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特表2024-505542スライドファスナ封止システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】スライドファスナ封止システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A44B 19/32 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
A44B19/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546318
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 US2022012474
(87)【国際公開番号】W WO2022169577
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】63/145,087
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520490668
【氏名又は名称】ワイケイケイ(ユーエスエイ)インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】マイヤスコウ、 リチャード カー
(72)【発明者】
【氏名】ハリントン、 ロス デービス
【テーマコード(参考)】
3B098
【Fターム(参考)】
3B098AA08
3B098AB03
3B098BB02
3B098FA09
3B098FA13
3B098FA18
3B098GB23
(57)【要約】
スライドファスナ封止システム及び関連する方法。一実施例において、スライドファスナ封止システムは、封止ゾーンがスライドファスナの重複する端部の間に位置するように第1の端部が第2の端部に重なって固定される分離スライドファスナを含む。封止システムはまた、この実施例において、取り外し可能な方法でスライドファスナに固定することができる封止部材を含み、封止部材の一部が封止ゾーンに配置されて封止ゾーンからの流体の浸透に対して封止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)分離スライドファスナであって、
(i)第1のテープ及び第2のテープを含み、各テープは第1の端部と、第2の端部と、各テープに沿って配置された締結要素とを含み、
(ii)前記第1のテープの第1の端部は前記第1のテープの第2の端部に重なって固定され、前記第2のテープの第1の端部は前記第2のテープの第2の端部に重なって固定され、封止ゾーンが前記第1及び第2のテープの重なり合う端部の間に位置し、
(iii)前記第1及び第2のテープの締結要素を係合及び係合解除するように構成されたスライダを含み、前記第1のテープは前記締結要素が係合解除されたときに前記第2のテープから分離可能であり、
(iv)前記封止ゾーンは前記第1及び第2のテープによって通路の側面が囲まれた通路を含む、分離スライドファスナと、
(b)封止部材であって、前記封止部材の少なくとも一部が前記封止ゾーンに配置されて前記通路を封止するように、取り外し可能な方法で前記スライドファスナに固定されるように構成され、
(i)封止体と、
(ii)前記封止部材を前記スライドファスナに接続するように構成されたコネクタと、
(iii)前記封止体を拡張させるように構成された封止体アクチュエータと
を含む封止部材と
を含むスライドファスナ封止システム。
【請求項2】
前記スライドファスナはさらに、前記封止ゾーン内で前記第1のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第1のサイドシールと、前記封止ゾーン内で前記第2のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第2のサイドシールとを含む、請求項1に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項3】
前記コネクタは前記第1及び第2のテープの第2の端部に接続するように構成される、請求項2に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項4】
一方のテープの第2の端部は保持ボックスを含み、前記コネクタは取り外し可能な方法で前記保持ボックスに接続するように構成された弾性フックである、請求項3に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項5】
前記封止部材は、前記コネクタが前記封止部材を前記スライドファスナに接続すると、前記封止体が前記封止ゾーン内で前記第1及び第2のサイドシールに隣接して配置されるように構成される、請求項3に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項6】
前記封止体アクチュエータはスライド式に前記封止体を通って延びる、請求項2に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項7】
前記封止体アクチュエータは、前記封止体内にスライドされたときに前記封止体を拡張させるように構成された太い部分を含む、請求項6に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項8】
前記封止体アクチュエータはさらに、前記通路を超えて延びるように構成されたプルを含む、請求項6に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項9】
前記封止体の材料がOO-30からショアD-65の範囲でOO-30からショアD-65を含むショア硬度を有する、請求項2に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項10】
前記第1及び第2のサイドシールの材料が50から70の範囲で50から70を含むショアA硬度を有する、請求項2に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項11】
前記封止部材が封止ゾーンに配置され、前記第1のテープの締結要素が前記第2のテープの締結要素と係合されると、前記スライドファスナ封止システムは、少なくとも1PSI(6894.76Pa)の圧力の流体が前記封止ゾーンを通して浸透するのを少なくとも20秒間防ぐように構成される、請求項2に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項12】
(a)分離スライドファスナであって、
(i)第1のテープ及び第2のテープを含み、各テープは第1の端部と、第2の端部と、各テープに沿って配置された締結要素とを含み、
(ii)前記第1のテープの第1の端部は前記第1のテープの第2の端部に重なって固定され、前記第2のテープの第1の端部は前記第2のテープの第2の端部に重なって固定され、封止ゾーンが前記第1及び第2のテープの重なり合う端部の間に位置し、
(iii)前記第1及び第2のテープの締結要素を係合及び係合解除するように構成されたスライダを含み、前記第1のテープは前記締結要素が係合解除されると前記第2のテープから分離可能であり、
(iv)前記封止ゾーンは前記第1及び第2のテープによって通路の側面が囲まれた通路を含み、
(v)前記封止ゾーン内で前記第1のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第1のサイドシールと、前記封止ゾーン内で前記第2のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第2のサイドシールとを含む分離スライドファスナと、
(b)封止部材であって、前記封止部材は、前記封止部材の少なくとも一部が前記封止ゾーンに配置されて前記通路を封止するように、取り外し可能な方法で前記スライドファスナに固定されるように構成され、前記封止部材は、
(i)封止体と、
(ii)前記封止部材を前記スライドファスナに接続するように構成されたコネクタと
を含む封止部材と
を含むスライドファスナ封止システム。
【請求項13】
スライドファスナ封止システム用の封止部材であって、
(a)変形可能な封止体と、
(b)前記封止体に取り付けられたコネクタであって、前記封止部材をスライドファスナに接続するように構成された弾性フックを含むコネクタと、
(c)作動時に前記封止体を変形させて拡張させるように構成された封止体アクチュエータであって、スライド式に前記封止体を通って延びる封止体アクチュエータと
を含む封止部材。
【請求項14】
前記封止体の材料が0から10の範囲で0から10を含むショアA硬度を有する、請求項13に記載の封止部材。
【請求項15】
複数ピースの物品を封止する方法であって、
(a)スライドファスナで前記複数ピースの物品の第1のピースと第2のピースを互いに固定することと、
(b)封止部材を前記スライドファスナに接続することと、
(c)封止体アクチュエータを作動させて封止体を拡張させ、封止ゾーンを封止することと
を含み、
前記スライドファスナは、
(i)前記物品の第1のピースに結合された第1のテープと、前記物品の第2のピースに結合された第2のテープとを含み、各テープは第1の端部と、第2の端部と、各テープに沿って配置された締結要素とを含み、
(ii)前記第1のテープの第1の端部は前記第1のテープの第2の端部に重なって固定され、前記第2のテープの第1の端部は前記第2のテープの第2の端部に重なって固定され、前記封止ゾーンが前記第1及び第2のテープの重なり合う端部の間に位置し、
前記封止部材は、
(i)前記封止体と、
(ii)前記封止部材を前記スライドファスナに接続するように構成されたコネクタと、
(iii)前記封止体アクチュエータと
を含む、方法。
【請求項16】
(a)スライドファスナであって、
(i)第1及び第2のテープを含み、各テープは第1の端部と、第2の端部と、各テープに沿って配置された締結要素とを含み、
(ii)前記第1のテープの第1の端部は前記第1のテープの第2の端部に重なって固定され、前記第2のテープの第1の端部は前記第2のテープの第2の端部に重なって固定され、封止ゾーンが前記第1及び第2のテープの重なり合う端部の間に位置する、スライドファスナと、
(b)封止部材であって、前記封止部材の少なくとも一部が前記封止ゾーンに配置されるように、取り外し可能な方法でスライドファスナに固定されるように構成された封止部材と
を含み、
(c)前記封止部材が封止ゾーンに配置され、前記第1のテープの締結要素が前記第2のテープの締結要素と係合されると、1PSI(6894.76Pa)の圧力の流体が前記封止ゾーンを通して浸透するのを20秒間防ぐように構成される、スライドファスナ封止システム。
【請求項17】
前記封止部材が封止ゾーンに配置され、前記第1のテープの締結要素が前記第2のテープの締結要素と係合されると、前記スライドファスナ封止システムは、4PSI(27579Pa)の圧力の流体が前記封止ゾーンを通して浸透するのを20秒間防ぐように構成される、請求項16に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項18】
前記封止部材が封止ゾーンに配置され、前記第1のテープの締結要素が前記第2のテープの締結要素と係合されると、前記スライドファスナ封止システムは、6.5PSI(44815.9Pa)の圧力の流体が前記封止ゾーンを通して浸透するのを20秒間防ぐように構成される、請求項17に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項19】
前記スライドファスナはさらに、前記封止ゾーン内で前記第1のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第1のサイドシールを含み、前記スライドファスナはさらに、前記封止ゾーン内で前記第2のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第2のサイドシールを含み、前記第1及び第2のサイドシールはそれぞれ30から90の範囲で30から90を含むショアA硬度を有する材料を含む、請求項17に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項20】
前記第1及び第2のサイドシールの材料が50から70の範囲で50から70を含むショアA硬度を有する、請求項19に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項21】
前記封止部材はさらに封止体を含み、前記封止体は0から30の範囲で0から30を含むショアA硬度を有する材料を含む、請求項17に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項22】
前記封止体の材料が0から10の範囲で0から10を含むショアA硬度を有する、請求項21に記載のスライドファスナ封止システム。
【請求項23】
前記スライドファスナはさらに、前記封止ゾーン内で前記第1のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第1のサイドシールを含み、前記スライドファスナはさらに、前記封止ゾーン内で前記第2のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第2のサイドシールを含み、前記第1及び第2のサイドシールはそれぞれ30から90の範囲で30から90を含むショアA硬度を有する材料を含み、前記封止部材はさらに封止体を含み、前記封止体は0から30の範囲で0から30を含むショアA硬度を有する材料を含む、請求項17に記載のスライドファスナ。
【請求項24】
前記スライドファスナは分離スライドファスナを含む、請求項23に記載のスライドファスナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、液体又は潜在的に有害なガスに関与する用途に使用できるスライドファスナ封止システム及び関連する方法に関する。
【0002】
関連出願の参照
本出願は、2021年2月3日に出願された「スライドファスナ封止システム及び方法」と題された米国仮特許出願第63/145,087号の利益を主張するものであり、当該仮出願の内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
ジッパー及び他のスライドファスナは、液体及び/又は潜在的に有害なガスに関与し得る用途で使用される可能性のある部品を固定するために使用することができる。いくつかの非限定的な例として、ジッパー及び他のスライドファスナは、所望に応じて防水服、実験室用スーツ、ボートカバー、及び他の用途に使用することができる。1つの非限定的な例として、ジッパー及び他のスライドファスナを使用して、防水服の部品を取り外し可能な方法で互いに固定し、使用者が防水服を比較的容易に着脱できるようにすることができる。液体及び/又は潜在的に有害なガスに関与し得る用途では、スライドファスナは、理想的には、物品(例えば防水服)の、流体及び/又はガスの物品への又は物品からの通過に抵抗し又は通過を最小限に抑える能力を損なうべきではない。市場にはこの目的のために使用されてきたいくつかの封止ジッパー及びジッパーシステムがあるが、利用可能なオプションはすべて欠点があり、改良の余地が残っている。本特許は、改良されたスライドファスナ封止システム及び関連する方法について説明している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本特許で使用される「発明」及び「本発明」という用語は、本特許の主題及び以下の特許請求の範囲のすべてを広く指すことを意図している。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載されている主題を限定したり、以下の特許請求の範囲の意味や範囲を限定したりするものではないと理解されるべきである。本特許の対象となる発明の実施形態は、この概要ではなく、以下の特許請求の範囲によって定義される。この概要は、本発明の様々な実施形態の高レベルの概要であり、以下の詳細な説明のセクションでさらに説明される概念のいくつかを紹介する。この概要は、特許請求された主題の重要な又は本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、また特許請求された主題の範囲を特定するために単独で使用することを意図したものでもない。主題は、本特許明細書全体の適切な部分、一部又は全ての図面、及び各請求項を参照して理解されるべきである。
【0005】
特定の実施形態によれば、スライドファスナ封止システムは、第1のテープ及び第2のテープを含む分離スライドファスナを含み、各テープは、第1の端部と、第2の端部と、各テープに沿って配置された締結要素とを含む。いくつかの実施形態において、第1のテープの第1の端部は第1のテープの第2の端部に重なって固定され、第2のテープの第1の端部は第2のテープの第2の端部に重なって固定され、封止ゾーンが第1及び第2のテープの重なり合う端部の間に位置する。分離スライドファスナはまた、第1及び第2のテープの締結要素を係合及び係合解除するように構成されたスライダを含み、第1のテープは、締結要素が係合解除されたときに第2のテープから分離可能である。いくつかの実施形態において、封止ゾーンは、第1及び第2のテープによって通路の側面が囲まれた通路を含む。様々な実施形態において、スライドファスナ封止システムは、封止部材の少なくとも一部が封止ゾーンに配置されて通路を封止するように、取り外し可能な方法でスライドファスナに固定されるように構成された封止部材を含む。封止部材は、封止体と、封止部材をスライドファスナに接続するように構成されたコネクタと、封止体を拡張させるように構成された封止体アクチュエータとを含む。
【0006】
いくつかの実施形態において、スライドファスナは、封止ゾーン内で第1のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第1のサイドシールと、封止ゾーン内で第2のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第2のサイドシールとを含む。コネクタは、第1及び第2のテープの第2の端部に接続するように構成することができる。いくつかの態様では、一方のテープの第2の端部は保持ボックスを含み、コネクタは取り外し可能な方法で保持ボックスに接続するように構成された弾性フックを含む。様々な実施形態において、封止部材は、コネクタが封止部材をスライドファスナに接続すると、封止体が封止ゾーン内で第1及び第2のサイドシールに隣接して配置されるように構成される。場合によっては、封止体アクチュエータはスライド式に封止体を通って延びる。封止体アクチュエータは、封止体内にスライドされたときに封止体を拡張させるように構成された太い部分を含むことができる。様々な実施形態において、封止体アクチュエータは、通路を超えて延びるように構成されたプルを含む。
【0007】
様々な実施形態において、封止体の材料はOO-30からショアD-65の範囲でOO-30からショアD-65を含むショア硬度を有する。いくつかの実施形態において、第1及び第2のサイドシールの材料は、50から70の範囲で50から70を含むショアA硬度を有する。特定の実施形態において、封止部材が封止ゾーンに配置され、第1のテープの締結要素が第2のテープの締結要素と係合されると、スライドファスナ封止システムは、少なくとも1PSI(6894.76Pa)の圧力の流体が封止ゾーンを通して浸透するのを少なくとも20秒間防ぐように構成される。
【0008】
本発明の特定の実施形態によれば、スライドファスナ封止システムは、第1のテープ及び第2のテープを有する分離スライドファスナを含み、各テープは、第1の端部と、第2の端部と、各テープに沿って配置された締結要素とを含む。いくつかの実施形態において、第1のテープの第1の端部は第1のテープの第2の端部に重なって固定され、第2のテープの第1の端部は第2のテープの第2の端部に重なって固定され、封止ゾーンが第1及び第2のテープの重なり合う端部の間に位置する。スライドファスナには、第1及び第2のテープの締結要素を係合及び係合解除するように構成されたスライダを含むことができ、第1のテープは、締結要素が係合解除されたときに第2のテープから分離可能である。特定の実施形態において、封止ゾーンは、第1及び第2のテープによって通路の側面が囲まれた通路を含む。第1のサイドシールが、封止ゾーン内で第1のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置することができ、第2のサイドシールが、封止ゾーン内で第2のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置することができる。スライドファスナ封止システムはまた、封止部材の少なくとも一部が封止ゾーンに配置されて通路を封止するように、取り外し可能な方法でスライドファスナに固定されるように構成された封止部材を含むことができる。封止部材は、封止体と、封止部材をスライドファスナに接続するように構成されたコネクタとを含む。
【0009】
本発明の特定の実施形態によれば、スライドファスナ封止システム用の封止部材は、変形可能な封止体と、封止体に取り付けられ、封止部材をスライドファスナに接続するように構成された弾性フックを有するコネクタと、作動時に封止体を変形させて拡張させるように構成された封止体アクチュエータとを含む。いくつかの実施形態において、封止体アクチュエータはスライド式に封止体を通って延びる。いくつかの実施形態において、封止体の材料は0から10の範囲で0から10を含むショアA硬度を有する。
【0010】
本発明の様々な実施形態によれば、複数ピースの物品を封止する方法は、スライドファスナで複数ピースの物品の第1のピースと第2のピースを互いに固定することと、封止部材をスライドファスナに接続することとを含む。スライドファスナは、物品の第1のピースに結合された第1のテープと、物品の第2のピースに結合された第2のテープとを含み、各テープは、第1の端部と、第2の端部と、各テープに沿って配置された締結要素とを含む。いくつかの実施形態において、第1のテープの第1の端部は第1のテープの第2の端部に重なって固定され、第2のテープの第1の端部は第2のテープの第2の端部に重なって固定され、封止ゾーンが第1及び第2のテープの重なり合う端部の間に位置する。封止部材は、封止体と、封止部材をスライドファスナに接続するように構成されたコネクタと、封止体アクチュエータとを含む。いくつかの実施形態において、方法は、封止体アクチュエータを作動させて封止体を拡張させ、封止ゾーンを封止することを含む。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、スライドファスナ封止システムは、第1及び第2のテープを有するスライドファスナを含み、各テープは、第1の端部と、第2の端部と、各テープに沿って配置された締結要素とを含む。いくつかの実施形態において、第1のテープの第1の端部は第1のテープの第2の端部に重なって固定され、第2のテープの第1の端部は第2のテープの第2の端部に重なって固定され、封止ゾーンが第1及び第2のテープの重なり合う端部の間に位置する。スライドファスナ封止システムは、封止部材の少なくとも一部が封止ゾーンに配置されるように、取り外し可能な方法でスライドファスナに固定されるように構成された封止部材を含むことができる。いくつかの実施形態において、封止部材が封止ゾーンに配置され、第1のテープの締結要素が第2のテープの締結要素と係合されると、スライドファスナ封止システムは、1PSI(6894.76Pa)の圧力の流体が封止ゾーンを通して浸透するのを20秒間防ぐように構成される。
【0012】
様々な実施形態において、封止部材が封止ゾーンに配置され、第1のテープの締結要素が第2のテープの締結要素と係合されると、スライドファスナ封止システムは、4PSI(27579Pa)の圧力の流体が封止ゾーンを通して浸透するのを20秒間防ぐように構成される。場合によっては、封止部材が封止ゾーンに配置され、第1のテープの締結要素が第2のテープの締結要素と係合されると、スライドファスナ封止システムは、6.5PSI(44815.9Pa)の圧力の流体が封止ゾーンを通して浸透するのを20秒間防ぐように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態において、スライドファスナは、封止ゾーン内で第1のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第1のサイドシールと、封止ゾーン内で第2のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第2のサイドシールとを含み、第1及び第2のサイドシールはそれぞれ30から90の範囲で30から90を含むショアA硬度を有する材料を含む。様々な実施形態において、第1及び第2のサイドシールの材料は、50から70の範囲で50から70を含むショアA硬度を有する。特定の実施形態において、封止部材はさらに、0から30の範囲で0から30を含むショアA硬度を有する封止体を含む。場合によっては、封止体の材料は0から10の範囲で0から10を含むショアA硬度を有する。
【0014】
様々な態様において、スライドファスナは、封止ゾーン内で第1のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第1のサイドシールと、封止ゾーン内で第2のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第2のサイドシールとを含み、第1及び第2のサイドシールはそれぞれ30から90の範囲で30から90を含むショアA硬度を有する材料を含む。場合によっては、封止部材は封止体を含み、封止体は0から30の範囲で0から30を含むショアA硬度を有する材料を含む。いくつかの実施形態において、スライドファスナは分離スライドファスナを含む。
【0015】
本開示に記載された様々な実施は、更なるシステム、方法、特徴、及び利点を含むことができ、それらは必ずしも本明細書で明示的に開示できるわけではないが、以下の詳細な説明及び付随する図面を検討することで、当業者には明らかになるであろう。このようなすべてのシステム、方法、特徴、及び利点が本開示に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】閉位置にある密閉ジッパーアセンブリの実施例の正面図である。
【0017】
図2】開位置にある図1に示した密閉ジッパーアセンブリの正面図である。
【0018】
図3】スライダ開始位置にある図1に示した密閉ジッパーアセンブリの正面図である。
【0019】
図4】スライダ閉鎖位置にある図1に示した密閉ジッパーアセンブリの正面図である。
【0020】
図5】閉位置にある図1に示した密閉ジッパーアセンブリの背面図である。
【0021】
図6図1の断面線A-Aに沿った密閉ジッパーアセンブリの断面図である。
【0022】
図7図1に示した密閉ジッパーアセンブリの上面図である。
【0023】
図8】封止要素が開位置にある図1に示した密閉ジッパーアセンブリの正面図である。
【0024】
図9図8の断面線B-Bに沿った密閉ジッパーアセンブリの断面図である。
【0025】
図10図8に示した密閉ジッパーアセンブリの上面図である。
【0026】
図11図9に示した封止要素の斜視図である。
【0027】
図12】開位置にある密閉ジッパーアセンブリの別の実施例の正面図である。
【0028】
図13図12の断面線C-Cに沿った図12の密閉ジッパーアセンブリの断面図である。
【0029】
図14図12に示した密閉ジッパーアセンブリの上面図である。
【0030】
図15図13の封止要素の分解斜視図である。
【0031】
図16】密閉ジッパーアセンブリの別の実施例の断面図である。
【0032】
図17図16に示した封止要素の斜視図である。
【0033】
図18】密閉前に閉位置にある密閉ジッパーアセンブリの別の実施例の正面図である。
【0034】
図19】封止要素が封止ゾーンに挿入された状態で示した、図18の密閉ジッパーアセンブリの正面図である。
【0035】
図20】密閉ジッパーアセンブリの別の実施例の断面図である。
【0036】
図21】密閉ジッパーアセンブリの別の実施例の断面図である。
【0037】
図22】密閉ジッパーアセンブリの別の実施例の上面図である。
【0038】
図23】密閉ジッパーアセンブリの別の実施例の上面図である。
【0039】
図24】空気移送管を有する封止要素の実施例の斜視図である。
【0040】
図25】膨張可能な封止要素の実施例の斜視図である。
【0041】
図26】縦方向に圧縮可能な封止要素の実施例の正面図である。
【0042】
図27】スライド締結封止システムの別の実施例を示す。
【0043】
図28図27のスライド締結封止システムのスライドファスナを示す。
図29図27のスライド締結封止システムのスライドファスナを示し、横断面図を示す。
【0044】
図30図27のスライド締結システムの封止部材を示す。
図31図27のスライド締結システムの封止部材を示す。
図32図27のスライド締結システムの封止部材を示す。
図33図27のスライド締結システムの封止部材を示し、縦断面図を示す。
【0045】
図34図30~33の封止部材のコネクタ部品を示す。
図35図30~33の封止部材のコネクタ部品を示し、縦断面図を示す。
【0046】
図36図30~33の封止部材の封止体部品を示す。
【0047】
図37図30~33の封止部材の封止体アクチュエータを示す。
【0048】
図38】スライドファスナの通路に取り付けられた封止部材を示す、図27のスライド締結封止システムの追加図を示す。
図39】スライドファスナの通路に取り付けられた封止部材を示す、図27のスライド締結封止システムの追加図を示す。
図40】スライドファスナの通路に取り付けられた封止部材を示す、図27のスライド締結封止システムの追加図を示す。
図41】スライドファスナの通路に取り付けられた封止部材を示す、図27のスライド締結封止システムの追加図を示す。
【0049】
図42】静水圧テスト方法の実施例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
スライドファスナ封止システム及び関連する方法のいくつかの実施例を以下に説明する。図1~11に示した実施例を最初に説明する。
【0051】
部品の構造及び関係
図10を参照すると、図1~11の密閉ジッパーアセンブリは、封止ゾーン16を形成するために重なり合う関係にある第1のジッパーセグメント12及び第2のジッパーセグメント14を含む。図6及び図9を参照すると、封止ゾーン16はトンネルを形成していると見なすことができる。図10を参照すると、この点に関して、封止ゾーン16は外側開口部18と内側開口部20とを有する。図9及び図10を参照すると、封止要素22は、第1のジッパーセグメント12と第2のジッパーセグメント14との間の漏れを防ぐために封止ゾーン16に配置されている。図11を参照すると、封止要素22が示されている。図9及び図10を参照すると、封止要素22は弾性変形可能であり、第1のジッパーセグメント12及び第2のジッパーセグメント14によって封止ゾーン16内で圧縮される。図10を参照すると、この第1の実施例では、第1のジッパーセグメント12及び第2のジッパーセグメント14が単一の噛み合いジッパーファスナ24の一部であり、既に封止ゾーン16として識別されている単一の封止ゾーンを形成することが分かるであろう。以下に他の実施例を参照して図示及び説明するように、2つ以上の噛み合いジッパーファスナと2つ以上の封止ゾーンが存在し得る。
【0052】
図1から図5及び図8を参照すると、噛み合いジッパーファスナ24は、バンド28に支持される第1の一連の噛み合い歯26と、バンド32に支持される第2の一連の噛み合い歯30とを有する。少なくとも1つのスライダ34が設けられている。図7及び図10を参照すると、噛み合いジッパーファスナ24は、この実施形態では、第1のジッパーセグメント12として機能する第1の端部36と、第2のジッパーセグメント14として機能する第2の端部38とを有する。
【0053】
図2を参照すると、防水布で作られた衣服本体40が、第1の又は上部の個別本体部品42と第2の又は下部の個別本体部品44とから成る。噛み合いジッパーファスナ24は、第1の個別本体部品42を第2の個別本体部品44から分離することを可能にする環状の形態である。図2を参照すると、噛み合いジッパーファスナ24の第1の半分を構成する第1の一連の噛み合い歯26を支持するバンド28は、第1の個別本体部品42に概ね環状の形態で固定され、第1のジッパーセグメント12の第1の半分と第2のジッパーセグメント14の第1の半分を重なり合う関係で形成する。同様に、噛み合いジッパーファスナ24の第2の半分を構成する第2の一連の噛み合い歯30を支持するバンド32は、第2の個別本体部品44に概ね環状の形態で固定され、第1のジッパーセグメント12の第2の半分と第2のジッパーセグメント14の第2の半分を重なり合う関係で形成する。
【0054】
図3を参照すると、スライダ34は、噛み合いジッパーファスナ24に沿って第1の方向にスライドするように使用され、図1に示すように第1の一連の噛み合い歯26と第2の一連の噛み合い歯30を係合させる。図4を参照すると、スライダ34は、噛み合いジッパーファスナ24に沿って第2の方向にスライドし、図2に示すように第1の一連の噛み合い歯26と第2の一連の噛み合い歯30の係合を解除して噛み合いジッパーファスナ24の係合を解除する。図6図7図9及び図10を参照すると、スライダ34が第1の一連の噛み合い歯26と第2の一連の噛み合い歯30を噛み合いさせると、第1のジッパーセグメント12と第2のジッパーセグメント14が完成し、それらの重なりによって封止ゾーン16が形成される。封止ゾーン16はその結果、封止要素22を受け入れる準備ができている。図11を参照すると、封止要素22は封止を補助する隆起部46を有する。封止要素22はまた、第1の面50に第1の溝48を有し、第2の面54に第2の溝52を有する。図9を参照すると、第1の溝48は第1のジッパーセグメント12の噛み合った歯56を受け入れ、第2の溝52は第2のジッパーセグメント14の噛み合った歯58を受け入れる。
【0055】
動作
図2を参照すると、噛み合いジッパーファスナ24の第1の半分を構成する第1の一連の噛み合い歯26を支持するバンド28は、第1の個別本体部品42に概ね環状の形態で固定され、第1のジッパーセグメント12の第1の半分と第2のジッパーセグメント14の第1の半分を重なり合う関係で形成する。噛み合いジッパーファスナ24の第2の半分を構成する第2の一連の噛み合い歯30を支持するバンド32は、第2の個別本体44部品に概ね環状の形態で固定され、第1のジッパーセグメント12の第2の半分と第2のジッパーセグメント14の第2の半分を重なり合う関係で形成する。図3を参照すると、スライダ34は、噛み合いジッパーファスナ24に沿って第1の方向にスライドし、図1に示すように第1の一連の噛み合い歯26と第2の一連の噛み合い歯30を噛み合わせる。図6及び図7を参照すると、スライダ34が第1の一連の噛み合い歯26と第2の一連の噛み合い歯30を噛み合わせると、第1のジッパーセグメント12と第2のジッパーセグメント14が完成し、それらの重なりによって封止ゾーン16が形成される。図9及び図10を参照すると、封止要素22は、第1のジッパーセグメント12と第2のジッパーセグメント14によって封止ゾーン16内で圧縮される。
【0056】
変形例
以下では上述の第1の実施例に対して行われ得るいくつかの変更について説明する。
【0057】
第1の実施例は、単一の封止要素22を含んでいた。図15を参照すると、第1のシール部品124と第2のシール部品126を有する代替的な封止要素122が示されている。図12を参照すると、第1のシール部品124は、第1の個別本体部品42に押し込まれ、摩擦によって保持されるか、又は他の方法で第1の個別本体部品42に固定される。第2のシール部品126は、第2の個別本体部品44に押し込まれ、摩擦によって保持されるか、又は他の方法で第2の個別本体部品44に固定される。図13及び図14を参照すると、噛み合いジッパーファスナ24が閉じられると、第1のシール部品124と第2のシール部品126が互いに押し付けられ、封止ゾーン16を満たす封止要素122を形成する。
【0058】
上述の第1の実施例において、封止要素22は摩擦によって所定の位置に保持され、取り外し可能であった。図16及び図17を参照すると、代替的な封止要素222は、弾性発泡体内に成形された布地ストリップ224を有する。布地ストリップ224は、代替的な封止要素222を第1の個別本体部品42に固定するために使用される。これは、布地ストリップ224を縫うことによって行われる。布地ストリップ224は、噛み合いジッパーファスナ24の第1のジッパーセグメント12と第2のジッパーセグメント14の重なりによって封止ゾーン16が形成される所望の位置で代替的な封止要素222を第1の個別本体部品42に固定する役割を果たす。代替的な封止要素を封止ゾーン16内に固定する他の方法があることが理解されるであろう。
【0059】
上述の第1の実施例において、封止要素22は弾性発泡体であった。図18及び図19を参照すると、代替的な封止要素322が示されている。図18を参照すると、封止要素322は、使用しないときはテザー326によってスライダ34から吊り下げられるプラグ324である。図19を参照すると、プラグ324は、封止ゾーン16を封止するために封止ゾーン16の外側開口部18に挿入されるように意図されている。プラグ324は、プラグ324の封止能力と保持能力の両方を高めるために、リブ又は隆起部などの表面形状を有することが好ましい。同様にこの目的に役立つ他の隆起した表面形状があることが理解されるであろう。
【0060】
上述の第1の実施例において、第1のジッパーセグメント12及び第2のジッパーセグメント14は、噛み合いジッパーファスナ24と実質的に平行に配置されている。図22を参照すると、封止ゾーン16を形成する第1のジッパーセグメント12及び第2のジッパーセグメント14は、噛み合いジッパーファスナ24から外側に又は半径方向に突出するように構成することができる。
【0061】
上述の第1の実施例において、1つだけの噛み合いジッパーファスナ24と、1つだけの封止ゾーン16があった。図23を参照すると、複数の噛み合いジッパーファスナ24と複数の封止ゾーン16とを有する構成が示されている。この構成では、1つの噛み合いジッパーファスナ24の第1の端部36が第1のジッパーセグメント12として機能し、別の噛み合いジッパーファスナ124の第2の端部38が第2のジッパーセグメント14として機能し、第1の封止ゾーン16を形成する。また、噛み合いジッパーファスナ124の第1の端部36が第1のジッパーセグメント12として機能し、噛み合いジッパーファスナ24の第2の端部38が第2のジッパーセグメント14として機能し、第2の封止ゾーン116を形成する。2つの噛み合いジッパーファスナ24及び124が環状の形態で示されているが、3つ以上の噛み合いジッパーファスナを同様の方法で環状の形態に配置することもできることが理解されるであろう。
【0062】
衣服本体40などの水中での使用を意図した衣服が空気の移動を提供する空気移送弁を有することは珍しいことではない。図24を参照すると、代替的な封止要素422は、代替的な封止要素422の本体を通って延びる空気移送管424を備えて示されている。空気移送管424は、衣服本体40の内外への空気の移動を可能にする。衣服本体40を水又は他の液体に沈める場合、閉鎖弁426を使用して空気移送管424を閉じることができる。
【0063】
上述の第1の実施例において、封止要素22が圧縮された。図25を参照すると、バルーンのように膨張可能な空気袋状の代替的な封止要素522が示されている。代替的な封止要素522は、使用者が代替的な封止要素522を膨らませるために息を吹き込むことができる管524と、代替的な封止要素522内の空気圧を維持するための閉鎖弁526とを有する。膨張させると、代替的な封止要素522は膨張して封止ゾーン16を塞ぐ。
【0064】
別の代替的な封止要素は、2つのクランプ要素の間に配置され、少なくとも一方のクランプ要素が他方のクランプ要素に近づいたり離れたりすることができる。クランプ要素が互いに近づくにつれて、封止要素は外側に押し出され、封止ゾーンを封止する。図26を参照すると、そのようなクランプ構成の1つが示されている。代替的な封止要素622は、代替的な封止要素622を縦方向に貫通するボルト624を有する。ボルト624の一端にはナット626があり、ボルト624の他端にはツイストノブ628がある。ナット626は一方のクランプ要素として機能し、ツイストノブ626は他方のクランプ要素として機能する。ツイストノブ628を回すと、ツイストノブ628とナット626との間で代替的な封止要素622を圧縮する軸方向の移動が生じる。圧縮されると、代替的な封止要素622は外側に膨張し、代替的な封止要素622が封止ゾーンを封止するまで代替的な封止要素622の外周の長さが増加する。
【0065】
注意事項
すべてのジッパーが液体環境で機能できるわけではないことが理解されるであろう。漏れを避けるために、防水ジッパーを使用することが望まれる場合がある。また、防水ジッパーには多くの異なるスタイルがあることも理解されるであろう。
【0066】
上述の封止要素が効果的であるために、縫い目及びシームに沿った潜在的な漏れ点に対処する追加の予防措置を講じることが望まれる場合がある。
【0067】
図1を参照すると、縫い目50は噛み合いジッパーファスナ24を所定の位置に固定するために使用される。図5を参照すると、防水テープ52は、液体が縫い目50を通ってしみ出るのを防ぐために、縫い目50の裏側にヒートシールされるか又は接着剤で固定される。
【0068】
図20及び図21を参照すると、封止ゾーン16は漏れやすいエッジシーム54を有する。図20を参照すると、漏れは、エッジシーム54を柔軟なエッジモールディング56で封止することによって対処することができる。図21を参照すると、漏れは、ポリマーコーキング材のビード58を使用してエッジシーム54を封止することによって対処することもできる。
【0069】
改良されたスライドファスナ封止システム
図27から図41は、上述のスライドファスナ封止システムの改良、修正、及び代替を特徴とする、スライドファスナ封止システム1000の別の実施例を示す。図27に示したシステム1000は、スライドファスナ1002と、封止部材1004とを含む。スライドファスナ封止システム1000は、複数ピースの防水服又は他の複数ピースの密閉システムに組み込まれ、これらのシステムのピースを取り外し可能な方法で互いに固定できるようにすると同時に、スライドファスナ封止システムを介した流体の漏れに対するこれらのシステムの封止を提供することができる。
【0070】
スライドファスナ
図28及び29は、図27のスライドファスナ1002をより詳細に示し、図29はスライドファスナの断面を示す。スライドファスナ1002は2つのテープ1006を含み、各テープはテープに沿って配置された一連の締結要素1008を有する。図28及び29には示されていないが、スライドファスナ1002は、スライドファスナ1002に沿ってスライドさせたときに2つのテープ1006の締結要素1008を係合及び係合解除するように構成されるスライダ(例えば、図1に示したスライダ34と同様)を含むことができる。
【0071】
図28に示すように、2つのテープ1006の一端が2つのテープ1006の他端と重なっている(スライドファスナの重なり合って隣接する長さのみをこれらの図に示す)。図28及び図29のスライドファスナ1002は、図7に示したループと同様のループに形成することができる。図7は円形ループに形成されたスライドファスナを示しているが、他のループ形状又は形態も可能である。図28及び29に示すように、各テープ1006の重なり合う端部は、それらの縁1010に沿って互いに固定される。これは、テープの端部の縁を互いにヒート封止することによって、又は他の方法で行うことができる。図29に示すように、スライドファスナ1002は、内部にサイドシール1012(以下で後述する)を含み、そこでテープ1006の重なり合う端部を互いに結合する。
【0072】
この実施例に示したスライドファスナは、通常の使用では2つのテープ1006を互いに完全に切り離し、再度取り付けることができる分離スライドファスナである。図28及び29に示すように、分離スライドファスナは、一方のテープ1006の一連の締結要素1008の端部にある保持ボックス1014と、他方のテープ1006の一連の締結要素1008の端部にある挿入ピン1016とを含む。挿入ピン1016を保持ボックス1014に挿入し、スライダを締結要素1008に沿ってスライドさせて、2つのテープ1006を互いに締結することができる。スライダを反対方向にスライドさせ、挿入ピン1016を保持ボックス1014から取り外して、2つのテープ1006を互いに分離することができる。
【0073】
図29に示すように、テープ1006の一端が他端に重なった状態でスライドファスナ1002をループさせ、テープ1006の縁1010を互いに固定すると、重なり合う端部の間に通路1018が形成される。スライドファスナ1002が防水服又は他の密閉システムに組み込まれる場合、通路1018は、テープ1006が重なり合わなくなった通路1018の開放端を介して、水、他の液体又は気体がシステムに出入りする可能性がある場所である。以下でさらに説明するように、通路1018は、通路1018からの流体の浸透に抵抗するために、封止部材1004を受け入れるための封止ゾーンを画定する。
【0074】
封止部材
図30~37は、通路1018からの流体の浸透に抵抗するためにスライドファスナ1002の通路1018に挿入することができる封止部材1004の実施例を示す。この特定の実施例において、封止部材1004は、コネクタ1020、封止体1022、及び封止体アクチュエータ1024の3つの部品を含む。
【0075】
コネクタ部品1020は、図34及び35に封止部材アセンブリ1004の残りの部分から切り離して示されている。コネクタ1020は、封止部材1004をスライドファスナ1002に接続するように構成される。図34~35に示した特定の実施例において、コネクタ1020は、スライドファスナ1002のテープ1005の端部の周りに引っ掛ける弾性フック1026を含む。図35に示すように、弾性フック1026は、傾斜面1028と、凹部1030と、突起1032とを含み、これらは、スライドファスナ1002の保持ボックス1014及び挿入ピン1016と係合してそれらを受け入れ、封止部材1004をスライドファスナテープ1006の端部の所定の位置に固定する。コネクタ1020はまた、以下でさらに詳細に説明するように、封止体アクチュエータ1024をスライド式に受け入れるための開口部1034を含む。
【0076】
図34及び図35に示したコネクタ1020は、コネクタ1020を封止体1022に接続して固定するアーム1036を含み、アーム1036は、製造中にコネクタ1020上に成形することができる。封止体1022は、柔らかく変形可能な材料から形成することができる。封止体1022は、封止体1022が変形されていない基本形状を有することができる。以下でより詳細に説明するように、封止体1022は、封止体アクチュエータ1024を用いて基本形状から選択的に変形させて拡張させることができる。封止体1022は、図36に封止部材アセンブリ1004の残りの部分から切り離して示されている。封止体1022は、スライドファスナ1002のサイドシール1012の形状に適合するように成形され、他の方法で構成された外側側壁1038を有する(例えば、以下でさらに説明する図40~41を参照)。封止体は、スライドファスナ1002の締結要素1008を受け入れて適合するように、またスライダが移動できる隙間を提供するように構成された、溝付きの上面及び底面1040を含む。コネクタ1020と同様に、封止体1022は、封止体アクチュエータ1024をスライド式に受け入れるための開口部1042を含む。
【0077】
封止体アクチュエータ1024は、図37に封止部材1004の残りの部分から切り離して示されている。図37に示すように、封止体アクチュエータ1024は、太い端部1044と細い端部1046との間で徐々に細くなっている。太い端部1044を封止体1022内にさらに移動させると、変形可能な封止体1022は太い端部1044を収容するためにその基本形状から拡大する。逆に、細い端部1046を封止体1022内にさらに移動させると、変形可能な封止体1022はその基本形状に向かって再び収縮する。変形可能な封止体1022は、細い端部1046が封止体1022内にあるとき、その基本形状に完全には戻らない可能性があることが理解されるであろう。図37に示した封止体アクチュエータ1024は、細い端部1046に向かって、図18に示したテザー325などのプルに接続することができる。プルを使用して、封止体アクチュエータ1024の太い端部1044を封止体1022に引き入れ、封止体1022を変形させて封止体1022を膨らませることができる。図37に示すように、封止体アクチュエータ1024は、プルが接続され得る開口部1048を含む。また図37に示すように、封止体アクチュエータ1024は、その太い端部1044にグリップ1050を含み、グリップ1050を使用して、封止体アクチュエータ1024の太い端部1044を封止体1022から引き出し、封止体1022を収縮させることができる。アクチュエータ1046の細い端部はまた、封止体1022の端部を超えて延びることができ、これにより、アクチュエータ1024を押して、アクチュエータ1024の細い端部1046を封止体1022内に移動させ、封止体1022を収縮させることができる。
【0078】
図には特に示されていないが、封止体アクチュエータ1024及び/又はアクチュエータ1024に接続されたプルは、スライドファスナ1002の重なり合う端部によって形成される通路1018の端部を超えて延びるように及び/又はスライドファスナ封止システム1000が使用される衣服又は他の防水構造体の外側からアクセスできるように十分に長いことができる。
【0079】
使用方法
図27から図41のスライドファスナ封止システム1000は、封止部材1004をスライドファスナ1002の端部に接続し、スライドファスナのスライダをスライドさせて締結要素1008を係合させ、スライドファスナ1002を封止部材1004の上で閉じ、封止体アクチュエータ1024を作動させて封止体1022が膨らむように封止体1022を変形させることによって使用することができる。封止体アクチュエータ1024を作動させることで、封止体1022をサイドシール1012及びテープ1006の内側に適合させ、それによって通路1018を封止して通路1018からの流体の浸透に抵抗することができる。また、封止体アクチュエータ1024を作動させることで、封止体1022をスライドファスナの要素に適合させることができ、スライドファスナの要素とシールを形成してスライドファスナの要素からの流体の浸透に抵抗することができる。
【0080】
図38~41は、封止部材1004の封止体1022が通路1018の封止ゾーン内でスライドファスナ1002のサイドシール1012に隣接するように、スライドファスナ1002の通路1018に取り付けられた封止部材1004を示す。封止体1022とサイドシール1012はどちらも、通路1018の内部を塞ぐ液密シールの形成を容易にするために、比較的柔らかく、柔軟な材料で作られている。一実施例において、封止体1022は、OO-30からショアD-65の範囲でOO-30からショアD-65を含むショア硬度、例えばショアA-0からショアA30の範囲の硬度、ショアA0からショアA10の範囲でショアA0からショアA10を含む硬度などを有する材料を含む。非限定的な一実施例において、封止体1022は、ショアA2のエラストマー材料を含むことができる。一実施例において、サイドシール1012は、OO-30からショアD-65の範囲でOO-30からショアD-65を含むショア硬度、例えばショアA30からショアA90の範囲でショアA30からショアA90を含む硬度、場合によってはショアA50からショアA70の範囲でショアA50からショアA70を含む硬度などを有する材料を含む。サイドシールは、ショアA60のウレタン材料を含むことができる。ショア硬度は、例えばデュロメータを用いて、ASTM D2240に定められたテスト手順に従って測定することができる。
【0081】
性能
図27から図41のスライドファスナ封止システム1000は、液体及び/又は気体を含む流体による浸透に対して比較的不透過性であり得る。スライドファスナ1002自体は、例えば、YKK(登録商標)のAQUASEAL(登録商標)ジッパーなどの防水ジッパーであり得る。上述のように、封止部材1004は、通路を形成するように互いに固定されたスライドファスナ1002の重なり合う端部の間の通路1018からの流体の浸透に抵抗するために使用され得る。
【0082】
例えば、スライドファスナ封止システム1000は、少なくとも1PSI(6894.76Pa)の圧力で20秒間、流体の浸透に抵抗することができる。別の実施例において、スライドファスナ封止システム1000は、少なくとも4PSI(27579Pa)の圧力で20秒間、流体の浸透に抵抗することができる。別の実施例において、スライドファスナ封止システム1000は、少なくとも6.5PSI(44815.9Pa)の圧力で20秒間、流体の浸透に抵抗することができる。別の実施例において、スライドファスナ封止システム1000は、1PSI(6894.76Pa)から6.5PSI(44815.9Pa)の圧力で20秒間、流体の浸透に抵抗することができる。これらの実施例において、スライドファスナ封止システム1000は、スライドファスナ1002自体から及び封止部材1004が配置されている通路1018からの流体の浸透に対して抵抗性がある。
【0083】
流体の浸透に対する抵抗を測定するために静水圧試験方法、例えば、米国連邦政府の一般調達局によって認可されたジッパー(ファスナー、スライドインターロッキング)に関するA-A-55634C商品説明のセクション7.9(2019年10月30日版)に記載されている静水圧試験方法を使用することができる。
【0084】
図42は、静水圧試験方法の実施例を概略的に示す。なお、図42は一般的なジッパーのサンプルを示すものであり、特にスライドファスナと封止部材とを含むスライドファスナ封止システムを示していない。図27に示したスライドファスナ封止システムなどの、スライドファスナと封止部材を含むスライドファスナ封止システムをテストするために、図27に示すような長さのサンプルを、スライドファスナが閉じた形態にあり、封止部材がスライドファスナの重なり合う端部によって形成された通路に配置され、封止体が通路内で拡張した形態にある状態で、図42の試験装置に取り付けることができる。テストを行うために、サンプルを、すべての縁がガスケットでシールされるように試験装置に取り付け、次に水に浸し(例えばサンプル全体が約1インチの深さまで覆われる)、次にサンプルの上部の空気漏れ(例えば気泡)を観察しながら一定時間空気圧をかける。
【0085】
本明細書に記載されている封止要素は、他の部品と選択的にシールを形成するのに適した様々な材料から構成することができ、封止要素は弾性発泡体に限定されない。いくつかの非限定的な例として、他の実施形態では、封止要素は、所望に応じて様々なエラストマー変形可能材料、熱可塑性エラストマー、それらの組み合わせ、又は他の様々な材料であり得る。
【0086】
本明細書に記載されているスライドファスナ封止システムは、防水服との関連で説明されているが、決してそのように限定されるものではない。代わりに、スライドファスナ封止システムは、所望に応じて、ボートカバー、実験室用スーツ、バッグ、ケース、及び他の用途を含むがこれらに限定されない、液体及び/又は潜在的に有害なガスに関与し得る他の用途で使用することができる。また、スライドファスナ封止システムは、必ずしも液体及び/又は潜在的に有害なガスに関与しない他の用途に使用することができる。
【0087】
実例
本明細書に記載されている概念による様々な例示的な実施形態の追加説明を提供する「実例」として明示的に列挙された少なくともいくつかを含む、例示的な実施形態のまとめが以下に提供されている。これらの実例は、相互に排他的、網羅的、又は制限的であることを意図していない。また、本開示は、これらの例示的な実例に限定されるものではなく、取得された特許請求の範囲及びその均等物の範囲内で可能なすべての修正及び変形を含む。
【0088】
実例1。(a)分離スライドファスナであって、(i)第1のテープ及び第2のテープを含み、各テープは第1の端部と、第2の端部と、各テープに沿って配置された締結要素とを含み、(ii)第1のテープの第1の端部は第1のテープの第2の端部に重なって固定され、第2のテープの第1の端部は第2のテープの第2の端部に重なって固定され、封止ゾーンが第1及び第2のテープの重なり合う端部の間に位置し、(iii)第1及び第2のテープの締結要素を係合及び係合解除するように構成されたスライダを含み、第1のテープは締結要素が係合解除されたときに第2のテープから分離可能であり、(iv)封止ゾーンは第1及び第2のテープによって通路の側面が囲まれた通路を含む、分離スライドファスナと、(b)封止部材であって、封止部材は、封止部材の少なくとも一部が封止ゾーンに配置されて通路を封止するように、取り外し可能な方法でスライドファスナに固定されるように構成され、封止部材は、(i)封止体と、(ii)封止部材をスライドファスナに接続するように構成されたコネクタと、(iii)封止体を拡張させるように構成された封止体アクチュエータとを含む封止部材とを含むスライドファスナ封止システム。
【0089】
実例2。スライドファスナはさらに、封止ゾーン内で第1のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第1のサイドシールと、封止ゾーン内で第2のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第2のサイドシールとを含む、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0090】
実例3。コネクタは第1及び第2のテープの第2の端部に接続するように構成される、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0091】
実例4。一方のテープの第2の端部は保持ボックスを含み、コネクタは取り外し可能な方法で保持ボックスに接続するように構成された弾性フックである、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0092】
実例5。封止部材は、コネクタが封止部材をスライドファスナに接続すると、封止体が封止ゾーン内で第1及び第2のサイドシールに隣接して配置されるように構成される、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0093】
実例6。封止体アクチュエータはスライド式に封止体を通って延びる、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0094】
実例7。封止体アクチュエータは、封止体内にスライドされたときに封止体を拡張させるように構成された太い部分を含む、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0095】
実例8。封止体アクチュエータはさらに、通路を超えて延びるように構成されたプルを含む、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0096】
実例9。封止体の材料がOO-30からショアD-65の範囲でOO-30からショアD-65を含むショア硬度を有する、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0097】
実例10。第1及び第2のサイドシールの材料が50から70の範囲で50から70を含むショアA硬度を有する、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0098】
実例11。封止部材が封止ゾーンに配置され、第1のテープの締結要素が第2のテープの締結要素と係合されると、スライドファスナ封止システムは、少なくとも1PSI(6894.76Pa)の圧力の流体が封止ゾーンを通して浸透するのを少なくとも20秒間防ぐように構成される、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0099】
実例12。(a)分離スライドファスナであって、(i)第1のテープ及び第2のテープを含み、各テープは第1の端部と、第2の端部と、各テープに沿って配置された締結要素とを含み、(ii)第1のテープの第1の端部は第1のテープの第2の端部に重なって固定され、第2のテープの第1の端部は第2のテープの第2の端部に重なって固定され、封止ゾーンが第1及び第2のテープの重なり合う端部の間に位置し、(iii)第1及び第2のテープの締結要素を係合及び係合解除するように構成されたスライダを含み、第1のテープは締結要素が係合解除されると第2のテープから分離可能であり、(iv)封止ゾーンは第1及び第2のテープによって通路の側面が囲まれた通路を含み、(v)封止ゾーン内で第1のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第1のサイドシールと、封止ゾーン内で第2のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第2のサイドシールとを含む分離スライドファスナと、(b)封止部材であって、封止部材の少なくとも一部が封止ゾーンに配置されて通路を封止するように、取り外し可能な方法でスライドファスナに固定されるように構成され、(i)封止体と、(ii)封止部材をスライドファスナに接続するように構成されたコネクタとを含む封止部材とを含むスライドファスナ封止システム。
【0100】
実例13。スライドファスナ封止システム用の封止部材であって、(a)変形可能な封止体と、(b)封止体に取り付けられたコネクタであって、封止部材をスライドファスナに接続するように構成された弾性フックを含むコネクタと、(c)作動時に封止体を変形させて拡張させるように構成された封止体アクチュエータであって、スライド式に封止体を通って延びる封止体アクチュエータとを含む封止部材。
【0101】
実例14。封止体の材料が0から10の範囲で0から10を含むショアA硬度を有する、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせの封止部材。
【0102】
実例15。複数ピースの物品を封止する方法であって、(a)スライドファスナで複数ピースの物品の第1のピースと第2のピースを互いに固定することと、(b)封止部材をスライドファスナに接続することと、(c)封止体アクチュエータを作動させて封止体を拡張させ、封止ゾーンを封止することとを含み、スライドファスナは、(i)物品の第1のピースに結合された第1のテープと、物品の第2のピースに結合された第2のテープとを含み、各テープは第1の端部と、第2の端部と、各テープに沿って配置された締結要素とを含み、(ii)第1のテープの第1の端部は第1のテープの第2の端部に重なって固定され、第2のテープの第1の端部は第2のテープの第2の端部に重なって固定され、封止ゾーンが第1及び第2のテープの重なり合う端部の間に位置し、封止部材は、(i)封止体と、(ii)封止部材をスライドファスナに接続するように構成されたコネクタと、(iii)封止体アクチュエータとを含む、方法。
【0103】
実例16。(a)スライドファスナであって、(i)第1及び第2のテープを含み、各テープは第1の端部と、第2の端部と、各テープに沿って配置された締結要素とを含み、(ii)第1のテープの第1の端部は第1のテープの第2の端部に重なって固定され、第2のテープの第1の端部は第2のテープの第2の端部に重なって固定され、封止ゾーンが第1及び第2のテープの重なり合う端部の間に位置する、スライドファスナと、(b)封止部材であって、封止部材の少なくとも一部が封止ゾーンに配置されるように、取り外し可能な方法でスライドファスナに固定されるように構成された封止部材とを含み、(c)封止部材が封止ゾーンに配置され、第1のテープの締結要素が第2のテープの締結要素と係合されると、1PSI(6894.76Pa)の圧力の流体が封止ゾーンを通して浸透するのを20秒間防ぐように構成される、スライドファスナ封止システム。
【0104】
実例17。封止部材が封止ゾーンに配置され、第1のテープの締結要素が第2のテープの締結要素と係合されると、スライドファスナ封止システムは、4PSI(27579Pa)の圧力の流体が封止ゾーンを通して浸透するのを20秒間防ぐように構成される、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0105】
実例18。封止部材が封止ゾーンに配置され、第1のテープの締結要素が第2のテープの締結要素と係合されると、スライドファスナ封止システムは、6.5PSI(44815.9Pa)の圧力の流体が封止ゾーンを通して浸透するのを20秒間防ぐように構成される、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0106】
実例19。スライドファスナはさらに、封止ゾーン内で第1のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第1のサイドシールを含み、スライドファスナはさらに、封止ゾーン内で第2のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第2のサイドシールを含み、第1及び第2のサイドシールはそれぞれ30から90の範囲で30から90を含むショアA硬度を有する材料を含む、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0107】
実例20。第1及び第2のサイドシールの材料が50から70の範囲で50から70を含むショアA硬度を有する、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0108】
実例21。封止部材はさらに封止体を含み、封止体は0から30の範囲で0から30を含むショアA硬度を有する材料を含む、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0109】
実例22。封止体の材料が0から10の範囲で0から10を含むショアA硬度を有する、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ封止システム。
【0110】
実例23。スライドファスナはさらに、封止ゾーン内で第1のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第1のサイドシールを含み、スライドファスナはさらに、封止ゾーン内で第2のテープの第1の端部と第2の端部との間に位置する第2のサイドシールを含み、第1及び第2のサイドシールはそれぞれ30から90の範囲で30から90を含むショアA硬度を有する材料を含み、封止部材はさらに封止体を含み、封止体は0から30の範囲で0から30を含むショアA硬度を有する材料を含む、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ。
【0111】
実例24。スライドファスナは分離スライドファスナを含む、任意の先行又は後続の実例又は実例の組み合わせのスライドファスナ。
【0112】
上記の説明は、スライドファスナ封止システム及び関連する方法のいくつかの非限定的な実施例を説明するためにのみ提供されている。スライドファスナ封止システム及び関連する方法に対する追加、削除、置換、及び他の修正は、本特許及び関連する特許が請求する発明の範囲又は主旨から逸脱することなく行うことができる。言い換えれば、上述の態様は、単に本開示の原理の明確な理解のために示された、実施の可能な例にすぎない。本開示の主旨及び原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施例に多くの変更及び修正を加えることができる。このようなすべての修正及び変更は、本開示の範囲内に含まれることを意図されており、個々の態様又は要素もしくはステップの組み合わせに対するすべての可能な特許請求の範囲は、本開示によって裏付けられることが意図されている。また、本明細書及び以下の特許請求の範囲において特定の用語が使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、記載された発明及び以下の特許請求の範囲を限定する目的では使用されていない。
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【国際調査報告】