(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】子宮摘出手術の術後監視
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20240130BHJP
A61B 10/00 20060101ALI20240130BHJP
G16H 50/30 20180101ALI20240130BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
A61B10/00 N
G16H50/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544337
(86)(22)【出願日】2022-01-21
(85)【翻訳文提出日】2023-09-20
(86)【国際出願番号】 IB2022050522
(87)【国際公開番号】W WO2022157689
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】エッカート・チャド・イー
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ディミートリアス
(72)【発明者】
【氏名】ウォード・アンドレアス・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
【テーマコード(参考)】
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C117XA04
4C117XB04
4C117XB09
4C117XB11
4C117XB12
4C117XC11
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5L099AA15
(57)【要約】
術後子宮摘出合併症を検出又は予測するための患者バイオマーカを測定及び監視するためのコンピューティングシステムが提供され得る。術後子宮摘出合併症は、測定/処理された患者バイオマーカデータを、対応する判定された閾値と比較することによって、予測又は検出され得る。測定/処理された患者バイオマーカデータと、対応する閾値との比較は、コンテキストと関連付けられて行われ得る。コンテキストは、子宮摘出手術回復タイムライン、少なくとも1つの状況属性、又は少なくとも1つの環境属性のうちの少なくとも1つに基づき得る。予測又は検出された術後子宮摘出合併症と関連付けられた通知メッセージは、患者デバイス、又は保健医療提供者のデバイスに送信(例えば、リアルタイムで送信)され得る。通知メッセージは、重症度レベルメッセージによって補完され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるコンピューティングシステムであって、前記プロセッサが、少なくとも、
第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データを取得することと、
前記第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の閾値を判定することと、
前記第1の測定データを前記第1の閾値と比較することによって、前記第1の測定データをリアルタイムで監視することと、
前記監視することに基づいて、術後子宮摘出合併症を予測することと、
前記予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように構成されている、コンピューティングシステム。
【請求項2】
前記プロセッサが、
前記第1の測定データに基づいて、前記術後子宮摘出合併症と関連付けられた重症度レベルを判定することと、
前記判定された重症度レベルに基づいて、前記リアルタイム通知と関連付けられた通知タイプを判定することと、を行うように更に構成されている、請求項1に記載のコンピューティングシステム。
【請求項3】
前記判定された重症度レベルが低いことを条件として、前記プロセッサが、
前記リアルタイム通知及び前記重症度レベルを、患者に表示するためのディスプレイに送信するように構成されており、
前記判定された重症度レベルが高いことを条件として、前記プロセッサが、前記リアルタイム通知及び前記重症度レベルを、HCPに表示するためのディスプレイに送信するように構成されている、請求項2に記載のコンピューティングシステム。
【請求項4】
前記プロセッサが、
子宮摘出手術回復タイムライン、少なくとも1つの状況属性、又は少なくとも1つの環境属性のうちの少なくとも1つに基づいて、コンテキストを取得することと、
前記取得されたコンテキストに基づいて、前記第1の閾値を調整することと、を行うように更に構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項5】
前記プロセッサが、
第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の測定データを取得することと、
前記第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の閾値を判定することと、
前記第2の測定データを前記第2の閾値と比較することによって、前記第2の測定データをリアルタイムで監視することと、
前記第1の測定データ及び前記第2の測定データの前記監視に基づいて、前記予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように更に構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項6】
前記第1の測定データ及び前記第2の測定データの各々を、前記第1の閾値及び前記第2の閾値とそれぞれ比較することが、コンテキストに基づく、請求項5に記載のコンピューティングシステム。
【請求項7】
前記第2の測定データの前記監視は、前記第1の測定データが所定の時間量にわたって前記第1の閾値を超えるという条件に基づく、請求項5又は6に記載のコンピューティングシステム。
【請求項8】
前記術後子宮摘出合併症が、手術部位感染であり、前記第1の患者バイオマーカが、膣pH、血液pH、又は体温のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項9】
プロセッサを備える感知システムであって、前記プロセッサが、少なくとも、
第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の閾値を取得することと、
前記第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データを取得することと、
前記第1の測定データを前記第1の閾値と比較することによって、前記第1の測定データをリアルタイムで監視することと、
前記監視することに基づいて、術後子宮摘出合併症を予測することと、
前記予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように構成されている、感知システム。
【請求項10】
前記プロセッサが、
前記第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えることに基づいて、術後子宮摘出合併症を検出するための要求を受信することと、
前記第1の測定データが所定の時間量にわたって前記第1の閾値を超えるときに、前記予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように更に構成されている、請求項9に記載の感知システム。
【請求項11】
前記プロセッサが、
前記第1の測定データに基づいて、前記術後子宮摘出合併症と関連付けられた重症度レベルを判定することと、
前記判定された重症度レベルに基づいて、前記リアルタイム通知と関連付けられた通知タイプを判定することと、を行うように更に構成されている、請求項9又は10に記載の感知システム。
【請求項12】
前記判定された重症度レベルが低いことを条件として、前記プロセッサが、
前記リアルタイム通知及び前記重症度レベルを、患者に表示するためのディスプレイに送信するように構成されており、
前記判定された重症度レベルが高いことを条件として、前記プロセッサが、前記リアルタイム通知及び前記重症度レベルを、HCPに表示するためのディスプレイに送信するように構成されている、請求項11に記載の感知システム。
【請求項13】
前記プロセッサが、
子宮摘出手術回復タイムライン、少なくとも1つの状況属性、又は少なくとも1つの環境属性のうちの少なくとも1つに基づいて、コンテキストを判定することと、
前記判定されたコンテキストに基づいて、前記第1の閾値を調整することと、を行うように更に構成されている、請求項9~12のいずれか一項に記載の感知システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの状況属性が、身体可動性状態又は睡眠状態のうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の感知システム。
【請求項15】
前記術後子宮摘出合併症が、手術部位感染であり、前記第1の患者バイオマーカが、膣pH、血液pH、又は体温のうちの少なくとも1つを含む、請求項9~14のいずれか一項に記載の感知システム。
【請求項16】
前記術後子宮摘出合併症が、神経損傷であり、前記第1の患者バイオマーカが、黄体形成ホルモン、又はGI運動性の指標のうちの少なくとも1つを含む、請求項9~15のいずれか一項に記載の感知システム。
【請求項17】
前記術後子宮摘出合併症が、膣漏出進行であり、前記第1の患者バイオマーカが、膣pH、又は尿運動性の指標のうちの少なくとも1つを含む、請求項9~16のいずれか一項に記載の感知システム。
【請求項18】
前記プロセッサが、
第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の閾値を取得することと、
前記第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の測定データを取得することと、
前記第2の測定データを前記第2の閾値と比較することによって、前記第2の測定データをリアルタイムで監視することと、
前記第1の測定データ及び前記第2の測定データの前記監視に基づいて、前記予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように更に構成されている、請求項9~17のいずれか一項に記載の感知システム。
【請求項19】
前記第1の測定データ及び前記第2の測定データの各々を、前記第1の閾値及び前記第2の閾値とそれぞれ比較することが、コンテキストに基づく、請求項18に記載の感知システム。
【請求項20】
前記第2の測定データの前記監視は、前記第1の測定データが所定の時間量にわたって前記第1の閾値を超えるという条件に基づく、請求項18又は19に記載の感知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、同時に出願された以下の出願に関連し、これらのそれぞれの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
・代理人整理番号第END9290USNP1号を有する、METHOD OF ADJUSTING A SURGICAL PARAMETER BASED ON BIOMARKER MEASUREMENTSと題される、米国特許出願第17/156287号。
【背景技術】
【0002】
子宮摘出を受ける患者は、手術部位感染(以下、「SSI」)などの潜在的な術後合併症を経験する可能性がある。SSIは、外来細菌が患者の外科的切開を通過して体内構造を乱すときに起こり得る。これは、敗血症、ショック、排尿問題などの重篤な健康課題をもたらし得る。SSIの症状は、患者、又は患者を監督する保健医療提供者(healthcare provider、HCP)にとって明らかでない場合があり、早期検出をより困難にする。SSIの発症を監視及び検出するための現在の技術状態は、適切でない可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
コンピューティングシステムは、プロセッサを備える。プロセッサは、第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データを取得するように構成されている。プロセッサは、第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の閾値を判定するように構成されている。プロセッサは、第1の測定データを第1の閾値と比較することによって、第1の測定データをリアルタイムで監視するように構成されている。プロセッサは、監視することに基づいて、術後子宮摘出合併症を予測するように構成されている。プロセッサは、予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成するように構成されている。有利に、術後子宮摘出合併症を予測し、その通知を生成することにより、保健医療提供者は、状態が発生又は悪化する前に、合併症を調査及び/又は治療するためのタイムリーなアクションを取ることが可能になる。更に、第1の患者バイオマーカをリアルタイムで監視することは、そのような合併症の検出率を改善する。任意選択的に、プロセッサは、リアルタイム通知を、ユーザに表示するためのディスプレイユニットに送信するように更に構成されている。
【0004】
プロセッサは、第1の測定データに基づいて、術後子宮摘出合併症と関連付けられた重症度レベルを判定するように更に構成され得る。プロセッサは、判定された重症度レベルに基づいて、リアルタイム通知と関連付けられた通知タイプを判定するように更に構成され得る。有利に、重症度レベルに基づいて通知タイプを判定することは、所与の重症度レベルに最も適している通知タイプ(すなわち、通知の宛先、及び通知の内容)をもたらす。任意選択的に、判定された重症度レベルが低いことを条件として、プロセッサは、リアルタイム通知及び重症度レベルを、患者に表示するためのディスプレイに送信するように構成されている。任意選択的に、判定された重症度レベルが高いことを条件として、プロセッサは、リアルタイム通知及び重症度レベルを、HCPに表示するためのディスプレイに送信するように構成されている。
【0005】
プロセッサは、子宮摘出手術回復タイムライン、少なくとも1つの状況属性、又は少なくとも1つの環境属性のうちの少なくとも1つに基づいて、コンテキストを取得するように更に構成され得る。プロセッサは、取得されたコンテキストに基づいて、第1の閾値を調整するように更に構成され得る。有利に、コンテキストに基づいて第1の閾値を調整することは、第1の閾値が正しいレベルに設定されることを確実にする。例えば、閾値を低すぎるように設定することは、偽陽性をもたらす可能性があり、閾値を高すぎるように設定することは、合併症を見逃す可能性がある。
【0006】
プロセッサは、第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の測定データを取得するように更に構成され得る。プロセッサは、第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の閾値を判定するように更に構成され得る。プロセッサは、第2の測定データを第2の閾値と比較することによって、第2の測定データをリアルタイムで監視するように更に構成され得る。プロセッサは、第1の測定データ及び第2の測定データの監視に基づいて、予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成するように更に構成され得る。通知を複数のバイオマーカに基づかせることは、合併症の予測の精度を改善する。第1の測定データ及び第2の測定データの各々を、第1の閾値及び第2の閾値とそれぞれ比較することは、コンテキストに基づき得る。有利に、コンテキストに基づいて閾値を調整することは、閾値が正しいレベルに設定されることを確実にする。例えば、閾値を低すぎるように設定することは、偽陽性をもたらす可能性があり、閾値を高すぎるように設定することは、合併症を見逃す可能性がある。第2の測定データの監視は、第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えるという条件に基づき得る。有利に、これは、合併症の検出を含むことを著しく損なうことなく、コンピューティングリソースの効率的な使用を確実にする。
【0007】
術後子宮摘出合併症は、手術部位感染であり得、第1の患者バイオマーカは、膣pH、血液pH、又は体温のうちの少なくとも1つを含む。
【0008】
感知システムは、プロセッサを備える。プロセッサは、第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の閾値を取得するように構成されている。プロセッサは、第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データを取得するように構成されている。プロセッサは、第1の測定データを第1の閾値と比較することによって、第1の測定データをリアルタイムで監視するように構成されている。プロセッサは、監視することに基づいて、術後子宮摘出合併症を予測するように構成されている。プロセッサは、予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成するように構成されている。有利に、術後子宮摘出合併症を予測し、その通知を生成することにより、保健医療提供者は、状態が発生又は悪化する前に、合併症を調査及び/又は治療するためのタイムリーなアクションを取ることが可能になる。更に、第1の患者バイオマーカをリアルタイムで監視することは、そのような合併症の検出率を改善する。任意選択的に、プロセッサは、リアルタイム通知を、ユーザに表示するためのディスプレイユニットに送信するように更に構成されている。
【0009】
プロセッサは、第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えることに基づいて、術後子宮摘出合併症を検出するための要求を受信するように更に構成され得る。プロセッサは、第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えるときに、予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成するように更に構成され得る。有利に、所定の時間量は、例えば、データにおける有意でない短期変動を無視することによって、誤った結果が発生するリスクを軽減する。
【0010】
プロセッサは、第1の測定データに基づいて、術後子宮摘出合併症と関連付けられた重症度レベルを判定するように更に構成され得る。プロセッサは、判定された重症度レベルに基づいて、リアルタイム通知と関連付けられた通知タイプを判定するように更に構成され得る。有利に、重症度レベルに基づいて通知タイプを判定することは、所与の重症度レベルに最も適している通知タイプ(すなわち、通知の宛先、及び通知の内容)をもたらす。任意選択的に、判定された重症度レベルが低いことを条件として、プロセッサは、リアルタイム通知及び重症度レベルを、患者に表示するためのディスプレイに送信するように構成されている。任意選択的に、判定された重症度レベルが高いことを条件として、プロセッサは、リアルタイム通知及び重症度レベルを、HCPに表示するためのディスプレイに送信するように構成されている。
【0011】
プロセッサは、子宮摘出手術回復タイムライン、少なくとも1つの状況属性、又は少なくとも1つの環境属性のうちの少なくとも1つに基づいて、コンテキストを判定するように更に構成され得る。プロセッサは、判定されたコンテキストに基づいて、第1の閾値を調整するように更に構成され得る。有利に、コンテキストに基づいて第1の閾値を調整することは、第1の閾値が正しいレベルに設定されることを確実にする。例えば、閾値を低すぎるように設定することは、偽陽性をもたらす可能性があり、閾値を高すぎるように設定することは、合併症を見逃す可能性がある。少なくとも1つの状況属性は、身体可動性状態又は睡眠状態のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0012】
術後子宮摘出合併症は、手術部位感染であり得、第1の患者バイオマーカは、膣pH、血液pH、又は体温のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0013】
術後子宮摘出合併症は、神経損傷であり得、第1の患者バイオマーカは、黄体形成ホルモン、又はGI運動性の指標のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0014】
術後子宮摘出合併症は、膣漏出進行であり得、第1の患者バイオマーカは、膣pH、又は尿運動性の指標のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0015】
プロセッサは、第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の閾値を取得するように更に構成され得る。プロセッサは、第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の測定データを取得するように更に構成され得る。プロセッサは、第2の測定データを第2の閾値と比較することによって、第2の測定データをリアルタイムで監視するように更に構成され得る。プロセッサは、第1の測定データ及び第2の測定データの監視に基づいて、予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成するように更に構成され得る。通知を複数のバイオマーカに基づかせることは、合併症の予測の精度を改善する。第1の測定データ及び第2の測定データの各々を、第1の閾値及び第2の閾値とそれぞれ比較することは、コンテキストに基づき得る。有利に、コンテキストに基づいて閾値を調整することは、閾値が正しいレベルに設定されることを確実にする。例えば、閾値を低すぎるように設定することは、偽陽性をもたらす可能性があり、閾値を高すぎるように設定することは、合併症を見逃す可能性がある。第2の測定データの監視は、第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えるという条件に基づき得る。有利に、これは、合併症の検出を含むことを著しく損なうことなくコンピューティングリソースの効率的な使用を確実にする。
【0016】
術後監視のための患者バイオマーカのセットに関連する測定データは、受信され得る。例えば、コンピューティングシステムは、1つ又は2つ以上の感知システムから測定データを受信するように構成され得る。感知システムは、患者ウェアラブルデバイスであり得、又はそれを含み得る。感知システムは、環境感知システムであり得、又は環境感知システムを含み得る。感知システムは、1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。患者バイオマーカのセットは、術後子宮摘出合併症を検出するために監視され得る。例えば、SSIを検出するための患者バイオマーカのセットは、患者の体温、膣pH、及び/又は血液pHを含み得る。例えば、神経損傷を検出するための患者バイオマーカのセットは、患者の黄体形成ホルモン及び/又はGI運動性を含み得る。例えば、膣漏出を検出するための患者バイオマーカのセットは、患者の尿運動性及び/又は膣pHを含み得る。感知システムから受信される測定データは、測定データに対する1つ又は2つ以上の要求に応答したものであり得る。例えば、コンピューティングシステムは、それぞれの測定データを要求する要求を1つ又は2つ以上の感知システムに送信し得る。
【0017】
1つ又は2つ以上の閾値は、患者バイオマーカについて判定され得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、患者の体温、膣pH、尿pH、及び/又はSSIについての他の患者バイオマーカと関連付けられたそれぞれの閾値を判定し得る。閾値は、標準閾値であり得る。閾値は、患者の術前、術中、及び/又は以前に測定された術後の患者バイオマーカ測定値に基づいて、患者のためにカスタマイズされ得る。患者バイオマーカは、患者バイオマーカに関連する測定データを、対応する閾値と比較することによって、リアルタイムで監視され得る。例えば、コンピューティングシステムは、患者の体温に関連する測定データを、患者の体温と関連付けられた閾値と比較することによって、患者の体温をリアルタイムで監視し得る。コンピューティングシステムは、患者の膣pHに関連する測定データを、膣pHと関連付けられた閾値と比較し得る。コンピューティングシステムは、患者の尿pHに関連する測定データを、尿pHと関連付けられた閾値と比較し得る。潜在的な術後子宮摘出合併症は、1つ又は2つ以上の患者バイオマーカに関連する測定データが(例えば、所定の時間量にわたって)対応する閾値を超えるときに、予測又は検出され得る。例えば、患者の体温、膣pH、及び/又は尿pHに関連する測定データが、患者と関連付けられたそれぞれの閾値を超えるときに、コンピューティングシステムは、潜在的なSSIを検出し得る。
【0018】
一実施例では、閾値は、コンテキストと関連付けられ得る。コンピューティングシステムは、測定データが対応する閾値を超えるかどうかを評価するときに、コンテキストを考慮し得る。コンテキストは、子宮摘出手術回復タイムライン、及び/又は環境属性のセットと関連付けられ得る。
【0019】
予測又は検出された術後子宮摘出合併症と関連付けられたアクション可能な重症度レベルが、判定され得る。例えば、コンピューティングシステムは、検出されたSSIと関連付けられたアクション可能な重症度レベルを判定し得る。潜在的な術後子宮摘出合併症、及び関連付けられたアクション可能な重症度レベルを示す通知は、患者及び/又はHCPに送信され得る。例えば、コンピューティングシステムは、潜在的なSSI、及びSSIと関連付けられたアクション可能な重症度レベルを示すリアルタイム通知を、患者及び/又はHCPに送信し得る。リアルタイム通知は、検出された術後子宮摘出合併症と関連付けられた医学的名称、医学的詳細、アクション可能な重症度レベル、及び/又は推奨されるアクションの方針を含み得る。
【0020】
コンピューティングシステムは、判定されたアクション可能な重症度レベルに基づいて、通知のタイプ及び/又は内容を判定し得る。例えば、検出された合併症が低リスクのアクション可能な重症度レベルと関連付けられていると判定されたときに、コンピューティングシステムは、患者と関連付けられたデバイスへのリアルタイム通知を生成し得る。検出された合併症が高リスクのアクション可能な重症度レベルと関連付けられていると判定されたときに、コンピューティングシステムは、患者と関連付けられたデバイス、及びHCPと関連付けられたデバイスへのリアルタイム通知を生成し得る。例えば、検出された合併症が低リスクのアクション可能な重症度レベルと関連付けられていると判定されたときに、コンピューティングシステムは、合併症の医学的名称、及び対応する閾値を超えた患者バイオマーカの医学的名称を示すリアルタイム通知を生成し得る。検出された合併症が高リスクのアクション可能な重症度レベルと関連付けられていると判定されたときに、コンピューティングシステムは、推奨されるアクションの方針を示すリアルタイム通知を生成し得る。
【0021】
術後子宮摘出合併症は、測定データに基づいて予測され得る。例えば、コンピューティングシステムは、患者が現在SSIを有していないが、患者が将来SSIを得る可能性が高いと予測し得る。
【0022】
1つ又は2つ以上の閾値は、各々の患者バイオマーカについて受信され得る。例えば、ウェアラブル感知システムは、コンピューティングシステムから、患者の体温、膣pH、尿pH、及び/又は、SSI検出のための他の患者バイオマーカと関連付けられたそれぞれの閾値を受信し得る。
【0023】
潜在的な術後子宮摘出合併症を検出するための要求は、受信され得る。例えば、ウェアラブル感知システムは、潜在的SSIを検出するための要求を受信し得る。コンピューティングシステムは、ウェアラブル感知システムによって監視されるべき患者バイオマーカと関連付けられた1つ又は2つ以上の閾値とともに、要求を送信し得る。例えば、コンピューティングシステムは、体温、膣pH、及び/又は尿pH閾値とともに、SSIを検出するための要求を送信し得る。
【0024】
患者バイオマーカに関連するデータは、測定され得る。例えば、ウェアラブル感知システムは、潜在的SSIを検出するために、患者の体温、膣pH、及び/又は尿pHに関連するデータを測定し得る。ウェアラブル感知システムは、患者バイオマーカに関連する測定データを、コンピューティングシステムから受信された対応する閾値と比較することによって、患者バイオマーカをリアルタイムで監視し得る。ウェアラブル感知システムは、1つ又は2つ以上の患者バイオマーカに関連する測定されたデータが、(例えば、所定の時間量にわたって)対応する閾値を超えるときに、潜在的な術後子宮摘出合併症を検出し得る。例えば、患者の体温、膣pH、及び/又は尿pHに関連する測定データが、患者と関連付けられたそれぞれの閾値を超えるときに、ウェアラブル感知システムは、SSI(例えば、潜在的なSSI)を検出し得る。
【0025】
検出された術後子宮摘出合併症と関連付けられた患者のアクション可能な重症度レベル、及び/又はHCPのアクション可能な重症度レベルは、判定され得る。例えば、ウェアラブル感知システムは、検出されたSSIと関連付けられた患者のアクション可能な重症度レベル、及び/又はHCPのアクション可能な重症度レベルを判定し得る。潜在的な術後子宮摘出合併症、及び関連付けられたアクション可能な重症度レベルを示す通知は、患者及び/又はHCPに送信され得る。例えば、ウェアラブル感知システムは、潜在的SSI及びSSIと関連付けられたアクション可能な重症度レベルを示すリアルタイム通知を、患者及び/又はHCPに送信し得る。リアルタイム通知は、検出された術後子宮摘出合併症と関連付けられた、医学的名称、医学的詳細(患者の名前、医療IDなど)、アクション可能な重症度レベル、及び/又は推奨されるアクションの方針を含み得る。
【0026】
ウェアラブル感知システムは、判定されたアクション可能な重症度レベルに基づいて、通知のタイプ及び/又は内容を判定し得る。例えば、検出された合併症が低リスク患者のアクション可能な重症度レベルと関連付けられていると判定されたときに、ウェアラブル感知システムは、患者と関連付けられたデバイスへのリアルタイム通知を生成し得る。検出された合併症が高リスク患者のアクション可能な重症度レベルと関連付けられていると判定されたときに、ウェアラブル感知システムは、患者と関連付けられたデバイス、及びHCPと関連付けられたデバイスへのリアルタイム通知を生成し得る。例えば、検出された合併症が、低リスク患者のアクション可能な重症度レベルと関連付けられていると判定されたときに、ウェアラブル感知システムは、合併症の医学的名称、及び対応する閾値を超えた患者バイオマーカの医学的名称を示すリアルタイム通知を生成し得る。検出された合併症が高リスク患者のアクション可能な重症度レベルと関連付けられると判定されたときに、ウェアラブル感知システムは、推奨されるアクションの方針を示すリアルタイム通知を生成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】コンピュータ実装患者及び外科医監視システムのブロック図である。
【
図1B】感知システムと、バイオマーカと、生理学的システムと、の間の例示的関係のブロック図である。
【
図2A】外科手術室における外科医監視システムの実施例を示す。
【
図2B】患者監視システム(例えば、制御された患者監視システム)の実施例を示す。
【
図2C】患者監視システム(例えば、制御されていない患者監視システム)の実施例を示す。
【
図3】様々なシステムと対にされた例示的な外科用ハブを例解する。
【
図4】一組の感知システム、環境感知システム、一組のデバイスなどと接続するように構成された一組の通信外科用ハブを有する外科用データネットワークを例解する。
【
図5】外科医監視システムの一部であり得る、例示的なコンピュータ実装双方向外科用システムを例解する。
【
図6A】モジュール式制御タワーに結合された複数のモジュールを備える例示的な外科用ハブを例解する。
【
図6B】制御された患者監視システムの実施例を例解する。
【
図6C】制御されていない患者監視システムの実施例を例解する。
【
図7A】外科用器具又はツールの制御システムの論理図を例解する。
【
図7B】センサユニット並びにデータ処理及び通信ユニットを有する例示的な感知システムを示す。
【
図7C】センサユニット並びにデータ処理及び通信ユニットを有する例示的な感知システムを示す。
【
図7D】センサユニット並びにデータ処理及び通信ユニットを有する例示的な感知システムを示す。
【
図8】外科医バイオマーカレベルに基づいて外科用デバイスの動作パラメータを調整することを示す、例解的な外科的手技の例示的なタイムラインを例解する。
【
図9】コンピュータ実装双方向外科医/患者監視システムのブロック図である。
【
図10】コントローラ及びモータを有するハンドルと、ハンドルに解放可能に結合されたアダプタと、アダプタに解放可能に結合された装填ユニットと、を含む、例示的な外科用システムを示す。
【
図11A】外科医バイオマーカ又は患者バイオマーカを監視するために使用され得る、感知システムの実施例を例解する。
【
図11B】外科医バイオマーカ又は患者バイオマーカを監視するために使用され得る、感知システムの実施例を例解する。
【
図11C】外科医バイオマーカ又は患者バイオマーカを監視するために使用され得る、感知システムの実施例を例解する。
【
図11D】外科医バイオマーカ又は患者バイオマーカを監視するために使用され得る、感知システムの実施例を例解する。
【
図12】患者監視システム又は外科医監視システムのブロック図である。
【
図13】例示的な術後子宮摘出合併症の予測又は検出を示す。
【
図14】例示的な術後子宮摘出合併症のウェアラブル予測又は検出を示す。
【
図15】例示的な術後子宮摘出合併症のウェアラブル予測又は検出を示す。
【
図16】術後子宮摘出合併症を予測又は検出するための下垂体に関連する例示的な患者バイオマーカを示す。
【
図17】術後子宮摘出合併症を予測又は検出するための生殖器系に関連する例示的な患者バイオマーカを示す。
【
図18A】術後子宮摘出合併症を検出するための例示的なウェアラブル感知システムを示す。
【
図18B】術後子宮摘出合併症を検出するための例示的なパッチ感知システムを示す。
【
図19】関連する患者バイオマーカと、子宮摘出手技工程との間の例示的な相関を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1Aは、コンピュータ実装患者及び外科医監視システム20000のブロック図である。患者及び外科医監視システム20000は、1つ又は2つ以上の外科医監視システム20002及び1つ又は2つ以上の患者監視システム(例えば、1つ又は2つ以上の制御された患者監視システム20003及び1つ又は2つ以上の制御されていない患者監視システム20004)を含み得る。各外科医監視システム20002は、コンピュータ実装双方向外科用システムを含み得る。各外科医監視システム20002は、例えば、
図2Aに記載されているように、クラウドコンピューティングシステム20008と通信状態にある外科用ハブ20006のうちの少なくとも1つを含み得る。患者監視システムの各々は、例えば、
図2B及び
図2Cで更に記載されているように、クラウドコンピューティングシステム20008と通信状態にある外科用ハブ20006又はコンピューティングデバイス20016のうちの少なくとも1つを含み得る。クラウドコンピューティングシステム20008は、少なくとも1つの遠隔クラウドサーバ20009及び少なくとも1つの遠隔クラウドストレージユニット20010を含み得る。外科医監視システム20002、制御された患者監視システム20003、又は制御されていない患者監視システム20004の各々は、ウェアラブル感知システム20011、環境感知システム20015、ロボットシステム20013、1つ又は2つ以上のインテリジェント器具20014、ヒューマンインターフェースシステム20012などを含み得る。ヒューマンインターフェースシステムは、本明細書ではヒューマンインターフェースデバイスとも称される。ウェアラブル感知システム20011は、1つ又は2つ以上の外科医感知システム、及び/又は1つ又は2つ以上の患者感知システムを含み得る。環境感知システム20015は、例えば、
図2Aで更に記載されているように、例えば、1つ又は2つ以上の環境属性を測定するために使用される、1つ又は2つ以上のデバイスを含み得る。ロボットシステム20013(
図2Aの20034と同じ)は、例えば、
図2Aで更に記載されているように、外科的手技を行うために使用される複数のデバイスを含み得る。
【0029】
外科用ハブ20006は、腹腔鏡スコープからの画像並びに1つ又は2つ以上の他のスマートデバイス及び1つ又は2つ以上の感知システム20011からの情報を表示する、より多くの手段のうちの1つとの協働的相互作用を有し得る。外科用ハブ20006は、1つ又は2つ以上の感知システム20011、1つ又は2つ以上のスマートデバイス、及び複数のディスプレイと相互作用し得る。外科用ハブ20006は、1つ又は2つ以上の感知システム20011から測定データを収集し、1つ又は2つ以上の感知システム20011に通知又は制御メッセージを送信するように構成され得る。外科用ハブ20006は、通知情報を含む情報をヒューマンインターフェースシステム20012に送信及び/又はヒューマンインターフェースシステム20012から受信し得る。ヒューマンインターフェースシステム20012は、1つ又は2つ以上のヒューマンインターフェースデバイス(human interface device、HID)を含み得る。外科用ハブ20006は、外科用ハブと通信状態にある種々のデバイスに情報を音再生、表示、及び/又は制御するために、通知情報又は制御情報を送信及び/又は受信し得る。
【0030】
図1Bは、感知システム20001、バイオマーカ20005、及び生理学的システム20007の間の例示的な関係のブロック図である。この関係は、コンピュータ実装患者及び外科医監視システム20000、並びに本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び方法において採用され得る。例えば、感知システム20001は、
図1Aで考察されるように、ウェアラブル感知システム20011(1つ又は2つ以上の外科医感知システム及び1つ又は2つ以上の患者感知システムを含み得る)及び環境感知システム20015を含み得る。1つ又は2つ以上の感知システム20001は、様々なバイオマーカ20005に関するデータを測定し得る。1つ又は2つ以上の感知システム20001は、1つ又は2つ以上のセンサ、例えば、光センサ(例えば、フォトダイオード、フォトレジスタ)、機械センサ(例えば、動きセンサ)、音響センサ、電気センサ、電気化学センサ、熱電センサ、赤外線センサなどを使用して、バイオマーカ20005を測定し得る。1つ又は2つ以上のセンサは、フォトプレチスモグラフィ、心電図検査、脳波検査、比色分析、インペディメンタリ(impedimentary)、電位差測定、電流測定などの感知技術のうちの1つ又は2つ以上を使用して、本明細書に記載されるように、バイオマーカ20005を測定し得る。
【0031】
1つ又は2つ以上の感知システム20001によって測定されるバイオマーカ20005は、睡眠、中枢温、最大酸素消費量、身体活動、アルコール消費量、呼吸数、酸素飽和度、血圧、血糖、心拍数変動性、水素の血液電位、補水状態、心拍数、皮膚コンダクタンス、末梢温、組織灌流圧力、咳嗽及びくしゃみ、胃腸運動、胃腸管撮像、気道細菌、浮腫、精神的態様、汗、循環腫瘍細胞、自律神経緊張、概日リズム、及び/又は月経周期を含み得るが、それらに限定されない。
【0032】
バイオマーカ20005は、行動及び心理学、心血管系、腎臓系、皮膚系、神経系、胃腸系、呼吸器系、内分泌系、免疫系、腫瘍、筋骨格系、及び/又は生殖器系を含み得るが、これらに限定されない生理学的システム20007に関連し得る。バイオマーカからの情報は、例えば、コンピュータ実装患者及び外科医監視システム20000によって判定及び/又は使用され得る。バイオマーカからの情報は、コンピュータ実装患者及び外科医監視システム20000によって判定及び/又は使用されて、例えば、当該システムを改善し、及び/又は患者転帰を改善し得る。
【0033】
1つ又は2つ以上の感知システム20001、バイオマーカ20005、及び生理学的システム20007は、以下でより詳細に説明される。
【0034】
睡眠感知システムは、心拍数、呼吸数、体温、動き、及び/又は脳信号を含む睡眠データを測定し得る。睡眠感知システムは、光電式容積脈波(photoplethysmogram、PPG)、心電図(electrocardiogram、ECG)、マイクロフォン、温度計、加速度計、脳波(electroencephalogram、EEG)、及び/又は等価物を使用して睡眠データを測定し得る。睡眠感知システムは、リストバンドなどのウェアラブルデバイスを含み得る。
【0035】
測定された睡眠データに基づいて、睡眠感知システムは、睡眠バイオマーカを検出し得、睡眠バイオマーカとしては、熟睡量化子、レム睡眠量化子、睡眠の乱れ量化子、及び/又は睡眠持続時間が挙げられるが、これらに限定されない。睡眠感知システムは、測定された睡眠データを処理ユニットに伝送し得る。睡眠感知システム及び/又は処理ユニットは、感知システムが、心拍数の低減、呼吸数の低減、体温の低減、及び/又は動きの低減を含む睡眠データを感知するときに、深い睡眠を検出し得る。睡眠感知システムは、検出された睡眠生理に基づいて、睡眠品質スコアを生成し得る。
【0036】
実施例では、睡眠感知システムは、睡眠品質スコアを外科用ハブなどのコンピューティングシステムに送信し得る。実施例では、睡眠感知システムは、検出された睡眠バイオマーカを外科用ハブなどのコンピューティングシステムに送信し得る。実施例では、睡眠感知システムは、測定された睡眠データを外科用ハブなどのコンピューティングシステムに送信し得る。コンピューティングシステムは、受信された測定データに基づいて睡眠生理を導出し、熟睡量化子などの1つ又は2つ以上の睡眠バイオマーカを生成し得る。コンピューティングシステムは、睡眠バイオマーカに基づいて、疼痛管理戦略を含む治療計画を生成し得る。外科用ハブは、睡眠バイオマーカに基づいて、全身性炎症及び/又は免疫機能の低下を含む潜在的なリスク因子又は状態を検出し得る。
【0037】
中枢温感知システムは、温度、放出された周波数スペクトル、及び/又は等価物を含む体温データを測定し得る。中枢温感知システムは、体温計及び/又は無線遠隔測定のいくつかの組み合わせを使用して体温データを測定し得る。中枢温感知システムは、消化管の温度を測定する摂取可能温度計を含み得る。摂取可能温度計は、測定された温度データを、ワイヤレスで伝送し得る。中枢温感知システムは、身体放射スペクトルを測定するウェアラブルアンテナを含み得る。中枢温感知システムは、身体放射スペクトルを測定するウェアラブルパッチを含み得る。
【0038】
中枢温感知システムは、体温データを使用して体温を算出し得る。中枢温感知システムは、算出された体温を監視デバイスに伝送し得る。監視デバイスは、中枢温データを経時的に追跡し、それをユーザに表示し得る。
【0039】
中枢温感知システムは、中枢温データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニット及び/若しくはコンピューティングシステムに送信し得る。測定された温度データに基づいて、中枢温感知システムは、異常温度、特性変動、感染、月経周期、気候、身体活動、及び/又は睡眠を含む、体温関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を検出し得る。
【0040】
例えば、中枢温感知システムは、温度が36.5℃~37.5℃の範囲外であることに基づいて、異常温度を検出し得る。例えば、中枢温感知システムは、ある特定の温度変動に基づいて、及び/又は中枢温が異常なレベルに達したときに、術後感染又は敗血症を検出し得る。例えば、中枢温感知システムは、中枢温の測定された変動を使用して身体活動を検出し得る。
【0041】
例えば、体温感知システムは、中枢温データを検出し、測定された周囲温度に一致して体温を上昇又は低下させるために、冷却又は加熱要素を放出するように感知システムをトリガし得る。
【0042】
実施例では、体温感知システムは、体温関連バイオマーカを、外科用ハブなどのコンピューティングシステムに送信し得る。実施例では、体温感知システムは、測定された体温データをコンピューティングシステムに送信し得る。コンピュータシステムは、受信された体温データに基づいて、体温関連バイオマーカを導出し得る。
【0043】
最大酸素消費量(VO2最大)感知システムは、酸素摂取量、心拍数、及び/又は移動速度を含むVO2最大データを測定し得る。VO2最大感知システムは、走行及び/又は歩行を含む身体活動中にVO2最大データを測定することができる。VO2最大感知システムは、ウェアラブルデバイスを含み得る。VO2最大感知システムは、VO2最大データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニット及び/又はコンピューティングシステムに伝送し得る。
【0044】
測定されたVO2最大データに基づいて、感知システム及び/又はコンピューティングシステムは、VO2最大量化子、VO2最大スコア、身体活動、及び/又は身体活動の強度を含むバイオマーカを導出、検出、及び/又は算出し得る。VO2最大感知システムは、正確なVO2最大情報を算出するために、正しい時間セグメントの間に正しいVO2最大データ測定値を選択し得る。VO2最大情報に基づいて、感知システムは、支配的な心臓、血管、及び/又は呼吸制限因子を検出することができる。VO2最大情報に基づいて、手術における有害な心血管イベント及び/又は院内罹患のリスク増加を含むリスクを予測され得る。例えば、算出されたVO2最大量化子が、18.2ml kg-1 min-1などの特定の閾値を下回るときに、院内罹患のリスクの増加が検出され得る。
【0045】
実施例では、VO2最大感知システムは、VO2最大関連バイオマーカを外科用ハブなどのコンピューティングシステムに送信し得る。実施例では、VO2最大感知システムは、測定されたVO2最大データをコンピューティングシステムに送信し得る。コンピュータシステムは、受信されたVO2最大データに基づいてVO2最大関連バイオマーカを導出し得る。
【0046】
身体活動感知システムは、心拍数、運動、場所、姿勢、運動範囲、移動速度、及び/又は歩調を含む、身体活動データを測定し得る。身体活動感知システムは、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ、グローバルポジショニングシステム(global positioning system、GPS)、PPG、及び/又はECGを含む身体活動データを測定することができる。身体活動感知システムは、ウェアラブルデバイスを含み得る。身体活動ウェアラブルデバイスは、ウォッチ、リストバンド、ベスト、手袋、ベルト、ヘッドバンド、靴、及び/又は衣類を含み得るが、これらに限定されない。身体活動感知システムは、身体活動データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニット及び/又はコンピューティングシステムに伝送し得る。
【0047】
測定された身体活動データに基づいて、身体活動感知システムは、エクササイズ活動、身体活動の強度、身体活動の頻度、及び/又は身体活動の持続時間を含むが、これらに限定されない、身体活動に関連するバイオマーカを検出することができる。身体活動感知システムは、身体活動の情報に基づいて、身体活動の概要を生成することができる。
【0048】
例えば、身体活動感知システムは、身体活動情報をコンピューティングシステムに送信し得る。例えば、身体活動感知システムは、測定データをコンピューティングシステムに送信し得る。コンピューティングシステムは、身体活動情報に基づいて、活動概要、訓練計画、及び/又は回復計画を生成し得る。コンピューティングシステムは、身体活動の情報をユーザプロファイルに記憶することができる。コンピューティングシステムは、身体活動の情報をグラフで表示することができる。コンピューティングシステムは、特定の身体活動の情報を選択し、情報を一緒に又は別々に表示することができる。
【0049】
アルコール消費感知システムは、アルコール及び/又は汗を含むアルコール消費データを測定し得る。アルコール消費感知システムは、汗を測定するためにポンプを使用し得る。ポンプは、汗中のアルコールの存在を検出するために、エタノールと反応する燃料セルを使用し得る。アルコール消費感知システムは、ウェアラブルデバイス、例えば、リストバンドを含み得る。アルコール消費感知システムは、アルコール及び/又は汗を測定するためにマイクロ流体アプリケーションを使用し得る。マイクロ流体アプリケーションは、市販のエタノールセンサを用いて、汗刺激及びウィッキングを使用してアルコール消費データを測定し得る。アルコール消費感知システムは、皮膚に接着するウェアラブルパッチを含み得る。アルコール消費感知システムは、酒気検知器を含み得る。感知システムは、アルコール消費データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニット及び/若しくはコンピューティングシステムに伝送し得る。
【0050】
測定されたアルコール消費データに基づいて、感知システムは、血中アルコール濃度を算出し得る。感知システムは、アルコール消費状態及び/又はリスク因子を検出し得る。感知システムは、免疫能力の低下、心不全、及び/又は不整脈を含む、アルコール消費関連バイオマーカを検出し得る。患者が1日当たり3つ又はそれ以上のアルコール単位を消費する場合、免疫能力の低下が生じ得る。感知システムは、感染、心肺合併症、及び/又は出血症状を含む、術後合併症のリスク因子を検出し得る。医療提供者は、例えば、外科手術後のケア中に行われる決定及び予防措置に影響を及ぼすために、外科手術後又は外科手術後の合併症を予測又は検出するための検出されたリスク因子を使用し得る。
【0051】
実施例では、アルコール消費感知システムは、アルコール消費関連バイオマーカを、外科用ハブなどのコンピューティングシステムに送信し得る。実施例では、アルコール消費感知システムは、測定されたアルコール消費データをコンピューティングシステムに送信し得る。コンピュータシステムは、受信されたアルコール消費データに基づいてアルコール消費関連バイオマーカを導出し得る。
【0052】
呼吸感知システムは、吸気、呼気、胸腔の動き、及び/又は気流を含む呼吸数データを測定し得る。呼吸感知システムは、呼吸数データを機械的及び/又は音響的に測定し得る。呼吸感知システムは、人工呼吸器を使用して呼吸数データを測定し得る。呼吸感知システムは、胸腔の動きを検出することによって、呼吸データを機械的に測定することができる。胸の上の2つ又はそれ以上の適用された電極は、電極間の距離の変化を測定して、息の間の胸腔の拡張及び収縮を検出することができる。呼吸感知システムは、ウェアラブル皮膚パッチを含み得る。呼吸感知システムは、マイクロフォンを使用して気流音を記録し、呼吸データを音響的に測定することができる。呼吸感知システムは、呼吸データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニット及び/若しくはコンピューティングシステムに伝送し得る。
【0053】
測定された呼吸データに基づいて、呼吸感知システムは、息の頻度、息のパターン、及び/又は息の深さを含む、呼吸に関連するバイオマーカを生成することができる。呼吸数データに基づいて、呼吸感知システムは、呼吸品質スコアを生成することができる。
【0054】
呼吸数データに基づいて、呼吸感知システムは、不規則な呼吸、疼痛、空気漏れ、虚脱した肺、肺組織及び強度、及び/又はショックを含む呼吸関連バイオマーカを検出し得る。例えば、呼吸感知システムは、息の頻度、息のパターン、及び/又は息の深度の変化に基づいて、不規則性を検出し得る。例えば、呼吸感知システムは、短く鋭い呼吸に基づいて、術後疼痛を検出し得る。例えば、呼吸感知システムは、吸気と呼気との間の体積差に基づいて、空気漏れを検出し得る。例えば、呼吸感知システムは、定体積吸入と組み合わされた息の頻度の増加に基づいて、虚脱した肺を検出し得る。例えば、呼吸感知システムは、2を超える標準偏差を含む呼吸数の増加に基づいて、全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome、SIRS)を含む肺組織の強度及びショックを検出し得る。実施例では、本明細書に記載される検出は、呼吸感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0055】
酸素飽和度感知システムは、光吸収、光透過、及び/又は光反射率を含む酸素飽和度データを測定し得る。酸素飽和度感知システムは、パルスオキシメトリを使用し得る。例えば、酸素飽和度感知システムは、脱酸素化及び酸素化ヘモグロビンの吸収スペクトルを測定することによって、パルスオキシメトリを使用し得る。酸素飽和度感知システムは、所定の波長を有する1つ又は2つ以上の発光ダイオード(light-emitting diode、LED)を含み得る。LEDは、ヘモグロビンに光を当て得る。酸素飽和度感知システムは、ヘモグロビンによって吸収される充てられた光の量を測定し得る。酸素飽和度感知システムは、当てられた光波長からの透過光及び/又は反射光の量を測定し得る。酸素飽和度感知システムは、イヤフォン及び/又はウォッチを含むウェアラブルデバイスを含み得る。酸素飽和度感知システムは、測定された酸素飽和度データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニット及び/又はコンピューティングシステムに伝送し得る。
【0056】
酸素飽和度データに基づいて、酸素飽和度感知システムは、末梢血酸素飽和度(SpO2)、ヘモグロビン酸素濃度、及び/又は酸素飽和度の変化を含む酸素飽和度関連バイオマーカを算出し得る。例えば、酸素飽和度感知システムは、当てられた各光波長の測定された吸光度の比を使用してSpO2を算出し得る。
【0057】
酸素飽和度データに基づいて、酸素飽和度感知システムは、心胸郭機能、せん妄、虚脱した肺、及び/又は回復速度を含む、酸素飽和度関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を予測し得る。例えば、酸素飽和度感知システムは、感知システムが59.5%未満の術前SpO2値を測定するとき、術後せん妄を検出し得る。例えば、酸素飽和度感知システムは、術後の患者の回復を監視するのに役立ち得る。低いSpO2は、低い酸素が、細胞が生成することができるエネルギーの量を低減させ得るため、組織の修復能力を低減させ得る。例えば、酸素飽和度感知システムは、低い術後酸素飽和度に基づいて虚脱した肺を検出し得る。実施例において、本明細書に記載される検出は、酸素飽和度感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0058】
血圧感知システムは、血管直径、組織体積、及び/又は脈波伝播時間を含む血圧データを測定し得る。血圧感知システムは、オシロメトリック測定、超音波パッチ、フォトプレチスモグラフィ、及び/又は動脈トノメトリを使用して、血圧データを測定することができる。フォトプレチスモグラフィを使用する血圧感知システムは、光学エミッタからの当てられた光によって散乱された光を感知するフォトディテクタを含み得る。動脈トノメトリを使用する血圧感知システムは、動脈壁の扁平化を使用し得る。血圧感知システムは、膨張式カフ、リストバンド、ウォッチ、及び/又は超音波パッチを含み得る。
【0059】
測定された血圧データに基づいて、血圧感知システムは、収縮期血圧、拡張期血圧、及び/又は脈波伝達時間を含む、血圧に関連するバイオマーカを定量化することができる。血圧感知システムは、異常血圧などの血圧関連状態を検出するために、血圧関連バイオマーカを使用し得る。血圧感知システムは、測定された収縮期血圧及び拡張期血圧が90/60~120-90(収縮期/拡張期)の範囲外にあるとき、異常血圧を検出し得る。例えば、血圧感知システムは、測定された低い血圧に基づいて、術後の敗血症ショック又は血液量減少性ショックを検出し得る。例えば、血圧感知システムは、検出された高血圧に基づいて、浮腫のリスクを検出し得る。血圧感知システムは、測定された血圧データに基づいて、高調波シールの必要とされるシール強度を予測し得る。より高い血圧は、破裂を克服するためにより強力なシールを必要とし得る。血圧感知システムは、血圧情報をローカルに表示するか、又はデータをシステムに伝送し得る。感知システムは、ある期間にわたる血圧情報をグラフィカルに表示し得る。
【0060】
血圧感知システムは、血圧データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニット及び/若しくはコンピューティングシステムに伝送し得る。実施例では、本明細書に記載される検出、予測及び/又は判定は、血圧感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0061】
血糖感知システムは、血液グルコースレベル及び/又は組織グルコースレベルを含む血糖データを測定し得る。血糖感知システムは、非侵襲的に血糖データを測定し得る。血糖感知システムは、耳たぶクリップを使用し得る。血糖感知システムは、血糖データを表示し得る。
【0062】
測定された血糖データに基づいて、血糖感知システムは、血糖不規則性を推測し得る。血糖不規則性は、正常に発生する値のある特定の閾値から外れる血糖値を含み得る。正常な血糖値は、空腹時に70~120mg/dLの範囲を含み得る。正常な血糖値は、非空腹時に90~160mg/dLの範囲を含み得る。
【0063】
例えば、血糖感知システムは、血糖値が50mg/dL未満に低下するときに、低い空腹時血糖レベルを検出し得る。例えば、血糖値感知システムは、血糖値が315mg/dLを超過するときに、高い空腹時血糖レベルを検出し得る。測定された血糖値に基づいて、血糖感知システムは、糖尿病関連末梢動脈疾患、ストレス、動揺、血流低下、感染のリスク、及び/及び回復時間の短縮を含む、血糖関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を検出し得る。
【0064】
血糖感知システムは、血糖データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニット及び/若しくはコンピューティングシステムに伝送し得る。実施例では、本明細書に記載される検出、予測及び/又は判定は、血糖感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0065】
心拍数変動性(heart rate variability、HRV)感知システムは、心拍及び/又は連続する心拍間の持続時間を含むHRVデータを測定し得る。HRV感知システムは、HRVデータを電気的又は光学的に測定することができる。HRV感知システムは、ECGトレースを使用して電気的に心拍数変動性データを測定することができる。HRV感知システムは、ECGトレースを使用して、QRS群におけるRピーク間の期間の変動を測定することができる。HRV感知システムは、PPGトレースを使用して、心拍数変動性を光学的に測定することができる。HRV感知システムは、PPGトレースを使用して、心拍間隔の期間の変動を測定することができる。HRV感知システムは、設定された時間間隔にわたってHRVデータを測定することができる。HRV感知システムは、リング、ウォッチ、リストバンド、及び/又はパッチを含む、ウェアラブルデバイスを含み得る。
【0066】
HRVデータに基づいて、HRV感知システムは、心血管の健康状態、HRVの変化、月経周期、食事監視、不安レベル、及び/又は身体活動を含む、HRV関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を検出し得る。例えば、HRV感知システムは、高いHRVに基づいて、高い心血管の健康状態を検出することができる。例えば、HRV感知システムは、術前ストレスを予測し、術前ストレスを使用して術後疼痛を予測し得る。例えば、HRV感知システムは、HRVの減少に基づいて術後感染又は敗血症を示し得る。
【0067】
HRV感知システムは、HRVデータをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニット及び/若しくはコンピューティングシステムに伝送し得る。実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、HRV感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0068】
水素電位(potential of hydrogen、pH)感知システムは、血液pH及び/又は汗pHを含むpHデータを測定し得る。pH感知システムは、侵襲的及び/又は非侵襲的にpHデータを測定し得る。pH感知システムは、マイクロ流体回路内で比色法及びpH感受性色素を使用して、pHデータを非侵襲的に測定し得る。比色法では、pH感受性色素は汗のpHに応答して色を変化させ得る。pH感知システムは、光学分光法を使用してpHを測定し、pH感受性色素の色変化をpH値に一致させ得る。pH感知システムは、ウェアラブルパッチを含み得る。pH感知システムは、身体活動中にpHデータを測定し得る。
【0069】
測定されたpHデータに基づいて、pH感知システムは、正常血液pH、異常血液pH、及び/又は酸性血液pHを含む、pH関連バイオマーカを検出し得る。pH感知システムは、測定されたpHデータを標準pHスケールと比較することによって、pH関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を検出し得る。標準pHスケールは、7.35~7.45の値を含む健康なpH範囲を識別し得る。
【0070】
pH感知システムは、術後内出血、アシドーシス、敗血症、肺虚脱、及び/又は出血を含むpH状態を示すために、pH関連バイオマーカを使用し得る。例えば、pH感知システムは、術前の酸性血液pHに基づいて術後の内出血を予測し得る。酸性血液は、トロンビン生成を阻害することによって血液凝固能力を低下させ得る。例えば、pH感知システムは、酸性pHに基づいて敗血症及び/又は出血を予測し得る。乳酸アシドーシスは、酸性pHを引き起こし得る。pH感知システムは、アシドーシスが運動中にのみ起こり得るため、血液pHデータを連続的に監視し得る。
【0071】
pH感知システムは、pHデータをローカルに処理するか、又はpHデータを処理ユニット及び/若しくはコンピューティングシステムに伝送し得る。実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、pH感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0072】
補水状態感知システムは、水光吸収、水光反射、及び/又は汗レベルを含む補水データを測定し得る。補水状態感知システムは、光学分光法又は汗ベースの比色分析を使用し得る。補水状態感知システムは、放射光を皮膚に当て、反射光を測定することによって、光学分光法を使用し得る。光学分光法は、1720nm、1750nm、及び/又は1770nmを含む、ある波長からの反射光の振幅を測定することによって、含水量を測定し得る。補水状態感知システムは、皮膚に光を当て得るウェアラブルデバイスを含み得る。ウェアラブルデバイスは、ウォッチを含み得る。補水状態感知システムは、汗レベルを測定するために、汗ベースの比色分析を使用し得る。汗ベースの比色分析は、ユーザ活動データ及び/又はユーザ水分摂取データと併せて処理され得る。
【0073】
補水データに基づいて、補水状態感知システムは、含水量を検出し得る。含水量に基づいて、補水状態感知システムは、脱水症、腎損傷のリスク、血流の低減、術中若しくは術後の血液量減少性ショックのリスク、及び/又は血液量の低減を含む、補水に関連するバイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を識別し得る。
【0074】
例えば、補水状態感知システムは、識別された補水に基づいて、健康リスクを検出し得る。脱水は、健康全般に悪影響を及ぼし得る。例えば、補水状態感知システムは、低い補水レベルから生じる血流の低減を検出したときに、術後急性腎損傷のリスクを予測し得る。例えば、補水状態感知システムは、感知システムが脱水又は血液量の減少を検出したときに、術中又は術後の血液量減少性ショックのリスクを算出し得る。補水状態感知システムは、心拍数を含み得る他の受信されたバイオマーカデータのためのコンテキストを提供するために、補水レベル情報を使用し得る。補水状態感知システムは、補水状態データを連続的に測定し得る。連続測定は、補水状態データに影響を及ぼし得る、運動、流体摂取、及び/又は温度を含む、様々な要因を考慮し得る。
【0075】
補水状態感知システムは、補水データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニット及び/若しくはコンピューティングシステムに伝送し得る。実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、補水状態感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0076】
心拍数感知システムは、心腔拡張、心腔収縮、及び/又は反射光を含む心拍数データを測定し得る。心拍数感知システムは、心拍数データを測定するために、ECG及び/又はPPGを使用し得る。例えば、ECGを使用する心拍数感知システムは、無線送信器、受信器、及び1つ又は2つ以上の電極を含み得る。無線送信器及び受信器は、心室の拡張及び収縮から生じる、皮膚上に位置決めされた電極間の電圧を記録し得る。心拍数感知システムは、測定された電圧を使用して心拍数を算出し得る。例えば、PPGを使用する心拍数感知システムは、皮膚上に緑色の光を当て、反射光をフォトディテクタに記録し得る。心拍数感知システムは、ある期間にわたって血液によって吸収された、測定された光を使用して、心拍数を算出し得る。心拍数感知システムは、ウォッチ、ウェアラブル弾性バンド、皮膚パッチ、ブレスレット、衣類、リストストラップ、イヤフォン、及び/又はヘッドバンドを含み得る。例えば、心拍数感知システムは、ウェアラブル胸部パッチを含み得る。ウェアラブル胸部パッチは、心拍数データ、並びに呼吸数、皮膚温度、身体姿勢、転倒検出、単一リードECG、R-R間隔、及び歩数を含む他のバイタルサイン又はクリティカルデータを測定し得る。ウェアラブル胸部パッチは、心拍数データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニットに伝送し得る。処理ユニットは、ディスプレイを含み得る。
【0077】
測定された心拍数データに基づいて、心拍数感知システムは、心拍数、心拍数変動性、及び/又は平均心拍数を含む、心拍数に関連するバイオマーカを算出し得る。心拍数データに基づいて、心拍数感知システムは、ストレス、疼痛、感染、及び/又は敗血症を含む、バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を検出し得る。心拍数感知システムは、心拍数が正常閾値を超過するときに、心拍数状態を検出し得る。心拍数の正常な閾値は、毎分60~100回の心拍の範囲を含み得る。心拍数感知システムは、90拍/分を超える心拍数を含む、心拍数の増加に基づいて、術後感染、敗血症、又は血液量減少性ショックを診断し得る。
【0078】
心拍数感知システムは、心拍数データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニット及び/若しくはコンピューティングシステムに伝送し得る。実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、心拍数感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。心拍数感知システムは、心拍数情報を外科用ハブなどのコンピューティングシステムに伝送し得る。コンピューティングシステムは、心拍数、呼吸、体温、血圧、不整脈、及び/又は心房細動を含む心血管パラメータ情報を収集し、表示し得る。心血管パラメータ情報に基づいて、コンピューティングシステムは、心血管の健康状態スコアを生成し得る。
【0079】
皮膚コンダクタンス感知システムは、導電率を含む皮膚コンダクタンスデータを測定し得る。皮膚コンダクタンス感知システムは、1つ又は2つ以上の電極を含み得る。皮膚コンダクタンス感知システムは、電極間に電圧を適用することによって電気伝導率を測定し得る。電極は、銀又は塩化銀を含み得る。皮膚コンダクタンス感知システムは、1つ又は2つ以上の指の上に配置され得る。例えば、皮膚コンダクタンス感知システムは、ウェアラブルデバイスを含み得る。ウェアラブルデバイスは、1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。ウェアラブルデバイスは、1つ又は2つ以上の指に取り付け得る。皮膚コンダクタンスデータは、汗レベルに基づいて変動し得る。
【0080】
皮膚コンダクタンス感知システムは、皮膚コンダクタンスデータをローカルに処理するか、又はデータをコンピューティングシステムに伝送し得る。皮膚コンダクタンスデータに基づいて、皮膚コンダクタンス感知システムは、交感神経活動レベルを含む皮膚コンダクタンス関連バイオマーカを算出し得る。例えば、皮膚コンダクタンス感知システムは、高い皮膚コンダクタンスに基づいて、高い交感神経活動レベルを検出し得る。
【0081】
末梢温感知システムは、四肢温度を含む末梢温データを測定し得る。末梢温感知システムは、末梢温データを測定するために、温度計、熱電効果、又は赤外線温度計を含み得る。例えば、サーミスタを使用する末梢温感知システムは、サーミスタの抵抗を測定し得る。抵抗は、温度の関数として変動し得る。例えば、熱電効果を利用した末梢温感知システムは、出力電圧を測定し得る。出力電圧は、温度の関数として増加し得る。例えば、赤外線温度計を使用する末梢温感知システムは、身体の黒体放射から放出される放射線の強度を測定し得る。放射線の強度は、温度の関数として増加し得る。
【0082】
末梢温データに基づいて、末梢温感知システムは、基礎体温、四肢皮膚温度、及び/又は末梢温のパターンを含む、末梢温関連バイオマーカを判定し得る。末梢温データに基づいて、末梢温感知システムは、糖尿病を含む状態を検出し得る。
【0083】
末梢温感知システムは、末梢温データ及び/若しくはバイオマーカをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニットに伝送し得る。例えば、末梢温感知システムは、末梢温データ及び/又はバイオマーカを外科用ハブなどのコンピューティングシステムに送信し得る。コンピューティングシステムは、中枢温、睡眠、及び月経周期を含む、他のバイオマーカを用いて、末梢温情報を分析し得る。例えば、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、末梢温感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0084】
組織灌流圧力感知システムは、皮膚灌流圧力を含む組織灌流圧力データを測定し得る。組織灌流感知システムは、組織灌流圧力データを測定するために光学的方法を使用し得る。例えば、組織灌流感知システムは、血流の変化を検出するために、皮膚を照明し、かつ透過及び反射される光を測定し得る。組織灌流感知システムは、閉塞を適用し得る。例えば、組織灌流感知システムは、閉塞後に血流を回復するために使用される測定された圧力に基づいて、皮膚灌流圧力を判定し得る。組織灌流感知システムは、歪みゲージ又はレーザドップラ流量計を使用して、閉塞後に血流を回復させるために圧力を測定し得る。血液の動きによって引き起こされる光の周波数の測定される変化は、赤血球の数及び速度と直接相関し得、組織灌流圧力感知システムは、それを使用して圧力を算出し得る。組織灌流圧力感知システムは、術中に組織弁を監視して、組織灌流圧力データを測定し得る。
【0085】
測定された組織灌流圧力データに基づいて、組織灌流圧力感知システムは、血液量減少、内出血、及び/又は組織機械的特性を含む、組織灌流圧力関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を検出し得る。例えば、組織灌流圧力感知システムは、灌流圧力の低下に基づいて血液量減少及び/又は内出血を検出し得る。測定された組織灌流圧力データに基づいて、組織灌流圧力感知システムは、外科用ツールパラメータ及び/又は医療手技を通知し得る。例えば、組織灌流圧力感知システムは、組織灌流圧力データを使用して組織機械的特性を判定し得る。判定された機械的特性に基づいて、感知システムは、ステープル留め手技及び/又はステープル留めツールパラメータ調整を生成し得る。判定された機械的特性に基づいて、感知システムは、切開手技を通知し得る。測定された組織灌流圧力データに基づいて、組織灌流圧力感知システムは、灌流の全体的妥当性に関するスコアを生成し得る。
【0086】
組織灌流圧力感知システムは、組織灌流圧力データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニット及び/若しくはコンピューティングシステムに伝送し得る。実施例では、本明細書に記載される検出、予測、判定、及び/又は生成は、組織灌流圧力感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0087】
咳嗽及びくしゃみ感知システムは、咳嗽、くしゃみ、動き、及び音を含む、咳嗽及びくしゃみデータを測定し得る。咳嗽及びくしゃみ感知システムは、ユーザが咳嗽又はくしゃみをしている間に口を覆っていることから生じ得る手又は身体の動きを追跡し得る。感知システムは、加速度計及び/又はマイクロフォンを含み得る。感知システムは、ウェアラブルデバイスを含み得る。ウェアラブルデバイスは、ウォッチを含み得る。
【0088】
咳嗽及びくしゃみデータに基づいて、感知システムは、咳嗽及びくしゃみ関連バイオマーカを検出し得、咳嗽及びくしゃみ関連バイオマーカには、咳嗽頻度、くしゃみ頻度、咳嗽重症度、及び/又はくしゃみ重症度が含まれるが、それらに限定されない。感知システムは、咳嗽及びくしゃみ情報を使用して、咳嗽及びくしゃみベースラインを確立し得る。咳嗽及びくしゃみ感知システムは、咳嗽及びくしゃみデータをローカルに処理するか、又はデータをコンピューティングシステムに伝送し得る。
【0089】
咳嗽及びくしゃみデータに基づいて、感知システムは、気道感染、感染、虚脱した肺、肺水腫、胃食道逆流疾患、アレルギー鼻炎、及び/又は全身性炎症を含む、咳嗽及びくしゃみに関連するバイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を検出し得る。例えば、咳嗽及びくしゃみ感知システムは、感知システムが慢性咳嗽を測定するとき、胃食道逆流性疾患を示し得る。慢性咳嗽は、下部食道の炎症をもたらし得る。下部食道炎症は、スリーブ状胃切除術のための胃組織の特性に影響を及ぼし得る。例えば、咳嗽及びくしゃみ感知システムは、くしゃみに基づいて、アレルギー性鼻炎を検出し得る。くしゃみは、全身性炎症にリンクし得る。全身性炎症は、肺及び/又は他の組織の機械的特性に影響を及ぼし得る。実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、咳嗽及びくしゃみ感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0090】
胃腸(gastrointestinal、GI)運動性感知システムは、pH、温度、圧力、及び/又は胃収縮を含むGI運動データを測定し得る。GI運動性感知システムは、胃筋電図検査法、胃腸筋電図検査法、聴診器、及び/又は超音波を使用し得る。GI運動性感知システムは、非消化性カプセルを含み得る。例えば、摂取可能感知システムは、胃の内層に接着し得る。摂取可能感知システムは、変形されると電圧を生成する圧電デバイスを使用して、収縮を測定し得る。
【0091】
GIデータに基づいて、感知システムは、胃、小腸、及び/又は結腸通過時間を含む、GI運動性関連バイオマーカを算出し得る。胃腸運動性情報に基づいて、感知システムは、腸閉塞を含むGI運動性関連状態を検出し得る。GI運動性感知システムは、小腸運動性の低下に基づいて、腸閉塞を検出し得る。GI運動性感知システムは、GI運動性状態を検出するときに、医療専門家に通知し得る。GI運動性感知システムは、GI運動性データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニットに伝送し得る。実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、GI運動性感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0092】
GI管撮像/感知システムは、患者の結腸の画像を収集し得る。GI管撮像/感知システムは、摂取可能ワイヤレスカメラ及び受信器を含み得る。GI管撮像/感知システムは、1つ又は2つ以上の白色LED、バッテリ、無線送信器、及びアンテナを含み得る。摂取可能カメラは、ピルを含み得る。摂取可能カメラは、消化管を通って進行し、結腸の写真を撮影し得る。摂取可能カメラは、動機の間に最大35フレーム/秒の写真を撮影し得る。摂取可能カメラは、写真を受信器に伝送し得る。受信器は、ウェアラブルデバイスを含み得る。GI管撮像/感知システムは、画像をローカルに処理するか、又は画像を処理ユニットに伝送し得る。医師は、診断を行うために生画像を見得る。
【0093】
GI管画像に基づいて、GI管撮像感知システムは、胃組織の機械的特性又は結腸組織の機械的特性を含むGI管関連バイオマーカを識別し得る。収集された画像に基づいて、GI管撮像感知システムは、粘膜炎症、クローン病、吻合部漏出、食道炎症、及び/若しくは胃炎症を含む、GI管関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を検出し得る。GI管撮像/感知システムは、画像分析ソフトウェアを使用して医師の診断を再現し得る。GI管撮像/感知システムは、画像をローカルに処理するか、又はデータを処理ユニットに伝送し得る。実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、GI管撮像/感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0094】
気道細菌感知システムは、外来DNA又は細菌を含む細菌データを測定し得る。気道細菌感知システムは、無線周波数識別(radio frequency identification、RFID)タグ及び/又は電子鼻(eノーズ)を使用し得る。RFIDタグを使用する感知システムは、1つ又は2つ以上の金電極、グラフェンセンサ、及び/又はペプチドの層を含み得る。RFIDタグは細菌に結び付き得る。細菌がRFIDタグに結び付くときに、グラフェンセンサは、細菌の信号対信号の存在の変化を検出し得る。RFIDタグはインプラントを含み得る。インプラントは、歯に接着し得る。インプラントは、細菌データを伝送し得る。感知システムは、細菌データを測定するために、携帯型eノーズを使用し得る。
【0095】
測定された細菌データに基づいて、気道細菌感知システムは、細菌レベルを含む細菌関連バイオマーカを検出し得る。細菌データに基づいて、気道細菌感知システムは、口腔健康スコアを生成し得る。検出された細菌データに基づいて、気道細菌感知システムは、肺炎、肺感染症、及び/又は肺炎症を含む、細菌関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を識別し得る。気道細菌感知システムは、細菌情報をローカルに処理するか、又はデータを処理ユニットに伝送し得る。実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、気道細菌感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0096】
浮腫感知システムは、下肢周囲、脚体積、及び/又は脚含水量レベルを含む、浮腫データを測定し得る。浮腫感知システムは、力感知抵抗器、歪みゲージ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、及び/又は超音波を含み得る。浮腫感知システムは、ウェアラブルデバイスを含み得る。例えば、浮腫感知システムは、ソックス、ストッキング、及び/又はアンクルバンドを含み得る。
【0097】
測定された浮腫データに基づいて、浮腫感知システムは、炎症、炎症の変化率、治癒不良、感染、漏出、結腸直腸吻合部漏出、及び/又は水蓄積を含む、浮腫関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を検出し得る。
【0098】
例えば、浮腫感知システムは、流体蓄積に基づいて、結腸直腸吻合部漏出のリスクを検出し得る。検出された浮腫生理学的状態に基づいて、浮腫感知システムは、治癒品質のスコアを生成し得る。例えば、浮腫感知システムは、浮腫情報をある特定の閾値下肢周囲長と比較することによって、治癒品質スコアを生成し得る。検出された浮腫情報に基づいて、浮腫感知システムは、ステープラ圧縮に対する応答性を含む浮腫ツールパラメータを生成し得る。浮腫感知システムは、加速度計、ジャイロスコープ、及び/又は磁力計からの測定値を使用することによって、測定された浮腫データのコンテキストを提供し得る。例えば、浮腫感知システムは、ユーザが着座しているか、起立しているか、又は横臥しているかを検出し得る。
【0099】
浮腫感知システムは、測定された浮腫データをローカルに処理するか、又は浮腫データを処理ユニットに伝送し得る。実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、浮腫感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0100】
精神的態様感知システムは、心拍数、心拍数変動性、脳活動、皮膚コンダクタンス、皮膚温度、電気皮膚応答、動き、及び/又は発汗速度を含む、精神的態様データを測定し得る。精神的態様感知システムは、精神的態様データの変化を検出するために、設定された持続時間にわたって精神的態様データを測定し得る。精神的態様感知システムは、ウェアラブルデバイスを含み得る。ウェアラブルデバイスは、リストバンドを含み得る。
【0101】
精神的態様データに基づいて、感知システムは、感情的パターン、肯定性レベル、及び/又は楽観性レベルを含む、精神的態様関連バイオマーカを検出し得る。検出された精神的態様情報に基づいて、精神的態様感知システムは、認知障害、ストレス、不安、及び/又は疼痛を含む、精神的態様関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を識別し得る。精神的態様情報に基づいて、精神的態様感知システムは、肯定性スコア、楽観性スコア、錯乱又はせん妄スコア、精神的鋭敏さスコア、ストレススコア、不安スコア、抑鬱スコア、及び/又は疼痛スコアを含む、精神的態様スコアを生成し得る。
【0102】
精神的態様データ、関連するバイオマーカ、合併症、コンテキスト情報、及び/又は精神的態様スコアを使用して、疼痛緩和療法を含む、治療コースを判定し得る。例えば、術後疼痛は、術前不安及び/又は抑鬱を検出した場合に予測され得る。例えば、検出された肯定性及び楽観性レベルに基づいて、精神的態様感知システムは、気分の質及び精神状態を判定し得る。気分の質及び精神状態に基づいて、精神的態様感知システムは、ペイント治療及び/又は心理的援助を含む、患者に利益をもたらすことになる追加のケア手技を示し得る。例えば、検出された認知障害、錯乱、及び/又は精神的鋭敏さに基づいて、精神的態様感知システムは、せん妄、脳症、及び/又は敗血症を含む状態を示し得る。せん妄は、活動亢進又は活動低下であり得る。例えば、検出されたストレス及び不安に基づいて、精神的態様感知システムは、病院不安及び/又は抑鬱を含む状態を示し得る。検出された病院不安及び/又は抑鬱に基づいて、精神的態様感知システムは、疼痛緩和療法及び/又は術前サポートを含む、治療計画を生成し得る。
【0103】
実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、精神的態様感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。精神的態様感知システムは、精神的態様データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニットに伝送し得る。
【0104】
汗感知システムは、汗、発汗速度、コルチゾール、アドレナリン、及び/又は乳酸塩を含む汗データを測定し得る。汗感知システムは、マイクロ流体捕捉、唾液検査、ナノ多孔質電極システム、eノーズ、逆イオン泳動、血液検査、電流測定薄膜バイオセンサ、テキスタイル有機電気化学トランジスタデバイス、及び/又は電気化学バイオセンサを使用して、汗データを測定し得る。感知システムは、比色法又はインピーダンス測定法を使用して、マイクロ流体捕捉を用いて汗データを測定し得る。マイクロ流体捕捉は、皮膚と接触して配置される可撓性パッチを含み得る。汗感知システムは、唾液試験を使用してコルチゾールを測定し得る。唾液検査は、電気化学的方法及び/又は分子選択性有機電気化学トランジスタデバイスを使用し得る。汗感知システムは、コルチゾールレベルを算出するために、汗中のコルチゾールに結び付くイオン蓄積を測定し得る。汗感知システムは、乳酸塩を測定するために酵素反応を使用し得る。乳酸塩は、乳酸オキシダーゼ法及び/又は乳酸デヒドロゲナーゼ法を使用して測定され得る。
【0105】
測定された汗データに基づいて、汗感知システム又は処理ユニットは、コルチゾールレベル、アドレナリンレベル、及び/又は乳酸塩レベルを含む、汗関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を検出し得る。検出された汗データ及び/又は関連バイオマーカに基づいて、汗感知システムは、交感神経系活動、心理的ストレス、細胞性免疫、概日リズム、血圧、組織酸素化、及び/又は術後疼痛を含む汗生理学的状態を示し得る。例えば、発汗速度データに基づいて、汗感知システムは、心理的ストレスを検出し得る。検出された心理的ストレスに基づいて、汗感知システムは、交感神経活動の亢進を示し得る。交感神経活動の亢進は、術後疼痛を示し得る。
【0106】
検出された汗情報に基づいて、汗感知システムは、術後感染、転移、慢性上昇、心室不全、敗血症、出血、高乳酸血症、及び/又は敗血症性ショックを含む、汗関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を検出し得る。例えば、感知システムは、血清乳酸塩濃度が2mmol/Lなどのある特定のレベルを超過するときに、敗血症性ショックを検出し得る。例えば、検出されたアドレナリンサージパターンに基づいて、汗感知システムは、心臓発作及び/又はストロークのリスクを示し得る。例えば、外科用ツールパラメータ調整は、検出されたアドレナリンレベルに基づいて判定され得る。外科用ツールパラメータ調整は、外科用封止ツールの設定を含み得る。例えば、汗感知システムは、検出されたコルチゾールレベルに基づいて、感染リスク及び/又は転移を予測し得る。汗感知システムは、状態について医療専門家に通知し得る。
【0107】
実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、汗感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。汗感知システムは、汗データをローカルに処理するか、又は汗データを処理ユニットに伝送し得る。
【0108】
循環腫瘍細胞感知システムは、循環腫瘍細胞を検出し得る。循環腫瘍細胞感知システムは、造影剤を使用して循環腫瘍細胞を検出し得る。造影剤は、循環腫瘍細胞を標的とする抗体を付着させたマイクロバブルを使用し得る。造影剤は、血流に注入され得る。造影剤は、循環腫瘍細胞に付着し得る。循環腫瘍細胞感知システムは、超音波送信器及び受信器を含み得る。超音波送信器及び受信器は、循環腫瘍細胞に付着した造影剤を検出し得る。循環腫瘍細胞感知システムは、循環腫瘍細胞データを受信し得る。
【0109】
検出された循環腫瘍細胞データに基づいて、循環腫瘍細胞感知システムは、転移リスクを算出し得る。循環がん細胞の存在は、転移リスクを示し得る。閾値量を超過する血液1ミリリットル当たりの循環がん細胞は、転移リスクを示し得る。がん細胞は、腫瘍が転移するときに血流を循環し得る。算出された転移リスクに基づいて、循環腫瘍細胞感知システムは、外科的リスクスコアを生成し得る。生成された外科的リスクスコアに基づいて、循環腫瘍細胞感知システムは、外科的生存率及び/又は提案される外科的予防措置を示し得る。
【0110】
実施例では、本明細書に記載される検出、予測及び/又は判定は、循環腫瘍細胞感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連バイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。循環腫瘍細胞感知システムは、循環腫瘍細胞データをローカルに処理するか、又は循環腫瘍細胞データを処理ユニットに伝送し得る。
【0111】
自律神経系緊張感知システムは、皮膚コンダクタンス、心拍数変動性、活動、及び/又は末梢体温を含む自律神経系緊張データを測定し得る。自律神経系緊張感知システムは、1つ又は2つ以上の電極、PPGトレース、ECGトレース、加速度計、GPS、及び/又は温度計を含み得る。自律神経系緊張感知システムは、リストバンド及び/又はフィンガーバンドを含み得る、ウェアラブルデバイスを含み得る。
【0112】
自律神経系緊張データに基づいて、自律神経系緊張感知システムは、交感神経系活動レベル及び/又は副交感神経系活動レベルを含む、自律神経系緊張関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を検出し得る。自律神経系緊張は、交感神経系と副交感神経系との間の基礎平衡を説明し得る。測定された自律神経系緊張データに基づいて、自律神経系緊張感知システムは、炎症及び/又は感染を含む術後状態のリスクを示し得る。高い交感神経活動は、炎症性メディエーターの増加、免疫機能の抑制、術後腸閉塞、心拍数増加、皮膚コンダクタンスの増加、発汗速度の増加、及び/又は不安と関連し得る。
【0113】
実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、自律神経系緊張感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。自律神経系緊張感知システムは、自律神経系緊張データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニットに伝送し得る。
【0114】
概日リズム感知システムは、光曝露、心拍数、中枢温、コルチゾールレベル、活動、及び/又は睡眠を含む概日リズムデータを測定し得る。概日リズムデータに基づいて、概日リズム感知システムは、睡眠周期、覚醒周期、概日パターン、概日リズムの乱れ、及び/又はホルモン活性を含む、概日リズム関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を検出し得る。
【0115】
例えば、測定された概日リズムデータに基づいて、概日リズム感知システムは、概日周期の開始及び終了を算出し得る。概日リズム感知システムは、測定されたコルチゾールに基づいて、概日日の開始を示し得る。コルチゾールレベルは、概日日の開始時にピークに達し得る。概日リズム感知システムは、測定された心拍数及び/又は中枢温に基づいて、概日日の終了を示し得る。心拍数及び/又は中枢温は、概日日の終了時に降下し得る。概日リズム関連バイオマーカに基づいて、感知システム又は処理ユニットは、感染及び/又は疼痛のリスクを含む状態を検出し得る。例えば、概日リズムの乱れは、疼痛及び不快感を示し得る。
【0116】
実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、概日リズム感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。概日リズム感知システムは、概日リズムデータをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニットに伝送し得る。
【0117】
月経周期感知システムは、心拍数、心拍数変動性、呼吸数、体温、及び/又は皮膚灌流を含む月経周期データを測定し得る。月経周期データに基づいて、月経周期ユニットは、月経周期段階を含む、月経周期関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を示し得る。例えば、月経周期感知システムは、測定された心拍数変動性に基づいて、月経周期における排卵期を検出し得る。心拍数変動性の変化は、排卵期を示し得る。例えば、月経周期感知システムは、測定された手首皮膚温度及び/又は皮膚灌流に基づいて月経周期における黄体期を検出し得る。手首皮膚温度の上昇は、黄体期を示し得る。皮膚灌流の変化は、黄体期を示し得る。例えば、月経周期感知システムは、測定された呼吸数に基づいて排卵期を検出し得る。低呼吸数は、排卵期を示し得る。
【0118】
月経周期関連バイオマーカに基づいて、月経周期感知システムは、ホルモン変化、外科的出血、瘢痕化、出血リスク、及び/又は感度レベルを含む状態を判定し得る。例えば、月経周期段階は、鼻形成術における外科的出血に影響を及ぼし得る。例えば、月経周期段階は、胸部手術における治癒及び瘢痕化に影響を及ぼし得る。例えば、出血リスクは、月経周期における排卵期の間に減少し得る。
【0119】
実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、月経周期感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。月経周期感知システムは、月経周期データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニットに伝送し得る。
【0120】
環境感知システムは、環境温度、湿度、マイコトキシン胞子数、及び空中浮遊化学物質データを含む環境データを測定し得る。環境感知システムは、デジタル温度計、空気サンプリング、及び/又は化学センサを含み得る。感知システムは、ウェアラブルデバイスを含み得る。環境感知システムは、環境温度及び/又は湿度を測定するためにデジタル温度計を使用し得る。デジタル温度計は、判定された抵抗を有する金属ストリップを含み得る。金属ストリップの抵抗は、環境温度とともに変動し得る。デジタル温度計は、温度を判定するために、変動した抵抗を較正曲線に適用し得る。デジタル温度計は、湿球及び乾球を含み得る。湿球及び乾球は、温度差を判定し得、次いで、それを使用して湿度を算出し得る。
【0121】
環境感知システムは、マイコトキシン胞子数を測定するために空気サンプリングを使用し得る。環境感知システムは、ポンプに接続された接着媒体を有するサンプリングプレートを含み得る。ポンプは、特定の流量で設定時間にわたってプレート上に空気を引き込み得る。設定時間は、10分まで続き得る。環境感知システムは、胞子の数を数えるために、顕微鏡を使用して試料を分析し得る。環境感知システムは、高性能液体クロマトグラフィ(high-performance liquid chromatography、HPLC)、液体クロマトグラフィ-タンデム質量分析(liquid chromatography-tandem mass spectrometry、LC-MS/MS)、並びに/又はイムノアッセイ及びナノボディを含む異なる空気サンプリング技術を使用し得る。
【0122】
環境感知システムは、空中浮遊化学物質データを測定するための化学物質センサを含み得る。空中浮遊化学物質データは、ニコチン及び/又はホルムアルデヒドを含む、異なる識別された空中浮遊化学物質を含み得る。化学物質センサは、活性層及び変換器層を含み得る。活性層は、化学物質をマトリックス中に拡散させ、いくつかの物理的又は化学的特性を改変させ得る。変化する物理的特性は、屈折率及び/又はH結合形成を含み得る。変換器層は、物理的及び/又は化学的変動を、光学的又は電気的信号を含む、測定可能な信号に変換し得る。環境感知システムは、手持ち式器具を含み得る。手持ち式器具は、芳香、臭気、香り、調合、こぼれ、及び/又は漏れを構成する複雑な化学混合物を検出及び識別し得る。手持ち式器具は、ナノコンポジットセンサのアレイを含むことができる。手持ち式器具は、化学的プロファイルに基づいて物質を検出及び識別し得る。
【0123】
環境データに基づいて、感知システムは、気候、マイコトキシン胞子数、マイコトキシン識別、空中浮遊化学物質識別、空中浮遊化学物質レベル、及び/又は炎症性化学物質吸入を含む環境情報を判定し得る。例えば、環境感知システムは、収集された試料から測定された胞子数に基づいて、空気中のマイコトキシン胞子数を概算し得る。感知システムは、カビ、花粉、昆虫の部分、皮膚細胞断片、繊維、及び/又は無機微粒子を含み得る、マイコトキシン胞子を識別し得る。例えば、感知システムは、タバコの煙を含む、炎症性化学物質の吸入を検出し得る。感知システムは、二次喫煙又は三次喫煙を検出し得る。
【0124】
環境情報に基づいて、感知システムは、炎症、肺機能の低下、気道過敏性、線維症、及び/又は免疫機能の低下を含む、環境的態様状態を生成し得る。例えば、環境的態様感知システムは、測定された環境的態様情報に基づいて、炎症及び線維症を検出し得る。感知システムは、炎症及び/又は線維症に基づいて、肺部分切除で使用されるステープル及び封止ツールを含む、外科用ツールのための命令を生成し得る。炎症及び線維症は、外科用ツールの使用に影響を及ぼし得る。例えば、タバコの煙は、様々な手術においてより高い疼痛スコアを引き起こし得る。
【0125】
環境感知システムは、測定されたマイコトキシン及び/又は空中浮遊化学物質に基づいて、空気質スコアを生成し得る。例えば、環境感知システムは、低い空気質スコアを検出した場合、危険な空気質について通知し得る。環境感知システムは、生成された空気質スコアがある特定の閾値を下回ったときに通知を送信し得る。閾値は、1立方メートル当たり105胞子を超過するマイコトキシンの曝露を含み得る。環境感知システムは、経時的な環境状態暴露の読み出しを表示し得る。
【0126】
環境感知システムは、環境データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニットに伝送し得る。実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、環境感知システムによって生成された測定データに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0127】
光曝露感知システムは、光曝露データを測定し得る。光曝露感知システムは、1つ又は2つ以上のフォトダイオード光センサを含み得る。例えば、フォトダイオード光センサを使用する光曝露感知システムは、デバイス電流が光強度の関数として変動し得る半導体デバイスを含み得る。入射光子は、半導体接合を横切って流れる電子正孔対を生成し得、これは、電流を生成し得る。電子正孔対の生成速度は、入射光の強度の関数として増加し得る。光曝露感知システムは、1つ又は2つ以上のフォトレジスタ光センサを含み得る。例えば、フォトレジスタ光センサを使用する光曝露感知システムは、抵抗が光強度の関数として減少する光依存抵抗器を含み得る。フォトレジスタ光センサは、PN接合のない受動デバイスを含み得る。フォトレジスタ光センサは、フォトダイオード光センサよりも低い感度であり得る。光曝露感知システムは、ネックレス及び/又はクリップオンボタンを含む、ウェアラブルを含み得る。
【0128】
測定された光曝露データに基づいて、光曝露感知システムは、光曝露持続時間、光曝露強度、及び/又は光タイプを含む光曝露情報を検出し得る。例えば、感知システムは、光曝露が自然光又は人工光からなるかどうかを判定し得る。検出された光曝露情報に基づいて、光曝露感知システムは、概日リズムを含む光曝露関連バイオマーカを検出し得る。光曝露は、概日周期を同調させ得る。
【0129】
光曝露感知システムは、光曝露データをローカルに処理するか、又はデータを処理ユニットに伝送し得る。実施例では、本明細書に記載される検出、予測、及び/又は判定は、光曝露感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、コンピューティングシステムによって行われ得る。
【0130】
本明細書に記載される種々の感知システムは、データを測定し、関連バイオマーカを導出し、バイオマーカを、
図1~
図12を参照して本明細書に記載されるような外科用ハブなどのコンピューティングシステムに送信し得る。本明細書に記載される種々の感知システムは、測定されたデータをコンピューティングシステムに送信し得る。コンピューティングシステムは、受信された測定データに基づいて、関連バイオマーカを導出し得る。
【0131】
バイオマーカ感知システムは、ウェアラブルデバイスを含み得る。実施例では、バイオマーカ感知システムは眼鏡を含み得る。眼鏡は、鼻パッドセンサを含み得る。眼鏡は、乳酸塩、グルコース、及び/又は同等物を含む、バイオマーカを測定し得る。実施例では、バイオマーカ感知システムは、マウスガードを含み得る。マウスガードは、尿酸及び/又は同等物を含むバイオマーカを測定するためのセンサを含み得る。実施例では、バイオマーカ感知システムは、コンタクトレンズを含み得る。コンタクトレンズは、グルコース及び/又は同等物を含むバイオマーカを測定するためのセンサを含み得る。実施例では、バイオマーカ感知システムは、歯センサを含み得る。歯センサは、グラフェンベースであり得る。歯センサは、細菌及び/又は同等物を含むバイオマーカを測定し得る。実施例では、バイオマーカ感知システムは、パッチを含み得る。パッチは、胸部皮膚又は腕皮膚に装着可能であり得る。例えば、パッチは、化学-物理ハイブリッドセンサを含み得る。化学-物理ハイブリッドセンサは、乳酸塩、ECG、及び/又は同等物を含むバイオマーカを測定し得る。例えば、パッチは、ナノ材料を含み得る。ナノ材料パッチは、グルコース及び/又は同等物を含むバイオマーカを測定し得る。例えば、パッチは、イオントフォレーシスバイオセンサを含み得る。イオントフォレーシスバイオセンサは、グルコース及び/又は等価物を含むバイオマーカを測定し得る。実施例では、バイオマーカ感知システムは、マイクロ流体センサを含み得る。マイクロ流体センサは、乳酸塩、グルコース、及び/又は等価物を含むバイオマーカを測定し得る。実施例では、バイオマーカ感知システムは、統合センサアレイを含み得る。統合感覚アレイは、ウェアラブルリストバンドを含み得る。統合感覚アレイは、乳酸塩、グルコース、及び/又は同等物を含むバイオマーカを測定し得る。実施例では、バイオマーカ感知システムは、ウェアラブル診断デバイスを含み得る。ウェアラブル診断デバイスは、コルチゾール、インターロイキン-6、及び/又は同等物を含むバイオマーカを測定し得る。実施例では、バイオマーカ感知システムは、電源内蔵式テキスタイルベースバイオセンサを含み得る。電源内蔵型テキスタイルベースバイオセンサは、ソックスを含み得る。電源内蔵式テキスタイルベースバイオセンサは、乳酸塩、及び/又は等価物を含むバイオマーカを測定し得る。
【0132】
本明細書に記載される種々のバイオマーカは、行動及び心理学、心血管系、腎臓系、皮膚系、神経系、GI系、呼吸器系、内分泌系、免疫系、腫瘍、筋骨格系、及び/又は生殖器系を含む種々の生理学的システムに関連し得る。
【0133】
行動及び心理学は、社会的相互作用、食事、睡眠、活動、及び/又は心理的ステータスを含み得る。挙動及び心理学関連バイオマーカ、合併症、コンテキスト情報、及び/又は状態は、分析されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、判定及び/又は予測され得る。コンピューティングシステムは、本明細書に記載されるように、分析のために、睡眠、概日リズム、身体活動、及び/又は精神的態様を含む、挙動及び心理学関連バイオマーカから1つ又は2つ以上のバイオマーカ(例えば、バイオマーカ感知システムからのデータ)を選択し得る。挙動及び心理学スコアは、分析された、バイオマーカ、合併症、コンテキスト情報、及び/又は状態に基づいて、生成され得る。挙動及び心理学スコアは、社会的相互作用、食事、睡眠、活動、及び/又は心理的ステータスのスコアを含み得る。
【0134】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、睡眠の質、睡眠持続時間、睡眠タイミング、免疫機能、及び/又は術後疼痛を含む、睡眠関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、炎症を含む睡眠関連状態が予測され得る。実施例では、炎症は、分析された術前睡眠に基づいて、予測され得る。炎症の上昇は、術前睡眠の乱れに基づいて判定及び/又は予測され得る。実施例では、免疫機能は、分析された術前睡眠に基づいて、判定され得る。免疫機能の低下は、術前睡眠の乱れに基づいて予測され得る。実施例では、術後疼痛は、分析された睡眠に基づいて、判定され得る。術後疼痛は、睡眠の乱れに基づいて、判定及び/又は予測され得る。実施例では、疼痛及び不快感は、分析された概日リズムに基づいて、判定され得る。免疫系の低下は、分析された概日リズム周期乱れに基づいて、判定され得る。
【0135】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、活動持続時間、活動強度、活動タイプ、活動パターン、回復時間、精神衛生、身体回復、免疫機能、及び/又は炎症機能を含む、活動関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、活動関連状態が予測され得る。実施例では、生理機能の改善は、分析された活動強度に基づいて、判定され得る。中程度の強度の運動は、入院期間の短縮、精神衛生の改善、身体回復の改善、免疫機能の改善、及び/又は炎症機能の改善を示し得る。身体活動タイプは、有酸素活動及び/又は非有酸素活動を含み得る。有酸素身体活動は、ランニング、サイクリング、及び/又はウェイトトレーニングを含む、分析された身体活動に基づいて、判定され得る。非有酸素身体活動は、歩行及び/又はストレッチを含む、分析された身体活動に基づいて、判定され得る。
【0136】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、ストレス、不安、疼痛、肯定性感情、異常状態、及び/又は術後疼痛を含む、心理的ステータス関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、疾患の身体的症状を含む、心理的ステータス関連状態が予測され得る。より高い術後疼痛は、分析された、高レベルの術前ストレス、不安、及び/又は疼痛に基づいて、判定及び/又は予測され得る。疾患の身体的症状は、判定された高い楽観性に基づいて、予測され得る。
【0137】
本明細書に記載される検出、予測、判定、及び/又は生成は、測定されたデータ及び/又はバイオマーカ感知システムによって生成された関連バイオマーカに基づいて、外科用ハブ、コンピューティングデバイス、及び/又はスマートデバイスなどの、本明細書に記載されるコンピューティングシステムによって行われ得る。
【0138】
心血管系は、リンパ系、血管、血液、及び/又は心臓を含み得る。心血管系関連バイオマーカ、合併症、コンテキスト情報、及び/又は状態は、分析されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、判定及び/又は予測され得る。体循環状態は、リンパ系、血管、及び/又は血液の状態を含み得る。コンピューティングシステムは、分析のために、血圧、VO2最大、補水状態、酸素飽和度、血液pH、汗、中枢温、末梢温、浮腫、心拍数、及び/又は心拍数変動性を含む心血管系関連バイオマーカから1つ又は2つ以上のバイオマーカ(例えば、バイオマーカ感知システムからのデータ)を選択し得る。
【0139】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、腫脹、リンパ組成、及び/又はコラーゲン沈着を含む、リンパ系関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、線維症、炎症、及び/又は術後感染を含む、リンパ系関連状態が予測され得る。炎症は、判定された腫脹に基づいて予測され得る。術後感染は、判定された腫脹に基づいて予測され得る。コラーゲン沈着は、予測される線維症に基づいて判定され得る。コラーゲン沈着の増加は、線維症に基づいて予測され得る。高調波ツールパラメータ調整は、判定されたコラーゲン沈着の増加に基づいて、生成され得る。炎症状態は、分析されたリンパ組成に基づいて、予測され得る。異なる炎症状態は、リンパペプチドーム組成の変化に基づいて判定及び/又は予測され得る。転移性細胞拡散は、予測される炎症状態に基づいて予測され得る。高調波ツールパラメータ調整及びマージン決定は、予測される炎症状態に基づいて生成され得る。
【0140】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、透過性、血管運動、圧力、構造、治癒能力、高調波封止性能、及び/又は心胸郭健康適応度を含む、血管関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。外科用ツール使用推奨及び/又はパラメータ調整は、判定された血管関連バイオマーカに基づいて生成され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、感染、吻合部漏出、敗血性ショック及び/又は血液量減少性ショックを含む、血管関連状態が予測され得る。実施例では、血管透過性の増加は、分析された、浮腫、ブラジキニン、ヒスタミン、及び/又は内皮接着分子に基づいて、判定され得る。内皮接着分子は、膜貫通タンパク質を測定するために細胞試料を使用して測定され得る。実施例では、血管運動は、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて判定され得る。血管運動は、血管拡張剤及び/又は血管収縮剤を含み得る。実施例では、ショックは、血管情報及び/又は血管分布を含む、判定された血圧関連バイオマーカに基づいて予測され得る。個々の血管構造は、動脈剛性、コラーゲン含有量、及び/又は血管直径を含み得る。心胸郭健康適応度は、VO2最大に基づいて判定され得る。より高い合併症のリスクは、低いVO2最大に基づいて判定及び/又は予測され得る。
【0141】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、体積、酸素、pH、老廃物、温度、ホルモン、タンパク質、及び/又は栄養素を含む、血液関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、心胸郭健康適応度、肺機能、回復能力、無酸素性閾値、酸素摂取量、二酸化炭素(CO2)産生、適応度、組織酸素化、膠質浸透圧、及び/又は血液凝固能力を含む、血液関連合併症及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。導出された血液関連バイオマーカに基づいて、術後急性腎損傷、血液量減少性ショック、アシドーシス、敗血症、肺虚脱、出血、出血リスク、感染、及び/又は吻合部漏出を含む、血液関連状態が予測され得る。
【0142】
例えば、術後急性腎損傷及び/又は血液量減少性ショックは、補水状態に基づいて予測され得る。例えば、肺機能、肺回復能力、心胸郭健康適応度、無酸素性閾値、酸素摂取量、及び/又はCO2産生量は、赤血球数及び/又は酸素飽和度を含む、心胸郭関連バイオマーカに基づいて予測され得る。例えば、心血管合併症は、赤血球数及び/又は酸素飽和度を含む、血液関連バイオマーカに基づいて予測され得る。例えば、アシドーシスは、pHに基づいて予測され得る。アシドーシスに基づいて、敗血症、肺虚脱、出血、及び/又は出血リスクの増加を含む、血液関連状態が示され得る。例えば、汗に基づいて、組織酸素化を含む、血液関連バイオマーカが導出され得る。低い組織酸素化は、高い乳酸塩濃度に基づいて、予測され得る。低い組織酸素化に基づいて、血液量減少性ショック、敗血性ショック、及び/又は左心室不全を含む、血中関連状態が予測され得る。例えば、温度に基づいて、月経周期及び/又は基礎体温を含む、血液温度関連バイオマーカが導出され得る。血液温度関連バイオマーカに基づいて、敗血症及び/又は感染症を含む、血液温度関連状態が予測され得る。例えば、アルブミン含量を含むタンパク質に基づいて、コロイド浸透圧が判定され得る。コロイド浸透圧に基づいて、浮腫リスク及び/又は吻合部漏出を含む、血液タンパク質関連状態が予測され得る。浮腫リスク及び/又は吻合部漏出の増加は、低いコロイド浸透圧に基づいて予測され得る。出血リスクは、血液凝固能力に基づいて予測され得る。血液凝固能力は、フィブリノーゲン含量に基づいて判定され得る。血液凝固能力の低下は、低いフィブリノーゲン含量に基づいて判定され得る。
【0143】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、コンピューティングシステムは、心臓活動、心臓解剖学的構造、回復速度、心胸郭健康適応度、及び/又は合併症のリスクを含む、心臓関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報を導出し得る。心臓活動バイオマーカは、電気的活動及び/又はストローク量を含み得る。回復速度は、心拍数バイオマーカに基づいて判定され得る。身体への血液供給の低減は、不規則な心拍数に基づいて判定及び/又は予測され得る。回復の遅延は、身体への血液供給の低減に基づいて、判定及び/又は予測され得る。心胸郭健康適応度は、分析されたVO2最大値に基づいて、判定され得る。ある特定の閾値を下回るVO2最大値は、低い心胸郭健康適応度を示し得る。ある特定の閾値を下回るVO2最大値は、より高い心臓関連合併症のリスクを示し得る。
【0144】
本明細書に記載される検出、予測、判定、及び/又は生成は、バイオマーカ感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連バイオマーカに基づいて、外科用ハブ、コンピューティングデバイス、及び/又はスマートデバイスなどの本明細書に記載されるコンピューティングシステムによって行われ得る。
【0145】
腎臓系関連バイオマーカ、合併症、コンテキスト情報、及び/又は状態は、分析されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、判定及び/又は予測され得る。コンピューティングシステムは、本明細書に記載されるように、分析のために、腎臓系関連バイオマーカから1つ又は2つ以上のバイオマーカ(例えば、バイオマーカ感知システムからのデータ)を選択し得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、尿管、尿道、膀胱、腎臓、一般尿路、及び/又は尿管脆弱性を含む、腎臓系関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、急性腎損傷、感染、及び/又は腎結石を含む、腎臓系関連状態が予測され得る。実施例では、尿管脆弱性は、尿炎症パラメータに基づいて判定され得る。実施例では、急性腎損傷は、尿中の分析された腎損傷分子-1(Kidney Injury Molecule-1、KIM-1)に基づいて、予測され得る。
【0146】
本明細書に記載される検出、予測、判定、及び/又は生成は、測定されたデータ及び/又はバイオマーカ感知システムによって生成された関連バイオマーカに基づいて、外科用ハブ、コンピューティングデバイス、及び/又はスマートデバイスなどの、本明細書に記載されるコンピューティングシステムによって行われ得る。
【0147】
皮膚系は、マイクロバイオーム、皮膚、爪、毛髪、汗、及び/又は皮脂に関連するバイオマーカを含み得る。皮膚関連バイオマーカは、表皮バイオマーカ及び/又は真皮バイオマーカを含み得る。汗関連バイオマーカは、活動バイオマーカ及び/又は組成バイオマーカを含み得る。皮膚系関連バイオマーカ、合併症、コンテキスト情報、及び/又は状態は、分析されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、判定及び/又は予測され得る。コンピューティングシステムは、本明細書に記載されるように、分析のために、皮膚コンダクタンス、皮膚灌流圧力、汗、自律神経緊張、及び/又はpHを含む、皮膚関連バイオマーカから1つ又は2つ以上のバイオマーカ(例えば、バイオマーカ感知システムからのデータ)を選択し得る。
【0148】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、色、病変、経表皮水分損失、交感神経系活動、弾性、組織灌流、及び/又は機械的特性を含む、皮膚関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。ストレスは、判定された皮膚コンダクタンスに基づいて予測され得る。皮膚コンダクタンスは、交感神経系活動の代用として作用し得る。交感神経系活動は、ストレスと相関し得る。組織機械的特性は、皮膚灌流圧力に基づいて判定され得る。皮膚灌流圧力は、深部組織灌流を示し得る。深部組織灌流は、組織機械的特性を判定し得る。外科用ツールパラメータ調整は、判定された組織機械的特性に基づいて生成され得る。
【0149】
選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、皮膚関連状態が予測され得る。
【0150】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、活動、組成、自律神経緊張、ストレス応答、炎症応答、血中pH、血管の健康状態、免疫機能、概日リズム、及び/又は血中乳酸塩濃度を含む、汗関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、腸閉塞、嚢胞性線維症、糖尿病、転移、心臓疾患、及び/又は感染症を含む、汗関連状態が予測され得る。
【0151】
例えば、汗組成関連バイオマーカは、選択されたバイオマーカデータに基づいて判定され得る。汗組成バイオマーカは、タンパク質、電解質、及び/又は小分子を含み得る。汗組成バイオマーカに基づいて、腸閉塞、嚢胞性線維症、アシドーシス、敗血症、肺虚脱、出血、出血リスク、糖尿病、転移、及び/又は感染症を含む、皮膚系合併症、状態、及び/又はコンテキスト情報が予測され得る。例えば、汗神経ペプチドY及び/又は汗抗菌剤を含むタンパク質バイオマーカに基づいて、ストレス応答が予測され得る。より高い汗神経ペプチドYレベルは、より大きなストレス応答を示し得る。嚢胞性線維症及び/又はアシドーシスは、塩化物イオン、pH、及び他の電解質を含む、電解質バイオマーカに基づいて予測され得る。高い乳酸塩濃度は、血液pHに基づいて判定され得る。アシドーシスは、高い乳酸塩濃度に基づいて予測され得る。敗血症、肺虚脱、出血、及び/又は出血リスクは、予測されるアシドーシスに基づいて予測され得る。糖尿病、転移、及び/又は感染は、小分子バイオマーカに基づいて予測され得る。小分子バイオマーカは、血糖及び/又はホルモンを含み得る。ホルモンバイオマーカは、アドレナリン及び/又はコルチゾールを含み得る。予測される転移に基づいて、血管の健康状態が判定され得る。免疫機能の低下による感染は、検出されたコルチゾールに基づいて予測され得る。免疫機能の低下は、高いコルチゾールに基づいて判定及び/又は予測され得る。例えば、ストレス応答、炎症応答、及び/又は腸閉塞を含む、汗関連状態は、判定された自律神経緊張に基づいて予測され得る。より大きなストレス応答、より大きな炎症応答、及び/又は腸閉塞は、高い交感神経緊張に基づいて判定及び/又は予測され得る。
【0152】
本明細書に記載される検出、予測、判定、及び/又は生成は、測定されたデータ及び/又はバイオマーカ感知システムによって生成された関連バイオマーカに基づいて、外科用ハブ、コンピューティングデバイス、及び/又はスマートデバイスなどの、本明細書に記載されるコンピューティングシステムによって行われ得る。
【0153】
神経系関連バイオマーカ、合併症、コンテキスト情報、及び/又は状態は、分析されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、判定及び/又は予測され得る。コンピューティングシステムは、本明細書に記載されるように、分析のために、概日リズム、酸素飽和度、自律神経緊張、睡眠、活動、及び/又は精神的態様を含む、神経系関連バイオマーカから1つ又は2つ以上のバイオマーカ(例えば、バイオマーカ感知システムからのデータ)を選択し得る。神経系は、中枢神経系(central nervous system、CNS)及び/又は末梢神経系を含み得る。CNSは、脳及び/又は脊髄を含み得る。末梢神経系は、自律神経系、運動系、腸系、及び/又は感覚系を含み得る。
【0154】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、術後疼痛、免疫機能、精神衛生、及び/又は回復速度を含む、CNS関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、炎症、せん妄、敗血症、活動亢進、活動低下、及び/又は疾患の身体的症状を含む、CNS関連の状態が予測され得る。実施例では、免疫系の低下及び/又は高い疼痛スコアは、睡眠の乱れに基づいて予測され得る。実施例では、術後のせん妄は、酸素飽和度に基づいて予測され得る。脳酸素化は、術後のせん妄を示し得る。
【0155】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、末梢神経系関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、炎症及び/又は腸閉塞を含む、末梢神経系関連状態が予測され得る。実施例では、高い交感神経緊張は、自律神経緊張に基づいて予測され得る。より大きなストレス応答は、高い交感神経緊張に基づいて、予測され得る。炎症及び/又は腸閉塞は、高い交感神経緊張に基づいて、予測され得る。
【0156】
本明細書に記載される検出、予測、判定、及び/又は生成は、測定されたデータ及び/又はバイオマーカ感知システムによって生成された関連バイオマーカに基づいて、外科用ハブ、コンピューティングデバイス、及び/又はスマートデバイスなどの、本明細書に記載されるコンピューティングシステムによって行われ得る。
【0157】
GI系は、上部GI管、下部GI管、付属器官、腹膜腔、栄養状態、及びマイクロバイオームを含み得る。上部GIは、口、食道、及び/又は胃を含み得る。下部GIは、小腸、結腸、及び/又は直腸を含み得る。付属器官は、膵臓、肝臓、脾臓、及び/又は胆嚢を含み得る。腹膜腔は、腸間膜及び/又は脂肪血管を含み得る。栄養状態は、短期、長期、及び/又は全身性を含み得る。GI関連バイオマーカ、合併症、コンテキスト情報、及び/又は状態は、分析されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、判定及び/又は予測され得る。コンピューティングシステムは、本明細書に記載されるように、分析のために、咳嗽及びくしゃみ、呼吸細菌、GI管撮像/感知、GI運動性、pH、組織灌流圧力、環境、及び/又はアルコール消費を含む、GI関連バイオマーカから1つ又は2つ以上のバイオマーカ(例えば、バイオマーカ感知システムからのデータ)を選択し得る。
【0158】
上部GIは、口、食道、及び/又は胃を含み得る。例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、胃組織特性、食道運動性、結腸組織変化、細菌存在、腫瘍サイズ、腫瘍場所、及び/又は腫瘍張力を含む、口及び食道関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、炎症、手術部位感染(surgical site infection、SSI)、及び/又は胃食道疾患を含む、口及び食道関連状態が予測され得る。口及び食道は、粘膜、筋層、管腔、及び/又は機械的特性を含み得る。管腔バイオマーカは、管腔内容物、管腔微生物叢、及び/又は管腔サイズを含み得る。実施例では、炎症は、分析された咳嗽バイオマーカに基づいて、予測され得る。胃食道逆流疾患は、炎症に基づいて、予測され得る。胃組織特性は、胃食道疾患に基づいて、予測され得る。実施例では、食道運動性は、コラーゲン含有量及び/又は筋板機能に基づいて、判定され得る。実施例では、結腸組織に対する変化は、唾液サイトカインに基づいて、示され得る。炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease、IBD)は、結腸組織の変化に基づいて、予測され得る。唾液サイトカインは、IBDにおいて増加し得る。SSIは、分析された細菌に基づいて、予測され得る。分析された細菌に基づいて、細菌が、識別され得る。口腔内の呼吸器病原体は、SSIの可能性を示し得る。管腔サイズ及び/又は場所に基づいて、外科用ツールパラメータ調節が生成され得る。外科用ツールパラメータ調整は、ステープルサイジング、外科用ツール固定、及び/又は外科用ツールアプローチを含み得る。実施例では、弾性を含む機械的特性に基づいて、補助材料を使用するための外科用ツールパラメータ調整が、組織張力を最小化するために生成され得る。追加の授動パラメータ調整が、組織張力を最小化するために、分析された機械的特性に基づいて、生成され得る。
【0159】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、組織強度、組織厚さ、回復速度、管腔位置、管腔形状、膵臓機能、胃内食物の存在、胃含水量、胃組織厚さ、胃組織せん断強度、及び/又は胃組織弾性を含む、胃関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、潰瘍、炎症、及び/又は胃食道逆流疾患を含む、胃関連状態が予測され得る。胃は、粘膜、筋層、漿膜、管腔、及び機械的特性を含み得る。潰瘍、炎症、及び/又は胃食道疾患を含む胃関連状態は、分析された咳嗽及び/又はGI管撮像に基づいて、予測され得る。胃組織特性は、胃食道逆流疾患に基づいて、判定され得る。潰瘍は、分析されたピロリ菌に基づいて、予測され得る。胃組織の機械的特性は、GI管画像に基づいて、判定され得る。外科用ツールパラメータ調整は、判定された胃組織の機械的特性に基づいて、生成され得る。術後漏出のリスクは、判定された胃組織の機械的特性に基づいて、予測され得る。実施例では、組織強度及び/又は厚さについての重要な構成要素は、分析されたコラーゲン含有量に基づいて、判定され得る。組織強度及び厚さの重要な構成要素は、回復に影響を及ぼし得る。実施例では、血液供給及び/又は血液場所は、漿膜バイオマーカに基づいて、判定され得る。実施例では、嚢サイズ、嚢体積、嚢場所、膵臓機能、及び/又は食物の存在を含むバイオマーカは、分析された管腔バイオマーカに基づいて、判定され得る。管腔バイオマーカは、管腔場所、管腔形状、胃内容排出速度、及び/又は管腔内容物を含み得る。嚢サイズは、嚢の開始場所及び終了場所に基づいて、判定され得る。胃内容排出速度は、GI運動性に基づいて、判定され得る。膵臓機能は、胃内容排出速度に基づいて、判定され得る。管腔内容物は、分析された胃のpHに基づいて、判定され得る。管腔内容物は、胃内食物の存在を含み得る。例えば、固形食物の存在は、胃のpH変動に基づいて、判定され得る。低い胃pHは、空の胃に基づいて、予測され得る。塩基性胃pHは、摂食に基づいて、判定され得る。食物による緩衝は、塩基性胃pHをもたらし得る。胃のpHは、胃酸分泌に基づいて、増加し得る。胃のpHは、食物の緩衝能力を超過するときに、低い値に戻り得る。管腔内pHセンサは、摂食を検出し得る。例えば、胃含水量、組織厚さ、組織せん断強度、及び/又は組織弾性は、組織灌流圧力に基づいて、判定され得る。胃の機械的特性は、胃の含水量に基づいて、判定され得る。外科用ツールパラメータ調整は、胃の機械的特性に基づいて、生成され得る。外科用ツールパラメータ調整は、組織強度及び/又は破砕性の主要構成要素に基づいて、生成され得る。術後漏出は、組織強度及び/又は破砕性の主要構成要素に基づいて、予測され得る。
【0160】
下部GIは、小腸、結腸、及び/又は直腸を含み得る。例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、カロリー吸収速度、栄養素吸収速度、細菌存在、及び/又は回復速度を含む、小腸関連バイオマーカ、合併症、コンテキスト情報、及び/又は状態が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、腸閉塞及び/又は炎症を含む、小腸関連状態が予測され得る。小腸バイオマーカは、筋層、漿膜、管腔、粘膜、及び/又は機械的特性を含み得る。例えば、術後小腸運動性変化は、GI運動性に基づいて、判定され得る。腸閉塞は、術後小腸運動性変化に基づいて、予測され得る。GI運動性は、カロリー及び/又は栄養素吸収速度を判定し得る。将来の体重減少は、加速吸収速度に基づいて、予測され得る。吸収速度は、糞便速度、組成、及び/又はpHに基づいて、判定され得る。炎症は、管腔内容物バイオマーカに基づいて、予測され得る。管腔内容物バイオマーカは、pH、細菌の存在、及び/又は細菌量を含み得る。機械的特性は、予測される炎症に基づいて、判定され得る。粘膜炎症は、便炎症マーカに基づいて、予測され得る。便炎症マーカは、カルプロテクチンを含み得る。組織特性変化は、粘膜炎症に基づいて、判定され得る。回復速度変化は、粘膜炎症に基づいて、判定され得る。
【0161】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、小腸組織強度、小腸組織厚さ、収縮能、含水量、結腸及び直腸組織灌流圧力、結腸及び直腸組織厚さ、結腸及び直腸組織強度、並びに/又は結腸及び直腸組織脆弱性を含む、結腸及び直腸関連のバイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、炎症、吻合部漏出、潰瘍性結腸炎、クローン病、及び/又は感染を含む、結腸及び直腸関連状態が予測され得る。結腸及び直腸は、粘膜、筋層、漿膜、管腔、機能、及び/又は機械的特性を含み得る。実施例では、粘膜炎症は、便炎症マーカに基づいて、予測され得る。便炎症マーカは、カルプロテクチンを含み得る。吻合部漏出リスクの増加は、炎症に基づいて、判定され得る。
【0162】
外科用ツールパラメータ調整は、吻合部漏出の判定されたリスクの増加に基づいて、生成され得る。炎症状態は、GI管撮像に基づいて、予測され得る。炎症状態は、潰瘍性大腸炎及び/又はクローン病を含み得る。炎症は、吻合部漏出のリスクを増加させ得る。外科用ツールパラメータ調整は、炎症に基づいて、生成され得る。実施例では、組織強度及び/又は厚さの重要な構成要素は、コラーゲン含有量に基づいて、判定され得る。実施例では、結腸収縮能力は、平滑筋アルファ-アクチン発現に基づいて、判定され得る。実施例では、結腸領域が収縮することができないことは、異常な発現に基づいて、判定され得る。結腸収縮不能は、偽性閉塞及び/又は腸閉塞に基づいて、判定及び/又は予測され得る。実施例では、癒着、瘻孔、及び/又は瘢痕組織は、漿膜バイオマーカに基づいて、予測され得る。結腸感染は、便中の細菌の存在に基づいて、予測され得る。便中細菌が識別され得る。細菌は、共生生物及び/又は病原体を含み得る。実施例では、炎症状態は、pHに基づいて、予測され得る。機械的特性は、炎症状態に基づいて、判定され得る。腸炎症は、摂取されたアレルゲンに基づいて、予測され得る。摂取されたアレルゲンへの一定の曝露は、腸炎症を増加させ得る。腸炎症は、機械的特性を変化させ得る。実施例では、機械的特性は、組織灌流圧力に基づいて、判定され得る。含水量は、組織灌流圧力に基づいて、判定され得る。外科用ツールパラメータ調整は、判定された機械的特性に基づいて、生成され得る。
【0163】
補助器官は、膵臓、肝臓、脾臓、及び/又は胆嚢を含み得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、胃内容排出速度、肝臓サイズ、肝臓形状、肝臓場所、組織健康状態、及び/又は失血応答を含む、補助器官関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、胃不全麻痺を含む、補助器官関連状態が予測され得る。例えば、胃内容排出速度は、酵素負荷及び/又は滴定可能なベースバイオマーカに基づいて、判定され得る。胃不全麻痺は、胃内容排出速度に基づいて、予測され得る。リンパ組織健康状態は、リンパ球貯蔵ステータスに基づいて、判定され得る。SSIに応答する患者の能力は、リンパ組織健康状態に基づいて、判定され得る。静脈洞組織健康状態は、赤血球貯蔵ステータスに基づいて、判定され得る。手術における失血に対する患者の応答は、静脈洞組織健康状態に基づいて、予測され得る。
【0164】
栄養状態は、短期栄養、長期栄養、及び/又は全身性栄養を含み得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、免疫機能を含む、栄養状態関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、心臓問題を含む、栄養状態関連状態が予測され得る。免疫機能の低下は、栄養バイオマーカに基づいて、判定され得る。心臓問題は、栄養素バイオマーカに基づいて、予測され得る。栄養素バイオマーカは、多量栄養素、微量栄養素、アルコール消費、及び/又は摂食パターンを含み得る。
【0165】
胃バイパス術を受けた患者は、便中で測定され得る、改変した腸マイクロバイオームを有し得る。
【0166】
本明細書に記載される検出、予測、判定、及び/又は生成は、測定されたデータ及び/又はバイオマーカ感知システムによって生成された関連バイオマーカに基づいて、外科用ハブ、コンピューティングデバイス、及び/又はスマートデバイスなどの、本明細書に記載されるコンピューティングシステムによって行われ得る。
【0167】
呼吸器系は、上気道、下気道、呼吸筋、及び/又は系の内容物を含み得る。上気道は、咽頭、喉頭、口及び口腔、並びに/又は鼻を含み得る。下気道は、気管、気管支、肺胞、及び/又は肺を含み得る。呼吸筋は、横隔膜筋及び/又は肋間筋を含み得る。呼吸器系関連バイオマーカ、合併症、コンテキスト情報、及び/又は状態は、分析されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、判定及び/又は予測され得る。コンピューティングシステムは、本明細書に記載されるように、細菌、咳嗽及びくしゃみ、呼吸数、VO2最大、及び/又は分析のための活動を含む、呼吸器系関連バイオマーカから1つ又は2つ以上のバイオマーカ(例えば、バイオマーカ感知システムからのデータ)を選択し得る。
【0168】
上気道は、咽頭、喉頭、口及び口腔、並びに/又は鼻を含み得る。例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、上気道関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、SSI、炎症、及び/又はアレルギー性鼻炎を含む、上気道関連状態が予測され得る。実施例では、SSIは、細菌及び/又は組織バイオマーカに基づいて、予測され得る。細菌バイオマーカは、共生生物及び/又は病原体を含み得る。炎症は、組織バイオマーカに基づいて、示され得る。粘膜炎症は、咳嗽及びくしゃみを含む、鼻バイオマーカに基づいて、予測され得る。一般的な炎症及び/又はアレルギー性鼻炎は、粘膜バイオマーカに基づいて、予測され得る。様々な組織の機械的特性は、全身性炎症に基づいて、判定され得る。
【0169】
下気道は、気管、気管支、肺胞、及び/又は肺を含み得る。例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、気管支肺セグメントを含む、下気道関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、下気道関連状態が予測され得る。外科用ツールパラメータ調整は、判定されたバイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報に基づいて、生成され得る。外科用ツールパラメータ調整は、予測される状態に基づいて、生成され得る。
【0170】
選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、低い外科的耐性を含む、肺関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。肺関連バイオマーカは、肺呼吸機構、肺疾患、肺手術、肺の機械的特性、及び/又は肺機能を含み得る。肺呼吸機構は、総肺気量(total lung capacity、TLC)、一回呼吸量(tidal volume、TV)、残気量(residual volume、RV)、予備呼気量(expiratory reserve volume、ERV)、予備吸気量(inspiratory reserve volume、IRV)、吸気容量(inspiratory capacity、IC)、吸気肺活量(inspiratory vital capacity、IVC)、肺活量(vital capacity、VC)、機能的残気量(functional residual capacity、FRC)、総肺気量のパーセントとして表される残気量(residual volume expressed as a percent of total lung capacity、RV/TLC%)、肺胞気量(alveolar gas volume、VA)、肺容量(lung volume、VL)、努力肺活量(forced vital capacity、FVC)、経時的努力呼気肺活量(forced expiratory volume over time、FEVt)、吸気容量と呼気容量との間の差(DLco)、努力呼気の最初の1秒後に吐き出された容量(FEV1)、機能的残気量曲線の一部に関連する努力呼気流量(FEFx)、機能的残気量中の最大瞬間流量(FEFmax)、努力吸気流量(forced inspiratory flow、FIF)、ピークフローメータによって測定される最高努力呼気流量(peak flow meter、PEF)、及び最大換気量(maximal voluntary ventilation、MVV)を含み得る。
【0171】
TLCは、最大膨張時の肺容量に基づいて、判定され得る。TVは、安静呼吸中に肺に出入りする空気の体積に基づいて、判定され得る。RVは、最大呼気後に肺に残っている空気体積に基づいて、判定され得る。ERVは、吸気終末レベルから吸入される最大体積に基づいて、判定され得る。ICは、集約されたIRV及びTV値に基づいて、判定され得る。IVCは、最大呼気の時点で吸入される最大空気体積に基づいて、判定され得る。VCは、RV値とTLC値との間の差に基づいて、判定され得る。FRCは、呼気終末位置における肺体積に基づいて、判定され得る。FVCは、最大努力呼気活動中のVC値に基づいて、判定され得る。低い外科的耐性は、吸気一酸化炭素と呼気一酸化炭素との間の差に基づいて、差が60%を下回るときなどに判定され得る。低い外科的耐性は、努力呼気の最初の1秒の終わりに吐き出された体積に基づいて、体積が35%を下回るときなどに判定され得る。MVVは、反復最大活動中の指定された期間に吐き出された空気の体積に基づいて、判定され得る。
【0172】
選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、喘息、がん、及び/又は結核を含む、肺関連状態が予測され得る。肺疾患は、分析された、肺活量測定、X線、血液ガス、及び/又は肺胞毛細管膜の拡散能力に基づいて、予測され得る。肺疾患は、気道を狭め、かつ/又は気道抵抗を生じさせ得る。肺がん及び/又は結核は、持続性咳嗽、喀血、息切れ、胸痛、嗄声、意図しない体重減少、骨痛、及び/又は頭痛を含む、肺関連バイオマーカに基づいて、検出され得る。結核は、3~5週間の咳嗽、咳血、胸痛、呼吸又は咳嗽中の疼痛、意図しない体重減少、疲労、発熱、寝汗、悪寒、及び/又は食欲不振を含む、肺症状に基づいて、予測され得る。
【0173】
外科用ツールパラメータ調整及び外科的手技調整は、肺関連バイオマーカ、合併症、コンテキスト情報、及び/又は状態に基づいて、生成され得る。外科的手技調整は、肺切除、肺葉切除、及び/又は亜局所切除を含み得る。実施例では、外科的手技調整は、適切な切除と、機能的ステータスを回復する患者の能力に対する生理学的影響との間の、費用便益分析に基づいて、生成され得る。外科用ツールパラメータ調整は、判定された外科的耐性に基づいて、生成され得る。外科的耐性は、FEC1値に基づいて、判定され得る。外科的耐性は、FEV1が、35%を超える値を含み得る、ある特定の閾値を超過するときに、適切であると見なされ得る。酸素化及び/又は物理療法を含む術後外科的手技調整は、判定された疼痛スコアに基づいて、生成され得る。術後外科的手技調整は、空気漏れに基づいて、生成され得る。空気漏れは、肺手術後の外科手術後回復及び罹患率と関連付けられるコストを増加させ得る。
【0174】
肺機械的特性関連バイオマーカは、灌流、組織完全性、及び/又はコラーゲン含有量を含み得る。胸膜灌流圧力は、肺含水量レベルに基づいて、判定され得る。組織の機械的特性は、胸膜灌流圧力に基づいて、判定され得る。外科用ツールパラメータ調整は、胸膜灌流圧力に基づいて、生成され得る。肺組織完全性は、弾性、呼気中の過酸化水素(H2O2)、肺組織の厚さ、及び/又は肺組織のせん断強度に基づいて、判定され得る。組織破砕性は、弾性に基づいて、判定され得る。外科用ツールパラメータ調整は、術後漏出に基づいて、生成され得る。術後漏出は、弾性に基づいて、予測され得る。実施例では、線維症は、呼気中のH2O2に基づいて、予測され得る。線維症は、H2O2濃度の増加に基づいて、判定及び/又は予測され得る。外科用ツールパラメータ調整は、予測される線維症に基づいて、生成され得る。肺組織における瘢痕の増加は、予測される線維症に基づいて、判定され得る。外科用ツールパラメータ調整は、判定された肺組織強度に基づいて、生成され得る。肺組織強度は、肺の厚さ及び/又は肺組織せん断強度に基づいて、判定され得る。術後漏出は、肺組織強度に基づいて、予測され得る。
【0175】
呼吸筋は、横隔膜筋及び/又は肋間筋を含み得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、呼吸筋関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、呼吸器感染症、虚脱した肺、肺水腫、術後の疼痛、空気漏れ、及び/又は重篤な肺炎を含む、呼吸筋関連状態が予測され得る。呼吸器感染症、虚脱した肺、及び/又は肺水腫を含む呼吸筋関連状態は、咳嗽及び/又はくしゃみを含む、横隔膜関連バイオマーカに基づいて、予測され得る。術後疼痛、空気漏れ、虚脱した肺、及び/又は重篤な肺炎を含む呼吸筋関連状態は、呼吸速度を含む、肋間筋バイオマーカに基づいて、予測され得る。
【0176】
選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、術後疼痛、治癒能力、及び/又は外科的損傷に対する応答を含む、呼吸器系内容物関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、炎症及び/又は線維症を含む、呼吸器系内容物関連状態が予測され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータは、マイコトキシン及び/又は空中浮遊化学物質を含む、環境データを含み得る。呼吸器系内容物関連状態は、空中浮遊化学物質に基づいて、予測され得る。炎症及び/又は線維症は、環境中の刺激物に基づいて、予測され得る。組織の機械的特性は、炎症及び/又は線維症に基づいて、判定され得る。術後疼痛は、環境中の刺激物に基づいて、判定され得る。気道炎症は、分析されたマイコトキシン及び/又はヒ素に基づいて、予測され得る。外科用ツールパラメータ調整は、気道炎症に基づいて、生成され得る。組織特性の改変は、分析されたヒ素に基づいて、判定され得る。
【0177】
本明細書に記載される検出、予測、判定、及び/又は生成は、測定されたデータ及び/又はバイオマーカ感知システムによって生成された関連バイオマーカに基づいて、外科用ハブ、コンピューティングシステム、及び/又はスマートデバイスなどの、本明細書に記載されるコンピューティングシステムによって行われ得る。
【0178】
内分泌系は、視床下部、脳下垂体、胸腺、副腎、膵臓、精巣、腸、卵巣、甲状腺、副甲状腺、及び/又は胃を含み得る。内分泌系関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報は、免疫系機能、転移、感染リスク、インスリン分泌、コラーゲン産生、月経期、及び/又は高血圧を含む、分析されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、判定され得る。内分泌系関連状態は、分析されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、予測され得る。コンピューティングシステムは、本明細書に記載されるように、分析のために、ホルモン、血圧、アドレナリン、コルチゾール、血液グルコース、及び/又は月経周期を含む、内分泌系関連バイオマーカから1つ又は2つ以上のバイオマーカ(例えば、バイオマーカ感知システムからのデータ)を選択し得る。外科用ツールパラメータ調整及び/又は外科的手技調整は、内分泌系関連バイオマーカ、合併症、コンテキスト情報、及び/又は状態に基づいて、生成され得る。
【0179】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、血圧調節、腎機能、浸透圧平衡、脳下垂体制御、及び/又は疼痛耐性を含む、視床下部関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、浮腫を含む、視床下部関連状態が予測され得る。ホルモンバイオマーカは、抗利尿ホルモン(anti-diuretic hormone、ADH)及び/又はオキシトシンを含み得る。ADHは、血圧調節、腎機能、浸透圧平衡、及び/又は脳下垂体制御に影響を及ぼし得る。疼痛耐性は、分析されたオキシトシンに基づいて、判定され得る。オキシトシンは、鎮痛効果を有し得る。外科用ツールパラメータ調整は、予測される浮腫に基づいて、生成され得る。
【0180】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、概日リズム同調、月経期、及び/又は治癒速度を含む、脳下垂体関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、下垂体関連状態が予測され得る。概日同調は、副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone、ACTH)に基づいて、判定され得る。概日リズム同調は、様々な外科的転帰のコンテキストを提供し得る。月経期は、生殖機能ホルモンバイオマーカに基づいて、判定され得る。生殖機能ホルモンバイオマーカは、黄体形成ホルモン及び/又は卵胞刺激ホルモンを含み得る。月経期は、様々な外科的転帰のコンテキストを提供し得る。月経周期は、生殖器系に関連するものを含む、バイオマーカ、合併症、及び/又は状態についてのコンテキストを提供し得る。創傷治癒速度は、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(thyrotropic releasing hormone、TRH)を含む、甲状腺調節ホルモンに基づいて、判定され得る。
【0181】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、免疫系機能を含む、胸腺関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、胸腺関連状態が予測され得る。免疫系機能は、チモシンに基づいて、判定され得る。チモシンは、適応免疫の発達に影響を及ぼし得る。
【0182】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、転移、血管の健康状態、免疫レベル、及び/又は感染リスクを含む、副腎関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、浮腫を含む、副腎関連状態が予測され得る。転移は、分析されたアドレナリン及び/又はノルアドレナリンに基づいて、判定され得る。血管の健康状態は、分析されたアドレナリン及び/又はノルアドレナリンに基づいて、判定され得る。血管の健康状態スコアは、判定された血管の健康状態に基づいて、生成され得る。免疫能力は、分析されたコルチゾールに基づいて判定され得る。感染リスクは、分析されたコルチゾールに基づいて、判定され得る。転移は、分析されたコルチゾールに基づいて、予測され得る。概日リズムは、測定されたコルチゾールに基づいて判定され得る。高コルチゾールは、免疫を低下させ、感染リスクを増加させ、かつ/又は転移をもたらし得る。高コルチゾールは、概日リズムに影響を及ぼし得る。浮腫は、分析されたアルドステロンに基づいて、予測され得る。アルドステロンは、体液貯留を促進し得る。体液貯留は、血圧及び/又は浮腫に関連し得る。
【0183】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、血糖、ホルモン、ポリペプチド、及び/又は血液グルコース制御を含む、膵臓関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、膵臓関連状態が予測され得る。膵臓関連バイオマーカは、様々な外科的転帰のコンテキスト情報を提供し得る。血糖バイオマーカは、インスリンを含み得る。ホルモンバイオマーカは、ソマトスタチンを含み得る。ポリペプチドバイオマーカは、膵臓ポリペプチドを含み得る。血液グルコース制御は、インスリン、ソマトスタチン、及び/又は膵臓ポリペプチドに基づいて、判定され得る。血液グルコース制御は、様々な外科的転帰のコンテキスト情報を提供し得る。
【0184】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、生殖発達、性的興奮、及び/又は免疫系調節を含む、精巣関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、精巣関連状態が予測され得る。精巣関連バイオマーカは、テストステロンを含み得る。テストステロンは、生殖器系に関連するものを含む、バイオマーカ、合併症、及び/又は状態についてのコンテキスト情報を提供し得る。高レベルのテストステロンは、免疫を抑制し得る。
【0185】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、グルコース処理、満腹感、インスリン分泌、消化速度、及び/又はスリーブ状胃切除術転帰を含む、胃/精巣関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。グルコース処理及び満腹バイオマーカは、グルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1、GLP-1)、コレシストキニン(cholecystokinin、CCK)、及び/又はペプチドYYを含み得る。食欲及び/又はインスリン分泌は、分析されたGLP-1に基づいて、判定され得る。GLP-1の増加は、増強された食欲及びインスリン分泌に基づいて、判定され得る。スリーブ状胃切除術転帰は、分析されたGLP-1に基づいて、判定され得る。満腹及び/又はスリーブ状胃切除術転帰は、分析されたCCKに基づいて、判定され得る。CCKレベルの増強は、以前のスリーブ胃切除術に基づいて、予測され得る。食欲及び消化速度は、分析されたペプチドYYに基づいて、判定され得る。ペプチドYYの増加は、食欲を低減させ、かつ/又は消化速度を増加させ得る。
【0186】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、エストロゲン、プロゲステロン、コラーゲン生成物、体液貯留、及び/又は月経期を含む、ホルモン関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。コラーゲン産生は、エストロゲンに基づいて、判定され得る。体液貯留は、エストロゲンに基づいて、判定され得る。外科用ツールパラメータ調整は、判定されたコラーゲン産生及び/又は体液貯留に基づいて、生成され得る。
【0187】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、カルシウム処理、リン酸塩処理、代謝、血圧、及び/又は外科的合併症を含む、甲状腺及び副甲状腺関連バイオマーカ、合併症、並びに/又はコンテキスト情報が判定され得る。代謝バイオマーカは、トリヨードサイロニン(T3)及び/又はチロキシン(T4)を含み得る。血圧は、分析されたT3及びT4に基づいて、判定され得る。高血圧は、増加したT3及び/又は増加したT4に基づいて、判定され得る。外科的合併症は、分析されたT3及び/又はT4に基づいて、判定され得る。
【0188】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、食欲を含む、胃関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。胃関連バイオマーカは、グレリンを含み得る。グレリンは、食欲を誘導し得る。
【0189】
本明細書に記載される検出、予測、判定、及び/又は生成は、測定されたデータ及び/又はバイオマーカ感知システムによって生成された関連バイオマーカに基づいて、外科用ハブ、コンピューティングシステム、及び/又はスマートデバイスなどの、本明細書に記載されるコンピューティングシステムによって行われ得る。
【0190】
免疫系関連バイオマーカは、抗原及び刺激物、抗菌酵素、補体系、ケモカイン及びサイトカイン、リンパ系、骨髄、病原体、損傷関連分子パターン(damage-associated molecular pattern、DAMP)、並びに/又は細胞に関連し得る。免疫系関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報は、分析されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、判定され得る。コンピューティングシステムは、本明細書に記載されるように、分析のために、アルコール消費、pH、呼吸数、浮腫、汗、及び/又は環境を含む、免疫系関連バイオマーカから1つ又は2つ以上のバイオマーカ(例えば、バイオマーカ感知システムからのデータ)を選択し得る。抗原/刺激物
【0191】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、治癒能力、免疫機能、及び/又は心臓問題を含む、抗原及び刺激物関連バイオマーカ、合併症、並びに/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、炎症を含む、抗原及び刺激物関連状態が予測され得る。抗原及び刺激物関連バイオマーカは、吸入された化学物質、吸入された刺激物、摂取された化学物質、及び/又は摂取された刺激物を含み得る。吸入された化学物質又は刺激物は、空中浮遊化学物質、マイコトキシン、及び/又はヒ素を含む、分析された環境データに基づいて、判定され得る。空中浮遊化学物質は、タバコの煙、アスベスト、結晶性シリカ、合金粒子、及び/又はカーボンナノチューブを含み得る。肺炎症は、分析された空中浮遊化学物質に基づいて、予測され得る。外科用ツールパラメータ調整は、判定された肺炎症に基づいて、生成され得る。気道炎症は、分析されたマイコトキシン及び/又はヒ素に基づいて、予測され得る。外科用ツールパラメータ調整は、判定された気道炎症に基づいて、生成され得る。ヒ素曝露は、尿、唾液、及び/又は周囲空気試料分析に基づいて、判定され得る。
【0192】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、結腸状態を含む、抗菌酵素関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、GI炎症、急性腎障害、フェカリス菌感染、及び/又は黄色ブドウ球菌感染を含む、抗菌酵素関連状態が予測され得る。抗菌バイオマーカは、ライソザイム、リポカリン-2(NGAL)、及び/又はオロソムコイドを含み得る。GI炎症は、分析されたリゾチームに基づいて、予測され得る。リゾチームレベルの増加は、GI炎症に基づいて、判定及び/又は予測され得る。結腸状態は、分析されたリゾチームに基づいて、判定され得る。外科用ツールパラメータ調整は、分析されたリゾチームレベルに基づいて、生成され得る。急性腎損傷は、分析されたNGALに基づいて、予測され得る。NGALは、血清及び/又は尿から検出され得る。
【0193】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、細菌感染感受性を含む、補体系関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。細菌感染感受性は、分析された補体系欠損に基づいて、判定され得る。
【0194】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、感染負荷、炎症負荷、血管透過性調節、オメンチン、結腸組織特性、及び/又は術後回復を含む、ケモカイン及びサイトカイン関連バイオマーカ、合併症、並びに/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、炎症性腸疾患、術後感染、肺線維症、肺瘢痕、肺性線維症、胃食道逆流性疾患、心血管疾患、浮腫、及び/又は過形成を含む、ケモカイン及びサイトカイン関連状態が予測され得る。感染及び/又は炎症負荷バイオマーカは、口腔、唾液、呼気、及び/又はC反応性タンパク質(C-reactive protein、CRP)データを含み得る。唾液サイトカインには、インターロイキン-1ベータ(interleukin-1 beta、IL-1β)、インターロイキン-6(interleukin-6、IL-6)、腫瘍壊死因子アルファ(tumor necrosis factor alpha、TNF-α)及び/又はインターロイキン-8(interleukin-8、IL-8)が含まれ得る。
【0195】
実施例では、炎症性腸疾患は、分析された唾液サイトカインに基づいて、予測され得る。唾液サイトカインの増加は、炎症性腸疾患に基づいて、判定され得る。結腸組織特性は、予測される炎症性腸疾患に基づいて、判定され得る。結腸組織特性は、瘢痕、浮腫、及び/又は潰瘍を含み得る。術後回復及び/又は感染は、予測される炎症性腸疾患に基づいて、判定され得る。腫瘍サイズ及び/又は肺瘢痕は、分析された呼気バイオマーカに基づいて、判定され得る。肺線維症、肺性線維症及び/又は胃食道逆流性疾患は、分析された呼気バイオマーカに基づいて、予測され得る。呼気バイオマーカは、呼気サイトカイン、pH、過酸化水素(H2O2)、及び/又は一酸化窒素を含み得る。呼気サイトカインは、IL-6、TNF-α、及び/又はインターロイキン-17(interleukin-17、IL-17)を含み得る。肺線維症は、呼気から測定されたpH及び/又はH2O2に基づいて、予測され得る。線維症は、H2O2濃度の増加に基づいて、予測され得る。肺組織瘢痕の増加は、線維症に基づいて、予測され得る。外科用ツールパラメータ調整は、予測される肺線維症に基づいて、生成され得る。実施例では、肺性線維症及び/又は胃食道逆流性疾患は、分析された呼気一酸化窒素に基づいて、予測され得る。肺性線維症は、判定された硝酸塩及び/又は亜硝酸塩の増加に基づいて、予測され得る。胃食道疾患は、判定された硝酸塩及び/又は亜硝酸塩の低減に基づいて、予測され得る。外科用ツールパラメータ調整は、予測される肺性線維症及び/又は胃食道逆流性疾患に基づいて、生成され得る。心血管疾患、炎症性腸疾患、及び/又は感染症は、分析されたCRPバイオマーカに基づいて、予測され得る。重篤な心血管疾患のリスクは、高いCRP濃度とともに増加し得る。炎症性腸疾患は、CRP濃度の上昇に基づいて、予測され得る。感染は、CRP濃度の上昇に基づいて、予測され得る。実施例では、浮腫は、分析された血管透過性調節バイオマーカに基づいて、予測され得る。炎症中の血管透過性の増加は、分析されたブラジキニン及び/又はヒスタミンに基づいて、判定され得る。浮腫は、炎症中の血管透過性の増加に基づいて、予測され得る。血管透過性は、内皮接着分子に基づいて、判定され得る。内皮接着分子は、細胞試料に基づいて、判定され得る。内皮接着分子は、浮腫における、血管透過性、免疫細胞補強、及び/又は体液蓄積に影響を及ぼし得る。外科用ツールパラメータ調整は、分析された血管透過性調節バイオマーカに基づいて、生成され得る。実施例では、過形成は、分析されたオメンチンに基づいて、予測され得る。過形成は、組織特性を改変させ得る。外科用ツールパラメータ調整は、予測される過形成に基づいて、生成され得る。
【0196】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、リンパ節、リンパ組成、リンパ場所、及び/又はリンパ腫脹を含む、リンパ系関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、術後炎症、術後感染、及び/又は線維症を含む、リンパ系関連状態が予測され得る。術後の炎症及び/又は感染は、判定されたリンパ節腫脹に基づいて、予測され得る。外科用ツールパラメータ調整は、分析されたリンパ節腫脹に基づいて、生成され得る。高調波ツールパラメータ調整を含む外科用ツールパラメータ調整は、判定されたコラーゲン沈着に基づいて、生成され得る。コラーゲン沈着は、リンパ節線維症とともに増加し得る。炎症状態は、リンパ組成に基づいて予測され得る。転移性細胞の広がりは、リンパ組成に基づいて、判定され得る。外科用ツールパラメータ調整は、リンパペプチドームに基づいて、生成され得る。リンパペプチドームは、炎症状態に基づいて、変化し得る。
【0197】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、病原体関連分子パターン(pathogen-associated molecular pattern、PAMP)、病原体負荷、ピロリ菌、及び/又は胃組織特性を含む、病原体関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、感染、胃炎、及び/又は潰瘍を含む、病原関連状態が予測され得る。PAMPバイオマーカは、病原体抗原を含み得る。病原体抗原は、病原体負荷に影響を及ぼし得る。胃炎及び/又は潜在的な潰瘍は、予測される感染に基づいて、予測され得る。胃組織特性改変は、予測される感染に基づいて、判定され得る。
【0198】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、ストレス(例えば、心血管、代謝、血糖、及び/又は細胞)及び/又は壊死を含む、DAMP関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、急性心筋梗塞、腸炎症、及び/又は感染症を含む、DAMP関連状態が予測され得る。細胞ストレスバイオマーカは、クレアチンキナーゼMB、ピルビン酸キナーゼアイソザイムM2型(pyruvate kinase isoenzyme type M2、M2-PK)、イリシン、及び/又はマイクロRNAを含み得る。実施例では、急性心筋梗塞は、分析されたクレアチンキナーゼMBバイオマーカに基づいて、予測され得る。腸炎症は、分析されたM2-PKバイオマーカに基づいて、予測され得る。ストレスは、分析されたイリシンバイオマーカに基づいて、判定され得る。炎症性の疾患及び/又は感染症は、分析されたマイクロRNAバイオマーカに基づいて、予測され得る。外科用ツールパラメータ調整は、予測される炎症及び/又は感染に基づいて、生成され得る。炎症及び/又は感染は、分析された壊死バイオマーカに基づいて、予測され得る。壊死バイオマーカは、活性酸素種(reactive oxygen specie、ROS)を含み得る。炎症及び/又は感染は、ROSの増加に基づいて、予測され得る。術後回復は、分析されたROSに基づいて、判定され得る。
【0199】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムに基づいて、顆粒球、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、マクロファージ、リンパ球、及び/又は結腸組織特性を含む、細胞関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムに基づいて、術後感染、潰瘍性大腸炎、炎症、及び/又は炎症性大腸疾患を含む、細胞関連状態が予測され得る。顆粒球バイオマーカは、好酸球増加症及び/又は好中球を含み得る。好酸球増多症バイオマーカは、痰細胞数、好酸球性陽イオン性タンパク質、及び/又は呼気一酸化窒素分画を含み得る。好中球バイオマーカは、S100タンパク質、ミエロペルオキシダーゼ、及び/又はヒト好中球リポカリンを含み得る。リンパ球バイオマーカは、抗体、適応応答、及び/又は免疫記憶を含み得る。抗体は、免疫グロブリンA(immunoglobulin A、IgA)及び/又は免疫グロブリンM(immunoglobulin M、IgM)を含み得る。実施例では、術後感染及び/又は術前炎症は、分析された痰細胞数に基づいて、予測され得る。潰瘍性大腸炎は、分析された好酸球性陽イオン性タンパク質に基づいて、予測され得る。結腸組織特性の改変は、予測される潰瘍性大腸炎に基づいて、判定され得る。好酸球は、潰瘍性大腸炎に基づいて判定され得る好酸球性陽イオン性タンパク質を産生し得る。炎症は、分析された呼気一酸化窒素分画に基づいて、予測され得る。炎症は、1型喘息様炎症を含み得る。外科用ツールパラメータ調整は、予測される炎症に基づいて、生成され得る。実施例では、炎症性腸疾患は、S100タンパク質に基づいて、予測され得る。S100タンパク質は、カルプロテクチンを含み得る。結腸組織特性は、予測される炎症性腸疾患に基づいて、判定され得る。潰瘍性大腸炎は、分析されたミエロペルオキシダーゼ及び/又はヒト好中球リポカリンに基づいて、予測され得る。結腸組織特性の改変は、予測される潰瘍性大腸炎に基づいて、判定され得る。実施例では、炎症は、抗体バイオマーカに基づいて、予測され得る。腸炎症は、IgAに基づいて、予測され得る。心血管炎症は、IgMに基づいて、予測され得る。
【0200】
本明細書に記載される検出、予測、判定、及び/又は生成は、測定されたデータ及び/又はバイオマーカ感知システムによって生成された関連バイオマーカに基づいて、外科用ハブ、コンピューティングデバイス、及び/又はスマートデバイスなどの、本明細書に記載されるコンピューティングシステムによって行われ得る。
【0201】
腫瘍は、良性及び/又は悪性の腫瘍を含み得る。腫瘍関連バイオマーカ、合併症、コンテキスト情報、及び/又は状態は、分析されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、判定及び/又は予測され得る。コンピューティングシステムは、本明細書に記載されるように、分析のために、循環腫瘍細胞を含む、腫瘍関連バイオマーカから1つ又は2つ以上のバイオマーカ(例えば、バイオマーカ感知システムからのデータ)を選択し得る。
【0202】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、良性腫瘍複製、良性腫瘍代謝、及び/又は良性腫瘍合成を含む、良性腫瘍関連バイオマーカ、状態、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。良性腫瘍複製は、有糸分裂活性、有糸分裂代謝、及び/又は合成バイオマーカの速度を含み得る。良性腫瘍代謝は、代謝需要及び/又は代謝産物バイオマーカを含み得る。良性腫瘍合成は、タンパク質発現及び/又は遺伝子発現バイオマーカを含み得る。
【0203】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、悪性腫瘍合成、悪性腫瘍代謝、悪性腫瘍複製、マイクロサテライト安定性、転移リスク、転移性腫瘍、腫瘍成長、腫瘍後退、及び/又は転移活性を含む、悪性腫瘍関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、がんを含む、悪性腫瘍関連状態が予測され得る。悪性腫瘍合成は、遺伝子発現及び/又はタンパク質発現バイオマーカを含み得る。遺伝子発現は、腫瘍生体検査及び/又はゲノム分析に基づいて、判定され得る。タンパク質発現バイオマーカは、がん抗原125(cancer antigen 125、CA-125)及び/又はがん胎児性抗原(carcinoembryonic antigen、CEA)を含み得る。CEAは、尿及び/又は唾液に基づいて、測定され得る。悪性腫瘍複製データは、有糸分裂活性の速度、有糸分裂封入、腫瘍質量、及び/又はマイクロRNA 200cを含み得る。
【0204】
実施例では、マイクロサテライト安定性は、分析された遺伝子発現に基づいて、判定され得る。転移リスクは、判定されたマイクロサテライト安定性に基づいて、判定され得る。より高い転移リスクは、低いマイクロサテライト不安定性に基づいて、判定及び/又は予測され得る。実施例では、転移性腫瘍、腫瘍成長、腫瘍転移、及び/又は腫瘍後退は、分析されたタンパク質発現に基づいて、判定され得る。転移性腫瘍は、CA-125の上昇に基づいて、判定及び/又は予測され得る。がんは、CA-125に基づいて、予測され得る。がんは、CEAの特定のレベルに基づいて、予測され得る。腫瘍成長、転移、及び/又は退縮は、CEAにおける検出される変化に基づいて、監視され得る。転移活性は、悪性腫瘍複製に基づいて、判定され得る。がんは、悪性腫瘍複製に基づいて、予測され得る。マイクロRNA 200cは、ある特定のがんによって血液中に放出され得る。転移活性は、循環腫瘍細胞の存在に基づいて、判定及び/又は予測され得る。
【0205】
本明細書に記載される検出、予測、判定、及び/又は生成は、測定されたデータ及び/又はバイオマーカ感知システムによって生成された関連バイオマーカに基づいて、外科用ハブ、コンピューティングデバイス、及び/又はスマートデバイスなどの、本明細書に記載されるコンピューティングシステムによって行われ得る。
【0206】
筋骨格系は、筋肉、骨、骨髄、及び/又は軟骨を含み得る。筋肉は、平滑筋、心筋、及び/又は骨格筋を含み得る。平滑筋は、カルモジュリン、結合組織、構造的特徴、過形成、アクチン、及び/又はミオシンを含み得る。骨は、石灰化した骨、骨芽細胞、及び/又は破骨細胞を含み得る。骨髄は、赤色骨髄及び/又は黄色骨髄を含み得る。軟骨は、軟骨組織及び/又は軟骨細胞を含み得る。筋骨格系関連バイオマーカ、合併症、コンテキスト情報、及び/又は状態は、分析されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、判定及び/又は予測され得る。コンピューティングシステムは、本明細書に記載されるように、分析のために、筋骨格関連バイオマーカから1つ又は2つ以上のバイオマーカ(例えば、バイオマーカ感知システムからのデータ)を選択し得る。
【0207】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、血清カルモジュリンレベル、機械的強度、筋肉体、過形成、筋収縮能力、及び/又は筋損傷を含む、筋肉関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、筋肉関連状態が予測され得る。実施例では、神経学的状態は、分析された血清カルモジュリンレベルに基づいて、予測され得る。機械的強度は、分析された平滑筋コラーゲンレベルに基づいて、判定され得る。コラーゲンは平滑筋フィラメントを互いに結び付き得るので、コラーゲンは機械的強度に影響を及ぼし得る。筋肉体は、分析された構造的特徴に基づいて、判定され得る。筋肉体は、中間体及び/又は緻密体を含み得る。過形成は、分析されたオメンチンレベルに基づいて、判定され得る。オメンチンは、過形成を示し得る。過形成は、平滑筋の厚い領域に基づいて、判定及び/又は予測され得る。筋収縮能力は、分析された平滑筋アルファ-アクチン発現に基づいて、判定され得る。筋収縮不能は、平滑筋におけるアクチンの異常発現に起因し得る。実施例では、筋損傷は、分析された循環平滑筋ミオシン及び/又は骨格筋ミオシンに基づいて、判定され得る。筋肉強度は、分析された循環平滑筋ミオシンに基づいて、判定され得る。筋損傷及び/又は弱くもろい平滑筋は、循環平滑筋ミオシン及び/又は骨格筋ミオシンに基づいて、判定及び/又は予測され得る。平滑筋ミオシンは、尿から測定され得る。実施例では、筋損傷は、心筋バイオマーカ及び/又は骨格筋バイオマーカに基づいて、判定され得る。心筋バイオマーカ及び/又は骨格筋バイオマーカは、循環トロポニンを含み得る。筋損傷は、ミオシンとともに循環トロポニンに基づいて、判定及び/又は予測され得る。
【0208】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、石灰化骨特性、石灰化骨機能、骨芽細胞数、類骨分泌、破骨細胞数、及び/又は分泌破骨細胞を含む、骨関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。
【0209】
例えば、選択されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、組織破壊及び/又はコラーゲン分泌を含む、骨髄関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報が判定され得る。軟骨組織の関節炎による破壊は、分析された軟骨組織バイオマーカに基づいて、判定され得る。筋細胞によるコラーゲン分泌は、分析された軟骨細胞バイオマーカに基づいて、判定され得る。
【0210】
本明細書に記載される検出、予測、判定、及び/又は生成は、測定されたデータ及び/又はバイオマーカ感知システムによって生成された関連バイオマーカに基づいて、外科用ハブ、コンピューティングデバイス、及び/又はスマートデバイスなどの、本明細書に記載されるコンピューティングシステムによって行われ得る。
【0211】
生殖器系関連バイオマーカ、合併症、コンテキスト情報、及び/又は状態は、分析されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、判定及び/又は予測され得る。コンピューティングシステムは、本明細書に記載されるように、分析のために、生殖器系関連バイオマーカから1つ又は2つ以上のバイオマーカ(例えば、バイオマーカ感知システムからのデータ)を選択し得る。生殖器系関連バイオマーカ、合併症、及び/又はコンテキスト情報は、女性解剖学的構造、女性機能、月経周期、pH、出血、創傷治癒、及び/又は瘢痕を含む、分析バイオマーカ感知システムデータに基づいて、判定され得る。女性解剖学的構造バイオマーカは、卵巣、膣、子宮頸部、ファロピウス管、及び/又は子宮を含み得る。女性機能バイオマーカは、生殖ホルモン、妊娠、閉経、及び/又は月経周期を含み得る。生殖器系関連状態は、子宮内膜症、癒着、膣症、細菌感染、SSI、及び/又は骨盤膿瘍を含む、分析されたバイオマーカ感知システムデータに基づいて、予測され得る。
【0212】
実施例では、子宮内膜症は、女性解剖学的構造バイオマーカに基づいて、予測され得る。癒着は、女性解剖学的構造バイオマーカに基づいて、予測され得る。癒着は、S状結腸癒着を含み得る。子宮内膜症は、月経血に基づいて、予測され得る。月経血は、子宮内膜症からの分子シグナルを含み得る。S状結腸癒着は、予測される子宮内膜症に基づいて、予測され得る。実施例では、月経期及び/又は月経周期長は、月経周期に基づいて判定され得る。出血、創傷治癒、及び/又は瘢痕は、分析された月経期に基づいて判定され得る。子宮内膜症のリスクは、分析された月経周期に基づいて、予測され得る。より高い子宮内膜症のリスクは、より短い月経周期長に基づいて予測され得る。分子シグナルは、分析された月経血及び/又は排出物のpHに基づいて、判定され得る。子宮内膜症は、判定された分子シグナルに基づいて、予測され得る。膣のpHは、分析された排出物のpHに基づいて、判定され得る。膣症及び/又は細菌感染は、分析された膣のpHに基づいて、予測され得る。膣症及び/又は細菌感染は、膣のpHの変化に基づいて、予測され得る。婦人科手技中のSSI及び/又は骨盤膿瘍のリスクは、予測される膣症に基づいて、予測され得る。
【0213】
本明細書に記載される検出、予測、判定、及び/又は生成は、1つ又は2つ以上の感知システムによって生成された測定データ及び/又は関連するバイオマーカに基づいて、外科用ハブ、コンピューティングデバイス、及び/又はスマートデバイスなどの、本明細書に記載されるコンピュータ実装患者及び外科医監視システムのうちのいずれか内のコンピューティングシステムのうちのいずれかによって行われ得る。
【0214】
図2Aは、外科手術室内の外科医監視システム20002の実施例を示す。
図2Aに例解されるように、患者は、1人又は2人以上の医療専門家(health care professional、HCP)によって手術されている。HCPは、HCPによって着用された1つ又は2つ以上の外科医感知システム20020によって監視されている。HCP及びHCPを取り囲む環境はまた、例えば、手術室内に配備され得る、一組のカメラ20021、一組のマイクロフォン20022、及び他のセンサなどを含む、1つ又は2つ以上の環境感知システムによって監視され得る。
図1に示されるように、外科医感知システム20020及び環境感知システムは、外科用ハブ20006と通信状態であり得、外科用ハブ20006は、次いで、クラウドコンピューティングシステム20008の1つ又は2つ以上のクラウドサーバ20009と通信状態であり得る。環境感知システムは、1つ又は2つ以上の環境属性、例えば、手術室内のHCP位置、HCPの動き、手術室内の周囲雑音、手術室内の温度/湿度などを測定するために使用され得る。
【0215】
図2Aに例解されるように、一次ディスプレイ20023及び1つ又は2つ以上の音声出力デバイス(例えば、スピーカ20019)は、手術台20024の操作者に見えるように滅菌野に位置決めされている。加えて、可視化/通知タワー20026が、滅菌野の外側に位置決めされている。可視化/通知タワー20026は、第1の非滅菌ヒューマン双方向デバイス(human interactive device、HID)20027、及び第2の非滅菌HID20029を含み得、これらは、互いに反対方向を向き得る。HIDは、ディスプレイ、又は人間がHIDと直接インターフェース接続することを可能にするタッチスクリーンを有するディスプレイであり得る。外科用ハブ20006によって誘導されるヒューマンインターフェースシステムは、HID20027、20029及び20023を利用して、滅菌野の内側及び外側の操作者への情報の流れを調整するように構成され得る。実施例では、外科用ハブ20006は、HID(例えば、一次HID20023)に、患者及び/又は外科的手技工程に関する通知及び/又は情報を表示させ得る。実施例では、外科用ハブ20006は、滅菌野又は非滅菌領域内の人員を促し、かつ/又は人員から入力を受信し得る。実施例では、外科用ハブ20006は、一次HID20023上に手術部位のライブ映像を維持しながら、HIDに、撮像デバイス20030によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌HID20027又は20029上に表示させ得る。非滅菌ディスプレイ20027又は20029上のスナップショットは、例えば、非滅菌操作者が、外科的手技に関連する診断工程を実行することを可能にすることできる。
【0216】
一態様では、外科用ハブ20006は、可視化タワー20026において非滅菌操作者によって入力される診断入力又はフィードバックを、滅菌野内の一次ディスプレイ20023に送るように構成され得、それを、手術台において滅菌操作者が見ることができる。一実施例では、入力は、非滅菌ディスプレイ20027又は20029上に表示されるスナップショットへの修正の形態とし得、これを、外科用ハブ20006によって一次ディスプレイ20023に送ることができる。
【0217】
図2Aを参照すると、外科用器具20031は、外科的手技において外科医監視システム20002の一部として使用されている。ハブ20006は、外科用器具20031のディスプレイへの情報の流れを調整するように構成され得る。例えば、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年12月4日出願の「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)において。可視化タワー20026において非滅菌操作者によって入力される診断入力又はフィードバックは、ハブ20006によって滅菌野内の外科用器具ディスプレイに送ることができ、これを、外科用器具20031の操作者が見ることができる。外科用システム20002とともに使用するのに好適な例示的な外科用器具は、例えば、2018年12月4日出願の「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)において「Surgical Instrument Hardware」という見出しの下に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0218】
図2Aは、外科手術室20035内の手術台20024上に横たわっている患者に対して外科的手技を行うために使用されている外科用システム20002の実施例を例解する。ロボットシステム20034は、外科的手技において外科用システム20002の一部として使用され得る。ロボットシステム20034は、外科医のコンソール20036、患者側カート20032(手術用ロボット)、及び外科用ロボットハブ20033を含み得る。患者側カート20032は、外科医が外科医のコンソール20036を通して手術部位を見ながら、患者の身体の低侵襲切開部を通じて、少なくとも1つの着脱可能に結合された外科用ツール20037を操作することができる。手術部位の画像は、医療用撮像デバイス20030によって取得することができ、医療用撮像デバイス20030は、この撮像デバイス20030の向きを合わせるように患者側カート20032によって操作することができる。ロボットハブ20033を使用して、手術部位の画像を処理し、その後、外科医のコンソール20036を通じて、外科医に表示することができる。
【0219】
他のタイプのロボットシステムは、外科用システム20002とともに使用するように容易に適合させることができる。本開示とともに使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、2018年12月4日出願の「METHOD OF ROBOTIC HUB COMMUNICATION,DETECTION,AND CONTROL」と題する米国特許出願公開第2019-0201137(A1)号(米国特許出願第16/209,407号)に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0220】
クラウドコンピューティングシステム20008によって行われ、本開示とともに使用するのに好適なクラウドベース分析法の様々な実施例については、2018年12月4日に出願された「METHOD OF CLOUD BASED DATA ANALYTICS FOR USE WITH THE HUB」と題する米国特許出願公開第2019-0206569(A1)号(米国特許出願第16/209,403号)に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0221】
様々な態様では、撮像デバイス20030は、少なくとも1つの画像センサ、及び1つ又は2つ以上の光学構成要素を含み得る。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(Charge-Coupled Device、CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal-Oxide Semiconductor、CMOS)センサを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0222】
撮像デバイス20030の光学構成要素は、1つ又は2つ以上の照明源、及び/又は1つ又は2つ以上のレンズを含み得る。1つ又は2つ以上の照明源は、術野の一部分を照明するように方向付けられ得る。1つ又は2つ以上の画像センサは、組織及び/又は外科用器具から反射又は屈折された光を含む、術野から反射又は屈折された光を受信することができる。
【0223】
1つ又は2つ以上の照明源は、可視スペクトル並びに不可視スペクトル内の電磁エネルギーを照射するように構成され得る。可視スペクトルは、場合によっては、光スペクトル又は発光スペクトルとも称され、人間の目に見える(すなわち、人間の目によって検出することができる)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と称されることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの波長に応答する。
【0224】
不可視スペクトル(例えば、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長の)電磁スペクトルの一部分である。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(infrared、IR)、マイクロ波及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線及びガンマ線電磁放射線になる。
【0225】
様々な態様では、撮像デバイス20030は、低侵襲手術において使用するように構成されている。本開示とともに使用するのに好適な撮像デバイスの例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、サイトスコープ(cytoscope)、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡(nasopharyngo-neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
【0226】
撮像デバイスは、トポグラフィと下層構造とを区別するために、マルチスペクトルモニタリンスを採用し得る。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトル全体から特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR、及び紫外からの光を含む特定の波長に対する感度を有する器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像により、人間の目がもつ赤、緑、及び青の受容体では取り込むことができない追加情報を抽出することが可能になる。マルチスペクトル撮像法の使用については、2018年12月4日に出願された「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)において「Advanced Imaging Acquisition Module」という見出しの下で詳述されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。マルチスペクトルモニタリングは、処置された組織に対して上述の試験のうちの1つ又は2つ以上を実行するための手術タスクが完了した後に術野を再配置するのに有用なツールであり得る。いかなる外科手術においても、手術室及び手術機器の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「手術現場」、すなわち、手術室又は処置室において要求される厳格な衛生条件及び滅菌条件は、全ての医療デバイス及び機器の可能な最も高い滅菌性を必要とする。上記の滅菌プロセスの一部としては、撮像デバイス20030並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性が挙げられる。滅菌野は、トレイ内若しくは滅菌タオル上などの微生物を含まないと見なされる特定の領域と見なされ得ること、又は滅菌野は、外科的手技の準備が整った患者の直ぐ周囲の領域と見なされ得ることは理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。
【0227】
図1に例解するウェアラブル感知システム20011は、1つ又は2つ以上の感知システム、例えば、
図2Aに示されるような外科医感知システム20020を含み得る。外科医感知システム20020は、医療提供者(healthcare provider、HCP)の一組の物理的状態及び/又は一組の生理的状態を監視及び検出するための感知システムを含み得る。HCPは、一般的に、外科医、又は外科医若しくは他の医療サービス提供者を支援する1人又は2人以上の医療関係者であり得る。実施例では、感知システム20020は、HCPの心拍数を監視するために一組のバイオマーカを測定し得る。別の実施例では、外科医の手首に着用された感知システム20020(例えば、ウォッチ又はリストバンド)は、手の動き及び/又は震えを検出し、かつ振戦の大きさ及び周波数を判定するために、加速度計を使用し得る。感知システム20020は、更なる処理のために、一組のバイオマーカと関連付けられる測定データ及び外科医の身体的状態と関連付けられるデータを外科用ハブ20006に送信し得る。1つ又は2つ以上の環境感知デバイスは、環境情報を外科用ハブ20006に送信し得る。例えば、環境感知デバイスは、HCPの手/身体の位置を検出するためのカメラ20021を含み得る。環境感知デバイスは、手術室内の周囲雑音を測定するためのマイクロフォン20022を含み得る。他の環境感知デバイスは、例えば、温度を測定するための温度計及び手術室内の周囲の湿度を測定するための湿度計などのデバイスを含み得る。外科用ハブ20006は、単独で、又はクラウドコンピューティングシステムと通信状態で、例えば、振戦を最小化するように、手持ち式器具の制御アルゴリズム又はロボットインターフェースの平均化遅延を修正するために、外科医バイオマーカ測定データ及び/又は環境感知情報を使用し得る。実施例では、外科医感知システム20020は、HCPと関連付けられる1つ又は2つ以上の外科医バイオマーカを測定し、かつ外科医バイオマーカと関連付けられる測定データを外科用ハブ20006に送信し得る。外科医感知システム20020は、外科用ハブ20006と通信するために、以下のRFプロトコルのうちの1つ又は2つ以上を使用し得る:Bluetooth、Bluetoothローエナジー(Bluetooth Low-Energy、BLE)、Bluetooth Smart、Zigbee、Z-wave、IPv6低電力ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(IPv6 Low-power wireless Personal Area Network、6LoWPAN)、Wi-Fi。外科医バイオマーカは、ストレス、心拍数などのうちの1つ又は2つ以上を含み得る。手術室からの環境測定値は、外科医又は患者と関連付けられる周囲雑音レベル、外科医及び/又はスタッフの動き、外科医及び/又はスタッフの注意レベルなどを含み得る。
【0228】
外科用ハブ20006は、1つ又は2つ以上の外科用器具20031を適応的に制御するために、HCPと関連付けられる外科医バイオマーカ測定データを使用し得る。例えば、外科用ハブ20006は、外科用ハブ20006のアクチュエータを制御して疲労及び細かい運動技能の使用を制限又は補償するために、制御プログラムを外科用器具20031に送信し得る。外科用ハブ20006は、状況認識及び/又はタスクの重要性若しくは緊急度に関するコンテキストに基づいて、制御プログラムを送信し得る。制御プログラムは、制御が必要とされるときにより多くの制御を提供するために動作を改変するように器具に命令し得る。
【0229】
図2Bは、患者監視システム20003(例えば、制御された患者監視システム)の実施例を示す。
図2Bに例解されるように、制御された環境(例えば、病院の回復室)内の患者は、複数の感知システム(例えば、患者感知システム20041)によって監視され得る。患者感知システム20041(例えば、ヘッドバンド)は、脳波(EEG)を測定して、患者の脳の電気的活動を測定するため使用され得る。患者感知システム20042は、例えば、心拍数、VO2レベルなどを含む、患者の種々のバイオマーカを測定するために使用され得る。患者感知システム20043(例えば、患者の皮膚に取り付けられる可撓性パッチ)は、マイクロ流体チャネルを使用して、皮膚の表面から捕捉される少量の汗を分析することによって、汗乳酸塩及び/又はカリウムレベルを測定するために使用され得る。患者感知システム20044(例えば、リストバンド又はウォッチ)は、本明細書に記載されるように、様々な技術を使用して、血圧、心拍数、心拍数変動性、VO2レベルなどを測定するために使用され得る。患者感知システム20045(例えば、指上のリング)は、本明細書に記載されるように、様々な技術を使用して、末梢温、心拍数、心拍数変動性、VO2レベルなどを測定するために使用され得る。患者感知システム20041~20045は、外科用ハブ20006と通信状態にするために、無線周波(radio frequency、RF)リンクを使用し得る。患者感知システム20041~20045は、外科用ハブ20006との通信のために、以下のRFプロトコルのうちの1つ又は2つ以上を使用し得る:Bluetooth、Bluetoothローエナジー(BLE)、Bluetooth Smart、Zigbee、Z-wave、IPv6低電力ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(6LoWPAN)、Thread、Wi-Fiなど。
【0230】
感知システム20041~20045は、外科用ハブ20006と通信状態にあり得、外科用ハブ20006は、次いで、遠隔クラウドコンピューティングシステム20008の遠隔サーバ20009と通信状態にあり得る。外科用ハブ20006はまた、HID20046と通信状態にある。HID20046は、1つ又は2つ以上の患者バイオマーカと関連付けられる測定データを表示し得る。例えば、HID20046は、血圧、酸素飽和レベル、呼吸数などを表示し得る。HID20046は、患者又はHCPのための通知を表示し、患者についての情報、例えば、回復マイルストーン又は合併症についての情報を提供し得る。実施例では、回復マイルストーン又は合併症についての情報は、患者が受けたことがあり得る外科的手技と関連付けられ得る。実施例では、HID20046は、患者が活動を行うための命令を表示し得る。例えば、HID20046は、吸気命令及び呼気命令を表示し得る。実施例では、HID20046は感知システムの一部であり得る。
【0231】
図2Bに例解されるように、患者及び患者を取り囲む環境は、例えば、マイクロフォン(例えば、患者と関連付けられる、又は患者の周囲の周囲雑音を検出するための)、温度/湿度センサ、患者の呼吸パターンを検出するためのカメラなどを含む、1つ又は2つ以上の環境感知システム20015によって監視され得る。環境感知システム20015は、外科用ハブ20006と通信状態にあり得、外科用ハブ20006は、次いで、遠隔クラウドコンピューティングシステム20008の遠隔サーバ20009と通信状態にある。
【0232】
実施例では、患者感知システム20044は、患者感知システム20044のディスプレイユニット又はHID上に表示するために、外科用ハブ20006から通知情報を受信し得る。通知情報は、例えば、外科手術後回復の場合、回復マイルストーンについての通知、又は合併症についての通知を含み得る。実施例では、通知情報は、通知と関連付けられる対処可能な重症度レベルを含み得る。患者感知システム20044は、通知及び対処可能な重症度レベルを患者に表示し得る。患者感知システムは、触覚フィードバックを使用して患者に警告し得る。視覚通知及び/又は触覚通知は、感知システムのディスプレイユニット上に提供される視覚通知に注意を払うように患者に促す可聴通知を伴い得る。
【0233】
図2Cは、患者監視システム(例えば、制御されていない患者監視システム20004)の実施例を示す。
図2Cに例解されるように、制御されていない環境(例えば、患者の住居)内の患者は、複数の患者感知システム20041~20045によって監視されている。患者感知システム20041~20045は、1つ又は2つ以上の患者バイオマーカと関連付けられる測定データを測定及び/又は監視し得る。例えば、患者感知システム20041、ヘッドバンドは、脳波図(EEG)を測定するために使用され得る。他の患者感知システム20042、20043、20044、及び20045は、
図2Bに記載されているように、種々の患者バイオマーカが監視、測定、及び/又は報告される実施例である。患者感知システム20041~20045のうちの1つ又は2つ以上は、監視されている患者バイオマーカと関連付けられる測定データをコンピューティングデバイス20047に送信状態にあり得、コンピューティングデバイス20047は、次いで、遠隔クラウドコンピューティングシステム20008の遠隔サーバ20009と通信状態にあり得る。患者感知システム20041~20045は、コンピューティングデバイス20047(例えば、スマートフォン、タブレットなど)と通信状態にするために無線周波(RF)リンクを使用し得る。患者感知システム20041~20045は、コンピューティングデバイス20047との通信のために、Bluetooth、Bluetooth ローエナジー(BLE)、Bluetooth Smart、Zigbee、Z-wave、IPv6低電力ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(6LoWPAN)、Thread、Wi-FiなどのRFプロトコルのうちの1つ又は2つ以上を使用し得る。実施例では、患者感知システム20041~20045は、ワイヤレスルータ、ワイヤレスハブ、又はワイヤレスブリッジを介してコンピューティングデバイス20047に接続され得る。
【0234】
コンピューティングデバイス20047は、クラウドコンピューティングシステム20008の一部である遠隔サーバ20009と通信状態にあり得る。実施例では、コンピューティングデバイス20047は、インターネットサービスプロバイダのケーブル/FIOSネットワーキングノードを介して遠隔サーバ20009と通信状態にあり得る。実施例では、患者感知システムは、遠隔サーバ20009と直接通信し得る。コンピューティングデバイス20047又は感知システムは、以下のセルラープロトコルのうちの1つ又は2つ以上を使用して、セルラー送信/受信ポイント(transmission/reception point、TRP)又は基地局を介して遠隔サーバ20009と通信し得る:GSM/GPRS/EDGE(2G)、UMTS/HSPA(3G)、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)又は4G、LTEアドバンスト(LTE-Advanced、LTE-A)、new radio(NR)又は5G。
【0235】
実施例では、コンピューティングデバイス20047は、患者バイオマーカと関連付けられる情報を表示し得る。例えば、コンピューティングデバイス20047は、血圧、酸素飽和レベル、呼吸数などを表示し得る。コンピューティングデバイス20047は、患者又はHCPのための通知を表示し、患者に関する情報、例えば、回復マイルストーン又は合併症に関する情報を提供し得る。
【0236】
実施例では、コンピューティングデバイス20047及び/又は患者感知システム20044は、コンピューティングデバイス20047及び/又は患者感知システム20044のディスプレイユニット上に表示するために、外科用ハブ20006から通知情報を受信し得る。通知情報は、例えば、外科手術後回復の場合、回復マイルストーンについての通知、又は合併症についての通知を含み得る。通知情報はまた、通知と関連付けられる対処可能な重症度レベルを含み得る。コンピューティングデバイス20047及び/又は感知システム20044は、通知及び対処可能な重症度レベルを患者に表示し得る。患者感知システムはまた、触覚フィードバックを使用して患者に警告し得る。視覚通知及び/又は触覚通知は、感知システムのディスプレイユニット上に提供される視覚通知に注意を払うように患者に促す可聴通知を伴い得る。
【0237】
図3は、ウェアラブル感知システム20011、環境感知システム20015、ヒューマンインターフェースシステム20012、ロボットシステム20013、及びインテリジェント器具20014と対にされた外科用ハブ20006を有する例示的な外科医監視システム20002を示す。ハブ20006は、ディスプレイ20048、撮像モジュール20049、発電機モジュール20050、通信モジュール20056、プロセッサモジュール20057、ストレージアレイ20058、及び手術室マッピングモジュール20059を含む。ある特定の態様では、
図3に例解されるように、ハブ20006は、排煙モジュール20054及び/又は吸引/灌注モジュール20055を更に含む。外科的手技中、封止及び/又は切断のために、組織へエネルギーを適用することは、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注と関連付けられる。異なる供給源からの流体ライン、電力ライン及び/又はデータラインは、外科的手技中に絡まり合うことが多い。外科的手技中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブのモジュール式エンクロージャ20060は、電力ライン、データライン、及び流体ラインを管理するための統一環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー適用を伴う外科的手技において使用するための外科用ハブ20006を提示する。外科用ハブ20006は、ハブエンクロージャ20060と、ハブエンクロージャ20060のドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発電機モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ接点及び電力接点を含む。組み合わせ発電機モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発電機構成要素、双極RFエネルギー発電機構成要素、及び単極RFエネルギー発電機構成要素のうちの2つ又はそれ以上を含む。一態様では、組み合わせ発電機モジュールはまた、排煙構成要素と、組み合わせ発電機モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの適用によって発生した煙、流体及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、遠隔手術部位から排煙構成要素まで延在する流体ラインと、を含む。一態様では、上記の流体ラインは、第1の流体ラインであり得、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブエンクロージャ20060内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュール20055まで延在し得る。一態様では、ハブエンクロージャ20060は、流体インターフェースを含み得る。特定の外科的手技は、2つ以上のエネルギータイプを組織に適用することを必要とする場合がある。1つのエネルギータイプは、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギータイプは、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発電機は組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発電機は封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブのモジュール式エンクロージャ20060が異なる発電機を収容するように、かつこれらの間の双方向通信を促進するように構成されている解決法を提示する。ハブのモジュール式エンクロージャ20060の利点のうちの1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。本開示の態様は、組織へのエネルギー適用を伴う外科的手技で使用するためのモジュール式外科用エンクロージャを提示する。モジュール式外科用エンクロージャは、組織に適用するための第1のエネルギーを発生させるように構成された第1のエネルギー発電機モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発電機モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発電機モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。上記に加えて、モジュール式外科用エンクロージャはまた、第1のエネルギーとは異なる、組織に適用するための第2のエネルギーを発生させるように構成された第2のエネルギー発電機モジュールと、第2のデータ接点及び第2の電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を含み、第2のエネルギー発電機モジュールは、電力接点及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発電機モジュールは、第2の電力接点及び第2のデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。加えて、モジュール式外科用エンクロージャはまた、第1のエネルギー発電機モジュールと第2のエネルギー発電機モジュールとの間の通信を容易にするように構成されている、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを含む。
図3を参照すると、発電機モジュール20050、排煙モジュール20054、及び吸引/灌注モジュール20055のモジュール式統合を可能にするハブのモジュール式エンクロージャ20060に関する本開示の態様が提示される。ハブのモジュール式エンクロージャ20060は、モジュール20059とモジュール20054とモジュール20055と間の双方向通信を更に促進する。発電機モジュール20050は、ハブのモジュール式エンクロージャ20060に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット内に支持される、一体化された単極構成要素、双極構成要素及び超音波構成要素を備える発電機モジュール20050とすることができる。発電機モジュール20050は、単極デバイス20051、双極デバイス20052、及び超音波デバイス20053に接続するように構成することができる。代替的に、発電機モジュール20050は、ハブのモジュール式エンクロージャ20060を介して相互作用する、一連の単極発電機モジュール、双極発電機モジュール及び/又は超音波発電機モジュールを備え得る。ハブのモジュール式エンクロージャ20060は、複数の発電機が単一の発電機として機能するように、複数の発電機の挿入、及びハブのモジュール式エンクロージャ20060にドッキングされた発電機間の双方向通信を促進するように構成することができる。
【0238】
図4は、本開示の少なくとも1つの態様による、医療施設の1つ又は2つ以上の手術室、患者回復室、又は外科手術のために専門に装備された医療施設内の室内に位置する、一組の感知システム、環境感知システム、及び一組の他のモジュール式デバイスをクラウドに接続するように構成された一組の通信ハブを有する外科用データネットワークを例解する。
【0239】
図4に例解されるように、外科用ハブシステム20060は、医療施設内に位置するモジュール式デバイスをクラウドベースシステム(例えば、遠隔ストレージ20068に結合された遠隔サーバ20067を含み得るクラウドコンピューティングシステム20064)に接続するように構成されたモジュール式通信ハブ20065を含み得る。モジュール式通信ハブ20065及びデバイスは、外科手術のために特別に装備された医療施設内の室内で接続され得る。一態様では、モジュール式通信ハブ20065は、ネットワークルータ20066と通信状態にあるネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062を含み得る。モジュール式通信ハブ20065は、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供するために、ローカルコンピュータシステム20063に結合され得る。外科用ハブシステム20060と関連付けられる外科用データネットワークは、受動的外科用データネットワーク、インテリジェント外科用データネットワーク、又はスイッチング外科用データネットワークとして構成され得る。受動的外科用データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つのデバイス(又はセグメント)から別のデバイスに、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェント外科用データネットワークは、外科用データネットワークを通過するトラフィックが監視されることを可能にし、かつネットワークハブ20061又はネットワークスイッチ20062内の各ポートを構成する追加の機構を含む。インテリジェント外科用データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称され得る。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
【0240】
手術室に位置するモジュール式デバイス1a~1nは、モジュール式通信ハブ20065に結合され得る。ネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062は、デバイス1a~1nをクラウド20064又はローカルコンピュータシステム20063に接続するために、ネットワークルータ20066に結合され得る。デバイス1a~1nと関連付けられたデータは、遠隔データ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送され得る。デバイス1a~1nと関連付けられるデータはまた、ローカルデータ処理及びローカル操作のためにローカルコンピュータシステム20063に転送され得る。同じ手術室に位置するモジュール式デバイス2a~2mもまた、ネットワークスイッチ20062に結合され得る。ネットワークスイッチ20062は、デバイス2a~2mをクラウド20064に接続するために、ネットワークハブ20061及び/又はネットワークルータ20066に結合され得る。デバイス2a~2mと関連付けられるデータは、データ処理及び操作のために、ネットワークルータ20066を介してクラウド20064に転送され得る。デバイス2a~2mと関連付けられるデータはまた、ローカルデータ処理及びローカル操作のために、ローカルコンピュータシステム20063に転送され得る。
【0241】
ウェアラブル感知システム20011は、1つ又は2つ以上の感知システム20069を含み得る。感知システム20069は、外科医感知システム及び/又は患者感知システムを含み得る。1つ又は2つ以上の感知システム20069は、ネットワークルータ20066のうちの1つを直接介して、又はネットワークルータ20066と通信状態にあるネットワークハブ20061若しくはネットワークスイッチング20062を介して、外科用ハブシステム20060のコンピュータシステム20063又はクラウドサーバ20067と通信状態にあり得る。
【0242】
感知システム20069は、感知システム20069をローカルコンピュータシステム20063及び/又はクラウドコンピューティングシステム20064に接続するために、ネットワークルータ20066に結合され得る。感知システム20069と関連付けられるデータは、データ処理及び操作のために、ネットワークルータ20066を介してクラウドコンピューティングシステム20064に転送され得る。感知システム20069と関連付けられるデータはまた、ローカルデータ処理及びローカル操作のために、ローカルコンピュータシステム20063に転送され得る。
【0243】
図4に例解されるように、外科用ハブシステム20060は、複数のネットワークハブ20061及び/又は複数のネットワークスイッチ20062を複数のネットワークルータ20066と相互接続することによって拡張され得る。モジュール式通信ハブ20065は、複数のデバイス1a~1n/2a~2mを受容するように構成されたモジュール式制御タワー内に収容され得る。ローカルコンピュータシステム20063もまた、モジュール式制御タワーに収容され得る。モジュール式通信ハブ20065は、例えば、外科的手技中に、デバイス1a~1n/2a~2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示するために、ディスプレイ20068に接続され得る。様々な態様では、デバイス1a~1n/2a~2mは、外科用データネットワークのモジュール式通信ハブ20065に接続され得る他のモジュール式デバイスの中でもとりわけ、内視鏡に結合された撮像モジュール、エネルギーベースの外科用デバイスに結合された発電機モジュール、排煙モジュール、吸引/灌注モジュール、通信モジュール、プロセッサモジュール、ストレージアレイ、ディスプレイに結合された外科用デバイス、及び/又は非接触センサモジュールなどの種々のモジュールを含み得る。
【0244】
一態様では、
図4に例解される外科用ハブシステム20060は、デバイス1a~1n/2a~2m又は感知システム20069をクラウドベースシステム20064に接続する、ネットワークハブ、ネットワークスイッチ、及びネットワークルータの組み合わせを含み得る。ネットワークハブ20061若しくはネットワークスイッチ20062に結合されたデバイス1a~1n/2a~2m又は感知システム20069のうちの1つ又は2つ以上は、リアルタイムでデータを収集し、かつデータ処理及び操作のためにデータをクラウドコンピュータに転送し得る。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナルデバイスを有するのではなく、コンピューティングリソースを共有することに依存することは理解されるであろう。「クラウド」という語は、「インターネット」の隠喩として使用され得るが、この用語はそのように限定はされない。したがって、「クラウドコンピューティング」という用語は、本明細書では「あるタイプのインターネットベースのコンピューティング」を指すために使用され得、この場合、サーバ、ストレージ及びアプリケーションなどの異なるサービスは、インターネットを介して、手術室(例えば、固定式、移動式、一時的又は現場の手術室又は空間)内に位置するモジュール式通信ハブ20065及び/又はコンピュータシステム20063、並びにモジュール式通信ハブ20065及び/又はコンピュータシステム20063に接続されたデバイスに送達される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持され得る。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ又は2つ以上の手術室内に位置するデバイス1a~1n/2a~2mの使用及び制御を調整する事業体であり得る。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット、感知システム、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化されたデバイスによって収集されたデータに基づいて、多数の算出を行うことができる。ハブハードウェアは、複数のデバイス、感知システム、及び/又は接続部が、クラウドコンピューティングリソース及びストレージと通信するコンピュータに接続されることを可能にする。
【0245】
デバイス1a~1n/2a~2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、外科的転帰の改善、コスト低減及び患者満足度の改善を提供することができる。組織の封止及び切断手技後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評定するために、デバイス1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかが採用され得る。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織の試料の画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病理を識別するために、デバイス1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかが採用され得る。そのようなデータには、組織の位置特定及びマージン確認並びに表現型が含まれ得る。撮像デバイスと一体化された様々なセンサを使用し、かつ複数の撮像デバイスによって捕捉された画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を識別するために、デバイス1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかが採用され得る。画像データを含む、デバイス1a~1n/2a~2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウドコンピューティングシステム20064若しくはローカルコンピュータシステム20063又はその両方に転送され得る。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行され得るかどうかを判定することによって、外科的手技の結果を改善するために分析され得る。このようなデータ分析は、予後分析処理を更に採用し得、標準化された手法を使用することは、外科的治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科的治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供し得る。
【0246】
感知システム20069によって収集された測定データにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、外科的転帰の改善、コスト低減及び患者満足度の改善を提供することができる。感知システム20069のうちの少なくともいくつかは、患者を手術する外科医、又は外科的手技のために準備されている患者、又は外科的手技後に回復する患者の生理学的状態を評定するために採用され得る。クラウドベースのコンピューティングシステム20064は、外科医又は患者と関連付けられるバイオマーカをリアルタイムで監視し、外科的手技の前に収集された測定データに少なくとも基づいて外科的計画を生成し、外科的手技中に外科用器具に制御信号を提供し、外科手術後期間中に患者に合併症を通知するために使用され得る。
【0247】
手術室デバイス1a~1nは、ネットワークハブ20061に対するデバイス1a~1nの構成に応じて、有線チャネル又はワイヤレスチャネルを介して、モジュール式通信ハブ20065に接続され得る。ネットワークハブ20061は、一態様では、開放型システム間相互接続(Open System Interconnection、OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャストデバイスとして実装され得る。ネットワークハブは、同じ手術室ネットワーク内に位置するデバイス1a~1nに接続性を提供することができる。ネットワークハブ20061は、パケットの形態でデータを収集し得、そのデータを半二重モードでルータに送信する。ネットワークハブ20061は、デバイスデータを転送するために、いかなる媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(media access control、MAC/Internet Protocol、IP)も記憶しない場合がある。デバイス1a~1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ20061を介して一度にデータを送信することができる。ネットワークハブ20061は、情報をどこに送信するかに関するルーティングテーブル又はインテリジェンスを有しない場合があり、各接続を介してクラウドコンピューティングシステム20064の遠隔サーバ20067に全てのネットワークデータをブロードキャストする。ネットワークハブ20061は、コリジョンなどの基本的なネットワーク誤差を検出することができるが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクであり、ボトルネックを引き起こすことがある。
【0248】
手術室デバイス2a~2mは、有線チャネル又はワイヤレスチャネルを介してネットワークスイッチ20062に接続され得る。ネットワークスイッチ20062は、OSIモデルのデータリンク層で機能する。ネットワークスイッチ20062は、同じ手術室内に位置するデバイス2a~2mをネットワークに接続するためのマルチキャストデバイスであり得る。ネットワークスイッチ20062は、フレームの形態でデータをネットワークルータ20066に送信し得、かつ全二重モードで機能し得る。複数のデバイス2a~2mは、ネットワークスイッチ20062を介して同時にデータを送信することができる。ネットワークスイッチ20062は、データを転送するために、デバイス2a~2mのMACアドレスを記憶かつ使用する。
【0249】
ネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062は、クラウドコンピューティングシステム20064に接続するために、ネットワークルータ20066に結合され得る。ネットワークルータ20066は、OSIモデルのネットワーク層で機能する。ネットワークルータ20066は、全てのデバイス1a~1n/2a~2m及びウェアラブル感知システム20011のうちのいずれか1つによって収集されたデータを更に処理及び操作するために、ネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062から受信されたデータパケットをクラウドベースのコンピュータリソースに伝送するための経路を作成する。ネットワークルータ20066は、例えば、同じ医療施設の異なる手術室又は異なる医療施設の異なる手術室に位置する異なるネットワークなど、異なる場所に位置する2つ又はそれ以上の異なるネットワークを接続するために採用され得る。ネットワークルータ20066は、パケットの形態のデータをクラウドコンピューティングシステム20064に送信し得、全二重モードで機能する。複数のデバイスが同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ20066は、データを転送するためにIPアドレスを使用し得る。
【0250】
実施例では、ネットワークハブ20061は、複数のUSBデバイスがホストコンピュータに接続されることを可能にするUSBハブとして実装され得る。USBハブは、デバイスをホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張し得る。ネットワークハブ20061は、有線チャネル又はワイヤレスチャネルを介して情報を受信するための有線機能又はワイヤレス機能を含み得る。一態様では、ワイヤレスUSB短距離高帯域ワイヤレス無線通信プロトコルが、手術室内に位置するデバイス1a~1nとデバイス2a~2mとの間の通信のために採用され得る。
【0251】
実施例では、手術室デバイス1a~1n/2a~2m及び/又は感知システム20069は、固定デバイス及びモバイルデバイスから(2.4~2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)短距離にわたってデータを交換し、かつパーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)を構築するために、Bluetoothワイヤレス技術規格を介してモジュール式通信ハブ20065と通信し得る。手術室デバイス1a~1n/2a~2m及び/又は感知システム20069は、いくつかのワイヤレス又は有線の通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ20065と通信し得、このような規格又はプロトコルとしては、Bluetooth、Low-Energy Bluetooth、近距離無線通信(near-field communication、NFC)、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリ)、WiMAX(IEEE802.16ファミリ)、IEEE802.20、new radio(NR)、ロングタームエボリューション(LTE)、並びにEv-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、及びこれらのイーサネット派生物のみならず、3G、4G、5G、及びそれ以降と指定される任意の他のワイヤレスプロトコル及び有線プロトコルが挙げられるが、これらに限定されない。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含み得る。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetooth Low-Energy Bluetooth、Bluetooth Smartなどの短距離ワイヤレス通信専用であり得、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMAなどの長距離ワイヤレス通信専用であり得る。
【0252】
モジュール式通信ハブ20065は、手術室デバイス1a~1n/2a~2m及び/又は感知システム20069のうちの1つ又は2つ以上のための中央接続部としての役割を果たし得、フレームとして既知であるデータタイプを取り扱い得る。フレームは、デバイス1a~1n/2a~2m及び/又は感知システム20069によって生成されたデータを搬送し得る。フレームがモジュール式通信ハブ20065によって受信されると、フレームは増幅され、かつ/又はネットワークルータ20066に送信され得、ネットワークルータ20066は、本明細書に記載されるように、いくつかのワイヤレス又は有線の通信規格又はプロトコルを使用することによって、データをクラウドコンピューティングシステム20064又はローカルコンピュータシステム20063に転送し得る。
【0253】
モジュール式通信ハブ20065は、スタンドアロンデバイスとして使用されるか、又はより大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ20061及びネットワークスイッチ20062に接続され得る。モジュール式通信ハブ20065は、概して、据え付け、構成、及び維持が容易であり、手術室デバイス1a~1n/2a~2mをネットワーク化するための良好な選択肢となり得る。
【0254】
図5は、外科医監視システム20002の一部であり得る、コンピュータ実装双方向外科用システム20070を例解する。コンピュータ実装双方向外科用システム20070は、多くの点で、外科医監視システム20002と類似している。例えば、コンピュータ実装双方向外科用システム20070は、多くの点で外科医監視システム20002と類似する1つ又は2つ以上の外科用サブシステム20072を含み得る。各サブ外科用システム20072は、遠隔サーバ20077及び遠隔ストレージ20078を含み得るクラウドコンピューティングシステム20064と通信状態にある少なくとも1つの外科用ハブ20076を含む。一態様では、コンピュータ実装双方向外科用システム20070は、感知システム(例えば、外科医感知システム20002及び/又は患者感知システム20003)、インテリジェント外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化されたデバイスなどの複数の手術室デバイスに接続される、モジュール式制御タワー20085を含み得る。
図6Aに示されるように、モジュール式制御タワー20085は、ローカルコンピューティングシステム20063に結合されたモジュール式通信ハブ20065を含み得る。
【0255】
図5の実施例に例解されるように、モジュール式制御タワー20085は、内視鏡20087に結合され得る撮像モジュール20088、エネルギーデバイス20089に結合され得る発電機モジュール20090、排煙器モジュール20091、吸引/灌注モジュール20092、通信モジュール20097、プロセッサモジュール20093、ストレージアレイ20094、それぞれディスプレイ20086及び20084に任意選択的に結合されるスマートデバイス/器具20095、並びに非接触センサモジュール20096に結合され得る。モジュール式制御タワー20085はまた、1つ又は2つ以上の感知システム20069及び環境感知システム20015と通信状態にあり得る。感知システム20069は、ルータを直接介して、又は通信モジュール20097を介してモジュール式制御タワー20085に接続され得る。手術室デバイスは、モジュール式制御タワー20085を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータストレージに結合され得る。ロボット外科用ハブ20082もまた、モジュール式制御タワー20085及びクラウドコンピューティングリソースに接続され得る。とりわけ、デバイス/器具20095又は20084、ヒューマンインターフェースシステム20080は、本明細書に記載されるように、有線又はワイヤレス通信規格又はプロトコルを介して、モジュール式制御タワー20085に結合され得る。ヒューマンインターフェースシステム20080は、表示サブシステム及び通知サブシステムを含み得る。モジュール式制御タワー20085は、撮像モジュール20088、デバイス/器具ディスプレイ20086及び/又は他のヒューマンインターフェースシステムシステム20080から受信された画像を表示及びオーバーレイするために、ハブディスプレイ20081(例えば、モニタ、スクリーン)に結合され得る。ハブディスプレイ20081はまた、モジュール式制御タワー20085に接続されたデバイスから受信されたデータを、画像及びオーバーレイ画像とともに表示し得る。
【0256】
図6Aは、モジュール式制御タワー20085に結合された複数のモジュールを備える外科用ハブ20076を例解する。
図6Aに示されるように、外科用ハブ20076は、発電機モジュール20090、煙排出器モジュール20091、吸引/灌注モジュール20092、及び通信モジュール20097に接続され得る。モジュール式制御タワー20085は、モジュール式通信ハブ20065、例えば、ネットワーク接続デバイスと、例えば、感知システムとのローカルワイヤレス接続、ローカル処理、複雑性監視、可視化、及び撮像を提供するためのコンピュータシステム20063と、を備え得る。
図6Aに示されるように、モジュール式通信ハブ20065は、モジュール式通信ハブ20065に接続され得るいくつかのモジュール(例えば、デバイス)及びいくつかの感知システム20069を拡張し、かつ感知システム20069と関連付けられる測定データをコンピュータシステム20063、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送するための構成(例えば、階層化構成)で接続され得る。
図6Aに示されるように、モジュール式通信ハブ20065内のネットワークハブ/スイッチ20061/20062の各々は、3つの下流ポート及び1つの上流ポートを含み得る。上流ネットワークハブ/スイッチは、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ20108への通信接続を提供するためにプロセッサ20102に接続され得る。モジュール式通信ハブ20065内のネットワーク/ハブスイッチ20061/20062のうちの少なくとも1つは、感知システム20069及び/又はデバイス20095とクラウドコンピューティングシステム20064との間の通信接続を提供するために、少なくとも1つのワイヤレスインターフェースを有し得る。クラウドコンピューティングシステム20064への通信は、有線通信チャネル又はワイヤレス通信チャネルのいずれかを介して行われ得る。
【0257】
外科用ハブ20076は、超音波又はレーザタイプの非接触測定デバイスのいずれかを使用して、手術室の寸法を測定し、かつ手術室のマップを生成するために、非接触センサモジュール20096を採用し得る。超音波ベースの非接触センサモジュールは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年12月28日に出願された「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の表題「Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room」の下に記載されているように、超音波のバーストを伝送し、かつ超音波のバーストが手術室の周辺壁に反射するときにエコーを受信することによって、手術室を走査し得、センサモジュールは、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリングの距離限界を調整するように構成されている。レーザベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信することによって手術室を走査でき、手術室の外壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信されたパルスと比較して手術室のサイズを判定し、Bluetoothペアリング距離限界を調整する。
【0258】
コンピュータシステム20063は、プロセッサ20102及びネットワークインターフェース20100を備え得る。プロセッサ20102は、システムバスを介して、通信モジュール20103、ストレージ20104、メモリ20105、不揮発性メモリ20106、及び入力/出力(input/output、I/O)インターフェース20107に結合され得る。システムバスは、任意の様々な利用可能なバスアーキテクチャを使用する、メモリバス若しくはメモリコントローラ、周辺バス若しくは外部バス、及び又はローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造のうちのいずれかとすることができ、それらのアーキテクチャとしては、9ビットバス、工業標準アーキテクチャ(Industrial Standard Architecture、ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(Micro-Charmel Architecture、MSA)、拡張ISA(Extended ISA、EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(Intelligent Drive Electronics、IDE)、VESAローカルバス(VESA Local Bus、VLB)、周辺構成要素相互接続(Peripheral Component Interconnect、PCI)、USB、アドバンスドグラフィックスポート(Advanced Graphics Port、AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(Personal Computer Memory Card International Association、PCMCIA)、小型コンピュータシステムインターフェース(Small Computer Systems Interface、SCSI)、又は任意の他の専用バスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0259】
プロセッサ20102は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で既知であるものなど、任意のシングルコアプロセッサ又はマルチコアプロセッサであり得る。一態様では、プロセッサは、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであり得、このプロセッサコアは、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(serial random access memory、SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)及び/又は、1つ又は2つ以上のパルス幅変調(pulse width modulation、PWM)モジュール、1つ又は2つ以上の直交エンコーダ入力(quadrature encoder input、QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ又は2つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(analog-to-digital converter、ADC)を含み、その詳細は、製品データシートで入手可能である。
【0260】
実施例では、プロセッサ20102は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で既知であるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラベースのファミリを含む安全コントローラを含み得る。安全コントローラは、スケーラブルな性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成され得る。
【0261】
システムメモリとしては、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを挙げることができる。起動中などにコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(basic input/output system、BIOS)は、不揮発性メモリに記憶される。例えば、不揮発性メモリとしては、ROM、プログラマブルROM(programmable ROM、PROM)、電気的プログラマブルROM(electrically programmable ROM、EPROM)、EEPROM又はフラッシュメモリが挙げられ得る。揮発性メモリとしては、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)が挙げられる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(dynamic RAM、DRAM)、シンクロナスDRAM(synchronous DRAM、SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(double data rate SDRAM、DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(enhanced SDRAM、ESDRAM)、シンクリンクDRAM(Synchlink DRAM、SLDRAM)及びダイレクトランバスRAM(direct Rambus RAM、DRRAM)などの多くの形態で利用可能である。
【0262】
コンピュータシステム20063はまた、例えば、ディスク記憶デバイスなど、取り外し可能/取り外し不可能、揮発性/不揮発性コンピュータストレージ媒体を含み得る。ディスク記憶装置としては、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-60ドライブ、フラッシュメモリカード又はメモリスティックのようなデバイスを挙げることができるが、これらに限定されない。加えて、ディスク記憶装置は、上記の記憶媒体を、独立して、又は他の記憶媒体との組み合わせで含むことができる。他の記憶媒体としては、コンパクトディスクROMデバイス(compact disc ROM、CD-ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(compact disc recordable drive、CD-Rドライブ)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(compact disc rewritable drive、CD-RWドライブ)若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(digital versatile disc ROM、DVD-ROM)などの光ディスクドライブが挙げられるがこれらに限定されない。ディスク記憶デバイスのシステムバスへの接続を容易にするために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが採用され得る。
【0263】
コンピュータシステム20063は、ユーザと、好適な動作環境において記載される基本的なコンピュータリソースとの間での仲介として機能するソフトウェアを含み得ることを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムを挙げることができる。ディスク記憶装置上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能し得る。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスク記憶装置上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用し得る。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
【0264】
ユーザは、I/Oインターフェース20107に結合された入力デバイスを介してコンピュータシステム20063にコマンド又は情報を入力し得る。入力デバイスとしては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッドなどのポインティングデバイス、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどを挙げることができるが、これらに限定されない。これら及び他の入力デバイスは、インターフェースポートを介し、システムバスを通じてプロセッサ20102に接続する。インターフェースポートとしては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート及びUSBが挙げられる。出力デバイスは、入力デバイスと同じタイプのポートのうちのいくつかを使用する。これにより、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステム20063に入力を提供し、コンピュータシステム20063から出力デバイスに情報を出力し得る。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とし得る他の出力デバイスの中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ及びプリンタなどのいくつかの出力デバイスが存在できることを例解するために提供され得る。出力アダプタとしては、出力デバイスとシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及び音カードを挙げられ得るが、これは、例解としてのものであり、限定するものではない。遠隔コンピュータなどの他のデバイス及び/又はデバイスのシステムは、入力及び出力機能の両方を提供し得ることに留意されたい。
【0265】
コンピュータシステム20063は、クラウドコンピュータなどの1つ又は2つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用してネットワーク化された環境で動作することができる。遠隔クラウドコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピアデバイス又は他の一般的なネットワークノードなどであり得るが、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、遠隔コンピュータとともに、メモリストレージデバイスのみが例解される。遠隔コンピュータは、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続部を介して物理的に接続され得る。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)及びワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)などの通信ネットワークを包含し得る。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(Fiber Distributed Data Interface、FDDI)、銅線分散データインターフェース(Copper Distributed Data Interface、CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5などが挙げられ得る。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(Integrated Services Digital Network、ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク並びにデジタル加入者回線(Digital Subscriber Line、DSL)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0266】
様々な実施例では、
図4、
図6A、及び
図6Bのコンピュータシステム20063、撮像モジュール20088並びに/若しくはヒューマンインターフェースシステム20080、並びに/又は
図5及び
図6Aのプロセッサモジュール20093は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ、又はデジタル画像の処理のために使用される任意の専用デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)を備え得る。画像プロセッサは、単一命令複数データ(single instruction, multiple data、SIMD)、又は複数命令複数データ(multiple instruction, multiple data、MIMD)技術を用いた並列コンピューティングを採用して、速度及び効率を増加させ得る。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実施することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであり得る。
【0267】
通信接続部は、ネットワークインターフェースをバスに接続するために採用されるハードウェア/ソフトウェアを指し得る。通信接続部は、例解を明確にするために、コンピュータシステム20063の内部に示されているが、通信接続部は、コンピュータシステム20063の外部とすることができる。ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、例解のみを目的として、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、光ファイバモデム、及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、並びにEthernetカードなどの内部技術及び外部技術が挙げられ得る。いくつかの実施例では、ネットワークインターフェースはまた、RFインターフェースを使用して提供され得る。
【0268】
図6Bは、ウェアラブル監視システム、例えば、制御された患者監視システムの実施例を例解する。制御された患者監視システムは、患者が医療施設にいるときに一組の患者バイオマーカを監視するために使用される感知システムであり得る。制御された患者監視システムは、患者が外科的手技の準備をしているときの外科手術前患者監視、患者が手術を受けているときの外科手術中監視、又は、例えば、患者が回復しているときの外科手術後監視などのために配備され得る。
図6Bに例解されるように、制御された患者監視システムは、モジュール式通信ハブ20065の1つ又は2つ以上のルータ20066及びコンピュータシステム20063を含み得る、外科用ハブシステム20076を含み得る。ルータ20065は、ワイヤレスルータ、有線スイッチ、有線ルータ、有線ネットワークハブ又はワイヤレスネットワークハブなどを含み得る。実施例では、ルータ20065は、インフラストラクチャの一部であり得る。コンピューティングシステム20063は、患者又は外科医と関連付けられる様々なバイオマーカを監視するためのローカル処理と、マイルストーン(例えば、回復マイルストーン)が満たされること、又は合併症が検出されることを患者及び/若しくは医療提供者(HCP)に示すための通知機構と、を提供し得る。外科用ハブシステム20076のコンピューティングシステム20063はまた、通知、例えば、合併症が検出されたという通知と関連付けられる重症度レベルを生成するために使用され得る。
【0269】
図4、
図6Bのコンピューティングシステム20063、
図6Cのコンピューティングデバイス20200、
図7B、
図7C、又は
図7Dのハブ/コンピューティングデバイス20243は、外科用コンピューティングシステム又はハブデバイス、ラップトップ、タブレット、スマートフォンなどであり得る。
【0270】
図6Bに示されるように、一組の感知システム20069及び/又は環境感知システム20015(
図2Aに記載されているような)は、ルータ20065を介して外科用ハブシステム20076に接続され得る。ルータ20065はまた、例えば、外科用ハブシステム20076のローカルコンピュータシステム20063を関与させることなく、感知システム20069とクラウドコンピューティングシステム20064との間の直接通信接続を提供し得る。外科用ハブシステム20076からクラウド20064への通信は、有線通信チャネル又はワイヤレス通信チャネルのいずれかを介して行われ得る。
【0271】
図6Bに示されるように、コンピュータシステム20063は、プロセッサ20102及びネットワークインターフェース20100を含み得る。プロセッサ20102は、
図6Aに記載されているように、システムバスを介して、無線周波(RF)インターフェース又は通信モジュール20103、ストレージ20104、メモリ20105、不揮発性メモリ20106、及び入力/出力インターフェース20107に結合され得る。コンピュータシステム20063は、ローカルディスプレイユニット20108と接続され得る。いくつかの実施例では、ディスプレイユニット20108は、HIDによって置き換えられ得る。コンピュータシステムのハードウェア及びソフトウェア構成要素についての詳細は、
図6Aに提供される。
【0272】
図6Bに示されるように、感知システム20069は、プロセッサ20110を含み得る。プロセッサ20110は、システムバスを介して、無線周波(RF)インターフェース20114、ストレージ20113、メモリ(例えば、不揮発性メモリ)20112、及びI/Oインターフェース20111に結合され得る。システムバスは、本明細書に記載されるように、メモリバス若しくはメモリコントローラ、周辺バス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造のいずれかとすることができる。プロセッサ20110は、本明細書に記載されるような任意のシングルコアプロセッサ又はマルチコアプロセッサであり得る。
【0273】
感知システム20069は、感知システムユーザと、好適な動作環境において記載されている基本的なコンピュータリソースとの間での仲介として機能するソフトウェアを含み得ることを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムを挙げることができる。ディスク記憶装置上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能し得る。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスク記憶装置上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用し得る。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
【0274】
感知システム20069は、ヒューマンインターフェースシステム20115に接続され得る。ヒューマンインターフェースシステム20115は、タッチスクリーンディスプレイであり得る。ヒューマンインターフェースシステム20115は、外科医バイオマーカ及び/又は患者バイオマーカと関連付けられる情報を表示するためのヒューマンインターフェースディスプレイを含み、患者若しくは外科医によるユーザアクションのためのプロンプトを表示し、又は回復マイルストーン若しくは合併症についての情報を示す患者若しくは外科医への通知を表示し得る。ヒューマンインターフェースシステム20115は、患者又は外科医からの入力を受信するために使用され得る。他のヒューマンインターフェースシステムが、I/Oインターフェース20111を介して感知システム20069に接続され得る。例えば、ヒューマンインターフェースデバイス20115は、ディスプレイユニット上に表示され得る通知に注意を払うようにユーザに促すための機構として、触覚フィードバックを提供するためのデバイスを含み得る。
【0275】
感知システム20069は、クラウドコンピュータなどの1つ又は2つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用して、ネットワーク化された環境で動作し得る。遠隔クラウドコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピアデバイス又は他の一般的なネットワークノードなどであり得るが、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。遠隔コンピュータは、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され得る。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及び/又はモバイルネットワークなどの通信ネットワークを包含し得る。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、銅線分散データインターフェース(CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5、Wi-Fi/IEEE 802.11などが挙げられ得る。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク並びにデジタル加入者回線(DSL)を挙げることができるが、これらに限定されない。モバイルネットワークは、以下のモバイル通信プロトコルのうちの1つ又は2つ以上に基づく通信リンクを含み得る:GSM/GPRS/EDGE(2G)、UMTS/HSPA(3G)、ロングタームエボリューション(LTE)又は4G、LTEアドバンスト(LTE-A)、new radio(NR)又は5Gなど。
【0276】
図6Cは、例えば、患者が医療施設から離れているときの、例示的な制御されていない患者監視システムを例解する。制御されていない患者監視システムは、患者が外科的手技のために準備されているが医療施設から離れているときの外科手術前患者監視のために、又は、例えば、患者が医療施設から離れて回復しているときの外科手術後監視において使用され得る。
【0277】
図6Cに例解されるように、1つ又は2つ以上の感知システム20069は、コンピューティングデバイス20200、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、又はスマートフォンと通信状態にある。コンピューティングシステム20200は、患者と関連付けられる様々なバイオマーカを監視するための処理、マイルストーン(例えば、回復マイルストーン)が満たされること、又は合併症が検出されることを示す通知機構を提供し得る。コンピューティングシステム20200はまた、感知システムのユーザが従うための命令を提供し得る。感知システム20069とコンピューティングデバイス20200との間の通信は、本明細書に記載されるようなワイヤレスプロトコルを直接使用して、又はワイヤレスルータ/ハブ20211を介して確立され得る。
【0278】
図6Cに示されるように、感知システム20069は、ルータ20211を介してコンピューティングデバイス20200に接続され得る。ルータ20211は、ワイヤレスルータ、有線スイッチ、有線ルータ、有線ネットワークハブ又はワイヤレスネットワークハブなどを含み得る。ルータ20211は、例えば、ローカルコンピューティングデバイス20200を関与させることなく、感知システム20069とクラウドサーバ20064との間の直接通信接続を提供して得る。コンピューティングデバイス20200は、クラウドサーバ20064と通信状態にあり得る。例えば、コンピューティングデバイス20200は、有線通信チャネル又はワイヤレス通信チャネルを介してクラウド20064と通信状態にあり得る。実施例では、感知システム20069は、例えば、セルラー基地局20210を介して、セルラーネットワーク上で直接クラウドと通信状態にあり得る。
【0279】
図6Cに示されるように、コンピューティングデバイス20200は、プロセッサ20203及びネットワークインターフェース又はRFインターフェース20201を含み得る。プロセッサ20203は、
図6A及び
図6Bに記載されているように、システムバスを介して、ストレージ20202、メモリ20212、不揮発性メモリ20213、及び入力/出力インターフェース20204に結合され得る。コンピュータシステムのハードウェア及びソフトウェア構成要素についての詳細は、
図6Aに提供される。コンピューティングデバイス20200は、一組のセンサ、例えば、センサ#1 20205、センサ#2 20206からセンサ#n 20207までを含み得る。これらのセンサは、コンピューティングデバイス20200の一部であり得、患者と関連付けられる1つ又は2つ以上の属性を測定するために使用され得る。属性は、感知システム20069のうちの1つによって行われるバイオマーカ測定に関するコンテキストを提供し得る。例えば、センサ#1は、患者と関連付けられる動き又は振動を感知するために、加速力を測定するために使用され得る加速度計であり得る。実施例では、センサ20205~20207は、圧力センサ、高度計、温度計、ライダ、又は等価物のうちの1つ又は2つ以上を含み得る。
【0280】
図6Bに示されるように、感知システム20069は、
図6Aに記載されているように、プロセッサ、無線周波インターフェース、ストレージ、メモリ又は不揮発性メモリ、及びシステムバスを介した入力/出力インターフェースを含み得る。感知システムは、
図7B~
図7Dに記載されているように、センサユニットと、処理ユニット及び通信ユニットと、を含み得る。システムバスは、本明細書に記載されるように、メモリバス若しくはメモリコントローラ、周辺バス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造のうちのいずれかとすることができる。プロセッサは、本明細書に記載されるように、任意のシングルコアプロセッサ又はマルチコアプロセッサであり得る。
【0281】
感知システム20069は、ヒューマンインターフェースシステム20215と通信状態にあり得る。ヒューマンインターフェースシステム20215は、タッチスクリーンディスプレイであり得る。ヒューマンインターフェースシステム20215は、患者バイオマーカと関連付けられる情報を表示する、患者によるユーザアクションのためのプロンプトを表示する、又は回復マイルストーン若しくは合併症についての情報を示す患者への通知を表示するために使用され得る。ヒューマンインターフェースシステム20215は、患者からの入力を受信するために使用され得る。他のヒューマンインターフェースシステムは、I/Oインターフェースを介して感知システム20069に接続され得る。例えば、ヒューマンインターフェースシステムは、ディスプレイユニット上に表示され得る通知に注意を払うようにユーザに促すための機構として、触覚フィードバックを提供するためのデバイスを含み得る。感知システム20069は、
図6Bに記載されているように、クラウドコンピュータなどの1つ又は2つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用して、ネットワーク化された環境で動作し得る。
【0282】
図7Aは、本開示の1つ又は2つ以上の態様による、外科用器具又は外科用ツールの制御システム20220の論理図を例解する。外科用器具又は外科用ツールは、構成可能であり得る。外科用器具は、撮像デバイス、外科用ステープラ、エネルギーデバイス、エンドカッタデバイス、又は等価物など、手元での手技に特有の外科用固定具を含み得る。例えば、外科用器具は、電動ステープラ、電動ステープラ発電機、エネルギーデバイス、先進エネルギーデバイス、高度エネルギージョーデバイス、エンドカッタクランプ、エネルギーデバイス発電機、手術室内撮像システム、煙排出器、吸引洗浄デバイス、送気システム、又は等価物のうちのいずれかを含み得る。システム20220は、制御回路を備え得る。制御回路は、プロセッサ20222及びメモリ20223を備えるマイクロコントローラ20221を含み得る。例えば、センサ20225、20226、20227のうちの1つ又は2つ以上が、リアルタイムフィードバックをプロセッサ20222に提供する。モータドライバ20229によって駆動されるモータ20230は、長手方向に移動可能な変位部材を動作可能に結合して、Iビームナイフ要素を駆動する。追跡システム20228は、長手方向に移動可能な変位部材の位置を判定するように構成され得る。位置情報は、プロセッサ20222に提供され得、プロセッサ20222は、長手方向に移動可能な駆動部材の位置、並びに発射部材、発射バー、及びIビームナイフ要素の位置を判定するようにプログラム又は構成することができる。追加のモータが、Iビームの発射、閉鎖管の進行、シャフトの回転、及び関節運動を制御するために、ツールドライバインターフェースに提供され得る。ディスプレイ20224は、器具の様々な動作状態を表示し得、データ入力のためのタッチスクリーン機能を含み得る。ディスプレイ20224上に表示された情報は、内視鏡撮像モジュールを介して取得される画像とオーバーレイされ得る。
【0283】
一態様では、マイクロコントローラ20221は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で既知であるものなど、任意のシングルコアプロセッサ又はマルチコアプロセッサであり得る。一態様では、メインマイクロコントローラ20221は、例えば、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ又は2つ以上のPWMモジュール、1つ又は2つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを有する1つ又は2つ以上の12ビットADCを備える、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアとし得、その詳細が製品データシートで入手可能である。
【0284】
一態様では、マイクロコントローラ20221は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で既知であるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラベースのファミリを含む安全コントローラを備え得る。安全コントローラは、スケーラブルな性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成され得る。
【0285】
マイクロコントローラ20221は、ナイフ及び関節運動システムの速度及び位置に対する正確な制御など、様々な機能を行うようにプログラムされ得る。一態様では、マイクロコントローラ20221は、プロセッサ20222及びメモリ20223を含み得る。電気モータ20230は、ギアボックス、及び関節運動又はナイフシステムへの機械的リンクを有するブラシ付き直流(direct current、DC)モータであり得る。一態様では、モータドライバ20229は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であり得る。他のモータドライバは、絶対位置決めシステムを備える追跡システム20228で使用するために、容易に代用され得る。絶対位置決めシステムに関する詳細な説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年10月19日公開の米国特許出願公開第2017/0296213号に記載されている。
【0286】
マイクロコントローラ20221は、変位部材及び関節運動システムの速度及び位置に対する正確な制御を提供するようにプログラムされ得る。マイクロコントローラ20221は、マイクロコントローラ20221のソフトウェア内で応答を計算するように構成され得る。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答を得ることができ、これが実際のフィードバック決定に使用される。観測された応答は、シミュレートされた応答の滑らかで連続的な性質と、測定された応答とのバランスを取る好適な調整された値であり得、これはシステムに及ぼす外部の影響を検出することができる。
【0287】
いくつかの実施例では、モータ20230は、モータドライバ20229によって制御され得、外科用器具又は外科用ツールの発射システムによって採用することができる。様々な形態では、モータ20230は、例えば、おおよそ25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであり得る。いくつかの実施例では、モータ20230としては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータが挙げられ得る。モータドライバ20229は、例えば、電界効果トランジスタ(field-effect transistors、FET)を含むHブリッジドライバを含み得る。モータ20230は、制御電力を外科用器具又は外科用ツールに供給するために、ハンドルアセンブリ又はツールハウジングに解除可能に装着された電源アセンブリによって給電され得る。電源アセンブリは、外科用器具又はツールに給電するための電源として使用され得る、直列に接続された多数のバッテリセルを含み得るバッテリを備え得る。特定の状況下では、電源アセンブリのバッテリセルは、交換可能及び/又は再充電可能であり得る。少なくとも1つの実施例では、バッテリセルは、電源アセンブリに結合可能であり、かつ電源アセンブリから分離可能であり得る、リチウムイオンバッテリであり得る。
【0288】
モータドライバ20229は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であり得る。A3941は、特にブラシ付きDCモータなどの誘導負荷を目的として設計された外部Nチャネル電力金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide semiconductor field-effect transistor、MOSFET)とともに使用するためのフルブリッジコントローラであり得る。ドライバ20229は、7Vまでのバッテリ電圧に対して、フル(>10V)ゲート駆動を提供することができ、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にすることができる、固有のチャージポンプレギュレータを備え得る。ブートストラップコンデンサは、NチャネルMOSFETに必要とされる上記のバッテリ供給電圧を提供するために採用され得る。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を使用して高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードでは、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、抵抗器で調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護され得る。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を示すものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。絶対位置決めシステムを備える追跡システム20228で使用するために、他のモータドライバが容易に代用され得る。
【0289】
追跡システム20228は、本開示の一態様による位置センサ20225を備える制御されたモータ駆動回路配列を備え得る。絶対位置決めシステムのための位置センサ20225は、変位部材の位置に対応する一意の位置信号を提供し得る。いくつかの実施例では、変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するための駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表すことができる。いくつかの実施例では、変位部材は、駆動歯のラックを含むように適合され、構成され得る発射部材を表すことができる。いくつかの実施例では、変位部材は、発射バー又はIビームを表すことができ、それらの各々は、駆動歯のラックを含むように適合され、構成され得る。したがって、本明細書で使用するとき、変位部材という用語は、一般的に、駆動部材、発射部材、発射バー、Iビーム、又は変位され得る任意の要素など、外科用器具又はツールの任意の移動可能な部材を指すために使用され得る。一態様では、長手方向に移動可能な駆動部材は、発射部材、発射バー、及びIビームに結合させることができる。したがって、絶対位置決めシステムは、実際には、長手方向に移動可能な駆動部材の直線変位を追跡することによって、Iビームの直線変位を追跡することができる。様々な態様では、変位部材は、直線変位を測定するために好適な任意の位置センサ20225に結合され得る。したがって、長手方向に移動可能な駆動部材、発射部材、発射バー、若しくはIビーム、又はそれらの組み合わせは、任意の好適な直線変位センサに結合され得る。直線変位センサは、接触式変位センサ又は非接触式変位センサを含み得る。直線変位センサは、線形可変差動変圧器(linear variable differential transformer、LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(differential variable reluctance transducer、DVRT)、スライド電位差計、移動可能な磁石と一連の直線状に配置されたホール効果センサとを備える磁気感知システム、固定された磁石と一連の移動可能な直線状に配置されたホール効果センサとを備える磁気感知システム、移動可能な光源と一連の直線状に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光感知システム、固定された光源と一連の移動可能な直線状に配置された光ダイオード若しくは光検出器とを備える光感知システム、又はこれらの任意の組み合わせを備え得る。
【0290】
電気モータ20230は、変位部材上の一組又はラックの駆動歯と噛合係合で装着されるギアアセンブリと動作可能にインターフェース接続する回転式シャフトを含むことができる。センサ素子は、位置センサ20225素子の1回転が変位部材のいくらかの直線長手方向並進に対応するように、ギアアセンブリに動作可能に結合され得る。ギアリング及びセンサの配列は、ラックピニオン配列によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源は、絶対位置決めシステムに電力を供給し、出力インジケータは、絶対位置決めシステムの出力を表示し得る。変位部材は、ギア減速機組立体の対応する駆動ギアと噛合係合するための、その上に形成された駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表すことができる。変位部材は、長手方向に移動可能な発射部材、発射バー、Iビーム、又はこれらの組み合わせを表すことができる。
【0291】
位置センサ20225と関連付けられるセンサ素子の1回転は、変位部材の長手方向直線変位d1に相当し得、d1は、変位部材に結合されたセンサ素子の1回転後に変位部材が点「a」から点「b」まで移動する長手方向の直線距離である。センサ配列は、位置センサ20225が変位部材のフルストロークに対して1回又は2回以上の回転を完了する結果をもたらすギア減速を介して接続され得る。位置センサ20225は、変位部材のフルストロークに対して複数回の回転を完了し得る。
【0292】
位置センサ20225の1回転を上回る一意の位置信号を提供するために、nが1よりも大きい整数である一連のスイッチが、単独で、又はギア減速との組み合わせで採用され得る。スイッチの状態は、マイクロコントローラ20221にフィードバックされ得、マイクロコントローラ20221は、論理を適用して、変位部材の長手方向直線変位d1+d2+...dnに対応する一意の位置信号を判定する。位置センサ20225の出力は、マイクロコントローラ20221に提供される。センサ配列の位置センサ20225は、磁気センサ、電位差計などのアナログ回転センサ、又はアナログホール効果素子のアレイを備え得、これらは、位置信号又は値の一意の組み合わせを出力する。
【0293】
位置センサ20225は、例えば、全磁界を測定するか又は磁界のベクトル成分を測定するかに従って分類される磁気センサなど、任意の数の磁気感知素子を備え得る。両タイプの磁気センサを生産するために使用される技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含み得る。磁界の感知に使用される技術としては、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動(nuclear precession)、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、磁気光学、及び微小電気機械システムベースの磁気センサを挙げることができる。
【0294】
一態様では、絶対位置決めシステムを備える追跡システム20228の位置センサ20225は、磁気回転絶対位置決めシステムを備え得る。位置センサ20225は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装され得る。位置センサ20225は、絶対位置決めシステムを提供するために、マイクロコントローラ20221とインターフェースされている。位置センサ20225は、低電圧低電力の構成要素であり得、磁石の上方に位置し得る位置センサ20225のエリアに、4つのホール効果素子を含み得る。高解像度ADC及びスマート電力管理コントローラもまた、チップ上に提供され得る。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を算出する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても既知である、座標回転デジタルコンピュータ(coordinate rotation digital computer、CORDIC)プロセッサが提供され得る。角度位置、アラームビット、及び磁界情報は、シリアル周辺インターフェース(serial peripheral interface、SPI)インターフェースなどの標準的なシリアル通信インターフェースを介してマイクロコントローラ20221に伝送され得る。位置センサ20225は、12ビット又は14ビットの分解能を提供し得る。位置センサ20225は、小型のQFN16ピン4x4x0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであり得る。
【0295】
絶対位置決めシステムを備える追跡システム20228は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラなどのフィードバックコントローラを備え得、かつ/又はこれを実装するようにプログラムされ得る。電源は、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は電圧へと変換する。他の実施例としては、電圧、電流、及び力のPWMが挙げられる。位置センサ20225によって測定される位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、他のセンサが提供され得る。いくつかの態様では、他のセンサとしては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2016年5月24日発行の米国特許第9,345,481号、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2014年9月18日公開の米国特許出願公開第2014/0263552号、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年6月20日出願の米国特許出願第15/628,175号に記載されているものなどのセンサ配列を挙げることができる。デジタル信号処理システムでは、絶対位置決めシステムは、デジタルデータ取得システムに結合され、ここで、絶対位置決めシステムの出力は、有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置決めシステムは、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループなどのアルゴリズムを使用して、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備え得る。物理的システムの計算された応答は、入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗などの特性を考慮に入れ得る。
【0296】
絶対位置決めシステムは、単にモータ20230が取った前方又は後方への工程の数を計数してデバイスアクチュエータ、駆動バー、ナイフ、又は等価物の位置を推測する従来の回転エンコーダで必要となり得るような、変位部材をリセット(ゼロ又はホーム)位置へ後退又は前進させることなく、器具の電源投入時に変位部材の絶対位置を提供し得る。
【0297】
例えば、歪みゲージ又は微小歪みゲージなどのセンサ20226は、例えば、クランプ動作中にアンビルに及ぼされる歪みの振幅などのエンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成され得、パラメータは、アンビルに適用される閉鎖力を示すことができる。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、プロセッサ20222に提供され得る。代替的に、又はセンサ20226に加えて、例えば、負荷センサなどのセンサ20227は、閉鎖駆動システムによってアンビルに適用される閉鎖力を測定することができる。例えば、負荷センサなどのセンサ20227は、外科用器具又は外科用ツールの発射ストロークにおいてIビームに適用される発射力を測定することができる。Iビームは、楔形スレッドと係合するように構成されており、楔形スレッドは、ステープルドライバを上向きにカム作用して、ステープルを押し出してアンビルと変形接触させるように構成されている。Iビームはまた、Iビームを発射バーによって遠位に前進させる際に組織を切断するために使用することができる、鋭利な切刃を含み得る。代替的に、モータ20230により引き込まれる電流を測定するために、電流センサ20231を採用することができる。発射部材を前進させるのに必要な力は、例えば、モータ20230によって引き込まれる電流に対応し得る。測定された力は、デジタル信号に変換されて、プロセッサ20222に提供され得る。
【0298】
一形態では、エンドエフェクタによって組織に適用される力を測定するために、歪みゲージセンサ20226を使用することができる。処置されている組織に対するエンドエフェクタによる力を測定するために、歪みゲージをエンドエフェクタに結合することができる。エンドエフェクタによって把持された組織に適用される力を測定するためのシステムは、例えば、微小歪みゲージなどの歪みゲージセンサ20226を備え得、歪みゲージセンサ20226は、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成することができる。一態様では、歪みゲージセンサ20226は、クランプ動作中にエンドエフェクタのジョー部材に及ぼされる歪みの振幅又は大きさを測定することができ、歪みの振幅又は大きさは、組織圧縮を示すことができる。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、マイクロコントローラ20221のプロセッサ20222に提供され得る。負荷センサ20227は、例えば、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織を切断するために、ナイフ要素を動作させるために使用される力を測定することができる。磁界センサは、捕捉された組織の厚さを測定するために採用することができる。磁界センサの測定値もまた、デジタル信号に変換され、プロセッサ20222に提供され得る。
【0299】
センサ20226、20227によってそれぞれ測定される、組織圧縮、組織厚さ、及び/又はエンドエフェクタを組織上で閉鎖するのに必要な力の測定値は、発射部材の選択された位置、及び/又は発射部材の速度の対応する値を特性判定するために、マイクロコントローラ20221によって使用され得る。一事例では、メモリ20223は、評定の際にマイクロコントローラ20221によって採用することができる技術、等式、及び/又はルックアップテーブルを記憶し得る。
【0300】
外科用器具又は外科用ツールの制御システム20220はまた、
図5~
図6Aに示されるように、モジュール式通信ハブ20065と通信するための有線通信回路又はワイヤレス通信回路を備え得る。
【0301】
図7Bは、例示的な感知システム20069を示す。感知システムは、外科医感知システム又は患者感知システムであり得る。感知システム20069は、データ処理及び通信ユニット20236と通信状態にあるセンサユニット20235及びヒューマンインターフェースシステム20242を含み得る。データ処理及び通信ユニット20236は、アナログデジタル変換器20237と、データ処理ユニット20238と、ストレージユニット20239と、入力/出力インターフェース20241と、送受信器20240と、を含み得る。感知システム20069は、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243と通信状態にあり得、これは、次いで、クラウドコンピューティングシステム20244と通信状態にある。クラウドコンピューティングシステム20244は、クラウドストレージシステム20078及び1つ又は2つ以上のクラウドサーバ20077を含み得る。
【0302】
センサユニット20235は、1つ又は2つ以上のバイオマーカを測定するための1つ又は2つ以上の生体外センサ又は生体内センサを含み得る。バイオマーカは、例えば、血中pH、補水状態、酸素飽和度、中枢温、心拍数、心拍変動、発汗速度、皮膚コンダクタンス、血圧、光曝露、環境温度、呼吸数、咳嗽及びくしゃみ、胃腸運動、胃腸管撮像、組織灌流圧力、気道中の細菌、アルコール消費、乳酸塩(汗)、末梢温、肯定性及び楽観性、アドレナリン(汗)、コルチゾール(汗)、浮腫、マイコトキシン、VO2最大、術前疼痛、空気中の化学物質、循環腫瘍細胞、ストレス及び不安、錯乱及びせん妄、身体活動、自律神経緊張、概日リズム、月経周期、睡眠などの1つ又は2つ以上のセンサを使用して測定され得る。これらのバイオマーカは、1つ又は2つ以上のセンサ、例えば、光センサ(例えば、フォトダイオード、フォトレジスタ)、機械センサ(例えば、動きセンサ)、音響センサ、電気センサ、電気化学センサ、熱電センサ、赤外線センサなどを使用して測定され得る。センサは、以下の感知技術のうちの1つ又は2つ以上を使用して本明細書に記載されるバイオマーカを測定し得る:フォトプレチスモグラフィ、心電図検査、脳波検査、比色分析、インペディメンタリ(impedimentary)、電位差測定、電流測定など。
【0303】
図7Bに例解されるように、センサユニット20235内のセンサは、測定されるべきバイオマーカと関連付けられる生理学的信号(例えば、電圧、電流、PPG信号など)を測定し得る。測定される生理学的信号は、本明細書に記載されるように、使用される感知技術に依存し得る。感知システム20069のセンサユニット20235は、データ処理及び通信ユニット20236と通信状態にあり得る。実施例では、センサユニット20235は、ワイヤレスインターフェースを使用してデータ処理及び通信ユニット20236と通信し得る。データ処理及び通信ユニット20236は、アナログデジタル変換器(ADC)20237と、データ処理ユニット20238と、ストレージ20239と、I/Oインターフェース20241と、RF送受信器20240と、を含み得る。データ処理ユニット20238は、プロセッサ及びメモリユニットを含み得る。
【0304】
センサユニット20235は、測定された生体信号をデータ処理及び通信部20236のADC20237に伝送し得る。実施例では、測定された生理学的信号は、ADCに送信される前に、1つ又は2つ以上のフィルタ(例えば、RCローパスフィルタ)を通過させられ得る。ADCは、測定された生理学的信号を、バイオマーカと関連付けられる測定データに変換し得る。ADCは、処理のために測定データをデータ処理ユニット20238に受け渡し得る。実施例では、データ処理ユニット20238は、バイオマーカと関連付けられる測定データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243に送信し得、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243は、次いで、更なる処理のために、測定データをクラウドコンピューティングシステム20244に送信し得る。データ処理ユニットは、本明細書に記載されるように、ワイヤレスプロトコルのうちの1つを使用して、測定データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243に送信し得る。実施例では、データ処理ユニット20238は、最初に、センサユニットから受信された生の測定データを処理し、かつ処理された測定データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243に送信し得る。
【0305】
実施例では、感知システム20069のデータ処理及び通信ユニット20236は、監視のためにバイオマーカと関連付けられる閾値を、外科用ハブ、コンピューティングデバイス20243から、又はクラウドコンピューティングシステム20244のクラウドサーバ20077から直接、受信し得る。データ処理ユニット20236は、監視されるべきバイオマーカと関連付けられる測定データを、外科用ハブ、コンピューティングデバイス20243、又はクラウドサーバ20077から受信された対応する閾値と比較し得る。データ処理及び通信ユニット20236は、測定データ値が閾値を超えたことを示す通知メッセージをHID20242に送信し得る。通知メッセージは、監視されるバイオマーカと関連付けられる測定データを含み得る。データ処理及びコンピューティングユニット20236は、以下のRFプロトコルのうちの1つを使用して、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243への伝送を介して通知を送信し得る:Bluetooth、Bluetoothローエナジー(BLE)、Bluetooth Smart、Zigbee、Z-wave、IPv6低電力ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(6LoWPAN)、Wi-Fi。データ処理ユニット20238は、以下のセルラープロトコルのうちの1つ又は2つ以上を使用して、セルラー送信/受信ポイント(TRP)又は基地局への送信を介して、クラウドサーバに通知(例えば、HCPに対する通知)を直接送信し得る:GSM/GPRS/EDGE(2G)、UMTS/HSPA(3G)、ロングタームエボリューション(LTE)又は4G、LTEアドバンスト(LTE-A)、new radio(NR)又は5G。実施例では、感知ユニットは、
図6A~
図6Cに記載されているように、ルータを介してハブ/コンピューティングデバイスと通信状態にあり得る。
【0306】
図7Cは、例示的な感知システム20069(例えば、外科医感知システム又は患者感知システム)を示す。感知システム20069は、センサユニット20245と、データ処理及び通信ユニット20246と、ヒューマンインターフェースデバイス20242と、を含み得る。センサユニット20245は、センサ20247及びアナログデジタル変換器(ADC)20248を含み得る。センサユニット20245内のADC20248は、センサ20247によって測定された生理学的信号をバイオマーカと関連付けられる測定データに変換し得る。センサユニット20245は、更なる処理のために、測定データをデータ処理及び通信ユニット20246に送信し得る。実施例では、センサユニット20245は、集積回路間(inter-integrated circuit、I2C)インターフェースを使用して、測定データをデータ処理及び通信ユニット20246に送信し得る。
【0307】
データ処理及び通信ユニット20246は、データ処理ユニット20249と、ストレージユニット20250と、RF送受信器20251と、を含む。感知システムは、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243と通信状態にあり得、これは、次いで、クラウドコンピューティングシステム20244と通信状態にあり得る。クラウドコンピューティングシステム20244は、遠隔サーバ20077及び関連する遠隔ストレージ20078を含み得る。センサユニット20245は、本明細書に記載されるように、1つ又は2つ以上のバイオマーカを測定するための1つ又は2つ以上の生体外又は生体内センサを含み得る。
【0308】
データ処理及び通信ユニット20246は、センサユニット20245から受信された測定データを処理した後、
図7Bに記載されているように、測定データを更に処理し、かつ/又は測定データをスマートハブ又はコンピューティングデバイス20243に送信し得る。実施例では、データ処理及び通信ユニット20246は、更なる処理及び/又は監視のために、センサユニット20245から受信された測定データをクラウドコンピューティングシステム20244の遠隔サーバ20077に送信し得る。
【0309】
図7Dは、例示的な感知システム20069(例えば、外科医感知システム又は患者感知システム)を示す。感知システム20069は、センサユニット20252と、データ処理及び通信ユニット20253と、ヒューマンインターフェースシステム20261と、を含み得る。センサユニット20252は、患者又は外科医のバイオマーカと関連付けられる1つ又は2つ以上の生理学的信号、及び/又は患者又は外科医の物理的状態と関連付けられる1つ又は2つ以上の物理的状態信号を測定するために、複数のセンサ20254、20255~20256を含み得る。センサユニット20252はまた、1つ又は2つ以上のアナログデジタル変換器(ADC)20257を含み得る。バイオマーカのリストは、本明細書に開示されるバイオマーカなどのバイオマーカを含み得る。センサユニット20252内のADC20257は、センサ20254~20256によって測定された生理学的信号及び/又は物理的状態信号の各々をそれぞれの測定データに変換し得る。センサユニット20252は、1つ又は2つ以上のバイオマーカ並びに患者又は外科医の物理的状態と関連付けられる測定データを、更なる処理のためにデータ処理及び通信ユニット20253に送信し得る。センサユニット20252は、センサ1 20254~センサN 20256の各々について個別に、又は全てのセンサについて組み合わされて、測定データをデータ処理及び通信ユニット20253に送信し得る。実施例では、センサユニット20252は、I2Cインターフェースを介して測定データをデータ処理及び通信ユニット20253に送信し得る。
【0310】
データ処理及び通信ユニット20253は、データ処理ユニット20258と、ストレージユニット20259と、RF送受信器20260と、を含み得る。感知システム20069は、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243と通信状態であり得、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243は、次いで、少なくとも1つの遠隔サーバ20077及び少なくとも1つのストレージユニット20078を備えるクラウドコンピューティングシステム20244と通信状態にあり得る。センサユニット20252は、本明細書に記載されるように、1つ又は2つ以上のバイオマーカを測定するための1つ又は2つ以上の生体外又は生体内センサを含み得る。
【0311】
図8は、外科用器具制御を調整するために、1つ又は2つ以上の外科医感知システムからの外科的タスク状況認識及び測定データを使用する実施例である。
図8は、例解的な外科的手技のタイムライン20265と、外科的手技の各工程において1つ若しくは2つ以上の外科用デバイス、1つ若しくは2つ以上の外科医感知システム、及び/又は1つ若しくは2つ以上の環境感知システムから受信されたデータから外科用ハブが導出することができるコンテキスト情報と、を例解する。外科用ハブによって制御され得るデバイスは、高度エネルギーデバイス、エンドカッタクランプなどを含み得る。外科医感知システムは、外科医と関連付けられた1つ又は2つ以上のバイオマーカ、例えば、心拍数、汗組成、呼吸数などを測定するための感知システムを含み得る。環境感知システムは、環境属性のうちの1つ又は2つ以上を測定するためのシステム、例えば、外科医の位置/動き/呼吸パターンを検出するためのカメラ、例えば、手術室内の周囲雑音及び/又は医療提供者の声のトーン、周囲の温度/湿度などを測定するための空間マイクロフォンを含み得る。
【0312】
図8に例解するタイムライン20265の以下の記載では、
図5も参照されたい。
図5は、外科的手技において使用される種々の構成要素を提供する。タイムライン20265は、例示的な結腸直腸外科的手技の過程中に、看護師、外科医、及び他の医療専門家によって個別に及び/又は一括して取られ得る工程を描写する。結腸直腸外科的手技では、状況認識型外科用ハブ20076は、医療提供者(HCP)が外科用ハブ20076と対にされたモジュール式デバイス/器具20095を利用するたびに生成されるデータを含む、外科的手技の過程全体を通して様々なデータソースからデータを受信し得る。外科用ハブ20076は、このデータを、対にされたモジュール式デバイス20095から受信し得る。外科用ハブは、感知システム20069から測定データを受信し得る。外科用ハブは、モジュール式デバイス/器具20095からのデータ及び/又は感知システム20069からの測定データを使用して、新しいデータが受信されると、HCPのストレスレベル及び進行中の手技に関する推論(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導出し得、その結果、行われている手技の工程に対する外科医のストレスレベルが取得される。外科用ハブ20076の状況認識システムは、以下のうちの1つ又は2つ以上を行い得る:報告を生成するための手技に関するデータを記録すること、医療関係者によって取られている工程を検証すること、特定の手技工程に関連し得るデータ又はプロンプトを(例えば、ディスプレイスクリーンを介して)提供すること、コンテキストに基づいてモジュール式デバイスを調整すること(例えば、モニタを起動すること、医療用撮像デバイスのFOVを調整すること、又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具のエネルギーレベルを変更すること)、あるいは本明細書に記載される任意の他のこのようなアクションを行うこと。実施例では、これらの工程は、クラウドシステム20064の遠隔サーバ20077によって行われ、外科用ハブ20076と通信され得る。
【0313】
第1の工程(簡潔にするために
図8には示さず)として、病院職員は、病院のEMRデータベースから、患者のEMRを読み出し得る。EMR内の選択された患者データに基づいて、外科用ハブ20076は、行われるべき手技が結腸直腸手技であると判定し得る。職員は、手技のために入ってくる医療用品をスキャンし得る。外科用ハブ20076は、スキャンされた用品を様々なタイプの手技で利用することができる用品のリストと相互参照し得、用品の組み合わせが結腸直腸手技に対応することを確認する。外科用ハブ20076は、異なるHCPによって着用された感知システム20069の各々を対にし得る。
【0314】
デバイスの各々が準備され、外科手術前の準備が完了すると、外科チームは、切開を行い、トロカールを配置することから開始し得る。外科チームは、もしあれば、癒着を切開し、下腸間膜動脈(inferior mesenteric artery、IMA)分岐を識別することによって、アクセス及び準備を行い得る。外科用ハブ20076は、エネルギー器具が発射されていることを示す、RF又は超音波発電機からの受信し得るデータに少なくとも基づいて、外科医が癒着を切開するプロセスにあると推測し得る。外科用ハブ20076は、受信されたデータを外科的手技の読み出しされた工程と相互参照して、プロセスのこの時点(例えば、手技の先で考察される工程の完了後)で発射されているエネルギー器具が切開工程に対応していると判定し得る。
【0315】
切開後、HCPは、手技の結紮工程(例えば、A1によって示される)に進み得る。
図8に例解されるように、HCPは、IMAを結紮することによって開始し得る。外科用ハブ20076は、器具が発射されていることを示すデータを先進エネルギージョーデバイス及び/又はエンドカッタから受信し得るため、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推測し得る。外科用ハブはまた、HCPの感知システムのうちの1つから、(例えば、時間軸上のB1マークによって示される)HCPのより高いストレスレベルを示す測定データを受信し得る。例えば、より高いストレスレベルは、ベース値からのHCPの心拍数の変化によって示され得る。外科用ハブ20076は、前の工程と同様に、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、プロセス内の読み出された工程(例えば、A2及びA3によって示されるような)と相互参照することによって、この推測を導出し得る。外科用ハブ20076は、高応力期間中に、先進エネルギージョートリガ比並びに/又はエンドカッタクランプ及び発射速度を監視し得る。実施例では、外科用ハブ20076は、動作中のデバイスを制御するために、支援制御信号を先進エネルギージョーデバイス及び/又はエンドカッタデバイスに送信し得る。外科用ハブは、外科用デバイスを動作させているHCPのストレスレベル及び/又は外科用ハブに既知である状況認識に基づいて、支援信号を送信し得る。例えば、外科用ハブ20076は、
図8にA2及びA3によって示されるように、制御支援信号を先進エネルギーデバイス又はエンドカッタクランプに送信し得る。
【0316】
HCPは、上部S状結腸を解放し、続いて下行結腸、直腸、及びS状結腸を解放する次の工程に進み得る。外科用ハブ20076は、HCPの高応力マーカ(例えば、D1、E1a、E1b、F1によって示されるような)を監視し続け得る。外科用ハブ20076は、
図8に例解されるように、高応力期間中に、先進エネルギージョーデバイス及び/又はエンドカッタデバイスに支援信号を送信し得る。
【0317】
結腸を可動化した後、HCPは、手技の分節切除部分に進み得る。例えば、外科用ハブ20076は、そのカートリッジからのデータを含む、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータに基づいて、HCPが腸を横切し、S字結腸除去を行っていると推測し得る。カートリッジのデータは、例えば、器具によって発射されているステープルのサイズ又はタイプに対応することができる。異なる種類のステープルが異なる種類の組織に利用されるので、カートリッジのデータは、ステープル留め及び/又は横切開されている組織の種類を示すことができる。異なる器具が特定のタスクに対してより良好に適合するため、外科医は、手技中の特定の工程に応じて、手術用ステープル留め/切断器具と外科用エネルギー(例えば、RF又は超音波)器具とを、定期的に交互に切り替えることに留意されたい。したがって、ステープル留め器具/切断器具及び手術用エネルギー器具が使用される順序は、外科医が手技のどの工程を行っているかを示すことができる。
【0318】
外科用ハブは、HCPのストレスレベルに基づいて制御信号を判定し、外科用デバイスに送信し得る。例えば、期間G1b中に、制御信号G2bがエンドカッタクランプに送信され得る。S状結腸を除去したら、切開部が閉鎖され、手技の術後部分を開始し得る。患者を麻酔から覚醒させることができる。外科用ハブ20076は、患者に取り付けられた1つ又は2つ以上の感知システムに基づいて、患者が麻酔から覚醒していることを推測し得る。
【0319】
図9は、本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装双方向外科用システムのブロック図である。一態様では、コンピュータ実装双方向外科用システムは、1つ又は2つ以上の感知システム20069を使用して、外科医バイオマーカ及び/又は患者バイオマーカを監視するように構成され得る。外科医バイオマーカ及び/又は患者バイオマーカは、外科的手技の前、後、及び/又は間に測定され得る。一態様では、コンピュータ実装双方向外科用システムは、外科用ハブ、外科用器具、ロボットデバイス、及び手術室又は医療施設を含む様々な外科用システム20069の動作に関するデータを監視及び分析するように構成され得る。コンピュータ実装双方向外科用システムは、クラウドベースの分析システムを含み得る。クラウドベースの分析システムは、1つ又は2つ以上の分析サーバを含み得る。
【0320】
図9に例解されるように、クラウドベースの監視及び分析システムは、複数の感知システム20268(感知システム20069と同じ又は類似であり得る)と、外科用器具20266(器具20031と同じ又は類似であり得る)と、外科用器具20266(器具20031と同じ又は類似であり得る)と、複数の外科用ハブ20270(ハブ20006と同じ又は類似であり得る)と、外科用ハブ20270をクラウド20271(クラウド20064と同じ又は類似であり得る)に結合するための外科用データネットワーク20269(ネットワーク4と同じ又は類似であり得る)と、を備え得る。複数の外科用ハブ20270の各々は、1つ又は2つ以上の外科用器具20266に通信可能に結合され得る。複数の外科用ハブ20270の各々はまた、ネットワーク20269を介して、1つ又は2つ以上の感知システム20268、及びコンピュータ実装双方向外科用システムのクラウド20271に通信可能に結合され得る。外科用ハブ20270及び感知システム20268は、本明細書に記載されるようなワイヤレスプロトコルを使用して通信可能に結合され得る。クラウドシステム20271は、感知システム20268からの様々な外科用システム20268の動作に基づいて生成されたデータを記憶、処理、操作、及び通信するためのハードウェア及びソフトウェアの遠隔集中型ソースであり得る。
【0321】
図9に示されるように、クラウドシステム20271へのアクセスは、ネットワーク20269を介して達成され得、ネットワーク20269は、インターネット又は何らかの他の好適なコンピュータネットワークであり得る。クラウドシステム20271に結合され得る外科用ハブ20270は、クラウドコンピューティングシステム(例えば、クラウドベースの分析システム)のクライアント側と見なすことができる。外科用器具20266は、本明細書に記載されるように、様々な外科的手技又は手術の制御及び実装のために、外科用ハブ20270と対にされ得る。感知システム20268は、様々なマイルストーンを追跡及び/若しくは測定するため、並びに/又は様々な合併症を検出するために、外科医関連バイオマーカの外科手術中外科医監視、外科手術前患者監視、外科手術中患者監視、又は患者バイオマーカの外科手術後監視のために外科用ハブ20270と対にされ得る。環境感知システム20267は、外科医監視、外科手術前患者監視、外科手術中患者監視、又は患者の外科手術後監視のために、外科医又は患者と関連付けられる環境属性を測定する外科用ハブ20270と対にされ得る。
【0322】
外科用器具20266、環境感知システム20267、及び感知システム20268は、それらの対応する外科用ハブ20270(これもまた、送受信器を備え得る)との間のデータ伝送のための有線送受信器又はワイヤレス送受信器を備え得る。外科用器具20266、感知システム20268、又は外科用ハブ20270のうちの1つ又は2つ以上の組み合わせは、医療手術、外科手術前準備、及び/又は外科手術後回復を提供するために、手術室、集中治療室(intensive care unit、ICU)室、又は医療施設(例えば、病院)内の回復室などの特定の場所を示し得る。例えば、外科用ハブ20270のメモリは、場所データを記憶し得る。
【0323】
図9に示されるように、クラウドシステム20271は、1つ又は2つ以上の中央サーバ20272(遠隔サーバ20067と同じ又は類似であり得る)と、外科用ハブアプリケーションサーバ20276と、データ分析モジュール20277と、入力/出力(「I/O」)インターフェース20278と、を含み得る。クラウド20271の中央サーバ20272は、クラウドコンピューティングシステムを集合的に管理し得、これは、クライアント外科用ハブ20270による要求を監視することと、その要求を実行するためのクラウド20271の処理能力を管理することと、を含む。中央サーバ20272の各々は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ及び磁気記憶デバイスなどの不揮発性メモリを含むことができる、好適なメモリデバイス20274に結合された1つ又は2つ以上のプロセッサ20273を備え得る。メモリデバイス20274は、実行されると、プロセッサ20273に、クラウドベースのデータ分析、感知システム20268から受信される測定データのリアルタイム監視、動作、推奨、及び以下で記載する他の動作のためのデータ分析モジュール20277を実行させる、機械実行可能命令を含み得る。プロセッサ20273は、独立して、又はハブ20270によって独立して実行されるハブアプリケーションと併せて、データ分析モジュール20277を実行することができる。中央サーバ20272はまた、メモリ20274内に常駐することができる、集約された医療データデータベース20275を含み得る。
【0324】
ネットワーク20269を介した様々な外科用ハブ20270への接続に基づいて、クラウド20271は、様々な外科用器具20266によって生成された特定のデータからのデータを集約し、かつ/又は感知システム20268、並びに外科用器具20266及び/又は感知システム20268と関連付けられる外科用ハブ20270からのリアルタイムデータを監視し得る。外科用器具20266からのそのような集約されたデータ及び/又は感知システム20268からの測定データは、クラウド20271の集約された医療データベース20275内に記憶され得る。特に、クラウド20271は、有利に、感知システム20268からのリアルタイム測定データを追跡し、かつ/又は測定データ及び/又は集約されたデータに対してデータ分析及び操作を行って、洞察をもたらし、かつ/又は個々のハブ20270がそれ自体では達成することができない機能を行い得る。この目的のために、
図9に示されるように、クラウド20271及び外科用ハブ20270は、情報を伝送及び受信するために通信可能に結合されている。I/Oインターフェース20278は、ネットワーク20269を介して、複数の外科用ハブ20270に接続されている。このようにして、I/Oインターフェース20278は、外科用ハブ20270と集約された医療データデータベース20275との間で情報を転送するように構成することができる。それにより、I/Oインターフェース20278は、クラウドベースの分析システムの読み出し/書き込み操作を容易にし得る。このような読み出し/書き込み操作は、ハブ20270からの要求に応じて実行され得る。これらの要求は、ハブアプリケーションを通じて外科用ハブ20270に伝送され得る。I/Oインターフェース20278は、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)ポート、IEEE1394ポート、並びにクラウド20271を外科用ハブ20270に接続するためのWi-Fi及びBluetooth I/Oインターフェースを含み得る、1つ又は2つ以上の高速データポートを含み得る。クラウド20271のハブアプリケーションサーバ20276は、外科用ハブ20270によって実行されるソフトウェアアプリケーション(例えば、ハブアプリケーション)をホストし、かつそれに共有機能を供給するように構成され得る。例えば、ハブアプリケーションサーバ20276は、ハブ20270を通してハブアプリケーションによって行われた要求を管理し、集約された医療データデータベース20275へのアクセスを制御し、負荷分散を行い得る。
【0325】
本開示に記載されるクラウドコンピューティングシステムの構成は、外科用器具20266、20031などの医療用デバイスを使用して行われる医療手術及び手技のコンテキストにおいて生じる様々な問題に対処(例えば、外科手術前監視、外科手術中監視、及び外科手術後監視)するように設計され得る。特に、外科用器具20266は、外科手術の性能を改善する技術を実装するために、クラウド20271と相互作用するように構成されたデジタル外科用デバイスであり得る。感知システム20268は、医療手術を行う外科医及び/又は医療手術が行われる予定であるか、行われているか、又は行われた患者と関連付けられる1つ又は2つ以上のバイオマーカを測定するように構成された1つ又は2つ以上のセンサを有するシステムであり得る。様々な外科用器具20266、感知システム20268、及び/又は外科用ハブ20270は、臨床医及び/又は患者が外科用器具20266又は感知システム20268とクラウド20271との間の相互作用の態様を制御し得るように、ヒューマンインターフェースシステム(例えば、タッチ制御式ユーザインターフェースを有する)を含み得る。聴覚的に制御されたユーザインターフェースなどの制御のための他の好適なユーザインターフェースもまた使用され得る。
【0326】
本開示に記載されるクラウドコンピューティングシステム構成は、感知システム20268を使用して、外科手術前、外科手術中、及び外科手術後の手技において医療専門家(HCP)又は患者と関連付けられる1つ又は2つ以上のバイオマーカを監視するコンテキストにおいて生じる様々な問題に対処するように設計され得る。感知システム20268は、外科医バイオマーカ及び/又は患者バイオマーカを監視する技術を実装するために、外科用ハブ20270及び/又はクラウドシステム20271と相互作用するように構成された外科医感知システム又は患者感知システムであり得る。様々な感知システム20268及び/又は外科用ハブ20270は、HCP又は患者が感知システム20268と外科用ハブ20270及び/又はクラウドシステム20271との間の相互作用の態様を制御し得るように、タッチ制御式ヒューマンインターフェースシステムを備え得る。聴覚的に制御されたユーザインターフェースなどの制御のための他の好適なユーザインターフェースもまた使用され得る。
【0327】
図10は、本開示による外科用システム20280を例解し、有線接続又はワイヤレス接続を介してローカルエリアネットワーク20292又はクラウドネットワーク20293を通じてコンソール20294又はポータブルデバイス20296と通信状態にあることができる外科用器具20282を含み得る。様々な態様では、コンソール20294及びポータブルデバイス20296は、任意の好適なコンピューティングデバイスであり得る。外科用器具20282は、ハンドル20297と、アダプタ20285と、装填ユニット20287と、を含み得る。アダプタ20285が駆動シャフトから装填ユニット20287に力を伝送するように、アダプタ20285は、ハンドル20297に解放可能に結合し、装填ユニット20287は、アダプタ20285に解放可能に結合している。アダプタ20285又は装填ユニット20287は、装填ユニット20287に及ぼされる力を測定するために、内部に配置される力ゲージ(明示的に図示せず)を含み得る。装填ユニット20287は、第1のジョー20291及び第2のジョー20290を有するエンドエフェクタ20289を含み得る。装填ユニット20287は、臨床医が、装填ユニット20287を手術部位から抜いて装填ユニット20287を再装填することを必要とせず、複数の締結具を複数回発射することを可能にする、原位置装填、又は複数回発射装填ユニット(multi-firing loading unit、MFLU)であり得る。
【0328】
第1のジョー20291及び第2のジョー20290は、それらの間に組織をクランプし、クランプされた組織を通して締結具を発射し、クランプされた組織を切断するように構成され得る。第1のジョー20291は、少なくとも1つの締結具を複数回発射するように構成され得、又は交換される前に2回以上発射され得る複数の締結具(例えば、ステープル、クリップなど)を含む交換可能な複数回発射締結具カートリッジを含むように構成され得る。第2のジョー20290は、締結具が複数回発射締結具カートリッジから排出されるときに、締結具を変形させるか、又は他の方法で固定するアンビルを含み得る。
【0329】
ハンドル20297は、駆動シャフトの回転に影響を及ぼすように、駆動シャフトに結合されるモータを含み得る。ハンドル20297は、モータを選択的に作動させるための制御インターフェースを含み得る。制御インターフェースは、ボタン、スイッチ、レバー、スライダ、タッチスクリーン、及び任意の他の好適な入力機構又はユーザインターフェースを含み得、これらは、モータを起動するために臨床医によって係合され得る。
【0330】
ハンドル20297の制御インターフェースは、モータを選択的に作動させ、かつ駆動シャフトの回転に影響を及ぼすために、ハンドル20297のコントローラ20298と通信状態にあり得る。コントローラ20298は、ハンドル20297内に配設され得、制御インターフェースからの入力と、アダプタ20285からのアダプタデータ、又は装填ユニット20287からの装填ユニットデータと、を受信するように構成されている。コントローラ20298は、モータを選択的に作動させるために、制御インターフェースからの入力と、アダプタ20285及び/又は装填ユニット20287から受信されたデータと、を分析し得る。ハンドル20297はまた、ハンドル20297の使用中に臨床医が見ることができるディスプレイを含み得る。ディスプレイは、器具20282の発射前、発射中、又は発射後に、アダプタ又は装填ユニットデータの一部分を表示するように構成され得る。
【0331】
アダプタ20285は、内部に配設されるアダプタ識別デバイス20284を含み得、装填ユニット20287は、内部に配設される装填ユニット識別デバイス20288を含み得る。アダプタ識別デバイス20284は、コントローラ20298と通信状態にあり得、装填ユニット識別デバイス20288は、コントローラ20298と通信状態にあり得る。装填ユニット識別デバイス20288は、装填ユニット識別デバイス20288からコントローラ20298への通信を中継又は通過させるアダプタ識別デバイス20284と通信状態にあり得ることが理解されるであろう。
【0332】
アダプタ20285はまた、アダプタ20285又は環境の様々な状態(例えば、アダプタ20285が装填ユニットに接続されているかどうか、アダプタ20285がハンドルに接続されているかどうか、駆動シャフトが回転しているかどうか、駆動シャフトのトルク、駆動シャフトの歪み、アダプタ20285内の温度、アダプタ20285の発射回数、発射中のアダプタ20285のピーク力、アダプタ20285に適用される力の総量、アダプタ20285のピーク後退力、発射中のアダプタ20285の休止回数など)を検出するために、その周囲に配設される複数のセンサ20286(1つが示される)を含み得る。複数のセンサ20286は、データ信号の形態でアダプタ識別デバイス20284に入力を提供し得る。複数のセンサ20286のデータ信号は、アダプタ識別デバイス20284内に記憶されるか、又はアダプタ識別デバイス20284内に記憶されたアダプタデータを更新するために使用され得る。複数のセンサ20286のデータ信号は、アナログ又はデジタルであり得る。複数のセンサ20286は、発射中に装填ユニット20287に及ぼされる力を測定するための力ゲージを含み得る。
【0333】
ハンドル20297及びアダプタ20285は、電気的インターフェースを介して、アダプタ識別デバイス20284及び装填ユニット識別デバイス20288をコントローラ20298と相互接続するように構成され得る。電気的インターフェースは、直接電気的インターフェースであり得る(すなわち、エネルギー及び信号をそれらの間で伝送するために互いに係合する電気接点を含む)。追加的に、又は代替的に、電気的インターフェースは、エネルギー及び信号を、それらの間で、ワイヤレスで伝送する(例えば、誘導的に伝送する)ための非接触電気的インターフェースであり得る。アダプタ識別デバイス20284及びコントローラ20298は、電気的インターフェースとは別個のワイヤレス接続を介して互いにワイヤレス通信し得ることも企図される。
【0334】
ハンドル20297は、コントローラ20298からシステム20280の他の構成要素(例えば、LAN20292、クラウド20293、コンソール20294、又はポータブルデバイス20296)に器具データを伝送するように構成された送受信器20283を含み得る。コントローラ20298はまた、
図9に例解されるように、1つ又は2つ以上のセンサ20286と関連付けられる器具データ及び/又は測定データを外科用ハブ20270に伝送し得る。送受信器20283は、外科用ハブ20270からデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、アダプタデータ、又は他の通知)を受信し得る。送受信器20283はまた、システム20280の他の構成要素からデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、又はアダプタデータ)を受信し得る。例えば、コントローラ20298は、ハンドル20297に取り付けられる付属アダプタ(例えば、アダプタ20285)のシリアル番号、アダプタ20285に取り付けられた装填ユニット(例えば、装填ユニット20287)のシリアル番号、及び装填ユニットに装填された複数回発射締結具カートリッジのシリアル番号を含む器具データを、コンソール20294に伝送し得る。その後、コンソール20294は、取り付けられたカートリッジ、装填ユニット、及びアダプタにそれぞれ関連付けられたデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、又はアダプタデータ)をコントローラ20298に返信し得る。コントローラ20298は、ローカル器具ディスプレイ上にメッセージを表示するか、又は送受信器20283を介してコンソール20294若しくはポータブルデバイス20296にメッセージを伝送して、それぞれディスプレイ20295又はポータブルデバイススクリーン上にメッセージを表示することができる。
【0335】
図11A~
図11Dは、ウェアラブル感知システム、例えば、外科医感知システム又は患者感知システムの実施例を例解する。
図11Aは、電気化学感知プラットフォームに基づき得る眼鏡ベースの感知システム20300の実施例である。感知システム20300は、外科医又は患者の皮膚と接触している複数のセンサ20304及び20305を使用して、汗電解質及び/又は代謝産物を監視(例えば、リアルタイム監視)することが可能であり得る。例えば、感知システム20300は、電流及び/又は電圧を測定するために、眼鏡20302の鼻梁パッドと一体化された電流測定ベースのバイオセンサ20304及び/又は電位差測定ベースのバイオセンサ20305を使用し得る。
【0336】
電流測定バイオセンサ20304は、汗乳酸塩レベル(例えば、mmol/L単位)を測定するために使用され得る。乳酸塩は、敗血症又は出血によって引き起こされ得る、組織酸素化の減少に起因して生じ得る乳酸アシドーシスの産物である。例えば、外科手術後監視中に敗血症の発症を監視するために、患者の乳酸塩レベル(例えば、>2mmol/L)が使用され得る。電位差バイオセンサ20305は、患者の汗中のカリウムレベルを測定するために使用され得る。基準電極と作用電極との間の電位信号を測定するために、演算増幅器を有する電圧フォロワ回路が使用され得る。電圧フォロワ回路の出力は、フィルタリングされ、ADCを使用してデジタル値に変換され得る。
【0337】
電流測定センサ20304及び電位差測定センサ20305は、眼鏡のアームの各々に配置された回路20303に接続され得る。電気化学センサは、汗乳酸塩及びカリウムレベルの同時リアルタイム監視のために使用され得る。電気化学センサは、ステッカ上にスクリーン印刷され、汗の代謝産物及び電解質を監視するために、眼鏡の鼻パッドの各側部に配置され得る。眼鏡フレームのアーム上に配置された電子回路20303は、乳酸塩及び/又はカリウム測定データを外科用ハブ又は中間デバイスに送信するために使用され得る、ワイヤレスデータ送受信器(例えば、ローエネルギーBluetooth送受信器)を含み得、中間デバイスは、次いで、測定データを外科用ハブに伝送し得る。眼鏡ベースの感知システム20300は、例えば、
図7B~
図7Dに記載されているように、電気化学センサ20305又は20304から生成される電気信号をフィルタリング及び増幅するための信号調整ユニットと、アナログ信号をデジタル化するためのマイクロコントローラと、データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイスに転送するためのワイヤレス(例えば、ローエネルギーBluetooth)モジュールと、を使用し得る。
【0338】
図11Bは、センサアセンブリ20312(例えば、フォトプレチスモグラフィ(Photoplethysmography、PPG)ベースのセンサアセンブリ又は心電図(Electrocardiogram、ECG)ベースのセンサアセンブリ)を備えるリストバンドタイプの感知システム20310の実施例である。例えば、感知システム20310では、センサアセンブリ20312は、手首の動脈拍動を収集及び分析し得る。センサアセンブリ20312は、1つ又は2つ以上のバイオマーカ(例えば、心拍数、心拍数変動性(HRV)など)を測定するために使用され得る。PPGベースのセンサアセンブリ20312を有する感知システムの場合、光(例えば、緑色光)が皮膚を通過し得る。ある割合の緑色光は、血管によって吸収され得、いくらかの緑色光は、反射され、光検出器によって検出され得る。これらの差又は反射は、組織の血液灌流の変動と関連付けられ、変動は、心血管系の心臓関連情報(例えば、心拍数)を検出する際に使用され得る。例えば、吸収量は、血液量に応じて変動し得る。感知システム20310は、時間の関数として光反射率を測定することによって、心拍数を判定し得る。HRVは、心拍間隔(inter-beat interval、IBI)として既知である、ピーク前の最も急な信号勾配間の時間期間変動(例えば、標準偏差)として判定され得る。
【0339】
ECGベースのセンサアセンブリ20312を有する感知システムの場合、一組の電極が皮膚に接触して配置され得る。感知システム20310は、心拍数を判定するために、皮膚上に配置された一組の電極にわたる電圧を測定し得る。この場合のHRVは、R-R間隔として既知である、QRS群におけるRピーク間の時間期間変動(例えば、標準偏差)として、測定され得る。
【0340】
感知システム20310は、例えば、
図7B~
図7Dに記載されているように、アナログPPG信号をフィルタリング及び増幅するための信号調整ユニットと、アナログPPG信号をデジタル化するためのマイクロコントローラと、データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイスに転送するためのワイヤレス(例えば、Bluetooth)モジュールと、を使用し得る。
【0341】
図11Cは、例示的なリング感知システム20320である。リング感知システム20320は、センサアセンブリ(例えば、心拍数センサアセンブリ)20322を含み得る。センサアセンブリ20322は、光源(例えば、赤色又は緑色発光ダイオード(LED))と、反射及び/又は吸収された光を検出するためのフォトダイオードと、を含み得る。センサアセンブリ20322内のLEDは、指を通して光を照らし得、センサアセンブリ20322内のフォトダイオードは、血液量変化を検出することによって、心拍数及び/又は血中酸素レベルを測定し得る。リング感知システム20320は、他のバイオマーカを測定するための他のセンサアセンブリ、例えば、体表面温度を測定するためのサーミスタ又は赤外線温度計を含み得る。リング感知システム20320は、例えば、
図7B~
図7Dに記載されているように、アナログPPG信号をフィルタリング及び増幅するための信号調整ユニットと、アナログPPG信号をデジタル化するためのマイクロコントローラと、データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイスに転送するためのワイヤレス(例えば、ローエネルギーBluetooth)モジュールと、を使用し得る。
【0342】
図11Dは、脳波(EEG)感知システム20315の実施例である。
図11Dに例解されるように、感知システム20315は、1つ又は2つ以上のEEGセンサユニット20317を含み得る。EEGセンサユニット20317は、頭皮と接触して配置される複数の導電性電極を含み得る。導電性電極は、脳内のニューロン活動に起因して頭部の外側に生じ得るわずかな電位を測定するために使用され得る。EEG感知システム20315は、ある特定の脳パターン、例えば、後方優位リズムの遅延又は脱落、及び眼の開閉に対する反応性の喪失を識別することによって、バイオマーカ、例えば、せん妄を測定し得る。リング感知システム20315は、例えば、
図7B~
図7Dに記載されているように、電位をフィルタリング及び増幅するための信号調整ユニットと、電気信号をデジタル化するためのマイクロコントローラと、スマートデバイスにデータを転送するためのワイヤレス(例えば、ローエネルギーBluetooth)モジュールと、を有し得る。
【0343】
図12は、外科的手技の前、間、及び/又は後に1つ又は2つ以上の患者バイオマーカ又は外科医バイオマーカを監視するためのコンピュータ実装患者/外科医監視システム20325のブロック図を例解する。
図12に例解されるように、1つ又は2つ以上の感知システム20336は、例えば、外科的手技前の患者の準備、及び外科的手技後の回復を促進するために、患者バイオマーカを測定及び監視するために使用され得る。感知システム20336は、リアルタイムで外科医バイオマーカを測定及び監視し、例えば、関連するバイオマーカ(例えば、外科医バイオマーカ)を外科用ハブ20326及び/又は外科用デバイス20337に通信して、それらの機能を調節することによって、外科的タスクを支援するために使用され得る。調節され得る外科用デバイス機能は、電力レベル、前進速度、閉鎖速度、負荷、待機時間、又は他の組織依存動作パラメータを含み得る。感知システム20336はまた、外科医又は患者と関連付けられる1つ又は2つ以上の身体的属性を測定し得る。患者バイオマーカ及び/又は身体的属性は、リアルタイムで測定され得る。
【0344】
コンピュータ実装ウェアラブル患者/外科医ウェアラブル感知システム20325は、外科用ハブ20326と、1つ又は2つ以上の感知システム20336と、1つ又は2つ以上の外科用デバイス20337と、を含み得る。感知システム及び外科用デバイスは、外科用ハブ20326に通信可能に結合され得る。例えば、分析システムの一部である1つ又は2つ以上の分析サーバ20338もまた、外科用ハブ20326に通信可能に結合され得る。単一の外科用ハブ20326が描写されているが、ウェアラブル患者/外科医ウェアラブル感知システム20325は、本明細書に記載されるように、1つ又は2つ以上の分析システム20338に通信可能に結合される外科用ハブ20326のネットワークを形成するように接続され得る、任意の数の外科用ハブ20326を含み得ることに留意されたい。
【0345】
実施例では、外科用ハブ20326はコンピューティングデバイスであり得る。コンピューティングデバイスは、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、スマートモバイルデバイスなどであり得る。実施例では、コンピューティングデバイスは、クラウドベースのコンピューティングシステムのクライアントコンピューティングデバイスであり得る。クライアントコンピューティングデバイスは、シンクライアントであり得る。
【0346】
実施例では、外科用ハブ20326は、記憶された命令を実行するためのメモリ20330に結合されたプロセッサ20327と、EMRデータベースなどの1つ又は2つ以上のデータベースを記憶するためのストレージ20331と、データが分析システム20338に伝送されるデータ中継インターフェース20329と、を含み得る。実施例では、外科用ハブ20326は、ユーザからの入力を受信するための入力デバイス20341(例えば、静電容量式タッチスクリーン又はキーボード)と、ユーザに出力を提供するための出力デバイス20335(例えば、ディスプレイスクリーン)とを有するI/Oインターフェース20333と、を更に含み得る。実施例では、入力デバイス及び出力デバイスは、単一のデバイスであり得る。出力は、ユーザによって入力されたクエリからのデータ、所与の手技において使用するための製品若しくは製品の組み合わせの提案、及び/又は外科的手技の前、間、若しくは後に実行されるアクションのための命令を含み得る。外科用ハブ20326は、外科用デバイス20337を外科用ハブ20326に通信可能に結合するためのデバイスインターフェース20332を更に含み得る。一態様では、デバイスインターフェース20332は、1つ又は2つ以上の外科用デバイス20337が、本明細書に記載される有線通信プロトコル又はワイヤレス通信プロトコルのうちの1つを使用して、有線インターフェース又はワイヤレスインターフェースを介して外科用ハブ20326と接続することを可能にし得る、送受信器を含み得る。外科用デバイス20337は、例えば、電動ステープラ、エネルギーデバイス若しくはそれらの発電機、撮像システム、又は他のリンクされたシステム、例えば、煙排出器、吸引-灌注デバイス、送気システムなどを含み得る。
【0347】
実施例では、外科用ハブ20326は、1人又は2人以上の外科医及び/又は患者感知システム20336に通信可能に結合され得る。感知システム20336は、外科的手技を行う外科医又は外科的手技が行われている患者と関連付けられる様々なバイオマーカをリアルタイムで測定及び/又は監視するために使用され得る。感知システム20336によって測定される患者/外科医バイオマーカのリストが、本明細書に提供される。実施例では、外科用ハブ20326は、環境感知システム20334に通信可能に結合され得る。環境感知システム20334は、環境属性、例えば、手術室内の温度/湿度、外科医の動き、外科医及び/又は患者の呼吸パターンによって引き起こされる手術室内の周囲雑音などをリアルタイムで測定及び/又は監視するために使用され得る。
【0348】
感知システム20336及び外科用デバイス20337が外科用ハブ20326に接続されるとき、外科用ハブ20326は、例えば、
図7B~
図7Dに例解されるように、感知システム20336から、1つ若しくは2つ以上の患者バイオマーカと関連付けられる測定データ、患者と関連付けられる物理的状態、外科医バイオマーカと関連付けられる測定データ、及び/又は外科医と関連付けられる物理的状態を受信し得る。外科用ハブ20326は、例えば、
図8に例解されるように、外科用デバイス20337を制御するための制御信号を生成するために、例えば、外科医に関連する測定データを、他の関連する外科手術前データ及び/又は状況認識システムからのデータと関連付け得る。
【0349】
実施例では、外科用ハブ20326は、感知システム20336からの測定データを、ベースライン値、外科手術前測定データ、及び/又は外科手術中測定データに基づいて定義された1つ又は2つ以上の閾値と比較し得る。外科用ハブ20326は、感知システム20336からの測定データを1つ又は2つ以上の閾値とリアルタイムで比較し得る。外科用ハブ20326は、表示するための通知を生成し得る。外科用ハブ20326は、例えば、測定データが定義された閾値を超える(例えば、それを上回る又は下回る)場合、患者20339のためのヒューマンインターフェースシステム及び/又は外科医若しくはHCP20340のためのヒューマンインターフェースシステムへの送達のための通知を送信し得る。通知が、患者20339のためのヒューマンインターフェースシステム及び/又はHCP2340のためのヒューマンインターフェースシステムのうちの1つ又は2つ以上に送信されることになるかどうかの判定は、通知と関連付けられる重症度レベルに基づき得る。外科用ハブ20326はまた、表示するための通知と関連付けられる重症度レベルを生成し得る。生成された重症度レベルは、患者及び/又は外科医若しくはHCPに表示され得る。実施例では、測定及び/又は監視される(例えば、リアルタイムで測定及び/又は監視される)患者バイオマーカは、外科的手技工程と関連付けられ得る。例えば、胸部外科的手技の静脈及び動脈の離断工程のために測定及び監視されるバイオマーカは、血圧、組織灌流圧力、浮腫、動脈剛性、コラーゲン含有量、結合組織の厚さなどを含み得、外科的手技のリンパ節切開工程のために測定及び監視されるバイオマーカは、患者の血圧の監視を含み得る。実施例では、術後合併症に関するデータは、ストレージ20331内のEMRデータベースから読み出すことができ、ステープル留め又は切開線の漏出に関するデータは、状況認識システムによって直接検出又は推測することができる。外科的手技転帰データは、外科用デバイス20337、感知システム20336、及び外科用ハブ20326が接続されるストレージ20331内のデータベースを含む、様々なデータソースから受信されたデータから、状況認識システムによって推測することができる。
【0350】
外科用ハブ20326は、感知システム20336から受信された測定データ及び物理的状態データ、並びに/又は外科用デバイス20337と関連付けられるデータを、処理するために分析サーバ20338に伝送し得る。分析サーバ20338の各々は、メモリと、受信されたデータを分析するために記憶された命令を実行し得るメモリに結合されたプロセッサと、を含み得る。分析サーバ20338は、分散コンピューティングアーキテクチャで接続され、かつ/又はクラウドコンピューティングアーキテクチャを利用し得る。この対にされたデータに基づいて、分析システム20338は、様々なタイプのモジュール式デバイスのための最適及び/又は好ましい動作パラメータを判定し、外科用デバイス20337のための制御プログラムに対する調整を生成し、更新又は制御プログラムを1つ又は2つ以上の外科用デバイス20337に伝送(又は「プッシュ」)し得る。例えば、分析システム20338は、外科用ハブ20236から受信された周術期データを、外科医又はHCPの生理学的状態及び/又は患者の生理学的状態と関連付けられる測定データと相関させ得る。分析システム20338は、外科用デバイス20337がいつ制御されるべきかを判定し、更新を外科用ハブ20326に送信し得る。次いで、外科用ハブ20326は、制御プログラムを関連する外科用デバイス20337に転送し得る。
【0351】
外科用ハブ30326と、1つ又は2つ以上の感知システム20336と、それに接続可能な種々の外科用デバイス20337と、を含む、コンピュータ実装ウェアラブル患者/外科医ウェアラブル感知システム20325に関する更なる詳細は、
図5~
図7Dに関連して記載される。
【0352】
図13は、術後子宮摘出合併症の予測又は検出の例25500を示す。
図13に示される25505~25525のうちの1つ又は2つ以上は、本明細書で説明されるように、コンピューティングシステム、感知システム、及び/又は別のデバイスによって実行され得る。
【0353】
25505において、患者バイオマーカに関連する測定データが受信され得る。患者バイオマーカは、術後子宮摘出合併症を予測又は検出するために使用され得る。例えば、患者バイオマーカは、SSI、神経損傷、膣漏出、及び/又は他の術後子宮摘出合併症を検出するために使用され得る。受信された測定データは、処理済み測定データへと処理され得る生の測定データであり得る。処理された測定データは、生の測定データとは異なる形態であり得る。例えば、処理された測定データ形態は、生の測定データ形態と比較した場合、分析用としてより良好に適している可能性がある。測定データは、リストバンド患者感知システム、パッチ患者感知システム、タンポン患者感知システム、ウェアラブルブレース患者感知システム、計装ソックス患者感知システムなどの、1つ又は2つ以上の患者感知システムから受信され得る。
【0354】
測定データは、術後子宮摘出合併症を予測又は検出するために使用される術後兆候と関連付けられた1つ又は2つ以上の患者バイオマーカに関連し得る。術後子宮摘出合併症の予測又は検出は、以下の術後徴候、すなわち、全身性敗血症、ショック、排尿問題など、のうちの1つ又は2つ以上に基づき得る。1つ又は2つ以上の患者バイオマーカは、術後徴候に関連し得、術後子宮摘出合併症を予測又は検出するために監視され得る。そのような患者バイオマーカは、患者呼吸速度、黄体形成ホルモン産生、プロゲステロン産生、月経周期、骨盤灌流圧、中核体温、浮腫、尿道破砕性、血糖、血圧、血中乳酸、汗乳酸塩、血中pH、膣pH、尿pH、身体可動性、心拍数、排尿速度、及び/又は心拍数変動性を含み得る。
【0355】
種々の感知システムが、術後子宮摘出合併症の予測又は検出のための患者バイオマーカ測定を行い得る。例えば、リストバンド型患者感知システムは、患者の呼吸速度、血糖、血圧、血中pH、血中乳酸、汗乳酸塩、及び/又は心拍数を含む、患者バイオマーカを測定し得る。パッチ患者感知システムは、黄体形成ホルモン産生、プロゲステロン産生、月経周期、及び/又は中核体温などの患者バイオマーカを測定し得る。タンポン患者感知システムは、膣pH、尿pH、排尿速度、骨盤灌流圧、及び/又は尿道破砕性を含む、患者バイオマーカを測定し得る。ウェアラブルブレース患者感知システムは、身体可動性を測定し得る。患者感知システム(例えば、計装ソックス患者感知システム)は、浮腫に関連する測定データを送信し得る。測定データに基づいて、1つ又は2つ以上の患者バイオマーカが、SSIを検出するために監視され得る。
【0356】
患者と関連付けられた測定データは、1つ又は2つ以上の環境感知システム、例えば、ビデオカメラ、温度計などを介して取得され得る。例えば、ビデオカメラは、患者の身体属性(例えば、身体可動性)に関連する測定データ(例えば、ビデオフィード)をコンピューティングシステムに送信し得る。温度計は、環境温度に関連する測定データをコンピューティングシステムに送信し得る。
【0357】
測定データは、測定データに対する1つ又は2つ以上の要求に応答して受信され得る。例えば、コンピューティングシステムは、それぞれの測定データを要求する要求を患者感知システムに送信し得る。コンピューティングシステムは、異なる時間間隔で又は同時に、異なる感知システムに要求を送信し得る。例えば、コンピューティングシステムは、パッチ感知システム及びタンポン感知システムに同時に要求を送信し得る。例えば、コンピューティングシステムは、第1の時間間隔で環境感知システムに要求を送信し、かつ第2の時間間隔でパッチ感知システムに要求を送信し得る。
【0358】
25510において、患者バイオマーカと関連付けられた閾値を判定し得る。患者バイオマーカ閾値は、予想される患者バイオマーカ値、ベンチマークバイオマーカ値などに基づいて判定され得る。例えば、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、患者の体温と関連付けられた閾値、及び/又は患者の尿pHと関連付けられた閾値を判定し得る。一実施例では、複数の患者バイオマーカ、例えば、患者の体温及び/又は尿pHの組み合わせ値と関連付けられた複合閾値を判定し得る。閾値は、1つ又は2つ以上の環境感知システム、例えば、ビデオフィード及び/又は温度計フィードから受信された測定データと関連付けられ得る(例えば、更と関連付けられ得る)。
【0359】
患者バイオマーカ閾値は、患者バイオマーカと関連付けられた標準閾値に基づいて判定され得る。患者バイオマーカ閾値は、患者のためにカスタマイズされ得る。例えば、患者バイオマーカ閾値は、術前の患者バイオマーカ測定値、術中の患者バイオマーカ測定値、及び/又は以前に測定された患者バイオマーカ測定値を使用してカスタマイズされ得る。例えば、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、患者が高い体温を有することを示した術前及び/又は術中の測定値に基づいて、患者の体温と関連付けられた正常よりも高い閾値を判定し得る。例えば、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、患者が低い体温を有することを示した術前及び/又は術中の測定値に基づいて、患者の体温と関連付けられた正常な閾値よりも少し低い閾値を判定し得る。
【0360】
25515において、1つ又は2つ以上の患者バイオマーカが識別され得る。例えば、1つ又は2つ以上の患者バイオマーカをリアルタイムで監視し得る。例えば、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、各患者バイオマーカと関連付けられた測定データを、対応する閾値と比較し得る。例えば、患者の体温及び/又は尿中pHと関連付けられた測定データは、患者の体温及び/又は尿pHと関連付けられた閾値とそれぞれ比較され得る。
【0361】
2つ以上の患者バイオマーカと関連付けられた測定データは、複合測定データに組み合わされ得る。例えば、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、患者の体温と関連付けられた測定データを、患者の尿pHと関連付けられた測定データと組み合わせ得る。コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、この複合測定データを複合閾値と比較し得る。患者バイオマーカと関連付けられた測定データは、患者バイオマーカ重みと関連付けられ得る。例えば、患者の体温と関連付けられた測定データは、患者の尿pHと関連付けられた測定データよりも大きい患者バイオマーカ重みを有し得る。コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、潜在的な術後子宮摘出合併症を予測又は検出するときに、患者バイオマーカ重みを考慮し得る。例えば、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、低い患者バイオマーカ重みと関連付けられた測定データが対応する閾値を超えるときと比較して、高い患者バイオマーカ重みと関連付けられた測定データが対応する閾値を超えるときに、合併症を検出する可能性がより高くなる場合がある。コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、患者バイオマーカ重みを割り当て得る。患者バイオマーカ重みは、動的であり得、別の患者バイオマーカの測定データに基づいて調整され得る。患者バイオマーカ重みは、患者を監督する保健医療提供者によって選択され得る。例えば、保健医療提供者は、患者の体温に対して高い患者バイオマーカ重みを割り当て、患者の尿pHに対して低い重みを割り当て得る。HCPは、患者の回復中に、1つ又は2つ以上の患者バイオマーカ重みを調整し得る。
【0362】
25520において、術後子宮摘出合併症は、測定データに基づいて予測又は検出され得る。例えば、潜在的な術後子宮摘出合併症は、患者バイオマーカと関連付けられた測定データが所定の時間量にわたって対応する閾値を超えることを条件として識別され得る。例えば、潜在的な術後子宮摘出合併症は、複数の患者バイオマーカに関連する測定データがそれらのそれぞれの閾値を超えることを条件として識別され得る。例えば、潜在的な術後子宮摘出合併症は、患者バイオマーカの組み合わせに関連する複合測定データが複合閾値を超えることを条件として識別され得る。コンピューティングシステム及び/又は感知システムを使用して、状態をチェックし得る。例えば、コンピューティングシステムは、患者の体温、及び/又は尿pH測定データが体温及び/又は尿pH閾値を所定の時間量にわたって超えることを条件として、潜在的なSSIを検出し得る。閾値を超えることは、患者バイオマーカと関連付けられた測定データが対応する閾値を上回って増加することを含み得る。閾値を超えることは、患者バイオマーカと関連付けられた測定データが対応する閾値を下回って降下することを含み得る。所定の時間量を使用して、誤った測定データを軽減し得る。例えば、所定の時間量は、偽陽性検出の数を低減し得る。所定の時間量は、監視されている1つ又は2つ以上の患者バイオマーカに基づいて判定され得る。例えば、所定の時間量は、患者の体温が監視されているときは短くあり得、患者の尿pHが監視されているときは長くあり得る。
【0363】
患者バイオマーカ閾値は、1つ又は2つ以上のコンテキストと関連付けられ得る。例えば、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、測定データを対応する閾値と比較するときに、コンテキストを考慮し得る。コンテキストは、子宮摘出手術回復タイムライン、状況属性、及び/又は環境属性のセットと関連付けられ得る。例えば、コンテキストは、患者の動きと関連付けられ得る。コンピューティングシステムは、測定データを対応する閾値と比較するときに、患者の動きを考慮し得る。例えば、患者の心拍数測定データを心拍数閾値と比較するときに、コンピューティングシステムは、患者の動き(例えば、歩行、睡眠、運動など)を考慮し得る。状況属性は、患者の摂食、睡眠状態などであり得る。例えば、患者の心拍数測定データを心拍数閾値と比較するときに、コンピューティングシステムは、患者が摂食しているかどうかを考慮し得る。患者バイオマーカ閾値は、1つ又は2つ以上のコンテキストに基づいて調整され得る。一実施例では、コンピューティングシステムは、患者が摂食しているときに、心拍数閾値を増加させ得る。一実施例では、コンピューティングシステムは、患者が眠っているときに、心拍数閾値を減少させ得る。コンテキストデータは、1つ又は2つ以上の患者バイオマーカ感知システム及び/又は1つ又は2つ以上の環境感知システム、例えば、ビデオカメラ、温度計などからコンピューティングシステムに送信され得る。例えば、ビデオカメラは、患者の身体可動性に関連するコンテキストデータ(例えば、ビデオフィード)をコンピューティングシステムに送信し得る。温度計は、環境温度に関連する測定コンテキストデータをコンピューティングシステムに送信し得る。一実施例では、1つ又は2つ以上の環境感知システムは、患者バイオマーカ感知システムの一部であり得る。環境感知システム及び患者バイオマーカ感知システムは、1つのデバイスと関連付けられ得る。例えば、スマート携帯電話デバイスは、1つ又は2つ以上の環境感知システム、並びに1つ又は2つ以上の患者バイオマーカ感知を含み得る。
【0364】
術後子宮摘出合併症が将来発生する可能性が予測され得る。例えば、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、患者の体温測定データを予想値と比較することによって、SSIが発生する可能性を予測し得る。コンピューティングシステムは、患者の体温が所定の時間量にわたって予想値を超えるときに、SSIが発生する可能性が高いと予測し得る。コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、確率及び時間枠を、予測された合併症に割り当て得る。例えば、コンピューティングシステムは、1のうち0.9の確率、及び14日の時間枠を、予測されたSSIに割り当て得る。そのような場合、コンピューティングシステムは、次の14日以内にSSIが発生する可能性が1のうち0.9であると判定している。
【0365】
合併症及び/又は回復マイルストーンの予測は、例えば、訓練データで訓練された後に予測を行うように訓練された予測モデルなどの1つ又は2つ以上の機械学習(machine learning、ML)モデルによって生成され得る。例えば、1つ又は2つ以上のML分類アルゴリズムは、入力データからの推論によって、合併症及び/又は回復マイルストーンのうちの1つ又は2つ以上のタイプ/クラスを予測し得る。ベクトル化されたトレーニングデータ上でトレーニングされたモデルは、ベクトル化された入力データを処理し得る。例えば、モデルは、ベクトル化された患者固有のデータを入力として受信し、データを、1つ若しくは2つ以上の合併症及び/又は1つ若しくは2つ以上の回復マイルストーン(例えば、各々が確率、尤度、又は信頼レベルと関連付けられている)を示すものとして分類し得る。モデルは、更新された患者固有のデータを受信して、予測される合併症及び確率、並びに/又は回復マイルストーン及び確率を更新し得る。合併症の軽減(例えば、推奨されるアクション又は助言)は、1つ又は2つ以上のモデルによって生成される1つ又は2つ以上の合併症(例えば、及び確率)に少なくとも部分的に基づき得る。訓練されたモデルは、解析を行って経験的データから導出されるか、若しくは経験的データに基づいて生成される予測又は判定を生成する、任意のタイプの処理ロジックであり得、それは、ロジック、アルゴリズム、モデル、MLアルゴリズム又はモデル、ニューラルネットワーク(neural network、NN)、深層学習、人工知能(artificial intelligence、AI)などと同義的に称され得る。
【0366】
予測又は検出された術後子宮摘出合併症と関連付けられた重症度レベル(例えば、アクション可能な重症度レベル)が判定され得る。例えば、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、アクション可能な重症度レベルを、検出されたSSIに割り当て得る。一実施例では、アクション可能な重症度レベルは、患者バイオマーカと関連付けられた測定データが、対応する閾値から逸脱する度合いに基づいて判定され得る。例えば、コンピューティングシステムは、患者の体温が、対応する閾値を最小量だけ超えたと判定し得、検出された合併症に対して低リスクのアクション可能な重症度レベルを割り当て得る。例えば、コンピューティングシステムは、患者の体温が、閾値のパーセンテージによって定義され得る有意な量だけ対応する閾値を超えたと判定し得る。この場合、高リスクのアクション可能な重症度レベルが、検出された合併症に割り当てられ得る。アクション可能な重症度レベルは、対応する閾値から逸脱する患者バイオマーカと関連付けられた測定データの持続時間に基づいて判定され得る。持続時間がより長いほど、より高い重症度レベルと関連付けられ得る。
【0367】
重症度レベル(例えば、アクション可能な重症度レベル)は、整数及び/又はカラーコードを使用して示され得る。例えば、整数8(1~10のスケールで)及び/又は赤色は、高リスクのアクション可能な重症度レベルを示し得、これに対して、同じスケール及び/又は黄色を使用する整数2は、低リスクのアクション可能な重症度レベルを示し得る。一実施例では、アクション可能な重症度レベルは、予測される術後子宮摘出合併症と関連付けられ得る。
【0368】
25525において、通知(例えば、リアルタイム通知)が、患者及び/又はHCPに送信されて、潜在的な術後子宮摘出合併症、及び関連付けられたアクション可能な重症度レベルを示し得る。例えば、コンピューティングシステムは、潜在的なSSI、及びSSIと関連付けられたアクション可能な重症度レベルを示すリアルタイム通知を患者及び/又はHCPに送信し得る。リアルタイム通知は、無線接続を介してリモートで送信され、かつ、判定された時間枠内に患者及び/又はHCPによって受信される、通知であり得る。通知(例えば、リアルタイム通知)は、検出された術後子宮摘出合併症と関連付けられた、医学的名称、医学的詳細(例えば、患者の名前、患者の医療IDなど)、アクション可能な重症度レベル、及び/又は推奨されるアクションの方針を含み得る。
【0369】
通知、推奨、判定、動作、及び/又は実施(例えば、1つ若しくは2つ以上の潜在的又は予測される合併症を低減若しくは防止し得る)の例としては、例えば、以下の、外科的計画の選択若しくは修正/変更、器具選択、外科的アプローチ、器具構成、並びに/又はスケジュール(例えば、手術のスケジュール、及び/若しくは手術中の器具の使用順序)のうちの1つ又は2つ以上が挙げられる。通知は、例えば、以下の、潜在的な問題領域、手技計画調整、代替製品ミックス、及び/又は相互リンクされたスマート器具に対する制御プログラムパラメータの調整のうちの1つ又は2つ以上など、1つ又は2つ以上の提案及び/又は判定を含み得る。
【0370】
コンピューティングシステムは、判定されたアクション可能な重症度レベルに基づいて、通知のタイプ及び/又は内容を判定し得る。例えば、予測又は検出された合併症が低リスクのアクション可能な重症度レベルと関連付けられていると判定されたときに、コンピューティングシステムは、患者と関連付けられたデバイスへのリアルタイム通知を生成し得る。検出された合併症が高リスクのアクション可能な重症度レベルと関連付けられていると判定されたときに、コンピューティングシステムは、患者と関連付けられたデバイス、及びHCPと関連付けられたデバイスへのリアルタイム通知を生成し得る。通知の内容は、通知に含まれる情報量であり得る。例えば、検出された合併症が低リスクのアクション可能な重症度レベルと関連付けられていると判定されたときに、通知に含まれる情報量は、最小であり得る。予測又は検出された合併症が高リスクのアクション可能な重症度レベルと関連付けられている場合、通知に含まれる情報量は、有意であり得る。例えば、検出された合併症が低リスクのアクション可能な重症度レベルと関連付けられていると判定されたときに、コンピューティングシステムは、合併症の医学的名称、及び対応する閾値を超えた患者バイオマーカの医学的名称を示すリアルタイム通知を生成し得る。検出された合併症が高リスクのアクション可能な重症度レベルと関連付けられていると判定されたときに、コンピューティングシステムは、合併症の医学的名称、及び対応する閾値を超えた患者バイオマーカ医学的名称、並びに推奨されるアクションの方針を示すリアルタイム通知を生成し得る。
【0371】
図14は、術後子宮摘出合併症のウェアラブル予測又は検出の例25530を示している。
図14に示される25535~25555のうちの1つ又は2つ以上は、本明細書で説明されるように、コンピューティングシステム、感知システム、及び/又は別のデバイスによって実行され得る。
【0372】
25535において、
図13を参照して本明細書で説明されているように、閾値が受信され得る。例えば、ウェアラブル感知システムは、SSI、神経損傷、膣漏出、及び/又は他の術後子宮摘出合併症などの術後子宮摘出合併症を予測又は検出するための閾値を受信し得る。
【0373】
ウェアラブル感知システムは、リストバンド患者感知システム、パッチ患者感知システム、タンポン患者感知システム、ウェアラブルブレース患者感知システム、計装ソックス患者感知システムなどであり得るか、又はこれらを含み得る。
図13を参照して本明細書で説明されているように、1つ又は2つ以上の患者バイオマーカは、術後子宮摘出合併症を予測又は検出するために監視され得る。
図13を参照して本明細書で説明されているようなデータは、ウェアラブル感知システムによって測定され得る。
【0374】
25540において、潜在的な術後子宮摘出合併症を予測又は検出するための要求が受信され得る。例えば、ウェアラブル感知システムは、SSIを検出するための要求を受信し得る。例えば、コンピューティングシステムは、ウェアラブル感知システムに要求を送信し得る。要求は、術後合併症に関連する患者バイオマーカと関連付けられた1つ又は2つ以上の閾値を含み得る。例えば、SSIを検出するための要求は、体温及び/又は尿pH閾値を含み得る。
【0375】
ウェアラブル感知によって受信される閾値は、
図13を参照して本明細書で説明されているように、1つ又は2つ以上のコンテキストと関連付けられ得る。1つ又は2つ以上のコンテキストは、コンピューティングシステムによって、ウェアラブル感知システムに送信され得る。コンテキスト及び/又は閾値は、同時に、又は異なる時間間隔で送信され得る。
【0376】
25545において、術後合併症が予測又は検出され得る。例えば、ウェアラブル感知システムは、
図13を参照して本明細書で説明されているように、患者バイオマーカのセットを監視し、潜在的な術後子宮摘出合併症を検出し得る。ウェアラブル感知システムは、
図13を参照して本明細書に説明されているように、術後子宮摘出合併症の可能性を予測し得る。
【0377】
予測又は検出された術後子宮摘出合併症と関連付けられた患者のアクション可能な重症度レベル、及びHCPのアクション可能な重症度レベルが判定され得る。例えば、ウェアラブル感知システムは、患者アクション可能な重症度レベル及びHCPアクション可能な重症度レベルを、検出されたSSIに割り当て得る。アクション可能な重症度レベルは、患者バイオマーカと関連付けられた測定データが対応する閾値から逸脱する度合いに基づいて判定され得る。例えば、ウェアラブル感知システムは、患者の体温が対応する閾値を最小量だけ超えたと判定し得、低リスク患者及び/又はHCPのアクション可能な重症度レベルを、検出された合併症に割り当て得る。ウェアラブル感知システムは、患者の体温が、閾値のパーセンテージによって定義され得る有意な量だけ、対応する閾値を超えたと判定し得る。高リスク患者及び/又はHCPのアクション可能な重症度レベルは、検出された合併症に割り当てられ得る。アクション可能な重症度レベルは、対応する閾値から逸脱する患者バイオマーカと関連付けられた測定データの持続時間に基づいて判定され得る。持続時間がより長いほど、より高い重症度レベルと関連付けられ得る。
【0378】
アクション可能な重症度レベルは、整数及び/又はカラーコードを使用して示され得る。例えば、整数8(1~10のスケールで)及び/又は赤色は、高リスク患者及び/又はHCPのアクション可能な重症度レベルを示し得、同じスケール及び/又は黄色を使用する整数2は、低リスク患者及び/又はHCPのアクション可能な重症度レベルを示し得る。一実施例では、アクション可能な重症度レベルは、予測される術後子宮摘出合併症と関連付けられ得る。
【0379】
25550において、潜在的な術後子宮摘出合併症及び関連付けられたアクション可能な重症度レベルを示す、通知が患者に表示され得る。例えば、ウェアラブル感知システムは、潜在的なSSI、及び患者、並びにSSIと関連付けられたアクション可能な重症度レベルを示すリアルタイム通知を患者に表示し得る。
【0380】
25555において、
図13を参照して説明しているように、潜在的な術後子宮摘出合併症、及びそれと関連付けられたHCPのアクション可能な重症度レベルを示す通知(例えば、リアルタイム通知)がHCPに送信され得る。
【0381】
図15は、術後子宮摘出合併症のウェアラブル予測又は検出の例25560を示している。
図15に示される25565~25600のうちの1つ又は2つ以上は、コンピューティングシステム、感知システム、及び/又は本明細書に説明される別のデバイスによって行われ得る。25565において、第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の閾値は、
図13及び
図14を参照して本明細書で説明されているように、受信及び/又は判定され得る。例えば、体温と関連付けられた閾値は、感知システムによって受信され得、かつ/又はコンピューティングシステムによって判定され得る。閾値を使用して、術後子宮摘出合併症、例えば、SSIを予測又は検出し得る。
【0382】
25570において、第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データが、例えば、
図13及び
図14を参照して本明細書で説明されているように、取得され得る。例えば、体温と関連付けられた測定データは、術後子宮摘出合併症を予測又は検出するために、コンピューティングシステム及び/又は感知システムによって取得され得る。第1の測定データは、測定データについての要求に対する応答として取得され得る。例えば、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、第1の測定データを要求し得る。
【0383】
25575において、第1の測定データは、例えば、
図13及び
図14を参照して本明細書で説明しているように、第1の閾値と比較され得る。
【0384】
25580において、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、
図13を参照して本明細書で説明されているように、コンテキストを取得し得る。コンピューティングシステム/感知システムは、測定データが閾値を超えるかどうかを判定するときに、コンテキストを考慮し得る。例えば、コンピューティングシステム/感知システムは、受信したコンテキストに基づいて、第1の閾値を調整し得る。コンピューティングシステムは、測定データが閾値を超えるかどうかを判定する際に、受信されたコンテキストを使用し得る。
【0385】
25585において、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、
図13及び
図14を参照して本明細書で説明されているように、測定データが(例えば、所定の時間量にわたって)閾値を超えるかどうかを判定することによって、第1の測定データを第1の閾値と比較し得る。コンピューティングシステム又は感知システムは、コンテキストに基づいて、第1の測定値を第1の閾値と比較し得る。
【0386】
25590において、例えば、コンテキストに基づいて、第1の測定データが第1の閾値を超えると仮定すると、
図13及び
図14を参照して本明細書で説明しているように、第2の測定データが、第2の閾値と比較され得る。第2の閾値は、第2の患者バイオマーカと関連付けられ得る。第2の閾値は、第1の閾値が受信及び/又は判定され得る方法と同様に受信及び/又は判定され得る。第2の測定データは、第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えるという条件に基づいて比較され得る。コンピューティング及び/又は感知システムは、第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えると判定し得、第2の測定データを第2の閾値と比較し得る。一実施例では、第2の測定データは、第1の測定データが第1の閾値を所定の量、例えば、第1の閾値の10%だけ超えることを条件として比較され得る。コンピューティングシステムは、第1の測定データが第1の閾値を超えるときに、第2の測定データを要求し得る。
【0387】
25595において、
図13及び
図14を参照して本明細書で説明されているように、術後子宮摘出合併症を予測し得る。コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、第1の測定データ比較及び第2の測定データ比較に基づいて、術後子宮摘出合併症を予測し得る。例えば、コンピューティングシステムは、第1の測定データ及び第2の測定データの両方がそれぞれの第1及び第2の閾値を超えるときに、合併症を予測し得る。コンピューティングシステムは、各比較に重みを割り当て得る。コンピューティングシステムは、第1の測定データを超える第1の測定データに高い比較重みを割り当て、第2の閾値を超える第2の測定データに低い比較重みを割り当て得る。術後子宮摘出合併症を予測することは、比較重みに基づき得る。コンピューティングシステムは、高い比較重みと関連付けられた測定データが閾値を超えるときに、低い比較重みと関連付けられた測定データが閾値を超えるときと比較して、合併症を予測する可能性がより高くなり得る。
【0388】
コンピューティングシステム及び/又は感知システムが、第1の測定データが(例えば、所定の時間量にわたって)第1の閾値を超えないと判定した場合、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、25600に進み、25570において継続し得る。
【0389】
更に又は任意選択的に、25570において、コンピューティングシステムは、追加の第1の測定データを取得し得る。例えば、25570において、コンピューティングシステムは、追加の第1の測定データを、元の第1の測定データと集約し得る。集約された第1の測定データは、第1の閾値と比較され得る。コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、追加の第1の測定データに基づいて、第1の閾値を調整し得る。
【0390】
図16は、術後子宮摘出合併症を予測又は検出するための下垂体に関連する例示的な患者バイオマーカ25605を示している。
【0391】
例えば、黄体形成ホルモン25610は、患者バイオマーカとして設定され、子宮筋腫発症を検出するために監視され得る。子宮摘出手術の後、患者は、感知システムを使用して、手術後のある期間にわたって黄体形成ホルモン25610を測定するように、HCPによって指示され得る。感知システムは、黄体形成ホルモン25610を測定するためのセンサを含み得る。この期間中、感知システムは、黄体形成ホルモン25610と関連付けられた測定データをコンピューティングシステムに送信し得る。感知システムは、測定データの要求に対する応答として、測定データを送信し得る。感知システムは、周期的サイクルに基づいて、例えば、20分間隔で測定データを送信し得る。コンピューティングシステムは、周期サイクルを調整し得る。例えば、コンピューティングシステムは、子宮摘出手術からの回復の重要な段階を識別し得る。この段階の間、コンピューティングシステムは、周期的サイクルを短縮し得る。コンピューティングシステムは、回復の重要でない段階を識別し得、周期サイクルを長くし得る。コンピューティングシステムは、受信した測定データを、対応する黄体形成ホルモン25610閾値と比較し得、測定データが所定の時間量にわたって対応する黄体形成ホルモン25610閾値を超える場合、潜在的なSSIを予測又は検出し、リアルタイム通知をHCP及び/又は患者に送信し得る。対応する黄体形成ホルモン25610閾値は、術前、術中、及び/又は以前に測定された患者バイオマーカ測定値に基づいて、コンピューティングシステムによって判定されている場合がある。所定の時間量は、黄体形成ホルモン25610バイオマーカに基づいて判定され得る。
【0392】
脳下垂体に関連する患者バイオマーカの組み合わせを監視して、潜在的な術後子宮摘出合併症を予測又は検出し得る。例えば、黄体形成ホルモン25610及び卵胞刺激ホルモン25615は、患者バイオマーカとして設定され、卵巣機能不全を検出するために監視され得る。感知システムは、黄体形成ホルモン25610及び卵胞刺激ホルモン25615を測定し得るセンサを含み得る。例えば、感知システムは、2つのセンサを含み得、第1のセンサは、黄体形成ホルモン25610を測定し得、第2のセンサは、卵胞刺激ホルモン25615を測定し得る。術後の期間中、感知システムは、黄体形成ホルモン25610及び卵胞刺激ホルモン25615と関連付けられたそれぞれの測定データをコンピューティングシステムに送信し得る。コンピューティングシステムは、測定データを、対応する黄体形成ホルモン25610閾値及び対応する卵胞刺激ホルモン25615閾値とそれぞれ比較し得る。コンピューティングシステムは、測定データのいずれかのセットが所定の時間量にわたって対応する閾値を超えるときに、SSIを検出し、リアルタイム通知をHCP及び/又は患者に送信し得る。例えば、コンピューティングシステムは、測定データの両方のセットが対応する閾値を超えるときに、SSIのみを検出し得る。患者バイオマーカ閾値は、
図13を参照して本明細書で説明されているように、患者バイオマーカ重みと関連付けられ得る。例えば、黄体形成ホルモン25610は、黄体形成ホルモン25610重みと関連付けられ得る。例えば、卵胞刺激ホルモン25615は、卵胞刺激ホルモン25615重みと関連付けられ得る。所定の時間量は、黄体形成ホルモン25610及び卵胞刺激ホルモン25615のバイオマーカに基づいて判定され得る。
【0393】
脳下垂体に関連する及び/又は関連しない患者バイオマーカの組み合わせを監視して、術後子宮摘出合併症を予測又は検出し得る。例えば、黄体形成ホルモン25610及び血圧25620は、患者バイオマーカとして設定され、コンピューティングシステムによって監視されて、子宮筋腫発症を検出し得る。感知システムは、黄体形成ホルモン25610及び血圧25620を測定し得るセンサを含み得る。
【0394】
患者バイオマーカは、感知システムによって監視され得る。感知システムは、患者ウェアラブル感知システムであり得る。例えば、センサは、
図14に関して本明細書で説明されているように、1つ又は2つ以上のRFプロトコルを使用して、黄体形成ホルモン25610を測定し、測定データを患者ウェアラブル感知システムに送信し得る。患者ウェアラブル感知システムは、測定データを記憶し得る。患者ウェアラブル感知システムは、測定データを、対応する黄体形成ホルモン25610閾値と比較し得、測定データが所定の時間量にわたって対応する黄体形成ホルモン25610閾値を超えた場合、子宮筋腫発症を検出し、リアルタイム通知をHCP及び/又は患者に送信し得る。下垂体に関連する及び/又は関連しない患者バイオマーカの組み合わせは、感知システムによって監視され得る。
【0395】
図17は、術後子宮摘出合併症を予測又は検出するための生殖器系に関連する例示的な患者バイオマーカ25625を示している。
【0396】
例えば、膣又は膣環境25635のpH(例えば、排出pH)25630は、患者バイオマーカとして設定及び監視されて、SSIを検出し得る。子宮摘出手術後、患者は、感知システムを使用して、手術後のある期間にわたって膣pH25630を測定するように、HCPによって指示され得る。感知システムは、膣pH25630を測定するためのセンサを含み得る。この期間中、感知システムは、膣pH25630と関連付けられた測定データをコンピューティングシステムに送信し得る。感知システムは、測定データの要求に対する応答として、測定データを送信し得る。感知システムは、周期的サイクルに基づいて、例えば、20分間隔で測定データを送信し得る。コンピューティングシステムは、周期サイクルを調整し得る。例えば、コンピューティングシステムは、子宮摘出手術からの回復の重要な段階を識別し得る。この段階の間、コンピューティングシステムは、周期的サイクルを短縮し得る。コンピューティングシステムは、回復の重要でない段階を識別し得、周期サイクルを長くし得る。コンピューティングシステムは、受信された測定データを、対応する膣pH25630閾値と比較し得、測定データが所定の時間量にわたって対応する膣pH25630閾値を超えた場合、潜在的SSIを予測又は検出し、リアルタイム通知をHCP及び/又は患者に送信し得る。対応する膣pH25630閾値は、術前、術中、及び/又は以前に測定された患者バイオマーカ測定値に基づいて、コンピューティングシステムによって判定されている場合がある。所定の時間量は、膣pH25630バイオマーカに基づいて判定され得る。
【0397】
生殖器系に関連する患者バイオマーカの組み合わせを監視して、潜在的な術後子宮摘出合併症を検出し得る。例えば、膣pH25630及び月経血組成物25640は、患者バイオマーカとして設定され、子宮内膜症を検出するために監視され得る。感知システムは、膣pH25630及び月経血組成物25640を測定し得るセンサを含み得る。例えば、感知システムは、2つのセンサを含み得、第1のセンサは、膣pH25630を測定し得、第2のセンサは、月経血組成物25640を測定し得る。術後の期間中、感知システムは、膣pH25630及び月経血組成物25640と関連付けられたそれぞれの測定データをコンピューティングシステムに送信し得る。コンピューティングシステムは、測定データを、対応する膣pH25630閾値及び対応する月経血組成物25640閾値とそれぞれ比較し得る。コンピューティングシステムは、測定データのいずれかのセットが所定の時間量にわたって対応する閾値を超えるときに、SSIを検出し、リアルタイム通知をHCP及び/又は患者に送信し得る。例えば、コンピューティングシステムは、測定データの両方のセットが対応する閾値を超えるときに、SSIのみを検出し得る。患者バイオマーカ閾値は、
図13を参照して本明細書で説明されているように、患者バイオマーカ重みと関連付けられ得る。例えば、膣pH25630は、膣pH25630重みと関連付けられ得る。例えば、月経血組成物25640は、月経血組成物25640重みと関連付けられ得る。所定の時間量は、膣pH25630及び月経血組成物25640のバイオマーカに基づいて判定され得る。
【0398】
生殖器系に関連する及び/又は関連しない患者バイオマーカの組み合わせを監視して、術後子宮摘出合併症を検出し得る。例えば、膣25635のpH25630、及び排尿速度25645は、患者バイオマーカとして設定され、コンピューティングシステムによって監視されて、SSIを検出し得る。感知システムは、膣pH25630及び排尿速度25645を測定し得るセンサを含み得る。
【0399】
患者バイオマーカは、感知システムによって監視され得る。感知システムは、患者ウェアラブル感知システムであり得る。例えば、センサは、
図14に関して本明細書で説明されているように、1つ又は2つ以上のRFプロトコルを使用して、膣pH25630を測定し、測定データを患者ウェアラブル感知システムに送信し得る。患者ウェアラブル感知システムは、測定データを記憶し得る。患者ウェアラブル感知システムは、測定データを、対応する膣pH25630閾値と比較し得、測定データが所定の時間量にわたって対応する膣pH25630閾値を超えた場合、子宮筋腫発症を検出し、リアルタイム通知をHCP及び/又は患者に送信し得る。生殖器系に関連する及び/又は関連しない患者バイオマーカの組み合わせは、感知システムによって監視され得る。
【0400】
図18Aは、術後子宮摘出合併症を検出するための例示的なウェアラブル感知システムを示している。
【0401】
は、HCPは、パッチ感知システム25650を身体の標的領域に着用するように患者に指示し得る。パッチ感知システム25650は、例えば、
図7B及び/又は
図7C、並びに
図11A~
図11Dを参照して本明細書で説明されているように、術後子宮摘出合併症を検出するために監視されるべき1つ又は2つ以上の患者バイオマーカに関連するデータを測定するセンサユニットを含み得る。一実施例では、パッチ感知システム25650は、センサユニットであり得、
図7D及び
図11A~
図11Dを参照して本明細書で説明されているように、複数のセンサを含み得る。パッチ感知システム25650は、
図2B及び/又は
図2Cを参照して説明されているように、コンピューティングシステム25660(例えば、外科用ハブ、モバイルデバイス、タブレットなど)及び/又はリモートサーバに通信可能に接続され得る。パッチ感知システム25650は、ウェアラブル感知システムであり得、ウェアラブル感知システムを含み得る。ウェアラブル感知システムは、コンピューティングシステム25660から、
図14を参照して本明細書に説明されているように、監視されるべき患者バイオマーカと関連付けられた1つ又は2つ以上の閾値を受信し得る。ウェアラブル感知システムは、例えば、コンピューティングシステム25660に、
図13を参照して本明細書で説明されているように、監視されるべき患者バイオマーカに関連する測定データを送信し得る。コンピューティングシステム25660は、
図12を参照して説明されているように、測定データを1つ又は2つ以上の分析サーバに送信し得る。コンピューティングシステム25660は、
図12を参照して説明されているように、1つ又は2つ以上の環境感知から環境測定データを受信し得る。
【0402】
パッチ感知システム25650を使用して、術後子宮摘出合併症、例えば、SSI、神経損傷、膣漏出、及び/又は他の術後子宮摘出合併症に関連する1つ又は2つ以上の患者バイオマーカを測定し得る。感知システム25650は、
図11A~
図11Dを参照して本明細書で説明されているように、様々な感知機構を実装する1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。パッチ感知システム25650は、患者がパッチ感知システム25650を取り付けたときに、1つ又は2つ以上の患者バイオマーカの測定を開始し得る。パッチ感知システム25650は、患者がパッチ感知システム25650を取り付けた後の時点で測定を開始し得る。パッチ感知システム25650が測定を開始するときを判定することは、感知システムの容量及び/又はパワーに基づき得る。
【0403】
パッチ測定値は、パッチ測定データと関連付けられ得る。例えば、体温及び/又は血中乳酸パッチ測定値は、それぞれの体温及び/又は血中乳酸パッチ測定データと関連付けられ得る。パッチ感知システム25650は、パッチ測定データを、1つ又は2つ以上の対応する閾値と比較することによって、パッチ測定データをリアルタイムで監視し得る。パッチ感知システム25650は、1つ又は2つ以上の患者バイオマーカと関連付けられた1つ又は2つ以上の閾値を取得し得る。一実施例では、1つ又は2つ以上の閾値は、
図14を参照して本明細書で説明されているように、コンピューティングシステム25660又はコンピューティングデバイスから受信され得る。例えば、パッチ感知システム25650は、体温及び/又は血中乳酸パッチ測定データを、対応する体温及び/又は血中乳酸閾値とそれぞれ比較し得る。複数の比較は、同時に行われ得るか、又は異なる時間間隔で行われ得る。パッチ感知システム25650は、少なくとも1つの患者バイオマーカに関連するパッチ測定データが所定の時間量にわたって対応する閾値を超えたときに、潜在的な術後子宮摘出合併症を検出又は予測し得る。所定の時間量は、コンピューティングシステム25660から受信され、パッチ感知システム25650に記憶され得る。
【0404】
パッチ感知システム25650は、本明細書で説明されているように、1つ又は2つ以上のRFプロトコルを使用して、パッチ測定データをコンピューティングシステム25660に送信し得る。例えば、パッチは、本明細書に説明されているように、Bluetoothプロトコル(例えば、低エネルギーBluetoothプロトコル)、WiFiプロトコルを使用して、かつ/又は他の無線プロトコルを使用して、パッチ測定データを送信し得る。そのような実施例では、コンピューティングシステム25660は、パッチ測定データを1つ又は2つ以上の対応する閾値と比較することによって、パッチ測定データ(例えば、体温及び/又は血中乳酸パッチ測定データ)をリアルタイムで監視し得る。コンピューティングシステム25660は、
図13を参照して本明細書で説明されているように、少なくとも1つの患者バイオマーカに関連するパッチ測定データが所定の時間量にわたって対応する閾値を超えたときに、潜在的な術後子宮摘出合併症を予測又は検出し得る。
【0405】
図18Bは、術後子宮摘出合併症を検出するための例示的パッチ感知システムを示している。
【0406】
例示的パッチ感知システム25665は、
図11A~
図11D、
図13、及び/又は
図14を参照して本明細書で説明されているように、患者バイオマーカを測定し得る。例えば、測定される患者バイオマーカは、体温及び/又は血中乳酸であり得る。患者は、例示的なパッチ感知システム25665を着用し得、感知システム25665は、体温及び/又は血中乳酸を測定し得る。患者バイオマーカは、所定の時間量にわたって測定され得る。例えば、感知システム25665は、体温及び/又は血中乳酸を60秒間測定するようにセンサユニットに要求し得る。センサユニットは、患者が例示的なパッチ感知システム25665を着用しているときに、体温及び/又は血中乳酸を継続的に測定し得る。センサユニットは、周期的サイクルに基づいて、例えば、3秒間隔で、体温及び/又は血中乳酸を測定し得る。周期サイクルは、患者が例示的パッチ感知システムを着用するときに調整され得る。例えば、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、周期的サイクルを短縮して、患者バイオマーカ測定の頻度を増加させ得る。例えば、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、周期的サイクルを延長して、患者バイオマーカ測定の頻度を減少させ得る。
【0407】
図19は、関連する患者バイオマーカと子宮摘出手技工程との間の例示的な相関25670を示している。
図19の以下の説明では、
図2及び
図5も参照されたい。
図2は、患者監視システムで使用される設定環境を提供している。
図5は、外科的手技において使用される種々の構成要素を提供している。
【0408】
子宮摘出手術は、複数の外科的手技工程を含み得る。例えば、子宮摘出手術は、トロカール配置、子宮傍静脈及び靭帯の乾燥、膀胱の授動、子宮及び子宮頸部の切除、並びに/又は膣カフ閉鎖を含み得る。各外科的手技工程の下で、1つ又は2つ以上の作業が、HCP(例えば、外科医)によって行われ得る。例えば、トロカール配置外科的手技工程の下で、HCPは、腹部を通してトロカールを挿入し得る。この作業のために、HCPは、ベレス針器具を使用し得る。
【0409】
子宮傍静脈及び靱帯を乾燥させる外科的手技工程の下で、HCPは、子宮傍静脈及び靱帯に熱を加え得る。この作業のために、HCPは、高度な双極RF及び/又は高調波メス器具を使用し得る。
【0410】
膀胱授動外科的手技工程下で、HCPは、膀胱に付着した身体構造からの血液供給を遮断し得る。この作業のために、HCPは、高調波メス器具を使用し得る。
【0411】
子宮及び子宮頸部を切除する外科的手技工程の下で、HCPは、がん性、感染性、及び/又は障害性の可能性がある子宮及び/又は子宮頸部の区分を切り取り得る。この外科的手技工程の間、HCPは、エンドパス及び/又は高調波メス器具を使用し得る。
【0412】
膣カフ閉鎖外科的手技工程の下で、HCPは、膣の上端部をともに縫合し得る。膣カフ閉鎖外科的手技工程の間、HCPは、縫合糸及び/又はLapraTy Clip器具を使用し得る。
【0413】
患者バイオマーカは、子宮摘出手技工程と相関させ得る。例えば、患者の血圧を、患者の膀胱の授動工程に相関させて、例えば、授動後の血液供給を追跡し得る。切除の間、外科医は、感染した子宮の断片を切断することによって組織に外傷を引き起こしているため、患者の子宮組織灌流圧力は、子宮の切除と相関し得る。膣カフ閉鎖の間、外科医は、腸が適切に機能することを可能にするために膣の上端を縫合しているため、患者の浮腫は、膣カフ閉鎖と相関し得る。
【0414】
患者バイオマーカは、手技工程に基づいて監視され得る。例えば、HCPは、外科医が膀胱を授動していたときに生じた問題に起因して、患者の血圧を監視することを選択し得る。患者の組織灌流圧は、子宮及び子宮頸部切除外科的手技工程中にHCPによって行われる観察に基づいて、監視され得る。
図13を参照して説明されているように、患者バイオマーカ重みを割り当てることは、外科的手技工程に基づいて割り当てられ得る。例えば、患者の浮腫は、HCPが膣カフ閉鎖外科的手技工程中に特定の問題に気付いたときに、高い患者バイオマーカ重みを割り当てられ得る。
【0415】
患者バイオマーカ閾値は、外科的手技工程に基づいて調整され得る。例えば、HCPが膀胱授動外科的手技工程に関する問題に気付いたときに、血圧閾値が減少され得る。
図13及び
図15を参照して説明されているように、合併症を検出するための所定の時間量は、手技工程に基づいて変化し得る。
【0416】
一実施例では、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、相関する患者バイオマーカが所定の時間量にわたって対応する閾値を超えることに基づいて、関連する外科的手技工程を判定し得る。関連する外科的手技工程は、検出された子宮摘出合併症と関連付けられ得る。例えば、患者の組織灌流圧力が組織灌流圧力閾値を超えたときに、コンピューティングシステムは、膣漏出を検出し、膣漏出と関連付けられた関連手技工程として子宮及び子宮頸部切除を判定し得る。
【0417】
関連する手技工程は、検出された合併症の原因である可能性がある手技工程を示し得る。例えば、検出された合併症は、手術部位感染であり得、SSIと関連付けられた関連手技工程は、膀胱授動外科的手技工程であり得る。そのような場合、膀胱授動外科的手技工程が行われた方法は、検出されたSSIの原因である可能性がある。
【0418】
潜在的な術後子宮摘出合併症、及び関連付けられた関連手技工程を示す通知が、患者及び/又はHCPに送信され得る。例えば、コンピューティングシステム及び/又は感知システムは、膣漏出、並びに子宮及び子宮頸部切除を、膣漏出と関連付けられた関連手技工程として示しているリアルタイム通知を患者及び/又はHCPに送信し得る。関連する手技工程は、検出された術後子宮摘出合併症を矯正するときに使用し得る。例えば、HCPは、膣漏出を矯正するために矯正手術を行うことを決定し得る。外科的手技工程として子宮及び子宮頸部切除を示す通知が、矯正手術の前及び/又は間にHCPに送信され得る。HCPは、通知において提供される情報を使用して、フォローアップ矯正手術のための計画を立て得る。一実施例では、HCPは、子宮及び子宮頸部切除に関与する領域を標的とし得る。
【0419】
以下は、特許請求される場合、又はされない場合がある、本開示の付番された実施例である。
実施例1.プロセッサを備えるコンピューティングシステムであって、プロセッサが、少なくとも、
第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データを取得することと、
第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の閾値を判定することと、
第1の測定データを第1の閾値と比較することによって、第1の測定データをリアルタイムで監視することと、
監視することに基づいて、術後子宮摘出合併症を予測することと、
予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように構成されている、コンピューティングシステム。
【0420】
有利に、術後子宮摘出合併症を予測し、その通知を生成することにより、保健医療提供者は、状態が発生又は悪化する前に、合併症を調査及び/又は治療するためのタイムリーなアクションを取ることが可能になる。更に、第1の患者バイオマーカをリアルタイムで監視することは、そのような合併症の検出率を改善する。
【0421】
任意選択的に、プロセッサは、リアルタイム通知を、ユーザに表示するためのディスプレイユニットに送信するように更に構成されている。
【0422】
実施例2.プロセッサが、
第1の測定データに基づいて、術後子宮摘出合併症と関連付けられた重症度レベルを判定することと、
判定された重症度レベルに基づいて、リアルタイム通知と関連付けられた通知タイプを判定することと、を行うように更に構成されている、実施例1に記載のコンピューティングシステム。
【0423】
有利に、重症度レベルに基づく通知タイプを判定することは、所与の重症度レベルに最も適している通知タイプ(すなわち、通知の宛先、及び通知の内容)をもたらす。
【0424】
実施例3.判定された重症度レベルが低いことを条件として、プロセッサが、
リアルタイム通知及び重症度レベルを、患者に表示するためのディスプレイに送信するように構成されており、
判定された重症度レベルが高いことを条件として、プロセッサが、リアルタイム通知及び重症度レベルを、HCPに表示するためのディスプレイに送信するように構成されている、実施例2に記載のコンピューティングシステム。
【0425】
実施例4.プロセッサが、
子宮摘出手術回復タイムライン、少なくとも1つの状況属性、又は少なくとも1つの環境属性のうちの少なくとも1つに基づいて、コンテキストを取得することと、
取得されたコンテキストに基づいて、第1の閾値を調整することと、を行うように更に構成されている、実施例1~3のいずれか1つに記載のコンピューティングシステム。
【0426】
有利に、コンテキストに基づいて第1の閾値を調整することは、第1の閾値が正しいレベルに設定されることを確実にする。例えば、閾値を低すぎるように設定することは、偽陽性をもたらす可能性があり、閾値を高すぎるように設定することは、合併症を見逃す可能性がある。
【0427】
実施例5.プロセッサが、
第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の測定データを取得することと、
第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の閾値を判定することと、
第2の測定データを第2の閾値と比較することによって、第2の測定データをリアルタイムで監視することと、
第1の測定データ及び第2の測定データの監視に基づいて、予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように更に構成されている、実施例1~4のいずれか1つに記載のコンピューティングシステム。
【0428】
通知を複数のバイオマーカに基づかせることは、合併症の予測の精度を改善する。
【0429】
実施例6.第1の測定データ及び第2の測定データの各々を、第1の閾値及び第2の閾値とそれぞれ比較することが、コンテキストに基づく、実施例5に記載のコンピューティングシステム。
【0430】
有利に、コンテキストに基づいて閾値を調整することは、閾値が正しいレベルに設定されることを確実にする。例えば、閾値を低すぎるように設定することは、偽陽性をもたらす可能性があり、閾値を高すぎるように設定することは、合併症を見逃す可能性がある。
【0431】
実施例7.第2の測定データの監視は、第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えるという条件に基づく、実施例5又は6に記載のコンピューティングシステム。
【0432】
有利に、これは、合併症の検出を含むことを著しく損なうことなく、コンピューティングリソースの効率的な使用を確実にする。
【0433】
実施例8.術後子宮摘出合併症が、手術部位感染であり、第1の患者バイオマーカが、膣pH、血液pH、又は体温のうちの少なくとも1つを含む、実施例1~7のいずれか1つに記載のコンピューティングシステム。
【0434】
実施例9.プロセッサを備える感知システムであって、プロセッサが、少なくとも、
第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の閾値を取得することと、
第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データを取得することと、
第1の測定データを第1の閾値と比較することによって、第1の測定データをリアルタイムで監視することと、
監視することに基づいて、術後子宮摘出合併症を予測することと、
予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように構成されている、感知システム。
【0435】
有利に、術後子宮摘出合併症を予測し、その通知を生成することにより、保健医療提供者は、状態が発生又は悪化する前に、合併症を調査及び/又は治療するためのタイムリーなアクションを取ることが可能になる。更に、第1の患者バイオマーカをリアルタイムで監視することは、そのような合併症の検出率を改善する。
【0436】
任意選択的に、プロセッサは、リアルタイム通知を、ユーザに表示するためのディスプレイユニットに送信するように更に構成されている。
【0437】
実施例10.プロセッサが、
第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えることに基づいて、術後子宮摘出合併症を検出するための要求を受信することと、
第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えるときに、予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように更に構成されている、実施例9に記載の感知システム。
【0438】
有利に、所定の時間量は、例えば、データにおける有意でない短期変動を無視することによって、誤った結果が発生するリスクを軽減する。
【0439】
実施例11.プロセッサが、
第1の測定データに基づいて、術後子宮摘出合併症と関連付けられた重症度レベルを判定することと、
判定された重症度レベルに基づいて、リアルタイム通知と関連付けられた通知タイプを判定することと、を行うように更に構成されている、実施例9又は10に記載の感知システム。
【0440】
有利に、重症度レベルに基づいて通知タイプを判定することは、所与の重症度レベルに最も適している通知タイプ(すなわち、通知の宛先、及び通知の内容)をもたらす。
【0441】
実施例12.判定された重症度レベルが低いことを条件として、プロセッサが、
リアルタイム通知及び重症度レベルを、患者に表示するためのディスプレイに送信するように構成されており、
判定された重症度レベルが高いことを条件として、プロセッサが、リアルタイム通知及び重症度レベルを、HCPに表示するためのディスプレイに送信するように構成されている、実施例11に記載の感知システム。
【0442】
実施例13.プロセッサが、
子宮摘出手術回復タイムライン、少なくとも1つの状況属性、又は少なくとも1つの環境属性のうちの少なくとも1つに基づいて、コンテキストを判定することと、
判定されたコンテキストに基づいて、第1の閾値を調整することと、を行うように更に構成されている、実施例9~12のいずれか1つに記載の感知システム。
【0443】
有利に、コンテキストに基づいて第1の閾値を調整することは、第1の閾値が正しいレベルに設定されることを確実にする。例えば、閾値を低すぎるように設定することは、偽陽性をもたらす可能性があり、閾値を高すぎるように設定することは、合併症を見逃す可能性がある。
【0444】
実施例14.少なくとも1つの状況属性が、身体可動性状態又は睡眠状態のうちの少なくとも1つを含む、実施例13に記載の感知システム。
【0445】
実施例15.術後子宮摘出合併症が、手術部位感染であり、第1の患者バイオマーカが、膣pH、血液pH、又は体温のうちの少なくとも1つを含む、実施例9~14のいずれか1つに記載の感知システム。
【0446】
実施例16.術後子宮摘出合併症が、神経損傷であり、第1の患者バイオマーカが、黄体形成ホルモン、又はGI運動性の指標のうちの少なくとも1つを含む、実施例9~15のいずれか1つに記載の感知システム。
【0447】
実施例17.術後子宮摘出合併症が、膣漏出進行であり、第1の患者バイオマーカが、膣pH、又は尿運動性の指標のうちの少なくとも1つを含む、実施例9~16のいずれか1つに記載の感知システム。
【0448】
実施例18.プロセッサが、
第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の閾値を取得することと、
第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の測定データを取得することと、
第2の測定データを第2の閾値と比較することによって、第2の測定データをリアルタイムで監視することと、
第1の測定データ及び第2の測定データの監視に基づいて、予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように更に構成されている、実施例9~17のいずれか1つに記載の感知システム。
【0449】
通知を複数のバイオマーカに基づかせることは、合併症の予測の精度を改善する。
【0450】
実施例19.第1の測定データ及び第2の測定データの各々を、第1の閾値及び第2の閾値とそれぞれ比較することが、コンテキストに基づく、実施例18に記載の感知システム。
【0451】
有利に、コンテキストに基づいて閾値を調整することは、閾値が正しいレベルに設定されることを確実にする。例えば、閾値を低すぎるように設定することは、偽陽性をもたらす可能性があり、閾値を高すぎるように設定することは、合併症を見逃す可能性がある。
【0452】
実施例20.第2の測定データの監視は、第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えるという条件に基づく、実施例18又は19に記載の感知システム。
【0453】
有利に、これは、合併症の検出を含むことを著しく損なうことなく、コンピューティングリソースの効率的な使用を確実にする。
【0454】
以下は、特許請求される場合、又はされない場合がある、本開示の付番された態様である。
態様1.プロセッサを備えるコンピューティングシステムであって、プロセッサが、少なくとも、
第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データを取得することと、
第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の閾値を判定することと、
第1の測定データを第1の閾値と比較することによって、第1の測定データをリアルタイムで監視することと、
監視することに基づいて、術後子宮摘出合併症を予測することと、
予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように構成されている、コンピューティングシステム。
【0455】
態様2.プロセッサが、
第1の測定データに基づいて、術後子宮摘出合併症と関連付けられた重症度レベルを判定することと、
判定された重症度レベルに基づいて、リアルタイム通知と関連付けられた通知タイプを判定することと、を行うように更に構成されている、態様1に記載のコンピューティングシステム。
【0456】
態様3.判定された重症度レベルが低いことを条件として、プロセッサが、
リアルタイム通知及び重症度レベルを、患者に表示するためのディスプレイに送信するように構成されており、
判定された重症度レベルが高いことを条件として、プロセッサが、リアルタイム通知及び重症度レベルを、HCPに表示するためのディスプレイに送信するように構成されている、態様2に記載のコンピューティングシステム。
【0457】
態様4.プロセッサが、
子宮摘出手術回復タイムライン、少なくとも1つの状況属性、又は少なくとも1つの環境属性のうちの少なくとも1つに基づいて、コンテキストを取得することと、
取得されたコンテキストに基づいて第1の閾値を調整することと、を行うように更に構成されている、態様1に記載のコンピューティングシステム。
【0458】
態様5.プロセッサが、
第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の測定データを取得することと、
第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の閾値を判定することと、
第2の測定データを第2の閾値と比較することによって、第2の測定データをリアルタイムで監視することと、
第1の測定データ及び第2の測定データの監視に基づいて、予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように更に構成されている、態様1に記載のコンピューティングシステム。
【0459】
態様6.第1の測定データ及び第2の測定データの各々を、第1の閾値及び第2の閾値とそれぞれ比較することが、コンテキストに基づく、態様5に記載のコンピューティングシステム。
【0460】
態様7.第2の測定データの監視は、第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えるという条件に基づく、態様6に記載のコンピューティングシステム。
【0461】
態様8.術後子宮摘出合併症が、手術部位感染であり、第1の患者バイオマーカが、膣pH、血液pH、又は体温のうちの少なくとも1つを含む、態様1に記載のコンピューティングシステム。
【0462】
態様9.プロセッサを備える感知システムであって、プロセッサが、少なくとも、
第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の閾値を取得することと、
第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データを取得することと、
第1の測定データを第1の閾値と比較することによって、第1の測定データをリアルタイムで監視することと、
監視することに基づいて、術後子宮摘出合併症を予測することと、
予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように構成されている、感知システム。
【0463】
態様10.プロセッサが、
第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えることに基づいて、術後子宮摘出合併症を検出するための要求を受信することと、
第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えるときに、予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように更に構成されている、態様9に記載の感知システム。
【0464】
態様11.プロセッサが、
第1の測定データに基づいて、術後子宮摘出合併症と関連付けられた重症度レベルを判定することと、
判定された重症度レベルに基づいて、リアルタイム通知と関連付けられた通知タイプを判定することと、を行うように更に構成されている、態様9に記載の感知システム。
【0465】
態様12.判定された重症度レベルが低いことを条件として、プロセッサが、
リアルタイム通知及び重症度レベルを、患者に表示するためのディスプレイに送信するように構成されており、
判定された重症度レベルが高いことを条件として、プロセッサが、リアルタイム通知及び重症度レベルを、HCPに表示するためのディスプレイに送信するように構成されている、態様11に記載の感知システム。
【0466】
態様13.プロセッサが、
子宮摘出手術回復タイムライン、少なくとも1つの状況属性、又は少なくとも1つの環境属性のうちの少なくとも1つに基づいて、コンテキストを判定することと、
判定されたコンテキストに基づいて、第1の閾値を調整することと、を行うように更に構成されている、態様9に記載の感知システム。
【0467】
態様14.少なくとも1つの状況属性が、身体可動性状態又は睡眠状態のうちの少なくとも1つを含む、態様13に記載の感知システム。
【0468】
態様15.術後子宮摘出合併症が、手術部位感染であり、第1の患者バイオマーカが、膣pH、血液pH、又は体温のうちの少なくとも1つを含む、態様9に記載の感知システム。
【0469】
態様16.術後子宮摘出合併症が、神経損傷であり、第1の患者バイオマーカが、黄体形成ホルモン、又はGI運動性の指標のうちの少なくとも1つを含む、態様9に記載の感知システム。
【0470】
態様17.術後子宮摘出合併症が、膣漏出進行であり、第1の患者バイオマーカが、膣pH、又は尿運動性の指標のうちの少なくとも1つを含む、態様9に記載の感知システム。
【0471】
態様18.プロセッサが、
第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の閾値を取得することと、
第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の測定データを取得することと、
第2の測定データを第2の閾値と比較することによって、第2の測定データをリアルタイムで監視することと、
第1の測定データ及び第2の測定データの監視に基づいて、予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように更に構成されている、態様9に記載の感知システム。
【0472】
態様19.第1の測定データ及び第2の測定データの各々を、第1の閾値及び第2の閾値とそれぞれ比較することが、コンテキストに基づく、態様18に記載の感知システム。
【0473】
態様20.第2の測定データの監視は、第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えるという条件に基づく、態様19に記載の感知システム。
【0474】
〔実施の態様〕
(1) プロセッサを備えるコンピューティングシステムであって、前記プロセッサが、少なくとも、
第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データを取得することと、
前記第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の閾値を判定することと、
前記第1の測定データを前記第1の閾値と比較することによって、前記第1の測定データをリアルタイムで監視することと、
前記監視することに基づいて、術後子宮摘出合併症を予測することと、
前記予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように構成されている、コンピューティングシステム。
(2) 前記プロセッサが、
前記第1の測定データに基づいて、前記術後子宮摘出合併症と関連付けられた重症度レベルを判定することと、
前記判定された重症度レベルに基づいて、前記リアルタイム通知と関連付けられた通知タイプを判定することと、を行うように更に構成されている、実施態様1に記載のコンピューティングシステム。
(3) 前記判定された重症度レベルが低いことを条件として、前記プロセッサが、
前記リアルタイム通知及び前記重症度レベルを、患者に表示するためのディスプレイに送信するように構成されており、
前記判定された重症度レベルが高いことを条件として、前記プロセッサが、前記リアルタイム通知及び前記重症度レベルを、HCPに表示するためのディスプレイに送信するように構成されている、実施態様2に記載のコンピューティングシステム。
(4) 前記プロセッサが、
子宮摘出手術回復タイムライン、少なくとも1つの状況属性、又は少なくとも1つの環境属性のうちの少なくとも1つに基づいて、コンテキストを取得することと、
前記取得されたコンテキストに基づいて、前記第1の閾値を調整することと、を行うように更に構成されている、実施態様1~3のいずれかに記載のコンピューティングシステム。
(5) 前記プロセッサが、
第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の測定データを取得することと、
前記第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の閾値を判定することと、
前記第2の測定データを前記第2の閾値と比較することによって、前記第2の測定データをリアルタイムで監視することと、
前記第1の測定データ及び前記第2の測定データの前記監視に基づいて、前記予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように更に構成されている、実施態様1~4のいずれかに記載のコンピューティングシステム。
【0475】
(6) 前記第1の測定データ及び前記第2の測定データの各々を、前記第1の閾値及び前記第2の閾値とそれぞれ比較することが、コンテキストに基づく、実施態様5に記載のコンピューティングシステム。
(7) 前記第2の測定データの前記監視は、前記第1の測定データが所定の時間量にわたって前記第1の閾値を超えるという条件に基づく、実施態様5又は6に記載のコンピューティングシステム。
(8) 前記術後子宮摘出合併症が、手術部位感染であり、前記第1の患者バイオマーカが、膣pH、血液pH、又は体温のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1~7のいずれかに記載のコンピューティングシステム。
(9) プロセッサを備える感知システムであって、前記プロセッサが、少なくとも、
第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の閾値を取得することと、
前記第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データを取得することと、
前記第1の測定データを前記第1の閾値と比較することによって、前記第1の測定データをリアルタイムで監視することと、
前記監視することに基づいて、術後子宮摘出合併症を予測することと、
前記予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように構成されている、感知システム。
(10) 前記プロセッサが、
前記第1の患者バイオマーカと関連付けられた第1の測定データが所定の時間量にわたって第1の閾値を超えることに基づいて、術後子宮摘出合併症を検出するための要求を受信することと、
前記第1の測定データが所定の時間量にわたって前記第1の閾値を超えるときに、前記予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように更に構成されている、実施態様9に記載の感知システム。
【0476】
(11) 前記プロセッサが、
前記第1の測定データに基づいて、前記術後子宮摘出合併症と関連付けられた重症度レベルを判定することと、
前記判定された重症度レベルに基づいて、前記リアルタイム通知と関連付けられた通知タイプを判定することと、を行うように更に構成されている、実施態様9又は10に記載の感知システム。
(12) 前記判定された重症度レベルが低いことを条件として、前記プロセッサが、
前記リアルタイム通知及び前記重症度レベルを、患者に表示するためのディスプレイに送信するように構成されており、
前記判定された重症度レベルが高いことを条件として、前記プロセッサが、前記リアルタイム通知及び前記重症度レベルを、HCPに表示するためのディスプレイに送信するように構成されている、実施態様11に記載の感知システム。
(13) 前記プロセッサが、
子宮摘出手術回復タイムライン、少なくとも1つの状況属性、又は少なくとも1つの環境属性のうちの少なくとも1つに基づいて、コンテキストを判定することと、
前記判定されたコンテキストに基づいて、前記第1の閾値を調整することと、を行うように更に構成されている、実施態様9~12のいずれかに記載の感知システム。
(14) 前記少なくとも1つの状況属性が、身体可動性状態又は睡眠状態のうちの少なくとも1つを含む、実施態様13に記載の感知システム。
(15) 前記術後子宮摘出合併症が、手術部位感染であり、前記第1の患者バイオマーカが、膣pH、血液pH、又は体温のうちの少なくとも1つを含む、実施態様9~14のいずれかに記載の感知システム。
【0477】
(16) 前記術後子宮摘出合併症が、神経損傷であり、前記第1の患者バイオマーカが、黄体形成ホルモン、又はGI運動性の指標のうちの少なくとも1つを含む、実施態様9~15のいずれかに記載の感知システム。
(17) 前記術後子宮摘出合併症が、膣漏出進行であり、前記第1の患者バイオマーカが、膣pH、又は尿運動性の指標のうちの少なくとも1つを含む、実施態様9~16のいずれかに記載の感知システム。
(18) 前記プロセッサが、
第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の閾値を取得することと、
前記第2の患者バイオマーカと関連付けられた第2の測定データを取得することと、
前記第2の測定データを前記第2の閾値と比較することによって、前記第2の測定データをリアルタイムで監視することと、
前記第1の測定データ及び前記第2の測定データの前記監視に基づいて、前記予測された術後子宮摘出合併症を示すリアルタイム通知を生成することと、を行うように更に構成されている、実施態様9~17のいずれかに記載の感知システム。
(19) 前記第1の測定データ及び前記第2の測定データの各々を、前記第1の閾値及び前記第2の閾値とそれぞれ比較することが、コンテキストに基づく、実施態様18に記載の感知システム。
(20) 前記第2の測定データの前記監視は、前記第1の測定データが所定の時間量にわたって前記第1の閾値を超えるという条件に基づく、実施態様18又は19に記載の感知システム。
【国際調査報告】