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特表2024-505459外科用センサデータストリームの協調処理
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】外科用センサデータストリームの協調処理
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20240130BHJP
   A61B 34/10 20160101ALI20240130BHJP
   G16H 40/67 20180101ALI20240130BHJP
【FI】
G16H20/00
A61B34/10
G16H40/67
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544313
(86)(22)【出願日】2022-01-21
(85)【翻訳文提出日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 IB2022050512
(87)【国際公開番号】W WO2022157683
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】17/156,278
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.イーサネット
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】エッカート・チャド・イー
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA22
(57)【要約】
外科データ処理修正コマンドは、外科処置の外科データ処理要件の変化に基づいてトリガされ得る。また、外科データ処理修正コマンドは、出力周波数、出力解像度、処理リソース利用、動作データ変換等の処理の変更を指示することができる。本明細書に開示される外科データ処理修正コマンド及びシステムは、処置特有の負荷分散及びセンサ優先順位付けを含む、外科感知のための種々の処理戦略を実装するために使用されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科処置中に外科データを処理するためのデバイスであって、
メモリと、
プロセッサと、を備え、前記プロセッサが、
前記メモリから第1の外科データ処理スキーマを検索することと、
センサデータチャネルへの出力のために、前記第1の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第1の部分に対して第1の処理を実行することと、
センサ制御チャネルを介して外科データ処理修正コマンドを受信することと、
前記外科データ処理修正コマンドに従って第2の外科データ処理スキーマを前記メモリに保存することであって、前記第2の外科データ処理スキーマは前記第1の外科データ処理スキーマとは異なる、ことと、
前記センサデータチャネルへの出力のために、前記第2の外科データ処理スキーマに従って、前記着信センサデータの第2の部分に対して第2の処理を実行することであって、前記第2の処理は前記第1の処理とは異なる、ことと、
を行うように構成されている、デバイス。
【請求項2】
前記外科データ処理修正コマンドは、外科用ハブから受信される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記外科データ処理修正コマンドは、前記外科処置の外科データ処理要件の変化に基づいてトリガされる、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の処理は、前記第2の処理とは異なる出力周波数を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1の処理は、前記第2の処理とは異なる出力解像度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の処理は、処理リソースの利用に関して前記第2の処理と異なる、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1の処理は、データ変換動作に関して前記第2の処理とは異なる、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記着信センサデータを生成するように構成されたセンサユニットを更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
外部デバイスから前記着信センサデータを受信するように構成された入力を更に備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の処理及び前記第2の処理のうちのいずれか1つの第1のそれぞれの入力/出力変換はパススルーであり、前記第1の処理及び前記第2の処理のうちのいずれか他の1つの第2のそれぞれの入力/出力変換は、パススルー以外の入力/出力変換を含み、任意選択で、パススルー以外の前記入力/出力変換は、アトミック処理、ストリーム処理、又は複合処理のいずれかを実行する、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
システムにおいて外科処置中に外科データを処理するための方法であって、前記方法は、
前記システムの第2のデバイスにおいて、センサデータチャネルへの出力のために、第1の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第1の部分に対して第1の処理を実行することと、
前記システムの第1のデバイスにおいて、外科データ処理修正コマンドを送信することと、
前記システムの前記第2のデバイスにおいて、
センサ制御チャネルを介して前記外科データ処理修正コマンドを受信することと、
前記センサデータチャネルへの出力のために、第2の外科データ処理スキーマに従って、前記着信センサデータの第2の部分に対して第2の処理を実行することであって、前記第2の外科データ処理スキーマは、前記外科データ処理修正コマンドに基づき、前記第1の外科データ処理スキーマとは異なる、ことと、
を含む、方法。
【請求項12】
外科処置中に外科データを処理するためのシステムであって、前記システムは、
外科データ処理修正コマンドを送信するように構成された第1のデバイスと、
第2のデバイスと、を備え、前記第2のデバイスが、
センサデータチャネルへの出力のために、第1の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第1の部分に対して第1の処理を実行することと、
センサ制御チャネルを介して前記外科データ処理修正コマンドを受信することと、
前記センサデータチャネルへの出力のために、第2の外科データ処理スキーマに従って、前記着信センサデータの第2の部分に対して第2の処理を実行することであって、前記第2の外科データ処理スキーマは、前記外科データ処理修正コマンドに基づき、前記第1の外科データ処理スキーマとは異なる、ことと、
を行うように構成されている、システム。
【請求項13】
前記外科データ処理修正コマンドは、前記外科処置の外科データ処理要件の変化に基づいてトリガされる、請求項11に記載の方法又は請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記外科データ処理修正コマンドは、外科データ処理利用閾値を超えることによってトリガされる、請求項11若しくは13に記載の方法、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス、又は請求項12若しくは13に記載のシステム。
【請求項15】
前記外科データ処理修正コマンドは、閾値を超える前記着信センサデータの外科重要度に基づいてトリガされる、請求項11、13、若しくは14のいずれか一項に記載の方法、請求項1~10、若しくは14のいずれか一項に記載のデバイス、又は請求項12~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の処理は、前記第2の処理とは異なる出力周波数を有する、請求項11若しくは13~15のいずれか一項に記載の方法、請求項1~10、14、若しくは15のいずれか一項に記載のデバイス、又は請求項12~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の処理は、前記第2の処理とは異なる出力解像度を有する、請求項11若しくは13~16のいずれか一項に記載の方法、請求項1~10、14、15若しくは16のいずれか一項に記載のデバイス、又は請求項12~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の処理は、処理リソースの利用に関して前記第2の処理と異なる、請求項11若しくは13~17のいずれか一項に記載の方法、請求項1~10、14、15、16、若しくは17のいずれか一項に記載のデバイス、又は請求項12~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の処理は、データ変換動作に関して前記第2の処理と異なる、請求項11若しくは13~18のいずれか一項に記載の方法、請求項1~10、14、15、16、若しくは17のいずれか一項に記載のデバイス、又は請求項12~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
外科処置中に外科センサデータストリームに第1の処理動作、第2の処理動作、及び第3の処理動作を適用するためのシステムであって、前記システムは、
第1の外科システム構成要素であって、前記第1の外科システム構成要素は、
外科センサデータストリームを受信し、
前記外科センサデータストリームの第1の部分に、第1の動作及び第2の処理動作を適用し、
外科データ処理修正コマンドを受信したことに基づいて、前記第2の処理動作ではなく前記第1の処理動作を前記外科センサデータストリームの第2の部分に適用するように構成された、第1の外科システム構成要素と、
第2の外科システム構成要素であって、前記第2の外科システム構成要素は、
前記第1の外科システム構成要素から前記外科センサデータストリームを受信し、
前記外科センサデータストリームの前記第1の部分に、前記第2の処理動作ではなく、第3の動作を適用し、
前記外科センサデータストリームの前記第2の部分に、前記第3の処理動作及び前記第2の処理動作を適用するように構成された、第2の外科システム構成要素と、
を備える、システム。
【請求項21】
外科処置中に外科センサデータストリームに第1の処理動作、第2の処理動作、及び第3の処理動作を適用するためのシステムであって、前記システムは、
第1の外科システム構成要素であって、前記第1の外科システム構成要素は、
外科センサデータストリームを受信し、
前記外科センサデータストリームの第1の部分に、処理動作を適用し、
外科データ処理修正コマンドを受信し、
前記外科データ処理修正コマンドに基づいて、前記外科センサデータストリームの第2の部分に前記処理動作を適用しないように構成された、第1の外科システム構成要素と、
第2の外科システム構成要素であって、前記第2の外科システム構成要素は、
前記第1の外科システム構成要素から前記外科センサデータストリームを受信し、
前記外科センサデータストリームの前記第1の部分に、前記処理動作を適用せず、
前記外科センサデータストリームの前記第2の部分に、前記処理動作を適用するように構成された、第2の外科システム構成要素と、
を備える、システム。
【請求項22】
前記外科データ処理修正コマンドは、前記外科処置の外科データ処理要件の変化に基づく前記第1の外科システム構成要素と前記第2の外科システム構成要素との間の負荷分散動作に基づいてトリガされる、請求項20又は21に記載のシステム。
【請求項23】
前記外科データ処理修正コマンドは、外科用ハブから受信される、請求項20~22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記外科データ処理修正コマンドは、前記外科処置の外科データ処理要件の変化に基づいてトリガされる、請求項20~23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記着信外科センサデータストリームを生成するように構成されたセンサユニットを更に備える、請求項20~24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
外部デバイスから前記着信外科センサデータストリームを受信するように構成された入力を更に備える、請求項20~25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記外科データ処理修正コマンドは、外科データ処理利用閾値を超えることによってトリガされる、請求項20~26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記外科データ処理修正コマンドは、閾値を超える前記着信センサデータの外科重要度によってトリガされる、請求項20~27のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、同時に出願された以下の出願に関連し、これらのそれぞれの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
・代理人整理番号END9290USNP1、「METHOD OF ADJUSTING A SURGICAL PARAMETER BASED ON BIOMARKER MEASUREMENTS」と題された米国特許出願。
【背景技術】
【0002】
現代の手術環境は、患者の手術の態様を感知及び/又は監視するシステム(例えば、感知システム)を含み得る。システムは、例えば、バイオマーカ、外科用ツールパラメータ等の外科関連情報をキャプチャしてもよい。
【0003】
これらの感知システムは、あるレベルの独立性を伴って動作し得る。例えば、手術環境は、各々がそれぞれの独立したデータストリームを提供する、多くの独立した感知システムを含み得る。
【0004】
多くの独立したデータストリームを収集及び/又は使用する技術的作業は困難な作業である。データストリームの独立した性質は、それらの統合及び/又は組み合わせた使用を複雑にすることがある。データ及び処理の量は、手術環境におけるシステムを圧倒し得る。これらのような問題は、医療専門家がこの手術関連情報を適切に見て、解釈し、最終的にはそれに基づいて行動する能力を妨げる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、外科処置中に外科データを処理するためのデバイスが提供される。デバイスは、メモリ及びプロセッサを備え得る。プロセッサは、メモリから第1の外科データ処理スキーマを検索するように構成され得る。プロセッサは、センサデータチャネルへの出力のために、第1の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第1の部分に対して第1の処理を実行するように更に構成され得る。プロセッサは、センサ制御チャネルを介して外科データ処理修正コマンドを受信するように更に構成されてもよい。プロセッサは、外科データ処理修正コマンドに従って、第2の外科データ処理スキーマをメモリに保存するように更に構成され得る。第2の外科データ処理スキーマは、第1の外科データ処理スキーマとは異なってもよい。プロセッサは、センサデータチャネルへの出力のために、第2の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第2の部分に対して第2の処理を実行するように更に構成され得る。第2の処理は、第1の処理とは異なり得る。
【0006】
デバイスは、外科処置中のデータ処理のより良好な調整を可能にする。データ処理動作は、データ処理修正コマンドに基づいて、着信センサデータの処理中に変更することができる。例えば、データ処理は、センサ作業負荷データ、外科処置計画データ、又は外科状況認識データに基づいて変更され得る。処理の変更は、手術におけるシステム及び医療専門家のデータ処理ニーズの変化によって、又は外科処置自体に関連付けられたデータ処理ニーズの変化によって動機付けされ得る。例えば、センサデータのデータ処理を変更することによって、デバイスは、デバイス自体におけるデータ処理を停止又は最小化して、他の必要性のために処理能力を解放し、未加工の未処理データを処理のために別のデバイスに渡すことができる。処理動作は、より多くの容量が利用可能である他のデバイス又はシステム構成要素にシフトされ得る。これらの手段は、全体的なシステム利用率、データ処理速度、及びデータ収集速度を改善する。更に、デバイス自体の処理能力を解放することは、例えば、外科処置アプローチにおける重要なこととして、又は医学的緊急事態が発生した場合に、より多くの処理能力を可能にする。全体として、そのような処理調整は、効率、データ信頼性、障害及び故障処理、システム柔軟性、並びに全体的性能を改善し、改善された患者安全性及び改善された外科処置につながる。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、システムにおいて外科処置中に外科データを処理する方法が提供される。本方法は、システムの第2のデバイスにおいて、センサデータチャネルへの出力のために、第1の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第1の部分に対して第1の処理を実行することを含み得る。本方法は、システムの第1のデバイスにおいて、外科データ処理修正コマンドを送信することを更に含み得る。方法は、システムの第2のデバイスにおいて、センサ制御チャネルを介して外科データ処理修正コマンドを受信することを更に含んでもよい。本方法は、システムの第2のデバイスにおいて、センサデータチャネルへの出力のために、第2の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第2の部分に対して第2の処理を実行することを更に含み得る。第2の外科データ処理スキーマは、外科データ処理修正コマンドに基づくことができ、第1の外科データ処理スキーマとは異なることができる。
【0008】
方法は、外科処置中のデータ処理のより良好な調整を可能にする。データ処理動作は、データ処理修正コマンドに基づいて、着信センサデータの処理中に変更することができる。例えば、データ処理は、センサ作業負荷データ、外科処置計画データ、又は外科状況認識データに基づいて変更され得る。処理の変更は、手術におけるシステム及び医療専門家のデータ処理ニーズの変化によって、又は外科処置自体に関連付けられたデータ処理ニーズの変化によって動機付けされ得る。例えば、センサデータのデータ処理を変更することによって、デバイスは、デバイス自体におけるデータ処理を停止又は最小化して、他の必要性のために処理能力を解放し、未加工の未処理データを処理のために別のデバイスに渡すことができる。処理動作は、より多くの容量が利用可能である他のデバイス又はシステム構成要素にシフトされ得る。これらの手段は、全体的なシステム利用率、データ処理速度、及びデータ収集速度を改善する。更に、デバイス自体の処理能力を解放することは、例えば、外科処置アプローチにおける重要なこととして、又は医学的緊急事態が発生した場合に、より多くの処理能力を可能にする。全体として、そのような処理調整は、効率、データ信頼性、障害及び故障処理、システム柔軟性、並びに全体的性能を改善し、改善された患者安全性及び改善された外科処置につながる。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、外科処置中に外科データを処理するためのシステムが提供される。システムは、外科データ処理修正コマンドを送信するように構成された第1のデバイスを備え得る。システムは、センサデータチャネルへの出力のために、第1の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第1の部分に対して第1の処理を実行するように構成された第2のデバイスを更に備え得る。第2のデバイスは、センサ制御チャネルを介して外科データ処理修正コマンドを受信するように構成されてもよい。第2のデバイスは、センサデータチャネルへの出力のために、第2の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第2の部分に対して第2の処理を実行するように構成され得る。第2の外科データ処理スキーマは、外科データ処理修正コマンドに基づくことができ、第1の外科データ処理スキーマとは異なることができる。
【0010】
システムは、外科処置中のデータ処理のより良好な調整を可能にする。データ処理動作は、データ処理修正コマンドに基づいて、着信センサデータの処理中に変更することができる。例えば、データ処理は、センサ作業負荷データ、外科処置計画データ、又は外科状況認識データに基づいて変更され得る。処理の変更は、手術におけるシステム及び医療専門家のデータ処理ニーズの変化によって、又は外科処置自体に関連付けられたデータ処理ニーズの変化によって動機付けされ得る。例えば、センサデータのデータ処理を変更することによって、デバイスは、デバイス自体におけるデータ処理を停止又は最小化して、他の必要性のために処理能力を解放し、未加工の未処理データを処理のために別のデバイスに渡すことができる。処理動作は、より多くの容量が利用可能である他のデバイス又はシステム構成要素にシフトされ得る。これらの手段は、全体的なシステム利用率、データ処理速度、及びデータ収集速度を改善する。更に、デバイス自体の処理能力を解放することは、例えば、外科処置アプローチにおける重要なこととして、又は医学的緊急事態が発生した場合に、より多くの処理能力を可能にする。全体として、そのような処理調整は、効率、データ信頼性、障害及び故障処理、システム柔軟性、並びに全体的性能を改善し、改善された患者安全性及び改善された外科処置につながる。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、外科処置中に外科センサデータストリームに第1の処理動作、第2の処理動作、及び第3の処理動作を適用するためのシステムが提供される。システムは、外科センサデータストリームを受信するように構成される第1の外科システム構成要素を備えてもよい。第1の外科システム構成要素は、外科センサデータストリームの第1の部分に、第1の動作及び第2の処理動作を適用するように更に構成され得る。第1の外科システム構成要素は、外科データ処理修正コマンドを受信したことに基づいて、第2の処理動作ではなく第1の処理動作を外科センサデータストリームの第2の部分に適用するように更に構成され得る。システムは、第1の外科システム構成要素から外科センサデータストリームを受信するように構成された第2の外科システム構成要素を更に備えてもよい。第2の外科システム構成要素は、外科センサデータストリームの第1の部分に、第2の処理動作ではなく第3の動作及びを適用するように更に構成され得る。第2の外科システム構成要素は、外科センサデータストリームの第2の部分に、第3の処理動作及び第2の処理動作を適用するように更に構成され得る。
【0012】
システムは、外科処置中のデータ処理のより良好な調整を可能にする。データ処理動作は、データ処理修正コマンドに基づいて、着信センサデータの処理中に変更することができる。例えば、データ処理は、センサ作業負荷データ、外科処置計画データ、又は外科状況認識データに基づいて変更され得る。処理の変更は、手術におけるシステム及び医療専門家のデータ処理ニーズの変化によって、又は外科処置自体に関連付けられたデータ処理ニーズの変化によって動機付けされ得る。例えば、センサデータのデータ処理を変更することによって、デバイスは、デバイス自体におけるデータ処理を停止又は最小化して、他の必要性のために処理能力を解放し、未加工の未処理データを処理のために別のデバイスに渡すことができる。処理動作は、より多くの容量が利用可能である他のデバイス又はシステム構成要素にシフトされ得る。これらの手段は、全体的なシステム利用率、データ処理速度、及びデータ収集速度を改善する。更に、デバイス自体の処理能力を解放することは、例えば、外科処置アプローチにおける重要なこととして、又は医学的緊急事態が発生した場合に、より多くの処理能力を可能にする。全体として、そのような処理調整は、効率、データ信頼性、障害及び故障処理、システム柔軟性、並びに全体的性能を改善し、改善された患者安全性及び改善された外科処置につながる。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、外科処置中に外科センサデータストリームに第1の処理動作、第2の処理動作、及び第3の処理動作を適用するためのシステムが提供される。システムは、外科センサデータストリームを受信するように構成される第1の外科システム構成要素を備えてもよい。第1の外科システム構成要素は、外科センサデータストリームの第1の部分に、処理動作を適用するように更に構成され得る。第1の外科システム構成要素は、外科データ処理修正コマンドを受信するように更に構成されてもよい。第1の外科システム構成要素は、外科データ処理修正コマンドに基づいて、処理動作を外科センサデータストリームの第2の部分に適用しないように更に構成され得る。システムは、第1の外科システム構成要素から外科センサデータストリームを受信するように構成された第2の外科システム構成要素を更に備えてもよい。第2の外科システム構成要素は、外科センサデータストリームの第1の部分に、処理動作を適用しないように更に構成され得る。第2の外科システム構成要素は、外科センサデータストリームの第2の部分に、処理動作を適用するように更に構成され得る。
【0014】
システムは、外科処置中のデータ処理のより良好な調整を可能にする。データ処理動作は、データ処理修正コマンドに基づいて、着信センサデータの処理中に変更することができる。例えば、データ処理は、センサ作業負荷データ、外科処置計画データ、又は外科状況認識データに基づいて変更され得る。処理の変更は、手術におけるシステム及び医療専門家のデータ処理ニーズの変化によって、又は外科処置自体に関連付けられたデータ処理ニーズの変化によって動機付けされ得る。例えば、センサデータのデータ処理を変更することによって、デバイスは、デバイス自体におけるデータ処理を停止又は最小化して、他の必要性のために処理能力を解放し、未加工の未処理データを処理のために別のデバイスに渡すことができる。処理動作は、より多くの容量が利用可能である他のデバイス又はシステム構成要素にシフトされ得る。これらの手段は、全体的なシステム利用率、データ処理速度、及びデータ収集速度を改善する。更に、デバイス自体の処理能力を解放することは、例えば、外科処置アプローチにおける重要なこととして、又は医学的緊急事態が発生した場合に、より多くの処理能力を可能にする。全体として、そのような処理調整は、効率、データ信頼性、障害及び故障処理、システム柔軟性、並びに全体的性能を改善し、改善された患者安全性及び改善された外科処置につながる。
【0015】
デバイスは、外科データを処理するために使用され得る。例えば、デバイスは、外科処置中に外科データを処理するために使用されてもよい。デバイスは、メモリ及びプロセッサを含み得る。プロセッサは、メモリから第1の外科データ処理スキーマを検索するように構成され得る。プロセッサは、第1の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第1の部分の第1の処理を実行するように構成され得る。プロセッサは、センサデータチャネルに結果を出力するように構成され得る。
【0016】
プロセスは、センサ制御チャネルを介して外科データ処理修正コマンドを受信するように構成されてもよい。プロセッサは、外科データ処理修正コマンドに従って、第2の外科データ処理スキーマをメモリに保存し得る。第2の外科データ処理スキーマは、第1の外科データ処理スキーマとは異なってもよい。
【0017】
プロセッサは、第2の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第2の部分の第2の処理を実行するように構成され得る。第2の処理は、第1の処理とは異なり得る。プロセッサは、センサデータチャネルに結果を出力するように構成され得る。
【0018】
外科データ処理修正コマンドは、外科処置の外科データ処理要件の変化に基づいてトリガされ得る。また、外科データ処理修正コマンドは、出力周波数、出力解像度、処理リソース利用、動作データ変換等の処理の変更を指示することができる。本明細書に開示される外科データ処理修正コマンド及びシステムは、処置特有の負荷分散及びセンサ優先順位付けを含む、外科感知のための種々の処理戦略を実装するために使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステムのブロック図である。
図1B】コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステムの別のブロック図である。
図2A】手術室における外科医モニタリングシステムの一例を示す。
図2B】患者モニタリングシステム(例えば、制御された患者モニタリングシステム)の一例を示す。
図2C】患者モニタリングシステム(例えば、制御されていない患者モニタリングシステム)の一例を示す。
図3】様々なシステムと対にされた例示的な外科用ハブを示す。
図4】感知システムのセット、環境感知システム、デバイスのセット等と接続するように構成された通信外科用ハブのセットを有する外科データネットワークを示す。
図5】外科医モニタリングシステムの一部であり得る、例示的コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムを図示する。
図6A】モジュール式制御タワーに連結された複数のモジュールを備える外科用ハブを示す。
図6B】制御された患者モニタリングシステムの一例を示す。
図6C】制御されていない患者モニタリングシステムの一例を示す。
図7A】外科用器具又はツールの制御システムを示す論理図である。
図7B】センサユニット並びにデータ処理及び通信ユニットを有する例示的な感知システムを示す。
図7C】センサユニット並びにデータ処理及び通信ユニットを有する例示的な感知システムを示す。
図7D】センサユニット並びにデータ処理及び通信ユニットを有する例示的な感知システムを示す。
図8】外科医バイオマーカレベルに基づいて外科用デバイスの動作パラメータを調整することを示す例示的な外科処置の例示的なタイムラインを示す。
図9】コンピュータ実装インタラクティブ外科医/患者モニタリングシステムのブロック図である。
図10】コントローラ及びモータを有するハンドル、ハンドルに解放可能に連結されたアダプタ、及びアダプタに解放可能に連結された装填ユニットを含む、例示的な外科用システムを示す。
図11A】外科医バイオマーカ又は患者バイオマーカを監視するために使用され得る、感知システムの実施例を図示する。
図11B】外科医バイオマーカ又は患者バイオマーカを監視するために使用され得る、感知システムの実施例を図示する。
図11C】外科医バイオマーカ又は患者バイオマーカを監視するために使用され得る、感知システムの実施例を図示する。
図11D】外科医バイオマーカ又は患者バイオマーカを監視するために使用され得る、感知システムの実施例を図示する。
図12】患者モニタリングシステム又は外科医モニタリングシステムのブロック図である。
図13】外科処置中に外科データを処理するための例示的な方法のフロー図である。
図14】例示的なセンサデータ処理システムのブロック図である。
図15A】それぞれ、外科用センサシステムにおける処理修正、外科用センサデータ処理デバイスにおける処理修正、並びに外科用センサシステム及び外科用センサデータ処理デバイスの両方における処理修正を図示する、例示的メッセージング図である。
図15B】それぞれ、外科用センサシステムにおける処理修正、外科用センサデータ処理デバイスにおける処理修正、並びに外科用センサシステム及び外科用センサデータ処理デバイスの両方における処理修正を図示する、例示的メッセージング図である。
図15C】それぞれ、外科用センサシステムにおける処理修正、外科用センサデータ処理デバイスにおける処理修正、並びに外科用センサシステム及び外科用センサデータ処理デバイスの両方における処理修正を図示する、例示的メッセージング図である。
図16】例示的な外科データ処理スキーマのブロック図である。
図17】例示的なセンサ処理コーディネータのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1Aは、コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステム20000のブロック図である。患者及び外科医モニタリングシステム20000は、1つ以上の外科医モニタリングシステム20002及び1つ以上の患者モニタリングシステム(例えば、1つ以上の制御された患者モニタリングシステム20003及び1つ以上の制御されていない患者モニタリングシステム20004)を含んでもよい。各外科医モニタリングシステム20002は、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムを含んでもよい。各外科医モニタリングシステム20002は、例えば図2Aに記載されるようなクラウドコンピューティングシステム20008と通信する外科用ハブ20006のうちの少なくとも1つを含み得る。患者モニタリングシステムの各々は、例えば、図2B及び図2Cで更に説明されるように、外科用ハブ20006、又はクラウドコンピューティングシステム20008と通信するコンピューティングデバイス20016のうちの少なくとも1つを含んでもよい。クラウドコンピューティングシステム20008は、少なくとも1つの遠隔クラウドサーバ20009及び少なくとも1つの遠隔クラウドストレージユニット20010を含むことができる。外科医モニタリングシステム20002、制御された患者モニタリングシステム20003、又は制御されていない患者モニタリングシステム20004の各々は、ウェアラブル感知システム20011、環境感知システム20015、ロボットシステム20013、1つ以上のインテリジェント器具20014、ヒューマンインターフェースシステム20012等を含み得る。ヒューマンインターフェースシステムは、本明細書ではヒューマンインターフェースデバイスとも呼ばれる。ウェアラブル感知システム20011は、1つ以上の外科医感知システム、及び/又は1つ以上の患者感知システムを含んでもよい。環境感知システム20015は、例えば、図2Aで更に説明されるように、例えば、1つ以上の環境属性を測定するために使用される、1つ以上のデバイスを含んでもよい。ロボットシステム20013(図2Aの20034と同じ)は、例えば、図2Aで更に説明されるように、外科処置を行うために使用される複数のデバイスを含んでもよい。
【0021】
外科用ハブ20006は、腹腔鏡スコープからの画像及び1つ以上の他のスマートデバイス及び1つ以上の感知システム20011のうちの1つからの情報を表示する、より多くの手段のうちの1つとの、協働的相互作用を有し得る。外科用ハブ20006は、1つ以上の感知システム20011、1つ以上のスマートデバイス、及び複数のディスプレイと相互作用してもよい。外科用ハブ20006は、1つ以上の感知システム20011から測定データを収集し、通知又は制御メッセージを1つ以上の感知システム20011に送信するように構成され得る。外科用ハブ20006は、通知情報を含む情報をヒューマンインターフェースシステム20012に送信及び/又はヒューマンインターフェースシステム20012から受信してもよい。ヒューマンインターフェースシステム20012は、1つ以上のヒューマンインターフェースデバイス(HID)を含んでもよい。外科用ハブ20006は、外科用ハブと通信する様々なデバイスに、オーディオ、ディスプレイ及び/又は制御情報への通知情報又は制御情報を送信及び/又は受信することができる。
【0022】
図1Bは、感知システム20001、バイオマーカ20005、及び生理学的システム20007の間の例示的な関係のブロック図である。この関係は、コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステム20000、並びに本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び方法において使用され得る。例えば、感知システム20001は、図1Aで議論されるように、ウェアラブル感知システム20011(1つ以上の外科医感知システム及び1つ以上の患者感知システムを含んでもよい)及び環境感知システム20015を含んでもよい。1つ以上の感知システム20001は、様々なバイオマーカ20005に関するデータを測定することができる。1つ以上の感知システム20001は、1つ以上のセンサ、例えば、光センサ(例えば、フォトダイオード、フォトレジスタ)、機械センサ(例えば、運動センサ)、音響センサ、電気センサ、電気化学センサ、熱電センサ、赤外線センサ等を使用して、バイオマーカ20005を測定してもよい。1つ以上のセンサは、以下の感知技術:フォトプレチスモグラフィ、心電図検査、脳波検査、比色分析、impedimentary、電位差測定、電流測定等のうちの1つ以上を使用して、本明細書に説明されるように、バイオマーカ20005を測定してもよい。
【0023】
1つ以上の感知システム20001によって測定されるバイオマーカ20005は、睡眠、深部体温、最大酸素消費量、身体活動、アルコール摂取量、呼吸数、酸素飽和度、血圧、血糖、心拍変動、水素の血液電位、水和状態、心拍数、皮膚コンダクタンス、末梢温度、組織灌流圧、咳及びくしゃみ、胃腸運動、胃腸管撮像、気道細菌、浮腫、精神面、汗、循環腫瘍細胞、自律神経緊張、概日リズム、及び/又は月経周期を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0024】
バイオマーカ20005は、行動及び心理学、心血管系、腎臓系、皮膚系、神経系、胃腸系、呼吸器系、内分泌系、免疫系、腫瘍、筋骨格系、及び/又は生殖系を含み得るが、これらに限定されない生理学的システム20007に関連し得る。バイオマーカからの情報は、例えば、コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステム20000によって判定及び/又は使用されてもよい。バイオマーカからの情報は、コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステム20000によって決定及び/又は使用されて、例えば、システムを改善し、及び/又は患者の転帰を改善することができる。
【0025】
図2Aは、手術室内の外科医モニタリングシステム20002の実施例を示す。図2Aに示すように、患者は、1人以上の医療専門家(HCP)によって手術されている。HCPは、HCPによって装着された1つ以上の外科医感知システム20020によって監視されている。HCP及びHCPを取り囲む環境はまた、例えば、手術室内に配備され得るカメラ20021のセット、マイクロフォン20022のセット、及び他のセンサ等を含む1つ以上の環境感知システムによって監視され得る。外科医感知システム20020及び環境感知システムは、外科用ハブ20006と通信することができ、外科用ハブ20006は、図1に示すように、クラウドコンピューティングシステム20008の1つ以上のクラウドサーバ20009と通信することができる。環境感知システムは、1つ以上の環境属性、例えば、手術現場内のHCP位置、HCP移動、手術現場内の周囲雑音、手術現場内の温度/湿度等を測定するために使用されてもよい。
【0026】
図2Aに示すように、一次ディスプレイ20023及び1つ以上のオーディオ出力デバイス(例えば、スピーカ20019)は、手術台20024のオペレータに見えるように滅菌野に配置される。加えて、可視化/通知タワー20026が、滅菌野の外に配置される。可視化/通知タワー20026は、互いに反対側を向いていてもよい第1の非滅菌ヒューマンインタラクティブデバイス(HID)20027及び第2の非滅菌HID20029を含んでもよい。HIDは、ディスプレイ、又は人間がHIDと直接インターフェースすることを可能にするタッチスクリーンを有するディスプレイであってもよい。外科用ハブ20006によって誘導されるヒューマンインターフェースシステムは、ディスプレイ20027、20029及び20023を利用して、滅菌野の内側及び外側のオペレータへの情報フローを調整するように構成されていてもよい。一例では、外科用ハブ20006は、HID(例えば、一次HID20023)に、患者及び/又は外科処置工程に関する通知及び/又は情報を表示させることができる。一例では、外科用ハブ20006は、滅菌野又は非滅菌領域内の人員を促し、かつ/又は人員から入力を受信することができる。例えば、外科用ハブ20006は、一次HID20023上の手術部位のライブフィードを維持しながら、撮像デバイス20030によって記録された手術部位のスナップショットを非滅菌HID20027又は20029上にHIDに表示させることができる。非滅菌ディスプレイ20027又は20029上のスナップショットにより、例えば、非滅菌オペレータが、外科処置に関連する診断工程を実行することを可能にすることできる。
【0027】
一態様では、外科用ハブ20006は、可視化タワー20026にいる非滅菌オペレータによって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌野内の一次ディスプレイ20023に送り、これを手術台にいる滅菌オペレータが見ることができるように構成されている。一例では、入力は、外科用ハブ20006によって一次ディスプレイ20023に送ることができる、非滅菌ディスプレイ20027又は20029上に表示されるスナップショットへの修正の形態であり得る。
【0028】
図2Aを参照すると、外科用器具20031は、外科処置において外科医モニタリングシステム20002の一部として使用されている。ハブ20006は、外科用器具20031のディスプレイへの情報フローを調整するように構成することができる。例えば、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年12月4日出願の「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)において。可視化タワー20026にいる非滅菌オペレータによって入力される診断入力又はフィードバックは、ハブ20006によって滅菌野内の外科用器具ディスプレイに送ることができ、これを外科用器具20031のオペレータが見ることができる。外科用システム20002と共に用いるのに好適な例示的な外科用器具については、例えば、2018年12月4日出願の「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)において「Surgical Instrument Hardware」という見出しの下で説明されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0029】
図2Aは、手術室20035内の手術台20024上に横たわっている患者に対して外科処置を実行するために使用されている外科用システム20002の例を示す。ロボットシステム20034は、外科処置において外科用システム20002の一部として使用され得る。ロボットシステム20034は、外科医のコンソール20036と、患者側カート20032(外科用ロボット)と、外科用ロボットハブ20033とを備え得る。外科医が外科医のコンソール20036を通じて手術部位を見る間、患者側カート20032は、患者の身体の低侵襲切開部を通じて、少なくとも1つの着脱可能に連結された外科用ツール20037を操作することができる。手術部位の画像は医療用撮像デバイス20030によって取得され、この医療用撮像デバイスは、撮像デバイス20030を配向するように患者側カート20032によって操作することができる。ロボットハブ20033を使用して、手術部位の画像を処理し、その後、外科医のコンソール20036を通じて、外科医に表示することができる。
【0030】
他の種類のロボットシステムを、外科用システム20002と共に使用するように容易に適合させることができる。本開示と共に使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、2018年12月4日出願の「METHOD OF ROBOTIC HUB COMMUNICATION,DETECTION,AND CONTROL」と題する米国特許出願公開第2019-0201137(A1)号(米国特許出願第16/209,407号)に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0031】
クラウドコンピューティングシステム20008によって実施され、本開示と共に使用するのに好適なクラウドベース分析法の様々な例は、2018年12月4日出願の「METHOD OF CLOUD BASED DATA ANALYTICS FOR USE WITH THE HUB」と題する米国特許出願公開第2019-0206569(A1)号(米国特許出願第16/209,403号)に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0032】
様々な態様では、撮像デバイス20030は、少なくとも1つの画像センサと、1つ以上の光学構成要素とを備え得る。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0033】
撮像デバイス20030の光学構成要素は、1つ以上の照明源、及び/又は1つ以上のレンズを含んでもよい。1つ以上の照明源は、術野の一部分を照明するように方向付けられてもよい。1つ以上の画像センサは、組織及び/又は手術器具から反射又は屈折された光を含む、術野から反射又は屈折された光を受信することができる。
【0034】
1つ以上の照明源は、可視スペクトル並びに不可視スペクトル内の電磁エネルギーを照射するように構成され得る。可視スペクトルは、場合によっては、光スペクトルや発光スペクトルとも称され、人間の目に見える(すなわち、人間の目によって検出することができる)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と称されることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの範囲の波長に応答する。
【0035】
不可視スペクトル(例えば、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長の)電磁スペクトルの一部分である。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(IR)、マイクロ波及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線及びガンマ線電磁放射線になる。
【0036】
様々な態様では、撮像デバイス20030は、低侵襲性処置において使用するように構成されている。本開示と共に使用するのに好適な撮像装置の例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、サイトスコープ(cytoscope)、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡(nasopharyngo-neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
撮像デバイスは、トポグラフィーと下層構造とを区別するために、マルチスペクトルモニタリンスを採用してもよい。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトル全体から特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR、及び紫外からの光を含む特定の波長に対する感度を有する器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像により、人間の目がもつ赤、緑、青の受容体では取り込むことができない追加情報を抽出することが可能にある。マルチスペクトル撮像法の使用については、2018年12月4日出願の「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)において「Advanced Imaging Acquisition Module」という見出しの下で詳述されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。マルチスペクトルモニタリングは、処置された組織に対して上述の試験のうちの1つ以上を実行するための手術タスクが完了した後に術野を再配置するのに有用なツールであり得る。いかなる外科手術においても、手術室及び手術機器の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「手術現場」、すなわち、手術室又は処置室において要求される厳格な衛生条件及び滅菌条件は、全ての医療デバイス装置及び機器の可能な最も高い滅菌性を必要とする。上記の滅菌プロセスの一部としては、撮像デバイス20030並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性が挙げられる。滅菌野は、トレイ内又は滅菌タオル上等の微生物を含まないと見なされる特定の領域と見なされ得ること、あるいは滅菌野は、外科処置の準備が整った患者の直ぐ周囲の領域と見なされ得ることは理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。
【0038】
図1に示されるウェアラブル感知システム20011は、1つ以上の感知システム、例えば、図2Aに示されるような外科医感知システム20020を含んでもよい。外科医感知システム20020は、医療提供者(HCP)の物理的状態のセット及び/又は生理的状態のセットを監視及び検出するための感知システムを含んでもよい。HCPは、一般的に、外科医又は外科医若しくは他の医療サービス提供者を支援する1人以上の医療関係者であり得る。一例では、感知システム20020は、HCPの心拍数を監視するためにバイオマーカのセットを測定することができる。別の実施例では、外科医の手首に装着された感知システム20020(例えば、時計又はリストバンド)は、加速度計を使用して、手の動き及び/又は揺れを検出し、振戦の大きさ及び周波数を判定してもよい。感知システム20020は、バイオマーカのセットに関連付けられた測定データ及び外科医の物理的状態に関連付けられたデータを、更なる処理のために外科用ハブ20006に送信することができる。1つ以上の環境感知デバイスは、環境情報を外科用ハブ20006に送信し得る。例えば、環境感知デバイスは、HCPの手/身体の位置を検出するためのカメラ20021を含み得る。環境感知デバイスは、手術現場内の周囲雑音を測定するためのマイクロフォン20022を含んでもよい。他の環境感知デバイスは、例えば、温度を測定するための温度計及び手術現場内の周囲の湿度を測定するための湿度計等のデバイスを含むことができる。外科用ハブ20006は、単独で又はクラウドコンピューティングシステムと通信して、外科医バイオマーカ測定データ及び/又は環境感知情報を使用して、例えば、振戦を最小限に抑えるために、ハンドヘルド器具の制御アルゴリズム又はロボットインターフェースの平均遅延を修正することができる。一例では、外科医感知システム20020は、HCPに関連付けられた1つ以上の外科医バイオマーカを測定し、外科医バイオマーカに関連付けられた測定データを外科用ハブ20006に送信することができる。外科医感知システム20020は、外科用ハブ20006と通信するために、以下のRFプロトコルのうちの1つ以上を使用し得る:Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low-Energy(BLE)、Bluetooth Smart、Zigbee、Z-wave、IPv6低電力無線パーソナルエリアネットワーク(6 LoWPAN)、Wi-Fi。外科医バイオマーカは、ストレス、心拍数等のうちの1つ以上を含んでもよい。手術現場からの環境測定値は、外科医又は患者に関連する周囲雑音レベル、外科医及び/又はスタッフの動き、外科医及び/又はスタッフの注意レベル等を含み得る。
【0039】
外科用ハブ20006は、HCPに関連付けられた外科医バイオマーカ測定データを使用して、1つ以上の外科用器具20031を適応的に制御することができる。例えば、外科用ハブ20006は、制御プログラムを外科用器具20031に送信して、そのアクチュエータを制御して疲労及び細かい運動技能の使用を制限又は補償することができる。外科用ハブ20006は、状況認識及び/又はタスクの重要性若しくは重篤度に関するコンテキストに基づいて制御プログラムを送信してもよい。制御プログラムは、制御が必要とされるときにより多くの制御を提供するために動作を変更するように器具に命令することができる。
【0040】
図2Bは、患者モニタリングシステム20003(例えば、制御された患者モニタリングシステム)の一例を示す。図2Bに示すように、制御された環境(例えば、病院の回復室)にいる患者は、複数の感知システム(例えば、患者感知システム20041)によって監視されてもよい。患者感知システム20041(例えば、ヘッドバンド)は、患者の脳の電気的活動を測定するために脳波(EEG)を測定するために使用され得る。患者感知システム20042は、例えば、心拍数、VO2レベル等を含む、患者の種々のバイオマーカを測定するために使用されてもよい。患者感知システム20043(例えば、患者の皮膚に取り付けられる可撓性パッチ)は、マイクロ流体チャネルを使用して、皮膚の表面から捕捉される少量の汗を分析することによって、汗乳酸及び/又はカリウムレベルを測定するために使用されてもよい。患者感知システム20044(例えば、リストバンド又は時計)は、本明細書に説明されるように、種々の技法を使用して、血圧、心拍数、心拍変動、VO2レベル等を測定するために使用されてもよい。患者感知システム20045(例えば、指に装着される指輪)は、本明細書に記載されるように、様々な技術を使用して、末梢温度、心拍数、心拍変動、VO2レベル等を測定するために使用され得る。患者感知システム20041~20045は、無線周波数(RF)リンクを使用して、外科用ハブ20006と通信することができる。患者感知システム20041~20045は、外科用ハブ20006と通信するために、以下のRFプロトコルのうちの1つ以上を使用し得る:Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low-Energy(BLE)、Bluetooth Smart、Zigbee、Z-wave、IPv6低電力無線パーソナルエリアネットワーク(6 LoWPAN)、Thread、Wi-Fi等。
【0041】
感知システム20041~20045は、外科用ハブ20006と通信することができ、外科用ハブ20006は、遠隔クラウドコンピューティングシステム20008の遠隔サーバ20009と通信することができる。外科用ハブ20006はまた、HID20046と通信する。HID20046は、1つ以上の患者バイオマーカに関連付けられた測定データを表示することができる。例えば、HID20046は、血圧、酸素飽和度、呼吸数等を表示することができる。HID20046は、患者に関する情報、例えば、回復マイルストーン又は合併症に関する情報を提供する患者又はHCPに関する通知を表示することができる。一例では、回復マイルストーン又は合併症についての情報は、患者が受けた可能性がある外科処置に関連付けられ得る。一例では、HID20046は、患者が活動を行うための命令を表示することができる。例えば、HID20046は、吸気命令及び呼気命令を表示することができる。一例では、HID20046は感知システムの一部であってもよい。
【0042】
図2Bに図示されるように、患者及び患者を取り囲む環境は、例えば、マイクロフォン(例えば、患者に関連付けられる、又は患者の周囲の周囲雑音を検出するための)、温度/湿度センサ、患者の呼吸パターンを検出するためのカメラ等を含む、1つ以上の環境感知システム20015によって監視されてもよい環境感知システム20015は、外科用ハブ20006と通信してもよく、外科用ハブは、次いで、遠隔クラウドコンピューティングシステム20008の遠隔サーバ20009と通信する。
【0043】
一例では、患者感知システム20044は、患者感知システム20044のディスプレイユニット又はHID上に表示するために、外科用ハブ20006から通知情報を受信することができる。通知情報は、回復マイルストーンに関する通知、又は例えば術後回復の場合の合併症に関する通知を含むことができる。一例では、通知情報は、通知に関連付けられた対処可能な重大度レベルを含むことができる。患者感知システム20044は、通知及び対処可能な重大度レベルを患者に表示してもよい。患者感知システムは、触覚フィードバックを使用して患者に警告してもよい。視覚通知及び/又は触覚通知は、感知システムのディスプレイユニット上に提供される視覚通知に注意を払うように患者に促す可聴通知を伴ってもよい。
【0044】
図2Cは、患者モニタリングシステム(例えば、制御されていない患者モニタリングシステム20004)の一例を示す。図2Cに示すように、制御されていない環境(例えば、患者の住居)にいる患者は、複数の患者感知システム20041~20045によって監視されている。患者感知システム20041~20045は、1つ以上の患者バイオマーカに関連する測定データを測定及び/又は監視することができる。例えば、ヘッドバンドである患者感知システム20041は、脳波図(EEG)を測定するために使用され得る。他の患者感知システム20042、20043、20044、及び20045は、図2Bに記載されるように、様々な患者バイオマーカが監視、測定、及び/又は報告される例である。患者感知システム20041~20045のうちの1つ以上は、監視されている患者バイオマーカに関連付けられた測定データをコンピューティングデバイス20047に送信することができ、コンピューティングデバイス20047は、遠隔クラウドコンピューティングシステム20008の遠隔サーバ20009と通信することができる。患者感知システム20041~20045は、コンピューティングデバイス20047(例えば、スマートフォン、タブレット等)と通信するために無線周波数(RF)リンクを使用することができる。患者感知システム20041~20045は、コンピューティングデバイス20047との通信のために、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low-Energy(BLE)、Bluetooth Smart、Zigbee、Z-wave、IPv6低電力ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(6 LoWPAN)、Thread、Wi-Fi等のRFプロトコルのうちの1つ以上を使用することができる。一例では、患者感知システム20041~20045は、ワイヤレスルータ、ワイヤレスハブ、又はワイヤレスブリッジを介してコンピューティングデバイス20047に接続することができる。
【0045】
コンピューティングデバイス20047は、クラウドコンピューティングシステム20008の一部である遠隔サーバ20009と通信することができる。一例では、コンピューティングデバイス20047は、インターネットサービスプロバイダのケーブル/FIOSネットワーキングノードを介して遠隔サーバ20009と通信することができる。一例では、患者感知システムは、遠隔サーバ20009と直接通信することができる。コンピューティングデバイス20047又は感知システムは、以下のセルラープロトコル、すなわち、GSM/GPRS/EDGE(2G)、UMTS/HSPA(3G)、ロングタームエボリューション(LTE)又は4G、LTEアドバンスト(LTE-A)、ニューラジオ(NR)又は5Gのうちの1つ以上を使用して、セルラー送信/受信ポイント(TRP)又は基地局を介して遠隔サーバ20009と通信することができる。
【0046】
一例では、コンピューティングデバイス20047は、患者バイオマーカに関連付けられた情報を表示することができる。例えば、コンピューティングデバイス20047は、血圧、酸素飽和度、呼吸数等を表示することができる。コンピューティングデバイス20047は、患者に関する情報、例えば、回復マイルストーン又は合併症に関する情報を提供する患者又はHCPに関する通知を表示することができる。
【0047】
一例では、コンピューティングデバイス20047及び/又は患者感知システム20044は、コンピューティングデバイス20047及び/又は患者感知システム20044のディスプレイユニット上に表示するために、外科用ハブ20006から通知情報を受信することができる。通知情報は、回復マイルストーンに関する通知、又は例えば術後回復の場合の合併症に関する通知を含むことができる。一例では、通知情報はまた、通知に関連付けられた対処可能な重大度レベルを含むことができる。コンピューティングデバイス20047及び/又は感知システム20044は、通知及び対処可能な重大度レベルを患者に表示してもよい。患者感知システムは、触覚フィードバックを使用して患者に警告することもできる。視覚通知及び/又は触覚通知は、感知システムのディスプレイユニット上に提供される視覚通知に注意を払うように患者に促す可聴通知を伴ってもよい。
【0048】
図3は、ウェアラブル感知システム20011、環境感知システム20015、ヒューマンインターフェースシステム20012、ロボットシステム20013、及びインテリジェント器具20014と対にされた外科用ハブ20006を有する例示的な外科医モニタリングシステム20002を示す。ハブ20006は、ディスプレイ20048、撮像モジュール20049、発生器モジュール20050、通信モジュール20056、プロセッサモジュール20057、ストレージアレイ20058、及び手術室マッピングモジュール20059を含む。特定の態様では、図3に示すように、ハブ20006は、排煙モジュール20054及び/又は吸引/灌注モジュール20055を更に含む。外科処置中、封止及び/又は切断のために、組織へエネルギーを印加することは、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注と関連付けられる。異なる供給源からの流体ライン、電力ライン及び/又はデータラインは、外科処置中に絡まり合うことが多い。外科処置中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブのモジュール式エンクロージャ20060は、電力ライン、データライン、及び流体ラインを管理するための統一環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー印加を伴う外科処置において使用するための外科用ハブ20006を提示する。外科用ハブ20006は、ハブエンクロージャ20060と、ハブエンクロージャ20060のドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ接点及び電力接点を含む。組み合わせ発生器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ以上を含む。一態様では、組み合わせ発生器モジュールはまた、排煙構成要素と、組み合わせ発生器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、遠隔手術部位から排煙構成要素まで延在する流体ラインと、を含む。一態様では、上記の流体ラインは第1の流体ラインであってもよく、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブエンクロージャ20060内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュール20055まで延在していてもよい。一態様では、ハブエンクロージャ20060は、流体インターフェースを含んでいてもよい。一部特定の外科処置は、2つ以上のエネルギータイプを組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギータイプは、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギータイプは、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブのモジュール式エンクロージャ20060が様々な発生器を収容して、これらの間の双方向通信を促進するように構成される解決法を提示する。ハブのモジュール式エンクロージャ20060の利点の1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科処置で使用するためのモジュール式外科用エンクロージャを提示する。モジュール式外科用筐体は、組織に印加するための第1のエネルギーを発生させるように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。上記に加えて、モジュール式外科用エンクロージャはまた、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを発生させるように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ接点及び第2の電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力接点及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力接点及び第2のデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。加えて、モジュール式外科用エンクロージャはまた、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を容易にするように構成されている、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを含む。図3を参照すると、発生器モジュール20050と、排煙モジュール20054と、吸引/灌注モジュール20055との、モジュール式統合を可能にするハブのモジュール式エンクロージャ20060に関する本開示の態様が提示される。ハブのモジュール式エンクロージャ20060は、モジュール20059とモジュール20054とモジュール20055と間の双方向通信を更に促進する。発生器モジュール20050は、ハブのモジュール式エンクロージャ20060に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット内に支持される、一体化された単極構成要素、双極構成要素及び超音波構成要素を備える発生器モジュール20050であってもよい。発生器モジュール20050は、単極デバイス20051、双極デバイス20052、及び超音波デバイス20053に接続するように構成することができる。代替的に、発生器モジュール20050は、ハブのモジュール式エンクロージャ20060を介して相互作用する一連の単極発生器モジュール、双極発生器モジュール及び/又は超音波発生器モジュールを備えてもよい。ハブのモジュール式エンクロージャ20060は、複数の発生器が単一の発生器として機能するように、複数の発生器の挿入と、ハブのモジュール式エンクロージャ20060にドッキングされた発生器間の双方向通信と、を促進するように構成されてもよい。
【0049】
図4は、本開示の少なくとも1つの態様による、医療施設、患者回復室、又は外科手術用に特別に装備された1つ以上の手術室、又は外科手術のための専門設備を備えた医療施設内の部屋に配置された一組の感知システム、環境感知システム、及び一組の他のモジュール式デバイスをクラウドに接続するように構成された一組の通信ハブを有する外科データネットワークを示す。
【0050】
図4に示されるように、外科用ハブシステム20060は、医療施設内に位置するモジュール式デバイスをクラウドベースのシステム(例えば、遠隔ストレージ20068に連結された遠隔サーバ20067を含み得るクラウドコンピューティングシステム20064)に接続するように構成されたモジュール式通信ハブ20065を含み得る。モジュール式通信ハブ20065及びデバイスは、外科手術のために特別に装備された医療施設内の部屋において接続され得る。一態様では、モジュール式通信ハブ20065は、ネットワークルータ20066と通信するネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062を含み得る。モジュール式通信ハブ20065はまた、ローカルコンピュータシステム20063に連結することができ、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供することができる。外科用ハブシステム20060に関連付けられた外科データネットワークは、パッシブ、インテリジェント、又はスイッチングとして構成されてもよい。受動的外科データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つの装置(又はセグメント)から別の装置(又はセグメント)に、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェント外科データネットワークは、トラフィックが監視対象の外科データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ20061又はネットワークスイッチ20062内の各ポートを構成する追加の機構を含む。インテリジェント外科データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称され得る。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
【0051】
手術室に位置するモジュール式デバイス1a~1nは、モジュール式通信ハブ20065に連結されてもよい。ネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062は、ネットワークルータ20066に連結されて、デバイス1a~1nをクラウドコンピューティングシステム20064又はローカルコンピュータシステム20063に接続することができる。装置1a~1nに関連付けられたデータは、遠隔データ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。デバイス1a~1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム20063に転送されてもよい。同じ手術室に位置するモジュール式デバイス2a~2mもまた、ネットワークスイッチ20062に連結されてもよい。ネットワークスイッチ20062は、ネットワークハブ20061及び/又はネットワークルータ20066に連結されて、デバイス2a~2mをクラウド20064に接続することができる。デバイス2a~2mに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ20066を介してクラウドコンピューティングシステム20064に転送されてもよい。デバイス2a~2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム20063に転送されてもよい。
【0052】
ウェアラブル感知システム20011は、1つ以上の感知システム20069を含んでもよい。感知システム20069は、外科医感知システム及び/又は患者感知システムを含んでもよい。1つ以上の感知システム20069は、ネットワークルータ20066のうちの1つを介して直接、又はネットワークルータ20066と通信するネットワークハブ20061若しくはネットワークスイッチング20062を介して、外科用ハブシステム20060のコンピュータシステム20063又はクラウドサーバ20067と通信してもよい。
【0053】
感知システム20069は、感知システム20069をローカルコンピュータシステム20063及び/又はクラウドコンピューティングシステム20064に接続するために、ネットワークルータ20066に連結され得る。感知システム20069に関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ20066を介してクラウドコンピューティングシステム20064に転送されてもよい。感知システム20069に関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム20063に転送されてもよい。
【0054】
図4に示すように、外科用ハブシステム20060は、複数のネットワークハブ20061及び/又は複数のネットワークスイッチ20062を複数のネットワークルータ20066と相互接続することによって拡張することができる。モジュール式通信ハブ20065は、複数のデバイス1a~1n/2a~2mを受容するように構成されたモジュール式制御タワー内に収容され得る。ローカルコンピュータシステム20063もまた、モジュール式制御タワーに収容されてもよい。モジュール式通信ハブ20065は、ディスプレイ20068に接続されて、例えば外科処置中に、デバイス1a~1n/2a~2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示してもよい。様々な態様では、デバイス1a~1n/2a~2mとしては、外科データネットワークのモジュール式通信ハブ20065に接続され得るモジュール式デバイスの中でもとりわけ、例えば、内視鏡に連結された撮像モジュール、エネルギーベースの外科用デバイスに連結された発生器モジュール、排煙モジュール、吸引/灌注モジュール、通信モジュール、プロセッサモジュール、ストレージアレイ、ディスプレイに連結された外科用デバイス、及び/又は非接触センサモジュール等の様々なモジュールが挙げられ得る。
【0055】
一態様では、図4に示す外科用ハブシステム20060は、デバイス1a~1n/2a~2m又は感知システム20069をクラウドベースシステム20064に接続するネットワークハブ、ネットワークスイッチ、及びネットワークルータの組み合わせを含むことができる。ネットワークハブ20061又はネットワークスイッチ20062に連結されたデバイス1a~1n/2a~2m又は感知システム20069のうちの1つ以上は、リアルタイムでデータ又は測定データを収集し、データ処理及び操作のためにクラウドコンピュータにデータを転送することができる。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナル装置を有するのではなく、コンピューティングリソースを共有することに依存することは理解されるであろう。「クラウド」という語は、「インターネット」の隠喩として使用され得るが、この用語はそのように限定はされない。したがって、「クラウドコンピューティング」という用語は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングの一種」を指すために使用することができ、この場合、サーバ、ストレージ及びアプリケーション等の様々なサービスは、インターネットを介して、手術現場(例えば、固定式、移動式、一時的又は現場の手術室又は空間)に位置するモジュール式通信ハブ20065及び/又はコンピュータシステム20063、並びにモジュール式通信ハブ20065及び/又はコンピュータシステム20063に接続されたデバイスに送達される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持され得る。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ又は2つ以上の手術室内に位置する装置1a~1n/2a~2mの使用及び制御を調整する事業体であり得る。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット、感知システム及び手術室内に位置する他のコンピュータ化デバイスによって収集されたデータに基づいて多数の計算を実施することができる。ハブハードウェアは、複数のデバイス、感知システム及び/又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及びストレージと通信するコンピュータに接続することを可能にする。
【0056】
装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科データネットワークは、外科的転帰の改善、コスト低減及び患者満足度の改善を提供することができる。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評価するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織のサンプルの画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響等の病理を識別するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。そのようなデータには、組織の位置特定及びマージン確認並びに表現型が含まれ得る。撮像装置と一体化された様々なセンサを使用し、かつ複数の撮像装置によって捕捉された画像をオーバーレイする等の技術を使用して、身体の解剖学的構造を識別するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。画像データを含む、デバイス1a~1n/2a~2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウドコンピューティングシステム20064若しくはローカルコンピュータシステム20063又はその両方に転送されてもよい。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入及び精密ロボットの適用等の更なる治療を遂行できるかを判定することによって、外科処置の結果を改善するために分析されてもよい。こうしたデータ分析は、予後分析処理を更に用いてもよく、標準化された手法を使用することは、外科的治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科的治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供することができる。
【0057】
感知システム20069によって収集された測定データにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用すると、外科データネットワークは、改善された外科手術結果、改善された回復結果、低減されたコスト、及び改善された患者満足度を提供することができる。感知システム20069のうちの少なくともいくつかは、患者を手術する外科医、外科処置のために準備されている患者、又は外科処置後に回復する患者の生理学的状態を査定するために採用されてもよい。クラウドベースのコンピューティングシステム20064は、外科医又は患者に関連付けられたバイオマーカをリアルタイムで監視し、外科処置の前に収集された測定データに少なくとも基づいて外科処置計画を生成し、外科処置中に外科用器具に制御信号を提供し、術後期間中に患者に合併症を通知するために使用され得る。
【0058】
手術室デバイス1a~1nは、ネットワークハブ20061に対するデバイス1a~1nの構成に応じて有線チャネル又は無線チャネルを介して、モジュール式通信ハブ20065に接続されてもよい。ネットワークハブ20061は、一態様では、開放型システム間相互接続(Open System Interconnection、OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャストデバイスとして実装されてもよい。ネットワークハブは、同じ手術室ネットワーク内に位置する装置1a~1nに接続性を提供することができる。ネットワークハブ20061は、パケットの形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信することができる。ネットワークハブ20061は、いかなるデバイスデータを転送するための媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(media access control、MAC/Internet Protocol、IP)も記憶できない。デバイス1a~1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ20061を介して一度にデータを送信することができる。ネットワークハブ20061は、情報をどこに送信するかに関するルーティングテーブル又はインテリジェンスを有していなくてもよく、各接続を介してクラウドコンピューティングシステム20064の遠隔サーバ20067に全てのネットワークデータをブロードキャストする。ネットワークハブ20061は、コリジョン等の基本的なネットワークエラーを検出することができるが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなりボトルネックを引き起こすおそれがある。
【0059】
手術室デバイス2a~2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ20062に接続されてもよい。ネットワークスイッチ20062は、OSIモデルのデータリンク層内で機能する。ネットワークスイッチ20062は、同じ手術室内に位置するデバイス2a~2mをネットワークに接続するためのマルチキャストデバイスであり得る。ネットワークスイッチ20062は、フレームの形態のデータをネットワークルータ20066に送信することができ、全二重モードで機能する。複数のデバイス2a~2mは、ネットワークスイッチ20062を介して同時にデータを送信することができる。ネットワークスイッチ20062は、データを転送するためにデバイス2a~2mのMACアドレスを記憶かつ使用する。
【0060】
ネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062は、クラウドコンピューティングシステム20064に接続するためにネットワークルータ20066に連結され得る。ネットワークルータ20066は、OSIモデルのネットワーク層内で機能する。ネットワークルータ20066は、デバイス1a~1n/2a~2m及びウェアラブル感知システム20011のいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを更に処理及び操作するために、ネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062から受信したデータパケットをクラウドベースのコンピュータリソースに送信するための経路を作成する。ネットワークルータ20066は、例えば、同じ医療施設の異なる手術室又は異なる医療施設の異なる手術室に位置する異なるネットワーク等の、異なる位置に位置する2つ以上の異なるネットワークを接続するために用いられてもよい。ネットワークルータ20066は、パケットの形態のデータをクラウドコンピューティングシステム20064に送信でき、全二重モードで機能する。複数の装置が同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ20066は、データを転送するためにIPアドレスを使用し得る。
【0061】
ある例では、ネットワークハブ20061は、複数のUSBデバイスをホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実装されてもよい。USBハブは、装置をホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張することができる。ネットワークハブ20061は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線機能又は無線機能を含むことができる。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、手術室内に位置する装置1a~1nと装置2a~2mとの間の通信のために用いられてもよい。
【0062】
例では、手術室デバイス1a~1n/2a~2m及び/又は感知システム20069は、固定及びモバイルデバイスから短距離にわたってデータを交換し(2.4~2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、かつパーソナルエリアネットワーク(PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ20065と通信することができる。手術室デバイス1a~1n/2a~2m及び/又は感知システム20069は、いくつかの無線通信規格若しくは有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ20065と通信してもよく、このような規格又はプロトコルとしては、Bluetooth、Low-Energy Bluetooth、近距離無線通信(NFC)、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリ)、WiMAX(IEEE802.16ファミリ)、IEEE802.20、無線(new radio、NR)、ロングタームエボリューション(long-term evolution、LTE)、並びにEv-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、及びこれらのイーサネット派生物のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降と指定される任意の他の無線プロトコル及び有線プロトコルが挙げられるが、これらに限定されない。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetooth、Low-Energy Bluetooth、Bluetooth Smart等のより短距離の無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA等のより長距離の無線通信専用であってもよい。
【0063】
モジュール式通信ハブ20065は、手術室デバイス1a~1n/2a~2m及び/又は感知システム20069の1つ以上の中央接続部として機能することができ、フレームとして知られるデータ型を取り扱える。フレームは、デバイス1a~1n/2a~2m及び/又は感知システム20069によって生成されたデータを搬送できる。フレームがモジュール式通信ハブ20065によって受信されると、フレームは、本明細書に記載されるように、いくつかの無線又は有線通信規格又はプロトコルを使用することによってクラウドコンピューティングシステム20064又はローカルコンピュータシステム20063にデータを転送することができるネットワークルータ20066に増幅及び/又は送信することができる。
【0064】
モジュール式通信ハブ20065は、スタンドアロンのデバイスとして使用されてもよいか、又はより大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ20061及びネットワークスイッチ20062に接続されてもよい。モジュール式通信ハブ20065は、一般に据え付け、構成、及び維持が容易であるため、モジュール式通信ハブ20065は手術室デバイス1a~1n/2a~2mをネットワーク形成するための良好な選択肢となり得る。
【0065】
図5は、外科医モニタリングシステム20002の一部であってもよいコンピュータ実装インタラクティブ外科用システム20070を示す。コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム20070は、多くの点で、外科医感知システム20002と類似している。例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム20070は、多くの点で外科医モニタリングシステム20002と同様である、1つ以上の外科用サブシステム20072を含むことができる。各準外科用システム20072は、遠隔サーバ20077及び遠隔ストレージ20078を含むことができるクラウドコンピューティングシステム20064と通信する少なくとも1つの外科用ハブ20076を含む。一態様では、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム20070は、感知システム(例えば、外科医感知システム20002及び/又は患者感知システム20003)、インテリジェント外科用器具、ロボット、及び手術室に配置された他のコンピュータ化されたデバイス等の複数の手術室デバイスに接続されたモジュール式制御タワー20085を含むことができる。図6Aに示すように、モジュール式制御タワー20085は、ローカルコンピューティングシステム20063に連結されたモジュール式通信ハブ20065を含むことができる。
【0066】
図5の実施例に示すように、モジュール式制御タワー20085は、内視鏡20087に連結され得る撮像モジュール20088、エネルギーデバイス20089に連結され得る発生器モジュール20090、煙排出器モジュール20091、吸引/灌注モジュール20092、通信モジュール20097、プロセッサモジュール20093、ストレージアレイ20094、任意選択的にそれぞれディスプレイ20086及び20084に連結されたスマートデバイス/器具20095、並びに非接触センサモジュール20096に連結され得る。モジュール式制御タワー20085はまた、1つ以上の感知システム20069及び環境感知システム20015と通信してもよい。感知システム20069は、ルータを介して直接的に、又は通信モジュール20097を介してモジュール式制御タワー20085に接続され得る。手術室デバイスは、モジュール式制御タワー20085を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータストレージに連結され得る。ロボット外科用ハブ20082はまた、モジュール式制御タワー20085及びクラウドコンピューティングリソースに接続することができる。デバイス/器具20095又は20084、とりわけ、ヒューマンインターフェースシステム20080は、本明細書で説明するように、有線又は無線の通信規格又はプロトコルを介してモジュール式制御タワー20085に連結することができる。ヒューマンインターフェースシステム20080は、表示サブシステム及び通知サブシステムを含んでもよい。モジュール式制御タワー20085は、撮像モジュール20088、デバイス/器具ディスプレイ20086及び/又は他のヒューマンインターフェースシステムシステム20080から受信した画像を表示及びオーバーレイするためにハブディスプレイ20081(例えば、モニタ、スクリーン)に連結されてもよい。ハブディスプレイ20081はまた、画像及びオーバーレイ画像と共にモジュール式制御タワー20085に接続されたデバイスから受信したデータを表示してもよい。
【0067】
図6Aは、モジュール式制御タワー20085に連結された複数のモジュールを備える外科用ハブ20076を示す。図6Aに示されるように、外科用ハブ20076は、発生器モジュール20090、煙排出器モジュール20091、吸引/灌注モジュール20092、及び通信モジュール20097に接続されてもよい。モジュール式制御タワー20085は、例えばネットワーク接続デバイス等のモジュール式通信ハブ20065と、例えば感知システムとのローカル無線接続、ローカル処理、合併症監視、可視化、及び撮像を提供するコンピュータシステム20063とを備えることがある。図6Aに示すように、モジュール式通信ハブ20065は、モジュール式通信ハブ20065に接続することができるいくつかのモジュール(例えば、デバイス)及びいくつかの感知システム20069を拡張し、モジュールに関連するデータ及び/又は感知システム20069に関連する測定データをコンピュータシステム20063、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送するための構成(例えば、階層化された構成)で接続することができる。図6Aに示すように、モジュール式通信ハブ20065内のネットワークハブ/スイッチ20061/20062の各々は、3つのダウンストリームポート及び1つのアップストリームポートを含むことができる。上流のネットワークハブ/スイッチは、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ20108への通信接続を提供するためにプロセッサ20102に接続され得る。モジュール式通信ハブ20065内のネットワーク/ハブスイッチ20061/20062のうちの少なくとも1つは、感知システム20069及び/又はデバイス20095とクラウドコンピューティングシステム20064との間の通信接続を提供するために、少なくとも1つの無線インターフェースを有してもよい。クラウドコンピューティングシステム20064への通信は、有線通信チャネル又は無線通信チャネルのいずれかを介して行うことができる。
【0068】
外科用ハブ20076は、手術室の寸法を測定し、また超音波非接触測定デバイス又はレーザ型非接触測定デバイスのいずれかを使用して手術現場のマップを生成するために、非接触センサモジュール20096を使用できる。その全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号では、センサモジュールが、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリングの距離限界を調整するように構成されているが、同文献中の「Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room」の項で説明されるように、超音波ベースの非接触センサモジュールは、超音波のバーストを送信し、超音波のバーストが手術室の外壁に反射したときのエコーを受信することによって手術室を走査してもよい。レーザベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信することによって手術室を走査でき、手術室の外壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較して手術室のサイズを判定し、Bluetoothペアリング距離限界を調整する。
【0069】
コンピュータシステム20063は、プロセッサ20102と、ネットワークインターフェース20100と、を備え得る。プロセッサ20102は、システムバスを介して、通信モジュール20103、ストレージ20104、メモリ20105、不揮発性メモリ20106、及び入力/出力(I/O)インターフェース20107に連結されていてもよい。システムバスは、任意の様々な利用可能なバスアーキテクチャを使用する、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造(複数可)のうちのいずれかとすることができ、それらのアーキテクチャの例としては、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(Industrial Standard Architecture、ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(Micro-Charmel Architecture、MSA)、拡張ISA(Extended ISA、EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(Intelligent Drive Electronics、IDE)、VESAローカルバス(VESA Local Bus、VLB)、周辺装置相互接続(Peripheral Component Interconnect、PCI)、USB、アドバンスドグラフィックスポート(Advanced Graphics Port、AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(Personal Computer Memory Card International Association、PCMCIA)、小型計算機システムインターフェース(Small Computer Systems Interface、SCSI)、又は任意の他の独自バスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
プロセッサ20102は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているもの等、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。このプロセッサコアは、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)及び/又は、1つ又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ又は2つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ又は2つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む。なお、その詳細は、製品データシートで入手可能である。
【0071】
一例では、プロセッサ20102は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4x等の2つのコントローラベースのファミリを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0072】
システムメモリとしては、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを挙げることができる。起動中等にコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)は、不揮発性メモリに記憶される。例えば、不揮発性メモリとしては、ROM、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、EEPROM又はフラッシュメモリが挙げられ得る。揮発性メモリとしては、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)が挙げられる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)及びダイレクトランバスRAM(DRRAM)等の多くの形態で利用可能である。
【0073】
コンピュータシステム20063はまた、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性のコンピュータストレージ媒体、例えばディスク記憶装置等を含み得る。ディスク記憶装置としては、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-60ドライブ、フラッシュメモリカード又はメモリスティックのような装置を挙げることができるが、これらに限定されない。加えて、ディスク記憶装置は、上記の記憶媒体を、独立して、又は他の記憶媒体との組み合わせで含むことができる。他の記憶媒体としては、コンパクトディスクROM装置(CD-ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(CD-Rドライブ)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(CD-RWドライブ)若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(DVD-ROM)等の光ディスクドライブが挙げられるがこれらに限定されない。ディスク記憶装置のシステムバスへの接続を容易にするために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが用いられてもよい。
【0074】
コンピュータシステム20063は、好適な動作環境で説明されるユーザと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含み得ることを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムを挙げることができる。ディスク記憶装置上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能し得る。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスク記憶装置上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用し得る。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
【0075】
ユーザは、I/Oインターフェース20107に連結された入力デバイスを介してコンピュータシステム20063にコマンド又は情報を入力できる。入力装置としては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッド等のポインティング装置、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラ等を挙げることができるが、これらに限定されない。これら及び他の入力デバイスは、インターフェースポートを介し、システムバスを通じてプロセッサ20102に接続する。インターフェースポートとしては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート及びUSBが挙げられる。出力装置は、入力装置と同じタイプのポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステム20063に入力を提供し、コンピュータシステム20063からの情報を出力デバイスに出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とし得る出力装置の中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ及びプリンタ等のいくつかの出力装置が存在できることを示すために提供され得る。出力アダプタとしては、出力装置とシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードを挙げることができるが、これは例示としてのものであり、限定するものではない。リモートコンピュータ等の他の装置及び/又は装置のシステムは、入力及び出力機能の両方を提供できることに留意されたい。
【0076】
コンピュータシステム20063は、クラウドコンピュータ等の1つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作することができる。遠隔クラウドコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピア装置又は他の一般的なネットワークノード等であり得るが、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、リモートコンピュータと共に、メモリストレージ装置のみが示される。リモートコンピュータは、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続部を介して物理的に接続され得る。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)等の通信ネットワークを包含し得る。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、銅線分散データインターフェース(CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5等を挙げることができる。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)及びその変形等の回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク並びにデジタル加入者回線(DSL)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0077】
様々な例では、図4図6A及び図6Bのコンピュータシステム20063、撮像モジュール20088及び/若しくはヒューマンインターフェースシステム20080、並びに/又は図5及び図6Aのプロセッサモジュール20093は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ、又はデジタル画像の処理に使用される任意の専用デジタル信号プロセッサ(DSP)を含むことができる。画像プロセッサは、単一命令複数データ(SIMD)、又は複数命令複数データ(MIMD)技術を用いた並列コンピューティングを用いて速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実施することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
【0078】
通信接続部(複数可)とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指してもよい。例示的な明瞭さのため通信接続部は、コンピュータシステム20063内部に示されているが、通信接続部は、コンピュータシステム20063の外部にあってもよい。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、光ファイバモデム、及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ並びにイーサネットカード等の内部及び外部技術を挙げることができる。いくつかの例では、ネットワークインターフェースはまた、RFインターフェースを使用して提供され得る。
【0079】
図6Bは、ウェアラブルモニタリングシステム、例えば、制御された患者モニタリングシステムの一例を示す。制御された患者モニタリングシステムは、患者が医療施設にいるときに一組の患者バイオマーカを監視するために使用される感知システムであってもよい。制御された患者モニタリングシステムは、患者が外科処置の準備をしているときの外科処置前の患者監視、患者が手術を受けているときの外科手術中の監視、又は例えば患者が回復しているときの外科手術後の監視等のために展開することができる。図6Bに示されるように、制御された患者モニタリングシステムは、モジュール式通信ハブ20065の1つ以上のルータ20066及びコンピュータシステム20063を含むことができる外科用ハブシステム20076を含むことができる外科用ハブシステム20076を含むことができる。ルータ20065は、無線ルータ、有線スイッチ、有線ルータ、有線又は無線ネットワークハブ等を含んでもよい。一例では、ルータ20065は、インフラストラクチャの一部であってもよい。コンピューティングシステム20063は、患者又は外科医に関連付けられた様々なバイオマーカを監視するためのローカル処理と、マイルストーン(例えば、回復マイルストーン)が満たされたこと、又は合併症が検出されたことを患者及び/又は医療提供者(HCP)に示すための通知機構とを提供し得る。外科用ハブシステム20076のコンピューティングシステム20063はまた、通知、例えば、合併症が検出されたという通知に関連付けられた重大度レベルを生成するために使用されてもよい。
【0080】
図4図6Bのコンピューティングシステム20063、図6Cのコンピューティングデバイス20200、図7B図7C、又は図7Dのハブ/コンピューティングデバイス20243は、外科用コンピューティングシステム又はハブデバイス、ラップトップ、タブレット、スマートフォン等であってもよい。
【0081】
図6Bに示されるように、(図2Aに説明されるような)感知システム20069及び/又は環境感知システム20015のセットは、ルータ20065を介して外科用ハブシステム20076に接続されてもよい。ルータ20065はまた、例えば、外科用ハブシステム20076のローカルコンピュータシステム20063を関与させることなく、感知システム20069とクラウドコンピューティングシステム20064との間の直接通信接続を提供し得る。外科用ハブシステム20076からクラウド20064への通信は、有線又は無線のいずれかの通信チャネルを介して行うことができる。
【0082】
図6Bに示すように、コンピュータシステム20063は、プロセッサ20102及びネットワークインターフェース20100を含むことができる。プロセッサ20102は、図6Aに記載されるように、システムバスを介して無線周波数(RF)インターフェース又は通信モジュール20103、ストレージ20104、メモリ20105、不揮発性メモリ20106、及び入力/出力インターフェース20107に連結されてもよい。コンピュータシステム20063は、ローカルディスプレイユニット20108と接続されてもよい。いくつかの例において、ディスプレイユニット20108は、HIDによって置き換えられてもよい。コンピュータシステムのハードウェア及びソフトウェアコンポーネントについての詳細は、図6Aに提供される。
【0083】
図6Bに示されるように、感知システム20069は、プロセッサ20110を含み得る。プロセッサ20110は、システムバスを介して、無線周波数(RF)インターフェース20114、ストレージ20113、メモリ(例えば、不揮発性メモリ)20112、及びI/Oインターフェース20111に連結され得る。システムバスは、本明細書で説明されるように、メモリバス若しくはメモリコントローラ、周辺バス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造(複数可)のいずれかであり得る。プロセッサ20110は、本明細書で説明されるような任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであり得る。
【0084】
感知システム20069は、好適な動作環境で説明される感知システムユーザとコンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含み得ることを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムを挙げることができる。ディスク記憶装置上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能し得る。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスク記憶装置上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用し得る。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
【0085】
感知システム20069は、ヒューマンインターフェースシステム20115に接続されてもよい。ヒューマンインターフェースシステム20115は、タッチスクリーンディスプレイであってもよい。ヒューマンインターフェースシステム20115は、外科医バイオマーカ及び/又は患者バイオマーカに関連付けられた情報を表示するためのヒューマンインターフェースディスプレイを含み、患者又は外科医によるユーザアクションのためのプロンプトを表示し、又は回復節目又は合併症についての情報を示す患者又は外科医への通知を表示し得る。ヒューマンインターフェースシステム20115は、患者又は外科医からの入力を受信するために使用され得る。他のヒューマンインターフェースシステムが、I/Oインターフェース20111を介して感知システム20069に接続されてもよい。例えば、ヒューマンインターフェースデバイス20115は、ディスプレイユニット上に表示され得る通知に注意を払うようにユーザに促すための機構として、触覚フィードバックを提供するためのデバイスを含み得る。
【0086】
感知システム20069は、クラウドコンピュータ等の1つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作することができる。遠隔クラウドコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピア装置又は他の一般的なネットワークノード等であり得るが、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。遠隔コンピュータは、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続されてもよい。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及び/又はモバイルネットワーク等の通信ネットワークを包含することができる。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、銅線分散データインターフェース(CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5、Wi-Fi/IEEE 802.11等を挙げることができる。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)及びその変形等の回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク並びにデジタル加入者回線(DSL)を挙げることができるが、これらに限定されない。モバイルネットワークは、GSM(登録商標)/GPRS/EDGE(2G)、UMTS/HSPA(3G)、ロングタームエボリューション(LTE)又は4G、LTEアドバンスト(LTE-A)、ニューラジオ(NR)又は5G等のモバイル通信プロトコルのうちの1つ以上に基づく通信リンクを含むことができる。
【0087】
図6Cは、例えば、患者が医療施設から離れているときの例示的な制御されていない患者モニタリングシステムを示す。制御されていない患者モニタリングシステムは、患者が外科処置のために準備されているが医療施設から離れているときの手術前患者監視のために、又は、例えば患者が医療施設から離れて回復しているときの手術後監視において使用され得る。
【0088】
図6Cに図示されるように、1つ以上の感知システム20069は、コンピューティングデバイス20200、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、又はスマートフォンと通信する。コンピューティングシステム20200は、患者に関連付けられた様々なバイオマーカを監視するための処理、マイルストーン(例えば、回復マイルストーン)が満たされたこと、又は合併症が検出されたことを示す通知機構を提供することができる。コンピューティングシステム20200はまた、感知システムのユーザが従うための命令を提供し得る。感知システム20069とコンピューティングデバイス20200との間の通信は、本明細書に説明されるような無線プロトコルを直接使用して、又は無線ルータ/ハブ20211を介して確立されてもよい。
【0089】
図6Cに示されるように、感知システム20069は、ルータ20211を介してコンピューティングデバイス20200に接続され得る。ルータ20211は、無線ルータ、有線スイッチ、有線ルータ、有線又は無線ネットワークハブ等を含んでもよいルータ20211は、例えば、ローカルコンピューティングデバイス20200を伴わずに、感知システム20069とクラウドサーバ20064との間の直接通信接続を提供してもよい。コンピューティングデバイス20200は、クラウドサーバ20064と通信することができる。例えば、コンピューティングデバイス20200は、有線又は無線通信チャネルを介してクラウド20064と通信してもよい。一例では、感知システム20069は、例えば、セルラー基地局20210を介して、セルラーネットワーク上で直接クラウドと通信することができる。
【0090】
図6Cに示すように、コンピューティングデバイス20200は、プロセッサ20203及びネットワーク又はRFインターフェース20201を含むことができる。プロセッサ20203は、図6A及び図6Bにおいて説明されるように、システムバスを介してストレージ20202、メモリ20212、不揮発性メモリ20213、及び入力/出力インターフェース20204に連結され得る。コンピュータシステムのハードウェア及びソフトウェアコンポーネントについての詳細は、図6Aに提供される。コンピューティングデバイス20200は、センサのセット、例えば、センサ#1 20205、センサ#2 20206、センサ#n 20207までを含み得る。これらのセンサは、コンピューティングデバイス20200の一部であってもよく、患者に関連付けられた1つ以上の属性を測定するために使用されてもよい。属性は、感知システム20069のうちの1つによって実行されるバイオマーカ測定に関するコンテキストを提供することができる。例えば、センサ#1は、患者に関連付けられた運動又は振動を感知するために、加速力を測定するために使用され得る加速度計であり得る。一例では、センサ20205~20207は、圧力センサ、高度計、温度計、ライダ等のうちの1つ以上を含み得る。
【0091】
図6Bに示すように、感知システム20069は、図6Aで説明したように、プロセッサ、無線周波数インターフェース、ストレージ、メモリ又は不揮発性メモリ、及びシステムバスを介した入力/出力インターフェースを含むことができる。感知システムは、図7B~7Dに記載されるように、センサユニット並びに処理及び通信ユニットを含んでもよい。システムバスは、本明細書で説明されるように、メモリバス若しくはメモリコントローラ、周辺バス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造(複数可)のいずれかであり得る。プロセッサは、本明細書で説明されるように、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであり得る。
【0092】
感知システム20069は、ヒューマンインターフェースシステム20215と通信することができる。ヒューマンインターフェースシステム20215は、タッチスクリーンディスプレイであってもよい。ヒューマンインターフェースシステム20215は、患者バイオマーカに関連する情報を表示し、患者によるユーザ行動のためのプロンプトを表示し、又は回復節目若しくは合併症に関する情報を示す通知を患者に表示するために使用され得る。ヒューマンインターフェースシステム20215は、患者からの入力を受信するために使用され得る。他のヒューマンインターフェースシステムが、I/Oインターフェースを介して感知システム20069に接続されてもよい。例えば、ヒューマンインターフェースシステムは、ディスプレイユニット上に表示され得る通知に注意を払うようにユーザに促すための機構として、触覚フィードバックを提供するためのデバイスを含み得る。図6Bで説明したように、感知システム20069は、クラウドコンピュータ等の1つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作することができる。
【0093】
図7Aは、本開示の1つ以上の態様による、外科用器具又は外科用ツールの制御システム20220の論理図を示す。外科用器具又は外科用ツールは、構成可能であり得る。外科用器具は、撮像デバイス、外科用ステープラ、エネルギーデバイス、エンドカッタデバイス等の手近な手技に特有の外科用固定具を含んでもよい。例えば、外科用器具は、電動ステープラ、電動ステープラ発生器、エネルギーデバイス、高度エネルギーデバイス、高度エネルギージョーデバイス、エンドカッタクランプ、エネルギーデバイス発生器、手術室内撮像システム、煙排出器、吸引灌注デバイス、送気システム等のうちのいずれかを含んでもよい。システム20220は、制御回路を備え得る。制御回路は、プロセッサ20222及びメモリ20223を備えるマイクロコントローラ20221を含み得る。例えば、センサ20225、20226、20227のうちの1つ以上が、プロセッサ20222にリアルタイムなフィードバックを提供する。モータドライバ20229によって駆動されるモータ20230は、長手方向に移動可能な変位部材を動作可能に連結して、Iビームナイフ要素を駆動する。追跡システム20228は、長手方向に移動可能な変位部材の位置を判定するように構成され得る。位置情報は、長手方向に移動可能な駆動部材の位置、並びに発射部材、発射バー、及びIビームナイフ要素の位置を判定するようにプログラム又は構成することができるプロセッサ20222に提供され得る。追加のモータが、Iビームの発射、閉鎖管の移動、シャフトの回転、及び関節運動を制御するために、ツールドライバインターフェースに提供されてもよい。ディスプレイ20224は、器具の様々な動作条件を表示でき、データ入力のためのタッチスクリーン機能を含んでもよい。ディスプレイ20224上に表示された情報は、内視鏡撮像モジュールを介して取得された画像とオーバーレイさせることができる。
【0094】
一態様では、マイクロコントローラ20221は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているもの等、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、主マイクロコントローラ20221は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ以上のPWMモジュール、1つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットADCを含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0095】
一態様では、マイクロコントローラ20221は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4x等の2つのコントローラベースのファミリを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0096】
マイクロコントローラ20221は、ナイフ及び関節運動システムの速度及び位置に対する精密制御等、様々な機能を実施するようにプログラムされてもよい。一態様では、マイクロコントローラ20221は、プロセッサ20222及びメモリ20223を含み得る。電気モータ20230は、ギアボックス、及び関節運動又はナイフシステムへの機械的連結部を備えたブラシ付き直流(DC)モータであってもよい。一態様では、モータドライバ20229は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。他のモータドライバを、絶対位置付けシステムを備える追跡システム20228で使用するために容易に代用することができる。絶対位置決めシステムに関する詳細な説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年10月19日公開の米国特許出願公開第2017/0296213号に記載されている。
【0097】
マイクロコントローラ20221は、変位部材及び関節運動システムの速度及び位置に対する正確な制御を提供するようにプログラムされてもよい。マイクロコントローラ20221は、マイクロコントローラ20221のソフトウェア内で応答を計算するように構成されてもよい。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答を得ることができ、これが実際のフィードバックの判定に使用される。観測された応答は、シミュレートされた応答の滑らかで連続的な性質と、測定された応答とのバランスをとる好適な調整された値であってよく、これはシステムに及ぼす外部の影響を検出することができる。
【0098】
いくつかの例では、モータ20230は、モータドライバ20229によって制御されてもよく、外科用器具又はツールの発射システムによって用いられ得る。様々な形態において、モータ20230は、例えば、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。いくつかの例では、モータ20230としては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータが挙げられ得る。モータドライバ20229は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)を含むHブリッジドライバを備えてもよい。モータ20230は、外科用器具又はツールに制御電力を供給するために、ハンドル組立体又はツールハウジングに解放可能に装着された電源組立体によって給電され得る。電源組立体は、外科用器具又はツールに給電するための電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池セルを含み得る電池を備えてもよい。特定の状況下では、電源組立体の電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源組立体に連結可能かつ電源組立体から分離可能であり得るリチウムイオン電池であり得る。
【0099】
モータドライバ20229は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。A3941は、特にブラシ付きDCモータ等の誘導負荷を目的として設計された外部Nチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide semiconductor field-effect transistor、MOSFET)と共に使用するためのフルブリッジコントローラであってもよい。駆動部20229は、固有の電荷ポンプレギュレータを含んでもよく、これは、完全(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧に提供することができ、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にすることができる。NチャネルMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を与えるために、ブートストラップコンデンサが用いられてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を使用して高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードでは、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、抵抗器で調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護され得る。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を示すものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。他のモータドライバを、絶対位置付けシステムを備えた追跡システム20228で使用するために容易に代用することができる。
【0100】
追跡システム20228は、本開示の一態様による位置センサ20225を備える制御されたモータ駆動回路配置を備え得る。絶対位置付けシステム用の位置センサ20225は、変位部材の位置に対応する固有の位置信号を提供し得る。いくつかの例では、変位部材は、ギア減速機組立体の対応する駆動ギアと噛合係合するための駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表すことができる。いくつかの例では、変位部材は、駆動歯のラックを含むように適合され、構成され得る発射部材を表すことができる。いくつかの例では、変位部材は、発射バー又はIビームを表すことができ、それらの各々は、駆動歯のラックを含むように適合され、構成され得る。したがって、本明細書で使用するとき、変位部材という用語は、一般的に、駆動部材、発射部材、発射バー、Iビーム、又は変位され得る任意の要素等、外科用器具又はツールの任意の可動部材を指すために使用され得る。一態様では、長手方向に移動可能な駆動部材は、発射部材、発射バー、及びIビームに連結され得る。したがって、絶対位置決めシステムは、実際には、長手方向に移動可能な駆動部材の直線変位を追跡することによって、Iビームの直線変位を追跡することができる。様々な態様では、変位部材は、直線変位を測定するのに好適な任意の位置センサ20225に連結されてもよい。したがって、長手方向に移動可能な駆動部材、発射部材、発射バー、若しくはIビーム、又はそれらの組み合わせは、任意の好適な直線変位センサに連結されてもよい。直線変位センサは、接触式変位センサ又は非接触式変位センサを含んでもよい。直線変位センサは、線形可変差動変圧器(LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線状に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線状に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線状に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、固定された光源及び一連の移動可能な直線状に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0101】
電気モータ20230は、変位部材上の駆動歯の組又はラックと噛合係合で装着されるギア組立体と動作可能にインターフェースする回転式シャフトを含んでもよい。センサ要素は、位置センサ20225素子の1回転が、変位部材のいくつかの直線長手方向並進に対応するように、ギア組立体に動作可能に連結されてもよい。ギアリング及びセンサの構成は、ラックピニオン構成によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源は、絶対位置決めシステムに電力を供給し、出力インジケータは、絶対位置決めシステムの出力を表示してもよい。変位部材は、ギア減速機組立体の対応する駆動ギアと噛合係合するための、その上に形成された駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表すことができる。変位部材は、長手方向に移動可能な発射部材、発射バー、Iビーム、又はこれらの組み合わせを表すことができる。
【0102】
位置センサ20225と関連付けられたセンサ要素の1回転は、変位部材の長手方向直線変位d1に相当し得、d1は、変位部材に連結されたセンサ素子の1回転した後で、変位部材が点「a」から点「b」まで移動する長手方向の直線距離である。センサ機構は、位置センサ20225が変位部材のフルストロークに対して1回以上の回転を完了する結果をもたらすギアの減速を介して連結されてもよい。位置センサ20225は、変位部材のフルストロークに対して複数回の回転を完了することができる。
【0103】
位置センサ20225の2回以上の回転に対する固有の位置信号を提供するために、一連のスイッチ(ここでnは1よりも大きい整数である)が、単独で、又はギアの減速との組み合わせで用いられてもよい。スイッチの状態は、マイクロコントローラ20221にフィードバックでき、マイクロコントローラ20221は、論理を適用して、変位部材の長手方向の直線変位d1+d2+...dnに対応する固有の位置信号を判定する。位置センサ20225の出力はマイクロコントローラ20221に提供される。センサ機構の位置センサ20225は、位置信号又は値の固有の組み合わせを出力する、磁気センサ、電位差計等のアナログ回転センサ、又はアナログホール効果素子のアレイを備えてもよい。
【0104】
位置センサ20225は、例えば、全磁界又は磁界のベクトル成分を測定するかどうかに従って分類される磁気センサ等の、任意の数の磁気感知素子を備えてもよい。両タイプの磁気センサを生産するために使用される技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含み得る。磁界の感知に使用される技術としては、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動(nuclear precession)、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、磁気光学、及び微小電気機械システムベースの磁気センサを挙げることができる。
【0105】
一態様では、絶対位置付けシステムを備える追跡システム20228の位置センサ20225は、磁気回転絶対位置付けシステムを備え得る。位置センサ20225は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよい。位置センサ20225は、マイクロコントローラ20221とインターフェースされて絶対位置付けシステムを提供する。位置センサ20225は、低電圧低電力の構成要素であり得、磁石の上方に位置し得る位置センサ20225のエリアに、4つのホール効果素子を含み得る。また、高解像度ADC及びスマート電力管理コントローラをチップ上に設けてもよい。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られる、座標回転デジタルコンピュータ(CORDIC)プロセッサが設けられ得る。角度位置、アラームビット、及び磁界情報は、シリアル周辺インターフェース(SPI)インターフェース等の標準的なシリアル通信インターフェースを介してマイクロコントローラ20221に伝送され得る。位置センサ20225は、12ビット又は14ビットの解像度を提供できる。位置センサ20225は、小型のQFN16ピン4x4x0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。
【0106】
絶対位置付けシステムを備える追跡システム20228は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラ等のフィードバックコントローラを備えてもよく、かつ/又はこれを実装するようにプログラムされてもよい。電源は、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は電圧へと変換する。他の例としては、電圧、電流、及び力のPWMが挙げられる。位置センサ20225によって測定される位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、他のセンサが設けられてもよい。いくつかの態様では、他のセンサとしては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2016年5月24日発行の米国特許第9,345,481号、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2014年9月18日公開の米国特許出願公開第2014/0263552号、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年6月20日出願の米国特許出願第15/628,175号に記載されているもの等のセンサ配置を挙げることができる。デジタル信号処理システムでは、絶対位置付けシステムはデジタルデータ取得システムに連結され、ここで絶対位置付けシステムの出力は有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置付けシステムは、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループ等のアルゴリズムを使用して、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備え得る。入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、物理的システムの計算された応答は、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗等の特性を考慮に入れてよい。
【0107】
絶対位置付けシステムは、単にモータ20230がとった前方又は後方への工程の数を計数してデバイスアクチュエータ、駆動バー、ナイフ等の位置を推定する従来の回転エンコーダで必要となり得るような、変位部材をリセット(ゼロ又はホーム)位置へ後退又は前進させることなしに、器具の電源投入時に変位部材の絶対位置を提供できる。
【0108】
例えば歪みゲージ又は微小歪みゲージ等のセンサ20226は、例えば、アンビルに適用される閉鎖力を示すことができる、クランプ動作中にアンビルに及ぼされる歪みの振幅等のエンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成され得る。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、プロセッサ20222に提供され得る。センサ20226の代わりに、又はこれに加えて、例えば、負荷センサ等のセンサ20227が、閉鎖駆動システムによってアンビルに加えられる閉鎖力を測定することができる。例えば、負荷センサ等のセンサ20227は、外科用器具又はツールの発射ストローク中にIビームに加えられる発射力を測定することができる。Iビームは、楔形スレッドと係合するように構成されており、楔形スレッドは、ステープルドライバを上向きにカム作用して、ステープルを押し出してアンビルと変形接触させるように構成されている。Iビームはまた、Iビームを発射バーによって遠位に前進させる際に組織を切断するために使用することができる、鋭利な切刃を含み得る。代替的に、モータ20230により引き込まれる電流を測定するために、電流センサ20231を用いることができる。発射部材を前進させるのに必要な力は、例えば、モータ20230によって引き込まれる電流に対応し得る。測定された力は、デジタル信号に変換されて、プロセッサ20222に提供され得る。
【0109】
一形態では、歪みゲージセンサ20226を使用して、エンドエフェクタによって組織に加えられる力を測定することができる。処置されている組織に対するエンドエフェクタによる力を測定するために、歪みゲージをエンドエフェクタに連結することができる。エンドエフェクタによって把持された組織に加えられる力を測定するためのシステムは、例えば、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成され得る微小歪みゲージ等の歪みゲージセンサ20226を備え得る。一態様では、歪みゲージセンサ20226は、組織圧縮を示し得る、クランプ動作中にエンドエフェクタのジョー部材に及ぼされる歪みの振幅又は規模を測定することができる。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、マイクロコントローラ20221のプロセッサ20222に提供され得る。負荷センサ20227は、例えば、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織を切断するために、ナイフ要素を動作させるために使用される力を測定することができる。磁界センサは、捕捉された組織の厚さを測定するために用いることができる。磁界センサの測定値もデジタル信号に変換されて、プロセッサ20222に提供され得る。
【0110】
センサ20226、20227によってそれぞれ測定される、組織圧縮、組織の厚さ、及び/又はエンドエフェクタを組織上で閉鎖するのに必要な力の測定値は、発射部材の選択された位置、及び/又は発射部材の速度の対応する値を特性決定するために、マイクロコントローラ20221によって使用することができる。一例では、メモリ20223は、評価の際にマイクロコントローラ20221によって用いることができる技術、等式及び/又はルックアップテーブルを記憶することができる。
【0111】
外科用器具又はツールの制御システム20220はまた、図5及び図6Aに示されるようにモジュール式通信ハブ20065と通信するための有線通信回路又は無線通信回路を備えてもよい。
【0112】
図7Bは、例示的な感知システム20069を示す。感知システムは、外科医感知システム又は患者感知システムであってもよい。感知システム20069は、データ処理及び通信ユニット20236と通信するセンサユニット20235及びヒューマンインターフェースシステム20242を含んでもよい。データ処理及び通信ユニット20236は、アナログデジタル変換器20237と、データ処理ユニット20238と、ストレージユニット20239と、入力/出力インターフェース20241と、送受信機20240とを含み得る。感知システム20069は、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243と通信してもよく、これは次に、クラウドコンピューティングシステム20244と通信する。クラウドコンピューティングシステム20244は、クラウドストレージシステム20078及び1つ以上のクラウドサーバ20077を含んでもよい。
【0113】
センサユニット20235は、1つ以上のバイオマーカを測定するための1つ以上のex vivo又はin vivoセンサを含んでもよい。バイオマーカは、例えば、血中pH、水和状態、酸素飽和度、中核体温、心拍数、心拍変動、発汗率、皮膚コンダクタンス、血圧、光曝露、環境の温度、呼吸数、咳及びくしゃみ、胃腸運動、胃腸管イメージング、組織灌流圧、気道中の細菌、アルコール消費、乳酸(汗)、末梢温度、積極性及び楽観、アドレナリン(汗)、コルチゾール(汗)、浮腫、マイコトキシン、VO2 max、術前疼痛、空気中の化学物質、循環腫瘍細胞、ストレス及び不安、錯乱及びせん妄、身体活動、自律緊張、概日リズム、月経周期、睡眠等の1つ以上のセンサを使用して測定されてもよい。センサは、以下のセンシング技術:フォトプレチスモグラフィ、心電図検査、脳波検査、比色分析、impedimentary、電位差測定、電流測定等の1つ以上を使用して本明細書に記載のバイオマーカを測定してもよい。
【0114】
図7Bに示すように、センサユニット20235内のセンサは、測定しようとするバイオマーカと関連した生理学的信号(例えば、電圧、電流、PPG信号等)を測定することができる。測定される生理学的信号は、本明細書で説明されるように、使用される感知技術に依存し得る。感知システム20069のセンサユニット20235は、データ処理及び通信ユニット20236と通信することができる。一例では、センサユニット20235は、ワイヤレスインターフェースを使用してデータ処理及び通信ユニット20236と通信することができる。データ処理及び通信ユニット20236は、アナログデジタル変換器(ADC)20237、データ処理ユニット20238、ストレージ20239、I/Oインターフェース20241、及びRF送受信機20240を含むことができる。データ処理ユニット20238は、プロセッサ及びメモリユニットを含み得る。
【0115】
センサユニット20235は、測定された生理学的信号をデータ処理及び通信ユニット20236のADC20237に送信してもよい。一例では、測定された生理学的信号は、ADCに送られる前に1つ以上のフィルタ(例えば、RCローパスフィルタ)を通過させられ得る。ADCは、測定された生理学的信号を、バイオマーカに関連する測定データに変換することができる。ADCは、処理のために測定データをデータ処理ユニット20238に渡すことができる。一例では、データ処理ユニット20238は、バイオマーカに関連付けられた測定データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243に送信することができ、次に、更なる処理のために測定データをクラウドコンピューティングシステム20244に送信することができる。データ処理ユニットは、本明細書に説明されるように、無線プロトコルのうちの1つを使用して、測定データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243に送信してもよい。一例では、データ処理ユニット20238は、最初に、センサユニットから受信された生の測定データを処理し、処理された測定データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243に送信することができる。
【0116】
一例では、感知システム20069のデータ処理及び通信ユニット20236は、外科用ハブ、コンピューティングデバイス20243から、又はクラウドコンピューティングシステム20244のクラウドサーバ20077から直接、監視のためのバイオマーカに関連付けられた閾値を受信してもよい。データ処理ユニット20236は、監視されるべきバイオマーカに関連付けられた測定データを、外科用ハブ、コンピューティングデバイス20243、又はクラウドサーバ20077から受信された対応する閾値と比較し得る。データ処理及び通信ユニット20236は、測定データ値が閾値を超えたことを示す通知メッセージをHID20242に送信してもよい。通知メッセージは、監視されたバイオマーカに関連付けられた測定データを含み得る。データ処理及びコンピューティングユニット20236は、以下のRFプロトコル、すなわち、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low-Energy(BLE)、Bluetooth Smart、Zigbee、Z-wave、IPv6低電力ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(6LoWPAN)、Wi-Fiのうちの1つを使用して、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243への伝送を介して通知を送信し得る。データ処理ユニット20238は、以下のセルラープロトコル:GSM/GPRS/EDGE(2G)、UMTS/HSPA(3G)、ロングタームエボリューション(LTE)又は4G、LTEアドバンスト(LTE-A)、ニューラジオ(NR)又は5Gのうちの1つ以上を使用して、セルラー送信/受信ポイント(TRP)又は基地局への送信を介して、クラウドサーバに直接通知(例えば、HCPについての通知)を送信し得る。一例では、感知ユニットは、図6A図6Cに記載されているように、ルータを介してハブ/コンピューティングデバイスと通信することができる。
【0117】
図7Cは、例示的な感知システム20069(例えば、外科医感知システム又は患者感知システム)を示す。感知システム20069は、センサユニット20245、データ処理及び通信ユニット20246、並びにヒューマンインターフェースデバイス20242を含んでもよい。センサユニット20245は、センサ20247及びアナログ-デジタル変換器(ADC)20248を含むことができる。センサユニット20245内のADC 20248は、センサ20247によって測定された生理学的信号をバイオマーカに関連付けられた測定データに変換し得る。センサユニット20245は、更なる処理のために、測定データをデータ処理及び通信ユニット20246に送信することができる。一例では、センサユニット20245は、集積回路間(I2C)インターフェースを使用して、測定データをデータ処理及び通信ユニット20246に送ることができる。
【0118】
データ処理及び通信ユニット20246は、データ処理ユニット20249、ストレージユニット20250、及びRF送受信機20251を含む。感知システムは、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243と通信してもよく、これは次に、クラウドコンピューティングシステム20244と通信してもよい。クラウドコンピューティングシステム20244は、遠隔サーバ20077及び関連する遠隔ストレージ20078を含むことができる。センサユニット20245は、本明細書に説明されるように、1つ以上のバイオマーカを測定するための1つ以上の生体外又は生体内センサを含んでもよい。
【0119】
データ処理及び通信ユニット20246は、センサユニット20245から受信された測定データを処理した後、図7Bで説明されるように、測定データを更に処理し、及び/又は測定データをスマートハブ又はコンピューティングデバイス20243に送信することができる。一例では、データ処理及び通信ユニット20246は、更なる処理及び/又は監視のために、センサユニット20245から受信された測定データをクラウドコンピューティングシステム20244の遠隔サーバ20077に送信することができる。
【0120】
図7Dは、例示的な感知システム20069(例えば、外科医感知システム又は患者感知システム)を示す。感知システム20069は、センサユニット20252と、データ処理及び通信ユニット20253と、ヒューマンインターフェースシステム20261とを含み得る。センサユニット20252は、患者又は外科医のバイオマーカに関連付けられた1つ以上の生理学的信号、及び/又は患者又は外科医の物理的状態に関連付けられた1つ以上の物理的状態信号を測定するために、複数のセンサ20254、20255~20256を含んでもよい。センサユニット20252はまた、1つ以上のアナログデジタル変換器(ADC)20257を含み得る。バイオマーカのリストは、本明細書に開示されるバイオマーカ等のバイオマーカを含んでもよい。センサユニット20252内のADC 20257は、センサ20254~20256によって測定された生理学的信号及び/又は物理的状態信号の各々をそれぞれの測定データに変換することができる。センサユニット20252は、1つ以上のバイオマーカ並びに患者又は外科医の物理的状態に関連付けられた測定データを、更なる処理のためにデータ処理及び通信ユニット20253に送信することができる。センサユニット20252は、センサ1 20254~センサN 20256の各々について個別に、又は全てのセンサについて組み合わされて、測定データをデータ処理及び通信ユニット20253に送信することができる。一例では、センサユニット20252は、I2Cインターフェースを介して測定データをデータ処理及び通信ユニット20253に送信することができる。
【0121】
データ処理及び通信ユニット20253は、データ処理ユニット20258、ストレージユニット20259、及びRF送受信機20260を含むことができる。感知システム20069は、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243と通信してもよく、それは、次に、少なくとも1つの遠隔サーバ20077及び少なくとも1つのストレージユニット20078を備えるクラウドコンピューティングシステム20244と通信する。センサユニット20252は、本明細書に説明されるように、1つ以上のバイオマーカを測定するための1つ以上の生体外又は生体内センサを含んでもよい。
【0122】
図8は、外科用器具制御を調整するために、1つ以上の外科医感知システムからの外科手術タスク状況認識及び測定データを使用する例である。図8は、例示的な外科処置のタイムライン20265と、外科処置の各工程において1つ以上の外科用デバイス、1つ以上の外科医感知システム、及び/又は1つ以上の環境感知システムから受信したデータから外科用ハブが導出することができるコンテキスト情報とを示す。外科用ハブによって制御することができるデバイスは、先進エネルギーデバイス、エンドカッタクランプ等を含むことができる。外科医感知システムは、外科医に関連する1つ以上のバイオマーカ、例えば心拍数、汗の組成、呼吸数等を測定するための感知システムを含むことができる。環境感知システムは、環境属性のうちの1つ以上を測定するためのシステム、例えば外科医の位置/動き/呼吸パターンを検出するためのカメラ、例えば手術現場内の周囲雑音及び/又は医療提供者の声のトーン、周囲の温度/湿度等を測定するための空間マイクロフォンを含むことができる。
【0123】
図8に示されるタイムライン20265の以下の説明では、図5も参照されたい。図5は、外科処置において使用される種々の構成要素を提供する。タイムライン20265は、例示的な結腸直腸外科処置の過程中に看護師、外科医、及び他の医療従事者によって個別に及び/又は一括して行われ得る工程を示す。結腸直腸外科処置では、状況認識外科用ハブ20076は、医療提供者(HCP)が外科用ハブ20076と対になっているモジュール式デバイス/器具20095を利用するたびに生成されるデータを含む、外科処置の過程全体を通して様々なデータソースからデータを受信することができる。外科用ハブ20076は、ペアリングされたモジュール式デバイス20095からこのデータを受信してもよい。外科用ハブは、感知システム20069から測定データを受信することができる。外科用ハブは、モジュール式デバイス/器具20095からのデータ及び/又は感知システム20069からの測定データを使用して、実行されている処置の工程に対する外科医のストレスレベルが取得されるように、新しいデータが受信されるにつれて、HCPのストレスレベル及び進行中の処置に関する推論(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導出し得る。外科用ハブ20076の状況認識システムは、以下の、報告を生成するために処置に関するデータを記録すること、医療関係者によってとられている工程を検証すること、特定の処置工程に関連し得るデータ又はプロンプトを(例えば、表示画面を介して)提供すること、コンテキストに基づいてモジュール式デバイスを調整する(例えば、モニタを起動する、医療用撮像デバイスのFOVを調整する、超音波外科用器具若しくはRF電気外科器具のエネルギーレベルを変更する)こと、又は本明細書に記載される任意の他のこうした動作のうちの1つ以上を行うことが可能であり得る。一例において、これらの工程は、クラウドシステム20064の遠隔サーバ20077によって実行され、外科用ハブ20076と通信されてもよい。
【0124】
第1の工程(簡潔にするために図8には示されていない)として、病院スタッフは、病院のEMRデータベースから患者のEMRを検索することができる。EMRにおいて選択された患者データに基づいて、外科用ハブ20076は、実施される処置が結腸直腸手術であることを判定し得る。職員は、処置のために入来する医療用品をスキャンし得る。外科用ハブ20076は、スキャンされた物資を様々な種類の処置において利用され得る物資のリストと相互参照し、物資の組み合わせが、結腸直腸処置に一致することを確認する。外科用ハブ20076は、異なるHCPによって装着された感知システム20069の各々をペアリングし得る。
【0125】
各デバイスが準備され、手術前の準備が完了すると、手術チームは、切開を行い、トロカールを配置することによって開始することができる。外科チームは、もしあれば癒着を切開し、下腸間膜動脈(IMA)分岐を識別することによって、アクセス及び準備を行い得る。外科用ハブ20076は、少なくともエネルギー器具が発射されていることを示すRF又は超音波発生器から受信することができるデータに基づいて、外科医が癒着を切開する過程にあると推測することができる。外科用ハブ20076は、受信したデータを外科処置の検索工程と相互参照して、プロセスのこの時点(例えば、上述された処置の工程が完了した後)で発射されているエネルギー器具が切開工程に対応していると判定することができる。
【0126】
切開後、HCPは、処置の結紮工程(例えば、A1によって示される)に進んでもよい。図8に示すように、HCPは、IMAを結紮することによって開始することができる。外科用ハブ20076は、器具が発射されていることを示すデータを先進エネルギージョーデバイス及び/又はエンドカッタから受信することができるため、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推測することができる。外科用ハブはまた、HCPの感知システムのうちの1つから、(例えば、時間軸上のB1マークによって示される)HCPのより高いストレスレベルを示す測定データを受信し得る。例えば、より高いストレスレベルは、ベース値からのHCPの心拍数の変化によって示され得る。外科用ハブ20076は、前の工程と同様に、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、(例えば、A2及びA3によって示されるような)プロセスにおいて検索された工程と相互参照することによって、この推論を導出し得る。外科用ハブ20076は、高応力期間中に、前進エネルギージョートリガ比及び/又はエンドカッタクランプ及び発射速度を監視してもよい。一例では、外科用ハブ20076は、補助制御信号を先進エネルギージョーデバイス及び/又はエンドカッタデバイスに送信して、動作中のデバイスを制御することができる。外科用ハブは、外科用デバイスを操作しているHCPのストレスレベル及び/又は外科用ハブに知られている状況認識に基づいて支援信号を送信することができる。例えば、外科用ハブ20076は、図8にA2及びA3によって示されるように、制御支援信号を高度エネルギーデバイス又はエンドカッタクランプに送信してもよい。
【0127】
HCPは、上部S状結腸を解放し、続いて下行結腸、直腸、及びS状結腸を解放する次の工程に進むことができる。外科用ハブ20076は、(例えば、D1、E1a、E1b、F1によって示されるような)HCPの高応力マーカを監視し続けることができる。外科用ハブ20076は、図8に示すように、高応力期間中に、先進エネルギージョーデバイス及び/又はエンドカッタデバイスに支援信号を送信することができる。
【0128】
結腸を可動化した後、HCPは、処置の分節切除術部分を進めてもよい。例えば、外科用ハブ20076は、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータ(そのカートリッジからのデータを含む)に基づいて、HCPが実質組織を横切開していると推定することができる。カートリッジのデータは、例えば、器具によって発射されているステープルのサイズ又はタイプに対応することができる。異なる種類のステープルが異なる種類の組織に利用されるので、カートリッジのデータは、ステープル留め及び/又は横切開されている組織の種類を示すことができる。異なる器具が特定のタスクに対してより良好に適合するので、外科医が、処置中の工程に応じて、外科用ステープル留め/切断器具と外科用エネルギー(例えば、RF又は超音波)器具とを、定期的に交互に切り替えることに留意されたい。したがって、ステープル留め器具/切断器具及び外科用エネルギー器具が使用されるシーケンスは、外科医が処置のどの工程を実行しているかを示すことができる。
【0129】
外科用ハブは、HCPのストレスレベルに基づいて制御信号を決定し、外科用デバイスに送信することができる。例えば、期間G1b中に、制御信号G2bがエンドカッタクランプに送信されてもよい。シグモイドを除去すると、切開部が閉じられ、処置の術後部分が開始され得る。患者の麻酔を逆転させることができる。外科用ハブ20076は、患者に取り付けられた1つ以上の感知システムに基づいて、患者が麻酔から覚めてきていると推測してもよい。
【0130】
図9は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科医/患者監視を伴うコンピュータ実装インタラクティブ外科用システムのブロック図である。一側面では、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムは、1つ以上の感知システム20069を使用して、外科医バイオマーカ及び/又は患者バイオマーカを監視するように構成されてもよい。外科医バイオマーカ及び/又は患者バイオマーカは、外科処置の前、後、及び/又は間に測定され得る。一態様では、このコンピュータ実装インタラクティブ外科用システムは、外科用ハブ、外科用器具、ロボットデバイス、及び手術室又は医療施設を含む様々な外科用システム20069の動作に関するデータを監視及び分析するように構成され得る。コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムは、クラウドベースの分析システムを含み得る。クラウドベースの分析システムは、1つ以上の分析サーバを含むことができる。
【0131】
図9に示すように、クラウドベースの監視及び分析システムは、複数の感知システム20268(感知システム20069と同じ又は類似であってもよい)、外科用器具20266(器具20031と同じ又は類似であってもよい)、複数の外科用ハブ20270(ハブ20006と同じ又は類似であってもよい)、及び外科用ハブ20270をクラウド20271に連結するための外科データネットワーク20269(図4に記載された外科データネットワークと同じ又は同様であってもよい)を備えることができる(クラウドコンピューティングシステム20064と同じ又は類似であってもよい)。複数の外科用ハブ20270の各々は、1つ以上の外科用器具20266に通信可能に連結され得る。複数の外科用ハブ20270の各々はまた、ネットワーク20269を介して、1つ以上の感知システム20268、及びコンピュータ実装インタラクティブ外科用システムのクラウド20271に通信可能に連結されてもよい。外科用ハブ20270及び感知システム20268は、本明細書で説明されるような無線プロトコルを使用して通信可能に連結されてもよい。クラウドシステム20271は、感知システム20268からの測定データ及び様々な外科用システム20268の動作に基づいて生成されたデータを記憶、処理、操作、及び通信するためのハードウェア及びソフトウェアの遠隔集中ソースとすることができる。
【0132】
図9に示すように、クラウドシステム20271へのアクセスはネットワーク20269を介して達成され得、このネットワーク20269は、インターネットであってもよく、又は他の好適なコンピュータネットワークであってもよい。クラウドシステム20271に連結され得る外科用ハブ20270は、クラウドコンピューティングシステムのクライアント側(例えば、クラウドベースの分析システム)と見なすことができる。外科用器具20266は、本明細書に記載される様々な外科処置又は動作の制御及び実施のために、外科用ハブ20270とペアリングされ得る。感知システム20268は、様々なマイルストーンを追跡及び/若しくは測定するため、並びに/又は様々な合併症を検出するために、外科医関連バイオマーカの手術中の外科医監視、手術前の患者監視、手術中の患者監視、又は患者バイオマーカの手術後監視のために外科用ハブ20270と対にされ得る。環境感知システム20267は、外科医監視、手術前患者監視、手術中患者監視、又は患者の手術後監視のために、外科医又は患者に関連付けられた環境属性を測定する外科用ハブ20270とペアリングされてもよい。
【0133】
外科用器具20266、環境感知システム20267、及び感知システム20268は、それらの対応する外科用ハブ20270(これもまた、送受信機を備え得る)への及びそこからのデータ伝送のための有線又は無線送受信機を備え得る。外科用器具20266、感知システム20268、又は外科用ハブ20270のうちの1つ以上の組み合わせは、医療手術、手術前の準備、及び/又は術後回復を提供するために、手術室、集中治療室(ICU)室、又は医療施設(例えば、病院)内の回復室等の特定の場所を示し得る。例えば、外科用ハブ20270のメモリは、位置データを記憶することができる。
【0134】
図9に示すように、クラウドシステム20271は、1つ以上の中央サーバ20272(遠隔サーバ20067と同じ又は同様であってもよい)、外科用ハブアプリケーションサーバ20276、データ分析モジュール20277、及び入力/出力(「I/O」)インターフェース20278を含む。クラウドシステム20271の中央サーバ20272は、クラウドコンピューティングシステムを集合的に管理し、これは、クライアント外科用ハブ20270による要求を監視し、その要求を実行するためのクラウドシステム20271の処理能力を管理することを含み得る。中央サーバ20272の各々は、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ及び磁気記憶デバイス等の不揮発性メモリを含むことができる、好適なメモリデバイス20274に連結された1つ以上のプロセッサ20273を備え得る。メモリデバイス20274は、実行されると、クラウドベースのデータ分析、感知システム20268から受信した測定データのリアルタイム監視、動作、推奨、及び本明細書で説明される他の動作のためにプロセッサ20273にデータ分析モジュール20277を実行させる機械実行可能命令を含むことができる。プロセッサ20273は、独立して、又はハブ20270によって独立して実行されるハブアプリケーションと併せて、データ分析モジュール20277を実行することができる。中央サーバ20272はまた、メモリ20274内に存在し得る集約された医療データのデータベース20275を含み得る。
【0135】
ネットワーク20269を介した様々な外科用ハブ20270への接続に基づいて、クラウド20271は、様々な外科用器具20266によって生成された特定のデータからのデータを集約し、及び/又は感知システム20268並びに外科用器具20266及び/又は感知システム20268に関連付けられた外科用ハブ20270からのリアルタイムデータを監視することができる。外科用器具20266からのそのような集約データ及び/又は感知システム20268からの測定データは、クラウド20271の集約医療データベース20275内に記憶されてもよい。特に、クラウド20271は、有利には、感知システム20268からのリアルタイム測定データを追跡し、かつ/又は測定データ及び/又は集約データに対してデータ分析及び動作を実行して、洞察をもたらし、かつ/又は個々のハブ20270がそれ自体では達成することができない機能を実行することができる。この目的のために、図9に示すように、クラウド20271と外科用ハブ20270とは、情報を送受信するために通信可能に連結されている。I/Oインターフェース20278は、ネットワーク20269を介して複数の外科用ハブ20270に接続される。このようにして、I/Oインターフェース20278は、外科用ハブ20270と集約された医療データデータベース20275との間で情報を転送するように構成することができる。したがって、I/Oインターフェース20278は、クラウドベースの分析システムの読み出し/書き込み動作を容易にすることができる。このような読み出し/書き込み動作は、ハブ20270からの要求に応じて実行されてもよい。これらの要求は、ハブアプリケーションを介して外科用ハブ20270に送信され得る。I/Oインターフェース20278は、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、IEEE1394ポート、並びにクラウド20271を外科用ハブ20270に接続するためのWi-Fi及びBluetooth I/Oインターフェースを含んでもよい1つ以上の高速データポートを含んでもよい。クラウド20271のハブアプリケーションサーバ20276は、外科用ハブ20270によって実行されるソフトウェアアプリケーション(例えば、ハブアプリケーション)に共有機能をホストし、かつ供給するように構成され得る。例えば、ハブアプリケーションサーバ20276は、ハブアプリケーションによるハブ20270を介する要求を管理し、集約された医療データのデータベース20275へのアクセスを制御し、負荷分散を実行し得る。
【0136】
本開示に記載されるクラウドコンピューティングシステムの構成は、外科用器具20266、20031等の医療用デバイスを使用して実行される医療手術(例えば、術前監視、術中監視、及び術後監視)及び処置のコンテキストにおいて生じる様々な問題に対処するように設計され得る。特に、外科用器具20266は、外科手術の成績を改善するための技術を実施するために、クラウド20271と相互作用するように構成されたデジタル外科用デバイスであってよい。感知システム20268は、医療手術を行う外科医及び/又は医療手術が行われる予定であるか、行われているか、又は行われた患者に関連する1つ以上のバイオマーカを測定するように構成された1つ以上のセンサを有するシステムであってもよい。様々な外科用器具20266、感知システム20268、及び/又は外科用ハブ20270は、臨床医及び/又は患者が外科用器具20266又は感知システム20268とクラウド20271との間の相互作用の態様を制御し得るように、ヒューマンインターフェースシステム(例えば、タッチ制御式ユーザインターフェースを有する)を含み得る。聴覚的に制御されたユーザインターフェース等の制御のための他の好適なユーザインターフェースもまた使用することもできる。
【0137】
本開示で説明されるクラウドコンピューティングシステム構成は、感知システム20268を使用して手術前、手術中、及び手術後の処置において医療専門家(HCP)又は患者に関連付けられた1つ以上のバイオマーカを監視する状況において生じる様々な問題に対処するように設計され得る。感知システム20268は、外科医バイオマーカ及び/又は患者バイオマーカを監視する技法を実装するために、外科用ハブ20270及び/又はクラウドシステム20271と相互作用するように構成された外科医感知システム又は患者感知システムであってもよい。様々な感知システム20268及び/又は外科用ハブ20270は、HCP又は患者が感知システム20268と外科用ハブ20270及び/又はクラウドシステム20271との間の相互作用の態様を制御することができるように、タッチ制御式ヒューマンインターフェースシステムを備えることができる。聴覚的に制御されたユーザインターフェース等の制御のための他の好適なユーザインターフェースもまた使用することもできる。
【0138】
図10は、本開示による例示的外科用システム20280を示し、有線又は無線接続を介してローカルエリアネットワーク20292又はクラウドネットワーク20293を通じてコンソール20294又はポータブルデバイス20296と通信することができる外科用器具20282を含み得る。様々な態様では、コンソール20294及びポータブルデバイス20296は、任意の適切なコンピューティングデバイスであり得る。外科用器具20282は、ハンドル20297と、アダプタ20285と、装填ユニット20287とを含み得る。アダプタ20285は、ハンドル20297に解放可能に連結し、装填ユニット20287は、アダプタ20285が駆動シャフトから装填ユニット20287に力を伝達するように、アダプタ20285に解放可能に連結する。アダプタ20285又は装填ユニット20287は、装填ユニット20287にかかる力を測定するために、内部に配置される力ゲージ(明示的に図示せず)を含んでもよい。装填ユニット20287は、第1のジョー20291及び第2のジョー20290を有するエンドエフェクタ20289を備え得る。装填ユニット20287は、装填ユニット20287を手術部位から抜いて装填ユニット20287を再装填する必要なく、臨床医が複数の締結具を複数回発射することを可能にするin-situ装填、つまり複数回発射装填ユニット(MFLU)であってもよい。
【0139】
第1及び第2のジョー20291、20290は、それらの間に組織をクランプし、クランプされた組織を通して締結具を発射し、クランプされた組織を切断するように構成され得る。第1のジョー20291は、少なくとも1つの締結具を複数回発射するように構成されてもよく、又は交換される前に2回以上発射できる複数の締結具(例えば、ステープル、クリップ等)を含む交換可能な複数回発射締結具カートリッジを含むように構成されてもよい。第2のジョー20290は、締結具が複数回発射締結具カートリッジから排出される際に、締結具を変形させるか、又は他の方法で固定するアンビルを含んでもよい。
【0140】
ハンドル20297は、駆動シャフトの回転に影響を及ぼすように駆動シャフトに連結されるモータを含んでもよい。ハンドル20297は、モータを選択的に作動させるための制御インターフェースを含むことができる。制御インターフェースは、ボタン、スイッチ、レバー、スライダ、タッチスクリーン、及び任意の他の好適な入力機構又はユーザインターフェースを含んでもよく、これらは、モータを起動するために臨床医によって係合され得る。
【0141】
ハンドル20297の制御インターフェースは、ハンドル20297のコントローラ20298と通信して、モータを選択的に作動させ、駆動シャフトの回転に作用することができる。コントローラ20298は、ハンドル20297内に配置されてもよく、制御インターフェースからの入力、及びアダプタ20285からのアダプタデータ、又は装填ユニット20287からの装填ユニットデータを受信するように構成されてもよい。コントローラ20298は、モータを選択的に起動するために、制御インターフェースからの入力、並びにアダプタ20285及び/又は装填ユニット20287から受信されたデータを分析することができる。ハンドル20297はまた、ハンドル20297の使用中に臨床医が見ることができるディスプレイを含んでもよい。ディスプレイは、器具20282の発射前、発射中、又は発射後に、アダプタ又は装填ユニットデータの部分を表示するように構成されてもよい。
【0142】
アダプタ20285は、内部に配置されるアダプタ識別デバイス20284を含んでもよく、装填ユニット20287は、内部に配置される装填ユニット識別デバイス20288を含んでもよい。アダプタ識別デバイス20284は、コントローラ20298と通信してもよく、装填ユニット識別デバイス20288は、コントローラ20298と通信してもよい。装填ユニット識別デバイス20288は、装填ユニット識別デバイス20288からコントローラ20298への通信を中継又は通過するアダプタ識別デバイス20284と通信し得ることが理解されるであろう。
【0143】
アダプタ20285はまた、アダプタ20285又は環境の種々の状態(例えば、アダプタ20285が装填ユニットに接続されているかどうか、アダプタ20285がハンドルに接続されているかどうか、駆動シャフトが回転しているかどうか、駆動シャフトのトルク、駆動シャフトの歪み、アダプタ20285内の温度、アダプタ20285の発射回数、発射中のアダプタ20285のピーク力、アダプタ20285に印加される力の総量、アダプタ20285のピーク後退力、発射中のアダプタ20285の休止回数等)を検出するために、その周囲に配置される複数のセンサ20286(1つが示される)を含んでもよい。複数のセンサ20286は、データ信号の形態でアダプタ識別デバイス20284に入力を提供することができる。複数のセンサ20286のデータ信号は、アダプタ識別デバイス20284内に記憶されてもよく、又はアダプタ識別デバイス20284内に記憶されたアダプタデータを更新するために使用されてもよい。複数のセンサ20286のデータ信号は、アナログ又はデジタルであってもよい。複数のセンサ20286は、発射中に装填ユニット20287に及ぼされる力を測定するための力ゲージを含んでもよい。
【0144】
ハンドル20297及びアダプタ20285は、電気的インターフェースを介して、アダプタ識別デバイス20284及び装填ユニット識別デバイス20288をコントローラ20298と相互接続するように構成され得る。電気的インターフェースは、直接電気的インターフェースであってもよい(すなわち、エネルギー及び信号をそれらの間で伝送するために互いに係合する電気接点を含む)。加えて、又は代替として、電気的インターフェースは、エネルギー及び信号をそれらの間で無線伝送する(例えば、誘導伝送する)ための非接触電気的インターフェースであってもよい。アダプタ識別デバイス20284及びコントローラ20298は、電気的インターフェースとは別個のワイヤレス接続を介して互いにワイヤレス通信し得ることも企図される。
【0145】
ハンドル20297は、コントローラ20298からシステム20280の他の構成要素(例えば、LAN20292、クラウド20293、コンソール20294、又はポータブルデバイス20296)に器具データを送信するように構成された送受信機20283を含んでもよい。コントローラ20298はまた、図9に図示されるように、1つ以上のセンサ20286に関連付けられる器具データ及び/又は測定データを外科用ハブ20270に伝送してもよい。送受信機20283は、外科用ハブ20270からデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、アダプタデータ、又は他の通知)を受信し得る。送受信機20283は、システム20280の他の構成要素からデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、又はアダプタデータ)を受信してもよい。例えば、コントローラ20298は、ハンドル20297に取り付けられる取り付けられたアダプタ(例えば、アダプタ20285)のシリアル番号、アダプタ20285に取り付けられた装填ユニット(例えば、装填ユニット20287)のシリアル番号、及び装填ユニットに装填された複数回発射締結具カートリッジのシリアル番号を含む器具データを、コンソール20294に送信してもよい。その後、コンソール20294は、取り付けられたカートリッジ、装填ユニット、及びアダプタにそれぞれ関連付けられたデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、又はアダプタデータ)をコントローラ20298に返信してもよい。コントローラ20298は、ローカル器具ディスプレイ上にメッセージを表示するか、又は送受信機20283を介してコンソール20294又はポータブルデバイス20296にメッセージを送信して、それぞれディスプレイ20295又はポータブルデバイススクリーン上にメッセージを表示することができる。
【0146】
図11A図11Dは、ウェアラブル感知システム、例えば、外科医感知システム又は患者感知システムの実施例を図示する。図11Aは、電気化学感知プラットフォームに基づくことができる眼鏡ベースの感知システム20300の例である。感知システム20300は、外科医又は患者の皮膚と接触している複数のセンサ20304及び20305を使用して、汗の電解質及び/又は代謝産物を監視(例えば、リアルタイム監視)することが可能であり得る。例えば、感知システム20300は、電流及び/又は電圧を測定するために、眼鏡20302の鼻梁パッドと一体化された電流測定ベースのバイオセンサ20304及び/又は電位差測定ベースのバイオセンサ20305を使用してもよい。
【0147】
電流測定バイオセンサ20304は、汗乳酸レベル(例えば、mmol/L単位)を測定するために使用され得る。乳酸は、敗血症又は出血によって引き起こされ得る組織酸素化の減少に起因して生じ得る乳酸アシドーシスの産物である。患者の乳酸レベル(例えば、>2mmol/L)を使用して、例えば、手術後監視中に敗血症の発症を監視することができる。電位差バイオセンサ20305は、患者の汗中のカリウムレベルを測定するために使用され得る。基準電極と作用電極との間の電位信号を測定するために、演算増幅器を有する電圧フォロワ回路を使用することができる。電圧フォロワ回路の出力は、フィルタリングされ、ADCを使用してデジタル値に変換され得る。
【0148】
電流測定センサ20304及び電位差測定センサ20305は、眼鏡のアームの各々に配置された回路20303に接続されてもよい。電気化学センサは、汗乳酸及びカリウムレベルの同時リアルタイム監視のために使用されてもよい。電気化学センサは、ステッカー上にスクリーン印刷され、汗の代謝産物及び電解質を監視するために眼鏡の鼻パッドの各側に配置されてもよい。眼鏡フレームのアーム上に配置された電子回路20303は、乳酸及び/又はカリウム測定データを外科用ハブ又は中間デバイスに送信するために使用され得る無線データ送受信機(例えば、低エネルギーBluetooth送受信機)を含んでもよく、中間デバイスは、次いで、測定データを外科用ハブに転送してもよい。眼鏡ベースの感知システム20300は、例えば、図7B~7Dに説明されるように、電気化学センサ20305又は20304から生成される電気信号をフィルタリング及び増幅するための信号調整ユニットと、アナログ信号をデジタル化するためのマイクロコントローラと、データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイスに転送するための無線(例えば、低エネルギーBluetooth(登録商標))モジュールとを使用してもよい。
【0149】
図11Bは、センサ組立体20312(例えば、フォトプレチスモグラフィ(PPG)ベースのセンサ組立体又は心電図(ECG)ベースのセンサ組立体)を備えるリストバンド型感知システム20310の一例である。例えば、感知システム20310において、センサ組立体20312は、手首内の動脈拍動を収集して分析することができる。センサ組立体20312は、1つ以上のバイオマーカ(例えば、心拍数、心拍変動(HRV)等)を測定するために使用されてもよい。PPGベースのセンサ組立体20312を伴う感知システムの場合、光(例えば、緑色光)は、皮膚を通過させられてもよい。ある割合の緑色光は、血管によって吸収され得、緑色光の一部は、反射され、光検出器によって検出され得る。これらの差又は反射は、組織の血液灌流の変動と関連付けられ、変動は、心血管系の心臓関連情報(例えば、心拍数)を検出する際に使用され得る。例えば、吸収量は、血液量に応じて変化し得る。感知システム20310は、時間の関数として光反射率を測定することによって心拍数を決定することができる。HRVは、心拍間隔(IBI)として知られる、ピークの前の最も急な信号勾配間の期間変動(例えば、標準偏差)として決定されてもよい。
【0150】
ECGベースのセンサ組立体20312を有する感知システムの場合、一組の電極が皮膚に接触して配置され得る。感知システム20310は、心拍数を決定するために、皮膚上に配置された電極のセットにわたる電圧を測定し得る。この場合のHRVは、R-R間隔として知られる、QRS群におけるRピーク間の期間変動(例えば、標準偏差)として測定することができる。
【0151】
感知システム20310は、例えば、図7B図7Dに説明されるように、アナログPPG信号をフィルタリング及び増幅するための信号調整ユニットと、アナログPPG信号をデジタル化するためのマイクロコントローラと、データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイスに転送するための無線(例えば、Bluetooth(登録商標))モジュールとを使用してもよい。
【0152】
図11Cは、例示的なリング感知システム20320である。リング感知システム20320は、センサ組立体(例えば、心拍数センサ組立体)20322を含んでもよい。センサ組立体20322は、光源(例えば、赤色又は緑色発光ダイオード(LED))と、反射及び/又は吸収された光を検出するためのフォトダイオードとを含んでもよい。センサ組立体20322内のLEDは、指を通して光を照らしてもよく、センサ組立体20322内のフォトダイオードは、血液量変化を検出することによって、心拍数及び/又は血中酸素レベルを測定してもよい。リング感知システム20320は、他のバイオマーカを測定するための他のセンサ組立体、例えば、体表面温度を測定するためのサーミスタ又は赤外線温度計を含んでもよい。リング感知システム20320は、例えば、図7B図7Dに説明されるように、アナログPPG信号をフィルタリング及び増幅するための信号調整ユニットと、アナログPPG信号をデジタル化するためのマイクロコントローラと、データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイスに転送するための無線(例えば、low energy Bluetooth(登録商標))モジュールとを使用してもよい。
【0153】
図11Dは、脳波(EEG)感知システム20315の一例である。図11Dに示すように、感知システム20315は、1つ以上のEEGセンサユニット20317を含むことができる。EEGセンサユニット20317は、頭皮に接触して配置される複数の導電性電極を含むことができる。導電性電極は、脳内のニューロン活動に起因して頭部の外側に生じ得る小さな電位を測定するために使用され得る。EEG感知システム20315は、特定の脳パターン、例えば、後部優位リズムの遅延又は脱落、及び目の開閉に対する反応性の喪失を識別することによって、バイオマーカ、例えば、せん妄を測定することができる。リング感知システム20315は、例えば、図7B図7Dに説明されるように、電位をフィルタリング及び増幅するための信号調整ユニットと、電気信号をデジタル化するためのマイクロコントローラと、スマートデバイスにデータを転送するための無線(例えば、低エネルギーBluetooth(登録商標))モジュールとを有してもよい。
【0154】
図12は、外科処置の前、間、及び/又は後に1つ以上の患者又は外科医バイオマーカを監視するためのコンピュータ実装患者/外科医モニタリングシステム20325のブロック図を示す。図12に図示されるように、1つ以上の感知システム20336は、例えば、外科処置前の患者の準備、及び外科処置後の回復を促進するために、患者バイオマーカを測定及び監視するために使用されてもよい。感知システム20336は、例えば、関連するバイオマーカ(例えば、外科医バイオマーカ)を外科用ハブ20326及び/又は外科用デバイス20337に通信し、それらの機能を調節することによって、外科手術タスクを支援するために、外科医バイオマーカをリアルタイムで測定及び監視するために使用されてもよい。調節され得る外科用デバイス機能は、電力レベル、前進速度、閉鎖速度、負荷、待機時間、又は他の組織依存動作パラメータを含み得る。感知システム20336はまた、外科医又は患者に関連付けられた1つ以上の物理的属性を測定してもよい。患者バイオマーカ及び/又は身体的属性は、リアルタイムで測定され得る。
【0155】
コンピュータ実装ウェアラブル患者/外科医ウェアラブル感知システム20325は、外科用ハブ20326と、1つ以上の感知システム20336と、1つ以上の外科用デバイス20337とを含み得る。感知システム及び外科用デバイスは、外科用ハブ20326に通信可能に連結され得る。例えば分析システムの一部である1つ以上の分析サーバ20338も、外科用ハブ20326に通信可能に連結され得る。単一の外科用ハブ20326が示されているが、ウェアラブル患者/外科医ウェアラブル感知システム20325は、本明細書で説明するように、1つ以上の分析サーバ20338に通信可能に連結された外科用ハブ20326のネットワークを形成するように接続することができる任意の数の外科用ハブ20326を含むことができることに留意されたい。
【0156】
一例では、外科用ハブ20326はコンピューティングデバイスであってもよい。コンピューティングデバイスは、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、スマートモバイルデバイス等であってもよい一例では、コンピューティングデバイスは、クラウドベースのコンピューティングシステムのクライアントコンピューティングデバイスであってもよい。クライアントコンピューティングデバイスは、シンクライアントであってもよい。
【0157】
一例では、外科用ハブ20326は、記憶された命令を実行するためのメモリ20330に連結されたプロセッサ20327と、EMRデータベース等の1つ以上のデータベースを記憶するためのストレージ20331と、データが分析サーバ20338に送信されるデータ中継インターフェース20329とを含むことができる。一例では、外科用ハブ20326は、ユーザからの入力を受信するための入力デバイス20341(例えば、静電容量式タッチスクリーン又はキーボード)と、ユーザに出力を提供するための出力デバイス20335(例えば、表示画面)とを有するI/Oインターフェース20333を更に含むことができる。一例では、入力デバイス及び出力デバイスは単一のデバイスであってもよい。出力は、ユーザによって入力されたクエリからのデータ、所与の手技において使用するための製品若しくは製品の組み合わせの提案、及び/又は外科処置の前、間、若しくは後に行われる動作のための命令を含むことができる。外科用ハブ20326は、外科用デバイス20337を外科用ハブ20326に通信可能に連結するためのデバイスインターフェース20332を含むことができる。一態様では、デバイスインターフェース20332は、本明細書で説明される有線又は無線通信プロトコルのうちの1つを使用して、有線インターフェース又は無線インターフェースを介して1つ以上の手術デバイス20337が外科用ハブ20326と接続することを可能にし得る送受信機を含み得る。外科用デバイス20337は、例えば、電動ステープラ、エネルギーデバイス若しくはそれらの発生器、撮像システム、又は他の連結されたシステム、例えば、煙排出器、吸引-灌注デバイス、送気システム等を含んでもよい。
【0158】
一例では、外科用ハブ20326は、1つ以上の外科医及び/又は患者感知システム20336に通信可能に連結され得る。感知システム20336は、外科処置を行う外科医又は外科処置が行われている患者に関連する様々なバイオマーカをリアルタイムで測定及び/又は監視するために使用され得る。感知システム20336によって測定される患者/外科医バイオマーカのリストが、本明細書に提供される。一例では、外科用ハブ20326は、環境感知システム20334に通信可能に連結され得る。環境感知システム20334は、環境属性、例えば、手術現場内の温度/湿度、外科医の動き、外科医及び/又は患者の呼吸パターンによって引き起こされる手術現場内の周囲雑音等をリアルタイムで測定及び/又は監視するために使用されてもよい。
【0159】
感知システム20336及び外科用デバイス20337が外科用ハブ20326に接続されるとき、外科用ハブ20326は、例えば、図7B~7Dに図示されるように、感知システム20336から、1つ以上の患者バイオマーカと関連付けられる測定データ、患者と関連付けられる物理的状態、外科医バイオマーカと関連付けられる測定データ、及び/又は外科医と関連付けられる物理的状態を受信してもよい。外科用ハブ20326は、例えば、図8に示されるように、手術デバイス20337を制御するための制御信号を生成するために、例えば、外科医に関連する測定データを、他の関連する手術前データ及び/又は状況認識システムからのデータと関連付け得る。
【0160】
一例では、外科用ハブ20326は、感知システム20336からの測定データを、ベースライン値、手術前測定データに基づいて、及び/又は手術測定データにおいて定義された1つ以上の閾値と比較することができる。外科用ハブ20326は、感知システム20336からの測定データを1つ以上の閾値とリアルタイムで比較してもよい。外科用ハブ20326は、表示するための通知を生成してもよい。外科用ハブ20326は、例えば、測定データが定義された閾値と交差する(例えば、より大きい又はより小さい)場合、患者20339のためのヒューマンインターフェースシステム及び/又は外科医若しくはHCP 20340のためのヒューマンインターフェースシステムに送達のための通知を送信し得る。通知が患者用ヒューマンインターフェースシステム20339及び/又はHCP用ヒューマンインターフェースシステム2340のうちの1つ以上に送信されるか否かの判定は、通知に関連付けられた重大度レベルに基づいてもよい。外科用ハブ20326はまた、表示するための通知に関連付けられた重大度レベルを生成してもよい。生成された重大度レベルは、患者及び/又は外科医若しくはHCPに表示され得る。一例では、測定及び/又は監視される(例えば、リアルタイムで測定及び/又は監視される)患者バイオマーカは、外科処置工程と関連付けられ得る。例えば、胸部外科処置の静脈及び動脈の切断工程のために測定及び監視されるバイオマーカは、血圧、組織灌流圧、浮腫、動脈硬化、コラーゲン含有量、結合組織の厚さ等を含んでもよく、外科処置のリンパ節郭清工程のために測定及び監視されるバイオマーカは、患者の血圧の監視を含んでもよい。一例では、術後合併症に関するデータをストレージ20331内のEMRデータベースから検索することができ、ステープル留め又は切開線の漏出に関するデータを状況認識システムによって直接検出又は推測することができる。外科処置結果データは、外科用デバイス20337、感知システム20336、及び外科用ハブ20326が接続されているストレージ20331内のデータベースを含む様々なデータソースから受信したデータから状況認識システムによって推測することができる。
【0161】
外科用ハブ20326は、感知システム20336から受信した測定データ及び物理的状態データ、並びに/又は外科用デバイス20337に関連付けられたデータを、分析サーバ20338に送信して、そこで処理することができる。分析サーバ20338の各々は、メモリと、受信したデータを分析するためにそこに記憶された命令を実行することができるメモリに連結されたプロセッサとを含むことができる。分析サーバ20338は、分散コンピューティングアーキテクチャで接続されてもよく、及び/又はクラウドコンピューティングアーキテクチャを利用してもよい。このペアリングされたデータに基づいて、分析システム20338は、様々なタイプのモジュール式デバイスの最適及び/又は好ましい動作パラメータを決定し、外科用デバイス20337の制御プログラムに対する調整を生成し、更新又は制御プログラムを1つ以上の外科用デバイス20337に送信(又は 「プッシュ」)することができる。例えば、解析システム20338は、外科用ハブ20236から受信した周術期データを、外科医又はHCPの生理的状態及び/又は患者の生理的状態に関連付けられた測定データと相関させてもよい。解析システム20338は、外科用デバイス20337がいつ制御されるべきかを決定し、更新を外科用ハブ20326に送信し得る。次いで、外科用ハブ20326は、制御プログラムを関連する外科用デバイス20337に転送し得る。
【0162】
外科用ハブ30326、1つ以上の感知システム20336、及びそれに接続可能な種々の外科用デバイス20337を含む、コンピュータ実装型ウェアラブル患者/外科医ウェアラブル感知システム20325に関する更なる詳細は、図5図7Dに関連して説明される。
【0163】
図13は、外科処置中に外科データを処理するための例示的な方法29700のフロー図である。本明細書に開示されるように、外科処置中に、多くのソース及び/又はタイプの外科データ(例えば、外科センサデータ等)が存在する。そのような外科データは、他の外科用システム及び医療専門家による即時消費のために処理され得る。この処理は、リアルタイム、ほぼリアルタイム等で行うことができる。また、例えば、図1Aを参照して本明細書に開示される、コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステム20000等の外科データシステムは、センサ処理の種々の側面が行われ得る、複数の処理ユニットを含んでもよい。方法29700、並びにメモリ及び/又はプロセッサを用いてこれらの方法を実装する対応するデバイス及びデバイスの組み合わせを含む、本明細書に開示される方法は、そのような外科用センサデータ処理を調整するために使用され得る。調整は、より大きなシステム効率、より高いシステム及びデータ信頼性、障害及び故障の優雅な処理、より大きな全体的なシステム柔軟性及び性能等の態様を促進することができる。
【0164】
29702において、第1の処理が実行され得る。第1の処理は、着信センサデータに対して実行され得る。例えば、第1の処理は、着信センサデータの第1の部分に対して実行され得る。着信センサデータは、物理現象を感知するセンサユニットによって生成され得る。着信センサデータは、外部デバイスから受信されてもよい。
【0165】
第1の処理は、第1の外科データ処理スキーマに従って実行され得る。第1の外科データ処理スキーマは、例えば、メモリから検索され得る。第1の処理は、センサデータチャネルへの出力のために実行され得る。
【0166】
29704において、外科データ処理修正コマンドが受信され得る。外科データ処理修正コマンドは、例えば、センサ制御チャネルを介して受信され得る。外科データ処理修正コマンドは、本明細書に開示されるような外科用ハブ、例えば外科用ハブ20006から受信されてもよい。外科データ処理修正コマンドは、外科処置の外科データ処理要件の変化に基づいてトリガされ得る。
【0167】
第2の外科データ処理スキーマは、受信された外科データ処理修正コマンドに従って生成され、及び/又はメモリに保存され得る。例えば、外科データ処理修正コマンドは、第1の外科データ処理スキーマを更新又は修正し、第2の外科データ処理スキーマをもたらすための情報を含むことができる。例えば、外科データ処理修正コマンドは、第2の外科データ処理スキーマを含むことができる。第2の外科データ処理スキーマは、第1の外科データ処理スキーマとは異なってもよい。例えば、第2の外科データ処理スキーマは、第1の外科データ処理スキーマとは異なる情報及び/又は命令を含んでもよい。
【0168】
29706において、第2の処理が実行され得る。第2の処理は、着信センサデータに対して実行され得る。
【0169】
例えば、第2の処理は、着信センサデータの第2の部分に対して実行され得る。外科処置中の能動的感知システムにおいて例示するために、着信センサデータの第1の部分は、外科データ処理修正コマンドの前に処理されたセンサ値を含んでもよく、着信センサデータの第2の部分は、外科データ処理修正コマンドの後に処理されたセンサ値を含んでもよい。この構成は、処理されている現在の値に関連する処理の変更を可能にするために使用され得る。例えば、この構成は、絶対値が医療専門家に関連する場合に適切であり得る。
【0170】
また例えば、第2の処理は、着信センサデータの第1の部分に対して実行されてもよい。着信センサデータの第1の部分は、例えば、バッファ、キャッシュ、データログ、履歴、又は他の短期ストレージ等のメモリに記憶され得る。この構成は、以前に処理された値に関連する処理の変更を可能にするために使用され得る。この構成は、以前の値に対する現在の値の関係が医療専門家に関連性を有する場合に適切であり得る。
【0171】
第2の処理は、第2の外科データ処理スキーマに従って実行され得る。第2の処理は、センサデータチャネルへの出力のために実行され得る。
【0172】
例示のために、外科データ処理修正コマンドは、センサ処理を第1の処理から第2の処理に変更するために使用され得る。例えば、処理の変更は、手術におけるシステム及び医療専門家のデータ処理ニーズの変化によって、及び/又は外科処置自体に関連付けられたデータ処理ニーズの変化によって動機付けされ得る。例えば、第1の処理は、第2の処理とは異なる出力周波数を有してもよい。例えば、第1の処理は、第2の処理の出力解像度とは異なる出力解像度を有し得る。例えば、第1の処理は、処理リソースの利用に関して第2の処理とは異なってもよい。例えば、第1の処理は、データ変換動作に関して第2の処理とは異なってもよい。
【0173】
例示のために、外科データ処理修正コマンドは、負荷バランシングを実行するために使用され得る。例えば、外科データ処理修正コマンドは、データ変換動作(例えば、リソース集約型データ変換動作等)をシステム内のあるデバイスから別のデバイスに移動させるために使用されてもよい。例えば、外科データ処理修正コマンドは、特定のデバイスに、センサデータの単なるパススルーから単なるパススルー以外の変換に変更させるために使用され得る。例えば、外科データ処理修正コマンドは、特定のデバイスに、単なるパススルー以外の変換からセンサデータの単なるパススルーに変更させるために使用されてもよい。直列のデバイスによって行われるそのようなアクションは、システム内の1つのデバイスから別のデバイスに処理を移動させる例示的な方法である。
【0174】
方法29700及び/又はその工程によって示されるような、本明細書で開示されるデータ処理アプローチは、任意の適切なハードウェア/ソフトウェアデータシステムに関連して実行され得る。例えば、本明細書に開示されるハードウェア/ソフトウェアデータシステムが使用されてもよい。例えば、図7A図Dに関して開示されるもの等のハードウェア/ソフトウェアデータシステムが、例えば、使用されてもよい。
【0175】
例えば、図7Aを参照すると、プロセッサ20222及びメモリ20223は、実装のために使用され得る。プロセッサ20222は、第1の処理、第2の処理、外科データ処理修正コマンドの受信及び処理を行うことができる。例えば、図7Bを参照すると、データ処理ユニット20238及びストレージ20239は、実装のために使用され得る。例えば、図7Cを参照すると、データ処理ユニット20249及びストレージ20250は、実装のために使用され得る。また例えば、方法29700は、センサユニット20245自体によって実行されてもよい。例えば、センサユニット20245は、補助処理ハードウェアと、データ処理及び通信ユニット20246へのセンサデータ制御チャネルとを含んでもよい。そのような実装は、例えば、センサユニット20245の処理能力に適切な外科データ処理修正コマンドの低減されたセットと共に使用されてもよい。例えば、図7Dを参照すると、データ処理ユニット20253及びストレージ20259は、実装のために使用され得る。また例えば、方法29700は、センサユニット20252自体によって実行されてもよい。例えば、センサユニット20252は、補助処理ハードウェアと、データ処理及び通信ユニット20253へのセンサデータ制御チャネルとを含んでもよい。そのような実装は、例えば、センサユニット20252の処理能力に適切な外科データ処理修正コマンドの低減されたセットと共に使用されてもよい。
【0176】
図14は、例示的なセンサデータ処理システム29710のブロック図を示す。システム29710は、1つ以上の外科用センサシステム29712、29714と、外科用センサデータ処理デバイス29716と、1つ以上の下流システム29718とを含み得る。
【0177】
1つ以上の外科用センサシステム29712、29714は、本明細書に開示されるセンサシステムのうちのいずれかを含んでもよい。外科用センサシステム29712、29714は、外科処置に関連して及び/又は手術中に使用するのに適した任意の感知システムを含むことができる。例えば、外科用センサシステム29712、29714は、患者モニタリングシステム、外科医モニタリングシステム等を含むことができる。例えば、外科用センサシステム29712、29714は、環境センサを含み得る。例えば、外科用センサシステム29712、29714は、エンドカッタ、外科用ステープラ、エネルギーデバイス等の特定の外科用器具に関連付けられたセンサを含んでもよい。外科用センサシステム29712、29714は、例えば、図5を参照して開示される外科用感知システム20069を含んでもよい。
【0178】
外科用センサシステム29712、29714は、バイオマーカを測定し、そのバイオマーカについての情報をシステム29710内の他のデバイスに通信し得る。外科用センサシステム29712、29714は、それぞれの外科データ処理スキーマ29720、29722を含むことができる。外科データ処理スキーマ29720、29722は、対応する外科用センサシステム29712、29714の動作を定義する情報及び対応するデータ構造を含んでもよい。例えば、外科データ処理スキーマ29720、29722は、センサ制御、感知動作、センサデータ処理(アトミック処理、ストリーム処理、及び/又は複合処理等)、データフォーマッティング等に関する情報を含んでもよい。
【0179】
外科用センサシステム29712、29714は、それぞれのセンサ値データチャネル29724、29726を介してセンサ値情報を通信し得る。センサ値データチャネル29724、29726は、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、生データストリーミング、センサデータ伝送及び管理プロトコル(STMP)、単純センサインターフェース(SSI)等、センサ値データをトランスポートするのに適した任意のデータ通信プロトコルを含むことができる。
【0180】
例示のために、外科用センサシステム29712は、センサデータ29728のストリームを通信し得る。センサデータ29728のストリームは、センサ値データチャネル29724を介して通信され得る。ストリーム29728は、センサ値29730、29732の連続リストを表す情報を含むことができる。各センサ値29730、29732は、センサシステム識別子29734、29736、タイムスタンプ29738、29740等の対応するメタデータを伴うことができる。例えば、ストリーム29728は、1つ以上の部分29742、29744を有してもよい。部分29742、29744は、論理的に一緒にグループ化された1つ以上の値を含むストリームの一部を表すことができる。例えば、部分は、第1の部分29742が通信され、及び/又は対応する時間ブロック中の測定値に関連付けられるように、時間的にグループ化され得る。また、第2の部分29744は、対応する異なる時間ブロックにおける測定値と通信及び/又は関連付けられる。例えば、第1及び第2の部分は時間的に隣接していてもよい。部分29742、29744は、例えば、第1及び第2の部分が、例えば、それぞれのメタデータタグによって識別されるように、メタデータによってグループ化されてもよい。
【0181】
外科用センサシステム29712、29714は、それぞれのセンサ制御チャネル29746、29748を介してコマンド及び関連する動作情報を通信することができる。センサ制御チャネル29746、29748は、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、生データストリーミング、センサデータ伝送及び管理プロトコル(STMP)、シンプルセンサインターフェース(SSI)等、コマンド及び関連する動作情報を搬送するのに適した任意のデータ通信プロトコルを含むことができる。
【0182】
センサ値データチャネル29724、29726及びセンサ制御チャネル29746、29748は、異なる物理的通信ハードウェアを含んでもよい。センサ値データチャネル29724、29726及びセンサ制御チャネル29746、29748は、共通の物理的通信ハードウェアを介して通信されてもよい。センサ値データチャネル29724、29726及びセンサ制御チャネル29746、29748は、同じ物理通信ハードウェア上の論理チャネルを含むことができる。センサ値データチャネル29724、29726及びセンサ制御チャネル29746、29748は、ネットワーク機器から同じ処理又は異なる処理を受信することができる。例えば、センサ値データチャネル29724、29726及びセンサ制御チャネル29746、29748は、レイテンシ、帯域幅、信頼性、パケット損失、ジッタ、再送信、肯定応答、否定応答等、異なるトランスポート特性を有し得る。一例では、センサ値データチャネル29724、29726は、再送信のない高帯域幅、低レイテンシチャネルを含み得る。また、センサ制御チャネル29746、29748は、再送信を伴う高信頼性の予約帯域幅チャネルを有し得る。
【0183】
センサ値データチャネル29724、29726及びセンサ制御チャネル29746、29748は、外科用センサシステム29712、29714と外科用センサデータ処理デバイス29716との間の通信を可能にするために使用され得る。外科用センサデータ処理デバイス29716は、1つ以上のそれぞれの外科用センサシステムからセンサデータの1つ以上の着信ストリーム(例えば、ストリーム29728)を受信し、そのデータを処理し、結果として生じるデータを1つ以上の下流システム29718にルーティングするように構成されてもよい。外科用センサデータ処理デバイス29716は、下流センサ値データチャネル29750及び/又は下流センサ制御チャネル29752を介して1つ以上の下流システム29718と通信するように構成されてもよい。
【0184】
外科用センサデータ処理デバイス29716は、コマンドを生成し、及び/又はコマンドを受信するように構成されてもよい。外科用センサデータ処理デバイス29716は、1つ以上の外科用センサシステム29712、29714にコマンドを送信するように構成され得る。コマンドは、外科用センサシステム29712、29714の動作を修正するために使用され得る。例えば、コマンドは、外科用センサシステム29712、29714のそれぞれの外科データ処理スキーマ29720、29722を修正するために使用されてもよい。
【0185】
外科用センサデータ処理デバイス29716は、それ自体の外科データ処理スキーマ29753を有し得る。外科データ処理スキーマ29753は、外科用センサデータ処理デバイス29716が1つ以上の着信ストリームに対して実行する処理を定義することができる。(例えば、下流システム29718からの)コマンドは、外科用センサデータ処理デバイス29716の動作を修正するために使用されてもよい。例えば、コマンドは、外科用センサデータ処理デバイス29716の外科データ処理スキーマ29753を修正するために使用され得る。
【0186】
図15A図15Cは、それぞれ、外科用センサシステム29712における処理修正、外科用センサデータ処理デバイス29716における処理修正、並びに外科用センサシステム29712及び外科用センサデータ処理デバイス29716の両方における処理修正を示す例示的なメッセージング図である。
【0187】
図15Aでは、外科用センサシステム29712の動作が修正されている。1つ以上の初期化制御メッセージ29754は、外科用センサシステム29712と外科用センサデータ処理デバイス29716及び/又は1つ以上の下流システム29718との間で通信され得る。初期化制御メッセージ29754は、外科用センサシステム29712の初期動作を定義することができる。初期化制御メッセージ29754は、ネットワーク発見、デバイス発見、サービス発見等の動作を含み得る。一例では、初期化制御メッセージ29754は、初期外科データ処理スキーマ29720を含み得る。一例では、初期外科データ処理スキーマ29720は、外科用センサシステム29712にローカルなメモリから検索され得る。そのような初期化制御メッセージ29754は、1つ以上のセンサ制御チャネル(例えば、センサ制御チャネル29726及び/又は下流センサ制御チャネル29752)を介して送信され得る。
【0188】
外科用センサシステム29712のプロセッサは、センサデータを受信してもよい。例えば、外科用センサシステム29712のプロセッサは、外部デバイス(外部センサユニット等)からセンサデータを受信してもよい。例えば、外科用センサシステム29712のプロセッサは、内部サブシステム(内部トランスデューサ、A/D変換器、プロセッサ等)からセンサデータを受信してもよい。外科用センサシステム29712は、データを処理してもよい。外科用センサシステム29712は、外科データ処理スキーマ29720に従ってデータを処理することができる。外科用センサシステム29712は、センサデータのストリームを外科用センサデータ処理デバイス29716及び/又は1つ以上の下流システムに出力してもよい。例えば、受信されたセンサデータの第1の部分は、対応する第1の出力部分29756において表され得る。センサデータの出力ストリームは、センサ値データチャネル29724及び/又は下流センサ値データチャネル29750を介して通信されてもよい。
【0189】
修正制御相互作用が生じてもよい。相互作用は、1つ以上のコマンド及び応答を含んでもよい。例えば、外科用センサシステム29712は、外科データ処理修正コマンド29758を受信することができる。外科用センサシステム29712は、外科データ処理修正コマンド29758に従って外科データ処理スキーマ29720を更新することができる。そして、外科用センサシステム29712は、初期化制御メッセージ29754によって定義される処理に従って着信センサ値を処理することを停止し、外科データ処理修正コマンド29758によって定義される処理に従って着信センサ値を処理することを開始してもよい。そして、外科用センサシステム29712は、修正された処理中のセンサデータのストリームを、外科用センサデータ処理デバイス29716及び/又は1つ以上の下流システム29718に出力し続けることができる。例えば、受信されたセンサデータの第2の部分は、対応する第2の出力部分29760において表され得る。
【0190】
図15Bでは、外科用センサデータ処理デバイス29716の動作が修正される。1つ以上の初期化制御メッセージ29762は、外科用センサデータ処理デバイス29716と1つ以上の下流システム29718との間で通信され得る。初期化制御メッセージ29762は、外科用センサデータ処理デバイス29716の初期動作を定義することができる。初期化制御メッセージ29762は、ネットワーク発見、デバイス発見、サービス発見等の動作を含み得る。一例では、初期化制御メッセージ29762は、初期外科データ処理スキーマ29753を含み得る。一例では、初期外科データ処理スキーマ29753は、外科用センサデータ処理デバイス29716にローカルなメモリから検索され得る。そのような初期化制御メッセージ29762は、下流センサ制御チャネル29752を介して送信され得る。
【0191】
外科用センサデータ処理デバイス29716は、外科用センサシステム29712からセンサデータを受信し得る。外科用センサデータ処理デバイス29716は、データを処理することができる。外科用センサデータ処理デバイス29716は、外科データ処理スキーマ29753に従ってデータを処理することができる。外科用センサデータ処理デバイス29716は、センサデータのストリームを1つ以上の下流システム29718に出力してもよい。例えば、受信されたセンサデータの第1の部分29764は、対応する第1の出力部分29766において表され得る。センサデータの出力ストリームは、下流センサ値データチャネル29750を介して通信されてもよい。
【0192】
修正制御相互作用が生じてもよい。相互作用は、1つ以上のコマンド及び応答を含んでもよい。例えば、外科用センサデータ処理デバイス29716は、外科データ処理修正コマンド29768を受信することができる。外科用センサデータ処理デバイス29716は、外科データ処理修正コマンド29768に従って外科データ処理スキーマ29753を更新することができる。また、外科用センサデータ処理デバイス29716は、初期化制御メッセージ29762によって定義された処理に従って着信センサ値を処理することを停止し、外科データ処理修正コマンド29768によって定義された処理に従って着信センサ値を処理し始めることができる。また、外科用センサデータ処理デバイス29716は、現在修正された処理中のセンサデータのストリームを1つ以上の下流システム29718に出力し続けることができる。例えば、受信及び/又は生成されたセンサデータの第2の部分29770は、対応する第2の出力部分29772において表されてもよい。
【0193】
図15Cでは、外科用センサシステム29712及び外科用センサデータ処理デバイス29716の両方の動作が修正される。この例では、外科用センサシステム29712は、特定のデータ処理動作を提供してもよく、そのデータ処理動作は、外科用センサシステム29712から外科用センサデータ処理デバイス29716に移動されてもよい。例示のために、そのような処理変更は、例えば、外科用センサシステム29712が過負荷になっている場合に使用され得る。そのような処理変更は、外科処置の後続の部分が、例えば、外科用センサシステム29712がより高いサンプリングレートを有することを必要とし、その処理のいくつかの側面を外科用センサデータ処理デバイス29716にオフロードすることが、そのより高いサンプリングレートを達成することを可能にする場合に使用され得る。
【0194】
外科用センサシステム29712のプロセッサは、センサデータを受信していてもよい。例えば、外科用センサシステム29712のプロセッサは、外科用センサデータストリームの第1の部分を受信し得る。外科用センサシステム29712は、第1の動作及び第2の動作を第1の部分に適用し得る。外科用センサシステム29712は、出力された第1の部分29774を送信することができる。出力された第1の部分29774は、第1及び第2の動作によって処理されたセンサデータを表すことができる。
【0195】
外科用センサデータ処理デバイス29716は、出力された第1の部分29774を受信することができる。外科用センサデータ処理デバイス29716は、第3の動作を第1の部分29774に適用することができる。外科用センサデータ処理デバイス29716は、出力された第1の部分29776を1つ以上の下流システム29718に送信してもよい。
【0196】
次いで、例えば、システムのデータ処理要件に基づいて、第2の動作は、外科用センサシステム29712から外科用センサデータ処理デバイス29716に移動され得る。例えば、外科用センサデータ処理デバイス29716は、下流システム29718から外科データ処理修正コマンドを受信し得る。また、例えば、外科用センサデータ処理デバイス29716は、自発的に処理修正を開始してもよい。
【0197】
外科用センサデータ処理デバイス29716は、外科用センサシステム29712に外科データ処理修正コマンド29778を送信することができる。外科データ処理修正コマンド29778は、外科用センサシステム29712と外科用センサデータ処理デバイス29716との間の負荷分散動作に基づいてトリガされてもよい。外科データ処理修正コマンド29778は、外科処置の外科データ処理要件の変化に基づく外科用センサシステム29712と外科用センサデータ処理デバイス29716との間の負荷分散動作に基づいてトリガされ得る。
【0198】
外科用データ処理修正コマンド29778は、手術用センサシステム29712が第1の動作を着信センサデータの第2の部分に適用し、第2の動作を着信センサデータの第2の部分に適用しないように、その手術用データ処理スキーマ29720を修正するように手術用センサシステム29712に指示し得る。したがって、外科用センサシステム29712は、出力された第2の部分29780を送信することができる。出力された第2の部分29780は、第2の動作ではなく、第1の動作によって処理されたセンサデータを表し得る。
【0199】
外科用センサデータ処理デバイス29716は、外科用センサデータ処理デバイス29716が第2の動作及び第3の動作を第2の部分29780に適用するように、その外科データ処理スキーマ29753を更新し得る。外科用センサデータ処理デバイス29716は、自身の外科データ処理スキーマ29753を自発的に更新することができる。外科用センサデータ処理デバイス29716は、下流システム29718からの外科データ処理修正コマンドに基づいて、その外科データ処理スキーマ29753を更新することができる。したがって、外科用センサデータ処理デバイス29716は、出力された第2の部分29782を送ることができる。出力された第2の部分29780は、第1、第2、及び第3の動作によって処理されたセンサデータを表し得る。
【0200】
図16は、例示的な外科データ処理スキーマ29784のブロック図である。外科データ処理スキーマ29784は、対応する外科用センサシステム及び/又は対応する外科用センサデータ処理デバイス等の対応するデバイスの動作を定義する情報及び対応するデータ構造を含むことができる。外科データ処理スキーマ29784は、センサ制御、感知動作、センサデータ処理(アトミック処理、ストリーム処理、及び/又は複合処理等)、データフォーマッティング等に関する情報を含んでもよい。外科データ処理スキーマ29784は、そのような情報を構造化データフォーマットで含むことができる。例えば、構造化フォーマットは、(制御、動作、及び/又は処理パラメータのような)パラメータを格納及びラベル付けするための任意のフォーマットであってもよい。例えば、構造化フォーマットは、独自のファイルタイプ、カンマ区切りファイル、テーブル、2次元アレイ、埋め込みアレイのアレイ、JavaScript(登録商標)Object Notation(JSON)、拡張マークアップ言語(XML)、レコード、タグ付きユニオン、オブジェクト、データベース、データベースレコード等のフォーマットであってもよい。
【0201】
例示的な外科データ処理スキーマ29784は、制御パラメータ29786、感知パラメータ29788、アトミック処理パラメータ29790、ストリーム処理パラメータ29792、複合処理パラメータ29794、データフォーマットパラメータ29796等を含むことができる。
【0202】
制御パラメータ29786は、対応する外科用センサシステム及び/又は対応する外科用センサデータ処理デバイス等の対応するデバイスの全体的及び高レベル動作に関する情報を含んでもよい。制御パラメータ29786は、センサ識別子、処理識別子、初期化プロセスキー(発見キー、Trivial File Transfer Protocol(TFTP)リンク等)を含み得る。制御パラメータ29786は、電力消費、処理リソース等に対する制限等、デバイス動作に対する制限を含むことができる。制御パラメータ29786は、ネットワークタイプ、ネットワークノード識別、チャネル情報(例えば、対応するセンサデータチャネル及び/又はセンサ制御チャネルを識別及び定義する情報)、チャネル使用情報(例えば、所与のタイプについて2つ以上のチャネルが識別されたときにどのチャネルが使用されるべきかを識別する情報等の通信及び/又はネットワーク情報を含み得る。例えば、2つのセンサデータチャネルが定義されてもよく、各々がセンサデータをそれぞれの処理デバイスに向ける。制御パラメータ29786内のチャネル使用情報は、それらの処理デバイスのうちのどれが出力データを受信するかを選択するために使用され得る)、セキュリティ情報(公開/秘密鍵、認証方法、暗号化タイプ等)等の通信及び/又はネットワーキング情報を含み得る。制御パラメータ29786は、デバイスによって実行されるべき順序付けられた工程(任意の条件付き処理を含む)を定義するマスタプロセスフローを含み得る。マスタプロセスフローは、スキーマ29784内の他のパラメータによって更に定義される動作を指すことができる。
【0203】
感知パラメータ29788は、物理現象を情報に変換する動作を定義する任意の情報を含むことができる。感知パラメータ29788は、トランスデューサ設定、較正情報及び設定、感知解像度、感知周波数、サンプルレート等を含み得る。
【0204】
アトミック処理パラメータ29790は、感知されたデータの各値に対して実行されるべき動作を定義する任意の情報及び/又は命令を含み得る。アトミック処理パラメータ29790は、センサ値に対して個別に実行されてもよい。アトミック処理パラメータ29790は、実行されるべき1つ以上の特定の動作を識別する情報を含み得る。アトミック処理パラメータ29790は、識別された特定の動作の各々についてのパラメータを含み得る。例示のために、アトミック処理パラメータ29790は、オフセット動作に関する情報を含み得る。アトミック処理パラメータ29790は、オフセット動作を識別する情報を含み得る。また、アトミック処理パラメータ29790は、オフセット値を指定する情報を含み得る。したがって、そのような外科データ処理スキーマ29784に従ってセンサデータを処理するデバイスは、指定されたオフセット値だけオフセットされたセンサ値を出力することになる。アトミック処理パラメータ29790において表され得る他の動作は、データマッピング、閾値化、トリガ、ダウンサンプリング等を含み得る。
【0205】
ストリーム処理パラメータ29792は、複数のセンサ値にわたって実行されるべき動作を定義する任意の情報及び/又は命令を含み得る。ストリーム処理パラメータ29792は、実行されるべき1つ以上の特定の動作を識別する情報を含み得る。ストリーム処理パラメータ29792は、識別された特定の動作の各々についてのパラメータを含み得る。ストリーム処理パラメータ29792によって表され得る動作は、移動平均、ヒステリシス、プロセスチェーン、統計的プロセス、フィルタリング(雑音フィルタ、適応フィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタ等)、アップサンプリング等を含み得る。
【0206】
複合処理パラメータ29794は、2つ以上のセンサからの値を使用して実行される動作を定義する任意の情報及び/又は命令を含むことができる。複合処理パラメータ29794は、実行されるべき1つ以上の特定の動作を識別する情報を含み得る。複合処理パラメータ29794は、どのセンサから処理のための値を取るべきか等、識別された特定の動作の各々についてのパラメータを含み得る。複合パラメータ29794によって表され得る動作は、センサ融合動作、条件付き動作、複合バイオマーカマッピング動作、仮想センサ動作等を含み得る。
【0207】
データフォーマッティングパラメータ29796は、出力センサ値ストリームのデータフォーマットを定義する任意の情報及び/又は命令を含み得る。データフォーマッティングパラメータ29796は、単位、タイムスタンプ、データタイプ、データ要素精度等に関する情報を含み得る。
【0208】
図17は、例示的なセンサ処理コーディネータ29798のブロック図である。センサ処理コーディネータ29798は、外科データ処理修正コマンド29800を生成するのに適した任意のハードウェア、ソフトウェア、及びそれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、センサ処理コーディネータ29798は、本明細書で開示される動作を実行するように構成されたプロセッサ及び/又はメモリを含み得る。センサ処理コーディネータ29798は、例えば外科用ハブに組み込まれてもよい。センサ処理コーディネータ29798は、コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステム内の他のデバイスに組み込まれてもよい。
【0209】
コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステムは、1つ以上のセンサ処理コーディネータ29798を含んでもよい。例えば、センサ処理コーディネータ29798は、コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステムのグローバルビューを有してもよく、コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステム全体のための外科データ処理修正コマンド29800を生成してもよい。また、例えば、センサ処理コーディネータ29798は、コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステムの限定されたビューを有してもよく、コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステムの一部のための外科データ処理修正コマンド29800を生成してもよい。例えば、センサ処理コーディネータ29798は、手術感知システム及び/又は外科用センサデータ処理デバイスの特定のセットに関連付けられてもよい。
【0210】
センサ処理コーディネータ29798は、任意のセンサ管理システム及び/又はプロトコルのコンテキスト内で使用することができる。例えば、センサ処理コーディネータ29798は、Digital Imaging and Communications in Medicine(DICOM)及びBioSignalMLマークアップランゲージ等の分散ストリーム管理システム、並びにTelegraphCQ、PIPES、Borealis等のプラットフォームに組み込まれてもよい。
【0211】
センサ処理コーディネータ29798は、1つ以上の入力に基づいて外科データ処理修正コマンド29800を生成することができる。例えば、センサ処理コーディネータ29798は、センサ作業負荷データ29802、処置計画データ29804、外科状況認識データ29806等に基づいて外科データ処理修正コマンド29800を生成することができる。
【0212】
センサ作業負荷データ29802は、システム内の1つ以上のデバイスのセンサ処理の現在の性能及び/又は予想される性能を表す情報を含むことができる。例えば、外科用センサデータ処理デバイスは、4つの関連する外科用感知システムからのデータを取り扱うその処理能力の80%を利用している場合がある。そのような入力は、そのデバイスによって処理されている処理を修正するための外科データ処理修正コマンド29800を生成するかどうかを決定するために、センサ処理コーディネータ29798によって使用され得る。
【0213】
処置計画データ29804は、手術の個々の態様を表す情報を含むことができ、各態様の予想されるセンサ需要についての情報を含む。例えば、処置計画データ29804は、処置中のある特定の外科タスクが他よりも多くの処理リソースを要求することを示すことができる。
【0214】
外科状況認識データ29806は、センサ処理を調整するために使用され得るコンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステムにおいて利用可能な任意の他のデータを含んでもよい。例示のために、外科用器具(例えば、使用されるべき処置計画から予期されない外科用器具)がオンにされる。外科状況認識データ29806は、外科用器具の識別子のインジケーションと、外科用器具が起動されたというインジケーションとを含み得る。手術現場におけるリアルタイムの出来事についてのそのような情報は、例えば、計画されていない外科用器具の動作をサポートするために追加の処理能力を利用可能にするために、既存のセンサ処理を修正するための外科データ処理修正コマンド29800を生成するかどうかを決定するために、センサ処理コーディネータ29798によって使用され得る。
【0215】
センサ処理コーディネータ29798は、マスタセンサリスト29808及び調整計画29810を含むことができる。マスタセンサリスト29808は、外科処置中に使用するための現在、過去、及び予想されるセンサ及びデバイスに関する情報を含むことができる。マスタリスト29808は、コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステム内のデバイスの全てに関するロジスティックデータを含んでもよい。例えば、マスタリストは、各デバイスの外科データ処理スキーマのコピーを含んでもよい。
【0216】
調整計画29810は、コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステム内のセンサ及びデバイスの動作に関連する情報を含んでもよい。例えば、調整計画29810は、初期化情報センサ及びデバイスを含んでもよい。例えば、調整計画29810は、外科処置中の外科データ処理要件に対する予想される変化に対する緩和プロセスを含むことができる。例えば、調整計画29810は、特定の外科状況認識トリガによってトリガされ得る緩和プロセスを含み得る。調整計画29810は、コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステムにおいて1つ以上のデータ処理戦略を実装するための情報及び/又は命令を含んでもよい。
【0217】
一例では、調整計画29810は、負荷分散戦略を実施するための情報及び/又は命令を含むことができる。例えば、調整計画29801は、感知システムが容量に近いことを検出すると、その動作の一部を停止するようにそれに指示し、生データを別のデバイスにストリーミングし、残りの動作を実行するように他のデバイスに指示する命令を含むことができる。例えば、調整計画29801は、システム内の他のデバイスを支援するために使用され得る追加の未使用容量を有するデバイスを識別するための命令を含み得る。そのようなセンサ処理負荷分散は、全体的なシステム利用率、データ処理速度、データ収集率、及び通信帯域幅を改善し得る。
【0218】
一例では、調整計画29810は、特定のセンサ処理トポロジを実装するための情報及び/又は命令を含むことができる。センサ処理コーディネータは、例えば、センサデータ値チャネル及び対応する処理のアイデンティティ及び使用を調整することによって、異なるトポロジ及び対応する戦略を定義することができる。例えば、調整計画29810は、各外科手術感知システムに、それらの出力フィードを、例えば、外科用ハブ等の単一集約デバイスにストリーミングするように指示するための情報及び/又は命令を含んでもよい。調整計画は、各外科用感知システムに、それらの最良の収集及び伝送速度でストリーミングするように指示する情報及び/又は命令を含んでもよい。次に、外科用ハブは、この最高解像度の生データを収集し、全てのストリームをまとめて処理することができる。また、例えば、調整計画は、デバイスがそれらのデータを分散処理ポイントに送信するように、処理サブユニットを定義するための情報及び/又は命令を含んでもよい。処理ポイントは、処理能力、アルゴリズム的共存(例えば、メモリ集約的であるが処理集約的ではない処理動作を、処理集約的であるがメモリ集約的ではない動作とペアリングすること)、機能グループ等に基づいて定義され得る。
【0219】
一例では、調整計画29810は、特定のセンサ優先順位付け方式を実装するための情報及び/又は命令を含むことができる。例えば、特定のセンサフィードは、様々な重要度で分類され得る。例えば、より高い優先度を有するものが少なくともそれらの最低必要頻度で安全かつ一貫してキャプチャされ得、より低い優先度を有するものがベストエフォートベースで及び/又は容量が利用可能であるときにキャプチャされ得るように、2つのカテゴリ方式が実装され得る。
【0220】
また、例えば、調整計画29810は、状況認識データ29806(例えば、現在の外科活動及び患者バイオマーカ)及び/又は処置計画データ29804に従ってセンサデータ処理に優先順位を付けるための情報及び/又は命令を含んでもよい。調整計画29810は、状況認識データ29806によって検出されるように及び/又は処置計画データ28804に記載されるように、処置の特定の態様に対してより重要なセンサフィードを優先し、処置の特定の態様に対してあまり重要でないセンサフィードの優先順位を下げるための情報及び/又は命令を含むことができる。優先順位付けは、より重要なフィードに対してより高い解像度、サンプリングレート等を有効にすること、及び重要度の低いフィードに対してより低い解像度、サンプリングレート等を有効にすることを含むことができる。そのような調整計画29810は、利用可能な帯域幅及び処理能力の利用を最大化することができる。そのような調整計画29810は、手術全体を通して、コンピュータ実装患者及び外科医モニタリングシステムを再平衡化することができる。
【0221】
一例では、調整計画29810を使用して、バイオマーカ又は患者固有のパラメータに基づいてセンサの局所処理を制限することができる。例えば、調整計画29810は、例えば生理学的限界に基づいてセンサの局所処理を制限するために使用されてもよい。例示のために、心拍変動を測定することは、単に心拍数自体を測定することよりも高いサンプリングレートを必要とし得る。同じセンサを使用して、両方のバイオマーカを測定することができる。しかし、状況認識データ29806及び/又は処置計画データ28804が心拍変動性ではなく心拍数を要求する場合、調整計画29810は、それに応じてセンサの動作を調整するための情報及び/又は命令を含み得る。そのようなダウン調整は、例えば、他のセンサのための処理システムにおいて追加の容量を提供し得る。
【0222】
実施形態の以下のリストは、説明の一部を形成する。
1.外科処置中に外科データを処理するためのデバイスであって、デバイスは、
メモリと、
プロセッサと、を備え、プロセッサが、
メモリから第1の外科データ処理スキーマを検索することと、
センサデータチャネルへの出力のために、第1の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第1の部分に対して第1の処理を実行することと、
センサ制御チャネルを介して外科データ処理修正コマンドを受信することと、
外科データ処理修正コマンドに従って第2の外科データ処理スキーマをメモリに保存することであって、第2の外科データ処理スキーマは第1の外科データ処理スキーマとは異なる、ことと、
センサデータチャネルへの出力のために、第2の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第2の部分の第2の処理を実行することであって、第2の処理は第1の処理とは異なる、ことと、を行うように構成されている、デバイス。
2.外科データ処理修正コマンドは、外科用ハブから受信される、態様1に記載のデバイス。
3.外科データ処理修正コマンドは、外科処置の外科データ処理要件の変化に基づいてトリガされる、態様2に記載のデバイス。
4.第1の処理は、第2の処理とは異なる出力周波数を有する、態様1に記載のデバイス。
5.第1の処理は、第2の処理とは異なる出力解像度を有する、態様1に記載のデバイス。
6.第1の処理は、処理リソースの利用に関して第2の処理と異なる、態様1に記載のデバイス。
7.第1の処理は、データ変換動作に関して第2の処理とは異なる、態様1に記載のデバイス。
8.物理現象を感知することによって、着信センサデータを生成するように構成されたセンサユニットを更に備える、態様1に記載のデバイス。
9.外部デバイスから着信センサデータを受信するように構成された入力を更に備える、態様1に記載のデバイス。
10.第1の処理及び第2の処理のうちのいずれか1つの第1のそれぞれの入力/出力変換は単なるパススルーであり、第1の処理及び第2の処理のうちのいずれか他の1つの第2のそれぞれの入力/出力変換は、単なるパススルー以外の入力/出力変換を含み、単なるパススルー以外の入力/出力変換は、アトミック処理、ストリーム処理、又は複合処理のいずれかを実行する、態様1に記載のデバイス。
11.システムにおいて外科処置中に外科データを処理するための方法であって、方法は、
システムの第1のデバイスにおいて、外科データ処理修正コマンドを送信することと、
システムの第2のデバイスにおいて、
センサデータチャネルへの出力のために、第1の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第1の部分に対して第1の処理を実行することと、
センサ制御チャネルを介して外科データ処理修正コマンドを受信することと、
センサデータチャネルへの出力のために、第2の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第2の部分に対して第2の処理を実行することであって、第2の外科データ処理スキーマは、外科データ処理修正コマンドに基づき、第1の外科データ処理スキーマとは異なる、ことと、を含む、方法。
12.外科データ処理修正コマンドは、外科処置の外科データ処理要件の変化に基づいてトリガされる、態様11に記載の方法。
13.外科データ処理修正コマンドは、閾値を超える現在の外科データ処理利用の態様に基づいてトリガされる、態様11に記載の方法。
14.外科データ処理修正コマンドは、着信センサデータの外科重要度のインジケーションに基づいてトリガされる、態様11に記載の方法。
15.第1の処理は、第2の処理とは異なる出力周波数を有する、態様11に記載の方法。
16.第1の処理は、第2の処理とは異なる出力解像度を有する、態様11に記載の方法。
17.第1の処理は、処理リソースの利用に関して第2の処理と異なる、態様11に記載の方法。
18.第1の処理は、データ変換動作に関して第2の処理とは異なる、態様11に記載の方法。
19.外科処置中に外科センサデータストリームに第1の処理動作、第2の処理動作、及び第3の処理動作を適用するためのシステムであって、システムは、
第1の外科システム構成要素であって、第1の外科システム構成要素は、
外科センサデータストリームを受信することと、
外科センサデータストリームの第1の部分に、第1の動作及び第2の処理動作を適用することと、
外科データ処理修正コマンドを受信したことに基づいて、第2の処理動作ではなく第1の処理動作を外科センサデータストリームの第2の部分に適用することと、を行うように構成されている、第1の外科システム構成要素と、
第2の外科システム構成要素であって、第2の外科システム構成要素は、
第1の外科システム構成要素から外科センサデータストリームを受信することと、
外科センサデータストリームの第1の部分に、第2の処理動作ではなく、第3の動作を適用することと、
外科センサデータストリームの第2の部分に、第3の処理動作及び第2の処理動作を適用することと、を行うように構成されている、第2の外科システム構成要素と、を備える、システム。
20.外科データ処理修正コマンドは、外科処置の外科データ処理要件の変化に基づく第1の外科システム構成要素と第2の外科システム構成要素との間の負荷分散動作に基づいてトリガされる、態様19に記載のシステム。
【実施例
【0223】
実施例1.外科処置中に外科データを処理するためのデバイスであって、メモリと、プロセッサと、を備え、プロセッサが、メモリから第1の外科データ処理スキーマを検索することと、センサデータチャネルへの出力のために、第1の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第1の部分に対して第1の処理を実行することと、センサ制御チャネルを介して外科データ処理修正コマンドを受信することと、外科データ処理修正コマンドに従って第2の外科データ処理スキーマをメモリに保存することであって、第2の外科データ処理スキーマは第1の外科データ処理スキーマとは異なる、ことと、センサデータチャネルへの出力のために、第2の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第2の部分に対して第2の処理を実行することであって、第2の処理は第1の処理とは異なる、ことと、を行うように構成されている、デバイス。
【0224】
例えば、実施例1において、第1の処理は第1の処理動作であってよく、第2の処理は第2の処理動作であってもよい。
【0225】
例えば、実施例1において、第2の処理を実行することは、着信センサデータの第2の部分に対して第1の処理を実行しないことを更に含んでもよい。
【0226】
例えば、実施例1において、センサデータはセンサデータストリームであってもよい。
【0227】
例えば、実施例1において、外科データ処理修正コマンドは、第2の外科データ処理スキーマを使用するようにプロセッサに命令することができる。
【0228】
例えば、実施例1では、第1及び/又は第2の外科データ処理スキーマは、着信センサデータに対して実行される処理を指定することができる。第1及び/又は第2の外科データ処理スキーマは、着信センサデータを処理するために使用され得る、又は着信センサデータに適用され得る、制御パラメータ、感知パラメータ、アトミック処理パラメータ、ストリーム処理パラメータ、複合処理パラメータ、及び/又はデータフォーマットパラメータを含んでもよい。
【0229】
例えば、実施例1において、第1及び/又は第2の処理は、フィルタリング、平均化、検証、ソート、集約、平滑化、及び/又は分類プロセスを含んでもよい。第1及び/又は第2の処理は、他の形態の処理動作を含んでもよい。
【0230】
例えば、実施例1において、着信センサデータの第1の部分は、外科データ処理修正コマンドがプロセッサによって受信される前に処理されたセンサ値を含むか又はそれから構成されていてもよく、着信センサデータの第2の部分は、外科データ処理修正コマンドがプロセッサによって受信された後に処理されたセンサ値を含むか又はそれから構成されていてもよい。
【0231】
例えば、実施例1では、プロセッサは、下流システムから、及び/又は着信センサデータを提供するセンサシステムから、外科データ処理修正コマンドを受信してもよい。
【0232】
例えば、実施例1において、外科データ処理修正コマンドは、センサ作業負荷データ、外科処置計画データ、及び/又は外科状況認識データに基づくことができる。
【0233】
実施例1のデバイスは、外科処置中のデータ処理のより良好な調整を可能にする。データ処理動作は、データ処理修正コマンドに基づいて、着信センサデータの処理中に変更することができる。例えば、データ処理は、センサ作業負荷データ、外科処置計画データ、又は外科状況認識データに基づいて変更され得る。処理の変更は、手術におけるシステム及び医療専門家のデータ処理ニーズの変化によって、又は外科処置自体に関連付けられたデータ処理ニーズの変化によって動機付けされ得る。例えば、センサデータのデータ処理を変更することによって、デバイスは、デバイス自体におけるデータ処理を停止又は最小化して、他の必要性のために処理能力を解放し、未加工の未処理データを処理のために別のデバイスに渡すことができる。処理動作は、より多くの容量が利用可能である他のデバイス又はシステム構成要素にシフトされ得る。これらの手段は、全体的なシステム利用率、データ処理速度、及びデータ収集速度を改善する。更に、デバイス自体の処理能力を解放することは、例えば、外科処置アプローチにおける重要なこととして、又は医学的緊急事態が発生した場合に、より多くの処理能力を可能にする。全体として、そのような処理調整は、効率、データ信頼性、障害及び故障処理、システム柔軟性、並びに全体的性能を改善し、改善された患者安全性及び改善された外科処置につながる。
【0234】
実施例2.外科データ処理修正コマンドは、外科用ハブから受信される、実施例1に記載のデバイス。
【0235】
実施例2のデバイスは、例えば、手術室内のデバイス等の相互接続されたデバイスのセットにわたってデータ処理を調整することができる、外科用ハブによって制御される。
【0236】
実施例3.外科データ処理修正コマンドは、外科処置の外科データ処理要件の変化に基づいてトリガされる、実施例1又は2に記載のデバイス。
【0237】
実施例3のデバイスは、外科処置において生じるデータ処理要件の変化の結果として、デバイスによって実行されるデータ処理を変更する。これは、デバイスが、行われる処置のためのデータ処理及び利用可能な処理リソースを最適化し、接近する重大な工程又は医学的緊急事態等の処置の間に生じ得る変化に適応することを可能にする。これは、改善された外科処置及び患者の安全性につながる。
【0238】
実施例4.第1の処理は、第2の処理とは異なる出力周波数を有する、実施例1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【0239】
例えば、例4のデバイスにおいて、第1の処理は、第2の処理の出力周波数よりも低い出力周波数、又は高い出力周波数を有し得る。
【0240】
実施例4のデバイスは、外科処置における所与の時点に対して処理頻度を最適化することを可能にする。例えば、出力周波数を減少させることによって、処理リソースを他のより重要なタスクのために解放することができ、出力周波数を増加させることによって、予備容量を追加のデータ処理のために利用し、相互接続されたデバイス内の他の場所への圧力を軽減することができる。
【0241】
実施例5.第1の処理は、第2の処理とは異なる出力解像度を有する、実施例1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【0242】
例えば、例5のデバイスにおいて、第1の処理は、第2の処理の出力解像度よりも低い出力解像度、又は高い出力解像度を有し得る。
【0243】
実施例5のデバイスは、出力解像度が外科処置における所与の点に対して最適化されることを可能にする。例えば、出力解像度を減少させることによって、処理リソースを他のより重要なタスクのために解放することができ、出力解像度を増加させることによって、予備容量を追加のデータ処理のために利用し、相互接続されたデバイス内の他の場所への圧力を軽減することができる。
【0244】
実施例6.第1の処理は、処理リソースの利用に関して第2の処理と異なる、実施例1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【0245】
例えば、例6のデバイスにおいて、第1の処理は、第2の処理よりも少ない処理リソースを利用してもよく、又はより多くの処理リソースを利用してもよい。
【0246】
実施例6のデバイスは、外科処置における所与の時点に対して処理リソースを最適化することを可能にする。例えば、より少ない処理リソースを利用することによって、処理リソースは、他のより重要なタスクのために解放されることができ、より多くの処理リソースを利用することによって、予備容量は、追加のデータ処理のために利用され、相互接続されたデバイス内の他の場所への圧力を軽減することができる。
【0247】
実施例7.第1の処理は、データ変換動作に関して第2の処理とは異なる、実施例1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【0248】
実施例8.着信センサデータを生成するように構成されたセンサユニットを更に備える、実施例1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【0249】
例えば、実施例8において、センサユニットは、患者モニタリングシステム、外科医モニタリングシステム、環境モニタリングシステム及び/又は外科用器具モニタリングシステムであってもよい。
【0250】
実施例8のデバイスは、手術中にリアルタイムで変化している状態に基づいて、着信センサデータを生成することができ、デバイスが、予測不可能なイベント又は予定外のイベントに基づいてリアルタイムで処理条件を適合させることを可能にする。
【0251】
実施例9.外部デバイスから着信センサデータを受信するように構成された入力を更に備える、実施例1~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【0252】
例えば、実施例9では、外部デバイスは、センサ又はセンサシステムであってもよい。
【0253】
例えば、実施例1~9のいずれか1つにおいて、着信センサデータは、1つ以上のバイオマーカの測定値、患者固有パラメータの測定値、及び/又は1つ以上の環境パラメータの測定値であってもよい。
【0254】
実施例9のデバイスは、手術中にリアルタイムで変化している状態に基づいて、着信センサデータを生成することができ、デバイスが、予測不可能なイベント又は予定外のイベントに基づいてリアルタイムで処理条件を適合させることを可能にする。
【0255】
実施例10.第1の処理及び第2の処理のうちのいずれか1つの第1のそれぞれの入力/出力変換はパススルーであり、第1の処理及び第2の処理のうちのいずれか他の1つの第2のそれぞれの入力/出力変換は、パススルー以外の入力/出力変換を含み、任意選択で、パススルー以外の入力/出力変換は、アトミック処理、ストリーム処理、又は複合処理のいずれかを実行する、実施例1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【0256】
例えば、実施例1~10のいずれか1つにおいて、第1の処理の入力/出力変換がパススルーであり、第2の処理の入力/出力変換がパススルー以外の入力/出力変換を含むか、又は第2の処理の入力/出力変換がパススルーであり、第1の処理の入力/出力変換がパススルー以外の入力/出力変換を含むかのいずれかである。
【0257】
実施例10のデバイスは、外科処置における所与の時点に対して処理頻度を最適化することを可能にする。例えば、パススルーを使用することによって、処理リソースは、他のより重要なタスクのためにデバイス内で解放されることができ、パススルーを代替データ処理と置換することによって、予備容量は、追加のデータ処理のために利用され、相互接続されたデバイス内の他の場所の圧力を軽減することができる。
【0258】
実施例11.システムにおいて外科処置中に外科データを処理するための方法であって、システムの第2のデバイスにおいて、センサデータチャネルへの出力のために、第1の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第1の部分に対して第1の処理を実行することと、システムの第1のデバイスにおいて、外科データ処理修正コマンドを送信することと、システムの第2のデバイスにおいて、センサ制御チャネルを介して外科データ処理修正コマンドを受信することと、
センサデータチャネルへの出力のために、第2の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第2の部分に対して第2の処理を実行することであって、第2の外科データ処理スキーマは、外科データ処理修正コマンドに基づき、第1の外科データ処理スキーマとは異なる、ことと、を含む、方法。
【0259】
例えば、実施例11において、第1の処理は第1の処理動作であってよく、第2の処理は第2の処理動作であってもよい。
【0260】
例えば、実施例11において、第2の処理を実行することは、着信センサデータの第2の部分に対して第1の処理を実行しないことを更に含んでもよい。
【0261】
例えば、実施例11において、センサデータはセンサデータストリームであってもよい。
【0262】
例えば、実施例11において、外科データ処理修正コマンドは、第2の外科データ処理スキーマを使用する命令を含んでもよい。第2の外科データ処理スキーマは、外科データ処理修正コマンドが第2の外科データ処理スキーマを使用する命令を含む限り、外科データ処理修正コマンドに基づくことができる。
【0263】
例えば、実施例11では、第1及び/又は第2の外科データ処理スキーマは、着信センサデータに対して実行される処理を指定することができる。第1及び/又は第2の外科データ処理スキーマは、着信センサデータを処理するために使用され得る、又は着信センサデータに適用され得る、制御パラメータ、感知パラメータ、アトミック処理パラメータ、ストリーム処理パラメータ、複合処理パラメータ、及び/又はデータフォーマットパラメータを含んでもよい。
【0264】
例えば、実施例11において、第1及び/又は第2の処理は、フィルタリング、平均化、検証、ソート、集約、平滑化、及び/又は分類プロセスを含んでもよい。第1及び/又は第2の処理は、他の形態の処理動作を含んでもよい。
【0265】
例えば、実施例11において、着信センサデータの第1の部分は、外科データ処理修正コマンドがプロセッサによって受信される前に処理されたセンサ値を含むか又はそれから構成されていてもよく、着信センサデータの第2の部分は、外科データ処理修正コマンドがプロセッサによって受信された後に処理されたセンサ値を含むか又はそれから構成されていてもよい。
【0266】
例えば、実施例11では、第1のデバイスは、外科用センサデータ処理デバイスであってもよく、第2のデバイスは、外科用センサシステムであってもよく、又は第1のデバイスは、下流システムであってもよく、第2のデバイスは、外科用センサデータ処理デバイスであってもよい。
【0267】
例えば、実施例11において、外科データ処理修正コマンドは、センサ作業負荷データ、外科処置計画データ、及び/又は外科状況認識データに基づくことができる。
【0268】
実施例11の方法は、外科処置中のデータ処理のより良好な調整を可能にする。データ処理動作は、データ処理修正コマンドに基づいて、着信センサデータの処理中に変更することができる。例えば、データ処理は、センサ作業負荷データ、外科処置計画データ、又は外科状況認識データに基づいて変更され得る。処理の変更は、手術におけるシステム及び医療専門家のデータ処理ニーズの変化によって、又は外科処置自体に関連付けられたデータ処理ニーズの変化によって動機付けされ得る。例えば、センサデータのデータ処理を変更することによって、デバイスは、デバイス自体におけるデータ処理を停止又は最小化して、他の必要性のために処理能力を解放し、未加工の未処理データを処理のために別のデバイスに渡すことができる。処理動作は、より多くの容量が利用可能である他のデバイス又はシステム構成要素にシフトされ得る。これらの手段は、全体的なシステム利用率、データ処理速度、及びデータ収集速度を改善する。更に、デバイス自体の処理能力を解放することは、例えば、外科処置アプローチにおける重要なこととして、又は医学的緊急事態が発生した場合に、より多くの処理能力を可能にする。全体として、そのような処理調整は、効率、データ信頼性、障害及び故障処理、システム柔軟性、並びに全体的性能を改善し、改善された患者安全性及び改善された外科処置につながる。
【0269】
実施例12.外科処置中に外科データを処理するためのシステムであって、システムは、外科データ処理修正コマンドを送信するように構成された第1のデバイスと、第2のデバイスと、を備え、第2のデバイスが、センサデータチャネルへの出力のために、第1の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第1の部分に対して第1の処理を実行することと、センサ制御チャネルを介して外科データ処理修正コマンドを受信することと、センサデータチャネルへの出力のために、第2の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第2の部分に対して第2の処理を実行することであって、第2の外科データ処理スキーマは、外科データ処理修正コマンドに基づき、第1の外科データ処理スキーマとは異なる、ことと、を行うように構成されている、システム。
【0270】
例えば、実施例12において、第1の処理は第1の処理動作であってよく、第2の処理は第2の処理動作であってもよい。
【0271】
例えば、実施例12において、第2の処理を実行することは、着信センサデータの第2の部分に対して第1の処理を実行しないことを更に含んでもよい。
【0272】
例えば、実施例12において、センサデータはセンサデータストリームであってもよい。
【0273】
例えば、実施例12において、外科データ処理修正コマンドは、第2の外科データ処理スキーマを使用する命令を含んでもよい。第2の外科データ処理スキーマは、外科データ処理修正コマンドが第2の外科データ処理スキーマを使用する命令を含む限り、外科データ処理修正コマンドに基づくことができる。
【0274】
例えば、実施例12では、第1及び/又は第2の外科データ処理スキーマは、着信センサデータに対して実行される処理を指定することができる。第1及び/又は第2の外科データ処理スキーマは、着信センサデータを処理するために使用され得る、又は着信センサデータに適用され得る、制御パラメータ、感知パラメータ、アトミック処理パラメータ、ストリーム処理パラメータ、複合処理パラメータ、及び/又はデータフォーマットパラメータを含んでもよい。
【0275】
例えば、実施例12において、第1及び/又は第2の処理は、フィルタリング、平均化、検証、ソート、集約、平滑化、及び/又は分類プロセスを含んでもよい。第1及び/又は第2の処理は、他の形態の処理動作を含んでもよい。
【0276】
例えば、実施例12において、着信センサデータの第1の部分は、外科データ処理修正コマンドが受信される前に処理されたセンサ値を含むか又はそれから構成されていてもよく、着信センサデータの第2の部分は、外科データ処理修正コマンドが受信された後に処理されたセンサ値を含むか又はそれから構成されていてもよい。
【0277】
例えば、実施例12では、第1のデバイスは、外科用センサデータ処理デバイスであってもよく、第2のデバイスは、外科用センサシステムであってもよく、又は第1のデバイスは、下流システムであってもよく、第2のデバイスは、外科用センサデータ処理デバイスであってもよい。
【0278】
例えば、実施例12において、外科データ処理修正コマンドは、センサ作業負荷データ、外科処置計画データ、及び/又は外科状況認識データに基づくことができる。
【0279】
実施例12のシステムは、外科処置中のデータ処理のより良好な調整を可能にする。データ処理動作は、データ処理修正コマンドに基づいて、着信センサデータの処理中に変更することができる。例えば、データ処理は、センサ作業負荷データ、外科処置計画データ、又は外科状況認識データに基づいて変更され得る。処理の変更は、手術におけるシステム及び医療専門家のデータ処理ニーズの変化によって、又は外科処置自体に関連付けられたデータ処理ニーズの変化によって動機付けされ得る。例えば、センサデータのデータ処理を変更することによって、デバイスは、デバイス自体におけるデータ処理を停止又は最小化して、他の必要性のために処理能力を解放し、未加工の未処理データを処理のために別のデバイスに渡すことができる。処理動作は、より多くの容量が利用可能である他のデバイス又はシステム構成要素にシフトされ得る。これらの手段は、全体的なシステム利用率、データ処理速度、及びデータ収集速度を改善する。更に、デバイス自体の処理能力を解放することは、例えば、外科処置アプローチにおける重要なこととして、又は医学的緊急事態が発生した場合に、より多くの処理能力を可能にする。全体として、そのような処理調整は、効率、データ信頼性、障害及び故障処理、システム柔軟性、並びに全体的性能を改善し、改善された患者安全性及び改善された外科処置につながる。
【0280】
実施例13.外科データ処理修正コマンドは、外科処置の外科データ処理要件の変化に基づいてトリガされる、実施例11に記載の方法又は実施例12に記載のシステム。
【0281】
実施例13の方法又はシステムは、外科処置において生じるデータ処理要件の変化の結果として、第2のデバイスによって実行されるデータ処理を変更する。これにより、データ処理及び利用可能な処理リソースを、行われる処置のために最適化することが可能になり、処置中に発生する可能性のある変化、例えば、接近する重大な工程又は医学的緊急事態への適応が可能になる。これは、改善された外科処置及び患者の安全性につながる。
【0282】
実施例14.外科データ処理修正コマンドは、外科データ処理利用閾値を超えることによってトリガされる、実施例11若しくは実施例13に記載の方法、実施例1~10のいずれか一項に記載のデバイス、又は実施例12若しくは実施例13に記載のシステム。
【0283】
実施例14の方法、デバイス、又はシステムにおいて、外科データ処理修正コマンドは、データ処理利用閾値を超えた結果としてトリガされる。これにより、データ処理能力が低すぎる場合にデータ処理を最小化し、停止し、又は別のデバイスに移動することが可能になり、進行中の外科処置又は患者の安全性に影響を及ぼし得る結果として処理遅延のリスクがある。
【0284】
実施例15.外科データ処理修正コマンドは、閾値を超える着信センサデータの外科重要度に基づいてトリガされる、実施例11、13、若しくは14のいずれか一項に記載の方法、実施例1~10、若しくは14のいずれか一項に記載のデバイス、又は実施例12~14のいずれか一項に記載のシステム。
【0285】
実施例14の方法、デバイス、又はシステムでは、外科データ処理修正コマンドは、外科重要度を示すデータの結果としてトリガされる。これにより、外科処置に対するデータの重要度によってデータ処理を調整することができる。例えば、データの処理が外科処置にとって重要であるか、又は手術にとって重要であるとラベル付けされている場合、データの処理が優先されるように、第2のデバイスによるデータの処理を増加させることができる。代替として、第2のデバイスにおける処理は、停止又は最小化され得、センサデータは、例えば、より高品質又はより迅速な処理のために、接続されたデバイスに送信され得る。
【0286】
実施例16.第1の処理は、第2の処理とは異なる出力周波数を有する、実施例11若しくは13~15のいずれか一項に記載の方法、実施例1~10、14、若しくは15のいずれか一項に記載のデバイス、又は実施例12~15のいずれか一項に記載のシステム。
【0287】
例えば、例16の方法、デバイス又はシステムにおいて、第1の処理は、第2の処理の出力周波数よりも低い出力周波数、又は高い出力周波数を有し得る。
【0288】
実施例16の方法、デバイス又はシステムは、外科処置における所与の時点に対して処理頻度を最適化することを可能にする。例えば、出力周波数を減少させることによって、処理リソースを他のより重要なタスクのために解放することができ、出力周波数を増加させることによって、予備容量を追加のデータ処理のために利用し、相互接続されたデバイス内の他の場所への圧力を軽減することができる。
【0289】
実施例17.第1の処理は、第2の処理とは異なる出力解像度を有する、実施例11若しくは13~16のいずれか一項に記載の方法、実施例1~10、14、15若しくは16のいずれか一項に記載のデバイス、又は実施例12~16のいずれか一項に記載のシステム。
【0290】
例えば、実施例17の方法、デバイス又はシステムにおいて、第1の処理は、第2の処理の出力解像度よりも低い出力解像度、又は高い出力解像度を有し得る。
【0291】
実施例17の方法、デバイス又はシステムは、出力解像度が外科処置における所与の点に対して最適化されることを可能にする。例えば、出力解像度を減少させることによって、処理リソースを他のより重要なタスクのために解放することができ、出力解像度を増加させることによって、予備容量を追加のデータ処理のために利用し、相互接続されたデバイス内の他の場所への圧力を軽減することができる。
【0292】
実施例18.第1の処理は、処理リソースの利用に関して第2の処理と異なる、実施例11若しくは13~17のいずれか一項に記載の方法、実施例1~10、14、15、16、若しくは17のいずれか一項に記載のデバイス、又は実施例12~17のいずれか一項に記載のシステム。
【0293】
例えば、例18の方法、デバイス又はシステムにおいて、第1の処理は、第2の処理よりも少ない処理リソースを利用してもよく、又はより多くの処理リソースを利用してもよい。
【0294】
実施例18の方法、デバイス又はシステムは、外科処置における所与の時点に対して処理リソースを最適化することを可能にする。例えば、より少ない処理リソースを利用することによって、処理リソースは、他のより重要なタスクのために解放されることができ、より多くの処理リソースを利用することによって、予備容量は、追加のデータ処理のために利用され、相互接続されたデバイス内の他の場所への圧力を軽減することができる。
【0295】
実施例19.第1の処理は、データ変換動作に関して第2の処理と異なる、実施例11若しくは13~18のいずれか一項に記載の方法、実施例1~10、14、15、16、若しくは17のいずれか一項に記載のデバイス、又は実施例12~18のいずれか一項に記載のシステム。
【0296】
実施例20.外科処置中に外科センサデータストリームに第1の処理動作、第2の処理動作、及び第3の処理動作を適用するためのシステムであって、システムは、第1の外科システム構成要素であって、第1の外科システム構成要素は、外科センサデータストリームを受信し、外科センサデータストリームの第1の部分に、第1の動作及び第2の処理動作を適用し、外科データ処理修正コマンドを受信したことに基づいて、第2の処理動作ではなく第1の処理動作を外科センサデータストリームの第2の部分に適用するように構成された、第1の外科システム構成要素と、第2の外科システム構成要素であって、第1の外科システム構成要素から外科センサデータストリームを受信し、外科センサデータストリームの第1の部分に、第2の処理動作ではなく、第3の動作を適用し、外科センサデータストリームの第2の部分に、第3の処理動作及び第2の処理動作を適用するように構成された、第2の外科システム構成要素と、を備える、システム。
【0297】
例えば、実施例20において、第2の外科システム構成要素は、外科データ処理修正コマンドが第1の外科用システムによって受信される前に、第2の処理動作ではなく第3の動作を外科センサデータストリームの第1の部分に適用し、外科データ処理修正コマンドが第1の外科用システムによって受信された後に、第3の処理動作及び第2の処理動作を外科センサデータストリームの第2の部分に適用するように構成され得る。
【0298】
例えば、実施例20において、第1の外科システム構成要素は、外科データ処理修正コマンドを受信するように構成されてもよい。
【0299】
例えば、実施例20において、外科データ処理修正コマンドは、第1の処理動作を適用するが第2の処理動作を適用しないようにする第1の外科システム構成要素への命令、及び/又は第3の処理動作及び第2の処理動作を適用するようにする第2の外科システム構成要素への命令を含んでもよい。
【0300】
例えば、実施例20において、第1、第2及び/又は第3の処理動作は、フィルタリング、平均化、検証、ソート、集約、平滑化及び/又は分類プロセスを含んでもよい。第1、第2及び/又は第3の処理動作は、他の形態の処理動作を含んでもよい。
【0301】
例えば、実施例20において、着信センサデータの第1の部分は、外科データ処理修正コマンドの前に第1及び/又は第2のシステムによって処理されるセンサ値を含むか又はそれらから構成されてもよく、着信センサデータの第2の部分は、外科データ処理修正コマンドの後に第1及び/又は第2のシステムによって処理されるセンサ値を含むか又はそれらから構成されてもよい。
【0302】
例えば、実施例20において、第1の外科システム構成要素は、第2の外科システム構成要素又は下流システムから外科データ処理修正コマンドを受信してもよい。例えば、第2の外科システム構成要素は、外科データ処理修正を生成してもよい。
【0303】
例えば、実施例20において、外科データ処理修正コマンドは、センサ作業負荷データ、外科処置計画データ、及び/又は外科状況認識データに基づくことができる。
【0304】
実施例20のデバイスは、外科処置中のデータ処理のより良好な調整を可能にする。データ処理動作は、データ処理修正コマンドに基づいて、着信センサデータの処理中に変更することができる。例えば、データ処理は、センサ作業負荷データ、外科処置計画データ、又は外科状況認識データに基づいて変更され得る。処理の変更は、手術におけるシステム及び医療専門家のデータ処理ニーズの変化によって、又は外科処置自体に関連付けられたデータ処理ニーズの変化によって動機付けされ得る。例えば、センサデータのデータ処理を変更することによって、デバイスは、デバイス自体におけるデータ処理を停止又は最小化して、他の必要性のために処理能力を解放し、未加工の未処理データを処理のために別のデバイスに渡すことができる。処理動作は、より多くの容量が利用可能である他のデバイス又はシステム構成要素にシフトされ得る。これらの手段は、全体的なシステム利用率、データ処理速度、及びデータ収集速度を改善する。更に、デバイス自体の処理能力を解放することは、例えば、外科処置アプローチにおける重要なこととして、又は医学的緊急事態が発生した場合に、より多くの処理能力を可能にする。全体として、そのような処理調整は、効率、データ信頼性、障害及び故障処理、システム柔軟性、並びに全体的性能を改善し、改善された患者安全性及び改善された外科処置につながる。
【0305】
実施例21.外科処置中に外科センサデータストリームに第1の処理動作、第2の処理動作、及び第3の処理動作を適用するためのシステムであって、システムは、第1の外科システム構成要素であって、第1の外科システム構成要素は、外科センサデータストリームを受信し、外科センサデータストリームの第1の部分に、処理動作を適用し、外科データ処理修正コマンドを受信し、外科データ処理修正コマンドに基づいて、外科センサデータストリームの第2の部分に処理動作を適用しないように構成された、第1の外科システム構成要素と、第2の外科システム構成要素であって、第2の外科システム構成要素は、第1の外科システム構成要素から外科センサデータストリームを受信し、外科センサデータストリームの第1の部分に、処理動作を適用せず、外科センサデータストリームの第2の部分に、処理動作を適用するように構成された、第2の外科システム構成要素と、を備える、システム。
【0306】
例えば、実施例21において、第2の外科システム構成要素は、外科データ処理修正コマンドが第1の外科用システムによって受信される前に、外科センサデータストリームの第2の部分に処理動作を適用せず、外科データ処理修正コマンドが第1の手術システムによって受信された後に、外科センサデータストリームの第2の部分に処理動作を適用するように構成されてもよい。
【0307】
例えば、実施例21において、外科データ処理修正コマンドは、処理動作を適用しないようにする第1の外科システム構成要素への命令、及び/又は処理動作を適用するようにする第2の外科システム構成要素への命令を含んでもよい。
【0308】
例えば、実施例21において、第1及び/又は第2の処理動作は、フィルタリング、平均化、検証、ソート、集約、平滑化、及び/又は分類プロセスを含んでもよい。第1及び/又は第2の処理動作は、他の形態の処理動作を含んでもよい。
【0309】
例えば、実施例21において、着信センサデータの第1の部分は、外科データ処理修正コマンドが第1の外科システム構成要素によって受信される前に第1及び/又は第2の外科システム構成要素によって処理されるセンサ値を含むか又はそれから構成されてもよく、着信センサデータの第2の部分は、外科データ処理修正コマンドが第1の外科システム構成要素によって受信された後に第1及び/又は第2のシステムによって処理されるセンサ値を含むか又はそれから構成されてもよい。
【0310】
例えば、実施例21において、第1の外科システム構成要素は、第2の外科システム構成要素又は下流システムから外科データ処理修正コマンドを受信してもよい。例えば、第2の外科システム構成要素は、外科データ処理修正を生成してもよい。
【0311】
例えば、実施例21において、外科データ処理修正コマンドは、センサ作業負荷データ、外科処置計画データ、及び/又は外科状況認識データに基づくことができる。
【0312】
実施例21のシステムは、外科処置中のデータ処理のより良好な調整を可能にする。データ処理動作は、データ処理修正コマンドに基づいて、着信センサデータの処理中に変更することができる。例えば、データ処理は、センサ作業負荷データ、外科処置計画データ、又は外科状況認識データに基づいて変更され得る。処理の変更は、手術におけるシステム及び医療専門家のデータ処理ニーズの変化によって、又は外科処置自体に関連付けられたデータ処理ニーズの変化によって動機付けされ得る。例えば、センサデータのデータ処理を変更することによって、デバイスは、デバイス自体におけるデータ処理を停止又は最小化して、他の必要性のために処理能力を解放し、未加工の未処理データを処理のために別のデバイスに渡すことができる。処理動作は、より多くの容量が利用可能である他のデバイス又はシステム構成要素にシフトされ得る。これらの手段は、全体的なシステム利用率、データ処理速度、及びデータ収集速度を改善する。更に、デバイス自体の処理能力を解放することは、例えば、外科処置アプローチにおける重要なこととして、又は医学的緊急事態が発生した場合に、より多くの処理能力を可能にする。全体として、そのような処理調整は、効率、データ信頼性、障害及び故障処理、システム柔軟性、並びに全体的性能を改善し、改善された患者安全性及び改善された外科処置につながる。
【0313】
実施例22.外科データ処理修正コマンドは、外科処置の外科データ処理要件の変化に基づく第1の外科システム構成要素と第2の外科システム構成要素との間の負荷分散動作に基づいてトリガされる、実施例20又は実施例21に記載のシステム。
【0314】
実施例23.外科データ処理修正コマンドは、外科用ハブから受信される、実施例20~22のいずれか一項に記載のシステム。
【0315】
実施例23のシステムは、例えば、手術室内のデバイス等の相互接続されたデバイスのセットにわたってデータ処理を調整することができる、外科用ハブによって制御される。
【0316】
実施例24.外科データ処理修正コマンドは、外科処置の外科データ処理要件の変化に基づいてトリガされる、実施例20~23に記載のシステム。
【0317】
実施例24のシステムは、外科処置のリアルタイム要件に基づいて、第1の外科システム構成要素と第2の外科システム構成要素との間でデータ処理のバランスをとることができる。これは、デバイスが、行われる処置のためのデータ処理及び利用可能な処理リソースを最適化し、接近する重大な工程又は医学的緊急事態等の処置の間に生じ得る変化に適応することを可能にする。これは、改善された外科処置及び患者の安全性につながる。
【0318】
実施例25.着信外科センサデータストリームを生成するように構成されたセンサユニットを更に備える、実施例20~24のいずれか一項に記載のシステム。
【0319】
例えば、実施例25において、センサユニットは、患者モニタリングシステム、外科医モニタリングシステム、環境モニタリングシステム及び/又は外科用器具モニタリングシステムであってもよい。
【0320】
実施例25のシステムは、手術中にリアルタイムで変化している状態に基づいて、着信センサデータを生成することができ、システムが、予測不可能なイベント又は予定外のイベントに基づいてリアルタイムで処理条件を適合させることを可能にする。
【0321】
実施例26.外部デバイスから着信外科センサデータストリームを受信するように構成された入力を更に備える、実施例20~25のいずれか一項に記載のシステム。
【0322】
例えば、実施例26では、外部デバイスは、センサ又はセンサシステムであってもよい。
【0323】
例えば、実施例20~26のいずれか1つにおいて、外科センサデータストリームは、1つ以上のバイオマーカの測定値、患者固有パラメータの測定値、及び/又は1つ以上の環境パラメータの測定値であってもよい。
【0324】
実施例26のシステムは、手術中にリアルタイムで変化している状態に基づいて、着信センサデータを生成することができ、システムが、予測不可能なイベント又は予定外のイベントに基づいてリアルタイムで処理条件を適合させることを可能にする。
【0325】
実施例27.外科データ処理修正コマンドは、外科データ処理利用閾値を超えることによってトリガされる、実施例20~26のいずれか一項に記載のシステム。
【0326】
実施例27のシステムにおいて、外科データ処理修正コマンドは、データ処理利用閾値を超えた結果としてトリガされる。これにより、データ処理能力が低すぎる場合にデータ処理を最小化し、停止し、又は別のデバイスに移動することが可能になり、進行中の外科処置又は患者の安全性に影響を及ぼし得る結果として処理遅延のリスクがある。
【0327】
実施例28.外科データ処理修正コマンドは、閾値を超える着信センサデータの外科重要度によってトリガされる、実施例20~27のいずれか一項に記載のシステム。
【0328】
実施例28のシステムでは、外科データ処理修正コマンドは、外科重要度を示すデータの結果としてトリガされる。これにより、外科処置に対するデータの重要度によってデータ処理を調整することができる。例えば、データの処理が外科処置にとって重要であるか、又は手術にとって重要であるとラベル付けされている場合、データの処理が優先されるように、第2のデバイスによるデータの処理を増加させることができる。代替として、第2のデバイスにおける処理は、停止又は最小化され得、センサデータは、例えば、より高品質又はより迅速な処理のために、接続されたデバイスに送信され得る。
【0329】
〔実施の態様〕
(1) 外科処置中に外科データを処理するためのデバイスであって、
メモリと、
プロセッサと、を備え、前記プロセッサが、
前記メモリから第1の外科データ処理スキーマを検索することと、
センサデータチャネルへの出力のために、前記第1の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第1の部分に対して第1の処理を実行することと、
センサ制御チャネルを介して外科データ処理修正コマンドを受信することと、
前記外科データ処理修正コマンドに従って第2の外科データ処理スキーマを前記メモリに保存することであって、前記第2の外科データ処理スキーマは前記第1の外科データ処理スキーマとは異なる、ことと、
前記センサデータチャネルへの出力のために、前記第2の外科データ処理スキーマに従って、前記着信センサデータの第2の部分に対して第2の処理を実行することであって、前記第2の処理は前記第1の処理とは異なる、ことと、
を行うように構成されている、デバイス。
(2) 前記外科データ処理修正コマンドは、外科用ハブから受信される、実施態様1に記載のデバイス。
(3) 前記外科データ処理修正コマンドは、前記外科処置の外科データ処理要件の変化に基づいてトリガされる、実施態様1又は2に記載のデバイス。
(4) 前記第1の処理は、前記第2の処理とは異なる出力周波数を有する、実施態様1~3のいずれかに記載のデバイス。
(5) 前記第1の処理は、前記第2の処理とは異なる出力解像度を有する、実施態様1~4のいずれかに記載のデバイス。
【0330】
(6) 前記第1の処理は、処理リソースの利用に関して前記第2の処理と異なる、実施態様1~5のいずれかに記載のデバイス。
(7) 前記第1の処理は、データ変換動作に関して前記第2の処理とは異なる、実施態様1~6のいずれかに記載のデバイス。
(8) 前記着信センサデータを生成するように構成されたセンサユニットを更に備える、実施態様1~7のいずれかに記載のデバイス。
(9) 外部デバイスから前記着信センサデータを受信するように構成された入力を更に備える、実施態様1~8のいずれかに記載のデバイス。
(10) 前記第1の処理及び前記第2の処理のうちのいずれか1つの第1のそれぞれの入力/出力変換はパススルーであり、前記第1の処理及び前記第2の処理のうちのいずれか他の1つの第2のそれぞれの入力/出力変換は、パススルー以外の入力/出力変換を含み、任意選択で、パススルー以外の前記入力/出力変換は、アトミック処理、ストリーム処理、又は複合処理のいずれかを実行する、実施態様1~9のいずれかに記載のデバイス。
【0331】
(11) システムにおいて外科処置中に外科データを処理するための方法であって、前記方法は、
前記システムの第2のデバイスにおいて、センサデータチャネルへの出力のために、第1の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第1の部分に対して第1の処理を実行することと、
前記システムの第1のデバイスにおいて、外科データ処理修正コマンドを送信することと、
前記システムの前記第2のデバイスにおいて、
センサ制御チャネルを介して前記外科データ処理修正コマンドを受信することと、
前記センサデータチャネルへの出力のために、第2の外科データ処理スキーマに従って、前記着信センサデータの第2の部分に対して第2の処理を実行することであって、前記第2の外科データ処理スキーマは、前記外科データ処理修正コマンドに基づき、前記第1の外科データ処理スキーマとは異なる、ことと、
を含む、方法。
(12) 外科処置中に外科データを処理するためのシステムであって、前記システムは、
外科データ処理修正コマンドを送信するように構成された第1のデバイスと、
第2のデバイスと、を備え、前記第2のデバイスが、
センサデータチャネルへの出力のために、第1の外科データ処理スキーマに従って、着信センサデータの第1の部分に対して第1の処理を実行することと、
センサ制御チャネルを介して前記外科データ処理修正コマンドを受信することと、
前記センサデータチャネルへの出力のために、第2の外科データ処理スキーマに従って、前記着信センサデータの第2の部分に対して第2の処理を実行することであって、前記第2の外科データ処理スキーマは、前記外科データ処理修正コマンドに基づき、前記第1の外科データ処理スキーマとは異なる、ことと、
を行うように構成されている、システム。
(13) 前記外科データ処理修正コマンドは、前記外科処置の外科データ処理要件の変化に基づいてトリガされる、実施態様11に記載の方法又は実施態様12に記載のシステム。
(14) 前記外科データ処理修正コマンドは、外科データ処理利用閾値を超えることによってトリガされる、実施態様11若しくは13に記載の方法、実施態様1~10のいずれかに記載のデバイス、又は実施態様12若しくは13に記載のシステム。
(15) 前記外科データ処理修正コマンドは、閾値を超える前記着信センサデータの外科重要度に基づいてトリガされる、実施態様11、13、若しくは14のいずれかに記載の方法、実施態様1~10、若しくは14のいずれかに記載のデバイス、又は実施態様12~14のいずれかに記載のシステム。
【0332】
(16) 前記第1の処理は、前記第2の処理とは異なる出力周波数を有する、実施態様11若しくは13~15のいずれかに記載の方法、実施態様1~10、14、若しくは15のいずれかに記載のデバイス、又は実施態様12~15のいずれかに記載のシステム。
(17) 前記第1の処理は、前記第2の処理とは異なる出力解像度を有する、実施態様11若しくは13~16のいずれかに記載の方法、実施態様1~10、14、15若しくは16のいずれかに記載のデバイス、又は実施態様12~16のいずれかに記載のシステム。
(18) 前記第1の処理は、処理リソースの利用に関して前記第2の処理と異なる、実施態様11若しくは13~17のいずれかに記載の方法、実施態様1~10、14、15、16、若しくは17のいずれかに記載のデバイス、又は実施態様12~17のいずれかに記載のシステム。
(19) 前記第1の処理は、データ変換動作に関して前記第2の処理と異なる、実施態様11若しくは13~18のいずれかに記載の方法、実施態様1~10、14、15、16、若しくは17のいずれかに記載のデバイス、又は実施態様12~18のいずれかに記載のシステム。
(20) 外科処置中に外科センサデータストリームに第1の処理動作、第2の処理動作、及び第3の処理動作を適用するためのシステムであって、前記システムは、
第1の外科システム構成要素であって、前記第1の外科システム構成要素は、
外科センサデータストリームを受信し、
前記外科センサデータストリームの第1の部分に、第1の動作及び第2の処理動作を適用し、
外科データ処理修正コマンドを受信したことに基づいて、前記第2の処理動作ではなく前記第1の処理動作を前記外科センサデータストリームの第2の部分に適用するように構成された、第1の外科システム構成要素と、
第2の外科システム構成要素であって、前記第2の外科システム構成要素は、
前記第1の外科システム構成要素から前記外科センサデータストリームを受信し、
前記外科センサデータストリームの前記第1の部分に、前記第2の処理動作ではなく、第3の動作を適用し、
前記外科センサデータストリームの前記第2の部分に、前記第3の処理動作及び前記第2の処理動作を適用するように構成された、第2の外科システム構成要素と、
を備える、システム。
【0333】
(21) 外科処置中に外科センサデータストリームに第1の処理動作、第2の処理動作、及び第3の処理動作を適用するためのシステムであって、前記システムは、
第1の外科システム構成要素であって、前記第1の外科システム構成要素は、
外科センサデータストリームを受信し、
前記外科センサデータストリームの第1の部分に、処理動作を適用し、
外科データ処理修正コマンドを受信し、
前記外科データ処理修正コマンドに基づいて、前記外科センサデータストリームの第2の部分に前記処理動作を適用しないように構成された、第1の外科システム構成要素と、
第2の外科システム構成要素であって、前記第2の外科システム構成要素は、
前記第1の外科システム構成要素から前記外科センサデータストリームを受信し、
前記外科センサデータストリームの前記第1の部分に、前記処理動作を適用せず、
前記外科センサデータストリームの前記第2の部分に、前記処理動作を適用するように構成された、第2の外科システム構成要素と、
を備える、システム。
(22) 前記外科データ処理修正コマンドは、前記外科処置の外科データ処理要件の変化に基づく前記第1の外科システム構成要素と前記第2の外科システム構成要素との間の負荷分散動作に基づいてトリガされる、実施態様20又は21に記載のシステム。
(23) 前記外科データ処理修正コマンドは、外科用ハブから受信される、実施態様20~22のいずれかに記載のシステム。
(24) 前記外科データ処理修正コマンドは、前記外科処置の外科データ処理要件の変化に基づいてトリガされる、実施態様20~23のいずれかに記載のシステム。
(25) 前記着信外科センサデータストリームを生成するように構成されたセンサユニットを更に備える、実施態様20~24のいずれかに記載のシステム。
【0334】
(26) 外部デバイスから前記着信外科センサデータストリームを受信するように構成された入力を更に備える、実施態様20~25のいずれかに記載のシステム。
(27) 前記外科データ処理修正コマンドは、外科データ処理利用閾値を超えることによってトリガされる、実施態様20~26のいずれかに記載のシステム。
(28) 前記外科データ処理修正コマンドは、閾値を超える前記着信センサデータの外科重要度によってトリガされる、実施態様20~27のいずれかに記載のシステム。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16
図17
【国際調査報告】