(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-07
(54)【発明の名称】ループギャップ共振器を有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20240131BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20240131BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/465
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023546463
(86)(22)【出願日】2022-01-05
(85)【翻訳文提出日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 EP2022050122
(87)【国際公開番号】W WO2022161746
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AM
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ホヴセピアン フライル
(72)【発明者】
【氏名】ハクホウミアン アルセン
(72)【発明者】
【氏名】ハロヤン ホヴハンネス
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC22
4B162AC27
4B162AC34
(57)【要約】
エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱することによってエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生装置が提供される。エアロゾル発生装置は、エアロゾルを発生するためにエアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成されたループギャップ共振器を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱することによってエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生装置であって、前記エアロゾル発生装置が、
エアロゾルを発生するために、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を加熱するように構成されたループギャップ共振器を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記ループギャップ共振器が、誘導加熱およびマイクロ波加熱の一方または両方に基づいて、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を加熱するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記ループギャップ共振器の少なくとも一部分が、前記ループギャップ共振器のループを形成し、前記ループが、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を受けるように構成され、
前記ループギャップ共振器が、前記ループギャップ共振器の前記ループ内の交番磁界を発生することに基づいて、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を加熱するように構成される、請求項1~2のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記ループギャップ共振器の少なくとも二つの部分が、互いに対向して配置され、互いに離間しており、その結果、前記少なくとも二つの部分が前記ループギャップ共振器のギャップを形成し、前記ギャップが、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を受けるように構成され、
前記ループギャップ共振器が、前記ループギャップ共振器の前記ギャップ内の交番電界を発生することに基づいて、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を加熱するように構成される、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記ループギャップ共振器が、円筒形ループギャップ共振器、管状ループギャップ共振器、トロイダルループギャップ共振器、スパイラルループギャップ共振器、マルチループループギャップ共振器、およびマルチギャップループギャップ共振器のうちの少なくとも一つである、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記ループギャップ共振器が、前記エアロゾル発生基体で少なくとも部分的に充填可能であるか、または充填されるカートリッジに少なくとも部分的に配置され、
前記カートリッジが、(a)前記ループギャップ共振器を駆動するように構成された外部電源装置に、かつ/または(b)前記エアロゾル発生装置の電源回路に連結可能であり、前記電源回路が、前記ループギャップ共振器を駆動するように構成される、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記ループギャップ共振器の少なくとも一部分に渦電流を誘導するように構成される、かつ/または前記ループギャップ共振器の少なくとも一部分に電磁振動を励起するように構成される、少なくとも一つの導電供給ループをさらに含む、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記ループギャップ共振器を駆動して、前記ループギャップ共振器の少なくとも一部分の電磁振動を励起することに基づいて、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を加熱するように構成される、電源回路をさらに含む、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記電源回路が、前記ループギャップ共振器を駆動するように構成され、その結果、前記ループギャップ共振器のループ内で交番磁界が発生され、前記ループが前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を受けるように構成され、かつ/または
前記電源回路が、前記ループギャップ共振器を駆動するように構成され、その結果、前記ループギャップ共振器のギャップ内に交番電界が発生され、前記ギャップが前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を受けるように構成される、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記電源回路が、誘導カップリングに基づいて前記ループギャップ共振器を駆動するように構成される、請求項8または9のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記電源回路が、少なくとも一つの導電供給ループを含み、
前記電源回路が、前記少なくとも一つの供給ループに交流電流を供給することに基づいて、前記ループギャップ共振器を駆動するように構成される、請求項8~10のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記少なくとも一つの供給ループが、前記ループギャップ共振器のループと同軸に配置される、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記ループギャップ共振器が管状本体を含み、前記管状本体が、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を受けるように構成された前記ループギャップ共振器のループを画定し、
前記ループギャップ共振器が、前記ループギャップ共振器の前記ループ内の交番磁界を発生することに基づいて、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を加熱するように構成される、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記ループギャップ共振器が、スリットを有する管状本体を含み、前記スリットが、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を受けるように構成された前記ループギャップ共振器のギャップを画定し、
前記ループギャップ共振器が、前記ループギャップ共振器の前記ギャップ内の交番電界を発生することに基づいて、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を加熱するように構成される、請求項1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するためのエアロゾル発生装置におけるループギャップ共振器の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生装置、システムおよび装置の分野に関する。本開示はさらに、エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生基体およびエアロゾル発生物品に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生装置は、典型的には、例えば、一回以上の使用セッションで、エアロゾル発生基体またはエアロゾル発生物品を加熱することによって発生されるエアロゾルを消費または体験するために、ユーザーが使用できる手持ち式装置として設計される。
【0003】
例示的なエアロゾル発生基体は、タバコ材料またはタバコキャストリーフ(TCL)材料などの固体基体材料を備え得る。基体材料は、例えば、多くの場合、他の要素または構成要素と組み立てられて、実質的に棒形状のエアロゾル発生物品を形成することができる。こうした棒またはエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置内に少なくとも部分的に挿入される形状およびサイズで構成され得、例えば、エアロゾル発生物品および/またはエアロゾル発生基体を加熱するための発熱体を備え得る。別の方法としてまたは追加的に、エアロゾル発生基体は、例えば、カートリッジまたは容器の形態でエアロゾル発生装置に供給され得る、一つ以上の液体および/または固体を備え得る。対応する例示的なエアロゾル発生物品は、例えば、液体および/または固体基体を含有するか、または充填可能なカートリッジを備えることができ、これは、基体の加熱に基づいてユーザーによるエアロゾル消費中に気化し得る。通常、このようなカートリッジまたは容器は、エアロゾル発生装置に結合、取り付け、または少なくとも部分的に挿入することができる。別の方法として、カートリッジは、エアロゾル発生装置に固定して取り付けられ、液体および/または固体をカートリッジに挿入することによって再充填され得る。
【0004】
使用中または消費中にエアロゾルを発生するために、発熱体または熱源によって熱を供給して、エアロゾル発生基体の少なくとも一部分または一部を加熱することができる。その中で、発熱体または熱源は、手持ち式装置またはエアロゾル発生装置の手持ち式部分に配置され得る。別の方法として、または追加的に、発熱体または熱源の少なくとも一部または全体が、例えば、手持ち式装置またはエアロゾル発生装置の手持ち式部分に取り付けられ、かつ/またはそれらによって電力供給され得る棒またはカートリッジの形態で、エアロゾル発生物品と固定的に関連付けられるか、または配置され得る。
【0005】
発熱体の様々な形態および設計、ならびに様々な加熱技術は、現在、エアロゾル発生装置およびシステムの分野で使用されている。また、本明細書で
図1を参照して記載するように、従来の発熱体は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバー内に配置された抵抗加熱ブレードを含み得る。抵抗発熱体は、例えば、エアロゾル発生装置に基体または物品を挿入することによって、エアロゾル発生基体または物品と接触させてもよく、エアロゾルは、加熱ブレードを抵抗加熱することによって発生されてもよい。その中で、加熱ブレードは、エアロゾル発生基体の全体的な加熱に悪影響を与え得る、挿入または除去プロセスによる機械的変形を受け得る。例えば、加熱ブレードの機械的変形または摩耗は、特に、複数の使用セッションまたはエアロゾル発生物品の交換にわたって基体の不均質な加熱をもたらし得る。さらに、加熱ブレードから基体の異なる部分への熱の伝達は、加熱ブレードに対する基体のそれぞれの部分の向き、および基体のそれぞれの部分と加熱ブレードとの間の距離に依存し得る。これにより、基体の加熱がさらに不均質になることがある。別の変形では、例えば、本明細書の
図2を参照して記載されるように、サセプタまたはサセプタ材料は、エアロゾル発生物品または基体の中心に、例えば、エアロゾル発生基体によって少なくとも部分的に囲まれた強磁性材料の平面金属バンドの形態で配置されてもよい。また、これらのタイプのエアロゾル発生物品は、通常、エアロゾル消費のためにエアロゾル発生装置に挿入され得る。交番磁界をサセプタに印加することに基づいて、例えば、エアロゾル発生装置内に配置されたコイルを使用して、渦電流(フーコー電流とも呼ばれる)をサセプタに発生し、それによってサセプタおよびその近傍のエアロゾル発生基体を加熱することができる。また、この例では、基体の均一または均質な加熱は、サセプタに対する基体の異なる部分の異なる配向および距離のために、達成するのが困難である場合がある。さらに別の例では、加熱コイルは、カートリッジ様のエアロゾル発生物品内に配置されて、その中に含有される液体基体を加熱することができる。同様に、熱は基体に局所的に供給され、基体全体が不均質に加熱されることがある。基体のこのような不均質な加熱により、例えば、発生するエアロゾルの量、風味、または味覚の点で、様々な使用セッション間で滞在的に異なるユーザー体験がもたらされることがある。さらに、エアロゾル発生基体の特定の部分または部分は過熱されることがあり、それによって望ましくない物質を潜在的に発生または放出するが、基体の他の部分または部分は、エアロゾルを発生するのに十分に加熱されず、それによって基体の材料に無駄が生じる可能性がある。
【0006】
したがって、例えば、従来のエアロゾル発生装置およびシステムの上述の欠点の一部または全部を少なくとも軽減または克服する、改善されたエアロゾル発生装置を提供することが望ましい場合がある。
【0007】
この問題は、独立請求項の主題によって達成される。任意選択の特徴は、従属請求項および以下の説明によって提供される。
【発明の概要】
【0008】
第一の態様によれば、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱することによって、またはそれに基づいて、エアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生装置が提供される。エアロゾル発生装置は、エアロゾルを発生するために、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成された少なくとも一つのループギャップ共振器を含む。
【0009】
ループギャップ共振器を提供することによって、以下、「LGR」とも呼ぶが、エアロゾル発生基体の少なくとも一部は、エアロゾルを発生するのに十分な温度、例えば、所定の温度または所望の温度に均質に加熱されてもよい。別の方法としてまたは追加的に、LGRを使用してエアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱することによって、機械的に堅牢でコンパクトなエアロゾル発生装置を提供することができる。LGRを使用してエアロゾル発生基体を加熱することは、例えば、基体の少なくとも一部を、低減されたまたは最小限のエネルギー消費で加熱することを可能にするなど、エネルギー効率の点でさらに有利であり得る。
【0010】
本開示の文脈では、ループギャップ共振器は、例えば、kHzからTHz周波数などの無線および/またはマイクロ波周波数範囲で動作する電磁共振器を指しうる。一般に、LGRは、少なくとも一つのループまたはループ部分、および例えば、LGRの本体と一体的に形成される、LGRの導電体内に形成される少なくとも一つのギャップまたはギャップ部分を含み得る。
【0011】
物理的または電気技術的特性の観点から、LGRは、集中定数素子回路またはいわゆるLCR回路(またはLRC回路)としてモデル化することができる。例えば、典型的なLGRは、実効インダクタンスLのインダクタ、実効キャパシタンスCのコンデンサ、および実効抵抗Rの抵抗器、および任意で直列に接続された発生器を有する回路と同等であるとみなすことができる。したがって、LGRに誘導または流れる交流電流は、電流の周波数に依存してもよく、LGRまたは対応するLCR回路の共振周波数で最大値に達することがある。本明細書で使用される場合、LGRの「共振周波数」は、LGR内に流れる交流電流の周波数を指してもよく、またはその周波数を示してもよく、ここで、電流は、その最大値に達する、および/またはLGR(または対応するLCR回路)のインピーダンスが最小値に達する。
【0012】
以下でより詳細に論じるように、本開示によるエアロゾル発生装置およびシステムにおいて利点を得るために、ループギャップ共振器の様々なタイプ、形態および設計を使用できる。例えば、ループギャップ共振器は、円筒形ループギャップ共振器、管状ループギャップ共振器、トロイダルループギャップ共振器、スパイラルループギャップ共振器、マルチループループギャップ共振器、およびマルチギャップループギャップ共振器のうちの少なくとも一つであってもよい。LGRのこれらすべての異なるタイプ、形態、および設計は、本開示によるエアロゾル発生装置およびシステムで使用されることが明示的に想定されている。
【0013】
LGRは、例えば、交流電磁場を発生または生成するように構成されてもよい。その中で、LGRは、例えば、LGRの少なくとも一つのギャップまたはギャップ部分内などの一つ以上の交番電界の領域、および例えば、LGRの少なくとも一つのループまたはループ部分内などの、一つまたは複数の交番磁界の領域を生成するように構成されてもよい。好ましくは、LGRは、互いに分離または分離することができ、かつ両方が実質的にまたはほぼ均一であり得る、交番電界および交番磁界を発生するように構成され得る。本明細書で使用される場合、それぞれの界の強度が、約30%、25%、20%、15%、10%、または5%の最大相対偏差内で一定である場合、電界または磁界は、「均一」または「均質」とみなされうる。次いで、LGRによって発生される交番電界および磁界の一方または両方を有利に使用して、エアロゾルを発生するためにエアロゾル発生基体を均一かつ均質に加熱することができる。本明細書で使用される場合、「均一な加熱」または「均質な加熱」は、体積当たりの熱または熱エネルギーの量または量が、エアロゾル発生基体に伝達されるか、またはエアロゾル発生基体によって受け取られる、例えば、約30%、25%、20%、15%、10%、または5%の最大相対偏差内など、特定の相対偏差内で実質的に一定であるか、または一定であることを意味する場合がある。
【0014】
ループギャップ共振器は、例えば、ループギャップ共振器によって発生される交番磁界に基づくか、またはこれを使用する誘導加熱、および例えば、ループギャップ共振器によって発生される交番電界に基づくか、またはこれを使用するマイクロ波加熱の一方または両方に基づいて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成されうる。LGRは、基体の一つ以上の部分または部分を加熱するよう構成され得ることに留意されたい。例えば、LGRは、誘導加熱に基づいてエアロゾル発生基体の少なくとも一部または部分を加熱し、任意選択でマイクロ波加熱に基づいてエアロゾル発生基体の少なくとも一つのさらなる部分または部分を加熱するように構成されてもよく、またはその逆であってもよい。その中で、基体の少なくとも一部および基体の少なくとも一つのさらなる部分は、基体の物理的に分離された部分であってもよく、または基体の少なくとも一部が同一または重複した部分を指すことができる。
【0015】
ループギャップ共振器の少なくとも一部分は、ループギャップ共振器のループを形成してもよく、またはループギャップ共振器のループとして形成されてもよく、ループは、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を受けるように構成され、ループギャップ共振器は、ループギャップ共振器のループ内に交番磁界を発生することに基づいて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成されてもよい。本明細書で使用される場合、LGRの「ループ」は、LGRのコアまたは穴を画定するLGRのループ部分を指してもよく、またはこれを示してもよく、LGRによって、(例えば、実質的に均一な)交番磁界が発生される。LGRまたはその少なくとも一つのループまたはループ部分は、例えば、その周囲に沿って、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を少なくとも部分的に囲むか、または取り囲むように構成されうる。LGRのループまたはループ部分で基体の少なくとも一部を受け取ることによって、基体またはその少なくとも一部を、効率的に、均一に、および均質に加熱することができ、特に、機械的摩耗およびエネルギー消費を低減または最小限に抑えることができる。
【0016】
ループギャップ共振器は、エアロゾル発生基体内に配置され、かつ/またはエアロゾル発生基体上に堆積されるサセプタまたはサセプタ材料に渦電流を誘導することに基づいて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成されてもよい。特に、LGRによって発生される交番磁界は、ファラデーの法則に従って、サセプタまたはサセプタ材料と相互作用し、その中に渦電流を誘導することができる。サセプタまたはサセプタ材料の電気抵抗により、渦電流に関連付けられた電気エネルギーは、ジュールの法則に基づいて、少なくとも部分的に熱エネルギーまたは熱に変換することができ、これは次に、基体を加熱してエアロゾルを発生することができる。別の方法としてまたは追加的に、LGRは、LGRによって発生される交番磁界と一致するサセプタ内の磁気分子の内部摩擦から生じ得るヒステリシス損失に基づいて、基体を少なくとも部分的に加熱するように構成され得る。磁壁共鳴、電子スピン共鳴、および残留損失を含む他の損失もまた、基体全体またはその少なくとも一部の加熱に滞在的に寄与し得る。
【0017】
また、以下でより詳細に論じるように、様々な異なるタイプのサセプタまたはサセプタ材料を、エアロゾル発生基体内に配置および/または堆積することができ、それらすべてが、本開示によって任意で使用されることが想定される。一般に、サセプタまたはサセプタ材料は、例えば、強磁性材料、金属または鋼などの導電性および/または電気抵抗材料を含み得る。例えば、基体内および/または基体を含むエアロゾル発生物品内に配置された金属バンドまたは平面金属バンドは、サセプタとして機能しうる。別の方法としてまたは追加的に、サセプタまたはサセプタ材料は、基体または少なくともその一部内に空間的に均質に分布されてもよい。これは、サセプタまたはサセプタ材料の密度が、例えば、約30%、25%、20%、15%、10%、または5%の最大相対偏差内など、実質的に一定であるか、または特定の相対偏差内で一定であることを意味する場合がある。
【0018】
例えば、サセプタまたはサセプタ材料は、エアロゾル発生基体内に配置されるか、またはエアロゾル発生基体上に被覆された、小さなおよび/または小さなサイズの強磁性材料の粒子を含んでもよい。別の方法として、または追加的に、サセプタ材料は、磁気特性を有する流体または液体、および/またはイオン液体を含むことができ、流体または液体は、基体に添加または被覆されてもよく、例えば、基体に含まれるタバコキャストリーフシートに被覆されるか、または液体基体に添加される。基体内のサセプタまたはサセプタ材料の均質な分布は、基体の実質的に均一な加熱(「均質な加熱」とも呼ばれる)をさらに支持するか、または結果として生じうる。
【0019】
さらに、ループギャップ共振器のギャップを形成するように、ループギャップ共振器の少なくとも二つの部分が、互いに対向して配置されてもよく、少なくとも二つの部分が互いに間隔を置いてもよく、ギャップは、エアロゾル発生基体の少なくとも一部および/またはエアロゾル発生基体の少なくとも一つのさらなる部分を受けるように構成される。その中で、ループギャップ共振器は、ループギャップ共振器のギャップ内の交番電界を発生することに基づいて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部および/またはエアロゾル発生基体の少なくとも一つのさらなる部分を加熱するように構成されうる。LGRの少なくとも二つの部分は、ある一定の距離だけ分離されてもよく、あるギャップの長さにわたって一定であってもよく、またはギャップの長さにわたって変化してもよい。本明細書で使用される場合、LGRの「ギャップ」は、LGRの少なくとも二つの対向するおよび離間した部分によって囲まれたLGRのギャップ部分を指し、またはそれを示すことができ、そのギャップ部分a(例えば、実質的に均一)は、LGRによって交番電界を発生する。したがって、少なくとも二つの対向する部分は、少なくとも二つの対向する側面上のギャップまたはギャップ部分を境界とすることができる。LGRまたはその少なくとも一つのギャップは、例えば、その二つの対向する側面上に、エアロゾル発生基体の少なくとも一部および/または基体の少なくとも一つのさらなる部分を、少なくとも部分的に取り囲むか、または封入するように構成されてもよい。LGRのギャップまたはギャップ部分内に、基体の少なくとも一部および/または基体の少なくとも一つのさらなる部分を受容することによって、基体は、効率的に、均一に、および均質に加熱されてもよく、特に、機械的摩耗およびエネルギー消費が低減または最小限に抑えられる。
【0020】
ループギャップ共振器は、円筒形ループギャップ共振器、管状ループギャップ共振器、トロイダルループギャップ共振器、スパイラルループギャップ共振器、マルチループループギャップ共振器、およびマルチギャップループギャップ共振器のうちの少なくとも一つであってもよい。これらのタイプのLGRのうちの一つ以上は、エアロゾル発生装置に含まれて、基体を加熱し、エアロゾルを発生してもよい。したがって、エアロゾル発生装置は、複数のLGR、例えば、同じタイプまたは異なるタイプの複数のLGRを含んでもよい。
【0021】
円筒形または管状ループギャップ共振器は、LGRのループを形成する管状本体と、管状本体の長さの少なくとも一部に沿って延在するスリットまたはカットを備えてもよく、スリットは、LGRのギャップまたはギャップ部分を形成しうる。その中で、スリットまたはカットは、LGRの管状本体の長軸方向軸に平行に、または横方向に延在し得る。言い換えれば、管状または円筒形LGRは、スリットまたはギャップによって長軸方向に切断された導電性管状本体または管を含み得る。管状本体または管は、実行インダクタンスLを有するインダクタとして機能してもよく、ギャップは、実行キャパシタンスCを有するコンデンサとして機能してもよく、管状本体の導電性材料は、実行抵抗Rを有する抵抗器として機能してもよい。LGRにおいて管状本体の長軸方向軸に対して横方向に流れる交流電流を誘導することに基づいて、例えば、管状本体またはLGRの円周方向で、長軸方向軸と実質的に整列しているか、または平行であってもよい実質的に均一な磁場が、管状本体の内部容積、コアまたはループ内に発生することができ(ビオサバールの法則)、ギャップまたはギャップ部分を画定する、LGRの対向する壁または部分の間に実質的に均一な電界が発生されうる。上述のように、交番磁界は、管状本体のコアまたはループ内に位置付けられ、または限定されることができ、一方交番電界はギャップ内に限定され得、磁界および電界は互いに分離または分離され得る。言い換えれば、交番電界は、交番磁界に干渉せず、逆もまた同様であり、一方または両方の界を独立して使用して、基体またはその一部を加熱することができる。
【0022】
一方、トロイダルLGRは、管状または円筒形LGRの二つの端部を接合して閉鎖構造を形成することによって得ることができる。その中で、磁界は、トロイダルLGRのトロイダルまたはドーナツ形状共振器または「ループ」内に限定されてもよい。ギャップは、ループまたはループ部分の内周または外周上に形成され、その周囲の少なくとも一部に沿って延在することができる。
【0023】
さらに、スパイラルLGRは、実質的にスパイラル本体または断面を有するLGRを指してもよく、これは、例えば、管状LGRの少なくとも二つの対向する部分が管状LGRの円周方向に沿って互いに重なり合い、径方向で互いに間隔を置いている時に得られてもよい。
【0024】
さらに、マルチループLGRは、LGRの本体によって形成される複数のループまたはループ部分を含んでもよい。同様に、マルチギャップLGRは、LGRの本体内に形成された複数のギャップを含むことができる。
【0025】
ループギャップ共振器は、エアロゾル発生基体で少なくとも部分的に充填可能であってもよいか、または少なくとも部分的に充填されてもよいカートリッジまたは容器に少なくとも部分的に配置されてもよい。その中で、カートリッジまたは容器は、(a)ループギャップ共振器を駆動するように構成された外部電源装置に、および/または(b)エアロゾル発生装置の電源回路に連結されてもよく、この電源回路は、ループギャップ共振器を駆動するように構成されてもよい。したがって、本開示によるエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生基体を含有するように構成されたカートリッジ内に少なくとも部分的に配置されるループギャップ共振器を含み得る。こうしたカートリッジは、エアロゾル発生装置のさらなる部分に取り付けられてもよく、またはこれに結合されてもよく、これはループギャップ共振器を駆動するための電源回路を備えてもよい。別の方法としてまたは追加的に、ループギャップ共振器を有するカートリッジは、例えば、手持ち式装置またはエアロゾル発生装置の手持ち式部分であってもよい、外部電源装置に結合または取り付けられてもよい。
【0026】
したがって、本開示によるエアロゾル発生装置は、ループギャップ共振器および任意選択的にLGRを駆動または電力供給するための電源回路などのさらなる電子機器を含み得る装置、例えば、手持ち式装置を指しうる。一例では、エアロゾル発生基体または基体を含むエアロゾル発生物品は、例えば、棒の形態で、エアロゾル発生装置に少なくとも部分的に挿入されてもよい。
【0027】
しかしながら、別の方法としてまたは追加的に、本開示によるエアロゾル発生装置は、LGRが少なくとも部分的に配置されるカートリッジまたは容器の形態の装置を指しうる。任意選択で、一つ以上のさらなる構成要素、例えば、少なくとも一つの供給ループおよび/または電源回路の少なくとも一部は、カートリッジまたは容器内に配置されてもよい。カートリッジまたは容器の形態のこうしたエアロゾル発生装置は、LGRを駆動または電力供給してエアロゾルを発生するために、エアロゾル発生装置のさらなる部分、またはコンパニオン装置もしくは外部電源装置などの別の装置に取り付けられてもよく、またはそれらに結合されることができる。こうしたシステムは、二部システムとも呼ばれてもよく、特に、液体基体に有利に使用され得るが、それに限定されるものではない。
【0028】
外部電源装置の特徴、機能および/または要素は、本明細書の上記および下記のように、電源回路の特徴、機能および/または要素と類似または同一でありうることに留意されたい。したがって、本明細書の上記および下記に示される電源回路に関する任意の開示は、外部電源装置に等しく適用され、その逆も同様である。
【0029】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生基体をさらに含んでもよく、ループギャップ共振器は、例えば、LGRの少なくとも一部または部分が、基体の少なくとも一部を取り囲むまたは封入するように、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を受けるように構成されてもよい。任意で、エアロゾル発生基体およびループギャップ共振器は、カートリッジ、例えば、共通カートリッジ内に少なくとも部分的に配置されてもよい。カートリッジには、基体が予め充填され、再充填不可能である場合もあれば、ユーザーによって基体がカートリッジに充填される場合もある。
【0030】
エアロゾル発生装置は、ループギャップ共振器の少なくとも一部分に渦電流を誘導するように構成された、および/またはループギャップ共振器の少なくとも一部分に電磁振動を励起するように構成された少なくとも一つの導電供給ループをさらに含みうる。少なくとも一つの供給ループは、LGRの少なくとも一部または部分内に交流電流または渦電流を誘導するために、交番磁界を発生するように構成および/または配置される結合ループを指しうる。使用されるLGRのタイプ、形状、または形態に応じて、少なくとも一つの供給ループは、例えば管状LGRの場合など、LGRの外面または端部に、または例えばトロイダルLGRの場合など、LGRの一部内に配置されうる。また、複数の供給ループを使用して、エアロゾル発生装置の一つ以上のLGRを駆動してもよい。
【0031】
少なくとも一つの供給ループおよびループギャップ共振器、および随意にエアロゾル発生基体は、カートリッジまたは容器内に配置されうる。さらに、カートリッジは、例えば、電気的および/または機械的に、(a)ループギャップ共振器を駆動するように構成された外部電源装置に、および/または(b)エアロゾル発生装置の電源回路に、結合されるように構成されてもよく、電源回路は、ループギャップ共振器を駆動するように構成されてもよい。
【0032】
エアロゾル発生装置はさらに、ループギャップ共振器の少なくとも一部分における電磁振動を励起することに基づいて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するために、ループギャップ共振器を駆動するように構成された電源回路または回路を含み得る。電気エネルギーを供給するために、エアロゾル発生装置は、例えば、電池、アキュムレータ、コンデンサなどの一つ以上のエネルギー貯蔵部を備えてもよい。別の方法としてまたは追加的に、エアロゾル発生装置は、電力供給グリッドに連結されてもよく、または電力供給グリッドによって電力供給されてもよい。
【0033】
任意選択で、エアロゾル発生装置は、例えば、一つ以上のユーザー入力を受信するように構成されたユーザー作動可能要素を含む、ユーザーインターフェースを含みうる。ユーザー入力に基づいて、エアロゾル発生装置は、電源回路を起動してLGRを駆動してエアロゾルを発生するように構成されうる。この目的のために、エアロゾル発生装置は、一つ以上のプロセッサまたはコントローラを有する制御回路を任意に含んでもよく、これは電源回路に結合されてもよい。
【0034】
電源回路は、ループギャップ共振器の共振周波数で、またはその近傍で、ループギャップ共振器の電磁振動を励起するように構成されうる。上述のように、LGRの共振周波数で、またはその近傍で、誘導された交流電流は、最大値に達することがあり、その結果、特定の電力レベルまたは電力入力で、LGRで達成可能な最大加熱効果をもたらし得る。したがって、LGRをその共振周波数でまたはその近傍で駆動することにより、エネルギー効率が高くなり、迅速な加熱を可能にしうる。本明細書で使用される場合、「共振周波数で、または共振周波数の近傍で」は、例えば、約30%、25%、20%、15%、10%、または5%の最大相対偏差内など、特定の相対偏差内の共振周波数を意味しうる。
【0035】
電源回路は、ループギャップ共振器を駆動するように構成されてもよく、その結果、例えば、ループギャップ共振器のコアのループまたはループ部分において、交番磁界が発生されてもよく、ループまたはループ部分は、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を受けるように構成される。したがって、LGRが少なくとも部分的に基体の少なくとも一部を取り囲み得るように、基体の少なくとも一部は、LGRのループまたはループ部分内に配置されてもよい。LGRによって発生され、基体に印加される均一な交番磁界により、基体またはその少なくとも一部は、例えば、エアロゾルを発生するのに好適であり得る所定のまたは所望の温度に均一に加熱されてもよい。
【0036】
別の方法としてまたは追加的に、電源回路は、ループギャップ共振器を駆動するように構成されてもよく、その結果、交番電界が、ループギャップ共振器のギャップまたはギャップ部分、エアロゾル発生基体の少なくとも一部および/またはエアロゾル発生基体の少なくとも一つのさらなる部分を受けるように構成されるギャップまたはギャップ部分内で発生されてもよい。したがって、LGRが少なくとも部分的に基体の少なくとも一つの(さらなる)部分を取り囲み得るように、基体の少なくとも一部および/または少なくとも一つのさらなる部分は、LGRのギャップまたはギャップ部分内に配置されてもよい。LGRによって発生され、基体に印加される均一な交番電界により、基体またはその少なくとも一つの(さらなる)部分は、例えば、エアロゾルを発生するのに好適であり得る、所定のまたは所望の温度に均一に加熱されてもよい。
【0037】
概して、電源回路は、誘導カップリングに基づいてループギャップ共振器を駆動するように構成されうる。例えば、電源回路は、例えば、ループギャップ共振器の長軸方向軸に対して横方向に流れるなど、ループギャップ共振器に渦電流を誘導することに基づいて、ループギャップ共振器を駆動するように構成されうる。
【0038】
一例として、電源回路は、少なくとも一つの導電供給ループまたは結合ループ、例えば、ループギャップ共振器の端部または側面に配置されるか、またはループギャップ共振器内に配置されるものを含みうる。その中で、電源回路は、少なくとも一つの供給ループに交流電流を供給することに基づいて、ループギャップ共振器を駆動するように構成されうる。こうした交流電流は、供給ループの周りに交番磁界を生成することがあり、これにより、LGRまたは少なくともその一部に渦電流を誘導し得る。これらの渦電流は、次に、LGRのループまたはループ部分内の交番磁界、およびLGRのギャップまたはギャップ部分の交番電界を発生することができ、その一方または両方は有利には、基体を均一に加熱するために使用され得る。
【0039】
電源回路の少なくとも一つの供給ループは、例えば、ループギャップ共振器のループまたはループ部分と同軸に配置されてもよい。これにより、供給ループとLGRとの間の効率的な誘導カップリングが保証されうる。
【0040】
一例では、少なくとも一つの供給ループは、同軸ケーブルの内側コンダクタの端部によって形成されてもよく、この端部は、同軸ケーブルの外側コンダクタと短絡している。言い換えれば、供給ループは、ループ内に形成された同軸ケーブルの一部によって構成されてもよく、ここで外側コンダクタ、および随意に外側ジャケットおよび絶縁層を除去してもよい。次に、同軸ケーブルの中央ケーブルは、外側コンダクタの残りの部分と短絡することがある。中央ケーブルおよび外側コンダクタは、二つの電気端子を提供してもよく、その間に代替的な電流を発生してLGRを駆動することができる。供給ループのこうした設計の利点は、供給ループのみが磁界を発生し、一方、同軸ケーブルの残りの部分が遮蔽されてもよいことである。
【0041】
さらに、供給ループ内を流れる交流電流の周波数は、LGRで発生される交番磁界の周波数に類似、同一、または少なくとも比例してもよい。したがって、エアロゾル発生装置の電源回路および/または制御回路は、供給ループに供給される交流電流の周波数を調整、変化、および/または制御することに基づいて、および/またはLGRで発生される交番磁界の周波数を調整、変動、および/または制御することに基づいて、基体の少なくとも一部が加熱されるか、または加熱されるべきである温度を調整、変動、および/または制御するように構成されうる。したがって、正確な温度制御が提供されてもよい。別の方法として、または追加的に、供給ループ内の交流電流の強度、LGR内の交番磁界の強度、LGR内の交番電界の周波数、および/またはLGR内の交番電界の強度は、調整、変動、および/または制御されてもよい。
【0042】
別の方法としてまたは追加的に、電源回路は、容量結合に基づいてループギャップ共振器を駆動するように構成されうる。一例として、電源回路は、ループギャップ共振器のスリットまたはギャップによって形成されるコンデンサに容量結合するように構成された一つ以上の電極を含み得る。言い換えれば、電源回路は、ループギャップ共振器のスリットまたはギャップによって形成されるコンデンサ内に交番電界を容量的に誘導するように構成されうる。一つ以上の電極は、LGRのギャップまたはスリットによって形成または画定されるコンデンサに容量結合され得る交番電界を発生するように構成されてもよい。一つ以上の電極によって発生される交番電界の周波数および電界強度の一方または両方を調整、変動、および/または制御することに基づいて、電源回路および/またはエアロゾル発生装置の制御回路は、基体の少なくとも一部が加熱される、または加熱されるべき温度を調整、変動、および/または制御するように構成されうる。
【0043】
別の方法としてまたは追加的に、電源回路は、ループギャップ共振器の少なくとも一部において、電磁振動、渦電流、交番磁界、および/または交番電界を励起して、ループギャップ共振器を駆動するように構成された電磁波発生器を含み得る。
【0044】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生基体の少なくとも一部および/またはエアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品を受けるように構成された加熱チャンバーまたは加熱区画をさらに含みうる。加熱チャンバーまたは区画は、例えば、エアロゾル発生装置のハウジング内に配置されてもよい。任意選択で、ループギャップ共振器は、加熱チャンバーまたは区画内に少なくとも部分的に配置され、例えば、その周囲に沿って、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を少なくとも部分的に取り囲むように構成されてもよい。
【0045】
一例では、ループギャップ共振器は、実質的に管状形状とすることができる。言い換えれば、ループギャップ共振器は、管状または円筒形ループギャップ共振器であってもよい。その中で、ループギャップ共振器の長軸方向軸は、エアロゾル発生装置の挿入方向に実質的に平行に延在してもよく、エアロゾル発生基体の少なくとも一部および/またはエアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置に少なくとも部分的に挿入されることができる。
【0046】
ループギャップ共振器は、管状本体を含んでもよく、ループギャップ共振器のループ、ループ部分、またはコアを画定する管状本体は、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を受信および/または少なくとも部分的に取り囲むように構成され、ループギャップ共振器は、ループギャップ共振器のループ、ループ部分、またはコア内に交番磁界を発生することに基づいて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成されうる。
【0047】
別の方法としてまたは追加的に、ループギャップ共振器は、管状本体の少なくとも一部または全長に沿って延在するスリットを有する管状本体を含み得る。例えば、スリットは、ループギャップ共振器またはその管状本体の長軸方向軸に平行に延在してもよい。別の方法として、スリットは、長軸方向軸に対して横方向に延在してもよく、例えば、管状本体の長さに沿ってスパイラル状であってもよい。
【0048】
ループギャップ共振器は、スリットを有する管状本体を含んでもよく、スリットは、エアロゾル発生基体の少なくとも一部および/または基体の少なくとも一つのさらなる部分を受ける、および/または取り囲むように構成される、ループギャップ共振器のギャップまたはギャップ部分を画定する。その中で、ループギャップ共振器は、ループギャップ共振器のギャップまたはギャップ部分内の交番電界を発生することに基づいて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部および/または少なくとも一つのさらなる部分を加熱するように構成されうる。
【0049】
上述のように、エアロゾル発生装置は、複数のループギャップ共振器を含んでもよく、例えば、互いに同軸上に、または互いに隣接して配置される。その中で、同じまたは異なるタイプのループギャップ共振器を使用して、同じまたは異なるエアロゾル発生基体または物品を加熱してもよい。
【0050】
本開示の第二の態様は、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生システムにおける、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するためのループギャップ共振器の使用に関し、これは任意選択的に、エアロゾル発生装置内に少なくとも部分的に挿入可能であり得る。本明細書の上記および下記のエアロゾル発生装置またはシステムの任意の特徴機能および/または要素は、同様にエアロゾル発生装置またはシステムの使用に適用される。
【0051】
本開示の第三の態様によれば、エアロゾル発生装置、例えば、エアロゾル発生物品の少なくとも一部を加熱するように構成されたループギャップ共振器を含むエアロゾル発生装置のためのエアロゾル発生物品が提供される。エアロゾル発生物品は、
- ループギャップ共振器のループに嵌合するように配置、成形、構成、および/または形成される第一の部分と、
- ループギャップ共振器のギャップに嵌合するように配置、成形、構成、および/または形成される第二の部分のうちの少なくとも一つを備える。
【0052】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の第一の部分および第二の部分の一方または両方を加熱するように構成されたループギャップ共振器をさらに含みうる。本開示の文脈では、「ループギャップ共振器を含むエアロゾル発生物品」は、また、「エアロゾル発生装置」と呼んでもよい。言い換えれば、エアロゾル発生物品の第一および第二の部分の一方または両方を含むエアロゾル発生物品およびループギャップ共振器は、本明細書の上記および下記で「エアロゾル発生装置」と呼んでもよい。
【0053】
したがって、本明細書の上記および下記のエアロゾル発生装置を参照して記載される任意の特徴機能および/または要素は、本明細書の上記および下記の一つ以上のエアロゾル発生物品に等しく適用される。
【0054】
一実施例では、第一の部分は、実質的に円筒形状であってもよい。エアロゾル発生物品の第一の部分は、LGRのループまたはループ部分内に実質的に嵌合する形状およびサイズで形成されてもよい。したがって、エアロゾル発生物品の第一の部分は、LGRのループまたはループ部分と対応して形成されてもよい。こうした対応する形状は、エアロゾル発生物品の第一の部分の均一な加熱を支持または確実にすることができる。
【0055】
別の方法としてまたは追加的に、第二の部分は、実質的に棒状の形状および/または平行六面体に形成されうる。エアロゾル発生物品の第二の部分は、LGRのギャップまたはギャップ部分内に実質的に嵌合する形状およびサイズで形成されてもよい。したがって、エアロゾル発生物品の第二の部分は、LGRのギャップまたはギャップ部分と対応して形成されてもよい。こうした対応する形状は、エアロゾル発生物品の第二の部分の均一な加熱を支持または確実にすることができる。
【0056】
エアロゾル発生物品は鍵状の形状であってもよい。例えば、第二の部分は、エアロゾル発生物品の第一の部分からフィン状に突出してもよい。したがって、第二の部分は、エアロゾル発生物品の第一の部分に結合または取り付けられてもよく、その結果、エアロゾル発生物品は、実質的に鍵状の形状を確立しうる。言い換えれば、第二の部分は、実質的に鍵状のエアロゾル発生物品の一部を構成しうる。したがって、エアロゾル発生物品は、第一の部分がLGRのループに嵌合し、第二の部分がLGRのギャップに嵌合するような形状およびサイズで形成されうる。したがって、ループ内のLGRによって発生される磁界およびギャップ内のLGRによって発生される電界の一方または両方を使用して、基体の第一の部分および/または第二の部分を加熱することができる。
【0057】
エアロゾル発生物品の第一の部分は、エアロゾルを発生するように加熱されるように構成された第一のエアロゾル発生基体を含んでもよく、エアロゾル発生物品の第二の部分は、エアロゾルを発生するように加熱されるように構成された第二のエアロゾル発生基体を含んでもよく、第二のエアロゾル発生基体は、第一のエアロゾル発生基体とは異なる。言い換えれば、エアロゾル発生物品の第一および第二の部分は、異なるまたは異なる基体を含んでもよい。その中で、第一および第二の基体は、液体もしくは固体基体などのタイプもしくは形態、および/または材料密度、エアロゾル発生材料もしくは基体の物質の密度、材料組成、一つ以上の成分、または基体の任意の他の特性もしくは特徴などの任意の他の特性が異なっていてもよい。別の方法としてまたは追加的に、第一のエアロゾル発生基体および第二のエアロゾル発生基体は、湿度、タバコのタイプ、風味、および味覚、例えば、発生されたエアロゾルを含有する気流の味覚または風味のうちの一つ以上において互いに異なってもよい。
【0058】
一例では、第一のエアロゾル発生基体は、誘導加熱に基づいて第一のエアロゾル発生基体を加熱するように構成されたサセプタまたはサセプタ材料を含み得る。別の方法としてまたは追加的に、第二のエアロゾル発生基体は、マイクロ波加熱に基づいて加熱されるように構成されてもよく、かつ/またはサセプタまたはサセプタ材料を含まない場合がある。例えば、第二のエアロゾル発生基体は、LGRのギャップ内の交番電界に曝露された時に、効率的かつ効果的なマイクロ波加熱を可能にするために、例えば、残留湿度などの特定の最小レベルの湿度を有してもよい。
【0059】
エアロゾル発生物品は、マウスピース、およびマウスピースに向かってエアロゾルを移動させるように構成された気流経路をさらに含みうる。その中で、気流経路は、エアロゾル発生物品の第一の部分に結合され、エアロゾル発生物品の第一の部分で発生されたエアロゾルをマウスピースに向かって移動するように構成された第一の流路部分を含みうる。別の方法としてまたは追加的に、気流経路は、エアロゾル発生物品の第二の部分に結合され、エアロゾル発生物品の第二の部分で発生されたエアロゾルをマウスピースに向かって移動するように構成された第二の流路部分を含みうる。第一および/または第二の気流経路部分によって、エアロゾル発生物品の第一の部分および/または第二の部分によって発生されるエアロゾルは、マウスピースに向かって効率的に誘導または誘導されてもよく、これは、例えば、味覚または風味に関して、ユーザーの全体的な体験を強化することができる。
【0060】
任意選択で、第二の流路部分は、第一の流路部分に結合されてもよく、その結果、エアロゾル発生物品の第一の部分および第二の部分で発生されるエアロゾルは、気流経路によってマウスピースに向かって移動されるときに混合されてもよい。第一および第二の部分によって発生されるエアロゾルを混合するか、または第一および第二の部分からマウスピースに向かってエアロゾルを運ぶ対応する気流を混合することによって、ユーザーの全体的な体験がさらに改善され得る。特に、実質的に一定の味覚または風味が、複数の後続する使用セッションにわたって提供されてもよい。
【0061】
本開示の第四の態様は、本明細書の上記および下記の一つ以上のエアロゾル発生物品、特に、本明細書の上記および下記のエアロゾル発生装置またはシステムにおけるその使用に関する。
【0062】
本開示の第五の態様によると、エアロゾル発生システムが提供される。システムは、本明細書の上記および下記のエアロゾル発生装置、ならびに本明細書の上記および下記のエアロゾル発生物品のうちの一つを含む。
【0063】
エアロゾル発生装置および一つ以上のエアロゾル発生物品のいずれかに関して本明細書の上記および下記に提示される任意の開示は、同様にエアロゾル発生システムに適用され、その逆も同様である。
【0064】
本開示の第六の態様によれば、例えば、ループギャップ共振器を含む、エアロゾル発生装置用のエアロゾル発生物品が提供され、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分は、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生装置のループギャップ共振器のギャップに嵌合するように形成される。例えば、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分は、実質的に棒状の形状および/または平行六面体に形成されうる。別の方法としてまたは追加的に、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分は、ループギャップ共振器のギャップの形状、幾何学的形状、および/またはサイズに対応するように形状付けられてもよい。例えば、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分は、マイクロ波加熱に基づいて加熱されるように構成されてもよい。
【0065】
本開示の第七の態様は、エアロゾル発生装置、例えば、本明細書の上記および下記のエアロゾル発生装置における、このようなエアロゾル発生物品の使用に関する。
【0066】
本開示の八つの態様によれば、例えば、ループギャップ共振器を含む、エアロゾル発生装置用のエアロゾル発生物品が提供される。エアロゾル発生物品は、エアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生基体と、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱してエアロゾルを発生させるように構成されたサセプタまたはサセプタ材料とを含む。
【0067】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体およびサセプタを含有する区画をさらに備え得る。
【0068】
一例では、サセプタまたはサセプタ材料は、区画内またはその中に空間的に均質に分布してもよい。こうしたサセプタの均質な分布は、基体またはその少なくとも一部を均一に加熱することをさらに強化または支援し得る。
【0069】
サセプタまたはサセプタ材料は、強磁性材料を含む一つ以上のスレッドまたはバンドを含みうる。こうしたスレッドまたはバンドは、例えば、互いに対して、および/または基体の一つ以上の構造に対して、基体内にランダムに分布されてもよく、または少なくとも部分的に整列されてもよい。
【0070】
一例では、エアロゾル発生基体は、一つ以上の折り目を作成するように折り畳まれてもよく、サセプタの一つ以上のスレッドまたはバンドは、エアロゾル発生基体の一つ以上の折り目内に配置かつ/または整列されてもよい。また、こうした構成では、実質的に均一な加熱を確保できる。
【0071】
サセプタまたはサセプタ材料は、強磁性材料の一つ以上の粒子を含み得る。一例として、一つ以上の粒子は、エアロゾル発生基体内に配置されてもよく、例えば、ランダムに配置され、および/または基体内に配向されてもよい。例えば、基体によって構成されるタバコキャストリーフシートなどの固体基体は、基体内に粒子をランダムかつ均質に配置するために、一つ以上の粒子を含有する液体に少なくとも部分的に浸漬されてもよい。言い換えれば、エアロゾル発生基体またはその少なくとも一部は、一つ以上の粒子を含有する流体に浸されてもよい。液体基体の場合、一つ以上の粒子は、液体基体中に溶解されて、均質な粒子分布を提供し得る。
【0072】
別の方法としてまたは追加的に、一つ以上の粒子は、例えば、固体基体上に被覆する形態で、エアロゾル発生基体上に堆積されてもよい。したがって、エアロゾル発生基体は、一つ以上の粒子で被覆されてもよい。例えば、一つ以上の粒子は、物理的蒸着によって、または物理的蒸着に基づいて、エアロゾル発生基体上またはその上に堆積され得る。
【0073】
任意選択で、一つ以上の粒子は、磁性酸化鉄粒子であってもよく、または磁性酸化鉄粒子を含んでもよい。
【0074】
別の方法としてまたは追加的に、サセプタまたはサセプタ材料は、一つ以上のフェライト板を含み得る。任意で、一つ以上のフェライト板は、エアロゾル発生基体内に、および/またはエアロゾル発生物品と共に、空間的に均質に配置されてもよい。
【0075】
本開示の第九の態様は、エアロゾル発生装置、例えば、本開示の第一の態様によるエアロゾル発生装置における、エアロゾル発生物品、例えば、本開示の第八の態様によるエアロゾル発生物品の使用に関する。
【0076】
以下に、サセプタまたはサセプタ材料を含む一つ以上のエアロゾル発生物品の様々な例示的または任意的な特徴を要約する。例えば、強磁性材料の一つ以上のスレッドまたはバンドを、サセプタまたはサセプタ材料として使用してもよい。こうしたスレッドまたはバンドは、例えば、一つ以上のシートをエアロゾル発生物品に圧縮する前に、一つ以上のシートのエアロゾル発生基体上に配置されてもよい。
【0077】
別の方法として、または追加的に、このようなスレッドまたはバンドは、例えば、一つ以上のスレッドまたはバンドが一つ以上のシートの一つ以上の長軸方向の折り目に引っかかることができ、それによって、スレッドまたはバンドを互いに対して、および/または一つ以上の折り目に対して整列させるように、一つ以上のシートを圧縮する間に、エアロゾル発生物品に供給または添加されうる。
【0078】
別の方法としてまたは追加的に、強磁性材料の小さな粒子を基体に挿入してもよく、および/または基体をこのような粒子で被覆してもよい。例えば、医療用磁気温熱療法用途に使用され得る磁性酸化鉄粒子などの粒子は、一つ以上のタバコキャストリーフシートを生成するために使用されうるタバコ粉末に添加されてもよく、これは、一つ以上のシート内の粒子の均質な空間分布を確保しうるか、または結果として生じうる。
【0079】
別の方法としてまたは追加的に、こうした粒子は、その製造工程中に一つ以上のシート上に物理的に堆積され得る。例えば、シートは、チャンバー内に配置されてもよく、チャンバー内では、このような粒子の雲に排出されてもよい。別の方法としてまたは追加的に、物理蒸着(PVD)を使用して、基体のシート上にこのような粒子の薄膜を生成してもよい。
【0080】
別の方法としてまたは追加的に、こうした粒子は、一つ以上のシートに添加される、かつ/または被覆される流体に挿入されてもよい。例えば、こうした流体は、一つ以上のシートの製造中に添加されてもよく、および/または一つ以上のシート上に噴霧または堆積されてもよい。
【0081】
別の方法としてまたは追加的に、フェライト板を、サセプタ材料として一つ以上のシートに添加してもよい。サセプタが粒子またはスラブを含む場合、後者は「ドーパント」と呼んでもよい。
【0082】
一態様を参照して、本明細書に説明される任意の特徴、ステップ、機能、要素、技術的効果および/または利点は同様に、本開示の任意の他の態様に適用されることが強調される。
【0083】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0084】
実施例1:
エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱することによってエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生装置であって、エアロゾル発生装置が、
エアロゾルを発生するために、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成された少なくとも一つのループギャップ共振器を備える、エアロゾル発生装置。
実施例2:
ループギャップ共振器が、誘導加熱およびマイクロ波加熱の一方または両方に基づいて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成される、実施例1に記載のエアロゾル発生装置。
実施例3:
ループギャップ共振器の少なくとも一部分が、ループギャップ共振器のループを形成し、ループが、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を受けるように構成され、ループギャップ共振器が、ループギャップ共振器のループ内の交番磁界の発生に基づいて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成される、実施例1~2のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例4:
ループギャップ共振器の少なくとも二つの部分が、互いに対向して配置され、互いに間隔を置いており、少なくとも二つの部分がループギャップ共振器のギャップを形成し、ギャップが、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を受けるように構成され、ループギャップ共振器が、ループギャップ共振器のギャップ内の交番電界を発生することに基づいて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成される、実施例1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例5:
ループギャップ共振器が、エアロゾル発生基体内に配置され、かつ/またはエアロゾル発生基体上に堆積されるサセプタ内の渦電流を誘導することに基づいて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成される、実施例1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例6:
ループギャップ共振器が、円筒形ループギャップ共振器、管状ループギャップ共振器、トロイダルループギャップ共振器、スパイラルループギャップ共振器、マルチループループギャップ共振器、およびマルチギャップループギャップ共振器のうちの少なくとも一つである、実施例1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例7:
ループギャップ共振器が、少なくとも部分的にエアロゾル発生基体で充填可能であるか、または充填されるカートリッジ内に少なくとも部分的に配置され、カートリッジが、(a)ループギャップ共振器を駆動するように構成される外部電源装置に、かつ/または(b)エアロゾル発生装置の電源回路に連結可能であり、電源回路が、ループギャップ共振器を駆動するように構成される、実施例1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例8:
エアロゾル発生基体をさらに含み、
ループギャップ共振器が、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を受けるように構成され、任意 選択的に、エアロゾル発生基体およびループギャップ共振器が、カートリッジ内に少なくとも部分的に配置される、実施例1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例9:
ループギャップ共振器の少なくとも一部分に渦電流を誘導するように構成される、かつ/またはループギャップ共振器の少なくとも一部分に電磁振動を励起するように構成される、少なくとも一つの導電供給ループをさらに含む、実施例1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例10:
少なくとも一つの供給ループおよびループギャップ共振器がカートリッジ内に配置され、カートリッジが、(a)ループギャップ共振器を駆動するように構成された外部電源装置に、および/または(b)エアロゾル発生装置の電源回路に結合されるように構成され、電源回路がループギャップ共振器を駆動するように構成される、実施例9に記載のエアロゾル発生装置。
実施例11:
ループギャップ共振器を駆動して、ループギャップ共振器の少なくとも一部分の電磁振動を励起することに基づいて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成される、電源回路をさらに含む、実施例1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例12:
電源回路が、ループギャップ共振器の共振周波数またはその近傍で、ループギャップ共振器の電磁振動を励起するように構成される、実施例11に記載のエアロゾル発生装置。
実施例13:
電源回路が、ループギャップ共振器を駆動するように構成され、その結果、交番磁界がループギャップ共振器のループ内で発生し、ループが、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を受けるように構成される、実施例11および12のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例14:
電源回路が、ループギャップ共振器のギャップに交番電界が発生するように、ループギャップ共振器を駆動するように構成され、ギャップが、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を受けるように構成される、実施例11~13のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例15:
電源回路が、誘導カップリングに基づいてループギャップ共振器を駆動するように構成される、実施例11~14のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例16:
電源回路が、ループギャップ共振器における渦電流の誘導に基づいて、ループギャップ共振器を駆動するように構成される、実施例11~15のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例17:
電源回路が、少なくとも一つの導電供給ループを含み、電源回路は、少なくとも一つの供給ループに交流電流を供給することに基づいて、ループギャップ共振器を駆動するように構成される、実施例11~16のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例18:
少なくとも一つの供給ループが、ループギャップ共振器のループと同軸に配置される、実施例17に記載のエアロゾル発生装置。
実施例19:
少なくとも一つの供給ループが、同軸ケーブルの外側コンダクタと短絡された同軸ケーブルの内側コンダクタの端部によって形成される、実施例18に記載のエアロゾル発生装置。
実施例20:
電源回路が、容量結合に基づいてループギャップ共振器を駆動するように構成される、実施例11~19のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例21:
電源回路が、ループギャップ共振器のスリットまたはギャップによって形成されるコンデンサに容量結合するように構成された一つ以上の電極を含む、実施例20に記載のエアロゾル発生装置。
実施例22:
電源回路が、ループギャップ共振器のスリットまたはギャップによって形成されるコンデンサ内に交番電界を容量的に誘導するように構成される、実施例20および21のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例23:
電源回路が、ループギャップ共振器の少なくとも一部分において電磁振動を励起して、ループギャップ共振器を駆動するように構成された電磁波発生器を含む、実施例11~22のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例24:
エアロゾル発生基体の少なくとも一部を受けるように構成された加熱チャンバーであって、ループギャップ共振器が、加熱チャンバー内に少なくとも部分的に配置され、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を少なくとも部分的に取り囲むように構成される、加熱チャンバーをさらに含む、実施例1~23のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例25:
ループギャップ共振器が実質的に管状形状であり、ループギャップ共振器の長軸方向軸が、エアロゾル発生装置の挿入方向に実質的に平行に延在し、それに沿ってエアロゾル発生基体の少なくとも一部が、エアロゾル発生装置内に少なくとも部分的に挿入可能である、実施例1~24のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例26:
ループギャップ共振器が管状本体を含み、管状本体が、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を受けるように構成されたループギャップ共振器のループを画定し、ループギャップ共振器が、ループギャップ共振器のループ内に交番磁界を発生することに基づいて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成される、実施例1~25のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例27:
ループギャップ共振器が、管状本体の長さに沿って延在するスリットを有する管状本体を含む、実施例1~26のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例28:
ループギャップ共振器が、スリットを有する管状本体を含み、スリットが、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を受けるように構成されたループギャップ共振器のギャップを画定し、ループギャップ共振器が、ループギャップ共振器のギャップ内に交番電界を発生することに基づいて、エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するように構成される、実施例1~27のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例29:
エアロゾル発生装置が、互いに対して同軸に配置される複数のループギャップ共振器を含む、実施例1~28のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例30:
エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するためのエアロゾル発生装置におけるループギャップ共振器の使用。
実施例31:
エアロゾル発生装置用のエアロゾル発生物品であって、エアロゾル発生物品が、
エアロゾル発生装置のループギャップ共振器のループに嵌合するように配置され、かつ/または形成される第一の部分と、
ループギャップ共振器のギャップに嵌合するように配置され、かつ/または形成される第二の部分のうちの少なくとも一つを備える、エアロゾル発生物品。
実施例32:
エアロゾル発生物品の第一の部分および第二の部分の一方または両方を加熱するように構成されたループギャップ共振器をさらに含む、実施例31に記載のエアロゾル発生物品。
実施例33:
第一の部分が実質的に円筒形状である、実施例31~32のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例34:
第二の部分が実質的に棒状の形状であり、かつ/または第二の部分が平行六面体に形成される、実施例31~33のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例35:
エアロゾル発生物品が鍵状の形状である、実施例31~34のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例36:
第二の部分が、エアロゾル発生物品の第一の部分からフィン状に突出する、実施例31~35のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例37:
第一の部分が、加熱されてエアロゾルを発生するよう構成される第一のエアロゾル発生基体を含み、第二の部分が、加熱されてエアロゾルを発生するよう構成される第二のエアロゾル発生基体を含み、第二のエアロゾル発生基体が、第一のエアロゾル発生基体とは異なる、実施例31~36のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例38:
第一のエアロゾル発生基体が、誘導加熱に基づいて第一のエアロゾル発生基体を加熱するように構成されたサセプタを含む、実施例37に記載のエアロゾル発生物品。
実施例39:
第二のエアロゾル発生基体が、マイクロ波加熱に基づいて加熱されるように構成される、実施例37および38のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例40:
第一のエアロゾル発生基体および第二のエアロゾル発生基体が、湿度、タバコのタイプ、風味、および味覚の一つ以上において異なる、実施例37~39のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例41:
マウスピースと、
マウスピースに向かってエアロゾルを移動させるように構成された気流経路とをさらに含み、
気流経路が、エアロゾル発生物品の第一の部分に結合され、エアロゾル発生物品の第一の部分で発生したエアロゾルをマウスピースに向かって移動するように構成された第一の流路部分を含み、気流経路が、エアロゾル発生物品の第二の部分に結合され、エアロゾル発生物品の第二の部分で発生したエアロゾルをマウスピースに向かって移動するように構成される、第二の流路部分を含む、実施例31~40のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例42:
第二の流路部分が第一の流路部分に結合され、その結果、エアロゾル発生物品の第一の部分および第二の部分で発生したエアロゾルが、気流経路によってマウスピースに向かって移動する時に混合される、実施例41に記載のエアロゾル発生物品。
実施例43:
エアロゾル発生装置における、実施例31~42のいずれかに記載のエアロゾル発生物品の使用。
実施例44:
エアロゾル発生システムであって、
実施例1~29のいずれかに記載のエアロゾル発生装置と、
実施例31~42のいずれかに記載のエアロゾル発生物品と、を備える、エアロゾル発生システム。
実施例45:
エアロゾル発生物品の少なくとも一部分が、ループギャップ共振器のギャップに嵌合するように形成される、エアロゾル発生装置用のエアロゾル発生物品。
実施例46:
エアロゾル発生物品の少なくとも一部分が、実質的に棒状の形状であり、かつ/または平行六面体を形成する、実施例45に記載のエアロゾル発生物品。
実施例47:
エアロゾル発生物品の少なくとも一部分が、ループギャップ共振器のギャップの形状と対応して成形される、実施例45および46のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例48:
エアロゾル発生物品の少なくとも一部分が、マイクロ波加熱に基づいて加熱されるように構成される、実施例45および47のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例49:
エアロゾル発生装置における実施例45~48のいずれかに記載のエアロゾル発生物品の使用。
実施例50:
エアロゾル発生物品が、
エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生基体と、
エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱してエアロゾルを発生するように構成されたサセプタと、を備える、エアロゾル発生装置用のエアロゾル発生物品。
実施例51:
エアロゾル発生基体およびサセプタを含む区画をさらに含む、実施例50に記載のエアロゾル発生物品。
実施例52:
サセプタが、区画内に空間的に均質に分布している、実施例50~51のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例53:
サセプタが、強磁性材料を含む一つ以上のスレッドを含む、実施例50~52のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例54:
エアロゾル発生基体が折り畳まれ、一つ以上の折り目が作成され、サセプタの一つ以上のスレッドが、エアロゾル発生基体の一つ以上の折り目内に配置され、かつ/または整列される、実施例53に記載のエアロゾル発生物品。
実施例55:
サセプタが、一つ以上の強磁性材料の粒子を含む、実施例50~54のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例56:
一つ以上の粒子が、エアロゾル発生基体内に配置される、実施例55に記載のエアロゾル発生物品。
実施例57:
一つ以上の粒子が、エアロゾル発生基体上に堆積される、実施例55および56のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例58:
一つ以上の粒子が、物理蒸着によってエアロゾル発生基体上に堆積される、実施例57に記載のエアロゾル発生物品。
実施例59:
一つ以上の粒子が、磁性酸化鉄粒子である、実施例55~58のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例60:
エアロゾル発生基体が、一つ以上の粒子で被覆される、実施例55~59のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例61:
エアロゾル発生基体が、一つ以上の粒子を含有する流体に浸漬される、実施例55~60のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例62:
サセプタが一つ以上のフェライト板を含む、実施例50~61のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
実施例63:
一つ以上のフェライト板が、エアロゾル発生基体内に空間的に均質に配置される、いずれかの実施例62に記載のエアロゾル発生物品。
実施例64:
エアロゾル発生装置における実施例50~63のいずれかに記載のエアロゾル発生物品の使用。
【0085】
ここで、図を参照して実施例がさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【
図1】
図1は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生システムの断面図を示す。
【
図2】
図2は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生システムの一部の斜視図を示す。
【
図3】
図3は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置を示す。
【
図4】
図4は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生システムを示す。
【
図5】
図5Aおよび5Bはそれぞれ、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置の一部の詳細図を示す。
【
図6】
図6は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生システムを示す。
【
図7】
図7は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生物品を示す。
【
図8】
図8Aおよび8Bは、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置のためのループギャップ共振器を示す。
【
図9】
図9A~9Cは、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置を示す。
【
図10】
図10は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置を示す。
【
図11】
図11は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置を示す。
【
図12】
図12は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0087】
図は模式的なものであり、正確な縮尺ではない。原則として、同一または同様の部品、要素、および/またはステップは、図中に同一または同様の参照番号で提供されている。
【0088】
図1は、エアロゾル発生装置12およびエアロゾル発生物品14と備えるエアロゾル発生システム10の断面図を示す。
図1は、特に、現在使用されている従来のエアロゾル発生システムまたは装置、ならびにその中に実装された加熱技術を示すために役立ちうる。
【0089】
図1に示す例において、エアロゾル発生物品14は、エアロゾル発生装置12によって少なくとも部分的に受けられる。例えば、エアロゾル発生物品14の少なくとも一部は、エアロゾル発生装置12の加熱チャンバー11内に配置されてもよい。
図1の例示的なエアロゾル発生物品14は、棒状に形成され、エアロゾル発生物品14の内部体積を実質的に充填するエアロゾル発生基体16を含む。こうしたエアロゾル発生物品14はまた、ユーザーによって交換可能である「消耗品」と呼ぶことができ、基体も「センサー媒体」と呼ぶことができる。
【0090】
エアロゾル発生物品14および/またはそのエアロゾル発生基体16を加熱するために、エアロゾル発生装置12は、ブレード18に電気エネルギーを供給することに基づいて基体16を抵抗加熱するための抵抗加熱ブレード18を含む。加熱ブレード18は、例えば、加熱チャンバー11の底部に一方の端部が配置されてもよく、かつ/または加熱チャンバー11の中央部分に配置されてもよい。加熱チャンバー11は、エアロゾル発生装置12の内部体積の中空コア、例えば、管状コアによって画定されてもよい。さらに、加熱ブレード18は、例えば、加熱ブレード18に電力を供給するための電源回路13など、エアロゾル発生装置21の電子部品13に結合されてもよく、または接続されてもよい。
【0091】
エアロゾル発生物品14は、加熱ブレード18が好ましくはエアロゾル発生物品14の中心に配置され、そのエアロゾル発生基体16によって少なくとも部分的に囲まれるように、エアロゾル発生装置12に挿入されてもよい。加熱ブレード18の効果的な加熱表面を増加させるために、加熱ブレード18は薄く平坦であってもよい。結果として、ブレード18は、特に、加熱ブレード18が基体16内に押し込まれ、これらのプロセスにおいて基体16から引き出され得るため、エアロゾル発生物品14を装置12に挿入、かつ装置12から除去する反復プロセスのために、機械的変形または劣化を受けうる。
【0092】
さらに、各挿入および除去プロセスにおいて、加熱ブレード18は、エアロゾル発生基体16に対して配向されてもよく、または異なって配置されてもよく、エアロゾル発生物品の内部構成は、使用セッションごとに異なってもよい。棒形状のエアロゾル発生物品14の場合、例えば、エアロゾル発生基体16は、ロッドに圧縮される少なくとも一つの長軸方向に折り畳まれたタバコキャストリーフ(「TCL」)シートを含み得る。消耗品14内部のブレード18の配向によれば、基体16の折り目(「TCL折り目」)は、加熱ブレード18に対して平行から垂直に変化する配向を有し得る。特に、折り目は、ブレード18に対してランダムに配向されてもよい。したがって、異なるエアロゾル発生物品14、例えば、異なる使用セッションで使用される物品14は、ブレード18によって異なって加熱されてもよく、これは、エアロゾルの発生に影響を与え、様々な使用セッションの中でユーザーにとって異なる体験をもたらしうる。しかしながら、好ましくは様々な使用セッションの中で、一貫した体験がユーザーに提供されるべきである。
【0093】
それとは別に、エアロゾル発生物品14内の基体16の異なる部分16a、16bまたは体積16a、16bが受ける熱は、加熱ブレード18に対するそれぞれの部分16a、16bの距離に依存し得る。例えば、エアロゾル発生物品14の円筒形状に報告される加熱ブレード18の平面形状は、例えば、ブレード18の長軸方向に対して横方向または垂直な方向、および/またはエアロゾル発生物品14に対して、ブレード18の近くに配置される部分16aと比較して、ブレード18からより遠い部分16bの加熱を少なくし得る。結果として、ブレード18から比較的離れている基体16の一部分、例えば、部分16bは、エアロゾルを発生するには加熱が不十分であることがあり、またはエアロゾルを発生するのに十分に高い温度まで加熱されないことがあり、部分16aなど、ブレード18の近くに配置されている他の部分は、過度に高温に加熱されることがある。したがって、特定の部分は無駄になることがあり、他の部分は加熱しすぎる場合がある。
【0094】
図2は、エアロゾル発生システム10の一部の斜視図を示す。別段の記載がない限り、
図2のシステム10は、
図1を参照して記載したシステムと同じ特徴、機能、および要素を備える。
【0095】
図2に示す例では、誘導加熱に基づいて、エアロゾル発生物品14に含まれるエアロゾル発生基体16を加熱するために、サセプタ18またはサセプタ材料18が、エアロゾル発生物品14または消耗品14の中心に配置される。サセプタ18は、例えば、平面状の金属バンドを備えることができ、エアロゾル発生基体16に囲まれたエアロゾル発生物品14の中心に位置する、導電および電気抵抗の両方を備える材料、例えば強磁性材料またはステンレス鋼を含む。好ましくは、サセプタ18の中央長軸方向軸15は、エアロゾル発生物品14の中央長軸方向軸15と実質的に整列する。さらに、軸15に沿ったサセプタの長さは、エアロゾル発生物品14の長さと実質的に合致してもよく、かつ/またはサセプタ18の幅は、物品14の幅よりもわずかに小さくてもよく、幅は長軸方向軸15に対して横方向に測定されてもよい。
【0096】
ユーザーがエアロゾル発生装置12またはその加熱システムを起動すると、交流電磁場が装置12内で発生され、それによってサセプタ18内の渦電流を生成または誘導し、サセプタ18内のこれらの電流の散逸は、エアロゾルを発生するために、ジュールの法則に基づいてサセプタ18およびそれを囲む基体16を加熱する。
【0097】
誘導加熱およびサセプタバンド18を使用することは、例えば、
図1のシステムの設計と比較して、機械的に堅牢であり得る。しかしながら、それにもかかわらず、こうしたシステム10は、基体16の加熱された部分または体積とサセプタ18との間の距離(軸15に対して横方向または垂直の方向に)にしたがって、およびサセプタ18に対する折り目など基体16内の構造の相対的な配向にしたがって、加熱の変動を示しうる。
【0098】
消耗品14またはエアロゾル発生物品14の均質な誘導加熱は、例えば渦電流が主にサセプタ材料18の表面に残るという事実、特に、高周波の電流が誘導された場合、ならびに、磁界の周波数など交番磁界の空間分布および特性を指す、いわゆる「表皮効果」を考慮に入れて、空間分布と、サセプタ18またはサセプタ材料18の特性との間の関係に適切に対処し得る。例えば、交番磁界の強度が低く、かつ高密度のサセプタ表面または材料がある、エアロゾル発生物品14の領域または部分に伝達される全体的な熱は、例えば、交番磁界の強度が高いが、サセプタ表面または材料の密度が低いなど、反対の特性を有する別の領域または部分と同一であり得る。
【0099】
さらに、エアロゾル発生システム10および装置12用の電子機器は、装置12またはシステム10によって放出される電磁放射または波に関する制約を有することがある。例えば、2.4GHz ISMバンド(「産業科学医療用バンド」)などの無認可範囲のマイクロ波周波数を使用してもよく、かつ/または電力レベルは、約15W未満、約10W未満、または好ましくは約5W未満であってもよい。こうした低電力レベルは、エネルギーを節約することができ、電池駆動装置12またはシステム10の場合、装置12の充電サイクル時間を延長することができる。
【0100】
さらに、エアロゾル発生物品14の典型的な寸法、特に棒形状の物品は、約0.3~1.5cm、例えば、直径0.5~1.0cmまたは0.7~0.8cm、および約0.5cm~2cm、例えば、長さ約1.2cmでありうる。
【0101】
基体16または基体16の所定または所望の温度によって到達される加熱温度は、約100℃~300℃、例えば、約200℃~250℃であってもよい。
【0102】
図3は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置100を示す。別段の記載がない限り、
図3のエアロゾル発生装置100は、
図1および2を参照して説明したエアロゾル発生装置12およびシステム10と同じ特徴、機能、および要素を備える。
【0103】
図3に示すエアロゾル発生装置100は、基体200の加熱に基づいてエアロゾルを発生するために、エアロゾル発生基体200の少なくとも一部を受けるように構成される。基体200は、例えば、基体16に対応してもよく、
図1および2を参照して記載する、物品14に対応する実質的に棒形状のエアロゾル発生物品202によって構成されてもよい。こうしたエアロゾル発生物品202は、例えば、ユーザーが使用セッション中にエアロゾル発生装置100で発生されたエアロゾルを体験または吸入するためのマウスピース204を含みうる。
【0104】
別の方法としてまたは追加的に、基体200は、例えば、基体200で充填可能なカートリッジまたは容器の形態で、エアロゾル発生装置100に供給可能な液体を含んでもよい。
【0105】
基体200またはその少なくとも一部を加熱するために、エアロゾル発生装置100は、本明細書で上記および下記で詳細に説明するように、誘導加熱およびマイクロ波加熱の一方または両方に基づいて、エアロゾル発生基体200の少なくとも一部を加熱するように構成されたループギャップ共振器110を含む。
【0106】
ループギャップ共振器110は、例えば、円筒形ループギャップ共振器、管状ループギャップ共振器、トロイダルループギャップ共振器、スパイラルループギャップ共振器、マルチループループギャップ共振器、およびマルチギャップループギャップ共振器のうちの一つであってもよい。
【0107】
エアロゾル発生装置100はまた、例えば、エアロゾル発生装置100、LGR110、および/またはエアロゾル発生物品202の長軸方向軸111と同軸に配置される、複数のループギャップ共振器110を備えてもよい。一例では、ループギャップ共振器110の少なくとも一部は、エアロゾル発生装置100の加熱チャンバー112内に配置されてもよい。
【0108】
エアロゾル発生装置100は、渦電流、交流電流および/または電磁振動を、ループギャップ共振器110の少なくとも一部または一部分に誘導するように構成された少なくとも一つの導電供給ループ150をさらに含む。
図3に示す例では、供給ループ150は、エアロゾル発生装置100のハウジング内に組み込まれる、または配置されてもよく、これは、エアロゾル発生物品202を少なくとも部分的に受けるように構成された手持ち式装置であり得る。例えば、エアロゾル発生物品202は、エアロゾル発生装置100、LGR110、および/またはエアロゾル発生物品202の長軸方向軸111に平行な挿入方向113に沿って挿入されてもよい。
【0109】
さらに、供給ループ150は、ループギャップ共振器110の端部またはその近く、例えば、少なくとも部分的に加熱チャンバー112に配置されてもよい。別の方法として、または追加的に、少なくとも一つの供給ループ150は、ループギャップ共振器110の一部または一部分に組み込まれる、または配置されることができる。
【0110】
エアロゾル発生装置100は、ループギャップ共振器110および/または供給ループ150を駆動して、エアロゾル発生基体200の少なくとも一部を加熱するように構成された電源回路160をさらに含む。その中で、供給ループ150は、エアロゾル発生装置100の電源回路160の一部であってもよい。特に、電源回路160は、ループギャップ共振器110の共振周波数またはその近傍で、ループギャップ共振器110の電磁振動を励起するように構成され得る。例えば、交番磁界が、ループギャップ共振器110の一部または一部分、特に、エアロゾル発生基体200の少なくとも一部を受ける、かつ/または取り囲むように構成されたループギャップ共振器110のループに発生するように、電源回路160は、ループギャップ共振器110を駆動するように構成され得る。別の方法としてまたは追加的に、交番電界が、ループギャップ共振器110の一部または一部分、特に、エアロゾル発生基体202の少なくとも一部(またはさらなる部分)を受ける、かつ/または取り囲むように構成された、ループギャップ共振器110のギャップに発生するように、電源回路160は、ループギャップ共振器110を駆動するように構成され得る。
【0111】
電源回路160はさらに、例えば、少なくとも一つの供給ループ150に交流電流を供給することに基づいて、誘導カップリングに基づいて、ループギャップ共振器110を駆動するように構成されてもよく、これは、供給ループ150の近傍に交番磁界を生成し、これが次にループギャップ共振器110に渦電流を誘導し得る。
【0112】
別の方法としてまたは追加的に、電源回路160は、容量結合に基づいてループギャップ共振器110を駆動するように構成され得る。例えば、電源回路160は、ループギャップ共振器110のスリットまたはギャップによって形成されるコンデンサに容量結合するように構成された一つ以上の電極を含むことができ、それによって、ループギャップ共振器110のスリットまたはギャップによって形成されるコンデンサ内に交番電界を容量的に誘導する。
【0113】
別の方法としてまたは追加的に、電源回路160は、ループギャップ共振器110の少なくとも一部分において電磁振動を励起して、ループギャップ共振器を駆動するように構成された電磁波発生器を含み得る。
【0114】
エアロゾル発生装置100は、装置100の使用中に電気エネルギーを供給するために、少なくとも一つの電池、アキュムレータ、またはコンデンサなどの少なくとも一つのエネルギー貯蔵部170をさらに含む。別の方法としてまたは追加的に、エアロゾル発生装置100は、供給グリッドまたは任意の他の電源によって電力供給されてもよい。
【0115】
図3の例示的なエアロゾル発生装置は、装置100の一つ以上の機能を制御するための制御回路180をさらに含む。例えば、制御回路180は、電源回路160を作動、起動、および/または停止して、エアロゾル発生を開始または停止するように構成されうる。
【0116】
装置100は、一つ以上のユーザー入力を受信するためのユーザーインターフェース190をさらに備えることができる。ユーザーインターフェース190は、例えば、スイッチ要素、ユーザー作動可能要素、ボタン、タッチインターフェース、またはこれに類するもののうちの一つ以上であってもよいか、またはこれを含んでもよい。その中で、制御回路180は、ユーザーインターフェース190で受信された一つ以上のユーザー入力を受信または処理し、一つ以上のユーザー入力に対する通信、依存および/または応答で電源回路160を作動または制御するように構成されうる。
【0117】
図3に示されるエアロゾル発生装置100およびエアロゾル発生物品202は、本開示の意味において、エアロゾル発生システム500を構成し得ることに留意されたい。
【0118】
図4は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生システム500を示す。別段の記載がない限り、
図4のエアロゾル発生システム500は、
図1~3を参照して記載したエアロゾル発生装置12、100、およびシステム10、500と同じ特徴、機能、および要素を備える。
【0119】
図4に示す例示的なシステム500は、エアロゾル発生装置100を含み、この装置100は、エアロゾル発生基体200を包含または格納するように構成されたカートリッジ130または容器130に少なくとも部分的に配置および/または組み込まれたループギャップ共振器110を含む。カートリッジ130は、任意の適切な形状、形状、形状および/またはサイズを有し得る。
【0120】
基体200は、例えば、液体、液体基体、液体または液体基体であってもよく、またはそれらを含んでもよい。しかしながら、基体200は、別の方法としてまたは追加的に、固体構成要素または固体基体材料を含んでもよい。
【0121】
任意選択で、基体200は、ループギャップ共振器110による誘導加熱に基づいて基体200を加熱するためのサセプタまたはサセプタ材料を含んでもよい。例えば、強磁性材料の一つ以上の粒子は、酸化鉄粒子など、基体200内に配置または配置されてもよい。しかしながら、基体200またはその少なくとも一部は、別の方法としてまたは追加的に、本明細書の上記および下記に詳細に説明するように、ループギャップ共振器110を使用したマイクロ波加熱に基づいて加熱されてもよい。
【0122】
エアロゾル発生装置100および/またはそのカートリッジ130は、基体200で予め充填されてもよく、または必要に応じてユーザーによって充填されてもよい。
【0123】
エアロゾルを発生させるために、エアロゾル発生装置100は、
図3の矢印205で示すように、ループギャップ共振器110を駆動または電力供給するために、外部電源装置250に結合、取り付け、および/または取り付けることができる。例えば、エアロゾル発生装置100は、外部電源装置250に少なくとも部分的に挿入されてもよい。
【0124】
外部電源装置250は、例えば、
図3を参照して記載したエアロゾル発生装置100と類似のまたは同一の機能および特徴を有しうる手持ち式装置であってもよい。特に、外部電源250装置は、
図3を参照して記載するように、電源回路160、エネルギー貯蔵部170、制御回路180およびユーザーインターフェース190のうちの一つ以上を含むことができる。
【0125】
さらに、エアロゾル発生システム500は、ループギャップ共振器110を駆動するための少なくとも一つの供給ループ150を含む。
図4に示すシステム500の供給ループ150は、例示的にカートリッジ130に組み込まれるか、またはカートリッジ130に配置される。しかしながら、別の方法としてまたは追加的に、少なくとも一つの供給ループ150は、外部電源装置250に組み込まれてもよい。
【0126】
エアロゾル発生装置100(またはカートリッジ130)を電源装置250に電気的に接続または結合するために、エアロゾル発生装置100および/またはカートリッジ130は、供給ループ150または他の電子構成要素を外部電源装置250の電源回路160に電気的に結合するための一つ以上の電気コネクタ120を含みうる。例えば、外部電源装置250へのエアロゾル発生装置100の機械的結合は、電子結合を確立しうる。別の方法としてまたは追加的に、一つ以上の電気コネクタ120に対して、誘導結合または容量結合を使用して、例えば、カートリッジ130の壁を通して、ループギャップ共振器110を駆動することができる。
【0127】
ユーザーによって起動されると、外部電源装置250は、少なくとも部分的にカートリッジ130内に配置されたループギャップ共振器110を駆動して、基体200を加熱し、エアロゾルを発生することができる。発生されたエアロゾルを運ぶ気流は、例えば、ユーザーの吸入に応答して、気流経路210を介して加熱チャンバー112からマウスピース204に輸送されてもよい。
【0128】
一般的に、円筒形ループギャップ共振器、管状ループギャップ共振器、トロイダルループ-ギャップ共振器、スパイラルループギャップ共振器、マルチループループギャップ共振器、およびマルチギャップループギャップ共振器などの任意のタイプのループギャップ共振器110を、
図3および4に示す装置100およびシステム500で使用することができる。また、任意の種類の基体または複数の基体200を使用して、誘導加熱および/またはループギャップ共振器110を使用したマイクロ波加熱に基づいて基体200を加熱することができる。任意選択で、サセプタまたはサセプタ材料は、誘導加熱のための一つ以上の基体200によって構成され得る。
【0129】
図5Aおよび5Bはそれぞれ、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置100の一部の詳細図を示す。別段の記載がない限り、
図5Aおよび5Bのエアロゾル発生装置100は、
図1~4を参照して記載したエアロゾル発生装置12、100、およびシステム10、500と同じ特徴、機能および要素を備える。
【0130】
図5Aおよび5Bに示す例示的なエアロゾル発生装置100は、エアロゾル発生基体200の一つ以上の部分200a、200bを加熱するように構成された円筒形または管状ループギャップ共振器110を含む。
【0131】
ループギャップ共振器110は、エアロゾル発生基体200の少なくとも一部分または一部200aを受ける、および/または少なくとも部分的に取り囲むように構成されたループギャップ共振器110のループ115またはコア115を画定する、または少なくとも部分的に封入する管状本体114を含む。したがって、ループ115は、ループギャップ共振器110の少なくとも一部によって形成される、または少なくとも部分的に封入される区画を指してもよく、ループ115は、少なくとも部分的に、基体200の少なくとも部分200aを取り囲むか、または囲むように構成されてもよい。その中で、ループギャップ共振器110は、ループギャップ共振器110のループ115またはコア115内の交番磁界を発生することに基づいて、エアロゾル発生基体200の少なくとも一部202aを加熱するように構成され得る。
【0132】
ループギャップ共振器110の長軸方向軸111は、エアロゾル発生装置の挿入方向113に実質的に平行に延在してもよく、それに沿ってエアロゾル発生基体200(および/またはエアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品)の少なくとも一部200aは、エアロゾル発生装置100および/またはループギャップ共振器110に少なくとも部分的に挿入されることができる。例えば、基体200の基体200、部分200a、および/または部分200bを含む実質的に棒形状のエアロゾル発生物品を、エアロゾル発生装置100に挿入することができる。
【0133】
さらに、ループギャップ共振器110は、管状本体113の長さに沿って延在するスリット116を含み、例えば、ループギャップ共振器110の長軸方向軸111に平行である。スリットは、エアロゾル発生基体200の少なくとも部分200bを受けるおよび/または少なくとも部分的に取り囲むように構成されたループギャップ共振器110のギャップ117またはギャップ部分117を画定する。その中で、ギャップ117またはスリット116は、ループギャップ共振器110の二つの対向する部分、壁または部分117a、117bによって形成されてもよく、ループギャップ共振器110の円周方向に沿って互いに対向して、かつ/または長軸方向軸111に対して横断的にまたは垂直に、配置されてもよい。ループギャップ共振器110は、ループギャップ共振器110のギャップ117内の交番電界を発生することに基づいて、エアロゾル発生基体200の少なくとも部分200bを加熱するように構成され得る。
【0134】
基体200は、基体部分200a、200bの一方または両方を含み得ることに留意されたい。したがって、基体200は、ループギャップ共振器110のループ115に嵌合する形状およびサイズで形成されてもよい。
図5Aおよび5Bに示す例では、基体200は、したがって、実質的に円筒形状および形状を有してもよい。別の方法としてまたは追加的に、基体200は、ギャップ117に嵌合するような形状およびサイズで形成されうる。
図5Aおよび5Bに示す例では、基体200は、したがって、実質的に棒状の形状を有してもよく、または平行六面体に形成されうる。例示の目的で、基体200の部分200bは、
図5Bのエアロゾル発生装置100の横に示されている。上述のように、基体200は、別の方法として、両方の部分200a、200bを含み得る。部分200a、200bの両方を含む場合、これらの部分200a、200bで使用される基体材料は、実質的に類似または同一であり得るが、唯一の違いは、例えば、部分200bが、その中に配置され、配置され、かつ/または含有されるサセプタまたはサセプタ材料を含んでもよいことである。しかしながら、異なる基体材料を部分200a、200bに使用することもできる。例えば、その中に含まれる基体部分200a、200bおよび/または基体材料は、湿度、タバコのタイプ、風味、味覚、または任意の他の特性のうちの一つ以上で異なっていてもよい。また、異なる部分200a、200bは、個人的な要求に従って、ユーザーによって組み合わされてもよい。
【0135】
簡潔に、かつ例示的な要約では、基体200の部分200aまたは部分200aに対応する基体は、その中に含有されるサセプタまたはサセプタ材料に作用する磁界によって加熱され得る。エアロゾル発生物品または消耗品は、実質的に棒形状であってもよく、LGR110のループ115またはコア115に挿入されてもよい。したがって、基体200の部分200aは、磁気加熱に基づいて加熱されてもよい。
【0136】
基体200または部分200aのサセプタ材料は、部分200a内に空間的に均一に分布され得ることが好ましい。例えば、サセプタ材料は、基体200またはその基体材料上に挿入および/または被覆された強磁性材料の小さな粒子であってもよい。別の方法として、または追加的に、サセプタ材料は、例えば、TCLシートなどの基体材料に添加、および/または被覆する磁気特性を有する流体または液体であってもよい。LGR110は、その空の中心コア115またはループ115にほぼ均一な交番磁界を提供することができるため、基体200の部分200aは、所望の温度または所定の温度に実質的に均一に加熱され得る。したがって、基体200またはその材料が受ける体積当たりの熱量の均一性は、滞在的にサセプタ材料の空間分布および特性のみに依存し得る。したがって、基体200の均一な加熱は、基体200内の均質に分布したサセプタ材料によってさらに支持されてもよい。
【0137】
本明細書で上述したように、他のタイプのサセプタまたはサセプタ材料を使用して、誘導加熱に基づいて部分200aを加熱することができる。例えば、強磁性材料のスレッドまたはバンドを、サセプタまたはサセプタ材料として使用することができる。別の方法としてまたは追加的に、フェライト板をサセプタまたはサセプタ材料として使用することができる。別の方法としてまたは追加的に、
図2のサセプタ18に類似したサセプタも使用され得る。
【0138】
基体200または部分200aのサセプタ材料の体積百分率は、約2%~約30%、例えば約5%~約20%、例えば約10%の範囲であることが好ましい。こうした体積充填および約2GHz~3GHz、例えば、約2.4GHzの例示的な動作周波数または駆動周波数、および0.5W~5W、例えば、約1Wの電力レベルで、約200℃~300℃、例えば、約250℃の温度は、5~30秒後、例えば、約20秒後に到達され得る。
【0139】
部分200aの別の方法として、または追加的に、基体200に存在し得る基体200の部分200bを参照すると、実際の加熱は、基体200または部分200bに存在する水分、水分子または湿度に作用するLGR110の電界によって提供され得る。言い換えれば、部分200bは、マイクロ波加熱に基づいて加熱することができる。LGR110は、LGR110の側面ギャップ117にほぼ均一な交番電界を提供することができるため、部分200bは、所望の温度または所定の温度まで均一にまたは均質に加熱され得る。したがって、基体200または部分200bが受ける体積当たりの熱量の均一性は、潜在的に基体材料の空間分布および特性、例えば、湿度にのみ依存し得る。こうした加熱は、誘電加熱またはマイクロ波加熱とみなされてもよく、基体の最小湿度レベルを必要とするだけであり、いずれの場合においても存在し得る。言い換えれば、基体200または部分200bは、特に基体200にサセプタ材料を必要とせずに、LGR110内に生成される電磁場の電気構成要素に基づいて加熱することができる。基体200の残留湿度は、所望される誘電加熱を達成するのに十分であり得る。
【0140】
概して、LGR110は、古典的なLCR回路と類似した特性を有する電磁共振器としてみなされてもよく、これは、インダクタンスLのインダクタ、キャパシタンスCのコンデンサ、抵抗Rの抵抗器、任意に特定の共振周波数を有する直列の発生器と同等の回路であり、電流が最大値に達する、かつ/または回路のインピーダンスが最小になる回路内を流れる交流電流の周波数を指してもよい。さらに、LGR110は、LGR110の少なくとも特定の領域または部分において、ほぼ均一であり、かつ互いに分離された、電界および磁界を生成することができる。基体200の加熱に使用可能なLGR110の一つの例示的なタイプは、
図5Aおよび5Bに示すように、ギャップ117を形成するスリット116によって長軸方向に切断された導電性管状本体114を有する管状LGR110である。管状本体114は、回路のインダクタLとして作用し得、ギャップ117が、コンデンサCとして作用し得、LGR110によって構成される導電性金属が、抵抗器Rとして作用し得る。このようなLGR110の場合、管状本体114内で長手軸111を横切って、例えばLGR110の円周方向に沿って流れる交流電流は、ループギャップ共振器110の長軸方向軸111と実質的に整列した均一な磁場(
図5Aにおいて「B」で示す)(ビオサバールの法則)と、対向する壁117a、117b、またはギャップ117のもしくはギャップ117を形成する部分117a、117bの間の均一な交番電界(
図5Aでは「E」で示される)を生成することができる。LGR110によって発生されるこれらの交流電磁場の特定の利点は、それらの均一性とループ115およびギャップ117などのLGR110の特定の領域または部分に対する閉じ込めに見ることができる。両方の界は、物理的に分離することができ、ループ115での誘導加熱であってもギャップ117でのマイクロ波加熱であっても、加熱プロセス中に互いに干渉することはない。
【0141】
LGR110の可能な、例示的および非限定的な物理的特徴または特性を、以下に要約する。LGR110の寸法、例えば長さおよび/または幅は、共振波長の約1/8~1/12程度、例えば、約1/10であってもよい。例示的な標的共振周波数が2.4GHzであり、位相速度が光速に近い場合、波長は、数センチメートルから数十センチメートルの範囲、例えば約10cmであると推定することができ、したがってLGR110の寸法は、数ミリメートルから数センチメートルの範囲、例えば、約0.5cm~5cm、1cmなどでありうる。
【0142】
LGR110の内径および/またはループ部分115の直径は、例えば、サセプタを有する基体を含む棒形状のエアロゾル発生物品の場合など、使用される基体200またはエアロゾル発生物品に対応するように選択され得る。言い換えれば、基体200または部分200aの外径は、LGR110の内径またはループ部分115の直径に実質的に相当し得る。例えば、ループ部分115の直径は、基体200または部分200aの直径よりもわずかに大きくてもよい。同様に、LGR110の長さは、LGR110またはループ115に挿入された部分200aの基体200の長さと実質的に合致するか、または相当し得る。
【0143】
例示的な内径は、約0.1cm~約10cm、例えば、約0.5cm~約5cm、例えば、約0.6cm~約1.2cmの範囲でありうる。管状本体114の壁の厚さは、約0.1mm~約2cm、例えば、約1mm~約5mm、例えば、約1.5mm~約4mmの範囲でありうる。LGR110の長さは、約0.1cm~約10cm、例えば、約0.5cm~約5cm、例えば、約0.8cm~約1.5cmの範囲でありうる。LGR110のギャップ117の幅は、約0.1mm~約5cm、例えば、約0.2mm~約1cm、例えば、約0.3mm~約3mmの範囲でありうる。
【0144】
品質係数は、例示的かつ非限定的な周波数範囲でありうる1~6GHzの周波数範囲において1600-2000程度でありうる。その中で、品質係数Qは、共振器によって貯蔵されるエネルギーと一秒当たりのエネルギー損失との間の比として与えられてもよい。他のLCR回路の平均Q値は通常数百の範囲内であるため、示されたQ値は、非常に高い場合があり、これは良好なエネルギー対損失比に相当し得る。
【0145】
LGR110の材料として、例えば、銅および/またはアルミニウムなどの任意の導電性材料を選択することができる。
【0146】
上述のように、LGR110は、
図5Bに示すように、少なくとも一つの供給ループ150によって供給または駆動され得る。供給ループ150によって、電流をLGR110に誘導結合することができる。供給ループ150は、長軸方向軸111に対してLGR110に同軸に、LGR110の端部または面に平行に、かつ/またはLGR110の端部の近くに配置され得る導電性ループを指しうる。供給ループ150には交流電流が供給されてもよく、ループ150の周りに交番磁界を生成することができ(ビオサバールの法則)、それ自体が、LGR110および/または管状本体114内を横方向に流れる渦電流を生成することができる(ファラデーの法則)。次いで、これらの渦電流は、LGR110の中心またはループ115における均一な交番磁界、および/またはギャップ117における交番電界を発生することができる。
【0147】
供給ループ150は、例えば、同軸ケーブルを使用して、その一部分からループを形成し、この部分で外側コンダクタ、ならびに外側ジャケットおよび絶縁層を除去することによって形成され得る。ループまたは同軸ケーブルの中央ケーブルは、同軸ケーブルの外側コンダクタの残りの部分と短絡することがある。次いで同軸ケーブルの中央ケーブルおよび外側コンダクタは、その間に交流電流を発生し得る二つの電気端子を提供することができる。こうした設計では、供給ループのループ部分のみが、磁界を発生しうる一方、同軸ケーブルの他の部分は、同軸特性のために遮蔽されうる。
【0148】
ループ150に流れる交流電流の周波数は、LGR110の管状本体114に発生される交流(電界)磁界の周波数に対応するか、または少なくともそれに比例し得る。
【0149】
図6は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生システム500を示す。別段の記載がない限り、
図6のエアロゾル発生システム500は、
図1~5Bを参照して記載したエアロゾル発生装置12、100、およびシステム10、500と同じ特徴、機能および要素を備える。
【0150】
図6では、例示的なエアロゾル発生システム500の斜視図および断面図が示されており、エアロゾル発生装置100と、基体部分200aおよびマウスピース204を有する基体200を含む、実質的に円筒形または棒状の形状の消耗品またはエアロゾル発生物品202とを備える。基体の部分200aがLGR110のループ115に収容されてもよく、誘導加熱に基づいてLGR110によって加熱され得るように、エアロゾル発生物品202は、少なくとも部分的にエアロゾル発生装置100内に挿入されてもよい。その中で、LGR110は、上述のように、LGR110の端部もしくは底部に配置された少なくとも一つの供給ループ150および/または電磁波発生器によって駆動されてもよい。
【0151】
任意選択で、LGR110のギャップを使用して、上述のように、マイクロ波加熱に基づいて基体200のさらなる部分200b(図示せず)を加熱してもよい。
【0152】
図7は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生物品202を示す。別段の記載がない限り、エアロゾル発生物品は、
図1~6を参照して記載したエアロゾル発生物品14、202と同じ特徴、機能および要素を備える。
【0153】
これに限定するものではないが、
図7のエアロゾル発生物品202は、特に前の図を参照して記載されるように、ループギャップ共振器110を含むエアロゾル発生装置100内またはその併用に特に適しているか、またはそれとともに使用するよう構成されてもよい。
【0154】
エアロゾル発生物品202は、エアロゾル発生装置100のループギャップ共振器110のループ115に嵌合するように配置および/または形成される第一の部分202a、ならびにループギャップ共振器110のギャップ117に嵌合するように配置および/または形成される第二の部分202bを含む。任意選択で、LGR110は、エアロゾル発生物品202内に組み込まれ得る。
【0155】
物品202の第一の部分202aは、実質的に円筒形状とすることができる。別の方法としてまたは追加的に、物品202の第二の部分202bは、例えば、
図5Aおよび5Bを参照して記載するように、実質的に棒状の形状であり、かつ/または平行六面体に形成されうる。
【0156】
図7に見られるように、エアロゾル発生物品202は、鍵状の形状であってもよく、部分202bは、鍵の一部を形成してもよく、または構成してもよい。言い換えれば、第二の部分202bは、エアロゾル発生物品200の第一の部分202aからフィン状に突出することができる。
【0157】
さらに、第一の部分202aは、エアロゾルを発生するように加熱されるように構成された第一のエアロゾル発生基体200aを含むことができ、第二の部分202bは、エアロゾルを発生するように加熱されるように構成された第二のエアロゾル発生基体200bを含むことができ、第二のエアロゾル発生基体200bは、第一のエアロゾル発生基体200aとは異なる。例えば、第一のエアロゾル発生基体200aは、LGR110を使用した誘導加熱に基づいて第一のエアロゾル発生基体200aを加熱するように構成されたサセプタまたはサセプタ材料を含むことができ、任意選択で、第二の基体200bは、サセプタまたはサセプタ材料を含まない場合がある。さらに、第二のエアロゾル発生基体200bは、LGR110を使用したマイクロ波加熱に基づいて加熱されるように構成され得る。別の方法としてまたは追加的に、第一のエアロゾル発生基体200aおよび第二のエアロゾル発生基体200bは、湿度、タバコのタイプ、風味、および味覚のうちの一つ以上で異なることがある。
【0158】
エアロゾル発生物品202はさらに、マウスピース204と、エアロゾルをマウスピース204に向かって移動させ、かつ/またはマウスピース204に向かって流れる空気をフィルタリングするように構成される気流経路207および/または任意のフィルタ部分207を含む。
【0159】
任意選択で、気流経路207は、エアロゾル発生物品202の第一の部分202aに結合され、エアロゾル発生物品202の第一の部分202aで発生されたエアロゾルをマウスピース204に向かって移動するように構成される、第一の流路部分207aを含み得る。さらに、気流経路207は、エアロゾル発生物品202の第二の部分202bに結合され、エアロゾル発生物品202の第二の部分202bで発生されたエアロゾルをマウスピース204に向かって移動するように構成される、第二の流路部分207bを含み得る。その中で、第二の流路部分207bは、エアロゾル発生物品202の第一の部分202aと第二の部分202bで発生されるエアロゾルが、マウスピース204に向かって移動したときに混合され得るように、マウスピース204の上流の第一の流路部分207aに結合されることができる。
【0160】
要約すると、鍵状の消耗品またはエアロゾル発生物品202が提供されてもよく、物品の異なる部分202a、202bで基体200a、200bを使用することが可能になり、基体200aはサセプタ材料を含んでもよく、誘導加熱によって加熱されるように構成されてもよく、基体200bはサセプタ材料を含まなくてもよく、マイクロ波加熱に基づいて加熱されるように構成されてもよい。物品202の部分202aは、LGRのループ115に挿入されることができ、物品202の部分202bは、LGR110のギャップ117に挿入されることができる。エアロゾル発生物品202またはその中に配置される基体部分200a、200bのこのような二つの別個のまたは異なる部分202a、202bは、個々の要求に従って調整され得る、異なる味覚、送達速度などを提供することができる。任意選択で、気流経路または流路部分207a、207bは、物品202で発生されたエアロゾルをマウスピース204に向かって誘導することができ、ここでユーザーはエアロゾルを吸入することができる。
【0161】
図8Aおよび8Bは、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置100またはシステム500のためのループギャップ共振器110を示す。
図8Aおよび
図8Bのループギャップ共振器110は、
図3~7を参照して説明した装置100またはシステム500のいずれかで使用されうる。別段の記載がない限り、
図8Aおよび8Bのループギャップ共振器110は、
図3~7のいずれかを参照して記載されるループギャップ共振器110と同じ特徴、機能および要素を含む。
【0162】
図8Aおよび8Bに図示されるLGR110は、トロイダルLGR110である。こうしたトロイダルLGR110は、例えば
図5Aおよび5Bに示すように、管状または円筒形LGR110の二つの端部を接合して、閉鎖構造を形成することによって取得することができる。その中で、磁界は、トロイダルまたはドーナツ形状の共振器またはトロイダルLGR110のループ115内に限定されてもよく、ギャップ117は、その内側または外側の周囲に形成され、トロイダルループ115の周囲の少なくとも一部に沿って延在することができる。
【0163】
LGR110に供給または駆動するために、一つ以上の供給ループ150を、LGR110のループ115またはループ部分115内に配置することができる。供給ループ150は、上述のように、電源回路160および/または外部電源装置250によって駆動されてもよい。
【0164】
図8Bでは、ループ150内に配置された基体200の少なくとも一部または部分も示されている。基体200は、サセプタまたはサセプタ材料を含んでもよく、ループ115内の交番磁界によって加熱されるように構成されてもよい。その中で、基体材料が販売され、および/または液体であってもよい。特に、固体のドーナツ状またはリング状の形状の基体200は、そのループ115のLGR110内に配置されて、エアロゾルを発生してもよい。
【0165】
別の方法としてまたは追加的に、基体200またはさらなる基体または基体部分は、LGR110のギャップ117に配置されてもよく、前の図を参照して記載したように、マイクロ波加熱によって加熱されるように構成されてもよい。また、こうした基体200は、固体および/または液体基体材料を含んでもよく、こうした基体は、ギャップ117に嵌合するように実質的にリング状の形状であってもよい。
【0166】
また、トロイダルLGR110は、
図4を参照して記載されるように、エアロゾル発生装置100に特に使用されうることに留意されたい。こうしたトロイダルLGR110は、カートリッジ130内に組み込まれ、例えば、液体基体を加熱するために使用することができ、基体は例えば適切な配管または管を使用することによって、ループ115および/またはギャップ117に向かって、またはループ115および/またはギャップ117を通して誘導してもよい。
【0167】
図9A~9Cは、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置100を示す。
図9Aは、斜視図を示し、
図9Bおよび9Cはそれぞれ、LGR110の異なる設計に対する断面図を示す。別段の記載がない限り、
図9A~9Cのエアロゾル発生装置100は、
図3~8Bを参照して記載したエアロゾル発生装置100およびシステム500と同じ特徴、機能およびは要素を備える。
【0168】
エアロゾル発生装置100は、組み込まれたLGR110を有するエアロゾル発生物品202に実質的に対応するか、またはエアロゾル発生物品202とみなすことができる。エアロゾル発生装置100は、基体200または基体200で充填され、LGR110のループ115に配置され得る一部分を備える。
【0169】
図9A~9Cに示す例では、LGR110は、導電性材料のホイルによって形成されることができ、そのホイルは、基体200の周りまたは基体200で充填され得る部分の周りに巻かれることができる。例えば、アルミ箔などのホイルの細片は、基体200の外表面または基体200で充填可能な装置の部分に少なくとも部分的に巻き付けられてもよい。別の方法としてまたは追加的に、例えば、基体200の外側または対応するエアロゾル発生装置100または物品204を形成するなど、紙または絶縁体ラッパーの内側に、ホイルの細片を配置することができる。
【0170】
図9Bに示す例では、管状または円筒形LGR110が形成されるように、箔は基体200の周囲の一部のみの周りに巻かれる。
図9Cに示す例では、
図9Bの例のギャップ117を形成する部分がLGR110の円周方向に沿って重なり、それに対して横方向に互いに離間するように、箔は基体200の周りに巻かれる。したがって、
図9Cに示すLGR110は、スパイラルLGR110を構成し得る。
【0171】
任意選択で、少なくとも一つの供給ループは、エアロゾル発生装置100および/またはそれに対応するエアロゾル発生物品内に組み込まれることができる。
【0172】
図10は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置100を示す。別段の記載がない限り、
図10のエアロゾル発生装置100は、
図3~9Cを参照して記載したエアロゾル発生装置100およびシステム500と同じ特徴、機能および要素を備える。
【0173】
図9Cに示す装置100と同様に、
図10のエアロゾル発生装置100は、基体200を加熱し、エアロゾルを発生するためのスパイラルLGR110を含む。こうしたスパイラルLGR110は、例えばアルミニウムなどの導電性材料のシートを一方の面と他方の紙上に作製し、これを
図10に示すようにスパイラル形状に包むことによって形成することができる。LGR110の壁の間に、基体200が配置され、加熱されてもよい。
【0174】
図11は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置100を示す。別段の記載がない限り、
図11のエアロゾル発生装置100は、
図3~10を参照して記載したエアロゾル発生装置100およびシステム500と同じ特徴、機能および要素を備える。
【0175】
図11に示す例では、LGR110はマルチギャップLGR110であり、例示的には四つのギャップ117a、117dを含む。任意の他の数のギャップ117a~dが考えられる。ギャップ117a~dは、LGR110の中心軸または長軸方向軸111に対して対称に配置され得ることが好ましい。こうした対称的な配置は、各スリットまたはギャップ117a~dが他のスリットまたはギャップ117a~dに及ぼし得る電界の影響を補償することを可能にしうる。さらに、複数のギャップ117a~117dは、LGR110のループ115内にさらに磁界を閉じ込めることを可能にし得る。
【0176】
こうしたLGR110を使用して、基体200またはその一部分が、LGR110のループ115の一つ以上およびギャップ117a~dのうちの一つ以上で加熱されてもよい。また、同じまたは異なるタイプの複数の基体を使用することができる。
【0177】
図12は、エアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置100を示す。別段の記載がない限り、
図12のエアロゾル発生装置100は、
図3~11を参照して記載したエアロゾル発生装置100およびシステム500と同じ特徴、機能および要素を備える。
【0178】
図12に示す例では、LGR110はマルチループLGR110であり、例示的には二つのループ115a、115bおよび単一のギャップ117を含む。ループ115a、115bまたはギャップ117の任意の他の数も、考えられる。
【0179】
こうしたLGR110を使用して、基体200またはその一部分が、LGR110のループ115a、115bおよび少なくとも一つのギャップ117のうちの一つ以上で加熱されてもよい。また、同じまたは異なるタイプの複数の基体を使用することができる。
【0180】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」または「実質的に」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。したがって、この文脈では、数AはA±20%として理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の事例において、それによってAが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙される割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。
【0181】
本発明は、図面および上記の説明で詳細に例示および説明されているが、そのような例示および説明は、例示的または代表的であり、限定するものではなく、本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の研究から、当業者によって理解され、かつ影響を及ぼされ得、および特許請求の範囲の実践であり得る。
【0182】
特許請求の範囲において、「含む、備える(comprising)」という単語は、それ以外の要素またはステップを除外するものではなく、また不定冠詞「a」もしくは「an」は、複数であることを除外するものではない。特定の尺度が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの尺度の組み合わせが有利に使用されることができないことを示唆していない。特許請求の範囲のいかなる参照符号も、その範囲を限定していると解釈されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱することによってエアロゾルを発生するように構成されたエアロゾル発生装置であって、前記エアロゾル発生装置が、
エアロゾルを発生するために、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を加熱するように構成されたループギャップ共振器を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記ループギャップ共振器が、誘導加熱およびマイクロ波加熱の一方または両方に基づいて、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を加熱するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記ループギャップ共振器の少なくとも一部分が、前記ループギャップ共振器のループを形成し、前記ループが、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を受けるように構成され、
前記ループギャップ共振器が、前記ループギャップ共振器の前記ループ内の交番磁界を発生することに基づいて、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を加熱するように構成される、請求項1~2のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記ループギャップ共振器の少なくとも二つの部分が、互いに対向して配置され、互いに離間しており、その結果、前記少なくとも二つの部分が前記ループギャップ共振器のギャップを形成し、前記ギャップが、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を受けるように構成され、
前記ループギャップ共振器が、前記ループギャップ共振器の前記ギャップ内の交番電界を発生することに基づいて、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を加熱するように構成される、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記ループギャップ共振器が、円筒形ループギャップ共振器、管状ループギャップ共振器、トロイダルループギャップ共振器、スパイラルループギャップ共振器、マルチループループギャップ共振器、およびマルチギャップループギャップ共振器のうちの少なくとも一つである、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記ループギャップ共振器が、前記エアロゾル発生基体で少なくとも部分的に充填可能であるか、または充填されるカートリッジに少なくとも部分的に配置され、
前記カートリッジが、(a)前記ループギャップ共振器を駆動するように構成された外部電源装置に、かつ/または(b)前記エアロゾル発生装置の電源回路に連結可能であり、前記電源回路が、前記ループギャップ共振器を駆動するように構成される、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記ループギャップ共振器の少なくとも一部分に渦電流を誘導するように構成される、かつ/または前記ループギャップ共振器の少なくとも一部分に電磁振動を励起するように構成される、少なくとも一つの導電供給ループをさらに含む、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記ループギャップ共振器を駆動して、前記ループギャップ共振器の少なくとも一部分の電磁振動を励起することに基づいて、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を加熱するように構成される、電源回路をさらに含む、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記電源回路が、前記ループギャップ共振器を駆動するように構成され、その結果、前記ループギャップ共振器のループ内で交番磁界が発生され、前記ループが前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を受けるように構成され、かつ/または
前記電源回路が、前記ループギャップ共振器を駆動するように構成され、その結果、前記ループギャップ共振器のギャップ内に交番電界が発生され、前記ギャップが前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を受けるように構成される、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記電源回路が、誘導カップリングに基づいて前記ループギャップ共振器を駆動するように構成される、請求項8または9のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記電源回路が、少なくとも一つの導電供給ループを含み、
前記電源回路が、前記少なくとも一つの供給ループに交流電流を供給することに基づいて、前記ループギャップ共振器を駆動するように構成される、請求項8~10のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記少なくとも一つの供給ループが、前記ループギャップ共振器のループと同軸に配置される、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記電源回路が、前記ループギャップ共振器の共振周波数またはその近傍で、前記ループギャップ共振器の電磁振動を励起するように構成される、請求項8~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記ループギャップ共振器が管状本体を含み、前記管状本体が、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を受けるように構成された前記ループギャップ共振器のループを画定し、
前記ループギャップ共振器が、前記ループギャップ共振器の前記ループ内の交番磁界を発生することに基づいて、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を加熱するように構成される、請求項1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記ループギャップ共振器が、スリットを有する管状本体を含み、前記スリットが、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を受けるように構成された前記ループギャップ共振器のギャップを画定し、
前記ループギャップ共振器が、前記ループギャップ共振器の前記ギャップ内の交番電界を発生することに基づいて、前記エアロゾル発生基体の前記少なくとも一部を加熱するように構成される、請求項1~14のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項16】
エアロゾル発生基体の少なくとも一部を加熱するためのエアロゾル発生装置におけるループギャップ共振器の使用。
【請求項17】
エアロゾル発生装置用のエアロゾル発生物品であって、前記エアロゾル発生物品が、
前記エアロゾル発生装置のループギャップ共振器のループに嵌合するように配置され、かつ/または形成される第一の部分と、
前記ループギャップ共振器のギャップに嵌合するように配置され、かつ/または形成される第二の部分のうちの少なくとも一つを備える、エアロゾル発生物品。
【請求項18】
前記エアロゾル発生物品の前記第一の部分および前記第二の部分の一方または両方を加熱するように構成されたループギャップ共振器をさらに含む、請求項17に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項19】
前記第一の部分が実質的に円筒形状である、請求項17~18のいずれかに記載のエアロゾル発生物品。
【請求項20】
エアロゾル発生システムであって、
請求項1~15のいずれかに記載のエアロゾル発生装置を備え、前記システムが、好ましくは請求項17~19のいずれかに記載のエアロゾル発生物品を備える、エアロゾル発生システム。
【国際調査報告】