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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20240130BHJP
   B04C 5/04 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
H01M8/04 J
H01M8/04 N
B04C5/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544511
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 KR2022001231
(87)【国際公開番号】W WO2022177188
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0020520
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ハア チョンクン
(72)【発明者】
【氏名】キム キョンジュ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヒョンモ
(72)【発明者】
【氏名】アン ウンジョン
【テーマコード(参考)】
4D053
5H127
【Fターム(参考)】
4D053AA01
4D053AA03
4D053AB01
4D053BA01
4D053BA03
4D053BB02
4D053BC01
4D053BC03
4D053BD04
4D053CA06
4D053CA24
4D053CA25
4D053CB04
4D053CD05
4D053DA10
5H127AC05
5H127BA02
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB18
5H127BB35
5H127BB37
5H127CC07
5H127EE23
(57)【要約】
燃料電池システムが開示される。
本発明の燃料電池システムは、スタックと空気供給ユニットとの間で空気の異物を除去する気液分離器を特徴とする。したがって、本発明は、スタックに異物が供給されないようにしてスタックの機能向上及び寿命延長が可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池スタックと、前記スタックに水素を供給する水素供給ユニットと、前記スタックに空気を供給する空気供給ユニットとを備える燃料電池システムであって。
前記スタックと前記空気供給ユニットとの間に配置され、前記スタックに供給される空気の異物を除去する気液分離器(gas-liquid separator)を備える燃料電池システム。
【請求項2】
前記気液分離器は、ハウジング、前記ハウジングの一側に形成された空気引き込み部、前記ハウジングの他側に形成された空気引き出し部、及び前記空気引き込み部内に配置されて、前記空気引き込み部に供給される空気を回転させる空気回転部を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記空気回転部は、傾斜した形状の閉鎖ブロックであることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記ハウジングは、外部ハウジング、及び前記外部ハウジング内に配置された内部ハウジングを備え、
前記空気引き込み部は、前記外部ハウジングに形成されており、
前記空気引き出し部は、前記内部ハウジングに形成されており、
前記空気引き出し部は、内部ハウジングの中心から前記外部ハウジングを貫通して形成され、
前記空気引き込み部は、前記外部ハウジングの中心を基準に偏心して位置することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記内部ハウジングの上側には、前記内部ハウジングの周りに沿って前記空気回転部が配置されることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記空気回転部は、曲線形に傾斜した閉鎖ブロックであることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記内部ハウジングと前記空気引き出し部との間には、流路可変筒が配置されることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記流路可変筒は、下側から上側へ行くほど、直径が大きくなることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記空気引き込み部は、異物をろ過するフィルタをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項10】
前記空気供給ユニットは、
圧縮空気を供給する空気圧縮機と、
前記圧縮空気を受けて、水分が含まれた空気を前記スタックに供給する燃料電池加湿器と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項11】
前記気液分離器と前記空気供給ユニットとを連結する流路を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、燃料電池システムに関する。
【0002】
特に、本技術は、スタックに供給される空気に含まれた異物をろ過することができる。したがって、本技術は、スタックの機能を向上させ、本技術は、スタックの寿命を延長させることができる。
【背景技術】
【0003】
ウィリアムギルバートは、かぼちゃが有する引力の違い実験を行い、ベンジャミンフランクリンは、凧を用いた実験を行い、ボルタは、化学電池を発明して、電気エネルギーに対する発見と発展を成し遂げた。これらの実験結果により、電気エネルギーは、産業及び生活全般に活用されている。
【0004】
電気エネルギーは、様々な方式にて生産されることができる。電気エネルギーを生産することのうち、最も大きい比重を占めることは、石油を活用することである。しかしながら、石油は、いつかは枯渇されることと予測され、石油は、環境に悪影響を及ぼし、石油に代える代替エネルギー開発が求められている。
【0005】
近年、枯渇の恐れがなく、環境に悪影響を及ぼさない電気エネルギー発生方法についての研究が活発になっており、この研究において最も脚光を浴びる分野は、燃料電池分野である。
【0006】
燃料電池は、アノード(anode)、カソード(cathode)、電解質(electrolyte)で構成されたスタックを活用して電気エネルギーを生産するものである。燃料電池の原理を見ると、アノードには水素が供給され、カソードには酸素が供給される。したがって、アノードでは、水素イオンと電子が放出されて、電流が発生されるようにし、カソードでは、水素イオンと酸素とが結合して水蒸気を作って排出される。
【0007】
このような燃料電池は、効率が高く、容量調節が可能であり、様々な燃料を使用することができ、排出物質が環境にやさしい物質に近く、引続き充電が可能であるという長所がある。このように、燃料電池は、種々の長所を有しているが、解決されるべき問題点がある。この問題点は、スタックに異物が供給されることである。スタックに異物が供給されれば、スタックの性能及び寿命が低下する。
【0008】
スタックに供給される異物のほとんどは、酸素の供給とともに供給されることと明かされた。主な異物では、酸素を供給するために活用される空気圧縮機のインペラの金属片であることと明かされた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、スタックに異物が供給されることを防止し、本発明は、スタックの性能及び寿命を延長できる燃料電池システムを提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態に係る燃料電池システムは、燃料電池スタックと、前記スタックに水素を供給する水素供給ユニット、及び前記スタックに空気を供給する空気供給ユニットを備える。
【0011】
前記スタックと前記空気供給ユニットとの間に配置され、前記スタックに供給される空気の異物を除去する気液分離器(gas-liquid separator)を備える。
【0012】
前記気液分離器は、ハウジング、前記ハウジングの一側に形成された空気引き込み部、前記ハウジングの他側に形成された空気引き出し部、及び前記空気引き込み部内に配置されて、前記空気引き込み部に供給される空気を回転させる空気回転部を備えることを特徴とする。
【0013】
前記空気回転部は、傾斜した形状の閉鎖ブロックであることを特徴とする。
【0014】
前記ハウジングは、外部ハウジング、及び前記外部ハウジング内に配置された内部ハウジングを備え、前記空気引き込み部は、前記外部ハウジングに形成されており、前記空気引き出し部は、前記内部ハウジングに形成されており、前記空気引き出し部は、内部ハウジングの中心から前記外部ハウジングを貫通して形成され、前記空気引き込み部は、前記外部ハウジングの中心を基準に偏心して位置することを特徴とする。
【0015】
前記内部ハウジングの上側には、前記内部ハウジングの周りに沿って前記空気回転部が配置されることを特徴とする。
【0016】
前記空気回転部は、曲線形に傾斜した閉鎖ブロックであることを特徴とする。
【0017】
前記内部ハウジングと前記空気引き出し部との間には、流路可変筒が配置されることを特徴とする。
【0018】
前記流路可変筒は、下側から上側へ行くほど、直径が大きくなることを特徴とする。
【0019】
前記空気引き込み部は、異物をろ過するフィルタをさらに備えることを特徴とする。
【0020】
前記空気供給ユニットは、圧縮空気を供給する空気圧縮機、及び前記圧縮空気を受けて、水分が含まれた空気を前記スタックに供給する燃料電池加湿器を備えることを特徴とする。
【0021】
前記気液分離器と前記空気供給ユニットとを連結する流路を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
一実施形態に係る本発明の燃料電池システムは、スタックに空気が供給される流路に気液分離器が設けられてスタックに異物が供給されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一実施形態に係る本発明の燃料電池システムの構成のブロック図である。
【0024】
図2】第1実施形態に係る気液分離器の斜視図である。
【0025】
図3】第1実施形態に係る気液分離器の上断面図である。
【0026】
図4】第1-1実施形態に係る気液分離器の斜視図である。
【0027】
図5】第2実施形態に係る気液分離器の正断面図である。
【0028】
図6】第2実施形態に係る気液分離器の上断面図である。
【0029】
図7】第2-2実施形態に係る気液分離器の正断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態を例示的な図面によって詳細に説明する。しかし、これは、本発明の範囲を限定しようとして意図されたものではない。
【0031】
各図面の構成要素等に参照符号を付加するにあたり、同じ構成要素等に対しては、例え、他の図面上に表示されても、可能な限り、同じ符号を有するようにしていることに留意すべきである。また、本発明を説明するにあたり、関連した公知構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を濁す恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0032】
また、図面に示された構成要素の大きさや形状などは、説明の明瞭性と都合上、誇張して図示されることができる。また、本発明の構成及び作用を考慮して特に定義された用語等は、本発明の実施形態を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0033】
図1は、一実施形態に係る本発明の燃料電池システムの構成のブロック図である。
【0034】
本発明の燃料電池システムは、スタック100、ウォータータンク200、空気供給ユニット300、水素供給ユニット400、気液分離器500を備えることができる。さらに、本発明は、ウォーターポンプ600をさらに備えることができる。
【0035】
水素供給ユニット400及び空気供給ユニット300の各々は、スタック100に水素と空気(酸素)とを供給する。
【0036】
水素供給ユニット400は、保存された水素をスタック100に供給する。
【0037】
空気供給ユニット300は、空気圧縮機310及び燃料電池加湿器320を備えることができる。ここで、燃料電池加湿器320は、ウォータータンク200と連結されることができる。したがって、空気供給ユニット300は、水分を含む空気をスタック100に供給することができる。
【0038】
空気圧縮機310は、空気を圧縮して燃料電池加湿器320に供給し、燃料電池加湿器320は、圧縮された空気に水分を追加してスタック100に供給することができる。
【0039】
スタック100では、水素と酸素とが各々アノード側とカソード側とに供給される。アノード側に供給された水素は、電子を失うようになり、水素イオンになる。水素イオンは、電解質を介してカソード側に位置し、カソード側では、水素イオン、酸素、電子が化学結合をして水蒸気になることができる。
【0040】
一方、ここで、ウォーターポンプ600は、スタック100で生成された水蒸気を排出する役割をする。ウォーターポンプ600は、燃料電池加湿器320と流路とが連結されて、燃料電池加湿器320に水分を再供給することができる。
【0041】
一実施形態に係る本発明は、スタック100と空気供給ユニット300との間に気液分離器(gas-liquid separator)500が配置され得る。より正確に、気液分離器500は、燃料電池加湿器320とスタック100との間に配置されることができる。気液分離器500は、スタック100に供給される空気の異物を除去できる。
【0042】
空気供給ユニット300の空気圧縮機310は、空気を圧縮するためにインペラを回転させる。このとき、インペラは、摩擦により金属片が生成され得るし、この生成された金属片は、再度インペラによって一方向に移動されてスタック100に供給されることができる。金属片が供給されたスタック100は、動作効率性が低減され、スタック100の寿命が短縮される恐れがある。
【0043】
本発明は、気液分離器500を空気供給ユニット300とスタック100との間に配置して、空気内に含まれた異物をスタック100から除去する。したがって、スタック100には、異物がない空気が供給され得る。
【0044】
気液分離器500は、空気供給ユニット300により速く移動される空気を活用することが特徴である。すなわち、本発明の気液分離器500は、高速で移動する空気に回転力を付与して、空気内の異物が除去されるようにする。したがって、気液分離器500は、異物が含まれなかった空気がスタック100に供給されるようにすることができる。
【0045】
一方、気液分離器500は、圧縮空気を高速で回転させるとき、空気内の水分も共に除去されることができる。これを解決するために、気液分離器500と燃料電池加湿器320との間に流路が設計され得る。
【0046】
気液分離器500は、放出部560を備えるが、放出部560は、空気供給ユニット300に連結されるように流路が設計され得る。より正確に、放出部560の流路は、燃料電池加湿器320に連結されることができる。
【0047】
放出部560は、制御部の制御信号に応じて制御動作されてゲートがオープンされ得る。したがって、気液分離器500によって空気から分離された水分が再度燃料電池加湿器320に供給されることができる。
【0048】
一方、上記のような方式によらずに、作業者は、保管部550(第1実施形態)とハウジング540または外部ハウジング541(第2実施形態)を分離して異物を除去し、洗浄することができる。また、本発明は、気液分離器500の保管部550にろ過部570が設けられて、水分は、下側に移動され、異物は、ろ過部570にのみ位置させることができる。
【0049】
図2は、第1実施形態に係る気液分離器の斜視図である。
【0050】
図3は、第1実施形態に係る気液分離器の上断面図である。
【0051】
第1実施形態に係る気液分離器500は、空気引き込み部510、空気引き出し部520、空気回転部530を備える。
【0052】
空気引き込み部510は、異物が含まれた空気が引き込まれる部分であり、空気引き出し部520は、異物が除去された空気が引き出される部分であって、空気引き出し部520は、スタック100と連結されている。
【0053】
空気回転部530は、空気引き込み部510に引き込まれた空気を速く回転させ、遠心力を活用して空気から異物が除去されるようにする。
【0054】
第1実施形態に係る気液分離器500は、空気引き込み部510、空気引き出し部520、空気回転部530、ハウジング540、保管部550、放出部560を備えることができる。
【0055】
ハウジング540は、円筒形の形状であって、内部が空いた空間として形成されることができる。
【0056】
空気引き込み部510は、ハウジング540の一側から延びて形成されることができる。また、空気引き出し部520は、ハウジング540の上側に延びて形成されることができる。
【0057】
したがって、空気引き込み部510と空気引き出し部520とは、ハウジング540の外部で観察されることができる。
【0058】
空気引き込み部510は、ハウジング540の一側と連通されており、空気引き出し部520は、上側と連通されてハウジング540の内側に延びて形成されることができる。
【0059】
一方、空気引き込み部510には、微細な大きさの異物以外に、大きさが大きい異物を除去するためにフィルタが設けられ得る。フィルタは、網の形態で形成されて、大きさが大きい異物を除去できる。また、空気引き込み部510には、傾斜した形態の閉鎖ブロックが配置され得る。
【0060】
閉鎖ブロックは、移動する空気に回転力を印加する空気回転部530であることができる。すなわち、図3によって確認できるように、閉鎖ブロックは、設定された大きさを有する空気引き込み部510の流路の大きさを一側から他側へ行くほど、連続して小さくすることができる。
【0061】
したがって、空気引き込み部510を通過する空気は、閉鎖ブロックによって連続して小さくなる流路を通過し、その後、空気は、空間の大きさが大きくなるハウジング540と空気引き出し部520との間に移動して、ハウジング540と空気引き出し部520との間を回転して移動することができる。ここで、空気内に含まれた異物は、遠心力によって空気と分離されてハウジング540の内側に位置し、落下するようになる。
【0062】
異物が除去された空気は、空気引き出し部520の内部空間に移動され、異物が除去された空気は、空気引き出し部520を通過してスタック100に供給される。
【0063】
ハウジング540の下側には、保管部550が位置する。保管部550は、中心に向かって傾斜した形態であることができ、保管部550の断面は、円錘形と観察されることができる。保管部550とハウジング540とは、連通されている。したがって、空気から分離された異物は、保管部550に集まるようになることができる。保管部550の下側には、放出部560が位置する。
【0064】
放出部560は、図示されていないが、制御部と連結されることができる。放出部560は、制御部の制御信号に応じてゲートがオープンされ得る。放出部560のゲートがオープンされれば、保管部550内に位置していた異物と水分とは、保管部550の外側に移動されることができる。
【0065】
すなわち、異物と水分とは、放出部560のゲートのオープンによってろ過されなかったまま燃料電池加湿器320に再度供給されることができる。この場合、作業者は、燃料電池加湿器320の洗浄によって異物を除去できる。
【0066】
一方、放出部560は、動作されずにゲートを閉鎖した状態に維持して異物と水分とを保管部550に保管することができる。保管部550とハウジング540とは、各々ねじ山で構成されて、結合または分離されることができる。したがって、作業者は、保管部550とハウジング540とを分離した後、保管部550内の異物を除去してから再度結合することができる。
【0067】
また、気液分離器500は、騒音を低減することができる。
【0068】
すなわち、気液分離器500は、空気を回転させることによって特有の波長帯を形成し、それにより、特定の帯域の波長帯で振動する空気と相殺されて騒音(特に、低周波音域帯)を低減できる。
【0069】
一例として、気液分離器500は、空気引き込み部510に空気が供給されるとき、脈動などによって騒音が発生され得るが、気液分離器500の内部構造によって騒音が発生される波長帯を相殺させる波長帯が形成されて騒音を低減できる。
【0070】
図4は、第1-1実施形態に係る気液分離器の斜視図である。
【0071】
第1-1実施形態に係る気液分離器500は、保管部550にろ過部570が配置されていることができる。ろ過部570は、空気の回転によって空気から分離された水分を通過させ、異物(金属片)のみろ過部570に位置させることができる。
【0072】
放出部560は、設定された量以上の水分が保管部550に位置すれば、制御部の信号に応じてゲートがオープンされ、水分を燃料電池加湿器320に再度供給することができる。ここで、作業者は、保管部550とハウジング540とを分離してろ過部570に位置する異物のみ洗浄後、再度結合させることができる。
【0073】
図5は、第2実施形態に係る気液分離器の正断面図である。
【0074】
図6は、第2実施形態に係る気液分離器の上断面図である。
【0075】
第2実施形態に係る本発明の構成は、第1実施形態に係る発明の構成と同様である。しかし、一部に相違があるので、以下では、相違した構成を集中的に説明する。
【0076】
第2実施形態に係る気液分離器500は、第1実施形態に係る気液分離器500と同様であるが、一部構造が相違しうる。第2実施形態に係る気液分離器500を第1実施形態に係る気液分離器500と比べると、第2実施形態に係る気液分離器500は、空気内の異物を2回除去することが特徴である。このために、第2実施形態に係る気液分離器500は、流路可変筒580をさらに備えることができる。
【0077】
第2実施形態に係る気液分離器500は、空気引き込み部510、空気引き出し部520、空気回転部530、外部ハウジング541、内部ハウジング545、保管部550、放出部560、及び流路可変筒580を備える。
【0078】
第2実施形態に係るハウジング540は、外部ハウジング541及び内部ハウジング545を備える。ここで、外部ハウジング541には、空気引き込み部510が形成され、内部ハウジング545には、空気引き出し部520が形成されることができる。
【0079】
空気引き込み部510は、外部ハウジング541の上側に位置することができる。すなわち、第1実施形態に係る空気引き込み部510とは異なり、第2実施形態に係る空気引き込み部510は、外部ハウジング541の上側に位置して、圧縮された空気を上側から下側に移動させることができる。空気引き込み部510の位置は、外部ハウジング541の中心を基準に中心でない偏心した位置に位置することができる。
【0080】
内部ハウジング545は、円筒形の形状で形成されることができる。内部ハウジング545は、下側が開放された形態で形成されることができる。内部ハウジング545は、外部ハウジング541と整列されて、外部ハウジング541の内側に位置することができる。
【0081】
内部ハウジング545の上側には、突出部が形成され得る。内部ハウジング545の突出部は、外部ハウジング541の上側の内側と当接して内部ハウジング545を結合すると同時に、外部ハウジング541の上側の内側と離間した距離を形成できる。
【0082】
一方、内部ハウジング545には、空気引き出し部520が上側に形成されることができる。空気引き出し部520は、内部ハウジング545の中心に位置することができる。したがって、内部ハウジング545が外部ハウジング541に整列されて位置する場合、空気引き出し部520は、空気引き込み部510を基準に同一線上でない位置に位置する。
【0083】
第2実施形態による場合にも、第1実施形態と同様に、空気回転部530は、閉鎖ブロックであることができる。閉鎖ブロックは、曲線形傾斜を含むことができる。閉鎖ブロックの曲線形傾斜は、内側に形成される。すなわち、閉鎖ブロックは、空気引き出し部520と対向する部分に曲線形傾斜が形成される。また、閉鎖ブロックは、第1実施形態に係る場合と比べるとき、閉鎖ブロックの位置は、空気引き込み部510でない内部ハウジング545の上側に位置することができる。
【0084】
図6によって確認してみると、閉鎖ブロックは、傾斜した形態で形成されるものの、内部ハウジング545の周りに沿って複数個が離間して配置されることができる。
【0085】
第2実施形態による場合、空気引き込み部510に引き込まれた空気は、閉鎖ブロックが円形で配置された形態によって回転力を受けることができる。すなわち、空気引き込み部510を介して引き込まれた空気は、内部ハウジング545の上側に位置して放射方向に移動されるようになるが、このとき、閉鎖ブロックによって回転力が付与され得る。
【0086】
回転力が付与された空気は回転され、外部ハウジング541と内部ハウジング545との間に沿って回転移動しながら下側に移動されることができる。このような移動によって空気内に含まれた異物は、遠心力によって1次に空気と分離されることができる。空気から分離された異物は、下側に位置した保管部550に位置することができる。
【0087】
(一方、図5において、流路可変筒580によって外部ハウジング541と保管部550との間は閉鎖されたことと観察されるが、図示されていない部分に、流路可変筒580には、切欠き部が形成されて異物の移動が可能であることに留意すべきである。)
【0088】
流路可変筒580の一部分は、外部ハウジング541の内側によって支持され、他の部分は、内部ハウジング545と空気引き出し部520との間に位置する。
【0089】
流路可変筒580は、下側から上側へ行くほど、直径が連続して大きくなるように形成される。したがって、流路可変筒580は、直径が変化されない内部ハウジング545と空気引き出し部520との間の流路の大きさを変化させる。
【0090】
流路可変筒580は、直径が下側から上側へ行くほど、連続して大きくなるように形成される。したがって、内部ハウジング545と流路可変筒580との間の流路の大きさは、下側から上側へ行くほど、連続して小さくなるところ、当該流路を通過する空気は加圧される。これとは逆に、流路可変筒580と空気引き出し部520との間の流路は、上側から下側へ行くほど、連続して小さくなるので、当該流路を通過する空気も加圧されることができる。
【0091】
一方、流路可変筒580の周りには、通過される空気に回転力を付与するために、流路可変筒580の周りに沿って斜線形のホールが形成され得る。
【0092】
空気から異物が2次に除去される過程を説明すれば、外部ハウジング541と内部ハウジング545との間を回転しながら移動する空気は、内部ハウジング545の連通された部分を介して内部ハウジング545と流路可変筒580との間を移動する。
【0093】
このとき、空気は、狭くなった流路を通過するので、加速されるようになる。その後、加速された空気は、流路可変筒580と空気引き出し部520との間を通過するようになる。流路可変筒580のホールを通過しながら再度回転力が付与された空気は、再度回転され、空気引き出し部520と流路可変筒580との間を回転移動する。その後、2次に空気内に残っている異物が分離される。異物は、流路可変筒580の内側に沿って下側に位置した保管部550に排出される。
【0094】
一方、流路可変筒580と空気引き出し部520との間を移動する空気は、狭くなった流路によって回転されながら加速移動されることができる。
【0095】
その後、異物が除去された空気は、空気引き出し部520の下側を介して移動され、外部にあるスタック100に供給されることができる。
【0096】
ここで、保管部550には、空気から分離された異物が位置しうる。そして、保管部550には、水分が位置しうる。
【0097】
保管部550は、燃料電池加湿器320と連結されていることができる。したがって、制御部によって放出部560のゲートがオープンされた場合、水分は、再度燃料電池加湿器320に供給されることができる。一方、この場合、異物も共に燃料電池加湿器320に供給されることができる。したがって、この場合には、燃料電池加湿器320の洗浄が必要でありうる。
【0098】
図7は、第2-2の実施形態に係る気液分離器の正断面図である。
【0099】
第2-2実施形態による場合、気液分離器500は、ろ過部570をさらに備えることができる。ろ過部570は、前述した第1-1実施形態のろ過部570と類似した役割をする。したがって、ろ過部570は、水分を下側に通過させるものの、異物は、そうでない。
【0100】
この場合、制御部は、放出部560に制御信号を印加してゲートをオープンし、水分を燃料電池加湿器320に供給することができる。作業者は、必要に応じて保管部550と外部ハウジング541とを分離してろ過部570を洗浄し、異物を除去することができる。
【0101】
本発明は、特定の実施形態に関連して図示し、説明したが、以下の特許請求の範囲により提供される本発明の技術的思想を逸脱しない限度内で、本発明が様々に改良及び変化され得るということは、当業界において通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、燃料電池システムであって、スタックに供給される流路に空気の異物を除去する気液分離器を特徴とし、スタックの機能向上及びスタックの寿命を延長することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】