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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】静電容量検知機器及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/22 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
G01N27/22 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545806
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 US2021065091
(87)【国際公開番号】W WO2022164562
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】17/511,152
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/142,739
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】プラカシュ, オム
(72)【発明者】
【氏名】サフ, メガ
(72)【発明者】
【氏名】スブラマニアン, カナカサバパティ
(72)【発明者】
【氏名】チュンチェ, ヴェンカトラオ
(72)【発明者】
【氏名】アンバラサン, ラダクリシュナン
【テーマコード(参考)】
2G060
【Fターム(参考)】
2G060AA10
2G060AD04
2G060AE28
2G060AF10
2G060AG03
2G060AG10
2G060EA08
2G060EB06
2G060HC15
2G060KA11
(57)【要約】
検知機器が、第1の電極、第1の電極を取り囲む第2の電極、及び、第1の電極と第2の電極が材料に隣接している間に、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することによって、材料の静電容量を検知するように構成された検知モジュールを含む。検知機器を動作させる方法が、第1の電極と第2の電極が材料に隣接して配置されている間に、第1の電極と第2の電極の間に電圧を印加することを含む。第2の電極は、第1の電極を取り囲んでいる。該方法は、電圧に対する材料の応答に基づいて、材料の静電容量を検知することを更に含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極、
前記第1の電極を取り囲む第2の電極、及び
前記第1の電極と前記第2の電極が材料に隣接している間に、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することによって、前記材料の静電容量を検知するように構成された検知モジュールを備える、検知機器。
【請求項2】
前記第1の電極は、前記第2の電極と同一平面上にある、請求項1に記載の検知機器。
【請求項3】
前記第1の電極と前記第2の電極は、共に鏡映対称性と回転対称性を有する、請求項1又は2に記載の検知機器。
【請求項4】
前記第1の電極及び前記第2の電極を取り囲む第3の電極を更に備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の検知機器。
【請求項5】
回路基板を更に備え、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記回路基板の第1の側に配置され、前記回路基板は、前記第1の側とは反対の前記回路基板の第2の側に金属遮蔽層を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の検知機器。
【請求項6】
(i)前記第1の電極又は前記第2の電極と(ii)前記材料との間の最小距離を維持するように構成されたスペーサを更に備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の検知機器。
【請求項7】
第3の電極、
前記第3の電極を取り囲む第4の電極、
第5の電極、及び
前記第5の電極を取り囲む第6の電極を更に備え、
前記第1の電極、前記第3の電極、及び前記第5の電極は、同一直線上にあり、
前記検知モジュールは、
前記第3の電極と前記第4の電極が前記材料に隣接している間に、前記第3の電極と前記第4の電極との間に第2の電圧を印加すること、及び
前記第5の電極と前記第6の電極が前記材料に隣接している間に、前記第5の電極と前記第6の電極との間に第3の電圧を印加すること、を実行するように更に構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の検知機器。
【請求項8】
第3の電極、
前記第3の電極を取り囲む第4の電極、
第5の電極、及び
前記第5の電極を取り囲む第6の電極を更に備え、
前記第1の電極、前記第3の電極、及び前記第5の電極は、同一直線上になく、
前記検知モジュールは、
前記第3の電極と前記第4の電極が前記材料に隣接している間に、前記第3の電極と前記第4の電極との間に第2の電圧を印加すること、及び
前記第5の電極と前記第6の電極が前記材料に隣接している間に、前記第5の電極と前記第6の電極との間に第3の電圧を印加すること、を実行するように更に構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の検知機器。
【請求項9】
検知機器を動作させる方法であって、
第1の電極と第2の電極が材料に隣接して配置されている間に、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することであって、前記第2の電極は、前記第1の電極を取り囲んでいる、電圧を印加すること、及び
前記電圧に対する前記材料の応答に基づいて、前記材料の静電容量を検知することを含む、方法。
【請求項10】
前記電圧を印加することは、前記第1の電極と前記第2の電極が前記材料と接触していない間に前記電圧を印加することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記電圧は、交流電圧である、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記電圧は第1の電圧であり、前記方法は、前記第1の電圧を印加するのと同時に、前記第1の電極と第3の電極との間に第2の電圧を印加することを更に含み、前記第2の電圧は、前記第3の電極が前記材料に隣接して配置されている間に印加され、前記第3の電極は、前記第2の電極を取り囲んでいる、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の電圧を印加することは、前記第1の電極と前記第2の電極との間で生成される電界の形状を整えるために前記第2の電圧を印加することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記材料の前記静電容量が、閾値差を超えてベースライン静電容量から異なっていると判定すること、及び
判定したことに応じて、ユーザインターフェースを介して、異常が前記第1の電極及び前記第2の電極の下に存在するとの表示を提供することを更に含む、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の電極と前記第2の電極を前記材料の試験領域に隣接するように前記材料の上を移動させながら、前記材料の前記静電容量を検知すること、及び
前記第1の電極と前記第2の電極を移動させながら検知された前記静電容量をローパスフィルタすることを更に含む、請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
検知機器を動作させる方法であって、
第1の電極と第2の電極が材料の第1の領域に隣接して配置されている間に、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第1の電圧を印加することであって、前記第2の電極は、前記第1の電極を取り囲んでいる、第1の電圧を印加すること、
前記第1の電圧に対する前記材料の第1の応答に基づいて、前記材料の第1の静電容量を検知すること、
第3の電極と第4の電極が前記材料の第2の領域に隣接して配置されている間に、前記第3の電極と前記第4の電極との間に第2の電圧を印加することであって、前記第4の電極は、前記第3の電極を取り囲んでいる、第2の電圧を印加すること、
前記第2の電圧に対する前記材料の第2の応答に基づいて、前記材料の第2の静電容量を検知すること、
第5の電極と第6の電極が前記材料の第3の領域に隣接して配置されている間に、前記第5の電極と前記第6の電極との間に第3の電圧を印加することであって、前記第6の電極は、前記第5の電極を取り囲んでいる、第3の電圧を印加すること、及び
前記第3の電圧に対する前記材料の第3の応答に基づいて、前記材料の第3の静電容量を検知することを含む、方法。
【請求項17】
前記材料の前記第1の静電容量が、閾値差を超えてベースライン静電容量から異なっていると判定すること、
判定したことに応じて、前記第1の静電容量、前記第2の静電容量、及び前記第3の静電容量に基づいて、前記第1の電極及び前記第2の電極の下の異常の深さを特定すること、並びに
ユーザインターフェースを介して、前記第1の電極及び前記第2の電極の下の前記異常の前記深さの表示を提供することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記材料の前記第1の静電容量が、閾値差を超えてベースライン静電容量から異なっていると判定すること、
判定したことに応じて、前記第1の静電容量、前記第2の静電容量、及び前記第3の静電容量に基づいて、前記第1の電極及び前記第2の電極の下の異常のサイズを特定すること、並びに
ユーザインターフェースを介して、前記第1の電極及び前記第2の電極の下の前記異常の前記サイズの表示を提供することを更に含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の電極、前記第3の電極、及び前記第5の電極は、同一直線上にあり、前記方法は、
前記第1の電極と前記第2の電極が前記材料の第4の領域に隣接して配置されている間に、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第4の電圧を印加すること、
前記第4の電圧に対する前記材料の第4の応答に基づいて、前記材料の第4の静電容量を検知すること、
前記第3の電極と前記第4の電極が前記材料の第5の領域に隣接して配置されている間に、前記第3の電極と前記第4の電極との間に第5の電圧を印加すること、
前記第5の電圧に対する前記材料の第5の応答に基づいて、前記材料の第5の静電容量を検知すること、
前記第5の電極と前記第6の電極が前記材料の第6の領域に隣接して配置されている間に、前記第5の電極と前記第6の電極との間に第6の電圧を印加すること、及び
前記第6の電圧に対する前記材料の第6の応答に基づいて、前記材料の第6の静電容量を検知することを更に含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の電極、前記第3の電極、及び前記第5の電極は、同一直線上にない、請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年1月28日に出願された米国仮出願第63/142,739号の優先権を主張する、2021年10月26日に出願された米国出願第17/511,152号の優先権を主張する国際出願であり、それらの両方の内容は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
[0002] 本開示は、広くは、検知機器及びそれらを使用するための方法に関し、特に、材料の静電容量を検知するための検知機器及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 一部の航空機は、アルミニウム及び/又はアルミニウムを含有する合金で作製された構造用構成要素を含む。これらの構造用構成要素の多くは、風や雨などの周囲環境条件に定期的に晒される。したがって、これらの構造用構成要素は、リベット接合部などのエリアにおいて特に、時間の経過とともに腐食を呈する傾向がある。しばしば、これらの構造用構成要素の外面は、塗装層及び/又は1以上のパッシベーション層によってカバーされている。これらは、腐食の検出を難しくし得る。例えば、塗装層及び/又はパッシベーション層は、研磨や他の手段を介して除去され、腐食は目視検査によって検出され得る。しかし、これは、時間及び労力がかかるプロセスである。したがって、構造用構成要素内の腐食をより侵襲的でなく且つより迅速に検出することを容易にする機器及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本開示の一態様は、検知機器である。該検知機器は、第1の電極、第1の電極を取り囲む第2の電極、及び、第1の電極と第2の電極が材料に隣接している間に、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することによって、材料の静電容量を検知するように構成された検知モジュールを備える。
【0005】
[0005] 本開示の別の一態様は、検知機器を動作させる方法である。該方法は、第1の電極と第2の電極が材料に隣接して配置されている間に、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することを含む。その場合、第2の電極は、第1の電極を取り囲んでいる。該方法は更に、電圧に対する材料の応答に基づいて、材料の静電容量を検知することを含む。
【0006】
[0006] 本開示の更に別の一態様は、検知機器を動作させる方法である。該方法は、第1の電極と第2の電極が材料の第1の領域に隣接して配置されている間に、第1の電極と第2の電極との間に第1の電圧を印加することを含む。その場合、第2の電極は、第1の電極を取り囲んでいる。該方法は更に、第1の電圧に対する材料の第1の応答に基づいて、材料の第1の静電容量を検知することと、第3の電極と第4の電極が材料の第2の領域に隣接して配置されている間に、第3の電極と第4の電極との間に第2の電圧を印加することとを含む。その場合、第4の電極は、第3の電極を取り囲んでいる。該方法は更に、第2の電圧に対する材料の第2の応答に基づいて、材料の第2の静電容量を検知することと、第5の電極と第6の電極が材料の第3の領域に隣接して配置されている間に、第5の電極と第6の電極との間に第3の電圧を印加することとを含む。その場合、第6の電極は、第5の電極を取り囲んでいる。該方法は更に、第3の電圧に対する材料の第3の応答に基づいて、材料の第3の静電容量を検知することを含む。
【0007】
[0007] 本明細書で説明される量又は測定値に言及する「約」又は「実質的に」という用語は、言及される特徴、パラメータ、又は値が正確に実現される必要はないが、例えば、許容範囲、測定誤差、測定精度限界、及び当業者にとって既知の要因などを含む偏差又は変動が、特徴によってもたらされる影響を排除できない大きさで起こり得ることを意味する。
【0008】
[0008] 備える(comprise)、含む(include)、及び有する(having)などの、より広い意味の用語の使用は、から成る(consisting of)、から本質的に構成される(consisting essentially of)、及びから実質的に構成される(comprised substantially of)などの、より狭い意味の用語に対するサポートを提供すると理解されたい。一実施形態の任意の要素に関する、「任意選択的に(optionally)」、「であってよい(may)」、「かもしれない(might)」、「可能性がある(possibly)」などの用語の使用は、その要素が必須ではなく、又は代替的に、その要素が必須であることを意味し、両方の選択肢が(1以上の)実施形態の範囲内にある。
【0009】
[0009] 「第1の」、「第2の」、「第3の」などの序数の使用は、それらの要素の特定の順序や重要性を示すためではなく、それぞれの要素を区別するためのものである。
【0010】
[0010] 前述の特徴、機能、及び利点は、様々な実施例において個別に実現可能であるか、又は更に別の実施例に組み込まれてもよく、かかる更に別の実施例の更なる詳細事項は、以下の説明及び図面を参照することで理解され得る。
【0011】
[0011] 実施例の特性と考えられる新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に規定される。しかし、例示的な実施例、並びに好ましい使用モード、更なる目的、及びそれらの説明は、添付図面を参照して、本開示の例示的な実施例についての以下の詳細な説明を読むことにより、最もよく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】[0012] 一実施例による、検知機器のブロック図である。
図2】[0013] 一実施例による、検知モジュールのブロック図である。
図3】[0014] 一実施例による、航空機の斜視図である。
図4】[0015] 一実施例による、回路基板及び電極の下面図である。
図5】[0016] 一実施例による、回路基板の上面図である。
図6】[0017] 一実施例による、電極セット、材料、及びスペーサの断面図である。
図7】[0018] 一実施例による、電極セット、材料、及びスペーサの断面図である。
図8】[0019] 一実施例による、材料及び回路基板の断面図である。
図9】[0020] 一実施例による、材料及び回路基板の断面図である。
図10】[0021] 一実施例による、材料の領域の上面図である。
図11】[0022] 一実施例による、回路基板上の検知機器の一列の電極セットの下面図である。
図12】[0023] 一実施例による、検知機器の一列の電極セット及び材料の断面図である。
図13】[0024] 一実施例による、回路基板上の検知機器の一列の電極セットの下面図である。
図14】[0025] 一実施例による、検知機器の一列の電極セット及び材料の断面図である。
図15】[0026] 一実施例による、回路基板及び材料の上面図である。
図16】[0027] 一実施例による、回路基板及び材料の上面図である。
図17】[0028] 一実施例による、ユーザインターフェースのディスプレイ構成要素を示す。
図18】[0029] 一実施例による、回路基板及び材料の断面図である。
図19】[0030] 一実施例による、方法のブロック図である。
図20】[0031] 一実施例による、方法のブロック図である。
図21】[0032] 一実施例による、方法のブロック図である。
図22】[0033] 一実施例による、方法のブロック図である。
図23】[0034] 一実施例による、方法のブロック図である。
図24】[0035] 一実施例による、方法のブロック図である。
図25】[0036] 一実施例による、方法のブロック図である。
図26】[0037] 一実施例による、方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0038] 上述されたように、構造用構成要素内の腐食をより侵襲的でなく且つより迅速に検出することを容易にする機器及び方法が必要とされている。しばしば、これらの構造用構成要素の外面は、塗装層及び/又は1以上のパッシベーション層によってカバーされている。従来の機器及び方法とは異なり、本明細書で開示される機器及び方法は、塗装やパッシベーション層を除去することなしに、腐食を検出するために使用され得る。
【0014】
[0039] 本明細書で開示される複数の実施例は、検知機器を含む。該検知機器は、第1の電極、第1の電極を取り囲む第2の電極、及び、第1の電極と第2の電極が材料に隣接している間に、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することによって、材料の静電容量を検知するように構成された検知モジュールを含む。
【0015】
[0040] 本明細書で開示される更なる複数の実施例は、検知機器を動作させる方法を含む。該方法は、第1の電極と第2の電極が材料に隣接して配置されている間に、第1の電極と第2の電極の間に電圧を印加することを含む。第2の電極は、第1の電極を取り囲んでいる。該方法は、電圧に対する材料の応答に基づいて、材料の静電容量を検知することを更に含む。
【0016】
[0041] 更に又は代替的に、第1の電極は第2の電極と同一平面上にあり、及び/又は、第1の電極と第2の電極は、試験されている材料の外面と実質的に平行な同心リングの形態を採る。概して、第1の電極と第2の電極は、動作中に材料(例えば、航空機の主翼の外板)と接触しないが、第1の電極と第2の電極との間に生成された電界が、材料の中を貫通する。検知モジュールは、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加するように構成された信号生成器と、印加された電圧に対する材料の電圧応答及び/又は電流応答を検知するように構成された計器とを含み得る。第1の電極と第2の電極に隣接する材料の静電容量が、応答に基づいて導出され得る。機器は、材料の種々のエリアを試験するために使用されるので、検知モジュールによって検知された静電容量のばらつきから、腐食エリアを推測することができる。
【0017】
[0042] 更に又は代替的に、電極セットの一次元又は二次元アレイが形成される。すなわち、幾つかの第1の電極及び対応する第2の電極は、一列の電極セット、並びに/又は複数列及び行の電極セットを形成する。電極の複数セット(例えば、同心及び同一平面上)を有するこれらの機器は、材料内の多くの異なる場所で(例えば、同時に)材料の静電容量を検出するために使用される。材料のラインにわたり又はエリアにわたり収集されたこの静電容量データを使用して、ピクセル強度又は色が静電容量のレベルにマッピングされた「画像」を生成することができる。
【0018】
[0043] 前述の機器及び方法は、従来の機器及び方法と比較したときに有利であり得る。というのも、前述の機器及び方法は、様々な材料内の腐食のより侵襲的でなく且つより迅速な検出を可能にするからである。例えば、腐食の検出は、試験されている材料の表面から塗装又はパッシベーション層を除去することなしに、及び塗装又はパッシベーション層を再付加する必要なしに実行され得る。前述の機器及び方法はまた、塗装又はパッシベーション層によってカバーされていない材料内の腐食又は他の異常を検出するためにも使用され得る。
【0019】
[0044] 次に、開示される複数の実施例が、添付の図面を参照しながらより完全に説明されることとなる。それらの図面には、本開示の複数の実施例の全てが示されているわけではない。実際、幾つかの異なる実施例が説明されるが、それらは、本明細書で説明される複数の実施例に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、この開示内容が包括的で完全であるように、且つ、本開示の範囲が当業者に十分に伝わるように説明されている。
【0020】
[0045] 図1図18は、航空機、検知機器、及び/又は試験されている材料の構成要素と、それらに関連する機能とを描いている。
【0021】
[0046] 図1は、検知機器100のブロック図である。検知機器100は、第1の電極102、第1の電極102を取り囲む第2の電極104、及び検知モジュール106を含む。以下でより詳細に説明されるように、検知モジュール106は、第1の電極102と第2の電極104が材料110に隣接している間に、第1の電極102と第2の電極104との間に電圧112を印加することによって、材料110の静電容量108を検知するように構成されている。第1の電極102、第2の電極104、及び恐らく他の複数の電極は、電極セット119Aと集合的に呼ばれる。検知機器100はまた、第1の電極102、第2の電極104、及び恐らく他の電極がその上に配置される回路基板116も含む。
【0022】
[0047] 図2は、検知モジュール106のブロック図である。検知モジュール106は、1以上のプロセッサ222、非一過性のコンピュータ可読媒体224、通信インターフェース226、ユーザインターフェース230、計器236、及び信号生成器238を含む。検知モジュール106の構成要素は、システムバス、ネットワーク、又は他の接続機構232によって共にリンクされている。
【0023】
[0048] 1以上のプロセッサ222は、非一過性のコンピュータ可読媒体224に結合された、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マルチコアプロセッサなどの任意の種類の(1以上の)プロセッサであり得る。
【0024】
[0049] 非一過性のコンピュータ可読媒体224は、データ又はプログラムを一時的に又は永続的に記憶するために使用されるデバイスのなかでもとりわけ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)のような揮発性メモリ、或いは、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、磁気若しくは光ディスク、又はコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)のような不揮発性メモリなどの、任意の種類のメモリであり得る。
【0025】
[0050] 更に、非一過性のコンピュータ可読媒体224は、指示命令234を記憶する。指示命令234は、1以上のプロセッサ222によって実行可能であり、検知モジュール106に、本明細書で説明される複数の機能又は方法のいずれかを実行させる。
【0026】
[0051] 通信インターフェース226は、検知モジュール106内の及び/又は検知モジュール106と1以上の他のデバイスとの間の通信を可能にするためのハードウェアを含む。ハードウェアは、例えば、送信機252、受信器254、及びアンテナ256を含む。通信インターフェース226は、1以上の有線又は無線通信プロトコルに従って、1以上の他のデバイスとの通信を容易にするように構成されている。例えば、通信インターフェース226は、電気電子学会(IEEE)801.11規格、ZigBee規格、Bluetooth規格などの1以上の無線通信規格に従って、検知モジュール106用の無線データ通信を容易にするように構成されている。別の一実施例として、通信インターフェース226は、1以上の他のデバイスとの有線データ通信を容易にするように構成されている。
【0027】
[0052] ユーザインターフェース230は、検知モジュール106へデータ及び制御信号を提供するために使用されるハードウェアの1以上のピースを含む。例えば、ユーザインターフェース230は、可能な種類のユーザ入力デバイスの中でもとりわけ、マウス若しくはポインティングデバイス、キーボード若しくはキーパッド、マイクロフォン、タッチパッド、又はタッチスクリーンを含み得る。概して、ユーザインターフェース230は、オペレータが、検知モジュール106によって提供されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)と相互作用することを可能にする。ユーザインターフェース230は、概して、データを表示するように構成されたディスプレイ構成要素を含む。一実施例として、ユーザインターフェース230は、タッチスクリーンディスプレイを含む。別の一実施例として、ユーザインターフェース230は、液晶ディスプレイ(LCD)や発光ダイオード(LED)ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイを含む。
【0028】
[0053] 検知モジュール106はまた、計器236(例えば、マルチメータ)も含む。計器236は、第1のポート240及び第2のポート242を含む。第1のポート240は、第1の電極102を第1のポート240に接続する電気ケーブル又は別の電気コネクタを受け入れるように構成され、第2のポート242は、第2の電極104を第2のポート242に接続する電気ケーブル又は別の電気コネクタを受け入れるように構成されている。計器236は、第1のポート240と第2のポート242との間に存在する定常電圧と過渡電圧を検知するように構成されている。計器236はまた、第1のポート240から第2のポート242へ流れる定常電流と過渡電流を検知するようにも構成されている。
【0029】
[0054] 検知モジュール106はまた、信号生成器238も含む。信号生成器238は、第3のポート244と第4のポート246を含む。第3のポート244は、第1の電極102を第3のポート244に接続する電気ケーブル又は別の電気コネクタを受け入れるように構成され、第4のポート246は、第2の電極104を第4のポート246に接続する電気ケーブル又は別の電気コネクタを受け入れるように構成されている。信号生成器238は、試験されている材料内で定常電圧及び/若しくは定常電流並びに/又は過渡電圧及び/若しくは過渡電流の応答を誘導するように、第3のポート244と第4のポート246との間でAC又はDC電圧又は電流を生成するように構成されている。材料の応答は、例えば、計器236によって検知され、材料の静電容量を特定するために使用される。
【0030】
[0055] 図3は、航空機700の斜視図である。航空機700は、ノーズ710、主翼720a、主翼720b、胴体725、及び尾部730を含む。航空機700は、飛行中、アイテムの保管のために配置された多くのエリアを含む。一実施例では、胴体725が、手荷物及び他のアイテム又は補給品を保管するために、客室の下方に倉庫を含む。別の一実施例では、胴体725内の客室が、更なるアイテムを保管するための、頭上ビン(overhead bins)及び座席下の領域を含む。
【0031】
[0056] 更に又は代替的に、検知機器100は、航空機700の様々な構成要素を形成する構造用構成要素(例えば、外板)の様々なエリアの静電容量を特定するために使用される。ベースラインから大幅に変化する静電容量は、典型的には、腐食のエリア(例えば、腐食の表面下エリア)を示すと推測される。というのも、静電容量の変化は、概して、材料の組成の変化を示すからである。
【0032】
[0057] 本明細書では航空機が一例として使用されるが、検知機器100はまた、建物、橋、ボート、船舶、及び鉄道車両などの他の構造物、又は他のビークル内の材料の静電容量を測定し及び/又は材料の異常を検出するためにも使用され得る。
【0033】
[0058] 図4は、回路基板116及び電極の下面図である。電極セット119Aは、第1の電極102、第2の電極104、及び第3の電極114を含む。第1の電極102、第2の電極104、及び第3の電極114は、導電性(例えば、金属性)であり、回路基板116の第1の側面118(例えば、下側面)にプリント又はさもなければ形成されている。
【0034】
[0059] 第1の電極102は、円筒形状を有するが、他の複数の例も可能である。第2の電極104と第3の電極114とは、各々、環形状を有するが、他の複数の例も可能である。第2の電極104は、第1の電極102を取り囲み、第3の電極114は、第2の電極104と第1の電極102の両方を取り囲んでいる。第1の電極102、第2の電極104、及び第3の電極114は、それぞれ、第1の側面118から法線方向に測定された厚さが、1μmから1mmの範囲である。第1の電極102、第2の電極104、及び第3の電極114の厚さは、概して、互いに実質的に等しい。
【0035】
[0060] 第1の電極102と第2の電極104は、共に鏡映対称性及び回転対称性を有する。したがって、第1の電極102、第2の電極104、及び第3の電極114もまた、共に回転対称性及び鏡映対称性を有する。第1の電極102、第2の電極104、及び第3の電極114はまた、同一平面上にある。回転対称性、鏡映対称性、及び電極が同一平面上にあることは、使用中の望ましくない電界縞(electric field fringing)をなくすのに役立つ。
【0036】
[0061] 回路基板116は、プリント基板(PCB)又は別の種類の回路基板であり得る。概して、回路基板116は、導電性回路がプリントされた電気絶縁コアを有するだろう。
【0037】
[0062] 図5は、回路基板116の上面図である。回路基板116は、第1の側118の反対の回路基板116の第2の側122に金属遮蔽層120を含む。金属遮蔽層120は、回路基板116を外部電界から絶縁するのに役立ち得る。
【0038】
[0063] 図6は、電極セット119A、材料110、及びスペーサ124の断面図である。図6では、スペーサ124が、発泡体又は別の低誘電率(low-k dielectric)誘電材料(例えば、1.0<k<3.0)などの、電気絶縁材料のピースの形態を採る。使い易いように、スペーサ124は、典型的には、軽量材料で形成されるだろう。スペーサ124は、(i)第1の電極102又は第2の電極104と(ii)材料110との間の最小距離126(スペーサ124の厚さと実質的に等しい)を維持する。最小距離126は、0.05mmから3mmの範囲で有り得るが、他の複数の例も可能である。最小距離126は、概して、材料110が第1の電極102と第2の電極104との間で短絡を生じることなしに、第1の電極102と第2の電極104との間で生成された電界が、材料110の中を貫通するように選択される。材料110は、例えば、航空機700のノーズ710、主翼720a、主翼720b、胴体725、又は尾部730の一部分である。更に又は代替的に、最小距離126は、電極セット119Aの直径d3と略等しくなるように実装され得る(図16参照)。
【0039】
[0064] 図7は、電極セット119A、材料110、及びスペーサ124の別の一実施形態の断面図である。図7では、スペーサ124が、プラットフォーム125及び3つのスタッド123を含む。それらのスタッド123は、図7における垂直方向に対応する等しい深さを有する。等しい深さは、平面を規定する。スタッド123の深さをプラットフォーム125の深さに加えると、最小距離126に等しくなる。スタッド123は、プラスチックで形成され得るが、他の複数の例も可能である。幾つかの実施例では、スタッド123が、等しい厚さを有するホイールで置き換えられる。3つのスタッド123は、電極セット119Aが材料110からの実質的に一定の距離(例えば、最小距離126)を維持され得るように平面を規定する。これは、静電容量測定の精度及び/又は一貫性を維持するのに役立つ。
【0040】
[0065] 図8は、材料110及び回路基板116の断面図である。検知機器100の信号生成器238が、第1の電極102と第2の電極104が材料110に隣接して配置されている間に、第1の電極102と第2の電極104との間に電圧112(例えば、AC及び/又はDC)を印加する。図示されているように、第2の電極104は、第1の電極102を取り囲んでいる。
【0041】
[0066] 第1の電極102と第2の電極104が材料110に「隣接している」ことは、電圧112によって生成された電界113の大部分が材料110を貫通するように、電圧112及び第1の電極102と第2の電極104の形状寸法に基づいて、第1の電極102と第2の電極104が材料110に十分近いことを意味し得る。例えば、「隣接する」とは、概して、材料110の静電容量を正確に検知するように、第1の電極102と第2の電極104が材料110に十分近い(例えば、接触してはいない)ことを意味するだろう。幾つかの実施例では、「隣接する」という用語が、材料110と第1の電極102又は第2の電極104との間の分離が、0.05mmから3mmの範囲であることを指すが、他の複数の例も可能である。当業者であれば、電圧112並びに第1の電極102及び/又は第2の電極104の形状寸法に基づいて、材料110と第1の電極102及び/又は第2の電極104との間の適切な距離を決定することができるであろう。
【0042】
[0067] 次に、計器236は、電圧112に対する材料110の応答V1に基づいて、材料110の静電容量108を検知する。応答V1は、概して、第1の電極102と第2の電極104との間の計器236によって検知されるが、他の複数の例も可能である。応答V1は、例えば、特定の振幅又は大きさを有し及び/又は電圧112に対して特定の減衰定数若しくは位相を有する、過渡電圧又は電流或いは定常電圧又は電流の形態を採る。振幅、大きさ、減衰定数、及び/又は位相は、静電容量108を特定するために使用される。信号生成器238は、有限の直列抵抗を有し、それは典型的には応答V1が電圧112とは異なるようになることをもたらすことに留意されたい。というのも、信号生成器238によって生成された幾つかの電圧は、その直列抵抗にわたり降下し、第1の電極102と第2の電極104との間では完全に降下しないからである。
【0043】
[0068] 図9は、材料110と第3の電極114を含むバージョンの回路基板116との断面図である。信号生成器238は、第1の電圧112を第1の電極102と第2の電極104との間に印加するのと同時に、第2の電圧135を第1の電極102と第3の電極114との間に印加する。第2の電圧135は、第3の電極114が同様に材料110に隣接して配置されている間に印加される。図示されているように、第3の電極114は、第2の電極104を取り囲んでいる。第2の電圧135を印加する信号生成器238は、概して、第1の電極102と第2の電極104との間で生成される電界113の形状を整える。例えば、第2の電圧135の大きさ及び/又は極性を変更することによって、典型的には、材料110の中を貫通する電界113の大部分の深さを変える。電界113の深さを変えることによって、材料110の様々な深さの範囲内の静電容量測定を行ったり又は異常を検知したりすることができる。
【0044】
[0069] 第1の電圧112と第2の電圧135は、図9で描かれているものとは異なるやり方で生成され得ることにも留意されたい。例えば、第1の電圧112と第2の電圧135は、両方とも、共通の接地接続における負端子を有することができる。他の複数の例も可能である。次に、計器236は、図8を参照しながら上述されたように、材料110の静電容量108を検知する。しかし、第2の電圧135は、概して、例えば、静電容量108が実際に表す材料110の体積を変えることによって(例えば、電界113の形状を変化させることによって)、計器236によって検出される静電容量108に影響を与える。
【0045】
[0070] 図10は、材料110の上面図であり、材料110の領域150、152、154、156、158、190、192、194、196、及び198を描いている。図11図14を参照しながら以下で説明されるように、検知機器100は、材料110の領域150、152、154、156、158、190、192、194、196、及び198に対応するそれぞれの静電容量を特定するために使用される。
【0046】
[0071] 図11は、回路基板116上の検知機器100の一列の電極セット119A、119B、119C、119D、及び119Eの下面図である。5つの電極セットが図11で示されているが、任意の数の電極セットが、回路基板116の一部として含まれ得る。更なる電極セットが、材料の試験中に独立した制御の更なる要素を提供し、また、材料の所与の面積及び/又は体積を検査するために必要とされる時間の量を短縮させることもできる。
【0047】
[0072] 検知機器100は、回路基板116の第1の側118に電極セット119Bを含む。電極セット119Bは、第3の電極128と第3の電極128を取り囲む第4の電極130とを含む。
【0048】
[0073] 検知機器100はまた、回路基板116の第1の側118に電極セット119Cを含む。電極セット119Cは、第5の電極132と第5の電極132を取り囲む第6の電極134とを含む。
【0049】
[0074] 検知機器100はまた、電極セット119Dと電極セット119Eも含む。それらは両方とも、概して、電極セット119A~Cの特徴(例えば、2つ又は3つの同心及び/又は同一平面上の電極)の全てを有する。
【0050】
[0075] 図示されているように、第1の電極102、第3の電極128、及び第5の電極132は、同一直線上にある。第2の電極104、第4の電極130、及び第6の電極134のそれぞれの中心点も、同一直線上にある。したがって、電極セット119A、119B、119C、119D、及び119Eは、2次元エリアにわたり静電容量の測定を行うために、材料110のわたり走査され得る一列を形成する。
【0051】
[0076] 信号生成器238は、第3の電極128と第4の電極130が材料110(図11では示されていない)に隣接している間に、第3の電極128と第4の電極130との間に第2の電圧136を印加する。信号生成器238は、例えば、第1の電圧112を印加するのと同時に第2の電圧136を印加する。
【0052】
[0077] 信号生成器238はまた、第5の電極132と第6の電極134が材料110(図11では示されていない)に隣接している間に、第5の電極132と第6の電極134との間に第3の電圧138を印加する。電極の間で印加された前述の電圧は、それぞれの電極の下の材料110の静電容量を測定するために使用される。
【0053】
[0078] 図12は、回路基板116上の検知機器100の一列の電極セット119A、119B、119C、119D、及び119Eの断面図である。
【0054】
[0079] 信号生成器238は、第1の電極102と第2の電極104が材料110の第1の領域150に隣接して配置されている間に、第1の電極102と第2の電極104との間に第1の電圧112を印加する。図示されているように、第2の電極104は、第1の電極102を取り囲んでいる。回路基板116は、第1の電極102と第2の電極104が第1の領域150に隣接して配置されるように、手動又は自動で配置される。
【0055】
[0080] 計器236は、第1の電圧112に対する材料110の第1の応答V1に基づいて、材料110(例えば、第1の領域150)の第1の静電容量108を検知する。
【0056】
[0081] 信号生成器238は、第3の電極128と第4の電極130が材料110の第2の領域152に隣接して配置されている間に、第3の電極128と第4の電極130との間に第2の電圧136を印加する。図示されているように、第4の電極130は、第3の電極128を取り囲んでいる。第1の電極102と第2の電極104が第1の領域150に隣接するように回路基板116が配置されると、回路基板116はまた、第3の電極128と第4の電極130が第2の領域152に隣接するようにも配置されることになる。
【0057】
[0082] 計器236は、第2の電圧136に対する材料110の第2の応答V2に基づいて、材料110(例えば、第2の領域152)の第2の静電容量161を検知する。
【0058】
[0083] 信号生成器238は、第5の電極132と第6の電極134が材料110の第3の領域154に隣接して配置されている間に、第5の電極132と第6の電極134との間に第3の電圧138を印加する。図示されているように、第6の電極134は、第5の電極132を取り囲んでいる。第1の電極102と第2の電極104が第1の領域150に隣接するように回路基板116が配置されると、回路基板116はまた、第5の電極132と第6の電極134が第3の領域154に隣接するようにも配置されることになる。
【0059】
[0084] 計器236は、第3の電圧138に対する材料110の第3の応答V3に基づいて、材料110(例えば、第3の領域154)の第3の静電容量163を検知する。
【0060】
[0085] 信号生成器238は、第1の電圧112、第2の電圧136、及び第3の電圧138を同時に印加するが、他の複数の例も可能である。概して、第1の電圧112、第2の電圧136、及び第3の電圧138は、大きさ、タイミング、位相、及び/又は波形が実質的に等しい。しかし、異なる振幅、タイミング、位相、及び/又は波形を有する、第1の電圧112、第2の電圧136、及び/又は第3の電圧138が、有益であり得る状況が存在してよい。
【0061】
[0086] 図13は、回路基板116上の検知機器100の一列の電極セット119A、119B、119C、119D、及び119Eの下面図である。
【0062】
[0087] 図14は、回路基板116上の検知機器100の一列の電極セット119A、119B、119C、119D、及び119Eの断面図である。図14では、回路基板116が、図12で描かれた位置とは異なる材料110に対する位置に手動又は自動で移動されている。
【0063】
[0088] 信号生成器238は、第1の電極102と第2の電極104が材料110の第4の領域190に隣接して配置されている間に、第1の電極102と第2の電極104との間に第4の電圧512を印加する。第4の電圧512は、第1の電圧112と同じで有り得るが、それは必須ではない。
【0064】
[0089] 計器236は、第4の電圧512に対する材料110の第4の応答V4に基づいて、材料110(例えば、第4の領域190)の第4の静電容量508を検知する。
【0065】
[0090] 信号生成器238は、第3の電極128と第4の電極130が材料110の第5の領域192に隣接して配置されている間に、第3の電極128と第4の電極130との間に第5の電圧536を印加する。第1の電極102と第2の電極104が第4の領域190に隣接するように回路基板116が配置されると、回路基板116はまた、第3の電極128と第4の電極130が第5の領域192に隣接するようにも配置されることになる。
【0066】
[0091] 計器236は、第5の電圧536に対する材料110の第5の応答V5に基づいて、材料110(例えば、第5の領域192)の第5の静電容量561を検知する。
【0067】
[0092] 信号生成器238は、第5の電極132と第6の電極134が材料110の第6の領域194に隣接して配置されている間に、第5の電極132と第6の電極134との間に第6の電圧538を印加する。第1の電極102と第2の電極104が第4の領域190に隣接するように回路基板116が配置されると、回路基板116はまた、第5の電極132と第6の電極134が第6の領域194に隣接するようにも配置されることになる。
【0068】
[0093] 計器236は、第6の電圧538に対する材料110の第6の応答V6に基づいて、材料110(例えば、第6の領域194)の第6の静電容量563を検知する。
【0069】
[0094] 信号生成器238は、第4の電圧512、第5の電圧536、及び第6の電圧538を同時に印加するが、これは必須ではない。
【0070】
[0095] 第5の電圧536と第6の電圧538は、第4の電圧512と同じで有り得るが、それは必須ではない。
【0071】
[0096] 図15は、回路基板116及び材料110の上面図である。回路基板116は、電極セット119A、119B、119C、119D、及び119Eを使用して、材料110の様々な領域を系統的に検査するために、方向159に自動又は手動で移動又は走査される。そのような走査中又は後に、検知モジュール106は、ベースライン静電容量Cbが腐食などの実質的な異常がない場合の材料110の平均期待静電容量を表すことを決定し得る。一実施例では、電極セット119Aが、材料110の異常146(例えば、腐食のエリア)の上にいつかは配置される。検知モジュール106は、材料110(例えば、異常146)の静電容量108が、閾値差Ctを超えてベースライン静電容量Cbから異なっていると判定する。図15では、静電容量108が、Cxyによって表される。幾つかの実施例では、閾値差Ctが、ベースライン静電容量Cbの1%、2%、3%、5%、10%、又は15%で有り得る。閾値差Ctは、異常が検出されたことをある程度確実にするのに十分な大きさの静電容量のばらつきを表すように選択される。当業者であれば、材料110内の異常を正確に表す閾値差を選択する方法を認識するであろう(例えば、診断テストを介して)。
【0072】
[0097] 検知モジュール106が、材料110(例えば、異常146)の静電容量108(例えば、Cxy)が閾値差Ctを超えてベースライン静電容量Cbから異なっていると判定したことに応じて、ユーザインターフェース230は、異常146が第1の電極102及び第2の電極104の下に存在するとの表示144を提供する。これは、図17で示され、以下でより詳細に説明される。
【0073】
[0098] 異常146を検査した後で、回路基板116は、電極セット119Aが材料110の試験領域148の上にあるように方向169に移動される。第1の電極102と第2の電極104が、異常146から離れて試験領域148に隣接するように材料110の上で移動されている間に、電極セット119Aは、(例えば、連続的に)材料110の静電容量を検知する。検知モジュール106は、第1の電極102及び第2の電極104を方向169に移動させながら検知された静電容量をローパスフィルタする。ローパスフィルタは、回路基板116が方向169に移動されている間に、電極セット119Aと材料110との間の距離がゆっくりと変化することにより生じ得る静電容量の変化を無視するのに役立つ。この距離の変化は、例えば、ユーザ誤差又はスペーサ124の非理想性に起因する。ローパスフィルタにより、材料110の組成における変化を表す可能性が高い、より急激な静電容量の変化に焦点を当てることができる。回路基板116が移動する間に生じる静電容量の漸進的な変化は、したがって、無視することができる。というのも、それらの漸進的な変化は、検知機器100の非理想性を反映する可能性が高く、材料110の組成の変化を反映する可能性は低いからである。
【0074】
[0099] 更に、検知モジュール106は、電極セット119Cを使用して、異常147に対応する材料110の静電容量が閾値差Ctを超えてベースライン静電容量Cbから異なっていると判定し、それに応じて、ユーザインターフェース230を介して、異常147が電極セット119Cの下に存在するとの表示149を提供する。これは、図17で示され、以下でより詳細に説明される。
【0075】
[00100] 図16は、回路基板116及び材料110の別の一実施形態の上面図である。図示されているように、第1の電極102、第3の電極128、及び第5の電極132は、この実施形態では同一直線上にない。図16は、電極セット119A、119B、119C、119D、119E、119F、119G、119H、119I、及び119Jの三次元アレイを示している。三次元アレイは、材料110の大きな体積及び/又は面積を迅速に検査するのに有用で有り得る。
【0076】
[00101] 回路基板116は、電極セット119A、119B、119C、119D、119E、119F、119G、119H、119I、及び119Jのうちの1以上を使用して、材料110の様々な領域を系統的に検査するために、方向159に自動又は手動で移動又は走査される。そのような走査中又は後に、検知モジュール106は、ベースライン静電容量Cbが腐食などの実質的な異常がない場合の材料110の平均期待静電容量を表すことを決定し得る。一実施例では、電極セット119Fが、材料110の異常146(例えば、腐食のエリア)の上にいつかは配置される。検知モジュール106は、材料110(例えば、異常146)の静電容量108が、閾値差Ctを超えてベースライン静電容量Cbから異なっていると判定する。図16では、静電容量108が、Cxyによって表される。幾つかの実施例では、閾値差Ctが、ベースライン静電容量Cbの1%、2%、3%、5%、10%、又は15%で有り得るが、他の複数の例も可能である。閾値差Ctは、異常が検出されたことをある程度確実にするのに十分な大きさの静電容量のばらつきを表すように選択される。
【0077】
[00102] 検知モジュール106が、材料110(例えば、異常146)の静電容量108(例えば、Cxy)が閾値差Ctを超えてベースライン静電容量Cbから異なっていると判定したことに応じて、ユーザインターフェース230は、異常146が第5の電極132及び第6の電極134の下に存在するとの表示144を提供する。これは、図17で示され、以下でより詳細に説明される。
【0078】
[00103] 更に、検知モジュール106は、電極セット119Cを使用して、異常147に対応する材料110の静電容量が閾値差Ctを超えてベースライン静電容量Cbから異なっていると判定し、それに応じて、ユーザインターフェース230を介して、異常147が電極セット119Cの下に存在するとの表示149を提供する。これは、図17で示され、以下でより詳細に説明される。
【0079】
[00104] 図16で示されているように、電極セット119A~Eは、それぞれ、距離d1だけ電極セット119F~Jから離隔している。別の軸では、電極セット(例えば、電極セット119Dと電極セット119E)が、距離d2だけ離隔している。概して、距離d1と距離d2は、関心対象の及び/又は予想される異常のサイズに基づいて選択され、実装され得る。例えば、関心対象の異常が、電極セット119A~Jの直径d3と同様なスケールの直径を有する場合、d1とd2は、d3の略半分に実装され得る。(d1、d2、及びd3は、必ずしも図16で示されている縮尺通りではない。)第3の電極114が、電極セット119Aを他の電極セットから電磁的に絶縁するために使用される複数の実施例では、電極セット119A~Jがほぼ互いに当接し得る。
【0080】
[00105] 図17は、ユーザインターフェース230のディスプレイ構成要素を示す。上述されたように、ユーザインターフェース230は、異常146が第1の電極102及び第2の電極104の下に存在するとの表示144を提供する。例えば、表示144は、異常146に対応するディスプレイ構成要素の領域の色を暗くしたり、明るくしたり、又は変えたりすることを含み得る。同様なやり方で、ユーザインターフェース230はまた、異常147が電極セット119C又は電極セット119Hの下に存在するとの表示149も提供する。
【0081】
[00106] 異常147に対応する静電容量は、異常146に対応する静電容量と比較したときに、ベースライン静電容量Cbからの差が少なくてよい。したがって、表示149は、表示144と比較したときに、明るさや色の違いを介してそのことを示してよい。例えば、ピクセル強度が低いほど、ベースライン静電容量からのばらつきが大きいことに相関する、或いは、カラースケールをベースライン静電容量Cbからの差の異なるレベルにマッピングすることができる。幾つかの実施例では、実際の静電容量値が、ユーザインターフェース230内のそれぞれの領域に表示され得る。他の複数の例も可能である。これらの概念はまた、材料110内の異常の三次元マッピングを実現するために三次元的に適用される。このようなマッピングを経時的に定期的に取得することで、材料110の劣化傾向を特定することができる。
【0082】
[00107] 図18は、回路基板116及び材料110の断面図である。検知モジュール106は、材料110の第1の静電容量108が、閾値差Ctを超えてベースライン静電容量Cbから異なっていると判定し、それに応じて、第1の静電容量108、第2の静電容量161、及び第3の静電容量163に基づいて、第1の電極102及び第2の電極104(例えば、電極セット119A)の下の異常146の深さ171を特定する。更に、ユーザインターフェース230は、第1の電極102及び第2の電極104の下の異常146の深さ171の表示(例えば、数値表示)を提供する。幾つかの実施例では、電極セット119A、電極セット119B、及び電極セット119Cの全てが異常146を検出する、クロストーク現象が存在し、ベースライン静電容量Cbからの静電容量のそれぞれの逸脱は、異常146からの電極セットの距離に反比例する。このやり方では、三角測量技法を第1の静電容量108、第2の静電容量161、及び第3の静電容量163に適用して、異常146の深さ171及び/又はサイズ173(例えば、直径)を特定することができる。したがって、ユーザインターフェース230は、サイズ173及び/又は深さ171の表示(例えば、数値表示)を提供する。
【0083】
[00108] 図19図26は、検知機器を動作させるための方法200、201、203、205、300、301、303、及び305のブロック図である。方法200、201、203、205、300、301、303、及び305は、図1図18で示された検知機器100及び材料110と共に使用され得る方法の複数の実施例を提示する。図19図26で示されているように、方法200、201、203、205、300、301、303、及び305は、ブロック202、204、206、208、210、212、214、302、304、306、308、310、312、314、316、318、320、322、324、326、328、330、332、334、及び336によって示されているような1以上の動作、機能、又は作用を含む。ブロックは順番に示されているが、これらのブロックはまた、並行して実行されてもよく、及び/又は本明細書で説明されるものとは異なる順序で実行されてもよい。また、様々なブロックが、より少ないブロックへと組み合わされたり、更なるブロックに分割されたり、及び/又は所望の実装に基づいて除去されたりしてもよい。
【0084】
[00109] 図19は、方法200のブロック図である。
【0085】
[00110] ブロック202では、方法200が、第1の電極102と第2の電極104が材料110に隣接して配置されている間に、第1の電極102と第2の電極104との間に第1の電圧112を印加することを含む。この文脈では、第2の電極104が、第1の電極102を取り囲んでいる。
【0086】
[00111] ブロック204では、方法200が、第1の電圧112に対する材料110の応答V1に基づいて、材料110の静電容量108を検知することを含む。
【0087】
[00112] 図20は、方法201のブロック図である。
【0088】
[00113] ブロック206では、方法201が、第1の電圧112を印加するのと同時に、第2の電圧135を第1の電極102と第3の電極114との間に印加することを含む。第2の電圧135は、第3の電極114が材料110に隣接して配置されている間に印加される。第3の電極114は、第2の電極104を取り囲んでいる。
【0089】
[00114] 図21は、方法203のブロック図である。
【0090】
[00115] ブロック208では、方法203が、材料110の第1の静電容量108が閾値差Ctを超えてベースライン静電容量Cbから異なっていると判定することを含む。
【0091】
[00116] ブロック210では、方法203が、判定したことに応じて、ユーザインターフェース230を介して、異常146が第1の電極102及び第2の電極104の下に存在するとの表示144を提供することを含む。
【0092】
[00117] 図22は、方法205のブロック図である。
【0093】
[00118] ブロック212では、方法205が、第1の電極102と第2の電極104を材料110の試験領域148に隣接するように材料110の上を移動させながら、材料110の第1の静電容量108を検知することを含む。
【0094】
[00119] ブロック214では、方法205が、第1の電極102と第2の電極104を移動させながら検知された第1の静電容量108をローパスフィルタすることを含む。
【0095】
[00120] 図23は、方法300のブロック図である。
【0096】
[00121] ブロック302では、方法300が、第1の電極102と第2の電極104が材料110の第1の領域150に隣接して配置されている間に、第1の電極102と第2の電極104との間に第1の電圧112を印加することを含む。この文脈では、第2の電極104が、第1の電極102を取り囲んでいる。
【0097】
[00122] ブロック304では、方法300が、第1の電圧112に対する材料110の応答V1に基づいて、材料110の静電容量108を検知することを含む。
【0098】
[00123] ブロック306では、方法300が、第3の電極128と第4の電極130が材料110の第2の領域152に隣接して配置されている間に、第3の電極128と第4の電極130との間に第2の電圧136を印加することを含む。この文脈では、第4の電極130が、第3の電極128を取り囲んでいる。
【0099】
[00124] ブロック308では、方法300が、第2の電圧136に対する材料110の第2の応答V2に基づいて、材料110の第2の静電容量161を検知することを含む。
【0100】
[00125] ブロック310では、方法300が、第5の電極132と第6の電極134が材料110の第3の領域154に隣接して配置されている間に、第5の電極132と第6の電極134との間に第3の電圧138を印加することを含む。この文脈では、第6の電極134が、第5の電極132を取り囲んでいる。
【0101】
[00126] ブロック312では、方法300が、第3の電圧138に対する材料110の第3の応答V3に基づいて、材料110の第3の静電容量163を検知することを含む。
【0102】
[00127] 図24は、方法301のブロック図である。
【0103】
[00128] ブロック314では、方法301が、材料110の第1の静電容量108が閾値差Ctを超えてベースライン静電容量Cbから異なっていると判定することを含む。
【0104】
[00129] ブロック316では、方法301が、判定したことに応じて、第1の静電容量108、第2の静電容量161、及び第3の静電容量163に基づいて、第1の電極102及び第2の電極104の下の異常146の深さ171を特定することを含む。
【0105】
[00130] ブロック318では、方法301が、ユーザインターフェース230を介して、第1の電極102及び第2の電極104の下の異常146の深さ171の表示を提供することを含む。
【0106】
[00131] 図25は、方法303のブロック図である。
【0107】
[00132] ブロック320では、方法303が、材料110の第1の静電容量108が閾値差Ctを超えてベースライン静電容量Cbから異なっていると判定することを含む。
【0108】
[00133] ブロック322では、方法303が、判定したことに応じて、第1の静電容量108、第2の静電容量161、及び第3の静電容量163に基づいて、第1の電極102及び第2の電極104の下の異常146のサイズ173を特定することを含む。
【0109】
[00134] ブロック324では、方法303が、ユーザインターフェース230を介して、第1の電極102及び第2の電極104の下の異常146のサイズ173の表示を提供することを含む。
【0110】
[00135] 図26は、方法305のブロック図である。
【0111】
[00136] ブロック326では、方法305が、第1の電極102と第2の電極104が材料110の第4の領域190に隣接して配置されている間に、第1の電極102と第2の電極104との間に第4の電圧512を印加することを含む。
【0112】
[00137] ブロック328では、方法305が、第4の電圧512に対する材料110の第4の応答V4に基づいて、材料110の第4の静電容量508を検知することを含む。
【0113】
[00138] ブロック330では、方法305が、第3の電極128と第4の電極130が材料110の第5の領域192に隣接して配置されている間に、第3の電極128と第4の電極130との間に第5の電圧536を印加することを含む。
【0114】
[00139] ブロック332では、方法305が、第5の電圧536に対する材料110の第5の応答V5に基づいて、材料110の第5の静電容量561を検知することを含む。
【0115】
[00140] ブロック334では、方法305が、第5の電極132と第6の電極134が材料110の第6の領域194に隣接して配置されている間に、第5の電極132と第6の電極134との間に第6の電圧538を印加することを含む。
【0116】
[00141] ブロック336では、方法305が、第6の電圧538に対する材料110の第6の応答V6に基づいて、材料110の第6の静電容量563を検知することを含む。
【0117】
[00142] 更に、本開示は、以下の条項による実施例を含む。
【0118】
[00143] 条項1
検知機器であって、第1の電極、前記第1の電極を取り囲む第2の電極、及び、前記第1の電極と前記第2の電極が材料に隣接している間に、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することによって、前記材料の静電容量を検知するように構成された検知モジュールを備える、検知機器。
【0119】
[00144] 条項2
前記第1の電極は、前記第2の電極と同一平面上にある、条項1に記載の検知機器。
【0120】
[00145] 条項3
前記第1の電極と前記第2の電極は、共に鏡映対称性と回転対称性を有する、条項1又は2に記載の検知機器。
【0121】
[00146] 条項4
前記第1の電極及び前記第2の電極を取り囲む第3の電極を更に備える、条項1から3のいずれか一項に記載の検知機器。
【0122】
[00147] 条項5
回路基板を更に備え、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記回路基板の第1の側に配置され、前記回路基板は、前記第1の側とは反対の前記回路基板の第2の側に金属遮蔽層を備える、条項1から4のいずれか一項に記載の検知機器。
【0123】
[00148] 条項6
(i)前記第1の電極又は前記第2の電極と(ii)前記材料との間の最小距離を維持するように構成されたスペーサを更に備える、条項1から5のいずれか一項に記載の検知機器。
【0124】
[00149] 条項7
第3の電極、前記第3の電極を取り囲む第4の電極、第5の電極、及び前記第5の電極を取り囲む第6の電極を更に備え、前記第1の電極、前記第3の電極、及び前記第5の電極は、同一直線上にあり、前記検知モジュールは、前記第3の電極と前記第4の電極が前記材料に隣接している間に、前記第3の電極と前記第4の電極との間に第2の電圧を印加すること、及び、前記第5の電極と前記第6の電極が前記材料に隣接している間に、前記第5の電極と前記第6の電極との間に第3の電圧を印加すること、を実行するように更に構成されている、条項1から6のいずれか一項に記載の検知機器。
【0125】
[00150] 条項8
第3の電極、前記第3の電極を取り囲む第4の電極、第5の電極、及び前記第5の電極を取り囲む第6の電極を更に備え、前記第1の電極、前記第3の電極、及び前記第5の電極は、同一直線上になく、前記検知モジュールは、前記第3の電極と前記第4の電極が前記材料に隣接している間に、前記第3の電極と前記第4の電極との間に第2の電圧を印加すること、及び、前記第5の電極と前記第6の電極が前記材料に隣接している間に、前記第5の電極と前記第6の電極との間に第3の電圧を印加すること、を実行するように更に構成されている、条項1から6のいずれか一項に記載の検知機器。
【0126】
[00151] 条項9
検知機器を動作させる方法であって、第1の電極と第2の電極が材料に隣接して配置されている間に、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することであって、前記第2の電極は、前記第1の電極を取り囲んでいる、電圧を印加すること、及び、前記電圧に対する前記材料の応答に基づいて、前記材料の静電容量を検知することを含む、方法。
【0127】
[00152] 条項10
前記電圧を印加することは、前記第1の電極と前記第2の電極が前記材料と接触していない間に前記電圧を印加することを含む、条項9に記載の方法。
【0128】
[00153] 条項11
前記電圧は、交流(AC)電圧である、条項9又は10に記載の方法。
【0129】
[00154] 条項12
前記電圧は第1の電圧であり、前記方法は、前記第1の電圧を印加するのと同時に、前記第1の電極と第3の電極との間に第2の電圧を印加することを更に含み、前記第2の電圧は、前記第3の電極が前記材料に隣接して配置されている間に印加され、前記第3の電極は、前記第2の電極を取り囲んでいる、条項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【0130】
[00155] 条項13
前記第2の電圧を印加することは、前記第1の電極と前記第2の電極との間で生成される電界の形状を整えるために前記第2の電圧を印加することを含む、条項12に記載の方法。
【0131】
[00156] 条項14
前記材料の前記静電容量が、閾値差を超えてベースライン静電容量から異なっていると判定すること、及び、判定したことに応じて、ユーザインターフェースを介して、異常が前記第1の電極及び前記第2の電極の下に存在するとの表示を提供することを更に含む、条項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【0132】
[00157] 条項15
前記第1の電極と前記第2の電極を前記材料の第2の領域に隣接するように前記材料の上を移動させながら、前記材料の前記静電容量を検知すること、及び、前記第1の電極と前記第2の電極を移動させながら検知された前記静電容量をローパスフィルタすることを更に含む、条項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【0133】
[00158] 条項16
検知機器を動作させる方法であって、第1の電極と第2の電極が材料の第1の領域に隣接して配置されている間に、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第1の電圧を印加することであって、前記第2の電極は、前記第1の電極を取り囲んでいる、第1の電圧を印加すること、前記第1の電圧に対する前記材料の第1の応答に基づいて、前記材料の第1の静電容量を検知すること、第3の電極と第4の電極が前記材料の第2の領域に隣接して配置されている間に、前記第3の電極と前記第4の電極との間に第2の電圧を印加することであって、前記第4の電極は、前記第3の電極を取り囲んでいる、第2の電圧を印加すること、前記第2の電圧に対する前記材料の第2の応答に基づいて、前記材料の第2の静電容量を検知すること、第5の電極と第6の電極が前記材料の第3の領域に隣接して配置されている間に、前記第5の電極と前記第6の電極との間に第3の電圧を印加することであって、前記第6の電極は、前記第5の電極を取り囲んでいる、第3の電圧を印加すること、及び、前記第3の電圧に対する前記材料の第3の応答に基づいて、前記材料の第3の静電容量を検知することを含む、方法。
【0134】
[00159] 条項17
前記材料の前記第1の静電容量が、閾値差を超えてベースライン静電容量から異なっていると判定すること、判定したことに応じて、前記第1の静電容量、前記第2の静電容量、及び前記第3の静電容量に基づいて、前記第1の電極及び前記第2の電極の下の異常の深さを特定すること、並びに、ユーザインターフェースを介して、前記第1の電極及び前記第2の電極の下の前記異常の前記深さの表示を提供することを更に含む、条項16に記載の方法。
【0135】
[00160] 条項18
前記材料の前記第1の静電容量が、閾値差を超えてベースライン静電容量から異なっていると判定すること、判定したことに応じて、前記第1の静電容量、前記第2の静電容量、及び前記第3の静電容量に基づいて、前記第1の電極及び前記第2の電極の下の異常のサイズを特定すること、並びに、ユーザインターフェースを介して、前記第1の電極及び前記第2の電極の下の前記異常の前記サイズの表示を提供することを更に含む、条項16に記載の方法。
【0136】
[00161] 条項19
前記第1の電極、前記第3の電極、及び前記第5の電極は、同一直線上にあり、前記方法は、前記第1の電極と前記第2の電極が前記材料の第4の領域に隣接して配置されている間に、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第4の電圧を印加すること、前記第4の電圧に対する前記材料の第4の応答に基づいて、前記材料の第4の静電容量を検知すること、前記第3の電極と前記第4の電極が前記材料の第5の領域に隣接して配置されている間に、前記第3の電極と前記第4の電極との間に第5の電圧を印加すること、前記第5の電圧に対する前記材料の第5の応答に基づいて、前記材料の第5の静電容量を検知すること、前記第5の電極と前記第6の電極が前記材料の第6の領域に隣接して配置されている間に、前記第5の電極と前記第6の電極との間に第6の電圧を印加すること、及び、前記第6の電圧に対する前記材料の第6の応答に基づいて、前記材料の第6の静電容量を検知することを更に含む、条項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【0137】
[00162] 条項20
前記第1の電極、前記第3の電極、及び前記第5の電極は、同一直線上にない、条項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【0138】
[00163] 種々の有利な構成についての説明は、例示及び説明を目的として提示されており、網羅的であること、又は例を開示されている形態の例に限定することを意図するものではない。当業者には、多くの修正例及び変形例が明らかであろう。更に、種々の有利な実施例は、他の有利な実施例と比べて異なる利点を表わし得る。選択された1以上の実施例は、実施例の原理、実際の用途をよく説明するため、及び他の当業者に対し、様々な実施例の開示内容と、考慮される特定の用途に適した様々な修正例との理解を促すために選択及び記述されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
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図25
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【国際調査報告】