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特表2024-505514tert-ブチルN-((1R,2S,5S)-2-((2-((5-クロロピリジン-2-イル)アミノ)-2-オキソアセチル)アミノ)-5-(ジメチルカルバモイル)シクロヘキシル)カルバメートを調製する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】tert-ブチルN-((1R,2S,5S)-2-((2-((5-クロロピリジン-2-イル)アミノ)-2-オキソアセチル)アミノ)-5-(ジメチルカルバモイル)シクロヘキシル)カルバメートを調製する方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20240130BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20240130BHJP
【FI】
C07D401/04
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545764
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 US2022014035
(87)【国際公開番号】W WO2022164988
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】63/143,282
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(71)【出願人】
【識別番号】518259165
【氏名又は名称】エフエムシー アグロ シンガポール プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】ヤンチュン・ツァオ
(72)【発明者】
【氏名】シン・リウ
(72)【発明者】
【氏名】ニン・シュー
(72)【発明者】
【氏名】ハオ・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ジジエン・シュー
【テーマコード(参考)】
4C063
4H039
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB02
4C063CC22
4C063DD12
4C063EE03
4H039CA70
(57)【要約】
本明細書に記載されるのは、ピラゾール又はピラゾール誘導体から5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸を合成する新規な方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式VI
【化1】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及び
13は、有機酸である)
の化合物を調製する方法であって、
I)混合物であって、
A)式V
【化2】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
12は、ニトリルである)
の化合物であって、
i)混合物であって、
a)式III
【化3】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、R、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物であって、
IA)混合物であって、
AA)式II
【化4】

(式中、R、R及びRのそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物と、
BB)式IV
【化5】

(式中、R~R11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及びR~R11の少なくとも1つは、フッ素である)
の化合物であって、
ia)混合物であって、
aa)式VII
【化6】

(式中、R14~R18のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、R14~R18の少なくとも1つは、ハロゲンであり、及び
14~R18のいずれもフッ素ではない)
の化合物と、
bb)フッ化物源と、
cc)溶媒と、
dd)任意選択的に、相間移動触媒と
を含む混合物を形成すること、及び
iia)前記混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
CC)溶媒と、
DD)塩基と
を含む混合物を形成すること、及び
IIA)前記混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
b)シアン化物試薬と、
c)溶媒と、
d)金属を含む化合物と、
e)任意選択的に、添加剤と
を含む混合物を形成すること、及び
ii)前記混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
B)酸、塩基又は酵素と
を含む混合物を形成すること、及び
II)前記混合物を反応させること
を含む方法。
【請求項2】
前記酸は、HSO、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、ギ酸(HCOOH)、酢酸(AcOH)及びメチルスルホン酸(MSA)並びにそれらの組み合わせから選択され、前記塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、重炭酸カリウム、それらの組み合わせから選択され、及び前記酵素は、ニトリラーゼ、アミドヒドロラーゼ及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合物を反応させる前記方法ステップII)は、約50℃~約120℃の範囲の反応温度で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属を含む化合物は、遷移金属触媒である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
遷移金属触媒は、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)及び塩化銅(I)、酸化銅(I)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(CuOTf)、酢酸銅(I)並びにそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記添加剤e)は、エチレングリコール、プロピレングリコール、水、グリセリン、グルコース、シクロデキストリン、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記金属を含む化合物d)は、塩化銅(I)であり、及び前記添加剤e)は、エチレングリコールである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記シアン化物試薬は、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シアン化銅(I)、シアン化亜鉛、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記溶媒c)は、スルホラン、ジグライム、トリグライム、アセトニトリル、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
式V
【化7】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及び
12は、ニトリルである)
の化合物を調製する方法であって、
i)混合物であって、
a)式III
【化8】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、R、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物であって、
IA)混合物であって、
AA)式II
【化9】

(式中、R、R及びRのそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物と、
BB)式IV
【化10】

(式中、R~R11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及びR~R11の少なくとも1つは、フッ素である)
の化合物であって、
ia)混合物であって、
aa)式VII
【化11】

(式中、R14~R18のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
14~R18の少なくとも1つは、ハロゲンであり、R14~R18のいずれもフッ素ではない)
の化合物と、
bb)フッ化物源と、
cc)溶媒と、
dd)任意選択的に、相間移動触媒と
を含む混合物を形成すること、及び
iia)前記混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
CC)溶媒と、
DD)塩基と
を含む混合物を形成すること、及び
IIA)前記混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
b)シアン化物試薬と、
c)溶媒と、
d)金属を含む化合物と、
e)任意選択的に、添加剤と
を含む混合物を形成すること、及び
ii)前記混合物を反応させること
を含む方法。
【請求項11】
前記金属を含む化合物は、遷移金属触媒である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
遷移金属触媒は、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)及び塩化銅(I)、酸化銅(I)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(CuOTf)、酢酸銅(I)並びにそれらの組み合わせから選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記添加剤e)は、エチレングリコール、プロピレングリコール、水、グリセリン、グルコース、シクロデキストリン、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素及びそれらの組み合わせから選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記金属を含む化合物d)は、塩化銅(I)であり、及び前記添加剤e)は、エチレングリコールである、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記シアン化物試薬は、シアン化ナトリウム、シアン化銅(I)、シアン化亜鉛、シアン化カリウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム及びそれらの組み合わせから選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記溶媒c)は、スルホラン、ジグライム、トリグライム、アセトニトリル、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びそれらの組み合わせから選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
式III
【化12】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、R、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物を調製する方法であって、
IA)混合物であって、
AA)式II
【化13】

(式中、R、R及びRのそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物と、
BB)式IV
【化14】

(式中、R~R11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及びR~R11の少なくとも1つは、フッ素である)
の化合物であって、
ia)混合物であって、
aa)式VII
【化15】

(式中、R14~R18のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
14~R18の少なくとも1つは、ハロゲンであり、
14~R18のいずれもフッ素ではない)
の化合物と、
bb)フッ化物源と、
cc)溶媒と、
dd)任意選択的に、相間移動触媒と
を含む混合物を形成すること、及び
iia)前記混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
CC)溶媒と、
DD)塩基と
を含む混合物を形成すること、及び
IIA)前記混合物を反応させること
を含む方法。
【請求項18】
式IIIのR及びRは、それぞれ独立に水素である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化リチウム、炭酸リチウムから選択され、及び有機塩基は、トリエチルアミン、DBU、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、ナトリウムメトキシド、カリウムt-ブトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムt-ブトキシド及びそれらの組み合わせから選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記溶媒CC)は、スルホラン、ジグライム、トリグライム、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びそれらの組み合わせから選択される、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月29日に出願された米国仮特許出願第63/143,282号明細書の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸を合成する新規な方法を対象とする。本明細書において開示される方法によって調製される化合物は、殺虫剤、例えば殺虫剤であるクロラントラニリプロール及びシアントラニリプロールとしての、目的とする特定のアントラニルアミド化合物の調製のために有用である。
【背景技術】
【0003】
5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸の従来の製造方法は、加工性、環境への危険性、高コスト、試薬の反応性及び必要な特殊装置などの複数の産業上の懸念を抱えている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸及びその誘導体の調製に有用な新規な方法を提供する。従来の方法と比較した本開示の方法の利点は多く、それらには、全体収率の改善、コストの削減、混合溶媒の分離の必要性の排除、廃棄物の削減、操作の複雑さの単純化及びプロセスの危険性の低減が含まれる。
【0005】
一態様では、本明細書では、式VI
【化1】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及び
13は、有機酸である)
の化合物を調製する方法が提供され、この方法は、
I)混合物であって、
A)式V
【化2】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
12は、ニトリルである)
の化合物であって、
i)混合物であって、
a)式III
【化3】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、R、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物であって、
IA)混合物であって、
AA)式II
【化4】

(式中、R、R及びRのそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物と、
BB)式IV
【化5】

(式中、R~R11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及びR~R11の少なくとも1つは、フッ素である)
の化合物であって、
ia)混合物であって、
aa)式VII
【化6】

(式中、R14~R18のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及び
14~R18のいずれもフッ素ではない)
の化合物と、
bb)フッ化物源と、
cc)溶媒と、
dd)任意選択的に、相触媒と
を含む混合物を形成すること、及び
iia)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
CC)溶媒と、
DD)塩基と
を含む混合物を形成すること、及び
IIA)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
b)シアン化物試薬と、
c)溶媒と、
d)金属を含む化合物と、
e)任意選択的に、添加剤と
を含む混合物を形成すること、及び
ii)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
B)酸、塩基又は酵素と
を含む混合物を形成すること、及び
II)混合物を反応させること
を含む。
【0006】
一態様では、本明細書では、式V
【化7】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及び
12は、ニトリルである)
の化合物を調製する方法が提供され、この方法は、
i)混合物であって、
a)式III
【化8】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、R、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物であって、
IA)混合物であって、
AA)式II
【化9】

(式中、R、R及びRのそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物と、
BB)式IV
【化10】

(式中、R~R11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及びR~R11の少なくとも1つは、フッ素である)
の化合物であって、
ia)混合物であって、
aa)式VII
【化11】

(式中、R14~R18のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
14~R18の少なくとも1つは、ハロゲンであり、
14~R18のいずれもフッ素ではない)
の化合物と、
bb)フッ化物源と、
cc)溶媒と、
dd)任意選択的に、相触媒と
を含む混合物を形成すること、及び
iia)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
CC)溶媒と、
DD)塩基と
を含む混合物を形成すること、及び
IIA)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
b)シアン化物試薬と、
c)溶媒と、
d)金属を含む化合物と、
e)任意選択的に、添加剤と
を含む混合物を形成すること、及び
ii)混合物を反応させること
を含む。
【0007】
一態様では、本明細書では、式III
【化12】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、R、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物を調製する方法が提供され、この方法は、
IA)混合物であって、
AA)式II
【化13】

(式中、R、R及びRのそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物と、
BB)式IV
【化14】

(式中、R~R11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及びR~R11の少なくとも1つは、フッ素である)
の化合物であって、
ia)混合物であって、
aa)式VII
【化15】

(式中、R14~R18のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
14~R18の少なくとも1つは、ハロゲンであり、
14~R18のいずれもフッ素ではない)
の化合物と、
bb)フッ化物源と、
cc)溶媒と、
dd)任意選択的に、相触媒と
を含む混合物を形成すること、及び
iia)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
CC)溶媒と、
DD)塩基と
を含む混合物を形成すること、及び
IIA)混合物を反応させること
を含む。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において使用する場合、用語「含む」、「含んでいる」、「包含する」、「包含している」、「有する」、「有している」、「含有する」、「含有している」、「~によって特徴付けられる」又はそれらの任意の他の変化形は、明示的に示される限定があることを前提として、非排他的な包含をカバーすることを意図する。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス又は方法は、必ずしもそれらの要素のみに限定されないが、明確に列挙されていないか、又はこのような組成物、混合物、プロセス若しくは方法に固有の他の要素を含み得る。
【0009】
移行句「からなる」は、特定されていない任意の要素、ステップ又は成分を除外する。特許請求の範囲において、これは、特許請求の範囲がそれと通常関連する不純物を除いて列挙したもの以外の材料を含むことを排除する。語句「からなる」が、前文の直後よりむしろ、特許請求の範囲の特徴部分において出現するとき、これは、その部分において記載した要素のみを限定し、他の要素は、特許請求の範囲から全体として除外されない。
【0010】
移行句「から本質的になる」は、文字通り開示されるものに加えて、材料、ステップ、特色、構成要素又は要素を含む組成物又は方法を定義するために使用されるが、ただし、これらのさらなる材料、ステップ、特色、構成要素又は要素は、特許請求される本発明の基本的で新規な特徴に実質的に影響を与えない。用語「から本質的になる」は、「含む」及び「からなる」の間の中間を占める。
【0011】
発明又はその部分がオープンエンド用語、例えば「含む」と共に定義される場合、(他に記述しない限り)この記載は、用語「から本質的になる」又は「からなる」を使用してもこのような発明が説明されると解釈すべきであることが容易に理解されるべきである。
【0012】
さらに、特に明示的に逆の記載がない限り、「又は」は、包括的な又はを指し、排他的な又はを指さない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれかの1つによって満たされる:Aは、真であり(又は存在し)、Bは、偽(又は非存在)であること、Aは、偽(又は非存在)であり、Bは、真である(又は存在する)こと、A及びBの両方は、真である(又は存在する)こと。
【0013】
また、本発明の要素又は構成要素に先行する不定冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、要素又は構成要素の実例(すなわち出現)の数に関して非限定的であることが意図される。したがって、「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、1つ又は少なくとも1つを含むと読むべきであり、要素又は構成要素の単数語形は、数が明らかに単数であることを意味しない限り、複数も含む。
【0014】
本明細書において使用する場合、用語「約」は、値のプラス又はマイナス10%を意味する。
【0015】
用語「ハロゲン」は、単独で又は複合語、例えば「ハロアルキル」中においてフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を含む。さらに、複合語、例えば「ハロアルキル」において使用されるとき、前記アルキルは、同じ又は異なり得るハロゲン原子で部分的に又は完全に置換され得る。
【0016】
基が、水素、例えばRであり得る置換基を含有するとき、次いでこの置換基が水素と見なされるとき、これは、前記基が非置換であると等しいと認識される。
【0017】
用語「有機塩基」は、これらに限定されないが、アミン化合物(例えば、第一級、第二級及び第三級アミン)、窒素含有複素環を含めた複素環及び水酸化アンモニウムを含む。
【0018】
用語「無機塩基」は、これらに限定されないが、酸と反応するか又は酸を中和して、水酸化物、炭酸、炭酸水素及びリン酸の塩、例えば金属塩を形成することができる無機化合物を含む。
【0019】
用語「ハロゲン化試薬」は、これらに限定されないが、ハロゲン及び無機化合物、例えば臭素、NBS及び1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒルヒダントインを含む。
【0020】
用語「相間移動触媒」は、1つの相から、反応が起こる別の相への反応剤の移行を促進する化合物を含む。相間移動触媒作用は、相間移動触媒の添加による反応の促進を指す。
【0021】
用語「エーテル」は、これらに限定されないが、エーテル結合(C-O-C)を含む官能基を含む。
【0022】
用語「ニトリル」は、これらに限定されないが、ニトリル結合(-C≡N)を含む官能基を含む。
【0023】
用語「カルボン酸」は、これらに限定されないが、カルボン酸結合(C(=O)-OH)を含む官能基を含む。
【0024】
用語「有機酸」は、これらに限定されないが、酸性度を与え、且つ炭素、窒素、酸素及び水素から選択される原子からなる官能基を含む。
【0025】
本発明の特定の化合物は、1種又は複数の立体異性体として存在することができる。様々な立体異性体は、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体及び幾何異性体を含む。1つの立体異性体は、他の立体異性体と比べて濃縮されるとき又は他の立体異性体から分離されるとき、より活性であり得、且つ/又は有益な効果を示し得ることを当業者は認識する。さらに、当業者は、前記立体異性体をどのように分離し、濃縮し、且つ/又は選択的に調製するかを知っている。
【0026】
本開示の実施形態は、以下を含む。
【0027】
実施形態1.式VI
【化16】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及び
13は、有機酸である)
の化合物を調製する方法であって、
I)混合物であって、
A)式V
【化17】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
12は、ニトリルである)
の化合物であって、
i)混合物であって、
a)式III
【化18】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、R、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物であって、
IA)混合物であって、
AA)式II
【化19】

(式中、R、R及びRのそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物と、
BB)式IV
【化20】

(式中、R~R11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及び
~R11の少なくとも1つは、フッ素である)
の化合物であって、
ia)混合物であって、
aa)式VII
【化21】

(式中、R14~R18のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
14~R18の少なくとも1つは、ハロゲンであり、
14~R18のいずれもフッ素ではない)
の化合物と、
bb)フッ化物源と、
cc)溶媒と、
dd)任意選択的に、相触媒と
を含む混合物を形成すること、及び
iia)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
CC)溶媒と、
DD)塩基と
を含む混合物を形成すること、及び
IIA)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
b)シアン化物試薬と、
c)溶媒と、
d)金属を含む化合物と、
e)任意選択的に、添加剤と
を含む混合物を形成すること、及び
ii)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
B)酸、塩基又は酵素と
を含む混合物を形成すること、及び
II)混合物を反応させること
を含む方法。
【0028】
実施形態2.酸は、H2SO4、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、ギ酸(HCOOH)、酢酸(AcOH)及びメチルスルホン酸(MSA)並びにそれらの組み合わせから選択され、塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、重炭酸カリウム、それらの組み合わせから選択され、及び酵素は、ニトリラーゼ、アミドヒドロラーゼ、それらの組み合わせから選択される、実施形態1に記載の方法。
【0029】
実施形態3.混合物を反応させる方法ステップII)は、約50℃~約120℃の範囲の反応温度で行われる、実施形態1に記載の方法。
【0030】
実施形態4.金属を含む化合物は、遷移金属触媒である、実施形態1に記載の方法。
【0031】
実施形態5.シアン化物試薬は、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シアン化銅(I)、シアン化亜鉛、ヘキサシアノ鉄酸(II)カリウム及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態1に記載の方法。
【0032】
実施形態6.溶媒c)は、スルホラン、ジグライム、トリグライム、アセトニトリル、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態1に記載の方法。
【0033】
実施形態7.混合物を反応させる方法ステップii)は、約100℃~約200℃の範囲の反応温度で行われる、実施形態1に記載の方法。
【0034】
実施形態8.式IIIのR及びRは、それぞれ独立に水素である、実施形態1に記載の方法。
【0035】
実施形態9.無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化リチウム、炭酸リチウムから選択され、及び有機塩基は、トリエチルアミン、DBU、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、ナトリウムメトキシド、カリウムt-ブトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムt-ブトキシド及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態1に記載の方法。
【0036】
実施形態10.溶媒CC)は、スルホラン、ジグライム、トリグライム、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、重質芳香族s150、重質芳香族s200及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態1に記載の方法。
【0037】
実施形態11.混合物を反応させる方法ステップIIA)は、約100℃~約155℃の範囲の反応温度で行われる、実施形態1に記載の方法。
【0038】
実施形態12.フッ化物源は、KF、HF、NaF、ZnF及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態1に記載の方法。
【0039】
実施形態13.溶媒cc)は、スルホラン、トリグライム、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジグライム、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態1に記載の方法。
【0040】
実施形態14.相触媒は、塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)、臭化テトラメチルアンモニウム(TMAB)、ヨウ化テトラメチルアンモニウム(TMAI)、塩化テトラブチルアンモニウム(TBAC)、臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(TBAI)、アリコート-336、18-クラウン-6、15-クラウン-5及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態1に記載の方法。
【0041】
実施形態15.混合物を反応させる方法ステップiia)は、約100℃~約200℃の範囲の反応温度で行われる、実施形態1に記載の方法。
【0042】
実施形態16.式IIの化合物は、I)混合物であって、 A)式I
【化22】

(式中、R、R及びRのそれぞれは、独立にハロゲンである)
の化合物と、
B)脱ハロゲン化試薬と、
D)溶媒と
を含む混合物を形成すること、及び
II)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、実施形態1に記載の方法。
【0043】
実施形態17.溶媒は、酢酸、水、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-メチルモルホリン(NMM)、ジグライム、トリグライム、スルホラン及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態16に記載の方法。
【0044】
実施形態18.脱ハロゲン化試薬は、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態16に記載の方法。
【0045】
実施形態19.添加剤は、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態16に記載の方法。
【0046】
実施形態20.混合物を反応させる方法ステップII)は、約100℃~約180℃の範囲の反応温度で行われる、実施形態16に記載の方法。
【0047】
実施形態21.式Iの化合物は、I)混合物であって、 A)ピラゾール又はピラゾール誘導体と、 B)ハロゲン化試薬と、
C)水及び任意選択的に有機溶媒を含む反応溶媒と、
D)任意選択的に、無機塩基と
を含む混合物を形成すること、及び
II)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、実施形態16に記載の方法。
【0048】
実施形態22.ハロゲン化試薬は、A)臭化水素、臭素、N-ブロモスクシンイミド、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒルヒダントイン、臭化ナトリウム、臭化カリウム及びそれらの組み合わせから選択される試薬と、B)任意選択的に、過酸化水素とを含む、実施形態21に記載の方法。
【0049】
実施形態23.塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化リチウム、ナトリウムメトキシド、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態21に記載の方法。
【0050】
実施形態24.混合物を反応させる方法ステップII)は、約-10℃~約70℃の範囲の反応温度で行われる、実施形態21に記載の方法。
【0051】
実施形態25.式V
【化23】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及び
12は、ニトリルである)
の化合物を調製する方法であって、
i)混合物であって、
a)式III
【化24】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、R、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物であって、
IA)混合物であって、
AA)式II
【化25】

(式中、R、R及びRのそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物と、
BB)式IV
【化26】

(式中、R~R11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及びR~R11の少なくとも1つは、フッ素である)
の化合物であって、
ia)混合物であって、
aa)式VII
【化27】

(式中、R14~R18のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
14~R18の少なくとも1つは、ハロゲンであり、
14~R18のいずれもフッ素ではない)
の化合物と、
bb)フッ化物源と、
cc)溶媒と、
dd)任意選択的に、相触媒と
を含む混合物を形成すること、及び
iia)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
CC)溶媒と、
DD)塩基と
を含む混合物を形成すること、及び
IIA)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
b)シアン化物試薬と、
c)溶媒と、
d)金属を含む化合物と、
e)任意選択的に、添加剤と
を含む混合物を形成すること、及び
ii)混合物を反応させること
を含む方法。
【0052】
実施形態26.金属を含む化合物は、遷移金属触媒である、実施形態25に記載の方法。
【0053】
実施形態27.シアン化物試薬は、シアン化ナトリウム、シアン化銅(I)、シアン化亜鉛、シアン化カリウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態25に記載の方法。
【0054】
実施形態28.溶媒c)は、スルホラン、ジグライム、トリグライム、アセトニトリル、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態25に記載の方法。
【0055】
実施形態29.混合物を反応させる方法ステップii)は、約100℃~約200℃の範囲の反応温度で行われる、実施形態25に記載の方法。
【0056】
実施形態30.式IIIのR及びRは、それぞれ独立に水素である、実施形態25に記載の方法。
【0057】
実施形態31.無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化リチウム、炭酸リチウムから選択され、及び有機塩基は、トリエチルアミン、DBU、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、ナトリウムメトキシド、カリウムt-ブトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムt-ブトキシド及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態25に記載の方法。
【0058】
実施形態32.溶媒CC)は、スルホラン、ジグライム、トリグライム、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、重質芳香族s150、重質芳香族s200及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態25に記載の方法。
【0059】
実施形態33.混合物を反応させる方法ステップIIA)は、約100℃~約200℃の範囲の反応温度で行われる、実施形態25に記載の方法。
【0060】
実施形態34.フッ化物源は、KF、HF、NaF、ZnF及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態25に記載の方法。
【0061】
実施形態35.溶媒cc)は、スルホラン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジグライム、トリグライム、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態25に記載の方法。
【0062】
実施形態36.相触媒は、塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)、臭化テトラメチルアンモニウム(TMAB)、ヨウ化テトラメチルアンモニウム(TMAI)、塩化テトラブチルアンモニウム(TBAC)、臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(TBAI)、アリコート-336、18-クラウン-6、15-クラウン-5及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態25に記載の方法。
【0063】
実施形態37.混合物を反応させる方法ステップiia)は、約100℃~約200℃の範囲の反応温度で行われる、実施形態25に記載の方法。
【0064】
実施形態38.式IIの化合物は、
I)混合物であって、 A)式I
【化28】

(式中、R、R及びRのそれぞれは、独立にハロゲンである)
の化合物と、
B)脱ハロゲン化試薬と、
D)溶媒と
を含む混合物を形成すること、及び
II)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、実施形態25に記載の方法。
【0065】
実施形態39.溶媒は、酢酸、水、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-メチルモルホリン(NMM)、ジグライム、トリグライム、スルホラン及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態38に記載の方法。
【0066】
実施形態40.脱ハロゲン化試薬は、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態38に記載の方法。
【0067】
実施形態41.添加剤は、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態38に記載の方法。
【0068】
実施形態42.混合物を反応させる方法ステップII)は、約100℃~約180℃の範囲の反応温度で行われる、実施形態38に記載の方法。
【0069】
実施形態43.式Iの化合物は、
I)混合物であって、 A)ピラゾール又はピラゾール誘導体と、 B)ハロゲン化試薬と、
C)水及び任意選択的に有機溶媒を含む反応溶媒と、
D)任意選択的に、塩基と
を含む混合物を形成すること、及び
II)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、実施形態38に記載の方法。
【0070】
実施形態44.ハロゲン化試薬は、A)臭化水素、臭素、N-ブロモスクシンイミド、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒルヒダントイン、臭化ナトリウム、臭化カリウム及びそれらの組み合わせから選択される試薬と、B)任意選択的に、過酸化水素とを含む、実施形態43に記載の方法。
【0071】
実施形態45.無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化リチウム、ナトリウムメトキシド、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態43に記載の方法。
【0072】
実施形態46.混合物を反応させる方法ステップII)は、約-10℃~約70℃の範囲の反応温度で行われる、実施形態43に記載の方法。
【0073】
実施形態47.式III
【化29】

(式中、R~R10のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、R、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物を調製する方法であって、
IA)混合物であって、
AA)式II
【化30】

(式中、R、R及びRのそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
、R及びRの少なくとも1つは、ハロゲンである)
の化合物と、
BB)式IV
【化31】

(式中、R~R11のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、及びR~R11の少なくとも1つは、フッ素である)
の化合物であって、
ia)混合物であって、
aa)式VII
【化32】

(式中、R14~R18のそれぞれは、水素及びハロゲンから独立に選択され、
14~R18の少なくとも1つは、ハロゲンであり、
14~R18のいずれもフッ素ではない)
の化合物と、
bb)フッ化物源と、
cc)溶媒と、
dd)任意選択的に、相触媒と
を含む混合物を形成すること、及び
iia)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、化合物と、
CC)溶媒と、
DD)塩基と
を含む混合物を形成すること、及び
IIA)混合物を反応させること
を含む方法。
【0074】
実施形態48.式IIIのR及びRは、それぞれ独立に水素である、実施形態47に記載の方法。
【0075】
実施形態49.無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化リチウム、炭酸リチウムから選択され、及び有機塩基は、トリエチルアミン、DBU、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、ナトリウムメトキシド、カリウムt-ブトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムt-ブトキシド及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態47に記載の方法。
【0076】
実施形態50.溶媒CC)は、スルホラン、ジグライム、トリグライム、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、重質芳香族s150、重質芳香族s200及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態47に記載の方法。
【0077】
実施形態51.混合物を反応させる方法ステップIIA)は、約100℃~約155℃の範囲の反応温度で行われる、実施形態47に記載の方法。
【0078】
実施形態52.フッ化物源は、KF、HF、NaF、ZnF及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態47に記載の方法。
【0079】
実施形態53.溶媒cc)は、スルホラン、トリグライム、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジグライム、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態47に記載の方法。
【0080】
実施形態54.相触媒は、塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)、臭化テトラメチルアンモニウム(TMAB)、ヨウ化テトラメチルアンモニウム(TMAI)、塩化テトラブチルアンモニウム(TBAC)、臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)、アリコート-336、18-クラウン-6、15-クラウン-5及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態47に記載の方法。
【0081】
実施形態55.混合物を反応させる方法ステップiia)は、約100℃~約200℃の範囲の反応温度で行われる、実施形態47に記載の方法。
【0082】
実施形態56.式IIの化合物は、
I)混合物であって、 A)式I
【化33】

(式中、R、R及びRのそれぞれは、独立にハロゲンである)
の化合物と、
B)ハロゲン化試薬と、
C)添加剤と、
D)溶媒と
を含む混合物を形成すること、及び
II)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、実施形態47に記載の方法。
【0083】
実施形態57.溶媒は、酢酸、水、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-メチルモルホリン(NMM)、ジグライム、トリグライム、スルホラン及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態56に記載の方法。
【0084】
実施形態58.脱ハロゲン化試薬は、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態56に記載の方法。
【0085】
実施形態59.添加剤は、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態56に記載の方法。
【0086】
実施形態60.混合物を反応させる方法ステップII)は、約100℃~約180℃の範囲の反応温度で行われる、実施形態56に記載の方法。
【0087】
実施形態61.式Iの化合物は、
I)混合物であって、 A)ピラゾール又はピラゾール誘導体と、 B)ハロゲン化試薬と、
C)水及び任意選択的に有機溶媒を含む反応溶媒と、
D)任意選択的に、塩基と
を含む混合物を形成すること、及び
II)混合物を反応させること
を含む方法によって調製される、実施形態56に記載の方法。
【0088】
実施形態62.ハロゲン化試薬は、A)臭化水素、臭素、N-ブロモスクシンイミド、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒルヒダントイン、臭化ナトリウム、臭化カリウム及びそれらの組み合わせから選択される試薬と、B)任意選択的に、過酸化水素とを含む、実施形態61に記載方法。
【0089】
実施形態63.無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化リチウム、ナトリウムメトキシド、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態61に記載の方法。
【0090】
実施形態64.混合物を反応させる方法ステップII)は、約-10℃~約70℃の範囲の反応温度で行われる、実施形態61に記載の方法。
【0091】
一態様では、式VIの化合物は、スキーム1によって表される方法に従って調製される。R基は、本開示のいずれかに定義した通りである。
【化34】
【0092】
一態様では、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸は、スキーム2によって表される方法に従って調製される。
【化35】
【0093】
一態様では、式Iの化合物は、スキーム3によって表される方法に従って調製される。R基は、本開示のいずれかに定義した通りである。
【化36】
【0094】
この態様は、水及び任意選択的に有機溶媒を含む反応溶媒中、任意選択的に無機塩基の存在下でピラゾールをハロゲン化試薬と反応させることを含む。一実施形態では、ハロゲン化試薬は、過酸化水素/HBr、臭素(Br)、N-ブロモスクシンイミド、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒルヒダントイン、過酸化水素/NaBr、過酸化水素/KBr、過酸化水素/Br及びそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、ハロゲン化試薬は、Brである。一実施形態では、無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム及びそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、無機塩基は、水酸化ナトリウム粉末である。一実施形態では、反応温度は、約-10℃~約70℃の範囲である。別の実施形態では、反応温度は、約0℃~約20℃の範囲である。一実施形態では、有機溶媒は、tert-ブチルメチルエーテル(MBTE)、ジクロロメタン(DCM)、ジクロロエタン(DCE)、クロロホルム、ジエチルエーテル及びそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、有機溶媒は、MTBEである。
【0095】
一態様では、式IIの化合物は、スキーム4によって表される方法に従って調製される。R基は、本開示のいずれかに定義した通りである。
【化37】
【0096】
この態様は、還元剤の存在下、溶媒中で式Iの化合物を脱ハロゲン化試薬と反応させることを含む。一実施形態では、溶媒は、酢酸、水、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジグライム、トリグライム、スルホラン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-メチルモルホリン(NMM)及びそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、溶媒は、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)である。一実施形態では、添加剤は、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAI)及びそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、添加剤は、ヨウ化カリウムである。一実施形態では、脱ハロゲン化試薬は、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム及びそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、脱ハロゲン化試薬は、亜硫酸ナトリウムである。一実施形態では、反応温度は、約100℃~約180℃の範囲である。別の実施形態では、反応温度は、約120℃~約150℃の範囲である。
【0097】
一態様では、式IVの化合物は、スキーム5によって表される方法に従って調製される。R基は、本開示のいずれかに定義した通りである。
【化38】
【0098】
この態様は、溶媒中、任意選択的に相触媒の存在下で式VIIの化合物をハロゲン化物源と反応させるステップを含む。一実施形態では、ハロゲン化物源は、フッ化物源、塩化物源、臭化物源、ヨウ化物源及びそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、ハロゲン化物源は、フッ化物源である。一実施形態では、フッ化物源は、HF、KF、NaF、ZnF及びそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、フッ化物源は、KFである。一実施形態では、相触媒は、塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)、臭化テトラメチルアンモニウム(TMAB)、ヨウ化テトラメチルアンモニウム(TMAI)、塩化テトラブチルアンモニウム(TBAC)、臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)、アリコート-336、18-クラウン-6、15-クラウン-5及びそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、相触媒は、塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)である。一実施形態では、溶媒は、スルホラン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジグライム、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、トリグライム及びそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、溶媒は、スルホランである。一実施形態では、反応温度は、約100℃~約200℃の範囲である。別の実施形態では、温度は、約165℃~約180℃の範囲である。
【0099】
一態様では、式IIIの化合物は、スキーム6によって表される方法に従って調製される。R基は、本開示のいずれかに定義した通りである。
【化39】
【0100】
この態様は、塩基の存在下、溶媒中で式IIの化合物を式IVの化合物と混合するステップを含む。一実施形態では、無機塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化リチウム、炭酸リチウムから選択され、及び有機塩基は、トリエチルアミン、DBU、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、ナトリウムメトキシド、カリウムt-ブトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムt-ブトキシド及びそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、塩基は、炭酸カリウムである。一実施形態では、溶媒は、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジグライム、トリグライム、スルホラン、重質芳香族s150、重質芳香族s200及びそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、溶媒は、スルホランである。一実施形態では、反応温度の範囲は、約100℃~約200℃の範囲である。別の実施形態では、温度は、約110℃~約140℃の範囲である。
【0101】
一態様では、式Vの化合物は、スキーム7によって表される方法に従って調製される。R基は、本開示のいずれかに定義した通りである。
【化40】
【0102】
この態様は、銅塩及び任意選択的に添加剤の存在下、溶媒中で式IIIの化合物をシアン化物試薬と混合することを含む。一実施形態では、溶媒は、スルホラン、ジグライム、トリグライム、アセトニトリル、トルエン、アセトニトリル及びトルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、溶媒は、ジグライムである。一実施形態では、シアン化物試薬は、シアン化ナトリウム、シアン化銅(I)、シアン化亜鉛、シアン化カリウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム及びそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、シアン化物試薬は、シアン化ナトリウムである。一実施形態では、銅塩は、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)、酸化銅(I)、塩化銅(I)、酢酸銅及びそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、銅塩は、ヨウ化銅(I)である。別の実施形態では、銅塩は、塩化銅(I)である。一実施形態では、添加剤は、ヨウ化カリウム、エチレングリコール、プロピレングリコール、水、グリセリン、グルコース、シクロデキストリン、ヨウ化ナトリウム、ヨウ素及びそれらの組み合わせである。別の実施形態では、銅塩は、塩化銅(I)であり、及び添加剤は、エチレングリコールである。一実施形態では、反応温度は、約100℃~約200℃の範囲である。別の実施形態では、反応温度は、約110℃~約150℃の範囲である。
【0103】
一態様では、式VIの化合物は、スキーム8によって表される方法に従って調製される。R基は、本開示のいずれかに定義した通りである。
【化41】
【0104】
この態様は、酸、塩基及び酵素の存在下で式Vの化合物を反応させることを含む。一実施形態では、酸は、濃H2SO4、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、ギ酸(HCOOH)、酢酸(AcOH)及びメチルスルホン酸(MSA)、それらの組み合わせから選択される。一実施形態では、塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、重炭酸カリウム、それらの組み合わせから選択される。一実施形態では、酵素は、ニトリラーゼ、アミドヒドロラーゼ、それらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、酸は、H2SO4である。一実施形態では、反応温度は、50℃~120℃の範囲である。別の実施形態では、反応温度は、60℃~100℃の範囲である。
【実施例
【0105】
さらなる詳述を伴わずに、前述の説明を使用する当業者は、本発明をその最も完全な程度まで利用することができると考えられる。したがって、下記の実施例は、単に例示的なものと解釈され、本開示を決して限定するものではない。下記の実施例のための出発材料は、その手順が他の実施例において記載される特定の調製操作によって必ずしも調製されていなくてもよい。本明細書において列挙した任意の数値域は、より低い値からより高い値までの全ての値を含むことも理解される。例えば、ある範囲が10~50と記述される場合、12~30、20~40又は30~50などの値が本明細書において明確に列挙されることが意図される。これらは、特に意図されるものの単に例であり、列挙される(最も低い値及び最も高い値を含めた)最も低い値及び最も高い値間の数値の全ての可能な組み合わせは、本出願において明確に記述されていると考えられる。
【0106】
実施例1.ハロゲン化試薬としての過酸化水素/HBr。 34グラムのピラゾール及び505.8gの48%臭化水素溶液を反応器に入れた。170グラムの30%過酸化水素を0℃で2時間かけて滴下した。反応温度は0~30℃に制御した。反応後、生成物が固体として析出した。その後、反応混合物を10%亜硫酸ナトリウムでクエンチした。濾過及び乾燥後、142gの高純度(95%、LC面積)の3,4,5-トリブロモ-1H-ピラゾールが得られた。
【0107】
実施例2.ハロゲン化試薬としての臭素/水酸化ナトリウム。 34グラムのピラゾールを水に溶解し、次いで水酸化ナトリウムを0℃で添加することで、対応するピラゾールナトリウム塩を得た。次に、239.7gの臭素を0℃で2時間かけて滴下した。反応温度は20~40℃に制御した。反応後、生成物が固体として析出した。その後、反応混合物を10%亜硫酸ナトリウムでクエンチした。濾過及び乾燥後、147gの高純度(98%、LC面積)の3,4,5-トリブロモ-1H-ピラゾールが得られた。
【0108】
実施例3.脱ハロゲン化試薬としてのヨウ化カリウム/亜硫酸ナトリウム。 300mLのDMAc中の100グラムの3,4,5-トリブロモ-1H-ピラゾールと、1.1gのKIと、62gのNaSOとを、160~180℃で5時間反応させて、反応を完了させた。反応が完了した後、反応混合物を濾過し、次いでDMAcを減圧下で留去した。次に、粗生成物に水を添加した。反応混合物を10分間撹拌した。生成物である3,5-ジブロモ-1H-ピラゾールが固体として析出した。濾過及び乾燥後、68gの高純度(98%、LC面積)の3,5-ジブロモ-1H-ピラゾールが得られた。
【0109】
実施例4.ハロゲン化物源。 300.0gの2,3-ジクロロピリジン、22.2gのTMAC及び176.7gのKFを容器内で反応させる。反応温度は170~175℃の範囲に制御した。反応が完了した後、反応塊を25~30℃まで冷却した。3-クロロ-2-フルオロピリジンを減圧下で留去した。蒸留後、267.0gの高純度(95%、LC面積)の3-クロロ-2-フルオロピリジンが得られ、これは後続のステップで使用することができた。
【0110】
実施例5.カップリング反応。 50.0gの3,5-ジブロモ-1H-ピラゾール、29.2gの3-クロロ-2-フルオロピリジン及び36.7gの炭酸カリウムを容器内で反応させた。反応温度は120~125℃に制御した。反応が完了した後、25~30℃で水とMTBEを反応塊に入れた。反応塊を15分間撹拌し、次いで反応塊を2層に分離した。有機層を40~45℃で減圧濃縮し、粗製3-クロロ-2-(3,5-ジブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)ピリジンを得た。濃縮後、81.0gの高純度(87.5%、重量%)の3-クロロ-2-(3,5-ジブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)ピリジンが得られた。
【0111】
実施例6-1.遷移金属触媒存在下での反応。 0.95グラムのCuI、3.32gのKI及び5.4gのNaCNを、33.8gの3-クロロ-2-(3,5-ジブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)ピリジンのDMAc溶液に10~25℃で添加した。次に、反応混合物を130~140℃で6時間撹拌して反応を完了させた。DMAcを真空下で留去した。トルエンを添加し、30分間撹拌した。次に、溶液を濾過し、トルエンを真空下で除去した。濾過及び乾燥後、23.2g(94%、LC面積)の3-ブロモ-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボニトリルが得られた。
【0112】
実施例6-2.金属を含む化合物としての塩化銅(I)との反応。 0.35gのCuCl、2.6gのエチレングリコール及び2.5gのNaCNを、15.2gの3-クロロ-2-(3,5-ジブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)ピリジンのジグライム溶液に20~25℃で添加した。その後、反応混合物を115~120℃で16時間撹拌して反応を完了させた。反応が完了した後、7%NaClO溶液(0.2当量)、水及びメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)を反応塊に25~30℃で添加し、反応塊を15分間撹拌し、反応塊を15分間静置して2つの別個の層を得た。その後、有機層を40~45℃で減圧濃縮することで、12.6g(94%、LC面積)の3-ブロモ-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボニトリルが得られた。
【0113】
実施例6-3.金属を含む化合物としての塩化銅(I)との反応。 0.35gのCuCl及び2.5gのNaCNを、15.2gの3-クロロ-2-(3,5-ジブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)ピリジンのジグライム溶液に20~25℃で添加した。その後、反応混合物を115~120℃で18時間撹拌した。反応転化率は50%LCAであった。その後、この反応物をさらに8時間撹拌し続けたが、転化率は50%LCAのままである。反応は停止した。
【0114】
実施例7.酸性化。 28.4グラムの高純度(94%、LC面積)3-ブロモ-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボニトリルを50%HSO溶液に溶解し、フラスコに入れた。混合物を80~85℃に加熱し、この温度に3~4時間維持して反応を完了させた。NaOH溶液を使用してpHを約9~約10の範囲の値に調整し、対応する5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸ナトリウム塩を析出させた。次いで、HSOを使用してpHを約1~約2の範囲の値に調整し、5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸を析出させた。濾過及び乾燥後、28.6g(98%、LC面積)の5-ブロモ-2-(3-クロロ-ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-カルボン酸が得られた。
【0115】
この記述した記載内容は、実施例を使用して最良の態様を含めた本開示を例示し、また任意の当業者が、任意の装置又はシステムを作製及び使用し、任意の組み込まれた方法を行うことを含めて本開示を実行することを可能にする。本開示の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含み得る。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文章の言語と異ならない構造要素を有する場合又は特許請求の範囲の文章の言語からの実体のない差異を有する等しい構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。
【国際調査報告】