(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-06
(54)【発明の名称】垂直帯域クロストークを軽減するための電力線設計の変更
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240130BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20240130BHJP
H10K 59/121 20230101ALI20240130BHJP
H10K 59/65 20230101ALI20240130BHJP
H10K 71/60 20230101ALI20240130BHJP
H10K 59/95 20230101ALI20240130BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
G09F9/30 365
G09F9/30 338
H10K59/131
H10K59/121 213
H10K59/65
H10K71/60
H10K59/95
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546465
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 US2021016212
(87)【国際公開番号】W WO2022169440
(87)【国際公開日】2022-08-11
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,サンム
(72)【発明者】
【氏名】カン,チャン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ジェ・ウォン
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC33
3K107DD37
3K107DD39
3K107EE03
3K107EE07
3K107EE68
3K107FF04
3K107GG11
3K107HH05
5C094AA03
5C094BA03
5C094BA23
5C094BA27
5C094BA43
5C094CA20
5C094DB04
5C094FA01
5C094HA07
5C094HA08
5C094JA08
(57)【要約】
アクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイなどのコンピューティングデバイスディスプレイにわたって均一な輝度を提供する技術。いくつかの例では、コンピューティングデバイスディスプレイは、カメラ、ボタン、または何らかの他の機能のために使用され得るディスプレイのアクティブエリア内に穴を含んでもよい。穴は、穴の近くのアクティブエリアの領域における電力供給メッシュに不均一な電圧降下を引き起こすことがある。電力供給メッシュは、ディスプレイの素子へ電気エネルギーを供給することができる。本開示の技術は、ディスプレイのアクティブエリアにわたって均一な電圧降下を確実にするために、電圧供給バスに接続されていない電力供給メッシュの部分を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルを備えるデバイスであって、前記ディスプレイパネルは、
マトリクス内へ配列された複数の画素回路を備え、前記マトリクスは画素回路を含まない窓を含み、前記ディスプレイパネルはさらに、
前記ディスプレイパネルの端辺に配置された電圧供給バスと、
電気信号を前記電圧供給バスから前記複数の画素回路へ伝送するように構成された電圧供給グリッドとを備え、前記電圧供給グリッドは複数の列トレースおよび複数の行トレースを含み、前記複数の列トレースの第1のサブセットは前記電圧供給バスに接続され、前記複数の列トレースの第2のサブセットは前記電圧供給バスに接続されず、列トレースの前記第2のサブセットは少なくとも前記窓に位置合わせされた列トレースを含み、前記ディスプレイパネルはさらに、
前記複数の列トレースのうちの列トレースと前記複数の行トレースのうちの行トレースとの間の1つまたは複数の相互接続部を備える、デバイス。
【請求項2】
列トレースの前記第2のサブセットは、前記複数の列トレースのうちで、前記窓に位置合わせされた前記列トレースと前記窓に近接する前記ディスプレイパネルの縁との間に位置する列トレースをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記電圧供給バスは、列トレースの前記第1のサブセットに沿って延在する長さを画定する、請求項1および2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記複数の列トレースのうちで、前記窓に位置合わせされた前記列トレースと前記窓に近接する前記ディスプレイパネルの縁との間に位置する列トレースに近接する、前記電圧供給バスの一部が除去される、請求項1から3のいずれかの組合せに記載のデバイス。
【請求項5】
列トレースの前記第2のサブセットは、前記複数の列トレースのうちで、前記窓から遠い前記ディスプレイパネルの側辺に近接して対称的に配設された列トレースを含む、請求項1から4のいずれかの組合せに記載のデバイス。
【請求項6】
前記電気信号は、発光するために前記複数の画素回路によって使用される電力信号である、請求項1から5のいずれかの組合せに記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスは、前記窓を介して画像を捕捉するように構成されたカメラをさらに備える、請求項1から6のいずれかの組合せに記載のデバイス。
【請求項8】
前記電圧供給グリッドは、第1の層および第2の層を含み、
前記第1の層は前記複数の列トレースを備え、
前記第2の層は前記複数の行トレースを備える、
請求項1から7のいずれかの組合せに記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1の層は第1のシート抵抗を画定し、前記第2の層は第2のシート抵抗を画定し、
前記第1のシート抵抗は前記第2のシート抵抗未満である、
請求項1から8のいずれかの組合せに記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の層は、前記複数の列トレースのうちの列トレースと前記複数の行トレースのうちの行トレースとの間の前記1つまたは複数の相互接続部を除いて、前記第2の層から電気的に絶縁されている、請求項1から9のいずれかの組合せに記載のデバイス。
【請求項11】
ディスプレイパネルを備えるデバイスを構成する方法であって、
マトリクス内へ配列された複数の画素回路が、画像を表示するステップを備え、前記マトリクスは、画素回路を含まない窓を含み、前記方法はさらに、
電圧供給バスが、複数の列トレースの第1のサブセットへ電気信号を伝送するステップと、
前記列トレースの前記第1のサブセットが、複数の行トレースへ前記電気信号を伝送するステップと、
前記複数の行回路が、前記複数の列トレースの第2のサブセットへ前記電気信号を伝送するステップとを備え、列トレースの前記第2のサブセットは、少なくとも前記窓に位置合わせされた列トレースを含み、前記複数の列トレースおよび前記複数の行トレースは、電圧供給グリッドを形成し、前記方法はさらに、
前記電圧供給グリッドが、前記電気信号を前記複数の画素回路へ伝送するステップ
を備える方法。
【請求項12】
カメラが、前記窓を介して1つまたは複数の画像を捕捉するステップをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
列トレースの前記第1のサブセットは前記電圧供給バスに直接接続され、列トレースの前記第2のサブセットは前記電圧供給バスに直接接続されていない、請求項11および12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
コンピューティングデバイスは、画像を形成するディスプレイパネルを含んでもよい。ディスプレイパネルは、それぞれが電気エネルギーを使用して光を生成するように構成された1つまたは複数の発光素子を含む画素の配列によって画定されるアクティブエリアを含んでもよい。いくつかの例では、ディスプレイパネルは、ディスプレイパネルの輪郭とディスプレイアクティブエリアの輪郭との間の間隙を含んでもよい。この間隙はベゼルと称されてもよい。画素は、電力供給バスから光を生成するために電気エネルギーを受けてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
概要
一般に、本開示は、均一な輝度を実現するアクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイパネルなどのディスプレイパネルを説明する。AMOLEDディスプレイの画素は、列と行とのトレースで構成される電力供給メッシュを介して電気エネルギーを受けてもよい。列トレースは、ディスプレイパネルの第1の端辺に位置する電圧供給バスに結合され、このバスから電気エネルギーを受けてもよい。いくつかの例では、ディスプレイパネルは、カメラ、ボタン、または何らかの他の機能のために使用され得るディスプレイパネルのアクティブエリア内の窓境界によって画定された窓(例えば、穴)を含んでもよい。窓は、穴の近くのアクティブエリアの領域(例えば、窓とディスプレイパネルの第1の端辺との間の領域)における電力供給メッシュに不均一な電圧降下を引き起こすことがある。このような不均一な電圧降下は、表示される画像に歪みを引き起こすことがあり、これは望ましくない場合がある。
【0003】
本開示の1つまたは複数の態様により、列トレースのうちの1つまたは複数は、切り離されてもよく、例えば、電圧供給バスに直接接続されなくてもよい。例えば、窓と交差する列トレースのサブセットは、電圧供給バスに接続されなくてもよい。代わりに、電圧供給バスに接続されない列トレースのサブセットは、他の列トレースおよび行トレースを含む回路を介して電圧供給バスから電気エネルギーを受けてもよい。このようにして、本開示は、ディスプレイデバイスのアクティブエリアにわたって均一な電圧降下を可能にする。
【0004】
一例では、本開示は、ディスプレイパネルを備えるデバイスを説明し、ディスプレイパネルは、マトリクス内へ配列された複数の画素回路を備え、マトリクスは画素回路を含まない窓を含む。ディスプレイパネルはさらに、ディスプレイパネルの端辺に配置された電圧供給バスと、電圧供給バスから複数の画素回路へ電気信号を伝送するように構成された電圧供給グリッドとを備える。電圧供給グリッドは複数の列トレースおよび複数の行トレースを含み、複数の列トレースの第1のサブセットは電圧供給バスに接続され、複数の列トレースの第2のサブセットは電圧供給バスに接続されず、列トレースの第2のサブセットは少なくとも窓に位置合わせされた列トレースを含む。ディスプレイパネルはさらに、複数の列トレースのうちの列トレースと複数の行トレースのうちの行トレースとの間の1つまたは複数の相互接続部を備える。
【0005】
別の例では、本開示は、ディスプレイパネルを備えるデバイスを構成する方法を説明し、方法は、マトリクス内へ配列された複数の画素回路が、画像を表示するステップを備え、マトリクスは、画素回路を含まない窓を含む。方法はさらに、電圧供給バスが複数の列トレースの第1のサブセットへ電気信号を伝送するステップと、列トレースの第1のサブセットが、複数の行トレースへ電気信号を伝送するステップと、複数の行回路が複数の列トレースの第2のサブセットへ電気信号を伝送するステップとを備える。列トレースの第2のサブセットは、少なくとも窓に位置合わせされた列トレースを含み、複数の列トレースおよび複数の行トレースは、電圧供給グリッドを形成する。方法はさらに、電圧供給グリッドによって電気信号を複数の画素回路へ伝送するステップを備える。
【0006】
本開示の1つまたは複数の例の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載される。本開示の他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】アクティブエリアに窓を含むディスプレイパネルを有する例示的なコンピューティングデバイスを示す概念図である。
【
図2】本開示の態様による複数の隅丸領域を有するディスプレイデバイスを示す概念図である。
【
図3A】画素回路のマトリクスに配列され得る例示的な画素回路を示す模式図である。
【
図3B】抵抗としてモデル化された列トレースの相互接続部間のトレースを有する電圧供給マトリクスの例示的な列トレースを示す模式図である。
【
図4】電圧供給マトリクスと、電圧供給マトリクスの1つまたは複数のトレースを中断し得る窓とを有する例示的なディスプレイパネルを示す概念図である。
【
図5】電圧供給バスに接続されていない窓に位置合わせされた列トレースのサブセットを有する例示的な電圧供給グリッドを示す概念図である。
【
図6】電圧供給バスに接続されていないディスプレイの隅領域に列トレースのサブセットを有する例示的な電圧供給グリッドを示す概念図である。
【
図7】本開示のディスプレイデバイスの例示的動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
図1はアクティブエリアに窓を含むディスプレイパネルを有する例示的なコンピューティングデバイスを示す概念図である。
図1の例によって示されるように、ディスプレイパネル100は、ディスプレイパネルアクティブエリア102を含んでもよく、このエリアは、隅丸領域104および122を含んでもよい。ディスプレイパネル100は、コンピューティングデバイスに含まれてもよい。このようなコンピューティングデバイスの例は、限定されるものではないが、携帯電話、カメラデバイス、スマートディスプレイ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ゲーミングシステム、メディアプレーヤー、電子書籍リーダ、テレビジョンプラットフォーム、車両情報娯楽システムもしくはヘッドユニット、またはウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、コンピュータ化された時計、VR/ARヘッドセットなどの頭部装着デバイス、コンピュータ化された眼鏡類、コンピュータ化された手袋)を含む。ディスプレイパネル100の例は、限定されるものではないが、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、アクティブマトリクス有機発光ダイオード(「AMOLED」)ディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ、または、可視情報をディスプレイパネル100のユーザへ出力できる同様のモノクロもしくはカラーディスプレイを含む。
【0009】
図1の例によって示されるように、ディスプレイパネルアクティブエリア102は、第1の端辺106、第2の端辺108、第1の側辺110、および第2の側辺112を含んでもよい。隅丸領域104は、ディスプレイパネルアクティブエリア102の第1の端辺106上または近くに位置してもよい。例えば、
図1に示されるように、隅丸領域104は、第1の端辺106と第2の側辺112との間に位置してもよい。
図1の例は、第1の端辺106、第2の端辺108、第1の側辺110、および第2の側辺112を備えるディスプレイパネルを示しているが、本開示の技術が異なる幾何学的形状を有するディスプレイパネルにも適用されてもよいことは明らかである。例えば、本開示の技術は、丸いディスプレイパネル、ならびに3つ以上の端辺および/または3つ以上の側辺を有するディスプレイパネルに適用可能である。さらに、
図1の例は、第1の端辺106と第2の側辺112との間に位置する隅丸領域104を示しているが、本開示の技術がディスプレイパネルの別の端辺と別の側辺との間に位置する隅丸領域にも適用されてもよいことは明らかである。例えば、隅丸領域は、ディスプレイパネルの第1の端辺と第1の側辺との間、ディスプレイパネルの第2の端辺と第1の側辺との間、および/またはディスプレイパネルの第2の端辺と第2の側辺との間に位置してもよい。
【0010】
ディスプレイパネルは、窓境界116によって画定された窓114を含んでもよい。窓114は、カメラ、ボタン、光センサなどのセンサ、または何らかの他の構成要素のための空間を提供してもよい。窓114は、ディスプレイパネルアクティブエリア102内の任意の場所、例えば、
図1の例に示されるように、第1の側辺110の中央近くに位置してもよい。他の例では、窓114は、ディスプレイパネルアクティブエリア102の折り畳み可能なセクション(
図1には示されていない)の近くを含む、ディスプレイパネルアクティブエリア102の中心における隅のうちの1つの近く、または任意の他の場所に位置してもよい。
【0011】
ディスプレイパネルアクティブエリア102の1つまたは複数の領域は、窓114を基準として画定されてもよい(例えば、領域120および124などの1つまたは複数の領域が窓114に位置合わせされるように画定されてもよい)。領域120は、窓114から第1の端辺106および第2の端辺108まで延在してもよい。領域124は、窓114から第1の側辺110および第2の側辺112まで延在してもよい。領域126は、
図1の例では、窓114に位置合わせされた領域120と窓114に近接するディスプレイパネル100の縁、例えば、第1の側辺110との間であるとして説明されてもよい。領域128は、窓114から遠いディスプレイパネル100の側辺、例えば、側辺112に近接する対称的に配設された領域として説明されてもよい。領域120と同様に、領域126および128は、第1の端辺106から第2の端辺108まで延在してもよい。
【0012】
以下でさらに詳細に論じられるように、ディスプレイパネルアクティブエリア102は、行および列に分割された画素回路の配列を含んでもよい。本開示の画素回路の動作は、ディスプレイパネル100内へ内蔵された複数のトレース(例えば、画素回路トレースまたは他の導電経路)を介して中継される電気信号を使用して制御されてもよい。電圧供給バスは、画素回路の列に対して直角に続いてもよく、列トレースのそれぞれは電圧供給バスに直接接続してもよい。しかしながら、電圧供給バスに直接接続する画素回路トレースは、隅丸領域104において大きいエリアを占める必要がある。一般に、電圧供給バスに直接接続されたこれらの画素回路トレースを受け入れるためには、隅丸領域104におけるベゼルサイズを含むディスプレイパネルベゼルサイズを大きくしてもよく、および/またはディスプレイ隅曲率を変更してもよい。しかしながら、ディスプレイパネルベゼルサイズを大きくすること、および/またはディスプレイ隅曲率を変更することは(例えば、美的な考慮のために)望ましくないことがある。
【0013】
いくつかの例では、1つまたは複数の列トレースは、例えば、領域120において、湾曲領域104の近くで、または他のエリアにおいて、電圧供給バスから切り離されてもよい。1つまたは複数の列トレースを電圧供給バスに直接接続しないと、電圧供給バスからの電気信号が1つまたは複数の行トレース、および行トレースと列トレースとの間の相互接続部を通って移動することがある。いくつかの例では、このように電気信号の経路を変えると、例えば、領域126と領域120との間のいくつかのエリアの不均一な輝度を回避できる。
【0014】
説明を単純化するために、本開示では、「列」または列トレースは、端辺106から端辺108まで、また、側辺110および112に対してほぼ平行に続くものとして説明されてもよい。「行」または行トレースは、側辺110から側辺112まで、また、端辺106および108に対してほぼ平行に、そして列に対してほぼ直角に続くものとして説明されてもよい。しかしながら、行および列は、本開示の技術を説明するための単なる例である。ユーザは、ディスプレイパネル100を任意の角度に回転させてもよく、その場合列は垂直ではないがそれでも列とみなし得、行は水平ではないがそれでも行とみなし得る。
【0015】
図2は本開示の1つまたは複数の技術によるディスプレイパネルの拡大例を示す図である。ディスプレイパネル200は、
図1に関連して上述したディスプレイパネル100の例である。端辺206は第1の端辺106の例であり、第1の側辺210は第1の側辺110の例であり、第2の側辺212は第2の側辺112の例であり、隅丸領域204は
図1に描かれた隅丸領域104の例である。
【0016】
図2の例によって示されるように、ディスプレイパネル200は、複数の画素回路242および電圧供給バス234を含んでもよい。
図2の例は、3つの領域230A、230Bおよび230Cに分割された画素回路242を示す。一緒に、画素回路230は、ディスプレイパネルアクティブエリア202を構成してもよい。画素回路230は、複数の列に配列され、列トレース232と総称される複数の列トレース232Aおよび232Bを介して電力を受けてもよい。領域230Bにおける画素回路は、電圧供給バス234に(例えば、直接)接続する列トレース232Aから電力を受けてもよい。
図2の例では、領域230Aおよび230Cにおける画素回路は、電圧供給バス234から切り離された(例えば、直接接続されていない)列トレースから電力を受けてもよい。他の例では、領域230Aおよび/または230Cにおける1つまたは複数の列トレースは、列トレース232Cなどの電圧供給バス234に接続してもよい。本開示では、電圧供給バス234に接続するサブセット列トレース232Aは、複数の列トレースの第1のサブセットとして説明されてもよい。電圧供給バス234に直接接続されていないサブセット列トレース232Bは、複数の列トレースの第2のサブセットとして説明されてもよい。列トレース232Bは、1つまたは複数の行トレースおよび相互接続部を介して電圧供給バス234へ間接的に接続されてもよい。
【0017】
図2の例では、電圧供給バス234は、電圧供給バス234に接続する列トレースの第1のサブセット232Aに沿って延在する長さ236を画定してもよい。換言すれば、いくつかの例では、列トレース232Cは電圧供給バス234に接続しなくてもよく、電圧供給バス234の長さ238は除去されてもよい。電圧供給バス234の不要な部分を除去することは、他の構造体(例えば、信号/電力線、集積行駆動回路など)のために、隅丸領域のベゼル領域、例えば、領域204に空間を提供し、ディスプレイパネルのベゼルサイズを望ましく減少させることができるなどの利点を提供する。
【0018】
画素回路230は複数の行240にも配列される。いくつかの例では、画素回路は列トレースに直接結合され、列トレースから直接電力を受ける。他の例では、画素回路の複数の行は、列トレースの層とは別の層上の複数の行トレース(
図2には示されていない)を介して電力を受けてもよい。いくつかの例では、複数の行トレースは、列トレース間に電気的接続を行う。
【0019】
図3Aは、画素回路のマトリクスに配列され得る例示的な画素回路を示す模式図である。画素回路342は、
図2に関連して上述したディスプレイパネル200における複数の画素回路のうちの画素回路242の例である。
【0020】
回路300の画素回路342は、OLED312を含んでもよく、OLED312のカソードは、基準線Vss314に接続され、OLED312のアノードはトランジスタT1 308の出力端子に接続される。T1 308は、
図3Aの例では、P型金属酸化半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)として描かれるが、他の例では、別のタイプのスイッチによって実現されてもよい。T1 308は、電力Vdd332を供給する列トレースからOLED312への電流I
OLED310を制御してもよい。電圧Vdd332を有する列トレースは、
図2に関連して上述した列トレース232Aおよび232Bの例である。他の例では、画素回路342は、
図2に関連して上述した行240のうちの1つにおける行トレースから電力を受けてもよい。ディスプレイパネルの列トレースおよび行トレースは、電気エネルギーを照明素子、例えば、画素回路342のOLED312に供給し得る電力供給メッシュである。本開示では、電力供給メッシュは、電圧供給グリッドとも称されてよく、このグリッドは、電圧供給バス、例えば、
図2に描かれた電圧供給バス234からの電気信号を複数の画素回路へ伝送することができる。電気信号は、発光のために複数の画素回路によって使用される電力信号である。
【0021】
T1 308のゲートは、トランジスタT2 316の出力端子に、ならびにコンデンサCst306を通じてVdd332に接続する。トランジスタT2 316の入力端子は、データ[k]302に接続し、T2 316のゲートに接続されたスキャン[N]304によって制御される。
【0022】
図3Bは、抵抗としてモデル化された列トレースの相互接続部間のトレースを有する電圧供給バスの例示的な列トレースを示す概略図である。電圧供給バス334は、
図2に関連して上述した電圧供給バス234の例である。
図3Bの列トレース333は、電圧供給バスに接続する列トレース232Aのうちの1つの例である。列における各画素回路を接続する列トレースの部分は、電圧降下を引き起こすことがあり、この降下は、
図3Bの例では、10オーム(10Ω)抵抗としてモデル化されている。なお、
図3Bに描かれた値は、単に、例示のために選択された値である。他の例では、値は
図3Bに示されたものと異なってもよい。例示的な1ミリアンペア(mA)電流は、各画素回路間で1ミリボルト(mV)の電圧降下を引き起こすことがある。
【0023】
図4A~
図4Cは、電圧供給マトリクスの1つまたは複数のトレースを中断し得る窓を含む電圧供給マトリクスを有する例示的なディスプレイパネルを示す概念図である。ディスプレイパネル400は、
図1および
図2に関連して上述したディスプレイパネル100および/または200の例である。
【0024】
図1について説明したように、
図4Aおよび
図4Bの例では、ディスプレイパネルアクティブエリア402は、第1の端辺406、第2の端辺408、第1の側辺410、および第2の側辺412を含んでもよい。ディスプレイパネルは、窓境界416によって画定される窓414を含んでもよい。窓414は、例えば、
図4の例に示されるように、第1の側辺410の中央近くのディスプレイパネルアクティブエリア402内の任意の場所に位置してもよい。他の例では、窓414は、アクティブエリア402における他の場所に位置してもよい。
【0025】
ディスプレイパネルアクティブエリア402、第1の端辺406、第2の端辺408、第1の側辺410、第2の側辺412、窓境界416によって画定された窓414および列トレース432は、それぞれ、
図1および
図2に関連して上述したディスプレイパネルアクティブエリア102および/または202、第1の端辺106および/または206、第2の端辺108、第1の側辺110および/または210、第2の側辺112および/または212、窓114、ならびに列トレース232の例である。そのため、ディスプレイパネルアクティブエリア402、第1の端辺406、第2の端辺408、第1の側辺410、第2の側辺412、窓414、および列トレース432の特性および機能は、それぞれ、ディスプレイパネルアクティブエリア102および/または202、第1の端辺106および/または206、第2の端辺108、第1の側辺110および/または210、第2の側辺112および/または212、窓114、ならびに列トレース232の特性および機能と同様または同一であってもよい。
【0026】
ディスプレイパネル400はまた、
図3に関連して上述したように、発光するように構成された照明素子を含む複数の画素回路を含んでもよい。画素回路(
図4A~
図4Cには示されていない)は、
図4Bおよび
図4Cに示されるように、ディスプレイパネル400の電圧供給グリッドの複数の列トレースのうちの列トレース432と複数の行トレースのうちの行トレース452との間の1つまたは複数の相互接続部450に位置してもよい。
図2に関連して上述したように、列トレース432は、電圧供給バス434に接続してもよい。電圧供給バス434は、ディスプレイパネル400を含むコンピューティングデバイスの電源(
図4A~
図4Cには示されていない)への電力供給接続部Vdd454に接続してもよい。相互接続部450は、電気信号を電圧供給バスから列トレース432を介して行トレース452へ伝導してもよい。電圧供給バス434に接続されていない列トレース432では、相互接続部450は、行トレース452を介して、切り離された列トレース432へ電気信号を伝導してもよい。このようにして、画素回路は、電圧供給グリッドの行トレース452および列トレース432のいずれかまたは両方を介して電力を受けてもよい。
【0027】
いくつかの例では、行トレース452は、列トレース432の層とは別の層上にあってもよい。列トレース432の層は、相互接続部450を除いて、行トレース452の層から電気的に絶縁されてもよい。いくつかの例では、水平方向のVdd線、例えば、行トレース452は、列トレース432と比べて比較的高いシート抵抗を有してもよい。垂直方向のVdd線、例えば、列トレース432は、行トレース452と比べて比較的低いシート抵抗を有してもよい。基準層、例えば、
図3に関連して上述したVss314は、行トレース452の層および列トレース432の層の両方から電気的に絶縁された第3の層であってもよい。
【0028】
ディスプレイパネルアクティブエリア402のうちの1つまたは複数の領域は窓414を基準に画定されてもよい。例えば、領域420および424などの領域は、窓414に位置合わせされてもよい。窓414に位置合わせされた領域420は、窓から第1の端辺406および第2の端辺408へ延在してもよい。
図3Bに関連して上述したように、列トレース432は、例えば、短辺406に近い電圧供給バスへの接続から始まり、列トレースに沿って端辺408へ延在する各画素回路に対して、電圧降下を有してもよい。電圧供給バスから領域420内の窓414へ延在し得る領域458について、各画素または相互接続部450に対する電圧降下は、
図3に列トレース333について示されるようになってもよい。窓414によって引き起こされた列トレースにおける中断と端辺408との間の領域420内にあってもよい領域456について、電気信号は、相互接続部450を介して列トレースへ再接続する前に、例えば、領域424において、相互接続部450のうちの1つまたは複数を通って、1つまたは複数の行トレース452に沿って最初に移動することによって、領域456において列トレースに到達してもよい。したがって、領域456における各画素回路の電圧は、領域427に位置する同じ行に沿った隣接する画素と比べて異なってもよい。領域427は、窓414から側辺412までの列トレース432を含んでもよい。異なる領域における画素回路の電圧は異なることがあるため、ディスプレイは各領域で異なって行われることがある。例えば、領域427内の画素回路と領域456内の同一にプログラムされた画素回路とによって発した光は、異なってもよい。
【0029】
図4Aおよび
図4Bの例では、領域426は、領域420と窓414に近接するディスプレイパネル400の縁、例えば、第1の側辺410との間にある。いくつかの例では、領域426における列トレース432は、電圧供給バスに接続してもよいので、領域427および458における列トレース432と同様の電圧降下パターンを有することができる。しかしながら、領域456における列トレース432は電圧供給バスに直接接続されていないが1つまたは複数の行トレース452および相互接続部450から電力を受けるので、領域456における列トレース432は異なる電圧降下パターンを有することができる。いくつかの例では、ディスプレイパネル400を使用するデバイスのための処理回路(
図4A~
図4Cには示されていない)は、異なる領域における異なる性能を補償するために複雑なアルゴリズムを実行してもよい。
【0030】
窓414による領域420における列トレース432の不連続によって引き起こされる不均一な輝度に加えて、ディスプレイパネル400は、画素クロストークも受けることがある。画素クロストークのいくつかの例示的なタイプは、電気的または光学的クロストークを含み得る。例えば、画素クロストークは、ディスプレイマトリクスのアクティブエリア402における隣接する画素間の電気的または光学的な結合のいずれかまたは両方によって引き起こされることがある。電気的クロストークは、共通層を通る横方向の電流によって引き起こされることがあり、光学的クロストークは、アドレッシングされない画素を通る光漏れによって引き起こされることがある。いくつかの例では、画素クロストークは、コントラスト比を低減させることがあり、コンピューティングデバイスディスプレイの色範囲を妨げる。
【0031】
クロストークOLEDディスプレイパネル400の他のカテゴリは、「明るいクロストーク」および「暗いクロストーク」を含み得る。本開示では、明るいクロストークは、黒(消灯)画素(OLED)が多い行の点灯OLEDが、黒(消灯)画素(OLED)が少ない行の点灯OLEDよりも明るく点灯する傾向がある現象を指す。暗いクロストークは、明るいクロストークの反対、すなわち、黒(消灯)画素(OLED)が多い行の点灯OLEDsが、黒(消灯)画素(OLED)が少ない行の点灯OLEDよりも暗く点灯する傾向がある現象を指す。
【0032】
明るいクロストークは、OLEDディスプレイパネル400の各行のシンク電流における差によって引き起こされることがある。暗いクロストークは、各行についてのディスプレイデータ、例えば、
図3に関連して上述したデータ[k]302を介して受信したディスプレイデータに応じて、関連した寄生容量の量の差によって引き起こされることがある。画素回路のOLED、例えば、OLED312に関連する寄生容量は、導電性OLEDが関連する寄生容量を低減させ得るため、OLEDが点灯しているときよりもOLEDが点灯していないときに大きくなることがある。多くのOLEDが点灯していない行は、点灯していないOLEDが少ない行よりも寄生容量の合計が大きくなることがある。寄生容量がより大きい行は時定数(R-C時定数)がより大きいので、時定数がより大きい行におけるOLEDを駆動するのに時間がかかる。
【0033】
図4Bの例では、領域428は、ディスプレイパネル400の側辺、例えば、側辺412に近接し、窓414から遠い、対称的に配設された領域である。いくつかの例では、領域428は領域426と対称的であってもよいので、領域426にあるのとほぼ同数の列トレース432を含んでもよい。領域426における列トレースが電圧供給バスに直接接続し、領域428における列トレースが電圧供給バスに直接接続するとき、それらの列トレースに接続された画素回路は、互いに同様の電圧降下特性、ならびに領域427における列トレース432と同様の特性を有してもよい。他の例では、領域428は、領域420および426の両方と対称的であってもよい。多数の異なる領域を有するディスプレイパネル400に対して均一な光度を提供し、クロストークを軽減する補償アルゴリズムを開発することは複雑であり、試験、開発、検証および生産のための開発時間が長くなることがある。いくつかの例では、1つまたは複数の列トレースは、例えば、領域458、領域428、または他のエリアにおいて、電圧供給バスから切り離されてもよい。
図1および
図2に関連して上述したように、1つまたは複数の列トレースを切り離すと、電圧供給バスからの電気信号は、1つまたは複数の行トレース、および行トレースと列トレースとの間の相互接続部を通って移動することができる。いくつかの例では、このように電気信号の経路を変えると、いくつかのエリアにおける不均一な輝度を回避できる。
【0034】
図5A~
図5Cは、電圧供給バスに接続されていない窓に位置合わせされた列トレースのサブセットを有する例示的な電圧供給グリッドを示す概念図である。ディスプレイパネル500は、
図1、
図2および
図4に関連して上述したディスプレイパネル100、200および400の例であり、特に断りのない限り同一の機能および特性を有してもよい。
【0035】
図5Aおよび
図5Bに示されるようなディスプレイパネル500の例は、窓514と、領域520、556、558および528を有するアクティブエリア502と、電力供給接続部Vdd554とを含む。
図4に関連して上述したように、領域520は、窓514に位置合わせされた列トレース532Bのサブセットを含む。
図4とは対照的に、
図2に関連して上述したように、列トレース532Bは、電圧供給バス534に直接接続しない列トレースのサブセットである。領域526および527における列トレース532Aは、電圧供給バス534へ直接接続する。ディスプレイパネル500では、領域520における列トレース532Bを電圧供給バス534から切り離すことによって、領域558における列トレース532Bの部分が領域556における列トレースと同様であり得る。
図4に関連して上述したように、領域558における列トレースも、領域520内にあり、窓514と端辺506にある電圧供給バス534との間に位置する。領域556における列トレースは、領域520内にあり、窓514と端辺508との間に位置する。領域556および558の両方において、列トレースは、1つまたは複数の行トレース552および相互接続部(
図5A~
図5Cには示されていない)を介して電圧供給バス534から電力を受けることができるので、領域558内の列トレースは、領域556内の列トレースと同様の電圧降下特性を有してもよい。このように、ディスプレイパネル500に対する本開示の技術は、
図4に関連して上述したディスプレイパネル400と比較して、輝度均一性を改善することができる。換言すれば、ディスプレイパネル400とは対照的に、ディスプレイパネル500は、電圧降下特性の異なるエリアがより少なくできるので、アクティブエリア502における違いを補償するために、複雑さをより少なくできる。本開示の技術はまた、クロストークの問題を低減することができ、また、輝度均一性を改善するのに役立つことができる。
【0036】
いくつかの例では、ディスプレイパネル500は、電圧供給バス534に直接接続されていないが1つまたは複数の行トレースおよび相互接続部を介して電圧供給バス534へ間接的に接続された領域528に、列トレース532Bをさらに含んでもよい。
図4に関連して上述した領域428と同様に、領域528は、領域520に対して対称的に配設され、側辺512に近接し窓514から遠い領域である。ディスプレイパネル500では、領域528は領域520と対称的であるので、領域520にあるのとほぼ同数の列トレース532Bを含む。領域520および528の両方における列トレース532Bは、電圧供給バス534に直接接続しない列トレースのサブセットにある。したがって、列トレース532Bに接続された画素回路は、領域520および528の両方において同様の電圧降下特性を有し得るので、アクティブエリア502における輝度均一性に寄与できる。
【0037】
同様に、領域560における列トレース532Aは、領域526における列トレース532A、例えば、電圧供給バス534に直接接続され、ディスプレイパネル500の側辺に近接して配設された列トレースのサブセットと対称的であってもよい。したがって、側辺510に沿った列トレースのサブセット532Aおよびサブセット532Bの両方は、側辺512に沿った列トレースと同様の特性を有してもよい。領域526、520、528および560におけるこれらの列トレースに接続された画素回路は、互いに同様の電圧降下特性を有し得るので、アクティブエリア502のための均一な光度に寄与できる。
【0038】
図6A~
図6Cは、電圧供給バスに接続されていないディスプレイの隅領域に列トレースのサブセットを有する例示的な電圧供給グリッドを示す概念図である。ディスプレイパネル600は、
図1、
図2および
図4に関連して上述したディスプレイパネル100、200、400の例であり、特に断りのない限り同一の機能および特性を有してもよい。
【0039】
図6Aおよび
図6Bに示されるようなディスプレイパネル600の例は、アクティブエリア602を含み、窓614、領域620、656、658、および628、ならびに端辺606にあり、端辺608とは反対側にある電力供給接続部Vdd654を有する。
図5に関連して上述したように、領域620は、窓614に位置合わせされた列トレース632Bのサブセットを含む。
図4とは対照的に、
図2に関連して上述したように、列トレース632Bは、電圧供給バス634に直接接続しない列トレースのサブセットである。領域626および627における列トレース632Aは電圧供給バス634に直接接続する。
図5に関連して上述したように、ディスプレイパネル600では、領域620における列トレース632Bを電圧供給バス634に接続しないことによって、領域658における列トレース632Bの部分は領域656における列トレースと同様であり得る。したがって、領域656および658の両方において、列トレースは、1つまたは複数の行トレース652および相互接続部(
図6A~
図6Cには示されていない)を介して電圧供給バス634から電力を受けることができるので、領域658内の列トレースは、領域656内の列トレースと同様の電圧降下特性を有することができる。
【0040】
加えて、ディスプレイパネル600では、電圧供給バス634から切り離された列トレース632Bのサブセットは、領域626におけるそれらの列トレースを含んでもよい。
図4および
図5に関連して上述した領域426および526と同様に、領域626は、領域620における窓414に位置合わせされた列トレースと窓614に近接するディスプレイパネル600の側辺610との間に位置する列トレースを含む。しかしながら、領域426および526における列トレースとは対照的に、領域626における列トレース632Bは、電圧供給バス634に接続されていない複数の列トレースのサブセットに含まれる。
【0041】
このように、ディスプレイパネル600についての本開示の技術は、
図4に関連して上述したディスプレイパネル400と比較して、輝度均一性を改善することができる。換言すると、ディスプレイパネル400とは対照的に、ディスプレイパネル600は、異なる電圧降下特性を有するエリアがより少なくなり得るので、アクティブエリア602における差を補償するために、複雑さをより少なくできる。また、領域626における列トレースを切り離すことにより、ディスプレイパネル500と比較して、異なる電圧降下特性を有するディスプレイパネル600の領域はより少なくなる。ディスプレイパネル500と同様に、
図6A~
図6Cについて説明されたような本開示の技術は、クロストークの問題を軽減することもでき、また、輝度均一性を改善するのに役立つことができる。
【0042】
図5Cに関連して上述したように、いくつかの例では、ディスプレイパネル600はまた、領域528における列トレース532Bを切り離してもよい。領域628は、組み合わされた領域626および620に対して対称的に配設され、側辺612に近接し窓614から遠い領域である。ディスプレイパネル500では、領域528は領域520と対称的であるので、領域520にあるのとほぼ同数の列トレース532Bを含む。上記のように、領域620、626および628における列トレース632Bは、電圧供給バス534に直接接続しない列トレースのサブセットにある。したがって、列トレース532Bに接続された画素回路は、領域620、626および628において同様の電圧降下特性を有し得、これは、アクティブエリア602における輝度均一性に寄与することができる。
【0043】
図6Aおよび
図6Cの例では、670によって示される電圧供給バス634の部分は、いずれの列トレースにも接続しない。したがって、電圧供給バス634は、最後に接続された列トレース632Aを越えて側辺610または側辺612に向かって延在する必要はない。いくつかの例では、電圧供給バス634の部分670は、隅領域から除去されてもよく、これは、ディスプレイ隅ベゼル幅を低減するのに役立つことができる。いくつかの例では、部分670を除去することは、他の信号線、または他の構成要素のための隅丸領域の近くに空間を提供することができる。換言すれば、窓614に位置合わせされた列トレース、例えば、領域620における列トレースと窓614に近接するディスプレイパネルの側辺610との間に位置する、複数の列トレースのうちの列トレースに近接する部分670は、電圧供給バス634から除去されてもよい。側辺610近くおよび側辺612近くの部分670なしに、電圧供給バス634は、電圧供給バス634に接続する列トレース632Aのサブセットに沿って延在する長さを画定する。
【0044】
図7は本開示のディスプレイデバイスの例示的な動作を示すフローチャートである。
図7のブロックは、特に断りのない限り、
図5A~
図5Cの観点から説明する。
【0045】
図7の例に見られるように、例えば、
図2に示されるようにマトリクス内へ配列された複数の画素回路は、ディスプレイパネル500のアクティブエリア502に画像を表示するように構成されてもよい(700)。画像は、色、テキスト、制御特徴、グラフィカルユーザインターフェイス要素などを含んでもよい。画素回路のマトリクスは、画素回路を含まない窓514を含んでもよい。上記のように、窓514は、カメラなどのセンサがディスプレイパネル500を通じて光を捕捉することができるように含まれてもよい。
【0046】
電圧供給バス534は、電気信号、例えば、電力を電圧供給バス534に接続された列トレースのサブセット532Aへ伝送してもよい(705)。
図4に関連して上述したように、列トレースのサブセット532Aは、電気信号を相互接続部450および行トレース452を介して他の画素回路へさらに伝導してもよい(710)。換言すれば、ディスプレイパネル500の電圧供給グリッドは、複数の層を備えてもよく、電気信号を複数の画素回路へ伝導してもよい(715)。
【0047】
本開示はまた、以下の例によって説明されてもよい。
例1
ディスプレイパネルを備えるデバイスであって、ディスプレイパネルは、マトリクス内へ配列された複数の画素回路を備え、マトリクスは画素回路を含まない窓を含み、ディスプレイパネルはさらに、ディスプレイパネルの端辺に配置された電圧供給バスと、電気信号を電圧供給バスから複数の画素回路へ伝送するように構成された電圧供給グリッドとを備え、電圧供給グリッドは複数の列トレースおよび複数の行トレースを含み、複数の列トレースの第1のサブセットは電圧供給バスに接続され、複数の列トレースの第2のサブセットは電圧供給バスに接続されず、列トレースの第2のサブセットは少なくとも窓に位置合わせされた列トレースを含み、ディスプレイパネルはさらに、複数の列トレースのうちの列トレースと複数の行トレースのうちの行トレースとの間の1つまたは複数の相互接続部を備える、デバイス。
【0048】
例2
列トレースの第2のサブセットは、複数の列トレースのうちで、窓に位置合わせされた列トレースと窓に近接するディスプレイパネルの縁との間に位置する列トレースをさらに含む、例1のデバイス。
【0049】
例3
電圧供給バスは、列トレースの第1のサブセットに沿って延在する長さを画定する、例2のデバイス。
【0050】
例4
複数の列トレースのうちで、窓に位置合わせされた列トレースと窓に近接するディスプレイパネルの縁との間に位置する列トレースに近接する、電圧供給バスの一部が除去される、例2のデバイス。
【0051】
例5
列トレースの第2のサブセットは、複数の列トレースのうちで、窓から遠いディスプレイパネルの側辺に近接して対称的に配設された列トレースを含む、例1のデバイス。
【0052】
例6
電気信号は、発光するために複数の画素回路によって使用される電力信号である、例1のデバイス。
【0053】
例7
デバイスは、窓を介して画像を捕捉するように構成されたカメラをさらに備える、例1のデバイス。
【0054】
例8
電圧供給グリッドは、第1の層および第2の層を含み、第1の層は複数の列トレースを備え、第2の層は複数の行トレースを備える、例1のデバイス。
【0055】
例9
第1の層は第1のシート抵抗を画定し、第2の層は第2のシート抵抗を画定し、第1のシート抵抗は第2のシート抵抗未満である、例8のデバイス。
【0056】
例10
第1の層は、複数の列トレースのうちの列トレースと複数の行トレースのうちの行トレースとの間の1つまたは複数の相互接続部を除いて、第2の層から電気的に絶縁されている、例8のデバイス。
【0057】
例11
ディスプレイパネルを備えるデバイスを構成する方法であって、マトリクス内へ配列された複数の画素回路が、画像を表示するステップを備え、マトリクスは、画素回路を含まない窓を含み、方法はさらに、電圧供給バスが複数の列トレースの第1のサブセットへ電気信号を伝送するステップと、列トレースの第1のサブセットが、複数の行トレースへ電気信号を伝送するステップと、複数の行回路が複数の列トレースの第2のサブセットへ電気信号を伝送するステップとを備え、列トレースの第2のサブセットは、少なくとも窓に位置合わせされた列トレースを含み、複数の列トレースおよび複数の行トレースは、電圧供給グリッドを形成し、方法はさらに、電圧供給グリッドが電気信号を複数の画素回路へ伝送するステップを含む、方法。
【0058】
例12
カメラが窓を介して1つまたは複数の画像を捕捉することをさらに含む、例11の方法。
【0059】
例13
列トレースの第1のサブセットは電圧供給バスに直接接続され、列トレースの第2のサブセットは電圧供給バスに直接接続されていない、例11の方法。
【0060】
本開示の様々な例が説明された。これらおよび他の例は、以下の特許請求の範囲に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルを備えるデバイスであって、前記ディスプレイパネルは、
マトリクス内へ配列された複数の画素回路を備え、前記マトリクスは画素回路を含まない窓を含み、前記ディスプレイパネルはさらに、
前記ディスプレイパネルの端辺に配置された電圧供給バスと、
電気信号を前記電圧供給バスから前記複数の画素回路へ伝送するように構成された電圧供給グリッドとを備え、前記電圧供給グリッドは複数の列トレースおよび複数の行トレースを含み、前記複数の列トレースの第1のサブセットは前記電圧供給バスに接続され、前記複数の列トレースの第2のサブセットは前記電圧供給バスに接続されず、列トレースの前記第2のサブセットは少なくとも前記窓に位置合わせされた列トレースを含み、前記ディスプレイパネルはさらに、
前記複数の列トレースのうちの列トレースと前記複数の行トレースのうちの行トレースとの間の1つまたは複数の相互接続部を備える、デバイス。
【請求項2】
列トレースの前記第2のサブセットは、前記複数の列トレースのうちで、前記窓に位置合わせされた前記列トレースと前記窓に近接する前記ディスプレイパネルの縁との間に位置する列トレースをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記電圧供給バスは、列トレースの前記第1のサブセットに沿って延在する長さを画定する、請求項1
または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記複数の列トレースのうちで、前記窓に位置合わせされた前記列トレースと前記窓に近接する前記ディスプレイパネルの縁との間に位置する列トレースに近接する、前記電圧供給バスの一部が除去される、請求項1から3のいずれか
1項に記載のデバイス。
【請求項5】
列トレースの前記第2のサブセットは、前記複数の列トレースのうちで、前記窓から遠い前記ディスプレイパネルの側辺に近接して対称的に配設された列トレースを含む、請求項1から4のいずれか
1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記電気信号は、発光するために前記複数の画素回路によって使用される電力信号である、請求項1から5のいずれか
1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスは、前記窓を介して画像を捕捉するように構成されたカメラをさらに備える、請求項1から6のいずれか
1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記電圧供給グリッドは、第1の層および第2の層を含み、
前記第1の層は前記複数の列トレースを備え、
前記第2の層は前記複数の行トレースを備える、
請求項1から7のいずれか
1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1の層は第1のシート抵抗を画定し、前記第2の層は第2のシート抵抗を画定し、
前記第1のシート抵抗は前記第2のシート抵抗未満である、
請求項1から8のいずれか
1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の層は、前記複数の列トレースのうちの列トレースと前記複数の行トレースのうちの行トレースとの間の前記1つまたは複数の相互接続部を除いて、前記第2の層から電気的に絶縁されている、請求項1から9のいずれか
1項に記載のデバイス。
【請求項11】
ディスプレイパネルを備えるデバイスを構成する方法であって、
マトリクス内へ配列された複数の画素回路が、画像を表示するステップを備え、前記マトリクスは、画素回路を含まない窓を含み、前記方法はさらに、
電圧供給バスが、複数の列トレースの第1のサブセットへ電気信号を伝送するステップと、
前記列トレースの前記第1のサブセットが、複数の行トレースへ前記電気信号を伝送するステップと、
前記複数の行
トレースが、前記複数の列トレースの第2のサブセットへ前記電気信号を伝送するステップとを備え、列トレースの前記第2のサブセットは、少なくとも前記窓に位置合わせされた列トレースを含み、前記複数の列トレースおよび前記複数の行トレースは、電圧供給グリッドを形成し、前記方法はさらに、
前記電圧供給グリッドが、前記電気信号を前記複数の画素回路へ伝送するステップを備える方法。
【請求項12】
カメラが、前記窓を介して1つまたは複数の画像を捕捉するステップをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
列トレースの前記第1のサブセットは前記電圧供給バスに直接接続され、列トレースの前記第2のサブセットは前記電圧供給バスに直接接続されていない、請求項11
または12に記載の方法。
【国際調査報告】