置されたプラグ(20)であり、前記筐体に前記プラグ(20)を併せて貫通するように設置される貫通穴(30)が設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載のモジュール出力極構造。
【請求項5】
前記プラグ(20)と前記挿入穴(10)との間に両者の相対回転を制限する位置決め部が設けられ、前記筐体と前記台座本体(101)との間には、前記挿入穴(10)内への前記プラグ(20)の挿入につれて係止接続される係止接続部が設けられる、ことを特徴とする請求項4に記載のモジュール出力極構造。
【請求項6】
前記締結嵌合部材は前記台座バスバー(100)に固定接続されて前記挿入穴(10)内に固定されるナット(102)であり、前記締結部材は前記貫通穴(30)内に位置して前記挿入部材バスバー(200)に貫設されるボルト(203)であり、且つ前記ボルト(203)と前記ナット(102)との接続により、前記挿入部材バスバー(200)が前記台座バスバー(100)に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項4または5に記載のモジュール出力極構造。
【請求項7】
前記ナット(102)の外側には、前記台座バスバー(100)に固定接続された電気接続スリーブ(104)が嵌設され、前記挿入部材バスバー(200)には、前記ボルト(203)の周りに設置される電気接続リング(2001)が固定接続され、且つ前記ボルト(203)と前記ナット(102)との接続につれて、前記電気接続リング(2001)は前記電気接続スリーブ(104)に嵌設される、ことを特徴とする請求項6に記載のモジュール出力極構造。
【請求項8】
前記ナット(102)の頂端に絶縁スリーブ(103)が固定接続され、前記ボルト(203)の頭部に絶縁カバー(2031)が固定接続され、且つ前記絶縁カバー(2031)に前記ボルト(203)が前記貫通穴(30)から外れるのを制限するリミット円台(2032)が設置される、ことを特徴とする請求項6または7に記載のモジュール出力極構造。
【請求項9】
前記筐体は上筐体(201)と、前記上筐体(201)に係止接続された、前記挿入部材を有する下筐体(202)とを含み、前記挿入部材バスバー(200)は前記上筐体(201)と前記下筐体(202)との間に収納され、前記貫通穴(30)は前記上筐体(201)と前記下筐体(202)を貫通するように設置され、且つ前記上筐体(201)の頂部には、前記貫通穴(30)の周りに配置された止めリング(2011)が設けられ、前記筐体の前記挿入部材バスバー(200)が延出するための一端は、前記上筐体(201)と前記下筐体(202)に囲まれて形成されたラッパ口状に構成される、ことを特徴とする請求項4~8のいずれか1項に記載のモジュール出力極構造。
【請求項10】
前記台座バスバー(100)は横方向部分と、前記横方向部分の一端に位置する縦方向部分とを含み、且つ前記縦方向部分は前記横方向部分の一方側に配置され、前記縦方向部分に隣接して、前記横方向部分の一方側に切り欠き(105)が設置され、前記台座は前記台座バスバー(100)の形状に合わせて設置される、ことを特徴とする請求項3~9のいずれか1項に記載のモジュール出力極構造。
【請求項11】
前記台座本体(101)には、前記モジュール出力極構造をモジュールエンドプレート(40)に取り付けるための取付部が設けられる、ことを特徴とする請求項3~10のいずれか1項に記載のモジュール出力極構造。
【請求項12】
前記モジュールエンドプレート(40)に取付溝が設けられ、前記台座本体(101)は前記取付溝内に装着され、前記取付部は前記台座本体(101)に設置された係止接続構造を含み、前記係止接続構造に対応して、前記モジュールエンドプレート(40)に係止接続嵌合構造が設けられ、且つ前記台座本体(101)の底部に前記締結嵌合部材に対応して保護突起(109)が設けられ、前記取付溝の底部に前記保護突起(109)を逃がす逃げ溝(402)が設けられる、ことを特徴とする請求項11に記載のモジュール出力極構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は動力電池の技術分野に関し、特にモジュール出力極構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ますます深刻な環境問題とエネルギー問題に伴い、電気自動車の研究開発と生産にますます注目が集まっており、電気自動車の主要な部材として、動力電池の安全性は非常に重要である。通常、動力電池パックは、複数のモジュールを直列接続することで電力を増加させ、且つモジュールを直列接続した後の動力電池パックは、その電圧が通常300-500Vであり、ひいては800Vの高圧に達するものもある。
【0003】
従来のモジュール出力極構造は、生産、輸送、組立及びアフターメンテナンスにおける動力電池パックの高圧安全保護を満たすことができず、動力電池パックの被押圧方向のスペース占有率が大きいため、従来のモジュール出力極構造の使用が限定されていた。このため、動力電池システムの高圧安全保護問題を解決し、及び動力電池パックの高圧押圧安全問題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑み、本開示は、出力極の保護機能を向上させ、出力極のサイズを縮小し、モジュールの高圧押圧安全性を向上させることができるモジュール出力極構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本開示の技術的解決手段は以下のように実現される。
【0006】
モジュール出力極構造は、互いに固定接続された出力極台座と出力極挿入部材を含み、前記出力極台座内に台座バスバーが設けられ、前記出力極挿入部材内に前記台座バスバーに電気的に接続された挿入部材バスバーが設けられ、且つ前記台座バスバーの一端は前記出力極台座の外へ延在するアダプタ端を構成し、前記挿入部材バスバーの一端が前記出力極挿入部材の外へ延在し、前記アダプタ端と前記出力極挿入部材は前記出力極台座の両側にずらして設けられる。
【0007】
前記出力極台座は絶縁性の台座本体と、前記台座本体に設置された台座挿入接続部とを含み、前記台座バスバーは前記台座本体内に位置し、前記アダプタ端は前記台座本体の外側へ延在し、且つ前記台座バスバーの他端が前記台座挿入接続部に位置し、前記アダプタ端と前記台座挿入接続部は前記台座本体の両側にずらして設けられ、前記台座挿入接続部に締結嵌合部材が設けられる。
【0008】
前記出力極挿入部材は絶縁性の筐体と、前記筐体に設置された挿入部材挿入接続部とを含み、前記挿入部材バスバーは前記筐体内に位置するとともに、一端が前記筐体の外へ延在し、前記挿入部材バスバーの他端は前記挿入部材挿入接続部に位置し、前記挿入部材挿入接続部に締結部材が設けられ、且つ前記挿入部材挿入接続部は前記台座挿入接続部に挿入部材するように接続され、該両者の挿入接続に従い、前記挿入部材バスバーは前記台座バスバーに電気的に接続され、前記締結部材は前記締結嵌合部材に接続可能であり、前記出力極挿入部材と前記出力極台座を一体に固定接続する。
【0009】
前記台座挿入接続部は前記台座本体に設置された挿入穴であり、前記挿入部材挿入接続部は前記筐体に設置されたプラグであり、前記筐体に前記プラグを併せて貫通するように設置される貫通穴が設けられる。
【0010】
前記プラグと前記挿入穴との間に両者の相対回転を制限するための位置決め部が設けられ、前記筐体と前記台座本体との間には、前記挿入穴内への前記プラグの差し込みにつれて係止接続される係止接続部が設けられる。
【0011】
前記締結嵌合部材は前記台座バスバーに固定接続されて前記挿入穴内に固定されるナットであり、前記締結部材は前記貫通穴に位置して前記挿入部材バスバーの上に貫設されるボルトであり、且つ前記ボルトと前記ナットとの接続により、前記挿入部材バスバーが前記台座バスバーに電気的に接続される。
【0012】
前記ナットの外部には、前記台座バスバーに固定接続された電気接続スリーブが嵌設され、前記挿入部材バスバーには、前記ボルトの周りに設置される電気接続リングが固定接続され、且つ前記ボルトと前記ナットとの接続につれて、前記電気接続リングは前記電気接続スリーブに嵌設される。
【0013】
前記ナットの頂端に絶縁スリーブが固定接続され、前記ボルトの頭部に絶縁カバーが固定接続され、且つ前記絶縁カバーに前記ボルトが前記貫通穴から外れるのを制限するリミット円台が設置される。
【0014】
前記筐体は上筐体と、前記上筐体に係止接続される、前記挿入部材を有する下筐体とを含み、前記挿入部材バスバーは前記上筐体と前記下筐体との間に収納され、前記貫通穴は前記上筐体と前記下筐体を貫通するように設置され、且つ前記上筐体の頂部に前記貫通穴の周りに配置される止めリングが設けられ、前記筐体の前記挿入部材バスバーが延出するための一端は前記上筐体と前記下筐体に囲まれて形成されたラッパ口状に構成される。
【0015】
前記台座バスバーは横方向部分と、前記横方向部分の一端に位置する縦方向部分とを含み、且つ前記縦方向部分は前記横方向部分の一方側に配置され、且つ前記縦方向部分に隣接して、前記横方向部分の一方側に切り欠きが設置され、前記台座が前記台座バスバーの形状に合わせて設置される。
【0016】
前記台座本体には、前記モジュール出力極構造をモジュールエンドプレートに取り付けるための取付部が設けられる。
【0017】
前記モジュールエンドプレートに取付溝が設けられ、前記台座本体は前記取付溝内に装着され、前記取付部は前記台座本体に設置された係止接続構造を含み、且つ前記係止接続構造に対応し、前記モジュールエンドプレートに係止接続嵌合構造が設けられ、且つ前記台座本体の底部には前記締結嵌合部材に対応して保護突起が設けられ、前記取付溝の底部に前記保護突起を逃がす逃げ溝が設けられる。
【0018】
従来の技術と比べて、本開示は以下の利点を有する。
【0019】
本開示によるモジュール出力極構造は、台座バスバーのアダプタ端と出力極挿入部材が出力極台座の両側にずらして設けられるため、両者間の位置ずれ配置により出力極構造の全体サイズを縮小することができ、さらに、出力極の高圧押圧時の安全性を向上させることができる。
【0020】
なお、本開示は、締結部材と締結嵌合部材の接続により、挿入部材バスバーと台座バスバーが良好な電気接続効果を奏するだけでなく、出力極挿入部材が出力極台座に確実に接続され、モジュール出力極構造の使用安全性を向上させることができる。締結部材の頂端に絶縁カバーを設置するとともに、締結嵌合部材に絶縁スリーブを設置することによって、手が導電体に触れるのを効果的に回避し、感電を防ぎ、保護効果の向上に役に立つ。台座バスバーに切り欠きが設置されることによって、台座バスバーの曲げ応力を緩和すると同時に、台座バスバーの取付面積を確保する。
【0021】
また、本開示は、台座本体に設けられる係止接続構造とモジュールエンドプレートに設けられる係止接続嵌合構造により、モジュール出力極構造を容易にモジュールエンドプレートに取り付けることができ、且つ良好な接続効果を持ち、設けられた保護突起は、締結嵌合部材の露出を防止するために、締結嵌合部材を絶縁被覆するために使用され、且つ取付溝の底部に逃げ溝を設定することにより、保護突起の設置による組立干渉を防止することができ、これにより、モジュールエンドプレートへの台座の取付に役に立つ。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示の一部を構成する図面は、本開示のさらなる理解を提供するために使用され、本開示の模式的な実施例及びその説明は本開示を解釈するためのものであり、本開示の不適切な限定を構成しない。
【
図1】本開示の実施例によるモジュール出力極構造の構造模式図である。
【
図2】本開示の実施例による出力極台座の分解図である。
【
図3】本開示の実施例による出力極挿入部材の分解図である。
【
図4】本開示の実施例によるモジュールエンドプレートの構造模式図である。
【
図5】本開示の実施例によるモジュール出力極構造の使用状態の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
説明する必要がある点として、衝突がない場合、本開示における実施例及び実施例における特徴を組み合わせることができる。
【0024】
本開示の説明では、説明する必要がある点として、「上」、「下」、「内」、「外」など方向および位置関係を示す用語は図面に示す方向または位置関係に基づき、本開示の説明をしやすくするとともに記述を簡素化するためのものにすぎず、指している装置または部材が特定の方向、特定の方向での構成および操作を有しなければならないことを示すまたは暗に示すものではないため、本開示を制限するためのものとして理解されることができない。なお、「第1の」、「第2の」といった用語は目的を説明するためのものにすぎず、相対的に重要性を示す若しくは暗に示すことはできない。
【0025】
なお、本開示の説明では、特に明確に規定及び限定する場合を除き、「取付」、「連結」、「接続」「接続部材」は広義に理解されるべきである。例えば、固接することでもよく、取り外し可能に連結する又は一体に連結することでもよく、機械的接続でもよく、電気接続でもよく、直に連結することでもよく、中間の媒体を介して間接的に連結することでもよく、2つの部材の内部の連通でもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、本開示における上記の用語の具体的な概要を理解できる。
【0026】
以下、図面を参照して実施例と組み合わせて、本開示を詳細に説明する。
【0027】
本実施例はモジュール出力極構造に関し、全体の設計では、互いに固定接続された出力極台座と出力極挿入部材を備え、出力極台座内に台座バスバーが設けられ、出力極挿入部材内に台座バスバーに電気的に接続される挿入部材バスバーが設けられ、且つ台座バスバーの一端は出力極台座の外へ延在するアダプタ端を構成し、挿入部材バスバーの一端が出力極挿入部材の外へ延在し、アダプタ端と出力極挿入部材は出力極台座の両側にずらして設けられる。
【0028】
該全体の設計に基づいて、本実施例のモジュール出力極構造は、台座バスバーのアダプタ端と出力極挿入部材が出力極台座の両側にずらして設けられるため、両者間の位置ずれ配置により出力極構造の全体サイズを縮小することができ、さらに、出力極の高圧押圧時の安全性を向上させることができる。
【0029】
以上のような設計構想に基づいて、本実施例によるモジュール出力極構造の模式的な構造は、
図1と
図2に示すように、このとき、該模式的な構造では、出力極台座1は絶縁性の台座本体101と、台座本体101に設置された台座挿入接続部を含み、台座バスバー100は台座本体101内に位置し、アダプタ端50は、台座本体101の外へ延在する。同時に、台座バスバー100の他端は台座挿入接続部に位置し、アダプタ端50と台座挿入接続部が台座本体101の両側にずらして設けられ、台座挿入接続部に締結嵌合部材も設けられる。
【0030】
出力極挿入部材2は絶縁性の筐体と、筐体に設置された挿入部材挿入接続部とを含み、挿入部材バスバー200は筐体内に位置するとともに一端が筐体の外へ延在し、挿入部材バスバー200の他端は挿入部材挿入接続部に位置し、挿入部材挿入接続部に締結部材が設けられる。なお、該挿入部材挿入接続部は上記台座挿入接続部に挿入部材するように接続され、該両者の挿入接続に従い、挿入部材バスバー200は台座バスバー100に電気的に接続される。締結部材は締結嵌合部材に接続可能であり、出力極挿入部材2と出力極台座1を一体に固定接続する。
【0031】
また、
図1と
図2に示すように、出力極台座1は、主に絶縁性の台座本体101と、台座バスバー100と、台座挿入接続部とを含む。台座本体101は全体としてZ字形構造である。台座バスバー100は台座本体101の構造の形状に合わせてZ形状に曲がり、射出成形プロセスにより台座本体101内に固定される。且つ台座バスバー100の一端は台座本体101の外へ延在するアダプタ端50を構成し、
図1と
図5に示すように、該アダプタ端50はモジュールの出力端にはめ込んで接続される。台座バスバー100の他端は台座挿入接続部に位置し、且つアダプタ端50と台座挿入接続部が台座本体101の両側にずらして設けられ、台座挿入接続部に締結嵌合部材が設けられる。
【0032】
図2に示すように、台座挿入接続部は台座本体101に設置された挿入穴10であり、締結嵌合部材は台座バスバー100に固定接続されて挿入穴10内に固定されるナット102である。続いて
図2に示すように、台座本体101に中空の柱状の台座挿入接続本体が設置され、該台座挿入接続本体内に取付室が形成され、該取付室は上記の挿入穴10を構成する。上記の締結嵌合部材であるナット102は台座挿入接続本体内のチャンバーに設けられ、台座バスバー100に接続される。
【0033】
本実施例の台座バスバー100は、その構造がまた
図2に示すように、該台座バスバー100は横方向部分と、横方向部分の一端に位置する縦方向部分とを含み、且つ縦方向部分は横方向部分の一方側に配置される。ナット102は横方向部分に接続され、縦方向部分の曲げられ突出している一端が前述したアダプタ端50を構成する。また、縦方向部分に隣接して、横方向部分の一方側に切り欠き105が設置され、台座バスバー100の曲げ応力を解放するようにする。なお、台座本体101は台座バスバー100の形状に合わせて設置され、即ち台座バスバー100にあわせるように、台座本体101にも切り欠き105が設置され、これにより、台座バスバー100の取付面積を確保することができる。
【0034】
台座バスバー100とナット102との接続効果を容易に向上させるために、本実施例のナット102は特別なナット102であり、且つ円柱状のねじ部分と、ねじ部分に固定接続されて台座バスバー100の一端に接続される接続凸リングを有する。ナット102のねじ部分は台座バスバー100に形成される取付穴を突き通すことによって、接続凸リングと台座バスバー100が当接して接続され、台座バスバー100とナット102との接続が実現される。
【0035】
本実施例において、ナット102のねじ部分に台座バスバー100に固定接続される電気接続スリーブ104が嵌着され、該電気接続スリーブ104の台座バスバー100に当接される端面は外側に拡張する凸縁を有し、このように、台座バスバー100との当接面積を増加することができ、接続の信頼性を向上させるだけでなく、大電流の搬送にも耐えることができる。ここで説明する必要がある点として、該電気接続スリーブ104の材質は銅、アルミニウムが好ましいが、銅またはアルミニウム以外の導電性材料を使用してもよいことは言うまでもない。
【0036】
また、挿入接続操作時に手が導電性部材に触れるのを防止するために、ナット102の頂端に絶縁スリーブ103が固定接続され、該絶縁スリーブ103の外径サイズは上記の電気接続スリーブ104の内径サイズより大きく、且つ該絶縁スリーブ103は台座挿入接続本体の外へ延在する部分を有する。このようにすることで、後述の出力極挿入部材2との電気的接続に役に立つ一方で、電気接続スリーブ104に一定の程度の位置制限作用を与えることができる。
【0037】
ここで、説明する必要がある点として、台座バスバー100とナット102の接続凸リングをリベットで接続し、次に、電気接続スリーブ104をナット102に取り付け、絶縁スリーブ103を接着または射出成形によりナット102の頂端に固定接続し、このように、台座バスバー100、ナット102、電気接続スリーブ104及び絶縁スリーブ103はバスバーアセンブリを構成し、最後、該バスバーアセンブリを射出成形等のプロセスにより台座本体101内に嵌め込む。該構造は、台座挿入接続部とアダプタ端50をずらして設置することによって、出力極サイズを縮小することができ、取付スペースを節約し、且つ高圧押圧時の安全性を向上させることができる。
【0038】
モジュール出力極構造を外部部材、例えばモジュールエンドプレート40に容易に取り付けるために、本実施例では、台座本体101にモジュール出力極構造をモジュールエンドプレート40に取り付けるための取付部が設けられる。
図2、
図4及び
図5に示すように、モジュールエンドプレート40に取付溝が設けられ、台座本体101は取付溝内に装着される。取付部は、具体的に、台座本体101に設置された係止接続構造を有し、該係止接続構造に対応して、モジュールエンドプレート40に係止接続嵌合構造が設けられる。係止接続構造は台座本体101の両端に形成される係止接続ヘッド108である。係止接続ヘッド108にくり抜き穴が設置され、係止接続ヘッド108の変形に役に立ち、係止接続ヘッド108をモジュールエンドプレート40に形成される係止接続溝401に順調に係止させることができる。
【0039】
また、台座本体101の底部は締結嵌合部材に対応して、即ちナット102に対応して保護突起109が設けられ、ナット102を絶縁保護し、導電体の露出を防止するようにする。保護突起109の設置による組立干渉を防止するために、取付溝の底部に該保護突起109を逃がす逃げ溝402が設けられる。なお、モジュールエンドプレート40に形成された取付溝の挿入端のエッジは角が丸く設けられ、このように、鋭利なエッジが絶縁膜を傷つけるのを有効に防止することができる。
【0040】
本実施例は、設けられた係止接続ヘッド108と係止接続溝401との係止接続により、台座本体101とモジュールエンドプレート40の接続の信頼性を確保することができる。ここで、説明する必要がある点として、本実施例の取付部は台座本体101に設けられる挿入支柱であってもよく、挿入支柱の横断面の形状は多角形であり、モジュールエンドプレート40に形成された、台座本体101に合わせて設けられる取付室によって台座本体101をモジュールエンドプレート40に取り付けることを実現する。取付部には従来の技術における他の構造を採用してもよいことは言うまでもない。
【0041】
本実施例の出力極挿入部材2の構造は、
図1と
図3に示すように、該出力極挿入部材2は絶縁性の筐体、挿入部材バスバー200及び挿入部材挿入接続部を含む。挿入部材バスバー200は筐体内に位置し、一端が筐体の外へ延在し、他端が挿入部材挿入接続部に位置する。挿入部材挿入接続部は筐体に形成され、挿入部材挿入接続部に締結部材が設けられ、該挿入部材挿入接続部が上記の台座挿入接続部と挿入接続するように接続され、且つ該両者の挿入接続に従い、挿入部材バスバー200と台座バスバー100との間の電気接続が導通される。同時に、締結部材は締結嵌合部材に接続可能であり、その結果、出力極挿入部材2と出力極台座1が固定接続される。
【0042】
上記の挿入部材挿入接続部は筐体に設置されたプラグ20であり、且つ締結部材の取付を便利にするために、筐体にプラグ20を併せて貫通するように設置される貫通穴30が設けられる。
図1と
図2に示すように、上記筐体は上筐体201と、上筐体201に係止接続された、プラグ20を有する下筐体202とを含み、挿入部材バスバー200は上筐体201と下筐体202との間に収納される。貫通穴30は上筐体201と下筐体202を貫通するように設置され、このように、締結部材が該貫通穴30を突き通して、上記の締結嵌合部材に接続される。
【0043】
また、筐体の挿入部材バスバー200が延出するための一端は上筐体201と下筐体202に囲まれて形成されたラッパ口状に構成される。このように、Z形の挿入部材バスバー200は、その中部の絶縁皮膜被覆部分がラッパ口内に組み付けられ、アダプタ部分がIPXXBレベルの保護を達成するようにすると同時に、プロセス組立公差のために露出したり干渉したりすることはできない。
【0044】
上筐体201と下筐体202の接続を容易にするために、本実施例では、上筐体201と下筐体202のうちの一方に係止接続ブロック2022が設けられ、該係止接続ブロック2022に対応して、上筐体201と下筐体202のうちの他方に係止接続ブロック2022を係止するための係止穴2012が設けられる。
図3に示すように、係止接続ブロック2022は下筐体202に形成され、係止穴2012は上筐体201に形成され、係止接続ブロック2022と係止穴2012との係止接続により、挿入部材バスバー200が上筐体201と下筐体202との間に固定して収納される。
【0045】
本実施例の好ましい一実施手段として、本実施例のプラグ20における挿入穴10の断面は適合するように設けられた円形であり、該構造が簡単で加工と製造が容易であり、且つプラグ20と挿入穴10の挿入嵌合を採用することで、モジュール出力極構造の設計がよりコンパクトで且つ取付が簡単である。
【0046】
挿入穴10におけるプラグ20の回転を防止するために、本実施例において、挿入穴10とプラグ20との間に両者の相対回転を制限する位置決め部が設けられる。
図1から
図3に示すように、該位置決め部は、具体的に、プラグ20に形成され、プラグ20の周方向に沿って配置された複数の位置決めブロック2021を含み、位置決めブロック2021に対応して、台座挿入接続本体に複数の位置決め溝107が設置され、位置決め溝107への位置決めブロック2021の挿入接続により、出力極台座1への出力極挿入部材2の位置決めが実現され、且つ良好な位置決め効果を奏する。
【0047】
そして、出力極挿入部材2と出力極台座1との間の接続効果を更に向上させるために、筐体と台座本体101との間に、挿入穴10へのプラグ20の挿入につれて係止接続される係止接続部が設けられる。
図2と
図3に示すように、台座本体101に係止接続突起106が設置され、該係止接続突起106に対応して、筐体に形成されたプラグ20には係止接続突起106を係止するための係止接続穴2023が設置され、且つ、挿入穴10へのプラグ20の挿入につれて、位置決めブロック2021は位置決め溝107に位置決めして挿入され、且つ係止接続突起106は対応して係止接続穴2023内に係止され、出力極挿入部材2が出力極台座1から脱落するのを防止する。これにより、出力極挿入部材2と出力極台座1との間の接続効果を更に向上させることができる。
【0048】
ここで、指摘する必要がある点として、位置決めブロック2021及び位置決め溝107の設置位置及び対応する設置の数は限定されず、その設置原則は、位置決め溝107への位置決めブロック2021の挿入によりプラグ20が挿入穴10に対して回転するのを防止することができることである。また、係止接続突起106と係止接続穴2023の設置位置及び数は限定されず、出力極挿入部材2が出力極台座1から脱落するのを防止すればよい。
【0049】
また、本実施例の締結部材は具体的に、締結部材が貫通穴30に位置して挿入部材バスバー200に貫設されるボルト203であり、且つボルト203と上記のナット102との接続により、挿入部材バスバー200が台座バスバー100に電気的に接続され、且つ電気接続はよりしっかりと信頼性がある。
【0050】
上記の台座バスバー100における電気接続スリーブ104と良好に電気接続するために、本実施例では、挿入部材バスバー200に、ボルト203の周りに設置された電気接続リング2001が固定接続され、これによりボルト203とナット102との接続につれて、電気接続リング2001は電気接続スリーブ104に嵌設されることができる。このように、台座バスバー100と挿入部材バスバー200との電気接続をより信頼できるものにすることができる。
【0051】
保護効果の向上に役に立ち、人の手が直接導電体に触れるのを防止するために、本実施例は、ナット102の頂端に絶縁スリーブ103が固定接続されるに加え、ボルト203の頭部に絶縁カバー2031が固定接続され、保護レベルを更に向上させる。同時に、該絶縁カバー2031に、ボルト203が貫通穴30から外れるのを制限するリミット円台2032が設置される。また、上記の上筐体201の頂部には、貫通穴30の周りに配置される止めリング2011が設けられ、リミット円台2032は止めリング2011内に取り付けて形成される。
【0052】
本実施例は、設けられたリミット円台2032及び止めリング2011により、挿入部材バスバー200及びボルト203を良くブロックすることができ、挿入部材バスバー200の露出及びボルト203が外れたときの露出を防止することができ、これにより、保護レベルを更に向上させることができる。
【0053】
本実施例のモジュール出力極構造は、台座バスバー100を射出成形により台座本体101に固定し、挿入部材バスバー200を筐体内に嵌め込むことによって、該モジュール出力極構造の外観輪郭サイズが小さく設計され、取付スペースを節約できる。これにより、狭いスペース内への取付に便利であり、且つIPXXB保護レベルを満たす。また、該構造は、挿入部材バスバー200と台座バスバー100が良好な電気接続効果を奏することができるだけでなく、出力極挿入部材2を出力極台座1に確実に接続させることができ、これにより、モジュール出力極構造の使用安全性を高めることができる。なお、アダプタ端50と台座挿入接続部とをずらして設置することによって、出力極構造のサイズを更に減少することができ、高圧押圧時の安全性を向上させることができ、良好な使用効果を奏する。
【0054】
以上は本開示の好ましい実施例に過ぎず、本開示を制限するためのものではなく、本開示の精神と原則から逸脱しない限り、行われた修正、等価置換、改善等は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
【0055】
本開示は、2020年12月30日に中国特許局に提出された、特許出願番号が202011610441.5、出願名称が「モジュール出力極構造」である中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は援用により本開示に組み込まれる。
【符号の説明】
【0056】
1 出力極台座
101 台座本体
102 ナット
103 絶縁スリーブ
104 電気接続スリーブ
105 切り欠き
106 係止接続突起
107 位置決め溝
108 係止接続ヘッド
109 保護突起
2 出力極挿入部材
201 上筐体
2011 止めリング
2012 係止穴
202 下筐体
2021 位置決めブロック
2022 係止接続ブロック
2023 係止接続穴
203 ボルト
2031 絶縁カバー
2032 リミット円台
10 挿入穴
20 プラグ
30 貫通穴
40 モジュールエンドプレート
401 係止接続溝
402 逃げ溝
50 アダプタ端
100 台座バスバー
200 挿入部材バスバー
2001 電気接続リング
【国際調査報告】