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特表2024-505664肺炎球菌コンジュゲートワクチン用のナノエマルションアジュバント組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-07
(54)【発明の名称】肺炎球菌コンジュゲートワクチン用のナノエマルションアジュバント組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/09 20060101AFI20240131BHJP
   A61K 39/385 20060101ALI20240131BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20240131BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20240131BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240131BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20240131BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20240131BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240131BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240131BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
A61K39/09
A61K39/385
A61K39/39
A61K9/107
A61K47/26
A61K47/06
A61K47/18
A61P11/00
A61P31/04
A61P37/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547152
(86)(22)【出願日】2022-02-02
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 US2022014812
(87)【国際公開番号】W WO2022169789
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】63/145,651
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.TRITON
3.BRIJ
4.SPAN
(71)【出願人】
【識別番号】522242018
【氏名又は名称】メルク・シャープ・アンド・ドーム・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ウィリアム・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】アール,パトリック・エル.
(72)【発明者】
【氏名】スークップ,ランダル・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】スキナー,ジュリー・エム.
【テーマコード(参考)】
4C076
4C085
【Fターム(参考)】
4C076AA17
4C076BB11
4C076BB15
4C076CC06
4C076DD08F
4C076DD09F
4C076DD15F
4C076DD23Z
4C076DD34F
4C076DD49F
4C076DD50Z
4C076DD51Z
4C076DD59F
4C076DD60Z
4C076DD63F
4C076DD67Z
4C076DD70F
4C076EE23F
4C076FF16
4C076FF43
4C076FF61
4C085AA03
4C085AA04
4C085AA38
4C085BA14
4C085BA38
4C085CC07
4C085CC21
4C085DD52
4C085DD86
4C085EE01
4C085EE03
4C085EE06
4C085FF12
4C085FF17
4C085GG01
4C085GG03
(57)【要約】
本発明は、全般的には、肺炎球菌疾患の予防に関する。より詳細には、本発明は、肺炎球菌コンジュゲートと安定ナノエマルション(SNE)とを含む組成物に関する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖-担体タンパク質コンジュゲートと安定ナノエマルション(SNE)とを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物であって、
前記SNEがソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを含む、組成物。
【請求項2】
前記SNEが6μg/mL~14mg/mLのSPAN-85、6μg/mL~14mg/mLのPS-20またはPS-80、および60μg/mL~34mg/mLのスクアレンを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記SNEがカチオン性脂質を更に含む、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
前記カチオン性脂質が(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミンである、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
30μg/mL~2.4mg/mLのカチオン性脂質を含む、請求項3または4記載の組成物。
【請求項6】
前記ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖-担体タンパク質コンジュゲートのそれぞれが、特定のストレプトコッカス・ニューモニエ血清型の多糖を含み、
前記ストレプトコッカス・ニューモニエ血清型が、血清型:
a)4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F;
b)1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F;
c)1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F;
d)1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F;
e)1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B;
f)1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B;
g)1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B;
h)3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
i)3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
j)3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
k)3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
l)3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
m)3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
n)3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
o)3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;ならびに
p)3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B
からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
前記担体タンパク質がCRM197である、請求項1~6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物における前記ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型が、4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fからなる、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物における前記ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型が、1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F 9からなる、請求項7記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物における前記ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型が、1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなる、請求項7記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物における前記ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型が、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなる、請求項7記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物における前記ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型が、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなる、請求項7記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物における前記ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型が、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなる、請求項7記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物における前記ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型が、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなる、請求項7記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物における前記ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型が、3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなる、請求項7記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物における前記ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型が、3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B 6からなる、請求項7記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物における前記ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)血清型が、3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B 7からなる、請求項7記載の組成物。
【請求項18】
前記SNEがPS-20を含む、請求項1~17のいずれか1項記載の組成物。
【請求項19】
pH5.1~7.0の5mM~40mMのヒスチジンおよび25mM~300mMのNaClを更に含む、請求項1~18のいずれか1項記載の組成物。
【請求項20】
pH約5.8の約20mMのヒスチジンおよび約75mMのNaClを更に含む、請求項1~18のいずれか1項記載の組成物。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか1項記載の組成物の免疫学的有効量を患者に投与することを含む、患者における肺炎球菌疾患の治療または予防方法。
【請求項22】
肺炎球菌疾患の治療または予防のための、請求項1~20のいずれか1項記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は肺炎球菌コンジュゲート(conjugate)ワクチン用のナノエマルションアジュバント組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
肺炎球菌疾患は、細菌ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)(肺炎球菌)によって引き起こされる感染症である。肺炎球菌血清型は、それによって異なる疾患症状を引き起こすことが公知であり、感染は、耳および副鼻腔の感染から肺炎および血流感染まで、様々な症状を引き起こしうる。肺炎球菌疾患は、特に高齢者および小児の間で、世界中で高い関連罹患率および死亡率を示す。現在、100個の莢膜多糖が特定されている(Ganaie,F.ら(2020)Clinical Science and Epidemiology,Vol.11,Issue 3,p.1-15)。これらの血清型はそれらの化学構造、血清学的応答および他の関連遺伝的突然変異によって区別される。
【0003】
1983年に、23価肺炎球菌ワクチンであるPNEUMOVAX(登録商標)(Merck Sharp & Dohme Corp.,a subsidiary of Merck & Co.,Inc.,Kenilworth,NJ,USA)が米国で承認された。このワクチンはT細胞非依存的応答による乳児における免疫原性の低下を示した。特に乳児におけるこの問題に対処するために、多糖を担体タンパク質に共有結合させることにより、免疫原性応答がT細胞依存的となった肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV)が開発された。2000年に、7価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであるPREVNAR(登録商標)(Wyeth Pharmaceuticals LLC,Collegeville,PA)が米国で承認された。2010年に、13価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであるPREVNAR13(登録商標)(Wyeth Pharmaceuticals LLC,Collegeville,PA)が米国で承認された。2021年に、15価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであるVAXNEUVANCE(登録商標)(Merck Sharp & Dohme Corp.,a subsidiary of Merck & Co.,Inc.,Kenilworth,NJ,USA)、および20価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであるPREVNAR20(登録商標)(Wyeth Pharmaceuticals LLC,Collegeville,PA)も米国で承認された。他の多価PCVも公知であり、世界中で認可されている。
【0004】
認可されたPCVは、現在、免疫原性を増強するためのアジュバントとしてアルミニウム含有誘導体を利用している。アルミニウムアジュバントが免疫原性応答をベースラインから増強するとしても、免疫原性応答が、特に乳児においては、より高い価数のPCVに十分であるかどうかは不明である。したがって、現在のアルミニウムアジュバント標準物と比較して、多価PCVの場合に免疫原性を増強しうる他のアジュバントを特定することが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
発明の概括
本発明は、全般的には、肺炎球菌疾患の予防に関する。より詳細には、本発明は、肺炎球菌コンジュゲートと安定ナノエマルション(SNE)アジュバント製剤とを含む、ワクチンとして投与される組成物に関する。本開示は、とりわけ、乳化剤および/または可溶化剤および/または界面活性剤および/または脂質を含むSNEを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。本開示は、とりわけ、界面活性剤および/またはテルペンおよび/またはカチオン性脂質またはそれらの混合物を含むSNEを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。本開示は、とりわけ、ソルビタンエステルおよび/またはテルペンおよび/またはカチオン性脂質またはそれらの混合物を含むSNEを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。本開示は、とりわけ、ソルビタンエステル、特にポリソルベート-20もしくはポリソルベート-80またはポロクサマー、および/またはテルペンおよび/またはカチオン性脂質またはそれらの混合物を含むSNEを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。本開示は、とりわけ、ソルビタンエステル、特にポリソルベート-20もしくはポリソルベート-80またはポロクサマー、および/またはテルペンおよび/またはカチオン性脂質またはそれらの混合物を含むSNEを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。本開示は、とりわけ、ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20またはポリソルベート-80、テルペンおよび所望により使用されてもよいカチオン性脂質を含むSNEを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。本開示は、とりわけ、ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20またはポリソルベート-80、スクアレンおよび所望により使用されてもよいカチオン性脂質を含むSNEを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。本開示は、とりわけ、ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20またはポリソルベート-80、スクアレンおよびカチオン性脂質を含むSNEを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。本開示は更に、とりわけ、1)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、2)ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、3)スクアレン、および所望により使用されてもよい4)カチオン性脂質を含むSNEアジュバント製剤を含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。特定の肺炎球菌コンジュゲート組成物は、1)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、2)ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、3)スクアレン、および4)カチオン性脂質(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン(「CLA」;またはSNE中にカチオン性脂質が含まれる場合には「CLA-SNE」)を含むSNEアジュバント製剤を含む。特定の肺炎球菌コンジュゲート組成物は、1)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、2)ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、3)スクアレン、および4)カチオン性脂質(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン(「CLA」;またはSNE中にカチオン性脂質が含まれる場合には「CLA-SNE」)を含むSNEアジュバント製剤を含む。特定の肺炎球菌コンジュゲート組成物は、1)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、2)ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、3)スクアレン、および4)カチオン性脂質(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン(「CLA」;またはSNE中にカチオン性脂質が含まれる場合には「CLA-SNE」)を含むSNEアジュバント製剤を含む。特定の肺炎球菌コンジュゲート組成物は、1)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、2)ポリソルベート-20(PS-20)、3)スクアレン、および4)カチオン性脂質(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン(「CLA」;またはSNE中にカチオン性脂質が含まれる場合には「CLA-SNE」)を含むSNEアジュバント製剤を含む。1)アジュバント非含有肺炎球菌コンジュゲート組成物、2)リン酸アルミニウムアジュバント含有(APA)肺炎球菌コンジュゲート組成物、または3)LNPアジュバント含有肺炎球菌コンジュゲート組成物の性能と比較して、記載されているSNEアジュバント肺炎球菌コンジュゲート組成物は、試験された肺炎球菌血清型の大部分に関して、同等のまたは増強した免疫原性応答をもたらした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】カチオン性脂質の選択された構造:(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン(CLA);(6Z,9Z,26Z,29Z)-N,N-ジメチルペンタトリアコンタ-6,9,26,29-テトラエン-18-アミン(CLX);およびN,N-ジメチル-1-((1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル)ヘプタデカン-8-アミン(CLY)。
図2】CLA-SNE成分:(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン(CLA)、SPAN-85、PS-20およびスクアレン。
図3】静的光散乱(SLS)を利用したCLA-SNEアジュバントバルク製剤の特徴付け。実施例3を参照されたい。
図4】SNE内へのCLAの取り込みに対する製剤化プロセスの影響。実施例4を参照されたい。
図5A】表4に記載されている製剤でマウスを免疫化した後の免疫化前(プール化)および第3投与後(第35日)の抗6B IgG力価。エラーバーは95%信頼区間の幾何平均である。ダネット(Dunnett)事後検定での一元配置分散分析によって分析された変換データ。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001。NSは有意ではない。実施例6を参照されたい。
図5B】表4に記載されている製剤で免疫化したマウスの免疫化前(プール化)および第3投与後(第35日)(プール化)の血清型6Bオプソニン貪食殺滅力価。実施例6を参照されたい。
図6A】第1投与後(PD1:丸)および第2投与後(PD2:四角)における、APAを配合したPCV24と比較した場合の、CLA-SNEを配合したPCV24での免疫化の後の成体アカゲザルにおける血清型特異的IgG力価の比。CLA-SNE(1200μg/mL CLA-SNE)を配合したPCV24は、APAを配合したPCV24と比較して同等の又はより良好な免疫原性をもたらす。交差反応性を評価するために、血清型6Cおよび15Bのデータが含まれている。実施例7を参照されたい。
図6B】第2投与後(PD2)における、APAを配合したPCV24と比較した場合の、表5に記載されている製剤による免疫化の後の成体アカゲザルにおける血清型特異的IgG力価の比。CLA-SNE(丸および三角)、CLA-LNP(四角)またはSNE(菱形)を配合したPCV24は、APAを配合したPCV24と比較して同等の又はより良好な免疫原性をもたらす。交差反応性を評価するために、血清型6Cおよび15Bのデータが含まれている。実施例7を参照されたい。
図7A】表5に記載されている製剤による免疫化の後の成体アカゲザルの免疫化前(プール化)、第1投与後(第14日)および第2投与後(第42日)のオプソニン貪食殺滅力価。投与された用量体積は動物当たり0.1mLであり、群PCV24/CLA-SNE(80μg)およびPCV24/CLA-SNE(120μg)では、それぞれ0.08mgまたは0.12mgのCLA送達用量をもたらす。血清型1および3に関して多重オプソニン貪食アッセイ(MOPA)によって決定された機能的抗体に関してアカゲザル血清を評価した。実施例7を参照されたい。
図7B】表5に記載されている製剤による免疫化の後の成体アカゲザルの免疫化前(個別/プール化)、第1投与後(第14日)および第2投与後(第42日)のオプソニン貪食殺滅力価。投与された用量体積は動物当たり0.1mLであり、群PCV24/CLA-SNE(80μg)およびPCV24/CLA-SNE(120μg)では、それぞれ0.08mgまたは0.12mgのCLA送達用量をもたらす。血清型4および5に関して多重オプソニン貪食アッセイ(MOPA)によって決定された機能的抗体に関してアカゲザル血清を評価した。実施例7を参照されたい。
図7C】表5に記載されている製剤による免疫化の後の成体アカゲザルの免疫化前(プール化)、第1投与後(第14日)および第2投与後(第42日)のオプソニン貪食殺滅力価。投与された用量体積は動物当たり0.1mLであり、群PCV24/CLA-SNE(80μg)およびPCV24/CLA-SNE(120μg)では、それぞれ0.08mgまたは0.12mgのCLA送達用量をもたらす。血清型6Aおよび6Bに関して多重オプソニン貪食アッセイ(MOPA)によって決定された機能的抗体に関してアカゲザル血清を評価した。実施例7を参照されたい。
図7D】表5に記載されている製剤による免疫化の後の成体アカゲザルの免疫化前(プール化)、第1投与後(第14日)および第2投与後(第42日)のオプソニン貪食殺滅力価。投与された用量体積は動物当たり0.1mLであり、群PCV24/CLA-SNE(80μg)およびPCV24/CLA-SNE(120μg)では、それぞれ0.08mgまたは0.12mgのCLA送達用量をもたらす。血清型6Cおよび7Fに関して多重オプソニン貪食アッセイ(MOPA)によって決定された機能的抗体に関してアカゲザル血清を評価した。実施例7を参照されたい。
図7E】表5に記載されている製剤による免疫化の後の成体アカゲザルの免疫化前(プール化)、第1投与後(第14日)および第2投与後(第42日)のオプソニン貪食殺滅力価。投与された用量体積は動物当たり0.1mLであり、群PCV24/CLA-SNE(80μg)およびPCV24/CLA-SNE(120μg)では、それぞれ0.08mgまたは0.12mgのCLA送達用量をもたらす。血清型8および9Vに関して多重オプソニン貪食アッセイ(MOPA)によって決定された機能的抗体に関してアカゲザル血清を評価した。実施例7を参照されたい。
図7F】表5に記載されている製剤による免疫化の後の成体アカゲザルの免疫化前(プール化)、第1投与後(第14日)および第2投与後(第42日)のオプソニン貪食殺滅力価。投与された用量体積は動物当たり0.1mLであり、群PCV24/CLA-SNE(80μg)およびPCV24/CLA-SNE(120μg)では、それぞれ0.08mgまたは0.12mgのCLA送達用量をもたらす。血清型10Aおよび11Aに関して多重オプソニン貪食アッセイ(MOPA)によって決定された機能的抗体に関してアカゲザル血清を評価した。実施例7を参照されたい。
図7G】表5に記載されている製剤による免疫化の後の成体アカゲザルの免疫化前(プール化)、第1投与後(第14日)および第2投与後(第42日)のオプソニン貪食殺滅力価。投与された用量体積は動物当たり0.1mLであり、群PCV24/CLA-SNE(80μg)およびPCV24/CLA-SNE(120μg)では、それぞれ0.08mgまたは0.12mgのCLA送達用量をもたらす。血清型12Fおよび14に関して多重オプソニン貪食アッセイ(MOPA)によって決定された機能的抗体に関してアカゲザル血清を評価した。実施例7を参照されたい。
図7H】表5に記載されている製剤による免疫化の後の成体アカゲザルの免疫化前(プール化)、第1投与後(第14日)および第2投与後(第42日)のオプソニン貪食殺滅力価。投与された用量体積は動物当たり0.1mLであり、群PCV24/CLA-SNE(80μg)およびPCV24/CLA-SNE(120μg)では、それぞれ0.08mgまたは0.12mgのCLA送達用量をもたらす。血清型15Aおよび15Cに関して多重オプソニン貪食アッセイ(MOPA)によって決定された機能的抗体に関してアカゲザル血清を評価した。実施例7を参照されたい。
図7I】表5に記載されている製剤による免疫化の後の成体アカゲザルの免疫化前(プール化)、第1投与後(第14日)および第2投与後(第42日)のオプソニン貪食殺滅力価。投与された用量体積は動物当たり0.1mLであり、群PCV24/CLA-SNE(80μg)およびPCV24/CLA-SNE(120μg)では、それぞれ0.08mgまたは0.12mgのCLA送達用量をもたらす。血清型18Cおよび19Aに関して多重オプソニン貪食アッセイ(MOPA)によって決定された機能的抗体に関してアカゲザル血清を評価した。実施例7を参照されたい。
図7J】表5に記載されている製剤による免疫化の後の成体アカゲザルにおける免疫化前(プール化)、第1投与後(第14日)および第2投与後(第42日)のオプソニン貪食殺滅力価。投与された用量体積は動物当たり0.1mLであり、群PCV24/CLA-SNE(80μg)およびPCV24/CLA-SNE(120μg)では、それぞれ0.08mgまたは0.12mgのCLA送達用量をもたらす。血清型19Fおよび22Fに関して多重オプソニン貪食アッセイ(MOPA)によって決定された機能的抗体に関してアカゲザル血清を評価した。実施例7を参照されたい。
図7K】表5に記載されている製剤による免疫化の後の成体アカゲザルの免疫化前(プール化/個別)、第1投与後(第14日)および第2投与後(第42日)のオプソニン貪食殺滅力価。投与された用量体積は動物当たり0.1mLであり、群PCV24/CLA-SNE(80μg)およびPCV24/CLA-SNE(120μg)では、それぞれ0.08mgまたは0.12mgのCLA送達用量をもたらす。血清型23Bおよび23Fに関して多重オプソニン貪食アッセイ(MOPA)によって決定された機能的抗体に関してアカゲザル血清を評価した。実施例7を参照されたい。
図7L】表5に記載されている製剤による免疫化の後の成体アカゲザルにおける免疫化前(プール化)、第1投与後(第14日)および第2投与後(第42日)のオプソニン貪食殺滅力価。投与された用量体積は動物当たり0.1mLであり、群PCV24/CLA-SNE(80μg)およびPCV24/CLA-SNE(120μg)では、それぞれ0.08mgまたは0.12mgのCLA送達用量をもたらす。血清型24Fおよび33Fに関して多重オプソニン貪食アッセイ(MOPA)によって決定された機能的抗体に関してアカゲザル血清を評価した。実施例7を参照されたい。
図7M】表5に記載されている製剤による免疫化の後の成体アカゲザルにおける免疫化前(プール化)、第1投与後(第14日)および第2投与後(第42日)のオプソニン貪食殺滅力価。投与された用量体積は動物当たり0.1mLであり、群PCV24/CLA-SNE(80μg)およびPCV24/CLA-SNE(120μg)では、それぞれ0.08mgまたは0.12mgのCLA送達用量をもたらす。血清型35Bに関して多重オプソニン貪食アッセイ(MOPA)によって決定された機能的抗体に関してアカゲザル血清を評価した。実施例7を参照されたい。
図8A】第2投与後(第42日)における、APAを配合したPCV24の免疫化と比較した場合の、PCV13、CLA-LNPを含有するPCV24(120μg用量)、CLA-SNEを含有するPCV24(295μg CLAおよび2.5mg スクアレン)、CLA-SNEを含有するPCV24(295μg CLAおよび0.5mg スクアレン)による免疫化の後の乳児アカゲザルにおける血清型特異的IgG力価の比。交差反応性を評価するために、血清型6Cおよび15Bのデータが含まれている。実施例8を参照されたい。
図8B】第1投与後(第14日)における、APAを配合したPCV24と比較した場合の、表6に記載されている選択された製剤による免疫化の後の乳児アカゲザルにおける血清型特異的IgG力価の比。交差反応性を評価するために、血清型6Cおよび15Bのデータが含まれている。実施例8を参照されたい。
図8C】第2投与後(第42日)における、APAを配合したPCV24と比較した場合の、表6に記載されている選択された製剤による免疫化の後の乳児アカゲザルにおける血清型特異的IgG力価の比。交差反応性を評価するために、血清型6Cおよび15Bのデータが含まれている。実施例8を参照されたい。
図8D】第3投与後(第70日)における、APAを配合したPCV24と比較した場合の、表6に記載されている選択された製剤による免疫化の後の乳児アカゲザルにおける血清型特異的IgG力価の比。交差反応性を評価するために、血清型6Cおよび15Bのデータが含まれている。実施例8を参照されたい。
図9】製剤組成物(CLA-SNE、CLA-LNPおよびSNE)を使用した場合のPCV24免疫化マウスは肺炎球菌血清型24F気管内チャレンジから防御される。実施例9を参照されたい。
図10A図10A~10D:4℃および37℃で1か月間貯蔵されたCLA-SNEおよびSNE製剤のナノトラッキング(ナノ粒子追跡)分析(NTA)(図10A:CLA-SNE[6mg/mL CLAおよび30mg/mL スクアレン]、図10B:SNE[40mg/mL スクアレン]、図10C:CLA-SNE[4mg/mL CLAおよび4mg/mL スクアレン]および図10D:SNE[8mg/mL スクアレン])。実施例10を参照されたい。
図10B図10A~10D:4℃および37℃で1か月間貯蔵されたCLA-SNEおよびSNE製剤のナノトラッキング(ナノ粒子追跡)分析(NTA)(図10A:CLA-SNE[6mg/mL CLAおよび30mg/mL スクアレン]、図10B:SNE[40mg/mL スクアレン]、図10C:CLA-SNE[4mg/mL CLAおよび4mg/mL スクアレン]および図10D:SNE[8mg/mL スクアレン])。実施例10を参照されたい。
図10C図10A~10D:4℃および37℃で1か月間貯蔵されたCLA-SNEおよびSNE製剤のナノトラッキング(ナノ粒子追跡)分析(NTA)(図10A:CLA-SNE[6mg/mL CLAおよび30mg/mL スクアレン]、図10B:SNE[40mg/mL スクアレン]、図10C:CLA-SNE[4mg/mL CLAおよび4mg/mL スクアレン]および図10D:SNE[8mg/mL スクアレン])。実施例10を参照されたい。
図10D図10A~10D:4℃および37℃で1か月間貯蔵されたCLA-SNEおよびSNE製剤のナノトラッキング(ナノ粒子追跡)分析(NTA)(図10A:CLA-SNE[6mg/mL CLAおよび30mg/mL スクアレン]、図10B:SNE[40mg/mL スクアレン]、図10C:CLA-SNE[4mg/mL CLAおよび4mg/mL スクアレン]および図10D:SNE[8mg/mL スクアレン])。実施例10を参照されたい。
図11A図11A~11D:4℃、25℃および37℃で1か月間貯蔵されたCLA-SNEおよびSNE製剤の動的光散乱(DLS)(図11A:CLA-SNE[6mg/mL CLAおよび30mg/mL スクアレン]、図11B:CLA-SNE[4mg/mL CLAおよび4mg/mL スクアレン]、図11C:SNE[40mg/mL スクアレン]および図11D:SNE[8mg/mL スクアレン])。実施例10を参照されたい。
図11B図11A~11D:4℃、25℃および37℃で1か月間貯蔵されたCLA-SNEおよびSNE製剤の動的光散乱(DLS)(図11A:CLA-SNE[6mg/mL CLAおよび30mg/mL スクアレン]、図11B:CLA-SNE[4mg/mL CLAおよび4mg/mL スクアレン]、図11C:SNE[40mg/mL スクアレン]および図11D:SNE[8mg/mL スクアレン])。実施例10を参照されたい。
図11C図11A~11D:4℃、25℃および37℃で1か月間貯蔵されたCLA-SNEおよびSNE製剤の動的光散乱(DLS)(図11A:CLA-SNE[6mg/mL CLAおよび30mg/mL スクアレン]、図11B:CLA-SNE[4mg/mL CLAおよび4mg/mL スクアレン]、図11C:SNE[40mg/mL スクアレン]および図11D:SNE[8mg/mL スクアレン])。実施例10を参照されたい。
図11D図11A~11D:4℃、25℃および37℃で1か月間貯蔵されたCLA-SNEおよびSNE製剤の動的光散乱(DLS)(図11A:CLA-SNE[6mg/mL CLAおよび30mg/mL スクアレン]、図11B:CLA-SNE[4mg/mL CLAおよび4mg/mL スクアレン]、図11C:SNE[40mg/mL スクアレン]および図11D:SNE[8mg/mL スクアレン])。実施例10を参照されたい。
図12A】4℃、25℃および37℃で1か月間貯蔵されたCLA-SNEおよびSNE製剤に関してUPLC-CADによって測定されたCLA濃度(mg/mL)。実施例11を参照されたい。
図12B】4℃、25℃および37℃で1か月間貯蔵されたCLA-SNEおよびSNE製剤に関してUPLC-CADによって測定されたスクアレン濃度(mg/mL)。実施例11を参照されたい。
図13A】CLA-SNE(1.2mg/mL CLA、6.5mg/mL スクアレン)を使用して製造され、4℃で1か月間貯蔵された肺炎球菌多糖-担体タンパク質コンジュゲート共製剤の血清型特異的安定性。実施例12を参照されたい。
図13B】CLA-SNE(1.2mg/mL CLA、1.2mg/mL スクアレン)を使用して製造され、4℃で最長1か月間貯蔵された肺炎球菌多糖-担体タンパク質コンジュゲート共製剤の血清型特異的安定性。実施例12を参照されたい。
図13C】SNE(6.5mg/mL スクアレン)を使用して製造され、4℃で1か月間貯蔵された肺炎球菌多糖-担体タンパク質コンジュゲート共製剤の血清型特異的安定性。実施例12を参照されたい。
図13D】SNE(0.4mg/mL スクアレン)を使用して製造され、4℃で1か月間貯蔵された肺炎球菌多糖-担体タンパク質コンジュゲート共製剤の血清型特異的安定性。実施例12を参照されたい。
図14A】第1投与後(第14日)[D14PD1と称される:四角]における、PCV21(アジュバント無し)と比較した場合の、CLA-SNEを配合したPCV21による免疫化の後の成体アカゲザルにおける血清型特異的IgG力価の比。CLA-SNE(1200μg/mL CLA-SNE)を配合したPCV21(ST当たり4μg/mL)の0.25mL用量は、D14PD1において、PCV21(ST当たり4μg/mL)の0.25mL用量と比較して同等の又はより良好な免疫原性をもたらす。交差反応性を評価するために、血清型6Cおよび15Bのデータが含まれている。実施例13を参照されたい。
図14B】第1投与後(第28日)[D28PD1と称される:四角]における、PCV21(アジュバント無し)と比較した場合の、CLA-SNEを配合したPCV21による免疫化の後の成体アカゲザルにおける血清型特異的IgG力価の比。CLA-SNE(1200μg/mL CLA-SNE)を配合したPCV21(ST当たり4μg/mL)の0.25mL用量は、D28PD1において、PCV21(ST当たり4μg/mL)の0.25mL用量と比較して同等の又はより良好な免疫原性をもたらす。交差反応性を評価するために、血清型6Cおよび15Bのデータが含まれている。実施例13を参照されたい。
図14C】第2投与後(第42日)[D42PD2と称される:四角]における、PCV21(アジュバント無し)と比較した場合の、CLA-SNEを配合したPCV21による免疫化の後の成体アカゲザルにおける血清型特異的IgG力価の比。CLA-SNE(1200μg/mL CLA-SNE)を配合したPCV21(ST当たり4μg/mL)の0.25mL用量は、D42PD2において、PCV21(4μg/mL)の0.25mL用量と比較して同等の又はより良好な免疫原性をもたらす。交差反応性を評価するために、血清型6Cおよび15Bのデータが含まれている。実施例13を参照されたい。
図15A】透析後のCLA/スクアレン(w/w)%が自己集合前の「標的」(w/w)%に対してプロットされている。CLA/スクアレンw/w%比(X)を自己集合およびナノエマルション透析の前および後に逆相UPLC-CADによって測定した。実施例14を参照されたい。
図15B】透析後のCLA-SNEナノ粒子の測定強度加重Z平均DLS直径(X)が、MNS製剤のそれぞれに関して、透析後の測定CLA/スクアレン(w/w)%に対してプロットされている。実施例14を参照されたい。
図15C】pH5.5における透析後のCLA-SNEスクアレンナノ粒子(X)の測定されたゼータ電位が、MNS調製製剤のそれぞれに関して、透析後の測定CLA/スクアレン(w/w)%に対してプロットされている。実施例14を参照されたい。
図16】形成され漸増pH値の水相(20mM L-ヒスチジン)で処理されたCLA-SNEサンプルのDLS Z平均直径。実施例15を参照されたい。
図17】形成され漸増pH値の水相(20mM L-ヒスチジン)で処理されたCLA-SNEサンプルの最終[CLA](mg/mL)。実施例15を参照されたい。
【0007】
発明の詳細な説明
驚くべきことに、安定ナノエマルション(SNE)アジュバント製剤(カチオン性脂質の存在下または非存在下)を含む肺炎球菌コンジュゲート組成物が、アルミニウムアジュバントを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物および/またはLNPアジュバントを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物と比較して同等の又は増強した免疫原性応答をもたらすことが見出された。
【0008】
本発明は、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖-担体タンパク質コンジュゲートと安定ナノエマルション(SNE)とを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0009】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートおよびSNEならびに薬学的に許容される担体を含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0010】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、乳化剤および/または可溶化剤および/または界面活性剤および所望により使用されてもよいカチオン性脂質またはそれらの混合物を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0011】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、界面活性剤および/またはテルペンまたはそれらの混合物を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0012】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、界面活性剤および/またはテルペンおよび/またはカチオン性脂質またはそれらの混合物を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0013】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、1以上の界面活性剤および1以上のテルペンおよび所望により使用されてもよい1以上のカチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0014】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、1~3個の界面活性剤および1~3個のテルペンおよび所望により使用されてもよい1~3個のカチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0015】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、1~2個の界面活性剤および1~2個のテルペンおよび所望により使用されてもよい1~2個のカチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0016】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、SNEはソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレンおよび所望により使用されてもよいカチオン性脂質を含む。
【0017】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、SNEはソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)、スクアレンおよび所望により使用されてもよいカチオン性脂質を含む。
【0018】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、SNEはソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレンおよびカチオン性脂質を含む。
【0019】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、SNEはソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)、スクアレンおよびカチオン性脂質を含む。
【0020】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、SNEはソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレンおよびカチオン性脂質(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミンを含む。
【0021】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、SNEはソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)、スクアレンおよびカチオン性脂質(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミンを含む。
【0022】
本発明は更に、1)ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、2)i)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、(ii)ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、iii)スクアレン、および所望により使用されてもよいiv)カチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲートワクチンを提供する。幾つかの実施形態においては、肺炎球菌コンジュゲートワクチンはカチオン性脂質を含有しない。
【0023】
本発明は更に、1)ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、2)i)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、(ii)ポリソルベート-20(PS-20)、iii)スクアレン、および所望により使用されてもよいiv)カチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲートワクチンを提供する。幾つかの実施形態においては、肺炎球菌コンジュゲートワクチンはカチオン性脂質を含有しない。
【0024】
本発明は更に、1)ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、2)i)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、(ii)ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、iii)スクアレンおよびiv)カチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲートワクチンを提供する。
【0025】
本発明は更に、1)ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、2)i)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、(ii)ポリソルベート-20(PS-20)、iii)スクアレンおよびiv)カチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲートワクチンを提供する。
【0026】
本発明は更に、1)ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、2)i)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、(ii)ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、iii)スクアレンおよびiv)(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミンを含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲートワクチンを提供する。
【0027】
本発明は更に、1)ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、2)i)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、(ii)ポリソルベート-20(PS-20)、iii)スクアレンおよびiv)(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミンを含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲートワクチンを提供する。
【0028】
本発明は更に、1)ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、2)i)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、(ii)ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、iii)スクアレンおよびiv)カチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲートワクチンを提供し、ここで、カチオン性脂質は脂質ナノ粒子(LNP)と会合していない。
【0029】
本発明は更に、1)ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、2)i)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、(ii)ポリソルベート-20(PS-20)、iii)スクアレンおよびiv)カチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲートワクチンを提供し、ここで、カチオン性脂質は脂質ナノ粒子(LNP)と会合していない。
【0030】
本発明は更に、薬学的に許容される担体を含む前記の肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0031】
1つの実施形態においては、組成物はカチオン性脂質CLA、CLXまたはCLYを含む。
【0032】
1つの実施形態においては、組成物はカチオン性脂質CLAを含む。
【0033】
1つの実施形態においては、組成物は、DLinDMA、DLinKC2DMA、DLin-MC3-DMA、CLinDMAおよびS-オクチルCLinDMAから選択されるカチオン性脂質を含む。
【0034】
1つの実施形態においては、組成物におけるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートのそれぞれは、特定のストレプトコッカス・ニューモニエ血清型の多糖を含み、ここで、コンジュゲートにおける多糖は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19A、19F、20、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24F、33F、35B、35Fおよび38(これらに限定されるものではない)を含む任意の公知血清型から選択される1以上の血清型を含む。もう1つの実施形態においては、血清型は4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。
【0035】
1つの実施形態においては、多糖-担体タンパク質コンジュゲートは、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19A、19F、20(20Aおよび20B)、22F、23A、23B、23F、24F、33F、35B、35Fまたは38からなる肺炎球菌血清型の群から選択される多糖を含む。もう1つの実施形態においては、血清型の群は4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなる。
【0036】
1つの実施形態においては、本発明は、7つの異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、本明細書に記載されている安定ナノエマルション(SNE)のいずれかとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fからなる。
【0037】
1つの実施形態においては、本発明は、13個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、本明細書に記載されているSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fからなる。
【0038】
1つの実施形態においては、本発明は、15個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、本明細書に記載されているSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなる。
【0039】
1つの実施形態においては、本発明は、20個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、本明細書に記載されているSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなる。
【0040】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、本明細書に記載されているSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7Fからなる。、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなる。
【0041】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、本明細書に記載されているSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなる。
【0042】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、本明細書に記載されているSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなる。
【0043】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、本明細書に記載されているSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなる。
【0044】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、本明細書に記載されているSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなる。
【0045】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、本明細書に記載されているSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなる。
【0046】
1つの実施形態においては、本発明は、7個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化(結合)されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0047】
1つの実施形態においては、本発明は、13個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0048】
1つの実施形態においては、本発明は、15個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0049】
1つの実施形態においては、本発明は、20個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0050】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0051】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0052】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0053】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0054】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0055】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0056】
1つの実施形態においては、本発明は、7個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0057】
1つの実施形態においては、本発明は、13個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0058】
1つの実施形態においては、本発明は、15個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0059】
1つの実施形態においては、本発明は、20個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0060】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0061】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0062】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0063】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0064】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0065】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0066】
1つの実施形態においては、本発明は、7個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0067】
1つの実施形態においては、本発明は、13個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0068】
1つの実施形態においては、本発明は、15個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0069】
1つの実施形態においては、本発明は、20個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0070】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0071】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0072】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0073】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0074】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0075】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0076】
前記組成物の1つの実施形態においては、SNEはPS-20を含む。前記組成物のもう1つの実施形態においては、SNEはPS-80を含む。
【0077】
前記組成物の1つの実施形態においては、組成物は、いずれかの他のストレプトコッカス・ニューモニエ血清型の多糖を含有する多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含まない。
【0078】
本発明の組成物の1つの実施形態においては、担体タンパク質は、OMPC、PhtD、pLys、DT(ジフテリアトキソイド)、TT(破傷風トキソイド)、TTの断片C、百日咳トキソイド、コレラトキソイドおよびCRM197から選択される。もう1つの実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。
【0079】
本発明は、pH5.1~7.0における5mM~40mMのヒスチジンおよび25mM~300mMのNaClを更に含む前記組成物を提供する。
【0080】
本発明は、pH約5.8における約20mMのヒスチジンおよび約75mMのNaClを更に含む前記組成物を提供する。
【0081】
本発明は、pH5.8における20mMのヒスチジンおよび75mMのNaClを更に含む前記組成物を提供する。
【0082】
本発明は、pH5.1~7.0における5mM~40mMのヒスチジン、0.0125%~0.2%のPS-20またはPS-80および25mM~300mMのNaClを更に含む前記組成物を提供する。
【0083】
本発明は、pH約5.8における約20mMのヒスチジン、0.05%のPS-20またはPS-80および約75mMのNaClを更に含む前記組成物を提供する。
【0084】
本発明は、pH5.8における20mMのヒスチジン、0.05%のPS-20またはPS-80および75mMのNaClを更に含む前記組成物を提供する。
【0085】
本発明はまた、1)ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、2)i)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、(ii)ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、iii)スクアレン、および所望により使用されてもよいiv)カチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物の製造方法を提供する。
【0086】
本発明はまた、1)ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、2)i)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、(ii)ポリソルベート-20(PS-20)、iii)スクアレン、および所望により使用されてもよいiv)カチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物の製造方法を提供する。
【0087】
本発明はまた、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物の製造方法を提供する。
【0088】
本発明はまた、本発明の肺炎球菌コンジュゲート組成物を使用する、肺炎球菌疾患の治療または予防方法を提供する。
【0089】
本発明はまた、肺炎球菌疾患の治療または予防のための、本発明の肺炎球菌コンジュゲート組成物の使用を提供する。
【0090】
定義
本明細書の全体および添付の特許請求の範囲において用いる単数形は、文脈に明らかに矛盾しない限り、その複数対象物を含む。
【0091】
本明細書および添付の特許請求の範囲の全体において、以下の略語が適用される。
APA リン酸アルミニウムアジュバント
CLA ((13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン)
DMSO ジメチルスルホキシド
ECL 電気化学発光
GMT 幾何平均力価
HPSEC 高性能サイズ排除クロマトグラフィー
ID 皮内
IM 筋肉
LNP 脂質ナノ粒子
LOS リポオリゴ糖
LPS リポ多糖
ME マイクロエマルション
MNS マイクロ流体ナノエマルション自己集合
Mw 分子量
NE ナノエマルション
NMWCO 公称分子量カットオフ
OPA オプソニン貪食アッセイ
PCV 肺炎球菌コンジュゲートワクチン
PD1 第1投与後
PD2 第2投与後
PD3 第3投与後
PHE ホモジナイズ前エマルション
PnPs 肺炎球菌多糖
Ps 多糖
PS-20 ポリソルベート-20
PS-80 ポリソルベート-80
SNE 安定ナノエマルション
SPAN-85 ソルビタントリオレアート
ST6BまたはST-6B 血清型6B
w/v 体積当たりの重量
【0092】
本明細書中で値に関して用いる「約」なる語は、参照値と同じである値、または参照値に文脈上類似している値に関するものである。一般に、その状況(文脈)に精通している当業者は、その状況における「約」に含まれる差の絶対量および/または相対的度合を理解するであろう。例えば、幾つかの実施形態においては、「約」なる語は参照値の25%以内、20%以内、19%以内、18%以内、17%以内、16%以内、15%以内、14%以内、13%以内、12%以内、11%以内、10%以内、9%以内、8%以内、7%以内、6%以内、5%以内、4%以内、3%以内、2%以内、1%以内または1%未満以内の値の範囲を含みうる。
【0093】
本明細書中で用いる「アルケニル」なる語は、特定されている数の炭素原子を有する直鎖状、環状または分枝状の不飽和脂肪族炭化水素を意味する。1つの実施形態においては、アルケニル基は、8~24個の炭素原子を含有する(C-C24アルケニル)。1つの実施形態においては、アルケニル基は直鎖状である。もう1つの実施形態においては、アルケニル基は分枝状である。もう1つの実施形態においては、アルケニル基は置換されていない。
【0094】
本明細書中で用いる「アルキル」なる語は、特定されている数の炭素原子を有する直鎖状、環状または分枝状の飽和脂肪族炭化水素を意味する。1つの実施形態においては、アルキル基は8~24個の炭素原子を含有する(C-C24アルキル)。1つの実施形態においては、アルキル基は直鎖状である。もう1つの実施形態においては、アルキル基は分枝状である。もう1つの実施形態においては、アルキル基は置換されていない。
【0095】
本明細書中で定義される「アジュバント」は、本発明の免疫原性組成物の免疫原性を増強する(例えば、増加させる、加速する、延長させる、または調節する)のに役立つ物質である。本明細書に開示されているとおり、SNEは本発明に従うアジュバントとして使用されるべきである。アジュバントは、単独で投与された場合に弱免疫原性である(例えば、抗体価または細胞性免疫応答を全く又は弱くしか誘導しない)抗原に対する免疫応答を増強し、抗原に対する抗体価を増加させ、および/または個体における免疫応答を達成するのに有効な抗原の用量を減少させうる。本明細書中で用いる場合、「アジュバント添加組成物」は、アジュバントを含む組成物である。
【0096】
本明細書中で用いる「投与」なる語は、活性な物質、組成物または製剤を対象に供与する行為を意味する。人体への例示的な投与経路は、目(眼)、口(経口)、皮膚(経皮)、鼻(鼻腔内)、肺(吸入)、直腸、膣、口腔粘膜(頬)、耳、注射[例えば、静脈内(IV)、皮下、腫瘍内、腹腔内、筋肉内(IM)、皮内(ID)など]などを介したものでありうる。
【0097】
「抗原」なる語は、1以上の免疫応答をもたらしうる任意の抗原を意味する。抗原はタンパク質(組換えタンパク質を含む)、ポリペプチドまたはペプチド(合成ペプチドを含む)でありうる。特定の実施形態においては、抗原は脂質または炭水化物(多糖)である。特定の実施形態においては、抗原はタンパク質抽出物、細胞(腫瘍細胞を含む)または組織である。抗原は、体液性免疫応答および/またはCTL免疫応答をもたらす抗原でありうる。本発明の抗原はストレプトコッカス・ニューモニエ多糖である。
【0098】
「カチオン性脂質」なる語は、生理的pHのような選択されたpHにおいて正味の正電荷を有する脂質種を意味する。カチオン性脂質は多成分SNEアジュバント製剤における成分として利用されうる。カチオン性脂質には、以下のものに開示されているもの(それらに限定されるものではない)が含まれうる、と当業者は認識するであろう:米国特許出願公開番号US2008/0085870、US2008/0057080、US2009/0263407、US2009/0285881、US2010/0055168、US2010/0055169、US2010/0063135、US2010/0076055、US2010/0099738、US2010/0104629、US2013/0017239およびUS2016/0361411、国際出願公開番号WO2011/022460、WO2012/040184、WO2011/076807、WO2010/021865、WO2009/132131、WO2010/042877、WO2010/146740およびWO2010/105209、ならびに米国特許番号US5,208,036、US5,264,618、US5,279,833、US5,283,185、US6,890,557およびUS9,669,097。
【0099】
本明細書中で用いる「組成物」なる語は、活性な医薬成分または生物学的成分(例えば、肺炎球菌多糖-担体タンパク質コンジュゲートおよびSNE)を、1以上の追加的な成分と共に含有する製剤を意味する。「組成物」なる語は「医薬組成物」および「製剤」と互換的に用いられる。組成物は液体または固体(例えば凍結乾燥物)でありうる。必要に応じて含まれうる追加的な成分には、薬学的に許容される賦形剤、添加剤、希釈剤、バッファー、糖、アミノ酸、キレート剤、界面活性剤、ポリオール、増量剤、安定剤、凍結乾燥保護剤(lyo-protectant)、可溶化剤、乳化剤、塩、アジュバント、張性増強剤、運搬(送達)ビヒクルおよび抗微生物保存剤が含まれる。組成物は、使用される用量および濃度において被投与者に対して無毒性である。
【0100】
本発明の組成物に関して用いられた場合の「含む」なる語は、アジュバントおよび賦形剤のような任意の他の成分の包含、または具体的に挙げられていない1以上の多糖-担体タンパク質コンジュゲートの添加を意味する。
【0101】
多価多糖-担体タンパク質コンジュゲート製剤に関して用いられた場合の「からなる」または「からなり」なる語は、それらの特定のストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含有し、異なる血清型に由来する他のストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含有しない製剤に関するものである。
【0102】
「から実質的になる」およびその派生語、例えば「から実質的になり」または「から実質的になって」は、列挙されている任意の要素または要素群の包含、および列挙要素と類似した又は異なる性質の他の要素であって、特定されている投与レジメン、方法または組成物の基本的または新規特性を実質的に変化させない要素の随意的包含(すなわち、包含されていても包含されていなくてもよい)を示す。
【0103】
本明細書中で用いる「脱O-アセチル化-15B」または「脱O-アセチル-15B」または「脱O-Ac-15B」は、O-アセチル含量が反復単位当たり5%未満である脱O-アセチル化血清型15Bを意味する。もう1つの実施形態においては、O-アセチル含量は反復単位当たり1%未満である。もう1つの実施形態においては、O-アセチル含量は反復単位当たり0.5%未満である。もう1つの実施形態においては、O-アセチル含量は反復単位当たり0.1%未満である。脱O-アセチル化のための方法は当技術分野で公知であり、例えば、Rajamら,Clinical and Vaccine Immunology,2007,14(9):1223-1227に記載されている。
【0104】
本明細書中で用いる「用量」なる語は、特定の時間において摂取される又は摂取されることが推奨される物質、API(活性医薬成分)、製剤または組成物の量を意味する。
【0105】
本明細書中で用いる「免疫原性である」または「免疫原性」なる語は、抗原が対象において免疫応答を誘発しうることを意味する。「免疫原性組成物」なる語は、対象において免疫応答を誘発しうる物質、API、製剤または組成物を意味する。本発明の肺炎球菌コンジュゲート組成物は免疫原性組成物である。
【0106】
「治療を要する」者には、以前にストレプトコッカス・ニューモニエに曝露または感染した者、以前にストレプトコッカス・ニューモニエに対してワクチン接種された者、および感染しやすい者、または感染可能性の低減が望ましい任意の者、例えば免疫不全者、高齢者、小児、成人または健常個体が含まれる。
【0107】
「肺炎球菌疾患の予防に適応となる」なる句は、肺炎球菌疾患全般、肺炎球菌肺炎、肺炎球菌髄膜炎、肺炎球菌性菌血症、ストレプトコッカス・ニューモニエにより引き起こされる侵襲性疾患およびストレプトコッカス・ニューモニエにより引き起こされる中耳炎(これらに限定されるものではない)を含むストレプトコッカス・ニューモニエの任意の血清型により引き起こされる1以上の疾患の予防に関して、ワクチンまたは組成物が米国食品医薬品局(US Food and Drug Administration)のような1以上の規制当局により承認されることを意味する。
【0108】
本明細書中で用いる「脂質」なる語は、水に不溶性である又は低い水溶性を示すが多数の有機溶媒に可溶性でありうることにより特徴づけられる、脂肪酸のエステルである有機化合物の群のいずれかを意味する。脂質は以下の少なくとも3つのクラスに分類されうる:(1)「単純脂質」:これには、脂肪および油、およびワックスが含まれる;(2)「複合脂質」:これには、例えばリン脂質および糖脂質が含まれる;ならびに(3)「誘導脂質」:これには、例えばステロイドが含まれる。
【0109】
本明細書中で用いる「脂質ナノ粒子」(または「LNP」)なる語は、複数のクラスおよび/またはタイプの脂質を含む、10~1000ナノメートルの長さまたは幅の寸法(例えば、最大の長さまたは幅の寸法)を有する粒子を形成する脂質組成物を意味する。例えば、本発明によれば、脂質ナノ粒子はカチオン性脂質のみから構成されることはない。
【0110】
本明細書中で用いる「中性脂質」なる語は、選択されたpHにおいて非荷電または中性両性イオン形態で存在する脂質種を意味する。生理学的pHでは、そのような脂質には、例えば、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、セファリン、コレステロール、セレブロシドおよびジアシルグリセロールが含まれる。
【0111】
「患者」(あるいは、本明細書においては「対象」とも称される)は、ストレプトコッカス・ニューモニエに感染しうる哺乳動物を意味する。好ましい実施形態においては、患者はヒトである。患者は予防的または治療的に治療されうる。予防的治療は、肺炎球菌疾患またはその影響、例えば肺炎球菌肺炎の可能性または重症度を低下させるのに十分な防御免疫をもたらす。ストレプトコッカス・ニューモニエ感染またはその臨床効果の重症度を低減し、または再発を予防するために、治療的治療が行われうる。予防的治療は、本明細書に記載されているとおり、本発明の肺炎球菌コンジュゲート組成物を使用して行われうる。本発明の肺炎球菌コンジュゲート組成物またはワクチンは、一般集団、または肺炎球菌感染の高リスク者、例えば高齢者または高齢者と同居している若しくは高齢者の世話をしている者に投与されうる。
【0112】
本明細書中で用いる「PCV1」は、担体タンパク質にコンジュゲート化(結合)されたストレプトコッカス・ニューモニエ血清型由来の莢膜多糖を含む1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む1価肺炎球菌コンジュゲートワクチンまたは組成物を意味する。特定の実施形態においては、担体タンパク質はCRM197である。
【0113】
本明細書中で用いる「PCV13」は、担体タンパク質にコンジュゲート化されたストレプトコッカス・ニューモニエ血清型由来の莢膜多糖をそれぞれが含む13個のストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む13価肺炎球菌コンジュゲートワクチンまたは組成物を意味し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエの血清型は1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fである。特定の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートのそれぞれの担体タンパク質はCRM197である。
【0114】
本明細書中で用いる「PCV21」は、本明細書中で用いる場合、担体タンパク質にコンジュゲート化されたストレプトコッカス・ニューモニエ血清型由来の莢膜多糖をそれぞれが含む20個のストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む21価肺炎球菌コンジュゲートワクチンまたは組成物を意味し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエの血清型は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B、ならびに以下の血清群15血清型、すなわち、15B、15Cまたは脱O-アセチル化-15Bの1つである。特定の実施形態においては、血清群15血清型は血清型15Cまたは脱O-アセチル化-15Bである。もう1つの実施形態においては、血清型15血清型は血清型脱O-アセチル化-15Bである。特定の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートの1以上の、担体タンパク質は、CRM197である。他の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートのそれぞれの、担体タンパク質は、CRM197である。
【0115】
本明細書中で用いる「PCV24」は、本明細書中で用いる場合、担体タンパク質にコンジュゲート化されたストレプトコッカス・ニューモニエ血清型由来の莢膜多糖をそれぞれが含む23個のストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む24価肺炎球菌コンジュゲートワクチンまたは組成物を意味し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエの血清型は1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B、ならびに以下の血清群15血清型、すなわち、15B、15Cまたは脱O-アセチル化-15Bの1つである。特定の実施形態においては、血清群15血清型は血清型15Cまたは脱O-アセチル化-15Bである。もう1つの実施形態においては、血清型15血清型は血清型脱O-アセチル化-15Bである。特定の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートの1以上の、担体タンパク質は、CRM197である。他の実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートのそれぞれの、担体タンパク質は、CRM197である。
【0116】
医薬組成物の担体、希釈剤または賦形剤に関して、「薬学的に許容される」なる語は、担体、希釈剤または賦形剤が組成物のその他の成分と適合性であり、その被投与者に有害でないことを要することを示す。
【0117】
本明細書中で用いる「肺炎球菌コンジュゲート」または「肺炎球菌多糖-担体タンパク質コンジュゲート」なる語はストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを意味する。
【0118】
本明細書中で用いる「肺炎球菌コンジュゲートワクチン」(または「PCV」)なる語は、ストレプトコッカス・ニューモニエの血清型によって引き起こされる疾患または病理学的状態に対する能動免疫をもたらす肺炎球菌多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む医薬製剤または組成物である。
【0119】
本明細書中で用いる「安定ナノエマルション」または「SNE」なる語は、肺炎球菌コンジュゲートワクチンにおいてアジュバント特性を有する乳化剤および/または可溶化剤および/または界面活性剤および/または脂質の製剤を意味する。特に、SNEは、1)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、2)ポリソルベート-20(PS-20)、3)スクアレン、および所望により使用されてもよい4)カチオン性脂質を含むSNEアジュバント製剤を意味する。
【0120】
「界面活性剤」は多成分SNEアジュバント製剤における安定化成分であり、以下のものを包含する:ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(一般にTween、特にPS-20およびPS-80と称される)、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)および/またはブチレンオキシド(BO)のコポリマーであってDOWFAX(商標)なる商品名で販売されているもの、例えば線状EO/POブロックコポリマー(ポロキサマー);反復エトキシ(オキシ-1,2-エタンジイル)基の数が様々でありうるオクトキシノール[オクトキシノール-9(Triton X-100またはt-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)に特に関心が持たれる];(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール(IGEPAL CA-630/NP-40);ノニルフェノールエトキシラート、例えばTergitol(商標)NPシリーズ;ラウリル、セチル、ステアリルおよびオレイルアルコールから誘導されるポリオキシエチレン脂肪エーテル(Brij界面活性剤として公知である)、例えばトリエチレングリコールモノラウリルエーテル(Brij30);ならびにソルビタンエステル(一般にSPANとして公知である)、例えばソルビタントリオレアート(Span-85、Tween-85または[2-[(2R,3S,4R)-4-ヒドロキシ-3-[(Z)-オクタデカ-9-エノイル]オキシオキソラン-2-イル]-2-[(Z)-オクタデカ-9-エノイル]オキシエチル](Z)-オクタデカ-9-エノアート)およびソルビタンモノラウラート。1つの実施形態においては、界面活性剤はソルビタンエステルおよびポロキサマーである。1つの実施形態においては、界面活性剤はポリソルベート-20(PS-20)およびポリソルベート-80(PS-80)である。
【0121】
「テルペン」は多成分SNEアジュバント製剤における安定化成分であり、以下のもの(それらに限定されるものではない)を包含する:モノテルペン、例えばゲラニオール、テルピネオール、リモネン、ミルセン、リナロオールおよびピネン;セスキテルペン、例えばフムレン、ファルネセンおよびファルネソール;ジテルペン、例えばカフェストール、カーウェオール、センブレンおよびタキサジエン;トリテルペン、例えばスクアレンおよびスクアランテ;テトラテルペン、例えば非環式リコピン、単環式ガンマ-カロテン、二環式アルファ-およびベータ-カロテン;ポリテルピンおよびノリソプレドイド。1つの実施形態においては、テルペンはスクアレンである。
【0122】
「治療的有効量」なる語は、ヒトまたは動物において所望の治療効果を生み出すのに十分な組成物またはワクチンの量、例えば、免疫応答を誘発し、疾患またはその症状を治療し、治癒させ、予防し、または疾患もしくはその症状の発生および進行を抑制するのに必要な量、ならびに/または疾患の症状を改善し、もしくは疾患の退縮を引き起こすのに必要な量を意味する。当業者は所与の組成物またはワクチンの治療的有効量を容易に決定しうる。
【0123】
本明細書中で用いる「価」なる語は組成物における特定されている数の多糖-担体タンパク質コンジュゲートの存在を意味する。
【0124】
本明細書中で用いる「ワクチン」または「ワクチン組成物」なる語は、抗体の産生を刺激し、感染症に対する免疫をもたらすために使用される生物学的製剤を意味する。
【0125】
カチオン性脂質
カチオン性脂質およびカチオン性脂質の製造方法は当技術分野で周知である。
【0126】
幾つかの実施形態においては、カチオン性脂質には、以下のものに記載されている任意のカチオン性脂質が含まれる:米国特許出願公開番号US 2008/0085870、US 2008/0057080、US 2009/0263407、US 2009/0285881、US 2010/0055168、US 2010/0055169、US 2010/0063135、US 2010/0076055、US 2010/0099738、US 2010/0104629、US 2013/0017239およびUS 2016/0361411、国際特許出願公開番号WO2011/022460 A1;WO2012/040184、WO2011/076807、WO2010/021865、WO2009/132131、WO2010/042877、WO2010/146740、WO2010/105209、ならびに米国特許第5,208,036号、第5,264,618号、第5,279,833号、第5,283,185号、第6,890,557号および第9,669,097号。
【0127】
幾つかの実施形態においては、本発明のカチオン性脂質は、以下の式1:
【化1】
(式中、
およびRはそれぞれメチルである;
はHである;
nは1または2である;
はC-C24アルキルおよびC-C24アルケニルから選択される;ならびに
はC-CアルキルおよびC-Cアルケニルから選択される)
またはその任意の薬学的に許容される塩もしくは立体異性体によって示される構造を有する。
【0128】
カチオン性脂質はアミノアルキル脂質でありうる。
【0129】
カチオン性脂質は不斉アミノアルキル脂質でありうる。
【0130】
本発明の1つの実施形態においては、カチオン性脂質は(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン(CLA)、または(6Z,9Z,26Z,29Z)-N,N-ジメチルペンタトリアコンタ-6,9,26,29-テトラエン-18-アミン(CLX)、またはN,N-ジメチル-1-((1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル)ヘプタデカン-8-アミン(CLY)である。
【0131】
本発明のもう1つの実施形態においては、カチオン性脂質は以下のものから選択される:
DLinDMA;
DLinKC2DMA;
DLin-MC3-DMA;
CLinDMA;
S-オクチルCLinDMA;
(2S)-1-{7-[(3P)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]ヘプチルオキシ}-3-[(4Z)-デカ-4-エン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン;
(2R)-1-{4-[(3P)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]ブトキシ}-3-[(4Z)-デカ-4-エン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン;
1-[(2R)-1-{4-[(3β)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]ブトキシ}-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-イル]グアニジン;
1-[(2R)-1-{7-[(3β)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]ヘプチルオキシ}-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン;
1-[(2R)-1-{4-[(3β)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]ブトキシ}-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン;
(2S)-1-({6-[(3P))-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]ヘキシル}オキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z)-オクタデカ-9-エン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン;
(3β)-3-[6-{[(2S)-3-[(9Z)-オクタデカ-9-エン-1-イルオキシル]-2-(ピロリジン-1-イル)プロピル]オキシ}ヘキシル)オキシ]コレスタ-5-エン;
(2R)-1-{4-[(3P)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]ブトキシ}-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン;
(2R)-1-({8-[(3P)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル}オキシ)-N,N-ジメチル-3-(ペンチルオキシ)プロパン-2-アミン;
(2R)-1-({8-[(3P)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル}オキシ)-3-(ヘプチルオキシ)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン;
(2R)-1-({8-[(3P)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル}オキシ)-N,N-ジメチル-3-[(2Z)-ペンタ-2-エン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン;
(2S)-1-ブトキシ-3-({8-[(3P)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル}オキシ)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン;
(2S-1-({8-[(3P)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]オクチル}オキシ)-3-[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9-ヘキサデカフルオロノニル)オキシ]-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン;
2-アミノ-2-{[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]メチル}プロパン-1,3-ジオール;
2-アミノ-3-({9-[(3β,8ξ,9ξ,14ξ,17ξ,20ξ)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]ノニル}オキシ)-2-{[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]メチル}プロパン-1-オール;
2-アミノ-3-({6-[(3β,8ξ,9ξ,14ξ,17ξ,20ξ)-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]ノニル}オキシ)-2-{[(9Z)-オクタデカ-9-エン-1-イルオキシ]メチル}プロパン-1-オール;
(20Z,23Z)-N,N-ジメチルノナコサ-20,23-ジエン-10-アミン;
(17Z,20Z)-N,N-ジメチルヘキサコサ-17,20-ジエン-9-アミン;
(16Z,19Z)-N,N-ジメチルペンタコサ-16,19-ジエン-8-アミン;
(13Z,16Z)-N,N-ジメチルドコサ-13,16-ジエン-5-アミン;
(12Z,15Z)-N,N-ジメチルヘニコサ-12,15-ジエン-4-アミン;
(14Z,17Z)-N,N-ジメチルトリコサ-14,17-ジエン-6-アミン;
(15Z,18Z)-N,N-ジメチルテトラコサ-15,18-ジエン-7-アミン;
(18Z,21Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-18,21-ジエン-10-アミン;
(15Z,18Z)-N,N-ジメチルテトラコサ-15,18-ジエン-5-アミン;
(14Z,17Z)-N,N-ジメチルトリコサ-14,17-ジエン-4-アミン;
(19Z,22Z)-N,N-ジメチルオクタコサ-19,22-ジエン-9-アミン;
(18Z,21Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-18,21-ジエン-8-アミン;
(17Z,20Z)-N,N-ジメチルヘキサコサ-17,20-ジエン-7-アミン;
(16Z,19Z)-N,N-ジメチルペンタコサ-16,19-ジエン-6-アミン;
(22Z,25Z)-N,N-ジメチルヘントリアコンタ-22,25-ジエン-10-アミン;
(21Z,24Z)-N,N-ジメチルトリアコンタ-21,24-ジエン-9-アミン;
(18Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-18-エン-10-アミン;
(17Z)-N,N-ジメチルヘキサコサ-17-エン-9-アミン;
(19Z,22Z)-N,N-ジメチルオクタコサ-19,22-ジエン-7-アミン;
N,N-ジメチルヘプタコサン-10-アミン;
(20Z,23Z)-N-エチル-N-メチルノナコサ-20,23-ジエン-10-アミン;
1-[(11Z,14Z)-1-ノニルコサ-11,14-ジエン-1-イル]ピロリジン;
(20Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-20-エン-10-アミン;
(15Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-15-エン-10-アミン;
(14Z)-N,N-ジメチルノナコサ-14-エン-10-アミン;
(17Z)-N,N-ジメチルノナコサ-17-エン-10-アミン;
(24Z)-N,N-ジメチルトリトリアコント-24-エン-10-アミン;
(20Z)-N,N-ジメチルノナコサ-20-エン-10-アミン;
(22Z)-N,N-ジメチルヘントリアコンタ-22-エン-10-アミン;
(16Z)-N,N-ジメチルペンタコサ-16-エン-8-アミン;
(12Z,15Z)-N,N-ジメチル-2-ノニルヘニコサ-12,15-ジエン-1-アミン;
(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン;
N,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘプタデカン-8-アミン;
1-[(1S,2R)-2-ヘキシルシクロプロピル]-N,N-ジメチルノナデカン-10-アミン;
N,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ノナデカン-10-アミン;
N,N-ジメチル-21-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘニコサン-10-アミン;
N,N-ジメチル-1-[(1S,2S)-2-{[(1R,2R)-2-ペンチルシクロプロピル]メチル}シクロプロピル]ノナデカン-10-アミン;
N,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘキサデカン-8-アミン;
N,N-ジメチル-1-[(1R,2S)-2-ウンデシルシクロプロピル]テトラデカン-5-アミン;
N,N-ジメチル-3-{7-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘプチル}ドデカン-1-アミン;
1-[(1R,2S)-2-ヘプチルシクロプロピル]-N,N-ジメチルオクタデカン-9-アミン;
1-[(1S,2R)-2-デシルシクロプロピル]-N,N-ジメチルペンタデカン-6-アミン;
N,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ペンタデカン-8-アミン;および
(11E,20Z,23Z)-N,N-ジメチルノナコサ-11,20,23-トリエン-10-アミン;
またはそれらの薬学的に許容される塩、または前記のもののいずれかの立体異性体。
【0132】
本発明のもう1つの実施形態においては、カチオン性脂質は、(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミンまたはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体から選択される。
【0133】
本発明のもう1つの実施形態においては、カチオン性脂質は、(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン(CLA)である。
【0134】
本開示は、とりわけ、肺炎球菌コンジュゲートと、3つのSNE成分、すなわち、1)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、2)ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、および3)スクアレンとを含む組成物を提供する。
【0135】
幾つかの実施形態においては、SNEは32~97モル%のスクアレン、1~34モル%のSPAN-85、および1~34モル%のPS-20またはPS-80を含む。
【0136】
幾つかの実施形態においては、SNEは86~98モル%のスクアレン、1~7モル%のSPAN-85、および1~7モル%のPS-20またはPS-80を含む。
【0137】
幾つかの実施形態においては、SNEは92~94モル%のスクアレン、3~4モル%のSPAN-85、および3~4モル%のPS-20またはPS-80を含む。
【0138】
本発明の1つの実施形態においては、SNEは92.91モル%のスクアレン、3.98モル%のSPAN-85、および3.11モル%のPS-20またはPS-80を含む。
【0139】
本開示は、とりわけ、肺炎球菌コンジュゲートと、4つのSNE成分、すなわち、1)カチオン性脂質、2)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、3)ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、および4)スクアレンとを含む組成物を提供する。特定のSNE組成物はカチオン性脂質(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン(「CLA」;またはSNE中にカチオン性脂質が含まれる場合には「CLA-SNE」)を含む。
【0140】
幾つかの実施形態においては、SNEは1~60モル%のカチオン性脂質、32~97モル%のスクアレン、1~4モル%のSPAN-85、および1~4モル%のPS-20またはPS-80を含む。
【0141】
幾つかの実施形態においては、SNEは10~14モル%のカチオン性脂質、78~84モル%のスクアレン、1~6モル%のSPAN-85、および1~6モル%のPS-20またはPS-80を含む。
【0142】
幾つかの実施形態においては、SNEは40~46モル%のカチオン性脂質、44~52モル%のスクアレン、1~8モル%のSPAN-85、および1~8モル%のPS-20またはPS-80を含む。
【0143】
本発明の1つの実施形態においては、SNEは13.82モル%のカチオン性脂質、80.07モル%のスクアレン、3.43モル%のSPAN-85、および2.68モル%のPS-20またはPS-80を含む。
【0144】
本発明の1つの実施形態においては、SNEは44.5モル%のカチオン性脂質、51.56モル%のスクアレン、2.21モル%のSPAN-85、および1.72モル%のPS-20またはPS-80を含む。
【0145】
本発明の幾つかの実施形態においては、SNEは、界面活性剤、複数の界面活性剤の混合物、リン脂質、テルペン、テルペノイド、トリテルペンまたはそれらの組合せから選択されうる1以上の非カチオン性脂質を更に含む。
【0146】
幾つかの実施形態においては、界面活性剤には以下のものが含まれうる(それらに限定されるものではない):ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(一般にTweenと称される)、特にPS-20およびPS-80;エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)および/またはブチレンオキシド(BO)のコポリマーであってDOWFAX(商標)なる商品名で販売されているもの、例えば線状EO/POブロックコポリマー;反復エトキシ(オキシ-1,2-エタンジイル)基の数が様々でありうるオクトキシノール[オクトキシノール-9(Triton X-100またはt-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)に特に関心が持たれる];(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール(IGEPAL CA-630/NP-40);ノニルフェノールエトキシラート、例えばTergitol(商標)NPシリーズ;ラウリル、セチル、ステアリルおよびオレイルアルコールから誘導されるポリオキシエチレン脂肪エーテル(Brij界面活性剤として公知である)、例えばトリエチレングリコールモノラウリルエーテル(Brij30);ならびにソルビタンエステル(一般にSPANとして公知である)、例えばソルビタントリオレアート(Span-85、Tween-85または[2-[(2R,3S,4R)-4-ヒドロキシ-3-[(Z)-オクタデカ-9-エノイル]オキシオキソラン-2-イル]-2-[(Z)-オクタデカ-9-エノイル]オキシエチル](Z)-オクタデカ-9-エノアート)およびソルビタンモノラウラート。
【0147】
幾つかの実施形態においては、界面活性剤の混合物、例えばPS-20/Span85またはPS-80/Span85混合物が使用されうる。ポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(PS-80)と、オクトキシノール、例えばt-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(トリトンX-100)との組合せも適している。もう1つ有用な組合せは、ラウレス9と、ポリオキシエチレンソルビタンエステルおよび/またはオクトキシノールとを含む。
【0148】
幾つかの実施形態においては、界面活性剤または乳化剤の好ましい量は以下のとおりである:ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えば、PS-20またはPS-80)0.01~10モル%、特に約1~4モル%;オクチルまたはノニルフェノキシポリオキシエタノール(例えば、Triton X-100、またはTriton系列の他の界面活性剤)0.001~10モル%、特に約1~4モル% w/v、特に0.01~0.1% w/v;ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ラウレス9)0.1~20モル%、好ましくは0.5~10モル%、特に1~4%モル%または約10質量%。
【0149】
幾つかの実施形態においては、リン脂質には、天然リン脂質、例えばホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)およびホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジン酸(ホスファチダート)(PA)、ジパルミトイルホスファチジルコリン、モノアシル-ホスファチジルコリン(リソPC)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POPC)、N-アシル-PE、ホスホイノシチドおよびホスホスフィンゴ脂質が含まれうるが、これらに限定されるものではない。リン脂質誘導体には、ホスファチジン酸(DMPA、DPPA、DSPA)、ホスファチジルコリン(DDPC、DLPC、DMPC、DPPC、DSPC、DOPC、POPC、DEPC)、ホスファチジルグリセロール(DMPG、DPPG、DSPG、POPG)、ホスファチジルエタノールアミン(DMPE、DPPE、DSPE DOPE)、ホスファチジルセリン(DOPS)が含まれる。脂肪酸には、C14:0、パルミチン酸(C16:0)、ステアリン酸(C18:0)、オレイン酸(C18:1)、リノール酸(C18:2)、リノレン酸(C18:3)およびアラキドン酸(C20:4)、C20:0、C22:0およびレシシン(lethicin)が含まれる。本発明の特定の実施形態においては、リン脂質はホスファチジルセリン、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、1,2-ジパルミトレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)、ジラウロイルホスファチジルコリン(DLPC)、1,2-ジエイコセノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンまたは1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)でありうる。
【0150】
幾つかの実施形態においては、テルピンには以下のものが含まれうるが、それらに限定されるものではない:モノテルペン、例えばゲラニオール、テルピネオール、リモネン、ミルセン、リナロオールまたはピネン;セスキテルペン、例えばフムレン、ファルネセン、ファルネソール;ジテルペン、例えばカフェストール、カーウェオール、センブレンおよびタキサジエン、トリテルペン、例えばスクアレンおよびスクアランテ;テトラテルペン、例えば非環式リコピン、単環式ガンマ-カロテン、ならびに二環式アルファ-およびベータ-カロテン;ポリテルペンおよびノルイソプレノイド。幾つかの実施形態においては、テルピンはスクアレンである。
【0151】
本発明の1つの実施形態においては、SNEは50~85モル%のスクアレンおよび1~10モル%の非イオン性界面活性剤を含む。この実施形態の1つの態様においては、非イオン性界面活性剤はPS-20とSPAN-85との混合物またはPS-80とSPAN-85との混合物を含む。
【0152】
本発明の1つの実施形態においては、SNEは0~45モル%のカチオン性脂質、50~85モル%のスクアレン、および1~10モル%の非イオン性界面活性剤を含む。この実施形態の1つの態様においては、非イオン性界面活性剤はPS-20とSPAN-85との混合物またはPS-80とSPAN-85との混合物を含む。
【0153】
SNEの一般的製造方法(カチオン性脂質の存在下および非存在下)
一般に、SNEは、例えば、最初に脂質成分を一緒にし混合することによって、または最初にカチオン性脂質のような単一の脂質を利用することによって形成されうる。混合しブレンドしたら(脂質成分を一緒にし混合する場合)、水性バッファーを加え、最初の脂質または脂質成分と混合して、ブレンドされたエマルション混合物を形成させる。ブレンドされたエマルション成分を最初に粗い均質化(ホモジナイゼーション)に付し、次いで細かい均質化に付す。次いで、得られた配合物を最終濾過工程に付し、4℃で貯蔵する。脂質溶液は1以上のカチオン性脂質、1以上のテルペン(例えば、スクアレン)、1以上のソルビタンベースの界面活性剤(例えば、PS-20またはPS-80;SPAN-85)を特定のモル比で含みうる。
【0154】
LNPの一般的製造方法
LNPおよびLNPの製造方法は当技術分野で周知である。LNPは公知であり、以下の刊行物に記載されている:US,7,691,405、US2006/0083780、US2006/0240554、US2008/0020058、US2009/0263407、US2009/0285881、WO2009/086558、WO2009/127060、WO2009/132131、WO2010/042877、WO2010/054384、WO2010/054401、WO2010/054405およびWO2010/054406。
【0155】
LNPの製造方法は以下の4つの主要工程からなる:1)脂質混合物および水性バッファーの溶液調製、2)スプリットストリーム(split stream)混合によるLNP形成、3)限外濾過、および4)濾過。
【0156】
一般に、脂質成分をエタノールに溶解させた後、滅菌濾過して脂質混合物を形成させる。幾つかの水性バッファーも調製される。次いで脂質混合物とバッファー流とを、TチューブまたはYミキサーを使用して混合し、次いで出口直後に水性バッファーで希釈し、それと混合して、LNP中間体を形成させる。次いでLNP中間体を限外濾過に付して、該物質を濃縮すると共に、適切なバッファーに対して該物質をダイアフィルトレーションに付して、残留エタノールを除去する。ダイアフィルトレーションの後、最終目標濃度を達成するために最終濃縮工程を行う。次いでLNPバルクを滅菌フィルターで濾過し、-70℃で冷凍貯蔵する。
【0157】
肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物
肺炎球菌コンジュゲートワクチンまたは組成物は既に開示されている。WO2011/100151、WO2019/139692およびWO2020/131763を参照されたい。
【0158】
ストレプトコッカス・ニューモニエ由来の細菌莢膜多糖の例としては、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19A、19F、20(20Aおよび20B)、22F、23A、23B、23F、24F、33F、35B、35Fまたは38が挙げられる。
【0159】
莢膜多糖の一般的な製造方法
肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物の製造方法は既に開示されている。WO2011/100151、WO2019/139692およびWO2020/131763を参照されたい。
【0160】
細菌莢膜多糖、特に抗原として使用されているものは、本発明における使用に適しており、免疫原性および/または抗原性多糖を特定するための方法によって容易に特定されうる。ストレプトコッカス・ニューモニエ由来の細菌莢膜多糖の例としては、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19A、19F、20(20Aおよび20B)、22F、23A、23B、23F、24F、33F、35B、35Fまたは38が挙げられる。
【0161】
多糖は公知技術によって精製されうる。しかし、本発明は、天然源から精製された多糖に限定されず、多糖は全合成または部分合成のような他の方法によって得られうる。ストレプトコッカス・ニューモニエ由来の莢膜多糖は、当業者に公知の標準的な技術によって製造されうる。例えば、多糖は細菌から単離可能であり、ある程度は公知方法によって(例えば、欧州特許番号EP497524およびEP497525を参照されたい)、好ましくは、ホモジナイザーを使用して達成される顕微溶液化(microfluidization)または化学的加水分解によってサイジングされうる。各多糖血清型に対応するストレプトコッカス・ニューモニエ株はダイズベースの培地において増殖されうる。次いで個々の多糖を、遠心分離、沈殿および限外濾過を含む標準的な工程によって精製することが可能である。例えば、米国特許出願公開第2008/0286838号および米国特許第5,847,112号を参照されたい。粘度を低下させるために、ならびに/または濾過性およびその後のコンジュゲート化生成物のロット間の一貫性を改善するために、多糖をサイジングすることが可能である。
【0162】
標準的な技術を用いて、担体タンパク質と反応しうる官能性を導入するために、精製された多糖を化学的に活性化することが可能である。多糖の化学的活性化および後続の担体タンパク質へのコンジュゲート化(結合)は、米国特許第4,365,170号、第4,673,574号および第4,902,506号に記載されている手段によって達成される。簡潔に説明すると、肺炎球菌多糖を、ペルヨーダートに基づく酸化剤、例えば過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウムまたは過ヨウ素酸と反応させて、隣接ヒドロキシル基の酸化的開裂をもたらして、反応性アルデヒド基を生成させる。ペルヨーダート(例えば、過ヨウ素酸ナトリウム、メタ過ヨウ素酸ナトリウムなど)の適切なモル当量には、0.05~0.5モル当量(ペルヨーダート対多糖反復単位のモル比)または0.1~0.5モル当量が含まれる。ペルヨーダートの反応は、過ヨウ素酸ナトリウムへの反応性ヒドロキシル基の接近性を制御するジオールコンホメーション(例えば、非環式ジオール、シスジオール、トランスジオール)に応じて、30分間から24時間までの様々な時間を要しうる。
【0163】
「ペルヨーダート」なる語は過ヨウ素酸塩(ペルヨーダート)および過ヨウ素酸の両方を含む。この用語はまた、メタペルヨーダート(IO4)およびオルトペルヨーダート(IO6)の両方を含み、ペルヨーダートの種々の塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)を含む。莢膜多糖は、メタペルヨーダートの存在下または過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)の存在下で酸化される。更に、莢膜多糖は、オルトペルヨーダートの存在下または過ヨウ素酸の存在下で酸化されうる。
【0164】
また、精製された多糖はリンカーに連結されうる。各莢膜多糖は、活性化され又はリンカーに連結されたら、担体タンパク質に個々にコンジュゲート化されて糖コンジュゲート(複合糖質)を形成する。多糖コンジュゲートは、公知のカップリング技術によって製造されうる。
【0165】
多糖はリンカーにカップリング(結合)されて、リンカーの遊離末端がエステル基である多糖-リンカー中間体を形成しうる。したがって、リンカーは、少なくとも1つの末端がエステル基であるリンカーである。他方の末端は、それが多糖と反応して多糖-リンカー中間体を形成しうるように選択される。
【0166】
多糖は、多糖における第一級アミン基を使用してリンカーにカップリングされうる。この場合、リンカーは、典型的には、両方の末端にエステル基を有する。これは、エステル基の1つを多糖の第一級アミン基と求核アシル置換により反応させることにより、カップリングが生じることを可能にする。該反応は、多糖がアミド結合を介してリンカーにカップリングされた多糖-リンカー中間体を生成する。したがって、該リンカーは、多糖の第一級アミン基と反応するための第1エステル基と、担体分子の第一級アミン基と反応するための第2エステル基とを提供する二官能性リンカーである。典型的なリンカーはアジピン酸N-ヒドロキシスクシンイミドジエステル(SIDEA)である。
【0167】
カップリングは間接的に行われることも可能であり、すなわち、リンカーへのカップリングの前に多糖を誘導体化するために使用される追加的リンカーを使用して行われうる。
【0168】
多糖は、多糖の還元末端におけるカルボニル基を使用して、追加的リンカーにカップリングされうる。このカップリングは、以下の2つの工程、すなわち、(a1)カルボニル基を追加的リンカーと反応させる工程、および(a2)追加的リンカーの遊離末端をリンカーと反応させる工程を含む。これらの実施形態においては、追加的リンカーは、典型的には、両方の末端に第一級アミン基を有し、それにより、第一級アミン基の1つを多糖のカルボニル基と還元的アミノ化により反応させることにより工程(a1)を行うことを可能にする。多糖のカルボニル基と反応性である第一級アミン基が使用される。ヒドラジドまたはヒドロキシルアミノ基が好適である。同じ第一級アミン基が、典型的には、多糖(Ps)-Psカップリングの可能性を可能にする追加的リンカーの両方の末端に存在する。該反応は、多糖がC-N結合を介して追加的リンカーにカップリングされた多糖-追加的リンカー中間体を生成する。
【0169】
多糖は、多糖における異なる基、特にカルボキシル基を使用して、追加的リンカーにカップリングされうる。このカップリングは、以下の2つの工程、すなわち、(a1)該基を追加的リンカーと反応させる工程、および(a2)追加的リンカーの遊離末端をリンカーと反応させる工程を含む。この場合、追加的リンカーは、典型的には、両方の末端に第一級アミン基を有し、それにより、第一級アミン基の1つを多糖のカルボキシル基とEDAC活性化により反応させることにより工程(a1)を行うことを可能にする。多糖のEDAC活性化カルボキシル基と反応性である第一級アミン基が使用される。ヒドラジド基が好適である。同じ第一級アミン基が、典型的には、追加的リンカーの両方の末端に存在する。該反応は、多糖がアミド結合を介して追加的リンカーにカップリングされた多糖-追加的リンカー中間体を生成する。
【0170】
担体タンパク質
本発明の特定の実施形態においては、担体タンパク質としてCRM197を使用する。CRM197はジフテリア毒素の無毒性変異体(すなわち、トキソイド)である。CRM197は、カザミノ酸および酵母エキスベース培地内で増殖したコリネバクテリウム・ジフテリア(Corynebacterium diphtheria)株C7(b197)の培養物から単離されうる。更に、CRM197は、米国特許第5,614,382号に記載されている方法に従い組換え的に製造されうる。典型的には、CRM197は、限外濾過、硫酸アンモニウム沈殿およびイオン交換クロマトグラフィーの組合せにより精製される。幾つかの実施形態においては、CRM197は、Pfenex Expression Technology(商標)(Pfenex Inc.,San Diego,CA)を使用して、シュードモナス・フルオレセンス(シュードモナス・フルオレッセンス)(Pseudomonas fluorescens)において製造される。
【0171】
他の適切な担体タンパク質には、追加的な不活性化(不活化)細菌毒素、例えばDT(ジフテリアトキソイド)、TT(破傷風トキソイド)またはTTの断片C、百日咳トキソイド、コレラトキソイド(例えば、国際特許出願公開番号WO 2004/083251に記載されているもの)、大腸菌(E.coli)LT、大腸菌(E.coli)ST、およびシュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)由来の外毒素Aが含まれる。細菌外膜タンパク質、例えば外膜タンパク質複合体c(OMPC)、ポーリン、トランスフェリン結合タンパク質、肺炎球菌表面タンパク質A(PspA;国際出願特許公開番号WO 02/091998を参照されたい)、肺炎球菌アドヘシンタンパク質(PsaA)、群Aもしくは群Bストレプトコッカス由来のC5aペプチダーゼ、またはヘモフィルス・インフルエンゼ(Haemophilus influenzae)プロテインD、肺炎球菌ニューモリシン(Kuoら,1995,Infect Immun 63;2706-13)、例えば、何らかの様態で解毒されたply、例えばdPLY-GMBS(国際特許出願公開番号WO 04/081515を参照されたい)もしくはdPLY-フォルモール(formol)、PhtX、例えばPhtA、PhtB、PhtD、PhtEおよびPhtタンパク質の融合物、例えばPhtDE融合物、PhtBE融合物(国際特許出願公開番号WO 01/98334およびWO 03/54007を参照されたい)も使用されうる。他のタンパク質、例えばオボアルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)またはツベルクリンの精製タンパク質誘導体(PPD)、PorB(N.meningitidis由来)、PD(Haemophilus influenzaeプロテインD;例えば欧州特許番号EP 0 594 610 Bを参照されたい)、またはその免疫学的に機能的な同等物、合成ペプチド(欧州特許番号EP0378881およびEP0427347を参照されたい)、熱ショックタンパク質(国際特許出願公開番号WO 93/17712およびWO 94/03208を参照されたい)、百日咳タンパク質(国際特許出願公開番号WO 98/58668および欧州特許番号EP0471177を参照されたい)、サイトカイン、リンホカイン、増殖因子またはホルモン(国際特許出願公開番号WO 91/01146を参照されたい)、種々の病原体由来抗原からの複数のヒトCD4+ T細胞エピトープを含む人工タンパク質(Falugiら,2001,Eur J Immunol 31:3816-3824を参照されたい)、例えばN19タンパク質(Baraldoiら,2004,Infect Immun 72:4884-7を参照されたい)、鉄取り込みタンパク質(国際特許出願公開番号WO 01/72337を参照されたい)、クロストリジウム・ディフィシレ(C.difficile)の毒素AまたはB(国際特許公開番号WO 00/61761を参照されたい)、およびフラゲリン(Ben-Yedidiaら,1998,Immunol Lett 64:9を参照されたい)も担体タンパク質として使用されうる。
【0172】
多価ワクチンが使用される場合、多価ワクチンにおける抗原の1以上に、第2担体が使用されうる。第2担体タンパク質は、好ましくは、無毒性かつ無反応性であり、十分な量および純度で入手可能なタンパク質である。第2担体タンパク質も、抗原の免疫原性を増強するために、抗原、例えばストレプトコッカス・ニューモニエ多糖にコンジュゲート化または結合される。担体タンパク質は、標準的なコンジュゲート化法に適合しているべきである。第1担体タンパク質にコンジュゲート化されていない各莢膜多糖は、同じ第2担体タンパク質にコンジュゲート化されうる(例えば、各莢膜多糖分子は単一の担体タンパク質にコンジュゲート化される)。第1担体タンパク質にコンジュゲート化されていない莢膜多糖は2以上の担体タンパク質にコンジュゲート化されうる(各莢膜多糖分子は単一の担体タンパク質にコンジュゲート化される)。そのような実施形態においては、同じ血清型の各莢膜多糖は、典型的には、同じ担体タンパク質にコンジュゲート化される。他のDT突然変異体、例えば以下のものも、第2担体タンパク質として使用されうる:CRM176、CRM228、CRM45(Uchidaら,1973,J Biol Chem 218:3838-3844);CRM9、CRM45、CRM102、CRM103およびCRM107、ならびにNichollsおよびYoule,Genetically Engineered Toxins,Frankel編,Maecel Dekker Inc,1992に記載されている他の突然変異を有するもの;Glu-148の欠失またはそれからAsp、GlnもしくはSerへの突然変異および/またはAla 158からGlyへの突然変異および米国特許第4,709,017号または米国特許第4,950,740号に開示されている他の突然変異を有するもの;Lys 516、Lys 526、Phe 530および/またはLys 534の少なくとも1以上の残基の突然変異、ならびに米国特許第5,917,017号または米国特許第6,455,6735号に開示されている他の突然変異を有するもの;または米国特許第5,843,711号に開示されている断片。
【0173】
還元的アミノ化によるコンジュゲート化
担体タンパク質への多糖の共有結合は、多糖上のアミン反応性部分がタンパク質の第一級アミン基(主にリジン残基)に直接結合する還元的アミノ化によって行われうる。周知のとおり、還元的アミノ化反応は2段階のメカニズムで進行する。まず、分子1のアルデヒド基(R-CHO)と分子2の第一級アミン基(R’-NH2)との反応によって、式R-CH=N-R’のシッフ塩基中間体が形成される。第2工程において、シッフ塩基が還元されて、式R-CH2-NH-R’のアミノ化合物が形成される。多数の還元剤が利用可能であるが、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaCNBH)のような高選択性還元剤が最もよく使用される。なぜなら、そのような試薬はシッフ塩基のイミン官能基のみを特異的に還元するからである。
【0174】
多糖の全ては鎖の末端にアルデヒド官能基(末端アルデヒド官能基)を有するため、多糖の還元的アミノ化を含むコンジュゲート化法が非常に一般的に適用可能であり、反復単位内の他のアルデヒド官能基(鎖内アルデヒド官能基)が存在しない場合、そのような方法は、多糖分子が担体タンパク質の単一分子に結合したコンジュゲートを得ることを可能にする。
【0175】
典型的な還元剤はシアノ水素化ホウ素塩、例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウムである。典型的に使用されるイミン選択的還元剤はシアノ水素化ホウ素ナトリウムであるが、シアノ水素化ホウ素カリウムを含む他のシアノ水素化ホウ素塩も使用されうる。シアノ水素化ホウ素ナトリウム試薬ロットにおける初期シアニドレベルおよびコンジュゲート化反応における残留シアニドレベルの差異は、一貫性のないコンジュゲート化性能をもたらして、コンジュゲートサイズおよびコンジュゲートPs対CRM197比のような製品特性の変動をもたらしうる。最終反応生成物における遊離シアニドレベルを制御および/または低減することにより、コンジュゲート化の変動性が低減されうる。
【0176】
多糖上の残留未反応アルデヒドは、所望により、水素化ホウ素ナトリウムのような強力な還元剤の添加によって還元されてもよい。一般に、強力な還元剤の使用が好ましい。しかし、一部の多糖では、この工程を回避することが好ましい。例えば、ストレプトコッカス・ニューモニエ血清型5には、強力な還元剤と容易に反応しうるケトン基を含有する。この場合、多糖の抗原構造を保護するために還元工程を回避することが好ましい。
【0177】
コンジュゲート化の後、濃縮/ダイアフィルトレーション操作、限外濾過、沈殿/溶出、カラムクロマトグラフィーおよびデプス濾過を含む当業者に周知の任意の技術の1以上によって、過剰なコンジュゲート化試薬ならびに残留遊離担体タンパク質および遊離多糖を除去するために、多糖-担体タンパク質コンジュゲートを精製する。例えば、米国特許第6,146,902号を参照されたい。1つの実施形態においては、精製工程は限外濾過による。
【0178】
肺炎球菌コンジュゲート組成物
本発明は、カチオン性脂質の存在下または非存在下、多糖-担体タンパク質コンジュゲートをSNEと共に含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。本発明は更に、カチオン性脂質および薬学的に許容される担体の存在下または非存在下、多糖-担体タンパク質コンジュゲートをSNEと共に含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。本発明は更に、カチオン性脂質および所望により使用されてもよい薬学的に許容される担体の存在下または非存在下、本明細書に記載されている多糖-担体タンパク質コンジュゲートの組合せのいずれかをSNEと共に含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。本発明の組成物は、2~3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34または35個の異なる多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含み、またはそれらから本質的になり、またはそれらからなり、ここで、コンジュゲートのそれぞれは、担体タンパク質にコンジュゲート化された異なる莢膜多糖を含む。1つの実施形態においては、多糖-担体タンパク質コンジュゲートの一部である多糖はストレプトコッカス・ニューモニエの血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19A、19F、20(20Aまたは20B)、22F、23A、23B、23F、24F、33F、35B、35Fおよび38を含むが、これらに限定されるものではない。もう1つの実施形態においては、血清型の群は4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型の群は3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されている。もう1つの実施形態においては、全ての血清型は担体タンパク質にコンジュゲート化されている。もう1つの実施形態においては、好ましい担体タンパク質はCRM197である。
【0179】
使用方法/投与量
本発明の組成物は、全身または粘膜経路によりワクチンを投与することによって、感染、例えば肺炎球菌感染を受けやすいヒトを防御または治療するために使用されうる。1つの実施形態においては、本発明は、本発明の組成物の免疫学的有効量をヒトに投与することを含む、ストレプトコッカス・ニューモニエ莢膜多糖コンジュゲートに対する免疫応答を誘導する方法を提供する。もう1つの実施形態においては、本発明は、本発明の組成物の免疫学的有効量をヒトに投与する工程を含む、肺炎球菌感染に対してヒトにワクチン接種する方法を提供する。
【0180】
個々のワクチンの成分の最適量は、対象における適切な免疫応答の観察を含む標準的な研究によって確認できる。例えば、もう1つの実施形態においては、ヒトへのワクチン接種の投与量は動物研究からヒトのデータへの外挿によって決定される。もう1つの実施形態においては、投与量は経験的に決定される。
【0181】
本発明の方法は、侵襲性感染症(髄膜炎、肺炎および菌血症)および非侵襲性感染症(急性中耳炎および副鼻腔炎)の両方を含む、ストレプトコッカス・ニューモニエによって引き起こされる一次臨床症候群の予防および/または軽減のために使用されうる。
【0182】
本発明の組成物の投与は、筋肉内、腹腔内、皮内もしくは皮下経路による注射、または口腔/消化管、呼吸器または泌尿生殖路への粘膜投与のうちの1以上を含みうる。1つの実施形態においては、肺炎または中耳炎の治療のために鼻腔内投与を用いる(なぜなら、肺炎球菌の鼻咽頭保菌がより有効に予防されて、感染がその初期段階において軽減されうるからである)。
【0183】
各ワクチン用量におけるコンジュゲートの量は、有意な副作用を伴わずに免疫防御応答を誘導する量として選択されうる。そのような量は肺炎球菌血清型に応じて変動しうる。一般に、多糖に基づくコンジュゲートの場合、各用量は0.1~100mg、特に0.1~10mg、より詳細には1~5mgの各多糖を含む。例えば、各用量は100、150、200、250、300、400、500もしくは750ngまたは1、1.5、2、3、4、5、6、7、7.5、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、22、25、30、40、50、60、70、80、90または100mgを含みうる。
【0184】
本発明の方法のいずれかによれば、1つの実施形態においては、対象はヒトである。特定の実施形態においては、ヒト患者は乳児(1歳未満)、幼児(約12~24ヶ月)または小児(約2~5歳)である。他の実施形態においては、ヒト患者は高齢患者(65歳より上)である。本発明の組成物は、より年長の子供、青少年および成人(例えば、18~45歳または18~65歳)に対する使用にも適している。
【0185】
したがって、本発明の1つの実施形態は、本発明の組成物のいずれかの免疫学的有効量を対象に投与することを含む、患者または対象におけるストレプトコッカス・ニューモニエによって引き起こされる疾患または障害の治療または予防方法を含む。他の実施形態においては、本発明は、(i)以下の(a)、(b)、(c)、(e)、(f)または(g)における使用のための、(ii)以下の(a)、(b)、(c)、(e)、(f)または(g)のための医薬または組成物としての使用のための、あるいは(iii)以下の(a)、(b)、(c)、(e)、(f)または(g)のための医薬の製造(または生産)における使用のための、本発明の組成物(すなわち、本明細書の全体に記載されている組成物)を含む:(a)(例えば、人体の)治療、(b)医薬、(c)ストレプトコッカス・ニューモニエによる感染の治療または予防、(e)ストレプトコッカス・ニューモニエ感染の再発の予防、(f)ストレプトコッカス・ニューモニエ感染に関連する病的症状の進行、発症もしくは重症度の低減および/またはストレプトコッカス・ニューモニエ感染の可能性の低減、あるいは(g)髄膜炎、肺炎、菌血症、急性中耳炎および副鼻腔炎(これらに限定されるものではない)を含むストレプトコッカス・ニューモニエ関連疾患の治療、予防、またはその発生、重症化もしくは進行の遅延、およびストレプトコッカス・ニューモニエによって引き起こされる疾患または障害の治療または予防。
【0186】
本発明の方法の1つの実施形態においては、本発明の組成物は単回接種として投与される。もう1つの実施形態においては、ワクチンは、適切な間隔をおいて2回、3回または4回以上投与される。例えば、組成物は1、2、3、4、5もしくは6ヶ月の間隔またはそれらの任意の組合せで投与されうる。免疫化スケジュールは、肺炎球菌ワクチンに関して定められたものに従うことが可能である。例えば、ストレプトコッカス・ニューモニエによって引き起こされる浸潤性疾患に対する乳児および幼児に関する通常のスケジュールは2月齢、4月齢、6月齢および12~15月齢である。したがって、好ましい実施形態においては、組成物は2月齢、4月齢、6月齢および12~15月齢における4用量シリーズとして投与される。
【0187】
本発明の組成物はストレプトコッカス・ニューモニエ由来の1以上のタンパク質をも含みうる。含まれるのに適したストレプトコッカス・ニューモニエタンパク質の例には、国際特許出願公開番号WO 02/083855およびWO 02/053761において特定されているものが含まれる。
【0188】
本発明の製剤
幾つかの実施形態においては、SNEとストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、少なくとも1個、または少なくとも3個、または少なくとも7個、または少なくとも10個、または少なくとも13個、または少なくとも15個、または少なくとも20個、または少なくとも24個、または少なくとも27個、または少なくとも30個のストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40個のストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、脱O-アセチル-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。幾つかの実施形態においては、SNEと、3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなるストレプトコッカス・ニューモニエ血清型を含有するストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートとを含む組成物を提供する。
【0189】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートおよび安定ナノエマルション(SNE)を含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0190】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートおよびSNEおよび薬学的に許容される担体を含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0191】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、乳化剤および/または可溶化剤および/または界面活性剤および所望により使用されてもよいカチオン性脂質またはそれらの混合物を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0192】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、界面活性剤および/またはテルペンおよび/またはカチオン性脂質またはそれらの混合物を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0193】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、1以上の界面活性剤および1以上のテルペンおよび所望により使用されてもよい1以上のカチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0194】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、1~3個の界面活性剤および1~3個のテルペンおよび所望により使用されてもよい1~3個のカチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0195】
本発明は更に、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、1~2個の界面活性剤および1~2個のテルペンおよび所望により使用されてもよい1~2個のカチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0196】
本発明は更に、1)ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、2)i)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、(ii)ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、iii)スクアレン、および所望により使用されてもよいiv)カチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0197】
本発明は、1)ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、2)i)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、(ii)ポリソルベート-20(PS-20)、iii)スクアレン、および所望により使用されてもよいiv)カチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0198】
本発明は更に、1)ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、2)i)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、(ii)ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、iii)スクアレンおよびiv)所望により使用されてもよいカチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、カチオン性脂質は脂質ナノ粒子(LNP)と会合していない。
【0199】
本発明は更に、1)ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートと、2)i)ソルビタントリオレアート(SPAN-85)、(ii)ポリソルベート-20(PS-20)、iii)スクアレンおよびiv)所望により使用されてもよいカチオン性脂質を含むSNEとを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、カチオン性脂質は脂質ナノ粒子(LNP)と会合していない。
【0200】
本発明は更に、薬学的に許容される担体を含む前記の肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供する。
【0201】
幾つかの実施形態においては、前記組成物は、担体タンパク質がCRM197である、多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む。
【0202】
前記組成物の1つの実施形態においては、SNEはPS-20を含む。もう1つの実施形態においては、SNEはPS-80を含む。
【0203】
1つの実施形態においては、組成物はカチオン性脂質CLA、CLXまたはCLYを含む。
【0204】
1つの実施形態においては、組成物はカチオン性脂質CLAを含む。
【0205】
1つの実施形態においては、組成物は、DLinDMA、DLinKC2DMA、DLin-MC3-DMA、CLinDMAおよびS-オクチルCLinDMAから選択されるカチオン性脂質を含む。
【0206】
1つの実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートは、CRM197である担体タンパク質にコンジュゲート化された1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19A、19F、20(20Aおよび20B)、22F、23A、23B、23F、24F、33F、35B、35Fおよび38から選択される血清型のいずれか(これらに限定されるものではない)を含む特定のストレプトコッカス・ニューモニエ血清型の多糖を含有する。もう1つの実施形態においては、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートは、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。もう1つの実施形態においては、血清型は、担体タンパク質CRM197に全てがコンジュゲート化されている血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含む、またはそれらから本質的になる、またはそれらからなる。
【0207】
1つの実施形態においては、本発明は、7個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0208】
1つの実施形態においては、本発明は、13個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0209】
1つの実施形態においては、本発明は、15個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0210】
1つの実施形態においては、本発明は、20個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0211】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0212】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0213】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0214】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0215】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0216】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、およびスクアレンを更に含む。
【0217】
1つの実施形態においては、本発明は、7個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0218】
1つの実施形態においては、本発明は、13個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0219】
1つの実施形態においては、本発明は、15個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0220】
1つの実施形態においては、本発明は、20個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0221】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0222】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0223】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0224】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0225】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0226】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質を更に含む。
【0227】
1つの実施形態においては、本発明は、7個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0228】
1つの実施形態においては、本発明は、13個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0229】
1つの実施形態においては、本発明は、15個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0230】
1つの実施形態においては、本発明は、20個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0231】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0232】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0233】
1つの実施形態においては、本発明は、24個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0234】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0235】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0236】
1つの実施形態においては、本発明は、21個の異なるストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌コンジュゲート組成物を提供し、ここで、ストレプトコッカス・ニューモニエ多糖は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bからなり、全ての血清型は担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化されており、該組成物はソルビタントリオレアート(SPAN-85)、ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80)、スクアレン、およびカチオン性脂質CLAを更に含む。
【0237】
前記組成物の1つの実施形態においては、SNEはPS-20を含む。もう1つの実施形態においては、SNEはPS-80を含む。
【0238】
幾つかの実施形態においては、約2μg/mL~約400mg/mLのカチオン性脂質および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは約0.02μg/mL~約200μg/mLの濃度で存在する。
【0239】
幾つかの実施形態においては、約0.04μg/mL~約80mg/mLのカチオン性脂質および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは約0.004μg/mL~約40μg/mLの濃度で存在する。
【0240】
幾つかの実施形態においては、約100μg/mL~約4.2mg/mLのカチオン性脂質および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは約0.004μg/mL~約40μg/mLの濃度で存在する。
【0241】
幾つかの実施形態においては、約100μg/mL~約20mg/mLのカチオン性脂質および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは約0.004μg/mL~約40μg/mLの濃度で存在する。
【0242】
幾つかの実施形態においては、約2μg/mL~約400mg/mLのカチオン性脂質および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは、共凍結乾燥(co-lyophilized)製剤として調製された約0.02μg/mL~約200μg/mLの濃度で存在する。
【0243】
幾つかの実施形態においては、約2μg/mL~約400mg/mLのカチオン性脂質、2μg/mL~約2mg/mLのAPAの形態のアルミニウムおよび少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは、共凍結乾燥製剤として調製された約0.02μg/mL~約200μg/mLの濃度で存在する。
【0244】
幾つかの実施形態においては、約20μg/mL~約2.4mg/mLのカチオン性脂質および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは約0.2μg/mL~約24μg/mLの濃度で存在する。
【0245】
幾つかの実施形態においては、約60μg/mL~約2.4mg/mLのカチオン性脂質および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは約0.2μg/mL~約24μg/mLの濃度で存在する。
【0246】
幾つかの実施形態においては、前記の種々の実施形態において強調されているとおり、約0.1μg/mL~約400mg/mLのカチオン性脂質を含み、更にSPAN-85、PS-20またはPS-80およびスクアレンを含む組成物を提供する。もう1つの実施形態においては、カチオン性脂質はCLAである。もう1つの実施形態においては、カチオン性脂質はCLXである。もう1つの実施形態においては、カチオン性脂質はCLYである。
【0247】
幾つかの実施形態においては、前記の種々の実施形態において強調されているとおり、約60μg/mL~約2.4mg/mLのカチオン性脂質を含み、更に6μg/mL~240μg/mLのSPAN-85、6g/mL~240g/mLのPS-20またはPS-80、および60g/mL~2.4mg/mLのスクアレンを含む組成物を提供する。もう1つの実施形態においては、カチオン性脂質はCLAである。もう1つの実施形態においては、カチオン性脂質はCLXである。もう1つの実施形態においては、カチオン性脂質はCLYである。
【0248】
幾つかの実施形態においては、約6μg/mL~24mg/mLのSPAN-85、6μg/mL~24mg/mLのPS-20またはPS-80、および60μg/mL~240mg/mLのスクアレン、および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは約0.02μg/mL~約200μg/mLの濃度で存在する。
【0249】
幾つかの実施形態においては、約6μg/mL~24mg/mLのSPAN-85、6μg/mL~24mg/mLのPS-20またはPS-80、および60μg/mL~240mg/mLのスクアレン、および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは約0.004μg/mL~約40μg/mLの濃度で存在する。
【0250】
幾つかの実施形態においては、約6μg/mL~24mg/mLのSPAN-85、6μg/mL~24mg/mLのPS-20またはPS-80、および60μg/mL~240mg/mLのスクアレン、および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは約0.004μg/mL~約40μg/mLの濃度で存在する。
【0251】
幾つかの実施形態においては、約2μg/mL~24mg/mLのSPAN-85、2μg/mL~2.4mg/mLのPS-20またはPS-80、および20μg/mL~24mg/mLのスクアレン、および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは約0.004μg/mL~約40μg/mLの濃度で存在する。
【0252】
幾つかの実施形態においては、約6μg/mL~2.4mg/mLのSPAN-85、6μg/mL~2.4mg/mLのPS-20またはPS-80、および60μg/mL~24mg/mLのスクアレン、および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは、共凍結乾燥製剤として調製された約0.02μg/mL~約200μg/mLの濃度で存在する。
【0253】
幾つかの実施形態においては、約20μg/mL~約2.4mg/mLのカチオン性脂質および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは約0.2μg/mL~約24μg/mLの濃度で存在する。
【0254】
幾つかの実施形態においては、6μg/mL~2.4mg/mLのSPAN-85、6μg~2.4mg/mLのPS-20またはPS-80、および60μg/mL~24mg/mLのスクアレン、および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは約0.2μg/mL~約24μg/mLの濃度で存在する。
【0255】
幾つかの実施形態においては、6μg/mL~2.4mg/mLのSPAN-85、6μg/mL~2.4mg/mLのPS-20またはPS-80、および60μg/mL~24mg/mLのスクアレン、および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは約0.2μg/mL~約24μg/mLの濃度で存在する。
【0256】
幾つかの実施形態においては、前記の種々の実施形態において強調されているとおり、組成物は6μg/mL~24mg/mLのSPAN-85、6μg~24mg/mLのPS-20またはPS-80、および60μg/mL~240mg/mLのスクアレンを含む。
【0257】
幾つかの実施形態においては、前記の種々の実施形態において強調されているとおり、組成物は6μg/mL~2.4mg/mLのSPAN-85、6μg/mL~2.4mg/mLのPS-20またはPS-80、および60μg/mL~24mg/mLのスクアレンを含む。
【0258】
幾つかの実施形態においては、前記の種々の実施形態において強調されているとおり、約30μg/mL~約2.4mg/mLのカチオン性脂質を含み、更に6μg/mL~14mg/mLのSPAN-85、6g/mL~14mg/mLPS-20またはPS-80、および60g/mL~34mg/mLのスクアレンを含む組成物を提供する。もう1つの実施形態においては、カチオン性脂質はCLAである。もう1つの実施形態においては、カチオン性脂質はCLXである。もう1つの実施形態においては、カチオン性脂質はCLYである。
【0259】
幾つかの実施形態においては、前記の種々の実施形態において強調されているとおり、約60μg/mL~約2.4mg/mLのカチオン性脂質を含み、更に6μg/mL~14mg/mLのSPAN-85、6g/mL~14mg/mLのPS-20またはPS-80、および60g/mL~34mg/mLのスクアレンを含む組成物を提供する。もう1つの実施形態においては、カチオン性脂質はCLAである。もう1つの実施形態においては、カチオン性脂質はCLXである。もう1つの実施形態においては、カチオン性脂質はCLYである。
【0260】
幾つかの実施形態においては、6μg/mL~14mg/mLのSPAN-85、6μg/mL~14mg/mLのPS-20またはPS-80、および60μg/mL~34mg/mLのスクアレン、および少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを含む組成物を提供し、ここで、コンジュゲートのそれぞれは約0.2μg/mL~約24μg/mLの濃度で存在する。
【0261】
本発明の組成物は、皮下、局所的、経口的、粘膜上、静脈内または筋肉内に投与されうる。組成物は、防御応答を誘発するのに十分な量で投与される。組成物は、種々の経路、例えば経口的、非経口的、皮下、粘膜上または筋肉内に投与されうる。投与される用量は、患者の全身状態、性別、体重および年齢ならびに投与経路に応じて変動しうる。
【0262】
本発明の組成物は、前記の種々の実施形態において強調されているとおり、免疫原性組成物と称されうる。
【0263】
本発明の組成物は、前記の種々の実施形態において強調されているとおり、ワクチンまたはワクチン組成物と称されうる。
【0264】
1つの実施形態においては、SNEがPS-20、ソルビタントリオレアート、スクアレンおよび(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ 13,16-ジエン-1-アミンを含む、組成物を提供する。
【0265】
1つの実施形態においては、SNEが5~15モル%のソルビタントリオレアート、25~35モル%のPS-20またはPS-80、1~2.5モル%のスクアレンおよび55~65モル%の(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ 13,16-ジエン-1-アミンを含む、組成物を提供する。
【0266】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが最大75モル%のカチオン性脂質、最大30モル%のソルビタントリオレアート、最大30モル%のポリソルベート-20またはポリソルベート-80および25~85モル%の量のスクアレンを含む、組成物を提供する。
【0267】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが最大50モル%のカチオン性脂質、最大10モル%のソルビタントリオレアート、最大10モル%のポリソルベート-20またはポリソルベート-80および50~80モル%の量のスクアレンを含む、組成物を提供する。
【0268】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが最大24モル%のカチオン性脂質、1~8モル%のソルビタントリオレアート、1~8モル%のポリソルベート-20またはポリソルベート-80および60~75モル%の量のスクアレンを含む、組成物を提供する。
【0269】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが約10~14モル%のカチオン性脂質、1~4モル%のソルビタントリオレアート、1~4モル%のポリソルベート-20またはポリソルベート-80および50~80モル%の量のスクアレンを含む、組成物を提供する。
【0270】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが30~65モル%のカチオン性脂質、5~30モル%のソルビタントリオレアート、10~40モル%のスクアレンおよび0.5~4モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0271】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが55~65モル%のカチオン性脂質、5~15モル%のソルビタントリオレアート、25~35モル%のスクアレンおよび1~2.5モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0272】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが13~45モル%のカチオン性脂質、2~4モル%のソルビタントリオレアート、50~82モル%のスクアレンおよび1.5~3モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0273】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが13~14モル%のカチオン性脂質、1~2モル%のソルビタントリオレアート、79~81モル%のスクアレンおよび1~2モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0274】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが0モル%のカチオン性脂質、8~10モル%のソルビタントリオレアート、80~84モル%のスクアレンおよび8~10モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0275】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが20モル%のカチオン性脂質、30モル%のソルビタントリオレアート、20モル%のスクアレンおよび30モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0276】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが約2モル%のカチオン性脂質、約8モル%のソルビタントリオレアート、約82モル%のスクアレンおよび約8モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0277】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが2モル%のカチオン性脂質、8モル%のソルビタントリオレアート、82モル%のスクアレンおよび8モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0278】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが約13.82モル%のカチオン性脂質、約3.43モル%のソルビタントリオレアート、約80.07モル%のスクアレンおよび約2.68モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0279】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが13.82モル%のカチオン性脂質、3.43モル%のソルビタントリオレアート、80.07モル%のスクアレンおよび2.68モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0280】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが約44.5モル%のカチオン性脂質、約2.21モル%のソルビタントリオレアート、約51.56モル%のスクアレンおよび約1.72モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0281】
1つの実施形態においては、カチオン性脂質を含むSNEが44.5モル%のカチオン性脂質、2.21モル%のソルビタントリオレアート、51.56モル%のスクアレンおよび1.72モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0282】
1つの実施形態においては、SNEが32モル%のスクアレン、34モル%のSPAN-85および34モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0283】
1つの実施形態においては、SNEが98モル%のスクアレン、1モル%のSPAN-85および1モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0284】
1つの実施形態においては、SNEが86モル%のスクアレン、7モル%のSPAN-85および7モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0285】
1つの実施形態においては、SNEが92モル%のスクアレン、4モル%のSPAN-85および4モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0286】
1つの実施形態においては、SNEが94モル%のスクアレン、3モル%のSPAN-85および3モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0287】
1つの実施形態においては、SNEが92.91モル%のスクアレン、3.98モル%のSPAN-85および3.11モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0288】
1つの実施形態においては、SNEが62モル%のスクアレン、17モル%のSPAN-85および17モル%のPS-20またはPS-80を含む、組成物を提供する。
【0289】
前記実施形態のそれぞれにおいては、組成物はストレプトコッカス・ニューモニエ多糖-担体タンパク質コンジュゲートを更に含む。
【0290】
本発明は、前記組成物の投与による、肺炎球菌疾患の治療または予防方法を提供する。
【0291】
本発明は、肺炎球菌疾患を治療または予防するための、前記組成物の使用を提供する。
【0292】
本明細書中に挙げられている全ての刊行物を、本発明に関して用いられうる方法および材料を記載し開示する目的で、参照により本明細書に組み入れることとする。本明細書におけるいかなるものも、本発明が先行発明のせいでそのような開示に先行する権利を有さないと認めるものと解釈されるべきではない。
【0293】
添付の図面を参照して本発明の種々の実施形態が本明細書に記載されているが、本発明はそれらの厳密な実施形態には限定されず、添付の特許請求の範囲に定められている本発明の範囲または精神から逸脱することなく種々の変更および修飾が当業者によって行われうると理解されるべきである。
【0294】
以下の実施例は本発明を例示するものであり、本発明を限定するものではない。
【0295】
実施例
実施例1:DMSOコンジュゲート化を用いた肺炎球菌多糖-担体タンパク質コンジュゲートの製造
多糖(後記ならびに表および実施例において強調されているもの)を溶解し、目標分子量にサイジングし、化学的に活性化し、限外濾過によってバッファー交換した。活性化多糖および精製CRM197を個別に凍結乾燥し、DMSOに再溶解した。次いで、再溶解した多糖溶液およびCRM197溶液を後記のとおりに一緒にし、コンジュゲート化した。得られたコンジュゲートを限外濾過およびそれに続く最終的な0.2ミクロンの濾過によって精製した。望ましい特性を有するコンジュゲートを生成させるために、各工程における幾つかのプロセスパラメーター、例えばpH、温度、濃度および時間を制御した。
【0296】
多糖のサイズ縮小
精製された肺炎球菌莢膜多糖(「Ps」とも称される)粉末を水に溶解した。サイズ縮小されなかったST-19A(血清型は「ST」とも称される)を除き、溶解多糖を0.45ミクロンで濾過し、均質化(ホモジナイゼーション)または酸加水分解のいずれかに付してPsの分子量を減少させた。圧力および通過回数を制御することによって、均質化の目標Psサイズが達成された。温度および時間を制御することによって、酸加水分解の目標Psサイズが達成された。次いで多糖を0.2ミクロンで濾過し、濃縮し、5または10kDaのNMWCO接線流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0297】
脱O-アセチル化
サイズ縮小ST-15B Ps溶液を60℃に加熱し、重炭酸ナトリウムバッファー(pH9.4)を最終濃度50mMまで加えた。バッチを60℃でインキュベートして、O-アセチル基を遊離させた。リン酸カリウムバッファー(pH6)を加えてpHを中和し、溶液を周囲温度まで冷却した。次いで溶液を濃縮し、5または10kDaのNMWCO接線流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。
【0298】
脱ケタール化(ST-4のみ)
サイズ縮小ST-4 Ps溶液を酢酸ナトリウムバッファーで50℃およびpH4.1に調整して、多糖を部分的に脱ケタール化した。次いで多糖溶液を22℃に冷却した後、活性化に付した。
【0299】
多糖の酸化
多糖溶液を、ST-5、7Fおよび19Fを除く全ての血清型に関して22℃に調整した。ST-5、7Fおよび19Fは4℃に調整した。また、活性化による多糖のサイズ縮小を最小限に抑えるために、溶液を酢酸ナトリウムバッファーでpH4~5に調整した。メタ過ヨウ素酸ナトリウム溶液の添加により、多糖活性化を開始させた。多糖活性化の目標レベル(多糖反復単位1モル当たりのアルデヒドのモル数)が達成されるように、メタ過ヨウ素酸ナトリウムの添加量を制御した。
【0300】
ST-5を除く全ての血清型の活性化生成物を10mM リン酸カリウム(pH6.4)に対してダイアフィルトレーションし、次いで、5または10kDaNMWCO接線流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。ST-5に関しては、活性化生成物を10mM 酢酸ナトリウム(pH4.1)に対してダイアフィルトレーションし、次いで、5kDa NMWCO接線流限外濾過膜を使用して水に対してダイアフィルトレーションした。全ての血清型に関して限外濾過を2~8℃で行った。
【0301】
CRM197への多糖のコンジュゲート化
既に記載されているとおりに(WO 2012/173876 A1)シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)における発現によって得られた精製CRM197を、5kDa NMWCO接線流限外濾過膜を使用して2mM ホスファート(pH7.2)バッファーに対してダイアフィルトレーションし、0.2ミクロンで濾過した。活性化多糖を水およびスクロースと共に凍結乾燥のために配合した。CRM197を6mg Pr/mL(CRM197担体タンパク質は「Pr」とも称される)で1% w/vのスクロース濃度で凍結乾燥のために配合した。配合されたPsおよびCRM197の溶液を個別に凍結乾燥した。凍結乾燥したPsおよびCRM197材料を等体積のDMSOに個別に再溶解した。幾つかの血清型に関しては、塩のような添加剤をPs-DMSOに添加した。目標の多糖濃度および多糖対CRM197質量比が達成されるように、多糖およびCRM197の溶液を混合した。該質量比は、生じるコンジュゲートにおける多糖対CRM197比が制御されるように選択した。ほとんどの血清型の場合にシアノ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤を添加し、コンジュゲート化を22℃で進行させた。
【0302】
最終的な還元
全ての血清型に関して、コンジュゲート化反応後に水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤を添加し、22℃でインキュベートした。該バッチを、約0.025%(w/v)ポリソルベート-20を含有する150mM 塩化ナトリウム中に約4℃で希釈した。次いでリン酸カリウムバッファーを添加してpHを中和した。幾つかのロットを濃縮し、30kDa NMWCO接線流限外濾過膜を使用して、150mM 塩化ナトリウム、25mM リン酸カリウム(pH7)に対して、約4℃でダイアフィルトレーションした。
【0303】
最終的な濾過および製品の貯蔵
次いで個々のバッチを濃縮し、300kDa NMWCO接線流限外濾過膜を使用して、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含有する150mM 塩化ナトリウム(pH7.0)中の10mM ヒスチジンに対して、4℃でダイアフィルトレーションした。特に、ST-5に関しては、ダイアフィルトレーション工程の途中で、ST-5コンジュゲートを回収し、50mM 重炭酸ナトリウム(pH9.3)と共に3時間インキュベートした。ダイアフィルトレーションを完了する前に、ST-5溶液を1.5M リン酸カリウム(pH6.0)で中和した。
【0304】
個々の残余(retentate)バッチを0.2ミクロンで濾過し(0.5ミクロンのプレフィルターを使用)、次いで、0.015%(w/v)ポリソルベート20を含有する150mM 塩化ナトリウム(pH7.0)中の追加的な10mM ヒスチジンで希釈し、アリコートに分注し、-60℃以下で凍結した。血清型特異的コンジュゲートの詳細は、既に記載されているとおり見出されうる(WO2011/100151、WO2019/139692およびWO2020/131763)。
【0305】
実施例2:肺炎球菌コンジュゲート組成物の製剤化
実施例1に記載されているとおりに種々の化学を用いて製造された個々の肺炎球菌多糖-担体タンパク質コンジュゲートを、それぞれPCV1、PCV21またはPCV24と称される1価、21価または24価肺炎球菌コンジュゲート組成物の製剤化に使用した。
【0306】
CLA-SNEもしくはSNEに添加される又はそのまま使用されるPCV1製剤は血清型6Bを含有し、これは、実施例1に記載されているとおりに非プロトン性(DMSO)溶媒中の還元的アミノ化を用いてコンジュゲート化され、ワクチン中で4μg/mL(w/v)の肺炎球菌多糖(PnP)の最終濃度となるように20mM L-ヒスチジン(pH5.8)、150mM NaClおよび0.1%(w/v)PS-20中で製剤化された。実施例1に記載されているとおりに非プロトン性(DMSO)溶媒中の還元的アミノ化を用いてコンジュゲート化されたAPAおよび血清型6Bを使用して製造されたPCV1ワクチン製剤を、ワクチン中で4μg/mL(w/v)の肺炎球菌多糖(PnP)の最終濃度となるように、20mM L-ヒスチジン(pH5.8)、150mM NaClおよび0.2%(w/v)PS-20および250mg[Al+3]/mL(APAの形態)中で製剤化した。
【0307】
CLA-SNEもしくはSNEに添加される又はそのまま使用されるPCV21製剤は血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B(脱OAc15B)、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bを含有し、これらは、非プロトン性溶媒(例えば、DMSO)中の還元的アミノ化を用いて担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化され、20mM L-ヒスチジン(pH5.8)、50~150mM NaClおよび0.02~0.1% PS-20中で製剤化された。ワクチン中で84~168μg/mL PnPの最終濃度となるように、各多糖-担体タンパク質コンジュゲートを4~8μg/mL(w/v)肺炎球菌多糖(PnP)で製剤化した。
【0308】
CLA-SNEもしくはSNEに添加される又はそのまま使用されるPCV24製剤は血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-Ac-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bを含有し、これらは、非プロトン性溶媒(例えば、DMSO)中の還元的アミノ化を用いて担体タンパク質CRM197にコンジュゲート化され、20mM L-ヒスチジン(pH5.8)、50~150mM NaClおよび0.02~0.1% PS-20中で製剤化された。ワクチン中で96μg/mL PnPの最終濃度となるように、各多糖-担体タンパク質コンジュゲートを4μg/mL(w/v)肺炎球菌多糖(PnP)で製剤化した。
【0309】
PCV製剤を製造するために、肺炎球菌多糖(PnPとも称される)の表示最終濃度(w/v)を得るのに必要な1価バルクコンジュゲートの必要体積を、バッチ体積およびバルク多糖濃度に基づいて計算した。
【0310】
製剤化プロセスは、20mM ヒスチジン、0.05~0.15%(w/v)PS-20および150mM 塩化ナトリウム(pH5.8)中のPnPブレンドの最終濃度の2倍におけるコンジュゲートバルクブレンドの製造からなるものであった。
【0311】
ヒスチジン(pH5.8)、PS-20および塩化ナトリウム溶液を調製し、製剤化容器に加えた。凍結貯蔵された個々の肺炎球菌多糖-担体タンパク質コンジュゲートを2~8℃で解凍し、次いで製剤化容器に加えた。多糖-担体タンパク質コンジュゲートを製剤化バッファー(コンジュゲートブレンド)に添加する際、磁気攪拌棒または磁気インペラを使用して容器を混合して、均一性を確保した。全ての添加を行い、溶液を撹拌した後、コンジュゲートブレンドを滅菌フィルターに通し、APAの存在下または非存在下で容器内に収集した。幾つかの場合には、バッチを目標濃度に調整するために、滅菌フィルターを150mM 塩化ナトリウムでチェイス(chase)した。
【0312】
製剤をプラスチックシリンジ、ガラスシリンジまたはバイアル内に充填した。
【0313】
本明細書中で用いる13価肺炎球菌コンジュゲートワクチンであるPCV13製剤は、商業的に入手可能なPREVNAR13(登録商標)に由来するものであった。
【0314】
実施例3:カチオン性脂質(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミンの存在下および非存在下の安定ナノエマルション(SNE)アジュバント系の製造
SNEアジュバントは、CLAとも称される(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミンまたはCLXとも称される(6Z,9Z,26Z,29Z)-N,N-ジメチルペンタトリアコンタ-6,9,26,29-テトラエン-18-アミンまたはCLYとも称されるN,N-ジメチル-1-((1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル)ヘプタデカン-8-アミン(図1)であるカチオン性脂質の存在下および非存在下で製造されうる。SNEは、カチオン性脂質、例えばCLAの存在下(CLA-SNEと称される;表1を参照されたい)およびカチオン性脂質の非存在下(SNEと称される;表2を参照されたい)、3つの安定化成分であるスクアレン、ソルビタントリオレアート(SPAN-85)およびポリソルベート-20(PS-20)からなる多成分エマルション製剤である。この製剤を、カチオン性脂質(使用する場合)、スクアレン、SPAN-85およびPS-20または類似(例えば、界面活性剤、油および可溶化剤)成分を一緒にし混合することによって製造した(表1および図2)。混合しブレンドしたら、ヒスチジンバッファーを添加し、最初のエマルション成分と混合した。後記のとおり、ブレンドされたエマルション成分を、まず、粗い均質化に付し、次いで細かい均質化に付した。得られた製剤を最終的な0.2μmの濾過工程に付した。望ましい特性を有するエマルション系を生成させるために、各工程における幾つかのプロセスパラメーター、例えば添加順序、混合時間、pH、温度、成分の濃度、均質化、微小流動化(マイクロフルイダイゼーション)を制御した。
【0315】
【表1】
【0316】
【表2】
【0317】
製剤の製造
安定エマルションのスクアレンおよび可溶化剤製剤(油相と称される)を、スクアレン、SPAN-85、PS-20およびCLAを容器に加えることによって調製した。次いで磁気撹拌を100~1000RPMで10~120分間行って、油相を混合した。これらの成分の混合後、20mM ヒスチジン(pH5.8)から構成される水相を、磁気撹拌棒を使用して混合しながら油相にゆっくりと加えた。次いでこの製剤を再び1時間混合した。
【0318】
粗い均質化
次いで、ローターステーターホモジナイザーを周囲温度で使用して、油相と水相との混合物(予均質化エマルションまたはPHEと称される)を均質化し、サイズ縮小させて、粗エマルションを形成させた。ホモジナイザーのアーム先端をPHE内に沈め、製剤化容器の底付近の所定の位置に維持し、6~10kRPMで5~15分間作動させた。このプロセスは直径4~20μmの範囲のスクアレンエマルション粒子の均質マイクロエマルション(ME)懸濁液を与えた。これは、安定ナノエマルション(SNE)を生成させるための、高圧ホモジナイザーにおけるマイクロフルイダイゼーションによる追加的なサイズ縮小に適していた。
【0319】
安定ナノエマルション(SNE)を生成させるための細かい均質化
粗い均質化の後、安定したナノメートルサイズのエマルション粒子を生成させるために、高圧ホモジナイザー/マイクロフルイダイザーを使用して、エマルションを更に処理した。例えばマイクロフルイディクス(Microfluidics)低体積マイクロフルイダイザー(Microfluidizer)(登録商標)、GEA Group PandaPlus 2000またはBee International、NanoDeBEEのような高圧ホモジナイザーにMEを導入し、再循環ループを確立した。高圧均質化によって発生する熱を中和するために、設定値5℃の温度制御ユニットによって供給される向流熱交換器が再循環ループ内に含まれている。所望のサイズおよび加工性のエマルション粒子を製造するために、このプロセス工程の操作設定値として20kPSIを選択した。高圧ホモジナイザーは、確立された再循環ループを通じて一定かつ変更不能な流量で作動する。この測定流量および処理ME体積を用いて、製剤全体が再循環ループを1回通過するのに必要な理論的時間を計算した。この計算された1回通過時間を考慮して、通常、少なくとも10の所望の通過数に達するまで高圧ホモジナイザーを作動させて、SNEまたはCLA-SNEのいずれかを得た。
【0320】
濾過
製剤化後、SNEまたはCLA-SNEを0.8/0.2μmのPESフィルターに通過させた。最適な質量収率と濾過による粒子の安定性を考慮して、フィルターを通過する流束42LMHを選択した。
【0321】
Malvern Panalytical Ltd.のMS3000装置を使用するレーザー回折または静的光散乱(SLS)技術を利用して、製造中のナノエマルションの体積-加重サイズ分布を測定した。次いでこのデータを分析して、散乱パターンを生成した粒子のサイズを計算した。予均質化エマルション(PHE)、マイクロエマルション(ME)および安定ナノエマルション(SNE)のサンプル画分を得た。これらのエマルション製剤を、3%のオブスキュレーション(obscuration)となるように、5mM ヒスチジン(pH5.8)および2.5mM NaClバッファー中に希釈し、SLSを行い、1200RPMの再循環下で収集を行った。サンプルデータセットをデータセット当たり30秒のスキャンで収集した。CLA-SNE製剤化プロセスにおける各工程からの3つのデータセットを図3に要約する。20mM ヒスチジン(pH5.8)バッファーはプロセス中およびポリマー容器(例えば、プラスチック)内の貯蔵の際にはバルクの安定性にとって完全に適した製剤であったが、ガラス内の貯蔵の際には、ガラス表面へのCLA-SNEまたはSNEの非特異的吸収が観察された。界面活性剤/可溶化剤、バッファーおよび塩を評価するスクリーニングを評価し、複数の製剤が、安定化製剤として選択された20mM ヒスチジン、0.05% PS-20および75mM NaClの選択された製剤によってこの安定性の問題の解決に成功したことを示した(データ非表示)。
【0322】
実施例4:安定ナノエマルション(SNE)アジュバント系の製造、およびSNEのマイクロフルイダイゼーション直後の遊離塩基としてのCLAまたはカチオン性脂質(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミンの添加
ヒスチジン(pH5.8)バッファー中に配合されたPS-20、ソルビタントリオレアート(SPAN-85)およびスクアレンを含むナノエマルション粒子内へのCLAの取り込みに関して、2つの製剤化プロセスを評価した。第1のプロセス(プロセス1と称される)においては、実施例3に記載されているプロセスを用いてSNEを製造した。第2のプロセス(プロセス2と称される)においては、PS-20、ソルビタントリオレアート(SPAN-85)およびスクアレンのみを一緒にし、混合した。混合しブレンドしたら、ヒスチジンバッファーを添加し、最初のエマルション成分(PS-20、ソルビタントリオレアートおよびスクアレン)と混合した。実施例3に記載されているとおり、ブレンドされたエマルション成分を、まず、粗い均質化に付してマイクロエマルションMEを生成させ、次いでマイクロフルイダイゼーションに付してナノエマルション(NE)を生成させた。別のガラス容器において、0.25mg/mLのCLAを室温で100%エタノールに溶解した。次いで、所望の最終CLA濃度を得るのに十分な体積のこのCLAエタノール溶液を、ヒスチジンバッファー(pH5.8)中にPS-20、ソルビタントリオレアートおよびスクアレンを含有するSNEに添加し、次いで室温で60分間混合した。次いで、インキュベーション後、製剤を500mLのバッファーに対して10mLのサンプルの割合で5mM ヒスチジン、2.5mM NaCl(pH5.8)に対して4℃で一晩、2回バッファー交換しながら透析した。次いで、UPLC-CADを用いて、2つの処理済みエマルション(プロセス1および2)をSNE内へのCLAの取り込みに関して検査した。結果は、プロセス2を用いた場合には、個々の製剤の目標取り込み率((w/w)%)と比較して、有意な量のCLAが取り込まれなかったことを示しており、このことは、ナノエマルションにおけるCLAの取り込みおよび安定性の成功にはプロセス1が好ましいことを示している(図4)。
【0323】
実施例5:カチオン性脂質含有LNPアジュバントの製造
CLA-LNPは、4つの成分、すなわち、1つのカチオン性脂質[CLAと称される;図1においては、好ましいカチオン性脂質であるCLA、すなわち(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミンで示されている]、コレステロール、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)およびePEG-DMGからなる多成分LNP製剤である。
【0324】
脂質成分に関する最終CLA-LNP製剤の相対目標モル%値は58% CLA、30% コレステロール、2% ePEG2000-DMGおよび10% DSPCである(表3)。
【0325】
【表3】
【0326】
CLA-LNPの製造プロセスは以下の5つの工程からなる:1)脂質混合物および希釈シトラートAの溶液調製;2)T混合によるLNP形成;3)限外濾過;4)バイオバーデン低減濾過;ならびに5)滅菌濾過およびバイアル充填。
【0327】
脂質混合物および希釈シトラートAの溶液調製
脂質成分を秤量し、一緒にした後、エタノールに溶解し、次いで滅菌濾過して脂質混合物を得た。シトラートA(20mM シトラート、pH5.0)を滅菌水で1の比率で希釈して、希釈シトラートA(DCA)を得た。
【0328】
T混合によるLNP形成
次いで脂質混合物とDCAとをTチューブミキサーの隣接末端において一緒に混合した。T混合装置を出る流れを20mM シトラート、300mM NaCl(pH6.0)で1:1に直ちに希釈し、次いでこの生成物混合物を1×ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水で再び1:1に希釈し、次いで、形成されたLNPとして収集した。次いでLNP中間体を周囲温度で30分間インキュベートした後、4℃で一晩維持した。
【0329】
限外濾過
次いでLNP中間体を500kDa NMWCOでの限外濾過に付して、該材料を約10倍に濃縮すると共に、該材料を20mMトリス、10%(w/v) スクロース(pH7.5)に対してダイアフィルトレーションした。ダイアフィルトレーションの後、最終目標濃度を得るために、最終濃縮工程を行った。
【0330】
バイオバーデン低減濾過
次いでアジュバントバルクを0.45μmの酢酸セルロース(CA)フィルターで、続いて0.2μmのCAバイオバーデン低減フィルターで予備濾過し、-70℃で冷凍貯蔵した。
【0331】
滅菌濾過およびバイアル充填
凍結したアジュバントバルクを、25±3℃に制御された水浴において解凍した。解凍したアジュバントバルクを0.45μmのポリビニリデンフルオリド(PVDF)バイオバーデン低減フィルターおよび0.22μmのPVDF滅菌グレードフィルターに通過させ、回収した。次いで、濾過したアジュバントバルクを20mM トリス、10%(w/v) スクロース(pH7.5)で目標LNPアジュバント濃度まで希釈した。次いで、この希釈された最終バルクアジュバントをガラスバイアル内に充填し、-70℃で貯蔵した。
【0332】
実施例6:マウスにおけるPCV1免疫原性:アジュバント系の評価
若い雌BALB/cマウス(6~8週齢、n=10/群)を、種々のアジュバント(表4)を配合した0.1mLのPCV1で、第0日、第14日および第28日に筋肉内(IM)に免疫化した。免疫化当たり0.08μgのPnPs(CRM197にコンジュゲート化された6B)を投与した。マウスは、いずれかの疾患または苦痛の兆候に関して、訓練を受けた動物管理スタッフによって少なくとも毎日観察された。ワクチン関連有害事象は認められなかったため、マウスにおける該ワクチン製剤は安全かつ高忍容性であるとみなされた。全ての動物実験は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)の実験動物の管理および使用に関する指針(Guide for Care and Use of Laboratory Animals)の推奨事項を厳密に遵守して行われた。マウス実験プロトコールはMerck & Co.,Inc.(Kenilworth,NJ,USA)における施設内動物管理使用委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)によって承認されたものであった。
【0333】
【表4】
【0334】
ELISAを用いてマウス血清をIgG免疫原性に関して評価して、抗6B IgG力価を評価した。機能的抗体は、University of Alabama(UAB)Research Foundationによって所有されそれからライセンス供与されたOpsotiter(登録商標)3ソフトウェアおよびUAB Pneumococcal Reference Laboratory(University of Alabama Reference Laboratory at Birmingham Bacterial Respiratory Pathogen Reference Library)から入手可能な既に記載されているプロトコールに基づくオプソニン貪食アッセイ(OPA)によって決定された(Caro-Aguilar I.ら,Vaccine(2017)35(6):865-72ならびにBurton R.L.およびNahm M.H.Clin.Vaccine Immunol.(2006)13(9):1004-9を参照されたい)。図5Aに示されているとおり、PCV1免疫化は、APAの存在下および非存在下で製剤化されたワクチンにおいて、6B血清型(ST-6B)に対する抗体価をBALB/cマウスにおいて生成した。CLA-SNE(用量当たり0.08、8または80mgのCLA)またはSNEアジュバントと共に製剤化されたST-6Bはマウスにおいて免疫原性であることが判明し、単独で又はAPAと共に製剤化されたST-6Bと比較して、第3投与後において、より高い免疫原性をもたらした。APAの存在下および非存在下で製剤化されたST-6Bで免疫化されたBALB/cマウスにおいて、抗6B機能的抗体価が生成された(図5B)。
【0335】
実施例7:成体アカゲザルにおけるPCV24の免疫原性
PCV24(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-Ac-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bのそれぞれが個別にCRM197にコンジュゲート化されているもの)を成体アカゲザル免疫原性モデルにおいて評価した。第0日および第28日に、APAを配合したPCV24、あるいはSNEを配合した又はSNE(CLA-SNE)もしくはLNP(CLA-LNP)として配合されたCLAを配合したPCV24(表5)でアカゲザルを筋肉内に免疫化した。免疫化当たり0.1mLの体積中の0.4μg PnPsでPCV24を投与した。研究開始前(免疫化前、第0日)ならびに第14日(PD1)および第42日(PD2)に血清を採取した。
【0336】
【表5】
【0337】
24価ワクチンにおける血清型特異的IgG免疫原性応答を評価するために、多重化電気化学発光(ECL)アッセイを開発した。このアッセイは、Marcheseら及びSkinnerら(Marchese R.D.ら,Clin.Vaccine Immunol.(2009)16(3):387-96およびSkinner,J.M.ら,Vaccine(2011)29(48):8870-8876)によって記載されている以前のアッセイに基づいて、アカゲザル血清で使用するために開発した。MesoScale Discovery(MesoScale Diagnostics,LLC,Gaithersburg,MDの一部門)によって開発された技術は、96ウェルプレート内のスポット上にコーティングされた肺炎球菌血清型多糖(1、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、脱O-Ac-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33F、35B)、および電気化学的刺激に際して発光するSULFO-TAG(商標)標識抗体を利用する。SULFO-TAG(商標)標識抗ヒトIgGを、アカゲザル血清サンプルを試験するための二次抗体として使用した。ECLおよび希釈度の対数目盛を使用して、カットオフ値(対照のECLシグナル)に対応する直線補間希釈度の逆数として、終点希釈力価を計算した。カットオフ線の完全に上に位置するサンプル曲線の最後の2つまたは3つのECLアッセイデータ点の切片および勾配を使用した直線外挿(対数-対数目盛)に基づいて、検討した最大希釈度を超えるサンプルに関して、力価を外挿した。全ての力価は、直線外挿希釈度を逆変換することによって得た。サンプル曲線がカットオフ線の完全に下に位置する場合には、全てのデータ分析ならびに図6Aおよび6Bにおける力価として100を用いた。機能的抗体は、University of Alabama(UAB)Research Foundationによって所有されそれからライセンス供与されたOpsotiter(登録商標)3ソフトウェアおよびUAB Pneumococcal Reference Laboratory(University of Alabama Reference Laboratory at Birmingham Bacterial Respiratory Pathogen Reference Library)から入手可能な既に記載されているプロトコールに基づく多重化オプソニン貪食アッセイ(MOPA)によって決定された(Caro-Aguilar I.ら,Vaccine(2017)35(6):865-72ならびにBurton R.L.およびNahm M.H.Clin.Vaccine Immunol.(2006)13(9):1004-9を参照されたい)。
【0338】
1200μg/mLのCLA-SNE(25mg/mLのスクアレン、5.0mg/mLのPS-20、5.0mg/mLのSPAN-85)を配合したPCV24は成体アカゲザルにおいて免疫原性であることが判明し、APAを配合したPCV24と比較して、第1投与後および第2投与後に、より高い免疫原性をもたらした(図6A)。120μgの用量レベルのCLA-SNEを配合したPCV24は、第1投与後(PD1)および第2投与後(PD2)に、APAを配合したPCV24(実線)と比較して同等の又はより良好な免疫原性をもたらす。PD2においては、CLAの2つの用量レベル(丸印で示されている120μgまたは三角形で示されている80μg)のCLA-SNEを配合したPCV24は、APA(実線)を配合したPCV24またはCLA-LNP(120μg;正方形として表示)を配合したPCV24と比較して同等の又はより良好な免疫原性をもたらす。(図6B)。
【0339】
これらの同じ製剤は、試験した全ての時点でワクチン型細菌株を殺滅する機能的抗体を生成し(図7A~7M)、再び、CLA-SNE、SNE単独およびCLA-LNPは、APAを配合したPCV24と比較してPCV24応答を増強した。1つの例外は23Bであり、その高い肺炎球菌予備免疫化がワクチン接種後の追加免疫応答を妨げた。全ての研究時点をプール化サンプルまたは個別のサンプルとしてのMOPAにおいて試験した(図7A~7M)。PD1とPD2との間でOPA力価の大きな差は観察されなかった。
【0340】
PCV24で免疫化した成体アカゲザルの血清を他のストレプトコッカス・ニューモニエ細菌に対する交差反応性に関して評価した。PCV24で免疫化したアカゲザルの血清は血清型6C(図6A、6Bおよび7D)および15B(図6Aおよび6B)に対する交差反応性を示した。6Cに対する交差反応性は多価PCV24の一部としての多糖コンジュゲート6A-CRM197での免疫化によるものである可能性がある(Cooper D,Yu X,Sidhu M,Nahm MH,Fernsten P,Jansen KU)。13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV13)はヒトにおいてストレプトコッカス・ニューモニエ血清型6Cおよび7Aに対する交差機能的オプソニン貪食殺滅応答を誘発する(Vaccine.2011;29:7207-11)。同様に、多価PCVの一部としての多糖コンジュゲート脱O-Ac-15B-CRM197での免疫化は血清型15Cに対する交差反応性をもたらした(Rajamら,Clinical and Vaccine Immunology,2007,14(9):1223-1227)。
【0341】
実施例8:乳児アカゲザル(IRM)におけるPCV24免疫原性研究
PCV24(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-Ac-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35Bのそれぞれが個別にCRM197にコンジュゲート化されている)およびアジュバント製剤を、前記実施例に記載されているとおり製造した。IRM(乳児アカゲザル、n=5/群)を、第0日、第28日および第56日に、以下の表6に記載されているとおりに、0.1mLのワクチンで筋肉内に免疫化した。研究開始前(前)ならびにび第14日(PD1)、第42日(PD2)および第70日(PD3)に血清を採取した。IRMは、訓練を受けた動物管理スタッフによって、1日2回、疾患または苦痛のいずれかの兆候に関して観察された。ワクチン関連の有害事象は認められなかったため、IRMにおける該ワクチン製剤は安全かつ高忍容性であるとみなされた。
【0342】
【表6】
【0343】
24価ワクチンにおける血清型特異的IgG免疫原性応答を評価するために、前記のとおりに使用される多重化電気化学発光(ECL)アッセイを開発した。ECLおよび希釈度の対数目盛を使用して、カットオフ値(対照のECLシグナル)に対応する直線補間希釈度の逆数として、終点力価を計算した。カットオフ線の完全に上に位置するサンプル曲線の最後の2つまたは3つのECLアッセイデータ点の切片および勾配を使用した直線外挿(対数-対数目盛)に基づいて、検討した最大希釈度を超えるサンプルに関して、力価を外挿した。次いで、直線外挿希釈度を逆変換することによって、力価を得た。サンプル曲線がカットオフ線の完全に下に位置する場合には、全てのデータ分析および図面における力価として100を用いた。
【0344】
図8Aに示されているとおり、第2投与後(第42日)、CLA-LNPを配合したPCV24は、APAを配合したPCV24(丸印)と比較して同等の又はより良好な免疫原性をもたらす。CLA-SNE(0.1mLの用量当たり2.5mgのスクアレン、0.25mgのPS-20、0.25mgのSPAN-85の存在下の295μgのCLA;三角形で示されている)またはCLA-SNE(0.1mLの用量当たり0.5mgのスクアレン、0.05mgのPS-20、0.05mgのSPAN-85の存在下の295μgのCLA;菱形で示されている)を配合したPCV24は、APAを配合したPCV24と比較して同等の又はより良好な免疫原性をもたらす。PCV13およびPCV24/APAは、ST5を除き、共通して血清型(ST)に対して同等の免疫原性を示す(正方形)。ST5は、PCV24/APAに関して、より高い免疫原性を示す。
【0345】
CLA-SNE(0.1mLの用量当たり2.5mgのスクアレン、0.25mgのPS-20、0.25mgのSPAN-85の存在下の60μgのCLA;丸印で示されている)、CLA-SNE(0.1mLの用量当たり2.5mgのスクアレン、0.25mgのPS-20、0.25mgのSPAN-85の存在下の120μgのCLA;三角形で示されている)またはCLA-SNE(0.1mLの用量当たり2.5mLのスクアレン、0.25mgのPS-20、0.25mgのSPAN-85の存在下の295μgのCLA;菱形で示されている)を配合したPCV24は、PD1(図8B)、PD2(図8C)およびPD3(図8D)において、APAを配合したPCV24と比較して同等の又はより良好な免疫原性をもたらす。注目すべきことに、0.1mLの用量当たり0.08mgのスクアレン、0.008mgのPS-20、0.008mgのSPAN-85を使用してCLA120μgでCLA-SNEを配合したPCV24は、0.1mLの用量当たり0.5mgのスクアレン、0.05mgのPS-20、0.05mgのSPAN-85を配合し120μg(CLA)でCLA-SNEを配合したPCV24、または0.1mLの用量当たり2.5mgのスクアレン、0.25mgのPS-20、0.24mgのSPAN-85と共にCLA295μgでCLA-SNEを配合したPCVと比較して同等の免疫原性をもたらす(データ非表示)。
【0346】
実施例9:マウスにおけるチャレンジからのPCV24防御
若い雌スイス・ウェブスター(Swiss Webster)マウス(6~8週齢、n=10/群)を、第0日、第14日および第28日に、0.1mLの24価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV24)で筋肉内(IM)に免疫化した。PCV24を投与した。PCV24は、CRM197にそれぞれがコンジュゲート化されているPnPs(1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-Ac-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B)の0.4μgで投与した。PCV24は、表7に記載されているとおりの幾つかのアジュバント系を使用して製剤化されたものであった。マウスは、いずれかの疾患または苦痛の兆候に関して、訓練を受けた動物管理スタッフによって毎日観察された。ワクチン関連有害事象は認められなかったため、マウスにおける該ワクチン製剤は安全かつ高忍容性であるとみなされた。全ての動物実験は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)の実験動物の管理および使用に関する指針(Guide for Care and Use of Laboratory Animals)の推奨事項を厳密に遵守して行われた。マウス実験プロトコールはMerck & Co.,Inc.(Kenilworth,NJ,USA)における施設内動物管理使用委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)によって承認されたものであった。
【0347】
第53日に、マウスをイソフルランで麻酔し、ストレプトコッカス・ニューモニエ血清型24Fで気管内チャレンジした。簡潔に説明すると、ストレプトコッカス・ニューモニエの対数期培養物を遠心分離し、洗浄し、滅菌PBSに懸濁させた。0.1mLのPBS中の4.6×10 cfuのストレプトコッカス・ニューモニエを、切歯によって直立に吊るされたマウスの喉に配置した。舌を外側にゆっくりと引っ張り、鼻孔を覆うことによって、該細菌の吸引を誘発した。マウスの体重を毎日測定し、体重減少が開始体重の20%を超えた場合には安楽死させた。菌血症を評価するために、チャレンジ後の24時間、48時間および72時間の時点で血液を採取した。マウスは、いずれかの疾患または苦痛の兆候に関して、訓練を受けた動物管理スタッフによって少なくとも1日2回観察された。
【0348】
アジュバント添加(CLA-LNP、CLA-SNEまたはSNE単独)ワクチンを含むPCV24で免疫化されたマウスは血清型24Fの気管内チャレンジから防御された(図9)。アジュバントを含有するPCV24製剤で免疫化された全てのマウスはチャレンジ後第7日において100%の生存率を示し、一方、未処置(ナイーブ)マウスの生存率は10%であった。このデータは、アジュバント製剤を含有するPCV24が血清型24FのITチャレンジからマウスを防御することができたことを示している。
【0349】
【表7】
【0350】
実施例10:NTAおよびDLSを用いた場合のナノエマルション製剤の物理的安定性に対する時間および温度の影響
図10に示されているとおり、前記実施例に記載されているとおり製造したナノエマルション系(CLA-SNEまたはSNE)の安定性を評価するために、ナノ粒子追跡分析(NTA)を用いた。この技術は、粒子サイズおよび濃度を推定するために、直接追跡ナノ粒子集団のビデオを、それらがブラウン運動によって移動するにつれて収集する。クラス1の635nmレーザーは液体サンプルを通して80mmの赤色レーザービームを集束させて、急速に拡散する光点として粒子を照射する。CCDカメラは、それぞれの個々の照射粒子の運動を経時的に追跡するために、毎秒30フレームのビデオを記録する。システムソフトウェアは、ビデオから、それぞれの個々の粒子の中心を特定し、独立して横断した距離を追跡して、平均二乗変位を決定する。ビデオ全体から収集された生データが分析されるまで、各フレームにおけるサンプル集団内の全ての粒子に関して、この追跡を同時に行った。追跡された全ての個々の粒子の平均二乗変位を同時に測定することによって、その拡散係数(Dt)および球面等価流体力学的半径(spherical equivalent hydrodynamic radius)(rh)を、ストークス-アインシュタイン方程式を適用することによって決定した。次いでソフトウェアはこの蓄積データを粒子サイズおよび濃度分布として表示する。粒子サイズおよび濃度だけでなく、個々の粒子の強度または明るさに関する生データ情報も収集された。データをまとめてフィッティングし、粒子サイズに対する粒子強度および粒子サイズに対する粒子濃度として個別にプロットし、次いで、全ての粒子集団の粒子サイズ、濃度および強度を比較する3次元等高線プロット上にプロットした。
【0351】
ナノエマルション製剤(CLA-SNEまたはSNE)を4℃、25℃および37℃に最長1か月間さらしても、NTAを用いた評価において、ナノエマルションの粒子濃度またはサイズ分布における有意な変化は観察されなかった(図10)。
【0352】
ナノエマルションは10~1000nmの粒径範囲内で凝集しやすいため、DLSは、凝集現象を評価し定量するための適切な安定性表示技術となる。前記実施例に記載されているとおりに製造されたナノエマルション系の安定性を評価するために、動的光散乱(DLS)を用いて、平均粒径分布を測定した。DLS装置はレーザーを使用して、溶液中の粒子を照射し、次いで、ブラウン運動の結果としての経時的な散乱光の強度の変化を検査する。時間ゼロにおける強度に対する経時的な散乱光強度の相関性は指数関数的な減衰曲線または相関関数をもたらす。時間に対する相関関数における減衰速度は、大きな粒子よりも小さな粒子の場合の方が遥かに速く、これが粒子サイズの計算のための基礎となる。ナノエマルションを4℃、25℃または37℃に最大1ヶ月間さらしても、ナノエマルションのサイズ分布における変化はDLSにより観察されなかった(図11)。CLA-SNEまたはSNEに関しては、Z平均は約110nm~180nmのままであった。
【0353】
実施例11:UPLC-CADを用いた場合のナノエマルション製剤の化学的安定性に対する時間および温度の影響
前記実施例に記載されているとおりに製造されたナノエマルション系の化学的安定性を評価するために、荷電化粒子検出器と組合された超高性能液体クロマトグラフィー(UPLC-CAD)を用いて、4℃、25℃および37℃での1か月間の貯蔵の際のCLA(CLA-SNEのみ)の安定性およびスクアレン濃度を測定した。ナノエマルションを4℃、25℃および37℃に最大1ヶ月間さらしても、SNE中のCLA(図12A)またはスクアレン(図12B)の濃度は影響を受けなかった。更に、UPLC-CADはスクアレンまたはCLAの化学分解による分解生成物の生成を定量しうる。SNEまたはCLA-SNEアジュバント系を高温にさらしても、検出可能な分解ピークは観察されず、このことは、CLA-SNEおよびSNEアジュバント系のスクアレンおよびCLA成分が優れた熱安定性を有することを示している(データ非表示)。
【0354】
実施例12:肺炎球菌コンジュゲートワクチンの安定性に対する安定エマルション系(+/-CLA)の影響
還元的アミノ化溶媒(非プロトン性DMSO)を使用して製造された個々の肺炎球菌多糖-担体タンパク質コンジュゲートを、前記実施例に記載されているとおり、192μg/mLでPCV24の製剤化に使用した。
【0355】
PCV24組成物を、表8に記載されている種々のアジュバント系とガラス容器内で一緒にし、4℃で最大30日間放置した。該製剤は良好な安定性を示し、CLA-SNE(1.2mg/mL CLA-SNE[6.5mg/mLのスクアレン、0.65mg/mLのPS-20、0.65mg/mLのSPAN-85]または1.2mg/mL CLA-SNE[1.2mg/mLのスクアレン、0.12mg/mLのPS-20、0.12mg/mLのSPAN-85])またはSNE([6.5mgのスクアレン、0.65mgのPS-20、0.65mgのSPAN-85]または[0.4mgのスクアレン、0.04mgのPS-20、0.04mgのSPAN-85])は、蛍光に基づくELISAアッセイを用いた場合、肺炎球菌多糖-担体タンパク質コンジュゲートの用量の安定性に影響を及ぼさなかった(図13A~13D)。
【0356】
【表8】
【0357】
実施例13:成体アカゲザルにおけるPCV21免疫原性
また、PCV21(血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B(脱OAc15B)、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bのそれぞれが個別にCRM197にコンジュゲート化されている)を、前記実施例に記載されているとおり、成体アカゲザル免疫原性モデルにおいて評価した。アカゲザルを、第0日および第28日に、PCV21単独で、またはSNEとして製剤化されたCLA(CLA-SNE)を配合したPCV21(表9)で、筋肉内に免疫化した。免疫化当たり0.25mLの体積中の1.0μgのPnPsで、PCV21を投与した。研究開始前(免疫化前、第0日)ならびに第14日(PD1)、第28日(PD1)および第42日(PD2)に血清を採取した。
【0358】
【表9】
【0359】
21価ワクチンにおける血清型特異的IgG免疫原性応答を評価するために、多重化電気化学発光(ECL)アッセイを開発した。このアッセイは、Marcheseら及びSkinnerら(Marchese R.D.ら,Clin.Vaccine Immunol.(2009)16(3):387-96およびSkinner,J.M.ら,Vaccine(2011)29(48):8870-8876)によって記載されている以前のアッセイに基づいて、アカゲザル血清で使用するために開発した。MesoScale Discovery(MesoScale Diagnostics,LLC,Gaithersburg,MDの一部門)によって開発された技術は、96ウェルプレート内のスポット上にコーティングされた肺炎球菌血清型多糖(3、6A、6C、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、脱OAc15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B)、および電気化学的刺激に際して発光するSULFO-TAG(商標)標識抗体を利用する。SULFO-TAG(商標)標識抗ヒトIgGを、アカゲザル血清サンプルを試験するための二次抗体として使用した。図14A、14Bおよび14Cでは、IgG濃度を参照血清標準007spから内挿した。機能的抗体は、University of Alabama(UAB)Research Foundationによって所有されそれからライセンス供与されたOpsotiter(登録商標)3ソフトウェアおよびUAB Pneumococcal Reference Laboratory(University of Alabama Reference Laboratory at Birmingham Bacterial Respiratory Pathogen Reference Library)から入手可能な既に記載されているプロトコールに基づく多重化オプソニン貪食アッセイ(MOPA)によって決定された(Caro-Aguilar I.ら,Vaccine(2017)35(6):865-72ならびにBurton R.L.およびNahm M.H.Clin.Vaccine Immunol.(2006)13(9):1004-9を参照されたい)。
【0360】
1.2mg/mLのCLA-SNE(1.2mg/mLのスクアレン、0.12mg/mLのPS-20、0.12mg/mLのSPAN-85)を配合したPCV21は成体アカゲザルにおいて免疫原性であることが判明し、アジュバントの非存在下で製剤化されたPCV21と比較して、第1投与後(第14日-図14A;第28日-図14B)および第2投与後(第42日;図14C)に、より高い免疫原性をもたらした(図6A)。300μgの用量レベルのCLA-SNEを配合したPCV21は、第1投与後(PD1)および第2投与後(PD2)に、アジュバントの非存在下で製剤化されたPCV21と比較して同等の又はより良好な免疫原性をもたらす。
【0361】
これらの同じ製剤は、試験した全ての時点でワクチン型細菌株を殺滅する機能的抗体を生成し、再び、CLA-SNEは、単独で配合したPCV21と比較してPCV21応答を増強した。全ての研究時点をプール化サンプルまたは個別のサンプルとしてのMOPAにおいて試験した。PD1とPD2との間でOPA力価の大きな差は観察されなかった(データ非表示)。
【0362】
PCV21で免疫化した成体アカゲザルの血清を他のストレプトコッカス・ニューモニエ細菌に対する交差反応性に関して評価した。PCV21で免疫化したアカゲザルの血清は血清型6C(図14A、14Bおよび14C)および15B(図14A、14Bおよび14C)に対する交差反応性を示した。6Cに対する交差反応性は多価PCV24の一部としての多糖コンジュゲート6A-CRM197での免疫化によるものである可能性がある(Cooper D,Yu X,Sidhu M,Nahm MH,Fernsten P,Jansen KU)。13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV13)はヒトにおいてストレプトコッカス・ニューモニエ血清型6Cおよび7Aに対する交差機能的オプソニン貪食殺滅応答を誘発する(Vaccine.2011;29:7207-11)。同様に、多価PCVの一部としての多糖コンジュゲート脱O-Ac-15B-CRM197(脱OAc15B-CRM197)での免疫化は血清型15Cに対する交差反応性をもたらした(Rajamら,Clinical and Vaccine Immunology,2007,14(9):1223-1227)。
【0363】
実施例14:マイクロ流体(microfluidic)ナノエマルション自己集合(MNS)によるカチオン性脂質(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミンの存在下および非存在下の安定ナノエマルション(SNE)アジュバント系の製造
【0364】
安定ナノエマルションアジュバントは、CLA(図1)とも称されるイオン化可能なカチオン性脂質(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミンの存在下および非存在下で製造される。SNEを製造するために、マイクロ流体ナノエマルション自己集合(MNS)プロセスが用いられる。SNEは、CLAの存在下(CLA-SNEと称される;表10)またはCLAの非存在下(SNEと称される;表11)、3つの安定化成分、すなわち、スクアレン、ソルビタントリオレアート(SPAN-85)およびポリソルベート-20(PS-20)からなる多成分エマルション製剤である。MNSで製造されたSNE/CLA-SNE製剤の生物物理学的特性(例えば、粒子サイズ、化学的組成)および安定性は、実施例3に記載されているSNE/CLA-SNE製剤の製造のための高圧微細均質化プロセスの場合に非常に類似している。本質的に、この実施例に記載されているマイクロ流体ナノエマルション自己集合(MNS)プロセスは、安定ナノエマルション(SNE)アジュバント系を製造するための代替プロセスである。この実施例に記載されているナノ粒子自己集合プロセスは、「マイクロフルイディクス」エタノール/水性混合装置を使用して行われた。しかし、本発明に記載されているエタノール/水流ナノ粒子自己集合プロセスは「マイクロ流体(マイクロフルイディック)」混合によって限定されない。より大きな体積の疎水性溶媒流と水溶液との混合が、実施例4に概説されているティー(Tee)混合プロセスを用いて達成されうる。
【0365】
SNE MNS製剤は、一般に、カチオン性脂質、スクアレン、SPAN-85およびPS-20を目標濃度でエタノールのような適切な非水性溶媒中に溶解することによって製造されうる。自己集合手順は、エタノールに溶解した疎水性エマルション成分の流れを水性エマルション溶液の流れと一緒にすることを含む。2つの溶媒の流れが一緒になるにつれて、疎水性分子(すなわち、カチオン性脂質、スクアレン、SPAN-85およびPS-20)が水性溶媒と相互作用する。次いで、後記のとおり、分子がナノサイズの粒子のエマルションへと集合する。ナノ粒子の自己集合エマルションの形成の後、幾つかの適切な手段によって、安定なスクアレンエマルションから残留エタノールを除去することが可能である。この実施例においては、水性バッファーを使用した一晩の透析によって、エタノールを0.1%(w/v)未満まで減少させた。得られたSNE製剤を、孔径0.2μmの滅菌フィルターで濾過することによって滅菌した。望ましい特性を有するSNEアジュバント系を生成させるために、各工程における幾つかのプロセスパラメーター、例えば添加順序、混合時間、温度、非水性成分の濃度、水性バッファー成分の濃度、水性pH、非水性溶液と水性溶液との混合比、総流量および廃棄物体積を制御した。
【0366】
【表10】
【0367】
【表11】
【0368】
マイクロ流体ナノエマルション自己集合を用いた製剤の製造
この実施例においては、生物物理学的特徴付けのために、20mM ヒスチジン(pH5.8)におけるマイクロ流体ナノエマルション自己集合法によって、1つのSNE製剤および4つのCLA-SNE製剤を製造した。自己集合ナノエマルションプロセスは、15mg/mLのスクアレン、1.5mg/mLのSPAN-85および1.5mg/mLのPS-20をエタノールに完全に溶解することから開始する。また、前記のエタノール溶液のそれぞれは0.75、1.5、5.0または15.0mg CLA/mLのCLAをも含有していた。したがって、5つ全ての製剤に関する最初の「目標」CLA/スクアレン(w/w)%は0.0、5.0、10.0、33.3および100(w/w)% CLA/スクアレンとなる。該製剤の全てのための水性バッファーはpH5.8の20mM ヒスチジンであった。Precision NanoSystems,Inc.(Vancouver,BC,Canada)のベンチトップNanoAssemblr(商標)装置を使用して、前記の1つのSNEおよび4つのCLA-SNEアジュバントナノエマルションを自己集合させた。
【0369】
自己集合スクアレンナノ粒子製剤を以下の方法で製造した。1mL シリンジに、エタノールに溶解した0.7mL強の疎水性化合物混合物を充填し、一方、3mL シリンジに1.4mL強の20mM ヒスチジン(pH5.8)水性バッファーを充填した。両方のシリンジに適切な量の溶液をローディングした後、シリンジをNanoAssemblr(商標)装置に取り付けた。以下のマイクロ流体混合パラメーターをNanoAssemblr(商標)内にプログラムした:a)総体積=2mL、b)流量比=2:1(水対エタノール)、c)総流量=12mL/分、d)開始廃棄物体積=0.25mL、およびe)最終廃棄物体積=0.05mL。装置を作動させると、わずか数秒でエタノールと水溶液との混合プロセスが開始された。前記の5つの製剤のそれぞれに関して、約30% エタノール中の約2.0mLの混合後ナノ粒子エマルションを15mL ファルコンチューブ内に集めた。前記の5つの異なるSNEおよびCLA-SNE製剤のそれぞれに、新たなNanoAssemblr(商標)混合カートリッジを使用した。エタノール濃度は各製剤において一晩の透析によって減少する。透析後、分析的特徴付けまで、サンプルの全てを4℃で貯蔵した。
【0370】
分析的特徴付け
カチオン性脂質CLAおよびスクアレンは、図15Aに示されているとおり、MNSによって製造されたスクアレンCLA-SNEナノ粒子内に同等に取り込まれた。この実施例に記載されている製剤サンプルの全てに関して、プロセスエタノールを除去するための透析の後のCLA/スクアレン(w/w)%比(すなわち、y軸)をエタノール溶液中の自己集合前のCLA/スクアレン(w/w)%(すなわち、x軸)と比較した。MNSおよび透析の後の「測定された」CLA/スクアレン(w/w)%は少なくとも35(w/w)%までは「目標」(w/w)%と等しかった。自己集合前の100%の「目標」CLA/スクアレン(w/w)%においても、MNSで製造されたナノ粒子エマルション中のスクアレン含量と比較して、利用可能なCLAの70%以上がCLA-SNEナノ粒子内に取り込まれる。CLA/スクアレン(w/w)%比は、逆相UPLC-CADによって測定した。CLAは、マイクロ流体ナノエマルション自己集合(MNS)プロセスによって製造されたCLA-SNE内に明らかに取り込まれている。
【0371】
MNSプロセスで製造されたCLA-SNE製剤の強度加重Z平均DLS直径を、Malvern ZetaSizer Ultraを使用して測定した。各製剤からの透析後CLA-SNEサンプルのアリコートを2.0mLの20mM ヒスチジンバッファー(pH5.8)中で50倍または100倍に希釈した。平均DLS直径および標準偏差を、各製剤に関して、測定された透析後CLA/スクアレン(w/w)%に対してプロットし、図15Bに示す。各製剤に関して、室温で3回のDLS測定を行った。標準偏差がデータポイントイメージより小さい場合を除き、標準偏差バーが示されている。MNSで製造されたCLA-SNEの強度重量Z平均DLS直径は約150~280nmの範囲であり、これは、高圧均質化によって製造されたCLA-SNEナノ粒子に類似している。所望の直径を有するCLA-SNEアジュバント系を生成させるために、種々のMNSプロセスパラメーター(例えば、この実施例において前記で示されているもの)を制御した。
【0372】
MNSプロセスで製造されたCLA-SNEスクアレンナノ粒子製剤の、pH5.5における測定されたゼータ電位を、図15Cに示す。ゼータ電位は、Malvern ZetaSizer Ultraを使用して測定された。各製剤からの透析後CLA-SNEサンプルのアリコートを2.0mLの20mM シトラートBIS TRISプロパンバッファー(pH5.5)中で50または100倍に希釈した。各製剤に関して、室温で3回のゼータ電位測定を行った。標準偏差がデータポイントイメージより小さい場合を除き、標準偏差バーが示されている。0(w/w)% CLAの(すなわち、CLAを含有しない)CLA-SNE製剤のゼータ電位は約-5mVであった。図15Cに示されているとおり、CLAの添加はナノ粒子のゼータ電位を約+10mVへと有意に増加させた。
【0373】
実施例15:水相pHの変更によるCLA-SNEの製造の最適化
CLA-SNEプロセスは、6.4の実測pKaを有する可逆的なカチオン性CLA分子の使用を含む。SNE製造プロセスおよび最終マトリックスへのpH5.8でのCLAの添加はCLAのプロトン化をもたらし、これは、CLA-SNE粒子および製造プロセスの中間体に全体的な正味の正電荷を与えるように働く。CLA-SNEの製造はついには0.8/0.2μmの濾過イベントとなり、このプロセス工程は、重大なフィルターファウリングおよび低い生成物収率が一貫して観察されていて、実施困難であることが判明していた。しかし、SNEの濾過は、同じ規模のこれらの濾過の難題を示さず、より効率的なナノエマルション濾過工程であった。重要なことに、CLAの非存在下、SNEは、CLA-SNEで観察される強い正電荷を帯びない。より効率的なCLA-SNE濾過工程のために非荷電CLA-SNEを製造するために、水相(20mM L-ヒスチジン)のpHを調整した後でそれをCLA-SNEの製造に使用する一連の実験を行った。5.0、5.7、5.8、6.0、6.2、7.0および7.7の目標pHを有する20mM L-ヒスチジンを調製した。次いで、15mg/mL CLAを配合目標とするCLA-SNE製造プロセスにおける水相として各バッファーを使用し、実施例3に記載されているまさにそのとおりにCLA-SNE製造を進めた。均質化プロセス工程の完了時に、CLA-SNE中間体の粒子サイズを、Malvern Panalytical NanoZSを用いるDLSによって測定した。次いで0.8/0.2μm PESフィルターで濾過を行った。粒子サイズ分布を、DLSによって、濾過後に測定し、[CLA]をUPLC-CADによって定量した。pH7.0または7.7を有する20mM L-ヒスチジンを使用して製造されたCLA-SNEサンプルの場合には、フィルターに材料を適用すると直ちに完全なフィルターファウリングが観察され、濾過された材料の収集は不可能であったため、DLSまたはUPLC-CADによる定量は不可能であった。0の値は説明の目的で示されている。濾過前(予備濾過)サンプルにおいては、水相バッファーのpHが増加するにつれて、粒子サイズが増加する傾向がDLSによって観察された(図16)。この関係は濾過後サンプルにおいても維持され、各CLA-SNEサンプルは濾過後の粒子サイズの程々の減少を示した。ただし、pH7.0および7.7のサンプルは明らかな例外であり、それらは、再び、完全なフィルターファウリングを直ちに示し、材料の回収は不可能であった。濾過後サンプルでは、水相のpHが増加するにつれて、最終CLA-SNE材料中の[CLA]が減少することが観察された(図17)。この関係は、より低いpHで水相を使用するCLA-SNEの製造が最終濾過におけるプロセス収率の増加、およびより効率的なSLA-CAN製造プロセスをもたらすことを示している。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図7K
図7L
図7M
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-09-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖;
b)ソルビタントリオレアート(SPAN-85);
c)ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80);および
d)スクアレン
を含む、組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖が、担体タンパク質とコンジュゲートしている、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記担体タンパク質がCRM197である、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖が、血清型:
4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;ならびに
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B
からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
前記SPAN-85濃度が、6μg/mL~24mg/mLであり、
前記PS-20またはPS-80濃度が、6μg/mL~24mg/mLであり、および、
前記スクアレン濃度が、60μg/mL~240mg/mLである、請求項1~4のいずれか1項記載の組成物。。
【請求項6】
前記SPAN-85濃度が、6μg/mL~2.4mg/mLであり、
前記PS-20またはPS-80濃度が、6μg/mL~2.4mg/mLであり、および、
前記スクアレン濃度が、60μg/mL~24mg/mLである、請求項1~4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
a)担体タンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖を含む、少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖-担体タンパク質コンジュゲート;
b)ソルビタントリオレアート(SPAN-85);
c)ポリソルベート-20(PS-20);および
d)スクアレン
を含み、
前記少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖が、血清型:
4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;ならびに
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B
からなる群から選択され、
前記担体タンパク質がCRM197である、組成物。
【請求項8】
前記SPAN-85濃度が、6μg/mL~24mg/mLであり、
前記PS-20濃度が、6μg/mL~24mg/mLであり、および、
前記スクアレン濃度が、60μg/mL~240mg/mLである、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
前記SPAN-85濃度が、6μg/mL~2.4mg/mLであり、
前記PS-20濃度が、6μg/mL~2.4mg/mLであり、および、
前記スクアレン濃度が、60μg/mL~24mg/mLである、請求項7記載の組成物。
【請求項10】
a)担体タンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖を含む、少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖-担体タンパク質コンジュゲート;
b)ソルビタントリオレアート(SPAN-85);
c)ポリソルベート-20(PS-20);および
d)スクアレン
を含み、
前記少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖が、血清型:
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;ならびに
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
からなる群から選択され、
前記担体タンパク質がCRM197である、組成物。
【請求項11】
前記SPAN-85濃度が、6μg/mL~24mg/mLであり、
前記PS-20濃度が、6μg/mL~24mg/mLであり、および、
前記スクアレン濃度が、60μg/mL~240mg/mLである、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
pH5.1~7.0の5mM~40mMのヒスチジンおよび25mM~300mMのNaClを更に含む、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
約pH5.8の約20mMのヒスチジンおよび約75mMのNaClを更に含む、請求項11記載の組成物。
【請求項14】
前記SPAN-85濃度が、6μg/mL~2.4mg/mLであり、
前記PS-20濃度が、6μg/mL~2.4mg/mLであり、および、
前記スクアレン濃度が、60μg/mL~24mg/mLである、請求項10記載の組成物。
【請求項15】
pH5.1~7.0の5mM~40mMのヒスチジンおよび25mM~300mMのNaClを更に含む、請求項14記載の組成物。
【請求項16】
約pH5.8の約20mMのヒスチジンおよび約75mMのNaClを更に含む、請求項14記載の組成物。
【請求項17】
a)少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖;
b)ソルビタントリオレアート(SPAN-85);
c)ポリソルベート-20(PS-20)またはポリソルベート-80(PS-80);
d)スクアレン;および
e)カチオン性脂質
を含む、組成物。
【請求項18】
前記少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖が、担体タンパク質とコンジュゲートしている、請求項17記載の組成物。
【請求項19】
前記担体タンパク質がCRM197である、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
前記カチオン性脂質が、下記式I:
【化1】
(式中、
およびRはそれぞれメチルである;
はHである;
nは1または2である;
はC-C24アルキルおよびC-C24アルケニルから選択される;ならびに
はC-CアルキルおよびC-Cアルケニルから選択される)
またはその任意の薬学的に許容される塩もしくは立体異性体
から選択される、請求項17~19のいずれか1項記載の組成物。
【請求項21】
前記カチオン性脂質が、下記:
(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン、
(6Z,9Z,26Z,29Z)-N,N-ジメチルペンタトリアコンタ-6,9,26,29-テトラエン-18-アミン、および
N,N-ジメチル-1-((1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル)ヘプタデカン-8-アミン
から選択される、請求項17~19のいずれか1項記載の組成物。
【請求項22】
前記カチオン性脂質が、(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミンである、請求項17~19のいずれか1項記載の組成物。
【請求項23】
前記少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖が、血清型:
4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;ならびに
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B
からなる群から選択される、請求項17~22のいずれか1項記載の組成物。
【請求項24】
前記SPAN-85濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記PS-20またはPS-80濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記スクアレン濃度が、60μg/mL~34mg/mLであり、および、
前記カチオン性脂質濃度が、30μg/mL~2.4mg/mLである、請求項17~23のいずれか1項記載の組成物。
【請求項25】
前記SPAN-85濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記PS-20またはPS-80濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記スクアレン濃度が、60μg/mL~34mg/mLであり、および、
前記カチオン性脂質濃度が、60μg/mL~2.4mg/mLである、請求項17~23のいずれか1項記載の組成物。
【請求項26】
a)担体タンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖を含む、少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖-担体タンパク質コンジュゲート;
b)ソルビタントリオレアート(SPAN-85);
c)ポリソルベート-20(PS-20);
d)スクアレン;および
e)カチオン性脂質
を含み、
前記少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖が、血清型:
4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、脱O-アセチル化-15B、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B;
1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15A、15C、18C、19A、19F、22F、23B、23F、24F、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;ならびに
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B
からなる群から選択され、
前記担体タンパク質がCRM197である、組成物。
【請求項27】
前記SPAN-85濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記PS-20またはPS-80濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記スクアレン濃度が、60μg/mL~34mg/mLであり、および、
前記カチオン性脂質濃度が、30μg/mL~2.4mg/mLである、請求項26記載の組成物。
【請求項28】
前記SPAN-85濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記PS-20またはPS-80濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記スクアレン濃度が、60μg/mL~34mg/mLであり、および、
前記カチオン性脂質濃度が、60μg/mL~2.4mg/mLである、請求項26記載の組成物。
【請求項29】
a)担体タンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖を含む、少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖-担体タンパク質コンジュゲート;
b)ソルビタントリオレアート(SPAN-85);
c)ポリソルベート-20(PS-20);
d)スクアレン;および
e)カチオン性脂質
を含み、
前記カチオン性脂質が、
(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン、
(6Z,9Z,26Z,29Z)-N,N-ジメチルペンタトリアコンタ-6,9,26,29-テトラエン-18-アミン、および
N,N-ジメチル-1-((1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル)ヘプタデカン-8-アミン
から選択され、
前記少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖が、血清型:
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;ならびに
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
からなる群から選択され、
前記担体タンパク質がCRM197である、組成物。
【請求項30】
前記SPAN-85濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記PS-20またはPS-80濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記スクアレン濃度が、60μg/mL~34mg/mLであり、および、
前記カチオン性脂質濃度が、30μg/mL~2.4mg/mLである、請求項29記載の組成物。
【請求項31】
前記SPAN-85濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記PS-20またはPS-80濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記スクアレン濃度が、60μg/mL~34mg/mLであり、および、
前記カチオン性脂質濃度が、60μg/mL~2.4mg/mLである、請求項29記載の組成物。
【請求項32】
a)担体タンパク質にコンジュゲートしたストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖を含む、少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖-担体タンパク質コンジュゲート;
b)ソルビタントリオレアート(SPAN-85);
c)ポリソルベート-20(PS-20);
d)スクアレン;および
e)(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミンであるカチオン性脂質
を含み、
前記少なくとも1つのストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)多糖が、血清型:
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、脱O-アセチル化-15B、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;ならびに
3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20B、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35B;
からなる群から選択され、
前記担体タンパク質がCRM197である、組成物。
【請求項33】
前記SPAN-85濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記PS-20またはPS-80濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記スクアレン濃度が、60μg/mL~34mg/mLであり、および、
前記カチオン性脂質濃度が、30μg/mL~2.4mg/mLである、請求項32記載の組成物。
【請求項34】
pH5.1~7.0の5mM~40mMのヒスチジンおよび25mM~300mMのNaClを更に含む、請求項33記載の組成物。
【請求項35】
pH約5.8の約20mMのヒスチジンおよび約75mMのNaClを更に含む、請求項33記載の組成物。
【請求項36】
前記SPAN-85濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記PS-20またはPS-80濃度が、6μg/mL~14mg/mLであり、
前記スクアレン濃度が、60μg/mL~34mg/mLであり、および、
前記カチオン性脂質濃度が、60μg/mL~2.4mg/mLである、請求項32記載の組成物。
【請求項37】
pH5.1~7.0の5mM~40mMのヒスチジンおよび25mM~300mMのNaClを更に含む、請求項36記載の組成物。
【請求項38】
pH約5.8の約20mMのヒスチジンおよび約75mMのNaClを更に含む、請求項36記載の組成物。
【国際調査報告】