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特表2024-5057145,6-ジドヒロチエノ[3,4-h]キナゾリン系化合物
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  • 特表-5,6-ジドヒロチエノ[3,4-h]キナゾリン系化合物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-07
(54)【発明の名称】5,6-ジドヒロチエノ[3,4-h]キナゾリン系化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 495/04 20060101AFI20240131BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20240131BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20240131BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
C07D495/04 105Z
C07D495/04 CSP
C07D519/00 301
A61K31/519
A61P35/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547663
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(85)【翻訳文提出日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2022074110
(87)【国際公開番号】W WO2022166725
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】202110172946.6
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110655630.2
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110864387.5
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111137961.3
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111473661.2
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BRIJ
(71)【出願人】
【識別番号】516304780
【氏名又は名称】メッドシャイン ディスカバリー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュウ ヤンヤン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ウェンタオ
(72)【発明者】
【氏名】タン ハイジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ドンカイ
(72)【発明者】
【氏名】スン ジクイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シューホイ
【テーマコード(参考)】
4C071
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C071AA01
4C071AA08
4C071BB01
4C071BB05
4C071CC02
4C071CC21
4C071EE13
4C071FF05
4C071GG01
4C071GG03
4C071GG10
4C071HH05
4C071HH11
4C071HH17
4C071HH28
4C071JJ01
4C071JJ05
4C071JJ06
4C071JJ08
4C071KK01
4C071LL01
4C072MM06
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB26
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA65
4C086NA14
4C086ZB26
(57)【要約】
一連の式(P)で表される5,6-ジドヒロチエノ[3,4-h]キナゾリン系化合物及びその薬学的に許容される塩を提供し、並びに固形腫瘍、例えば、選択性PLK1阻害剤に関連する固形腫瘍薬物の製造における、前記化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を開示する。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(P)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化1】
(ただし、
は、CR及びNから選択され、
は、CH及びNから選択され、
は、Hから選択され、
は、H、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキルチオ、S(=O)1-3アルキル、C2-3アルキニル、C3-5シクロアルキル、-O-C3-5シクロアルキル及び5員ヘテロアリールから選択され、前記C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキルチオ、S(=O)1-3アルキル、C2-3アルキニル、C3-5シクロアルキル、-O-C3-5シクロアルキル及び5員ヘテロアリールは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
は、C1-4アルキル、ピペラジニル及び7~9員ヘテロシクロアルキルから選択され、前記C1-4アルキル、ピペラジニル及び7~9員ヘテロシクロアルキルは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
は、C1-3アルキル及びC1-3アルコキシから選択され、前記C1-3アルキル及びC1-3アルコキシは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
は、H及びOHから選択され、
或いは、R及びRと連結された原子と環を形成し、構造フラグメント
から選択され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I、OH及びOCHから選択され、
各Rは、それぞれ独立して=O、C1-3アルキル、C1-4アルキルアミノ及びヘテロシクロブチルから選択され、前記C1-3アルキル、C1-4アルキルアミノ及びヘテロシクロブチルは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br及びIから選択され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I及びOHから選択され、
前記「ヘテロシクロブチル」及び「7~9員ヘテロシクロアルキル」のヘテロ原子は、N、O及びSから選択される。)
【請求項2】
は、H、CN、SCH、SCHCH、SCH(CH、S(=O)CH、OCH、OCHCH、OCH(CH、CH、CHCH、CH(CH、シクロプロピル、
から選択され、前記SCH、SCHCH、SCH(CH、S(=O)CH、OCH、OCHCH、OCH(CH、CH、CHCH、CH(CH、シクロプロピル、
は、任意選択で1、2又は3つのRにより置換される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
は、H、CN、SCH、SCHCHOH、S(=O)CH、OCHCH、OCHCHOH、OCHCHOCH、CH、CHCHOH、CHOCH、シクロプロピル、
から選択される、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
は、=O、CH、CHCH、N(CH及び
から選択され、前記CH、CHCH及びN(CHは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
は、=O、CH、CHCHOH、N(CH及び
から選択される、請求項4に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
は、CHCHCH
から選択され、前記CHCHCH
は、任意選択で1、2又は3つのRにより置換される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
は、
から選択される、請求項1、4~6のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
は、CH、OCH、OCHF及びOCFから選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
下記の式から選択される、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化2】
(ただし、R及びRは、請求項1~8のいずれか1項に定義された通りである。)
【請求項10】
下記の式から選択される、化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化3】
【化4】
【請求項11】
固形腫瘍を治療するための医薬の製造における、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項12】
選択性PLK1阻害剤に関連する固形腫瘍を治療する薬物の製造における、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項13】
前記固形腫瘍は結直腸癌を指す、請求項11又は12に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は下記の優先権を主張する:
CN202110172946.6、出願日は:2021年02月08日であり、
CN202110655630.2、出願日は:2021年06月11日であり、
CN202110864387.5、出願日は:2021年07月29日であり、
CN202111137961.3、出願日は:2021年09月27日であり、
CN202111473661.2、出願日は2021年11月29日である。
【0002】
本発明は、一連の5,6-ジドヒロチエノ[3,4-h]キナゾリン系化合物に関し、具体的には、式(P)で表される化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
【背景技術】
【0003】
ポロ様キナーゼ(polo-like kinases、PLK)は、高度に保存されたセリン/スレオニンプロテインキナーゼの一種であり、そのN末端には、いずれも相同性の高いセリン/スレオニンキナーゼドメインを有し、C末端には、いずれもPLKs活性及び亜細胞内動的局在を制御するPoloボックスドメイン(polobox domain、PBD)を有する。PLKsファミリーにはメンバーが多く、人体内ではPLK1、PLK2、PLK3及びPLK4の4つのサブタイプがあり、それらは細胞周期の各段階の制御においていずれも重要な役割を果たしている。これらの4つのファミリーメンバーの中で、PLK1が現在最も徹底的に研究されている。従って、PLK1は腫瘍の診断と治療において広く注目されている標的である。
【0004】
Cardiff Oncology(旧Trovagene)は、Nervianoからの許可を受けて、onvansertib(PCM-075;NMS-P937;nms-1286937;NMS-937)を、マル酸塩として開発し、経口投与系Poloキナーゼ様リード(Plk)-1阻害剤である。Onvansertibは、適応症として転移性結腸直腸癌(mCRC)、固形腫瘍、急性骨髄性白血病(AML)、転移性去勢抵抗性前立腺癌を含む、潜在的な経口癌治療薬である。PLK1は、ほとんどの癌で過剰発現される強力な治療標的であり、Onvansertibは、新規な、高選択性を有するPLK1阻害剤である。
【0005】
PLK1阻害剤であるOnvansertibは、臨床研究に入った最初のPLK1阻害剤であり、初期臨床研究の結果では、KRAS突然変異mCRC患者の88%に臨床上の利点があることが示されており、臨床試験における許容可能な安全性が実証され、KRASG12C阻害剤と比べて、PLK1阻害剤はCRC患者においてより高い奏効率を示し、且つすべてのKRAS突然変異サブタイプに対して有効である。CRCは肺癌、乳癌に次ぐ3番目に大きな悪性腫瘍であり、2018年の世界市場で約250億米ドルがかかり、腫瘍の治療に高活性、高選択性、安定した代謝を備えた小分子PLK1阻害剤を見つけることが重要である。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、式(P)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【化1】
ただし、
は、CR及びNから選択され、
は、CH及びNから選択され、
は、Hから選択され、
は、H、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキルチオ、S(=O)1-3アルキル、C2-3アルキニル、C3-5シクロアルキル、-O-C3-5シクロアルキル及び5員ヘテロアリールから選択され、前記C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキルチオ、S(=O)1-3アルキル、C2-3アルキニル、C3-5シクロアルキル、-O-C3-5シクロアルキル及び5員ヘテロアリールは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
は、C1-4アルキル、ピペラジニル及び7~9員ヘテロシクロアルキルから選択され、前記C1-4アルキル、ピペラジニル及び7~9員ヘテロシクロアルキルは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
は、C1-3アルキル及びC1-3アルコキシから選択され、前記C1-3アルキル及びC1-3アルコキシは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
は、H及びOHから選択され、
或いは、R及びRはそれらに連結された原子と環を形成し、構造フラグメント
から選択され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I、OH及びOCHから選択され、
各Rは、それぞれ独立して=O、C1-3アルキル、C1-4アルキルアミノ及びヘテロシクロブチルから選択され、前記C1-3アルキル、C1-4アルキルアミノ及びヘテロシクロブチルは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br及びIから選択され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I及びOHから選択され、
前記「ヘテロシクロブチル」及び「7~9員ヘテロシクロアルキル」のヘテロ原子は、N、O及びSから選択される。
【0007】
本発明の一部の形態において、前記Rは、H、CN、SCH、SCHCH、SCH(CH、S(=O)CH、OCH、OCHCH、OCH(CH、CH、CHCH、CH(CH、シクロプロピル、
から選択され、前記SCH、SCHCH、SCH(CH、S(=O)CH、OCH、OCHCH、OCH(CH、CH、CHCH、CH(CH、シクロプロピル、
は、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0008】
本発明の一部の形態において、前記Rは、H、CN、SCH、SCHCHOH、S(=O)CH、OCHCH、OCHCHOH、OCHCHOCH、CH、CHCHOH、CHOCH、シクロプロピル、
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0009】
本発明の一部の形態において、前記Rは、=O、CH、CHCH、N(CH及び
から選択され、前記CH、CHCH及びN(CHは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0010】
本発明の一部の形態において、前記Rは、=O、CH、CHCHOH、N(CH及び
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0011】
本発明の一部の形態において、前記Rは、CHCHCH
から選択され、前記CHCHCH
は、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0012】
本発明の一部の形態において、前記Rは、
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0013】
請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩であって、ここで、Rは、CH、OCH、OCHF及びOCFから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0014】
本発明は、式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【化2】
ただし、
は、CR及びNから選択され、
は、CH及びNから選択され、
は、Hから選択され、
は、H、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキルチオ、S(=O)1-3アルキル、C2-3アルキニル、C3-5シクロアルキル、-O-C3-5シクロアルキル及び5員ヘテロアリールから選択され、前記C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキルチオ、S(=O)1-3アルキル、C2-3アルキニル、C3-5シクロアルキル、-O-C3-5シクロアルキル及び5員ヘテロアリールは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
は、C1-4アルキル、ピペラジニル及び7~9員ヘテロシクロアルキルから選択され、前記C1-4アルキル、ピペラジニル及び7~9員ヘテロシクロアルキルは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
は、C1-3アルキル及びC1-3アルコキシから選択され、前記C1-3アルキル及びC1-3アルコキシは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
或いは、R及びRはそれらに連結された原子と環を形成し、構造フラグメント
から選択され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I、OH及びOCHから選択され、
各Rは、それぞれ独立して=O、C1-3アルキル、C1-4アルキルアミノ及びヘテロシクロブチルから選択され、前記C1-3アルキル、C1-4アルキルアミノ及びヘテロシクロブチルは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br及びIから選択され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I及びOHから選択され、
前記「ヘテロシクロブチル」及び「7~9員ヘテロシクロアルキル」のヘテロ原子は、N、O及びSから選択される。
【0015】
本発明の一部の形態において、前記Rは、H、CN、SCH、SCHCH、SCH(CH、S(=O)CH、OCH、OCHCH、OCH(CH、CH、CHCH、CH(CH、シクロプロピル、
から選択され、前記SCH、SCHCH、SCH(CH、S(=O)CH、OCH、OCHCH、OCH(CH、CH、CHCH、CH(CH、シクロプロピル、
は、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、前記Rは、H、CN、SCH、SCHCHOH、S(=O)CH、OCHCH、OCHCHOH、OCHCHOCH、CH、CHCHOH、CHOCH、シクロプロピル、
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0016】
本発明の一部の形態において、前記Rは、CH、CHCH、N(CH及び
から選択され、前記CH、CHCH及びN(CHは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0017】
本発明の一部の形態において、前記Rは、CH、CHCHOH、N(CH及び
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0018】
本発明の一部の形態において、前記Rは、CHCHCH
から選択され、前記CHCHCH
は、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0019】
本発明の一部の形態において、前記Rは、
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0020】
本発明の一部の形態において、前記Rは、CH、OCH、OCHF及びOCFから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0021】
本発明は、式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【化3】
ただし、
は、CR及びNから選択され、
は、CH及びNから選択され、
は、Hから選択され、
は、H、CN、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキルチオ及びC3-5シクロアルキルから選択され、前記C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3アルキルチオ及びC3-5シクロアルキルは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
は、C1-4アルキル、ピペラジニル及び7~9員ヘテロシクロアルキルから選択され、前記C1-4アルキル、ピペラジニル及び7~9員ヘテロシクロアルキルは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
は、C1-3アルキル及びC1-3アルコキシから選択され、前記C1-3アルキル及びC1-3アルコキシは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
或いは、R及びRはそれらに連結された原子と環を形成し、構造フラグメント
から選択され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I、CH及びCFから選択され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I、OH及びOCHから選択され、
各Rは、それぞれ独立して=O、C1-3アルキル、C1-4アルキルアミノ及びヘテロシクロブチルから選択され、前記C1-3アルキル、C1-4アルキルアミノ及びヘテロシクロブチルは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br及びIから選択され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I及びOHから選択され、
前記「ヘテロシクロブチル」及び「7~9員ヘテロシクロアルキル」のヘテロ原子は、N、O及びSから選択される。
【0022】
本発明の一部の形態において、前記Rは、H、CN、SCH、SCHCH、SCH(CH、OCH、OCHCH、OCH(CH、CH、CHCH、CH(CH及びシクロプロピルから選択され、前記SCH、SCHCH、SCH(CH、OCH、OCHCH、OCH(CH、CH、CHCH、CH(CH及びシクロプロピルは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0023】
本発明の一部の形態において、前記Rは、H、CN、SCH、SCHCHOH、OCHCH、OCHCHOH、CH、CHCHOH、CHOCH及びシクロプロピルから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0024】
本発明の一部の形態において、前記Rは、CH、CHCH、N(CH及び
から選択され、前記CH、CHCH及びN(CHは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0025】
本発明の一部の形態において、前記Rは、CH、CHCHOH、N(CH及び
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0026】
本発明の一部の形態において、前記Rは、CHCHCH
から選択され、前記CHCHCH
は、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0027】
本発明の一部の形態において、前記Rは、
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0028】
本発明の一部の形態において、前記Rは、CH、OCH、OCHF及びOCFから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0029】
本発明は、式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【化4】
ただし、
は、CR及びNから選択され、
は、CH及びNから選択され、
は、Hから選択され、
は、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びC1-3アルキルチオから選択され、前記C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びC1-3アルキルチオは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
は、C1-4アルキル及びピペラジニルから選択され、前記C1-4アルキル及びピペラジニルは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
は、C1-3アルキル及びC1-3アルコキシから選択され、前記C1-3アルキル及びC1-3アルコキシは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
或いは、R及びRはそれらに連結された原子とピロリジニルを形成し、前記ピロリジニルは、任意選択で
により置換され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I、CH及びCFから選択され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I及びOHから選択され、
各Rは、それぞれ独立してC1-3アルキル、C1-4アルキルアミノ及びヘテロシクロブチルから選択され、前記C1-3アルキル、C1-4アルキルアミノ及びヘテロシクロブチルは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br及びIから選択され、
各Rは、それぞれ独立してF、Cl、Br、I及びOHから選択され、
前記ヘテロシクロブチルのヘテロ原子は、N、O及びSから選択される。
本発明の一部の形態において、前記Rは、SCH、SCHCH、SCH(CH、OCH、OCHCH、OCH(CH、CH、CHCH及びCH(CHから選択され、前記SCH、SCHCH、SCH(CH、OCH、OCHCH、OCH(CH、CH、CHCH及びCH(CHは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0030】
本発明の一部の形態において、前記Rは、SCH、SCHCHOH、OCHCH及びCHCHOHから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0031】
本発明の一部の形態において、前記Rは、CH、CHCH、N(CH及び
から選択され、前記CH、CHCH及びN(CHは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0032】
本発明の一部の形態において、前記Rは、CH、CHCHOH、N(CH及び
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0033】
本発明の一部の形態において、前記Rは、CHCHCH及び
から選択され、前記
は、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0034】
本発明の一部の形態において、前記Rは、
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0035】
本発明の一部の形態において、前記Rは、CH、OCH及びOCFから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0036】
本発明の一部の形態において、前記R及びRはそれらに連結された原子とピロリジ
ニルを形成し、構造フラグメント
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0037】
本発明の一部の形態において、前記化合物又はその薬学的に許容される塩は、下記の式から選択される。
【化5】
ただし、R及びRは、本発明で定義された通りである。
【0038】
本発明の一部の形態において、前記化合物又はその薬学的に許容される塩は、その化合物が下記の式から選択される。
【化6】
ただし、R及びRは、本発明で定義された通りである。
【0039】
本発明の一部の形態において、前記Rは、C1-3アルコキシ、C1-3アルキルチオ及び-O-C3-5シクロアルキルから選択され、前記C1-3アルコキシ、C1-3アルキルチオ及び-O-C3-5シクロアルキルは、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0040】
本発明の一部の形態において、前記Rは、SCH、SCHCH、SCH(CH、OCH、OCHCH、OCH(CH及び
から選択され、前記SCH、SCHCH、SCH(CH、OCH、OCHCH、OCH(CH及び
は、任意選択で1、2又は3つのRにより置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0041】
本発明の一部の形態において、前記Rは、SCH、SCHCHOH、OCHCH、OCHCHOH、OCHCHOCH及び
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
【0042】
本発明の一部の形態において、前記Rは、CH及びCHCHOHから選択される。
【0043】
本発明はまた、式(P-3)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【化7】
ただし、
は、本発明で定義された通りであり、
は、O及びSから選択され、
は、C1-3アルキル及びC3-5シクロアルキルから選択される。
【0044】
本発明の一部の形態において、前記Rは、CH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、シクロプロピル及びシクロブチルから選択される。
【0045】
本発明の更なる一部の形態は、上記の変量を任意に組み合わせすることによって得られる。
【0046】
本発明はまた、下記の式で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、その化合物は、下記の式から選択される。
【化8】
【化9】
【0047】
本発明は、固形腫瘍を治療するための医薬の製造における、前記化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0048】
本発明はまた、選択性PLK1阻害剤に関連する固形腫瘍を治療する医薬の製造における、前記化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0049】
本発明の一部の形態において、前記固形腫瘍は、結直腸癌である。
【0050】
定義及び説明
別途に説明しない限り、本明細書で用いられる以下の用語及び連語は以下の意味を含む
。一つの特定の用語又は連語は、特別に定義されない場合、不確定又は不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。本明細書で商品名が出た場合、相応の商品又はその活性成分を指す。
【0051】
本明細書で用いられる「薬学的許容される」は、それらの化合物、材料、組成物及び/又は剤形に対するもので、これらは信頼できる医学判断の範囲内にあり、ヒト及び動物の組織との接触に適し、毒性、刺激性、アレルギー反応又はほかの問題又は合併症があまりなく、合理的な利益/リスク比に合う。
【0052】
用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明の化合物の塩で、本発明で発見された特定の置換基を有する化合物と比較的に無毒の酸又は塩基とで製造される。本発明の化合物に比較的に酸性の官能基が含まれる場合、単独の溶液又は適切な不活性溶媒において十分な量の塩基でこれらの化合物と接触することで塩基付加塩を得ることができる。薬学的許容される塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミン又はマグネシウム塩あるいは類似の塩を含む。本発明で化合物に比較的塩基性の官能基が含まれる場合、単独の溶液又は、適切な不活性溶媒において十分な量の酸でこれらの化合物と接触することで酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の実例は、無機酸塩及び有機酸塩、更にアミノ酸(例えばアルギニンなど)の塩、及びグルクロン酸のような有機酸の塩を含み、上記無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素イオン、リン酸、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸、硫酸水素イオン、ヨウ化水素酸、亜リン酸などを含み、上記有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸やメタンスルホン酸などの類似の酸を含む。本発明の一部の特定的の化合物は、塩基性及び酸性の官能基を含有するため、任意の塩基付加塩又は酸付加塩に転換することができる。
【0053】
本発明の薬学的許容される塩は、酸基又は塩基性基を含む母体化合物から通常の方法で合成することができる。通常の場合、このような塩の製造方法は、水又は有機溶媒或いは両者の混合物において、遊離酸又は塩基の形態のこれらの化合物を化学量論量の適切な塩基又は酸と反応させて製造する。
【0054】
本発明の化合物は、特定の幾何又は立体異性体の形態が存在してもよい。本発明は、全てのこのような化合物を想定し、シス及びトランス異性体、(-)-及び(+)-エナンチオマー、(R)-及び(S)-エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、及びそのラセミ混合物並びに他の混合物、例えばエナンチオマー又は非エナンチオマーを多く含有する混合物を含み、全てのこれらの混合物は本発明の範囲内に含まれる。アルキル等の置換基に他の不斉炭素原子が存在してもよい。全てのこれらの異性体及びこれらの混合物はいずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0055】
用語「任意」また「任意に」は後記の事項又は状況によって可能であるが必ずしも現れるわけではなく、且つ当該記述はそれに記載される事項又は状況が生じる場合によってその事項又は状況が生じない場合を含むことを意味する。
【0056】
用語「置換された」は特定の原子における任意の一つ又は複数の水素原子が置換基で置換されたことで、特定の原子価状態が正常でかつ置換後の化合物が安定していれば、置換基は重水素及び水素の変形体を含んでもよい。置換基がケト基(即ち=O)である場合、2つの水素原子が置換されたことを意味する。ケト基置換は、芳香族基で生じない。用語「任意に置換される」は、置換されてもよく、置換されなくてもよく、別途に定義しない限り、置換基の種類と数は化学的に安定して実現できれば任意である。
【0057】
変量(例えばR)のいずれかが化合物の組成又は構造に1回以上現れた場合、その定義はいずれの場合においても独立である。そのため、例えば、一つの基が0~2個のRで置換された場合、上記基は任意に2個以下のRで置換され、且ついずれの場合においてもRは独立して選択肢を有する。また、置換基及び/又はその変形体の組み合わせは、このような組み合わせであれば安定した化合物になる場合のみ許容される。
【0058】
連結基の数が0の場合、例えば、-(CRR)-は、当該連結基が単結合であることを意味する。
そのうち一つの変量が単結合の場合、それで連結する2つの基が直接連結し、例えばA-L-ZにおけるLが単結合を表す場合、この構造は実際にA-Zになる。
【0059】
特に明記しない限り、ある基が一つ以上の結合可能な部位を有する場合、該基の任意の一つ以上の部位は、化学結合によって他の基に結合することができる。該化学結合の結合方式が非局在であり、且つ結合可能な部位にH原子が存在する場合、化学結合を結合すると、該部位のH原子の個数は、結合された化学結合の個数に応じて相応の価数の基に減少する。基が縮合環、スピロ環又は架橋環構造であり、当該縮合環、スピロ環又は架橋環構造が非局在化学結合を介して他の基に接続されている場合、当該縮合環、スピロ環又は架橋環のいずれか1つ又は複数の位置は化学結合によって他の基に連結されることができる。前記部位が他の基と結合する化学結合は、直線実線結合(
)、直線破線結合(
)、又は波線(
)で表すことができる。例えば、-OCHの直線実線結合は、該基の酸素原子を介して他の基に結合されていることを意味する。
中の直線の破線結合は、該基内の窒素原子の両端が他の基に結合されていることを意味する。
中の波線は、当該フェニル基の部位1と2の炭素原子を介して他の基に結合されていることを意味する。
は、当該ピペリジニル基の任意の結合可能な部位が1つの化学結合によって他の基に結合できることを意味し、少なくとも
の4つの結合形態を含み、H原子が-N-に描かれていても、
この結合形態の基が含まれるが、1つの化学結合が接続されると、その部位のHは1つ減少して対応する一価ピペリジン基になり、
は、当該の任意の結合可能な部位が1つの化学結合によって他の基に結合できることを意味し、少なくとも
の8つの結合形態を含む。
【0060】
別途に定義しない限り、Cn-n+m又はC-Cn+mはn~n+m個の炭素の任意の1つの具体的な様態を含み、例えば、C1-12はC、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、及びC12を含み、n~n+mのうちの任意の一つの範囲も含み、例えば、C1-12はC1-3、C1-6、C1-9、C3-6、C3-9、C3-12、C6-9、C6-12、及びC9-12等を含む。同様に、n員~n+m員は環における原子数がn~n+m個であることを表し、例えば、3~12員環は3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、8員環、9員環、10員環、11員環、及び12員環を含み、n~n+mのうちの任意の1つの範囲も含み、例えば、3~12員環は3~6員環、3~9員環、5~6員環、5~7員環、6~7員環、6~8員環、及び6~10員環等を含む。
【0061】
別途に定義しない限り、用語、「7~9員のヘテロシクロアルキル」自体又は他の用語と組み合わせて7~9個の環原子で構成された飽和環状基であり、その1、2、3及び4
個の環原子は独立してO、S及びNのヘテロ原子から選ばれ、残りは炭素原子である。窒素原子が任意に四級化されており、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化される(即ち、NO及びS(O)、pは1又は2である。)。それは、単環式及び二環式環系を含み、ここで、二環式環系にはスピロ環、縮合環及び架橋環が含まれる。更に、「7~9員ヘテロシクロアルキル」に関して、ヘテロ原子はヘテロシクロアルキルと分子他の部分の連結位置を占めることができる。前記7~9員ヘテロシクロアルキルは、7員、8員及び9員ヘテロシクロアルキルを含む。7~9員ヘテロシクロアルキルの実例には、
などを含むが、これらに限定されない。
【0062】
別途に定義しない限り、「C3-5シクロアルキル」は3~5個の炭素原子から構成された環状飽和炭化水素基であり、それは単環式環系を表し、上記C3-5シクロアルキルにはC3-4又はC4-5シクロアルキルなどが含まれ;それは1価、2価又は多価であってもよい。C3-5シクロアルキルの実例はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルなどを含むが、これらに限定されない。
【0063】
別途に定義しない限り、本発明の用語「5員ヘテロアリール環」と「5員ヘテロアリール」は交換的に使用することができ、用語「5員ヘテロアリール」は5個の環原子で構成された共役π電子系を持つ単環式基であり、その1、2、3及び4個の環原子は独立してO、S及びNのヘテロ原子から選ばれ、残りは炭素原子である。ここで、窒素原子は任意に四級化されており、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化される(即ち、NO及びS(O)p、pは1又は2である)。5員ヘテロアリールは、ヘテロ原子又は炭素原子を通して分子の他の部分に連結される。5員ヘテロアリールの実例は、ピロリル(N-ピロリル、2-ピロリル、及び3-ピロリルなどを含む)、ピラゾリル(2-ピラゾリル及び3-ピラゾリルなどを含む)、イミダゾリル(N-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリルな及び5-イミダゾリルなどを含む)、オキザゾリル(2-オキサゾリル、4-オキサゾリル及び5-オキザゾリルなどを含む)、トリアゾリル(1H-1、2、3-トリアゾリル、2H-1、2、3-トリアゾリル、1H-1、2、4-トリアゾリル及び4H-1、2、4-トリアゾリルなど)、テトラゾリル、イソキサゾリル(3-イソキサゾリル、4-イソキサゾリル及び5-イソキサゾリルなど)、チアゾリル(2-チアゾリル、4-チアゾリル及び5-チアゾリルなどを含む)、フラニル(2-フラニル及び3―フラニルなどを含む)、チエニル(2-チエニル及び3-チエニルなどを含む)を含むが、これらに限定されない。
【0064】
別途に定義しない限り、用語「C1-4アルキルアミノ」はアミノを介して分子の残り部分に連結した1~4個の炭素原子を含むアルキル基を表す。上記C1-4アルキルアミノにはC1-3、C1-2、C2-4、C、CとCアルキルアミノなどが含まれる。C1-4アルキルアミノの実例には、-NHCH、-N(CH、-NHCHCH、-N(CH)CHCH、-N(CHCH)(CHCH)、-NHCHCHCH、-NHCH(CH、-NHCHCHCHCHなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
別途に定義しない限り、用語「C1-3アルコキシ」は酸素原子を介して分子の残り部分に連結した1~3個の炭素原子を含むアルキル基を表す。前記C1-3アルコキシは、C1-2、C2-3、C及びCアルコキシなどが含まれる。C1-3アルコキシの実例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(n―プロポキシ又はイソプロポキシを含む)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0066】
別途に定義しない限り、用語「C1-3アルキルチオ」は硫黄原子を介して分子の残り部分に連結した1~3個の炭素原子を含むアルキル基を表す。前記C1-3アルキルチオは、C1-3、C1-2及びCアルキルチオなどを含む。C1-3アルキルチオの実例には、-SCH、-SCHCH、-SCHCHCH、-SCH(CHなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0067】
別途に定義しない限り、用語「C1-4アルキル」は直鎖又は分枝鎖の1~4個の炭素原子で構成された飽和炭化水素基を表す。前記C1-4アルキルにはC1-2、C1-3とC2-3アルキルなどが含まれ、それは1価(例えばメチル)、2価(例えばメチレン)及び多価(例えばメチン)であってもよい。C1-4アルキルの実例は、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(n-プロピル及びイソプロピルを含む)、ブチル(n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチルを含む)などを含むが、これらに限定されない。
【0068】
別途に定義しない限り、用語「C1-3アルキル」は直鎖又は分枝鎖の1~3個の炭素原子で構成された飽和炭化水素基を表す。前記C1-3アルキルにはC1-2とC2-3アルキル基などが含まれ、それは1価(例えばメチル)、2価(例えばメチレン)及び多価(例えばメチン)であってもよい。C1-3アルキルの実例には、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(n-プロピル及びイソプロピルを含む)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0069】
別途に定義しない限り、「C2-3アルキニル」は直鎖又は分枝鎖の少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む2~3個の炭素原子で構成された飽和炭化水素基を表し、炭素-炭素三重結合は基中の任意の位置にあってもよい。それは一価、二価又は多価であってもよい。上記C2-3アルキニルは、C及びCアルキニルが含まれる。C2-3アルキニルの実例はエチニル、プロピニルなどを含むが、これらに限定されない。
【0070】
本発明の化合物は当業者に熟知の様々な合成方法によって製造することができ、以下に挙げられた具体的な実施形態、他の化学合成方法と合わせた実施形態及び当業者に熟知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
【0071】
本発明の化合物の構造は、当業者に周知の従来の方法によって確認することができ、本発明が化合物の絶対配置に関する場合、絶対配置は、当業者の従来の技術的手段によって確認することができる。例えば、単結晶X線回折(SXRD)、培養単結晶はBruker D8 venture回折計によって収集され、光源はCuKα放射線、走査方法:φ/ω走査、関連データを収集した後、更に直接法は(Shelxs97)結晶構造解析により、絶対配置を確認できる。
本発明に使用されたすべての溶媒は市販品から得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1】ヒト結腸癌HCT-116細胞皮下異種移植腫瘍モデルのin vivo薬力学研究の腫瘍体積図である。
図2】ヒト結腸癌HCT-116細胞皮下異種移植腫瘍モデルのin vivo薬力学研究の体重変化図である。
【0073】
技術の効果
本発明の化合物は、PLK1に対してより優れた阻害効果を有し、且つPLK1を選択的に阻害することができ、細胞増殖に対してより優れた阻害活性を示し、in vivo薬効研究において有意な抗腫瘍効果を示し、動物に良好な耐薬性を示している。本発明の
化合物は、良好な薬物動態学的特性を有している。
【発明を実施するための形態】
【0074】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の不利な制限を意味するものではない。本発明は本明細書で詳細に説明されており、その特定の実施形態も開示されており、当業者にとって、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の特定の実施形態において様々な変更及び修正を行うことができることは明らかである。
【0075】
実施例1
【化10】
【0076】
ステップ1:化合物1-2の合成
化合物1-1(500mg、1.85mmol、1eq)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解させ、20℃でtert-ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(966.93mg、5.55mol、3eq)を加え、添加完了後、90℃に昇温させ12時間反応させ、LCMSで原料の消失を検出した後、20℃に冷却させ、オイルポンプで減圧濃縮して溶媒を除去して化合物1-2を得、当該粗生成物を直接に次のステップの反応に使用した。
【0077】
化合物1-2の特性:
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.30 (t, J = 7.04 Hz, 3 H), 2.51 (s, 3 H), 2.78 - 2.82 (m, 2 H), 3.05 (s, 6 H), 3.07 - 3.11 (m, 2 H), 4.25 (q, J = 7.04 Hz, 2 H), 7.52 (s, 1 H)。
【0078】
ステップ2:化合物1-4の合成
化合物1-2(180mg、553.09μmol、1eq)及び化合物1-3(193.05mg、608.40μmol、1.1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)に順次に溶解させ、110℃に昇温させて20時間反応させ、LCMSで原料1-2の消失を検出した後、水(20mL)を加えて反応系を希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせ、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾液を濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、粗生成物を薄層ク
ロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン:メタノール=20:1)で分離して化合物1-4を得た。
【0079】
化合物1-4の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 580.17 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.46 - 1.50 (m, 3 H), 2.30 (s, 3 H), 2.53 (s, 4 H), 2.58 - 2.62 (m, 3 H), 2.66 - 2.70 (m, 2 H), 3.09 - 3.32 (m, 6 H), 4.25 - 4.29 (m,
2 H), 6.35 - 6.45 (m, 1 H), 7.03 - 7.07
(m, 1 H), 7.24 (s, 1 H), 8.21 (s, 1 H),
8.32 - 8.36 (m, 1 H)。
【0080】
ステップ3:化合物1の合成
化合物1-4(90mg、155.26μmol、1eq)をテトラヒドロフラン(1mL)に溶解させ、0℃に冷却させ、塩化アンモニウム(49.83mg、931.59μmol、6.0eq)を加え、1Mの濃度のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドテトラヒドロフラン溶液(1.55mL、10eq)を加え、添加完了後、25℃に昇温させ、当該温度で2時間反応させた。エタノール(2mL)を加えて反応をクエンチングさせ、減圧濃縮して溶媒を除去して粗生成物を得、粗生成物を分取HPLC(HPLC製造方法:Phenomenex分取クロマトグラフ;カラム:C18 80×40mm×3μm;移動相A:0.05%のアンモニア水を含む水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:38%~68%、8分間実行。)で分離・精製して化合物1を得た。
【0081】
化合物1の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 551.15 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 2.22 (s, 3 H), 2.43 - 2.46 (m, 4 H), 2.54 (s, 3 H), 2.72 - 2.76 (m, 2 H), 3.08 - 3.18 (m, 6 H), 6.68 - 6.73 (m, 1 H), 7.15 - 7.21 (m,
1 H), 7.44 (s, 2 H), 7.48 - 7.54 (m, 1 H), 8.33 (s, 1 H), 8.48 (s, 1 H)。
【0082】
実施例2
【化11】
【0083】
ステップ1:化合物2-2の合成
ナトリウムtert-ブトキシド(127.13mg、1.32mmol、2eq)をテトラヒドロフラン(1.6mL)に溶解させ、20℃でエタノール(154μL、1.32mmol、1.9eq)を加え、30分間撹拌した後反応系を0℃に冷却させ、化合物2-1(200mg、661.45μmol、1eq)を加え、添加完了後、1時間反応を続け、反応完了後、水(20mL)を加えて反応をクエンチングさせ、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、有機相を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:石油エーテル:酢酸エチル=4:1)で精製して化合物2-2を得た。
【0084】
化合物2-2の特性:
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.38 - 1.42 (m, 3 H), 1.62 - 1.67 (m, 3 H), 2.02 - 2.14 (m, 2 H), 2.49 - 2.60 (m, 2 H), 3.20 - 3.27 (m, 2 H), 4.34 - 4.38 (m, 4 H)。
【0085】
ステップ2:化合物2-3の合成
化合物2-2(80mg、298.14μmol、1eq)をテトラヒドロフラン(0.5mL)に溶解させ、tert-ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(156.4mg、894.10μmol、3eq)を加え、90℃に昇温させて12時間反応させた。反応完了後20℃に冷却させ、オイルポンプで減圧濃縮して溶媒を除去して化合物2-3を得、当該粗生成物を直接に次のステップの反応に使用した。
【0086】
化合物2-3の特性:
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.26 - 1.32 (m, 3 H), 1.45 - 1.52 (m, 3 H), 2.73 - 2.76 (m, 2 H), 3.00 - 3.07 (m, 8 H), 4.19 - 4.25 (m, 4 H), 7.51 (s, 1 H)。
【0087】
ステップ3:化合物2-4の合成
化合物2-3(10mg、30.92μmol、1eq)及び化合物1-3(8.33mg、26.26μmol、0.849eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(0.5mL)に順次に溶解させ、110℃に昇温させて12時間反応させ、反応完了後、水(2mL)を加えて反応系を希釈し、酢酸エチル(2mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(3mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得、粗生成物を薄層クロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン:メタノール=20:1)で分離して化合物2-4を得た。
【0088】
化合物2-4の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 578.20 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.30 - 1.33 (m, 3 H), 1.45 - 1.50 (m, 3 H), 2.30 (s, 3 H), 2.53 (s, 4 H), 2.68 - 2.72 (m, 2 H), 3.15 - 3.25 (m, 6 H), 4.25 - 4.29 (m,
4 H), 4.36 - 4.43 (m , 1 H), 7.01 - 7.08 (m, 1 H), 7.24 (s, 1 H), 8.21 (s, 1 H), 8.30 - 8.37 (m, 1 H)。
【0089】
ステップ4:化合物2の合成
化合物2-4(80mg、138.50μmol、1eq)をテトラヒドロフラン(0.5mL)に溶解させ、塩化アンモニウム(45mg、831.00μmol、6eq)を加えて反応系を0℃に冷却させ、1Mの濃度のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドテトラヒドロフラン溶液(1.39mL、1.39mmol、10eq)をゆっくりと滴下し、添加完了後、20℃にゆっくりと昇温させ、当該温度で2時間反応させ、エタノール(3mL)を加えて反応をクエンチングさせ、減圧濃縮して溶媒を除去して粗生成物を得、粗生成物を分取HPLC(高速液体製造方法:Phenomenex分取クロマトグラフ;カラム:C18 80×40mm×3μm;移動相A:0.05%のアンモニア水を含む水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:36%~66%、8分間実行。)で分離・精製して化合物2を得た。
【0090】
化合物2の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 549.19 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.27 - 1.37 (m, 3 H), 2.22 (s, 3 H), 2.34 (s, 3 H), 2.68 (s, 2 H), 3.04 - 3.20 (m, 7 H), 4.19
- 4.26 (m, 2 H), 6.67 (s, 1 H), 7.17 (s, 1 H), 7.35 (s, 2 H), 7.84 (s, 1 H), 8.16 - 8.24 (m, 1 H), 8.32 (s, 1 H)。
【0091】
実施例3
【化12】
【0092】
ステップ1:化合物3-2の合成
化合物2-1(450mg、1.49mmol、1eq)をエタノール(5mL)に溶
解させ、2-メルカプトエタノール(151.17mg、1.93mmol、134.97μL、1.3eq)及びトリエチルアミン(301.19mg、2.98mmol、414.29μL、2eq)を加え、20℃で2時間撹拌した。反応系に水(10mL)を加えて希釈し、更に酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~70:30)で精製して化合物3-2を得た。
【0093】
化合物3-2の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) = 301.0 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 4.30 - 4.39 (m, 2 H), 3.99 - 4.05 (m, 2 H), 3.26 - 3.34 (m, 2 H), 3.17 - 3.24 (m, 2 H), 2.53 - 2.61 (m, 2 H), 2.06 - 2.11 (m, 2 H), 1.34 - 1.42 (m, 3 H)。
【0094】
ステップ2:化合物3-3の合成
化合物3-2(260mg、865.53μmol、1eq)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解させ、tert-ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(452.54mg、2.60mmol、536.18μL、3eq)を加え、80℃で16時間撹拌した。反応系を20℃に冷却させ、更に反応系に水(20mL)を加えて希釈し、次に、酢酸エチル(10mL)を加えて撹拌し、濾過し、ケーキをエタノール(10mL)で0.5時間スラリー化させ、濾過し、ケーキをオイルポンプで減圧濃縮して残留物を除去して化合物3-3を得た。
【0095】
化合物3-3の特性:
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.65 (s, 1 H), 4.28 - 4.37 (m, 2 H), 3.88 - 3.98 (m, 2 H), 3.21 - 3.28 (m, 2 H), 3.15 - 3.20 (m, 2 H), 3.14 (s, 6 H), 2.82 - 2.91 (m,
2 H), 1.32 - 1.43 (m, 3 H)。
【0096】
ステップ3:化合物3-4の合成
化合物3-3(300mg、843.95μmol、1eq)をN,N-ジメチルアミノホルムアミド(5mL)に溶解させ、化合物1-3(267.79mg、843.95μmol、1eq)を加え、110℃で16時間撹拌した。反応系に飽和食塩水(15mL)を加え、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~90:10)で精製して化合物3-4を得た。
【0097】
化合物3-4の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 610.20 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.29 (s, 1 H), 7.88 - 7.93 (m, 1 H), 7.15 - 7.22 (m, 1 H), 6.66 - 6.76 (m, 1 H), 4.29 - 4.36 (m, 2 H), 3.79 - 3.89 (m, 2 H), 3.26 - 3.30 (m, 6 H), 3.21 - 3.25 (m, 4 H), 2.78
- 2.85 (m, 2 H), 2.69 (s, 3 H), 2.39 - 2.44 (m, 2 H), 1.33 - 1.39 (m, 3 H)。
【0098】
ステップ4:化合物3-5の合成
化合物3-4(100mg、164.02μmol、1eq)をジクロロメタン(2mL)に溶解させ、トリエチルアミン(24.90mg、246.03μmol、34.24μL、1.5eq)及び4-ジメチルアミノピリジン(2.00mg、16.40μmol、0.1eq)を加え、次にtert-ブチルジメチルシリルクロリド(29.67mg、196.82μmol、24.12μL、1.2eq)を加え、20℃で20時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して乾燥させて粗生成物を得、粗生成物を薄層クロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン/メタノール=10:1)で分離・精製して化合物3-5を得た。
【0099】
化合物3-5の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 724.30 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.29 (s, 1 H), 7.94 - 8.00 (m, 1 H), 7.12 - 7.20 (m, 1 H), 6.65 - 6.73 (m, 1 H), 4.27 - 4.36 (m, 2 H), 3.91 - 3.99 (m, 2 H), 3.25 - 3.29 (m, 6 H), 3.21 - 3.25 (m, 2 H), 2.78
- 2.87 (m, 2 H), 2.60 - 2.70 (m, 4 H), 2.37 (s, 3 H), 1.32 - 1.40 (m, 3 H), 0.84 (s, 9 H), -0.01 (s, 6 H)。
【0100】
ステップ5:化合物3-6の合成
化合物3-5(70mg、96.69μmol、1eq)をテトラヒドロフラン(1mL)に溶解させ、塩化アンモニウム(31.03mg、580.16μmol、6eq)を加え、次に0℃に冷却させ、1Mの濃度のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドテトラヒドロフラン溶液(966.93μL、10eq)を加え、20℃に昇温させ4時間撹拌した。反応系に水(5mL)を加え、次に、酢酸エチル(5mL×3)を加えて抽出し、分離し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して溶媒を除去して化合物3-6を得た。
【0101】
化合物3-6の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 695.20 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.29 (s, 1 H), 7.99 - 8.03 (m, 1 H), 7.14 - 7.21 (m, 1 H), 6.64 - 6.71 (m, 1 H), 3.90 - 3.96 (m, 2 H), 3.24 - 3.29 (m, 6 H), 3.21 - 3.24 (m, 2 H), 2.79 - 2.86 (m, 2 H), 2.58
- 2.65 (m, 4 H), 2.37 (s, 3 H), 0.84 (s, 9 H), -0.02 (s, 6 H)。
【0102】
ステップ6:化合物3の合成
化合物3-6(60mg、86.34μmol、1eq)をテトラヒドロフラン(0.5mL)溶液に溶解させ、次に、1Mのフッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液(172.69μL、2eq)を加え、得られた反応溶液を20℃で2時間撹拌した。反応系に水(10mL)を加えて洗浄し、次に、酢酸エチル(10mL×3)を加えて抽出し、分離し、有機相を合わせた後無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(高速液体製造方法:Waters
Xbridge BEH分取クロマトグラフ;カラム:C18 100×30mm×10μm;移動相A:10mMの炭酸水素アンモニウム水溶液(0.05%のアンモニア水
を含む)、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:25%~55%、8分間実行。)で分離・精製して化合物3を得た。
【0103】
化合物3の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 581.30 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 8.43 (s, 1 H), 8.32 (s, 1 H), 7.40 - 7.48 (m, 3 H),
7.13 - 7.20 (m, 1 H), 6.68 - 6.75 (m, 1
H), 5.02 - 5.09 (m, 1 H), 3.63 - 3.71 (m, 2 H), 3.12 - 3.17 (m, 4 H), 3.04 - 3.11 (m, 4 H), 2.71 - 2.76 (m, 2 H), 2.42 - 2.46 (m, 4 H), 2.07 (s, 3 H)。
【0104】
実施例4
【化13】
【0105】
ステップ1:化合物4-2の合成
化合物4-1(10g、45.87mmol、1eq)をジクロロメタン(300mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(8.90g、68.89mmol、12.00mL、1.50eq)及びクロロメチルメチルエーテル(4.47g、55.52mmol、4.22mL、1.21eq)を加え、20℃で4時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して乾燥させた後粗生成物に水(150mL)及びジクロロメタン(150mL)を加え、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~90:10)で分離・精製して化合物4-2を得た。
【0106】
化合物4-2の特性は下記の通りである:
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 3.53 (s, 3 H), 5.29 (s, 2 H), 7.20 - 7.28 (m, 1 H), 7
.61 (s, 1 H), 7.92 - 7.99 (m, 1 H)。
【0107】
ステップ2:化合物4-3の合成
化合物4-2(2g、7.63mmol、1eq)をトルエン(12mL)及びジメチルスルホキシド(4mL)に溶解させ、更にN-メチルモルホリン(1.15g、11.45mmol、1.27mL、1.5eq)、炭酸セシウム(7.46g、22.90mmol、3eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(139.77mg、152.64μmol、0.02eq)、(S)-(-)-2,2-ビス(ジ-p-トリルホスフィノ)-1,1-ビナフチル(207.22mg、305.28μmol、0.04eq)を順次に加え、窒素ガスで保護し、90℃で16時間撹拌した。反応溶液を珪藻土を敷いた漏斗で濾過し、酢酸エチル(150mL)でケーキを濯ぎ、濾液を減圧濃縮して溶媒を乾燥させた後、粗生成物に酢酸エチル(50mL)及び飽和食塩水(50mL)を加え、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~98:2)で分離・精製して化合物4-3を得た。
【0108】
化合物4-3の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =282.0 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 2.37 (s, 3 H), 2.55 - 2.61 (m, 4 H), 3.14 - 3.24 (m, 4 H), 3.53 (s, 3 H), 5.20 (s, 2 H), 7.09
(s, 1 H), 7.22 - 7.26 (m, 1 H), 7.30 -7.36 (m, 1 H)。
【0109】
ステップ3:化合物4-4の合成
化合物4-3(950mg、3.38mmol、1eq)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、次に、メタノール(8.4mL)及び12Mの濃塩酸(1.6mL、5.69eq)を加え、15℃で16時間撹拌した。35℃に昇温させ、8時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を乾燥させて化合物4-4の塩酸塩を得た。
【0110】
化合物4-4の塩酸塩の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =238.1 [M+H]
【0111】
ステップ4:化合物4-5の合成
化合物4-4の塩酸塩(400mg、1.46mmol、1eq)をジクロロメタン(8mL)に溶解させ、氷浴で0℃に冷却させた後、水酸化カリウム(491.95mg、8.77mmol、6eq)及び水(2.4mL)の混合溶液を加え、0℃で(ブロモジフルオロメチル)トリメチルシラン(605.72mg、2.92mmol、2eq)を加え、20℃で16時間撹拌した。反応溶液にジクロロメタン(5mL)及び水(5mL)を加えて抽出し、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物を薄層クロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン/メタノール=10:1)で分離して化合物4-5を得た。
【0112】
化合物4-5の特性は下記の通りである:
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 2.44 - 2.54 (m, 3 H), 2.67 - 2.84 (m, 4 H), 3.37 (s, 4 H), 6.26 - 6.75 (m, 1 H), 7.06 - 7.10 (m, ,1 H), 7.26 (s, 1 H), 7.30- 7.40 (m,
1 H)。
【0113】
ステップ5:化合物4-6の合成
マイクロアルゴンガスの環境で10%の純度の湿式パラジウム炭素(50mg)、メタノール(5mL)及び化合物4-5(30mg、104.43μmol、1eq)を順次に加え、反応溶液を水素ガス(15psi)条件で15℃の温度で2時間反応させた。反応溶液を直接に濾過し、濾液を減圧濃縮して溶媒を乾燥させて化合物4-6を得た。
【0114】
化合物4-6の特性は下記の通りである:
H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 2.92 (s, 3 H), 3.05 - 3.71 (m, 8 H), 6.26 -6.32 (m, 1
H), 6.36 - 6.78 (m, 2 H), 6.91 -6.95 (m, 1 H)。
【0115】
ステップ6:化合物4-7の合成
化合物4-6(18mg、69.96μmol、1eq)を6Mの塩酸水溶液(180.00μL、15.44eq)に溶解させ、次に、アミノニトリル(61.92mg、1.40mmol、61.92μL、20eq)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応溶液に水(5mL)及びジクロロメタン(5mL)を加え、分離し、水相に更に水酸化ナトリウム固体を加えて水相のpHを12を超えるように調節し、酢酸エチル(5mL×2)を加えて抽出し、分離し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて化合物4-7を得た。
【0116】
化合物4-7の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =300.1 [M+H]
【0117】
ステップ7:化合物4-8の合成
化合物1-2(20mg、44.68μmol、2.4eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(0.5mL)に溶解させ、次に、化合物4-7(6.26mg、18.62μmol、1eq)を加え、反応溶液を110℃の温度で12時間撹拌して反応させた。反応溶液に飽和食塩水(5mL)及び水(5mL)を加え、更に酢酸エチル(5mL×6)で抽出し、分離し、有機相を合わせ、有機相を飽和食塩水(5mL×6)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(高速液体製造方法:Phenomenex分取クロマトグラフ;カラム:C18 75×30mm×3μm;移動相A:0.1%の炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:55%~85%、12分間実行。)で分離・精製して化合物4-8を得た。
【0118】
化合物4-8の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =562.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 1.20- 1.28 (m, 3 H), 2.36 (s, 3 H), 2.58 - 2.65 (m, 7
H), 2.80 -2.86 (m, 2 H), 3.19 - 3.26 (m, 4 H), 3.25 -3.30 (m, 2 H), 4.30 -4.36 (m, 2 H), 6.69 -6.73 (m, 2 H), 7.04 - 7.13 (m, 1 H), 8.00 -8.05 (m, 1 H), 8.28 (s, 1 H)。
【0119】
ステップ8:化合物4の合成
化合物4-8(2mg、3.56μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(1mL)に溶解させ、塩化アンモニウム(38.09mg、712.17μmol、200e
q)及び1Mの濃度のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドテトラヒドロフラン溶液(1.42mL、400eq)を加え、20℃で3時間撹拌した。反応溶液にメタノール(5mL)を加えてクエンチングさせ、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(高速液体製造方法:Waters Xbridge BEH分取クロマトグラフ;カラム:C18 100×25mm×5μm;移動相A:0.1%の炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:20%~55%、10分間実行。)で分離・精製して化合物4を得た。
【0120】
化合物4の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =533.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 2.36 (s, 3 H), 2.59 - 2.69 (m, 5 H), 2.82 -2.86 (m, 2
H), 3.11 - 3.27 (m, 8 H), 6.50 - 6.93 (m, 2 H), 7.05 - 7.25 (m, 1 H), 8.03 (d, J=2.86 Hz, 1 H), 8.29 (s, 1 H)。
【0121】
実施例5
【化14】
【0122】
ステップ1:化合物5-2の合成
化合物5-1(2g、8.26mmol、1eq)をトルエン(20mL)に溶解させ、N-メチルピペラジン(827.81mg、8.26mmol、916.73μL、1.00eq)、ナトリウムtert-ブトキシド(1.19g、12.40mmol、1.5eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(378.41mg、413.23μmol、0.05eq)及び(R)-(+)-2,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1-ビナフタレン(257.31mg、413.23μmol、0.05eq)を加え、窒素ガスで保護し、80℃で16時間撹拌した。反応溶液に水(5mL)を加えてクエンチングさせ、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わ
せ、有機相を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で精製して化合物5-2を得た。
【0123】
化合物5-2の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) = 262.30 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.07 - 8.14 (m, 1 H), 7.32 - 7.39 (dd, J = 9.2 Hz, 1 H), 6.57 - 6.67 (d, J = 9.2 Hz, 1 H), 3.52 - 3.61 (t, J = 5.2 Hz, 4 H), 2.46 - 2.58 (t, J = 5.2 Hz, 4 H), 2.36 (s, 3 H)。
【0124】
ステップ2:化合物5-3の合成
-78℃で窒素ガスの保護下で、化合物5-2(500mg、1.91mmol、1eq)をテトラヒドロフラン(5mL)溶液に溶解させ、2Mのジイソプロピルアミドリチウムテトラヒドロフラン溶液(1.44mL、1.5eq)を加え、得られた反応溶液を-78℃で2時間撹拌し、次に、ヨード(728.65mg、2.87mmol、1.5eq)の無水テトラヒドロフラン(2mL)溶液を加え、反応溶液を-78℃で2時間撹拌して反応させ、次に、反応系を80℃に昇温させ16時間撹拌した。反応系に水(10mL)を加えて反応をクエンチングさせ、酢酸エチル(15mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で精製して化合物5-3を得た。
【0125】
化合物5-3の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 388.00 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.99 - 8.06 (m, 1 H), 7.09 (s, 1 H), 3.55 - 3.67 (m, 4 H), 2.48 - 2.65 (m, 4 H), 2.40 (s, 3 H)。
【0126】
ステップ3:化合物5-4の合成
化合物1-2(300mg、921.81μmol、1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解させ、炭酸グアニジン(415.20mg、2.30mmol、2.5eq)を加え、110℃で3時間撹拌した。反応溶液に水(10mL)を加え、0.5時間撹拌し、濾過し、ケーキをメタノール(10mL)で濯ぎ、次に、オイルポンプで残留物を減圧除去して化合物5-4を得た。
【0127】
化合物5-4の特性:
LCMS: m/z (ESI) =321.90 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 8.13 (s, 1 H), 6.31 - 6.39 (m, 2 H), 4.22 - 4.31 (m, 2 H), 3.14 - 3.21 (m, 2 H), 2.65 - 2.72 (m, 2 H), 2.61 (s, 3 H), 1.25 - 1.33 (m, 3 H)。
【0128】
ステップ4:化合物5-5の合成
化合物5-4(49.81mg、154.98μmol、1eq)を1,4-ジオキサン(2mL)に溶解させ、窒素ガスの保護下でトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラ
ジウム(14.19mg、15.50μmol、0.1eq)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(8.97mg、15.50μmol、0.1eq)、炭酸セシウム(100.99mg、309.97μmol、2eq)、化合物5-3(60mg、154.98μmol、1eq)を加え、100℃で3時間撹拌した。反応溶液に水(10mL)を加えてクエンチングさせ、次に、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で精製して化合物5-5を得た。
【0129】
化合物5-5の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 581.20 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.40 -1.46 (m, 3 H), 2.38 (3 H), 2.53 - 2.65 (m, 4 H), 2.67 (s, 3 H), 2.83 -2.86 (m, 2 H), 3.23 - 3.37 (m, 6 H), 4.35 -4.39 (m, 2 H),
6.50 - 6.55 (m, 1 H), 7.12 -7.16 (m, 1 H), 8.24 -8.30 (m, 1 H), 8.30 (s, 1 H)。
【0130】
ステップ5:化合物5の合成
化合物5-5(90mg、155.00μmol、1eq)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解させ、塩化アンモニウム(49.75mg、930.00μmol、6eq)を加え、窒素ガスの保護下で0℃で、1Mの濃度のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドテトラヒドロフラン溶液(3.10mL、20eq)を加え、20℃で3時間撹拌した。反応系に水(10mL)を加えて反応をクエンチングさせ、次に、酢酸エチル(15mL×3)を加えて抽出し、分離し、有機相を合わせ、有機相を減圧濃縮して粗生成物を得、粗生成物を分取HPLC(HPLC製造方法:Waters Xbridge BEH 分取クロマトグラフ;カラム:C18 100×30mm×10μm;移動相A:
10mMの炭酸水素アンモニウム水溶液(0.05%のアンモニア水を含む)、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:30%~60%、8分間実行。)で分離・精製して化合物5を得た。
【0131】
化合物5の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 552.20 [M+H]
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ:8.77 (s, 1 H), 8.48 (s, 1 H), 8.02 - 8.06 (m, 1 H), 7.70
(s, 1 H), 7.47 (s, 2 H), 3.45 - 3.53 (m, 4 H), 3.10 - 3.19 (m, 2 H), 2.77 - 2.84 (m, 2 H), 2.61 (s, 3 H), 2.36 - 2.41 (m, 4 H), 2.20 (s, 3 H)。
【0132】
実施例6
【化15】
【0133】
ステップ1:化合物6-2の合成
炭酸カリウム(51.77g、374.58mmol、2eq)をジメチルスルホキシド(200mL)に溶解させ、次に、化合物6-1(21g、187.29mmol、1eq)を加え、20℃で10分間撹拌し、二硫化炭素(15.69g、206.02mmol、12.45mL、1.1eq)を加え、20℃で10分間撹拌し、次に、0℃でブロモ酢酸エチル(31.28g、187.29mmol、20.71mL、1eq)及びヨウ化メチル(26.58g、187.29mmol、11.66mL、1eq)の混合溶液を加え、温度を15~20℃に制御し、滴下完了後20℃で1時間撹拌した。反応溶液に水(500mL)及び飽和食塩水(300mL)を加え、酢酸エチル(500mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせ、飽和食塩水(500mL)で洗浄し、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~90:10)で精製して生成物を得た後、更にメチルtert-
ブチルエーテル(15mL)で1時間スラリー化させ、濾過し、ケーキを収集して化合物6-2を得た。
【0134】
化合物6-2の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =343.0 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.28 - 1.34 (m, 3 H), 1.34 - 1.42 (m, 3 H), 1.92 - 2.16 (m, 2 H), 2.48 - 2.68 (m, 2 H), 3.18 - 3.26 (m, 2 H), 3.86 (s, 2 H), 4.18 - 4.44 (m, 4 H)。
【0135】
ステップ2:化合物6-3の合成
マイクロアルゴンガスの環境でラネーニッケル(5.20g、60.70mmol、4.00eq)及びエタノール(150mL)を加え、次に、化合物6-2(5.2g、15.19mmol、1eq)を加え、反応溶液を水素ガス(50psi)の条件で30℃で48時間反応させた。反応溶液を珪藻土を敷いた漏斗に通し、ケーキをエタノール(800mL)で濯ぎ、濾液を減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~90:10)で精製して生成物を得、生成物をメチルtert-ブチルエーテル(20mL)に溶解させた後、更に石油エーテル(30mL)を加え、1時間スラリー化させた後濾過し、ケーキを収集して化合物6-3を得た。
【0136】
化合物6-3の特性は下記の通りである:
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.40 -1.50 (m, 3 H), 1.96 - 2.24 (m, 2 H), 2.41 - 2.75 (m, 2 H), 3.23 -3.26 (m, 2 H), 4.34 - 4.40 (m, 2 H), 8.29 (s, 1 H)。
【0137】
ステップ3:化合物6-4の合成
化合物6-3(1g、4.46mmol、1eq)を無水エタノール(20mL)に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム(280mg、7.40mmol、1.66eq)を加え、20℃で2時間撹拌した。反応溶液に水(10mL)を加えた後、1Mの希塩酸水溶液でpHを6に調節した後、溶媒が減少しなくなるまで減圧濃縮し、粗生成物に水(10mL)及び飽和食塩水(10mL)を加え、酢酸エチル(40mL×2)で抽出し、分離し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~90:10)で精製して化合物6-4を得た。
【0138】
化合物6-4の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =209.1 [M-17]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.34 - 1.40 (m, 3 H), 1.54 - 1.83 (m, 3 H), 1.92 - 2.12 (m, 2 H), 3.03 - 3.09 (m, 2 H), 4.33 -4.38 (m, 2 H), 4.74 - 4.87 (m, 1 H), 7.53 (s, 1 H)。
【0139】
ステップ4:化合物6-5の合成
化合物6-4(8g、35.35mmol、1eq)をジクロロメタン(110mL)に溶解させ、次に、塩化アセチル(11.10g、141.41mmol、10.09mL、4eq)及び4-ジメチルアミノピリジン(431.90mg、3.54mmol、
0.1eq)、ピリジン(13.98g、176.76mmol、14.27mL、5eq)を加え、20℃で2時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して溶媒を原体積の1/3にさせた後、水(30mL)を加え、分離し、有機相を水(30mL)で洗浄して分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~85:15)で精製して化合物6-5を得た。
【0140】
化合物6-5の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =209.0 [M-59]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.37 -1.40 (m, 3 H), 1.78 - 2.01 (m, 4 H), 2.08 (s, 3
H), 2.76 - 3.30 (m, 2 H), 4.33 -4.38 (m, 2 H), 5.93 -6.00 (m, 1 H), 7.52 (s, 1 H)。
【0141】
ステップ5:化合物6-6の合成
化合物6-5(3.1g、11.55mmol、1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(31mL)に溶解させ、次に、N-ブロモスクシンイミド(6.37g、35.81mmol、3.1eq)を加え、50℃16時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(50mL)及び飽和食塩水(50mL)を加え、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~95:5)で精製して化合物6-6を得た。
【0142】
化合物6-6の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =286.9,288.9 [M-59]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.31 - 1.40 (m, 3 H), 1.71 - 1.89 (m, 3 H), 2.09 (s, 3 H), 2.19 (s, 1 H), 2.64 - 2.79 (m, 1 H), 3.29 - 3.49 (m, 1 H), 4.32 -4. 39 (m,
2 H), 5.86 - 6.20 (m, 1 H)。
【0143】
ステップ6:化合物6-7の合成
化合物6-6(3.7g、10.66mmol、1eq)をエタノール(37mL)に溶解させ、次に、炭酸カリウム(1.47g、10.66mmol、1eq)を加え、40℃で16時間撹拌した後、60℃に昇温させて4時間撹拌した。反応溶液を濾過した後エタノール(500mL)でケーキを濯ぎ、濾液を収集し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~90:10)で精製して化合物6-7を得た。
【0144】
化合物6-7の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =286.9,288.8 [M-17]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.36 -1.42 (m, 3 H), 1.77 - 1.80 (m, 4 H), 2.02 - 2.20 (m, 1 H), 2.61 - 2.81 (m, 1 H), 3.24 -
3.44 (m, 1 H), 4.32 -4.40 (m, 2 H), 4.88 -4.93 (m, 1 H)。
【0145】
ステップ7:化合物6-8の合成
化合物6-7(1.76g、5.77mmol、1eq)をジクロロメタン(30mL
)に溶解させ、次に、クロロクロム酸ピリジニウム(3.73g、17.30mmol、3eq)及び酢酸ナトリウム(1.42g、17.30mmol、3eq)を加え、20℃で2時間撹拌した。反応溶液を珪藻土を敷いた漏斗に通して濾過し、酢酸エチル(50mL)及びジクロロメタン(50mL)で濯ぎ、次に、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~80:20)で精製して化合物6-8を得た。
【0146】
化合物6-8の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =302.9,304.9 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.38 - 1.42 (m, 3 H), 2.10 -2.15 (m, 2 H), 2.59 - 2.65 (m, 2 H), 3.27 -3.30 (m, 2 H), 4.35 - 4.40 (m, 2 H)。
【0147】
ステップ8:化合物6-10の合成
反応フラスコに化合物6-8(203mg、669.59μmol、1eq)、化合物6-9(332.79mg、1.34mmol、2eq)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,6-ジイソプロポキシ-1,1-ビフェニル(62.49mg、133.92μmol、0.2eq)、ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)クロリド(17.37mg、66.96μmol、0.1eq)、炭酸セシウム(654.49mg、2.01mmol、3eq)を加え、次に、水(1mL)及びtert-ブタノール(1mL)の混合溶液を加え、窒素ガスで保護した後、100℃で16時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(100mL)、飽和食塩水(50mL)及び水(50mL)を加え、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~90:10)で精製して化合物6-10を得た。
【0148】
化合物6-10の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =375.0 [M+Na]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.38 -1.43 (m, 3 H), 1.54 - 1.57 (m, 6 H), 2.07 - 2.10
(m, 2 H), 2.47 - 2.62 (m, 2 H), 3.23 -3.30 (m, 2 H), 3.59 -3.62 (m, 6 H), 4.34 -4.37 (m, 2 H), 4.66 -4.70 (m, 1 H)。
【0149】
ステップ9:化合物6-11の合成
化合物6-10(283mg、802.96μmol、1eq)をエタノール(10mL)に溶解させ、p-トルエンスルホン酸一水和物(158.48mg、833.15μmol、1.04eq)を加え、20℃で1時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~80:20)で精製して化合物6-11を得た。
【0150】
化合物6-11の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =268.9 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.38 - 1.41 (m, 3 H), 1.80 (s, 1 H), 2.01 - 2.17 (m, 2 H), 2.49 - 2.63 (m, 2 H), 3.24 -3.30 (m, 2 H), 3.51 -3.56 (m, 2 H), 3.95 -4.06
(m, 2 H), 4.34 - 4.38 (m, 2 H)。
【0151】
ステップ10:化合物6-12の合成
化合物6-11(50mg、186.34μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(7.5mL)に溶解させ、次に、tert-ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(162.38mg、931.70μmol、192.39μL、5eq)を加え、80℃で12時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を乾燥させて化合物6-12を得た。
【0152】
化合物6-12の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =297.0 [M-26]
【0153】
ステップ11:化合物6-13の合成
化合物6-12(60mg、185.53μmol、1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.2mL)に溶解させ、次に、化合物1-3(58.87mg、185.53μmol、1eq)を加え、110℃で12時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(10mL)と水(5mL)及び飽和食塩水(5mL)を加え、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させた後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン:メタノール=100:0~90:10)で精製して化合物6-13を得た。
【0154】
化合物6-13の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =578.1 [M+H]
【0155】
ステップ12:化合物6の合成
化合物6-13(8mg、13.85μmol、1eq)をテトラヒドロフラン(0.8mL)に溶解させ、0℃で窒素ガスで保護した後、塩化アンモニウム(30mg、560.84μmol、40.49eq)及び1Mの濃度のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドテトラヒドロフラン溶液(567.85μL、41eq)を加え、20℃で1時間撹拌した。反応溶液にメタノール(5mL)を加えてクエンチングさせた後、減圧濃縮し溶媒を乾燥させ、次に、粗生成物を分取HPLC(HPLC製造方法:Waters Xbridge BEH分取クロマトグラフ;カラム:Prep sunfire C18 100×30mm×10μm;移動相A:10mMの炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:35%~50%、8分間実行。)で分離・精製して化合物6を得た。
【0156】
化合物6の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =549.3 [M+H]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 2.18 - 2.26
(m, 3 H), 2.29 - 2.38 (m, 4 H), 2.40 - 2.46 (m, 4 H), 2.68 - 2.81 (m, 4 H), 3.02 - 3.17 (m, 4 H), 4.55 - 4.70 (m, 1 H),
6.66 - 6.87 (m, 1 H), 7.11 - 7.27 (m, 2
H), 7.32 - 7.51 (m, 2 H), 8.27 - 8.37 (m, 1 H), 8.62 - 8.74 (m, 1 H)。
【0157】
実施例7
【化16】
【0158】
ステップ1:化合物7-2の合成
化合物7-1(4g、15.62mmol、1eq)をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解させ、2-ジシクロヘキシルホスフィン-2-(N,N-ジメチルアミン)-ビフェニル(491.90mg、1.25mmol、0.08eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(1.14g、1.25mmol、0.08eq)を加え、窒素ガスで保護し、1Mの濃度のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドテトラヒドロフラン溶液(37.50mL、2.4eq)及び1-Boc-ピペラジン(4.36g、23.44mmol、1.5eq)を加え、得られた反応溶液を窒素ガスで保護し、80℃で3時間撹拌して反応させた。反応系に水(60mL)を加えてクエンチングさせ、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン:メタノール=100:0~98:2)で精製して化合物7-2を得た。
【0159】
化合物7-2の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) = 362.10 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.00 - 7.06 (m, 1 H), 6.26 - 6.35 (m, 2 H), 3.78 - 3.86 (m, 2 H), 3.53 - 3.58 (m, 4 H), 3.02 - 3.14 (m, 4 H), 1.49 (s, 9 H)。
【0160】
ステップ2:化合物7-3の合成
化合物7-2(2g、5.53mmol、1eq)をジメチルスルホキシド(60mL)溶液に溶解させ、亜硝酸ナトリウム(1.53g、22.14mmol、4eq)を加え、20℃で45%のヨウ化水素酸水溶液(3.78g、13.28mmol、2.22mL、2.4eq)を滴下し、次に、反応温度を35℃に昇温させて16時間撹拌した。
反応系に水(60mL)を加えて反応を希釈し、次に、酢酸エチル(50mL×3)を加えて抽出し、分離し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~80:20)で精製して化合物7-3を得た。
【0161】
化合物7-3の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 473.00 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.32 - 7.34 (m, 1 H), 7.11 - 7.16 (m, 1 H), 6.85 - 6.91 (m, 1 H), 3.55 - 3.61 (m, 4 H), 3.09 - 3.16 (m, 4 H), 1.49 (s, 9 H)。
【0162】
ステップ3:化合物7-4の合成
化合物5-4(180.36mg、561.16μmol、1eq)を1,4-ジオキサン(8mL)溶液に溶解させ、在窒素ガスの保護下でトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(51.39mg、56.12μmol、0.1eq)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(32.47mg、56.12μmol、0.1eq)及び炭酸セシウム(365.67mg、1.12mmol、2eq)を加え、窒素ガスで3回置換し、化合物7-3(265mg、561.16μmol、1eq)を加え、得られた反応溶液を100℃で5時間撹拌した。反応系に水(20mL)を加えてクエンチングさせ、次に、酢酸エチル(20mL×3)を加えて抽出し、分離し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~80:20)で精製して化合物7-4を得た。
【0163】
化合物7-4の特性:
LCMS: m/z (ESI) =666.20 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.31 (s, 1 H), 8.27 - 8.30 (m, 1 H), 7.09 - 7.19 (m, 1 H), 6.48 - 6.56 (m, 1 H), 5.28 - 5.35 (m, 1 H), 4.32 - 4.42 (m, 2 H), 3.53 - 3.63 (m, 4 H), 3.28 - 3.37 (m, 2 H), 3.12
- 3.24 (m, 4 H), 2.83 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 2.66 (s, 3 H), 1.49 (s, 9 H), 1.38 - 1.43 (m, 3 H)。
【0164】
ステップ4:化合物7-5の合成
化合物7-4(300mg、450.62μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(10mL)に溶解させ、塩化アンモニウム(144.63mg、2.70mmol、6eq)を加え、窒素ガスの保護下で反応温度を0℃に冷却させ、1Mの濃度のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドテトラヒドロフラン溶液(9.01mL、20eq)を加え、得られた反応溶液を20℃で3時間撹拌した。反応系に水(15mL)を加えてクエンチングさせ、酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせ、有機相を減圧濃縮し、乾燥させた後、粗生成物を薄層クロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン/メタノール=10:1)で分離して化合物7-5を得た。
【0165】
化合物7-5の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 637.20 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.25 - 8.31 (
m, 1 H), 8.14 - 8.24 (m, 1 H), 7.13 - 7.21 (m, 1 H), 6.52 - 6.63 (m, 1 H), 5.50 - 5.59 (m, 2 H), 3.54 - 3.65 (m, 4 H), 3.25 - 3.33 (m, 2 H), 3.13 - 3.25 (m, 4 H), 2.81 - 2.90 (m, 2 H), 2.64 (s, 3 H), 1.49 (s, 9 H)。
【0166】
ステップ5:化合物7の合成
化合物7-5(100mg、157.06μmol、1eq)をジクロロメタン(5mL)溶液に溶解させ、トリフルオロ酢酸(3.85g、33.77mmol、2.50mL、214.99eq)を加え、20℃で2時間撹拌した。反応系を直接に減圧濃縮して乾燥させた後、粗生成物を分取HPLC(HPLC製造方法:Waters Xbridge Prep OBD分取クロマトグラフ;カラム:C18 150×40mm×10μm;移動相A:10mMの炭酸水素アンモニウム水溶液(0.05%のアンモニア水)、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:20%~50%、8分間実行。)で分離・精製して化合物7を得た。
【0167】
化合物7の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 537.10 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 8.46 (s, 1 H), 8.32 (s, 1 H), 7.47 - 7.51 (m, 1 H),
7.41 - 7.46 (m, 2 H), 7.13 - 7.20 (m, 1
H), 6.66 - 6.71 (m, 1 H), 3.08 - 3.15 (m, 2 H), 2.95 - 3.05 (m, 4 H), 2.79 - 2.84 (m, 4 H), 2.71 - 2.76 (m, 2 H), 2.54 (s, 3 H)。
【0168】
実施例8
【化17】
【0169】
ステップ1:化合物8-1の合成
化合物7(80mg、149.09μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(5mL)及びジメチルスルホキシド(2.5mL)の混合溶液に溶解させ、トリエチルアミン(15.09mg、149.09μmol、20.75μL、1eq)でpHを7~8に調節し、更に、酢酸(35.81mg、596.36μmol、34.11μL、4eq)でpHを5~6に調節し、0℃で(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)アセト
アルデヒド(64.97mg、372.72μmol、71.01μL、2.5eq)を加え、0.5時間撹拌し、0℃でトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(69.52mg、328.00μmol、2.2eq)を加え、得られた反応溶液を20℃で2時間撹拌した。反応系に水(3mL)を加え、更に、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を薄層クロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン/メタノール=10:1)で分離・精製して化合物8-1を得た。
【0170】
化合物8-1の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) = 695.20 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.31 (s, 1 H), 8.20 - 8.27 (m, 1 H), 7.32 - 7.38 (m, 1 H), 7.12 - 7.20 (m, 1 H), 6.47 - 6.56 (m, 1 H), 5.65 - 5.75 (m, 2 H), 3.86 - 4.01 (m, 2 H), 3.37 - 3.44 (m, 2 H), 3.21
- 3.35 (m, 4 H), 2.81 - 2.99 (m, 6 H), 2.66 (s, 3 H), 1.24 - 1.29 (m, 2 H), 0.90 (s, 9 H), 0.09 (s, 6 H)。
【0171】
ステップ2:化合物8の合成
化合物8-1(100mg、143.90μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(0.5mL)溶液に溶解させ、1Mのフッ化テトラブチルアンモニウムテトラヒドロフラン溶液(287.81μL、2eq)を加え、20℃で16時間撹拌した。反応系に水(20mL)を加えて洗浄し、酢酸エチル(25mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得、分取HPLC(HPLC製造方法:Waters Xbridge Prep OBD分取クロマトグラフ;カラム:C18 150×40mm×10μm;移動相A:10mMの炭酸水素アンモニウム水溶液(0.05%のアンモニア水を含む)、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:20%~50%、8分間実行。)で分離・精製して化合物8を得た。
【0172】
化合物8の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 581.20 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 8.44 - 8.48
(m, 1 H), 8.31 (s, 1 H), 7.49 - 7.52 (m, 1 H), 7.40 - 7.46 (m, 2 H), 7.13 - 7.19 (m, 1 H), 6.68 - 6.72 (m, 1 H), 4.39 -
4.45 (m, 1 H), 3.49 - 3.56 (m, 2 H), 3.29 (s, 3 H), 3.09 - 3.17 (m, 6 H), 2.71 - 2.77 (m, 2 H), 2.52 -2.60 (m, 4 H), 2.40 - 2.46 (m, 2 H)。
【0173】
実施例9
【化18】
【0174】
ステップ1:化合物9-2の合成
反応フラスコに化合物9-1(2.4g、11.06mmol、1eq)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(194.06mg、276.47μmol、0.025eq)、ヨウ化第一銅(105.31mg、552.94μmol、0.05eq)を加え、次に、ジエチルアミン(25mL)及び1-ジメチルアミノ-2-プロピン(1.15g、13.82mmol、1.47mL、1.25eq)を加え、窒素ガスで保護し、60℃で3時間撹拌した。反応完了後20℃に冷却させ、反応溶液を減圧濃縮して乾燥させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル:酢酸エチル=100:0~0:100)で精製して化合物9-2を得た。
【0175】
化合物9-2の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI)= 220.0 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 2.38 (s, 6 H), 2.84 (s, 3 H), 3.51 (s, 2 H), 8.24 -8.26 (m, 1 H), 8.69 -8.75 (m, 1 H)。
【0176】
ステップ2:化合物9-3の合成
マイクロアルゴンガスの環境で、ラネーニッケル(1.4g、16.34mmol、2.56eq)、エタノール(50mL)及び化合物9-2(1.4g、6.39mmol、1eq)を加え、反応溶液を水素ガス(15psi)の条件下で25℃で4時間撹拌した。濾過し、濾液を減圧濃縮して溶媒を乾燥させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で精製して化合物9-3を得た。
【0177】
化合物9-3の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI)= 194.1 [M+H]
ステップ3:化合物9-4の合成
化合物9-3を6Mの塩酸水溶液(517.36μL、6eq)に溶解させ、更に、アミノニトリル(174.00mg、4.14mmol、174.00μL、8eq)を加え、60℃で1時間撹拌した。反応溶液に水(5mL)及びジクロロメタン(5mL)を加え、分離し、水相に水酸化ナトリウム固体を加えて水相のpHを12を超えるように調節した後、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(HPLC製造方法:Waters Xbridge Prep OBD分取クロマトグラフ;カラム:C18 150×40mm×10μm;移動相A:10mMの炭酸水素アンモ
ニウム水溶液(0.05%のアンモニア水を含む)、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:1%~15%、8分間実行。)で分離・精製して化合物9-4を得た。
【0178】
化合物9-4の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =236.3 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 1.56 - 1.63
(m, 2 H), 2.08 (s, 6 H), 2.10 -2.18 (m,
5 H), 2.40 -2.47 (m, 2 H), 5.08 (s, 4 H), 6.77 (s, 1 H), 7.82 (s, 1 H)。
【0179】
ステップ4:化合物9-5の合成
化合物9-4(40mg、169.98μmol、1eq)をN,Nジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させ、次に、化合物1-2(76.09mg、169.98μmol、1eq)を加え、110℃で12時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(10mL)、飽和食塩水(5mL)及び水(5mL)を加え、分離し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(HPLC製造方法:Waters Xbridge BEH分取クロマトグラフ;カラム:C18 100×30mm×10μm;移動相A:0.04%の塩酸水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:30%~50%、8分間実行。)で分離・精製して化合物9-5を得た。
【0180】
化合物9-5の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =498.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 1.09 - 1.23
(m, 3 H), 1.92 - 2.07 (m, 2 H), 2.33 - 2.36 (m, 3 H), 2.54 - 2.57 (m, 3 H), 2.59 - 2.67 (m, 2 H), 2.68 - 2.72 (m, 6 H),
2.73 - 2.81 (m, 2 H), 2.95 - 3.02 (m, 2
H), 3.04 - 3.13 (m, 2 H), 4.02 - 4.17 (m, 2 H), 8.01 - 8.14 (m, 1 H), 8.24 - 8.36 (m, 1 H), 8.43 - 8.55 (m, 1 H)。
【0181】
ステップ5:化合物9の合成
化合物9-5(24mg、48.22μmol、1eq)を1Mの濃度のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドテトラヒドロフラン溶液(964.49μL、20eq)に溶解させ、次に、塩化アンモニウム(25.80mg、482.24μmol、10eq)を加え、窒素ガスで保護した後、20℃で16時間撹拌した。メタノール(5mL)を加えてクエンチングさせた後、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(HPLC製造方法:Waters Xbridge BEH分取クロマトグラフ;カラム:C18 100×30mm×10μm;移動相A:0.1%の炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:15%~45%、8分間実行。)で分離・精製して化合物9を得た。
【0182】
化合物9の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =469.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.76 - 1.84 (m, 2 H), 2.24 (s, 6 H), 2.33 - 2.37 (m, 2 H), 2.49 (s, 3 H), 2.55 (s, 3 H), 2.58
-2.63 (m, 2 H), 2.70 - 2.80 (m, 2 H), 3.15 -3.23 (m, 2 H), 5.49 (s, 2 H), 6.72
(s, 1 H), 8.00 (s, 1 H), 8.20 (s, 1 H), 8.29 (s, 1 H)。
【0183】
実施例10
【化19】
【0184】
ステップ1:化合物10の合成
化合物7(10mg、18.64μmol、1eq)をジクロロエタン(0.5mL)に溶解させた後、3-オキセタノン(1.48mg、20.50μmol、1.1eq)を加え、次に、テトラエトキシチタン(4.25mg、18.64μmol、3.86μL、1eq)を加え、得られた反応溶液を20℃で1時間撹拌し、次に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(4.34mg、20.50μmol、1.1eq)を加え、20℃で12時間撹拌した。反応系に水(5mL)を加え、大量の白色のフロックを析出させ、次に、酢酸エチル(5mL×5)を加えて抽出し、分離し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(HPLC製造方法:Waters Xbridge BEH分取クロマトグラフ;カラム:Prep sunfire C18 100×30mm×10μm;移動相A:0.1%の炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:35%~50%、8分間実行。)で分離・精製して化合物10を得た。
【0185】
化合物10の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 593.20 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.29 (s, 1 H), 7.95 - 7.99 (m, 1 H), 7.16 - 7.21 (m, 1 H), 6.66 - 6.72 (m, 1 H), 4.70 - 4.75 (m, 2 H), 4.62 - 4.66 (m, 2 H), 3.53 - 3.59 (m, 1 H), 3.27 -3.30 (m, 4 H), 3.21 (t, J=7.20 Hz, 2 H), 2.80 - 2.85 (m, 2 H), 2.60 - 2.65 (m, 3 H), 2.49 - 2.55 (m,
4 H)。
【0186】
実施例11
【化20】
【0187】
ステップ1:化合物11-2の合成
化合物11-1(2g、10.30mmol、1eq)及び炭酸カリウム(2.85g、20.60mmol、2eq)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解させ、反応混合物を窒素ガスの保護下で0℃に冷却させ、次に、臭化ブロモアセチル(3.12g、15.45mmol、1.34mL、1.5eq)を加え、0℃で10分間撹拌し、次に、0℃で40%のジメチルアミン水溶液(3.48g、30.90mmol、3.91mL、3eq)を加え、0℃で10分間撹拌した。反応溶液を氷水(200mL)にゆっくりと注いでクエンチングさせ、酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせ、有機相を飽和食塩水(100mL×3)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で精製して化合物11-2を得た。
【0188】
化合物11-2の特性は下記の通りである:
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.67 (s, 1 H), 6.92 (s, 1 H), 4.26 (t, J=8.60 Hz, 2 H), 3.92 (s, 3 H), 3.16 - 3.32 (m, 4 H), 2.41 (s, 6 H)。
【0189】
ステップ2:化合物11-3の合成
マイクロアルゴンガスの環境で、10%の湿式パラジウム炭素(1g)を加え、次に、無水メタノール(2mL)、化合物11-2(1g、3.58mmol、1eq)を順次に加え、反応溶液を水素ガス(15psi)の条件下で、40℃で12時間撹拌した。反応溶液を珪藻土を敷いた漏斗を通し、ケーキをメタノール(50mL×2)で濯ぎ、濾液を収集し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル+0.5%のアンモニア水=100:0~0:100)で精製して化合物11-3を得た。
【0190】
化合物11-3の特性:
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 7.55 (s, 1 H), 6.70 (s, 1 H), 4.63 (s, 2 H), 3.95 -
4.19 (m, 2 H), 3.65 - 3.71 (m, 3 H), 3.13 (s, 2 H), 2.87 - 3.04 (m, 2 H), 2.25 (s, 6 H)。
【0191】
ステップ3:化合物11-4の合成
化合物11-3(200mg、802.22μmol、1eq)を6Mの塩酸水溶液(802.22μL、6eq)に溶解させ、次に、アミノニトリル(269.80mg、6.42mmol、269.80μL、8eq)を加え、100℃に昇温させて2時間撹拌し、次に、アミノニトリル(134.90mg、3.21mmol、134.90μL、4eq)を加え、反応溶液を100℃で12時間撹拌して反応させた。反応溶液に水(10mL)及びジクロロメタン(10mL)を加え、抽出し、分離して水相を収集し、水相を飽和水酸化ナトリウム水溶液でpHを11に調節した後、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(HPLC製造方法:Waters 2767/QDa分取クロマトグラフ;カラム:Waters Xbridge BEH C18 100×25mm×5μm;移動相A:0.1%の炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:1%~25%、10分間実行。)で分離・精製して化合物11-4を得た。
【0192】
化合物11-4の特性:
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 7.61 (s, 1 H), 6.84 (s, 1 H), 5.50 (s, 3 H), 4.12 (t, J=8.40 Hz, 2 H), 3.67 (s, 3 H), 3.14 (s, 2 H), 3.05 (t, J=8.40 Hz, 2 H), 2.25
(s, 6 H)。
【0193】
ステップ4:化合物11-5の合成
化合物1-2(67.02mg、205.94μmol、1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させた後、化合物11-4(60mg、205.94μmol、1eq)を加え、110℃で16時間撹拌して反応させた。反応溶液を水(30mL)に注いでクエンチングさせ、次に、酢酸エチル(15mL×3)を加えて抽出し、分離し、有機相を合わせ、有機相を飽和食塩水(15mL×3)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を薄層クロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン/メタノール=10:1)で分離・精製して化合物11-5を得た。
【0194】
化合物11-5の特性:
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 9.25 (s, 1 H), 8.32 (s, 1 H), 6.76 (s, 1 H), 4.35 (q,
J=7.20 Hz, 2 H), 4.18 (t, J=8.20 Hz, 2 H), 3.82 - 3.95 (m, 3 H), 3.60 (s, 1 H),
3.25 - 3.36 (m, 2 H), 3.16 - 3.25 (m, 2
H), 3.09 - 3.16 (m, 1 H), 2.98 - 3.09 (m, 1 H), 2.73 - 2.89 (m, 2 H), 2.65 (s, 3 H), 2.39 (s, 6 H), 1.40 (t, J=7.20 Hz,
3 H)。
【0195】
ステップ5:化合物11-6の合成
化合物11-5(50mg、90.30μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン
(4mL)及び無水エタノール(1mL)に溶解させ、次に、水酸化リチウム一水和物(18.95mg、451.51μmol、5eq)を水(1mL)に溶解させて反応溶液に加え、40℃で5時間撹拌した。反応溶液を1Mの希塩酸でpHを7に調節した後、冷凍乾燥させて化合物11-6を得た。
【0196】
化合物11-6の特性:
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 10.35 (s, 1
H), 8.82 (s, 1 H), 8.54 (s, 1 H), 8.34 (s, 1 H), 7.07 (s, 1 H), 4.45 (d, J=4.40
Hz, 2 H), 4.10 (t, J=8.20 Hz, 2 H), 3.80 (s, 3 H), 3.17 - 3.24 (m, 4 H), 2.88 (d, J=4.40 Hz, 6 H), 2.79 (t, J=7.00 Hz, 2 H), 2.56 (s, 3 H)。
【0197】
ステップ6:化合物11の合成
化合物11-6(110mg、209.27μmol、1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、次に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(81.14mg、627.80μmol、109.35μL、3eq)、2-(7-アゾベンゾトリアゾール)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(103.44mg、272.05μmol、1.3eq)、炭酸水素アンモニウム(49.63mg、627.80μmol、51.70μL、3eq)を順次に加え、窒素ガスの保護下で20℃で2時間撹拌した。反応溶液を直接に濾過し、濾液を収集し、濾液を分取HPLC(HPLC製造方法:Waters 2767/QDa分取クロマトグラフ;カラム:Phenomenex C18 80×40mm×3μm;移動相A:0.1%の炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:30%~60%、8分間実行。)で分離・精製して化合物11を得た。
【0198】
化合物11の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 525.30 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 8.67 (s, 1 H), 8.29 (s, 1 H), 7.84 (s, 1 H), 7.42 (s, 2 H), 6.96 (s, 1 H), 4.16 (t, J=8.20 Hz, 2 H), 3.79 (s, 3 H), 3.17 (s, 2 H), 3.11 (t, J=7.20 Hz, 4 H), 2.70 - 2.77 (m, 2 H), 2.53 (s, 3 H), 2.26 (s, 6 H)。
【0199】
実施例12
【化21】
【0200】
ステップ1:化合物12-1の合成
化合物6-3(200mg、891.76μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(4mL)に溶解させ、次に、tert-ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(466.25mg、2.68mmol、552.43μL、3eq)を加え、窒素ガスの保護下で80℃で2時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を乾燥させて化合物12-1を得た。
【0201】
化合物12-1の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =253.2 [M-26]
【0202】
ステップ2:化合物12-2の合成
化合物12-1(100mg、357.97μmol、1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、次に、化合物1-3(113.59mg、357.97μmol、1eq)を加え、110℃で16時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(20mL)と水(10mL)及び飽和食塩水(10mL)を加え、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~98:2)で精製して化合物12-2を得た。
【0203】
化合物12-2の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =534.3 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.42 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 2.39 (s, 3 H), 2.62 (s, 4 H), 2.89 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 3.26 - 3.43 (m, 6 H), 4.39 (q, J=7.2 Hz, 2 H), 6.50 -6.55 (m, 1 H), 7.15 -7.20 (m, 1 H), 7.35
(s, 1 H), 8.25 (s, 1 H), 8.37 (s, 1 H),
8.40 -8.46 (m, 1 H)。
【0204】
ステップ3:化合物12の合成
化合物12-2(135mg、253.02μmol、1eq)を1Mの濃度のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドテトラヒドロフラン溶液(2mL、7.90eq)に溶解させ、次に、塩化アンモニウム(54.14mg、1.01mmol、4eq)を加え、20℃で1時間撹拌した。反応溶液を直接に減圧濃縮して溶媒を乾燥させた後メタノール(2mL)を加え、継いて減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(HPLC製造方法:Waters 2767/QDa分取クロマトグラ
フ;カラム:Phenomenex C18 80×40mm×3μm;移動相A:0.1%の炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:25%~55%、8分間実行。)で分離・精製して化合物12を得た。
【0205】
化合物12の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =505.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 2.39 (s, 3 H), 2.57 - 2.69 (m, 4 H), 2.90 (t, J=7.15 Hz, 2 H), 3.26 - 3.38 (m, 6 H), 5.65 (d,
J=5.77 Hz, 2 H), 6.55 (dd, J=9.03, 3.01
Hz, 1 H), 7.16 (dd, J=8.91, 1.51 Hz, 1 H), 7.36 (s, 1 H), 8.18 (s, 1 H), 8.37 (s, 1 H), 8.41 (d, J=2.89 Hz, 1 H)。
【0206】
実施例13
【化22】
【0207】
ステップ1:化合物13-1の合成
化合物6-8(300mg、989.54μmol、1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(4.5mL)に溶解させ、次に、シアン化第一銅(265.88mg、2.97mmol、648.49μL、3eq)及びヨウ化カリウム(32.85mg、197.91μmol、0.2eq)を加え、窒素ガスの保護下で140℃で0.5時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(20mL)及び水(20mL)を加え、濾過し、濾液を分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~90:10)で精製して化合物13-1を得た。
【0208】
化合物13-1の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =250.2 [M+1]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.41 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 2.15 (t, J=6.8 Hz, 2 H), 2.59 - 2.77 (m, 2 H), 3.27 (t, J=6.8 Hz, 2 H), 4.41 (q, J=7.2 Hz, 2 H)。
【0209】
ステップ2:化合物13-2の合成
化合物13-1(145mg、581.66μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(6mL)に溶解させ、次に、tert-ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(304.12mg、1.74mmol、360.33μL、3eq)を加え、80℃で3時間撹拌した。反応溶液を直接に減圧濃縮して溶媒を乾燥させて化合物13-2を得た。
【0210】
化合物13-2の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =305.2 [M+H]
【0211】
ステップ3:化合物13-3の合成
化合物13-2(177mg、581.54μmol、1eq)をDMF(4.5mL)に溶解させ、次に、化合物1-3(184.53mg、581.54μmol、1eq)を加え、110℃で16時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(20mL)と水(10mL)及び飽和食塩水(10mL)を加え、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~90:10)で精製して化合物13-3を得た。
【0212】
化合物13-3の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =559.3 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.43 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 2.38 (s, 3 H), 2.62 (s, 4 H), 2.89 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 3.17 - 3.44 (m, 6 H), 4.42 (q, J=6.8 Hz, 2 H), 6.51 -6.62 (m, 1 H), 7.10 -7.19 (m, 1 H), 7.39
(s, 1 H), 8.15 (d, J=2.8 Hz, 1 H), 8.46
(s, 1 H)。
【0213】
ステップ4:化合物13-4の合成
化合物13-3(200mg、358.05μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(5mL)に溶解させ、次に、水酸化リチウム一水和物(45.07mg、1.07mmol、3eq)及び水(1mL)を加え、40℃で1時間撹拌し、反応溶液を直接に濃縮して溶媒を乾燥させて化合物13-4を得た。
【0214】
化合物13-4の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =531.1 [M+1]
【0215】
ステップ5:化合物13の合成
化合物13-4(200mg、376.99μmol、1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、次に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(146.17mg、1.13mmol、196.99μL、3eq)、2-(7-アゾベンゾトリアゾール)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(215.01mg、565.48μmol、1.5eq)、炭酸水素アンモニウム(89.41mg、1.13mmol、93.13μL、3eq)を順次に加え、20℃5時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(10mL)と水(5mL)及び飽和食塩水(5mL)
を加え、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(HPLC製造方法:Waters 2767/QDa分取クロマトグラフ;カラム:Phenomenex C18 75×30mm×3μm;移動相A:0.1%の炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:25%~55%、8分間実行。)で分離・精製して化合物13を得た。
【0216】
化合物13の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =530.1 [M+1]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 2.35 (s, 3 H), 2.52 - 2.70 (m, 4 H), 2.85 -2.92 (m, 2
H), 3.12 - 3.43 (m, 6 H), 5.81 (s, 2 H), 6.49 - 6.61 (m, 1 H), 7.10 - 7.20 (m, 1 H), 7.46 (s, 1 H), 8.05 - 8.19 (m, 1 H). 8.47 (s, 1 H)。
【0217】
実施例14
【化23】
【0218】
ステップ1:化合物14-2の合成
化合物14-1(2g、7.81mmol、1.1eq)を1,4-ジオキサン(30mL)に溶解させ、次に、1-メチル-3-オキソピペラジン(810.63mg、7.10mmol、1eq)を加え、窒素ガスで3回置換し、炭酸セシウム(4.63g、14.20mmol、2eq)を加え、更に窒素ガスで置換し、N,N-ジメチルエチレンジアミン(626.02mg、7.10mmol、775.73μL、1eq)を加え、最後に窒素ガスで置換し、ヨウ化第一銅(676.26mg、3.55mmol、0.5eq)を加え、120℃で16時間撹拌して反応させた。1-メチル-3-オキソピペラジン(810.63mg、7.10mmol、1eq)及びヨウ化第一銅(676.26mg、3.55mmol、0.5eq)を加え、120℃で24時間撹拌を続けた。反応系に水(50mL)を加え、分離し、水相を酢酸エチル(70mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し粗生成
物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~90:10)で精製して化合物14-2を得た。
【0219】
化合物14-2の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =290.0 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 2.41 (s, 3 H), 2.71 - 2.85 (m, 2 H), 3.23 - 3.32 (m, 2 H), 3.62 - 3.72 (t, J=5.20 Hz, 2 H), 3.94 ( s, 2 H), 6.58 - 6.66 (dd, J=8.8, 2.4 Hz, 1 H), 6.73 - 6.80 (d, J=2.4 Hz, 1
H), 7.10 - 7.15 (dd, J=8.8, 1.2 Hz, 1 H)。
【0220】
ステップ2:化合物14-3の合成
化合物14-2(300mg、1.04mmol、1eq)に6Mの塩酸水溶液(1.20mL、6.94eq)を加え、次に、アミノニトリル(348.82mg、8.30mmol、348.82μL、8eq)を加え、60℃で16時間撹拌した。反応系に水(2mL)を加えて希釈し、酢酸エチル(5mL×2)で抽出し、分離した。水相を1Mの水酸化カリウム水溶液でpH=13に調節し、次に、更に酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、濾液を減圧濃縮して化合物14-3を得た。
【0221】
化合物14-3の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =332.0 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 2.26 (s, 3 H), 2.65 - 2.73 (m, 2 H), 3.08 (s, 2 H),
3.60 - 3.67 (t, J=5.20 Hz, 2 H), 5.27 -
5.34 (m, 2 H), 5.36 - 5.45 (m, 2 H), 6.81 - 6.89 (m, 2 H), 7.14 - 7.20 (m, 1 H)。
【0222】
ステップ3:化合物14-4の合成
化合物14-3(196.47mg、603.70μmol、1eq)のN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に化合物1-2(200mg、603.70μmol、1eq)を加え、110℃で16時間撹拌して反応させた。反応系に水(5mL)を加えて洗浄し、次に、酢酸エチル(5mL×3)を加えて抽出し、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をTLCプレート(展開剤:ジクロロメタン/メタノール=10:1)で分離して化合物14-4を得た。
【0223】
化合物14-4の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =594.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 1.26 - 1.33
(m, 3 H), 2.28 (s, 3 H), 2.59 (s, 3 H),
2.60 - 2.70 (m, 2 H), 2.76 - 2.82 (m, 2
H), 3.11 (s, 2 H), 3.22 ( t, J=7.2 Hz, 2 H), 3.63 - 3.69 (t, J=5.2 Hz, 2 H), 4.18 - 4.28 (q, J=7.2 Hz, 2 H), 7.07 - 7.14 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.35 - 7.42 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 8.12 - 8.20 (m, 1 H), 8.39
(s, 1 H), 8.82 (s, 1 H)。
【0224】
ステップ4:化合物14-5の合成
化合物14-4(80mg、134.76μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(1.6mL)溶液に溶解させ、無水エタノール(0.4mL)、水(0.4mL)を加え、次に、水酸化リチウム一水和物(28.28mg、673.81μmol、5eq)を加え、窒素ガスで3回パージングし、添加完了後、温度を45℃に上昇させて5時間撹拌した。1Mの塩酸水溶液で反応系のpHを7に調節し、次に、反応系の有機溶媒を水ポンプでスピン乾燥させ、残りの水溶液を更に凍結乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物にメタノール(5mL)を加え、5分間超音波処理し、濾過し、ケーキを水ポンプで乾燥させて化合物14-5を得た。
【0225】
化合物14-5の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =566.0 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 2.55 (s, 3 H), 2.67 (s, 3 H), 2.75 - 2.80 (m, 4 H),
3.14 (s, 2 H), 3.20 ( t, J=7.2 Hz, 2 H), 3.77 - 3.85 (m, 2 H), 7.08 - 7.15 (m, 1 H), 7.40 - 7.48 (m, 1 H), 8.05 - 8.13 (m, 1 H), 8.37 (s, 1 H)。
【0226】
ステップ5:化合物14-6の合成
化合物14-5(30mg、53.04μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(0.5mL)に溶解させ、0℃で塩化オキサリル(53.86mg、424.34μmol、37.14μL、8eq)を加え、窒素ガスで3回置換し、次に、N,N-ジメチルホルムアミド(387.71μg、5.30μmol、4.08e-1μL、0.1eq)を加え、0℃で0.5時間撹拌した。20℃で反応系を25%のアンモニア水(5mL)に注ぎ、0.5時間撹拌した。反応系に酢酸エチル(15mL×4)を加えて抽出し、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(HPLC製造方法:Waters Xbridge
BEH分取クロマトグラフ;カラム:Phenomenex C18 100×30mm×10μm;移動相A:10mMの炭酸水素アンモニウム的水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配B%:20%~55%、10分)で分離・精製して化合物14を得た。
【0227】
化合物14の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =565.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 2.29 (s, 3 H), 2.56 (s, 3 H), 2.69 - 2.79 (m, 4 H),
3.07 - 3.16 (m, 4 H), 3.63 - 3.70 (t, J=5.2 Hz, 2H), 7.06 - 7.12 (m, 1 H), 7.36
- 7.42 (m, 1 H), 7.42 - 7.49 (m, 2 H), 8.19 - 8.24 (d , J=2.4 Hz, 1 H), 8.38 (s, 1 H), 8.75 (s, 1 H)。
【0228】
実施例15
【化24】
【0229】
ステップ1:化合物15-3の合成
化合物15-1(1g、2.73mmol、1eq)、化合物15-2(540.37mg、2.73mmol、1eq)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(157.70mg、272.55μmol、0.1eq)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(249.58mg、272.55μmol、0.1eq)、ナトリウムtert-ブトキシド(785.80mg、8.18mmol、3eq)を無水トルエン(20mL)に溶解させ、反応混合物を窒素ガスの保護下で60℃で16時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~90:10)で精製して化合物15-3を得た。
【0230】
化合物15-3の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) = 381.0, 383.0 [M-55]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 7.18 - 7.22 (m, 1 H), 6.92 (d, J=3.0 Hz, 1 H), 6.62 -
6.66 (m, 1 H), 4.31 ( d, J=5.0 Hz, 2 H), 3.67 - 4.04 (m, 2 H), 3.27 (d, J=10.4 Hz, 2 H), 2.68 - 2.72 (m, 1 H), 1.48 (d,
J=8.7 Hz, 1 H), 1.39 (s, 9 H)。
【0231】
ステップ2:化合物15-4の合成
化合物5-4(240mg、746.69μmol、1eq)、化合物15-3(391.79mg、896.03μmol、1.2eq)、酢酸パラジウム(8.38mg、37.33μmol、0.05eq)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(21.60mg、37.33μmol、0.05eq)、炭酸セシウム(729.86mg、2.24mmol、3eq)を1,4-ジオキサン(12mL)に溶解させ、窒素ガスの環境下で、110℃で40時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(10mL)、水(5mL)及び飽和食塩水(5mL)を加え、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得、化合物15
-4を得た。
【0232】
化合物15-4の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 678.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.30 (s, 1 H), 7.92 (s, 1 H), 7.30 - 7.41 (m, 1 H), 7.15 - 7.19 (m, 1 H), 6.32 -6.44 (m, 1 H), 4.19 - 4.46 (m, 4 H), 3.71 - 4.14 (m, 2 H), 3.21 - 3.47 (m, 4 H), 2.83 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 2.65 (s, 4 H), 1.49 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 1.36 - 1.43 (m, 12 H)。
【0233】
ステップ3:化合物15-5の合成
化合物15-4(150mg、221.32μmol、1eq)をジクロロメタン(5mL)に溶解させ、次に、トリフルオロ酢酸(770.00mg、6.75mmol、0.5mL、30.51eq)を加え、20℃で16時間撹拌した。減圧濃縮して溶媒を乾燥させた。粗生成物に水(10mL)及び酢酸エチル(10mL)を加え、次に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpHを8以上に調節した後、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて化合物15-5を得た。
【0234】
化合物15-5の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 578.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.31 (s, 1 H), 7.93 (d, J=3.0 Hz, 1 H), 7.26 (s, 1 H), 7.18 - 7.22 (m, 1 H), 6.33 -6.35 (m, 1
H), 5.31 (s, 1 H), 4.36 -4.40 (m, 2 H),
3.92 (d, J=5.8 Hz, 2 H), 3.51 - 3.73 (m, 4 H), 3.33 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 2.83 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 2.64 (s, 3 H), 1.60 -1.65 (m, 1 H), 1.40 (t, J=7.2 Hz, 3 H)。
【0235】
ステップ4:化合物15-6の合成
化合物15-5(120mg、207.74μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(6.5mL)に溶解させ、37%の純度のホルムアルデヒド水溶液(238.46mg、2.94mmol、218.77μL、14.14eq)を加え、次に、酢酸(229.45mg、830.97μmol、218.52μL、4eq)を加え、25℃で15分間撹拌し、次に、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(176.12mg、830.97μmol、4eq)を加え、窒素ガスの保護下で25℃で、45分間撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(10mL)と水(5mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を加え、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~90:10)で精製して化合物15-6を得た。
【0236】
化合物15-6の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 592.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.32 (s, 1 H), 8.03 (d, J=2.9 Hz, 1 H), 7.30 (s, 1 H), 7.20 -7.22 (m, 1 H), 6.34 -6.40 (m, 1 H), 4.36 - 4.40 (m, 2 H), 4.04 (d, J=4.1
Hz, 2 H), 3.54 - 3.74 (m, 4 H), 3.33 (t
, J=7.2 Hz, 2 H), 2.84 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 2.64 (s, 3 H), 2.34 (s, 3 H), 1.76 (d, J=9.2 Hz, 1 H), 1.40 (t, J=7.2 Hz, 3 H)。
【0237】
ステップ5:化合物15の合成
化合物15-6(90mg、152.11μmol、1eq)及び塩化アンモニウム(48.82mg、912.68μmol、6eq)を1Mのリチウムビス(トリメチルシリル)アミドのn-ヘキサン溶液(1.52mL、10eq)に溶解させ、窒素ガスの環境下で、20℃で2時間撹拌した。反応溶液にメタノール(3mL)を加えてクエンチングさせた後、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて、粗生成物を分取HPLC(HPLC製造方法:Waters Xbridge BEH分取クロマトグラフ;カラム:Phenomenex C18 100×30mm×10μm;移動相A:10mMの炭酸水素アンモニウム的水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:アセトニトリル%:15%~85%、8分)で分離・精製して化合物15を得た。
【0238】
化合物15の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 563.2 [M+H]
1H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.30 (s, 1 H), 7.63 (d, J=2.8 Hz, 1 H), 7.21 (d, J=9.0 Hz, 1 H), 6.50 -6.55 (m, 1 H), 3.60 - 3.80 (m, 4 H), 3.44 - 3.57 (m, 2 H), 3.23 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 2.84 (t, J=7.2 Hz,
2 H), 2.50 - 2.72 (m, 4 H), 2.19 (s, 3 H), 1.70 (d, J=8.4 Hz, 1 H)。
【0239】
実施例16
【化25】
【0240】
ステップ1:化合物16-1の合成
反応フラスコに化合物6-8(400mg、1.32mmol、1eq)、シクロプロピルボロン酸(147.33mg、1.72mmol、1.3eq)、リン酸カリウム(1.01g、4.75mmol、3.6eq)、酢酸パラジウム(29.62mg、131.94μmol、0.1eq)、トリシクロヘキシルホスフィン(111.00mg、395.82μmol、128.32μL、0.3eq)を加え、次に、無水トルエン(
12mL)及び水(0.6mL)を加え、窒素ガスで3回パージングし、80℃で16時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~90:10)で精製して化合物16-1を得た。
【0241】
化合物16-1の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) = 265.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 4.30 -4.38 (m, 2 H), 3.41 (s, 1 H), 3.21 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 2.50 - 2.65 (m, 2 H), 2.05 (t, J=6.3 Hz, 2 H), 1.37 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 1.25 - 1.32 (m, 2 H), 0.77 - 0.91 (m, 2 H)。
【0242】
ステップ2:化合物16-2の合成
化合物16-1(225mg、851.18μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(4.5mL)に溶解させ、次に、tert-ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(445.04mg、2.55mmol、527.30μL、3eq)を加え、80℃で20時間撹拌した。反応完了後、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物化合物16-2を得、精製せず、直接次の反応に使用した。
【0243】
化合物16-2の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 293.1 [M-26]
【0244】
ステップ3:化合物16-3の合成
化合物16-2(270mg、845.29μmol、1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(3.5mL)に溶解させ、次に、化合物1-3(268.22mg、845.29μmol、1eq)を加え、110℃で20時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に酢酸エチル(50mL)及び水(50mL)を加え、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~90:10)で精製して化合物16-3を得た。
【0245】
化合物16-3の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 574.3 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.35 (s, 1 H), 8.09 (d, J=2.8 Hz, 1 H), 7.11 - 7.16 (m, 2 H), 6.52 - 6.54 (m, 1 H), 4.34 (d, J=7.2 Hz, 2 H), 3.55 (s, 1 H), 3.28 -3.30 (m, 6 H), 2.79 -2.82 (m, 2 H), 2.57 - 2.73 (m, 4 H), 2.42 (s, 3 H), 1.38 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 1.17 - 1.25 (m, 2 H), 0.82 - 0.90 (m, 2 H)。
【0246】
ステップ4:化合物16の合成
化合物16-3(120mg、209.19μmol、1eq)及び塩化アンモニウム(67.14mg、1.26mmol、6eq)を1Mのリチウムビス(トリメチルシリル)アミドのn-ヘキサン溶液(2.09mL、10eq)に溶解させ、次に、窒素ガスの環境下で20℃で1時間撹拌した。反応完了後、反応溶液にメタノール(3mL)を加えてクエンチングさせ、次に、減圧濃縮して溶媒を乾燥させた。粗生成物を分取HPLC
(HPLC製造方法:Waters Xbridge BEH分取クロマトグラフ;カラム:Phenomenex C18 100×30mm×10μm;移動相A:10mMの炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配B%:15%~85%、8分)で分離・精製して化合物16を得た。
【0247】
化合物16の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 545.3 [M+H]
1H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 8.32 (s, 1 H), 7.60 (m, 1 H), 7.19 -7.23 (m, 1 H), 6.76 - 6.72 (m, 1 H), 3.39 -3.48 (m, 1 H),
3.25 (s, 4 H), 3.17 (t, J=6.8 Hz, 2 H),
2.80 (t, J=6.8 Hz, 2 H), 2.67 (s, 4 H),
2.40 (s, 3 H), 1.04 - 1.10 (m, 2 H), 0.75 - 0.79 (m, 2 H)。
【0248】
実施例17
【化26】
【0249】
ステップ1:化合物17-2の合成
-75℃で、窒素ガスの保護下で、化合物17-1(1.25g、8.65mmol、1eq)の無水テトラヒドロフラン溶液(5mL)を0.1Mのリチウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジンのテトラヒドロフラン溶液(172.94mL、2eq)に加え、0.5時間撹拌し、次に、-75℃でヨード(2.59g、10.20mmol、2.06mL、1.18eq)を加え、3時間撹拌した。反応系に飽和塩化アンモニウム水溶液(150mL)を加えて洗浄し、分離し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物
を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~95:5)で分離・精製して化合物17-2を得た。
【0250】
化合物17-2の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =271.0 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 4.05 (s, 3 H), 8.44 (s, 1 H)。
【0251】
ステップ2:化合物17-3の合成
化合物17-2(600mg、2.22mmol、1eq)のジメチルスルホキシド(12mL)にp-メトキシベンジルアミン(912.99mg、6.66mmol、861.31μL、3eq)、フッ化カリウム(386.66mg、6.66mmol、155.91μL、3eq)を加え、120℃で3時間撹拌した。反応系に水(10mL)を加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせて減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~60:40)で精製して化合物17-3を得た。
【0252】
化合物17-3の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =279.9 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 3.71 (s, 3 H), 4.00 (s, 3 H), 4.28 - 4.38 (d, J=6.4
Hz 2 H), 6.45 (s, 1 H), 6.85 - 6.92 (d,
J=8.8 Hz, 2 H), 7.21 - 7.29 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 7.50 - 7.58 (m, 1 H)。
【0253】
ステップ3:化合物17-4の合成
化合物17-3(250mg、893.75μmol、1eq)を1,4-ジオキサン(2mL)に溶解させ、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,6-ジイソプロポキシ-1,1-ビフェニル(208.53mg、446.87μmol、0.5eq)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,6-ジイソプロポキシ-1,1-ビフェニル)[2-(2-アミノ-1,1-ビフェニル)]パラジウム(II)(373.75mg、446.87μmol、0.5eq)を加え、窒素ガスで3回置換し、更に、ナトリウムtert-ブトキシド(171.78mg、1.79mmol、2eq)、N-メチルピペラジン(179.04mg、1.79mmol、198.27μL、2eq)を加え、110℃で4時間撹拌した。反応系に水(10mL)を加えて洗浄し、次に、酢酸エチル(10mL×4)で抽出し、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~90:10)で精製して化合物17-4を得た。
【0254】
化合物17-4の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =344.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 2.36 (s, 3 H), 2.49 - 2.63 (m, 4 H), 3.47 - 3.50 (m, 4 H), 3.82 (s, 3 H), 4.08 (s, 3 H), 4.23
- 4.30 (d, J=5.2 Hz, 2 H), 5.93 (s, 1 H), 6.89 - 6.93 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 7.23 - 7.26 (d, J=8.8 Hz, 2 H)。
【0255】
ステップ4:化合物17-5の合成
化合物17-4(190mg、553.25μmol、1eq)にトリフルオロ酢酸(
6mL)を加え、50℃で16時間撹拌した。反応系を直接に減圧濃縮して粗生成物を得た。反応系に水(5mL)を加え、次に、ジクロロメタン(5mL×3)で洗浄し、水相を1Mの水酸化ナトリウム水溶液でpHを14に調節し、ジクロロメタン(20mL×6)で抽出し、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して化合物17-5を得た。
【0256】
化合物17-5の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =224.0 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 2.35 (s, 3 H), 2.52 - 2.62 (m, 4 H), 3.40 - 3.44 (m, 4 H), 3.99 (s, 3 H), 6.30 (s, 1 H)。
【0257】
ステップ5:化合物17-6の合成
化合物5-4(200mg、622.24μmol、1eq)のエチレングリコールジメチルエーテル(20mL)にヨウ化セシウム(96.88mg、684.47μmol、59.43μL、1.1eq)、ヨード(86.86mg、342.23μmol、68.94μL、0.55eq)、ヨウ化第一銅(37.92mg、199.12μmol、0.32eq)、亜硝酸イソアミル(116.63mg、995.59μmol、134.06μL、1.6eq)を順次に加え、70℃で18時間撹拌した。反応系にアンモニア水(10mL)を加えて洗浄し、次に、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~90:10)で精製して化合物17-6を得た。
【0258】
化合物17-6の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =432.9 [M+H]
【0259】
ステップ6:化合物17-7の合成
化合物17-5(50mg、223.94μmol、1.5eq)を1,4-ジオキサン(2mL)に溶解させ、化合物17-6(64.54mg、149.29μmol、1eq)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ-9,9-ジメチルキサンテン(3.46mg、5.97μmol、0.04eq)、炭酸セシウム(145.93mg、447.88μmol、3eq)を加え、窒素ガスで3回置換した後、酢酸パラジウム(670.35μg、2.99μmol、0.02eq)を加え、窒素ガスで3回置換し、110℃で2時間撹拌した。反応系に水(5mL)を加え、更に酢酸エチル(10mL×3)を加えて抽出し、分離し、有機相を直接に減圧濃縮して粗生成物を得た。TLCプレート(展開剤:ジクロロメタン/メタノール=10:1)で精製して化合物17-7を得た。
【0260】
化合物17-7の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =528.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 1.29 - 1.32
(m, 3 H), 2.31 - 2.35 (m, 4 H), 2.41 (s, 3 H), 2.65 - 2.69 (m, 4 H), 2.71 (s, 3
H), 2.82 - 2.87 (m, 2 H), 3.24 - 3.27 (m, 2 H), 4.02 (s, 3 H), 4.27 - 4.31 (m, 2 H), 8.04 - 8.13 (m, 1 H), 8.18 (s, 1 H), 8.56 (s, 1 H)。
【0261】
ステップ7:化合物17の合成
化合物17-7(35mg、66.33μmol、1eq)の無水テトラヒドロフラン
(3.5mL)溶液に塩化アンモニウム(21.29mg、397.98μmol、6eq)を加え、次に、1Mのリチウムビス(トリメチルシリル)アミドのテトラヒドロフラン溶液(663.30μL、10eq)を加え、20℃で2時間撹拌して反応させた。反応系に飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(HPLC製造方法:Waters Xbridge BEH分取クロマトグラフ;カラム:C18 100×30mm×10μm;移動相A:10mMの炭酸水素アンモニウムの水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配B%:10%~40%、8分)で分離・精製して化合物17を得た。
【0262】
化合物17の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =499.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 2.22 (s, 3 H), 2.41 - 2.45 (m, 4 H), 2.66 (s, 3 H),
2.78 - 2.85 (m, 2 H), 3.10 - 3.17 (m, 2
H), 3.41 - 3.45 (m, 4 H), 4.02 (s, 3 H), 7.49 (s, 2 H), 8.03 (s, 1 H), 8.20 (s,
1 H), 8.53 (s, 1 H)。
【0263】
実施例18
【化27】
【0264】
ステップ1:化合物18-1の合成
0℃で窒素ガスの保護下で、シクロプロパノール(192.08mg、3.31mmol、2eq)の無水テトラヒドロフラン溶液(8mL)に60%の純度の水素化ナトリウム(132.29mg、3.31mmol、2eq)を加え、0℃で0.5時間撹拌して反応させ、化合物2-1(500mg、1.65mmol、1eq)を加え、0℃で1時間反応を続けた。反応完了後、水(5mL)を加え、酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得、薄層クロマトグラフィー(展開剤:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~
60:40)で分離して化合物18-1を得た。
【0265】
化合物18-1の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =280.9 [M+H]
1H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 0.90 - 0.97 (m, 2 H), 1.06 - 1.14 (m, 2 H), 1.33 - 1.42 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 1.96 - 2.06 (m, 2
H), 2.44 - 2.53 (t, J=6.0 Hz, 2 H), 3.16 - 3.23 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 4.05 - 4.12
(m, 1 H), 4.28 - 4.39 (q, J=7.2 Hz, 2 H)。
【0266】
ステップ2:化合物18-2の合成
化合物18-1を無水トルエン(10mL)に溶解させ、tert-ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(1.99g、11.41mmol、2.36mL、20eq)を加え、90℃で2時間撹拌した。反応完了後、反応系に水(10mL)を加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して化合物18-2を得た。
【0267】
化合物18-2の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =308.9 [M-26]
【0268】
ステップ3:化合物18-3の合成
化合物18-2(150mg、447.20μmol、1eq)をN,Nジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、化合物1-3(141.90mg、447.20μmol、1eq)を加え、110℃で4時間撹拌して反応させた。反応完了後、反応系に水(5mL)を加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得、カラムクロマトグラフィー(勾配溶出剤:ジクロロメタン/メタノール=100:0~90:10)で分離・精製して化合物18-3を得た。
【0269】
化合物18-3の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =590.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 0.88 - 0.97 (m, 2 H), 1.05 - 1.14 (m, 2 H), 1.38 - 1.42 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 2.41 (s, 3 H), 2.57 - 2.71 (m, 4 H), 2.78 - 2.88 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 3.26 - 3.36 (m, 6 H), 4.14 -
4.17 (m, 1 H), 4.31 - 4.39 (m, 2 H), 6.46 - 6.52 (m, 1 H), 7.11 - 7.17 (m, 1 H), 7.30 (s, 1 H), 8.28 (s, 1 H), 8.31 - 8.34 (d, J =2.8 Hz 1 H)。
【0270】
ステップ4:化合物18-4の合成
化合物18-3(100mg、169.60μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(4mL)、メタノール(1mL)及び水(1mL)の混合溶媒に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(35.58mg、847.99μmol、5eq)を加え、45℃で3時間撹拌した。反応完了後、反応系を減圧濃縮して有機溶媒を除去し、更に、2NのHCl水溶液でpHを7に調節し、直接に減圧濃縮して化合物18-4を得た。
【0271】
化合物18-4の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =562.1 [M+H]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 0.71 - 0.81
(m, 4 H), 2.21 (s, 3 H), 2.44 - 2.46 (m, 4 H), 2.57 - 2.63 (m, 2 H), 3.09 - 3.15 (m, 4 H), 3.17 - 3.22 (m, 2 H), 3.98 -
4.07 (m, 1 H), 6.57 - 6.68 (m, 1 H), 7.10 - 7.22 (m, 1 H), 7.79 - 7.86 (d, J=2.8 Hz, 1 H), 7.97 (s, 1 H), 8.22 (s, 1 H)。
【0272】
ステップ5:化合物18の合成
化合物18-4(171.77mg、1.35mmol、118.46μL、8eq)を無水テトラヒドロフラン(3mL)に溶解させ、0℃で塩化オキサリル(171.77mg、1.35mmol、118.46μL、8eq)を加え、窒素ガスで3回置換し、N,Nジメチルホルムアミド(1.24mg、16.92μmol、1.30μL、0.1eq)を加え、0℃で0.5時間撹拌し、25%の純度のアンモニア水(9mL)を加え、20℃で0.5時間撹拌した。反応完了後、反応系に酢酸エチル(10mL×3)を加え、抽出し、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得、分取HPLC(HPLC製造方法:Waters Xbridge
BEH分取クロマトグラフ;カラム:C18 75×30mm×3μm;移動相A:10mMの炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;勾配B%:30%~70%、8分)で分離・精製して化合物18を得た。
【0273】
化合物18の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =561.2 [M+H]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 0.79 - 0.85
(m, 4 H), 2.21 (s, 3 H), 2.43 - 2.47 (m, 4 H), 2.66 - 2.70 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 3.04 - 3.09 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 3.11 - 3.15 (m, 4 H), 4.11 - 4.18 (m, 1 H), 6.65
- 6.71 (m, 1 H), 7.13 - 7.19 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 7.35 (s, 2 H), 7.65 - 7.70 (d,
J=2.8 Hz, 1 H), 8.20 (s, 1 H), 8.29 (s,
1 H)。
【0274】
実施例19
【化28】
【0275】
ステップ1:化合物19-1の合成
化合物6-3(1.2g、5.35mmol、1eq)、(2-ブロモエチニル)トリイソプロピルシラン(1.47g、5.62mmol、1.05eq)、酢酸銀(893.06mg、5.35mmol、273.95μL、1eq)、酢酸パラジウム(120.13mg、535.06μmol、0.1eq)をアセトニトリル(45mL)に溶解させ、80℃で72時間撹拌した。反応完了後、20℃に冷却させ、反応溶液を減圧濃縮して乾燥させて粗生成物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~98:2)で精製して化合物19-1を得た。
【0276】
化合物19-1の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) = 405.2 [M+H]
1H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 4.30 - 4.39 (m, 2 H), 3.18 - 3.25 (m, 2 H), 2.51 - 2.65 (m, 2 H), 1.97 - 2.14 (m, 2 H), 1.32 - 1.42 (m, 3 H), 1.17 (s, 21 H)。
【0277】
ステップ2:化合物19-2の合成
化合物19-1(155mg、383.06μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(2.5mL)に溶解させ、次に、tert-ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(211.00mg、1.21mmol、0.25mL、3.16eq)を加え、窒素ガスでパージングした後、80℃で2時間撹拌した。反応完了後、20℃に冷却させ、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物化合物19-2を得、直接に次の反応に使用した。
【0278】
化合物19-2の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 433.2 [M-26]
ステップ3:化合物19-3の合成
化合物19-2(170mg、369.79μmol、1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、次に、化合物1-3(117.34mg、369.79μmol、1eq)を加え、110℃で20時間撹拌した。反応完了後、反応溶液に水(10mL)及び飽和食塩水(10mL)を加え、酢酸エチル(20mL)で抽出し、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~98:2)で精製して化合物19-3を得た。
【0279】
化合物19-3の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 714.3 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.38 (s, 1 H), 8.20 (m, 1 H), 7.19 (s, 1 H), 7.14 (m,
1 H), 6.52 (m, 1 H), 4.37 (m, 2 H), 3.19 - 3.40 (m, 6 H), 2.81 ( 2 H), 2.53 - 2.70 (m, 4 H), 2.39 (s, 3 H), 1.40 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 1.09 - 1.19 (m, 21 H)。
【0280】
ステップ4:化合物19-4の合成
化合物19-3(60mg、84.04μmol、1eq)及び塩化アンモニウム(26.97mg、504.25μmol、6eq)を1Mのリチウムビス(トリメチルシリル)アミドのn-ヘキサン溶液(2.09mL、10eq)に溶解させ、窒素ガスの環境下で20℃で1時間撹拌し、反応溶液にメタノール(3mL)を加えて反応をクエンチングさせ、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物化合物19-4を得た。
【0281】
化合物19-4の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 685.3 [M+H]
【0282】
ステップ5:化合物19の合成
化合物19-4(55mg、80.31μmol、1eq)及び1Mのテトラブチルアンモニウムフルオリドのテトラヒドロフラン溶液(1.2mL、14.94eq)を無水テトラヒドロフラン(2mL)に溶解させ、20℃で20時間撹拌した。反応溶液に飽和食塩水(5mL)及び水(5mL)を加え、更に、酢酸エチル(10mL)を加え、溶液を濾過した後分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得、分取HPLC(HPLC製造方法:Waters 2767/QDa分取クロマトグラフ;カラム:C18 75×30mm×3μm;移動相A:HO(0.2%のギ酸を含む)、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:1%~40%、8分間実行。)で分離・精製して化合物19的ギ酸塩を得た。
【0283】
化合物19の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 529.2 [M+H]+。
1H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 9.01 - 9.13 (m, 1 H), 8.41 - 8.55 (m, 1 H), 7.98 - 8.09 (m, 1 H), 7.69 - 7.78 (m, 1 H), 7.08 - 7.24 (m, 1 H), 6.87 - 6.98 (m, 1 H), 6.66 - 6.82 (m, 1 H), 4.53 - 4.64 (m, 1 H), 3.39 - 3.46 (m, 2 H), 3.28 - 3.32 (m,
4 H), 3.05 - 3.12 (m, 2 H), 2.93 - 3.02
(m, 4 H), 2.54 - 2.72 (m, 3 H)。
【0284】
実施例20
【化29】
【0285】
ステップ1:化合物20-1の合成
化合物6-8(200mg、659.69μmol、1eq)、2-(トリブチルスタニル)フラン(235.59mg、659.69μmol、208.48μL、1eq)、1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(48.27mg、65.97μmol、0.1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解させ、120℃で16時間撹拌した。反応溶液に水(10mL)及び飽和食塩水(10mL)を加え、酢酸エチル(20mL)で抽出し、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出剤:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~70:30)で精製して化合物20-1を得た。
【0286】
化合物20-1の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) = 291.0 [M+H]
【0287】
ステップ2:化合物20-2の合成
化合物20-1(145mg、499.43μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(5mL)に溶解させ、次に、tert-ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(6.12g、35.11mmol、7.25mL、70.30eq)を加え、窒素ガスの環境下で、80℃で16時間撹拌した。反応完了後、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて化合物20-2を得た。
【0288】
化合物20-2の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 319.0 [M-26]
【0289】
ステップ3:化合物20-3の合成
化合物20-2(170mg、492.17μmol、1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、化合物1-3(156.17mg、492.17μmol、1eq)を加え、110℃で20時間撹拌した。反応完了後、20℃に冷却させ、反応溶液に水(10mL)及び飽和食塩水(10mL)を加え、酢酸エチル(20mL)で抽出し、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し
て乾燥させて粗生成物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ジクロロメタン/メタノール=100:0~98:2)で精製して化合物20-3を得た。
【0290】
化合物20-3の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 600.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.41 (s, 1 H), 8.11 - 8.13 (m, 1 H), 7.40 - 7.57 (m, 2 H), 7.23 (s, 1 H), 7.13 -7.16 (m, 1 H), 6.49 -6.52 (m, 1 H), 6.40 - 6.45 (m, 1
H), 4.39 - 4.45 (m, 2 H), 3.33 -3.36 (m, 2 H), 3.04 - 3.16 (m, 4 H), 2.82 - 2.86 (m, 2 H), 2.44 - 2.59 (m, 4 H), 2.34 (s, 3 H), 1.42 (t, J=7.2 Hz, 3 H)。
【0291】
ステップ4:化合物20の合成
化合物20-3(130mg、216.80μmol、1eq)及び塩化アンモニウム(69.58mg、1.30mmol、6eq)を1Mのビス(トリメチルシリル)アミノのn-ヘキサン溶液(1.73mL、8eq)に溶解させ、窒素ガスの環境下で、20℃で2時間撹拌した。反応溶液にメタノール(5mL)を加えた後、減圧濃縮して溶媒を乾燥させて粗生成物を得、分取HPLC(HPLC製造方法:Waters 2767/QDa分取クロマトグラフ;カラム:C18 80×40mm×3μm;移動相A:10mMの炭酸水素アンモニウムの水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:25%~55%、8分間実行。)で分離・精製して化合物20を得た。
【0292】
化合物20の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 571.2 [M+H]
1H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.41 (s, 1 H), 8.11 (s, 1 H), 7.45 (s, 2 H), 7.24 (s,
1 H), 7.13 -7.16 (m, 1 H), 6.50 -6.55 (m, 1 H), 6.40 (s, 1 H), 5.66 (s, 2 H), 3.30 -3.36 (m, 2 H), 3.01 - 3.20 (m, 4 H), 2.82 - 2.90 (m, 2 H), 2.54 -2.60 (m, 4
H), 2.36 (s, 3 H)。
【0293】
実施例21
【化30】
【0294】
ステップ1:化合物21-1の合成
化合物5-4(50mg、155.56μmol、1eq)を無水ジクロロメタン(2mL)に加え、0℃に冷却させ、次に、85%の純度のm-クロロ過安息香酸(63.17mg、311.12μmol、2eq)を加え、25℃に昇温させて12時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4mL)にゆっくりと注ぎ、ジクロロメタン(4mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出剤:ジクロロメタン/メタノール=100:0~90:10)で精製して化合物21-1を得た。
【0295】
化合物21-1の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 354.1 [M+H]
1H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.29 (s, 1H),
5.05 (s, 2H), 4.40 (q, J = 7.2 Hz, 2H),
3.76 (s, 3H), 3.33 (t, J = 7.2 Hz, 2H),
2.80 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.41 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0296】
ステップ2:化合物21-2の合成
化合物21-1(50mg、141.48μmol、1eq)及び化合物7-3(66.81mg、141.48μmol、1eq)を1,4-ジオキサン(2mL)に加え、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(12.96mg、14.15μmol、0.1eq)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ-9,9-ジメチルキサンテン(
8.19mg、14.15μmol、0.1eq)、炭酸セシウム(92.19mg、282.95μmol、2eq)を加え、100℃に上昇させ、12時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を水(3mL)にゆっくりと注ぎ、クエンチングさせ、酢酸エチル(3mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(3mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得、薄層クロマトグラフィー(展開剤:石油エーテル/酢酸エチル=100:100)で分離して化合物21-2を得た。
【0297】
化合物21-2の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 698.2 [M+H]
1H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.45 (s, 1H),
7.96 - 8.04 (m, 1H), 7.14 - 7.20 (m, 1H), 7.07 - 7.13 (m, 1H), 6.56 - 6.65 (m, 1H), 4.34 - 4.56 (m, 2H), 3.58 - 3.66 (m, 4H), 3.53 - 3.57 (m, 3H), 3.32 - 3.39 (m, 2H), 3.17 - 3.24 (m, 4H), 2.82 - 2.90 (m, 2H), 1.47 - 1.52 (m, 9H), 1.38 - 1.45 (m, 3H)。
【0298】
ステップ3:化合物21-3のトリフルオロ酢酸塩の合成
化合物21-2(80mg、114.66μmol、1eq)を無水ジクロロメタン(2mL)に加え、トリフルオロ酢酸(273.78mg、2.40mmol、177.78μL、20.94eq)を加え、25℃で2時間撹拌し、反応溶液を減圧濃縮して化合物21-3のトリフルオロ酢酸塩を得、粗生成物を直接に次のステップに使用した。
【0299】
化合物21-3の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 598.1 [M+H]
【0300】
ステップ4:化合物21-4の合成
化合物21-3のトリフルオロ酢酸塩(75mg、105.39μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(1mL)に加え、トリエチルアミン(10.66mg、105.39μmol、14.67μL、1eq)、37%の純度のホルムアルデヒド水溶液(34.21mg、421.55μmol、31.38μL、4eq)及び氷酢酸(25.32mg、421.55μmol、24.11μL、4eq)を順次に加え、25℃で0.5時間撹拌し、次に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(89.34mg、421.55μmol、4eq)を加え、25℃で12時間撹拌し、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2mL)を加え、酢酸エチル(2mL×2)で抽出し、分離し、乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得、薄層クロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン/メタノール=100:10)で分離・精製して化合物21-4を得た。
【0301】
化合物21-4の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 612.2 [M+H]
1H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 8.41 - 8.46 (m, 1H), 7.91 - 7.95 (m, 1H), 7.09 - 7.18
(m, 2H), 6.55 - 6.63 (m, 1H), 4.34 - 4.44 (m, 2H), 3.50 - 3.56 (m, 3H), 3.30 - 3.36 (m, 2H), 3.23 - 3.30 (m, 4H), 2.78 - 2.89 (m, 2H), 2.59 - 2.66 (m, 4H), 2.35 - 2.41 (m, 3H), 1.37 - 1.43 (m, 3H)。
【0302】
ステップ5:化合物21-5の合成
化合物21-4(60mg、98.09μmol、1eq)を無水テトラヒドロフラン(1mL)及び水(1mL)に加え、次に、水酸化リチウム一水和物(12.35mg、294.28μmol、3eq)を加え、25℃で12時間撹拌し、反応完了後、直接に濃縮し、2Nの塩酸でpH=6~7に調節し、次に、ジクロロメタン(3×3mL)で抽出し、分離し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、化合物21-5を得た。
【0303】
化合物21-5の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 584.2 [M+H]
【0304】
ステップ6:化合物21の合成
化合物21-5(50mg、85.67μmol、1eq)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(0.5mL)に加え、炭酸水素アンモニウム(8.80mg、111.38μmol、9.17μL、1.3eq)、2-(7-アゾベンゾトリアゾール)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(65.15mg、171.35μmol、2eq)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(33.22mg、257.02μmol、44.77μL、3eq)を加え、25℃で12時間撹拌し、反応完了後濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得、分取HPLC(HPLC製造方法:Waters 2767/QDa分取クロマトグラフ;カラム:C18 80×30mm×3μm;移動相A:10mMの炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:25%~55%、8分間実行。)で分離・精製して化合物21を得た。
【0305】
化合物21の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 583.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 8.75 - 8.84
(m, 1H), 8.44 - 8.50 (m, 1H), 7.77 - 7.99 (m, 2H), 7.18 - 7.24 (m, 1H), 7.12 - 7.16 (m, 1H), 6.82 - 6.87 (m, 1H), 3.30 - 3.33 (m, 3H), 3.13 - 3.21 (m, 4H), 3.04 - 3.11 (m, 2H), 2.71 - 2.78 (m, 2H), 2.41 - 2.45 (m, 4H), 2.19 - 2.24 (m, 3H)。
【0306】
実施例22
【化31】
【0307】
ステップ1:化合物22-1の合成
エチレングリコールモノメチルエーテル(151.00mg、1.98mmol、156.47μL、2eq)をテトラヒドロフラン溶液(5mL)に溶解させ、0℃に冷却させ、60%の純度の水素化ナトリウム(79.37mg、1.98mmol、2eq)を加え、0℃で0.5時間反応させ、化合物2-1(300mg、992.18μmol、1eq)を加え、0℃で0.5時間反応を続け、反応完了後、水(20mL)を加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、分離し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得、カラムクロマトグラフィー(勾配溶出剤:石油エーテル/酢酸エチル=100:0~50:50)で分離・精製して化合物22-1を得た。
【0308】
化合物22-1の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =298.9 [M+H]
1H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 1.38 (t, J=7.09 Hz, 3 H), 1.98 - 2.08 (m, 2 H), 2.42 - 2.58 (m, 2 H), 3.19 - 3.23 (m, 2 H), 3.46 - 3.55 (m, 3 H), 3.81 - 3.95 (m, 2 H), 4.33 (q, J=7.09 Hz, 2 H), 4.38 - 4.42
(m, 2 H)。
【0309】
ステップ2:化合物22-2の合成
化合物22-1(100mg、335.17μmol、1eq)をトルエン(3mL)に溶解させ、tert-ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(350.49mg、2.01mmol、415.27μL、6eq)を加え、90℃で12時間撹拌した。反応完了後、飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)を加え、酢酸エチル(3mL×3)で抽
出し、分離し、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して化合物22-2を得た。
【0310】
化合物22-2の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =327.0 [M-26]
【0311】
ステップ3:化合物22-3の合成
化合物22-2(200mg、565.88μmol、1eq)及び化合物1-3(179.56mg、565.88μmol、1eq)をN,Nジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、110℃で12時間撹拌し反応させた。反応完了後、水(5mL)を加えて反応をクエンチングさせ、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得、分取HPLC(HPLC製造方法:Waters Xbridge Prep OBD分取クロマトグラフ;カラム:C18 150×40mm×10μm;移動相A:10mMの炭酸水素アンモニウム水溶液(0.05%のアンモニア水を含む)、移動相B:アセトニトリル;勾配B%:50%~80%、8分)で分離・精製して化合物22-3を得た。
【0312】
化合物22-3の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =608.3 [M+H]
1H NMR (400 MHz, CDOD) δ: 1.38 (t, J=7.13 Hz, 3 H), 2.37 (s, 3 H), 2.59 - 2.68 (m, 4 H), 2.80 - 2.82 (m, 2 H), 3.24 - 3.31 (m, 9 H), 3.75 - 3.80 (m, 2 H), 4.33
(q, J=7.13 Hz, 2 H), 4.41 - 4.50 (m, 2 H), 6.60 - 6.70 (m J=9.07, 1 H), 7.15 - 7.23 (m, 1 H), 8.20 - 8.24 (m, 1 H), 8.32 (s, 1 H)。
【0313】
ステップ4:化合物22-4の合成
化合物22-3(40mg、65.83μmol、1eq)をテトラヒドロフラン(1mL)、メタノール(0.25mL)及び水(0.25mL)の混合溶媒に溶解させ、水酸化リチウム一水和物(13.81mg、329.14μmol、5eq)を加え、40℃で12時間撹拌し、反応完了後、減圧濃縮して溶媒の大部分を除去し、2Nの塩酸でpHを6~7に調節し、酢酸エチル(2mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して化合物22-4を得た。
【0314】
化合物22-4の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =580.1 [M+H]
【0315】
ステップ5:化合物22の合成
化合物22-4(35mg、60.39μmol、1eq)をN,Nジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、次に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(78.05mg、603.88μmol、105.18μL、10eq)、2-(7-アゾベンゾトリアゾール)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(137.77mg、362.33μmol、6eq)、炭酸水素アンモニウム(47.74mg、603.88μmol、49.73μL、10eq)を順次に加え、20℃で12時間撹拌した。反応完了後、飽和塩化アンモニウム水溶液(2mL)を加え、酢酸エチル(2mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(3mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して乾燥させて粗生成物を得、分取HPL
C(HPLC製造方法:Phenomenex 分取クロマトグラフ;カラム:C18 75×30mm×3μm;移動相A:10mMの炭酸水素アンモニウム水溶液(0.05%のアンモニア水を含む)、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:30%~55%、8分間実行。)で分離・精製して化合物22を得た。
【0316】
化合物22の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =579.1 [M+H]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 2.25 (s, 3 H), 2.71 (s, 2 H), 3.00 - 3.24 (m, 9 H),
3.35 (s, 4 H), 3.59 (s, 2 H), 4.26 (s, 2 H), 6.60 - 6.70 (m, 1 H), 7.15 - 7.20 (m, 1 H), 7.38 (s, 2 H), 7.80 (s, 1 H), 8.21 (s, 1 H), 8.34 (s, 1 H)。
【0317】
実施例23
【化32】
【0318】
ステップ1:化合物23-1の合成
化合物1-4(14g、24.15mmol、1eq)を水(140mL)、テトラヒドロフラン(70mL)及びメタノール(70mL)の混合溶液に加え、水酸化リチウム一水和物(3.04g、72.46mmol、3eq)を加え、25℃で12時間撹拌した。反応完了後、反応溶液を原体積の1/2まで減圧濃縮し、2-メチルテトラヒドロフラン(30mL)を加え、6Nの塩酸でpHを6~7に調節し、20℃で2時間撹拌した後濾過し、乾燥させて化合物23-1を得た。
LCMS: m/z (ESI) = 552.1 [M+H]
【0319】
ステップ2:化合物23-2の合成
化合物23-1(50mg、90.64μmol、1eq)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、2-(7-アゾベンゾトリアゾール)-N,N,N,N-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(68.93mg、181.29μmol、2eq)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(35.14mg、271.93μmol、47.36μL、3eq)を加え、20℃で0.5時間撹拌し、次に、O-(テトラヒドロ-2H-ピラン)-2-ヒドロキシルアミン(21.24mg、181.29μmol、2eq)を加え、20℃で1時間撹拌を続け、反応完了後、反応系に水(3mL)を加え、濾過し、得られたケーキを乾燥させて化合物23-2を得た。
【0320】
化合物23-2の特性は下記の通りである:
LCMS: m/z (ESI) =651.0 [M+H]
【0321】
ステップ3:化合物23の合成
化合物23-2(50mg、76.84μmol、1eq)を無水メタノール(5mL)に溶解させ、p-トルエンスルホン酸(35.71mg、207.40μmol、2.70eq)を加え、20℃で1時間撹拌して反応させた。反応完了後、反応系を減圧濃縮し、水(5mL)を加え、酢酸エチル(5mL×3)で抽出し、分離し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(HPLC製造方法:Phenomenex Luna分取クロマトグラフ;カラム:C18 75×30mm×3μm;移動相A:水(0.05%のギ酸を含む)、移動相B:アセトニトリル;実行勾配:B%:20%~60%、8分間実行。)で分離・精製して化合物23のギ酸塩を得た。
【0322】
化合物23の特性:
LCMS: m/z (ESI) = 567.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 10.53 - 10.85 (m, 1 H), 8.93 - 9.36 (m, 1 H), 8.47 (s, 1 H), 8.32 (s, 1 H), 8.16 (s, 1 H), 7.50 (d, J=2.8 Hz, 1 H), 7.17 (dd, J=8.8, 1.6 Hz, 1 H), 6.71 (dd, J=9.2, 2.8 Hz,
1 H), 3.12 - 3.18 (m, 4 H), 3.07 - 3.10
(m, 2 H), 2.73 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 2.53
(s, 3 H), 2.43 - 2.46 (m, 4 H), 2.22 (s, 3 H)。
【0323】
生物学的試験データ:
試験例1:in vitro PLK1キナーゼ活性評価
33P同位体標識キナーゼ活性試験(Reaction Biology Corp)を使用して、IC50値を測定し、それによりヒトPLK1プロテインキナーゼに対する試験化合物の阻害能力を評価した。
【0324】
緩衝液条件:20mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl、1mMのEGTA、0.01%のBrij35、0.02mg/mlのBSA、0.1mMのNaVO、2mMのDTT、1%のDMSO。
【0325】
試験ステップ:室温で、試験化合物をDMSOに溶解させ、使用するための10mMの溶液に調製した。基質Caseinを新たに調製した緩衝液(最終濃度:20μM)に溶解させ、それに試験PLK1キナーゼ(最終濃度:12nM)を加え、均一に混合した。音波ピペッティングシステムEcho 550を使用して、DMSOに溶解させた試験化合物の母液を、設定された最終濃度勾配(最高最終濃度は1μM、3倍希釈、10勾配)に従って、上記の均一に混合した反応溶液に加えた。室温で20分間培養した後、33P-ATP(30μM)を加え、室温で120分間培養した後、反応溶液をP81イオン交換濾紙(Whatman#3698-915)にスポットした。0.75%のリン酸溶液で濾紙を繰り返して洗浄した後、濾紙上に残った放射性リン酸化基質のレベルを測定した。%キナーゼ活性=キナーゼ活性試験化合物/キナーゼ活性ブランク群(DMSO)×100%であり、Prism4ソフトウェア(GraphPad)を用いたカーブフィッティングによりIC50値を得、実験結果は表1に示された通りである。
【0326】
【表1】
結論:本発明の化合物は、PLK1に対して良好な阻害活性を示した。
【0327】
試験例2:in vitro PLK2/PLK3/PLK4キナーゼ活性評価
33P同位体標識キナーゼ活性試験(Reaction Biology Corp)を使用して、IC50値を測定し、それによりヒトPLKファミリープロテインキナーゼPLK2/PLK3/PLK4に対する試験化合物の阻害能力を評価した。
【0328】
緩衝液条件:20mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl、1mMのEGTA、0.01%のBrij35、0.02mg/mlのBSA、0.1mMのNaVO、2mMのDTT、1%のDMSO。
【0329】
試験ステップ:室温で、試験化合物をDMSOに溶解させ、使用するための10mMの溶液に調製した。基質Caseinを新たに調製した緩衝液(最終濃度:20μM)に溶解させ、それに試験PLK2/PLK3/PLK4キナーゼ(最終濃度はそれぞれ:15/10/150nM)を加え、均一に混合した。音波ピペッティングシステムEcho 550を使用して、DMSOに溶解させた試験化合物の母液を、設定された最終濃度勾配(最高最終濃度は1μM、3倍希釈、10勾配)に従って、上記の均一に混合した反応溶液に加えた。室温で20分間培養した後、33P-ATP(最終濃度はそれぞれ:30/50/10μM)を加え、室温で120分間培養した後、反応溶液をP81イオン交換濾
紙(Whatman#3698-915)にスポットした。0.75%のリン酸溶液で濾紙を繰り返して洗浄した後、濾紙上に残った放射性リン酸化基質のレベルを測定した。%キナーゼ活性=キナーゼ活性試験化合物/キナーゼ活性ブランク群(DMSO)×100%であり、Prism4ソフトウェア(GraphPad)を用いたカーブフィッティングによりIC50値を得、実験結果は表2に示された通りである。
【0330】
【表2】
結論:本発明の化合物は、PLK2/PLK3/PLK4キナーゼに対して弱い阻害活性を有し、即ち、PLK1に対して良好な選択性を有した。
【0331】
試験例3:in vitro HCT116細胞学活性評価
実験材料:
McCoy’s 5A培地、ペニシリン/ストレプトマイシン抗生物質はVicenteから購入し、ウシ胎児血清はBioseraから購入した。3D CellTiter-Glo(細胞生存率の化学発光検出試薬)試薬はPromegaから購入した。HCT116細胞株は、Nanjing Cobioer Biosciences Co.、Ltd.から購入した。Envisionマルチラベルアナライザー(PerkinElmer)。
【0332】
実験方法:
HCT116細胞を超低吸着96ウェルUプレートに播種し、各ウェルに80μLの細胞懸濁液とし、その中に1000個のHCT116細胞が含まれるようにした。細胞プレートを二酸化炭素インキュベーターで一晩培養した。
試験化合物をピペットで9個の濃度に5倍希釈し、即ち、2μMから5.12nMに希釈し、同じ条件で2つのウェルを設置した。78μLの培地をミドルプレートに加え、更に対応する位置に従って、2μL/ウェルの勾配希釈化合物をミドルプレートに移し、均一に混合した後20μL/ウェルを細胞プレートに移した。細胞プレートに移された化合物濃度の範囲は、10μM~0.0256nMであった。細胞プレートを二酸化炭素インキュベーターに入れ、5日間培養した。別の細胞プレートを用意し、薬物添加当日の最大値(下式のMax値)として信号値を読み取り、データ解析に参与させた。
当該細胞プレートの各ウェルに100μLの細胞生存率化学発光検出試薬を加え、室温で10分間培養して、発光信号を安定させた。マルチラベルアナライザーでデータを読み取った。
【0333】
データ分析:
式(Sample-Min)/(Max-Min)×100%を使用して元のデータを阻害率に変換すると、IC50値は、4つのパラメーターを使用したカーブフィッティングによって求めることができた(GraphPad Prismのlog(inhibitor)vs.response--Variable slopeモードで求めることができる)。表3は、HCT116細胞増殖に対する本発明の化合物の阻害活性を提供している。
【0334】
【表3】
結論:本発明の化合物は、HCT116細胞株において、細胞増殖に対して良好な阻害活性を示した。
【0335】
試験例4:CD-1オスマウスにおける試験化合物の経口及び静脈内注射の薬物動態研究
試験目的:
本実験の目的は、静脈内注射及び経口投与後のCD-1オスマウスの血漿中の試験化合物の薬物動態を研究するためである。
【0336】
実験操作:
静脈内注射群:適量の試験化合物を秤量し、20%のSBE-b-CDの水溶液で溶解させ、6Mの塩酸でpHを4~5に調節し、2分間ボルテックスして透明な溶液を得、その後、5Nの水酸化ナトリウムでpHを約7に調節し、1分間ボルテックスして1.5mg/mLの透明な溶液を得、使用のために0.22μmの微多孔膜で濾過した。6~10週齢のCD-1オスマウスを選択し、試験化合物溶液を静脈内注射した。試料収集時間は:0.083、0.25、0.5、1、2、4、6、8、24時間であった。
【0337】
経口投与群:適量の試験化合物を秤量し、20%のSBE-b-CDの水溶液で溶解させ、6Mの塩酸でpHを3~4に調節し、2分間ボルテックスして透明な溶液を得、その後、5Nの水酸化ナトリウムでpHを約7に調節し、1分間ボルテックスして、使用のために2.0mg/mLの透明な溶液を得た。6~10週齢のCD-1オスマウスを選択し、試験化合物を経口投与した。試料収集時間は:0.25、0.5、1、2、4、6、8、10、24時間であった。
各時点で頸静脈から約50uLの全血を収集し、HPLC-タンデム質量分析(LC-MS/MS)に用いられる血漿を調製して、濃度を測定した。最後の時点でPK試料を収集した後、すべての動物をCO麻酔で安楽死させた。WinNonlinTM Version 6.3(Pharsight、Mountain View、CA)薬物動態学ソフトの非コンパートメントモデルを使用して血漿濃度を処理し、線形対数ラダー法によって薬物動態パラメーターを計算し、実験結果は、下記の表4に示される通りである。
【0338】
【表4】
【0339】
実験結論:
化合物はCD-1マウスの薬物動態研究において低い薬物クリアランスを示し、経口投与した後、快速にピークに達し、比較的に高い経口吸收バイオアベイラビリティを示した。
【0340】
試験例5:ヒト結腸癌HCT116細胞皮下異種移植腫瘍モデルに対する試験化合物のin vivo薬力学的研究
1.実験目的
本実験では、ヒト結腸癌HCT116皮下移植腫瘍BALB/cヌードマウスモデルを使用して、試験化合物のin vivo抗腫瘍効果を評価する。
【0341】
2.実験方法
2.1モデルの構築
HCT116細胞の培養:McCoy’s 5A培地に10%のウシ胎児血清を加え、37℃の5%のCO細胞インキュベータで培養した。細胞の飽和度が80%~90%であり、細胞の数が要件に達した時、細胞を収集してカウントし、BALB/cヌードマウス(オス、6~7週齢)の皮下に接種した。
【0342】
2.2 群分け及び投与・観察
腫瘍がある程度成長した時点で、腫瘍体積が大きすぎる動物、小さすぎる動物又は腫瘍の形が不規則な動物を排除し、腫瘍体積が103.12~174.35mmの範囲の動物を選択し、腫瘍体積に応じて、無作為群分け法により動物を6つの群に分け、各群に6匹のマウスにし、平均腫瘍体積は約147.12mmであり、実験の群分け及び投与方法は下記の表5に示される通りである。動物の健康と死亡を毎日モニタリングし、定期的に腫瘍の成長及び例えば、行為活動、食物と水の摂取量、体重の変化(週に2回体重を測定)、腫瘍の大きさ(週に2回腫瘍体積を測定)、身体的兆候又はその他の異常の行動などの動物の日常行動に対する薬物治療の影響を検出した。
【0343】
【表5】
溶媒:即ちVehicle群、20%のSEB-β-CD。
PO:経口投与
QD:1日1回、5日間投与し、2日間休薬。
【0344】
2.3評価指標
腫瘍体積(tumor volume、TV)の計算式は:1/2×a×bであり、ここで、a、bはそれぞれ腫瘍の長さと幅を表す。腫瘍阻害率TGI(%)の計算式は:TGI(%)=[(1-(特定の処理群の投与終了時の平均腫瘍体積-当該処理群の投与開始時の平均腫瘍体積)/(溶媒対照群の治療終了時の平均腫瘍体積-溶媒対照群の治療開始時の平均腫瘍体積)]×100%である。
【0345】
2.4データ分析
本研究では、実験データはいずれもMean±SEMで表した。統計分析は、試験終了時のRTVデータに基づいてIBM SPSS Statisticsソフトを使用して実行された。2つの群間の比較にはT testを使用し、3つの群又はそれ以上の群間の比較にはone-way ANOVAを使用して分析し、分散が均一である場合(F値に有意差がない場合)、Tukey’s法で分析し、分散が均一ではない場合(F値に有意差がある場合)、Games-Howell法で試験した。p<0.05は、有意差があると見なされた。
【0346】
3. 実験結果と考察
本実験では、ヒト結腸癌HCT-116細胞皮下移植腫瘍BALB/cヌードマウスモデルにおける試験化合物1、化合物2、化合物8の薬効を評価した。本試験では、投与期間を通じてすべての実験群で動物の死亡が発生せず、マウスは良好な耐薬性を示した。実験結果は、表6及び図1図2に示される通りである。
【0347】
【表6】
【0348】
実験結論:当該薬力学的モデルにおいて、本発明の化合物は用量依存的な抗腫瘍活性を示し、有意な抗腫瘍効果を有し、すべての実験過程を通じて、動物の体重変化は溶媒群の体重変化に近似しており、動物は良好な耐薬性を示した。
図1
図2
【国際調査報告】