(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】フェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A41H 1/02 20060101AFI20240130BHJP
A62B 18/08 20060101ALI20240130BHJP
A41D 13/11 20060101ALI20240130BHJP
A41H 3/00 20060101ALI20240130BHJP
A41H 5/01 20060101ALI20240130BHJP
A41H 43/00 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
A41H1/02 Z
A62B18/08 Z
A41D13/11 H
A41D13/11 Z
A41H3/00 C
A41H5/01
A41H43/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541872
(86)(22)【出願日】2022-01-31
(85)【翻訳文提出日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 GB2022000013
(87)【国際公開番号】W WO2022167777
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2022-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523261241
【氏名又は名称】インプレッシブ エンジニアリング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100223631
【氏名又は名称】渡邊 昭央
(72)【発明者】
【氏名】ザリスフィ・カスラ
【テーマコード(参考)】
2E185
3B211
【Fターム(参考)】
2E185AA06
2E185BA16
2E185CC31
3B211CA02
3B211CA05
3B211CD01
3B211CD02
(57)【要約】
フェイスマスク用のベルトを形成する方法であって、ユーザの顔の輪郭をトレースするために測定手段を使用するステップと、材料のループ上に切断線を作成するために前記測定手段によって収集されたデータを使用するステップとを含み、
電子測定ツール、ソフトウェアプログラム、および測定手段によって収集されたデータによってユーザの顔の輪郭をトレースするために測定手段を使用するステップは、数学的表現として顔の3Dモデルを作成するために使用することができ 、3D モデルから閉じた 3D 曲線を抽出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェイスマスク用ベルトを形成する方法であって、
(1) 測定手段を使用して、ユーザの顔の輪郭をトレースするステップと
(2) 前記測定手段によって収集されたデータを使用して、材料のループ上に切断線を作成するステップと
(3) 前記切断線に沿って前記ベルトを切断するステップと
(4) 前記ベルトが前記マスクのためのシールを形成するように、前記ベルトをフェイスマスク本体に接続するステップと
を備える方法。
【請求項2】
ユーザの顔の輪郭をトレースするために測定手段を使用する前記ステップにおいて、ソフトウェアプログラムが使用される、請求項1に記載のフェイスマスク用ベルトを形成する方法。
【請求項3】
ユーザは、パターン化されたステッカーを自身の顔に配置し、顔の正面から写真を撮影する、請求項1に記載のフェイスマスク用ベルトを形成する方法。
【請求項4】
ステッカーのパターンが、前記ソフトウェアプログラムによって前記写真から抽出される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフェイスマスク用ベルトを形成する方法。
【請求項5】
顔上の閉じた3D曲線の数学的表現を定義するために、平坦なステッカーのパターンと写真からのステッカーのパターンとの間の差が分析される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のフェイスマスク用ベルトを形成する方法。
【請求項6】
前記閉じた3D曲線は、2d開曲線に数学的に変換される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のフェイスマスク用ベルトを形成する方法。
【請求項7】
定義された2d開曲線は、2d形状のグラフィックイメージに変換される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のフェイスマスク用ベルトを形成する方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のフェイスマスク用ベルトを形成する方法であって、前記測定手段によって収集された前記データを使用して材料のループ上に切断線を作成するステップにおいて、ユーザは2D形状のイメージを紙の上に印刷し、周囲に沿って切り取る、方法。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のフェイスマスク用ベルトを形成する方法であって、前記測定手段によって収集された前記データを使用して材料のループ上に切断線を作成するステップにおいて、ユーザは2D形状をベルトの周りに巻き付け、それをベルトのマニュアル切断のためのガイドとして使用する、方法。
【請求項10】
測定手段を使用してユーザの顔の輪郭をトレースするステップにおいて、電子測定ツールが使用される、請求項1に記載のフェイスマスク用ベルトを形成する方法。
【請求項11】
請求項1または請求項10に記載のフェイスマスク用ベルトを形成する方法であって、ステップ(1)と(2)の間に、前記測定手段によって収集された前記データを使用して顔の3Dモデルを数学的表現として作成し、その3Dモデルから閉じた3D曲線を抽出する、方法。
【請求項12】
請求項1及び請求項10及び請求項11に記載のフェイスマスク用ベルトを形成する方法であって、ステップ(3)において切断機上にベルトを配置し、前記切断機が前記3D曲線に従って前記ベルトを切断するように、前記切断機にデータを転送するステップを備える方法。
【請求項13】
フェイスマスク用ベルトであって、
長時間の皮膚接触に適しており、使用中にマスク本体に接続するように構成された柔らかい素材のループであって、そのループはフェイスマスクが使用される場所の顔の特徴のプロファイルとほぼ一致するプロファイルで形成され、そのループとマスク本体はユーザの顔の少なくとも一部の前に閉じた空間を形成するように相互に構成され、そのループは使用中にユーザの顔に当ててシールを形成するループと、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の方法を使用してそのループから形成されたベルトとを備えるベルト。
【請求項14】
フェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置であって、
閉ループまたは実質的に閉ループを形成するように構成されたバー支持構造体と、
複数の細長いバーであって、バー及び前記バー支持構造体は、バーが前記閉ループの周りで互いに隣接して前記バー支持構造体上の所定の位置に保持されるように構成されている、複数の細長いバーと、
前記バー支持構造体は、個々のバーのそれぞれが、バーの長手方向軸に実質的に平行な方向に前記支持構造体内でスライドすることができるようにさらに構成され、バーが支持構造体内で伸ばされたときに、各バーの少なくとも一端が自由に突出し、
フェイスマスクの周囲と実質的に同じサイズのループを形成するようにサイズ設定および構成されたバーの閉じたループとを、
備える装置。
【請求項15】
バー支持構造体およびバーは、バーが特定の位置に押し込まれると、バーをその位置に保持するために、バーと支持構造体との間に十分な摩擦が存在するようにさらに構成される、請求項14に記載のフェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置。
【請求項16】
請求項14または請求項15に記載のフェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置であって、バーおよび支持構造体は、バーが支持構造体の中央リングから離れる方向に実質的に完全に伸びている開始位置から、バーが支持構造体に向かって完全に押された位置まで、バーが実質的に50 mmの距離を変位することができるように構成されている装置。
【請求項17】
バーが互いに実質的に平行である、請求項14から請求項16のいずれか1項に記載のフェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置。
【請求項18】
請求項14から請求項17のいずれか1項に記載のフェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置であって、バーの各々は、細長い本体及びヘッドを含み、前記ヘッドは、前記本体よりも幅が広く、前記バー及び支持構造体は、前記ヘッドが互いに実質的に直接隣接するように構成される、装置。
【請求項19】
請求項14から請求項18のいずれか1項に記載のフェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置であって、ベルトをさらに備え、そのベルトは長時間の皮膚接触に適したソフトな材料の連続閉ループを備え、バーがベルトの外面と実質的に平行に及び直接隣接してスライドするように、使用中にベルトをバー支持構造体上に配置できるように、ベルトとバー支持構造体が相互に構成されている装置。
【請求項20】
ベルトがネオプレン、シリコーンゴム、または任意の他の好適な弾性もしくはソフトなポリマーで形成されている、請求項19に記載のフェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置。
【請求項21】
ベルトの幅は、実質的にすべての顔の形状及びサイズに必要な形状に切断することを可能にするのに十分である、請求項19又は請求項20に記載のフェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置。
【請求項22】
ベルトはベルトに沿った任意の点で5 mmの最小幅を持つ、請求項19から請求項21のいずれか1項に記載のフェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置。
【請求項23】
ベルトは、ベルトが使用される位置における顔の特徴に概ね一致するプロファイルで形成される、請求項19から請求項22のいずれか1項に記載のフェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置。
【請求項24】
ベルトが、ベルトをマスク本体に接続するように構成された少なくとも1つのコネクタをさらに備える、請求項19から請求項22のいずれか1項に記載のフェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置。
【請求項25】
少なくとも1つのコネクタが雌コネクタを備える、請求項24に記載のフェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置。
【請求項26】
フェイスマスク用ベルトを形成する方法であって、
(1) 請求項14から請求項25のいずれか1項に記載の装置を、バーを実質的に完全に延ばした状態で、ユーザの顔に当てて配置するステップと、
(2) 必要な位置における閉ループの周りでユーザの顔の輪郭に適合する全体形状を形成するために、バーが内側にスライドするように、前記装置をユーザの顔に押し付けるステップと、
(3) 長時間の皮膚接触に適したソフトな素材の連続閉ループを備えるベルトをバーの閉ループ内に配置するステップと、
(4) ベルトの外表面上にバーの外側の端の周りに線をトレースするステップと、
(5) 前記ベルトを除去し、前記トレースラインに沿って切断する工程と
(6) ベルトがマスクのためのシールを形成するように、ベルトをフェイスマスク本体に接続するステップと、
を備える方法。
【請求項27】
ステップ (4)と(5)の間で、バーを所定の位置に保持するため、ストラップなどをバーに巻き付ける更なるステップを備える、請求項26に記載のフェイスマスク用ベルトを形成する方法。
【請求項28】
フェイスマスク用ベルトであって、
長時間の皮膚接触に適しており、使用中にマスク本体に接続するように構成されたソフトな材料のループであって、そのループは、フェイスマスクが使用される場所の顔の特徴とほぼ一致するプロフィールで形成され、そのループ及びマスク本体は使用者の顔の少なくとも一部の前に閉じた空間を形成するように相互に構成され、使用中にシールを形成するためユーザの顔に当てるループと、
請求項26または請求項27に記載の方法を使用してループから形成されたベルトを備える、フェイスマスク用ベルト。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本発明は、フェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置に関する。
本発明はまた、フェイスマスクのフィット性をカスタマイズする方法に関する。
【背景】
【0002】
フェイスマスクは、異なる目的のために異なる形状及び形態で使用される。例えば、フェイスマスクは、空気/酸素供給の制御を補助するため、又は、ほこり、花粉、すす、煙、液滴などの不要な粒子、若しくは微生物、ウイルス、バクテリアなどの他のアイテムが、マスクに供給される空気から除去された、濾過若しくは浄化された空気が供給されるエリアを提供するため、ユーザの鼻と口の周りに密閉または半密閉のボリュームを形成するように形状とサイズを変更できます。
【0003】
このタイプのフェイスマスクは、ユーザの顔の少なくとも一部(口、又は鼻、又は鼻及び口、又は顔全体)を覆い、通常、マスクの内部容積への外部空気の制御されない進入を防止するために、ユーザの顔の表面に対して封止するフレキシブルな周囲シールが取り付けられた剛性又は半剛性の本体を備える。
【0004】
しかしながら、人々の顔は様々な形状及びサイズになるので、全ての人に良好なフィットを提供する「ワンサイズで全てにフィットする」フェイスマスクを設計することは困難である。 フェイスマスクは大量生産され、これは、単一の固定された形状の製品(マスク)、又はサイズの範囲の限定を必要とする。
【0005】
このため、任意の1つのマスクが必ずしも特定のユーザの顔に適合されるとは限らず、これは、シールに関する問題を引き起こし得る。 顔の輪郭と、顔と接触するマスクの部分の輪郭との間のいかなる差も、マスクの性能にかなり影響を及ぼす可能性があり、マスクがユーザの顔に対して密封しないという結果をもたらす可能性がある。
本明細書において、特許明細書、他の外部文書、または他の情報源が参照されている場合、これは一般に、本発明の特徴を論じるための文脈を提供することを目的とする。
【0006】
特に明記されていない限り、そのような外部文書への参照は、いかなる管轄区域においても、そのような文書またはそのような情報源が先行技術であること、または当該技術分野における共通一般知識の一部を形成することを認めるものとして解釈されるべきではない。
【概要】
【0007】
本発明の目的は、上述の欠点を何らかの形で克服する、あるいは少なくとも公衆、ヘルスケア、産業に有用な選択肢を提供する、フェイスマスクのフィット感をカスタマイズするための装置を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、上述の欠点を何らかの形で克服する、または少なくとも公衆、ヘルスケア、産業に有用な選択肢を提供する、フェイスマスクのフィット感をカスタマイズする方法を提供することである。
【0009】
本明細書およびインディケイティブな独立請求項で使用される「備える(comprising)」という用語は、「を少なくとも部分的に備える(consisting at least in part)」を意味する。 「備える(comprising)」という用語を含む、本明細書およびインディケイティブな独立請求項における各記述を解釈するとき、その用語によって前置きされる特徴以外の特徴も存在し得る。 「備える(comprise)」および「備える(comprises)」などの関連する用語は、同様に解釈されるべきである。
【0010】
本明細書で使用される「および/または(and/or)」という用語は、「および(and)」または「または(or)」、または両方を意味する。
本明細書で使用される場合、名詞に続く「(s)」は、名詞の複数形および/または単数形を意味する。
【0011】
したがって、第1の態様では、本発明は、広く言えば、(1)ユーザの顔の輪郭をトレースするために測定手段を使用するステップ、及び、(2)材料のループ上に切断線を作成するために測定手段によって収集されたデータを使用するステップ、及び、(3)切断線に沿ってベルトを切断するステップ、及び、(4)ベルトがマスクのシールを形成するようにベルトをフェイスマスク本体へ接続するステップを備えるフェイスマスク用ベルトを形成する方法にあると言える。
【0012】
実施形態では、ユーザの顔の輪郭をトレースするために測定手段を使用するステップ、すなわちステップ(1)、において、ユーザは、自分の顔にパターン化されたステッカーを配置し、顔の正面から写真を撮影する。
【0013】
実施形態において、本方法は、ステップ(1)とステップ(2)との間に、データを分析するためにソフトウェアプログラムが使用される追加のステップを備える。
実施形態では、ソフトウェアプログラムを使用するステップにおいて、ステッカーのパターンが写真から抽出される。
【0014】
実施形態では、ソフトウェアプログラムを使用するステップにおいて、平坦なステッカーのパターンと写真からのステッカーのパターンとの間の差を分析して、顔上の閉じた3D曲線の数学的表現を定義する。
【0015】
実施形態では、ソフトウェアプログラムを使用するステップにおいて、閉じた3D曲線は、2dの開いた曲線に数学的に変換される。
【0016】
実施形態では、ソフトウェアプログラムを使用するステップにおいて、定義された2d開曲線は、2D形状のグラフィックイメージに変換され、ユーザに送信される。
【0017】
実施形態では、材料のループ上に切断線を作成するために測定手段によって収集されたデータを使用するステップ、すなわちステップ(2)において、ユーザは、2D形状のイメージを紙上に印刷し、その周囲に沿ってそれを切り取る。
【0018】
実施形態では、材料のループ上に切断線を作成するために測定手段によって収集されたデータを使用するステップ、すなわちステップ(2)において、ユーザは、2D形状をベルトの周りに巻き付け、それをベルトのマニュアル切断のためのガイドとして使用する。
【0019】
実施形態では、ユーザの顔の輪郭をトレースするために測定手段を使用するステップ、すなわちステップ(1)、において、電子測定ツールが使用される。
【0020】
実施形態では、ステップ(1)と(2)との間に、数学的表現として顔の3Dモデルを作成するため測定手段によって収集されたデータを使用し、及び3Dモデルから閉じた3D曲線を抽出する追加のステップを、本方法は備える。
【0021】
実施形態では、ステップ(3)において、この方法は、カッティングマシンが3D曲線に従ってベルトを切断するように、カッティングマシン上にベルトを配置し、データをカッティングマシンに転送することを備える。
【0022】
第2の態様では、本発明は、広義には、長時間の皮膚接触に適しており、使用中にマスク本体に接続するように構成された柔らかい素材のループであって、そのループはフェイスマスクが使用される場所の顔の特徴のプロファイルとほぼ一致するプロファイルで形成され、そのループとマスク本体はユーザの顔の少なくとも一部の前に閉じた空間を形成するように相互に構成され、そのループは使用中にユーザの顔に当ててシールを形成するループと、前述のいずれかの方法を使用してそのループから形成されたベルトとを、
備えるフェイスマスク用ベルトにあると言える。
【0023】
第3の態様では、本発明は、広義には、
閉ループまたは実質的に閉ループを形成するように構成されたバー支持構造体と、
複数の細長いバーであって、
そのバーとバー支持構造体は、バーが閉ループの周りで互いに隣接してバー支持構造体上の所定の位置に保持されるように構成され、
そのバー支持構造体は、個々のバーのそれぞれが支持構造体内でバーの長手方向軸に実質的に平行な方向にスライドできるようにさらに構成され、
バーが支持構造体内で伸ばされたときに、各バーの少なくとも一端が自由に突出し、
フェイスマスクのベルトの周囲と実質的に同じサイズのループを形成するようにサイズ設定および構成されたバーの閉じたループとを、
備えるフェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置にあると言える。
【0024】
実施形態では、バー支持構造体およびバーは、バーが特定の位置に押し込まれると、バーをその位置に保持するために、バーと支持構造体との間に十分な摩擦が存在するようにさらに構成される。
【0025】
実施形態では、バーおよび支持構造体は、バーが支持構造体の中央リングから離れる方向に実質的に完全に伸びている開始位置から、バーが支持構造体に向かって完全に押された位置まで、バーが実質的に50 mmの距離を変位することができるように構成される。
【0026】
実施形態では、バーは互いにほぼ平行に配置される。
【0027】
実施形態では、各バーは細長い本体とヘッドを備え、ヘッドは本体より幅が広く、バーと支持構造体はヘッドが実質的に互いに直接隣接するように構成される。
【0028】
実施形態では、顔のフィット性をカスタマイズするための装置はベルトをさらに備え、ベルトは長時間の皮膚接触に適した柔らかい素材の連続閉ループを備え、
ベルトとバー支持構造体は、使用中にベルトがバー支持構造体上に配置され、バーがベルトの外面と実質的に平行に、かつベルトの外面に直接隣接してスライドできるように相互に構成されている。
【0029】
実施形態では、ベルトは、ネオプレン、シリコーンゴム、またはその他の適切な弾性または軟質ポリマーから形成される。
【0030】
実施形態では、ベルトの幅は、実質的にすべての顔の形状およびサイズに必要な形状に切断できるのに十分な幅である。
【0031】
実施形態では、ベルトの最小幅は、ベルトに沿ったどの部分でも 5 mm である。
【0032】
実施形態では、ベルトは、ベルトが使用される場所の顔の特徴にほぼ一致するプロファイルで形成される。
【0033】
実施形態では、ベルトは、ベルトをマスク本体に接続するように構成された少なくとも1つのコネクタをさらに備える。
【0034】
実施形態では、その少なくとも1つのコネクタは雌コネクタを備える。
【0035】
実施形態では、コネクタはさねはぎ接続を備える。
【0036】
第4の態様では、本発明は、広義には、
(1) バーを実質的に完全に伸ばした状態で、装置をユーザの顔に当てて配置し、
(2) バーが内側にスライドして、必要な位置の閉ループの周りにユーザの顔の輪郭に適合する全体的な形状を形成するように、装置をユーザの顔に押し付け、
(3) バーの閉ループ内に長時間の皮膚接触に適した柔らかい素材の連続閉ループを備えたベルトを配置し、
(4) ベルトの外面上にバーの外端の周りの線をトレースし、
(5) ベルトを外し、トレースした線に沿って切断し、
(6) ベルトがマスクのシールを形成するように、ベルトをフェイスマスク本体に接続する、
ステップを備える
フェイスマスク用ベルトを形成する方法
にあると言える。
【0037】
実施形態では、フェイスマスク用ベルトを形成する方法は、ステップiv)とv)の間に、バーの周りにストラップまたは類似のものを巻きつけてバーを所定の位置に保持するさらなるステップを含む。
【0038】
第5の態様では、本発明は、広義には、長時間の皮膚接触に適しており、使用中にマスク本体に接続するように構成された柔らかい素材のループであって、そのループはフェイスマスクが使用される場所の顔の特徴とほぼ一致するプロファイルで形成され、そのループとマスク本体はユーザの顔の少なくとも一部の前に閉じた空間を形成するように相互に構成され、そのループは使用中にユーザの顔に当ててシールを形成するループと、前述の方法を使用してそのループから形成されたベルトとを、
備えるフェイスマスク用ベルトにあると言える。
【0039】
したがって、上記の説明に関して、
本発明の部品の最適な寸法関係が理解されるべきであり、
サイズ、材料、形状、形態、機能及び操作の方法、組み立て及び使用のバリエーションを含むことは、当業者には容易に明白かつ自明であるとみなされ、
並びに、図面に示され明細書に記載されているものと同等のすべての関係は、本発明に包含されるものとする。
【0040】
本発明はまた広義には、個別にまたは集合的に、本出願の明細書において参照または示される部分、要素、及び特徴、並びに任意の2つ以上の前記部分、要素、または特徴の任意またはすべての組み合わせにあると言うこともでき、
また、本発明が関連する技術分野において既知の等価物を有する特定のインテジャー(integers)がここにおいて言及されている場合、そのような既知の等価物は、あたかも個別に記載されているかのように、ここにおいて、組み込まれるものとみなされる。
【0041】
したがって、上記は、本発明の原理の単なる例示とみなされる。 さらに、多数の修正および変更が当業者には容易に思い浮かぶので、本発明を示され説明された厳密な構成および動作に限定することは望ましくなく、したがって、すべての適切な修正および均等物が利用され、本発明の範囲内に含まれることになる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明のさらなる態様は、単なる例として与えられる以下の説明と、例として装置の実施形態を示す添付の図面とを参照することによって明らかになるであろう。
【
図1】
図1は、本発明の装置の一部を形成するマスク本体の実施形態を上方および片側から見た斜視図を示し、本体は、容易にするために簡略化された形態で示され、マスク本体は使用時に口や鼻などの顔の一部を覆うように構成され、マスク本体は前面と周囲の側壁を有し、側壁はフィルタ領域を含み、マスク本体の側壁はその外縁に前面に向かって延びる窪んだセクションを有する。
【
図2】
図2は、
図1の本体の別の角度からの側面斜視図を示す。
【
図4】
図4は、
図1から
図3の本体と共に使用されるベルトの形態の一方の側および上方からの斜視図を示し、ベルトは使用時に使用者の顔の周囲にシールを形成するように構成され、ベルトは柔らかく、フレキシブルで圧縮可能な素材で形成され、並びに
図1から
図3の本体の後端の輪郭に適合し及び一致する上端または前端を有し、ベルトは、そのフロントエッジを介して本体の壁のリアエッジに取り付けられる。
【
図5】
図5は、
図4のベルトの別の角度からの斜視側面図を示す。
【
図6】
図6は、使用者の顔の形状に適合するように形成された後縁またはリアエッジに切り欠き部分がある、
図4および
図5のベルトを示す。
【
図7】
図7は、一緒に組み立てられた前述の図の本体及びベルトの一方の側及び上からの斜視図を示す。
【
図8】
図8は、一緒に組み立てられた前述の図の本体及びベルトの一方の側及び下からの斜視図を示す。
【
図9】
図9は、マスクを着用しているときのユーザの顔の曲率を測定するように構成された測定ツールを示し、測定ツールは使用時に多数のバーを保持するように構成されたバー支持構造体を備え、バーのパターンが閉じた周囲の周りのユーザの顔のプロファイルに一致する位置に押し込めることができ、バーは分かりやすくするために表示されず、測定ツールはスリーブを備える本体を備え、それにベルトを嵌め込むことができる。
【
図10】
図10は、
図9の測定ツールを示す図であり、全てのバーが完全に示され、完全に延ばされている。
【
図11】
図11は、
図9および
図10の測定ツールを示す図であり、バーのパターンが閉じた周囲の周りのユーザの顔のプロファイルに一致するように、バーが所定の位置に押された状態が示されている。
【
図12】
図12は、バーによって形成された閉じた周囲に挿入されたベルトを有する
図11の測定ツールを示し、ベルトのエッジのプロファイルがユーザの顔にフィットするように、ベルトを切断することができる位置にバーがベルトの外面上にマーキングする。
【
図13】
図13は、ユーザの顔のプロファイルを測定するために使用される、使用中の電子測定ツールを示す図である。
【
図14】
図14は、写真を撮るための顔の上のパターンを有するステッカーと、ユーザの顔のプロファイルを測定するために使用されるソフトウェア プログラムを示している。
【
図15】
図15は、顔と一致する曲線を有する紙に印刷された2D形状を示す。 2D形状は、ベルトを切断する際のガイドとして、切断してベルトに巻き付けることができる。
【
図16】
図16は、マスク本体を通る空気の流れ図を示している。
【詳細な説明】
【0043】
次に、本発明の実施形態およびその変形について、図面を参照して詳細に説明する。
フェイスマスクのフィット性をカスタマイズするための装置の実施形態が図に示されている。 好ましい実施形態の装置は、3つの主要部分、すなわち、本体1、ベルト5、および測定ツール10を備える。
【0044】
本体
【0045】
本体は、フェイスマスクの剛性または半剛性の本体を形成する。
図1および
図2に示すように、図示の簡略化された実施形態では、本体1は、実質的に平坦な前面部分2を備え、周囲壁8が前面部分2のエッジから延在している。 使用時、本体1は、ストラップまたは類似物(図示せず)を介して着用者/ユーザの顔に固定される。本体は、顔全体へのフィット、鼻と口の周りへのフィット、鼻のみへのフィット、またはその他のタイプのマスクのフィットに適した、さまざまな形状で提供できる。
【0046】
好ましい実施形態では、本体1は、部分的にまたは全体的にプラスチックおよび/またはポリマー材料から形成され、洗浄または滅菌することができる。 前面部2は、着用者の顔が前面を通して見えるように、透明なプラスチックまたはポリマーで形成することができる。 話すときに人の口が他の人に見えるため、これはコミュニケーションやボディランゲージに役立つ。 一貫性および製造の容易さのために、本体全体を透明なプラスチックまたはポリマーから作製することができる。
【0047】
フィルタ部3は、壁8に形成され、マスクが着用されたときに、空気が、壁8と、前面部2と、ベルト5(後述する)によって形成されるシールと、ユーザの顔とによって形成される閉空間に入ることを可能にする。 フィルタセクション3は、壁8に穴又は隙間を備え、壁8は、フィルタ部分3を通って本体1に入る空気がそこを通過しなければならないように、フィルタ又はフィルタ材料の取り付けのためにこれらの領域に適合される。 他の実施形態では、清浄な空気または酸素を離れた場所からマスクに供給することができるように、フィルタセクションをホース又は類似物の取付け点として形成することができることに留意されたい。 本明細書で使用される「フィルタセクション」は、これらのオプションの両方、およびすべての同様のオプションをカバーするのに十分に広いものと解釈されるべきである。
【0048】
正面(例えば、前面上)ではなく、壁8内にフィルタセクション3を有することの1つの利点は、前面部分2が透明である場合、ユーザの顔を見ることができることである。
【0049】
本体内部の空間は、3つのチャンバに分離されている。
1-鼻及び口チャンバ20は、鼻および口の前の空間である。 吸気ガスおよび呼気ガスは、このチャンバ内で混合される。
2-吸気チャンバ21は、吸気ガスのための空間である。吸気チャンバと鼻及び口チャンバとの間には、ガスが吸気チャンバから鼻及び口チャンバに流れることのみを可能にし、反対方向に流れることを可能にしない、一方向弁23がある。 外気は、呼吸のために吸入チャンバに入る前に、フィルタ3によって浄化される。
3-呼気チャンバ22は、呼気ガスのための空間である。 鼻及び口チャンバと呼気チャンバとの間には、ガスが鼻及び口チャンバから呼気チャンバに流れることのみを可能にし、反対方向に流れることを可能にしない、一方向弁23がある。 呼気ガスは、マスクを出る前にフィルタ3によって浄化することができ、または濾過することなく大気に直接送ることができる。
【0050】
壁8は、前面部2から離れた側にリアエッジ4を有する。リアエッジ4は、一般的なユーザの鼻、顎などの顔の特徴に概ね対応する窪みなどを有するように概ね成形される。リアエッジ4は、好ましい実施形態では、以下に説明するようにベルト5を接続するために、雄型コネクタ部9が取り付けられるか、またはそれ自体が少なくとも部分的に雄型コネクタ部として形成される。 雄コネクタ部9は、本体とベルトとの間のさねはぎ接続のためのさねを形成することができる。
【0051】
ベルト
【0052】
図4および
図5に示すように、実施形態では、ベルト5は、壁8のリアエッジ4と実質的に同じサイズ(外周)の連続した閉ループを形成する。 ベルト5は、使用時に、ベルト5が壁8のリアエッジ4から着用者の顔に向かって延びるように、本体1に接続される。ベルト5の目的は、本体1と着用者の顔との間のスペーサ又はシールとして作用することである。 ベルト5は、皮膚と接触しており、マスクを着用することからの圧力を顔の上に広げる。 ベルト5には、ベルト5と本体1とを接続するために、本体の雄コネクタ部9に対応する雌コネクタが形成されている。
【0053】
好ましい実施形態におけるベルト5は、例えば、ネオプレン、シリコーンゴム、または任意の他の好適な弾性もしくは軟質ポリマー等の長期皮膚接触に好適な軟質材料から形成される。
【0054】
ベルト5のフロントエッジ6の、本体1に向かう方向のプロフィールは、本体1の壁8のリアエッジ4と実質的に一致するように形成されている。ベルト5は、雄コネクタ部9がベルト5上の対応する雌部に取り付けられて、ベルト5と本体1とを接続できるように形成されている。
【0055】
図4および
図5の実施形態に示されているように、ベルト5のリアエッジ7は均一な高さであり、へこみ等はない。リアエッジ7は、使用者が自分の顔の曲率および輪郭に合わせて切断できることが意図されている。したがって、ベルトの幅(フロントエッジとリアエッジの間)は、実質的にすべての顔の形状およびサイズに対して、必要な形状に切断できるのに十分な幅である。ベルトを切断した後、ベルト5に沿った任意の点で5 mmの最小幅が残されることが好ましい。
【0056】
いくつかの実施形態では、ベルト5は、
図5に示すように、本体1の鼻や顎、その他の顔の部分に切り欠きがある部分の幅が広くなるように形成されており、ベルト5がその切り欠きを埋めるように形成される。これらの領域におけるベルト5は、
図6に示されるように、ユーザの顔の形状に切断することを可能にするのに十分な幅である。
また、ベルトは、実質的に3 mmの最小厚さ(使用時に平面部2と同じ平面内に大まかに位置合わせされる寸法)を有することが好ましい。すなわち、ベルトは、着用者の顔と接触するところで3 mmの厚さである。
【0057】
図7および
図8に示すように、本体1およびベルト5は、好ましい実施形態では、さねはぎ接続など、雄コネクタ部9と対応する雌コネクタ部を介して押し嵌めまたは摩擦嵌めされ、ベルト5と本体1との間の公差は、2つの間の嵌合が水密及び気密であるが、2つを手で引き離すことができるように形成される。
【0058】
測定ツール
【0059】
測定ツール10は、個々のユーザの顔の輪郭を測定及びトレースするために使用され、その結果、ユーザは、フィット性及び快適性を改善するために、マスクをそれら人々の個々の特徴に合わせて形成することができる。
【0060】
測定ツール10は、
図9から
図12に示されている。測定ツール10は、互いに直接隣接して配置されたいくつかのバー11と、バー11をバー支持構造体上の所定の位置に保持するバー支持構造体12とを備え、閉ループを形成し、各バーは、すぐ隣のバーに直接隣接し、平行している。バー支持構造体12はさらに、個々のバー11のそれぞれが支持構造体12内でその長手軸に平行な方向にスライドできるように構成されている。支持構造体12及びバー11は、バー11が支持構造体12内で自由に摺動することができるように構成されているが、バー11と支持構造体12との間には、バー11が特定の位置に押されたときにその位置にバー11を保持するのに十分な摩擦が存在する。
【0061】
好ましい実施形態では、バー11及び支持構造体12は、バー11が支持構造体12の中央リングから遠ざかって完全に延びた開始位置から、バー11が支持構造体12に向かって完全に押された位置まで、バー11が実質的に50 mmの距離を変位することができるよう構成されている。
【0062】
好ましい実施形態では、バーのそれぞれは、より広いヘッドを有する細長い本体を備える。 これは、バー11の本体が、支持構造体12の本体によって残りのバー11から物理的に分離された別個の位置で支持構造体内に位置することができることを確実にするが、ヘッドが互いに実質的に直接隣接するようにもする。これは、バー11がユーザの顔と接触する部分(以下に説明するように)の範囲が実質的に連続的であることを保証するのに役立つ。
【0063】
図10では、バー11が開始位置で完全に伸ばされた状態が示されている。
使用時、ユーザは、この位置にある全てのバー11を用いて測定プロセスを開始する。次に、ユーザは、好ましい実施形態として
図10に示すように、アセンブリの中心に顔をそっと置き、これを押す(または、これを持ち上げてこれを顔に押し付ける)。 そうすることで、バー11は内側に押され、バー11の先端のパターンは、全体として、バー11のヘッドが顔に接触した位置におけるユーザの顔の輪郭を反映する。
【0064】
図11は、ユーザがこのプロセスを実行した後のバー11の位置を示す。上で概説した通り、バー11と支持構造体12との間の摩擦は、バー11をこの位置から移動させる力が直接加えられない限り、バー11が押された位置に留まるような摩擦である。しかしながら、必要であれば、ストラップまたは弾性バンドなどをバー11の周りに巻き付けて、バー11が所定の位置に確実に留まるようにすることができる。
【0065】
図12に示すように、測定ツール10は、バー11によって形成されたリングの内側に、ベルト5を配置できる中央の空洞またはスリーブを有する。スリーブのアウターエッジのプロファイルは、ベルト5のフロントエッジ6と実質的に一致するように形成されている。
【0066】
図12に示すように、ベルト5は、バー11によって形成される顔のプロファイルの内側および周囲に上向きに延在する。ユーザは、バー 11の端のすぐ上のベルト表面の周囲をなぞることによって、ベルトに自分の顔の輪郭をマークすることができます。
次に、ユーザは、マーキングされたベルト5を測定装置10から取り外し、マーキングされた線に沿って切断して、ユーザ自身の顔のプロファイルに実質的に正確に一致するベルト5を製造することができる。このプロセスが実行されるとき、ベルト5は、全ての点で少なくとも5 mmの最小幅(バー11の頂部の下)を有し、その結果、切断動作が実行された後、ベルトは、任意の点で5 mmの最小幅を有することが好ましい。
測定ツールは、それぞれが異なる顔の輪郭を有する異なるユーザによって使用されることができ、それぞれの個々のユーザは、バーをリセットし(バーを最大限に上方/外側に引っ張り)、それら人々自体の顔の輪郭を描き、次いで、上で概説したように、その輪郭に適合するように新しいベルトを切断する。
【0067】
代替の実施形態では、マスクの面曲率を測定するために、上述の構成の代わりに電子測定ツールを使用することができる。この実施形態では、
図13に示すように、3Dスキャナ13が個人の顔をスキャンして、顔の曲率及びプロファイルを測定する。スキャナは、3Dグラフィックソフトウェアまたはモデリングソフトウェアを使用して、顔の3Dモデルを数学的表現14として作成する。閉じた3D曲線15の関連する幾何学的形状(すなわち、マスクが位置する顔上の線)が顔モデルから抽出される。次に、ベルト5が切断機16に配置され、データがカッターに転送される。カッター16は、個人の顔と一致するベルトを作成するように、3D曲線幾何学形状に従ってベルトを切断する。
あるいは
図14に示されるように、マスク提供者は、顧客のためにストライプのような特定のパターンでマークされたステッカー17を供給することができる。個人は、写真を撮る間、彼/彼女の顔にこれらのステッカー17を貼り付ける。 写真は、正面から撮影される。
【0068】
ソフトウェア プログラムが次のことを行うために使用される。
(1) ステッカーのパターンが写真から抽出される。
(2) 顔面上のステッカーは、平坦なステッカーとは異なるパターンを有する。 例えば、ストライプ間の距離が異なり、線の一部が曲線に変化する。
顔面上の閉じた3D曲線15の数学的表現を定義するため、平坦なステッカーのパターンと顔面上のステッカーのパターンとの違いが解析される。
(3) 次いで、顔面上の閉じた3D曲線15が、顔面の2d開曲線18に数学的に変換される。
(4) 定義された2d開曲線18は、2d形状のグラフィックイメージ19に変換される。
・2D形状の底部曲線18は、顔面の2D曲線18と一致する。
・2D形状の上部曲線は、ベルトのフロントエッジ6から抽出される2D曲線である。
・2D形状19の長さは、ベルト5の円周と同じである。
(5) グラフィックイメージとしての2D形状19が個人に送信され、個人はそれを紙に印刷することができる。
紙(フラット)上の印刷された2D形状19は、その周囲の周りで切り取られ、ベルト5の周りに巻き付けられる必要がある。 個人は、ベルト5を切断するためのガイドとして、巻き付けられた2D形状19を使用することができる。
【0069】
好ましい実施形態において上述した装置および方法は、ユーザの鼻および口を覆うが、目および顔の残りの部分(額など)を自由にするタイプのマスクのためのものである。
【0070】
この装置および方法は、顔の周囲を密閉するタイプのフルフェイスマスク、またはダイビングマスクもしくは水泳ゴーグルなどの目のみを覆うタイプのマスクにも適用可能であることが分かる。この装置および方法は、睡眠時無呼吸マスクなどのマスクにも適しており、このツールは、マスクが人の鼻、頬、人中および上唇、ならびに鼻孔の周りを通過する人の顔の閉じた3次元曲線の幾何学的形状を識別するために使用される。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェイスマスク用の材料の連続閉ループで作られたベルトを形成する方法であって、
(1) ユーザの顔の輪郭をトレースするため測定手段を使用するステップと、
(2) 3 mmの最小厚さを有するベルト上の閉じた3D曲線の切断線を作成するため前記測定手段によって収集されたデータを使用するステップと、
(3) 切断線に沿ってベルトの幅を切断するステップであって、ベルトのリアエッジを顔の曲率と輪郭に合わせてカットでき、ベルトの最小幅はベルト上のどの部分でも 5 mm であるステップと、
(4) 前記ベルトがマスクのシールを形成するように前記ベルトをフェイスマスク本体に接続するステップと、
を備え、
ステップ(1)とステップ(2)との間に、前記方法が、前記顔の3Dモデルを数学的表現として作成するため前記測定手段によって収集された前記データを使用し、及び前記3Dモデルから閉じた3D曲線を抽出するステップをさらに含む、
方法。
【請求項2】
ユーザの顔の輪郭をトレースするために測定手段を使用するステップにおいて、ソフトウェアプログラムが使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(1)とステップ(2)との間に、前記データを解析するためソフトウェアプログラムが使用されるステップと、及び前記閉じた3D曲線を2Dの開いた曲線に数学的に変換するため前記ソフトウェアプログラムを使用するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ユーザの顔の輪郭をトレースするため測定手段を使用する前記ステップにおいて、電子測定ツールが使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(3)において、前記方法は、切断機が前記3D曲線に従って前記ベルトを切断するように、切断機にベルトを配置し、切断機にデータを転送するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
フェイスマスク用ベルトであって、
長時間の皮膚接触に適し、使用時にマスク本体に接続するように構成されたソフトな素材のループで、前記ループは、前記フェイスマスクが使用される位置における顔の特徴に概ね一致するプロファイルで形成され、前記ループ及び前記マスク本体は、ユーザの顔の少なくとも一部の前に閉じた空間を形成するように相互に構成され、前記ループは、使用時にユーザの顔に当ててシールを形成するループと
請求項1に記載の方法を用いて前記ループから形成された前記ベルトを、
備えるフェイスマスク用ベルト。
【請求項7】
ループが、ネオプレン、シリコーンゴム、弾性またはソフトなポリマーから形成される、請求項6に記載のフェイスマスク用ベルト。
【請求項8】
フェイスマスクであって、
本体が実質的に平坦な前面部分を備え、前記前面部分のエッジから周囲壁が延在し、 及び
請求項6に記載のベルトで、前記本体とベルトは押し込み式または摩擦式で嵌合するように構成されることを備える、フェイスマスク。
【請求項9】
フェイスマスクのフィット性カスタマイズ用の装置であって、
閉ループまたは実質的に閉ループを形成するように構成されたバー支持構造体と、
複数の細長いバーであって、前記バーおよびバー支持構造体が、前記バーが前記閉ループの周りで互いに隣接して前記バー支持構造体上の所定の位置に保持されるように構成されている、複数の細長いバーと、
前記バー支持構造であって、前記個々のバーの各々が、前記バーの長手方向軸に実質的に平行な方向に前記支持構造内で摺動することができるようにさらに構成され、各バーの少なくとも1つの端部は、前記バーが前記支持構造内で伸ばされた時に自由に突出する、バー支持構造体と、
フェイスマスクの周囲と実質的に同等のサイズのループを形成するようにサイズ決定および構成された、前記バーの前記閉ループとを、備え、
前記バーの各々は、細長い本体およびヘッドを備え、前記ヘッドは、前記本体よりも幅広であり、前記バーおよび支持構造体は、前記ヘッドが互いに実質的に直接隣接するように構成される、フェイスマスクのフィット性カスタマイズ用の装置。
【請求項10】
フェイスマスク用ベルト形成の方法であって、
(1) 前記バーが実質的に完全に伸ばされた状態で、ユーザの顔に請求項9に記載の装置を当てるステップと、
(2) 前記バーが内側にスライドして、必要な位置における閉ループの周りでユーザの顔の輪郭に適合する全体形状を形成するように、前記装置をユーザの顔に押し付けるステップと、
(3) 長時間の皮膚接触に適したソフトな素材の連続閉ループを有するベルトを前記バーの前記閉ループ内に配置するステップと、
(4) 前記ベルトの外面上の前記バーの外側端部の周りに線をトレースするステップと、
(5) 前記ベルトを除去し、前記トレース線に沿って切断するステップと、
(6) 前記ベルトが前記マスクのシールを形成するように、前記ベルトをフェイスマスク本体に接続するステップを備え、
ステップ(4)とステップ(5)との間に、前記バーを所定の位置に保持するため前記バーの周りにストラップ又は同様のものを巻き付ける、
フェイスマスク用ベルト形成の方法。
【国際調査報告】