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特表2024-505543外科用電動トライロールスレッドインパクトツール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】外科用電動トライロールスレッドインパクトツール
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/92 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
A61B17/92
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546333
(86)(22)【出願日】2022-01-31
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 US2022014596
(87)【国際公開番号】W WO2022165357
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】63/144,285
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502427840
【氏名又は名称】ジンマー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー スロカム
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL27
4C160LL70
(57)【要約】
外科用インパクトツール及びその使用法を開示する。外科用インパクトツールは、ローラー組立体と、インパクト構造体と、ツールホルダとを含むことができる。ローラー組立体は、モーターに接続され、それぞれのローラーアームによって支持された複数のローラーを含む。インパクト構造体は、バネと、前部インパクト面及び後部インパクト面を含むインパクトキャビティと、を形成できる。インパクト構造体は、壁に接続されローラー組立体と係合可能な複数のスレッド要素を備える壁を含むことができる。スレッド要素の各々は、1対の螺旋端面と複数のローラーに係合する1対の軸方向に延びる面とを含むことができる。使用時に、スレッド要素の螺旋端に対するローラー組立体の回転は、インパクト構造体を軸方向に移動させて、バネに対して荷重を加え、インパクト力を生成できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用インパクトツールであって、
モーターと、
前記モーターに作動上接続され、複数のローラーを備えるローラー組立体であって、前記複数のローラーの各々が複数のローラーアームのそれぞれ1つによって支持される、ローラー組立体と、
バネと、インパクトキャビティの対向する端部に配置された前部及び後部インパクト面を含むインパクトキャビティと、を形成するインパクト構造体であって、前記インパクト構造体が、壁に接続され前記ローラー組立体と係合可能な複数のスレッド要素を備える壁を備え、前記スレッド要素の各々が、1対の螺旋端面と、前記複数のローラーと係合する1対の軸方向に延びる面とを含む、インパクト構造体と、
前記インパクトキャビティ内で前記前部インパクト面と後部インパクト面との間に配置されたインパクトフランジを備えるツールホルダと、
を備え、
使用時に、
前記スレッド要素の前記螺旋端面に対する前記ローラー組立体の回転が前記インパクト構造体を軸方向に移動させて、前記バネに対して荷重を加え、
前記スレッド要素の前記対の軸方向に延びる面に対する前記ローラー組立体の係合が、前記バネの荷重を除去して、前記インパクト構造を前記インパクトフランジに係合させるようにできる、
外科用インパクトツール。
【請求項2】
前方インパクトモードにおいて、前記ツールホルダの前記インパクトフランジが、ツール器具が工作物に押圧されるとき前記インパクトキャビティの後端へ向かって移動可能であり、後方インパクトモードにおいて、前記ツールホルダの前記インパクトフランジが、前記インパクトツールが前記工作物から引き離されるとき前記インパクトキャビティの前端へ向かって移動可能である、請求項1に記載の外科用インパクトツール。
【請求項3】
前記前方インパクトモードが、前記スレッド要素の第1螺旋端に対して第1方向に前記ローラー組立体を回転させることを含み、前記後方インパクトモードが、前記スレッド要素の第2螺旋端に対して前記第1方向と反対の第2方向に前記ローラー組立体を回転させることを含む、請求項2に記載の外科用インパクトツール。
【請求項4】
前記バネが前記壁と一体的に形成される、請求項1~3のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用インパクトツール。
【請求項5】
前記バネが少なくとも3つのコイルバネを含む、請求項1~4のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用インパクトツール。
【請求項6】
前記スレッド要素が、スクリューによって前記壁に接続される、請求項1~5のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用インパクトツール。
【請求項7】
更に、前記モーターに接続されたギアボックスを備える、請求項1~6のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用インパクトツール。
【請求項8】
前記ギアボックス及び前記モーターが、前記インパクト構造体の前記バネ内に配置される、請求項7に記載の外科用インパクトツール。
【請求項9】
更に、
前記インパクト構造体及び前記ツールホルダを支持するハウジングであって、前記ハウジングがハンドルとベースとを備える、ハウジングと、
前記ハンドルの中に配置されたトリガと、
前記ベースに接続されたバッテリと、
を備える、請求項1~8のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用インパクトツール。
【請求項10】
更に、
前記ハウジングの中に配置されたマイクロフォンと、
音声コマンドによって前記インパクトツールの作動を制御するために作動するコントローラと、
を備える、請求項9に記載の外科用インパクトツール。
【請求項11】
外科用インパクトツールであって、
モーターと、
前記モーターに作動上接続され、
第1ローラーアームによって支持された第1ローラーと、
第2ローラーアームによって支持された第2ローラーと、
第3ローラーアームによって支持された第3ローラーと、
を備えるローラー組立体と、
バネを形成し、前部及び後部インパクト面を備えるインパクト組立体であって、前記インパクト組立体が、前記前部及び後部インパクト面がインパクトキャビティの対向する端部に配置されたインパクトキャビティを形成し、前記インパクト組立体が壁に接続され前記ローラー組立体と係合可能な第1、第2及び第3スレッド要素を備える壁を備え、前記第1、第2及び第3スレッド要素の各々が、1対の螺旋端面と、前記第1、第2及び第3ローラーとそれぞれ係合する1対の軸方向に延びる面と、を含む、インパクト構造体と、
前記インパクトキャビティ内で前記前部インパクト面と後部インパクト面との間に配置されたインパクトフランジを備える、ツールホルダと、
を備え、
使用時に、
前記スレッド要素の前記螺旋端面に対する前記ローラー組立体の回転が、前記インパクト構造体を軸方向に移動させて、前記バネに対して荷重を加え、
前記スレッド要素の前記対の軸方向に延びる面に対する前記ローラー組立体の係合が、前記バネの荷重を除去して、前記インパクト構造体を前記インパクトフランジに係合させるようにできる、
外科用インパクトルール。
【請求項12】
前方インパクトモードにおいて、前記ツールホルダの前記インパクトフランジが、ツール器具が工作物に押圧されるとき前記インパクトキャビティの後端へ向かって移動可能であり、後方インパクトモードにおいて、前記ツールホルダの前記インパクトフランジが、前記インパクトツールが前記工作物から引き戻されるとき前記インパクトキャビティの前端へ向かって移動可能である、請求項11に記載の外科用インパクトツール。
【請求項13】
前記前方インパクトモードが、前記スレッド要素の第1螺旋端面に対して第1方向に前記ローラー組立体を回転させることを含み、前記後方インパクトモードが、前記スレッド要素の第2螺旋端に対して前記第1方向と反対の第2方向に前記ローラー組立体を回転させることを含む、請求項12に記載の外科用インパクトツール。
【請求項14】
前記バネが前記壁と一体的に形成される、請求項11~13のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用インパクトツール。
【請求項15】
前記バネが少なくとも3つのコイルバネを含む、請求項11~14のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用インパクトツール。
【請求項16】
前記スレッド要素が、スクリューによって前記壁に接続される、請求項11~15のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用インパクトツール。
【請求項17】
更に、前記モーターに接続されたギアボックスを備える、請求項11~16のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用インパクトツール。
【請求項18】
前記ギアボックス及び前記モーターが、前記インパクト構造体の前記バネ内に配置される、請求項17に記載の外科用インパクトツール。
【請求項19】
更に、
前記インパクト構造体及び前記ツールホルダを支持するハウジングであって、前記ハウジングが、ハンドルとベースとを備える、ハウジングと、
前記ハンドルの中に配置されたトリガと、
前記ベースに接続されたバッテリと、
を備える、請求項11~18のいずれか1項又はその任意の組合せに記載の外科用インパクトツール。
【請求項20】
更に、
前記ハウジングの中に配置されたマイクロフォンと、
音声コマンドによって前記インパクトツールの作動を制御するために作動するコントローラと、
備える、請求項19に記載の外科用インパクトツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月1日に提出された「コードレス電動トライロールスレッドインパクトツール」と題する米国仮特許出願第63/144285号(その内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される)に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示は、概略的に外科用器具及びその使用に関する。具体的には、本開示は、外科用電動ロールスレッドインパクトツール及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
整形外科医は、通常、埋伏力をツールへ伝達するためにハンマー又はマレットを必要とする骨を切断する又は削るためのツールを使用する。一例は、人工股関節のステムを受け入れるために大腿骨の近位端を準備するために使用されるブローチツールである。このようなブローチは、医師が使用するハンマー又は空圧「ジャックハンマー」様のツールと一緒に使用できる。しかし、ハンマーでブローチツールを打つことは、厄介であり、医師自身の肩関節などの関節に大きなストレスを生じる可能性がある。更に、空圧インパクトツールは、エアホースに接続する必要があり、これは、不便であり、医師が思い通りにツールの向きを定める能力を制限する可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
以下の非限定的な例は、特に課題を解決し本明細書において論じる利点を与えるために本開示の内容の特定の形態を詳述する。
【0005】
実施例1は、モーターと、モーターに作動上接続され複数のローラーを備えるローラー組立体であって、複数のローラーの各々が、複数のローラーアームのそれぞれ1つによって支持される、ローラー組立体と、バネとインパクトキャビティの対向する端部に配置された前部及び後部インパクト面を含むインパクトキャビティとを形成するインパクト構造体であって、インパクト構造体が、壁に接続されローラー組立体と係合可能な複数のスレッド要素を備える壁を備え、スレッド要素の各々が、1対の螺旋端面と複数のローラーと係合する1対の軸方向に延びる面とを含む、インパクト構造体と、インパクトキャビティ内で前部インパクト面と後部インパクト面との間に配置されたインパクトフランジを備えるツールホルダと、を備える。使用時に、スレッド要素の螺旋端面に対するローラー組立体の回転は、インパクト構造体を軸方向に移動させてバネに対して荷重を加え、スレッド要素の対の軸方向に延びる面に対するローラー組立体の係合は、バネの荷重を除去し、インパクト構造体をインパクトフランジに係合させるようにできる。
【0006】
実施例2において、実施例1の内容は、任意に、前方インパクトモードにおいて、ツールホルダのインパクトフランジが、ツール器具が工作品に押圧されるときインパクトキャビティの後端へ向かって移動可能であり、後方インパクトモードにおいて、ツールホルダのインパクトフランジが、インパクトツールが工作物から引き離されるときインパクトミャビティの前端へ向かって移動可能である、であることを含む。
【0007】
実施例3において、実施例2の内容は、任意に、前方インパクトモードが、スレッド要素の第1螺旋端に対して第1方向にローラー組立体を回転させることを含み、後方インパクトモードが、スレッド要素の第2螺旋端に対して第1方向と反対の第2方向にローラー組立体を回転させることを含む、ことを含む。
【0008】
実施例4において、実施例 1~3のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、バネが壁と一体的に形成されることを含む。
【0009】
実施例5において、実施例1~4のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、バネが少なくとも3つのコイルバネを含むことを含む。
【0010】
実施例6において、実施例1~5のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、スレッド要素がスクリューによって壁に接続されることを含む。
【0011】
実施例7において、実施例1~6の1つ又はそれ以上の内容は、任意に、モーターに接続されたギアボックスを含む。
【0012】
実施例8において、実施例7の内容は、任意に、ギアボックス及びモーターがインパクト構造体のバネ内に配置されることを含む。
【0013】
実施例9において、実施例1~8のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、インパクト構造体及びツールホルダを支持するハウジングを含み、ハウジングは、ハンドル及びベースと、ハンドルの中に配置されたトリガと、ベースに接続されたバッテリと、を備える。
【0014】
実施例10において、実施例9の内容は、任意に、ハウジングの中に配置されたマイクロフォンと、音声コマンドによってインパクトツールの作動を制御するために作動するコントローラと、を含む。
【0015】
実施例11は、モーターと;モーターに作動上接続され、第1ローラーアームによって支持された第1ローラーと第2ローラーアームによって支持された第2ローラーと第3ローラーアームによって支持された第3ローラーとを備えるローラー組立体と;バネを形成し、前部及び後部インパクト面を備えるインパクト構造体であって、インパクト構造体が、インパクトキャビティの対向する端部に前部及び後部インパクト面が配置されたインパクトキャビティを形成し、インパクト構造体が、壁に接続されローラー組立体と係合可能な第1、第2及び第3スレッド要素を備える壁を備え、第1、第2及び第3スレッド要素の各々が、1対の螺旋端面と、それぞれ第1、第2及び第3ローラーと係合する1対の軸方向に延びる面とを含む、インパクト構造体と;インパクトキャビティ内で前部インパクト面と後部インパクト面との間に配置されたインパクトフランジを含むツールホルダと、を備える外科用インパクトツールである。使用時に、スレッド要素の螺旋端面に対するローラー組立体の回転は、インパクト構造体の軸移動を生じて、バネに対して荷重を加え、スレッド要素の対の軸方向に延びる面に対するローラー組立体の係合は、バネの荷重を除去して、インパクト構造体をインパクトフランジに係合させるようにできる。
【0016】
実施例12において、実施例11の内容は、任意に、前方インパクトモードにおいて、ツールホルダのインパクトフランジが、ツール機器が工作物に押圧されるときインパクトキャビティの後端へ向かって移動可能であり、後方インパクトモードにおいて、ツールホルダのインパクトフランジが、インパクトツールが工作物から引き離されるときインパクトキャビティの前端へ向かって移動可能である、ことを含む。
【0017】
実施例13において、実施例12の内容は、任意に、前方インパクトモードが、スレッド要素の第1螺旋端に対して第1方向にローラー組立体を回転させることを含み、後方インパクトモードが、スレッド要素の第2螺旋端に対して第1方向と反対の第2方向にローラー組立体を回転させることを含む、ことを含む。
【0018】
実施例14において、実施例11~13のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、バネが壁と一体的に形成されることを含む。
【0019】
実施例15において、実施例11~14のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、バネが少なくとも3つのコイルバネを含む、ことを含む。
【0020】
実施例16において、実施例11~15のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、スレッド要素がスクリューによって壁に接続されることを含む。
【0021】
実施例17において、実施例11~16のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、モーターに接続されたギアボックスを含む。
【0022】
実施例18において、実施例17の内容は、任意に、ギアボックス及びモーターがインパクト構造体のバネ内に配置されることを含む。
【0023】
実施例19において、実施例11~18のいずれか1つ又はそれ以上の内容は、任意に、インパクト構造体及びツールホルダを支持するハウジングを含み、ハウジングは、ハンドル及びベースと、ハンドルの中に配置されたトリガと、ベースに接続されたバッテリと、を備える。
【0024】
実施例20において、実施例19の内容は、任意に、ハウジングの中に配置されたマイクロフォンと、音声コマンドによってインパクトツールの作動を制御するために作動するコントローラと、を含む。
【0025】
実施例21において、実施例1~20のいずれか1つ又はその任意の組合せの外科用インパクトツール、システム及び/又は方法は、任意に、言及される全ての要素又は選択肢が使用可能又は選択可能であるように構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図面(必ずしも縮尺通りではない)において、同様の数字は、異なる図面において同様のコンポーネントを示すことができる。異なる接尾部を持つ同様の数字は、同様のコンポーネントの異なる例を表すことができる。図面は、限定的ではなく例として概略的に、本文献において論じる様々な実施形態を図解する。
【0027】
図1図1は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動トライロールスレッドインパクトツールの斜視図である。
図2図2は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動トライロールスレッドインパクトツールの上面切取り図である。
図3図3は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動トライロールスレッドインパクトツールのバネ要素部分組立体の斜視図である。
図4図4は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動トライロールスレッドインパクトツールのバネ要素部分組立体の切取り図である。
図5図5は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動トライロールスレッドインパクトツールのバネ要素部分組立体のコア要素の斜視図である。
図6図6は、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったトライロール部分組立体の斜視図である。
図7図7は、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったトライロール部分組立体の斜視図である。
図8図8は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動トライロールスレッドインパクトツールを制御するために使用可能なロジックのフローチャートである。
図9図9は、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったコントローラの概略図である。
【0028】
対応する参照符号は、いくつかの図面を通じて対応する部品を示す。本明細書において示す例証は、本開示の好ましい実施形態を示すものであり、このような例証は、決して、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0029】
空圧ピストン駆動システムの代替品として、本明細書においては、電気駆動システムを開示する。具体的には、本明細書において開示する外科用電動インパクトツールは、ローラー組立体に作動上接続されたモーターを含むことができる。ローラー組立体は、複数のローラーを含むことができ、複数のローラーの各々は、複数のローラーアームのそれぞれ1つによって支持できる。インパクト構造体は、バネと、インパクトキャビティの対向する端部に配置された前部及び後部インパクト面を含むことができるインパクトキャビティと、を形成できる。インパクト構造体は、壁に接続されローラー組立体と係合可能な複数のスレッド要素を備える壁を含むことができる。スレッド要素の各々は、1対の螺旋端面と複数のローラーに係合する1対の軸方向に延びる面とを含むことができる。ツールホルダ要素のインパクトフランジは、インパクトキャビティ内で前部インパクト面と後部インパクト面との間に配置できる。
【0030】
使用時に、スレッド要素の螺旋端に対するローラー組立体の回転は、インパクト構造体を軸方向に移動させて、バネに対して荷重を加えることができる。又、使用時に、スレッド要素の軸方向に延びる面に対するローラー組立体の係合は、バネに対する荷重を除去して、インパクト構造体をインパクトフランジに係合させるようにできる。
【0031】
本明細書において開示するように、前方インパクトモードにおいて、ツールホルダのインパクトフランジは、ツール器具が工作物(例えば骨)に押圧されるときインパクトキャビティの後端へ向かって移動可能であり、後方インパクトモードにおいて、ツールホルダのインパクトフランジは、インパクトツールが工作物から引き離されるときインパクトキャビティの前端へ向かって移動可能である。前方インパクトモードは、スレッド要素の第1螺旋端に対して第1方向にローラー組立体を回転させることを含むことができ、後方インパクトモードは、スレッド要素の第2螺旋端に対して第1方向と反対の第2方向にローラー組立体を回転させることを含む。
【0032】
外科用インパクトツールは、インパクト構造体及びツールホルダを支持するハウジングを含むことができる。ハウジングは、ハンドルとベースとを含むことができる。トリガはハンドルの中に配置でき、バッテリはベースに接続できる。マイクロフォン及びコントローラは、ハウジングの中に配置できる。コントローラは、音声コマンドによってインパクトツールの作動を制御するために作動できる。
【0033】
上記の論証は、本特許出願の内容の概要を提示するためのものである。論証は、本発明の排他的又は網羅的説明を提示することを意図しない。下の説明は、本特許出願に関する更なる情報を提示するために含まれる。
【0034】
次に図面を見ると、図1は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った外科用電動トライロールスレッドインパクトツール100の例を示す。本明細書において開示するように、外科用電動トライロールスレッドインパクトツール100(コードレスとすることができる)は、ベース104に取り付けられた交換可能な充電式バッテリパック102を含むことができ、図9に関連して下で説明するコントローラ900などの制御エレクトロニクスに動力を提供できる。ハンドル106は、主ハウジング108内部のモーター及び/又はセンサに接続されたワイヤを収納できる。トリガ118は、手動オンオフ制御を可能にし、スピーカ/マイクロフォン124は、ユーザーが命令を音声で伝え、本明細書において開示するようにシステムコントローラからの示唆を聞けるようにする。言い換えると、スピーカ/マイクロフォン124は、外科用電動トライロールスレッドインパクトツール100を音声コマンドによって制御できるようにする。ハンドルシステム120は、構造体122によって主ハウジング108に取り付けできる。主ハウジング108は、遠位部分114と中間部分112と近位部分110とを含むことができる。整形外科用又はその他のツールは、ツールホルダ116の中に保持できる。
【0035】
図2は、外科用電動トライロールスレッドインパクトロール100の上からの断面図である。インパクトツール100は、図2において中立位置で示すバネコイル252を持つ機械加工2方向(例えば、引張り又は圧縮)バネ構造体248と、ギアボックス124の出力シャフトに直接取り付けできるトライ(3本)ローラー208によって作動されるトライ(3葉)スレッド244と、を含むことができる。モーター204は、ギアボックス124に取り付けできる。例えば、ギアボックス124は、62:1の比率を持つボールベアリングミニモーターギアヘッドとすることができ、4ジュールのインパクトエネルギーを与えるために使用できる。
【0036】
モーター204は、裏面まで遠位外側ハウジング区分114のスロット262を通過して延びることができるパワー/位置センサデータケーブル202を持つことができる。内部スナップリング260は、モーターハウジング構造体256を前方へ押すときときナット258が押すことができる構造体として作用できる。モーターハウジング構造体256のステップ206は、これと噛み合う機械加工バネ構造体254のステップ250を押すことができ、それによって、外側ハウジング区分114と112との間の移行ステップを押すことができる。これらのステップ206及び250の面は、全て、近位端におけるその半径方向の不整列が0.1mm未満となることができるように長手軸線に対して直角に機械加工できる。軸方向/直径寸法の比率を約5:1にすることにより、精密旋盤で機械加工された部品が容易に達成できる直角度の要件を生成できる。
【0037】
前方インパクトを生成するために、ユーザーは、ツールホルダ116のフランジ224の遠位面が構造体110の近位面226を押圧するように、インパクトツール100を前方へ押すことができる。機械加工バネ構造体248の前部分246は、3葉スレッド要素(3)244を保持でき、スレッド要素は、トライローラー(3つのローラー)208と係合でき、トライローラーは、ギアボックス124の出力シャフトに取り付けできる。ギアボックス124のシャフトが1つの方向に回転するとき、ローラ208とスレッド244の係合は、機械加工バネ248を圧縮させ、これを後方へ引っ張って、エネルギーを蓄積できる。バネ248のベース256は、固定されて、ナット258によって構造体108にタイトな予荷重を加えるので回転できない。
【0038】
バネ248が圧縮するとき、機械加工バネ構造体248の近位端236は、遠位方向に移動できる。バネ構造体248の近位端236は、フランジ付きの滑動接触ブッシングベアリング240(例えばルーロンベアリング)を所定の場所に保持できるスナップリング242を含むことができる。ブッシングベアリング240は、例えば約10mmの内径を持つことができ、ツールホルダ要素210のシャフト上を滑動できる。ツールホルダ要素210の近位端は、スナップリング218によって所定の場所に保持できるフランジ付きブッシングベアリング216によって案内できる。滑動シール220は、異物が入らないようにできる。バネ構造体248のストライカフランジ238がその完全遠位後退位置に達したとき、トライローラー208が行程の端部及びトライスレッド244の折り返し点に達することによって解除されて、急速に加速して、238の近位面をツールホルダ210のフランジ212の遠位面に衝突させることができる。ユーザーがインパクトツール100を前方へ押しながらインパクトツール100のモーター204を連続作動すると、プロセスを反復して、ツール器具を更に工作物の中へ更に進めることができる(例えば、ブローチが大腿骨の中をカットする)。
【0039】
ツールの組立てを可能するため及びこれを引っ込めるために、機械加工バネ構造体248は、ベアリング230と一緒にカラー234を持つことができ、その両方は、スナップリング242によって所定の場所に保持される。ツールホルダ要素210上のスナップリング214は、ユーザーがインパクトツール100を引き戻すとき、スナップリングが面222に接触するまで移動でき、フランジ212はカラー234の遠位面に接近できる。モーター204は、その後逆方向に作動でき、トライローラー208は、トライスレッド244の後進スレッド面に係合して、機械加工バネ252を伸ばして、カラー234がカラー212から離れて近位方向に移動するように近位構造体を236を前方へ移動させることができる。トライローラー208とトライスレッド244とのスレッド係合の終了時に、バネ248は、跳ね返って、カラー234の遠位面とフランジ212の近位面との間に後退ブローを与えることができる。ユーザーが引き続きインパクトツール100を引き戻すとき、モーター回転は、このプロセスを反復できる。
【0040】
図3及び4は、バネ構造体248と、トライスレッド244と、それぞれスナップリング242及び228によって所定の場所に保持されたベアリング240及び230と、を備える三重バネスレッド/バネ部分組立体を示す。インパクトキャビティ77(時にはインパクトチャンバと呼ぶ)は、遠位端においてストライカフランジ238を、又近位端においてカラー234を境界とし、ツールホルダ要素210のフランジ212は、インパクトキャビティ77の中で前後に移動できる。
【0041】
バネコイル252は、モノリスであるようにバネ構造体248に機械加工でき、3つのコイル252は、システムにより大きい側方安定性を与えるために使用できる。バネ構造体248は、高強度ステンレス鋼又はマルエージング鋼(例えばAeromet340)などの高強度鋼から作ることができる。トライスレッド244は、精密に製造し、硬化し、精密研磨できるように、インサート506、402及び404として作ることができる。トライスレッド244は、その後それぞれ高強度フランジ付きスクリュー302、304及び408によって取り付けできる。トライスレッドインサートの長円形状は、円筒形構造体246の内面に保持されたとき捩れモーメントに抵抗できることを意味するが、インパクト環境において緩んだときの保険として、スクリュー302、304及び408によってボルト止めすることに加えて所定の場所に接着することもできる。
【0042】
バネ構造体248と一体的な機械加工バネコイル252を作るために使用できる1つの製造方法は、旋盤などで機械加工作業を使用してバネコイル252以外の全てを機械加工することである。その後、内部にぴったりと嵌るソリッド円筒形マンドレルを挿入でき、これは、地金としてガリウムを含むものなど低メルト合金を使用して一時的に取り付けされる。これによって、機械加工の間損傷の危険なくバネコイル252を機械加工できる。
【0043】
図5は、トライスレッド244をバネ構造体248(これにトライスレッドが取り付けられる)なしで示す。図では、トライローラー208は、典型的には高トルクの伝動を可能にするためにD字形孔を持つことができる中央トライアーム構造体514にその3つのスレッドローラー504、618及び520を持つことが分かるが、ギアモーター出力シャフトにキー接続を行うことができる。ローラー504、618及び520は、ボールベアリングとするか又は非常に高い荷重の場合にはニードルローラーベアリングとすることができ、スナップリングによって所定の場所に保持できる。404などの各トライスレッド要素は、それぞれのスレッドローラー520と接触するための螺旋近位強制接触面502と螺旋遠位強制接触面522とを持つサイズとすることができる。例えば、遠位を見ると、モーターギアボックス124がトライローラー208を左回りに回転させるとき、520などのローラーは、面516に接触して、ローラー520がラジアス端512に達するまでバネ252を圧縮できる。軸方向に直線の面510を持つことは、トライローラーが引き続き左回りに回転するときバネが近位方向にインパクトチャンバ410と一緒に近位端246及び236を推進して、螺旋スレッド面508に接触することができ、このプロセスは、複数の急激なストライクを加えるように継続できる、ことを意味する。トライローラー208が右回りに回転する場合、遠位螺旋スレッド526などの対応する対向要素と係合して、バネ252を伸ばして、ローラー520がスレッドの端に達して例えば端部524の周りで回転するとき、バネ252は、カラー234をツールホルダ要素210のフランジ212に衝突させてツール器具を抜き出すために後方インパクトを生成するために遠位方向に近位端246及び236を跳ね返すことができる。
【0044】
螺旋スレッド面とこれに対応する軸方向に直線の面との間の円周空間は、ローラーの直径に、モーターが回転し続けるときバネが戻るために掛かる時間に進行する距離を足したものとすることができる。これは、僅か数ミリである可能性があり、移動質量バネ定数及びバネ圧縮に基づいて測定できる。
【0045】
図5、6及び7は、アーム614、616及び606に取り付けられたローラー504、618及び520を持つトライローラー部分組立体208を示し、アームは、D字形孔604を持つ中央本体602から突出できる。スナップリング612、620及び608は、それぞれのベアリングを所定の場所に保持できる。セットスクリューは、シャフトフラット上に窪みを持つモーターギアボックス124のシャフトにトライローラー部分組立体208を軸方向に固定するためにネジ切り開口702の中へネジ入れることができる。トライローラー部分組立体208のアーム及び本体は、機械加工するか又はプリントするか又は最大強度を持つためトライアーム本体610を形成するときに一体的に(ソリッドに)成形できる。
【0046】
3つのアーム及びローラー504、618及び520及び対応するスレッド506、402及び404は、モーターギアボックス124からのトルクを、ギアボックス124の出力シャフトに対する半径方向の荷重を生成することなく伝達しながら、半径方向の安定性を与えることができる。更に、接触力は、ローラー中心から回転シャフト中心までの半径方向の距離と3の積でギアボックス124からのトルクを割ったもの未満又はこれに等しくできる。ローラー504、618及び520とスレッド要素506、402及び404との間の回転接触は、螺旋スレッド面508及び516と軸方向戻り領域510及び518との間の丸みのある端の移行領域などにおける接触応力及び摩耗を減少できる。
【0047】
ローラー組立体208は、密閉され耐用期間潤滑されるボールベアリングにおいて回転する、硬化され研摩されたテーパー状ローラーを含む。スレッド溝にドライ潤滑面を使用することと併せて、この耐用期間循環は、ほぼ保守無しで作動できるようにする。これは、位置の関数としてゲイン(伝動比率)が変動するカムシステムではなく、定伝動比率を持つ、即ち反転するまで線形に反応する、スクリュースレッドである。
【0048】
本開示は、スレッドが交差する代わりに接触面を対向させてモーターが方向を逆行するために逆転できる逆転スクリュードライバとロールナットの概念を組み合わせる。しかし、いずれかの方向の連続的モーター回転は、絶え間ない振動を生じて、近位あるいは遠位振動バイアスを生じる可能性がある。スクリューシャフトの周りで回転するネジ切りナットの代わりに、本開示は、回転が防止されるが軸方向の移動は許容される雌型スレッドを使用して、雌型スリーブを形成する。
【0049】
インサイドアウト-トライスタートロールナットがスレッドに係合して、トライローラー構造体を、ギアモーター出力シャフトに取り付けできる。トライローラー208の各アームの端部は、凸面(湾曲)プロフィル外側レースを持つボールベアリング(特別に製造されるか又はベアリング外側リングに焼嵌めされた又は接着されたスリーブ)とすることができる。カップラ248の3つの内部スレッド506、402及び404に係合するために3つのローラー504、618及び520を使用することによって、カップラ248は、 ギアモーター回転軸線を中心とすることができ、ギアボックスシャフトに対して正味半径荷重を無くすことができる。トライローラー208は、軸方向荷重を受けるので、ギアモーター出力シャフトは、トライローラー208がシャフトから離れないようにするためにスナップリング溝を持つことができる。
【0050】
トライスレッド506、402及び404は、1つのピースから切断されるか又は粉末冶金法を使用して大量に製造できる個別のインサートとすることができる。ローラー504、618及び520が接触する面は、硬化後接触仕上げ研摩できる。螺旋をトレースするエンドミルの中心でカットされるとき、接触面はスパイラルの長手軸線と整列しない。更に、トライローラーアーム端612、620及び608のベアリングの外側リングも、長手軸線に完璧には整列しない。したがって、面(又は、これをカットするために使用されるエンドミル又は研摩ツール)には僅かなテーパー例えば1度のテーパーなどが必要とされるかも知れない。更に、行程の終点の折り返しゾーンにおいて、ローラーとスレッド折り返し面との間に更なるミスマッチの可能性があることが考えられ、これは、確実に線接触するように調節できる。半径差は、スリップを意味する可能性があり、したがってここでもクラウンローラーを使用できる。
【0051】
バネ構造体248は、環状構造体から機械加工でき、3重スタートスレッド252を、側方安定性を最大化するために使用できる。機械加工バネスレッドは、2方向とすることができるので、リロードできる。したがって、ツールを駆動又は引出しするためにそれぞれ前進又は後進運動においてエネルギーを蓄積し放出するために必要なバネ248を1つだけとすることができる。
【0052】
図8は、本開示の少なくとも1つの実施例に従った、インパクトツール100などの外科用電動トライロールスレッドインパクトツールを制御する方法を示す。外科的処置中及び/又はその前に、医師は、コントローラに骨質の推定値を入力して(802)、作業を開始できる(804)。例えば、骨質スコアは、1(低い骨質)から5(高い骨質)までの範囲とすることができる。骨質に応じて、予設定のインパクト力を与えるようにツールを設定できる。例えば、低い骨質の場合、低いインパクト力を設定できる。高い骨質の場合、高いインパクト力を設定できる。
【0053】
手術中、ツール/移置センサを使用して、ツールが最初の数ブローチでツールがどれだけ速やかに骨の中へ移動するかに基づいて、骨質を更新できる(806)。例えば、弱い海綿状骨(例えば骨粗しょう症)のせいでブローチが予想より速く進む場合、骨質を更新できる。初期骨質査定の目的は、開始時の力(初期インパクト)を調整し、ツールが骨の中へ進行するにつれてその後のインパクト量調整を調節することである(808)。例えばブローチのサイズを増大するときツールのインパクトを維持しながら、エネルギーを監視すると、例えば大腿管へ「最大」ブローチ移動があるとき(位置センサによって計測)エネルギーは不変のままである。
【0054】
骨質の更新は、連続プロセスとすることができる。例えば、ブローチ又はインプラントがそれほど前進していない(中程度の前進)と位置センサが示すと、これは、行程の終了を示す可能性がある。より強く骨にインパクトを与え続けると、骨を傷つける可能性があるので、ツールは、自動的に固有の比率で力を下げるように調整できる(例えば、より弱い骨にはより大きい減少で、より強い骨にはより小さい減少で)。
【0055】
図9は、本開示の少なくとも1つの実施例に従ったコントローラ900の概略図である。図9に示すように、コントローラ900は、プロセッサ902とメモリ904とを含むことができる。メモリユニット904は、ソフトウェアモジュール906と骨データ908とを含むことができる。プロセッサ902において実行するとき、例えば本明細書において説明する方法に含まれる1つ又は複数のステージを含めて、ソフトウェアモジュール906は、変位データを受け取る、骨質を測定する、ツールのインパクト力を調節するなどのプロセスを実行できる。
【0056】
本明細書において開示するように、骨データ1208は、本明細書において開示するように骨質を測定するために使用できる公式、ルックアップテーブル、記録表、患者データなどを含むことができる。骨データ1208は、又、所与の骨質に望ましいインパクト力を相関させるため、及びやすり及び/又はブローチなどのツールの様々なサイズを決定するためのデータを含むことができる。コントローラ900は、又、ユーザーインターフェイス910、通信ポート912及び入力/出力(I/O)機器914も含むことができる。
【0057】
ユーザーインターフェイス910は、ユーザーがコントローラ900と対話できるようにする任意の数の機器を含むことができる。ユーザーインターフェイス910の非限定的例は、外科用電動線形ハンマーインパクトツールのハウジングに配置されたボタンなどのキーパッド、マイクロフォン、ディスプレイ(配線又は無線接続でコントローラに接続されたタッチスクリーンなど)を含むことができる。
【0058】
一例として、医師は、インパクトを観察しながら、「もっと小さい力に」、「もっと大きい力に」、「もっと速く」、「もっと遅く」などと話すことができ、ユーザーがその音声を使用してそのニーズ及び使用スタイルに合わせるためにインパクトツール100を制御できることが分かるだろう。コントローラ900は、特定のユーザーに応答するように学習できる。
【0059】
コントローラ900がもっと小さい力にするために、コントローラは、加速の距離及び力を変動するためのコイル構造体への電流、したがってインパクト要素の加速を制御できる。インパクト力は、エネルギーに比例でき、これは、インパクト要素の質量の1/2とその速度の二乗の積である。ユーザーが「より速く」と言うと、コントローラ900は、インパクト要素の前後の往復をもっと速くさせることができる。コントローラ900は、所望の力を生成するために電流制御モードで作動でき、電圧はインパクト要素が加速するとき速度に応じてこれに続く。
【0060】
通信ポート912は、コントローラ900が、サーバー又はその他の遠隔コンピュータなどの遠隔コンピューティング機器を含めた(但しこれに限定されない)様々な情報源及び機器と通信できるようにする。例えば、遠隔コンピューティング機器は、通信ポート912を使用してコントローラ900が検索できる患者スキャンデータなどのデータを保管できる。通信ポート912の非限定的例は、イーサネットカード(無線又は配線)、Bluethooth(登録商標)送受信機、近距離無線通信モジュールなどを含むことができる。
【0061】
I/O機器914は、コントローラ900が、情報を受信し出力できるようにする。I/O機器914の非限定的例は、ホール効果センサなどのセンサ、カメラ(静止画又はビデオ)、マイクロフォンなどを含むことができる。例えば、I/O機器914は、コントローラ900がCTスキャン機器、x線機械などから患者データを直接受信できるようにする。別の例として、I/O機器914は、プロセッサ902が受信する1つ又は複数の信号を送るホール効果センサを含むことができる。プロセッサ902は、その後、トライローラー要素の位置及び/又はトライローラーの位置に基づいてトライローラーによって生成されるインパクト力を測定できる。
【0062】
[注記]
上の詳細な説明は、詳細な説明の一部を成す添付図面の参照を含む。図面は、本発明を実施できる具体的実施形態を例として示す。これらの実施形態を、本明細書においては「実施例」とも呼ぶ。これらの実施例は、図示する又は説明する要素に加えて他の要素を含むことができる。しかし、当該発明者は、図示又は説明する要素のみが提示される実施例も想定する。更に、当該発明者は、特定の実施例(又はその1つ又は複数の形態)に関してあるいは図示する又は本明細書において説明する他の実施例(又はその1つ又は複数の形態)に関して、図示又は説明する要素(又はその1つ又は複数の形態)の任意の組合せ又は置換を使用する実施例も想定する。
【0063】
本文献と参照により援用される文献との間に矛盾する使用がある場合、本文献の使用が支配する。
【0064】
本文献において、単数冠詞は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」の他の事例又は使用とは別に、1つ又は複数を含むものとして使用する。本文献において、「又は」は、特に指示されない限り、非排他性を意味するように又は「A又はB」が「BではなくA」、「AではなくB」及び「A及びB」を含むように使用される。本文献において、「含む(including)」及び「そこで(in which)」は、それぞれ「備える(comprising)」及び「そこにおいて(in which)」の平易な英語の同義語として使用する。又、以下の請求項において、「含む」及び「備える」は、制限がない、即ち、請求項においてこの用語の後に列記される要素に加えて他の要素を含むシステム、機器、品目、組成、公式又はプロセスも、その請求項の範囲内にあると見なされる。更に、以下の請求項において、「第1」、「第2」及び「第3」は、単なる符号として使用しており、その対象に数値的要件を課すことを意図しない。
【0065】
上記の説明は、制約的ではなく例示的であることを意図する。例えば、上述の実施例(又はその1つ又は複数の形態)は、相互に組み合わせて使用できる。他の実施形態は、上記の説明を読めば当業者などによって使用できる。「要約」は、読み手が技術的開示の性質を速やかに確認できるようにするために連邦規則集37巻§1.72(b)に準拠して提出する。要約は、請求の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないと言う了解のもとに提供する。又、上記の「詳細な説明(発明を実施するための形態)」において、様々な特徴は、開示を簡潔化するためにグループ化する場合がある。これは、請求せず開示する特徴が請求にとって必須であることを意図するものとして、解釈されるべきではない。むしろ、発明の内容は、特定の開示される実施形態の特徴の全てに満たないものであり得る。したがって、以下の請求項は、実施例又は実施形態として「詳細な説明」に援用され、各請求項は、別個の実施形態として独立し、このような実施形態は、様々な組合せ又は置換で相互に組み合わせることができるものと想定される。本発明の範囲は、請求が権利を有する同等物の全範囲と一緒に請求項を参照して決定すべきである。
図1
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【国際調査報告】