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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-07
(54)【発明の名称】活性有機材料を含む発電装置
(51)【国際特許分類】
   H10N 10/855 20230101AFI20240131BHJP
   H10N 10/856 20230101ALI20240131BHJP
【FI】
H10N10/855
H10N10/856
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536879
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 EP2020087218
(87)【国際公開番号】W WO2022128129
(87)【国際公開日】2022-06-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519046018
【氏名又は名称】テルモ-イエヌデ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マガーニン、ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ティレッラ、ヴィンチェンツォ
(57)【要約】
本発明は、活性有機材料を含む発電装置及び発電モジュールに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電極と、
少なくとも1つの電流コレクタと、
前記少なくとも1つの電極と前記少なくとも1つの電流コレクタとの間に介在する少なくとも1つの活性有機材料と、
少なくとも1つの酸素含有化合物層と、を備え、
前記少なくとも1つの活性有機材料が、少なくとも1つの有機ポリマーの総重量に対して5重量%~70重量%のポリビニルアルコールと30重量%~95重量%のエチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つのグリコールを含む混合物を60℃~160℃の温度範囲で1時間~3時間加熱することによって得られる前記少なくとも1つの有機ポリマーを含み、
前記少なくとも1つの酸素含有化合物層が、前記少なくとも1つの活性有機材料に接触しており、
前記少なくとも1つの酸素含有化合物層が、前記少なくとも1つの電流コレクタと接触している、発電装置(EPG)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの活性有機材料の前記少なくとも1つの有機ポリマーが、前記少なくとも1つの活性有機ポリマーの総重量に対して8重量%~40重量%のポリビニルアルコールと60重量%~92重量%のエチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つのグリコールを含む混合物とによって得られる、請求項1に記載の発電装置(EPG)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの酸素含有化合物層が、前記少なくとも1つの電流コレクタの前記少なくとも1つの不動態化層である、請求項1又は2に記載の発電装置(EPG)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの酸素含有化合物層が、MgO、ZnO、ZrOCl、ZrO、SiO、Bi、Fe、Al、TiO、BeO、CaO、Ga、In、GeO、SnO及びPbOからなる群から選択される少なくとも1つの酸素含有化合物の層である、請求項1又は2に記載の発電装置(EPG)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの酸素含有化合物層が、前記少なくとも1つの電流コレクタが二次電流コレクタである場合、前記EPGを組み立てた後にその場で形成することができる、請求項1又は2に記載の発電装置(EPG)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの酸素含有化合物が、5nm~40μmの範囲、好ましくは15nm~10μmの範囲、より好ましくは20nm~5μmの範囲の粒子平均直径を有する、請求項3から5のいずれか一項に記載の発電装置(EPG)。
【請求項7】
前記EPGがさらなる電流コレクタを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の発電装置(EPG)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電流コレクタが、金属、多孔質炭素、並びに導電性酸化物、硫化物、ほぼ一定の電気抵抗率を有する合金、酸化マンガン及びその化合物、リン酸塩並びにそれらの混合物又は複合物からなる群から選択される材料で作製された二次コレクタである、請求項1から7のいずれか一項に記載の発電装置(EPG)。
【請求項9】
前記EPGが、一次電流コレクタである、さらなる電流コレクタを備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の発電装置(EPG)。
【請求項10】
前記一次電流コレクタが、熱分解グラファイト、炭素コークス及び/又は炭素系材料、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、銀及びそれらの固有及び外因性状態の化学的に安定的な半導体、炭化物及び窒化物としてのセラミック材料、ペロブスカイト、スピネル化合物及びPET(ポリエチレンテレフタレート)並びにそれらの混合物又は複合物からなる群から選択される材料で作製される、請求項9に記載の発電装置(EPG)。
【請求項11】
前記一次電流コレクタが、銀導電層を有するPETポリエチレンテレフタレートポリマー箔で作製される、請求項10に記載の発電装置(EPG)。
【請求項12】
前記EPGが少なくとも1つの多孔質層を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の発電装置(EPG)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの多孔質層が、セルロース、セルロース複合材料、多孔質炭素質材料、及び炭素マトリックスとの複合材料で作製される、請求項12に記載の発電装置(EPG)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの多孔質層が、85%の水、1%のカルボキシメチルセルロースナトリウム及び14%の粉末活性炭を含む請求項13に記載の発電装置(EPG)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの有機ポリマーが前記少なくとも1つの多孔質層に吸着されている、請求項1から14のいずれか一項に記載の発電装置(EPG)。
【請求項16】
前記発電装置(EPG)が、前記少なくとも1つの活性有機材料に接触する少なくとも1つの多孔質層を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の発電装置(EPG)。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の複数の発電装置(EPG)を備え、前記発電装置が並列又は直列に接続されることを特徴とする発電装置モジュール(PGM)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性有機材料を含む発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換するための熱電発電装置及び熱電子発電装置の使用が広く知られている。
【0003】
熱電発電装置は、固体間の熱の流れと電気の流れとの相互作用を伴う熱電効果、すなわちゼーベック効果に基づく装置である。そのような装置の例は、欧州特許第2521192号明細書及び欧州特許出願第2277209号明細書に開示されている。広義には、熱電発電装置は、熱電材料、熱電モジュール、及び熱源とインターフェースする熱電システムの3つの主要な構成要素からなる。
【0004】
熱電材料は、温度差を電圧に変換することにより、熱から直接発電する。特に、これらの材料は、典型的には、高い導電率及び低い熱伝導率の両方を有する。低い熱伝導率は、一方の側が高温にされたときに、他方の側が低温のままであることを保証する。これは、温度勾配中に大きな電圧を生成するのに役立つ。
【0005】
熱電モジュールは、熱から直接発電する熱電材料を含む回路である。モジュールは、それらの端部で接合する2つの異なる熱電材料、すなわち負に帯電した半導体及び正に帯電した半導体からなる。2つの材料間に温度勾配がある場合、直流電流が回路に流れる。このような勾配は、典型的には、加熱及び冷却をそれぞれ供給するためにモジュールの両側で使用される熱交換器を備える熱電システムによって提供される。
【0006】
熱電子電力変換器とも呼ばれる熱電子発電装置は、熱を電気に直接変換する。熱電子発電装置は、典型的には、格納容器内に配置された2つの電極を備える。これらのうちの1つは、熱電子エミッタ又は「ホットプレート」になるのに十分に高い温度に上昇される。他方の電極は、放出された電子を受け取るため、コレクタと呼ばれる。コレクタは著しく低い温度で動作する。電極間の空間は真空であってもよく、代替で低圧の蒸気ガスで充填されてもよい。熱エネルギーは、化学源、太陽光源又は核源によって供給されてもよい。
【0007】
熱電発電装置並びに熱電子発電装置には多くの欠点があり、その中には変換効率が低いこと、及び温度勾配を提供する必要があることがある。さらに、そのような発電機は、比較的一定の熱源を必要とする。
【0008】
したがって、本発明の主な目的は、熱エネルギーの一部を電気エネルギーに変換することができ、従来技術の装置の欠点を克服することを可能にする発電装置を提供することである。
【0009】
国際公開第2018/029139号には、驚くべきことに初期充電なしで温度に依存して、少なくとも2つの電極間に含まれるときに一方の電極上に適用され、電流を発生させることができる活性材料が既に記載されている。具体的には、国際公開第2018/029139号に記載の材料は、MgO、ZnO、ZrOCl、ZrO、SiO、Bi、Al及びTiOからなる群から選択される少なくとも1種の酸素含有化合物と、寒天、キサンタンガム、メチルセルロース及びアラビアガムからなる群から選択される少なくとも1種の増粘剤添加剤と、少なくとも1種の可塑剤添加剤とを含み、酸素含有化合物の粒径は特定の平均径を有する。このような活性材料の性能は、80℃を超える温度の存在下ではより悪く、90℃を超える温度は、装置性能の低下及び最終装置の安定性の低下を伴う活性材料の劣化を誘発した。
【0010】
国際公開第2019/122215号では、電気エネルギーを生成することができ、温度に対する高い安定性も有し、したがって従来技術と比較して代替及び改善を提供するさらなる活性材料が提案されている。当該さらなる活性材料は、MgO、ZnO、ZrOCl、ZrO、SiO、Bi、Fe、Al、TiO、BeO、CaO、Ga、In、GeO、SnO及びPbOからなる群から選択される少なくとも1つの酸素含有化合物を含む本質的に乾燥状態の活性材料であり、酸素含有化合物の粒径は、10nm~40μmの範囲の平均直径を有し、寒天、キサンタンガム、メチルセルロース及びアラビアガムからなる群から選択される増粘剤添加剤は存在しない。
【0011】
本発明者らは、この本質的に乾燥した状態の活性材料の性能は、経時的な使用に伴って悪化し、長期間の使用後には、経年現象による発電電力の回収に関して装置性能の損失が生じることを見出した。
【0012】
したがって、本発明のさらなる目的は、発電電力の回収に関して性能を損なうことなく、長期間の使用状況においても安定して電気エネルギーを供給することができる発電装置を提供することにある。したがって、本発明のさらに別の目的は、同じ発電装置の2つの電極間で一定の均一な温度で及び/又は温度勾配を伴って、さらには装置自体の長期間の使用の条件でも電気エネルギーを供給できる発電装置を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】欧州特許第2521192号明細書
【特許文献2】欧州特許出願第2277209号明細書
【特許文献3】国際公開第2018/029139号
【特許文献4】国際公開第2019/122215号
【発明の概要】
【0014】
本発明者らは、驚くべきことに、活性有機材料を含む新たな発電装置が、長期間の使用条件においても、発電電力の回収の観点から性能を損なうことなく、同じ発電装置の少なくとも1つの電極と少なくとも1つの電流コレクタとの間で一定の均一な温度で及び/又は温度勾配を伴って電気エネルギーを供給できることを見出した。
【0015】
したがって、本発明は、発電装置(EPG)であって、
少なくとも1つの電極と、
少なくとも1つの電流コレクタと、
少なくとも1つの電極と少なくとも1つの電流コレクタとの間に介在する少なくとも1つの活性有機材料と、
少なくとも1つの酸素含有化合物層と、を備え、
前述の少なくとも1つの活性有機材料が、少なくとも1つの有機ポリマーの総重量に対して5重量%~70重量%のポリビニルアルコールと30重量%~95重量%のエチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つのグリコールを含む混合物を60℃~160℃の温度範囲で1時間~3時間加熱することによって得られる少なくとも1つの有機ポリマーを含み、
少なくとも1つの酸素含有化合物層は、前述の少なくとも1つの活性有機材料に接触しており、
少なくとも1つの酸素含有化合物層は、少なくとも1つの電流コレクタと接触している、発電装置(EPG)に関する。
【0016】
本発明によるEPGは、実際に、同じ発電装置の少なくとも1つの電極と少なくとも1つの電流コレクタとの間で一定の均一な温度で及び/又は温度勾配を伴って電気エネルギーを供給でき、さらには同じ発電装置の長期間の使用の条件下でさえ、本発明者らは、予想外にも、前述の少なくとも1つの活性有機材料のおかげで、EPGの発電電力の回収がさらに増加し、したがって従来技術のEPGと比較してさらなる改善を提供することを見出した。
【0017】
本発明はまた、EPG特性(電圧及び電流)を損なうことなく直列又は並列に接続することができる複数のEPGを備える発電装置モジュール(PGM)に関する。
【0018】
発電装置モジュール(PGM)の利点は、本発明によるEPGに関して上記で概説されており、ここでは繰り返さない。
【0019】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面を用いた活性材料及び発電装置の好ましい実施形態の詳細な説明に照らしてより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明による活性有機材料を含む発電装置(EPG1)の構成の構造を示す。
図2】本発明による活性有機材料を含む発電装置(EPG2)のさらなる構成の構造を示す。
図3】並列で本発明による2つのEPGを有するPGMを備える電気回路の例を示す。
図4】直列で本発明による2つのEPGを有するPGMを備える電気回路の例を示す。
図5】実施例5による曝露試験中に決定された、実施例3(EPG1)に従って組み立てられたEPGの応答曲線を示す。
図6】実施例6による曝露試験中に決定された、実施例4(EPG2)に従って組み立てられた、直列のEPGのスタックの応答曲線を示す。
図7】実施例7による曝露試験中に決定された、実施例4(EPG2)に従って組み立てられた、直列のEPGのスタックの応答曲線を示す。
図8】実施例8による曝露試験中に決定された、実施例4(EPG2)に従って組み立てられたEPGの応答曲線を示す。
図9】実施例9による曝露試験中に決定された、実施例2に従って組み立てられたEPGの電圧及び電流応答曲線を示す。
図10】実施例10で試験した異なる温度でのEPG2の応答を示す。
図11】接続用の電気接点を有する本発明の発電装置2(EPG2)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、発電装置(EPG)であって、
少なくとも1つの電極と、
少なくとも1つの電流コレクタと、
少なくとも1つの電極と少なくとも1つの電流コレクタとの間に介在する少なくとも1つの活性有機材料と、
少なくとも1つの酸素含有化合物層と、を備え、
前述の少なくとも1つの活性有機材料は、少なくとも1つの有機ポリマーの総重量に対して5重量%~70重量%のポリビニルアルコールと30重量%~95重量%のエチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つのグリコールを含む混合物を60℃~160℃の温度範囲で1時間~3時間加熱することによって得られる少なくとも1つの有機ポリマーを含み、
少なくとも1つの酸素含有化合物層は、前述の少なくとも1つの活性有機材料に接触しており、
少なくとも1つの酸素含有化合物層は、少なくとも1つの電流コレクタと接触している、発電装置(EPG)に関する。
【0022】
本発明では、以下の用語が使用される場合、
「接触している」とは、2つの材料の間に、幾何学的面積の90%を超える実際の接触面積を有する界面が形成されることを意味し、好ましい値は95%以上であり、
「少なくとも1つの電流コレクタ」は、電荷を収集及び変調する本発明のEPGの必須要素を意図しており、
「一次電流コレクタ」は、電荷を収集及び変調する金属材料及び/又は有機/無機材料で作製された少なくとも1つの電流コレクタであり、
「二次電流コレクタ」は、電荷を収集及び変調し、酸素含有化合物層と電気的に相互作用する金属材料及び/又は有機材料で作製された少なくとも1つの電流コレクタであることが意図される。
【0023】
本明細書及び後続の特許請求の範囲の枠組み内で、別段の指示がない限り、量、パラメータ、パーセンテージなどを表すすべての数値エンティティは、すべての場合において「約」という用語が先行すると理解されるべきである。また、数値エンティティのすべての範囲は、本明細書で以下に具体的に示されるものに加えて、最大値及び最小値のすべての可能な組合せを含み、すべての可能な中間範囲を含む。
【0024】
本発明によるEPGは、実際に、同じ発電装置の少なくとも1つの電極と少なくとも1つの電流コレクタとの間で一定の均一な温度で及び/又は温度勾配を伴って電気エネルギーを供給でき、さらには同じ発電装置の長期間の使用の条件下でさえ、本発明者らは、予想外にも、前述の少なくとも1つの活性有機材料のおかげで、EPGの発電電力の回収がさらに増加し、したがって従来技術のEPGと比較してさらなる改善を提供することを見出した。
【0025】
本発明は、上記の態様の1つ又は複数において、以下に開示される特性の1つ又は複数を提示することができる。
【0026】
本発明によるEPGは、少なくとも1つの活性有機ポリマーの総重量に対して5重量%~70重量%のポリビニルアルコールと30重量%~95重量%のエチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つのグリコールを含む混合物を60℃~160℃の温度範囲で1時間~3時間加熱することによって得られる少なくとも1つの有機ポリマーを含む少なくとも1つの活性有機材料を含む。
【0027】
好ましくは、少なくとも1つの活性有機ポリマーは、前述の混合物を120℃~150℃の温度範囲で、より好ましくは140℃で加熱することによって得られる。
【0028】
特に有利な実施形態では、本発明は、120℃~150℃、より好ましくは140℃の第2の加熱ステップを提供することができる。
【0029】
さらにより好ましくは、第2のステップは、増粘剤、好ましくはグリセロールの添加を提供することができる。
【0030】
好ましくは、少なくとも1つの活性有機ポリマーは、前述の混合物を1時間~2.5時間の時間の間加熱することによって得られ、より好ましくは、少なくとも1つの前述の活性有機ポリマーは、前述の混合物を約2時間、さらにより好ましくは空気中又は不活性雰囲気中で加熱することによって得られる。
【0031】
本発明による混合物は、少なくとも1つの活性有機ポリマーの総重量に対して5重量%~70重量%のポリビニルアルコールと30重量%~95重量%のエチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つのグリコールを含む。好ましくは、前述の混合物は、少なくとも1つの活性有機ポリマーの総重量に対して8重量%~40重量%のポリビニルアルコールと60重量%~92重量%のエチレングリコール及びプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つのグリコールを含む。
【0032】
有利で好ましい実施形態では、前述のポリビニルアルコールは、20℃で1.19~1.31g/cmの範囲の密度を有する。ポリビニルアルコールの密度は、この目的で当業者に既知の方法を用いて、例えばピクノメトリーによって測定することができる。
【0033】
好ましくは、前述のポリビニルアルコールは、86%~89%の範囲の加水分解度を有する。ポリビニルアルコールの加水分解度は、この目的で当業者に既知の方法のいずれか1つ、例えば滴定法に従って決定することができる。
【0034】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つの活性有機材料は、好ましくは寒天、キサンタンガム、メチルセルロース、グリセロール及びアラビアガムからなる群から選択される少なくとも1つの増粘剤添加剤を含む。
【0035】
本発明のさらに好ましい実施形態では、少なくとも1つの活性有機材料には、増粘剤添加剤が存在せず、より好ましくは、寒天、キサンタンガム、メチルセルロース、グリセロール及びアラビアガムからなる群から選択される増粘剤添加剤が、本発明によるEPGの少なくとも1つの活性有機材料に存在しない。
【0036】
本発明によるEPGは、少なくとも1つの電極及び少なくとも1つの電流コレクタを備える。
【0037】
前述の少なくとも1つの電極及び少なくとも1つの電流コレクタは、金属、合金及び/又はグラファイトのような炭素系材料で作製されてもよい。1つの電極がより多く存在する場合、さらなる電極は、同じ材料又は異なる材料で作製され得る。
【0038】
好ましくは、少なくとも電極の厚さ、及び無関係に少なくとも1つの電流コレクタの厚さは、0.1~3000μm、より好ましくは50~1000μm、さらにより好ましくは300~600μmの範囲である。
【0039】
本発明によるEPGの好ましい実施形態では、少なくとも1つの電極及び少なくとも二次電流コレクタは、好ましくは実質的に平行な並列又は箔の形態で、それぞれCu及びAlで作製される。可撓性EPGの場合、自立型可撓性材料及び金属化ポリマーの両方を電極及び電流コレクタと考えることができる。しかしながら、少なくとも1つの電極又は少なくとも1つの電流コレクタの形状は拘束力がない。
【0040】
少なくとも1つの電極、及び無関係に、少なくとも1つの電流コレクタは、好ましくはCu又はAlで作製され、本発明の発電装置内で使用する前に、より好ましくは洗浄及びエッチングを施されてもよい。
【0041】
本発明によるEPGは、少なくとも1つの酸素含有化合物層を含む。
【0042】
好ましくは、前述の少なくとも1つの酸素含有化合物層は、少なくとも1つの電流コレクタ、好ましくは二次電流コレクタの前述の少なくとも1つの不動態化層、又はMgO、ZnO、ZrOCl、ZrO、SiO、Bi、Fe、Al、TiO、BeO、CaO、Ga、In、GeO、SnO及びPbOからなる群から選択される少なくとも1つの酸素含有化合物の層であり得る。
【0043】
一実施形態では、少なくとも1つの酸素含有化合物層は、少なくとも1つの電流コレクタの不動態化層であるが、少なくとも1つの電流コレクタ上に堆積された少なくとも1つの酸素含有化合物の層であってもよい。さらなる実施形態によれば、少なくとも1つの酸素含有化合物層は、少なくとも1つの電流コレクタの一方の面の不動態化層と、少なくとも1つの電流コレクタの他方の面に堆積された少なくとも1つの酸素含有化合物の層の両方である。
【0044】
有利な実施形態では、少なくとも1つの酸素含有化合物層は、少なくとも1つの電流コレクタが二次電流コレクタである場合、EPGを組み立てた後にその場で形成することができる。この実施形態では、二次電流コレクタはアルミニウムである。
【0045】
好ましくは、前記少なくとも1つの酸素含有化合物は、5nm~40μmの範囲、好ましくは15nm~10μmの範囲、より好ましくは20nm~5μmの範囲の粒子平均直径を有する。本発明の別の有利かつ好ましい態様では、酸素系化合物の粒子は、10~200nmの範囲、より好ましくは15~100nmの範囲、さらにより好ましくは20~40nmの範囲の平均直径を有する。
【0046】
酸素含有化合物は、無水であってもよく、又はそれを調製するためのプロセスから生じる配位水分子として一定量の水を含有してもよく、本発明者らは、酸素含有化合物中のそのような配位水が、それから得られる最終装置の性能を改善することができると考える。酸素含有化合物は、酸素含有化合物に対して0.5重量%~7.5重量%の範囲、好ましくは0.5%~3.5%、より好ましくは0.5%~1.5%の範囲の配位水を含むことができる。
【0047】
少なくとも1つの酸素系化合物は、粉末として前述の少なくとも1つの電極上又は少なくとも1つの電流コレクタ上に配置され、機械プレスを使用してそれに押し付けられてもよく、したがって少なくとも1つの酸素含有化合物層を得る。当技術分野で既に知られている代替技術、例えばゾルゲル、インクジェット印刷及びスパッタリングを使用することができる。
【0048】
本発明によれば、少なくとも1つの酸素含有化合物層は、前述の少なくとも1つの活性有機材料と接触している。これは、2つの材料の間に、幾何学的面積の90%を超える実際の接触面積を有し、好ましい値は95%以上である界面の形成が存在することを意味する。
【0049】
本発明によれば、少なくとも1つの酸素含有化合物層は、少なくとも1つの電流コレクタとも接触している。
【0050】
本発明によれば、少なくとも1つの酸素含有化合物層は、前述の少なくとも1つの電流コレクタの不動態化層であってもよい。不動態化層を有する少なくとも1つの電流コレクタは、市販されているもの、又は熱若しくは電解酸化による電流コレクタの不動態化によって調製されたものであり得る。
【0051】
本発明のEPGの活性有機材料は、好ましくは、100nm~5mmの厚さを有する少なくとも1つの酸素含有化合物層と接触して堆積される。一方、最適な厚さは、例えばドクターブレード装置、スプレーなどの用途に応じて変化する。
【0052】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの電極は、少なくとも酸素含有化合物層と接触する二次電流コレクタであり得る。
【0053】
好ましい実施形態では、二次電流コレクタは、少なくとも1つの電極と同じ材料で作製される。さらに好ましい実施形態では、EPGは、好ましくは少なくとも1つの電極の材料とは異なる材料で作製された二次電流コレクタを備える。
【0054】
好ましくは、前述の二次電流コレクタは、金属、多孔質炭素、並びに導電性酸化物、硫化物、ほぼ一定の電気抵抗率を有する合金、酸化マンガン及びその化合物、リン酸塩、並びにそれらの混合物又は複合物からなる群から選択される材料で作製される。本発明によれば、ほぼ一定の電気抵抗率を有する合金は、例えばコンスタンタン(銅55%及びニッケル45%)である。
【0055】
好ましい実施形態では、EPGはさらなる電流コレクタを備える。より好ましい実施形態では、このさらなるコレクタは一次コレクタである。
【0056】
さらにより好ましい実施形態では、EPGは、一次電流コレクタを備え、より好ましくは前述の二次電流コレクタに接触している。前述の二次電流コレクタは、コレクタの片面又は両面上の酸素含有層を特徴とする。
【0057】
好ましくは、前述の一次電流コレクタは、熱分解グラファイト、炭素コークス及び/又は炭素系材料(例えば、グラフェン)、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、銀並びにそれらの固有及び外因性状態の化学的に安定的な半導体(例えばガリウムヒ素)、炭化物及び窒化物としてのセラミック材料、ペロブスカイト、スピネル化合物、PET(ポリエチレンテレフタレート)並びにそれらの混合物又は複合物からなる群から選択される材料で作製される。
【0058】
好ましくは、本発明による発電装置(EPG)は、少なくとも1つの多孔質層を備えてもよい。より好ましくは、前述の少なくとも1つの活性有機ポリマーは、少なくとも1つの多孔質層に吸着され得る。
【0059】
好ましくは、前述の少なくとも1つの多孔質層は、セルロース、セルロース複合材料、多孔質炭素質材料、及び炭素マトリックスとの複合材料で作製される。
【0060】
より好ましくは、セルロース材料はカルボキシメチルセルロースナトリウムである。
【0061】
より好ましくは、多孔質炭素質材料は、粉末活性炭である。
【0062】
好ましい実施形態では、前述の少なくとも1つの多孔質層は、85%の水、1%のカルボキシメチルセルロースナトリウム及び14%の粉末活性炭を含む。
【0063】
好ましくは、本発明による発電装置(EPG)は、前述の少なくとも1つの活性有機材料に接触する少なくとも1つの多孔質層を含む。
【0064】
好ましくは、前述の多孔質層は、100~600m/gの範囲の表面積を有する。表面積は、この目的で当業者に知られている方法のいずれか1つ、例えば毛細管ポロシメトリー又はBET吸着に従って決定され得る。
【0065】
したがって、図1に概略的に示す好ましい実施形態では、本発明によるEPG(EPG1)は、
電流コレクタ(1)、具体的には二次電流コレクタと、
二次電流コレクタと接触する不動態化層としての酸素含有化合物層(2)と、
活性有機材料(3)と、
電極(4)と、を含む。
【0066】
図2に概略的に示すさらに好ましい実施形態では、本発明によるEPGは、
一次電流コレクタ(5)と、
電流コレクタ(1)、具体的には二次電流コレクタと、
二次電流コレクタと接触する不動態化層としての酸素含有化合物層(2)と、
活性有機材料(3)と、
多孔質層(6)と、
電極(4)と、
二次電流コレクタ(1)と、
一次電流コレクタ(5)と、を含む。
【0067】
本発明はまた、EPG特性(電圧及び電流)を損なうことなく直列又は並列に接続することができる複数のEPGを備える発電装置モジュール(PGM)に関する。
【0068】
したがって、さらなる態様では、本発明は、直列又は並列に接続することができる複数のEPGを備える発電装置モジュール(PGM)に関する。これに関して、図3は、2つのEPGが並列に接続されるPGMを備える回路を示し、図4は、直列に接続された2つのEPGを有するPGMを備える回路を示す。図3及び図4の回路は両方とも、負荷抵抗R=100オームを含む。PGMに対する電圧は、例えば、ポテンショスタット/ガルバノスタットを負荷抵抗Rに並列に接続することによって監視することができる。
【0069】
具体的かつ有利には、本発明の発電装置(EPG)によって測定される電流は、1.5~4の範囲の係数で増加し、温度を20℃から80℃に上昇させる。
【0070】
本発明のEPGは、電気的観点によって特徴付けられた。まず、開回路電圧(OCV)をマルチメータによって測定したところ、電極として酸化アルミニウム及びグラファイトを含む構成では、EPG装置は0.6Vの電圧を示した。
【0071】
図3及び図4を参照すると、電気的観点からEPGを特徴付けるために専用の電気回路ECが選択され、EPGに接続された100オームの抵抗の両端間の電圧及び抵抗を通じて循環する電流を測定した。ここで、本発明を、本発明の活性材料及びEPGのいくつかの非限定的な例によって説明する。
【実施例
【0072】
実施例1
活性有機材料の調製
ポリビニルアルコール(Zeus)24グラム及びエチレングリコール(Sigma Aldrich)76グラムをガラス反応器に供給し、次いで混合して混合物を得た。混合物を撹拌しながら約2時間、具体的には1時間55分かけて140℃まで加熱し、透明で均質な活性有機材料の溶融物を得た。次いで、活性有機材料を注いでフィルムを形成し、25℃まで冷却した。
【0073】
実施例2
多孔性層に吸着された活性有機材料の調製
実施例1に従って、活性有機材料を調製した。得られた活性有機材料は透明で均質な溶融物であり、セルロース製の多孔質層に注入した後、25℃まで冷却した。
【0074】
実施例3
本発明の発電装置1(EPG1)の調製
EPG1装置を、15mm×35mmのサイズ及び1mmの厚さのグラファイトの電極(4)から始めて上部に組み立て、ドクターブレード装置を介して、5mmの厚さで実施例1)に従って調製されたた活性有機材料(3)を堆積させた。
【0075】
その後、アルミニウム製の不動態化層(少なくとも1つの酸素含有化合物層(2))を有する二次電流コレクタ(1)を準備した。後者は、電流コレクタ(15mm×35mm)上に不動態化層(2)を有する二次電流コレクタであり、具体的には、市販のコンデンサ用のアルミニウム箔(0.36~0.80μF/cm)のような酸素含有化合物層を有する片面を有した。
【0076】
図1に示す最終的なEPG1装置は、
酸素含有化合物層(2)(陽極不動態化層)を有する二次電流コレクタである電流コレクタ(1)と、
実施例1の活性有機材料(3)と、
電極(4)と、を備えた。
【0077】
実施例4
本発明のEPG2(EPG2)の調製
EPG2装置は、15mm×50mmの寸法及び1mmの厚さを有する熱分解グラファイト製の一次電流コレクタ(5)から始めて組み立てられた。上部に、EPG2装置を15mm×35mmの寸法及び100μmの厚さを有するグラファイト箔の形態で二次電流コレクタ(1)と接触してクラッドした。
【0078】
その後、15mm×35mmの寸法及び100μmの厚さの炭素粉末で作製された電極(4)と、15mm×35mmの寸法及び1mmの厚さを有する表面に分散された85%の水、1%のカルボキシメチルセルロースナトリウム、14%の粉末活性グラファイトで作製された多孔質層(6)とを、二次電流コレクタ(1)の上部に堆積させた。
【0079】
続いて、多孔質層(6)上に、実施例1に従って調製された活性材料(3)を5mmの厚さで堆積させた。
【0080】
その後、アルミニウム製の、不動態化層(少なくとも1つの酸素含有化合物層(2))を有する二次電流コレクタ(1)を準備した。後者は、電流コレクタ(15mm×35mm)上に不動態化層を有する二次電流コレクタであり、具体的には、市販のコンデンサ用のアルミニウム箔(0.36~0.80μF/cm)のような酸素含有化合物層を有する片面を有した。
【0081】
最後に、熱分解グラファイト製で、15mm×50mmの寸法及び6mmの厚さを有する一次電流コレクタ(5)を二次電流コレクタ(1)の上部に堆積して、最終EPG2装置を得た。
【0082】
図2に示すEPG2は、
熱分解グラファイト(厚さ6mm)製の一次電流コレクタ(5)(15mm×50mm)と、
酸素含有化合物層(2)(陽極不動態化層)を有する二次電流コレクタと、
実施例1の活性有機材料(3)と
85%の水、1%のカルボキシメチルセルロースナトリウム、14%の粉末活性炭を含む多孔質層(6)と、
電極(4)と
グラファイト箔(厚さ100μm)の形態の二次電流コレクタ(1)(15mm×35mm)と、
熱分解グラファイト(厚さ1mm)製の一次電流コレクタ(5)(15mm×50mm)と、を備えた。
【0083】
実施例5
本発明のEPG2(EPG2)の特性評価
実施例4によるEPG2を25℃の一定温度に曝露し、100オーム負荷で並列に2分間接続及び2分間切断した2つのコレクタの両端間の電圧を多サイクルにわたって測定した。図5は、EPGの応答を示す。接続されたとき、EPGは、0.5~0.6Vから約0.1Vへの電圧の低下、及び切断されたとき、初期値の実質的に完全な回復を示した。接続されたときに0.1Vに達すること、及び切断されたときに初期電圧を回復することからなるこの挙動は、EPGの負荷に対する接続/切断の多くのサイクルに利用することができる。この挙動は、切断段階中の自発的充電回復のEPGの能力を実証する。
【0084】
実施例6
本発明の一連の5つのEPGにおける3つのスタックのPGM1の特性評価
各々が実施例4に従って組み立てられた5つのEPG2の各々である3つのスタックを直列に接続し、25℃の一定温度に曝露し、100オーム負荷での2つのコレクタの両端間の電圧を測定した。図6は、PGM1の応答を示す。接続されると、PGMは、1.6~1.5Vから約0.2Vへの電圧の低下及び約2mAの安定した電流を示す。この構成は、EPGの直列接続の可能性を実証する。
【0085】
実施例7
本発明の並列の5つのEPGのPGM2の特性評価
各々が実施例4に従って組み立てられた5つのEPG2を並列に接続し、25℃の一定温度に曝露し、100オーム負荷での2つのコレクタの両端間の電圧を測定した。図7は、PGM2の応答を示す。接続されると、PGM2は、0.5~0.6Vから約0.25Vへの電圧の低下及び約2.7mAの安定した電流を示す。この構成は、EPGの並列接続の可能性を実証する。
【0086】
実施例8
本発明のEPG(EPG2)の特性評価
実施例4に従って組み立てられたEPGを、25℃の一定温度に曝露し、100オーム負荷で接続された2つのコレクタの両端間の電圧を測定した。図8のグラフは、EPGの応答を示す。接続されると、EPGは、0.3~0.35Vから約0.025Vへの電圧の低下及び約0.3mAの安定した電流を示す。
【0087】
実施例9
本発明の可撓性EPG2(EPG2)の特性評価
EPG2装置は、660cmの寸法及び80μmの厚さを有する銀導電層を有するPETポリエチレンテレフタレートポリマー箔で作製された一次電流コレクタ(5)から始めて組み立てられた。上部に、EPG2装置を660cmの寸法及び10μmの厚さを有するグラファイトの形態で二次電流コレクタ(1)を堆積させた。
【0088】
その後、660cmの寸法及び24μmの厚さの炭素粉末で作製された電極(4)と、660cmの寸法及び24μmの厚さを有する表面に分散された85%の水、1%のカルボキシメチルセルロースナトリウム、14%の粉末活性グラファイトで作製された多孔質層(6)とを、二次電流コレクタ(1)の上部に堆積させた。
【0089】
続いて、市販のコンデンサ紙の間で、多孔質層(6)上に、実施例1に従って調製した活性材料(3)を48μmの厚さで堆積させた。
【0090】
その後、アルミニウム製の、不動態化層(少なくとも1つの酸素含有化合物層(2))を有する二次電流コレクタ(1)を準備した。後者(市販のコンデンサアルミニウム箔)は、電流コレクタ(660cm)上に不動態化層を有する二次電流コレクタであり、具体的には、市販のコンデンサ用アルミニウム箔(0.36~0.80μF/cm)のような酸素含有化合物層を有する片面を有した。
【0091】
最後に、熱分解グラファイト製で、15mm×50mmの寸法及び6mmの厚さを有する一次電流コレクタ(5)を二次電流コレクタ(1)の上部に堆積して、最終EPG2装置を得た。
【0092】
EPGを25℃の一定温度に曝露し、100オーム負荷で接続された2つのコレクタ間の両端間の電圧を測定した。図9のグラフは、EPG2の応答を示す。接続されると、EPG2は、0.60~0.65Vから約0.375Vへの電圧の低下及び約7mAの安定した電流を示す。
【0093】
実施例10
T=40℃及び50℃での本発明の可撓性EPG2(EPG2)の特性評価
実施例9のEPG2装置を室温に対して異なる温度で試験した。図10のグラフは、EPG2の応答を示す。接続されたとき、EPG2は、0.60~0.65Vから約0.375への電圧の低下及び約5mAの電流を示し、温度が上昇すると、確立された温度に比例して、電圧及び電流の値が増加する。
【0094】
実施例11
外部電気接点を有する本発明の発電装置2(EPG2)の調製
図11は、接続用の電気接点を有する本発明の発電装置2(EPG2)を示す。前述の接点は、装置の活性領域の外側にあった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】