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特表2024-505779オーバーハング部を有する部品の形成又は補修方法、及び関連するターボ機械部品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】オーバーハング部を有する部品の形成又は補修方法、及び関連するターボ機械部品
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/14 20060101AFI20240201BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20240201BHJP
   B23P 6/00 20060101ALI20240201BHJP
   B22F 10/20 20210101ALI20240201BHJP
   B22F 5/04 20060101ALI20240201BHJP
   B22F 10/38 20210101ALI20240201BHJP
   B22F 10/50 20210101ALI20240201BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20240201BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240201BHJP
   B23K 9/04 20060101ALN20240201BHJP
   B23K 26/34 20140101ALN20240201BHJP
   B23K 26/21 20140101ALN20240201BHJP
【FI】
F01D5/14
F01D25/00 X
F01D25/00 L
B23P6/00 Z
B22F10/20
B22F5/04
B22F10/38
B22F10/50
B33Y80/00
B33Y10/00
B23K9/04 G
B23K9/04 Z
B23K26/34
B23K26/21 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023532347
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 US2020063759
(87)【国際公開番号】W WO2022125075
(87)【国際公開日】2022-06-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ネヴィル、ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ウールリッジ、ジリアン、ジェイミソン
(72)【発明者】
【氏名】サルム、ジェイコブ、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ハート、カッシー、モイ
【テーマコード(参考)】
3G202
4E168
4K018
【Fターム(参考)】
3G202BA02
3G202BA06
3G202BA10
4E168BA35
4E168BA81
4E168BA87
4E168JB04
4K018FA06
4K018KA12
(57)【要約】
【課題】オーバーハング部を有する部品の形成又は補修する。関連するターボ機械ブレードを提供する。
【解決手段】オーバーハング部を有する部品を形成又は修理する際に、部分を除去し、部分にセクションを追加する。セクションは、オーバーハング部を含む。追加することは、部品に少なくとも複数の材料層を順次積層することを含み、少なくとも複数の材料層は、オーバーハング部を含むセクションの寸法を近似する。順次積層は、例えば、レーザ溶接を含んでもよく、オーバーハング部内に変化した層を形成する多くの方法で実施されてもよい。方法は、少なくとも1つの複数の材料層を機械加工して、オーバーハング部を含むセクションを形成することを含み得る。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側面、第2の側面及び長手方向軸を有する本体と、
本体の第1の側面及び第2の側面の少なくとも一方からオーバーハング状に延びるオーバーハング部と、
を備え
オーバーハング部の少なくとも一部は、複数の材料層を含み、各材料層は、本体の長手方向軸に対して垂直な角度で延びる、ターボ機械部品。
【請求項2】
本体は、第1の金属を含み、複数の材料層は、第1の金属とは異なる第2の金属を含む、請求項1に記載のターボ機械部品。
【請求項3】
複数の材料層は、第1の金属を含む少なくとも1つの第1の材料層と、第1の金属とは異なる第2の金属を含む少なくとも1つの第2の材料層とを含む、請求項1又は2に記載のターボ機械部品。
【請求項4】
複数の材料層の各層は、一連の溶接ビードを含む、請求項1乃至3のいずれかに記載のターボ機械部品。
【請求項5】
複数の材料層の少なくとも1つの第1の材料層のための一連の溶接ビードは、複数の材料層の少なくとも1つの第2の材料層のための一連の溶接ビードに対して非平行角度である、請求項4に記載のターボ機械部品。
【請求項6】
オーバーハング部は、本体の床面(から延びており、複数の材料層は、床面からオーバーハング部の外面に延びるオーバーハング部の最大半分に配置される、請求項1乃至3のいずれかに記載のターボ機械部品。
【請求項7】
本体がターボ機械ブレードのエアフォイルを含み、オーバーハング部が、エアフォイルの第1の側及び第2の側の一方から延びるフレア状の先端レールを含み、エアフォイルから延びる半径方向に延びる先端レールをさらに含み、オーバーハング部の半径方向に向く外面がターボ機械の軸に平行である、請求項1に記載のターボ機械部品。
【請求項8】
請求項1に記載のターボ機械部品を含むガスタービン。
【請求項9】
第1の側面と第2の側面を有する本体と、
本体の第1の側面及び第2の側面の少なくとも一方からオーバーハング状に延びるオーバーハング部とを備え、
オーバーハング部の少なくとも一部は、第1の方向に延びる第1の複数の材料層と、第1の複数の材料層の第1の方向に対して非平面方向で第2の方向に延びる第2の複数の材料層とを含む、ターボ機械部品。
【請求項10】
本体が第1の金属を含み、第1及び第2の複数の材料層の少なくとも1つが、第1の金属とは異なる第2の金属を含む、請求項9に記載のターボ機械部品。
【請求項11】
第1及び第2の複数の材料層の各々内において、少なくとも1つの第1の材料層が第1の金属を含み、少なくとも1つの第2の材料層が第1の金属とは異なる第2の金属を含む、請求項9又は10に記載のターボ機械部品。
【請求項12】
第1及び第2の複数の材料層の各材料層は、一連の溶接ビードを含む、請求項9乃至11のいずれかに記載のターボ機械部品。
【請求項13】
第1及び第2の複数の材料層のうちの1つの少なくとも1つの第1の材料層のための一連の溶接ビードは、第1及び第2の複数の材料層のうちの1つの少なくとも1つの第2の材料層のための一連の溶接ビードに対して非平行角度である、請求項12に記載のターボ機械部品。
【請求項14】
本体は、ターボ機械ブレードのエアフォイルを含み、オーバーハング部は、エアフォイルの端部から延びるフレア状の先端レールを含み、エアフォイルの端部から延びる半径方向に延びる先端レールをさらに含む、請求項9に記載のターボ機械部品。
【請求項15】
第1の複数の材料層の複数の端部は、前記第2の複数の材料層の複数の端部と階段状に出会う、請求項9に記載のターボ機械部品。
【請求項16】
セクションを部品に付加するステップであって、セクションはオーバーハング部を含む、前記ステップと、
第1の方向に延びる部品に、第1の複数の材料層を順次積層するステップと、
第1の方向とは異なる第2の方向に延びる部品に第2の複数の材料層を順次積層するステップであって、第2の複数の材料層は、第1の複数の材料層と出会い、第1の複数の材料層及び第2の複数の材料層は、集合的に、オーバーハング部を含むセクションの寸法を近似し、互いに対して非平面である、前記ステップと、
第1の複数の材料層及び第2の複数の材料層を加工して、オーバーハング部を含むセクションを形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
部品が第1の金属を含み、第1の複数の材料層及び第2の複数の材料層のうちの少なくとも1つの材料層が、第1の金属とは異なる第2の金属を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第1の複数の材料層及び第2の複数の材料層の少なくとも一方は、第1の金属を含む少なくとも1つの第1の材料層と、第1の金属とは異なる第2の金属を含む少なくとも1つの第2の材料層とを含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
部品上に第1の複数の材料層及び第2の複数の材料層を順次積層するステップは、各層を形成するために一連の溶接ビードを形成することを含む、請求項16乃至18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
第1の複数の材料層及び第2の複数の材料層のうちの少なくとも1つの第1の材料層のための一連の溶接ビードは、第1の複数の材料層及び第2の複数の材料層のうちの少なくとも1つの第2の材料層のための一連の溶接ビードに対して非平行角度にある、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
順次積層に先立ち、部品の一部を除去して第1の表面を形成するステップをさらに含み、
第1の複数の材料層の順次積層は、第1の表面の拡張部を形成し、第2の複数の材料層の順次積層は、第1の表面及び第1の表面の拡張部上にある、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
順次積層に先立ち、部品の別の部分を除去して第2の表面を形成するステップをさらに含み、
第1の複数の材料層の順次積層が、第2の表面上にある、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
第1の複数の材料層と第2の複数の材料層との順次の積層は、互いに会合するそれぞれの階段状の複数の端部を形成する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
順次積層に先立ち、部品の一部を除去して第1の表面を形成するステップをさらに含み、
第1の複数の材料層の順次積層は、第1の表面の階段状の拡張部を形成し、第2の複数の材料層の順次積層は、第1の表面及び第1の表面の階段状の拡張部上にある、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
第2の表面を形成するために部品の別の部分を除去するステップをさらに含み、
第1の複数の材料層の順次積層が、第2の表面上である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
第1の複数の材料層と第2の複数の材料層とを順次積層するステップは、第1の複数の材料層と第2の複数の材料層とを順次積層することを繰り返すステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
部品がターボ機械のターボ機械ブレードを含み、オーバーハング部が、ターボ機械の軸に対して円周方向に延びるフレア先端レールを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、部品の製造及び修理に関し、より詳細には、オーバーハング部を有するターボ機械ブレードなどのターボ機械部品を形成又は修理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工業用部品には、部品の他の部分からオーバーハングした(overhang:はみ出した)部分がある場合がある。オーバーハングした部分(はみ出した部分:overhung sections)は、形成中に追加したり、使用期間後に修理したりする必要がある場合がある。1つの例示的な用途は、ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ(スケネクタディ、ニューヨーク州)から入手可能なものなどのターボ機械ブレード(ターボマシンブレード:turbomachine blades)のフレア先端を含む。フレア先端ターボ機械ブレードは、前縁及び後縁に沿って結合された圧力側(正圧側:pressure side)及び吸引側(負圧側:suction side)を有するエアフォイル(翼形体:airfoil)を含む。フレア先端(フレアチップ:flared tip)は、エアフォイルの半径方向外側の端部に結合され、エアフォイルの圧力側及び/又は吸引側を越えて、すなわち、ターボ機械の軸を基準として、周方向に延びることができる。従来の非フレア型ターボ機械ブレードは、例えば、鋳造又は添加剤製造(casting or additive manufacture)を使用して、垂直方向又は半径方向に材料を二次元的に積み上げる必要がある。フレア先端ターボブレードの製造では、円周方向と半径方向の両方に材料を追加する。フレア先端ターボ機械ブレードの修理は現在不可能であるため、交換される。他のターボ機械高温ガス経路部品や他の工業部品にも、オーバーハング部を持つものがあり、同様の状況である。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様は、ターボ機械部品を提供する。ターボ機械部品は、第1の側面、第2の側面、及び長手方向軸を有する本体と、本体の第1の側面及び第2の側面の少なくとも一方からオーバーハング状に延びるオーバーハング部と、を備える。オーバーハング部の少なくとも一部が複数の材料層を含み、各材料層が本体の長手方向軸に対して鋭角に延びる。
【0004】
本開示の別の側面は、方法に関し、部品にセクションを追加することであって、セクションはオーバーハング部を含み、追加することは、部品の表面上に複数の材料層を順次積層することを含み、複数の材料層はオーバーハング部を含むセクションの寸法を近似する。方法は、複数の材料層を機械加工してオーバーハング部を含むセクションを形成することを含む。
【0005】
本開示の一側面は、部品上にオーバーハング部を形成する方法に関し、この方法は、部品上に表面を形成することを含む。表面は、オーバーハング部の目標外側平坦面(target outer planar surface)に対して垂直でも平行でもない角度にある。方法は、部品上に複数の材料層を順次積層することを含み、複数の材料層はオーバーハング部の寸法に近似する。方法は、複数の材料層を機械加工してオーバーハング部及び目標外側平坦面を形成することを含み、目標外側平坦面は複数の材料層に対して角度がある。
【0006】
本開示の一態様は、ターボ機械部品を提供する。ターボ機械部品は、第1の側面、第2の側面、及び長手方向軸を有する本体と、本体の第1の側面及び第2の側面の少なくとも一方からオーバーハング状に延びるオーバーハング部と、を備える。オーバーハング部の少なくとも一部が複数の材料層を含み、各材料層が本体の長手方向軸に対して直角に延びている。
【0007】
本開示の別の態様は、ターボ機械部品を提供する。ターボ機械部品は、第1の側面及び第2の側面を有する本体と、本体の第1の側面及び第2の側面の少なくとも一方からオーバーハング状に延びるオーバーハング部と、を備える。オーバーハング部の少なくとも一部は、第1の方向に延びる第1の複数の材料層と、第1の複数の材料層の第1の方向に対する非平面方向で第2の方向に延びる第2の複数の材料層と、を含む。
【0008】
本開示の一側面は、方法に関し、部品にセクションを追加することを含む。該セクションはオーバーハング部を含み、追加することは、第1の方向に延びる部品上に第1の複数の材料層を順次積層することと、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる部品上に第2の複数の材料層を順次積層することとを含む。第2の複数の材料層は第1の複数の材料層と会合し、第1の複数の材料層及び第2の複数の材料層は、まとめてオーバーハング部を含むセクションの寸法を近似し、互いに対して非平面である。方法は、第1の複数の材料層及び第2の複数の材料層を機械加工してアップハング部を含むセクションを形成することを含む。
【0009】
本開示の例示的な態様は、本明細書に記載された問題及び/又は議論されていない他の問題を解決するために設計されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示のこれら及び他の特徴は、本開示の様々な実施形態を描く添付図面と併せて取られる本開示の様々な態様の以下の詳細な説明から、より容易に理解されるであろう。
図1】本開示の実施形態による、フレア先端レールなどのオーバーハング部を有するターボ機械部品を含むガスタービンの形態における例示的な産業用途の概略図である。
図2図1のガスタービンのコンプレッサ部の断面図である。
図3】は、図1のガスタービンのタービン部の断面図である。
図4】フレア状の先端レールを有するタービンロータブレードの形態の例示的なターボ機械部品の透視図である。
図5】取り外すべき部分と意図された取り外し線とを含むフレア先端レールの形態の例示的なオーバーハング部の断面図である。
図6図5の部分を除去して、新しいオーバーハング部を構築するための表面を作成した後の部品の断面図である。
図7】部品の表面に複数の材料層を順次積層していく様子を示す断面図である。
図8】複数の材料層がそれぞれ一連の溶接ビードで構成されている様子を示す拡大断面図である。
図9】異なる方向に延びる2層の材料の一連の溶接ビードを示す模式的な平面図である。
図10図7の部分を機械加工して新たなオーバーハング部を形成する様子を示す断面図である。
図11】フレア先端レール形状のオーバーハング部の、取り外し対象部分と取り外し予定ラインとを含む断面図である。
図12図11の部分を除去し、部品を回転させて、新しいオーバーハング部を構築するための表面を作成した後の部品の断面図である。
図13A】実質的に水平な位置で、図12の部品の表面に複数の材料層を順次積層する断面図である。
図13B図13Aとは異なる回転角度で、表面に複数の材料層を順次積層していく様子を示す断面図である。
図14図13A-Bの部分を機械加工して新たなオーバーハング部を形成する様子を示す断面図として示している。
図15図6の部品の第1面に第1方向の複数の材料層を順次積層している様子を示す断面図である。
図16図6の部分を除去し、任意に、新しいオーバーハング部を構築するための2つの表面を作成した後の部品の断面図である。
図17】部品を回転させ、第1の複数の材料層を積層した後の部品の断面図である。
図18A】部品の第2の表面に第2の方向に第2の複数の材料層を順次積層する様子を示す断面図である。
図18B】部品の第2の表面に第2の方向に第2の複数の材料層を順次積層する様子を示す断面図である。
図18C】部品の回転の間に部品上に第1及び第2の複数の材料層を順次積層することを繰り返した後の部品の断面図である。
図18D】複数の材料層を部品に非直角に順次積層していく様子を示す断面図である。
図18E】複数の材料層を部品に非直角に順次積層していく様子を示す断面図である。
図19】部品の第1の表面に第1の方向に第1の複数の材料層を順次積層し、段差のある拡張部を形成する断面図である。
図20図19の部品を回転させた後の断面図である。
図21図20の部品の第2面に第2方向の複数の材料層を順次積層していく様子を示す断面図である。
図22図21の部分を機械加工して新たなオーバーハング部を形成する様子を示す断面図として示す。
図23】除去されるべき部分及び意図された除去ラインを含む二重フレア先端レールの形態の例示的な部分における一対のオーバーハング部の断面図である。
図24】内側に延びる二重フレア先端レールの形態の例示的なオーバーハング部を示す断面図である。
図25】一部が除去され、その部分が所定の角度だけ回転して傾斜した構築面を形成するフレア先端レールの形態の例示的なオーバーハング部の断面図である。
図26】部品の傾斜面に複数の材料層を順次積層していく様子を示す断面図である。
【0011】
本開示の図面は、必ずしも縮尺通りではないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な側面のみを描写することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものとして考慮されるべきではない。図面において、同様の番号付けは、図面間の同様の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願の側面及び利点は、以下の説明において以下に記載されるか、又は説明から明らかであるか、又は本開示の実施を通じて学ぶことができる。ここで、本開示の1つ又は複数の例が添付の図面に示されている本実施形態について詳細に参照されたい。詳細な説明では、図面における特徴を参照するために数値的な指定を使用する。理解されるように、各例は、本開示の説明のために提供されるものであり、本開示を限定するものではない。実際、当業者には、その範囲又は精神から逸脱することなく、本開示において修正及び変形を行うことができることが明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として図示又は説明された特徴は、別の実施形態に使用されて、さらに別の実施形態が得られる可能性がある。本開示は、添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内に入るような修正及び変形をカバーすることが意図される。本開示とその構成サブシステム及び部品とを説明するために、特定の用語が選択されている。可能な限り、これらの用語は、技術分野に共通する用語に基づいて選択されている。それでも、このような用語は、しばしば異なる解釈の対象となることが理解されよう。例えば、本明細書において単一のコンポーネント(構成要素)と称されるものが、他の場所では複数のコンポーネントから構成されていると称されることがあり、また、本明細書において複数のコンポーネントを含むと称されるものが、他の場所では単一のコンポーネントであると称されることがある。したがって、本開示の範囲を理解する際には、使用される特定の用語だけでなく、添付の説明及び文脈、ならびに用語がいくつかの図に関連する態様を含む、参照及び説明される構成要素の構造、構成、機能、及び/又は使用、ならびに添付の請求項の用語の正確な使用にも注意を払うべきである。さらに、以下の実施例は、ガスタービンシステムのコンプレッサ(圧縮機)又はタービンで使用可能なターボ機械ブレードの例示的な適用に関連して提示されているが、本願の技術は、関連する技術分野の通常の技術者に理解されるように、限定されない他のカテゴリーのターボ機械、及び他の多くの工業部品に適用可能でもある。
【0013】
ガスタービンの動作の性質を考慮すると、いくつかの用語は、その機能の特定の側面を説明する際に特に有用であり、開示する方法を説明する際に有利になる可能性がある。理解されるように、これらの用語は、ガスタービン又はそのサブシステムの1つ、例えば、コンプレッサ、燃焼器、又はタービンを説明する際にも、それと一緒に使用するためのコンポーネント又はサブコンポーネントを説明又は主張する際にも使用することができる。後者の場合、用語は、ガスタービンエンジン又は主要なサブシステム内に適切に設置され、かつ/又は機能するように、それらの構成要素を説明するものとして理解されるべきである。これらの用語とその定義は、特に断りのない限り、次のとおりである。
【0014】
用語「前方」及び「後方」は、ガスタービンの向きに関する方向、より具体的には、エンジンのコンプレッサ及びタービンセクションの相対的な位置づけを指す。したがって、そこで使用されるように、用語「前方」は、コンプレッサ端部を指し、一方、「後方」は、タービン端部を指す。これらの用語の各々は、エンジンの中心軸に沿った移動方向又は相対位置を示すために使用され得ることが理解されるであろう。上述のように、これらの用語は、ガスタービン又はその主要なサブシステムの1つの属性、ならびにその中に配置されたコンポーネント又はサブコンポーネントについて説明するために使用することができる。したがって、例えば、ターボ機械ブレードのような構成要素が「前方面」を有すると説明又は主張される場合、それは、ガスタービンの向き(すなわち、コンプレッサが前方端として、タービンが後方端として指定される)により定義される前方方向に面する面を指すと理解することができる。タービンのような主要なサブシステムを別の例として挙げると(そして、図1に示すような典型的なガスタービン配置を想定すると)、前方及び後方方向は、作動流体がタービンに入る位置にあるタービンの前方端と、作動流体がタービンから出る位置にあるタービンの後方端とに対して定義することができる。
【0015】
本明細書において、「下流」及び「上流」という用語は、所定の導管又は流路内を移動する流れの方向(以下「流れ方向」という)に対する、所定の導管又は流路内の位置を示すために使用される。従って、「下流」という用語は、流体が所定の導管を流れる方向を指し、「上流」という用語は、それとは反対の方向を指す。これらの用語は、通常の運転又は予想される運転において、導管を通る流れ方向を指すと解釈することができる。ガスタービンの構成、特に共通のシャフト又はロータに関するコンプレッサ部及びタービン部の配置、並びに多くの燃焼器タイプに共通する円筒形の構成を考慮すると、軸に対する位置を説明する用語は、本明細書で常用することができる。この点で、「半径方向」という用語は、軸に垂直な移動又は位置を指すことが理解されよう。これに関連して、中心軸からの相対的な距離を記述することが要求される場合がある。このような場合、例えば、第1の構成要素が第2の構成要素よりも中心軸に近い位置に存在する場合、第1の構成要素は、第2の構成要素の「半径方向内側」又は「インボード」のいずれかであると説明される。一方、第1の構成要素が中心軸からさらに離れて存在する場合、第1の構成要素は、第2の構成要素の「半径方向外方」又は「アウトボード」のいずれかであると説明されるであろう。本明細書で使用される場合、「軸方向」という用語は、軸に平行な移動又は位置を指し、「周方向」という用語は、軸の周りの移動又は位置を指す。特に記載がない限り、又は文脈上明白でない限り、これらの用語は、その中で機能するロータ又はステータブレードなどの非一体構成要素の属性を説明又は主張する場合であっても、それぞれを通って延びるロータによって定義されるガスタービンのコンプレッサ及び/又はタービンセクションの中心軸に関連すると解釈されることが望ましい。
【0016】
「ターボ機械ブレード」又は「ブレード」という用語は、さらなる特定なしに、コンプレッサ又はタービンのいずれかの回転ブレードへの言及であり、したがって、コンプレッサロータブレード及びタービンロータブレードの両方を含み得、また、コンプレッサ又はタービンのいずれかの静止ブレードへの言及であり、したがってコンプレッサステータブレード及びタービンステータブレードの両方を含み得得る。用語「ブレード」は、一般的にいずれかのタイプのブレードを指すために使用され得る。したがって、これ以上具体化することなく、用語「ターボ機械ブレード」又は「ブレード」は、コンプレッサロータブレード、コンプレッサステータブレード、タービンロータブレード、タービンステータブレード等を含む全てのタイプのタービンエンジンブレードに包含される。
【0017】
さらに、以下に説明するように、いくつかの記述的な用語が本明細書で規則的に使用される場合がある。用語「第1」、「第2」、及び「第3」は、1つの構成要素を別の構成要素から区別するために互換的に使用され得、個々の構成要素の位置又は重要性を意味することを意図しない。
【0018】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確にそうでないことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、用語「含む:comprise」及び/又は「含んでいる:comprising」は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は付加を排除しないことがさらに理解されるであろう。「任意」又は「任意に」とは、その後に記述される事象又は状況が発生してもしなくてもよいこと、又はその後に記述される構成要素又は要素が存在してもしなくてもよいこと、及びその記述が、事象が発生又は構成要素が存在する例とそれが発生しない又は存在しない例とがあることを意味する。
【0019】
ある要素又は層が、他の要素又は層上に「ある」、「係合する」、「接続する」又は「結合する」と称される場合、他の要素又は層上に直接、係合、接続、又は結合していてもよく、介在する要素又は層が存在してもよい。対照的に、ある要素が他の要素又は層の上に「直接」、「直接係合」、「直接接続」、又は「直接結合」されていると言及される場合、介在する要素又は層が存在しない場合がある。要素間の関係を説明するために使用される他の単語は、同様に解釈されるべきである(例えば、「間」対「直接間」、「隣接」対「直接隣接」等)。本明細書で使用されるように、用語「及び/又は」は、関連する列挙された項目の1つ又は複数の任意の及びすべての組み合わせを含む。
【0020】
背景として、ここで図を具体的に参照すると、図1~3は、本開示に従った、又は本開示のターボ機械部品が使用され得る内の例示的なガスタービンを示している。図1は、ガスタービン10の概略的な表現である。一般に、ガスタービンは、圧縮空気の流れにおける燃料の燃焼によって生成される高温ガスの加圧流からエネルギーを抽出することによって動作する。図1に例示されるように、ガスタービン10は、下流のタービン部又はタービン14に共通のシャフト又はロータによって機械的に結合される軸方向圧縮機(アキシャルコンプレッサ:axial compressor)12と、コンプレッサ12とタービン14との間に配置される燃焼器16とを備えて構成される場合がある。図1に示されるように、ガスタービン10は、共通の中心軸18を中心に形成されてもよい。
【0021】
図2は、図1のガスタービン10において使用され得る例示的な多段式軸流圧縮機(illustrative multi-staged axial compressor)12の図を示す。示されるように、コンプレッサ12は、複数の段を有してもよく、各段は、コンプレッサロータブレードの列20とコンプレッサステータブレードの列22を含む。したがって、第1のステージは、中央シャフトを中心に回転するコンプレッサロータブレード20の列と、それに続く、動作中に静止したままのコンプレッサステータブレード22の列とを含むことができる。図3は、図1のガスタービン10において使用され得る例示的なタービン部又はタービン14の部分図を示す。タービン14はまた、複数のステージを含むことができる。3つの例示的なステージが示されているが、より多く又はより少なく存在してもよい。各段は、運転中に静止したままの複数のタービンノズル(すなわちステータブレード)24と、それに続いて運転中にシャフトを中心に回転する複数のタービンバケット(すなわちロータブレード)26とを含むことができる。タービンステータブレード24は、一般に、周方向に互いに間隔をあけて配置され、回転軸を中心として外側ケーシングに固定されている。タービンロータブレード26は、中心軸を中心とした回転のために、タービンホイール又はロータディスク(図示せず)に取り付けられることがある。タービンステータブレード24及びタービンロータブレード26は、タービン14を通る高温ガス経路又は作動流体流路にあることが理解されよう。作動流体流路内の燃焼ガス又は作動流体の流れ方向は、矢印で示されている。
【0022】
ガスタービン10の動作の一例では、軸流コンプレッサ12内のコンプレッサロータブレード20の回転により、空気の流れが圧縮される場合がある。燃焼器16において、圧縮された空気が燃料と混合され、点火されると、エネルギーが放出される場合がある。燃焼器16からの高温ガス又は作動流体の結果として生じる流れは、その後、タービンロータブレード26上に導かれ、シャフトを中心とするタービンロータブレード26の回転を誘導される。このようにして、作動流体の流れのエネルギーは、回転ブレードの機械的エネルギーに変換され、ロータブレードとシャフトとの間の接続を考えると、回転シャフトとなる。シャフトの機械的エネルギーは、次に、圧縮空気の必要な供給が生成されるように、コンプレッサロータブレード20の回転を駆動するために使用され、及び/又は、例えば、電気を生成するための発電機に使用され得る。
【0023】
背景の目的のために、図4は、オーバーハング部30を有する例示的な部品28の透視図を示す。説明の目的のために、部品28は、フレア先端ターボ機械ブレード25、より詳細には、タービンロータブレード26として図示される。本開示の教示は、ガスタービン10の他の高温ガス経路(HGP:hot gas path)部分など、本明細書に記載されるような、ターボ機械ブレード25以外のオーバーハング部30を有する任意の部品28にも適用可能であることに留意されたい。本開示の教示は、オーバーハング部を有する他の工業部品にも適用可能である。
【0024】
ターボ機械ブレード25は、ロータディスクに取り付けるために構成されたルート31を含むことができる。ルート31は、例えば、ロータディスクの外周にある対応するダブテールスロットに取り付けるように構成されたダブテール32を含むことができる。ルート31は、ダブテール32とプラットフォーム36との間に延びるシャンク34をさらに含むことができる。プラットフォーム36は、図示のように、一般に、ルート(根元部)31とエアフォイル40との間の接合部を形成し、エアフォイルは、タービン14を通る作動流体の流れを捕捉(intercept)して所望の回転を誘導するタービンバケット26の能動的な構成要素(活性成分:active component)である。プラットフォーム36は、エアフォイル40のインボード端部を画定することができる。プラットフォーム36はまた、タービン14を通る作動流体のフローパスのインボード境界(inboard boundary)の一部を規定することができる。
【0025】
ターボ機械ブレードのエアフォイル40は、典型的には、凹状の圧力面42と、周方向又は横方向に対向する凸状の吸引面44を含む。圧力面42及び吸引面44は、それぞれ対向する前縁及び後縁46、48の間で軸方向に延び、半径方向では、プラットフォーム36との接合部で画定され得るインボード端部と、フレア状の先端レールを含み得るアウトボード先端部(outboard tip)との間で延び得る。エアフォイル40は、所望の空気力学的性能を促進するために設計された湾曲した又は輪郭のある形状を含むことができる。
【0026】
本明細書で使用されるように、ターボ機械ブレード25及びその構成要素は、タービン14の配向特性に従って説明され得る。そのような場合、ターボ機械ブレード25は、タービン14内に適切に設置されていると仮定されることを理解されたい。そのような配向特性は、タービン14の中心軸18(図1)に対して定義される半径方向、軸方向、及び円周方向を含むことができる。前方及び後方方向は、作動流体が燃焼器16からタービン14に入る位置であるタービン14の前方端と、作動流体がタービン14から出る位置であるタービン14の後方端とに相対的に定義することができる。回転方向は、運転中にタービン14の中心軸18(図1)を中心とするターボ機械ブレード25の予想される回転方向と相対的に定義され得る。
【0027】
上記に示したように、本開示は、オーバーハング部30、例えば、ターボ機械ブレード25のフレア状先端部を有する部品28を形成又は修理する方法を提供する。修理の目的のために、方法は、一部を除去すること、及び一部を部品に追加することを含むことができる。部品28を最初に形成する目的のために、本方法は、既に形成された部品28の一部にセクションを追加することができる。いずれにせよ、追加又は形成されるセクションは、オーバーハング部を含む。追加することは、部品に1つ以上の複数の材料層を順次に重ねることを含む。完成すると、複数の材料層は、オーバーハング部を含むセクションの寸法に近似する。順次積層は、例えば、レーザ溶接、冷間金属移送(CMT)、タングステン不活性ガス(TIG)溶接、レーザ焼結、直接金属レーザ溶融(DMLM)、網状法、近網状法など(laser welding, cold metal transfer (CMT), tungsten inert gas (TIG) welding, laser sintering, direct metal laser melting (DMLM), net shape methods, near net shape methods, etc.)を含み、断面内に変化した層を形成する多数の方法で実施され得る。本方法及びそれによって形成される結果的な部品は、造形後の加工又は仕上げを最小化又は排除するネットシェイプ法(net shape methods)によって形成することができる。本方法は、少なくとも1つの複数の材料層を機械加工して、オーバーハング部を含むセクションを形成することを含むことができる。
【0028】
図5は、本開示の実施形態による、第1の側面62及び対向する第2の側面64を有する本体60を有する使用部品28の拡大断面図である。本体60はまた、長手方向軸75を有してもよい。長手方向軸は、本体60の任意の参照軸であってよく、例えば、その長さを通る。エアフォイル40の観点では、エアフォイルがガスタービン10(図1)に配置されるように、長手方向軸は、半径方向軸であってもよい。オーバーハング部30は、例えば、本体60の第1の側面62からオーバーハング状に延びる。オーバーハング部30は、その一部において垂直構造支持を欠いている。一実施形態では、オーバーハング部30は、本体60の第2側面64の対向部材(opposing member:オポージング部材)66と対向しており、対向部材66よりも質量を有する。図示の例では、部品28は、例えば、第1の側62でブレードの吸引面44をオーバーハングさせるフレア先端レール70を含むターボ機械ブレード25を含む。したがって、フレア先端レール70は、部品28のオーバーハング部30(図4)の一例である。本体60は、エアフォイル40を含み、フレア先端レール70は、エアフォイル40の端部から延びる半径方向に延びる先端レール134の形態で対向部材66に対向する。フレア先端レール70は、ガスタービン10の軸18(図1)に対して円周方向に延びる。他の実施形態では、オーバーハング部30は、異なる質量を有していてもいなくてもよい別のオーバーハング部、例えばフレア先端レール70に対向していてもよく、エアフォイル40の周辺を延びることができる(例えば、図23及び24を参照)。
【0029】
損傷したオーバーハング部分は、オーバーハングしたフレア先端レール70、すなわち、構造的支持を欠くオーバーハングしたフレア先端レールを含むことができる。部分72は、除去されることが望まれる任意の構造を含んでよく、損傷のない部分、又は摩耗した表面、亀裂、開口部、粗さなどに限定されない様々な損傷を有する部分を含むことができる。この状況では、図6に示すように、部分72は、部品28から除去されて、部品上、例えばターボ機械ブレード25上に表面74を形成することができる。部分72はまた、表面/線74aによって規定されてもよく、ここで、除去された部分はより深く、吸引面44の非フレアーセクションまで延びる。部分72は、放電加工(EDM)、機械的切断/研磨、レーザ切断などを含むがこれらに限定されない、現在知られている又は後に開発される任意の技術を使用して除去することができる。図6に示すように、フレア状先端レール70のいくつかの残骸が残っていてもいなくてもよいが、部分72は、除去された部分を再形成することができる表面74を形成するように除去される。表面74は、平坦であっても、湾曲していても、三次元形状又はプロファイルを有していてもよい。図6にも示すように、一実施形態では、表面74の角度は、実質的に水平な平面、すなわち、本体が垂直な位置-長手軸(vertical position -longitudinal axis)75が垂直な状態であり得る。本明細書で説明するように、表面74はまた、水平でない角度で形成することができ、新しい層の形成を可能にするために、必要に応じて部品を回転させる。1つの非限定的な例では、フレア状先端レール70の多くとも半分が除去され、例えば、部分72の多くとも半分が除去されることに基づいている。別の非限定的な例では、フレア先端レール70の半分以上が除去され、例えば、部分72の半分以上が除去されることに基づいて、フレア先端レール70が除去される。
【0030】
本開示の実施形態は、フレア先端レール70の初期製造(initial manufacture)も含み得る。この場合、図6に示すような出発構造(starting structure)は、構築される材料及び構造に対して任意の適切な技術を用いて製造されてもよい。非限定的な例として、鋳造及び付加製造が含まれ得る。いずれにしても、オーバーハング部が構築されるべき表面74が、生成される。
【0031】
図7は、部品28にセクション76を追加する断面図であり、セクション76は、新たなオーバーハング部78を含む。付加は、部品28上、すなわち表面74上に複数80の材料層82(plurality 80 of material layers 82)を順次に積層することを含む。集合的に、完成したとき、複数の材料層82は、新しいオーバーハング部78を含むセクションの寸法を近似する。すなわち、追加されたセクションは、追加される所望の新しいオーバーハング部78、又は置換される部分72の寸法を近似している。本明細書で使用する場合、「近似寸法」は、一般に、新しいオーバーハング部78を機械加工による材料除去によって形成することができ、追加の材料追加はほとんど又は全くないことを示す。材料層82の付加は、多くの方法で提供することができる。例えば、材料層82は、レーザ溶接、レーザクラッディング、冷間金属移送(CMT)、タングステン不活性ガス(TIG)溶接、付加製造、金属焼結、直接金属レーザ溶融(DMLM)等(laser welding, laser cladding, cold metal transfer (CMT), tungsten inert gas (TIG) welding, additive manufacturing, metal sintering, direct metal laser melting (DMLM), etc.)を用いて形成することができる。この場合、図8の材料層82の拡大断面図に示すように、部品28に複数80の材料層82を順次積層することは、各層82を形成するために一連の溶接ビード84を形成することを含む。任意の数の溶接ビード84を使用して、1つの層を形成することができる。層は、任意のパターンの溶接を使用して形成することができ、例えば、中心又は周縁から開始して連続した螺旋状の溶接ビード(continuous spiral weld bead)で形成するか、表面74の側面から側面に延びる個々の線状の溶接ビード(individual linear weld beads)を横に並べて形成するか、又はそれらの組合せである。表面74は、材料の均等な積層を助長するために、順次積層中に実質的に水平な位置(例えば、水平から±3°以内)に配置することができ、その後、表面74上に少なくとも1つの複数の材料層80を順次積層することによって、部分72を交換することができる。
【0032】
図7では、材料層82の単一の複数の80のみが使用されている。ここで、複数の材料層82の第2の端部90は、(形成されるべき)オーバーハング部の寸法に近似するように階段状に配置される。一例では、単一の複数の材料層82の第1の端部86は、部品28の表面88と概ね整列するように図示され、単一の材料層82の第2の端部90は、(形成されるべき)オーバーハング部の寸法とほぼ同じになるように階段状に延びる。ここで、第2の端部90は、図示されるように上方に移動しながら、オーバーハング方式でターボ機械ブレード25の吸引面44を越えてより大きな範囲に漸次延在する(progressively extend)。ここで、各層82は、その第1の端部86が半径方向又は垂直方向に整列している場合がある。単一の複数の材料層82の第1の端部86は、図示されるように正確に整列されていない場合があり、部品28の表面88に対して不均一なエッジ(uneven edges:不均等な複数の端部)を有する場合があることに留意されたい。これらの不均一なエッジは、部品28の表面88と整列するように後で機械加工することができる。
【0033】
図9は、層82の溶接ビード(weld beads)84の模式的な平面図である。図示されているように、異なる層82Aの溶接ビード84は、他の層82Bの溶接ビード84に対して角度がつけられていてもよい。例えば、複数80の材料層82の少なくとも1つの第1の材料層82Aの一連の溶接ビード84は、同じ複数の層80の少なくとも1つの第2の材料層82Bの一連の溶接ビード84に対して非平行の角度で形成されてもよい。新しいセクション76(図10)の強度を醸成する(foster strength in the new section)ために、任意の角度を採用することができる。溶接ビードの方向に加えて、順次積層は、熱割れを防止するために構造体の局所温度を制御する方法で実施され得る。例えば、ユーザは、別の領域で作業している間にある領域での冷却を可能にし、新しい溶接ビードを適用する前に冷却された場所で新しい溶接ビードを確実に適用するために、構築面(build surface)74上の場所から場所へと飛び移ることができる。
【0034】
図10は、複数80の材料層82を機械加工して、新しいオーバーハング部78を含む新しいセクション76を形成した後の部分28を示している。プロセスが部分72(図5)を置き換える場合、オーバーハング部78は、部分72(図5)の形状及び寸法に一致してもよい。あるいは、改善された性能及び/又は寿命を提供するために、異なる形状及び寸法を有することができる。機械加工は、新しいセクション76のための所望の形状及び寸法をもたらす、表面の混合を可能にする材料除去の任意の態様を含むことができる。機械加工の非限定的かつ非包括的な例としては、フライス加工、研削、切断、研磨など(milling, grinding, cutting, polishing, etc.)を挙げることができる。前述のように、本体60は、ターボ機械ブレード25のエアフォイル40を含むことができる。この場合、オーバーハング部78は、エアフォイル40の第1の側面62(図示略)及び第2の側面64の一方から延びるフレア状の先端レール70を含む。図10において、ターボ機械ブレード25は、エアフォイル40から延びるフレア先端レール70を含み、オーバーハング部78の半径方向に向く外面(radially-facing outer surface)138は、ターボ機械の軸18に平行である。
【0035】
図7において、表面74は、新しいセクション76の半径方向に向く外面92に平行になるように形成されており、例えば、おそらくガスタービン10(図1)の軸18(図1)に対して平行に延在している。言い換えれば、表面74は、部品の長手方向軸75、又はターボ機械ブレードの観点では、エアフォイル40の本体60の半径方向軸75に垂直に延びる。その結果、部品28は、複数80の材料層82を含むオーバーハング部78の少なくとも一部を含み、各材料層82は、本体60の長手方向軸75に対して垂直な角度で延在する。オーバーハング部78の部分は、床面136からオーバーハング部78の半径方向に向く外面(ブレード装着時)まで延びるオーバーハング部78のせいぜい半分、又はオーバーハング部78の半分以上を含み得る。代替の実施形態では、図25に示すように、部品28は、表面74が水平から傾斜するように回転させることができる。例えば、部品28の長手方向軸75が垂直から回転角度θ1になるように、回転角度θ1は約15°~約60°であってよい。図26は、部品28に新しいセクション76を追加する断面図であり、新しいセクション76は新しいオーバーハング部78を含む。付加は、複数80の傾斜材料層82を部品28上、すなわち傾斜面74上に順次積層することを含む。集合的に、完了すると、複数80の材料層82は、図7に示すように、水平な表面構築で得られるであろうよりも大きなオーバーハング角でオーバーハング部78を含む新しいセクション76の寸法に近似する。すなわち、追加されたセクション76は、追加される所望の新しいオーバーハング部78、又は置換される損傷部72(図5)、又は所望により、より大きなオーバーハング角を有する寸法に近似する。例えば、オーバーハング角θ2は、約50°~約65°、又は約55°~約60°であってもよい。オーバーハング角度θ2は、図26に示すように、部品の長手方向軸75と、オーバーハング材料層82の底部角(又は縁)と交差する線との間で測定される。傾斜した作りは、各層の知覚されるオーバーハングを減少させ、より大きなオーバーハング量(greater amounts of overhang)をうまく得ることができるようにする。
【0036】
図11に示すように、代替実施形態では、部品28の部分72を除去することは、本体60の長手方向軸75、すなわちエアフォイル40の本体60の半径方向軸75に垂直でない表面94を作成することを含むことができる。むしろ、表面94は、本体60の長手方向軸75、すなわちエアフォイル40の半径方向軸75に対して鋭角δにある場合がある。明確にするために、鋭角は、0°と90°の間である。表面94はまた、ガスタービン10の軸18(図11においてファントム線(phantom)で追加)に対して鋭角αになることがある。さらに、表面94は、最終製品の新しいオーバーハング部78、すなわち新しいフレア先端レールの目標半径方向に向く外側平坦面96(図14)に対して、垂直でも平行でもない角度にあることになる。
【0037】
図13Aに示すように、表面94は、その上に複数80の材料層82を順次積層する前に、実質的に水平(±3°)となるように回転させることができる。あるいは、図13Bに示すように、部品28は、複数80の材料層82を順次積層する前に、表面94を水平及び垂直以外の角度βで位置付けるように回転させることができる。部品28は、代替的に、ある数の材料層82が順次積層された後に、図13Bの位置に回転させられてもよい。角度βは、材料層82の複数80の所望の段差を可能にする、すなわち、本明細書で定義されるように実質的に水平ではない任意の角度であり得る。例えば、角度βは、層82の端部98が、端部を後で機械加工して表面88と整列させることができるような方法で外側にステップし、層82の端部100が、部品28の新しいオーバーハング部78を形成するような方法で外側にステップするようなものとすることができる。角度βは、表面94が水平である場合には形成され得ない範囲を有するオーバーハング部78の形成を可能にし得る。例えば、新しいオーバーハング部78の外向き長さL2(図14)は、元のオーバーハング部30の初期の外向き長さL1(図11)よりも大きくてもよいし、本体60の半径方向軸75に対する新しいオーバーハング部78の角度ε2は、本体60の半径方向軸75に対する元のオーバーハング部30の初期の角度ε1(図11)より大きくてもよい。角度βは、例えば、滴下、スランプ、又は破損(dripping, slumping or breaking)の形態で、層の望ましくない形成を可能にすることなく、順次積層を可能にする任意の角度であり得る。
【0038】
図13A-Bはまた、表面94上に複数80の材料層82を順次積層することを示している。この場合、層82の各端部98,100は、階段状であってもよい。すなわち、図13A-Bに示すように、複数の材料層82の順次積層は、表面94の第1の側から階段状に複数の材料層の第1の端部98を形成し、表面94の第2の側から階段状に複数の材料層82の第2の端部100を形成することを含むことができる。第1の端部及び第2の端部の一方(図示のように100)は、本明細書で説明するように、オーバーハング部78を含むセクション76の寸法を近似する。端部98は、完成したときに、部品28の表面88と整列するように階段状にされてもよく、また、前述のように、端部100は、部品28の新しいオーバーハング部78、例えば、ターボ機械ブレード25の新しいフレア先端レールを形成するように階段状にされ得る。ここで、図14にファントム線で示すように、機械加工後、完成品の新しいオーバーハング部78の層82は、ガスタービン10(図1)の軸18(ファントム線で概略的に示す)に対して鋭角αで、目標外面96(target surface:ターゲット表面、図14)に対して鋭角αで、本体60又は部品28の長手方向軸75(すなわちエアフォイル40の半径軸75)によって鋭角δで延びる。さらに、ターゲット外面96は、完成したとき、複数80の材料層82及びその上に層が構築される表面94に対して角度αの位置にある。ターゲット表面96は平面として示されているが、平面でないこともある;例えば、表面96は湾曲しているか、又は三次元プロファイルを有することができることを理解されたい。
【0039】
図14は、複数80の材料層82を機械加工して、オーバーハング部78とターゲット外側平坦面138を形成する様子を示す。ターゲット外側(平面)面96は、複数80の材料層82に対して角度αにある。図14に示すターボ機械部品28は、第1の側面62と、第1の側面62に対向し得る第2の側面64と、長手軸75とを有する本体60を含む。オーバーハング部76は、本体60の第1の側面62(図示略)及び第2の側面64の少なくとも一方からオーバーハング状に延びる。図23は、両側から延びるオーバーハング部を示している。図14で述べたように、オーバーハング部78の少なくとも一部は、複数80の材料層82を含み、各材料層82は、本体60の長手方向軸75に対して鋭角δで延びる。一実施形態では、半径方向に延びる先端レール134がエアフォイル40から(本体60の他方の側から)延びることがあり、オーバーハング部78の半径方向に向く外面138は、動作位置にあるとき、ターボ機械の軸18と平行であることがある。
【0040】
図15~22を参照すると、本開示の別の実施形態では、1つ以上の複数の材料層82を使用して、新しいオーバーハング部78を含む新しいセクション76を形成することができる。ここで、セクション76は、1つ以上の複数の材料層を順次積層することによって、オーバーハング部78を含む部品28に追加されてもよい。この方法は、第1の方向に延びる部品に第1の複数の材料層を順次積層することと、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる部品に第2の複数の材料層を順次積層すること、例えば、部品に形成された垂直な面に構築された2つの複数の層とを含むことができる。第2の複数の材料層は、概して、第1の複数の材料層と会合し、すなわち、新しいセクション76を形成する。各複数の層の異なる層は、材料が異なり得、例えば、材料層は、所定の複数の層内で材料を交互に変えることができる。追加的又は代替的に、各複数の層内の材料は同じであってもよいが、2つの複数の層は異なる材料を使用してもよい。材料層82の複数のいずれか又は両方は、本体60と同じ材料又は異なる材料を使用することができる。
【0041】
図6及び図15に示すように、使用済みの部品に適用される場合、部品28の任意の部分72が除去され、表面74を形成することができる。そうでなければ、新しいセクション76の形成は、図6に示すように、最初に形成された部品からであってよい。一実施形態では、図15に示すように、オーバーハング部78を含む部品28にセクション76を追加することは、第1の方向、例えば、図示のように概ね水平であるが、おそらく水平から離れるいくつかの角度を有する方向に延びる部品28上に第1の複数110の材料層82を順次積層することを含み得る。この例では、層82の第1の複数110は、フレア先端レール70の一部112(図6)を消費する方法で、部品28上に水平に順次形成することができる。あるいは、図16に示すように、第1の順次積層に先立って、フレア先端レール70の部分112(図6)のような所望の任意の材料が除去されて、別の表面114を形成してもよい。すなわち、部品28の別の部分112を除去して、別の表面114を形成する。この場合、任意の必要な回転の後、層82は、表面114上で部品28上に水平に順次形成されてもよく、すなわち、他の材料を消費することはない。この設定では、材料層82の第1の複数110の順次積層は、表面114上にあり、表面114の延長116を形成する。層82の端部118は、形成時に理想的には表面74と整列しているが、整列していない場合には、表面74と整列するように機械加工することができる。図15において、材料層82の第1の複数110の順次の積層は、表面74の延長116を形成する。本明細書で説明するように、代替の実施形態は、階段状の端部を有する拡張部を形成してもよい(例えば、図18C及び19を参照)。
【0042】
図17は、表面74が異なる角度、例えば実質的に水平になるように部品28を回転させることを示し、図18Aは、第2の異なる方向、例えば材料層82の第1の複数110に垂直な方向に延びる部品28上の材料層82の第2の複数120を逐次積層する(sequentially layering)ことを示す。この実施形態では、前述のように、材料層82の第1の複数110の順次積層は、表面74の延長116を作り、図18Aに示すように、材料層82の第2の複数120の順次積層は、第1の表面74と第1の表面74の延長116上にある。材料層82の第2の複数120は、材料層82の第1の複数110と出会い、すなわち、一般にそれらは一緒になって嵌合し、又は一般に一緒に嵌合する(generally they come together and mate or generally mate together)。
【0043】
図18A~18Eは、材料層82の第1の複数110と材料層82の第2の複数120(first plurality 110 of material layers 82 and second plurality 120 of material layers 82)とが集合的に、新しいオーバーハング部78を含む新しいセクション76の寸法を近似し、互いに非平面であることをもたらす種々の実施形態を示している。説明されるように、材料層82の第2の複数120は、材料層82の第1の複数110の第1の方向に対して様々な非平面方向(すなわち、同じ平面内ではない)に延びることができる。図17及び図18Aは、材料層82の最終的に水平な第2の複数120が、材料層82の垂直な第1の複数110の上に延びる、すなわち、表面74、114間の角度γが実質的に垂直(90°±2°)である実施形態を示している。図18Bは、材料層の複数110、120が位置的に逆転している代替実施形態を示す。すなわち、材料層82の第2の複数120は、表面74上に最初に形成され、拡張部116を提供する。次に、部品28は、表面114及び拡張部116が構築可能なように回転され、材料層82の第1の複数110が形成される。材料層182の第1の複数110は、拡張部116を形成する材料層82の第2の複数120の隣接する端部を延長して終了する。
【0044】
図18Cは、各複数の順次積層を繰り返した後の部品の別の代替実施形態を示している。言い換えれば、第1及び第2の複数110、120のすべての材料層82よりも少ない材料層82が、部品の回転の間に部品上に形成される。ここでは、材料層82の第1又は第2の複数110,120のすべての層よりも少ないある数の層、例えば1~4が一方の表面74,114上に構築され、次に部品が回転され、材料層82の他の複数110,120のすべてよりも少ない別の数の層、例えば1~4が対向表面74,114に構築される。このアプローチにより、各複数110、120内の層82のグループの階段状の嵌合又は概ね階段状の嵌合が形成される。このプロセスは、熱応力を低減し、他の機械的問題に対処するために有利であり得る。
【0045】
図18D~Eは、表面74、114が非平面方向に形成され、非直角の角度γを有する部品の他の代替実施形態を示す。ここで、材料層82のそれぞれの複数110、120の積層中の表面74又は114の位置は、層の望ましい接合を保証し、ハードウェア溶接の制約に対応するために必要な任意の位置となりうる。図18Dは、鈍角γ(90°<γ<180°)での表面74、114を示し、図18Eは、180°より大きい角度γでの表面74、114を示す。
【0046】
図19図21は、材料層82の第1及び第2の複数110、120の順次積層がそれぞれ、一般的に互いに出会う(generally meet with one another)階段状の端部(stair-stepped ends)を作成する以外は、図15図18Eに関連して説明したものと実質的に同様である代替実施形態を示す。図15及び図16と同様に、第1の順次積層は、部品の一部112を消費することができ、又は部品の一部112を除去し、表面上で積層を完了することによって別の表面114を作成することができる。いずれにせよ、積層に先立って、使用済み部品用途の場合、部品28の任意の部分72を除去して表面74、114を作成することができる。
【0047】
図19は、表面114の階段状の拡張部(stair-stepped extension)122を作成するための材料層82の第1の複数110の順次的な積層を示す図である。図20は、部品の任意の必要な回転を示し、図21は、表面74及び表面74の階段状の拡張部122(図20)上の材料層82の第2の複数120の逐次的な積層を示す。より詳細には、表面74上の材料層82の第2の複数120の順次積層は、その材料層82を、材料層82の第1の複数110によって形成された表面74の階段状の拡張部122と概ね嵌合させて、インターロック結合を形成するように実施される。ここで、図21に示すように、材料層82の2つの複数110、120は、嵌合する階段状の端部を有するか、又は、いくつかの位置でその間におそらくいくつかの空隙83(空所:voids)を有する概ね嵌合する階段状の端部を有することができる。すなわち、材料層82の第1の複数110の端部は、材料層82の第2の複数120の端部に、おそらくそこにいくつかの空隙83を伴って、階段状に出会う。表面74、114は、図19~22において互いに垂直であるように示されているが、図18A~Eに関連して説明された角度γのいずれかが、階段状の層と共に採用され得る。
【0048】
図22は、材料層82の複数110、120を機械加工して、新しいオーバーハング部78を含むセクション76を形成した後の部品28を示している。この工程は、複数の複数の材料層を順次積層する説明した工程のいずれかに従うことができる。この機械加工工程は、図10に関連して説明したようにすることができる。機械加工は、図21の実施形態から実施されることが示されているが、同様の機械加工が図18A~Eの実施形態に対して実施されてもよいことが認識されよう。
【0049】
図22は、第1の側部62及び第2の側部64を有する本体60を含むターボ機械部品28を示す。オーバーハング部78は、本体60の第1の側面62及び第2の側面64(図示略)の少なくとも一方からオーバーハング状に延びる。オーバーハング部78の少なくとも一部は、第1の方向に延びる材料層82の第1の複数110と、第2の方向に延びる材料層82の第2の複数120とを、非平面方向(角度γを参照)、材料層82の第1の複数110の第1の方向に対して相対的に延びている(図18A~Eを参照)。
【0050】
図23は、本開示の他の実施形態による、第1の側面62及び対向する第2の側面64を有する本体60を有する部品28の拡大断面図である。ここで、オーバーハング部30、230は、それぞれ、本体60の第1の側面62から、及び本体の第2の側面64からオーバーハング状に延びる。オーバーハング部30、230はいずれも、その一部において垂直構造支持を欠いている(lack vertical structural support)。本実施形態において、オーバーハング部30、230は、同じ質量を有し、同じ範囲に延びていてもよく、あるいは、一方又は他方がより多くの質量を有し、異なる範囲に延びていてもよい。図示の例では、部品28は、例えばブレードの吸引面44及び圧力面42をオーバーハングさせるフレア先端レール70、270を含むターボ機械ブレード25を含む。しかしながら、フレア先端レール70は、エアフォイル40の先端の全周囲に延びることができることに留意されたい。したがって、フレア先端レール70は、部品28のオーバーハング部30,230の一例である。本体60は、エアフォイル40と、フレア先端レール70とを含む。フレア先端レール70は、ガスタービン10の軸18(図1)に対して周方向に延びている。図5~22は、エアフォイル40の片側のフレア先端レール70を修復するためのプロセスを示すが、本開示の教示は、必要なだけ多くの回数、及び必要なだけ多くの構築面74、94、114、116で繰り返すことができることが容易に認識されるであろう。任意の数の部分72(損傷したオーバーハング部分)が、修理され、又は追加され得る。
【0051】
図24は、本開示の他の実施形態による、第1の側面62及び対向する第2の側面64を有する本体60を有する部品28の拡大断面図である。図5~23では、オーバーハング部(複数可)30、230は、エアフォイル40の本体60に対して外側に延びている。図24では、オーバーハング部330、430は、それぞれ、本体60の第1の側面62から、及び本体の第2の側面64から内側にオーバーハング状に延びる。オーバーハング部330、430はいずれも、その一部において垂直構造支持を欠いている。本実施形態では、オーバーハング部330、430は、同じ質量を有し、内側に同じ範囲に延びることがあり、あるいは、一方又は他方の部分がより多くの質量を有し、異なる範囲に延びることがある。図示されていないが、内側に延びるオーバーハング部330、430のうちの1つは、図5のような半径方向に延びる先端レール134と置き換えられてもよいことが認識されるであろう。オーバーハング部330、430は、本明細書に記載された実施形態のいずれかに従って修理又は追加され得る。オーバーハング部は、圧力面42、吸引面44、及び床面136、又はこれらの面/面のすべて、又はこれらの組み合わせの上に延在してもよいことを理解されたい。
【0052】
部品28は、金属を含んでもよい。一実施形態では、部品28は、柱状結晶粒構造(例えば、方向性凝固(DS)ブレード)を有する超合金などの金属又は金属合金などの金属から作られている。一実施形態では、部品28は、純金属又は合金を含むことができる第1の金属で作られることができる。本明細書で使用する場合、「超合金」は、従来の合金と比較して多数の優れた物理的特性を有する合金を指し、例えば、Rene N5、Rene N500、Rene 108、CM247、Haynes合金、Inconel、MP98T、TMS合金、CMSX単結晶合金のように、高い機械強度、高い熱クリープ変形抵抗、がこれに限られない。一実施形態では、本開示の教示が特に有利となり得る超合金は、高いガンマプライム(Gamma prime:γ’)値を有する超合金である。“ガンマプライム”(γ’)は、ニッケル基合金における主要な強化相である。高ガンマプライム超合金の例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない:Rene 108、N4、N5、N500、GTD 444、MarM 247及びIN 738。材料層82の新しいセクション76及び複数の80、110、120は、第1の金属を含み、すべて同じ材料でターボ機械ブレード25を作成することができる。代替実施形態では、セクション76は、第1の金属とは異なる第2の金属を含むことができる。一実施形態では、特定の複数の80、110、120の層82のすべてが、同じ材料であってもよいが、部品28の残りの部分とは異なる材料である。すなわち、部品28は第1の金属を含み、材料層82の複数の80、110、120は、第1の金属とは異なる第2の金属を含む。したがって、新しいセクション76は、均一な材料であってよい。あるいは、材料層82の複数の80、110、120の異なる層82は異なっていてもよく、その結果、新しいセクション76はそこに異なる材料を有する。すなわち、材料層82の複数の80、110、120は、第1の金属を含む少なくとも1つの第1の材料層と、第1の金属とは異なる第2の金属を含む少なくとも1つの第2の材料層とを含むことができる。例えば、例えば表面74又は表面114に近い新しいセクション76の材料層82は、部品28の材料と一致してもよく、表面74又は表面94から離れた層は、異なる材料、例えば、より摩耗に耐えるために硬い材料であってもよい。あるいは、異なる複数の層は、その中に異なる材料を有することができる。すなわち、材料層82の少なくとも1つの複数の80、110、120が、第1の金属を含む少なくとも1つの第1の材料層を含み、少なくとも1つの第2の材料層が、第1の金属とは異なる第2の金属を含んでもよい。図10図14及び図22は、材料層をファントム線で示す。
【0053】
図4図10図14、及び図22を参照すると、本開示の実施形態は、ガスタービン10(図1)用のターボ機械部品130も含む。ターボ機械部品130は、図4及び図5に示すように、吸引面44の形態の第1の側面62と、圧力面42の形態の第2の側面64とを有するエアフォイル40の形態の本体60を含むターボ機械ブレード25を含み得る。ターボ機械ブレード25の形態のターボ機械部品130は、ルート31(図4)を含むこともできる。図10図14及び図22に示すように、ターボ機械部品130は、本体60の第1の側面62及び第2の側面64の少なくとも一方から、すなわち、エアフォイル40の圧力面42及び吸引面44(後述)の少なくとも一方からオーバーハング状に延びるフレア先端レール132の形態の新しいオーバーハング部78をも含むことがある。図14に示すように、新しいフレア状の先端レール132の形態のオーバーハング部78は、半径方向に延びる先端レール134の形態の本体60の第2の側64上の対向部材66に対向することができる。オーバーハング部78及び対向部材66は、本体の床面136、例えば、エアフォイル40の半径方向外側の表面から延びる。オーバーハング部30は、対向部材66よりも多くの質量を有することができる。図23に示すように、新しいフレア先端レール232の形態のオーバーハング部30、230は、本体60に形成されてもよい。図23の各オーバーハング部30、230は、本明細書で説明する実施形態のいずれかの形態をとってもよいことが強調される。図24に示すように、新しい内側に延びるフレア先端レール(複数可)の形態のオーバーハング部330、430も、本体60に形成されてもよい。いずれにしても、オーバーハング部は、床面136、すなわちエアフォイル40の半径方向外側の表面から延びる。オーバーハング部30、230、330、430は、同じ又は異なる質量を有することができ、同じ又は異なる範囲まで延びることができる。いずれにしても、オーバーハング部30、230、330、430は、ターボ機械の軸18(図1)に対して円周方向に延びる。オーバーハング部30、230、330、430は、エアフォイル40の周縁全体について延びる単一のユニット型オーバーハング部の形態をとることができることにも留意されたい。
【0054】
本明細書で説明するように、フレア状先端レール132の形態のオーバーハング部30、230、330、430は、少なくとも1つの複数の材料層82をその中に含む。一実施形態では、複数の層82は、床面136から半径方向に向く外面201まで延びるオーバーハング部の多くとも半分に、すなわち、除去される部分72の多くとも半分に基づいて、配置される。図14に示すように、一実施形態では、各材料層82は、本体60の半径方向軸75に対して鋭角δで、かつ、オーバーハング部30の半径方向に面する外面138、すなわち、フレア先端レール132の半径方向に面する外面に対して鋭角αで延びることが考えられる。この設定において、新しいフレア先端レール132の複数80の材料層82が形成された表面94は、ターボ機械ブレード26を有するガスタービン10の軸18(図1)及び本体60の半径方向軸75に対して、ターボ機械内の動作位置に、鋭角αに延びることもできる。図22に示す別の実施形態では、フレア先端レール132は、第1の方向に延びるその材料層82の第1の複数110と、材料層82の第1の複数110の第1の方向に対して非平面方向(180°ではない)で第2の方向に延びる材料層82の第2の複数120とを含むことがある。2つの複数の層は、接していてもよく(図18A-B)、嵌合する階段状の端部を有していてもよく(図22)、あるいは、いくつかの位置でおそらくいくつかの空隙83をその間に有する概ね嵌合する階段状の端部を有していてもよい(図21)。一実施形態では、材料層82の2つの複数120のうちの一方は、ターボ機械部品130がターボ機械内の動作位置にある(半径方向軸75に垂直)状態で、ガスタービン10(図1)の軸18(図1)に対して実質的に平行であり得る。さらに、材料層82の2つの複数110のうちの他方は、材料層82の複数120に対して非平面方向に延びることができる。図18A~Cに示されるように、非平面方向は、実質的に垂直、すなわち、90°+/-2°であってもよい。図18D-Eは、実質的に垂直ではない、すなわち、90°+/-2°ではない他の非平面方向を示す。
【0055】
エアフォイル40の形態の本体60は、第1の金属を含んでもよく、複数の材料層82の少なくとも1つは、第1の金属と異なる第2の金属を含んでもよい。他の実施形態では、材料層82の複数の80、110、120は、第1の金属を含むその中の少なくとも1つの第1の材料層と、第1の金属とは異なる第2の金属を含むその中の少なくとも1つの第2の材料層とを含むことができる。すなわち、所定の複数の材料層内で、それぞれ異なる材料が使用されてもよい。例えば、表面74に近い新しいセクション76の層82は、部品28の材料と一致してもよく、表面74から離れた層は、異なる材料、例えば、より摩耗に耐えるように硬い材料であってもよい。
【0056】
図8に示すように、各材料層82は、一連の溶接ビード84を含んでもよい。図9に示すように、複数の材料層の少なくとも1つの第1の材料層82Aのための一連の溶接ビード84は、複数の材料層の少なくとも1つの第2の材料層82Bのための一連の溶接ビード84に対して非平行角度であってよい。
【0057】
本開示の実施形態は、タービンロータブレードのフレア先端レールなどのオーバーハング部の材料追加及び/又は修復のための材料層を作成するためのいくつかの方法を提供する。フレア先端レールは、エンジン性能を維持するために、動作後に所望の寸法、形状などを有するように機械加工することができる。
【0058】
前述の図面は、本開示のいくつかの実施形態に従って関連する処理のいくつかを示す。この点で、各図面は、説明される方法の実施形態に関連する処理を表す。また、いくつかの代替的な実施態様において、図面に記された行為は、図に記された順序から外れて起こり得るか、又は例えば、関連する行為に応じて、実際には実質的に同時又は逆の順序で実行され得ることに留意されたい。また、当業者であれば、処理を記述する追加の工程が追加され得ることを認識するであろう。
【0059】
本明細書及び特許請求の範囲を通じて使用される近似語は、それが関連する基本的な機能の変化をもたらすことなく許容され得るあらゆる定量的表現を修正するために適用することができる。したがって、「約:about」、「およそ:approximately」、「実質的に:substantially」などの用語によって修正される値は、指定された正確な値に限定されるべきものではない。少なくともいくつかの例では、近似的な言語は、値を測定するための機器の精度に対応することができる。本明細書及び特許請求の範囲において、範囲の限定は、組み合わせ及び/又は交換することができ、そのような範囲は、文脈又は言語がそうでないことを示さない限り、特定され、そこに含まれるすべてのサブ範囲を含む。範囲の特定の値に適用される「約」は、両端値に適用され、値を測定する機器の精度に依存しない限り、記載された値(複数可)の+/-10%を示すことがある。
【0060】
以下の請求項における全ての手段又はステッププラス機能要素の対応する構造、材料、行為、及び等価物は、具体的に請求された他の請求項要素との組み合わせで機能を実行するための任意の構造、材料、又は行為を含むことを意図している。本開示の説明は、例示及び説明の目的で提示されたが、開示された形態での開示に網羅的又は限定されることを意図していない。多くの修正及び変形が、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。実施形態は、本開示の原理及び実用化を最もよく説明するために、また、当業者の他の者が、企図された特定の使用に適するように様々な変更を伴う様々な実施形態についての本開示を理解できるように、選択及び説明された。
【符号の説明】
【0061】
10:ガスタービン 12:コンプレッサ 14:タービン 16:燃焼器 18:中心軸 20:コンプレッサロータブレード 22:コンプレッサステータブレード 24:タービンノズル 25:フレア先端ターボ機械ブレード 26:タービンバケット 28:部品 30:オーバーハング部 31:ルート 32:ダブテール 34:シャンク 36:プラットフォーム 40:エアフォイル 42:圧力面 44:吸引面 46:前縁 48:後縁 60:本体 62:第1の側面 64:第2の側面 66:対向部材 70:フレア先端レール 72:部分 74:表面 75:長手方向軸 76:セクション 78:新しいオーバーハング部 80:複数の材料層 82:材料層 83:空隙 92:半径方向に向く外面 94:半径方向軸に垂直でない表面 96:目標半径方向に向く外側平坦面 98:第1の端部 100:第2の端部 110:材料層の第1の複数 114:表面 116:延長 120:材料層の第2の複数 122:階段状の拡張部 130:ターボ機械部品 132:フレア先端レール 134:先端レール 136:床面 138:半径方向に向く外面 230:オーバーハング部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【国際調査報告】