IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中▲車▼青▲島▼四方▲機車車▼輌股▲分▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-ボギーの骨組み及びボギー 図1
  • 特表-ボギーの骨組み及びボギー 図2
  • 特表-ボギーの骨組み及びボギー 図3
  • 特表-ボギーの骨組み及びボギー 図4
  • 特表-ボギーの骨組み及びボギー 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】ボギーの骨組み及びボギー
(51)【国際特許分類】
   B61F 5/52 20060101AFI20240130BHJP
   B61H 7/00 20060101ALI20240130BHJP
   F16D 63/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
B61F5/52
B61H7/00 D
F16D63/00 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541115
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2021134918
(87)【国際公開番号】W WO2022148189
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】202110012868.3
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516183897
【氏名又は名称】中▲車▼青▲島▼四方▲機車車▼輌股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CRRC QINGDAO SIFANG CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.88 Jinhongdong Road, Chengyang District, Qingdao, Shandong, 266111, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ チンダ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ウェイドン
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ ホンヨン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ ジュンフェン
(72)【発明者】
【氏名】リュー ジャンファ
【テーマコード(参考)】
3J058
【Fターム(参考)】
3J058BA51
3J058CC12
3J058CD14
3J058FA21
(57)【要約】
【課題】ボギーの構造全体を簡略化し、磁気レールブレーキ装置に対するストッパ及び位置制限を保証する。
【解決手段】ボギーの骨組み及びボギーであって、ボギーは磁気レールブレーキ装置(4)を含み、ボギーの骨組みは2本の横梁(1)と2本の側梁(2)から囲まれたフレーム構造を含み、各横梁(1)の両側端の下端面には位置制限台(3)がそれぞれ固定され、位置制限台(3)はストッパ部(31)及び位置決め部(32)を含み、ストッパ部(31)は、磁気レールブレーキ装置(4)に設けられる当接部(42)に当接係合可能であり、1本の横梁(1)に設けられるストッパ部(31)の止め方向は、他本の横梁(1)に設けられるストッパ部(31)の止め方向と反対し、位置決め部(32)は、磁気レールブレーキ装置(4)に設けられる係合部(43)に係合可能であり、磁気レールブレーキ装置(4)は骨組みに対して高さ方向に沿って移動可能である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気レールブレーキ装置(4)を含むボギーの骨組みであって、前記骨組みは、2本の横梁(1)と2本の側梁(2)から囲まれたフレーム構造を含み、各前記横梁(1)の両側端の下端面には位置制限台(3)がそれぞれ固定され、前記位置制限台(3)はストッパ部(31)及び位置決め部(32)を含み、
前記ストッパ部(31)は、前記磁気レールブレーキ装置(4)に設けられる当接部(42)に当接係合可能であり、一方の前記横梁(1)に設けられる前記ストッパ部(31)の止め方向は、他方の前記横梁(1)に設けられる前記ストッパ部(31)の止め方向と反対し、
前記位置決め部(32)は、前記磁気レールブレーキ装置(4)に設けられる係合部(43)に係合可能であり、前記磁気レールブレーキ装置(4)は前記骨組みに対して高さ方向に沿って移動可能であることを特徴とするボギーの骨組み。
【請求項2】
前記位置決め部(32)と前記ストッパ部(31)との間には位置制限段差部(33)がさらに形成され、前記磁気レールブレーキ装置(4)は、前記位置制限段差部(33)の段差面に当接されるまで、高さ方向に沿って上へ移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のボギーの骨組み。
【請求項3】
前記ストッパ部(31)と前記当接部(42)との間には耐摩耗部材(34)がさらに設けられることを特徴とする請求項1に記載のボギーの骨組み。
【請求項4】
前記位置制限台(3)は鍛造部品であり、前記ストッパ部(31)の外壁には取付面(311)がさらに加工され、締結部材(35)によって前記耐摩耗部材(34)は前記取付面(311)に固定可能であることを特徴とする請求項3に記載のボギーの骨組み。
【請求項5】
前記位置制限台(3)には接続部(36)がさらに設けられ、前記ストッパ部(31)及び前記位置決め部(32)は前記接続部(36)にそれぞれ固定され、前記接続部(36)には、前記横梁(1)の外壁に合う弧状接続面(361)が設けられ、前記弧状接続面(361)は、前記横梁(1)の外壁に貼合されるとともに、溶接によって固定されることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のボギーの骨組み。
【請求項6】
前記位置決め部(32)及び前記係合部(43)のうち、その一方には位置決め軸が設けられ、他方には、前記位置決め軸に合う位置決め孔が設けられ、前記位置決め軸の軸線は高さ方向に沿って配置され、前記位置決め軸と前記位置決め孔とは高さ方向に沿って相対移動可能であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のボギーの骨組み。
【請求項7】
前記位置決め軸の端部にはテーパ面が設けられ、及び/又は、前記位置決め孔はテーパ孔であり、前記テーパ孔の大径セグメントは前記位置決め軸の一側に向かっていることを特徴とする請求項6に記載のボギーの骨組み。
【請求項8】
吊り台(5)をさらに含み、前記吊り台(5)は角形吊りフレームを含み、前記角形吊りフレームの一側の額縁には取付梁(51)が形成され、前記取付梁(51)の一端は外部へ張り出すとともに、前記側梁(2)を貫通して前記側梁(2)に固定され、前記角形吊りフレームの、前記取付梁(51)と対向する一側の額縁には吊り接続口(53)が設けられ、前記吊り接続口(53)は、前記磁気レールブレーキ装置(4)の駆動部材(41)と固定されるためのものであることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のボギーの骨組み。
【請求項9】
前記側梁(2)の上蓋板には延在セグメントが設けられ、前記延在セグメントは前記取付梁(51)の上端面に貼合されて固定されることを特徴とする請求項8に記載のボギーの骨組み。
【請求項10】
前記骨組みは、前記横梁(1)に固定される軸ディスクブレーキボースンチェア(6)をさらに含み、前記軸ディスクブレーキボースンチェア(6)は管板式溶接によって前記横梁(1)に固定されることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のボギーの骨組み。
【請求項11】
前記横梁(1)の下端面には二重牽引ロッド座(7)がさらに設けられることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のボギーの骨組み。
【請求項12】
前記骨組みのホイールベースは2500mmより小さいことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のボギーの骨組み。
【請求項13】
ボギーであって、磁気レールブレーキ装置(4)及び請求項1~12の何れか1項に記載の骨組みを含み、前記磁気レールブレーキ装置(4)には駆動部材(41)が設けられ、前記駆動部材(41)は前記骨組みに固定されることを特徴とするボギー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鉄道車両の技術領域に関して、具体的に、ボギーの骨組み及びボギーに関している。
【0002】
本出願は2021年01月06日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202110012868.3であり、発明名称が「ボギーの骨組み及びボギー」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は本出願に援用されている。
【背景技術】
【0003】
ボギーは横梁、縦梁及び磁気レールブレーキ装置を含み、従来技術において、磁気レールブレーキ装置へブレーキ力を提供するストッパ構造を側梁に配置しており、ストッパ構造は、側梁の側方向に沿って張り出すように配置され、磁気レールブレーキ装置に対してストッパを行う場合、トルクが生じやすくて、その強度要求が高い。また、磁気レールブレーキ装置がずれるという状況を防止するために、位置決め構造を配置することで磁気レールブレーキ装置の高さ方向での移動に対して位置制限を行って、構造全体が複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、如何にボギーの構造全体を簡略化して、磁気レールブレーキ装置に対するストッパ及び位置制限を保証するかということは、当業者にとって解決しようとする技術問題である。
【0005】
本発明は、ボギーの構造全体を簡略化して、磁気レールブレーキ装置に対するストッパ及び位置制限を保証できるボギーの骨組み及びボギーを提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術問題を解決するために、本発明は磁気レールブレーキ装置を含むボギーの骨組みを提供し、前記骨組みは、2本の横梁と2本の側梁から囲まれたフレーム構造を含み、各前記横梁の両側端の下端面には位置制限台がそれぞれ固定され、前記位置制限台はストッパ部及び位置決め部を含み、前記ストッパ部は、前記磁気レールブレーキ装置に設けられる当接部に当接係合可能であり、一方の前記横梁に設けられる前記ストッパ部の止め方向は、他方の前記横梁に設けられる前記ストッパ部の止め方向と反対し、前記位置決め部は、前記磁気レールブレーキ装置に設けられる係合部に係合可能であり、前記磁気レールブレーキ装置は前記骨組みに対して高さ方向に沿って移動可能である。
【0007】
磁気レールブレーキ装置が動作していない時、当該磁気レールブレーキ装置の駆動部材は骨組みに固定され、その同時、位置制限台は磁気レールブレーキ装置を限定可能であることで、当該磁気レールブレーキ装置と骨組みとの安定さを保証して、揺動を回避し、この場合、当該磁気レールブレーキ装置の下部はレール面と接触していなく、両者の間には摩擦がなく、ブレーキ力が生じていない。磁気レールブレーキ装置が動作すると、駆動部材は、その下部がレール面と接触するまで磁気レールブレーキ装置を下に移動させるように駆動し、両者の間には吸引力が生じて、磁気レールブレーキ装置とレール面との間には相対運動が生じた場合、両者の間には摩擦力が生じて、当接部及びストッパ部の作用によって、当該摩擦力は位置制限台から骨組みの横梁に伝達され、ブレーキ作用を実現する。
【0008】
位置決め部は磁気レールブレーキ装置の係合部に係合可能であることで、磁気レールブレーキ装置は骨組みに対して高さ方向に沿って移動可能であり、複数回移動した後でも、両者の間の相対位置を保証して、磁気レールブレーキ装置がずれるという状況を回避する。
【0009】
つまり、位置制限台にはストッパ部及び位置決め部が集積され、ストッパ部は磁気レールブレーキ装置の当接部に作用してブレーキ力を提供し、位置決め部は磁気レールブレーキ装置が骨組みに対して高さ方向に沿って移動することしかできないことを保証して、磁気レールブレーキ装置に対して位置決めを行う。当該位置制限台はストッパ及び位置決めの作用を同時に発揮することで、当該ボギーの構造全体を簡略化して、構造全体をコンパクトにする。そして、当該位置制限台は横梁に固定されて配置され、横梁の下方の各部材の構造が規則的であるため、位置制限台を横梁の下方に配置することで、溶接などの固定操作に便利であり、また、ストッパ及び位置決め機能が集積された位置制限台を横梁に固定することで、受力状況を簡略化して、同じ強度要求を満たしているとともに、構造全体を簡略化して、コストを低減する。
【0010】
好ましくは、前記位置決め部と前記ストッパ部との間には位置制限段差部がさらに形成され、前記磁気レールブレーキ装置は、前記位置制限段差部の段差面に当接されるまで、高さ方向に沿って上に移動可能である。
【0011】
好ましくは、前記ストッパ部と前記当接部との間には耐摩耗部材がさらに設けられる。
【0012】
好ましくは、前記位置制限台は鍛造部品であり、前記ストッパ部の外壁には取付面がさらに加工され、締結部材によって前記耐摩耗部材は前記取付面に固定可能である。
【0013】
好ましくは、前記位置制限台には接続部がさらに設けられ、前記ストッパ部及び前記位置決め部は前記接続部にそれぞれ固定され、前記接続部には、前記横梁の外壁に合う弧状接続面が設けられ、前記弧状接続面は、前記横梁の外壁に貼合されるとともに、溶接によって固定される。
【0014】
好ましくは、前記位置決め部及び前記係合部のうち、その一方には位置決め軸が設けられ、他方には、前記位置決め軸に合う位置決め孔が設けられ、前記位置決め軸の軸線は高さ方向に沿って配置され、前記位置決め軸と前記位置決め孔とは高さ方向に沿って相対移動可能である。
【0015】
好ましくは、前記位置決め軸の端部にはテーパ面が設けられ、及び/又は、前記位置決め孔はテーパ孔であり、前記テーパ孔の大径セグメントは前記位置決め軸の一側に向かっている。
【0016】
好ましくは、吊り台をさらに含み、前記吊り台は角形吊りフレームを含み、前記角形吊りフレームの一側の額縁には取付梁が形成され、前記取付梁の一端は外部へ張り出すとともに、前記側梁を貫通して前記側梁に固定され、前記角形吊りフレームの、前記取付梁と対向する一側の額縁には吊り接続口が設けられ、前記吊り接続口は、前記磁気レールブレーキ装置の駆動部材と固定されるためのものである。
【0017】
好ましくは、前記側梁の上蓋板には延在セグメントが設けられ、前記延在セグメントは前記取付梁の上端面に貼合されて固定される。
【0018】
好ましくは、前記骨組みは、前記横梁に固定される軸ディスクブレーキボースンチェアをさらに含み、前記軸ディスクブレーキボースンチェアは管板式溶接によって前記横梁に固定される。
【0019】
好ましくは、前記横梁の下端面には二重牽引ロッド座がさらに設けられる。
【0020】
好ましくは、前記骨組みのホイールベースは2500mmより小さい。
【0021】
本発明はボギーをさらに提供し、磁気レールブレーキ装置及び上記に記載の骨組みを含み、前記磁気レールブレーキ装置には駆動部材が設けられ、前記駆動部材は前記骨組みに固定される。
【0022】
上記骨組みを有するボギーについて、その技術効果は上記骨組みの技術効果に類似し、記載を簡潔にするために、ここで、贅言していない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施例が提供するボギーの骨組みの構造模式図である。
図2】本発明の実施例が提供するボギーの骨組みの構造模式図である。
図3】ボギーの断面図である。
図4図3の局所拡大図である。
図5】位置制限台の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
当業者が本発明の技術案をよりよく理解するために、以下、図面及び具体的な実施例を結合して本発明をさらに詳しく説明する。
【0025】
本発明の実施例はボギーの骨組み及びボギーを提供し、ボギーは磁気レールブレーキ装置4及び骨組みを含み、磁気レールブレーキ装置4には駆動部材41がさらに設けられ、当該駆動部材41は骨組みに固定され、具体的に、図1及び図2に示すように、骨組みは2本の横梁1と2本の側梁2から囲まれた角形フレームを含み、各本の横梁1の両側端の下端面には位置制限台3がそれぞれ固定され、1つの実施例において、横梁1の数は3つ又は4つである場合、骨組みの縦方向(側梁2の長さ方向に沿う)の両端にある2つの横梁1には、上記位置制限台3が設けられる。位置制限台3は厳密的に横梁1の端部に設けられていなく、具体的に、図2に示すように、横梁1の端部は側梁2に固定され、位置制限台3は横梁1の、端部に近接する側に設けられ、具体的な位置について、実際状況に応じて設置すればよい。
【0026】
図3~5に示すように、位置制限台3はストッパ部31及び位置決め部32を含み、磁気レールブレーキ装置4には当接部42及び係合部43が設けられ、具体的に、磁気レールブレーキ装置4の両端には、1つの当接部42がそれぞれ設けられ、ストッパ部31は当接部42に当接係合可能であり、2本の横梁1には位置制限台3が設けられ、1本の横梁1に設けられるストッパ部31の止め方向は、他本の横梁1に設けられるストッパ部31の止め方向と反対し、つまり、2本の横梁1に設けられるストッパ部31はそれぞれ縦方向の両側から磁気レールブレーキ装置4に作用でき、これによって、磁気レールブレーキ装置4と骨組みとの間の安定さを保証して、磁気レールブレーキ装置4にブレーキ力を提供できる。
【0027】
磁気レールブレーキ装置4が動作していない時、当該磁気レールブレーキ装置4の駆動部材41は骨組みに固定され、その同時、位置制限台3は磁気レールブレーキ装置4を限定可能であることで、当該磁気レールブレーキ装置4と骨組みとの安定さを保証して、揺動を回避し、この場合、当該磁気レールブレーキ装置4の下部はレール面と接触していなく、両者の間には摩擦がなく、ブレーキ力が生じていない。磁気レールブレーキ装置4が動作すると、駆動部材41は、その下部がレール面と接触するまで、磁気レールブレーキ装置4を下に移動させるように駆動し、両者の間には吸引力が生じて、磁気レールブレーキ装置4とレール面との間には相対運動が生じた場合、両者の間には摩擦力が生じて、当接部42及びストッパ部31の作用によって当該摩擦力は位置制限台3から骨組みの横梁1に伝達され、ブレーキ作用を実現する。具体的に、駆動部材41はシリンダ、油圧シリンダであってもよいし、モータとスクリュとを組み合わせた構造などであってもよく、磁気レールブレーキ装置4を昇降させるように駆動できればよく、ここで、具体的に限定していない。
【0028】
位置決め部32は磁気レールブレーキ装置4の係合部43に係合可能であることで、磁気レールブレーキ装置4は骨組みに対して高さ方向に沿って移動可能であり、複数回移動した後でも、両者の間の相対位置を保証して、磁気レールブレーキ装置4がずれるという状況を回避する。
【0029】
つまり、本実施例において、位置制限台3にはストッパ部31及び位置決め部32が集積され、ストッパ部31は磁気レールブレーキ装置4の当接部42と作用してブレーキ力を提供し、位置決め部32は磁気レールブレーキ装置4が骨組みに対して高さ方向に沿って移動することしかできないことを保証して、磁気レールブレーキ装置4に対して位置決めを行って、当該位置制限台3はストッパ及び位置決めの作用を同時に発揮することで、当該ボギーの構造全体を簡略化して、構造全体をコンパクトにする。そして、当該位置制限台3は横梁1に固定されて配置され、横梁1の下方の各部材の構造が規則的であるため、位置制限台3を横梁1の下方に配置することで、溶接などの固定操作に便利であり、また、ストッパ及び位置決め機能が集積された位置制限台3を横梁1に固定することで、受力状況を簡略化して、同じ強度要求を満たしているとともに、構造全体を簡略化して、コストを低減する。
【0030】
上記実施例において、位置決め部32とストッパ部31との間には位置制限段差部33がさらに形成され、ブレーキを必要としない場合、駆動部材41の作用で磁気レールブレーキ装置4は位置制限段差部33の段差面に当接されるまで、高さ方向に沿って上へ移動可能であり、当該位置制限段差部33は磁気レールブレーキ装置4の上昇に対して位置制限を行うことができ、位置制限構造を別途に配置する必要がなく、構造全体を簡略化する。具体的に、図5に示すように、ストッパ部31と位置決め部32から囲まれるように、L字状に類似する構造が形成され、位置決め部32はストッパ部31の先端に位置し、当該L字状構造の折曲内の上端面は上記位置制限段差部33を形成し、構造が簡単である。
【0031】
上記実施例において、ストッパ部31と当接部42との間には耐摩耗部材34がさらに設けられ、駆動部材41の作用で磁気レールブレーキ装置4が高さ方向に沿って移動している過程で、当接部42とストッパ部31との間には摩擦が生じており、磁気レールブレーキ装置4が動作すると、当接部42とストッパ部31との間は当接されるように作用して作用力を生成し、従って、ストッパ部31と当接部42との間には耐摩耗部材34が設けられる場合、両者の間の作用状況を保証でき、ストッパ部31と当接部42との間の剛性衝突及び摩擦を回避し、摩耗を減少するとともに、騒音の発生を回避でき、使用寿命を延長する。具体的に、耐摩耗部材34の材質に対して特に要求がなく、例えば、それをナイロンブロックなどとして配置してもよい。
【0032】
さらに、位置制限台3を鍛造部品にすることで、構造強度を保証し、ストッパ部31の外壁には取付面311がさらに加工され、耐摩耗部材34は締結部材35によって当該取付面311に固定され、当該取付面311を配置することで、耐摩耗部材34の安定な取付を保証するとともに、ストッパ部31と当接部42との間が面接触であることを保証でき、ストッパ部31の表面が平坦ではないことによって、受力が不均一になって、当接部42には摩耗が生じるという状況を回避して、取付操作を便利にする。また、本実施例において、当該耐摩耗部材34を当接部42に固定してもよく、ここで、具体的に限定していない。
【0033】
上記実施例において、図5に示すように、位置制限台3には接続部36がさらに設けられ、ストッパ部31及び位置決め部32は当該接続部36にそれぞれ固定され、横梁1の外壁は柱面構造であり、当該接続部36には、横梁1の外壁に合う弧状接続面361が設けられ、当該弧状接続面361は横梁1の外壁に貼合されるとともに、溶接によって固定される。このように配置することで、当該位置制限台3と横梁1との間の接続面積を大きくして、両者は溶接によって固定され、弧状接続面1を配置することで、溶接接続強度を強化させることで、ブレーキの過程で、応力が大きいため、溶接継目には損壊が生じるという状況を回避して、両者の間の接続強度及び安定性を保証する。具体的に、図5に示すように、接続部36とストッパ部31との間には補強リブ37がさらに設けられることで、当該位置制限台3の構造全体の強度を保証して、ブレーキ力の要求を満たしている。
【0034】
上記実施例において、位置決め部32及び係合部43のうち、その一方には位置決め軸が設けられ、他方には、位置決め軸に合う位置決め孔が設けられ、位置決め軸は位置決め孔に対してその軸方向(高さ方向)に沿って移動可能である。具体的に、位置決め部32には位置決め孔が設けられ、係合部43には位置決め軸が設けられてもよいし、位置決め部32には位置決め軸が設けられ、係合部43には位置決め孔が設けられてもよい。又は、位置決め部32と係合部43とは、互いにスリーブ接続されるスリーブとして配置されてもよく、ここで、具体的に限定していない。
【0035】
位置決め部32には位置決め孔が設けられ、係合部43には位置決め軸が設けられることを例として、、位置決め部32は加工されることで直接的に位置決め孔が形成されてもよいし、図4に示すように、位置決め孔が設けられた第1係合構造321はボルト接続又は溶接接続などの方式で位置決め部32に固定されてもよく、同じように、係合部43は加工されることで直接的に上記位置決め軸が形成されてもよいし、図4に示すように、位置決め軸が設けられた第2係合構造431はボルト接続又は溶接などの方式で係合部43に固定されてもよい。
【0036】
さらに、位置決め軸の端部はテーパ面であり、及び/又は、位置決め孔はテーパ孔であり、テーパ孔の大径セグメントは位置決め軸の一側に向かっている。つまり、位置決め軸の端部及び位置決め孔の端部のうち、少なくとも一方には案内構造が設けられ、当該案内構造をテーパ面にすることで、両者の間の安定な係合を保証する。具体的に、ブレーキ過程で、位置決め軸と位置決め孔とは離脱状態にあり、振動などの原因で、位置決め孔と位置決め軸との間の相対位置がずれやすい。これに対して、案内構造を配置することで、駆動部材41によって磁気レールブレーキ装置4を上昇させるように駆動する時、位置決め軸は改めて位置決め孔に係合でき、位置の安定さを保証する。
【0037】
上記実施例において、当該骨組みは吊り台5をさらに含み、当該吊り台5は側梁2に設けられ、磁気レールブレーキ装置4の取付に用いられる。磁気レールブレーキ装置4が動作していない時、当該磁気レールブレーキ装置4は吊り台5によって位置制限台3に固定されることで、当該磁気レールブレーキ装置4と骨組みとの安定さを保証して、揺動を回避する。具体的に、図2に示すように、当該吊り台5は角形吊りフレームを含み、当該角形吊りフレームの一側の額縁には取付梁51が形成され、当該取付梁51の一端はその軸方向に沿って外部へ張り出すとともに、側梁2を貫通して側梁2に溶接されて固定され、角形吊りフレームの、取付梁51と対向する一側の額縁には吊り接続口53が設けられ、当該吊り接続口53は磁気レールブレーキ装置4の駆動部材41と固定されるためのものである。つまり、当該角形吊りフレームは取付梁51及びU字状構造の吊りアーム52を含み、取付梁51の一端は側梁2を貫通して側梁2に固定され、U字状構造の開口端の両側壁は取付梁51にそれぞれ溶接されて固定され、U字状構造の底壁には吊り接続口53が設けられ、当該吊り接続口53は磁気レールブレーキ装置4の駆動部材41と固定されるためのものである。
【0038】
無論、本実施例において、吊り磁気レールブレーキ装置4用吊り構造の具体的な構造及び配置位置に対して限定していなく、例えば、側梁2に固定される吊り梁として配置されてもよく、取付梁51の一端は側梁2を貫通して側梁2に溶接されて固定され、このように配置することで、構造全体を簡略化して構造全体がより規則的になり、また、角形フレームの構造は構造強度を保証するとともに、構造全体を簡略化して、軽量化を実現できる。また、当該吊り台5を鍛造部品にすることで、高い構造強度を保証する。
【0039】
さらに、側梁2の上端面には上蓋板が設けられ、当該上蓋板は側辺に向かって延在セグメントが設けられ、当該延在セグメントは取付梁51の上端面に貼合されて固定されることで、取付梁51と側梁2との間の接続の安定性を強化させ、吊り台5の構造強度を保証する。
【0040】
上記実施例において、骨組みは横梁1に固定される軸ディスクブレーキボースンチェア6をさらに含み、軸ディスクブレーキボースンチェア6は管板式溶接によって横梁1に固定され、つまり、ボギーは同時に磁気レールブレーキ装置4及び軸ディスクブレーキ装置によってブレーキを実現して、ブレーキ効果を保証する。当該軸ディスクブレーキボースンチェア6は横梁1に固定されることで、軸ディスクブレーキ装置の取付は磁気レールブレーキ装置4を回避でき、2つのブレーキ方式の互換を実現する。
【0041】
上記実施例において、横梁1の下端面には二重牽引ロッド座7がさらに設けられ、2つの横梁1の二重牽引ロッド座7は当該骨組みの中心に対して対称配置されることで、ボギー全体の吊り上げを実現でき、そして、牽引力、ブレーキ力は2つの牽引ロッド座を介して伝達され、確実性が増える上に、モータボースンチェアに対して空間を作る。
【0042】
また、本実施例において、当該骨組みのホイールベースを2500mmより小さくすることで、小曲線半径を通過するというニーズを満たしていることができる。
【0043】
以上は本発明の好適な実施形態のみであり、ここで、当業者にとって、本発明の原理から離脱しないことを前提として、いくつかの改良及び修飾を行ってもよく、これらの改良及び修飾も本発明の保護範囲に該当している。
【符号の説明】
【0044】
1 ・・・横梁;
2 ・・・側梁;
3 ・・・位置制限台;
31 ・・・ストッパ部;
311 ・・・取付面;
32 ・・・位置決め部;
321 ・・・第1係合構造;
33 ・・・位置制限段差部;
34 ・・・耐摩耗部材;
35 ・・・締結部材;
36 ・・・接続部;
361 ・・・弧状接続面;
37 ・・・補強リブ;
4 ・・・磁気レールブレーキ装置;
41 ・・・駆動部材;
42 ・・・当接部;
43 ・・・係合部;
431 ・・・第2係合構造;
5 ・・・吊り台;
51 ・・・取付梁;
52 ・・・吊りアーム;
53 ・・・吊り接続口;
6 ・・・軸ディスクブレーキボースンチェア;
7 ・・・二重牽引ロッド座。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】