(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】セルラーゼ含有組成物、その使用および使用済み衣類の復元方法
(51)【国際特許分類】
D06M 16/00 20060101AFI20240201BHJP
C11D 3/386 20060101ALI20240201BHJP
C11D 3/04 20060101ALI20240201BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20240201BHJP
C11D 3/36 20060101ALI20240201BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20240201BHJP
C11D 3/382 20060101ALI20240201BHJP
D06M 11/38 20060101ALI20240201BHJP
D06M 15/05 20060101ALI20240201BHJP
D06M 15/11 20060101ALI20240201BHJP
D06M 15/03 20060101ALI20240201BHJP
D06L 1/12 20060101ALI20240201BHJP
D06F 35/00 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
D06M16/00 A
C11D3/386
C11D3/04
C11D3/20
C11D3/36
C11D1/72
C11D3/382
D06M11/38
D06M15/05
D06M15/11
D06M15/03
D06L1/12
D06F35/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543086
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 EP2022050762
(87)【国際公開番号】W WO2022152858
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523269007
【氏名又は名称】バイオ・リストア・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100196597
【氏名又は名称】横田 晃一
(72)【発明者】
【氏名】フッサイン,ワヤハト
【テーマコード(参考)】
3B168
4H003
4L031
4L033
【Fターム(参考)】
3B168FA01
3B168FA12
4H003AC08
4H003AC13
4H003DA01
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4L031AA02
4L031AB01
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4L031DA01
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4L033AA02
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4L033AB04
4L033AC15
4L033CA02
4L033CA03
4L033CA06
(57)【要約】
本開示は、家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置における、セルロース含有使用済み衣類の復元用組成物の使用であって、組成物が、約15%~約60%のセルラーゼ調製物を含み、復元が、(i)衣類の機械的張力を回復し、それによって衣類の再形成を達成すること、(ii)衣類の表面の毛玉を除去すること、および(iii)衣類の襟および/または端のほつれを除去すること、ならびにそれらの任意の組み合わせ、からなる群から選択される、組成物の使用を対象とする。また、セルロース含有使用済み衣類の復元に使用するための組成物、ならびに家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置においてセルロース含有使用済み衣類を復元するための方法も開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置における、セルロース含有使用済み衣類の復元用組成物の使用であって、前記組成物が、約15%~約60%のセルラーゼ調製物を含み、
前記復元が、(i)前記衣類の機械的張力を復元し、それによって前記衣類の再形成を達成すること、(ii)前記衣類の表面の毛玉を除去すること、および(iii)前記衣類の襟および/または端のほつれを除去すること、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、組成物の使用。
【請求項2】
家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置において、セルロース含有使用済み衣類の復元に使用するための組成物であって、前記組成物が、
(a)~(e)のパーセンテージが、すべて重量比またはすべて体積比であることを条件として、
a.約15%~約60%のセルラーゼ調製物、例えば、約15重量%~約60重量%、または約15体積%~約60体積%の前記セルラーゼ調製物;
b.約30%~約90%の担体、例えば、約30重量%~約60重量%、または約70体積%~約90体積%の前記担体;
c.約0.5%~約10%の緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤、例えば、約3重量%~約9重量%、または約0.5体積%~約10体積%の前記緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤;
d.任意選択で、約10%~約20%の金属イオン封鎖剤、例えば、約10重量%~約20重量%または約10体積%~約20体積%の金属イオン封鎖剤;
e.任意選択で、約1%~約8%の1つまたは複数の界面活性剤、例えば、約1重量%~約5重量%の第1の界面活性剤および/もしくは約0.5重量%~約1.5重量%の第2の界面活性剤、または約1体積%~約5体積%の第1の界面活性剤および/もしくは約0.5体積%~約1.5体積%の第2の界面活性剤;
を含む、組成物。
【請求項3】
前記組成物が粉末であり、(a)~(e)のパーセンテージがすべて重量比である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
請求項2(b)に記載の前記担体が、硫酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
請求項2(c)に記載の前記緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤が、アジピン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ゼオライト、トリポリリン酸ナトリウム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項3または4に記載の組成物。
【請求項6】
請求項2(d)に記載の前記金属イオン封鎖剤が、クエン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アジピン酸、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項3~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
請求項2(e)に記載の前記第1の界面活性剤が、デンプン、セルロースガム、カルボキシメチルイヌリン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項3~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
請求項2(e)に記載の前記第2の界面活性剤が、エトキシル化脂肪アルコール、ラウリルアルコールエトキシレート、ココナッツジエタノールアミド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項3~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
a.約20重量%~約50重量%、例えば、約30重量%の前記セルラーゼ調製物;
b.約40重量%~約50重量%、例えば、約46重量%の硫酸ナトリウム;
c.約5重量%~約7重量%、例えば、約6重量%のアジピン酸;
d.約12重量%~約17重量%、例えば、約14重量%のクエン酸ナトリウム;
e.約2重量%~約4重量%、例えば、約3重量%のデンプン;および
f.約0.8重量%~約1.2重量%、例えば、約1重量%のエトキシル化脂肪アルコール
を含む、請求項3~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が液体であり、(a)~(e)のパーセンテージがすべて体積比である、請求項2に記載の組成物。
【請求項11】
a.約15体積%~約50体積%、例えば、約15体積%~約40体積%、例えば、約15体積%の前記セルラーゼ調製物;
b.約70体積%~約90体積%、例えば、約74体積%~約84体積%、例えば、約83体積%の前記担体、任意選択でこの場合、前記担体は水である;
c.約0.5体積%~約10体積%、例えば、約1体積%~約5体積%、例えば、約1.5体積%の前記緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤、任意選択でこの場合、前記緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤は、ギ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、プロピレングリコール、モノエタノールアミン、オレイン酸カリウム、塩化カルシウム、クエン酸、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される;
d.任意選択で、約0.1体積%~約1体積%、例えば、約0.3体積%~約0.7体積%、例えば、約0.5体積%の防腐剤
を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
セルロース含有使用済み衣類を復元するための方法であって、前記方法が、
a.セルロース含有使用済み衣類と、約15%~約60%のセルラーゼ調製物を含む組成物とを、家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置に添加するステップ;
b.水および前記組成物の存在下、約20℃~約60℃の温度で、約60分~約240分、例えば、約120分~約180分の時間、最小300rpmのドラム回転速度で、前記衣類を洗浄するステップ;
を含み、
前記復元が、(i)前記衣類の機械的張力を復元し、それによって前記衣類の再形成を達成すること、(ii)前記衣類の表面の毛玉を除去すること、および(iii)前記衣類の襟および/または端のほつれを除去すること、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、
好ましくは、前記セルラーゼ調製物を含む前記組成物が、請求項2~11のいずれか一項に記載の組成物である、
方法。
【請求項13】
ステップbに続く1つまたは複数の追加のステップをさらに含み、前記1つまたは複数の追加のステップが、
c.前記非工業用洗濯装置から前記水を排出することによる前記セルラーゼ調製物の失活;および/または
d.約40℃~約100℃、例えば、約50℃~約90℃の温度で、約15分~約45分、例えば、約20分~約40分、例えば、約30分の時間、最小400rpmのドラム回転速度で、前記衣類をタンブル乾燥することを、好ましくは含む、前記衣類のタンブル乾燥またはアイロンがけなどによる、前記衣類中の前記繊維の再配列、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項2~11のいずれか一項に記載の組成物と、家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置におけるセルロース含有使用済み衣類の復元用の前記組成物の使用説明書とを含む部品キットであって、
前記復元が、(i)前記衣類の機械的張力を復元し、それによって前記衣類の再形成を達成すること、(ii)前記衣類の表面の毛玉を除去すること、および(iii)前記衣類の襟および/または端のほつれを除去すること、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、
部品キット。
【請求項15】
前記使用説明書が、請求項12および13のいずれか一項に記載の方法を実行するための説明書を含む、請求項14に記載の部品キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、使用済み衣類の復元に関し、例えば、復元は、衣類の表面の毛玉を除去すること(de-pilling)、襟および端のほつれを除去すること(de-fraying)、衣類の機械的張力を復元すること、およびそれらの任意の組み合わせを含み得る。より詳細には、セルラーゼを含む組成物が開示され、これは、非工業用環境においてセルロース含有使用済み衣類の復元に使用され得る。セルラーゼを含む組成物の使用、および非工業用環境におけるセルロース含有使用済み衣類の復元方法もまた開示される。
【背景技術】
【0002】
セルラーゼは、セルロース中のb-(1,4)-結合を加水分解する酵素群の総称である。織物に対するセルラーゼ酵素のこれまでに知られている用途は、染色前または新しい織物の工業生産中の仕上げ段階で毛羽立ちを除去するための工業的前処理プロセスである(例えば、US6268196参照)。
織物および衣類に関連したセルラーゼの2番目に知られている主な用途は、洗剤の洗浄助剤としてである。洗剤は、汚れた織物や衣類から汚物を除去する化学組成物である。洗浄力に酵素を使用する主な目的は、タンパク質または炭水化物ベースの汚れの分解を触媒して、界面活性剤やビルダーによる除去を促進することである。すなわち、洗剤でのセルラーゼの使用は、洗浄効果を最適化するために設計されている。セルラーゼ含有洗剤は、例えば、WO92/06165、US5120463、US5904736に記載されている。
【0003】
新しい衣類が購入されるときはいつも、表面の外観、触感、色、フィット感など、衣類の実用的な特徴を最適化する一連の生産プロセスを経ている。これらの要素は、衣類が新しいとみなされるために重要な属性を構成する。衣類は購入され、しばらく使用された後、曲げ、圧縮、洗濯、伸長を伴う摩耗力などの多くの物理的および化学的ストレスにさらされることを含む摩耗プロセスを経る。これらすべての要因によって、疲労や磨耗、生地の特性の変化が生じ、その物理的な形状のために、あるいは反射率、新しさ、柔らかさ、買い物時にあったきれいな外観などの重要な美的属性を失うために、衣類が使用できなくなる点にまで至る。表面の外観の変化には、毛玉の形成、外面や身体部分との摩擦による生地の磨耗によるほつれ、特にセルロース含有衣類の洗濯や使用による超構造変化が含まれる。型崩れは毛玉やフィブリル化によるものである。色やプリントの褪色感は、影の形成による反射率の低下が原因である。セルロース素材の性質、衣類の構成、最終用途によるこれらの変化は避けられない。その結果、衣類は消費者によって廃棄されるが、これは資源の浪費であり、埋め立て地への織物廃棄物の蓄積につながる。生地を酵素と接触させ、その後、前記生地を酵素阻害剤と接触させることを含む、生地を若返らせるプロセスがEP1090980に記載されている。
しかし、消費者が自宅でより使いやすく簡単な方法で失われた新しさの属性を効率的に回復できるようにし、それによってセルロース含有衣類の寿命を延ばすことが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、使いやすいセルラーゼ含有組成物と、家庭でまたは業務用で非工業用の環境で実施される、劣化したセルロースを含む中古/使用済み衣類の表面、視覚的および機械的特性を復元するための、高濃度のセルラーゼに基づく使用済み衣料品の復元方法を提供することによって、当該技術分野における上述の問題を解決または少なくとも軽減する。
本開示は、家庭での洗浄環境における要因の変動を念頭に置きながら、信頼性が高く、一貫性があり、再現可能な結果をもたらす組成物および方法を提供する。本明細書に開示される製剤およびプロセスを使用することにより、セルロース含有衣類の寿命を何倍にも延ばすことができる。
【0005】
より詳細には、家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置におけるセルロース含有使用済み衣類を復元するための組成物の使用であって、組成物が、約15%~約60%のセルラーゼ調製物を含み、復元が、(i)衣類の機械的張力を復元し、それによって衣類の再形成を達成すること、(ii)衣類の表面の毛玉を除去すること、および(iii)衣類の襟および/または端のほつれを除去すること、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、組成物の使用が本明細書に開示される。
【0006】
本開示はまた、家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置におけるセルロース含有使用済み衣類の復元に使用するための組成物であって、前記組成物が、(a)~(e)のパーセンテージが、すべて重量比(重量基準)(by weight)またはすべて体積比(体積基準)(by volume)であることを条件として、
a.約15%~約60%のセルラーゼ調製物、例えば、約15重量%~約60重量%、または約15体積%~約60体積%のセルラーゼ調製物;
b.約30%~約90%の担体、例えば、約30重量%~約60重量%、または約70体積%~約90体積%の担体;
c.約0.5%~約10%の緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤、例えば、約3重量%~9重量%、または約0.5%~約10体積%の緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤;ならびに
d.任意選択で、約10%~約20%の金属イオン封鎖剤、例えば、約10重量%~約20重量%または約10体積%~約20体積%の金属イオン封鎖剤;
e.任意選択で、約1%~約8%の1つまたは複数の界面活性剤、例えば、約1重量%~約5重量%の第1の界面活性剤および/もしくは約0.5重量%~約1.5重量%の第2の界面活性剤、または約1体積%~約5体積%の第1の界面活性剤および/もしくは約0.5体積%~約1.5体積%の第2の界面活性剤;
を含む、組成物を提供する。
【0007】
さらに、本開示は、セルロース含有使用済み衣類を復元するための方法であって、前記方法が、
a.セルロース含有使用済み衣類と、約15%~約60%のセルラーゼ調製物を含む組成物とを、家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置に添加するステップ;
b.組成物の存在下で、約20℃~約60℃の温度で、約60分~約240分、例えば、約120分~約180分の時間、最小300rpmのドラム回転速度で、衣類を洗浄するステップ;
を含み、
復元が、(i)衣類の機械的張力の復元し、それにより衣類の再形成を達成すること、(ii)衣類の表面の毛玉を除去すること、および(iii)衣類の襟および/または端のほつれを除去すること、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、好ましくは、セルラーゼ調製物を含む組成物が、本明細書の他の箇所に現在詳細に開示されている組成物である、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(A)毛羽立ち、(B)毛玉、および(C)ほつれの違いを模式的に示す図である。
【
図2】ニット生地における典型的な毛玉の写真である(出典:anon.1972)。
【
図3】目視評価に基づく織物表面の毛玉のASTMインターナショナルの標準スケールにおけるグレード1からグレード5までの写真である。
図3(A)はグレード5:毛玉なし、
図3(B)はグレード4:軽度の毛玉、
図3(C)はグレード3:中程度の毛玉、
図3(D)はグレード2:重度の毛玉、
図3(E)はグレード1:非常に重度の毛玉を示す。
【
図4】本発明者が使用する、目視評価に基づくほつれの内部基準による、衣類の端または部分のほつれのグレード1からグレード4の写真である。
図4(A)はグレード4:ほつれなし、
図4(B)はグレード3:軽度のほつれ、
図4(C)はグレード2:中度のほつれ、
図4(D)はグレード1:重度のほつれを示す。
【
図5】本明細書で現在開示されている方法を概略的に示す図である。方法は、少なくともステップaおよびステップbを含み、ステップc、ステップd1、および/またはステップd2から選択される1つまたは複数の追加ステップをさらに含み得る。破線で描かれた矢印は、後続のステップが任意であることを示す。
【
図6】本明細書に開示される組成物、使用、および/または方法の効果を示す図である。
図6の(A)、(A1)、(A2)、(A3)および(A4)は、新しい衣類の特性に関する。
図6(B)、(B1)、(B2)、(B3)、および(B4)は、本開示に従って処理されていない使用済みの衣類の特性に関する。
図6(C)、(C1)、(C2)、(C3)、および(C4)は、本明細書に開示される組成物、使用、および/または方法で処理した後の使用済み衣類の特性に関する。
【
図7】使用済みニット衣類の袖の2枚の写真である。
図7(A)の写真は、本開示による復元処理の前に撮影され、
図7(B)の写真は、本開示による復元処理の後に撮影された。
【
図8】
図7に示す袖の部分の拡大版の2枚の写真である。
図8(A)の写真は本開示による復元処理の前に撮影され、
図8(B)の写真は本開示による復元処理の後に撮影された。
【
図9】使用済みプリントTシャツの2枚の写真である。
図9(A)の写真は本開示による復元処理の前に撮影され、
図9(B)の写真は本開示による復元処理の後に撮影された。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に開示される組成物および方法は、以下の目的を解決するために設計された。
- セルロース含有使用済み衣類の復元に使用するための、セルラーゼを含む使いやすい組成物。
- 本明細書の
図3および表1に記載されているように、任意のレベルの毛玉、すなわち毛玉のASTMインターナショナルの標準スケールのグレードに基づくグレード1からグレード4を除去できる組成物。
- セルロース含有使用済み衣類を復元するための方法であって、手動式または自動式の家庭用洗濯機または業務用の非工業用洗濯機を用いて容易に実施できる方法。
- 異なるタイプのセルロース含有衣類を、同じ組成物および/または同じ方法で一緒に処理する柔軟性。
本開示は、所望の復元効果を得るために、その活性および効率に関連するいくつかの要因が最適化された組成物に基づいている。これらの要因には、適切なセルラーゼ調製物の選択、組成物中のその濃度、衣類の重量当たりの投薬量、輸送、pH調整、酵素の安定性、突出した繊維への近づき易さの最大化、繊維の摩耗のための機械的撹拌などが含まれる。本明細書に開示される方法は、家庭用および業務用の非工業用洗濯機で、その本来の特徴を生かして実施できるように開発され、微調整されている。考慮された他の要因は、幅広い基材の重量、構成、サイズ、組成に対応できる柔軟性である。これによって消費者は、購入した中古衣類や、現在使用していて摩耗の兆しが見え始めた衣類の属性を復元することが極めて容易になる。
さらに、組成物の成分は、持続可能で環境に優しい組成物を提供する目的で選択されている。
【0010】
用語および定義
本明細書全体で使用されるすべての単語および用語は、文脈から別の意味が明らかでない限り、当業者によって通常与えられるのと同じ意味を有するとみなされるものとする。
本明細書では、使用済み衣類の「復元(restoration)」および「復元(restoring)」という用語は、使用済み衣類の少なくとも1つの特性の復元/復元を意味するものである。少なくとも1つの特性は、以下の非限定的な特性リスト:衣類の形状に影響を与える衣類の機械的張力、衣類の表面の視覚的外観、衣類の表面の触感、および衣類の構造から選択することができる。したがって、本明細書に開示される組成物の使用によって達成され得る復元/復元の行為には、以下の行為:衣類の機械的張力を復元し、それによって衣類の再形成を達成すること、衣類の表面の毛玉を除去すること、衣類の襟および端のほつれを除去すること、ならびにそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。本明細書では、「復元」および「復元」という用語は、それぞれ「若返り(rejuvenation)」および「若返り(rejuvenating)」と同義である。本明細書では、「復元」および「復元」という用語は、洗浄、クレンジング、または汚れもしくは汚物の除去を意味するものではない。本明細書に開示される組成物は、(汚れたものではなく)きれいな使用済み衣類に適用することができる。あるいは、本明細書に開示される組成物は、汚れた使用済み衣類に通常の洗剤と組み合わせて適用することができ、この場合、通常の洗剤は使用済み衣類の洗浄を効果的に行い、一方、本明細書に開示される組成物は、本明細書に定義される使用済み衣類の復元を効果的に行う。本明細書で使用される場合、使用済み衣類の復元/復元は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明される用語である工業用バイオポリシングまたは工業用バイオ仕上げなどの、新しい生地または衣類のいかなる種類の処理も当然除外する。さらに、復元/復元は、衣類が新品であったときの特性の元の値またはレベルに100%戻すことを達成する必要はないことを理解されたい。復元/修復は、該当する特性の元の値または元のレベルの約50%~100%、例えば、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、または100%の程度であってもよい。
【0011】
本開示で使用される、衣類、織物材料、または生地に関連する「セルロース含有」という用語は、単独または部分的にセルロース系繊維から構成される衣類、織物材料、または生地を指す。衣類、織物材料、または生地には、繊維、糸、織布、ニット、または既製衣類が含まれ、その製造において、綿、亜麻、リネン、麻、ラミー、ジュート、または人造セルロース系繊維、例えば、ビスコース、モダール、リヨセル(例えば、テンセルなど)、キュプラなどが原料として使用されている。合成人造繊維を使用する場合、本明細書に開示されるセルラーゼ含有組成物が材料または生地に対して意図した効果を発揮するためには、織物材料中のセルロース系繊維の量は少なくとも30%でなければならない。
【0012】
本明細書では、特に指定しない限り、「セルラーゼ」という用語は、セルロースを共に分解する3つの異なる酵素群を指す。3つの酵素とは、EC3.2.1.4のエンドグルカナーゼ、EC3.2.1.91のセロビオヒドロラーゼ、およびEC3.2.1.21のb-グルコシダーゼ(すなわちβ-グルコシダーゼまたはB-グルコシダーゼ)である。これら3つの異なる酵素群は、一般的に「セルラーゼ」という用語で呼ばれている。
【0013】
本明細書で使用される「セルラーゼ調製物」という用語は、顆粒状のセルラーゼ、言い換えれば顆粒化されたセルラーゼを意味するものである。より詳細には、本明細書で言及されるセルラーゼ調製物は、セルラーゼと、酵素を担持する顆粒を形成することができる任意の追加成分とを含む調製物である。さらにより詳細には、本明細書で言及されるセルラーゼ調製物は、一般にセルラーゼ(上記で定義)と呼ばれる3つの酵素、すなわち、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、およびb-グルコシダーゼを含み、さらに1つまたは複数の造粒剤を含み、任意選択で追加の賦形剤を含む調製物を意味する。本明細書で言及されるセルラーゼ調製物は、代替的にセルラーゼ濃縮物または顆粒セルラーゼ濃縮物と呼ばれることがある。
【0014】
「造粒剤」は、顆粒を形成するのに必要な任意の構成要素または成分を意味するものである。
【0015】
酵素活性は、本明細書では、参照されるセルラーゼ調製物の種類に応じて、酵素活性の異なる単位を使用することにより表される。標準酵素活性単位は、基材1g当たりの単位(U)として表される。標準酵素単位Uの定義は、1分間に1マイクロモルの基材を変換する酵素量である。1単位(U)は、pH5.0、37℃で1時間に1.0μモルのグルコースをセルロースから遊離する。しかし、酵素業界では、標準単位以外の酵素活性単位を設定し参照することが製造業者の間で一般的に行われている。このような他の単位の名称は、標準単位Uに異なる接頭辞や接尾辞を付加することにより作成され、参照される酵素の種類を示すことができる。例えば、本明細書に記載のセルラーゼ調製物および組成物に関連して本明細書で使用される場合、ECUはエンドセルラーゼ単位を意味し、多量のエンドグルカナーゼを含むセルラーゼ調製物に使用され、CCUはコンビセルラーゼ単位を意味し、CNU-LTCは中性低温セルラーゼ単位を意味する。さらに、酵素製造業者は、任意の酵素調製物の酵素活性を測定する際に、標準酵素単位Uの定義に従った条件を常に使用するとは限らない。その代わりに、製造業者によって、酵素活性単位ごとにわずかに異なる測定条件が使用されることがあり、そのような条件は公開されていないことがある。したがって、CCU/g、CNU-LTC/g、ECU/gなどとして表される、本明細書に記載のセルラーゼ調製物の酵素活性を確立するために製造業者によって使用される測定条件は、pH5.0および37℃であってもよく、またはそうでなくてもよい。
【0016】
本明細書では、粉末である(すなわち、粉末の形態である)組成物は、「粉末組成物」と呼ぶことがある。粉末は顆粒化されていてもよく、この場合、粉末は代わりに顆粒と呼ばれることもある。
【0017】
液体である(すなわち、液体の形態である)組成物は、本明細書では「液体組成物」と呼ぶことがある。本明細書で開示される液体組成物は、溶液、すなわち、2つ以上の成分の均質な混合物であってもよく、あるいは、混合しない2つの液体を含む分散液または懸濁液であってもよく、例えば、1つの液体は、別の液体の連続相中に微細な液滴の形態で分散または懸濁されている。
【0018】
本明細書で言及される組成物に含まれる成分の「重量%」という用語は、組成物の総重量に対する成分の重量%を意味する。「重量」は、乾燥重量または湿重量のいずれであってもよい。「乾燥重量」という用語は、乾燥プロセスなどによって大部分の水が除去された組成物の重量を意味するものである。
【0019】
同様に、組成物に含まれる成分の「体積%」という用語は、組成物の総体積に対する成分の体積%を意味する。
本明細書では、「生地の重量に対して(on weight of fabric)」という用語は、「生地の重量に対して(on the weight of fabric)」、「生地の重量に対して(of the weight of fabric)」、「衣類の重量に対して(of the weight of garment)」および同様の用語と互換的に使用することができる。「生地の重量に対して(on weight of fabric)」の略語は「OWF」である。繊維工業では、生地を処理するための化合物の投薬量は、生地の重量に対する化合物のパーセンテージとして表されることが多く、これは処理される生地の総重量に対する化合物のパーセンテージを意味する。
【0020】
特に、本明細書で言及されるすべてのパーセンテージ量(重量比または体積比に関係なく)は、一般に、言及されるパーセンテージの少なくとも約1~5%、すなわち、指定されたパーセンテージの±1~5%変動し得る。非限定的な例として、セルラーゼ調製物の重量比または体積比で30%の値は、30%の少なくとも±1%(すなわち、±0.01×30%=±0.3%)変動し、その結果、セルラーゼ調製物の重量比または体積比で29.7%~30.3%の値をもたらす可能性があり、30%の±5%(すなわち、±0.05×30%=±1.5%)変動し、その結果、セルラーゼ調製物の重量比または体積比で28.5%~31.5%の値をもたらす可能性がある。
したがって、「約」という用語は、指定された重量比または体積比のパーセンテージ量と共に使用される場合、指定されたパーセンテージ量の「±1~5%」と置き換えることができる。
【0021】
「担体」という用語は、セルラーゼの基材への移動および輸送において、組成物(粉末形態または液体形態)の嵩を高めるのに役立つ成分を意味するものである。本明細書では、「担体」という用語は、「充填剤」、「ビルダー」および「増量剤」のような用語と互換的に使用することができる。
【0022】
「緩衝剤」という用語は、本明細書では、緩衝剤が存在する液体のpHを制御および調整するために使用される化合物を指すものである。
キレート剤としても知られる「金属イオン封鎖剤」という用語は、水の硬度を除去するために使用される化合物を意味するものである。金属イオン封鎖剤は、別の分子または原子を取り囲み、化学反応に参加するのを妨げる。水溶液中で、これらの化合物はカルシウムのような金属イオンと結合して、イオンを実質的に不活性化する。カルシウムやその他の硬水イオンは、例えば洗剤中の界面活性剤と容易に結合し、洗浄効果を低下させる。イオンを金属イオン封鎖剤で不活性化することで、洗剤は衣類をよりよく洗浄できる。
用語「界面活性剤」は、それが溶解している液体の表面張力を低下させる傾向のある化合物を意味する。
【0023】
本明細書では、組成物はまた、1つまたは複数の「賦形剤」を含んでもよく、この用語は、主に、緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤以外の方法で、組成物の安定性を保持するか、または組成物の劣化を防止するために、組成物中に存在する他の構成要素、例えば、それに添加される構成要素を表すために使用される。賦形剤の別の目的は、所望の粉末特性を達成することである。例えば、造粒剤を添加して顆粒化を達成し、例えば粉末の粉塵を少なくすることができる。別の非限定的な例は、粉末に自由流動特性を与え、粉末の凝集性(粘着性)を低下させる賦形剤である。賦形剤のさらに別の目的は、微生物の増殖を防ぐことである。
【0024】
「防腐剤」という用語は、微生物の増殖を防ぐ薬剤または賦形剤を意味する。
本明細書では、「工業用バイオ仕上げ」および「工業用バイオポリシング」という用語は、セルロース系繊維の制御された加水分解において、永久的な毛玉を防ぎ、生地の扱いやすさ(すなわち、柔らかさや滑らかさなどの生地の触感)を改善し、毛羽立ちを減らして表面構造をきれいにし、その結果色が鮮明になり、生地のドレープ性を向上し、吸湿性を改善し、染色性も改善し得る方法で新たに製造された生地または糸の表面を改質するために、新しい織物、新しい生地、または新しい衣類に酵素を使用することを指す。バイオポリシングはバイオ仕上げの一種である。言い換えれば、「バイオ仕上げ」という用語は「バイオポリシング」という用語よりも広い意味を持つ。しかし、この文脈では、2つの用語は互換的に使用することができる。本明細書で「バイオ仕上げ」という用語を使用する場合、特に明記しない限り、バイオ仕上げのバイオポリシングの側面が意図される。
「洗剤」とは、表面活性剤(アニオン性、非イオン性、カチオン性および両性界面活性剤)、ビルダーおよび他の任意の構成要素、例えば、再付着防止剤および汚れ懸濁剤、蛍光増白剤、漂白剤、染料および顔料ならびにヒドロラーゼを含むことができるクレンジング剤を意味する。
【0025】
「毛玉」対「毛羽立ち」:「毛羽立ち」とは、糸の表面や生地から突出した短繊維や未熟な繊維ネップのことを指す。このような毛羽立ちの形成は衣類に毛玉を生じさせ、見栄えを悪くする。毛羽立ちとは、糸や生地の表面から突出した、もつれが解けた繊維の末端のことである。「毛玉(Pill)」または「毛玉(pilling)」とは、もつれた繊維の束や玉のことで、1本または複数の繊維によって生地の表面に固定されている(Annis、2005)。
【0026】
「毛玉の形成」:一般的に、毛玉は着用中に特に摩耗または摩擦を受けた部分に形成され、洗濯やドライクリーニングによって顕著になることがある。摩擦作用により、緩んだ繊維が小さな球状の束となり、少数の切れていない繊維によって生地に固定される。
「毛玉防止」とは、後で毛玉が発生する可能性を低減するために、新しい生地の製造時に行われるプロセスである。生地に毛玉防止プロセスを適用した時点では、生地にはまだ毛玉は発生していない。生地には、その後の使用段階で毛玉が発生する可能性のある、緩く毛羽立った繊維があるだけである。毛玉防止は酵素処理であるバイオポリシング手順の一部である場合がある。しかし、毛玉防止は、バイオポリシング以外の他の技術を使用して、例えば、非酵素的化学処理であるポリマーコーティングを生地に適用することによって実施することもできる。毛玉防止は新しい生地に適用される予防措置である。
「毛玉を除去すること」とは、使用段階で衣類に発生した毛玉を除去するプロセスである。使用済みの衣類の毛玉除去は、消費者が機械的に行うことができ、例えば、毛玉除去装置を衣類に手動で適用するか、または手で毛玉を除去することによって行われるが、これは退屈で時間のかかる作業であるが、毛玉や毛羽立ちがまったくない表面をもたらすものではない。あるいは、本明細書に開示されているように、毛玉除去は酵素処理によってはるかに効率的に達成され得る。毛玉防止とは対照的に、毛玉を除去することは予防措置ではなく、すでに発生した問題の処置である。
【0027】
本明細書において「使用済み」衣類とは、購入後、家庭または業務用非工業用洗濯環境において、少なくとも1回の洗濯サイクル/プロセスを経た衣類を指す。したがって、使用済みの衣類は、必ずしもまだ着用されていない可能性があるが、それは、本明細書に開示される組成物、使用または方法を衣類に適用する必要性が生じる前の場合であることが最も一般的である。使用済みの衣類は、着古されたものおよび/または中古品である場合もあれば、そうでない場合もある。
本明細書において「新品」の衣類とは、(通常、消費者によって、例えば、店舗または他の消費者から)購入された衣類であって、家庭でも業務用のランドリーサービスでも、洗濯サイクル/プロセスをまだ経ていない衣類を指す。
【0028】
「実用的な」という用語は、製品の受入れまたは拒否を可能にするすべての性能基準を包含すべきである。このような基準には、外観、快適さ、取り扱い、強度、および摩耗(の望ましくない変化)が含まれる。
【0029】
本明細書では、「衣類の型崩れ」とは、衣類が緩んだり、対称性を失ったりすることなどを意味するものである。さらに、用語「衣類の再形成」は、衣類の元の形状を復元すること、または少なくとも衣類の形状をある程度復元することを意味する。
「寸法安定性」とは、生地や衣類がその形状を保持するための属性である。
「摩耗」とは、化学的および物理的環境、または使用、時間、暴露によって加速される分解のプロセスである。摩耗は、異なる化学的および物理的環境において、様々な機械的作用に耐える材料の能力を説明する、より限定的な言葉であるとみなされるべきである(Elder、1978)。
【0030】
用語「ストレス環境」は、織物や衣類がさらされる物理的、化学的条件を意味するものであり、これには摩耗力、摩耗面、身体の形や動きによる引張力、アイロンがけ、洗浄力、漂白、温度、湿気が含まれるが、これらに限定されるものではない。
「洗濯装置」という用語は、「洗浄装置(washing equipment)」という用語と同義である。洗濯装置には洗濯機(laundry machine)が含まれる。
【0031】
用語「洗浄機(washing machine)」、「洗浄機(wash machine)」、「洗濯機(laundry machine)」、および「洗濯機(laundering machine)」は、本明細書において互換的に使用することができる。衣服または衣類の「洗浄(Washing)」は、衣服または衣類の「洗濯(laundering)」と同義であることを意図している。
【0032】
「非工業用洗濯装置」という用語は、家庭用洗濯装置のほか、クリーニング店用洗濯装置などの業務用で非工業用の洗濯装置を含む。
【0033】
「家庭用洗濯環境」という用語は、実験室環境とは対照的に、温度、湿度、照明などの周囲環境が制御されていないことを意味する。
【0034】
「業務用、非工業用洗濯業」とは、消費者に直接サービスを販売する消費者向けのランドリーおよびドライクリーニングサービスを含む。
【0035】
「工業的製造業」とは、消費者に「新品」として販売される製品に使用される織物材料を加工する工場を指す。これにはバージン繊維とリサイクル繊維の両方が含まれる。また、企業として最終消費者に直接販売しない産業部門も指す。
【0036】
本明細書では、「工業原料」とは、次の工業プロセスで使用されるために工場で加工される、新品またはリサイクル資源からの繊維、糸および織物を指す。
「最小xrpmでのドラム回転」という用語は、機械が一時停止、加速、または減速しているときではなく、一貫したドラム回転があるときの1分当たりのドラム回転の最小値を示すことを意味する。本明細書では、用語「ドラム回転」は、用語「回転(spinning)」、「遠心分離(centrifugation)」、および「遠心分離(centrifuging)」と互換的に使用することができる。
【0037】
本明細書では、1つまたは複数の列挙された要素を「含む」組成物は、特に列挙されていない他の要素も含み得る。
【0038】
本明細書では、単数形の「a」および「an」は、複数形も含むものと解釈されるものとする。
【0039】
繊維の突出の種類
生地や衣類に現れる繊維の突出にはいくつかの種類があり、それぞれに独自の特徴がある。
図1は、(A)毛羽立ち、(B)毛玉、(C)ほつれを模式的に示したもので、これらが互いにどのように異なるかを示している。毛羽立ちとは、衣類の表面にある毛羽立ちのことで、緩んだ個々の繊維を含む。毛羽立ちは毛玉とも呼ばれる毛玉形成の前兆であり、消費者が使用する織物における最大の問題のひとつとして長い間認識されてきた。すべての衣類には毛玉ができやすい傾向があり、毛羽の形成、絡み合い、および毛玉の磨耗の速度によって決まる。繊維が絡み始め、毛羽の密度が臨界レベルに達すると、毛玉がすぐに形成される。
図2に毛玉形成のメカニズムを詳しく示す。
図3は目視評価に基づく織物表面の毛玉のASTMインターナショナルの標準スケールである。
図3(A)はグレード5:毛玉なし、
図3(B)はグレード4:軽度の毛玉、
図3(C)はグレード3:中程度の毛玉、
図3(D)はグレード2:重度の毛玉、
図3(E)はグレード1:非常に重度の毛玉を示す。
図3は、織物の耐ピリング性およびその他の関連する表面変化に関するASTMインターナショナルのD3512試験方法付属品であるランダムタンブルピリング試験機に基づく。前記付属品は、他の標準試験方法の参照として使用することもできる。前記付属品は5枚の写真で構成されており、これらの写真は、典型的な生地で発生する可能性のある様々な程度の毛玉とそれに関連する表面の変化を示している。これらはNo.1-非常に重度の毛玉からNo.5-毛玉なしまで様々である。試験された試料は、前記付属品の写真と比較することができる。表1では、すべてのグレードの意味について簡単に説明している。
【表1】
ほつれとは、衣類の端または部分から飛び出すほつれた糸のことで、衣類の他の部分よりも厚く、摩耗や摩擦にさらされる。このような端または部分は、襟、袖口、裾、前立てなどを含む。
図4は、本発明者によって使用される、目視評価に基づくほつれの内部基準を示す。
図4(A)はグレード4:ほつれなし、
図4(B)はグレード3:軽度のほつれ、
図4(C)はグレード2:中度のほつれ、
図4(D)はグレード1:重度のほつれである。
【0040】
消費者の使用中に衣類に毛羽立ち、毛玉、フィブリル化、ほつれが生じる原因
使用段階で様々な種類の繊維の突出を引き起こす要因には、最終用途、摩耗条件、洗浄およびドライクリーニングの条件、繊維の特性、糸の特性、生地の特性、生地の仕上げ、相対湿度などがある。毛玉の発生率、毛玉の密度、毛玉の大きさ、毛玉の数、色など、考慮すべき追加要素もある。生地の機械的作用により、毛玉、毛羽立ち、ほつれが発生する。摩耗や摩擦により、緩い毛羽立ちが小さな球状の束になり、数本の切れていない繊維によって生地に固定される。この毛玉や毛羽立ちの影響は、使用する洗剤の種類や組成に応じて、洗濯やドライクリーニングによってさらに高まる可能性がある(Fan and Hunter、2009)。
【0041】
消費者の使用中に毛羽立ち、毛玉、フィブリル化、ほつれが衣類に及ぼす影響
様々な種類の繊維の突出は、寸法変化、色落ち、部品の摩耗など、衣類の劣化の他の属性にドミノ効果をもたらす。
バギングのような寸法変化は、ニット衣類によく見られる伸縮現象で、袖口、足首、襟に発生する(Mehta、1992)。これはまず、伸縮性に乏しい生地を使用したために起こる。その他の寸法変化としては、衣類がフィットしなくなるような大きな縮みや伸びがある。これらの寸法変化は、洗剤の化学的作用や摩擦・引張力による摩耗に生地がさらされる、家庭での洗濯と乾燥の繰り返しによる繊維の配向の乱れと破壊的な繊維フィブリル化の結果である。
【0042】
人間の目に色が褪せているように見えるということは、色が暗く、明るく、鮮明に見えないことを意味する。色付きまたはプリントされた衣類の中には、使用中に著しく色が変化するものがある。これは、摩耗、摩擦、紫外線(UV)、窒素酸化物やオゾン、酸性物質やアルカリ性物質などの大気条件、洗濯やドライクリーニング、アイロンがけ、汗、雨水、塩素水、海水などによって引き起こされることがある。色の褪色感は、染料が繊維から離れることだけが原因ではない。色褪せた外観は、表面の毛羽立ちや毛玉によって表面が不規則になり、表面に衝突した際に光波が不規則に回折するために生じる。毛玉の密度は生地の密度によって異なり、毛玉は光が基材を通過するのを妨げ、影の形成につながる。毛玉は、カバーファクターの損失、色の変化、毛羽の伸長などの表面の変化を引き起こす可能性がある(Marjan Barakzehiら、2016)。
【0043】
摩耗による色落ちは、肘を机にこすり付けること、洗浄中の過度の機械的撹拌、摩擦によって汚れを除去しようとすることなどの局所的な摩耗によって引き起こされる場合がある。
【0044】
襟や袖口の端、その他の折り畳まれた端が摩耗すると、外観が擦り切れてしまうことがある。このような変化の多くは、摩擦や引張力による摩耗と化学的作用が組み合わさって起こる配向の乱れや破壊的な繊維フィブリル化によって引き起こされ、または加速される。これは新しい衣類の品質に関係なくすべての衣類に起こることで、違いはそのスピードである。より短いステープル長の繊維を使用した低品質の衣類では、より長いステープル長の繊維を使用した衣類よりも劣化が早く起こる。摩耗もまた、フィブリル化とそのタイプの結果である。
【0045】
フィブリル化とそのタイプの違いによる様々な悪影響は、着古した衣類の表面にはっきりと現れ、消費者はまだ機能的であるにもかかわらず、その衣類を廃棄することを決断する可能性がある。これは、本発明者が、様々な悪影響を軽減し、衣類の寿命を延ばすことができる、消費者向けの家庭ベースの解決策を開発する動機となった最初の問題であった。本明細書に開示される解決策は、あらゆるタイプのフィブリル化を除去することを可能にする。したがって、本明細書に開示される組成物およびその組成物の使用、ならびにセルロース含有使用済み衣類を復元するための本明細書に開示される部品キットおよびその方法は、それぞれ、(i)衣類の機械的張力を復元し、それにより衣類の再形成を達成すること、(ii)衣類の表面の毛玉を除去すること、および(iii)衣類の襟および/または端のほつれを除去すること、ができることを特徴とする。これに関連して、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、様々な種類のフィブリル化の様々なサイズ寸法、重量、および様々な表面付着強度が、本明細書に開示される組成物およびプロセス設計に直接影響を与えるため、様々な種類のフィブリル化の分類と理解が重要である。
【0046】
セルラーゼの作用と酵素加水分解プロセス
セルロース中のb-(1,4)-結合を加水分解する酵素群は、セルロースの加水分解において相乗的に作用する3つの異なるタイプの酵素からなる。エンドグルカナーゼ(EC 3.2.1.4)は、水に溶けないセルロース鎖内のb-(1,4)-結合をランダムに加水分解する。セロビオヒドロラーゼ(EC 3.2.1.91)は、セルロース鎖の還元末端の結合を加水分解してセロビオースを形成する。最後に、b-グルコシダーゼ(すなわち、β-グルコシダーゼまたはB-グルコシダーゼ)(EC 3.2.1.21)は、水溶性のセロビオースを2つのグルコース残基に変換する。これら3つの異なる酵素群は、一般に「セルラーゼ」という用語を使用して呼ばれている。セルラーゼは分子が大きいため、セルロース繊維の内部の結晶領域に入りにくい。そのため最初は表面に作用し、セルロース鎖をランダムに切断する。次に、開いた構造を特異的に攻撃する。この酵素作用中に、緩い繊維が切断される。機械的な作用は繊維の切断プロセスを加速する。
【0047】
セルロース系バイオマスの酵素加水分解は、多くの要因:基材の物理的性質(組成、結晶化度、重合度など)、酵素の相乗作用(総称してセルラーゼと呼ばれる酵素群の3つの異なる酵素の起源、組成など)、物質移動(基材吸着、バルク、細孔拡散など)、および固有の速度論に依存する。繊維表面の酵素への近づきやすさは、酵素加水分解の律速因子である(Mansfieldら、1999)。セルロースに対するセルラーゼの作用はキーロック機構である。セルロースに対するセルラーゼの作用は、主として温度とpHによるセルラーゼの活性化、次いでキーロック機構に依存する。例えば、温度とpHの点で、セルラーゼ活性を促進する環境では、セルラーゼはセルロースに対する分解作用を開始する。
【0048】
フィブリル化した表面を持つ使用済みの衣類では、個々の突出した繊維が加水分解を受けやすくなる。
基本的な加水分解では、濃度、基材重量当たりの投薬量、および機械的撹拌は重要ではない。これらの要因は、本明細書の他の箇所で詳細に説明されるように、本開示の目的を達成するために方法および組成物を設計する場合にのみ関与する。
【0049】
セルラーゼは、粉末状と液体状の両方で市販されている。本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように、本開示に従って異なるタイプのセルラーゼを使用することができる。
【0050】
新しい衣類の工業的バイオ仕上げと使用済み衣類の復元との違い
織物の工業的バイオポリシング(例えば、Novozymes、https://www.novozymes.com/en/advance-your-business/textiles/biopolishing/)など、織物の工業的バイオ仕上げに適用される従来公知の酵素組成物、使用、および方法と比較して、使用済み衣類の復元のための本明細書に開示される組成物、使用、および方法は、表2および本明細書の他の箇所にさらに記載されるように、最終目標、組成物の成分、処理条件および装置、基材の条件または状態の点で異なる。
工業用バイオ仕上げは、あらゆる種類の不純物や織物表面から突出した個々の緩んだ繊維末端を除去するために使用されてきた。サイジング、湿潤などの他の前処理プロセスと同様に、これは永続的または定期的なプロセスではなく、むしろ必要なときに、最終製品の目標と予算に応じて使用されるオプションの処理である。
【0051】
工業用バイオポリシングの主な目的は、表面から突出した繊維(この文脈では「毛羽立ち」と呼ばれる場合がある)を取り除くことで生地の品質を向上させ、繊維の表面構造を改質することで繊維を柔らかく滑らかにし、染色時の色の深みを増すことである(Vigneswaranら、2011)。現在、工業用繊維の前処理プロセスでは、様々な種類のバイオポリシング酵素が使用されている。前処理におけるバイオポリシング酵素の選択は、使用する繊維の種類、使用する必要のある染料の種類、およびバイオポリシング酵素の使用条件に適合する必要のある製造業者ポートフォリオの他の助剤によって異なる。様々な製品カテゴリーの中でも、工業用バイオ仕上げは、製造段階ではるかに滑らかで毛羽立ちが少ない織布とは対照的に、新しい生地であっても毛羽立ちが高い傾向にあるニットに主に使用される。
【0052】
工業用バイオポリシングは、毛玉の防止、すなわち毛玉防止、または言い換えれば、新しい生地における毛玉傾向を軽減する手段を目的としている。これは、本明細書の別の箇所でより詳細に説明するように、すでに毛玉が発生している使用済み衣類の毛玉を除去することと同じではない。
【0053】
新しい材料の基本的な特性には、その形状、取り扱い、周囲環境への暴露、加工、受ける応力などが含まれ、これらはすべて制御されたパラメータであるのに対し、使用済み衣類は、消費者が着用および使用する際に、制御不能な多種多様な物理的および化学的ストレスにさらされる。
【表2】
【0054】
洗濯プロセスと使用済み衣類の復元で使用される洗剤の違い
衣服の洗濯に適用される従来公知の洗剤組成物、使用、およびプロセスと比較して、使用済み衣類の復元のための本明細書に開示される組成物、使用、および方法は、表3および本明細書の他の箇所にさらに記載されているように、効果、最終目標、組成物の成分、および処理条件の点で異なる。洗浄力に酵素を使用する主な目的は、タンパク質-または炭水化物-ベースの汚れの分解を触媒して、界面活性剤およびビルダーによる除去を促進することであり、すなわち、洗剤でのセルラーゼの使用は、洗浄効果を最適化するために設計される。洗剤中に酵素が存在するとしても、酵素は組成物の微量成分であり、本明細書に開示される組成物および方法の使用によって達成される顕著な復元作用を提供しないであろう。洗剤の成分および通常の洗濯プロセスの作用は、衣類の新しさという属性の望ましくない損失を引き起こし、衣類の毛玉やほつれの発生につながる可能性さえある。
【表3】
以下に、本開示の異なる態様および実施形態のより詳細な説明が続く。
本開示は、家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置におけるセルロース含有使用済み衣類の復元用組成物の使用であって、組成物が、約15%~約60%のセルラーゼ調製物を含み、復元が、(i)衣類の機械的張力を復元し、それによって衣類の再形成を達成すること、(ii)衣類の表面の毛玉を除去すること、および(iii)衣類の襟および/または端のほつれを除去すること、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、組成物の使用を提供する。
【0055】
上記開示された使用において、セルラーゼ調製物は、以下にさらに詳細に記載されるように、前記セルロース含有使用済み衣類の重量の少なくとも約3.5%の投薬量で使用され得る。このような投薬量は、目視評価に基づいて、非常に重度の毛玉から毛玉のない状態まで衣類の表面の毛玉を除去する組成物の能力に寄与し得る。
【0056】
上記開示された使用において、セルラーゼ調製物は、以下にさらに詳細に記載されるように、基材1グラム当たり少なくとも約171エンドセルラーゼ単位(ECU/g)のセルラーゼ活性を有し得る。このような酵素活性は、目視評価に基づいて、非常に重度の毛玉から毛玉のない状態まで衣類の表面の毛玉を除去する組成物の能力に寄与し得る。
【0057】
上記開示された使用において言及される組成物は、重量比または体積比で約15%~約60%のセルラーゼ調製物、例えば、重量比または体積比で約20%~約55%、約25%~約50%、約30%~約45%、または約35%~約40%、例えば、重量比または体積比で約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%のセルラーゼ調製物を含み得る。
【0058】
表4は、組成物中のセルラーゼ調製物の異なる濃度に対応する、本明細書に開示される組成物の適切な投薬量の非限定的な例を示す。投薬量は、組成物の重量で、ならびに生地の重量に対する(OWF)組成物のパーセンテージで表され、後者は、復元される衣類の重量に対する組成物のパーセンテージを意味する。表4に示される投薬量の非限定的な例は、本明細書の実施例1に開示される粉末組成物に特に適している。
【表4】
表4から分かるように、異なる濃度のセルラーゼ調製物間の投薬量の差は、約1.05の投薬量増減係数を適用することに相当する。組成物中のセルラーゼ濃度は投薬量と影響に直接比例しないため、適用する係数は近似値である。投薬量スキームは一連の実験に基づいて確立されている。このプロセスでは、加水分解される利用可能な表面積または繊維部位が考慮された。本明細書に開示されるおおよその投薬量スキームに基づいて、当業者は、実験で得られた結果が十分な復元を構成しない場合、および/または十分な一貫性がない場合、投薬量を調整する必要があり得ることを理解する。セルラーゼ調製物の投薬量とパーセンテージを総合すると、十分な量のセルラーゼが繊維部位に確実に近づけるようになる。
【0059】
組成物中のセルラーゼ調製物の投薬量および/またはパーセンテージは、組成物中に含まれるセルラーゼ調製物の酵素活性に応じて調整することができる。セルラーゼ調製物が異なれば、酵素活性レベルも異なる。より詳細には、本開示の目的に関連する酵素活性は、セルラーゼ調製物のセルラーゼ活性、すなわちセルロース分解活性である。
【0060】
本明細書に開示される組成物に含めるのに適したセルラーゼ調製物の酵素活性、より詳細にはセルラーゼ活性は、約171ECU/gであってもよい。
非限定的な例として、組成物の所望の復元効果は、高いセルラーゼ活性を有するセルラーゼ調製物の15%で得ることができる一方で、所望の効果を得るためには、低いセルラーゼ活性を有するセルラーゼ調製物の60%が必要である場合がある。本明細書では、「高いセルラーゼ活性」の非限定的な例は、上述の171ECU/gより約25%高く、「低いセルラーゼ活性」の非限定的な例は、上述の171ECU/gより約25%低い。
非限定的な例として、組成物が高いセルラーゼ活性を有するセルラーゼ調製物を含む場合、組成物の所望の復元効果は、復元される衣類100g当たり約6gの組成物の投薬量で得られ得る。低いセルラーゼ活性を有するセルラーゼ調製物を含む組成物の場合、適切な投薬量は、復元される衣類100g当たり約30gの組成物である場合がある。
【0061】
本開示の重要な態様は、衣類の繊維の種類および利用可能な洗浄機の種類に関係なく、また非工業用洗濯装置の洗濯プログラムの条件(例えば、温度、時間、ドラム回転速度)の制御不能な変動に関係なく、消費者が使用済み衣類の顕著な復元を非常に簡単に得ることができるようにすることである。したがって、本明細書に記載の投薬量は、繊維の種類の違い、衣類中のセルロースのパーセンテージの決定、および上述の他の変動条件に関係なく、使用済み衣類の顕著な復元を得るのに適している。組成物の余剰分は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように、洗浄プログラムの終了時に単に洗い流されることになる。衣類中に存在するセルロースの量は、セルラーゼの加水分解活性に利用可能な結合部位の数に相関する。したがって、利用可能なすべての結合部位を飽和させるのに必要な量より多い量のセルラーゼは、性能を増加させない。同じ理由で、過剰なセルラーゼは、セルロースの過剰な加水分解を引き起こすことができず、したがって、例えば衣類に穴が開くなど、復元される衣類に損傷を与えることはない。しかし、過剰な量のセルラーゼと過剰な接触時間との組み合わせは、最終的に衣類に損傷を与える可能性があることを理解されたい。過剰な接触時間とは、活性セルラーゼが、本明細書の他の箇所に詳細に記載されている処理の適切な最大期間の少なくとも2倍の時間など、長時間セルロース含有衣類と接触したままになることを意味する。
【0062】
本明細書に開示される組成物に含まれるセルラーゼ調製物は、エンドグルカナーゼ、すなわちEC 3.2.1.4、セロビオヒドロラーゼ、すなわちEC 3.2.1.91、およびb-グルコシダーゼ(すなわちβ-グルコシダーゼまたはB-グルコシダーゼ)、すなわちEC 3.2.1.21を含む。セルラーゼ調製物中の3つの異なる酵素の割合は変化する場合がある。現在、エンドグルカナーゼが豊富なセルラーゼ調製物、すなわち、セロビオヒドロラーゼおよびb-グルコシダーゼよりも高い割合のエンドグルカナーゼを含むセルラーゼ調製物は、本開示によるセルロース含有使用済み衣類の復元に特に適していると考えられる。特に適切なセルラーゼ調製物の非限定的な例は、セロビオヒドロラーゼもしくはb-グルコシダーゼのいずれかまたは両方の酵素活性よりも少なくとも10倍高いエンドグルカナーゼの酵素活性、例えば、セロビオヒドロラーゼもしくはb-グルコシダーゼのいずれかまたは両方の酵素活性よりも10倍、50倍、100倍、または1000倍高いエンドグルカナーゼの酵素活性を含み得る。
【0063】
本開示に従って使用するのに適したセルラーゼ調製物は、顆粒状のセルラーゼ、言い換えれば、顆粒化セルラーゼを含む。より詳細には、本明細書で言及されるセルラーゼ調製物は、セルラーゼと、酵素を担持する顆粒を形成することができる任意の追加成分とを含む調製物である。顆粒状にすることで、酵素の粉塵のような挙動がなくなり、酵素が空気中に浮遊するのを防ぐ。より詳細には、本明細書で言及されるセルラーゼ調製物は、一般にセルラーゼ(本明細書の他の箇所で定義される)と呼ばれる3つの酵素、すなわち、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、およびb-グルコシダーゼを含み、さらに1つまたは複数の造粒剤を含み、任意選択で追加の賦形剤を含む調製物である。
【0064】
本明細書で言及するセルラーゼ調製物を達成するために使用するのに適した造粒剤および他のタイプの賦形剤の非限定的な例は、例えば公開特許出願US4876198に記載されている。顆粒化それ自体は周知のプロセスであり、その詳細な実施自体は本開示の一部を形成しない。
【0065】
本明細書に開示される組成物は、pH6~8付近、例えばpH7付近で最適活性を有する中性セルラーゼを含むセルラーゼ調製物(すなわち、顆粒状のセルラーゼ)を含んでもよい。あるいは、組成物は、pH3~5.5付近、例えばpH4~5付近の最適pHを有する酸性セルラーゼを含む調製物を含んでもよい。中性セルラーゼの調製物および酸性セルラーゼの調製物は、すぐ使用でき、本明細書に開示される組成物に含めるのに適しており、市販されている。セルラーゼのCAS番号は9012-54-8である。本開示の目的に適した市販のセルラーゼの非限定的な例は、Cellusoft combi、Cellusoft L、Cellusoft CR、Carezyme 5000 T、およびCarezyme 4500 L(Novozymes AS、デンマーク)、ならびにMazymeおよびMazyme Liq(Aquitex、ポルトガル)である。
現在好ましいセルラーゼ調製物は、中性セルラーゼを含むMazyme(Aquitex、ポルトガル)である。これらの酵素は、20℃ですでに活性を示し、少なくとも60℃までは活性であるが、その最適活性は約40℃である。さらに、これらの酵素はpH5.5~8.0で働く。Mazymeの酵素活性は8200コンビセルラーゼ単位/グラム(CCU/g)である。上記の表4に示された投薬量の非限定的な例は、Mazymeを含む粉末組成物に特に適している。
【0066】
別の現在好ましいセルラーゼ調製物は、中性セルラーゼを含むMazyme Liq(Aquitex、ポルトガル)である。これらの酵素は、20℃ですでに活性を示し、少なくとも60℃までは活性であるが、その最適活性は約40℃である。さらに、これらの酵素はpH4.5~7.5で働く。Mazyme Liqの酵素活性は、1グラム当たり19500中性低温セルラーゼ単位(CNU-LTC/g)である。
【0067】
本明細書に開示される組成物は、上記に詳細に開示されているように使用される場合(すなわち、家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置においてセルロース含有使用済み衣類の復元に使用される場合)、以下にさらに詳細に記載されるように、1つまたは複数の担体、1つまたは複数の緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤、および/または1つまたは複数の界面活性剤をさらに含み得る。組成物のそのような追加成分の適切な量もまた、以下にさらに開示される。
【0068】
本明細書に開示される組成物は、いかなる酵素阻害剤も含まず、より具体的には、いかなるセルラーゼ阻害剤も含まない。
【0069】
本明細書に開示される組成物の使用によって提供される復元作用は、(i)衣類の機械的張力を回復し、それによって衣類の再形成を達成すること、(ii)衣類の表面の毛玉を除去すること、および(iii)衣類の襟および/または端のほつれを除去すること、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。実験セクションに示されるように、本明細書に開示される組成物の使用は、上記の復元作用(i)、(ii)および(iii)のすべてを達成することができる。したがって、本明細書に開示される組成物で処理することにより、衣類を再形成し、毛玉を除去し、ほつれを除去することにより、処理前に形が崩れ、毛玉ができ、ほつれてしまった使用済み衣類を復元することが可能である。
【0070】
本明細書に開示される組成物を使用済みの型崩れした衣類に適用すると、衣類を元の形状に、または元の形状に近い形状に再形成することができる。言い換えれば、使用済みの型崩れした衣類のサイズを縮小することができる。本明細書に開示される条件下で行われた実験では、本明細書に開示される組成物は、処理前の使用済みの型崩れした衣類のサイズの約5%~約20%の衣類のサイズの減少を達成することが示されている。
衣類の表面の毛玉を除去する本明細書に開示される組成物の能力は、表面からの毛玉の除去を含み、本明細書に開示される組成物で処理する前の使用済み衣類の表面は、ASTMインターナショナルの毛玉の標準スケール(表1および
図3を参照のこと)に従った目視評価に基づいて、非常に重度の毛玉からわずかな毛玉までの範囲の毛玉の程度を有する。
【0071】
表面の毛羽立ちの程度を、処理前の非常に重度の毛玉から、本明細書に開示される組成物での処理後の毛玉なしまで減少させることができる程度に、セルロース含有使用済み衣類の表面の毛玉の除去を達成するためには、組成物に含まれるセルラーゼ調製物の投薬量は、処理すべきセルロース含有使用済み衣類の重量の少なくとも約3.5%であってもよい。これは、例えば、処理すべきセルロース含有使用済み衣類100g当たり、30重量%のセルラーゼ調製物を含む場合、本明細書に開示される粉末組成物の少なくとも12gの投薬量、または言い換えれば、処理すべきセルロース含有使用済み衣類の重量の少なくとも12%の粉末組成物の投薬量に相当する。表4に見られるように、粉末組成物がセルラーゼ調製物の30%より高いまたは低いパーセンテージを含む場合、粉末組成物の投薬量はそれに応じて異なることを理解されたい。この場合も、処理前後の毛玉の程度は、ASTMインターナショナルの毛玉の標準スケールに従った目視評価に基づいている。さらに、処理すべきセルロース含有使用済み衣類の重量の少なくとも約3.5%の組成物に含まれるセルラーゼ調製物の投薬量は、処理すべきセルロース含有使用済み衣類100g当たり、15体積%のセルラーゼ調製物を含む場合、本明細書に開示される液体組成物の少なくとも16mlの投薬量、または言い換えれば、処理すべきセルロース含有使用済み衣類の重量の少なくとも16%の液体組成物の投薬量に相当する。液体組成物が15%より高いまたは低いパーセンテージのセルラーゼ調製物を含む場合、組成物の投薬量はそれに応じて異なることを理解されたい。
【0072】
本明細書に開示される組成物を、衣類の残りの部分よりも厚く、磨耗または摩擦が多い、ほつれた端または部分を有する使用済みの衣類に適用すると、端または部分のほつれを除去することができる。上記で定義したような端または部分には、襟、袖口、裾、前立てなどが含まれる。使用済み衣類のそのような端または部分のほつれ除去の能力は、衣類のそのような端または部分からのほつれの除去を含み、本開示組成物で処理する前の使用済み衣類の前記端または部分は、
図4に示されるように、本発明者によって使用されるほつれの内部尺度に従って、軽度のほつれから重度のほつれまでの範囲のほつれの程度を有する。セルロース含有使用済み衣類の端または部分のほつれの程度を、処理前の重度のほつれから、本開示組成物による処理後のほつれなしまで減少させることができる程度まで、セルロース含有使用済み衣類の端または部分のほつれ除去を達成するためには、組成物に含まれるセルラーゼ調製物の投薬量は、処理すべきセルロース含有使用済み衣類の重量の少なくとも約3.5%であってよい。これは、例えば、処理すべきセルロース含有使用済み衣類100g当たり、セルラーゼ調製物30%を含む場合、本開示の粉末組成物の少なくとも12gの投薬量、言い換えれば、処理すべきセルロース含有使用済み衣類の重量の少なくとも12%の粉末組成物の投薬量に相当する。表4に見られるように、組成物がセルラーゼ調製物の30%より高いまたは低いパーセンテージを含む場合、組成物の投薬量はそれに応じて異なることを理解されたい。さらに、これは、処理すべきセルロース含有使用済み衣類100g当たり、15体積%のセルラーゼ調製物を含む場合、本明細書に開示される液体組成物の少なくとも16gの投薬量、言い換えれば、処理すべきセルロース含有使用済み衣類の重量の少なくとも16%の液体組成物の投薬量に相当する。液体組成物が15%より高いまたは低い割合のセルラーゼ調製物を含む場合、組成物の投薬量はそれに応じて異なることを理解されたい。
【0073】
本開示は、家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置におけるセルロース含有使用済み衣類の復元に使用するための組成物であって、前記組成物が、(a)~(e)のパーセンテージが、すべて重量比またはすべて体積比であることを条件として、
a.約15%~約60%のセルラーゼ調製物、例えば、約15重量%~約60重量%、または約15体積%~約60体積%のセルラーゼ調製物;
b.約30%~約90%の担体、例えば、約30重量%~約60重量%、または約70体積%~約90体積%の担体;
c.約0.5%~約10%の緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤、例えば、約3重量%~約9重量%、または約0.5%~約10体積%の緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤;ならびに
d.任意選択で、約10%~約20%の金属イオン封鎖剤、例えば、約10重量%~約20重量%または約10体積%~約20体積%の金属イオン封鎖剤;
e.任意選択で、約1%~約8%の1つまたは複数の界面活性剤、例えば、約1重量%~約5重量%の第1の界面活性剤および/もしくは約0.5重量%~約1.5重量%の第2の界面活性剤、または約1体積%~約5体積%の第1の界面活性剤および/もしくは約0.5体積%~約1.5体積%の第2の界面活性剤;
を含む、組成物を提供する。
【0074】
より詳細には、前記組成物は、
(a)~(e)のパーセンテージが、すべて重量比またはすべて体積比であることを条件として、
a.重量比または体積比で約15%~約60%のセルラーゼ調製物、例えば、重量比または体積比で約20%~約55%、約25%~約50%、約30%~約45%、または約35%~約40%、例えば、重量比または体積比で約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%のセルラーゼ調製物;
b.重量比または体積比で約30%~約90%の担体、例えば、重量比もしくは体積比で約35%~約85%、約40%~約80%、約45%~約75%、約50%~約70%、もしくは約55%~約65%、または、例えば、約30重量%~約60重量%、例えば、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、もしくは約60重量%、または、例えば、約70体積%~約90体積%、例えば、約70体積%、約75体積%、約80体積%、約85体積%、もしくは約90体積%の担体;
c.重量比または体積比で約0.5%~約10%の緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤、例えば、重量比もしくは体積比で約1%~約9%、約2%~約8%、約3%~約7%、約4%~約6%、または、例えば、約3重量%~約9重量%、例えば、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、もしくは約9重量%、または、例えば、約0.5体積%~約10体積%、例えば、約0.5体積%、約0.75体積%、約1体積%、約2体積%、約3体積%、約4体積%、約5体積%、約6体積%、約7体積%、約8体積%、約9体積%、もしくは約10体積%の緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤;
d.任意選択で、重量比または体積比で約10%~約20%の金属イオン封鎖剤、例えば、重量比または体積比で約11%~約19%、約12%~約18%、約13%~約17%、約14%~約16%、例えば、重量比または体積比で約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%の金属イオン封鎖剤;
e.任意選択で、重量比または体積比で約1%~約8%の1つまたは複数の界面活性剤、例えば、重量比もしくは体積比で約2%~約7%、約3%~約6%、約4%~約5%の1つもしくは複数の界面活性剤、または、例えば、重量比もしくは体積比で約1%~約5%の第1の界面活性剤、例えば、重量比もしくは体積比で約1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、もしくは5.0%の第1の界面活性剤、および/もしくは重量比または体積比で約0.5%~約1.5%の第2の界面活性剤、例えば、重量比もしくは体積比で約0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、もしくは1.5%の第2の界面活性剤;
を含み得る。
【0075】
組成物は粉末であってもよく、その場合、上記(a)~(e)のパーセンテージはすべて重量比である。
【0076】
あるいは、組成物は液体であり、その場合、上記(a)~(e)のパーセンテージはすべて体積比である。
【0077】
粉末組成物および液体組成物について、上記(a)によるセルラーゼ調製物は、例えば、セルロース含有使用済み衣類の復元のための組成物の使用に関する上記の詳細な説明に関連して、本明細書の他の箇所で詳細に記載される特性を有し、前記詳細な説明は、前記組成物に含まれるセルラーゼ調製物の説明を含む。
粉末組成物の場合、上記(b)による担体は、硫酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。ホウ酸ナトリウムの代替名は、ホウ砂、四ホウ酸ナトリウム十水和物、四ホウ酸ナトリウム、および四ホウ酸二ナトリウムである。
【0078】
粉末組成物の場合、上記(c)による緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤は、アジピン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ゼオライト、トリポリリン酸ナトリウム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択することができる。
【0079】
粉末組成物の場合、上記(d)による金属イオン封鎖剤は、クエン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アジピン酸、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択することができる。
【0080】
粉末組成物の場合、上記(e)による第1の界面活性剤は、デンプン、セルロースガム(すなわち、カルボキシメチルセルロース)、カルボキシメチルイヌリン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択することができる。
粉末組成物の場合、上記(e)による第2の界面活性剤は、エトキシル化脂肪アルコール、ラウリルアルコールエトキシレート、ココナッツジエタノールアミド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択することができる。
【0081】
粉末組成物については、上記で規定した(a)による任意の成分を、上記で規定した(b)、(c)、(d)および(e)による任意の成分と組み合わせることができる。さらに、上記で規定した(b)による任意の成分を、上記で規定した(a)、(c)、(d)および(e)による任意の成分と組み合わせることができる。また、上記で規定した(c)による任意の成分は、上記で規定した(a)、(b)、(d)および(e)による任意の成分と組み合わせることができる。さらに、上記で規定した(d)による任意の成分を、上記で規定した(a)、(b)、(c)および(e)による任意の成分と組み合わせることができる。また、上記で規定した(e)による任意の成分を、上記で規定した(a)、(b)、(c)および(d)による任意の成分と組み合わせることができる。
【0082】
非限定的な例によれば、粉末組成物は、
a.約20重量%~約50重量%のセルラーゼ調製物、例えば、約20重量%~約45重量%、約20重量%~約40重量%、約25重量%~約45重量%、約25重量%~約40重量%、約25重量%~約35重量%、約25重量%~約30重量%、約30重量%~約35重量%、または、例えば、約20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%のセルラーゼ調製物;
b.約40重量%~約50重量%の担体、例えば、約41重量%~約49重量%、約42重量%~約48重量%、約43重量%~約48重量%、約43重量%~約47重量%、約44重量%~約47重量%、約44重量%~約46重量%、約45重量%~約47重量%、または、例えば、約40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、または50重量%の担体、任意選択でこの場合、担体は、硫酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される;
c.約5重量%~約7重量%の緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤、例えば、約5.1重量%~約6.9重量%、約5.2重量%~約6.8重量%、約5.3重量%~約6.7重量%、約5.4重量%~約6.6重量%、約5.5重量%~約6.5重量%、約5.6重量%~約6.4重量%、約5.7重量%~約6.3重量%、約5.8重量%~約6.2重量%、約5.9重量%~約6.1重量%、または、例えば、約5.0重量%、5.2重量%、5.3重量%、5.4重量%、5.5重量%、5.6重量%、5.7重量%、5.8重量%、5.9重量%、6.0重量%、6.1重量%、6.2重量%、6.3重量%、6.4重量%、6.5重量%、6.6重量%、6.7重量%、6.8重量%、6.9重量%、または7.0重量%の緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤、任意選択でこの場合、緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤は、アジピン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ゼオライト、トリポリリン酸ナトリウム、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される;
d.約12重量%~約17重量%の金属イオン封鎖剤、例えば、約12.5重量%~約16.5重量%、約13重量%~約16重量%、約13重量%~約15重量%、約13.5重量%~約15.5重量%、約13.5重量%~約15重量%、約13.5重量%~約14.5重量%、約14重量%~約15重量%、または、例えば、約12重量%、12.5重量%、13重量%、13.5重量%、14重量%、14.5重量%、15重量%、15.5重量%、16重量%、16.5重量%、または17重量%の金属イオン封鎖剤、任意選択でこの場合、金属イオン封鎖剤は、クエン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アジピン酸、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される;
e.約2重量%~約4重量%の第1の界面活性剤、例えば、約2.1重量%~約3.9重量%、約2.2重量%~約3.8重量%、約2.3重量%~約3.7重量%、約2.4重量%~約3.6重量%、約2.5重量%~約3.5重量%、約2.6重量%~約3.4重量%、約2.7重量%~約3.3重量%、約2.8重量%~約3.2重量%、約2.9重量%~約3.1重量%、または、例えば、約2.0重量%、2.1重量%、2.2重量%、2.3重量%、2.4重量%、2.5重量%、2.6重量%、2.7重量%、2.8重量%、2.9重量%、3.0重量%、3.1重量%、3.2重量%、3.3重量%、3.4重量%、3.5重量%、3.6重量%、3.7重量%、3.8重量%、3.9重量%、または4.0重量%の第1の界面活性剤、任意選択でこの場合、第1の界面活性剤は、デンプン、セルロースガム、カルボキシメチルイヌリン、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される;および
f.約0.8重量%~約1.2重量%の第2の界面活性剤、例えば、約0.85重量%~約1.15重量%、約0.9重量%~約1.1重量%、約0.95重量%~約1.05重量%、または、例えば、約0.8重量%、0.85重量%、0.9重量%、0.95重量%、1.0重量%、1.05重量%、1.1重量%、1.15重量%、または1.2重量%の第2の界面活性剤、任意選択でこの場合、第2の界面活性剤は、エトキシル化脂肪アルコール、ラウリルアルコールエトキシレート、ココナッツジエタノールアミド、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、
を含み得る。
【0083】
非限定的な例によれば、粉末組成物は、
a.約20重量%~約50重量%のセルラーゼ調製物、例えば、約20重量%~約45重量%、約20重量%~約40重量%、約25重量%~約45重量%、約25重量%~約40重量%、約25重量%~約35重量%、約25重量%~約30重量%、約30重量%~約35重量%、または、例えば、約20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%のセルラーゼ調製物;
b.約40重量%~約50重量%の硫酸ナトリウム、例えば、約41重量%~約49重量%、約42重量%~約48重量%、約43重量%~約48重量%、約43重量%~約47重量%、約44重量%~約47重量%、約44重量%~約46重量%、約45重量%~約47重量%、または、例えば、約40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%、45重量%、46重量%、47重量%、48重量%、49重量%、または50重量%の硫酸ナトリウム;
c.約5重量%~約7重量%のアジピン酸、例えば、約5.1%~約6.9%、約5.2%~約6.8%、約5.3%~約6.7%、約5.4%~約6.6%、約5.5%~約6.5%、約5.6%~約6.4%、約5.7%~約6.3%、約5.8%~約6.2%、約5.9%~約6.1%、または、例えば、約5.0重量%、約5.2重量%、約5.3重量%、約5.4重量%、約5.5重量%、約5.6重量%、約5.7重量%、約5.8重量%、約5.9重量%、約6.0重量%、約6.1重量%、約6.2重量%、約6.3重量%、約6.4重量%、約6.5重量%、約6.6重量%、約6.7重量%、約6.8重量%、約6.9重量%、または約7.0重量%のアジピン酸;
d.約12重量%~約17重量%のクエン酸ナトリウム、例えば、約12.5重量%~約16.5重量%、約13重量%~約16重量%、約13重量%~約15重量%、約13.5重量%~約15.5重量%、約13.5重量%~約15重量%、約13.5重量%~約14.5重量%、約14重量%~約15重量%、または、例えば、約12重量%、12.5重量%、13重量%、13.5重量%、14重量%、14.5重量%、15重量%、15.5重量%、16重量%、16.5重量%、または17重量%のクエン酸ナトリウム;
e.約2重量%~約4重量%のデンプン、例えば、約2.1重量%~約3.9重量%、約2.2重量%~約3.8重量%、約2.3重量%~約3.7重量%、約2.4重量%~約3.6重量%、約2.5重量%~約3.5重量%、約2.6重量%~約3.4重量%、約2.7重量%~約3.3重量%、約2.8重量%~約3.2重量%、約2.9重量%~約3.1重量%、または、例えば、約2.0重量%、約2.1重量%、約2.2重量%、約2.3重量%、約2.4重量%、約2.5重量%、約2.6重量%、約2.7重量%、約2.8重量%、約2.9重量%、約3.0重量%、約3.1重量%、約3.2重量%、約3.3重量%、約3.4重量%、約3.5重量%、約3.6重量%、約3.7重量%、約3.8重量%、約3.9重量%、または約4.0重量%のデンプン;および
f.約0.8重量%~約1.2重量%のエトキシル化脂肪アルコール、例えば、約0.85重量%~約1.15重量%、約0.9重量%~約1.1重量%、約0.95重量%~約1.05重量%、または、例えば、約0.8重量%、0.85重量%、0.9重量%、0.95重量%、1.0重量%、1.05重量%、1.1重量%、1.15重量%、または1.2重量%のエトキシル化脂肪アルコール
を含み得る。
【0084】
非限定的な例によれば、粉末組成物は
a)約30重量%のセルラーゼ調製物、
b)担体として約46重量%の硫酸ナトリウム、
c)緩衝剤および金属イオン封鎖剤として、約6重量%のアジピン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ゼオライト、トリポリリン酸ナトリウム、またはそれらの任意の組み合わせ、
d)金属イオン封鎖剤として、約14重量%のクエン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アジピン酸、またはそれらの任意の組み合わせ、
e)第1の界面活性剤として、約3重量%のデンプン、セルロースガム、カルボキシメチルイヌリン、またはそれらの任意の組み合わせ、および
f)第2の界面活性剤として、約1重量%のエトキシル化脂肪アルコール、ラウリルアルコールエトキシレート、ココナッツジエタノールアミド、またはそれらの任意の組み合わせ、
を含み得る。
【0085】
非限定的な例によれば、粉末組成物は
a)約30重量%のセルラーゼ調製物、
b)担体として約46重量%の硫酸ナトリウム、
c)緩衝剤および金属イオン封鎖剤として約6重量%のアジピン酸、
d)金属イオン封鎖剤として約14重量%のクエン酸ナトリウム、
e)第1の界面活性剤として約3重量%のデンプン、および
f)第2の界面活性剤として約1重量%のエトキシル化脂肪アルコール、
を含み得る。
【0086】
液体組成物の場合、上記(b)による担体は水であってもよい。
液体組成物の場合、上記(c)による緩衝剤および/または金属イオン封鎖剤は、ギ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、プロピレングリコール、モノエタノールアミン、オレイン酸カリウム、塩化カルシウム、クエン酸、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される緩衝剤であってもよい。
【0087】
非限定的な例によれば、液体組成物は
a.約15体積%~約50体積%のセルラーゼ調製物、例えば、約15体積%~約45体積%、約15体積%~約40体積%、約15体積%~約35体積%、約15体積%~約30体積%、約15体積%~約25体積%、約15体積%~約20体積%、または、例えば、約15体積%、約16体積%、約17体積%、約18体積%、約19体積%、約20体積%、約21体積%、約22体積%、約23体積%、約24体積%、約25体積%、約30体積%、約35体積%、約40体積%、約45体積%、または約50体積%のセルラーゼ調製物;
b.約70%~約90体積%の担体、例えば、約71体積%~約89体積%、約72体積%~約88体積%、約73体積%~約87体積%、約74体積%~約86体積%、約74体積%~約85体積%、約74体積%~約84体積%、約74.5体積%~約83.5体積%、約75体積%~約85体積%、約76体積%~約84体積%、約77体積%~約83体積%、または、例えば、70体積%、71体積%、72体積%、73体積%、74体積%、75体積%、76体積%、77体積%、78体積%、79体積%、80体積%、81体積%、82体積%、83体積%、84体積%、85体積%、86体積%、87体積%、88体積%、89体積%、または90体積%の担体、任意選択でこの場合、担体は水である;
c.約0.5%~約10体積%の緩衝剤、例えば、約0.75体積%~約8体積%、約1体積%~約7体積%、約1体積%~約5体積%、または、例えば、約0.5体積%、0.75体積%、1体積%、2体積%、3体積%、4体積%、5体積%、6体積%、7体積%、8体積%、9体積%、または10体積%の緩衝剤、任意選択でこの場合、緩衝剤は、ギ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、プロピレングリコール、モノエタノールアミン、オレイン酸カリウム、塩化カルシウム、クエン酸、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される;
d.任意選択で、約0.1体積%~約1体積%の防腐剤、例えば、約0.2体積%~約0.9体積%、約0.2体積%~約0.8体積%、約0.3体積%~約0.7体積%、約0.4体積%~約0.6体積%、または、例えば、約0.1体積%、約0.2体積%、約0.3体積%、約0.4体積%、約0.5体積%、約0.6体積%、約0.7体積%、約0.8体積%、約0.9体積%、または約1体積%の防腐剤、
を含み得る。
【0088】
液体組成物は、任意選択で、上記(d)による防腐剤を含み得る。液体洗剤で一般に使用され、組成物中の微生物増殖を防止するために本開示による液体組成物に適切に含まれ得る水溶性防腐剤の非限定的な例は、以下の通りである:メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、ブロノポール、フェノキシエタノール、カプリリルグリコール、EDTA、およびProxel(商標)GXL、すなわち1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンの20%ジプロピレングリコール水溶液。
【0089】
非限定的な例によれば、液体組成物は、
a)約15体積%~約20体積%のセルラーゼ調製物、
b)担体として約74.5体積%~約83.5体積%の水、
c)緩衝剤として約1体積%~約5体積%のギ酸ナトリウム、および
d)防腐剤として約0.5体積%の1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンの20%ジプロピレングリコール水溶液
を含み得る。
【0090】
非限定的な例によれば、液体組成物は、
a)約15体積%のセルラーゼ調製物、
b)担体として約83体積%の水、
c)緩衝剤として約1.5体積%のギ酸ナトリウム、および
d)防腐剤として約0.5体積%の1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンの20%ジプロピレングリコール水溶液
を含み得る。
【0091】
液体組成物については、上記で規定した(a)による成分を、上記で規定した(b)、(c)、および任意選択で(d)による任意の成分と組み合わせることができる。さらに、上記で規定した(b)による任意の成分を、上記で規定した(a)、(c)、および任意選択で(d)による任意の成分と組み合わせることができる。また、上記で規定した(c)による任意の成分を、上記で規定した(a)、(b)、および任意選択で(d)による任意の成分と組み合わせることができる。さらに、上記で規定した(d)による任意の成分を、上記で規定した(a)、(b)および(c)による任意の成分と組み合わせることができる。さらに、液体洗浄剤に一般的に使用される任意の防腐剤を、上記で規定した(a)、(b)および(c)による任意の成分と組み合わせることができる。
【0092】
本明細書の実施例に示されるように、粉末組成物ならびに液体組成物は、(i)衣類の機械的張力を回復し、それによって衣類の再形成を達成すること、(ii)衣類の表面の毛玉を除去すること、および(iii)衣類の襟および/または端のほつれを除去することができる。
【0093】
本開示は、セルロース含有使用済み衣類を復元するための方法であって、前記方法が、
a.セルロース含有使用済み衣類と、約15%~約60%のセルラーゼ調製物を含む組成物とを、家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置に添加するステップ;
b.水および組成物の存在下で、約20℃~約60℃、例えば、約20℃、約30℃、約40℃、約50℃、または約60℃の温度で、約60分~約240分、例えば、約120分~約180分、または、例えば、約60分、90分、120分、150分、180分、210分、または240分の時間、最小300rpm、例えば、400rpm、500rpm、600rpm、700rpm、800rpm、900rpm、1000rpm、1100rpm、1200rpm、1300rpm、または1400rpmのドラム回転速度で、衣類を洗浄するステップ;
を含み、
復元が、(i)衣類の機械的張力を復元し、それによって衣類の再形成を達成すること、(ii)衣類の表面の毛玉を除去すること、および(iii)衣類の襟および/または端のほつれを除去すること、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、方法をさらに提供する。
前記方法において、セルラーゼ調製物は、本明細書の他の箇所でより詳細に記載されるように、前記セルロース含有使用済み衣類の重量の少なくとも約3.5%の投薬量で使用され得る。このような投薬量は、目視評価に基づいて、非常に重度の毛玉から毛玉のない状態まで衣類の表面の毛玉を除去する組成物の能力に寄与し得る。
上記に開示された方法において、セルラーゼ調製物は、本明細書の他の箇所でより詳細に記載されるように、少なくとも約171ECU/gのセルラーゼ活性を有し得る。このような酵素活性は、目視評価に基づいて、非常に重度の毛玉から毛玉のない状態まで衣類の表面の毛玉を除去する組成物の能力に寄与し得る。
【0094】
好ましくは、セルロース含有使用済み衣類を復元するための上述の方法に関連して言及される組成物は、本明細書の他の箇所に詳細に開示される組成物である。
セルロース含有使用済み衣類を復元するための上述の方法において言及されるセルラーゼ調製物は、例えば、セルロース含有使用済み衣類を復元するための組成物の使用に関する上記の詳細な説明に関連して、本明細書の他の箇所で詳細に説明されるような特性を有し、前記詳細な説明は、前記組成物に含まれるセルラーゼ調製物の説明を含む。
【0095】
さらに、セルロース含有使用済み衣類を復元するための上述の方法に関連して言及される復元作用は、本明細書の他の箇所に詳細に開示されている通りである。
また、セルロース含有使用済み衣類を復元するための上述の方法に関連して言及されるセルラーゼ調製物の投薬量は、本明細書の他の箇所で詳細に開示される通りである。
【0096】
上記で開示された方法は、ステップbに続く1つまたは複数の追加のステップをさらに含み得り、前記1つまたは複数の追加のステップは、
c.非工業用洗濯装置から水を排出することによってセルラーゼ調製物を失活させること、および/または
d.衣類のタンブル乾燥またはアイロンがけなどにより、衣類中の繊維を再配列すること、を含む。
【0097】
より詳細には、セルロース含有使用済み衣類を復元するための本明細書に開示される方法は、ステップbに続くステップcを含むことができ、ステップcは、セルラーゼ調製物の酵素を失活させることを含む。ステップcは、家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置から水を排出することを含む。水と共に、組成物の大部分も洗濯装置から除去される。さらに、水が排出されると、衣類がまだ入っている洗濯装置内の温度が低下し、および/またはpHが低下する。温度および/またはpHが酵素にとって最適な範囲内でなくなった場合、または酵素が機能する温度および/またはpHの範囲を完全に外れた場合、衣類(または洗濯装置内の他の場所)にまだ残っているセルラーゼは、完全に、または少なくとも部分的に、失活する。したがって、本明細書に開示される方法では、セルラーゼの活性を阻害するために衣類をセルラーゼ阻害剤と接触させる必要はない。ステップcは、水をより効率的に排出するための遠心分離プロセスを含んでもよい。ステップcの時間は、約5分~約20分であってもよい。
【0098】
本明細書に開示される方法は、ステップbに続き、場合によっては該当する場合にはステップcに続くステップd1をさらに含むことができ、ステップd1は、衣類のタンブル乾燥またはアイロンがけなどによって衣類内の繊維を再配列することを含む。好ましくは、ステップd1は、約40℃~約100℃、例えば、約50℃~約90℃、例えば、約60℃~約80℃、例えば、約40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、または100℃の温度で、最小400rpm、例えば500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、または1400rpmのドラム回転速度で、約15分~約45分、例えば、約20分~約40分、例えば、約30分の時間、衣類をタンブル乾燥することを含む。あるいは、ステップd1は、約50℃から、衣類を構成する繊維が耐えられる最高温度を含むがそれを超えない温度までの温度で、約1分~約10分の時間、衣類にアイロンをかけることを含む。例えば、綿繊維は通常、ほとんどの種類の合成繊維よりも高温のアイロンがけに耐える。綿繊維の場合、約90℃までのアイロンがけの温度を適用することができるが、一部の種類の合成繊維の場合、アイロンがけの温度は60℃を超えてはならない。
【0099】
上述のステップd1の代替として、本明細書に開示される方法は、セルロース含有使用済み衣類を復元するための上述の方法の、上述のステップbに続き、該当する場合にはまた、上述のステップcに続き、ステップd2を含み得る。ステップd2は、衣類の繊維のすすぎまたは洗浄を含む。衣類の繊維のそのようなすすぎまたは洗浄は、家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置において、すすぎサイクル(すなわち、すすぎプログラム)または洗浄サイクル(すなわち、洗浄プログラム)を実行することによって行うことができ、これは、上述の方法のステップaおよびb、ならびに該当する場合にはステップcに使用された。このようなステップd2は、任意選択で、家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置に洗剤を添加することを含み得る。ステップd2のすすぎまたは洗浄サイクルの温度は、約20℃~約40℃であってもよい。ステップd2の時間は、約15分~約45分、例えば、約30分であってもよい。
【0100】
さらに、本開示には、上述のステップa、b、d2、およびd1を、本明細書で指定される順序で含む、セルロース含有使用済み衣類を復元するための上述の方法が包含される。また、上述のステップa、b、c、d2、およびd1を、ここで指定される順序で含む、セルロース含有使用済み衣類を復元するための上述の方法も包含される。
図5は、本明細書に開示される方法を概略的に示す。一般に、本明細書に開示される方法は、少なくとも2つのステップ、すなわち、ステップaおよびbを含み、さらに、1つ、2つ、または3つの追加のステップ、すなわち、ステップc、d1、および/またはd2を含み得る。破線で描かれた矢印は、その矢印に続くステップが任意であることを示す。これはステップc、d1、およびd2に適用される。
図5はさらに、ステップbの直後またはステップcの後に、d1、d2のいずれか、あるいはd2とそれに続くd1の組み合わせを実施できることを示している。
ステップa:家庭用洗浄機および業務用非工業用洗浄機から選択される非工業用洗浄機のドラムに、復元すべきセルロース含有使用済み衣類を加える。本明細書に開示される組成物を、洗浄機の洗剤容器の主洗浄室(しばしば「II」と示されている)に加える。投薬量は、本明細書の他の箇所に詳細に記載されている通りであってよい。例えば、表4を参照のこと。
【0101】
ステップb:この洗浄ステップは、使用済み衣類から突出した繊維を除去することを目的とする。20℃、30℃、40℃、50℃、または60℃など、約20℃~約60℃の温度を含む洗浄プログラム(洗浄サイクルとも呼ばれる)を選択する必要がある。これらの温度のすべてが、現在最も一般的な家庭用洗浄機で利用できるとは限らない。しかし、現在一般的な家庭用洗浄機では、約20℃~約60℃の範囲内の少なくとも2つまたは3つの温度値が利用できるのが普通である。洗浄プログラムは、復元される衣類の繊維の種類に適したものを選択すべきである。例えば、綿製の衣類の場合、綿の洗浄サイクルを選択すべきである。本明細書の実施例で使用されるセルラーゼ調製物については、セルラーゼ活性は40℃で最適であるため、好ましい温度は40℃である。機械は水を選択された温度に加熱し、ドラムを水で満たし、その後、組成物がドラムに自動的に投入され、機械が回転を開始する。組成物は水中に分散され、組成物中の緩衝剤はプロセス全体を通して浴内に中性pH(すなわちpH7前後)を作り出し維持し、選択された温度はセルラーゼが活性化するのに適した環境を作り出す。セルロース加水分解プロセスを効率的に行うには、何らかの機械的撹拌を行わなければならない。家庭用洗濯機では、ドラム回転機による回転や、トップローディング機の撹拌機による回転が効果的であることが証明されている。洗浄サイクルの長さは少なくとも60分であるべきであり、上記でより詳細に説明したように、これはドラム回転が、必要な機械的撹拌を繰り返すのに十分な時間であることが判明した。洗浄ステップ(すなわち、ステップb)のための上記の適切な時間間隔内で、衣類の状態、衣類の重量、および組成物の投薬量に応じて、最も適切な時間を選択することができる。ステップbの間の適切な撹拌速度は、上記でより詳細に説明したように、約300~約1400rpmである。
【0102】
ドラムの回転には2つの目的がある。1つは、水中の組成物が基材(すなわち衣類)と繰り返し接触することを確実にし、それによって突出した繊維にセルラーゼが容易に近づきやすくすることである。ドラムの回転の第2の機能は、衣類の表面への繊維の弱くなった結合を壊すのに十分な機械的作用を提供することである。
【0103】
ステップc:このステップは、セルラーゼを失活または不活性化することを目的とする。ステップbの洗浄サイクルが完了すると、機械はステップcで水と組成物の両方を排出する。機能的な温度とpHが存在しないため、衣類や洗浄機内の他の場所に残っているセルラーゼは失活する。したがって、セルラーゼの活性を阻害するために衣類をセルラーゼ阻害剤と接触させる必要はない。次に、遠心分離プロセスがさらなる機械的作用をもたらし、プロセスの最後に衣類からさらに水分を抽出する。約400rpm~約1400rpm、例えば、約600rpm~約1400rpm、例えば、約400rpm、600rpm、800rpm、1000rpm、1200rpm、または1400rpmのドラム回転速度が、このステップで適用するのに適している。家庭用洗浄機での水切りおよび/または遠心分離プロセスは、通常、約5分~約20分かかる。セルロース系繊維、特に綿は水分を保持し、水分の存在下で膨張する傾向があるため、遠心分離後の状態では衣類内にまだ水が残っている可能性がある。さらに、表面に付着したり、生地構造に付着したりする残留繊維がいくらかある。
【0104】
ステップd1:残留繊維を除去し、繊維の再配列および/または収縮を達成するには、衣類を、好ましくはタンブル乾燥プロセスの形態で熱にさらす必要がある。タンブル乾燥プロセスでは、熱風が残留繊維を除去し、乾燥し、繊維構造を再配列または矯正する。タンブル乾燥機の温度は、上記でより詳細に説明したように、約40℃~約100℃であってもよい。タンブル乾燥の時間は、上記でより詳細に説明したように、約15分~約45分であってもよい。タンブル乾燥に適した上記の時間間隔内で、主に衣類の重量に応じて最適な時間を選択することができる。ドラムの回転速度は、最小400rpmとすることができる。あるいは、ステップd1は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように、衣類のアイロンがけを含んでもよい。フィブリル化がより深い構造から除去されると、生地は元の状態に戻ることができる。
【0105】
ステップd2:残留繊維を除去するために、定期的なすすぎまたは洗剤洗浄を行うことができる。衣類の種類によっては、例えば、しっかりと織られた生地の場合は、これで十分な処理となる場合がある。すすぎは残留繊維の除去に役立つだけで、形状の復元は望めないかもしれない。したがって、ニット生地はしっかりと織られた生地よりも型崩れが激しいことが多いので、ステップd2は、ニット生地の場合にはステップd1よりも不向きである。ステップd2の適切な時間間隔および適切な温度間隔については、さらに上述した。
【0106】
本明細書の実施例に示されるように、本明細書に開示されるセルロース含有使用済み衣類の復元方法は、(i)衣類の機械的張力を復元し、それによって衣類の再形成を達成すること、(ii)衣類の表面の毛玉を除去すること、および(iii)衣類の襟および/または端のほつれを除去することができる。
【0107】
本開示は、本明細書の他の箇所で詳細に記載されるような本開示の組成物を含み、家庭用洗濯装置および業務用非工業用装置から選択される非工業用洗濯装置におけるセルロース含有使用済み衣類の復元のための前記組成物の使用説明書をさらに含む、部品キットであって、復元が、(i)衣類の機械的張力を復元し、それによって衣類の再形成を達成すること、(ii)衣類の表面の毛玉を除去すること、および(iii)衣類の襟および/または端のほつれを除去すること、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、部品キットをさらに提供する。
【0108】
前記組成物の使用説明書は、本明細書の他の箇所で詳細に記載されるように、本明細書に開示される方法を実施するための説明書を含み得る。
本明細書に開示される部品キットは、(i)衣類の機械的張力を回復し、それによって衣類の再形成を達成すること、(ii)衣類の表面の毛玉を除去すること、および(iii)衣類の襟および/または端のほつれを除去することができる。
【0109】
図6は、本明細書に開示されるプロセスの全体的な機能性および効果を示す。イラストは左から右に読む。
図6のセクションA、BおよびCは、衣類の状態および特性の異なる段階を示す。より詳細には、セクションAは、新品の衣類の特性を示し、セクションBは、本開示による処理を受けていない使用済みの衣類の特性を示し、セクションCは、使用済みで復元された衣類、すなわち、本開示に従って復元された使用済みの衣類の特性に関する。
【0110】
図6(A)は、新しい衣類の非限定的な例としての新しい白いTシャツの写真である。
図6(A1)は、織られた新品の衣類の明確な糸構造を示し、
図6(A2)は、編まれた新品の衣類の明確な糸構造を示す。
図6(A3)は新品の衣類の平滑な表面を模式的に示し、
図6(A4)は新品の衣類の表面反射率を示す。
使用と洗濯を繰り返すと、
図6のセクションBに示すように、衣類は摩耗し、フィブリル化を経て、緩み、毛玉が生じる。より詳細には、
図6(B)は、使用済みの型崩れした白Tシャツの写真である。
図6(B1)および
図6(B2)は、それぞれ使用済み織物衣類および使用済みニット衣類のフィブリル化糸構造を示す。
図6(B3)は、毛羽や毛玉を含むフィブリル化表面を模式的に示し、
図6(B4)は、使用済み衣類の表面反射率を示す。フィブリル化により生地が元の形状に戻らなくなり、表面の反射率が低下する。
本明細書に開示されるセルラーゼ含有組成物で使用済み衣類を処理すると、
図6のセクションCに示すように、使用済み衣類の特性が復元する。より詳細には、
図6(C)は、機械的張力が復元された使用済み復元白Tシャツの写真である。これにより、Tシャツは再形成され、元の形状またはほぼ元の形状を取り戻した。
図6(C1)は、使用済みで復元された織物衣類の明確な糸構造を示し、
図6(C2)は、使用済みで復元されたニット衣類の明確な糸構造を示す。
図6(C3)は、使用され復元された衣類の滑らかな表面を模式的に示し、
図6(C4)は、使用され復元された衣類の表面反射率を示す。
【0111】
要約すると、
図6は、本明細書に開示される組成物、部品のキット、使用および/または方法が、衣類の機械的張力の復元、衣類の表面の毛玉除去、衣類の表面反射率の復元など、使用済み衣類のいくつかの特性の復元をもたらすことを示す。
【実施例】
【0112】
実験セクション
実施例1
粉末組成物
粉末(より詳細には、顆粒または顆粒化粉末)の形態の組成物を調製した。この粉末組成物は、
a)30重量%のセルラーゼ調製物、
b)担体として46重量%の硫酸ナトリウム
c)緩衝剤および金属イオン封鎖剤として6重量%のアジピン酸、
d)金属イオン封鎖剤として14重量%のクエン酸ナトリウム、
e)第1の界面活性剤として3重量%のデンプン、および
f)第2の界面活性剤として1重量%のエトキシル化脂肪アルコール
を含んでいた。
組成物に含まれるセルラーゼ調製物は、中性セルラーゼの調製物であるMazyme(Aquitex、ポルトガル)であった。これらの酵素は20℃ですでに活性を示し、少なくとも60℃までは活性であるが、その最適活性は約40℃である。酵素はpH5.5~8.0で働く。このセルラーゼ調製物中の酵素の活性レベルは8200CCU/gである。
【0113】
実施例2
液体組成物
液体の形態の組成物を調製した。この液体組成物は
a)15体積%のセルラーゼ調製物、
b)担体として83体積%の水、
c)緩衝剤として1.5体積%のギ酸ナトリウム、および
d)防腐剤として0.5体積%の1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンの20%ジプロピレングリコール水溶液
を含んでいた。
液体組成物に含まれるセルラーゼ調製物は、中性セルラーゼの調製物であるMazyme Liq(Aquitex、ポルトガル)であった。これらの酵素は20℃ですでに活性を示し、少なくとも60℃までは活性であるが、その最適活性は約40℃である。酵素はpH4.5~7.5で働く。このセルラーゼ調製物中の酵素の活性レベルは19500CNU-LTC/gである。
【0114】
実施例3
粉末組成物の使用による使用済み衣類の復元
実施例1による粉末組成物を、セルロース含有使用済み衣類の復元に使用した。
【0115】
試料の選択
試験のために選択した衣類の試料は、個人的な試料か、中古店から特別に購入したものである。この選択は、本明細書に開示される製品による処理に関連する衣類のほとんどの側面および種類をカバーするために戦略的に行われた。
- 衣類の種類:ウーブンシャツ、ニット、ジャージTシャツ、デニム
- 生地構成:使用した生地構成は、ウーブン、ファインゲージジャージ、ヘビーゲージニットの両方を含んだ。
- 生地重量:衣類の重量は70グラム/着から450グラム/着の範囲であった。
- 組成:試験では、綿100%、綿/ポリエステル混合物、綿/麻混合物、綿/リヨセル混合物、および綿/ビスコース混合物からなる衣類を含めて、幅広い衣類を混合した。
- 知覚品質:実験に使用した衣類は、高品質で知られるブランド衣類から、低価格で低品質の素材を用いた衣類まで様々であった。
- 状態:実験用に選択した衣類の状態は、わずかに着古されたものからかなり着古されたものまで様々であった。
衣類は様々な消費者の使用済み衣類から選択され、テストされた衣類の製造に使用されたプロセスに関する情報は得られなかった。
【0116】
表面外観
- ラボ試験条件
- 選択した衣類から10cm×10cmの試料を切り出した。
- 試料表面の毛玉のグレードは、ASTMインターナショナルの毛玉の標準スケールと比較して、5人からなるパネルによる生地の目視評価に基づいてランク付けした。グレード1からグレード5までの範囲があり、グレード5は毛羽立ちや毛玉がなく、生地の質感がはっきりと明らかなきれいな表面に相当する。グレード1は非常に重度の毛玉や毛羽立ちに相当する(表1および
図3参照)。
- 試料の端または部分(本明細書の別の箇所で定義される)のほつれのグレードは、ほつれに関する本発明者の内部基準と比較した生地の目視評価に基づいて、5人からなるパネルによりランク付けされ、その範囲はグレード1からグレード4までで、グレード4は端または部分のほつれがないことに相当する。グレード1は端または部分の重度のほつれに相当する(
図4参照)。
- 各衣類からの少なくとも1つの試料を、セルラーゼを含む本明細書に開示される組成物で処理した。また、各衣類からの少なくとも1つの試料、すなわち、セルラーゼを含む本明細書に開示される組成物で処理しなかったが、それ以外は処理した試料と同じ条件に供した試料を対照として使用した。
【0117】
重量減少
- 試料の重量減少は、相対湿度60%の条件下で24時間、酵素処理前後の試料の重量を測定することにより、以下の式1を用いて測定した。
- 重量減少(%)=[(Wm-Wd)/Wd]×100 (1)
- Wd:処理後の試料の重量(グラム)、Wm:処理前の試料の重量(グラム)
【0118】
洗濯装置
実験に使用した洗浄機は、家庭用洗浄機、より詳細にはエレクトロラックス・パーフェクトケア700自動機(エレクトロラックス、スウェーデン)である。
【0119】
方法条件
方法は、
図5に関連して一般的に上述したように実施した。
方法のステップaで添加される粉末組成物の投薬量は、セルロース含有衣類100g当たり少なくとも約12gの粉末組成物であり、生地重量の少なくとも約3.5%のセルラーゼ調製物の投薬量に相当した。
ステップbの間、実験のために選択された温度はそれぞれ40℃および60℃であり、pHは7付近、すなわち、組成物に含まれるセルラーゼ調製物の酵素にとって最適な温度およびpH範囲内に維持された。各衣類の繊維の種類に応じて、異なる洗浄サイクル(すなわち、異なる洗浄プログラム)を異なる衣類に使用した(例えば、それぞれ綿繊維、合成繊維、および混合繊維用の洗浄サイクル)。
【0120】
結果および考察
本明細書に開示される粉末組成物および方法を適用した結果を、
図7、8、および9の写真に示す。
図7は、綿100%のヘビーゲージニット衣類の前後の結果を示している。衣類には、処理前はグレード3の毛玉があり、袖口の端にほつれがあった(赤い楕円で示され、くすんだ色合いで緩い形状)。本明細書に開示される組成物および方法を適用した後、表面はきれいに見え、色はより明るく見え、袖口は元の形を取り戻し、ほつれは取り除かれた。乾燥後、衣類は水分含有量の多くを失うため、水分含有量を取り戻すには24時間放置する必要がある。復元の前後で袖口と袖の寸法を測ったところ、復元前は袖口の下端の幅が15cmであったのに対し、水分を取り戻した復元後は袖口の下端の幅が11cmであった。一般に、長さまたは幅の測定値という点での形状復元は、衣類の状態、構造、および構成に基づいて、衣類ごとに異なる。
図8は、綿100%のジャージの衣類の前後の結果を示している。衣類には、処理前はグレード1の毛玉があった。本明細書に開示される組成物の使用後、毛玉は減少し、構造的な透明性は増加した。
図9は、復元前の毛玉評価1(すなわち、グレード1)を有する衣類のプリント領域の復元の結果を示す。復元プロセス後、組成物および方法の毛玉除去効果により、プリントはより鮮明になり、表面はきれいで滑らかになる。
【0121】
実施例4
液体組成物の使用による使用済み衣類の復元
実施例2による液体組成物を、セルロース含有使用済み衣類の復元に使用した。
本実施例では、方法のステップaで添加される液体組成物の投薬量が、セルロース含有衣類100g当たり少なくとも16gの液体組成物であり、生地重量の少なくとも約3.5%のセルラーゼ調製物の投薬量に相当することを除いて、すべての試料、装置、方法条件および試験条件は実施例3のものと同一であった。
液体組成物による処理により、実施例3に記載したものと同様の結果が得られた。
本開示は、その上述の例示的な実施形態に限定されず、本開示のいくつかの考えられる改変が、以下の特許請求の範囲内で可能であることを理解されたい。
【0122】
参考文献
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Elder, H. M. (1978). Wear of textiles. Journal of Consumer Studies and Home Economics, 2(1): 1-13.
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Marjan Barakzehi et al. (2016). Effect of the fabric color on the visual perception of pilling. International Journal of Clothing science and technology, 28(5): 612-623.
Novozymes (2021). Novozymes BioPolishing. Retrieved January 7, 2021, from https://www.novozymes.com/en/advance-your-business/textiles/biopolishing/.
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【国際調査報告】