(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-07
(54)【発明の名称】強固な胸骨固定
(51)【国際特許分類】
A61B 17/82 20060101AFI20240131BHJP
【FI】
A61B17/82
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547800
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 US2022015097
(87)【国際公開番号】W WO2022173651
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516277727
【氏名又は名称】ジンマー バイオメット シーエムエフ アンド ソラシック,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100227835
【氏名又は名称】小川 剛孝
(72)【発明者】
【氏名】トッド シェイ オブライエン ザ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】イーリー ルーカス ノールズ
(72)【発明者】
【氏名】マックス ホランド ビラード
(72)【発明者】
【氏名】アダム ウェブスター ハウスマン
(72)【発明者】
【氏名】サディ ロドルフォ ガルシア
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL25
4C160LL31
4C160LL37
(57)【要約】
分離された胸骨の第1の部分と第2の部分とを固定するためのアンカーアセンブリ100が、ロック118、アンカー102及び締結具104を備えることができる。アンカーは、胸骨の第1の部分と第2の部分との間に配置可能な本体112を備えることができ、本体は端部分を画定することができる。アンカーは、本体に接続され、本体の端部分から外側に延びるカラー114を備えることができる。カラーは、胸骨の外面と係合して、胸骨の外面を越える本体の動きを制限することができる。締結具はアンカーに接続することができ、アンカーから延びることができる。締結具は、分離された胸骨の第1の部分及び第2の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離された胸骨の第1の部分と第2の部分とを固定するためのアンカーアセンブリであって、前記アンカーアセンブリは、
ロックと、
アンカーであって、
前記胸骨の前記第1の部分と前記第2の部分との間に配置可能な本体であって、端部分を画定する、本体と、
前記本体に接続され、前記本体の前記端部分から外側に延びるカラーであって、前記カラーは、前記胸骨の外面と係合可能である、カラーと、を具備する、アンカーと、
前記アンカーに接続され、前記アンカーから延びる締結具であって、前記締結具は、前記分離された胸骨の前記第1の部分及び前記第2の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成され、前記締結具は、前記締結具及び前記アンカーを前記胸骨に固定し、前記分離された胸骨の前記第1の部分を前記分離された胸骨の前記第2の部分に固定するために前記ロックに接続可能である、締結具と、を具備する、アンカーアセンブリ。
【請求項2】
前記締結具は、第1の要素及び第2の要素を備え、前記第1の要素は、前記胸骨の前記第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成され、前記第2の要素は、前記胸骨の前記第2の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成される、請求項1に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項3】
前記ロックは、
第1の締結具と係合して、前記アンカーに対する前記第1の締結要素の動きを制限するように構成された第1のロックと、
第2の締結具と係合して、前記アンカーに対する前記第2の締結要素の動きを制限するように構成された第2のロックと、を含む、請求項2に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のロック及び前記第2のロックは一方向のラチェット機構を備える、請求項3に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のロック及び前記第2のロックは、前記アンカーの前記本体と一体である、請求項4に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のロック及び前記第2のロックは、前記第1の要素及び前記第2の要素と一体である、請求項4に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項7】
前記締結具は、前記本体から延びる第3の要素を備え、前記第3の要素は、前記ロックの第1のロックを備え、前記第1のロックは、前記第1の要素を前記本体に固定するように構成され、
前記締結具は、前記本体から延びる第4の要素を備え、前記第4の要素は、前記ロックの第2のロックを備え、前記第2のロックは、前記第2の要素を前記本体に固定するように構成される、請求項2に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項8】
前記本体は、前記胸骨の前記第1の部分及び前記第2の部分に形成された骨孔内に挿入可能であり、前記カラーは、前記骨孔内での前記本体の動きを制限するために、前記胸骨の前記外面と係合可能であり、前記本体は、前記胸骨の前記第1の部分と前記胸骨の前記第2の部分との間の相対運動を制限するために、前記骨孔と係合可能である、請求項1から請求項7の何れか1項に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項9】
前記本体は、前記胸骨の前記第1の部分に骨孔を形成するために、前記胸骨と係合可能な突起を形成する、請求項1から請求項8の何れか1項に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項10】
前記締結具は、前記胸骨の前記第1の部分を少なくとも部分的に取り囲み、前記アンカーの前記本体を通過し、前記胸骨の前記第2の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成される、請求項1から請求項9の何れか1項に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項11】
前記締結具、前記アンカー及び前記ロックは一体的に形成される、請求項1から請求項10の何れか1項に記載のアンカーアセンブリ。
【請求項12】
胸骨正中切開を修復する方法であって、前記方法は、
胸骨の正中線に沿って骨孔を作成するステップであって、前記骨孔は、前記胸骨の第1の部分及び前記胸骨の第2の部分に形成される、ステップと、
前記胸骨の前記第1の部分と前記胸骨の前記第2の部分との間の正中線に沿ってアンカーアセンブリのアンカーを位置決めするステップと、
前記胸骨の前記第1の部分の少なくとも一部を前記アンカーアセンブリの締結具で取り囲むステップであって、前記締結具は前記アンカーに接続される、ステップと、
前記胸骨の前記第2の部分の少なくとも一部を前記アンカーの前記締結具で取り囲むステップと、
前記アンカーアセンブリのロックを前記締結具に係合させて、前記締結具を前記ロック及び前記アンカーの前記アンカーに固定し、前記胸骨の前記第1の部分を前記胸骨の前記第2の部分に固定するステップと、を含む、方法。
【請求項13】
前記締結具を使用して、前記第1の胸骨部分と前記第2の胸骨部分を接近させるステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ロックにおける前記締結具を締め付けることにより、前記第1の胸骨部分及び前記第2の胸骨部分を整復するステップをさらに含む、請求項12から請求項13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記胸骨の前記第1の部分の一部を取り囲んだ後、前記胸骨の前記第2の部分の一部を取り囲む前に、前記締結具を前記アンカーに通すステップをさらに含む、請求項12から請求項14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
カットガイドを使用して、前記正中線に沿って、前記骨孔の中心を通って前記胸骨切開を実施するステップをさらに含む、請求項12から請求項15の何れか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記骨孔は、前記カットガイドを使用して形成される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
肋間腔に前記締結具の針を通すステップと、
前記締結具の少なくとも一部を前記肋間腔に通過させた後、前記締結具から前記針を除去するステップと、をさらに含む、請求項12から請求項17の何れか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記胸骨の前記第1の部分の少なくとも一部を取り囲むステップは、該一部を前記締結具の第1の要素で取り囲むステップを含み、前記胸骨の前記第2の部分の少なくとも一部を取り囲むステップは、該一部を前記締結具の第2の要素で取り囲むステップであって、前記第1の要素及び前記第2の要素が前記アンカーに接続されている、ステップを含む、請求項12から請求項18の何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記ロックを係合するステップは、前記ロックの第1のロックを前記締結具の前記第1の要素と係合するステップを含み、前記ロックの第2のロックを前記締結具の前記第2の要素と係合するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のロック及び前記第2のロックは、前記アンカーと一体的に形成される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
分離された胸骨の第1の部分と第2の部分とを固定するためのアンカーアセンブリであって、前記アンカーアセンブリは、
アンカーであって、
前記胸骨の前記第1の部分と前記第2の部分との間に配置可能な本体であって、前記本体は、端部分を画定する、本体と、
前記本体に接続され、前記本体の前記端部分から外側に延びるカラーであって、前記カラーは前記胸骨の外面と係合可能である、カラーと、を具備する、アンカーと、
前記アンカーに接続され、前記アンカーから延びる締結具であって、前記締結具は、前記分離された胸骨の前記第1の部分及び前記第2の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成され、前記締結具は、前記締結具及び前記アンカーを前記胸骨に固定し、前記分離された胸骨の前記第1の部分を前記分離された胸骨の前記第2の部分に固定するために前記本体又は前記締結具自体に接続可能である、締結具と、を具備する、アンカーアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2021年2月9日に出願された米国仮特許出願第63/147,409号の利益を主張する。この米国仮特許出願は、その優先権の利益を本明細書で主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
胸骨切開術とは、心臓矯正処置などのために、患者の胸部又は胸腔にアクセスするために患者の胸骨を分離するために実施される処置である。胸骨切開術では、胸骨を垂直(上から下)に切断し、胸骨を割るか、分離して胸腔にアクセスすることができるようにする。胸腔内での処置の後は、胸骨を閉じる必要がある。一般に、胸骨半体周りにワイヤ締結具を巻き付けるか、骨ネジを使用して硬質骨プレートを胸骨半体に固定して、胸骨切開を閉じるか修復する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
必ずしも一定の縮尺で描かれていない図面では、異なる図にて類似の符号は類似の構成要素を表す場合がある。異なる文字の接尾辞を有する類似の数字が、類似の構成要素の異なる実例を表す場合がある。図面は、本明細書で考察するさまざまな実施形態を、限定ではなく例として概ね示す。
【
図1】
図1は、胸骨、肋骨及びアンカーアセンブリの等角図を示す。
【
図4A】
図4Aは、胸骨及びアンカーアセンブリの上面図を示す。
【
図4B】
図4Bは、胸骨及びアンカーアセンブリの断面図を示す。
【
図5A】
図5Aは、胸骨及びアンカーアセンブリの上面図を示す。
【
図5B】
図5Bは、胸骨及びアンカーアセンブリの断面図を示す。
【
図6】
図6は、胸骨及びアンカーアセンブリの断面図を示す。
【
図7】
図7は、胸骨及びアンカーアセンブリの断面図を示す。
【
図8A】
図8Aは、胸骨及びアンカーアセンブリの断面図を示す。
【
図8B】
図8Bは、胸骨及びアンカーアセンブリの
図8Aの標識8B-8Bに沿った断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
患者の胸腔にアクセスするために正中線切除を施し、胸骨の2つの半体又は部分を分離することにより、患者の胸骨に対して(心臓手術の前などに)胸骨切開を実施することがよくある。処置後、胸骨は、半体が共に治癒する間、2つの半体を所定の位置に保持するために1つ又は複数のワイヤ締結具を使用して修復されることがよくある。ワイヤ締結具が胸骨の内側と外側の分離(又は半体の相対的な動き)を防ぐのを支援することができるが、ワイヤ締結具は半体の前後の相対的な動きを制限する効果が低いほか、半体の相対的な上下の動きを制限する効果も低くなる。ワイヤ締結具はこのほか、意図せずに胸骨の外側部分に侵入することがある。硬質骨プレートを用いるのは、ワイヤ締結具の欠点に対処するために使用されることの多い戦略である。硬質骨プレートは、胸骨の各部分又は各半体に固定することができ、胸骨の半体の全方向への相対的な動きを制限するのを支援することができる。しかし、骨プレートとネジのアセンブリには、ワイヤ締結具に比べて比較的高価になる可能性があり、プレートを胸骨の半体に適切に固定するために、プレートの固定には10本から20本以上のネジが使用されることが多いため、修復処置にかなりの数の手順が追加される可能性がある。
【0005】
本発明者らは、プレートシステムに関するコストを削減しながら、胸骨半体を固定し、胸骨半体の互いに対する動きを制限するのに役立つように、アンカーアセンブリを使用することができることを認識した。アンカーアセンブリは、胸骨半体の間の骨孔に挿入可能なアンカーを備えることができ、アンカーに取り付けられた1つ又は複数の締結要素を備えることができる。締結要素は、胸骨半体周りに位置決めすることができ、(ケーブルタイで使用されるものとほぼ同じ)一体型ラチェットロックなどのロックを使用してアンカーに係止することができる。胸骨切開を修復するためのそのようなアンカーアセンブリの使用では、硬質プレートアセンブリ及びネジシステムよりも手順が少なくなる一方、そのようなアンカーアセンブリの使用では、ワイヤ締結具よりも胸骨半体の相対的な動きに抵抗することができる。
【0006】
上記の考察は、本特許出願の課題の概要を提供することを目的とするものである。本発明の排他的又は網羅的な説明を提供することを意図したものではない。以下の説明は、本特許出願に関する追加の情報を提供するために記載されるものである。
【0007】
図1は、胸骨50、胸骨部分52a及び52b、肋骨54aから54n、肋骨55aから55n及びアンカーアセンブリ100a及び100bの等角図を示す。アンカーアセンブリ100a及び100bはそれぞれ、アンカー102及び締結具104を備えることができる。締結具104は締結要素106及び108を備えることができる。締結要素106及び108は、アンカー102に接続することができ、身体から外側に延在することができる。
図1はこのほか、上側、下側、内側及び外側の方向標識を示す。
【0008】
胸骨切開中、正中線切断を実施する前又は後の何れかに、胸骨50の正中線60に1つ又は複数の骨孔58(58aから58c)を作成することができる。いくつかの例では、カットガイドを使用して、正中線切断又は骨孔58を作成することができる。骨孔58の作成後、アンカーアセンブリ100のアンカー102は骨孔58内に挿入することができる。例えば、アセンブリ100Aのアンカー102は骨孔58cに挿入することができる。次に、第1の締結要素108は、肋骨54aと肋骨54bなどの肋骨の間に位置決めすることができ、締結要素108は、アセンブリのロックに固定される前に、胸骨50の胸骨部分52b周りに少なくとも部分的に巻き付けることができる。次に、締結要素106は、肋骨55aと肋骨55bなどの肋骨の間に位置決めすることができ、ロックに固定される前に、胸骨50の胸骨部分52a周りに少なくとも部分的に巻き付けることができる。
【0009】
締結要素104はこのほか、締結要素106及び108を締め付けることによって胸骨部分を接近させるために使用することができ、締結要素106及び108をロック(又は複数のロック)にさらに締め付けることによって胸骨部分52a及び52bを整復するために使用することができる。正中線切除を施す前に骨孔58を作成することができるため、アンカー102を骨孔56内に位置決めすると、胸骨半体52a及び52bが適切に位置決めされるのを確実なものとするのを支援することができる。
【0010】
胸骨部分52aと胸骨部分52bとが位置合わせされた時点で、ロックを使用して締結具104を締め付けて、胸骨50及びアンカー102に対する締結具104の位置を固定することができ、胸骨部分52aと52bの内外方向、上下方向及び前後方向の相対的な動きを制限するのに役立つ。アンカーアセンブリ100については、以下でさらに詳細に考察する。
【0011】
図2Aは、アンカーアセンブリ100の等角図を示す。
図2Bは、アンカーアセンブリ100の等角図を示す。
図2A及び
図2Bについては、以下でまとめて考察する。アンカーアセンブリ100は、
図1のアセンブリ100とほぼ同じものであってもよい。追加の詳細については、
図2A及び
図2Bを参照して以下で考察する。
【0012】
例えば、
図2A及び
図2Bは、締結要素106及び108が比較的長くなり、アンカー102から外側に延びることができることを示す。締結要素106及び108は、異なる長さであってもよい。例えば、締結要素108は、(
図1の部分52a及び52bなどの)胸骨部分の接近及び整復に締結要素108を使用することができるように、締結要素106よりも長くすることができる。
【0013】
(アンカー102及び締結具104を備える)アンカーアセンブリ100は、金属、プラスチック、発泡体、エラストマー、セラミック、複合材料又はその組み合わせなどの材料から作成することができる。いくつかの例では、アンカーアセンブリ100は、ステンレス鋼、コバルトクロム、チタン変形物、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)又はその組み合わせなどの生体適合性材料から構成することができる。
【0014】
図2A及び
図2Bはこのほか、締結具104が1つ又は複数の針110を備え得ることを示す。針110は、締結要素106の外端又はその近くに接続することができる。針110は、締結要素106を肋骨間の肋骨組織にさらに容易に通すために使用することができる。締結要素106を肋骨組織に通した後、針110を除去する(切り取る)ことができる。締結要素108はこのほか、針を備えることができる。
【0015】
図3Aは、アンカーアセンブリ100の拡大等角図を示す。
図3Bは、アンカーアセンブリ100の拡大等角図を示す。
図3Cは、アンカーアセンブリ100の拡大上面図を示す。
図3Aから
図3Cのアンカーアセンブリは、
図1から
図2で考察したアンカーアセンブリ100とほぼ同じであってもよい。追加の詳細については、
図3Aから3Cを参照して以下で考察する。
【0016】
例えば、
図3A及び
図3Bは、アンカー102が本体112及びカラー114を備え得ることを示す。本体112は、実質的に円筒形であり、骨孔(例えば、
図1の骨孔56)に挿入されるように構成することができる。本体112は、他の例では、直方体、六角柱、八角柱などの他の形状であってもよい。カラー114は、カラー114が本体112の直径又は半径方向外形寸法よりも大きい直径又は半径方向外形寸法を有するように、本体112の端部分112aから外側に(例えば、半径方向外側に)延在することができる。カラー114は、本体112が骨孔(骨孔56など)に挿入されるときに、胸骨(胸骨50など)の上面と係合して、アンカー102の骨孔内への(後方への)動きを制限するのに役立つように構成することができる。任意選択で、第2のカラーを、カラー114とは反対側の本体112の端部に接続することができ、第2のカラーは、その端部から半径方向外側に延在することができる。第2のカラーとカラー114は共にその間に胸骨を捕捉することができる。
【0017】
本体112及びカラー114(即ち、アンカー102)は、通常の日常活動の負荷の下で塑性変形することなく胸骨半体に係合するように構成された剛体又は半剛体であってもよい。逆に、締結具104は、周囲に締結具が位置決めされる胸骨半体(又は複数の半体)に適合するように形状を変化させることができるように、比較的柔軟であってもよい。
【0018】
図3Aから
図3Cはこのほか、アンカー102が、本体112及びカラー114を通って延びるチャネル116a及び116bを備え得ることを示す。チャネル116a及び116bは、締結要素106及び108がアンカー102に係止して胸骨の半体又は部分を固定するのを支援するために、締結要素106及び108をそれぞれ、チャネルの中に受容するか、チャネルを貫通して受容するようなサイズにすることができる。いくつかの例では、チャネル116a及び116bは、写し鏡構成で同じサイズ及び形状であってもよい。いくつかの例では、チャネル116は、異なるサイズ、形状又は向きであってもよい。
【0019】
図3Aから
図3Cはこのほか、アンカー102がロック118a及び118bを備えることができ、ロック118a及び118bを任意選択でアンカー102の本体112に一体的に形成し得ることを示す。ロック118a及び118bは、スロット120a及び120bをそれぞれ備え、ラチェット122a及び122bをそれぞれ備えることができる。ラチェット122a及び122bは、チャネル116a及び116b内にそれぞれ延びることができるように、本体112の他の壁を通って、スロット120a及び120b内にそれぞれ延びることができる。ラチェット122a及び122bは、チャネル116a及び116b内にそれぞれ延びることによって、締結要素108及び106がチャネル116a及び116bをそれぞれ通過するときに、締結要素108及び106とそれぞれ係合することができ、締結要素106及び108を本体112に係止可能にする。
【0020】
図3Bはこのほか、締結要素106の歯126aから126n及び締結要素108の歯128aから128nを示す。歯126及び128はそれぞれ、締結要素106及び108の下側の隆起部分であってもよい。歯126及び128は、ラチェット122a及び122bとそれぞれ係合して、締結要素106及び108をそれぞれの位置に係止するように構成することができる。歯126及び128とラチェット122a及び122bは、まとまって一方向ロック、ラチェット機構又はラチェットロックを形成することができ、締結要素106及び108がロック118から後退するのを防止するのを支援することができる。
【0021】
アンカー102が埋め込まれると、カラー114は胸骨の外面(例えば前面)と係合して、骨孔(例えば、骨孔56a)内へのアンカー102の移動を制限することができる。このほか、本体112は、骨孔、ひいては胸骨半体52a及び52bと係合して、内部方向及び上方向での互いに対する動きを制限するのを支援することができる。アンカー102が骨孔内に固定され、締結具104がロック118(又はロック118a及び118b)に固定されるとき、締結具104は、胸骨半体52a及び52bの分離を制限するのを支援するか、胸骨半体52a及び52bの内側及び外側への相対的な動きを制限するのを支援することができる。このほか、アンカー102が骨孔内に固定され、締結具104がロック118(又はロック118a及び118b)に固定されるとき、締結具104は、前後方向の胸骨半体の相対的な動きを制限するのを支援することができる。このように、アンカーアセンブリは、他の解決策に比べて、コストの削減を支援しながら、胸骨半体の分離又は移動を制限するのを支援することができる。
【0022】
図4Aは、胸骨50及びアンカーアセンブリ400aから400dの上面図を示す。
図4Bは、胸骨及びアンカーアセンブリ400bの
図4Aの標識4B-4Bに沿った断面図を示す。
図4Aはこのほか、上側、下側、内側及び外側の方向標識を示す。
図4Bは、前方、後方、内側及び外側の方向標識を示す。
図4A及び
図4Bについては、以下でまとめて考察する。
【0023】
アンカーアセンブリ400は、上記で考察したアンカーアセンブリ100とほぼ同じものであってもよい。アンカーアセンブリ400は、アンカー402と、締結要素406及び408を備える締結具404と、を備えることができる。アンカー402は、骨孔56b内に位置決め可能であり、締結要素406は、胸骨部分52aの周囲に延びるか、その周囲の少なくとも一部に延びることができ、締結要素408は、胸骨部分52bの周囲に延びるか、その周囲の少なくとも一部に延びることができる。締結要素406及び408は、ロック418と係合して、締結要素406及び408を胸骨半体52a及び52bにそれぞれ固定することができる。ロック418は、ケーブルタイ型のロックなどのラチェット式ロックであっても、他の型のロック(例えば、留め具、クランプ、接着剤など)であってもよい。
【0024】
図4Bは、アンカーアセンブリ400がアンカー402の前部に開口部430を備えることができ、ロック418の近くの締結要素406及び408へのアクセスを提供し得ることを示す。これにより、開口部430は、締結要素406及び408をアンカー402の前面の後方のロック418の近くで切り取ることを可能にし、アンカーアセンブリ400の触知可能性を低減するのを支援することができ、締結具404の切断端部と組織(例えば、皮膚)との間の組織相互作用を制限するのを支援することができる。
【0025】
図5Aは、胸骨50及びアンカーアセンブリ500aから500cの上面図を示す。
図5Bは、胸骨及びアンカーアセンブリ500bの
図5Aの標識5B-5Bに沿った断面図を示す。
図5Aはこのほか、上側、下側、内側及び外側の方向標識を示す。
図5Bはこのほか、前方、後方、内側及び外側の方向標識を示す。
図5A及び
図5Bについては、以下でまとめて考察する。
【0026】
アンカーアセンブリ500は、アンカー502を備えるという点で、上記で考察したアンカーアセンブリ100及び400とほぼ同じものであってもよい。アンカー500は、骨孔56b内に位置決め可能な本体502又はボタンを備えることができる。本体502はこのほか、本体502の半径方向(横方向)外面から半径方向内向きに延びることができる溝532a及び532bを備えることができる。溝532a及び532bは、本体502の周囲に延びる1つの溝であっても、別個又は個別の複数の溝であってもよい。溝532は、切り込み、刻み目、チャネルなどであってもよい。
【0027】
溝532a及び532bは、
図5Bに示すように、骨孔56bで胸骨半体52a及び52bを受容するように構成することができる。胸骨半体52a及び52bが溝内に位置決めされるとき、溝532を画定するフランジ間と胸骨半体52間との係合が、胸骨半体52a及び52bの相対的な前後の動きを制限するのを支援することができる。例えば、胸骨半体52a及び52bと溝532a及び532bとの間のそれぞれの係合が、胸骨半体52a及び52bの互いに対する前後の動きを制限するのを支援することができる。
【0028】
溝532が本体502の上部及び下部まで延びる例では、溝532はこのほか、胸骨部分502a及び502bの相対的な下部及び上部への動きを制限するのを支援することができる。上記又は下記で考察するアンカーアセンブリのいずれも、アンカーアセンブリ500の溝を備えるように変更することができる。
【0029】
アセンブリ500はこのほか、上記のアセンブリで考察したケーブルタイ型の締結具であっても、他の型の締結具であってもよい締結具504を備えることができる。例えば、ワイヤを、本体502の開口部530を通して供給することができるため、アンカー500と共に使用することができる。同じように、ケーブルタイ型の締結具を、開口部530を通して供給することができる。任意選択で、開口部530に蓋をするか、詰め物をすることができる。任意の型の締結具の使用が、胸骨半体52の内側方向及び外側方向の互いに対する動きを制限するのを支援することができる。
【0030】
任意選択で、単一の締結要素を使用して、開口部530を通過させずに胸骨半体52a及び52bの周囲を通過させることができる。そのような例では、本体は、胸骨半体52の前後方向の動きを制限するのを支援することができる。
【0031】
使用時、アセンブリ500は、溝532bを使用して胸骨の一方の半体(例えば、52b)に固定することができ、その後、他方の胸骨半体52aを溝532a内に移動させて、胸骨を前後及び上下に近づけることができる。次いで、締結具504は、内外に接近し、胸骨50に対してアセンブリ500を所定の位置に固定するように設置することができる。任意選択で、締結具の端部を開口部530内に位置決めすることができ、開口部530に任意選択で蓋をすることができる。チャネル532の直径又はサイズは、正中線58の切除前に骨孔56を作成するために任意にサイズ設定することができる。即ち、正中線58の切除中に骨材料を除去し、骨孔56の形状が変化する可能性がある。チャネル532は、骨孔56の形状又はサイズの変化に適応するようなサイズにすることができる。
【0032】
図6は、胸骨50及びアンカーアセンブリ600の断面図を示す。
図6はこのほか、前方及び後方の方向標識を示す。アンカーアセンブリ600は、アンカーアセンブリ100など、上記で考察したものとほぼ同じものであってもよい。アセンブリ600は、締結具604が単一の締結要素を備えることができるという点で異なる可能性がある。
【0033】
締結具604は、アンカー602の後部などでアンカー602に接続することができる。使用中、締結具604は、胸骨部分52b周りに巻き付けられ、その後、アンカー602の開口部630を通過することができる。任意選択で、アンカー602は、開口部630内に第1のロック618aを備えることができ、これにより、締結具604が胸骨部分52b周りに固定され、次いでアンカー602に係止することが可能になる。締結具604が第1のロック618aに固定された時点で(あるいは任意選択で開口部630を通過した後に)、締結具604は胸骨部分52a周りを通過し、第2のロック618bによってアンカー602に固定することができる。他の例では、第2のロック618bは他の場所にあってもよい。
【0034】
いくつかの例では、アンカー602及び締結具604は一体的に形成されても、単一部品であってもよい。一体型アセンブリ又は単一の締結要素を使用することにより、2つの胸骨半体の接近と整復を簡素化するのを支援することができる。
【0035】
図7は、胸骨50及びアンカーアセンブリ700の断面図を示す。
図7はこのほか、前方及び後方の方向標識を示す。アンカーアセンブリ700は、アンカーアセンブリ100などの上記で考察したものとほぼ同じであってもよいが、アセンブリ700は、締結具704が4つの要素706、708、736及び738を備えることができる点で異なる可能性がある。
【0036】
締結要素706及び708は、締結要素708が胸骨半体52a周りに少なくとも部分的に位置決めされ、締結要素706が締結半体52b周りに少なくとも部分的に延びることができるように、アンカー702の後部から延びることができる。締結要素738は、アンカー702の前部から胸骨半体52a周りに延在することができ、そこで締結要素738は、締結要素708を受容するように構成されたロック718aに接続して、胸骨半体52a周りに締結要素708及び738を固定することができる。同じように、締結要素736は、アンカー702の前部から胸骨半体52b周りに延在することができ、そこで締結要素736は、締結要素706を受容するように構成されたロック718bに接続して、胸骨半体52b周りに締結要素706及び736を固定することができる。
【0037】
ロック718をアンカー702の外側に位置づけることによって、アンカー702は、比較的小さめの直径又はサイズを有することができ、これにより、骨孔56を比較的小さくすることができ、患者の治癒を改善するのを支援することができる。ロック718は、締結要素706、708、736及び738の何れかに沿ったどこにでも位置づけることができる。
【0038】
図8Aは、胸骨50及びアンカーアセンブリ800の断面図を示す。
図8Bは、胸骨50及びアンカーアセンブリ800の
図8Aの標識8B-8Bに沿った断面図を示す。
図8A及び
図8Bはこのほか、内側及び外側の方向標識を示す。
図8A及び8Bについては、以下でまとめて考察する。
【0039】
アンカーアセンブリ800は、アンカー802及び締結具804を備えることができる。アンカー802は、本体812及びカラー814を備えることができる。締結具804は、締結要素806、808、836及び38を備えることができる。アンカーアセンブリ800はこのほか、ロック818a及び818bを備えることができる。アンカーアセンブリ800は、上記で考察したアンカーアセンブリとほぼ同じものであってもよい。アンカーアセンブリ800は、ダイヤモンド形状の本体を有することができるという点で異なる可能性がる。上記で考察したアンカーアセンブリのいずれも、類似の形状を有する本体を備えるように変更することができる。
【0040】
本体812は、
図8Bに示すように、後方から見るとダイヤモンドの形状とほぼ同じ形状にすることができる。即ち、本体812は、本体812から外側(例えば、横方向)に延びる突起840及び842を備えることができ、突起840及び842が比較的鋭利になるように一点で終端することができる。動作中、胸骨半体52が整復されて互いに係合し、突起840及び842と係合するとき、鋭利な突起は胸骨半体52a及び52bと係合することができる。胸骨半体はすでに正中線58で切断されているため、突起840及び842が胸骨半体52a及び52bの骨を貫通するか変形させて、穿孔操作を実施せずに、胸骨半体52a及び52bに本体812のための骨孔を形成するように、整復中に胸骨半体の比較的柔らかい骨が突起840及び842と係合することになる。これにより、そのような本体は、穿孔操作を実施せずに設置することができ、胸骨切開を閉じるための処置中の時間を節約することができる。任意選択で、突起840及び842は、複数の点を備えることができるか、鋸歯状縁を備えることができる。
【0041】
図9は、本開示の少なくとも1つの例による方法900の概略図を示す。方法900は、アンカーアセンブリを使用して胸骨切開を修復する方法であってもよい。方法900のさらに具体的な例については以下で考察する。方法900のステップ又は動作は、便宜及び明確性のために、特定の順序で示している。考察した動作の多くを、他の動作に実質的な影響を及ぼすことなく、別の順序で実施するか、並行して実施することができる。考察した方法900は、複数の異なる当事者、デバイス及び/又はシステムによって実施される動作を含む。方法900で考察する動作のサブセットが、単一の当事者、装置又はシステムに起因する可能性があり、別個の独立型のプロセス又は方法と考えられることがあり得ることが理解される。
【0042】
方法900は、胸骨を切開し、上側から下側への切断を実施するなど、胸骨切開を実施することから開始することができる。この方法は、胸骨の正中線に沿って骨孔を作成することができ、骨孔は胸骨の第1の部分及び胸骨の第2の部分に形成することができるステップ902にて開始するか、継続することができる。例えば、骨孔56は、胸骨50の正中線58に沿って作成することができる。ステップ904では、アンカーアセンブリのアンカーを、胸骨の第1の部分と胸骨の第2の部分との間の正中線に沿って位置決めすることができる。例えば、アンカー102は、第1の部分52aと第2の部分52bとの間の正中線58に沿って位置決めすることができる。
【0043】
ステップ906では、胸骨の第1の部分の少なくとも一部をアンカーアセンブリの締結具で取り囲むことができる。ここで、締結具はアンカーに接続することができ、胸骨の第2の部分の少なくとも一部をアンカーの締結具で取り囲むことができる。例えば、部分52aは、本体に接続可能な締結具104(例えば、106、108)によって少なくとも部分的に取り囲むことができ、部分52bは、締結具104によって取り囲むことができる。ステップ908では、締結具を使用して、第1の胸骨部分と第2の胸骨部分とを接近させることができる。例えば、胸骨部分52aと52bとは、締結具104が胸骨部分52aを少なくとも部分的に取り囲んだ後などに、締結具104を使用して接近させることができる。このほか、ステップ908では、第1の胸骨部分及び第2の胸骨部分は、ロック内の締結具を締め付けることによって整復することができる。例えば、胸骨部分52a及び52bは、ロック118内の締結具104を締め付けることによって整復することができる。
【0044】
ステップ910では、アンカーアセンブリのロックを締結具に係合させて、締結具をロック及びアンカーアセンブリのロックに固定し、胸骨の第1の部分を胸骨の第2の部分に固定することができる。例えば、ロック118は、締結具104と係合して、締結具104をロック118に固定することができる。
【0045】
別の例では、締結具104は、胸骨52aの第1の部分の一部を取り囲んだ後、胸骨52bの第2の部分の一部を取り囲む前に、アンカー102を通過することができる。別の例では、カットガイドを使用して、正中線58に沿って、骨孔56の中心を通って胸骨切開を実施することができる。ここで、骨孔56はカットガイドを使用して形成することができる。別の例では、このカットガイドを使用して、正中線58に沿って、骨孔の中心を通って胸骨切開を実施することができる。ここで、骨孔56はカットガイドを使用して形成することができる。
【0046】
別の例では、締結具104の針110は、肋間腔を通過することができ、締結具104の少なくとも一部を肋間腔に通過させた後、締結具104から除去することができる。
【0047】
別の例では、胸骨の第1の部分52bの少なくとも一部を締結具104の第1の要素108で取り囲むことができ、第2の部分52aの少なくとも一部を締結具104の第2の要素106で少なくとも部分的に取り囲むことができる。ここでは、第1の要素108及び第2の要素106はアンカー102に接続することができる。
【0048】
別の例では、ロック118は、締結具104の第1の要素108と係合可能な第1のロック118aを備えることができ、締結具の第2要素106と係合可能な第2のロック118bを備えることができる。任意選択で、第1のロック118a及び第2のロック118bは、アンカー102と一体的に形成することができる。
注記及び例
【0049】
以下の非限定的な例では、とりわけ、課題を解決し、本明細書で考察する利点を提供するために、本主題の特定の態様を詳述する。
【0050】
例1は、分離された胸骨の第1の部分と第2の部分を固定するためのアンカーアセンブリである。このアンカーアセンブリは、ロックと、アンカーであって、胸骨の第1の部分と第2の部分との間に位置づけ可能な本体であって、端部分を画定する、本体と、本体に接続され、本体の端部分から外側に延びるカラーであって、カラーは、胸骨の外面を越えた本体の移動を制限するために胸骨の外面と係合可能である、カラーと、を備える、アンカーと、アンカーに接続され、アンカーから延びる締結具であって、締結具は、分離された胸骨の第1の部分及び第2の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成され、締結具は、締結具及びアンカーを胸骨に固定し、分離された胸骨の第1の部分を分離された胸骨の第2の部分に固定するためにロックに接続可能である、締結具と、を備える。
【0051】
例2では、例1の主題にて、任意選択で、締結具は、第1の要素及び第2の要素を備え、第1の要素は、胸骨の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成され、第2の要素は、胸骨の第2の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成される。
【0052】
例3では、例2の主題にて、任意選択で、ロックは、第1の締結具と係合して、アンカーに対する第1の締結要素の動きを制限するように構成された第1のロックと、第2の締結具と係合して、アンカーに対する第2の締結要素の動きを制限するように構成された第2のロックと、を含む。
【0053】
例4では、例3の主題にて、任意選択で、第1のロック及び第2のロックは一方向のラチェット機構を備える。
【0054】
例5では、例4の主題にて、任意選択で、第1のロック及び第2のロックは、アンカーの本体と一体である。
【0055】
例6では、例4から例5の何れか1つ又は複数の主題にて、任意選択で、第1のロック及び第2のロックは、第1の要素及び第2の要素と一体である。
【0056】
例7では、例2から例6の何れか1つ又は複数の主題にて、任意選択で、締結具は、本体から延びる第3の要素を備え、第3の要素は、ロックの第1のロックを備え、第1のロックは、第1の要素を本体に固定するように構成され、締結具は、本体から延びる第4の要素を備え、第4の要素は、ロックの第2のロックを備え、第2のロックは、第2の要素を本体に固定するように構成される。
【0057】
例8では、例1から例7の何れか1つ又は複数の主題にて、任意選択で、本体は、胸骨の第1の部分及び第2の部分に形成された骨孔内に挿入可能であり、カラーは、骨孔内への本体の動きを制限するために、胸骨の外面と係合可能であり、本体は、胸骨の第1の部分と胸骨の第2の部分との間の相対運動を制限するために、骨孔と係合可能である。
【0058】
例9では、例1から例8の何れか1つ又は複数の主題にて、任意選択で、本体は、胸骨の第1の部分に骨孔を形成するために胸骨と係合可能な突起を形成する。
【0059】
例10では、例1から例9の何れか1つ又は複数の主題にて、任意選択で、締結具は、胸骨の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲み、アンカーの本体を通過し、胸骨の第2の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成される
【0060】
例11では、例1から例10の何れか1つ又は複数の主題にて、任意選択で、締結具、アンカー及びロックは一体的に形成される。
【0061】
例12は、胸骨正中切開を修復する方法である。この方法は、胸骨の正中線に沿って骨孔を作成するステップであって、骨孔は、胸骨の第1の部分及び胸骨の第2の部分に形成される、ステップと、胸骨の第1の部分と胸骨の第2の部分との間の正中線に沿ってアンカーアセンブリのアンカーを位置決めするステップと、胸骨の第1の部分の少なくとも一部をアンカーアセンブリの締結具で取り囲むステップであって、締結具はアンカーに接続される、ステップと、胸骨の第2の部分の少なくとも一部をアンカーの締結具で取り囲むステップと、アンカーアセンブリのロックを締結具に係合させて、締結具をロック及びアンカーのアンカーに固定し、胸骨の第1の部分を胸骨の第2の部分に固定するステップと、を含む。
【0062】
例13では、例12の主題にて、任意選択で、締結具を使用して、第1の胸骨部分と第2の胸骨部分を接近させるステップを含む。
【0063】
例14では、例12から例13の何れか1つ又は複数の主題にて、任意選択で、ロックの締結具を締め付けることにより、第1の胸骨部分と第2の胸骨部分を整復するステップを含む。
【0064】
例15では、例12から例14の何れか1つ又は複数の主題にて、任意選択で、胸骨の第1の部分の一部を取り囲んだ後、胸骨の第2の部分の一部を取り囲む前に、締結具をアンカーに通すステップを含む。
【0065】
例16では、例12から例15の何れか1つ又は複数の主題にて、任意選択で、カットガイドを使用して、正中線に沿って、骨孔の中心を通って胸骨切開を実施するステップを含む。
【0066】
例17では、例16の主題にて、任意選択で、骨孔は、カットガイドを使用して形成される。
【0067】
例18では、例12から例17の何れか1つ又は複数の主題にて、任意選択で、肋間腔に締結具の針を通すステップと、締結具の少なくとも一部を肋間腔に通した後、締結具から針を除去するステップと、を含む。
【0068】
例19では、例12から例18の何れか1つ又は複数の主題にて、任意選択で、胸骨の第1の部分の少なくとも一部を取り囲むステップは、この一部を締結具の第1の要素で取り囲むステップを含み、胸骨の第2の部分の少なくとも一部を取り囲むステップは、この一部を締結具の第2の要素で取り囲むステップであって、第1の要素及び第2の要素がアンカーに接続されている、ステップを含む。
【0069】
例20では、例19の主題にて、任意選択で、ロックを係合するステップは、ロックの第1のロックを締結具の第1の要素と係合するステップを含み、ロックの第2のロックを締結具の第2の要素と係合するステップを含む。
【0070】
例21では、例20の主題にて、任意選択で、第1のロック及び第2のロックは、アンカーと一体的に形成される
【0071】
例22は、分離された胸骨の第1の部分と第2の部分とを固定するためのアンカーアセンブリである。このアンカーアセンブリは、アンカーであって、胸骨の第1の部分と第2の部分との間に位置づけ可能な本体であって、端部分を画定する、本体と、本体に接続され、本体の端部分から外側に延びるカラーであって、カラーは、胸骨の外面を越える本体の動きを制限するために、胸骨の外面と係合可能である、カラーと、を備える、アンカーと、アンカーに接続され、アンカーから延びる締結具であって、締結具は、分離された胸骨の第1の部分及び第2の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成され、締結具は、締結具及びアンカーを胸骨に固定し、分離された胸骨の第1の部分を分離された胸骨の第2の部分に固定するために、締結具自体又はアンカーに接続可能である、締結具と、を備える。
【0072】
例23では、例1から例22の何れか1つ又は任意の組み合わせの装置又は方法は、列挙した全要素又は全オプションが使用又は選択のために利用可能であるように任意に構成することができる。
【0073】
上記の詳細な説明には、詳細な説明の一部を形成する添付図面への参照が含まれている。図面は、本発明を実施することができる特定の実施形態を例示として示している。このような実施形態は、本明細書では「例」とも呼ばれる。そのような例には、図示するか説明した要素のほかの要素が含まれることがある。しかし、本発明者らはこのほか、図示するか説明した要素のみが提供される例を考慮している。さらに、本発明者らはこのほか、本明細書に示し、説明する特定の例(又はその1つ又は複数の態様)又は他の例(又はその1つ又は複数の態様)の何れかに関して、図示するか説明した要素(又はその1つ又は複数の態様)の任意の組み合わせ又は置換を使用する例を考慮している。
【0074】
この文書と、参照により組み込まれる任意の文書との間で使用法が一致しない場合は、この文書での使用法が優先される。この文書では、「備える(including)」及び「このなかで(in which)」という用語は、「具備する(comprising)」及び「ここで(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語の同等物として使用する。このほか、以下の請求項では、「備える」及び「具備する」という用語は制限のないものであり、即ち、請求項にてそのような用語の後に列挙する要素のほかの要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、配合物又はプロセスが、依然としてその請求項の範囲内に含まれるものと考えられる。
【0075】
上記の説明は、例示を目的とするものであり、限定を目的とするものではない。例えば、上述の例(又はその1つ又は複数の態様)は、互いに組み合わせて使用してもよい。当業者であれば、上記の説明を検討すれば、他の実施形態を使用することもできる。要約は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することができるようにするために、37C.F.R.§1.72(b)に準拠するように提供している。要約は、請求項の範囲又は意味を解釈するために使用されるものでも、制限するために使用されるものではないことを理解したうえで提出している。このほか、上記の詳細な説明では、開示を合理化するためにさまざまな特徴をまとめる場合がある。これは、請求されていない開示の特徴が何れかの請求項に必須であることを意図していると解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、開示した特定の実施形態のあらゆる特徴にあるわけではない。このため、以下の請求項は、例又は実施形態として詳細な説明に組み込まれ、各請求項は別個の実施形態として独立しており、そのような実施形態は、さまざまな組み合わせ又は順列で互いに組み合わせることができることが考慮される。本発明の範囲は、添付の請求項を、そのような請求項に権利を有する均等物の全範囲と共に参照して判定されるべきである。
【国際調査報告】