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特表2024-505771パッケージ製造機及びパッケージ製造機用の無菌チャンバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】パッケージ製造機及びパッケージ製造機用の無菌チャンバ
(51)【国際特許分類】
   B65B 55/04 20060101AFI20240201BHJP
   B65B 55/08 20060101ALI20240201BHJP
   A61L 2/08 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B65B55/04 N
B65B55/04 B
B65B55/08 B
A61L2/08 108
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519844
(86)(22)【出願日】2022-02-01
(85)【翻訳文提出日】2023-06-05
(86)【国際出願番号】 EP2022052299
(87)【国際公開番号】W WO2022167400
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】21155268.2
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】アッパルティ、ダニエーレ
(72)【発明者】
【氏名】バルトリーニ、ロベルト
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA25
4C058BB06
4C058CC05
4C058EE02
4C058EE23
4C058KK03
4C058KK44
(57)【要約】
パッケージ製造機(10)のアセプティックチャンバ(100)が提供される。無菌チャンバは、包装材料のウェブ(20)が無菌チャンバ(100)に入ることを可能にするための入口セクション(110)と、包装材料のウェブ(20)が無菌チャンバ(100)を通る際に走行する際に、包装材料を処理するために入口セクション(110)の下流に配置された少なくとも一つの電子ビームエミッタ(152)を備えている。入口セクション(110)は、インフィードガスケット(120)とインナーガスケット(130)との間に配置された入口チャンバ(125)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ製造機(10)の無菌チャンバ(100)であって、
包装材料のウェブ(20)が前記無菌チャンバ(100)に入るための入口セクション(110)と、
前記包装材料のウェブ(20)が前記無菌チャンバ(100)を通過する際に、前記包装材料のウェブを処理するために入口セクション(110)の下流に配置された少なくとも一つの電子ビームエミッタ(152)と、
を備え、
前記入口セクション(110)は、インフィードガスケット(120)とインナーガスケット(130)との間に配置された入口チャンバ(125)を含む、
無菌チャンバ(100)。
【請求項2】
前記インフィードガスケット(120)及び/又は前記インナーガスケット(130)が、前記包装材料のウェブ(20)の予め適用された開封装置(26)を通過させるためのカットアウト(122、132)を備える、
請求項1に記載の無菌チャンバ(100)。
【請求項3】
前記入口チャンバ(125)の幅は、前記包装材料のウェブ(20)の前記予め適用された開封装置(20)を収容するような寸法である、請求項2に記載の無菌チャンバ(100)。
【請求項4】
前記入口セクション(110)が、前記インナーガスケット(130)と出口ガスケット(140)との間に配置された出口チャンバ(135)をさらに備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載の無菌チャンバ(100)。
【請求項5】
前記入口チャンバ(125)の容積が前記出口チャンバ(135)の容積より大きい、
請求項4に記載の無菌チャンバ(100)。
【請求項6】
前記出口ガスケット(140)が、前記包装材料のウェブ(20)の前記予め適用された開封装置(26)を通過させるためのカットアウト(142)を備える、
請求項3又は4に記載の無菌チャンバ(100)。
【請求項7】
前記出口チャンバ(135)の幅は、前記包装材料のウェブ(20)の前記予め適用された開封装置(26)を収容するような寸法である、
請求項4~6のいずれか一項に記載の無菌チャンバ(100)。
【請求項8】
入口チャンバ(125)に接続された排気パイプ(174)をさらに備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載の無菌チャンバ(100)。
【請求項9】
前記排気パイプ(174)は、前記インフィードガスケット(120)及び前記インナーガスケット(130)の下方の位置で前記入口チャンバ(125)に接続される、
請求項8に記載の無菌チャンバ(100)。
【請求項10】
前記入口セクション(110)の下流側で前記無菌チャンバ(100)に接続された通気パイプ(173)をさらに備える、
請求項8又は9に記載の無菌チャンバ(100)。
【請求項11】
前記排気パイプ(174)は、Yコネクタ(176)によって前記通気パイプ(173)に接続される、
請求項8~10のいずれか一項に記載の無菌チャンバ(100)。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の無菌チャンバ(100)を備える、パッケージ製造装置(10)。
【請求項13】
パッケージ製造装置のための方法であって、
包装材料のウェブを無菌チャンバに供給し、
インフィードガスケットと下流側インナーガスケットとの間に配置された入口チャンバを通過させて前記包装材料を無菌チャンバの入口セクションに進入させ、
前記入口チャンバを排気する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ製造機、すなわち、個々のパッケージを形成し、充填し、シールするように構成された機械に関する。特に、本発明は、パッケージ製造機用の無菌チャンバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品業界では、飲料やその他の製品は、紙や板紙をベースにしたパッケージで包装されることが多い。液体食品用のパッケージは、紙や板紙のコア層と、コア層の少なくともパッケージ内側を形成する側に設けられた熱可塑性材料の外側の液密層とを含むパッケージングラミネートから製造されることが多い。
【0003】
ある種のパッケージは、いわゆる即充填パッケージから製造される。このような即充填パッケージは、上述のようなパッケージングラミネートのスリーブとして提供され、充填前にその下端がシールされる。別のタイプの即充填パッケージは、パッケージングラミネートのオープンエンドのスリーブを提供し、例えば、射出成形によって、スリーブの上端にプラスチックの上部を配置し、それによって下端を充填用に開放することによって製造される。パッケージ製造機の代替としては、包装材料のウェブから一連の連続したパッケージを製造することであり、チューブ状に形成し、充填、シールし、切断して製造されたパッケージを上流のチューブから分離する。
【0004】
パッケージを改善するために、包装材料は、スクリューキャップ等の開封手段を備える。このスクリューキャップは、包装材料に予め適用され、包装材料の他の平面的な表面から突出しており、最終的なパッケージが形成される前に、パッケージ製造機の様々なステーションで処理される。
【0005】
パッケージに保存される製品の保存期間を長くするために、充填前に、包装材料は、少なくとも内側が滅菌・消毒される。保存期間の長短や、流通・保管場所の冷蔵・常温の違いにより、さまざまなレベルの滅菌・消毒が必要となる。近年、電子線照射による滅菌・消毒装置が市場に登場している。電子ビームエミッタは、包装機内の無菌チャンバ内に1台以上設置される。包装材料は無菌チャンバに入り、1つ以上の電子ビームエミッタを通過して十分な線量の電子線が照射される。滅菌された包装材料は、所望の内容物を充填し、成形し、シールして、安全で衛生的なパッケージを形成する準備が整う。
【0006】
滅菌中は、無菌チャンバ内を陽圧にし、陽圧で動作可能な換気システムを適用することが望ましい。これは、安全のために必要である。例えば、滅菌中は通常、オゾンが発生するため、無菌チャンバからオゾンを出さないようにする必要がある。これに加えて、無菌チャンバの入口セクションでは、パッケージ製造機からの排出物が電子ビームエミッタに引き寄せられ、滅菌プロセスに望ましくない影響を与え、場合によってはパッケージ材料に欠陥が生じることがある。このような機械からの排出物には、例えば、水蒸気、ガス排出物、熱風等が含まれる。
【0007】
無菌チャンバに必要な通気を提供することは可能であったが、無菌チャンバの入口セクションの適切なシールを提供することも重要である。通常、完全に平面的な包装材料に対しては、適切なガスケットを使用することによって比較的容易に解決できる課題であるが、本発明者らは、上述の予め適用されたクロージャ等の局所的に突出した特徴を備えている包装材料の場合に、改善が必要であることを認識した。
【0008】
したがって、特に、無菌チャンバの入口セクションから不要な排出物が漏れ出すことを防ぐ、改良された無菌チャンバが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上述した従来技術の制限の1つ以上を少なくとも部分的に克服することである。特に、無菌チャンバに入る、又は出る際の排出物を低減する無菌チャンバを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様によれば、パッケージ製造機用の無菌チャンバが提供される。無菌チャンバは、包装材料のウェブが無菌チャンバに入ることを可能にするための入口セクションと、無菌チャンバを通る際に、包装材料を処理するために入口セクションの下流に配置された少なくとも1つの電子ビームエミッタとを備える。入口セクションは、インフィードガスケットとインナーガスケットとの間に配置された入口チャンバを備える。
【0011】
インフィードガスケット及び/又はインナーガスケットは、包装材料の予め適用された開封装置が通過することを可能にするためのカットアウトを備えてもよい。それにより、ガスケットは、ガスケットを損傷することなく、例えば、スクリューキャップの形態の、予め適用された開封装置を通過させることができる。
【0012】
入口チャンバの幅は、包装材料の予め適用された開封装置を収容するような寸法であってもよい。予め適用された開封装置が入口チャンバ内に収まるので、インフィードガスケットとインナーガスケットが同時に開くことはなく、それによって入口セクションの密閉性が向上する。
【0013】
入口セクションは、インナーガスケットと出口ガスケットとの間に配置された出口チャンバをさらに備えてもよい。このように、入口セクションは、3つのガスケットと2つのチャンバを備えてもよく、それにより、無菌チャンバ内の圧力を改善し、無菌チャンバへの流れが遮断される。
【0014】
入口チャンバの容積は、出口チャンバの容積より大きくてもよい。それにより、入口セクションから無菌チャンバに流入する流れがさらに減少する。
【0015】
出口ガスケットは、包装材料の予め適用された開封装置が通過することを可能にするためのカットアウトを備えてもよい。また、出口ガスケットは、このように、出口ガスケットを損傷するリスクなしに、予め適用された開封デバイスを通過させる。
【0016】
出口チャンバの幅は、包装材料の予め適用された開封装置を収容できるような寸法であってもよい。予め適用された開封装置が出口チャンバの中に収まるので、インナーガスケットと出口ガスケットが同時に開くことはなく、入口セクションの密閉性が向上する。
【0017】
無菌チャンバは、入口チャンバに接続された排気パイプをさらに含んでもよい。入口チャンバを排気することにより、排出物が無菌チャンバに入る可能性のあるリスクをさらに低減できる。
【0018】
排気パイプは、インフィードガスケット及びインナーガスケットの下方の位置で、入口チャンバに接続されてもよい。予め適用された開封装置が下方に向けられるように包装材料が配向されている場合、予め適用された開封装置の周囲の排出物の排出が改善される。
【0019】
無菌チャンバは、入口セクションの下流で無菌チャンバに接続された通気パイプをさらに含んでもよい。これにより、無菌チャンバの内部を制御された環境に維持することが可能である。
【0020】
排気パイプは、Yコネクタによって通気パイプに接続されてもよい。これにより、大きな流れの剥離や再循環領域が発生せず、乱流の運動エネルギーの増加を最小限にできる。
【0021】
第2の態様によれば、パッケージ製造機が提供される。パッケージ製造機は、第1の態様による無菌チャンバを備える。
【0022】
第3の態様によれば、パッケージ製造機のための方法が提供される。この方法は、包装材料のウェブを無菌チャンバに供給し、インフィードガスケットと下流のインナーガスケットとの間に配置された入口チャンバを通過させることによって、包装材料が無菌チャンバの入口セクションに入ることを可能にし、入口チャンバを排気する、ことを含む。
【0023】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかであろう。
【0024】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施形態に係るパッケージ製造装置の概略構成図である。
図2】実施形態に係る無菌チャンバの断面図である。
図3】実施形態に係る無菌チャンバの入口セクションの斜視図である。
図4a】実施形態に係る無菌チャンバの入口セクションの断面図である。
図4b】実施形態に係る無菌チャンバの入口セクションの断面図である。
図4c】実施形態に係る無菌チャンバの入口セクションの断面図である。
図4d図4a~cに示す入口セクションの断面における斜視図である。
図5】実施形態に係る方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1において、パッケージ製造機10の一般的な原理の概略図が示される。図1に示すように、パッケージ製造機10は、包装材料のウェブ20を一連の個別パッケージ30に変換するように構成される。
【0027】
包装材料20のウェブは、例えば、リール22に設けられ、いくつかの異なるステーションを通過するパッケージ製造機10を通して連続的に供給される。多くの異なるステーションがパッケージ製造機10に含まれてもよいが、図1の例では、無菌チャンバ100、充填ステーション40、及び密封・成形ステーション50が具体的に描かれている。
【0028】
包装材料のウェブ20は、入口セクション110を介して無菌チャンバ100に入る。その後、包装材料のウェブ20は、1つ以上の電子ビームエミッタ152の形態の滅菌ユニット150を通過する。電子ビーム照射にさらされた後、包装材料20のウェブは出口セクション160を通って無菌チャンバ100を出る。充填ステーション40において、包装材料のウェブ20は、チューブ24に形成される。チューブ24は、充填パイプ42を介して所望の内容物、好ましくは、液体食品で満たされ、封止・成形ステーション50がチューブ24に横方向のシールを施し、横方向のシールの位置で上流のチューブ24からチューブ24の先頭部分を切断し、分離したパッケージ30を所望の形状に形成する。
【0029】
無菌チャンバ100の一実施形態が、さらに図2に示されている。無菌チャンバ100は、ハウジング102によって囲まれている。入口セクション110(模式的に示される)は、ハウジング102に配置され、それにより、包装材料のウェブ20がハウジング102の内部に入ることができる。滅菌ユニット150は、ハウジング102の内部に配置され、シールド154によって囲まれている。図示の例では、2つの電子ビームエミッタ152がシールド154の内側に配置され、包装材料のウェブ20の両側に配置される。したがって、包装材料のウェブ20が滅菌ユニット150を通過するとき、包装材料のウェブ20の両側は、電子ビーム照射によって滅菌される。
【0030】
無菌チャンバ100は、通気システム170を備える。通気システム170は、無菌チャンバ100の内部の環境を制御するように構成されたコンプレッサ172を備える。このため、コンプレッサ172は、通気パイプ173に接続され、通気パイプの反対側の端部がハウジング102に接続される。以下でさらに説明するように、通気システム170は、通気パイプ173から分岐して無菌チャンバ100の入口セクション110に接続される排気パイプ174をさらに備える。
【0031】
図3を参照すると、無菌チャンバ100の入口セクション110の詳細がさらに示されている。包装材料のウェブ20は、先に説明したように、入口セクション110を通って無菌チャンバ100に入る。図3には一部のみ示されているが、包装材料のウェブ20は、好ましくは、スクリューキャップ26等の予め適用された開封装置を備える。開封装置26は、関連するパッケージ製造機10によって製造される際に、形成された各パッケージ30が1つのみの開封装置26を備えるように、パッケージ材料20のウェブ上に分配されることが望ましい。
【0032】
入口セクション110には、包装材料のウェブ20が通されるスリット112が設けられている。スリット112は、外装板114に形成され、包装材料のウェブ20が通過できる寸法の幅を有する。さらに、スリット112の高さは、包装材料の予め適用された任意の開封装置26が通過できる寸法に設定されている。
【0033】
排気パイプ174は、入口セクション110の中央で、スリット112の下方に接続されている。図3から分かるように、通気パイプ173は無菌チャンバ100のハウジング102に接続されており、排気パイプ174はYコネクタ176によって通気パイプ173に接続されている。図3には示されていないが、Yコネクタ176は、コンプレッサ172の比較的近くに設けられており、好ましくは、コンプレッサ172とYコネクタ176との間の距離は、排気パイプ174の長さよりも短い。
【0034】
排気パイプ174の入口セクション110への中央接続は、予め適用された開封装置26が中央に配置されている包装材料20のウェブに対して特に有利である。そのような実施形態では、排出ポートは、予め適用された開口部26と位置合わせされる。
【0035】
図4a~cにおいて、入口セクション110は、包装材料20のウェブと共に断面で示されている。これらの図において、包装材料20のウェブは、包装材料20のウェブの他の平面的な表面から離れるように延びるねじ付き注ぎ口の形態で、予め適用された開封装置26を備えている。包装材料のウェブ20は、ねじ付き注ぎ口26が下方に向けられるように配向されている。
【0036】
明確にするために、ねじ付き注ぎ口26は、典型的には、充填前にキャップ又はクロージャを備えることに留意されたい。オプションとして、ねじ付き注ぎ口26は、キャップ又はクロージャを充填後に追加できるように、包装材料20のウェブのシールされた膜から延びる。
【0037】
図4aを参照すると、包装材料20のウェブは、ねじ付きスパウト26がスリット112を通過するように、入口セクション110に対して配置される。スリット112のすぐ内側には、インフィードガスケット120が設けられている。インフィードガスケット120は、典型的には、垂直方向に整列した一対のインフィードガスケット120a-b(図4b参照)として設けられ、図4aでは、包装材料20のウェブ、特にねじ付き注ぎ口26がインフィードガスケット120を包装材料20のウェブの移動方向に押すことにより、一部が内側へ偏向している。
【0038】
インフィードガスケット120は、入口チャンバ125の上流側の境界を形成する。入口チャンバ125は、インナーガスケット130によって下流側にシールされる。インナーガスケット130は、好ましくは、垂直方向に整列した一対のインナーガスケット130a-bとして形成される。包装材料20のウェブの存在により、一対のインナーガスケット130a-bの間に小さな分離が生じ、この分離は、予め適用された開封装置26がインナーガスケット130に接触し、ガスケット130を通過させられるにつれて増大する。
【0039】
インナーガスケット130が入口チャンバ125の下流側の境界を形成する一方で、インナーガスケット130は出口チャンバ135の上流側の境界も形成する。出口チャンバ135は、インナーガスケット130と出口ガスケット140との間で機械方向に延在する。出口ガスケット140は、好ましくは、インナーガスケット130及び/又はインフィードガスケット120と同一であり、すなわち、垂直方向に整列した一対の出口ガスケット140a-bとして形成されている。
【0040】
したがって、包装材料20のウェブがパッケージ製造機10を走行する際、入口セクション110に入り、無菌チャンバ100にさらに進む前に、入口チャンバ125と出口チャンバ135を通過する。
【0041】
図4bにおいて、包装材料20のウェブは、開封装置26が入口チャンバ125の下流端、インナーガスケット130に達する直前に位置するように移動している。この位置では、インフィードガスケット120とインナーガスケット130の両方が閉じられ、入口チャンバ125を密閉している。排気パイプ174は常に入口チャンバ125から空気を吸引しているので、開封装置26と隣接する包装材料20のウェブによって運ばれる排出物は、開封装置26が無菌チャンバ100の内部に到達する前に効果的に除去される。
【0042】
図4cにおいて、無菌チャンバ100の内部に向かって移動する開封装置26のさらに下流の位置が示されている。この位置で開封装置26はインナーガスケット130に到達し、開封装置26が通過して出口チャンバ135に入ることができるように、インナーガスケット130を強制的に開かせる。図4cに示すように、インナーガスケット130が一部開いている間、無菌チャンバ100の内部からの排出物は出口ガスケット140により漏れ出ることが防止される。出口ガスケット140は完全に閉じられ、無菌チャンバ100の内部と入口セクション110の外の環境との間の境界を密閉する。
【0043】
インナーガスケット130と出口ガスケット140との間の距離は、図4a~cに示されるように、開封装置26の幅より大きい。これは、開封装置26が、インナーガスケット130及び出口ガスケット140のうちの一方を開かせるだけで、他方は閉じられていることを意味する。したがって、図4cに示す状況から、インナーガスケット130は、開封装置26が出口ガスケット140に到達する前に完全に閉じることができ、その後、出口ガスケット140が強制的に開かれる。
【0044】
入口チャンバ125及び出口チャンバ135、並びにインフィードガスケット120、インナーガスケット130及び出口ガスケット140を提供することにより、入口セクション110を通過する際の開封装置26の制御された環境が達成される。入口チャンバ125は、開封装置26によって入口セクション110に持ち込まれたあらゆる排出物を排出することを可能にし、出口チャンバ135は、それらの排出物が無菌チャンバ内にさらに流入されるのを防止する。同時に、出口チャンバ135は、無菌チャンバ100の内部から生じる排出物が外部環境に到達することを防止する。
【0045】
入口セクション110が、図4dにさらに示されている。排気パイプ174は、入口チャンバ125の排気ポート178で終端する。排気ポート178は、包装材料のウェブ20の、開封装置26と同じ側に配置されている。しかしながら、入口チャンバ125の幅、ならびに出口チャンバ135の幅は、空気がそれぞれ入口チャンバ125及び出口チャンバ135全体から排気されるように、包装材料のウェブ20の幅よりも大きいことが好ましい。図4dにさらに示されるように、各ガスケット120、130、140は、予め適用された開封装置26の通過を許容し、それによって機械的衝撃及び損傷のリスクを回避するためのカットアウト122、132、142を備えている。このカットアウト122、132、142を有していると、機械走行の異なる段階における機械の排出物を増加させるが、入口チャンバ125、出口チャンバ135、及び排気パイプ174を設けることにより、そのような排出物を劇的に減少させる。
【0046】
入口セクション110は、無菌チャンバ100に入る包装材料20のウェブに関連する改善された解決策を提供する。上述した入口セクション110の概念は、排出量を約50%削減することが証明されている。特に、入口チャンバ125内の排出量を増加させるために、コンプレッサ172への排気管174のY字接続176による利点がある。さらに、漏斗形状を用いて排気パイプ174が入口チャンバ125に接続されることによって、インフィードガスケット120のカットアウト122によって生じる空気の流れを遮断する。さらに、入口セクション110の内部に3つのガスケット120、130、140がパッケージの繰り返し長さよりも小さい距離であることによって、各パッケージの製造中に、ガスケット120、130、140を3回開くことが妨害される。
【0047】
次に、図5を参照すると、パッケージ製造機のための方法200が概略的に示されている。方法200は、無菌チャンバ100に向かって包装材料のウェブ20を供給するステップ202と、インフィードガスケット120と下流側インナーガスケット130との間に配置された入口チャンバ125を通過させて、包装材料のウェブ20が無菌チャンバ100の入口セクション110に入ることを可能にするステップ204とを含む。方法200は、入口チャンバ125を排気させるステップ206をさらに含む。
【0048】
オプションとして、方法200は、無菌チャンバ100の内部に到達する前に、入口チャンバ125の下流に配置された出口チャンバ135を通して包装材料のウェブ20を搬送するステップ208をさらに含んでもよい。
【0049】
以上の説明から、本発明の様々な実施形態を説明し、図示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の請求項に定義される主題の範囲内で他の方法で具体化することも可能である。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図5
【国際調査報告】