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特表2024-505497センサ校正のためのターゲット位置合わせシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】センサ校正のためのターゲット位置合わせシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/007 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
G01M17/007 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544696
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 IB2022050776
(87)【国際公開番号】W WO2022162618
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】63/142,736
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520421444
【氏名又は名称】ビーピージー・セールス・アンド・テクノロジー・インヴェストメンツ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】BPG SALES AND TECHNOLOGY INVESTMENTS, LLC
【住所又は居所原語表記】975 Spaulding Ave., Suite C, Ada, Michigan 49301, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリーズ、ライアン・エム
(72)【発明者】
【氏名】コッター、ロバート・エフ
(72)【発明者】
【氏名】ディーター、ゲリー・エル
(72)【発明者】
【氏名】クンス、ディラン
(72)【発明者】
【氏名】ポッツ、ランドン
(72)【発明者】
【氏名】カバク、ジャック・エム
(57)【要約】
センサ(28、128a)の校正のために車両(22)にターゲット(26)を位置合わせするためのシステム及び方法は、車両(22)に対してターゲット調整スタンド(24、124)を位置決めすることを含み、ターゲットスタンドは、ベース(44、144)と、ターゲット(26)を支持するように構成された移動可能なターゲットマウント(58、158)とを有し、且つベース(44、144)に対してターゲットマウント(58、158)を選択的に移動させるように構成されたアクチュエータ(54、64、154)を含む。一対の距離ターゲット(25a、25b、125)及び距離センサ(30、130)は、ターゲットマウントの位置を調整するために、ターゲットスタンドから車両の両側までの、位置合わせされた距離ターゲットとセンサとの間の距離を測定する際に使用するように構成される。ターゲットマウントは、垂直軸を中心に回転するように構成されるタワー(48、148)上で垂直方向及び横方向に移動可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装備済み車両上のセンサの校正のために前記装備済み車両にターゲットを位置合わせするためのシステムであって、
ターゲット調整スタンドであって、ベースと、前記ターゲット調整スタンドに移動可能に取り付けられたターゲットマウントとを含み、前記ターゲットマウントは、ターゲットを支持するように構成され、前記ターゲット調整スタンドは、前記ベースに対して前記ターゲットマウントを選択的に移動させるように構成された複数のアクチュエータをさらに含む、ターゲット調整スタンドと、
一対の距離ターゲット及び一対の距離センサであって、前記距離センサ及び前記距離ターゲットは、位置合わせされた前記距離ターゲット及び前記距離センサのそれぞれのものの間の距離を測定する際に使用するように構成される、一対の距離ターゲット及び一対の距離センサと
を備え、
前記距離センサ及び前記距離ターゲットが、前記ターゲット調整スタンドから車両の両側までの距離を測定するように配置され、前記測定された距離が、前記ターゲットマウントの位置を調整するために使用される、システム。
【請求項2】
前記距離センサが、互いに離間されるように前記ターゲット調整スタンドに取り付けられ、前記距離ターゲットが前記車両の両側に位置決めされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ターゲット調整スタンドが、前記ターゲットマウントが移動可能に取り付けられる直立タワーを備え、前記複数のアクチュエータの1つが、前記タワーを前記ベースに対して選択的に回転させるためのヨーアクチュエータを備え、前記距離センサが、前記タワーと共に回転するように前記タワーに取り付けられる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記距離センサが、前記タワーから反対方向に外側に延びるアームに取り付けられる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記アームが、使用時の伸長位置と、格納された直立位置との間で選択的に位置決め可能であるように格納可能である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ターゲット調整スタンドから前記車両の両側までの前記距離が、前記ターゲットスタンドから前記車両の一対の対向する車輪組立体の両側までの距離を含み、前記距離ターゲットが、車両の対向する車輪組立体に位置決めするように構成された一対の車輪ターゲットを備え、それぞれの前記車輪ターゲットが、前記距離センサのそれぞれのものが向けられるパネルを備える、請求項2~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記車輪ターゲットが、前記車輪組立体に隣接して床面上に配置するためのフレームを備え、それぞれの前記車輪ターゲットが、前記車輪ターゲットをそれぞれの車輪組立体と位置合わせするための投光器を備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記車輪ターゲットが、前記車輪組立体に固定するための車輪クランプを備え、前記車輪クランプが前記車輪組立体に固定されるとき、前記車輪ターゲットの前記パネルが前記車輪組立体に対して垂直に向けられる、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
ディスプレイを有するコンピュータをさらに備え、前記コンピュータが、位置合わせされた前記距離ターゲット及び前記距離センサのそれぞれのものの間の、前記ターゲット調整スタンドから前記車両の両側までの測定された距離を表示するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記アクチュエータの1つが、前記ターゲットマウントを選択的に垂直方向に移動させるための垂直アクチュエータを備え、及び前記アクチュエータの別のものが、前記ターゲットマウントを、垂直軸を中心に選択的に回転させるためのヨーアクチュエータを備え、前記ヨーアクチュエータ及び/又は前記垂直アクチュエータが、前記コンピュータに表示された測定された距離に基づいて、前記ターゲットマウントの前記位置を調整するためにオペレータによって作動されるように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ターゲット調整スタンドが、前記ターゲットマウントの垂直位置を測定するための高さセンサをさらに備え、前記コンピュータが、前記高さセンサで測定された垂直位置の距離を表示するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ターゲットマウントが、指示線を投射するように構成された投光器を含み、前記ターゲットマウントが水平方向に移動可能であり、前記指示光が、前記ターゲットマウントを前記車両に対して横方向に位置決めする際に使用するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記ターゲット調整スタンドが、前記ターゲットマウントが移動可能に取り付けられるレールを含み、且つ前記レールが移動可能に取り付けられるタワーを含み、前記ターゲットマウントが前記レールに沿って横方向に移動可能であり、及び前記レールが前記タワーに沿って垂直方向に移動可能であり、前記タワーが前記ベースに回転可能に取り付けられ、それにより前記タワーが垂直軸を中心に回転するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記レールが、水平な使用時向きと垂直な保管向きとの間で回転可能である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ベースが、前記ターゲット調整スタンドを支持面上で移動させるための車輪を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記ターゲット調整スタンドが直立タワーを備え、前記タワーが、前記ベースに取り付けられた第1のタワー部材と、前記第1のタワー部材に取り付けられた垂直方向に移動可能な第2のタワー部材とを備え、前記ターゲットマウントが前記第2のタワー部材に移動可能に取り付けられる、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のタワー部材が、前記ベースに対して垂直軸を中心に回転移動するように取り付けられる、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記距離センサが、前記第1のタワー部材から反対方向に外側に延びるアームに取り付けられる、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記第2のタワー部材に取り付けられたレールをさらに備え、前記ターゲットマウントが、前記レール上で水平移動するように前記レールに移動可能に取り付けられ、前記ターゲットマウントがターゲット支持フレームを備え、前記ターゲット支持フレームが前記レールに取り付けられる、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記レールが保管のために垂直の向きに回転可能である、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記ターゲットマウントが、前記ターゲットマウントを前記車両に対して位置決めする際に使用するための指示線を投射するように構成された少なくとも1つの投光器を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記投光器が、前記ターゲットマウントを前記車両に対して横方向に位置決めする際に使用するための垂直指示線を投射するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記投光器が、前記ターゲットマウントを前記車両に対して垂直方向に位置決めする際に使用するための水平指示線を投射するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記ターゲット調整スタンドから前記車両の両側までの前記距離が、前記ターゲットスタンドから前記車両の一対の対向する車輪組立体の両側までの距離を含み、前記距離ターゲットが、車両の対向する車輪組立体に位置決めするように構成された一対の車輪ターゲットを備え、それぞれの前記車輪ターゲットが、前記距離センサのそれぞれのものが向けられるパネルを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項25】
前記車輪ターゲットが、前記車輪組立体に隣接して床面上に配置するためのフレームを備え、それぞれの前記車輪ターゲットが、前記車輪ターゲットをそれぞれの車輪組立体と位置合わせするための投光器を備える、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記車輪ターゲットが、前記車輪組立体に固定するための車輪クランプを備え、前記車輪クランプが前記車輪組立体に固定されるとき、前記車輪ターゲットの前記パネルが前記車輪組立体に対して垂直に向けられる、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
ディスプレイを有するコンピュータをさらに備え、前記コンピュータが、位置合わせされた前記距離ターゲット及び前記距離センサのそれぞれのものの間の、前記ターゲット調整スタンドから前記車両の両側までの測定された距離を表示するように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項28】
前記アクチュエータの1つが、前記ターゲットマウントを選択的に垂直方向に移動させるための垂直アクチュエータを備え、及び前記アクチュエータの別のものが、前記ターゲットマウントを、垂直軸を中心に選択的に回転させるためのヨーアクチュエータを備え、前記ヨーアクチュエータ及び/又は前記垂直アクチュエータが、前記コンピュータに表示された測定された距離に基づいて、前記ターゲットマウントの前記位置を調整するためにオペレータによって作動されるように構成される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記ターゲット調整スタンドが、前記ターゲットマウントの垂直位置を測定するための高さセンサをさらに備え、前記コンピュータが、前記高さセンサで測定された垂直位置の距離を表示するように構成される、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記ベースが、前記ターゲット調整スタンドを支持面上で移動させるための車輪を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項31】
装備済み車両上のセンサの校正のために前記装備済み車両にターゲットを位置合わせするためのシステムであって、
ターゲット調整スタンドであって、ベースと、前記ターゲット調整スタンドに移動可能に取り付けられたターゲットマウントとを含み、前記ターゲットマウントは、ターゲットを支持するように構成され、前記ターゲット調整スタンドは、前記ベースに対して前記ターゲットマウントを選択的に移動させるように構成された複数のアクチュエータをさらに含む、ターゲット調整スタンドと、
一対の距離ターゲット及び一対の距離センサであって、前記距離センサ及び前記距離ターゲットは、位置合わせされた前記距離ターゲット及び前記距離センサのそれぞれのものの間の距離を測定する際に使用するように構成される、一対の距離ターゲット及び一対の距離センサと
を備え、
前記距離センサ及び前記距離ターゲットが、前記ターゲット調整スタンドから車両の両側までの距離を測定するように配置され、前記測定された距離が、前記ターゲットマウントの位置を調整するために使用され、前記距離センサが、互いに離間されるように前記ターゲット調整スタンドに取り付けられ、前記距離ターゲットが前記車両の両側に位置決めされ、
前記ターゲット調整スタンドが、前記ターゲットマウントが移動可能に取り付けられる直立タワーを備え、前記複数のアクチュエータの1つが、前記タワーを前記ベースに対して選択的に回転させるためのヨーアクチュエータを備え、前記距離センサが、前記タワーと共に回転するように前記タワーに取り付けられ、前記ターゲット調整スタンドから前記車両の両側までの前記距離が、前記ターゲットスタンドから前記車両の一対の対向する車輪組立体の両側までの距離を含み、前記距離ターゲットが、車両の対向する車輪組立体に位置決めするように構成された一対の車輪ターゲットを備え、それぞれの前記車輪ターゲットが、前記距離センサのそれぞれのものが向けられるパネルを備える、システム。
【請求項32】
ディスプレイを有するコンピュータをさらに含み、前記コンピュータが、位置合わせされた前記距離ターゲット及び前記距離センサのそれぞれのものの間の、前記ターゲット調整スタンドから前記車両の両側までの測定された距離を表示するように構成され、
前記アクチュエータの1つが、前記ターゲットマウントを選択的に垂直方向に移動させるための垂直アクチュエータを備え、及び前記アクチュエータの別のものが、前記ターゲットマウントを、垂直軸を中心に選択的に回転させるためのヨーアクチュエータを備え、前記ヨーアクチュエータ及び/又は前記垂直アクチュエータが、前記コンピュータに表示された測定された距離に基づいて、前記ターゲットマウントの前記位置を調整するためにオペレータによって作動されるように構成され、
前記ターゲット調整スタンドが、前記ターゲットマウントの垂直位置を測定するための高さセンサをさらに備え、前記コンピュータが、前記高さセンサで測定された垂直位置の距離を表示するように構成される、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記ターゲットマウントが、指示線を投射するように構成された投光器を含み、前記ターゲットマウントが水平方向及び垂直方向に移動可能であり、前記指示光が、前記ターゲットマウントを前記車両に対して横方向又は垂直方向に位置決めする際に使用するように構成される、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
装備済み車両上のセンサの校正のために前記装備済み車両にターゲットを位置合わせする方法であって、
ターゲット調整スタンドであって、ベースと、前記ターゲット調整スタンドに移動可能に取り付けられたターゲットマウントとを有するターゲット調整スタンドを、前記ターゲット調整スタンドと一対の距離ターゲットとの間の距離を測定しながら、前記車両に対して移動させることと、
前記ターゲット調整スタンドと前記距離ターゲットとの間の距離を測定しながら、前記ターゲットマウントを前記ベースに対して回転させることと、
校正ターゲットを前記ターゲットマウントに配置することと、
必要に応じて、前記ターゲットマウントを垂直方向に移動させることと、
必要に応じて、前記ターゲットマウントを前記ベースに対して横方向に移動させて、前記ターゲットマウントを前記車両に対してセンタリングすることと
を含み、
前記ターゲット調整スタンドが、前記ターゲットマウントが移動可能に取り付けられるタワーを含み、前記ターゲットマウントが前記タワー上で垂直方向及び横方向に移動可能であり、前記タワーが前記ベースに回転可能に取り付けられ、それにより前記タワーが垂直軸を中心に回転するように構成される、方法。
【請求項35】
前記車両の前記センサが、前記車両のフロントガラスの内面又はその近傍に取り付けられたセンサを備える、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
請求項1~33のいずれか一項に記載のシステムを使用して、装備済み車両上のセンサの校正のために前記装備済み車両にターゲットを位置合わせする方法であって、
前記ターゲット調整スタンドと前記距離ターゲットとの間の距離を測定しながら、前記ターゲット調整スタンドを前記車両に対して移動させることと、
前記ターゲット調整スタンドと前記距離ターゲットとの間の距離を測定しながら、前記ターゲットマウントを前記ベースに対して回転させることと、
校正ターゲットを前記ターゲットマウントに配置することと、
必要に応じて、前記ターゲットマウントを垂直方向に移動させることと
を含む方法。
【請求項37】
前記車両上において及び前記車両に対して前記センサを校正するための校正ルーチンを実行することをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記車両の前記センサが、前記車両のフロントガラスの内面又はその近傍に取り付けられたセンサを備える、請求項36又は37に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月28日に提出された米国仮特許出願第63/142,736号明細書の優先権を主張するものであり、この特許出願は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、車両上のセンサ特に車両のフロントガラス上又はその近傍に取り付けられたセンサの校正のためにターゲットと車両とを互いに対して位置合わせするためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
センサの使用は、車両の先進運転支援システム(ADAS)などの多くの自動車安全システムにおいて重要である。従来のADASシステムは、例えば、車両のフロントガラス上又はその近傍などで車両のフロントガラスの後方に取り付けられている、前方を向いたカメラを含む1つ又は複数のセンサを利用する。これらのセンサは、車両の製造中に製造業者によって位置合わせ及び/又は校正され、それにより正確な運転支援機能を提供することができる。一方で、衝突などの災難によってなど、センサは、定期的に再位置合わせ又は再校正が必要になる場合がある。フロントガラスが割れるか又はひびが入った場合、フロントガラス上又はその近傍に取り付けられたセンサは、同様に、新しいフロントガラスに取り付ける際に再位置合わせ又は再校正が必要になることがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、車両のセンサの校正のために車両にターゲットを位置合わせするためのシステム及び方法、特に車両のフロントガラス上又はその近傍に取り付けられたセンサにターゲットを位置合わせするためのシステム及び方法を提供する。
【0005】
本発明の一態様によれば、装備済み車両のセンサの校正のために装備済み車両にターゲットを位置合わせするためのシステムは、ターゲット調整スタンドであって、ベースと、ターゲット調整スタンドに移動可能に取り付けられたターゲットマウントとを有するターゲット調整スタンドを含み、ターゲットマウントは、ターゲットを支持するように構成され、ターゲット調整スタンドは、ベースに対してターゲットマウントを選択的に移動させるように構成されたアクチュエータをさらに含む。システムは、一対の距離ターゲット及び一対の距離センサであって、位置合わせされた距離ターゲット及びセンサのそれぞれのものの間の距離を測定する際に使用するように構成された一対の距離ターゲット及び一対の距離センサをさらに含む。距離センサ及び距離ターゲットは、ターゲット調整スタンドから車両の両側までの距離を測定するように配置され、測定された距離は、ターゲットマウントの位置を調整するために使用される。特定の配置において、測定される距離は、ターゲットスタンドから車両の一対の対向する車輪組立体の両側までである。
【0006】
特定の実施形態によれば、距離ターゲットは、車両の対向する車輪組立体に位置決めするように構成された一対の車輪ターゲットを備え、及び距離センサは、互いに離間されるようにターゲット調整スタンドに取り付けられる。ターゲット調整スタンドの特定の配置は、ターゲットマウントが移動可能に取り付けられる直立タワーを含み、アクチュエータは、タワーをベースに対して選択的に回転させるためのヨーアクチュエータと、ターゲットマウントを垂直に移動させるための垂直アクチュエータとを含む。特定の配置において、ターゲットマウントは、タワー上で垂直方向及び横方向に移動可能であり、タワーは、垂直軸を中心に回転可能であるようにベースに回転可能に取り付けられる。
【0007】
特定の配置において、距離センサは、前記タワーから反対方向に外側に延びるアームに取り付けられる。このアームは、使用時の伸長位置と、保管のためなどの格納された直立位置との間で選択的に位置決め可能であるように格納可能であり得る。
【0008】
なおもさらに、距離ターゲットは、対向する車輪組立体に位置決めするように構成された一対の車輪ターゲットを備え得、それぞれの車輪ターゲットは、距離センサのそれぞれのものが向けられるパネルを備え得る。特定の実施形態において、車輪ターゲットは、車輪組立体と位置合わせするために車輪組立体に隣接して床面上に配置するためのフレームを備える。それぞれの車輪ターゲットは、車輪ターゲットをそれぞれの車輪組立体と位置合わせするための投光器を含み得る。代わりに、車輪ターゲットは、車輪組立体に固定するための車輪クランプを備え得、車輪クランプが車輪組立体に固定されるとき、パネルは、車輪組立体に対して垂直に向けられる。
【0009】
システムは、位置合わせされた距離ターゲット及びセンサのそれぞれのものの間の、ターゲット調整スタンドから車両の両側までの測定された距離を表示するように構成される、タブレットコンピュータなどのディスプレイを有するコンピュータをさらに含み得る。ヨー及び/又は垂直アクチュエータは、コンピュータに表示された測定された距離に基づいて、ターゲットマウントの位置を調整するために、1つ又は複数のスイッチを介してオペレータによって調整されるように構成される。ターゲット調整スタンドは、ターゲットマウントの垂直位置を測定するための高さセンサを含むこともでき、コンピュータは、高さセンサで測定された垂直位置の距離を表示するように構成される。センサは、測定された距離情報をコンピュータに無線送信し得る。
【0010】
さらなる態様において、ターゲットマウントは、指示線を投射するように構成された少なくとも1つの投光器を含み、ターゲットマウントは、水平方向及び/又は垂直方向に移動可能であり、指示光は、ターゲットマウントを車両に対して横方向及び/又は垂直方向に位置決めするために使用される。ターゲット調整スタンドのベースは、支持面上で移動するための車輪を含み得、且つ表面に対するベースの位置を固定するためのロックを含み得る。
【0011】
本発明のさらなる態様によれば、装備済み車両上のセンサの校正のために、ターゲット調整スタンド上に保持されたターゲットを装備済み車両に対して位置合わせする方法は、ターゲット調整スタンドと距離ターゲットとの間の距離を測定しながら、車両に対してターゲット調整スタンドを移動させることと、ターゲット調整スタンドと距離ターゲットとの間の距離を測定しながら、ターゲットマウントをベースに対して回転させることと、ターゲットマウントから車両上の中心に光を投射するなどして、必要に応じてターゲットマウントを横方向に移動させることにより、ターゲットマウントを車両に対してセンタリングすることと、校正ターゲットをターゲットマウントに配置することと、必要に応じて、ターゲットマウントを垂直方向に移動させることとを含む。
【0012】
次に、車両に対して車両センサを校正するために、車両のOEMサプライヤによって指定及び供給されるものなどの校正ルーチンを実行することができる。図示の実施形態において、車両のセンサは、車両のフロントガラスの内面に、内面において又は内面の近傍に取り付けられたセンサを備える。
【0013】
さらなる構成において、ターゲット調整スタンドは、ベースに取り付けられた第1のタワー部材と、第1のタワー部材に移動可能に取り付けられた第2のタワー部材とを有する直立タワーを備え、第2のタワー部材は、第1のタワー部材上で垂直方向に移動可能であり、ターゲットマウントは、第2のタワー部材に移動可能に取り付けられる。このような構成において、第1のタワー部材は、ベースに対して垂直軸を中心に回転移動するように取り付けられ得、距離センサは、第1のタワー部材から反対方向に外側に延びるアームに取り付けられ得る。なおもさらに、レールが第2のタワー部材に取り付けられ、ターゲットマウントは、レール上で水平方向に移動するようにレールに移動可能に取り付けられ、ターゲットマウントは、ターゲット支持フレームを備え、ターゲット支持フレームは、レールに取り付けられる。レールは、保管のために垂直方向に回転可能でもあり得る。
【0014】
実施形態のいずれかにおいて、ターゲットマウントは、ターゲットマウントを車両に対して位置決めする際に使用するための指示線を投射するように構成された少なくとも1つの投光器を含み得る。投光器は、ターゲットマウントを車両に対して横方向に位置決めする際に使用するための垂直指示線を投射するように構成され得るか、若しくはそれは、ターゲットマウントを車両に対して垂直方向に位置決めする際に使用するための水平指示線を投射するように構成され得るか、又は2つの別個の投光器を含めてその両方であり得る。
【0015】
本システムは、位置合わせされた距離ターゲット及び距離センサのそれぞれのものの間の、ターゲット調整スタンドから車両の両側までの測定された距離を表示するように構成されたディスプレイを有するコンピュータをさらに含み得る。システムは、ターゲットマウントを選択的に垂直方向に移動させるための垂直アクチュエータを含み得、且つターゲットマウントを、垂直軸を中心に選択的に回転させるためのヨーアクチュエータを含み得、ヨーアクチュエータ及び/又は垂直アクチュエータは、コンピュータに表示された測定された距離に基づいて、ターゲットマウントの位置を調整するためにオペレータによって作動されるように構成される。
【0016】
構成のいずれかにおいて、ターゲット調整スタンドは、ターゲットマウントの垂直位置を測定するための高さセンサをさらに含み得、この場合、コンピュータは、高さセンサで測定された垂直位置の距離を表示するように構成され得る。
【0017】
装備済み車両上のセンサの校正のために車両にターゲットを位置合わせする本発明は、相手先ブランド名製造者(「OEM」)が指定及び提供する校正プロセスによるなど、センサの校正のためにターゲットとセンサとを位置合わせするための効率的且つ効果的なシステム及び方法を提供する。前方を向いたカメラなど、フロントガラス上又はその近傍に取り付けられたセンサの場合、このシステム及び方法は、フロントガラスにひびが入るか又は割れた場合など、フロントガラスの交換又は修理が必要な場合に特に有用である。システム及び方法は、ボディショップ又はフロントガラス交換施設を含む修理施設で使用することができる。OEMの位置合わせ要件に従うなどしてターゲットとセンサとを位置合わせするとき、校正プロセスを実行し、それにより車両に対するセンサの適切な動作を提供することができる。
【0018】
本発明のこれら及び他の目標、利点、目的及び特徴は、図面と併せて以下の本明細書を検討することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】車両に対して配置された本発明による車両ターゲット調整システムの斜視図である。
図2図1のターゲット調整スタンド又はフレームの正面斜視図である。
図3図1の車両の車輪組立体に隣接して位置決めされた車輪ターゲットの斜視図である。
図3A図1の車両の車輪組立体に隣接して位置決めされた車輪ターゲットの斜視図である。
図3B】車両の両側で車輪組立体に隣接して位置決めされている、図3に示す車輪ターゲットを示す図1の車両の上面図である。
図4図1の車両の車輪組立体に取り付けられた代替的な車輪ターゲットの斜視図である。
図5図1の車両ターゲット位置合わせシステムの上面図である。
図6図1のターゲット調整スタンドのコントローラの斜視図である。
図7A】車両に対してターゲットマウントをセンタリングする際に使用する基準線を投射するターゲット調整スタンドの投光器の使用を示す斜視図である。
図7B】車両に対してターゲットマウントをセンタリングする際に使用する基準線を投射するターゲット調整スタンドの投光器の使用を示す斜視図である。
図7C】ターゲット調整スタンドから車両の前部に投射された基準線の斜視図である。
図8】ターゲット調整スタンドに取り付けられた校正ターゲットを含む、図1のターゲット調整システムの斜視図である。
図9A】展開された向きで示された本発明による代替的なターゲット調整スタンドの正面斜視図である。
図9B図9Aのターゲット調整スタンドの背面斜視図である。
図9C】保管の向きで示された図9Aのターゲット調整スタンドの正面斜視図である。
図9D】保管の向きで示された図9Aのターゲット調整スタンドの背面斜視図である。
図9E図9Aのターゲット調整スタンドの上面図である。
図10A】長手方向の調整ステップを示す、車両に対してターゲット調整スタンドを位置合わせするために使用される操作プログラムの画面図である。
図10B】長手方向の調整ステップを示す、車両に対してターゲット調整スタンドを位置合わせするために使用される操作プログラムの画面図である。
図11A】ヨー調整ステップを示す、車両に対してターゲット調整スタンドを位置合わせするために使用される操作プログラムの画面図である。
図11B】ヨー調整ステップを示す、車両に対してターゲット調整スタンドを位置合わせするために使用される操作プログラムの画面図である。
図12A】ターゲットの取り付け及び調整ステップを示す、車両に対してターゲット調整スタンドを位置合わせするために使用される操作プログラムの画面図である。
図12B】ターゲットの取り付け及び調整ステップを示す、車両に対してターゲット調整スタンドを位置合わせするために使用される操作プログラムの画面図である。
図13】本発明による車両ターゲット位置合わせシステムの例示的なコンピュータ制御プログラムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、添付の図を参照して本発明を記載する。以下に記載の説明において番号が振られた要素は、図における同様の番号が振られた要素に対応する。図1を参照すると、車両22に取り付けられた1つ又は複数のセンサの校正に使用するための、本発明の実施形態による車両ターゲット位置合わせシステム20が示されている。システム20は、車両22及びスタンド24が互いに対して位置決めされたとき、車両22に対して校正ターゲット26(図8)を調整可能に保持し、位置決めするように構成されたターゲット調整スタンド又はフレーム24を含む。特に、距離ターゲット又は車輪ターゲット25a、25bは、車両22の前輪組立体27に隣接して位置決めされる。以下でさらに詳述されるように、オペレータは、スタンド24上の距離センサ30及びコントローラ32を使用して、車両22に取り付けられたセンサ28(図3)に対してターゲット26を位置合わせして位置決めする。それにより、センサ28は、特定の車両22及びセンサ28のための相手先ブランド名製造者(「OEM」)校正ルーチンを実行することなどにより、車両22に対して適切に校正され得る。したがって、システム20は、車両フロントガラス34上又はその近傍に取り付けられた車両22の前方を向いたカメラセンサ28など、車両に取り付けられた先進運転支援システム(「ADAS」)センサの校正に使用することができる。特に、システム20は、衝突で損傷した後、道路上の破砕くずで破損した後など、フロントガラス34を交換しなければならない場合に修理施設で有利に利用することができる。システム20は、適切な校正プロセスが実行されたことを検証し、文書化するためにも使用され得る。
【0021】
示された実施形態のターゲット調整において、スタンド24は、図1及び2を参照すると、車両22に対するスタンド24の長手方向及び横方向の移動のために車輪45によって移動可能に支持されるベースフレーム44を含む。ベースフレーム44は、スタンド24を床面上の所望の位置に固定する際に使用するためのロックを含む。これは、この実施形態では、一対のフロアアンカー43として示されているが、代替的にキャスターロック等であり得る。タワー組立体46がベースフレーム44に取り付けられる。タワー組立体46は、垂直方向に向けられた部材又はタワー48を含む。タワー48に取り付けられるのは、タワー48上のレール52に沿って上下に垂直に移動可能なターゲット支持組立体又はフレーム50である。ターゲット支持フレーム50は、ターゲット支持フレーム50をタワー48に固定するために使用される1つ又は複数の水平に取り付けられたリニアベアリング49などによってなど、タワー48に対して横方向又は水平方向に左右にさらに移動可能であり、後述するように、ターゲット支持フレーム50を車両22に対して横方向に調整するために使用される投光器51を含む。ターゲット支持フレーム50は、様々なターゲット26を選択的に取り付けることができるターゲットマウント58をさらに含む。スタンド24は、ターゲット支持組立体50をレール52に沿って上下に垂直に移動させるためのアクチュエータ54を含む。なおもさらに、タワー組立体46は、タワー48とベースフレーム44との間に配置されたベアリング組立体56によってベースフレーム44に回転可能に取り付けられ、それにより垂直軸又はZ軸を中心に枢動することができる。タワー組立体48は、アクチュエータ64によって枢動される。しかしながら、他の実施形態では、ベースフレーム44に対してタワー組立体46を様々な軸で移動させるためのアクチュエータの代替的な配置及び構成が採用され得、また本明細書で考察される様々な操作のための代替的なコントローラが採用され得ることが理解されるべきである。タワー組立体46を回転させるためのアクチュエータは、例えば、ベースフレーム44の下に配置され得る。図1及び2からさらに理解されるように、スタンド24は、タワー48に取り付けられたクロスバー又は部材63を含む。クロス部材63は、クロス部材63の両方の端部で一対の距離センサ30を支持する。したがって、クロス部材63は、センサ30が取り付けられるタワー48から反対方向に延びる一対のアームを形成する。図示の距離センサ30は、飛行時間(「ToF」)センサとして構成されるが、代替的な距離センサを採用し得る。
【0022】
以下でさらに詳述されるように、アクチュエータ54、64は、オペレータがコントローラ32を使用することによって移動のために選択的に制御可能である。システム20は、車両22に対するスタンド24の位置に関する情報をオペレータに提供するために、距離センサ30と通信するディスプレイ65(図10A~12B)を有するコンピュータデバイスをさらに含む。図示の実施形態では、ディスプレイ65は、タブレットコンピュータ又はラップトップなどのポータブルコンピュータ67の一部である。しかしながら、代替的に、ディスプレイ65は、コントローラ32の一部又は別個のコンピュータデバイスとして構成され得る。
【0023】
システム20は、車両22の車輪組立体27が車両22の長手方向軸に対して直線位置に向けられた状態で、車両22を修理施設の区画に引き込むなどして初期位置又は開始位置に初期駆動することによって使用される。図3、3A及び3Bを参照すると、オペレータは、次に、車両22の前輪組立体27のそれぞれに隣接して別個の車輪ターゲット25a、25bを配置する。図示の実施形態では、それぞれの車輪ターゲット25a、25bは、フレーム68と平面パネル69とを含む。フレーム68は、パネル69が床面に対して垂直である状態で、車両22が位置決めされる床面上に載るように構成される。フレーム68は、長手方向フレーム延長部材71をさらに含む。長手方向フレーム延長部材71は、パネル69に対して垂直となるように向けられ、車輪組立体27に対して車輪ターゲット25a、25bを直角に置き、車輪ターゲット25a、25bを車両22の長手方向軸に対して直角に置くように車輪組立体27のタイヤ及び/又は車輪に隣接して位置決めされるように構成される。示された実施形態では、フレーム68は、車輪ターゲット25a、25bを車輪組立体27の中心と位置合わせすることを促進するために、垂直方向に向けられた平面指示光74(図3Aを参照されたい)を投射するためのレーザなどの投光器73をさらに含む。指示光74は、パネル69と共平面にある。図3Aから理解されるように、車輪ターゲット25a、25bは、ハブ75上に指示光74によって形成される指示線74aにより、指示光が車輪組立体27の中心ハブ75を2等分するまで位置決めされる。オペレータは、例えば、指示光74によって形成される指示線74aを視覚的に中心ハブ75上でセンタリングすることができる。このようにして、車輪ターゲット25a、25bは、車両22に対して横方向及び長手方向の両方で既知の向きに位置決めされる。例えば、図示の実施形態において、車輪組立体27と接触して係合するのではなく、車輪組立体27に取り付ける車輪ターゲットを含め、本発明の範囲内で代替的な車輪ターゲットを採用できることを理解されたい。なおもさらに、代替的な車輪ターゲットは、車輪組立体27に接触するための代替的な部材を含み得る。
【0024】
例えば、代替的な車輪ターゲット125は、パネル169を支持する車輪クランプ100を備える図4に示されている。クランプ100が車輪組立体27に固定されるとき、パネル169は、車輪組立体27に対して垂直であり、車輪組立体27の回転軸と平面的に中心に位置合わせされる。図示の実施形態では、車輪クランプ100は、伸縮可能な突起アーム102を有する複数の調整可能なアーム101を含み、このアーム101に爪103が取り付けられる。爪103は、車輪組立体27の車輪105の車輪フランジ104に係合するように構成される。車輪組立体27のタイヤ107に係合する任意選択的な保持アーム106も設けられる。使用時、クランプ100を車輪組立体27の車輪105の車輪フランジ104に確実に固定するために、図示の回転可能なハンドル108などによって突起アーム102が引き込まれた状態で、爪103が車輪フランジ104の周囲に約120度の間隔で配置され得る。このように取り付けられたとき、クランプ100は、車輪105によって画定された平面と同一平面上にあり、車輪105の中心に位置する。車輪105は、クランプ100が車輪105の回転軸の周りに取り付けられるように回転軸を確立する車軸のハブに取り付けられる。クランプ100は、中心ハブ111をさらに含む。この中心ハブ111は、車輪105に取り付けられたとき、車輪105の中心に位置し、車輪105の回転軸の周りに位置合わせされる。中心ハブ111は、支柱又はシャフト109と、シャフト109に対して垂直に配置されるようにシャフト109と同軸に取り付けられたベアリング組立体又はマウント又はブロック110とを含み、シャフト109上で回転可能である。パネル169は、ベアリングブロック110に取り付けられる。ベアリングブロック110は、重力のためにパネル169が自然に垂直方向に回転するようにシャフト109上で枢動する。
【0025】
図5を参照すると、車輪ターゲット25a、25b(又は125)が定位置に配置されると、オペレータは、次に、車両22に対するスタンド24の長手方向の距離を設定するために、車両22に対してスタンド24を位置決めし得る。図1及び5から理解されるように、クロス部材63は、車輪ターゲット25a、25bに対して距離センサ30を位置決めするように車両22の幅にまたがる。図示の実施形態では、クロス部材63は、距離センサ30が車輪ターゲット25a、25bのパネル69と位置合わせされるように、タワー48上の垂直高さに配置される。それにより、センサ30は、例えば、パネル69に光源信号を投射し、反射された信号を受信することにより、車輪ターゲット25a、25bのそれぞれまでの距離を測定するように構成される。より詳細に後述するように、オペレータは、距離センサ30によって測定された車両22からのスタンド24の距離に関する情報並びに車両22の特定の車種、モデル及び年式に基づくものなど、スタンド24が位置決めされる所望の距離に関する情報を、ディスプレイ65を介して受け取る。次に、オペレータは、距離センサ30で得られた距離測定値からのフィードバックに基づいて、ベースフレーム44の車輪45を介して車両22に対してスタンド24を長手方向に手動で調整する。ディスプレイ65で指定されたスタンド24の所望の向きを得ると、オペレータは、次に、ロック43によってベースフレーム44を床面に固定することができる。
【0026】
その後、オペレータは、タワー組立体46を、垂直軸を中心に回転させるアクチュエータ64により、タワー組立体46のヨー位置をより正確に又はより細かく調整し得る。図6に示すように、コントローラ32は、時計回り方向又は反時計回り方向のいずれかに回転するようにアクチュエータ64を選択的に作動させるためのスイッチ76を含む。特に、2つの距離センサ30と、ディスプレイ65上でオペレータに提供される、2つの距離センサ30で測定された距離に関するフィードバック情報とに基づいて、オペレータは、クロスバー63がタワー組立体46と共に回転するようにタワー組立体46に取り付けられるため、2つの距離センサ30がそれぞれの車輪ターゲット25a、25bから等距離になるようにタワー組立体46を回転させ得る。このようにして、タワー組立体46は、所望の長手方向距離で車両22の長手方向軸に対して直角に置かれる。
【0027】
スタンド24の長手方向位置を確立すると、オペレータは、次に、図7A~7Cから理解されるように、車両22に対するターゲット支持フレーム50及び付随するターゲットマウント58の横方向の向きを設定し得る。投光器51は、オンにされ、垂直方向に向けられた光平面77を投射するように構成される。投光器51は、レーザ又は他のタイプの投光器として構成され得る。前述のように、ターゲット支持フレーム50は、リニアベアリング49によって左右に横方向に移動可能である。次に、オペレータは、投光器51からの投射光77が車両22の中心に位置するまで、フレーム50を手動でスライドさせるなどして、ターゲット支持フレーム50を横方向に移動させることができる。これは、図7Cから理解されるように、投射光77を、車両22のフロントバンパー又はフェイシア上など、車両22上の中央フードエンブレム又はバッジ79上でセンタリングすることによって確立することができる。図示の実施形態では、オペレータは、ターゲット支持フレーム50を手動で左右にスライドさせながら、視覚的に投射光77をバッジ79上でセンタリングし得るが、代わりに視覚ゲージなどを採用し得るか、又はアクチュエータによって左右に動くように動力を供給され得る。所望の横方向中心位置が得られると、ターゲット支持フレーム50は、さらなる移動を防止するために、リニアベアリング49上又はリニアベアリング49に関連するロック(図示せず)によってなど、タワー48に対してロックされ得る。ロックは、止めねじ又はクランプ等として構成され得る。
【0028】
図8を参照すると、オペレータは、次に、必要な校正ターゲット26をターゲットマウント58に取り付け、ターゲット支持フレーム50及び関連するターゲットマウント58を適切な垂直位置に位置決めすることができる。複数の校正ターゲット26が車両の様々な車種、モデル、年式及び関連するセンサに必要とされる可能性がある。所与の車両センサ28を校正する際に使用される特定の校正ターゲット26は、特定のセンサ28に依存し、例えば車両22の車種、モデル及び年式並びに潜在的に車両22の特定の機能、オプション又はパッケージに基づいて選択可能であることが理解されるべきである。より詳細に後述されるように、システム20は、したがって、いずれのターゲット26を使用するかについて、ディスプレイ65を介してオペレータに指示を提供するように構成されると共に、正しい校正ターゲット26が所与の車両22及び対象のセンサ28に対して使用されることを保証するための検証プログラム又はシステムを含む。例えば、図示の実施形態では、校正ターゲット26は、RFIDタグ59を提供される。ディスプレイ65が、いずれの校正ターゲット26を使用するかをオペレータに促すだけでなく、コントローラ32又はコンピューティングデバイス67内などのコンピュータプログラムを介して、システム20は、適切なターゲット26の選択を確認するために、オペレータが校正ターゲット26のRFIDタグをスキャンすることを要求する。オペレータは、例えば、RFIDタグを別のスキャナでスキャンし得るか、又はコンピューティングデバイス67でスキャンし得る。
【0029】
図6に示すように、コントローラ32は、1つ又は複数の垂直位置決めスイッチ81をさらに含む。これは、図示の実施形態では、アクチュエータ54を制御するための上昇ボタン及び下降ボタンを備える。図示の実施形態では、スタンド24は、ターゲット支持フレーム50、したがってターゲットマウント58に関連する高さセンサ82(図5)を含むように構成される。例えば、高さセンサ82は、校正されたストリングポテンショメータを備え得るか、又はターゲットマウント58の垂直方向の調整及び位置決めが監視される別の公知の距離センサとして構成され得る。したがって、ターゲットマウント58の垂直の向きが認識される。校正ターゲット26も、同様に、校正ターゲット26上に描かれたターゲット指標を、システム20によって認識又は考慮される特定の向きに位置決めするように構築される。垂直高さを監視するための代替的な技術が採用され得ることが理解されるべきである。例えば、アクチュエータ54の制御された運動及び既知の位置決めに基づくものである。したがって、ディスプレイ65は、同様に、オペレータに垂直位置情報を提供して、オペレータがターゲットマウント58を垂直に位置決めする場所を指示することができる。それにより、オペレータは、OEM校正プロセスによって指定又は要求され得る位置など、所望の垂直位置までスイッチ81を介してターゲットマウント58を上下に調整することができる。
【0030】
車両22からの長手方向距離、タワー48の垂直軸の周りのヨー及びタワー48に沿った垂直高さに関して、校正ターゲット26を指定位置に位置決めすると、オペレータは、位置決めされた校正ターゲット26を使用して、センサ28を車両22に対して校正するための校正シーケンスを開始することができる。これは、例えば、OEMが指定及び提供する校正プロセスを含み得る。
【0031】
本発明による代替的なターゲット調整スタンド又はフレーム124が図9A~9Eに示されている。スタンド124は、上述したスタンド24と同様の特徴を共有する。したがって、スタンド124の同様の特徴には、スタンド24で使用されるのと同様の参照番号が付されているが、スタンド124の参照番号には「100」が付加されている。類似性のため、スタンド124の特徴及び構成要素の全てについて本明細書で記載することはない。
【0032】
ターゲット調整スタンド124は、車両22に対して校正ターゲット26を調整可能に保持及び位置決めするように同様に構成される。スタンド124は、車輪ターゲット25a、25b又は125を使用して車両22に対して位置決めされて、スタンド124上の距離センサ130及びコントローラ132を使用して車両22に取り付けられたセンサ28に対してターゲット26を位置合わせ及び位置決めする。それにより、センサ28を車両22に対して適切に校正することができる。
【0033】
スタンド124は、車輪145によって移動可能に支持され、ロック又はアンカー143を含むベースフレーム144を含む。タワー組立体146がベースフレーム144に取り付けられる。タワー組立体146は、垂直方向に向けられたベース又は第1のタワー部材148aを含む。このベース又は第1のタワー部材148aに対して、垂直方向に伸長可能な第2のタワー又は伸長部材148bが取り付けられる。伸長部材148bは、ベース部材148aのレール147(図9C)上で摺動可能である。ターゲット支持組立体又はフレーム150が伸長部材148bに取り付けられる。組立体150は、部材148b上のレール152に沿って垂直方向に上下に移動可能である。ターゲット支持フレーム150は、レール149a上の1つ又は複数の水平に取り付けられたリニアベアリング149によってなど、タワー146に対して横方向又は水平方向に左右に移動可能なターゲットマウント158を含む。なおもさらに、車両22に対してターゲットマウント158を横方向に調整するために使用される投光器151がターゲットマウント158に設けられる。投光器151は、車両22に対してターゲットマウント158をセンタリングするために使用され得る上述の投光器51と同様に、垂直の線を投射する。ターゲットマウント158は、レーザ光等などの水平線を投射する追加の投光器153を備える。投光器153は、車両22上の特徴又は構成要素に対してターゲットマウント158を垂直方向に方向付ける際に使用するために、車両22上に水平指示光を投射するために使用することができる。例えば、図7Cから理解されるように、水平指示光177aは、車両22のレーダモジュール128aに対して位置決めされ、それによりターゲットマウント158の垂直高さを設定することができる。なおもさらに、図9Aに同様に示されるように、ターゲットマウント158は、校正手順の遵守を文書化するためなど、車両22に対する校正セットアップ及び配置の画像を撮影するためのカメラ155をさらに含むことができる。このような画像は、コンピュータ167に保存及び/又は記憶され得る。
【0034】
ターゲット支持組立体150のターゲットマウント158には、ターゲットマウント158の受容部にターゲット26の突起を引っ掛けるなどして様々なターゲット26を選択的に取り付けることができる。スタンド124は、伸長部材148bをベース部材148aに対して上下に垂直方向に移動させるためのアクチュエータ154であって、同様にターゲット支持組立体150をレール152に沿って上下に垂直方向に移動させるためのアクチュエータ154を含む。タワー組立体146は、垂直軸又はZ軸を中心に枢動することができるように、タワー148とベースフレーム144との間に配置されたベアリング組立体156によってベースフレーム144にも回転可能に取り付けられる。タワー組立体148は、ベースフレーム144の下に配置された別のアクチュエータによって枢動される。スタンド124は、タワー148に取り付けられた一対のクロスバー又は部材又はアーム163a、163bも含む。各アーム163a、163bは、それぞれのアーム163a、163bの反対側の端部で距離センサ130を支持する。
【0035】
タワー組立体146を回転させ、且つターゲット支持フレーム150の高さを垂直方向に調整するためのスタンド124のアクチュエータは、コントローラ132を使用してオペレータ112によって移動について選択的に制御可能である。システムは、ディスプレイ165を有し、車両22に対するスタンド124の位置に関する情報をオペレータ112に提供するための距離センサ130と通信可能であるタブレットコンピュータデバイス167をさらに含む。図9A~9Dの実施形態に示されるように、コントローラ132は、スタンド124のアクチュエータを制御するためのボタンを有する、オペレータ112が使用するためのハンドヘルド型ペンダントコントローラを備える。スタンド24と同様に、ターゲットマウント158は、ベアリング149に沿って手動で移動可能であるが、代わりにコントローラ132を介した動力供給式の移動のためのアクチュエータを採用し得る。コントローラ132は、無線装置であり得るか、又はスタンド124に有線接続され得る。
【0036】
スタンド124は、ホルダ202を介してコンピュータ167が取り付けられ、使用しないときにコントローラ132が取り付けられるか又は配置され得るプラットフォーム又はデスクトップ面200をさらに含む。プラットフォーム200は、オペレータ112がスタンド124を移動させるときに把持することができるハンドル204をさらに含む。
【0037】
特に注目すべき点は、スタンド124が使用されないとき、スタンド124が保管位置(図9C及び9D)に折り畳み可能であることである。この目的のために、アーム163a、163bのそれぞれは、伸長した水平位置と、アーム163a、163bが垂直方向に向けられる格納位置又は折り畳み位置との間で枢動可能である。各アーム163a、163bは、それぞれのブレース206a、206bに枢動可能に取り付けられ、その中に保持される。ブレース206a、206bは、タワー148に取り付けられる。保持ねじ208は、アーム163a、163bを所望の格納位置又は伸長位置に選択的に固定するために使用される。さらに、ターゲット支持組立体150は、タワー148に対して回転可能であり、それにより使用時に水平方向にセットされ、保管時に垂直の向きに回転される。これは、レール149a及びターゲットマウント158がシャフト210(図9E)などによってタワー148に回転可能に取り付けられることを含む。
【0038】
ここで、図10A~12Bを参照すると、ディスプレイ65を有するタブレットコンピュータなどの例示的なコンピューティングデバイス67が示されている。このデバイスは、上述したように、校正ターゲット26を位置決めすることを含む、センサ28の校正のための指示及び情報をオペレータに提供する際に使用するためのものである。前述のように、スタンド24の位置決め及び校正ターゲット26の選択及び使用は、対象の車両22及びセンサ28の特殊性に依存する。したがって、最初のステップでは、車両22に関する情報がシステム20に入力される。例えば、これは、オペレータがデータをコンピュータ67に入力することによって行われるが、これは、手動入力、スキャン又は車両22の電子制御ユニット(「ECU」)からのデータの読み取り又は他のそのようなデータ取得操作によって行われ得る。校正を必要とする特定された車両22及びセンサ28に基づいて、システム20は、次に、必要とされる特定の情報及び指示をオペレータに提供し得る。システム20は、オペレータによって入力された車両22の既知の構成、向き及び寸法並びにスタンド24の既知の構成、向き及び寸法に基づいて動作することが理解されるべきである。これには、例えば、ハブ75の中心から、車両22のフロントガラス34に設置されたセンサ28までの既知の距離、床面に対するセンサ28の既知の高さが含まれる。これは、スタンド24上の距離センサ30及びターゲットマウント58の既知の位置、向き及び寸法並びに校正ターゲット26自体の構成をさらに含む。
【0039】
システム20は、例えば、車両22の識別後及びオペレータが、図3~4に示すように車輪ターゲット25a、25bを配置し、図5に示すようにスタンド24を初期配向した後、センサ30からの距離情報が提供されるように、図10Aに示すディスプレイ画面65を提供し得る。ディスプレイ画面65に示されるように、システム20をセットアップする際にオペレータを支援するために、ターゲットスタンド及び車両の示された俯瞰画像などの表示画像が含まれ得る。そこに示されるように、所望の長手方向距離83は、距離センサ30を介して測定された2つの車輪ターゲット25a、25bのそれぞれの実際の長手方向距離85a、85bと共にオペレータへの指示として提供される。オペレータは、ディスプレイ画面65上の実際の長手方向距離85a、85bを監視しながら、スタンド24を許容可能な初期位置又は大まかな位置に手動で調整することができる。許容可能な初期位置は、所望の長手方向距離83からの実際の長手方向距離85a、85bのそれぞれに対する所定のプラス又はマイナスの範囲など、システム20のプログラム内の所定の限界に基づき得る。図10Bは、オペレータがスタンド24を許容可能な初期位置に位置決めする際のディスプレイ画面65を示す。例えば、示されるように、システム20のプログラムは、スタンド24が許容可能な初期長手方向位置にあるときを、ディスプレイ画面65を介してオペレータに信号を提供することなどによってオペレータに通知し得る。示される実施形態では、信号は、ディスプレイ画面65の外観の変化として構成される。色の変化として示されているが、ポップアップ式の表示又は通知などの代替的な通知が提供され得る。この許容可能な初期位置を得ると、オペレータは、図示の実施形態ではタッチ画面であるディスプレイ画面65の「次へ」ボタン87を押すことができる。
【0040】
次に、オペレータは、実際の長手方向距離85a、85bを再度監視しながら、スイッチ76及びアクチュエータ64により、タワー組立体46を、垂直軸を中心に回転させることにより、車両22に対するタワー組立体46のヨーを調整し得る。この直角化ステップは、図11A及び11Bに示されている。実際の長手方向距離85a、85bが互いの所定の範囲又は限界内にあり、且つまた所望の長手方向距離83の所定の範囲又は限界内にあるようにタワー組立体46を回転させると、システム20のプログラムは、ディスプレイ画面65の外観の変化又はポップアップ通知などにより、ディスプレイ画面65を介してオペレータに信号を再び提供し得る。次に、オペレータは、「次へ」ボタン87を押すことができる。
【0041】
次に、オペレータは、上述したように、車両22の中心に対する投射光77を監視しながら、ターゲットマウントを手動でスライドさせることにより、ターゲットマウント58の位置を横方向に調整することを進め得る。この手順の指示は、システム20のプログラムによって提供され、ディスプレイ画面65に表示され得る。オペレータは、上述したように、ターゲットマウント58を適切にセンタリングし、所定の位置にロックすると、再び「次へ」ボタン87を押す。
【0042】
次に、システム20のプログラムは、図12A及び12Bに示されるように、ターゲットマウント58に取り付けるためにいずれの校正ターゲット26を選択するかをオペレータに指示し得る。上述したように、システム20は、RFIDタグ読み取り確認などによる正しい校正ターゲット26の選択の確認を必要とする場合がある。次に、システム20のプログラムは、アクチュエータ54及びスイッチ81により、ターゲットマウント58が位置決めされる正しい垂直高さをオペレータに指示し得る。所望の垂直高さ及び実際の垂直高さは、ディスプレイ画面65に表示され得る。実際の高さは、上述した高さセンサ82を介して且つ/又はスタンド24の既知の寸法及びアクチュエータ54の制御された移動に基づいて得ることができる。所望の高さが得られると、再び信号がオペレータに提供される。オペレータは、続いて、「次へ」ボタン87を押す。その後、システム20のプログラムは、オペレータに校正シーケンスの実行を指示し得る。
【0043】
示された実施形態において、距離センサ30からの実際の長手方向距離85a、85bに関する情報及び高さセンサ82からのターゲットマウント58の垂直高さからの情報は、無線接続を介してなど、ポータブルコンピュータ67に提供され得る。
【0044】
システム20の制御プログラム89の例示的な実施形態が図13に開示されている。これは、ポータブルコンピュータデバイス、別個のコンピュータ上で実行され得る。図13に示すように、プログラム89は、車両識別91、初期長手方向スタンド位置決め93、ヨー調整95、横方向中心寄せ97、校正ターゲット取り付け99、垂直方向校正ターゲット位置決め101及び車両センサ校正103の各ステップを含む。
【0045】
本発明の範囲内において、車両センサ28に対する校正ターゲット26の位置決めのために代替的な構造、技術、特徴及び方法を採用できることを理解されたい。例えば、図示の実施形態では、ポータブルコンピュータ67は、アクチュエータ54又は64を制御しない。しかしながら、代替的な実施形態では、オペレータは、ポータブルコンピュータ67を介して、コントローラ32を介してアクチュエータ54及び/又は64を制御できる場合がある。なおもさらに、システム20は、タワー組立体46のヨーを調整するか又はターゲットマウント58の垂直高さを設定するなど、オペレータからの入力なしに自動化された方法でいくつかの操作を実行できる場合がある。
【0046】
なおもさらに、開示されたシステム及び方法は、例えば、図示された実施形態に示されるように、距離センサ30がスタンド24に取り付けられる代わりに、代替的な構成において、距離センサが、離間された距離ターゲットがスタンド上に配置された状態で、車輪組立体27に、それに隣接して又はそれに対して位置決めされ得ることを含む、代替的に構成されたターゲット調整スタンドと共に使用され得る。具体的に記載した実施形態のさらなる変更形態及び修正形態は、均等論を含む特許法の原則に従って解釈される添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図する本発明の原理から逸脱することなく実施され得る。
図1
図2
図3
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
【国際調査報告】