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特表2024-505443ラサギリンの口腔内分散性医薬固体剤形
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】ラサギリンの口腔内分散性医薬固体剤形
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/137 20060101AFI20240130BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20240130BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240130BHJP
   A61K 47/30 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
A61K31/137
A61P25/16
A61K9/20
A61K47/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543215
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 IB2022050769
(87)【国際公開番号】W WO2022162612
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202121004135
(32)【優先日】2021-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】21165160.9
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519263578
【氏名又は名称】インタス ファーマシューティカルズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ルチ ロアス,マリア カルメン
(72)【発明者】
【氏名】フォルモサ マルケス,ザビエル
(72)【発明者】
【氏名】ドミンゲス フェルナンデス,アルムデナ
(72)【発明者】
【氏名】トーレア ゴニ,ディエゴ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA49
4C076BB22
4C076CC01
4C076EE01
4C076EE14
4C076EE48
4C076FF04
4C076FF06
4C076FF33
4C076FF52
4C076FF68
4C076GG05
4C076GG12
4C076GG14
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA29
4C206KA04
4C206KA15
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA54
4C206MA55
4C206MA77
4C206NA10
4C206ZA02
(57)【要約】
本発明は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性医薬固体剤形であって、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する、口腔内分散性医薬固体剤形に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性医薬固体剤形であって、
ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、
(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、
(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、
(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、
ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された、
口腔内分散性医薬固体剤形。
【請求項2】
ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーが、イオン交換樹脂である、請求項1に記載の口腔内分散性医薬固体剤形。
【請求項3】
固体剤形が口腔内分散性錠剤である、請求項1または2のいずれかに記載の口腔内分散性医薬固体剤形。
【請求項4】
剤形当たりのラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量が、ラサギリン遊離塩基の重量に基づいて計算された、0.05~5.0mgである、請求項1から3のいずれかに記載の口腔内分散性医薬固体剤形。
【請求項5】
イオン交換樹脂が、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩対イオン交換樹脂の重量対重量比で、1:1~1:10、好ましくは1:1~1:8、より好ましくは1:3~1:7、およびさらに一層好ましくは1:4~1:6のものである、請求項2から4のいずれかに記載の口腔内分散性医薬固体剤形。
【請求項6】
イオン交換樹脂が、スルホン化ポリスチレンポリマー、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化スルホン化ポリスチレンポリマー、プロトン化スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化ポリメタクリル酸ポリマーおよびプロトン化メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーの、ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩または部分ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩の群から選択される、請求項2から5のいずれかに記載の口腔内分散性医薬固体剤形。
【請求項7】
イオン交換樹脂がスルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーであり、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーが好ましくはポラクリリンナトリウムである、請求項6に記載の口腔内分散性医薬固体剤形。
【請求項8】
口腔内分散性医薬固体剤形中に存在するラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の少なくとも97%w/wが、薬学的に許容されるポリマーで形成されたマトリックス内に捕捉されている、請求項1から7のいずれかに記載の口腔内分散性医薬固体剤形。
【請求項9】
1種または複数の崩壊剤を、剤形の総重量に対して1%~30%w/wの量で含む、請求項1から8のいずれかに記載の口腔内分散性医薬固体剤形。
【請求項10】
前記薬学的に許容される賦形剤が、1種または複数の粒内崩壊剤である、請求項1から9のいずれかに記載の口腔内分散性医薬固体剤形。
【請求項11】
ラサギリンの薬学的に許容される塩が、ラサギリン酒石酸塩またはラサギリンメシル酸塩である、請求項1から10のいずれかに記載の口腔内分散性医薬固体剤形。
【請求項12】
剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、
(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、
(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して85%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、
(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定される、
請求項1から11のいずれかに記載の口腔内分散性医薬固体剤形。
【請求項13】
前記口腔内分散性医薬固体剤形が、2分未満で、特に1分未満で、およびより特定すれば45秒未満で崩壊し、崩壊試験が、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された、請求項1から12のいずれかに記載の口腔内分散性医薬固体剤形。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の口腔内分散性医薬固体剤形の調製のための方法であって、
(i)ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩を、酸性条件下で水に溶解する工程と、
(ii)工程(i)の溶液に、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーを添加し、取得された懸濁液を少なくとも2時間にわたって撹拌する工程と、
(iii)1種もしくは複数の希釈剤、または崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種もしくは複数とのその混合物を別個に用意する工程と、
(iv)工程(iii)においてそれぞれ用意した1種もしくは複数の希釈剤または混合物のいずれかを、工程(ii)の懸濁液で湿式造粒して、湿式顆粒を取得する工程と、
(v)工程(iv)で取得された湿式顆粒を乾燥させて、乾式顆粒を取得する工程と、
(vi)工程(v)で取得された乾式顆粒を、1種または複数の滑沢剤と、ならびに任意選択により、希釈剤、崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種または複数と混合する工程と、
(vii)工程(vi)で取得された混合物を圧縮して、口腔内分散性医薬固体剤形を形成する工程と
を含む方法。
【請求項15】
用量変動が終了した患者における、特発性パーキンソン病の処置において単剤療法(レボドパなし)としてまたは補助療法(レボドパあり)として使用するための、請求項1から13のいずれかに記載の口腔内分散性医薬固体剤形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年1月30日に出願されたインド仮出願第IN202121004135号に関連し、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、改善された溶解および崩壊挙動を有するラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の口腔内分散性医薬固体剤形、口腔内分散性医薬固体剤形の調製方法、ならびにパーキンソン病を処置する際におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
パーキンソン病(PD)は、最も一般的な神経変性障害の1つであり、世界中で620万人に影響を及ぼしていると推定される。欧州では、100万人を超える人々がパーキンソン病を抱えて生きており、一方、日本では、日本神経学会の研究によれば、およそ200,000人の患者がいる。しかしながら、多くの人々が診断されないままである可能性があることから、これらの数字は大幅に高い可能性がある。パーキンソン病の罹患率は加齢に伴って有意に上昇することおよび平均余命が高くなりつつあることから、該疾患の有病率は近い将来に劇的に上昇し、2040年までにほぼ1,300万人がパーキンソン病を患うと考えられている。該疾患の経済的影響は甚大であり、欧州の年間コストは139億ユーロと推定される。
【0004】
パーキンソン病は進行性障害であり、軽度の凝りおよび低頻度の振戦から始まることがあり、これが10年以上の期間にわたって高頻度の振戦および記憶機能障害に、ならびに最終的には、制御不能な振戦および認知症に進行する。該疾患は、意図的動作におけるゆっくりと増大する身体障害を生じさせる。現在の薬物処置または療法は、レボドパ、カルビドパ、ベンセラジド(bensarazide)、エンタカポン、ロチゴチン、プラミペキソール、ロピニロール、アポモルヒネのようなドーパミンアゴニスト、セレギリン、ラサギリン、サフィナミド、トラニルシプロミンのようなモノアミン酸化酵素(MAO-B)阻害剤;エンタカポン、トルカポンのようなCOMT阻害剤;およびアマンタジンのようなグルタミン酸アンタゴニストを含み得る。残念なことに、そのような薬物療法は、時間が経つにつれて高頻度で有効性が低いまたは無効なものとなる。概して、PD患者は、薬物療法の効能の期間を延長するために組み合わせた複数の薬物を必要とし得る。
【0005】
選択的、不可逆的MAO-B阻害剤は、それらの安全性、忍容性およびより簡単な臨床上の取り扱いにより推奨される。治療的使用のために承認された利用可能なMAO-B阻害剤の中でも、ラサギリンは、パーキンソン病の処置において最も広範囲にわたって使用されている1つである。欧州では、ラサギリン(Azilect(登録商標))が2005年2月に欧州医薬品庁(EMA)によって承認され、用量変動が終了した患者における単剤療法(レボドパなし)としてまたは補助療法(レボドパあり)として、特発性パーキンソン病の処置に適応された。Azilect(登録商標)は、承認された薬量学に従って1mg強度の即時放出の従来のフィルムコート錠としてのみ利用可能であり、レボドパありまたはなしのいずれかで1日1回服用されるものとする。日本では、Azilect(登録商標)は2018年3月に承認され、欧州と同じ適応のために、0.5mgおよび1mg強度の即時放出の従来のフィルムコート錠としてのみ利用可能である。
【0006】
水を必要とせずに口の中で急速に崩壊する固体医薬剤形の開発は、飲み込みの困難に悩まされている患者にこれらの剤形が提供する利点により、関心が高い。そのような条件は、高齢者、卒中の発作に見舞われた人または飲み込むことを拒否する精神障害に冒されている患者の間で特に重要である。迅速に崩壊する特定の固体医薬剤形は口腔内分散性錠剤(ODT:口腔内崩壊錠剤とも呼ばれる)であり、水を必要とせず、故に、患者が投与しやすい剤形を必要とする状況で摂取され得る。パーキンソン病患者は飲み込みの困難に直面し、多くの患者は涎を垂らす傾向にあり、故に、患者のコンプライアンスを低減させることによって処置を妨げる。したがって、PD患者は、錠剤またはカプセル剤を飲み込むことが必要とされなければ、投薬レジメンを順守する可能性が高くなるであろう。
【0007】
患者の口腔において迅速に溶解することの他には、速崩壊性医薬剤形は、胃に到達する前の活性原料の吸収に妥当であることが公知である。そのような吸収は、頬側、舌下、咽頭および/または食道の粘膜との接触によって達成される。前記早期薬物吸収は、胃前吸収(主として頬側)だけでなく、より高いバイオアベイラビリティーも容易にし、何故なら、このようにして吸収された活性原料は全身循環以前の代謝を回避し、故に、理論上、より低用量の投与を可能にするからである。
【0008】
しかしながら、口腔内分散性医薬剤形を設計する場合、前記口腔内分散性医薬剤形対参考商品の従来のフィルムコート錠の厳格な生物学的同等性基準を証明することが、規制当局による標準要件であることを念頭に置くべきである。頬側、舌下、咽頭および/または食道の粘膜において概して起こる口腔内分散性医薬剤形の潜在的な早期薬物吸収事象の帰結として、生物学的同等性の要件は、速崩壊性剤形の開発のための相当な課題を提起する。
【0009】
例えば、Comogluら(Formulation,in vitro and in vivo evaluation of taste masked rasagiline orally fast disintegrating tablets(ODTS)、Research&Reviews in Pharmacy and Pharmaceutical Sciences、2017、第6巻(2):27~38)は、ラサギリンODT製剤を開発し、これらは、インビボバイオアベイラビリティー研究対従来のラサギリンフィルムコート即時放出錠剤(Azilect(登録商標))を利用して評価された。ODT製剤のラサギリン血漿曝露は、従来のAzilect(登録商標)錠剤で(同じ用量で)取得されたものよりも高いことが明らかにされた。インビボバイオアベイラビリティー研究においてODT製剤によって取得されたそのような結果は、ラサギリンの初回通過代謝が減少したことを指し示し、一方でそれと同時に、ラサギリンODT製剤が従来のラサギリンフィルムコート即時放出錠剤(Azilect(登録商標))と比べて生物学的に同等以上(suprabioequivalent)であったことも指し示した。本発明とは対照的に、Comogluらの目的は、(i)pH6.8での開示された溶解プロファイル、(ii)ラサギリンの肝初回通過代謝の減少、(iii)市販のAziletc(登録商標)と比較した場合の開示されたラサギリン口腔内速崩壊性錠剤の超バイオアベイラビリティー(suprabioavailability)からも明らかなように、口の中でのラサギリンの非常に速い溶解があるラサギリン口腔内速崩壊性錠剤の提供である。
【0010】
別の例において、Tabiら(The pharmacokinetic evaluation of selegiline ODT for the treatment of Parkinson’s disease、Expert Opin.Drug Metab.Toxicol.、2013;第9巻(5):629~36)は、ラサギリンと同じくMAO-B阻害剤であるセレギリンのバイオアベイラビリティーを、セレギリン10mgを含有する口腔内崩壊錠剤(ODT)を活性原料としての10mg用量のセレギリンも含有する従来の錠剤と比較することによって研究した。10mg口腔内崩壊錠剤(ODT)のセレギリン血漿曝露は、従来のセレギリン10mg錠剤よりも12倍高いことが分かった。加えて、ODT形態のセレギリン(10mg)の約30%は、1分以内に口の粘膜を経由して吸収されることが分かった。セレギリン口腔内崩壊錠剤(ZELAPAR(登録商標))は、セレギリン10mgを含有する口腔内崩壊錠剤のより高い超バイオアベイラビリティーをおそらく理由として、1.25mg強度でのみFDAによって承認されている。
【0011】
上記に加えて、MAO酵素は体の組織に広く分布しており、胃腸管において高い発現度であることが公知である。したがって、腸のMAO結合は、従来のラサギリンフィルムコート即時放出錠剤(Azilect(登録商標))と比較して口腔内崩壊医薬剤形におけるラサギリンバイオアベイラビリティー(即時放出は、胃におけるラサギリンの迅速放出を意味する)にも影響を及ぼすであろうことが期待され得る。
【0012】
ラサギリンを含む速崩壊性医薬組成物を取得しようと試みる先行技術における開示がある。例えば、WO2012015946は、少なくとも1種のポリマー性医薬品賦形剤およびラサギリンまたは薬学的に許容される塩の医薬形態を開示している。前記文書は、その発明の経口剤形が、胃におけるラサギリンの吸収を回避するための手段を提供する速崩壊性製剤に関することを開示している。これを達成するために、速崩壊性製剤は、口内で迅速に分散して、頬側、舌下、咽頭および/または食道の粘膜とのラサギリンの最大接触を可能にし、よって、そのような膜との接触によりラサギリンの吸収を強化するように設計された。
【0013】
WO2006057912も、ラサギリンを含む速崩壊性製剤を開示しており、これは、胃に到達する前の頬膜へのラサギリンの吸収により、胃におけるラサギリンの吸収を最小化することが意図されている。したがって、少なくとも2種の糖アルコールの非繊維状の微細構造を有する粒子の使用は、そのような所望の効果を実現した。WO2006057912は、市販のAzilect(登録商標)製品(即時放出フィルムコート錠)に関する。本発明とは対照的に、そのような先行技術の目的は、ラサギリン活性原料についての溶解プロファイルの明示的な開示はその中では為されていないが、頬側条件下でのAzilect(登録商標)製品の溶解プロファイルからも明らかなように、口の中でのラサギリンの速溶解プロファイルを持つラサギリン組成物の提供である。したがって、本発明のラサギリン溶解プロファイルは、前記先行技術によって暗黙的にも明示的にも予期されていないことが明快である。
【0014】
口腔内分散性医薬剤形を開発する際に避けられることとなるもう1つの障害物は、活性医薬原料の官能特性に対応する。多くの薬物は不快な官能特性を有することが公知であり、これは、より低い患者のコンプライアンスおよび処置の遵守につながり得る。この点において、ラサギリンを含む医薬剤形は口渇を生じさせ得ること、および頬腔から吸収された場合には局所的な無感覚を引き起こし得ることが公知である。したがって、ラサギリンの口腔内分散性医薬固体剤形の設計は、この課題を克服できるべきである。
【0015】
他方で、ラサギリンおよびその薬学的に許容される塩の医薬組成物の安定性は、先行技術における懸案事項であることが公知である。例えば、文書WO2013168032は、糖アルコールと一緒になったラサギリンまたはその塩の安定な製剤を取得することは困難であると報告している。該文書は、分解の主因が、活性原料の酸化につながる副反応であることを明らかにしている。分解生成物の形成を回避するために、WO2013168032は、アスコルビン酸またはシクロデキストリン等の抗酸化賦形剤の使用を提案している。
【0016】
ラサギリンの主な分解生成物は、ラサギリン「不純物I」としても公知のインダン-1-アミンであることが、当技術分野において公知である。実際に、前記不純物は、活性原料の主要代謝産物にも対応し、これは、神経保護能力を有するにもかかわらず、モノアミン酸化酵素Bを阻害しない(Dimpfel,W.ら、Effects of rasagiline,its metabolite aminoindan and selegiline on glutamate receptor mediated signaling in the rat hippocampus slice in vitro、BMC Pharmacol.、2011、11:2)。その帰結として、ラサギリンのインダン-1-アミン不純物への分解は、パーキンソン病の処置においてラサギリン医薬組成物の効能をいっそうさらに低減させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、先行技術を考慮して、上述したすべての速崩壊性ベースの利点を持つ一方でそれと同時に先行技術の従来の即時放出フィルムコート錠(Azilect(登録商標))と十分に同等のバイオアベイラビリティーを有する、ラサギリン(または薬学的に許容されるその塩)を含む口腔内分散性医薬剤形を提供する必要性が存在する。実際に、パーキンソン病患者のための速崩壊性剤形の魅力にもかかわらず、欧州にも日本にも、これまでのところ、ラサギリンを含むいかなる市販の口腔内分散性剤形もなく、これは、参考商品の即時放出錠剤(Azilect(登録商標))と生物学的に同等である口腔内分散性形態のラサギリンを製剤化するという困難なタスクを強調している。さらに、患者に投与された際に口渇および局所的な無感覚という望ましくない影響を回避するラサギリンの口腔内分散性剤形を提供する要件は、今も未解決の課題として残っている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らは、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーとを含む、新たな口腔内分散性医薬固体剤形を設計することができた。ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩は、薬学的に許容されるポリマーで形成されたマトリックス内に捕捉されており、前記口腔内分散性医薬固体剤形は、頬側pHにおいて溶解プロファイルを呈し、これは、頬腔におけるラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の溶解を最小化するまたはさらには実質的に防止し、それにより、口渇または局所的な無感覚等の問題を回避する。
【0019】
さらに、本発明者らは、驚くべきことに、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩が薬学的に許容されるポリマーで形成されたマトリックス内に捕捉されている本発明の組成物が、主に胃(胃内pH)での活性原料の溶解を可能にするための厳密な制御を提供するのに対し、頬腔(頬側pH)および腸管では活性物の実質的な溶解が観察されないことも見出した。換言すれば、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩が薬学的に許容されるポリマーで形成されたマトリックス内に捕捉されている本発明の組成物は、頬膜および腸管を経由するラサギリンの最小限の吸収を確実にしながら胃におけるラサギリンの本質的に全吸収を提供する、妥当な崩壊特性を可能にする。
【0020】
全体として、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形の特異的な溶解プロファイル及び崩壊挙動は、先行技術の従来の即時放出錠剤の1つ(すなわちAzilect(登録商標))と十分に同等なバイオアベイラビリティーを提供することを可能にする。この点において、十分に同等であることにより、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、生物学的に同等以上となるリスクを回避し、このことは、前記口腔内分散性剤形の毒性および/または効能に影響を及ぼすであろう。故に、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、飲み込むことの困難(嚥下障害)に悩まされているパーキンソン病患者のための貴重な治療ツールを構成し、それらの患者が処置の遵守を改善するのを助けることができる。本発明の剤形は、ヒト対象の頬腔条件下、3分未満で、特に2分半未満で、より特定すれば2分未満で、より特定すれば1分未満で、およびより一層特定すれば45秒未満で、飲み込まれる前に崩壊する能力を有する。特に、本発明の剤形は、ヒト対象の頬腔条件下、3分5秒からの時間範囲内で、好ましくは2分10秒からの時間範囲内で、より好ましくは1分45秒からの時間範囲内で、およびさらに一層好ましくは1分20秒からの時間範囲内で崩壊する。それにより、本発明の剤形は、欧州薬局方、第10.0版、939ページによって記される定義に従う、口腔内分散性剤形とみなされるものとする。
【0021】
さらに、本発明者らは、WO2013168032からの阻害要因となる注釈にもかかわらず、驚くべきことに、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩が薬学的に許容されるポリマーで形成されたマトリックス内に捕捉されている本発明の組成物が、ラサギリンまたは薬学的に許容される塩を安定させる新たな手法を提供し、これにより、経時的な分解生成物、例えば、主にインダン-1-アミン不純物(ラサギリンの「不純物I」としても公知)の形成を防止し、したがって、本発明の組成物は、欧州または日本の医薬品規制当局によって要求される不純物制限仕様の基準に適合することを見出した。
【0022】
故に、本発明の第1の態様は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性医薬固体剤形であって、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバス(orbital bath)を使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された、口腔内分散性医薬固体剤形に関する。
【0023】
本発明の第2の態様は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性医薬固体剤形に関し、ここで、剤形は、以下の方法:(i)ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩を、酸性条件下で水に溶解する工程と、(ii)工程(i)の溶液に、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーを添加し、取得された懸濁液を少なくとも2時間にわたって撹拌する工程と、(iii)1種もしくは複数の希釈剤、または崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種もしくは複数とのその混合物を別個に用意する工程と、(iv)工程(iii)においてそれぞれ用意した1種もしくは複数の希釈剤または混合物のいずれかを、工程(ii)の懸濁液で湿式造粒して、湿式顆粒を取得する工程と、(v)工程(iv)で取得された湿式顆粒を乾燥させて、乾式顆粒を取得する工程と、(vi)工程(v)で取得された乾式顆粒を、1種または複数の滑沢剤と、ならびに任意選択により、希釈剤、崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種または複数と混合する工程と、(vii)工程(vi)で取得された混合物を圧縮して、口腔内分散性医薬固体剤形を形成する工程とによって取得可能である。
【0024】
本発明の第3の態様は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性医薬固体剤形であって、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩がマトリックス内に捕捉されている、口腔内分散性医薬固体剤形に関する。
【0025】
本発明の第4の態様は、本発明の第1、第2および第3の態様において定義された通りの剤形の調製のための方法であって、(i)ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩を、酸性条件下で水に溶解する工程と、(ii)工程(i)の溶液に、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーを添加し、取得された懸濁液を少なくとも2時間にわたって撹拌する工程と、(iii)1種もしくは複数の希釈剤、または崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種もしくは複数とのその混合物を別個に用意する工程と、(iv)工程(iii)においてそれぞれ用意した1種もしくは複数の希釈剤または混合物のいずれかを、工程(ii)の懸濁液で湿式造粒して、湿式顆粒を取得する工程と、(v)工程(iv)で取得された湿式顆粒を乾燥させて、乾式顆粒を取得する工程と、(vi)工程(v)で取得された乾式顆粒を、1種または複数の滑沢剤と、ならびに任意選択により、希釈剤、崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種または複数と混合する工程と、(vii)工程(vi)で取得された混合物を圧縮して、口腔内分散性医薬固体剤形を形成する工程とを含む方法に関する。
【0026】
本発明の第5の態様は、用量変動が終了した患者における、特発性パーキンソン病の処置において単剤療法(レボドパなし)としてまたは補助療法(レボドパあり)として使用するための、本発明の第1の態様または第2の態様または第3の態様において定義される通りの剤形に関する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】頬側pHにおける、Azilect(登録商標)のフィルムコート錠(FCT)対実施例1において定義される通りの製剤5、6および7の溶解プロファイルを示す図である。溶解率(%D)は%w/wで表現され、時間(t)は分(min)で表現される。
図2】胃内pHにおける、Azilect(登録商標)のフィルムコート錠(FCT)対実施例1において定義される通りの製剤5、6および7の溶解プロファイルを示す図である。溶解率(%D)は%w/wで表現され、時間(t)は分(min)で表現される。
【発明を実施するための形態】
【0028】
用語「ラサギリン」は、本明細書で使用される場合、R-(+)-N-プロパルギル-1-アミノインダンだけでなく、それらの薬学的に許容される塩も表す国際一般的名称(INN)に対応する。ラサギリンの薬学的に許容される塩は、広範囲の無機および有機酸のいずれかを含む。そのような塩の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸等の鉱酸との酸付加塩、およびメタンスルホン酸、酒石酸、シュウ酸、安息香酸、ガラクタル酸、グルコン酸、グルクロン酸、p-トルエンスルホン酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、ギ酸、プロピオン酸、マロン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、炭酸、ピクリン酸、エタンスルホン酸、グルタミン酸、タンニン酸等の有機酸とのものを含む。本発明の目的のための好ましい塩は、ラサギリン酒石酸塩またはラサギリンメシル酸塩である。
【0029】
用語「ポリマー」は、本明細書で使用される場合、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の溶解プロファイルを修飾する、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な任意の薬学的に許容されるポリマーとして定義される。特に、ポリマーは、マトリックスを形成して、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩が、前記形成されたマトリックス内に捕捉されるのを可能にすることができる。ポリマーという用語は、本明細書で使用される場合、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、および、数ある中でも、スルホン化ポリスチレンポリマー、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーを含むイオン交換樹脂等の水不溶性高分子電解質を含む、広範囲のマトリックス形成ポリマーのいずれかを含む。
【0030】
本発明に従うラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なポリマーは、好ましくは、クロスカルメロースナトリウム、HMPC、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびカルボキシメチルデンプンナトリウム等の崩壊剤、パーテックODT(93%噴霧造粒マンニトールおよび5.4%クロスカルメロースナトリウムの組合せ)、メタクリレートコポリマーオイドラギットEPO、クロスポビドンおよびコポビドンのN-ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルおよび/またはそれらのコポリマーならびにファーマバースト(Pharmabust)C1(同時噴霧乾燥糖アルコール(マンニトール、ソルビトール)/崩壊剤(コポビドン)/流動剤(二酸化ケイ素))からなる群から選択されるものではない。換言すれば、本発明の文脈では、マトリックスを形成するのに好適な「ポリマー」という用語は、最も好ましくは、この段落において以上で言及した群のものを包含しない。これは、それ自体が主に胃(胃内pH)での活性原料の溶解を可能にするための厳密な制御を有するのに対し、頬腔(頬側pH)および腸管では活性物の実質的な溶解が観察されない安定なラサギリン組成物を提供するのに、それらがあまり好適でないためである。したがって、好ましい実施形態では、これらのポリマーは含有されない。
【0031】
用語「イオン交換樹脂」は、本明細書で使用される場合、それらの可動イオンを周囲の媒体中のイオンと交換することができる任意の薬学的に許容される水不溶性ポリマーとして定義される。該用語は、本明細書で使用される場合、数ある中でも、スルホン化ポリスチレンポリマー、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーの、ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウムもしくは鉄もしくは亜鉛塩または部分ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウムもしくは鉄もしくは亜鉛塩を含む。該用語は、本明細書で使用される場合、数ある中でも、プロトン化スルホン化ポリスチレンポリマー、プロトン化スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化ポリメタクリル酸ポリマー、プロトン化メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーも含む。
【0032】
用語「カチオン交換樹脂」は、本明細書で使用される場合、それらの可動カチオンを周囲の媒体中のカチオンと交換することができる任意の薬学的に許容される水不溶性ポリマーとして定義される。該用語は、本明細書で使用される場合、数ある中でも、スルホン化ポリスチレンポリマー、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーの、ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩または部分ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩を含む。該用語は、本明細書で使用される場合、数ある中でも、プロトン化スルホン化ポリスチレンポリマー、プロトン化スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化ポリメタクリル酸ポリマー、プロトン化メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーも含む。
【0033】
用語「酸性カチオン交換樹脂」は、本明細書で使用される場合、それらの可動カチオンを周囲の媒体中のカチオンと交換することができ、スルホンまたはカルボン酸基等の酸性官能基を有し得る、任意の薬学的に許容される水不溶性ポリマーとして定義される。該用語は、本明細書で使用される場合、数ある中でも、スルホン化ポリスチレンポリマー、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーの、ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩または部分ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩を含む。該用語は、本明細書で使用される場合、数ある中でも、プロトン化スルホン化ポリスチレンポリマー、プロトン化スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化ポリメタクリル酸ポリマー、プロトン化メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーも含む。
【0034】
用語「弱酸性カチオン交換樹脂」は、本明細書で使用される場合、それらの可動カチオンを周囲の媒体中のカチオンと交換することができ、カルボン酸基等の弱酸性官能基を有し得る、任意の薬学的に許容される水不溶性ポリマーとして定義される。該用語は、本明細書で使用される場合、数ある中でも、ポリメタクリル酸ポリマー、メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーの、ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩または部分ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩を含む。
【0035】
用語「ポラクリリンカリウム」は、本明細書で使用される場合、弱酸性塩がメタクリル(methacryclic)酸のカルボン酸官能基から形成される、メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーの部分カリウム塩として定義される。以後、用語「部分ポラクリリンカリウム」は、数ある中でも、Purolite(登録商標)C115KMR、Amberlite(登録商標)IRP88等のいくつかの商品名で商品化される。
【0036】
用語「ポラクリリンナトリウム」は、本明細書で使用される場合、酸性塩がスチレンのスルホン酸官能基から形成される、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーの部分ナトリウム塩として定義される。以後、用語「部分ポラクリリンナトリウム」は、数ある中でも、Purolite(登録商標)C100NaMR等のいくつかの商品名で商品化される。
【0037】
用語「樹脂IR-120」は、本明細書で使用される場合、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーのプロトン化形態として定義される。以後、用語「樹脂IR-120」は、数ある中でも、Amberlite(登録商標)IR-120等のいくつかの商品名で商品化される。
【0038】
用語「マトリックス」は、本明細書で使用される場合、ポリマーとラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩との組合せとして定義され、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩は、数ある中でも、静電相互作用、水素結合およびファンデルワールス力等の分子間力によってポリマーと結合している。一見したところ、これらの力により、マトリックスは、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩が前記形成されたマトリックス内に捕捉されるのを可能にするようである。特に、ポリマーがイオン交換樹脂である場合、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩は、主として静電相互作用によって結合している。より特定すれば、ポリマーがカチオン交換樹脂である場合、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩は、主として静電相互作用によって、カチオン交換樹脂の負に荷電された官能基と結合している。より特定すれば、ポリマーが酸性カチオン交換樹脂である場合、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩は、主として静電相互作用によって、酸性カチオン交換樹脂の負に荷電された酸性官能基と結合している。より一層特定すれば、ポリマーがポリメタクリル酸ポリマーである場合、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩は、主として静電相互作用によって、ポリメタクリル酸ポリマーの負に荷電されたカルボン酸基と結合している。より一層特定すれば、ポリマーがスルホン化ポリスチレンポリマーである場合、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩は、主として静電相互作用によって、スルホン化ポリスチレンポリマーの負に荷電されたスルホン酸基と結合している。より一層特定すれば、ポリマーがスルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーである場合、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩は、主として静電相互作用によって、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーの負に荷電されたスルホン酸基と結合している。
【0039】
用語「マトリックス内に捕捉されている」は、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の基本的にすべてがマトリックス内に含有されることを意味する。換言すれば、基本的にラサギリンも薬学的に許容されるその塩もマトリックス外には存在しない。このようにして、口腔内分散性固体剤形の改善された溶解および崩壊特徴が取得され得る。「基本的にすべて」は、好ましくは95%超、より好ましくは97%超、およびさらに一層好ましくは98%超を意味する。ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の基本的にすべてが、マトリックス内に均質に含有されることが好ましい。換言すれば、マトリックス内に含有されたラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩は、マトリックス全体にわたって均一に分布している。
【0040】
用語「口腔内分散性錠剤」は、本明細書で使用される場合、欧州薬局方、第10.0版、939ページに従って、口の中に入れられ、そこで飲み込まれる前に迅速に分散する素錠、より厳密には、崩壊試験において3分以内に崩壊する口腔内分散性錠剤として定義される。この定義に従い、口腔内分散性錠剤という用語は、数ある中でも、口腔内分散性錠剤、口腔内崩壊性または崩壊錠剤(ODT)、速崩壊性錠剤、速溶解性錠剤およびチュアブル錠剤と呼ばれる、固体経口剤形の同義語であることが意図されている。
【0041】
用語「頬側pH」は、本明細書で使用される場合、健康なヒト対象の唾液において見られるpHとして定義される。そのようなpHは、通常、約6.5~約7.5で変動する。用語「頬側pH」は、本明細書で使用される場合、pH約6.5~7.0として定義される。
【0042】
用語「胃内pH」は、本明細書で使用される場合、絶食状態の健康なヒト対象の胃において見られるpHとして定義される。そのようなpHは、典型的には、約1~約3、好ましくは約1~約2.5、より好ましくは約1~約2、およびさらに一層好ましくは約1~約1.6で変動する。用語「胃内pH」は、本明細書で使用される場合、pH約1.2として定義される。
【0043】
用語「崩壊する」は、本明細書で使用される場合、固体剤形が固体状態から完全崩壊の状態になる作用と定義される。
【0044】
用語「完全崩壊」は、本明細書で使用される場合、欧州薬局方、第10.0版、323ページに従い、試験装置の画面上に残っているまたはディスクの下面に付着している不溶性断片を除く剤形の任意の残留物が、使用される場合、明白に堅いコアを有さない軟質塊である状態として定義される。崩壊は、本明細書において定義される通り、剤形のまたはさらにはその活性医薬原料の完全溶解を暗示しない。理想的には、頬腔における完全崩壊には、頬腔におけるラサギリンまたはその薬学的に許容される塩の、15%未満、好ましくは12%未満およびより好ましくは10%未満の溶解、ならびに最大(ほぼ)無溶解が付随する。
【0045】
用語「溶解プロファイル」は、本明細書で使用される場合、本発明の剤形からのラサギリンの経時的な溶解を指す。以後、溶解プロファイルは、剤形中のラサギリンの初期重量当たりの溶解したラサギリンの重量で測定され、重量百分率(%w/w)で表現される。頬側pHにおける溶解プロファイルは、欧州薬局方装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定される。頬側pHにおける溶解プロファイルは、欧州薬局方装置II(パドル)を使用し、pH=6.5下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で最大6分間、次いで、150rpmまで増大させて6分~10分間撹拌する等、わずかに異なる条件を用いる代替的な測定方法で決定することもできる。いずれの事例でも、頬側pHにおける溶解プロファイル特色の定性的要点は、第1のまたは代替的な測定方法のいずれかと同じままである。胃内pHにおける溶解プロファイルは、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定される。胃内pHにおける溶解プロファイルは、欧州薬局方装置II(パドル)を使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で最大45分間、次いで、150rpmまで増大させて45分~60分間撹拌する等、わずかに異なる条件を用いる代替的な測定方法で決定することもできる。いずれの事例でも、胃内pHにおける溶解プロファイル特色の定性的要点は、第1のまたは代替的な測定方法のいずれかと同じままである。
【0046】
用語「通常の保管条件」は、本明細書で使用される場合、温度20~30℃および相対湿度55~65%の条件として定義される。
【0047】
用語「粒内」は、本明細書で使用される場合、造粒前の方法工程において添加される製剤の成分を称している。
【0048】
用語「粒外」は、本明細書で使用される場合、造粒後の方法工程において添加される成分を称している。
【0049】
用語「分解生成物」または「分解不純物」は、本明細書で使用される場合、新たな薬物製品の製造および/または保管中に、例えば、光、温度、大気中酸素、水蒸気の影響によって、または賦形剤および/もしくは容器施栓系との反応によってもたらされる、薬物物質における化学変化によって生じるそれらの不純物として定義される。
【0050】
以後、本発明の剤形中に存在する、ラサギリン「不純物I」としても公知であるインダン-1-アミンの量は、剤形中のラサギリンの初期重量当たりのインダン-1-アミンの重量で表現され、この量は、重量百分率(%w/w)で記される。
【0051】
用語「薬学的に許容される賦形剤」(「賦形剤」とも呼ばれる)は、医薬品の活性医薬原料と一緒に製剤化される物質を指し、医薬組成物および特に口腔内分散性錠剤において一般的に使用されるすべての種類の薬学的に許容される化合物を含む。用語「薬学的に許容される賦形剤」は、希釈剤、滑沢剤、崩壊剤、界面活性剤、香味剤、甘味料、流動促進剤、付着粘着防止剤およびそれらの混合物を含む。
【0052】
用語「希釈剤」は、本明細書で使用される場合、医薬組成物において希釈剤として使用される薬学的に(pharmaceutical)許容される賦形剤として定義される。用語「希釈剤」は、マンニトール、マルトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、エリスリトール、ラクトース、好ましくはラクトース一水和物、デンプンおよびその誘導体、セルロースおよびその誘導体、特に微結晶性セルロースの群から選択される1種または2種以上の組合せを含む。
【0053】
用語「滑沢剤」は、本明細書で使用される場合、医薬組成物において滑沢剤として使用される薬学的に許容される賦形剤として定義される。用語「滑沢剤」は、タルク、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸グリセリル、ステアリン酸およびモノステアリン酸グリセリルの群から選択される1種または2種以上の組合せを含み、より特定すれば、そのような滑沢剤は、ステアリルフマル酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムの群から選択される。
【0054】
用語「崩壊剤」は、本明細書で使用される場合、医薬組成物において崩壊剤として使用される薬学的に許容される賦形剤として定義される。用語「崩壊剤」は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、コーンスターチ、デンプングリコール酸ナトリウムおよびアルファ化デンプンの群から選択される1種または2種以上の組合せを含み、より特定すれば、そのような崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドンおよびデンプングリコール酸ナトリウムの群から選択される。
【0055】
用語「香味剤」は、本明細書で使用される場合、医薬組成物において香味剤として使用される薬学的に許容される賦形剤として定義される。用語「香味剤」は、サクランボ、ラズベリー、アプリコット、ナシ、イチゴ、苦味マスキング剤、パイナップル、レモン、ハチミツ、ミントガーデン、オレンジ、ペパーミント、メントール、カシス、バナナ、レッドフルーツ、ワイルドベリーおよびキャラメル風味の群から選択される1種または2種以上の組合せを含む。本発明の目的のための好ましい香味剤は、サクランボ、ラズベリー、アプリコット、ナシ、イチゴ、苦味マスキング剤、パイナップル、レモンおよびハチミツ風味である。
【0056】
用語「甘味料」は、本明細書で使用される場合、医薬組成物において甘味料として使用される薬学的に許容される賦形剤として定義される。用語「甘味料」は、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、サッカリンナトリウム(sodium saccharinate)、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、スクラロース、スクロース、フルクトースおよびグリチルリチン酸モノアンモニウムの群から選択される1種または2種以上の組合せを含む。
【0057】
用語「脆弱性」は、本明細書で使用される場合、取り扱い中に錠剤が欠ける、砕けるまたは壊れる傾向を指す。脆弱性の試験は、欧州薬局方、第10.0版、336~337ページのガイドラインに準拠して行われる。1.0%以下の塊の最大損失は、ほとんどの製品に許容されるとみなされる。
【0058】
上記で言及したように、本発明のある態様は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性医薬固体剤形であって、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された、口腔内分散性医薬固体剤形に関する。
【0059】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0060】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して8%w/w未満のラサギリンが溶解し、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0061】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して5%w/w未満のラサギリンが溶解し、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0062】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して85%w/w超のラサギリンが溶解し、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0063】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して85%w/w超のラサギリンが溶解し、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも95%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0064】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、
(a)pH=7.0で
(i)2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して15%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(ii)4分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して20%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(iii)6分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して25%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(b)pH=1.2で
(i)15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、
(ii)40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して90%w/w超のラサギリンが溶解し、
ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0065】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、
(a)pH=7.0で
(i)2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(ii)4分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して18%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(iii)6分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して20%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(b)pH=1.2で
(i)15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、
(ii)40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して90%w/w超のラサギリンが溶解し、
ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0066】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、
(a)pH=7.0で
(i)2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して15%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(ii)4分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して20%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(iii)6分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して25%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(b)pH=1.2で
(i)15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して85%w/w超のラサギリンが溶解し、
(ii)40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して90%w/w超のラサギリンが溶解し、
ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0067】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、
(a)pH=7.0で
(i)2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して15%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(ii)4分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して20%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(iii)6分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して25%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(b)pH=1.2で
(i)15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して85%w/w超のラサギリンが溶解し、
(ii)40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して95%w/w超のラサギリンが溶解し、
ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0068】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、
(a)pH=7.0で
(i)2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(ii)4分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して18%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(iii)6分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して20%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(b)pH=1.2で
(i)15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して85%w/w超のラサギリンが溶解し、
(ii)40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して90%w/w超のラサギリンが溶解し、
ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0069】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、
(a)pH=7.0で
(i)2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(ii)4分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して18%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(iii)6分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して20%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(b)pH=1.2で
(i)15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して85%w/w超のラサギリンが溶解し、
(ii)40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して95%w/w超のラサギリンが溶解し、
ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0070】
予想外にも、本発明者らは、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーがイオン交換樹脂である場合、口腔内分散性医薬固体剤形が、主に胃(胃内pH)でのラサギリンの溶解のさらに良好な制御を提供するという観点から特によく作用するのに対し、頬腔(頬側pH)および腸管では実質的な溶解が観察されないことを見出した。さらに、イオン交換樹脂を使用した場合、驚くべきことに、優れた崩壊特性が観察された。当業者はラサギリンをイオン交換樹脂にロードするための困難に直面すると予想したため、この所見は予想外であった。
【0071】
ある実施形態では、本発明のポリマーは、イオン交換樹脂、好ましくはカチオン交換樹脂、より好ましくは酸性または弱酸性カチオン交換樹脂である。別の実施形態では、本発明のポリマーは、スルホン化ポリスチレンポリマー、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、ポリメタクリル酸ポリマーおよびメタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーから選択される。ある実施形態では、本発明のポリマーは、スルホン化ポリスチレンポリマー、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、ポリメタクリル酸ポリマーおよびメタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーの、部分ナトリウムまたはカリウムまたはマグネシウムまたはカルシウムまたは鉄または亜鉛塩から選択される。別の実施形態では、本発明のポリマーは、プロトン化スルホン化ポリスチレンポリマー、プロトン化スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化ポリメタクリル酸ポリマーおよびプロトン化メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーから選択される。別の実施形態では、本発明のポリマーは、スルホン化ポリスチレンポリマー、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、ポリメタクリル酸ポリマーおよびメタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーの、部分ナトリウムまたはカリウムまたはマグネシウムまたはカルシウム塩から選択される。
【0072】
特定の実施形態では、本発明のポリマーは、メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーの部分カリウム塩である。より特定の実施形態では、本発明のポリマーは、ポラクリリンカリウムである。特定の実施形態では、本発明のポリマーは、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーの部分ナトリウム塩である。より特定の実施形態では、本発明のポリマーは、ポラクリリンナトリウムである。
【0073】
特定の実施形態では、本発明のポリマーは、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーのプロトン化形態である。
【0074】
ある実施形態では、口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0075】
ある実施形態では、口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0076】
ある実施形態では、口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して8%w/w未満のラサギリンが溶解し、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0077】
ある実施形態では、口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して5%w/w未満のラサギリンが溶解し、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0078】
ある実施形態では、口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して85%w/w超のラサギリンが溶解し、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0079】
ある実施形態では、口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して85%w/w超のラサギリンが溶解し、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも95%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0080】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、
(a)pH=7.0で
(i)2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して15%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(ii)4分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して20%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(iii)6分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して25%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(b)pH=1.2で
(i)15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、
(ii)40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して90%w/w超のラサギリンが溶解し、
ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0081】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、
(a)pH=7.0で
(i)2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(ii)4分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して18%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(iii)6分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して20%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(b)pH=1.2で
(i)15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、
(ii)40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して90%w/w超のラサギリンが溶解し、
ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0082】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、
(a)pH=7.0で
(i)2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して15%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(ii)4分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して20%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(iii)6分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して25%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(b)pH=1.2で
(i)15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して85%w/w超のラサギリンが溶解し、
(ii)40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して90%w/w超のラサギリンが溶解し、
ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0083】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、
(a)pH=7.0で
(i)2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して15%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(ii)4分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して20%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(iii)6分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して25%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(b)pH=1.2で
(i)15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して85%w/w超のラサギリンが溶解し、
(ii)40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して95%w/w超のラサギリンが溶解し、
ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0084】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、
(a)pH=7.0で
(i)2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(ii)4分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して18%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(iii)6分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して20%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(b)pH=1.2で
(i)15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して85%w/w超のラサギリンが溶解し、
(ii)40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して90%w/w超のラサギリンが溶解し、
ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0085】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、
(a)pH=7.0で
(i)2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(ii)4分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して18%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(iii)6分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して20%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(b)pH=1.2で
(i)15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して85%w/w超のラサギリンが溶解し、
(ii)40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して95%w/w超のラサギリンが溶解し、
ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊する。
【0086】
ある実施形態では、本発明の固体経口剤形は、頬側pHにおいて、3分未満で、好ましくは2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊する。
【0087】
ある実施形態では、本発明の固体経口剤形は、頬側pHにおいて、3分5秒からの時間範囲内で、好ましくは2分10秒からの時間範囲内で、より好ましくは1分45秒からの時間範囲内で、およびさらに一層好ましくは1分20秒からの時間範囲内で崩壊する。
【0088】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、口腔内分散性錠剤である。別の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、口腔内崩壊性または崩壊錠剤(ODT)である。別の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、速崩壊性錠剤である。別の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、速溶解性錠剤である。別の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、チュアブル錠剤である。別の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、口腔内分散性チュアブル錠剤である。別の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、口腔内分散性顆粒剤の形態である。別の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、口腔内分散性粉末粒子の形態である。別の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、口腔用薄膜の形態である。
【0089】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、前記口腔内分散性医薬固体剤形は、2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0090】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む、錠剤であって、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、前記口腔内分散性医薬固体剤形は、2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された、錠剤である。
【0091】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性(orodispersable)錠剤は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な酸性カチオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、前記口腔内分散性医薬固体剤形は、2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0092】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な弱酸性カチオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、前記口腔内分散性医薬固体剤形は、2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0093】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂が、スルホン化ポリスチレンポリマー、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化スルホン化ポリスチレンポリマー、プロトン化スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化ポリメタクリル酸ポリマーおよびプロトン化メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーの、ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩または部分ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩の群から選択される、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、前記口腔内分散性医薬固体剤形は、2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0094】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なメタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーの部分カリウム塩と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、前記口腔内分散性医薬固体剤形は、2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0095】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なスルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーの部分ナトリウム塩と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、前記口腔内分散性医薬固体剤形は、2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0096】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なポラクリリンカリウムと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、前記口腔内分散性医薬固体剤形は、2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0097】
好ましい実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なポラクリリンナトリウムと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、前記口腔内分散性医薬固体剤形は、2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0098】
好ましい実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なポラクリリンナトリウムと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、前記口腔内分散性医薬固体剤形は、2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊する。
【0099】
好ましい実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なポラクリリンナトリウムと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、
(a)pH=7.0で
(i)2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して15%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(ii)4分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して20%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(iii)6分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して25%w/w未満のラサギリンが溶解し、
(b)pH=1.2で
(i)15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、
(ii)40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して90%w/w超のラサギリンが溶解し、
前記口腔内分散性医薬固体剤形は、2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊する。
【0100】
本発明者らは、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーを含む本発明の口腔内分散性医薬固体剤形が、インダン-1-アミン不純物(ラサギリンの「不純物I」としても公知)等の分解生成物の形成を低下させることも見出した。故に、本発明は、経時的な分解生成物の形成を防止する。
【0101】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、温度25℃および相対湿度60%で1か月間の保管後、定量限界未満のインダン-1-アミン不純物を含有する。
【0102】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、温度40℃および相対湿度75%で1か月間の保管後、0.05%未満のインダン-1-アミン不純物を含有する。別の実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、温度40℃および相対湿度75%で3か月間の保管後、0.30%未満、好ましくは0.25%未満およびより好ましくは0.20%未満のインダン-1-アミン不純物を含有する。
【0103】
口腔内分散性医薬剤形当たりのラサギリンの量は、ラサギリン遊離塩基の重量に基づいて計算された、0.05mg~5.0mgである。ある実施形態では、口腔内分散性医薬剤形当たりのラサギリンの量は、0.1mg~4.5mg、好ましくは0.25mg~3.0mg、より好ましくは0.5mg~2.0mg、およびさらに一層好ましくは0.5mg~1.5mgである。好ましい実施形態では、口腔内分散性医薬剤形当たりのラサギリンの量は、0.5mg~1.0mgである。より好ましい実施形態では、口腔内分散性錠剤当たりのラサギリンの量は、ラサギリン遊離塩基の重量に基づいて計算された、0.5mg~1.0mgである。以後、剤形中のある特定の成分の量に関連するすべての百分率は、成分の重量と剤形の総重量との間の比で記され、用語「剤形中の成分の重量%」によって表現される。
【0104】
別の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬剤形は、ラサギリンを、ラサギリン遊離塩基の重量に基づいて計算された、0.10~2.00%、好ましくは0.20~1.75%、より好ましくは0.25~1.50%、およびさらに一層好ましくは0.25~1.25%の量で含む。好ましい実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬剤形は、ラサギリンを、0.90~1.10%の量で含む。より好ましい実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、ラサギリンを、ラサギリン遊離塩基の重量に基づいて計算された、0.10~2.00%の量で含む。
【0105】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリン酒石酸塩と、ラサギリン酒石酸塩とマトリックスを形成するのに好適な酸性または弱酸性カチオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリン酒石酸塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、前記口腔内分散性医薬固体剤形は、2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0106】
好ましい実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリン酒石酸塩と、ラサギリン酒石酸塩とマトリックスを形成するのに好適なポラクリリンナトリウムと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリン酒石酸塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、前記口腔内分散性医薬固体剤形は、2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0107】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリン酒石酸塩を含み、ここで、ラサギリン酒石酸塩は、D(v、10)が、3μm超かつ40μm以下である、好ましくは8μm超かつ30μm以下である、より好ましくは10μm超かつ20μm以下である、さらに一層好ましくは13μm超かつ18μm以下である、および/またはD(v、50)が、45μm超かつ120μm以下である、好ましくは60μm超かつ105μm以下である、より好ましくは70μm超かつ95μm以下である、さらに一層好ましくは77μm超かつ85μm以下である、および/またはD(v、90)が、275μm超かつ400μm以下である、好ましくは290μm超かつ380μm以下である、より好ましくは305μm超かつ360μm以下である、さらに一層好ましくは320μm超かつ350μm以下であるような、粒度分布(PSD)を有する。
【0108】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリンメシル酸塩と、ラサギリンメシル酸塩とマトリックスを形成するのに好適な酸性または弱酸性カチオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンメシル酸塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、前記口腔内分散性医薬固体剤形は、2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0109】
好ましい実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリンメシル酸塩と、ラサギリンメシル酸塩とマトリックスを形成するのに好適なポラクリリンナトリウムと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンメシル酸塩はマトリックス内に捕捉されており、前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、前記口腔内分散性医薬固体剤形は、2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0110】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリンメシル酸塩を含み、ここで、ラサギリンメシル酸塩は、D(v、10)が3μm超かつ40μm以下である;および/またはD(v、50)が45μm超かつ120μm以下である;および/またはD(v、90)が275μm超かつ400μm以下であるような、粒度分布(PSD)を有する。
【0111】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーとを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、口腔内分散性医薬固体剤形中に存在するラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の多くとも3%w/wが、そのような薬学的に許容されるポリマーで形成されたマトリックス内に捕捉されていない。
【0112】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーとを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、口腔内分散性医薬固体剤形中に存在するラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の少なくとも97%w/wが、薬学的に許容されるポリマーで形成されたマトリックス内に捕捉されている。
【0113】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、口腔内分散性医薬固体剤形中に存在するラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の多くとも3%w/wが、そのようなイオン交換樹脂で形成されたマトリックス内に捕捉されていない。
【0114】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、口腔内分散性医薬固体剤形中に存在するラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の少なくとも97%w/wが、そのようなイオン交換樹脂で形成されたマトリックス内に捕捉されている。
【0115】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な酸性または弱酸性カチオン交換樹脂とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、口腔内分散性医薬固体剤形中に存在するラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の多くとも3%w/wが、そのような酸性または弱酸性カチオン交換樹脂で形成されたマトリックス内に捕捉されておらず、前記口腔内分散性錠剤が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0116】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な酸性または弱酸性カチオン交換樹脂とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、口腔内分散性医薬固体剤形中に存在するラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の少なくとも97%w/wが、そのような酸性または弱酸性カチオン交換樹脂で形成されたマトリックス内に捕捉されており、前記口腔内分散性錠剤が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0117】
より特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なポラクリリンナトリウムとを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、口腔内分散性医薬固体剤形中に存在するラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の多くとも3%w/wが、ポラクリリンナトリウムで形成されたマトリックス内に捕捉されておらず、前記口腔内分散性錠剤が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0118】
より特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なポラクリリンナトリウムとを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、口腔内分散性医薬固体剤形中に存在するラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の少なくとも97%w/wが、ポラクリリンナトリウムで形成されたマトリックス内に捕捉されており、前記口腔内分散性錠剤が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(i)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(ii)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(iii)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された。
【0119】
本発明のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーの量は、ラサギリンおよび薬学的に許容されるポリマーが、上記で詳述した溶解プロファイルを有するマトリックスを形成する限り、特に限定されない。
【0120】
本発明の文脈では、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩対マトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーの重量対重量比は、1:1~1:10、好ましくは1:1~1:8、より好ましくは1:3~1:7、およびさらに一層好ましくは1:4~1:6である。
【0121】
本発明の文脈では、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩対マトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂の重量対重量比は、1:1~1:10、好ましくは1:1~1:8、より好ましくは1:3~1:7、およびさらに一層好ましくは1:4~1:6である。
【0122】
本発明の文脈では、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩対マトリックスを形成するのに好適な酸性または弱酸性カチオン交換樹脂の重量対重量比は、1:1~1:10、好ましくは1:1~1:8、より好ましくは1:3~1:7、およびさらに一層好ましくは1:4~1:6である。
【0123】
本発明の文脈では、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩対マトリックスを形成するのに好適なポリメタクリル酸ポリマーの部分カリウム塩の重量対重量比は、1:1~1:10、好ましくは1:1~1:8、より好ましくは1:3~1:7、およびさらに一層好ましくは1:4~1:6である。
【0124】
本発明の文脈では、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩対マトリックスを形成するのに好適なスルホン化ポリスチレンポリマーの部分ナトリウム塩の重量対重量比は、1:1~1:10、好ましくは1:1~1:8、より好ましくは1:3~1:7、およびさらに一層好ましくは1:4~1:6である。
【0125】
本発明の文脈では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、マトリックスを形成するのに好適なスルホン化ポリスチレンポリマーの部分ナトリウム塩を含む口腔内分散性錠剤であり、1:1~1:10、好ましくは1:1~1:8、より好ましくは1:3~1:7、およびさらに一層好ましくは1:4~1:6である。
【0126】
別の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、マトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーを、剤形中に0.5重量%~10重量%、好ましくは1.0重量%~8.0重量%、より好ましくは1.5重量%~7重量%、さらに一層好ましくは2.0重量%~6.0重量%の薬学的に許容されるポリマーの量で含む。
【0127】
別の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、マトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂を、剤形中に0.5重量%~10重量%、好ましくは1.0重量%~8.0重量%、より好ましくは1.5重量%~7重量%、さらに一層好ましくは2.0重量%~6.0重量%のイオン交換樹脂の量で含む。
【0128】
別の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、マトリックスを形成するのに好適な酸性または弱酸性カチオン交換樹脂を、0.5重量%~10重量%、好ましくは1.0重量%~8.0重量%、より好ましくは1.5重量%~7重量%、さらに一層好ましくは2.0重量%~6.0重量%の酸性または弱酸性カチオン交換樹脂の量で含む。
【0129】
別の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、マトリックスを形成するのに好適なポリメタクリル酸ポリマーの部分カリウム塩を、0.5重量%~10重量%、好ましくは1.0重量%~8.0重量%、より好ましくは1.5重量%~7重量%、さらに一層好ましくは2.0重量%~6.0重量%のポリメタクリル酸ポリマーの部分カリウム塩の量で含む。
【0130】
別の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、マトリックスを形成するのに好適なスルホン化ポリスチレンポリマーの部分ナトリウム塩を、0.5重量%~10重量%、好ましくは1.0重量%~8.0重量%、より好ましくは1.5重量%~7重量%、さらに一層好ましくは2.0重量%~6.0重量%のスルホン化ポリスチレンポリマーの部分ナトリウム塩の量で含む。
【0131】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、マトリックスを形成するのに好適なスルホン化ポリスチレンポリマーの部分ナトリウム塩を、0.5重量%~10重量%、好ましくは1.0重量%~8.0重量%、より好ましくは1.5重量%~7重量%、さらに一層好ましくは2.0重量%~6.0重量%のスルホン化ポリスチレンポリマーの部分ナトリウム塩の量で含む口腔内分散性錠剤である。
【0132】
本発明の固体経口剤形は、希釈剤、崩壊剤、流動促進剤、滑沢剤等の好適な薬学的に許容される賦形剤、ならびに着色剤、香味剤および甘味剤をさらに含み得る。
【0133】
本発明の固体経口剤形は、1種または複数の好適な希釈剤を含み得る。経口剤形のための好適な希釈剤は、例えば、数ある中でも、マンニトール、マルトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、エリスリトール、ラクトース、好ましくはラクトース一水和物、デンプンおよびその誘導体、ならびにセルロースおよびその誘導体、特に微結晶性セルロースのような糖である。
【0134】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、錠剤中に1~90重量%、好ましくは5~90重量%、より好ましくは20~80重量%、またはさらに(even ore)好ましくは50~80重量%の希釈剤を含む。
【0135】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、錠剤中に1~90重量%、好ましくは5~90重量%、より好ましくは20~80重量%、またはさらに好ましくは50~80重量%のマンニトールもしくはラクトースまたはそれらの混合物を含む。
【0136】
好ましい実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤の希釈剤は、平均粒径として25μmを有するマンニトールである。さらなる好ましい実施形態では、マンニトールは、D(v、10)が1μm超かつ5μm以下である;および/またはD(v、50)が15μm超かつ35μm以下である、好ましくは20μm超かつ30μm以下である;および/またはD(v、90)が45μm超かつ65μm以下である、好ましくは50μm超かつ60μm以下であるような、粒度分布(PSD)を有する。
【0137】
本発明の固体経口剤形は、1種または複数の滑沢剤をさらに含み得る。好適な滑沢剤は、数ある中でも、例えば、ステアリン酸、およびステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウムまたはステアリン酸マグネシウム等のその誘導体である。
【0138】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、錠剤中に0.01~2重量%、好ましくは0.1~1.8重量%、より好ましくは0.2~1.6重量%の滑沢剤を含む。
【0139】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、錠剤中に0.01~2重量%、好ましくは0.1~1.8重量%、より好ましくは0.2~1.6重量%のステアリルフマル酸ナトリウムを含む。
【0140】
本発明の固体経口剤形は、1種または複数の崩壊剤をさらに含み得る。崩壊剤の量および属性は、本発明の固体経口剤形が頬側pHにおいて、3分未満で、好ましくは2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で、飲み込まれる前に崩壊する限り、特に限定されない。
【0141】
ある実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、コーンスターチ、デンプングリコール酸ナトリウムおよびアルファ化デンプンならびにそれらの混合物の群から選択される。特定の実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドンおよびデンプングリコール酸ナトリウムならびにそれらの混合物の群から選択される。より特定の実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドンおよびデンプングリコール酸ナトリウムの群から選択される。
【0142】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、1種または複数の崩壊剤を、口腔内分散性錠剤中に1~35重量%、好ましくは5~25重量%、より好ましくは10~20重量%の崩壊剤の量で含む。
【0143】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、クロスポビドンを、口腔内分散性錠剤中に1~35重量%、好ましくは5~25重量%、より好ましくは10~20重量%のクロスポビドンの量で含む。
【0144】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、クロスカルメロースナトリウムを、口腔内分散性錠剤中に1~35重量%、好ましくは5~25重量%、より好ましくは10~20重量%のクロスカルメロースナトリウムの量で含む。
【0145】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、デンプングリコール酸ナトリウムを、口腔内分散性錠剤中1~35重量%、好ましくは5~25重量%、より好ましくは10~20重量%のデンプングリコール酸ナトリウムの量で含む。
【0146】
本発明の固体経口剤形は、粒内および粒外崩壊剤賦形剤を含み得る。粒内および粒外崩壊剤賦形剤の量および属性は、本発明の固体経口剤形が、頬側pHにおいて、3分未満で、好ましくは2分半未満で、好ましくは2分未満で、より好ましくは1分未満で、およびさらに一層好ましくは45秒未満で、飲み込まれる前に崩壊する限り、特に限定されない。
【0147】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、1種または複数の崩壊剤を含み、ここで、前記1種または複数の崩壊剤は粒内である、すなわち、造粒前の方法工程において添加される。特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、粒内クロスポビドンを、口腔内分散性錠剤中1~35重量%、好ましくは5~25重量%、より好ましくは10~20重量%のクロスポビドンの量で含む。別の特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、粒内クロスカルメロースナトリウムを、口腔内分散性錠剤中1~35重量%、好ましくは5~25重量%、より好ましくは10~20重量%のクロスカルメロースナトリウムの量で含む。別の特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性錠剤は、粒内デンプングリコール酸ナトリウムを、口腔内分散性錠剤中1~35重量%、好ましくは5~25重量%、より好ましくは10~20重量%のデンプングリコール酸ナトリウムの量で含む。
【0148】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されている。
【0149】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、剤形当たりのラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、ラサギリン遊離塩基の重量に基づいて計算された、0.05mg~5.0mg、好ましくは0.25mg~3.0mg、より好ましくは0.5mg~2.0mg、およびさらに一層好ましくは0.5mg~1.0mgである。
【0150】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、マトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーはイオン交換樹脂であり、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、剤形当たりのラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、ラサギリン遊離塩基の重量に基づいて計算された、0.05mg~5.0mg、好ましくは0.25mg~3.0mg、より好ましくは0.5mg~2.0mg、およびさらに一層好ましくは0.5mg~1.0mgである。
【0151】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、イオン交換樹脂は、スルホン化ポリスチレンポリマー、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化スルホン化ポリスチレンポリマー、プロトン化スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化ポリメタクリル酸ポリマーおよびプロトン化メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーの、ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩または部分ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩の群から選択され、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、剤形当たりのラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、ラサギリン遊離塩基の重量に基づいて計算された、0.05mg~5.0mg、好ましくは0.25mg~3.0mg、より好ましくは0.5mg~2.0mg、およびさらに一層好ましくは0.5mg~1.0mgである。
【0152】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、イオン交換樹脂は、スルホン化ポリスチレンポリマー、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化スルホン化ポリスチレンポリマー、プロトン化スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化ポリメタクリル酸ポリマーおよびプロトン化メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーの、ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩または部分ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩の群から選択され、ここで、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩はマトリックス内に捕捉されており、ここで、イオン交換樹脂は、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩対イオン交換樹脂の重量対重量比で、1:1~1:10のものであり、剤形当たりのラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、ラサギリン遊離塩基の重量に基づいて計算された、0.05mg~5.0mg、好ましくは0.25mg~3.0mg、より好ましくは0.5mg~2.0mg、およびさらに一層好ましくは0.5mg~1.0mgである。
【0153】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含み、ここで、イオン交換樹脂は、スルホン化ポリスチレンポリマー、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化スルホン化ポリスチレンポリマー、プロトン化スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化ポリメタクリル酸ポリマーおよびプロトン化メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーの、ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩または部分ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩の群から選択され、ここで、口腔内分散性医薬固体剤形中に存在するラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の少なくとも97%w/wはマトリックス内に捕捉されており、ここで、イオン交換樹脂は、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩対イオン交換樹脂の重量対重量比で、1:1~1:10のものであり、剤形当たりのラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、ラサギリン遊離塩基の重量に基づいて計算された、0.05mg~5.0mg、好ましくは0.25mg~3.0mg、より好ましくは0.5mg~2.0mg、およびさらに一層好ましくは0.5mg~1.0mgである。
【0154】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性錠剤であって、ここで、イオン交換樹脂は、スルホン化ポリスチレンポリマー、スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、ポリメタクリル酸ポリマー、メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化スルホン化ポリスチレンポリマー、プロトン化スルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、プロトン化ポリメタクリル酸ポリマーおよびプロトン化メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーの、ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩または部分ナトリウムもしくはカリウムもしくはマグネシウムもしくはカルシウム塩の群から選択され、ここで、口腔内分散性錠剤中に存在するラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の少なくとも97%w/wはマトリックス内に捕捉されており、ここで、イオン交換樹脂は、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩対イオン交換樹脂の重量対重量比で、1:1~1:10のものであり、錠剤当たりのラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、ラサギリン遊離塩基の重量に基づいて計算された、0.05mg~5.0mg、好ましくは0.25mg~3.0mg、より好ましくは0.5mg~2.0mg、およびさらに一層好ましくは0.5mg~1.0mgである、口腔内分散性錠剤である。
【0155】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なポラクリリンナトリウムと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性錠剤であって、ここで、口腔内分散性錠剤中に存在するラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の少なくとも97%w/wはマトリックス内に捕捉されており、ここで、ポラクリリンナトリウムは、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩対ポラクリリンナトリウムの重量対重量比で、1:1~1:10のものであり、錠剤当たりのラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、ラサギリン遊離塩基の重量に基づいて計算された、0.05mg~5.0mg、好ましくは0.25mg~3.0mg、より好ましくは0.5mg~2.0mg、およびさらに一層好ましくは0.5mg~1.0mgである、口腔内分散性錠剤である。
【0156】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なポラクリリンナトリウムと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性錠剤であって、ここで、口腔内分散性錠剤中に存在するラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の少なくとも97%w/wはマトリックス内に捕捉されており、ここで、ポラクリリンナトリウムは、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩対ポラクリリンナトリウムの重量対重量比で、1:1~1:10のものであり、錠剤当たりのラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、ラサギリン遊離塩基の重量に基づいて計算された、0.05mg~5.0mg、好ましくは0.25mg~3.0mg、より好ましくは0.5mg~2.0mg、およびさらに一層好ましくは0.5mg~1.0mgであり、ここで、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤は、希釈剤を口腔内分散性錠剤の総重量に対して50~80%w/wの量で、および崩壊剤を口腔内分散性錠剤の総重量に対して10%~20%w/wの量で含む、口腔内分散性錠剤である。
【0157】
特定の実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なポラクリリンナトリウムと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性錠剤であって、ここで、口腔内分散性錠剤中に存在するラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の少なくとも97%w/wはマトリックス内に捕捉されており、ここで、ポラクリリンナトリウムは、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩対ポラクリリンナトリウムの重量対重量比で、1:4~1:6のものであり、錠剤当たりのラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩の治療有効量は、ラサギリン遊離塩基の重量に基づいて計算された、0.05mg~5.0mg、好ましくは0.25mg~3.0mg、より好ましくは0.5mg~2.0mg、およびさらに一層好ましくは0.5mg~1.0mgであり、ここで、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤は、マンニトールを口腔内分散性錠剤の総重量に対して50~80%w/wの量で、およびナトリウムクロスカルメロース(sodium croscarmellose)を口腔内分散性錠剤の総重量に対して10%~20%w/wの量で含む、口腔内分散性錠剤である。
【0158】
ある実施形態では、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性医薬固体剤形であって、ここで、剤形は、以下の方法:(i)ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩を、酸性条件下で水に溶解する工程と、(ii)工程(i)の溶液に、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーを添加し、取得された懸濁液を少なくとも2時間にわたって撹拌する工程と、(iii)1種もしくは複数の希釈剤、または崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種もしくは複数とのその混合物を別個に用意する工程と、(iv)工程(iii)においてそれぞれ用意した1種もしくは複数の希釈剤または混合物のいずれかを、工程(ii)の懸濁液で湿式造粒して、湿式顆粒を取得する工程と、(v)工程(iv)で取得された湿式顆粒を乾燥させて、乾式顆粒を取得する工程と、(vi)工程(v)で取得された乾式顆粒を、1種または複数の滑沢剤と、ならびに任意選択により、希釈剤、崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種または複数と混合する工程と、(vii)工程(vi)で取得された混合物を圧縮して、口腔内分散性医薬固体剤形を形成する工程とによって取得可能である、口腔内分散性医薬固体剤形。
【0159】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂と、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性錠剤であり、ここで、錠剤は、以下の方法:(i)ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩を、酸性条件下で水に溶解する工程と、(ii)工程(i)の溶液に、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なイオン交換樹脂を添加し、取得された懸濁液を少なくとも2時間にわたって撹拌する工程と、(iii)1種もしくは複数の希釈剤、または崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種もしくは複数とのその混合物を別個に用意する工程と、(iv)工程(iii)においてそれぞれ用意した1種もしくは複数の希釈剤または混合物のいずれかを、工程(ii)の懸濁液で湿式造粒して、湿式顆粒を取得する工程と、(v)工程(iv)で取得された湿式顆粒を乾燥させて、乾式顆粒を取得する工程と、(vi)工程(v)で取得された乾式顆粒を、1種または複数の滑沢剤と、ならびに任意選択により、希釈剤、崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種または複数と混合する工程と、(vii)工程(vi)で取得された混合物を圧縮して、口腔内分散性錠剤を形成する工程とによって取得可能である。
【0160】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なスルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーであり、好ましくはポラクリリンナトリウムであるスルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性錠剤であり、ここで、錠剤は、以下の方法:(i)ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩を、酸性条件下で水に溶解する工程と、(ii)工程(i)の溶液に、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なスルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーを添加し、ここでスルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーが好ましくはポラクリリンナトリウムであり、取得された懸濁液を少なくとも2時間にわたって撹拌する工程と、(iii)マンニトール、ならびに任意選択によりペパーミント、メントールおよびアセスルファムカリウム、または他の賦形剤を別個に用意する工程と、(iv)工程(iii)においてそれぞれ用意した1種もしくは複数の希釈剤または混合物のいずれかを、工程(ii)の懸濁液で湿式造粒して、湿式顆粒を取得する工程と、(v)工程(iv)で取得された湿式顆粒を乾燥させて、乾式顆粒を取得する工程と、(vi)工程(v)で取得された乾式顆粒を、ステアリルフマル酸ナトリウム、ならびに任意選択によりペパーミント、メントールおよびアセスルファムカリウム、または他の賦形剤と混合する工程と、(vii)工程(vi)で取得された混合物を圧縮して、口腔内分散性錠剤を形成する工程とによって取得可能である。
【0161】
ある実施形態では、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性医薬固体剤形であって、ここで、剤形は、以下の方法:(i)ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩を、酸性条件下で水に溶解する工程と、(ii)工程(i)の溶液に、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーを添加し、取得された懸濁液を少なくとも2時間にわたって撹拌する工程と、(iii)1種もしくは複数の希釈剤、または崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種もしくは複数とのその混合物を別個に用意する工程と、(iv)工程(iii)においてそれぞれ用意した1種もしくは複数の希釈剤または混合物のいずれかを、工程(ii)の懸濁液で湿式造粒して、湿式顆粒を取得する工程と、(v)工程(iv)で取得された湿式顆粒を乾燥させて、乾式顆粒を取得する工程と、(vi)工程(v)で取得された乾式顆粒を、1種または複数の滑沢剤と、ならびに任意選択により、希釈剤、崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種または複数と混合する工程と、(vii)工程(vi)で取得された混合物を圧縮して、口腔内分散性医薬固体剤形を形成する工程とによって取得可能であり;前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(a)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(b)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(c)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定される、口腔内分散性医薬固体剤形。
【0162】
ある実施形態では、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性医薬固体剤形であって、ここで、剤形は、以下の方法:(i)ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩を、酸性条件下で水に溶解する工程と、(ii)工程(i)の溶液に、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーを添加し、取得された懸濁液を少なくとも2時間にわたって撹拌する工程と、(iii)1種もしくは複数の希釈剤、または崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種もしくは複数とのその混合物を別個に用意する工程と、(iv)工程(iii)においてそれぞれ用意した1種もしくは複数の希釈剤または混合物のいずれかを、工程(ii)の懸濁液で湿式造粒して、湿式顆粒を取得する工程と、(v)工程(iv)で取得された湿式顆粒を乾燥させて、乾式顆粒を取得する工程と、(vi)工程(v)で取得された乾式顆粒を、1種または複数の滑沢剤と、ならびに任意選択により、希釈剤、崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種または複数と混合する工程と、(vii)工程(vi)で取得された混合物を圧縮して、口腔内分散性医薬固体剤形を形成する工程とによって取得可能であり;前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(a)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(b)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(c)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、ここで、前記口腔内分散性医薬固体剤形は3分未満で崩壊し、ここで、崩壊試験は、欧州薬局方崩壊装置Aを使用し、pH=7を有する水に37℃および毎分30サイクルで剤形を入れて実施された、口腔内分散性医薬固体剤形。
【0163】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬固体剤形は、治療有効量のラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩と、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なスルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーであり、好ましくはポラクリリンナトリウムであるスルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーと、1種または複数の薬学的に許容される賦形剤とを含む口腔内分散性錠剤であり、ここで、錠剤は、以下の方法:(i)ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩を、酸性条件下で水に溶解する工程と、(ii)工程(i)の溶液に、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なスルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーを添加し、ここでスルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーが好ましくはポラクリリンナトリウムであり、取得された懸濁液を少なくとも2時間にわたって撹拌する工程と、(iii)マンニトール、ならびに任意選択によりペパーミント、メントールおよびアセスルファムカリウム、または他の賦形剤を別個に用意する工程と、(iv)工程(iii)においてそれぞれ用意した1種もしくは複数の希釈剤または混合物のいずれかを、工程(ii)の懸濁液で湿式造粒して、湿式顆粒を取得する工程と、(v)工程(iv)で取得された湿式顆粒を乾燥させて、乾式顆粒を取得する工程と、(vi)工程(v)で取得された乾式顆粒を、ステアリルフマル酸ナトリウム、ならびに任意選択によりペパーミント、メントールおよびアセスルファムカリウム、または他の賦形剤と混合する工程と、(vii)工程(vi)で取得された混合物を圧縮して、口腔内分散性錠剤を形成する工程とによって取得可能であり;前記剤形が溶解プロファイルを呈し、それによれば、(a)pH=7.0で2分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して12%w/w未満のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、装置II(パドル)を使用し、pH=7.0下、37℃で剤形を500mLに入れ、毎分50回転で撹拌して決定され、(b)pH=1.2で15分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して75%w/w超のラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定され、(c)pH=1.2で40分後に、剤形の総ラサギリン含有量に対して少なくとも90%w/wのラサギリンが溶解し、ここで、溶解したラサギリンの量は、オービタルバスを使用し、pH=1.2下、37℃で剤形を50mLに入れ、毎分100回転で撹拌して決定される。
【0164】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬剤形の調製のための方法は、(i)ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩を、酸性条件下で水に溶解する工程と、(ii)工程(i)の溶液に、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーを添加し、取得された懸濁液を少なくとも2時間にわたって撹拌する工程と、(iii)1種もしくは複数の希釈剤、または崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種もしくは複数とのその混合物を別個に用意する工程と、(iv)工程(iii)においてそれぞれ用意した1種もしくは複数の希釈剤または混合物のいずれかを、工程(ii)の懸濁液で湿式造粒して、湿式顆粒を取得する工程と、(v)工程(iv)で取得された湿式顆粒を乾燥させて、乾式顆粒を取得する工程と、(vi)工程(v)で取得された乾式顆粒を、1種または複数の滑沢剤と、ならびに任意選択により、希釈剤、崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種または複数と混合する工程と、(vii)工程(vi)で取得された混合物を圧縮して、口腔内分散性医薬固体剤形を形成する工程とを含む。
【0165】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬剤形の調製のための方法は、(i)ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩を、酸性条件下で水に溶解する工程と、(ii)工程(i)の溶液に、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーを添加し、取得された懸濁液を少なくとも2時間にわたって撹拌する工程と、(iii)1種もしくは複数の希釈剤、または崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種もしくは複数とのその混合物を別個に用意する工程と、(iv)工程(iii)においてそれぞれ用意した1種もしくは複数の希釈剤または混合物のいずれかを、直接造粒溶媒としての工程(ii)の懸濁液で湿式造粒して、湿式顆粒を取得する工程と、(v)工程(iv)で取得された湿式顆粒を乾燥させて、乾式顆粒を取得する工程と、(vi)工程(v)で取得された乾式顆粒を、1種または複数の滑沢剤と、ならびに任意選択により、希釈剤、崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種または複数と混合する工程と、(vii)工程(vi)で取得された混合物を圧縮して、口腔内分散性医薬固体剤形を形成する工程とを含む。
【0166】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬剤形の調製のための方法は、口腔内分散性錠剤を提供し、該方法は、(i)ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩を、酸性条件下で水に溶解する工程と、(ii)工程(i)の溶液に、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーを添加し、取得された懸濁液を少なくとも2時間にわたって撹拌する工程と、(iii)1種もしくは複数の希釈剤、または崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種もしくは複数とのその混合物を別個に用意する工程と、(iv)工程(iii)においてそれぞれ用意した1種もしくは複数の希釈剤または混合物のいずれかを、工程(ii)の懸濁液で湿式造粒して、湿式顆粒を取得する工程と、(v)工程(iv)で取得された湿式顆粒を乾燥させて、乾式顆粒を取得する工程と、(vi)工程(v)で取得された乾式顆粒を、1種または複数の滑沢剤と、ならびに任意選択により、希釈剤、崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種または複数と混合する工程と、(vii)工程(vi)で取得された混合物を圧縮して、口腔内分散性錠剤を形成する工程とを含む。
【0167】
ある実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬剤形の調製のための方法は、口腔内分散性錠剤を提供し、該方法は、(i)ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩を、酸性条件下で水に溶解する工程と、(ii)工程(i)の溶液に、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーを添加し、取得された懸濁液を少なくとも2時間にわたって撹拌する工程と、(iii)1種もしくは複数の希釈剤、または崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種もしくは複数とのその混合物を別個に用意する工程と、(iv)工程(iii)においてそれぞれ用意した1種もしくは複数の希釈剤または混合物のいずれかを、直接造粒溶媒としての工程(ii)の懸濁液で湿式造粒して、湿式顆粒を取得する工程と、(v)工程(iv)で取得された湿式顆粒を乾燥させて、乾式顆粒を取得する工程と、(vi)工程(v)で取得された乾式顆粒を、1種または複数の滑沢剤と、ならびに任意選択により、希釈剤、崩壊剤、甘味料、香味剤および他の賦形剤のうちの1種または複数と混合する工程と、(vii)工程(vi)で取得された混合物を圧縮して、口腔内分散性錠剤を形成する工程とを含む。
【0168】
好ましい実施形態では、工程(i)のマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーは、イオン交換樹脂、好ましくはカチオン交換樹脂、より好ましくは酸性または弱酸性カチオン交換樹脂である。別の実施形態では、工程(i)のマトリックスを形成するのに好適な薬学的に許容されるポリマーは、メタクリル酸-ジビニルベンゼンコポリマーの部分カリウム塩またはスルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーの部分ナトリウム塩である。好ましい実施形態では、工程(iii)および(vi)の1種または複数の崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドンおよびデンプングリコール酸ナトリウムの群から選択される。
【0169】
本発明の方法の乾燥工程(v)は、湿式造粒プロセスにおいて顆粒を乾燥させるための技術水準において公知である任意の方法によって実施され得る。乾燥温度および乾燥プロセスの持続時間は、活性原料の性質および満足のいく錠剤の生産成功のために必要とされる水分のレベルによって決まる。概して、この目的のために、棚またはトレイ乾燥機および流動層乾燥機が使用され得る。ある実施形態では、本発明の方法の乾燥工程(v)は、真空条件下、好ましくは50~70℃、より好ましくは55~65℃で実施される。概して、用語「真空条件」は、0.5mbar~3mbarの、好ましくは1~2mbarから構成される圧力を指す。
【0170】
好ましい実施形態では、本発明の口腔内分散性医薬剤形の調製のための方法は、口腔内分散性錠剤を提供し、該方法は、(i)ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩を、酸性条件下で水に溶解する工程と、(ii)工程(i)の溶液に、ラサギリンまたは薬学的に許容されるその塩とマトリックスを形成するのに好適なスルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーを添加し、ここでスルホン化スチレン-ジビニルベンゼンコポリマーが好ましくはポラクリリンナトリウムであり、取得された懸濁液を少なくとも2時間にわたって撹拌する工程と、(iii)マンニトール、ならびに任意選択によりペパーミント、メントールおよびアセスルファムカリウム、または他の賦形剤を別個に用意する工程と、(iv)工程(iii)においてそれぞれ用意した1種もしくは複数の希釈剤または混合物のいずれかを、工程(ii)の懸濁液で湿式造粒して、湿式顆粒を取得する工程と、(v)工程(iv)で取得された湿式顆粒を乾燥させて、乾式顆粒を取得する工程と、(vi)工程(v)で取得された乾式顆粒を、ステアリルフマル酸ナトリウム、ならびに任意選択によりペパーミント、メントールおよびアセスルファムカリウム、または他の賦形剤と混合する工程と、(vii)工程(vi)で取得された混合物を圧縮して、口腔内分散性錠剤を形成する工程とを含む。
【0171】
本発明の口腔内分散性医薬固体剤形について上記で開示したすべての実施形態は、調製方法にも当てはまる。
【0172】
明細書および請求項の全体を通して、語「を含む」および該語の変化形は、他の技術的特色、添加物、成分または工程を除外することを意図しない。さらに、語「を含む」は、「からなる」の事例を包含する。本発明の追加の目的、利点および特色は、明細書の検査時に当業者に明らかとなるであろう、または本発明の実践によって学習され得る。以下の実施例および図面は例証として提供され、それらは本発明の限定であることを意図しない。図面に関連するおよび請求項において括弧に入れられている参照符号は、単に請求項の明瞭度を増大させようと試みるためのものであり、請求項の範囲を限定するものと解釈してはならない。さらに、本発明は、本明細書において記述される特定のおよび好ましい実施形態のすべての考えられる組合せを網羅する。
【実施例
【0173】
実施例1:本発明の口腔内分散性錠剤の製造プロセス
ラサギリン酒石酸塩をpH=2下で水に溶解する。完全に溶解したら、ポラクリリン樹脂C100NaMRを溶液に添加し、懸濁液を少なくとも2時間にわたって撹拌する。得られた懸濁液は、ポラクリリン樹脂C100NaMRで形成されたマトリックス内に捕捉されているラサギリンを含有し、これを、マンニトール、ナトリウムクロスカルメロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースの混合物の造粒溶媒として直接使用する。前記造粒およびその後の乾燥プロセスは、乾燥能力を持つせん断機/ミキサーで行う。代替として、乾燥プロセスは、流動層乾燥機または同等の機器で行ってよい。次いで、取得された乾燥顆粒を1mmの篩にかける。得られた顆粒を秤量し、ペパーミント、メントールおよびアセスルファムカリウム等の粒外賦形剤の必要量を再計算するために、収量を取得する。前記粒外賦形剤を1mmの篩にかけ、次いで、15rpmで少なくとも10分間にわたって顆粒と混合する。ステアリルフマル酸ナトリウムを1mmの篩にかけ、次いで、15rpmで少なくとも5分間にわたって混合する。次いで、8mm型押し器を使用して最終混合物を圧縮する。
【0174】
表1~4の口腔内分散性錠剤は、前の段落において記述した製造プロセスに従って同様に調製した。代替として、製造プロセスの第1の工程、すなわち、ラサギリン酒石酸塩の溶解およびラサギリンがそのように形成されたマトリックス内に捕捉されている薬学的に許容されるポリマーによるマトリックスの形成は、有機溶媒中または水および有機溶媒の混合物中で行ってよい。
【0175】
ラサギリンの薬学的に許容される塩としてラサギリンメシル酸塩を含む、さらなる口腔内分散性錠剤も調製した。
【0176】
【表1】
【0177】
【表2】
【0178】
【表3】
【0179】
【表4】
【0180】
実施例2:本発明の口腔内分散性錠剤の脆弱性試験および崩壊試験
表1~4において記述されている通りの製剤1~8を、実施例1において記述したプロセスに準拠して取得した。前記製剤を、欧州薬局方、第10.0版、336~337ページのガイドラインに従う脆弱性試験に提出した。結果を表5に示す。8mmの型押し器を使用してすべての錠剤を圧縮した。
【0181】
前記製剤1~8を、欧州薬局方、第10.0版、323ページの試験Aに準拠し、pH=7を有する水、37℃および毎分30サイクルで崩壊時間についても試験した。結果を同じく表5に示す。
【0182】
【表5】
【0183】
表5に示す通り、製剤1~8のすべての口腔内分散性錠剤は、欧州薬局方のガイドラインに従って1%未満の脆弱性を有するという要件に適合していた。その上、製剤1~8のすべての口腔内分散性錠剤は、口腔内分散性錠剤が、口の中に入れるための、飲み込まれる前に急速に崩壊する非コート錠として定義されている、欧州薬局方、第10.0版、939ページによって記されている定義に従って、口腔内分散性錠剤であるという要件に適合していた。欧州薬局方、第10.0版、323ページの崩壊試験Aに従う、pH=7を有する水、37℃および毎分30サイクルでの錠剤およびカプセル剤についての崩壊試験において、それらが崩壊しなくてはならない時間として3分を確立してもいる。
【0184】
実施例3:頬側pHにおける本発明の製剤の溶解プロファイル
実施例1において取得した製剤5、6および7ならびにAzilect(登録商標)の市販のフィルムコート錠(FCT)(1.0mg強度)の溶解プロファイルを、頬側pHにおいて測定した。結果を表6および図1に示す。
【0185】
【表6】
【0186】
【表7】
【0187】
溶解プロファイルは、本発明の剤形が、頬側pHにおいて、同じ条件下のAzilect(登録商標)よりもはるかに低いラサギリンの非常に低い放出を有することを示す。
【0188】
実施例4:胃内pHにおける本発明の製剤の溶解プロファイル
実施例1において取得した製剤5、6および7ならびにAzilect(登録商標)の市販のフィルムコート錠(FCT)(1.0mg強度)の溶解プロファイルを、胃内pHにおいて測定した。結果を表8および図2に示す。
【0189】
【表8】
【0190】
【表9】
【0191】
実施例5:本発明の製剤の安定性
実施例1において取得した製剤を分析して、制御された温度および相対湿度(RH)条件下である一定の時間にわたって保管された後に存在するインダン-1-アミン不純物(ラサギリンの「不純物I」としても公知)の量を定量化した。結果を表10に示す。
【0192】
【表10】
【0193】
すべての事例において、インダン-1-アミン不純物の含有量は、ICHがその新有効成分含有医薬品のうち製剤の不純物に関するガイドラインQ3B(R2)において分解生成物について確立している安全性確認の必要な閾値(0.5%)をはるかに下回っていた。
【0194】
実施例6:イオン交換樹脂で形成されたマトリックス内に捕捉されている活性原料の百分率
イオン交換樹脂で形成されたマトリックス内に捕捉されている活性原料の百分率を分析した。ラサギリン酒石酸塩を水中で撹拌し、HCl溶液を添加することによってpH=2になるまでpHを低下させた。イオン交換樹脂を溶液に添加し、撹拌を3時間にわたって維持した。その時点で(T1)、試料5mLを取り、それを濾過する。濾過により取得した液相をHPLCによって分析して、ラサギリン、すなわち、イオン交換樹脂で形成されたマトリックス内に捕捉されていないラサギリンの量を定量化する。T1において形成されたマトリックス内に捕捉されているラサギリンの対応する百分率は、ラサギリンの総量からマトリックス内に捕捉されていないラサギリンの量を差し引いた間の差異によって計算される。
【0195】
6時間時点で(T2)、別の試料5mLを取り、濾過する。時間T1に行ったものと同じ手順を繰り返す。結果を表11に示す。
【0196】
【表11】
【0197】
実施例7:バイオアベイラビリティー試験
第1の研究は、特許請求されている溶解および崩壊(disintergration)プロファイルによって定義された溶解挙動が、本発明の口腔内分散性製剤に、先行技術の従来のフィルムコート即時放出錠剤の1つ(すなわちAzilect(登録商標))と十分に同等のバイオアベイラビリティー(bioavailablity)を提供するのを可能にするものであることを示す。
【0198】
実施例8:代替的な測定方法に従って測定した頬側pHにおける本発明の製剤の溶解プロファイル。
実施例1において取得した製剤5、6および7の溶解プロファイルを、頬側pHにおいて代替的な測定方法(表13を参照)に従って測定した。結果を表12に示す。
【0199】
【表12】
【0200】
【表13】
【0201】
溶解プロファイルは、本発明の剤形が頬側pHにおいてラサギリンの非常に低い放出を有することを示す。頬側pHにおける溶解プロファイル特色の定性的要点は、第1または第2の代替的な測定方法のいずれかと同じままである。
【0202】
実施例9:代替的な第2の方法に従って測定した胃内pHにおける本発明の製剤の溶解プロファイル
【0203】
実施例1において取得した製剤5、6および7の溶解プロファイルを、胃内pHにおいて代替的な測定方法(表15を参照)に従って測定した。結果を表14に示す。
【0204】
【表14】
【0205】
【表15】
【0206】
溶解プロファイルはいずれも、本発明の剤形が胃内pHにおいてラサギリンの高い放出を有することを示す。胃内pHにおける溶解プロファイル特色の定性的要点は、第1のまたは代替的な測定方法のいずれかと同じままである。
【0207】
引用一覧
欧州薬局方、第10.0版、939ページ
欧州薬局方、第10.0版、323ページ
欧州薬局方、第10.0版、336~337ページ
ICH新有効成分含有医薬品のうち製剤の不純物に関するガイドラインQ3B(R2)
Comogluら(Formulation,in vitro and in vivo evaluation of taste masked rasagiline orally fast disintegrating tablets(ODTS)、Research&Reviews in Pharmacy and Pharmaceutical Sciences、2017、第6巻(2):27~38)
Tabiら(The pharmacokinetic evaluation of selegiline ODT for the treatment of Parkinson’s disease、Expert Opin.Drug Metab.Toxicol.、2013;第9巻(5):629~36)
WO2012015946
W02006057912
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Dimpfel,W.ら、Effects of rasagiline,its metabolite aminoindan and selegiline on glutamate receptor mediated signaling in the rat hippocampus slice in vitro、BMC Pharmacol.、2011、11:2.
図1
図2
【国際調査報告】