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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】様々なクッション性を有するソール
(51)【国際特許分類】
A43B 13/14 20060101AFI20240130BHJP
A43B 5/06 20220101ALI20240130BHJP
A43B 13/18 20060101ALI20240130BHJP
【ＦＩ】
A43B13/14 Z
A43B5/06
A43B13/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544536
(86)(22)【出願日】2022-01-13
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 EP2022050647
(87)【国際公開番号】W WO2022161785
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】00088/21
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】316006152
【氏名又は名称】オン クラウズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】アルトロッグ， ニルス アルネ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォエルシェルト， ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】デリオン， ケビン
(72)【発明者】
【氏名】リュエッグ， マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ハイツ， イルマリン
(72)【発明者】
【氏名】デスポッツ アレール， ルノー
【テーマコード（参考）】
4F050
【Ｆターム（参考）】
4F050AA01
4F050BA34
4F050BA38
4F050HA56
4F050HA60
4F050HA63
4F050JA09
(57)【要約】
弾性ミッドソール１を備えるランニングシューズ用ソールに関する。ミッドソールは、ミッドソールを画定するベース面２と、ミッドソールを画定する上面３とを備える。ミッドソールは、踵領域ＦＢと中足部領域ＭＦＢと前足部領域ＶＦＢとに区分される。ミッドソールは、横断方向Ｑに延び且つ長手方向Ｌに前後に配置された複数のチャネル４１、４２、４３を有し、各チャネルは、長手方向にあり、横断方向に垂直な断面平面に沿った断面において細長い輪郭を有し、各チャネルは、長手方向にあり、横断方向に垂直な断面平面に沿った断面において主長手方向軸線４１１、４２１を有する。踵領域に配置されたチャネル４１の主長手方向軸線４１１とベース面２との間の鋭角α－４１は、中足部領域か前足部領域に配置されたチャネル４２、４３のベース面２と主長手方向軸線４２１との間の鋭角α－４２よりも大きい。
【選択図】 図１ａ
【選択図】 図１ａ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性のミッドソール（１）を備えるランニングシューズ用のソールであって、前記ミッドソール（１）が、前記ミッドソールの垂直方向（Ｖ）の反対側で前記ミッドソール（１）を画定するベース面（２）と、前記垂直方向（Ｖ）において前記ミッドソール（１）を画定する上面（３）とを備え、前記ミッドソール（１）が、踵領域（ＦＢ）、中足部領域（ＭＦＢ）、および前足部領域（ＶＦＢ）に区分され、
前記ミッドソール（１）が、前記ミッドソール（１）の横断方向（Ｑ）に延び且つ前記ミッドソール（１）の長手方向（Ｌ）に前後に配置された複数のチャネル（４１、４２、４３）を有し、前記チャネル（４１、４２、４３）がそれぞれ、前記ミッドソール（１）の前記長手方向（Ｌ）にあり、前記ミッドソールの前記横断方向（Ｑ）に垂直な断面平面に沿った断面において細長い輪郭を有し、前記チャネル（４１、４２、４３）の各々が、前記長手方向（Ｌ）にあり、前記横断方向（Ｑ）に垂直な前記断面平面に沿った前記断面において主長手方向軸線（４１１、４２１）を有し、
前記踵領域に配置された少なくとも１つのチャネル（４１）の前記主長手方向軸線（４１１）と前記ベース面（２）との間の鋭角（α－４１）が、前記中足部領域（ＭＦＢ）および／または前記前足部領域（ＶＦＢ）に配置された少なくとも１つのチャネル（４２、４３）の前記ベース面（２）と前記主長手方向軸線（４２１）との間の鋭角（α－４２）よりも大きい、ソール。
【請求項2】
前記主長手方向軸線（４１１）と前記ベース面（２）との間の前記鋭角（α－４１）が、前記踵領域のチャネル、特に前記ミッドソール（１）の踵縁部（５）の最も近くに配置された前記チャネル（４１）から、前記中足部領域のチャネルおよび／または前記前足部領域のチャネル、特にソール先端部（６）の最も近くに配置されたチャネルにかけて小さくなり、特にチャネルごとに連続的に小さくなる、請求項１に記載のソール。
【請求項3】
前記チャネルの各々の前記主長手方向軸線（４１１）と前記ベース面（２）との間の前記鋭角（α－４１）が、最初に、前記ミッドソール（１）の踵縁部（５）の最も近くに配置された前記チャネル（４１）から、チャネルごとにソール先端部（６）の方向に大きくなり、その後、チャネルごとに前記ソール先端部（６）の方向に小さくなる、請求項１または２に記載のソール。
【請求項4】
すべてのチャネルのうち、前記主長手方向軸線（４１１）と前記ベース面（２）との間の鋭角が最も大きいミッドソールの前記チャネルが、前記踵領域に配置される、請求項３に記載のソール。
【請求項5】
前記主長手方向軸線（４１１）と前記ベース面（２）との間の鋭角が最も大きい前記ミッドソールの前記チャネルが、前記長手方向（Ｌ）に前記踵縁部（５）から始まる前記ミッドソールの第３のチャネルである、請求項４に記載のソール。
【請求項6】
前記前足部領域（ＶＦＢ）に配置された少なくとも１つのチャネル（４３）、特に前記前足部領域（ＶＦＢ）に配置されたすべての前記チャネルの前記主長手方向軸線と前記ベース面（２）との間の鋭角が、０°～１５°、特に０°～５°、特に０°～２°である、請求項１～５のいずれか一項に記載のソール。
【請求項7】
前記前足部領域（ＶＦＢ）に配置された少なくとも１つのチャネル（４３）、特に前記前足部領域（ＶＦＢ）に配置されたすべての前記チャネルの前記主長手方向軸線が、前記ベース面に実質的に平行に配置される、請求項６に記載のソール。
【請求項8】
前記チャネル（４１、４２、４３）の各々が主側方軸線（４２２）を有し、前記前足部領域（ＶＦＢ）に配置されたチャネル（４３）の前記主側方軸線に沿った高さが、前記中足部領域（ＭＦＢ）および／または前記踵領域（ＦＢ）に配置されたチャネル（４１、４２）の前記主側方軸線（４２２）に沿った高さよりも小さい、請求項１～７のいずれか一項に記載のソール。
【請求項9】
前記踵領域（ＦＢ）に配置されたチャネル（４１）の前記主長手方向軸線（４１１）と前記ベース面（２）との間の前記鋭角（α－４１）が、５°～８５°、特に３５°～８５°、好ましくは４０°～７５°である、請求項１～８のいずれか一項に記載のソール。
【請求項10】
前記主長手方向軸線（４１１）と前記ベース面（２）との間の鋭角（α－４１）が、前記ミッドソール（１）の踵縁部（５）の最も近くに配置された前記チャネル（４１）から、前記踵領域（ＦＢ）においてソール先端部（６）の方向に連続的に小さくなる、請求項６～９のいずれか一項に記載のソール。
【請求項11】
前記中足部領域（ＭＦＢ）に配置されたチャネル（４２）の前記主長手方向軸線（４２１）と前記ベース面（２）との間の前記鋭角（α－４２）が、０°～３５°、好ましくは０°～２５°である、請求項１～１０のいずれか一項に記載のソール。
【請求項12】
前記チャネル（４１、４２、４３）がそれぞれ、前記ミッドソール（１）の横側および／または内側に側方開口部を有する、請求項１～１１のいずれか一項に記載のソール。
【請求項13】
前記ミッドソール（１）ならびに前記踵領域（ＦＢ）および／または前記中足部領域（ＭＦＢ）および／または前記前足部領域（ＶＦＢ）に配置された前記チャネル（４１、４２、４３）が、走行時に生じる力によって前記側方開口部を完全に閉じるように構成される、請求項１２に記載のソール。
【請求項14】
前記チャネル（４１、４２、４３）が、いずれの場合も、前記ミッドソール（１）の前記長手方向（Ｌ）にあり、前記ミッドソール（１）の前記横断方向（Ｑ）に垂直な前記断面平面に沿った前記断面において、長方形、楕円形、ドロップ形状、五角形および／または六角形の輪郭を有する、請求項１～１３のいずれか一項に記載のソール。
【請求項15】
前記踵領域（ＦＢ）に配置された前記チャネル（４１）の１つまたはすべてが、前記ミッドソール（１）の前記長手方向（Ｌ）にあり、前記ミッドソール（１）の前記横断方向（Ｑ）に垂直な前記断面平面に沿った前記断面において、ドロップ形状の輪郭を有する、請求項１～１４のいずれか一項に記載のソール。
【請求項16】
前記チャネル（４１、４２、４３）がそれぞれ、前記主長手方向軸線（４１１、４２１）に沿って０．３ｃｍ～３ｃｍ、好ましくは０．５ｃｍ～２ｃｍの幅を有する、請求項１～１５のいずれか一項に記載のソール。
【請求項17】
前記チャネル（４１、４２、４３）がそれぞれ、前記主側方軸線（４２２）に沿って０．３ｃｍ～１．５ｃｍ、好ましくは０．３ｃｍ～１ｃｍの高さを有する、請求項１～１６のいずれか一項に記載のソール。
【請求項18】
特に、前記踵領域内の前記チャネルについて、それぞれのチャネルと各チャネルの前記ミッドソールの上面との間の垂直距離が、前記ミッドソール（１）の踵縁部（５）の最も近くに配置された前記チャネル（４１）から、チャネルごとにソール先端部（６）の方向に小さくなる、請求項１～１７のいずれか一項に記載のソール。
【請求項19】
前記長手方向においてソール先端部の最も近くに配置された前記踵領域内の前記チャネル、特に前記ソール先端部の方向に前記長手方向において踵縁部から始まる第３のチャネルと、前記ミッドソールの上面との間の垂直距離が、前記ミッドソールの任意の他のチャネルと前記ミッドソールの上面との間の垂直距離よりも小さい、請求項１～１８のいずれか一項に記載のソール。
【請求項20】
前記ミッドソールの前記チャネルの一部、特にすべてのチャネルが、いずれの場合も、前記ミッドソールの前記横側から内側にかけて前記横断方向に先細になっており、および／または前記ミッドソールの前記チャネルの一部、特にすべてのチャネルが、いずれの場合も、前記ミッドソールの前記内側から前記横側に向かって前記横断方向に先細になっている、請求項１～１９のいずれか一項に記載のソール。
【請求項21】
前記チャネルの前記少なくとも一部分が、完全な閉鎖時に前記チャネルがＳ字形をとるように構成される、請求項１～２０のいずれか一項に記載のソール。
【請求項22】
請求項１～２１のいずれか一項に記載のソールを備える靴、特にランニングシューズ。
【請求項23】
靴、特にランニングシューズを製造するための、請求項１～２１のいずれか一項に記載のソールの使用。【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物技術の分野に関し、特にランニングシューズ用のソールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クッションシステムが異なる複数のランニングシューズが公知である。踵領域に、踏み込み時の垂直方向のクッション性を確保するためのゲルコアを有する、ソールを有するスポーツシューズおよびレジャー用シューズが普及している。個々のばね要素がアウトソールとインソールとの間の踵領域に取り付けられているという点で、垂直方向のクッション特性の改善がさらに達成された。
【0003】
上述のソールによってシューズの垂直方向のクッション性は改善されたものの、ソールおよびシューズに水平方向に作用する力に対する満足のいくクッション性を達成することはできていない。大きな水平成分を有する力は、特に遠方のルートで追加的に強化され、十分なクッション性の欠如のために頻繁に生じる膝関節痛および股関節痛の主な原因の１つを表す。
【0004】
下方に突出し、側面が開口しているセグメント化された溝形状の要素を有するソールが、本出願人による国際公開第２０１６１８４９２０号から公知である。走行時に生じる力の影響下で、溝形状の要素は、それらの側方開口部が閉じられるまで、水平方向だけでなく垂直方向にも変形可能である。この水平方向の変形性により、例えば傾斜した地形を走行するときにソールおよび靴に水平方向に作用する力も効率的に緩衝することができ、それにより、関節、特に膝および臀部への高い歪みを回避することができる。
【発明の概要】
【0005】
下方に突出し、側面が開口しているセグメント化された溝形状の要素を備えるソールの場合、使用されるソール材料に応じて使用時間が長い場合に材料の疲労が生じる可能性があり、その結果、長時間の使用後に材料の弾性特性が失われる可能性があるため、一方でクッション性が低下し、他方で溝形状の要素の側方開口部が不可逆的に変形する。国際公開第２０１６１８４９２０号から公知のソールの場合、溝形状の要素はさらに、いずれの場合も、ソールから突出する個々の要素として存在する。着用者の体重および足の位置に応じて、このことは、側方開口部の不規則な閉鎖をもたらす可能性があり、それによって、溝形状の要素のそれぞれの上層および下層が互いに正確に静止することなく、例えばソールの横断方向に、したがって長手方向または走行方向のそれぞれに垂直に、互いに対して空間的にシフトする可能性があるため、着用者は浮揚効果を経験する可能性がある。
【0006】
さらに、走行時にランナーは踵を使用して地面との最初の接触を確立するので、ソールの踵領域において最大のクッション効果が必要であることが示されている。対照的に、前足部領域では、著しく低いクッション効果しか必要とされない。前足部領域のクッション構造が悪影響を及ぼし得ることさえ判明している。前足部領域のクッション構造によって踏み込み時にクッション性を達成することができるとしても、ランナーは蹴り出し時に、事実上完全に前足部領域を介して生じるクッション構造の弾性に打ち勝たなければならず、それによって力が失われ、蹴り出すために力を使用することができない。
【0007】
本発明は、ランニングシューズのソールの分野において先行技術をさらに発展させ、好ましくは先行技術の欠点を完全にまたは部分的に克服するという一般的な問題に基づいている。好適な実施形態では、一方では、走行時にソールおよび靴に水平方向に作用する力を緩和することができるが、他方では、より長い使用時間の場合であっても材料の疲労を全く示さない、または少なくとも材料の疲労を低下させるソールが提供される。浮揚効果の発生は、さらなる好適な実施形態では回避される。いくつかの好適な実施形態では、踵領域のクッション効果は従来技術と比較して増加するが、踵領域と比較して前足部領域ではより低いクッション効果が提供されるので、蹴り出し時に失われる力は著しく少なくなり、前記力は事実上完全に蹴り出すプロセスのために利用可能になる。
【0008】
一般的な目的は、独立請求項によるソールによって解決される。さらなる好適な実施形態は、従属請求項ならびに明細書および図面から得られる。
【0009】
第１の態様では、一般的な技術的問題は、弾性ミッドソールを備えるランニングシューズ用ソールによって解決される。それにより、ソールは、ミッドソールの垂直方向の反対側でミッドソールを画定するベース面と、垂直方向にミッドソールを画定する上面とを有する。走行時、すなわち動作状態において、ベース面は地面に面し、上面は着用者の足またはインソールのそれぞれに面することが理解される。それにより、ミッドソールは、踵領域、中足部領域、および前足部領域に区分される。それにより、当業者は、これらの領域が長手方向、すなわち走行方向に前後に配置され、特に中足部領域が踵領域と前足部領域との間に配置されることを理解する。ミッドソールは、追加的に、ミッドソールの横断方向に延び、ミッドソールの長手方向に前後に配置されたいくつかのチャネルを有する。チャネルの側面は、好ましくは、側方で、すなわちミッドソールの横側および内側で開口している。それにより、チャネルはそれぞれ、ミッドソールの長手方向にあり、ミッドソールの横断方向に垂直な断面平面に沿った断面において、細長い輪郭を有する。それにより、各チャネルは、長手方向にあり、横断方向に垂直な断面平面に沿った断面において、主長手方向軸線を有する。それにより、踵領域に配置された少なくとも１つのチャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、中足部領域および／または前足部領域に配置された少なくとも１つのチャネルのベース面と主長手方向軸線との間の鋭角よりも大きい。チャネルの細長い輪郭に起因して、ならびに少なくとも１つのチャネルのベース面と主長手方向軸線との間の鋭角が、中足部領域および／または前足部領域のチャネルの場合よりも踵領域において大きいという事実に起因して、踵領域において著しく増大したクッション効果を達成することができることが示されている。ベース面と主長手方向軸線との間の鋭角がより小さいため、前足部領域および／または中足部領域においてより低いクッション効果が追加的に達成され、これは事実上完全に前足部領域および任意選択的に中足部領域を介して行われる蹴り出しの際に、クッション性によって失われるエネルギーがほとんどないという効果を有する。踵領域における１つ以上のチャネルの鋭角の増加はそれぞれ、さらに、垂直方向のクッション性だけでなく、走行時に水平に作用する力に対する大きな水平方向のクッション性も達成するという効果を有する。ミッドソールの踵領域のすべてのチャネルはで、好ましくは、前足部領域および／または中足部領域のすべてのチャネルよりも、ベース面とそのそれぞれの主長手方向軸線との間の鋭角が大きい。
【0010】
チャネルの主長手方向軸線とミッドソールのベース面との間の鋭角の特徴は、追加的に、それぞれのチャネルの主長手方向軸線とそれぞれのチャネルの中心点を通る垂直チャネル線との間の鈍角によって置き換えることができる。したがって、垂直チャネル線は、チャネルの中心点を通って延び、ミッドソールのベース面に垂直であるか、または実質的にそれぞれ９０°の角度でミッドソールのベース面と交差する。当業者は、ミッドソールの湾曲したベース面の場合の交点が、ミッドソールと垂直なチャネル線との交点におけるミッドソールに対する接線によって規定され得ることを理解する。この場合、踵領域に配置された少なくとも１つのチャネルの主長手方向軸線とそれぞれの垂直チャネル線との間の鈍角はまた、それにより、中足部領域および／または前足部領域に配置された少なくとも１つのチャネルのそれぞれの垂直チャネル線と主長手方向軸線との間の鈍角よりも大きい。したがって、本明細書に記載のすべての実施形態の場合、チャネルの主長手方向軸線とミッドソールのベース面との間の鋭角の特徴は、それぞれのチャネルの主長手方向軸線とそれぞれのチャネルの垂直チャネル線との間の鈍角の特徴に置き換えることができる。当業者は、鈍角が９０°～１８０°にあり、鋭角が０°～９０°にあることを理解する。
【0011】
したがって、本発明の一態様は、追加的に、弾性ミッドソールを備えるランニングシューズ用ソールに関する。このようなソールは、それにより、ミッドソールの垂直方向の反対側でミッドソールを画定するベース面と、垂直方向にミッドソールを画定する上面とを有する。それにより、ミッドソールは、踵領域、中足部領域、および前足部領域に区分される。ミッドソールは、追加的に、ミッドソールの横断方向に延び、ミッドソールの長手方向に前後に配置されたいくつかのチャネルを有する。チャネルは、好ましくは、ミッドソールの側面で、すなわち横側および内側で開口している。それにより、チャネルはそれぞれ、ミッドソールの長手方向にあり、ミッドソールの横断方向に垂直な断面平面に沿った断面において、細長い輪郭を有する。それにより、各チャネルは、長手方向にあり、横断方向に垂直な断面平面に沿った断面において、主長手方向軸線を有する。踵領域に配置された少なくとも１つのチャネルの主長手方向軸線とそれぞれの垂直チャネル線との間の鈍角は、それにより、中足部領域および／または前足部領域に配置された少なくとも１つのチャネルのそれぞれの垂直チャネル線と主長手方向軸線との間の鈍角よりも大きい。したがって、チャネルの垂直チャネル線は、それぞれのチャネルの中心点を通って延び、ミッドソールのベース面に垂直である。チャネルの中心点は、一般に、主長手方向軸線上にある。対応する鋭角の本明細書に記載された実施形態および利点は、鈍角を有する対応する実施形態に同等に適用されることが理解される。
【0012】
本発明に関して、用語「細長い輪郭」とは、上述の断面平面に沿った断面において、チャネルが、その断面平面内の一方向に、他の方向よりも遠くまで延びていることを意味する。言い換えれば、「細長い輪郭」を有するチャネルは、スロット形状であると説明することができる。当業者は、スロット形状のチャネルが、ミッドソールの長手方向にあり、ミッドソールの横断方向に垂直な断面平面に沿った断面において、細長い狭い輪郭を有し、したがってミッドソールに細長い狭い開口部を提供するチャネルであると理解する。したがって、空間方向に沿ったそのようなチャネルの拡張は、同じ空間平面内で、それとは異なる空間方向に沿った拡張よりも大きい。チャネルは、一般に、いずれの場合も、チャネルの開口部を規定する互いに対向して位置するチャネル壁を有する。細長い輪郭を有するチャネルの場合、上述の断面平面に沿った断面におけるチャネル壁の直接距離は、同じ空間平面内の異なる空間方向よりも、特に第１の方向に垂直に配置された方向よりも第１の方向において大きい。
【0013】
いずれの場合も、チャネルの主長手方向軸線は、長手方向、すなわちチャネルが延びる方向に平行に延び、上述の断面平面に沿った断面においてチャネルの中心点を通って延びる。主長手方向軸線は、ミッドソールのＶ、Ｌ平面内にあり、すなわち、主長手方向軸線はミッドソールの横断方向ではなく、ミッドソールの長手方向および／または垂直方向に延びる。主長手方向軸線は、典型的には、上述の断面平面に沿った断面において互いに最も離れているチャネル壁の点を通って延びることができる。したがって、チャネルのチャネル壁は、対応するチャネルのＶ、Ｌ平面内の任意のさらなる軸線に沿った場合よりも、チャネルの主長手方向軸線に沿った場合に互いからの距離が大きくなることができる。
【0014】
チャネルの主長手方向軸線は、典型的には、ベース面、または主長手方向軸線とベース面との交点に当接する接線のそれぞれと鋭角で交差する。
【0015】
ミッドソールのチャネル、特にすべてのチャネルは、さらに、長手方向に沿ってミッドソールの横断方向に垂直な断面において、踵縁部の最も近くに配置されたそれぞれの端部から長手方向に、ソール先端部の最も近くに配置されたそれぞれの端部に向かって、垂直方向に増加するように、または長手方向に平行に延びる。言い換えれば、長手方向に沿ってミッドソールの横断方向に垂直な断面におけるミッドソールのチャネルのいずれも、踵縁部の最も近くに配置されたそれぞれの端部から長手方向に、ソール先端部の最も近くに配置されたそれぞれの端部に向かって垂直方向に減少するように延びていない。したがって、それぞれのチャネルの、特にミッドソールのすべてのチャネルの主長手方向軸線は、垂直方向に増加するか、または踵縁部からソール先端部に向かって長手方向に平行である。しかしながら、それぞれのチャネルの主長手方向軸線は、踵縁部からソール先端部に向かって垂直方向に減少しない。
【0016】
本開示で使用される方向指示は、以下のように理解されるべきである：ソールの長手方向Ｌは、踵領域から前足部領域までの軸線によって記述され、したがってソールの長手方向軸線に沿って延びる。ソールの横断方向Ｑは、長手方向軸線を横切って、ならびにそれぞれソールの下側に実質的に平行に、または地面に実質的に平行に延びる。したがって、横断方向は、ミッドソールの横断方向軸線に沿って延びる。本発明に関連して、垂直方向または垂直方向Ｖは、それぞれインソールの方向または動作状態では着用者の足の方向におけるソールの下側からの方向を識別し、したがってそれぞれソールまたはミッドソールの垂直軸線に沿って延びる。ソールの横側は、着用状態において着用者の足の外側に当接するソールの外部外側境界である。ソールまたはミッドソールの内側は、それぞれ、横側の反対側に配置されたソールの外部内側境界を指す。したがって、１足のランニングシューズの場合、着用状態において、２つのランニングシューズの内側は互いに面し、横側は互いに反対側を向く。前足部領域は、例えば、長手方向に対向するソール先端部からミッドソールの全長の３０～４５％まで長手方向に延びる。踵領域は、例えば、長手方向の踵縁部からミッドソールの全長の２０～３０％まで長手方向に延びる。それにより、中足部領域は、踵領域と前足部領域との間に直接延び、その結果、中足部領域の長手方向の長さは、全長の残りの部分、特に全長の１５～５０％を占める。
【0017】
当業者は、ベース面が、断面平面に沿った断面においてミッドソールの長手方向に、かつミッドソールの横断方向に垂直に、特に走行時に地面に対して凸状に湾曲している場合、主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、主長手方向軸線と、主長手方向軸線とベース面との交点での、ベース面におけるそれぞれの接線との間の角度を指すことを理解する。チャネルの主長手方向軸線がベース面との交点を有していない場合のチャネルの鋭角は、ベース面とベース面における踵縁部との接触点における延長接線との主長手方向軸線の交点で規定することができることに留意することが重要である。
【0018】
弾性、特にソール用軟質弾性材料は、当業者に周知である。例えば、約０．０００１～０．２ＧＰａ、特に０．００１～０．１ＧＰａのヤング率を有する材料を使用することができ、これは、本発明に関して、それぞれ弾性材料または軟質弾性材料であると見なすことができる。そのような材料は、典型的には、ポリマーフォームを含むことができる。ポリウレタン、特に熱可塑性ポリオレフィン、ポリオレフィンブロックポリマー、ポリ酢酸ビニル、特にＥＶＡ、ポリウレタン（ＴＰＵ）または膨張熱可塑性ポリウレタン（ｅＴＰＵ）、ポリアミド、例えばＰＡ－１１、ＰＡ－１２、ナイロン、ポリエーテルブロックアミド（ＰＥＢＡＸ（登録商標））、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）もしくはポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）またはそれらの混合物は、それぞれ弾性材料または軟質弾性材料として使用することができる。
【0019】
存在し得る横側および／または内側開口部を除いて、ミッドソールの側方領域のチャネルは、好ましくは、軟質弾性ミッドソールによって完全に画定される。ミッドソールの長手方向（Ｌ）にあり、ミッドソールの横断方向（Ｑ）に垂直な断面平面に沿った断面において、チャネルは、特にミッドソールによって完全に画定される。したがって、そのような実施形態では、チャネル壁は、ミッドソールの側方領域においてミッドソールによって完全に形成することができる。したがって、ソールの側面図において、チャネルは、典型的には、他の点では好ましくは一体のミッドソールにおける横断方向開口部として説明することができる。好ましい実施形態では、ミッドソールはセグメント化を有さず、したがってセグメント化されていない。それにより、セグメント化されたミッドソールと比較して、ミッドソールが一般に著しく安定するように形成されるため、ソールの耐久性を著しく改善することができる。軟質弾性ミッドソールの疲労は、ソールもしくはランニングシューズの耐用年数にわたってそれぞれさらに回避されるか、または少なくとも著しく低減される。それにより、ミッドソールの好適なクッション効果を長期間にわたって常に維持することができる。
【0020】
本発明に関して、チャネルは、典型的には管状に形成することができる凹部であると理解されるべきである。側方開口部を除いて、チャネルは、一般に、そのチャネル壁によって完全にまたは部分的に画定される。チャネルは、典型的には空である。チャネルは、特に開口して連続的であり得る、すなわち、チャネルは、好ましくは止まり穴ではない。チャネル、特にミッドソールのすべてのチャネルは、好ましくは、ミッドソールの横側からミッドソールの内側まで連続的に延びる。好ましい実施形態では、チャネルは互いに実質的に平行に延びることができる。いくつかの実施形態では、ミッドソールの開口領域の全部分、すなわちチャネル開口部の側方表面の全部分は、ミッドソールの閉鎖面の全部分、すなわちチャネルを有さないミッドソールの外面の全部分よりも小さくてもよい。いくつかの実施形態では、チャネルは、長手方向にのみ、したがって踵縁部からソール先端部に向かって前後に配置される。これは、一部またはすべてのチャネルが垂直方向に互いにオフセットして配置され得ることを排除するものではない。垂直方向において、チャネルは、好ましくは、完全におよび／または部分的に一方が他方の上に配置されることはない。
【0021】
いくつかの実施形態では、チャネルは、ソールの踵縁部からソール先端部まで長手方向に前後に配置され、少なくとも２つ以上のチャネルは、垂直方向に互いにオフセットして配置される。特定の実施形態では、チャネルは、ミッドソールの側方領域および／または内側領域の少なくとも第１および第２の水平面に配置される。それにより、第１および第２の水平面は、互いに垂直にオフセットされて形成される。少なくとも第１および第２の水平面におけるチャネルの配置によって、クッション効果の大幅な改善が達成される。それにより、クッション性は、追加的に、もはやソールの個々のセグメントに限定されず、実質的にミッドソール全体にわたって延びる。
【0022】
ソールの水平面は、ソールの下側に実質的に平行に、または地面に実質的に平行にそれぞれ位置合わせされる平面を表す。水平面がわずかに湾曲することもできることも理解される。これは、例えば、ソールが、ランニングシューズに典型的であるように、前足部領域および／または踵領域において垂直上方にわずかに湾曲している場合に起こる可能性がある。
【0023】
チャネルの変形性は、例えば、チャネル壁を垂直に一緒にすること、および／または長手方向にチャネルを剪断することを含むことができることは当業者には明らかである。上側および下側チャネル壁は、典型的には、走行時に生じる力の影響下で互いに接触することができ、その結果、対応するチャネルは側方が閉じるまで変形する。
【0024】
好ましい実施形態では、弾性ミッドソールは一体に形成される。したがって、弾性ミッドソールは、好ましくは単一の材料からなり、したがって、いくつかの構成要素、特に互いに接着または溶接された構成要素からなるミッドソールよりも安定している。
【0025】
好ましい実施形態では、チャネルは、ミッドソールの側方領域に側方開口部を有する。チャネルは、好ましくは、垂直方向および／または長手方向に作用し、走行時に生じる力の影響下で、長手方向に垂直および／または水平に変形することができる。上側および下側チャネル壁は、典型的には、走行時に生じる力の影響下で互いに接触することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、踵領域のチャネル、特にミッドソールの踵縁部の最も近くに配置されたチャネルから、中足部領域のチャネルおよび／または前足部領域のチャネル、特にソール先端部の最も近くに配置されたチャネルにかけて小さくなり、鋭角は、特にミッドソールの踵縁部の最も近くに配置されたチャネルからソール先端部の最も近くに配置されたチャネルにかけて、少なくともソールの長手方向の部分領域にわたって、または長手方向にソールの全長にわたって連続的に小さくなることができる。例えば、主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、それにより、踵縁部から中足部領域にかけて、チャネルごとに連続的に小さくなる。それにより、前足部領域では、鋭角は全体にわたって０°であってもよい。前足部領域のチャネルの主長手方向軸線は、特に、ベース面に平行であってもよい。チャネルごとに見ると、チャネルは、それにより、踵縁部からソール先端部の方向に減少する。それにより、踵領域ではクッション効果の増加を達成することができ、前足部領域および／または中足部領域では、ベース面と主長手方向軸線との間の鋭角がより小さいため、達成されるクッション効果が小さくなり、その結果、蹴り出し時にクッションによって失われるエネルギーがほとんどないということが達成される。一般に、チャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角が大きいほど、クッション効果が大きくなることが当てはまる。したがって、必要とされるクッション効果が踵縁部で最大であるので、踵縁部の最も近くに配置されたチャネルが最大の鋭角を有することが好適である。長手方向においてソール先端部に向かってチャネルがより遠くに配置されるほど、必要とされるクッション効果がより小さくなり、その結果、主長手方向軸線とベース面との間の鋭角がより小さくなるように選択される。
【0027】
代替的に、上記の実施形態は、それぞれのチャネルの主長手方向軸線と垂直チャネル線との間の鈍角が、踵領域のチャネル、特にミッドソールの踵縁部の最も近くに配置されたチャネルから、中足部領域のチャネルおよび／または前足部領域のチャネル、特にソール先端部の最も近くに配置されたチャネルにかけて小さくなるように説明することができる。鈍角は、特に、ミッドソールの踵縁部の最も近くに配置されたチャネルからソール先端部の最も近くに配置されたチャネルにかけて、少なくともソールの長手方向の部分領域にわたって、または長手方向にソールの全長にわたって連続的に小さくなることができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、各チャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、最初に、ミッドソールの踵縁部の最も近くに配置されたチャネルから、チャネルごとに長手方向にソール先端部に向かって大きくなり、その後、チャネルごとに長手方向にソール先端部に向かって小さくなる。そのような実施形態では、チャネルの主長手方向軸線と各ベース面との間の鋭角は、ミッドソールの踵縁部の最も近くに配置されたチャネルから、チャネルごとにずっと、長手方向にソール先端部に離れて配置された急勾配のチャネルにかけて連続的に大きくなることができ、ここで、急勾配のチャネルは、それにより、チャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角が最も大きいミッドソールのチャネルを表し、その後、急勾配のチャネルから長手方向にソール先端部にかけて、チャネルごとにより小さくなることができる。したがって、そのような実施形態では、ミッドソールは、踵領域にチャネルを有し、踵縁部の最も近くに配置されたチャネルは、踵領域のすべてのチャネルのうちで、チャネルの主長手方向軸線とベース面との間の最小の鋭角を有する。次いで、対応する鋭角は、例えば、ソール先端部まで長手方向に続く２つのチャネルにわたって、特に連続的に増加する。次いで、中足部領域は、これらのチャネルに直接接続することができ、ここで、踵縁部の最も近くに配置されたチャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、中足部領域において、踵領域の少なくとも１つ、少なくとも２つ、またはすべてのチャネルの対応する鋭角よりも小さい。
【0029】
代替的に、上記の実施形態は、各チャネルの主長手方向軸線と垂直チャネル線との間の鈍角が、最初に、ミッドソールの踵縁部に向かって最も近くに配置されたチャネルから、チャネルごとに長手方向にソール先端部に向かって大きくなり、その後、チャネルごとに長手方向にソール先端部にかけて小さくなるように説明することができる。
【0030】
対応する分析によって、そのような実施形態が特に好適であることが示されており、これは、踏み込み時に踵領域内ですべてのチャネルが事実上完全に閉じるためであり、これは、一方では垂直および水平に作用する力が効率的に吸収され、他方では浮揚効果をもたらすことなく、踏み込み時に安全な立ち姿勢が可能になることを意味する。水平方向に作用する力は、踵縁部、すなわち、踵縁部の最も近くに配置されたチャネルで必ずしも最大ではなく、一般に、長手方向に遠くにソール先端部に近く配置された踵領域の部分領域で最大であることも示されている。各チャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角またはチャネルの主長手方向軸線と垂直チャネル線との間の鈍角は、それぞれ、最初に、ミッドソールの踵縁部の最も近くに配置されたチャネルから、チャネルごとに長手方向にソール先端部かけて大きくなり、その後、チャネルごとに長手方向にソール先端部に向かって小さくなるという事実により、水平方向に作用する力の最大吸収がこうして実現される。
【0031】
したがって、ミッドソールのすべてのチャネルのうち、その主長手方向軸線とベース面との間の最大の鋭角、またはその主長手方向軸線とその垂直チャネル線との間の最大の鈍角のそれぞれを有するミッドソールのチャネルは、好ましくは踵領域に配置され、急勾配のチャネルと呼ばれる。
【0032】
急勾配のチャネルは、典型的には、踵縁部から始まり、ソールまたはミッドソールの全長の１５％～３０％、好ましくは２０％～３０％、特に２５％～３０％で、それぞれソール先端部に向かって長手方向に配置される。
【0033】
いくつかの実施形態では、急勾配のチャネル、すなわちミッドソールのすべてのチャネルのうち、その主長手方向軸線とベース面との間の最大の鋭角、またはその主長手方向軸線とその垂直チャネル線との間の最大の鈍角をそれぞれ有するミッドソールのチャネルは、長手方向に踵縁部から始まるミッドソールの第３のチャネルとすることができる。
【0034】
それにより、主長手方向軸線と急勾配のチャネルのベース面との間の鋭角は、好ましくは３５°～８５°、特に４０°～７５°である。急勾配のチャネルの主長手方向軸線と垂直チャネル線との間の鈍角は、１２５°～１７０°、特に１２５°～１６５°、好ましくは１５５°～１６５°であってもよい。急勾配のチャネルの角度が比較的大きいため、ミッドソールのこの領域で良好な垂直方向のクッション性が達成されるだけでなく、大きな水平方向のクッション性も達成される。
【0035】
いくつかの実施形態では、前足部領域に配置された少なくとも１つのチャネル、特に前足部領域に配置されたすべてのチャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、０°～１５°、特に０°～５°、特に０°～２°である。０°の角度は、チャネルの主長手方向軸線とベース面とが実質的に互いに平行に配置されることを意味する。湾曲したベース面の場合、この平行性は、ベース面に当接する接線を指し、接線は垂直方向においてチャネルの下方のベース面に当接する。このタイプの小さな角度は、一方では十分なクッション性が依然として提供され、着用者の関節が十分に保護されるが、他方では、蹴り出し時のエネルギーのかなりの部分がクッション性により失われるほどクッション性が大きすぎはしないという効果を有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、前足部領域に配置された少なくとも１つのチャネル、特に前足部領域に配置されたすべてのチャネルの主長手方向軸線とそれぞれの垂直チャネル線との間の鈍角は、９０°～１００°、特に９０°～９５°である。９０°の角度は、チャネルの主長手方向軸線とベース面とが実質的に互いに平行に配置されることを意味する。湾曲したベース面の場合、この平行性は、ベース面に当接する接線を指し、接線は垂直方向においてチャネルの下方のベース面に当接する。
【0037】
いくつかの好ましい実施形態では、前足部領域に配置された少なくとも１つのチャネル、特に前足部領域に配置されたすべてのチャネルの主長手方向軸線は、ベース面に実質的に平行に配置される。
【0038】
いくつかの実施形態では、各チャネルは主側方軸線を有する。それにより、主側方軸線は、典型的には、チャネルのそれぞれの主長手方向軸線に垂直である。それにより、高さ、すなわち前足部領域に配置されたチャネルの主側方軸線に沿ったチャネルのチャネル壁の直接距離は、中足部領域および／または踵領域に配置されたチャネルの主側方軸線に沿った幅よりも小さい。それにより、踵領域において高いクッション効果が達成される。同時に、前足部領域におけるクッション効果は著しく小さくなり、それによって、蹴り出し時に失われるエネルギーはより少なくなる。
【0039】
いくつかの実施形態では、踵領域に配置されたチャネルの、特に踵領域に配置されたすべてのチャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、５°～８５°、特に３５°～８５°、好ましくは４０°～７５°である。比較的大きい角度に起因して、良好な垂直方向のクッション性が達成されるだけでなく、走行時に水平に作用する力によって、特にチャネルのチャネル壁に接触することによってチャネルを閉じることができるため、大きな水平方向のクッション性も達成される。
【0040】
いくつかの実施形態では、踵領域に配置されたチャネル、特に踵領域に配置されたすべてのチャネルの主長手方向軸線とそれぞれの垂直チャネル線との間の鈍角は、１１０°～１７５°、特に１２５°～１７０°、好ましくは１２５°～１６５°である。比較的大きい角度に起因して、良好な垂直方向のクッション性が達成されるだけでなく、走行時に水平に作用する力によって、特にチャネルのチャネル壁に接触することによってチャネルを閉じることができるため、大きな水平方向のクッション性も達成される。
【0041】
特定の実施形態では、主長手方向軸線とベース面との間の鋭角、または主長手方向軸線とそれぞれの垂直チャネル線との間の鈍角は、それぞれ、踵領域のソール先端部の方向に、またはさらには踵領域のみで、ミッドソールの踵縁部の最も近くに配置されたチャネルから連続的に小さくなる。
【0042】
いくつかの実施形態では、中足部領域に配置されたチャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、０°～３５°、好ましくは０°～２５°である。中足部領域は中間領域を表し、一方では踏み込み時に特定のクッション効果が依然として必要とされるが、他方では特に、ソール先端部に向かって長手方向に見て中足部領域の前部が地面を蹴り出すために既に使用されているため、クッション効果は大きすぎてはならない。踵領域内のチャネルに直接接続するチャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、特に好ましくは０°より大きく、例えば１０°～３５°または１０°～２５°である。特定の実施形態では、主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、ミッドソールの踵縁部の中足部領域に配置されたチャネルから、踵領域のソール先端部の方向に連続的に小さくなる。
【0043】
いくつかの実施形態では、中足部領域に配置されたチャネルの主長手方向軸線とそれぞれの垂直チャネル線との間の鈍角は、９０°～１２０°、好ましくは９０°～１１５°である。
【0044】
さらなる実施形態では、チャネルはそれぞれ、ミッドソールの横側および／または内側に側方開口部を有する。これらの開口部は、チャネルのチャネル壁が接触するという点で、走行時に生じる力によって閉じることができ、特に完全に閉じることができる。したがって、踵領域および／または中足部領域および／または前足部領域に配置されたチャネルは、走行時に生じる力によって側方開口部を完全に閉じるように設計することができる。走行時に生じる力は、典型的には、着用者の重量に基づく重量の力に起因し、これは、例えば４０ｋｇ～１２０ｋｇ、特に５０ｋｇ～１００ｋｇであり得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、チャネルは、完全な閉鎖時に、特に側方開口部の完全な閉鎖に応答してチャネルがＳ字形をとるように構成される。
【0046】
いくつかの実施形態では、チャネルは、いずれの場合も、ミッドソールの長手方向にあり、ミッドソールの横断方向に垂直な断面平面に沿った断面において、長方形、楕円形、五角形、六角形および／またはドロップ形状、特にランセット形状の輪郭を有する。それにより、ミッドソールの１つまたはいくつかのチャネルが、ミッドソールの他のチャネルとは異なる輪郭を有することも可能である。ミッドソールは、特に、異なる輪郭を有する最大５つのチャネルを有することができる。ドロップ形状の輪郭は、二等辺三角形および二等辺三角形に接続された円形セグメントを実質的に特徴とする形状を指す。当業者は、これらの輪郭がまた、角が丸い形状、すなわち、例えば角が丸い長方形を含むことを理解する。それにより、ドロップ形状、特にランセット形状の輪郭が、特にドロップ形状の円形セグメントの一部がベース面に向かって位置合わせされる場合、特に好ましい。それにより、走行時に水平方向に作用する力に対する、特に大きな水平方向のクッション性を実現することができるからである。ドロップ形状、特にランセット形状の輪郭はさらに、チャネルの特に制御された閉鎖を可能にし、それにより浮揚効果が回避される。この理由は、特に、ドロップ形状の輪郭を有するチャネルが、閉鎖に応答してＳ字形をとるように設計されているためである。ドロップ形状の輪郭を有するチャネルは、特に踵領域に配置されることが理解される。対照的に、異なる輪郭、特に長方形、五角形および／または六角形の輪郭を有するチャネルを、それにより、前足部領域および／または中足部領域に設けてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、チャネルはそれぞれ、主長手方向軸線に沿って０．３ｃｍ～３ｃｍ、好ましくは０．５ｃｍ～２ｃｍの幅を有する。幅は、主長手方向軸線に沿ったチャネルのチャネル壁の距離を記述し、したがって、いくつかの実施形態では、長手方向に沿ってソールの横断方向を横切る断面平面内最大拡張を表す。
【0048】
いくつかの実施形態では、チャネルはそれぞれ、主側方軸線に沿って０．３ｃｍ～１．５ｃｍ、好ましくは０．３ｃｍ～１ｃｍの高さを有する。
【0049】
いくつかの実施形態では、主長手方向軸線に沿った急勾配のチャネルは、ミッドソールの任意の他のチャネルのそれぞれの主長手方向軸線に沿った幅よりも大きい幅を有する。
【0050】
いくつかの実施形態では、主側方軸線に沿った急勾配のチャネルは、ミッドソールの任意の他のチャネルのそれぞれの主側方軸線に沿った高さよりも大きい高さを有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、踵領域内の少なくとも１つの、特に単一のチャネルの、それぞれのチャネルとミッドソールの上面との間の垂直距離は、踵領域内の異なるチャネルの場合および／またはミッドソールの異なるチャネルの場合よりも小さい。踵領域のチャネルの場合、垂直距離が小さいと、垂直距離が大きい場合よりもクッション効果が改善されることが示されている。チャネルが上面の近くに配置されるほど、すなわち対応する垂直距離が小さいほど、クッション効果は良好になる。このような実施形態によって、可能な限り少ない力の損失で強力な蹴り出しを依然として提供する、良好なクッション性とソールとの間の理想的な妥協点が見出される。
【0052】
チャネルとミッドソールの上面との間の垂直距離は、ソールの垂直方向に沿った、チャネルまたはそのチャネル壁のそれぞれとミッドソールの上面との間の最短距離を指す。したがって、この垂直距離は、典型的には、垂直方向における、それぞれのチャネルとミッドソールの上面との間のミッドソールの最小厚さに対応する。
【0053】
対応するチャネルの垂直距離が異なるチャネルよりも小さいチャネルの場合、ミッドソールのベース面からのチャネルの垂直距離は、逆に、他のチャネルよりも大きい。したがって、ミッドソールの上面から他のチャネルまたは他のチャネルのそれぞれまでの垂直距離がより小さい対応するチャネルは、垂直方向にオフセットして配置される。逆に、他のチャネルは、ミッドソールの上面からの垂直距離がより小さいチャネルに対して垂直方向の反対側にオフセットされていると説明することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、踵領域および任意選択的に中足部領域のチャネルについて、特に踵領域のチャネルのみについて、それぞれのチャネルと各チャネルのミッドソールの上面との間の垂直距離は、ミッドソールの踵縁部の最も近くに配置されたチャネルから、チャネルごとに長手方向にソール先端部に向かって小さくなる。水平方向に作用する力は、踵縁部において、すなわち踵縁部の最も近くに配置されたチャネルにおいて強制的に最大になるのではなく、長手方向にさらに配置され、ソール先端部に近い踵領域の部分領域において最大になることが示されている。したがって、垂直距離が減少するため、これに応じて最も多く負荷がかかるその領域に、最大のクッション性を配置することができ、最大のクッション性は、一方では着用者を保護するが、他方では柔らかすぎる、すなわちスポンジ状であると知覚されるソールを表さない。
【0055】
いくつかの実施形態では、それぞれのチャネルの、ミッドソールの上面までの垂直距離は、最初に、ミッドソールの踵縁部の最も近くに配置されたチャネルから、チャネルごとに長手方向にソール先端部に向かって小さくなり、その後、チャネルごとに長手方向にソール先端部に向かって大きくなる。言い換えれば、そのような実施形態におけるチャネルは、それぞれのチャネルの垂直距離が、ソールの横側または内側に見て、踵領域から長手方向に踵領域内のソール先端部に向かって最初に小さくなり、次いで最小値に達し、次いで再び大きくなるように配置される。
【0056】
いくつかの実施形態では、長手方向にソール先端部の最も近くに配置された踵領域のチャネル、特にソール先端部の方向に長手方向に沿って踵縁部から始まる第３のチャネルと、ミッドソールの上面との間の垂直距離は、ミッドソールの任意の他のチャネルとミッドソールの上面との間の垂直距離よりも小さくすることができる。
【0057】
好ましい実施形態では、急勾配のチャネルの、ミッドソールの上面までの垂直距離は、他のチャネルの、ミッドソールの上面までの距離よりも小さくてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、ミッドソールのチャネルの一部、特にすべてのチャネルは、いずれの場合も、ミッドソールの横側から内側に向かって横断方向に先細になることができる。したがって、そのようなチャネルの開口面は、長手方向に沿ってミッドソールの横断方向に垂直な断面平面に沿った断面において、横側から横断方向に、ミッドソールの内側に向かって小さくなる。これは、クッション特性を著しく低下させることなく、特に踏み込み時のソールの安定性が増加するという利点を有する。追加的または代替的に、ミッドソールのチャネルの一部、特にすべてのチャネルは、いずれの場合も、ミッドソールの内側から横側に向かって横断方向に先細になっていてもよい。それにより、これら２つの代替形態は、ソールが横側または内側のどちらに徐々に負荷がかかるかに応じて、着用者の異なるランニングスタイルをサポートする。例えば、前足部領域のチャネルが、いずれの場合も、ミッドソールの横側から内側に向かって横断方向に先細になることも可能であり、踵領域のチャネルが、いずれの場合も、ミッドソールの内側から横側に向かって横断方向に先細になることも可能であり、その逆も可能である。さらに、中足部領域のチャネルは、いずれの場合も、ミッドソールの横側から内側に向かって横断方向に先細になることができ、またはいずれの場合も、ミッドソールの内側から横側に向かって横断方向に先細になることができる。
【0059】
本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の実施形態のうちの１つによるソールを備える靴、特にランニングシューズに関する。
【0060】
本発明のさらなる態様は、靴、特にランニングシューズを製造するための、本明細書に記載の実施形態のうちの１つによるソールの使用に関する。
【0061】
本発明の態様は、以下の図および対応する説明に示される例示的な実施形態に基づいてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1a】本発明の一実施形態によるランニングシューズ用の本発明によるソールの概略側面図を示す。
【図1b】本発明の一実施形態によるランニングシューズ用の本発明によるソールの概略側面図を示す。
【図2】本発明によるソールのいくつかの実施形態で提供されるように、Ｖ、Ｌ平面内にドロップ形状のチャネルを含むチャネルの概略図を示す。
【図3a】本発明によるソールを備える靴の踵領域の写真を、歪んでいない状態で示す。
【図3b】本発明によるソールを備える靴の踵領域の写真を、歪んだ状態で示す。
【図4】本発明のさらなる実施形態によるソールを備えるランニングシューズの側面図を概略的に示す。
【図5】本発明のさらなる実施形態によるランニングシューズ用の本発明によるソールの概略側面図を示す。
【図7】本発明のさらなる実施形態によるソールの切断されたチャネルの経路を下から見た図を断面図で示し、例示目的のために、チャネルは平面にあるものとして示されている。
【図8】本発明のさらなる実施形態によるランニングシューズ用の本発明によるソールを備える靴の概略側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
ランニングシューズ用の本発明によるソールが図１ａおよび図１ｂに示されており、このソールは弾性のミッドソール１を有する。ミッドソール１は、ベース面２によって垂直方向Ｖの反対側に画定され、上面３によって垂直方向Ｖに画定される。ミッドソール１は、追加的に、踵領域ＦＢ、中足部領域ＭＦＢ、前足部領域ＶＦＢに区分される。図示するように、これら３つの領域が長手方向に前後に配置されることにより、中足部領域ＭＦＢは、踵領域ＦＢと前足部領域ＶＦＢとの間に配置される。ミッドソール１は、ミッドソール１の横断方向Ｑに延び、ミッドソール１の長手方向Ｌに前後に配置されたいくつかのチャネル４１、４２、４３を備える（明確にするために、チャネルのうちの３つのみが識別されている）。横断方向Ｑにおいて、これらのチャネルは、一般に、互いに実質的に平行に配置することができる。それにより、チャネル４１、４２、４３はそれぞれ、ミッドソール１の長手方向Ｌにあり、ミッドソールの横断方向Ｑに垂直な断面平面に沿った断面において細長い輪郭を有する。図示の座標系では、この断面平面はＶ、Ｌ平面であり、長手方向Ｌにあり、横断方向Ｑに垂直な断面平面に沿った断面における各チャネル４１、４２、４３は、主長手方向軸線４１１、４２１を有する（明確にするために、２つのチャネルの主長手方向軸線のみが示されている）。それにより、主長手方向軸線４１１と、ベース面２、または踵領域ＦＢに配置されたチャネル４１の主長手方向軸線４１１とベース面２との交点における接線のそれぞれとの間の鋭角α－４１は、少なくとも中足部領域ＭＦＢに配置されたチャネル４２のベース面２（または、主長手方向軸線４１１とベース面２との交点における接線のそれぞれ）と主長手方向軸線４２１との間の鋭角α－４２よりも大きいことが分かる。それにより、主長手方向軸線とベース面との間の角度は、踵縁部５からソール先端部６に向かって中足部領域までずっと、チャネルごとに連続的に小さくなり、前足部領域では実質的に０°である、すなわち、前足部領域ＶＦＢのチャネルの主長手方向軸線はベース面２に平行である。チャネルはそれぞれ、追加的に、主長手方向軸線に垂直な主側方軸線４２２を有する（明確にするために、チャネル４２の主側方軸線４２２のみが示されている）。チャネルの高さは、主側方軸線に沿ったチャネルのチャネル壁の距離として規定される。図１に示すように、前足部領域ＶＦＢに配置されたチャネル４３の主側方軸線に沿った高さは、中足部領域ＭＦＢおよび／または踵領域ＦＢに配置されたチャネル４１、４２の主側方軸線に沿った高さよりも小さい。それにより、前足部領域ＶＦＢのチャネルは、ミッドソール１の長手方向Ｌにあり、ミッドソール１の横断方向Ｑに垂直な断面平面に沿った断面において矩形の輪郭を有する。互いに平行な長方形の２つの縁部の一方向における縁部長さが、互いに平行に延びる２つの他の縁部の縁部長さよりも長いという事実により、対応するチャネルは細長い輪郭を有する。
【0064】
図１ａの実施形態が図１ｂに示されているが、主長手方向軸線４１１および４２１と、ベース面２、または主長手方向軸線４１１および４２１とベース面２との交点における接線のそれぞれとの間の鋭角α－４１およびα－４２の代わりに、チャネル４１の主長手方向軸線４１１と垂直チャネル線４１３との間の鈍角β－４１が示されている。それにより、垂直チャネル線は、主長手方向軸線４１１上にあり、特にチャネル４１の前端および後端がそこから均等に離間しているチャネル４１の中心点Ｍ－４１を通って延びる。垂直チャネル線は、ベース面２または接線（接線Ｔ－４１を参照）のそれぞれに対して追加的に垂直であり、垂直チャネル線（垂直チャネル線４１３を参照）とベース面２との交点においてベース面２に当接する。チャネル４２の主長手方向軸線４２１とチャネル４２の垂直チャネル線４２３との間の鈍角β－４２も同様に示されている。それにより、踵領域ＦＢに配置されるチャネル４１の鈍角β－４１は、中足部領域ＭＦＢに配置される鈍角β－４２よりも大きくなる。
【0065】
Ｖ、Ｌ平面に沿った、したがって、ミッドソールの長手方向Ｌにあり、ミッドソールの横断方向Ｑに垂直な断面平面に沿った断面においてドロップ形状である輪郭を有するチャネルが、図２に示されている。ドロップ形状の輪郭は、点線によって示唆されるように、実質的に、この場合には丸い先端を有する二等辺三角形と、この場合には半球である球状セグメントとからなる。それにより、ドロップ形状の輪郭を、例えばランセット状の輪郭として説明することもできる。このようなドロップ形状の輪郭は、それぞれのチャネルのチャネル壁が互いに向かって移動するという点で、側方開口部の部分的または完全な閉鎖をもたらすので、長手方向Ｌとは反対に作用する水平方向の力ＦＨ、ならびに垂直方向Ｖに作用する垂直方向の力ＦＶを効率的に減衰させることができるため、踵領域に特に好適であることが判明している。それにより、水平方向に作用する力に対するクッション性を、ミッドソールをセグメント化することなく、かつＶ、Ｌ平面のミッドソールによって完全に形成されるチャネルの場合でも、完全に達成することができる。
【0066】
歪んでいない状態の本発明によるミッドソールを備えるランニングシューズが図３ａに示されている。走行時に生じる垂直方向の力および水平方向の力がここでミッドソールに作用すると、チャネルの閉鎖をもたらし、閉鎖は実質的にＳ字形であり、特に長手方向Ｌに向けられる。それにより、走行時に水平方向および垂直方向に生じる力を効率的に緩衝することができる。
【0067】
本発明のさらなる実施形態による本発明によるミッドソール１を備えるランニングシューズを図４に示す。図１のミッドソールとは対照的に、図４に示すミッドソール１は、チャネル４１および４２を有し（明確にするために、合計３つのチャネルのみが識別されている）、これらは、Ｖ、Ｌ平面に沿った、したがってミッドソールの長手方向Ｌにあり、ミッドソールの横断方向Ｑに垂直な断面平面に沿った断面において、踵領域ＦＢにおいて、および中足部領域ＭＦＢにおいても部分的に六角形の輪郭を有する。図示のように、この輪郭は、それにより、正六角形を表す必要はない。チャネル４２の主長手方向軸線４２１は、Ｖ、Ｌ平面内のチャネル４２の中心点を通って延び、長手方向、すなわちチャネルが延びる方向に平行に延びる。主長手方向軸線は、追加的に、上述の断面平面に沿った断面において互いに最も離れているチャネル壁の点を通って延びる。前足部領域のチャネルおよび中足部領域のチャネルは、例えばチャネル４３について示されているように、角が丸い長方形の輪郭を有する。
【0068】
ミッドソール１を備える本発明によるソールのさらなる実施形態を図５に示す。ミッドソール１は、ベース面２によって垂直方向Ｖの反対側に画定され、上面３によって垂直方向Ｖに画定される。ミッドソール１は、さらに、踵領域ＦＢ、中足部領域ＭＦＢ、前足部領域ＶＦＢに区分される。ミッドソール１は、ミッドソール１の横断方向Ｑに延び、ミッドソール１の長手方向Ｌに前後に配置されたいくつかのチャネル４１ａ、４１ｂ、４１ｃ、および４２ａを備える（明確にするために、チャネルのうちの４つのみが識別されている）。それにより、チャネル４１ａ、４１ｂ、および４１ｃは、踵領域に配置され、その一方で、チャネル４２ａは中足部領域に配置され、それにより、踵縁部５の最も近くに配置された中足部領域のチャネルを表す。図１に示す実施形態のように、長手方向Ｌにあり、横断方向Ｑに垂直な断面平面に沿った断面の各チャネルは、主長手方向軸線を有する（明確にするために、チャネルは識別されていない）。各チャネルの主長手方向軸線とベース面との間の鋭角は、最初に、ミッドソールの踵縁部の最も近くに配置されたチャネル４１ａから、チャネル４１ｂ、４１ｃごとに長手方向にソール先端部にかけてより大きくなり、その後、チャネル４２ａごとに長手方向にソール先端部にかけてより小さくなることが分かる。チャネル４１ａの鋭角は、チャネル４１ａの主長手方向軸線と、ベース面２と踵縁部５との接触点における延長接線とによって規定されることに留意することが重要である。チャネル４１ｃは、ミッドソールの急勾配のチャネル、すなわち、ミッドソールのすべてのチャネルのうち、その主長手方向軸線とベース面との間の鋭角が最も大きいチャネルである。図示のミッドソール１の実施形態では、ミッドソール１の上面３までの、両方とも踵領域に配置されたチャネル４１ｃ、したがって急峻なチャネルの垂直距離Ｄ４１ｃ、ならびにチャネル４１ｂの垂直距離Ｄ４１ｃは、踵領域のチャネル４１ａの場合および／またはミッドソール１の異なるチャネル４２ａの場合よりもさらに小さい。それぞれのチャネル４１ａ、４１ｂ、４１ｃとミッドソールの上面３との間の垂直距離Ｄ４１ａ、Ｄ４１ｂ、Ｄ４１ｃは、ミッドソールの踵縁部の最も近くに配置されたチャネル４１ａから、チャネルごとに長手方向に踵領域内のソール先端部に向かって連続的に小さくなる。垂直距離は、急勾配のチャネル４１ｃで最小に達し、次いで、後続のチャネルにおいて長手方向Ｌに、ソール先端部６にかけて再び大きくなる。
【0069】
図６は、図５の実施形態の斜視図を示す。急勾配のチャネル４１ｃが、その主長手方向軸線とベース面との間に最大の鋭角を有することが分かる。踵縁部の方向のチャネルの場合、およびソール先端部の方向のチャネルの場合、それぞれの主長手方向軸線とベース面との間の対応する鋭角は、一般に、急勾配のチャネル４１の場合よりも小さい。
【0070】
図７は、本発明のさらなる実施形態によるソールの、強調して図式化された水平断面を概略的に示す。実際には、チャネルのすべてが同じ平面内に強制的に存在するわけではない。この実施形態の場合、チャネル４１、４２、および４３（明確にするために、チャネルのうちの３つのみが識別されている）は、ミッドソールの横側ＬＳからミッドソールの内側ＭＳにかけて横断方向に先細になることが示されるべきである。
【0071】
本発明のさらなる実施形態による本発明によるミッドソール１を備えるランニングシューズを図８に示す。チャネル４２の主長手方向軸線４２１は、Ｖ、Ｌ平面内でチャネル４２の中心点を通って延び、長手方向、すなわちチャネルが延びる方向に平行に延びる。主長手方向軸線は、追加的に、上述の断面平面に沿った断面において互いに最も離れているチャネル壁の点を通って延びる。それにより、チャネルは、踵縁部５からソール先端部６まで長手方向Ｌに前後に配置され、ミッドソール１の側方領域および／または内側領域の少なくとも第１および第２の水平面に配置される。それにより、第１および第２の水平面は、互いに垂直にオフセットして形成される。それにより、チャネル４１は第１の水平面に配置され、チャネル４２は第２の水平面に配置され、第２の水平面は第１の水平面から垂直方向にオフセットして配置される。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3a-3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【国際調査報告】