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特表2024-505654フロントガード機構及びそれを備えたベビーカー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-07
(54)【発明の名称】フロントガード機構及びそれを備えたベビーカー
(51)【国際特許分類】
   B62B 9/24 20060101AFI20240131BHJP
【FI】
B62B9/24 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547104
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2022053266
(87)【国際公開番号】W WO2022171747
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】202110188163.7
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン、リウ
(72)【発明者】
【氏名】ヂゥー、ワンチュアン
(72)【発明者】
【氏名】グオ、ヂァンウェン
【テーマコード(参考)】
3D051
【Fターム(参考)】
3D051AA02
3D051BA03
3D051CD01
3D051CD04
3D051DD07
(57)【要約】
【課題】フロントガード機構及びこのフロントガード機構を備えたベビーカーの提供。
【解決手段】本願によれば、ベビーカーのフロントガード機構は、収容空間を有するケースと、自由端及び回動端を有し、回動端がケースに回動可能に連結されたフロントガード連結部と、ケースの収容空間内に配置され、一端がケースに連結され、他端がフロントガード連結部に連結された弾性部材とを備える。なお、フロントガード連結部は、ポップアップ位置と押下位置との間で回動し、フロントガード連結部の自由端は、ポップアップ位置でケースから離れて、押下位置でケースに近接し、弾性部材は、フロントガード連結部をポップアップ位置に向けて付勢するように配置され、弾性部材の作用に打ち勝つ外力が加えられた場合には、フロントガード連結部は、ポップアップ位置から押下位置に回動できる。また、フロントガード機構を備えたベビーカーも開示されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントガード機構であって、
収容空間を有するケースと、
自由端及び回動端を有し、前記回動端が前記ケースに回動可能に連結されたフロントガード連結部と、
前記ケースの前記収容空間内に配置され、一端が前記ケースに連結され、他端が前記フロントガード連結部に連結された弾性部材と、を備え、
前記フロントガード連結部は、ポップアップ位置と押下位置との間で回動し、
前記フロントガード連結部の自由端は、前記ポップアップ位置で前記ケースから離れて、前記押下位置で前記ケースに近接し、
前記弾性部材は、前記フロントガード連結部を前記ポップアップ位置に向けて付勢するように配置され、
前記弾性部材の作用に打ち勝つ外力が加えられた場合には、前記フロントガード連結部は、前記ポップアップ位置から前記押下位置に回動できる、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項2】
請求項1に記載のフロントガード機構において、
前記フロントガード連結部の前記回動端は平板状であり、フロントガードピボット孔が設けられ、
前記ケースにはフロントガード取付部が配置され、前記フロントガード取付部は、前記フロントガード連結部に対向する前記ケースの一側から突出する対向する2つの板状アームを有し、前記回動端は、前記フロントガード取付部の前記対向する2つの板状アームの間に挿入され、
前記対向する2つの板状アームは、前記フロントガードピボット孔に対応するケースピボット孔を有し、前記フロントガード取付部の前記フロントガードピボット孔及び前記フロントガード取付部のケースピボット孔には、フロントガードピボットが設けられている、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項3】
請求項1または2に記載のフロントガード機構において、
前記弾性部材は引っ張りバネであり、
前記回動端は弾性部材孔を有し、前記弾性部材の前記他端は前記弾性部材孔に連結され、前記フロントガード連結部を前記ポップアップ位置に向けて付勢する張力を作用させる、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項4】
請求項1に記載のフロントガード機構において、
前記フロントガード連結部の前記回動端は、略円筒状のフロントガードボックスであり、
前記フロントガードボックスは、底壁と、前記底壁を取り囲む環状の内側壁と、前記底壁に配置されたフロントガードピボット孔とを有し、
前記ケースは、前記フロントガードボックスに対応する略円筒状のケースボックスを有し、
前記ケースボックスは、底壁と、前記底壁を囲む環状の内側壁と、前記フロントガードピボット孔に対応する底壁に設けられたケースピボット孔とを有し、
フロントガードピボットが、前記フロントガードピボット孔及び前記ケースピボット孔に設けられることで、前記フロントガードボックスと前記ケースボックスとが係合して、閉空間を形成する、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項5】
請求項4に記載のフロントガード機構において、
前記ケースボックスの前記環状内側壁の近傍において、前記ケースボックスの底壁から前記フロントガードボックスに向けて突出したケース位置決めセクターが形成され、
前記フロントガードボックスの前記環状内側壁の近傍において、前記フロントガードボックスの底壁から前記ケースボックスに向けて突出したフロントガード位置決めセクターが形成され、
前記フロントガード連結部がポップアップ位置にあるときには、前記ケース位置決めセクターの一側が前記フロントガード位置決めセクターに当接することにより、前記フロントガード連結部が前記押下位置に向けて回動し、前記フロントガード連結部が押下位置にあるときに、前記ケース位置決めセクターの他方側が前記フロントガード位置決めセクターに当接することにより、前記フロントガード連結部が前記ポップアップ位置に向けて回動する、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項6】
請求項5に記載のフロントガード機構において、
前記ケース位置決めセクター及び前記フロントガード位置決めセクターは、いずれもその環状内側壁に対して扇形であり、前記フロントガードピボットを中心として径方向に延びる側壁を有し、前記ケース位置決めセクターが前記フロントガード位置決めセクターに当接すると、前記ケース位置決めセクターの側壁は、前記フロントガード位置決めセクターの側壁に接触する、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のフロントガード機構において、
前記ケース位置決めセクターと前記フロントガード位置決めセクターは、それぞれ、前記フロントガードピボットを中心として周方向に均等に2個以上配設されている、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項8】
請求項4から7のいずれか1項に記載のフロントガード機構において、
前記弾性部材は、前記フロントガードピボットの外周に巻き付けられたねじりバネであり、前記弾性部材は、一端が前記ケースボックスに当接し、他端が前記フロントガードボックスに当接する、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項9】
請求項4から8のいずれか1項に記載のフロントガード機構において、
前記弾性部材は、前記フロントガードピボットを囲んで、前記ケースボックス及び前記フロントガードボックスに充填された弾性材料であり、前記弾性部材の両端がそれぞれ前記ケース位置決めセクターと前記フロントガード位置決めセクターに当接し、前記フロントガード連結部が前記押下位置に向かって移動すると、前記弾性部材が圧縮されて付勢力を付与する、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のフロントガード機構において、
前記ケースは、アウターケースとインナーケースとを有し、
前記アウターケースは、前記インナーケースに係合して、前記ケースの前記収容空間を形成し、前記フロントガード連結部は、前記アウターケースに配置されている、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項11】
請求項10に記載のフロントガード機構において、
前記アウターケースと前記インナーケースは、ベビーカーの前後方向に沿って延在する帯状の部材であり、
前記アウターケースと前記インナーケースの一方には、底壁と側壁が設けられ、他方には、側壁が設けられる、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項12】
請求項4から11のいずれか1項と任意に組み合わせた請求項3に記載のフロントガード機構において、
前記弾性部材の一端は、前記ケースの内部の弾性部材固定部に固定的に連結され、
前記弾性部材孔は、前記フロントガード連結部の前記回動端に位置し、そして、前記フロントガードピボットよりも前記弾性部材固定部に近くに位置し、
前記ベビーカーの水平方向から見たときに、前記弾性部材孔は、前記弾性部材固定部と前記フロントガードピボットとの間に位置し、
前記ベビーカーの上下方向から見たときに、前記弾性部材孔は、前記フロントガードピボットよりも前記フロントガード連結部の自由端から離れている、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載のフロントガード機構において、
前記フロントガード連結部と前記ケースとの間には、前記フロントガード連結部が回転して、前記ポップアップ位置を超えることを防止する制限部材が設けられている、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項14】
請求項6から13のいずれか1項と任意に組み合わせた請求項5に記載のフロントガード機構において、
前記フロントガード位置決めセクターは、前記フロントガードボックスの底壁から隆起したブロック部品であり、
前記フロントガード位置決めセクターは、前記底壁に平行な方向に扇形の断面を有し、前記底壁に垂直な方向にストレート状の側面を有する、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項15】
請求項6から14のいずれか1項と任意に組み合わせた請求項5に記載のフロントガード機構において、
前記フロントガード位置決めセクターは、前記フロントガードボックスの側壁を超えて前記ケースボックスに挿入される高さまで隆起する、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項16】
請求項6から15のいずれか1項と任意に組み合わせた請求項5に記載のフロントガード機構において、
前記フロントガードボックスには、周方向に180度間隔で配置された第1フロントガード位置決めセクター及び第2フロントガード位置決めセクターを含む2つのフロントガード位置決めセクターが設けられ、
前記ケースボックスには、周方向に180度間隔で配置された第1ケース位置決めセクター及び第2ケース位置決めセクターを含む2つのケース位置決めセクターが設けられている、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項17】
請求項16に記載のフロントガード機構において、
前記フロントガード位置決めセクターと前記ケース位置決めセクターとが互い違いに配置され、前記フロントガード位置決めセクターの側壁と前記ケース位置決めセクターの側壁とが当接して、前記フロントガード連結部と前記ケースとの相対回転を規制する、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項18】
請求項6から17のいずれか1項と任意に組み合わせた請求項5に記載のフロントガード機構において、
前記フロントガード位置決めセクター及び前記ケース位置決めセクターは、それぞれ前記底壁に垂直な平板状に設けられている、
ことを特徴とするフロントガード機構。
【請求項19】
ベビーカーであって、
フレームと、
前記フレームの下方に位置して進行方向を与える車輪と、
前記フレームに配置されたシートフレームと、を備え、
前記シートフレームは、
2つのサイドフレームであって、それぞれ前記フレームの両側に位置し、前記ベビーカーの進行方向に沿って延在する2つのサイドフレームと、
フロントガードであって、前記2つのサイドフレームに配置され、前記2つのサイドフレームの間に延びる水平部と、前記水平部の両端から前記2つのサイドフレームにそれぞれ連結された2つの立設部とを有するフロントガードと、
前記フロントガードの前記2つの立設部と前記2つのサイドフレームとの連結部にそれぞれ設けられた2つの請求項1~18のいずれか1項に記載のフロントガード機構と、を備え、
前記フロントガード連結部は、前記フロントガードの立設部に固定され、前記ケースは、前記サイドフレームに固定されている、
ことを特徴とするベビーカー。
【請求項20】
請求項19に記載のベビーカーにおいて、
前記立設部は、前記フレームに連結されるように、下方かつ後方に傾斜して延びている、
ことを特徴とするベビーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、フロントガード機構及びこのフロントガード機構を備えたベビーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
ベビーカーは、日常生活において広く使われるキャリアである。ベビーカーは、通常、フレームと、車輪と、シートと、フロントガードとを備える。このうち、フレームはベビーカーのメインフレームを構成し、車輪は、フレームの下方に設置され、走行機能を発揮し、シートは、フレームにセットされ、ベビーを着座させ、フロントガードは、シートの前方に配置され、ベビーをサポートし、保護機能を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、フロントガードは、一般的に、プラスチック等の剛性材料からなる硬式フロントガードと、布等の可撓性材料をシート前方に吊下げて形成された軟式フロントガードとに分けられる。幾つかの環境では、硬式フロントガードと軟式フロントガードとの間の新たなフロントガードを設けることが望ましい。このフロントガードは、剛性材料で形成されるが、ある程度の可動性を有するため、シートに座っている子供にとってより快適な環境を提供することができ、子供のベビーカーへの出入りを容易にすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願によれば、ベビーカーのフロントガード機構は、収容空間を有するケースと、自由端及び回動端を有し、前記回動端が前記ケースに回動可能に連結されたフロントガード連結部と、前記ケースの前記収容空間内に配置され、一端が前記ケースに連結され、他端が前記フロントガード連結部に連結された弾性部材とを備える。なお、前記フロントガード連結部は、ポップアップ位置と押下位置との間で回動し、前記フロントガード連結部の自由端は、前記ポップアップ位置で前記ケースから離れて、前記押下位置で前記ケースに近接し、前記弾性部材は、前記フロントガード連結部を前記ポップアップ位置に向けて付勢するように配置され、前記弾性部材の作用に打ち勝つ外力が加えられた場合には、前記フロントガード連結部は、前記ポップアップ位置から前記押下位置に回動できる。
【0005】
本願によれば、ベビーカーは、フレームと、前記フレームの下方に位置して進行方向を与える車輪と、前記フレームに配置されたシートフレームとを備え、前記シートフレームは、2つのサイドフレームであって、それぞれ前記フレームの両側に位置し、前記ベビーカーの進行方向に沿って延在する2つのサイドフレームと、フロントガードであって、前記2つのサイドフレームに配置され、前記2つのサイドフレームの間に延びる水平部と、前記水平部の両端から前記2つのサイドフレームにそれぞれ連結された2つの立設部とを有するフロントガードと、前記フロントガードの前記2つの立設部と前記2つのサイドフレームとの連結部にそれぞれ設けられた2つの請求項1~9のいずれか1項に記載のフロントガード機構と、を備え、前記フロントガード連結部は、前記フロントガードの立設部に固定され、前記ケースは、前記サイドフレームに固定されている。
【0006】
以下、本出願の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本出願の第1実施形態に係るベビーカーの構成フレームを示す図である。
図2】本出願の第1実施形態に係るベビーカーの構成フレームを示す図であり、シートフレーム及びフロントガードを明示するためにフレーム及び車輪を取り外されている。
図3図1のベビーカーのフロントガードとシートフレームとの間の回動接続部の部分拡大図であり、着脱可能なアウターケースを分解して示す図である。
図4図1のベビーカーのフロントガードとシートフレームとの間の回動接続部の部分拡大断面図であり、フロントガードがポップアップ位置にある状態を示している。
図5図1のベビーカーのフロントガードとシートフレームとの間の回動接続部の部分拡大断面図であって、フロントガードが押下位置にある状態を示す図である。
図6】本出願の第2実施形態に係るベビーカーの側面図であり、フロントガードがポップアップ位置にある。
図7】本出願の第2実施形態に係るベビーカーの側面図であり、フロントガードが押下位置にある。
図8図6のベビーカーのフロントガードとシートフレームとの間の回動接続部の部分拡大断面図である。
図9図6のベビーカーのフロントガードとシートフレームとの間の回動接続部の部分拡大図であり、ケース、フロントガード、フロントガード連結部及び弾性部材を分解して示している。
図10図6のベビーカーのフロントガードとケースとの間の回動接続部を別の角度から示す部分拡大図であり、ケースと弾性部材とが分解して示されている。
図11】本出願の第2実施形態に係るベビーカーの斜視図であり、フロントガードがポップアップ位置にある。
図12図11のベビーカーのフロントガードとシートフレームとの間の回動接続部の部分拡大図であり、ケースとフロントガード連結部とを分解して示し、フロントガード連結部に取付られた弾性部材も示している。
図13図11のベビーカーのフロントガードとシートフレームとの間の回動接続部の部分拡大断面図である。
図14図11のベビーカーのケースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を具体的な実施形態に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0009】
なお、本明細書でいう「前」、「後」、「上」、「下」と他の方向は、理解の便宜上のものであり、本発明はこれらの方向に限定されるものではなく、実際の条件に応じて調整することができる。
【0010】
本出願の第1実施形態について、図1から図5を参照して説明する。図1は、本出願の第1の実施形態に係るベビーカー100の構成フレームを示す。図2は、本願の第1の実施形態に係るベビーカー100の構成フレームを示しており、シートフレーム及びフロントガード130を明示するために、フレーム及び車輪が取り外されている。ベビーカー100は、フレームと、このフレームの下方に配置された車輪とを備えている。このフレームには、シートを設置するためのシートフレームが設置されている。なお、シートフレームの構造をより明確に示すために、シートは図示されていない。フロントガード130は、シートフレームの中央よりも前方に位置し、シートフレームと共に包囲形態を形成する。フロントガード130は、シートに座っている子供をサポートすることができ、また、子供がベビーカー100から不意に脱出することを抑制することもできる。フロントガード130は、水平部と、水平部の両端に連結された立設部とを有していてもよい。このうち、水平部は、フロントガード130のサポート機能を提供し、立設部は、斜め下方に延びてフレームに連結されている。本実施形態では、フロントガード130の立設部は、フロントガード機構によってシートフレームの両側に連結されている。両側のフロントガード機構は対称であってもよいので、以下では一方のフロントガード機構についてのみ説明する。
【0011】
本願において、フロントガード機構は、それぞれ、ケース110と、フロントガード連結部と、弾性部材140とを備える。
【0012】
図3を参照する。図3は、図1のベビーカー100のフロントガード130とシートフレームとの間の回動接続部の部分拡大図であり、シートの側部の着脱可能なアウターケース110aを分解して示している。ケース110は、インナーケース110bと、アウターケース110aとを有する。このうち、インナーケース110bは、フレームの内側に寄せられてフレームに連結され、またはフレームの一部とし、インナーケース110bにアウターケース110aが係合して、内部収容空間を有する完全ケース110が形成されている。アウターケース110aのフロントガード連結部120に対向する側には、フロントガード取付部115が設けられている。フロントガード取付部115は、対向する2つの板状のアームを有し、2つの板状のアームは、アウターケース110aの底壁と略平行である。
【0013】
フロントガード連結部120は、略棒状であり、対向する自由端と回動端を備える。自由端は、フロントガード130の一方の立設部に連結され、回動端は、ケース110に連結されている。フロントガード連結部120の回動端は、平板状に形成されており、フロントガード取付部115の2つの板状アームの間に挿入されている。フロントガード取付部115の両アームには、対向するケースピボット孔111が設けられており、これにより、フロントガード連結部120の回動端には、回動端を貫通するフロントガードピボット孔(図示せず)が配設されており、フロントガードピボット121(図4)は、このケースピボット孔111及びフロントガードピボット孔を貫通して、フロントガード連結部120とケース110との間に回動連結を形成する。
【0014】
本実施形態では、インナーケース110b及びアウターケース110aの両方が、ベビーカー100の前後方向に沿って延在する帯状の部材である。一つの実施形態では、インナーケース110bは、底壁のみを有し、しかし、側壁を有しておらず、アウターケース110aは、底壁と、この底壁を囲む側壁とを有している。他の実施形態では、インナーケース110bとアウターケース110aとは、2つのケースの形状が対応して収容空間を形成する形状であれば、他の形状であってもよい。他の実施形態では、インナーケース110bが、側壁を有し、アウターケース110aが側壁を有していなくてもよく、または、インナーケース110bとアウターケース110aの両方が側壁を有していてもよい。
【0015】
図3及び図4を参照する。本実施形態では、フロントガード機構は、弾性部材140を備えている。弾性部材140は、引っ張りバネであり、一端がケース110の内部の弾性部材固定部113に固定的に連結され、他端がフロントガード連結部120の弾性部材孔122に固定的に連結されている。本実施形態では、弾性部材固定部113は、インナーケース110bの底壁からアウターケース110aに向かって隆起するポストであり、弾性部材孔122は、フロントガード連結部120の回動端に位置し、フロントガードピボット121よりも弾性部材固定部113に近い。より具体的には、弾性部材孔122は、ベビーカー100の水平方向から見たときに、弾性部材固定部113とフロントガードピボット121との間に位置し、ベビーカー100の上下方向から見たときに、弾性部材孔122は、フロントガードピボット121よりもフロントガード連結部120の自由端から離れた位置にある。
【0016】
本実施形態では、ケース110の弾性部材固定部113は、ケース110の前端に位置している。他の実施形態では、弾性部材固定部113は、ケース110の後端に位置していてもよく、これにより、弾性部材140は、圧縮バネとして構成されていてもよい。また、種々の実施形態において、弾性部材140は、フロントガード連結部120をポップアップ位置に向けて付勢するように常時付勢されている。
【0017】
図4から図5を参照して、本願のフロントガード機構の動作モードについて説明する。図4は、図1のベビーカー100のフロントガード130とシートフレームとの間の回動接続部の部分拡大断面図であり、フロントガード130がポップアップ位置にある。図5は、図1のベビーカー100のフロントガード130とシートフレームとの間の回動接続部の部分拡大断面図であり、フロントガード130が押下位置にある。図示するように、フロントガード130がポップアップ位置にあるとき、フロントガード連結部120の自由端は、ケース110から離れており、フロントガード連結部120の弾性部材孔122は、ケース110の弾性部材固定部113に近接している。弾性部材140は、フロントガード130が外力によって押し下げられていない場合には、フロントガード連結部120をポップアップ位置に維持する傾向があり、フロントガード連結部120とケース110との間に図示しない規制部材が介在して、フロントガード連結部120が回転して、ポップアップ位置を超えることを防止する。フロントガード連結部120は、フロントガード130が外力によって押下されると、弾性部材140の付勢力に打ち勝って、押下位置に回動する。このとき、フロントガード連結部120の自由端は、ケース110に近接し、弾性部材孔122は、弾性部材固定部113から離れて、弾性部材140が伸長されている。外力がなくなると、弾性部材140の付勢により、フロントガード連結部120(及びフロントガード130)がポップアップ位置に戻り、フロントガード130の自動リセット機能が実現される。
【0018】
次に、図6から図10を参照して、本出願の第2の実施形態について説明する。図6は、本出願の第2実施形態に係るベビーカー200の側面図であり、フロントガード230がポップアップ位置にある。図7は、本出願の第2実施形態に係るベビーカー200の側面図であり、フロントガード230が押下位置にある。図8は、図6のベビーカー200のフロントガード230とケース210との間の回動接続部の部分拡大断面図である。第2の実施形態と第1の実施形態との相違点は、フロントガード連結部220とケース210とが、平坦な回動端及びフロントガード取付部115を介して互いに挿入しなくなり、フロントガードボックス225及びケースボックス215を介して互いに係合することにあり、以下に詳細に説明する。
【0019】
図9を参照する。図9は、図6のベビーカー200のフロントガード230とケース210との間の回動接続部の部分拡大図であり、ケース210、フロントガード230、フロントガード連結部220及び弾性部材240を分解して示している。図示するように、フロントガード連結部220の自由端には、略円筒状のフロントガードボックス225が設けられており、フロントガードボックス225は、底壁と、この底壁を囲む環状の側壁とを有している。底壁は、ベビーカー200の側面方向と略平行である。
【0020】
フロントガードボックス225の底壁の中央には、ポスト状のフロントガードピボット孔221が立設されており、このピボット孔とフロントガードボックス225の側壁との間にフロントガード位置決めセクターが配置されている。本実施形態では、フロントガード位置決めセクターは、それぞれ、フロントガードボックス225の底壁から隆起したブロック部品であり、底壁に平行な方向の断面が扇型であり、底壁に垂直な方向の側面がストレート状である。フロントガード位置決めセクターは、側壁を超える高さまで隆起し、フロントガードボックス225とは反対のケースボックス215に挿入される。本実施形態では、第1フロントガード位置決めセクター222と第2フロントガード位置決めセクター223の2つのフロントガード位置決めセクターが設けられている。第1フロントガード位置決めセクター222と第2フロントガード位置決めセクター223とは、フロントガードボックス225に180度の周方向間隔で配置されている。他の実施形態では、フロントガード位置決めセクターの形状は、ほかの形状、例えば、底壁に垂直な平板状であってもよい。他の実施形態では、フロントガード位置決めセクターの数は、ほかの数、例えば1つまたは2つ以上であってもよい。
【0021】
図10を参照する。図10は、図6のベビーカー200のフロントガード230とケース210との間の回動接続部の他の角度からの部分拡大図であり、ケース210と弾性部材240とが分解して示されている。図示するように、ケース210は、シートフレームに固定され、シートフレームから突出している。略円筒状のケースボックス215は、ケース210に配置され、フロントガードボックス225と対向し、フロントガードボックス225と同じ大きさを有している。また、ケースボックス215は、底壁と、この底壁を囲む環状の側壁とを有している。これにより、ケースボックス215とフロントガードボックス225とが互いに係合して、完全な円筒状の収容空間が形成される。
【0022】
ケースボックス215の中央にはケースピボット孔211が設けられており、図示しないピボットがフロントガードピボット孔221及びケースピボット孔211を貫通し、ケース210とフロントガード連結部220との間の回動連結が形成される。
【0023】
ケースボックス215は、ケース位置決めセクターを有している。ケース位置決めセクターの形状はフロントガード位置決めセクターの形状と同じであり、ケース位置決めセクターの数はフロントガード位置決めセクターの数に対応している。ケース位置決めセクターは、ケースボックス215の底壁から隆起して側壁を越えて、フロントガードボックス225に挿入される。
【0024】
フロントガード位置決めセクターとケース位置決めセクターとは互い違いに配置されており、フロントガード位置決めセクターの側壁とケース位置決めセクターの側壁とが当接して、フロントガード連結部220とケース210との相対回転を制限してもよい。すなわち、フロントガード連結部220(及びフロントガード230)がポップアップ位置にあるときには、フロントガード位置決めセクターとケース位置決めセクターとが当接して、フロントガード連結部220が回転してポップアップ位置を超えることを防止する(図8参照)。
【0025】
本実施形態では、弾性部材240は、ピボットの外周に巻き付けられたねじりバネであり、一端がケースボックス215に当接し、他端がフロントガードボックス225に当接し、フロントガード連結部220をポップアップ位置に向けて付勢するように付勢されている。
【0026】
本実施形態のフロントガード機構により、フロントガード230を押下し、自動的にリセットさせる機能を実現することができる。
【0027】
本出願の第3の実施形態について、図11から図14を参照して説明する。図11は、本出願の第3実施形態に係るベビーカー300の斜視図であり、フロントガード330がポップアップ位置にある。図12は、図11のベビーカー300のケース310とフロントガード330との間の回動接続部の部分拡大図であり、ケース310とフロントガード連結部320とが分解して示されており、フロントガード連結部320tに取付られた弾性部材340も示されている。図13は、図11のベビーカー300のフロントガード330とケース310との間の回動接続部の部分拡大断面図である。図14は、図11のベビーカー300のケース310の斜視図である。第3の実施形態と第2の実施形態は、ほとんどの部分が同一であり、以下では2つの実施形態の相違点について説明する。
【0028】
第3実施形態では、弾性部材340は、ねじりバネではなく、ブロック状又はハニカム状の弾性部材である。弾性部材340は、ピボットを囲み、ケースボックス315及びフロントガードボックス325に充填され、両側がそれぞれケース位置決めセクター及びフロントガード位置決めセクターの側壁に当接する。フロントガード連結部320(及びフロントガード330)が押下位置に向かって移動すると、弾性部材340が圧縮されて付勢力を提供し、フロントガード330に自動リセット機能を提供する。
【0029】
要するに、本願によれば、フロントガードを押圧で変位させることができ、押圧を除去した後に自動的にリセットさせることができる。
【0030】
以上、代表的な実施形態を用いて本出願を説明したが、技術用語は、説明的、例示的であって、制限的ではない。本出願は、その趣旨及び要旨を逸脱しない範囲で様々な形態で実施することができるので、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、最も広義に解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲またはその均等の範囲に含まれるすべての変更が、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
100,200,300 ベビーカー
110,210,310 ケース
110a アウターケース
110b インナーケース
111,211,311 ケースピボット孔
113 弾性部材固定部
212,312 第1ケース位置決めセクター
213,313 第2ケース位置決めセクター
115 フロントガード取付部
215,315 ケースボックス
120,220,320 フロントガード連結部
121 フロントガードピボット
122 弾性部材孔
221,321 フロントガードピボット孔
222,322 第1フロントガード位置決めセクター
223,323 第2フロントガード位置決めセクター
225,325 フロントガードボックス
130,230,330 フロントガード
140,240,340 弾性部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】