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特表2024-505379車両の乗客のための降車または乗車場所を決定すること
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】車両の乗客のための降車または乗車場所を決定すること
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20240130BHJP
   B60W 40/06 20120101ALI20240130BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20240130BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20240130BHJP
   B60W 40/08 20120101ALI20240130BHJP
   B60W 50/10 20120101ALI20240130BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240130BHJP
   G05D 1/622 20240101ALI20240130BHJP
【FI】
G08G1/123 A
B60W40/06
B60W40/04
B60W60/00
B60W40/08
B60W50/10
G08G1/00 D
G05D1/622
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541070
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 US2021062124
(87)【国際公開番号】W WO2022154902
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】17/146,725
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】タベイラ、マイケル・フランコ
(72)【発明者】
【氏名】カシリア・スダルサン、ビシュヌ・バルダン
(72)【発明者】
【氏名】ケー,、ハリプラサド
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
3D241BA00
3D241BB03
3D241BC01
3D241BC02
3D241CD09
3D241CE04
3D241CE06
3D241DC33Z
3D241DC41Z
3D241DC51Z
3D241DD10Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC02
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H301AA01
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301KK08
5H301LL01
5H301LL12
(57)【要約】
本開示は、乗客サービス用に構成されている車両の動作を制御するためのシステム、方法、および装置を提供する。いくつかの実装形態においては、車両コントローラが、メモリに通信可能に結合されている1つまたは複数のプロセッサを含み、1つまたは複数のプロセッサは、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントを決定するように構成されている。1つまたは複数のプロセッサは、現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出するように構成されることが可能である。1つまたは複数のプロセッサは、現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているということを検出したことに応答して、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントの位置、および検出された障害物または危険な状態に少なくとも部分的に基づいて、現場に関連付けられている降車または乗車場所を決定するように構成されることが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、
前記メモリに通信可能に結合されている1つまたは複数のプロセッサと
を備える装置であって、前記1つまたは複数のプロセッサが、
車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントを決定することと、
現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出することと、
前記現場にまたはその付近に前記障害物または危険な状態が存在しているということを検出したことに応答して、前記車両の前記乗客に関する前記予想される入車または退車ポイントの位置、および前記検出された障害物または危険な状態に少なくとも部分的に基づいて、前記現場に関連付けられている降車または乗車場所を決定することとを行うように構成されている、装置。
【請求項2】
前記検出された障害物または危険な状態が、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、前記識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、前記車両の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記降車または乗車場所を決定することがさらに、前記乗客の着座位置に基づく、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記降車または乗車場所を決定することが、前記車両の前記乗客に関する前記予想される入車または退車ポイントと、前記検出された障害物または危険な状態とが前記車両の同じ側にあるかどうかに基づく、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記1つまたは複数のプロセッサがさらに、
前記決定された降車または乗車場所からある距離内の複数の異なる代替の降車または乗車場所から1つの代替の降車または乗車場所を決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の異なる代替の降車または乗車場所が、地図データ、コヒーレント光感知システムデータ、周囲エリアの画像、前記周囲エリアのビデオ、RADAR、乗客入力、またはそれらの任意の組合せに基づく、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の異なる代替の降車または乗車場所が、前記乗客の身体上の制限、前記乗客の年齢、前記乗客に伴う幼児もしくは子供の存在、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づく、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記1つまたは複数のプロセッサがさらに、
複数の異なる代替の降車または乗車場所からの1つまたは複数の好ましい降車または乗車場所を受信することと、
前記1つまたは複数の好ましい降車または乗車場所に基づいて前記代替の降車または乗車場所を決定することとを行うように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記1つまたは複数のプロセッサがさらに、
前記乗客の1つまたは複数の身体上の属性に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記1つまたは複数のプロセッサがさらに、
前記乗客から前記代替の降車場所のうちの1つを入手するように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記装置が前記車両内に実装されている車両コントローラを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記装置がサーバまたはクラウドベースの車両制御システムに実装されている車両コントローラを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記1つまたは複数のプロセッサがさらに、
前記検出された障害物または危険な状態を無視する旨の前記乗客の意向の表示を受け取ることと、
前記検出された障害物または危険な状態を無視する旨の前記乗客の意向の前記表示を受け取ったことに応答して、前記決定された降車または乗車場所を維持することとを行うように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記障害物または危険な状態を検出することが、
周囲環境における物体の存在を示す1つまたは複数のセンサ測定値を受信することと、
前記検出された物体の場所に対応するポイントの3次元マップを生成することと、
前記3次元ポイントマップに基づいて前記周囲エリアにおける前記障害物または危険な状態の場所を決定することとを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記1つまたは複数のプロセッサがさらに、
前記車両における前記乗客の着座位置を決定することと、
前記車両の前記乗客に関する前記予想される入車または退車ポイントに対して相対的な前記乗客の前記着座位置に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定することとを行うように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記1つまたは複数の代替の降車場所の前記決定は、前記乗客の前記着座位置と、前記予想される入車または退車ポイントとが、前記車両における1人または複数の他の乗客の着座位置にかかわらず、前記車両の同じ側にあると決定したことに基づく、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記1つまたは複数のプロセッサがさらに、
前記決定された降車もしくは乗車場所の1つもしくは複数の属性、前記乗客の1つもしくは複数の属性、前記乗客の1つもしくは複数の身体上の制限もしくは障害、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づいて、前記乗客が前記車両に入るためにまたは前記車両から出るために追加の時間またはスペースを必要とするかどうかを決定することと、
前記乗客が前記車両に入るためにまたは前記車両から出るために追加の時間またはスペースを必要とすると決定したことに応答して1つまたは複数の代替の降車または乗車場所を決定することとを行うように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
車両の1つまたは複数の動作を制御するための方法であって、
前記車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントを決定することと、
現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出することと、
前記現場にまたはその付近に前記障害物または危険な状態が存在しているということを検出したことに応答して、前記車両の前記乗客に関する前記予想される入車または退車ポイントの位置、および前記検出された障害物または危険な状態に少なくとも部分的に基づいて、前記現場に関連付けられている降車または乗車場所を決定することとを備える方法。
【請求項19】
前記検出された障害物または危険な状態が、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、前記識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、前記車両の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記降車または乗車場所を決定することが、前記乗客の着座位置に基づく、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記降車または乗車場所を決定することが、前記車両の前記乗客に関する前記予想される入車または退車ポイントと、前記検出された障害物または危険な状態とが前記車両の同じ側にあるかどうかに基づく、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
複数の異なる代替の降車または乗車場所からの1つまたは複数の好ましい降車または乗車場所を受信することと、
前記1つまたは複数の好ましい降車または乗車場所に基づいて前記代替の降車または乗車場所を決定することと
をさらに備える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記乗客の1つまたは複数の身体上の属性に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定すること
をさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記車両における前記乗客の着座位置を決定することと、
前記車両の前記乗客に関する前記予想される入車または退車ポイントに対して相対的な前記乗客の前記着座位置に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定することと
をさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントを決定するための手段と、
現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出するための手段と、
前記現場にまたはその付近に前記障害物または危険な状態が存在しているということを検出したことに応答して、前記車両の前記乗客に関する前記予想される入車または退車ポイントの位置、および前記検出された障害物または危険な状態に少なくとも部分的に基づいて、前記現場に関連付けられている降車または乗車場所を決定するための手段と
を備えるシステム。
【請求項26】
前記乗客の1つまたは複数の身体上の属性に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定するための手段
をさらに備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記車両における前記乗客の着座位置を決定するための手段と、
前記車両の前記乗客に関する前記予想される入車または退車ポイントに対して相対的な前記乗客の前記着座位置に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定するための手段と
をさらに備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
車両を制御するための命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体であって、装置の1つまたは複数のプロセッサによる前記命令の実行が、
前記車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントを決定することと、
現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出することと、
前記現場にまたはその付近に前記障害物または危険な状態が存在しているということを検出したことに応答して、前記車両の前記乗客に関する前記予想される入車または退車ポイントの位置、および前記検出された障害物または危険な状態に少なくとも部分的に基づいて、前記現場に関連付けられている降車または乗車場所を決定することとを備える動作を前記車両に実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項29】
前記1つまたは複数のプロセッサによる前記命令の実行が、
前記乗客の1つまたは複数の身体上の属性に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定することをさらに備える動作を前記車両に実行させる、請求項28に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項30】
前記1つまたは複数のプロセッサによる前記命令の実行が、
前記車両における前記乗客の着座位置を決定することと、
前記車両の前記乗客に関する前記予想される入車または退車ポイントに対して相対的な前記乗客の前記着座位置に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定することとをさらに備える動作を前記車両に実行させる、請求項28に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本特許出願は、本特許出願の譲受人に譲渡されている、2021年1月12日に出願された「DETERMINING DROP-OFF OR PICK-UP LOCATIONS FOR PASSENGERS OF VEHICLES」と題されている米国特許出願第17/146,725号に対する優先権を主張するものである。すべての以前の出願の開示は、本特許出願の一部とみなされ、参照によって本特許出願に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は全般に、乗客サービス用に構成されている車両(vehicle)に関し、より詳細には、車両の乗客(passenger)のための降車または乗車場所(drop-off or pick-up location)を決定することに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 自律車両(AV:Autonomous vehicle)および半自律車両は、実質的に自律的なモードで動作することが可能であり、このモードにおいては、車両は、人間の運転手からの入力をほとんどまたはまったく伴わずに環境内を走行する。自律車両は、様々な降車または乗車場所で乗客を乗車および/または降車させるために配車されることも可能であり、それらの降車または乗車場所は、典型的には、駐車するための、乗客を乗車させるための、および乗客を降車させるための指定された駐車エリアを含む。
【0004】
[0004] 自律車両などの車両が、ある場所で乗客降車および/または乗車のために停車または駐車する場合には、降車または乗車場所でのまたはその付近での障害物(obstacle)および危険な状態(hazardous condition)によって、乗客が車両に入ることおよび/または車両から出ることが可能であることが妨げられる場合がある。それゆえに、従来の自律車両は、指定された乗客降車および/または乗車場所まで自動走行することが可能であるが、たとえば、近辺の障害物または危険な状態によって、乗客が安全におよび快適に自律車両(autonomous vehicle)に入ることおよび/または自律車両から出ることが可能であることが妨げられることのないように、またはそうした出入りが可能であることが他の形で影響を受けることのないようにどこに駐車すべきかを正確に決定することが可能ではない場合がある。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本開示のシステム、方法、およびデバイスは、乗客サービス用に構成されている車両によって乗客のための降車および/または乗車場所を決定するために使用されることが可能である。様々な実装形態においては、車両に関連付けられている装置(apparatus)が、1つまたは複数のプロセッサ(processor)に通信可能に結合されているメモリ(memory)を含む。いくつかの実装形態においては、1つまたは複数のプロセッサは、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイント(expected entry or exit point)を決定するように構成されることが可能である。1つまたは複数のプロセッサは、現場(site)にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出するように構成されることが可能である。1つまたは複数のプロセッサは、現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているということを検出したことに応答して、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントの位置(position)、および検出された障害物または危険な状態に少なくとも部分的に基づいて、現場に関連付けられている降車または乗車場所を決定するように構成されることが可能である。
【0006】
[0006] 様々な実装形態においては、検出された障害物または危険な状態は、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、識別された降車もしくは乗車場所の近傍(vicinity)内の閉鎖された車線(closed lane)、車両の前方もしくは後方の特定の量(certain amount)に満たない余地(room)、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。
【0007】
[0007] いくつかの実装形態においては、降車または乗車場所を決定することは、乗客の着座位置(seating position)に基づくことが可能である。いくつかの場合においては、降車または乗車場所は、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントと、検出された障害物または危険な状態とが車両の同じ側(same side)にあるかどうかに基づいて決定されることが可能である。いくつかの態様においては、様々な代替の降車または乗車場所は、地図データ、コヒーレント光感知システムデータ(たとえば、LIDARセンサデータ)、周囲エリア(surrounding area)の画像、周囲エリアのビデオ、RADAR、乗客入力、またはそれらの任意の組合せに基づくことが可能である。他の態様においては、代替の降車または乗車場所は、決定された降車または乗車場所(determined drop-off or pick-up location)からある距離(distance)内の複数の異なる代替の降車または乗車場所(different alternate drop-off or pick-up locations)から決定されることが可能である。
【0008】
[0008] いくつかの実装形態においては、代替の降車または乗車場所の決定は、乗客の身体上の制限(physical limitation)、乗客の年齢(age)、乗客に伴う幼児もしくは子供(infants or children)の存在(presence)、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づくことが可能である。他の実装形態においては、代替の降車または乗車場所の決定は、1つまたは複数の好ましい降車または乗車場所(preferred drop-off or pick-up location)に基づくことが可能である。
【0009】
[0009] 一実装形態においては、1つまたは複数のプロセッサは、検出された障害物または危険な状態を無視する旨の乗客の意向(willingness)の表示(indication)を受け取るように構成されることが可能である。1つまたは複数のプロセッサは、検出された障害物または危険な状態を無視する旨の乗客の意向の表示を受け取ったことに応答して、決定された降車または乗車場所を維持するように構成されることが可能である。
【0010】
[0010] いくつかの実装形態においては、1つまたは複数のプロセッサは、車両における乗客の着座位置を決定するように構成されることも可能である。1つまたは複数のプロセッサは、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントに対して相対的な乗客の着座位置に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所(alternate drop-off location)を決定するように構成されることも可能である。いくつかの場合においては、1つまたは複数のプロセッサは、乗客の着座位置と、予想される入車または退車ポイントとが車両の同じ側にあると決定したことに少なくとも部分的に基づいて乗客のための代替の降車場所を決定するように構成されることも可能である。
【0011】
[0011] 様々な実装形態においては、車両の1つまたは複数の動作を制御するための方法が開示される。いくつかの実装形態においては、この方法は、装置によって実行されることが可能である。いくつかの態様においては、その装置は、車両に関連付けられている車両コントローラ(vehicle controller)であることが可能である。他の態様においては、その装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。一実装形態においては、この方法は、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントを決定することを含む。この方法は、現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出することを含む。この方法は、現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているということを検出したことに応答して、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントの位置、および検出された障害物または危険な状態に少なくとも部分的に基づいて、現場に関連付けられている降車または乗車場所を決定することを含む。
【0012】
[0012] 様々な実装形態においては、検出された障害物または危険な状態は、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、車両の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。
【0013】
[0013] いくつかの実装形態においては、降車または乗車場所を決定することは、乗客の着座位置に基づくことが可能である。いくつかの場合においては、降車または乗車場所は、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントと、検出された障害物または危険な状態とが車両の同じ側にあるかどうかに基づいて決定されることが可能である。いくつかの態様においては、様々な代替の降車または乗車場所は、地図データ、コヒーレント光感知システムデータ(たとえば、LIDARセンサデータ)、周囲エリアの画像、周囲エリアのビデオ、RADAR、乗客入力、またはそれらの任意の組合せに基づくことが可能である。他の態様においては、代替の降車または乗車場所は、決定された降車または乗車場所からある距離内の複数の異なる代替の降車または乗車場所から決定されることが可能である。
【0014】
[0014] いくつかの実装形態においては、代替の降車または乗車場所の決定は、乗客の身体上の制限、乗客の年齢、乗客に伴う幼児もしくは子供の存在、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づくことが可能である。他の実装形態においては、代替の降車または乗車場所の決定は、1つまたは複数の好ましい降車または乗車場所に基づくことが可能である。
【0015】
[0015] 一実装形態においては、この方法は、検出された障害物または危険な状態を無視する旨の乗客の意向の表示を受け取ることを含むことも可能である。この方法は、検出された障害物または危険な状態を無視する旨の乗客の意向の表示を受け取ったことに応答して、決定された降車または乗車場所を維持することを含むことも可能である。
【0016】
[0016] 様々な実装形態においては、この方法は、車両における乗客の着座位置を決定することを含むことも可能である。この方法は、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントに対して相対的な乗客の着座位置に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定することを含むことも可能である。いくつかの場合においては、この方法は、乗客の着座位置と、予想される入車または退車ポイントとが車両の同じ側にあると決定したことに少なくとも部分的に基づいて乗客のための代替の降車場所を決定することを含むことも可能である。
【0017】
[0017] 様々な実装形態においては、システムが開示される。いくつかの実装形態においては、このシステムは、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントを決定するための手段を含むことが可能である。このシステムは、現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出するための手段を含むことが可能である。このシステムは、現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているということを検出したことに応答して、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントの位置、および検出された障害物または危険な状態に少なくとも部分的に基づいて、現場に関連付けられている降車または乗車場所を決定するための手段を含むことが可能である。
【0018】
[0018] 様々な実装形態においては、検出された障害物または危険な状態は、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、車両の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。
【0019】
[0019] いくつかの実装形態においては、降車または乗車場所を決定することは、乗客の着座位置に基づくことが可能である。いくつかの場合においては、降車または乗車場所は、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントと、検出された障害物または危険な状態とが車両の同じ側にあるかどうかに基づいて決定されることが可能である。いくつかの態様においては、様々な代替の降車または乗車場所は、地図データ、コヒーレント光感知システムデータ(たとえば、LIDARセンサデータ)、周囲エリアの画像、周囲エリアのビデオ、RADAR、乗客入力、またはそれらの任意の組合せに基づくことが可能である。他の態様においては、代替の降車または乗車場所は、決定された降車または乗車場所からある距離内の複数の異なる代替の降車または乗車場所から決定されることが可能である。
【0020】
[0020] いくつかの実装形態においては、代替の降車または乗車場所の決定は、乗客の身体上の制限、乗客の年齢、乗客に伴う幼児もしくは子供の存在、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づくことが可能である。他の実装形態においては、代替の降車または乗車場所の決定は、1つまたは複数の好ましい降車または乗車場所に基づくことが可能である。
【0021】
[0021] 一実装形態においては、このシステムは、検出された障害物または危険な状態を無視する旨の乗客の意向の表示を受け取るための手段を含むことも可能である。このシステムは、検出された障害物または危険な状態を無視する旨の乗客の意向の表示を受け取ったことに応答して、決定された降車または乗車場所を維持するための手段を含むことも可能である。
【0022】
[0022] 様々な実装形態においては、このシステムは、車両における乗客の着座位置を決定するための手段を含むことも可能である。このシステムは、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントに対して相対的な乗客の着座位置に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定するための手段を含むことも可能である。いくつかの場合においては、このシステムは、乗客の着座位置と、予想される入車または退車ポイントとが車両の同じ側にあると決定したことに少なくとも部分的に基づいて乗客のための代替の降車場所を決定するための手段を含むことも可能である。
【0023】
[0023] 様々な実装形態においては、車両を制御するための命令(instruction)を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer-readable medium)が開示される。いくつかの実装形態においては、装置の1つまたは複数のプロセッサによる命令の実行が、動作を車両に実行させる。一実装形態においては、動作は、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントを決定することを含むことが可能である。動作は、現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出することを含むことが可能である。動作は、現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているということを検出したことに応答して、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントの位置、および検出された障害物または危険な状態に少なくとも部分的に基づいて、現場に関連付けられている降車または乗車場所を決定することを含むことが可能である。いくつかの態様においては、その装置は、車両に関連付けられている車両コントローラであることが可能である。他の態様においては、その装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。
【0024】
[0024] 様々な実装形態においては、検出された障害物または危険な状態は、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、車両の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。
【0025】
[0025] いくつかの実装形態においては、降車または乗車場所を決定することは、乗客の着座位置に基づくことが可能である。いくつかの場合においては、降車または乗車場所は、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントと、検出された障害物または危険な状態とが車両の同じ側にあるかどうかに基づいて決定されることが可能である。いくつかの態様においては、様々な代替の降車または乗車場所は、地図データ、コヒーレント光感知システムデータ(たとえば、LIDARセンサデータ)、周囲エリアの画像、周囲エリアのビデオ、RADAR、乗客入力、またはそれらの任意の組合せに基づくことが可能である。他の態様においては、代替の降車または乗車場所は、決定された降車または乗車場所からある距離内の複数の異なる代替の降車または乗車場所から決定されることが可能である。
【0026】
[0026] いくつかの実装形態においては、代替の降車または乗車場所の決定は、乗客の身体上の制限、乗客の年齢、乗客に伴う幼児もしくは子供の存在、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づくことが可能である。他の実装形態においては、代替の降車または乗車場所の決定は、1つまたは複数の好ましい降車または乗車場所に基づくことが可能である。
【0027】
[0027] 一実装形態においては、動作は、検出された障害物または危険な状態を無視する旨の乗客の意向の表示を受け取ることを含むことが可能である。動作は、検出された障害物または危険な状態を無視する旨の乗客の意向の表示を受け取ったことに応答して、決定された降車または乗車場所を維持することを含むことが可能である。
【0028】
[0028] 様々な実装形態においては、動作は、車両における乗客の着座位置を決定することを含むことが可能である。動作は、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントに対して相対的な乗客の着座位置に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定することを含むことが可能である。いくつかの場合においては、動作は、乗客の着座位置と、予想される入車または退車ポイントとが車両の同じ側にあると決定したことに少なくとも部分的に基づいて乗客のための代替の降車場所を決定することを含むことも可能である。
【0029】
[0029] 本開示において説明される主題の1つまたは複数の実装形態の詳細が、添付の図面および以降の説明において記載されている。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。以降の図の相対的な寸法は、縮尺どおりに描かれていない場合があるということに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】[0030] 例示的なシステムの絵図。
図2】[0031] 図1の例示的なシステムの機能ブロック図。
図3】[0032] 本開示のいくつかの態様による自律車両のブロック図。
図4A】[0033] いくつかの実装形態による、車両が降車または乗車場所を修正しているところを示すイラストレーション。
図4B】いくつかの実装形態による、車両が降車または乗車場所を修正しているところを示すイラストレーション。
図4C】いくつかの実装形態による、車両が降車または乗車場所を修正しているところを示すイラストレーション。
図5A】[0034] いくつかの他の実装形態による、車両が降車または乗車場所を修正しているところを示すイラストレーション。
図5B】いくつかの他の実装形態による、車両が降車または乗車場所を修正しているところを示すイラストレーション。
図5C】いくつかの他の実装形態による、車両が降車または乗車場所を修正しているところを示すイラストレーション。
図6A】[0035] いくつかの実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作を示すフローチャート。
図6B】[0036] 他の実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作を示すフローチャート。
図7A】[0037] いくつかの実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作を示すフローチャート。
図7B】[0038] いくつかの実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作を示すフローチャート。
図8A】[0039] いくつかの実装形態による、代替の降車場所を決定するための例示的な動作を示すフローチャート。
図8B】[0040] いくつかの実装形態による、代替の降車場所のうちの1つを決定するための例示的な動作を示すフローチャート。
図9】[0041] 他の実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作を示すフローチャート。
図10】[0042] いくつかの実装形態による、障害物または危険な状態の場所を決定するための例示的な動作を示すフローチャート。
図11】[0043] いくつかの実装形態による、1つまたは複数の代替の降車または乗車場所を決定するための例示的な動作を示すフローチャート。
図12】[0044] 他の実装形態による、1つまたは複数の代替の降車または乗車場所を決定するための例示的な動作を示すフローチャート。
図13】[0045] 他の実装形態による、代替の降車場所を決定するための例示的な動作を示すフローチャート。
図14】[0046] いくつかの実装形態による、新たな乗客乗車場所を決定するための例示的な動作を示すフローチャート。
図15】[0047] いくつかの他の実装形態による、1つまたは複数の代替の降車または乗車場所を決定するための例示的な動作を示すフローチャート。
図16】[0048] いくつかの他の実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作を示すフローチャート。
図17】[0049] いくつかの実装形態による、乗客からの表示を受け取るための例示的な動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[0050] 様々な図面における同様の参照番号および名称は、同様の要素を示している。
【0032】
[0051] 本開示の態様が、例示の目的のために提供される様々な例を対象とした以降の説明および関連した図面において提供されている。本開示の範囲から逸脱することなく、代替態様が考案されることが可能である。加えて、本開示のよく知られている要素は、本開示の関連のある詳細をわかりにくくすることのないように、詳細には説明されないか、または省略される。
【0033】
[0052] 以降で説明されている情報および信号は、様々な異なるテクノロジーおよび技術のうちのいずれかを使用して表されることが可能であるということを当業者なら理解するであろう。たとえば、以降の説明の全体を通じて言及される場合があるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、一部は個別の用途に、一部は所望の設計に、一部は対応するテクノロジーなどに応じて、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表されることが可能である。
【0034】
[0053] さらに、多くの態様が、たとえばコンピューティングデバイスの要素によって実行されることになるアクションのシーケンスという点から説明されている。本明細書において説明されている様々なアクションは、特定の回路(たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC))によって、1つもしくは複数のプロセッサによって実行されているプログラム命令によって、または両方の組合せによって実行されることが可能であるということが認識されるであろう。加えて、本明細書において説明されているアクションのシーケンスは、コンピュータ命令の対応するセットを内部に記憶してある任意の形態の非一時的コンピュータ可読記憶媒体内で完全に具体化されると考えられることが可能であり、それらのコンピュータ命令は、実行時に、デバイスの関連付けられているプロセッサに、本明細書において説明されている機能性を実行させるか、またはその機能性を実行するように指示することになる。それゆえに、本開示の様々な態様は、いくつかの異なる形態で具体化されることが可能であり、それらの形態のすべては、特許請求されている主題の範囲内にあると考えられている。加えて、本明細書において説明されている態様のうちのそれぞれに関して、あらゆるそのような態様の対応する形態は、本明細書においては、たとえば、説明されているアクションを実行する「ように構成されているロジック」として説明される場合がある。それゆえに、本明細書においては自律車両または半自律車両(自動運転車または「SDC」としても知られている)に関して説明されているが、本開示の態様は、車、トラック、オートバイ、バス、ボート、ヘリコプター、ロボット、無人航空機、レクリエーショナルビークル、遊園地車両、建設機器、およびゴルフカートなどの(ただし、それらに限定されない)他の車両内で実施されることが可能である。
【0035】
[0054] 車両は、自律的なまたは半自律的なモードで動作するように、およびこのモードにある間は運転手からの入力をほとんどまたはまったく伴わずに環境内を走行するように構成されることが可能である。これらの自律車両および半自律車両は、典型的には、その車両が動作する環境に関する情報を決定するように構成されているいくつかのセンサを含む。それらのセンサは、1つまたは複数の光検出測距(LIDAR)デバイスを含むことが可能であり、それらのLIDARデバイスは、環境における複数の物体(object)(他の車両、歩行者、信号機、障害物等など)を検出し、自律車両とそれらの複数の物体との間における距離を決定することが可能である。自律車両および半自律車両は、たとえば、ソナーデバイス、レーダーデバイス、カメラ、およびオーディオ感知デバイスを含む(ただし、それらに限定されない)他のタイプのセンサを含むことも可能である。検出された物体の様々な特徴および特質(その物体の位置、サイズ、形状、タイプ、動き、向き等など)を決定するために、LIDARおよび/または他のタイプのセンサからのデータが使用されることが可能である。
【0036】
[0055] いくつかの自律車両は、乗客サービスおよび/または貨物サービス(たとえば、配送サービス)用に使用または構成されることが可能である。たとえば、ユーザは、乗車場所および/または降車場所を乗客配車サービスに提供することが可能であり、乗客用配車サービスは、乗客乗車および降車場所を自律車両に伝えることが可能である。ユーザは、たとえば、ユーザのクライアントデバイスの現在の場所を使用することによって、ユーザのプロフィールに関連付けられている最近のもしくは保存されている場所を使用することによって、または住所を入力すること、もしくはクライアントデバイス上に提示されている地図上の場所をタップすることによってなどを含む(ただし、それらに限定されない)様々なやり方で降車および乗車場所を示すことまたは指定することが可能である。クライアントデバイスは、降車および/または乗車場所を乗客配車サービスへ送ることが可能であり、乗客配車サービスは次いで、自律車両が乗客を乗車させて、指定された降車場所まで乗客を輸送するように手配することが可能である。
【0037】
[0056] しかしながら、すべての場所が、乗客(または貨物)の乗車または降車場所として適切、安全、または実行可能であり得るとは限らない。たとえば、くぼみ、でこぼこした舗装、建設用フェンス、および他の車両などの障害物および危険な状態は、自律車両が乗客を安全に乗車および降車させることができる能力を妨げる可能性がある。本開示のいくつかの態様によれば、乗客(または貨物)サービスを提供する自律車両が、スケジュールされた降車もしくは乗車場所でのもしくはその付近での障害物もしくは危険な状態の存在、自律車両の乗客(および/もしくは貨物)の1つもしくは複数の状態、自律車両によって輸送されている乗客どうしの相対的な位置、またはそれらの任意の組合せに基づいて、スケジュールされた降車または乗車場所を選択的に修正することを可能にすることができるシステム、方法、およびデバイスが開示される。
【0038】
[0057] 様々な実装形態は全般に、乗客にとっての適切な乗車および/または降車場所を車両が決定することに関する。いくつかの実装形態は、より具体的には、それぞれの乗客に対して怪我を引き起こす可能性がある、それぞれの乗客が車両に入ることもしくは車両から出ることが可能であることを妨げる可能性がある、または他の形でそれぞれの乗客に不便をかける可能性がある障害物、危険な状態、および他の状態がない乗客乗車および/または降車場所を決定することに関する。1つの例示的な実装形態においては、乗客サービス用に構成されている車両を支援または制御するために、車両コントローラなどの(ただし、それに限定されない)装置が使用されることが可能である。いくつかの態様においては、この装置は、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントを決定することが可能である。この装置は、現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出することが可能である。この装置は、現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているということを検出したことに応答して、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントの位置、および検出された障害物または危険な状態に少なくとも部分的に基づいて、現場に関連付けられている降車または乗車場所を決定することが可能である。
【0039】
[0058] いくつかの実装形態においては、この装置は、識別された降車または乗車場所のエリアまたはゾーン内の障害物および危険な状態を検出することが可能である。いくつかの場合においては、識別された降車または乗車場所のエリアまたはゾーンは、識別された降車または乗車場所から特定の距離(およそ15フィートと50フィートとの間、または別の範囲など)内にある周囲環境(surrounding environment)の部分を含むことが可能である。他の場合においては、識別された降車または乗車場所のエリアまたはゾーンは、識別された降車または乗車場所に車両がある間に車両から特定の距離(およそ15フィートと50フィートとの間、または別の範囲など)内にある周囲環境の部分を含むことが可能である。
【0040】
[0059] 様々な実装形態においては、降車または乗車場所を決定することは、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントに対して相対的な乗客の着座位置に基づくことも可能である。たとえば、検出された障害物または危険な状態が、それぞれの乗客に関する予想される退車ポイントと同じ車両側にあって、1人または複数の乗客が車両に入ることまたは車両から出ることを阻止するまたは妨げる可能性が高い場合には、この装置は、検出された障害物または危険な状態によって、車両から出る際のそれぞれの乗客の経路が阻止されること、妨げられること、または安全でなくなることのないように、代替の降車または乗車場所を決定することが可能である。逆に、検出された障害物または危険な状態が、それぞれの乗客に関する予想される退車ポイントとは異なる車両側にあるときに、たとえば、検出された障害物または危険な状態が、乗客が車両に入ることまたは車両から出ることを阻止するまたは妨げる可能性が低い場合には、車両は、当初のまたはスケジュールされた降車場所で停車して、それぞれの乗客を降車させることが可能である。
【0041】
[0060] 本明細書において使用される際には、代替の降車または乗車場所とは、当初スケジュールされていた降車または乗車場所とは異なるが、当初スケジュールされていた降車または乗車場所に十分に近い場所であり、それによって、当初スケジュールされていた降車または乗車場所と、代替の降車または乗車場所との両方が、同じ目的地に関連付けられる。すなわち、車両が、(たとえば、当初スケジュールされていた降車または乗車場所での障害物または危険な状態の存在に起因して)実行可能な代替の降車または乗車場所を見つけ出そうと決定した場合には、車両は、乗客の目的地を変更しない。代わりに、車両は、当初スケジュールされていた降車または乗車場所から特定の距離内で(たとえば、徒歩5分で、1~2ブロック以内でなど)乗客を降車または乗車させる。特定の距離とは、一般には、乗客が当初の場所からではなく代替の場所から目的地まで歩くこと(または目的地から当初の場所までではなく代替の場所まで歩くこと)を快適に感じるであろう比較的短い距離(たとえば、徒歩で数分、1~2ブロック以内など)である。
【0042】
[0061] もちろん、何が快適であるかは、乗客/ユーザ、状況、および/またはそれらの要件(たとえば、手荷物または幼児を搬送すること)の間において様々であり得る。いくつかの実装形態においては、特定の距離は、乗客(たとえば、車両における、モバイルデバイス上のなど)または他の当事者によって構成されることが可能である。いくつかの場合においては、特定の距離は、様々な状況に基づいて(たとえば、自動的に、またはユーザ/乗客の確認に応答して)調整されることが可能である。たとえば、雨が検出された場合には、特定の距離は、(たとえば、半分または別の量だけ)短縮されることが可能である。同様に、温度および/または湿度(または他の気象条件)が何らかのしきい値を超えているかまたは下回っている場合には、特定の距離は、それに従って短縮されることが可能である。別の例として、乗客が遅れている場合には(たとえば、乗客のデバイスにおけるカレンダーの予定、プロフィールなどによって決定される)、特定の距離は、時間を節約するために短縮されることが可能である。さらに別の例として、乗客の毎日の歩数(または消費されたカロリーなど、他の健康指標)が低い場合には、特定の距離は、延長されることが可能である。
【0043】
[0062] 様々な実装形態においては、車両は、乗客(現在の乗客または乗車することになる乗車予定者のいずれか)の1つまたは複数の状態を検出することが可能である。車両は、たとえば、乗客の状態を考慮して、乗客が車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間および/またはスペースを必要とするかどうかに基づいて乗客の降車または乗車場所を決定することが可能である。いくつかの場合においては、それぞれの乗客の状態は、それぞれの乗客の身体上の障害もしくは制限(physical handicap or limitation)、それぞれの乗客に伴う幼児もしくは子供の存在、乗客の年齢、それぞれの乗客に伴う比較的大量の手荷物、貨物、もしくは装備の存在、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である(ただし、それらに限定されない)。しかしながら、乗客が車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間またはスペース(additional time or space)を必要とする結果をもたらす可能性がある乗客のいかなる状態または要件も、乗客に関する降車または乗車場所を決定する際に使用されることが可能である。
【0044】
[0063] いくつかの場合においては、1つまたは複数の代替の降車または乗車場所を決定する際に、スケジュールされた降車または乗車場所の1つまたは複数の属性(attribute)が考慮されることが可能である。その1つまたは複数の属性は、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物(たとえば、消火栓、壁、樹木など)、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、車両の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地、またはそれらの任意の組合せのうちの少なくとも1つを含むことが可能である(ただし、それらに限定されない)。たとえば、それぞれの乗客が車両から出るために追加のスペースを必要としている(その乗客がトランクに多数のスーツケースを有していて、幼児を伴って移動しているので、など)と車両が決定した場合には、車両は、幼児を降ろすための追加のスペースを車両の側方に提供する、スーツケースを降ろすための追加のスペースを車両の後方に提供する、幼児の世話をすることに関連付けられている追加の時間を提供する、またはそれらの任意の組合せを行う代替の降車場所を選択することが可能である。逆に、それぞれの乗客が追加の時間またはスペースを必要としていると車両が決定していない場合には、車両は、スケジュールされた降車場所まで進み続けることが可能である。
【0045】
[0064] いくつかの場合においては、乗客は、乗客乗車中および降車中にそれぞれ車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間および/またはスペースを乗客が必要としているかどうかを(直接、または乗客配車サービスなどの仲介業者を通じて間接的に、などで)車両に示すことが可能である。さらなる実装形態においては、乗客は、およそどれぐらいの時間(たとえば、5分)および/またはスペース(たとえば、車両の後方の10フィートの隙間)を自分が必要としているかを示すことが可能である。したがって、この表示は、降車または乗車場所を修正するために車両によって使用されることが可能である。いくつかの実装形態においては、乗客は、自分の追加の時間および/またはスペースの要件に影響を与える可能性がある詳細または他の情報(たとえば、幼児およびチャイルドシートを伴って移動していること、いくつかのスーツケースを伴って移動していることなど)を提供することが可能である。したがって、これらの詳細は、降車または乗車場所を修正するために車両によって使用されることが可能である。たとえば、車両は、詳細に合うように降車または乗車場所を修正することが可能である。
【0046】
[0065] いくつかの実装形態においては、車両は、車両に乗っている乗客によって閲覧可能なディスプレイスクリーン(たとえば、車両内のディスプレイスクリーンなど)上にいくつかの代替の降車場所を提示することが可能である。それぞれの乗客は、ディスプレイスクリーン上に提示されている代替の降車場所のうちの1つを選択することが可能である。車両は、それぞれの乗客によって選択された代替の降車場所まで走行し、そこでそれぞれの乗客を降車させることが可能である。いくつかの場合においては、代替の降車場所は、車両に関連付けられているディスプレイスクリーン上に提示されることが可能である。追加として、または代替として、代替の降車場所または代替の乗車場所は、1人または複数の乗客のモバイルコンピューティングデバイスとの間で共有されることが可能であり、それらのモバイルコンピューティングデバイスは、代替の降車または乗車場所を、閲覧およびそれぞれの乗客との対話のために自身のディスプレイ(タッチセンシティブディスプレイスクリーンなど)上に提示することが可能である。たとえば、代替の降車または乗車場所は、選択可能なアイコンとして乗客のモバイルコンピューティングデバイスのタッチセンシティブディスプレイスクリーン上に提示されることが可能である。乗客は、特定の代替の降車または乗車場所に対応する選択可能なアイコンをタッチすること、タップすること、または他の方法でそのアイコンと対話することによって、特定の代替の降車または乗車場所を選択することが可能である。
【0047】
[0066] 本開示において説明されている主題の特定の実装形態は、下記の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するために実施されることが可能である。車両(自律車両など)が乗客降車および/または乗車場所でのまたはその付近での障害物または危険な状態の存在に基づいて降車および/または乗車場所を決定することを可能にすることによって、本明細書において開示されている主題の態様は、そのような車両の乗客が車両に入る際にまたは車両から出る際に障害物または危険な状態によって妨げられないことまたは不便をかけられないことを確実にすることが可能である。また、本明細書において開示されている様々な技術を実施する車両が、乗客の好みおよび/またはニーズに基づいて1つまたは複数の代替の降車および/または乗車場所を動的に決定することが可能であることは、車両に入るためにもしくは車両から出るために追加の時間を必要とする乗客、車両に入るためにもしくは車両から出るために追加のスペースを必要とする乗客、および/または特定の身体上の属性(physical attribute)もしくは制限を有する乗客が、これらの乗客に合う場所で乗車および降車させられるということを確実にすることが可能である。このやり方においては、本明細書において開示されている主題の様々な態様を実施する車両は、従来の車両よりも安全で便利な様式で乗客を乗車および降車させることが可能である。
【0048】
[0067] ここで、乗客および/または貨物サービスを提供する自律車両などの車両のいくつかの態様が、様々な装置および方法を参照しながら提示される。これらの装置および方法は、以降の詳細な説明において説明され、添付の図面において様々なブロック、コンポーネント、回路、プロセス、アルゴリズムなど(「要素」と総称される)によって例示される。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれらの任意の組合せを使用して実装されることが可能である。そのような要素がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、個別の用途と、システム全体に課されている設計制約とに依存する。
【0049】
[0068] 例として、要素、または要素の任意の部分、または要素どうしの任意の組合せが、1つまたは複数のプロセッサを含む「処理システム」として実装されることが可能である。プロセッサの例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、中央処理装置(CPU)、アプリケーションプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、縮小命令セットコンピューティング(RISC)プロセッサ、システムオンチップ(SoC)、ベースバンドプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、状態マシン、ゲーテッドロジック、ディスクリートハードウェア回路、および、本開示の全体を通じて説明されている様々な機能性を実行するように構成されている他の適切なハードウェアを含む。処理システムにおける1つまたは複数のプロセッサは、ソフトウェアを実行することが可能である。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と、または他の呼称で呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアコンポーネント、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行のスレッド、プロシージャ、関数などを意味すると広く解釈されるものとする。
【0050】
[0069] したがって、1つまたは複数の例示的な実装形態においては、説明されている機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せで実装されることが可能である。ソフトウェアで実装される場合には、それらの機能は、コンピュータ可読媒体上に記憶されること、またはコンピュータ可読媒体上に1つもしくは複数の命令もしくはコードとして符号化されることが可能である。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされることが可能である任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM(登録商標))、光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、他の磁気ストレージデバイス、前述のタイプのコンピュータ可読媒体の組合せ、またはコンピュータによってアクセスされることが可能である命令もしくはデータ構造の形態でのコンピュータ実行可能コードを記憶するために使用されることが可能である任意の他の媒体を含むことが可能である。
【0051】
[0070] 図1は、例示的なシステム100の絵図を示しており、例示的なシステム100内では、本明細書において開示されている主題の様々な態様が実施されることが可能である。システム100は、車両制御システム110と、1つまたは複数のクライアントデバイス120と、車両130A~130Cと、通信ネットワーク140とを含む。いくつかの実装形態においては、例示的なシステム100は、他の数のクライアントデバイス120および/または車両130を含むことが可能である。追加として、または代替として、例示的なシステム100は、簡潔にするために示されていない他のコンポーネント、デバイス、またはシステムを含むことが可能である。
【0052】
[0071] 車両制御システム110は、単一の場所に実装されること、または複数の場所にわたって分散されることが可能であるサーバなどの(ただし、それに限定されない)任意の数のコンピューティングデバイスを含むことが可能である。それらのサーバは、たとえば、ウェブサーバ、ニュースサーバ、ファイルサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバ、プロキシサーバ、もしくは、本明細書において説明されている機能もしくはプロセスを実行するのに適した任意の他のサーバ、またはそれらの任意の組合せなど、様々なタイプのものであることが可能である。各サーバは、単一サーバ、または複数のコンピュータもしくは複数のデータセンターにわたる分散サーバであることが可能であり、サーバによって実施またはサポートされる適切な機能性を実行するためのハードウェア、ソフトウェア、もしくは組み込みロジックコンポーネント、または2つ以上のそのようなコンポーネントの組合せを含むことが可能である。
【0053】
[0072] 車両制御システム110は、自律的なモードで動作する車両130A~130C(本明細書においては車両130と総称される)を支援するために使用されること、ならびに乗客のための降車および/または乗車場所を選択、識別、または他の方法で決定するための乗客および/または貨物サービスを提供するために構成されることが可能である。いくつかの実装形態においては、車両制御システム110は、障害物および危険な状態がない乗客降車および/または乗車場所を決定することが可能である。車両制御システム110は、乗客の1つもしくは複数の身体上の属性、乗客の身体上の制限、乗客の年齢、乗客に伴う幼児もしくは子供の存在、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づいて乗客降車および/または乗車場所を決定することも可能である。追加として、または代替として、車両制御システム110は、乗客が自律車両に入るためにまたは自律車両から出るために追加の時間またはスペースを必要とするかどうかに基づいて乗客降車および/または乗車場所を決定することも可能である。
【0054】
[0073] いくつかの実装形態においては、車両制御システム110は、車両130における1人または複数の乗客160のための輸送を容易にすることが可能である。たとえば、車両制御システム110は、要求元の乗客160の識別子とともに、乗客160からのサービス要求を(たとえば、乗客のクライアントデバイス120を介して)受信することが可能である。乗客識別子は、車両制御システム110に対して乗客160を識別して、たとえば、車両制御システム110が乗客の好み、支払い方法、好ましい乗車もしくは降車場所、または任意の他の適切な情報(ただし、それらに限定されない)を取り出すことを可能にすることができる。
【0055】
[0074] クライアントデバイス120は、通信ネットワーク140を介して車両制御システム110、車両130、または他の通信デバイス、ノード、もしくはエンティティーと通信することが可能な任意の適切なコンピュータまたはコンピューティングデバイスであることが可能である。いくつかの場合においては、クライアントデバイス120は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末、セルラー電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ゲームコンソール、電子ブックリーダ、または別の適切な通信デバイスであることが可能である。いくつかのクライアントデバイス120は、車両130の乗客160に関連付けられることが可能であり、その一方で他のクライアントデバイス120は、車両130の人間の運転手135に関連付けられることが可能である。たとえば、いくつかの場合においては、乗客160は、クライアントデバイス120を使用して、車両130のうちの1つによる乗客サービスを要求またはスケジュールすることが可能であり、クライアントデバイス120を使用して、要求またはスケジュールされた乗客サービス中に車両130と情報をやり取りすることが可能である。他の場合においては、人間の運転手135は、クライアントデバイス120を使用して、1人または複数の乗客160と通信することおよび情報をやり取りすること、ならびに車両制御システム110および車両130と通信することおよび情報をやり取りすることが可能である。いくつかの他の場合においては、車両130のうちの1つまたは複数は、クライアントデバイス120のうちの1つを含むことが可能であり、またはクライアントデバイス120のうちの1つに関連付けられることが可能である。
【0056】
[0075] 車両130は、自律的なモードにある間に乗客および/または貨物サービスを提供するために使用されることが可能である任意の適切なタイプの自律車両または半自律車両であることが可能である。簡潔にするために図1においては示されていないが、車両130は、乗客サービスを提供しながら自律的な(または半自律的な)運転モードで動作することが可能である車両に典型的に含まれる自律車両コントローラ、通信回路、ユーザインターフェース、および他のコンポーネントを含むことが可能である。いくつかの実装形態においては、車両130内に提供されている、または車両130に関連付けられている車両コントローラは、車両制御システム110を参照して説明されている動作のうちのいくつかまたはすべてを実行することが可能である。
【0057】
[0076] 通信ネットワーク140は、車両制御システム110と、クライアントデバイス120と、車両130との間における通信リンクを提供する。ネットワーク140は、たとえば、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、Bluetooth(登録商標)などのパーソナルエリアネットワーク(PAN)、第5世代(5G)新無線(NR)システムなどの無線アクセスネットワーク(RAN)、有線ネットワーク、ケーブルネットワーク、衛星ネットワーク、または他の適切なネットワークのうちの1つまたは複数を含む任意の適切な1つまたは複数の通信ネットワークであることが可能である。
【0058】
[0077] 図2は、いくつかの実装形態による例示的なシステム200の機能ブロック図を示している。システム200は、図1のシステム100の一例であることが可能であり、車両制御システム210と、クライアントデバイス220と、自律車両230と、図1の通信ネットワーク140とを含むように示されている。車両制御システム210は、図1の車両制御システム110の一例であることが可能であり、1つまたは複数のプロセッサ212と、メモリ214と、1つまたは複数のアプリケーション216と、通信回路218とを含むように示されている。プロセッサ212は、関連付けられているメモリに記憶されている1つまたは複数のソフトウェアプログラムのスクリプトまたは命令を実行することが可能な任意の数の市販のマイクロプロセッサまたは中央処理装置(CPU)であることが可能であり、またはそれらを含むことが可能である。追加として、または代替として、プロセッサ212は、任意の数の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブルロジックデバイス(PLD)であることが可能であり、またはそれらを含むことが可能である。
【0059】
[0078] メモリ214は、命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体(EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ等などの1つまたは複数の不揮発性メモリ要素など)を含むことが可能であり、それらの命令は、1つまたは複数のプロセッサ212によって実行されたときに、図6A図6B図7A図7B図8A図8B図9図10図11図12図13図14図15図16、および図17のうちの1つまたは複数を参照しながら説明されている動作のうちの少なくともいくつかを車両制御システム210に実行させる。いくつかの場合においては、メモリ214は、特定の機能を実行するために1つまたは複数のプロセッサ212によって実行されることが可能であるアプリケーション216を記憶することが可能である。たとえば、車両制御システム210のメモリ内に常駐している車両コントローラアプリケーションが、自律車両230と通信して自律車両230の様々な動作を制御するために実行されることが可能である。いくつかの場合においては、車両コントローラアプリケーションは、乗客および/または貨物のための降車または乗車場所を選択する際に、たとえば、検出された障害物もしくは危険な状態、特定の乗客の身体上の制限、または乗客が自律車両に入るためにもしくは自律車両から出るために追加の時間および/もしくはスペースを必要としていることのうちの1つまたは複数に基づいて、選択された降車または乗車場所を修正する際に、ならびに代替の降車または乗車場所を選択する際に、自律車両230を支援または操作するために使用されることが可能である。
【0060】
[0079] 通信回路218は、通信ネットワーク140を介して、車両制御システム210と、クライアントデバイス220と、自律車両230との間における通信リンクを確立して維持するために使用されることが可能である。通信回路218は、たとえば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))の1つまたは複数のリリースによって、IEEE 802.11規格ファミリー、Bluetooth Interest Group、または他の適切な通信テクノロジーに対する1つまたは複数の修正によって指定されたワイヤレス通信プロトコルを含む任意の適切な通信プロトコルを使用することが可能である。
【0061】
[0080] クライアントデバイス220は、図1のクライアントデバイス120の一例であることが可能であり、1つまたは複数のプロセッサ222と、メモリ224と、ディスプレイスクリーン226と、通信回路228とを含むように示されている。プロセッサ222は、関連付けられているメモリに記憶されている1つまたは複数のソフトウェアプログラムのスクリプトまたは命令を実行することが可能な任意の数の市販のマイクロプロセッサまたは中央処理装置(CPU)であることが可能であり、またはそれらを含むことが可能である。追加として、または代替として、プロセッサ212は、任意の数のASIC、FPGA、またはPLDであることが可能であり、またはそれらを含むことが可能である。メモリ224は、命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体(EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ等などの1つまたは複数の不揮発性メモリ要素など)を含むことが可能であり、それらの命令は、1つまたは複数のプロセッサ222によって実行されたときに、本明細書において説明されている動作のうちの少なくともいくつかをクライアントデバイス220に実行させる。ディスプレイスクリーン226は、ユーザから入力を受け取ること、およびユーザに出力を提示することが可能である任意の適切なディスプレイスクリーンであることが可能である。通信回路228は、通信ネットワーク140を介して、クライアントデバイス220と、車両制御システム210と、自律車両230との間における通信リンクを確立して維持するために使用されることが可能である。通信回路228は、3GPPの1つまたは複数のリリースによって、IEEE 802.11規格ファミリー、Bluetooth Interest Group、または他の適切な通信テクノロジーに対する1つまたは複数の修正によって指定されたワイヤレス通信プロトコルを含む任意の適切な通信プロトコルを使用することが可能である。
【0062】
[0081] クライアントデバイス220は、乗客によって、自律車両の人間の共同運転手によって使用されることが可能であり、または自律車両内に提供されることが可能である。たとえば、乗客は、クライアントデバイス120を使用して、自律車両による乗客サービスを要求すること、降車または乗車場所を更新すること、乗車料金を支払うこと、および他の機能を行うことが可能である。人間の共同運転手は、クライアントデバイス120を使用して、1人または複数の乗客、車両制御システム210、および他の自律車両と通信することが可能である。自律車両は、クライアントデバイス120を使用して、乗客と、車両制御システム210と、および他の自律車両と通信することが可能である。
【0063】
[0082] 自律車両230は、図1の車両130の一例であることが可能であり、自律的なモードまたは半自律的なモードで動作しながら乗客サービスを提供することが可能な任意の適切なタイプの車両であることが可能である。自律車両230は、車両コントローラ232と、通信回路234と、ユーザインターフェース236とを含むことが可能である。車両コントローラ232は、乗客サービスを提供することに関連している自律車両300の様々な動作を制御するために使用されることが可能である。たとえば、車両コントローラ232は、指定された乗車場所で乗客を乗車させること、指定された降車場所で乗客を降車させること、数ある要因または条件のうちでも、検出された障害物または危険な状態、乗客の身体上の制限、特定の乗客が自律車両に入るためにまたは自律車両から出るために追加の時間またはスペースを必要としているという表示に基づいて、指定された乗車または降車場所を修正することに関する動作を制御することが可能である。通信回路234は、通信ネットワーク140を介して、車両制御システム210と、クライアントデバイス220と、自律車両230との間における通信リンクを確立して維持するために使用されることが可能である。ユーザインターフェース236は、乗客に情報を提示するために使用されることが可能である。ユーザインターフェース236は、乗客からのユーザ入力(コマンドおよび好みなど)を受け取るために使用されることが可能である。
【0064】
[0083] 図3は、いくつかの実装形態による自律車両300(これは、図1および図2の自律車両130、230に対応することが可能である)のブロック図を示している。自律車両300は、どのように電力供給されるかまたは駆動されるかにかかわらず、車、トラック、バン、バス、路面電車、電車、地下鉄、航空機、ボートなどを含む(ただし、それらに限定されない)任意のタイプの車両であることが可能である。いくつかの実装形態においては、自律車両300は、自律車両コントローラ310と、通信インターフェース360と、駆動システム370と、外部センサ372と、ナビゲーションシステム374と、内部センサ376と、ユーザインターフェース378とを含むことが可能である。自律車両300は、図3の例においては示されていない他のコンポーネントを含むことが可能である。
【0065】
[0084] 車両コントローラ310は、図2の車両コントローラ232の一例であることが可能であり、自律車両300によって輸送される乗客のための降車または乗車場所を決定するために使用されることが可能である。車両コントローラ310は、自律車両300の様々な動作を制御するために、任意のアナログ、デジタル、または混合信号処理回路を使用して実装されることが可能である。いくつかの場合においては、車両コントローラ310は、自律車両300の駆動システム370、外部センサ372、ナビゲーションシステム374、内部センサ376、およびユーザインターフェース378とのインターフェースを取ること、および/またはそれらの動作を制御することが可能である。たとえば、車両コントローラ310は、様々な乗車または降車場所で乗客を乗車または降車させる際に自律車両300の様々な運転および操縦動作の制御を車両コントローラ310が担うことを可能にする様式で駆動システム370と統合されることが可能である。
【0066】
[0085] 通信インターフェース360は、車両制御システム(図1の車両制御システム110、または図2の車両制御システム210など)と、1つまたは複数のモバイルコンピューティングデバイス(図1のクライアントデバイス120、または図2のクライアントデバイス220など)と、自律車両300との間における通信リンクを確立して維持するために使用されることが可能である。通信インターフェース360は、たとえば、3GPPの1つまたは複数のリリースによって、IEEE 802.11規格ファミリー、Bluetooth Interest Group、または他の適切な通信テクノロジーに対する1つまたは複数の修正によって指定されたワイヤレス通信プロトコルを含む任意の適切な通信プロトコルを使用することが可能である。
【0067】
[0086] 駆動システム370は、パワートレイン、ならびに自律車両300の様々な関連付けられている電気システム、機械システム、電気機械システム、制御システム、および診断システムを含むことが可能である。いくつかの場合においては、駆動システム370は、自律車両300の運転および駐車動作を制御するために、1つまたは複数のエンジンシステムと、モータシステムと、トランスミッションシステムと、ステアリングシステムと、制動システムと、他のシステムとを含むことが可能である。
【0068】
[0087] 外部センサ372は、物体、環境的特徴、道路、ルート特徴、他の車両、信号機、気象条件、障害物、危険な状態、および周囲のシーンの他の属性、特質、または特性を探して周囲のシーンを走査するために個々にまたは互いと連携して使用されることが可能である任意の適切なセンサまたはデバイスを含むことが可能である。
【0069】
[0088] 外部センサ372は、光学カメラ、画像センサ、ビデオカメラ、コヒーレント光感知システム、RADARシステム、または、周囲環境における物体を検出および/もしくは認識するために使用されることが可能である他の適切なデバイスもしくはセンサを含むことが可能である。様々な実装形態においては、コヒーレント光感知システムおよびRADARシステムは、周囲環境における物体の存在を検出するために、それらの物体と車両120との間における距離を決定するために、車両120に対する検出された物体の動きを決定するために、ならびに周囲環境の他の特徴および属性を決定するために使用されることが可能である。いくつかの態様においては、RADARシステムは、1つまたは複数の無線周波数(RF)センサと、1つまたは複数のミリメートル波(mmW)周波数センサとを含むことが可能である。いくつかの態様においては、コヒーレント光感知システムは、1つまたは複数のLIDARセンサと、1つまたは複数の赤外線(IR)センサとを含むことが可能である。いくつかの実装形態においては、RFセンサ、mmW周波数センサ、SONARセンサ、LIDARセンサ、および/またはIRセンサによって提供される測定値は、周囲環境における物体を検出および分類するためにニューラルネットワークによって使用されることが可能である。たとえば、いくつかの態様においては、ニューラルネットワークは、検出された物体を認識するために(たとえば、第1の検出された物体が別の車両であるということ、第2の検出された物体が一時停止標識であるということ、第3の検出された物体が歩行者であるということなどを認識するために)、深層学習と推論技術とを採用することが可能である。
【0070】
[0089] 一実装形態においては、コヒーレント光感知システムは、光または赤外線(IR)パルスを環境へと放射または送信し、環境における物体および他の表面によって反射された光またはIRパルスを受信して、物体および他の表面に関する情報を決定することが可能である。いくつかの実装形態においては、検出された物体までの距離は、コヒーレント光感知システムによる光またはIRパルスの放射と、コヒーレント光感知システムによる対応する反射された光またはIRパルスの受信との間における時間に基づいて決定されることが可能である。検出された物体のサイズ、形状、向き、テクスチャ、および他の特徴は、多くのそのような受信された光またはIRパルスの振幅、パルス幅、タイミング情報、および他の特徴に(少なくとも部分的に)基づいて決定されることが可能である。受信された光またはIRパルスから生成された情報が使用されて、環境において検出された物体および他の表面の場所と、サイズと、形状と、動きと、向きと、他の特徴とを示すポイントクラウドを生成することが可能である。測定された距離がエミッタの向きと組み合わされて、コヒーレント光感知システムによって受信された各光またはIRパルスに3次元位置を関連付けることが可能である。複数の受信された光またはIRパルスに関連付けられた3次元(3D)位置が使用されて、環境における様々な物体および特徴の場所を示すポイントの3Dマップを生成することが可能である。自律車両300は、これらの3Dポイントクラウドのうちの1つまたは複数を使用して、人間の入力を伴わずに環境内を(降車または乗車場所どうしの間におけるルートに沿ってなど)走行することが可能である。
【0071】
[0090] いくつかの実装形態においては、外部センサ372の第1のグループが、特定の降車または乗車場所に比較的近い(特定の降車または乗車場所を取り巻くまたはそこに関連付けられているゾーン内に配置されているなどの)障害物と、危険な状態と、他の乗客妨害物とを検出および/または認識するように構成されることが可能である。外部センサ372の第2のグループが、シーンの比較的遠く離れたエリアを走査して、特定の降車または乗車場所から比較的遠い(特定の降車または乗車場所を取り巻くまたはそこに関連付けられているゾーンの外側に配置されているなどの)物体と、環境的特徴と、ランドマークと、建物と、道路と、シーンの他の属性とを検出および/または認識するように構成されることが可能である。そのゾーンは、たとえば、特定の降車または乗車場所の属性または特質、1人または複数の乗客の状態、乗客の好み、および他の適切なファクタに基づいて、様々なサイズ、形状、または構成のものであることが可能である。このやり方においては、外部センサ372の第1のグループは、短距離走査用に構成されることが可能であり、その一方で外部センサ372の第2のグループは、長距離走査用に構成されることが可能である。
【0072】
[0091] 様々な実装形態においては、外部センサ372の第1のグループによって提供される、または外部センサ372の第1のグループから得られるシーンマッピング情報が、外部センサ372の第2のグループによって提供される、または外部センサ372の第2のグループから得られるシーンマッピング情報と融合され、縫い合わされ、または他の方法で組み合わされて、シーン全体の合成3Dポイントクラウドを生成することが可能である。このやり方においては、合成3Dポイントクラウドは、遠く離れた物体、環境特徴、ランドマーク、建物、道路、およびシーンの他の属性に対して相対的に、近辺の障害物および危険な状態の存在を示すことが可能である。いくつかの場合においては、合成3Dポイントクラウドは、シーンの比較的近いエリアに関連付けられているシーンマッピング情報を用いるよりも低い頻度で、シーンの比較的遠く離れたエリアに関連付けられているシーンマッピング情報を用いて更新されることが可能である。たとえば、自律車両300から比較的遠い環境的特徴、物体、および他の表面の位置または向きが、降車または乗車場所(または自律車両300)の比較的近くで新たな障害物または危険な状態が検出されている時間期間にわたって一定のままである(または最小の変化を有している)場合には、自律車両300は、遠く離れたシーンマッピング情報を用いるよりも頻繁に近辺のシーンマッピング情報を用いて合成3Dポイントクラウドを更新することが可能である。他の場合においては、合成3Dポイントクラウドは、シーンの比較的近いエリアに関連付けられているシーンマッピング情報を用いるよりも頻繁に、シーンの比較的遠く離れたエリアに関連付けられているシーンマッピング情報を用いて更新されることが可能である。いくつかの他の場合においては、合成3Dポイントクラウドは、すべてのシーンマッピング情報を用いて同時にまたは同様の時間に更新されることが可能である。
【0073】
[0092] ナビゲーションシステム374は、自律車両300上のまたは自律車両300内の任意の適切な場所に提供されることが可能である。ナビゲーションシステム374は、地図データとセンサデータとを使用して、他の物体に衝突することなく(または他の方法で他の物体を回避して)自律車両300を目的地まで導くことが可能である。ナビゲーションシステム374は、地図データとセンサデータとを使用して、スケジュールされた降車または乗車場所でのまたはその付近での障害物および危険な状態の存在を検出することも可能である。いくつかの実装形態においては、ナビゲーションシステム374は、政府機関、サブスクリプションベースのサービス、ユーザによって生成された地図コレクション、クラウド由来のマッピング情報、他のデバイスによって提供されるマッピング情報等などの(ただし、それらに限定されない)1つまたは複数のソースから直接(たとえば、中間のシステムまたはサービスを伴わずに)、道路、橋、建物、ランドマーク、標高、工事ゾーン、リアルタイムの交通状態、気象情報、イベント情報などに関する情報を含む詳細な地図情報(3Dポイントクラウドなど)にアクセスすることまたはその地図情報を受信することが可能である。他の実装形態においては、ナビゲーションシステム374は、少なくともいくつかの場合においては、詳細な地図情報を集約することが可能であるサーバ(または他の中間のシステムもしくはサービス)から詳細な地図情報(3Dポイントクラウドなど)にアクセスすることまたはその地図情報を受信することが可能である。いくつかの場合においては、詳細な地図情報は、ネットワークエンティティーまたはサーバ(図2の車両制御システム210など)によって提供されることが可能である。他の場合においては、詳細な地図情報(または少なくともその部分)は、適切なワイヤレスチャネル(5G RANのV2VもしくはV2Xチャネル、5G RANのサイドリンクチャネル、アンライセンス周波数帯域、ピアツーピア(P2P)接続、またはワイヤレスネットワークの専用短距離通信(DSRC)チャネルなど)を介して1つまたは複数の他のデバイスによって提供されることが可能である。例示的なデバイスは、他の車両、スマートフォン、カメラ、またはAR/VRヘッドセットを含むことが可能である(ただし、それらに限定されない)。1つの例示的な実装形態においては、ナビゲーションシステム374は、(たとえば、詳細な地図情報が不完全であるか、または特定の関心領域の全体をカバーしていない場合に)詳細な地図情報を補足するために地図データおよび/またはセンサデータを使用することが可能である。
【0074】
[0093] 様々な実装形態においては、詳細な地図情報が使用されて、スケジュールされている降車または乗車場所が乗客および/または自律車両300にとって実行可能であるかどうかを決定することが可能である。詳細な地図情報が使用されて、スケジュールされている降車または乗車場所での障害物または危険な状態の存在を検出することが可能である。詳細な地図情報が使用されて、自律車両300の乗客のための実行可能な代替の降車または乗車場所を識別することも可能である。特定の実装形態においては、これは、自律車両300が、スケジュールされている降車もしくは乗車場所へ移動する前に、またはさもなければ、スケジュールされている降車もしくは乗車場所にもしくはその付近に到着する前に行われることが可能である。このやり方においては、自律車両300が、降車または乗車場所の様々な属性と、乗客に関連付けられる可能性があるあらゆる条件とを考慮しながら、最も便利な降車または乗車場所を選択できるスピードおよび効率が、そのようなマッピング情報を提供する上で自律車両の外部センサに依存する従来の技術(それらの従来の技術においては、自律車両は典型的に、降車または乗車場所の走査範囲内にあることになる)よりも著しく優れることが可能である。
【0075】
[0094] いくつかの実装形態においては、詳細な地図情報は、外部センサ372によって提供される、または外部センサ372から得られるマッピング情報によって、周期的にまたは継続的に(リアルタイムでなど)融合されること、縫い合わされること、またはフィルタリングされることが可能である。いくつかの場合においては、詳細な地図情報の1つまたは複数の部分が、外部センサ374から利用可能なマッピング情報を用いて更新されることが可能である。たとえば、自律車両300は、受信された詳細な地図情報を使用して、乗車前に、特定の降車場所が乗客にとって実行可能であると決定することが可能である。外部センサ372は、その後に、自律車両300が降車場所に近づくにつれて、1つまたは複数の障害物を識別することが可能である。この例においては、詳細な地図情報は、降車場所にまたはその付近にいかなる障害物も示さなかったので、外部センサ372によって提供されたマッピング情報は、より最新であり、より正確である。したがって、自律車両300は、外部センサ372によって提供されたマッピング情報を使用して、降車場所が乗客にとって依然として実行可能であるかどうかを決定することが可能である。
【0076】
[0095] いくつかの実装形態においては、ナビゲーションシステム374は、全地球測位システム(GPS)、全地球航法衛星システム(GLONASS)、およびガリレオなどの様々な全地球衛星サービス、ならびにインド地域航法衛星システム(IRNSS)などの様々な地域衛星サービスに関連付けられている衛星信号を受信して復号することが可能である1つまたは複数の衛星測位システム(SPS)受信機を含むことが可能である。衛星信号は、たとえば、乗車場所と降車場所との間におけるルートを決定することと、次いで、決定されたルートに沿って乗車場所から降車場所まで自律車両300を安全に操作することとを含む一般的なナビゲーション目的のために自律車両300によって使用されることが可能である。いくつかの場合においては、自律車両300は、受信された衛星信号を使用して、乗車および/または降車場所に関するマッピング情報を決定または構築することも可能である。
【0077】
[0096] 様々な実装形態においては、自律車両300は、乗客の着座位置(たとえば、具体的な座席場所、互いに対する相対的な、など)および/または乗客に関する予想される退車ポイントを決定するように構成されることが可能である。いくつかの実装形態においては、内部センサ376は、自律車両300内の乗客の着座位置を決定するために使用されることが可能である任意の適切なセンサまたはデバイス(圧力センサ、モーションセンサ、光センサ、光学センサ、ワイヤレストランシーバ等などであるが、それらに限定されない)を含むことが可能である。内部センサ376は、現在の乗客どうしの互いに対する相対的な位置を決定するために使用されることが可能である。内部センサ376は、自律車両300からの乗客の推定された退車ポイント(および/または推定された退車ポイントに対するそれらの乗客の相対的な位置)を決定するために使用されることが可能である。いくつかの場合においては、自律車両300の座席内にまたは座席付近に提供されている圧力センサが使用されて、特定の座席が乗客によって占められているかどうかを決定することが可能である。他の場合においては、自律車両300の内部全体を通じて分散されているモーションセンサが使用されて、乗客が自律車両300に入っているところか、または自律車両300から出ているところかを決定することが可能である。いくつかの他の場合においては、光センサが使用されて、自律車両300における各乗客までの距離を決定することが可能である。
【0078】
[0097] いくつかの実装形態においては、内部センサ376は、1つまたは複数のトランシーバを含むことが可能であり、それらのトランシーバは、自律車両300内に配置され、乗客に関連付けられているモバイルコンピューティングデバイスとの間でワイヤレス信号をやり取りするように構成される。やり取りされるワイヤレス信号は、乗客どうしの互いに対する相対的な位置、自律車両300の予想される入車ポイントに対する乗客の相対的な位置、および/または自律車両300の予想される退車ポイントに対する乗客の相対的な位置を決定するために使用されることが可能である。いくつかの場合においては、ワイヤレス送信デバイス(アクセスポイント(AP)、ソフトAP、ワイヤレスステーション(STA)、ユーザ機器(UE)、または何らかの他の適切なワイヤレス通信デバイスなどであるが、それらに限定されない)が、乗客のモバイルコンピューティングデバイスへワイヤレス信号を送信すること、および乗客のモバイルコンピューティングデバイスからワイヤレス信号を受信することが可能である。いくつかの場合においては、ワイヤレス送信デバイスは、ダッシュボードに配置されることが可能である。いくつかの他の場合においては、ワイヤレス送信デバイスは、車両120の別の適切な場所に提供されることが可能である。
【0079】
[0098] 1つの例示的な実装形態においては、ワイヤレス送信デバイスは、RF感知および/または測距技術を使用して、送信デバイスと、乗客のうちの各々との間における距離を決定すること、乗客どうしの相対的な場所を決定すること、および/または乗客どうしの互いに対する相対的な動きを決定することが可能である。RF測距信号は、Wi-Fi(登録商標)信号、超広帯域(UWB)信号、Bluetooth信号、LTE(登録商標)通信、5G NR通信、狭帯域信号、P2P通信などを含むことが可能である(ただし、それらに限定されない)。いくつかの態様においては、RF感知および/または測距技術は、車両の乗客を分類すること(たとえば、認識または識別すること)が可能である。
【0080】
[0099] ワイヤレス送信デバイスは、送信および受信されたワイヤレス信号の情報を使用して、ワイヤレス送信デバイスと、各乗客のモバイルコンピューティングデバイスとの間における距離および/または角度を決定することも可能である。距離情報および/または角度情報が使用されて、ワイヤレス送信デバイスに対する各乗客のモバイルコンピューティングデバイスの相対的な場所を決定することが可能であり、したがってまた、各乗客のモバイルコンピューティングデバイスの互いに対する相対的な場所、自律車両300の予想される入車ポイントに対する各乗客のモバイルコンピューティングデバイスの相対的な場所、および/または自律車両300の予想される退車ポイントに対する各乗客のモバイルコンピューティングデバイスの相対的な場所を決定することが可能である。ワイヤレス送信デバイスは、支援型GNSS(A-GNSS)、観測到着時間差(OTDOA)(たとえば、ダウンリンク(DL)OTDOAまたはアップリンク(UL)OTDOA)、リアルタイムキネマティクス(RTK)、高精度単独測位(PPP)、差分GNSS(DGNSS)、拡張セルID(E-CID)、到来角(AOA)、出発角(AOD)、および/または、自律車両300における乗客の場所を決定するための他の測位方法を含む(ただし、それらに限定されない)任意の適切な測位技術を使用することが可能である。
【0081】
[0100] ユーザインターフェース380は、任意の適切なデバイスもしくはコンポーネントであることが可能であり、またはそれらのデバイスもしくはコンポーネントを含むことが可能であり、それらのデバイスもしくはコンポーネントを通じて自律車両300は、質問、選択肢、もしくは他の情報を乗客に提示することが可能であり、および/またはそれらのデバイスもしくはコンポーネントを通じて乗客は、回答もしくは他の応答情報を自律車両300に提供することが可能である。いくつかの場合においては、ユーザインターフェース380は、タブレットコンピュータ、タッチセンシティブディスプレイ、スピーカー、マイクロフォンなどを含むことが可能である。たとえば、いくつかの態様においては、自律車両300は、指定された降車場所でのくぼみの存在をタッチセンシティブディスプレイ上に示すことが可能である。他の態様においては、自律車両300は、くぼみの存在をユーザのデバイスのディスプレイスクリーン上に示すことが可能である。自律車両300は、乗客が代替の降車場所を希望するかどうかを乗客に尋ねることが可能である。任意選択で、自律車両300は、代替の降車場所(および任意選択で、ユーザが選択できる他の代替候補)の場所を表示することが可能である。それに応答して、乗客は、タッチセンシティブディスプレイを使用して、指定された降車場所が許容可能であるかどうか、または代替の降車場所が好ましいかどうかを示すことが可能である。ユーザインターフェース380は、たとえば、前部座席の背面内に埋め込まれることを含めて、自律車両内の任意の適切な場所に提供されることが可能である。他の実装形態においては、乗客のモバイルコンピューティングデバイスが、ユーザインターフェース378のいくつかのまたはすべての機能性を提供することが可能である。
【0082】
[0101] 車両コントローラ310は、データストア320と、1つまたは複数のプロセッサ330と、メモリ340と、いくつかのシステムエンジン350とを含むことが可能である。データストア320は、降車/乗車場所データ321と、ナビゲーションデータ322と、入車/退車ポイントデータ323と、障害物データ324と、ユーザプロフィールデータ325とを含むことが可能である。降車/乗車場所データ321は、自律車両によって輸送されている乗客のための降車場所を含むことが可能である。降車/乗車場所データ321は、自律車両によって乗車させることをスケジュールされている1人または複数の乗客のための乗車場所を含むことも可能である。いくつかの場合においては、降車/乗車場所データ321は、いくつかの以前の降車または乗車場所に関連している履歴情報を記憶することも可能である。
【0083】
[0102] ナビゲーションデータ322は、乗客によって要求された乗車に関するルート情報と、道路状態と、交通状態と、気象条件と、建設活動と、イベント状態(たとえば、付近のイベントに関するスケジュールされている時間)と、それぞれの乗客のための乗車場所から降車場所まで自律車両300を走行させることに関連付けられている任意の他の情報とを含むことが可能である。いくつかの場合においては、ナビゲーションデータ322は、ストリートビュー、衛星ビュー等などの地図データおよび/またはセンサデータを含むことが可能である。他の場合においては、ナビゲーションデータ322は、上で論じられている受信された詳細な地図情報を含むことが可能である。
【0084】
[0103] 入車/退車ポイントデータ323は、自律車両300で現在輸送されている各乗客に関する自律車両300の予想される退車ポイントを示す情報を含むことが可能であり、自律車両300によって乗車させられることをスケジュールされている各乗客に関する自律車両300の予想される入車ポイントを示す情報を記憶することが可能である。いくつかの場合においては、入車/退車ポイントデータ323は、降車/乗車データ321および障害物データ324のうちの一方または両方に記憶されている情報と相関付けられることが可能である。他の場合においては、入車/退車ポイントデータ323は、1人または複数の乗客に関する自律車両300のデフォルトの入車および/または退車ポイントを示すことが可能である。たとえば、自律車両300が降車場所に近づいた際には、自律車両300は、自律車両300の右後部ドア(または別の適切なドア)を通って出るように1人または複数の乗客に指示することが可能である。いくつかの実装形態においては、自律車両300は、それぞれの乗客が自律車両300に入るためにまたは自律車両300から出るために自律車両300の特定のドアを開けることが可能である。いくつかの場合においては、自律車両300は、たとえば、乗客の安全性を高めるために、降車または乗車場所に近づいているときに他のドアをロックすることが可能である。
【0085】
[0104] 障害物データ324は、いくつかの物体、障害物、および/または危険な状態の1つまたは複数の以前に検出された属性、特徴、または特質を示す情報を含むことが可能である。障害物データ324は、以前に検出された物体、障害物、または危険な状態の正確な位置を(たとえば、50センチメートル以内で)、絶対的に、または1つもしくは複数の記憶されている降車もしくは乗車場所に対して相対的に示すことも可能である。いくつかの場合においては、特定の障害物の記憶されている属性、特徴、または特質は、自律車両が、対応する降車または乗車場所に近づいているときに特定の障害物を検出または識別するのを支援するために使用されることが可能である。
【0086】
[0105] ユーザプロフィールデータ325は、自律車両300の任意の数の過去の、現在の、または予想される乗客に関するプロフィール情報(profile information)を含むことが可能である。それぞれの乗客に関するプロフィール情報は、その乗客の識別情報(名前、年齢、身長等など)と、その乗客の好み(その乗客が典型的に幼児または小さい子供とともに移動するかどうか、その乗客によって典型的に持ち込まれる手荷物または貨物の量、選択された乗車または降車場所でまたはその付近で障害物または危険な状態が検出された場合に自律車両に入ろうとするまたは自律車両から出ようとする意向等など)とを含むことが可能である。いくつかの場合においては、いくつかのまたはすべての乗客プロフィールデータが、それぞれ図1および図2の車両制御システム110および200から入手されることが可能である。他の場合においては、乗客プロフィールデータのうちの少なくともいくつかが、乗客のクライアントデバイス120からのプロフィール情報にアクセスすることによってなどで、乗客によって提供されることが可能である。
【0087】
[0106] いくつかの実装形態においては、ユーザプロフィールデータ325(または他のプロフィールデータ)は、1つまたは複数の出荷サービスに関するプロフィール情報を含むことが可能である。それぞれの出荷サービスに関するプロフィール情報は、それぞれの出荷サービスのために自律車両300によって輸送されることになる1つまたは複数のタイプの貨物に関連付けられている特別な要件を示すことが可能である。たとえば、それらの特別な要件は、時間のかかる積み込みもしくは積み降ろしプロセス、貨物のための特定の積み込み/積み降ろし装備(たとえば、台車、フォークリフト、クレーン、スロープ、ベルトコンベヤーなど)に対する必要性、貨物を積み込む/積み降ろすための特定の量のスペース(ある値よりも長い長さを有する木材、パイプ、梁等のためのなど)に対する必要性、または貨物のための専門化された積み込み/積み降ろしエリア(スロープを有するエリアなど)に対する必要性を含むことが可能である(ただし、それらに限定されない)。1つの例示的な実装形態においては、特別な要件は、荷物または他の配送品目を乗車させるためのプロトコルを示すことが可能である。たとえば、そのプロトコルは、自律車両300が、荷物または他の配送品目が乗車場所で降車させられたという確認を受け取るまで、乗車場所でまたはその付近で待機すること、またはさもなければ駐車スペースを占有しないことを要求することが可能である。
【0088】
[0107] 様々な実装形態においては、ユーザプロフィールデータ325(または他のプロフィールデータ)は、1つまたは複数の配送サービスに関するプロフィール情報を含むことが可能である。配送サービスは、食品配送サービス、処方薬配送サービス、食料雑貨配送サービスなどを含むことが可能である(ただし、それらに限定されない)。いくつかの実装形態においては、それぞれの配送サービスに関するプロフィール情報は、配送用の品目を自律車両300へと乗車させることおよび/または積み込むことに関連付けられている特別な要件を示すことが可能である。たとえば、それらの特別な要件は、駐車するための、および配送注文品が自律車両300へと積み込まれるのを待つためのレストランの特定のエリア、配送注文品が自律車両300へと積み込まれるのを自律車両300が待つことになる指定された車線などを含むことが可能である(ただし、それらに限定されない)。いくつかの場合においては、それぞれの配送サービスに関するプロフィール情報は、様々なベンダーでの配送注文品を乗車させること(Chick-fil-aからの食品の注文品など)に関連付けられている特別な手順を示すことも可能である。たとえば、それらの特別な手順は、食品の注文品の配送準備ができていないということ、食品の注文がキャンセルされたということ、食品の注文品が自律車両300へと積み込まれたということなどを示す信号またはプロンプトを示すことが可能である(ただし、それらに限定されない)。
【0089】
[0108] 様々な実装形態においては、それぞれの配送サービスに関するプロフィール情報は、消費者の場所で配送注文品を降車させることおよび/または積み降ろすことに関連付けられている特別な要件および/または手順を示すことが可能である。たとえば、それらの特別な要件は、自律車両300が消費者の敷地に駐車して、配送された品目を自律車両300から消費者が取り出すのを(または乗員が配達するのを)待つための指定されたエリアを含むことが可能であり(ただし、それに限定されず)、配送された品目を自律車両300から消費者が取り出すのを(または乗員が配達するのを)自律車両300が待つための時間の期間を含むことが可能である、といった具合である。
【0090】
[0109] プロセッサ330は、関連付けられているメモリに記憶されている1つまたは複数のソフトウェアプログラムのスクリプトまたは命令を実行することが可能な任意の数の市販のマイクロプロセッサまたは中央処理装置(CPU)であることが可能であり、またはそれらを含むことが可能である。追加として、または代替として、プロセッサ330は、任意の数のASIC、GPU、DSP、NSP、DPU、マイクロコントローラ、ハードウェアアクセラレータ、FPGA、PLD、またはそれらの任意の組合せであることが可能であり、またはそれらを含むことが可能である。
【0091】
[0110] メモリ340は、命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体(EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ等などの1つまたは複数の不揮発性メモリ要素など)を含むことが可能であり、それらの命令は、1つまたは複数のプロセッサ330によって実行されたときに、図6図7A図7B図8図9図10図11A図11B図12図13A図13C図14、および図15を参照しながら説明されている動作のうちの任意の数を車両コントローラ310に実行させる。それらの命令は、プロセッサ330によって直接(マシンコードなど)または間接的に(スクリプトなど)実行されることになる命令の任意のセットであることが可能である。たとえば、それらの命令は、コンピューティングデバイス可読媒体上にコンピューティングデバイスコードとして記憶されることが可能である。したがって、「命令」および「プログラム」という用語は、本明細書においては言い換え可能に使用されることが可能である。命令は、プロセッサによる直接処理のためのオブジェクトコードフォーマットで、またはスクリプト、もしくは独立したソースコードモジュールの集まりを含む任意の他のコンピューティングデバイス言語で記憶されることが可能である。
【0092】
[0111] システムエンジン350は、車両制御エンジン352と、ナビゲーションエンジン354と、物体検出エンジン356と、乗客測位エンジン358とを含むことが可能である(ただし、それらに限定されない)。車両制御エンジン352は、乗客のための適切な降車または乗車場所を決定する際に自律車両300を支援または操作することが可能である。車両制御エンジン352は、降車もしくは乗車場所でのもしくはその付近での検出された障害物もしくは危険な状態の存在、それぞれの乗客の身体上の制限、それぞれの乗客の身体上の属性、それぞれの乗客の年齢、それぞれの乗客に伴う幼児もしくは子供の存在、それぞれの乗客に関連付けられている手荷物もしくは貨物の量、またはそれらの任意の組合せに基づいて1つまたは複数の代替の降車または乗車場所を決定する際に自律車両300を支援または操作することも可能である。
【0093】
[0112] ナビゲーションエンジン354は、乗客によって指定された場所へ、および乗客によって指定された場所から(乗客乗車場所と乗客降車場所との間におけるルートに沿ってなど)自律車両300を走行させるために使用されることが可能である。ナビゲーションエンジン354は、乗客乗車場所および降車場所を選択、識別、または決定するために使用されることも可能である。ナビゲーションエンジン354は、乗客乗車または降車場所を修正するために使用されることが可能である。ナビゲーションエンジン354は、代替の乗客乗車または降車場所を決定するために使用されることも可能である。いくつかの場合においては、ナビゲーションエンジン354は、自律車両300が乗客を待つことが可能な、または停車して、乗客が何らかの作業を実行して車両に入るのを待つことが可能な、または出発する乗客が何らかの作業を実行して次いで自律車両なしで進めることを可能にするだけ十分に長く停車することが可能な乗車または降車場所を識別または選択することが可能である。以降でさらに詳細に説明されているように、本明細書において開示されている主題の様々な態様は、乗客サービスを提供する自律車両の有用性、安全性、および利便性を高めることが可能である。
【0094】
[0113] 物体検出エンジン356は、指定された降車または乗車場所でまたはその付近で障害物または危険な状態を検出するために使用されることが可能である。いくつかの場合においては、物体検出エンジン356は、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物(たとえば、消火栓、壁、樹木など)、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、または自律車両300の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地などの(ただし、それらに限定されない)危険/障害物の場所を検出および決定するために、外部センサ376のうちの1つまたは複数を採用することが可能である。
【0095】
[0114] いくつかの実装形態においては、それぞれの乗客に関するプロフィール情報は、複数の潜在的な障害物または危険な状態のうちのどれをそれぞれの乗客が、自律車両に入ることおよび/または自律車両から出ることに関してほとんどまたはまったく懸念とならないとみなすかを示すことまたは識別することが可能である。たとえば、それらの複数の潜在的な障害物または危険な状態は、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、または自律車両の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地を含むことが可能である(ただし、それらに限定されない)。
【0096】
[0115] いくつかの実装形態においては、自律車両300によって検出された障害物または危険な状態が、それぞれの乗客にとってほとんどまたはまったく懸念とならないものとして識別された障害物または危険な状態のみを含む場合には、自律車両300は、それぞれの乗客のための特定の降車または乗車場所を修正しないことを決定することが可能である。たとえば、水たまり、くぼみ、でこぼこした舗装、および高い縁石が、自律車両300に入る際にまたは自律車両300から出る際にほとんどまたはまったく懸念とならないということを第1の乗客のプロフィール情報が示しているならば、自律車両300は、水たまり、くぼみ、でこぼこした舗装、および/または高い縁石が第1の乗客のための特定の降車または乗車場所のエリア内で検出された場合に、その特定の降車または乗車場所を修正しないことが可能である。このやり方においては、第1の乗客は、代替の降車もしくは乗車場所を自律車両が見つけ出すのを待たなければならないことで、または自律車両の予想される入車もしくは退車ポイントの付近に水たまり、くぼみ、でこぼこした舗装、および/もしくは高い縁石がある場合に目的地までさらに長い距離を歩かなければならないことで不便をかけられることがないことが可能である。
【0097】
[0116] いくつかの場合においては、自律車両300は、第1の乗客のプロフィール情報において識別されていない障害物または危険な状態(氷片またはゴミなど)が第1の乗客のための特定の降車または乗車場所のエリア内で検出された場合に、その特定の降車または乗車場所を修正することが可能である。このやり方においては、第1の乗客は、水たまり、くぼみ、でこぼこした舗装、および/または高い縁石以外の障害物または危険な状態が降車または乗車場所のエリア内で検出された場合には自律車両300が代替の降車または乗車場所を見つけ出すであろうということを知って安心していることが可能である。
【0098】
[0117] 様々な実装形態においては、別々の乗客に関するプロフィール情報は、自律車両300に入ることおよび/または自律車両300から出ることに関してほとんどまたはまったく懸念とならない別々の潜在的な障害物または危険な状態を(またはそうしたものがまったくないことを)示すことが可能である。たとえば、ゴミおよび建設用フェンスが、第2の乗客にとって自律車両300に入る際にまたは自律車両300から出る際にほとんどまたはまったく懸念とならないということを第2の乗客のプロフィール情報が示す場合がある。第2の乗客のプロフィール情報に基づいて、自律車両300は、ゴミおよび/または建設用フェンスが第2の乗客のための特定の降車または乗車場所のエリア内で検出された場合に、その特定の降車または乗車場所を修正しないことが可能である。このやり方においては、第2の乗客は、代替の降車もしくは乗車場所を自律車両が見つけ出すのを待たなければならないことで、または自律車両300の予想される入車もしくは退車ポイントの付近にゴミおよび/または建設用フェンスがある場合に目的地までさらに長い距離を歩かなければならないことで不便をかけられることがないことが可能である。逆に、第2の乗客にとって懸念となる障害物または危険な状態(たとえば、氷片)を自律車両300が検出した場合には、自律車両300は、第2の乗客のための降車または乗車場所を修正することが可能である。このやり方においては、第2の乗客は、ゴミまたは建設用フェンス以外の障害物または危険な状態が降車または乗車場所のエリア内で検出された場合には自律車両300が代替の降車または乗車場所を見つけ出すであろうということを知って安心していることが可能である。
【0099】
[0118] 乗客測位エンジン358は、自律車両300によって搬送されている乗客どうしの位置を絶対的に、または互いに対して相対的に、それらの乗客のそれぞれの車両退車ポイントに対して相対的に、および/もしくは1つもしくは複数の検出された障害物もしくは危険な状態の各々に対して相対的に決定するために使用されることが可能である。乗客測位エンジン358は、自律車両300によって搬送されている乗客どうしの着座位置を決定することも可能である。いくつかの場合においては、乗客測位エンジン358は、センサ372および376と通信することが可能である。
【0100】
[0119] 図4A図4Cは、いくつかの実装形態による、自律車両などの車両が乗客を降車および乗車させるところを示すそれぞれのイラストレーション400A~400Cを示している。図4A図4Cを参照しながら論じられる例示的な動作に関して、自律車両300は、自律車両300に乗っている第1の乗客を、選択された場所410で降車させるように、および選択された場所410の付近の家420の中で待っている第2の乗客を乗車させるようにスケジュールされている。それゆえに、それぞれの図4A図4Cの例示的なイラストレーション400A~400Cに関して、選択された場所410は、選択された降車および乗車場所410と呼ばれることが可能である。図4Aにおいて示されているように、自律車両300は、選択された降車および乗車場所410に向かって第1の通り401に沿って走行している。第1の通り401は、信号機406を備えた交差点404で第2の通り402と交差している。別の車両408が、第2の通り402上で信号機406のところで停車されている。選択された降車場所410は、家420の前にあり、家420は、第1の乗客の目的地として示され得る。すなわち、自律車両300が降車場所410で停車すると、第1の乗客は、自律車両300から出て、経路422に沿って家420まで歩くと予想され、第2の乗客は、経路422に沿って家420から乗車場所410まで歩いて、その後に自律車両300に入ると予想される。
【0101】
[0120] いくつかの実装形態においては、自律車両300は、第1の乗客のための自律車両300の予想される退車ポイントを決定することが可能である。自律車両300は、第2の乗客のための自律車両の予想される入車ポイントを決定することが可能である。自律車両300は、第1の乗客の着座位置(および存在している場合には、他の乗客たちの着座位置)を決定することも可能である。自律車両300は、第1の乗客のための予想される退車ポイントの相対的な位置および/または第1の乗客の着座位置を決定することが可能である。
【0102】
[0121] 図4Bは、自律車両300が、選択された降車および乗車場所410に向かって通り401に沿って移動するところを示すイラストレーション400Bを示している。具体的には、自律車両300が、選択された降車および乗車場所410の周囲のエリア412の距離内に来た際に、自律車両300は、エリア412内のゴミ山430および建設用フェンス435を検出する。エリア412は、任意の適切な直径または他の寸法のものであることが可能である。エリア412は、別々の降車および乗車場所ごとに別々のサイズのものであることが可能である。いくつかの場合においては、距離は、自律車両300の1つまたは複数の外部センサ372の走査範囲(LIDARセンサの走査範囲など)に対応することが可能である。ゴミ山430および建設用フェンス435は、例示的なものにすぎず、それゆえに、自律車両300によって検出されることが可能である多くのあり得る障害物および危険な状態のうちの2つにすぎない。
【0103】
[0122] 自律車両300は、任意の適切な物体検出メカニズムと併せて、任意の適切なセンサまたはデバイスを使用して、ゴミ山430および建設用フェンス435の存在を検出し、それらの位置を決定することが可能である。いくつかの実装形態においては、自律車両300は、(たとえば、LIDARセンサ、IRセンサ、RFセンサ、mmW周波数センサ、SONAR、カメラ、またはそれらの任意の組合せを使用して)物体または表面を探して周囲環境を走査することが可能である。自律車両は、ゴミ山430および建設用フェンス435の場所に対応するポイントの3次元マップ(three-dimensional map)を生成することが可能である。結果として生じるポイントの3次元マップ、または「ポイントクラウド」が使用されて、ゴミ山430および建設用フェンス435の正確な位置を決定することが可能である。
【0104】
[0123] 図4Bの例に関して、ゴミ山430は、選択された降車および乗車場所410と家420との間における経路422上に直接位置しており、第1の乗客が自律車両300から安全におよび快適に出て経路422に沿って家420まで歩くことが可能であることを妨げている。ゴミ山430はまた、第2の乗客が家420から、選択された降車および乗車場所410まで経路422に沿って安全におよび快適に歩くことを阻止する可能性がある。
【0105】
[0124] いくつかの実装形態においては、自律車両300は、選択された降車および乗車場所410を維持することを決定することが可能である。他の実装形態においては、自律車両300は、選択された降車および乗車場所410を修正することを決定することが可能である。特定の実装形態においては、自律車両300は、ゴミ山430に対して相対的な第1の乗客のための予想される車両退車ポイントに少なくとも部分的に基づいて、第1の乗客を降車させるための選択された場所410を修正することが可能である。自律車両は、ゴミ山430に対して相対的な第2の乗客のための予想される車両入車ポイントに少なくとも部分的に基づいて、第2の乗客を乗車させるための選択された場所410を(第1の乗客が降車させられた場所とは異なると決定された場合には)修正することが可能である。いくつかの場合においては、自律車両300は、自律車両300の予想される入車ポイントと、検出された障害物または危険な状態とが自律車両300の別々の側にある場合には、乗客乗車のための選択された場所410を維持することが可能である。自律車両300は、予想される入車ポイントと、検出された障害物または危険な状態とが自律車両300の同じ側にある場合には、代替の乗車場所を選択することが可能である。同様に、自律車両300は、自律車両300の予想される退車ポイントと、検出された障害物または危険な状態とが自律車両300の別々の側にある場合には、乗客降車のための選択された場所410を維持することが可能である。自律車両300は、予想される退車ポイントと、検出された障害物または危険な状態とが自律車両300の同じ側にある場合には、代替の降車場所を選択することが可能である。いくつかの場合においては、自律車両300は、代替の降車場所を選択する際に第1の乗客の身体上の障害または制限を考慮することも可能である。
【0106】
[0125] 追加として、または代替として、自律車両300は、降車場所としての選択された場所410を修正または変更するかどうかを決定する際に第1の乗客の(および存在している場合には、他の乗客の)着座位置を考慮することが可能である。図4Bの例に関しては、第1の乗客は、着座位置番号4に座っており、自律車両300の右側から出ると予想される。ゴミ山430および建設用フェンス435も、自律車両300の右側にある。予想される退車ポイントと、検出された障害物とが車両の同じ側にあると決定したことに応答して、自律車両300は、選択された降車場所を修正して代替の降車場所を選択することを決定することが可能である。同様に、第2の乗客の予想される入車ポイントと、検出された障害物とが車両の同じ側にあると決定したことに応答して、自律車両300は、選択された乗車場所を修正して代替の乗車場所を選択することが可能である。複数の乗客を搬送している場合には、自律車両300は、別々の乗客のための別々の代替の降車場所を選択することが可能であり、または複数の乗客のための同じ代替の降車場所を選択することが可能である。
【0107】
[0126] 図4Cは、自律車両300が代替の降車および乗車場所440を選択するところを示すイラストレーション400Cを示している。いくつかの実装形態においては、代替の降車および乗車場所440は、選択された降車および乗車場所410の距離内の複数の異なる代替の降車または乗車場所から選択されることが可能である。複数の異なる代替の降車または乗車場所は、地図データ、LIDARセンサデータ、周囲エリアの画像、周囲エリアのビデオ、RADARセンサデータ、または乗客入力のうちの1つまたは複数に基づいて識別または決定されることが可能である。いくつかの実装形態においては、自律車両300は、自律車両300上にまたは自律車両300内に提供されているセンサから直接、LIDARセンサデータと、RADARセンサデータと、周囲エリアの画像と、周囲エリアのビデオと、他のセンサデータとを受信することが可能である。他の実装形態においては、自律車両300は、路側ユニット、他の車両、ユーザデバイス、またはそれらの任意の組合せなどの(ただし、それらに限定されない)他のソースから直接、LIDARセンサデータと、RADARセンサデータと、周囲エリアの画像と、周囲エリアのビデオと、他のセンサデータとを受信することが可能である。いくつかの他の実装形態においては、自律車両300は、少なくともいくつかの場合においてはセンサデータを集約することが可能であるサーバ(または他の中間のシステムもしくはサービス)から、LIDARセンサデータと、RADARセンサデータと、周囲エリアの画像と、周囲エリアのビデオと、他のセンサデータとを受信することが可能である。いくつかの場合においては、自律車両は、第1の乗客の身体上の制限、または第1の乗客とともに移動している幼児、チャイルドシート、もしくは子供の存在に少なくとも部分的に基づいて様々な代替の降車場所を選択することが可能である。他の実装形態においては、自律車両300は、第1の乗客の1つまたは複数の身体上の属性に少なくとも部分的に基づいて、選択された降車および乗車場所410が実行可能ではないと決定することが可能であり、第1の乗客の1つまたは複数の身体上の属性に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の実行可能な代替の降車場所を識別することが可能である。
【0108】
[0127] いくつかの異なる代替の降車場所が、たとえばタッチセンシティブディスプレイなどのユーザインターフェース上で、第1の乗客へ提示されることが可能である。第1の乗客は、代替の降車場所のうちの1つを選択すること、またはそれに対する好みを示すことが可能である。自律車両300は、第1の乗客によって選択された代替の降車場所へ操縦することを決定することが可能である。いくつかの場合においては、自律車両300は、ゴミ山430または建設用フェンス435を無視する旨の第1の乗客の意向を決定し、第1の乗客のための選択された降車場所410を維持することが可能である。乗客の意向は、乗客プロフィールに記憶されることが可能であり、またはゴミ山430もしくは建設用フェンス435の検出に応答して第1の乗客によって提供されることが可能である。いくつかの他の場合においては、自律車両300は、自律車両300によって検出された1つまたは複数の潜在的に危険な状態がそれぞれの乗客にとって自律車両300に入る際におよび/または自律車両300から出る際に懸念となるかどうかを示すようにそれぞれの乗客に促すことが可能である。
【0109】
[0128] 自律車両300が、選択された降車および乗車場所410の付近で検出された障害物または危険な状態に基づいて乗客降車および乗車場所を動的に変更することを可能にすることによって、自律車両300は、乗客が自律車両に入る際にまたは自律車両から出る際に障害物または危険な状態によって妨げられないことまたは不便をかけられないことを確実にすることが可能である。この様式においては、本明細書において開示されている主題の様々な態様を実施する自律車両は、従来の自律車両よりも安全で便利な様式で乗客を乗車および降車させることが可能である。
【0110】
[0129] 図5A図5Cは、様々な実装形態による、自律車両などの車両が乗客を降車および乗車させるところを示すそれぞれのイラストレーション500A~500Cを示している。図5A図5Cを参照しながら論じられる例示的な動作に関して、自律車両300は、自律車両300に乗っている第1の乗客を、選択された場所510で降車させるように、および選択された場所510で家520の中で待っている第2の乗客を乗車させるようにスケジュールされている。それゆえに、選択された場所510は、選択された降車および乗車場所510と呼ばれることが可能である。他の例においては、降車場所は、乗車場所とは異なる場合がある。図5Aにおいて示されているように、自律車両300は、交差点504に向かって通り501に沿って走行しており、選択された降車および乗車場所510は、家520の前にあり、家520は、第1の乗客の目的地であり得る。すなわち、自律車両300が降車場所510で停車すると、第1の乗客は、自律車両300から出て、経路522に沿って家520まで歩くと予想され、第2の乗客は、経路522に沿って家520から乗車場所510まで歩いて、その後に自律車両300に入ると予想される。
【0111】
[0130] 図5Aはまた、第1の車531、第2の車532、および第3の車533が通り501の右側に駐車されているところを示している。具体的には、第1の車531は、選択された降車および乗車場所510のすぐ前に駐車されており、第2の車532は、選択された降車および乗車場所510のすぐ後ろに駐車されている。第3の車533は、第2の車532から、ある距離だけ離れて駐車されている。第1および第2の車531および532は各々、選択された降車および乗車場所510の十分に近くに駐車されており、それによって、選択された降車および乗車場所510は、自律車両300に入るためにまたは自律車両300から出るために追加のスペースまたは時間を必要とする乗客にとって実行可能ではなくなる可能性がある。様々な実装形態においては、自律車両が、決定された乗車および/または降車場所に到着することになった際に、またはそこから出発することになった際に、自律車両は、通信ネットワーク(LTE通信ネットワーク、5G NR通信ネットワーク、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、メッシュネットワーク、インターネット等などであるが、それらに限定されない)におけるエッジサーバまたは他のサーバと通信すること、ならびに決定された乗車および/または降車場所にまたはその付近にあると予想される他の車両の場所、定員、構成、対応可否、および様々な特質を示す情報を受信することが可能である。1つの例示的な実装形態においては、自律車両は、乗客のスケジュール、乗客の身体状態、自律車両に入る/自律車両から出るための乗客の時間およびスペース要件、乗客降車および乗車現場でのもしくはその付近での障害物もしくは危険な状態の存在、交通状態、気象条件、またはそれらの任意の組合せに基づいて、他の車両のうちの1つまたは複数との間で乗客乗車および/または乗客降車を調整することが可能である。いくつかの態様においては、自律車両がそれぞれの乗車および/もしくは降車場所にもしくはその付近にある(またはそれぞれの乗車および/もしくは降車場所に近づいている)ときに、自律車両は、(たとえば、PC5リンクを介して)他の車両と通信して、他の車両のうちの1つによって保持されている駐車スポットへの一時的な出入りを要求することが可能である。その要求に応答して、他の車両は、その姿勢および位置を調整することが可能であり、またはそのスポットを一時的に離れて、自律車両が乗客降車および/または乗車のためにその駐車スポットを一時的に使用することを可能にすることができる。
【0112】
[0131] いくつかの場合においては、自律車両300は、第1の乗客の身体上の障害または制限を識別することが可能である。自律車両300は、識別された身体上の障害または身体上の制限と、選択された降車および乗車場所510の1つまたは複数の属性とに少なくとも部分的に基づいて、第1の乗客が自律車両300から出るために追加の時間またはスペースを必要とするかどうかを決定することが可能である。選択された降車および乗車場所510の1つまたは複数の属性は、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物(たとえば、消火栓、壁、樹木など)、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、または自律車両300の前方もしくは後方の特定の量に満たないスペースのうちの1つまたは複数を含むことが可能である(ただし、それらに限定されない)。
【0113】
[0132] いくつかの実装形態においては、自律車両300は、自律車両300に乗っている(もしくは乗車させられることになる)各乗客が幼児、チャイルドシート、もしくは小さい子供を伴っているかどうか、ならびに/または自律車両に入るためにもしくは自律車両から出るために追加の時間および/もしくはスペースを必要とする量の手荷物、貨物、もしくは装備を伴って移動しているかどうかを決定することも可能である。いくつかの態様においては、追加の時間および/またはスペースを必要とするとみなされる手荷物、貨物、または装備の量は、手荷物、貨物、もしくは装備の総重量、手荷物、貨物、もしくは装備の総サイズもしくは体積、乗客の身体上の属性、自律車両における1回もしくは複数回の以前の乗車に関して乗客によって必要とされた時間および/もしくはスペースを示す履歴データ、またはそれらの任意の組合せに基づくことが可能である。自律車両300は、各乗客が、乗客乗車中に積み込みを行うためにおよび乗客降車中に積み降ろしを行うために追加の時間および/またはスペースを必要とするかどうかを決定することが可能である。たとえば、スキー板、ポール、およびキャンピング装備を伴って移動している乗客は、スキー板、ポール、およびキャンピング装備を積み込むために、および積み降ろすために、いずれのそのような装備も伴って移動していない他の乗客よりも、さらに多くの時間と、自律車両300の前方のさらに多くのスペースとを必要とするであろう。別の例として、チャイルドシートに幼児を伴って移動している乗客は、幼児およびチャイルドシートを積み込むために、および積み降ろすために、子供を伴って移動していない他の乗客よりも、さらに多くの時間と、自律車両300の側方のさらに多くのスペースとを必要とするであろう。それゆえに、いくつかの場合においては、自律車両300は、選択された降車および乗車場所510を維持するか、または1つもしくは複数の実行可能な代替の乗車および降車場所を決定するかを決定する際に、それぞれの乗客によって必要とされる追加の時間および/またはスペースを考慮することが可能である。追加のスペースは、自律車両300の前端に近接した第1のエリア、自律車両300の後端に近接した第2のエリア、自律車両300の助手席側に近接した第3のエリア、または自律車両300の運転席側に近接した第4のエリアのうちの1つまたは複数に相当し得る。
【0114】
[0133] いくつかの場合においては、自律車両300は、それぞれの乗客が乗車場所で自律車両300に入るためにおよび降車場所で自律車両300から出るために追加の時間またはスペースを必要とするかどうかを決定する際に、選択された降車および乗車場所510の1つまたは複数の属性を考慮することも可能である。たとえば、自律車両300が、選択された降車および乗車場所510で仮に停車または駐車する場合に、自律車両300の前部、後部、または出口側に近接したエリアが特定の値未満になった際には、自律車両300は、それぞれの乗客が、選択された降車および乗車場所510で利用可能であるよりも多くの時間および/またはスペースを必要とすると決定することが可能である。
【0115】
[0134] 図5Bは、自律車両300が、選択された降車および乗車場所510に向かって通り501に沿って移動しているところを示すイラストレーション500Bを示している。自律車両300が、選択された降車および乗車場所510の特定の範囲内に来た際に、自律車両300は、第1の乗客が自律車両300から出るために、選択された降車場所510が可能にするよりも多くのスペースおよび/または時間を必要とすると決定することが可能である。自律車両300は、選択された降車場所510を第1の乗客のために修正することが可能である。同様に、自律車両300は、第2の乗客が自律車両300に入るために、選択された乗車場所510が可能にするよりも多くのスペースおよび/または時間を必要とすると決定することが可能である。その決定に基づいて、自律車両300は、選択された乗車場所510を第2の乗客のために修正することが可能である。自律車両300は、第1および第2の乗客が追加の時間および/またはスペースを必要とすると決定したことに応答して、代替の降車または乗車場所540を選択することが可能である。
【0116】
[0135] 図5Cは、自律車両300が代替の降車および乗車場所540を選択するところを示すイラストレーション500Cを示している。代替の場所540は、家520と交差点504とのおよそ中間にある。家520が第1の乗客の目的地である場合に関しては、第1の乗客は、代替の場所540で自律車両300から出て経路543に沿って家520まで歩くと予想され得る。同様に、家520が第2の乗客の起点である場合に関しては、第2の乗客は、家520から経路543に沿って代替の乗車場所540まで歩くと予想され得る。いくつかの実装形態においては、代替の降車および乗車場所540は、選択された降車および乗車場所510の距離内の複数の異なる代替の降車または乗車場所から選択されることが可能である。それらの複数の異なる代替の降車または乗車場所は、地図データ、LIDARセンサデータ、周囲エリアの画像、周囲エリアのビデオ、RADAR、または乗客入力のうちの1つまたは複数(ただし、それらに限定されない)に基づいて識別または決定されることが可能である。いくつかの場合においては、自律車両300は、第1の乗客の身体上の制限、または第1の乗客とともに移動している幼児、チャイルドシート、もしくは子供の存在に少なくとも部分的に基づいて様々な代替の降車場所を選択することが可能である。他の実装形態においては、自律車両300は、第1の乗客の1つまたは複数の身体上の属性に少なくとも部分的に基づいて、選択された降車および乗車場所510が実行可能ではないと決定することが可能である。自律車両300は、第1の乗客の1つまたは複数の身体上の属性に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の実行可能な代替の降車場所を識別することが可能である。
【0117】
[0136] 図5Cの例に関しては、自律車両300は、第2の車532と自律車両300の後端との間における第1の距離541が、出発する乗客が自律車両300のトランクから手荷物および他の品目を取り出すための十分なスペースおよび/または時間を提供すると決定することが可能である。自律車両300は、第1の距離541が、乗り込む乗客が自律車両300のトランクに手荷物および他の品目を積み込むための十分なスペースおよび/または時間を提供すると決定することも可能である。同様に、自律車両300は、第3の車533と自律車両300の前端との間における第2の距離542が、自律車両300の前部のラックに載せられている装備および品目(自転車およびスキー板など)を、出発する乗客が取り出すための十分なスペースおよび/または時間を提供すると決定することが可能である。自律車両300は、第2の距離542が、自律車両300の前部のラックに載せられる装備および品目(自転車およびスキー板など)を、乗り込む乗客が積み込むための十分なスペースおよび/または時間を提供すると決定することも可能である。いくつかの実装形態においては、自律車両300は、予想される経路543に沿った代替の場所540と家520との間における距離を推定することまたは他の方法で決定することも可能である。いくつかの場合においては、自律車両300は、経路543に沿った家520までの推定された距離を第1の乗客に通知することが可能である。いくつかの他の場合においては、自律車両300は、家520から代替の乗車場所540までの経路543に沿った推定された距離を第2の乗客に通知することも可能である。
【0118】
[0137] 様々な代替の降車場所のうちのいくつかまたはすべてが、たとえばタッチセンシティブディスプレイなどのユーザインターフェース上で、第1の乗客へ提示されることが可能である。第1の乗客は、代替の降車場所のうちの1つを選択すること、またはそれに対する好みを示すことが可能である。自律車両300は、第1の乗客によって選択された代替の降車場所まで走行することが可能である。
【0119】
[0138] 自律車両などの車両が、身体上の制限、および/または、1人もしくは複数の乗客が車両に入るためにもしくは車両から出るために追加の時間もしくはスペースを必要とするかどうかに基づいて乗客降車および乗車場所を動的に変更することを可能にすることによって、車両は、余分な時間またはスペースを必要とする乗客が、乗客が車両に入るためのもしくは車両から出るための追加のスペースおよび/または時間を与える場所で乗車および降車させられることを確実にすることが可能である。この様式においては、本明細書において開示されている主題の様々な態様を実施する車両は、従来の車両よりも安全で便利な様式で乗客を乗車および降車させることが可能である。
【0120】
[0139] いくつかの他の実装形態においては、自律車両300は、スケジュールされている降車または乗車場所に近接しているが駐車または乗客降車もしくは乗車用に指定されていないエリアで乗客を降車および/または乗車させることを決定することが可能である。たとえば、都市環境におけるスケジュールされている降車または乗車場所が利用可能ではない(たとえば、そのスケジュールされている降車または乗車場所に他の車が駐車されているので)場合には、自律車両300は、一時的な二重駐車が、交通などへのインパクトを最小にして乗客が安全に自律車両300に入るためのおよび/または自律車両300から出るための十分な時間とスペースとを提供し、そしてまた、スケジュールされている降車または乗車場所に比較的近い(スケジュールされている降車または乗車場所から特定の距離内にあるなど)と決定することが可能である。別の例として、郊外エリアにおけるスケジュールされている降車または乗車場所がアクセス可能ではない(たとえば、他の車によってブロックされている)場合には、自律車両300は、隣接する私道に駐車することが、乗客が自律車両300に入るためのおよび/または自律車両300から出るための十分な時間とスペースとを提供し、そしてまた、スケジュールされている降車または乗車場所に比較的近い(スケジュールされている降車または乗車場所から特定の距離内にあるなど)と決定することが可能である。
【0121】
[0140] 図6Aは、いくつかの実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作600を示すフローチャートを示している。動作600は、図3の自律車両300などの(ただし、それに限定されない)車両とともに図3の車両コントローラ310などの(ただし、それに限定されない)装置によって実行されることが可能である。いくつかの場合においては、装置は、車両内に実装されることが可能である。他の場合においては、装置は、車両の外部にあることが可能である。いくつかの他の態様においては、装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。ブロック602で、装置は、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントを決定することが可能である。ブロック604で、装置は、現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出することが可能である。ブロック606で、装置は、現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているということを検出したことに応答して、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントの位置、および検出された障害物または危険な状態に少なくとも部分的に基づいて、現場に関連付けられている降車または乗車場所を決定することが可能である。
【0122】
[0141] 検出された障害物または危険な状態は、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物(たとえば、消火栓、壁、樹木など)、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、車両の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。いくつかの実装形態においては、車両は、雪の下の隠れた障害物の指標として雪堤または雪の吹きだまりの検出を使用することが可能である。いくつかの態様においては、車両は、検出された雪堤または雪の吹きだまりを迂回することまたは他の方法で回避することが可能である。
【0123】
[0142] いくつかの場合においては、降車または乗車場所を決定することは、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントと、検出された障害物または危険な状態とが車両の同じ側にあるかどうかに基づくことも可能である。たとえば、検出された障害物または危険な状態と、車両のそれぞれの乗客に関する予想される車両入車または退車ポイントとが車両の同じ側にある場合には、装置は、それぞれの乗客のための代替の降車または乗車場所を決定することが可能である。車両は、その代替の降車または乗車場所でそれぞれの乗客を降車または乗車させることが可能である。逆に、検出された障害物または危険な状態と、車両のそれぞれの乗客に関する予想される入車または退車ポイントとが車両の別々の側にある場合には、装置は、それぞれの乗客のための決定された降車または乗車場所を維持することが可能である。車両は、当初の降車または乗車場所でそれぞれの乗客を降車または乗車させることが可能である。
【0124】
[0143] 代替の降車または乗車場所は、決定された降車または乗車場所からある距離内の複数の異なる代替の降車または乗車場所から決定されることが可能である。いくつかの場合においては、その距離は、検出された障害物によって車両へのまたは車両からの乗客の経路がブロックされることまたは安全でなくなることがないことを確実にするのに十分な長さである任意の適切なしきい値距離であることが可能である。その距離は、乗客にとっての不便を回避するのに、または少なくとも低減するのに十分なだけ短いことも可能である。1つの例示的な実装形態においては、複数の代替の降車または乗車場所は、地図データ、LIDARセンサデータ、周囲エリアの画像、周囲エリアのビデオ、RADAR、乗客入力、またはそれらの任意の組合せに基づいて決定されることが可能である。
【0125】
[0144] いくつかの実装形態においては、代替の降車または乗車場所を決定することは、乗客に関連付けられている1つまたは複数の状態に少なくとも部分的に基づくことが可能である。いくつかの場合においては、代替の降車または乗車場所を決定することは、乗客の身体上の障害または制限(これは、乗客の第1の状態とみなされることが可能である)に少なくとも部分的に基づくことが可能である。たとえば、乗客が歩くのに困難を有しているかまたは車いすに乗っている場合には、車両は、識別された降車または乗車場所にさらに近い代替の降車または乗車場所を決定することが可能であり、車いすのアクセスを提供する代替の降車または乗車場所を決定することが可能である、といった具合である。他の場合においては、代替の降車または乗車場所を決定することは、乗客に伴う幼児または子供の存在(これは、乗客の第2の状態とみなされることが可能である)に少なくとも部分的に基づくことが可能である。たとえば、乗客が幼児とともに移動している場合には、車両は、識別された降車または乗車場所にさらに近い代替の降車または乗車場所を決定することが可能であり、おむつ交換台を備えた代替の降車または乗車場所を決定することが可能である、といった具合である。いくつかの他の場合においては、代替の降車または乗車場所を決定することは、比較的大量の手荷物、貨物、または装備とともに乗客が移動しているかどうか(これは、乗客の第3の状態とみなされることが可能である)に少なくとも部分的に基づくことが可能である。たとえば、比較的大量の手荷物とともに乗客が移動している場合には、車両は、乗客が手荷物を積み込むもしくは積み降ろすためのさらに多くの余地を提供する、および/または乗客が手荷物を積み込むもしくは積み降ろすための追加の時間を与える代替の降車または乗車場所を決定することが可能である。いくつかの他の場合においては、代替の降車または乗車場所を決定することは、乗客の年齢に少なくとも部分的に基づくことが可能である。たとえば、乗客が子供(たとえば、13歳未満)である場合には、車両は、その子供が車両から出るのを大人が手助けするための余地を提供する代替の降車または乗車場所を決定することが可能である。
【0126】
[0145] 図6Bは、いくつかの実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作610を示すフローチャートを示している。動作610は、図3の自律車両300などの(ただし、それに限定されない)車両とともに図3の車両コントローラ310などの(ただし、それに限定されない)装置によって実行されることが可能である。いくつかの場合においては、装置は、車両内に実装されることが可能である。他の場合においては、装置は、車両の外部にあることが可能である。いくつかの他の態様においては、装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。いくつかの実装形態においては、動作610は、図6Aのブロック606において降車または乗車場所を決定した後に実行されることが可能である。たとえば、ブロック612で、装置は、乗客に関する予想される入車または退車ポイントと、検出された障害物または危険な状態とが車両の別々の側にあると決定したことに応答して、決定された降車または乗車場所を維持することが可能である。
【0127】
[0146] 図7Aは、いくつかの実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作700を示すフローチャートを示している。動作700は、図3の自律車両300などの(ただし、それに限定されない)車両とともに図3の車両コントローラ310などの(ただし、それに限定されない)装置によって実行されることが可能である。いくつかの場合においては、装置は、車両内に実装されることが可能である。他の場合においては、装置は、車両の外部にあることが可能である。いくつかの他の態様においては、装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。いくつかの実装形態においては、動作700は、図6Aのブロック606において乗客降車または乗車場所を決定した後に実行されることが可能である。たとえば、ブロック702で、装置は、決定された降車または乗車場所からある距離内の複数の異なる代替の降車または乗車場所から1つの代替の降車または乗車場所を決定することが可能である。このやり方においては、車両は、検出された障害物または危険な状態が車両へのまたは車両からの乗客の経路を妨げないことを確実にして、その一方でまた、代替の降車または乗車場所が当初の降車または乗車場所からある距離内にあることを確実にすることが可能である。
【0128】
[0147] 図7Bは、いくつかの実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作710を示すフローチャートを示している。動作710は、図3の自律車両300などの(ただし、それに限定されない)車両とともに図3の車両コントローラ310などの(ただし、それに限定されない)装置によって実行されることが可能である。いくつかの場合においては、装置は、車両内に実装されることが可能である。他の場合においては、装置は、車両の外部にあることが可能である。いくつかの他の態様においては、装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。いくつかの実装形態においては、動作710は、図7Aのブロック702において代替の降車または乗車場所を決定するのと同時に実行されることが可能である。他の実装形態においては、動作710は、図7Aのブロック702において代替の降車または乗車場所を決定した後に実行されることが可能である。たとえば、ブロック712で、装置は、複数の異なる代替の降車または乗車場所からの1つまたは複数の好ましい降車または乗車場所を受信することが可能である。ブロック714で、装置は、1つまたは複数の好ましい降車または乗車場所に基づいて代替の降車または乗車場所を決定することが可能である。
【0129】
[0148] いくつかの場合においては、車両は、乗客によって閲覧可能なタッチセンシティブディスプレイ上に代替の降車または乗車場所のうちのいくつかを提示することが可能である。乗客は、タッチセンシティブディスプレイと対話して、代替の降車または乗車場所のうちの1つを決定することが可能である。たとえば、代替の降車または乗車場所は、選択可能なアイコンとしてタッチセンシティブディスプレイ上に提示されることが可能である。乗客は、特定の代替の降車または乗車場所に対応する選択可能なアイコンをタッチすること、タップすること、または他の方法でそのアイコンと対話することによって、特定の代替の降車または乗車場所を選択することが可能である。いくつかの場合においては、タッチセンシティブディスプレイは、乗客に関連付けられているモバイルコンピューティングデバイスのタッチセンシティブディスプレイスクリーンであることが可能である。いくつかの他の場合においては、タッチセンシティブディスプレイは、車両の内部内に提供されること、および車両によって輸送されている乗客によって閲覧可能であるように構成されることが可能である。車両は、乗客によって示された代替の降車または乗車場所を決定することが可能である。車両は、乗客によって識別された選択された代替の降車または乗車場所まで走行することが可能である。いくつかの他の場合においては、車両は、乗客のユーザデバイスのタッチセンシティブディスプレイ上に代替の降車または乗車場所のうちのいくつかを提示することが可能である。乗客は、ユーザデバイスと対話して、代替の降車または乗車場所のうちの1つを決定することが可能である。
【0130】
[0149] 図8Aは、いくつかの実装形態による、代替の降車場所を決定するための例示的な動作800を示すフローチャートを示している。動作800は、図3の自律車両300などの(ただし、それに限定されない)車両とともに図3の車両コントローラ310などの(ただし、それに限定されない)装置によって実行されることが可能である。いくつかの場合においては、装置は、車両内に実装されることが可能である。他の場合においては、装置は、車両の外部にあることが可能である。いくつかの他の態様においては、装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。いくつかの実装形態においては、動作800は、図6Aのブロック606において代替の降車または乗車場所を決定した後に実行されることが可能である。たとえば、ブロック802で、装置は、乗客の1つまたは複数の身体上の属性に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定することが可能である。
【0131】
[0150] 図8Bは、いくつかの実装形態による、代替の降車場所のうちの1つを決定するための例示的な動作810を示すフローチャートを示している。動作810は、図3の自律車両300などの(ただし、それに限定されない)車両とともに図3の車両コントローラ310などの(ただし、それに限定されない)装置によって実行されることが可能である。いくつかの場合においては、装置は、車両内に実装されることが可能である。他の場合においては、装置は、車両の外部にあることが可能である。いくつかの他の態様においては、装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。いくつかの実装形態においては、動作810は、図8Aのブロック802において1つまたは複数の代替の降車場所を決定した後に実行されることが可能である。たとえば、ブロック812で、装置は、乗客から代替の降車場所のうちの1つを決定することが可能である。ブロック814で、装置は、決定された代替の降車場所で乗客を降車させることを車両に行わせることが可能である。
【0132】
[0151] 1つの例示的な実装形態においては、代替の降車または乗車場所は、選択可能なアイコンとしてタッチセンシティブディスプレイ上に提示されることが可能である。乗客は、特定の代替の降車または乗車場所に対応する選択可能なアイコンをタッチすること、タップすること、または他の方法でそのアイコンと対話することによって、特定の代替の降車または乗車場所を選択することが可能である。いくつかの場合においては、タッチセンシティブディスプレイは、乗客に関連付けられているモバイルコンピューティングデバイスのタッチセンシティブディスプレイスクリーンであることが可能である。いくつかの他の場合においては、タッチセンシティブディスプレイは、車両の内部内に提供されること、および車両によって輸送されている乗客によって閲覧可能であるように構成されることが可能である。
【0133】
[0152] 図9は、いくつかの実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作900を示すフローチャートを示している。動作900は、図3の自律車両300などの(ただし、それに限定されない)車両とともに図3の車両コントローラ310などの(ただし、それに限定されない)装置によって実行されることが可能である。いくつかの場合においては、装置は、車両内に実装されることが可能である。他の場合においては、装置は、車両の外部にあることが可能である。いくつかの他の態様においては、装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。いくつかの実装形態においては、動作900は、図8Bのブロック812において代替の降車場所のうちの1つを決定することとともに実行されることが可能である。たとえば、ブロック902で、装置は、検出された障害物または危険な状態を無視する旨の乗客の意向の表示を受け取ることが可能である。ブロック904で、装置は、検出された障害物または危険な状態を無視する旨の乗客の意向の表示を受け取ったことに応答して、決定された降車または乗車場所を維持することが可能である。いくつかの場合においては、特定の障害物または危険な状態を無視する旨の乗客の意向は、乗客プロフィールに記憶されることが可能である。いくつかの他の場合においては、特定の障害物または危険な状態を無視する旨の乗客の意向は、乗客から受け取られることが可能である。
【0134】
[0153] 図10は、いくつかの実装形態による、障害物または危険な状態の場所を決定するための例示的な動作1000を示すフローチャートを示している。動作1000は、図3の自律車両300などの(ただし、それに限定されない)車両とともに図3の車両コントローラ310などの(ただし、それに限定されない)装置によって実行されることが可能である。いくつかの場合においては、装置は、車両内に実装されることが可能である。他の場合においては、装置は、車両の外部にあることが可能である。いくつかの他の態様においては、装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。いくつかの実装形態においては、動作1000は、図6Aのブロック604において現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出することの一例であることが可能である。たとえば、ブロック1002で、装置は、周囲環境における物体の存在を示す1つまたは複数のセンサ測定値(sensor measurement)を受信することが可能である。ブロック1004で、装置は、検出された物体の場所に対応するポイントの3次元マップを生成することが可能である。ブロック1006で、装置は、3次元ポイントマップ(three-dimensional point map)に少なくとも部分的に基づいて周囲エリアにおける障害物または危険な状態の場所を決定することが可能である。
【0135】
[0154] 図11は、いくつかの他の実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作1100を示すフローチャートを示している。動作1100は、図3の自律車両300などの(ただし、それに限定されない)車両とともに図3の車両コントローラ310などの(ただし、それに限定されない)装置によって実行されることが可能である。いくつかの場合においては、装置は、車両内に実装されることが可能である。他の場合においては、装置は、車両の外部にあることが可能である。いくつかの他の態様においては、装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。いくつかの実装形態においては、動作1100は、図6Aのブロック606において降車場所を決定した後に実行されることが可能である。たとえば、ブロック1102で、装置は、車両における乗客の着座位置を決定することが可能である。ブロック1104で、装置は、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントに対して相対的な乗客の着座位置に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定することが可能である。
【0136】
[0155] 図12は、いくつかの他の実装形態による、代替の降車場所を決定するための例示的な動作1200を示すフローチャートを示している。動作1200は、図3の自律車両300などの(ただし、それに限定されない)車両とともに図3の車両コントローラ310などの(ただし、それに限定されない)装置によって実行されることが可能である。いくつかの場合においては、装置は、車両内に実装されることが可能である。他の場合においては、装置は、車両の外部にあることが可能である。いくつかの他の態様においては、装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。いくつかの実装形態においては、動作1200は、図6Aのブロック606において降車または乗車場所を決定した後に実行されることが可能である。たとえば、ブロック1202で、装置は、決定された降車もしくは乗車場所の1つもしくは複数の属性、乗客の1つもしくは複数の属性、乗客の1つもしくは複数の身体上の制限もしくは障害(handicap)、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づいて、乗客が車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間またはスペースを必要とするかどうかを決定することが可能である。ブロック1204で、装置は、乗客が車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間またはスペースを必要とすると決定したことに応答して1つまたは複数の代替の降車または乗車場所を決定することが可能である。
【0137】
[0156] 図13は、いくつかの他の実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作1300を示すフローチャートを示している。動作1300は、図3の自律車両300などの(ただし、それに限定されない)車両とともに図3の車両コントローラ310などの(ただし、それに限定されない)装置によって実行されることが可能である。いくつかの場合においては、装置は、車両内に実装されることが可能である。他の場合においては、装置は、車両の外部にあることが可能である。いくつかの他の態様においては、装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。ブロック1302で、装置は、車両の乗客のための降車または乗車場所を決定することが可能である。ブロック1304で、装置は、決定された降車もしくは乗車場所の1つもしくは複数の属性、乗客の1つもしくは複数の属性、乗客の1つもしくは複数の身体上の制限もしくは障害、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づいて、乗客が車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間またはスペースを必要とするかどうかを決定することが可能である。ブロック1306で、装置は、乗客が車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間またはスペースを必要とすると決定したことに応答して1つまたは複数の代替の降車または乗車場所を決定することが可能である。
【0138】
[0157] 決定された降車または乗車場所の1つまたは複数の属性は、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物(たとえば、消火栓、壁、樹木など)、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、もしくは識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、車両の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。
【0139】
[0158] いくつかの実装形態においては、乗客が車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間および/またはスペースを必要とすると決定することは、車両における乗客の数が、設定された値を超えることに基づくことも可能である。他の実装形態においては、乗客が車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間および/またはスペースを必要とすると決定することは、車両のトランク、車両に取り付けられている装備ラック(自転車ラック、手荷物ラック、スキーラック等など)における貨物の存在もしくは予想される存在、乗客とともに移動している幼児もしくは子供の存在もしくは予想される存在、車両におけるチャイルドシートの存在もしくは予想される存在、またはそれらの任意の組合せに基づくことも可能である。
【0140】
[0159] いくつかの実装形態においては、車両は、センサ372および376のうちの1つまたは複数を使用して乗客の1つまたは複数の身体上の制限または障害を検出することが可能である。他の実装形態においては、乗客は、乗客の1つまたは複数の身体上の制限または障害を車両(または車両コントローラ)に知らせることが可能である。いくつかの場合においては、乗客は、1つまたは複数の身体上の制限または障害を乗客のプロフィールにおいて示すことが可能である。車両は、乗客のプロフィールにアクセスすることによって乗客の1つまたは複数の身体上の制限または障害を取り出すことが可能である。他の場合においては、乗客は、モバイルコンピューティングデバイスを使用して1つまたは複数の身体上の制限または障害の通知を車両へ送ることが可能である。
【0141】
[0160] 様々な実装形態においては、追加のスペースは、車両の後端に近接した第1のエリア、車両の前端に近接した第2のエリア、車両の助手席側に近接した第3のエリア、車両の運転席側に近接した第4のエリア、またはそれらの任意の組合せであることが可能である。
【0142】
[0161] 図14は、いくつかの他の実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作1400を示すフローチャートを示している。動作1400は、図3の自律車両300などの(ただし、それに限定されない)車両とともに図3の車両コントローラ310などの(ただし、それに限定されない)装置によって実行されることが可能である。いくつかの場合においては、装置は、車両内に実装されることが可能である。他の場合においては、装置は、車両の外部にあることが可能である。いくつかの他の態様においては、装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。ブロック1402で、装置は、乗客降車または乗車場所を決定することが可能である。いくつかの場合においては、車両は、決定された場所へ1人または複数の乗客を搬送している可能性がある。そのような場合においては、車両は、決定された場所で1人または複数の乗客を降車させることが可能である。様々な実装形態においては、車両は、周囲環境における物体または危険な状態の存在を示す1つまたは複数のセンサ測定値を継続的にまたは周期的に受信することが可能である。たとえば、それぞれ図6図7A図7B図8A図8B図9図10図11図12図13の動作600、700、710、800、810、900、1000、1100、1200、または1300のうちの1つまたは複数を参照して説明されているように、決定された場所の特定のエリア内で障害物または危険な状態が検出された場合には、車両は、代替の降車場所を決定することが可能である。
【0143】
[0162] ブロック1404で、装置は、決定された場所でまたはその付近で駐車することを車両に行わせることが可能である。いくつかの場合においては、車両は、決定された場所で一時的に駐車すること(たとえば、限られた時間の期間にわたって)が可能であり得る。たとえば、決定された場所で車両が1人または複数の乗客を降車させる場合に関しては、車両は、決定された場所での利用可能な駐車スペースを検出することが可能である。もちろん、車両は、決定された場所へ乗客を搬送していない場合に、利用可能な駐車スペースを検出することも可能である。いずれのシナリオにおいても、車両は、決定された場所での利用可能なスペースにおいて駐車することが可能である。他の場合においては、たとえば、決定された場所での利用可能な駐車スペースがないとき(または決定された場所で障害物もしくは危険な状態が検出されているとき)には、車両は、決定された場所に近接した(決定された場所から特定の距離内にあるなどの)代替の場所で駐車することが可能である。いくつかの他の場合においては、たとえば、決定された場所から特定の距離内にあるいずれの代替の場所でも、利用可能な駐車スペースがないときには、車両は、決定された場所のエリアの周囲を走行し続けることが可能である。
【0144】
[0163] ブロック1406で、装置は、決定された場所でまたはその付近で1人または複数の乗客が乗車させられるのを待つことを車両に行わせることが可能である。ブロック1408で、装置は、周囲環境における物体または危険な状態の存在を示す1つまたは複数のセンサ測定値を受信することが可能である。たとえば、決定された場所で車両が駐車する場合に、車両は、障害物もしくは危険な状態を探して、決定された場所の周囲の特定のエリアをモニタすることが可能であり、物体もしくは危険な状態の存在の表示を受信することが可能であり、またはそれらの任意の組合せを行うことが可能である。ブロック1410で、いかなる障害物または危険な状態も装置が検出しない場合には、装置は、ブロック1408で周囲環境をモニタすることを継続することが可能である。
【0145】
[0164] しかしながら、ブロック1410で(たとえば、決定された場所または代替の場所で1人または複数の乗客を乗車させるのを車両が待っている間に)周囲環境における障害物または危険な状態の存在を装置が検出した場合には、ブロック1412で装置は、検出された障害物または危険な状態がそれぞれの乗客によって無視されることが可能であるかどうかを決定することも可能である。検出された障害物または危険な状態がそれぞれの乗客によって無視されることが可能である場合には、装置は、ブロック1408で、他の障害物または危険な状態の存在があるかどうかを決定することを継続することが可能である。たとえば、車両が、代替の場所で駐車されていて、決定された場所で1人または複数の乗客を乗車させることになっている間に、水たまりを装置が検出した場合には、装置は、その水たまりを無視することが可能である(たとえば、その水たまりは、乗客の経路を妨げることにならないので)。
【0146】
[0165] 逆に、検出された障害物または危険な状態がブロック1412でそれぞれの乗客によって無視されることが可能ではない場合には、ブロック1414で装置は、新たな乗車場所を決定する。たとえば、車両が、決定された場所で駐車されていて、決定された場所で1人または複数の乗客を乗車させることになっている間に、でこぼこした舗装を装置が検出した場合には、装置は、そのでこぼこした舗装を無視することが可能ではない(たとえば、そのでこぼこした舗装は、車両までの乗客の経路を妨げる可能性があるので)。新たな場所の決定、ならびに様々な乗客の属性、状態、および/または好みの考慮は、上述されている動作のうちの任意の数を含むことが可能である。
【0147】
[0166] 検出された障害物または危険な状態は、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物(たとえば、消火栓、壁、樹木など)、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、車両の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地、または乗客が車両に入ることもしくは車両から出ることが可能であることを妨げる任意の他の障害物もしくは状態を含むことが可能である。いくつかの実装形態においては、代替の降車または乗車場所の選択は、車両の乗客に関する予想される入車もしくは退車ポイント、車両の乗客に関する予想される入車もしくは退車ポイントに対して相対的な乗客の着座位置、乗客の身体上の障害もしくは制限、またはそれらの任意の組合せに基づくことが可能である。
【0148】
[0167] いくつかの実装形態においては、装置は、検出された障害物または危険な状態の通知を乗客へ送ることが可能である。その通知は、乗客のモバイルコンピューティングデバイスへ送られることが可能であるプッシュ通知、テキストメッセージ、電子メール、自動音声通話などを含む(ただし、それらに限定されない)任意の適切な通知であることが可能である。いくつかの他の実装形態においては、車両は、障害物または危険な状態の存在を検出したことに応答して代替の降車または乗車場所まで走行することが可能である。
【0149】
[0168] 図15は、いくつかの他の実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作1500を示すフローチャートを示している。動作1500は、図3の自律車両300などの(ただし、それに限定されない)車両とともに図3の車両コントローラ310などの(ただし、それに限定されない)装置によって実行されることが可能である。いくつかの場合においては、装置は、車両内に実装されることが可能である。他の場合においては、装置は、車両の外部にあることが可能である。いくつかの他の態様においては、装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。ブロック1502で、装置は、車両の乗客のための降車または乗車場所を決定することが可能である。ブロック1504で、装置は、車両が降車または乗車場所からある距離内にある間に降車または乗車場所のエリア内で障害物または危険な状態の存在を検出することが可能である。ブロック1506で、装置は、そのエリアにおける障害物または危険な状態の存在に基づいて代替の降車または乗車場所を決定することが可能である。
【0150】
[0169] 図16は、いくつかの他の実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作1600を示すフローチャートを示している。動作1600は、図3の自律車両300などの(ただし、それに限定されない)車両とともに図3の車両コントローラ310などの(ただし、それに限定されない)装置によって実行されることが可能である。いくつかの場合においては、装置は、車両内に実装されることが可能である。他の場合においては、装置は、車両の外部にあることが可能である。いくつかの他の態様においては、装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。いくつかの実装形態においては、動作1600は、図15のブロック1502において降車または乗車場所を決定した後に実行されることが可能である。たとえば、ブロック1602で、車両は、乗客を代替の降車または乗車場所まで運ぶことが可能である。
【0151】
[0170] 図17は、いくつかの他の実装形態による、乗客降車または乗車場所を決定するための例示的な動作1700を示すフローチャートを示している。動作1700は、図3の自律車両300などの(ただし、それに限定されない)車両とともに図3の車両コントローラ310などの(ただし、それに限定されない)装置によって実行されることが可能である。いくつかの場合においては、装置は、車両内に実装されることが可能である。他の場合においては、装置は、車両の外部にあることが可能である。いくつかの他の態様においては、装置は、車両(または車両の少なくとも一部)であることが可能である。いくつかの実装形態においては、動作1700は、図15のブロック1502において降車または乗車場所を決定した後に実行されることが可能である。たとえば、ブロック1702で、装置は、降車または乗車場所が乗客にとって実行可能または便利ではないという表示を受け取ることが可能である。装置は、受け取られた表示に少なくとも部分的に基づいて代替の降車または乗車場所を決定することが可能である。
【0152】
[0171] 実装例が、以降の番号付けされた条項において説明されている。
1.メモリと、
メモリに通信可能に結合されている1つまたは複数のプロセッサと
を含む装置であって、1つまたは複数のプロセッサが、
車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントを決定することと、
現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出することと、
現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているということを検出したことに応答して、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントの位置、および検出された障害物または危険な状態に少なくとも部分的に基づいて、現場に関連付けられている降車または乗車場所を決定することとを行うように構成されている、装置。
2.検出された障害物または危険な状態が、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、車両の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地、またはそれらの任意の組合せを含む、条項1に記載の装置。
3.降車または乗車場所を決定することがさらに、乗客の着座位置に基づく、条項1~2のいずれかに記載の装置。
4.降車または乗車場所を決定することが、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントと、検出された障害物または危険な状態とが車両の同じ側にあるかどうかに基づく、条項1~3のいずれかに記載の装置。
5.1つまたは複数のプロセッサがさらに、
決定された降車または乗車場所からある距離内の複数の異なる代替の降車または乗車場所から1つの代替の降車または乗車場所を決定するように構成されている、条項1~4のいずれかに記載の装置。
6.複数の異なる代替の降車または乗車場所が、地図データ、コヒーレント光感知システムデータ、周囲エリアの画像、周囲エリアのビデオ、RADAR、乗客入力、またはそれらの任意の組合せに基づく、条項5に記載の装置。
7.複数の異なる代替の降車または乗車場所が、乗客の身体上の制限、乗客の年齢、乗客に伴う幼児もしくは子供の存在、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づく、条項5に記載の装置。
8.1つまたは複数のプロセッサがさらに、
複数の異なる代替の降車または乗車場所からの1つまたは複数の好ましい降車または乗車場所を受信することと、
1つまたは複数の好ましい降車または乗車場所に基づいて代替の降車または乗車場所を決定することとを行うように構成されている、条項5に記載の装置。
9.1つまたは複数のプロセッサがさらに、
乗客の1つまたは複数の身体上の属性に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定するように構成されている、条項1~8のいずれかに記載の装置。
10.1つまたは複数のプロセッサがさらに、
乗客から代替の降車場所のうちの1つを入手するように構成されている、条項9に記載の装置。
11.車両内に実装されている車両コントローラをさらに含む、条項1~10のいずれかに記載の装置。
12.サーバまたはクラウドベースの車両制御システム(server or cloud-based vehicle control system)に実装されている車両コントローラをさらに含む、条項1~10のいずれかに記載の装置。
13.1つまたは複数のプロセッサがさらに、
検出された障害物または危険な状態を無視する旨の乗客の意向の表示を受け取ることと、
検出された障害物または危険な状態を無視する旨の乗客の意向の表示を受け取ったことに応答して、決定された降車または乗車場所を維持することとを行うように構成されている、条項1~12のいずれかに記載の装置。
14.障害物または危険な状態を検出することが、
周囲環境における物体の存在を示す1つまたは複数のセンサ測定値を受信することと、
検出された物体の場所に対応するポイントの3次元マップを生成することと、
3次元ポイントマップに基づいて周囲エリアにおける障害物または危険な状態の場所を決定することとを含む、条項1~14のいずれかに記載の装置。
15.1つまたは複数のプロセッサがさらに、
車両における乗客の着座位置を決定することと、
車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントに対して相対的な乗客の着座位置に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定することとを行うように構成されている、条項1~14のいずれかに記載の装置。
16.1つまたは複数の代替の降車場所の決定は、乗客の着座位置と、予想される入車または退車ポイントとが、車両における1人または複数の他の乗客の着座位置にかかわらず、車両の同じ側にあると決定したことに基づく、条項15に記載の装置。
17.1つまたは複数のプロセッサがさらに、
決定された降車もしくは乗車場所の1つもしくは複数の属性、乗客の1つもしくは複数の属性、乗客の1つもしくは複数の身体上の制限もしくは障害、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づいて、乗客が車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間またはスペースを必要とするかどうかを決定することと、
乗客が車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間またはスペースを必要とすると決定したことに応答して1つまたは複数の代替の降車または乗車場所を決定することとを行うように構成されている、条項1~16のいずれかに記載の装置。
18.車両の1つまたは複数の動作を制御するための方法であって、
車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントを決定することと、
現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出することと、
現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているということを検出したことに応答して、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントの位置、および検出された障害物または危険な状態に少なくとも部分的に基づいて、現場に関連付けられている降車または乗車場所を決定することとを含む方法。
19.検出された障害物または危険な状態が、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、車両の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地、またはそれらの任意の組合せを含む、条項18に記載の方法。
20.降車または乗車場所を決定することが、乗客の着座位置に基づく、条項18~19のいずれかに記載の方法。
21.降車または乗車場所を決定することが、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントと、検出された障害物または危険な状態とが車両の同じ側にあるかどうかに基づく、条項18~20のいずれかに記載の方法。
22.複数の異なる代替の降車または乗車場所からの1つまたは複数の好ましい降車または乗車場所を受信することと、
1つまたは複数の好ましい降車または乗車場所に基づいて代替の降車または乗車場所を決定することと
をさらに含む、条項22に記載の方法。
23.乗客の1つまたは複数の身体上の属性に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定すること
をさらに含む、条項18~21のいずれかに記載の方法。
24.車両における乗客の着座位置を決定することと、
車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントに対して相対的な乗客の着座位置に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定することと
をさらに含む、条項18~21のいずれかに記載の方法。
25.車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントを決定するための手段と、
現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出するための手段と、
現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているということを検出したことに応答して、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントの位置、および検出された障害物または危険な状態に少なくとも部分的に基づいて、現場に関連付けられている降車または乗車場所を決定するための手段と
を含むシステム。
26.乗客の1つまたは複数の身体上の属性に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定するための手段
をさらに含む、条項25に記載のシステム。
27.車両における乗客の着座位置を決定するための手段と、
車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントに対して相対的な乗客の着座位置に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定するための手段と
をさらに含む、条項25~26のいずれかに記載のシステム。
28.車両を制御するための命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体であって、装置の1つまたは複数のプロセッサによる命令の実行が、
車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントを決定することと、
現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているかどうかを検出することと、
現場にまたはその付近に障害物または危険な状態が存在しているということを検出したことに応答して、車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントの位置、および検出された障害物または危険な状態に少なくとも部分的に基づいて、現場に関連付けられている降車または乗車場所を決定することとを含む動作を車両に実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
29.1つまたは複数のプロセッサによる命令の実行が、
乗客の1つまたは複数の身体上の属性に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定することをさらに含む動作を車両に実行させる、条項28に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
30.1つまたは複数のプロセッサによる命令の実行が、
車両における乗客の着座位置を決定することと、
車両の乗客に関する予想される入車または退車ポイントに対して相対的な乗客の着座位置に基づいて1つまたは複数の代替の降車場所を決定することとをさらに含む動作を車両に実行させる、条項28~29のいずれかに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
31.メモリと、
メモリに通信可能に結合されている1つまたは複数のプロセッサと
を含む装置であって、1つまたは複数のプロセッサが、
車両の乗客のための降車または乗車場所を決定することと、
決定された降車もしくは乗車場所の1つもしくは複数の属性、乗客の1つもしくは複数の身体上の属性、乗客の1つもしくは複数の身体上の制限もしくは障害、またはそれらの任意の組合せに少なくとも部分的に基づいて、乗客が車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間またはスペースを必要とするかどうかを決定することと、
乗客が車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間またはスペースを必要とすると決定したことに応答して1つまたは複数の代替の降車または乗車場所を決定することとを行うように構成されている、装置。
32.決定された降車または乗車場所の1つまたは複数の属性が、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、車両の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地、またはそれらの任意の組合せを含む、条項31に記載の装置。
33.乗客が車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間またはスペースを必要とするかどうかを決定することがさらに、車両のトランク、車両に取り付けられている装備ラックにおける貨物の存在もしくは予想される存在、乗客とともに移動している幼児もしくは子供の存在もしくは予想される存在、車両におけるチャイルドシートの存在もしくは予想される存在、またはそれらの任意の組合せに基づく、条項31~32のいずれかに記載の装置。
34.スペースが、車両の後端に近接した第1のエリア、車両の前端に近接した第2のエリア、車両の助手席側に近接した第3のエリア、車両の運転席側に近接した第4のエリア、またはそれらの任意の組合せを含む、条項31~33のいずれかに記載の装置。
35.代替の降車または乗車場所が、決定された降車または乗車場所からある距離内の複数の代替の降車または乗車場所から決定される、条項31~34のいずれかに記載の装置。
36.1つまたは複数の代替の降車または乗車場所を決定することが、
乗客によって閲覧可能なディスプレイスクリーン上に代替の降車または乗車場所を提示することと、
提示された代替の降車または乗車場所のうちの1つの表示を乗客から受け取ることと、
受け取られた表示に応答して降車または乗車場所を決定することとを含む、条項31~35のいずれかに記載の装置。
37.少なくとも1人の乗客が追加の時間またはスペースを必要とすると決定することが、その乗客に関連付けられているモバイルコンピューティングデバイスからの表示を受け取ることを含む、条項31~36のいずれかに記載の装置。
38.メモリと、
メモリに通信可能に結合されている1つまたは複数のプロセッサと
を含む装置であって、1つまたは複数のプロセッサが、
車両の乗客のための乗客降車または乗車場所を決定することと、
決定された場所にまたはその付近に車両を駐車することと、
決定された場所でまたはその付近で1人または複数の乗客が乗車させられるのを待つことと、
周囲環境における物体の存在を示すセンサ測定値を受信することと、
周囲環境における物体の存在に応答して新たな乗客乗車場所を決定することとを行うように構成されている、装置。
39.検出された障害物または危険な状態が、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、車両の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地、またはそれらの任意の組合せを含む、条項38に記載の装置。
40.代替の降車または乗車場所の決定が、車両の乗客に関する予想される入車もしくは退車ポイント、車両の乗客に関する予想される入車もしくは退車ポイントに対して相対的な乗客の着座位置、乗客の身体上の障害もしくは制限、またはそれらの任意の組合せに基づく、条項38~39のいずれかに記載の装置。
41.代替の降車または乗車場所の決定が、乗客が車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間またはスペースを必要とするかどうかに基づく、条項38~40のいずれかに記載の装置。
42.追加のスペースが、車両の後端に近接した第1のエリア、車両の前端に近接した第2のエリア、車両の助手席側に近接した第3のエリア、車両の運転席側に近接した第4のエリア、またはそれらの任意の組合せを含む、条項41に記載の装置。
43.メモリと、
メモリに通信可能に結合されている1つまたは複数のプロセッサと
を含む装置であって、1つまたは複数のプロセッサが、
車両の乗客のための降車または乗車場所を決定することと、
車両が降車または乗車場所に駐車されている間に降車または乗車場所のエリア内で障害物または危険な状態の存在を検出することと、
そのエリアにおける障害物または危険な状態の存在に基づいて代替の降車または乗車場所を決定することとを行うように構成されている、装置。
44.検出された障害物または危険な状態が、水たまり、氷片、くぼみ、でこぼこした舗装、高い縁石、雨水管、ゴミ、建設用フェンス、他の車両、妨害物、気象条件、防火帯、駐車禁止ゾーン、識別された降車もしくは乗車場所の近傍内の閉鎖された車線、車両の前方もしくは後方の特定の量に満たない余地、またはそれらの任意の組合せを含む、条項43に記載の装置。
45.代替の降車または乗車場所の決定が、車両の乗客に関する予想される入車もしくは退車ポイント、車両の乗客に関する予想される入車もしくは退車ポイントに対して相対的な乗客の着座位置、乗客の身体上の障害もしくは制限、またはそれらの任意の組合せに基づく、条項43~44のいずれかに記載の装置。
46.代替の降車または乗車場所の決定が、乗客が車両に入るためにまたは車両から出るために追加の時間またはスペースを必要とするかどうかに基づく、条項43~45のいずれかに記載の装置。
47.1つまたは複数のプロセッサがさらに、
代替の降車または乗車場所まで運転するように構成されている、条項43~46のいずれかに記載の装置。
48.1つまたは複数のプロセッサがさらに、
代替の降車または乗車場所が乗客にとって実行可能または便利ではないという表示を受け取るように構成されている、条項47に記載の装置。
【0153】
[0172] 本明細書において使用される際には、項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」を指すフレーズは、単一のメンバーを含むそれらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、およびa-b-cをカバーすることを意図されている。
【0154】
[0173] 本明細書において開示されている実装形態に関連して説明されている様々な例示的なロジック、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムプロセスは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装されることが可能である。ハードウェアとソフトウェアとの互換性が、機能性の点から一般的に説明されており、上述されている様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびプロセスにおいて例示されている。そのような機能性がハードウェアで実装されるか、またはソフトウェアで実装されるかは、個別の用途と、システム全体に課されている設計制約とに依存する。
【0155】
[0174] 本明細書において開示されている態様に関連して説明されている様々な例示的なロジック、論理ブロック、モジュール、および回路を実施するために使用されるハードウェアおよびデータ処理装置は、本明細書において説明されている機能を実行するように設計されている汎用シングルチップもしくはマルチチッププロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、もしくは他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、またはそれらの任意の組合せを用いて実施または実行されることが可能である。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、または任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、もしくは状態マシンであることが可能である。プロセッサは、コンピューティングデバイスどうしの組合せ(DSPとマイクロプロセッサとの組合せなど)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装されることも可能である。いくつかの実装形態においては、特定のプロセスおよび方法は、所与の機能に固有である回路によって実行されることが可能である。
【0156】
[0175] 1つまたは複数の態様においては、説明されている機能は、本明細書において開示されている構造およびそれらの構造上の均等物を含むハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェアで、またはそれらの任意の組合せで実装されることが可能である。本明細書において説明されている主題の実装形態は、データ処理装置による実行のために、またはデータ処理装置の動作を制御するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化されている1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装されることも可能である。
【0157】
[0176] ソフトウェアで実装される場合には、機能は、コンピュータ可読媒体上に記憶されること、またはコンピュータ可読媒体上の1つもしくは複数の命令もしくはコードとして送信されることが可能である。本明細書において開示されている方法またはアルゴリズムのプロセスは、コンピュータ可読媒体上に常駐することが可能であるプロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールで実装されることが可能である。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラムを1つの場所から別の場所へ転送することを可能にされ得る任意の媒体を含むコンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされることが可能である任意の利用可能な媒体であることが可能である。限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、もしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、所望のプログラムコードを命令もしくはデータ構造の形態で記憶するために使用されることが可能である、およびコンピュータによってアクセスされることが可能である任意の他の媒体を含むことが可能である。また、いかなる接続も、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれることが可能である。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、本明細書において使用される際には、コンパクトディスク(CD:compact disc)、レーザーディスク(登録商標)(laser disc)、光ディスク(optical disc)、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disc)、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy disk)、およびブルーレイ(登録商標)ディスク(Blu-ray(登録商標)disc)を含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、その一方でディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるものとする。加えて、方法またはアルゴリズムの動作は、1つまたは任意の組合せまたはセットのコードおよび命令としてマシン可読媒体およびコンピュータ可読媒体上に常駐することが可能であり、そのマシン可読媒体およびコンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム製品へと組み込まれることが可能である。
【0158】
[0177] 本開示において説明されている実装形態に対する様々な修正は、当業者にとって容易に明らかであり得、本明細書において定義されている一般的な原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実装形態に適用されることが可能である。それゆえに、特許請求の範囲は、本明細書において示されている実装形態に限定されることを意図されているものではなく、本明細書において開示されている本開示、原理、および新規な特徴と整合する最も広い範囲を与えられるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
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図17
【国際調査報告】