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特表2024-505481バイポーラ電池に関する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】バイポーラ電池に関する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/64 20060101AFI20240130BHJP
   H01M 4/70 20060101ALI20240130BHJP
   H01M 4/66 20060101ALI20240130BHJP
   H01M 4/04 20060101ALI20240130BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240130BHJP
   H01M 4/20 20060101ALI20240130BHJP
【FI】
H01M4/64 A
H01M4/70 Z
H01M4/66 A
H01M4/04 A
H01M10/04 Z
H01M4/20 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544556
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 GB2022050177
(87)【国際公開番号】W WO2022162347
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】2101020.2
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522027356
【氏名又は名称】ジ アルティメイト バッテリー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カニンガム-ブラウン、マウリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】エリス、キース・ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】アープ、マルコム
【テーマコード(参考)】
5H017
5H028
5H050
【Fターム(参考)】
5H017AA01
5H017BB01
5H017BB08
5H017BB14
5H017BB16
5H017DD01
5H017DD05
5H017EE07
5H017EE09
5H017HH03
5H017HH05
5H028AA05
5H028AA07
5H028CC08
5H028CC19
5H050AA19
5H050BA09
5H050CA06
5H050CB15
5H050GA04
5H050GA22
5H050GA24
5H050HA04
(57)【要約】
バイポーラ電池1内においてバイポーラプレート500として使用するのに適したプレートを製造する方法が開示されている。方法は、伝導性ポリマープレート505を形成するために伝導性粒子を含む第1ポリマーを押し出すステップと、伝導性ポリマープレート505から伝導性ポリマーコア512を切断するステップと、非伝導性ポリマーサラウンド516を提供するために第2ポリマーによって伝導性ポリマーコア512をオーバーモールディングするステップと、を有する。また、バイポーラ電池1のみならず、バイポーラ電池1を製造する方法も、開示されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイポーラ電池内のバイポーラプレートとして使用するのに適したプレートを製造する方法であって、
伝導性ポリマープレートを形成するために伝導性粒子を収容する第1ポリマーを押し出すステップと、
前記伝導性ポリマープレートから前記ポリマープレート用の伝導性ポリマーコアを切断するステップと、
前記伝導性ポリマーコアの厚さ超である厚さを有する非伝導性ポリマーサラウンドを有する前記伝導性ポリマーコアを提供するために、第2ポリマーによって前記伝導性ポリマーコアをオーバーモールディングするステップと、
を有する、方法。
【請求項2】
前記伝導性ポリマープレートから前記バイポーラプレート用の前記伝導性ポリマーコアを切断するステップの前に、前記伝導性粒子を露出させるように、前記伝導性ポリマープレートの表面の少なくとも1つを研磨するステップを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記研磨するステップは、前記伝導性ポリマープレートが押出機を離脱するのに伴って前記伝導性ポリマープレートの前記少なくとも1つの表面を研磨するステップを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記研磨するステップは、前記伝導性ポリマープレートの前記少なくとも1つの表面をレーザーエッチングするステップを有する、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記伝導性ポリマーコアは、前記オーバーモールディングのステップの前に室温に冷却されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
押し出された前記伝導性ポリマープレートは、波形を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
当該方法は、
前記伝導性ポリマープレートの第1面上において第1厚さの第1金属性層を提供し、且つ、前記伝導性ポリマープレートの第2面上において第2の相対的に大きな厚さの第2金属性層を提供するステップを更に有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1金属性層の少なくとも一部分又は前記第2金属性層の少なくとも一部分は、前記伝導性ポリマープレートの表面上への電気めっきによって形成されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1金属性層の少なくとも一部分又は前記第2金属性層の少なくとも一部分は、低温噴霧によって形成されている、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1金属性層の少なくとも一部分又は前記第2金属性層の少なくとも一部分は、低温噴霧によって形成されており、
前記第2金属性層の第1部分は、前記伝導性ポリマープレートの表面上への電気めっきによって形成されており、且つ、前記第2金属性層の第2部分は、前記電気めっきされた第1部分上への低温噴霧によって形成されている、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1金属性層の少なくとも一部分は、前記伝導性ポリマープレートの前記表面上への電気めっきによって形成されており、且つ、前記第1金属性層の前記少なくとも第1部分は、前記第2金属性層の前記第1部分の厚さに等しい厚さを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
バイポーラ電池を製造する方法であって、
請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を用いて複数のプレートを製造するステップと、
前記複数のプレートから積層体を形成し、且つ、前記プレートを2つのモノポーラプレート間において挟持するステップと、
を有し、
前記積層体は、
第1プレートによって形成された皿内に電解質材料を配置するステップであって、前記皿は、前記第1プレートの金属性層によって提供されたベースと、前記第1プレートの非伝導性サラウンドによって定義された側部と、を有する、ステップと、
第2プレートの金属性層及び前記第1プレートの前記皿が前記電解質材料を収容するチャンバを定義するように、前記第1プレートの前記非伝導性サラウンドを前記第2プレートの前記非伝導性サラウンドと係合させるステップであって、前記電解質材料は、これにより、前記第1及び第2プレートの一方のもののアノード層と前記第1及び第2プレートの他方のものの反対側のカソード層の間において位置決めされている、ステップと、
によって形成されている、方法。
【請求項13】
バイポーラ電池内においてバイポーラプレートとして使用するのに適したプレートを製造する方法であって、
前記バイポーラプレートの伝導性ポリマーコアを形成するための伝導性ポリマープレートを提供するステップと、
前記伝導性ポリマープレートの少なくとも一面上において金属性層を提供するために前記伝導性ポリマープレートの前記少なくとも一面を低温噴霧するステップと、
を有する方法。
【請求項14】
バイポーラ電池用のバイポーラプレートとして使用するのに適したプレートを製造する方法であって、
前記バイポーラプレートの伝導性ポリマーコアを形成するための伝導性ポリマープレートを提供するステップと、
前記伝導性ポリマープレートの伝導性粒子を露出させるために前記伝導性ポリマープレートの表面の少なくとも1つを研磨するステップと、
を有し、
前記研磨するステップは、前記伝導性ポリマープレートの前記少なくとも1つの面をレーザーエッチングするステップを有する、方法。
【請求項15】
2つのモノポーラプレートの間において挟持された複数のバイポーラプレートの積層体を有するバイポーラ電池であって、
前記バイポーラプレートは、それぞれ、押し出された伝導性ポリマーコアを有し、これにより、実質的に一定の断面を有し、前記伝導性ポリマーコアは、非伝導性ポリマーサラウンドに対してモールディングされ、前記バイポーラプレートの一面上にはアノード材料の層が存在し、且つ、前記バイポーラプレートの反対面上にはカソード材料の層が存在しており、
前記バイポーラ電池は、ケーシングを有し、前記アノード材料及び前記カソード材料の層は、前記ケーシング内において収容されており、
前記ケーシングは、前記バイポーラプレートのすべてのものの前記非伝導性ポリマーサラウンドによって少なくとも部分的に形成されている、バイポーラ電池。
【請求項16】
押し出された前記伝導性ポリマーコアの前記一定の断面は、例えば、1つ又は複数のリブを有するなどのように、異なる厚さの1つ又は複数のセクションを有する、請求項15に記載のバイポーラ電池。
【請求項17】
押し出された前記伝導性ポリマーコアの前記一定の断面は、例えば、1つ又は複数の波形を有するなどのように、異なる高さの1つ又は複数のセクションを有する、請求項15又は16に記載のバイポーラ電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池に関する。更に詳しくは、但し、排他的にではなく、本発明は、バイポーラ電池、バイポーラ電池を形成する装置、及び関連する製造の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バイポーラ電池については、当技術分野において知られており、引用によってそのすべてが本明細書に包含されるTatematsuの米国特許出願公開第2009/0042099号明細書を参照されたい。バイポーラ電池アーキテクチャは、1つのプレート内においてアノード及びカソードを提供する伝導性プレートとその間の活物質のサンドイッチを有する相対的にコンパクトなストレージ構成を提供している。この技術は、1924年から存在しているが、電解質溶液の漏洩を防止するためのセルの封止を含むいくつかの問題点を有している。これまでのところ、従来技術からの理解は、バイポーラセルの封止がガスケットを使用して実現されているが、これらは、信頼性が低く、電解質の漏洩及び最終的なセル障害をもたらすことが証明済みであるというものである。
【0003】
後続のバイポーラ電池は、プレートのカソードからアノード側に電荷を伝導するために、孔及び金属ビアを有するプラスチック、シリカ、又はセラミック複合プレートを利用している。非伝導性プラスチックを有する鉛化学の例においては、はんだを孔(ビア)を通じて受け入れ可能な伝導一貫性のレベルに溶解させる従来技術のプロセスは、薄いプレートを通じて実現されており、その結果、充電の際に生成されるガス放出からのプレートの曲がりと、個々のセル及び最終的な電池障害に結び付く充電及び放電プロセスにおけるビアの周りの破砕と、がもたらされている。遭遇する別の問題点は、電池充電キャパシティの劣化をもたらすビアの近傍における過剰な樹状突起の形成である。
【0004】
国際公開第2016178703号パンフレットは、伝導性ファイバを含むポリマーコアから製造されたバイポーラプレートについて開示している。但し、この開示は、商業的に使用可能な電池を大量生産する方法については、不十分な教示しか提供していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の問題点の1つ又は複数のものの軽減を追及している。或いは、この代わりに、又はこれに加えて、本発明は、バイポーラ電池を製造するための改善された方法、バイポーラ電池を形成するための改善された装置、及び/又は改善されたバイポーラ電池の提供を追及している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の態様によれば、バイポーラ電池内においてバイポーラプレートとして使用するのに適したプレートを製造する方法を提供している。方法は、伝導性ポリマープレートを形成するために伝導性粒子を含む第1ポリマーを押し出すステップを有する。方法は、次いで、伝導性ポリマープレートからバイポーラプレート用の伝導性ポリマーコアを切断するステップを含む。方法は、非伝導性ポリマーサラウンドを有する伝導性ポリマーを提供するために、例えば、このような押出し及び切断プロセスによって形成された伝導性ポリマーコアなどの伝導性ポリマーコアを第2ポリマーによってオーバーモールディングするステップを含む。実施形態において、非伝導性ポリマーサラウンドの厚さは、伝導性ポリマーコアの厚さ超である。
【0007】
押出しは、バイポーラプレート用の伝導性ポリマーコアを製造するための特に有利な方法を提供することが発見されており、その理由は、結果的に得られる伝導性ポリマーコア内において(すずによって被覆された炭素ファイバなどの)伝導性粒子の相対的に均一な分布が実現されるからである。ポリマーが流れるモールディングプロセスにおいて(例えば、インジェクションモールディング又はホットプレッシングにおいて)、伝導性粒子は、前方の溶解ポリマーから遅れる可能性があり、これにより、相対的に低い伝導性粒子の密度を有するエリアを有する伝導性ポリマーコアを結果的にもたらし得る。これは、バイポーラプレートの伝導性に悪影響を及ぼし得る。
【0008】
伝導性ポリマープレートは、プレーンを定義することができると共に、厚さの方向は、このプレーンに対して実質的に垂直となり得る。非伝導性ポリマーサラウンドは、伝導性ポリマープレートによって定義されたプレーンから1つの方向において延在し得る。或いは、この代わりに、非伝導性ポリマーサラウンドは、伝導性ポリマープレートによって定義されたプレーンから2つの反対の方向において延在することもできる。
【0009】
当業者は、伝導性ポリマープレートから伝導性ポリマーコアを切断するためのいくつかの技法について認知することになり、従って、本発明は、任意の特定の切断方法の使用に限定されるものではないことを理解されたい。
【0010】
第1ポリマー及び第2ポリマーは、同一のポリマーであってよい。或いは、この代わりに、第1ポリマー及び第2ポリマーは、異なるポリマーであってもよい。
【0011】
方法は、伝導性ポリマープレートからバイポーラプレート用の伝導性ポリマーコアを切断するステップの前に伝導性粒子を露出させるために伝導性ポリマープレートの表面の少なくとも1つを研磨するステップを有し得る。伝導性粒子を露出させるには、伝導性ポリマープレートの両方の表面を研磨することができる。これらの表面は、同時に研磨することができる。研磨のステップは、伝導性粒子が表面上において露出することを保証するためにポリマーの外側表面層を除去している。研磨のステップは、表面研磨、化学エッチング、レーザーエッチング、ガスプラズマによる処理、又はその他の表面除去方法を有し得る。
【0012】
研磨のステップは、伝導性ポリマープレートが押出機を離脱するのに伴って伝導性ポリマープレートの少なくとも1つの表面を研磨するステップを有し得る。従って、研磨のステップは、押出機を離脱した伝導性ポリマープレートが供給されている連続生産ライン内において発生し得る。
【0013】
伝導性ポリマープレートの両方の表面は、同時に研磨することできる。例えば、伝導性ポリマープレートの両方の表面は、同時にレーザーエッチングすることができる。レーザーエッチングのプロセスは、100μmの最大深さまでのエッチングを有することができる。レーザーエッチングは、50μmの最大深さまでのエッチングを有することができる。レーザーエッチングは、20μmの最大深さまでのエッチングを有することができる。レーザーエッチングは、10μmの最大深さまでのエッチングを有することができる。
【0014】
伝導性ポリマーコアは、オーバーモールディングのステップの前に室温に冷却することができる。室温は、約摂氏30度未満の温度であるものと理解されたい。室温への伝導性ポリマーコアの冷却は、オーバーモールディングのステップの際の又はその後のポリマーコアの反りの防止を支援し得る。
【0015】
押し出された伝導性ポリマーの断面は、異なる厚さの1つ又は複数の断面を有していてもよく、例えば、伝導性ポリマーコアは、1つ又は複数のリブを有することができる。押し出された伝導性ポリマーコアの断面は、例えば、1つ又は複数の波形を有する伝導性ポリマーコアなどのように、例えば、プレートに対して平行な概念的プレーンからの異なる分離の量などのように、異なる高さの1つ又は複数のセクションを有し得る。従って、押し出された伝導性ポリマープレートは、リブを有していてもよく又は波形を有していてもよい。従って、プレートの伝導性ポリマーコアは、リブを有していてもよく又は波形を有していてもよい。波形は、同一の寸法のフラットコアとの関係において、伝導性ポリマーコアの表面を増大させ、この結果、バイポーラ電池に対して改善された電気プロパティを提供することができる。更には、波形のプレートは、同一のプレーナーな寸法及び厚さを有するフラットなプレートよりも大きな剛性を有することになる。従って、波形のプレートは、バイポーラプレートが使用されているバイポーラ電池の構造的剛性に対して寄与し得る。これは、電池/バイポーラプレートのその他の部分のサイズ/質量の低減を許容し得る。例えば、伝導性ポリマーコアの剛性の増大は、非伝導性ポリマーサラウンドのサイズの低減を許容し得る。押出しプロセスの結果として、伝導性ポリマーコアは、少なくとも部分的に、実質的に一定の断面を有し得る。
【0016】
方法は、伝導性ポリマーコアの第1面上において第1厚さの第1金属性層を提供し且つ伝導性ポリマーコアの第2面上において第2の相対的に大きな厚さの第2金属性層を提供するステップを有することができる。第1及び/又は第2金属性層は、伝導性ポリマープレートから伝導性ポリマーコアを切断するステップの前に伝導性ポリマープレート上において提供することができる。或いは、この代わりに、第1及び/又は第2層は、オーバーモールディングのステップの後に伝導性ポリマーコア上において提供することもできる。第1層は、最大で100μmの厚さを有し得る。第2層は、最大で300μmの厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第1層は、最大で50μmの厚さを有することができると共に、第2層は、最大で200μmの厚さを有することができる。いくつかの実施形態において、第1層は、約30μmの厚さを有することができると共に、第2層は、約150μmの厚さを有することができる。
【0017】
第1金属性層の少なくとも一部分又は第2金属性層の少なくとも一部分は、伝導性ポリマープレートの表面上に電気めっきによって形成することができる。電気めっきは、伝導性ポリマープレートの表面への良好な接着を有する金属性層を提供することが見出されている。第1金属性層の少なくとも一部分又は第2金属性層の少なくとも一部分は、低温噴霧によって形成することができる。低温噴霧は、電気めっきを介したものよりも安価且つ迅速な金属性層を提供する方法を提供し得る。
【0018】
いずれの金属性層の場合にも、層の一部分又はすべては、伝導性ポリマープレートの表面上に直接的に低温噴霧することができる。或いは、この代わりに、いずれの金属性層の場合にも、金属性層の一部分は、伝導性ポリマープレートの表面への電気めっきによって形成することができると共に、金属性層の別の部分は、層の電気めっきされた部分上への低温噴霧によって形成することができる。従って、電気めっきは、伝導性ポリマープレートへの良好な接着を有する金属性層のベース部分を提供するために使用することができる。
【0019】
第2金属性層の第1部分は、伝導性ポリマープレートの表面上への電気めっきによって形成することができると共に、第2金属性層の第2部分は、電気めっきされた第1部分上への低温噴霧によって形成することができる。任意選択により、第1金属性層の少なくとも一部分は、伝導性ポリマープレートの表面上への電気めっきによって形成されており、且つ、第1金属性層の少なくとも第1部分は、第2金属性層の第1部分の厚さと等しい厚さを有する。
【0020】
本発明は、第2の態様によれば、バイポーラ電池用のバイポーラプレートとして使用するのに適したプレートを製造する方法を提供している。方法は、伝導性ポリマープレートの少なくとも一面上において金属性層を提供するために、(バイポーラプレートの伝導性ポリマーコアを形成するのに適した)伝導性ポリマープレートの少なくとも一面を低温噴霧するステップを有する。低温噴霧は、バイポーラプレートのカソード及び/又はアノードを提供するための金属性層を提供する特に効率的な方法を提供することが見出された。
【0021】
方法は、伝導性ポリマープレートの第1面上において第1厚さの第1金属性層を提供し且つ伝導性ポリマープレートの第2面上において第2の相対的に大きな厚さの第2金属性層を提供するステップを有し得る。第1及び/又は第2金属性層は、プレートを形成するためにプレートが伝導性ポリマーコアに切断される前に伝導性ポリマープレート上において提供することができる。或いは、この代わりに、第1及び/又は第2金属性層は、非伝導性ポリマーサラウンドを有する伝導性ポリマープレートの形態を有する際には、伝導性ポリマープレート上において提供することもできる。第1層は、最大で100μmの厚さを有し得る。第2層は、最大で300μmの厚さを有し得る。いくつかの実施形態において、第1層は、最大で50μmの厚さを有することができると共に、第2層は、最大で200μmの厚さを有することができる。いくつかの実施形態において、第1層は、約30μmの厚さを有することができると共に、第2層は、約150μmの厚さを有することができる。
【0022】
金属性層の厚さは、プレートのアノード(負)側においては、20μm~500μmの範囲であってよく、且つ、鉛の例においては30μm~70μmの範囲であってよく、且つ、プレートのカソード(正)側においては、120~200μmであってよい。プレートの第1面上の第1金属性層は、アノードを形成し得る。プレートの第2面上の第2金属性層は、カソードを形成し得る。
【0023】
第1金属性層の少なくとも一部分又は第2金属性層の少なくとも一部分は、伝導性ポリマープレートの表面上への電気めっきによって形成することができる。電気めっきは、非伝導性ポリマープレートの表面への良好な接着を有する金属性層を提供することが見出された。第1金属性層の少なくとも一部分又は第2金属性層の少なくとも一部分は、低温噴霧によって形成することができる。低温噴霧は、電気めっきを介したものよりも安価且つ迅速な金属性層を提供する方法を提供することができる。
【0024】
いずれの金属性層の場合も、層の一部分又はすべては、伝導性ポリマープレートの表面上に直接的に低温噴霧することができる。或いは、この代わりに、いずれの金属性層の場合にも、金属性層の一部分は、伝導性ポリマープレートの表面上への電気めっきによって形成することができると共に、金属性層の別の部分は、層の電気めっきされた部分上への低温噴霧によって形成することができる。従って、電気めっきは、伝導性ポリマープレートへの良好な接着を有する金属性層のベース部分を提供するために使用することができる。
【0025】
第2金属性層の第1部分は、伝導性ポリマープレートの表面上への電気めっきによって形成することができると共に、第2金属性層の第2部分は、電気めっきされた第1部分上への低温噴霧によって形成することができる。任意選択により、第1金属性層の少なくとも一部分は、伝導性ポリマープレートの表面上への電気めっきによって形成されており、且つ、第1金属性層の少なくとも第1部分は、第2金属性層の第1部分の厚さに等しい厚さを有する。
【0026】
金属性層は、合金を含むことができると共に、鉛化学の例においては、鉛とすずの合金を含むことができる。合金中のすずの百分率は、1%~10%の、或いは、理想的には2%~4%の範囲であってよい。
【0027】
金属化は、鉛の例においては、1ミクロン~20ミクロンの、但し、理想的には2ミクロン~5ミクロンの、範囲の表面被覆を有するすず又は別の互換性を有する金属又は合金であり得るプレカーソル金属被覆によって先行され得る。
【0028】
電着による金属化は、メッキ期間を低減するための電解質中における伝導性プレートの回転を含むことができると共に、低温噴霧、蒸着、又はフォイルレーザー加工を含む連続的に実行されるメッキ技術の混合を含むことができる。
【0029】
本発明は、第3の態様によれば、バイポーラ電池用のバイポーラプレートとして使用するのに適したプレートを製造する方法を提供している。方法は、伝導性ポリマープレートの少なくとも1つの面をレーザーエッチングするステップを有し、この場合に、プレートは、バイポーラ電池のバイポーラプレートの伝導性ポリマーコアを形成するのに適している。レーザーエッチングは、例えば、伝導性ポリマープレートの伝導性粒子を露出させるのに十分な伝導性ポリマープレートの表面の研磨をもたらし得る。その他の研磨の手段も適し得るが、レーザーエッチングによって可能とされる正確な研磨を利用した実施形態が特に有利であることが見出された。
【0030】
レーザーエッチングのプロセスは、100μmの最大深さまでのエッチングを有し得る。レーザーエッチングは、50μmの最大深さまでのエッチングを有し得る。レーザーエッチングは、20μmの最大深さまでのエッチングを有し得る。レーザーエッチングは、10μmの最大深さまでのエッチングを有し得る。伝導性粒子を露出させるために、伝導性ポリマープレートの両方の表面を研磨することができる。表面は、同時に研磨することができる。伝導性ポリマープレートの両方の表面は、同時にレーザーエッチングすることができる。研磨のステップは、伝導性粒子が表面上において露出することを保証するためにポリマーの外側表面層を除去している。
【0031】
研磨のステップは、伝導性ポリマープレートが押出機を離脱するのに伴って伝導性ポリマープレートの少なくとも1つの表面を研磨するステップを有し得る。或いは、この代わりに、研磨のステップは、伝導性ポリマープレートが非伝導性サラウンドを有するプレートの一部分を既に形成している際にも発生し得る。
【0032】
第4の態様によれば、本発明は、バイポーラ電池を製造する方法を提供している。方法は、例えば、本発明の第1、第2、第3の態様の任意のものの方法を使用することにより、複数のプレートを製造するステップを有する。方法は、複数のプレートの積層体を形成し且つ2つのモノポーラプレートの間においてプレートを挟持するステップを有する。電解質材料を第1バイポーラプレートによって形成された皿内に配置するステップが存在していてもよく、この場合に、皿は、第1バイポーラプレートの金属性層によって提供されたベースと、第1バイポーラプレートの非伝導性サラウンドによって定義された側部と、を有する。第2バイポーラプレートの金属性層及び第1バイポーラプレートの皿が電解質材料を収容するチャンバを定義するように、第1バイポーラプレートの非伝導性サラウンドを第2バイポーラプレートの非伝導性サラウンドと係合させるステップが存在し得る。従って、電解質材料は、第1及び第2プレートの一方のもののアノード層と第1及び第2プレートの他方のものの反対側のカソード層の間において位置決めすることができる。このように製造されたバイポーラ電池は、少なくとも部分的に、実質的に一定の断面を有する伝導性ポリマーコアをそれぞれが有するバイポーラプレートを有し得る。このように製造されたバイポーラ電池は、(例えば、1つにモールディングされた)非伝導性ポリマーサラウンドを有するように一体的に形成された伝導性ポリマーコアをそれぞれが有するバイポーラプレートを有し得る。
【0033】
第5の態様によれば、本発明は、2つのモノポーラプレートの間において挟持された複数のバイポーラプレートの積層体を有するバイポーラ電池を提供している。バイポーラプレートは、それぞれ、伝導性ポリマーコアと、非伝導性ポリマーサラウンドと、を有する。バイポーラプレートの一面上のアノード材料の層と、バイポーラプレートの反対の面上のカソード材料の層と、が存在している。電池は、ケーシングを有しており、この場合に、アノード材料及びカソード材料の層は、ケーシング内において収容されている。ケーシングがバイポーラプレートのすべてのものの非伝導性ポリマーサラウンドによって少なくとも部分的に形成されていることが好ましい。バイポーラ電池は、本発明の第1、第2、第3、又は第4の態様の任意のものの方法の任意のものを使用して製造することができる。
【0034】
バイポーラプレートは、実質的に一定の断面を有する押し出された伝導性ポリマーコアを有し得る。コアは、非伝導性ポリマーサラウンドに対してモールディングすることができる。押し出された伝導性ポリマーコアの一定の断面は、例えば、1つ又は複数のリブを有するなどのように、異なる厚さの1つ又は複数の断面を有する。押し出された伝導性ポリマーコアの一定の断面は、例えば、1つ又は複数の波形を有するなどのように、異なる高さの1つ又は複数のセクションを有する。
【0035】
それぞれのバイポーラプレートの非伝導性ポリマーサラウンドは、隣接するバイポーラプレートの非伝導性ポリマーサラウンドに直接的に接続されていてもよく、且つ、好ましくは、これによって封止されていてもよい。介在する構造が存在していないことが好ましい。
【0036】
これは、それぞれのバイポーラプレートのサラウンドが、舌及び溝構成を介して隣接するバイポーラプレートの非伝導性ポリマーサラウンドに接続されており、且つ、これによって封止されているというものであってよい。
【0037】
これは、それぞれのバイポーラプレートのサラウンドと隣接するバイポーラプレートの間の封止された接続の領域内において、例えば、封止された接続の領域内のポリマー材料を溶解させるために電流がワイヤを介して通過した際に十分な熱エネルギーを提供し得る伝導性ワイヤが配設されているというものであってよい。ワイヤは、金属性ワイヤであってよい。ワイヤは、伝導性ポリマートラックであってもよい。ワイヤは、非伝導性ポリマーサラウンドの表面内にモールディング又は挿入されていてもよい。このような構成は、隣接するバイポーラプレートを1つに溶接する能力を提供している。また、伝導性ワイヤは、プレート結合部を溶解させるために且つ電池セルを分解するために電池の寿命の終了時点において使用することもできる。
【0038】
非伝導性ポリマーサラウンドは、電池の電解質材料を収容するための第1凹部が一方の面上において定義されるように、他方の面ではなく一方の面上において伝導性ポリマーコアから更に延在し得る。伝導性ポリマーコア及び非伝導性ポリマーサラウンドは、第1凹部とはバイポーラプレートの反対の面上において第2凹部を定義していてもよく、この場合に、第1凹部は、第2凹部よりも深い。カソード材料の層は、第1凹部のベースの少なくとも一部分を形成し得る。アノード材料の層は、第2凹部のベースの少なくとも一部分を形成し得る。電解質を保持するバイポーラプレートは、電池のセルのカソード層を有することができると共に、そのセルのアノード層は、隣接するバイポーラプレートによって形成することができる。図示の実施形態において、電池を形成している電池セルの数は、バイポーラプレートの数+1に等しく、この場合に、それぞれのバイポーラプレートは、プレートの一面上の1つのセルとプレートの他面上の第2のセルの境界を形成している。
【0039】
これは、サラウンド及び伝導性ポリマーコアによって形成された凹部の深さが、他面上の対応する深さよりも一面上にお少なくとも20%だけ大きいというものであってよい。本発明の実施形態において、このような構成は、バイポーラ電池の製造を促進するために特に有利であり、その理由は、相対的に深い凹部が、凍結され得る電池の電解質材料がバイポーラ電池の製造の間に配置され得る皿を提供しているからである。また、この構成は、バイポーラ電池が充電及び放電の際にセルが経験する圧力の変化に相対的に良好に対応することをも可能にしている。
【0040】
バイポーラ電池は、アノード層と反対側のカソード層の間において保持された電解質材料を更に有し得る。電解質材料は、多孔質マトリックス構造によって少なくとも部分的に保持することができる。マトリックス構造は、ハニカム構造であってよい。ハニカム構造は、例えば、ABS、PPS、又は任意のその他の適切なポリマーから製造されているなどのように、構造的支持を提供するために剛性ポリマー材料から製造することができる。電解質材料を収容するための1つ又は複数の吸収ガラスマットが存在し得る。電解質材料は、例えば、吸収ガラスマットの間において挟持することができる。このような吸収ガラスマットは、上述のハニカム構造などのように、多孔性マトリックス構造に隣接した状態において配設することができる。多孔性マトリックス構造(例えば、ハニカム構造)は、例えば、吸収ガラスマットの間において挟持することができる。
【0041】
これは、ガス排出口がそれぞれのバイポーラプレートの非伝導性ポリマーサラウンドの一部分として提供されているというものであってよい。ガス排出口は、コンジットを有し得る。ガス排出口、或いは、例えば、ガス排出口のコンジットは、ガス排出口/コンジットから外への電解質のフローを制限するように構成することができる。ガス排出口は、圧力逃がし弁を有し得る。ガス排出口は、例えば、ポリマーメンブレインなどのガス透過性メンブレインを有し得る。これは、圧力逃がし弁が、それぞれのバイポーラプレートの非伝導性ポリマーサラウンドの一部分として提供されているというものであってもよい。すべてのサラウンドのガス排出口は、共通プレナムチャンバ内に通気し得る。すべてのサラウンドの圧力逃がし弁は、共通プレナムチャンバ内に通気し得る。共通プレナムチャンバは、雰囲気に通気する圧力逃がし弁を有し得る。共通プレナムチャンバは、プレナムチャンバ内にガスを排気するように構成されたセルの数よりも少ない数の逃がし弁を有し得る。共通プレナムチャンバは、ガスをプレナムチャンバ内に排気するように構成された電池セルによって維持されている圧力の差を制限するように構成することができる。
【0042】
第6の態様によれば、本発明は、2つのモノポーラプレートの間において挟持された複数のバイポーラプレートの積層体を有するバイポーラ電池を提供している。バイポーラプレートは、それぞれ、押し出された、その結果、実質的に一定の断面を有する、伝導性ポリマーコアを有する。コアは、非伝導性ポリマーサラウンドに対してモールディングされている。バイポーラプレートの一面上のアノード材料の層と、バイポーラプレートの反対面上のカソード材料の層と、が存在している。電池は、ケーシングを有し、且つ、アノード材料及びカソード材料の層は、ケーシング内において収容されている。ケーシングは、バイポーラプレートのすべてのものの非伝導性ポリマーサラウンドによって少なくとも部分的に形成されている。
【0043】
任意選択により、押し出された伝導性ポリマーコアの一定の断面は、例えば、1つ又は複数のリブを有するなどのように、異なる厚さの1つ又は複数のセクションを有する。押し出された伝導性ポリマーコアの一定の断面は、例えば、1つ又は複数の波形を有するなどのように、異なる高さの1つ又は複数のセクションを有し得る。これに加えて、本発明の第6の態様のバイポーラ電池は、本発明の第5の態様のバイポーラ電池との関係において記述されている特徴の任意のものを有し得る。
【0044】
本発明は、第7の態様に従って、バイポーラ電池を製造する方法を提供している。バイポーラ電池は、本発明の第5の態様によるものであってよい。方法は、2つのモノポーラプレートの間において挟持された複数のバイポーラプレートの積層体を形成するステップを有し得る。それぞれのバイポーラプレートは、非伝導性ポリマーサラウンドを有する伝導性ポリマーコアを有し得る。それぞれのバイポーラプレートは、プレートの一面上のアノード材料の層と、プレートの反対面上のカソード材料の層と、を有し得る。方法は、プレートの積層体を形成する際に、それぞれのバイポーラプレートの非伝導性ポリマーサラウンドが、隣接するプレートの非伝導性ポリマーサラウンドとの直接的接触状態となるように、実行することができる。例えば、ポリマー材料を溶解させるための十分な熱を生成する接触のエリアの領域内において埋め込まれたワイヤに沿って電流が流れるようにすることにより、隣接するバイポーラプレートの間において封止された結合部を形成するために、非伝導性ポリマーサラウンドの間において接触のエリアの近傍においてポリマー材料を溶解させるステップが存在し得る。方法は、本発明の第1、第2、第3、又は第4の態様の任意のものの方法のステップの任意のものを有し得る。
【0045】
それぞれのバイポーラプレートは、電解質材料を収容するための皿を形成するように成形することができる。第1バイポーラプレートの皿内に電解質材料を配置することにより、バイポーラプレートの積層体を形成することができる。積層体は、第2バイポーラプレートの表面及び第1バイポーラプレートの皿が電解質材料を収容するチャンバを形成するように、第1バイポーラプレートを第2バイポーラプレートと係合させることにより、形成されていてもよく、これにより、電解質材料は、第1及び第2プレートの一方のもののアノード層と第1及び第2プレートの他方のものの反対のカソード層の間において位置決めされている。次いで、電解質材料を第2バイポーラプレートによって提供された皿内に配置することができる。更なるバイポーラプレートを追加することもできると共に/又は、積層体をモノポーラプレートによってキャップ状に覆うこともできる。方法は、モノポーラプレートの皿内に電解質材料を配置し且つ電解質材料を収容するチャンバを定義するようにモノポーラプレートを第1バイポーラプレートと係合させる更に早期のステップを有し得る。モノポーラプレートの一方は、電解質材料を収容するための皿として機能する凹部を有し得る一方で、他方のモノポーラプレートは、このような皿を有していなくてもよく又は相対的に浅い凹部を有することもできる。このように形成された且つ電解質材料を収容するそれぞれのセルのチャンバは、例えば、後述するものなどの技法を使用して後から封止される閉鎖されたチャンバであってよい。
【0046】
これは、それぞれのバイポーラプレートの非伝導性ポリマーサラウンドが、プレートの一面上においては第1のタイプの且つ他方の面上においては第2タイプのその境界の周りにおいて成形された構造物を含んでいるというものであってよい。成形された構造物は、1つにフィットされた際にプレートが封止された結合部をその間に形成するための準備が整った位置において正しくアライメントされるように、第1バイポーラプレートの第1タイプの構造物が第2のバイポーラプレートの第2タイプの構造物に圧接状態においてフィットするように、相互に対応する形状を有し得る。第1タイプの構造物は、第2タイプの構造物の凹部内において収容される突出した部分を含み得る。上述の熱生成ワイヤは、構造物の突出した部分内において埋め込むことができる。上述の熱生成ワイヤは、第2タイプの構造物の凹部内において埋め込むことができる。
【0047】
方法は、隣接するバイポーラプレートの間において封止された結合物を形成するために、ポリマー材料を溶解させるステップの前に、バイポーラプレート上のアノード材料の層と隣接するバイポーラプレート上のカソード材料の層の間において凍結された電解質材料の層を追加するステップを含みうる。凍結された電解質層の厚さは、凍結された電解質が皿から突出するように、皿の深さ超であってよい。凍結された電解質は、第1バイポーラプレートを第2バイポーラプレートと係合させるステップにおいて圧縮され得る。凍結された電解質材料を能動的に加熱するステップが存在し得る。
【0048】
方法は、伝導性ポリマーコア及び非伝導性ポリマーサラウンドが一体的に形成されるように積層体を形成する前にそれぞれのバイポーラプレートの伝導性ポリマーコア及び非伝導性ポリマーサラウンドを二重モールディングするステップを含み得る。このようなステップは、プレートの積層体を封止状態において1つに結合するステップとの比較において、異なる関係者により、且つ、任意選択によって異なる場所において、実行することができる。従って、本発明は、電池の製造は独立的に、伝導性ポリマーコア及び一体的に形成された非伝導性ポリマーサラウンドを有するプレートを製造する方法を提供し得る。二重モールディングのステップは、例えば、伝導性ポリマートラックなどの抵抗ワイヤを非伝導性ポリマーサラウンドの表面内に(或いは、さもなければ、サラウンド上において又はその内部に)埋め込むステップを含み得る。二重モールディングのステップは、非伝導性ポリマーサラウンド内において圧力逃がし弁を埋め込むステップを含み得る。
【0049】
方法は、伝導性ポリマーコアの表面に対して伝導性材料をレーザー溶接するステップを含みうる。次いで、表面上の伝導性材料に対して、例えば、カソード材料などの活物質を追加するステップが存在し得る。
【0050】
積層体を形成する前にそれぞれのバイポーラプレートの伝導性ポリマーコアを製造するステップが存在し得る。このようなステップは、付加製造プロセスを使用して1つ又は複数の伝導性構造を生成するステップと、ポリマー材料を追加するステップと、次いで、少なくとも部分的にポリマー材料内において1つ又は複数の伝導性構造を埋め込むためにポリマーを固める且つ/又は硬化させるステップと、を含み得る。付加製造プロセスは、活(アノード及び/又はカソード)物質を1つ又は複数の伝導性構造に追加するステップを含みうる。
【0051】
本発明は、更なる態様によれば、本発明の電池のバイポーラプレートを形成する際に使用するのに適した且つ/又は本発明の第1、第2、又は第3の態様の方法の任意のものによって形成された伝導性ポリマーコア及び非伝導性ポリマーサラウンドを有するプレートを提供している。このようなプレートは、任意選択により、プレートの一面上のアノード材料の層と、プレートの反対面上のカソード材料の層と、を有し得る。
【0052】
当然のことながら、本発明の一態様との関係において記述されている特徴は、本発明のその他の態様において内蔵され得ることを理解されたい。例えば、本発明の方法は、本発明の装置を参照して記述されている特徴の任意のものを内蔵し得ると共に、逆もまた真である。
【0053】
以下、例としてのみ、以下の添付の概略図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】本発明の一実施形態に従って電池を形成するための組立/製造プロセスにおいて示される金属化されたプレートを示す。
図2】組立/製造プロセスの後のステージにおける図1のプレートを示す。
図3】実施形態による電池の伝導性ポリマーバイポーラプレートのセル積層体構成の「分解」断面である。
図4図3の「拡大及び分解」された部分である。
図5】電池の電解質を保持するための構造の断面である。
図6】本発明の一実施形態による電池の一部分の概略断面である。
図7】本発明の別の実施形態に従ってプレートを製造する方法を示す概略図面である。
図8】波形を有する押し出された伝導性ポリマーコアの図面である。
図9】本発明の別の実施形態による金属化プロセスを示す概略図面である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明の実施形態は、2つのモノポーラプレートの間において挟持されたバイポーラ電池プレートの積層体を有するバイポーラ電池に関する。本発明は、本明細書においては、バイポーラ「電池」と呼称されているが、当業者は、このような構成は、当技術分野においては、バイポーラアキュムレータ又はバイポーラパワーユニットとも呼称され得ることを理解するであろう。
【0056】
バイポーラ電池プレートは、アクリロニトリルブラジエンスチレン(ABS)ポリマー又は代替化学に適する類似の電解質耐性熱可塑性ポリマーと、伝導性要素に基づいたフィラーと、を使用して構築されている。リチウム、ニッケル金属水素化物、ナトリウムなどのその他の化学は、セル内における充電及び放電温度の範囲を許容するために異なる融点特性を有するサーモプラスチックを必要とし得る。ポリマープレートは、伝導性を有するように設計されており、且つ、このような伝導性の提供を支援し得るフィラー材料を有する。例えば、フィラーは、フィラメント、ファイバ、粒子、並びに、その他のフィラー及び添加剤を有し得る。フィラーは、例えば、インジェクションモールディングの支援及び/又は機械的強度の改善などの目的のために更なる機能を提供し得る。このような作用物質は、通常、電池化学と互換性を有する組成を有することが必要とされることになる。鉛化学の例においては、ポリマープレートは、ニッケル、すず、アルミニウム、金、又は任意のその他の一次金属又は金属の合金によって被覆された炭素ファイバを有するフィラーを有するポリマーによって製造することができる。それぞれのポリマープレートの伝導性部分は、実質的に相対的に厚い非伝導性ポリマーサラウンドによって封入されている。
【0057】
伝導性可塑性ポリマープレート及び非伝導性サラウンドを生成するために、2ショットモールディングプロセスが使用されている。更に詳しくは、伝導性ポリマープレートは、二重モールディングされており、且つ、従って、2つのポリマーが並行して硬化する同一のサイクルにおいて伝導性及び非伝導性ポリマーを供給するインジェクションモールディングプロセスを利用してその非伝導性サラウンドを有するように一体的に形成されている。サラウンドは、一次組立の際に完成されたセルのみが正しいアライメントにおいて一緒に接続され得るように舌及び溝を有するように設計されており、これにより、抵抗インプラント溶接、融着、パルス融着、或いは、セルサラウンドの境界を封止するためのその他のプロセスなどの技法によるプラスチックサラウンドの最終的な結合及び封止の前の機械的なインターロッキングにより、封止の第1レベルを提供している。
【0058】
或いは、この代わりに、バイポーラプレートの構築は、正しいプレート伝導性を実現するためにフィラメントの正確な寸法及び近接性を保証するために、伝導性フィラメントの3D印刷(即ち、付加製造プロセス)と、モールド内における溶融した熱可塑性ポリマーによる前記フィラメントの後続のフラッディングと、によって構築され得ると共に、これには、正しい寸法及びアライメントを有する類似の熱可塑性プラスチックから製造されたサラウンドが装着されることになる。
【0059】
バイポーラセルの製造は、プロセスにおける電解質の漏洩の防止を追及している自動化された組立方法の一部分を形成している。プレートは、充電の際のガス又は蒸気の生成からの増大した内部セル圧力に起因したプレートの曲がりを低減するために十分な厚さを有するように製造されている。鉛化学の例において、これは、例えば、10psi、好ましくは0.5~8psi、又は更に好ましくは1~4psi、以下に制限されているなどのように、内部セル圧力を制御するための適切な弁システムの追加によって軽減されている。1つのこのような適切な弁は、Bunsen弁である。それぞれの個々のセルは、弁を装備していてもよく、或いは、それぞれのセルは、電池の過圧を防止するために単一外部弁によってセルガス圧力を等化するために共通チャンバを介して互いとの連通状態にあってもよい。通常のプレート厚さは、電池のエネルギー要件に応じて、0.2mm~20mmの範囲となる。
【0060】
非伝導性サラウンドを有する伝導性ポリマープレートには、金属化された層が提供されている。金属化された層は、バイポーラプレート内において伝導性要素との強力な電気接続を形成する伝導性プレート表面の全体に跨って一貫性を有する方式で電気めっき又はインパクト堆積によって溶接又は適用される且つプレートを通じて接続経路を形成する金属フォイル、低温噴霧、又は静電堆積によって提供することができる。いくつかの実施形態において、非伝導性サラウンドには、金属化が適用されていない。
【0061】
活物質は、プレートの一面上においてアノード材料(例えば、鉛)を提供し且つ反対面上においてカソード材料(例えば、二酸化鉛)を提供するために、プレートの金属化された表面に適用されている。活物質をプレートに適用するプロセスは、プレートの金属化と同時に実行することができる。例えば、活物質は、金属フォイル又はその他の金属化された表面に適用されてもよく、これが、次いで、(金属化及び活物質の適用が同時に発生するように)プレートに適用されている。また、プレートの金属化は、プラズマ堆積、化学気相蒸着、レーザー溶接、及びその他の金属化技法を含み得る。活物質の適用は、電気化学堆積、3D印刷堆積、硬化を伴う半固体ペーストとしての適用、及びその他の適用を含む。鉛化学の例においては、活物質は、アノード用の鉛と、プレートのカソード面上において水性ペーストとして堆積された二酸化鉛と、を含むことになろう。
【0062】
余分なプレート表面エリアを提供するために、プレートの金属表面は、電解質との相対的に大きな接触のエリアを提供するように発泡させることができる。発泡は、発泡体の3D印刷、低温噴霧、又は静電堆積を含む。鉛化学の例においては、鉛の発泡又は3D印刷は、電解質と活物質の間の接触の表面を大幅に増大させるためにプロセスに適用されている。このような発泡は、活性表面と、これにより、エネルギー密度と、を増大させるためにバイポーラプレートに適用することが可能であり、この場合に、好ましくは、発泡体気孔率は、50%超であることを要する。
【0063】
エネルギー及びパワー密度を改善するために、例えば、鉛化学において使用されるのに適した例としての炭素ナノチューブの追加などのように、更なる材料を適用することができる。このような材料は、例えば、伝導性ポリマープレート内において埋め込むことができる。この代わりに/これに加えて、このような更なる材料は、例えば、その他の化学に相対的に良好に適し得るグラフェン、炭素、グラファイト、二酸化チタニウム、チタン酸塩材料、及びビニレンカーボネートを含み得る。これらの添加剤の適用は、活物質との混合、圧延、又は噴霧を通じたものであってよい。
【0064】
この鉛化学の例において使用されている電解質は、吸収ガラスマット(AGM)及びABSハニカムサンドイッチ内において収容された希釈済みのHSOである。ABSハニカム構造は、3D印刷又は付加製造プロセスによって製造することができる。その他の化学の場合には、電解質は、化学に依存した電解質腐食に対して不透過性を有する同一の機械的プロパティを有するその他の吸収材料を使用することになる。リチウム電池用の電解質及び溶剤の例は、線形及び環状カーボネート及びポリマーゲルを含む安定した溶剤中のリチウムヘキサフルオロフォスフェート(LiPF)、リチウムビス(ビストリフルオロメタンスルフォニル)イミド(LiTFSI)、オルガノボレート、リン酸塩、及びアルミン酸塩を含む。例えば、吸収方式で電解質を収容するために提供される構造は、放電プロセスにおける活物質膨張を許容するように十分な柔軟性を提供することを要するが、充電プロセスにおいて生成される弁制御された内部セルガス又は蒸気圧力からのプレートの曲がりの程度を制限するように(例えば、ABSハニカムによって提供される)十分な剛性を有することを要する。鉛化学の例においては、そのAGM/ABSハニカムリポジトリ内の電解質は、セルの境界を形成する活物質によって被覆されたカソード及びアノードプレートの間において位置決めされており、1つに積層された際に、これらがバイポーラ電池を形成している。ハニカム構造内においては、カラムは、しばしば、形状が円柱及び六角であるが、組成及び要件に依存した任意の多辺形状として変化し得ると共に、円柱に対する代替肢として発泡体構造を含み得る。
【0065】
電池内のセルの数は、電圧及びプレートのサイズを決定し、且つ、対応する活物質及び電解質量がアンペア数を決定している。
【0066】
組み立てられたセル積層体の融合は、セル積層体の組立の後にセルを密封状態において封止するように抵抗性インプラントプロセスを使用して十分に加熱されるプレートサラウンドの舌又は溝内において埋め込まれたワイヤフィラメントを使用して実現されている。本発明の実施形態においては、これが、有利には、構造の絶対的な封止及び剛性を有する完全なセルの完全性を提供している。
【0067】
セル積層体は、それぞれ、必要とされているアンペア数又は電圧のレベルを提供するように並列又は直列において接続され得るモジュールとして組み立てることができる。モジュールは、インターロッキング端子接続によって接続することができる。インターロッキング端子は、隣接するモジュールとのアライメントに依存した並列又は直列接続を可能にすることになる。
【0068】
モジュールは、電流転送を効率的に最適化するためにそれぞれのエンドプレート内に内蔵された電流コレクタプレートを有することになる。電流コレクタプレートは、アルミニウム、銅、亜鉛、鋼、真鍮、青銅、チタニウムを含む一次及び互換金属、又は2つ以上の金属の複合合金又はバイプレート、或いは、その他の剛性物質を有し得る。エンドプレートの目的は、モジュール内のエンドプレートに剛性を追加するというものとなる。
【0069】
電流コレクタプレートは、はんだ付け、伝導性接着、レーザー溶接、誘導溶接、又は材料にとって適切なその他の接合方法により、エンドプレートの金属性表面に接合されることになる。
【0070】
例1
【0071】
図1図5は、以下において更に詳細に説明することになる本発明の特定の一実施形態を示している。図3は、実施形態による電池1のセル積層体構成の「分解」断面である。図4は、図3の一部分の拡大図である。電池1は、2つの非伝導性エンドプレート10の間において挟持された伝導性ポリマープレートの積層体を有し、これを通じて電池端子20が提供されている。積層体の一端には、カソードモノポーラプレート6が存在し、且つ、反対側の端部には、アノードモノポーラプレート8が存在している。モノポーラプレート6、8の間のプレートは、両側においてアノード及びカソードを提供しているバイポーラプレート9である。プレート6、8、9は、図4において最良に観察される舌及び溝機械封止構成26の使用により、その境界線において封止されている。この例においては、それぞれのバイポーラプレートのアノード側のサラウンドが「舌」部分を有し、且つ、それぞれのバイポーラプレートのカソード側のサラウンドが「溝」部分を有する。
【0072】
図1は、伝導性表面及び非伝導性サラウンド4を有する金属化されたポリマープレート2を示し、非伝導性サラウンド4は、積層体のバイポーラプレート9内に後から製造されている。バイポーラプレートの構築は、伝導性要素及び非伝導性エッジ/サラウンドを有するプレートが適切な熱可塑性ポリマーにおいて製造されることを可能にするモールドが構築されることを必要としている。鉛化学の例において、これは、ABSとなるように選択されている。非伝導性サラウンドの寸法は、電池のサイズ、並びに、これにより、プレートの伝導性部分のエリア、並びに、二次的には、セル積層体が外部電池ケーシングとして機能することを要するかどうか、或いは、それが更なるセキュリティのために更なるケーシングの内側にフィットすることを要するかどうか、により、決定されることになる。非伝導性サラウンドの通常の幅は、10mm~50mmの範囲となる。非伝導性サラウンドの全体的な厚さは、所与の電池仕様及び電池のサイズに必要とされる活物質の量との関係におけるものとなる。
【0073】
本実施形態による伝導性バイポーラプレートの特徴の1つは、特定の形状要件に対して電池を形成する能力にあり、これは、特定のフォームファクタ要件を充足するように、立方体、円筒形、球形、円錐形、又はその他の3D形状であってよい。
【0074】
プレートの寸法は、電池1のエネルギー及びパワーキャパシティ要件によって決定され、且つ、セル構築プロセスにおいて電解質によって充填された(後述する)AGM/ABSハニカム18を収容するために非対称な深さ寸法を有する。
【0075】
この実施形態において、モールディングされたプレートは、プレートの望ましい伝導性を保証するために、全体表面に跨って1mΩ~20mΩの、且つ、好ましくは10mΩ未満の、且つ、更に好ましくは5mΩ未満の、範囲の抵抗値を示すことを要する。モールディングは、同一の熱可塑性ポリマーベース材料を使用することにより、統合されたリム/サラウンドを有するプレートを生成するように、2ショットプロセスを必要としている。このプロセスの一部として、誘導ワイヤ要素12(例えば、抵抗ワイヤ又はメッシュ要素)が、(図2に示されているように)プレートの非伝導性サラウンド4の舌内において埋め込まれている。このモールディングプロセスは、プレートの伝導性及び非伝導性部分が一体的なプレート構造を結果的に提供することを保証している。舌及び溝の直径は、プレートのサイズに依存して、2mm~10mmの範囲であり、且つ、最も多くの場合には、(この実施形態におけるケースと同様に)3mm~4mmの範囲である。
【0076】
プレートのポリマー材料は、伝導性フィラー要素を利用して提供された伝導性コア22を有する。これは、長ファイバ及びABSペレット溶解ブレンド及び混合プロセスが(その内容が引用によって本明細書に包含される米国特許出願公開第2012/0321836A1号明細書(Integral Technologies、2012)において記述されているように)鉛化学環境において適用されるようにプレートに跨って一貫性のある伝導性を実現するために使用されているというものであってもよい。
【0077】
図4は、鉛化学用途において充電の際に圧力逃がしを提供するためにそれぞれのセルの非伝導性サラウンド4に内蔵されたガス圧力逃がし弁24の提供を示している。充電プロセスにおいて相対的に乏しいガス又は蒸気を生成する(又は、ガス又は蒸気をまったく生成しない)その他の化学においては、この弁メカニズムは、省略することができる。鉛化学用途である本実施形態においては、圧力逃がし弁の追加のためのアパーチャは、最適なセル圧力を維持するために、0.5psi~8psiの、又は最も好ましくは1~4psiの、既定の圧力設定を有する制御された状態下において直接的に電解質からの充電によって誘発された水素及び酸素ガスの離脱を許容するように、非対称プレートの非伝導性サラウンドのカソード側において収容されている。
【0078】
充電プロセスの一部分としてガス又は蒸気を示す化学においては、セル弁は、全体的なセル内圧力を等化するように、(図3及び図4において示されているように)プレナムチャンバ30内に排気している。そして、プレナムチャンバ30は、全体的な電池ガス又は蒸気圧力を制御するための単一のチャンバ圧力逃がし弁32を有する。2ショットモールディングプロセスの後に、プレートは、(図1に示されている形態の金属化されたポリマープレート2を形成するために)1つ又は複数の微量元素を含みうる金属フォイル14、電着された金属、又はその他の材料の適用を伴う金属化プロセスを必要としている。フォイルの組成は、電池システムの化学に依存していてもよく、且つ、本実施形態の鉛バイポーラ電池1の場合には、適切な微量のすず、カルシウム、アンチモニー、又はセレニウム、或いは、これらの混合物を含む鉛合金となるように選択されている。その他の電池化学のケースにおいては、微量の金属又は非金属微量元素の適用と共に、化学によって必要とされるように、代替金属/合金が使用されている。
【0079】
金属被覆は、非伝導性サラウンド4の領域内においてプレートのカソード及びアノード側の両方の伝導性プレート表面に対して一貫性を有する状態において適用されている。金属化の厚さは、エネルギー要件及びプレートの寸法の一部分として決定されており、且つ、通常、その厚さは、20~1000ミクロン、好ましくは50~500ミクロン、最も好ましくは100~250ミクロンである。
【0080】
金属化の適用は、表面レーザー溶接、音波溶接、インパルス溶接、超音波溶接、高周波溶接のプロセス、或いは、全体表面に跨って金属表面材料を一貫性を有する状態において装着し、これにより、バイポーラプレート内において伝導性要素との間において強力な電気接続を形成し、これにより、プレートを通じて電気接続経路を形成し、これにより、全体プレート表面に跨って一貫性を有する且つ均一な接続性を提供するその他のプロセスを使用して実行することができる。伝導性プレートの表面は、プレートに跨って電気的均一性を改善するために且つ相対的に良好な接着及び伝導性を保証するために、事前粗化してもよく又は隆起/格子状にすることもできる。
【0081】
金属化されたプレートは、活物質がカソード表面に適用されることを必要としており、且つ、鉛化学のケースにおいては、二酸化鉛が鉛カソードプレート表面に適用されており、これについては、図3及び図4のカソード材料層16を参照されたい。その他の電池化学のケースにおいては、代替活物質が使用されることになる。同様に、アノード材料(例えば、鉛)も、アノード層28を形成するように、プレートの反対面上において堆積されている。
【0082】
活物質の量及び厚さは、アンペア時間におけるセルの全体的なエネルギー要件及び望ましい電圧によって決定されるプレートの量に従ってプレート寸法設計から判定されている。
【0083】
鉛化学のケースにおいて、活物質は、接着及び均質な一貫性を保証するために、材料の「オーブン硬化」を含むプロセスにおいてペーストとして適用されている。
【0084】
また、活物質ペーストは、硬化、形成、及び充電/放電の際のクラッキングを防止するために接着可塑剤を含み得る。また、活物質は、電着、噴霧、3D印刷、或いは、化学、用途、又はプレート設計に応じたその他の受け入れられている方法により、適用することができる。
【0085】
鉛化学のケースにおいて、硬化プロセスは、通常、50℃~80℃の、且つ、一般的には50℃~55℃の、温度範囲において、24時間~72時間の範囲である。
【0086】
この例(即ち、鉛化学)において使用されている電池1の電解質は、図5に示されているように、吸収ガラスマット(AGM)181の外側層と電解質不透過性ABSハニカム182の内側コアによって形成された複合サンドイッチ18内において収容されている。ABSハニカムは、充電及び放電の際の電流の自由フロー、ガス処理、及び電解質循環を許容しつつ、電解質を保持する能力を有する(但し、その他の電解質レセプタクル材料複合体も使用され得るであろう)。硬化されたら、活物質を有する金属化されたプレートは、AGM/ABSハニカムサンドイッチ18を受け入れるように個々にアライメントされている。電解質が充填された複合体18は、それぞれのプレートの相対的に深い非対称な皿化されたカソード表面によって形成された皿19内に配置されている。この実施形態の設計は、弁制御された圧力蓄積の際の可能なプレートの曲がりに対する制約を提供しつつ、放電の際に示される化学的プロセスからの活物質の膨張を許容するための柔軟性を提供している。鉛化学のケースにおいては、ガスは、充電フェーズにおける水素及び酸素となる。
【0087】
図5は、電解質を保持するAGM及びABSハニカムサンドイッチの断面を図式的に示している。AGM/ハニカムサンドイッチの厚さは、バイポーラプレート表面に適用された活物質の量に依存した状態において選択されているが、通常は1~20mmの、好ましくは1~10mmの、更に好ましくは2~8mmの範囲となる。また、AGM/ABSハニカムのサイズ及び厚さは、セルの設計及びエネルギー要件に依存した状態において選択されており、この場合に、ABSハニカム又はその他の均等物の相対的厚さは、セル内において必要とされている電解質の量と関係付けられている。ABSハニカムは、電解質及びガスの運動を許容しつつ、剛性を増大させ得る。ABSハニカムの気孔率と、従って、孔寸法とは、エネルギー及びパワー要件に基づいて必要とされている電解質の伝導性及び剛性から判定されることになる。
【0088】
鉛化学において、硫酸(HSO)の百分率は、望ましい仕様に応じて、64%~62%の蒸留水に対する36%~38%の酸という範囲である。その他の化学の場合には、電解質は、所与の化学に依存した電解質の濃度を有する水性又は非水性媒体内におけるその他の酸又は非酸性活物質を有し得る。
【0089】
本実施形態は、電解質が充填されたAGM/ABSハニカムの用途に関し、この場合に、前記組立体は、正確な量及び組成の電解質を有するプレートから離れるように構築されており、且つ、鉛化学のケースにおいては、これは、組立の容易性及びプレートサラウンドの電解質汚染の防止のために、凍結乾燥されている。鉛化学の例における凍結乾燥用の温度範囲は、-50℃~-70℃の範囲であり、これにより、電解質添加剤が正常な使用法において凍結することを防止することを許容している。液体に基づいた電解質を使用したその他の化学は、使用されている電解質及び添加剤に適した異なる凍結乾燥温度を採用することになる。プレートから離れるような構築及び凍結は、有利には、正確な電解質組成及びセルの均一な充填という問題を克服している。また、これは、電解質内におけるエアポケットの形成のリスクを低減することをも支援し得る。
【0090】
電池内において電解質を保持するためのAGM/ABS構造の使用に対する一代替肢として、電解質によるセルの真空充填を使用することができる。このような方法においては、それぞれの電池セルは、電解質の迅速な充填を可能にするために真空によって排気されることになり、これには、セル弁の場所を通じた最大で2kgf/cmの圧力下における電解質注入が後続している。この方法による充填は、60秒において実現することが可能であるが、最大電解質充填レベルを実現することができない。この充填方法における問題点は、充填プロセスの最終時点まで高い圧力が維持されており、この場合には、空気が逃避できないことから、小さなボイドが充填されず、これにより、電池の最終的な充電の品質が影響を受け得るという点にある。但し、交互に変化する真空及び充填のパルスを通じて、空気をセルから十分に抽出することが可能であり、且つ、完全な電解質飽和を実現することができる。
【0091】
プレート、フィラメント、活物質、及びABSハニカムを含む電池セル全体の製造の際には、3D印刷又はその他の受け入れられている堆積が使用されてもよく、更には、このケースにおいては、電解質は、上述の真空充填プロセスを使用して導入することができる。
【0092】
鉛化学の例においては、組立の際に、凍結乾燥された電解質/AGM/ABSハニカムサンドイッチは、プレート9のカソード面上に形成された皿19内において配置されている。皿の深さは、図3及び図4に示されているように、前記電解質サンドイッチ18がプレートの皿化されたリムの上方に突出することを保証するように選択されている。突出の範囲は、積層体が圧縮されたら望ましい程度のAGMの圧縮を提供するように、セルの電解質サイズ及び化学に応じて1mm~3mmであってよい。
【0093】
鉛に基づいた化学の例の場合には、個々のハーフセルとしての組立の際に、複合サンドイッチ内の凍結乾燥された水性希釈済みHSOの電解質は、図3及び図4に示されているように、舌及び溝サラウンドが2つのセルの結合の境界線全体の周りにおいて均一に係合するための十分な圧力を伴って類似のハーフセルへの組立に導入される前に、マイクロ波放射、赤外線、又はその他の再加熱プロセスを使用した制御された熱の印加を通じて周辺温度に戻されている。
【0094】
後述するように、セルを密閉状態において封止するために、プレートの境界線の内側の舌突出内において埋め込まれている抵抗性ワイヤ12を加熱することにより、抵抗インプラント溶接が使用されている。ワイヤの加熱は、磁気誘導又はAC又はDC抵抗加熱を利用して実行することができる。
【0095】
最終的な組立の際に、且つ、セルが組み立てられたら、但し、外部圧力下にある状態において、一定の温度において抵抗ワイヤ又は伝導性要素を通過している高電流を通じて熱が生成されている。抵抗材料は、抵抗損失に起因して加熱し、これにより、取り囲んでいるプラスチックを軟化させる。セルのサブ組立体内における境界線舌及び溝係合の圧力は、結合部が溶解することを引き起こし、且つ、冷却の際に、溶接部が形成されている。セル積層体組立体は、溶解した境界線結合部が周辺温度に冷却され、これにより、密閉封止を生成する時点まで、外部圧力下において留まっている。
【0096】
溶接は、一定の温度におけるものであり、且つ、溶接プロセスを監視するために且つ必要に応じて電流及び電圧を調節するために、熱電対が使用されている。一定の温度プロセスの使用は、相対的に大きな熱均一性を提供している。
【0097】
電池プレートに使用される金属抵抗ワイヤインプラント又は伝導性プラスチック要素は、使用されているプラスチックの組成に従って変化することになり、且つ、ワイヤが使用されている場合には、これは、銅、タングステン、鉛、又はニッケルフィラメントを含むことになり、この場合に、直径は、プレートのサイズに応じて0.2mm~5mmの範囲である。いくつかのインスタンスにおいて、複数のワイヤフィラメント又はメッシュインプラントは、プレートサイズ、形状、及び化学に応じて適用されることになる。
【0098】
抵抗フィラメントプロセスには、プレートのモールディングの際に外部的に非伝導性のサラウンド内において伝導性プラスチックのフィラメントを事実上形成するための伝導性プラスチックの堆積又は3D印刷が含まれている。
【0099】
この実施形態の使用と共に実行されているプレートの溶接には、相対的に滑らかな内側表面及び溶接ゾーンを含むいくつかの利点が存在しており、抵抗ワイヤ又はメッシュフィラメントは、損傷から保護されており、且つ、溶接プロセスにおける制御された熱伝達が、溶接エリアの全体内において一定の温度を生成している。材料の熱損傷が存在しておらず、且つ、完全なセル完全性のために、プレート結合の境界線全体の周りにおいてボイドを有していない溶接ゾーンが形成されている。リサイクルの際には、プレートを分離するために同一のプロセスを使用することができる。
【0100】
密閉封止のプロセスを完了させるためのセルの溶接のその他の任意選択の方法は、音波溶接及びレーザー溶接を含み、且つ、化学に応じて、プレートのサイズ及びその他のファクタがセルの閉鎖及び封止の方法に影響を及ぼし得る。
【0101】
電池1の組立プロセスは、皿化された設計の下部金属化プレート8が、アノード面上において活物質及び電解質/AGM/ABSハニカムサンドイッチ又はその他の等価な材料を受け入れ、且つ、プレート(即ち、カソード面を有していないモノポーラプレート)の逆の面上において金属化のみを受け入れることにより、開始している。
【0102】
この下部プレート8に対して、セル積層体を形成するために舌及び溝特徴を通じてそれぞれが他方に堅固に結合された状態において、完成したハーフセル組立体が水平方向プレーン内のプレートと共に追加されており、この結果、組立体構築の完全な完全性が保証されている。積層体に追加されるそれぞれのプレート9内において、皿19は、電解質がその隣接部分に対するプレートの結合の前に定位置において保持されることを保証している。望ましい電圧がプレートの数を決定しており、この場合に、最後の活性プレートは、上部プレート6(カソードモノポーラプレート)である。カソードモノポーラプレート6は、上部面上の溶接されたフォイルを有する金属化されたプレートを有し、これは、図3に示されているように、端子20用の電極接点と、下部面に対する活物質のカソード被覆16と、を含む。
【0103】
圧力下において、エンドプレート10を有する上部プレート組立体は、舌及び溝メカニズムを有するセルの水平方向において位置決めされた組立体内において、上部カソードモノポーラプレート6である最も上部の中間プレートに結合されており、これにより、セル積層体が、プレート結合部の抵抗インプラント溶接の前に、一次組立プロセスにおいて封止されることを保証している。本実施形態は、一貫性を有する状態において高いレベルの封止を保証し、これにより、従来技術の抵抗インプラント溶接の潜在的なプロセス崩壊を低減している。
【0104】
電池セル積層体が組み立てられたら、これは、抵抗インプラント溶接が完了し且つ電池1が電池形成のプロセスに進入する前に、伝導性の適合性を保証するように試験されている。本実施形態において使用されているプロセスにおける形成は、手動的プロセスよりも高い効率を有する自動化された電源を使用している。自動化の利益は、増大した相対的に良好なセルパワー特性、製造生産性、製造費用の低減、及び天然資源の相対的に小さな消費量を含む。自動化された機器は、内部回路スイッチのコントローラを内蔵しており、この場合に、電流は、一定の出力電圧を維持するためにターンオン及びオフしており、即ち、安定した電流のソースが得られている。これらの装置は、アナログ機器において使用される際よりも正確に電流値及び印加時間の選択を許容するソフトウェアによって制御されている。
【0105】
このプロセスは、セルを密封状態において封止するために抵抗誘導プロセスが発生する前に、組み立てられた電池セル積層体と共に、且つ、圧力下において、実施されている。鉛化学の例における形成は、電解質と活物質の間の化学反応の開始を保証するために、充電を有していない周辺温度における初期期間を伴って、10時間~72時間の範囲を取り得る。その他の化学の場合には、異なる形成時間を適用することができる。
【0106】
図6には、本発明の別の実施形態によるバイポーラ電池41の一部分が概略的に示されている。バイポーラ電池41は、本発明の第1実施形態によるバイポーラ電池1を形成するために使用されているバイポーラプレートに類似したバイポーラプレートの積層体から構築されている。従って、本発明の第2実施形態によるバイポーラ電池41が、本発明の第1実施形態によるバイポーラ電池1内に存在している特徴を有している場合には、それらの特徴には、「4」という接頭文字を伴って、同一の参照符号が割り当てられている。例えば、本発明の第1実施形態によるバイポーラ電池1は、プレート9を有する一方で、本発明の第2実施形態によるバイポーラ電池41は、プレート49を有する。
【0107】
図6は、2つのバイポーラプレート49の積層体を示しており、この場合に、そのそれぞれは、電解質収容ハニカム層418がその間に配置された状態において、アノード428及びカソード416を反対面上において提供している。バイポーラプレート49は、それぞれ、その非伝導性サラウンド44内において形成されたガス排気システム50を有する。ガス排気システム50は、バイポーラプレート49の内部電解質収容領域60と外部電解質収容リザーバ54の間における流体連通を可能にする非伝導性サラウンド44内において提供されたコンジット52を有する。コンジット52は、このケースにおいては約1ミリメートルである小さな内径を有し、これは、電解質収容領域60からリザーバ54内への電解質のフローを妨げるように寸法設定されている。リザーバ54は、非伝導性サラウンド44の一面によって形成されたベース541と、非伝導性サラウンド44のその面から突出した反対側壁542と、を有する。電池の充電の際に生成されたガス放出がプレナムチャンバ430内に逃避することを許容しつつ、リザーバ54内の電解質を保持するように、ガス透過性メンブレイン55がリザーバ54の壁542の間において提供されている。観察され得るように、図5に示されているプレート49の両方のもののガス排気システム50は、プレート49の電解質収容領域60の内側の圧力が等化されるように、ガスをプレナムチャンバ430内に排気している。プレナムチャンバには、プレナムチャンバ430が過圧されないことを保証するために、少なくとも1つの圧力逃がし弁432が提供されている。存在しているバイポーラプレートの数よりも少ない数の圧力逃がし弁が存在し得る。図6には、2つの圧力逃がし弁が示されている。
【0108】
例2
【0109】
以下、図7を参照し、本発明の一実施形態によるバイポーラ電池内において使用されるバイポーラプレート500を製造する方法について説明する。約1ミリメートルの厚さを有する伝導性ポリマープレート505を形成するために、ABSペレットとすずによって被覆された炭素ファイバの混合物501が押出機503内に投入され、且つ、押し出されている。伝導性ポリマープレート505の厚さは、押出機503のカレンダリングローラー504を介して制御されている。いくつかの実施形態において、押出機は、プレートを冷却するための冷却システムを有し得る。伝導性ポリマープレート505が押出機503を離脱するのに伴って、伝導性ポリマープレート505の両方の反対側の表面507、508は、レーザーエッチング処理510を経験している。レーザーエッチングのステップは、すずによって被覆された炭素ファイバが伝導性ポリマープレート505の表面上において露出することを保証するために、伝導性ポリマープレート505の外側表面層の約5マイクロメートルを除去している。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態において、押出機503は、バイポーラプレートの伝導性ポリマーコアが波形を有するように、図8に概略的に示されているものなどの波形を有する伝導性ポリマープレート605を押し出すように構成することができる。波形を有する伝導性ポリマーコアは、増大した表面エリアを提供するのみならず、増大した剛性をもバイポーラプレートに提供することができる。
【0111】
次いで、伝導性ポリマープレート505は、図9に示されている金属化プロセスを経験している。伝導性ポリマープレート505は、まず、伝導性ポリマープレート505の両方の面上において約30マイクロメートルの厚さを有する鉛の電気めっき層701を提供するために、電気めっきプロセス700を経験している。
【0112】
このケースにおいて、伝導性ポリマーコアのカソード側518は、カソード側518における金属層の厚さが低温噴霧プロセス702を使用して増大されるように、アノード側519よりも厚い金属化層を必要としている。伝導性ポリマープレート505のカソード側518において鉛の電気めっき層701上において120マイクロメートルの厚さを有する鉛/鉛合金の低温噴霧層707を堆積させるために、ガス及び鉛/鉛合金パウダの加圧されたジェット705がノズルを通じて噴出されている。これは、伝導性ポリマープレート505のカソード側518において150マイクロメートルの合計厚さを有する金属化層を提供している。
【0113】
次いで、金属化された伝導性ポリマープレート505は、裁断機を使用することにより、約300×300の寸法を有する個々の伝導性ポリマーコア512として切断されている511。
【0114】
次いで、伝導性ポリマーコア512は、インジェクションモールディング装置514に供給されており、ここで、伝導性ポリマーコア512は、純粋なABSから製造されたインジェクションモールディングされた非伝導性ポリマーサラウンド516を有する伝導性ポリマーコア512を提供するように、オーバーモールディングされている。本発明のその他の実施形態においては、その他のポリマーを使用することができると共に/又は、ポリマーは、難燃剤、フィラー、及び非伝導性補強ファイバ517などの添加剤を含むことができる。従って、この製造技法は、二重モールディングされた伝導性ポリマーコア及び一体的に形成された非伝導性ポリマーサラウンドを製造する方法に対する一代替肢を提供している。
【0115】
本発明の更なる実施形態については、以下の順序付けされた条項を使用することにより、記述されている。
【0116】
条項A:一連の密封状態において封止されたセルとして形成された類似の熱可塑性組成の非伝導性サラウンドを有する伝導性ポリマー材料のプレートを利用することにより、バイポーラ電池アーキテクチャと関連する従来の問題点を除去した、複数の化学及び任意の3Dフォームファクタにおいて使用され得る大量生産可能なバイポーラ電池。金属化された表面が、金属化された表面に対して接合された活物質を有する伝導性プレートの表の面及び裏の面に提供され、これにより、表には、アノードが生成され、且つ、裏には、カソードが生成され、この場合に、電解質溶液がそれぞれのセル内において収容されている。任意選択により、これは、前記セルを生成するために、プレートの境界線においてインターロッキング舌及び溝構成を通じて封止された活物質の間において挟持されており、且つ、これらは、電池積層体を形成するように複数の層内において構成されている。任意選択により、これに加えて、圧力逃がし弁が、それぞれのプレートのカソード側に隣接した状態において非伝導性リム内の単一の上向きに位置決めされたアパーチャに内蔵されている。任意選択により、モノポーラエンドプレートは、金属化された状態において、但し、1つの端部プレートに対する活性アノード材料及び他方のエンドプレートに対する活性カソード材料を伴って、非伝導性サラウンドを有する同一の伝導性ポリマープレートを有する。任意選択により、両方のモノポーラ端子プレートは、内蔵された端子を有する非伝導性エンドプレートを内蔵しており、この場合に、この構成は、全体として、剛性ポリマー電池ケーシング内において収容されている。
【0117】
条項B:条項Aによる物品であって、この場合に、バイポーラ及びモノポーラプレートは、所与の電解質に対して耐性を有する且つセル動作温度を許容する判定された一連のポリマーの任意のものを使用して構築されており、これには、これらのポリマーが、その伝導性表面内の任意のポイントにおいてプレートを通じて均一な伝導性を提供するように、伝導性プレート内において混合された所与の導電性フィラメントを使用して構成されていることが含まれている。
【0118】
条項C:条項Bによる物品であって、これによれば、ポリマー及び伝導性要素は、異なる温度及び電解質対腐食特性を有する一連の熱可塑性ポリマーと、技術が任意の電池化学に適用されることを可能にする伝導性フィラメントの選択肢と、から製造することができる。
【0119】
条項D:条項A~Cの任意のものによる物品であって、この場合に、バイポーラ及びモノポーラプレートは、伝導性要素を有する所与のポリマー及び伝導性要素を有していない同一のポリマーを使用して2ショットプロセスにおいてモールディングされ、これにより、プレートが、所与のプレートに対して一体的である非伝導性サラウンドを有することが保証されている。
【0120】
条項E:条項Dに対する代替肢としての物品であって、この場合に、バイポーラ及びモノポーラプレートは、押出しプロセスを通じてモールディングされ、且つ、非伝導性サラウンドは、別個のオーバーモールディングプロセスとして追加されている。
【0121】
条項F:条項A~Cの任意のものによる物品であって、これによれば、バイポーラ及びモノポーラプレートは、望ましいレベルのプレート伝導性を保証するための正しい深さ及びアライメントを実現するために、伝導性フィラメントの3D印刷と、溶解した熱可塑性ポリマーによる前記フィラメントの後続のフラッディングと、によって構築されている。これには、任意選択により、モノポーラ又はバイポーラプレート寸法を完成させるために類似の熱可塑性ポリマーにおいてサラウンドが追加されている。
【0122】
条項G:条項D及びEによる物品であって、この場合に、セル積層体として組み立てられた際にそれぞれのプレートに対する非伝導性サラウンドを形成しているサラウンドは、バイポーラ及びモノポーラプレートが抵抗インプラント溶接を通じて溶解された際に外部電池ケースとなっている。
【0123】
条項H:条項A~Gの任意のものによる物品であって、この場合に、バイポーラ及びモノポーラプレートは、純粋であり得る又は微量元素を含み得る又は合金であり得る任意の金属性物質によって金属化されており、且つ、金属化プロセスは、プレートの伝導性態様のポリマー表面を溶解させ、これにより、伝導性要素を露出させ、且つ、伝導性要素と金属化材料の間において均一な電子的フュージングを生成する任意の形態の溶接を有し、この場合に、これは、それぞれのバイポーラ及びモノポーラプレートの表及び裏に均一に適用されている。
【0124】
条項I:条項D及びEによる物品であって、この場合に、それぞれのバイポーラプレートに対する非伝導性サラウンドは、舌及び溝構成を有するようにモールディングされ、これにより、それぞれのプレートは、圧力によって組み立てられたセルが漏洩を伴うことなしに1つに堅固にフィットするように、プレートのカソード側における対応する境界線溝と共に、プレートのアノード側における境界線舌を有する。任意選択により、モノポーラプレートは、プレートの上部及び下部リムの両方に対して下部組立体プレートに対する舌構成を有し、且つ、上部組立体モノポーラプレートは、上部リムに対する3mmの舌構成と、下部リムに対する3mm溝と、を有する。任意選択により、舌及び溝の直径は、全体的なプレート設計に応じて、2mm~10mmの範囲であるが、理想的には、3mm~4mmの範囲である。
【0125】
条項J:条項Iによる物品であって、それぞれのバイポーラ及びモノポーラプレート内の舌は、舌及び溝が組立の際に完全に係合したら、ワイヤ要素が約5秒~20秒にわたって加熱されることを可能にし、これにより、それぞれのセルインターフェイスの境界線結合全体の周りにおいて舌及び溝結合部を完全に抵抗インプラント溶接する外部電極を有する周囲全体用の内部に埋め込まれた電気ワイヤ又は伝導性メッシュ要素を有する。任意選択により、加熱時間は、舌の直径及びプレートの境界線全体の寸法に依存している。
【0126】
条項K:条項A~Jの任意のものによる物品であって、この場合に、組み立てられたセル積層体は、充電プロセスにおけるガス又は蒸気放出からのモノポーラプレートの歪を防止するために剛性熱可塑性ポリマーエンドプレート(例えば、図4の項目10を観察されたい)を内蔵しており、この場合に、エンドプレートは、境界線結合部の堅固な組立及び抵抗インプラント溶接を可能にする周囲全体にモールディングされた境界線溝を有する。任意選択により、エンドプレートの厚さは、電池寸法に応じて、10mm~50mmの範囲である。
【0127】
条項L:条項Jによる物品であって、この場合に、剛性ポリマーエンドプレートは、隣接するモノポーラプレートへの端子の電気接続をプレートを通じて許容するように構築されており(項目20というラベルが付与された図4の端子を参照されたい)、且つ、この接続は、伝導性ポリマーを有する。
【0128】
条項M:条項A~Lの任意のものによる物品であって、この場合に、電解質は、活性ガラスマッティング(AGM)及びポリマーハニカムのコアの複合サンドイッチ内において収容されている(図4、項目18を参照されたい)。任意選択により、鉛化学の例においては、ABSポリマーは、ハニカムのために使用されている。任意選択により、この複合体の厚さは、電解質容積及びプレートと同一のポリマー材料に依存し、これにより、充電プロセスの一部分としての水素及び酸素ガス問題の際のプレート歪に対する制限を提供しており、この場合に、ハニカムポア寸法は、例えば、電解質粘度に依存して、100~2000ミクロン、好ましくは300~1500ミクロン、更に好ましくは500~1000ミクロンである。
【0129】
条項N:条項Mによる物品であって、この場合に、AGM及びABSハニカムの複合サンドイッチは、所与の濃度における所定量の電解質によって飽和し、且つ、これは、プレートサラウンドの汚染を伴うことなしにセルの組立を処理するためのプロセスとして、且つ、赤外線又はマイクロ波再加熱を通じて周辺温度に戻ったプレート内に組み付けられたら、電解質の凝固点未満の温度に凍結乾燥されている。
【0130】
条項O:条項Mによる物品であって、この場合に、AGM及びABSハニカムの複合サンドイッチは、パルス真空充填の方法を通じて所与の濃度における所定量の電解質によって飽和し、これにより、電解質は、逆止アパーチャを通じてセル内に引き込まれ、且つ、空気は、交互に変化する真空パルスを使用して真空によって同一のアパーチャを通じ抽出されている。
【0131】
条項P:条項A~Oの任意のものによる物品であって、この場合に、バイポーラ電池は、相対的に大きなコンテナ内において収容されており、これにより、電池が自身が置き換わる相対的に大きな電池の空間にフィットすることを可能にしている。任意選択により、前記コンテナ構造は、熱可塑性ポリマー、金属、或いは、電池サイズ、形状、又は化学によって判定されるその他の材料を有することになり、且つ、このコンテナは、マウントへの取り付けのための端子フィッティング、配線、及び固定ハウジングを含み、この場合に、封止は任意選択である。
【0132】
条項Q:物品であって、
(a)非伝導性プレートサラウンドを内蔵する電解質不活性導電性ポリマーからモールディングされた1つ又は複数のプレートのバイポーラ電池セル積層体の構築であって、この場合に、それぞれのプレートの伝導性エリアは、金属化され、且つ、それぞれの電解質対向プレーンに対して活物質によって被覆されており、
(b)それぞれのモノポーラ及びバイポーラプレートは、プレートが堅固に結合されるための境界線舌及び溝設計を有し、
(c)それぞれのプレートの境界線舌は、組み立てられた舌及び溝結合が安定した封止を提供するために抵抗インプラント溶接され得るように、境界線全体を通じて金属フィラメントを埋め込んでおり、
(d)それぞれのプレートの間には、セルの剛性を維持しつつ電解質を保持するためのAGM及びポリマーハニカムの複合体が位置しており、且つ、
(e)非伝導性エンドプレートは、エンドプレートの剛性を提供するためにモノポーラ端子プレートに抵抗インプラント溶接されている、
ことを有する。
【0133】
当然のことながら、本発明の一実施形態(或いは、上述の条項)との関係において記述されている特徴は、本発明のその他の態様に内蔵され得ることを理解されたい。
【0134】
以上、特定の実施形態を参照し、本発明について記述及び図示したが、当業者は、本発明が、本明細書において具体的に示されてはいない多くの異なる変形に適合していることを理解するであろう。
【0135】
活(アノード又はカソード)物質を追加する前のポリマープレートの金属化は、特にいずれの場合にもほとんどが鉛から構成され得るアノードとの関係においては、必須でなくてもよい。
【0136】
上記の説明において、既知の、明白な、又は予測可能な均等物を有する完全体又は要素が言及されている場合には、そのような均等物は、あたかも個別に記述されているかのように、本明細書において内蔵される。本発明の真の範囲を判定するには、任意のそのような均等物を包含するものと解釈することを要する条項を参照することを要する。また、読者は、好ましい、有利である、便利である、又はこれに類似したものとして記述されている本発明の完全体又は特徴は、任意選択であり、且つ、独立した条項の範囲を限定するものではないことを理解するであろう。更には、このような任意選択の完全体又は特徴は、本発明のいくつかの実施形態においては可能な利益を有する一方で、望ましくない場合があり、且つ、従って、その他の実施形態においては省略され得ることを理解されたい。
図1
図2
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図9
【国際調査報告】