(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-07
(54)【発明の名称】二酸化炭素回収システム及び二酸化炭素回収方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/04 20060101AFI20240131BHJP
B01D 53/62 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
B01D53/04 ZAB
B01D53/62
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539306
(86)(22)【出願日】2022-01-31
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 US2022070434
(87)【国際公開番号】W WO2022170308
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ムーア、デイビッド ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】リシアンスキ、ヴィタリ ビクター
(72)【発明者】
【氏名】ドハーティ、マーク ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】エルノ、ダニエル ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ダガル、アニル ラージ
【テーマコード(参考)】
4D002
4D012
【Fターム(参考)】
4D002AA09
4D002BA03
4D002BA04
4D002CA07
4D002DA45
4D002DA70
4D002EA04
4D002EA08
4D002FA01
4D012BA01
4D012BA02
4D012CA03
4D012CA10
4D012CA12
4D012CB16
4D012CD02
4D012CG01
4D012CG03
(57)【要約】
【課題】二酸化炭素回収システム及び二酸化炭素回収方法を提供する。
【解決手段】蒸気などの第2の流体流の流れを供給する第2の流体流入口と、CO2回収システムからのCO2枯渇流の流れを供給する出口と、CO2回収システムからのCO2流の流れを供給する出口と、第1の流体流と流体連通する濃縮器とを含む。システムはさらに、第1の接触器と第2の接触器を含む。第1の接触器と第2の接触器のそれぞれは、第1の流体流の流れとCO2吸着のための、第1の流体的に分離された吸着剤一体型の流体ドメインと、脱着を補助するための第2の流体流の流れのための、第2の流体的に分離された流体ドメインを、その中に画定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素(CO2)回収システム(100)であって、
CO2回収システム(100)に第1の流体流(106)を流入させる第1の流体流入口(110)と、
CO2回収システム(100)に第2の流体流(108)を流入させる第2の流体流入口(127)と、
CO2回収システム(100)からのCO2枯渇流(128)の流れを提供する出口(129)と、
CO2回収システム(100)からのCO2流(132)の流れを提供する出口(133)と、
第1の流体流(106)と流体連通する少なくとも1つの濃縮器(116)と、
を含む、CO2回収システム(100)。
【請求項2】
第1の流体流入口(110)及び第2の流体流入口(127)と流体連通している第1の接触器(112)と、
第1の流体流入口(110)及び第2の流体流入口(127)と流体連通する少なくとも1つの追加の接触器(114)と、
をさらに含み、
第1の接触器(112)及び少なくとも1つの追加の接触器(114)の各々は、その中に、
第1の流体流(106)の流れ及びCO2吸着のための、第1の流体的に分離された吸着剤一体型の流体ドメイン(150)と、
第2の流体の流れ(108)のための、第2の流体的に分離された流体ドメイン(152)とを画定し、
第2の流体的に分離された流体ドメイン(152)は、第1の流体的に分離された吸着剤一体型の流体ドメイン(150)と熱的に連通している、
請求項1に記載のCO2回収システム(100)。
【請求項3】
第1の流体的に分離された吸着剤一体型の流体ドメイン(150)が、吸着剤でコーティングされたチャネル(158)を画定する、請求項2に記載のCO回収システム(100)。
【請求項4】
第1の流体的に分離された吸着剤一体型の流体ドメイン(150)は、吸着剤材料で満たされたチャネル(162)によって画定される、請求項2に記載のCO回収システム(100)。
【請求項5】
少なくとも1つの追加の接触器が、第1の流体流入口(110)及び第2の流体流入口(127)と流体連通する第2の接触器(114)を備え、第1の接触器(112)及び第2の接触器(114)が、連続動作のための代替サイクルで動作するように構成される、請求項2に記載のCO2回収システム(100)。
【請求項6】
第2の接触器(114)が脱着ユニットとして動作するように構成されているときに、第1の接触器(112)は吸着ユニットとして動作し、第2の接触器(114)が吸着ユニットとして動作するときに、第1の接触器(112)は脱着ユニットとして動作するように構成されている、請求項5に記載のCO2回収システム(100)。
【請求項7】
第1の流体流(106)がCO2含む周囲空気であり、第2の流体流(108)が蒸気である、請求項2に記載のCO2回収システム(100)。
【請求項8】
第1の流体流(106)がCO2を含む燃焼後ガスであり、第2の流体流(108)が蒸気である、請求項2に記載のCO2回収システム(100)。
【請求項9】
二酸化炭素(CO2)回収システム(100)であって、
CO2回収システム(100)への第1の流体流(106)の流れを提供する第1の流体流入口(110)と、
CO2回収システム(100)への第2の流体流(108)の流れを提供する第2の流体流入口(127)と、
第1の流体流入口(110)及び第2の流体流入口(108)と流体連通する第1の接触器(112)と、
第1の流体流入口(110)及び第2の流体流入口(27)と流体連通する第2の接触器(114)と、
を備え、
第1の流体流(106)は入口ガスを含み、
第2の流体流(108)は入口ガスよりも高い温度を有するガスを含み、
第1の接触器(112)と第2の接触器(114)の各々は、その中に
第1の流体流(106)の流れ及びCO2吸着のための、第1の流体的に分離された吸着剤一体型の流体ドメイン(150)と、
第2の流体の流れ(108)のための、第2の流体的に分離された流体ドメイン(152)とを画定し、
第2の流体的に分離された流体ドメイン(152)は、第1の流体的に分離された吸着剤一体型の流体ドメイン(150)と熱的に連通している、CO2回収システム(100)。
【請求項10】
二酸化炭素(CO2)回収システム(100)の入口ガス(106)からCO2を除去する方法であって、
CO2回収システム(100)に、第1の流体流入口(110)を介して第1の流体流(106)を入力するステップであって、第1の流体流(106)は、CO2含有入口ガス(106)を含み、第1の流体流入口(110)は、第1の流体流(106)と流体連通する濃縮器(116)を含む、ステップと、
CO2回収システム(100)に、第2の流体流入口(127)を介して第2の流体流(108)を入力するステップであって、第2の流体流(108)は、CO2含有入口ガス(106)よりも高い温度を有するガスを含む、ステップと、
CO2回収システム(100)から、CO2枯渇流(128)及びCO2流(132)を出力するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、二酸化炭素(CO2)回収システム及びCO2回収方法に関し、より詳細には、吸着剤及び熱強化回収エフォート(sorbents and thermally-enhanced recovery efforts)を用いて空気からCO2を抽出するための少なくとも1つの接触器(contactor)を含むCO2回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
世界のエネルギー需要の大部分は化石燃料の燃焼によって賄われており、年間35ギガトン以上のCO2を排出している。直接空気回収は、現在及び過去のCO2排出量の両方に対処できる炭素回収プロセスである。現在の直接空気捕集ソリューションは有望であるが、大気中の希薄濃度(~400ppmv)のCO2の効率的で大容量の捕集、材料のライフサイクルと安定性、接触器全体の圧力損失がシステムの経済性とエネルギー消費に及ぼす影響などの課題があるため、システムコストは法外である。米国科学・工学・医学アカデミーのNegativeEmissionsTechnologies(逆排出技術)は、既存技術を使用したCO2捕捉のコストを、液体溶媒を使用した場合は1トン当たり141ドルから265ドル、固体吸着剤を使用した場合は1トン当たり88ドルから228ドルの範囲と見積もっている。これらのコストは、商業的に実行可能な技術としては高すぎる。
【0003】
したがって、低エネルギーを必要とし(高エネルギーを必要とせず)、商業的に実行可能なコストで運転でき、設置面積が比較的小さく、商業ビルの屋上など風速の高い場所に設置可能で、最先端の技術では設置できないような、空気中のCO2を捕捉できる新規のCO2回収システム及び空気中のCO2を捕捉する方法を開発することが望ましいと考えられる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様に従い、新規なCO2回収システムが提示される。新規のCO2回収システムは、CO2回収システムへの第1の流体流の流れ(flow of a first fluid stream)を提供する第1の流体流入口と、CO2回収システムへの第2の流体流の流れ(flow of a second fluid stream)を提供する第2の流体流入口と、CO2回収システムからのCO2枯渇流(CO2 depleted stream)の流れを提供する出口と、CO2回収システムからのCO2流の流れを提供する出口と、第1の流体流と流体連通する少なくとも1つの濃縮器とを含む。第1の流体流は、入口ガスを含む。第2の流体流は、入口ガスよりも高い温度を有するガスを含む。
【0005】
本開示の別の態様に従って、新規なCO2回収システムが提示される。新規のCO2回収システムは、CO2回収システムへの第1の流体流の流れを提供する第1の流体流入口と、CO2回収システムへの第2の流体流の流れを提供する第2の流体流入口と、第1の流体流入口及び第2の流体流入口と流体連通する第1の接触器(first contactor)と、第1の流体流入口及び第2の流体流入口と流体連通する第2の接触器(second contactor)とを含む。第1の流体流は、入口ガスを含み、第2の流体流は、入口ガスよりも高い温度を有するガスを含む。第1の接触器と第2の接触器の各々が、第1の流体流の流れとCO2吸着のための、第1の流体的に分離された吸着剤一体型の流体ドメイン(first fluidically-isolated, sorbent-integrated, fluid domain)と、第2の流体流の流れのための、第2の流体的に分離された流体ドメインとをその中に定義し、第2の流体的に分離された流体ドメイン(second fluidically-isolated fluid domain)が、第1の流体的に分離された吸着剤一体型の流体ドメインと熱連通(thermal communication)している。
【0006】
本開示のさらに別の態様に従って、CO2回収システムにおいて入口ガスから二酸化炭素(CO2)を除去する方法が提示される。この新規な方法は、CO2回収システムに、第1の流体流入口を通して第1の流体流を入力することと、CO2回収システムに、第2の流体流入口を通して第2の流体流を入力することと、CO2回収システムから、CO2枯渇流及びCO2流の出力を提供することとを含む。第1の流体流は、CO2を含む入口ガスからなる。第1の流体流入口は、第1の流体流と流体連通する濃縮器を含む。第2の流体流は、CO2を含む入口ガスよりも高い温度を有するガスからなる。
【0007】
本開示のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を参照することにより、よりよく理解されるであろう。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を示し、本明細書と共に、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明を添付の図面を参照しながら読むと、よりよく理解されるであろう。
【
図1】本開示の一実施形態による、入口流体からCO2を回収するための、例示的なCO2回収システムにおける第1のサイクルの概略図である。
【
図2】本開示の一実施形態による、
図1の例示的なCO2回収システムにおける第2のサイクルの概略図である。
【
図3】本開示の一実施形態による、入口流体からCO2を回収するためのCO2回収システムの別の実施形態における第1のサイクルの概略図である。
【
図4】本開示の一実施形態による、
図3のCO2回収システムにおける第2のサイクルの概略図である。
【0009】
本明細書及び図面における参照文字の繰り返しの使用は、示された実施形態の同一又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の明細書及び特許請求の範囲では、以下の意味を持つように定義される多くの用語を参照する。
【0011】
単数形の”a”、”an”、”the”は、文脈上そうでないことが明らかな場合を除き、複数形を含む。
【0012】
“任意の(optional)”又は”任意に(optionally)”とは、その後に記述される事象又は状況が発生してもしなくてもよく、その記述が事象が発生する例と発生しない例を含むことを意味する。
【0013】
本明細書及び特許請求の範囲を通して使用される近似的な表現は、それが関連する基本的な機能に変化をもたらすことなく許容可能に変化し得るあらゆる定量的表現を修正するために適用することができる。したがって、「約:about」、「実質的に:substantially」、「およそ:approximately」などの用語によって修正された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似的な表現は、値を測定するための機器の精度に対応することがある。本明細書及び特許請求の範囲全体を通じて、範囲の限定は組み合わせ及び/又は入れ替えてもよく、そのような範囲は、文脈又は文言がそうでないことを示さない限り、特定され、そこに含まれるすべてのサブ範囲を含む。
【0014】
本明細書において、「流体」という用語は、空気、気体、液体、蒸気を含むがこれらに限定されない、流動するあらゆる媒体又は物質を含む。
【0015】
以下に詳述するように、新規なCO2回収システムの様々な実施形態が提示される。新規のCO2回収システムは、吸着剤と熱的に強化された回収努力を用いて(using sorbents and thermally-enhanced recovery efforts)、周囲空気などの周囲流体からCO2を抽出するための少なくとも1つの接触器を含む。開示されたシステムは、吸着剤を接触器と統合し、空気濃縮器を利用することで、高いCO2抽出コストの問題を解決する。高表面積の吸着剤一体型接触器、接触器に渡る低い圧力降下、及び空気濃縮器(high surface area sorbent-integrated contactor, low pressure drop across the contactor, and air concentrator)は、システム性能に大きく寄与している。接触器は、少なくとも2つの流体的に分離された、独立した、大規模に並列な流体ドメイン(at least two fluidically-isolated, independent, massively parallel fluid domains)を含む設計を特徴としている。このような流体ドメインは、a)周囲空気の流れと、周囲空気の流れからのCO2吸着を提供する吸着剤一体型流体ドメイン(sorbent-integrated fluid domain)、b)吸着剤一体型流体ドメインへの顕熱の伝達を介して(via transfer of sensible heat)離脱(desorption)を促進する第2の流体ドメイン、及びc)吸着剤一体型又は離脱(desorption)を促進するために使用できるオプションの第3の流体ドメインとすることができる。
【0016】
次に
図1及び
図2を参照する。CO2を捕捉(capture:回収)するように機能するCO2回収システム(CO2 capture system)100の例示的な実施形態を
図1及び
図2に示す。CO2回収システム100は、脱着(desorption:離脱)を補助する高温ガス流(hot gas stream:例えば蒸気)を利用して、CO2を含む周囲環境、例えば周囲空気又は他の適切な空気源、あるいは他の流体からCO2を除去するように構成されている。
図1及び
図2のCO2回収システム100には、2つの接触器(two contactors)が組み込まれている。
図1及び
図2のCO回収システム100は、連続運転を行うために、(ここで説明される)2つの接触器を組み込んでいる。
図1は、第1のサイクル102(ここで説明されるサイクルA)における運転中のCO2回収システム100を示す。
図2は、第2のサイクル104(ここで説明されるサイクルB)における運転中のCO2回収システム100を示す。
【0017】
化石燃料の燃焼を必要とする世界的なエネルギー需要の増大に伴い、周囲空気からCO2を安価かつ効果的に除去することがますます重要になってきている。CO2回収システム100は、周囲空気などの入口ガス流106からCO2を除去するように構成されている。ここに開示されるCO2回収システム100は、吸着剤を少なくとも1つ、好ましくは2つの接触器(ここで説明されている)と統合し、接触器を通る空気流を増加させるために空気濃縮器(air concentrator)を利用することによって、高いCO2抽出コストの問題を解決する。高表面積の吸着剤一体型接触器と、接触器を横切る低圧力降下(air concentrator)とは、CO2回収システム100の性能に大きく寄与する。CO2回収システム100は、CO2回収システム100内に画定された、流体的に分離され、吸着剤と一体化された流体ドメイン(ここで説明する)への熱の伝達を介して脱離(desorption)を補助するために、低圧蒸気のような脱離中の高温ガス流108を利用することによって、効果的な熱統合(effective thermal integration)を提供する。
【0018】
図1及び
図2に示すように、CO2回収システム100は、第1の流体流、より具体的には、吸着段階の動作中にそれぞれの接触器の入口110でCO2回収システム100に入る入口ガス流106を含む。一実施形態では、入口ガス106は、CO2を含む周囲空気を含む。例えば、一実施形態では、約412ppmvのCO2(approximately 412 ppmv CO2)を有する入口ガスなどの直接空気捕捉(direct air capture)を含む。代替の実施形態では、入口ガス106は、燃焼後ガス捕捉(post-combustion gas capture)、例えば約6~15%のCO2を有する燃焼後ガスを含む。一実施形態では、入口ガス流106は、ガスの体積を減少させ、したがってCO2回収システム100のサイズと重量を減少させるために、まず冷却されることがある。第1のサイクル102(
図1)における運転中、入口ガス流106は、吸着モード(adsorption mode)で運転される第1の接触器112に供給される。第2のサイクル104(
図2)の運転中、入口ガス流106は、吸着モードで運転される第2の接触器114に供給される。代替実施形態では、CO2回収システム100は、交互に吸着モードと脱着モード(脱離モード)で動作可能(capable of operation in alternating adsorption and desorption modes)な任意の数(n個)の接触器を含むことができる。含まれる接触器の数は、入口ガス流106中のCO2の濃度、入口ガス流106の体積、連続運転の希望などに依存する。したがって、第1の接触器と少なくとも1つの追加の接触器とを含む実施形態が予想される。第1及び第2の接触器112、114を含むことを示す実施形態が、説明を容易にするために本明細書に図示されている。
【0019】
図1及び
図2の図示された実施形態では、濃縮器(concentrator:コンセントレータ)116は、風からの周囲CO2(ambient CO2 from the wind)の受動的及び/又は能動的な捕捉を可能にする。入口ガス流106が吸着モードで作動する接触器112又は114に供給されると、それぞれの接触器112、114に到達する前に濃縮器(concentrator)116を通過する。濃縮器116は、接触器112、114を横切る(across)圧力降下よりも静的な風圧(static wind pressure)を増加させるので、接触器112、114を通って空気を移動させるために風圧に依存する。第1及び第2の接触器112、114のそれぞれは、CO2吸着サイクル中に入口ガス流106がそれぞれの接触器112、114を通過することを可能にし、CO2脱着サイクル(CO2 desorption cycle)で動作するときにそれぞれの接触器112、114を通る空気流を遮断するゲート118を含む。
図1は、入口ガス106の通過を可能にするために、開位置にある接触器112に近接して配置されたゲート118を示し、入口ガス106の流入を遮断するために、閉位置にある接触器114に近接して配置されたゲート118を示す。
図2は、入口ガス106の流入を遮断する閉位置にある接触器112に近接して配置されたゲート118と、入口ガス106の通過を可能にする開位置にある接触器114に近接して配置されたゲート118を示す。
【0020】
図3及び
図4を簡単に参照する。
図3及び
図4を参照すると、CO2回収システム200の第2の好ましい実施形態が示されている。別段の指示がない限り、CO2回収システム200の第2の好ましい実施形態は、
図1及び
図2に示された第1の好ましい実施形態の説明中に特定されたのと同じ構成要素を含む。第1の好ましい実施形態とは対照的に、第2の好ましい実施形態は、入口ガス106の入力のための濃縮器を含まない。その代わりに、第2の好ましい実施形態では、入口ガス流106は、接触器112、114を通して空気を駆動する(drive air)ためのファン172の使用などによって、それぞれの接触器112、114に直接通過する。第2の好ましい実施形態では、類似のタイプのゲート構造118が、それぞれの接触器112、114の入口110と関連しており(配置されており)、入口ガス106の入力を許可又は遮断するように動作可能であることに留意されたい。
【0021】
図1及び
図2に再び戻ると、濃縮器116は、入口ガス流106の濃縮のために付加的なエネルギーが必要とされないことを意味する受動的気流濃縮器(passive airflow concentrator)であってもよく、又は空気の移動を助けるためにエネルギーが供給されることを意味する能動的気流濃縮器(active airflow concentrator)であってもよい。
図1及び
図2の図示された実施形態では、気流濃縮器116は、それぞれの接触器112、114に向かって気流を濃縮するために追加エネルギーの使用を必要としない受動的な円錐形状の濃縮器(passive cone-shaped concentrator)120である。円錐形状の濃縮器120は、一般に、発散-収束幾何学形状(diverging-converging geometry)を含む形状であってよく、それぞれの接触器112、114の入口110の上流側及び近傍に配置される。円錐形集束体120は、集束体出口における風速及び対応する風静圧を増加させる。より具体的には、入口ガス流106のような空気流は、濃縮器116の入口122の大きな開口部から濃縮器116の出口124の小さな開口部に向かって加速される。入口ガス流106が発散部分に入り、接触器112、114に近接する収束部分に向かうにつれて発散部分の面積が減少するにつれて、入口ガス流106の速度は増加する。風圧△Pは風速の強い関数であるため、△P=0.5×ρ×V
2(ρ(ギリシャ文字ロー)は空気密度、Vは空気速度)、流れの加速は風圧を増加させる。濃縮器116の寸法は、接触器112、114を横切る圧力損失を超える風圧を接触器112、114の入口110に発生させるように設計されている。風圧と接触器の圧力降下との間の圧力差(pressure difference between the wind pressure and contactor pressure drop)は、吸着モードで作動するそれぞれの接触器112、114を通る空気流を推し進める(force:強制する)。接触器112、114の入口110に集められた空気の一部は接触器を通って流れる。先に言及したように、代替実施形態では、接触器の上流又は下流で、空気の動きによって動力を供給されるファンのような能動的な気流集中器が利用されてもよい。
【0022】
高温ガス流108は、ボイラ、ガスタービン、又は天然ガス、又は他の燃焼燃料がエンジン内で点火された後に排気ガスを供給することができる内燃エンジンなどの加熱流体源に由来するが、これらに限定されない。高温ガス流108からの熱は、CO2回収システム100内に画定された、流体的に分離された、吸着剤一体型の流体ドメイン(本明細書で説明)への熱の伝達を介して、脱離を補助(assists in desorption)する。一実施形態では、高温ガス流108は、ボイラ144で蒸気を生成することによって作られる。図示の実施形態では、矢印線(arrowed line)126で示すように、ボイラ144へのエネルギー入力は、再生可能エネルギー源、貯蔵エネルギー、又は複合サイクルガスタービンなどのタービンエネルギーのうちの1つ以上によって提供される。蒸気は、大気圧又はわずかに高い圧力で生成することができる。高温ガス流108は、第2の流体流入口127でそれぞれの接触器112、114に投入される。蒸気がそれぞれの接触器112、114の(ここで説明されている)第2の流体ドメインで凝縮(condense:液化)すると、凝縮中(液化中)に放出された熱が、(ここで説明されている)それぞれの接触器112、114の吸着剤を含む第1の流体ドメインに伝達される。蒸気圧を上昇させることにより、蒸気凝縮温度(steam condensation temperature:スチーム液化温度)を上昇させ、吸着剤が再生される温度を上昇させることができる。あるいは、高温ガス流108は、電気ヒーターなどを利用して燃料(天然ガスなど)の燃焼により生成された高温空気であってもよい。この場合も、CO2回収システム100は、入口ガス流106からCO2を除去するように構成されており、脱着モード(desorption mode)の間は、高温ガス流108からの熱によって補助される。
【0023】
前述のように、CO2回収システム100は、入口ガス流106からの連続的なCO2除去(continuous CO2 removal)のための交互の吸着及び脱着サイクル(alternating adsorption and desorption cycles:
図1-サイクルA及び
図2-サイクルB)を提供するために、2つの接触器、より詳細には第1の接触器112及び第2の接触器114を含む。より詳細には、説明した実施形態では、
図1に最も良く示されているように、サイクルAの間、第1の接触器112は吸着ユニットとして機能し、第2の接触器114は脱着ユニットとして機能し、入口ガス流106は第1の接触器112を通って導かれ、高温ガス流108は第2の接触器114を通って導かれる。一実施形態では、脱着モードで動作する接触器は、中温(110℃)脱着サイクルを経験し(experience)、CO2を放出し、(ここで説明する)接触器内の吸着剤を再生する。前述のように、一実施形態では、連続的なCO2除去のために、第1の接触器112、より詳しくは吸着材料が第1の接触器112内で使用済み(spent)となり、したがって吸着剤容量が一杯に近づく(approaches its full sorbent capacity:最大吸着剤能力に近づく)と、第1の接触器112を通る空気流、より詳しくは入口ガス流106がゲート118により遮断され、第2の接触器114に導かれる。その後、第1の接触器112は、
図2に最もよく示されているように、脱着ユニット(desorption unit)として機能し、第2の接触器114は、吸収ユニット(absorption unit)として機能する。第1の接触器112と第2の接触器114の吸着と脱着の動作状態又はモードにおける周期的な動作は連続的である。
【0024】
運転中、入口ガス流106は、濃縮器116のゲート118を通過する。このゲートは、CO2吸着モードで運転中のそれぞれの接触器112、114を空気が通過することを可能にし、CO2脱着サイクル中は空気の流れを遮断する。入口ガス流106は、CO2枯渇流128として吸着接触器112、114を出て、排出口(図示せず)を介して大気に排出されるか、又はエネルギー回収のためにさらに処理されるかエネルギー回収のためにリサイクルされる。
【0025】
図1に示すように、サイクルAの動作中、第1の接触器112が吸着ユニットとして動作し、第2の接触器114が脱着ユニットとして動作している場合、CO2枯渇流128は第1の接触器112から排出され、CO2流132は真空ポンプ134を使用して第2の接触器114から除去され、圧縮、隔離などのさらなる処理のために継続される。CO2流132は、吸着サイクル中にCO2とともに吸着剤に吸着された水分を含む場合がある。この水分は、脱着サイクル中に吸着剤から放出される。一実施形態では、CO2流132は、空気冷却器136により冷却され、CO2流132の出口から排出される余剰水分(excess moisture)138の凝縮(condensation:液化)をもたらす可能性がある。余剰水分138の少なくとも一部は、システムメークアップ水(system makeup water:システム補給水)として使用され、ボイラ144で蒸気を生成するためにポンプ140を介して再循環される。
【0026】
図2に示すように、サイクルB運転中、第1の接触器112が脱着ユニットとして機能し、第2の接触器114が吸着ユニットとして機能している場合、CO2枯渇流128は第2の接触器114から排気され、CO2流132が真空ポンプ134を使用して第1の接触器112から除去され、圧縮、隔離など(compression, sequestration, and the like)のさらなる処理のために継続される。前述と同様に、CO2流132は水分を含み、空気冷却器136を介して冷却され、余分な水分138はCO2流132の出口から排出される。
【0027】
再び
図3及び
図4を簡単に参照すると、
図1及び
図2に関して前述したように、それぞれの接触器112、114を出たときのCO2流132は、圧縮、隔離などのさらなる処理を行うことができる。したがって、
図3及び
図4に示されるように、第2の好ましい実施形態は、圧縮機202を含み、したがって、204に示されるように、CO2流れ132からボイラ144に戻る圧縮を介した熱統合を提供し、蒸気生成を助ける。
図1及び
図2の実施形態に圧縮機202のような圧縮機を含めることは、本実施形態によって予期されることを理解すべきである。
図1及び
図2の実施形態に圧縮機202のような圧縮機を含めることは、本開示によって予期される。
【0028】
運転中、高温ガス流108、例えば低圧スチームは、(サイクルAにおける)第2の接触器114又は(サイクルBにおける)第1の接触器112を通過し、それぞれの接触器内の第1の流体的に分離され、(本明細書で説明する)吸着剤と一体化された流体ドメインへの熱伝達を介して脱着(desorption:脱離)を補助し、CO2の脱離及び吸着剤の再生に必要な熱を供給する。高温ガス流108は、ポンプ140を介してCO2回収システム100を通して再循環される。一実施形態では、空気冷却器136によってCO2流132から除去された余分な水分は、高温ガス流108に送られる。
【0029】
前述のように、接触器112、114の各々は、流体的に分離された2つの流体ドメイン(two fluidically-isolated fluid domains)を特徴とする。あるいは、接触器の表面積を増加させるために、ユニークなマルチファーケーティング設計(multi-furcating design)を採用することもできる。マルチファーケーティング設計は、2つの流体的に分離され、独立した、超平行流体ドメイン(two fluidically-isolated, independent, massively parallel fluid domains)を含む。マルチファーケーティング設計を有する接触器112、114は、従来の接触器よりも大きな表面/重量比及びはるかに低い圧力損失を有する構造への製造、及び吸着剤の統合を可能にする付加製造の独自の機能を使用して形成され得る。各接触器112、114の平行流体ドメインは、以下を含む。(i)流体的に分離され、第1の流体的に分離された吸着剤一体型の流体ドメイン(a first fluidically-isolated, sorbent-integrated, fluid domain)150、及び(ii)第2の流体的に分離された流体ドメイン(a second fluidically-isolated, fluid domain)152。それぞれが流体の流れのための流体流路又はチャネルを規定する。本明細書で使用する「流体的に分離された(fluidically-isolated)」という用語は、流体の混合又はその間の直接接触を防止するように、各領域を通る流体を別の領域内の流体から隔離することを意図している。運転の吸着段階の間、第1の流体的に分離された吸着剤一体型の流体ドメイン150は、第1の流体流154、より詳細には入口ガス流106の流れを提供し、CO2吸着を行う。第2の流体的に分離された流体ドメイン152は、第2の流体流156、特に高温ガス流108の流れを提供し、操作の脱着段階において、第1の流体的に分離された吸着剤一体型の流体ドメイン150への熱の伝達を介して、脱着を補助する。
【0030】
第1の流体ドメイン150は、第1の流体流路154、より詳しくは入口ガス流路106の流れとCO2吸着のための吸着剤一体型流路又は流路158をその中に画定する。第2の流体ドメイン152は、吸着剤一体型流路158、より詳細には第1の流体ドメイン150への顕熱(sensible heat)の伝達を介して脱着(desorption:脱離)を促進するための第2の流体流路、又は流路、より詳細には加温チャネル(warming channel)160を規定する。また、第2の流体的に分離された流体ドメイン152は、第1の流体的に分離された吸着剤一体型の流体ドメイン150と熱的に連通している。
【0031】
運転中、第1の流体流154は、まず吸着剤一体型流路158、より詳しくは第1の流体ドメイン150に導かれる。ここで、CO2は、吸着材162がその最大CO2吸着容量(full CO2 adsorption capacity:フルCO2吸着量)に達するまで、吸着材162に吸着される。実施形態では、吸着剤材料162は、有機金属骨格(MOF:metal-organic frameworks)、COF-A1などの共有結合有機骨格(COF:covalent organic frameworks)、B-SSZ-13などのゼオライト(zeolites);NH2含浸材料(NH2 impregnated materials)などから構成され得る。一実施形態において、吸着剤統合チャネル158は、吸着剤材料162で被覆されてもよく、吸着剤材料162で装填/充填(loaded/filled)されてもよく、又は吸着剤材料162で形成/作製されてもよい。別の実施形態では、設計は、接触器、より詳細には、第1の流体ドメイン150を吸着剤自体から作製すること(例えば、バインダージェット(Binder Jet)を使用することにより)、及び接触器流路の一部を疎水性コーティング(hydrophobic coating)、例えば、シリカナノコーティング、フッ素化シラン、フッ素ポリマーコーティング(silica nano-coating, fluorinated silanes and fluoropolymer coatings)でコーティングして、再生/脱着サイクル(regeneration/desorption cycle)中に吸着剤と蒸気が直接接触するのを防止することを含むことができる。図示されているように、CO2枯渇流128は、第1の流体流154からのCO2の吸着に続いて、第1の流体ドメイン150から出力される。
【0032】
図2に示されるように、脱着はサイクルBにおいて接触器112内で行われる。このステップの間、吸着剤一体型流路158(
図1)を流れる入口ガスの第1の流体流154は、ゲート118を介して遮断され、高温ガスの流れ、より詳細には第2の流体流156が、第2の流体ドメイン152によって画定された加温流路160を介して開放され、第1の流体ドメイン150において脱着(desorption:脱離)を提供する。一実施形態において、第2の流体流156は、第1の流体流154よりも高い温度を有する。好ましい実施形態では、第2の流体流156は85℃より高い温度を有する。これにより、適切な温度勾配がもたら(drives an appropriate temperature gradient)され、第2の流体流156から第1の流体ドメイン150内の吸着剤材料158への熱伝達が行われ、脱着が開始される。吸着剤一体型流路158の温度が85℃に達すると、吸着剤162はCO2を放出し、真空ポンプ134により第1の流体ドメイン150から吸引される。
【0033】
本開示のCO2回収システム100、200は、MOF、COF、ゼオライト、NH2含浸材料など(MOFs, COFs, zeolites, NH2 impregnated materials, and others)の吸着剤材料162のための任意の周知の吸着剤材料を有する接触器112、114などの少なくとも1つの接触器を構成することができる。このシステムは、吸着材162及び接触器112、114を適切な分圧で利用し、入口ガス又は第1の流体流154からCO2を吸収することができる。
【0034】
2つの接触器、すなわち
図1及び
図2、同様に
図3及び
図4の第1の接触器112及び第2の接触器114の代わる代わるのサイクル(alternative cycling)の使用は、各接触器が超平行流体ドメイン(massively parallel fluid domains)を有する連続的なCO2除去のために、低圧力降下をもたらし、流体の分離はCO2流の汚染を回避し、間接的な熱交換を提供する。接触器は、例えばバインダージェット技術などのアディティブ技術(付加製造技術)や、その他の製造手段を用いて製造することができる。ここに説明されたシステムは、幅広い低エネルギー要件(wide range of low energy requirements)で作動する能力を提供することで、商業的な利点を提供する。この技術は、商業ビルの屋上など、風速の高い場所でも導入可能である。その他の市場機会としては、民生用CO2、産業用CO2の回収、海水淡水化(consumer CO2, industrial CO2 capture and desalination)などが考えられる。
【0035】
CO2回収システム100は、
図1~4に断面図で(in cutaway)示されている。
図1~4は、個々の接触器112、114及びそこを通る流体流の流れを明らかにするために、切断して示している。先に主張したように、CO2回収システム100、200は、単一の接触器又は任意の数の接触器を含むことができ、所与のシステムで使用するために選択される接触器の数は、入口ガス流106中のCO2の濃度、入口ガス流106の体積、連続運転の希望(desire for continuous operation)などに少なくとも部分的に依存する。したがって、第1の接触器、及び少なくとも1つの追加の接触器を含む実施形態が予想される。第1及び第2の接触器を含む実施形態は、説明を容易にするために本明細書に図示されている。
【0036】
本明細書で説明するCO2回収システムの様々な実施形態は、より少ないエネルギーで、より低コストで、周囲空気などの入口ガスからCO2を抽出する能力を劇的に向上させる。濃縮器の使用は、接触器全体の低圧力降下(low pressure drop)と組み合わされ、CO2回収システムをパッシブモードで作動させ、エネルギー要件を削減する。接触器と吸着剤を統合し、脱着を助けるために吸着剤流路に顕熱を移動させることで、CO2の流れは、顕熱を供給するために使用される流体で汚染されることなく生成される。一例として、入口ガス中のCO2の熱的回収を可能にする接触器マルチファーケーション設計(contactor multi-furcating design)の使用は、システム全体の運転コストを削減する。連続的なCO2除去のために、少なくとも2つの接触器の代わる代わるのサイクル(alternative cycling:代替サイクル)を使用することで、各接触器がマルチファーケーティング設計を含み、特に超並列流路(massively parallel channels)を含む場合、圧力損失が低くなり、本明細書で説明した間接的な熱交換が可能になり、CO2回収システムにおける効果的なエネルギー移動を助ける。したがって、本明細書で説明するCO2回収システム及び接触器の設計の様々な実施形態は、入口ガス流からCO2流を生成する、燃料効率の高い2サイクルシステムのアーキテクチャを提示する。
【0037】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で開示される範囲は、範囲の端点及びすべての中間値を包含し、組み合わせ可能である。「組み合わせ」は、ブレンド、混合物、合金、反応生成物などを包含する。さらに、本明細書において、「第1の」、「第2の」などの用語は、いかなる順序、量、又は重要性を示すものではなく、むしろ、1つの要素を他の要素と区別するために使用され、本明細書において、「a」及び「an」という用語は、量の限定を示すものではなく、むしろ、参照される項目の少なくとも1つの存在を示す。量に関連して使用される修飾語「約」は,記載された値を包含し,文脈によって指示される意味を有する(例えば,特定の量の測定に関連する誤差の程度を含む)。本明細書で使用される接尾辞「(s)」は、それが修飾する用語の単数形及び複数形の両方を含むことを意図しており、それによってその用語の1つ以上を含む(例えば、着色剤(s)は1つ以上の着色剤を含む)。明細書全体を通して「一実施形態」、「別の実施形態」、「一実施形態」等への言及は、実施形態に関連して記載される特定の要素(例えば、特徴、構造、及び/又は特性)が、本明細書に記載される少なくとも1つの実施形態に含まれ、他の実施形態に存在してもしなくてもよいことを意味する。加えて、記載された要素は、様々な実施形態において任意の好適な方法で組み合わせることができることを理解されたい。
【0038】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明の実施形態が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的にそのように定義されない限り、理想化された意味又は過度に形式的な意味で解釈されないことが理解されるであろう。
【0039】
本開示は、例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、当業者には、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができ、その要素に等価物を代用することができることが理解されるであろう。さらに、本開示の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本開示の教示に適合させるために多くの変更を行うことができる。したがって、本開示は、本開示を実施するために企図された最良の態様として開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示は、添付の特許請求の範囲に属する全ての実施形態を含むことが意図される。
【符号の説明】
【0040】
100、200:CO2回収システム 102、202:第1のサイクル 104、204:第2のサイクル 106:第1の流体流 108:第2の流体流 110:第1の流体流入口 112:第1の接触器 114:第2の接触器 116:濃縮器 118:ゲート 120:濃縮器 122:入口 124:出口 127:第2の流体流入口 128:CO2枯渇流 129:出口 130:第2の流体流出口 132:CO2流 133:出口 134:真空ポンプ 136:空気冷却器 138:水分 140:ポンプ 142:蒸気凝縮収集容器 144:ボイラ 150:第1の流体ドメイン 152:第2の流体ドメイン 154:第1の流体流 156:第2の流体流 158:吸着剤でコーティングされたチャネル 160:加温チャネル 162:吸着剤材料 172:ファン 202:圧縮機
【国際調査報告】