(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】六角ループを有する鋼線から形成される鋼線網、製造装置、及び製造方法
(51)【国際特許分類】
E01F 7/04 20060101AFI20240130BHJP
B21F 27/06 20060101ALI20240130BHJP
B21F 31/00 20060101ALI20240130BHJP
B21F 27/12 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
E01F7/04
B21F27/06
B21F31/00 Z
B21F27/12
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023542802
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(85)【翻訳文提出日】2023-08-24
(86)【国際出願番号】 EP2022050445
(87)【国際公開番号】W WO2022152697
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】102021100678.3
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510301231
【氏名又は名称】ジェオブルッグ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ブルン、マリオ
【テーマコード(参考)】
2D001
4E070
【Fターム(参考)】
2D001CB04
2D001PD11
4E070AA01
4E070AB02
4E070AC03
4E070BA13
4E070BD07
4E070FA01
(57)【要約】
本発明は、特に土木目的、好ましくは自然災害防護の分野で使用される、六角網目(16a~d)を備える、鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)から形成される、特に六角金網である鋼線金網(54a~d)に基づいており、鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)が、隣接する鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)と交互に撚られ、鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)が、高張力鋼から形成されるか、又は少なくとも高張力鋼から形成された鋼線コアを有する。六角網目(16a~d)の特に平均の網目幅(18a~d)と、網目幅(16a~d)に対して垂直に測定される六角網目(16a~d)の特に平均の網目高さ(20a~d)とから計算される特に平均の比率が、少なくとも0.75、好ましくは少なくとも0.8であることが提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に土木目的、好ましくは自然災害防護の分野で使用される、六角網目(16a~d)を備える、鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)から形成される、特に六角金網である鋼線金網(54a~d)であって、
前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)が、隣接する鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)と交互に撚られ、
前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)が、高張力鋼から形成されるか、又は少なくとも高張力鋼から形成された鋼線コアを有するものにおいて、
前記六角網目(16a~d)の特に平均の網目幅(18a~d)と、前記網目幅(18a~d)に対して垂直に測定される前記六角網目(16a~d)の特に平均の網目高さ(20a~d)とから計算される特に平均の比率が、少なくとも0.75、好ましくは少なくとも0.8であることを特徴とする、鋼線金網(54a~d)。
【請求項2】
前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)の前記高張力鋼が、少なくとも1,560N/mm
2、好ましくは少なくとも1,700N/mm
2、優先的には少なくとも1,950N/mm
2の引張強度を有することを特徴とする、請求項1に記載の鋼線金網(54a~d)。
【請求項3】
六角網目(16a~d)を画定する撚り領域(24a~d)の特に平均の長さ(22a~d)が、特に前記平均の網目高さ(20a~d)の少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の鋼線金網(54a~d)。
【請求項4】
六角網目(16a~d)を画定する撚り領域(24a~d)の特に平均の長さ(22a~d)が、特に前記平均の網目幅(18a~d)の少なくとも50%、好ましくは少なくとも55%、優先的には少なくとも60%であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の鋼線金網(54a~d)。
【請求項5】
六角網目(16a~d)を画定する撚り領域(24a~d)内の撚り部(28a~d、38a~d、40a~d)の特に平均の長さ(26a~d)が、1.1cm未満、好ましくは1cm未満であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の鋼線金網(54a~d)。
【請求項6】
六角網目(16b~d)を画定する撚り領域(24b~d)が、4つ以上の連続した撚り部(28b~d、38b~d、40b~d、128b~d、130b~d)を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の鋼線金網(54b~d)。
【請求項7】
長手方向(42a~d)において前記六角網目(16a~d)に広がる、前記六角網目(16a~d)の少なくとも1つの特に平均の開き角(44a~d、70a~d)が、少なくとも70度、好ましくは少なくとも80度、優先的には少なくとも90度であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の鋼線金網(54a~d)。
【請求項8】
前記六角網目(16a~d)が、約60mm、約80mm、又は約100mmの特に平均の網目幅(18a~d)を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の鋼線金網(54a~d)。
【請求項9】
前記鋼線(10c~d、12c~d、14c~d)の前記高張力鋼が、ステンレス鋼種で実施されるか、又は少なくともステンレス鋼種のシース(46d)を有することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の鋼線金網(54c~d)。
【請求項10】
前記鋼線(10a、12a、14a;10b、12b、14b)が、防食コーティング(48a;48b)又は防食オーバーレイ(50’a;50’b)を有することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の鋼線金網(54a;54b)。
【請求項11】
前記防食コーティング(48a;48b)が、DIN EN 10244-2:2001-07規格による少なくともクラスB防食コーティングとして、好ましくは、DIN EN 10244-2:2001-07規格によるクラスA防食コーティングとして実施されることを特徴とする、請求項10に記載の鋼線金網(54a~d)。
【請求項12】
前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)の少なくとも2つの小部分が、特に試験において、少なくともN+1回の撚り、好ましくはN+2回の撚り、優先的にはN+4回の撚りを含む、互いの周りへの螺旋状の巻き付けを破断することなく耐え、Nが、切り捨てが適用される場合は、両側の前記六角網目(16a~d)を画定する前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)の撚り数であることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の鋼線金網(54a~d)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の、高張力鋼を含む鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)から、六角網目(16a~d)を備える鋼線金網(54a~d)、特に六角金網を編むための製造装置(52a~d)であって、
鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)と、前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)のそれぞれ反対側に案内される別の鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)とを交互に撚るための撚りユニット(56a~d、58a~d、104a~d)の少なくとも1つのアレイと、
前記撚りユニット(56a~d;58a~d、104a~d)の下流に支持され、新たに編まれた六角網目(16a~d)と係合し、それによって前記鋼線金網(54a~d)を前方に押す又は引っ張るように構成されているドッグ(64a~d)をシース表面(62a~d)に有する少なくとも1つの回転ローラ(60a~d:60’a~d)と、を備えるものにおいて、
前記撚りユニット(56a~d;58a~d、104a~d)が、前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)を過度に回転させるように構成されていること、及び、前記回転ローラ(60a~d:60’a~d)が、特に完成した六角網目(16a~d)の網目幅(18a~d)と比較して、前記六角網目(16a~d)の網目幅(18a~d)を過度に引き伸ばすように構成されていること、の少なくとも一方を含むことを特徴とする、製造装置(52a~d)。
【請求項14】
前記撚り合わせられた鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)の前記過度の回転及び前記六角網目(16a~d)の過度の引き伸ばしの少なくとも一方が、非高張力鋼と比較して実質的に弾性が高い前記高張力鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)の反発を補償するように構成されていることを特徴とする、請求項13に記載の製造装置(52a~d)。
【請求項15】
前記撚りユニット(56a~d、58a~d)が、前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)を互いに少なくともM回撚るように構成され、Mは、式M=U+0.5×Gで得られ、Uは、3以上の奇数の整数であり、好ましくは六角網目(16a~d)を画定する完成した鋼線金網(54a~d)の撚り領域(24a~d)内の撚り部(28a~d、38a~d、40a~d)の数に一致し、Gは、1から3の任意の実数であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の製造装置(52a~d)。
【請求項16】
伸長ユニット(134a~d)が、前記回転ローラ(60a~d、60’a~d)に一体化され、前記回転ローラ(60a~d、60’a~d)の下流に支持されるか、又は別個に配置され、且つ完成した鋼線金網(54a~d)、特に六角金網を少なくとも前記網目幅(18a~d)に平行な方向に、好ましくは少なくとも30%伸長するように構成されていることを特徴とする、請求項13の前文、特に請求項13~15のいずれか一項に記載の製造装置(52a~d)。
【請求項17】
特に請求項13~16のいずれか一項に記載の製造装置(52a~d)を用いて、請求項1~16のいずれか一項に記載の、六角網目(16a~d)を備える鋼線金網(54a~d)、特に六角金網を編むための製造方法。
【請求項18】
前記鋼線金網(54a~d)の製造中に、前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)が、前記鋼線金網(54a~d)の撚り領域(24a~d)で過度に回転されること、及び、前記六角網目(16a~d)が、前記網目幅(18a~d)に平行な方向に過度に引き伸ばされること、の少なくとも一方を含むことを特徴とする、請求項17に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の鋼線金網、請求項13の前文に記載の製造装置、及び請求項17に記載の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1,500N/mm2~1,900N/mm2の引張強度を有する高張力鋼からなる六角金網が記載されている。しかしながら、そこに記載されている六角金網は、網目の幅と高さとの比率が常に0.75よりも小さくなければならない特殊な、特に長尺状の網目形状を有する。前述の特許文献によると、この網目形状は、典型的には60mm×80mm(比率0.75)、80mm×100mm(比率0.8)、又は100mm×120mm(比率0.83)である非高張力鋼線からなる六角金網の従来の網目形状とは大幅に異なる。しかしながら、これらの網目の寸法は、「土木目的の六角網目を有する鋼線網目」に関する欧州規格(EN 10223-3:2013)で明確に指定されている。従って、網目の幅と高さとの比率が0.75未満、即ち、特許文献1に記載されている網目の幅と高さとの比率は、欧州規格の要件を満たしていない。特許文献1に記載されている六角金網では、網目の幅と高さとの比率はわずか0.62である。網目の幅と高さとの比率が0.75以上の場合にのみ、六角金網は規格にも準拠しているため、土木目的で通常使用することができる。それに対して、特許文献1の第9段落に、特許権者の意見として、標準サイズの六角金網は現在、高張力鋼線から製造できないため、高張力鋼線を使用する場合は、異なる(小さい)網目の幅と高さとの比率が絶対に必要であることが明確に記載されている。実際、市場では、そのような寸法の高張力六角金網の需要があるため、(特許文献1)の特許権者は、規格に準拠していないにもかかわらず、(特許文献1)に記載されている、規格に準拠していない六角金網を提供し、販売している。市場では長い間、網目の形状及び網目の寸法に関して、特に網目の幅と高さとの比率に関して、EN 10223-3:2013規格に従った要件を満たすと同時に高強度である六角金網に対する高い需要があることが示されていた。多くの努力にもかかわらず、このような六角金網は、この文献が提出された時点では市場では知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ポーランド国特許発明第235814号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、特に、高張力鋼線からなり、改善された網目形状、特に改善された網目の幅と高さとの比率を有する一般的な鋼線金網を提供することにある。この目的は、特許請求項1、13、及び17の特徴によって本発明に従って達成されるが、本発明の有利な実施及びさらなる発展は従属請求項から得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、特に土木目的、好ましくは自然災害からの防護の分野で使用される、六角網目を備える、鋼線から形成される鋼線金網、特に六角金網に基づいており、鋼線は、好ましくは規則的に、隣接する鋼線と交互に撚られ、鋼線は、好ましくは通常の鋼線であり、鋼線は、高張力鋼で形成されるか、又は少なくとも高張力鋼からなる鋼線コアを有する(例えば、オーバーレイ又はコーティングが設けられた高張力鋼線)。
【0006】
六角網目の特に平均の網目幅と、網目幅に対して垂直に測定される六角網目の特に平均の網目高さとから計算される特に平均の比率が、少なくとも0.75、好ましくは少なくとも0.8であることが提案されている。これにより、有利なことに、特に有利な網目形状、特に、すでに広く普及し、非高強度の分野で十分に実証されている網目形状を有する、高張力鋼線から形成される鋼線金網を提供することが可能となる。有利なことに、このようにして、例えば岩の大きさに依存する、既知の証明された六角金網の保持特性を維持しつつ、六角金網の強度、即ち、例えば引き裂き抵抗又は破断抵抗を大幅に高めることができる。有利なことに、結果として、規格に準拠した網目サイズを有する非高張力六角金網をこれまで使用してきた既存の計画及び設計(例えば、法面防護蛇籠、海岸防護蛇籠、ガリーネット(Flussmatratzen)、石の転がりなど)は、例えば、非高張力六角金網を、大きく変更することなく同じ編目形状の高張力六角金網と直接交換することができるため、単純且つ複雑でない方法で(煩雑な手順を回避して)改良及び/又は強化することができる。例えば、有利なことに、法面防護蛇籠、海岸防護蛇籠、ガリーネット、及び/又は石の転がりでは、特に同一の粒径を有する同一の充填材を使用することが可能である。これにより、有利なことに、コスト及び作業投入量を削減することが可能となる。特に、本発明による鋼線金網は、既知の従来の機械を用いても、特許文献1に記載されている製造装置を用いても製造することができない。従って、本明細書で説明されるさらなる変更及び/又は方法ステップは、本発明による鋼線金網の製造に必要不可欠である。
【0007】
特に、六角網目は、少なくとも実質的に対称な六角形の形状を有する。特に、六角網目は、いずれの場合もやや長尺状のハニカム形状を有する。特に、六角網目は、鋼線金網の金網平面に隙間のないモザイク細工を形成する。「土木目的」とは、特に、建設物に対して行われる計画、実施実績、及び/又は変更を含む目的であると理解されるべきである。自然災害に対する防護における用途の例としては、法面防護蛇籠、石の転がり、海岸防護蛇籠、又はガリーネットなどの前述の蛇籠だけではなく、地形にわたる区間及び貯水池フェンスなども挙げられる。
【0008】
特に、例えば、平均の網目の幅と高さとの比率、平均網目幅、平均網目高さ、六角網目を画定する鋼線金網の撚り領域の平均長さ、撚りの平均長さ、六角網目を画定する鋼線の少なくとも実質的に直線部分から六角網目を画定する鋼線の撚り領域への移行部における鋼線の平均入口曲率、六角網目を画定する鋼線の撚り領域から六角網目を画定する鋼線の少なくとも実質的に直線の別の部分への移行部における鋼線の平均出口曲率、及び/又は六角網目の平均開き角などのパラメータの平均値は、パラメータを有する鋼線金網のいくつかの網目、特に少なくとも3つの網目、好ましくは少なくとも5つの網目、優先的には少なくとも7つの網目、特に好ましくは少なくとも10の網目の平均値から得られ、平均値を得るために使用される網目は、互いに直接隣接しないことが好ましい。
【0009】
「網目幅」は、特に、六角網目を画定する鋼線金網の2つの撚り領域間の距離を意味し、これらの領域は、少なくとも実質的に互いに平行に延在し、六角網目の対向する側に位置する。「網目高さ」は、特に、撚り領域の主な延在方向に平行な方向において互いに対向して位置する、鋼線金網の六角網目の2つの角部間の距離を意味する。特に、六角網目を画定する2本の鋼線の撚りは、その間で網目高さが測定される六角網目の角部で始まり、且つ/又は角部で終了する。特に、鋼線金網の六角網目の網目幅は、鋼線金網の六角網目の網目高さよりも小さい。物体の「主な延在方向」とは、特に本明細書では、物体を完全に囲んでいる最小の幾何学的な直方体の最長の縁に平行に延在する方向であると理解されるべきである。
【0010】
さらに、鋼線の高張力鋼は、少なくとも1,560N/mm2、好ましくは少なくとも1,700N/mm2、優先的には少なくとも1,950N/mm2の引張強度を有することが提案されている。これにより、有利なことに、鋼線金網及び/又は鋼線金網から形成される/鋼線金網を用いて形成される構造物の特に高い安定性を達成することが可能となる。有利なことに、このようにして、例えば自然災害に対して特に有利な防護が達成可能である。
【0011】
例えば、鋼線の高張力鋼が、同時に最大2,150N/mm2の引張強度を有する場合、有利なことに、引張強度の増加に伴って増大する鋼線金網の鋼線の脆性を低いレベルに維持することができる。実験によると、特に、1,700N/mm2~2,150N/mm2、好ましくは1,950N/mm2~2,150N/mm2の特別に選択される狭い範囲の引張強度を有する鋼線を使用する場合、有利なことに、特に高い安定性と同時に限定された脆性との間の特に好ましいバランスをもたらすことが可能であることが示されている。このようなバランスは、特に、あらゆる種類の蛇籠の形成に鋼線金網を利用する場合に特に有利である。例えば、これにより、蛇籠の特に高い充填能力、従って特に大型で安定した構造が可能となり、同時に、例えば石が蛇籠に落ちる落石などの事象の場合に特に破断抵抗が高くなる。
【0012】
さらに、六角網目を画定する撚り領域の長さ、特に平均の長さは、特に平均の網目高さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%、優先的には少なくとも40%であることが提案されている。これにより、有利なことに、鋼線金網の特に高い安定性を達成することが可能となる。有利なことに、このようにして、六角網目の撚り領域における巻き付け曲率を、使用される高張力鋼線の破断リスクが同等に低い(中程度の)範囲に維持することができる。
【0013】
さらに、六角網目を画定する撚り領域の長さ、特に平均の長さは、特に平均の網目幅の少なくとも50%、好ましくは少なくとも55%、優先的には少なくとも60%であることが提案されている。これにより、有利なことに、鋼線金網の特に高い安定性を達成することが可能となる。
【0014】
また、六角網目を画定する撚り領域内の撚りの長さ、特に平均の長さは、1.1cm未満、好ましくは1cm未満であり、好ましくは鋼線の直径が2mm~4mmであることも提案されている。これにより、有利なことに、六角網目を画定する非撚り領域から撚り領域への移行部の入口曲率及び/又は撚り領域から非撚り領域への移行部の出口曲率をそれほど大きくしなくても、網目高さを所望の範囲に維持することが可能となる。有利なことに、このようにして、特に撚り領域の前述の最小長さと併せて、材料に優しい巻き付け曲率と材料に優しい入口曲率及び出口曲率との特に好ましいバランスが達成可能となり、従って、特に鋼線金網の高レベルの全体的な安定性及び/又は全体的な破断抵抗が可能になる。
【0015】
好ましくは、六角網目を画定する鋼線の少なくとも実質的に直線の部分から六角網目を画定する鋼線の撚り領域への移行部における鋼線の特に平均の入口曲率は、六角網目を画定する鋼線の撚り領域から六角網目を画定する鋼線の少なくとも実質的に直線の別の部分への移行部における鋼線の特に平均の出口曲率と少なくとも実質的に等しい。これにより、有利なことに、六角網目の特に高度の対称性を達成することが可能となり、従って、有利なことに、網目高さに沿って互いに対向して位置する鋼線金網の少なくとも2つの引っ張り方向において、好ましくは金網の全方向において、特に均等な耐荷重能力を可能にする。このようにして、有利なことに、設置ミス、例えば180度反転した非対称の鋼線金網の設置を防止することが可能である。「実質的に等しい」とは、この文脈において、曲率の曲率半径の偏差が、特に20%未満、好ましくは15%未満、有利には10%未満、優先的には5%未満、特に優先的には2.5%未満であることを意味する。好ましくは、六角網目を画定する鋼線の少なくとも実質的に直線の部分から六角網目を画定する鋼線の撚り領域への移行部において、鋼線は、六角網目を画定する鋼線の撚り領域から六角網目を画定する鋼線の少なくとも実質的に直線の別の部分への移行部と少なくとも実質的に等しい程度まで曲がる。「少なくとも実質的に等しい程度まで曲がる」とは、特に、この文脈において、鋼線金網の上方から見たときに見える曲がりが、移行部において20%未満、好ましくは15%未満、有利には10%未満、好ましくは5%未満、特に好ましくは2.5%未満しか異ならない曲がり角度を有することを意味する。
【0016】
加えて、六角網目を画定する撚り領域が、特に同じ方向を有する4つ以上の連続した撚り部を備えることが提案されている。これにより、特に、鋼線金網の高い安定性を達成することが可能となる。有利なことに、さらに、撚り領域で鋼線が破断した場合に、撚り領域の撚りが完全に戻る確率を低減することが可能である。好ましくは、六角網目を画定する撚り領域は、好ましくは同じ方向を有する少なくとも5つ又は少なくとも7つの連続した撚り部を含む。「撚り部」とは、特に、1本の鋼線を隣接する鋼線で180度巻き付けることである。好ましくは、2本の鋼線を180度ずつ巻き付けて、2本の鋼線を互いにしっかりと螺旋状に巻き付けることは、撚り部と理解されるべきである。3回の連続した撚り部の場合、各鋼線はそれぞれ他の鋼線によって540度(5回:900度、7回:1260度)巻き付けられる。
【0017】
好ましくは、長手方向において六角網目に広がる、六角網目の少なくとも1つの、特に平均の開き角は、少なくとも70度、好ましくは少なくとも80度、優先的には少なくとも90度である場合、有利なことに、有利な0.75の網目の幅と高さとの比率を維持しつつ、高度の安定性を可能にする。有利なことに、0.75以上の有利な網目の幅と高さとの比率は、同時に十分な長さを有する撚り領域で達成可能であり、従って、鋼線の破断が回避される。長手方向において六角網目に広がる開き角は、特に、一緒になって六角網目(全周)を画定する2本の鋼線が出会う又は分かれる角部の(非撚り)鋼線における角度である。特に、六角網目は、長手方向において六角網目に広がる2つの開き角を有する。特に、長手方向において六角網目に広がる2つの開き角は、少なくとも70度、好ましくは少なくとも80度、優先的には少なくとも90度である。特に、長手方向において六角網目に広がる2つの開き角は、少なくとも実質的に等しい。「実質的に等しい」とは、特に、この文脈において、開き角が、大きさに関して8度、好ましくは6度、有利には4度、優先的には2度の最大偏差で一致することを意味する。六角網目の長手方向は、特に、六角網目の主な延在方向と平行に延在する。
【0018】
従って、長手方向において六角網目に広がる、対向して位置する、六角網目の特に中央の開き角が、最大8度、好ましくは最大6度、優先的には最大4度だけ互いに異なる場合、有利なことに、鋼線金網、特に六角網目の高レベルの対称性が達成可能であり、その結果、有利なことに、特に網目高さに沿って互いに反対側に位置する鋼線金網の少なくとも2つの引っ張り方向、好ましくは鋼線金網の全方向において均等な耐荷重能力を得ることが可能である。
【0019】
六角網目が、約60mm、約80mm、又は約100mmの特に平均の網目幅を有する場合、有利なことに、計画及び建設プロジェクトにおいて鋼線金網の高度且つ迅速な採用を達成することが可能である。有利なことに、このようにして、特に、特に簡単な再計画により、すでに計画又は設計された構造物の簡単な補強が可能になる。特に、六角網目は、EN 10223-3:2013規格に準拠した網目サイズ及び/又は網目形状を有する。特に、本明細書の鋼線は、2mm、3mm、4mm、又は2mm~4mmの値の直径を有する。
【0020】
さらに、鋼線の高張力鋼が、ステンレス鋼種で実施されるか、又は少なくともステンレス鋼種で形成されたシースを有する場合、特に高い耐食性を維持することが可能であり、従って、鋼線金網を含む構造物の特に長い寿命が可能になる。顧客からは100年以上の耐用期間が要求される傾向にあるが、ステンレス鋼種を使用することで理論的には達成可能である。特に、鋼線は、DIN EN 10027-2:2015-07規格による材料番号1.4001~1.4462を有するステンレス鋼、例えば、DIN EN 10027-2:2015-07材料番号1.4301、1.4571、1.4401、1.4404、又は1.4462のうちの1つを有するステンレス鋼から形成される。
【0021】
或いは、鋼線が防食コーティング又は防食オーバーレイを有する場合、有利なことに、長い耐用期間と共に高い耐食性を達成することが可能であり、ステンレス鋼線と比較してコストを低く抑えることができる。特に、防食コーティングは、亜鉛めっき、ZnAlコーティング、ZnAlMgコーティング、又は同等の金属防食コーティングとして実施される。特に、防食オーバーレイは、円周方向に鋼線を取り囲む非金属オーバーレイとして、例えば、プラスチック膜(例えばPVC)又はグラフェン膜として実施される。
【0022】
さらに、防食コーティングは、DIN EN 10244-2:2001-07規格による少なくともクラスB防食コーティングとして、好ましくはDIN EN 10244-2:2001-07規格によるクラスA防食コーティングとして実施されることが提案されている。これにより、有利なことに、特に高い耐食性、従って長い耐用期間を達成することが可能となる。好ましくは、出発物質、即ち曲げられていない鋼線だけではなく、完成した鋼線金網も、クラスB又はクラスA防食コーティングを有する。特に、交互耐侯試験(Klimawechselprufung(rの次のuはウムラウト付き))による試験では、防食層を備える鋼線金網の少なくとも一部は、1,680時間を超える、好ましくは2,016時間を超える、有利には2,520時間を超える、優先的には3,024時間を超える、特に優先的には3,528時間を超える耐食性を有する。「交互耐侯試験」は、特に、好ましくはVDA[ドイツ自動工業会]のVDA233-102推奨で与えられた仕様に従う、防食、特に防食層の耐食性試験を意味し、この試験では、特に、少なくともサブ期間において、少なくとも1つの試験片に塩水霧吹きを煙霧及び/又は噴霧すること、及び/又は少なくともサブ期間において、試験片を室温から氷点下までの温度変化に曝すことを提供する。試験片が曝される温度、相対湿度、及び/又は塩濃度を変更することによって、有利なことに、試験方法の信頼性を向上させることが可能である。特に、試験条件は、特に現場で使用される場合、金網装置が曝される実際の条件に近づけるように適合することができる。試験片は、好ましくは、金網装置の鋼線と少なくとも実質的に同一である鋼線のサブ部分として、優先的には金網装置の鋼線のサブ部分として具体化される。交互耐侯試験は、好ましくは、交互耐侯試験の従来の周辺条件に従って実行され、この周辺条件は、当業者には公知であり、特に2013年6月30日のVDA推奨233-102に記載されている。交互耐侯試験は、特に試験室内で実行される。交互耐侯試験中の試験室内の状態は、特に厳密に管理された状態である。特に、交互耐侯試験では、温度プロファイル、相対湿度、及び塩水霧吹きによる煙霧の期間に関する厳密な仕様に従う必要がある。交互耐侯試験の試験サイクルは、特に7つのサイクルセクションに分けられる。特に交互耐侯試験の試験サイクルは1週間かかる。1つのサイクルセクションは、特に1日かかる。試験サイクルは、3つの異なる試験サブサイクルから構成される。試験サブサイクルは、サイクルセクションを実施する。3つの試験サブサイクルは、少なくとも1つのサイクルA、少なくとも1つのサイクルB、及び/又は少なくとも1つのサイクルCから構成される。試験サイクル中、試験サブサイクルは、サイクルB、サイクルA、サイクルC、サイクルA、サイクルB、サイクルB、サイクルAの順序で連続的に実施される。
【0023】
特にサイクルAは、塩水霧吹き段階を含む。塩水霧吹き段階では、特に試験室内に塩水霧吹きが噴霧される。特に、サイクルA中に噴霧される食塩水は、本明細書では特に、蒸留水中の塩化ナトリウムの溶液として実施され、好ましくは溶液の調製前に沸騰され、優先的には(25±2)℃で最大20μS/cmの電気伝導度を有し、(10±1)g/lの範囲の質量濃度を有する。特に交互耐侯試験用の試験室は、少なくとも0.4m3の内容積を有する。特に試験室での工程中、内部容積は、塩水霧吹きで均一に満たされる。試験室の上部は、好ましくは、表面に生じた液滴が試験片上に落下できないように実施される。有利なことに、塩水霧吹きの噴霧中の温度は、特に試験室内で(35±0.5)℃であり、この温度は、好ましくは、試験室の壁から少なくとも100mmの距離で測定される。
【0024】
サイクルBは特に、作業段階を含み、その間、温度は、室温(25℃)に維持され、相対湿度は、室内の典型的な相対空気湿度(70%)に維持される。特に作業段階では、試験室を開けることができ、試験片を評価及び/又はチェックすることができる。
【0025】
サイクルCは特に、凍結段階を含む。特に凍結段階では、試験室の温度は、0℃未満の値、好ましくは-15℃に維持される。
「耐食性」は、特に、特に2013年6月30日のVDA推奨233-102に従った腐食試験、例えば、試験片の機能が維持される交互耐侯試験中の材料の耐久性として、及び/又は好ましくは、交互耐侯試験中に試験片の腐食パラメータの閾値を下回る期間として理解されるべきである。「機能が維持される」とは、特に、破断抵抗及び/又は脆性のような、金網の機能に関連する試験片の材料特性が実質的に変化しないで維持されると理解されるべきである。「材料特性が実質的に変化しないで維持される」とは、特に、材料パラメータ及び/又は材料特性の変化が、腐食試験前の初期値に対して10%未満、好ましくは5%未満、優先的には3%未満、特に優先的には1%未満であると理解されるべきである。好ましくは、腐食パラメータは、暗褐色の錆び(DBR:dark brown rust)が、特に視覚的に認識できる試験片の表面全体のパーセンテージとして実施される。腐食パラメータの閾値は、好ましくは5%である。従って、耐食性は、好ましくは、試験片の全表面、特に交互耐侯試験において塩水霧吹きに曝露される試験片の全表面の5%に暗褐色の錆び(DBR)が視覚的に認識できるようになるまでの時間間隔を示す。優先的には、耐食性は、交互耐侯試験の開始から試験片の表面に5%のDBRが発生するまでの時間である。
【0026】
特に、使用される防食コーティング鋼線金網の製造方法は、得られる鋼線が、高い引張強度及び厚い防食層にもかかわらず高い破断抵抗を有し、特に、得られる鋼線金網が破断することなく防食層が無傷のままで、鋼線金網の製造工程に耐えられるように、すでに特別に適合されている。この目的のために、例えばコーティング温度は、コーティングされた高張力鋼線のさらなる脆化を低く維持できるように特別に選択される。この目的のために、例えば亜鉛めっきでは、コーティング浴の温度は、特別に通常よりも低く維持される。特に、本明細書のコーティング浴の温度は、各工程ステップにおいて440℃未満、好ましくは435℃未満、有利には430℃未満、優先的には425℃未満に維持される。同時に、本明細書のコーティング浴のコーティング温度は、421℃よりも高く維持される。特に、このためには、コーティング浴の広範囲の温度制御が必要である。特に、鋼線の脆性と強度に影響を与える、コーティング工程中の高張力鋼線からの炭素の追加漏出が考慮される。さらに、コーティングされた鋼線から鋼線金網を製造する方法は、好ましくは、六角網目を編む際の鋼線の破断又は防食層の損傷が可能な限り防止されるように特別に適合される。このために、特に、隣接する鋼線が撚られる撚り速度が、従来の製造工程に比べて遅くされる。特に、撚り速度は、(180度)撚り当たり少なくとも0.5秒、好ましくは(180度)撚り当たり少なくとも0.75秒、優先的には(180度)撚り当たり少なくとも1秒である。
【0027】
クラスB防食コーティングを備える線径が約2mmの鋼線の場合、防食層の面密度は、少なくとも115g/m2である。クラスB防食コーティングを備える線径が約3mmの鋼線の場合、防食層の面密度は、少なくとも135g/m2である。クラスB防食コーティングを備える線径が約4mmの鋼線の場合、防食層の面密度は少なくとも135g/m2である。クラスB防食コーティングを備える線径が約5mmの鋼線の場合、防食層の面密度は、少なくとも150g/m2である。クラスA防食コーティングを備える線径が約2mmの鋼線の場合、防食層の面密度は、少なくとも205g/m2である。クラスA防食コーティングを備える線径が約3mmの鋼線の場合、防食層の面密度は、少なくとも255g/m2である。クラスA防食コーティングを備える線径が約4mmの鋼線の場合、防食層の面密度は、少なくとも275g/m2である。クラスA防食コーティングを備える線径が約5mmの鋼線の場合、防食層の面密度は、少なくとも280g/m2である。
【0028】
特に、使用される鋼線及び鋼線上に適用される防食層は、特に少なくとも1回の試験において、損傷することなく、特に破断することもなく、鋼線のN回のねじりに耐え、Nは、切り捨てが適用される場合は、B×R-0.5・d-0.5として決定することができ、dは、鋼線の直径(mm)であり、Rは、鋼線の引張強度(N×mm-2)であり、Bは、少なくとも960N0.5mm-0.5、好ましくは少なくとも1,050N0.5mm-0.5、有利には少なくとも1,200N0.5mm-0.5、優先的には少なくとも1,500N0.5mm-0.5、特に優先的には少なくとも2,000N0.5mm-0.5の係数である。特に、ねじり試験は、DIN EN 10218-1:2012-03規格及びDIN EN 10264-2:2012-03規格の要件に従って実施される。これにより、特に、DIN EN 10218-1:2012-03規格及びDIN EN 10264-2:2012-03規格に従ったねじり試験と比較して、耐荷重能力に関して大幅に厳密且つより具体的な、適切な鋼線の選択工程を提供することが可能となる。「ねじり」とは、特に、クランプされた鋼線を長手方向軸を中心にねじることを意味する。
【0029】
特に、使用される鋼線及び鋼線上に適用される防食層は、特に少なくとも1回の試験において、損傷することなく、特に破断することもなく、最大8d、好ましくは6d以下、優先的には最大4d、特に好ましくは2d以下の直径を有する少なくとも1つの曲げシリンダの周囲で鋼線をそれぞれ反対方向に少なくとも90度、前後にM回曲げることに耐え、Mは、切り捨てが適用される場合は、C×R-0.5×d-0.5と決定することができ、dは、鋼線の直径(mm)であり、Rは、鋼線の引張強度(Nmm-2)であり、Cは、少なくとも350N0.5mm-0.5、好ましくは少なくとも600N0.5mm-0.5、有利には少なくとも850N0.5mm-0.5、優先的には少なくとも1,000N0.5mm-0.5、特に好ましくは少なくとも1,300N0.5mm-0.5の係数である。特に、逆曲げ試験は、DIN EN 10218-1:2012-03規格及びDIN EN 10264-2:2012-03規格に従って実施される。これにより、特に、DIN EN 10218-1:2012-03規格及びDIN EN 10264-2:2012-03規格に準拠した逆曲げ試験よりも、耐荷重能力に関してかなり厳密且つ/又はより具体的な、適切な鋼線の選択工程を提供することが可能となる。逆曲げでは、鋼線は、好ましくは、同様に実施される2つの対向して位置する曲げシリンダの周りで曲げられる。
【0030】
これに加えて、鋼線の少なくとも2つの小片が、特に試験において、少なくともN+1回のねじり、好ましくはN+2回のねじり、優先的にはN+4回のねじりを含む互いの周りの螺旋状の巻き付けに破断することなく耐えることが提案され、Nは、両側の六角網目を画定する鋼線の撚り数(切り捨てが適用される場合)である。これにより、有利なことに、特に鋼線金網のさらなる変形を開始する事象の場合にも、鋼線金網の高い破断抵抗を保証することが可能になる。さらに、有利なことに、鋼線金網の製造に使用される鋼線が、製造工程中、特にねじり中に破断せず、製造の停止及び/又は製造設備の損傷が起きないようにすることが可能である。さらに、有利なことに、少なくとも0.75の有利な網目の幅と高さとの比率を有する鋼線金網の製造に必要な、使用される鋼線の過度の曲げを実現可能にすることが可能であり、従って、少なくとも0.75の有利な網目の幅と高さとの比率を有する鋼線金網の製造が基本的に可能になる。
【0031】
さらに、高張力鋼を含む鋼線から六角網目を備える鋼線金網、特に六角金網を編むための製造装置が提案され、この製造装置は、鋼線を、そのそれぞれ反対側に案内される別の鋼線と交互に撚るための撚りユニットの少なくとも1つのアレイと、撚りユニットの下流に支持され、新たに編まれた六角網目に係合して、鋼線金網を前方に押したり引っ張ったりするように構成されたシース表面のドッグを有する少なくとも1つの回転ローラとを備え、撚りユニットは、鋼線を過度に回転させるように構成され、且つ/又は回転ローラは、特に完成した六角網目の網目幅と比較して、六角網目の網目幅を過度に引き伸ばすように構成されている。有利なことに、改良された網目形状、特に規格に準拠した網目の幅と高さとの比率を有する高張力鋼線からの鋼線金網の製造が、このようにして可能になる。特に、撚りユニットは、六角網目を部分的に確定する撚り領域を形成するように構成されている。特に、各撚りユニットは、2つの半シェル撚り要素を備え、そのそれぞれが鋼線を案内し、撚りのために共通の回転軸の周りと2つの別個の回転軸の周りで交互に巻き付けられ、特に互いに別々に巻き付けられる場合、半シェルのそれぞれは、隣接する撚りユニットの半シェルと結合される。特に、回転ローラの回転軸は、撚りユニットの回転軸に対して少なくとも実質的に垂直に配向される。撚りユニットが鋼線を「過度に回転する」ように構成されているということは、特に、撚り工程中に撚りユニットによってもたらされる回転角度が、完成した鋼線金網の六角網目を画定する撚り領域の全回転角度よりも大きいと理解されるべきである。回転ローラが六角網目の網目幅を「過度に引き伸ばす」ように構成されているということは、特に、回転ローラによって、特に回転ローラのドッグによって鋼線金網に形成される網目幅が、完成した鋼線金網の六角網目の網目幅よりも大きいと理解されるべきである。「構成された」とは、特に、特別に設計及び/又は装備されることを意味する。物体が特定の機能用に構成されているということは、特に、物体が少なくとも1つの適用状態及び/又は動作状態において前記特定の機能を遂行及び/又は実行すると理解されるべきである。
【0032】
本明細書において、撚り合わせられた鋼線の過度の回転及び/又は六角網目の過度の引き伸ばしが、非高張力鋼と比較して実質的に弾性が高い高張力鋼線の反発を補償するように構成されている場合、有利なことに、改良された網目形状、特に従来の方法では不可能であった規格に準拠した網目の幅と高さとの比率を有する高張力鋼線からの鋼線金網の製造が可能になる。特に、使用される各鋼線の材料、引張強度、鋼線の太さに応じた反発効果が可能な限り完全に補償されるように、過度の回転/撚りの寸法が選択される。
【0033】
これに関連して、撚りユニットは、鋼線を互いに少なくともM回撚るように構成されていることが提案され、Mは、式M=U+0.5×Gによって得られ、Uは、3以上の奇数の整数であり、好ましくは六角網目を画定する完成した鋼線金網の撚り領域内の撚り部の数に一致し、Gは、1から3の任意の実数である。その結果、特に2mm~4mmの太さを有する高張力鋼線の反発効果の十分な補償が、有利に達成可能である。好ましくは、Gは、1.5以上、好ましくは2以上である。
【0034】
単独で、又は少なくとも1つと組み合わせた、特に本発明の残りの態様の1つと組み合わせた、特に本発明の任意の数の残りの態様と組み合わせた、本発明のさらなる態様では、製造装置が、回転ローラに一体化され、回転ローラの下流に支持されるか、又は回転ローラとは別個に配置され、且つ完成した鋼線金網、特に六角金網を少なくとも網目幅に平行な方向に、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも55%伸長するように構成された伸長ユニットを備えることが提案されている。特に、伸長ユニットは、網目幅と平行に延在する方向に互いに後ろに配置されるか、又は互いに後ろに離間して配置された鋼線金網のいくつかの網目を同時に掴んで伸長するように構成されている。好ましくは、金網のすべての六角網目の少なくとも大部分が直接伸長される。「直接伸長される」という用語は、特に、伸長ユニットが網目に直接接触し、これらの網目を別の網目の伸長とは独立して伸長することであることを理解されるべきである。「大部分」は、特に10%、好ましくは20%、有利には30%、特に有利には50%、優先的には66%、特に優先的には85%を意味する。
【0035】
さらに、特に製造装置を用いて、六角網目を備える鋼線金網、特に六角金網を編むための製造方法が提案されている。これにより、有利なことに、特に非高張力の分野ではすでに広く使用されており、十分に実証されている、特に有利な網目形状を有する、高張力鋼線からなる鋼線金網を提供することが可能となる。
【0036】
鋼線金網の製造中に、鋼線が鋼線金網の撚り領域で過度に回転された場合、及び/又は六角網目が網目幅に平行な方向に過度に引き伸ばされた場合、これは、有利なことに、これまで知られていた方法では実現できなかった、改善された網目形状、特に規格に準拠した網目の幅と高さとの比率を有する高張力鋼線からの鋼線金網の製造を可能にする。
【0037】
本発明による鋼線金網、本発明による製造装置、及び本発明による製造方法は、本明細書では、上記の用途及び実施に限定されるものではない。特に、本明細書で説明される機能を実現するために、本発明による鋼線金網、本発明による製造装置、及び本発明による製造方法は、本明細書で与えられる数とは異なるいくつかの個別の要素、構成要素、及びユニットを含み得る。
【0038】
さらなる利点は、以下の図面の説明から明らかになるであろう。図面には、本発明の4つの例示的な実施形態が例示されている。図面、説明、及び特許請求の範囲には、組み合わせられた複数の特徴が含まれる。当業者は、意図的に特徴も個別に検討し、さらに都合の良い組み合わせを見出すであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】従来技術の六角網目を備える鋼線金網の一部を示す図である。
【
図2】本発明による六角網目を備える鋼線金網の概略平面図である。
【
図3】防食オーバーレイを備える鋼線金網の鋼線の概略断面図である。
【
図4】防食コーティングを備える鋼線金網の鋼線の概略断面図である。
【
図5】ねじり試験を実施するための試験装置の概略図である。
【
図6】六角網目を備える鋼線金網を編むための製造装置の概略側面図である。
【
図7】斜視図による製造装置のさらなる概略図である。
【
図8】回転ローラ及び撚りユニットを備える製造装置の一部の概略的な部分断面詳細図である。
【
図9】代替の回転ローラを備える製造装置の一部の概略的な部分断面詳細図である。
【
図10】六角網目を備える鋼線金網を編むための製造方法の概略フローチャートである。
【
図11】本発明による代替の鋼線金網の概略平面図である。
【
図12】本発明によるさらなる代替の鋼線金網の鋼線の概略断面図である。
【
図13】本発明による追加のさらなる代替の鋼線金網の鋼線の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、特許文献1の出願人の会社(ネクターSp.zo.o.、クラクフ、ポーランド(Nector Sp.zo.o.,Krakow,Poland))によって現在製造販売されている、従来技術の、六角網目216を備える鋼線金網254の一部を示す。鋼線金網254は、高張力鋼から形成される鋼線210、212、214から製造される。鋼線金網254は、網目幅218及び網目高さ220を有する。従来技術の鋼線金網254の網目の幅と高さとの比率は、0.75よりもかなり小さい。従来技術の鋼線金網254の網目の幅と高さとの比率は約0.5である。
【0041】
図2は、本発明による鋼線金網54aを概略的に示す。鋼線金網54aは、土木目的で使用されるように構成されている。鋼線金網54aは、自然災害防護の分野で使用されるように構成されている。鋼線金網54aは、六角金網として実施される。鋼線金網54aは、六角網目16aを備える。鋼線金網54aは、鋼線10a、12a、14aから形成される。鋼線10a、12a、14aは、高張力鋼から形成される。鋼線10a、12a、14aが形成される高張力鋼の引張強度は、少なくとも1,700N/mm
2であり、最大で2,150N/mm
2である。図示されている例では、鋼線10a、12a、14aは、引張強度が約1,950N/mm
2の高張力鋼から形成される。加えて、高張力鋼で形成された鋼線10a、12a、14aが、(非高張力)防食オーバーレイ50’a(
図4を参照)又は(非高張力)防食コーティング48a(
図3を参照)を有することも考えられる。鋼線10a、12a、14aが防食コーティング48aを備える場合、防食コーティング48aは、10244-2:2001-07規格による少なくともクラスB防食コーティングとして実施される。
図3に例示的に示されている例では、防食コーティング48aは、DIN EN 10244-2:2001-07規格によるクラスA防食コーティングとして実施される。
【0042】
六角網目16aを形成するために、鋼線金網54aの鋼線10a、12a、14aが、鋼線金網54aの隣接する鋼線10a、12a、14aと交互に撚られる。撚り合わせられた鋼線10a、12a、14aは、撚り領域24aを形成する。撚り領域24aはそれぞれ、少なくとも3つの連続する撚り部28a、38a、40aを含む。各撚り部28a、38a、40aでは、鋼線金網54aの鋼線10a、12a、14aが、鋼線金網54aの別の鋼線10a、12a、14aの周りに180度巻き付けられている。
図2に示される例では、撚り領域24aは、正確に3つの撚り部28a、38a、40aを含む。撚り部28a、38a、40aのそれぞれは、長さ26aを有する。撚り部28a、38a、40aの長さ26aはほぼ等しい。撚り部28a、38a、40aの形状はほぼ等しい。いくつかの六角網目16aの撚り領域24a内の撚り部28a、38a、40aの平均長さ26aは1.1cm未満である。
【0043】
鋼線金網54aの六角網目16aは、網目高さ20aを有する。網目高さ20aは、網目幅18aに対して垂直に測定される。網目高さ20aは、六角網目16aの最大開口長として実装される。網目高さ20aは、六角網目16aの全周を画定する2本の鋼線10a、12aの撚り部28a、38a、40a(撚り領域24aとは異なる)が始まる六角網目16aの角部66aと、六角網目16aの全周を画定する鋼線10a、12aの撚り部28a、38a、40a(撚り領域24aとは異なる)が終了する六角網目16aの別の角部68aとの間で測定される。
【0044】
撚り領域24aはそれぞれ、2つの対向する側で六角網目16aを画定する。各撚り領域24a(例外の可能性:鋼線金網54aの縁部)は、同時に2つの隣接する六角網目16aを画定する。撚り領域24aのそれぞれは、長さ22aを有する。撚り領域24aの長さ22aはほぼ等しい。六角網目16aを画定する撚り領域24aの平均長さ22aは、鋼線金網54aのいくつかの六角網目16の平均網目高さ20aの少なくとも30%である。
【0045】
鋼線金網54aの六角網目16aは、網目幅18aを有する。網目幅18aは、六角網目16aを画定する2つの撚り領域24a間の最短距離として実施される。六角網目16aを画定する撚り領域24aの平均長さ22aは、鋼線金網54aのいくつかの六角網目16aの平均網目幅18aの少なくとも50%である。六角網目16aの平均網目幅18aは、典型的には、約60mm、約80mm、又は約100mmである。
図2に例示的に示されている例では、網目幅18aは約80mmである。
【0046】
鋼線金網54aのいくつかの六角網目16aの平均網目幅18aと六角網目16aの平均網目高さ20aとの平均比率は少なくとも0.75である。網目幅18aと網目高さ20aから得られる網目の幅と高さとの比率は少なくとも0.75である。
図2に例示的に示されている例では、網目の幅と高さとの比率は0.8である。
【0047】
六角網目16aは、その長手方向42aにおいて六角網目16aに広がる第1の開き角44aを有する。長手方向42aは、鋼線金網54aの製造方向、即ち、後に製造された撚り領域24aから先に製造された撚り領域24aへ向かう方向を指す。或いは、長手方向42aは、反対方向を指し得る。第1の開き角44aは、長手方向42aのさらに前方に位置する角部66aの六角網目16aに広がる開き角である。六角網目16aは、長手方向42aにおいて六角網目16aに広がる第2の開き角70aを有する。第2の開き角70aは、長手方向42aのさらに後方に位置する角部68aの六角網目16aに広がる開き角である。2つの開き角44a、70aは、六角網目16aの対向する角部66a、68aに位置する。
【0048】
鋼線金網54aのいくつかの六角網目16aの平均の第1の開き角44aは少なくとも70度である。
図2に示される例では、第1の開き角44aは約90度である。鋼線金網54aのいくつかの六角網目16aの平均の第2の開き角70aは少なくとも70度である。
図2に示される例では、第2の開き角70aは約90度である。長手方向42aにおいて六角網目16aに広がる、対向して位置する、六角網目16aの平均の開き角44a、70aは互いに最大8度異なる。
図2に示される例では、六角網目16aの対向して位置する開き角44a、70aはほぼ等しい。
【0049】
長手方向42aに沿って見ると、鋼線金網54aの六角網目16aの全周を画定する2本の鋼線10a、12aはそれぞれ、移行部72aにおいて、六角網目16aのそれぞれ対向して位置する側に入口曲率30aを有し、それぞれの鋼線10a、12aは、六角網目16aを画定するそれぞれの鋼線10a、12aの少なくとも実質的に直線の部分32aから、六角網目16aを画定する鋼線10a、12aの撚り領域24aまで延びている。長手方向42aに沿って見ると、鋼線金網54aの六角網目16aの全周を画定する2本の鋼線10a、12aはそれぞれ、別の移行部74a(移行部72aとは異なる)において、六角網目16aのそれぞれ対向する側に出口曲率34aを有し、それぞれの鋼線10a、12aは、六角網目16aを画定する撚り領域24aから、六角網目16aを画定する鋼線10a、12aの少なくとも実質的に別の直線の部分36aまで延びている。いくつかの六角網目16aの鋼線10a、12a、14aの平均入口曲率30a及び平均出口曲率34aはほぼ等しい。
【0050】
鋼線金網54aの鋼線10a、12a、14aは、網目の幅と高さとの比率が0.75以上の六角網目16aの製造に適した破断抵抗を有する。鋼線金網54aの鋼線10a、12a、14aは、第1のねじり試験の実施において、鋼線10a、12a、16aの2つの小部分が、少なくともN+1回の撚りを含む互いの周りへの螺旋状の巻き付けに耐えられるように実施され、Nは、切り捨てが適用される場合は、両側の六角網目16aを画定する鋼線10a、12a、14aの撚りの回数である。従って、
図2に示される例では、鋼線10a、12a、14aは、少なくとも4回の撚りに耐える。具体的には、鋼線の各バッチに対して、鋼線金網54aの製造に使用する前に最初のねじり試験が実施される。この目的のために、鋼線バッチの鋼線10a、12a、14aの2つの小部分の両端が、試験装置76a(
図5を参照)でクランプされ、鋼線10a、12a、14aの少なくとも1本の断線が検出されるまで一緒にねじられる。
【0051】
さらに、鋼線金網54aの鋼線10a、12aは、第2のねじり試験の実施において、鋼線10a、12a、14aの2つの小部分が、少なくとも3回、好ましくは少なくとも5回、優先的には少なくとも7回の前後の撚りを含む、鋼線10a、12a、14aの互いの周りへの螺旋状の巻き付け及び巻き戻しに耐えられるように実施される。鋼線10a、12a、14aの試験片は、本明細書では、それぞれ180度互いに交互に巻き付けられ、そして巻き戻される。2つの撚り方向のうちの1つの180度の撚りが、本明細書では、前後の1回の撚りとしてカウントされる。第2のねじり試験の実施ではまた、鋼線バッチの鋼線10a、12a、14aの2つの小部分の両端が、試験装置76aでクランプされ、鋼線10a、12a、14aの少なくとも1本の断線が検出されるまで前後にねじられる。一方、この利点により、鋼線10a、12a、14aが、本発明による鋼線金網54aの製造中、特に鋼線10a、12a、14aの過度の回転によって断線せず、且つ/又は鋼線金網54aの過度の引き伸ばしで断線しないようにする。他方、このようにして、有利なことに、本発明による鋼線金網54aが、例えば、塑性変形及び/又は弾性変形を伴う事象(例えば、落石)の場合にも十分に高い破断抵抗を有するため、十分な保護効果を提供できると述べることが可能である。
【0052】
図5は、第1のよじり試験及び/又は第2のよじり試験を実施するための試験装置76aの概略図を示す。試験装置76aは、一対の鋼線10a、12aを位置固定及び回転固定して保持するための2つの鋼線保持装置78a、80aを備える。それぞれのねじり試験が開始される前に、鋼線保持装置78a、80aに保持された鋼線10a、12aは、並べられて互いに平行に案内される。それぞれのねじり試験が実施される場合、2つの鋼線保持装置78a、80aのうちの一方は、回転方向に固定された状態で保持されるが、2つの鋼線保持装置78a、80aのうちの他方は、鋼線保持装置78a、80aによって保持された鋼線10a、12aの最初の長手方向82aに並行に延在する回転軸を中心に回転させられる。
【0053】
図6は、六角網目16aを備える鋼線金網54aを編むための、特に高張力鋼からなる鋼線10a、12a、14aから六角金網を編むための製造装置52aの概略側面図を示す。製造装置52aは、出発材料の少なくとも一部、例えば少なくとも鋼線10aを供給するための第1の鋼線供給装置84aを備える。第1の鋼線供給装置84aは、巻回された高張力鋼線10aを有する少なくとも1つのボビン86aを回転可能に、特に巻き出し可能に収容するように構成されている。製造装置52aは、鋼線整合装置88aを備える。鋼線整合装置88aは、予めコイル状に巻かれた鋼線10aを少なくとも部分的に真直にするように構成されている。製造装置52aは、第2の鋼線供給装置90aを備える。第2の鋼線供給装置90aでは、鋼線12aが螺旋状に巻かれている。
【0054】
製造装置52aは、撚りユニット56a、58aのアレイを備える(
図8も参照)。撚りユニット56a、58aは、鋼線供給装置84a、90aから供給される鋼線10a、12aを互いに撚るように構成されている。撚りユニット56a、58aは、それぞれ1本の鋼線10aを、鋼線10aのそれぞれ反対側に案内される別の鋼線12a、14aと交互に撚るように構成されている。製造装置52aは、回転ローラ60aを有する。回転ローラ60aは、製造装置52a内の撚りユニット56a、58aの下流側に配置されている。回転ローラ60aは、すでに撚り合わせられた鋼線10a、12a、14aをそれぞれ押したり引いたりするように構成され、好ましくは、この撚られた鋼線10a、12a、14aを撚りユニット56a、58aの撚り領域から引き離す。回転ローラ60aは、連続的に回転するように構成されている。製造装置52aは、金網巻き取り装置92aを備える。金網巻き取り装置92aは、完成した鋼線金網54aを回転ローラ60aから受け取り、鋼線金網54aを金網ロール94aに巻き取るように構成されている。
【0055】
図7は、製造装置52aのさらなる概略図を斜視図で示す。
図8は、製造装置52aの一部の部分断面詳細図を概略的に示す。
図8に示されている部分には、3つの撚りユニット56a、58a、104aが例示されている。第1の撚りユニット56aは、2つの撚り要素96a、98aを備える。第1の撚りユニット56aに隣接して配置された第2の撚りユニット58aも、2つの撚り要素100a、102aを備える。撚りユニット56a、58a、104aのうちの1つの撚り要素96a、98a、100a、102aはそれぞれ、円筒形の半シェル部分要素として実施されている。撚りユニット56a、58a、104aのうちの1つの撚り要素96a、98a、100a、102aはそれぞれ、単一の鋼線10a、12a、14aを案内する。
図8において前方に位置する撚り要素96a、100aは、ボビン86aから巻き出されて真直にされた1本の鋼線10a、14aをそれぞれ案内する。
図8において後方に位置する撚り要素98a、102aは、螺旋状に自由に巻回された鋼線12aを案内する。
図8において後方に位置する撚り要素98a、102aは、長手方向に移動可能に支持されたレール106a上に配置されている。撚り要素98a、102aは、レール106aの移動と共に案内される。レール106aは、その長手方向軸に沿って両方向に前後に移動することができる。レール106aは、回転ローラ60aの回転軸108aに平行な両方向に前後に移動することができる。レール106aは、撚りユニット56a、58a、104aの回転軸110aに対して垂直な両方向に前後に移動することができる。レール106aの移動において、異なる撚り要素96a、98a、100a、102aが交互に結合される。例えば、まず、第1の撚りユニット56aに属する2つの撚り要素96a、98aが結合され、対応する鋼線10a、12aが撚られる。次に、第1の撚りユニット56aの撚り要素96aの1つが、レール106aの動きによって、第2の撚りユニット58aの撚り要素102aの1つと結合される。撚り要素96a、98a、100a、102aは、それぞれ結合された後、共有回転軸110aを中心に回転し、その結果、結合された撚り要素96a、98a、100a、102aによってそれぞれ案内される鋼線10a、12a、14aが互いに撚られる。レール106aの撚り及び切り替え中に、回転ローラ60aが回転し、回転しながら鋼線10a、12a、14aを撚りユニット56a、58a、104aから引き離す。
【0056】
撚りユニット56a、58a、104aは、撚り領域24aを形成するために鋼線10a、12a、14aが互いに撚られる撚り工程中に鋼線10a、12a、14aを過度に回転するように構成されている。撚り合わせられた鋼線10a、12a、14aの過度の回転は、撚り工程後に、非高張力鋼と比較して弾性がはるかに高い高張力鋼線10a、12a、14aの反発を補償するように構成されている。撚り合わせられた鋼線10a、12a、14aの過度の回転は、緊密に巻き付けられた撚り領域24aを有する六角網目16aを備えた平面鋼線金網54aを形成するように構成されている。撚りユニット56a、58a、104aは、撚り工程で鋼線10a、12a、14aを少なくともM回互いに撚るように構成され、Mは、式M=U+0.5×Gによって得られ、Uは、3以上の奇数の整数であり、Gは、1から3の任意の実数である。例として示される場合、撚りユニット56a、58a、104aは、撚り工程において鋼線10a、12a、14aを3.5回を超えて撚るように構成されている。例として示される場合、撚りユニット56a、58a、104aは、撚り工程において鋼線10a、12a、14aを約4回撚るように構成されている。
【0057】
回転ローラ60aは、シース表面62aにドッグ64aを有する。ドッグ64aは、鋼線金網54aの新たに編まれた六角網目16aに係合し、それによって撚り工程中に鋼線金網54aを前方に押す又は引っ張るように構成されている。回転ローラ60aは、完成した六角網目16aの網目幅18aと比較して、網目幅18aの方向に六角網目16aを過度に引き伸ばすように構成されている。ドッグ64aは、六角網目16aを網目幅18aの方向に過度に引き伸ばすように構成されている。ドッグ64aは、網目幅18aの方向に六角網目16aの過度の引き伸ばしをもたらす形状を有する。回転ローラ60aの各ドッグ64aの幅は、完成した鋼線金網54aの網目幅18aよりも大きい。六角網目16aの過度の引き伸ばしは、非高張力鋼と比較してかなり弾性が高い高張力鋼線10a、12a、14aの反発を補償するように構成されている。
【0058】
図9は、
図8にも示されている製造装置52aの一部を概略的に示し、製造装置52aは、代替の回転ローラ60’aを備える。製造装置52aは、伸長ユニット134aを備える。伸長ユニット134aは、完成した鋼線金網54aを網目幅18aに平行な方向に伸長するように構成されている。伸長ユニット134aは、完成した鋼線金網54aを少なくとも30%伸長するように構成されている。
図9に例示的に例示されている例では、伸長ユニット134aは、代替の回転ローラ60’aに組み込まれている。伸長ユニット134aは、伸長要素112a、114a、116aを備える。伸長要素112a、114a、116aは、回転ローラ60’aの突起として実施されている。伸長要素112a、114a、116aは、六角網目16aに係合するように構成されている。伸長要素112a、114a、116aは、六角網目16aの撚り領域24aに係合し、六角網目16aを網目幅18aと平行な方向に引き離すように構成されている。例えば、回転ローラ60’aの回転中の伸長要素112a、114a、116aの前後の運動の結果として、鋼線金網54aの個々の六角網目16aが、一時的に過度に引き伸ばされる。或いは、伸長ユニット134aを回転ローラ60aの下流に支持すること、又は伸長ユニット134aを、回転ローラ60a及び撚りユニット56a、58a、104aを備える製造装置52aとは別個に配置することも考えられる。
【0059】
図10は、六角網目16aを備える鋼線金網54aを編むための製造方法の概略フローチャートを示す。少なくとも1つの方法ステップ122aでは、鋼線バッチの2本の鋼線10a、12aが、試験装置76aにクランプされ、第1のよじり試験及び/又は第2のよじり試験が実施される。第1のよじり試験及び/又は第2のよじり試験に合格した場合、試験を経た鋼線バッチの鋼線10a、12aは、本発明による鋼線金網54aの製造に使用され、且つ/又は製造装置52aに供給される。
【0060】
少なくとも1つのさらなる方法ステップ120aでは、1本の(試験を経た)鋼線10aが、第1の撚りユニット56aに供給される。方法ステップ120aでは、別の(試験を経た)鋼線12aが、第1の撚りユニット56aに供給される。少なくとも1つの方法ステップ124aでは、2本の鋼線10a、12aが互いに撚られる。鋼線金網54aの製造において、方法ステップ124aでは、鋼線10a、12aは、鋼線金網54aの撚り領域24aで過度に回転される。方法ステップ124aでは、鋼線10a、12aは、鋼線金網54aの撚り領域24a内で、少なくとも半回、好ましくは少なくとも1回過度に回転される。過度に回転された後、過度に回転された鋼線10a、12aは、高張力鋼の高い弾性により、過度に回転された分だけ自動的に反発し、六角網目16aの本発明による形状がもたらされる。
【0061】
少なくとも1つのさらなる方法ステップ118aでは、形成された鋼線金網54aは、回転ローラ60aのドッグ64aによって撚り領域24aで把持され、回転ローラ60aの動きと共に運ばれる。方法ステップ118aにおいて、六角網目16aは、ドッグ64aによって、特に六角網目16aのドッグ64aへの係合によって、網目幅18aに平行な方向に過度に引き伸ばされる。回転ローラ60aを通過した後、過度に引き伸ばされた六角網目16aは、高張力鋼の高い弾性により、少なくとも引き伸ばされた分だけ自動的に反発し、六角網目16aの本発明による形状がもたらされる。
【0062】
代替的又は追加的に、少なくとも1つのさらなる方法ステップ126aでは、完成した鋼線金網54aの六角網目16aは、追加的又は代替的に伸長される。方法ステップ126aでは、完成した鋼線金網54aの六角網目16aは、回転ローラ60aに一体化された伸長要素112a、114a、116aによって、又は回転ローラ60aとは別個に実施された伸長要素112a、114a、116aによって伸長される。伸長ユニット134aによる伸長後、伸長された六角網目16aは、高張力鋼の高い弾性により、少なくとも伸長した部分だけ自動的に反発し、六角網目16aの本発明による形状がもたらされる。
【0063】
図11~
図13に、本発明のさらに3つの例示的な実施形態が示されている。以下の説明及び図面は、本質的に、例示的な実施形態間の相違に限定されており、同じ名称の構成要素、特に同じ参照番号が付された構成要素に関しては、主に他の例示的な実施形態の図面及び/又は説明、特に
図1~
図10を参照することができる。例示的な実施形態を区別するために、
図1~
図10の参照番号に文字aが付されている。
図11~
図13の例示的な実施形態では、文字aが文字b~dに置き換えられている。
【0064】
図11は、本発明による代替の鋼線金網54bを概略的に示す。鋼線金網54bは、六角網目16bを備える。鋼線金網54bは、鋼線10b、12b、14bから実現される。鋼線10b、12b、14bは、高張力鋼から形成される。六角網目16bの形成では、鋼線金網54bの鋼線10b、12b、14bは、鋼線金網54bの隣接する鋼線10b、12b、14bと交互に撚られる。撚り合わせられた鋼線10b、12b、14bは、撚り領域24bを形成する。代替の鋼線金網54bの撚り領域24bはそれぞれ、4つ以上の連続した撚り部28b、38b、40b、128b、130bを備える。
図11に示される例では、代替の鋼線金網54bの撚り領域24bは、5つの連続する撚り部28b、38b、40b、128b、130bを備える。
【0065】
図12は、本発明によるさらに代替の鋼線金網54cの鋼線10cの断面を概略的に示す。鋼線10cは、高張力鋼から形成される。鋼線10cの高張力鋼は、ステンレス鋼種で実施される。
【0066】
図13は、本発明による追加のさらなる代替の鋼線金網54dの鋼線10dの断面を概略的に示す。鋼線10dは、高張力鋼からなる。鋼線10dは、ステンレス鋼種からなるシース46dを備える。鋼線10dは、非ステンレス鋼種からなるコア132dを有する。シース46dとコア132dの両方の部分、又はコア132dのみを高張力鋼から形成することができる。
【符号の説明】
【0067】
10 鋼線
12 鋼線
14 鋼線
16 六角網目
18 網目幅
20 網目高さ
22 長さ
24 撚り領域
26 長さ
28 撚り部
30 入口曲率
32 直線部分
34 出口曲率
36 別の直線部分
38 撚り部
40 撚り部
42 長手方向
44 開き角
46 シース
48 防食コーティング
50 防食オーバーレイ
52 製造装置
54 鋼線金網
56 撚りユニット
58 撚りユニット
60 ローラ
62 シース表面
64 ドッグ
66 角部
68 角部
70 開き角
72 移行部
74 移行部
76 試験装置
78 鋼線保持装置
80 鋼線保持装置
82 最初の長手方向
84 第1の鋼線供給装置
86 ボビン
88 鋼線整合方向
90 第2の鋼線供給装置
92 金網巻き取り装置
94 金網ロール
96 撚り要素
98 撚り要素
100 撚り要素
102 撚り要素
104 撚りユニット
106 レール
108 回転軸
110 回転軸
112 伸長要素
114 伸長要素
116 伸長要素
118 方法テップ
120 方法テップ
122 方法テップ
124 方法テップ
126 方法テップ
128 撚り部
130 撚り部
132 コア
134 伸長ユニット
210 鋼線
212 鋼線
214 鋼線
216 六角網目
218 網目幅
220 網目高さ
254 鋼線金網
【手続補正書】
【提出日】2022-10-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に土木目的、好ましくは自然災害防護の分野で使用される、六角網目(16a~d)を備える、鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)から形成される
、六角金
網であって、
前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)が、隣接する鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)と交互に撚られ、
前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)が、高張力鋼から形成されるか、又は少なくとも高張力鋼から形成された鋼線コアを有するものにおいて、
前記六角網目(16a~d)の特に平均の網目幅(18a~d)と、前記網目幅(18a~d)に対して垂直に測定される前記六角網目(16a~d)の特に平均の網目高さ(20a~d)とから計算される特に平均の比率が
、少なくとも0.8であ
り、
前記網目幅(18a~d)が、六角網目(16a~d)を画定する2つの撚り領域(24a~d)間の距離であり、前記2つの撚り領域(24a~d)は、少なくとも実質的に互いに平行に延在し、前記六角網目(16a~d)の対向する側に位置し、
前記網目高さが、前記撚り領域(24a~d)の主な延在方向に平行な方向において互いに対向して位置する、前記六角網目(16a~d)の2つの角部(66a-d,68a-d)間の距離であり、
前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)の前記高張力鋼が、少なくとも1,560N/mm
2
の引張強度を有することを特徴とする、
六角金網。
【請求項2】
前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)の前記高張力鋼が
、少なくとも1,700N/mm
2、優先的には少なくとも1,950N/mm
2の引張強度を有することを特徴とする、請求項1に記載の
六角金網。
【請求項3】
六角網目(16a~d)を画定する撚り領域(24a~d)の特に平均の長さ(22a~d)が、特に前記平均の網目高さ(20a~d)の少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の
六角金網。
【請求項4】
六角網目(16a~d)を画定する撚り領域(24a~d)の特に平均の長さ(22a~d)が、特に前記平均の網目幅(18a~d)の少なくとも50%、好ましくは少なくとも55%、優先的には少なくとも60%であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の
六角金網。
【請求項5】
六角網目(16a~d)を画定する撚り領域(24a~d)内の撚り部(28a~d、38a~d、40a~d)の特に平均の長さ(26a~d)が、1.1cm未満、好ましくは1cm未満であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の
六角金網。
【請求項6】
六角網目(16b~d)を画定する撚り領域(24b~d)が、4つ以上の連続した撚り部(28b~d、38b~d、40b~d、128b~d、130b~d)を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の
六角金網。
【請求項7】
長手方向(42a~d)において前記六角網目(16a~d)に広がる、前記六角網目(16a~d)の少なくとも1つの特に平均の開き角(44a~d、70a~d)が、少なくとも70度、好ましくは少なくとも80度、優先的には少なくとも90度であ
り、
前記六角網目(16a~d)の前記長手方向(42a~d)が、前記六角網目(16a~d)の主な延在方向と平行に延在することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の
六角金網。
【請求項8】
前記六角網目(16a~d)が、約60mm、約80mm、又は約100mmの特に平均の網目幅(18a~d)を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の
六角金網。
【請求項9】
前記鋼線(10c~d、12c~d、14c~d)の前記高張力鋼が、ステンレス鋼種で実施されるか、又は少なくともステンレス鋼種のシース(46d)を有することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の
六角金網。
【請求項10】
前記鋼線(10a、12a、14a;10b、12b、14b)が、防食コーティング(48a;48b)又は防食オーバーレイ(50’a;50’b)を有することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の
六角金網。
【請求項11】
前記防食コーティング(48a;48b)が、DIN EN 10244-2:2001-07規格による少なくともクラスB防食コーティングとして、好ましくは、DIN EN 10244-2:2001-07規格によるクラスA防食コーティングとして実施されることを特徴とする、請求項10に記載の
六角金網。
【請求項12】
前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)の少なくとも2つの小部分が、特に試験において、少なくともN+1回の撚り、好ましくはN+2回の撚り、優先的にはN+4回の撚りを含む、互いの周りへの螺旋状の巻き付けを破断することなく耐え、Nが、切り捨てが適用される場合は、両側の前記六角網目(16a~d)を画定する前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)の撚り数であることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の
六角金網。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の、高張力鋼を含む鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)から、六角網目(16a~d)を備え
る、六角金網を編むための製造装置(52a~d)であって、
鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)と、前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)のそれぞれ反対側に案内される別の鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)とを交互に撚るための撚りユニット(56a~d、58a~d、104a~d)の少なくとも1つのアレイと、
前記撚りユニット(56a~d;58a~d、104a~d)の下流に支持され、新たに編まれた六角網目(16a~d)と係合し、それによって前記
六角金網を前方に押す又は引っ張るように構成されているドッグ(64a~d)をシース表面(62a~d)に有する少なくとも1つの回転ローラ(60a~d:60’a~d)と、を備えるものにおいて、
撚り工程中に前記撚りユニット(56a~d;58a~d、104a~d)によってもたらされる回転角度が、完成した六角金網の前記六角網目(16a~d)を画定する前記撚り領域(24a~d)の全回転角度よりも大きくなるように、前記撚りユニット(56a~d;58a~d、104a~d)が、前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)を過度に回転させるように構成されていること、及び、前記回転ローラ(60a~d:60’a~d)が、特に完成した六角網目(16a~d)の網目幅(18a~d)と比較して、前記六角網目(16a~d)の網目幅(18a~d)を過度に引き伸ばすように構成されていること、の少なくとも一方を含
み、
伸長ユニット(134a~d)が、前記回転ローラ(60a~d、60’a~d)に一体化され、前記回転ローラ(60a~d、60’a~d)の下流に支持されるか、又は別個に配置され、且つ完成した六角金網を少なくとも前記網目幅(18a~d)に平行な方向に、少なくとも30%伸長するように構成されていることを特徴とする、製造装置(52a~d)。
【請求項14】
前記撚り合わせられた鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)の前記過度の回転及び前記六角網目(16a~d)の過度の引き伸ばしの少なくとも一方が、非高張力鋼と比較して実質的に弾性が高い前記高張力鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)の反発を補償するように構成されていることを特徴とする、請求項13に記載の製造装置(52a~d)。
【請求項15】
前記撚りユニット(56a~d、58a~d)が、前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)を互いに少なくともM回撚るように構成され、Mは、式M=U+0.5×Gで得られ、Uは、3以上の奇数の整数であり、好ましくは六角網目(16a~d)を画定する完成した
六角金網の撚り領域(24a~d)内の撚り部(28a~d、38a~d、40a~d)の数に一致し、Gは、1から3の任意の実数であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の製造装置(52a~d)。
【請求項16】
特に請求項13~
15のいずれか一項に記載の製造装置(52a~d)を用いて、請求項1~
12のいずれか一項に記載の、六角網目(16a~d)を備え
る、六角金網を編むための製造方法
であって、
前記六角金網の製造中に、前記鋼線(10a~d、12a~d、14a~d)が、前記六角金網の撚り領域(24a~d)で過度に回転されること、及び、前記六角網目(16a~d)が、前記網目幅(18a~d)に平行な方向に少なくとも30%過度に引き伸ばされること、の少なくとも一方を含む、製造方法。
【国際調査報告】