(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-07
(54)【発明の名称】微粒子材料送達アセンブリのためのアダプタ構成要素および使用方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/14 20060101AFI20240131BHJP
A61M 39/20 20060101ALI20240131BHJP
A61M 39/10 20060101ALI20240131BHJP
A61M 39/06 20060101ALI20240131BHJP
A61M 25/09 20060101ALI20240131BHJP
A61M 36/08 20060101ALN20240131BHJP
【FI】
A61M5/14 582
A61M39/20
A61M39/10 120
A61M39/06 110
A61M25/09 530
A61M36/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547600
(86)(22)【出願日】2021-02-08
(85)【翻訳文提出日】2023-10-04
(86)【国際出願番号】 US2021016995
(87)【国際公開番号】W WO2022169462
(87)【国際公開日】2022-08-11
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521442637
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ,ブランドン・デビッド
(72)【発明者】
【氏名】ライト,マーク・ニコラス
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD07
4C066EE06
4C066FF01
4C066JJ05
4C066QQ79
4C267AA02
4C267AA28
4C267BB19
4C267BB33
4C267BB34
4C267BB43
4C267BB63
4C267CC08
4C267DD04
4C267HH08
4C267HH09
(57)【要約】
混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子材料送達アセンブリのためのアダプタ構成要素を使用するためのシステムおよび方法であって、アダプタ構成要素は、少なくとも一対のデバイスコネクタポートを含む、システムおよび方法。各デバイスコネクタポートは、混合微粒子溶液を受容するために微粒子送達デバイスの対応する送達管路コネクタに接続するように構成される。アダプタ構成要素は、閉じ込めバッグユニットに接続するように構成されるガイドワイヤコネクタポートであって、閉じ込めバッグユニットは、その中に配設されるガイドワイヤを含む、ガイドワイヤコネクタポートと、混合微粒子溶液を患者に送達するためにマイクロカテーテルに接続するように構成されるカテーテルコネクタポートとをさらに含む。ガイドワイヤは、一対のデバイスコネクタポートのうちの少なくとも一方を微粒子送達デバイスの送達管路コネクタから切り離すことなく、マイクロカテーテルを患者内に位置付けるために、閉じ込めバッグユニット内へ後退する、およびそこから延出するように構成される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子材料送達アセンブリのためのアダプタ構成要素であって、当該アダプタ構成要素は、
少なくとも一対のデバイスコネクタポートであって、各デバイスコネクタポートは、前記混合微粒子溶液を受容するために微粒子送達デバイスの対応する送達管路コネクタに接続するように構成される、少なくとも一対のデバイスコネクタポートと、
閉じ込めバッグユニットに接続するように構成されるガイドワイヤコネクタポートであって、前記閉じ込めバッグユニットは、その中に配設されるガイドワイヤを含む、ガイドワイヤコネクタポートと、
前記混合微粒子溶液を前記患者に送達するためにマイクロカテーテルに接続するように構成されるカテーテルコネクタポートと、を備え、
前記ガイドワイヤは、前記一対のデバイスコネクタポートのうちの少なくとも一方を前記微粒子送達デバイスの前記送達管路コネクタから切り離すことなく、前記マイクロカテーテルを前記患者内に位置付けるために、前記閉じ込めバッグユニット内へ後退する、およびそこから延出するように構成される、アダプタ構成要素。
【請求項2】
請求項1に記載のアダプタ構成要素であって、前記一対のデバイスコネクタポートのうちの1つのデバイスコネクタポートが前記微粒子送達デバイスの前記送達管路コネクタに接続されないときに、前記1つのデバイスコネクタポートの上に配設されるように構成されるキャップをさらに備える、アダプタ構成要素。
【請求項3】
請求項1に記載のアダプタ構成要素であって、各デバイスコネクタポートは、雌ルアー接続部または雄ルアー接続部の一方を備え、前記雌ルアー接続部または雄ルアー接続部の一方が、前記微粒子送達デバイスの前記対応する送達管路コネクタの雄ルアー接続部または雌ルアー接続部のうち、前記雌ルアー接続部または雄ルアー接続部の一方とは逆のものに接続するように構成される、アダプタ構成要素。
【請求項4】
請求項1に記載のアダプタ構成要素であって、前記カテーテルコネクタポートは、雄ルアー接続部または雌ルアー接続部の一方を備え、前記雄ルアー接続部または雌ルアー接続部の一方が、前記マイクロカテーテルの雌ルアー接続部または雄ルアー接続部のうちの、前記雄ルアー接続部または雌ルアー接続部の一方とは逆のものに接続するように構成される、アダプタ構成要素。
【請求項5】
請求項1に記載のアダプタ構成要素であって、前記ガイドワイヤコネクタポートは、前記閉じ込めバッグユニットに接続するように構成される止血弁を備える、アダプタ構成要素。
【請求項6】
請求項5に記載のアダプタ構成要素であって、前記ガイドワイヤは、前記マイクロカテーテルを位置付けるために、前記止血弁を通じて、および前記カテーテルコネクタポートを通じて前記閉じ込めバッグユニット内へ後退する、およびそこから延出するように構成される、アダプタ構成要素。
【請求項7】
請求項1に記載のアダプタ構成要素であって、前記閉じ込めバッグユニットは、自然に偏向した形態にある丸まった構成を備える、アダプタ構成要素。
【請求項8】
請求項1に記載のアダプタ構成要素であって、前記ガイドワイヤコネクタポートは、長手方向軸に沿って前記カテーテルコネクタポートと整列される、アダプタ構成要素。
【請求項9】
請求項8に記載のアダプタ構成要素であって、各デバイスコネクタポートは、前記長手方向軸に対して角度付けされる、アダプタ構成要素。
【請求項10】
請求項8に記載のアダプタ構成要素であって、前記長手方向軸は、上部分と下部分との間に配設され、前記一対のデバイスコネクタポートのうちの一方のデバイスコネクタポートは、前記上部分に沿って前記長手方向軸から離れる第1の方向に向かって角度付けされ、前記一対のデバイスコネクタポートのうちの他方のデバイスコネクタポートは、前記下部分に沿って前記長手方向軸から離れる第2の方向に向かって角度付けされる、アダプタ構成要素。
【請求項11】
請求項10に記載のアダプタ構成要素であって、前記第2の方向は、前記長手方向軸に対して前記第1の方向の反射角である、アダプタ構成要素。
【請求項12】
混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子材料送達アセンブリのためのアダプタ構成要素であって、当該アダプタ構成要素は、
少なくとも一対のデバイスコネクタポートであって、各デバイスコネクタポートは、前記混合微粒子溶液を受容するために微粒子送達デバイスの対応する送達管路コネクタに接続するように構成され、各デバイスコネクタポートは、前記微粒子送達デバイスの前記対応する送達管路コネクタの雄ルアー接続部に接続するように構成される雌ルアー接続部を備える、少なくとも一対のデバイスコネクタポートと、
閉じ込めバッグユニットに接続するように構成されるガイドワイヤコネクタポートであって、前記閉じ込めバッグユニットは、その中に配設されるガイドワイヤを含み、前記ガイドワイヤコネクタポートは、前記閉じ込めバッグユニットに接続するように構成される止血弁を備える、ガイドワイヤコネクタポートと、
前記混合微粒子溶液を前記患者に送達するためにマイクロカテーテルに接続するように構成されるカテーテルコネクタポートと、を備え、
前記ガイドワイヤは、前記一対のデバイスコネクタポートのうちの少なくとも一方を前記微粒子送達デバイスの前記送達管路コネクタから切り離すことなく、前記マイクロカテーテルを前記患者内に位置付けるために、前記止血弁を通じて、および前記カテーテルコネクタポートを通じて前記閉じ込めバッグユニット内へ後退する、およびそこから延出するように構成される、アダプタ構成要素。
【請求項13】
請求項12に記載のアダプタ構成要素であって、前記一対のデバイスコネクタポートのうちの1つのデバイスコネクタポートが前記微粒子送達デバイスの前記送達管路コネクタに接続されないときに、前記1つのデバイスコネクタポートの上に配設されるように構成されるキャップをさらに備える、アダプタ構成要素。
【請求項14】
請求項12に記載のアダプタ構成要素であって、前記カテーテルコネクタポートは、雄ルアー接続部または雌ルアー接続部の一方を備え、前記雄ルアー接続部または雌ルアー接続部の一方が、前記マイクロカテーテルの雌ルアー接続部または雄ルアー接続部のうちの、前記雄ルアー接続部または雌ルアー接続部の一方とは逆のものに接続するように構成される、アダプタ構成要素。
【請求項15】
請求項12に記載のアダプタ構成要素であって、前記閉じ込めバッグユニットは、自然に偏向した形態にある丸まった構成を備える、アダプタ構成要素。
【請求項16】
請求項12に記載のアダプタ構成要素であって、前記ガイドワイヤコネクタポートは、長手方向軸に沿って前記カテーテルコネクタポートと整列される、アダプタ構成要素。
【請求項17】
請求項16に記載のアダプタ構成要素であって、各デバイスコネクタポートは、前記長手方向軸に対して角度付けされる、アダプタ構成要素。
【請求項18】
請求項17に記載のアダプタ構成要素であって、前記長手方向軸は、上部分と下部分との間に配設され、前記一対のデバイスコネクタポートのうちの一方のデバイスコネクタポートは、前記上部分に沿って前記長手方向軸から離れる第1の方向に向かって角度付けされ、前記一対のデバイスコネクタポートのうちの他方のデバイスコネクタポートは、前記下部分に沿って前記長手方向軸から離れる第2の方向に向かって角度付けされる、アダプタ構成要素。
【請求項19】
請求項18に記載のアダプタ構成要素であって、前記第2の方向は、前記長手方向軸に対して前記第1の方向の反射角である、アダプタ構成要素。
【請求項20】
混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子材料送達アセンブリのためのアダプタ構成要素を使用する方法であって、当該方法は、
前記混合微粒子溶液を受容するために、一対のデバイスコネクタポートのうちの少なくとも一方を微粒子送達デバイスの対応する送達管路コネクタに取り付けるステップと、
ガイドワイヤコネクタポートを閉じ込めバッグユニットに取り付けるステップであって、前記閉じ込めバッグユニットは、その中に配設されるガイドワイヤを含む、ステップと、
前記混合微粒子溶液を前記患者に送達するために、カテーテルコネクタポートをマイクロカテーテルに取り付けるステップと、
前記一対のデバイスコネクタポートのうちの少なくとも一方を前記微粒子送達デバイスの前記送達管路コネクタから切り離すことなく、前記マイクロカテーテルを前記患者内に位置付けるために、前記ガイドワイヤを前記閉じ込めバッグユニットに対して、後退させること、または延出させることのうちの一方のステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、がんを治療するための医療デバイスの構成要素に、およびより詳細には、経動脈的放射線塞栓療法などの手技において患者の身体内の治療領域に放射性化合物を送達するために特定の材料送達アセンブリに接続するように構成され、またそのように動作可能である医療デバイスのアダプタ構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]放射線療法を伴うガン治療において、放射性治療薬からの放射線への不用意または過剰な曝露は、患者または医療従事者にとって有害であり得、死を招く可能性もあり得る。したがって、放射線療法のための医療機器は、患者の身体の特定の領域への放射性物質の送達を局部にとどめながら、その他の領域が不必要に放射線に曝露されることから守るように構成されなければならない。
【0003】
[0003]経動脈的放射線塞栓療法は、画像下治療によって実施される経カテーテル動脈内手技であり、一般的には、悪性腫瘍の治療のために用いられる。この医療手技の間、マイクロカテーテルが、患者の肝臓内へナビゲートされ、そこでイットリウム-90(90Y)などの放射性化合物で充填された放射線塞栓ミクロスフェアが、標的腫瘍へ送達される。このミクロスフェアが、腫瘍に供給する血管を閉塞すると同時に、腫瘍細胞を殺すために放射線を送達する。一般に、臨床医または患者は、この送達から放出される放射線の危険にさらされ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]したがって、放射性化合物を患者の身体に送達するときに、そのような放射線から遮蔽するように構成され、またそのように動作可能である医療デバイスの構成要素が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]本開示の実施形態によると、混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子材料送達アセンブリのためのアダプタ構成要素は、少なくとも一対のデバイスコネクタポートを備える。各デバイスコネクタポートは、混合微粒子溶液を受容するために微粒子送達デバイスの対応する送達管路コネクタに接続するように構成される。アダプタ構成要素は、閉じ込めバッグユニットに接続するように構成されるガイドワイヤコネクタポートであって、閉じ込めバッグユニットは、その中に配設されるガイドワイヤを含む、ガイドワイヤコネクタポートと、混合微粒子溶液を患者に送達するためにマイクロカテーテルに接続するように構成されるカテーテルコネクタポートとをさらに備える。ガイドワイヤは、一対のデバイスコネクタポートのうちの少なくとも一方を微粒子送達デバイスの送達管路コネクタから切り離すことなく、マイクロカテーテルを患者内に位置付けるために、閉じ込めバッグユニット内へ後退する、およびそこから延出するように構成される。
【0006】
[0006]別の実施形態において、混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子材料送達アセンブリのためのアダプタ構成要素は、少なくとも一対のデバイスコネクタポートを備え、各デバイスコネクタポートは、混合微粒子溶液を受容するために微粒子送達デバイスの対応する送達管路コネクタに接続するように構成される。各デバイスコネクタポートは、微粒子送達デバイスの対応する送達管路コネクタの雄ルアー接続部に接続するように構成される雌ルアー接続部を備える。アダプタ構成要素は、閉じ込めバッグユニットに接続するように構成されるガイドワイヤコネクタポートであって、閉じ込めバッグユニットは、その中に配設されるガイドワイヤを含み、ガイドワイヤコネクタポートは、閉じ込めバッグユニットに接続するように構成される止血弁を備える、ガイドワイヤコネクタポートと、混合微粒子溶液を患者に送達するためにマイクロカテーテルに接続するように構成されるカテーテルコネクタポートとをさらに備える。ガイドワイヤは、一対のデバイスコネクタポートのうちの少なくとも一方を微粒子送達デバイスの送達管路コネクタから切り離すことなく、マイクロカテーテルを患者内に位置付けるために、止血弁を通じて、およびカテーテルコネクタポートを通じて閉じ込めバッグユニット内へ後退する、およびそこから延出するように構成される。
【0007】
[0007]さらに別の実施形態において、混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子材料送達アセンブリのためのアダプタ構成要素を使用する方法は、混合微粒子溶液を受容するために、一対のデバイスコネクタポートのうちの少なくとも一方を微粒子送達デバイスの対応する送達管路コネクタに取り付けるステップと、ガイドワイヤコネクタポートを閉じ込めバッグユニットに取り付けるステップであって、閉じ込めバッグユニットは、その中に配設されるガイドワイヤを含む、ステップと、混合微粒子溶液を患者に送達するために、カテーテルコネクタポートをマイクロカテーテルに取り付けるステップと、一対のデバイスコネクタポートのうちの少なくとも一方を微粒子送達デバイスの送達管路コネクタから切り離すことなく、マイクロカテーテルを患者内に位置付けるために、ガイドワイヤを閉じ込めバッグユニットに対して、後退させること、及び延出させることのうちの少なくとも一方のステップとを含む。
【0008】
[0008]本明細書に説明される実施形態によって提供されるこれらおよび追加の特徴は、図面と併せて、以下の詳細な説明を考慮してより完全に理解されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009]本発明に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、防護遮蔽体およびバイアル摺動部を含む送達デバイスの斜視図である。
【
図2】[0010]本発明に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、
図1のバイアル摺動部の、
図1の線2-2に沿った断面図である。
【
図3】[0011]本発明に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、係合ヘッドを含むバイアルアセンブリの斜視図である。
【
図4】[0012]
図4のバイアルアセンブリの、
図3の線4-4に沿って取られた部分断面図である。
【
図5】[0013]本発明に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、一連の送達管路がバイアル摺動部に結合された状態の、
図3のバイアルアセンブリが中に受容されている
図1のバイアル摺動部の斜視図である。
【
図6】[0014]本発明に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、
図5の一連の送達の送達管路を介して
図1の送達デバイスに装着するためのアダプタ構成要素の部分断面側面図である。
【
図7】[0015]本発明に示され説明される1つまたは複数の実施形態に従う、
図6のアダプタ構成要素と接続するように構成される閉じ込めバッグユニットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0016]これより、患者に放射性化合物を投与するための送達デバイスの様々な実施形態について詳細に言及し、これらの実施形態の例は、添付の図面に例証される。可能な場合、同じ参照番号が、同じまたは同様の部分に言及するために図面全体を通して使用される。本明細書で使用されるような方向の用語、例えば、上、下、右、左、前、後、上部、下部、遠位、および近位は、描写されるような図に関連してのみ用いられるものであり、絶対的な配向を示唆することは意図されない。
【0011】
[0017]範囲は、本明細書では、“約”1つの特定の値から、および/または“約”別の特定の値まで、として表現され得る。そのような範囲が表現されるとき、別の実施形態は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、値が、先行する“約”の使用により近似値として表現されるとき、その特定の値が別の実施形態を形成するということを理解されたい。範囲の各々の終点は、他の終点に関連して、および他の終点とは独立して、有意であるということをさらに理解されたい。
【0012】
[0018]別途明示的に記載のない限り、本明細書に明記されるいかなる方法も、そのステップが特定の順序で実施されること、または任意の装置固有の配向が必要とされることを必要とすると解釈されることはいかようにも意図されない。したがって、方法クレームがそのステップに適用されるべき順序を実際に列挙しない場合、または、任意の装置クレームが、個々の構成要素に対する順序もしくは配向を実際に列挙しない場合、または、ステップが特定の順序に限定されるべきであることが特許請求の範囲もしくは説明に別途具体的に記載されない場合、または、装置の構成要素に対する特定の順序もしくは配向が列挙されない場合、順序または配向が推測されることはいかようにも一切意図されない。これは、ステップの配置、動作フロー、構成要素の順序、または構成要素の配向に関する論理的な事柄、文法的な機構または句読点から導き出される明白な意味、および本明細書に説明される実施形態の数またはタイプを含む、解釈についての可能性のあるあらゆる不明確な基準に当てはまる。
【0013】
[0019]別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本開示が属する当業者によって共通して理解されるものと同じ意味を有する。本明細書内の説明で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することは意図されない。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形“a”、“an”、および“the”は、文脈が別段に明確に示さない限りは、複数形も同様に含むことが意図される。
【0014】
[0020]本明細書で使用される場合、用語“水平”、“垂直”、“遠位”、および“近位”は、単に相対的な用語であり、単に全体的な相対配向を示し、必ずしも垂直度を示さない。これらの用語はまた、図内で使用される配向に言及するために便宜上使用され得、このような配向は、単に慣例として使用され、示されるデバイスの特性としては意図されない。本明細書に説明されることになる本開示およびその実施形態は、任意の所望の配向で使用され得る。さらには、水平および垂直の壁は、単に、交差する壁であることが概して必要であり、直角である必要はない。本明細書で使用される場合、単数形“a”、“an”、および“the”は、文脈が別段に明確に示さない限り、複数指示対象を含む。したがって、例えば、“1つの(a)”構成要素への言及は、文脈が別段に明確に示さない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。
【0015】
[0021]本明細書に説明される実施形態において、微粒子材料送達アセンブリは、放射線塞栓療法送達デバイスを含み得る。放射線塞栓療法送達デバイスは、経動脈的放射線塞栓療法などの手技において患者の身体内の治療領域に放射性化合物を送達するように構成される医療デバイスを備える。放射性化合物は、バイアルアセンブリのバイアル内で混合される生理食塩水および放射性ミクロスフェア(すなわち、微粒子)の混合溶液であり得る。針は、注射器またはカテーテル線からなど、放射性ミクロスフェアを含むバイアル内へ流体(すなわち、生理食塩水)を注入して混合溶液を生成するための出口として、および混合溶液を患者へ送達するための入口として、1つまたは複数のポートを含み得る。
【0016】
[0022]下に説明される
図1~
図5は、微粒子を送達するための送達デバイス500の実施形態を対象とし、さらに下でより詳細に説明される
図6~
図7は、微粒子から放出される放射線から遮蔽する手助けをする、本明細書に説明されるような送達デバイス500の1つまたは複数の構成要素の実施形態を対象とする。いくつかの実施形態において、下により詳細に説明されるように、送達デバイス500は、放射線塞栓療法送達デバイスであり、微粒子は、複数の放射線塞栓療法ビーズであり、流体は、生理食塩水溶液であり、結果として生じる混合流体(例えば、混合流体溶液)は、放射線塞栓療法ビーズ-生理食塩水溶液である。針559は、正圧方向におけるバイアル係合機構520の作動の際など、放射線塞栓療法送達デバイスを通じて放射線塞栓療法ビーズ-生理食塩水溶液を混合流体溶液として送達するように構成され得る。いくつかの実施形態において、流体は、造影剤を含む造影剤-生理食塩水溶液であり、結果として生じる混合流体(例えば、混合流体溶液)は、放射線塞栓療法ビーズ-造影剤-生理食塩水溶液である。針559は、放射線塞栓療法送達デバイスを通じて放射線塞栓療法ビーズ-造影剤-生理食塩水溶液を混合流体溶液として送達するように構成され得る。いくつかの実施形態において、送達デバイス500は、化学塞栓療法送達デバイスであり、微粒子は、複数の化学塞栓療法ビーズであり、混合流体溶液は、ビーズ-生理食塩水溶液またはビーズ-造影剤-生理食塩水溶液である。
I.取り外し可能な摺動部アセンブリを有する機械的送達デバイス
[0023]
図1~
図10は、送達デバイス500の使用中に放射線放出を低減しながら放射性物質(例えば、放射線塞栓ビーズ)を送達するように構成され、またそのように動作可能である送達デバイス500の実施形態を示す。送達デバイス500は、
図6~
図7に関して、および本明細書内の1つまたは複数の実施形態において、下により詳細に説明されるような放射線遮蔽構成要素に関することを除いて、本明細書にその全体が組み込まれる2019年5月17日に提出された、国際PCT出願第PCT/2019/033001号に説明されるように動作し得る。
【0017】
[0024]最初に
図1を参照すると、送達デバイス500は、コンソールを含むコンソールアセンブリ510を備える。送達デバイス500は、コンソールアセンブリ510に対して結合状態および分離状態の間で遷移するように動作可能である摺動部アセンブリ540を含み得る。送達デバイス500のコンソールアセンブリ510は、近位端514および遠位端516によって画定され、かつそれらの間に延在する基部512を備える。基部512の近位端514は、コンソールアセンブリ510に移動可能に結合されるハンドル(送達ハンドル)528、およびコンソールアセンブリ510上に位置付けられるインターフェースディスプレイ530を含む。
【0018】
[0025]基部512の近位端514は、外部デバイスをコンソールアセンブリ510の基部512にしっかりと保持するように構成される装着デバイス538をさらに含む。装着デバイス538は、手技中に送達デバイス500と共に使用するためのコンソールアセンブリ510への補完デバイスの装着を促進するように動作可能である。
【0019】
[0026]依然として
図1を参照すると、コンソールアセンブリ510の遠位端516は、本明細書により詳細に説明されるように、コンソールアセンブリ510を中に受容するようにサイズ決定および成形されるバイアル収容領域518を画定する。コンソールアセンブリ510は、遠位端516に隣接する基部512から延在するバイアル係合機構520をさらに含む。特に、バイアル係合機構520は、遠位端516の方へコンソールアセンブリ510の基部512から外向きに横方向に延在する。バイアル係合機構520は、コンソールアセンブリ510のバイアル収容領域518内に位置付けられ、ハンドル528に移動可能に結合される。特に、コンソールアセンブリ510のハンドル528は、ハンドル528の作動に応答して、バイアル係合機構520をバイアル収容領域518内で移動させる、および特に、並進させるように動作可能である。
【0020】
[0027]コンソールアセンブリ510は、ハンドル528の手動の動きをバイアル係合機構520の対応する直線変位に変換するように構成され、またそのように動作可能である、基部512内に配設される機械的アセンブリを含む。本例では、機械的アセンブリは、ハンドル528およびバイアル係合機構520に結合され、その結果として、近位端514におけるハンドル528の選択的作動が、遠位端516におけるバイアル係合機構520の同時の作動を引き起こす。
【0021】
[0028]実施形態において、および
図2を参照すると、送達デバイス500の流量センサは、送達デバイス500の管セット、ならびに特に、針559、マニホールド555A、555B、および/またはポート556のうちの1つもしくは複数と一直線に位置付けられ得、そこを通過する流体(例えば、治療用粒子が流体媒体と効果的に混合された後の懸濁液)の量を測定するように構成され得る。
図1に戻って参照すると、バイアル係合機構520は、バイアル係合機構520のネック524から外向きに延在する一対のレバーアーム522を備え、このネック524は、コンソールアセンブリ510の基部512から外向きに横方向に延在する。バイアル係合機構520のネック524は、バイアル係合機構520の一対のレバーアーム522のみが保護カバー525を通って延在するように、保護カバー525内に配設される。保護カバー525は、コンソールアセンブリ510の1つまたは複数の内部構成要素を、コンソールアセンブリ510の外側から、および特に、バイアル収容領域518から遮蔽するように動作可能である。
【0022】
[0029]一対のレバーアーム522は、コンソールアセンブリ510のハンドル528の作動に応答して、バイアル係合機構520のネック524と共に同時に移動可能である。さらに、一対のレバーアーム522は、一対のレバーアーム522の間に形成される空間が相対的に固定されるように、互いに対して固定される。バイアル係合機構520の一対のレバーアーム522は、それらの間に、および特に、一対のレバーアーム522によって形成される空間内に、バイアルアセンブリ580をしっかりと係合するように構成される。したがって、バイアル係合機構520は、バイアル収容領域518においてバイアルアセンブリ580をコンソールアセンブリ510にしっかりと取り付けるように動作可能である。バイアル係合機構520は、一対のレバーアーム522を含むものとして本明細書に示され説明されるが、バイアル係合機構520は、バイアルアセンブリ580を係合するのに好適な様々な他の構造的構成を含み得るということを理解されたい。
【0023】
[0030]依然として
図1を参照すると、コンソールアセンブリ510は、バイアル収容領域518に沿って基部512の遠位端516に固着される安全遮蔽体526をさらに含む。特に、安全遮蔽体526は、コンソールアセンブリ510に固着されるとき、コンソールアセンブリ510のバイアル収容領域518を包囲するようにサイズ決定および成形される保護カバーである。安全遮蔽体526は、基部512の遠位端516に選択的に装着可能であり、また、安全遮蔽体526は、バイアル収容領域518内に格納される1つまたは複数の放射線量からの放射線放出を抑制するように構成される材料で形成される。
【0024】
[0031]コンソールアセンブリ510の遠位端516は、摺動体540を中に受容するようにサイズ決定および成形される摺動空間532をさらに含む。摺動空間532は、その中に延在する一対の位置決め部534を含み、この位置決め部534は、摺動体540の対応位置決め部(例えば、位置決めリブ554)に適合するようにサイズ決定および成形され、それにより、摺動空間532内での摺動体540とコンソールアセンブリ510の基部512との結合が容易に行えるようにする。本明細書により詳細に説明されるように、摺動部アセンブリ540は、そこを通じて治療用粒子(例えば、放射性ビーズ、ミクロスフェア、媒体)を格納および投与するように構成される。特に、摺動部アセンブリ540は、手技中に送達デバイス500から患者へ治療用粒子を投与するため、バイアルアセンブリ580を中に部分的に受容するように構成される。
【0025】
[0032]依然として
図1を参照すると、摺動体540は、治療用粒子(例えば、放射性流体媒体)を送達デバイス500から患者へ投与するため、バイアルアセンブリ580を中に部分的に受容するように構成される。特に、摺動体540は、近位端542および遠位端544を備え、その間に一対の側壁546が延在する。摺動体540の近位端542は、そこから近位に延在するハンドル552を含む。ハンドル552は、摺動体540の移動、特に、コンソールアセンブリ510の摺動空間532内への摺動体540の挿入を簡単にできるように構成される。近位端542は、1つまたは複数の送達管路(すなわち、管)を摺動体540に結合するための1つまたは複数のポート556をさらに含む。1つまたは複数の送達管路がポート556の反対側の線の端において1つまたは複数の外部デバイスにさらに結合されるため、ポート556は、摺動体540を1つまたは複数の外部デバイスに、そこに接続される送達管路を介して流体的に結合するように効果的に機能する。摺動体540の一対の側壁546は、そこから外向きに横方向に延在する少なくとも1つの位置決めリブ554を含み、この位置決めリブ554は、コンソールアセンブリ510の一対の位置決め部534と適合し、かつこれに嵌合するようにサイズ決定および成形される。したがって、一対の位置決めリブ554は、遠位端544が基部512の摺動空間532内に摺動自在に受容されるとき、摺動体540のコンソールアセンブリ510との位置合わせおよび係合を容易に行えるように構成される。
【0026】
[0033]摺動体540は、近位端542および遠位端544から延在し、かつ一対の側壁546の間に位置付けられる上表面548をさらに含む。摺動体の上表面548は、凹んだ領域549および係止システム550を含む。凹んだ領域549は、上表面548に沿って凹部および/または腔を形成するようにサイズ決定および成形され、この凹んだ領域549は、例えば、送達デバイス500の使用中の様々な流体媒体の漏出を含め、様々な材料を中に受容および/または回収することが可能である。摺動体540の係止システム550は、プライミングアセンブリ560およびバイアルアセンブリ580など、1つまたは複数のデバイスを中に受容するようにサイズ決定および成形される、上表面548に開口部を形成する。いくつかの実施形態において、摺動体540には、係止システム550内に配設されるプライミングアセンブリ560が予め装填されている。プライミングアセンブリ560は、摺動体540の係止システム550から外向きに延在するプライミング導管562を含む。プライミングアセンブリ560は、手技において送達デバイス500を利用する前に、送達デバイス500から空気をパージする役割を果たす。
【0027】
[0034]これより
図2を参照すると、係止システム550は、そこから外向きに延在する環状配列の突起551を含み、突起551は、特に、上表面548に沿って係止システム550によって形成されるアパーチャ内へ横方向に延在する。環状に配列された突起551は、係止システム550の内周の中に形成され、少なくとも2つの連続して配置された列に沿って延在する。係止システム550に包含された環状配列の突起551は、バイアルアセンブリ580の対応する係止特徴部586(
図3を参照されたい)に係合し、それによりバイアルアセンブリ580を摺動体540にしっかりと留めるように構成される。係止システム550の突起551の複数の列は、摺動部アセンブリ540、および特に、摺動部アセンブリ540の針559が、手技における送達デバイス500の使用中にバイアルアセンブリ580のセプタム592(
図3を参照されたい)を介してしっかりと維持されることを確実にするように、二重係止システムを提供する役割を果たすということを理解されたい。
【0028】
[0035]摺動体540は、プライミングアセンブリ560およびバイアルアセンブリ580をそれぞれ中に受容するようにサイズ決定および成形されるバイアルチャンバ558をさらに含む。言い換えると、バイアルチャンバ558は、プライミングアセンブリ560およびバイアルアセンブリ580の両方を互いから分離して個々に受容するようにサイズ決定される。バイアルチャンバ558は、バイアルチャンバ558の周りに配設される防護チャンバまたは遮蔽体557に封入される。防護遮蔽体557は、例えば、金属など、放射線放出がバイアルチャンバ558から外側に放出することを抑制するように構成される材料で形成される。加えて、摺動体540は、防護遮蔽体557を通って、およびバイアルチャンバ558内へ延在する針をバイアルチャンバ558の下端部に沿って含む。針559は、バイアルチャンバ558に対してしっかりと固着され、その結果として、係止システム550のアパーチャを通じて、およびバイアルチャンバ558内へ受容されるいかなるデバイスも、針559(例えば、プライミングアセンブリ560、バイアルアセンブリ580、および同様のもの)と接触し、これと相互作用することになる。
【0029】
[0036]依然として
図2を参照すると、針559は、摺動体540内に配設される遠位マニホールド555Aおよび近位マニホールド555Bに結合され、特に、マニホールド555A、555Bは、バイアルチャンバ558および防護遮蔽体557の下に位置付けられる。近位マニホールド555Bは、針559に流体的に結合され、遠位マニホールド555Aは、摺動体540の1つまたは複数のポート556に流体的に結合される。近位マニホールド555Bは、遠位マニホールド555Aと、それらの間に配設される一方向逆止弁553を通じて流体連通している。
【0030】
[0037]したがって、近位マニホールド555Bは、遠位マニホールド555Aを介して1つまたは複数のポート556と流体連通しているが、1つまたは複数のポート556は、マニホールド555A、555Bの間に配設される一方向逆止弁553の位置に起因して、近位マニホールド555Bとは流体連通していない。したがって、針559は、1つまたは複数のポート556において摺動体540に結合される1つまたは複数の送達管路および/またはデバイスと、それらの間に固着されるマニホールド555A、555Bを介して流体連通している。摺動部アセンブリ540の1つまたは複数のポート556は、バッグ(例えば、生理食塩水バッグ)、注射器、カテーテル、および/または同様のものに、それらに結合される1つまたは複数の送達管路を介して結合され得る。他の実施形態において、針559は、カニューレ、カテーテル、または同様の機構であり得、これを通じて、本明細書に説明されるように流体および/または溶液を注入および受容する。
【0031】
[0038]依然として
図2を参照すると、摺動体540は、遠位端544に沿って摺動体540に結合される取り外し可能なバッテリパック570を含む。取り外し可能なバッテリパック570は、バッテリ572、電気接点574、および取り外し可能なタブ576を備える。送達デバイス500のバッテリ572は、取り外し可能なバッテリパック570内のバッテリ572の場所に起因して、1つまたは複数の流路および放射線源から隔離される。
【0032】
[0039]取り外し可能なバッテリパック570の電気接点574は、取り外し可能なバッテリパック570から外向きに延在し、摺動体540が摺動空間532において基部512に結合されるとき、コンソールアセンブリ510の対応する電気接点511(
図1を参照されたい)と接触し、またこれと相互作用するように動作可能である。したがって、取り外し可能なバッテリパック570は、摺動体540がコンソールアセンブリ510に結合されるとき、送達デバイス500、および特に、コンソールアセンブリ510に、電力を提供するように動作可能である。
【0033】
[0040]加えて、本明細書により詳細に説明されるように、いくつかの実施形態において、係止システム550は、少なくとも1つの平面壁を、係止システム550のその他の円形構成に対して含み得る。この場合、摺動体540の上表面548を通って係止システム550によって形成されるアパーチャは、上に示され説明されるような円形形状ではなく、不規則な形状にされる。この場合、バイアルアセンブリ580は、係止システム550、および特に、少なくとも1つの平面壁に対応する形状およびサイズを有する係止特徴部586を含み、その結果として、バイアルアセンブリ580は、バイアルアセンブリ580の向きが係止特徴部586および係止システム550の向きと対応するときにのみ、摺動体540内に受容される。言い換えると、係止特徴部586の対応する平面壁586A(
図3を参照されたい)は、バイアルアセンブリ580が摺動体540の係止システム550によって形成されるアパーチャ内に受容可能であるように、係止システム550の平面壁と揃えなければならない。
【0034】
[0041]これより
図3を参照すると、送達デバイス500のバイアルアセンブリ580が描写される。バイアルアセンブリ580は、係合ヘッド582、プランジャ584、係止特徴部586、およびバイアル本体589を備える。特に、バイアルアセンブリ580の係合ヘッド582は、係止特徴部586およびバイアル本体589の反対側のプランジャ584の終端に位置付けられる。係合ヘッド582は、そこから下方に延在するプランジャ584の長手方向の長さに対して外向きに横方向に延在する一対のアーム581を含む。本例では、係合ヘッド582は、プランジャ584と一体に形成されるが、他の実施形態では、係合ヘッド582およびプランジャ584は、相互にしっかりと固定できる別個の特徴部であってもよいということを理解されたい。いずれの場合においても、係合ヘッド582およびプランジャ584は、係合ヘッド582およびプランジャ584が、係止特徴部586およびバイアル本体589を通って摺動自在に並進可能であるように、係止特徴部586およびバイアル本体589に対して移動可能である。特に、本明細書により詳細に説明されるように、プランジャ584は、係合ヘッド582が一対のレバーアーム522に固着されるとき、バイアル係合機構520の直線並進運動に応答して、バイアル本体589の内部チャンバ588の内外に並進し得る。
【0035】
[0042]プランジャ584は、プランジャ584の長手方向の長さに沿って位置付けられる複数の標識および/または目盛り583を含む。複数の目盛り583は、係止特徴部586およびバイアル本体589からの係合ヘッド582およびプランジャ584の相対的延長を示す。上に簡単に記されるように、係合ヘッド582は、バイアルアセンブリ580をバイアル係合機構520に装着するように構成される。特に、係合ヘッド582の一対のアーム581は、バイアルアセンブリ580が摺動体540内に受容され、摺動体がコンソールアセンブリ510の摺動空間532内に挿入されるとき、バイアル係合機構520の一対のレバーアーム522と結合するようにサイズ決定および成形される。本明細書により詳細に説明されるように、一対のレバーアーム522は、バイアル係合機構520に印加される既定の並進力に応答して、係合ヘッド582の一対のアーム581とプランジャ584との間に受容される。係合ヘッド582およびプランジャ584は、限定されるものではないが、金属、プラスチック、および/または同様のものを含む、様々な材料で形成され得る。
【0036】
[0043]依然として
図3を参照すると、バイアルアセンブリ580は、相対的に係止特徴部586の上および係合ヘッド582の下にプランジャ584に結合される安全タブ585をさらに含み、その結果として、安全タブ585は、プランジャ584の長手方向の長さに沿って位置付けられる。安全タブ585は、例えば、プラスチックなどの様々な材料で形成され得、送達デバイス500の使用の前に、バイアルアセンブリ580に予め組み立てられる。安全タブ585は、プランジャ584に取り外し可能に留められ、プランジャ584がバイアル本体589に対して並進することを抑制する。特に、安全タブ585は、プランジャ584をバイアル本体589内へ相対的に下方に並進させるためのプランジャ584に対する直線力の印加に応答して、係止特徴部586に当接する。この場合、安全タブ585は、プランジャ584の不用意に動いてしまうこと、およびそれに応じた、バイアル本体589の内部チャンバ588内に格納される流体媒体(例えば、治療用粒子、放射線塞栓ビーズ)の不用意な送達を抑制するように構成される。本明細書により詳細に説明されるように、安全タブ585は、バイアルアセンブリ580とバイアル係合機構520との結合、および特に、一対のレバーアーム522と係合ヘッド582との係合に応答して、プランジャ584から選択的に取り外される。
【0037】
[0044]
図3に戻って参照すると、係止特徴部586は、バイアル本体589の上端の周りに延在する。本例では、バイアルアセンブリ580の係止特徴部586は、係止特徴部586の外周に沿って外向きに横方向に延在する側縁587を画定するブッシュ(軸受筒)を備える。係止特徴部586の側縁587は、バイアルアセンブリ580が摺動体540のバイアルチャンバ558内に受容されるときに、係止システム550の環状配置の突起551に係合するようにサイズ決定および成形される。本明細書により詳細に説明されるように、係止特徴部586、特に、係止特徴部586の側縁587は、バイアルアセンブリ580を係止システム550にしっかりと留めて、手技における送達デバイス500の使用中に摺動体540のバイアルチャンバ558からのバイアル本体589の取り外しを抑制するように構成される。いくつかの実施形態において、上に簡単に説明されるように、係止特徴部586は、係止特徴部586が不規則な形状を備えるように、少なくとも1つの平面壁586Aを含む。少なくとも1つの平面壁586Aは、係止システム550の平面壁550Aに対応するように構成され、その結果として、平面壁550Aと586Aとの位置合わせをするには、バイアルアセンブリ580が係止システム550によって形成されるアパーチャを通って受容されることを必要とされる。
【0038】
[0045]依然として
図3を参照すると、バイアル本体589は、係止特徴部586から相対的に下方に延在し、プランジャ584の長手方向の長さの少なくとも一部分を中に受容するようにサイズ決定される長手方向の長さを有する。単に例として、バイアル本体589の長手方向の長さは、約8ミリメートル~約10ミリメートルであり得、また本例では、9ミリメートルを含む一方、プランジャ584の長手方向の長さは、約9ミリメートル~約11ミリメートルであり得、また本例では、10ミリメートルを含む。したがって、いくつかの実施形態において、プランジャ584の長手方向の長さは、バイアル本体589の長手方向の長さを超え、その結果として、バイアル本体589の内部チャンバ588内へのプランジャ584の並進運動により、そこに格納される流体媒体がバイアル本体589から外へ送られることになる。本明細書により詳細に説明されるように、バイアル本体589の内部チャンバ588を通じたプランジャ584の並進運動により、バイアル本体589内に格納される流体媒体をバイアルアセンブリ580から外への投与できるようになっている。バイアル本体589は、例えば、熱可塑性ポリマー、コポリエステル、ポリカーボネート、生体適合性プラスチック、ポリスルホン、セラミック、金属、および/または同様のものを含む、様々な材料で形成され得る。
【0039】
[0046]本例のバイアル本体589は、バイアル本体589の内部チャンバ588内に格納される流体媒体からの放射線放出を抑制するように構成される材料で形成される。例えば、バイアル本体589は、ポリカーボネートなどのプラスチックで形成され得、また、およそ9ミリメートル(mm)の幅を有し得る。バイアル本体589の密度と材料組成との組み合わせにより、内部チャンバ588内に格納される電子粒子からのベータ放射線放出を抑制できるようになっている。本例では、バイアル本体589のプラスチックの化学組成は、9mmの壁厚との組み合わせで、バイアル本体589内に配設される複数の原子を設けるものであり、そのような複数の原子は、電子を発生するベータ放射線に対処し、バイアルアセンブリ580からの上記放射線の放出を低減することができるものである。したがって、バイアルアセンブリ580は、オペレータが、ベータ放射線に曝露されることなく、バイアル本体589内に格納される放射性物質を取り扱うことを可能にする。他の実施形態では、様々な他の材料および/または壁区域が、本開示の範囲から逸脱することなく、バイアルアセンブリ580のバイアル本体589内に組み込まれ得るということを理解されたい。
【0040】
[0047]依然として
図3を参照すると、バイアルアセンブリ580のバイアル本体589は、係止特徴部586によって第1の終端598において密閉される。バイアルアセンブリ580は、係止特徴部586の反対側のバイアル本体589の対向する終端に位置付けられるキャップ590をさらに含み、その結果として、キャップ590が、バイアルアセンブリ580のバイアル本体589の第2の終端を密閉する。追加的に、バイアルアセンブリ580はセプタム592を含む、セプタム592はキャップ590に隣接して位置付けられ、かつ係止特徴部586の反対側のバイアル本体589の終端と流体連通している。セプタム592は、バイアル本体589の終端に対してシールを形成し、キャップ590が、セプタム592を中に保持する。セプタム592は、例えば、エラストマ、シリコーン、ブロモブチルエラストマ、ゴム、ウレタン、および/または同様のものを含む、様々な材料で形成され得る。セプタム592は、バイアル本体589のための気密シールを提供し、それにより、中に格納された流体媒体(例えば、放射線塞栓ビーズ)の放出を抑制するように構成される。本明細書により詳細に説明されるように、バイアルアセンブリ580のセプタム592は、バイアルアセンブリ580がバイアルチャンバ558内に受容されるときに摺動体540の針559によって穿刺され、それにより、バイアル本体589と摺動体540との間の流体連通を確立するように構成される。他の実施形態において、セプタム592の代わりに、例えば、弁システム、針注入ポート、および/または同様のものなど、代替のデバイスを使用することもできる。
【0041】
[0048]
図4を参照すると、バイアルアセンブリ580は、係合ヘッド582の反対側のプランジャ584の終端に固定的に結合されるストッパ594をさらに含む。この場合、プランジャ584がバイアル本体589の内部チャンバ588に結合され、またそれを通って摺動自在に並進可能であるため、ストッパ594は、バイアル本体589内で効果的に配設される。したがって、ストッパ594は、バイアル本体589の内部チャンバ588のサイズ(例えば、直径)に従ってサイズ決定および成形されるということを理解されたい。ストッパ594はプランジャ584に固定されており、ストッパ594が、バイアル本体589を通るプランジャ584の並進運動に応答して、バイアル本体589を通って摺動自在に並進可能になっている。ストッパ594は、外向きに横方向に延在する2つ以上のリブ593と、少なくとも2つのリブ593の間に画定される1つまたは複数のくぼみ595と、によって画定される。
【0042】
[0049]ストッパ594は、バイアル本体589の内部チャンバ588に対する液密シールを形成するように構成され、既定の粘弾性を有する様々なポリマーで形成される。例えば、いくつかの実施形態において、ストッパ594は、エラストマ、シリコーン、ゴム、ウレタン、プラスチック、ポリエチレン、ポリプロピレン、および/または同様のもので形成される。この場合、ストッパ594は、バイアル本体589内に格納された流体媒体が、ストッパ594を過ぎてバイアル本体589の外へ拡散する(すなわち、漏出する)ことを抑制するように動作可能である。特に、ストッパ594の2つ以上のリブ593は、バイアル本体589の内部チャンバ588に当接し、かつこれに沿ってシールを形成し、それにより、流体媒体がリブ593を越えることを抑制する。ストッパ594の2つ以上のリブ593の間に形成される1つまたは複数のくぼみ595は、ストッパ594のリブ593を不用意に越えて拡散(すなわち、漏出)し得るいかなる流体媒体も受容するように、より具体的には、捕捉するように構成される。したがって、1つまたは複数のくぼみ595は、流体媒体が、バイアル本体589内に維持され、バイアルアセンブリ580を越えて曝露されないことを確実にするために、バイアルアセンブリ580の安全機構としての役割を果たす。
【0043】
[0050]依然として
図4を参照すると、ストッパ594の2つ以上のリブ593は、追加的に、プランジャ584の並進運動に応答して、バイアル本体589内に格納された流体媒体をバイアル本体589内で1つまたは複数の方向に(例えば、キャップ590の方へ)押圧ように構成される。ストッパ594のリブ593がバイアル本体589の内部チャンバ588に対して押圧された状態で、プランジャ584の並進運動が、バイアル本体589の内部チャンバ588に対する、またこれに沿った、リブ593の並進運動をもたらし、その結果として、ストッパ594の前(すなわち、下)に位置するいかなる流体媒体も、プランジャ584およびストッパ594の進行の方向に、バイアル本体589内で効果的に再び向けられる。バイアルアセンブリ580は、バイアル本体589内に配設される環状座金596をさらに含む。特に、環状座金596は、ストッパ594に隣接してプランジャ584にしっかりと固定され、このストッパ594は、係合ヘッド582の反対側の終端においてプランジャ584に固着される。したがって、環状座金596は、プランジャ584に固着され、ストッパ594に隣接してバイアル本体589内に配設される。環状座金596がストッパ594に隣接してプランジャ584に固着されているため、環状座金596は、バイアル本体589内に効果的に配設される。
【0044】
[0051]これより
図5を参照すると、バッテリ572が十分な量の電力を含むこと、または他の電源がこれを提供することを決定することに応答して、1つまたは複数の送達管路が、1つまたは複数のポート556を介して摺動部アセンブリ540に結合される。特に、用量送達管路10Aは、送達ポート556Aにおいて摺動体540に結合され、造影剤導管10Bは、造影剤ポート556Bにおいて摺動体540に結合され、フラッシング導管10Cは、フラッシングポート556Cにおいて摺動体540に結合される。用量送達管路10Aの反対端は、最初、例えば、回収ボウルなどの流体リザーバに結合される。本明細書により詳細に説明されるように、一旦摺動体540が造影剤導管10Bを介して流体媒体によって効果的にプライムされると、用量送達管路10Aは、続いて、カテーテルなどの外部デバイスに結合され得る。フラッシング導管10Cの反対端は、例えば、注射器などの外部デバイスに結合される。用量送達管路10Aおよびフラッシング導管10Cの両方が摺動体540に結合された状態で、摺動体540は、フラッシング導管10Cに結合された注射器からの流体媒体(例えば、生理食塩水)でフラッシングされる。この場合、流体媒体は、フラッシング導管10Cを通って、摺動体540の遠位マニホールド555A内へ注入されて、用量送達管路10Aを通って摺動体540の外へ出る。したがって、流体媒体は、最終的には、用量送達管路10Aによって、回収ボウルに受容され、またそこに配置(または、そこで処理)される。
【0045】
[0052]摺動体540の遠位マニホールド555Aが、近位マニホールド555Bから、それらの間に配設される一方向弁553によって分離されているため、注射器から(フラッシングポート556Cを介して)遠位マニホールド555Aを通ってフラッシングされる流体媒体は、近位マニホールド555Bおよびそこに結合される針559を通過することを防がれる。むしろ、注射器からフラッシング導管10Cを通って注入される流体媒体は、フラッシングポート556Cにおいて受容され、フラッシングポート556Cと流体連通している遠位マニホールド555Aに通され、一方向弁553によって、用量送達管路10Aに結合される用量送達ポート556Aの方へ再び誘導される。この場合、用量送達管路10Aは、流体媒体を受容して、そこに結合された回収ボウルへ輸送し、その結果として、流体媒体は、一方向弁553を越えて、および針559と流体連通している近位マニホールド555B内へは、向けられない。
【0046】
[0053]造影剤導管10Bは、造影剤ポート556Bにおいて摺動体540に結合される。造影剤導管10Bの反対端は、例えば、装着デバイス538によりコンソールアセンブリ510に固着されるバッグなど、流体媒体供給部に結合される。本例では、バッグは、生理食塩水バッグであり、そのため、そこに格納される流体媒体は、生理食塩水である。この場合、プライミングアセンブリ560を含む摺動体540がバイアルチャンバ558内に位置付けられ、針端部が針559と流体連通している状態で、注射器は、プライミングアセンブリ560のプライミング導管562に流体的に結合され、注射器のプランジャは引き戻され、それによって、生理食塩水バッグから、造影剤導管10B、造影剤ポート556B、摺動体540、プライミング導管562を通じて、注射器内へと生理食塩水を引き入れる。注射器のプランジャは、その後、内向きに押されて、引き入れた生理食塩水を、プライミング導管562、中央本体部、細長シャフト、およびプライミングアセンブリ560の針端部を通じて反対方向に送り、その結果として、生理食塩水は、摺動体540の針559内へ受容される。したがって、摺動体540のマニホールド555A、555Bは、プライミングアセンブリ560から生理食塩水を受容した針559がマニホールド555A、555Bと流体連通しているため、注射器からの生理食塩水で効果的にプライムされる。マニホールド555A、555Bが送達ポート556Aを介して用量送達管路10Aとさらに流体連通しているため、生理食塩水は、用量送達管路10Aに結合された回収ボウルに効果的に供給される。
【0047】
[0054]これより
図5を参照すると、摺動体540は、1つまたは複数のポート556を介して1つまたは複数の外部デバイスに結合される。特に、摺動体540は、摺動体540の送達ポート556Aに結合される用量送達管路10Aを介してカテーテル(例えば、マイクロカテーテル)に流体的に結合される。この場合、カテーテルは、用量送達管路10Aを介して摺動体540と流体連通している。さらに、摺動体540は、例えば、装着デバイス538(
図1を参照されたい)を介してコンソールアセンブリ510に固着される生理食塩水バッグなど、造影剤源に流体的に結合され得る。摺動体540は、摺動体540の造影剤ポート556Bに結合される造影剤導管10Bを介して生理食塩水バッグと流体連通している。この場合、生理食塩水バッグは、造影剤ポート556Bに固着される造影剤導管10Bを介して摺動体540と流体連通している。
【0048】
[0055]造影剤ポート556Bは、近位マニホールド555Bと流体連通している一方、送達ポート556Aは、遠位マニホールド555Aと流体連通している。本明細書により詳細に説明されるように、造影剤ポート556Bが、近位マニホールド555Bから間に配設される一方向逆止弁553によって分離される遠位マニホールド555Aではなく、近位マニホールド555Bに結合されるため、生理食塩水バッグからの生理食塩水は、摺動体540の針559を通って、バイアルアセンブリ580のバイアル本体589内へ引き出され得る。
【0049】
[0056]再び
図1および
図3を参照すると、バイアルアセンブリ580が摺動体540にしっかりと結合された状態で、摺動体540は、摺動体540の近位端542をコンソールアセンブリ510の遠位端516の方へ、またその中へ並進させることによって、コンソールアセンブリ510に結合される。特に、摺動体540の近位端542は、摺動体540の位置決めリブ554をコンソールアセンブリ510の位置決め部534と位置合わせすることによって、コンソールアセンブリ510の摺動空間532内へ向けられる。一旦、摺動体540の遠位端544および近位端542がコンソールアセンブリ510の摺動空間532内に完全に密閉されると、取り外し可能なバッテリパック570の電気接点574(
図2)は、コンソールアセンブリ510の対応する電気接点511(
図1)と相互作用する。この場合、バッテリ572からの電力は、電気接点574を介してコンソールアセンブリ510に伝送され、それにより、送達デバイス500のコンソールアセンブリ510が作動する。この場合、コンソールアセンブリ510のインターフェースディスプレイ530が作動して、手技中、送達デバイス500に関する適切なリアルタイム情報を表示する。
【0050】
[0057]再び
図5を参照すると、バイアル係合機構520およびプランジャ584がバイアル収容領域518内で同時に並進されると、ストッパ594の引き込みに起因して、バイアル本体589の内部チャンバ588内に負圧が発生する。この場合、生理食塩水バッグが造影剤導管10Bおよび造影剤ポート556Bを介して摺動体540に結合された状態で、生理食塩水バッグからの生理食塩水は、近位マニホールド555Bおよび針559を通って、バイアル本体589の内部チャンバ588内へ引き込まれる。したがって、バイアル本体589に放射性流体媒体(例えば、放射線塞栓ミクロスフェア)が予め充填されている場合、生理食塩水は、プランジャ584が内部チャンバ588から引き込まれ、負圧が送達デバイス500を通じて発生すると、バイアル本体589内の放射性流体媒体と効果的に混合される。
【0051】
[0058]摺動体540は、造影剤導管10Bおよびフラッシング導管10Cに沿って一方向逆止弁553Aをさらに含む。特に、一方向逆止弁553Aは、造影剤ポート556Bおよびフラッシングポート556Cからマニホールド555A、555B内への流体連通を可能にするように構成され、マニホールド555A、555Bから造影剤ポート556Bおよびフラッシングポート556Cへの流体連通を防ぐようにさらに構成される。したがって、バイアル本体589からマニホールド555A、555Bへ送達される用量を造影剤導管10Bまたはフラッシング導管10C内へ向けることは、その中に位置付けられる一方向逆止弁553Aがあるため、不可能であるということを理解されたい。このように、用量は、用量送達ポート556Aへ向けられ、用量送達管路10Aによって流体的に結合されたカテーテルにおいて受容される。言い換えると、一方向逆止弁553Aは、摺動体540および/またはそこに結合されるバイアルアセンブリ580内への流体の逆流を防ぐ。
II.放射線閉じ込め(containment)実施形態
[0059]上に簡単に記述されるように、本明細書に説明される送達デバイス500は、アダプタ構成要素600を含み得、その実施形態および構成要素は、
図6~
図7に関して下により詳細に説明される。
図6は、送達デバイス500の送達管路を介して
図1の送達デバイス500に装着するためのアダプタ構成要素600を描写する。非限定的な例として、送達管路は、
図5の用量送達管路10Aであり得る。
図7は、閉じ込めバッグユニット700、700Aとして、アダプタ構成要素600のアクセサリ構成要素を描写する。閉じ込めバッグユニット700、700Aは、
図6のアダプタ構成要素600と接続するように構成される。
【0052】
[0060]アダプタ構成要素600は、混合微粒子溶液を患者に送達するための送達デバイス500などの微粒子材料送達アセンブリと共に使用される。アダプタ構成要素600は、コネクタポート602、カテーテルコネクタポート604、およびガイドワイヤコネクタポート606を含み得る。実施形態において、アダプタ構成要素600は、少なくとも一対のデバイスコネクタポート602A、602Bを含み得る。デバイスコネクタポート602、602A、602Bのうちの1つまたは複数は、一方向弁、ニードレス注入部位、または逆流を防ぐように構成される他の好適な構成要素を含み得る。実施形態において、ニードレス注入部位は、ルアー作動式の弁構成要素を装備し得る。ルアー作動式弁構成要素は、例えば、雄ルアーロックコネクタであり得る。そのような態様において、ニードレス注入部位は、雄ルアーの軸部によって開かれるルアー作動式の弁を含み、雄ルアーの軸部は、雌ルアーロックに一旦取り付けられると、流体が開いた弁を通って流れることを可能にする。各デバイスコネクタポート602は、混合微粒子溶液を受容するために、送達デバイス500の用量送達管路10Aなど、微粒子送達デバイスの対応する送達管路コネクタに接続するように構成され得る。アダプタ構成要素600の各デバイスコネクタポート602は、雌ルアー接続部または雄ルアー接続部のうちの一方を含み得、この雌ルアー接続部または雄ルアー接続部のうちの一方が、微粒子送達デバイス500の対応する送達管路コネクタの雄ルアー接続部または雌ルアー接続部のうちの、雌ルアー接続部または雄ルアー接続部のうちの一方とは逆のものに接続するように構成される。
【0053】
[0061]ガイドワイヤコネクタポート606は、閉じ込めバッグユニット700、700Aに接続するように構成され得る。閉じ込めバッグユニット700、700Aは、
図6~
図7に示されるように、閉じ込めバッグ704、704A内に配設されるガイドワイヤ702(
図7)を含み得る。ガイドワイヤコネクタポート606は、閉じ込めバッグユニット700、700Aに接続するように構成される止血弁を含み得る。止血弁は、ガイドワイヤ702を捕捉および/または再使用するときの放射線汚染の可能性を低下させながらガイドワイヤ702を捕捉するために、閉じ込めバッグ704、704Aとしての、永久または半永久接着された捕獲バッグに取り付けられ得る。
【0054】
[0062]カテーテルコネクタポート604は、用量送達管路10Aを介して混合微粒子溶液を患者に送達するために、マイクロカテーテルに接続するように構成され得る。カテーテルコネクタポート604は、雄ルアー接続部または雌ルアー接続部のうちの一方を備え、この雄ルアー接続部または雌ルアー接続部のうちの一方が、マイクロカテーテルの雌ルアー接続部または雄ルアー接続部のうちの、雄ルアー接続部または雌ルアー接続部のうちの一方とは逆のものに接続するように構成される。
【0055】
[0063]ガイドワイヤ702は、一対のデバイスコネクタポート602A、602Bのうちの少なくとも一方のコネクタポート602を微粒子送達デバイス500の送達管路コネクタ(例えば、用量送達管路10A)から切り離すことなく、マイクロカテーテルを患者内に位置付けるために、閉じ込めバッグユニット700、700A内へ後退する、およびそこから延出するように構成され得る。実施形態において、ガイドワイヤ702は、マイクロカテーテルを位置付けるために、ガイドワイヤコネクタポート606の止血弁を通じて、およびカテーテルコネクタポート604を通じて閉じ込めバッグユニット700、700A内へ後退する、およびそこから延出するように構成され得る。
【0056】
[0064]
図7を参照すると、閉じ込めバッグユニット700、700Aは、自然に偏向した形態にある丸まった(curled)構成を含み得る。閉じ込めバッグユニット700、700Aは、別の予め形成された偏向した形状であるフープ形状を含み得るか、またはそのような予め形成された形状を含むように製造されない場合がある。
【0057】
[0065]再び
図6を参照すると、アダプタ構成要素600は、1つまたは複数のキャップをさらに含み得る。1つまたは複数のキャップのうちの1つのキャップは、一対のデバイスコネクタポート602A、602Bのうちのデバイスコネクタポート602が微粒子送達デバイス500の送達管路コネクタ(例えば、用量送達管路10A)に接続されないときに、デバイスコネクタポート602の上に配設されるように構成され得る。複数の用量バイアルが、本明細書に説明されるように微粒子材料を患者に送達するために手技において使用される場合、アダプタ構成要素600は、送達デバイス500の別々の送達管路10Aをそれぞれアダプタ構成要素600の異なるコネクタポート602に接続するために使用され得る。
【0058】
[0066]ガイドワイヤコネクタポート606は、長手方向軸に沿ってカテーテルコネクタポート604と整列され得る。各デバイスコネクタポート600は、長手方向軸に対して角度付けされ得る。実施形態において、長手方向軸は、アダプタ構成要素600の上部分(top portion)と下部分(bottom portion)との間に配設され得る。一対のデバイスコネクタポート602A、602Bのうちの一方のデバイスコネクタポート602Aは、上部分に沿って長手方向軸から離れる第1の方向に向かって角度付けされ得る。一対のデバイスコネクタポート602A、602Bのうちの他方のデバイスコネクタポート602Bは、下部分に沿って長手方向軸から離れる第2の方向に向かって角度付けされ得る。第2の方向は、長手方向軸に対して第1の方向の反射角(mirror angle)であり得る。
【0059】
[0067]実施形態において、アダプタ構成要素600は、少なくとも一対のデバイスコネクタポート602A、602Bと、混合微粒子溶液を患者に送達するためにマイクロカテーテルに接続するように構成されるカテーテルコネクタポート604と、その中に配設されるガイドワイヤ702を含む閉じ込めバッグユニット700、700Aに接続するように構成されるガイドワイヤコネクタポート606とを含み得る。ガイドワイヤコネクタポート606は、閉じ込めバッグユニット700、700Aに接続するように構成される止血弁を含む。
【0060】
[0068]各デバイスコネクタポート602A、602Bは、混合微粒子溶液を受容するために、微粒子送達デバイス500の対応する送達管路コネクタ(例えば、対応する用量送達管路10A)に接続するように構成され得る。各デバイスコネクタポート602A、602Bは、微粒子送達デバイス500の対応する送達管路コネクタの雄ルアー接続部に接続するように構成される雌ルアー接続部を含み得る。
【0061】
[0069]ガイドワイヤ702は、一対のデバイスコネクタポート602A、602Bのうちの少なくとも一方を微粒子送達デバイス500の用量送達管路10Aなどの送達管路コネクタから切り離すことなく、マイクロカテーテルを患者内に位置付けるために、止血弁を通じて、およびカテーテルコネクタポート604を通じて閉じ込めバッグユニット700、700A内へ後退する、およびそこから延出するように構成される。
【0062】
[0070]混合微粒子溶液を患者に送達するための本明細書に説明されるような送達デバイス500などの微粒子材料送達アセンブリのためのアダプタ構成要素600を使用する方法は、混合微粒子溶液を受容するために、一対のデバイスコネクタポート602A、602Bのうちの少なくとも一方のコネクタポート602を、微粒子送達デバイス500の用量送達管路10Aなどの対応する送達管路コネクタに取り付けるステップを含み得る。本方法は、アダプタ構成要素600のガイドワイヤコネクタポート606を、その中に配設されるガイドワイヤ702を含む閉じ込めバッグユニット700、700Aに取り付けるステップをさらに含み得る。追加的に、本方法は、送達デバイス500の装着された用量送達管路10Aを通じて、混合微粒子溶液を患者に送達するために、アダプタ構成要素600のカテーテルコネクタポート604をマイクロカテーテルに取り付けるステップを含み得る。
【0063】
[0071]患者内に位置付けられたマイクロカテーテルを通じて送達デバイス500から微粒子を患者に送達するための手技の間、マイクロカテーテルはまず、ガイドワイヤ702の使用を通じて患者内に位置付けられ得る。次いで、ガイドワイヤ702は、微粒子の送達などの任意の流体注入または放射線塞栓療法の前に、除去される。用量送達管路10Aなどの放射性送達管路が一旦マイクロカテーテルに直接接続されると、ユーザは、典型的には、汚染のリスクに起因して切り離さない。複数の部位を治療するため、ユーザは、マイクロカテーテル全体(用量送達管路10Aに装着される)を除去し、新規のカテーテル(新規の用量送達管路10Aに装着される)によりアクセスを取り戻すが、これが手技費用および時間を増加させる。
【0064】
[0072]本明細書に説明されるアダプタ構成要素600は、微粒子の放射性用量が、用量送達管路10Aを通じて、およびマイクロカテーテルを通じて患者内へ注入された後であっても、送達デバイス500の用量送達管路10Aからのマイクロカテーテルのそのような切り離しを低減された汚染リスクで行うこと、および/または、そのような切り離しと共にもしくは無しに患者内のマイクロカテーテルの再位置付けを行うことを可能にするように構成される。故に、アダプタ構成要素600は、滅菌を確実にし得、また、手技中のカテーテル配置に関して1つまたは複数のガイドワイヤ交換作業の間の生物災害(biohazard)を低減する。
【0065】
[0073]実際、アダプタ構成要素600は、使用したガイドワイヤ702のマイクロカテーテル内への再挿入、ならびにマイクロカテーテルの再位置付けおよび/または新規治療部位への追跡を可能にする。一旦マイクロカテーテルが適所に置かれると、医師などのユーザは、ガイドワイヤ702を、例えば、プラスチックスリーブであり得る閉じ込めバッグユニット700、700A内へ移動させ得る。そのようなスリーブは、遠位端で閉じ、近位端では、カテーテルコネクタポート604を通じたガイドワイヤ702の位置付けが可能にされるように開き、ガイドワイヤ702の容易な動作および操作を可能にするためにガイドワイヤ702に接着されてよい。次いで、ユーザがガイドワイヤ702を再使用するつもりである場合、ユーザは、ガイドワイヤ702を止血弁(止血弁(hemostatic valve)とも言われる)に接続される閉じ込めバッグ704、704A内に収納したままにし得るか、または、ユーザは、閉じ込めバッグ704,704Aを止血弁から切り離し、自己接着性の遠位端により閉じ込めバッグ704、704Aを密閉してもよい。次いで、ユーザは、新規治療部位への新規用量の送達を可能にするために、新規の用量送達管路10Aをアダプタ構成要素600上の別のコネクタポート602に接続し得る。
III.態様リスト
[0074]態様1.混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子材料送達アセンブリのためのアダプタ構成要素は、少なくとも一対のデバイスコネクタポートを含み得、各デバイスコネクタポートは、混合微粒子溶液を受容するために微粒子送達デバイスの対応する送達管路コネクタに接続するように構成される。アダプタ構成要素は、閉じ込めバッグユニットに接続するように構成されるガイドワイヤコネクタポートであって、閉じ込めバッグユニットは、その中に配設されるガイドワイヤを含む、ガイドワイヤコネクタポートと、混合微粒子溶液を患者に送達するためにマイクロカテーテルに接続するように構成されるカテーテルコネクタポートとをさらに含み得る。ガイドワイヤは、一対のデバイスコネクタポートのうちの少なくとも一方を微粒子送達デバイスの送達管路コネクタから切り離すことなく、マイクロカテーテルを患者内に位置付けるために、閉じ込めバッグユニット内へ後退する、およびそこから延出するように構成され得る。
【0066】
[0075]態様2.一対のデバイスコネクタポートのうちの1つのデバイスコネクタポートが微粒子送達デバイスの送達管路コネクタに接続されないときに、上記デバイスコネクタポートの上に配設されるように構成されるキャップをさらに備える、態様1のアダプタ構成要素。
【0067】
[0076]態様3.各デバイスコネクタポートは、雌ルアー接続部または雄ルアー接続部のうちの一方を備え、この雌ルアー接続部または雄ルアー接続部のうちの一方が、微粒子送達デバイスの対応する送達管路コネクタの雄ルアー接続部または雌ルアー接続部のうちの、雌ルアー接続部または雄ルアー接続部のうちの一方とは逆のものに接続するように構成される、態様1または態様2のアダプタ構成要素。
【0068】
[0077]態様4.カテーテルコネクタポートは、雄ルアー接続部または雌ルアー接続部のうちの一方を備え、この雄ルアー接続部または雌ルアー接続部のうちの一方が、マイクロカテーテルの雌ルアー接続部または雄ルアー接続部のうちの、雄ルアー接続部または雌ルアー接続部のうちの一方とは逆のものに接続するように構成される、態様1~態様3のいずれかのアダプタ構成要素。
【0069】
[0078]態様5.ガイドワイヤコネクタポートは、閉じ込めバッグユニットに接続するように構成される止血弁を備える、態様1~態様4のいずれかのアダプタ構成要素。
[0079]態様6.ガイドワイヤは、マイクロカテーテルを位置付けるために、止血弁を通じて、およびカテーテルコネクタポートを通じて閉じ込めバッグユニット内へ後退する、およびそこから延出するように構成される、態様5のアダプタ構成要素。
【0070】
[0080]態様7.閉じ込めバッグユニットは、自然に偏向した形態にある丸まった構成を備える、態様1~態様6のいずれかのアダプタ構成要素。
[0081]態様8.ガイドワイヤコネクタポートは、長手方向軸に沿ってカテーテルコネクタポートと整列される、態様1~態様7のいずれかのアダプタ構成要素。
【0071】
[0082]態様9.各デバイスコネクタポートは、長手方向軸に対して角度付けされる、態様8のアダプタ構成要素。
[0083]態様10.長手方向軸は、上部分と下部分との間に配設され、一対のデバイスコネクタポートのうちの一方のデバイスコネクタポートは、上部分に沿って長手方向軸から離れる第1の方向に向かって角度付けされ、一対のデバイスコネクタポートのうちの他方のデバイスコネクタポートは、下部分に沿って長手方向軸から離れる第2の方向に向かって角度付けされる、態様1~態様9のいずれかのアダプタ構成要素。
【0072】
[0084]態様11.第2の方向は、長手方向軸に対して第1の方向の反射角である、態様10のアダプタ構成要素。
[0085]態様12.混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子材料送達アセンブリのためのアダプタ構成要素は、少なくとも一対のデバイスコネクタポートを含み得、各デバイスコネクタポートは、混合微粒子溶液を受容するために微粒子送達デバイスの対応する送達管路コネクタに接続するように構成され、各デバイスコネクタポートは、微粒子送達デバイスの対応する送達管路コネクタの雄ルアー接続部に接続するように構成される雌ルアー接続部を備える。アダプタ構成要素は、閉じ込めバッグユニットに接続するように構成されるガイドワイヤコネクタポートをさらに含み得、閉じ込めバッグユニットは、その中に配設されるガイドワイヤを含み、ガイドワイヤコネクタポートは、閉じ込めバッグユニットに接続するように構成される止血弁を備える。アダプタ構成要素は、混合微粒子溶液を患者に送達するためにマイクロカテーテルに接続するように構成されるカテーテルコネクタポートもさらに含み得る。ガイドワイヤは、一対のデバイスコネクタポートのうちの少なくとも一方を微粒子送達デバイスの送達管路コネクタから切り離すことなく、マイクロカテーテルを患者内に位置付けるために、止血弁を通じて、およびカテーテルコネクタポートを通じて閉じ込めバッグユニット内へ後退する、およびそこから延出するように構成され得る。
【0073】
[0086]態様13.一対のデバイスコネクタポートのうちの1つのデバイスコネクタポートが微粒子送達デバイスの送達管路コネクタに接続されないときに、上記デバイスコネクタポートの上に配設されるように構成されるキャップをさらに備える、態様12のアダプタ構成要素。
【0074】
[0087]態様14.カテーテルコネクタポートは、雄ルアー接続部または雌ルアー接続部のうちの一方を備え、この雄ルアー接続部または雌ルアー接続部のうちの一方が、マイクロカテーテルの雌ルアー接続部または雄ルアー接続部のうちの、雄ルアー接続部または雌ルアー接続部のうちの一方とは逆のものに接続するように構成される、態様12または態様13のいずれかのアダプタ構成要素。
【0075】
[0088]態様15.閉じ込めバッグユニットは、自然に偏向した形態にある丸まった構成を備える、態様12~態様14のいずれかのアダプタ構成要素。
[0089]態様16.ガイドワイヤコネクタポートは、長手方向軸に沿ってカテーテルコネクタポートと整列される、態様12~態様15のいずれかのアダプタ構成要素。
【0076】
[0090]態様17.各デバイスコネクタポートは、長手方向軸に対して角度付けされる、態様16のアダプタ構成要素。
[0091]態様18.長手方向軸は、上部分と下部分との間に配設され、一対のデバイスコネクタポートのうちの一方のデバイスコネクタポートは、上部分に沿って長手方向軸から離れる第1の方向に向かって角度付けされ、一対のデバイスコネクタポートのうちの他方のデバイスコネクタポートは、下部分に沿って長手方向軸から離れる第2の方向に向かって角度付けされる、態様17のアダプタ構成要素。
【0077】
[0092]態様19.第2の方向は、長手方向軸に対して第1の方向の反射角である、態様18のアダプタ構成要素。
[0093]態様20.混合微粒子溶液を患者に送達するための微粒子材料送達アセンブリのためのアダプタ構成要素を使用する方法は、混合微粒子溶液を受容するために、一対のデバイスコネクタポートのうちの少なくとも一方を微粒子送達デバイスの対応する送達管路コネクタに取り付けるステップと、ガイドワイヤコネクタポートを閉じ込めバッグユニットに取り付けるステップであって、閉じ込めバッグユニットは、その中に配設されるガイドワイヤを含む、ステップと、混合微粒子溶液を患者に送達するために、カテーテルコネクタポートをマイクロカテーテルに取り付けるステップと、を含み得る。本方法は、一対のデバイスコネクタポートのうちの少なくとも一方を微粒子送達デバイスの送達管路コネクタから切り離すことなく、マイクロカテーテルを患者内に位置付けるために、ガイドワイヤを閉じ込めバッグユニットに対して、後退させること、及び延出させることのうちの一方のステップをさらに含み得る。
【0078】
[0094]用語“実質的に”および“約”は、任意の数量比較、値、測定値、または他の表現に起因し得る不確実性の本質的な度合いを表すために本明細書では利用され得るということに留意されたい。これらの用語はまた、量的表現が、問題となっている主題の基本機能における変化を結果として生じることなく、記載した参照から変化し得る度合いを表すために本明細書では使用される。
【0079】
[0095]本開示を説明および規定する目的のため、用語“実質的に”は、任意の数量比較、値、測定値、または他の表現に起因し得る不確実性の本質的な度合いを表すために本明細書では使用されるということに留意されたい。用語“実質的に”もまた、量的表現が、問題となっている主題の基本機能における変化を結果として生じることなく、記載した参照から変化し得る度合いを表すために本明細書では使用される。そのようなものとして、それは、理論上は正確な一致または挙動を提示することが期待されるものの、実際には正確にはわずかに満たないものを具現し得る要素または特徴の配置に関して、任意の数量比較、値、測定値、または他の表現に起因し得る不確実性の本質的な度合いを表すために本明細書では使用される。
【0080】
[0096]特定の実施形態が本明細書に例証および説明されているが、様々な他の変更および修正が、特許請求された主題の趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得るということを理解されたい。さらには、特許請求された主題の様々な態様が本明細書に説明されているが、そのような態様は、組み合わせて利用される必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は、特許請求された主題の範囲内にあるすべてのそのような変更および修正を網羅することが意図される。
【国際調査報告】