(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】ワイパモータ、ワイパモータを組み立てるための方法、および組み立てツール
(51)【国際特許分類】
H02K 5/08 20060101AFI20240130BHJP
B60S 1/08 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
H02K5/08 A
B60S1/08 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543234
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 EP2022050597
(87)【国際公開番号】W WO2022157058
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】102021101014.4
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル、ショイブレ
(72)【発明者】
【氏名】ハラルド、カピッツァ
【テーマコード(参考)】
3D225
5H605
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AC01
3D225AD01
3D225AE02
5H605AA07
5H605AA08
5H605BB05
5H605CC08
5H605DD09
5H605GG04
5H605GG18
(57)【要約】
本発明は、ギヤボックス(20)のためのレセプタクル空間(18)を構成するためのポット形状の本体(16)を好ましくは有するギヤボックスハウジング(12)を有するワイパモータ(10;10a)に関し、本体(16)の開口部(21)は、ギヤボックスカバー(22;22a)によって閉じることができ、本体(16)とギヤボックスカバー(22;22a)との間の接合方向(24)の方向に作用する複数のラッチ接続部(26)は、本体(16)とギヤボックスカバー(22;22a)との間に構成され、前記ラッチ接続部(26)は、いずれの場合にも、ギヤボックスカバー(22;22a)上の弾性変形可能な第1のラッチ要素(28;28a)と、本体(16)上にあり第1のラッチ要素(28;28a)と形状嵌合方式で相互作用する堅固に構成された第2のラッチ要素(30)とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギヤボックス(20)のためのレセプタクル空間(18)を構成するためのポット形状の本体(16)を好ましくは有するギヤボックスハウジング(12)を有するワイパモータ(10;10a)であって、前記本体(16)の開口部(21)は、ギヤボックスカバー(22;22a)によって閉じることができ、前記本体(16)と前記ギヤボックスカバー(22;22a)との間の接合方向(24)の方向に作用する複数のラッチ接続部(26)は、前記本体(16)と前記ギヤボックスカバー(22;22a)との間に構成され、前記ラッチ接続部(26)は、いずれの場合にも、前記ギヤボックスカバー(22;22a)上の弾性変形可能な第1のラッチ要素(28;28a)と、前記本体(16)上にあり前記第1のラッチ要素(28;28a)と形状嵌合方式で相互作用する堅固に構成された第2のラッチ要素(30)とを有し、舌型部分(48)を介して前記接合方向(24)にある前記第1のラッチ要素(28;28a)は、前記ギヤボックスカバー(22;22a)上の接続点(52)から突出し、前記部分(48)は、前記接合方向(24)に垂直に延在する方向に弾性変形可能であり、前記第1のラッチ要素(28;28a)上にあり前記舌型部分(48)の領域に配置された阻止部分(34;54)を介した前記ギヤボックスカバー(22;22a)の接合状態にある前記第2のラッチ要素(30)は、前記第1のラッチ要素(28;28a)上の阻止面(36;59)と相互作用し、
それぞれ前記接合方向(24)に垂直に延在する方向、または前記部分(48)の範囲に平行な方向の前記第1のラッチ要素(28;28a)の前記舌型部分(48)は、いかなるアンダーカットもないように構成される
ことを特徴とする、
ワイパモータ。
【請求項2】
前記第1のラッチ要素(28)の前記舌型部分(48)は、平行に配置され、前記接合方向(24)と整列するように延在し、いずれの場合にも、好ましくは一定の矩形断面を有し、前記ギヤボックスカバー(22)上の前記接続点(52)から外方に面する側にあり前記阻止部分(54)によって互いに接続される2つのウェブ(50、51)を有し、前記ウェブ(50、51)は、前記阻止部分(54)と協働して、前記舌型部分(48)上に矩形の隙間(56)を構成する
ことを特徴とする、
請求項1に記載のワイパモータ。
【請求項3】
前記本体(16)から外方に面する側の前記阻止部分(54)は、傾斜部(58)を有し、前記傾斜部(58)の深さ(t)は、前記接合方向(24)に見たときに増加する
ことを特徴とする、
請求項1または2に記載のワイパモータ。
【請求項4】
前記傾斜部(58)は、前記阻止面(59)に移行し、前記阻止面(59)は、平坦であるように構成され、前記接合方向(24)に垂直に延在する
ことを特徴とする、
請求項3に記載のワイパモータ。
【請求項5】
前記ギヤボックスカバー(22)は、プラスチック材料で構成され、射出成形構成要素として構成される
ことを特徴とする、
請求項1から4のいずれか一項に記載のワイパモータ。
【請求項6】
断面における前記第2のラッチ要素(30)は、くさび形状であるように構成され、前記接合方向(24)に垂直に延在する傾斜部(58)を有し、前記傾斜部(58)の深さは、前記接合方向(24)に見たときに増加する
ことを特徴とする、
請求項1から5のいずれか一項に記載のワイパモータ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に従って構成されたワイパモータ(10)を組み立てるための方法であって、少なくとも以下のステップ:
前記接合方向(24)に見たとき、前記第1および前記第2のラッチ要素(28、30)が相互に整列するように、前記本体(16)に対して前記ギヤボックスカバー(22)を位置決めするステップと、
前記ギヤボックスカバー(22)と前記本体(16)との間の前記ラッチ接続部(26)が構成されるまで、前記接合方向(24)に互いに対して前記ギヤボックスカバー(22)および前記本体(16)とを移動させるステップと、
前記本体(16)の方向に、接合手順中、または前記本体(16)に対する前記ギヤボックスカバー(22)の軸方向終端位置に達したとき、前記第1のラッチ要素(28)に対して前記接合方向(24)に垂直に整列する力(F)を加えるステップと
を備える、方法。
【請求項8】
前記力(F)は、前記傾斜部(58)の領域における前記第1のラッチ要素(28)に加えられる
ことを特徴とする、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記力(F)は、前記接合方向(24)に平行に移動可能であるように構成された組み立てツール(100)によって加えられる、
ことを特徴とする、
請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
請求項7から9のいずれか一項に記載の力(F)を加えるように構成された、組み立てツール(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば特に車両のガラスを洗浄するための拭き取り設備の構成部品としての役割を果たすワイパモータに関する。本発明はさらに、このタイプのワイパモータを組み立てるための方法、ならびに組み立てを実行するための組み立てツールに関する。
【背景技術】
【0002】
請求項1の前文の特徴を有するワイパモータは、実用上知られている。既知のワイパモータは、ギヤボックスを受け入れるための特にポット形状の本体と、本体の開口部を閉じるギヤボックスカバーとで構成されたギヤボックスハウジングによって区別される。ギヤボックスカバーによる本体のそれぞれの締結または閉鎖は、いずれの場合にも、ギヤボックスカバー上の弾性変形可能な第1のラッチ要素と、本体上にあり第1のラッチ要素と形状嵌合方式で相互作用する堅固に構成された第2のラッチ要素とを有する複数のラッチ接続部によって行われる。ラッチ接続部を構成するために、舌型部分の領域に配置され、阻止面(blocking face)を有する阻止部分(blocking portion)を介した第1のラッチ要素は、第2のラッチ要素と相互作用する。ここで、その長手方向範囲に垂直に延在する方向、または接合方向に垂直に延在する方向の(舌型の)第1のラッチ要素は、アンダーカットを有することが不可欠である。これは、一体的に成形された第1のラッチ要素を有するギヤボックスカバーを構成するための金型が、第1のラッチ要素の領域におけるギヤボックスカバーの離型を可能にするために、互いに対して移動可能であるように配置された複数の金型部品またはスライドでそれぞれ構成されなければならない限り、不都合である。ギヤボックスハウジングのギヤボックスカバーと本体との間の自動化された組み立てプロセスでは、第1のラッチ要素および第2のラッチ要素が動作可能な接続状態で実際に配置されることを確実にするために、ギヤボックスカバーを本体に接合する際の第1のラッチ要素が、元の接合方向に垂直に延在する力と衝突することがさらに必要である。したがって、ギヤボックスハウジングの完全に自動化された組み立てのための組み立てツールは、比較的複雑な設計のものであり、これは、前記組み立てツールが、第1のラッチ要素と相互作用し、かつ接合方向に垂直に移動可能である、第1のラッチ要素に対して作用する要素をさらに有する必要があるためである。
【発明の概要】
【0003】
請求項1の特徴を有する本発明によるワイパモータは、特に、ギヤボックスカバーを製造するために必要な金型を特に簡単な方式で、または特に少数の部品からそれぞれ構成することができるという利点を有する。これにより、ツールの投資コスト、ひいてはギヤボックスカバーの製造コストが特に最小限に抑えられる。
【0004】
本発明は、ギヤボックスカバー上の第1のラッチ要素を、ギヤボックスハウジングの本体に対して、ギヤボックスカバーの接合方向に垂直に延在する方向の前記ラッチ要素が、アンダーカットを含まないように、すなわち、いかなるアンダーカットもないように構成されるように構成するという概念に基づいている。結果として、ギヤボックスカバーは、通常、軸方向に相互に調整可能な2つの金型のみによって製造することが可能である。したがって、従来技術における第1のラッチ要素の領域において必要とされるような、互いに横方向に移動することができるように配置されるスライドの使用は不要である。
【0005】
本発明によるワイパモータの有利な改良形態は、従属請求項に記載されている。
【0006】
第1のラッチ要素の弾性変形および2つのラッチ要素間のラッチ接続部の構成をギヤボックスハウジングのギヤボックスカバーと本体との間の軸方向移動において可能にするために、断面における第2のラッチ要素は、くさび形状であるように構成され、接合方向に垂直に延在する支持面を有し、前記支持面の深さは、接合方向に見たときに増加することが特に好ましい。ここで、組み立てプロセス中の支持面は、第1のラッチ要素上の阻止部分と相互作用し、それにより支持面による阻止部分は、接合方向に実質的に垂直に延在する方向に、舌型の第1のラッチ要素の弾性変形を引き起こす力と衝突する。
【0007】
第1のラッチ要素の構造的な設計の実施形態に関して、第1のラッチ要素の舌型部分は、相互に平行であるように配置され、接合方向と整列するように延在し、いずれの場合にも、好ましくは一定の矩形断面を有し、ハウジングカバー上の接続点から外方に面する側にあり阻止部分によって互いに接続される2つのウェブを有することがさらに好ましく、ウェブは、阻止部分と協働して、舌型部分上に矩形の隙間をそれぞれ画定または構成する。
【0008】
第1のラッチ要素の1つの特定の好ましい設計の実施形態では、本体から外方に面する側の阻止部分は、傾斜部を有し、傾斜部の深さは、接合方向に見たときに増加することになる。これは、特に組み立てツールに関連して、ギヤボックスハウジングの本体に対してギヤボックスカバーを組み立てる間、ギヤボックスハウジングのギヤボックスカバーと本体との間のラッチ接続部の構成を確実にするために、接合方向に垂直に延在する力が第1のラッチ要素に加えられることを可能にする。
【0009】
最後の提案の改良形態では、傾斜部は、阻止面に移行し、阻止面は、平坦であるように構成され、接合方向に垂直に延在することになる。
【0010】
冒頭で既に説明したように、ギヤボックスカバーを経済的に製造することができるという点で、前記ギヤボックスカバーがプラスチック材料で構成され、射出成形構成要素として構成されることが特に有利である。
【0011】
本発明はまた、上述のように構成されたワイパモータを組み立てるための方法をさらに備え、方法は、少なくとも以下の方法ステップを備える:第1に、本体に対するギヤボックスカバーの位置決めが、接合方向に見たとき、第1および第2のラッチ要素が相互に整列するように行われる。その後、ギヤボックスカバーと本体との間のラッチ接続部が構成されるまで、接合方向に互いに対してギヤボックスカバーおよび本体を移動させるステップが行われる。最後に、本体の方向に、接合手順中、または本体に対するギヤボックスカバーの軸方向終端位置に達したとき、第1のラッチ要素に対して接合方向に垂直に整列する接合力を加えるステップが行われる。
【0012】
ここまで説明した方法の改良形態では、接合力は、傾斜部の領域における第1のラッチ要素に加えられることになる。
【0013】
ここでは特に、接合力は、接合方向に平行に移動可能であるように構成された組み立てツールによって加えられるようにすることができる。
【0014】
最後に、本発明はまた、接合力を加えるためのアセンブリもまた備える。
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細は、本発明の好ましい実施形態の以下の説明から、ならびに図面によって導き出される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】従来技術によるギヤボックスハウジングの本体上のギヤボックスカバーの接合手順中のワイパモータを示す斜視図である。
【
図2】組み立てられたギヤボックスカバーにおける図 1によるワイパモータの詳細を示す断面図である。
【
図3】本発明によるギヤボックスカバー上のラッチ要素の領域を示す長手方向断面図である。
【
図4】ギヤボックスハウジングに対して組み立てられ、
図3によるラッチ要素を有するギヤボックスカバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
同一の要素または同一の機能を有する要素は、図において同じ参照番号で示されている。
【0017】
まず、
図1および
図2に基づいて、従来技術によるワイパモータ10aの場合の組み立てプロセスについて説明する。ワイパモータ10aは、電気モータが配置されるモータハウジング14がフランジ嵌合されるギヤボックスハウジング12aを備える。ギヤボックスハウジング12は、ギヤボックス20のためのレセプタクル空間18を構成するための少なくとも1つのポット形状の本体16を有する。レセプタクル空間18または本体16のそれぞれの開口部21は、プラスチック材料で構成され、射出成形法によって製造されたギヤボックスカバー22aによって閉じることができる。この目的のために、
図1の矢印によって識別され、ギヤボックスカバー22aの平面に垂直に延在する、組み立てまたは接合方向24のギヤボックスカバー22aは、例えば、ギヤボックスハウジング12の本体16に対して移動される。
【0018】
ギヤボックスカバー22aが本体16に対してその軸方向終端位置に達したギヤボックスハウジング12の接合状態では、例示的な方式で、複数の、例えば3つまたは4つのラッチ接続部26がギヤボックスカバー22aと本体26との間に構成され、前記ラッチ接続部26の1つが
図2に見える。ラッチ接続部26は、ギヤボックスカバー22a上の舌型の第1のラッチ要素28a、および本体16上に構成され、第1のラッチ要素28aと相互作用する第2のラッチ要素30によって形成される。第1のラッチ要素28aは、相互に平行であるように延在し、ギヤボックスカバー22aと一体またはモノリシックであるように構成された2つのウェブ32、33を有し、ギヤボックスカバー22aから外方に面する側の2つのウェブ32、33は、ウェブ状の横方向に延在する阻止部分34によって互いに接続される。阻止部分34は、接合方向24に垂直に延在し、ギヤボックスハウジング12の接合状態において第2のラッチ要素30上に構成された合わせ面38と相互作用する阻止面36を有する。
【0019】
断面における第2のラッチ要素30は、くさび形状であるように構成され、接合状態において、第2のラッチ要素30が、第1のラッチ要素28a上にあり2つのウェブ32、33によって画定される矩形の隙間40内に受け入れられることを可能にする幅を有する。
【0020】
ギヤボックスハウジング12の接合手順では、例えば、ギヤボックスカバー22aが本体16に対して移動される。ここで、阻止部分34は、(くさび形状であるように構成された)第2のラッチ要素30と接触し、第1のラッチ要素28aは、第1のラッチ要素28aが弾性変形されるという点で本体16から離れるように移動される。第2のラッチ要素30を横切った後、阻止部分34は、ラッチ接続部26が本体16に対するギヤボックスカバー22aの軸方向終端位置に構成されるように、本体16の方向にスナップバックする。ラッチ接続部26が実際に構成されていること、すなわち、第1のラッチ要素28aの阻止面36が第2のラッチ要素30上の合わせ面38と相互作用することを確実にするために、矢印42の方向に延在する力が、その後、図示されていない組み立てツールによって第1のラッチ要素28aに加えられる。ここで、矢印42の方向は、接合方向24に垂直に延在する。
【0021】
特に
図2の図によって分かるように、第1のラッチ要素28aの2つのウェブ32、33は、接合方向24に対してわずかに斜めになるように、すなわち、平行ではないように延在する。結果として、接合方向24に平行に延在する平面44に関して、本体16に面する側のウェブ32、33の領域における第1のラッチ要素28aは、アンダーカット46を有する。
【0022】
図3~
図5には、本発明に係るワイパモータ10用の本発明に係る22によるギヤボックスカバーが示されており、前記ギヤボックスカバー22は、
図1および
図2と比較して修正されている。ギヤボックスカバー22は、ギヤボックスカバー22aと比較して、修正された第1のラッチ要素28によって区別される。第1のラッチ要素28は、いずれの場合にも、相互に平行であるように配置され、それぞれ接合方向24と整列または平行になるように延在する、各々が好ましくは一定の矩形断面を有する2つのウェブ50、51を有する舌型部分48を有する。さらに、ギヤボックスカバー22への接続点52から外方に面する側の第1のラッチ要素28の2つのウェブ50、51は、横方向に延在する阻止部分54によって互いに接続される。ウェブ50、51は、阻止部分54および接続点52と協働して、矩形の隙間56を画定する。ギヤボックスハウジング12の本体16から外方に面する側の阻止部分51は、2つのウェブ50、51の平面を超えて突出し、その深さtが接合方向24、すなわち、本体16に向かう方向に増加する傾斜部58を有する。傾斜部58は、阻止面59に移行し、阻止面59は、平坦であるように構成され、接合方向24に垂直に延在する。
【0023】
ギヤボックスカバー22は、ギヤボックスカバー22の平面に平行に、特に開口部21を閉じるギヤボックスカバー22の下縁55に平行に延在する分離平面53(
図3)を有することがさらに説明される。分離平面53は、接合方向24に垂直に、かつラッチ要素28の舌型部分48の範囲に垂直に延在する。射出成形法によってギヤボックスカバー22を製造するための図示されていない金型部品は、分離平面53の領域で互いに接触し、分離平面53に垂直に相互に移動可能であるように配置される。
【0024】
従来技術による第2のラッチ要素30は、前記第2のラッチ要素30の深さが接合方向24に見たときに増加するようにくさび形状であるように構成され、第2のラッチ要素30は、阻止面59と相互作用する合わせ面38を有する。
【0025】
図3によって特に明確に分かるように、第1のラッチ要素28は、平面62に関して、それぞれ、ウェブ50、51の領域において本体16上の接合方向24に平行に配置されるように構成されるか、いかなるアンダーカットも有さないか、またはアンダーカットがないように構成される。これは、ウェブ50、51、または第1のラッチ要素28の後側61全体がそれぞれ平面62に平行に、またはそれぞれ平面62と整列するように延在するという事実によって強調される。
【0026】
さらに、
図3および
図4によって、本体16から外方に面する側の阻止部分54がウェブ50、51の外側に延在することが特に明確に分かる。これは、
図3に見ることができ、かつ本体16の第2のラッチ要素30に関連してギヤボックスカバー22または第1のラッチ要素28のそれぞれの軸方向終端位置に達すると、接合方向24に平行に移動可能であるように構成された組み立てツール100に関連して、第1のラッチ要素28の阻止部分54が第2のラッチ要素30上の合わせ面38との動作可能な接続状態を確立していることを確実にするために、接合方向24に実質的に垂直に作用する力Fが、阻止面59上の組み立てツール100の支持面102の軸受接触によって第1のラッチ要素28に加えられることを可能にする。
【0027】
ここまで説明したワイパモータ10aは、本発明の概念から逸脱することなく、多種多様な方法で変更または修正することができる。特に、組み立てまたは接合方向24はそれぞれ、ギヤボックスカバー22、22aがギヤボックスハウジング12の本体16に向かう方向に移動する場合に関連することが指摘される。もちろん、本体16を代わりにギヤボックスカバー22、22aに向かう方向に移動させること、または言及された両方の部品を同時に収束させることも考えられる。
【符号の説明】
【0028】
10 ワイパモータ
10a ワイパモータ
12 ギヤボックスハウジング
14 モータハウジング
16 本体
18 レセプタクル空間
20 ギヤボックス
21 開口部
22 ギヤボックスカバー
22a ギヤボックスカバー
24 接合方向
26 ラッチ接続部
28a 第1のラッチ要素
30 第2のラッチ要素
32 ウェブ
33 ウェブ
34 阻止部分
36 阻止面
38 合わせ面
40 隙間
42 矢印
44 平面
46 アンダーカット
48 部分
50 ウェブ
51 ウェブ
52 接続点
53 分離平面
54 阻止部分
55 下縁
56 隙間
58 傾斜部
59 阻止面
61 後側
62 平面
100 組み立てツール
102 支持面
K 力
t 深さ
【国際調査報告】