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特表2024-505372タービンブレードを取り外すまたは取り付ける装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】タービンブレードを取り外すまたは取り付ける装置
(51)【国際特許分類】
   F01D 25/28 20060101AFI20240130BHJP
   F01D 5/00 20060101ALI20240130BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20240130BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20240130BHJP
   B23P 19/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
F01D25/28 E
F01D5/00
F01D25/00 X
F02C7/00 D
B23P19/00 304E
B23P19/00 301D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023540812
(86)(22)【出願日】2022-01-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-24
(86)【国際出願番号】 US2022070212
(87)【国際公開番号】W WO2022159930
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】P.436737
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PL
(31)【優先権主張番号】17/399,370
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(71)【出願人】
【識別番号】523250359
【氏名又は名称】アトランティック プラント メンテナンス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ATLANTIC PLANT MAINTENANCE,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ピリホフスカ、ヨアンナ シルヴィア
(72)【発明者】
【氏名】ジエンチョウ、ピョートル クシシュトフ
(72)【発明者】
【氏名】ペルコフスキー、シモン
(72)【発明者】
【氏名】モロニー、ダニエル ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリックス、エリック ウェイン
【テーマコード(参考)】
3C030
3G202
【Fターム(参考)】
3C030BC08
3C030BC21
3C030CA00
3G202BA02
(57)【要約】
【課題】ターボ機械のタービンからタービンブレードを取り外しまたは取り付けるための装置を提供する。
【解決手段】装置は、タービンブレードベースの軸方向側壁に係合するように構成された操作ヘッドを含む。アクチュエータは、タービンブレードベースの軸方向側壁に選択的に係合するように操作ヘッドを移動させ、タービンブレードベースに対して軸方向の力を付与してタービンブレードを取り外しまたは取り付けるように構成される。支持ガントリは、アクチュエータをタービンブレードの実質的に垂直上方に配置するように構成されている。他の利点の中でも、支持ガントリは、異なるタービン用に装置を調整すること、および任意のタービンの複数のステージにヘッドを使用することを可能にする。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械のタービンからタービンブレードを取外しまたは取付ける装置であって、
タービンブレードベースの軸方向側壁に係合するように構成された操作ヘッドと、
前記タービンブレードを取り外しまたは取り付けるために、前記タービンブレードベースの前記軸方向側壁に選択的に係合し、前記タービンブレードベースに対して軸方向の力を与えるように前記操作ヘッドを動かすように構成されたアクチュエータと、
前記アクチュエータを前記タービンブレードの上方に実質的に垂直に配置するように構成された支持ガントリと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記支持ガントリは、前記タービンブレードが配置されるターボ機械の一部に取り付けられ、前記ターボ機械の一部は、前記タービンに隣接するか、または前記タービンが配置される構造物の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記支持ガントリは、前記タービンが配置される下部ハーフジョイントケーシングの対向する側面と、前記タービンに隣接する排気フードとに取り付けられる、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記支持ガントリは、複数の異なるタービンを収容するように構成された複数の調節可能な支持部材を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記操作ヘッドは、前記アクチュエータに操作可能に結合された垂直に延びるアームを含み、前記垂直に延びるアームは長さが調節可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記垂直に延びるアームに結合された振動駆動機構を含む振動アセンブリをさらに含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記操作ヘッドは、前記タービンブレードベースの前記軸方向側壁に係合するように構成された係合要素を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記アクチュエータは、
前記支持ガントリに結合するように構成されたマウント部材と、
前記操作ヘッドを前記マウント部材に対してスライド可能に移動させるように構成されたスライドシステムと、
前記スライドシステムを前記マウント部材に対して軸方向に選択的に移動させ、前記軸方向の力を加えるように構成されたリニアアクチュエータと、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記操作ヘッドは、前記アクチュエータに操作可能に結合されたアームを含み、前記アクチュエータは、前記マウント部材を第1の状態と第2の状態との間で選択的に位置させるように構成されたカプラをさらに含み、
前記第1の状態において、前記マウント部材が前記支持ガントリの前記軸方向に延びる支持部材に軸方向にピボット可能に固定され、前記アームが複数のタービンブレードステージの第1ステージに実質的に垂直に隣接して延び、
前記第2の状態において、前記マウント部材が前記軸方向に延びる支持部材に対してピボット可能であり、前記アームが前記タービン上のあらゆるタービンブレードの半径方向外側に位置し、前記支持ガントリの前記軸方向に延びる支持部材に沿って軸方向に移動可能であり、
前記第2の状態において、前記アクチュエータは、前記複数のタービンブレードのうちの異なる第2のステージに対して位置決めするために、前記軸方向に延びる支持部材に沿って移動可能である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
タービンからタービンブレードを取外し、または取付ける装置であって、
タービンブレードベースの軸方向側壁に係合するように構成され、アームを含む操作ヘッドと、
前記タービンブレードを前記タービンから取り外すか、または前記タービンブレードを前記タービンに取り付けるために、前記タービンブレードベースの前記軸方向側壁に選択的に係合し、前記タービンブレードベースに対して軸方向の力を与えるように前記操作ヘッドを動かすように構成されたアクチュエータと、
前記アクチュエータを前記タービンブレードの上方に実質的に垂直に配置するように構成された支持ガントリと、
を含み、
前記アクチュエータはさらに、
前記支持ガントリに結合するように構成されたマウント部材と、
前記マウント部材を第1の状態と第2の状態との間で選択的に位置決めするように構成されたカプラと、
を備え、
前記第1の状態において、前記マウント部材が、前記支持ガントリの前記軸方向に延びる支持部に軸方向にピボット可能に固定され、前記アームが、複数のタービンブレードステージのうちの第1ステージに実質的に垂直に隣接して延び、
前記第2の状態において、前記マウント部材が前記軸方向に延びる支持部材に対してピボット可能であり、前記アームが前記タービン上のタービンブレードの半径方向外側に位置し、支持ガントリの軸方向に延びる支持部材に沿って軸方向に移動可能であり、
前記第2の状態において、前記アクチュエータは、前記複数のタービンブレードのうちの異なる第2ステージに対して位置決めするために、軸方向に延びる支持部材に沿って移動可能である、装置。
【請求項11】
前記アームに結合された振動駆動機構を含む振動アセンブリをさらに含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記支持ガントリは、複数の異なるタービンを収容するように構成された複数の調節可能な支持部材を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記操作ヘッドは、前記アクチュエータに操作可能に結合された垂直に延びるアームを含み、前記垂直に延びるアームは、異なる長さのアームのセットから選択される、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記アクチュエータはさらに、
前記操作ヘッドを前記マウント部材に対してスライド可能に移動させるように構成されたスライドシステムと、
前記スライドシステムを前記マウント部材に対して軸方向に選択的に移動させるように構成されたリニアアクチュエータとを備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記支持ガントリは、前記タービンが配置されるハーフジョイントケーシングの対向する複数の側面と、前記タービンに隣接する排気フードとに取り付けられる、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
ターボ機械のタービンからタービンブレードを取り付けまたは取り外すための方法であって、
装置を前記ターボ機械の一部に取り付けるステップであって、前記装置は、タービンブレードベースの軸方向側壁に係合するように構成された操作ヘッドと、前記タービンブレードベースの前記軸方向側壁に選択的に係合し、前記タービンブレードベースに対して軸方向の力を付与するように前記操作ヘッドを移動させるように構成されたアクチュエータと、前記アクチュエータおよび前記操作ヘッドをタービンブレードの実質的に鉛直上方に配置するように構成された支持ガントリとを含む、前記ステップと、
前記タービンブレードベースがタービンブレードの第1ステージのロータホイールの中へまたは外へと移動するように、前記操作ヘッドを介して前記タービンブレードベースに対して軸力を加えることによって、前記タービンブレードベースを前記ターボ機械に対して機械的に作動させるステップと、
を含む方法。
【請求項17】
振動アセンブリを前記装置の前記操作ヘッドに結合するステップと、
前記軸力を加えるのと同時に前記タービンブレードベースを振動させるステップと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記タービンブレードベースを機械的に作動させる前に、前記タービンブレードベースに係合するように前記操作ヘッドを移動させるステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記操作ヘッドは、前記アクチュエータから延びるアームを含み、
前記方法は、さらに、
前記タービンブレードの前記第1ステージの前記ロータホイールに隣接する第1の作動位置から前記タービンのあらゆるタービンブレードの半径方向外側の位置まで前記アームを回転させるように前記アクチュエータの第1の回転を行うステップと、
前記支持ガントリの軸方向に延びる支持部材に沿って前記アクチュエータを前記アームが前記ターボ機械の複数のタービンブレードの別の第2ステージに隣接する空間の半径方向外側かつ軸方向上にある非動作位置まで軸方向に移動させるステップと、
前記アームを前記非作動位置から前記別の第2ステージのタービンブレードに隣接する第2の作動位置まで回転するように、前記アクチュエータの第2の回転を行うステップと、
前記タービンブレードベースが前記別の第2ステージのタービンブレードのロータホイールの中へまたは外へと移動するように、前記操作ヘッドを介して前記タービンブレードベースに対して軸力を加えることによって、前記タービンブレードベースを前記ターボ機械に対して機械的に作動させることを繰り返すステップと、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記取付けは、前記タービンが配置されるハーフジョイントケーシングの複数の対向する側面と前記ターボ機械内の前記タービンに隣接する排気フードに前記支持ガントリを取付けるステップを含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ターボ機械アセンブリにおけるタービンブレードの取り外しに関し、より詳細には、ターボ機械内のタービンからタービンブレードを取り外しまたは取り付けるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械のタービン用ローターは、大型鍛造品(large forgings)から機械加工されることが多い。鍛造品から切り出されたローターホイールは通常、タービンブレードの基部を取り付けるための溝が付けられている。タービン出力の増大とタービン性能の効率化に対する要求が高まり続ける中、ターボ機械にはより大型で多くの接合部のあるタービンブレード(larger and more articulated turbine blades)が取り付けられるようになっている。これらの後段タービンブレードの設計に影響を及ぼす動特性(Dynamic properties)には、ターボ機械に使用される様々なブレードの輪郭や外面形状があり、これらはシステム内の作動流体の流速プロファイルやその他の特性に影響を及ぼす可能性がある。ブレードの輪郭に加えて、ブレードの有効長、ブレードのピッチ直径、超音速および亜音速の両方の流れ領域におけるブレードの高速動作速度(the active length of the blades, the pitch diameter of the blades and the high operating speed of the blades in both supersonic and subsonic flow regions)などの他の特性も、システムの性能に大きく影響する可能性がある。減衰とブレード疲労(Damping and blade fatigue)は、ブレードとそのプロファイルの機械的設計において役割を持つ他の特性である。これらのブレードの機械的特性と動的応答特性、およびその他の特性はすべて、性能とタービンブレードの表面プロファイルの関係に影響を与える。その結果、後段タービンブレード(latter stage turbine blades)のプロファイルには、幅広い運転条件下で損失を最小限に抑えながら性能を向上させるための複雑なブレード形状が含まれることが多い。
【0003】
タービンブレード、特に後段タービンブレード(latter stage turbine blades)への複雑なブレード形状の適用(application of complex blade geometries)は、ロータホイール上でのこれらのブレードの組立及び分解に特定の課題をもたらす。例えば、ロータホイール上の隣接するタービンブレードは、通常、作動流体を明確な経路(well-defined path)内に閉じ込め、ブレードの剛性を高めるために、ブレードの外周の周囲に配置されたカバーバンドまたはインターロック先端シュラウド(cover bands or interlocking tip shrouds)によって互いに連結されている。これらのインターロックシュラウド(interlocking shrouds)は、ローターホイール上に配置されたブレードの直接的な組立・分解を妨げる可能性がある。さらに、これらのブレードの内側プラットフォームとそのダブテールスロットは、それらが取り付けられるタービンロータホイールの軸に対して角度が付けられていることが多く、これもロータホイールへの組立てを妨げることがある。多くの場合、タービンブレードは1枚ずつ取り外さなければならない。タービンブレードが使用される作業環境は、例えば腐食や熱歪みなどを引き起こす可能性があり、ブレードを分解するために大きな力を必要とすることがある。
【0004】
タービンブレードの取外しまたは取付け(removal or installation)の1つの方法として、タービンの他の部分、例えば隣接するロータホイールに対して力を加えることにより、ブレードを軸方向に強制的に移動させる必要がある。隣接する構造物に力を加えると、その構造物に損傷を与える可能性がある。別のアプローチでは、タービンのハーフジョイントケーシングの一部に、取り外し装置または取り付け装置を片持ち式(cantilevered fashion)に、すなわちタービンの軸に対して3時方向または9時方向に取り付ける。この後者のアプローチでは、タービンを回転させて各タービンブレードを3時または9時の位置に配置し、タービンブレードが片持ち式にロータホイールから概ね水平に延びるようにする必要がある。その結果、タービンブレードの重量は、タービンブレードの基部にあるダブテール接合部(dovetail connection:アリ継手)にトルクを加えることによって、タービンブレードの取り外しや取り付けに不利に働き、タービンブレードを取り外すにはより大きな軸力(axial force)が必要になる。さらに、タービンブレード、ロータホイール、ハーフジョイントケーシング、またはタービンの他の部品を損傷する可能性のある方法でタービンブレードが落下したり回転したりしないように、取り外し中および/または取り付け中にタービンブレードを支持することは非常に困難である。タービンブレードが角度のついたダブテールスロット(dovetail slot:アリ溝)、すなわちタービンの軸に対して相対するダブテールスロットに取り付けられている場合、タービンブレードを挿入したり位置から引き抜いたりする際にロータを回転させなければならないが、ブレードがほぼ水平(generally horizontal)である場合、これは極めて困難である。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様は、ターボ機械のタービンからタービンブレードを取り外し又は取り付ける装置を提供し、この装置は、タービンブレードベースの軸方向側壁(axial sidewall)に係合するように構成された操作ヘッド(operative head)と、タービンブレードを取り外し又は取り付けるために、タービンブレードベースの軸方向側壁に選択的に係合し、タービンブレードベースに対して軸方向の力を付与するように操作ヘッドを移動させるように構成されたアクチュエータと、アクチュエータをターボ機械内の位置でタービンブレードの実質的に鉛直上方(substantially vertically above)に配置するように構成された支持ガントリ(support gantry)と、を備える。
【0006】
本開示の別の態様は、タービンからタービンブレードを取り外しまたは取り付ける装置を提供する。この装置は、タービンブレードベースの軸方向側壁に係合するように構成された操作ヘッドであって、この操作ヘッドはアームを含む、操作ヘッドと、タービンブレードベースの軸方向側壁に選択的に係合するように操作ヘッドを移動させ、タービンブレードベースに対して軸方向の力を付与して、タービンからタービンブレードを取り外しまたはタービン内にタービンブレードを取り付けるように構成されたアクチュエータと、
アクチュエータをタービンブレードの実質的に鉛直上方に配置するように構成された支持ガントリとを含む。ここで、アクチュエータはさらに、支持ガントリに結合するように構成されたマウント部材と、マウント部材を第1の状態と第2の状態との間で選択的に位置決めするように構成された締結部材とを含み、第1の状態において、マウント部材は、支持ガントリの軸方向に延びる支持部に軸方向にかつ回動可能に固定(pivotally fixed:ピボット可能に固定)され、アームが複数のタービンブレード段のうちの第1ステージに実質的に垂直に隣接して延び、第2の状態において、マウント部材が、軸方向に延びる部材に対して回動可能(pivotable:ピボット可能)であり、タービン上の任意のタービンブレードの半径方向外側にアームを位置決めし、マウント部材を支持ガントリの軸方向に延びる支持部に沿って移動可能に位置決めする。第2の状態において、アクチュエータは、複数のタービンブレードのうちの異なる第2ステージに対して位置決めするために軸方向に延びる部材に沿って移動可能である。
【0007】
本開示の別の態様は、ターボ機械のタービンからタービンブレードを取り付けまたは取り外すための方法に関する。方法は、ターボ機械の一部に装置を取り付けるステップを含む。装置は、タービンブレードベースの軸方向側壁に係合するように構成された操作ヘッドと、タービンブレードベースの軸方向側壁に選択的に係合し、タービンブレードベースに対して軸方向の力を付与するように操作ヘッドを移動させるように構成されたアクチュエータと、アクチュエータをタービンブレードの実質的に鉛直上方に配置するように構成された支持ガントリと、を含む。方法は、タービンブレードベースがタービンブレードの第1ステージのロータホイールの中へまたは外へと移動するように、操作ヘッドを介してタービンブレードベースに対して軸方向の力を加えることによって、タービンブレードベースをターボ機械に対して機械的に作動させるステップを含む。
【0008】
本開示のこれらおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を示す添付の図面と併せて取られる本開示の様々な態様の以下の詳細な説明から、より容易に理解されるであろう:
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来のターボ機械の概略図である。
図2】例示的なターボ機械の多数のタービンブレードステージの断面図である。
図3】ローターホイールに連結され、インターロック式シュラウドインターフェースを含むタービンブレードの透視図である。
図4】本開示の実施形態によるタービンブレードの取り外し及び/又は取り付け装置の透視図である。
図5】本開示の実施形態によるタービンブレードの取り外し及び/又は取り付け装置の拡大透視図である。
図6】本開示の実施形態によるタービンブレードの取外し及び/又は取付け装置のアクチュエータの拡大透視図である。
図7】本開示の実施形態による、調整状態にあるタービンブレードを取り外し及び/又は取り付けるための装置の透視図である。
図8】本開示の実施形態による、作動状態にあるタービンブレードを取り外し及び/又は取り付けるための装置の透視図である。
【0010】
本開示の図面は必ずしも縮尺通りではないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様のみを描写することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。図面において、同様の番号は、図面間の同様の要素を表す。
【0011】
最初の事項として、本開示の主題を明確に説明するために、ターボ機械内の関連する機械部品に言及し説明する際に、特定の用語を選択する必要が生じる。可能な限り、一般的な業界用語を使用し、その一般的な意味と一致する方法で採用する。特に断らない限り、このような用語は、本出願の文脈および添付の特許請求の範囲と一致する広範な解釈が与えられるべきである。当業者であれば、特定の構成要素が複数の異なる用語または重複する用語を用いて言及されることが多いことを理解するであろう。本明細書において単一の部品であると説明されるものは、別の文脈では複数の部品から構成されるものを含み、参照される場合がある。あるいは、本明細書において複数の構成要素を含むものとして説明されているものが、他の箇所では単一部品として言及されている場合もある。
【0012】
加えて、いくつかの説明的な用語が本明細書で定期的に使用されることがあるが、本節の冒頭でこれらの用語を定義しておくことは有益であろう。これらの用語およびその定義は、特に断りのない限り、以下の通りである。本明細書で使用する「下流」および「上流」は、タービンを通る作動流体や、例えば、燃焼器を通る空気の流れ、またはタービンの構成部品の1つを通る冷却材の流れなど、流体の流れに対する方向を示す用語である。「下流」という用語は、流体の流れ方向に対応し、「上流」という用語は、流れと反対の方向(すなわち、流れが発生する方向)を指す。また、「前方」および「後方」という用語は、それ以上の特定はなく、方向を指し、「前方」はエンジンの前方または圧縮機端を指し、「後方」はターボ機械の後方セクションを指す。
【0013】
さらに、本明細書では、以下に説明するように、いくつかの説明的用語が規則的に使用される場合がある。「第1」、「第2」、および「第3」という用語は、1つの構成要素を別の構成要素から区別するために互換的に使用することができ、個々の構成要素の位置または重要性を意味することを意図していない。
【0014】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかにそうでないことが示されない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される場合、用語“comprises:含む”及び/又は“comprising:含んでいる”は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。“Optional:任意の”または “optionally:任意に”とは、その後に記述される事象または状況が発生してもしなくてもよいこと、またはその後に記述される構成要素または要素が存在してもしなくてもよいこと、およびその記述が、事象が発生するまたは構成要素が存在する事例と、それが発生しないまたは存在しない事例とを含むことを意味する。
【0015】
ある要素または層が他の要素または層上に「ある」、「係合されている」、「接続されている」、または「結合されている」と言及される場合、それは他の要素または層上に直接、係合されている、接続されている、または結合されている可能性があり、または介在する要素または層が存在する可能性がある。対照的に、ある要素が他の要素や層の上に「直接」、「直接係合」、「直接接続」、「直接結合」されていると呼ばれる場合、介在する要素や層が存在しないこともある。要素間の関係を説明するために使用される他の単語も同様に解釈されるべきである(例えば、「間」対「直接間」、「隣接」対「直接隣接」など)。本明細書で使用される場合、用語「および/または」は、関連する列挙された項目の1つまたは複数の任意のおよびすべての組み合わせを含む。
【0016】
これらの図に示されるように、「A」軸は、(ターボ機械のロータの軸に沿った)軸方向の向きを表す。本明細書で使用される場合、「軸方向」及び/又は「軸方向に」という用語は、ターボ機械(特に、そのロータセクション)の回転軸と実質的に平行(すなわち、±3°以内)である軸Aに沿った物体の相対的な位置/方向を指す。本明細書でさらに使用されるように、「半径方向」及び/又は「半径方向に」という用語は、軸Aと実質的に垂直であり、軸Aと1箇所でのみ交差する軸(R)に沿った物体の相対的な位置/方向を指す。中心軸に対して異なる半径方向位置に配置された部品を説明する必要がある場合が多い。例えば、第1の部品が第二の部品よりも軸に近い位置にある場合、本明細書では、第1の部品が第2の部品よりも「半径方向内側」または「インボード」にあると述べる。一方、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸から遠くに存在する場合、本明細書では、第1の構成要素が第2の構成要素の「半径方向外側」または「アウトボード」にあると記載することができる。さらに、「円周方向」及び/又は「円周方向に」という用語は、軸Aを取り囲むがどの位置でも軸Aと交差しない円周(C)に沿った物体の相対的な位置/方向を指す。二次元の図を示す図では、明瞭化のために円周Cを省略することがある。
【0017】
「移送」または「軸方向移送」(“transfer” or “axial transfer”)という用語は、ブレードなどの構成要素を、ロータホイールのダブテールスロットへまたはダブテールスロットからなど、ある位置から別の位置へ(例えば、スライド運動によって)移動させるプロセスを指す。したがって、本明細書で説明する本開示の実施形態は、1つまたは複数のタービンブレードを移動させることによって、タービンブレードをタービンのロータホイール内に取り付けること、またはロータホイールから取り外すことを可能にすることができる。タービンブレードの取り外しが、図面においてより具体的に示されているが、本明細書において説明される様々な実施形態は、説明される様々な構成要素及び/又はプロセス方法論を変更することなく、ロータホイールにおけるタービンブレードの取り付け及び/又は取り外しを操作可能であり得ることが理解される。本開示の実施形態はまた、本明細書で議論される様々な装置および/または同様のアセンブリを使用することによってタービンブレードを設置する方法を提供する。
【0018】
本開示の実施形態は、ターボ機械のタービンからタービンブレードを取り外しまたは取り付けるための装置、および関連する方法を提供する。装置は、タービンブレードベースの軸方向側壁に係合するように構成された操作ヘッドを含むことができる。アクチュエータは、タービンブレードベースの軸方向側壁に選択的に係合するように操作ヘッドを移動させ、タービンブレードベースに対して軸方向の力を付与してタービンブレードを取り外しまたは取り付けるように構成される。支持ガントリは、アクチュエータをタービンブレードの実質的に垂直上方に配置するように構成されている。他の利点の中でも、支持ガントリは、例えば、異なる角度、異なる取り付け位置の異なるタービンに対して、装置の幅広い調整を可能にする。また、本装置を使用することで、装置を取り外すことなく、タービンの複数のステージを操作することができ、時間を節約することができる。さらに、本装置は垂直方向に配置されているため、タービンブレードを移動させるための軸力が少なくて済み、ブレードを上方から支持することにより、ブレードの取り付けまたは取り外しをより安全に行うことができる。本装置はほとんど遠隔操作が可能であり、安全性がさらに高まる。
【0019】
図面を参照すると、図1は、燃焼タービンまたはガスタービン(GT)システム100(以下、「GTシステム100」という)の形態の例示的なターボ機械90の概略図である。GTシステム100は、圧縮機(コンプレッサ)102及び燃焼器104を含む。燃焼器104は、燃焼領域105と燃料ノズルアセンブリ106とを含む。GTシステム100はまた、タービン108と、共通の圧縮機/タービンシャフト110(以下、「ロータ110」と称する)とを含む。非限定的な一実施例では、GTシステム100は、General Electric Company, Greenville, S.C.から市販されている9HA.01エンジンである。本開示は、任意の特定のGTシステムに限定されず、例えば、General Electric Companyの他のHA、F、B、LM、GT、TMおよびEクラスエンジンモデルならびに他社のエンジンモデルを含む他のエンジンに関連して移植され得る。さらに、本開示の教示は、必ずしもGTシステムのみに適用されるものではなく、他のタイプのターボ機械、例えば、蒸気タービン、ジェットエンジン、圧縮機などに適用することができる。
【0020】
図2は、図1のGTシステム100と共に使用することができる4つのステージ(stages:段)L0~L3を備えたタービン108の例示的な部分の断面図である。4つのステージは、L0、L1、L2、およびL3と称される。ステージL0は、第1ステージであり、4つのステージの中で(半径方向において)最小である。ステージL1は第2ステージであり、軸方向で次のステージである。ステージL2は第3ステージであり、軸方向に次のステージである。ステージL3は4番目の最後ステージで、(半径方向で)最大のステージである。4つのステージは一例として示されているに過ぎず、各タービンは4つより多いステージを有していてもよいし、4つより少ないステージを有していてもよいことを理解されたい。
【0021】
一組の静止ベーンまたはノズル(stationary vanes or nozzles)112は、一組の回転ブレード(rotating blades:複数の回転翼)114と協働して、タービン108の各ステージL0~L3を形成し、タービン108を通る流路の一部を画定する。各組の回転ブレード114は、それらをロータ110に円周方向に結合するそれぞれのロータホイール116に結合される。すなわち、複数の回転ブレード114は、各ロータホイール116に周方向に間隔をあけて機械的に結合されている。静止ノズル部(static nozzle section)115は、ロータ110の周囲に周方向に間隔を置いて配置された複数の静止ノズル112を含む。各ノズル112は、エーロフォイル(airfoil:翼型)129と接続された少なくとも1つの端壁(endwallまたはプラットフォーム:platform)120、122を含むことができる。図示の例では、ノズル112は、半径方向外側の端壁120と半径方向内側の端壁122とを含む。半径方向外側の端壁120は、ノズル112をタービン108のケーシング124に結合する。
【0022】
運転中、空気は圧縮機102を通って流れ、圧縮空気は燃焼器104に供給される。具体的には、圧縮空気は、燃焼器104と一体の燃料ノズルアセンブリ106に供給される。燃料ノズルアセンブリ106は、燃焼領域105と流路連通している。燃料ノズルアセンブリ106は、燃料源(図1には示されていない)とも流路連通しており、燃料と空気を燃焼領域105に流す。燃焼器104は燃料に点火し燃焼させる。燃焼器104は、ガス流の熱エネルギーが機械的な回転エネルギーに変換されるタービン108と流路連通している。タービン108は、ローター110に回転可能に連結され、ローター110を駆動する。圧縮機102もロータ110に回転可能に連結されている。図示の実施形態では、複数の燃焼器104と燃料ノズルアセンブリ106がある。以下の説明では、特に断りのない限り、各構成要素のうちの1つだけを説明する。ロータ110の少なくとも一端は、タービン108から軸方向に離れて延びていてもよく、発電機、負荷圧縮機、および/または別のタービンなどの負荷または機械(図示せず)に取り付けられていてもよいが、これらに限定されない。
【0023】
図3に目を向けると、選択された段階の複数のブレード114が一列に配置され、ローターホイール116上に周方向に隣接して取り付けられている様子が示されている。ブレード114は、運転中および比較的高い荷重を受けたときに、互いに円周方向に係合し続けるように設計することができる。周方向に隣接するブレード114間の機械的係合の例示的形態が図3に示されており、本開示の実施形態は、この配置または類似の配置のために設計されたブレード114の取り付けおよび取り外しに有効であり得る。各ブレード114は、例えば、ロータホイール116内の相補的スロット内に嵌合し、係合するように設計されたダブテールスロット形状を含むタービンブレードベース(turbine blade base:タービンブレード基部)130を介して、ロータホイール116に機械的に結合され、ロータホイール116に取り付けられ得る。図3に示すように、ブレード114は、各ブレード114を横切る流体(fluid)132(図2)または他の流体の流れを収容するために、様々なプロファイルおよび/または輪郭(varying profiles and/or contours)を有するタービンブレードベース130から延びることができる。ブレード114の半径方向端部は、各ブレード114の先端部に形成および/または取り付けられた、相互に係合する実質的に同一のブロックまたはプレートの形態のシュラウド部分(shroud portion)134を含むことができる。各ブレード114がロータホイール116に取り付けられると、各シュラウド部分134の係合ブロックまたはプレートは、実質的に連続した先端シュラウド要素、例えば、ロータ110(図1)の周りの流れを導くように構成された実質的に連続した環状体(substantially continuous, annular body)を形成することができる。
【0024】
図2および図3を一緒に参照すると、各ブレード114のシュラウド部分134は、例えば、隣接するブレード114のシュラウド部分134と周方向に係合するためのかみ合わせプロファイル(interlocking profile:互いにぴったりした接触 )136(図3のみ)を含むことができる。いくつかの例では、かみ合わせプロファイル136は、Z字形状、V字形状、複数の移行点を有するジグザグ経路、曲線面、直線面および曲面を含む複雑な幾何学形状(a Z-shape, a V-shape, a zig-zag path with multiple transition points, a curvilinear surface, a complex geometry including straight-faced and curved surfaces)などを含み得る。どのように具体化されても、かみ合わせプロファイル136は、各ブレード114が取り付けられた後、ロータホイール116に対する各ブレード114の軸方向のスライドを抑制(inhibit axial sliding)することができる。さらに、ブレード114は、ターボ機械90のタービン108と、隣接する流路138(図2)、例えば、ターボ機械90(図1)の排気フードまたはディフューザセクションとの間に直接配置することができる。図2に示すように、各ブレード114は、軸方向経路Nの方向に実質的に沿って取り付けまたは取り外すように設計され得る。かみ合わせプロファイル136は、例えば、互いおよびロータホイール116に対する各ブレード114の相対位置を維持することによって、ターボ機械90の動作中に有利になり得る。しかしながら、インターロック形状136は、製造中または整備中に、1つまたは複数のブレード114を、他の2つのブレード114の間の位置から直接設置または取り外す能力を低下させる可能性がある。
【0025】
本開示の実施形態は、例えば、ブレード114を取り付けまたは取り外すために軸方向に力を付与することによって、かみ合わせプロファイル136のこれらの特性を緩和することができる。いくつかの実施形態において、取り付けまたは取り外されたブレード114は、機械的振動(mechanical vibrations)をさらに受けることができる。このような振動は、例えば、ブレード114に振動運動を付与することができ、移動を妨げる可能性のある様々な阻害要因、例えば、腐食にもかかわらず、ブレード114の軸方向の移動を可能にする。ブレード(単数または複数)114に対して軸方向の力、および/または機械的振動を付与するための様々な実施形態が、本明細書において議論される。これから説明するように、本開示の実施形態は、ターボ機械90の排気フード(exhaust hood)142(図4)(例えば、そのパネルまたは支柱)などの固定構造140、外殻(outer shell)、ハーフジョイントケーシング(half-joint casing)150(図4)などのターボ機械90のケーシング124、および/またはその上に取り付けられた様々な構造的特徴を有することができる他のターボ機械構成要素に取り付けられた装置を含むことができる。現在のアプローチとは対照的に、装置は、タービンブレードの垂直方向、半径方向上方(vertically, radially above the turbine blades)にある。
【0026】
図4および図5を一緒に参照すると、本開示の実施形態に従って、タービンブレードベース130にタービンブレード114を設置および/または取り外すための装置(apparatus)200が示されている。タービンブレードベース130は、タービンブレード114の根元を含んでよく、またはロータホイール116に結合するように構成されたタービンブレード114の任意の部分を含んでよい。図4は、装置200の透視図であり、図5は、その様々な構成要素をより良く説明するための装置200の拡大部分透視図であり、図6は、装置のアクチュエータ210の拡大透視図である。
【0027】
説明の目的のために、以下の図面に図示された1つまたは複数のブレード114は、ターボ機械90の最終ステージ(例えば、L3(図1))ブレードを含むことができ、これらは、図2~3に示され、本明細書の他の箇所に記載されたものと同じまたは類似の特徴を含み得る。最終ステージブレード114は、例えば、ブレード114を取り付け及び取り外すための従来の振動アセンブリ及び/又は作動装置が使用できないか、又は実用的でない場所に配置されることによって、ターボ機械90の他のブレード114と異なる場合がある。しかしながら、これから説明されるように、装置200は、有利なことに、ターボ機械90内の多数のステージからブレード114を移動させることなく取り外しまたは取り付けるように調整可能である。さらに、装置200は、実質的にどのタービン108のどのステージのブレードでも作動するように配置することができる。装置200の実施形態、および本明細書に記載される他の方法または装置の実施形態は、ターボ機械90の1つまたは複数の部分に機械的に結合されながら、1つまたは複数のブレード114を取り付けまたは取り外すために使用することができる。
【0028】
装置200は、一般に、支持ガントリ216によって支持されたアクチュエータ210によって移動可能な操作ヘッド202を含む。
【0029】
図4図6を参照すると、装置200は、タービンブレードベース130の軸方向側壁204(図2図5および図6)に係合するように構成された操作ヘッド(Operative head)202を含む。操作ヘッド202は、タービンブレードベース130に対して軸方向力Fを付与するように形成されている。操作ヘッド202は、タービンブレードベース130の軸方向側壁204に係合しつつ、軸方向、すなわちターボ機械の軸に概ね平行に機械的な力を付与する形状および/または位置にすることができる。軸方向側壁204は、ロータホイール116からそれぞれのブレード114を取り付けまたは取り外すために利用可能なスペースに応じて、上流側または下流側を向くことができる。一実施形態では、操作ヘッド202は、アーム206を含み、このアーム206は、アクチュエータ210に動作可能に結合されると垂直に延びることができ、すなわち、アームは垂直に延びるアームである。アーム206は、タービンブレードベース130の軸方向側壁204に係合するように操作ヘッド202、すなわちアーム206の端部を適切に位置決めするのに必要な任意の長さを有することができる。アーム206の1つの長さが図示されているが、アーム206は、タービンブレード114の任意の半径方向長さ、および/または所与のタービン108の様々な異なるステージで使用できるように、装置200の一部として提供され得る異なる長さのアームのセットから選択され得る。あるいは、図6に示すように、垂直方向に延びるアーム206は、長さ調節可能であってもよい。
それは、例えば、アームを結合部材(coupling member)258に結合する結合部材258および/またはプレートカプラ(plate couplers)260(例えば、ボルト、ねじなど)を用いてアクチュエータ210に対する垂直位置を変更することにより、任意の解決策を用いて長さ調節可能にすることができる(調節スロット262を参照)。スロット262が示されているが、任意の形態の選択可能な開口部(複数可)を使用することもできる。操作ヘッド202は、例えば、軸方向側壁204に隣接するアーム206の端部において、軸方向側壁204に係合する任意の構造を含むことができる。すなわち、操作ヘッド202は、それに機械的に係合する構成要素に対して軸方向の力、およびおそらく振動振動を付与するための、現在知られているまたは後に開発される任意の器具の形態で提供され得る。操作ヘッド202は、例えば、1つ以上の振動ハンマー、プレート、シリンダー、ローラーなど(one or more vibrating hammers, plates, cylinders, rollers, etc.)として具現化することができる。一実施形態では、操作ヘッド202は、タービンブレードベース130の軸方向側壁204に係合し、ロータが回転する間にタービンブレードベース130の軸方向側壁204に沿ってスライドするように構成された係合要素208(図6)を含むことができる。
【0030】
操作ヘッド202はまた、アーム206に結合された振動駆動機構(vibratory drive mechanism)214を含む振動アセンブリ212を含むことができる。いくつかの実施態様において、振動駆動機構214は、例えば、流体源を介して振動アセンブリ212に供給される圧縮空気を用いて、機械的振動及び/又は他の形態の運動を生成するように構成された空気圧モータを含むことができる。振動駆動機構214は、代替的に、電気モータ、燃焼エンジン、および/または、例えば、偏心錘バイブレータシステム(eccentric weight vibrator system)と結合された、機械的な仕事を生成するための他の現在知られているまたは後に開発される器具を含むことができるか、またはそれらとして具現化されることができる。振動アセンブリ212は、任意の現在公知の解決策、例えば、締結具、溶接など(fasteners, welding, etc)を用いて、アーム206に調節可能に結合され、および/またはアーム206上に直接配置され得る。振動アセンブリ212は、アーム206の長さに沿ってどこにでも位置決めできるように、アーム206に調節可能に取り付けることができる。
【0031】
装置200はまた、タービンブレード114がターボ機械90のタービン108内の所定の位置にある間に、アクチュエータ210をタービンブレード114の上方に実質的に垂直に配置するように構成された支持ガントリ(support gantry)216を含む。本明細書で使用する「実質的に垂直:substantially vertical」は、垂直から±10°を示す。支持ガントリ216は、アクチュエータ210を支持するプラットフォームを有し、そこに加えられる原動力に耐えるのに十分な強度を有する、現在知られているまたは後に開発される橋のようなオーバーヘッド構造( bridge-like overhead structure)を含むことができる。支持ガントリ216は、任意の固定構造140に取り付けることができる。特定の実施形態では、支持ガントリ216は、タービンブレード114が配置されているターボ機械90の一部に取り付けることができる。図4に示されるように、外殻、上側ハーフジョイントケーシング(outer shell, upper half-joint casing:図示せず)を除去して、外殻、下側ハーフジョイントケーシング150を残すことができる。ここで、タービンブレード114を含むタービン108は、外殻、上部ハーフジョイントケーシングを取り外すことを除いて、タービン108の動作のための位置にある。支持ガントリ216が取り付けられるターボ機械90の部分は、例えば、タービン108に隣接し、及び/又はタービン108が配置される固定構造140、例えば、下部ハーフジョイントケーシング150を含むことができる。図示の例では、支持ガントリ216は、タービン108が配置される下側ハーフジョイントケーシング150の対向する側面232、234と、タービン108に隣接する排気フード142とに取り付けられる。支持ガントリ216は、図面では特定の方法で取り付けられて示されているが、他の多くの選択肢の中でも、任意の様々な代替の固定構造物140、例えば、発電所の床、他のケーシング、タービン108に隣接する他の構造物、発電所内のクレーンなどに取り付けることができることが強調される。支持ガントリ216を固定構造物140に固定的に取り付けることができる任意の取り付け機構236を使用することができ、例えば、ボルト止めまたはクランプ止めされた取り付けプレート(bolted or clamped mounting plates)などを使用することができる。
【0032】
図示されているように、特定の実施形態では、支持ガントリ216は、複数の異なるタービン108、すなわち、図示されているのとは異なる外半径のブレード段および異なる距離を有する異なるサイズのタービンを収容するように構成された複数の調節可能な支持部材230を含むことができる。図示の非限定的な例では、支持部材230は、建設用途で使用されるものと同様の足場部材を含むことができる。任意の数の支持部材230を使用することができ、現在知られているまたは後に開発される任意の方法、例えば、クランプ、締結具、ねじ結合など(clamps, fasteners, threaded couplings, etc.)で結合することができる。いずれにしても、支持部材230は、タービン108の上方の任意の横方向位置(any lateral position )、およびタービン108の軸Aに沿った任意の軸方向位置にアクチュエータ210を位置決めすることができる。本明細書で説明する目的のために、特定の実施形態では、少なくとも1つの支持部材238は、軸方向に、すなわちタービン108の軸Aに平行に延在する。
【0033】
操作ヘッド202の移動を実現するために、装置200は、操作ヘッド202、すなわちアーム206に機械的に結合されたアクチュエータ210を含むことができ、アクチュエータ210の作動によって、操作ヘッド202およびアーム206がタービンブレードベース130に対して相対的に移動するようになっている。より詳細には、アクチュエータ210は、操作ヘッド202を動かしてタービンブレードベース130の軸方向側壁204に選択的に係合させ、タービンブレードベース130に対して軸方向の力Fを付与してタービンブレード114を取り外しまたは取り付けるように構成されている。図5および図6に最もよく示されているように、アクチュエータ210は、支持ガントリ216に結合するように構成されたマウント部材240を含むことができる。マウント部材240は、支持ガントリ216の軸方向に延びる支持部材(axially-extending support member)238に結合可能な任意の構造部材(structural member)を含むことができる。特定の実施形態では、マウント部材240はプレートの形態をとるが、他の形態も可能である。マウント部材240は、例えば、パイプクランプ(pipe clamps)、または軸方向に延びる支持部材238の形状および寸法に適切な他の形態のカプラの形態の任意の数のカプラ(couplers:連結器)242を含むことができる。カプラ242は、軸方向に延びる支持部材238の1つ以上の部分に係合するように、マウント部材240から外側に延びることができる。カプラ242は、アクチュエータ210を支持ガントリ216から取り外すため、またはアクチュエータ210の支持ガントリ216に対する相対移動を可能にするために、選択的に締結および締結解除することができる。より詳細には、操作ヘッド202の所望の軸方向位置決めを可能にするために、アクチュエータ210をその下のタービンブレード114に対して、例えば軸方向に延びる支持部材238に沿って軸方向に相対的に移動させることができるように、カプラ242を選択的に締結および締結解除することができる。このようにして、装置200は、支持ガントリ216または装置200の他の部分を移動させることなく、タービン108の多数のステージにタービンブレード114を取外しまたは取付けるために使用することができる。軸方向に延びる支持部材238は、装置200の1回の取付けでタービン108の所望の数だけ多くのステージへの移動を可能にするために必要な任意の長さを有することができる。
【0034】
アクチュエータ210はまた、操作ヘッド202をマウント部材240、ひいてはタービンブレード114に対して(軸方向に)スライド移動させるように構成されたスライドシステム250を含む。アクチュエータ210はまた、タービンブレードベース130の軸方向側壁204に軸方向の力Fを加えるために、スライドシステム250をマウント部材240に対して軸方向に選択的に移動させるように構成されたリニアアクチュエータ(linear actuator)252も含む。スライドシステム250は、アーム206を有する操作ヘッド202のマウント部材240に対する少なくとも一方向、例えば、線Tに沿った相対的な移動を可能にするために、1つ以上の軸方向ガイド(axial guides)254を含むことができる。軸方向ガイド254は、レール、軌道、スロット(rails, raceways, slots)などのスライド可能なカップリング(slidable couplings)として具現化することができ、および/または、ギア軸受、ラックアンドピニオンアセンブリ、ねじ付きハウジング、および/または他の機械的軸受(gear bearings, rack-and-pinion assemblies, threaded housings, and/or other mechanical bearings)などの一方向の移動を可能にする構造の代替形態を含むことができる。軸方向ガイド254がレールまたは他のスライド可能な軸受として具現化される場合、一対のスライド可能なカップリング256はそれぞれ、それぞれの軸方向ガイド254にスライド可能に接続され、および/または取り付けられることができる。スライド可能なカップリング256は、トロリー(trolleys)、車輪、歯車、および/または、例えば矢印Tの方向に沿った、1つの構成要素の他の構成要素に対する相対的な移動を可能にするように設計された他の摺動構成要素(sliding components)または軸受の形態をとることができる、結合部材258は、アーム206の外面形状に係合する形状の一体型ハウジングとして設けられてもよく、あるいは、アーム206の一面に結合されてもよい。この場合、別の結合部材258をアーム206の別の表面に結合することができ、プレートカプラ260(例えば、ボルト、ねじ、リベットなど:bolts, screws, rivets, etc.)が2つの結合部材258を結合する。認識されるように、アーム206をスライドシステム250に結合するための様々な代替機構も採用され得る。
【0035】
操作者は、アクチュエータ210内に含まれ、および/またはアクチュエータ210に操作可能に接続された付加的な構成要素を用いて、マウント部材240に対する操作ヘッド202およびアーム206の位置をさらに制御することができる。例えば、リニアアクチュエータ252は、1つまたは複数の軸方向ガイド254を横切って操作ヘッド202およびアーム206を移動させるための機械的な仕事を生成および伝達することができる、例えば、機械的モータ、電気モータ、空気圧モータなど(mechanical motor, electrical motor, pneumatic motor, etc.)の形態の任意の形態の駆動機構253を含むことができる。図示された非限定的な例では、リニアアクチュエータ252は、操作ヘッド202およびアーム206を動かすために結合部材258と相互作用するウォームギア(worm gear)255を含む。リニアアクチュエータ252は、例えば、その中にリニアアクチュエータ252の一部を受け入れるような形状の軸受266を介して、マウント部材240に結合することができる。軸受266は、スライドシステム250を動かすためにウォームギア255が自由に回転できるようにマウント部材240の対向する端部(opposing ends:両端)に配置することができる。スライドシステム250、ウォームギア255および/または駆動機構252は、必要なアダプタ(図示せず)を用いて結合することができる。各軸受266は、マウント部材240の一部に、例えば、ボルト、ねじ、リベットなど(bolts, screws, rivets, etc.)の従来の締結具を介して機械的に固定されることにより、取り付けることができる。
【0036】
本明細書で説明するように、アクチュエータ210を軸方向に延びる支持部材238上に軸方向に位置決めすることに加えて、カプラ242は、アクチュエータ210のマウント部材240を2つの状態の間で選択的に位置決めするようにも構成されている。図4および図5に示されるように、第1の作動状態は、マウント部材240が支持ガントリ216の軸方向に延びる支持部材238に軸方向にかつ回動可能に固定された状態である。ここで、アーム206は、複数のタービンブレードステージ(複数の空になったロータホイール116を参照)の第1ステージ270に実質的に垂直に隣接して延びている。この状態は、選択されたブレードステージについて選択されたロータホイール116にタービンブレード114を取り外しまたは取り付けるためにアクチュエータ210を作動させることができる装置200の作動状態である。図7は、アーム206をタービン108上の任意のタービンブレード114の半径方向外側に位置させ、支持ガントリ216の軸方向に延びる支持部材238に沿って軸方向に移動可能であるように、マウント部材240が軸方向に延びる支持部材238(矢印B参照)に対して回動可能であるようにカプラ242が十分に解放された、別の第2の調整状態を示す。第2の状態では、アクチュエータ210は、複数のタービンブレード114の異なる第2ステージ272に対して位置決めするために、軸方向に延びる支持部材238に沿って移動可能である(矢印C参照)。一旦新しい所望の位置にあると、アクチュエータ210は、操作ヘッド202が選択されたタービンブレードベース130の軸方向側壁204に軸力Fを加える位置にあるように、回転して戻ることができる(矢印D参照)。このようにして、支持ガントリ216が移動しないにもかかわらず、装置200は複数のステージで動作することができ、タービンブレードの取外しまたは取付けを多数のステージで著しく迅速かつ安全に行うことができる。
【0037】
動作において、タービンマシン90のタービン108からタービンブレード114を取り付けるまたは取り外すための方法は、本明細書に記載されるような装置200をタービンマシン90の一部に取り付けることを含むことができる。1つの非限定的な例では、取付けは、タービン108が配置されるハーフジョイントケーシング150の対向する側面(opposing sides)232、234への支持ガントリ216の取付け、およびターボ機械90のタービン108に隣接する排気フード142への取付けを含む。操作ヘッド202は、選択されたブレード114のタービンブレードベース130と実質的に軸方向に整列させることができる。アクチュエータ210を使用して、操作ヘッド202を動かして、装置200の操作ヘッド202を(タービンブレードベースを作動させる前に)タービンブレードベース130に係合させてもよい。図8に示されるように、本方法は、タービンブレードベース130がタービンブレード114の第1ステージのロータホイール116内へまたはロータホイール116から外れるように、操作ヘッド202を介してタービンブレードベース130に対して軸力Fを加えることによって、タービンブレードベース130をターボ機械90に対して機械的に作動させることをさらに含み得る。すなわち、操作ヘッド202は、アーム206を介したアクチュエータ210による作動下で、タービンブレード114をロータホイール116の中へ、またはロータホイール116から外へ付勢する。設置の場合、これらの動作は、ブレード114が他の2つのブレード114の間に設置されるように、ブレード114をロータホイール116に向かって軸方向に移動させることができる。取り外しの場合、操作ヘッド202は、ブレード114を隣接する2つのブレード114の間の位置から外し、ローターホイール116から外すように、ブレード114に接触し、軸方向に移動させることができる。取り外しと取り付けの両方の工程は、ブレードを「ファンアウト:fanned out」する必要がある場合に採用することができ、これは、ローターを回転させながらブレードを1つずつ少しずつ取り外す必要があることを意味する。ファンアウトは、例えば、斜めになったダブテールスロットやかみ合う先端シュラウド(skewed dovetail or interlocking tip shrouds)が単一のブレードを単独で取り外したり取り付けたりすることを許さない場合に必要である。任意選択として、振動アセンブリ212は、装置の操作ヘッド202に、例えばアーム206を介して結合されてもよく、タービンブレードベース130は、軸力Fを加えるのと同時に振動されてもよい。図8に示すように、操作ヘッド202およびアーム206の位置は、操作ヘッド202が振動するにつれて、およびマウント部材240が下部ハーフジョイントケーシング150に対して静止したままであるにつれて、調整されてもよい。
【0038】
ブレード114の取付けおよび/または取外しの方法は、周方向に隣接するブレード114とかみ合わせプロファイル136(図3)を形成するように構成されたシュラウド部分134を含むブレード114の取付けまたは取外しに特に有効であり得る。図8に最もよく示すように、装置200におけるアーム206の使用により、使用者は、タービンの配置にかかわらず、操作ヘッド202(振動アセンブリ212の有無にかかわらず)をタービン108のステージと実質的に整列させることができる。図示するように、装置200は、代替的に、最終ステージのブレード以外のブレード114を、例えば、ステージ270、272の間の軸方向に位置決めされた場所に設置または取り外すために使用することができる。したがって、装置200は、従来の設置または装置ではブレード114にアクセスすることが困難であったターボ機械90の任意の位置で使用することができる。
【0039】
図7に示されるように、タービンブレードの異なるステージが取り外されるか、または取り付けられる場合、本方法は、アーム206(および操作ヘッド202)を、タービンブレード114の第1ステージのロータホイール116に隣接する第1の操作位置(図4~5)からタービン108上の任意のタービンブレード114の半径方向外側の位置まで回転させるように、アクチュエータ210を回転させる第1の回転を含むことができる。図7にも示されているように、アクチュエータ210は、支持ガントリ216の軸方向に延びる支持部材238に沿って、アーム206がターボ機械90のタービンブレード114の異なる第2ステージ272に隣接する空間276の半径方向外側かつ軸方向上にある非作動位置(図7)まで軸方向に移動させることができる。異なる第2ステージ272は、軸方向に延びる支持部材238を介してアーム206およびアクチュエータ210によってアクセス可能な任意のステージであり得る。次いで、アクチュエータ210は、アーム206を非作動位置からタービンブレード114の異なる第2ステージ(different second stage)272に隣接する別の作動位置(図7の破線)に回転させるように、再び逆回転(図7の矢印D)させることができる。操作ヘッド202を介してタービンブレードベース130に対して軸力Fを加えることによるタービンブレードベース130のターボ機械90に対する機械的作動は、その後、第2ステージ272の任意の数のタービンブレード114に対して繰り返すことができる。すなわち、タービンブレードベース130が、異なる第2ステージ272のタービンブレード114のロータホイール116の中へ、またはロータホイール116から外へ移送する。
【0040】
装置200は、金属、プラスチック、セラミック、および/またはターボ機械の設置または整備の分野で使用するのに適合した他の材料を含む1つまたは複数の材料を含むことができ、これらに限定されない。
【0041】
本開示の実施形態は、いくつかの技術的および商業的利点を提供することができ、そのうちのいくつかを例として本明細書で説明する。本明細書で議論される取付け具および方法の実施形態は、ターボ機械で使用されるようなタービンブレードの実質的に均一な製造および/またはサービスを提供することができる。本開示の実施形態はまた、特定の構成要素(例えば、ガスタービンの最終ステージブレード)の検査中など、ターボ機械及び/又はステージの少なくとも部分的な分解を必要とする工程及び/又は事象に採用することができる。本明細書で説明する様々な実施形態は、隣接する構成要素の部分的または全体的な解体を必要とすることなく、比較的アクセスしにくい場所にブレードを設置または取り外すように動作可能であり得る。支持ガントリは、例えば、異なる角度及び/又は異なる取付け位置を有する異なるタービンのために、装置の幅広い調整を可能にする。また、本装置は、装置を取り外すことなく(without unbolting the apparatus:装置のボルトを取り外すことなく)、任意のタービンの複数のステージを操作することができ、時間を節約することができる。さらに、本装置は垂直方向に配置されているため、タービンブレードベースを移動させるための軸力(axial force)が少なくて済み、ブレードを上方から支持することでブレードの取り付けまたは取り外しをより安全に行うことができる。本装置は、例えば、現在知られている遠隔操作システムまたは後に開発される遠隔操作システムを使用して、ほぼ完全に遠隔操作することができる。また、本開示の実施形態は、本明細書で特に扱わない他の操作および/または整備の文脈において、利点および特徴を提供し得ることが理解される。
【0042】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかにそうでないことが示されない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書において使用される場合、用語「からなる(comprises)」および/または「からなる(comprising)」は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。
【0043】
本明細書は、最良の態様を含む実施例を用いており、当業者であれば、任意の装置またはシステムの製造および使用、ならびに組み込まれた任意の方法の実行を含め、本開示を実施できるようにするためのものである。本開示の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に思いつく他の例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0044】
90:ターボ機 100:ガスタービン(GT)システム 102:圧縮機 104:燃焼器 105:燃焼領域 106:燃料ノズルアセンブリ 108:タービン 110:ロータ 112:ノズル 114:回転ブレード 115:静止ノズル部 116:ロータホイール 120:半径方向外側の端壁 122:半径方向内側の端壁 124:ケーシング 129:エーロフォイル 130:タービンブレードベース 132:流体 134:シュラウド部分 136:かみ合わせプロファイル 138:流路 140:固定構造 142:排気フード 150:ハーフジョイントケーシング 200:装置 202:操作ヘッド 204:軸方向側壁 206:アーム 208:係合要素 210:アクチュエータ 212:振動アセンブリ 214:振動駆動機構 216:支持ガントリ 230:支持部材 232、234:対向する側面 236:取り付け機構 238:軸方向に延びる支持部材 240:マウント部材 242:カプラ 250:スライドシステム 252:リニアアクチュエータ 253:駆動機構 254:軸方向ガイド 255:ウォームギヤ 256:スライド可能なカップリング 258:結合部材 260:プレートカプラ 262:調節スロット 266:軸受 270:第1ステージ 272:異なる第2ステージ 276:空間 A:軸方向 C:周方向 F:軸方向力 L0:第1ステージ L1:第2ステージ L2:第3ステージ L3:最終ステージ N:軸方向経路 R:半径方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】