IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 浙江三花汽車零部件有限公司の特許一覧

特表2024-505365シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置
<>
  • 特表-シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置 図1
  • 特表-シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置 図2
  • 特表-シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置 図3
  • 特表-シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置 図4
  • 特表-シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置 図5
  • 特表-シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置 図6
  • 特表-シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置 図7
  • 特表-シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置 図7a
  • 特表-シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置 図7b
  • 特表-シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置 図8
  • 特表-シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置 図9
  • 特表-シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置 図10
  • 特表-シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置 図11
  • 特表-シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/10 20060101AFI20240130BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20240130BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
F16J15/10 U
C09K3/10 G
C09K3/10 M
C09K3/10 C
F16K27/00 Z
F16J15/10 T
F16J15/10 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540545
(86)(22)【出願日】2021-12-30
(85)【翻訳文提出日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 CN2021142788
(87)【国際公開番号】W WO2022143852
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011617899.3
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511102675
【氏名又は名称】浙江三花汽車零部件有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 リーシン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 ユン
(72)【発明者】
【氏名】リン、 ロン
(72)【発明者】
【氏名】シェン、 ツァンツァン
(72)【発明者】
【氏名】チ、 ジャンファ
【テーマコード(参考)】
3H051
3J040
4H017
【Fターム(参考)】
3H051BB10
3H051CC16
3J040AA17
3J040EA16
3J040FA06
3J040HA05
3J040HA30
4H017AB07
4H017AB12
4H017AB15
4H017AD01
(57)【要約】
シール材(1)、それを含む流体アセンブリ、および流体装置である。シール材(1)は、本体部(15)を含み、シール材(1)には、第1貫通孔(104)が形成され、シール材(1)は、第1貫通孔(104)に対応する第1シール部(101)をさらに有し、第1貫通孔(104)は、少なくとも2つであり、第1シール部(101)は、第1延在部(11)と第2延在部(12)とを含み、第1延在部(11)と第2延在部(12)は、本体部(15)の対向する両側に設けられるとともに、本体部(15)から第1貫通孔(104)に向かって延在し、かつ、第1延在部(11)と第2延在部(12)との間の距離は、本体部(15)の高さよりも大きく、第1延在部(11)は、閉ループの隆起構造であり、第2延在部(12)も、閉ループの隆起構造である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部を含み、第1貫通孔が形成されたシール材であって、
前記第1貫通孔に対応する第1シール部をさらに有し、
前記第1貫通孔は、少なくとも2つであり、少なくとも2つの前記第1貫通孔は、これに対応する前記第1シール部を有し、
前記第1シール部は、第1延在部と第2延在部とを含み、
前記第1延在部と第2延在部は、前記本体部から前記第1貫通孔に向かって延出し、
前記第1延在部と前記第2延在部との間の最大距離は、前記本体部の高さよりも大きく、前記本体部の高さ方向に沿って、
前記第1延在部は、前記第1貫通孔の一端で前記第1貫通孔を取り囲んで閉ループの隆起構造を形成し、
前記第2延在部は、前記第1貫通孔の他端で前記第1貫通孔を取り囲んで閉ループの隆起構造を形成する、ことを特徴とするシール材。
【請求項2】
前記第1貫通孔に対応する第1内壁がさらに形成され、
前記第1延在部は、その横方向両側に別々に位置する内側面と外側面とを有し、前記第1延在部の外側面は、第1内壁の一部であり、前記第1延在部は、前記本体部から離れる遠位端において弧状であり、前記第1延在部における前記本体部から離れる遠位端の厚さは、前記本体部に近い近位端の厚さよりも小さく、
および/または、
前記第2延在部は、その横方向両側に別々に位置する内側面と外側面とを有し、前記第2延在部の外側面は、第1内壁の一部であり、前記第2延在部は、前記本体部から離れる遠位端において弧状であり、前記第2延在部における前記本体部から離れる遠位端の厚さは、前記本体部に近い近位端の厚さよりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載のシール材。
【請求項3】
前記第1内壁と横方向に対向して配置された外壁をさらに含み、
前記第1延在部と前記第2延在部は、横方向に沿って対称的に配置され、
前記第1内壁における対称軸に近い部分は、前記外壁に向かって凹んだ形状であり、
前記本体部における前記第1内壁の部分は、円弧状であり、
前記シール材は、有機ポリマー材料から射出成形される、ことを特徴とする請求項2に記載のシール材。
【請求項4】
前記第1延在部および第2延在部の横方向における最大幅は、前記本体部の横方向における最小幅よりも小さく、
前記第1延在部の断面長さは、その平均厚さの1.4倍以上であり、
前記第2延在部の断面長さは、その平均厚さの1.4倍以上である、ことを特徴とする請求項1に記載のシール材。
【請求項5】
前記シール材の外周側に第2シール部をさらに含み、
前記第2シール部は、第3延在部と第4延在部とを含み、
前記第3延在部と第4延在部は、前記本体部の対向する両側に設けられるとともに、前記本体部から離れる方向に延出し、かつ、前記第3延在部と第4延在部との間の距離は、前記本体部の鉛直方向における高さよりも大きく、
前記第1延在部と第3延在部との間の距離は、前記本体部の横方向における幅よりも大きい、ことを特徴とする請求項1~請求項4の何れか1項に記載のシール材。
【請求項6】
前記第1延在部と第3延在部は、前記本体部の鉛直方向の同じ側に設けられ、
前記第1延在部と第3延在部との間には、第1凹溝が形成され、
前記第2延在部と第4延在部は、前記本体部の鉛直方向の同じ側に設けられ、
前記第2延在部と第4延在部との間には、本体部側に凹んだ第2凹溝が形成され、
前記第1延在部と前記第2延在部とがなす角度の範囲は、40°~100°である、ことを特徴とする請求項5に記載のシール材。
【請求項7】
前記シール材は、横方向に対向して配置された第1内壁と外壁とをさらに含み、
前記第1内壁から横方向に突出する少なくとも2つの第1突出部をさらに含み、
前記第1突出部の横方向における遠位端は、前記第1延在部の横方向における遠位端を超え、
および/または、前記シール材は、前記外壁から横方向に突出する少なくとも2つの第2突出部をさらに含み、
前記第2突出部の横方向における遠位端は、前記第3延在部の横方向における遠位端を超え、
前記シール材の構成材料は、エチレンプロピレンジエンゴム、シリコーンゴムおよびポリテトラフルオロエチレンからなる群より選ばれた1種またはその組み合わせを含む、ことを特徴とする請求項5に記載のシール材。
【請求項8】
前記第3延在部の鉛直方向における高さは、前記第1延在部と同じであり、
前記第4延在部の鉛直方向における高さは、前記第2延在部と同じであり、
前記第1延在部と第3延在部は、鉛直方向に沿って対称に配置され、
前記第2延在部と第4延在部は、鉛直方向に沿って対称に配置され、
前記第1凹溝、第2凹溝の断面は、台形または三角形である、ことを特徴とする請求項6に記載のシール材。
【請求項9】
前記シール材の一部は、隣接する2つの前記第1貫通孔の間に設けられ、1つの前記第1シール部の第1延在部と、別の第1シール部の第1延在部は、前記本体部の鉛直方向の同じ側に設けられ、2つの前記第1延在部の間には、第1凹溝が形成され、1つの前記第1シール部の第2延在部と、別の第1シール部の第2延在部は、前記本体部の鉛直方向の同じ側に設けられ、2つの前記第2延在部の間には、本体部側に凹んだ第2凹溝が形成される、ことを特徴とする請求項1~請求項4、請求項6~請求項8のいずれか1項に記載のシール材。
【請求項10】
第3シール部をさらに含み、
前記第3シール部は、
第5延在部と第6延在部とを含み、前記第5延在部と第6延在部は、前記本体部の対向する両側に設けられるとともに、前記本体部から離れる方向に延出し、前記第5延在部は、前記シール材の隣接する2つの第1貫通孔の間に設けられ、かつ、隣接する2つの第1貫通孔の第1延在部の間に設けられ、前記第5延在部と前記第1延在部との間には、第1凹溝が形成され、前記第6延在部は、シール材の隣接する2つの第1貫通孔の間に設けられ、かつ、隣接する2つの第1貫通孔の第2延在部の間に設けられ、前記第5延在部と前記第1延在部との間には、第2凹溝が形成され、
および/または、
第2貫通孔をさらに含み、前記第5延在部は、前記第2貫通孔の一部を取り囲んで形成し、前記第6延在部も前記第2貫通孔の一部を取り囲んで形成し、前記第5延在部と第6延在部は、前記本体部から前記第2貫通孔に向かって延出し、前記シール材には、前記第2貫通孔に対応する第2内壁がさらに形成され、前記シール材は、前記第2内壁から横方向に突出する少なくとも2つの第3突出部をさらに含み、前記第3突出部の横方向における遠位端は、前記第5延在部の横方向における遠位端を超える、ことを特徴とする請求項1~請求項4、請求項6~請求項8のいずれか1項に記載のシール材。
【請求項11】
ハウジングを含む流体装置であって、
前記ハウジングは、第1本体を含み、少なくとも2つの通路と、前記通路を取り囲む収容溝とを有し、
前記収容溝内には、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載のシール材が配置され、
前記第1シール部は、前記通路を取り囲む、ことを特徴とする流体装置。
【請求項12】
前記第1本体は、第1取付面部を有し、
前記第1取付面部は、取付面を有し、
前記第1本体は、複数の開口部を含み、
前記収容溝は、前記取付面から凹むとともに単一の前記開口部を取り囲むように設けられ、
前記流体装置は、内部キャビティをさらに有し、
前記通路の一端に1つの前記開口部が接続され、
前記通路の他端に内部キャビティが接続され、
前記通路は、1つの前記開口部と前記内部キャビティとを連通し、
前記第1本体は、板状であり、
前記第1本体は、前記第1本体の厚さ方向に沿ってそれ自体を貫通する少なくとも2つの第1取付孔を有し、
前記少なくとも2つの第1取付孔は、前記取付面に近い辺縁に設けられ、
前記収容溝と単一の前記開口部との間に隙間を有し、
前記第1本体は、収容溝の底部から突出する内側フランジを有し、
前記内側フランジは、単一の前記開口部を取り囲むとともに、前記収容溝よりも単一の前記開口部に近く、前記内側フランジの上端と前記取付面が配置された平面との間に隙間を有する、ことを特徴とする請求項11に記載の流体装置。
【請求項13】
流体装置と第2本体とを含み、前記流体装置がハウジングを含む流体アセンブリであって、
前記ハウジングは、第1本体を含み、
前記ハウジングは、通路と前記通路を取り囲む収容溝とを有し、
前記収容溝内には、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載のシール材が配置され、
前記シール材の少なくとも2つの貫通孔は、前記少なくとも2つの通路に対応し、
前記第1シール部は、前記通路を取り囲み、
前記第1本体と第2本体は、固定され、前記第1本体と第2本体とで前記シール材を押し付ける、ことを特徴とする流体アセンブリ。
【請求項14】
前記シール材が鉛直方向において圧縮されない状態にあるとき、前記第1延在部の鉛直方向における高さをh1とし、前記第2延在部の鉛直方向における高さをh2とし、前記シール材の鉛直方向における全体高さをaとし、前記シール材が前記第1本体と第2本体が固定された状態にあるとき、前記シール材の鉛直方向における全体高さをbとした場合に、
h1+h2≧a-bを満たし、
(a-b)/aの数値範囲は、0.25~0.40である、ことを特徴とする請求項13に記載の流体アセンブリ。
【請求項15】
前記第1本体は、第1取付面部を有し、
前記第1取付面部は、取付面を有し、
前記第1本体は、少なくとも2つの開口部を含み、
前記収容溝は、前記取付面から凹むとともに単一の前記開口部を取り囲むように設けられ、
前記第2本体は、第1本体に対応し、
前記第2本体は、第2取付面部を有し、
前記第2本体は、少なくとも2つの接続口部を含み、
前記少なくとも2つの接続口部は、少なくとも2つの開口部に対応し、前記通路の一端に1つの前記開口部が接続され、
前記第1本体は、板状であり、
前記第1本体は、前記第1本体の厚さ方向に沿ってそれ自体を貫通する少なくとも2つの第1取付孔を有し、
前記少なくとも2つの第1取付孔は、前記取付面に近い辺縁に設けられ、
前記第2本体は、前記第1取付孔に対応する第2取付孔を有し、
前記収容溝と単一の前記開口部との間に隙間を有し、
前記第1本体は、収容溝の底部から突出する内側フランジを有し、
前記内側フランジは、単一の前記開口部を取り囲むとともに、前記収容溝よりも単一の前記開口部に近く、前記内側フランジの上端と前記取付面が配置された平面との間に隙間を有する、ことを特徴とする請求項13に記載の流体アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年12月31日に中国特許庁へ提出され、出願番号が、202011617899.3、発明の名称が、「シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置」である中国特許出願に対する優先権の利益を主張し、その内容全体が、援用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、封止分野に関し、特に、シール材、それを含む流体アセンブリ、および、流体装置に関する。
【背景技術】
【0003】
シール部材は、流体制御システムの通路内に適用可能であり、2つの取付面の間に、シール部材を介在することで、2つの取付面の間から流体が漏れるのを防止することができる。
しかし、幾つかのシール部材の使用例では、シール面が大きくなると、シール材の取付に際しての要求が比較的複雑になることが多い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、シール面積が大きい場合に比較的小さい予圧でも良好なシール性能を有するシール材、それを含む流体アセンブリおよび流体装置を提供することである。
【0005】
本発明は、本体部を含み、第1貫通孔が形成されたシール材を提供し、前記シール材は、前記第1貫通孔に対応する第1シール部をさらに有し、前記第1貫通孔は、少なくとも2つであり、少なくとも2つの前記第1貫通孔は、これに対応する前記第1シール部を有し、前記第1シール部は、第1延在部と第2延在部とを含み、前記第1延在部と前記第2延在部は、前記本体部から前記第1貫通孔に向かって延出し、かつ、前記第1延在部と第2延在部との間の最大距離は、前記本体部の高さよりも大きく、前記第1延在部は、前記第1貫通孔の一端で前記第1貫通孔を取り囲んで閉ループの隆起構造を形成し、前記第2延在部は、前記第1貫通孔の他端で前記第1貫通孔を取り囲んで閉ループの隆起構造を形成する。
【0006】
本発明によるシール材では、前記第1延在部と第2延在部は、前記本体部の対向する両側に設けられるとともに、前記本体部から前記第1貫通孔に向かって延出し、かつ、前記第1延在部と第2延在部との間の距離は、前記本体部の高さよりも大きい。
このため、シール面積が大きい場合に比較的小さい予圧でも良好なシール性能を確保することができる。
【0007】
本発明は、ハウジングを含む流体装置をさらに提供し、前記ハウジングは、第1本体をさらに含む。
前記ハウジングは、通路と、前記通路を取り囲む収容溝とを有し、前記収容溝には、上述したシール材が内蔵され、前記シール材の複数の貫通孔は、前記複数の通路に対応し、前記第1シール部は、前記通路を取り囲む。
【0008】
本発明による流体装置では、前記第1延在部と第2延在部は、前記本体部の対向する両側に設けられ、前記第1延在部と第2延在部は、前記本体部から前記第1貫通孔に向かって延在し、かつ、前記第1延在部と前記第2延在部との間の距離は、前記本体部の高さよりも大きい。
このため、シール面積が大きい場合に、比較的小さい予圧でも良好なシール性能を確保することができる。
【0009】
本発明は、流体装置と第2本体とを含み、前記流体装置がハウジングを含む流体アセンブリをさらに提供し、前記ハウジングは、第1本体をさらに含み、前記ハウジングは、通路と、前記通路を取り囲む収容溝とを有し、前記収容溝には、上述したシール材が内蔵され、前記シール材の少なくとも2つの貫通孔は、少なくとも2つの前記通路に対応し、前記第1シール部は、前記通路を取り囲む。
前記第1本体と第2本体は、固定され、前記第1本体と第2本体とで前記シール材を押し付ける。
【0010】
本発明による流体装置では、前記第1延在部と第2延在部は、前記本体部の対向する両側に設けられるとともに、前記本体部から前記第1貫通孔に向かって延出し、かつ、前記第1延在部と前記第2延在部との間の距離は、前記本体部の高さよりも大きい。
このため、シール面積が大きい場合に比較的小さい予圧でも良好なシール性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態によるシール材及び第1本体、第2本体を含む流体アセンブリの分解図である。
図2図1に示すシール材の部分断面図である。
図3】本発明のシール材及び第1本体の組立構造の正面図である。
図4図3に示すシール材及び第1本体の線F‐Fに沿った部分断面図である。
図5図3に示すシール材及び第1本体の線E‐Eに沿った部分断面図である。
図6図3に示すシール材、第2本体及び第1本体が未圧縮状態にある時の線B‐Bに沿った部分断面図である。
図7図3に示すシール材、第2本体及び第1本体が取付済み状態にある時の線B‐Bに沿った部分断面図である。
図7a図7に示すシール材、第1本体及び第2本体の部分構造を示す拡大図である。
図7b図7に示すシール材、第1本体及び第2本体の部分構造を示す拡大図である。
図8図3に示すシール材、第1本体及び第2本体が取付済み状態にある時の線C‐Cに沿った部分断面図である。
図9】本発明の一実施形態によるハウジングの断面図である。
図10】シール材及び取付面の正面図である。
図11図10に示すシール材、取付面の線D1‐D1に沿った部分断面図である。
図12図10に示すシール材、取付面の線D2‐D2に沿った部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基いて実施形態について具体的に説明する。
【0013】
図1図12を参照すると、このような流体装置は、ハウジング4と、ハウジング4内に配置された内部キャビティ41とを含む。
ハウジング4は、第1本体2をさらに有し、ハウジングは、また、少なくとも2つの通路42を含み、通路42の一端に1つの開口部が接続され、通路の他端に内部キャビティ41が接続され、通路42は、開口部と内部キャビティ41とを連通させる。
第1本体2によってバルブの少なくとも一部の開口部を流体制御システムの他の部分に接続させることができるため、取付手順を少なくすることができ、シールの信頼性が向上する。
該流体装置は、バルブに限らず、ポンプや熱交換器など流体制御システムに適用される他の装置でも、熱交換器とバルブの集積部材、バルブとポンプの集積部材、ポンプと熱交換器の集積部材など複数の機能を持つ集積部材でも構わない。
【0014】
第1本体2は、第1取付面部を有し、第1取付面部は、取付面24を有し、第1本体2は、少なくとも2つの開口部23を含む。
第1本体2は、取付面24に凹んだ収容溝21をさらに有し、シール材1の少なくとも一部は、収容溝21内に配置され、シール材1は、各開口部23を取り囲む。
第1本体2は、板状の構造であり、かつ、第1本体2は、その厚さ方向に沿ってそれ自体を貫通する第1取付孔26を有し、少なくとも2つの第1取付孔26は、第1取付面部の辺縁に設けられている。
本実施形態では、4つの第1取付孔26は、第1取付面の四隅に設けられているが、第1取付面部の他の領域(中央部など)には、第1取付孔を設けなくてもよい。
【0015】
第2本体3は、第1本体2に対応し、第2本体3は、第2取付面部31を有し、第2本体3は、少なくとも2つの接続口部32を含み、少なくとも2つの接続口部32は、少なくとも2つの開口部23に対応する。
第2本体3は、第1取付孔26に対応する第2取付孔33を有し、ネジまたはボルトを第1取付孔26と第2取付孔33から通してねじ込ませることで第1本体2と第2本体3を固定させることができ、第1本体2と第2本体3とでシール材1を押し付けることによって、各開口部23同士間が流体で封止されるようになる。
第1本体2の主体部分は、プラスチック材料などの有機ポリマー材料、または金属材料で作製されてもよい。
【0016】
図1および図2に示すように、シール材1には、少なくとも2つの第1貫通孔104が形成され、また、シール材は、第1貫通孔104に対応する第1シール部101を有し、第1シール部101は、第1延在部11と第2延在部12とを含み、第1シール部101も、相応に少なくとも2つである。
第1延在部11は、第1貫通孔104の一部を取り囲んで形成し、第2延在部12も、第1貫通孔104の一部を取り囲んで形成する。
本実施形態では、第1シール部101の高さ方向に沿って、第1延在部11は、第1貫通孔104の一端で第1貫通孔104を取り囲んで閉ループの隆起構造を形成し、第2延在部12は、第1貫通孔104の他端で第1貫通孔104を取り囲んで閉ループの隆起構造を形成する。
シール材1の外周側には、シール材1は、第2シール部102をさらに含み、第2シール部102は、第1シール部101の外周側に設けられている。
第2封止部102は、第3延在部13と第4延在部14とを含む。
本実施形態では、第1シール部101と第2シール部102は、本体部15によって接続されている。
他の実施形態では、第1シール部101と第2シール部102は、別体として配置されてもよい。
【0017】
鉛直方向または縦方向をHとし、水平方向または横方向をYとし、鉛直方向と水平方向とは、垂直するか、ほぼ垂直する関係にある。
シール材1の断面図に示すように、シール材1は、本体部15と第1延在部11と第2延在部12と第3延在部13と第4延在部14とを含む。
そして、第1延在部11と第2延在部12は、本体部15の鉛直方向の対向する両側に設けられ、第3延在部13と第4延在部14は、本体部15の鉛直方向の対向する両側に設けられている。
第1延在部11、第2延在部12、第3延在部13および第4延在部14は、本体部から本体部から離れる方向に延在する。
本実施形態では、本体部15の断面は、略矩形状であり、第1延在部11、第2延在部12、第3延在部13および第4延在部14は、本体部15の四隅に対応して外方へ延在する。
また、シール材1は、横方向に対向する第1内壁191と外壁192とを有し、第1延在部11と第2延在部12は、本体部15から第1貫通孔104に向かって延在し、シール材1の第1内壁191は、第1貫通孔104に対応する。
第1延在部11と第3延在部13との間の距離は、本体部15の幅(W)よりも大きく、第2延在部12と第4延在部14との間の距離は、本体部15の幅(W)よりも大きい。
第1延在部11と第2延在部12との間の距離は、本体部15の高さ(h)よりも大きく、かつ、第3延在部13と第4延在部14との間の距離も本体部15の鉛直方向における高さ(h)よりも大きい。
第1延在部11と第3延在部13は、本体部15の鉛直方向の同じ側に設けられ、第1延在部と第3延在部との間には、第1凹溝17が形成され、第2延在部12と第4延在部14は、本体部15の鉛直方向の同じ側に設けられ、第2延在部12と第4延在部14との間には、第2凹溝18が形成される。
【0018】
第1内壁191、外壁192、第1延在部11、第2延在部12、第3延在部13および第4延在部14は、いずれも本体部15に対応して延在し、この延在方向は、断面方向と垂直するか、ほぼ垂直する。
なお、第1内壁191、外壁192、第1延在部11、第2延在部12、第3延在部13および第4延在部14は、全体的にシール材1の形状またはシール材1の取付状態によって変わることがある。
【0019】
図1に示すように、第1延在部11、第2延在部12、第3延在部13および第4延在部14の断面は、略長尺状であってそれぞれの一端に本体部15が接続されている。
ここで、「長尺状」とは、その断面の長さが断面の平均厚さよりも大きいことを指すが、両辺が平行となる細長い形状を特に指定するものではなく、定義を満足すれば、円錐形、楕円形またはその他の形状も、その中に含まれ得る。
各延在部の断面の長さは、その断面の平均厚さの1.4倍以上であり得るため、長尺状の延在部が更に曲がりやすくなる。
各延在部のうち、本体部に比較的近い部分は、近位端として定義され、各延在部のうち本体部から比較的遠く離れる部分は遠位端として定義される。
【0020】
図3図6に示すように、第1シール部101は、開口部23を取り囲み、開口部23およびこれに対応する接続口部32の、第2取付面部31上での投影は、第1貫通孔104の、第2取付面部31上での投影範囲内にある。
第1本体2と第2本体3が固定された後、第1シール部101は、開口部23に対応する接続口部32も取り囲むようになり、第1シール部101が圧縮状態にあり、その結果、開口部23と接続口部32が連通されながら封止されるようになる。
【0021】
図2に示すように、シール材1が鉛直方向において圧縮されない状態にあるとき、シール材1の鉛直方向における全体高さをaとし、第1延在部11の鉛直方向における高さをh1とし、ここで、高さh1は、鉛直方向における第1延在部11の頂部と第1凹溝17の底部との間の距離であり、第2延在部12の鉛直方向における高さをh2とし、ここで、高さh2は、鉛直方向における第2延在部12の頂部と第2凹溝18の底部との間の距離である。
図7に示すように、シール材1が取付済み状態にあるとき、シール材1の鉛直方向における全体高さをbとしたとき、h1+h2≧a-bを満たす。
従って、取付済みとなった場合、第1凹溝17の底部は、第2取付面部31と接触しない場合があり、第2凹溝18の底部は、収容溝21の底壁面と接触しない場合があるので、シール材1の主な変形は、各延在部に集中する一方、鉛直方向での本体部15の変形度合が小さい。
本発明の実施形態によるシール材1がシール面積の大きい使用例に適用される場合、各延在部の剛性を本体部15よりも小さく設定することで、各延在部が本体部15と比較して変形しやすくなる。
従って、このように設定すれば、圧縮量が定められた場合においてシール材1全体から第2取付面部31及び第1本体2に付勢された予圧を相対的に減少することができる。
このため、所定の取付箇所から遠く離れた領域においてシール材1に加わった予圧が足りない問題を防ぎ、シール面が比較的大きい場合でのシール材1の取付要求が比較的複雑になる問題を改善することが可能となる。
ここで、「予圧」とは、取付面及びシール部材に流体圧力がかからないときの圧力をいう。
【0022】
本実施形態では、シール材1の圧縮率(a‐b)/aの数値範囲は、0.25~0.40とすれば、シール要件を満足しながら予圧量を比較的小さくすることができる。
また、同じ高さおよび同じ材料の円形断面のシール材と比較して、本実施形態におけるシール材に付勢できる圧縮率の上限も、比較的大きく、0.4にも達し得る。
【0023】
図1に示すように、第1本体2と第2本体3とは、固定的に接続されてもよく、少なくとも2つの第1取付孔26は、第1取付面部に近い辺縁(本実施形態では、四隅)に設けられ、第1取付面部の中央部には、第1取付孔26が設けられていない。
第1本体2は、配列された少なくとも2つの開口部23を有し、第1取付面部の取付面24の面積が比較的大きく、第1取付孔26から離れる領域では、第1本体2に取付面24と垂直な方向から付勢された力が比較的小さく、かつ、シール材1から圧力を受けたため、第1本体2に大きな変形が発生しやすい。
第1本体2の厚さが比較的薄い場合や第1本体2がプラスチック製の場合では、このような変形が特に顕著であり、これによって、シール材1に生じた変形も小さくなりやすく、漏れる恐れがある。
【0024】
本実施形態では、第1本体2に対するシール材1からの予圧を比較的小さくすることにより、第1本体2の取付面24に生じた変形が比較的小さくなり、取付面24と第2取付面部31との間の距離がより一致するため、取付面24に平行な方向でのシール材1全体の各箇所の鉛直方向における圧縮量がより均等に分布し、その結果、ある領域でのシール材1の圧縮量が不十分であるためシール性がなくなるリスクを低減することができる。
さらに、第1本体2に対するシール材1からの圧力を小さくすることにより、第1本体2と第2本体3との間に必要な予締付力を減少させることができ、第1本体2と第2本体3との間の固定構造の簡素化を図ることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、シール材1は、弾性材料で作製され、有機ポリマー材料から射出成形されることができる。
例えば、シール材1の構成材料は、エチレンプロピレンジエンモノマー(Ethylene-Propylene-Diene Monomer、EPDM)、シリコーンゴム、ポリプロピレンテトラフルオロエチレン(Poly tetra fluoroethylene、PTFE)からなる群より選ばれた1種またはその組み合わせを含むことができる。
EPDMゴムのショア硬度は、シリコーンゴムよりも低いため、鉛直圧力が同様である場合でのEPDMゴムの鉛直方向での圧縮率が比較的大きい。
図7に示すように、横方向におけるシール材1の断面の全体寸法は、収容溝21の幅に応じて調整可能であり、本体部15は、収容溝21の内側壁に接触しなくてもよい。
【0026】
図2に示すように、第1延在部11は、その横方向両側に別々に位置する内側面111および外側面112を有し、第1延在部11の外側面112は、第1内壁191の一部であり、第1延在部11の内側面111と外側面112との境界線は、第1延在部11の鉛直方向における遠位端である。
【0027】
図2図6図7および図7aに示すように、第2本体3とシール材1との接触面は、シール材1の鉛直方向と垂直するか、ほぼ垂直している。
取付過程中に、シール材1が圧縮された直後に、第1延在部11の遠位端は、第2本体3の第2取付面部31に接触し、第1延在部11の遠位端に第2本体3からの圧力F1が付勢される。
第1延在部11及び第2延在部12の横方向での最大幅は、本体部15の横方向での最小幅よりも小さく、第1延在部11の曲げ剛性は、本体部15よりも小さく、第1延在部11の鉛直方向での変化率は、本体部15よりも大きく、第1延在部11の遠位端は、近位端と比較して裏方向かつ外壁192から離れる方向に傾斜し、この圧力F1の方向は、第1延在部11の重心を通らない。
このため、圧力F1によって、第1延在部11が特定の角度で下向きに変形するようになり、全体としてシール材の鉛直方向での高さが低くなる効果がある。
【0028】
図7および図7aに示すように、第1内壁191は、開口部23と対向し、第1延在部11の外側面112には、開口部23に対応する流通通路内の圧力の合力F3が付勢される。
第1延在部11が、長尺状であるため、シール材1を取り付けた後、第1延在部11の外側面112の、取付面24に垂直する方向への投影図において、第2取付面部31に向かう面積が、第2取付面部31から離間する面積よりも小さく、合力Fは、第2取付面部31に垂直な方向の分力を含む。
流通通路内の流体圧力が上昇すると、外側面112に付勢する流体圧力の合力F3が増え、この合力F3は、圧力F1と方向が異なり、第2取付面部31に向かう分力が増えるため、第1延在部11から第2取付面部31への圧力がより大きくなり、さらに、第1延在部11のシール効果が向上する。
延在部の変形を引き起こす予圧に加えて、流体圧力も延在部が変形する原因になる。
また、特定の流体圧力範囲内において、流通通路内の流体圧力が大きいほどシール効果が高くなる。
ここでの流体は、ガス状、液状、または、ガスと液体の混合物であり得る。
【0029】
同様に、図7bに示すように、第2延在部12もその横方向両側に別々に位置する内側面と外側面を有し、第2延在部12の外側面は、第1内壁191の一部である。
第2延在部12は、本体部15から離れる遠位端が弧状であり、第2延在部12の内側面と外側面との境界線は、第2延在部12の鉛直方向での遠位端であり、第2延在部12の本体部15から離れる遠位端の厚さは、本体部15に近い近端部の厚さよりも小さい。
収容溝21の底壁面は、シール材1の鉛直方向に対して垂直である。
第2延在部12は、長尺状であるため、第2延在部12の外側面の、底壁面と平行な方向への投影図において、底壁面に向かう面積が、底壁面から離間する面積よりも小さくなる。
第2延在部12の外側面にも、流通通路内の圧力の合力F3が付勢される。
流通通路内の流体圧力が上昇すると、外側面に付勢する流体圧力の合力が増え、この合力F3は、圧力F1と方向が異なる。
収容溝21の底壁面に向かう分力が増えるため、第2延在部12から収容溝21の底壁面への圧力が大きくなり、さらに、第2延在部12のシール効果が向上する。
延在部の変形を引き起こす予圧に加えて、流体圧力も延在部が変形する原因になる。
また、特定の流体圧力範囲内において、流通通路内の流体圧力が大きいほどシール効果が高くなる。
【0030】
第1延在部11は、本体部15から離れる遠位端が弧状とする。
これにより、第1延在部11が第2取付面部31から圧力を受けた直後に両者間の接触面積が小さくなるため、第1延在部11の遠位端が横方向に更に摺動しやすくなり、取付後に第1延在部11の少なくとも一部が外壁192に向かって曲がるリスクを低減することができ、これによって、シール性がなくなるリスクを低減することができる。
【0031】
図2に示すように、第1延在部11の内側面111の遠位端は、近位端と比較して横方向において第1内壁191に傾斜する。
これによって、シール材1の圧縮過程中に、第1延在部11の遠位端が外壁192から離れる方向に曲がりやすくなる。
このため、取付後に第1延在部11の少なくとも一部が外壁192に向かって曲がるリスクを低減することができ、これによって、シール性がなくなるリスクを低減することができる。
第1延在部11の本体部15から離れる遠位端の厚さは、本体部15に近い近位端の厚さよりも小さくなることによって、第1延在部11の遠位端が第1内壁191に曲がりやすくなり、これによって、シール性がなくなるリスクを低減することができる。
また、第1延在部11の全体形状は、ほぼ円錐形をなすことができ、第2延在部12の構造は、第1延在部11の構造と同様であるため、ここでは、贅言しない。
本実施形態では、第1延在部11と第3延在部13の対向する2つの表面がなす角度αは、40°、60°、80°、100°など、40°~100°の範囲であり得る。
第2延在部12および第4延在部14も、上述のものと同様の形状および角度を有することができるが、ここでは、贅言しない。
【0032】
図2に示すように、本実施形態では、第1延在部11と第2延在部12が横方向に沿って対称に配置され、第1内壁191の本体部15における部分が外壁192側に凹んだ弧状であり、具体的には、円弧状であるが、外壁側に凹んだ三角形や台形など、外壁192側に凹んだ他の形状であってもよい。
これにより、第1延在部11および第2延在部12が曲がりやすくなる。
【0033】
図2に示すように、本実施形態では、第3延在部13の鉛直方向における高さは、第1延在部11と同じであり、第4延在部14の鉛直方向における高さは、第2延在部12と同じである。
第1延在部11と第3延在部13は、鉛直方向に沿って対称に配置され、第2延在部12と第4延在部14は、鉛直方向に沿って対称に配置されるため、鉛直方向でシール材1に付勢される力が比較的均一となり得る。
第1凹溝17および第2凹溝18の断面は、実質的に本体部15側に凹んだ台形状である。
他の実施形態では、第1凹溝17および第2凹溝18の断面は、実質的に円弧状または三角形であってもよい。
【0034】
図2及び図6に示すように、本実施形態によるシール材1は、第1内壁191から横方向に突出する少なくとも2つの第1突出部161をさらに含むことができる。
そして、第1突出部161の横方向における遠位端は、第1延在部11の横方向における遠位端を超える。
シール材1の鉛直方向の対称軸X‐Xを基準線として、第1突出部161の横方向における遠位端からX‐X線までの距離s1は、第1延在部11の横方向における遠位端からX‐X線までの距離s2よりも大きい。
これにより、シール材1の少なくとも一部が収容溝21内に配置されたとき、第1延在部11の横方向における遠位端は、収容溝21の内側壁から隔てられるため、第1取付面部と第2取付面部31が近接する場合でも離間する場合でも、第1延在部11が依然として収容溝21内に位置している。
これによって、第1延在部11が取付面24と第2取付面部31との間に挟まれるのを防止し、さらに、第1延在部11が損壊されるリスクをより一層低減することができる。
【0035】
同様に、シール材1は、外壁192から横方向に突出する少なくとも2つの第2突出部162をさらに含む。
第2突出部162の横方向における遠位端は、第3延在部13の横方向における遠位端を超える。
シール材1の一部が収容溝21内に収容されたとき、第1突出部161及び第2突出部162は、収容溝21の内側壁に締まりばめされるため、シール材1が収容溝21内に位置制限され、かつ、取付時にシール材1が収容溝21から外れることはない。
図1および図5に示すように、シール材は、第3シール部103をさらに含み、第3シール部103は、第5延在部106と第6延在部107とをさらに含む。
第5延在部106と第6延在部107は、本体部15の対向する両側に設けられている。
第5延在部106は、シール材1の隣接する2つの第1貫通孔104の間に設けられ、かつ、隣接する2つの第1貫通孔104に対応する第1延在部11の間に設けられ、第5延在部106と第1延在部11との間には、第1凹溝17が形成されている。
第6延在部107は、シール材1の隣接する2つの第1貫通孔104の間に設けられ、かつ、隣接する2つの第1貫通孔104に対応する第2延在部12の間に設けられ、第5延在部106と第2延在部12との間には、第2凹溝18が形成されている。
第5延在部106、第6延在部107によって、隣接する第1貫通孔104同士間のシール効果が、より良好になる。
【0036】
図3図5に示すように、シール材1は、第2貫通孔105をさらに含み、第5延在部106は、第2貫通孔105の一部を取り囲んで形成し、第6延在部107も第2貫通孔105の一部を取り囲んで形成し、第5延在部106と第6延在部107は、本体部15から第2貫通孔105に向かって延在し、シール材1には、第2貫通孔105に対応する第2内壁193がさらに形成されている。
2つの第1貫通孔104間の距離が大きい場合、2つの第1貫通孔104の間に第2貫通孔105を配置する。
これによって、シール材1の材料を省き軽量化することができ、シール材1の位置制限にも有利である。
シール材1は、第2内壁193から横方向に突出する少なくとも2つの第3突出部163をさらに含み、第3突出部163の横方向における遠位端は、第5延在部106の横方向における遠位端を超える。
第3突出部163が、収容溝21の内側壁に締まりばめされるため、シール材1が、収容溝21内に位置制限されるようになる。
【0037】
図1図3および図8に示すように、シール材1は、第1貫通孔104に対応する第1シール部101を含む。
シール材1の一部は、隣接する2つの第1貫通孔104の間に設けられ、1つの第1シール部101の第1延在部11と、別の第1シール部101の第1延在部11は、本体部15の鉛直方向の同じ側に設けられ、2つの第1延在部11の間には、第1凹溝17が形成されている。
1つの第1シール部101の第2延在部12と、別の第1シール部101の第2延在部12は、本体部15の鉛直方向の同じ側に設けられ、第2延在部12と第4延在部14との間には、本体部15側に凹んだ第2凹溝18が形成され、2つの第2延在部12の間には、第1凹溝17が形成されている。
したがって、シール材1の両側にも、流通通路内の流体圧力を付勢することができ、どちらの側に対応する流通通路内の流体圧力が高くても、シール材1は、封止する役割をより効果的に発揮することができるため、隣接する貫通孔同士間のシール効果がより良好になる。
【0038】
図1図3に示すように、第1本体2は、6つの開口23を含み、シール材1は、6つの第1貫通孔104とそれに対応する6つの第1シール部101を含み、第2本体3は、6つの接続口部32を含む。
各開口部23、第1シール部101および接続口部32は、対応して配置されている。
3つの第1シール部101は、順次に並んで配置され、3つの開口部23に順次に対応し、3つの接続口部32にも順次に対応している。
隣接する第1シール部101の本体部15同士が接続可能である。
各開口部23同士間は、互いに液密に封止されることで隔てられている。
少なくとも2つの第1シール部101が一体的に射出成形されているため、製造しやすく材料を省きながら、取付時に取付手順を減らすことができる。
本実施形態では、6つの第1シール部101が2列に配置され、各列ごとに3つの第1シール部101を有する。
他の実施形態では、シール材1が、8つの第1シール部101を有し、8つの第1シール部101が、2列に配置され、各列ごとに4つの第1シール部101を有することができる。
または、第1シール部101が、少なくとも2つであり、他の態様で配置されてもよい。
【0039】
第1本体2は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つなど少なくとも2つなど、1つに止まらない開口部23を有することができる。
各開口部23に対応する第1シール部101の数も、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つなど複数ある。
各開口部23に対応する接続口部32の数も、少なくとも2つであり得る。
本実施形態では、開口部23の数、接続口部32の数、および、第1シール部101の数は、同じであるため、取り付けられた後に、1つずつの開口部23は、他の開口部23から封止して隔てられている。
他の実施形態では、開口部23の数、接続口部32の数、および、第1シール部101の数は、互いに異なっていてもよい。
【0040】
図4図6に示すように、第1本体2が有する取付面24は、第2本体3の第2取付面部31に対応し、収容溝21は、開口部23を取り囲み、単一の開口部23から隙間をあけて配置され、第1本体2は、収容溝21の底部から突出する内側フランジ25を有し、内側フランジ25によってシール材1が位置制限されるようになる。
内側フランジ25は、単一の開口部23を取り囲み、かつ、収容溝21よりも単一の開口部23に近く、内側フランジ25の上端と取付面24が配置される平面との間には隙間を有している。
即ち、内側フランジ25の上端と取付面24が配置される平面との間に隙間Dを有するため、第1本体2の製造公差の要求仕様を低減し、さらに製造コストを削減することができる。
内側フランジ25が製造公差の原因で取付面24よりもわずかに高くなったとすれば、取付面24と第2取付面部31とをより緊密に貼り合わせる必要がある場合に何か問題が生じてしまい、シール効果が低下してしまう恐れがある。
また、図6に示すように、内側フランジ25の上端と取付面24との間には、一定の隙間があるため、開口部23に対応する流通通路内の流体圧力が隙間を通して収容溝21内に伝わることがある。
【0041】
図9は、流体装置の一部を示し、この流体装置は、バルブとすることができる。
このバルブは、ハウジング4と、ハウジング4内に配置された内部キャビティ41とを含む。
ハウジング4は、第1本体2も有し、ハウジングは、複数の通路42と、通路42を取り囲む収容溝21とをさらに含む。
そして、通路42の一端に1つの開口部23が接続され、通路の他端に内部キャビティ41が接続され、通路42は、開口部23と内部キャビティ41とを連通する。
第1本体2によってバルブの少なくとも一部の開口部23を流体制御システムの他の部分に接続させることができるため、取付手順を少なくし接続部の漏洩箇所を減らすことができるため、シールの信頼性が向上する。
この流体装置は、バルブに限らず、ポンプや熱交換器などの流体制御システムに適用される他の装置でも、熱交換器とバルブの集積部材、バルブとポンプの集積部材、ポンプと熱交換器の集積部材など、密封効果を向上させることができる複数の機能を持つ集積部材でも構わない。
【0042】
図1に示すように、本発明の実施形態は、上述した流体装置およびシール材1を含むことができる流体アセンブリをさらに提供する。
この流体アセンブリは、第2本体3をさらに含む。
第1本体2は、上述したバルブまたは他の流体装置の一部であってもよく、第2本体3は、別の流体装置の一部であってもよい。
このような流体アセンブリは、少なくとも2つの外部接続口を有するバルブに使用されるだけではなく、少なくとも2つの外部接続口や取付面が比較的大きい外部接続口を備えた他の流体制御アセンブリまたは集積部材、例えば、熱交換器とバルブの集積部材、バルブとポンプの集積部材、ポンプと熱交換器の集積部材にも、使用可能であり、シール効果を向上させることができる。
【0043】
なお、以上の実施形態は、本発明を限定するものではなく、本発明を説明するためのものに過ぎず、例えば「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」等の方向性を限定するものである。
本明細書では、上記の実施形態を参照して本発明について詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、当業者は、本発明を修正又は同等置換することができる。
本発明の精神及び範囲から逸脱しない全ての改良は、いずれも、本請求項の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】