(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】二酸化炭素捕捉システムを備えた船舶
(51)【国際特許分類】
F01N 3/26 20060101AFI20240130BHJP
F01N 3/08 20060101ALI20240130BHJP
F01N 3/02 20060101ALI20240130BHJP
F01K 25/10 20060101ALI20240130BHJP
F01D 15/04 20060101ALI20240130BHJP
B01D 53/96 20060101ALI20240130BHJP
B01D 53/14 20060101ALI20240130BHJP
B01D 53/92 20060101ALI20240130BHJP
B63H 21/32 20060101ALI20240130BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
F01N3/26 L
F01N3/08 B
F01N3/02 101
F01K25/10 M
F01D15/04
B01D53/96
B01D53/14 210
B01D53/92 240
B01D53/92 331
B63H21/32 Z
F01N3/24 D
F01N3/24 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542503
(86)(22)【出願日】2022-01-12
(85)【翻訳文提出日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 NO2022050012
(87)【国際公開番号】W WO2022154672
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523263681
【氏名又は名称】カーボン シーシーエス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KARBON CCS LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フライシャー、ヘンリク
(72)【発明者】
【氏名】ボルセス、クヌート エーリク
【テーマコード(参考)】
3G081
3G091
4D002
4D020
【Fターム(参考)】
3G081BC18
3G091AA04
3G091AA18
3G091AA19
3G091AB05
3G091AB12
3G091AB13
3G091AB15
3G091BA13
3G091BA36
3G091CA15
3G091HA15
3G091HB03
4D002AA09
4D002AC10
4D002BA02
4D002BA12
4D002BA13
4D002BA14
4D002BA20
4D002CA07
4D002DA03
4D002DA12
4D002EA02
4D002EA08
4D002GA01
4D002GB03
4D002GB20
4D020AA03
4D020BA01
4D020BA08
4D020BB03
4D020BC01
4D020CB08
4D020CC01
4D020CC05
4D020CC09
4D020CD02
4D020DA03
4D020DB02
4D020DB20
(57)【要約】
本発明は、煙道ガス二酸化炭素捕捉および貯蔵プラントを有する船舶である。船舶は、煙道ガス(FG)を提供するように配置された低速運転ディーゼルまたはガス駆動エンジン(1)などのメインエンジン(1)を備える。煙道ガス(FG)は、熱流体出口(5)を有する煙道ガス熱交換器(6)を介してリボイラ(22)に送られる。煙道ガス熱交換器(6)は、煙道ガス(FG)を冷却するように配置されている。更に、冷却された煙道ガス(FG)は、圧縮された煙道ガス(CFG)にまで圧縮するタービン圧縮機(9)に送られる。タービン圧縮機(9)は、得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)を膨張させる膨張器(10)と同軸を有する。圧縮された煙道ガス(CFG)は、THE(14)の高圧シェルに送られる。THE(14)の高圧シェルは、圧縮された煙道ガス(CFG)を受け入れるように配置されかつ孔が開けられた内壁によって包囲されている燃焼室(13)に接続されている。燃焼室(13)は、燃料供給部(11)と、圧縮された煙道ガス(CFG)を後燃焼させる予混合ガスバーナ(12)とを備える。煙道ガス(CFG)を後燃焼させることで、低速運転ディーゼルエンジンからの残留メタンを燃焼させる。これにより、例えば600℃のCO2で富化される高温の後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)が得られる。後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)は、HTHE(14)において、得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)と熱交換される。そのようなCO2低減煙道ガス(CRFG)は、例えば550℃に加熱されて、タービン膨張器(10)へと送られる。冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)は、1つ以上のCO2吸収塔(20)を通って送られる。CO2吸収塔(20)では、CO2をK2CO3水溶液に交換し、CO2低減煙道ガス(CRFG)を形成し、例えば94℃で再加湿器(19)を介して、例えば140℃でLTHE(17)を介して、更に、例えば300℃でHTHE(14)を介して、約550℃にまで戻されると共に、発電機(8)で電気エネルギを生成する膨張器(10)へと戻される。CO2吸収器(20)は、CO2富化吸収溶液を、例えば1バール(1×105Pa)で動作するCO2ストリッパ(21)に送ると共に、CO2をCO2圧縮機(26)、CO2送出ライン(28)、搭載されたCO2加圧貯蔵タンクに送出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙道ガス二酸化炭素捕捉および貯蔵プラントを有する船舶であって、
煙道ガス(FG)を提供するように配置された低速運転ディーゼルまたはガス駆動エンジン(1)などのメインエンジン(1)と、
排気煙突内に配置された前記煙道ガス(FG)のための排気ブロックおよびブリード弁ユニット(2)と、
前記排気ブロックおよびブリード弁ユニット(2)の後ろに配置された排気ファン(3)と、
煙道ガス熱交換器(6)の前に配置された自己洗浄フィルタ(4)と、
リボイラ(22)に供給するように配置された熱流体出口(5)を有しかつ前記煙道ガス(FG)を冷却するように配置された煙道ガス熱交換器(6)と、
冷却された煙道ガス(FG)のために煙道ガス熱交換器(6)の後ろに配置され、蒸気ドレンを有しかつ煙道ガス(FG)を更に冷却するように配置された煙道ガス冷却器(7)と、
更に冷却された煙道ガス(FG)を圧縮された煙道ガス(CFG)にまで圧縮するために配置され、得られたCO
2低減煙道ガス(CRFG)を膨張させるように配置された膨張器(10)と同軸を有する圧縮機(9)と、
圧縮機(9)の後ろに配置され、圧縮された煙道ガス(CFG)のために配置された燃焼室(13)の高圧シェルに接続されているHTHE(14)の高圧シェルと、
前記燃焼室(13)は、圧縮された煙道ガス(CFG)を受け入れるように配置されかつ孔が開けられた内壁によって包囲され、
前記燃焼室(13)は、燃料供給部(11)と、圧縮された煙道ガス(CFG)を後燃焼させるように配置されかつ低速運転ディーゼルエンジンからの残留メタンを燃焼させるように配置された予混合ガスバーナ(12)とを備え、
前記燃焼室(13)は、CO
2で富化された高温の後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を生成するように配置され、
前記後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)は、CO
2低減煙道ガス(CRFG)を加熱し更に加熱されたCO
2低減煙道ガス(CRFG)を膨張器(10)に送るように配置されたHTHE(14)において、戻りの得られたCO
2低減煙道ガス(CRFG)と熱交換されるように準備され、
前記HTHE(14)は、前記後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を冷却し、
前記HTHE(14)は、更に、冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)のNO
X含有量を低減するように配置されたSCR(16)に接続され、
後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を更に冷却するように配置されたLTHE(17)であって、前記HTHE(14)に送られる冷却された戻りの得られたCO
2低減煙道ガス(CRFG)と熱交換するように配置されたLTHE(17)と、
冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を更に冷却するように配置され、更に、1つまたは複数のCO
2吸収器カラム(20)を通して送られる冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を送るように配置された凝縮器(18)であって、CO
2吸収器カラム(20)は、CO
2をK
2CO
3水溶液に交換すると共にCO
2低減煙道ガス(CRFG)およびCO
2富化吸収溶液を形成するように配置され、更に、CRFGを、再加湿器(19)、前記LTHE(17)及び前記HTHE(14)を介して、発電機(8)で電気エネルギを生成するように配置された膨張器(10)に戻すように配置されている、凝縮器(18)と、
CO
2吸収器(20)は、CO
2富化吸収溶液をCO
2ストリッパ(21)に流すように配置され、更に、CO
2を、CO
2圧縮機(26)、CO
2送出ライン(28)及び搭載されたCO
2圧力貯蔵タンクに送出するように配置され、
リボイラ(22)は、出口(5)からの熱流体を循環させると共に冷却されたCO
2リーン吸収流体をポンプに戻すように配置されたCO
2ストリッパ(21)を加熱するように配置され、ポンプは、吸収剤であるK
2CO
3水を熱交換器(23)に送り出すことで吸収塔(20)の頂部へと戻すように配置されている、船舶。
【請求項2】
請求項1に記載の煙道ガス二酸化炭素捕捉および貯蔵プラントにおいて、
前記膨張器(10)は、前記リボイラ(22)内の電気加熱要素への電力ケーブルを介して前記リボイラ(22)に電気エネルギを供給するように配置された発電機(8)において、エネルギを生成する、煙道ガス二酸化炭素捕捉および貯蔵プラント。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の煙道ガス二酸化炭素捕捉および貯蔵プラントにおいて、
前記リボイラ(22)は、貨物タンクの加熱に必要なエネルギと、貨物ポンプのためのエネルギとを供給するように配置されている、煙道ガス二酸化炭素捕捉および貯蔵プラント。
【請求項4】
船に搭載された二酸化炭素捕捉および貯蔵プラントのための方法であって、
低速運転ディーゼルまたはガス駆動エンジン(1)などのメインエンジン(1)によって煙道ガス(FG)を提供することと、
排気煙突内に配置された排気ブロックおよびブリード弁ユニット(2)を通して前記煙道ガス(FG)を送ることと、
前記排気ブロックおよびブリード弁ユニット(2)の後ろの排気ファン(3)、自己洗浄フィルタ(4)、及びリボイラ(22)に供給する熱流体出口(5)を有しかつ前記煙道ガス(FG)を冷却する煙道ガス熱交換器(6)を通して、蒸気ドレンを有する煙道ガス冷却器(7)内で煙道ガス(FG)を更に冷却することと、
圧縮機(9)内で、更に冷却された煙道ガス(FG)を圧縮された煙道ガス(CFG)にまで圧縮することであって、圧縮機(9)は、得られたCO
2低減煙道ガス(CRFG)を膨張させるように配置されている膨張器(10)と同軸を有することと、
圧縮された煙道ガス(CFG)がHTHE(14)の高圧シェルに送られることであって、HTHE(14)の高圧シェルは、更に、燃焼室(13)の高圧シェルに流体接続されていることと、
前記燃焼室(13)を包囲すると共に孔が開けられた内壁を通して、圧縮された煙道ガス(CFG)を送り込むことと、
燃料供給部(11)、及び低速運転ディーゼルエンジンからの残留メタンを燃焼させる予混合ガスバーナ(12)を用いて、前記燃焼室(13)内で、圧縮された煙道ガス(CFG)を後燃焼させることであって、CO
2で富化された高温の後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)が得られることと、
戻りの得られたCO
2低減煙道ガス(CRFG)を生成して、CO
2低減煙道ガス(CRFG)を加熱し、更に、CO
2低減煙道ガス(CRFG)を前記膨張器(10)に送るHTHE(14)内において、前記後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を熱交換することであって、前記HTHE(14)によって、前記後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)が冷却されることと、
その後、前記HTHE(14)から接続されたSCR(16)内において、冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)のNO
X含有量を低減させることと、
LTHE(17)内で後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を更に冷却し、後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を、前記HTHE(14)に送られる冷却された戻りの得られたCO
2低減煙道ガス(CRFG)と熱交換することと、
凝縮器(18)内で、冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を更に冷却することと、
CO
2をK
2CO
3水溶液に交換すると共にCO
2低減煙道ガス(CRFG)およびCO
2富化吸収溶液を形成する1つまたは複数のCO
2吸収器カラム(20)を通して、冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を流すと共に、CRFGを、再加湿器(19)、前記LTHE(17)及び前記HTHE(14)を介して前記膨張器(10)に戻し、前記膨張器(10)に接続された発電機(8)で電気エネルギを生成することと、
CO
2吸収器(20)からの前記CO
2富化吸収溶液をCO
2ストリッパ(21)に流すことと、CO
2を、CO
2圧縮機(26)、CO
2送出ライン(28)、搭載されたCO
2圧力貯蔵タンクに送出することと、
リボイラ(22)を用いて前記CO
2ストリッパ(21)を加熱して、熱流体出口(5)からの熱流体を循環させ、更に、冷却されたCO
2リーン吸収流体をポンプへと戻すことであって、ポンプは、吸収剤であるK
2CO
3水を熱交換器(23)に送り出してCO
2吸収塔(20)の頂部に戻すものであることと
を備える、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
アフターバーナは、前記CO
2低減煙道ガス(CRFG)が前記膨張器(10)に入る前に、前記HTHE(14)内の前記CO
2低減煙道ガス(CRFG)を加熱して、発電機(8)で電気エネルギを生成し、例えば、生成された電気エネルギは、前記リボイラ(22)内の電気加熱要素を介して、前記リボイラ(22)を加熱するために使用される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、二酸化炭素捕捉システムを備えた船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料、コスト、排気削減のため、ゆっくりとした蒸気処理が輸送の主流となっている。さらに、コスト節約および温室効果ガス(GHG(Greenhouse Gas))排出削減のために奨励される燃料として、LNGが使用されている。しかしながら、メタンは、低速船舶エンジンで完全には燃焼されない。
【0003】
特許文献1は、CO2含有排ガスからCO2を捕捉するための方法およびプラントを開示する。ここでは、排ガスが圧縮されると、その後、排ガスは、吸収器に導入される前に冷却される。流入圧縮排ガスに対抗して再加熱される吸収器から取り出されるリーン排ガスを生成するために、排ガスは、CO2吸収水溶液による対向流に移動させられて、その後、膨張されると共に、大気中に放出される。尚、CO2吸収水溶液は炭酸カリウム水溶液である。また、再生器から取り出される蒸気およびCO2は、冷却水の対向流によって接触冷却器で直接冷却されることで、CO2の圧縮および乾燥のために取り出される冷却されたCO2および蒸気のガス流と、取り出されてフラッシュされる冷却水及び凝縮された蒸気の液体流とが生成され、取り出されたCO2および蒸気のための直接接触冷却器の冷却水として再循環される冷却された液相と、圧縮されて加熱されストリッピング蒸気として再生器に導入される気相とが生成される。
【0004】
特許文献2は、流入煙道ガスからCO2を捕捉するための方法およびプラントを開示する。ここで、煙道ガスは、石炭およびガス火力発電所、セメント工場または精製所からの排気ガスである。流入排気ガスは、冷却され、空気と混合され、圧縮され、その後、ガスおよびまたは液体燃料とともに燃焼室に送られる。燃焼の一部は、捕捉されたCO2と等しい体積の冷却燃焼空気供給により、別々に離れたバーナによって達成される。バーナは燃焼室内の温度を上昇させ、低酸素含有量の排気ガスの燃焼を可能にする。CO2は、ガスタービンによる膨張の前に高い分圧で捕捉されることで、電力を生成し、熱回収ユニット内で蒸気を発生させる。ガスタービンは、入口温度、圧力および流量に関する設計パラメータに近い高効率で動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2017/042163号
【特許文献2】国際公開第2019/172772号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、特に低負荷動作下で、低速駆動する主エンジンの機能性および動作性が改善される、二酸化炭素捕捉システムを備えた船舶を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、添付の特許請求の範囲で定義される。
本発明は、煙道ガス二酸化炭素捕捉および貯蔵プラントを有する船舶である。
船舶は、
煙道ガス(FG)を提供するように配置された低速運転ディーゼルまたはガス駆動エンジン(1)などのメインエンジン(1)と、
排気煙突内に配置された煙道ガス(FG)のための排気ブロックおよびブリード弁ユニット(2)と、
排気ブロックおよびブリード弁ユニット(2)の後ろに配置された排気ファン(3)と、
煙道ガス熱交換器(6)の前に配置された自己洗浄フィルタ(4)と、
リボイラ(22)に供給するように配置された熱流体出口(5)を有しかつ煙道ガス(FG)を冷却するように配置された煙道ガス熱交換器(6)と、
冷却された煙道ガス(FG)のために煙道ガス熱交換器(6)の後ろに配置され、蒸気ドレンを有しかつ煙道ガス(FG)を更に冷却するように配置された煙道ガス冷却器(7)と、
更に冷却された煙道ガス(FG)を圧縮された煙道ガス(CFG)にまで圧縮するために配置され、得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)を膨張させるように配置された膨張器(10)と同軸である圧縮機(9)と、
圧縮機(9)の後ろに配置され、圧縮された煙道ガス(CFG)のために配置された燃焼室(13)の高圧シェルに接続されているHTHE(14)の高圧シェルと、
燃焼室(13)は、圧縮された煙道ガス(CFG)を受け入れるように配置されかつ孔が開けられた内壁によって包囲され、
燃焼室(13)は、燃料供給部(11)と、圧縮された煙道ガス(CFG)を後燃焼させるように配置されかつ低速運転ディーゼルエンジンからの残留メタンを燃焼させるように配置された予混合ガスバーナ(12)とを備え、
燃焼室(13)は、CO2で富化された高温の後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を生成するように配置され、
後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)は、CO2低減煙道ガス(CRFG)を加熱し更に加熱されたCO2低減煙道ガス(CRFG)を膨張器(10)に送るように配置されたHTHE(14)において、戻りの得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)と熱交換されるように準備され、
HTHE(14)は、後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を冷却し、
HTHE(14)は、更に、冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)のNOX含有量を低減するように配置されたSCR(16)に接続され、
後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を更に冷却するように配置されたLTHE(17)であって、HTHE(14)に送られる冷却された戻りの得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)と熱交換するように配置されたLTHE(17)と、
冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を更に冷却するように配置され、更に、1つまたは複数のCO2吸収器カラム(20)を通して送られる冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を送るように配置された凝縮器(18)であって、CO2吸収器カラム(20)は、CO2をK2CO3水溶液に交換すると共にCO2低減煙道ガス(CRFG)を形成するように配置され、更に、戻りのCRFGを、再加湿器(19)、LTHE(17)及びHTHE(14)を介して、発電機(8)で電気エネルギを生成するように配置された膨張器(10)に戻すように配置されている、凝縮器(18)と、
CO2吸収器(20)は、CO2富化吸収溶液をCO2ストリッパ(21)に流すように配置され、更に、CO2を、CO2圧縮機(26)、CO2送出ライン(28)及び搭載されたCO2圧力貯蔵タンクに送出するように配置され、
リボイラ(22)は、出口(5)からの熱流体を循環させると共に冷却されたCO2リーン吸収流体をポンプに戻すように配置されたCO2ストリッパ(21)を加熱するように配置され、ポンプは、吸収剤(K2CO3水)を熱交換器(23)に送り出すことで吸収塔(20)の頂部へと戻すように配置されている。
【0008】
本発明は、船に搭載された二酸化炭素捕捉および貯蔵プラントのための方法である。方法は、
低速運転ディーゼルまたはガス駆動エンジン(1)などのメインエンジン(1)によって煙道ガス(FG)を提供することと、
排気煙突内に配置された排気ブロックおよびブリード弁ユニット(2)を通して煙道ガス(FG)を送ることと、
排気ブロックおよびブリード弁ユニット(2)の後ろの排気ファン(3)、自己洗浄フィルタ(4)、及びリボイラ(22)に供給する熱流体出口(5)を有しかつ煙道ガス(FG)を冷却する煙道ガス熱交換器(6)を通して、蒸気ドレンを有する煙道ガス冷却器(7)内で煙道ガス(FG)を更に冷却することと、
圧縮機(9)内で、更に冷却された煙道ガス(FG)を圧縮された煙道ガス(CFG)にまで圧縮することであって、圧縮機(9)は、得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)を膨張させるように配置されている膨張器(10)と同軸を有することと、
圧縮された煙道ガス(CFG)がHTHE(14)の高圧シェルに送られることであって、HTHE(14)の高圧シェルは、更に、燃焼室(13)の高圧シェルに流体接続されていることと、
燃焼室(13)を包囲すると共に孔が開けられた内壁を通して、圧縮された煙道ガス(CFG)を送り込むことと、
燃料供給部(11)、及び低速運転ディーゼルエンジンからの残留メタンを燃焼させる予混合ガスバーナ(12)を用いて、燃焼室(13)内で、圧縮された煙道ガス(CFG)を後燃焼させることとであって、CO2で富化された高温の後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)が得られることと、
戻りの得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)を生成して、CO2低減煙道ガス(CRFG)を加熱し、更に、CO2低減煙道ガス(CRFG)を膨張器(10)に送るHTHE(14)内において、後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を熱交換することであって、HTHE(14)によって、後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)が冷却されることと、
その後、HTHE(14)から接続されたSCR(16)内において、冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)のNOX含有量を低減させることと、
LTHE(17)内で後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を更に冷却し、後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を、HTHE(14)に送られる冷却された戻りの得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)と熱交換することと、
凝縮器(18)内で、冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を更に冷却することと、
CO2をK2CO3水溶液に交換すると共にCO2低減煙道ガス(CRFG)を形成する1つまたは複数のCO2吸収器カラム(20)を通して、冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を流すと共に、CRFGを、再加湿器(19)、LTHE(17)及びHTHE(14)を介して膨張器(10)に戻し、膨張器(10)に接続された発電機(8)で電気エネルギを生成することと、
CO2吸収器(20)からのCO2富化吸収溶液をCO2ストリッパ(21)に流すことと、CO2を、CO2圧縮機(26)、CO2送出ライン(28)、搭載されたCO2圧力貯蔵タンクに送出することと、
リボイラ(22)を用いてCO2ストリッパ(21)を加熱して、出口(5)からの熱流体を循環させ、更に、冷却されたCO2リーン吸収流体をポンプへと戻すことであって、ポンプは、吸収剤(K2CO3水)を熱交換器(23)に送り出して吸収塔(20)の頂部に戻すものであることと
を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は添付図面に示されている。
【
図1】本発明の一実施形態の簡略化された垂直断面図である。関連するおおよその温度および圧力を図面に示す。
【
図2】本発明の一実施形態による船舶の後部の簡略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明により、煙道ガス二酸化炭素捕捉および貯蔵プラントを有する船舶が提供される。
船舶は、
煙道ガス(FG)を提供するように配置された低速運転ディーゼルまたはガス駆動エンジン(1)などのメインエンジン(1)と、
排気煙突内に配置された煙道ガス(FG)のための排気ブロックおよびブリード弁ユニット(2)と、
排気ブロックおよびブリード弁ユニット(2)の後ろに配置された排気ファン(3)と、
煙道ガス熱交換器(6)の前に配置された自己洗浄フィルタ(4)と、
リボイラ(22)に供給するように配置された熱流体出口(5)を有しかつ煙道ガス(FG)を冷却するように配置された煙道ガス熱交換器(6)と、
冷却された煙道ガス(FG)のために煙道ガス熱交換器(6)の後ろに配置され、蒸気ドレンを有しかつ煙道ガス(FG)を更に冷却するように配置された煙道ガス冷却器(7)と、
更に冷却された煙道ガス(FG)を圧縮された煙道ガス(CFG)にまで圧縮するために配置され、得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)を膨張させるように配置された膨張器(10)と同軸である圧縮機(9)と、
圧縮機(9)の後ろに配置され、圧縮された煙道ガス(CFG)のために配置された燃焼室(13)の高圧シェルに接続されているHTHE(14)の高圧シェルと、
燃焼室(13)は、圧縮された煙道ガス(CFG)を受け入れるように配置されかつ孔が開けられた内壁によって包囲され、
燃焼室(13)は、燃料供給部(11)と、圧縮された煙道ガス(CFG)を後燃焼させるように配置されかつ低速運転ディーゼルエンジンからの残留メタンを燃焼させるように配置された予混合ガスバーナ(12)とを備え、
燃焼室(13)は、CO2で富化された高温の後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を生成するように配置され、
後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)は、CO2低減煙道ガス(CRFG)を加熱し更に加熱されたCO2低減煙道ガス(CRFG)を膨張器(10)に送るように配置されたHTHE(14)で、戻りの得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)と熱交換されるように準備され、
HTHE(14)は後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を冷却し、
HTHE(14)は、更に、冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)のNOX含有量を低減するように配置されたSCR(16)に接続され、
後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を更に冷却するように配置されたLTHE(17)であって、HTHE(14)に送られる冷却された戻りの得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)と熱交換するために配置されたLTHE(17)、
冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を更に冷却するように配置され、更に、1つまたは複数のCO2吸収器カラム(20)を通して送られる冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を送るように配置された凝縮器(18)であって、CO2吸収器カラム(20)は、CO2をK2CO3水溶液に交換すると共にCO2低減煙道ガス(CRFG)を形成するように配置され、更に、戻されたCRFGを、再加湿器(19)、LTHE(17)及びHTHE(14)を介して、発電機(8)で電気エネルギを生成するように配置されている、凝縮器(18)と、
CO2吸収器(20)は、CO2富化吸収溶液をCO2ストリッパ(21)に流すように配置され、更に、CO2を、CO2圧縮機(26)、CO2送出ライン(28)及び搭載されたCO2圧力貯蔵タンクに送出するように配置され、
リボイラ(22)は、出口(5)からの熱流体を循環させると共に冷却されたCO2リーン吸収流体をポンプに戻すように配置されたCO2ストリッパ(21)を加熱するように配置され、ポンプは、吸収剤(K2CO3水)を熱交換器(23)に送り出して吸収塔(20)の頂部に戻すように配置されている。
【0011】
本発明によれば、船に搭載された二酸化炭素捕捉および貯蔵プラントのための方法が提供される。方法は、
低速運転ディーゼルまたはガス駆動エンジン(1)などのメインエンジン(1)によって煙道ガス(FG)を提供することと、
排気煙突内に配置された排気ブロックおよびブリード弁ユニット(2)を通して煙道ガス(FG)を送ることと、
排気ブロックおよびブリード弁ユニット(2)の後ろの排気ファン(3)、自己洗浄フィルタ(4)、及びリボイラ(22)に供給する熱流体出口(5)を有しかつ煙道ガス(FG)を冷却する煙道ガス熱交換器(6)を通して、蒸気ドレンを有する煙道ガス冷却器(7)内で煙道ガス(FG)を更に冷却することと、
圧縮機(9)内で、更に冷却された煙道ガス(FG)を圧縮された煙道ガス(CFG)にまで圧縮することであって、圧縮機(9)は、得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)を膨張させるように配置されている膨張器(10)と同軸を有することと、
圧縮された煙道ガス(CFG)がHTHE(14)の高圧シェルに送られることであって、HTHE(14)の高圧シェルは、更に、燃焼室(13)の高圧シェルに流体接続されていることと、
燃焼室(13)を包囲すると共に孔が開けられた内壁を通して、圧縮された煙道ガス(CFG)を送り込むことと、
燃料供給部(11)、及び低速運転ディーゼルエンジンからの残留メタンを燃焼させる予混合ガスバーナ(12)を用いて、燃焼室(13)内で、圧縮された煙道ガス(CFG)を後燃焼させることであって、CO2で富化された高温の後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)が得られることと、
戻りの得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)を生成して、CO2低減煙道ガス(CRFG)を加熱し、更に、CO2低減煙道ガス(CRFG)を膨張器(10)に送るHTHE(14)内において、後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を熱交換することであって、HTHE(14)によって、後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)が冷却されることと、
その後、HTHE(14)から接続されたSCR(16)内において、冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)のNOX含有量を低減させることと、
LTHE(17)内で後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を更に冷却し、後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を、HTHE(14)に送られる冷却された戻りの得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)と熱交換することと、
凝縮器(18)内で、冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を更に冷却することと、
CO2をK2CO3水溶液に交換すると共にCO2低減煙道ガス(CRFG)を形成する1つまたは複数のCO2吸収器カラム(20)を通して、冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)を流すと共に、CRFGを、再加湿器(19)、LTHE(17)及びHTHE(14)を介して膨張器(10)に戻し、膨張器(10)に接続された発電機(8)で電気エネルギを生成することと、
CO2吸収器(20)からのCO2富化吸収溶液をCO2ストリッパ(21)に流すことと、CO2を、CO2圧縮機(26)、CO2送出ライン(28)、搭載されたCO2圧力貯蔵タンクに送出することと、
リボイラ(22)を用いてCO2ストリッパ(21)を加熱して、出口(5)からの熱流体を循環させ、更に、冷却されたCO2リーン吸収流体をポンプへと戻すことであって、ポンプは、吸収剤(K2CO3水)を熱交換器(23)に送り出して吸収塔(20)の頂部に戻すものであることと
を備える。
【0012】
船舶は、添付の
図1および
図2に示すいくつかの技術的特徴を備える。
例えば、ディーゼルエンジンまたはガス駆動エンジン(1)のような低速運転エンジン(1)などの主エンジン(1)からは、煙道ガス(FG)がもたらされる。
【0013】
煙道ガス(FG)は、排気ブロックおよびブリード弁ユニット(2)を流れる。
煙道ガスは、排気ファンが必要とされる場合には排気ファン(3)を流れ、任意選択の自己洗浄フィルタ(4)を流れる。
【0014】
次に、煙道ガス(FG)は、熱流体出口(5)を有する煙道ガス熱交換器(6)を通って、リボイラ(22)へと流れる。煙道ガス熱交換器(6)は、煙道ガス(FG)を冷却するように配置されている。
【0015】
冷却された煙道ガス(FG)は、更に、蒸気ドレンを有する煙道ガス冷却器(7)を流れることで、たとえば、30℃にまで冷却された煙道ガス(FG)がもたらされる。
次に、冷却された煙道ガス(FG)は、圧縮機(9)を流れることで、例えば12バール(1.2×106Pa)でかつ355℃の圧縮煙道ガス(CFG)にまで圧縮される。
【0016】
圧縮機(9)は、任意選択で、変換ガスタービンのタービン圧縮機である。圧縮機(9)は、タービン膨張器(10)と同軸を有する。膨張器(10)は、得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)を膨張させるためのものである。CRFGは、船から放出される煙道ガスである。このようなタービンを改造することは比較的容易である。
【0017】
圧縮された煙道ガス(CFG)は、HTHE(14)の高圧シェル内を流れ、更に、HTHE(14)に接続された燃焼室(13)の高圧シェルを流れる。これにより、高圧シェルは、過剰な構造破壊温度に晒されることはない。
【0018】
燃焼室(13)は、圧縮煙道ガス(CFG)を受け入れるための孔が開けられた内壁によって包囲されている。孔が開けられた内壁は、比較的低温の高圧シェルによって包囲されている。
【0019】
燃焼室(13)には、燃料供給部(11)と、圧縮煙道ガス(CFG)を後燃焼させるための予混合ガスバーナ(12)とが設けられている。有利には、この燃焼室では、CFGの後燃焼プロセスによって、低速運転ディーゼルエンジンからの残留メタンが焼き尽くされる。
【0020】
CFGの後燃焼プロセスの結果、例えば600℃のCO2で富化された高温の後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)が生成される。
後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)は、HTHE(14)において、戻りの得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)との間で熱交換される。そのようなCO2低減煙道ガス(CRFG)は、例えば550℃に加熱されてタービン膨張器(10)へと送られる。
【0021】
HTHEにおいて、後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)は、例えば350℃にまで冷却される。
冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)は、NOX含有量を低減するSCR(16)を通って流れる。
【0022】
後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)は、低温熱交換器LTHE(17)を通って、更に冷却される。LTHF(17)は、例えば140℃の低温である戻りの得られたCO2低減煙道ガス(CRFG)と熱交換し、例えば300℃にして、更にHTHE(14)へと送る。
【0023】
冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)は、凝縮器(18)において、例えば136℃にまで更に冷却される。
冷却された後燃焼圧縮煙道ガス(ACFG)は、1つ以上のCO2吸収塔(20)を通って送られる。CO2吸収塔(20)では、CO2がK2CO3水溶液に交換されて、CO2低減煙道ガス(CRFG)が形成される。CRFGは、例えば94℃で再加湿器(19)を介して、例えば140℃でLTHE(17)を介して、更に、例えば300℃でHTHE(14)を介して、約550℃にまで戻されると共に、膨張器(10)へと戻される。発電機(8)では電気エネルギを生成することができる。
【0024】
CO2吸収器(20)は、CO2富化吸収溶液を、例えば1バール(1×105Pa)で動作するCO2ストリッパ(21)に流すと共に、CO2圧縮機(26)、CO2送出ライン(28)、搭載されたCO2加圧貯蔵タンク等にCO2を排出する。
【0025】
CO2ストリッパ(21)は、リボイラ(22)によって加熱され、出口(5)から熱流体を循環させると共に、冷却されたCO2リーン吸収流体を、CO2の新たな吸収のため、吸収塔(20)の頂部に戻すために、ポンプおよび吸収剤(K2CO3/水)熱交換器(23)へと戻す。
【0026】
主エンジン(1)における燃焼の後、煙道ガス(酸素含有量約14.8%)は、加圧下で燃焼室(13)/ボイラに送られて、燃焼される。
【実施例】
【0027】
本発明によれば、低速運転される主エンジン(1)の機能性および動作性が、特に低負荷動作下で改善される。主エンジン(1)で燃焼した後、煙道ガス(酸素含有量約14.8%)は、加圧下で燃焼室(13)に送られて、燃焼される。
【0028】
アフターバーナ燃焼室(13)は、2つの主な機能を有しており、一つ目は、CO2捕捉システムのリボイラ(22)のための熱を生成することである。アフターバーナによって、HTHE(14)内のCO2低減煙道ガス(CRFG)が約550℃にまで加熱されてから、CO2低減煙道ガスが膨張器(10)に流入することで、発電機(8)で電気エネルギが生成される。こうして生成された電気エネルギは、CO2ストリッパ(21)を加熱するリボイラ(22)内の電気加熱要素を通して、リボイラ(22)を加熱するために使用される。二つ目は、残留メタンを燃焼させることである。低速運転される船舶用ディーゼルエンジンの重要な問題は、シリンダおよびピストンの一部に機能的な「デッドスペース」を有することである。その結果、追加燃焼なしでメタンの不完全燃焼を回避することは困難である。
【0029】
さらに、リボイラ(22)の容量は、貨物タンクの加熱に必要なエネルギと、貨物ポンプ(EI又は蒸気駆動)のためのエネルギとに適合させるため、増加させることができる。
【0030】
アフターバーナ燃焼室(13)/ボイラー内での煙道ガスの追加の燃焼は、メタンの完全燃焼を確実にする。これは、メタン自己点火温度よりも十分に高い温度での燃焼室における長い反応時間によって、達成される。
【符号の説明】
【0031】
1…排気ガス流量28.3kg/s、11216kWの低速運転船舶用ディーゼルエンジン
2…ブリード弁を有する排気ブロック
3…排気ファン
4…自己洗浄フィルタ
5…リボイラ(22)へと向かう熱流体出口
6…煙道ガス熱交換器
7…蒸気ドレンを有する煙道ガス冷却器
8…発電機/始動エンジン
9…煙道ガス圧縮機
10…煙道ガス膨張器(選択、共通軸で)
11…バーナ(12)への燃料供給
12…予混合ガスバーナ(例えば、ジーメンスHR3)
13…内側有孔シェル及び外側圧力シェルを備え、排気が冷却される燃焼室
14…高圧高温HPHT熱交換器
15…尿素/水等のSCR溶液貯蔵タンク
16…SCR選択的触媒還元ユニット
17…低温熱交換器ガス/ガス
18…凝縮器
19…再加湿器
20…例えば11~12バール(1.1×106~1.2×106Pa)の圧力で作動する吸収塔
21…例えば1バール(1×105Pa)の圧力で動作するCO2ストリッパ
22…煙道ガス熱交換器(6)の出口(5)から熱流体を受け取るリボイラ
23…吸収剤(K2CO3/水)熱交換器
24…吸収性流体パイプ
25…電動モータ
26…CO2圧縮機
27…CO2ガスパイプ
28…貯蔵タンクへのCO2液体パイプ
29…熱流体膨張タンク
30…冷却水ポンプ
31…配電盤および制御室。
【国際調査報告】