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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】アレルギー検査装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20240130BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20240130BHJP
   B65D 81/32 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
A61B10/00 Q
B65D83/00 Z
B65D81/32 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541708
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 AT2022060005
(87)【国際公開番号】W WO2022150861
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】A50010/2021
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523260299
【氏名又は名称】オールテスト ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ALLTEST GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】シュネッツ, グントラム
【テーマコード(参考)】
3E013
3E014
【Fターム(参考)】
3E013AA02
3E013AB06
3E013AC13
3E013AD09
3E013AE01
3E013AF08
3E013AF17
3E013AF22
3E013AF36
3E014PA01
3E014PA10
3E014PB03
3E014PC04
3E014PC08
3E014PD30
3E014PE14
(57)【要約】
本発明は、液体媒体(M)を皮膚(H)上又は皮膚(H)内に適用するためのアレルギー検査装置(1)であって、皮膚(H)上に配置するための平坦部分(3)と、使用中に皮膚(H)から離間し、液体媒体(M)を受け入れるための容器(5)を有する少なくとも1つの部分(4)と、を伴うフィルム(2)を有し、各離間部分(4)の各容器(5)が少なくとも1つの閉鎖可能な開口部(6)を有する、アレルギー検査装置に関する。本発明によれば、各離間部分(4)は、フィルム(2)の平坦部分(3)の方向に変形可能であるように設計され、弁(7)が各容器(5)の少なくとも1つの開口部(6)内に移動可能に配置され、容器(5)の開口部(6)が弁(7)の閉鎖位置で密封され、離間部分(4)の変形時に、弁(7)が閉鎖位置から逸脱した位置で少なくとも部分的に開放される。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚(H)上又は前記皮膚(H)内に液体媒体(M)を適用するためのアレルギー検査装置(1)であって、前記皮膚(H)上に置くための平坦部分(3)と、前記液体媒体(M)を受け入れるための容器(5)を有し使用中に前記皮膚(H)から離間した少なくとも1つの部分(4)と、を有するフィルム(2)を備え、各離間部分(4)の各容器(5)が、少なくとも1つの閉鎖可能な開口部(6)を有し、
各離間部分(4)が、前記フィルム(2)の前記平坦部分(3)の方向に変形可能であるように設計され、かつ
弁(7)が、各容器(5)の前記少なくとも1つの開口部(6)内に摺動可能に配置され、
前記容器(5)の前記開口部(6)が、前記弁(7)の閉鎖位置及び前記離間部分(4)の変形時に密封され、前記弁(7)が、前記閉鎖位置から逸脱した位置で少なくとも部分的に開放されている、
ことを特徴とする、アレルギー検査装置(1)。
【請求項2】
前記容器(5)が、前記フィルム(2)の前記離間部分(4)と一体化されていることを特徴とする、請求項1に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項3】
前記容器(5)に前記液体媒体(M)を充填するための、好ましくは蓋(9)で閉じることができる充填開口部(8)が、各離間部分(4)に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項4】
前記容器(5)が、前記フィルム(2)の前記離間部分(4)に接続されたカップ(10)によって形成されることを特徴とする、請求項1に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項5】
前記フィルム(2)の少なくとも各離間部分(4)、好ましくは前記フィルム(2)全体が、弾性変形可能であるように設計され、前記フィルム(2)が、好ましくは熱可塑性合成材料又はシリコーンから作製されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項6】
各離間部分(4)は、使用中に前記皮膚(H)に対して好ましくは閉鎖空洞(12)が形成されるように、前記フィルム(2)の隆起部(11)によって形成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項7】
通気孔(13)が、前記隆起部(11)に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項8】
少なくとも1つの尖った又は鋭利な要素(14)が、使用中に前記容器(5)及び/又は前記弁(7)の前記皮膚(H)に面する側に、前記皮膚(H)への局所的かつ表面的な損傷のため設けられ、好ましくは前記容器(5)及び/又は前記弁(7)と一体に作られる、ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項9】
各弁(7)が、少なくとも1つのチャネル(16)を有する実質的に円筒形本体(15)によって形成され、この円筒形本体(15)が、前記弁(7)の閉鎖位置において前記容器(5)の前記開口部(6)を密閉し、前記閉鎖位置から逸脱した位置において前記容器(5)への前記少なくとも1つのチャネル(16)を開放することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのチャネル(16)が、前記円筒形本体(15)の側面上の少なくとも1つの開口部(16”)への接続を伴って、前記円筒形本体(15)の内側を通る少なくとも1つのチャネル(16’)によって形成されることを特徴とする、請求項9に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのチャネル(16)が、前記円筒形本体(15)の表面上を通る少なくとも1つのチャネル(16”’)によって形成されることを特徴とする、請求項9又は10に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項12】
前記容器の前記開口部(6)を前記閉鎖位置で密封するための密封リップ(17)が、前記弁(7)の前記円筒形本体(15)上に一体化されていることを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項13】
使用中に前記フィルム(2)の前記平坦部分(3)の前記皮膚(H)に面する側に、剥離フィルム(19)を有する接着フィルム(18)があることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項14】
フィルム(2)のいくつかの離間部分(4)が少なくとも2つの列(R)に配置され、各列(R)におけるフィルム(2)の離間部分(4)の数(n)が好ましくは異なることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項15】
識別(Id)が、各離間部分(4)の外側に配置されていることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項16】
前記フィルム(2)が、少なくとも部分的に透明材料、例えば透明熱可塑性合成材料又は透明シリコーンから形成されることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項17】
前記容器(5)及び弁(7)を前記離間部分(4)に封入するために前記フィルム(2)の下側に配置されるように設計された略円筒形要素(21)を有する、搬送ロック(20)が設けられることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項18】
好ましくは半円形凹部(23)を有する定規(22)が、前記皮膚(H)上のアレルギー反応を測定するために前記搬送ロック(20)上に配置されることを特徴とする、請求項17に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項19】
好ましくは無菌包装体(24)が提供されることを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載のアレルギー検査装置(1)。
【請求項20】
前記フィルム(2)、前記容器(5)、前記弁(7)、及び/又は前記少なくとも1つの尖った又は鋭利な要素(14)が、生体適合性材料、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から少なくとも部分的に形成されるか、又は、パリレンコーティングなどの生体適合性コーティングで少なくとも部分的にコーティングされることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載のアレルギー検査装置(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体媒体を皮膚に又は皮膚内に適用するためのアレルギー検査装置に関し、皮膚上に置くための平坦部分と、液体媒体を保持するための容器と共に使用する間に皮膚から離間した少なくとも1つの部分とを有するフィルムを備え、各離間部分の各容器は、少なくとも1つの閉鎖可能な開口部を有する。
【0002】
本発明は、液体媒体を保持するための少なくとも1つの容器を有する少なくとも1つの離間部分を備えるが、特に、異なる液体媒体を保持するためのいくつかの容器を有するいくつかの離間部分を備える、アレルギー検査装置に関する。結果として、いくつかのアレルゲンに対するアレルギー検査が、患者又は被験者の時間を節約する特に効率的な様式で同時に行われ得る。
【背景技術】
【0003】
本発明は、皮膚を傷つけることなく、それぞれの液体媒体を皮膚の表面へ、単に適用することによってアレルギー反応を検査するアレルギー検査装置に関する。例えば、軟膏又はクリームなどの特定の化粧品に対するアレルギー反応は、このように判定できる。また、いわゆるプリックテストを実施するためのアレルギー検査装置も含まれ、この場合、皮膚は穿刺又は引っ掻かれ、その結果、検査される液体媒体が皮膚を貫通し、場合によってはアレルギー反応を引き起こすことができる。
【0004】
液体媒体という用語は、患者又は被験者の側のアレルギー反応に関して試験される素材を含有する多種多様な液体を含む。例えば、そのような素材は、花粉抽出物、食品抽出物などの規定されたアレルゲン抽出物であってもよい。低粘度媒体は使用に特に適しているが、皮膚に又は皮膚内に適用することができるならば、粘性又はゲル型媒体の使用も考えられる。固体形態の成分、例えば凍結乾燥物の形態の凍結乾燥アレルゲンは、アレルギー検査装置が使用されるときに液体媒体と混合され、アレルギー検査装置上の適切な点に配置することもできる。次いで、2つ以上の成分の混合物が、皮膚に又は皮膚内に適用される。
【0005】
過去には、プリックテストでは、様々なアレルゲンを手動で皮膚、例えば前腕又は背中に滴下し、問題となっている物質が表皮を貫通できるように皮膚を穿刺する、非常に精巧で時間のかかる方法を必要としていた。指定された検査時間の後、皮膚の発赤及びみみず腫れの大きさを判定することによってアレルギー反応を評価した。ヒスタミンを伴う陽性対照と薬物を含まない陰性対照とは、通常、並行して実施される。医療スタッフ及び患者又は被験者に多大な時間を費やすことに加えて、特に非常に若い患者又は被験者の場合には、動かずに治療の期間に耐えることは非常に困難である。さらに、特に患者又は被験者が移動する場合、滴下された液体媒体が汚れたり混合されたりするリスクがある。
【0006】
調査される液体媒体を既に含むアレルギー検査装置の助けを借りて、そのようなアレルギー検査又は皮膚プリックテストの実行することは、医療スタッフ及び患者又は被験者の両方にとってかなり容易になっている。
【0007】
例えば、米国特許出願公開第2014/276196号明細書は、皮膚に貼り付けられる、様々な液体媒体を保持するための多数の容器を有するフィルム形態のアレルギー検査装置を記載している。それが適用された後、フィルムの上部のロッカーがすべての容器に圧力を加え、フィルムの下側を突き刺しながら同時に皮膚の最上層を穿刺し、穿刺部位に液体媒体を適用する。
【0008】
アレルギー検査装置の他の構造は、例えば、米国特許第2841138号明細書又は欧州特許出願公開第2163203号明細書から知られている。
【0009】
ブリスターストリップ形態のアレルギー検査装置は、オーストリア特許第515791号明細書に記載されており、ここでは、2つのフィルムが設けられ、それぞれの液体媒体は、上部フィルムの隆起部に含まれる。隆起部への手動圧力によって、その中に含まれる媒体は、開口部を通して皮膚の表面に押圧され、必要に応じて、皮膚は同時に引っ掻かれ、又は尖った又は鋭利な要素で穿刺され、その結果、媒体は皮膚を貫通し、場合によってはそこでアレルギー反応を引き起こすことができる。
【0010】
アレルギー検査を実施するための既知の装置では、通常、媒体を保持する容器の開放は、加えられる圧縮力の方向及び大きさに大きく依存するため、それぞれの媒体の皮膚又は皮膚内への規定された適用ができない。これは、アレルギー検査の良好な再現性をもたらさない。
【0011】
さらに、多くのアレルギー検査装置は、非常に複雑な構造を有し、液体媒体の製造又は充填に手間がかかり、コストが増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/276196号明細書
【特許文献2】米国特許第2841138号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第2163203号明細書
【特許文献4】オーストリア特許第515791号明細書
【発明の概要】
【0013】
そこで、本発明は、上記のようなアレルギー検査装置を、できるだけ簡易で安価に製造することができ、かつ、できるだけ少ない構成要素からなるものとすることを目的とする。さらに、アレルギー検査の完全な機能及び再現性が保証されるべきであり、容器に収容された液体媒体は、下にある皮膚の表面に安全かつ規定された様式で適用できなければならず、その結果、あらゆるアレルギー反応について信頼できる記述を行うことができる。既知のアレルギー検査装置の欠点は、回避されるか、又は少なくとも低減される必要がある。
【0014】
本発明の目的は、各離間部分がフィルムの平坦部分の方向に変形可能であるように設計され、弁が各容器の少なくとも1つの開口部に摺動可能に配置され、容器の開口部が弁の閉鎖位置で密閉され、離間部分が変形すると、弁が閉鎖位置から逸脱した位置で少なくとも部分的に開くことで達成される。本発明によるアレルギー検査装置は、例えば適切なプラスチックからの射出成形によって製造することが比較的容易な少数の構成要素からなる。相応に大量の生産を想定すると、比較的低い生産コストも達成できる。液体媒体を有する各容器の開口部に弁を配置することにより、皮膚表面の方向にフィルムの離間部分に圧力が加えられたときに、容器の開口部の少なくとも一部の規定された開放が起こり、したがって、液体媒体及びそれと混合された任意の物質を皮膚表面に安全に適用することができる。弁及び容器の開口部の適切な設計により、弁が閉鎖位置にあるときに容器を密封することができ、したがって、容器内の液体媒体を長期間にわたっても安全に貯蔵することができる。使用する媒体によっては、アレルギー検査を行う直前に容器に充填することもできる。しかしながら、理想的には、アレルギー検査装置は、液体媒体及び液体媒体から分離された任意の固体物質、例えば凍結乾燥アレルゲン(凍結乾燥物)で既に予め充填されており、これは使用中に液体媒体と混合され、医療従事者がそれらを開封して患者又は被験者に使用するだけでよいように適切な包装体で販売される。
【0015】
容器は、好ましくは、フィルムの離間部分と一体化されている。結果として、フィルムと容器の両方を1つの材料から、好ましくはまた1つの部品から製造することができるので、製造コストをさらに最小限に抑えることができる。
【0016】
フィルムの離間部分と一体化容器の場合、液体媒体を容器に充填するために、好ましくは蓋で閉じることができる充填開口部を、各離間部分に配置できる。これにより、製造プロセスがより複雑になり、したがって製造コストが高くなるが、アレルギー検査装置の容器にそれぞれの液体媒体を充填することが、はるかに容易になる。充填開口部を介して導入される代わりに、媒体は、例えば、穿刺膜を介してシリンジを用いて容器に導入することもできる。
【0017】
容器とフィルムの離間部分との上述の一体化の代替として、容器はまた、本質的にカップの形態で別個に製造され、続いてフィルムの離間部分に適切に接続されてもよい。この変形例は、フィルムの製造及び形成を容易にするが、容器をフィルムの離間部分に接続する追加の製造ステップを必要とする。しかしながら、容器にそれぞれの液体媒体を充填するプロセスは、理想的には、この追加の製造ステップに統合できる。
【0018】
好ましくは、フィルムの少なくとも各離間部分、好ましくはフィルム全体が、弾性的に変形可能に設計される。これにより、圧力が加えられた後に離間部分が元の位置に戻され、それにより、容器からの液体媒体、若しくは液体媒体と固体物質との混合物が皮膚に適用された後、又は皮膚に導入された後に、アレルギー検査装置の構成要素が再び皮膚表面から離れるように移動することが保証される。これは、アレルギー検査が実施されている間、問題となっている媒体に対する任意のアレルギー反応が妨げられることなく起こり得、最適な結果が達成され得ることを意味する。
【0019】
フィルムは、好ましくは合成材料、特に熱可塑性合成材料又はシリコーンで作製される。これらの材料は加工が容易であり、生体適合性要件を満たすこともできる。さらに、弾性変形能、すなわち変形後に元の形状又は少なくとも本質的に元の形状に戻ることは、このような材料で達成できる。
【0020】
各離間部分は、フィルムの隆起部によって形成でき、その結果、使用中に皮膚に対して好ましくは閉鎖空洞が形成される。その結果、アレルギー検査時に異なる隆起部からの液体媒体が混入し、試験への外部からの影響を防止できる。設計が適切であれば、液体媒体が制御されずに流出できないため、アレルギー検査中の患者又は被験者は、特定制限内で移動可能にさえなる。
【0021】
容器がフィルムの隆起部の下の空洞に流れ込むことを妨げないように、隆起部に通気孔を配置することもできる。隆起部が圧縮されると、必要に応じて弁を含むことができる通気孔を介して空気が漏れ出るので、外部からの空気は空洞に入ることができず、その結果、液体媒体は容器から皮膚表面に妨げられることなく流れることができる。
【0022】
いわゆるプリックテストを実施するために、使用中に皮膚に面する容器及び/又は弁の側に、皮膚への局所的及び表面的な損傷のための少なくとも1つの尖った又は鋭利な要素が設けられる。少なくとも1つの尖った又は鋭利な要素は、容器及び/又は弁の下側の適切な1つ又は複数の点に配置され、それにより、フィルムの離間部分の変形中に、弁の開口部と同時に圧力を適切に加えることで、皮膚を穿刺するか又は切れ目を入れる。
【0023】
有利には、少なくとも1つの尖った又は鋭利な要素は、容器及び/又は弁と一体に作られる。例えば、尖った又は鋭利な要素は、容器又は弁が製造されるときに射出成形プロセスに統合でき、それによって製造コストを非常に低く保つことができる。特殊な用途では、ステンレス鋼製の尖った又は鋭利な要素を使用することも必要な場合があり、これは後で容器又は弁に配置することもできるが、これは製造コストを増加させる。
【0024】
本発明のさらなる特徴によれば、各弁は、少なくとも1つのチャネルを有する略円筒形本体によって形成され、この円筒形本体は、弁の閉鎖位置において容器の開口部を密閉し、閉鎖位置から逸脱した位置において容器への少なくとも1つのチャネルを開く。このような円筒形本体は、製造が比較的容易である。
【0025】
少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの開口部に側面で接続して円筒形本体の内側を通る少なくとも1つのチャネルによって形成できる。閉鎖位置では、内側を通るチャネルの開口部は側面で閉じられ、液体媒体は容器から外部に漏れ出ることができない。弁が閉鎖位置から移動すると、円筒形本体の側面の少なくとも1つの開口部が開かれ、それによって液体媒体は、この開口部によって内部を通るチャネルを通って皮膚の表面に到達することができる。さらに、円筒形本体に固形物を配置する、又は、円筒形本体に固形物、例えば凍結乾燥アレルゲン(凍結乾燥体)をコーティングすることで、アレルギー検査装置の使用中に固形物を液体媒体と混合して皮膚に適用する、又は、皮膚に導入することができる。
【0026】
代替的又は追加的に、少なくとも1つのチャネルは、円筒形本体の表面上を通る少なくとも1つのチャネルによって形成することもできる。弁の閉鎖位置では、容器の開口部は、弁及び開口部の適切な構造によって封止され、液体媒体が容器から漏れ出ることを防ぐ。弁が閉鎖位置から移動すると、円筒形本体の表面上の少なくとも1つのチャネルが開かれ、液体媒体は、弁の表面で外側に延びる少なくとも1つのチャネルを介して、容器から皮膚に向かって流れる。
【0027】
容器の開口部を閉鎖位置で密封するための密封リップは、弁の円筒形本体と一体化できる。そのような密封リップは、弁の製造プロセス、例えば射出成形プロセスに容易に統合できる。密封リップは、容器からの液体媒体の意図しない漏出、及び弁が閉鎖位置にあるときに存在する任意の固体物質との液体媒体の意図しない混合、を確実に防止する。
【0028】
剥離フィルム付き粘着フィルムは、使用中に皮膚に面するフィルムの平坦部分の側に配置されることが好ましい。したがって、適切に予め製造されたアレルギー検査装置は、剥離フィルムを剥がして、患者又は被験者の皮膚の適切な領域に貼り付けるだけで、迅速に使用できる。予め製造された接着フィルムの代わりに、アレルギー検査装置はまた、フィルムの平坦部分の下側に適切な接着剤を適用することによって、特に噴霧することによって、患者又は被験者の使用に準備され得る。また、アレルギー検査装置は、粘着性ストリップによって皮膚表面に容易に貼り付けて固定することもできる。
【0029】
本発明のさらなる特徴によれば、フィルムのいくつかの離間部分は、少なくとも2列に配置される。したがって、アレルギー反応は、フィルムの離間部分の異なる容器の液体媒体に含まれる異なる物質に対して同時に起こり得る。
【0030】
個々の離間部分の容器内のそれぞれの液体媒体の明確な割り当てを可能にするために、フィルムの離間部分の数は各列で異なる。これにより、アレルギー反応が評価されるときに列が混同されるのを防ぎ、対応する皮膚領域へのそれぞれの液体媒体の信頼性のある明確な割り当てを達成することが可能になる。
【0031】
識別は、好ましくは、各離間部分の外側に配置される。例えば、数字又は文字は、フィルムの離間部分又は隆起部の外側に配置され、液体媒体は、付随する凡例においてこれらの数字又は文字に割り当てられる。その結果、医療従事者は、どの液体媒体がフィルムのどの離間部分のどの容器に収容されているかを知ることができ、アレルギー検査が行われた後、それぞれの液体媒体又はその中に溶解している物質へのアレルギー反応を迅速かつ容易に割り当てることができる。
【0032】
フィルムは、透明材料、例えば透明熱可塑性合成材料又は透明シリコーンから、少なくとも部分的に形成できる。これにより、一方では容器の充填、他方ではアレルギー検査の正しい実施を点検及び確認することができる。すべての部品が透明材料で作製されていない場合、透明材料は、例えば、不透明部品の製造後の2成分射出成形プロセスで製造できる。
【0033】
容器及び弁を離間部分に封入するために、フィルム下側に配置されるように設計された略円筒形要素を備える搬送ロックが設けられる場合には、フィルムの離間部分が変形したときの弁の意図しない変位、したがって容器の意図しない開放、容器からの液体媒体の漏れ、及び存在する任意の固体物質との液体媒体の混合、を防止できる。搬送ロックはまた、好ましくは射出成形プロセスを使用して、非常に容易かつ安価に製造できる。アレルギー検査装置は、好ましくは、そのような搬送ロックと一緒に、好ましくは包装体内で送達され、搬送ロックは、アレルギー検査装置が使用される直前、及び装置が患者又は被験者の皮膚表面に貼り付けられる直前にのみ取り外される。
【0034】
皮膚上のアレルギー反応を測定するために、好ましくは測定線を備える半円形凹部を有する定規が搬送ロックに配置されている場合、アレルギー検査の評価を単純化又はサポートできる。医療従事者は、患者又は被験者の皮膚表面からアレルギー検査装置を取り外した後に定規を使用して、アレルギー反応によって生成されるみみず腫れの大きさを判定できる。この目的のために、例えば、円形の発赤の大きさを読み取ることができるように、アレルギー反応に対応させられる異なる直径を備えるいくつかの半円形凹部が定規に設けられる。医療スタッフの診断を容易にするために、皮膚の赤みを定量化するための異なる赤の色調を搬送ロックの定規に印刷することもできる。
【0035】
好ましくは無菌包装体が提供される場合、アレルギー検査装置は、液体媒体及び任意の固体物質で充填されるまで、又は既に充填された容器の場合には、患者又は被験者に使用されるまで、清浄又は無菌に保つことができる。包装体内のアレルギー検査装置を見ことができるように、包装体は少なくとも部分的に透明である。ガス、ガンマ線、UV光などの適切な滅菌方法を使用して、アレルギー検査装置の任意の滅菌を行うことができる。
【0036】
フィルム、容器、弁及び/又は少なくとも1つの尖った又は鋭利な要素は、好ましくは、少なくとも部分的に生体適合性材料、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から作製されるか、又は少なくとも部分的に生体適合性コーティング、例えばパリレンコーティングでコーティングされる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
図1A】容器の開口部が密封され、弁が閉鎖位置にある側面断面図における、本発明によるアレルギー検査装置の原理の概略図である。
図1B】液体媒体を放出するための容器の開口部が少なくとも部分的に開放され、弁が閉鎖位置から逸脱した位置にある、図1Aによるアレルギー検査装置を示す図である。
図2】容器がフィルムと一体化された、本発明によるアレルギー検査装置の実施形態の断面図である。
図3A】弁の閉鎖位置にある本発明によるアレルギー検査装置のさらなる実施形態の断面図である。
図3B】弁が閉鎖位置から逸脱し、液体媒体を放出するための位置にある、図3Aによるアレルギー検査装置を示す図である。
図4A】弁が閉鎖位置にある本発明によるアレルギー検査装置のさらなる実施形態の断面図である。
図4B】弁が閉鎖位置から逸脱し、液体媒体を放出するための位置にある、図4Aによるアレルギー検査装置を示す図である。
図5】アレルギー反応を測定するための一体型定規を有する搬送ロックの斜視図である。
図6】搬送安全装置が配置されたアレルギー検査装置の変形例の断面図である。
図7図6のVIIの拡大図である。
図8】本発明によるアレルギー検査装置の一実施形態を上方から見た斜視平面図である。及び
図9】包装体内に配置されたアレルギー検査装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1Aは、液体媒体Mを患者又は被験者の皮膚H上又は皮膚H内に適用するための本発明によるアレルギー検査装置1の原理の概略図を示す。アレルギー検査装置1は、使用時に皮膚Hに載置するための平坦部分3と、皮膚Hから離間した部分4とを伴うフィルム2を有する。フィルム2は、少なくとも部分的に透明材料、例えば透明熱可塑性合成材料又は透明シリコーンから形成できる。フィルム2の各離間部分4は、液体媒体Mを受け入れるための容器5を有し、それに対するアレルギー反応が検査される。媒体Mはまた、粘性であってもよく、又はペースト若しくはゲルの形態であってもよい。離間部分4の各容器5は、液体媒体Mを皮膚Hに適用するか又は皮膚Hに導入することができる、少なくとも1つの閉鎖可能な開口部6を有する。フィルム2の平坦部分3は、接着剤又は接着フィルム(図示せず)によって皮膚Hの表面に固定され得る。本発明によれば、各離間部分4は、フィルム2の平坦部分3の方向に変形可能であるように設計されている。弁7は、各容器5の少なくとも1つの開口部6内に摺動可能に配置される。図1Aにおいて、弁7は、容器5の開口部6が密閉され、液体媒体Mが容器5から漏れ出ることを防止する閉鎖位置にある。
【0039】
図1Bによれば、離間部分4及び容器5の変形がフィルム2の離間部分4への力Fの印加によって引き起こされる場合、弁7は、皮膚Hの表面上に存在するとすぐに図1Aによる閉鎖位置から逸脱した位置に入り、それによって容器5の内部に変位される。弁7の変位は、容器5の開口部6を少なくとも部分的に開き、それによって、容器5から皮膚Hの表面上に液体媒体が漏れ出ることができる。図示の概略例では、弁7は、円錐台形状のプラグによって形成されており、このプラグは、弁7が閉鎖位置から移動すると、弁7と開口部6との間の環状隙間を開き、この環状隙間を通って液体媒体Mが容器5から漏れ出ることができる。力Fが取り外されると、フィルム2の離間部分4は、図1Aに示す元の形状に戻ることが好ましい。この目的のために、フィルム2の少なくとも離間部分4、好ましくはフィルム2全体が、弾性変形可能な材料で作製される。これにより、弁7などのアレルギー検査装置1の構成要素が皮膚Hの表面に載置され、液体媒体Mに対するアレルギー反応を防ぐ又は影響を及ぼすことを防止する。
【0040】
そのようなアレルギー検査装置1は、比較的容易に、好ましくは射出成形によって適切なプラスチックから製造できる。液体媒体Mを有する容器5の開口部6内の弁7の配置は、皮膚Hの表面の方向にフィルム2の離間部分4に圧力が加えられたときに、容器5の開口部6の少なくとも一部の規定された開放をもたらすことができ、したがって、皮膚表面への液体媒体Mの安全な適用を達成できる。図1A及び図1Bによる図示の変形例では、容器5は、フィルム2又はフィルム2の離間部分4と一体化され、一体に製造される。ここで、離間部分4は、フィルム2の隆起部11によって形成されているため、アレルギー検査装置1の使用時には、皮膚Hに対して好ましくは閉鎖空洞12が形成される。しかしながら、フィルム2の離間部分4は必ずしも閉じられていなくてもよい。
【0041】
図2は、容器5がフィルム2と一体化された、本発明によるアレルギー検査装置1の別の実施形態の断面図を示す。フィルムの離間部分4はまた、ここでは隆起部11として形成され、それによって皮膚表面に対する閉鎖空洞12が形成される。容器5は、フィルム2の離間部分4からカップとして形成され、容器5に液体媒体Mを充填するための蓋9で閉じることができる充填開口部8を有する。フィルム2の離間部分4又は隆起部11には、場合によっては通気弁(図示せず)を備えた通気孔13も設けることができる。弁7は、その中を通るチャネル16を有する略円筒形本体15によって形成される(図4A及び図4Bを参照)。使用中に皮膚Hに面する弁7の側には、皮膚Hに対する局所的及び表面的な損傷のために尖った又は鋭利な要素14が設けられ、これらは好ましくは弁7と一体に製造される。使用中に皮膚Hに面するフィルム2の平坦部分3の側には、概略的に示すように、剥離フィルム19を有する接着フィルム18を配置できる。
【0042】
図3Aは、弁7が閉鎖位置にある本発明によるアレルギー検査装置1のさらなる実施形態の断面図を示す。ここで、容器5は、本質的にカップ10の形態の独立した本体によって形成され、例えば糊付けによってフィルムの離間部分4又は隆起部11に適切にしっかりと接続される。容器5の開口部6には、円筒形本体15の表面にチャネル16”’を有する略円筒形本体15によって形成された、弁7が配置されている。弁7を形成する円筒形本体15の表面上のこれらのチャネルは、1つ又はいくつかの軸方向の溝によって形成することができる。弁7の閉鎖位置では、容器5の開口部6は、円筒形本体15の直径の延長部によって密封される。これに加えて、又はこれに代えて、密封リップ17を、皮膚Hから外方に面する円筒形本体15の上端に配置することもでき、この密封リップは、特に射出成形プロセスにおいて容易に製造できる。
【0043】
図3Bによれば、フィルム2の離間部分4の変形によって弁7が図3Aによる閉鎖位置から動かされると、弁7の円筒形本体15の外側のチャネル16”’が開かれ、液体媒体が容器5から皮膚Hの表面上に流れることができる。皮膚Hを穿刺するか又は切れ目を入れるのに役立つ、尖った又は鋭利な要素14を皮膚Hに面する容器5の側面に配置できる。尖った又は鋭利な要素14は、好ましくは容器5と一体化され、容器5と一体に製造される。
【0044】
図4Aは、弁7が閉鎖位置にある本発明によるアレルギー検査装置1のさらなる実施形態の断面図を示す。図3A及び図3Bによる実施形態とは対照的に、弁7は、略円筒形本体15の内側にチャネル16’を備え、円筒形本体15の側面の少なくとも1つの開口部16”に接続される、実質的に円筒形本体15によって形成される。尖った又は鋭利な要素14は、弁7の皮膚Hに面する側に配置され、好ましくは弁7と一体に作られる。さらに、この例示的な実施形態では、凍結乾燥物L(例えば、凍結乾燥アレルゲン)が、円筒形本体15の内側のチャネル16’内に配置され、液体媒体Mと混合され、それによって弁7が閉鎖位置(図4Bを参照)から移動するときに作動する。凍結乾燥物Lは、予め形成され、押し固められ、化学的/物理的に結合され、又はカプセル化され得る。凍結乾燥物Lの予め形成されたプラグの代わりに、チャネル16’の内壁又はアレルギー検査装置1の他の適切な箇所を凍結乾燥物Lでコーティングすることも考えられる(図示せず)。
【0045】
図4Bによれば、弁7がフィルム2の離間部分4の変形によって図4Aによる閉鎖位置から動かされる場合、弁7の円筒形本体15の側面上の開口部16”が開放され、液体媒体は、容器5から開口部16”を通って円筒形本体15の内側を通るチャネル16’に流れることができ、そこで液体媒体Mは凍結乾燥物Lと混合される。液体媒体Mと凍結乾燥物Lとの混合を支援するために、成形物25を円筒形本体15の内壁に配置できる。次いで、液体媒体Mと凍結乾燥物Lとの混合物は、皮膚Hに到達するか、又は皮膚Hを貫通する。皮膚Hを穿刺するか又は切れ目を入れるための尖った又は鋭利な要素14は、皮膚Hに面する弁7の側に配置される。
【0046】
図5は、アレルギー検査装置1の搬送ロック20の斜視図を示す。搬送ロック20は、アレルギー検査装置1の離間部分4又は隆起部11の数及び配置に従って配置された略円筒形要素21を有し、これらは、容器5及び弁7をアレルギー検査装置1の離間部分4に封入するためにフィルム2の下側に配置されるように設計されている(図6及び図7を参照)。好ましくは異なる直径の半円形凹部23を有する定規22が、皮膚H上のアレルギー反応を測定するために、搬送ロック20上に配置され得る。半円形凹部23のそれぞれの直径が印刷され、アレルギー反応のみみず腫れの大きさの判定を容易にすることができる。
【0047】
図6は、図5による搬送ロック20が配置されたアレルギー検査装置1の変形例の断面図を示す。
【0048】
図7は、図6のVIIの詳細を拡大して示す図である。略円筒形要素21は、フィルム2の隆起部11内に突出し、その中に配置された容器5の下側を取り囲み、弁7は、開口部6内に摺動可能に配置される。フィルムの離間部分4が円筒形要素21の自由端に載置されるため、離間部分4の変形、ひいては閉鎖位置からの弁7の意図しない変位が防止される。これにより、容器からの液体媒体Mの意図しない流出を効果的に防止できる。アレルギー検査を行う前に、搬送ロック20をアレルギー検査装置1から取り外すことにより、液体媒体Mを皮膚Hに放出するためのフィルム2の離間部分4の変形が可能になる。搬送ロック20は、アレルギー検査装置1に単に差し込まれてもよく、又は接着剤によってフィルム2の平坦部分3に取り付けられてもよい。
【0049】
図8は、本発明によるアレルギー検査装置1の一実施形態を上方から見た斜視平面図である。この場合、フィルム2のいくつかの離間部分4又は隆起部11は、2つの列R及びRに配置される。各列R及びRの隆起部11の数n及びnは、それぞれの液体媒体Mのより容易で明瞭な割り当てを可能にし、アレルギー検査の診断を容易にするために、意図的に異なるように設計されている。図示の例示的な実施形態では、6つの異なる液体媒体M、すなわち6つの異なるアレルギー検査用の6つの容器5を有する6つ(n=6)の離間部分4が、第1の列Rに配置され、5つの液体媒体M、すなわち5つの異なるアレルギー検査用の5つの容器5を有する5つ(n=5)の離間部分4が、第2の列Rに配置されている。全体として、11個の異なる物質に対するアレルギー反応が、このアレルギー検査装置1で同時に検査でき、又は、2つの容器5がヒスタミンを含む陽性対照、及び有効素材を含まない陰性対照のために確保されている場合、少なくとも9つの異なる物質に対して検査できる。
【0050】
識別Id、例えば数字又は文字は、明確な割り当てのために隆起部11の上側に配置でき、又はラベル用の領域を配置できる。
【0051】
図9は、包装体24内に配置されたアレルギー検査装置1の斜視図を示す。図示の例では、搬送ロック20が配置されたアレルギー検査装置1を下から見ることができる。包装体24は、アレルギー検査装置1を視認できるように、少なくとも一部が透明であることが好ましい。アレルギー検査装置1は、一般的な滅菌方法を使用して、包装体24内に配置される前又はその後に滅菌することができる。
【0052】
フィルム2、容器5、弁7及び/又は尖った又は鋭利な要素14などのアレルギー検査装置1の個々の構成要素は、好ましくは、生体適合性材料、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で作製されるか、又は生体適合性コーティング、例えばパリレンコーティングでコーティングされる。

図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】