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  • 特表-ウェル制限型熱サイクル装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-07
(54)【発明の名称】ウェル制限型熱サイクル装置
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20240131BHJP
   G01N 1/44 20060101ALI20240131BHJP
   G01N 1/28 20060101ALI20240131BHJP
   C12Q 1/6844 20180101ALN20240131BHJP
【FI】
C12M1/00 A
G01N1/44
G01N1/28 J
C12Q1/6844 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538697
(86)(22)【出願日】2021-12-19
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 US2021064256
(87)【国際公開番号】W WO2022140213
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】63/130,073
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523123422
【氏名又は名称】マテリアルズ アンド マシーンズ コーポレーション オブ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オーメン, アブラハム
(72)【発明者】
【氏名】ザレカール, ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ, トレヴァー
(72)【発明者】
【氏名】グリーンリーフ, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】キャリー, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ラトニア, ゴヴァルダン
【テーマコード(参考)】
2G052
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G052AA28
2G052AB11
2G052AB16
2G052DA06
2G052DA26
2G052EB11
2G052EB12
2G052GA11
2G052GA29
4B029AA07
4B029BB20
4B029FA15
4B029GB09
4B063QA01
4B063QA13
4B063QA20
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS24
4B063QS34
4B063QS36
4B063QS39
4B063QX02
(57)【要約】
試料調製およびリアルタイム蛍光検出用のウェル制限型熱サイクル装置が、記載される。本ウェル制限型熱サイクル装置は、試料ウェルおよび少なくとも1つの反応ウェルを有する加熱ブロックと、各反応ウェル内でリアルタイム蛍光を測定するための対応する手段を備える光学ブロックとを備えている。ウェル制限型熱サイクル装置は、リアルタイム蛍光検出において反応ウェルおよび試料ウェルを効率的に加熱かつ冷却する手段を備えている。加熱ブロックの構造は、試料ウェルおよび少なくとも1つの反応ウェルのそれぞれを加熱ブロック基部より上に持ち上げて、試料ウェルおよび少なくとも1つの反応ウェルが金属加熱ブロックに囲まれないようにすることにより、効率的に加熱かつ冷却する手段を提供する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被分析物の増幅および検出のために生物学的試料を調製するためのウェル制限型熱サイクル装置であって、該ウェル制限型熱サイクル装置は、
前記生物学的試料の調製および前記被分析物の増幅用に構成された加熱ブロックであって、該加熱ブロックは、
増幅および検出のために前記生物学的試料を受容かつ調製するように構成された平底部を有しており加熱ブロック基部の上部から延在している試料ウェル、
検出のために調製された前記生物学的試料の被分析物を受容かつ増幅するように構成された平底部を有しており前記加熱ブロック基部の上部から延在している反応ウェルであって、
前記反応ウェルが、励起オリフィス、発光オリフィス、および冷却オリフィスを有しており、前記励起オリフィスおよび前記発光オリフィスが90度に位置合わせされている、反応ウェル、ならびに
光学ブロックを前記加熱ブロック基部に取り外し可能に取り付けるための加熱ブロック位置合わせ穴であって、前記加熱ブロック基部の上部にある加熱ブロック位置合わせ穴
を備える、加熱ブロックと、
増幅かつ調製された前記生物学的試料の前記被分析物を検出するように構成されており前記加熱ブロックに取り外し可能に取り付けられている前記光学ブロックであって、該光学ブロックは、
内側励起オリフィスおよび外側励起オリフィスであって、前記内側励起オリフィスの直径が前記外側励起オリフィスよりも小さく、前記内側励起オリフィスおよび前記外側励起オリフィスが前記光学ブロックの中央部分を通って連続的に位置合わせされており、前記内側励起オリフィスおよび前記外側励起オリフィスの中心が前記反応ウェルの励起オリフィスの中心と直線状に位置合わせされている、内側励起オリフィスおよび外側励起オリフィス、
LEDを有しており前記光学ブロックに取り外し可能に取り付けられているLED基板であって、前記LEDが前記外側励起オリフィスによって受容される、LED基板、
フォトダイオードを有しており前記光学ブロックに取り外し可能に取り付けられているフォトダイオード基板であって、前記フォトダイオードが前記外側発光オリフィスによって受容される、フォトダイオード基板、
前記外側励起オリフィスの棚部によって受容される励起フィルタであって、該棚部が前記内側励起オリフィスと前記外側励起オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、励起フィルタ、
前記外側発光オリフィスの棚部によって受容される発光フィルタであって、該棚部が前記内側発光オリフィスと前記外側発光オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、発光フィルタ
を備える、光学ブロックと、
前記加熱ブロックと加熱導通することで前記試料ウェルおよび前記反応ウェルへの熱伝達を行う発熱体と
を備えている、ウェル制限型熱サイクル装置。
【請求項2】
前記反応ウェルによって受容されるように構成された平底部を有する反応器であって、ガラスおよびホウケイ酸ガラスからなる群から選択される材料から作製される反応器をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記反応ウェルによって受容されるように構成された平底部を有する反応器であって、耐熱性プラスチックである材料から作製される反応器をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記外側励起オリフィスが、4~8ミリメートルの直径を有しており、
前記内側励起オリフィスが、2.5~5ミリメートルの直径を有しており、
前記外側発光オリフィスが、4~8ミリメートルの直径を有しており、
前記内側励起オリフィスが、2.5~5ミリメートルの直径を有している、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記反応ウェルの励起オリフィスが、0.5~2ミリメートルの直径を有しており、
前記反応ウェルの発光オリフィスが、0.5~2ミリメートルの直径を有している、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記加熱ブロックの材料が、陽極酸化アルミニウムである、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記光学ブロックの材料が、デルリンである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記光学ブロックの材料が、アセタール共重合体および単独重合体からなる群から選択される、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記試料ウェルが、6~12ミリメートルの直径を有しており、
前記反応ウェルが、4~8ミリメートルの直径を有している、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記試料ウェルが、前記反応ウェルから少なくとも5ミリメートルの位置にある、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
被分析物の増幅および検出のために生物学的試料を調製するためのウェル制限型熱サイクル装置あって、該ウェル制限型熱サイクル装置は、
前記生物学的試料の調製および前記被分析物の増幅用に構成された加熱ブロックであって、該加熱ブロックは、
増幅および検出のために前記生物学的試料を受容かつ調製するように構成された平底部を有しており加熱ブロック基部の上部から延在している試料ウェル、
検出のために調製された前記生物学的試料の第1の被分析物を受容かつ増幅するように構成された平底部を有しており前記加熱ブロック基部の上部から延在している第1の反応ウェルであって、
前記第1の反応ウェルが、第1の励起オリフィス、第1の発光オリフィス、および第1の冷却オリフィスを有しており、前記第1の励起オリフィスおよび前記第1の発光オリフィスが90度に位置合わせされている、第1の反応ウェル、
光学ブロックを前記加熱ブロック基部に取り外し可能に取り付けるための加熱ブロック位置合わせ穴であって、前記加熱ブロック基部の上部にある加熱ブロック位置合わせ穴、
検出のために調製された前記生物学的試料の第2の被分析物を受容かつ増幅するように構成された平底部を有しており前記加熱ブロック基部の上部から延在している第2の反応ウェルであって、
前記第2の反応ウェルが、第2の励起オリフィス、第2の発光オリフィス、および第2の冷却オリフィスを有しており、前記第2の励起オリフィスおよび前記第2の発光オリフィスが90度に位置合わせされている、第2の反応ウェル、ならびに
前記光学ブロックを前記加熱ブロック基部に取り外し可能に取り付けるための加熱ブロック位置合わせ穴であって、前記加熱ブロック基部の上部にある加熱ブロック位置合わせ穴
を備える、加熱ブロックと、
増幅かつ調製された前記生物学的試料の前記第1の被分析物および前記第2の被分析物を検出するように構成されており前記加熱ブロックに取り外し可能に取り付けられている前記光学ブロックであって、該光学ブロックは、
第1の内側励起オリフィスおよび第1の外側励起オリフィスであって、前記第1の内側励起オリフィスの直径が前記第1の外側励起オリフィスよりも小さく、前記第1の内側励起オリフィスおよび前記第1の外側励起オリフィスが前記光学ブロックの中央部分を通って連続的に位置合わせされており、前記第1の内側励起オリフィスおよび前記第1の外側励起オリフィスの中心が前記第1の反応ウェルの励起オリフィスの中心と直線状に位置合わせされている、第1の内側励起オリフィスおよび第1の外側励起オリフィス、
第2の内側励起オリフィスおよび第2の外側励起オリフィスであって、前記第2の内側励起オリフィスの直径が前記第2の外側励起オリフィスよりも小さく、前記第2の内側励起オリフィスおよび前記第2の外側励起オリフィスが前記光学ブロックの中央部分を通って連続的に位置合わせされており、前記第2の内側励起オリフィスおよび前記第2の外側励起オリフィスの中心が前記第2の反応ウェルの励起オリフィスの中心と直線状に位置合わせされている、第2の内側励起オリフィスおよび第2の外側励起オリフィス、
第1のLEDおよび第2のLEDを有しており光学ブロックに取り外し可能に取り付けられているLED基板であって、前記第1のLEDが前記第1の外側励起オリフィスによって受容され、前記第2のLEDが前記第2の外側励起オリフィスによって受容される、LED基板、
第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードを有しており前記光学ブロックに取り外し可能に取り付けられているフォトダイオード基板であって、前記第1のフォトダイオードが前記第1の外側発光オリフィスによって受容され、前記第2のフォトダイオードが前記第2の外側発光オリフィスによって受容される、フォトダイオード基板、
前記第1の外側励起オリフィスの棚部によって受容される第1の励起フィルタであって、該棚部が前記第1の内側励起オリフィスと前記第1の外側励起オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、第1の励起フィルタ、
前記第2の外側励起オリフィスの棚部によって受容される第2の励起フィルタであって、該棚部が前記第2の内側励起オリフィスと前記第2の外側励起オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、第2の励起フィルタ、
前記第1の外側発光オリフィスの棚部によって受容される第1の発光フィルタであって、該棚部が前記第1の内側発光オリフィスと前記第1の外側発光オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、第1の発光フィルタ、
前記第2の外側発光オリフィスの棚部によって受容される第2の発光フィルタであって、該棚部が前記第2の内側発光オリフィスと前記第2の外側発光オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、第2の発光フィルタ
を備える、光学ブロックと、
前記加熱ブロックと加熱導通することで前記試料ウェルならびに前記第1の反応ウェルおよび前記第2の反応ウェルへの熱伝達を行う発熱体と
を備えている、ウェル制限型熱サイクル装置。
【請求項12】
前記第1の反応ウェルによって受容されるように構成された平底部を有する第1の反応器であって、ガラスおよびホウケイ酸ガラスからなる群から選択される材料から作製される第1の反応器と、
前記第2の反応ウェルによって受容されるように構成された平底部を有する第2の反応器であって、ガラスおよびホウケイ酸ガラスからなる群から選択される材料から作製される第2の反応器と
をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の反応ウェルによって受容されるように構成された平底部を有する第1の反応器であって、耐熱性プラスチックである材料から作製される第1の反応器と、
前記第2の反応ウェルによって受容されるように構成された平底部を有する第2の反応器であって、耐熱性プラスチックである材料から作製される第2の反応器と
をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の外側励起オリフィスが、4~8ミリメートルの直径を有しており、
前記第1の内側励起オリフィスが、2.5~5ミリメートルの直径を有しており、
前記第1の外側発光オリフィスが、4~8ミリメートルの直径を有しており、
前記第1の内側励起オリフィスが、2.5~5ミリメートルの直径を有しており、
前記第2の外側励起オリフィスが、4~8ミリメートルの直径を有しており、
前記第2の内側励起オリフィスが、2.5~5ミリメートルの直径を有しており、
前記第2の外側発光オリフィスが、4~8ミリメートルの直径を有しており、
前記第2の内側励起オリフィスが、2.5~5ミリメートルの直径を有している、
請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の反応ウェルの励起オリフィスが、0.5~2ミリメートルの直径を有しており、
前記第1の反応ウェルの発光オリフィスが、0.5~2ミリメートルの直径を有しており、
前記第2の反応ウェルの励起オリフィスが、0.5~2ミリメートルの直径を有しており、
前記第2の反応ウェルの発光オリフィスが、0.5~2ミリメートルの直径を有している、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記加熱ブロックの材料が、陽極酸化アルミニウムである、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記光学ブロックの材料が、デルリンである、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記光学ブロックの材料が、アセタール共重合体および単独重合体からなる群から選択される、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記試料ウェルが、6~12ミリメートルの直径を有しており、
前記第1の反応ウェルが、4~8ミリメートルの直径を有しており、
前記第2の反応ウェルが、4~8ミリメートルの直径を有している、
請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記試料ウェルが、前記反応ウェルから少なくとも5ミリメートルの位置にある、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
被分析物の増幅および検出のために生物学的試料を調製するためのウェル制限型熱サイクル装置であって、該ウェル制限型熱サイクル装置は、
前記生物学的試料の調製および前記被分析物の増幅用に構成された加熱ブロックであって、該加熱ブロックは、
平底部を有する試料管を受容する手段を有しており加熱ブロック基部の上部から延在している試料ウェル、
検出のために調製された前記生物学的試料の被分析物を増幅するように構成されており前記加熱ブロック基部の上部から延在している反応ウェルであって、
前記反応ウェルが、励起オリフィス、発光オリフィス、および冷却オリフィスを有しており、前記励起オリフィスおよび前記発光オリフィスが90度に位置合わせされている、反応ウェル、ならびに
光学ブロックを前記加熱ブロック基部に取り外し可能に取り付けるための加熱ブロック位置合わせ穴であって、前記加熱ブロック基部の上部にある加熱ブロック位置合わせ穴
を備える、加熱ブロックと、
前記試料の前記被分析物のリアルタイム蛍光を測定する手段を有する前記光学ブロックと、
前記加熱ブロックと加熱導通することで前記試料ウェルおよび前記反応ウェルへの熱伝達を行う発熱体と
を備えている、ウェル制限型熱サイクル装置。
【請求項22】
被分析物の増幅および検出のために生物学的試料を調製するためのウェル制限型熱サイクル装置であって、該ウェル制限型熱サイクル装置は、
前記生物学的試料の調製および前記被分析物の増幅用に構成された加熱ブロックであって、該加熱ブロックは、
増幅および検出のために前記生物学的試料を受容かつ調製するように構成されたテーパ状底部を有しており加熱ブロック基部の上部から延在している試料ウェル、
検出のために調製された前記生物学的試料の被分析物を受容かつ増幅するように構成されたテーパ状底部を有しており前記加熱ブロック基部の上部から延在している反応ウェルであって、
前記反応ウェルが、励起オリフィス、発光オリフィス、および冷却オリフィスを有しており、前記励起オリフィスおよび前記発光オリフィスが90度に位置合わせされている、反応ウェル、ならびに
光学ブロックを前記加熱ブロック基部に取り外し可能に取り付けるための加熱ブロック位置合わせ穴であって、前記加熱ブロック基部の上部にある加熱ブロック位置合わせ穴
を備える、加熱ブロックと、
増幅かつ調製された前記生物学的試料の前記被分析物を検出するように構成されており前記加熱ブロックに取り外し可能に取り付けられている前記光学ブロックであって、該光学ブロックは、
内側励起オリフィスおよび外側励起オリフィスであって、前記内側励起オリフィスの直径が前記外側励起オリフィスよりも小さく、前記内側励起オリフィスおよび前記外側励起オリフィスが前記光学ブロックの中央部分を通って連続的に位置合わせされており、前記内側励起オリフィスおよび前記外側励起オリフィスの中心が前記反応ウェルの励起オリフィスの中心と直線状に位置合わせされている、内側励起オリフィスおよび外側励起オリフィス、
LEDを有しており前記光学ブロックに取り外し可能に取り付けられているLED基板であって、前記LEDが前記外側励起オリフィスによって受容される、LED基板、
フォトダイオードを有しており前記光学ブロックに取り外し可能に取り付けられているフォトダイオード基板であって、前記フォトダイオードが前記外側発光オリフィスによって受容される、フォトダイオード基板、
前記外側励起オリフィスの棚部によって受容される励起フィルタであって、該棚部が前記内側励起オリフィスと前記外側励起オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、励起フィルタ、
前記外側発光オリフィスの棚部によって受容される発光フィルタであって、該棚部が前記内側発光オリフィスと前記外側発光オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、発光フィルタ
を備える、光学ブロックと、
前記加熱ブロックと加熱導通することで前記試料ウェルおよび前記反応ウェルへの熱伝達を行う発熱体と
を備えている、ウェル制限型熱サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年12月23日出願の「LIMITED WELL THERMAL CYCLING DEVICE」と題された米国仮特許出願第63/130,073号に基づく優先権を主張し、この米国仮特許出願は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
熱サイクル装置は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を介して、PCRプロトコールに従い周期的な加熱および冷却を行うことにより核酸セグメント(DNA、RNA)を増幅させる実験装置である。かかるサーマルサイクラは、ヒト遺伝子の変異検出から病原体検出にまで及ぶ様々な用途のために、研究環境および病院環境で使用されている。これらの熱サイクル装置は、リアルタイム装置(蛍光がリアルタイムで反応物から検出される場合)、または、PCRサイクリングプロトコールを用いるかもしくは等温増幅によって核酸を増幅するだけの増幅装置であり得る。同時検出を行わない単純なサーマルサイクラ(非リアルタイム機械)の場合、増幅産物は、別の手段、例えば、ゲルを充填し、電気泳動後にインターカレーティング色素による染色を行うことで増幅産物を検出することによって、検出される。
【0003】
米国特許第5,333,675号明細書、米国特許第5,475,610号明細書、および米国特許第5,656,493号明細書など、単管内での核酸増幅のほか、96ウェルプレート内での増幅を対象とする従来の熱サイクル装置が多く存在している。さらに、別の従来の熱サイクル装置は、米国特許第6,521,447号明細書に記載されるように、マイクロ流体を用いて加熱および冷却の制御を個々に行うために各試料管を分けることによる核酸増幅を含んでおり、特に、周期的な加熱および冷却においてサーマルサイクラブロックが使用されない。さらに、従来の装置は、米国特許第7,238,321号に教示されている単一または複数の薄壁ガラスキャピラリーを用いたブロック内での熱サイクリングによる高速PCRを含む。従来の装置のそれぞれは、単一の試料(それゆえ、装置は単一の反応ウェルを有している)、または同時に複数の試料(それゆえ、装置は96ウェルプレートなどの複数の反応ウェルを有している)を用いた、核酸の増幅および検出を対象としている。これら従来の装置は、熱サイクリングの効率因子、具体的には速度および温度の制御に対処する。
【0004】
米国特許第7,238,321号明細書の装置など、これら従来の装置は、インターカレーティング色素を含む蛍光色素による蛍光検出を用いてリアルタイムで増幅も検出するように、サーマルサイクラを切り替えることを教示している。例えば、米国特許第6,171,785号明細書および米国特許第6,814,934号明細書中の従来の装置は、1つの反応器または複数の反応器から蛍光を検出し、この場合、増幅と検出は、同じ反応ウェル内で行われる。これら従来の装置はすべて、標準の実験室で見られる典型的な反応管(反応器)を用いて増幅および検出の反応を処理することを可能にする反応ウェルとして機能する機械加工穴を有する金属ブロックを備える、熱ブロックの主要な特徴を共有する。
【0005】
これら標準の反応管または反応容器は、単一の反応管(小さなキャピラリーから、キャップ付きの0.2ml PCR管まで及ぶ)、または96ウェル、384ウェル、もしくは1536ウェルのマイクロタイターディッシュ型プレートに対する複数ウェルの管(8ウェルまたは0.2mlストリップで使用するための管など)とすることができる。このような反応フォーマットはすべて、本明細書中で注記されるこれら従来の熱サイクル装置において許容されており、従来の装置の多くは、最も多く利用可能な反応器の1つまたは2つを受け入れるように設計されている。したがって、これら熱サイクル装置の反応ウェルは、熱ブロックの加熱および冷却が反応器内で試料の加熱および冷却を制御することから、反応器をきつく保持して熱伝達が効率的となるように形成されねばならない。
【0006】
これら標準の反応管を収容するのに、従来の装置は、対応するテーパ状の反応管とぴったり嵌合するように反応ウェルの底部をテーパ状にした反応ウェルを備えている。本明細書中で使用されるとき、「テーパ状(tapered)」は、反応管の底部および/または反応ウェルの底部が、「V」字状または「U」字状のいずれかであることを意味しており、「V」字状が最も一般的である。これら従来の装置には、平底部の反応管など非標準の反応管に対する収容能が欠けている。
【0007】
加えて、他の従来の装置は、試料調製、その後に同じ装置内で核酸の増幅および検出を行う。例えば、米国特許第5,863,502号明細書では、この増幅と検出が流体移動を介して並行に達成されており、一方で国際公開第2007/106579号は、マイクロ流体を介して完全に一体化された形で増幅および検出を提供する(国際公開第2007/106579号)。これらの装置はともに、チャンバと反応管との間での相当量の流体移動と制御を必要とする。このような装置では、熱サイクリングは単純な加熱および冷却システムによって達成される。同様に、これら従来の装置はまた、国際公開第2007/106579号に見られる画像取得のような適切な光学系、または米国特許第
5,832,165号明細書に見られる導波路を組み込むことによって蛍光を検出する、独自の方法を組み込んでいる。これら従来の装置には、別個の試料調製チャンバおよび増幅用の別個のチャンバを必要とするという欠点があるため、相当量の流体移動、およびかかる移動の制御が、チャンバと反応管と反応ウェルとの間で必要とされる。
【0008】
したがって、熱ブロックの材料を減らして効率的な加熱および冷却を行う熱サイクル装置とすることが望ましい。さらに、相当量の流体移動または制御を必要とすることなく、同じ装置内で試料の調製、増幅、およびリアルタイム検出を行う熱サイクル装置とすることが望ましい。最終的には、非標準の反応管を考慮した熱サイクル装置とすることが望ましい。
【発明の概要】
【0009】
複数の態様は、被分析物の増幅および検出のために生物学的試料を調製するためのウェル制限型熱サイクル装置であり、当該ウェル制限型熱サイクル装置は、生物学的試料の調製および被分析物の増幅用に構成された加熱ブロックであって、当該加熱ブロックは、増幅および検出のために生物学的試料を受容かつ調製するように構成された平底部を有しており加熱ブロック基部の上部から延在している試料ウェル、検出のために調製された生物学的試料の被分析物を受容かつ増幅するように構成された平底部を有しており加熱ブロック基部の上部から延在している反応ウェルであって、反応ウェルが、励起オリフィス、発光オリフィス、および冷却オリフィスを有しており、励起オリフィスおよび発光オリフィスが90度に位置合わせされている、反応ウェル、ならびに光学ブロックを加熱ブロック基部に取り外し可能に取り付けるための加熱ブロック位置合わせ穴であって、加熱ブロック基部の上部にある加熱ブロック位置合わせ穴を備える、加熱ブロックと、増幅かつ調製された生物学的試料の被分析物を検出するように構成されており加熱ブロックに取り外し可能に取り付けられている光学ブロックであって、当該光学ブロックは、内側励起オリフィスおよび外側励起オリフィスであって、内側励起オリフィスの直径が外側励起オリフィスよりも小さく、内側励起オリフィスおよび外側励起オリフィスが光学ブロックの中央部分を通って連続的に位置合わせされており、内側励起オリフィスおよび外側励起オリフィスの中心が反応ウェルの励起オリフィスの中心と直線状に位置合わせされている、内側励起オリフィスおよび外側励起オリフィス、LEDを有しており光学ブロックに取り外し可能に取り付けられているLED基板であって、LEDが外側励起オリフィスによって受容される、LED基板、フォトダイオードを有しており光学ブロックに取り外し可能に取り付けられているフォトダイオード基板であって、フォトダイオードが外側発光オリフィスによって受容される、フォトダイオード基板、外側励起オリフィスの棚部によって受容される励起フィルタであって、棚部が内側励起オリフィスと外側励起オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、励起フィルタ、外側発光オリフィスの棚部によって受容される発光フィルタであって、棚部が内側発光オリフィスと外側発光オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、発光フィルタを備える、光学ブロックと、加熱ブロックと加熱導通することで試料ウェルおよび反応ウェルへの熱伝達を行う発熱体とを備えている。
【0010】
一態様は、被分析物の増幅および検出のために生物学的試料を調製するためのウェル制限型熱サイクル装置であり、当該ウェル制限型熱サイクル装置は、生物学的試料の調製および被分析物の増幅用に構成された加熱ブロックであって、当該加熱ブロックは、増幅および検出のために生物学的試料を受容かつ調製するように構成された平底部を有しており加熱ブロック基部の上部から延在している試料ウェル、検出のために調製された生物学的試料の第1の被分析物を受容かつ増幅するように構成された平底部を有しており加熱ブロック基部の上部から延在している第1の反応ウェルであって、第1の反応ウェルが、第1の励起オリフィス、第1の発光オリフィス、および第1の冷却オリフィスを有しており、第1の励起オリフィスおよび第1の発光オリフィスが90度に位置合わせされている、第1の反応ウェル、光学ブロックを加熱ブロック基部に取り外し可能に取り付けるための加熱ブロック位置合わせ穴であって、加熱ブロック基部の上部にある加熱ブロック位置合わせ穴、検出のために調製された生物学的試料の第2の被分析物を受容かつ増幅するように構成された平底部を有しており加熱ブロック基部の上部から延在している第2の反応ウェルであって、第2の反応ウェルが、第2の励起オリフィス、第2の発光オリフィス、および第2の冷却オリフィスを有しており、第2の励起オリフィスおよび第2の発光オリフィスが90度に位置合わせされている、第2の反応ウェル、ならびに光学ブロックを加熱ブロック基部に取り外し可能に取り付けるための加熱ブロック位置合わせ穴であって、加熱ブロック基部の上部にある加熱ブロック位置合わせ穴を備える、加熱ブロックと、増幅かつ調製された生物学的試料の第1の被分析物および第2の被分析物を検出するように構成されており加熱ブロックに取り外し可能に取り付けられている光学ブロックであって、当該光学ブロックは、第1の内側励起オリフィスおよび第1の外側励起オリフィスであって、第1の内側励起オリフィスの直径が第1の外側励起オリフィスよりも小さく、第1の内側励起オリフィスおよび第1の外側励起オリフィスが光学ブロックの中央部分を通って連続的に位置合わせされており、第1の内側励起オリフィスおよび第1の外側励起オリフィスの中心が第1の反応ウェルの励起オリフィスの中心と直線状に位置合わせされている、第1の内側励起オリフィスおよび第1の外側励起オリフィス、第2の内側励起オリフィスおよび第2の外側励起オリフィスであって、第2の内側励起オリフィスの直径が第2の外側励起オリフィスよりも小さく、第2の内側励起オリフィスおよび第2の外側励起オリフィスが光学ブロックの中央部分を通って連続的に位置合わせされており、第2の内側励起オリフィスおよび第2の外側励起オリフィスの中心が第2の反応ウェルの励起オリフィスの中心と直線状に位置合わせされている、第2の内側励起オリフィスおよび第2の外側励起オリフィス、第1のLEDおよび第2のLEDを有しており光学ブロックに取り外し可能に取り付けられているLED基板であって、第1のLEDが第1の外側励起オリフィスによって受容され、第2のLEDが第2の外側励起オリフィスによって受容される、LED基板、第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードを有しており光学ブロックに取り外し可能に取り付けられているフォトダイオード基板であって、第1のフォトダイオードが第1の外側発光オリフィスによって受容され、第2のフォトダイオードが第2の外側発光オリフィスによって受容される、フォトダイオード基板、第1の外側励起オリフィスの棚部によって受容される第1の励起フィルタであって、棚部が第1の内側励起オリフィスと第1の外側励起オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、第1の励起フィルタ、第2の外側励起オリフィスの棚部によって受容される第2の励起フィルタであって、棚部が第2の内側励起オリフィスと第2の外側励起オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、第2の励起フィルタ、第1の外側発光オリフィスの棚部によって受容される第1の発光フィルタであって、棚部が第1の内側発光オリフィスと第1の外側発光オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、第1の発光フィルタ、第2の外側発光オリフィスの棚部によって受容される第2の発光フィルタであって、棚部が第2の内側発光オリフィスと第2の外側発光オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、第2の発光フィルタを備える、光学ブロックと、加熱ブロックと加熱導通することで試料ウェルならびに第1の反応ウェルおよび第2の反応ウェルへの熱伝達を行う発熱体とを備えている。
【0011】
複数の態様は、被分析物の増幅および検出のために生物学的試料を調製するためのウェル制限型熱サイクル装置であり、当該ウェル制限型熱サイクル装置は、生物学的試料の調製および被分析物の増幅用に構成された加熱ブロックであって、当該加熱ブロックは、平底部を有する試料管を受容する手段を有しており加熱ブロック基部の上部から延在している試料ウェル、検出のために調製された生物学的試料の被分析物を増幅するように構成されており加熱ブロック基部の上部から延在している反応ウェルであって、反応ウェルが、励起オリフィス、発光オリフィス、および冷却オリフィスを有しており、励起オリフィスおよび発光オリフィスが90度に位置合わせされている、反応ウェル、ならびに光学ブロックを加熱ブロック基部に取り外し可能に取り付けるための加熱ブロック位置合わせ穴であって、加熱ブロック基部の上部にある加熱ブロック位置合わせ穴を備える、加熱ブロックと、試料の被分析物のリアルタイム蛍光を測定する手段を有する光学ブロックと、加熱ブロックと加熱導通することで試料ウェルおよび反応ウェルへの熱伝達を行う発熱体とを備えている。
【0012】
複数の態様は、被分析物の増幅および検出のために生物学的試料を調製するためのウェル制限型熱サイクル装置であり、当該ウェル制限型熱サイクル装置は、生物学的試料の調製および被分析物の増幅用に構成された加熱ブロックであって、当該加熱ブロックは、増幅および検出のために生物学的試料を受容かつ調製するように構成されたテーパ状底部を有しており加熱ブロック基部の上部から延在している試料ウェル、検出のために調製された生物学的試料の被分析物を受容かつ増幅するように構成されたテーパ状底部を有しており加熱ブロック基部の上部から延在している反応ウェルであって、反応ウェルが、励起オリフィス、発光オリフィス、および冷却オリフィスを有しており、励起オリフィスおよび発光オリフィスが90度に位置合わせされている、反応ウェル、ならびに光学ブロックを加熱ブロック基部に取り外し可能に取り付けるための加熱ブロック位置合わせ穴であって、加熱ブロック基部の上部にある加熱ブロック位置合わせ穴を備える、加熱ブロックと、増幅かつ調製された生物学的試料の被分析物を検出するように構成されており加熱ブロックに取り外し可能に取り付けられている光学ブロックであって、当該光学ブロックは、内側励起オリフィスおよび外側励起オリフィスであって、内側励起オリフィスの直径が外側励起オリフィスよりも小さく、内側励起オリフィスおよび外側励起オリフィスが光学ブロックの中央部分を通って連続的に位置合わせされており、内側励起オリフィスおよび外側励起オリフィスの中心が反応ウェルの励起オリフィスの中心と直線状に位置合わせされている、内側励起オリフィスおよび外側励起オリフィス、LEDを有しており光学ブロックに取り外し可能に取り付けられているLED基板であって、LEDが外側励起オリフィスによって受容される、LED基板、フォトダイオードを有しており光学ブロックに取り外し可能に取り付けられているフォトダイオード基板であって、フォトダイオードが外側発光オリフィスによって受容される、フォトダイオード基板、外側励起オリフィスの棚部によって受容される励起フィルタであって、棚部が内側励起オリフィスと外側励起オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、励起フィルタ、外側発光オリフィスの棚部によって受容される発光フィルタであって、棚部が内側発光オリフィスと外側発光オリフィスとの間の連続的な位置合わせによって形成されている、発光フィルタを備える、光学ブロックと、加熱ブロックと加熱導通することで試料ウェルおよび反応ウェルへの熱伝達を行う発熱体とを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】2つの反応ウェルを有するウェル制限型(limited well)熱サイクル装置を表す図である。
図2a】2つの反応ウェルを有するウェル制限型熱サイクル装置の加熱ブロックを表す図である。
図2b】2つの反応ウェルを有するウェル制限型熱サイクル装置の加熱ブロックの正面図を表す図である。
図3a】2つの反応ウェルを有するウェル制限型熱サイクル装置の光学ブロックを表す図である。
図3b】2つの反応ウェルを有するウェル制限型熱サイクル装置の正面図を表す図である。
図3c】2つの反応ウェルを有するウェル制限型熱サイクル装置の側面図を表す図である。
図4】2つの反応ウェルを有するウェル制限型熱サイクル装置の加熱ブロックと光学ブロックを表す図である。
図5】2つの反応ウェルを有するウェル制限型熱サイクル装置を表す図である。
図6】1つの反応ウェルを有するウェル制限型熱サイクル装置の加熱ブロックを表す図である。
図7】1つの反応ウェルを有するウェル制限型熱サイクル装置(光学ブロックを有する加熱ブロック)を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で使用されるとき、「ウェル制限型(limited well)」は、1~4つの反応ウェルを有する熱サイクル装置を意味する。
【0015】
本明細書中で使用されるとき、「試料」は、目的の1つまたは複数の配列(被分析物)を含有し得る核酸試料を意味し、目的の核酸配列を検出するために1つまたは複数の核酸プライマーを含有し、かつPCR反応を実施するためのPCR成分を含有している。核酸プライマーはそれぞれフルオロフォアで標識することができ、各フルオロフォアは、蛍光発光による検出における固有の吸収特性および発光特性を有している。例えば、フルオロフォアを介した蛍光発光による被分析物の検出は、標識ヌクレオチド使用の結果によるプローブのプライマー伸長を介して、分子ビーコンまたは同様のフルオロフォアを介して、およびクエンチャーベースのプライマーまたは他の蛍光を検出する手段を介して行われてよい。
【0016】
試料調製およびリアルタイム蛍光検出用のウェル制限型熱サイクル装置が、記載される。本ウェル制限型熱サイクル装置は、試料ウェルおよび少なくとも1つの反応ウェルを有する加熱ブロックと、各反応ウェル内でリアルタイム蛍光を測定するための対応する手段を備える光学ブロックとを備えている。
【0017】
ウェル制限型熱サイクル装置は、リアルタイム蛍光検出において反応ウェルおよび試料ウェルを効率的に加熱かつ冷却する手段を備えている。加熱ブロックの構造は、試料ウェルおよび少なくとも1つの反応ウェルのそれぞれを加熱ブロック基部より上に持ち上げて、試料ウェルおよび少なくとも1つの反応ウェルが金属加熱ブロックに囲まれないようにすることにより、効率的に加熱かつ冷却する手段を提供する。
【0018】
ウェル制限型熱サイクル装置の反応ウェルと試料ウェルは、平底の試料器および反応器を受容する手段を備えていてもよく、この平底容器の設計をリアルタイム蛍光検出に関連して使用することを可能にする。試料ウェルおよび少なくとも1つの反応ウェルの構造は、試料ウェルおよび少なくとも1つの反応ウェルのそれぞれが、試料器および反応器を受容するための平底部を有しているため、平底の試料器および反応器を受容する手段を提供する。この平底部設計は、加熱ブロックに最も近い反応ウェルと接触することになる試料管の底部の表面積をより大きくすることによって、試料の効率的な加熱を可能にする。ウェル制限型熱サイクル装置の反応ウェルと試料ウェルは、標準の反応管を受容するようにテーパ状であってもよい。
【0019】
図7は、1つの反応ウェルを有するウェル制限型熱サイクル装置700を表す。ウェル制限型熱サイクル装置700は、加熱ブロック100および光学ブロック300を備えている。加熱ブロック100は、加熱ブロック100の上部にある光学ブロック300と区別するために、斜線の陰影を付けて示されている。加熱ブロック100は、試料ウェル107および反応ウェル102を備えている。
【0020】
加熱ブロック100は、0.5mm~3mmの高さ(厚さ)207を有する基部110を有している(図2bを参照)。好ましくは、加熱ブロック100の基部の高さ207は、1mmである。加熱ブロックは、20mm~30mmの幅105を有しており、好ましくは、加熱ブロック100の幅105は25mmである。加熱ブロックは、60mm~100mmの長さ106を有しており、好ましくは、長さ106は80mmである。加熱ブロック100は、ねじなどにより取り外し可能に取り付けるために光学ブロック300の位置合わせを行う加熱ブロック位置合わせ穴101をさらに備えている。加熱ブロック100は、あらゆる熱伝導性金属、金属合金、または複合材料で作製されてよい。好ましくは、加熱ブロック100は、アルミニウムまたは陽極酸化アルミニウムである。
【0021】
このブロックに対する加熱は、ペルチェ熱電装置、抵抗発熱体、またはブロック100の下に配されるあらゆる同様の従来の発熱体のいずれかによって成し遂げられる。
冷却は、従来のファンを使用して、ブロックおよび3つのウェルの中と周囲に空気を送り込むことによって成し遂げられる。例えば、従来のファンは、加熱ブロック100の側部に、または反応ウェル102の冷却を容易にする別の場所に配されてもよい。
【0022】
加熱ブロック100の試料ウェル107は、試料の調製用の平底部を有する試料器を受容するように構成されてもよい。加熱ブロック100の試料ウェル107は、標準の反応管の形状を有する試料器を受容するようにテーパ状であってもよい。試料ウェル107は、10mm~14mm、好ましくは12mmの試料ウェル周囲長さ108を備えている。試料ウェル107は、10~14mm、好ましくは12mmの試料ウェル周囲幅103を備えている。試料ウェル107は、10mm~14mm、好ましくは12.2mmの試料ウェル周囲高さ208を備えている。
【0023】
試料ウェル107が平底部を有する試料器を受容するように構成される場合、試料ウェル107の内部は、6mm~12mm、好ましくは8.2mmの直径を有する円形である。試料ウェルの内部は、平底部を有しておりプラスチック、ガラス、または他の熱伝導性材料である試料器を収容するための平底部をさらに有している。試料ウェル107が標準の反応管の形状を有する試料器を受容するようにテーパ状である場合、試料ウェル107の内部は、試料ウェル107の上部(開口部に最も近い方)に6mm~12mmの直径を有するテーパ状とされる。
【0024】
試料ウェル107は、加熱ブロック100の基部110から形成されてもよく、金属、金属合金、または複合材料などのあらゆる熱伝導性材料から作製される。好ましくは、試料ウェル107は、アルミニウムまたは陽極酸化アルミニウムである。
【0025】
試料器は試料ウェル107によって受容され、そこで試料器内の試料は、反応ウェル102中でのさらなる分析(すなわち、増幅および検出)のために試料を調製するべく、所望の期間にわたり所望の温度へと加熱かつ冷却される場合がある。例えば、溶解バッファーは試料に添加されてもよく、この場合に試料は、細胞溶解および核酸放出のために加熱される。
【0026】
加熱ブロック100の反応ウェル102は、試料のリアルタイム蛍光を測定するように構成されている。リアルタイム蛍光は、試料がその増幅のために、所望の期間にわたり所望の温度へと加熱かつ冷却されるときに測定される。例えば、増幅に必要な成分は反応ウェル102中で試料に添加され、PCR増幅の場合、この反応ウェルは、蛍光標識DNAプライマー、遊離ヌクレオチド(ddNTP)、およびDNAポリメラーゼを含む。加えて、例えば試料は、リアルタイム蛍光検出と同時に所望の被分析物を増幅させるためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プロトコールを使用して、加熱および冷却サイクルを経る場合がある。反応ウェル102は、6~10mm、好ましくは8mmの反応ウェル周囲幅103を備えている。反応ウェル102は、6~10mm、好ましくは8mmの反応ウェル周囲長さ104を備えている。反応ウェル102は、10~14mm、好ましくは12.2mmの反応ウェル周囲高さ(208)を備えている。
【0027】
反応ウェル102が平底部を有する非標準の試料器を受容するように構成される場合、反応ウェル102の内部は、4mm~8mm、好ましくは5.82mmの直径を有する円形である。反応ウェル102の内部は、平底部を有しており耐熱性プラスチック、ガラス、ホウケイ酸ガラス、または他の熱伝導性材料である反応器を収容するための平底部を有している。反応ウェル102が標準の反応管の形状を有する試料器を受容するようにテーパ状である場合、反応ウェル102の内部は、試料ウェル107の上部(開口部に最も近い方)に4mm~8mmの直径を有するテーパ状とされる。
【0028】
反応ウェル102は、ファンによる試料の冷却を容易にするべく、反応ウェル102の内部から周囲まで延在する冷却オリフィス205をさらに備えている。冷却オリフィス205は、直径0.5mm~2mm、好ましくは直径1mmである。反応ウェル102は、加熱ブロック100の基部110から形成されてもよく、金属、金属合金、または複合材料などのあらゆる熱伝導性材料から作製される。好ましくは、反応ウェル102は、アルミニウムまたは陽極酸化アルミニウムである。
【0029】
反応ウェル102は、光学ブロック300によるリアルタイム蛍光の測定のための試料の蛍光励起および発光を可能にする、反応ウェル励起オリフィス203および少なくとも1つの反応ウェル発光オリフィス204を備えている。図7は、2つの反応ウェル発光オリフィス204を有する反応ウェル102を表しているが、反応ウェル102は、単一の反応ウェル発光オリフィス204を有していてもよい。各反応ウェル発光オリフィス204は、試料からの蛍光がフォトダイオード201に到達するのを可能にするように、反応ウェル102の内部から周囲まで延在している。各反応ウェル発光オリフィス204は、それぞれのフォトダイオード201、ならびに光学ブロックの内側発光オリフィス304および外側発光オリフィス312と直線状に位置合わせされている。各反応ウェル発光オリフィス204は、反応ウェル励起オリフィス203に対し90度に位置合わせされている。各反応ウェル発光オリフィス204は、直径0.5mm~2mm、好ましくは直径1mmである。
【0030】
反応ウェル励起オリフィス203は、LED202からの光が試料に到達するのを可能にするように、反応ウェル102の内部から周囲まで延在している。反応ウェル励起オリフィス203は、LED202、ならびに内側励起オリフィス303および外側励起オリフィス311と直線状に位置合わせされている。反応ウェル励起オリフィス203は、直径0.5mm~2mm、好ましくは直径1mmである。
【0031】
ウェル制限型熱サイクル装置700の光学ブロック300は、試料ウェル102が受容する試料のリアルタイム蛍光を測定する手段を提供する。光学ブロック300の試料のリアルタイム蛍光を測定する手段は、内側励起オリフィス303、外側励起オリフィス311、励起フィルタ301、少なくとも1つの内側発光オリフィス304、少なくとも1つの外側発光オリフィス312、少なくとも1つの発光フィルタ302、LED基板502、および少なくとも1つのフォトダイオード基板501を備えている。光学ブロックは、LED取付穴305およびフォトダイオード取付穴306を有する中央部分310をさらに備えている。光学ブロック300は、位置合わせ穴307を有する脚部309をさらに備えている。
【0032】
光学ブロック300は、ねじなどによって、加熱ブロック位置合わせ穴101、および脚部309の位置合わせ穴307を介して加熱ブロック100に取り外し可能に取り付けられる。この位置合わせは、本明細書中でさらに記載されるように、少なくとも1つの反応ウェル102と、リアルタイム蛍光を測定する手段との適切な位置合わせを行う。光学ブロックは、20mm~30mm、好ましくは25mmの幅を有している。光学ブロック300は、60mm~100mmの長さを有しており、好ましくは、この長さは80mmである。光学ブロックの幅と長さは、加熱ブロック100の長さと幅に等しい。
【0033】
光学ブロック300の脚部309は、中央部分310から延在しており、かつ、加熱ブロック100に取り外し可能に取り付けるための位置合わせ穴307を備えている。脚部309の高さは、中央部分310の高さよりも低い。
【0034】
中央部分310は、12mm~20mm、好ましくは16mmの高さ314を有している。光学ブロック300の中央部分は、(図3aに示すように)仰角点308において脚部309から立ち上げられている。光学ブロック300の中央部分310は、リアルタイム蛍光検出のための手段の内側励起オリフィス303、外側励起オリフィス311、励起フィルタ301、少なくとも1つの内側発光オリフィス304、少なくとも1つの外側発光オリフィス312、少なくとも1つの発光フィルタ302を備えている。中央部分は、LED基板502の取り外し可能な取付けを提供するLED取付穴305、および少なくとも1つのフォトダイオード基板501の取り外し可能な取付けを行うフォトダイオード取付穴306をさらに備えている。
【0035】
外側励起オリフィス311は、光学ブロック300の周囲から内側励起オリフィス303まで延在している。外側励起オリフィス311は、4mm~8mm、好ましくは5.5mmの直径を有している。外側励起オリフィス311は、5mm~10mm、好ましくは7mmの深さを有している。外側励起オリフィス311は、反応ウェル励起オリフィス203と直線状に位置合わせされている。外側励起オリフィス311は、励起フィルタ301を収容している。
【0036】
内側励起オリフィス303は、外側励起オリフィス311から光学ブロック300の内周まで延在している。内側励起オリフィス303は、2.5mm~5mm、好ましくは3.5mmの直径を有している。内側励起オリフィス303の深さは、0.5~4mm、好ましくは1mmである。内側励起オリフィスは、反応ウェル励起オリフィス203と直線状に位置合わせされている。内側励起オリフィス303から外側励起オリフィス311までの直径の変化により、内側励起オリフィス303に最も近いこの位置で励起フィルタが外側励起オリフィス311により収容される棚部が形成される。
【0037】
励起フィルタ301は、LED202からの光の、試料の蛍光色素を励起させる波長へのフィルタリングを行う。例えば、励起フィルタ301は、LED202が465~485nmの範囲の波長を生成する場合、475nm~495nmの範囲で光をフィルタリングする光学フィルタであってもよい。この励起フィルタ301は、フルオレセイン、6-FAM(6-カルボキシフルオレセイン)、およびAtto 488などの多くの一般的に使用される蛍光色素に対して十分であろう。
【0038】
LED基板502は、LED202とLED基板取付穴(503)とを備えるとともにLEDの点消灯を行う、電子制御基板である(例えば、プリント回路基板を備える)。LED202は、試料中の蛍光色素を励起させる。例えば、LED202は、465~485nmの範囲の波長を発生させる青色LEDであってもよい。LED202は、外側励起オリフィス311によって受容される。LED基板取付穴503は、ねじなどを介して、LED取付穴305におけるLED基板502の光学ブロック300への取り外し可能な取付けを行う。
【0039】
少なくとも1つの外側発光オリフィス312のそれぞれは、光学ブロック300の周囲から各内側発光オリフィス304まで延在している。外側発光オリフィス312のそれぞれは、4mm~8mm、好ましくは5.5mmの直径を有している。外側発光オリフィス312のそれぞれは、4mm~8mm、好ましくは5.5mmの深さを有している。外側発光オリフィス312のそれぞれは、その各反応ウェル発光オリフィス204と直線状に位置合わせされている。外側発光オリフィス312のそれぞれは、その各発光フィルタ302を収容している。
【0040】
内側発光オリフィス304のそれぞれは、その外側発光オリフィス312から光学ブロック300の内周まで延在している。内側発光オリフィス304のそれぞれは、2.5mm~5mm、好ましくは3.5mmの直径を有している。内側発光オリフィス304の深さは、0.5~4mm、好ましくは1mmである。内側発光オリフィス304のそれぞれは、その各反応ウェル発光オリフィス204と直線状に位置合わせされている。内側発光オリフィス304から外側発光オリフィス312までの直径の変化により、内側発光オリフィス304に最も近いこの位置で発光フィルタ302が外側発光オリフィス312により収容される棚部が形成される。
【0041】
発光フィルタ302はそれぞれ、フォトダイオード201による蛍光の測定前に、試料からの蛍光のフィルタリングを行う。発光フィルタ302は、試料に使用される蛍光色素に直接対応する。例えば、発光フィルタ302は、517~537nmの範囲で光をフィルタリングする光学フィルタであってもよい。このフィルタは、試料の蛍光色素が6-FAM(6-カルボキシフルオレセイン)であるときに十分な発光フィルタであり、495nmの吸光最大値、および520nmの発光最大値を有している。発光フィルタ302は、それぞれ同じフィルタであってもよく、または、異なる波長の光のフィルタリングを行うために異なるフィルタであってもよい。
【0042】
フォトダイオード基板502は、それぞれフォトダイオード201とフォトダイオード基板取付穴504とを備える電子制御基板である(例えば、プリント回路基板を備える)。各フォトダイオード201は、各発光フィルタ302を通過した後に試料から発せられる蛍光を検出する。例えば、フォトダイオード201は、320~1100nmの検出波長に特異的な感光領域を備えている。フォトダイオード201はそれぞれ、その各外側発光オリフィス312により受容される。フォトダイオード基板取付穴504は、ねじなどを介して、その各フォトダイオード取付穴306における各フォトダイオード基板501の光学ブロック300への取り外し可能な取付けを行う。
【0043】
内側励起オリフィス303および外側励起オリフィス311、ならびに内側発光オリフィス304および外側発光オリフィス312は、これらオリフィスのそれぞれの中心から配向されるように互いに対して90度の角度にある。この配向によって、LED202およびフォトダイオード201は互いに対して90度の角度にある。図7は、内側発光オリフィス304および外側発光オリフィス312、ならびに発光フィルタ302が、内側励起オリフィス303および外側励起オリフィス311に対して90度の配向のいずれかの位置にあることを示している。
【0044】
1つの反応ウェル102を有するウェル制限型熱サイクル装置は、2つの反応ウェル発光オリフィス204および2つのフォトダイオード201、2つの内側反応ウェル発光オリフィス304および2つの外側反応ウェル発光オリフィス312、ならびにそれらに対応する2つの発光フィルタ302を備えていてもよい。この配置により、各反応器が同じ試料を得ると仮定して、同じ試料内の2つ別個の被分析物に対するリアルタイム検出が提供される。このような状況では、フォトダイオード201および発光フィルタ302は、それぞれ試料内の2つの蛍光色素に対応する固有の蛍光を検出かつフィルタリングするように構成されてもよい。
【0045】
図6は、ウェル制限型熱サイクル装置700の加熱ブロック100を表す。この加熱ブロック100の図は、反応ウェル発光オリフィス204、反応ウェル励起オリフィス203、および冷却オリフィス205を示している。
【0046】
図5は、2つの反応ウェル102を有するウェル制限型熱サイクル装置700を表す。2つの反応ウェル102を有するこの熱サイクル装置700は、それに準じて、2つの内側励起オリフィス303および2つの外側励起オリフィス311、2つの励起フィルタ301、ならびにLED基板502上に2つのLED202を有している。さらに、熱サイクル装置700は、それぞれがフォトダイオード201を有する2つのフォトダイオード基板501を有しており、フォトダイオード基板502は、フォトダイオード201、したがってそれぞれの発光オリフィス204が対応する反応ウェル102の励起オリフィス203に対して90度の角度にあるように配される。この配置により、各反応器が同じ試料を得ると仮定して、同じ試料内の2つ別個の被分析物に対するリアルタイム検出が提供される。このような状況では、フォトダイオード201および発光フィルタ302は、それぞれ試料内の2つの蛍光色素に対応する固有の蛍光を検出かつフィルタリングするように構成されてもよい。
【0047】
図4は、図5のウェル制限型熱サイクル装置700の加熱ブロック100と光学ブロック300を表す。この図は、90度に位置合わせされた反応ウェル発光オリフィス204と反応ウェル励起オリフィス203を示している。さらにこの図は、反応ウェル冷却オリフィス205を示している。
【0048】
図3aは、図5のウェル制限型熱サイクル装置700の光学ブロック300を表しており、フォトダイオード201およびLED202は、代表的な位置決めの目的のためだけに表示されている。この図は、内側励起オリフィス303および外側励起オリフィス311が励起フィルタ301とともに適所に配置されていることを示している。加えてこの図は、内側発光オリフィス304および外側発光オリフィス312が発光フィルタ302とともに適所にあることを示している。
【0049】
図3bは、図3aの光学ブロック300の正面図を表す。この図は、内側励起オリフィス303および外側励起オリフィス311、具体的にはこれらの直径の差を示している。さらにこの図は、脚部309から中央部分310までの高さの差を示している。
【0050】
図3cは、図3aの光学ブロック300の側面図を表す。この図は、内側発光オリフィス304および外側発光オリフィス312、具体的にはこれらの直径の差を示している。さらにこの図では、脚部309は、中央部分310から突出していることを示すために陰影が付けられている。
【0051】
図1図2aは、図5の加熱ブロック100の平面図を表す。この図は、90度に位置合わせされた反応ウェル発光オリフィス204と反応ウェル励起オリフィス203を示している。さらにこの図は、反応ウェル冷却オリフィス205を示している。
【0052】
図2bは、図1および図2aの加熱ブロック100の正面図を表す。この図は、反応ウェルが加熱ブロックに囲まれていないことを例示するために、加熱ブロック100の基部110から持ち上がっている反応ウェルを示している。加えてこの図は、加熱ブロックから反応ウェル励起オリフィス206の中心までの高さ、加熱ブロック207の基部100の厚さ、および反応ウェルの高さ208を示している。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】