(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】機器ドア同期機構
(51)【国際特許分類】
F24C 15/02 20060101AFI20240130BHJP
【FI】
F24C15/02 B
F24C15/02 E
F24C15/02 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546462
(86)(22)【出願日】2022-02-01
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 US2022014739
(87)【国際公開番号】W WO2022169762
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522310225
【氏名又は名称】ザ スチールストーン グループ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】THE STEELSTONE GROUP LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カールマーン ヘルツバルハー
(72)【発明者】
【氏名】メイレック フリードマン
(72)【発明者】
【氏名】ヨーゼフ ドイチュ
(72)【発明者】
【氏名】ビニュメン イツコヴィッツ
(72)【発明者】
【氏名】ロビン デ ルーカ
(72)【発明者】
【氏名】ウェンホイ ファン
(72)【発明者】
【氏名】ナフタリ ビーゲレイセン
(57)【要約】
オーブンキャビティなどの筐体の開口部を閉じるための2つのドアを有するドア同期アセンブリが提供される。各ドアは、ヒンジ付き外縁部と固定点とを有し、ヒンジ付き外縁部において筐体のハウジングに対して枢動する。筐体のハウジングの表面に隣接して中央連結部が設けられる。中央連結部は、筐体の開口部の平面に対して垂直な方向に実質的に移動する。このように、中央連結部は、ドア開口部に対して近づく方向及び離れる方向に移動する。それぞれが2つのドアのうちの対応するドアの固定点に中央連結部を連結する第1及び第2長尺剛体部品が設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがヒンジ付き外縁部と固定点とを有するとともに前記ヒンジ付き外縁部において筐体のハウジングに対して枢動し、前記筐体の開口部を閉じるための2つのドアと、
前記筐体の前記ハウジングの表面に隣接し、前記筐体の前記開口部の平面に対して垂直な方向に実質的に移動可能な中央連結部と、
それぞれが前記2つのドアのうちの対応するドアの前記固定点に前記中央連結部を連結する第1及び第2長尺剛体部品と、を備え、
前記2つのドアの一方が移動すると前記中央連結部が移動して前記2つのドアの他方を対応して動かす
ことを特徴とする、ドア同期アセンブリ。
【請求項2】
前記中央連結部は、第3長尺剛体部品の第1端部に位置し又は固定され、
前記第3長尺剛体部品は、第2端部にて前記筐体の前記ハウジングの側壁に又は前記側壁の近傍に固定され、
前記中央連結部の移動は、前記第3長尺剛体部品の前記第2端部を中心とした枢動に対応する
ことを特徴とする、請求項1に記載のドア同期アセンブリ。
【請求項3】
前記中央連結部は、前記第3長尺剛体部品の前記第1端部に隣接する2つのピボット点を備え、
前記第1及び第2長尺剛体部品のそれぞれが、前記中央連結部に対して枢動する
ことを特徴とする、請求項2に記載のドア同期アセンブリ。
【請求項4】
前記2つのドアの一方が動かされると、前記第1及び第2長尺剛体部品が前記中央連結部に対して互いに反対方向に枢動する
ことを特徴とする、請求項3に記載のドア同期アセンブリ。
【請求項5】
前記2つのドアの一方の動きによって生成される前記中央連結部の動きは、前記第3長尺剛体部品の前記第2端部を中心とする円弧を描き、
前記円弧は、前記筐体の前記開口部の前記平面に対して垂直な移動に近似する
ことを特徴とする、請求項2に記載のドア同期アセンブリ。
【請求項6】
前記中央連結部は、前記第3長尺剛体部品の前記第1端部に隣接する2つのピボット点を備え、
前記2つのピボット点のうちの第1ピボット点が、前記2つのピボット点のうちの第2ピボット点よりも前記第2端部の近くにあり、
前記第1及び第2長尺剛体部品のそれぞれが、前記2つのピボット点のうちの対応するピボット点に対して枢動し、
各々の前記ピボット点と前記第3長尺剛体部品の前記第2端部との間の異なる半径方向距離に起因して、前記2つのドアが異なる速度で開く
ことを特徴とする、請求項5に記載のドア同期アセンブリ。
【請求項7】
前記中央連結部は、前記第3長尺剛体部品の前記第1端部に隣接する2つのピボット点を備え、
前記2つのピボット点のうちの第1ピボット点が、前記2つのピボット点のうちの第2ピボット点よりも前記第2端部の近くにあり、
前記第1及び第2長尺剛体部品のそれぞれが、前記2つのピボット点のうちの対応するピボット点に対して枢動し、
前記2つのドアのうちの第1ドアの前記固定点と前記第1ドアの前記ヒンジ付き外縁部との間の第1距離は、前記2つのドアのうちの第2ドアの前記固定点と前記第2ドアの前記ヒンジ付き外縁部との間の第2距離と異なる
ことを特徴とする、請求項5に記載のドア同期アセンブリ。
【請求項8】
前記第2ドアの前記固定点は、前記第2長尺剛体部品によって前記第2ピボット点に連結され、
前記第2距離は、前記第1距離よりも大きい
ことを特徴とする、請求項7に記載のドア同期アセンブリ。
【請求項9】
各ドアの前記固定点は、対応するドアの前記ヒンジ付き外縁部に隣接している
ことを特徴とする、請求項1に記載のドア同期アセンブリ。
【請求項10】
前記筐体はオーブンであり、前記2つのドアはオーブンドアである
ことを特徴とする、請求項1に記載のドア同期アセンブリ。
【請求項11】
前記中央連結部は、前記筐体の外側にあり、前記筐体の前記ハウジングの上面に隣接している
ことを特徴とする、請求項10に記載のドア同期アセンブリ。
【請求項12】
前記2つのドアの一方が、前記2つのドアの他方に対して前記2つのドアの前記一方をシールするためのリップをさらに備え、
前記中央連結部は、前記2つのドアのうちの前記リップを備えた前記一方を、前記2つのドアの前記他方を閉じるのよりも先に閉じるように構成される
ことを特徴とする、請求項10に記載のドア同期アセンブリ。
【請求項13】
前記リップは、前記2つのドアのうちの前記リップを備えた前記一方の内面に位置する
ことを特徴とする、請求項12に記載のドア同期アセンブリ。
【請求項14】
前記2つのドアの一方が、前記2つのドアの他方に対して前記2つのドアの前記一方をシールするためのリップをさらに備え、
前記中央連結部は、前記2つのドアのうちの前記リップを備えた前記一方を、前記2つのドアの前記他方を閉じるのよりも後に閉じるように構成される
ことを特徴とする、請求項10に記載のドア同期アセンブリ。
【請求項15】
前記リップは、前記2つのドアのうちの前記リップを備えた前記一方の外面に位置する
ことを特徴とする、請求項14に記載のドア同期アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年2月3日に出願された米国特許出願第63/145,115号の利益を主張し、その内容は参照により本明細書中に組み込まれている。
【0002】
本開示は、一般に、機器のドアの開閉を同期させるための機構に関する。特に、本開示は、オーブン用のフレンチドア同期機構に関する。
【背景技術】
【0003】
厨房機器にはさまざまなタイプのドアが備えられる。オーブンの場合、従来のドアは水平軸を中心に下方に回動する1つのドアとして開く。すなわち、典型的なオーブンでは、オーブンドアがオーブン筐体から外側に引っ張られ、実質的に水平な位置まで下げられることで、オーブンの内部にアクセスできるようになる。単一のオーブンドアは、閉じられた場合には筐体の開口部を覆う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この配置により、ドアは、開いたときにオーブンからかなりの距離まで延在することになる。開いているドアが人の動線パターンを妨げる可能性があるため、キッチンを設計する際にはこの距離を考慮する必要がある。これは、アイランド型やギャレースタイルのキッチンの場合に特に当てはまる。さらに、使用中、ユーザは、オーブンに物品を出し入れする際に、開いているオーブンドアを越えて手を伸ばさなければならない。この敷居を越えて物品を移動させることは、物品が重い場合には困難である可能性があり、物品が熱い場合には危険な可能性がある。
【0005】
したがって、一部のオーブンには、フレンチドアのように水平方向に開くドアが組み込まれている。このようなフレンチドアシステムは、通常、オーブン筐体の開口部の外縁部にヒンジで取り付けられた2つのドアを備えており、これらの2つのドアの開きを同期させるための機構を備えていてもよく、これによりユーザが一方のドアを開けると両方のオーブンドアが開くようになる。
【0006】
フレンチドア器具用の、改良され且つ簡素化されたドア同期アセンブリが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態では、オーブンキャビティなどの筐体の開口部を閉じるための2つのドアを有するドア同期アセンブリが提供される。各ドアは、ヒンジ付き外縁部と固定点とを有するとともに前記ヒンジ付き外縁部において前記筐体のハウジングに対して枢動する。
【0008】
前記筐体の前記ハウジングの表面に隣接して中央連結部が設けられている。前記中央連結部は、前記筐体の前記開口部の平面に対して垂直な方向に実質的に移動する。このように、前記中央連結部は、前記ドア開口部に対して近づく方向及び離れる方向に移動する。
【0009】
それぞれが前記2つのドアのうちの対応するドアの前記固定点に前記中央連結部を連結する第1及び第2長尺剛体部品が設けられている。
【0010】
前記2つのドアの一方が移動すると前記中央連結部が移動して前記2つのドアの他方を対応して動かす。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記筐体はオーブンであり、前記2つのドアはオーブンドアである。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記中央連結部は、第3長尺剛体部品の第1端部に位置し又固定される。前記第3長尺剛体部品は、第2端部にて前記筐体の前記ハウジングの側壁に又は前記側壁の近傍に固定される。したがって、前記中央連結部の移動は、前記第3長尺剛体部品の前記第2端部を中心とした枢動に対応する。よって、前記中央連結部は、前記垂直な方向に実質的に移動しつつ、円弧をたどる。
【0013】
いくつかのそのような実施形態では、前記中央連結部が、前記第3長尺剛体部品の前記第1端部に隣接する2つのピボット点を備えている。前記第1及び第2長尺剛体部品のそれぞれが、前記中央連結部に対して枢動する。
【0014】
いくつかのそのような実施形態では、前記2つのドアの一方が動かされると、前記第1及び第2長尺剛体部品が前記中央連結部に対して互いに反対方向に枢動する。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記2つのドアの一方の動きによって生成される前記中央連結部の動きが、前記第3長尺剛体部品の前記第2端部を中心とする円弧を描く。このような円弧は、前記筐体の前記開口部の前記平面に対して垂直な移動に近似する。
【0016】
いくつかのそのような実施形態では、前記中央連結部が、前記第3長尺剛体部品の前記第1端部に隣接する2つのピボット点を備えている。前記2つのピボット点のうちの第1ピボット点が、前記2つのピボット点のうちの第2ピボット点よりも前記第2端部の近くにあり、前記第1及び第2長尺剛体部品のそれぞれが、前記2つのピボット点のうちの対応するピボット点に対して枢動する。いくつかのそのような実施形態では、各々の前記ピボット点と前記第3長尺剛体部品の前記第2端部との間の異なる半径方向距離に起因して、前記2つのドアが異なる速度で開いてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記中央連結部が、前記第3長尺剛体部品の前記第1端部に隣接する2つのピボット点を備えている。前記2つのピボット点のうちの第1ピボット点が、前記2つのピボット点のうちの第2ピボット点よりも前記第2端部の近くにあり、前記第1及び第2長尺剛体部品のそれぞれが、前記2つのピボット点のうちの対応するピボット点に対して枢動する。いくつかのそのような実施形態では、前記2つのドアのうちの第1ドアの前記固定点と前記第1ドアの前記ヒンジ付き外縁部との間の第1距離が、前記2つのドアのうちの第2ドアの前記固定点と前記第2ドアの前記ヒンジ付き外縁部との間の第2距離と異なる。
【0018】
いくつかのそのような実施形態では、前記第2ドアの前記固定点が、前記第2長尺剛体部品によって前記第2ピボット点に連結され、前記第2距離が、前記第1距離よりも大きい。
【0019】
いくつかの実施形態では、各ドアの前記固定点が、対応するドアの前記ヒンジ付き外縁部に隣接している。
【0020】
いくつかの実施形態では、オーブンドアの場合などにおいて、前記中央連結部が、前記筐体の外側にあってもよく、そして前記筐体の前記ハウジングの上面に隣接していてもよい。いくつかの実施形態では、前記2つのドアの一方が、前記2つのドアの他方に対して前記2つのドアの前記一方をシールするためのリップをさらに備えてもよい。このようなリップは、前記2つのドアのうちの前記リップを備えた前記一方の内面に位置してもよい。その場合には、前記中央連結部が、前記2つのドアのうちの前記リップを備えた前記一方を、前記2つのドアの前記他方を閉じるのよりも先に閉じるように構成されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記2つのドアのうちの前記リップを備えた前記一方が、対応するドアの外面に位置するそのようなリップを備えてもよい。このような実施形態では、前記中央連結部が、前記2つのドアのうちの前記リップを備えた前記一方を、前記2つのドアの前記他方を閉じるのよりも後に閉じるように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、同期機構を組み込んだフレンチドアオーブンの斜視図を示す。
【
図2】
図2は、前面パネルのトップリップが取り外された状態の
図1のフレンチドアオーブンの上面図を示す。
【
図3】
図3は、一つのドアが取り外された状態の
図1のフレンチドアオーブンの斜視図を示す。
【
図4】
図4A~Dは、開かれている最中の
図1のフレンチドアオーブンの上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の原理による例示的な実施形態の説明は、添付の図面と共に読まれることが意図され、添付の図面は記述された説明全体の一部であるとみなされる。本明細書に開示される実施形態の説明において、方向または配向へのいかなる言及も、単に説明の便宜のために意図され、本開示の範囲をいかなる形でも限定することを意図しない。「下」、「上」、「水平」、「垂直」、「上方」、「下方」、「上へ」、「下へ」、「上端」、及び「底」などの相対的な用語、並びにそれらの派生語(例えば、「水平に」、「下向きに」、「上向きに」など)は、そのとき記載されるように、または議論中の図面に示されるように、配向について言及していると解釈されるべきである。これらの相対的な用語は説明の便宜上のものにすぎず、そのように明示的に示されていない限り、装置が特定の向きで構成または動作されることを必要としない。同様に、「取り付けられた」、「固着された」、「接続された」、「結合された」、「相互接続された」及び同様の用語は、特に明記しない限り、構造が他の構造と、介在する構造または、可動または固定された取り付け部材や結びつきを介して直接的または間接的に互いに固定または取り付けられる関係を指す。さらに、本開示の特徴及び利点は、例示された実施形態を参照することによって例示される。したがって、本開示は単独で又は他の特徴の組み合わせで存在し得る特徴のいくつかの実現可能かつ非限定的な組み合わせを例示する実施形態に明確に限定されるべきではなく、本開示の範囲は本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義される。
【0024】
本開示は、現在企図されている本開示を実施する最良の形態を説明する。この説明は、限定的な意味で理解されることを意図するものではなく、本開示の利点及び構成を当業者にアドバイスするために添付の図面を参照することによって、単に例示目的のために提示された本開示の例を提供する。図面の様々な図において、同様の符号は、同様または類似の部分を示す。
【0025】
開示された実施形態は、本明細書の革新的な教示の多くの有利な使用法のうちの数例に過ぎないことに留意することが重要である。概して、本出願の明細書においてなされる記述は、必ずしも、様々な特許請求された開示のいずれも限定しない。さらに、いくつかの記述はいくつかの発明的特徴に適用されてもよいが、他の特徴には適用されなくてもよい。一般に、特に断らない限り、一般性を失うことなく単数の要素は複数であってもよく、その逆であってもよい。
【0026】
図1は、同期機構を組み込んだフレンチドアオーブン100の斜視図を示す。
図2は、前面パネル110のトップリップが取り外された状態の
図1のフレンチドアオーブン100の上面図を示す。
図3は、ドア120bが取り外された状態の
図1のフレンチドアオーブン100の斜視図を示す。
図4A~Dは、開かれている際中の
図1のフレンチドアオーブン100の上面図を示す。
【0027】
図示のように、フレンチドアオーブン100は、オーブンの2つのドア120a、bのいずれか一方が開かれると、この機構によって両方のドアが同時に開くように構成されたドア同期アセンブリを備えている。したがって、オーブン100は、2つのドア120a、bによって閉じられる開口部130をもつオーブン筐体140を有する。各ドア120a、bは、オーブン100の前面パネル110に取り付けられているとともにヒンジ付き外縁部150a、bを有し、ヒンジ付き外縁部150a、bにおいて、対応するドアが筐体140のハウジング160に対して枢動する。
【0028】
フレンチドアオーブン100は、筐体140のハウジング160の表面180に隣接する中央連結部170をさらに備える。中央連結部170は、オーブン筐体140の開口部130の平面に対してほぼ垂直な方向に実質的に移動可能である。以下に説明するように、この移動は、開口部130の平面に対して垂直な線状の移動にほぼ近似する円弧255を描いてもよい。
【0029】
2つの長尺剛体部品190a、bのそれぞれは、対応するオーブンドア120a、b上の対応する固定点200a、bに中央連結部170を連結する。図示のように、通常、固定点200a、bは、対応するヒンジ付き外縁部150a、bに隣接して、対応するドア120a、b上に位置する。
図2及び
図3に示すように、固定点200a、bは、対応するドア120a、bの内面から延在してもよく、それにより、対応するドアが閉じられている場合に筐体140の前面パネル110の対応する開口部155を通じて延在してもよい。
【0030】
図4A~4Bに示すように、ドア120a、bの一方が動くと、第1長尺剛体部品190aを介して中央連結部170が移動する。このように中央連結部170が移動すると、第2長尺剛体部品190bが対応して動き、結果として第2オーブンドア120bを移動させる。したがって、ユーザによって第1ドア120aが
図4Aの閉位置から
図4Bの全開位置まで移動させられると、中央連結部170はオーブン筐体140の開口部130に向かって移動し、第2ドア120bは同期機構によって実質的に同時に移動させられる。いくつかの実施形態では、ドアは同時に移動することなく同期させられてもよいことが理解される。例えば、ドア120a、bは、中央連結部170によって同時に開かれてもよいが、開く又は閉じる過程において異なる速度で移動してもよい。
【0031】
図示のように、中央連結部170を支持するために第3長尺剛体部品210が設けられている。図示の実施形態では、中央連結部170は、第3長尺剛体部品210の第1端部220に固定され又は位置する。例えば、中央連結部170は、第3長尺剛体部品210の第1端部220の一部であってもよい。そして、第3長尺剛体部品210の第2端部230は、前面視で中央連結部170がドア120a、bに対してほぼ中央に位置するとともに、固定点が第3長尺剛体部品210の長さ分だけ中央連結部170から間隔をあけるように、筐体140のハウジング160に対して固定される。いくつかの実施形態では、部品の長さを最大化するために、第3長尺剛体部品210の第2端部230が筐体140のハウジング160の側壁240又はその近傍に固定される。それにより、中央連結部170の移動が、第3長尺剛体部品210の第2端部230を中心とした枢動に対応する。
【0032】
中央連結部170は、ドア120a、bに対してほぼ中央に位置するものとして図示及び説明されているが、いくつかの実施形態では、中央連結部がそのような中央位置からずれて配置されてもよいことが理解されることに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、第3長尺剛体部品210をさらに長くしてもよく、それによれば中央連結部170が図示されるものに対してずれて配置される。
【0033】
図示の実施形態において、中央連結部170は、第3長尺剛体部品210の第1端部220に隣接する2つのピボット点250a、bを備える。それにより、第1及び第2長尺剛体部品190a、bのそれぞれは、ドア120a、bのいずれかが開かれ又は閉じられると、中央連結部170に対して枢動する。典型的には、中央連結部170は、開口部130の前方から見たときに、ヒンジ付き外縁部150a、bの間の中央位置に配置される。したがって、2つのドア120a、bの一方が開かれ又は閉じられると、第1及び第2長尺剛体部品190a、bが中央連結部170に対して互いに反対方向に枢動する。
【0034】
2つの異なるピボット点250a、bが示されているが、いくつかの実施形態では、単一のピボット点が第1及び第2長尺剛体部品190a、bによって共有されることが理解される。
【0035】
中央連結部170が第3長尺剛体部品210の第1端部220に取り付けられる又は第1端部220を備える例えば図示の実施形態では、ドア120a、bの開き又は閉じ中の中央連結部170の動きが、長尺剛体部品の第2端部230を中心とする円弧255に追従する。円弧255は、湾曲するものの、筐体140の開口部130の平面に対して垂直な移動に近似することになる。
【0036】
中央連結部170の円弧状の経路は、開口部130の平面に対して垂直な線状の移動に近似することが意図されているため、第3長尺剛体部品210は、構造内で可能な限り長くてもよく、したがって典型的には、ハウジング160の側壁240又はその近傍にある第2端部230で終端する。より長い尺剛体部品210を設けることによって、第1端部220で描かれる円弧が、より大きな円周に対応し、それによって線状の移動にさらに近づく。しかしながら、長尺剛体部品210の第2端部230は、ハウジングに対して固定されていればよく、他の場所に配置されてもよい。
【0037】
2つの異なるピボット点250a、bが中央連結部170に設けられる実施形態では、第3長尺剛体部品210の第2端部230と各ピボット点との間の距離が異なっていてもよい。第3長尺剛体部品210はその第2端部230を中心に枢動するため、これらの距離が異なることで、ピボット点250a、bにおいて、第3長尺剛体部品の第1端部220が移動する円弧255の半径方向距離が互いに異なることになる。したがって、第3長尺剛体部品110の回動中に、ピボット点250a、bのそれぞれは、互いの半径方向距離の差の関数である、異なる距離を移動する。
【0038】
さらなる調整を行わなければ、これらの異なる距離が、ピボット点250a,bの異なる移動距離と異なる速度をもたらすため、いくつかの実施形態では、2つのドア120a、bのそれぞれが異なる速度で開き又は閉じうる。さらに、ドアは、全閉状態で対称位置にあるため、いくつかの実施形態では、ドアの開く速度が互いに異なることで2つのドアの全開位置が異なることとなるため、非対称になる可能性がある。
【0039】
別の形施形態では、ドア120a、b上の固定点200a、bの位置が、この距離の差を考慮して調整されてもよい。したがって、第1ドア120aの固定点200aが、そのドアのヒンジ付き外縁部150aから第1距離に設定されてもよく、第2ドア120bの固定点200bが、そのドアのヒンジ付き外縁部150bから第2距離に設定されてもよい。そして、第1ドア120aは第1長尺剛体部品190aを介して第1ピボット点250aに連結されてもよく、このとき図示のように第1ピボット点250aは第2ピボット点250bよりも第3長尺剛体部品210の第2端部230に近く設定される。
【0040】
それから、第2ドア120bが第2長尺剛体部品190bを介して第2ピボット点250bに連結されてもよい。上述したように、第2ピボット点250bは、任意の移動中に第1ピボット点250aよりも長い距離をカバーするため、第2ドア120bの固定点200bとそのドアのヒンジ付き外縁部250bとの間の第2距離は、第1ドア120aの固定点200aとそのドアのヒンジ付き外縁部250aとの間の第1距離より大きくてもよい。
【0041】
固定点200a、bのそれぞれと対応するヒンジ付き外縁部250a、bとの距離だけでなく、第1距離と第2距離との差も、ピボット点250a、b間の距離及び第3長尺剛体部品210の長さに基づいて最適化されてもよい。
【0042】
さらに、いくつかの実施形態では、ピボット点250a、b間の異なる移動距離が、使用中に中央連結部170が描く円弧の始点と終点との間の横方向のずれによって説明できるように、第3長尺剛体部品210の第2端部230の位置を選択することによって考慮されてもよい。このような実施形態では、本アセンブリを利用するオーブンの前面視で、中央連結部170の終点が、第3長尺剛体部品210の第1端部230又はその近傍にある、ハウジング160の側壁240側に設定されてもよい。図示の実施形態では、終点が始点の左側にあることになる。このようにして、長尺剛体部品190a、bの長さは、中央連結部170によってトレースされる円弧の結果として生じる始点及び終点に基づいて選択されてもよい。
【0043】
この戦略を利用することにより、第1及び第2ドア120a、bは、開閉中に異なる速度で移動しうるが、全開及び全閉位置は依然として同一にできる。
【0044】
図示のように、筐体140はオーブンであり、ドア120a、bはオーブンドアである。本アセンブリが、極端な温度、調理の煙、油脂などのオーブン内の条件にさらされるのを回避するとともに、オーブンの空気流または内部空間と本アセンブリとの干渉を回避するために、本アセンブリがハウジング160の外側に配置されてもよい。したがって、中央連結部170は、筐体140の外側でハウジング160の頂部表面180に隣接して配置されてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態において、2つのドアのうちの第1ドア120aは、閉じられたときに第1ドアと第2ドア120bとの間の熱損失を最小限に抑えるためのリップ260をさらに備える。このような実施形態において、ドア同期アセンブリは、第2ドア120bが閉じるより前にリップ260が所定の位置にあるように、第2ドア120bの直前に第1ドア120aを閉じるように構成された中央連結部170を有してもよい。いくつかの実施形態では、リップ260がガスケットであってもよい。
【0046】
図示の実施形態では、リップ260が第1ドアの内面から延びて第2ドア120bの内面に対してシールするように第1ドア120aに固定されている。いくつかの代替的な実施形態では、リップが代わりに第1ドア120aの外面から延びるように第1ドア120aに固定されてもよい。このような実施形態において、リップは第2ドア120bの外面に対してシールし、中央連結部170は代わりに第1ドア120aが閉じる直前に第2ドアを閉じるように構成されてもよい。
【0047】
中央連結部170が筐体140の外側に位置するいくつかの実施形態では、それにより中央連結部が前面視でドア120a、bの上部よりも上に位置する。このような実施形態では、第1及び第2長尺剛体部品190a、bが傾斜部270a、bをさらに備えてもよく、ハウジング160の頂部表面180が同様の傾斜部280を備えてもよい。このような傾斜部270a、b、280により、ドア120a、bが開けられ又は閉じられる時に中央連結部170を依然として水平方向に移動できるようにしつつ、中央連結部170と固定点200a、bとを長尺剛体部品190a、bに連結させることができる。
【0048】
本開示はいくつかの説明された実施形態に関して、ある長さで、ある特定事項を伴って説明されてきたが、本開示はそれらの特定事項、実施形態、及び特定の実施形態に限定する意図はなく、先行技術に鑑みて、そのような特許請求の範囲の可能な限り広い解釈を提供し、したがって、本開示の意図された範囲を効果的に包含するように、添付の特許請求の範囲を参照して解釈されるべきである。
【0049】
本明細書で列挙されるすべての例及び条件付き記載は、読者が本開示の原理、及び当技術分野を促進するために本発明者によって寄与される概念を理解するのを助けるための教授目的のためのものであり、そのような具体的に列挙された例及び条件に限定されないものとして解釈されるべきである。さらに、本開示の原理、態様、及び実施形態、並びにその特定の例を列挙する本明細書のすべての記載は、その構造的及び機能的同等物の両方を包含することが意図される。さらに、そのような等価物は現在知られている等価物及び将来開発される等価物、すなわち、構造にかかわらず同じ機能を実行する開発された任意の要素の両方を含むことが意図される。
【国際調査報告】