(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】容器を保持するための装置および容器処理装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/86 20060101AFI20240130BHJP
B67C 3/24 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
B65G47/86 Z
B67C3/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540487
(86)(22)【出願日】2022-01-04
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 EP2022050060
(87)【国際公開番号】W WO2022144460
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】102021100027.0
(32)【優先日】2021-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508120916
【氏名又は名称】クロネス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェーンフェルダー,マーカス
【テーマコード(参考)】
3E079
3F072
【Fターム(参考)】
3E079AB01
3E079BB07
3E079DD50
3E079FF03
3F072AA08
3F072GE01
3F072GG03
3F072HA06
(57)【要約】
本発明は、旋回平面(21)で相対して旋回可能であり、それぞれが保持されるべき容器(7)を保持するための保持部(20)を有する2つの把持アーム(2)と、旋回平面(21)に相対して長手軸線(30)に沿って移動可能な昇降ロッド(3)と、一方の把持アーム(2)に回転不可能に配置された旋回レバー(23)と回転可能に結合され、かつ昇降ロッドと回転可能に結合された結合部材(4)と、さらに昇降ロッド(3)との結合部材(4)のカップリング(41)と旋回レバー(23)との結合部材(4)のカップリング(42)との間で方向付けられた幾何学的軸線(46)に対して予め定められた位置で結合部材(4)を保持するように形成された磁石アセンブリ(8)とを備える、容器処理装置(100)において容器(7)を保持するための、好ましくは飲料容器(7)を首部または胴部で保持するための装置(1)、ならびにこのような装置を備える容器処理装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回平面(21)で相対して旋回可能であり、それぞれが保持されるべき容器(7)を保持するための保持部(20)を有する2つの把持アーム(2)と、前記旋回平面(21)に相対して長手軸線(30)に沿って移動可能な昇降ロッド(3)と、一方の把持アーム(2)に回転不可能に配置された旋回レバー(23)と回転可能に結合され、かつ前記昇降ロッドと回転可能に結合された結合部材(4)と、を備える容器処理装置(100)において容器(7)を保持するための、好ましくは飲料容器(7)を首部または胴部で保持するための装置(1)において、
前記昇降ロッド(3)との前記結合部材(4)のカップリング(41)と、前記旋回レバー(23)との前記結合部材(4)のカップリング(42)との間で方向付けられた幾何学的軸線(46)に対して予め定められた向きで前記結合部材(4)を保持するように形成された磁石アセンブリ(8)を特徴とする、装置。
【請求項2】
前記磁石アセンブリ(8)は、前記結合部材(4)において、昇降ロッド(3)の方向を指す少なくとも1つの磁石要素(80)を有し、かつ前記昇降ロッド(3)の側に、結合部材(4)の方向を指す少なくとも1つの磁石要素(81)を有し、前記磁石要素(80、81)は、実質的に向き合うように配置され、前記磁石要素(80、81)は、同じ極性で互いに向かって指すように方向付けられることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記昇降ロッド(3)の側の複数の磁石要素(81)の向かい側に位置する複数の磁石要素(80)が前記結合部材(4)に設けられ、好ましくは前記結合部材(4)の前記幾何学的軸線(46)に対して、少なくとも一対の向き合う磁石要素(80、81)が前記幾何学的軸線(46)に対して一方の側に、かつ少なくとも一対の向き合う磁石要素(80、81)が前記幾何学的軸線(46)に対して他方の側に配置されることを特徴とする、請求項2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記把持アーム(2)は共通の旋回軸線を中心に旋回可能に配置されるか、または前記把持アーム(2)はそれぞれ1つの自身の旋回軸線(22)を有し、前記自身の旋回軸線を中心に旋回可能に配置され、ならびに/あるいは両方の把持アーム(2)は、それぞれが結合部材(4)を介して前記昇降ロッド(3)と結合されるそれぞれ1つの旋回レバー(23)を有するか、または前記把持アーム(2)は、好ましくは2つの噛合う歯車を介して互いに回転結合されることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記結合部材(4)は、ボールジョイント(45)により前記昇降ロッド(3)と結合されること、ならびに/あるいは前記旋回レバー(23)は、ボールジョイント(45)により前記結合部材(4)と結合されること、ならびに/あるいは前記結合部材(4)は、前記把持アーム(2)の旋回位置を調整するための調整要素(43)、好ましくは偏心要素を有し、好ましくは前記昇降ロッド(3)との前記結合部材(4)の前記カップリング(41)と前記旋回レバー(23)との前記結合部材(4)の前記カップリング(42)との間の距離(48)が前記調整要素(43)を調節することによって変更可能であること、を特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記昇降ロッド(3)がキャリッジ要素(31)を含み、少なくとも1つの前記結合部材(4)が前記キャリッジ要素(31)と結合され、好ましくは前記長手軸線(30)に対して一方の側で前記結合部材(4)が前記キャリッジ要素(31)と結合され、他方の側で前記結合部材(4)が前記旋回レバー(23)と結合され、前記キャリッジ要素(31)は、好ましくはS字形に形成され、かつ中央部(32)で前記昇降ロッド(3)と接続され、好ましくは前記キャリッジ要素(31)が前記磁石アセンブリ(8)の少なくとも1つの磁石要素(81)を備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記把持アーム(2)によって保持される容器(7)の方向付けに対して、前記昇降ロッド(3)への前記結合部材(4)の前記カップリング(41)が、前記長手軸線(30)の方向で前記旋回レバー(23)との前記結合部材(4)の前記カップリング(42)の上方に配置されるか、または前記昇降ロッド(3)への前記結合部材(4)の前記カップリング(41)が、前記長手軸線(30)の方向で前記旋回レバー(23)との前記結合部材(4)の前記カップリング(42)の下方に配置されること、ならびに/あるいは前記少なくとも1つの旋回レバー(23)と少なくとも1つの前記結合部材(4)との間の前記カップリング(42)は、旋回軸線(22)に対して前記保持部(20)の向かい側に配置されるか、または前記少なくとも1つの旋回レバー(23)と前記少なくとも1つの結合部材(4)との間の前記カップリング(42)は、前記旋回軸線(22)に対して前記保持部(20)の側に配置されること、を特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記昇降ロッド(3)は、前記把持アーム(2)の向かい側に、前記長手軸線(30)に対する前記昇降ロッド(3)の位置を制御するための制御ユニット(5)を有し、前記制御ユニット(5)は、前記昇降ロッド(3)を予め定められた位置へ付勢するための、好ましくは付勢要素(50)、好ましくはばね、および/または前記昇降ロッド(3)の位置を指定するための指定装置と相互作用するための相互作用部(51)を備え、前記相互作用部は、好ましくは摺動要素、ボルト、および/またはローラ(52)の形で、好ましくは、ガイドカムまたは案内溝として形成された指定装置上を摺動および/または転動するように形成されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記昇降ロッド(3)は、前記長手軸線(30)の方向に相対して移動可能な2つのロッド要素(33、34)を含み、前記ロッド要素(33、34)は、前記長手軸線(30)の方向にばね要素(35)を介して結合されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記昇降ロッド(3)は、前記容器処理装置(100)のハウジング(120)の、前記昇降ロッド(3)が通って延びるハウジング開口(121)に対して前記昇降ロッド(3)を密封するためのシール(36)を含み、好ましくは、前記シール(36)は前記昇降ロッド(3)に取り付けられ、および/または前記シール(36)は、前記ハウジング開口(121)に取り付けられるように形成され、前記シール(36)は、好ましくは、動作中に前記把持アーム(2)を旋回させるために必要な前記昇降ロッド(3)のストロークを補償するように形成され、前記シール(36)は、好ましくはシリコーン材料を含むおよび/またはベローズとして形成されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項11】
カップリングハウジング(6)が少なくとも1つの前記結合部材(4)と前記少なくとも1つの旋回レバー(23)を収容し、好ましくは前記昇降ロッド(3)が前記カップリングハウジング(6)の好ましくは密封された開口(60)を通って延び、前記把持アーム(2)はそれぞれ、前記把持アーム(2)の旋回軸線(22)を中心に旋回可能なシャフト(24)に取り付けられ、前記シャフト(24)は、前記カップリングハウジング(6)の好ましくは密封された孔(61)を通って延びることを特徴とする、請求項2から8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項12】
容器(7)を移送するための移送装置(110)を備える、容器処理装置(100)において、
前記移送装置(110)が、請求項1から11のいずれか一項に記載の容器(7)を保持するための装置(1)を有することを特徴とする、容器処理装置。
【請求項13】
閉鎖空間を提供するためのハウジング(120)をさらに備え、前記把持アーム(2)が前記ハウジング(120)の内部に配置され、前記昇降ロッド(3)がハウジング開口(121)を通って延び、制御ユニット(5)が、前記ハウジング(120)の外側に、好ましくは前記ハウジング開口(121)の上方に配置される、請求項12に記載の容器処理装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器処理装置において容器を保持するための、例えば容器閉鎖装置において飲料容器を首部または胴部で保持するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲料充填設備において、充填されるべき容器もしくはすでに充填された容器をそれぞれ、容器を保持するための装置によって保持すること、およびこのようにして容器処理装置の個々の処理ステーションを通って移送することが知られている。その場合、それぞれの処理されるべき容器を様々に保持する、それぞれの容器を保持するための様々な装置が知られている。
【0003】
例えば、容器を保持するための受動的装置もしくは受動的クランプが知られ、これらは容器を保持するための装置にそれぞれの容器を挿入するだけで弾性的に付勢され、次いでそれぞれの容器を保持する。容器を把持するためのこのようなクランプは特許文献1から知られている。その場合、クランプは固定位置を有する。容器を把持するためには容器をクランプに押し込まなければならない。その場合、剛性の把持アームが外向きに拡開され、したがって、クランプの拡開により生じる把持アームの閉鎖力に逆らって容器を動かさなければならない。これによって挿入時に容器に大きい力がかかるため、壊れやすい、および/または容易に変形可能な、ならびに肉薄の容器を把持もしくは保持するのにこのような保持装置は適していない。さらに、それぞれの容器の表面にひっかき傷がつきやすく、それにより容器の品質が低下する可能性がある。
【0004】
さらに、容器を保持するための装置のそれぞれの保持部の開閉がアクチュエータによって能動的に行われる容器を保持するための能動的装置もしくは能動的クランプが知られている。容器を保持するためのこのような能動的装置は、特に、容器を保持するための前置の装置からそれぞれの容器を確実かつ慎重に受け取ることを可能にするため、または容器を保持するための後続の装置に容器を同様に確実に、かつ容器を傷つけないように引き渡すことを保証するために用いられる。特に、容器を保持するためのそれぞれの装置を能動的に開閉することによって、例えば容器にひっかき傷をつける可能性のあるそれぞれの容器の高い摩擦を回避でき、その一方で、容器寸法の予め定められた公差範囲内で遵守できる予め定められた保持力または締付力に調整することができる。容器を保持するためのこのような能動的装置は、多数の個別部品、例えばクランプアーム、ブシュ、ばね要素、付勢要素、およびこれらの部品を確実に接続するための対応する接続要素、ならびにクランプアームもしくは保持部の位置を制御するための、例えばアクチュエータ、ローラ、歯などの制御要素から構成される。したがって、そのような構造の容器を保持するための装置は清掃に手間がかかり、それに対応して製造コストが高い。容器を保持するためのこのような装置は、例えば特許文献2または特許文献3から知られている。
【0005】
飲料充填設備において、充填された製品は多くの場合汚染されやすく、例えば容器の充填または容器蓋での容器の閉鎖は、例えばクリーンルームまたはアイソレータ(Isolator)によって提供される特殊な雰囲気下で行われる。
【0006】
例えば特許文献4または特許文献5から読み取ることができるように、清掃の手間を軽減するために、クランプアームの位置を制御するか、もしくは指定する制御ユニットをクリーンルームの外側に配置することが知られている。移送装置の回転軸線に対して、容器を保持するための装置の半径方向内側に制御ユニットが配置されることにより、それに対応して必然的に、半径方向に比較的大きい移送装置の構造空間が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第102015218204号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/085068号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102009043984号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102010049026号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第102012112946号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
既知の先行技術を出発点として、本発明の課題は、容器処理装置において容器を保持するための、好ましくは容器閉鎖装置において飲料容器を首部または胴部で保持するための改善された装置、ならびに対応する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、請求項1の特徴を有する、容器処理装置において容器を保持するための、好ましくは容器閉鎖装置において飲料容器を首部または胴部で保持するための装置によって解決される。有利な発展形態は、従属請求項、本明細書、および図から明らかになる。
【0010】
したがって、旋回平面で相対して旋回可能であり、それぞれが保持されるべき容器を保持するための保持部を有する2つの把持アームと、旋回平面に相対して長手軸線に沿って移動可能な昇降ロッドと、一方の把持アームに回転不可能に配置された旋回レバーと回転可能に結合され、かつ昇降ロッドと回転可能に結合された結合部材と、を備える容器処理装置において容器を保持するための、好ましくは飲料容器を首部または胴部で保持するための装置が提案される。装置は、昇降ロッドとの結合部材のカップリングと、旋回レバーとの結合部材のカップリングとの間で方向付けられた幾何学的軸線に対して予め定められた位置で結合部材を保持するように形成された磁石アセンブリをさらに備える。
【0011】
装置が、旋回平面に相対して長手軸線に沿って移動可能な昇降ロッドと、一方の把持アームに回転不可能に配置された旋回レバーと回転可能に接続され、かつ昇降ロッドと回転可能に接続された結合部材とを備えることによって、容器移送装置の半径方向の最小構造空間を従来の装置に比べて小さくすることができる。半径方向内側から制御する代わりに、容器を保持するための装置のクランプアームの制御部(Ansteuerung)を旋回平面に対して上または下に配置することができる。ここには基本的に無制限の構造空間が存在する。それによっても、容器を保持するための装置を移送装置の回転軸線のより近くに取り付けることが可能になる。
【0012】
それに加えて、移動可能な昇降ロッドと容器処理装置のハウジングとの間には、旋回もしくは回転する制御要素の場合よりも簡単に密封を作成することができ、特に、昇降ロッドおよびハウジングに静的密封を行うことができる。
【0013】
これに加えて、充填物による汚染がまずないか、またはごくわずかな領域に制御部もしくは制御ユニットを簡単に置くことができる。換言すれば、制御部または制御ユニットをクリーンルームの外側に配置することもできる。
【0014】
さらに、装置が、昇降ロッドとの結合部材のカップリングもしくは接続部と、旋回レバーとの結合部材のカップリングもしくは接続部との間で方向付けられた幾何学的軸線に対して予め定められた位置で結合部材を保持するように形成された磁石アセンブリを備えることによって、結合部材が装置の動作中に幾何学的軸線を中心に傾動せず、それにより昇降ロッド、または昇降ロッドを少なくとも部分的に収容するハウジング部分と接触しないことを達成できる。したがって、それによって、装置の動作中に昇降ロッドおよび/またはハウジング部分に結合部材が不都合にも擦れ、擦れることにより生じる破片により、対応する領域の機械的摩耗、ならびに充填物および/または保持されるべき容器、および装置を含む設備の他の部分の汚染の危険が引き起こされることを回避できる。
【0015】
したがって、磁石アセンブリは、コストと、さらには追加の不都合な摩擦とを引き起こすかもしれないばねまたは滑り軸受などの追加の摩耗部品を必要とすることなしに、昇降ロッドもしくはハウジング部分に対する結合部材、または幾何学的軸線に対する結合部材の回転角度位置の釣り合い(Austarieren)を提供する。
【0016】
磁石アセンブリは、結合部材と昇降ロッドとの間、ならびに/または結合部材と昇降ロッドを少なくとも部分的に収容するハウジング部分および/もしくは昇降ロッドの空間的に割り当てられた別の要素との間に殊に磁力、殊に磁石の反発力を提供し、提供された磁力によって、結合部材が予め定められた位置、したがって幾何学的軸線に対する回転角度位置に保持される。
【0017】
昇降ロッドに対する、および/または旋回レバーに対する旋回レバー(Schwenkhebel)の回転性が少なくとも2つ、好ましくは3つのそれぞれ互いに直交に方向付けられる軸線を中心に、それぞれ少なくとも予め定められた旋回角度分の旋回を可能にする場合が有利であることが判明した。複数の軸線を中心とした旋回は、自由度、したがって軸線を中心とした旋回性を有する別々の支承部(Lagerung)によってそれぞれ個別に提供され得る。これに代えて、またはこれに加えて、支承部によって少なくとも2つの軸線を中心とした旋回を提供することもできる。殊に、支承部によって、殊にボールジョイント状の支承部によって、もしくはボールジョイントによって3つの直交に方向付けられた軸線を中心とした旋回が提供される。
【0018】
別の好ましい実施形態によれば、磁石アセンブリは、結合部材において、昇降ロッドの方向を指す少なくとも1つの磁石要素を有し、かつ昇降ロッドの側に、結合部材の方向を指す少なくとも1つの磁石要素を有し、磁石要素は、実質的に向き合うように配置され、磁石要素は、同じ極性で互いに向かって指すように方向付けられる。換言すれば、結合部材の側の磁石要素と、その向かい側に配置された昇降ロッドの側の磁石要素は一対の向かい合う磁石要素を形成する。
【0019】
この対の磁石要素が、同じ極性で互いに向かって指すように向かい合うことによって、対の磁石要素間に磁石の反発が存在し、これは磁石要素が互いに向かって動くことを防ぎ、それにより結合部材が昇降ロッドの方向に動き得る、もしくは傾き得ることを防ぐ。
【0020】
昇降ロッドの側の複数の磁石要素の向かい側に位置する複数の磁石要素を結合部材に設け、好ましくは結合部材の幾何学的軸線に対して、少なくとも一対の向き合う磁石要素が幾何学的軸線に対して一方の側に、かつ少なくとも一対の向き合う磁石要素が幾何学的軸線に対して他方の側に配置されることが有利であることが判明した。それによって、幾何学的軸線の両側で磁石の反発を提供することができ、それに対応して結合部材が幾何学的軸線の両側でそれぞれ昇降ロッドから離れる向きに押される。
【0021】
磁石要素を、幾何学的軸線に対するそれらの距離およびそれらの磁気強度に関して相応に配置および形成することによって、結合部材と昇降ロッドおよび/またはハウジング部分との間の機械的接触が回避される予め定められた位置もしくは姿勢で結合部材を保持することができる。
【0022】
昇降ロッドがその長手軸線に関して旋回平面に対して垂直に方向付けられることが有利であることが判明した。例えば90°とは異なる角度での方向付け、または旋回平面での方向付け、または旋回平面と平行の平面での方向付けなど旋回平面に相対する昇降ロッドの他の方向付けも可能である。
【0023】
昇降ロッドの移動を保持領域の相対する旋回運動に変換するために、把持アームと昇降ロッドとの間に、昇降ロッドの移動を保持領域の互いの旋回に変換する結合アセンブリが相応に配置されることが好ましい。
【0024】
好ましい一実施形態によれば、把持アームは、共通の旋回軸線を中心に旋回可能に配置される。これに代えて、把持アームはそれぞれ1つの自身の旋回軸線を有することができ、把持アームは、この旋回軸線を中心に旋回可能に配置される。
【0025】
さらに、把持アームが固定的な旋回軸線を有することなしに、把持アームの互いの旋回が旋回平面での把持アームの移動によって、好ましくは把持アームの相対する移動および旋回が行われることが可能である。
【0026】
保持部を相対して動かすために、把持アームの一方のみを動かし、他方を定置に形成することもできる。
【0027】
殊に、両方の把持アームは、それぞれが結合部材を介して昇降ロッドと結合されるそれぞれ1つの旋回レバーを有するか、またはこれらの把持アームは、好ましくは2つの噛合う歯車を介して互いに回転結合される。
【0028】
別の好ましい実施形態によれば、結合部材はボールジョイントによって昇降ロッドと結合され、および/または旋回レバーはボールジョイントによって結合部材と結合される。
【0029】
把持アームの位置を調整できるようにするために、結合部材は、把持アームの旋回位置を調整するための調整要素、好ましくは偏心要素を有することができ、好ましくは昇降ロッドとの結合部材のカップリングと、旋回レバーとの結合部材のカップリングとの間の距離が調整要素を調節することによって変更可能である。
【0030】
別の好ましい実施形態によれば、昇降ロッドがキャリッジ要素を含み、少なくとも1つの結合部材がキャリッジ要素を介して昇降ロッドと結合されている。
【0031】
殊に、キャリッジ要素は、磁石アセンブリの少なくとも1つの磁石要素を含む。この場合、キャリッジ要素がすべての磁石要素を昇降ロッドの側に含む場合が有利であることが判明したが、それはそのことによって、把持アームに相対して昇降ロッドがどの位置にあっても、結合部材の少なくとも1つの磁石要素と、この磁石要素の向かい側に配置された昇降ロッドの側の磁石要素とが特に正確に互いに向き合うように位置決めされることを達成できるからである。
【0032】
好ましい発展形態によれば、長手軸線に対して、一方の側で結合部材をキャリッジ要素と結合することができ、他方の側で結合部材を旋回レバーと結合することができる。
【0033】
キャリッジ要素がS字形に形成され、中央部で昇降ロッドと接続される場合に、容器を保持するための装置のより簡単で安定した構造を達成できることが判明した。
【0034】
別の好ましい実施形態によれば、容器を保持するための装置において把持アームによって保持される容器の方向付けに対して、昇降ロッドへの結合部材のカップリングが、長手軸線の方向で旋回レバーとの結合部材のカップリングの上方に配置されることが好ましい。旋回レバーが旋回軸線に対して保持部の側に延びる場合、昇降ロッドが把持アームに向かう方向に移動することにより、言い換えれば、容器を保持するための装置の方向付けに対して昇降ロッドが下へ移動することにより、把持アームの開、したがって把持アームの保持部を互いに離れる向きに旋回させることを可能にすることができる。それに対応して、昇降ロッドの上昇、したがって昇降ロッドの上への移動により、保持部が逆方向に互いに向かって旋回される保持部の閉を達成できる。
【0035】
旋回レバーが、旋回軸線に対して保持部の向かい側、例えば装置の裏側に延びる場合、昇降ロッドが把持アームに向かう方向に移動することにより、言い換えれば、容器を保持するための装置の方向付けに対して昇降ロッドが下へ移動することにより、把持アームの閉、したがって把持アームの保持部を互いに向かって旋回させることを可能にすることができる。それに対応して昇降ロッドの上昇、したがって昇降ロッドの上への移動により、保持部が逆方向に互いに離れる向きで旋回される保持部の開を達成できる。
【0036】
これに代えて、昇降ロッドへの結合部材のカップリングを長手軸線の方向で旋回レバーとの結合部材のカップリングの下方に配置することができる。それによって、昇降ロッドが把持アームに向かう方向に移動することにより、言い換えれば、旋回レバーが保持部の側に配置される場合、容器を保持するための装置の方向付けに対して昇降ロッドが下へ移動することにより、保持部が逆方向に互いに離れる向きで旋回される把持アームの開を達成することが可能である。旋回レバーが保持部の向かい側に延びる場合は閉が行われる。それに対応して、旋回レバーが保持部の側に配置される場合、昇降ロッドの上昇、したがって昇降ロッドの上への移動により、保持部の閉、したがって把持アームの保持部を互いに向かって旋回させることを達成でき、旋回レバーが保持部の向かい側に延びる場合は閉を達成できる。
【0037】
したがって、別の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの旋回レバーと少なくとも1つの結合部材との間のカップリングを旋回軸線に対して保持部の向かい側に配置することができ、または少なくとも1つの旋回レバーと少なくとも1つの結合部材との間のカップリングは、旋回軸線に対して保持部の側に配置することができる。
【0038】
別の好ましい実施形態によれば、昇降ロッドは、把持アームの向かい側に、長手軸線に対して昇降ロッドの位置を制御するための制御ユニットを有する。それによって、制御ユニットを、充填物によって汚染される危険の少ない領域に設けることができる。特に、それによって、制御ユニットを、容器を保持するための装置の把持アームを収容するハウジングの外側に配置することが可能である。
【0039】
把持アームの保持部を予め定められた位置、例えば保持部の閉位置、または保持部の開位置で保持するために、制御ユニットが、昇降ロッドを予め定められた位置へ付勢するための付勢要素、好ましくはばねを有することができる。
【0040】
これに代えて、またはこれに加えて、昇降ロッドは、昇降ロッドの位置を指定するための指定装置と相互作用するための相互作用部を含むことができ、相互作用部は、好ましくは摺動要素、ボルト、および/またはローラの形で、好ましくは、ガイドカムまたは案内溝として形成された指定装置上を摺動および/または転動するように形成される。
【0041】
別の好ましい実施形態によれば、昇降ロッドは、長手軸線の方向に相対して移動可能な2つのロッド要素を含み、ロッド要素は、長手軸線の方向にばね要素を介して結合される。それによって、ばね要素のばね変位に応じて生じ、保持部において容器を保持する保持力を提供することが可能である。その場合、保持力は、ロッド要素の相互のオーバーストローク(Ueberhub)によって生じ、オーバーストロークは、ばね要素のばね変位を表す。
【0042】
別の好ましい実施形態によれば、昇降ロッドは、容器処理装置のハウジングの、昇降ロッドが通って延びるハウジング開口に対して昇降ロッドを密封するためのシールを含む。したがって、把持アームをハウジング内に配置することが可能であり、ハウジングの内部に、好ましくは特殊な雰囲気、特に細菌数が低減された、例えばクリーンルームに相当する雰囲気を提供することができ、その中で、把持アームによって保持された容器を処理することができ、制御ユニットはハウジングの外側に配置することができる。
【0043】
殊に、シールは昇降ロッドに取り付けられる。これに代えて、またはこれに加えて、シールをハウジング開口に取り付けられるように形成することができる。
【0044】
シールは、好ましくは、動作中に把持アームを旋回させるために必要な昇降ロッドのストローク(Hub)を補償するように形成され、シールは、好ましくはシリコーン材料を含む、および/またはベローズとして形成される。
【0045】
この意味において、「取り付けられる」とは、昇降ロッドとシールとの間、またはハウジングとシールとの間に相対運動が存在しないか、または可能でない静的取付けと解される。
【0046】
別の好ましい実施形態によれば、カップリングハウジングが少なくとも1つの結合部材と少なくとも1つの旋回レバーを収容し、好ましくは昇降ロッドがカップリングハウジングの好ましくは密封された開口を通って延び、把持アームはそれぞれ、把持アームの旋回軸線を中心に旋回可能なシャフトに取り付けられ、シャフトは、カップリングハウジングの好ましくは密封された孔を通って延びる。それによって、昇降ロッドと把持アームとの間のカップリングの領域、特に、結合部材が昇降ロッドと結合された領域、結合部材が旋回レバーと結合された領域、および取付具へのシャフトの支承部をカップリングハウジングによって、例えば充填物による汚染から守ることができる。
【0047】
上記の課題は、さらに、請求項10の特徴を有する容器処理装置によって解決される。容器処理装置の発展形態は、従属請求項、ならびに本明細書および図から明らかである。
【0048】
したがって、容器を移送するための移送装置を備える、容器を容器蓋で閉じるための容器処理装置が提案される。容器処理装置は、移送装置が上記の実施形態のうちの1つに記載の容器を保持するための装置を有することを特徴とする。
【0049】
移送装置が上記の実施形態のうちの1つに記載の容器を保持するための装置を有することによって、装置に関して記載された利点および効果が容器処理装置にも同様に該当する。
【0050】
好ましい実施形態によれば、容器処理装置は、閉鎖空間を提供するためのハウジングを備え、把持アームがハウジングの内部に配置され、昇降ロッドがハウジング開口を通って延び、制御ユニットは、ハウジングの外側に、好ましくはハウジング開口の上方に配置される。
【0051】
殊に、すでに説明したようなシールがハウジング開口と昇降ロッドとの間に設けられることによりハウジング開口が密封される。
【0052】
本発明の好ましい他の実施形態は、図の以下の説明によって詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図2】容器を保持するための装置の模式的側面斜視図である。
【
図6】
図2の装置の部分領域の模式的側面斜視図である。
【
図8】
図2の装置の部分領域の模式的断面図である。
【
図9】開状態にある
図2の装置の一対の把持アームを模式的に示す図である。
【
図10】閉状態にある
図9の一対の把持アームを模式的に示す図である。
【
図12】容器を保持するための別の装置の模式的機能概略図である。
【
図13】容器を保持するための別の装置の模式的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、図をもとにして好ましい実施例を説明する。その際、異なる図において、同じ、類似、または同じ機能の要素には同じ符号が付され、冗長を避けるためにこれらの要素の繰り返しの説明は部分的に省略する。
【0055】
図1において、容器7を移送するための移送装置110と、ここでは容器7を容器蓋(図示せず)で閉じるための閉鎖装置の形をとる処理装置130と、処理装置130を少なくとも部分的に収容するハウジング120とを備える容器処理装置100の側面図が模式的に示される。ハウジング120は、例えば、周囲環境に対して遮蔽された雰囲気をその内部に形成するために用いられるアイソレータであり得る。
【0056】
移送装置110は、容器7を保持するための装置1を有し、この装置は、旋回平面21で互いに対して旋回可能な2つの把持アーム2含み、これらの把持アームはそれぞれ、保持されるべき容器7を、ここでは容器7の首部分で保持するための保持部20を有する。
【0057】
ここに示される装置1は昇降ロッド3をさらに含み、昇降ロッド3は、これが旋回平面21に対して垂直に相対移動することによって、保持部20を相対して旋回させることができるように把持アーム2と結合されている。
図1において、昇降ロッド3の移動が参照符号37で示唆され、把持アーム2の旋回が参照符号25で示唆される。
【0058】
ここに図示されない装置1の一変形形態では、昇降ロッド3が旋回平面21に対して90°とは異なる角度での移動、あるいは旋回平面21自体での、または旋回平面21と平行の平面での移動もできるように昇降ロッドを配置することもできる。そのために、旋回平面21、または旋回平面21と平行の平面において、旋回平面21に対して90°とは異なる角度をなすように昇降ロッド3を相応に方向付けることもできる。
【0059】
ここに示される形態では、昇降ロッド3はその長手軸線30に沿って延びる。ここでは、昇降ロッド3の長手軸線30は、旋回平面21に対して垂直に方向付けられる。
【0060】
昇降ロッド3と把持アーム2との間には、旋回平面21に対して垂直な昇降ロッド3の移動を把持アーム2の相対する旋回に変換するように設定されたカップリングアセンブリ10が配置される。
【0061】
昇降ロッド3は、長手軸線30に対する昇降ロッド3の位置を制御するための制御ユニット5を含む。制御ユニット5は、一方の側で昇降ロッド3の段部38に支持され、他方の側で移送装置110の支持体111に支持された、ここではコイルばねの形をとる付勢要素50を含む。
【0062】
段部38とこれに支持されるコイルばねの端との間には、付勢要素50と段部38を回転結合するための転がり軸受53が配置される。
【0063】
昇降ロッド3は、ここでは重力方向gに相当する長手軸線30の方向に見て上端位置へ付勢要素50によって付勢される。
【0064】
制御ユニット5は、ここではガイドカム(図示せず)上を転動できるローラ52の形をとる相互作用部51をさらに含む。昇降ロッド3が上端位置にあるとき、把持アーム2、したがって保持部20は開位置にある。把持アーム2、したがって保持部20を、保持されるべき容器7が保持される閉位置へ動かすためには、昇降ロッド3を付勢要素50の付勢に抗して旋回平面21に対して垂直に、把持アーム2の方向に動かす必要がある。昇降ロッドの重力方向gの移動37は、カップリングアセンブリ10によって把持アーム2の旋回運動22に変換される。
【0065】
昇降ロッド3は、長手軸線30の方向に相対して移動可能である、長手軸線の方向にばね要素35を介して結合された2つのロッド要素33、34を含む。したがって、ばね要素35と上ロッド要素33のオーバーストロークとにより保持部20に閉鎖力を提供することができる。
【0066】
この場合、ロッド要素33のオーバーストローク、したがって昇降要素3が把持アーム2の方向に移動することにより把持アーム2が閉位置をとった後にロッド要素33が追加的に進む、ローラ52により指定された経路は、ばね要素35のばね剛性に応じて下ロッド要素34に圧縮力が伝達されるばね要素35のばね変位に相当する。この圧縮力は、カップリングアセンブリ10を介して把持アーム2に伝達され、それにより把持アーム2は、相応の閉鎖力で保持部20を保持されるべき容器7の方向に押し付ける。
【0067】
代替的に、重力方向gとは逆の昇降ロッド3の上昇が引き起こされるように、昇降ロッドを把持アームと結合することもできる。その場合、それに対応して付勢要素35を引張ばねとして形成することができる。
【0068】
装置1の把持アーム2は、ハウジング120により提供される閉鎖空間の内側に配置される。昇降ロッド3はハウジング開口121を通って延び、制御ユニット5は、ハウジング120の外側に、ここではハウジング120の上方に配置される。
【0069】
昇降ロッド3はシール36を含み、昇降ロッド3は、このシールによってハウジングシール21(Gehaeusedichtung 21)に対して密封される。ここでは、シール36は、昇降ロッド3に固定的に取り付けられ、ハウジング開口121もしくはハウジング120にも固定的に取り付けられている。シール36は、動作中に必要な昇降ロッド3のストロークをシール36によって補償できるように形成されている。ここでは、シール36はシリコーン材料を含み、ベローズの形で形成される。
【0070】
代替的に、シール36を中空円筒の形で形成することもできる。
【0071】
図2および
図3は、例えば
図1による容器処理装置100に含まれ得るような、容器を保持するための装置1の側面斜視図および背面斜視図を模式的に示す。
【0072】
図1に関してすでに記載したように、装置1は、旋回平面21で相対して旋回可能な2つの把持アーム2と昇降ロッド3を含む。
【0073】
把持アーム2はそれぞれ、機械的シャフト24に形成され長手軸線30と平行に方向付けられた旋回軸線22を中心に旋回可能に取付具11に配置される。各把持アーム2は、シャフト24に配置された旋回レバー23をさらに含み、旋回レバーは、旋回軸線22に対して垂直に、旋回軸線22に対して保持部20の向かい側に延びる。この場合、旋回レバー23は把持アーム2と回転不可能に接続されている。
【0074】
昇降ロッド3は、S字形のキャリッジ要素31を含み、キャリッジ要素は、このキャリッジ要素31の中央部32で昇降ロッド3に取付け固定されている。
【0075】
各旋回レバー23はそれぞれ、結合部材4を介して昇降ロッド3と結合され、結合部材4と旋回レバー23との間のカップリング42は、関連する旋回軸線22に対して保持部20の向かい側にある。各結合部材4はそれぞれ、ボールジョイント45を介して、互いに直交に方向付けられた3つの軸線で旋回可能に昇降ロッド3のキャリッジ要素31の一方の側に配置される。結合部材4の他方の側では、旋回レバー23が別のボールジョイント45を介して、互いに直交に方向付けられた3つの軸線で旋回可能に結合部材4に支承されている。
【0076】
さらに、各結合部材4は、把持アームの旋回位置を調整するための、ここでは偏心要素として形成された調整要素43を含む。カップリング41とカップリング42との間の距離は偏心要素によって調整することができる。
【0077】
図2および
図3の装置1の背面図を模式的に示す
図4から見て取れるように、結合部材4とキャリッジ要素31との間のカップリング41は、結合部材4と旋回レバー23との間のカップリング42の上方に配置され、カップリング41、42は旋回軸線22に対して保持部20の向かい側に配置される。それによって、昇降ロッド3が重力方向gに移動した場合に把持アーム2が閉じることになる。
【0078】
図5は、
図2~
図4の装置1による結合部材4のうちの1つの断面図を模式的に示し、結合部材4は、ここでは円錐台部を有するねじの形をとる調整要素43を含み、調整要素43の位置を調節することによって、カップリング41もしくは結合部材4と昇降ロッド3との接続部と、カップリング42もしくは結合部材4と旋回レバー23との接続部との間で方向付けられた幾何学的軸線46の方向にボールジョイント45相互の距離48を調節することができる。
【0079】
ボールジョイント45によって、3つの互いに直交に方向付けられた軸線40、46、47を中心とした、旋回レバー23ないしは昇降ロッド3に対する結合部材4の旋回性が提供される。
【0080】
幾何学的軸線46を中心とした結合部材4の旋回性により、結合部材4が幾何学的軸線46を中心に昇降ロッド3の方向に傾動し、例えばキャリッジ要素31および/または取付具11のハウジング部分12に接触することが基本的に可能である。これを防ぐために、カップリング41、もしくは結合部材4と昇降ロッド3との接続部と、カップリング42、もしくは結合部材4と旋回レバー23との接続部との間に方向付けられた幾何学的軸線46に対して、
図6~
図8に関して以下に詳しく説明するように、結合部材4を予め定められた位置に保持するように形成された磁石アセンブリ8が設けられる。
【0081】
装置1の部分領域の側面斜視図を模式的に示し、結合部材4が表示されない
図6から見て取れるように、磁石要素8は、昇降ロッド3の側に2つの磁石要素81を有し、これらは、ここではキャリッジ要素31の、結合部材4を指す側39に嵌め込まれている。この場合、磁石要素81は幾何学的軸線46に対して異なった側に配置されている。
【0082】
図7は、結合部材4の、キャリッジ要素31の方を向いた側49を見た側面斜視図を模式的に示す。磁石アセンブリ8は、側49で結合部材4に嵌め込まれた複数の磁石要素80、80‘をさらに含む。この場合、2つの磁石要素80は、幾何学的軸線46に対して異なった側、厳密には
図8に関して詳しく説明するように、これらは組み込まれた状態で、それぞれが磁石要素81のうちの1つの向かい側に位置するように配置される。結合部材4は、2つの別の磁石要素80‘をさらに含む。これらは結合部材4に実質的に対称の構造を提供するように設けられ、したがって装置1におけるその(dessen)組み込み位置は重要でない。
【0083】
図8は、磁石要素80、81の高さでの幾何学的軸線46に対して垂直の断面図を模式的に示す。それぞれ1つの磁石要素80は、それぞれ1つの磁石要素81の実質的に向かい側に配置されている。したがって、幾何学的軸線46に対して一方の側に配置された磁石要素80、81は、向き合う磁石要素80、81の第1の対であり、これは
図8(に)示される図では幾何学的軸線46の上方に示された磁石要素80、81から形成され、幾何学的軸線46に対して他方の側に配置された磁石要素80、81は、向き合う磁石要素80、81の第2の対であり、これは
図8(に)示される図では幾何学的軸線46の下方に示された磁石要素80、81から形成されている。
【0084】
磁石要素80、81のこれらの対はそれぞれ、同じ極性で互いを指すように互いに対して方向付けられ、このようにして反発作用が達成される。ここでは、これらの磁石要素のS極どうしが向き合う。
【0085】
同じ極性で互いを指すように磁石要素80、81の対が向き合うことによって、磁石要素80、81のこれらの対の間にそれぞれ磁石の反発力83が存在し、磁石の反発力はそれぞれ、磁石要素80、81のこれらの対が互いに向かって動くことを防ぎ、それにより結合部材4が、
図8に示される幾何学的軸線46に関して予め定められた位置から傾動し、片側がキャリッジ要素31の方向に傾き得ることを防ぐ。
【0086】
磁石要素81は、好ましくはそれぞれが同様に形成され、したがって、これらは実質的に同じ磁気強度を有する。さらに、磁石要素80もそれぞれが同様に形成され、したがって、これらは実質的に同じ磁気強度を有する。幾何学的軸線46からの両方の対の隔たり82も同じ大きさであるため、これらの対による磁石の反発力83を介して結合部材4に加えられる幾何学的軸線46の周りのモーメントが実質的に均等化され、それにより、幾何学的軸線46に対する結合部材4の予め定められた位置が維持される。
【0087】
図9から、装置1の開状態にある一対の把持アーム2が模式的に示され、
図10において、閉状態にある
図9による一対の把持アームが模式的に示される。
【0088】
図11は、
図2~
図4による装置1の機能概略図を模式的に示し、実線により、S字形キャリッジ要素31を含めた昇降ロッド3、および結合部材4とそのカップリング41、42が重力方向gに見て上の位置に示される。破線により、昇降ロッド3を予め定められた移動37分だけ移動させた場合にそれらが有する位置が示唆される。移動37によって、長手軸線30に対して垂直に外側へのカップリング42の対応するシフト44が( )される。カップリング42で結合部材4と結合された旋回レバー23は、シフト44に対応して旋回運動させられ、この旋回運動をそれぞれの把持アーム2に伝達する。
【0089】
カップリング41がカップリング42の上方に配置されることによって、昇降ロッド3が下へ動かされることにより把持アーム2が閉じられる。
【0090】
図12は、容器を保持するための別の装置1の機能概略図を模式的に示す。装置1は、実質的に
図11によるものに相当し、ここではカップリング41がカップリング42の下方に配置されている。したがって、カップリング41、42は、旋回軸線22に対して保持部20の向かい側に配置されるので、昇降ロッド3の上昇、したがって重力方向gとは逆の移動37によって把持アーム2が閉じる。
【0091】
図13から、容器7を保持するための別の装置1の側面図が模式的に見て取れる。装置1は、
図2~
図4のものに実質的に相当し、カップリングハウジング6は、キャリッジ要素31と結合部材4と旋回レバー23を収容する。
【0092】
昇降ロッド3は、シール62によって密封されたカップリングハウジング6の開口60を通って延び、把持アーム2のシャフト24は、それぞれがシール63によって密封されたカップリングハウジング6の孔61を通って延びる。
【0093】
この場合、シール62は、動作中に生じる昇降ロッド3の必要なストロークを補償するように形成されている。さらに、動作中に生じるシャフト24の必要な旋回運動を補償するシール63が形成されている。
【0094】
適用可能であるかぎり、実施例に示されるすべての個々の特徴を本発明の範囲を逸脱することなく互いに組み合わせることおよび/または相互に交換することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 装置
10 カップリングアセンブリ
11 取付具
12 ハウジング部分
2 把持アーム
20 保持部
21 旋回平面
22 旋回軸線
23 旋回レバー
24 シャフト
25 旋回
3 昇降ロッド
30 長手軸線
31 キャリッジ要素
32 中央部
33 ロッド要素
34 ロッド要素
35 ばね
36 シール
37 移動
38 段部
39 側
4 結合部材
40 回転軸線
41 昇降ロッドとのカップリング
42 旋回レバーとのカップリング
43 調整要素
44 シフト
45 ボールジョイント
46 幾何学的軸線
47 回転軸線
48 距離
49 側
5 制御ユニット
50 付勢要素
51 相互作用部
52 ローラ
53 転がり軸受
6 カップリングハウジング
60 開口
61 孔
62 シール
63 シール
7 容器
8 磁石アセンブリ
80 磁石要素
81 磁石要素
82 隔たり
83 磁石の反発力
100 容器処理装置
110 移送装置
111 支持体
120 ハウジング
121 ハウジング開口
130 処理装置
g 重力方向
【国際調査報告】