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特表2024-505675太陽光発電システムおよびその電源電流制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-07
(54)【発明の名称】太陽光発電システムおよびその電源電流制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20240131BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20240131BHJP
   H02S 10/20 20140101ALI20240131BHJP
【FI】
H02J3/38 130
H02J3/46
H02S10/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547392
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 CN2022071222
(87)【国際公開番号】W WO2022166537
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】202110169413.2
(32)【優先日】2021-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521531171
【氏名又は名称】ファーウェイ デジタル パワー テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,ジーウー
(72)【発明者】
【氏名】リー,リン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ホワン
【テーマコード(参考)】
5F251
5G066
【Fターム(参考)】
5F251JA28
5F251KA04
5G066HA15
5G066HB03
5G066HB06
(57)【要約】
この出願は、太陽光発電システム及びその電源電流制御方法を提供する。太陽光発電システムは、直流バスと、直流バスに並列に接続された少なくとも2つの電源ユニットとを含む。太陽光発電システムの電源電流制御方法は、少なくとも2つの電源ユニットのそれぞれの現在の電源状態パラメータを獲得するステップ、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータに基づいて各電源ユニットの基準電源電流値を決定するステップ、および、各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて各電源ユニットの現在の供給電力を調整するステップを含む。この出願に従って、電源ユニット間の適切な負荷分散を確保することができ、かつ、実用性が高い。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電システムであって、該太陽光発電システムは、
直流バスと、
前記直流バスに並列に接続された、少なくとも2つの電源ユニットと、
前記直流バスを通じて前記少なくとも2つの電源ユニットに接続されたDC/ACコンバータと、を含み、
前記少なくとも2つの電源ユニットのそれぞれは、DC/DCコンバータを備え、かつ、前記DC/DCコンバータの入力端は、直流電源に接続されており、
前記DC/ACコンバータは、該DC/ACコンバータが電力制限動作モードにあるときに、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータを獲得し、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータに基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定し、かつ、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整する、
ように構成されている、
太陽光発電システム。
【請求項2】
前記DC/ACコンバータは、さらに、
前記太陽光発電システムの現在の出力電力が、システム出力電力閾値より大きいことを判定するように構成されている、
請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項3】
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力および現在の出力能力を含み、かつ、
前記DC/ACコンバータは、さらに、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力および現在の出力能力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整するように構成されており、前記太陽光発電システムにおけるDC/DCコンバータのうちの1つ又はいくつかが限界動作状態において動作することを防止する、
請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項4】
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力を含み、かつ、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータに基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定することは、
前記DC/ACコンバータによって、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、前記少なくとも2つの電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、現在の最大出力電力比率を決定すること、および、
前記現在の最大出力電力比率に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定すること、
を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、さらに、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータを含み、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、前記少なくとも2つの電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、現在の最大出力電力比率を決定することは、
前記DC/ACコンバータによって、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータおよび現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力を決定すること、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、前記少なくとも2つの電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、現在の補正出力電力比率を決定すること、および、
前記現在の補正出力電力比率を、前記現在の最大出力電力比率として決定すること、
を含む、
請求項4に記載の太陽光発電システム。
【請求項6】
各電源ユニットにおける前記DC/DCコンバータの現在の動作条件パラメータおよび現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力を決定することは、
前記DC/ACコンバータによって、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータに対応している電力減衰係数を獲得すること、および、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力および電力減衰係数に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力を決定すること、
を含む、
請求項5に記載の太陽光発電システム。
【請求項7】
前記現在のデバイス動作条件パラメータは、現在のデバイス温度、現在のデバイス電流ストレス、または、現在のデバイス電圧ストレスのうち少なくとも1つを含む、
請求項5または6に記載の太陽光発電システム。
【請求項8】
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、さらに、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電流を含み、
前記現在の最大出力電力比率に基づいて、各電源ユニットにおける前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定することは、
前記DC/ACコンバータによって、前記少なくとも2つの電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率、および、現在の出力電流の和に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定すること、
を含む、
請求項4または5に記載の太陽光発電システム。
【請求項9】
太陽光発電システムであって、該太陽光発電システムは、
直流バスと、
前記直流バスに並列に接続された、少なくとも2つの電源ユニットと、
前記少なくとも2つの電源ユニットへの通信接続を確立する、システム制御ユニットと、を含み、
前記システム制御ユニットは、
前記少なくとも2つの電源ユニットそれぞれの現在の電源状態パラメータを獲得し、
各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定する、
ように構成されており、かつ、
前記各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整する、
太陽光発電システム。
【請求項10】
前記少なくとも2つの電源ユニットそれぞれの現在の電源状態パラメータを獲得する前に、前記方法は、さらに、
前記システム制御ユニットによって、太陽光発電システムの現在の出力電力がシステム出力電力閾値より大きいと判定するステップ、
を含む、請求項9に記載の太陽光発電システム。
【請求項11】
各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の供給電力および現在の電源能力を含み、かつ、
前記システム制御ユニットは、さらに、
各電源ユニットの前記現在の供給電力および前記現在の電源能力に基づいて、各電源ユニットの前記現在の供給電力を調整して、前記少なくとも2つの電源ユニットのうちの1つ又はいくつかが制限動作状態で動作することを防止する、
ように構成されている、
請求項9に記載の太陽光発電システム。
【請求項12】
各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の最大供給電力を含み、
各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定することは、
前記システム制御ユニットによって、各電源ユニットの現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の最大供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の最大供給電力の合計におけるものである、現在の最大供給電力比率を決定すること、および、
前記現在の最大供給電力比率に基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定すること、
を含む、
請求項9に記載の太陽光発電システム。
【請求項13】
各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータは、さらに、各電源ユニットの現在のデバイス動作条件パラメータを含み、
各電源ユニットの前記現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の最大供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の最大供給電力の合計におけるものである、現在の最大供給電力比率を決定することは、
前記システム制御ユニットによって、各電源ユニットの前記現在のデバイス動作条件パラメータおよび前記現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力を決定すること、
各電源ユニットの前記現在の補正供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の補正供給電力の合計におけるものである、現在の補正供給電力比率を決定すること、および、
前記現在の補正供給電力比率を、前記現在の最大供給電力比率として決定すること、
を含む、
請求項12に記載の太陽光発電システム。
【請求項14】
各電源ユニットの前記現在のデバイス動作条件パラメータおよび前記現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力を決定することは、
前記システム制御ユニットによって、各電源ユニットの前記現在のデバイス動作条件パラメータに対応している電力減衰係数を獲得すること、および、
各電源ユニットの前記現在の最大供給電力および電力減衰係数に基づいて、各電源ユニットの前記現在の補正供給電力を決定すること、
を含む、
請求項13に記載の太陽光発電システム。
【請求項15】
前記現在のデバイス動作条件パラメータは、現在のデバイス温度、現在のデバイス電流ストレス、または、現在のデバイス電圧ストレスのうち少なくとも1つを含む、
請求項13または14に記載の太陽光発電システム。
【請求項16】
各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータは、さらに、各電源ユニットの現在の電源電流を含み、
前記現在の供給電力比率に基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定することは、
前記システム制御ユニットによって、前記少なくとも2つの電源ユニットの前記現在の最大供給電力比率および現在の電源電流の和に基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定すること、
を含む、
請求項12または13に記載の太陽光発電システム。
【請求項17】
各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整することは、
前記システム制御ユニットによって、供給電力補正命令を各電源ユニットに送信すること、を含み、前記供給電力補正命令に含まれる各電源ユニットの前記基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットが、各電源ユニットの前記現在の供給電力を各電源ユニットの基準供給電力に調整するのを可能にし、
各電源ユニットの前記基準供給電力は、各電源ユニットの前記基準電源電流値に基づいて決定される、
請求項9に記載の太陽光発電システム。
【請求項18】
各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整することは、
前記システム制御ユニットによって、各電源ユニットの前記基準電源電流値および前記現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの制御補正値を決定すること、および、
前記システム制御ユニットによって、供給電力補正命令を各電源ユニットに送信すること、を含み、
前記供給電力補正命令に含まれる前記制御補正値に基づいて、各電源ユニットが、各電源ユニットの前記現在の供給電力を各電源ユニットの基準供給電力に調整するのを可能にし、
各電源ユニットの前記基準供給電力は、各電源ユニットの前記基準電源電流値に基づいて決定される、
請求項9に記載の太陽光発電システム。
【請求項19】
各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整することは、
前記システム制御ユニットによって、各電源ユニットの前記基準電源電流値および前記現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの制御補正値を決定すること、
初期バス基準電圧および各電源ユニットの前記制御補正値に基づいて、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧を決定すること、および、
供給電力補正命令を各電源ユニットに送信すること、を含み、
前記供給電力補正命令に含まれる各電源ユニットの前記ターゲットバス基準電圧に基づいて、各電源ユニットが、各電源ユニットの前記現在の供給電力を各電源ユニットの基準供給電力に調整するのを可能にし、
各電源ユニットの前記基準供給電力は、各電源ユニットの前記基準電源電流値に基づいて決定される、
請求項9に記載の太陽光発電システム。
【請求項20】
初期バス基準電圧および各電源ユニットの前記制御補正値に基づいて、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧を決定することは、
前記システム制御ユニットによって、前記初期バス基準電圧、各電源ユニットの前記制御補正値、および、各電源ユニットの電圧補正値に基づいて、各電源ユニットの前記ターゲットバス基準電圧を決定すること、を含み、
各電源ユニットの前記電圧補正値は、各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータおよび各電源ユニットの仮想インピーダンスに基づいて決定される、
請求項19に記載の太陽光発電システム。
【請求項21】
前記少なくとも2つの電源ユニットにおける第1電源ユニットは、前記システム制御ユニットを含む、
請求項9に記載の太陽光発電システム。
【請求項22】
前記電源ユニットは、DC/DCコンバータまたはDC/ACコンバータを含み、
前記DC/DCコンバータは、前記DC/DCコンバータの現在の供給電力を調整するように構成されており、かつ、
前記DC/ACコンバータは、前記DC/ACコンバータの現在の供給電力を調整するように構成されている、
請求項9乃至21いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項23】
太陽光発電システムの電源電流制御方法であって、該太陽光発電システムは、
直流バスと、
前記直流バスに並列に接続された少なくとも2つの電源ユニットと、
前記直流バスに基づいて前記少なくとも2つの電源ユニットに接続されたDC/ACコンバータと、を含み、
前記少なくとも2つの電源ユニットのそれぞれは、DC/DCコンバータを備え、かつ、前記DC/DCコンバータの入力端は、直流電源に接続されており、
前記DC/ACコンバータが電力制限動作モードにあるときに、前記DC/ACコンバータによって、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータを獲得し、かつ、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータに基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定するステップ、および、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの前記基準出力電流値に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整するステップ、
を含む、方法。
【請求項24】
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力および現在の出力能力を含み、
前記方法は、さらに、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力および前記現在の出力能力に基づいて、前記DC/ACコンバータによって、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整するステップであり、前記太陽光発電システム内の前記DC/DCコンバータのうちの1つ又はいくつかが限界動作状態で動作することを防止する、ステップ、
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力を含み、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータに基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定するステップは、
前記DC/ACコンバータによって、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、前記少なくとも2つの電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、現在の最大出力電力比率を決定すること、および、
前記現在の最大出力電力比率に基づいて、各電源ユニットにおける前記DC/DCコンバータの前記基準出力電流値を決定すること、
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、さらに、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の装置動作条件パラメータを含み、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットにおける前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計である、現在の最大出力電力比率を決定するステップは、
各電源ユニット内の現在の装置動作条件パラメータおよび前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、前記DC/ACコンバータによって、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力を決定すること、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットにおける前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力の合計である、現在の補正出力電力比率を決定すること、および、
現在の補正出力比例を、現在の最大出力比率として決定すること、
を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
太陽光発電システムの電源電流制御方法であって、
該太陽光発電システムは、直流バス、および、前記直流バスに並列に接続された少なくとも2つの電源ユニットを含み、
前記方法は、
少なくとも2つの電源ユニットの各々の現在の電源状態パラメータを獲得し、かつ、各電源ユニットの電力供給状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定するステップ、および、
各電源ユニットの前記基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整するステップ、
を含む、方法。
【請求項28】
各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の供給電力および現在の電源能力を含み、
前記方法は、さらに、
各電源ユニットの現在の供給電力および各電源ユニットの現在の電源能力に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整するステップであり、前記少なくとも2つの電源ユニットのうちの1つ又はいくつかが制限動作状態で動作することを防止する、ステップ、
を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の最大供給電力を含み、
各電源ユニットの現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定することは、
各電源ユニットの現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の最大供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の最大供給電力の合計におけるものである、現在の最大供給電力比率を決定すること、および、
各電源ユニットの基準電源電流を、現在の最大供給電力比率に基づいて決定すること、
を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、さらに、各電源ユニットの現在のデバイス動作状態パラメータを含み、
各電源ユニットの現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の最大供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の最大供給電力の合計におけるものである、現在の最大供給電力比率を決定することは、
各電源ユニットの動作条件パラメータおよび現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力を決定すること、
各電源ユニットの現在の補正供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の補正供給電力の合計におけるものである、現在の補正供給電力比率を決定すること、および、
現在の補正供給電力比率を、現在の最大供給電力比率として決定すること、
を含む、請求項29に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、太陽光発電技術の分野に関する。そして、特には、太陽光発電システムおよびその電源電流制御方法に関する。
この出願は、2021年2月7日に中国国家知識産権局に提出され、タイトルが“PHOTOVOLTAIC SYSTEM AND POWER SUPPLY CURRENT CONTROL METHOD THEREOF”である中国特許出願第202110169413.2号について優先権を主張するものであり、参照により、その全体が本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
小型電源ユニット(例えば、通信電源)の適用シナリオにおいて、複数の電源ユニットが、同じバス上で並列に接続され、そして、通信ケーブルが電源ユニット間に接続されている。電源ユニット(一次デバイス(primary device)および二次デバイス(secondary device)を含む)は、電源ユニットの電源電流を別々に収集し、かつ、獲得し、そして、二次デバイスは、二次電源ユニットの電源電流を一次デバイスに対してアップロードする。システム内の同じバスに並列に接続された全ての二次デバイスの電源電流を受信した後で、一次デバイスは、一次デバイスの電源電流および二次デバイスの電源電流に基づいて、平均電流基準値(reference value)を計算し、そして、各二次デバイスに対して平均電流基準値を配信する。一次デバイスおよび各二次デバイスは、平均電流基準値に基づいて、電源電流に対してフィードバック調整を実行する。このソリューションにおける並列電源ユニットのパラメータは異なるので、並列電源ユニット間の適切な負荷分散を保証することができない。その結果として、いくつかの電源ユニットに対して大電流が分配され、そして、熱応力が増大し、最終的に電源ユニットの耐用年数に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0003】
この出願は、電源ユニット間の適切な負荷分散を保証するために、太陽光発電システムおよびその電源電流制御方法を提供し、かつ、高い適用性を提供する。
【0004】
第1態様に従って、この出願は、太陽光発電システムを提供する。本太陽光発電システムは、直流バスと、前記直流バスに並列に接続された、少なくとも2つの電源ユニットと、前記直流バスを通じて前記少なくとも2つの電源ユニットに接続されたDC/ACコンバータと、を含む。前記少なくとも2つの電源ユニットのそれぞれは、DC/DCコンバータを備え、かつ、前記DC/DCコンバータの入力端は、直流電源に接続されている。前記DC/ACコンバータが電力制限動作モードにあるときに、該DC/ACコンバータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータを獲得し、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータに基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定し、かつ、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整する。
【0005】
この出願のこの実施形態において、DC/ACコンバータは、直流バスに並列に接続された各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の実際の電源能力に基づいて各DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整することができ、DC/DCコンバータの出力電力がバランスされることを保証し、適用性が高い。
【0006】
第1態様に関連して、第1の可能な実装において、DC/ACコンバータが電力制限動作モードになる前に、前記DC/ACコンバータは、前記太陽光発電システムの現在の出力電力がシステム出力電力閾値より大きいことを判定する。
【0007】
第1態様に関連して、第2の可能な実装において、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力および現在の出力能力を含む。前記DC/ACコンバータは、さらに、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力および現在の出力能力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整して、前記太陽光発電システムにおけるDC/DCコンバータのうちの1つ又はいくつかが限界動作状態において動作することを防止する。
【0008】
この出願のこの実施形態において、DC/ACコンバータは、直流バスに並列に接続されたDC/DCコンバータの現在の実際の出力能力に基づいて各DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整することができ、DC/DCコンバータの出力電力がバランスされることを保証し、DC/DCコンバータのうちの1つ又はいくつかがDC/DCコンバータの現在の最大出力電力を超える出力電力で動作することを防止している。このことは、高い適用性を提供する。
【0009】
第1態様に関連して、第3の可能な実装において、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力を含む。前記DC/ACコンバータは、電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、前記少なくとも2つの電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、現在の最大出力電力比率を決定し、そして、前記現在の最大出力電力比率に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定する。
【0010】
この出願のこの実施形態において、各DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータが各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力を含むときに、各DC/DCコンバータの基準出力電流値は、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて決定され得る。
【0011】
第1態様に関連して、第4の可能な実装において、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、さらに、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータを含む。そして、前記DC/ACコンバータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータおよび現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力を決定し、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、前記少なくとも2つの電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、現在の補正出力電力比率を決定し、かつ、前記現在の補正出力電力比率を、前記現在の最大出力電力比率として決定する。
【0012】
この出願のこの実施形態において、DC/ACコンバータは、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力および現在のデバイス動作条件パラメータに基づいて、各DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定し得る。
【0013】
第1態様に関連して、第5の可能な実装において、前記DC/ACコンバータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータに対応している電力減衰係数を獲得し、かつ、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力および電力減衰係数に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力を決定する。
【0014】
この出願のこの実施形態において、デバイス温度が過度に高い、デバイス電流ストレスが過度に高い、または、デバイス電圧ストレスが過度に高いDC/DCコンバータの最大出力電力は、DC/DCコンバータの耐用年数を延ばすために、電力減衰係数に基づいて低減され得る。
【0015】
第1態様に関連して、第6の可能な実装において、前記現在のデバイス動作条件パラメータは、現在のデバイス温度、現在のデバイス電流ストレス、または、現在のデバイス電圧ストレスのうち少なくとも1つを含む。
【0016】
第1態様に関連して、第7の可能な実装において、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、さらに、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電流を含む。そして、前記DC/ACコンバータは、前記少なくとも2つの電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率、および、現在の出力電流の和に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定する。
【0017】
この出願のこの実施形態において、各DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータが各DC/DCコンバータの現在の出力電流を含むときに、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率と、全てのDC/DCコンバータの現在の出力電流の合計との積が、各DC/DCコンバータの基準出力電流値として決定され得る。その結果、各DC/DCコンバータの出力電流値は、各DC/DCコンバータの現在の実際の出力能力に基づいて適切に割り当てられる。
【0018】
第2態様に従って、この出願は、太陽光発電システムを提供する。本太陽光発電システムは、直流バスと、前記直流バスに並列に接続された、少なくとも2つの電源ユニットと、前記少なくとも2つの電源ユニットへの通信接続を確立する、システム制御ユニットとを含む。前記システム制御ユニットは、前記少なくとも2つの電源ユニットそれぞれの現在の電源状態パラメータを獲得し、各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定し、そして、前記各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整する。
【0019】
この出願のこの実施形態において、システム制御ユニットは、直流バスに並列に接続された各電源ユニットの現在の実際の電源能力に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整することができ、電源ユニット間の適切な負荷分散を保証する。すなわち、電源ユニット間で供給電力がバランスされることを保証する。このことは、高い適用性を提供する。
【0020】
第2態様に関連して、第1の可能な実装において、前記少なくとも2つの電源ユニットそれぞれの現在の電源状態パラメータを獲得する前に、前記システム制御ユニットは、太陽光発電システムの現在の出力電力がシステム出力電力閾値より大きいと判定する。
【0021】
この出願のこの実施形態において、太陽光発電システムの現在の出力電力がシステム出力電力閾値よりも大きいときに、システム制御ユニットは、電源ユニット間で適切な負荷分散を実行する。
【0022】
第2態様に関連して、第2の可能な実装において、各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の供給電力および現在の電源能力を含み、かつ、前記システム制御ユニットは、各電源ユニットの前記現在の供給電力および前記現在の電源能力に基づいて、各電源ユニットの前記現在の供給電力を調整して、前記少なくとも2つの電源ユニットのうちの1つ又はいくつかが制限動作状態で動作することを防止する。
【0023】
この出願のこの実施形態において、システム制御ユニットは、直流バスに並列に接続された各電源ユニットの現在の実際の電源能力に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整することができ、電源ユニットのうちの1つ又はいくつかが電源ユニットの現在の最大供給電力を超える供給電力で電力供給を実行することを防止するように、、電源ユニット間で供給電力がバランスされることを保証する。このことは、高い適用性を提供する。
【0024】
第2態様に関連して、第3の可能な実装において、各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の最大供給電力を含み、そして、前記システム制御ユニットは、各電源ユニットの現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の最大供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の最大供給電力の合計におけるものである、現在の最大供給電力比率を決定し、そして、前記現在の最大供給電力比率に基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定する。
【0025】
この出願のこの実施形態において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータが各電源ユニットの現在の最大供給電力を含むときに、各電源ユニットの基準電源電流値は、各電源ユニットの現在の最大供給電力に基づいて決定され得る。
【0026】
第2態様に関連して、第4の可能な実装において、各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータは、さらに、各電源ユニットの現在のデバイス動作条件パラメータを含み、そして、前記システム制御ユニットは、各電源ユニットの前記現在のデバイス動作条件パラメータおよび前記現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力を決定し、かつ、各電源ユニットの前記現在の補正供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の補正供給電力の合計におけるものである、現在の補正供給電力比率を決定し、そして、前記現在の補正供給電力比率を、前記現在の最大供給電力比率として決定する。
【0027】
この出願のこの実施形態において、システム制御ユニットは、各電源ユニットの現在の最大供給電力および現在のデバイス動作条件パラメータに基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定し得る。
【0028】
第2態様に関連して、第5の可能な実装において、前記システム制御ユニットは、各電源ユニットの前記現在のデバイス動作条件パラメータに対応している電力減衰係数を獲得し、そして、各電源ユニットの前記現在の最大供給電力および電力減衰係数に基づいて、各電源ユニットの前記現在の補正供給電力を決定する。
【0029】
この出願のこの実施形態において、デバイス温度が過度に高い、デバイス電流ストレスが過度に高い、または、デバイス電圧ストレスが過度に高い電源ユニットの最大供給電力は、各電源ユニットの耐用年数を延ばすために、電力減衰係数に基づいて低減され得る。
【0030】
第2態様に関連して、第6の可能な実装において、前記現在のデバイス動作条件パラメータは、現在のデバイス温度、現在のデバイス電流ストレス、または、現在のデバイス電圧ストレスのうち少なくとも1つを含む。
【0031】
第2態様に関連して、第7の可能な実装において、各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータは、さらに、各電源ユニットの現在の電源電流を含み、そして、前記システム制御ユニットは、前記少なくとも2つの電源ユニットの前記現在の最大供給電力比率および現在の電源電流の和に基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定する。
【0032】
この出願のこの実施形態において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータが各電源ユニットの現在の電源電流を含むときに、各電源ユニットの現在の最大供給電力比率と全ての電源ユニットの現在の電源電流の合計との積が、各電源ユニットの基準電源電流値として決定され得る。その結果、各電源ユニットの電源電流値は、各電源ユニットの現在の実際の電源能力に基づいて適切に割り当てられる。
【0033】
第2態様に関連して、第8の可能な実装において、前記システム制御ユニットは、供給電力補正命令を各電源ユニットに送信し、前記供給電力補正命令に含まれる各電源ユニットの前記基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットが、各電源ユニットの前記現在の供給電力を各電源ユニットの基準供給電力に調整するのを可能にする。そして、各電源ユニットの前記基準供給電力は、各電源ユニットの前記基準電源電流値に基づいて決定される。
【0034】
第2態様に関連して、第9の可能な実装において、前記システム制御ユニットは、各電源ユニットの前記基準電源電流値および前記現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの制御補正値を決定し、そして、供給電力補正命令を各電源ユニットに送信して、前記供給電力補正命令に含まれる前記制御補正値に基づいて、各電源ユニットが、各電源ユニットの前記現在の供給電力を各電源ユニットの基準供給電力に調整するのを可能にする。そして、各電源ユニットの前記基準供給電力は、各電源ユニットの前記基準電源電流値に基づいて決定される。
【0035】
この出願のこの実施形態において、計算によって各電源ユニットの制御補正値を獲得した後で、システム制御ユニットは、電源ユニットの制御補正値を含む供給電力補正命令を各電源ユニットに送信する。各電源ユニットは、各電源ユニットの制御補正値に基づく計算によって各電源ユニットのターゲットバスパラメータ電圧を獲得し、そして、各電源ユニットのターゲットバスパラメータ電圧に基づいて、各電源ユニットと直流バスとの間の電源電流値を調整して、システム制御ユニットの計算量を低減し、かつ、システム制御ユニットの処理効率を改善する。
【0036】
第2態様に関連して、第10の可能な実装において、前記システム制御ユニットは、各電源ユニットの前記基準電源電流値および前記現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの制御補正値を決定し、初期バス基準電圧および各電源ユニットの前記制御補正値に基づいて、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧を決定し、そして、供給電力補正命令を各電源ユニットに送信して、前記供給電力補正命令に含まれる各電源ユニットの前記ターゲットバス基準電圧に基づいて、各電源ユニットが、各電源ユニットの前記現在の供給電力を各電源ユニットの基準供給電力に調整するのを可能にする。そして、各電源ユニットの前記基準供給電力は、各電源ユニットの前記基準電源電流値に基づいて決定される。
【0037】
この出願のこの実施形態において、各電源ユニットは、電源ユニットのターゲットバス基準電圧を計算する必要がなく、そして、各電源ユニットの計算量を低減し、かつ、各電源ユニットの処理効率を改善するために、供給電力補正命令に含まれるターゲットバス基準電圧に基づいて、電源ユニットと直流バスとの間の電源電流値を直接的に調整し得る。
【0038】
第2態様に関連して、第11の可能な実装において、前記システム制御ユニットは、前記初期バス基準電圧、各電源ユニットの前記制御補正値、および、各電源ユニットの電圧補正値に基づいて、各電源ユニットの前記ターゲットバス基準電圧を決定する。そして、各電源ユニットの前記電圧補正値は、各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータおよび各電源ユニットの仮想インピーダンスに基づいて決定される。
【0039】
この出願のこの実施形態において、各電源ユニットの初期バス基準電圧は、電源ユニット間の適切な負荷分散を実施するために、各電源ユニットの制御補正値に基づいて補正され得る。さらに、各電源ユニットの初期バス基準電圧は、各電源ユニットが安定した電力供給状態にあることを保証するために、仮想インピーダンスのドループ(droop)特性に基づいてさらに補正される。
【0040】
第2態様に関連して、第12の可能な実装において、前記仮想インピーダンスは、電源ユニットの現在の電源状態パラメータに基づいて決定される。
【0041】
第2態様に関連して、第13の可能な実装において、前記少なくとも2つの電源ユニットにおける第1電源ユニットは、前記システム制御ユニットを含む。
【0042】
第2態様に関連して、第14の可能な実装において、前記電源ユニットは、DC/DCコンバータまたはDC/ACコンバータを含み、前記DC/DCコンバータは、前記DC/DCコンバータの現在の供給電力を調整するように構成されており、かつ、前記DC/ACコンバータは、前記DC/ACコンバータの現在の供給電力を調整するように構成されている。
【0043】
この出願のこの実施形態において、電源ユニットは、直流バスに並列に接続されたDC/DCコンバータ、または、直流バスに並列に接続されたDC/ACコンバータを含み得る。その結果、太陽光発電システムの適用性が、改善すれ得る。
【0044】
第3態様に従って、この出願は、太陽光発電システムの電源電流制御方法を提供する。本太陽光発電システムは、直流バスと、前記直流バスに並列に接続された少なくとも2つの電源ユニットと、前記直流バスを通じて前記少なくとも2つの電源ユニットに接続されたDC/ACコンバータとを含む。前記少なくとも2つの電源ユニットのそれぞれはDC/DCコンバータを備え、かつ、前記DC/DCコンバータの入力端は、直流電源に接続されている。前記DC/ACコンバータが電力制限動作モードにあるときに、前記DC/ACコンバータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータを獲得し、かつ、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータに基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定し、そして、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの前記基準出力電流値に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整する。
【0045】
第3態様に関連して、第1の可能な実装において、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力および現在の出力能力を含む。前記DC/ACコンバータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力および前記現在の出力能力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整して、前記太陽光発電システム内の前記DC/DCコンバータのうちの1つ又はいくつかが限界動作状態で動作することを防止する。
【0046】
第3態様に関連して、第2の可能な実装において、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力を含む。前記DC/ACコンバータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、前記少なくとも2つの電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、現在の最大出力電力比率を決定し、そして、前記現在の最大出力電力比率に基づいて、各電源ユニットにおける前記DC/DCコンバータの前記基準出力電流値を決定する。
【0047】
第3態様に関連して、第3の可能な実装において、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、さらに、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の装置動作条件パラメータを含む。前記DC/DCコンバータは、各電源ユニット内の現在の装置動作条件パラメータおよび前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力を決定し、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットにおける前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力の合計である、現在の補正出力電力比率を決定し、そして、現在の補正出力比例を、現在の最大出力比率として決定する。
【0048】
第4態様に従って、この出願は、太陽光発電システムの電源電流制御方法を提供する。本太陽光発電システムは、直流バス、および、前記直流バスに並列に接続された少なくとも2つの電源ユニットを含む。前記方法は、少なくとも2つの電源ユニットの各々の現在の電源状態パラメータを獲得し、かつ、各電源ユニットの電力供給状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定するステップ、および、各電源ユニットの前記基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整するステップを含む。
【0049】
第4態様に関連して、第1の可能な実装において、本方法は、太陽光発電システムの現在の出力電力がシステム出力電力閾値より大きいときに、少なくとも2つの電源ユニットのそれぞれの現在の電源状態パラメータを獲得するステップを含む。
【0050】
第4態様に関連して、第2の可能な実装において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の供給電力および現在の電源能力を含む。前記方法は、各電源ユニットの現在の供給電力および各電源ユニットの現在の電源能力に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整するステップであり、前記少なくとも2つの電源ユニットのうちの1つ又はいくつかが制限動作状態で動作することを防止する、ステップを含む。
【0051】
第4態様に関連して、第3の可能な実装において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の最大供給電力を含む。そして、本方法は、各電源ユニットの現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の最大供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の最大供給電力の合計におけるものでである、現在の最大供給電力比率を決定すること、および、各電源ユニットの基準電源電流を、現在の最大供給電力比率に基づいて決定すること、を含む。
【0052】
第4態様に関連して、第4の可能な実装において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、さらに、各電源ユニットの現在のデバイス動作条件パラメータを含む。本方法は、現在のデバイス動作状態パラメータおよび各電源ユニットの現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力を決定するステップと、各電源ユニットの現在の補正供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力のものであり、かつ、、少なくとも2つの電源ユニットの現在の補正供給電力の合計におけるものである、現在の補正供給電力比率を決定するステップと、現在の補正供給電力比率を、現在の最大供給電力比率として決定するステップとを含む。
【0053】
第4態様に関連して、第5の可能な実装において、本方法は、各電源ユニットの現在のデバイス動作状態パラメータに対応する電力減衰係数を獲得するステップと、各電源ユニットの現在の最大供給電力および電力減衰係数に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力を決定するステップとを含む。
【0054】
第4態様に関連して、第6の可能な実装において、現在のデバイス動作条件パラメータは、現在のデバイス温度、現在のデバイス電流ストレス、または、現在のデバイス電圧ストレスのうち少なくとも1つを含んでいる。
【0055】
第4態様に関連して、第7の可能な実装において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、さらに、各電源ユニットの現在の電源電流を含んでいる。本方法は、現在の最大供給電力比率、および、少なくとも2つの電源ユニットの現在の電源電流の合計に基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定するステップを含む。
【0056】
第4態様に関連して、第8の可能な実装において、本方法は、供給電力補正命令を各電源ユニットに送信ステップであり、供給電力補正命令に含まれる各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットが、各電源ユニットの現在の供給電力を各電源ユニットの基準供給電力に調整するのを可能にする、ステップを含み、ここで、各電源ユニットの基準供給電力は、各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて決定される。
【0057】
第4態様に関連して、第9の可能な実装において、本方法は、各電源ユニットの基準電源電流値および現在の電源状態パラメータに基づいて各電源ユニットの制御補正値を決定するステップ、および、供給電力補正命令を各電源ユニットに送信するステップであり、供給電力補正命令に含まれる各電源ユニットの制御補正値に基づいて、各電源ユニットが、各電源ユニットの現在の供給電力を各電源ユニットの基準供給電力に調整するのを可能にする、ステップを含み、ここで、各電源ユニットの基準供給電力は、各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて決定される。
【0058】
第4態様に関連して、第10の可能な実装において、本方法は、各電源ユニットの基準電源電流値および現在の電源状態パラメータに基づいて各電源ユニットの制御補正値を決定するステップ、初期バス基準電圧および各電源ユニットの制御補正値に基づいて、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧を決定するステップ、および、供給電力補正命令を各電源ユニットに送信するステップであり、各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて決定される各電源ユニットのターゲットバス基準電圧に基づいて、各電源ユニットが、各電源ユニットの現在の供給電力を各電源ユニットの基準供給電力に調整するのを可能にするステップを含む。ここで、各電源ユニットの基準供給電力は、各電源ユニットの基準電源電流に基づいて決定される。
【0059】
第4態様に関連して、第11の可能な実装において、本方法は、初期バス基準電圧、各電源ユニットの制御補正値、および、各電源ユニットの電圧補正値に基づいて、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧を決定するステップを含む。ここで、各電源ユニットの電圧補正値は、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータおよび各電源ユニットの仮想インピーダンスに基づいて決定される。
【0060】
第4態様に関連して、第12の可能な実装において、前記仮想インピーダンスは、電源ユニットの現在の電源状態パラメータに基づいて決定される。
【0061】
第4態様に関連して、任意の可能な実装において、前記電源ユニットは、DC/DCコンバータまたはDC/ACコンバータを含み、前記DC/DCコンバータは、前記DC/DCコンバータの現在の供給電力を調整するように構成されており、かつ、前記DC/ACコンバータは、前記DC/ACコンバータの現在の供給電力を調整するように構成されている。
【0062】
第5態様に従って、この出願は、太陽光発電システムのDC/ACコンバータを提供する。本太陽光発電システムは、直流バスと、直流バスに並列に接続された、少なくとも2つの電源ユニットと、直流バスを通じて少なくとも2つの電源ユニットに接続されたDC/ACコンバータとを含む。前記少なくとも2つの電源ユニットのそれぞれは、DC/DCコンバータを備え、かつ、前記DC/DCコンバータの入力端は、直流電源に接続されている。前記DC/ACコンバータは、
獲得と決定モジュールであり、前記DC/ACコンバータが電力制限動作モードにあるときに、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータを獲得し、そして、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータに基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定するように構成されている、獲得と決定モジュール、および、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの前記基準出力電流値に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整するように構成されている、電力調整モジュール、を含む。
【0063】
第6態様に従って、この出願は、太陽光発電システムの電源電流制御装置を提供する。本太陽光発電システムは、直流バスと、直流バスに並列に接続された、少なくとも2つの電源ユニットと、を含む。本電源電流制御装置は、
獲得と決定モジュールであり、前記少なくとも2つの電源ユニットそれぞれの現在の電源状態パラメータを獲得し、かつ、各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定するように構成されている、獲得と決定モジュール、および、
各電源ユニットの前記基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整するように構成されている、電力調整モジュール、を含む。
【0064】
この出願の前述の態様の実装および有益な効果に対して、相互参照が行われ得ることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1図1は、この出願に従った、太陽光発電システムの構造に係る略図である。
図2図2は、この出願に従った、純粋なソーラーシステムの構造に係る概略図である。
図3図3は、この出願に従った、純粋なストレージシステムの構造に係る概略図である。
図4図4は、この出願に従った、光ストレージシステムの構造に係る概略図である。
図5図5は、この出願に従った、初期バス基準電圧において仮想インピーダンスによって生成されるドループ特性に係る概略曲線図である。
図6図6は、この出願に従った、太陽光発電システムの電源電流制御方法の概略フローチャートである。
図7図7は、この出願に従った、太陽光発電システムの電源電流制御方法に係る別の概略フローチャートである。
図8図8は、この出願に従った、太陽光発電システムの電源電流制御装置の構造に係る概略図である。
図9図9は、この出願に従った、太陽光発電システムにおけるDC/ACコンバータの構造に係る概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
複数の電源ユニットが並列に接続されている場合、電源ユニット間のパラメータやサンプリング差異により、電源ユニット間の適切な負荷分散を確保することが困難である。その結果、大電流がいくつかの電源ユニットに分配され、そして、熱応力が増大し、最終的には、電源ユニットの耐用年数に影響を及ぼす。しかしながら、電力供給システムに含まれる電源ユニットの耐用年数は一貫しておらず、そして、最終的に、電力供給システム全体の運用および保守コストが増加する。
【0067】
この出願において提供される太陽光発電システム、電源電流制御方法、および装置、並びに、その電源ユニットに従った、各電源ユニットの基準電源電流値は、各電源ユニットの実際の電源能力に基づいて、適切な負荷割り当てを実施するために、各並列電源ユニットの電源状態パラメータに基づいて決定されてよく、その結果、電源ユニットの耐用年数が延長され、かつ、太陽光発電システムの運用および保守コストが低減される。
【0068】
図1は、この出願に従った、太陽光発電システムの構造の概略図である。図1に示されるように、太陽光発電システム100は、直流バスBUS(図1における正の直流バスBUS+、および、負の直流バスBUS-に対応している)、および、直流バスBUSに並列に接続された電源ユニットを含んでいる。例えば、電源ユニットは、電源ユニット111、…、電源ユニット11n1、または、電源ユニット121、…、電源ユニット12n2を含み得る。ここで、n1は、2以上の整数であり、そして、n2は、1以上の整数である。電源ユニットが、電源ユニット111、…、電源ユニット11n1を含む場合、太陽光発電システム100は、電源ユニット111、…、電源ユニット11n1間で適切な負荷分散を実現することができ、もしくは、電源ユニットが、電源ユニット121、…、電源ユニット12n2を含み、かつ、n2が2以上の整数である場合、太陽光発電システム100は、電源ユニット121、…、電源ユニット12n2間で適切な負荷分散を実現することができる。
【0069】
電源ユニット111、…、電源ユニット11n1のそれぞれは、DC/DCコンバータを含んでいる。DC/DCコンバータの入力端は、直流電源に接続されており、そして、直流電源と直流バスとの間で直流電圧変換を実施するように構成されている。具体的に、直流電源は、太陽光発電ストリングであり得る。この場合、DC/DCコンバータは、太陽光発電ストリングの電気エネルギーに対して直流変換を実行し、そして、次いで、電気エネルギーを直流バスに供給して、直流バスのための電力供給を実施することができる。代替的に、直流電源は、エネルギーストレージバッテリストリングであり得る。この場合、DC/DCコンバータは、直流バス上の電気エネルギーに対して直流変換を実行し、そして、次いで、電気エネルギーをエネルギーストレージバッテリストリングに供給して、エネルギーストレージバッテリストリングを充電することができる。太陽光発電ストリングは、直列及び/又は並列に接続された複数の太陽電池モジュールを含み得る。太陽光発電モジュールは、ソーラーパネルを直列および並列にパッケージングすることによって形成される直流電源であり、太陽エネルギーを電気エネルギーへと変換するように構成されている。エネルギーストレージバッテリストリングは、直列及び/又は並列に接続された複数のエネルギーストレージバッテリを含み得る。電源ユニット121、…、電源ユニット12n2のそれぞれは、DC/DCコンバータを含んでおり、それは、直流バス上の直流電流を、反転(inversion)を通じて、負荷の電力要件を満たす交流電流へと変換するか、または、直流バス上の直流電流を、反転を通じて、メインパワーグリッド(power grid)の要件を満たす交流電流へと変換するように構成され得る。任意的な実装において、電源ユニット121、…、電源ユニット12n2それぞれの出力端と、パワーグリッド200との間に昇圧変圧器(step-up transformer)(図示されていない)が接続されてよく、それは、特定のアプリケーション環境に基づいて決定され得る。このことは、本明細書において特には限定されない。太陽光発電システム100は、反転を通じて獲得された交流電流を、負荷またはパワーグリッド200に対して出力することができる。
【0070】
いくつかの実現可能な実装において、太陽光発電システム100は、さらに、システム制御ユニット(図示されていない)を含んでいる。システム制御ユニットは、電源ユニット111、…、電源ユニット11n1と通信するように、または、電源ユニット121、…、電源ユニット12n2と通信するように構成されており、そして、通信を通じて、電源ユニット111、…、電源ユニット11n1の電源状態パラメータ、または、電源ユニット121、…、電源ユニット12n2の電源状態パラメータを獲得するように構成されている。システム制御ユニットは、独立した装置であってよく、もしくは、太陽光発電システム100の他の装置に組み込まれてもよく、例えば、電源ユニット111、…、電源ユニット11n1のいずれかに組み込まれるか、または、電源ユニット121、…、電源ユニット12n2のいずれかに組み込まれてよい。システム制御ユニットは、無線通信(Wi-Fi(登録商標)、Lora、ZigBee(登録商標)、といったもの)、または、PLC通信を介して電源ユニットと通信する。
【0071】
以下では、電源ユニット111、…、電源ユニット11n1間の適切な負荷分散を実施するための一つの例を提供する。太陽光発電システム100におけるシステム制御ユニット(図示されていない)は、電源ユニット111、…、電源ユニット11n1の電源状態パラメータに基づいて、電源ユニット111、…、電源ユニット11n1の基準電源電流値を決定し、そして、電源ユニット111、…、電源ユニット11n1それぞれに対してバス電源電流補正指示(correction instruction)を別個に送信する。電源ユニット111、…、電源ユニット11n1それぞれは、受信したバス電源電流補正命令に基づいて、電源ユニットと直流バスとの間のバス電源電流値を、それぞれの基準電源電流値になるように調整する。ここで、n2は、2以上の整数であり、電源ユニット121、…、電源ユニット12n2間の適切な負荷分散を実現するためのものである。電源ユニット111、…、電源ユニット11n1間の適切な負荷分散の実施を参照のこと。
【0072】
太陽光発電システムの前述の電源電流制御方法において、太陽光発電システムの出力電力がシステム出力電力閾値より大きい場合、各電源ユニットの電源電流値は、直流バスに並列に接続された各電源ユニットの現在の実際の電源能力に基づいて分配されてよく、電源ユニット間の適切な負荷分散を実施し、電源ユニットの耐用年数を延ばし、そして、太陽光発電システムの運用および保守コストを低減することができる。
【0073】
任意的な実施形態において、この出願で提供される技術的ソリューションは、純粋な太陽光発電シナリオに適用することができ、そして、この出願で提供される太陽光発電システムは、純粋な(pure)ソーラーシステムである。図2は、この出願に従った、純粋なソーラーシステムの構造に係る概略図である。図2に示されるように、電源ユニット111、…、電源ユニット11n1のそれぞれは、DC/DCコンバータ、および、DC/DCコンバータの入力端に接続された太陽光発電ストリングを含んでよく、そして、電源ユニット121、…、電源ユニット12n2のそれぞれは、入力端が直流バスBUSに接続されているDC/ACコンバータであってよい。任意的な実装シナリオにおいて、純粋なソーラーシステム100は、代替的に、無停電電源シナリオに対して適用されてよく、すなわち、エネルギーストレージバッテリ、例えば、ニッケルカドミウムバッテリ、ニッケル水素バッテリ、リチウムイオンバッテリ、またはリチウムポリマーバッテリが、直流/交流コンバータとパワーグリッド200との間に配置され得る。
【0074】
別の任意的な実施形態において、この出願で提供される技術的ソリューションは、純粋なストレージ太陽光発電シナリオに対して適用することができ、そして、この出願で提供される太陽光発電システムは、純粋なストレージシステムである。図3は、この出願に従った、純粋なストレージシステムの構造に係る概略図である。図3に示されるように、電源ユニット111、…、電源ユニット11n1のそれぞれは、DC/DCコンバータ、および、DC/DCコンバータの入力端に接続されたエネルギーストレージバッテリストリングを含んでよく、そして、電源ユニット121、…、電源ユニット12n2のそれぞれは、入力端が直流バスBUSに接続されたDC/ACコンバータであってよい。任意的な実装シナリオにおいて、純粋なストレージシステム100は、代替的に、無停電電源シナリオに対して適用されてよく、すなわち、エネルギーストレージバッテリ、例えば、ニッケルカドミウムバッテリ、ニッケル水素バッテリ、リチウムイオンバッテリ、またはリチウムポリマーバッテリが、DC/ACコンバータとパワーグリッド200との間に配置され得る。
【0075】
さらに別の任意的な実施形態において、この出願で提供される技術的ソリューションは、光ストレージの太陽光発電シナリオに適用することができ、そして、この出願で提供される太陽光発電システムは、光ストレージシステムである。図4は、この出願に従った、光ストレージシステムの構造に係る概略図である。図4に示されるように、電源ユニット111、…、電源ユニット11n1、DC/DCコンバータおよび当該DC/DCコンバータの入力端に接続された太陽光発電ストリングを含む電源ユニットを含み、そして、また、DC/DCコンバータおよび当該DC/DCコンバータの入力端に接続された蓄電池(energy storage battery)ストリングを含む電源ユニットを含み、そして、電源ユニット121、…、電源ユニット12n2のそれぞれは、入力端が直流バスBUSに接続されたDC/ACコンバータであり得る。任意的な実装シナリオにおいて、光ストレージシステム100は、代替的に、無停電電源シナリオに適用されてよく、すなわち、エネルギーストレージバッテリ、例えば、ニッケルカドミウムバッテリ、ニッケル水素バッテリ、リチウムイオンバッテリ、またはリチウムポリマーバッテリが、DC/ACコンバータとパワーグリッド200との間に配置され得る。
【0076】
図1を参照して、以下では、太陽光発電システムの電源電流制御の特定の実装を、以下の一つの例を使用することによって説明する。そこで、n2は2以上の整数である。
【0077】
いくつかの実現可能な実装において、太陽光発電システムの現在の出力電力がシステム出力電力閾値よりも大きいときに、システム制御ユニットは、電源パラメータ獲得命令を、直流バスBUSに並列に接続されている電源ユニット(図1における電源ユニット111、…、電源ユニット11n1、および、図2における電源ユニット121、…、電源ユニット12n2)へ送信する。各電源ユニットは、電源パラメータ獲得命令に基づいて、電源ユニットの現在の電源状態パラメータをシステム制御ユニットに送信する。システム出力電力閾値は、ユーザによって太陽光発電システムに送信される電力制限命令に含まれる出力電力閾値であってよく、すなわち、システム出力電力閾値は手動で制限されてよい。
【0078】
次いで、システム制御ユニットは、受信した各電源ユニットの現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定する。
【0079】
任意的な実施形態において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の最大供給電力を含む。
【0080】
電源ユニットが、図1における電源ユニット111、…、電源ユニット11n1のうち任意の1つであるとき、電源ユニットの現在の最大供給電力は、電源ユニットにおけるDC/DCコンバータの現在の最大出力電力、すなわち、DC/DCコンバータによって現在許容される最大出力電力である。電源ユニットが、図1における電源ユニット121、…、電源ユニット12n2のうち任意の1つであるとき、電源ユニットの現在の最大供給電力は、電源ユニット内のDC/ACコンバータの現在の最大入力電力、すなわち、DC/ACコンバータによって現在許容される最大入力電力である。
【0081】
システム制御ユニットは、システム出力電力閾値および直流バス電圧を獲得し、そして、システム出力電力閾値と直流バス電圧との商(quotient)を、太陽光発電システムの電力制限後に存在している総電流として決定し得る。
【0082】
システム制御ユニットは、電源ユニットの現在の最大供給電力に基づいて、第i番目の電源ユニットの現在の最大供給電力比率がPMi/(PM1+…PMi+…PMn)であることを決定し得る。ここで、PM1、…PMi、…PMnは、第1電源ユニットの現在の最大供給電力、…、第i番目の電源ユニットの現在の最大供給電力、…、第n番目の電源ユニットの現在の最大供給電力であり、そして、iは、1以上であり、かつ、n以下の整数である。
【0083】
例えば、電源ユニットは、図1における電源ユニット111、…、電源ユニット11n1であること、および、電源ユニット11n1の現在の最大供給電力比率がPOMn1/(POM1+…+POMn1)であることが仮定されている。ここで、POM1、…、およびPOMn1は、電源ユニット111内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力、…、電源ユニット11n1内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力である。
【0084】
別の例として、電源ユニットは、図1における電源ユニット121、…、電源ユニット12n2であること、および、電源ユニット12n2の現在の最大供給電力比率がPIMn1/(PIM1+…+PIMn2)であることが仮定されている。ここで、PIM1、…、およびPIMn2は、電源ユニット121内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力、…、電源ユニット12n2内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力である。
【0085】
さらに、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在のデバイス動作条件パラメータをさらに含む。
【0086】
システム制御ユニットは、さらに、各電源ユニットの現在のデバイス動作状態パラメータおよび現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力(corrected supply power)を決定し、各電源ユニットの現在の補正供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の補正供給電力の合計におけるものである、現在の補正供給電力比率を決定し、そして、各電源ユニットの現在の補正供給電力比率を、各電源ユニットの現在の最大供給電力比率として決定することができる。
【0087】
電源ユニットが、図1における電源ユニット111、…、電源ユニット11n1のうち任意の1つであるとき、電源ユニットの現在のデバイス動作条件パラメータは、電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータであり得る。電源ユニットが、図1における電源ユニット121、…、電源ユニット12n2のうち任意の1つであるとき、電源ユニットの現在のデバイス動作条件パラメータは、電源ユニット内のDC/ACコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータであり得る。現在のデバイス動作条件パラメータは、現在のデバイス温度、現在のデバイス電流ストレス、または、現在のデバイス電圧ストレスのうち少なくとも1つを含み、現在のデバイス電流ストレスは、定格電圧(rated voltage)に対するデバイスの現在の動作電圧の比であり、そして、現在のデバイス電流ストレスは、定格電流(rated current)に対するデバイスの現在の動作電流の比である。例えば、電源ユニット111の現在のデバイス電圧ストレスは、電源ユニット111内のDC/DCコンバータの定格電圧に対する現在の出力電圧の比である。そして、電源ユニット111の現在のデバイス電流ストレスは、電源ユニット111内のDC/DCコンバータの定格電流に対する現在の出力電流の比である。
【0088】
以下では、現在のデバイス動作条件パラメータが現在のデバイス温度である例を使用する。
【0089】
具体的に、システム制御ユニットは、テーブルを参照することによって各電源ユニットの現在のデバイス温度に対応する電力減衰係数を獲得し、各電源ユニットの現在の最大供給電力と各電源ユニットの現在のデバイス温度に対応する電力減衰係数との積を各電源ユニットの現在の補正供給電力として決定し、そして、各電源ユニットの現在の補正供給電力に基づいて各電源ユニットの現在の補正供給電力比率を計算し、各電源ユニットの現在の補正供給電力比率を各電源ユニットの現在の最大供給電力比率として決定することができる。電源ユニットの電力減衰係数とデバイス温度との間の関係は、電源ユニットのデバイス温度が上昇するにつれて電源ユニットの電力減衰係数が減少するというものであってよく、または、異なる値の電力減衰係数が異なるデバイス温度範囲に対応するというものであってよく、本明細書において特には限定されない。現在のデバイス動作条件パラメータが現在のデバイス温度であることを除いて、他の場合は、現在のデバイス動作条件パラメータが現在のデバイス温度であるときに使用されるのと同じ方法で獲得され得る。詳細は、ここでは再び説明されない。
【0090】
デバイス温度が過度に高い、デバイス電流ストレスが過度に高い、またはデバイス電圧ストレスが過度に高い、電源ユニットの現在の最大供給電力は、各電源ユニットの耐用年数を延ばすために、電力減衰係数に基づいて低減され得ることが理解されるだろう。
【0091】
次いで、システム制御ユニットは、太陽光発電システムの電力制限後に存在している全電流と、各電源ユニットの最大供給電力との商を、各電源ユニットの基準電源電流値として決定する。
【0092】
この実施形態において、各電源ユニットの基準電源電流値は、各電源ユニットの現在の最大供給電力比率、および、太陽光発電システムの電力制限後に存在している総電流に基づく計算を通じて獲得されることが理解されるだろう。このようにして、各電源ユニットの現在の実際の電源能力に基づいて適切な負荷分散が実施され得るだけでなく、電源ユニットの供給電力のバランスのとれた分配も、また、実施される。従って、電源ユニットの耐用年数が延長され、そして、太陽光発電システムの運用および保守コストが低減される。各電源ユニットが、それぞれの基準電源電流値に基づいて、それぞれの電源電流値に対してフィードバック調整を実行した後で、太陽光発電システムの出力電力がシステム出力電力閾値未満であることも、また、保証され得る。
【0093】
別の任意的な実施形態において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の最大供給電力および現在の電源電流を含む。
【0094】
電源ユニットが、図1における電源ユニット111、…、電源ユニット11n1のうち任意の1つであるとき、電源の現在の最大供給電力および現在の電源電流は、それぞれに、電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力、および、DC/DCコンバータの現在の出力電流である。現在の入力電流Iin、現在の入力電圧Uin、および、DC/DCコンバータの現在の出力電圧Uout(すなわち、直流バス電圧)は、DC/DCコンバータを使用することによって収集され得る。その結果、DC/DCコンバータの現在の出力電流Iout=Uin*Iin/Uoutが、計算を通じて獲得される。電源ユニットが、図1における電源ユニット121、…、電源ユニット12n2のうち任意の1つであるとき、電源ユニットの現在の最大供給電力および現在の電源電流は、それぞれに、電源ユニット内のDC/ACコンバータの現在の最大入力電力、および、電源ユニット内のDC/ACコンバータの現在の入力電流である。現在の出力電流Iout、現在の入力電圧Uin(すなわち、直流バス電圧)、および、DC/ACコンバータの現在の出力電圧Uoutは、DC/DCコンバータを使用することによって収集され得る。その結果、DC/ACコンバータの現在の入力電流Iin=Uout*Iout/Utinが、計算を通じて獲得される。
【0095】
システム制御ユニットは、直流バスに並列に接続された各電源ユニットの現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の最大供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の最大供給電力の合計におけるものである、現在の最大供給電力比率を計算し得る。
【0096】
さらに、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在のデバイス動作条件パラメータをさらに含む。
【0097】
システム制御ユニットは、さらに、現在のデバイス動作状態パラメータおよび各電源ユニットの現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力を決定し、各電源ユニットの現在の補正供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の補正供給電力の合計におけるものである、現在の補正供給電力比率を決定し、そして、各電源ユニットの現在の補正供給電力比率を各電源ユニットの現在の最大供給電力比率として決定し得る。
【0098】
次いで、システム制御ユニットは、電源ユニットの現在の電源電流の和と、各電源ユニットの現在の最大供給電力比率との積を、各電源ユニットの基準電源電流値として決定する。
【0099】
例えば、電源ユニットが、図1における電源ユニット111、…、電源ユニット11n1であり、かつ、電源ユニット11n1の基準電源電流値が、P'OMn1*(IO1+…+IOn1)であると仮定する。ここで、P'OMn1は、電源ユニット11n1の現在の最大供給電力比率であり、かつ、IO1,…,IOn1は、電源ユニット111内のDC/DCコンバータの現在の出力電流、…、電源ユニット11n1内のDC/DCコンバータの現在の出力電流である。
【0100】
別の例として、電源ユニットが、図1における電源ユニット121、…、電源ユニット12n2であり、かつ、電源ユニット12n2の基準電源電流値が、P'IMn2*(II1+…+IIn2)であると仮定する。ここで、P'IMn2は、電源ユニット12n2の現在の最大供給電力比率であり、かつ、II1,…,IIn1は、電源ユニット121内のDC/ACコンバータの現在の出力電流、…、電源ユニット12n2内のDC/ACコンバータの現在の出力電流である。
【0101】
さらに別の任意的な実施形態において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の供給電力(supply power)および現在の電源能力(power supply capability)を含む。
【0102】
電源ユニットの現在の電源能力は、電源ユニットによって現在許容される最大供給電力、すなわち、現在の最大供給電力を含む。電源ユニットが、図1における電源ユニット111、…、電源ユニット11n1のうち任意の1つであるとき、電源ユニットの現在の最大供給電力は、電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力である。電源ユニットが、図1における電源ユニット121、…、電源ユニット12n2のうち任意の1つであるとき、電源ユニットの現在の最大供給電力は、電源ユニット内のDC/ACコンバータの現在の最大入力電力である。
【0103】
システム制御ユニットは、各電源ユニットの現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の最大供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の最大供給電力の合計におけるものである、現在の最大供給電力比率を計算し得る。
【0104】
さらに、各電源ユニットの現在の電源能力は、各電源ユニットの現在のデバイス動作条件パラメータをさらに含む。
【0105】
システム制御ユニットは、さらに、現在のデバイス動作状態パラメータおよび各電源ユニットの現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力を決定し、各電源ユニットの現在の補正供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の補正供給電力の合計におけるものである、現在の補正供給電力比率を決定し、そして、各電源ユニットの現在の補正供給電力比率を各電源ユニットの現在の最大供給電力比率として決定し得る。
【0106】
次いで、システム制御ユニットは、各電源ユニットの現在の電源電流の和と、各電源ユニットの現在の最大供給電力比率との積を、各電源ユニットの基準電源電流値として決定する。
【0107】
本実施形態において、各電源ユニットの現在の供給電力は、各電源ユニットの現在の実際の電源能力に基づいて適切に分配されて、電源ユニット間の供給電力バランスを実現し、そして、電源ユニット内の1つ又はいくつかの電源ユニットが制限電力供給状態で動作すること(すなわち、電源ユニットは、電源ユニットが現在耐えることができる最大供給電力を超える供給電力で電力供給を実行する)を防止し得ることが理解されるだろう。その結果、電源ユニットの耐用年数が延長され、太陽光発電システムの運用および保守コストが低減される。
【0108】
次いで、システム制御ユニットは、各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて各電源ユニットの現在の供給電力を調整し、各電源ユニットの現在の供給電力が各電源ユニットの基準供給電力になるのを可能にする。電源ユニットの基準供給電力は、電源ユニットの基準電源電流と直流バス電圧との積である。直流バスに並列に接続された電源ユニットと直流バスとの間には同じ電源電圧(すなわち、直流バス電圧)が存在する。従って、各電源ユニットの現在の供給電力が各電源ユニークの基準供給電力に調整されるときは、各電源ユニットと直流バスとの間の電源電流値のみが、各電源ユニットの基準電源電流値に調整される必要がある。
【0109】
いくつかの実現可能な実装において、システム制御ユニットは、供給電力補正命令を各電源ユニットに送信し、そして、電源ユニットは、受信した供給電力補正命令に従って、電源ユニットと直流バスとの間の電源電流値を電源ユニットの基準電源電流値に調整して、電源ユニットの現在の供給電力が電源ユニットの基準供給電力になるのを可能にする。
【0110】
任意の実施形態において供給電力補正命令は、電源ユニットの基準電源電流値を含む。
【0111】
電源ユニットの現在の電源状態パラメータが電源ユニットの現在の電源電流を含むときに、電源ユニットは、電源ユニットの基準電源電流値と現在の電源電流値との間の差異を、比例積分(Proportional Integral、PI)制御アルゴリズムの入力パラメータとして使用し得る。電源ユニットの制御補正値が決定され、そして、次いで、電源ユニットの制御補正値と初期バス基準電圧との和が、電源ユニットのターゲットバス基準電圧として決定される。さらに、電源ユニットは、電源ユニットの現在の電源電流に対応している仮想インピーダンス値を電源ユニットの仮想インピーダンス値として、さらに決定し、電源ユニットの現在の電源電流と仮想インピーダンス値との積を、電源ユニットの電圧補正値として決定し、そして、電圧補正値、制御補正値、および電源ユニットの初期バス基準電圧の和を、電源ユニットのターゲットバス基準電圧として決定し得る。
【0112】
電源ユニットが、図1における電源ユニット111、…、電源ユニット11n1のうち任意の1つであるとき、電源ユニットの現在の電源電流は、電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力電流である。電源ユニットが、図1における電源ユニット121、…、電源ユニット12n2のうち任意の1つであるとき、電源ユニットの現在の電源電流は、電源ユニット内のDC/ACコンバータの現在の入力電流である。仮想インピーダンス値は、固定値であってよく、または、電源ユニットの電源電流または供給電力が増加するにつれて増加する、非正の数であり得る。
【0113】
理解を容易にするために、図5は、この出願に従った、初期バス基準電圧において仮想インピーダンスによって生成されるドループ特性に係る概略曲線図である。図5に示されるように、図5の左側部分に対応する仮想インピーダンス値は、固定値、すなわち直線の傾き-Rである。直線は、電源ユニットのバス基準電圧Urefは、電源ユニットの電源電流Iが増加するにつれて継続的に減少することを示している。ここで、Uref=U* ref-I*Rであり、かつ、U* refは、電源ユニットの初期バス基準電圧である。図5の右側部分に対応している仮想インピーダンス値は、電源電流または電源ユニットの供給電力が増加するにつれて増加する非正の数である。すなわち、電源電流Iに対応している仮想インピーダンス値は、曲線における電源電流Iの正接(tangent)に係る傾きR(I)である。本曲線は、電源ユニットの電源電流Iが減少するにつれて、電源ユニットのバス基準電圧Urefが継続的に減少することを示している。ここで、Uref=U* ref+I*R(I)である。
【0114】
この実施形態において、電源ユニットは、電源ユニットの現在の電源電流値および供給電力補正命令に含まれる電源ユニットの基準電源電流値に基づいて電源ユニットの制御補正値を決定し、そして、電源ユニットの現在の実際の電源能力に基づいて電力供給を実行するために、電源ユニットの制御補正値に基づいて電源ユニットの初期バス基準電圧を補正し得ることが理解されるだろう。さらに、電源ユニットは、仮想インピーダンスのドループ特性に基づいて電源ユニットの初期バス基準電圧をさらに補正することができ、このようにして、電源ユニットが安定した電力供給状態にあることが保証される。加えて、この実施形態において、電源ユニットのターゲットバス基準電圧は、システム制御ユニットによって送信された電源ユニットの基準電源電流値に基づく計算を通じて電源ユニットによって獲得され、このことは、システム制御ユニットの計算量を低減し、そして、システム制御ユニットの処理効率を改善することができる。
【0115】
別の任意的な実施形態において、供給電力補正命令は、電源ユニットの制御補正値を含んでいる。
【0116】
システム制御ユニットが各電源ユニットに対して供給電力補正命令を送信する前に、システム制御ユニットは、各電源ユニットの基準電源電流値と、対応する現在の電源電流値との間の差異を、PI制御アルゴリズムの入力パラメータとして使用し、各電源ユニットの制御補正値を決定し、そして、各電源ユニットに対して供給電力補正命令を送信し得る。
【0117】
各電源ユニットは、供給電力補正命令を受信し、そして、電源ユニットの初期バス基準電圧と、供給電力補正命令に含まれる電源ユニットの制御補正値との和を、電源ユニットのターゲットバス基準電圧として決定する。さらに、電源ユニットは、電源ユニットの現在の電源電流に対応する仮想インピーダンス値を電源ユニットの仮想インピーダンス値として決定し、電源ユニットの電源電流と仮想インピーダンス値との積を電源ユニットの電圧補正値として決定し、そして、電圧補正値、制御補正値、および電源ユニットの初期バス基準電圧の和を、電源ユニットのターゲットバス基準電圧として決定し得る。
【0118】
別の任意的な実施形態において、供給電力補正命令は、電源ユニットのターゲットバス基準電圧を含んでいる。
【0119】
システム制御ユニットが各電源ユニットに対して供給電力補正命令を送信する前に、システム制御ユニットは、各電源ユニットの基準電源電流値と、対応している現在の電源電流値との間の差異をPI制御アルゴリズムの入力パラメータとして使用し、各電源ユニットの制御補正値を決定し、そして、各電源ユニットの制御補正値と初期バス基準電圧との和を、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧として決定し得る。さらに、システム制御ユニットは、各電源ユニットの現在の電源電流に対応している仮想インピーダンス値を、各電源ユニットの仮想インピーダンス値として、さらに決定し、各電源ユニットの電源電流と仮想インピーダンス値との積を、各電源ユニットの電圧補正値として決定し、電圧補正値、制御補正値、および各電源ユニットの初期バス基準電圧の和を、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧として決定し、そして、ターゲットバス基準電圧を含む電源電力補正命令を各電源ユニットに対して送信し得る。
【0120】
この出願において提供される供給電力補正命令は、基準電源電流値、制御補正値、および電源ユニットのターゲットバス基準電圧のうちいずれか1つを含んでよく、その結果、太陽光発電システムの適用性を改善することができることが理解されるだろう。
【0121】
さらに、太陽光発電システムの現在の出力電力が、システム出力電力閾値以下であるときに、システム制御ユニットは、供給電力補正命令を各電源ユニットにつぃして送信する。各電源ユニットは、供給電力補正命令に基づいて、電源ユニットの初期バス基準電圧を、電源ユニットのターゲットバス基準電圧として決定する。
【0122】
次いで、各電源ユニットは、ターゲットバス基準電圧と、当該電源ユニットの直流バス電圧との電圧差異を、電源ユニットのスイッチ電源制御回路(例えば、パルス幅変調回路)に対して出力し得る。スイッチ電源制御回路は、入力電圧差異に基づいてPWM波を出力し、そして、PWM波を電源ユニットのスイッチ回路に対して出力して、各電源ユニットと直流バスとの間の電源電流値を、基準電源電流値として制御するように、スイッチ回路のターンオン(turn-on)周波数を制御する。
【0123】
電源ユニットが、図1における電源ユニット111、…、電源ユニット11n1であるとき、各電源ユニットと直流バスとの間の電源電流値は、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの出力電流値である。電源ユニットが、図1における電源ユニット121、…、電源ユニット12n2であるとき、各電源ユニットと、直流バスとの間の電源電流値は、各電源ユニットにおけるDC/ACコンバータの入力電流値である。
【0124】
この出願のこの実施形態において、システム制御ユニットは、太陽光発電システム内にあり、かつ、各電源ユニットから独立しているデバイスであってよく、もしくは、直流バスに並列に接続された電源ユニットのうち任意の1つに含まれるDC/DCコンバータまたはDC/ACコンバータであってよいことが留意されるべきである。
【0125】
この出願では、太陽光発電システムの出力電力がシステム出力電力閾値より大きいときに、システム制御ユニットは、直流バスに並列に接続された各電源ユニットの現在の実際の電源能力に基づいて各電源ユニットの電力供給電流値を分配して、電源ユニット間の適切な負荷分散を実施し(すなわち、電源ユニット間の供給電力バランスを実施し)、そして、電源ユニットのうちの1つ又はいくつかが限界電力供給状態において動作することを防止し、その結果、電源ユニットの耐用年数が延長され、そして、太陽光発電システムの運用および保守コストが低減される。加えて、太陽光発電システムの出力電力がシステム出力電力閾値以下であるときに、システム制御ユニットは、もはや電源ユニットに対して負荷バランシングを実行せず、そして、各電源ユニットは、各電源ユニットの初期バス基準電圧を、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧として決定し、かつ、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧に基づいて、各電源ユニットと直流バスとの間の電源電流値を調整し、その結果、各電源ユニットは、現在の最大供給電力で電力供給を実行して、太陽光発電システムの電源能力を向上させる。
【0126】
図1を参照して、以下は、n2=1である一つの例を使用することにより、太陽光発電システムが電源電流を制御する特定の実装を説明する。
【0127】
いくつかの実現可能な実装において、太陽光発電システムの現在の出力電力がシステム出力電力閾値よりも大きいときに、DC/ACコンバータは、直流バスBUSに並列に接続されている電源ユニット111、…、電源ユニット11n1におけるDC/DCコンバータに対して、出力パラメータ獲得命令を送信する。電源ユニット111、…、電源ユニット11n1におけるDC/DCコンバータは、出力パラメータ獲得命令に従って、DC/ACコンバータに対して、それぞれの現在の出力状態パラメータを送信する。
【0128】
DC/ACコンバータは、電源ユニット111、…、電源ユニット11n1のそれぞれにおけるDC/DCコンバータに係る受信した現在の出力状態パラメータに基づいて、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの基準出力電流値を決定する。
【0129】
任意的な実施形態において、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力を含んでいる。
【0130】
DC/ACコンバータは、システム出力電力閾値および直流バス電圧を獲得し、そして、システム出力電力閾値と直流バス電圧との商を、太陽光発電システムの電力制限後に存在する総電流として決定し得る。
【0131】
DC/ACコンバータは、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、全てのDC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、割合(ratio)を計算して、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率を獲得し得る。
【0132】
さらに、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータをさらに含んでいる。
【0133】
現在のデバイス動作条件パラメータは、現在のデバイス温度、現在のデバイス電流ストレス、または、現在のデバイス電圧ストレスのうち少なくとも1つを含んでいる。
【0134】
DC/ACコンバータは、さらに、現在のデバイス動作条件パラメータおよび各DC/DCコンバータの現在の最大供給電力に基づいて、各DC/DCコンバータの現在の補正供給電力を決定し、各DC/DCコンバータの現在の補正供給電力に基づいて、各DC/DCコンバータの現在の補正供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つのDC/DCコンバータの現在の補正供給電力の合計におけるものである、現在の補正供給電力比率を決定し、そして、DC/DCコンバータの現在の補正供給電力比率を、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率として決定し得る。
【0135】
DC/ACコンバータは、電力減衰係数に基づいて、デバイス温度が過度に高く、デバイス電流ストレスが過度に高く、または、デバイス電圧ストレスが過度に高いDC/DCコンバータの現在の最大出力電力を低減して、DC/DCコンバータの耐用年数を延ばし得ることが理解されるだろう。
【0136】
次いで、DC/ACコンバータは、太陽光発電システムの電力制限後に存在する総電流と、各DC/DCコンバータの最大出力電力比率との積を、各DC/DCコンバータの基準出力電流値として決定する。
【0137】
この実施形態において、DC/ACコンバータは、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率および太陽光発電システムの電力制限後に存在する総電流に基づく計算を通じて、各DC/DCコンバータの基準出力電流値を獲得することが理解されるだろう。このようにして、各DC/DCコンバータの現在の実際の出力能力に基づいて適切な負荷分散を実施することができるだけでなく、DC/DCコンバータの出力電力のバランスのとれた分配も、また、実施される。従って、DC/DCコンバータの耐用年数が延長され、太陽光発電システムの運用および保守コストが低減される。各DC/DCコンバータがそれぞれの基準出力電流値に基づいてそれぞれの出力電流値に対してフィードバック調整を実行した後で、太陽光発電システムの出力電力がシステム出力電力閾値未満であることも、また、保証され得る。
【0138】
別の任意的な実施形態において、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力および現在の出力電流を含んでいる。
【0139】
DC/ACコンバータは、直流バスに並列に接続された各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、少なくとも2つのDC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、現在の最大出力電力比率で計算し得る。
【0140】
さらに、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータをさらに含む。
【0141】
DC/ACコンバータはさらに、現在のデバイス動作条件パラメータおよび各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各DC/DCコンバータの現在の補正出力電力を決定し、各DC/DCコンバータの現在の補正出力電力に基づいて、各DC/DCコンバータの現在の補正出力電力のものであり、かつ、少なくとも2つのDC/DCコンバータの現在の補正出力電力の合計におけるものである、現在の補正出力電力比率を決定し、そして、各DC/DCコンバータの現在の補正出力電力比率を、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率として決定し得る。
【0142】
次いで、DC/ACコンバータは、各DC/DCコンバータの現在の出力電流の和と、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率との積を、各DC/DCコンバータの基準出力電流値として決定する。
【0143】
さらに別の任意的な実施形態において、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力電力および現在の出力能力を含んでいる。
【0144】
電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力能力は、電源ユニット内のDC/DCコンバータによって現在許容されている最大出力電力、すなわち、DC/DCコンバータの現在の最大出力電力を含む。
【0145】
DC/ACコンバータは、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、少なくとも2つのDC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、現在の最大出力電力比率を計算し得る。
【0146】
さらに、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの電流出力能力は、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの電流デバイス動作条件パラメータをさらに含む。
【0147】
DC/ACコンバータは、さらに、現在のデバイス動作条件パラメータおよび各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各DC/DCコンバータの現在の補正出力電力を決定し、各DC/DCコンバータの現在の補正出力電力に基づいて、各DC/DCコンバータの現在の補正出力電力のものであり、かつ、少なくとも2つのDC/DCコンバータの現在の補正出力電力の合計におけるものである、現在の補正出力電力比率を決定し、そして、各DC/DCコンバータの現在の補正出力電力比率を、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率として決定し得る。
【0148】
次いで、DC/ACコンバータは、各DC/DCコンバータの現在の出力電流の和と、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率との積を、各DC/DCコンバータの基準出力電流値として決定する。
【0149】
この実施形態において、DC/ACコンバータは、各DC/DCコンバータの現在の実際の出力能力に基づいて各DC/DCコンバータの現在の出力電力を適切に分配して、DC/DCコンバータ間の出力電力バランスを実施し、そして、DC/DCコンバータのうちの1つ又はいくつかが制限電力供給状態で動作する(すなわち、DC/DCコンバータが現在耐えることができる最大出力電力を超える出力電力で動作する)ことを防止し得ることが理解されるだろう。従って、DC/DCコンバータの耐用年数が延長され、そして、太陽光発電システムの運用および保守コストが低減される。
【0150】
次いで、DC/ACコンバータは、各DC/DCコンバータの基準出力電流値に基づいて各DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整して、各DC/DCコンバータの現在の出力電力が各DC/DCコンバータの基準出力電力になるのを可能にする。DC/DCコンバータの基準出力電力は、DC/DCコンバータの基準出力電流と直流バス電圧との積である。直流バスに並列に接続されたDC/DCコンバータと、直流バスとの間には同じ出力電圧(すなわち、直流バス電圧)が存在している。従って、各DC/DCコンバータの現在の出力電力が各DC/DCコンバータの基準出力電力に調整されるときに、各DC/DCコンバータと直流バスとの間の出力電流値のみが、各DC/DCコンバータの基準出力電流値に調整される必要がある。ここで、DC/ACコンバータが各DC/DCコンバータの基準出力電流値に基づいて各DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整する特定の実施態様については、n2が2以上の整数である例を使用する実施形態における対応する説明を参照のこと。詳細は、ここでは再び説明されない。
【0151】
この出願において、太陽光発電システムの出力電力がシステム出力電力閾値より大きいときに、DC/ACコンバータは、直流バスに並列に接続された各DC/DCコンバータの現在の実際の出力能力に基づいて、各DC/DCコンバータの出力電流値を分配して、DC/DCコンバータ間の適切な負荷分散を実施し(すなわち、DC/DCコンバータ間の出力電力バランスを実施し)、そして、DC/DCコンバータのうちの1つ又はいくつかが限界電力供給状態で動作するのを防止し得る。従って、DC/DCコンバータの耐用年数が延長され、そして、太陽光発電システムの運用および保守コストが低減される。加えて、太陽光発電システムの出力電力がシステム出力電力閾値以下であるときに、DC/ACコンバータは、もはやDC/DCコンバータ間の負荷バランシングを実行せず、そして、各DC/DCコンバータは、各DC/DCコンバータの初期バス基準電圧を、各DC/DCコンバータのターゲットバス基準電圧として決定し、そして、各DC/DCコンバータが現在の最大出力電力で出力するように、各DC/DCコンバータのそれぞれのターゲットバス基準電圧に基づいて各DC/DCコンバータと直流バスとの間の出力電流値を調整して、太陽光発電システムの電源能力を向上させる。
【0152】
図1における太陽光発電システム(n2は、2以上の整数である)を参照して、以下に、太陽光発電システムの電源電流制御方法の具体的な実装を説明する。
【0153】
図6は、この出願に従った、太陽光発電システムの電源電流制御方法の概略フローチャートである。この出願のこの実施形態において、提供される太陽光発電システムの電源電流制御方法は、以下のステップを含み得る。
【0154】
S101:少なくとも2つの電源ユニットそれぞれの現在の電源状態パラメータを獲得し、そして、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定する。
【0155】
実現可能な実装において、太陽光発電システムの現在の出力電力がシステム出力電力閾値よりも大きいときに、電源電流制御装置は、電源パラメータ獲得命令を、直流バスBUSに並列に接続されている電源ユニット(図1における電源ユニット111、…、電源ユニット11n1、および、図1における電源ユニット121、…、電源ユニット12n2に対応している)に対して送信する。各電源ユニットは、受信した電源パラメータ獲得命令に従って、電源ユニットの現在の電源状態パラメータを電源電流制御装置に対して送信する。
【0156】
任意的な実施形態において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の最大供給電力を含んでいる。
【0157】
電源電流制御装置は、システム出力電力閾値および直流バス電圧を獲得し、システム出力電力閾値と直流バス電圧との商を、太陽光発電システムの電力制限の後に存在している総電流として決定し、そして、太陽光発電システムの電力制限後に存在している総電流と、各電源ユニットの現在の最大供給電力比率との積を、各電源ユニットの基準電源電流値として決定し得る。
【0158】
別の任意的な実施形態において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の最大供給電力および現在の電源電流を含んでいる。
【0159】
電源電流制御装置は、各電源ユニットの現在の電源電流の和と、各電源ユニットの現在の最大供給電力比率との積を、各電源ユニットの基準電源電流値として決定し得る。
【0160】
さらに別の任意的な実施形態において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の供給電力および現在の電源能力を含んでいる。
【0161】
電源ユニットの現在の電源能力は、電源ユニットによって現在許容されている最大供給電力、すなわち、現在の最大供給電力を含む。
【0162】
電源電流制御装置は、各電源ユニットの現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の最大供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の最大供給電力の合計におけるものである、現在の最大供給電力比率を計算し得る。
【0163】
前述の3つの任意的な実施形態において、電源電流制御装置は、各電源ユニットの現在の最大供給電力に直接的に基づいて、各電源ユニットの現在の最大供給電力比率を決定してよく、もしくは、電源電流制御装置は、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータが各電源ユニットの現在のデバイス動作条件パラメータをさらに含むとき、または、各電源ユニットの現在の電源能力が各電源ユニットの現在のデバイス動作条件パラメータをさらに含むときに、各電源ユニットの現在のデバイス動作条件パラメータに基づいて各電源ユニットの現在の最大供給電力を補正し、そして、各電源ユニットの現在の補正供給電力比率に基づいて各電源ユニットの現在の最大供給電力比率を決定し得る。現在のデバイス動作条件パラメータは、現在のデバイス温度、現在のデバイス電流ストレス、または現在のデバイス電圧ストレスのうち少なくとも1つを含んでいる。
【0164】
電源ユニットの現在の最大供給電力は、電源ユニットの現在のデバイス動作状態パラメータに基づいて補正され、その結果、以下の、過度に高いデバイス温度、過度に高いデバイス電流ストレス、または、過度に高いデバイス電圧ストレスの場合のうち少なくとも1つを回避することができ、そして、電源ユニットの耐用年数が延長されることが理解されるだろう。
【0165】
S102:各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整する。
【0166】
いくつかの実現可能な実装において、電源電流制御装置は、供給電力補正命令を各電源ユニットに対して送信し、そして、電源ユニットは、受信した供給電力補正命令に従って、電源ユニットと直流バスとの間の電源電流値を電源ユニットの基準電源電流値に調整して、電源ユニットの現在の供給電力が電源ユニットの基準供給電力になるのを可能にする。
【0167】
任意的な実施形態において、供給電力補正命令は、電源ユニットの基準電源電流値を含んでいる。
【0168】
別の任意的な実施形態において、供給電力補正命令は、電源ユニットの制御補正値を含んでいる。
【0169】
電源電流制御装置が各電源ユニットに対して供給電力補正命令を送信する前に、電源電流制御装置は、基準電源電流値と、各電源ユニットの現在の電源電流値との間の差異を、PI制御アルゴリズムの入力パラメータとして別々に使用し、各電源ユニットの制御補正値を決定し、そして、各電源ユニットに対して供給電力補正命令を送信し得る。
【0170】
別の任意的な実施形態において、供給電力補正命令は、電源ユニットのターゲットバス基準電圧を含んでいる。
【0171】
電源電流制御装置が、各電源ユニットに対して供給電力補正命令を送信する前に、電源電流制御装置は、各電源ユニットの基準電源電流値と、現在の電源電流値との間の差異を、PI制御アルゴリズムの入力パラメータとして使用し、各電源ユニットの制御補正値を決定し、そして、各電源ユニットのものである、制御補正値と初期バス基準電圧との和を、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧として決定し得る。さらに、電源電流制御装置は、各電源ユニットの現在の電源電流に対応している仮想インピーダンス値を、各電源ユニットの仮想インピーダンス値としてさらに決定し、各電源ユニットの電源電流と仮想インピーダンス値との積を、各電源ユニットの電圧補正値として決定し、電圧補正値と、制御補正値と、各電源ユニットの初期バス基準電圧との和を、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧として決定し、そして、各電源ユニットに対してターゲットバス基準電圧を含む電源電力補正命令を送信し得る。
【0172】
この出願において提供される供給電力補正命令は、基準電源電流値、制御補正値、および電源ユニットのターゲットバス基準電圧のうちのいずれか1つを含んでよく、その結果、電源電流制御方法の適用性を改善できることが理解されるだろう。
【0173】
この出願のこの実施形態において、電源電流制御装置は、太陽光発電システム内にあり、かつ、各電源ユニットから独立しているデバイスであってよく、もしくは、直流バスに並列に接続された電源ユニットのうち任意の1つに含まれるDC/DCコンバータまたはDC/ACコンバータであってよいことが留意されるべきである。
【0174】
この出願のこの実施形態において、太陽光発電システムの出力電力がシステム出力電力閾値よりも大きいときに、電源電流制御装置は、直流バスに並列に接続された各電源ユニットの現在の実際の電源能力に基づいて、各電源ユニットの電源電流値を分配することができ(すなわち、電源ユニット間の供給電力バランスを実施する)、電源ユニット間の適切な負荷分散を実施するように、電源ユニットのうちの1つ又はいくつかが制限電力供給状態で動作することを防止する。さらに、電源ユニットの耐用年数が延長され、そして、太陽光発電システムの運用および保守コストが低減される。
【0175】
図1における太陽光発電システム(n2=1である場合)を参照して、以下に、太陽光発電システムの電源電流制御方法の具体的な実装を説明する。
【0176】
図7は、この出願に従った、太陽光発電システムの電源電流制御方法に係る別の概略的なフローチャートである。この出願のこの実施形態において、提供される太陽光発電システムの電源電流制御方法は、以下のステップを含み得る。
【0177】
S201:DC/ACコンバータが電力制限動作モードにあるときに、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータを獲得し、そして、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータに基づいて、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの基準出力電流値を決定する。
【0178】
実現可能な実装において、太陽光発電システムの現在の出力電力がシステム出力電力閾値よりも大きいときに、DC/ACコンバータは、直流バスBUSに並列に接続されている電源ユニット111、…、電源ユニット11n1内のDC/DCコンバータに対して出力パラメータ獲得命令を送信する。電源ユニット111、…、電源ユニット11n1内DC/DCコンバータは、受信した出力パラメータ獲得命令に従って、DC/ACコンバータに対してそれぞれの現在の出力状態パラメータを送信する。
【0179】
任意的な実施形態において、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力を含んでいる。
【0180】
DC/ACコンバータは、システム出力電力閾値および直流バス電圧を獲得し、システム出力電力閾値と直流バス電圧との商を、太陽光発電システムの電力制限後に存在している総電流として決定し、そして、太陽光発電システムの電力制限後に存在している総電流と、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率との積を、各DC/DCコンバータの基準出力電流値として決定し得る。
【0181】
別の任意的な実施形態において、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力および現在の出力電流を含んでいる。
【0182】
次いで、DC/ACコンバータは、各DC/DCコンバータの現在の出力電流の和と、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率との積を、各DC/DCコンバータの基準出力電流値として決定する。
【0183】
さらに別の任意的な実施形態において、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力電力および現在の出力能力を含んでいる。
【0184】
電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力能力は、電源ユニット内のDC/DCコンバータによって現在許容されている最大出力電力、すなわち、DC/DCコンバータの現在の最大出力電力を含んでいる。
【0185】
DC/ACコンバータは、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、少なくとも2つのDC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、現在の最大出力電力比率を計算し得る。
【0186】
前述の3つの任意的な実施形態において、DC/ACコンバータは、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率を直接的に決定してよく、もしくは、DC/ACコンバータは、
各DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータが各DC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータをさらに含むとき、または、各DC/DCコンバータの現在の出力能力が各DC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータをさらに含むときに、各DC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータに基づいて、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率を補正してよく、そして、各DC/DCコンバータの現在の補正出力電力比率に基づいて、各DC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率を決定し得る。現在のデバイス動作条件パラメータは、現在のデバイス温度、現在のデバイス電流ストレス、または、現在のデバイス電圧ストレスのうち少なくとも1つを含む。
【0187】
DC/DCコンバータの現在の最大出力電力は、DC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータに基づいて補正され、その結果、以下の、過度に高いデバイス温度、過度に高いデバイス電流ストレス、または、過度に高いデバイス電圧ストレスのうち少なくとも1つを回避することができ、そして、DC/DCコンバータの耐用年数が延長されることが理解されるだろう。
【0188】
S202:各電源ユニット内のDC/DCコンバータの基準出力電流値に基づいて、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力電力を調整する。
【0189】
いくつかの実現可能な実装において、DC/ACコンバータは、出力電力補正命令を各DC/DCコンバータに対して送信し、そして、DC/DCコンバータは、受信した出力電力補正命令に従って、DC/DCコンバータと直流バスとの間の出力電流値をDC/DCコンバータの基準出力電流値に調整して、DC/DCコンバータの現在の出力電力がDC/DCコンバータの基準出力電力になるのを可能にする。
【0190】
任意的な実施形態において、出力電力補正命令は、DC/DCコンバータの基準出力電流値を含んでいる。
【0191】
別の任意的な実施形態において、出力電力補正命令は、DC/DCコンバータの制御補正値を含んでいる。
【0192】
DC/ACコンバータが各DC/DCコンバータに対して出力電力補正命令を送信する前に、DC/ACコンバータは、基準出力電流値と、各DC/DCコンバータの現在の出力電流値との間の差異を、PI制御アルゴリズムの入力パラメータとして使用し、各DC/DCコンバータの制御補正値を決定し、各DC/DCコンバータに対して出力電力補正命令を送信し得る。
【0193】
さらに別の任意的な実施形態において、出力電力補正命令は、DC/DCコンバータのターゲットバス基準電圧を含んでいる。
【0194】
DC/ACコンバータが、各DC/DCコンバータに対して出力電力補正命令を送信する前に、DC/ACコンバータは、基準出力電流値と、各DC/DCコンバータの現在の出力電流値との間の差異を、PI制御アルゴリズムの入力パラメータとして使用し、各DC/DCコンバータの制御補正値を決定し、そして、各DC/DCコンバータの制御補正値と初期バス基準電圧との和を、各DC/DCコンバータのターゲットバス基準電圧として決定し得る。さらに、DC/ACコンバータは、各DC/DCコンバータの現在の出力電流に対応している仮想インピーダンス値を、各DC/DCコンバータの仮想インピーダンス値としてさらに決定し、各DC/DCコンバータの現在の出力電流と仮想インピーダンス値との積を、各DC/DCコンバータの電圧補正値として決定し、電圧補正値と、制御補正値と、各DC/DCコンバータの初期バス基準電圧との和を、各DC/DCコンバータのターゲットバス基準電圧として決定し、そして、各DC/DCコンバータに対してターゲットバス基準電圧を含む出力電力補正命令を送信し得る。
【0195】
この出願において提供される出力電力補正命令は、基準電源電流値、制御補正値、および、DC/DCコンバータのターゲットバス基準電圧のうち任意の1つを含むことができ、その結果、電源電流制御方法の適用性を改善できることが理解されるだろう。
【0196】
この出願のこの実施形態において、太陽光発電システムの出力電力がシステム出力電力閾値より大きいときに、DC/ACコンバータは、直流バスに並列に接続された各DC/DCコンバータの現在の実際の出力能力に基づいて、各DC/DCコンバータの出力電流値を分配することができ(すなわち、DC/DCコンバータ間の出力電力バランスを実施する)、DC/DCコンバータのうちの1つ又はいくつかが制限電力供給状態で動作することを防止し、そして、DC/DCコンバータ間の適切な負荷分散を実施する。従って、DC/DCコンバータの耐用年数が延長され、太陽光発電システムの運用および保守コストが低減される。
【0197】
図1における太陽光発電システム(n2は2以上の整数である場合)を参照して、以下に、太陽光発電システムの電源電流制御装置について説明する。
【0198】
図8は、この出願に従った、太陽光発電システムの電源電流制御装置の構造に係る概略図である。図8に示されるように、電源電流制御装置8は、獲得と決定モジュール81、および、電力調整モジュール82を含み得る。
【0199】
獲得と決定モジュール81は、少なくとも2つの電源ユニットのそれぞれに係る現在の電源状態パラメータを獲得し、かつ、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータに基づいて各電源ユニットの基準電源電流値を決定するように構成されている。
【0200】
電力調整モジュール82は、各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整するように構成されている。
【0201】
いくつかの実現可能な実装において、電源電流制御装置は、さらに、
太陽光発電システムの現在の出力電力がシステム出力電力閾値より大きいことを判定するように構成された、システム電力決定モジュール83を含んでいる。
【0202】
いくつかの実現可能な実装において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の供給電力および現在の電源能力を含んでいる。
【0203】
上記の電源電流制御装置は、さらに、
各電源ユニットの現在の供給電力および現在の電源能力に基づいて、少なくとも2つの電源ユニットのうちの1つ又はいくつかが制限動作状態で動作することを防止するように、各電源ユニットの現在の供給電力を調整するように構成された、現在の供給電力調整モジュール84を含んでいる。
【0204】
いくつかの実現可能な実装において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、各電源ユニットの現在の最大供給電力を含んでいる。
【0205】
獲得と決定モジュール81は、
各電源ユニットの現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の最大供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の最大供給電力の合計におけるものである、現在の最大供給電力比率を決定するように構成された、電力比率決定ユニット811、および、
現在の最大供給電力比率に基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定するように構成された、基準電流決定ユニット812、を含んでいる。
【0206】
いくつかの実現可能な実施態様において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、さらに、各電源ユニットの現在のデバイス動作条件パラメータを含んでいる。
【0207】
電力比率決定ユニット811は、現在のデバイス動作状態パラメータおよび各電源ユニットの現在の最大供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力を決定し、
各電源ユニットの現在の補正供給電力に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニットの現在の補正供給電力の合計におけるものである、現在の補正供給電力比率を決定し、
現在の補正供給電力比率を、現在の最大供給電力比率として決定する、ように構成されている。
【0208】
いくつかの実現可能な実装において、電力比率決定ユニット811は、各電源ユニットの現在のデバイス動作状態パラメータに対応する電力減衰係数を獲得し、かつ、各電源ユニットの現在の最大供給電力および電力減衰係数に基づいて、各電源ユニットの現在の補正供給電力を決定する、ように構成されている。
【0209】
いくつかの実現可能な実装において、現在のデバイス動作条件パラメータは、現在のデバイス温度、現在のデバイス電流ストレス、または、現在のデバイス電圧ストレスのうち少なくとも1つを含んでいる。
【0210】
いくつかの実現可能な実装において、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータは、さらに、各電源ユニットの現在の電源電流を含んでいる。
【0211】
基準電流決定ユニット812は、現在の最大供給電力比率と、少なくとも2つの電源ユニットの現在の電源電流の合計とに基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定する、ように構成されている。
【0212】
いくつかの実現可能な実装において、電力調整モジュール82は、供給電力補正命令を各電源ユニットに対して送信して、供給電力補正命令に含まれる各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットが、各電源ユニットの現在の供給電力を各電源ユニットの基準供給電力に調整するのを可能にする、ように構成されており、ここで、各電源ユニットの基準供給電力は、各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて決定される。
【0213】
いくつかの実現可能な実装において、電力調整モジュール82は、各電源ユニットの基準電源電流値および現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの制御補正値を決定し、
供給電力補正命令を各電源ユニットに対して送信して、供給電力補正命令に含まれる各電源ユニットの制御補正値に基づいて、各電源ユニットが、各電源ユニットの現在の供給電力を各電源ユニットの基準供給電力に調整するの可能にする、ように構成されており、ここで、各電源ユニットの基準供給電力は、各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて決定される。
【0214】
いくつかの実現可能な実施態様において、電力調整モジュール82は、各電源ユニットの基準電源電流値および現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの制御補正値を決定し、
初期バス基準電圧および各電源ユニットの制御補正値に基づいて、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧を決定し、かつ、
供給電力補正命令を各電源ユニットに送信して、供給電力補正命令に含まれる各電源ユニットのターゲットバス基準電圧に基づいて、各電源ユニットが、各電源ユニットの現在の供給電力を各電源ユニットの基準供給電力に調整するのを可能にする、ように構成されるており、ここで、各電源ユニットの基準供給電力は、各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて決定される。
【0215】
いくつかの実現可能な実装において、電力調整モジュール82は、初期バス基準電圧、各電源ユニットの制御補正値、および、各電源ユニットの電圧補正値に基づいて、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧を決定するように構成されており、ここで、各電源ユニットの電圧補正値は、各電源ユニットの現在の電源状態パラメータおよび各電源ユニットの仮想インピーダンスに基づいて決定される。
【0216】
いくつかの実現可能な実装において、仮想インピーダンスは、電源ユニットの現在の電源状態パラメータに基づいて決定される。
【0217】
いくつかの実現可能な実装において、電源電流制御装置は、少なくとも2つの電源ユニットにおける第1電源ユニットである。
【0218】
いくつかの実現可能な実装において、電源ユニットは、DC/DCコンバータまたはDC/ACコンバータを含み、そして、DC/DCコンバータは、DC/DCコンバータの電流供給電力を調整するように構成されており、かつ、DC/ACコンバータは、DC/ACコンバータの電流供給電力を調整するように構成されている。
【0219】
電源電流制御装置8は、図6に示される実施形態における電源電流制御装置によって実行されるステップを実施するように構成されていることが理解されるだろう。
【0220】
この出願では、太陽光発電システムの出力電力がシステム出力電力閾値よりも大きいときに、電源電流制御装置8は、直流バスに並列に接続された各電源ユニットの現在の実際の電源能力に基づいて、各電源ユニットの電源電流値を分配して、電源ユニット間の適切な負荷分散を実施することができる。さらに、電源ユニットの耐用年数が延長され、そして、太陽光発電システムの運用および保守コストが低減される。
【0221】
以下では、図1で示される太陽光発電システム(n2=1の場合)を参照して、太陽光発電システムのDC/ACコンバータを説明する。
【0222】
図9は、この出願に従った、太陽光発電システムにおけるDC/ACコンバータの構造に係る概略図である。図9に示されるように、DC/ACコンバータ9は、獲得と決定モジュール91、および、電力調整モジュール92を含み得る。
【0223】
獲得と決定モジュール91は、DC/ACコンバータが電力制限動作モードにあるときに、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータを獲得し、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータに基づいて、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの基準出力電流値を決定する、ように構成されている。
【0224】
電力調整モジュール92は、各電源ユニットにおけるDC/DCコンバータの基準出力電流値に基づいて、各電源ユニットにおけるDC/DCコンバータの現在の出力電力を調整する、ように構成されている。
【0225】
いくつかの実現可能な実装において、DC/ACコンバータ9は、さらに、
太陽光発電システムの現在の出力電力がシステム出力電力閾値より大きいことを決定するように構成された、システム電力決定モジュール93、を含んでいる。
【0226】
いくつかの実現可能な実装において、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力電力および現在の出力能力を含んでいる。
【0227】
DC/ACコンバータ9は、さらに、
各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力電力および現在の出力能力に基づいて、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力電力を調整して、太陽光発電システム内のDC/DCコンバータのうちの1つ又はいくつかが限界動作状態で動作することを防止する、ように構成された、現在の出力電力調整モジュール94、を含んでいる。
【0228】
いくつかの実現可能な実装において、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力を含んでいる。
【0229】
獲得と決定モジュール91は、
各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、現在の最大出力電力比率を決定する、ように構成された、電力比率決定ユニット911、および、
現在の最大出力電力比率に基づいて、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの基準出力電流値を決定する、ように構成された、基準電流決定ユニット912、を含んでいる。
【0230】
いくつかの実現可能な実装において、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、さらに、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータを含んでいる。
【0231】
電力比率決定ユニット911は、現在のデバイス動作条件パラメータおよび各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の補正出力電力を決定し、
各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の補正出力電力に基づいて、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の補正出力電力のものであり、かつ、少なくとも2つの電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の補正出力電力の合計におけるものである、現在の補正出力電力比率を決定し、かつ、
現在の補正出力電力比率を、現在の最大出力電力比率として決定する、ように構成されている。
【0232】
いくつかの実現可能な実装において、電力比率決定ユニット911は、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータに対応する電力減衰係数を獲得し、かつ、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の最大出力電力および電力減衰係数に基づいて、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の補正出力電力を決定する、ように構成されている。
【0233】
いくつかの実現可能な実装において、現在のデバイス動作条件パラメータは、現在のデバイス温度、現在のデバイス電流ストレス、または、現在のデバイス電圧ストレスのうち少なくとも1つを含んでいる。
【0234】
いくつかの実現可能な実装において、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、さらに、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力電流を含んでいる。
【0235】
基準電流決定ユニット912は、現在の最大出力電力比率、および、少なくとも2つの電源ユニット内のDC/DCコンバータの現在の出力電流の合計に基づいて、各電源ユニット内のDC/DCコンバータの基準出力電流値を決定する、ように構成されている。
【0236】
DC/ACコンバータ9は、図7に示される実施形態におけるDC/ACコンバータによって実行されるステップを実施する、ように構成されていることが理解されるだろう。
【0237】
この出願のこの実施形態において、太陽光発電システムの出力電力がシステム出力電力閾値よりも大きいときに、DC/ACコンバータは、直流バスに並列に接続された各DC/DCコンバータの現在の実際の出力能力に基づいて、各DC/DCコンバータの出力電流値を分配して、DC/DCコンバータ間の適切な負荷分散を実施し(すなわち、DC/DCコンバータ間の出力電力バランスを実施)、そして、DC/DCコンバータのうちの1つ又はいくつかが制限電力供給状態で動作することを防止することができる。従って、DC/DCコンバータの耐用年数が延長され、太陽光発電システムの運用および保守コストが低減される。
【0238】
前述の説明は、単にこの出願の特定の実装に過ぎず、この出願の保護範囲を限定するように意図されたものではない。この出願において開示される技術的範囲内で当業者によって容易に考え出される任意の変形または置換は、この出願の保護範囲内に入るものとする。従って、この出願の保護範囲は、請求項に係る保護範囲に従うものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電システムであって、該太陽光発電システムは、
直流バスと、
前記直流バスに並列に接続された、少なくとも2つの電源ユニットと、
前記直流バスを通じて前記少なくとも2つの電源ユニットに接続されたDC/ACコンバータと、を含み、
前記少なくとも2つの電源ユニットのそれぞれは、DC/DCコンバータを備え、かつ、前記DC/DCコンバータの入力端は、直流電源に接続されており、
前記DC/ACコンバータは、該DC/ACコンバータが電力制限動作モードにあるときに、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータを獲得し、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータに基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定し、かつ、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整する、
ように構成されている、
太陽光発電システム。
【請求項2】
前記DC/ACコンバータは、さらに、
前記太陽光発電システムの現在の出力電力が、システム出力電力閾値より大きいことを判定するように構成されている、
請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項3】
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力および現在の出力能力を含み、かつ、
前記DC/ACコンバータは、さらに、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力および現在の出力能力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整するように構成されており、前記太陽光発電システムにおけるDC/DCコンバータのうちの1つ又はいくつかが限界動作状態において動作することを防止する、
請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項4】
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力を含み、かつ、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータに基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定することは、
前記DC/ACコンバータによって、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、前記少なくとも2つの電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、現在の最大出力電力比率を決定すること、および、
前記現在の最大出力電力比率に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定すること、
を含む、
請求項1に記載の太陽光発電システム
【請求項5】
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、さらに、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータを含み、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、前記少なくとも2つの電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、現在の最大出力電力比率を決定することは、
前記DC/ACコンバータによって、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータおよび現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力を決定すること、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、前記少なくとも2つの電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、現在の補正出力電力比率を決定すること、および、
前記現在の補正出力電力比率を、前記現在の最大出力電力比率として決定すること、
を含む、
請求項4に記載の太陽光発電システム。
【請求項6】
各電源ユニットにおける前記DC/DCコンバータの現在の動作条件パラメータおよび現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力を決定することは、
前記DC/ACコンバータによって、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在のデバイス動作条件パラメータに対応している電力減衰係数を獲得すること、および、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力および電力減衰係数に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の補正出力電力を決定すること、
を含む、
請求項5に記載の太陽光発電システム。
【請求項7】
前記現在のデバイス動作条件パラメータは、現在のデバイス温度、現在のデバイス電流ストレス、または、現在のデバイス電圧ストレスのうち少なくとも1つを含む、
請求項5または6に記載の太陽光発電システム。
【請求項8】
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、さらに、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電流を含み、
前記現在の最大出力電力比率に基づいて、各電源ユニットにおける前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定することは、
前記DC/ACコンバータによって、前記少なくとも2つの電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力比率、および、現在の出力電流の和に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定すること、
を含む、
請求項4または5に記載の太陽光発電システム。
【請求項9】
太陽光発電システムであって、該太陽光発電システムは、
直流バスと、
前記直流バスに並列に接続された、少なくとも2つの電源ユニットと、
前記少なくとも2つの電源ユニットへの通信接続を確立する、システム制御ユニットと、を含み、
前記システム制御ユニットは、
前記少なくとも2つの電源ユニットそれぞれの現在の電源状態パラメータを獲得し、
各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの基準電源電流値を決定する、
ように構成されており、かつ、
前記各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整する、
太陽光発電システム。
【請求項10】
各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整することは、
前記システム制御ユニットによって、供給電力補正命令を各電源ユニットに送信すること、を含み、前記供給電力補正命令に含まれる各電源ユニットの前記基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットが、各電源ユニットの前記現在の供給電力を各電源ユニットの基準供給電力に調整するのを可能にし、
各電源ユニットの前記基準供給電力は、各電源ユニットの前記基準電源電流値に基づいて決定される、
請求項9に記載の太陽光発電システム。
【請求項11】
各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整することは、
前記システム制御ユニットによって、各電源ユニットの前記基準電源電流値および前記現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの制御補正値を決定すること、および、
前記システム制御ユニットによって、供給電力補正命令を各電源ユニットに送信すること、を含み、
前記供給電力補正命令に含まれる前記制御補正値に基づいて、各電源ユニットが、各電源ユニットの前記現在の供給電力を各電源ユニットの基準供給電力に調整するのを可能にし、
各電源ユニットの前記基準供給電力は、各電源ユニットの前記基準電源電流値に基づいて決定される、
請求項9に記載の太陽光発電システム。
【請求項12】
各電源ユニットの基準電源電流値に基づいて、各電源ユニットの現在の供給電力を調整することは、
前記システム制御ユニットによって、各電源ユニットの前記基準電源電流値および前記現在の電源状態パラメータに基づいて、各電源ユニットの制御補正値を決定すること、
初期バス基準電圧および各電源ユニットの前記制御補正値に基づいて、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧を決定すること、および、
供給電力補正命令を各電源ユニットに送信すること、を含み、
前記供給電力補正命令に含まれる各電源ユニットの前記ターゲットバス基準電圧に基づいて、各電源ユニットが、各電源ユニットの前記現在の供給電力を各電源ユニットの基準供給電力に調整するのを可能にし、
各電源ユニットの前記基準供給電力は、各電源ユニットの前記基準電源電流値に基づいて決定される、
請求項9に記載の太陽光発電システム。
【請求項13】
初期バス基準電圧および各電源ユニットの前記制御補正値に基づいて、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧を決定することは、
前記システム制御ユニットによって、前記初期バス基準電圧、各電源ユニットの前記制御補正値、および、各電源ユニットの電圧補正値に基づいて、各電源ユニットの前記ターゲットバス基準電圧を決定すること、を含み、
各電源ユニットの前記電圧補正値は、各電源ユニットの前記現在の電源状態パラメータおよび各電源ユニットの仮想インピーダンスに基づいて決定される、
請求項12に記載の太陽光発電システム。
【請求項14】
前記少なくとも2つの電源ユニットにおける第1電源ユニットは、前記システム制御ユニットを含む、
請求項9に記載の太陽光発電システム。
【請求項15】
前記電源ユニットは、DC/DCコンバータまたはDC/ACコンバータを含み、
前記DC/DCコンバータは、前記DC/DCコンバータの現在の供給電力を調整するように構成されており、かつ、
前記DC/ACコンバータは、前記DC/ACコンバータの現在の供給電力を調整するように構成されている、
請求項9乃至14いずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項16】
太陽光発電システムの電源電流制御方法であって、該太陽光発電システムは、
直流バスと、
前記直流バスに並列に接続された少なくとも2つの電源ユニットと、
前記直流バスに基づいて前記少なくとも2つの電源ユニットに接続されたDC/ACコンバータと、を含み、
前記少なくとも2つの電源ユニットのそれぞれは、DC/DCコンバータを備え、かつ、前記DC/DCコンバータの入力端は、直流電源に接続されており、かつ、前記方法は、
前記DC/ACコンバータが電力制限動作モードにあるときに、前記DC/ACコンバータによって、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータを獲得し、かつ、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータに基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定するステップ、および、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの前記基準出力電流値に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整するステップ、
を含む、方法。
【請求項17】
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力および現在の出力能力を含み、
前記方法は、さらに、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力および前記現在の出力能力に基づいて、前記DC/ACコンバータによって、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力電力を調整するステップであり、前記太陽光発電システム内の前記DC/DCコンバータのうちの1つ又はいくつかが限界動作状態で動作することを防止する、ステップ、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータは、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力を含み、
各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の出力状態パラメータに基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの基準出力電流値を決定するステップは、
前記DC/ACコンバータによって、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力に基づいて、各電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力のものであり、かつ、前記少なくとも2つの電源ユニット内の前記DC/DCコンバータの現在の最大出力電力の合計におけるものである、現在の最大出力電力比率を決定すること、および、
前記現在の最大出力電力比率に基づいて、各電源ユニットにおける前記DC/DCコンバータの前記基準出力電流値を決定すること、
を含む、請求項16に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
この出願は、太陽光発電技術の分野に関する。そして、特には、太陽光発電システムおよびその電源電流制御方法に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
この出願のこの実施形態において、計算によって各電源ユニットの制御補正値を獲得した後で、システム制御ユニットは、電源ユニットの制御補正値を含む供給電力補正命令を各電源ユニットに送信する。各電源ユニットは、各電源ユニットの制御補正値に基づく計算によって各電源ユニットのターゲットバス基準電圧を獲得し、そして、各電源ユニットのターゲットバス基準電圧に基づいて、各電源ユニットと直流バスとの間の電源電流値を調整して、システム制御ユニットの計算量を低減し、かつ、システム制御ユニットの処理効率を改善する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
電源ユニットの現在の電源状態パラメータが電源ユニットの現在の電源電流を含むときに、電源ユニットは、電源ユニットの基準電源電流値と現在の電源電流値との間の差異を、比例積分(PI)制御アルゴリズムの入力パラメータとして使用し得る。電源ユニットの制御補正値が決定され、そして、次いで、電源ユニットの制御補正値と初期バス基準電圧との和が、電源ユニットのターゲットバス基準電圧として決定される。さらに、電源ユニットは、電源ユニットの現在の電源電流に対応している仮想インピーダンス値を電源ユニットの仮想インピーダンス値として、さらに決定し、電源ユニットの現在の電源電流と仮想インピーダンス値との積を、電源ユニットの電圧補正値として決定し、そして、電圧補正値、制御補正値、および電源ユニットの初期バス基準電圧の和を、電源ユニットのターゲットバス基準電圧として決定し得る。
【国際調査報告】