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特表2024-505772レベルリーダ装置、レベルリーダシステム及びレベルリーダシステムを備えるパッケージ製造機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】レベルリーダ装置、レベルリーダシステム及びレベルリーダシステムを備えるパッケージ製造機
(51)【国際特許分類】
   B65B 1/30 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B65B1/30 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519903
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(85)【翻訳文提出日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 EP2022052667
(87)【国際公開番号】W WO2022167561
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】21155744.2
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ガルーティ、ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】バルトリーニ、ロベルト
【テーマコード(参考)】
3E118
【Fターム(参考)】
3E118AB14
3E118BA05
3E118DA06
3E118EA01
3E118FA04
3E118FA06
(57)【要約】
パッケージ製造機のためのレベルリーダ装置(60)が本明細書に開示される。レベルリーダ装置(60)は、包装材料チューブ(24)の充填方向(44)と実質的に平行な長手方向に延びるハウジング(62)と、長手方向に沿ってハウジング(62)内に分布しており、1つ又は複数のセンサー読み取り値(65)を提供するように構成される複数のセンサー(64)と、を備える。レベルリーダ装置(60)は、1つ又は複数のセンサー読み取り値(65)に基づいて、包装材料のチューブ(24)内の液体のレベル(80)を決定するように構成された処理ユニット(66)をさらに備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ製造機のためのレベルリーダ装置(60)であって、前記レベルリーダ装置(60)は、
包装材料チューブ(24)の充填方向(44)と実質的に平行な長手方向に延びるハウジング(62)と、
前記長手方向に沿って前記ハウジング(62)内に分布しており、1つ又は複数のセンサー読み取り値(65)を提供するように構成される複数のセンサー(64)と、
前記1つ又は複数のセンサー読み取り値(65)に基づいて、前記包装材料のチューブ(24)内の液体のレベル(80)を決定するように構成された処理ユニット(66)と
を備える、レベルリーダ装置(60)。
【請求項2】
前記複数のセンサー(64)は、ゼロから分離された規定された値を示す1つ又は複数のセンサー読み取り値(65)を提供するように構成され、前記1つ又は複数のセンサー読み取り値(65)のうちの1つのセンサー読み取り値(65h)は、他のセンサー読み取り値よりも高い値を示す、請求項1に記載のレベルリーダ装置(60)。
【請求項3】
前記処理ユニット(66)は、前記他のセンサー読み取り値よりも高い値を示す前記1つのセンサー読み取り値(65h)から前記包装材料のチューブ(24)内の液体のレベル(80)を決定するように構成されている、請求項2に記載のレベルリーダ装置(60)。
【請求項4】
前記1つ又は複数のセンサー読み取り値(65)のうちの1つのセンサー読み取り値(65l)は、他のセンサー読み取り値よりも低い値を示し、
前記処理ユニット(66)が、他のセンサー読み取り値よりも高い値を示す前記センサー読み取り値(65h)と、他のセンサー読み取り値よりも低い値を示す前記センサー読み取り値(65l)との平均値(65a)から、前記包装材料(24)のチューブ内の液体のレベル(80)を決定するように構成されている、請求項2又は3に記載のレベルリーダ装置(60)。
【請求項5】
前記処理ユニット(66)は、前記包装材料のチューブ(24)内の液体のレベル(80)を、以前に提供された所定数のセンサー読み取り値(65)の移動平均(65ma)から決定するように構成されている、請求項2~4のいずれか一項に記載のレベルリーダ装置(60)。
【請求項6】
前記処理ユニット(66)は、包装材料(24)のチューブ内の液体のレベル(80)を、
他のセンサーの読み取り値よりも高い値を示す前記1つのセンサー読み取り値(65h)、
前記平均値(65a)、
前記移動平均線(65ma)
のいずれか一つを選択して決定するように構成されている、請求項3~5のいずれか一項に記載のレベルリーダ装置(60)。
【請求項7】
前記複数のセンサー(64)は、15~45個、好ましくは20~40個、最も好ましくは25~35個のセンサーの数である、請求項1~6のいずれか一項に記載のレベルリーダ装置(60)。
【請求項8】
前記複数のセンサー(64)が、10~35cmの長さに沿って、好ましくは15~30cmの長さに沿って、最も好ましくは20~25cmの長さに沿って分布している、請求項1~7のいずれか一項に記載のレベルリーダ装置(60)。
【請求項9】
前記複数のセンサー(64)は、磁気抵抗センサーである、請求項1~8のいずれか一項に記載のレベルリーダ装置(60)。
【請求項10】
前記磁気抵抗センサーの磁気抵抗感度が、5G~15Gの範囲、好ましくは7G~11Gの範囲にある、請求項9に記載のレベルリーダ装置(60)。
【請求項11】
前記磁気抵抗センサーの磁気抵抗感度が、10G~25Gの範囲、好ましくは14G~20Gの範囲にある、請求項9に記載のレベルリーダ装置(60)。
【請求項12】
包装材料(24)のチューブ内の液体のレベル(80)を決定するためのレベルリーダシステム(200)であって、前記レベルリーダシステム(200)は、磁気フロート(70)と、請求項1~11のいずれか一項に記載のレベルリーダ装置(60)とを備える、レベルリーダシステム(200)。
【請求項13】
前記磁気フロート(70)は、シリンダ(72)と、前記シリンダ(72)内に配置されたリング状ホルダ(74)と、を備え、前記リング状ホルダ(74)は、前記ホルダ(74)の周りに分散配置された複数の磁石(75)を備える、請求項12記載のレベルリーダシステム(200)。
【請求項14】
前記ハウジング(62)の長手方向の延長は、前記リング状ホルダ(74)の垂直方向の延長より実質的に大きい、請求項13に記載のレベルリーダシステム(200)。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか一項に記載のレベルリーダシステム(200)を備えるパッケージ製造機(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ製造機用のレベルリーダ装置に関する。また、本発明は、レベルリーダ装置及びレベルリーダ装置を備えるパッケージ製造機に関する。
【背景技術】
【0002】
牛乳、ミネラルウォーター、お茶、ジュース、スープ、ドリンク等の液体食品の包装容器を製造する場合、ウェブ状の積層包装材料を使用することがある。包装容器は、ウェブ状の積層包装材料をヒートシール、超音波シール等により長手方向に初期シールすることにより製造される。このため、ウェブ状積層包装材料の端部にシールストリップを貼付することができる。次に、ラミネート包装材料をチューブ状に形成し、ラミネート包装材料の反対側の端部を接触させて長手方向(縦方向)にシールし、チューブを長手方向に閉じることができる。
【0003】
包装材料のチューブ内には、通常、充填パイプが配置され、そこから所望の液体内容部が排出される。連続生産中に、チューブ内の液体量が比較的一定に保たれることで、部分的に充填されたチューブが維持される。部分的に充填されたチューブは、一定間隔で横方向にシールされ、これにより一連のピロー形状のプリフォーム容器が形成される。プリフォーム容器が所定の形状に形成され、上流側のチューブから分離され、包装材料の容器の製造が完了する。
【0004】
チューブ内の液体内容物の量の正確な制御は、特に、包装材料の容器を提供するためのシール及び成形操作に関して重要である。チューブに液体内容物が多く充填されていると、横方向のシールジョーのクランプ動作に対する抵抗が大きくなる。この抵抗の増大は、容器の最終的な成形及び形成中に、包装材料の容器に損傷を与える可能性がある。抵抗の増加により現れる可能性のある損傷の例としては、例えば、包装材料のシールされた部分におけるひび割れ、破損等が挙げられる。また、チューブ内の液体の量が一定量を超えると、チューブ内に液体が過剰に充填される危険が迫ってくる。充填し過ぎると、液漏れが発生し、生産停止や関連部品の破損につながる恐れがある。生産停止はコストがかかるため、包装容器の充填や成形時に包装材料が損傷するリスクを低減することは非常に重要である。また、液漏れを起こさない場合でも、過剰充填は充填された食品の望ましくない廃棄を生じさせる。そのため、パッケージ製造機の液体レベルを監視することが望まれている。
【0005】
上記の観察に照らして、従って、包装材料のチューブ内の液体内容物のレベルの改善された制御に対する必要性がある。したがって、本発明者らは、液体内容物のレベルを堅牢かつ正確に測定することの必要性と利点の両方を特定した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記で言及した問題及び欠点の少なくともいくつかを解決、除去、緩和、軽減又は低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示では、上記の問題に対する解決策が提案される。提案された解決策では、レベルリーダ装置、レベルリーダシステム、及びパッケージ製造機が説明される。
【0008】
第1の態様では、パッケージ製造機用のレベルリーダ装置が提供される。レベルリーダ装置は、包装材料のチューブの充填方向と実質的に平行である長手方向に延びるハウジングと、長手方向に沿ってハウジング内に分布し、1つ又は複数のセンサー読み取り値を提供するように構成される複数のセンサーと、1つ又は複数のセンサー読み取り値に基づいて包装材料のチューブ内の液体のレベルを決定するように構成される処理ユニットと、を備える。
【0009】
本発明の利点は、センサーの密度が非常に高いため、レベルリーダ装置が極めて正確な液体レベル信号を提供できることにある。さらに、レベルリーダ装置の全長は、当該技術分野で知られているものと比較して実質的に大きいので、液体レベル制御の維持は、より広いスペースで行うことができる。したがって、パッケージ製造機は、異なるパッケージサイズに対してより堅牢かつ多用途になり、機械内に液体が過剰充填される(したがって、機械の生産が停止する)リスクは、大幅に小さくなる。複数のセンサーのトポロジーは、パッケージ製造機におけるレベルリーダ装置及び関連する構成要素の設置をさらに簡素化する。さらに、レベルリーダ装置の複数のセンサーの感度が向上したことにより、強い磁場を発生させることができない様々な関連する磁気装置への適合が可能となる。その結果、誤判定のリスクを最小限に抑えることができる。
【0010】
一実施形態によれば、複数のセンサーは、ゼロから分離した定義された値を示す1つ又は複数のセンサー読み取り値を同時に提供するように構成され、1つ又は複数のセンサー読み取り値のうちの1つのセンサー読み取り値は、他のセンサー読み取り値よりも高い値を示す。
【0011】
一実施形態によれば、処理ユニットは、他のセンサー読み取り値よりも高い値を示す前記1つのセンサー読み取り値から、包装材料のチューブ内の液体のレベルを決定するように構成される。
【0012】
一実施形態によれば、1つ又は複数のセンサー読み取り値のうちの1つのセンサー読み取り値は、他のセンサー読み取り値よりも低い値を示し、処理ユニットは、他のセンサー読み取り値よりも高い値を示す前記センサー読み取り値と他のセンサー読み取り値よりも低い値を示す前記センサー読み取り値との平均値から包装材料のチューブ内の液体のレベルを判定するように構成される。
【0013】
一実施形態によれば、処理ユニットは、以前に提供された所定数のセンサー読み取り取り値の移動平均から、包装材料のチューブ内の液体のレベルを決定するように構成されている。
【0014】
一実施形態によれば、処理ユニットは、他のセンサーの読み取り値よりも高い値を示す前記1つのセンサーの読み取り値、平均値、又は移動平均のうちの1つを選択することによって、包装材料のチューブ内の液体のレベルを決定するように構成される。
【0015】
一実施形態によれば、複数のセンサーは、15~45個の範囲にあり、好ましくは、20~40個の範囲にあり、最も好ましくは、25~35個の範囲にある。
【0016】
一実施形態によれば、複数のセンサーの各々は、磁気抵抗センサーである。
【0017】
一実施形態によれば、各センサーの磁気抵抗感度は、5~15Gの範囲、好ましくは、7~11Gの範囲にある。
【0018】
一実施形態によれば、各センサーの磁気抵抗感度は、10~25Gの範囲であり、好ましくは、14~20Gの範囲である。
【0019】
第2の態様において、包装材料のチューブ内の液体のレベルを決定するためのレベルリーダシステムが提供される。レベルリーダシステムは、磁気フロートと、第1の態様及びそれに関連する実施形態のいずれかに係るレベルリーダ装置と、を備える。
【0020】
一実施形態によれば、磁気フロートは、シリンダと、シリンダ内に配置されたリング状ホルダとを備え、リング状ホルダは、当該ホルダの周囲に分散配置された複数の磁石を備える。
【0021】
一実施形態によれば、ハウジングの長手方向の延長線は、リング状ホルダの垂直方向の延長線よりも実質的に大きい。
【0022】
第3の態様では、パッケージ製造機が提供される。パッケージ製造機は、第2の態様及びそれに関連する実施形態のいずれかに係るレベルリーダシステムを備える。
【0023】
本明細書で使用される場合、「comprises/comprising」の用語は、記載された特徴、整数、ステップ、又は構成要素の存在を指定するために使用されるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことが強調されるべきである。特許請求の範囲において使用される全ての用語は、本明細書において明示的に別様に定義されない限り、技術分野におけるその通常の意味に従って解釈されるものとする。a/an/the「要素、デバイス、構成要素、手段、ステップなど」へのすべての言及は、明示的に別段の記載がない限り、要素、デバイス、構成要素、手段、ステップなどの少なくとも1つの例を指すものとしてオープンに解釈されるものとする。本明細書に開示された任意の方法のステップは、明示的に記載されない限り、開示された正確な順序で実行される必要はない。
【0024】
上記は、異なる図を通して同じ参照文字が同じ部品を指す、添付の図面に示される例示的な実施形態のより詳細な以下の説明から明らかになるであろう。図面は必ずしも縮尺通りではなく、例示的な実施形態を説明することに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】パッケージ製造装置の一実施形態を示す概略図である。
図2a】レベルリーダシステムの一実施形態の概略ブロック図である。
図2b】一実施形態に係るレベルリーダシステムの概略図である。
図3a】レベルリーダシステムの一実施形態を示す概略ブロック図である。
図3b】一実施形態によるレベルリーダシステムの概略図である。
図4a】実施形態に係るレベルリーダシステムの斜視図である。
図4b】レベルリーダ装置の実施形態を示す断面図である。
図4c】レベルリーダ装置の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。しかし、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載された実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が徹底的かつ完全であり、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるように提供される。添付の図面に例示される特定の実施形態の詳細な説明で使用される用語は、本発明を限定することを意図していない。図面において、同番号は同種の要素を指す。
【0027】
図1を参照すると、一実施形態によるパッケージ製造機10が例示されている。図示されたパッケージ製造機10は、食品包装産業において、ミルク、ミネラルウォーター、お茶、ジュース、スープ、ドリンク等の液体食品で充填された包装容器30を作成するために使用できる。包装容器30の製造は、複数のステップ、プロセス又は技術を含み、そのうちの一部が図1に示されている。例示的な画像は、本明細書に開示されるようなパッケージ製造機10の1つの可能な実施形態を単に示すものであり、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。パッケージ製造機10は、本開示の発明的な態様が可能であることを条件として、任意の数の追加的又はより少ないステップ、プロセス又は技術を含んでもよい。
【0028】
図1において、包装材料20のウェブは、例えば、リール22上に提供され、パッケージ製造機10を通して連続的に供給され、そこで、動作中のいくつかの異なるステーションを通過する。図1は、無菌チャンバ15、充填ステーション40、及びシール・成形ステーション50を具体的に示しているが、他の関連ステーションも実現可能である。
【0029】
包装材料のウェブは、無菌チャンバ15に入り、1つ又は複数の電子ビーム放出器152の形態の滅菌ユニット150を通過する。電子ビーム照射にさらされた後、包装材料20のウェブは無菌チャンバ15を出る。滅菌ユニット150は、H等の他の滅菌技術を使用することができるため、必ずしも電子ビーム照射に基づく必要はない。
【0030】
充填ステーション40において、包装材料20のウェブは、包装材料のチューブ24に形成され、以下、単に「チューブ」と称する。チューブ24は、充填パイプ42を介して、所望の液体内容物、好ましくは液体食品で充填される。充填ステーション40は、チューブ24内の液体内容物の量を監視するように構成されたレベルリーダシステム200を備えており、これについては、本開示の残りの図を参照してより詳細に説明される。
【0031】
充填ステーション40の下流には、シール・成形部50が設けられている。シール・成形部50は、チューブ24に横シールを施し、横方向シールの位置で上流のチューブ24からチューブ24の先頭部分を切断し、分離された包装容器30を所望の形状に成形するように構成される。複数のシールジョー(図示せず)を設けてもよく、これらのシールジョーは、チューブ24との係合によりチューブ24に横方向のシールを提供するように構成される。これらの横方向シールは、例えば、誘導加熱によって形成することができ、これは、高品質の横方向シールを形成するために、シーリングジョーが一定時間チューブ24に係合する必要があることを意味する。次に、チューブ24は、切断手段によって横方向シールに沿って包装容器30に切断される。
【0032】
シール・成形部50で行われる工程は、典型的には、チューブ24内の液体のレベル80に影響を与える。例えば、チューブ24がその横方向のシールを備えるたびに、シールジョーを適用することによって引き起こされる接触は、チューブ24内の空間の総容積を減少させる。したがって、チューブ24内の液体のレベル80は上昇することになる。チューブ24内の容積は、チューブ24の形状によっても影響を受けることになり、シール・成形部50は、通常、チューブ24を円形断面から矩形断面に成形するので、チューブ24によって囲まれる面積は減少することになる。以上から理解されるように、シール・成形部50の繰り返し動作により、チューブ24内の液体のレベル80の変動が生じる。さらに、例えば、誘導加熱を用いてチューブ24に横方向のシールを与えることによって発生するエネルギーは、運動エネルギーに影響を与え、その結果、チューブ24内の液体のレベル80にも影響を与えることがある。外的影響、生産変化、材料選択等、いくつか例を挙げればきりがないが、様々な状況が発生する可能性があるため、包装材料内の液体のレベル80がどの程度変化するかを正確に判断することは困難である。当業者は、追加のそのような状況を実現することができる。
【0033】
毎秒大量の数の包装容器30を生産することができる高性能なパッケージ製造機10において、液体のレベル80を制御することは特に困難である。チューブ24内の液体のレベル80が正確に制御されない場合、従来技術において提示されたような問題が導入される可能性がある。したがって、レベルリーダシステム200がチューブ24内の液体のレベル80を極めて正確に読み取ることができることが、最も重要である。
【0034】
次に、図2a~bを参照すると、レベルリーダシステム200の一実施形態が示されている。
【0035】
本発明の好ましい実施形態では、レベルリーダシステム200は、レベルリーダ装置60と磁気フロート70とから構成されている(図1も参照)。図2aにおいて、破線を有する四角は、より任意的な性格を有する特徴を示しているが、それにもかかわらず、本発明の好ましい実施形態において構成されている。当業者は、チューブ24内の液体のレベル80の正確な監視を可能にするために、これらの特徴について追加の実施形態を実現することができる。
【0036】
磁気フロート70は、磁気フロート70の少なくとも一部分がチューブ24内の液体の表面に浮くことができるように、チューブ24の内部又は内部に配置されてもよい。これは、図2bに可視化されている。磁気フロート70の少なくとも1つの部分は、高密度液体及び低密度液体の両方で浮くことが可能である。磁気フロート70は、1つ又は複数の浮力材料を備えてもよい。本発明の異なる実施形態では、磁気フロート70は異なる浮力材料を含んでもよく、必要に応じて交換することができる。浮力材料の望ましい特性は、優れた浮力、高い強度対重量比、大きな動作温度範囲、高耐圧性等を含んでもよい。
【0037】
磁気フロート70は、チューブ24内に収まることができ、以下に説明する意図した機能を果たすことができる限り、特定の形状、形態又は寸法を有することに制限されない。
【0038】
図2a~bに見られるように、磁気フロート70は、シリンダ72と、シリンダ72内に配置されたリング状ホルダ74とを備えてもよい。シリンダ72は、好ましくは、充填パイプ42の外周に配置されるが、別の配置も実現可能である。充填パイプ42は、チューブ24内に固定して配置され、地面に対して垂直軸に沿って実質的に垂直方向が充填方向44となるように設けられる。それゆえ、シリンダ72は、充填パイプ42に沿って、充填方向44に移動可能であるように構成される。磁気フロート70は、チューブ24内の液体に浮き、それによって、チューブ24内の液体のレベル80に起因する磁気フロート70の上昇運動又は沈下運動によって、シリンダ72の移動が可能である。磁気フロート70は、充填パイプ42の周りを自由に回転できるように配置してもよい。これは、磁気フロート70によって発生するような磁気信号又は磁界をレベルリーダ装置60が拾い上げることができないリスクを最小化するか、あるいは排除することができるので、特に有益である。
【0039】
図2a~bに示されるように、シリンダ72は、リング状ホルダ74を含んでもよい。一実施形態では、リング状ホルダ74は、シリンダ72内に配置される。リング状のホルダ74は、ホルダ74の周囲に分散、配置、又は保持される複数の磁石75を含んでもよい。図2bは、複数の磁石75がリング状ホルダ74の周囲にどのように分布されるか詳細に示している。この例では、合計10個の磁石がホルダ74の周囲に配されている。磁気フロート70内の磁石の数は、磁気フロート70、充填パイプ42及び/又は磁気リーダー60の、例えば、寸法、材料、又は他の特性に応じて変化してもよい。
【0040】
代替の実施形態では、複数の磁石75は、リング状ホルダ74及び/又はシリンダ72の補助を必要とせずに、磁気フロート70又はシリンダ72のいずれか一方に配置してもよい。
【0041】
磁気フロート70が充填方向44に沿って移動し、場合によっては充填パイプ42の周りを回転すると、複数の磁石75は、磁気信号又は磁場を連続的に生成するように構成される。レベルリーダ装置60は、チューブ24内の液体の現在のレベル80を決定するために、これらの信号を読み取るように構成される。
【0042】
次に、一実施形態によるレベルリーダシステム200を示す図3a~bを参照する。これらの図を参照しながら、レベルリーダ装置60をより詳細に説明する。レベルリーダ装置60は、ハウジング62と、複数のセンサー64と、処理装置66とを備える。
【0043】
レベルリーダ装置60の異なる実施形態では、ハウジング62は、任意の好適な方法で、形状、サイズ、成形及び/又は寸法が決められている。この点で好適なのは、ハウジング62がパッケージ製造機10に配置され、レベルリーダ装置60の構成要素を収容するように適合されていることを意味する。図3bに示すとおり、ハウジング62は、チューブ24の充填方向44に実質的に平行である長手方向に延びている。ハウジング62は、長手方向に延在している細長い形状を有してもよい。ハウジング62は、好ましくは、チューブ24がレベルリーダ装置60と磁気フロート70との間に配置されている場合でも、磁気フロート70から発生する磁気信号又は磁界をレベルリーダ装置60によって読み取ることができるように、チューブ24、すなわち磁気フロート70に近接して配置される。
【0044】
複数のセンサー64は、長手方向に沿って、ハウジング62に分布し、1つ又は複数のセンサー読み取り値65を提供するように構成される。好ましくは、複数のセンサー62は、1つ又は複数のセンサー読み取り値65がより正確に提供され得るように、磁気フロート70の方を向いているハウジング62の延在縁部に沿って分布される。あるいは、複数のセンサー64は、センサー読み取り値65が正確に提供され得ることを考慮すると、ハウジング62内の任意の場所に分布されてもよい。
【0045】
複数のセンサー64は、ハウジング62内に収まることができる任意の数のセンサーであってもよい。一実施形態では、複数のセンサー64は、15~45個のセンサーの数である。より好ましい実施形態では、複数のセンサー64は、20~40個のセンサーの数である。最も好ましい実施形態では、複数のセンサー64は、25~35個のセンサーの数である。複数のセンサーは、一般にハウジングの長手方向に延びる側面の長さに対応する特定の長さに沿って分布している。一実施形態では、長さは10~35cmの間である。より好ましい実施形態では、長さは15~30cmの間である。最も好ましい実施形態では、長さは20~25cmの間である。
【0046】
複数のセンサー64は、当該技術分野で一般的に知られている磁気抵抗センサーであってもよい。磁気抵抗センサーは、電力用途の小さな磁場に対する耐久性と信頼性のある速度又は位置センサーとして設計された超高感度デバイスである。このような用途の電源電圧範囲は、3Vdc~24Vdcの範囲であってもよく、通常は12Vdc程度である。磁気抵抗センサーの温度範囲は、温度範囲-40℃~85℃とであってもよい。磁気抵抗センサーは、磁石の極性を識別する必要がないため、設置プロセスが簡素化され、システムコストを削減できる可能性がある。磁気抵抗センサーの利点としては、例えば、磁気固体状態(magnetic solid state)による耐久性と信頼性、非接触・無光沢設計、超高感度による費用対効果や柔軟性などが挙げられる。
【0047】
複数のセンサー64の磁気抵抗感度は、そのような磁気抵抗センサーに典型的な値であってよい。一実施形態では、磁気抵抗感度は、5G~25Gの範囲にある。磁気抵抗センサーは、2つの異なるタイプのセンサーに基づいてもよい。これらのうち、第1のタイプでは、磁気抵抗感度は7G~11Gの範囲にあり、7Gは典型的な動作感度であり、11Gは最大動作感度である。第2のタイプでは、磁気抵抗感度が14G~20Gの範囲にあり、14Gが典型的な動作感度であり、11Gが最大動作感度である。磁気フロート70には、これら2種類のうちのいずれか1つ又は組み合わせが使用されてもよい。より高い磁気抵抗感度を有する磁気抵抗センサーを備えることで、本説明によれば、レベルリーダ装置60を従来よりも磁気フロート70から離して配置することが可能となり、設置工程や操作工程を簡略化することができる。
【0048】
処理ユニット66は、単一のユニットとして、又は処理ユニット66の動作を実行するように集合的に構成される複数のコントローラとして配置されてもよい。処理ユニット66は、マイクロコントローラ、プロセッサ(例えば、PLC、CPU、DSP)、FPGA、ASIC、又は意図された機能を実行することができる他の任意の適切なデジタル及び/又はアナログ回路を含んでもよいが、これらに限定されない、任意の既知のコントローラ技術で実施されてもよい。処理ユニット66は、メモリを含んでもよい。処理ユニット66のメモリは、ROM、RAM、SRAM、DRAM、CMOS、FLASH、DDR、SDRAM又は他のメモリ技術を含んでもよいが、これらに限定されない、任意の既知のメモリ技術で実装されてもよい。いくつかの実施形態では、メモリは、処理ユニット66と統合されてもよく、処理ユニット66に内蔵されてもよい。
【0049】
処理ユニット66は、複数のセンサー64からの提供された1つ又は複数の信号読み取り値65に基づいて、決定を受信し、分析し、決定するように構成される。決定は、チューブ24内の液体のレベル80を決定することに関連する。
【0050】
一実施形態では、処理ユニット66は、ハウジング62内に配置される。あるいは、処理ユニット66は、レベルリーダ装置60と有線及び/又は無線で通信する外部ユニットとして配置される。これら2つの実施形態のいずれか一方において、処理ユニット66は、チューブ24内の液体のレベル80に関する決定を非常に短時間で生成できるように配置される。好ましい実施形態では、信号読み取り値65を提供し、信号読み取り値65を分析し、チューブ24内の液体のレベル80を正確に決定するのに必要な時間は、1ms未満である。
【0051】
処理ユニット66がレベルリーダ装置60と無線通信する外部ユニットとして配置される場合、レベルリーダ装置60は、当該通信を可能にするための当該技術分野で知られている任意の通信手段をさらに備えてもよい。そのような通信手段は、例えば、WiFi又はBluetooth等の短距離通信技術に基づくことができる。
【0052】
処理ユニット66がどこに配置されているかにかかわらず、決定は、パッケージ製造機10全般の動作、特に、充填パイプ42の動作を制御するために使用されてもよい。例えば、決定は、充填パイプ42から出力される液体の排出流、パッケージ製造機10の動作速度、又は当業者によって実現される任意の同様の制御操作を制御するために使用されてもよい。そのような動作は、好ましくは、自動的に制御される。
【0053】
図3bでは、レベルリーダ装置60の一実施形態が示されている。この特定のレベルリーダ装置60は、15個のセンサーを含み、各センサーは、センサー読み取り値65を提供するように個別に構成される。複数のセンサー64は個別に動作可能であるため、1つ又は複数のセンサー読み取り値65は、異なるセンサー64から同時に提供されてもよい。センサー読み取り値65は、ゼロから分離された規定された値を示すものである。ここで、「規定された」とは、値を示す正しく読み取られた信号、すなわち誤読でないことを指す。したがって、センサー読み取り値65は、磁気信号を識別するために、磁気フロート70等の磁気物体が複数のセンサー64に十分に接近していることを示すものである。1つ又は複数のセンサー読み取り値65は同時に提供することができ、複数のセンサー64の個々のセンサーは、ハウジング62の側面に沿って異なる位置に配置され、同じ磁気物体の読み取り値65を提供しているので、値は、例えば、特定のセンサー64と磁気フロート70の間の実際の距離に応じて、典型的には互いに異なる。
【0054】
図3bに示される特定の例では、合計9つのセンサー読み取り値65が同時に読み取られ、各々はゼロから分離された規定された値を示している。簡略のために、図では、値は、「1」から「4」までの正の整数値として示されている。しかし、実際のレベルリーダ装置60の場合、これらの値は任意の適切な値を仮定してもよい。図から分かるように、磁気フロート70に近いセンサー64は、磁気フロート70から遠いセンサー64よりも高い指示値であるセンサー読み取り値65を提供している。
【0055】
図3bに見られるように、1つ又は複数のセンサー読み取り値65のうちの1つのセンサー読み取り値65hは、他の識別された読み取り値よりも高い値を示している。例示的な図では、この値は「4」である。1つのセンサー読み取り値が他のセンサー読み取り値の値と全く同じ値を示す場合、これら2つの値のいずれか一方又は両方が、他の読み取り値の値よりも高い値を示すものとしてセンサー読み取り値65hとして特定されてもよい。したがって、処理ユニット66は、他のセンサー読み取り値の値よりも高い値を示している1つのセンサー読み取り値65hから、チューブ24内の液体のレベル80を決定するように構成されてもよい。
【0056】
代替の実施形態では、1つ又は複数のセンサー読み取り値65のうちの1つのセンサー読み取り値65lは、他のセンサー読み取り値よりも低い値を示している。図3bでは、この値は「1」であり、これは、磁気フロート70から最も遠い2つの別個のセンサー64から提供されるように定められた読み取り値65で確認することができる。処理ユニット66は、他のセンサー読み取り値よりも高い値を示すセンサー読み取り値65hと、他のセンサー読み取り値よりも低い値を示すセンサー読み取り値65lの平均値65aから、チューブ24内の液体のレベル80を決定するように構成されてもよい。
【0057】
さらに別の実施形態では、処理ユニット66は、以前に提供された所定数のセンサー読み取り値65の移動平均65maからチューブ24内の液体のレベル80を決定するように構成される。一実施形態では、所定数は、全てのセンサー64を合わせた総数である。別の実施形態では、所定の数は、個々のセンサー64についての数である。典型的には、以前に提供されたセンサーの読み取り値の数は、8つであってもよいが、数はまた、より少ないか、より多く、又は動作中に変化することができる。移動平均65maからチューブ24内の液体のレベル80を決定することは、液体のレベル80の急激な低下又は上昇の場合に特に有用であり、又は例えば欠陥のあるセンサー64によって提供された誤った読み取り値65を処理することができる。
【0058】
処理ユニット66は、一実施形態では、他のセンサー読み取り値よりも高い値を示すセンサー読み取り値65h、平均値65a、又は移動平均65maのいずれかを選択することによって、チューブ24内の液体のレベル80を決定するように構成されてもよい。この選択は、処理ユニット66によって自動的に制御されてもよいし、オペレータ又は技術者によって手動で制御されてもよい。選択は、例えば、どのような液体、構成要素、材料、又は操作設定が使用されるか等の様々な異なる要因に基づいてもよい。処理ユニット66は、例えば、現在の動作設定について以前に取得されたデータを分析することによって、センサー読み取り値65に基づく決定をインテリジェントに生成するように構成されてもよい。そのようなインテリジェントな決定は、例えば、例示的な回帰アルゴリズム、ディシジョンツリー、K-means、K-nearest neighbors、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン又は主成分分析等の既知の教師あり及び/又は教師なし学習アルゴリズムを実装する自己学習アルゴリズムにより生成されてもよい。
【0059】
図4a~cは、一般的に本開示に従ったレベルリーダ装置60の模式図である。
【0060】
図4aにおいて、レベルリーダ・デバイス60は、磁気フロート70との配置、すなわちレベルリーダシステム200で見ることができる。図4aに示される好ましい実施形態では、レベル装置リーダー60の長手方向延長は、磁気フロート70の垂直方向延長よりも実質的に大きい。特に、ハウジング62の長手方向の延長は、リング状ホルダ74の垂直方向の延長よりも実質的に大きい。これにより、複数の磁石75を保持しているリング状ホルダ74が、自身の垂直方向の延長線よりも数倍長い距離を移動しても、レベルリーダ装置60によって正しく識別されるため、非常に堅牢な充填システムを実現することができる。ハウジング62とリング状ホルダ74の垂直延長部との間の長さ比は、図4aに描かれたような長さ比と同様であってよい。他の長さ比で実現してもよい。
【0061】
図4aは、レベルリーダ装置60をパッケージ製造機10の他の構成要素に固定するように適合された固定手段68をさらに示す。固定手段68は、この例では、パッケージ製造機10に固定的に取り付けられるアームとして提供される。他の実施形態では、固定手段68は、ねじ、ボルト及び/又は接着材料のいずれか1つ又は組み合わせを使用してパッケージ製造機に好適に取り付けられる任意の構造であってよい。レベル読取装置60は、動作中に確実に固定され、静止状態に保たれるので、その位置は、例えば下流の封止ジョーに関連して較正及び設定することができ、上述のとおり、読み取り指示値65をそれぞれのセンサー64に関連付けることにより、実際のセンサーをシールジョーの上方の高さに変換することが可能である。したがって、チューブ24内の製品の監視されたレベルは、センチメートル又はミリメートル単位のチューブ充填高さに容易に変換され得る。
【0062】
図4bは、好ましい実施形態によるレベルリーダ装置60の概略図であり、図4cは、図4bの拡大断面図である。例示的な画像は、ハウジング62、複数のセンサー64、及び処理ユニット66がレベルリーダ装置60内にどのように配置され得るかを一般的に示す。
【0063】
以上、本発明を主にいくつかの実施形態を参照しながら説明した。しかし、当業者に容易に理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内で、上記に開示されたもの以外の実施形態も同様に可能である。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
【国際調査報告】