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特表2024-505554単一のフレックスハイブリッド回路カードを使用した非平面アレイの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】単一のフレックスハイブリッド回路カードを使用した非平面アレイの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
H05K1/02 B
H05K1/02 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546424
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 US2021062919
(87)【国際公開番号】W WO2022173500
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】17/174,904
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ファヴロー,チャニング,ペイジ
(72)【発明者】
【氏名】ベネディクト,ジェイムズ,イー.
(72)【発明者】
【氏名】ペブズネル,ミハイル
(72)【発明者】
【氏名】シキナ,トーマス,ヴィ.
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA05
5E338AA12
5E338BB75
5E338EE22
5E338EE31
5E338EE60
(57)【要約】
プリント回路アセンブリを製造する方法は、ベース(20)及び少なくとも1つのサイドパネル(24a‐c)を有するフレキシブルハイブリッド回路(18)を提供することを含む。少なくとも1つのサイドパネル(24a‐c)はベース(20)にヒンジ接続される。本方法はさらに、フレキシブルハイブリッド回路(18)上に支持構造(12)を配置することを含む。支持構造(12)は、フレキシブルハイブリッド回路(18)のベース(20)上に配置されたベースと、フレキシブルハイブリッド回路(18)の少なくとも1つのサイドパネル(24a‐c)に対応する少なくとも1つの側面とを含む。本方法はさらに、フレキシブルハイブリッド回路(18)の少なくとも1つのサイドパネル(24a‐c)を折り曲げ、少なくとも1つのサイドパネル(24a‐c)が、支持構造(12)の少なくとも1つの側面と同一平面上に配置され、プリント回路アセンブリを作製することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路アセンブリを製造する方法であって、
ベース及び少なくとも1つのサイドパネルを有するフレキシブルハイブリッド回路を提供することであって、前記少なくとも1つのサイドパネルは前記ベースにヒンジ接続される、前記提供することと、
前記フレキシブルハイブリッド回路上に支持構造体を配置することであって、前記支持構造体は、前記フレキシブルハイブリッド回路の前記ベース上に配置されるベースと、前記フレキシブルハイブリッド回路の前記少なくとも1つのサイドパネルに対応する少なくとも1つの側面とを含む、前記配置することと、
前記フレキシブルハイブリッド回路の前記少なくとも1つのサイドパネルを折り曲げることであって、前記少なくとも1つのサイドパネルが、前記支持構造の前記少なくとも1つの側面と同一平面上に配置され、プリント回路アセンブリを作製する、前記折り曲げることと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記支持構造の前記ベースが3辺を有するベースを含み、前記支持構造の前記少なくとも1つの側面が、ともに三角錐の形状を形成する3辺を有する3つの側面を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フレキシブルハイブリッド回路は、前記支持構造の前記ベースを受け入れるようなサイズ及び形状の3辺を有するベースパネルと、前記支持構造のそれぞれの側面に受け入れられるようなサイズ及び形状の3辺を有する3つのサイドパネルを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フレキシブルハイブリッド回路の前記ベースパネル及び各サイドパネルはPCBから製造され、各サイドパネルは電気的及び機械的接続を提供するフレキシブルハイブリッド回路によって前記ベースパネルにヒンジ接続されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各ヒンジは、導電回路パターンが貼り付けられた薄い絶縁ポリマーフィルムを含み、通常、導体回路を保護するために薄いポリマーコーティングが施される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記フレキシブルハイブリッド回路の前記少なくともサイドパネルを、1つ以上の締結具によって前記支持構造の前記少なくとも1つの側面に固定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記支持構造が1つ以上の構成要素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の構成要素が、少なくとも1つの導波路と、任意選択でセンサ、補助電子機器、ジャイロスコープまたは冷却モジュールのうちの1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記支持構造の前記ベースが多角形の辺を有するベースを含み、前記支持構造の前記少なくとも1つの側面が、ともに立体物の形状を形成する対応する多角形の辺を有する側面を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記フレキシブルハイブリッド回路は、前記支持構造の前記多角形の辺を有するベースを受け入れるようなサイズ及び形状の多角形の辺を有するベースパネルと、前記サポート構造のそれぞれの側面で受け入れられるようなサイズ及び形状の対応する数の多角形の辺を有するサイドパネルを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記フレキシブルハイブリッド回路の前記ベースパネル及び各サイドパネルがPCBから製造され、各サイドパネルが、電気的及び機械的接続を提供する前記フレキシブルハイブリッド回路によって前記ベースパネルにヒンジ接続されている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
プリント回路アセンブリであって、
ベース及び少なくとも1つのサイドパネルを有するフレキシブルハイブリッド回路であって、前記少なくとも1つのサイドパネルが前記ベースにヒンジ接続される、前記フレキシブルハイブリッド回路と、
前記フレキシブルハイブリッド回路上の支持構造体であって、前記フレキシブルハイブリッド回路及び前記支持構造体を組み立てるときに前記フレキシブルハイブリッド回路の前記ベース上に配置されるベースと、前記フレキシブルハイブリッド回路の前記少なくとも1つのサイドパネルに対応する少なくとも1つの側面とを含む、前記支持構造体と、を含み、
前記フレキシブルハイブリッド回路の前記少なくとも1つのサイドパネルが、前記少なくとも1つのサイドパネルが前記支持構造の前記少なくとも1つの側面と同一平面上に配置されるように折り曲げられ、前記プリント回路アセンブリを作製するように構成される、
プリント回路アセンブリ。
【請求項13】
前記支持構造の前記ベースが3辺を有するベースを含み、前記支持構造の前記少なくとも1つの側面が、ともに三角錐の形状を形成する3辺を有する3つの側面を含む、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記フレキシブルハイブリッド回路は、前記支持構造の前記ベースを受け入れるようなサイズ及び形状の3辺を有するベースパネルと、前記支持構造のそれぞれの側面に受け入れられるようなサイズ及び形状の3辺を有する3つのサイドパネルを含む、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記フレキシブルハイブリッド回路の前記ベースパネル及び各サイドパネルがPCBから製造され、各サイドパネルが、電気的及び機械的接続を提供する前記フレキシブルハイブリッド回路によって前記ベースパネルにヒンジ接続されている、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
各ヒンジは、導電回路パターンが貼り付けられた薄い絶縁ポリマーフィルムを含み、通常、導体回路を保護するために薄いポリマーコーティングが施される、請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記支持構造が1つ以上の構成要素を含む、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記1つ以上の構成要素が、センサ、補助電子機器、ジャイロスコープ、または冷却モジュールのうちの1つを含む、請求項17に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記支持構造の前記ベースが、多角形の辺を有するベースを含み、前記支持構造の前記少なくとも1つの側面が、ともに立体物の形状を形成する対応する多角形の辺を有する側面を含み、前記フレキシブルハイブリッド回路が、前記支持構造の前記多角形の辺を有するベースを受け入れるようなサイズ及び形状の多角形の辺を有するベースパネルと、前記支持構造のそれぞれの側面に受け入れられるようなサイズ及び形状の対応する数の多角形の辺を有するサイドパネルとを含む、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記フレキシブルハイブリッド回路の前記ベースパネル及び各サイドパネルがPCBから製造され、各サイドパネルが、電気的及び機械的接続を提供する前記フレキシブルハイブリッド回路によって前記ベースパネルにヒンジ接続されている、請求項19に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多方向アレイは非平面であり、サイズが小さいため、既存の設計及び製造技術を使用して製造することができない。図1に示されるレーダーシステムなどの典型的なミサイルシステムレーダーシステムは、平面型で、ジンバルに取り付けられたパッシブアンテナを備えている。
【発明の概要】
【0002】
本開示の1つの態様は、プリント回路アセンブリを製造する方法に関する。1つの実施形態では、本方法は、ベースと、少なくとも1つのサイドパネルを有し、少なくとも1つのサイドパネルがベースにヒンジ接続されるフレキシブルハイブリッド回路を提供することと、フレキシブルハイブリッド回路上に支持構造を配置することであって、支持構造が、フレキシブルハイブリッド回路のベース上に配置されたベースと、フレキシブルハイブリッド回路の少なくとも1つのサイドパネルに対応する少なくとも1つの側面と、を含むことと、少なくとも1つのサイドパネルが支持構造の少なくとも1つの側面と同一平面上に配置されるように、フレキシブルハイブリッド回路の少なくとも1つのサイドパネルを折り曲げてプリント回路アセンブリを作製することと、を含む。
【0003】
本方法の実施形態は、支持構造のベースが3辺を有するベースを含むように構成することをさらに含んでもよく、支持構造の少なくとも1つの側面は、ともに三角錐の形状を形成する3辺を有する3つの側面を有する。フレキシブルハイブリッド回路は、支持構造のベースを受け入れるようなサイズ及び形状の3辺を有するベースパネルと、支持構造のそれぞれの側面に受け入れられるようなサイズ及び形状の3辺を有する3つのサイドパネルを含み得る。フレキシブルハイブリッド回路のベースパネル及び各サイドパネルはPCBから製造してもよく、各サイドパネルは電気的及び機械的接続を提供するフレキシブルハイブリッド回路によってベースパネルにヒンジ接続される。各ヒンジは、導電回路パターンが貼り付けられた薄い絶縁ポリマーフィルムを含んでもよく、通常、導体回路を保護するために薄いポリマーコーティングが施される。本方法は、フレキシブルハイブリッド回路の少なくとも側面パネルを、1つ以上の締結具によって支持構造の少なくとも1つの側面に固定することをさらに含み得る。支持構造は、1つ以上の構成要素を含んでもよい。1つ以上の構成要素は、少なくとも1つの導波路と、任意選択でセンサ、補助電子機器、ジャイロスコープまたは冷却モジュールのうちの1つを含み得る。支持構造のベースは多角形(polynomial:多項式)の辺を有するベースを含んでもよく、支持構造の少なくとも1つの側面は、ともに立体物の形状を形成する対応する多角形の辺を有する側面を含み得る。フレキシブルハイブリッド回路は、支持構造の多角形の辺を有するベースを受け入れるようなサイズ及び形状の多角形の辺を有するベースパネルと、支持構造のそれぞれの側面で受け入れられるようなサイズ及び形状の対応する数の多角形の辺を有するサイドパネルを含んでもよい。フレキシブルハイブリッド回路のベースパネル及び各サイドパネルはPCBから製造してもよく、各サイドパネルは電気的及び機械的接続を提供するフレキシブルハイブリッド回路によってベースパネルにヒンジ接続される。
【0004】
本開示の別の態様は、ベース及び少なくとも1つのサイドパネルを有し、少なくとも1つのサイドパネルがベースにヒンジ接続されるフレキシブルハイブリッド回路と、フレキシブルハイブリッド回路上の支持構造とを備える、プリント回路アセンブリに関する。支持構造体は、フレキシブルハイブリッド回路及び支持構造体を組み立てるときにフレキシブルハイブリッド回路のベース上に配置されるベースと、フレキシブルハイブリッド回路の少なくとも1つのサイドパネルに対応する少なくとも1つの側面とを含む。フレキシブルハイブリッド回路の少なくとも1つのサイドパネルは、少なくとも1つのサイドパネルが支持構造の少なくとも1つの側面と同一平面上に配置されるように折り曲げられ、プリント回路アセンブリを作製するように構成される。
【0005】
アセンブリの実施形態は、支持構造のベースが3辺を有するベースを含むように構成することをさらに含んでもよく、支持構造の少なくとも1つの側面は、ともに三角錐の形状を形成する3辺を有する3つの側面を含む。フレキシブルハイブリッド回路は、支持構造のベースを受け入れるようなサイズ及び形状の3辺を有するベースパネルと、支持構造のそれぞれの側面に受け入れられるようなサイズ及び形状の3辺を有する3つのサイドパネルを含み得る。フレキシブルハイブリッド回路のベースパネル及び各サイドパネルはPCBから製造してもよく、各サイドパネルは電気的及び機械的接続を提供するフレキシブルハイブリッド回路によってベースパネルにヒンジ接続される。各ヒンジは、導電回路パターンが貼り付けられた薄い絶縁ポリマーフィルムを含んでもよく、通常、導体回路を保護するために薄いポリマーコーティングが施される。支持構造は、1つ以上の構成要素を含み得る。1つ以上の構成要素は、センサ、補助電子機器、ジャイロスコープまたは冷却モジュールのうちの1つを含み得る。支持構造のベースは、多角形の辺を有するベースを含んでもよく、支持構造の少なくとも1つの側面は、ともに立体物の形状を形成する対応する多角形の辺を有する側面を含んでもよく、フレキシブルハイブリッド回路は、支持構造の多角形の辺を有するベースを受け入れるようなサイズ及び形状の多角形の辺を有するベースパネルと、支持構造のそれぞれの側面に受け入れられるようなサイズ及び形状の対応する数の多角形の辺を有するサイドパネルとを含む。フレキシブルハイブリッド回路のベースパネル及び各サイドパネルはPCBから製造してもよく、各サイドパネルは電気的及び機械的接続を提供するフレキシブルハイブリッド回路によってベースパネルにヒンジ接続される。
【0006】
少なくとも1つの実施形態の様々な態様について、添付の図を参照して以下に説明するが、これらの図は一定の縮尺で描かれることを意図するものではない。図面は、様々な態様及び実施形態の例示及びさらなる理解を提供するために添付されており、本明細書に組み込まれてその一部を構成するが、本開示の制限を定義することを意図するものではない。図面では、様々な図に示されている同一またはほぼ同一の各構成要素は、同様の数字で表される場合がある。明確にするために、すべての図ですべての構成要素にラベルが付けられているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】典型的なミサイル及び発射体レーダーシステムの斜視図である。
図2A】本開示の非平面アレイを製造するために使用される構造支持体の斜視図である。
図2B】非平面アレイを製造するために使用されるフレキシブルハイブリッド回路の斜視図である。
図2C】構造支持体の周囲で折り曲げられる前のフレキシブルハイブリッド回路の斜視図である。
図2D】構造支持体の周囲で折り曲げられ、フレキシブルハイブリッド回路アセンブリを作製するフレキシブルハイブリッド回路の斜視図である。
図3図2Dに示すフレキシブルハイブリッド回路アセンブリの一部の拡大断面図である。
図4A】構造支持体がフレキシブルハイブリッド回路の内部構成要素を支持するためのキャビティを有する、折り曲げる前のフレキシブルハイブリッド回路及び構造支持体の斜視図である。
図4B図4Aに示される、フレキシブルハイブリッド回路が構造支持体の周囲で折り曲げられた、フレキシブルハイブリッド回路アセンブリの斜視図である。
図4C図4Bに示される、アセンブリの詳細を示すフレキシブルハイブリッド回路アセンブリの斜視図である。
図5A図4Aに示される、フレキシブルハイブリッド回路及び構造支持体の一部の拡大断面図である。
図5B図4Bに示される、フレキシブルハイブリッド回路アセンブリの一部の拡大断面図である。
図6A】構造支持体が内部構成要素を支持するためのキャビティを有する、本開示の別の実施形態の、折り曲げる前のフレキシブルハイブリッド回路及び構造支持体の斜視図である。
図6B図6Aに示される、フレキシブルハイブリッド回路が構造支持体の周囲で折り曲げられ、フレキシブルハイブリッド回路アセンブリを作製する、フレキシブルハイブリッド回路及び構造支持体の斜視図である。
図6C図6Aに示される、構造支持体の詳細を示すフレキシブルハイブリッド回路及び構造支持体の斜視図である。
図7A】構造支持体が内部構成要素を支持するためのキャビティを有する、本開示の別の実施形態の、折り曲げる前のフレキシブルハイブリッド回路及び構造支持体の斜視図である。
図7B図7Aに示される、フレキシブルハイブリッド回路が構造支持体の周囲で折り曲げられ、フレキシブルハイブリッド回路アセンブリを作製する、フレキシブルハイブリッド回路及び構造支持体の斜視図である。
図7C図7Bに示される、アセンブリの詳細を示すフレキシブルハイブリッド回路アセンブリの斜視図である。
図8A】構造支持体が内部構成要素を支持するためのキャビティを有する、本開示の別の実施形態の、折り曲げる前のフレキシブルハイブリッド回路及び構造支持体の斜視図である。
図8B図8Aに示される、フレキシブルハイブリッド回路が構造支持体の周囲で折り曲げられ、フレキシブルハイブリッド回路アセンブリを作製する、フレキシブルハイブリッド回路及び構造支持体の斜視図である。
図8C図8Bに示される、アセンブリの詳細を示すフレキシブルハイブリッド回路アセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態は、標準的なプリント回路基板(PCB)とフレキシブル回路カードアセンブリ技術を組み合わせた、折り曲げ可能なフレキシブルハイブリッド回路カードアセンブリ(CCA)に関し、単一の回路カードとして構築可能で、例えば三角錐などの所定の三次元構造に適合するように折り曲げることができ、追加の相互接続を必要としない集積導波路を備え、多方向の送受信能力を可能にする。
【0009】
1つの実施形態では、集積導波路構造は、無線周波数(RF)相互接続、熱管理、及びアンテナの構造を提供する。コンフォーマルファセットアンテナは散乱を最小限に抑え、フレキシブルハイブリッド回路は直流(DC)電力とファセットアンテナからコンバイナボードへのロジック相互接続を提供する。フレキシブルハイブリッド接続と導波管接続を組み合わせることで、より広範囲の視野を維持するために傾斜アンテナを組み立てるのが困難または不可能な小型コネクタを必要とせずに製造可能になる。
【0010】
上記の例示的な技術及び/または他の技術のいずれかを組み合わせて、さまざまな電磁部品及び/または回路を作製し得る。このような技術の態様及び例は、本明細書において、ある次元では電磁回路の層に沿って、別の次元では回路の他の層まで垂直に、電磁信号を収容し伝達するための無線周波数相互接続に関して、説明及び図示される。本明細書で説明される技術は、さまざまな電磁部品、コネクタ、回路、アセンブリ、及びシステムを形成するために使用され得る。
【0011】
本開示によるプロセスの実施形態は、その出願において、以下の説明に記載される、または以下の図面に示される、構成の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本プロセスは、他の実施形態でも実施可能であり、様々な方法で実施または実行することができる。特定の実施態様の例は、説明のみを目的として本明細書に提供されており、限定することを意図したものではない。また、本明細書で使用される表現及び用語は、説明を目的としており、限定的なものとみなされるべきではない。本明細書における「including(含む)」、「comprising(含む)」、「having(有する)」、「containing(含有する)」、「involving(伴う)」及びこれらの変形の使用は、その後に列挙される項目及びそれらの等価物ならびに追加の項目を包含することを意味する。「または」への言及は、「または」を使用して説明される用語が単一、複数、及びすべての説明される用語のいずれかを示し得るように、包括的であると解釈され得る。前後、左と右、上と下、上部と下部、端、側面、垂直と水平などへの言及は、説明の便宜を意図したものであり、本システム及びプロセスまたはその構成要素を任意の1つの位置または空間方向に限定するものではない。
【0012】
本明細書で使用される「無線周波数」または「RF」という用語は、明示的に述べられない限り、及び/または文脈によって具体的に示されない限り、特定の周波数、周波数範囲、帯域、スペクトルなどに限定されることを意図するものではない。同様に、「無線周波数信号」及び「電磁信号」という用語は互換的に使用され、特定の実施態様における情報搬送信号の伝播に適したさまざまな周波数の信号を指し得る。このような無線周波数信号は一般に、下限ではキロヘルツ(kHz)範囲の周波数に束縛される場合があり、上限では最大数百ギガヘルツ (GHz)の周波数に束縛される場合があり、明示的にマイクロ波またはミリ波領域の信号が含まれる。一般に、本明細書に記載のプロセスは、光学分野で従来扱われている周波数よりも低い周波数、例えば赤外線信号よりも、例えば低い周波数の非電離放射線を扱うのに適している場合がある。
【0013】
無線周波数回路の様々な実施形態は、様々な周波数で動作するように選択された次元及び/または公称で製造された次元で設計され得る。適切な次元の選択は、一般的な電磁原理から行ってもよいが、本明細書では詳しく説明しない。
【0014】
いくつかの実施形態では、得られる回路基板構造は、電磁回路が設けられ得る構造の単なる一例及び一部にすぎない。図示の基板のさらなる範囲は、様々な回路構成要素を収容し得、様々な実施形態では、追加の回路構成要素を収容するための追加の層を有する追加の基板を提供し得る。通常、回路の一部は特定の層に配置され、その上及び/または下のグランドプレーンを含む場合があり、回路(またはシステム)全体の他の部分は同じ層の異なる領域または他の層に存在する場合がある。
【0015】
図面の、特に図2Aから図2Dを参照すると、非平面の、例えば三次元の、フレキシブルハイブリッド回路アセンブリまたはアレイが、図2Dでは全体的に10で示されている。図2Aでは、三角錐形状の支持構造が全体的に12で示されている。いくつかの実施形態では、支持構造12は支持モールドと呼ばれる場合がある。図示のように、支持構造12は三角錐である。しかしながら、明らかなように、支持構造12の形状及びサイズは変更することができ、さらに本開示の範囲内に含むことができる。具体的には、支持構造12は、三角錐の形状を形成する3辺を有するベース14と、3辺を有する3つの側面16a、16b、16cとを含む。
【0016】
図2Bでは、フレキシブルハイブリッド回路が全体的に18で示されている。図示されているように、フレキシブルハイブリッド回路18は、支持構造の周囲で折り曲げられるように形成されている。具体的には、フレキシブルハイブリッド回路18は、支持構造12のベース14を受け入れるようなサイズ及び形状の3辺を有するベースパネル20と、支持構造のそれぞれの側面16a、16b、16cに受け入れられるようなサイズ及び形状の3辺を有する3つのサイドパネル22a、22b、22cを含む。1つの実施形態では、フレキシブルハイブリッド回路18のベースパネル20及びサイドパネル22a、22b、22cはPCBから製造され、各サイドパネルは、パネル間に電気的及び機械的接続を提供するフレキシブル回路ヒンジ24a、24b、24cによってベースパネルにヒンジ接続される。
【0017】
「フレックス回路」とも呼ばれるフレキシブル回路には、導電回路パターンが貼り付けられた薄い絶縁ポリマーフィルムを含むことができ、通常、導体回路を保護するために薄いポリマーコーティングが施される。回路は、ポリマーベースから金属箔クラッド(通常は銅)をエッチングしたり、金属をメッキしたり、導電性インクを印刷したりするなどのプロセスによって形成できる。本明細書に開示されるフレキシブルハイブリッド回路は、回路に電子部品が取り付けられるように任意に構成することができる。
【0018】
図2Cでは、支持構造12がフレキシブルハイブリッド回路18上に配置され、支持構造のベース14がフレキシブルハイブリッド回路のベースパネル20上に配置される。図示のように、フレキシブルハイブリッド回路18のベースパネル20は、支持構造12のベース14のサイズにほぼ対応するようなサイズに形成される。サイドパネル22a、22b、22cのヒンジ24a、24b、24cはそれぞれ、支持構造12のベース14の側縁に対応する。
【0019】
図2Dでは、フレキシブルハイブリッド回路18のサイドパネル22a、22b、22cは、フレキシブルハイブリッド回路のサイドパネルが、それぞれ支持構造の側面16a、16b、16cに対して配置されるように支持構造12上で折り曲げられ、完全に組み立てられたフレキシブルハイブリッド回路アセンブリ10を作製する。図示のように、フレキシブルハイブリッド回路18のサイドパネル22a、22b、22cは、支持構造12のそれぞれの側面16a、16b、16cとほぼ同一平面上にある。フレキシブルハイブリッド回路18のサイドパネル22a、22b、22cは、それぞれのヒンジ24a、24b、24cの周囲で折り曲げられ、結果として構造を得る。1つの実施形態では、フレキシブルハイブリッド回路アセンブリ10のベースパネル20及びサイドパネル24a、24b、24cは、支持構造12のそれぞれのベース14及び側面16a、16b、16cに固定または接着され、フレキシブルハイブリッド回路を支持構造に固定することができる。いくつかの実施形態では、サイドパネル22a、22b、22c及びフレキシブル回路ヒンジ24a、24b、24cは一体品として作製される。フレキシブルハイブリッド回路18を支持構造12に固定するために締結具を設けることができる。他の実施形態では、フレキシブルハイブリッド回路18を支持構造12に固定するために、導電性エポキシを含む接着剤を使用することができる。
【0020】
図3を参照すると、各フレキシブル回路ヒンジ24は、DC及びロジックに対してフレキシブルであり、RFに対しては統合された導波路であり、これについては以下でより詳細に説明する。図示されるように、フレキシブルハイブリッド回路18は、支持構造12上で折り曲げられ、フレキシブル回路ヒンジ24を形成する。
【0021】
図4Aから図4Cを参照すると、図4Aは、折り曲げる前のフレキシブルハイブリッド回路及び支持構造を示す。図4Bは、支持構造の周囲で折り曲げられたフレキシブルハイブリッド回路を示す。図示のように、支持構造12は、フレキシブルハイブリッド回路アセンブリの内部構成要素を支持するように構成されたキャビティ26を含んで構成される。いくつかの実施形態では、内部構成要素には、いくつか例を挙げると、センサ(非RFセンサ)、補助構成要素、ジャイロスコープ、ヒートシンク、または冷却モジュールが含まれ得る。支持構造のキャビティは開いているか、誘電体材料で充填されることができる。
【0022】
図4Cは、28a、28b、28cで示される導波路を示しており、これは、エネルギーの伝達を一方向に制限することによって、最小限の損失またはエネルギーで電磁波を導く構造である。いくつかの実施形態では、導波路28a、28b、28cを受け入れる支持構造12内のキャビティは、誘電体材料で充填されることができる。図示のように、フレキシブルハイブリッド回路アセンブリ10の各側面16a、16b、16cに1つずつ、3つの導波路28a、28b、28cが設けられているが、任意の数の導波路を設けることができる。図5A及び図5Bを参照すると、各フレキシブル回路ヒンジ24は、DC及びロジックに対してフレキシブルであり、RFに対しては集積導波路である。図5Aは、折り曲げる前のフレキシブル(flexible:可撓性)ハイブリッド回路を示す。図5Bは、完成したフレキシブルハイブリッド回路アセンブリを示す。導波管28a、28b、28cは支持構造12と一体化しているため、導波管はフレキシブルハイブリッド回路18の部分と、得られるアセンブリ10の各側面の支持構造とをブリッジする。
【0023】
図6Aから図6Cを参照すると、四角錐の形状の支持構造が全体的に40で示されている。図示のように、支持構造40は、4辺を有するベースと、四角錘の形状を形成する3辺を有する4つの側面とを含む。フレキシブルハイブリッド回路が全体的に42で示されている。図示されているように、フレキシブルハイブリッド回路42は、支持構造の周囲で折り曲げられるように形成されている。具体的には、フレキシブルハイブリッド回路42は、支持構造のベースを受け入れるようなサイズ及び形状の4辺を有するベースパネルと、支持構造のそれぞれの側面に受け入れられるようなサイズ及び形状の3辺を有する4つのサイドパネルを含む。フレキシブルハイブリッド回路42のサイドパネルは、それぞれ44で示されるフレキシブル回路ヒンジによって互いにヒンジ接続されており、ベースパネルとサイドパネルとの間に電気的及び機械的接続を提供する。
【0024】
図6Aでは、支持構造40がフレキシブルハイブリッド回路42上に配置され、支持構造のベースがフレキシブルハイブリッド回路のベースパネル上に配置される。図示のように、フレキシブルハイブリッド回路42のベースパネルは、支持構造40のベースのサイズにほぼ対応するようなサイズに形成される。サイドパネルのフレキシブル回路ヒンジ44は、支持構造のベースの側縁に対応する。
【0025】
図6Bでは、フレキシブルハイブリッド回路42のサイドパネルが支持構造40上で折り曲げられ、フレキシブルハイブリッド回路のサイドパネルが支持構造の側面に対して配置されて、完全に組み立てられたフレキシブルハイブリッド回路アセンブリが形成され、全体的に46で示されている。フレキシブルハイブリッド回路42のサイドパネルは、支持構造40の側面の周囲のそれぞれのヒンジを中心に折り曲げられ、結果として構造46が得られる。
【0026】
図示されるように、フレキシブルハイブリッド回路アセンブリ46は、内部構成要素と、それぞれ50で示されるいくつかの導波路を支持するように構成されたキャビティ48をさらに含む。図示されているように、導波路50は支持構造40の各側面に設けられている。図6Cは、この構成を示している。いくつかの実施形態では、導波路50を受け入れるキャビティは、誘電体材料で充填することができる。
【0027】
図7Aから図7Cを参照すると、5辺を有する支持構造が全体的に60で示されている。図示されるように、五角形の形状の支持構造60は、五角形の形状を形成する5辺を有するベースと3辺を有する5つの側面を含む。フレキシブルハイブリッド回路が全体的に62で示されている。図示されているように、フレキシブルハイブリッド回路62は、支持構造60の周囲で折り曲げるように形成される。具体的には、フレキシブル回路62は、支持構造60のベースを受け入れるようなサイズ及び形状の5辺を有するベースパネルと、支持構造のそれぞれの辺に受け入れられるようなサイズ及び形状の3辺を有する5つのサイドパネルを含む。フレキシブルハイブリッド回路62のパネルは、それぞれ64で示されるフレキシブル回路ヒンジによって互いにヒンジ接続されており、フレキシブルハイブリッド回路のベースパネルとパネルとの間に電気的及び機械的接続を提供する。
【0028】
図7Aでは、支持構造60がフレキシブルハイブリッド回路62上に配置され、支持構造のベースがフレキシブルハイブリッド回路のベースパネル上に配置される。図示のように、フレキシブルハイブリッド回路のベースパネルは、支持構造のベースのサイズにほぼ対応するようなサイズに形成される。フレキシブルハイブリッド回路62のサイドパネルのフレキシブルハイブリッド回路ヒンジ64は、支持構造60のベースの側縁に対応する。
【0029】
図7Bでは、フレキシブルハイブリッド回路62のサイドパネルが支持構造60上で折り曲げられ、フレキシブルハイブリッド回路のサイドパネルが支持構造の側面に対して配置されて、完全に組み立てられたフレキシブルハイブリッド回路アセンブリが形成され、全体的に66で示されている。サイドパネルは、それぞれのフレキシブルハイブリッド回路ヒンジ64の周囲で折り曲げられ、結果として構造66を得る。
【0030】
図示されるように、フレキシブルハイブリッド回路アセンブリ66は、内部構成要素と、それぞれ70で示されるいくつかの導波路を支持するように構成されたキャビティをさらに含む。図示されているように、導波路70は支持構造60の各側面に設けられている。図7Cは、この構成を示している。いくつかの実施形態では、導波路70を受け入れるキャビティは、誘電体材料で充填することができる。
【0031】
図8Aから図8Cを参照すると、円錐形の支持構造が全体的に80で示されている。図示のように、円錐形の支持構造80は円形のベースを含む。フレキシブルハイブリッド回路が全体的に82で示されている。図示されているように、フレキシブルハイブリッド回路82は、支持構造80の周囲で折り曲げられるように形成されている。具体的には、フレキシブルハイブリッド回路82は、支持構造80のベースを受け入れるようなサイズ及び形状を有する円形のベースパネルと、ベースパネルにヒンジ接続された、例えば36個の複数の細長い三角形のサイドパネルと、を含む。フレキシブルハイブリッド回路82のサイドパネルは、それぞれ84で示されるフレキシブルハイブリッド回路ヒンジによって互いにヒンジ接続されており、パネル間に電気的及び機械的接続を提供する。
【0032】
図8Aでは、支持構造80がフレキシブルハイブリッド回路82上に配置され、支持構造のベースがフレキシブルハイブリッド回路のベースパネル上に配置される。図示のように、フレキシブルハイブリッド回路82のベースパネルは、支持構造80のベースのサイズにほぼ対応するようなサイズに形成される。ベースパネルのヒンジ84及びフレキシブルハイブリッド回路のサイドパネルは、支持構造80のベースの側縁に対応する。
【0033】
図8Bでは、フレキシブルハイブリッド回路82のサイドパネルが支持構造80上で折り曲げられ、フレキシブルハイブリッド回路のサイドパネルが支持構造の側面に対して配置されて、完全に組み立てられたフレキシブルハイブリッド回路アセンブリが形成され、全体的に86で示されている。フレキシブルハイブリッド回路82のサイドパネルは、それぞれのヒンジ84の周囲で折り曲げられ、結果として構造86を得る。
【0034】
図示されるように、フレキシブルハイブリッド回路アセンブリ86は、内部構成要素と、それぞれ90で示されるいくつかの導波路を支持するように構成されたキャビティ88をさらに含む。図示されているように、導波路90は支持構造80の各側面に設けられている。図8Cは、この構成を示している。いくつかの実施形態では、導波路90を受け入れるキャビティは、誘電体材料で充填することができる。
【0035】
本開示の実施形態の方法に従って製造されたアンテナ構造は、複数の方向において電磁放射を同時に送信及び受信できるアクティブRFシーカーを可能にすることができることに留意されたい。
【0036】
いくつかの実施形態では、アンテナ構造は、特にマルチモードシーカーでのRF散乱を最小限に抑えることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、アンテナ構造は、組み立てが困難または不可能な小型コネクタを必要とせずに、非平面アレイの製造を可能にすることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、アンテナ構造は、より広範囲の視野を可能にするために傾斜するように構成されることができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、アンテナ構造は、高性能RFインターフェースを可能にし、熱的及び構造的ロードパスを提供するために一体化された導波管を含む。
【0040】
このように、少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を説明したが、当業者であれば、様々な変更、修正、及び改良が容易に思いつくであろうことを理解されたい。そのような変更、修正、及び改良は、本開示の一部であることが意図されており、本開示の範囲内にあることが意図されている。したがって、前述の説明及び図面は単なる例に過ぎない。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
【国際調査報告】