(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-07
(54)【発明の名称】脈絡膜上注射デバイス
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20240131BHJP
【FI】
A61F9/007 170
A61F9/007 130D
A61F9/007 200B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579765
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 IB2022000064
(87)【国際公開番号】W WO2022172086
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520404610
【氏名又は名称】ジャイロスコープ・セラピューティクス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ヘッジランド・マーク
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー・トーマス・イー
(72)【発明者】
【氏名】クリール・ジャスティン・エイ
(57)【要約】
装置(900)は、本体と、ヘッド(930)と、を含む。ヘッドは、流体リザーバを画定する。ヘッド(930)は、遠位面(932)と、針(960)と、を含む。遠位面(932)は、患者の眼の前部領域において患者の眼の外面に係合するように構成されている。針(960)は、遠位面(932)から遠位に延びるように構成されている。針(960)は、患者の眼の強膜層を通って延び、それによって、針(960)の遠位先端部(962)の少なくとも一部を患者の眼の前部領域における患者の眼の脈絡膜上腔に位置付けるのに十分な長さを有する。針(960)は流体リザーバと流体連通しており、針(960)は、流体リザーバから患者の眼の脈絡膜上腔内に流体を送達するように動作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)流体リザーバを画定する本体であって、前記本体は遠位端部を有する、本体と、
(b)前記本体の前記遠位端部にあるヘッドと、を含み、前記ヘッドは、
(i)患者の眼の前部領域において前記患者の眼の外面に係合するように構成された遠位面と、
(ii)前記遠位面から遠位に延びるように構成された針であって、前記針は、前記患者の眼の強膜層を通って延び、それによって、前記針の遠位先端部の少なくとも一部を前記患者の眼の前部領域における前記患者の眼の脈絡膜上腔に位置付けるのに十分な長さを有し、前記針は、前記流体リザーバと流体連通しており、前記針は、前記流体リザーバから前記患者の眼の前記脈絡膜上腔内に流体を送達するように動作可能である、針と、
(iii)前記患者の眼の目印を補完し、それによって前記患者の眼の前記目印に関連する所定の場所に前記針を位置付けるように構成された割り出し特徴部と、を含む、装置。
【請求項2】
前記遠位面は、前記遠位面が前記患者の眼の曲率を補完するように構成されるように、三次元凹状曲率を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記遠位面は長手方向軸を画定し、前記針は、前記長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って前記遠位面から遠位に延びるように構成されている、請求項1~2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記出口軸は、前記長手方向軸と出口角度を定めるように構成され、前記出口角度は、約30°~約0°の範囲である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記本体とスライド可能に結合されたプランジャをさらに含み、前記プランジャは、前記流体リザーバから前記針を通して外に流体を駆動するように動作可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記遠位面は、コーナーによって接合された3つの遠位エッジを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記遠位エッジの少なくとも1つは、凹状曲率を有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記割り出し特徴部は、前記遠位エッジの少なくとも1つによって形成されている、請求項6~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記コーナーは、丸みを帯びている、請求項6~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記割り出し特徴部は、前記遠位面の遠位エッジを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の角膜縁を補完するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の前記角膜縁の曲率を補完するように構成された曲率を有する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記針は、前記遠位面に対して長手方向に固定されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記針は、曲線に沿って延びる、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記針は、ベベル遠位先端部を有し、前記ベベル遠位先端部は、ベベル角度を定める、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記ベベル角度は、前記針が前記患者の眼に挿入されるときに前記患者の眼の層の境界と平行になるように構成されている、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記針は、前記遠位面に対して並進運動するように動作可能である、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、前記近位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、前記遠位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
アクチュエータをさらに含み、前記アクチュエータは、前記遠位面に対する前記針の並進運動を駆動するように動作可能である、請求項17~18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記アクチュエータは、スライダを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記アクチュエータは、前記ヘッド上に位置付けられている、請求項19~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
歪みセンサをさらに含み、前記歪みセンサは、前記針が前記患者の眼を貫通するときに前記針が遭遇する歪みを感知するように動作可能である、請求項1~21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
応答モジュールをさらに含み、前記応答モジュールは、前記歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように動作可能である、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記応答モジュールは、前記針の遠位先端部が前記患者の眼の脈絡膜上腔に到達したことを示す前記歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように構成されている、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記応答モジュールは、触覚、視覚、または可聴フィードバックのうちの1つ以上を含む応答をオペレータに提供するように構成されている、請求項23~24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記応答モジュールは、前記流体リザーバから前記針への流体連通を選択的に許可することを含む応答を提供するように構成されている、請求項23~25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記流体リザーバと前記針との間に介在する弁をさらに含み、前記応答モジュールは、前記弁を選択的に開放するように構成されている、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記流体リザーバから前記針に流体を駆動するように動作可能なポンプをさらに含み、前記応答モジュールは前記ポンプを起動するように構成されている、請求項26~27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記ヘッドは、前記針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、前記通路の遠位部分は曲線を画定し、前記針は、前記通路の前記遠位部分の前記曲線に沿って延びる、請求項1~28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
前記ヘッドは、長手方向軸をさらに画定し、前記通路の前記遠位部分の前記曲線は、前記ヘッドの前記長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って前記針の遠位部分を方向付ける、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記針は、曲線に沿って延びるように弾性的に付勢された遠位部分を含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
前記針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、前記近位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、前記遠位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記ヘッドは、前記針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、前記針は、前記遠位位置と前記近位位置との間で前記通路に沿って並進運動するように構成されている、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記通路は、直線状構成を有し、前記通路は、前記針が前記近位位置にあるときに、前記針の前記遠位部分を直線状構成に変形させるように構成されている、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記針の前記遠位部分の弾性的な付勢は、前記近位位置から前記遠位位置への前記針の移動の間に前記遠位部分が前記遠位面に対して露出されると、曲線に沿って前記針の前記遠位部分を押すように構成されている、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
調整部材をさらに含み、前記ヘッドは長手方向軸を画定し、前記調整部材は、前記長手方向軸に対して針出口軸を調整し、それによって前記長手方向軸と前記針出口軸との間に定められる斜めの針出口角度を調整するように動作可能である、請求項1~35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
前記調整部材は、前記ヘッドに一体化されている、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記調整部材は、ホイールを含み、前記ホイールは、前記針出口角度を調整するために回転可能である、請求項36~37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項39】
前記調整部材は、回転軸を画定する車軸をさらに含み、前記ホイールは、前記回転軸を中心に回転可能である、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記ホイールは針通路を画定し、前記針は前記針通路に沿って延びる、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記針通路は、前記回転軸が前記針通路を通過するように位置付けられている、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記調整部材は印を含み、前記印は、前記針出口角度を示す視覚フィードバックを提供するように構成されている、請求項36~41のいずれか一項に記載の装置。
【請求項43】
電極と、処理モジュールと、をさらに含み、前記電極は、組織に接触するように構成され、前記処理モジュールは、前記電極からの信号に基づいて前記患者の眼内の前記針の位置を検出するように構成されている、請求項1~42のいずれか一項に記載の装置。
【請求項44】
前記処理モジュールは、前記電極によって拾われた電位に基づいて、前記患者の眼内の前記針の位置を検出するように構成されている、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記電極は、前記ヘッド上の少なくとも1つの電極を含み、前記ヘッド上の前記少なくとも1つの電極は、第1の極性で動作するように構成されている、請求項43~44のいずれか一項に記載の装置。
【請求項46】
前記針は、前記電極のうちの別の1つを形成し、前記針は、第2の極性で動作するように構成されている、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記ヘッドは、少なくとも1つの遠位突出部をさらに含み、前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針から横方向にオフセットされており、前記遠位面は、前記遠位突出部および前記遠位面がギャップを画定するよう構成されるように、前記遠位突出部から近位にオフセットされており、前記針は前記ギャップを通って延びるように構成されている、請求項1~46のいずれか一項に記載の装置。
【請求項48】
前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針の周りに角度的に離間した配列で位置付けられた複数の遠位突出部を含む、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針の周りの周辺部全体に連続的に広がる遠位突出部を含む、請求項47~48のいずれか一項に記載の装置。
【請求項50】
前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針が前記眼を貫通する場所から横方向に離間した1つ以上の対応する位置で前記眼に係合するように構成され、前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針が前記眼を貫通する前記場所において前記眼の強膜層の張力を維持するように構成されている、請求項47~49のいずれか一項に記載の装置。
【請求項51】
装置であって、
(a)流体リザーバを画定する本体であって、前記本体は遠位端部を有する、本体と、
(b)前記本体の前記遠位端部にあるヘッドと、を含み、前記ヘッドは、
(i)患者の眼の前部領域において前記患者の眼の外面に係合するように構成された遠位面であって、前記遠位面は、前記遠位面が前記患者の眼の曲率を補完するように構成されるように、三次元凹状曲率を有する、遠位面と、
(ii)前記遠位面から遠位に延びるように構成された針であって、前記針は、前記患者の眼の強膜層を通って延び、それによって前記針の遠位先端部の少なくとも一部を前記患者の眼の前部領域における前記患者の眼の脈絡膜上腔に位置付けるのに十分な長さを有し、前記針は、前記流体リザーバと流体連通し、前記針は、前記流体リザーバから前記患者の眼の前記脈絡膜上腔内に流体を送達するように動作可能である、針と、を含む、装置。
【請求項52】
割り出し特徴部をさらに含み、前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の目印を補完し、それによって前記患者の眼の前記目印に関連する所定の場所に前記針を位置付けるように構成されている、請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記遠位面は、コーナーによって接合された3つの遠位エッジを有する、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記遠位エッジの少なくとも1つは、凹状曲率を有する、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記割り出し特徴部は、前記遠位エッジの少なくとも1つによって形成されている、請求項53~54のいずれか一項に記載の装置。
【請求項56】
前記割り出し特徴部は、前記遠位面の遠位エッジを含む、請求項52~55のいずれか一項に記載の装置。
【請求項57】
前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の角膜縁を補完するように構成されている、請求項52~56のいずれか一項に記載の装置。
【請求項58】
前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の前記角膜縁の曲率を補完するように構成された曲率を有する、請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記遠位面は長手方向軸を画定し、前記針は、前記長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って前記遠位面から遠位に延びるように構成されている、請求項51~58のいずれか一項に記載の装置。
【請求項60】
前記出口軸は、前記長手方向軸と出口角度を定めるように構成され、前記出口角度は、約30°~約0°の範囲である、請求項59に記載の装置。
【請求項61】
前記本体とスライド可能に結合されたプランジャをさらに含み、前記プランジャは前記流体リザーバから前記針を通して外に流体を駆動するように動作可能である、請求項51~60のいずれか一項に記載の装置。
【請求項62】
前記遠位面は、コーナーによって接合された3つの遠位エッジを有する、請求項51~61のいずれか一項に記載の装置。
【請求項63】
前記遠位エッジの少なくとも1つは、凹状曲率を有する、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記コーナーは、丸みを帯びている、請求項62~63のいずれか一項に記載の装置。
【請求項65】
前記針は、前記遠位面に対して長手方向に固定されている、請求項51~64のいずれか一項に記載の装置。
【請求項66】
前記針は、曲線に沿って延びる、請求項51~65のいずれか一項に記載の装置。
【請求項67】
前記針は、ベベル遠位先端部を有し、前記ベベル遠位先端部は、ベベル角度を定める、請求項51~66のいずれか一項に記載の装置。
【請求項68】
前記ベベル角度は、前記針が前記患者の眼に挿入されるときに前記患者の眼の層の境界と平行になるように構成されている、請求項67に記載の装置。
【請求項69】
前記針は、前記遠位面に対して並進運動するように動作可能である、請求項51~68のいずれか一項に記載の装置。
【請求項70】
前記針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、前記近位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、前記遠位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、請求項69に記載の装置。
【請求項71】
アクチュエータをさらに含み、前記アクチュエータは、前記遠位面に対する前記針の並進運動を駆動するように動作可能である、請求項69~70のいずれか一項に記載の装置。
【請求項72】
前記アクチュエータは、スライダを含む、請求項71に記載の装置。
【請求項73】
前記アクチュエータは、前記ヘッド上に位置付けられている、請求項71~72のいずれか一項に記載の装置。
【請求項74】
歪みセンサをさらに含み、前記歪みセンサは、前記針が前記患者の眼を貫通するときに前記針が遭遇する歪みを感知するように動作可能である、請求項51~73のいずれか一項に記載の装置。
【請求項75】
応答モジュールをさらに含み、前記応答モジュールは、前記歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように動作可能である、請求項74に記載の装置。
【請求項76】
前記応答モジュールは、前記針の遠位先端部が前記患者の眼の脈絡膜上腔に到達したことを示す前記歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように構成されている、請求項75に記載の装置。
【請求項77】
前記応答モジュールは、触覚、視覚、または可聴フィードバックのうちの1つ以上を含む応答をオペレータに提供するように構成されている、請求項75~76のいずれか一項に記載の装置。
【請求項78】
前記応答モジュールは、前記流体リザーバから前記針への流体連通を選択的に許可することを含む応答を提供するように構成されている、請求項75~77のいずれか一項に記載の装置。
【請求項79】
前記流体リザーバと前記針との間に介在する弁をさらに含み、前記応答モジュールは、前記弁を選択的に開放するように構成されている、請求項78に記載の装置。
【請求項80】
前記流体リザーバから前記針に流体を駆動するように動作可能なポンプをさらに含み、前記応答モジュールは前記ポンプを起動するように構成されている、請求項78~79のいずれか一項に記載の装置。
【請求項81】
前記ヘッドは、前記針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、前記通路の遠位部分は曲線を画定し、前記針は、前記通路の前記遠位部分の前記曲線に沿って延びる、請求項51~80のいずれか一項に記載の装置。
【請求項82】
前記ヘッドは、長手方向軸をさらに画定し、前記通路の前記遠位部分の前記曲線は、前記ヘッドの前記長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って前記針の遠位部分を方向付ける、請求項81に記載の装置。
【請求項83】
前記針は、曲線に沿って延びるように弾性的に付勢された遠位部分を含む、請求項51~82のいずれか一項に記載の装置。
【請求項84】
前記針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、前記近位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、前記遠位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、請求項83に記載の装置。
【請求項85】
前記ヘッドは、前記針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、前記針は、前記遠位位置と前記近位位置との間で前記通路に沿って並進運動するように構成されている、請求項84に記載の装置。
【請求項86】
前記通路は、直線状構成を有し、前記通路は、前記針が前記近位位置にあるときに、前記針の前記遠位部分を直線状構成に変形させるように構成されている、請求項85に記載の装置。
【請求項87】
前記針の前記遠位部分の弾性的な付勢は、前記近位位置から前記遠位位置への前記針の移動の間に前記遠位部分が前記遠位面に対して露出されると、曲線に沿って前記針の前記遠位部分を押すように構成されている、請求項86に記載の装置。
【請求項88】
調整部材をさらに含み、前記ヘッドは長手方向軸を画定し、前記調整部材は、前記長手方向軸に対して針出口軸を調整し、それによって前記長手方向軸と前記針出口軸との間に定められる斜めの針出口角度を調整するように動作可能である、請求項51~87のいずれか一項に記載の装置。
【請求項89】
前記調整部材は、前記ヘッドに一体化されている、請求項88に記載の装置。
【請求項90】
前記調整部材は、ホイールを含み、前記ホイールは、前記針出口角度を調整するために回転可能である、請求項88~89のいずれか一項に記載の装置。
【請求項91】
前記調整部材は、回転軸を画定する車軸をさらに含み、前記ホイールは、前記回転軸を中心に回転可能である、請求項90に記載の装置。
【請求項92】
前記ホイールは針通路を画定し、前記針は前記針通路に沿って延びる、請求項91に記載の装置。
【請求項93】
前記針通路は、前記回転軸が前記針通路を通過するように位置付けられている、請求項92に記載の装置。
【請求項94】
前記調整部材は印を含み、前記印は、前記針出口角度を示す視覚フィードバックを提供するように構成されている、請求項88~93のいずれか一項に記載の装置。
【請求項95】
電極と、処理モジュールと、をさらに含み、前記電極は、組織に接触するように構成され、前記処理モジュールは、前記電極からの信号に基づいて前記患者の眼内の前記針の位置を検出するように構成されている、請求項51~94のいずれか一項に記載の装置。
【請求項96】
前記処理モジュールは、前記電極によって拾われた電位に基づいて、前記患者の眼内の前記針の位置を検出するように構成されている、請求項95に記載の装置。
【請求項97】
前記電極は、前記ヘッド上の少なくとも1つの電極を含み、前記ヘッド上の前記少なくとも1つの電極は、第1の極性で動作するように構成されている、請求項95~96のいずれか一項に記載の装置。
【請求項98】
前記針は、前記電極のうちの別の1つを形成し、前記針は、第2の極性で動作するように構成されている、請求項97に記載の装置。
【請求項99】
前記ヘッドは、少なくとも1つの遠位突出部をさらに含み、前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針から横方向にオフセットされており、前記遠位面は、前記遠位突出部および前記遠位面がギャップを画定するよう構成されるように、前記遠位突出部から近位にオフセットされており、前記針は前記ギャップを通って延びるように構成されている、請求項51~98のいずれか一項に記載の装置。
【請求項100】
前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針の周りに角度的に離間した配列で位置付けられた複数の遠位突出部を含む、請求項99に記載の装置。
【請求項101】
前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針の周りの周辺部全体に連続的に広がる遠位突出部を含む、請求項99~100のいずれか一項に記載の装置。
【請求項102】
前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針が前記眼を貫通する場所から横方向に離間した1つ以上の対応する位置で前記眼に係合するように構成され、前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針が前記眼を貫通する前記場所において前記眼の強膜層の張力を維持するように構成されている、請求項99~101のいずれか一項に記載の装置。
【請求項103】
装置であって、
(a)流体リザーバを画定する本体であって、前記本体は遠位端部を有する、本体と、
(b)前記本体の前記遠位端部にあるヘッドと、を含み、前記ヘッドは、
(i)患者の眼の前部領域において前記患者の眼の外面に係合するように構成された遠位面であって、前記遠位面は、長手方向軸を画定する、遠位面と、
(ii)前記長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って前記遠位面から遠位に延びるように構成された針であって、前記針は、前記患者の眼の強膜層を通って延び、それによって前記針の遠位先端部の少なくとも一部を前記患者の眼の前部領域における前記患者の眼の脈絡膜上腔に位置付けるのに十分な長さを有し、前記針は、前記流体リザーバと流体連通し、前記針は、前記流体リザーバから前記患者の眼の前記脈絡膜上腔内に流体を送達するように動作可能である、針と、を含む、装置。
【請求項104】
割り出し特徴部をさらに含み、前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の目印を補完し、それによって前記患者の眼の前記目印に関連する所定の場所に前記針を位置付けるように構成されている、請求項103に記載の装置。
【請求項105】
前記遠位面は、コーナーによって接合された3つの遠位エッジを有する、請求項104に記載の装置。
【請求項106】
前記遠位エッジの少なくとも1つは、凹状曲率を有する、請求項105に記載の装置。
【請求項107】
前記割り出し特徴部は、前記遠位エッジの少なくとも1つによって形成されている、請求項105~106のいずれか一項に記載の装置。
【請求項108】
前記割り出し特徴部は、前記遠位面の遠位エッジを含む、請求項104~107のいずれか一項に記載の装置。
【請求項109】
前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の角膜縁を補完するように構成されている、請求項104~108のいずれか一項に記載の装置。
【請求項110】
前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の前記角膜縁の曲率を補完するように構成された曲率を有する、請求項109に記載の装置。
【請求項111】
前記出口軸は、前記長手方向軸と出口角度を定めるように構成され、前記出口角度は、約30°~約0°の範囲である、請求項103~110のいずれか一項に記載の装置。
【請求項112】
前記本体とスライド可能に結合されたプランジャをさらに含み、前記プランジャは前記流体リザーバから前記針を通して外に流体を駆動するように動作可能である、請求項103~111のいずれか一項に記載の装置。
【請求項113】
前記遠位面は、コーナーによって接合された3つの遠位エッジを有する、請求項103~112のいずれか一項に記載の装置。
【請求項114】
前記遠位エッジの少なくとも1つは、凹状曲率を有する、請求項113に記載の装置。
【請求項115】
前記コーナーは、丸みを帯びている、請求項113~114のいずれか一項に記載の装置。
【請求項116】
前記針は、前記遠位面に対して長手方向に固定されている、請求項103~115のいずれか一項に記載の装置。
【請求項117】
前記針は、曲線に沿って延びる、請求項103~116のいずれか一項に記載の装置。
【請求項118】
前記針は、ベベル遠位先端部を有し、前記ベベル遠位先端部は、ベベル角度を定める、請求項103~117のいずれか一項に記載の装置。
【請求項119】
前記ベベル角度は、前記針が前記患者の眼に挿入されるときに前記患者の眼の層の境界と平行になるように構成されている、請求項118に記載の装置。
【請求項120】
前記針は、前記遠位面に対して並進運動するように動作可能である、請求項103~119のいずれか一項に記載の装置。
【請求項121】
前記針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、前記近位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、前記遠位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、請求項120に記載の装置。
【請求項122】
アクチュエータをさらに含み、前記アクチュエータは、前記遠位面に対する前記針の並進運動を駆動するように動作可能である、請求項120~121のいずれか一項に記載の装置。
【請求項123】
前記アクチュエータは、スライダを含む、請求項122に記載の装置。
【請求項124】
前記アクチュエータは、前記ヘッド上に位置付けられている、請求項122~123のいずれか一項に記載の装置。
【請求項125】
歪みセンサをさらに含み、前記歪みセンサは、前記針が前記患者の眼を貫通するときに前記針が遭遇する歪みを感知するように動作可能である、請求項103~124のいずれか一項に記載の装置。
【請求項126】
応答モジュールをさらに含み、前記応答モジュールは、前記歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように動作可能である、請求項125に記載の装置。
【請求項127】
前記応答モジュールは、前記針の遠位先端部が前記患者の眼の脈絡膜上腔に到達したことを示す前記歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように構成されている、請求項126に記載の装置。
【請求項128】
前記応答モジュールは、触覚、視覚、または可聴フィードバックのうちの1つ以上を含む応答をオペレータに提供するように構成されている、請求項126~127のいずれか一項に記載の装置。
【請求項129】
前記応答モジュールは、前記流体リザーバから前記針への流体連通を選択的に許可することを含む応答を提供するように構成されている、請求項126~128のいずれか一項に記載の装置。
【請求項130】
前記流体リザーバと前記針との間に介在する弁をさらに含み、前記応答モジュールは、前記弁を選択的に開放するように構成されている、請求項129に記載の装置。
【請求項131】
前記流体リザーバから前記針に流体を駆動するように動作可能なポンプをさらに含み、前記応答モジュールは前記ポンプを起動するように構成されている、請求項129~130のいずれか一項に記載の装置。
【請求項132】
前記ヘッドは、前記針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、前記通路の遠位部分は曲線を画定し、前記針は、前記通路の前記遠位部分の前記曲線に沿って延びる、請求項103~131のいずれか一項に記載の装置。
【請求項133】
前記ヘッドは、長手方向軸をさらに画定し、前記通路の前記遠位部分の前記曲線は、前記ヘッドの前記長手方向軸に対して斜めに方向付けられた前記出口軸に沿って前記針の遠位部分を方向付ける、請求項132に記載の装置。
【請求項134】
前記針は、曲線に沿って延びるように弾性的に付勢された遠位部分を含む、請求項103~133のいずれか一項に記載の装置。
【請求項135】
前記針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、前記近位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、前記遠位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、請求項134に記載の装置。
【請求項136】
前記ヘッドは、前記針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、前記針は、前記遠位位置と前記近位位置との間で前記通路に沿って並進運動するように構成されている、請求項135に記載の装置。
【請求項137】
前記通路は、直線状構成を有し、前記通路は、前記針が前記近位位置にあるときに、前記針の前記遠位部分を直線状構成に変形させるように構成されている、請求項136に記載の装置。
【請求項138】
前記針の前記遠位部分の弾性的な付勢は、前記近位位置から前記遠位位置への前記針の移動の間に前記遠位部分が前記遠位面に対して露出されると、曲線に沿って前記針の前記遠位部分を押すように構成されている、請求項137に記載の装置。
【請求項139】
調整部材をさらに含み、前記ヘッドは長手方向軸を画定し、前記調整部材は、前記長手方向軸に対して針出口軸を調整し、それによって前記長手方向軸と前記針出口軸との間に定められる斜めの針出口角度を調整するように動作可能である、請求項103~138のいずれか一項に記載の装置。
【請求項140】
前記調整部材は、前記ヘッドに一体化されている、請求項139に記載の装置。
【請求項141】
前記調整部材は、ホイールを含み、前記ホイールは、前記針出口角度を調整するために回転可能である、請求項139~140のいずれか一項に記載の装置。
【請求項142】
前記調整部材は、回転軸を画定する車軸をさらに含み、前記ホイールは、前記回転軸を中心に回転可能である、請求項141に記載の装置。
【請求項143】
前記ホイールは針通路を画定し、前記針は前記針通路に沿って延びる、請求項142に記載の装置。
【請求項144】
前記針通路は、前記回転軸が前記針通路を通過するように位置付けられている、請求項143に記載の装置。
【請求項145】
前記調整部材は印を含み、前記印は、前記針出口角度を示す視覚フィードバックを提供するように構成されている、請求項139~144のいずれか一項に記載の装置。
【請求項146】
電極と、処理モジュールと、をさらに含み、前記電極は、組織に接触するように構成され、前記処理モジュールは、前記電極からの信号に基づいて前記患者の眼内の前記針の位置を検出するように構成されている、請求項103~145のいずれか一項に記載の装置。
【請求項147】
前記処理モジュールは、前記電極によって拾われた電位に基づいて、前記患者の眼内の前記針の位置を検出するように構成されている、請求項146に記載の装置。
【請求項148】
前記電極は、前記ヘッド上の少なくとも1つの電極を含み、前記ヘッド上の前記少なくとも1つの電極は、第1の極性で動作するように構成されている、請求項146~147のいずれか一項に記載の装置。
【請求項149】
前記針は、前記電極のうちの別の1つを形成し、前記針は、第2の極性で動作するように構成されている、請求項148に記載の装置。
【請求項150】
前記ヘッドは、少なくとも1つの遠位突出部をさらに含み、前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針から横方向にオフセットされており、前記遠位面は、前記遠位突出部および前記遠位面がギャップを画定するよう構成されるように、前記遠位突出部から近位にオフセットされており、前記針は前記ギャップを通って延びるように構成されている、請求項103~149のいずれか一項に記載の装置。
【請求項151】
前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針の周りに角度的に離間した配列で位置付けられた複数の遠位突出部を含む、請求項150に記載の装置。
【請求項152】
前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針の周りの周辺部全体に連続的に広がる遠位突出部を含む、請求項150~151のいずれか一項に記載の装置。
【請求項153】
前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針が前記眼を貫通する場所から横方向に離間した1つ以上の対応する位置で前記眼に係合するように構成され、前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針が前記眼を貫通する前記場所において前記眼の強膜層の張力を維持するように構成されている、請求項150~152のいずれか一項に記載の装置。
【請求項154】
前記遠位面は、前記遠位面が前記患者の眼の曲率を補完するように構成されるように、三次元凹状曲率を有する、請求項103~153のいずれか一項に記載の装置。
【請求項155】
装置であって、
(a)シャフトであって、
(i)近位端部、
(ii)遠位端部、および、
(iii)流体経路、を有する、シャフトと、
(b)前記シャフトの前記遠位端部にあるヘッドと、を含み、前記ヘッドは、
(i)患者の眼の前部領域において前記患者の眼の外面に係合するように構成された遠位面であって、前記遠位面は、前記患者の眼の曲率を補完するように曲線を描いた凹状曲率を有する、遠位面と、
(ii)前記遠位面から遠位に延びるように構成された針であって、前記針は、前記遠位面が前記患者の眼に対して着座されている間に、前記患者の眼の強膜層を通って延び、それによって、前記針の遠位先端部の少なくとも一部を前記患者の眼の前部領域における前記患者の眼の脈絡膜上腔に位置付けるのに十分な長さを有し、前記針は、前記流体経路と流体連通しており、前記針は、前記流体経路から前記患者の眼の前記脈絡膜上腔内に流体を送達するように動作可能である、針と、を含む、装置。
【請求項156】
前記ヘッドは、割り出し特徴部をさらに含み、前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の目印を補完し、それによって前記患者の眼の前記目印に関連する所定の場所に前記針を位置付けるように構成されている、請求項155に記載の装置。
【請求項157】
前記遠位面はエッジを有し、前記エッジは前記割り出し特徴部を画定する、請求項156に記載の装置。
【請求項158】
前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の角膜縁を補完するように構成されている、請求項156~157のいずれか一項に記載の装置。
【請求項159】
前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の前記角膜縁の曲率を補完するように構成された曲率を有する、請求項158に記載の装置。
【請求項160】
前記針は、前記遠位面に対して長手方向に固定されている、請求項155~159のいずれか一項に記載の装置。
【請求項161】
前記遠位面は、三次元凹状曲率を有する、請求項155~160のいずれか一項に記載の装置。
【請求項162】
前記シャフトは長手方向軸を画定し、前記遠位面は、前記長手方向軸に対して横断方向に方向付けられている、請求項155~161のいずれか一項に記載の装置。
【請求項163】
前記シャフトは長手方向軸を画定し、前記針は、前記シャフトの前記長手方向軸と平行である出口軸に沿って延びる、請求項155~162のいずれか一項に記載の装置。
【請求項164】
前記針は、直線状構成を有する、請求項155~163のいずれか一項に記載の装置。
【請求項165】
前記針は、ベベル遠位先端部を有し、前記ベベル遠位先端部は、ベベル角度を定める、請求項155~164のいずれか一項に記載の装置。
【請求項166】
前記ベベル角度は、前記針が前記患者の眼に挿入されるときに前記患者の眼の層の境界と平行になるように構成されている、請求項165に記載の装置。
【請求項167】
前記流体経路は、可撓性導管を含む、請求項155~166のいずれか一項に記載の装置。
【請求項168】
前記可撓性導管と結合されたシリンジをさらに含む、請求項167に記載の装置。
【請求項169】
前記シリンジは、前記可撓性導管を介して前記シャフトから離間している、請求項168に記載の装置。
【請求項170】
前記シャフトは、横方向に向いた案内特徴部をさらに含み、前記横方向に向いた案内特徴部は、前記患者の眼の目印を補完し、それによって前記患者の眼に関連する所定の向きに前記針を位置付けるように構成されている、請求項155~169のいずれか一項に記載の装置。
【請求項171】
前記横方向に向いた案内特徴部は、前記患者の眼の前記目印の曲率を補完するように構成された凹面を含む、請求項170に記載の装置。
【請求項172】
前記目印は、前記患者の眼の角膜縁を含む、請求項171に記載の装置。
【請求項173】
前記シャフトは、マーキングアセンブリをさらに含み、前記マーキングアセンブリは、前記患者の眼の目印に関連する針入口点をマーキングするように構成されている、請求項155~172のいずれか一項に記載の装置。
【請求項174】
前記マーキングアセンブリは、前記シャフトの前記近位端部に位置付けられている、請求項173に記載の装置。
【請求項175】
前記マーキングアセンブリは、所定の距離だけ互いから固定的に離間した2つの突起を含む、請求項173~174のいずれか一項に記載の装置。
【請求項176】
前記2つの突起のうちの各突起は、非外傷性構成を有する、請求項175に記載の装置。
【請求項177】
前記マーキングアセンブリは、前記患者の眼の角膜縁に関連する針入口点をマーキングするように構成されている、請求項173~176のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ヒトの眼は、いくつかの層を含む。外側の白い層は強膜で、脈絡膜層を取り囲んでいる。強膜と脈絡膜層との間の領域は、脈絡膜上腔と呼ばれ得るが、強膜と脈絡膜層は互いに直接並んでいることもある。網膜は、脈絡膜層の内部にある。強膜は、コラーゲンおよび弾性線維を含み、脈絡膜および網膜に保護をもたらす。脈絡膜層は、網膜に酸素および栄養を供給する脈管構造を含む。網膜は、桿体および錐体を含む感光性組織を含む。脈絡膜と網膜との間の領域は、網膜下腔と呼ばれ得るが、脈絡膜と網膜は互いに直接並んでいることもある。硝子体液は、網膜の内部の、眼の最も大きな内部領域(すなわち、硝子体腔)に含まれるゲル状の組織である。
【0002】
いくつかのシナリオでは、1つ以上の眼の状態を治療するために、患者の眼に治療薬を投薬することが望ましい場合がある。そのような眼の状態には、ほんの一例として、黄斑変性症、網膜色素変性症、糖尿病性網膜症、および/または他の眼の状態が含まれ得る。投薬される治療薬は、小分子、大分子、細胞、および/または遺伝子療法等を含むがこれらに限定されない様々な種類の薬剤を含み得る。開示内容が参照により全体として本明細書に組み込まれる、2019年3月12日発行の、名称を「Method and Apparatus for Subretinal Administration of Therapeutic Agent」とする、米国特許第10,226,379号に記載されているように、治療薬は、網膜下腔(すなわち、脈絡膜と網膜との間の間質領域)に投与され得る。あるいは、治療薬は、眼の脈絡膜上腔(すなわち、強膜と脈絡膜との間の間質領域)または硝子体領域に投与されてもよい。
【0003】
眼を治療するために様々な手術方法および器具が作られ使用されているが、本発明者ら以前に、添付の特許請求の範囲に記載された発明を行うかまたは使用した者はいないと思われる。
【0004】
本明細書は、このテクノロジーを具体的に指摘し明確に主張する特許請求の範囲で締めくくられるが、このテクノロジーは、添付の図面に関連して理解される特定の実施例の以下の説明からよりよく理解されると考えられる。添付の図面では、同様の参照符号は、同じ要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】治療薬を脈絡膜上腔に送達するための器具の一実施例の斜視図を描く。
【
図5】
図4の5-5に沿った、
図2のヘッドの側面断面図を描く。
【
図6】
図2のヘッドを患者の眼の概略表現と係合させた、
図1の器具の側面図を描く。
【
図7】患者の眼の概略表現と係合した
図2のヘッドの側面断面図を描く。
【
図8A】
図1の器具に組み込まれ得るヘッドの別の実施例の側面断面図を描き、ヘッドは患者の眼の概略表現と係合しており、針は後退位置にある。
【
図8B】患者の眼の概略表現に係合する
図8Aのヘッドの側面断面図を描き、針は前進位置にある。
【
図9A】
図1の器具に組み込まれ得るヘッドの別の実施例の側面断面図を描き、ヘッドは患者の眼の概略表現に係合しており、針は後退位置にある。
【
図9B】患者の眼の概略表現に係合する
図9Aのヘッドの側面断面図を描き、針は前進位置にある。
【
図10】
図1の器具に組み込まれ得るヘッドの別の実施例の側面図を描き、針がヘッドから遠位に突出している。
【
図11】患者の眼の概略表現内に配置された
図10の針の側面図を描き、針がいくつかの代替的な使用位置にある。
【
図12】
図1の器具に組み込まれ得るヘッドの別の実施例の概略図を描く。
【
図13】
図12のヘッドの使用例と関連付けられた針の深さの関数としての電圧のプロットを描く。
【
図14】
図1の器具に組み込まれ得るヘッドの別の実施例の側面図を描き、ヘッドの針が患者の眼の層内に配置されている。
【
図15】
図1の器具に組み込まれ得るヘッドの別の実施例の側面図を描き、ヘッドの針が患者の眼の層内に配置されている。
【
図16】治療薬を脈絡膜上腔に送達するための器具の別の実施例の斜視図を描く。
【
図17】患者の眼の概略表現と係合した
図16の器具のヘッドの側面断面図を描く。
【
図18A】
図16の器具が治療薬を脈絡膜上腔に送達するのに使用される処置の第1段階の概略図を描く。
【
図18B】
図16の器具が治療薬を脈絡膜上腔に送達するのに使用される処置の第2段階の概略図を描く。
【
図18C】
図16の器具が治療薬を脈絡膜上腔に送達するのに使用される処置の第3段階の概略図を描く。
【
図19】患者の眼の概略表現と係合した
図16の器具のヘッドの側面断面図を描き、針は薄い強膜層に配置されている。
【
図20】患者の眼の概略表現と係合した
図16の器具のヘッドの側面断面図を描き、針は厚い強膜層に配置されている。
【0006】
図面は、いかなる方法によっても限定することを意図したものではなく、このテクノロジーの様々な実施形態は、図面に必ずしも描かれていないものを含めて、様々な他の方法で実施され得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本テクノロジーのいくつかの態様を図示し、説明と共に、テクノロジーの原理を説明する役割を果たす。しかしながら、このテクノロジーは、示された正確な構造に限定されないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本テクノロジーの特定の実施例に関する以下の説明は、その範囲を限定するために使用すべきではない。本テクノロジーの他の実施例、特徴、態様、実施形態、および利点は、実例として本テクノロジーを実施するために企図される最良の態様の1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本明細書に記載されるテクノロジーは、本テクノロジーから逸脱することなく、他の異なる明白な態様が可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示的なものであり、限定的なものではないとみなされるべきである。
【0008】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などのうちの任意の1つ以上は、本明細書に記載される、その他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちの任意の1つ以上と組み合わせられ得ることが、さらに理解される。したがって、以下に記載する教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して分離して見るべきではない。本明細書の教示が組み合わせられ得る様々な適切な方法は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には容易に明らかであろう。そのような改変および変形は、特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【0009】
開示を明確にするために、用語「近位」および「遠位」は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科用器具を把持する外科医または他のオペレータに関して本明細書で定義される。用語「近位」は、外科医または他のオペレータにより近い要素の位置を指し、用語「遠位」は、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、外科医または他のオペレータからさらに離れた要素の位置を指す。
【0010】
I.治療薬の脈絡膜上投与
上述のように、患者の眼に治療薬を投与することが望ましいシナリオが存在し得る。ほんの一例として、これは、黄斑変性、網膜色素変性症、糖尿病性網膜症、他の網膜疾患、および/または他の眼の状態などの、1つ以上の眼の状態を治療するために行われ得る。投薬される治療薬は、小分子、大分子、細胞、および/または遺伝子療法などを含むがこれらに限定されない様々な種類の薬剤を含み得る。
【0011】
治療薬を患者の眼に投薬する際のもう1つの変数は、治療薬を送達する、眼の中の正確な場所である。適切な場所を決定する際に、眼に針を挿入する場所(例えば、眼の角膜縁と赤道との間のどこか)を特定することが必要な場合がある。針の挿入部位は、送達の効果に影響を与え、また、針が眼内部の様々な構造に与える外傷のリスクにも影響を与える可能性があるからである。治療薬を眼に送達するための適切な場所を決定する上での別の潜在的に重要な要因は、眼への針の挿入の深さを含み得る。例えば、針が治療薬を脈絡膜上腔、網膜下腔、硝子体領域、または眼の他の場所に送達するように、針を挿入することが望ましい場合がある。この送達場所および対応する針挿入深さも、送達の効果、および針が眼内部の様々な構造に与える外傷のリスクに影響を及ぼす可能性がある。
【0012】
眼内部の解剖学的構造の比較的小さなサイズ、眼の中の層の薄さ、および器具が所望の送達場所に到達することに対する処置上の敏感さを考えると、眼の中の適切な場所への治療薬の確実な送達を一貫して促進するように構成された送達器具を提供することが望ましくなり得る。言い換えれば、別の状況では従来のシリンジなどの従来の送達器具を使用して治療薬を送達しようとする可能性のあるオペレータの専門的技術および技法に対してあまり敏感でない送達器具を提供することが望ましくなり得る。以下の説明は、一貫性および信頼性をもって患者の眼内の正確な標的場所に治療薬を送達するために用いられ得る送達器具のいくつかの実施例を提供し、別の状況では従来の送達器具で標的場所に確実に到達するために必要とされ得るオペレータの技量の量を減少させるものである。以下に説明する実施例は、眼の角膜縁と赤道との間の特定の領域、および眼の脈絡膜上腔への送達を提供するが、器具は、眼の任意の他の適切な場所での送達を提供するように変更することができる。
【0013】
A.定位置の針および一体的なプランジャを備える器具の実施例
図1~
図7は、患者の眼内の標的場所に治療薬を送達するために使用され得る器具(10)の一実施例を描く。この実施例の器具(10)は、本体(30)に対してスライド可能に配置されるプランジャ(20)を含む。プランジャ(20)は、シャフト(22)を含む。ピストン(24)が、シャフト(22)の遠位端部に位置し、プランジャ(26)が、シャフト(22)の近位端部に位置する。本体(30)は、中空内部領域(34)を画定するバレル(32)と、握り(hilt)(36)と、を含む。ピストン(24)は、中空内部領域(34)にスライド可能に位置付けられ、液体は、ピストン(24)より遠位にある内部領域(34)の部分に収容され得、また、液体は、バレル(32)に対するピストン(24)の遠位前進によって内部領域(34)から分配され得る。このように、プランジャ(20)および本体(30)はシリンジのように操作され得、ピストン(24)および中空内部領域(34)が協働して流体リザーバを画定している。
【0014】
本実施例の器具(10)は、バレル(32)の遠位端部にあるヘッド(100)をさらに含む。いくつかのバージョンでは、ヘッド(100)は、バレル(32)と一体的に形成され得る。いくつかの他のバージョンでは、ヘッド(100)は、従来のルアーフィットを介して、何らかの他の種類のねじ山付き取付け部品を介して、スナップ嵌めを介して、または本明細書の教示に照らして当業者に明らかになるであろう任意の他の適切な方法で、バレル(32)に固定され得る。
図2~
図5で最もよく分かるように、本実施例のヘッド(100)は、3つのコーナー(130、132、134)と共に3つの遠位エッジ(120、122、124)によって境界付けられている遠位面(110)を有する本体(102)を含む。各遠位エッジ(120、122、124)は、長手方向寸法に沿って、および横方向寸法に沿って凹状である曲率を有する。この文脈において、用語「長手方向寸法」は、本体(30)の中央長手方向軸が延びる寸法を指し、一方「横方向寸法」は、本体(30)の中央長手方向軸に垂直である寸法を指す。遠位面(110)もまた、長手方向寸法および横方向寸法に沿って凹状曲率を有する。以下でさらに詳細に説明するように、上部遠位エッジ(120)の曲率は、患者の眼(E)の角膜縁(L)の曲率を補完するように構成され;一方、遠位面(110)の曲率は、患者の眼(E)の外面の曲率を補完するように構成される。
【0015】
図4で最もよく分かるように、コーナー(130、132、134)は、コーナー(130、132、134)が非外傷性であるように、概して丸みを帯びている。したがって、遠位面(110)が、以下でさらに詳細に説明するように患者の眼(E)に対して押し付けられたとき、コーナー(130、132、134)は患者の眼(E)に外傷を与えることはない。
【0016】
針(190)が、この実施例では、遠位面(110)から遠位に突出している。
図5で最もよく分かるように、針(190)は、ヘッド(100)内に形成された内部通路(140)内に配置される。針(190)の鋭利な遠位先端部(192)は、遠位面(110)に対して遠位に突出している。遠位先端部(192)の鋭利さは、本実施例ではベベルによって提供される。ほんの一例として、遠位先端部のベベルの角度は、約5°~約45°の範囲であってよく;または約15°であってよい。いくつかのバージョンでは、遠位先端部(192)のこのベベル角度は、針(190)の長手方向軸に対する眼(E)の組織(S、Ch、R)の層の角度を補完することができ、遠位先端部(192)は、針(190)が眼(E)に挿入されたときにそれらの層の境界と平行のままである。そのようなベベル角度は、脈絡膜(Ch)への遠位先端部(192)の侵入を防止または最小化することができる。いくつかの他のバージョンでは、遠位先端部(192)のベベル角度は、遠位先端部(192)が眼(E)の中の組織(S、Ch、R)の層の境界に対して斜めに方向付けられるように選択され得る。このようなベベル角度は、遠位先端部(192)の一部が強膜(S)内に残り、かつ/または遠位先端部(192)の一部が脈絡膜上腔(SCS)を飛び越えて脈絡膜(Ch)内に配置される場合に、治療薬が脈絡膜上腔(SCS)に達する可能性を増大させ得る。
【0017】
針(190)の近位端部(196)は、通路(140)内に位置付けられ、通路(140)の近位部分(144)は、針(190)の近位端部(196)からバレル(32)の中空内部領域(34)まで近位に延びる。針(190)の内腔(194)が、通路(140)の近位部分(144)と流体連通しており、バレル(32)の中空内部領域(34)内に収容された流体(例えば、治療薬を含む)が、針(190)の遠位先端部(192)を通って排出され得る。本実施例では、針(190)は、通路(140)内部にしっかりと固定され、針(190)は、通路(140)内部で長手方向に並進運動しない。実施例が以下でさらに詳細に説明される、いくつかの他のバージョンでは、針(190)は、(例えば、オペレータ入力に応答して)通路(140)内部で長手方向に並進運動するように動作可能である。
【0018】
本実施例では、通路(140)の近位部分(144)は直線状であり、通路(140)の近位部分(144)は、ヘッド(100)の長手方向軸(LA)に沿って延びる(
図7)。本実施例では、ヘッド(100)の長手方向軸(LA)は、本体(30)の長手方向軸と同軸に整列している。通路(140)の遠位部分(142)は、曲線に沿って延びている。針(190)が通路(140)の遠位部分(142)内に配置されている状態で、遠位部分(142)のこの曲線は、対応する曲線を針(190)に付与する。
図7に示されるように、そして以下でさらに詳細に説明されるように、遠位部分(142)および針(190)のこの曲線は、長手方向軸(LA)に対して斜めに方向付けられる針(190)の出口軸(EA)を提供する。この文脈では、出口軸(EA)は、遠位先端部(192)が方向付けられる軸である。針(190)の出口軸(EA)と長手方向軸(LA)との間に定められる角度(Θ)は、出口角度と呼ばれ得る。ほんの一例として、出口角度(Θ)は、約50°~約89°の範囲であってよく;または、約85°であってもよい。出口角度(Θ)は本実施例では一定であるが、他のバージョンは、以下でさらに詳細に説明されるように、オペレータが出口角度(Θ)を選択的に変化させることを可能にし得る。いくつかのシナリオでは、遠位面(110)が眼(E)に完全に着座しているとき、長手方向軸(LA)は眼(E)の中心を通過している。
【0019】
図6~
図7は、使用中の器具(10)の一実施例を示す。
図6に示すように、器具(10)は、遠位面(110)が患者の眼(E)の外側表面(すなわち、結膜)に当接するように位置付けられる。オペレータは、上部遠位エッジ(120)が患者の眼(E)の角膜縁(L)の外側の曲率に沿って位置付けられ、下部コーナー(134)が患者の眼(E)の赤道(Eq)に向かって方向付けられるように、ヘッド(100)を位置付け、方向付ける。角膜縁(L)から割り出しすること(indexing)によって、上部遠位エッジ(120)は、針(190)が確実に一貫して角膜縁(L)と赤道(Eq)との間の適切な場所で眼(E)に入ることを保証するために使用され得る。言い換えれば、上部遠位エッジ(120)がガイドとして機能することにより、オペレータは、角膜縁(L)に対する適切な針(190)挿入場所を特定し、マーキングするために、ノギスまたは他の器具類を利用する必要がない。上部遠位エッジ(120)が角膜縁(L)に沿って割り出しされた状態で、オペレータは、遠位面(110)が眼(E)に対して完全に着座するまで、ヘッド(100)を眼(E)に押し付けることができる。
【0020】
図7に示すように、遠位面(110)が眼(E)に対して完全に着座すると、針(190)は眼(E)の強膜(S)を貫通し、遠位先端部(192)の少なくとも一部は、脈絡膜上腔(SCS)内に位置付けられる。遠位先端部(192)の少なくとも一部が脈絡膜上腔(SCS)に位置付けられた状態で、オペレータは、プランジャ(20)を本体(30)に対して遠位に作動させて、それによって、バレル(32)の中空内部領域(34)に収容された治療薬を、針(190)を介して脈絡膜上腔(SCS)内に排出させることができる。
【0021】
いくつかのバージョンでは、遠位先端部(192)の少なくとも一部は、遠位面(110)が眼(E)に対して完全に着座したときに、脈絡膜(Ch)に到達する(例えば、必ずしも脈絡膜(Ch)を刺すことなく脈絡膜(Ch)に接触する)。そのようなシナリオでは、バレル(32)の中空内部領域(34)に収容された治療薬は、それにもかかわらず、オペレータがプランジャ(20)を本体(30)に対して遠位に作動させたときに脈絡膜上腔(SCS)に到達し得る。遠位先端部(192)のベベル角度は、流体が排出されるときに遠位先端部(192)の一部が脈絡膜(Ch)と接触していても、針(190)から排出される流体を脈絡膜上腔(SCS)内へ導くことを支援することができる。さらに、ヘッド(100)の通路(140)の遠位部分(142)によって提供されるような針(190)の出口角度(Θ)も、遠位面(110)が眼(E)に対して完全に着座されたときに遠位先端部(192)が脈絡膜上腔(SCS)に到達するのを促進するように構成される。遠位面(110)に対して露出する針(190)の部分の長さも、遠位面(110)が眼(E)に対して完全に着座したときに、脈絡膜上腔(SCS)内への遠位先端部(192)の位置付けを提供する。したがって、脈絡膜上腔(SCS)への治療薬の送達の成功は、遠位先端部(192)のベベル角度、針(190)の出口角度(Θ)、および遠位面(110)に対して露出する針(190)の部分の長さの組み合わせの影響を受ける。
【0022】
本実施例では、遠位先端部(192)は網膜(R)を貫通することはなく、硝子体腔(V)には到達しない。したがって、遠位先端部(192)は、脈絡膜(Ch)よりも遠くに貫通することはない。いくつかの他の変形例では、遠位先端部(192)の少なくとも一部は、網膜(R)を貫通する。さらに、遠位先端部(192)は、いくつかの変形例において、硝子体腔(V)に到達することができる。
【0023】
上述の処置では、流体は、眼(E)の前部領域に送達される。いくつかのシナリオでは、流体が眼(E)の前部領域に送達された後、流体の少なくとも一部(例えば、治療薬を含む)は、最終的に眼(E)の後部領域に向かって脈絡膜上腔(SCS)を通って分散し得る。これは、眼(E)の後部領域に関連する眼の状態(例えば、黄斑変性など)を治療する際に有益であり得る。
【0024】
プランジャ(20)は、中空内部領域(34)から針(190)を通して外に流体を駆動するために利用されるものとして本明細書に記載されているが、任意の他の適切な種類の流体駆動特徴部が、そのような目的を果たすためにプランジャ(20)に加えて、またはそれに代わって使用されてもよい。
【0025】
B.並進運動する針およびセンサを備えた器具の実施例
ある場合には、遠位面(110)が眼(E)に対して完全に着座した後にのみ針(190)が強膜(S)を通って遠位に前進されるように、遠位面(110)が眼(E)に対して完全に着座するまで針(190)がヘッド(100)内に収容される、器具(10)の変形例を提供することが望ましいかもしれない。そのために、
図8A~
図8Bは、ヘッド(100)の代わりとして器具(10)に一体化され得るヘッド(200)の代替的な実施例を描いている。この実施例のヘッド(200)は、以下に説明する相違点を除いて、ヘッド(100)と同様に構成され、動作可能であってよい。この実施例のヘッド(200)は、遠位面(110)と同様に構成された遠位面(210)と;バレル(32)の内部領域(34)から遠位面(210)まで延びる通路(240)と、を含む。本実施例のヘッド(200)はまた、鋭利な遠位先端部(292)を有する針(290)を含む。
【0026】
ヘッド(100)の針(190)とは異なり、ヘッド(200)の針(290)は、通路(240)に対して長手方向に並進運動するように構成される。そのような並進運動を提供するために、針(290)は、アクチュエータ(250)と結合される。ほんの一例として、アクチュエータ(250)は、スライダ、ダイヤル、ノブ、レバー、または本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかであるような任意の他の適切な種類のアクチュエータを含むことができる。アクチュエータ(250)は、ヘッド(200)に一体化されているものとして示されているが、アクチュエータ(250)は代わりに、本体(30)などを含むがこれに限定されない任意の他の適切な場所に位置付けられてもよい。アクチュエータ(250)の場所にかかわらず、アクチュエータ(250)は、本明細書の教示を鑑みれば当業者に明らかであるような任意の適切な方法で針(250)と結合され得る。
【0027】
アクチュエータ(250)が
図8Aに示されるように予め作動された状態にあるとき、針(290)の遠位先端部(292)は、遠位面(210)に関して近位に位置付けられる。ヘッド(200)内への針(290)のこの後退は、遠位先端部(292)を不注意な損傷から保護するのを助けることができ;別の状況では遠位先端部(292)によってもたらされ得る不注意な外傷からオペレータおよび患者を保護し得る。ヘッド(200)は、
図8Aに示されるように、遠位面(210)が眼(E)に対して完全に着座する時点まで、この状態のままであってよい。遠位面(210)が眼(E)に対して完全に着座すると、オペレータは、
図8Bに示されるような作動状態に達するようにアクチュエータ(250)を操作し得る。この作動状態において、針(290)は、強膜(S)を貫通しており、遠位先端部(292)は、脈絡膜上腔(SCS)内に位置付けられる。遠位先端部(292)が脈絡膜上腔(SCS)に位置付けられた状態で、オペレータは、プランジャ(20)を本体(30)に対して遠位に作動させ、それによって、バレル(32)の中空内部領域(34)に収容された治療薬を、上述のように針(290)を介して脈絡膜上腔(SCS)内へ排出させることができる。
【0028】
図8Aに示す状態から
図8Bに示す状態への移行の間、通路(242)の湾曲遠位部分(242)は、やはり前述したように、所望の出口角度(Θ)を達成するために針(290)を案内することができる。所望の出口角度(Θ)を達成するために針(290)を案内する通路(242)の湾曲遠位部分(242)に加えて、または所望の出口角度(Θ)を達成するために針(290)を案内する通路(242)の湾曲遠位部分(242)の代案として、針(290)は、針(290)の遠位部分が作動状態において遠位面(210)に対して露出されたときに針(290)が所望の出口角度(Θ)を達成するのを補助する、弾性のある予め形成された曲がりを含むことができる。
【0029】
ヘッド(100)の針(190)と同様に、ヘッド(200)の針(290)を介した脈絡膜上腔(SCS)への治療薬の送達の成功は、遠位先端部(292)のベベル角度、針(290)の出口角度(Θ)、および遠位面(210)に対して露出する針(290)の部分の長さの組み合わせの影響を受ける。いくつかのバージョンでは、アクチュエータ(250)は、遠位先端部(292)が網膜(R)を貫通することおよび/または硝子体腔(V)に到達することをアクチュエータ(250)が防ぐであろう地点で、針(290)の遠位前進を阻止するように構成される。アクチュエータ(250)が手動で操作されるいくつかのバージョンでは、アクチュエータ(250)は、遠位先端部(292)が脈絡膜上腔(SCS)に到達したときにオペレータが感じることを可能にする触覚フィードバックをオペレータに提供し、オペレータは、遠位先端部(292)が脈絡膜上腔(SCS)に到達したことを(アクチュエータ(250)を介して)感じたらアクチュエータ(250)の作動を阻止することができる。例えば、遠位先端部(292)が強膜(S)を横断するとき、オペレータは、強膜(S)の比較的丈夫な組織からの相当な抵抗を感じるかもしれないが、その後、遠位先端部(292)が強膜(S)を完全に貫通して脈絡膜上腔(SCS)に到達すると抵抗が突然減少する。いくつかのバージョンでは、遠位先端部(292)が強膜(S)を横断し、最終的に脈絡膜上腔(SCS)に到達するときに、アクチュエータ(250)を通じて感じられる触覚フィードバックを増幅する機構を提供することができる。そのような触覚フィードバック増幅機構は、本明細書の教示に鑑みて当業者に明らかになるように、1つ以上の歯車および/または他の構成要素を含むことができる。
【0030】
アクチュエータ(250)を通じて触覚フィードバックを提供することに加えて、またはその代案として、ヘッド(200)を有する器具(10)のバージョンは、眼(E)内の針(290)の深さ位置を感知し、それによって遠位先端部(292)がいつ脈絡膜上腔(SCS)に到達したかを決定するように動作可能である、1つ以上の構成要素を含むことができる。そのために、
図8A~
図8Bに示す実施例では、歪みセンサ(260)が針(290)と通信している。歪みセンサ(260)は、針が
図8Aに示す位置から
図8Bに示す位置まで遠位に前進すると、針(290)上の歪みを感知するように動作可能である。したがって、遠位先端部(292)が脈絡膜上腔(292)に到達すると、針(290)の歪みが突然低下するので、歪みセンサ(260)は、遠位先端部(292)がいつ脈絡膜上腔(SCS)に到達したかを示す信号を生成するように動作可能である。歪みセンサ(260)が取り得る様々な好適な形態は、本明細書の教示を考慮すると、当業者には明らかであろう。
【0031】
本実施例では、歪みセンサ(260)は、処理モジュール(262)と通信しており、この処理モジュールは、応答モジュール(264)とも通信している。処理モジュール(262)は、歪みセンサ(260)からの信号を処理し、歪みセンサ(260)からの信号に基づいて応答モジュール(264)を駆動するように動作可能である。ほんの一例として、処理モジュール(262)は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または本明細書の教示を鑑みれば当業者に明らかであるような任意の他の適切な構成要素を含むことができる。応答モジュール(264)は、遠位先端部(292)が脈絡膜上腔(SCS)に到達したことを歪みセンサ(260)が示すことに基づいて処理モジュール(262)によって発行されるコマンド信号に応答して、1つ以上の応答を提供するように構成される。歪みセンサ(260)、処理モジュール(262)、および応答モジュール(264)は、ヘッド(200)および/または本体(30)を含むがこれに限定されない、器具(10)内の任意の適切な場所に位置付けられ得る。
【0032】
いくつかのバージョンでは、応答モジュール(264)は、遠位先端部(292)が脈絡膜上腔(SCS)に到達したことを示すために、オペレータにユーザフィードバックを提供するように動作可能である。例えば、応答モジュール(264)は、遠位先端部(292)が脈絡膜上腔(SCS)に到達したことを示すために、アクチュエータ(250)を介しておよび/または本体(30)等を介してオペレータに触覚フィードバック(例えば、振動等)を提供する触覚フィードバック特徴部を含み得る。加えて、または代案として、応答モジュール(264)は、遠位先端部(292)が脈絡膜上腔(SCS)に到達したことを示すために、光を照射するかまたは何らかの他の形態の視覚フィードバックを提供することができる。加えて、または代案として、応答モジュール(264)は、遠位先端部(292)が脈絡膜上腔(SCS)に到達したことを示すために、可聴トーンを発するかまたは何らかの他の形態の可聴フィードバックを提供してもよい。遠位先端部(292)が脈絡膜上腔(SCS)に到達したことを示すために、オペレータに触覚、視覚、および/または可聴フィードバックを提供するために応答モジュール(264)に一体化され得る種々の適切な構成要素は、本明細書の教示を鑑みれば当業者に明らかであろう。
【0033】
ユーザフィードバックを提供することに加えて、またはユーザフィードバックを提供する代わりに、応答モジュール(264)は、遠位先端部(292)が脈絡膜上腔(SCS)に到達したかどうかに基づいて、バレル(32)の内部領域(34)から針(290)への流体の伝達に影響を与えることができる。例えば、応答モジュール(264)は、バレル(32)の内部領域(34)と針(290)との間に介在する弁を含み得、この弁は、遠位先端部(292)が脈絡膜上腔(SCS)に到達したことを歪みセンサ(260)が検出するまで閉鎖状態のままである。弁が閉鎖状態にあると、流体は、バレル(32)の内部領域(34)から針(290)へ伝達されることができない。遠位先端部(292)が脈絡膜上腔(SCS)に到達したことを歪みセンサ(260)が検出すると、処理モジュール(262)は、応答モジュール(264)にコマンド信号を送信して弁を開放し、それによって、流体がバレル(32)の内部領域(34)から針(290)へ伝達されることを可能にすることができる。応答モジュール(264)の一部として弁を有するいくつかのバージョンでは、弁は、針(290)につながるバレル(32)の内部領域(34)からの流体チャネル間のずれを提供することができ、そのずれが、弁の閉鎖状態を提供する。遠位先端部(292)が脈絡膜上腔(SCS)に到達したことを歪みセンサ(260)が検出すると、処理モジュール(262)は、応答モジュール(264)の弁を起動して、バレル(32)の内部領域(34)からの流体チャネルと針(290)との間を整列させることができ、この整列は、弁の開放状態を提供する。
【0034】
加えて、または代わりに、応答モジュール(264)は、遠位先端部(292)が脈絡膜上腔(SCS)に到達したことを示す信号に応答して、バレル(32)の内部領域(34)から針(290)へと流体を積極的に駆動するように動作可能なポンプまたは他の特徴部を含んでもよい。そのようなバージョンでは、プランジャ(20)は省略されてもよい。上記の流体連通効果を提供するために応答モジュール(264)に一体化され得る様々な好適な構成要素は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。同様に、応答モジュール(264)によって遂行され得る他の好適な種類の応答、およびそのような他の応答を遂行するために応答モジュール(264)に組み込まれ得る構成要素は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0035】
歪みセンサ(260)、処理モジュール(262)、および応答モジュール(264)は、ヘッド(200)の文脈で上述されているが、そのような構成要素はオプションであり、ヘッド(200)を含む器具(10)のいくつかのバージョンで省略されてもよい。同様に、ヘッド(100、300、400、500、700)を含む変形例を含むがこれに限定されない、本明細書に記載される器具(10)の他の変形例は、所望により、歪みセンサ(260)、処理モジュール(262)、および応答モジュール(264)を含むことができる。
【0036】
C.並進運動する予め湾曲した針を備える器具の実施例
ヘッド(100、200)の上述の実施例では、針(190、290)の斜めに方向付けられた出口軸(EA)は、通路(140、240)の湾曲遠位部分(142、242)により提供される。そのようなバージョンでは、針(190、290)は、実際には、直線状構成をとるように弾性的に付勢されていてよく、ヘッド(100、200)の遠位面(110、210)からの斜めの出口角度(Θ)を達成するように針(190、290)を変形させるために、通路(140、240)の湾曲遠位部分(142、242)が針(190、290)に横方向の応力を付与している。いくつかの他の変形例では、針自体が、曲がった遠位端部を有するように弾性的に付勢され得、針は、予め湾曲している。そのような変形例の一例が、
図9A~
図9Bに示されている。
【0037】
図9A~
図9Bは、ヘッド(100)の代わりとして器具(10)に一体化され得るヘッド(300)の代替的な実施例を示す。この実施例のヘッド(300)は、以下に説明する相違点を除いて、ヘッド(100)と同様に構成され、動作可能であってよい。この実施例のヘッド(300)は、遠位面(310)と、バレル(32)の内部領域(34)から遠位面(310)まで延びる通路(340)と、を含む。この実施例のヘッド(300)はまた、鋭利な遠位先端部(392)を有する針(390)を含む。針(390)は、通路(340)に対して長手方向に並進運動するように構成される。そのような並進運動を提供するために、針(390)は、アクチュエータ(350)と結合される。ほんの一例として、アクチュエータ(350)は、上述したアクチュエータ(250)のように構成され、動作可能であってよい。アクチュエータ(350)の他の適切な構成および操作性は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0038】
本実施例では、遠位面(310)は実質的に平坦であり、遠位面(310)は、眼(E)の曲率を補完するように曲線を描いていない。いくつかの他のバージョンでは、遠位面(310)は、実際には、眼(E)の曲率を補完するように曲線を描いている。したがって、遠位面(310)は、ヘッド(110、210)の遠位面(110、210)と同様に構成され、動作可能であってよい。遠位面(310)が平坦であるバージョンでは、オペレータは、遠位面(310)と眼(E)との間の界面でヘッド(300)を枢動させて、針(390)が眼(E)に入る角度を効果的に調整することができる。遠位面(310)が平坦であるか曲線を描いているかにかかわらず、遠位面(310)は、眼(E)の角膜縁(L)に対するヘッド(300)の割り出しを容易にし、それによって針(390)が角膜縁(L)と赤道(Eq)との間の所望の位置で眼に入るのを保証するように構成された上部遠位エッジまたは他の案内特徴部を含んでもよい。
【0039】
通路(340)の全長は、この実施例では直線状である。いくつかのバージョンでは、通路(340)の全長は、ヘッド(300)および/または本体(30)の中央長手方向軸と同軸である。通路(340)の全長が直線状であるいくつかのバージョンでは、針(390)の遠位部分(394)における弾性的な付勢は、針(390)の遠位部分(394)が遠位面(310)を出るときに所望の斜めの出口軸(EA)を達成するのに十分である(
図9B)。いくつかの他のバージョンでは、通路(340)の遠位部分は、湾曲しているか、または別様に曲がっている。例えば、通路(340)の遠位部分は、通路(140、240)の遠位部分(142、242)と同様に構成され得る。そのようなバージョンでは、針(390)の遠位部分(394)における弾性的な付勢は、通路(340)の湾曲遠位部分によって引き起こされる変形とともに、針(390)の遠位部分(394)が遠位面(310)を出るときに、所望の斜めの出口軸(EA)を提供し得る。
【0040】
アクチュエータ(350)が
図9Aに示されるように予め作動された状態にあるとき、針(390)の遠位先端部(392)は、遠位面(310)に対して近位に位置付けられる。ヘッド(300)内への針(390)のこの後退は、遠位先端部(392)を不注意な損傷から保護するのに役立ち;別の状況では遠位先端部(392)によってもたらされ得る不注意な外傷からオペレータおよび患者を保護することができる。通路(340)がこの実施例では直線状であり、遠位部分(394)が湾曲構成を達成するために弾性的に付勢されている状態で、通路(340)は、アクチュエータ(350)が
図9Aに示されるように予め作動された状態にある間に遠位部分(394)を応力が加えられた状態で保持し得る。ヘッド(300)は、
図9Aに示されるように、遠位面(310)が眼(E)に接触して配置される時点まで、この状態のままであってもよい。
【0041】
遠位面(310)が眼(E)と十分に接触すると、オペレータは、
図9Bに示されるような作動状態に達するようにアクチュエータ(350)を操作し得る。このような作動の間、遠位部分(394)が遠位面(310)を出ると、遠位部分(394)の弾性的な付勢により、遠位面(310)に対して露出する遠位部分(394)の長さが曲がり、それによって遠位先端部(392)が、斜めに方向付けられた出口軸(EA)に沿って横方向に偏向する。この作動の間、針(390)は、強膜(S)を貫通し、遠位先端部(392)は、最終的に、脈絡膜上腔(SCS)に位置付けられる。いくつかのバージョンでは、針(390)の遠位部分(394)の予め形成された曲がりは、遠位先端部(392)のベベル角度が眼(E)内の組織(S、Ch、R)の層の境界と実質的に平行のままとなることを促進するように慎重に構成され得る。遠位先端部(392)の構成にかかわらず、針(390)の遠位部分(394)の予め形成された曲がりは、最適な角度での脈絡膜上腔(SCS)への遠位先端部(392)の進入を促進するように慎重に構成され得る。遠位先端部(392)が脈絡膜上腔(SCS)に位置付けられた状態で、オペレータは、プランジャ(20)を本体(30)に対して遠位に作動させて、それによって、バレル(32)の中空内部領域(34)に収容された治療薬を、上述のように針(390)を介して脈絡膜上腔(SCS)内に排出させ得る。
【0042】
ヘッド(300)のいくつかのバージョンでは、針(390)はニチノールで形成されている。あるいは、針(390)を形成するために、任意の他の適切な材料または材料の組み合わせが使用されてもよい。針(390)を形成するために使用され得る他の適切な材料は、本明細書の教示を考慮すると、当業者には明らかであろう。
【0043】
D.角度調整可能な針を備える器具の実施例
上述した実施例では、通路(140、240)の湾曲遠位部分(142、242)および/または針(390)の遠位部分(394)の予め形成された曲がりは、針(190、290、390)の所望の出口角度(Θ)を達成するために使用される。ヘッド(100、200)の実施例では、通路(140、240)の湾曲遠位部分(142、242)の曲率は一定であってよく、出口角度の調整が目下の特定の患者の脈絡膜上腔(SCS)に到達するために必要な場合に、オペレータが出口角度(Θ)の調整を行うことができないようにすることができる。同様に、ヘッド(300)の実施例では、針(390)の遠位部分(394)の予め形成された曲がりの曲率は一定であってよく、出口角度の調整が目下の特定の患者の脈絡膜上腔(SCS)に到達するために必要である場合に、オペレータが出口角度(Θ)の調整を行うことができないようにすることができる。したがって、出口角度の調整が目下の特定の患者の脈絡膜上腔(SCS)に到達するために必要である場合に、オペレータが針の出口角度(Θ)を調整することを可能にする器具(10)の変形例を提供することが望ましい場合がある。
【0044】
図10は、ヘッド(100)の代わりとして器具(10)に一体化され得るヘッド(400)の代替的な実施例を描く。この実施例のヘッド(400)は、以下に説明する相違点を除いて、ヘッド(100)と同様に構成され、動作可能であってよい。本実施例のヘッド(400)は、遠位面(410)と、ヘッド(400)の本体(402)により回転可能に支持された調整部材(470)と、を含む。遠位面(410)は、本実施例では平坦であるものとして示されているが、遠位面(410)の他のバージョンは、(例えば、遠位面(110、210)と同様に)眼(E)の曲率を補完するように曲線を描いていてもよい。以下でさらに詳細に説明されるように、針(490)は、調整部材(470)を通過し、調整部材(470)は、針(490)の出口角度(Θ)を調整するように動作可能である。いくつかのバージョンでは、針(490)の長手方向位置は、(例えば、針(190)とヘッド(100)の本体(102)との間の関係と同様に)ヘッド(400)の本体(402)に対して固定されている。いくつかの他のバージョンでは、(例えば、アクチュエータ(290、390)と同様の)アクチュエータが、ヘッド(400)の本体(402)に対する針(490)の長手方向並進運動を駆動するように動作可能である。
【0045】
調整部材(470)は、車軸(474)を有するホイール(472)を含む。ホイール(472)は、ホイール(472)が車軸(474)によって定められる回転軸を中心として本体(402)に対して回転可能であるように、車軸(474)を介して本体(402)と枢動可能に結合される。ホイール(472)の一部は、本体(402)に対して露出しており、それによって、オペレータがホイール(472)に指または親指で係合し、それによりホイール(472)を本体(402)に対して回転させることを可能にする。ホイール(472)は、通路(476)をさらに画定する。針(490)は、通路(476)内に配置される。本実施例では、通路(476)は、車軸(474)によって定められる回転軸と通路(476)が垂直に交差するように位置付けられる。他のバージョンでは、通路(476)は、車軸(474)によって定められる回転軸が通路(476)と交差しないように、車軸(474)によって定められる回転軸に対してオフセットされてもよい。
【0046】
図11に示すように、オペレータがホイール(472)を本体(402)に対して回転させると、オペレータは、針(490)を様々な出口角度(Θ)で効果的に再配置し、それによって様々な代替的使用位置(490a、490b、490c)を達成し得る。代替的使用位置(490c)では、遠位先端部(492c)は、完全に強膜(S)内に位置付けられ、遠位先端部(492c)を介して排出された治療薬は、必ずしも脈絡膜上腔(SCS)に到達するとは限らない。代替的使用位置(490b)では、遠位先端部(492b)は、脈絡膜上腔(SCS)に到達するのに近いが、依然として完全に強膜(S)内に位置付けられており、遠位先端部(492b)を介して排出される治療薬は、やはり必ずしも脈絡膜上腔(SCS)に到達するとは限らない。しかしながら、代替的使用位置(490a)では、遠位先端部(492a)は、脈絡膜上腔(SCS)内部にあり、遠位先端部(492a)を介して排出される治療薬は、効果的に脈絡膜上腔(SCS)に到達する。
【0047】
ヘッド(400)を組み込んだ器具(10)の使用中、オペレータは、調整部材(470)が針(490)の第1の出口角度(Θ)を提供するように設定された状態で、遠位面(410)を前進させて眼(410)と係合させることができる。針(490)の長手方向位置が本体(402)に対して固定されているバージョンでは、オペレータは、遠位面(410)を押して眼(E)と接触させるだけで、遠位先端部(492)を眼(E)の中に前進させることができる。アクチュエータが本体(402)に対して針(490)を長手方向に並進運動させるために使用されるバージョンでは、オペレータは、最初に遠位面(410)を眼(E)に接触させ、次に、アクチュエータを動作させて遠位先端部(492)を眼(E)の中に前進させることができる。いずれの場合も、オペレータは、前進した遠位先端部(492)が脈絡膜上腔(SCS)にうまく到達したかどうかを判断するために、任意の適切な形態のフィードバックに頼ることができる。ほんの一例として、オペレータは、器具(10)を把持する手を介した触覚フィードバックに依存してもよい。あるいは、オペレータは、応答モジュール(264)のような別の特徴部からのフィードバックに頼ってもよい。前進した遠位先端部(492)が脈絡膜上腔(SCS)にうまく到達したかどうかをオペレータが判断し得る他の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0048】
前進した遠位先端部(492)が脈絡膜上腔(SCS)にうまく到達していないとオペレータが判断した場合、オペレータは針(490)を眼(E)から後退させ、次にホイール(472)を操作して出口角度(Θ)を調整し得る。この調整プロセスを支援するために、本実施例のホイール(472)は、印(478)を含み、本体(478)は窓(404)を画定し、この窓を通して、印(478)が視覚的に観察され得る。印(478)は、ホイール(472)の現在の角度位置と関連付けられた出口角度(Θ)を示すことができる。ホイール(472)および本体(402)は、対応する出口角度(Θ)と関連付けられた、ある個別の角度位置にホイール(472)を解放可能に維持することを支援する、戻り止めまたは他の特徴部をさらに含み得る。オペレータがホイール(472)を操作することによって出口角度(Θ)を調整したら、オペレータは、調整された出口角度(Θ)で遠位先端部(492)を眼(E)の中に再び前進させることができる。遠位先端部(492)が脈絡膜上腔(SCS)にうまく到達したとオペレータが判断するまで、上述したプロセスを繰り返してもよい。遠位先端部(492)が脈絡膜上腔(SCS)にうまく到達したとオペレータが判断すると、オペレータは、上述のように、針を介して脈絡膜上腔(SCS)に治療薬を投与することができる。
【0049】
ホイール(472)は、針(490)の出口角度(Θ)の調整可能性を提供するために使用され得る構造の一実施例として上述されているが、任意の他の適切な種類の構造が使用され得る。針(490)の出口角度(Θ)の調整可能性を提供するために使用され得る他の好適な構造は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。調整部材(470)は、本明細書ではヘッド(400)の文脈で説明されているが、調整部材(470)またはその変形例は、本明細書に記載されている、その他の様々なヘッド(100、200、300、500、800)のいずれかに容易に組み込むことができる。
【0050】
E.電圧感知を伴う器具の実施例
ヘッド(200)の文脈で上述したように、歪みセンサ(260)は、眼(E)への針(290)の前進の間に針(290)が遭遇する応力の関数として、眼(E)内の組織(S、Ch、R)の層の中での針(290)の位置を検出するために使用され得る。
図12は、器具が眼(E)内の組織(S、Ch、R)の層内の針(290)の位置を検出し得る方法の別の実施例を描く。特に、
図12は、ヘッド(100)の代わりとして器具(10)に一体化され得るヘッド(500)を描いている。本実施例のヘッド(500)は、以下に説明する相違点を除いて、ヘッド(100)と同様に構成され、動作可能であってよい。本実施例のヘッド(500)は、針(590)、遠位電極(504)のセット、処理モジュール(580)、および応答モジュール(582)を含む。針(590)は、針(590)が(例えば、電極(504)とは異なる極性で)電極として機能するように動作可能であるように、導電性材料で形成される。処理モジュール(580)は、針(590)および電極(504)と電気的に通信している。
【0051】
電極(504)は、ヘッド(500)が押されて眼(E)に接触するとき、眼(E)の組織に接触するように位置付けられ、構成される。いくつかのバージョンでは、電極(504)は、本体(502)または針(590)の長手方向軸の周りで角度的に離間した配列で互いに離間している1つ以上の電極(504)を含む。いくつかの他のバージョンでは、電極(504)は、本体(502)または針(590)の長手方向軸の周りで同軸に位置付けられる1つ以上の環状電極の形態で提供される。電極(504)がとり得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0052】
針(590)および電極(504)が組織と同時に接触しているとき、処理モジュール(580)は、組織内の電位または電圧を検出し得る。
図13は、眼(E)内の組織(S、Ch、R)の層内の針(590)の遠位先端部(592)の位置に基づいてそのような電圧がどのように変化し得るかの例を描写するプロット(600)を示す。眼(E)への針(590)の最初の挿入の間、プロット(600)の第1の部分(602)は、遠位先端部(592)が強膜(S)を横断するときの、比較的低い電圧を示す。遠位先端部(592)が脈絡膜上腔(SCS)に到達すると、プロット(600)は、電圧の急激な増加(604)を示し、プロット(600)の最後の部分(606)は、遠位先端部(592)が脈絡膜上腔(SCS)にある状態の、比較的高い電圧を示している。
【0053】
いくつかのバージョンでは、針(590)は、遠位電極(504)が眼(E)と最初に接触するときに遠位先端部(592)が本体(502)内で近位に後退されるように、本体(502)に対して長手方向に並進運動するように構成される。遠位電極(504)が眼(E)と接触すると、針(590)は、本明細書の他の実施例で説明されるように、眼(E)の中へと遠位に前進され、処理モジュール(580)は、針(590)が遠位に前進されると電圧値を追跡することができる。
【0054】
遠位先端部(592)が脈絡膜上腔(SCS)にうまく到達したことに関連する電圧(例えば、
図13のプロット(600)の最後の部分(606)と一致)を処理モジュール(580)が検出すると、処理モジュール(580)は、応答モジュール(582)を起動して、対応する応答を提供し得る。応答モジュール(582)は、上述した応答モジュール(264)のように構成され、動作可能であってよい。したがって、応答モジュール(582)は、遠位先端部(592)が脈絡膜上腔(SCS)に到達したことを示すために、オペレータに触覚、視覚、および/または可聴フィードバックを提供することができ;遠位先端部(592)が脈絡膜上腔(SCS)到達したことに応答して、弁を開放し、ポンプを起動し、かつ/もしくは他の流体連通効果を提供し;かつ/または、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう任意の他の適切な種類の応答を提供することができる。
【0055】
電極(504)、針(590)、および処理モジュール(580)は、眼(E)への針(590)の挿入の深さの関数として電圧の変化を追跡するために用いられるものとして本明細書に記載されるが、これらの構成要素は、代わりに、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるように、眼(E)への針(590)の挿入の深さの関数として任意の他の適切な電気パラメータ(例えば、インピーダンスまたは電気抵抗等)を追跡するために用いられることができる。電極(504)、処理モジュール(580)、および応答モジュール(582)は、ヘッド(500)の文脈で本明細書に記載されているが、これらの構成要素またはその変形例は、本明細書に記載のその他の様々なヘッド(100、200、300、400、800)のいずれかに容易に組み込まれ得る。
【0056】
F.強膜張力特徴部を備える器具の実施例
いくつかのシナリオでは、オペレータが不注意に器具のヘッドを眼(E)に強すぎる力で押し付けてしまい、これにより、眼(E)の層に変形が生じる可能性がある。そのようなシナリオの一例を
図14に示す。
図14に示すように、器具のヘッド(700)は、本体(702)から遠位に突出する針(790)を含み、遠位面(710)は、相当な力で眼(E)に押し込まれている。遠位面(710)によって課されたこの圧力は、強膜(S)を変形させ、それによって脈絡膜(Ch)に押し付け、それによって脈絡膜上腔(SC)を圧縮している。針(790)の遠位先端部(792)は、依然として、脈絡膜上腔(SCS)内にうまく位置付けられ、それによって、脈絡膜上腔(SCS)に治療薬を送達することができるが、脈絡膜上腔(SCS)の圧縮状態は、治療薬が脈絡膜上腔(SCS)内に受け取られ分散される能力に悪影響を与える可能性がある。
【0057】
したがって、
図14に示されるものと同様のヘッド(700)の構成では、処置の成功は、ヘッド(700)を眼(E)にあまりに強い力で押し込むことによって
図14に描かれる状態を作り出すのをオペレータが回避できる程度に基づいて、オペレータの技量に実質的に左右され得る。したがって、オペレータが相当な力でヘッドを眼(E)に押し込んだとしても、脈絡膜上腔(SCS)が圧縮されにくいような、オペレータの技量に左右されにくいヘッド(700)の代替的な構成を提供することが望ましいと思われる。
図15は、そのような代案の一実施例を描く。
【0058】
具体的には、
図15は、ヘッド(100)の代わりとして器具(10)に一体化され得るヘッド(800)を描く。この実施例のヘッド(800)は、以下に説明する相違点を除いて、ヘッド(100)と同様に構成され、動作可能であってもよい。本実施例のヘッド(800)は、遠位面(810)から遠位に延びる針(890)、第1の遠位突出部(830)、および第2の遠位突出部(840)を含む。遠位突出部(830、840)は、針(890)から横方向にオフセットされている。各遠位突出部(830、840)は、眼係合表面(832、842)を含む。遠位表面(810)は、眼係合表面(832、842)に対して近位に位置する。したがって、
図15に示すように、ヘッド(800)が眼(E)に押し付けられると、眼係合表面(832、842)は強膜(S)に係合する一方、遠位表面(810)は強膜(S)に対して奥まったままで、遠位表面(810)と強膜(S)との間にギャップ(824)が画定される。眼係合表面(832、842)が針(890)から横方向にオフセットされていることにより、ヘッド(800)によって眼(E)に加えられる圧力は、針(890)が眼(E)の中に挿入される点から横方向にオフセットされる。さらに、眼係合表面(832、842)は、強膜(S)の張力を維持し、ヘッド(800)により眼(E)に与えられた圧力は、ヘッド(700)からの圧力と比較して、眼(E)のより大きな表面積にわたり分散される。したがって、強膜(S)は、針(890)が強膜(S)に入る領域で変形しにくく;ヘッド(800)は、針(890)の遠位先端部(892)が治療薬を脈絡膜上腔(SCS)に分配する領域で脈絡膜上腔(SCS)を圧縮する傾向がない。これは、
図14に描かれたヘッド(700)でのシナリオと比較して、治療薬が脈絡膜上腔(SCS)内に受け取られ分散される能力を向上させ得る。
【0059】
本実施例のヘッド(800)は、2つの遠位突出部(830、840)を含むものとして説明されるが、ヘッド(800)は、任意の他の適切な数の遠位突出部(830、840)を含んでもよい。例えば、ヘッド(800)は、ヘッド(800)および/または針(890)の中央長手方向軸の周りで互いに角度的に離間している3つ以上の遠位突出部を含んでもよい。別の実施例として、遠位突出部(830、840)は、針(890)の周りの周辺部全体に連続して広がる単一の遠位突出部で置換または補足されてもよく、単一の遠位突出部および遠位表面(810)が一緒になってカップ状の形状を画定する。他の好適な構成および変形例は、本明細書の教示を考慮すると、当業者には明らかであろう。遠位突出部(830、840)は、ヘッド(800)の文脈で本明細書に記載されているが、遠位突出部(830、840)またはその変形例は、本明細書に記載されているその他の種々のヘッド(100、200、300、400、500)のいずれかに容易に組み込まれ得る。
【0060】
G.定位置の針およびシリンジ結合のための可撓性導管を備える器具の実施例
いくつかのシナリオでは、器具を介して脈絡膜上腔(SCS)に流体を送達するために別のシリンジを利用することが望ましい場合があり、送達器具は、可撓性導管を介してシリンジと結合される。これにより、オペレータは、片方の手で送達器具を把持すると共に、他方の手でシリンジを把持することが可能となり得る。あるいは、これにより、第1のオペレータが片手で送達器具を把持し、別のオペレータ(例えば、助手)がシリンジを把持することが可能となり得る。いずれのシナリオにおいても、オペレータが他の機能(例えば、流体を送達するためのプランジャの駆動など)を行うために送達器具を把持している同じ手を使用する必要がない場合に、送達器具のオペレータが送達器具の位置、向き、および安定を維持することが、さらに容易になり得る。
図16~
図18Cは送達器具(900)の一実施例を示しており、これは、オペレータの片方の手で把持および操作され得、その間に同じオペレータのもう一方の手(または別のオペレータの手)がシリンジ(980)を把持して操作する。
【0061】
図16に示すように、本実施例の器具(900)は、オペレータの片方の手で(例えば、鉛筆の握り方を介して)把持するように構成されているシャフト(910)を含む。シャフト(910)の近位端部は、一体型マーキングアセンブリ(920)を含み、これは、互いに横方向に離間された、一対の近位に延びるマーキング突起(922)を含んでいる。この実施例の突起(922)は、鈍いか、または別様に非外傷性であり、突起(922)は、強膜(S)を刺すことなく患者の眼(E)に対して押し付けられ得る。シャフト(910)の遠位端部は、本明細書に記載されるように、患者の眼(E)に係合し、それによって流体(例えば、治療薬など)を眼(E)に送達するために使用されるヘッド(930)を含む。ヘッド(930)は、凹状遠位面(932)を含む。遠位面(932)は、シャフト(910)の長手方向軸に対して概ね横断方向に方向付けられる。遠位面(932)は、上部エッジ領域(934)および下部エッジ領域(936)によって境界付けられており、領域(934、936)は一緒に遠位面(932)の外周を画定している。上述したヘッド(100)の遠位面(110)と同様に、ヘッド(930)の遠位面(932)は、長手方向寸法および横方向寸法に沿って凹状曲率を有している。遠位面(932)の曲率は、患者の眼(E)の外面の曲率を補完するように構成される。
【0062】
本実施例の器具(900)は、シャフト(910)の中間領域に沿って、横方向に向いた案内特徴部(940)および横方向に延びる把持特徴部(950)をさらに含む。横方向に向いた案内特徴部(940)は、患者の眼(E)の角膜縁(L)の曲率を補完するように構成されている曲率を有する凹面(942)を含む。以下でさらに詳細に説明するように、この構成は、眼(E)に対する器具(900)の整列を視覚的に容易にするために凹面(942)を使用することを可能にし得る。把持特徴部(950)は、特に鉛筆の握り方を使用して、片手で器具(900)を把持することを促進するように構成される。代替的に、器具(900)は、他の任意の適切な方法で把持されてもよい。横方向に向いた表面(952)が、横方向に向いた案内特徴部(940)の凹面(942)と遠位面(932)の上部エッジ領域(934)との間に延びる。表面(952)は、シャフト(910)の長手方向軸に対して斜めに方向付けられ、凹状曲率を有する。表面(952)は、以下でさらに詳細に説明されるように、器具(900)の使用中に眼(E)の角膜との接触を回避または最小化するように構成される。
【0063】
針(960)は、ヘッド(930)から遠位に延びる。針(960)の一部は、遠位面(932)に形成される、横方向に提示された凹部またはトラフ(938)内に位置付けられる。針(960)は、ヘッド(930)に対して露出している、鋭利なベベル先端部(962)を有する。針(960)は、ステンレス鋼および/または他の任意の適切な材料を含み得る。本実施例では、針(960)は弾性的に可撓性であり、ヘッド(930)に対して露出している針(960)の領域が、(例えば、
図19を参照して以下に説明するように)横方向に変形し得る。いくつかのシナリオでは、針(960)の一部は、トラフ(938)から出て、またトラフ(938)から離れて、横方向に撓み得る。したがって、トラフ(938)は、針(960)の横方向の変形のための隙間を提供し得る。針(960)は、約30ゲージまたは任意の他の適切なサイズであってよい。この実施例では、針(960)は、直線状であり、シャフト(912)の長手方向軸と平行である針軸(NA)に沿って延びている。いくつかのバージョンでは、針軸(NA)は、シャフト(912)の長手方向軸と同軸である。いくつかの他のバージョンでは、針軸は、シャフト(912)の長手方向軸から横方向にオフセットされている(それでもまだ、これと平行である)。本実施例では、シャフト(910)に対する針(960)の位置は固定されており、針(960)は、シャフト(910)に対して長手方向に並進運動しない。いくつかの他のバージョンでは、針(960)は、(例えば、近位後退位置と遠位露出位置との間で)シャフト(910)に対して並進運動可能である。
【0064】
可撓性導管(970)が、シャフト(910)から延び、以下でさらに詳細に説明されるように、針(960)の内腔と流体連通するための経路を提供する。可撓性導管(970)は、透明な可撓性チューブを含み得、または他の任意の適切な形態をとり得る。シャフト(910)の内部は、可撓性導管(970)から針(960)への流体連通のための経路を提供する内腔を画定し得る。いくつかの変形例では、可撓性導管(970)は、そのような内腔に受容され、針(960)の近位端部におけるハブと接続される。いくつかの他の変形例では、可撓性導管(970)はシャフト(910)内の内腔内で遠位に終端し、針(960)はシャフト(910)内で近位に終端し、流体が可撓性導管(970)から内腔を介して針(960)に伝達される。代替的に、可撓性導管(970)は、任意の他の適切な方法で針(960)と流体結合されてもよい。
【0065】
図17に示すように、器具(900)は、ヘッド(930)の遠位面(932)が眼(E)の外面に対して完全に着座するように、眼(E)との関連で位置付けられ得る。針(960)は、眼(E)の角膜縁(L)から所定の距離である入口点(EP)において強膜(S)に入る。ほんの一例として、角膜縁(L)から入口点(EP)までのこの所定の距離は、約3.0mm~約4.0mmの範囲であり;または約3.5mmであってよい。
【0066】
いくつかのシナリオでは、角膜縁(L)から入口点(EP)までのこの所定の距離は、オペレータが、角膜縁(L)に沿ってヘッド(930)の上部エッジ領域(934)を整列させることによって達成され、上部エッジ領域(934)は、割り出し特徴部として機能する。加えて、または代替的に、この所定の距離は、マーキング突起(922)を使用して達成されることもできる。マーキング突起(922)間の間隔は、角膜縁(L)と入口点(EP)との間の適切な距離を示すように選択され得、マーキングアセンブリ(920)は、ノギスのように使用され得る。いくつかのそのようなシナリオでは、オペレータは、最初にマーキング突起(922)を、生体適合性インクを有するパッドに押し付けて、それによって突起(922)にインクを付け;次に、インクを付けたマーキング突起(922)を眼(E)に押し付けて、それによって入口点(EP)にインクでマーキングすることができる。いくつかの他のシナリオでは、オペレータは、強膜(S)にマーキングのくぼみを生じるのに十分な力で(強膜(S)を刺すことなく)、マーキング突起(922)上のインクなしで、マーキング突起(922)を眼(E)に対して押し付けることができる。あるいは、マーキング突起(922)が、任意の他の適切な様式で使用されてもよい。あるいは、やはり、入口点(EP)が、任意の他の好適な様式でマーキングされてもよい。
【0067】
依然として
図17に示す配置を参照すると、遠位面(932)および針(960)の構造上の構成および配置に起因して、針軸(NA)は、入口点(EP)において接線(TL)と所定の角度(Θ)を定める。接線(TL)は、入口点(EP)において眼(E)の外面に接する。本実施例では、この所定の角度(Θ)は斜めである。ほんの一例として、角度(Θ)は、約0°~約40°の範囲であってよく;または、約5°であってよい。角度(Θ)は本実施例では固定されているが、他のバージョンは、上記で提供された様々な実施例で説明したように、オペレータが選択的に角度(Θ)を変化させることを可能にし得る。
【0068】
ヘッド(930)の遠位面(932)が眼(E)の外面に対して完全に着座した状態で、針(960)は、先端部(962)が脈絡膜上腔(SCS)に位置付けられるように強膜(S)を完全に通過する。遠位面(932)に対して露出する針(960)の長さは、角度(Θ)を考慮して、先端部(962)が脈絡膜(Ch)を貫通せずに脈絡膜上腔(SCS)に到達することを可能にするように選択される。しかしながら、いくつかのシナリオでは、先端部(962)は、脈絡膜(Ch)を完全に通過して脈絡膜(Ch)と網膜(R)との間の網膜下腔に到達することなく、脈絡膜(Ch)に偶然係合する可能性がある。ほんの一例として、遠位面(932)に対して露出する針(960)の長さは、約0.5mm~約5.0mmの範囲であってよく;または、約1.25mmであってもよい。遠位面(932)に対して露出する針(960)の長さは、針(960)が眼(E)に入る斜めの角度(Θ)と組み合わせて、針(960)が望ましくない形で脈絡膜(Ch)を横断するリスクを低減し得る。言い換えれば、針(960)の進入のための斜めの角度(Θ)を提供することにより、針(960)の進入のための垂直の角度(Θ)によって示され得る望ましくない脈絡膜(Ch)の貫通のリスクと比較して、望ましくない脈絡膜(Ch)の貫通のリスクをより少なくすることができる。同様に、遠位面(932)に対して露出する針(960)の長さは、針(960)が眼(E)に入る斜めの角度(Θ)と組み合わせて、先端部(962)が強膜(S)にとどまる挿入深さにしか針(960)が到達せず、脈絡膜上腔(SCS)には到達しない、リスクを低減させることができる。したがって、針(960)の構成および向きは、異なる患者の異なる強膜(S)の厚さに対応することができ、針(960)が、浅すぎる(すなわち、脈絡膜上腔(SCS)に到達しない)または深すぎる(すなわち、脈絡膜(Ch)を、またおそらくは網膜(R)さえも完全に通過する)深さまで挿入されるリスクがほとんどまたは全くない。
【0069】
本実施例では、先端部(962)のベベル角度は、先端部(962)から脈絡膜上腔(SCS)内への流体の伝達を促進するように選択される。ほんの一例として、このベベル角度は、約8°~約20°の範囲であってよく;または、約14°であってよい。先端部(962)は、三ベベル構成(tri-bevel configuration)または他の任意の適切な構成を有し得る。本実施例における先端部(962)のベベルは、脈絡膜(C)に面するように角度的に方向付けられ、それによって、先端部が脈絡膜上腔(SCS)にまたはその近くに位置付けられた際に流体が先端部(962)を出るときに、脈絡膜上腔(SCS)への流体の伝達を促進する。
【0070】
図18A~
図18Cは、眼(E)に流体(例えば、治療薬など)を送達する処置で使用するためのシリンジ(980)と結合された器具(900)を示している。本実施例のシリンジ(980)は、従来のシリンジを含み、シリンジ(980)は、流体を収容するバレル(982)、遠位ルアーフィット(984)、およびバレル(982)内にスライド可能に配置されるプランジャ(986)を含む。導管(970)は、シリンジ(980)のルアーフィット(984)と取り外し可能に結合するルアーフィット(972)を含む。したがって、オペレータは、プランジャ(986)をバレル(982)に対して遠位に前進させることによって、シリンジ(980)のバレル(982)から導管(970)内に流体を駆動し、それによって、器具(900)の針(960)に流体を駆動することができる。
【0071】
図18Aに示されるように、オペレータは、針(960)の遠位先端部(962)を所望の入口点(EP)に位置付けることによって、器具(900)を眼(E)に対して最初に位置付けることができる。上述のように、マーキングアセンブリ(920)は、オペレータが針(960)の遠位先端部(962)を入口点(EP)に位置付ける前に、角膜縁(L)に対して入口点(EP)をマーキングするためにノギスのように使用され得る。
図18Aに示される段階において、オペレータは、強膜(S)を通して針(960)を完全に前進させることを控えることができる。例えば、オペレータは、後述するように遠位先端部(962)を眼(E)内に完全に前進させる前に、遠位先端部(962)の位置を入口点(EP)に維持するために、この段階では最初に遠位先端部(962)で強膜(S)を貫通するだけ、または遠位先端部(962)で強膜(S)と最小限に接触するだけであってよい。この段階では、ヘッド(930)は、眼(E)から依然として離間されており、眼(E)に接触する器具(900)の唯一の部分が針(960)である。
【0072】
オペレータが遠位先端部(962)を入口点(E)に適切に位置付けたら、オペレータは、次に器具(900)を眼(E)に対して枢動させてよく、針(960)と入口点(EP)との界面が、かかる枢動運動のための枢動点を提供する。オペレータは、遠位面(932)の上部エッジ領域(934)が角膜縁(L)と概ね整列する地点に器具(900)が到達するまで、近位端部からシャフト(910)の長さに沿って器具(900)を視覚的に観察しながら、器具(900)を枢動させ得る。上述のように、案内特徴部(940)の凹面(942)は、この枢動運動の間、角膜縁(L)に対する遠位面(932)の上部エッジ領域(934)の視覚的観察を容易にし得る。眼(E)に対する器具(900)の適切な枢動整列に達したら、オペレータは、
図18Bに示すように、遠位面(932)が眼(E)に対して完全に着座するまでに、眼(E)に対する器具(900)の遠位前進を完了することができる。遠位面(932)が眼(E)に対して完全に着座した状態で、針(960)は、
図17に示されるように遠位先端部(962)が脈絡膜上腔(SCS)に正確に(または実質的に)に位置するように位置付けられ得る。いくつかのシナリオでは、
図19を参照して後述するように、強膜(S)は、
図18Aに示す状態から
図18Bに示す状態への移行の間に変形し得る。いくつかの他のシナリオでは、
図20を参照して後述するように、針(960)の遠位部分は、
図18Aに示される状態から
図18Bに示される状態への移行の間に変形し得る。さらに他のシナリオでは、強膜(S)および針(960)の遠位部分の両方が、
図18Aに示される状態から
図18Bに示される状態への移行の間に変形し得る。
【0073】
図17に示されるように遠位先端部(962)が脈絡膜上腔(SCS)に正確に(または実質的に)位置する状態で、オペレータは次に、
図18Cに示されるように、プランジャ(986)をバレル(982)に対して遠位に前進させてもよい。プランジャ(986)のそのような前進は、バレル(982)から可撓性導管(970)を通して、さらに針(960)を通して、流体を駆動することができ、流体は、最終的に遠位先端部(962)から出て脈絡膜上腔(SCS)に入る。
【0074】
本実施例では、針軸(NA)が、脈絡膜上腔(SCS)に対して垂直ではない角度(Θ)で方向付けられているので、遠位先端部(962)を介して送達された流体は、流体が脈絡膜上腔(SCS)に対して垂直に方向付けられている針を介して送達されるシナリオにおいて流体が別様に拡散し得るよりも容易に、脈絡膜上腔(SCS)の中で拡散し得る。言い換えれば、針軸(NA)の斜めの角度(Θ)は、送達された流体の、脈絡膜上腔(SCS)内での拡散を促進し得る。針軸(NA)の斜めの角度(Θ)はまた、流体が脈絡膜上腔(SCS)に対して垂直に方向付けられる針を介して送達されるシナリオにおいて別様に起こり得る、脈絡膜(C)が注射部位で強く引き伸ばされるリスクを低減し得る。さらに、針軸(NA)の斜めの角度(Θ)は、網膜(R)が遠位先端部(962)によって不必要に貫通されるリスクを低減し得る。
【0075】
器具(900)は、導管(970)を介してシリンジ(980)と結合されるものとして上述されたが、器具(900)は、代わりに、任意の他の適切な種類の流体送達デバイスまたはシステムと結合されてもよい。例えば、器具(900)は、代わりに、自動流体送達システムと結合されてもよい。器具(900)はまた、器具(10)の一体型プランジャ(20)、ヘッド(200)のアクチュエータ(250)および関連構成要素、ヘッド(400)の調整部材(470)、ヘッド(500)の電極(504)および関連構成要素、ならびに/またはヘッド(800)の遠位突出部(830、840)を含むがこれに限定されない、本明細書に記載の様々な他の特徴部のいずれを組み込んでもよい。
【0076】
本実施例では、遠位先端部(962)は網膜(R)を貫通することはなく、硝子体腔(V)には到達しない。したがって、遠位先端部(962)は、脈絡膜上腔(SCS)または脈絡膜(Ch)より遠くまで貫通しない。いくつかの他の変形例では、遠位先端部(962)の少なくとも一部は、網膜(R)を貫通する。さらに、遠位先端部(962)は、いくつかの変形例では、硝子体腔(V)に到達することができる。
【0077】
図16~
図17を参照して上述したような器具(900)の構成、および
図18A~
図18Cを参照して上述したような器具の動作は、異なる強膜(S)厚さを有する眼(E)における器具(900)の使用を容易にし得る。言い換えれば、器具(900)は、薄い強膜(S)を有する眼(E)での使用と同様に、厚い強膜(S)を有する眼(E)での使用にも適することができる。このことは、
図19~
図20に示されている。特に、
図19は、器具(900)が比較的薄い強膜(S)を有する眼(E)に使用されるところを示す。そのような眼(E)では、器具(900)が
図18Aに示す位置から
図18Bに示す位置に枢動されるとき、針(960)の弾性が強膜(S)の弾性に打ち勝つことができ、針(960)の遠位端部は、針(960)の変形を引き起こすことなく、強膜(S)の隣接領域のある程度の変形を引き起こすことができる。針(960)の先端部(962)は、依然として、治療薬等を脈絡膜上腔(SCS)に投与するために、脈絡膜上腔(SCS)に到達し、その中に留まることができる。
図19に示すように、先端部(962)は、処置の間、脈絡膜(Ch)を横切らない。場合によっては、先端部(962)は、処置中に脈絡膜(Ch)に係合することさえない。
【0078】
図20は、器具(900)が比較的厚い強膜(S)を有する眼(E)で使用されるところを示す。そのような眼(E)において、器具(900)が
図18Aに示す位置から
図18Bに示す位置に枢動されるとき、強膜(S)の弾性が針(960)の弾性に打ち勝つことができ、強膜(S)は、強膜(S)の変形を引き起こさずに、針(960)の遠位端部を柔軟に変形させ得る。針(960)の先端部(962)は、依然として、脈絡膜上腔(SCS)に治療薬等を投与するために、脈絡膜上腔(SCS)に到達し、その中に留まることができる。
図20に示すように、先端部(962)は、処置の間、脈絡膜(Ch)を横切らない。場合によっては、先端部(962)は、処置中に脈絡膜(Ch)に係合することさえない。
【0079】
図19は、針(960)の変形なしの、強膜(S)の変形を示し、
図20は、強膜(S)の変形なしの、針(960)の変形を示しているが、強膜(S)および針(960)が両方ともある程度変形する(例えば、強膜(S)が
図19に示す厚さと
図20に示す厚さの中間の厚さを有する)シナリオがあり得る。この場合も、強膜(S)が変形するか、針(960)が変形するか、または強膜(S)および針(960)の両方が変形するかにかかわらず、針(960)の先端部(962)は依然として、治療薬等を脈絡膜上腔(SCS)へ投与するために、脈絡膜上腔(SCS)に到達し、その中に留まることができる。さらに、強膜(S)が変形するか、針(960)が変形するか、または強膜(S)および針(960)の両方が変形するかにかかわらず、針(960)の先端部(962)は、脈絡膜(Ch)に過度の外傷を与えることを回避することができる。したがって、針(960)は、強膜(S)の厚さに関係なく、治療薬を投与するために、脈絡膜上腔(SCS)に到達し、その中に留まり、脈絡膜(Ch)に過度の外傷を付与することを回避し得る。遠位面(932)に対して露出する針(960)の長さは、針(960)が眼(E)に入る斜めの角度(Θ)と組み合わせて、さらに針(960)の弾性のある可撓性と組み合わせて、先端部(962)が脈絡膜上腔(SCS)に到達することができない(例えば、先端部(962)が別様に強膜(S)を完全に横断し損ない得る)リスクをさらに低減し得る。
【0080】
II.組み合わせの実施例
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるかまたは適用することができる種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願または本出願の後続出願においていつでも提示され得る任意の請求項の範囲を制限することを意図していないことを理解されたい。ディスクレーマーは意図していない。以下の実施例は、単に例示目的で提供されているにすぎない。本明細書の種々の教示は、多数の他の方法で構成し、適用することができると考えられる。また、いくつかの変形例は、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略することができると考えられる。したがって、以下に言及する態様または特徴のいずれも、発明者または発明者の利益の承継人によって後日明示的に示されない限り、不可欠であるとみなされるべきではない。本出願または本出願に関連する後続出願において、以下で言及されるもの以外の追加の特徴を含む任意の請求項が提出された場合は、それらの追加の特徴は、特許性に関する理由で追加されたものとはみなされない。
【0081】
実施例1
装置であって、(a)流体リザーバを画定する本体であって、本体は遠位端部を有する、本体と;(b)本体の遠位端部にあるヘッドと、を含み、ヘッドは、(i)患者の眼の前部領域において患者の眼の外面に係合するように構成された遠位面と、(ii)遠位面から遠位に延びるように構成された針であって、針は、患者の眼の強膜層を通って延び、それによって、針の遠位先端部の少なくとも一部を患者の眼の前部領域における患者の眼の脈絡膜上腔に位置付けるのに十分な長さを有し、針は、流体リザーバと流体連通しており、針は、流体リザーバから患者の眼の脈絡膜上腔内に流体を送達するように動作可能である、針と、(iii)患者の眼の目印を補完し、それによって患者の眼の目印に関連する所定の場所に針を位置付けるように構成された割り出し特徴部と、を含む、装置。
【0082】
実施例2
遠位面は、遠位面が患者の眼の曲率を補完するように構成されるように、三次元凹状曲率を有する、実施例1に記載の装置。
【0083】
実施例3
遠位面は長手方向軸を画定し、針は、長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って遠位面から遠位に延びるように構成されている、実施例1~2のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0084】
実施例4
出口軸は、長手方向軸と出口角度を定めるように構成され、出口角度は、約30°~約0°の範囲である、実施例3に記載の装置。
【0085】
実施例5
本体とスライド可能に結合されたプランジャをさらに含み、プランジャは、流体リザーバから針を通して外に流体を駆動するように動作可能である、実施例1~4のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0086】
実施例6
遠位面は、コーナーによって接合された3つの遠位エッジを有する、実施例1~5のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0087】
実施例7
遠位エッジの少なくとも1つは、凹状曲率を有する、実施例6に記載の装置。
【0088】
実施例8
割り出し特徴部は、遠位エッジの少なくとも1つによって形成されている、実施例6~7のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0089】
実施例9
コーナーは、丸みを帯びている、実施例6~8のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0090】
実施例10
割り出し特徴部は、遠位面の遠位エッジを含む、実施例1~9のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0091】
実施例11
割り出し特徴部は、患者の眼の角膜縁を補完するように構成されている、実施例1~10のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0092】
実施例12
割り出し特徴部は、患者の眼の角膜縁の曲率を補完するように構成された曲率を有する、実施例11に記載の装置。
【0093】
実施例13
針は、遠位面に対して長手方向に固定されている、実施例1~12のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0094】
実施例14
針は、曲線に沿って延びる、実施例1~13のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0095】
実施例15
針は、ベベル遠位先端部を有し、ベベル遠位先端部は、ベベル角度を定める、実施例1~14のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0096】
実施例16
ベベル角度は、針が患者の眼に挿入されるときに患者の眼の層の境界と平行になるように構成されている、実施例15に記載の装置。
【0097】
実施例17
針は、遠位面に対して並進運動するように動作可能である、実施例1~16のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0098】
実施例18
針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、近位位置にある針は、針の遠位先端部が遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、遠位位置にある針は、針の遠位先端部が遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、実施例17に記載の装置。
【0099】
実施例19
アクチュエータをさらに含み、アクチュエータは、遠位面に対する針の並進運動を駆動するように動作可能である、実施例17~18のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0100】
実施例20
アクチュエータは、スライダを含む、実施例19に記載の装置。
【0101】
実施例21
アクチュエータは、ヘッド上に位置付けられている、実施例19~20のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0102】
実施例22
歪みセンサをさらに含み、歪みセンサは、針が患者の眼を貫通するときに針が遭遇する歪みを感知するように動作可能である、実施例1~21のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0103】
実施例23
応答モジュールをさらに含み、応答モジュールは、歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように動作可能である、実施例22に記載の装置。
【0104】
実施例24
応答モジュールは、針の遠位先端部が患者の眼の脈絡膜上腔に到達したことを示す歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように構成されている、実施例23に記載の装置。
【0105】
実施例25
応答モジュールは、触覚、視覚、または可聴フィードバックのうちの1つ以上を含む応答をオペレータに提供するように構成されている、実施例23~24のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0106】
実施例26
応答モジュールは、流体リザーバから針への流体連通を選択的に許可することを含む応答を提供するように構成されている、実施例23~25のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0107】
実施例27
流体リザーバと針との間に介在する弁をさらに含み、応答モジュールは、弁を選択的に開放するように構成されている、実施例26に記載の装置。
【0108】
実施例28
流体リザーバから針に流体を駆動するように動作可能なポンプをさらに含み、応答モジュールはポンプを起動するように構成されている、実施例26~27のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0109】
実施例29
ヘッドは、針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、通路の遠位部分は曲線を画定し、針は、通路の遠位部分の曲線に沿って延びる、実施例1~28のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0110】
実施例30
ヘッドは、長手方向軸をさらに画定し、通路の遠位部分の曲線は、ヘッドの長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って針の遠位部分を方向付ける、実施例29に記載の装置。
【0111】
実施例31
針は、曲線に沿って延びるように弾性的に付勢された遠位部分を含む、実施例1~30のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0112】
実施例32
針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、近位位置にある針は、針の遠位先端部が遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、遠位位置にある針は、針の遠位先端部が遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、実施例31に記載の装置。
【0113】
実施例33
ヘッドは、針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、針は、遠位位置と近位位置との間で通路に沿って並進運動するように構成されている、実施例32に記載の装置。
【0114】
実施例34
通路は、直線状構成を有し、通路は、針が近位位置にあるときに、針の遠位部分を直線状構成に変形させるように構成されている、実施例33に記載の装置。
【0115】
実施例35
針の遠位部分の弾性的な付勢は、近位位置から遠位位置への針の移動の間に遠位部分が遠位面に対して露出されると、曲線に沿って針の遠位部分を押すように構成されている、実施例34に記載の装置。
【0116】
実施例36
調整部材をさらに含み、ヘッドは長手方向軸を画定し、調整部材は、長手方向軸に対して針出口軸を調整し、それによって長手方向軸と針出口軸との間に定められる斜めの針出口角度を調整するように動作可能である、実施例1~35のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0117】
実施例37
調整部材は、ヘッドに一体化されている、実施例36に記載の装置。
【0118】
実施例38
調整部材は、ホイールを含み、ホイールは、針出口角度を調整するために回転可能である、実施例36~37のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0119】
実施例39
調整部材は、回転軸を画定する車軸をさらに含み、ホイールは、回転軸を中心に回転可能である、実施例38に記載の装置。
【0120】
実施例40
ホイールは針通路を画定し、針は針通路に沿って延びる、実施例39に記載の装置。
【0121】
実施例41
針通路は、回転軸が針通路を通過するように位置付けられている、実施例40に記載の装置。
【0122】
実施例42
調整部材は印を含み、印は、針出口角度を示す視覚フィードバックを提供するように構成されている、実施例36~41のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0123】
実施例43
電極と、処理モジュールと、をさらに含み、電極は、組織に接触するように構成され、処理モジュールは、電極からの信号に基づいて患者の眼内の針の位置を検出するように構成されている、実施例1~42のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0124】
実施例44
処理モジュールは、電極によって拾われた電位に基づいて、患者の眼内の針の位置を検出するように構成されている、実施例43に記載の装置。
【0125】
実施例45
電極は、ヘッド上の少なくとも1つの電極を含み、ヘッド上の少なくとも1つの電極は、第1の極性で動作するように構成されている、実施例43~44のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0126】
実施例46
針は、電極のうちの別の1つを形成し、針は、第2の極性で動作するように構成されている、実施例45に記載の装置。
【0127】
実施例47
ヘッドは、少なくとも1つの遠位突出部をさらに含み、少なくとも1つの遠位突出部は、針から横方向にオフセットされており、遠位面は、遠位突出部および遠位面がギャップを画定するよう構成されるように、遠位突出部から近位にオフセットされており、針はギャップを通って延びるように構成されている、実施例1~46のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0128】
実施例48
少なくとも1つの遠位突出部は、針の周りに角度的に離間した配列で位置付けられた複数の遠位突出部を含む、実施例47に記載の装置。
【0129】
実施例49
少なくとも1つの遠位突出部は、針の周りの周辺部全体に連続的に広がる遠位突出部を含む、実施例47~48のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0130】
実施例50
少なくとも1つの遠位突出部は、針が眼を貫通する場所から横方向に離間した1つ以上の対応する位置で眼に係合するように構成され、少なくとも1つの遠位突出部は、針が眼を貫通する場所において眼の強膜層の張力を維持するように構成されている、実施例47~49のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0131】
実施例51
装置であって、(a)流体リザーバを画定する本体であって、本体は遠位端部を有する、本体と;(b)本体の遠位端部にあるヘッドと、を含み、ヘッドは、(i)患者の眼の前部領域において患者の眼の外面に係合するように構成された遠位面であって、遠位面は、遠位面が患者の眼の曲率を補完するように構成されるように、三次元凹状曲率を有する、遠位面と、(ii)遠位面から遠位に延びるように構成された針であって、針は、患者の眼の強膜層を通って延び、それによって針の遠位先端部の少なくとも一部を患者の眼の前部領域における患者の眼の脈絡膜上腔に位置付けるのに十分な長さを有し、針は、流体リザーバと流体連通し、針は、流体リザーバから患者の眼の脈絡膜上腔内に流体を送達するように動作可能である、針と、を含む、装置。
【0132】
実施例52
割り出し特徴部をさらに含み、割り出し特徴部は、患者の眼の目印を補完し、それによって患者の眼の目印に関連する所定の場所に針を位置付けるように構成されている、実施例51に記載の装置。
【0133】
実施例53
遠位面は、コーナーによって接合された3つの遠位エッジを有する、実施例52に記載の装置。
【0134】
実施例54
遠位エッジの少なくとも1つは、凹状曲率を有する、実施例53に記載の装置。
【0135】
実施例55
割り出し特徴部は、遠位エッジの少なくとも1つによって形成されている、実施例53~54のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0136】
実施例56
割り出し特徴部は、遠位面の遠位エッジを含む、実施例52~55のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0137】
実施例57
割り出し特徴部は、患者の眼の角膜縁を補完するように構成されている、実施例52~56のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0138】
実施例58
割り出し特徴部は、患者の眼の角膜縁の曲率を補完するように構成された曲率を有する、実施例57に記載の装置。
【0139】
実施例59
遠位面は長手方向軸を画定し、針は、長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って遠位面から遠位に延びるように構成されている、実施例51~58のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0140】
実施例60
出口軸は、長手方向軸と出口角度を定めるように構成され、出口角度は、約30°~約0°の範囲である、実施例59に記載の装置。
【0141】
実施例61
本体とスライド可能に結合されたプランジャをさらに含み、プランジャは流体リザーバから針を通して外に流体を駆動するように動作可能である、実施例51~60のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0142】
実施例62
遠位面は、コーナーによって接合された3つの遠位エッジを有する、実施例51~61のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0143】
実施例63
遠位エッジの少なくとも1つは、凹状曲率を有する、実施例62に記載の装置。
【0144】
実施例64
コーナーは、丸みを帯びている、実施例62~63のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0145】
実施例65
針は、遠位面に対して長手方向に固定されている、実施例51~64のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0146】
実施例66
針は、曲線に沿って延びる、実施例51~65のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0147】
実施例67
針は、ベベル遠位先端部を有し、ベベル遠位先端部は、ベベル角度を定める、実施例51~66のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0148】
実施例68
ベベル角度は、針が患者の眼に挿入されるときに患者の眼の層の境界と平行になるように構成されている、実施例67に記載の装置。
【0149】
実施例69
針は、遠位面に対して並進運動するように動作可能である、実施例51~68のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0150】
実施例70
針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、近位位置にある針は、針の遠位先端部が遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、遠位位置にある針は、針の遠位先端部が遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、実施例69に記載の装置。
【0151】
実施例71
アクチュエータをさらに含み、アクチュエータは、遠位面に対する針の並進運動を駆動するように動作可能である、実施例69~70のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0152】
実施例72
アクチュエータは、スライダを含む、実施例71に記載の装置。
【0153】
実施例73
アクチュエータは、ヘッド上に位置付けられている、実施例71~72のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0154】
実施例74
歪みセンサをさらに含み、歪みセンサは、針が患者の眼を貫通するときに針が遭遇する歪みを感知するように動作可能である、実施例51~73のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0155】
実施例75
応答モジュールをさらに含み、応答モジュールは、歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように動作可能である、実施例74に記載の装置。
【0156】
実施例76
応答モジュールは、針の遠位先端部が患者の眼の脈絡膜上腔に到達したことを示す歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように構成されている、実施例75に記載の装置。
【0157】
実施例77
応答モジュールは、触覚、視覚、または可聴フィードバックのうちの1つ以上を含む応答をオペレータに提供するように構成されている、実施例75~76のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0158】
実施例78
応答モジュールは、流体リザーバから針への流体連通を選択的に許可することを含む応答を提供するように構成されている、実施例75~77のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0159】
実施例79
流体リザーバと針との間に介在する弁をさらに含み、応答モジュールは、弁を選択的に開放するように構成されている、実施例78に記載の装置。
【0160】
実施例80
流体リザーバから針に流体を駆動するように動作可能なポンプをさらに含み、応答モジュールはポンプを起動するように構成されている、実施例78~79のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0161】
実施例81
ヘッドは、針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、通路の遠位部分は曲線を画定し、針は、通路の遠位部分の曲線に沿って延びる、実施例51~80のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0162】
実施例82
ヘッドは、長手方向軸をさらに画定し、通路の遠位部分の曲線は、ヘッドの長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って針の遠位部分を方向付ける、実施例81に記載の装置。
【0163】
実施例83
針は、曲線に沿って延びるように弾性的に付勢された遠位部分を含む、実施例51~82のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0164】
実施例84
針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、近位位置にある針は、針の遠位先端部が遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、遠位位置にある針は、針の遠位先端部が遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、実施例83に記載の装置。
【0165】
実施例85
ヘッドは、針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、針は、遠位位置と近位位置との間で通路に沿って並進運動するように構成されている、実施例84に記載の装置。
【0166】
実施例86
通路は、直線状構成を有し、通路は、針が近位位置にあるときに、針の遠位部分を直線状構成に変形させるように構成されている、実施例85に記載の装置。
【0167】
実施例87
針の遠位部分の弾性的な付勢は、近位位置から遠位位置への針の移動の間に遠位部分が遠位面に対して露出されると、曲線に沿って針の遠位部分を押すように構成されている、実施例86に記載の装置。
【0168】
実施例88
調整部材をさらに含み、ヘッドは長手方向軸を画定し、調整部材は、長手方向軸に対して針出口軸を調整し、それによって長手方向軸と針出口軸との間に定められる斜めの針出口角度を調整するように動作可能である、実施例51~87のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0169】
実施例89
調整部材は、ヘッドに一体化されている、実施例88に記載の装置。
【0170】
実施例90
調整部材は、ホイールを含み、ホイールは、針出口角度を調整するために回転可能である、実施例88~89のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0171】
実施例91
調整部材は、回転軸を画定する車軸をさらに含み、ホイールは、回転軸を中心に回転可能である、実施例90に記載の装置。
【0172】
実施例92
ホイールは針通路を画定し、針は針通路に沿って延びる、実施例91に記載の装置。
【0173】
実施例93
針通路は、回転軸が針通路を通過するように位置付けられている、実施例92に記載の装置。
【0174】
実施例94
調整部材は印を含み、印は、針出口角度を示す視覚フィードバックを提供するように構成されている、実施例88~93のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0175】
実施例95
電極と、処理モジュールと、をさらに含み、電極は、組織に接触するように構成され、処理モジュールは、電極からの信号に基づいて患者の眼内の針の位置を検出するように構成されている、実施例51~94のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0176】
実施例96
処理モジュールは、電極によって拾われた電位に基づいて、患者の眼内の針の位置を検出するように構成されている、実施例95に記載の装置。
【0177】
実施例97
電極は、ヘッド上の少なくとも1つの電極を含み、ヘッド上の少なくとも1つの電極は、第1の極性で動作するように構成されている、実施例95~96のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0178】
実施例98
針は、電極のうちの別の1つを形成し、針は、第2の極性で動作するように構成されている、実施例97に記載の装置。
【0179】
実施例99
ヘッドは、少なくとも1つの遠位突出部をさらに含み、少なくとも1つの遠位突出部は、針から横方向にオフセットされており、遠位面は、遠位突出部および遠位面がギャップを画定するよう構成されるように、遠位突出部から近位にオフセットされており、針はギャップを通って延びるように構成されている、実施例51~98のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0180】
実施例100
少なくとも1つの遠位突出部は、針の周りに角度的に離間した配列で位置付けられた複数の遠位突出部を含む、実施例99に記載の装置。
【0181】
実施例101
少なくとも1つの遠位突出部は、針の周りの周辺部全体に連続的に広がる遠位突出部を含む、実施例99~100のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0182】
実施例102
少なくとも1つの遠位突出部は、針が眼を貫通する場所から横方向に離間した1つ以上の対応する位置で眼に係合するように構成され、少なくとも1つの遠位突出部は、針が眼を貫通する場所において眼の強膜層の張力を維持するように構成されている、実施例99~101のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0183】
実施例103
装置であって、(a)流体リザーバを画定する本体であって、本体は遠位端部を有する、本体と;(b)本体の遠位端部にあるヘッドと、を含み、ヘッドは、(i)患者の眼の前部領域において患者の眼の外面に係合するように構成された遠位面であって、遠位面は、長手方向軸を画定する、遠位面と、(ii)長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って遠位面から遠位に延びるように構成された針であって、針は、患者の眼の強膜層を通って延び、それによって針の遠位先端部の少なくとも一部を患者の眼の前部領域における患者の眼の脈絡膜上腔に位置付けるのに十分な長さを有し、針は、流体リザーバと流体連通し、針は、流体リザーバから患者の眼の脈絡膜上腔内に流体を送達するように動作可能である、針と、を含む、装置。
【0184】
実施例104
割り出し特徴部をさらに含み、割り出し特徴部は、患者の眼の目印を補完し、それによって患者の眼の目印に関連する所定の場所に針を位置付けるように構成されている、実施例103に記載の装置。
【0185】
実施例105
遠位面は、コーナーによって接合された3つの遠位エッジを有する、実施例104に記載の装置。
【0186】
実施例106
遠位エッジの少なくとも1つは、凹状曲率を有する、実施例105に記載の装置。
【0187】
実施例107
割り出し特徴部は、遠位エッジの少なくとも1つによって形成されている、実施例105~106のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0188】
実施例108
割り出し特徴部は、遠位面の遠位エッジを含む、実施例104~107のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0189】
実施例109
割り出し特徴部は、患者の眼の角膜縁を補完するように構成されている、実施例104~108のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0190】
実施例110
割り出し特徴部は、患者の眼の角膜縁の曲率を補完するように構成された曲率を有する、実施例109に記載の装置。
【0191】
実施例111
出口軸は、長手方向軸と出口角度を定めるように構成され、出口角度は、約30°~約0°の範囲である、実施例103~110のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0192】
実施例112
本体とスライド可能に結合されたプランジャをさらに含み、プランジャは流体リザーバから針を通して外に流体を駆動するように動作可能である、実施例103~111のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0193】
実施例113
遠位面は、コーナーによって接合された3つの遠位エッジを有する、実施例103~112のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0194】
実施例114
遠位エッジの少なくとも1つは、凹状曲率を有する、実施例113に記載の装置。
【0195】
実施例115
コーナーは、丸みを帯びている、実施例113~114のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0196】
実施例116
針は、遠位面に対して長手方向に固定されている、実施例103~115のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0197】
実施例117
針は、曲線に沿って延びる、実施例103~116のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0198】
実施例118
針は、ベベル遠位先端部を有し、ベベル遠位先端部は、ベベル角度を定める、実施例103~117のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0199】
実施例119
ベベル角度は、針が患者の眼に挿入されるときに患者の眼の層の境界と平行になるように構成されている、実施例118に記載の装置。
【0200】
実施例120
針は、遠位面に対して並進運動するように動作可能である、実施例103~119のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0201】
実施例121
針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、近位位置にある針は、針の遠位先端部が遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、遠位位置にある針は、針の遠位先端部が遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、実施例120に記載の装置。
【0202】
実施例122
アクチュエータをさらに含み、アクチュエータは、遠位面に対する針の並進運動を駆動するように動作可能である、実施例120~121のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0203】
実施例123
アクチュエータは、スライダを含む、実施例122に記載の装置。
【0204】
実施例124
アクチュエータは、ヘッド上に位置付けられている、実施例122~123のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0205】
実施例125
歪みセンサをさらに含み、歪みセンサは、針が患者の眼を貫通するときに針が遭遇する歪みを感知するように動作可能である、実施例103~124のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0206】
実施例126
応答モジュールをさらに含み、応答モジュールは、歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように動作可能である、実施例125に記載の装置。
【0207】
実施例127
応答モジュールは、針の遠位先端部が患者の眼の脈絡膜上腔に到達したことを示す歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように構成されている、実施例126に記載の装置。
【0208】
実施例128
応答モジュールは、触覚、視覚、または可聴フィードバックのうちの1つ以上を含む応答をオペレータに提供するように構成されている、実施例126~127のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0209】
実施例129
応答モジュールは、流体リザーバから針への流体連通を選択的に許可することを含む応答を提供するように構成されている、実施例126~128のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0210】
実施例130
流体リザーバと針との間に介在する弁をさらに含み、応答モジュールは、弁を選択的に開放するように構成されている、実施例129に記載の装置。
【0211】
実施例131
流体リザーバから針に流体を駆動するように動作可能なポンプをさらに含み、応答モジュールはポンプを起動するように構成されている、実施例129~130のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0212】
実施例132
ヘッドは、針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、通路の遠位部分は曲線を画定し、針は、通路の遠位部分の曲線に沿って延びる、実施例103~131のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0213】
実施例133
ヘッドは、長手方向軸をさらに画定し、通路の遠位部分の曲線は、ヘッドの長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って針の遠位部分を方向付ける、実施例132に記載の装置。
【0214】
実施例134
針は、曲線に沿って延びるように弾性的に付勢された遠位部分を含む、実施例103~133のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0215】
実施例135
針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、近位位置にある針は、針の遠位先端部が遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、遠位位置にある針は、針の遠位先端部が遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、実施例134に記載の装置。
【0216】
実施例136
ヘッドは、針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、針は、遠位位置と近位位置との間で通路に沿って並進運動するように構成されている、実施例135に記載の装置。
【0217】
実施例137
通路は、直線状構成を有し、通路は、針が近位位置にあるときに、針の遠位部分を直線状構成に変形させるように構成されている、実施例136に記載の装置。
【0218】
実施例138
針の遠位部分の弾性的な付勢は、近位位置から遠位位置への針の移動の間に遠位部分が遠位面に対して露出されると、曲線に沿って針の遠位部分を押すように構成されている、実施例137に記載の装置。
【0219】
実施例139
調整部材をさらに含み、ヘッドは長手方向軸を画定し、調整部材は、長手方向軸に対して針出口軸を調整し、それによって長手方向軸と針出口軸との間に定められる斜めの針出口角度を調整するように動作可能である、実施例103~138のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0220】
実施例140
調整部材は、ヘッドに一体化されている、実施例139に記載の装置。
【0221】
実施例141
調整部材は、ホイールを含み、ホイールは、針出口角度を調整するために回転可能である、実施例139~140のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0222】
実施例142
調整部材は、回転軸を画定する車軸をさらに含み、ホイールは、回転軸を中心に回転可能である、実施例141に記載の装置。
【0223】
実施例143
ホイールは針通路を画定し、針は針通路に沿って延びる、実施例142に記載の装置。
【0224】
実施例144
針通路は、回転軸が針通路を通過するように位置付けられている、実施例143に記載の装置。
【0225】
実施例145
調整部材は印を含み、印は、針出口角度を示す視覚フィードバックを提供するように構成されている、実施例139~144のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0226】
実施例146
電極と、処理モジュールと、をさらに含み、電極は、組織に接触するように構成され、処理モジュールは、電極からの信号に基づいて患者の眼内の針の位置を検出するように構成されている、実施例103~145のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0227】
実施例147
処理モジュールは、電極によって拾われた電位に基づいて、患者の眼内の針の位置を検出するように構成されている、実施例146に記載の装置。
【0228】
実施例148
電極は、ヘッド上の少なくとも1つの電極を含み、ヘッド上の少なくとも1つの電極は、第1の極性で動作するように構成されている、実施例146~147のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0229】
実施例149
針は、電極のうちの別の1つを形成し、針は、第2の極性で動作するように構成されている、実施例148に記載の装置。
【0230】
実施例150
ヘッドは、少なくとも1つの遠位突出部をさらに含み、少なくとも1つの遠位突出部は、針から横方向にオフセットされており、遠位面は、遠位突出部および遠位面がギャップを画定するよう構成されるように、遠位突出部から近位にオフセットされており、針はギャップを通って延びるように構成されている、実施例103~149のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0231】
実施例151
少なくとも1つの遠位突出部は、針の周りに角度的に離間した配列で位置付けられた複数の遠位突出部を含む、実施例150に記載の装置。
【0232】
実施例152
少なくとも1つの遠位突出部は、針の周りの周辺部全体に連続的に広がる遠位突出部を含む、実施例150~151のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0233】
実施例153
少なくとも1つの遠位突出部は、針が眼を貫通する場所から横方向に離間した1つ以上の対応する位置で眼に係合するように構成され、少なくとも1つの遠位突出部は、針が眼を貫通する場所において眼の強膜層の張力を維持するように構成されている、実施例150~152のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0234】
実施例154
遠位面は、遠位面が患者の眼の曲率を補完するように構成されるように、三次元凹状曲率を有する、実施例103~153のいずれか1つ以上に記載の装置。
【0235】
実施例155
装置であって、(a)シャフトであって、(i)近位端部、(ii)遠位端部、および(iii)流体経路、を有する、シャフトと;(b)シャフトの遠位端部にあるヘッドと、を含み、ヘッドは、(i)患者の眼の前部領域において患者の眼の外面に係合するように構成された遠位面であって、遠位面は、患者の眼の曲率を補完するように曲線を描いた凹状曲率を有する、遠位面と、(ii)遠位面から遠位に延びるように構成された針であって、針は、遠位面が患者の眼に対して着座されている間に、患者の眼の強膜層を通って延び、それによって、針の遠位先端部の少なくとも一部を患者の眼の前部領域における患者の眼の脈絡膜上腔に位置付けるのに十分な長さを有し、針は、流体経路と流体連通しており、針は、流体経路から患者の眼の脈絡膜上腔内に流体を送達するように動作可能である、針と、を含む、装置。
【0236】
実施例156
ヘッドは、割り出し特徴部をさらに含み、割り出し特徴部は、患者の眼の目印を補完し、それによって患者の眼の目印に関連する所定の場所に針を位置付けるように構成されている、実施例155に記載の装置。
【0237】
実施例157
遠位面はエッジを有し、エッジは割り出し特徴部を画定する、実施例156に記載の装置。
【0238】
実施例158
割り出し特徴部は、患者の眼の角膜縁を補完するように構成されている、実施例156~157のいずれかに記載の装置。
【0239】
実施例159
割り出し特徴部は、患者の眼の角膜縁の曲率を補完するように構成された曲率を有する、実施例158に記載の装置。
【0240】
実施例160
針は、遠位面に対して長手方向に固定されている、実施例155~159のいずれかに記載の装置。
【0241】
実施例161
遠位面は、三次元凹状曲率を有する、実施例155~160のいずれかに記載の装置。
【0242】
実施例162
シャフトは長手方向軸を画定し、遠位面は、長手方向軸に対して横断方向に方向付けられている、実施例155~161のいずれかに記載の装置。
【0243】
実施例163
シャフトは長手方向軸を画定し、針は、シャフトの長手方向軸と平行である出口軸に沿って延びる、実施例155~162のいずれかに記載の装置。
【0244】
実施例164
針は、直線状構成を有する、実施例155~163のいずれかに記載の装置。
【0245】
実施例165
針は、ベベル遠位先端部を有し、ベベル遠位先端部は、ベベル角度を定める、実施例155~164のいずれかに記載の装置。
【0246】
実施例166
ベベル角度は、針が患者の眼に挿入されるときに患者の眼の層の境界と平行になるように構成されている、実施例165に記載の装置。
【0247】
実施例167
流体経路は、可撓性導管を含む、実施例155~166のいずれかに記載の装置。
【0248】
実施例168
可撓性導管と結合されたシリンジをさらに含む、実施例167に記載の装置。
【0249】
実施例169
シリンジは、可撓性導管を介してシャフトから離間している、実施例168に記載の装置。
【0250】
実施例170
シャフトは、横方向に向いた案内特徴部をさらに含み、横方向に向いた案内特徴部は、患者の眼の目印を補完し、それによって患者の眼に関連する所定の向きに針を位置付けるように構成されている、実施例155~169のいずれかに記載の装置。
【0251】
実施例171
横方向に向いた案内特徴部は、患者の眼の目印の曲率を補完するように構成された凹面を含む、実施例170に記載の装置。
【0252】
実施例172
目印は、患者の眼の角膜縁を含む、実施例171に記載の装置。
【0253】
実施例173
シャフトは、マーキングアセンブリをさらに含み、マーキングアセンブリは、患者の眼の目印に関連する針入口点をマーキングするように構成されている、実施例155~172のいずれかに記載の装置。
【0254】
実施例174
マーキングアセンブリは、シャフトの近位端部に位置付けられている、実施例173に記載の装置。
【0255】
実施例175
マーキングアセンブリは、所定の距離だけ互いから固定的に離間した2つの突起を含む、実施例173~174のいずれかに記載の装置。
【0256】
実施例176
2つの突起のうちの各突起は、非外傷性構成を有する、実施例175に記載の装置。
【0257】
実施例177
マーキングアセンブリは、患者の眼の角膜縁に関連する針入口点をマーキングするように構成されている、実施例173~176のいずれかに記載の装置。
【0258】
III.その他
本明細書におけるいくつかの実施例が、カニューレガイドが既に形成された強膜切開部(23)の近くに位置付けられるという文脈で説明されている限り、他の種類の処置が採用され得ることが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載される処置のいくつかの変形例では、カニューレガイドが、最初に眼(20)に固定されてよく;そして、カニューレガイドが眼(20)に固定された後で強膜切開部(23)が形成され得る。強膜切開部(23)とカニューレガイドとの組み合わせを含む処置において実施され得る他の適切なステップおよびシーケンスは、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであろう。
【0259】
本明細書に記載する器具のバージョンのいずれも、上述の特徴に加えて、またはその代わりに、様々な他の特徴を含み得ることを理解されたい。ほんの一例として、本明細書中のデバイスのいずれも、参照により本明細書に組み込まれる種々の参考文献のいずれかに開示された種々の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0260】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などのうちの任意の1つ以上は、本明細書に記載されるその他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちの任意の1つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上述の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに分離して見るべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の適切な方法は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には容易に明らかであろう。そのような改変および変形は、特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【0261】
参照により本明細書に組み込まれると言われている任意の特許、刊行物、または他の開示資料の全部または一部は、組み込まれる資料が本開示に記載されている既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。したがって、必要な範囲で、本明細書に明示的に記載された開示は、参照により本明細書に組み込まれるいかなる矛盾する資料にも取って代わる。参照により本明細書に組み込まれると言われているが、本明細書に記載される既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾する任意の資料またはその一部は、その組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれる。
【0262】
前述したバージョンは、1回の使用後に処分されるように設計することもできるし、複数回使用されるように設計することもできる。バージョンは、いずれかの場合または両方の場合において、少なくとも1回使用した後で再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解ステップ、続いて特定の部品の洗浄または交換ステップ、およびその後の再組み立てステップの任意の組み合わせを含むことができる。特に、デバイスのいくつかのバージョンを分解することができ、デバイスの任意の数の特定の部品または部分を、任意の組み合わせで選択的に交換または除去することができる。特定の部分が洗浄および/または交換されると、デバイスのいくつかのバージョンは、再調整施設で、または処置の直前にオペレータによって、その後の使用のために再組み立てされ得る。当業者は、デバイスの再調整が、分解、洗浄/交換、および再組み立てのための様々な技術を利用し得ることを理解するであろう。このような技術の使用、および結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0263】
ほんの一例として、本明細書に記載するバージョンは、処置の前および/または後に滅菌することができる。1つの滅菌技術では、デバイスは、プラスチックまたはTYVEKバッグのような閉鎖され密閉された容器に入れられる。次いで、容器およびデバイスは、ガンマ線、x線、または高エネルギー電子などの、容器を貫通し得る放射線場に配置され得る。放射線は、デバイス上および容器内の細菌を死滅させ得る。その後、滅菌されたデバイスは、後で使用するために滅菌容器内で保管され得る。デバイスは、ベータもしくはガンマ線、エチレンオキシド、または蒸気を含むがこれらに限定されない、当技術分野で既知の任意の他の技術を用いて滅菌されてもよい。
【0264】
本発明の種々の実施形態を示し、説明したが、本明細書に記載した方法およびシステムのさらなる改作が、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変によって達成され得る。そのような可能性のある改変のいくつかが言及されており、他のものは当業者には明らかであろう。例えば、上述の実施例、実施形態、幾何学的特徴、材料、寸法、比率、ステップなどは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の点から検討されるべきであり、明細書および図面に示され説明される構造および動作の詳細に限定されないことが理解される。
【0265】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)流体リザーバを画定する本体であって、前記本体は遠位端部を有する、本体と、
(b)前記本体の前記遠位端部にあるヘッドと、を含み、前記ヘッドは、
(i)患者の眼の前部領域において前記患者の眼の外面に係合するように構成された遠位面と、
(ii)前記遠位面から遠位に延びるように構成された針であって、前記針は、前記患者の眼の強膜層を通って延び、それによって、前記針の遠位先端部の少なくとも一部を前記患者の眼の前部領域における前記患者の眼の脈絡膜上腔に位置付けるのに十分な長さを有し、前記針は、前記流体リザーバと流体連通しており、前記針は、前記流体リザーバから前記患者の眼の前記脈絡膜上腔内に流体を送達するように動作可能である、針と、
(iii)前記患者の眼の目印を補完し、それによって前記患者の眼の前記目印に関連する所定の場所に前記針を位置付けるように構成された割り出し特徴部と、を含む、装置。
(2) 前記遠位面は、前記遠位面が前記患者の眼の曲率を補完するように構成されるように、三次元凹状曲率を有する、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記遠位面は長手方向軸を画定し、前記針は、前記長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って前記遠位面から遠位に延びるように構成されている、実施態様1~2のいずれかに記載の装置。
(4) 前記出口軸は、前記長手方向軸と出口角度を定めるように構成され、前記出口角度は、約30°~約0°の範囲である、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記本体とスライド可能に結合されたプランジャをさらに含み、前記プランジャは、前記流体リザーバから前記針を通して外に流体を駆動するように動作可能である、実施態様1~4のいずれかに記載の装置。
【0266】
(6) 前記遠位面は、コーナーによって接合された3つの遠位エッジを有する、実施態様1~5のいずれかに記載の装置。
(7) 前記遠位エッジの少なくとも1つは、凹状曲率を有する、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記割り出し特徴部は、前記遠位エッジの少なくとも1つによって形成されている、実施態様6~7のいずれかに記載の装置。
(9) 前記コーナーは、丸みを帯びている、実施態様6~8のいずれかに記載の装置。
(10) 前記割り出し特徴部は、前記遠位面の遠位エッジを含む、実施態様1~9のいずれかに記載の装置。
【0267】
(11) 前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の角膜縁を補完するように構成されている、実施態様1~10のいずれかに記載の装置。
(12) 前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の前記角膜縁の曲率を補完するように構成された曲率を有する、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記針は、前記遠位面に対して長手方向に固定されている、実施態様1~12のいずれかに記載の装置。
(14) 前記針は、曲線に沿って延びる、実施態様1~13のいずれかに記載の装置。
(15) 前記針は、ベベル遠位先端部を有し、前記ベベル遠位先端部は、ベベル角度を定める、実施態様1~14のいずれかに記載の装置。
【0268】
(16) 前記ベベル角度は、前記針が前記患者の眼に挿入されるときに前記患者の眼の層の境界と平行になるように構成されている、実施態様15に記載の装置。
(17) 前記針は、前記遠位面に対して並進運動するように動作可能である、実施態様1~16のいずれかに記載の装置。
(18) 前記針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、前記近位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、前記遠位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、実施態様17に記載の装置。
(19) アクチュエータをさらに含み、前記アクチュエータは、前記遠位面に対する前記針の並進運動を駆動するように動作可能である、実施態様17~18のいずれかに記載の装置。
(20) 前記アクチュエータは、スライダを含む、実施態様19に記載の装置。
【0269】
(21) 前記アクチュエータは、前記ヘッド上に位置付けられている、実施態様19~20のいずれかに記載の装置。
(22) 歪みセンサをさらに含み、前記歪みセンサは、前記針が前記患者の眼を貫通するときに前記針が遭遇する歪みを感知するように動作可能である、実施態様1~21のいずれかに記載の装置。
(23) 応答モジュールをさらに含み、前記応答モジュールは、前記歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように動作可能である、実施態様22に記載の装置。
(24) 前記応答モジュールは、前記針の遠位先端部が前記患者の眼の脈絡膜上腔に到達したことを示す前記歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように構成されている、実施態様23に記載の装置。
(25) 前記応答モジュールは、触覚、視覚、または可聴フィードバックのうちの1つ以上を含む応答をオペレータに提供するように構成されている、実施態様23~24のいずれかに記載の装置。
【0270】
(26) 前記応答モジュールは、前記流体リザーバから前記針への流体連通を選択的に許可することを含む応答を提供するように構成されている、実施態様23~25のいずれかに記載の装置。
(27) 前記流体リザーバと前記針との間に介在する弁をさらに含み、前記応答モジュールは、前記弁を選択的に開放するように構成されている、実施態様26に記載の装置。
(28) 前記流体リザーバから前記針に流体を駆動するように動作可能なポンプをさらに含み、前記応答モジュールは前記ポンプを起動するように構成されている、実施態様26~27のいずれかに記載の装置。
(29) 前記ヘッドは、前記針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、前記通路の遠位部分は曲線を画定し、前記針は、前記通路の前記遠位部分の前記曲線に沿って延びる、実施態様1~28のいずれかに記載の装置。
(30) 前記ヘッドは、長手方向軸をさらに画定し、前記通路の前記遠位部分の前記曲線は、前記ヘッドの前記長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って前記針の遠位部分を方向付ける、実施態様29に記載の装置。
【0271】
(31) 前記針は、曲線に沿って延びるように弾性的に付勢された遠位部分を含む、実施態様1~30のいずれかに記載の装置。
(32) 前記針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、前記近位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、前記遠位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、実施態様31に記載の装置。
(33) 前記ヘッドは、前記針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、前記針は、前記遠位位置と前記近位位置との間で前記通路に沿って並進運動するように構成されている、実施態様32に記載の装置。
(34) 前記通路は、直線状構成を有し、前記通路は、前記針が前記近位位置にあるときに、前記針の前記遠位部分を直線状構成に変形させるように構成されている、実施態様33に記載の装置。
(35) 前記針の前記遠位部分の弾性的な付勢は、前記近位位置から前記遠位位置への前記針の移動の間に前記遠位部分が前記遠位面に対して露出されると、曲線に沿って前記針の前記遠位部分を押すように構成されている、実施態様34に記載の装置。
【0272】
(36) 調整部材をさらに含み、前記ヘッドは長手方向軸を画定し、前記調整部材は、前記長手方向軸に対して針出口軸を調整し、それによって前記長手方向軸と前記針出口軸との間に定められる斜めの針出口角度を調整するように動作可能である、実施態様1~35のいずれかに記載の装置。
(37) 前記調整部材は、前記ヘッドに一体化されている、実施態様36に記載の装置。
(38) 前記調整部材は、ホイールを含み、前記ホイールは、前記針出口角度を調整するために回転可能である、実施態様36~37のいずれかに記載の装置。
(39) 前記調整部材は、回転軸を画定する車軸をさらに含み、前記ホイールは、前記回転軸を中心に回転可能である、実施態様38に記載の装置。
(40) 前記ホイールは針通路を画定し、前記針は前記針通路に沿って延びる、実施態様39に記載の装置。
【0273】
(41) 前記針通路は、前記回転軸が前記針通路を通過するように位置付けられている、実施態様40に記載の装置。
(42) 前記調整部材は印を含み、前記印は、前記針出口角度を示す視覚フィードバックを提供するように構成されている、実施態様36~41のいずれかに記載の装置。
(43) 電極と、処理モジュールと、をさらに含み、前記電極は、組織に接触するように構成され、前記処理モジュールは、前記電極からの信号に基づいて前記患者の眼内の前記針の位置を検出するように構成されている、実施態様1~42のいずれかに記載の装置。
(44) 前記処理モジュールは、前記電極によって拾われた電位に基づいて、前記患者の眼内の前記針の位置を検出するように構成されている、実施態様43に記載の装置。
(45) 前記電極は、前記ヘッド上の少なくとも1つの電極を含み、前記ヘッド上の前記少なくとも1つの電極は、第1の極性で動作するように構成されている、実施態様43~44のいずれかに記載の装置。
【0274】
(46) 前記針は、前記電極のうちの別の1つを形成し、前記針は、第2の極性で動作するように構成されている、実施態様45に記載の装置。
(47) 前記ヘッドは、少なくとも1つの遠位突出部をさらに含み、前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針から横方向にオフセットされており、前記遠位面は、前記遠位突出部および前記遠位面がギャップを画定するよう構成されるように、前記遠位突出部から近位にオフセットされており、前記針は前記ギャップを通って延びるように構成されている、実施態様1~46のいずれかに記載の装置。
(48) 前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針の周りに角度的に離間した配列で位置付けられた複数の遠位突出部を含む、実施態様47に記載の装置。
(49) 前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針の周りの周辺部全体に連続的に広がる遠位突出部を含む、実施態様47~48のいずれかに記載の装置。
(50) 前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針が前記眼を貫通する場所から横方向に離間した1つ以上の対応する位置で前記眼に係合するように構成され、前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針が前記眼を貫通する前記場所において前記眼の強膜層の張力を維持するように構成されている、実施態様47~49のいずれかに記載の装置。
【0275】
(51) 装置であって、
(a)流体リザーバを画定する本体であって、前記本体は遠位端部を有する、本体と、
(b)前記本体の前記遠位端部にあるヘッドと、を含み、前記ヘッドは、
(i)患者の眼の前部領域において前記患者の眼の外面に係合するように構成された遠位面であって、前記遠位面は、前記遠位面が前記患者の眼の曲率を補完するように構成されるように、三次元凹状曲率を有する、遠位面と、
(ii)前記遠位面から遠位に延びるように構成された針であって、前記針は、前記患者の眼の強膜層を通って延び、それによって前記針の遠位先端部の少なくとも一部を前記患者の眼の前部領域における前記患者の眼の脈絡膜上腔に位置付けるのに十分な長さを有し、前記針は、前記流体リザーバと流体連通し、前記針は、前記流体リザーバから前記患者の眼の前記脈絡膜上腔内に流体を送達するように動作可能である、針と、を含む、装置。
(52) 割り出し特徴部をさらに含み、前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の目印を補完し、それによって前記患者の眼の前記目印に関連する所定の場所に前記針を位置付けるように構成されている、実施態様51に記載の装置。
(53) 前記遠位面は、コーナーによって接合された3つの遠位エッジを有する、実施態様52に記載の装置。
(54) 前記遠位エッジの少なくとも1つは、凹状曲率を有する、実施態様53に記載の装置。
(55) 前記割り出し特徴部は、前記遠位エッジの少なくとも1つによって形成されている、実施態様53~54のいずれかに記載の装置。
【0276】
(56) 前記割り出し特徴部は、前記遠位面の遠位エッジを含む、実施態様52~55のいずれかに記載の装置。
(57) 前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の角膜縁を補完するように構成されている、実施態様52~56のいずれかに記載の装置。
(58) 前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の前記角膜縁の曲率を補完するように構成された曲率を有する、実施態様57に記載の装置。
(59) 前記遠位面は長手方向軸を画定し、前記針は、前記長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って前記遠位面から遠位に延びるように構成されている、実施態様51~58のいずれかに記載の装置。
(60) 前記出口軸は、前記長手方向軸と出口角度を定めるように構成され、前記出口角度は、約30°~約0°の範囲である、実施態様59に記載の装置。
【0277】
(61) 前記本体とスライド可能に結合されたプランジャをさらに含み、前記プランジャは前記流体リザーバから前記針を通して外に流体を駆動するように動作可能である、実施態様51~60のいずれかに記載の装置。
(62) 前記遠位面は、コーナーによって接合された3つの遠位エッジを有する、実施態様51~61のいずれかに記載の装置。
(63) 前記遠位エッジの少なくとも1つは、凹状曲率を有する、実施態様62に記載の装置。
(64) 前記コーナーは、丸みを帯びている、実施態様62~63のいずれかに記載の装置。
(65) 前記針は、前記遠位面に対して長手方向に固定されている、実施態様51~64のいずれかに記載の装置。
【0278】
(66) 前記針は、曲線に沿って延びる、実施態様51~65のいずれかに記載の装置。
(67) 前記針は、ベベル遠位先端部を有し、前記ベベル遠位先端部は、ベベル角度を定める、実施態様51~66のいずれかに記載の装置。
(68) 前記ベベル角度は、前記針が前記患者の眼に挿入されるときに前記患者の眼の層の境界と平行になるように構成されている、実施態様67に記載の装置。
(69) 前記針は、前記遠位面に対して並進運動するように動作可能である、実施態様51~68のいずれかに記載の装置。
(70) 前記針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、前記近位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、前記遠位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、実施態様69に記載の装置。
【0279】
(71) アクチュエータをさらに含み、前記アクチュエータは、前記遠位面に対する前記針の並進運動を駆動するように動作可能である、実施態様69~70のいずれかに記載の装置。
(72) 前記アクチュエータは、スライダを含む、実施態様71に記載の装置。
(73) 前記アクチュエータは、前記ヘッド上に位置付けられている、実施態様71~72のいずれかに記載の装置。
(74) 歪みセンサをさらに含み、前記歪みセンサは、前記針が前記患者の眼を貫通するときに前記針が遭遇する歪みを感知するように動作可能である、実施態様51~73のいずれかに記載の装置。
(75) 応答モジュールをさらに含み、前記応答モジュールは、前記歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように動作可能である、実施態様74に記載の装置。
【0280】
(76) 前記応答モジュールは、前記針の遠位先端部が前記患者の眼の脈絡膜上腔に到達したことを示す前記歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように構成されている、実施態様75に記載の装置。
(77) 前記応答モジュールは、触覚、視覚、または可聴フィードバックのうちの1つ以上を含む応答をオペレータに提供するように構成されている、実施態様75~76のいずれかに記載の装置。
(78) 前記応答モジュールは、前記流体リザーバから前記針への流体連通を選択的に許可することを含む応答を提供するように構成されている、実施態様75~77のいずれかに記載の装置。
(79) 前記流体リザーバと前記針との間に介在する弁をさらに含み、前記応答モジュールは、前記弁を選択的に開放するように構成されている、実施態様78に記載の装置。
(80) 前記流体リザーバから前記針に流体を駆動するように動作可能なポンプをさらに含み、前記応答モジュールは前記ポンプを起動するように構成されている、実施態様78~79のいずれかに記載の装置。
【0281】
(81) 前記ヘッドは、前記針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、前記通路の遠位部分は曲線を画定し、前記針は、前記通路の前記遠位部分の前記曲線に沿って延びる、実施態様51~80のいずれかに記載の装置。
(82) 前記ヘッドは、長手方向軸をさらに画定し、前記通路の前記遠位部分の前記曲線は、前記ヘッドの前記長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って前記針の遠位部分を方向付ける、実施態様81に記載の装置。
(83) 前記針は、曲線に沿って延びるように弾性的に付勢された遠位部分を含む、実施態様51~82のいずれかに記載の装置。
(84) 前記針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、前記近位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、前記遠位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、実施態様83に記載の装置。
(85) 前記ヘッドは、前記針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、前記針は、前記遠位位置と前記近位位置との間で前記通路に沿って並進運動するように構成されている、実施態様84に記載の装置。
【0282】
(86) 前記通路は、直線状構成を有し、前記通路は、前記針が前記近位位置にあるときに、前記針の前記遠位部分を直線状構成に変形させるように構成されている、実施態様85に記載の装置。
(87) 前記針の前記遠位部分の弾性的な付勢は、前記近位位置から前記遠位位置への前記針の移動の間に前記遠位部分が前記遠位面に対して露出されると、曲線に沿って前記針の前記遠位部分を押すように構成されている、実施態様86に記載の装置。
(88) 調整部材をさらに含み、前記ヘッドは長手方向軸を画定し、前記調整部材は、前記長手方向軸に対して針出口軸を調整し、それによって前記長手方向軸と前記針出口軸との間に定められる斜めの針出口角度を調整するように動作可能である、実施態様51~87のいずれかに記載の装置。
(89) 前記調整部材は、前記ヘッドに一体化されている、実施態様88に記載の装置。
(90) 前記調整部材は、ホイールを含み、前記ホイールは、前記針出口角度を調整するために回転可能である、実施態様88~89のいずれかに記載の装置。
【0283】
(91) 前記調整部材は、回転軸を画定する車軸をさらに含み、前記ホイールは、前記回転軸を中心に回転可能である、実施態様90に記載の装置。
(92) 前記ホイールは針通路を画定し、前記針は前記針通路に沿って延びる、実施態様91に記載の装置。
(93) 前記針通路は、前記回転軸が前記針通路を通過するように位置付けられている、実施態様92に記載の装置。
(94) 前記調整部材は印を含み、前記印は、前記針出口角度を示す視覚フィードバックを提供するように構成されている、実施態様88~93のいずれかに記載の装置。
(95) 電極と、処理モジュールと、をさらに含み、前記電極は、組織に接触するように構成され、前記処理モジュールは、前記電極からの信号に基づいて前記患者の眼内の前記針の位置を検出するように構成されている、実施態様51~94のいずれかに記載の装置。
【0284】
(96) 前記処理モジュールは、前記電極によって拾われた電位に基づいて、前記患者の眼内の前記針の位置を検出するように構成されている、実施態様95に記載の装置。
(97) 前記電極は、前記ヘッド上の少なくとも1つの電極を含み、前記ヘッド上の前記少なくとも1つの電極は、第1の極性で動作するように構成されている、実施態様95~96のいずれかに記載の装置。
(98) 前記針は、前記電極のうちの別の1つを形成し、前記針は、第2の極性で動作するように構成されている、実施態様97に記載の装置。
(99) 前記ヘッドは、少なくとも1つの遠位突出部をさらに含み、前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針から横方向にオフセットされており、前記遠位面は、前記遠位突出部および前記遠位面がギャップを画定するよう構成されるように、前記遠位突出部から近位にオフセットされており、前記針は前記ギャップを通って延びるように構成されている、実施態様51~98のいずれかに記載の装置。
(100) 前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針の周りに角度的に離間した配列で位置付けられた複数の遠位突出部を含む、実施態様99に記載の装置。
【0285】
(101) 前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針の周りの周辺部全体に連続的に広がる遠位突出部を含む、実施態様99~100のいずれかに記載の装置。
(102) 前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針が前記眼を貫通する場所から横方向に離間した1つ以上の対応する位置で前記眼に係合するように構成され、前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針が前記眼を貫通する前記場所において前記眼の強膜層の張力を維持するように構成されている、実施態様99~101のいずれかに記載の装置。
(103) 装置であって、
(a)流体リザーバを画定する本体であって、前記本体は遠位端部を有する、本体と、
(b)前記本体の前記遠位端部にあるヘッドと、を含み、前記ヘッドは、
(i)患者の眼の前部領域において前記患者の眼の外面に係合するように構成された遠位面であって、前記遠位面は、長手方向軸を画定する、遠位面と、
(ii)前記長手方向軸に対して斜めに方向付けられた出口軸に沿って前記遠位面から遠位に延びるように構成された針であって、前記針は、前記患者の眼の強膜層を通って延び、それによって前記針の遠位先端部の少なくとも一部を前記患者の眼の前部領域における前記患者の眼の脈絡膜上腔に位置付けるのに十分な長さを有し、前記針は、前記流体リザーバと流体連通し、前記針は、前記流体リザーバから前記患者の眼の前記脈絡膜上腔内に流体を送達するように動作可能である、針と、を含む、装置。
(104) 割り出し特徴部をさらに含み、前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の目印を補完し、それによって前記患者の眼の前記目印に関連する所定の場所に前記針を位置付けるように構成されている、実施態様103に記載の装置。
(105) 前記遠位面は、コーナーによって接合された3つの遠位エッジを有する、実施態様104に記載の装置。
【0286】
(106) 前記遠位エッジの少なくとも1つは、凹状曲率を有する、実施態様105に記載の装置。
(107) 前記割り出し特徴部は、前記遠位エッジの少なくとも1つによって形成されている、実施態様105~106のいずれかに記載の装置。
(108) 前記割り出し特徴部は、前記遠位面の遠位エッジを含む、実施態様104~107のいずれかに記載の装置。
(109) 前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の角膜縁を補完するように構成されている、実施態様104~108のいずれかに記載の装置。
(110) 前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の前記角膜縁の曲率を補完するように構成された曲率を有する、実施態様109に記載の装置。
【0287】
(111) 前記出口軸は、前記長手方向軸と出口角度を定めるように構成され、前記出口角度は、約30°~約0°の範囲である、実施態様103~110のいずれかに記載の装置。
(112) 前記本体とスライド可能に結合されたプランジャをさらに含み、前記プランジャは前記流体リザーバから前記針を通して外に流体を駆動するように動作可能である、実施態様103~111のいずれかに記載の装置。
(113) 前記遠位面は、コーナーによって接合された3つの遠位エッジを有する、実施態様103~112のいずれかに記載の装置。
(114) 前記遠位エッジの少なくとも1つは、凹状曲率を有する、実施態様113に記載の装置。
(115) 前記コーナーは、丸みを帯びている、実施態様113~114のいずれかに記載の装置。
【0288】
(116) 前記針は、前記遠位面に対して長手方向に固定されている、実施態様103~115のいずれかに記載の装置。
(117) 前記針は、曲線に沿って延びる、実施態様103~116のいずれかに記載の装置。
(118) 前記針は、ベベル遠位先端部を有し、前記ベベル遠位先端部は、ベベル角度を定める、実施態様103~117のいずれかに記載の装置。
(119) 前記ベベル角度は、前記針が前記患者の眼に挿入されるときに前記患者の眼の層の境界と平行になるように構成されている、実施態様118に記載の装置。
(120) 前記針は、前記遠位面に対して並進運動するように動作可能である、実施態様103~119のいずれかに記載の装置。
【0289】
(121) 前記針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、前記近位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、前記遠位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、実施態様120に記載の装置。
(122) アクチュエータをさらに含み、前記アクチュエータは、前記遠位面に対する前記針の並進運動を駆動するように動作可能である、実施態様120~121のいずれかに記載の装置。
(123) 前記アクチュエータは、スライダを含む、実施態様122に記載の装置。
(124) 前記アクチュエータは、前記ヘッド上に位置付けられている、実施態様122~123のいずれかに記載の装置。
(125) 歪みセンサをさらに含み、前記歪みセンサは、前記針が前記患者の眼を貫通するときに前記針が遭遇する歪みを感知するように動作可能である、実施態様103~124のいずれかに記載の装置。
【0290】
(126) 応答モジュールをさらに含み、前記応答モジュールは、前記歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように動作可能である、実施態様125に記載の装置。
(127) 前記応答モジュールは、前記針の遠位先端部が前記患者の眼の脈絡膜上腔に到達したことを示す前記歪みセンサからの信号に基づいて応答を提供するように構成されている、実施態様126に記載の装置。
(128) 前記応答モジュールは、触覚、視覚、または可聴フィードバックのうちの1つ以上を含む応答をオペレータに提供するように構成されている、実施態様126~127のいずれかに記載の装置。
(129) 前記応答モジュールは、前記流体リザーバから前記針への流体連通を選択的に許可することを含む応答を提供するように構成されている、実施態様126~128のいずれかに記載の装置。
(130) 前記流体リザーバと前記針との間に介在する弁をさらに含み、前記応答モジュールは、前記弁を選択的に開放するように構成されている、実施態様129に記載の装置。
【0291】
(131) 前記流体リザーバから前記針に流体を駆動するように動作可能なポンプをさらに含み、前記応答モジュールは前記ポンプを起動するように構成されている、実施態様129~130のいずれかに記載の装置。
(132) 前記ヘッドは、前記針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、前記通路の遠位部分は曲線を画定し、前記針は、前記通路の前記遠位部分の前記曲線に沿って延びる、実施態様103~131のいずれかに記載の装置。
(133) 前記ヘッドは、長手方向軸をさらに画定し、前記通路の前記遠位部分の前記曲線は、前記ヘッドの前記長手方向軸に対して斜めに方向付けられた前記出口軸に沿って前記針の遠位部分を方向付ける、実施態様132に記載の装置。
(134) 前記針は、曲線に沿って延びるように弾性的に付勢された遠位部分を含む、実施態様103~133のいずれかに記載の装置。
(135) 前記針は、近位位置と遠位位置との間で並進運動するように構成され、前記近位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して近位に位置付けられるように位置付けられ、前記遠位位置にある前記針は、前記針の遠位先端部が前記遠位面に対して遠位に位置付けられるように位置付けられる、実施態様134に記載の装置。
【0292】
(136) 前記ヘッドは、前記針の少なくとも一部を収容する通路を画定し、前記針は、前記遠位位置と前記近位位置との間で前記通路に沿って並進運動するように構成されている、実施態様135に記載の装置。
(137) 前記通路は、直線状構成を有し、前記通路は、前記針が前記近位位置にあるときに、前記針の前記遠位部分を直線状構成に変形させるように構成されている、実施態様136に記載の装置。
(138) 前記針の前記遠位部分の弾性的な付勢は、前記近位位置から前記遠位位置への前記針の移動の間に前記遠位部分が前記遠位面に対して露出されると、曲線に沿って前記針の前記遠位部分を押すように構成されている、実施態様137に記載の装置。
(139) 調整部材をさらに含み、前記ヘッドは長手方向軸を画定し、前記調整部材は、前記長手方向軸に対して針出口軸を調整し、それによって前記長手方向軸と前記針出口軸との間に定められる斜めの針出口角度を調整するように動作可能である、実施態様103~138のいずれかに記載の装置。
(140) 前記調整部材は、前記ヘッドに一体化されている、実施態様139に記載の装置。
【0293】
(141) 前記調整部材は、ホイールを含み、前記ホイールは、前記針出口角度を調整するために回転可能である、実施態様139~140のいずれかに記載の装置。
(142) 前記調整部材は、回転軸を画定する車軸をさらに含み、前記ホイールは、前記回転軸を中心に回転可能である、実施態様141に記載の装置。
(143) 前記ホイールは針通路を画定し、前記針は前記針通路に沿って延びる、実施態様142に記載の装置。
(144) 前記針通路は、前記回転軸が前記針通路を通過するように位置付けられている、実施態様143に記載の装置。
(145) 前記調整部材は印を含み、前記印は、前記針出口角度を示す視覚フィードバックを提供するように構成されている、実施態様139~144のいずれかに記載の装置。
【0294】
(146) 電極と、処理モジュールと、をさらに含み、前記電極は、組織に接触するように構成され、前記処理モジュールは、前記電極からの信号に基づいて前記患者の眼内の前記針の位置を検出するように構成されている、実施態様103~145のいずれかに記載の装置。
(147) 前記処理モジュールは、前記電極によって拾われた電位に基づいて、前記患者の眼内の前記針の位置を検出するように構成されている、実施態様146に記載の装置。
(148) 前記電極は、前記ヘッド上の少なくとも1つの電極を含み、前記ヘッド上の前記少なくとも1つの電極は、第1の極性で動作するように構成されている、実施態様146~147のいずれかに記載の装置。
(149) 前記針は、前記電極のうちの別の1つを形成し、前記針は、第2の極性で動作するように構成されている、実施態様148に記載の装置。
(150) 前記ヘッドは、少なくとも1つの遠位突出部をさらに含み、前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針から横方向にオフセットされており、前記遠位面は、前記遠位突出部および前記遠位面がギャップを画定するよう構成されるように、前記遠位突出部から近位にオフセットされており、前記針は前記ギャップを通って延びるように構成されている、実施態様103~149のいずれかに記載の装置。
【0295】
(151) 前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針の周りに角度的に離間した配列で位置付けられた複数の遠位突出部を含む、実施態様150に記載の装置。
(152) 前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針の周りの周辺部全体に連続的に広がる遠位突出部を含む、実施態様150~151のいずれかに記載の装置。
(153) 前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針が前記眼を貫通する場所から横方向に離間した1つ以上の対応する位置で前記眼に係合するように構成され、前記少なくとも1つの遠位突出部は、前記針が前記眼を貫通する前記場所において前記眼の強膜層の張力を維持するように構成されている、実施態様150~152のいずれかに記載の装置。
(154) 前記遠位面は、前記遠位面が前記患者の眼の曲率を補完するように構成されるように、三次元凹状曲率を有する、実施態様103~153のいずれかに記載の装置。
(155) 装置であって、
(a)シャフトであって、
(i)近位端部、
(ii)遠位端部、および、
(iii)流体経路、を有する、シャフトと、
(b)前記シャフトの前記遠位端部にあるヘッドと、を含み、前記ヘッドは、
(i)患者の眼の前部領域において前記患者の眼の外面に係合するように構成された遠位面であって、前記遠位面は、前記患者の眼の曲率を補完するように曲線を描いた凹状曲率を有する、遠位面と、
(ii)前記遠位面から遠位に延びるように構成された針であって、前記針は、前記遠位面が前記患者の眼に対して着座されている間に、前記患者の眼の強膜層を通って延び、それによって、前記針の遠位先端部の少なくとも一部を前記患者の眼の前部領域における前記患者の眼の脈絡膜上腔に位置付けるのに十分な長さを有し、前記針は、前記流体経路と流体連通しており、前記針は、前記流体経路から前記患者の眼の前記脈絡膜上腔内に流体を送達するように動作可能である、針と、を含む、装置。
【0296】
(156) 前記ヘッドは、割り出し特徴部をさらに含み、前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の目印を補完し、それによって前記患者の眼の前記目印に関連する所定の場所に前記針を位置付けるように構成されている、実施態様155に記載の装置。
(157) 前記遠位面はエッジを有し、前記エッジは前記割り出し特徴部を画定する、実施態様156に記載の装置。
(158) 前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の角膜縁を補完するように構成されている、実施態様156~157のいずれかに記載の装置。
(159) 前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の前記角膜縁の曲率を補完するように構成された曲率を有する、実施態様158に記載の装置。
(160) 前記針は、前記遠位面に対して長手方向に固定されている、実施態様155~159のいずれかに記載の装置。
【0297】
(161) 前記遠位面は、三次元凹状曲率を有する、実施態様155~160のいずれかに記載の装置。
(162) 前記シャフトは長手方向軸を画定し、前記遠位面は、前記長手方向軸に対して横断方向に方向付けられている、実施態様155~161のいずれかに記載の装置。
(163) 前記シャフトは長手方向軸を画定し、前記針は、前記シャフトの前記長手方向軸と平行である出口軸に沿って延びる、実施態様155~162のいずれかに記載の装置。
(164) 前記針は、直線状構成を有する、実施態様155~163のいずれかに記載の装置。
(165) 前記針は、ベベル遠位先端部を有し、前記ベベル遠位先端部は、ベベル角度を定める、実施態様155~164のいずれかに記載の装置。
【0298】
(166) 前記ベベル角度は、前記針が前記患者の眼に挿入されるときに前記患者の眼の層の境界と平行になるように構成されている、実施態様165に記載の装置。
(167) 前記流体経路は、可撓性導管を含む、実施態様155~166のいずれかに記載の装置。
(168) 前記可撓性導管と結合されたシリンジをさらに含む、実施態様167に記載の装置。
(169) 前記シリンジは、前記可撓性導管を介して前記シャフトから離間している、実施態様168に記載の装置。
(170) 前記シャフトは、横方向に向いた案内特徴部をさらに含み、前記横方向に向いた案内特徴部は、前記患者の眼の目印を補完し、それによって前記患者の眼に関連する所定の向きに前記針を位置付けるように構成されている、実施態様155~169のいずれかに記載の装置。
【0299】
(171) 前記横方向に向いた案内特徴部は、前記患者の眼の前記目印の曲率を補完するように構成された凹面を含む、実施態様170に記載の装置。
(172) 前記目印は、前記患者の眼の角膜縁を含む、実施態様171に記載の装置。
(173) 前記シャフトは、マーキングアセンブリをさらに含み、前記マーキングアセンブリは、前記患者の眼の目印に関連する針入口点をマーキングするように構成されている、実施態様155~172のいずれかに記載の装置。
(174) 前記マーキングアセンブリは、前記シャフトの前記近位端部に位置付けられている、実施態様173に記載の装置。
(175) 前記マーキングアセンブリは、所定の距離だけ互いから固定的に離間した2つの突起を含む、実施態様173~174のいずれかに記載の装置。
【0300】
(176) 前記2つの突起のうちの各突起は、非外傷性構成を有する、実施態様175に記載の装置。
(177) 前記マーキングアセンブリは、前記患者の眼の角膜縁に関連する針入口点をマーキングするように構成されている、実施態様173~176のいずれかに記載の装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)シャフトであって、
(i)近位端部、
(ii)遠位端部、および、
(iii)流体経路、を有する、シャフトと、
(b)前記シャフトの前記遠位端部にあるヘッドと、を含み、前記ヘッドは、
(i)患者の眼の前部領域において前記患者の眼の外面に係合するように構成された遠位面であって、前記遠位面は、前記患者の眼の曲率を補完するように曲線を描いた凹状曲率を有する、遠位面と、
(ii)前記遠位面から遠位に延びるように構成された針であって、前記針は、前記遠位面が前記患者の眼に対して着座されている間に、
第1の前方場所で前記患者の眼に入り、前記患者の眼の強膜層を通って延び、それによって、前記針の遠位先端部の少なくとも一部を前記患者の眼の
第2の前方場所において前記患者の眼の脈絡膜上腔に位置付けるのに十分な長さを有し、
前記第2の前方場所は、前記第1の前方場所より後方であり、前記針は、前記流体経路と流体連通しており、前記針は、前記流体経路から前記患者の眼の前記脈絡膜上腔内に流体を送達するように動作可能である、針と、を含む、装置。
【請求項2】
前記ヘッドは、割り出し特徴部をさらに含み、前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の目印を補完し、それによって前記患者の眼の前記目印に関連する所定の場所に前記針を位置付けるように構成されている、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記遠位面はエッジを有し、前記エッジは前記割り出し特徴部を画定
し、前記割り出し特徴部は、前記患者の眼の角膜縁の曲率を補完するように構成された曲率を有する、請求項
2に記載の装置。
【請求項4】
前記針は、前記遠位面に対して長手方向に固定されている、請求項
1~
3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記遠位面は、三次元凹状曲率を有する、請求項
1~
4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記シャフトは長手方向軸を画定し、前記針は、前記シャフトの前記長手方向軸と平行である出口軸に沿って延びる、請求項
1~
5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記針は、直線状構成を有する、請求項
1~
6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記針は、ベベル遠位先端部を有し、前記ベベル遠位先端部は、ベベル角度を定め
、前記ベベル角度は、前記針が前記患者の眼に挿入されるときに前記患者の眼の層の境界と平行になるように構成されている、請求項
1~
7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記流体経路は、可撓性導管を含む、請求項
1~
8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記可撓性導管と結合されたシリンジをさらに含
み、前記シリンジは、前記可撓性導管を介して前記シャフトから離間している、請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
前記シャフトは、横方向に向いた案内特徴部をさらに含み、前記横方向に向いた案内特徴部は、前記患者の眼の目印を補完し、それによって前記患者の眼に関連する所定の向きに前記針を位置付けるように構成されて
おり、前記横方向に向いた案内特徴部は、前記患者の眼の前記目印の曲率を補完するように構成された凹面を含む、請求項
1~
10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記シャフトは、マーキングアセンブリをさらに含み、前記マーキングアセンブリは、前記患者の眼の目印に関連する針入口点をマーキングするように構成されている、請求項
1~
11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記マーキングアセンブリは、前記シャフトの前記近位端部に位置付けられている、請求項
12に記載の装置。
【請求項14】
前記マーキングアセンブリは、所定の距離だけ互いから固定的に離間した2つの突起を含む、請求項
12~
13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記マーキングアセンブリは、前記患者の眼の角膜縁に関連する針入口点をマーキングするように構成されている、請求項
12~
14のいずれか一項に記載の装置。
【国際調査報告】